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22回国会衆議院1955/05/21

商工委員会私的独占の禁止並びに公正取引に関する小委員会 第2号

発言数
45
登壇者
6
会派数
2
開催日
1955/05/21

会議録

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 これより会議を開きます。  百貨店業における特殊指定に関する件及び下請代金の支払遅延に関する件について調査を進めます。まず政府委員より説明を聴取いたします。横田政府委員。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 最初に、百貨店業に関する問題につきまして、現在までの経過を御報告申し上げます。  百貨店につきましては、二十五年ごろからだんだん百貨店の活動が盛んになって参りまして、その間にいろいろおもしろくないような傾向のあることが、公正取引委員会に対しまするいろいろの申し出等によってわかって参りましたので、昭和二十七年の五月にいろいろ調査いたしました結果に基きまして、日本デパートメント・ストア協会を通じまして、全国の百貨店に対して、当時行われておると認められます、いわゆる問屋に対する返品、手伝い店員の強要、展示即売会あるいは内覧会等の問題につきまして、百貨店業界の一部に、独占禁止法の観点から見ましておもしろくない点があるから、注意するようにという警告を発したのでございます。そしてこの警告後の状況を調査いたしまするために、二十七年の五月の警告後、直ちにいろいろ調査を開始いたしたのでございます。実はこの独占禁止法によるおもしろくない行為ということは、警告の中で申し上げましたが、当時の独占禁止法で申しますと、当時こういう問題の取締りに該当いたしまする規定は、「不当な利益または不利益をもって、直接または間接に、競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、または強制すること。」という規定があったのでございますが、デパートがその取引上の優越した地位を乱用いたしまして、卸問屋等に対していろいろ苛酷な条件を押しつける。返品その他、あるいは手伝い店員を出させるというような問題につきましては、実は直接に独占禁止法上に、これをはっきり取締る規定がなかったのでございます。そこでこの点につきましては、一昨年の九月一日に施行になりました改正独禁法によりまして、具体的に、「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること」という規定が設けられまして、いわゆる取引上の地位の乱用に対する是正を独禁法上、打てることになりましたので、公取といたしましては、主としてこの二つの規定に基きまして、さらに詳細な調査を始めまして、二十八年の七月からその年の暮れにかけまして、主たる、ほとんど大きな百貨店全部と、それからその百貨店の取引問屋でございます百三十社の問屋に対しまして、二十七年の五月の調査、警告の遵守状況を調べたのでございます。一部には百貨店業者の自粛によりまして改善せられた面も見受けられたのでございますが、大体において、警告の厳守状況はあまりよくないということが認められましたので、そこでこの百貨店に関しまする取締りを、はっきりした形においてやりまするために、二十九年の十二月になりまして、独占禁止法上のいわゆる不公正な取引方法については、いろいろな業種に応じまして、それをさらに具体的に指定するという道が開かれておりますので、その規定に基きまして、百貨店における不公正な取引方法の特殊指定というのを公正取引委員会でいたしまして、十二月の二十一日にこれの告示をいたしたのでございます。この特殊指定の内容につきましては、お手元にその告示を印刷したものをお配りいたしておりますので、詳細はそれについてごらんいただきたいと思うのでございまするが、ごく簡単にその内容を申し上げますると、第一は、いわゆる問屋に対する不当なる返品、一度買い入れいたしまして、売れ残ったものを、無理やりに問屋に返すという不当返品を、不公正な取引方法として第一に指定いたしたわけでございます。もちろんこれは返品するについて相当理由のある場合もございますので、そういう特殊のものを除きまして、その他の返品を一応不公正な取引方法ということにいたしました。  第二点は、買い入れましたものを、後に値引きを強要いたしますこと、これは不当返品とからんでおりまして、もし返品に応じなければ、値引きをしろというふうになって大体動いてくるわけでございます。この不当な納入価格の値引きを、特殊のやむを得ない事情のあるものを除きまして、不公正な取引方法として指定したわけでございます。  第三番目は、返品をやかましく申しますと、どうしても百貨店業者は、それならば委託販売にしよう、委託販売でございますれば、売れ残ったものを返すのはむしろ当然ということになりますので、委託販売の方へ問題が逃げていくおそれがありますので、第三番目といたしまして、委託販売につきましては、正常な商慣習に照して、著しく納入業者に不利益となるような条件による委託販売というものを、やはり不公正な取引方法として指定いたしますることによりまして、問題が委託販売の方へ逃げることを、いささか食いとめるということにいたしたのでございます。  それから第四番目といたしまして、御承知の特売会とか廉売会というようなものが百貨店で盛んに行われておりましたが、この場合に、えてして問屋に対しましては非常に低い価格で納入をさせまして、これをいわゆる廉売、特売等に供するのでございます。この点は、一方から言いますると、問屋を非常にいじめつけるという点もございますが、他方から申しますと、一般の小売商は普通の卸値で仕入れておりまするのに、デパートだけは非常に安い値で仕入れる。従いまして小売値段も一般の小売商よりはよほど安く売れるという点におきまして、一般小売商にとっても非常な不利益を与える結果になりますので、この両面から考えまして、四といたしまして、特売、廉売等の用に供する特定の商品を、著しい低い納入価格で入れさせることを一つあげたわけでございます。  それから第五番目といたしまして、特別の規格、意匠、形式等を指定して、特定の商品を納入させるいわゆるとめがらと申しますか、特殊の商品を納入させることにしておきながら、それの納入を拒むというようなこと、これは返品のもう一つ手前の問題でございまして、これは返されたものはもうほかに利用することができないわけでございますから、非常に困るわけでございます。この点も指定いたしたのでございます。  それから第六番目が例の手伝い店員の派遣の強要という問題でございまして、これは従来納入業者、問屋が、自分の従業員をデパートの仕事にお手伝いに出す。あるいはデパートの方で自分の方で雇い入れました者の費用を問屋に負担させるというような方法が相当行われておりましたので、これはむしろ問屋の利益になるような場合、ことに特殊なその商品の売り込みにつきまして、特殊な技能が必要であるというような特殊な場合に、手伝い店員はむしろ問屋の利益になりますので、そういう場合は適用を除外しております。