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22回国会衆議院1955/05/16

商工委員会私的独占の禁止並びに公正取引に関する小委員会 第1号

発言数
19
登壇者
5
会派数
1
開催日
1955/05/16

会議録

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 これより会議を開きます。  私的独占の禁止並びに公正取引に関し調査を進めます。先般商工委員会において公正取引委員会委員長より概略その説明を聴取いたしましたが、本日はまず私的独占禁止法の最近の運用状況について細目にわたる説明を聴取いたしたいと存じます。横田公正取引委員会委員長。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 先日簡単に申し上げましたいろいろの問題のうちで、本日は先般の独占禁止法改正法によりまして新たに認められることになりましたカルテルの問題、そのうちで特にいわゆる企業合理化のためのカルテル、これに関しまして最近にいろいろな動きがございまして、公正取引委員会において認可をいたしましたものが二件、それからまさに認可になろうとしておりますものが一件ということになっておりますので、それらの問題につきまして少し詳細に申し上げてみようかと思います。  この合理化カルテルにつきましては、ただいま申しました三件、それより前にビスケットのカルテル、この中に入っておりませんが、ビスケットの規格を向上せしむるという意味で、その粉の配合その他に関しましてある一定の規格を定めまして、それ以上のものにつきましては上等品であることを示す意味の証紙を張り、その以下のものにつきましては別段の表示をしないという趣旨の合理化カルテルの申請がございましたが、これはいろいろ調査いたしました結果、その程度のことは認可を経ないでやれるという見解のもとに、このカルテルの認可申請は取り下げになりまして、現にそれに基きまして認可を得ないで現実にやっておる状況でございます。  それからその次に出て参りましたのがくず鉄の購入に関するカルテルでございます。これは八幡製鉄そのほか十九社から、国内のくず鉄の購入価格に関するカルテル、それに輸入銅くずに関するカルテルというものの認可申請が一昨年の暮れにございましたが、これはいろいろな事情がございまして、調査をいたしておりまする途中に結局申請の取り下げということになったのでございます。  ところがことしになりましてからまず第一に国内の銅くずのカルテルというものが問題になって参りまして、今年の三月九日に伸銅業者約百社からなります故銅輸入協議会というのから国内の輸入銅くずに関しまするカルテル、詳しく申し上げますと、銅くずの需給計画及びこれに基く輸入を要する銅くずの購入計画の策定、輸入銅くず購入量、購入の時期、品種に関する協定、輸入銅くず購入価格に関する協定、輸入銅くずの共同購入に関する協定、こういうものを締結いたしたいということで独占禁止法の二十四条の四の合理化カルテルの認可の申請がございました。これにつきましては御承知のように、銅くずの輸入に関しましてはとかく各社が買いあさりをいたしまして、その値をつり上げるというような気配がありましたので、輸入価格の適正化が主たる目的でございまして、いろいろ調査いたしました結果、このカルテルはいろいろの弊害を伴わないということが認められましたので、その月の三十一日にこれを認可いたしました。合理化カルテルの認可といたしましてはこれが第一号になったわけであります。  なおこの銅くずにつきましては国内銅くずの問題もいろいろあるわけであります。このカルテルにおきましては一応輸入くずに限定をいたしまして、国内の問題には触れておりませんが、これも国内の銅くずの問題が背後にはひそんでおるわけでございます。  それから次に出て参りましたのが、一昨年の暮れに申請がありまして、ついに取り下げになりました鉄くずの問題でございます。御承知のように鉄くずは非常に製鉄業にとりましては重要な一つの原料でありまして、これが合理的に入手がはかられるということが製鉄業にとりましてはかなり重要なことになっておることは御承知の通りでございます。そこで今回は八幡製鉄外十七社、合計十八社から三月三十日にくず鉄の購入に関する共同購入の認可申請がございました。これは先ほどの故銅、銅くずと全く似たような趣旨のものでございますが、この方はやや範囲が広うございまして、協定の内容を申し上げますと、国内鉄くずの購入価格に関する協定でございます。この価格につきましては大体最高級のものを一万五千円、それを目標といたしまして毎月だんだんにその目標額に近づけていくということが主たるねらいでございます。但しこのカルテルにつきましては、御承知のようにくず鉄業者の利益が不当に害されるおそれがないわけではないのでございまして、従いましてこのカルテルの内容といたしましても、日本くず鉄連盟の意見をしんしゃくしてきめるというような、それらの関連業者の利益を擁護するような条件が一つ内容の中に入っておるわけでございます。