商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/05/26
会議録
○伊藤(卯)小委員長 これより会議を開きます。 総合燃料対策並びに地下資源開発に関し調査を進めます。まず政府委員より説明を求めます。岩武政府委員。
○岩武政府委員 お手元に「エネルギー総合対策」というものをお配りしてあると思いますが、それが今委員長のお話のございました総合燃料対策に当るものでございます。燃料という言葉よりも、エネルギーとしまして換算してみた方がいいだろうということで、エネルギーという文句を使ったわけでございます。逐次御説明いたしますと、初めのところの前文でございますが、一つは、できるだけ国内のエネルギー資源を有効に開発して利用するのだ、足りないものを輸入に待つというような意味で、国内資源を重点に考えるのだということが、初めの文句の意味であります。その次のことは、これはそういうふうな方向でいきまして、エネルギーは相互に互関性がございますから、総合的な視野に立ってこの問題を扱わなければいけないということと、それについては、国内資源についてはできるだけ良質、安価に確保し得るような手を打つ必要がある、それから使用の面につきましても、合理的に各エネルギー資源の特質に応じてこれを使用することが必要である、またそれを消費効率を上げて、有効に使う必要があるというふうな点を明示したわけであります。それで最初の「総合需給見透しの策定」というのですが、こういう見地から将来にわたりまして、やや長期的な視野から各種のエネルギー資源の需給見通しを立てる。それからただいまお手元にもう一枚横刷りの表をお配りしてあると思いますが、これはわれわれ考えました将来のエネルギーの構造の一応の試算でございます。試算と申します意味は、これは本来ならば経済審議庁の六ヵ年計画あたりで、十分に検討して取り上げるべきはずでございますが、現在までその運びになっておりませんので、とりあえず通産省といたしまして経済審議庁の事務当局の方と連絡いたしまして、一応実質的に向うと話がついておる数字でございます。 これを簡単に御説明いたしますと、左の方にエネルギーの各種類があがっております。石炭、電力、石油製品、亜炭、天然ガス、薪炭材と、こういうようになっております。おのおのにつきまして国内の生産から幾ら、輸入に幾らを依存するという計算をしまして、それを六千二百カロリーの石炭に換算する。石炭をたとえて申しますと、昭和二十九年度には国内産炭が四千二百九十万トン、これは消費のベースでございます。それに輸入炭が三百十七万トン、合計しまして四千六百七万トン、これをカロリー換算をいたしますと、四千三百九十四万四千トンになる。全体のエネルギーのうちの比率は四一・七%になるというのがこの表でございます。 その次の電力でございますが、電力は水力と火力とあるのでございますが、火力の方の石炭は、上の石炭の方に計上してありますから、水力の分だけをエネルギー源として考えております。昨年は水力で発電炭におきまして四百六十億キロワット・アワーで、これを石炭に換算いたしますと三千五百三十八万トン、全体の構成の比率としましては三三・五%というわけであります。なお火力はその下に参考に書いておきましたが、発電炭で百三十九億キロワット・アワーというようになるわけであります。合計しまして電力は五百九十九億キロワット・アワーの生産を見たというのがこの表でございます。 それから石油でございますが、石油は御案内のように製品として見ますれば、国内の原油から生産いたしましたものと輸入の原油から生産したもの二つあるのでございまして、合計しまして六百九十二万四千キロリットル、これに輸入が二百五十八万九千リットル、合計しまして九百五十一万三千キロリットル、石炭に換算いたしますと千四百六十三万五千トン、全体の構成比は十三・九%でございます。 その次の亜炭でございますが、亜炭は昨年百四十三万八千トン、カロリー換算いたしますれば七十七万六千トン、〇・七%という構成比であります。 天然ガスが一億四千万立方メートルでありまして、石炭に換算しますれば十七万二千トン、〇・二%の比率でございます。 薪炭材でございますが、これは農林省の統計によりまして薪炭材として伐採供給されましたものを石炭に換算いたしますと、原木の石数で九千八百三十九万石、石炭換算が千五十九万トン、構成比が一〇%、合計しまして総エネルギーの消費量が、石炭換算一億五百四十九万七千トンになるわけでございます。これを国産と輸入との比率に分けますれば、国産の方が八二・九%で、輸入エネルギーの方が一七・一%ということになるのであります。おのおの換算の比率はその備考欄に書いておりますが、この比率につきましてはいろいろ換算の仕方がございますが、現在資源調査会で最も科学的だというやり方で計算しておりますこの方式を踏襲しておるわけであります。 このエネルギーの全体の構成が今後どうなるかという一応の見通しを申し上げますれば、三十五年度という一番右の欄をごらん願いますれば、石炭は国内炭が五千万トン、輸入炭はむしろ押えまして二百八十万トンで間に合せて、合計五千二百八十万トンの需要程度ではないか。それで全体のエネルギーの構成比率は、これはあとから電気の方で申し上げますが、電気の方は若干ふえて参りますので、石炭はやや比率が落ちることになるのではないか、こういう見通しでございます。ただ石炭の方は火力発電の関係がございまして、一応われわれは水力の方を将来の開発計画の完成後の形を考えてここに計上してございますが、これで想定しておりますほどの水が出ないということになりますれば、石炭の方はもう百万トンか百五十万トンは需要がふえて参ることになるかと存じております。 それで電気の方でございますが、水力の方は現在進めております開発計画が三十五年には一応完成いたしまして、稼働の運びに相なりますので、こういうふうに四百六十億キロワット・アワー程度になりまして、全体の構成比も上ってくるわけでございます。なおこのときを基本の昭和二十九年度に比べますと、三割の増加になるわけであります。それから石炭の方は一割五分の増加ということになりまして、その関係から全体のエネルギーの消費量はともにふえますが、石炭のふえ方の方が水力よりもやや劣りますので、全体の構成比はやや下るというのがこの表でございます。 それから、その次の石油の方はこの表には詳しく掲記しておりませんが、ガソリン関係は将来の車両の増加傾向等から考えてみますと、相当増加して参ります。おそらくガソリンは、二十九年度に比べて百三十万キロ、六割近くふえるような傾向でございます。従いまして石油製品の消費量等も全体としては千二百万キロ、二十九年度に比べまして二七%の増加に相なります。重油の方は、これは後刻対策の方でも御説明いたしますが、転換あるいは消費量の節減等の措置を講じまして、二十九年度に比べましてほとんどふえない、わずか十万キロ程度の増加でまかなえるのではないか、こういうことで、この石油製品の増加の内容は、ガソリンとその他の灯軽油が若干ございますが、そういうものだと御了承願いたいと思います。 それから亜炭でございますが、亜炭はあまり大きな動きが将来あるとも実は考えられませんので、一応五カ年後に十万トン程度の増加にとどまるのではないかというふうな見方でございます。 天然ガスは、現在方々にいろいろな試掘あるいはすでに稼働に入っているものもございますが、これは通産省といたしましても大いに力を入れて開発に努めたいと思いますが、約三倍近くの生産に相なるのではないかという見通しでございます。 薪炭の方は、これも後刻申し上げますが、御承知のように薪炭材をあまり盛んに伐採して消費いたしますと、山森荒廃のもとになりますので、これは極力節約をはかりますとともに、代用の燃料等を用いまして、できるだけこの増加を抑制して参りたいというのが一貫した考え方でございますので、この程度の増加にとどまるのではないかというふうな考え方でございます。 全体といたしまして、合計欄にございますように、エネルギーの消費量は三十五年度におきまして約二割の増加に相なるのではないかと考えております。しかしながら国産と輸入との比率を見ますると、ここにございますように、国産の比率がわずかながら上って参りまして、輸入の方は減って参るということになるわけでございます。ちょっと落しましたが、国産の増加して参りますうちに、石油のところでございますが、国産の原油は一応百万キロリットルと考えております。石油五カ年計画の数字そのまま採用しておるわけであります。 この五カ年の先のことを経審の六カ年計画との関係でいろいろ考えてみますると、その間の鉱工業生産の増加は、エネルギーの増加よりもさらに高いのでございまして、約四割近い鉱工業生産の増加を見るような考え方になっておりますが、その基礎に立ってはじいてみますと、大体エネルギーはこの程度でまかなえるように一応考えております。なおこれは試算でございますから、もう少しこまかい数字をつき合わす必要がございますが、一応こういうふうな試算で将来のことを考えてみたわけでございます。これが総合対策の一の総合需給の見通しの問題でございます。 では、その各エネルギー資源について、どういう対策をとるかというのがその次の問題でございます。最初に石炭でございます。石炭につきましては、数回当委員会におきましていろいろ御説明、御質疑等がございましたように、第一の問題としまして、やはり国内産の炭価を輸入資源に比べて十分に匹敵し得る程度まで下げる措置を講ずるということが第一点でございます。