その他のそういう事情のない手伝い店員の強要というものを、不公正な取引方法にいたしたのでございます。  それから第七番目はこういうようないろいろな禁止をいたしましても、こういうおもしろくないいろいろな要求をいたしました場合に、問屋側がこれを拒絶したということで、今度はしっぺ返しという意味におきまして、代金の支払いをおくらせましたり、あるいは通常仕入れておりました納入数量を、そういうことを理由に削減いたしましたり、あるいは取引をやめてしまう。その他不利益な取扱いをいたしますことも禁止する必要がございますので、第七番目として指定いたしました。  最後に第八といたしまして、いわゆる景品付販売、これは物品あるいはいろいろな演劇に招待するとか、あるいは抽せん券をつけるとか、その他いろいろな経済上の利益を供与することでもって顧客をつる行為、こういうものは、ほかの業界では行われておりますが、百貨店につきましては、やはりあまりおもしろいやり方ではございませんので、これを不公正な取引方法に指定いたしたのでございます。これはもちろん多少の例外が認めてございまして、特にその商品につきまして、どこの店でもそういう景品をつけることになっておるというようなもの、あるいは年末でございますとか、お盆のとき、近所のお店におきましてもそういうような景品を出すのが慣習になっておりまするような場合、デパートがやはりそれと同じような条件でもって景品を出します場合、これは差しつかえない。  それからいわゆる例の友の会問題が、この百貨店問題につきましては非常に大きく問題にされておったのでございます。これを全然禁止するということも一つのいき方でございますが、デパートを利用する人の立場等を、公聴会等を通じましていろいろ調査いたしました結果、いわゆる積立金をいたさせるわけでございますが、そこ千古貨店としては、相当なる利益があるわけでございます。その積み立てによって、当該百貨店が受ける利益の範囲ならば、この積み立てによるいわゆる友の会組織というものも認めようということにいたしまして、これも適用除外の一つにいたしたのでございます。大体昨年の十二月二十一日の指定の内容の概要は、そういうことになっておるわけでございます。  そこでこの指定に基きまして、百貨店の動きをその後引き続き現在に及んで調査をいたしておるわけでございますが、その中で主として問題になりますものが大体三件でございます。第一は、返品をやかましく言いました結果、はたせるかな委託販売の方へ問題が逃げていったということが見られました。この委託販売の問題が一つ。それから手伝い店員をやかましく言いました結果、それはどういうようなことになっておるかということと、それから例の友の会問題の跡始末という大体この三つが、今まで調べました中で、特に申し上げる必要があるように思われますので、この順序に従いまして、一応今までの経過を御説明いたします。  委託仕入れの問題につきましては、特殊指定の実施の当時に、日本絹人絹織物協会その他若干の団体から陳情がございました。その陳情の趣旨は、百貨店業者は不当返品の禁止事項に触れまいというふうにいたしまして、従来買い取り仕入れ品であったものを委託仕入れ品に切りかえている。そのために納入業者の中には、かえって実質的に申しますと、返品と同じようなことでございますが、返品が多くなりまして、かえって以前よりもマージンも薄く、それから支払いも引き延ばされる。これが買い入れでございますと、すぐにそこで仕切って、現金が入ってくるわけでございますが、委託販売ということになりますと、売れなければ結局支払いが延びるという結果になるわけでございまして、非常に困っておる者が出てくる。それから、先ほど申し上げましたような抜け道をふさぐ意味におきまして、「正常な商習慣に照らして著しく不利益な条件」でする委託販売は、かりに委託の形をとっても、それは不公正な取引行為にならないということにいたしましたが、「著しく不利益」という解釈が非常に困難で、従って委託仕入れの定義を狭く解釈して、たとえば表面上は委託契約の取引であっても、なるべくこれは買い取りというふうに見まして、委託仕入れ品の返品を、取締りに関する特殊指定の第一項でもって取り締ってほしいというような趣旨の陳情がいろいろございました。そこで委員会といたしましては、大体次に申し上げますような方針で処理することにいたしておるわけでございます。  まず第一に、納入業者の陳情いたしますように、委託取引への切りかえが現実にどんどん行われておるかどうか。行われたとすれば特殊指定の結果以外の要因、たとえば一般的な金融梗塞というような関係もあるのではないか。また委託仕入れの返品は、どういうふうに変化しておるかという点をまず的確に調査をいたさなければならないということが、第一点でございます。  次に、なるほど形式は委託仕入れとなっておりましても、現実にいろいろ取引の実情を見てみますると、それは名ばかりであって、ただやはり依然として前の買い取り仕入れと、実質は変っておらぬというようなものがあるわけでございます。従いまして特殊指定後に、取引方法がどういうふうに行われておって、どちらに入るかということが判定困難のような場合がどれほど多いか。その率と申しますか、どういうふうな関係になるか、かつその場合の違っておるという点はどういうようなファクターからなっておるかというような点をまず調査するということにいたしまして、この方針に基きまして、二月末から東京、大阪、名古屋、福岡におきまする百貨店業者並びにそれに対する納入業者について調査を実施し、現在なお続けておりまして、まず全体的な、終局的な結論を得るに至っておりません。しかし今までにわかりました点をごく簡単に申し上げますと、大阪におきましては特殊指定の実施に伴いまして、百貨店業者と納入業者との間に新しい伝票制度が用いられるようになっておるようでございます。すなわち伝票は委託仕入れでございますが、しかしその実態を見てみますと、支払いは買い取り仕入れと同様であるというようなものが多いようでございます。  それから東京におきましては、特殊指定の実施に伴いまして、別段に新しい伝票を作るというような動きは全然ございません。かつ買い取り仕入れが委託仕入れに切りかえられたという事実もあまり認められないのでございます。この点は本日お手元に差し上げました表がございまして、それに若干数字があげてございますので、それを見ていただきたいと思いますが、これはあとでまたちょっと触れたいと思います。  全体的に見まして、小規模な百貨店は、どちらかといいますと金融梗塞というような関係から、むしろこの特殊指定の実施ということには関係なく、買い取りが委託に切りかえられておるらしく見えるものが相当あるのでございます。そこでこの実施後の買い取り仕入れの返品率と申しますか、それを見てみますと、これは相当百貨店業者側で不当返品をしないようにという、いわば自粛と申しますか、その効果があるようでございまして、たとえば東京で申しますと、指定前は約一〇%の返品がありましたものが、今年の三月現在で調べてみますと、それが約半分になっております。九・八%が四・九%に下っております。これは東京所在の五つの大きなデパートについて最近に調べた結果でございますが、そういうふうに返品率が非常に下っております。しかしながらこれは先ほど申しましたように、東京は割合にこういう関係が前からかなりよいのでございまして、それがさらによくなったということが言えるわけでございます。