そしてその一万五千円を最高級といたしまして、一級品以下につきましてはこのカルテルにおいて大体格差というものを一応はっきりきめて、その上が下りますと下のものも自然に下っていくというような仕組みになっておるわけでございます。この国内の鉄くずの購入は価格にだけ関するものでございまして、購入の数量につきましてはこのカルテルの内容にはなっておらないのでございます。  次に輸入鉄くずに関しまする協定がやはり申請になっておりまして、この方は輸入鉄くずの購入の価格のみならず、鉄くずの購入方法等につきましても、各社が無計画に購入いたしますると、輸入鉄くずの価格を不当につり上げる。ちょうどくず鉄で申しましたと同じような問題が生じまするので、この購入方法につきまして適当な調整をはかるということがカルテルの内容になっております。この実行方法といたしましては、いろいろその下部組織等を設けましてその実行を期するようになっておりますが、この鉄くずのカルテルにつきましてはいろいろ問題がございますが、要するに鉄くずは製鉄の主要原料でございまするし、原価の構成におきまして、銑鉄と並びましてかなり大きな比重を占めておりまするが、元来これはほかの普通の原材料と違いまして、発生するものであって、生産されるものでない。しかも国内の供給源がきわめて制約されておるというために、一般の生産品に比べまして価格の自動調節作用がにぶい。従いまして価格の変動が非常に激しい。そして需給関係が逼迫しますと、過度の買付競争が生じて価格の暴騰が見られる。その結果原価の上昇をもたらすというようなことになりますし、最近輸出の増大等によって鋼材の生産が増加するに伴いまして、鉄くずに対する需要が急に高まって参りまして、そのために鉄くずの価格が高騰しておる。こういうような場合におきましては、輸入鉄くずが自由に入手できない限りは、価格の暴騰を抑制して、その安定をはかることは共同行為によらなければ相当困難であるという事情でございまして、従いましてこの共同行為のうちの国内鉄くずの購入価格に関する協定は、生産原価の引き下げ、安定に役立つものであって、いわゆる企業の合理化を促進するために必要であろうと認められたわけでございます。  それから輸入くず鉄につきましては、やはり昨年春ころまで非常に無秩序な買いあさり競争の結果、たとえば東南アジアのようにわが国が唯一の買手であるような地域におきましても輸入価格が暴騰いたしたようなことが相当多いのでございます。また買いあさりの競争が買付地域の鉄鋼業者を刺激し、輸入についていろいろな不利益な結果が生じた場合もございまして、その後米国からの輸入量が増大したこと、ドル地域からの輸入について外貨の割当制がとられたこと、鉄くずの需給関係が一時緩和したこと等の事情によりまして、買いあさり競争も次第に弱まり、最近ではほぼ適正な価格で輸入し得るようになりました。しかし今後も買付地域におきます輸出市場の変化、国内の需給関係の推移によりましては、再び無秩序な買いあさり競争が行われまして、その結果輸入価格が暴騰し生産原価の上昇をもたらすことになる可能性もないではないのでございます。また国内、輸入を合せまして、鉄くず全体の需給を安定させるためには、輸入の時期、数量等をも調整することが必要と考えられますので、この共同行為のうちの輸入鉄くずに関する協定は、単に価格の面だけでなく、購入方法についても共同行為を必要といたすように考えられます。この点につきましても企業の合理化を遂行するために特に必要であろうと考えられた次第でございます。ただこれは先ほど申しましたように、国内の鉄くず取扱い業者の利益を十分に考慮いたさなければなりませんので、この点については先ほど申しましたように最終の安定価格の一万五千円というものが果して適当なものであるかどうかということにつきましては、かなりの検討をいたしまして、大体その程度のところが安定価格といたしましては妥当なところではないかというふうに考えまして、一応その基準を認めたわけでございます。しかし現在御承知のようにこれよりもよほど上回った価格が出ております。それを一挙にこの価格へ持って参りますにつきましては、関連業者でございます鉄くず取扱い業者の立場も十分考慮いたさなければなりませんので、この点は先ほどちょうど触れましたように、鉄くず取扱い業者をもって充てております事業者団体がございますので、その事業者団体であるところの日本くず鉄連盟の意見も十分参酌して、毎月々々その月において買い付けますくず鉄の価格をきめて参る。これは協定ではございませんが、そういう意見をしんしゃくしてそういうものをきめていくということにいたした次第でございます。  なおこの問題につきましては、主たる影響を受けますものは鉄くず取扱い業者でございますが、鉄くず発生者の利益も考慮いたさなければなりませんし、また輸入に関しましては、輸入商社の利益も考えなければなりませんし、また御承知のように今度の申請は特殊鋼の生産者は除かれております。いわゆるアウトサイダーがあるわけでございますから、このアウトサイダーの利益も十分に考慮いたさなければなりません。それらの点も慎重に考慮いたしたのでございます。