これは詳細は省略いたしますが、そのためには非能率な炭鉱の整理あるいは坑口の開設の制限ということも必要かと存じております。別途法案を用意いたしまして、多分明日閣議決定になりまして、不日当委員会の御審議をお願いすることになると存じております。 それからなお石炭問題としましては、ここに書いてございまするように、エネルギー資源をより合理的に使用するという問題がございまして、輸入資源に依存しなくても国内資源で十分間に合う用途はできるだけ国内資源で間に合わせるというような考え方からしまして、重油の使用を抑制して参りたいというふうに考えております。この問題としましては、重油を使用いたしまする施設のうちで、特に石炭に転換しますことが比較的容易であるものにつきましては、この際新しい設備の新設、改造はもちろん、現在あります施設につきましても改造を促進して参ろうということで、これもボイラー等の転換促進に関しまする法律案を用意してございます。これも近く当委員会の御審議をお願いすることになるかと存じております。ただこれにつきましては、御承知のように内燃機関、ことに舶用内燃機関等につきましては、実際問題といたしまして、これは石炭に転換することはできませんし、それからいろいろな産業施設のうちで、特に各種の炉等につきましては、相当巨額の転換資金を要しましたり、あるいはいろいろな施設の環境等の関係がございまして、一律に全部石炭に切りかえるということは、言うべくして案は非常に困難、というよりは、むしろ不可能に近いものがあることは御承知の通りであります。目標の重点をボイラーに置きまして、現在ありまする石炭たきのボイラーを極力重油に転換して参りたいという、ふうに考えております。またそのためには、必要とあらば資金のあっせんあるいは税の軽減等もはかりたいということで、必要な法案を用意しているわけでございます。それからなお石炭の問題としましては、需要を喚起して、石炭の出炭規模を維持して参るという問題もございますので、この3にありますように、低品位炭の発電の問題は、いわゆるボタ発電と称するものでございますが、現在常磐地方あるいは九州地方にはそれぞれ二、三の計画も進捗しておるわけでございます。これらも財政投資等によりまして極力推進して参りたいと思います。また石炭の完全ガス化、これもドイツあたりではいろいろな方策があるようでございますが、わが国におきましても、御承知のように硫安製造用の装置としまして、この問題を一つ取り上げて、現在企業化の段階にあるわけでございます。またその他のやり方につきましても極力検討いたしまして、進めて参りたいと考えております。それから、いろいろな化学原料あるいは製塩あるいは家庭燃料、そういった面の利用も促進して参りたいと考えております。家庭燃料の問題はあとから出まするが、普通のなまのままでたきまするほかにいろいろ練炭、豆炭等の方法もございまして、ガスの普及しない都市等におきましてこの方面の需要を開拓いたして参りたいというふうに考えております。 それから、石油の問題でございます。石油は、これはまず第一に国内資源の開発を促進しまして、できるだけ輸入の製品を押えるというのが第一着手でございます。このためにはもう数回、いろいろ御質疑等ございましたように、石油試掘の五カ年計画を進めまして、有望な含油地帯の試掘を進めまして、五カ年後に百万キロリットルの原油の生産をやりたいということで、このために、現在も予算上助成の措置を講じておりますが、なお有効適切な施策がございましたら、私たちとしましては十分進めて参りたいと考えておるのでございます。それから2の、石炭との消費分野の調整の問題でございます。これは先ほど申し上げました石炭とうらはらの問題でございますので、詳細は省略いたしまするが、要するに転換可能な施設でありまするボイラーに重点を置きまして、転換を進めて参りたいということでございます。 それから、天然ガスの問題でございます。これは先ほど総合需給として申し上げましたように、各地にいろいろなガスの徴候のある地帯もございまするし、また現に確実に埋蔵量を確認しているという地域もございますので、この探査あるいは利用を促進して参りたいと考えております。現に今日におきましては、この関係の審議会を開いておるのでございます。それから利用方面でございまするが、都市のガスの問題、これが一番手つとり早い問題であり、また現在も相当行われておりまするが、なおこれを一そう促進して参りたいということであります。それから、ガス化学の方。このガスは、いろいろな方式によりまして、水素源にも利用できますし、またメタノールあるいは窒素源としてもこれが利用できるかと考えております。現在この関係の企業化も、若干その実を結んでいるというわけでございますので、そういう方面の需給関係とにらみ合せまして進めて参りたいと考えております。 それから都市ガスの問題でございますが、これは実は家庭燃料の対策といたしまして、従来のように、木炭あるいはまきに依存する態勢は、結局は森林資源の枯渇の問題となりまして、将来の森林政策上ゆゆしき問題であるということは、これはもうこの戦後数年来いわれている問題でございます。これにつきましては、資源調査会の勧告もございまして、都市についてはガスの拡充をもってこの家庭燃料をまかなうべきだ、農村については改良かまどの普及によって薪炭材の節約をはかるべきだというのが、勧告の大体の骨子であります。これは三、四年前に出たのでありますが、その線に沿いまして、通産省といたしましても、都市のガスの拡充につきまして五カ年計画といった形のものを策定いたしまして、財政資金のあっせんその他を行なっておるわけでございます。御参考までに申し上げますならば、現在ガスの需給戸数が二百万戸あります。供給量としまして十七億立方メートルでございますが、これを各年一割五分ずつくらいの供給量をふやしまして、戸数にしましても、でき得れば二十万戸ずつくらい毎年ふやして参りたいということで、現在せっかく進めておる次第でございます。なおこの2にありまするように、石炭ガスが基本になることは当然でございますが、あわせて天然ガスを利用する、これはもちろんでございます。なおいろいろ石油のガス等を利用するという行き方もございまするが、これは石油の輸入等の問題もございますから、できるだけ石炭ガスの完全利用という形を中心にして考えたいと考えております。オイル・ガスの問題は、あまり拡張したくないというふうな考え方でございます。 それから電力でございます。電力の問題は二つありまして、一つは需用の増加にどういうふうに対処して参るかという問題と、もう一つは料金をできるだけ安くするという二つの問題があるわけであります。初めの問題につきましては、すでに電力開発の五カ年計画等もございまして、今後五カ年間に四百六十万キロの開発を行う予定であります。これは大体大別しまして約二百六十万キロが水力で二百万キロが火力でございます。水力の問題点は御承知のように、大規模な、しかも調整能力のある発電所にする、これは当然でございまして、現在もその方に進んでおりますが、裏を返して申し上げますれば、流れ込み式の小さい発電所は料金原価も上りますからできるだけ避けて参るということでございます。それから火力の方につきましては、あるいはすでに御承知だと思いますが、現在あります日本の火力発電のうち、相当部分、約二百八十万キロ程度でございますが、非常に古い発電所で、年数もたっておりますし、また熱効率も悪くて、たしか一〇%台だと考えておりますが、これでは困りますので、新しい能率のいい発電所に取りかえて参るというのがねらいでございます。ここに新鋭火力という言葉がございますが、新鋭火力というのは一体どの程度のことを言うかという問題もございますが、大体の考えとしましては、やはり圧力が九十気圧前後あるいは百気圧程度のものもありますが、その前後のもの、温度も五百度を越すようなもの、こういうふうなものにしますと、熱効率も三〇%台まで上りまして、石炭資源を有効に利用して、しかもコストも下るというふうな高性能の発電所も現在すでに進捗中でございますが、なお老朽火力の更新とにらみ合せまして、この問題を進めて参りたいと考えております。それからなお低品位炭の問題は、これは産炭地におきます各種の品位の低い石炭あるいはぼた等をその場所でできるだけ利用したいと考えております。これも所要の財政投資の援助をしたいと考えております。その次の問題は料金を安くするという問題でございますが、これは当委員会でももう数次にわたりまして御議論がございましたから省略いたしますが、要するに各種の措置を講じて参るというより方法がないわけでございます。 それから薪炭の問題でございます。これは私あまり専門でございませんので詳細な説明は省略いたしますが、ここにございますように、家庭燃料の使用合理化の問題としまして、都市ガスあるいは練豆炭、つまり石炭系の燃料を中心にして参る、それから農村はかまどの改良問題があります。これはたしか一昨年ぐらいまでは農林省の方でも若干の補助が出たようでございますが、これで薪炭材の節約をはかって参るという問題がございます。 以上の諸対策につきましては、いろいろ金融上の問題あるいは税法上の問題等もございますから、これはその問題問題につきまして解決して参るということ、それからあわせまして石油関税の復活の問題がございます。これは御案内のように国内の原油の開発と石炭の合理化対策の一環でございまして、すでに大蔵委員会に付託されていることは御承知の通りでございます。 それから将来の問題としまして、今後日本の石炭の確定埋蔵量あるいは民力資源の問題を考えますと、どうしても二十年、三十年光にはやはり原子力のエネルギーというものを考えに入れざるを得ないのではないかということでございます。そこでこの原子力を発電その他の平和的なエネルギー源といたしまして利用できますように、現在からすでにその具体的な研究利用の問題と取り組んでおく必要があるかと存じまして、御承知のように濃縮ウラニウムを受け入れる問題あるいは国産の第一号の実験炉を作ります問題等も急速に進めて参りたい、こういうふうに考えております。一応説明を終ります。