しかしながらその反面におきまして、東京は委託仕入れにあまり切りかえられておりませんが、切りかえられておりますその他の地方におきまするデパートの扱い方を見ますると、やはり委託仕入れについては、若干の混乱が起きておりますことは事実でございます。問題はやはり過渡的でございまして、もう少し調査を進めますと同時に、いろいろ行政指導を深めるということにいたしますれば、これらの点も順次解決されるのではないかというふうに考えております。それからなお委託仕入れに関しましては、著しく不利益な条件であるかどうかというようなことについて、これは法律的に申しましても非常にむずかしい問題でございましょうが、これは業者の間の話し合いで大体こういうことはしないというふうに話し合ってもらいますことが非常にいいわけでございまして、この意味におきまして、日本絹人絹織物協会から取引制度の改善に関しまして、百貨店業者との間に委託の期間、支払い、マージン等について話し合いを業者の間でしまして、そして合意をしようというような申し出がございましたので、昨四月に公正取引委員会におきまして、業者の話し合いをあっせんすることにいたしまして、現在その問題が進行中でございます。最近はどういうふうになりましたか、まだ実は私は聞いておりませんが、両者の話し合いによりまして、委託仕入れの問題についてもある程度の解決が得られるのではないかと考えております。  それから次に手伝い店員の問題でございますが、これは二月の初めからやはり東京、大阪、名古屋、福岡におきまして、二十九のデパート、店にいたしまして三十九店を対象といたしまして、特殊指定告示後におきまする手伝い店員の整理状況、派遣状況等を調査いたしたのでございます。このこまかな数字は先ほど申しました表についてごらん願いたいと思いますが、大ざっぱなことを申し上げますと、手伝い店員の数は告示前に比しまして、全体で各地区の平均約五割、それから常勤の手伝い店員だけについて申しますと、同じく平均約三割の減少になっております。それから本年二月現在におきまする残存手伝い店員の全使用店員に対する割合が、京阪神地区では平均一六%、それから九州地区では二%、九州地区は前から少なかったのでございますが、それがさらに率が減りまして、ほとんどないといっていいくらいに減っておるわけでございます。こういうふうに非常な整理がなされておりまするが、しかしまだ先ほど申しましたように、手伝い店員の許されますのは、特殊技能のある者は派遣をする、あるいは派遣をすることが認められるのでございますが、いかなる程度のものを特殊技能を要するものと認めるかということにつきましては、まだいろいろ検討する余地がございまするし、なおその解釈にいたしましても、もっと整理をしなければならぬように思われまするが、しかしこの問題は百貨店の従業員が現在持っておりまする販売技術能力と申しますか、そういうものを向上させるということともからんでおりまして、また百貨店の納入業者が非常に多種多様でございまして、それぞれ事情が非常に変っておりまするし、しかも納入業者間あるいは百貨店業者間の複雑な利害関係、いろいろ密接につながっておりまするために、問題はそう早急に解決するということも困難でございまして、相当慎重にやる必要がございますので、本委員会としましては、問題の実態を把握いたしますると同時に、関係業者の意見も十分に聞きまして、今後さらにこの整理の道を進めていきたいと考えております。  なおこの整理の問題につきましては、いわば一種の労働問題がございまして、この表でごらん願いますとわかりまするように、全国平均で五割の手伝い店員の整理ということが、これは数字的に申しますと約五千人の手伝い店員が整理されたということになるわけで、もっともこの中には常勤のものは割合少うございまして、常勤の手伝い店員で申しますと、この表で申しますと千七百人くらいでございます。要するに非常に多くの店員の整理をするということで、これは労働組合等からもいろいろ話が当委員会にあったようなことでございまして、この点は労働省の方にも十分打ち合せ、労働省にこの事態の認識をはっきりしていただくとともに、この問題につきましては、今後とも労働省と密接に連絡して遺憾なきようにいたしたいと考えておる次第でございます。  それから最後にいわゆる友の会の問題でございまするが、これは主としていわゆる阪急友の会というのが一番大きくクローズ・アップされた問題でございますので、われわれといたしましても、この阪急友の会をとらえまして、これに適当なる是正方を命じ、それを他の同様なる各地において行われております友の会に及ぼすということで、この阪急百貨店といろいろ折衝いたしまして、阪急の方からもこの規定の趣旨に従いまして、自粛した案を出して参りましたが、こちらでもいろいろ検討いたしました結果、今いわゆる積み立てによって百貨店業者が受ける利益の範囲内でのサービスはよろしい、この利益の範囲内ということもいろいろ検討いたしました結果、積立金の金利その他諸般の事情をしんしゃくいたしまして、大体積立金額の一割程度のものはよろしいということで、阪急の出して参りました案を相当削減いたしましたところで、一応これで実施してもよろしいというふうに申したのでございます。この数字は昨年あたりに阪急が行いましたサービスの量から申しますと、ちょうど約半分になっております。阪急以外の百貨店につきましても、こちらで調べましたところによりますと、本年二月現在におきまして、全国の百貨店の表の会は三十七店に及んでおりまして、その運営状況を調査いたしましたが、結局特殊指定の実施と前後いたしまして、三十七店のうち約三割に近いものは友の会を廃止あるいは中止してしまっております。またその他現在残っておりまするものも非常にサービスの率は低うございまして、これを特に取り上げて公正の取引方法として問題にするほどのものは認められなかった次第でございます。  以上はなはだ簡単でございますが、百貨店業につきまして、公正取引委員会が今までやって参りましたいろいろな活動状況のあらましを御説明申し上げましたが、まだ問題は、昨年の暮れに指定されたばかりでございまして、いろいろ解釈上の問題あるいは取り扱いの問題等につきまして、なおいろいろわれわれといたしましても工夫をこらさねばならぬ面がありますので、引き続きこの問題を鋭意続けて参りたいと考えております。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 この際お諮りいたします。議員永井勝次郎君及び長谷川四郎君より小委員外の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 御異議なしと認めこれを許します。永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井勝次郎君 お尋ねいたしますが、昨年当委員会の中小企業対策小委員会におきまして百貨店問題を調査いたしました折、問屋筋及びメーカー等は、大体業者の間の考え方として、百貨店と自分の取扱い商品の一割以上の取引をすると参ってしまう。