もっとも、これはすでに一昨年の暮れに申請がありました際に、十分にそれらの関係の業界の動きというものを調査いたしておりましたものですから、今回の申請につきましてはそれらが非常に役に立ちまして、その後のいろいろな事情をしんしゃくいたしましてかなり早くこの問題を処理することができたわけでございます。結局三月三十日に申請がございましたものを、四月十一日、きわめて短期間に処理できましたのも、十分に前からの検討が役に立ったからでございます。但しこのカルテルにつきましては、いろいろその後の動きというものがございますので、その後の動きというものを常に監視して参りたいと考えております。  それから第三番目の合理化カルテルの申請といたしまして、これは先月の六日に東洋紡績外大体百二十社と心得ておりまするが、綿紡績会社から混紡糸の生産品種の制限に関する合理化カルテルの申請がございました このねらいは要するに粗悪な混紡糸の乱造を排しまして、スフの混紡割合三五%未満の優良混紡糸に生産を集中することを最終の目的といたしまして、まず生産品の検査をいたしまして、純綿には純綿、それから混紡割合三五%未満の比較的綿の多いものにつきましてはスフ混紡綿糸という表示をいたしまして、それからそれ以下の三五%以上のスフを含んでおりますものを雑混紡糸という表示をつけるということにいたします。かつそういう表示につきましては、いろいろ厳格な制限を設けまして、表示をいたしませんでしたり、あるいは検査を受けなかったり、あるいは間違った表示をいたしましたり、証紙を張るわけでありますが、それを悪用いたした場合におきましては、かなり強い罰則をもって臨む、こういうカルテルを合理化カルテルとして認めてほしいという申請がございました。その運営につきましては中に運営委員会というようなものを設けまして、これを具体的に運営していくというようなことになっておるわけでございます。これはちょうど最初に申し上げましたビスケットの合理化カルテルにやや似た面がございますが、それよりはよほど進んだ面もございまするし、なおこのカルテルの内容そのものは何も直接に生産品種の制限をしてはおりませんけれども、こういう検査を通じまして、かっこういう表示をいたしますことは、いわゆる三五%以上のスフを含んでおりまする雑混紡糸というものに対しましての一般の評価というものが非常に低くなりまする結果、自然にそういう方の生産が手控えられるであろうというところがこのカルテルのねらいでございます。やはりこれは一種の法律の規定いたします合理化カルテルの範疇に属するものと考えて差しつかえないのではないかというので、こういう共同行為をとりますことによって生じますいろいろな利害得失を検討いたしました結果、合理化に役立ちかつ法律の規定によるという大体の結論が出ましたので、業界の要望でございますると、大体今月の二十日、二十一日くらいからこの検査を始めたいというような意向でございまするので、それに間に合いまするように認可をいたしたいと考えております。  以上が先日概略を申し上げましたいわゆる合理化カルテルの、最近に申請のありましたものの三件についてのお話でございます。  次に条文でございますと、もう一つ前の二十四条の三の不況カルテルの問題でございます。これは二十八年、一昨年の九月にこういう不況カルテルの認可の道が開かれたわけでございますが、しかしその当時公取といたしまして、国会におきます審議の際にもこれが法律となりまして施行されました後におきましても、不況カルテルはこれを安易に認めます場合には日本の産業に対しておもしろくない影響を生ずるという建前のもとに、安易には認可をいたさない、また現実にそれに値するような、法律の規定に当てはまるようなものは一応見受けられない、これはたしか通産当局からもその当時そういうふうにお答えしておったようでございます。そういうことを申し上げ、合理化カルテルにつきましては合理化に役立ちかつ弊害のない限りは認めていくということを申し上げたのでございます。この基本的な方針は現在でも全然変っておらないのでございます。それでこの合理化につきましては、御承知のようにコストの引き下げあるいは品質の向上ということが、わが国の産業、ことに輸出産業を促進いたしますためには、欠くべからざる条件になっております点にかんがみまして、この合理化カルテルにつきましては、これが合理化に役立ちかつ一面におきまして関連業者あるいは消費者の利益を不当に害するおそがない、また業者間に不当な差別をつけるようなこともない、また特定の企業に生産を集中するというような弊害が認められない限り、むしろ積極的にこれを認可していくという方針を現在でも持っておるわけでございます。ただこの点につきましては、公取はせっかく独禁法が合理化カルテルを認めておるにかかわらず、事実上これを拒否することによって、改正法を踏みにじっておるのではないかというような誤解が一時生じたようでございます。