○伊藤(卯)小委員長 これより質疑に入りますが、質疑の通告がありますので通告順にこれを許すことにいたします。長谷川四郎君。
○長谷川(四)小委員 薪炭の方は官房長の御専門でないから御専門の方から一つお聞きしていきますが、総合エネルギー対策を立てる場合に、価格すなわちコストが基本として立てられておるように考えられない。まずコストが第一義でなければならないと思う。こういうことを作るのはだれでも作れるのであって、言うことでなくて中小商工業者が今日一番大事に考えておることはすなわち炭価であります。そのコストをまず考えるならば、これらの総合対策をお作りになるのにコストをどういうふうにお考えになって作られたかという点を御説明願います。
○岩武政府委員 コストの問題で各エネルギー資源につきましていろいろ問題があることは御承知の通りでありますが、その中で一番問題になりますのは石炭と重油の関係であろうと思います。それで石炭の方の問題といたしましては——現在重油がシフ価格といたしまして大体カロリー八十銭弱ではないかと存じております。石炭の方は消費地、阪神あるいは京浜等におきまして九十銭を越している状況かと思います。それでこの両方の資源を消費地におきまして円滑に使用するにはどうしたらいいかということがあります。これは片一方石炭のコストを下げて参る方法と、それから重油の価格を上げて参る方法と両方あるわけであります。それで現在はこの対策にうたってありますように、石炭の方をさらに一そう合理化いたしまして、カロリー当り八十銭そこそこまではなるように山元コストを下げるために合理化のいろいろな措置を講じて参りたいというのが石炭の合理化法案の内容であります。一方重油の方を若干上げるという問題がございます。これは重油のシフ価格の中で三割前後のものが船運賃でございます。現在船運賃が相当下っておりまして、一ころに比べますと約三分の一くらいだと思います。それでこの船運賃を基準として申し上げましたのが先ほどの数字でありますが、船運賃が上れば石炭との関係は比較的石炭の方に歩がよくなるのでありますが、他力本願ということを考えてはいけませんので、現在の船運賃を基礎にいたしまして、若干重油の価格を寄せて参る、これの適切な方法といたしましては現在停止されておる石油関税をある程度賦課して参るというのがこの考え方であります。
○長谷川(四)小委員 どういうために通産省があるのか私はその判断に常に苦しんでおるのであるが、通産省が進んで税金をとらせようとすべての魂胆を続けておることは争われない事実であります。これがために中小企業者という企業者がどのくらい大きな悩みを続けておるかということは御承知の通りであります。さらにまたこういう総合対策を立てただけで一歩も踏み入れていない今日において、一方の石油に税金をかけて値上げさしておいて炭価を据え置こうなどという考え方は、果して通商産業省でとるべきことであるかどうか。通商産業省というのは何のためにできているのか、その概念をお聞かせ願います。
○岩武政府委員 石炭の値段も大幅に下げますように、山元のコストを切り下げるように、縦坑の開発とか坑内の機械化だとかいうことを強力に進めて参りたいというのが石炭の合理化の力の問題でございます。なお石炭のコストが下り、消費地の価格が下りますれば、これまた中小企業に相当な好影響があることは御存じの通りでございます。なお日本の石炭が国際的に見て高い高いと言われておりますのはいろいろな理由がございますが、やはり石炭の賦存の条件あるいは坑内の開発の条件、そういうふうにいろいろ条件が非常に悪化しておるというのが一番の大きな原因でございます。そのために一人当りの出炭能率も上りませんし、またいろいろな具体的な経費もよけいかかるというのがこの石炭の問題でございまして、まずこの石炭の方を大幅に下げるようにあらゆる手を打って参ろうというのが石炭の合理化でございます。重油の方を上げますことは中小企業にも若干影響があると存じまするが、しかしそう重油の方から積極的に歩み寄ろうという大幅な措置を講ずるわけではございませんので、むしろ石炭の方を下げるという措置に重点を取りたいと思っております。
○長谷川(四)小委員 とんでもないお話です。石炭を合理化するためにという名目で、不良炭鉱を五カ年間で八十億の費用を出して買いつぶすとかいうお話を承わっておる。その八十億のうち石炭業界が四十億、開銀の融資、金利の引き下げ等で四十億、これを捻出するという。こういうことで炭価を引き下げるのだ、それは五カ年計画ということであって、五カ年たたなければこういうもの——しかし先ほどの説明を伺いますると、三十五年には幾らかコストが下るであろうということであります。今日本の現実の姿がどういうものであるかということを一番よく知っておるのはあなた方でなければならない。産業を振興しなければならない、従って輸出を最も重点的に行わなければならないのでありますが、いかなる産業であっても一番大きな影響があるのはまず燃料であります。もう一つは運賃であります。これによって引き合うか引き合わないかというのがきまってくるわけなのであります。こういうときに当ってその基本と基礎となるべきところのエネルギーの値上げをされて、中小商工業者というものはどういう道をたどらなければならないか。また新たにたとえば先ほどのお話のように重油の規制を行おうという。中小企業者が規制を行われるということは争われない事実といわなければならない。あなた方が大企業に手を入れて、そして大企業を抑制するのだなどということは、今後がそうだというのであって、現に今やろうという考え方があなた方にありっこはない。こういうわけで砂をかぶるのは全部中小商工業者であるということになる。五年先にやるであろうというにすぎない。もしこれだけのことをやろうとするなら、石炭から始まって資源の開発をするのにあなた方は一体幾ら予算を組んであるのか明らかにしなさい。そんなことで資源の開発ができるかできないか、あなた方の予算を出してごらんなさい。
○岩武政府委員 いろいろお話がありましたが、中小企業の方の重油の消費調整の問題は、これはまだ法律案を具体的に御提案しておりませんので、あるいは長谷川委員御承知ないかと思いますので御説明いたしますると、微量需要というふうな、いわば中小企業的な消費量の少いものに対しましては、消費の調整あるいは転換といったものは行わないということで法文にも出ておるわけであります。これは微量需要をどの数字で押えますか、検討中でございますが、月の消費量を単位としてきめたいと思っています。こういうものに対しましては重油の消費調整ということの影響を受けさせないようにしたいと考えております。その点も法案に明記しているわけでございます。それからこれらの措置に要しまする財政的の裏打ちであります。これは予算の組み方はいろいろ違いますが、石油の方は三億の補助金を計上いたしておることは御承知の通りであります。石炭の方はこれは主として開発銀行からの融資になるわけであります。開発銀行で本年度は六十億ないし七十億の資金融通を行いたいというような計画で進んでおるわけであります。一応直接的な財政面からの援助は以上の通りでございますが、なお石炭の合理化の問題につきましては他にいろいろの措置もあわせて講じたいと考えております。
○長谷川(四)小委員 私はあなた方が作って出す規制法にしても、関税にしても賛成をするのにやぶさかではありません。しかしながらあなた方の御計画でいくならば、この法律実施は五年後でなければならない。それは今作ることはけっこうです。そしてこの法律が効力を発するのは五年後だ、これならば私は納得できます。中小商工業者を先にいじめるだけいじめておいて、法律だけは五年後なんだ。あなたはよもやお忘れではありますまい。昭和二十八年十二月二十八日、あなたは私に石油開発に幾ら出しますとあなたの部屋で話しております。少くとも六億か七億は何とかいたしたい、努力いたします。必ずやります。そのとき政府は十億予定しておったはずです。私は終始一貫これに向ってあなたと交渉した。ところがあけてみたら驚くなかれ、正月をして帰ってきたら一億一千七百万、これだけの費用である。それで五カ年計画が十分やれるかと私は質問をしたことがあります。今日三億であなた方はやれるとおそらく考えておりますまい。そこで三億でもやれない。こういう税金を取り立ったならば、それが開発に向うというならともかく、全部あなたの考えは一つもやってない。大蔵省に対してあなたの意見は通っておらない。私はあなた方の出す一切のものは全部反対であります。反対だから申し上げるのではないのでありまして、要はこの法律は今作ってもよいけれども、五年後でなければこの法律は有効でないということだけは認めてもらわなければならぬ。