従って百貨店との取引は大体一割程度にとどめておかないと非常なマイナスになる、こういう考え方でやっておる、こういうことでありますが、これは百貨店の人も出席しているところでのそういう問屋及びメーカー側の意見でありました。いかに百貨店が問屋なりあるいはメーカーをいためつけておるか、ここに大きな経済力を背景にして不公正な取引を強制していろかということが明らかになるわけでありますが、そういうような点からいいまして、たとえば返品がいけない、あるいは委託がいけない、あるいは特売がどうと、こういうふうにはなはだしく不公正な面が出て来たものについてのみここでチェックしていきましても、やはりただいまお話のありました通り、買い取りで返品がいけないということになると、委託ということでこれを返していくという、幾らも商行為の中には抜け道が、次々と新しい方式が、手段が出てくると思うのでありますが、基本的にはやはりこの過度な経済力の集中ということが百貨店になされて、その経済力を背景にしていろいろなことをやるところに根本的な原因があるのではないか、こう思うのであります。もちろん個々の現象をとらえてこれを指定して漸次公正な取引の方向へ持っていくという、こういうことも必要でありますけれども、抜本的な措置を講ずる必要があるのではないか、こうわれわれは考えるわけでありますが、その点について、百貨店問題について、これらの不公正取引の現象面からいろいろ手がけられていきまして、これを特殊指定によって公正に引き戻すという、こういう仕事の実情から、実際の経験から見まして、百貨店問題について基本的にどういうことが必要であるとお考えになっておられるか、これを一つ伺いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 実は百貨店業の問題は、独占禁止法上の問題が相当含まれておるわけでございまするが、考え方によりますれば、独占禁止法以上のいろいろな問題が含まれておるようでございます。われわれの担当いたしております独占禁止法の関係から申しますると、結局ただいまいろいろ申し上げました不公正な取引方法の禁止という面を通じまして、百貨店の不当な行為を是正するということが一つでございます。その点ではわれわれ相当いろいろ考えまして、まだ完璧とは申しかねるかと思いますが、一応ああいう特殊指定をいたしまして、この特殊指定とさらに一般指定というものが、これはすべての業界に通ずるいろいろな不公正な取引方法もほかにありまして、これがやはり百貨店にも適用がこのほかにあるわけでございます。これら相待ちまして、百貨店の不公正な取引方法をわれわれは取り締まる職責があるわけでございますが、さらにこの不公正な取引方法を離れまして、独占禁止法にどういう取締り方法、手段があるかと申しますと、やはりこの関係におきましては、いわゆる私的独占という問題になるのでございまするが、しかしこの私的独占ということは独占禁止法上の観念で申しますると、非常に特殊な事業者の行為によって一定の取引分野における競争が実質的に制限されるという定義になっております結果、御承知のように百貨店業というものがやはり百貨店業相互の間にいろいろ競争もいたしておりまするし、それからまた小売業との競争も相当あるわけでございまして、従いまして独占という規定に個々の百貨店をかけるということは非常にむずかしいのでないかと思います。従いまして、もしこの百貨店というものがその規模が非常に大きいということによって、これを何か強制することによって、他の小売業者なりあるいは問屋を救済をする、利益を保護するという点になりますると、これは独占禁止法は規模の大きいことだけをもってこれを違法とするという立場をとっておりませんので、その面におきまして、独占禁止法の適用ということは相当困難であると考えます。しかしながら先ほども申しましたように、この百貨店問題は独占禁止法よりもさらに大きな問題を含んでおるように私も考えますので、そういう根本的な立場に立って、この問題を取り上げるということになりますれば、またいろいろな考え方なりまた方策もあろうかと存ずるわけでございます。しかしわれわれといたしましては、それらの突き進んだ問題につきましては、まだ法の適用自体の問題でもございませんので、特に検討はいたしておりませんが、問題はそこにもあるというふうに私は考えます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井勝次郎君 公取から特殊指定を受けて、そしてそれに対して百貨店側が反省をして改めていく、こういう仕事の上において、百貨店側にいろいろ特殊指定を受けた事項に対して、これは不公正な取引であるという反省があって改まっておるのか。うるさいからまあこのことはこの程度にしておけ、公取なんというやっかいなものがあってうるさい、こういうような考え方でこれらの問題が百貨店側で処理されているか、仕事をおやりになっていく上において、百貨店側でどういう反省の実があるのか。あるいはお茶をにごすために、表面手伝い人を少くした、あるいは返品を少くした、こういうことなのか、その辺を一つ伺いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 今の点でございまするが、確かに昭和二十七年の五月の警告に対しまする百貨店側の態度は、今申されましたように、どうもうるさいことを言ってきたというような感じが相当強かったのじゃないかと思います。現に警告が一部では守られておりましたが、その警告のあとの状況ははなはだ不満足なものでございましたことは先ほど申した通りであります。しかしだんだんとやはりこれは公正取引委員会の指定とか、あるいはわれわれの活動だけで、というふうには私も了解いたしておりませんが——と申しまするよりも、むしろ小売業なり卸売業がこの問題を真剣に取り上げて、またこれは考え方によりますれば一般の社会の輿論というようにも考えられるのでございまするが、そういうような観点からいたしまして、最近の百貨店業者側の反省の度合いはかなり強いように私は見ております。まだなるほど小うるさいというような面がないわけではないと思いまするが、これはやはり地方によりまして大分いろいろ事情も違うようでございまして、東京のデパート等におきましては相当前から現在に及びまして、かなりこの問題を真剣に考えているように私は感ずるのでございます。なおこの点はデパートのそういう態度と相待ちまして、御承知のように商工会議所方面におきましても、この問題を取り上げて何らかの是正方に、商工会議所としての組織を利用しようということに、相当な熱意を持っているように感ぜられますので、これらの業界における自粛と、それから私どもの取締りの熱意とによりまして、この問題はある程度までは解決できるのではないかと考えておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井勝次郎君 個々の経済の動き、そうしてこれは百貨店の自主的な動きばかりじゃなくて、経済情勢がいろいろに変化していく、そういう一つの環境の中で百貨店が経済行為を行うわけでありますから、固定した条件で固定した動きをさせるということば、もちろんできないわけでありますから、まあ非常に生きた動き方をする。