これをうたってもらったら賛成できると思います。ボイラーを規制するというが、中小商工業者はボイラーを作るときに何で作ったとお考えであるか。石炭より安いから、便利でよい、石炭の置き場を新たに作らなくてもよいのだ、そういう点から重油というものが今日活用されておるはずである。しかも政府はそれに向って奨励をした。それを今度は勝手に規制をされて、あなた方が犠牲者になって転換する者全部の費用を出すわけでもありますまい。こういうことでは私どもは何としても納得するわけにいきません。たとえば天燃ガスの対策につきましても、天燃ガスをこのくらい簡単なことに考えておる。私どもはあなた方の説明で納得できるものではない。日本の天然ガスというものがどのくらいあるかということもあなた方は知っておらなければならない。日本の天然ガスを石油と相並行していかに活用していくかということにもっと重点を置いていなければならぬ。それにもやはり金がかかるが、予算が組んでないというわけである。こういうようなすべての点について欠陥だらけであって、これは一夜作りというわけでもありますまいが、これが燃料エネルギー対策でございますなんといって出されたところで、さようでございますかと言ってわれわれはこれに賛成するわけにはいかないのでありまして、まず重油と石炭のこの問題は、あなた方が石炭を五年後に幾らにするか知らないけれども、この値段にする前に、それではことしは去年より幾ら値下げをして石炭を使用させるつもりであるか、この価格をお知らせ願いたい。
○岩武政府委員 石炭の価格を、先ほど私五ケ年後の目標を申し上げたわけでございます。もちろん五カ年たって初めてどかんと下るというわけではございませんで、合理化してコストが下るに従いましてだんだんと価格を下げて参りたいということは当然でございます。この石炭の合理化法案の中にも、御承知かと存じますが、毎年度に標準価格というものを設けまして、合理化の進捗度に合わせまして、毎年だんだんに下げて参るというのがねらいでございます。本年度幾らになりまするか、まだ法律も実は通っておりませんので、標準炭価を幾らにきめますか見当がつきませんが、いずれにいたしましても実際のコストの下り状況と、それからその他のいろいろな燃料の価格との競争関係等も考えまして、だんだんに下げて参りまして、最終の目標は先ほど申し上げましたように、消費地で重油と競争でき得る価格、こういうふうにねらっておるわけであります。御案内のような石炭の状況でございますから、一ぺんに目標に下げるということはこれまたむずかしゅうございます。また重油の方につきましても、この価格の問題では中小企業の方に若干影響があると思いまするが、しかしこれも先ほど申し上げましたように、いろいろな消費調整措置の対象外としておりますので、この配給の円滑等につきましては、十分な措置を講じて参りたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(卯)小委員長 ちょっとお知らせいたしておきますが、政府委員として鉱山局長川上政府委員、石炭局長斎藤政府委員等が出席をいたしました。なおそれぞれ係の説明員も出席をいたしておりますから、必要に応じてそれぞれ答弁を求めてもらいたいと思います。
○長谷川(四)小委員 通産省の、しかも官房長であるあなたが考えなければならないのは、国際価格という点に十分御考慮を払わなければならない。何としてもいま一段貿易が伸展していかなければ、日本を維持するわけにはとうてい参らないのでございます。そういう点から考えて、今のような基本となるところの燃料というものが、勝手にあなた方に値上げをさせられていく、関税がかかっただけ、税金がかかっただけは必ず中小商工業者に転嫁されるところに誓って間違いないところであります。こういうような点を御考慮に入れてもらわなければならない。ですから五年後にどかんと下がるというのじゃない、それがために計画と言うのであって、五年後に一ぺんに下がるものは計画じゃない、逐次その目的を達するところに計画性がなければならない、その御計画があるのだから、一面申し上げたような燃料の点について、一般の中小商工業者が使っておる燃料も逐次そういう面にいかなければならない、ところが法律ができればすぐあしたから税金はとられていく、あしたから値上げになっていく——一方は値上げになるけれども一方はちっとも上げてもらうことができないという状態なんです。今の輸出貿易でこの燃料費が上っただけ海外が高く買ってくれるものは何一つもないということをあなたは知っていただかなければならない、通商産業省の官房長たるあなたなんだから、そういう点を十分考慮してやってもらわなければ——いつでも中小商工業立を殺すのは通産省であるということだけは間違いないじゃありませんか。これでは日本の通産省が中小商工業者から恨まれるのは当然なわけであります。こういう点を考えてもらわなければならないのだけれども、今日まで少しも考えてもらえない。いつでも大蔵省から税金といえばあなたの方が先に行ってこれの方からとってくれ、あなたの方が先にとってくれと拝むじゃないか、お百度参りしているじゃありませんか。そんなばかなことで通商産業の発展なんというものはあり得ない、現在の日本の中小商工業をつぶすのはあなた方なんだから、それだけは一つ知っておいてもらわなければならぬと思う。そういうところから考えまして、もっと十分掘り下げて考えなければならない。今たとえば五年後にぽっと下るのじゃない——そんなことはきまり切っておるのだ、きまり切っておることをやるのだから、こういうことをやるのなら、ことし一年は猶予して、来年からやるのだ、これなら少し考えてみる必要もある。ぽかっとやるというと五年後にはこれだけ下るから、ことしは税金を一ぺんに上げる、中小商工業者の買うものだけは一ぺんに上る、それだから五年後までに逐次それが匹敵するようになるのだ、あなたが今言ったように八十銭と九十銭の違いじゃないか。十銭違っていたらどのくらいまで違うかということなんだ、あなた方はそういう点にあまりにも考えなしに中小商工業者を取り扱っている。それだから私たちはいつも商工委員会であなた方の言うことは信頼するに足らずというように考えておる。たとえばあなたのおっしゃるところのボイラーの転換については、中小商工業者に対して幾らぐらい負担するつもりですか。あなた方は転換するために中小商工業者に幾らくらいの負担をさせ、そうして幾らぐらい政府にこれに代償してやるという考えなのか、それを一つ……。
○川上政府委員 先ほど官房長から話がありましたように、なるべく微量需要者に対しましては影響がないようにしたい、転換の問題にしましても、それからまた関税の問題にしましても、そういう措置を講じたいと思うのであります。従いまして普通でいきますと、原油につきましては二%、B、C重油につきましては六・五%ということにいたしますと、大体キロリットル当り五百円程度上ると思うのでありますが、その五百円につきましては、極力中小企業には負担させないように私の方としては行政指導をしたいと考えております。
○長谷川(四)小委員 他にたくさん質問者があるようですからこれでやめますが、あなた方が行政指導でもって値上げできないようになるということができたらお目にかかるのであって、そんなことはできっこない、いかに行政指導でも、五百円上るものを上げさせてないようにあなた方がやって——それなら通産省は何のためにあるのだ、金をもうけさせてはいけないのか。通産省というのは、営業を行う者に対して——何のために企業をやるのだ、営利を目的として企業というものが成り立っておる。それは許しておいて、あなた方がこれをもうけさせないということは、独禁法違反じゃないか、それは法律に違反してまでそんなことをやれっこないじゃないか、幾ら役人でもそんなばかなことはできっこない、だからすべてが矛盾だらけだと言うのです。今の川上局長の言うことなどもあまり当てにならない話だと思いますが、きょうは一応黙って聞いておきます。あまり問題にならぬが、ぜひそうでありたいということを念願して、きょうはまだたくさん質問者があるようですから、これでやめておきます。
○内田小委員 川上鉱山局長がお見えになっておりますし、われわれ委員の手元に通商産業省から「石油資源総合開発5カ年計画と開発会社の設立の必要性について」という資料が配られております。この問題についてはわれわれも十分認識を有しておりまするし、先般来当委員会におきまして、各党の委員から通産大臣に対して質問が行われ、通産大臣からも答弁がありました。また予算委員会等においても取り上げられておるのです。そこできょう大臣がおりませんけれども、通産省がこういう資料や書類をつくっておきながら、ことに開発会社設立の必要性というものをわれわれに配っておきながら、予算その他の法律については一向これに対応するものをお出しにならぬ。私はなぜ出さないかということは追及いたしません。これは石橋大臣とも問答を積んでおりますから、……。しかしせっかくこれをあなた方の方で御準備なさったのでありますから、この機会にちょっとお聞きしたいのですが、この十五ページに、石油資源開発株式会社設立の必要性というのが載っております。一つこれを中心にして、鉱山局長からこの際御説明を願いたい。これは私は決して責めません。こういうものを書いておきながら、なぜ法律案なり予算案なりを出さないかということは責めませんけれども、通産省のあなた方の立場として御説明願いたい。それに対するわれわれの代案もありますので、お願いいたしたい。
○川上政府委員 現在石油は国内資源としましては、三十数万キロリッターしか出ておりません。私どもとしましては、前からどうしても百万くらい出したい、百万くらいの線に乗せますと、それから先は大体広がってもっと大きくなるであろうという考え方から、いわゆる五カ年計画というのを立ててやっておるのですが、今内田さんからお話がありましたように、いろいろ大蔵省とも折衝をして参りましたけれども、昨年の一億一千万円程度のものがことしは約三億、しかも助成金という形でついたわけでございます。私どもとしましては、三億程度の助成金ではとうてい五カ年計画を遂行することができないということで、いろいろ大蔵省とも交渉したのでありますけれども、遺憾ながら本年度におきましては、それ以上にはとても望み得ないのではないかというふうに考えておるわけであります。しかしながらかりに三億ついてこれを助成金として出しますと、大体その倍額六億程度の金しか動かないということになってくるのじゃないかと思うのであります。すなわち助成金として三億出しますと、あと三億程度しか帝石その他の会社におきましては出せない。そうしますと、総計六億程度しか金が動かないということになって参りますと、この五カ年計画の初年度計画の三分の一もできないということになるわけでございます。そこで私どもとしましては、この際何とか一つ特別な機構でも設けまして、その助成金をそっちの方に振りかえて、むしろ資本金として投資するというような格好にしますと、もっと資金効率が大きくなってくるのじゃないかというふうに考えておるのでありまして、この問題につきましてもいろいろ大蔵省と相談いたしておりますが、また予算閣議におきましてもいろいろ相談いたしましたけれども、まだ実は政府としましては最後的にきまっておりません。しかし私ども通産省としましては、どうしてもそういうような特別な機構を作って、政府の方でもそっちの方へ金を出し、それから民間の方の金も出し合ってやった方が、最も効率的ではないかというふうに考えまして、実はお配りしましたこのパンフレットの中にも、その問題に触れておるわけでございます。私どもの考えとしましては、先ほども申しました三億の金もこの特別な会社に入れる。それからまた政府が現在帝石に相当な株を持っておりますので、これも一つ振りかえてこの特別会社に入れる。それからまた民間の方でも、帝石の方からもある程度金を出してもらう。それから一般精製業者その他の方からも金を出し合って、ここに十数億の金を作ってこれをましたことよりも数倍の効率が上ってくるのじゃないか。そうして五カ年計画というものが、比較的容易に進んで行くのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 機構の問題につきましては、いろいろその考え方があるわけでございますけれども、現在の帝石をこれをただちに特別な機構に持っていくということは、これは株主総会の問題とかいろいろな問題もありますし、それに加えて、果して一般の民間資本というものがその会社に対して入るかどうかというような点も相当疑問でありますので、この際思い切って別会社を作って、そうして先ほど申し上げましたように、政府の方も、あるいは帝石の方も、あるいはその他の精製業者等におきましても、金を出し合って、探鉱から採掘までもずっと進めてやった方がよくはないかというふうに考えておるわけでございます。このパンフレットの十五ページには大体そういうような意味のことを書いてございます。これによりまして進めて参りますと、将来におきまして百万キロリッター程度は少くとも容易に出るのではないかというふうに私は考えておるのでありまして、これは一面におきましては、石油の外貨節約に対しましても非常に役に立ちましょうし、また雇用の点から見ましても非常に役立ってくるのじゃないかというふうに考えるのであります。さらに見のがせないことは、現在国内に大体一千万キロリッターぐらいの石油の需要がありますが、そのうち、セリアの原油、これが一番優秀な油でありますが、約百万キロリッター入っておりますが、約百万キロリッターのセリアの原油というものは、いわゆる石油化学工業としては最も大事な原油でありますが、遺憾ながらこれは国際的に見まして、そうよけい日本に入れるということは非常にむずかしいことではないかというふうに考えます。ところがこのセリアの原油に対しまして、日本の国産原油というものは最もよく似ておりまして、そういう意味からも、日本の国産原油というものは、将来の石油化学工業の原料としても大切なものではないかというふうに考えますので、そういう意味からいいましても、非常に大きな効率があるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。私どもとしましては、何とかしまして政府の金を最も有効に使い、また民間の方からも協力を得てやるという方法としましては、ここに書いてありますようなやり方で、何とか特別な機構を作ってやった方が一番よくはないかというふうに考えておるわけでございます。
○内田小委員 お考えはよくわかりましたし、石橋通産大臣からも同じようなお考えが述べられたのですが、今あなたの御説明の中で、この書きものとちょっと違っておることは、この書きものの六ページによりますと、今のような調子で、年間三億とか四億というような探鉱費しか出さない。また探鉱費は政府の補助をつけた程度であって、あとは民間私企業の支出にまかせておくならば、現在三十四万キロ程度の採油さえもだんだんやせていって不可能になる。遂にはわが国の石油鉱業は、国産原油の壊滅に近い危機に直面することになる、こういうことが書いてある。このままほうっておくと、五カ年たっても五カ年計画の半分しかできない。半分どころじゃない、三十四万キロが十数万キロぐらいにやせてしまうというような意味のことが、ここに書いてある。私は非常に憂うべき現象だと思います。先ほど官房長から説明がありましたエネルギー総合対策の表では、百万キロで数字は合わせてありますが、何かやらないと、今あなたのおっしゃるような特殊の企業形態でも作らない限り、とんでもないことになるのではないかということを考えるので、私はここで何とか政府を鞭撻して、また政府でできないならば、われわれ議員一同の総意によってでも特殊な機構を作って、ぜひ国内原油の確保増進をはかりたい、かように考えておるのです。ただ石油というものは探鉱費を使ってみても、果して出るか出ないかわからない。その出るか出ないかわからない石油に対して、国費なりあるいは民間の資金といえども、これを使ってみて、その結果は出なかったということになってしまったのでは、これはまことに資金の浪費であることを私は憂えると同時に、またこの特殊会社の作り方いかんによっては、特にこの書き物の十五ページ以下に書いてありますように、新しい機構を作って、新しい機構は探鉱、試掘だけをやるのだ、もっぱら探鉱試掘面に政府資金なりあるいは民間の資金を導入して、油が出た場合にはどうするかはっきり書いてない。油が出た場合には、現在の帝国石油とかあるいは日本鉱業というようなものに掘らせるのだ、そして新しく作らるべき企業体は現在の民間会社から歩合でもこっちがもらうというような考え方になると、これはまた油が出た場合でも、油が出ることは物理的にけっこうでありますけれども、民間の会社に危険負担をさせないで、新しくできた会社だけが危険負担をするということになって、どうも合点がいかないような気もするのでありまして、特殊会社を作ることにつきましては賛成でありますが、作り方についてわれわれもあなた方と一緒に研究しなければならぬと考えております。ことに石油が出るか出ないかについては、この書き物によりますと、私はその経緯はよく知りませんけれども、石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会というものが政府部内に作られておって、わが国において石油の賦存すると考えられる五百地域の背斜構造のうちで、百五十四地域を指定して、この百五十四地域というものはそのうち幾つかは必ず油田が発見される地域であるということを、おそらく技術者等が集まられたこの審議会が答申をしておる。そこで今後探鉱、試掘をやるべき地域というものはこの百五十四の地域に集中されるようなことがこれに書いてあります。しかもこの百五十四地域のうち七〇%までは帝石なりあるいは日本鉱業なり既存の国内の石油採掘会社にかかわる地域でない、全く新しい地域であるから、それらの新しい地域をやらなければ石油は出ないのだ、また新しい地域をやるためには、既存の会社は手が届かない、こういうことが書いてあるようでありますが、そこをもう少し敷衍して、この石油探鉱試掘のために特殊機構を作ってやること以外に方法はないのだということを、もう少しわれわれに合点がいくように、今私が取り上げました点をも御説明願いたいと思います。