その生きた動き方をする中で、やはり百貨店側もいろいろ活動をしなければいけないが、その活動するわくは公正な取引というワク内で知恵をしぼってサービスをやって、そうして戦っていくという一つのワクがなければならないわけでありますが、東京のように、どんどん大阪から進出してくる、百貨店同士の間の競争が激化してくる、こういうことになりますと、どうしても安易な道における弱い関係を搾取する方向に動いている。そうしてそのやり方が、技術的な面、方法というようなものがますます巧妙をきわめてくるということになろうかと思うのであります。でありますから、自分たちのやっている商行為について、これは悪いんだという反省があれば、その反省の考え方を土台にして、競争の方法というものは考えられるのでありますが、公取なんてうるさいものだ、やっかいなものだと、こういう一つの反発する考え方を持っていろいろやって参りますと、この現われてくる事象に対して公取は後手後手とぶっかけて歩く。なかなか実態はほんとうの公正のわく内で競争させようという法の趣旨が貫かれてこないんじゃないかということが心配されるわけであります。そこでその点について、公取は実際にこれらの問題を扱っておられるわけでありますから、こういう現象を一つずつ取り扱っていく一つの過程を通して、十分百貨店を公正なワク内で動かすことができるんだという自信が持てるかどうか。それと同時に、こういう生きて動いていく経済行為等について、もっと公正にやらせるためには、これ以外に、これを生かすためには、もう一つ違った土台を作ることが必要ではないか。公正な競争というワクをもう一つ掘り下げた土台を一つ作る必要があるのではないか、こう考えるわけでありますが、その点についてはどういうふうにお考えになりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 このデパートに関しまする問題につきましては、先ほどもわれわれの決意を申し上げたのでございますが、しかしわれわれの活動で、はたしてきわめて満足すべき結果が出るかどうかということについては、実はこの問題につきましては昭和二十七、八年ころからいろいろやっておりまするが、なかなか問題の性質上、非常に困難な点もございまして、十分にできるかどうかという点につきましては、いわば太鼓判を押した確信のほどを申し上げるには至っておりませんが、しかし最近のわれわれの活動を通じまして、相当の効果を上げておるように思われますので、この線をもう少し押し進めて参りまして、またわれわれもこういう問題についての経験を積んで参りますれば、かなりな効果を上げ得ると思うのでございます。しかしながら今仰せのように、さらにこの競争の基盤と申しますか、あるいは不公正な競争をなくすについての基盤の問題というようなものは、やはりまた別にあるのではないかとも考えるわけでございます。しかしながらわれわれといたしましては、法律に与えられました職務の中におきまして、できる限りのことをいたしまして、この百貨店問題についてその活動を正当な範囲内に入れまして、他の問屋や小売商の迷惑にならぬようにやって参りたいと考えておるわけであります。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 永井君、よろしゅうございますか。——それでは長谷川四郎君。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 どうも永井さんはそれでいいという話ですが、私は委員長の御答弁は納得できがたい。太鼓判を押すようにやり得るということは困難だと思うが、ということでは、委員長の御答弁としては私は不十分だと思う。そういう御答弁は私は聞きのがしておくわけにはいかないと思う。何のために公正取引委員会をつくっておくか、この点からお考えを願わなければならぬ。できるできないは別問題として、必ずやるんだというこの決意というものが前提でなければならぬ。その決意なくしてあなたが委員会を構成さしておくということはどういう意味であるか、それからまず承わらなければならぬ。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 実は大へん遠慮して申し上げましたのでございますが、決意のほどは先ほど申し上げましたが、いろいろ機構問題その他ございまして、今までやって参りました関係からいいましても、私どもとしましても満足な手が完全に打てておるとは思えませんので、先ほど非常に控え目なことを申し上げましたが、決意といたしましてはどこまでも与えられました職責を尽したいというふうに考えておるわけでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 いずれにしても、われわれは国民の民生の安定のために、一兆円の予算のうち、五千億という莫大な金をかけて、あなたばかりにかけておるのじゃないけれども、民生の安定を願うために皆さんのようなお方にお願いしておくわけなんでありますから、まずそれが前提でなければならぬ。それが精神の中に流れていなければならない。こういうふうに私は深く信ずるからであります。従ってお伺いいたしますが、返品、委託、手伝い店員、無料配達、こういうことがこの中にもうたってあるようでございますが、今申し上げたことが公正取引法に触れるか触れないかということをまずお伺いいたします。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 今申されましたうちのほとんど大部分は、先ほど御説明いたしました、昨年の暮れに指定いたしました不公正な取引方法の中に盛られておりまするが、ただ無料配達の点に至りますると、実はこれは特殊指定の中には入っておらないのでございます。この点はあるいは特殊指定でなく、不公正取引の一般指定の中に、不当な利益をもって競争者の顧客を誘引するという規定がございまして、いわゆる無料配達をすることが不当な利益を顧客に与えていることになるかどうかということによりまして、その解釈のいかんによりまして、一般指定に当ることになるわけでございます。しかし、われわれといたしましては、無料配達そのものが直ちに不当な利益をもってする誘引というふうには必ずしも解釈しがたいのではないかと考えております。もっともこの点は不公正な取引方法の指定以上に、いろいろデパートの方でもいわゆる自粛をやっておるようでございまして、無料配達につきましては、これはデパートの方の側の見解を聞きますれば、別に特に顧客から頼まれればやるというふうな話し合いになっておるようでございます。この独禁法との関係はそういうことになります。その他の点につきましては、明らかに不公正の取引方法として指定してあるのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 買い入れは委託で買い入れて、帳簿は、それが支払いのときは、買付に伝票は変っていると、先ほどのお言葉がありました。どうして委託で買い入れたものが買付に変るか、それは仕入れるときの心理というものがどこにあるか、委員長は、これを解剖してお考えになったことがあるかどうか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 その点は、実は公取が単なる形式的ではなく、取引の実態を見まして、いかに委託のごとき形態をとりましても、その実質が買い取りであれば第一号でございますか、それを適用するという見解のもとに、現在なおそういう怪しげなる取引方法の実態を実はいろいろ調査しておるのでございます。私自身といたしましては、直接その衝に当っておりませんので、詳しい実情ははっきりいたしておりませんが、事務局の方面におきましては、この点についてかなりの調査をいたしておるのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 この心理というものは、余ったらば返そうというのが偽わらざるところの心理でなければならない。そうでなければ委託で買い入れをするはずがない。伝票が買い入れになるはずがない。たまたまそれが売れたから買付に変って支払われた、こういうことであると私は思う。そうでなければ、こういう二重のような伝票は使う必要はない。初めから買付でいっているはずだ。ですから百貨店が委託で買い入れたものを、支払いは買付に伝票が変っているということば、たまたまその品物が売れたから、それが買付に変ったということでございます。そうでなければ、初めから買付にするわけだ。こういうようなややこしいことが行われているということは、たまたまあなた方の方が、昭和二十九年あたりからやっとこれらにどうも目に余る行動がおるということを、たくさんの注文があって、初めてこれらにあなた方が目をつけたから、このようにまだごまかしてやっておることであります。そのごまかしについて、だんだんとこうやってくれ、こうやらなければならぬぞというから、パーセントが少くなったということでしかない。ただこれだけのパーセントが少くなったということである。これならば特殊指定というものに対して照らし合せてみて、これくらいのパーセントならば公正取引とみなすことができるかどうか伺いたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この点は、実はそう形だけで簡単にきめられないのじゃないかと思われまするが、昨年の暮れに指定いたしまする際にも、委託取引に切りかえられるおそれは相当ございまして、この点についての三号というのは、実は正直に申し上げますと、あとから加えましたのでございまするが、しかしこれが必ずしもそういう完全な規定であるとは思っておらないのでございます。この点は、東京並びに大阪におきます公聴会の席上におきましても、十分問題になりましたし、あるいは通産省方面、中小企業庁であったかと思いますが、これは適当な手段をもって、委託販売に逃げるのを取り締る必要があるというような御見解も公聴会で述べられたようないきさつもございました。われわれといたしましては、この委託販売の形式をもっていたしまする諸般のおもしろくない関係を、どういうふうに取り締るかということにつきましては、なお十分に検討いたしたいと考えております。今お示しの問題につきましては、ここでそれが直ちに不公正取引方法に当るかどうかというようなことについて、はっきりしたお答えを申し上げることはできません。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 委託販売ということがいけないということはないはずである。そこで一般の委託販売取引における正常な商習慣に照らして、著しく不利益な条件ということ、不利益な条件ということは、このパーセント内においてもたくさん私はあると思う。ですからあなたの方で取締りが、公正取引としては、どうしてもこれ以上できるかできないかという問題にかかってくると思うわけです。であるから、あなたの方がこれよりもパーセントを少くするわけにいかないんだ、これくらいはもう妥当であろうという考え方はないであろうけれども、これより少くするわけにいかないというのならば、その点は、はっきり明言してもらわなければならぬ。そうなると私の方は、八千七百万人の国民をあずかっておるのでございますから、日本に百四十幾つの百貨店だけを生かそう、これだけを高度に経営させていこうという考え方ではないのである。八千七百万全部の国民のために、われわれは政治を行わなければならないのでございますから、その点を明らかにしておかなければならない。その点はどうでございますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 いかなるものが委託販売の形式をとっても、やはり違法になるかという基準につきましては、今後いろいろ調査いたしました結果に基きまして、できる限り具体的な基準と申しますか、作って参りたいというふうに考えておるわけでございますが、結局、先ほど申し上げました日本絹人絹織物協会というような問屋の団体、百貨店の側と話し合って、そこら辺に公正取引委員会も中に入りまして、そういうような問題についての一つの基準というようなものができまして、それをお互いに守っていくということになりますると、非常に好ましいのではないかと思っております。要するに、なるたけ基準を具体化するということについては、大いに努力を払って参りたいと思っております。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 月賦販売及び友の会、これは何かこの間ちょっと見たんですが、よくわからなかったが、これは公正取引から見て反しますか、反しませんか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 友の会につきましては、先ほどいろいろ御説明を申し上げたのでございまするが、要するに阪急に対しましてわれわれが取りました措置の結果は、積立金の一%程度のサービスをいたすことは、特殊指定の最後の号の三番目の適用除外と申しますか、それに当てはまるという解釈を取りまして、大体この基準で取り締って参りたいと考えております。それから月賦販売につきましては、これはちょうど先ほどの無料配達の問題と同じでございまして、月賦販売そのものを、百貨店業であるから直ちにそれを不公正な取引方法というふうに見ることは困難ではないかというふうに考えております。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 私もその通りだろうと考えます。手伝い店員の問題ですが、手伝い店員というのが依然としてまだ姿を、これだけの数で表わしておる。この数字はアウトサイダーは入っているかいないが、それをお知らせ願いたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 これはデパート協会に属しておりまするデパートだけについて調べたものだそうでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 それではアウトサイダーの方の取締りと、及びそれらの一般の指示伝達方というのは、どういうふうにおやりになっておるか伺います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 不公正取引方法の指定は、御承知のように、これは告示で全般に対してやっておるのでございまして、なおこれはデパートの店員とも関係があるのでございますか、デパートの店員は、この特殊指定の備考の一にございまして、大体相当部分はすでにこの百貨店の店員に入っておりまするし、またこの店員に入っているものも、大体はデパートメント・ストア協会に入っておるのでございますが、この指定自体は、この定義に当てはまりまする百貨店全般に向って行われておるわけでございます。