○川上政府委員 今内田先生からお話がありましたように、現在のままで放置いたしますと、かりに政府が三億程度のものを継続的に助成金として出して参りましても、おそらく生産はそれほど伸びないのじゃないかというふうに考えるのであります。ということは、大体国際的に見ましても、探鉱ということはその会社の支出の三割程度を使っております。かりに四十億の支出がありますれば、そのうち三割程度は探鉱に使っておるのが、いわゆる試掘とかあるいは調査とかそうした方面にその程度あるいはそれ以上の金を使っておるのが国際的な標準であります。日本におきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、主として帝国石油でありますけれども、帝石は支出の一割程度しか探鉱に使っておりません。要するに帝石としては現在の収入の状況からいいますと、その程度の力しかないということに相なるわけであります。現在一割二分程度の配当をいたしております、また労働賃金につきましても必ずしも高いものではありません、むしろ低い方でありますが、相当経費の節約も現在の帝国石油におきましてはやっておりますけれども、なお一割くらいしかとにかくできないということは、だんだんこれが細っていくということを意味することではないかと考えられるのであります。私どもとしましては、少くとも三割程度あるいはそれ以上のことをこの際思い切ってやらなければ、国内の資源というものはだんだん生産が落ちているというふうに考えるのでありますので、第一次の計画としましては、もっと試掘をやりたい地域は非常にたくさんありますけれども、まあ百五十数カ所を選びまして、これに約百億程度の試掘の金をかけまして、そして思い切って、現在帝石等がやっています数倍の探鉱をして、そうすることによってようやく百万キロリットルの生産まで上げることができるのじゃないかというふうに考えるのであります。ところが現在の帝石その他のものにそのままさせるということは、先ほども申し上げましたように、ほとんど不可能なことでありますので、やはり民間の金も入れ、政府の金も出して、それから帝石その他の方も出し合った一つの機構によって、大きな金をそこで作って、そうしてやらなければどうしてもこれは達成できないのじゃないかというふうに考えられるのであります。政府の金を三億以上本年度において望むことは非常にむずかしいし、また来年以降においても果して政府だけで十数億の、二十億に近い金を出し得るかという点につきましても、私は少くとも今まで大蔵省といろいろ折衝しました関係から見まして、非常に疑問と思っておりますので、政府がそう大きな金を出せないということになれば、やはり民間の金を相当出してもらって、それと合わせてやった方がよくはないかというふうに考えるのでありますが、それにはどうしてもこの際特別な機構を作らなければうまくいかないのじゃないかと考えられるのであります。また現に石油業界その他の方におきましても、そういう特別な機構を作るならば、自分たちも援助しようというようなことを言っておる向きもありますので、私どもとしましては何かそういう機構を作ってやりたいと考えておるのであります。なおこのパンフレットの案というのは五月二十日付で出してありますけれども、実はずっと前にいろいろ検討しておりました案でありますので、単に試掘だけではなくして、採掘までもやはりこの機構でやった方がよくはないか、また一面においては臨時機関じゃなくて相当恒久的な機関にしてもいいじゃないかというようなこともわれわれ考えておりますが、この点につきましては、ここに書いておるような、こういう限定されたものでなくても私はけっこうじゃないかというふうに思います。
○内田小委員 今のお話を承わると、通産省の御当局としては何らか特殊の機構を作って、お話のような工合にやらなければならないという御趣旨は一そうよくわかったのでありますが、そこでかりにわれわれ議員が、議員提案でありますとか、あるいは商工委員会におきまして、委員会提案で特殊の石油資源開発機構の法律案を出す場合には、通産省としてはそれを歓迎せられるかということをまず聞きたいし、その次に御説明の趣旨によりましても、かりにそういう機構を作りましても、政府の補助金をさような機構の出資金に振りかえるという予算措置をいたし、また今まで帝石、日本鉱業等が自分で補助金とともに支出してきた程度の金は、これらの会社は新しい企業体か特殊会社等の形で生れる場合には出資に応ずると思われますけれども、今のお話のうちで、現在国内原油を採掘をしておらない、主として輸入原油の精製をしておる精製会社が八つか九つかあるはずでありますが、それらのものも喜んで出資するであろうというお話でありますが、それらについては、果して喜んで出資をするかどうか、どういう経緯になっておるか、その点を伺っておきます。
○川上政府委員 もし国会におきましてそういうような機構をこしらえることになった場合、それに対しましてわれわれの方が大いに観迎するかという問題でありますが、これは通産省としましては、官房長も見えておりますが、私どもの方としましてはそういう機構を作っていただくことは実は非常に歓迎をいたしております。 それから予算の組みかえの問題につきましては、そういうことをしますと、現在三億の助成金がついておりますが、これが出資ということになりますので、どうしてもその点は予算の組みかえをしていただかなければならないと考えております。 それから民間出資の問題につきましては、きょうも実は私の手元に日本石油あるいは昭和石油その他の方から、ぜひ一つ国産原油開発のためにしっかりした機構なりを作ってもらいたい、そうしてまた同時に大いに開発をやってもらいたいという陳情が参っておりますが、おそらく各方面に対しましてもそういう陳情がいっておるのじゃないかと思いますので、少くとも、日石あるいは昭和その他の日本海沿岸の精製会社は特にこの問題につきましては協力をすると考えておりますし、現に私も内面的に当りましたのですが、相当の出資はするということを内々伺っておるような次第でありますし、太平洋岸の精製工場におきましても、これに対しましては反対ではない、賛成だ。また出資につきましても十分考慮する、これは私と証文を取りかわしておるわけじゃありませんけれども、そういう意向を漏らしておりますので、民間の方では私は相当援助してくれるんじゃないか、そういうふうに期待をいたしております。
○伊藤(卯)小委員長 それでは関連質問として神田博君。
○神田(博)小委員 国産原油開発についての考え方については、私もこういう案も有力な方法であろう、こう考えております。まだ十分研究したわけじゃありませんから、直ちに結論を申しておるというわけじゃありませんが、今質疑に入っておる、この通産省の考えておられる方法も非常に有力な方法だと考えております。そこで私は最初に一つ官房長に聞きたいと思いますが、一体これは予算の折衝の際に大蔵省とどういうようなことでこの三億円の助成というものがきまったのか。お出しになった数字より圧縮された、そこで中途プランであるから、これは国会が開かれたならば、商工委員会に一つ陳情して、会社を作ってやろうということで御納得されたのか、あるいはそうでなく、その三億円の使途というものはやはり三億円としてお考えになって、とにかく財政上の都合もあってそういうことになるのだから、また他と見返りをつけたかもしれませんが、話し合いの上でこれはできたものだろうと思う。そこで、そういう話し合いがどういうようについておられるのか、その辺の事情を一つ私は十分お聞きしたいと思うのです。予算をおとりになるのでいろいろな事情があったことは私も想像できる、これだけ問題になっているのですから。しかしどうも最近よく予算の使途等についても議論があるようでありますから、この問題について、いろいろいきさつもあったでありましょうし、今局長は自信を持って事情を述べておられますが、大蔵省に行ってそういうことを納得の上でこの三億円の予算というものは一応ついたものかどうか。それから来年度あたりの話がどういうことになっておられるか。これは会社を作るということになるとやっかいなことだと思うのです。会社を作っても来年——やはり政府の財政支出というものは承諾を得てなければ、これはできても本年度だけの使途になってしまうわけですから、私はなかなか重大な問題だと思う。それからもう一つは、大蔵省と話し合いがつかなければ、商工委員会に陳情して一つ立法化していくんだというお考えを基礎にお持ちになったのか、そういうことを参考になりますから一つ詳細にお伺いしたい。