ただその後のいろいろな調査につきましては、先ほどから申しますように、いろいろな事務能力の制約等もございまして、必ずしも全部のデパートというふうにいっておりませんが、しかしこの点はできる限り協会に属するもの以外のデパートにつきましても調査を進めまして、その間に差別的なことのないようにして参りたいと考えております。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 協会に入っていない、また入っているがために非常な不利を求められる、また不利を押しつけられる、こういうような考え方を持ってきてはいないか、私はこういうふうに考えます。また協会に入らない方が、いろいろな拘束がない。こういう点でなるべく協会に入らぬようにしておるであろう。協会に、これを強制的といわなくても、何らかの便法をもって入れる方法、入ってもらう方法ということは、講じられるものか、講じられないものか。協会に入っているがゆえに不利になっているという点があるかないか、こういう点を一つ明らかにしていただきたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 協会に入っていることと、入っていないこととの利害でありますが、これは先ほど申しましたような調査の便宜上、あるいは協会に入っているものにさしあたり調査かいくというような面におきまして、アウトサイダーよりもあるいは強く取り締られておるというような観があるかと思いまするが、そういうような点を除きますれば、入る入らぬについては、そう大した利害関係の相違はないと考えております。なお、協会に強制的に入れるかどうかという点は、われわれの独占禁止法の観点から申しまして、アウトサイダーを協会に強制的に入れるというようなことは、もちろんできないのでございます。これは通産省等の適当なる行政指導によりまして行われるということはあり得るかと思いまするが、われわれの面からといたしまして、法律上これを強制するという手段はないのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 横田委員長は知らないんだな。いずれにしても、これに入会しているものと、していないものということについては、しているものは非常に不利になっているというか、いろいろな点で拘束をされる面が非常に多いようであります。これが独占禁止法によって入らなくてもいいんだということにたって、今の協会というものが解散をして、そうしておのおのかってなことをやっていいというようなことになった場合、かえってあなた方の資料にしても、こいつは皆さんが行って一々調べた資料でなくて、デパートの方で、こんな程度でありますという、こんな程度にお調べになっているのであって、あなた方公正取引委員会が行ってこれを調べたわけじゃない。また調べられるはずもない。ですからこういう直からいっても、たとえば資料を出す面においても、協会に入っていると、非常に何かの面で常に拘束されているというようなことになっているだろう。であるから私は、百貨店という定義があるのですから、定義のあるものを何らかの方法で入れなければならない。協会の中に入れて、そうして公正取引に対する指示伝達というものが明らかにキャッチされなければならない。こういうふうに私は考えているのですが、こういう点について、ただ行政指導でいくということになりますならば、どういう方法をお持ちになっておるか、具体的なお話をお聞かせ願いたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 公取としては、行政指導でここに入れる。私のこの場の気持でございますが、入れようとも思っておりませんし、また入れなければならぬという必要もそう感じてはおりません。なお、たとえば今入っているものも、ここに入っていると調べられるからといって、外に出る。あるいは解散してしまうというようなことがありましても、公正取引委員会としましては、多少協会があった方がいろいろの調べにつきまして、便宜的な点があるかもしれませんが、法律上、個々の業者に対しまして、直接に調べる道は幾らもあるわけでございまして、別にわれわれといたしましては、大した痛みを感じないのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 中小企業全般から見た上に立って、こういうようなデータが出てきているんだが、あなたは中小企業の立場に立って、この程度よりやむを得ないと考えるかどうか。いま一段と公正取引にやってもらわなければならないというような感じは出るか出ないか、それを部長から一つ……。

秋山武夫通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○秋山説明員 非常に範囲も広いし、根の深い問題でございまして、私ども中小企業の擁護的な立場の者から見ましても、公正取引委員会に、これ以上の無理をしいたようなお願いをするということには、おのずから限度があろうということは、お互いに役人同士でございますから、大体わかるのでございますが、ただいまお尋ねのような趣旨で、しからば現に公取において実施せられておるいろいろの手段、方法というものに満足かという意味のお尋ねでございまするが、これはどうも必ずしもそうとばかりも申し上げられないのでございます。ただこれは理屈の問題をやや超越しておるのでございます。大へん卑近な例を申し上げるようでございますが、ある納入業者が、公取の事務局のある課長の名刺をもらって交渉に行ったところが、非常に百貨店側の態度が従来と変っておったというような例も聞いております。従ってこれは単に法律あるいは行政指導というような形のみでなしに、あらゆる面から、不当なものに対して注意を喚起するというか、場合によってはいわゆる行政指導あるいは内面指導に類するようなことも併用すべきで、またそれが場合によっては相当効果があると思うのでございます。従いまして私どもの方は、公取に単に注文をするというだけでなしに、必要な場合には、どしどしお手伝いにも出ておりますし、一緒になって不公正取引をできるだけ減らしていきたいという態度で努めておるのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 先ほども委員長から非常に多種にわたって——百貨店という名前ですから広いのは当りまえなんで、広いからやれないという手はないと思う。それがために公正取引委員会を作り、独禁法という法律を作ってあるのですから、この点は一つ御遠慮なしにやってもらわないと困るわけです。ですから十分御留意していただきたいと思います。もしあなたの方ができなければ、私の方は用意してありますから、いつでも出しますから、その点を一つはっきりと申し上げております。それは私の方で出すということになれば、公正取引委員会というものは、百貨店については、いらぬようなものになると考えます。ですからその点は十分申し上げた通り、でき得る限りの努力を尽していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終りたいと思います。田中君ありがとうございました。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)小委員 ちょっと手伝い店員のことについてお伺いしたい。現在全国で手伝い店員は何人ぐらいおりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 私の役所の本庁並びに福岡、名古屋、大阪にございまする地方事務所を通じまして、東京の百貨店十店、京阪神十店、名古屋十四店、九州四店について調べました結果によりますると、手伝い店員の全国におきます総数は一万七百二十九人、これは二十九年、昨年の十二月二十一日、すなわち指定をいたしたときのものでございます。その後だいぶ減りまして、ことしの一月の三十一日現在では五千七百九十九人で、先ほど申しましたように、四千九百三十人が減っておるわけでございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)小委員 百貨店の労働組合からの話では、二万人ともいわれ、また五万人ともいわれておるわけでございますが、はっきりした実数はつかめていないわけなんでございましょう。私、百貨店の労働組合から聞いたところでは、二万人ないし五万人というようなおよその話なんでございます。いずれにいたしましても、このことについては五千人近い人間が整理されておるわけでございます。公正取引の立場から、手伝い店員についての問題があるのは当然だと思いますが、一面、先ほど委員長も言われましたが、労働問題がこれにからんでくるわけでございます。これを強くやると、一面手伝い店員の失業という問題が起きてくるわけでございます。そういうような点について、どのようなお考えを持っておられますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 実は、労働問題となりますれば、直接にわれわれの関係ではないようでございまするが、しかしわれわれといたしましては、そういう面も十分に考慮いたしながらわれわれの取締りの線を出して、またそれを強化していくということにいたさなければならないと考えておりますので、先ほど申しましたように、手伝い店員の問題を性急に理想の線へ押し進めるということについては、相当の考慮を払っておるわけでございます。なお、この百貨店の手伝い店員の整理につきましては、手伝い店員の側から、個人的にも、また労働組合としても、いろいろ申し出がございまして、われわれといたしましては、問題が深刻でございますので、デパート関係の労働組合の意見等も聞いたのでございますが、ある時期には、手伝い店員というものは、いわゆるデパートの労働者の中では特殊のものであって、むしろ場合によっては、これはほんとうの労働組合の側から見ると、たとえばストライキの場合に、それらがストライキ破りをするというような面もあって、むしろあまり好ましくないのであるというような御意見もあったのでございまするが、しかしやはり同じ職場で働いておられる関係もございまして、後には、やはり労働組合方面からも、この問題は十分に考慮してほしいというようなお申し出もあったようでございます。われわれといたしましては、こういうところに労働問題があるということを、労働省の方にも通じまして、そういう問題があるかということを労働省の方で気づかれたような事情でございまして、今後とも労働省の方と密接に連絡をとりまして、手伝い店員をなくすと申しましても、すべて失業というふちに追いやるということは好ましいことではございませんので、これを本店員に切りかえるなり、あるいは問屋側で引き取るなり、あるいは他の職場を与えるというようなことについて、労働省のいろいろな協力を仰ぎたいと考えておるわけでございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)小委員 今委員長が言われたように、私は手伝い店員を、本店員といいますか、そこの百貨店の従業員にする、こういうようなことが望ましいと思います。百貨店は、それらの人が必要だから自分のところで金を出さずに使っておった。そういうような人は必要だから手伝い店員の問題が起きてきて、公正取引委員会から勧告があったからいうので、これをすぐ首にするとか、やめさせるとかいうことでなく、これは当然百貨店の方で身分を保障するというような方法によって、手伝い店員の問題を解決するような方向へ導いていただきたい、こう思うのでございます。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 その点は、私どもの方といたしましても、できるだけのことをいたしたいと考えておるのでございます。ただ、これはやはりデパートの盛衰といいますか、仕事の業績が上っておりまする場合には、そういう問題は割合にスムーズにいくのではないかと思いまするが、それらの点も十分にらみ合せまして、できる限りこれらの人々の身柄がしかるべきところにおさまるように、われわれといたしても努力いたしたいと考えております。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)小委員 私の希望するところは、要は失業者を出さないように、労働問題を起さないような方法によって、この問題を解決していきたいという希望を申し上げておるのです。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 百貨店問題は、独占禁止法上の問題が一つ、もう一つは規模の面から見た、いわゆる公正競争の基盤確立の問題が残る。この二つの面があるという御説明があったようでありますが、公正競争の基盤の問題として残るという発言はどういうことを考えておるか、そこをもう少し具体的にお話を伺いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 公正競争の基盤の問題を申し上げましたのは、あるいは少し私の言い方が悪かったかと存じますが、これは御承知のように、現在あるいはデパートについては新しいものを作ることを制約するとか、あるいは売場面積について若干の制限を設けるとか、あるいは夜間営業をやめるとか一要するにデパートの活動をある程度に制約することによりまして、小売商の生きていく道を多少でもあけてやるというような御意向があちらこちらにうかがわれるように思います。問題をそこまで持って参りますことば、いわゆるわれわれ独占禁止法の観点からも無理でございます。もし問題をそこまで持っていく社会的な要請があるといたしますれば、そういう点についていろいろ考える余地があるのではないかということを申したのでございます。非常に言い方が適切でなかったかと思います。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 本日はこの程度にいたし、次会は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。    午後零時二十三分散会

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