○岩武政府委員 この関係の予算は、当初金額を十億、それから形態は政府の出資ということで大蔵省に要求したのでございます。これはその後累次折衝を重ねましたが、結局金額の問題は、財政の規模の問題等もございますから保留しまして、歳出計上の形につきましては大蔵省の方では、出資ということはいわば縁組みをするようなもので、末長く財政から足を突っ込んでめんどうを見るということにはなかなか踏み切りにくいというのが当時の大蔵省、ことに大蔵大臣以下の考え方であったようでございます。通産省としましても、これを補助金として使いますよりも出資として使います方が、会社の基礎も固まりますし、また所要の監督も十分できますし、かりに同じ額の金でも一そう有効に使えるのではないかということで、最後のどたんばまでいろいろ折衝したわけでございますが、その当時の過程におきまして、特殊の会社を作るとしてどういう形のものにするか、今あります帝石との関係をどういうふうにするか。具体的に言いますれば、鉱区の問題あるいはあとの採油による利益等の問題につきまして、大蔵省の方にもいろいろな意見がございますし、通産省の方でもいろいろ検討を要する事項もなお残てっおります。結局端的に申しますれば、時間切れというような形で、予算決定の瞬間までその話がまとまらなかった。そこで通産大臣もいろいろ考えておられましたが、結局予算決定の時間の関係もあるものだから、とりあえず自分としては一応補助金ということで政府原案を出すことに同意しよう、ただし自分としてもいろいろ機構の問題も検討してみたいというわけで、さっそく事務当局の方も当初の案を基礎にしていろいろ検討してみようというようなことであったのであります。これは議員提案あるいは国会修正等を予定しまして引き下ったわけではございません。われわれの方でもなお若干検討を要するところもございますし、かたがた財政当局の方がいわば深入りしたくない、補助金ならば一年こっきりで、財政上の都合で適当に処置できるものを、一ぺん特殊会社への出資という形で踏み込みますと、先々の関係ができて、先のことは実は自信が持てないというのが大蔵省当局の言い分だったのであります。そういうことで、われわれとしましてもできるだけ早い機会に機構の問題を検討いたしたいと思いまして、予算提出後もいろいろ検討いたしまして、現在も検討いたしておるのでございますが、当初から国会の方のいろいろなお考えもあろうかというようなことを予定いたしまして引き下ったわけでありません。その点は自分たちが無力だから国会にお願いするというわけではございません。ただわれわれの希望は、これは大臣もそう言っておりますが、終始一貫補助金ということではこれはまずいのではないか。適当の機会があればこれはやはり特殊会社という形で国が力を入れてすべきものだろう、こう思って、その考え方は今も変っておりません。従いまして、幸いにして国会の方の御提案なり、あるいは修正がございますれば、先ほども川上局長が申し上げましたように、われわれ事務当局としましては十分歓迎しているわけでございます。なお、明年度以降の問題につきましては、当時大蔵省と折衝の過程では別段の話し合いはいたしておりません。ただ大蔵省当局もこちらの五カ年計画の内容を十分承知し、検討しております。これは形はいずれでありましても、やはり五カ年間には相当金は要るものだということは大蔵省も十分承知していると思います。
○神田(博)小委員 ただいま官房長の御説明で多分私もそうであろうと想像するような事情であったようでありまするが、これはまあこれから先私の意見になるわけでありまするが、先ほども私申し上げたように、わが国の石油資源の開発のやり方についてはいろいろあろうかと思いまするが、この方法も有力な方法だと思っております。しかしこういう大事な問題を、内閣というか、政府の不統一のままで議員立法するというようなことは、私は考えたくないので。やはり閣内をまとめて、そうしてこれは議員立法にお願いしたいとか、あるいはこれは政府で出したいというのが、私は本筋ではないかと思う。この問題を、掘り下げてそう意見の違うようなことは私はないと思います。しかしほんとうに日本の石油資源の開発を最も合理的に、しかも効果的にやっていこうということを考えれば、まず政府部内がその腹にならないと、これはなかなかむずかしいものだと思う。この開発会社を作っても年年これは予算の折衝というものは残っていくわけなんであります。なさぬ仲の子というものはなかなか育たぬものです。実際これははっきり申し上げますが、育てるのになかなか骨が折れる。拙速主義がいいのか、慎重にやるのがいいのか、これは私は非常に問題があると思う。ことに今突如として起きた問題ではない。どうも私がさっきから聞いておりますと、まだ通産省の努力が足りないというと、少し申し上げる言葉が強いと思いますが、あるいはまた大蔵省が頑迷不遜であるということを言えば、まだ通産省の説明が十分でないのだか、これはどっちだかわからぬが、こういう国策会社を作るということは、これはほんとうに軽々にやっちゃいけないのじゃないか。もう予算の折衝が行き詰まったら、すぐ国会で立法してもらうのだ。これは与党が多数ででもあれば別だけれども、今日では与党といったって多数でもないわけなんです。ことしのことはうまくいっても、来年のことがうまくいかないとはなはだ——私が心配するのはここなんです。地下資源の開発ですから数十年の長きにわたって、あるいは数百年あればなおけっこうだ。どうも聞いておりますと、なかなか勇ましい、短兵急にやっておられるようですが、私はまだまだ通産省としておやりになる、力を入れる仕事はたくさんあると思う。これもたくさん力を入れてけっこうだが、ほかにもたくさんある。これだけ立法措置を急いで開発会社を作ってもらいたい、歓迎するということは、あまり腹を出し過ぎた話ではないか、こう考えましてちょっと意見を申し上げたわけでありますが、別にこの開発会社が議題になっておるわけでもないし、またこの問題についてはどうせ明日ですか、明後日ですか、石炭合理化法案に関連して石油規制法案が出ると思いますから、そこでまた十分お尋ねができると思いますけれども、先ほど来のお話、また先般の委員会の動き等も見まして、どうも私はこのごろ少し頭が鈍感の方になっておるので、皆さんのお考えについていくピッチが少しおそいのじゃないかというような気もするのでありますが、御参考までに申し上げておく次第であります。
○伊藤(卯)小委員長 関連質問として委員外から中崎敏君が発言を求められておりますから、これを許します。中崎敏君。
○中崎敏君 先ほどからいろいろ意見を承わっておるのでありますが、元来鳩山内閣は計画経済というのか、あるいは経済計画というのか知りませんが、いずれにしても、一歩前進した姿において計画性を立てて、これを推進していくのだ。その考え方の上に立ってこの石油開発五カ年計画も考えられておるかとも思うのでありますが、ややもすれば、これは非常に片ちんばになっておる、片方は行き過ぎるかと思うと、片方はそれに伴うような歩調が十分とられていない。この問題もちょうどそういうようなわけで、通産省の方ではどんどん先へいきたい、ところが大蔵省の方においてはどうもそこまでとても進み切れないというふうな、閣内における意見の不一致等を起して、これがあらゆる面に出てきておるのでありまして、非常に遺憾に思うのであります。ただ私たちの立場からいいますと、石油開発五カ年計画のこまかい数字的な問題のよしあしは別として、そういう方向については、確かにこうあるべきものだという考え方を持ってもおりますし、ことに石油については、国内資源が今日までほとんど十分開発されてないばかりでなく、石油の外国資本によってほとんど日本の市場が独占されておって、しかも価格等についても勢い国民経済、国民生活の犠牲の上に立てられておる、こういう現実を見たときに、何としてもこうしたような石油開発については、国内の全力をあげて出していきたいという熱意を傾けていくべきものだというふうに考えておるわけでありますが、そうした上に立って、閣内不統一の中にいろいろ事務的な方面を担当しておられる事務当局の諸君は非常な苦心を払っておられると思うのでありますが、さてこれを何とかして一日も早く推進していきたい、善は急げといいますが、時も早く、この不統一の内閣の中においても、われわれの努力によって、ちょうど先日来の減収加算を野党の力によってついに突破したように、石油についても同じような考え方の上に立っていきたい。ことに与党の議員の中でも多数こういう石油開発についての必要性ということは現実に認めておられる。その点などを考えてみても、米の減収加算の問題より以上にわれわれが情熱を傾けて——ことにあの問題については三十三億円の国費を要するわけでありますが、この場合においては、将来の問題は別として、今年度は一応三億円の予算が計上してあるものをただ項目がえをするというにすぎない。しかもこれが政府の方で言われるように、民間の会社ことに精製会社あたりの協力を得られて、相当大幅に金の動員もできて開発の目的が強く前進できるようなことも考えてみたときに、一時も早くそういう方向にいくべきものであるということについては、できるだけ協力していきたいと考えておるのであります。ただその際において、どこまでも、今神田君が言われましたように最後には府政が一致して腹をきめてこれを実行するという、今後何年間かの大きな計画が一致した上に立てられなければならないということもまたわかるのでありまして、私たち国会議員が、たとえば商工委員会において特殊会社を作れという決議をする、その決議の上に立って今度政府の方で責任を持って内閣をまとめて提案できるような方向にいけるものかどうか。またそれは今国会に間に合う見通しであるのかどうか、この点について聞きたいのであります。実はこれは通産大臣などに聞きたいのでありますが、ちょうど今見えておりませんから、関係の当局の方からそうした問題の見通しあるいは腹のあるところをお聞きしておきたいのであります。
○岩武政府委員 国会の御決議でありますれば、内閣の方でどういうふうに処置いたしますか、私どもの推量を越えるかと思いますが、少くとも通産大臣としてはそういう国会の御趣旨に沿って動かれるだろう、こういうふうに考えております。それからあとのいろいろな法案等の準備のための期間でございますが、これは国会の会期とも関係いたしますので、どれくらいの日時を要しますかちょっと見当はつきませんが、そう長くかかるということではないと思います。いずれにいたしましても、予算の限定もございますので、単に国会の御決議だけでは、法案は通りましても予算が動かぬではないかと考えております。
○中崎敏君 その問題につきましては、まず決議は各党さえ了解を得ればすぐできると思いますが、その決議に基いて各党が腹をきめて、たとえば予算の費目修正といいますか、今までの補助金三億円を特殊会社に振り向けるという考え方——これは予算の審議が先になりますから、衆議院から参議院へ回るのが来月の四日から六日くらいの間ではないかとわれわれは想像しておるのでありますが、それに先行して、費目変えを、予定してやることができるのではないか。これは国会側の問題でありますが、そんなことも考えながらやるとして、これはこれまでとして、さて今度は——われわれはこの法案を進めていきたいという考え方を持っておるのでありますが、それを前提として一応質問してみたいと思います。 そこで先ほどのお話によりますと、最初通産省の方では十億円程度の特殊会社への投資を考えておったところが、前後の事情で三億円の補助金という形に変ったということですが、その際において、原油並びにB、C重油の関税引き上げを前提として、一つの財源として考えられてきたというふうな経過等も承わっておるのでありますが、その際における関税の引き上げによる収入増加の金額はどれくらいになっているのですか。言いかえれば二%の重油と六・五%のB、C重油に対する新しい関税を作ることによって税収は幾らになるのか、これをちょっと参考のために聞いておきたいと思います。
○川上政府委員 現在出しております関税案によりますと、大体税収としましては十六、七億、本年度におきましては十二億くらいというふうに考えております。
○中崎敏君 これによって財源にはなると思うのでありますが、逆に今度はこれによってさらに重油なり、あるいはそのほかの機械油、ガソリン等にも必然的に値上げの結果が起ると思うのであります。その際において、たとえば精製業者なり販売業者側においてある程度の負担をする場合も考えられるわけですし、最後的には消費者に引き上げられた関税額が転嫁していかれることもあると思うのでありますが、大体どの程度これら消費者に関税引き上げの結果が到来するものかということを考えておられるのか。全体としては一キロリットル当り五百円程度上るのだと見ておられるようでありますが、さて今度は精製業者、配給業者並びに消費者に対しての影響は大体どの程度に見ておられるのかということをお聞きしたい。
○川上政府委員 今度の関税によりまして、具体的にどれだけ値上げになるかという問題でありますが、漁業関係、船舶関係、こうした方面に対しましては、関税の影響はほとんど受けないように行政指導をしたいというふうに考えますと、先ほどちょっと申し上げましたように、陸上関係に対しまして五百円程度値上げになるかと思うのであります。しかしながら陸上関係の中でも、私は少くともC重油関係等につきましては、これは極力値段が上らないように措置すべきではないかと考えますし、また中小企業に対しましても極力影響がないようにしなければならないというふうに考えますと、結局主としてB重油の中のボイラー関係、大企業者のボイラーというものに対しましては、これは相当程度の値上りをしてもやむを得ないのではないかと考えているのですが、またそこが石炭との調整の最もねらいでありますので、私どもとしましては、平均して陸上が五百円程度上るもののうち、C重油につきましては鉄鋼関係といったものでありますが、特に輸出関係のものでありますけれども、そういうものは石油業界で極力負担してもらいたい。それからまた中小企業関係のものにつきましても、これまた極力石油関係の方面で吸収してもらいたい。しかし石炭と最も競合するB重油の中の大企業とか、そうした方面に対しましては、これは相当上って、そうして石炭との調整がうまくいくようにした方がかえってうまくいくのではないかと思いますので、そうした方面に対しては、むしろ五百円よりもっと上ると思うのでありますが、そういう行政指導を私の方としてはやりたいというふうに考えております。
○中崎敏君 石炭等の情勢を考える場合に、その程度の値上げで石炭がよけい売れるとお考えになるか、聞きたいと思います。
○川上政府委員 これはその程度で果してうまくいくかという問題でありますが、私はそれだけで必ずしもうまくいくとは考えておりません。しかしそれかといいまして、非常によけいに関税をかけるということも現在の事情ではできませんので、やはり関税においても引き上げて、そうして石炭との調整に少しでも貢献するように、また一面におきましては数量の制限によりまして——この数量の制限問題につきましては、結局法律を出しまして、ボイラー設備についての転換の勧告とか、あるいはまた新設の禁止とかいうことをやるわけですが、そういうような措置もあわせまして、私は石炭の方と調整がうまくいくように持っていきたいというふうに考えておりまして、ただ関税だけでうまくいかせようという考えは持っておりません。
○中崎敏君 政府の方ではこの際重油の輸入を、相当消費規正の角度から実際必要と見込まれている数量よりも減額をして、今年度は計画を進めておられるようであります。ところで一面において、たとえばC重油にもできるだけ関税の引上げの影響を持たせない、言いかえれば値上げをあまりさせない、B重油についてはもちろん全面的値上げをさせないというふうな考え方の上に立って、一面輸入数量ははるかに少い、いわゆる需要供給の関係において不自然な人然的調整を加え、さらに額の点についてもある特殊のものについては不自然な人為的調整を加えることによってその目的を達しようとされても、果してそれがそういうようにうまくいくかどうか。現に農林水産関係の場合においても、とてもそうしたなまぬるい、甘い考え方では、関税引き上げによるところの影響というものは決して緩和できないばかりではなく、相当大きくしわ寄せを受けるであろうという心配が強くされている。さらに中小企業者を初めとして、日本の産業の基幹をなすところの鉄鋼、製鉄業者などにおいても、特にこの影響を受けると心配しておるようなわけでありますが、この面においては逆に物価を引き下げる傾向にある政策と反対の方向にいって、物価引き上げになるのじゃないか、そういう懸念もあって、あらゆる角度からこの扱い方も不自然に考え、また実行が容易でないというふうに考えられますが、もしそこまでやるならば、むしろ徹底したところの法律、石油規制法、消費規正法とでもいうような法律を作って思い切ってやるというならまだわかるのだけれども、そうでなければ、いたずらにこの行政指導というものに政府の方ではたよっておられても、民衆なり関係業者というものはそれを全然問題にしていない。非常に権威を失い、実際においても効果を上げ得ないものだと考えますが、この点どういうふうにお考えになるか、鉱山局長並びに石炭局長から一つ御説明願いたい。
○川上政府委員 私は、石炭業界の方面でとにかく本年度において百万あるいは百五十万くらいさらに削減すべしというような意見も一部ありますが、そういうようなことを完全にいたしますと、非常に強い法律でなければこれを制限するということは困難かと考えております。しかしながら今年度大体五百万ないし五百二十万という程度でありますと、昨年の経験からいいまして、私どもの行政指導——今回出す法律、これはどちらかと申しますと非常に強い法律ではありませんが、この法律のバック及びさっき申しました関税等の援助があれば、私はなんとかかんとか行政指導においてやっていけるのではないだろうかと考えております。この重油の中でも、一面においてはどうしても確保しなければ——すなわち農水産関係、それから陸上のうちでも鉄鋼関係のC重油あるいは輸出関係、そうした方面はどうしても確保しなければ、また一面においてはこれを石炭の方に転換さすようになるという相矛盾したことを行政指導によってやるということでありますので、数量が非常に減りますと、とうてい私は千手観音的な措置はできないと思うのですが、大体五百万とか五百二十万とかいうこと、あれば、従来の経験から見ましてなんとかかんとか行政指導でやっていけるというように考えております。
○斎藤(正)政府委員 鉱山局長からも御答弁がありましたが、この関税で五百円程度上るということですが、それが石炭に非常に大きな影響があるというふうには考えておらないわけです。油の石炭に対するメリットと申しますか、石炭のすぐれておる点は、立地条件なりあるいは使い方なりで非常に違っております。従って現在では炭産地におきますある種の用途におきましては、石炭の方が安いということがあるわけです。そういう状況でありますから、重油のメリットの限界にあるものにつきましては、少くとも好影響があるわけです。 それからもう一つ現在の炭価の状況ですが、長期の安定した需要を除きまして、一般需要については異常な下り方をして、それが現在の石炭不況の大きな原因になっておるのですが、そういう下り方をいたしましたのは、多分に人気的な要素がございます。それで油の価格が若干上るということになりますと、人気作用の面では相当の好影響があるかもしれない。これはちょっと計算的にどのくらいということは申し上げられないのですが、そういう期待はあると思います。
○伊藤(卯)小委員長 この際委員長より資料の要求をいたしておきます。各種のエネルギーの不足の見通しの数字、エネルギーの増産と拡張の数字はわかったのであるが、その結果日本の産業のおもなるものと家庭生活に安くどういうふうに寄与しておるかという資料と、どのエネルギーを増産拡張した方が今後エネルギーを安く上げることができるかというこの二つの資料を一つ作って出していただきたいと思います。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後三時四十六分散会