ことに最初に申しました一昨年の暮れに申請になりました鉄くずの合理化カルテルについて、結局それが取り下げになりましたような経過に照らしまして、公取はこれを認めない方針ではないかというがごとき誤解があったのでございますが、これはまさに誤解でございまして、最近におきますこの三件の処理の結果を見ていただきますれば、合理化カルテルに対する公取の見解は御了解願えるものと思うのでございます。不況カルテルにつきましては、やはり基本的な考え方は現在においても変っておらないつもりでございます。ただこの産業の中にはいろいろございまして、主として国際的要因から、最近市況が回復し、価格も上っておるというような産業部門が一方にあるかと思いますれば、反面におきましてデフレ政策の進行に従いまして、不況がかなり深刻になっておる産業がまた一方に見受けられるというような状況でございまして、今日この二つの異なった動向に対処いたしまするためには、一方においては安易にカルテルを結成しようとする動きに対しましては、あくまで明確な態度で臨む必要があると同時に、他方におきまして、不況が激化し、その産業に深刻な打撃を与えるおそれがあるような場合には、不況カルテルの適用除外というような道が認められておるわけでございますから、効果的に活用する。認可の方針につきましても、実態に即した弾力的な考慮を払い、また迅速に機動的な処理をするということは、私どもとして考えておるわけでございます。この点も実は先般このカルテルに関するわれわれの態度につきまして、大阪の商工会議所から建議がございまして、これに対しまして公取から回答いたしました中に、ただいま申しました公取の方針を一応申した次第でございます。この点がまたややもいたしますると、合理化カルテルのみならず、不況カルテルも公取が非常に何でもかんでも弾力性を持って運用するのではないか、カルテルに関する公取の態度が最近ゆるんで来ておるのではないかというような——これも私は誤解と思うのでございますが、そういう声も多少私の耳にも入って来ておりますが、この点はただいま申し上げましたのが公取の真意でございまして、今後そういう方針に従ってやって参りたいと考えております。ところでこの不況カルテルに対しましては、先般も運用状況の概略と申しますものの中にきわめて簡単に触れてございますように、ほうろう鉄器その他二、三の業界から、いわゆる操短、生産制限等の共同行為によって不況を切り抜けたいというようなことで、公正取引委員会にいろいろ問い合せ、申し出があったのでございますが、このカルテル問題は、御承知のように、業界の内部である程度の歩調がそろいませんと、とうてい意味をなさないのでございまして、これらの業界におきましても内部のカルテルの結成の可能性ということがいろいろ検討されておる模様でございますが、いまだその機が熟しませんか、そういうような問題につきましては正式に認可申請が一ぺんも現在ない状態でございます。  なおこれらの点につきまして、もう少しこまかい点を申し上げた方がよいようでございましたら、担当の者が来ておりますから、そちらからもう少し具体的な最近の動きを申し上げたいと思います。一応先般の改正法にも認められましたカルテル認可制度に関します公正取引委員会の最近の活動状況は以上の通りでございます。  はなはだ簡単でございましたが、一応これをもちましてカルテル問題についてお話を終りたいと思います。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 それでは丸山調整課長。

丸山泰男総理府事務官(公正取引委員会事務局経済部調整課長)

○丸山説明員 ただいま委員長からカルテルの認可方針について大体の状況を御報告申し上げたわけでございますが、なお補足して、最近の特に不況カルテルについて、私どもの方へ問い合せのありまする問題、あるいは今までの問題について、ごく簡単に申し上げてみたいと思います。  ただいま委員長のお言葉の中に羊毛の問題が漏れておりましたが、これもおそらく概況の中には記録してあるかと思いますが、羊毛につきましては、やはり正式の認可申請書の提出というところまでは至らなかったのですが、一時羊毛価格が下落いたしました。これはもちろん原料ではなくて、梳毛糸、紡毛糸に関する価格でありますが、ところがこれは貿易金融等の引き締めが原因になりまして、一時投げものが出た。そういう程度でありまして、その後漸次金融引き締めが常態化いたしますことによって、秋物、冬物等の先物の値段が回復いたして参りまして、そういう関係から、これも実際問題としては取り下げということになりました。ただ羊毛工業と申しましても、大企業の多い梳毛部門と中小企業の多い紡毛部門、この二つの部門があるわけでございまして、中小企業の多い紡毛部門につきましては、これはやはり業態の性質として、価格の回復も梳毛に比べて悪いというようなところから、この部門につきましては、別途中小企業安定法の運用によりまして問題を処理することになりました。梳毛部門だけを不況カルテルとして申請するということも、値段等の関係から必ずしも現行の独占禁止法の不況カルテルの認可要件には乗りにくいというところで、結局取り下げになった。  そのほか、イーストとかペニシリンとか、その他二、三の業種につきまして、不況カルテルの結成をしたいというような希望があり、事前に公正取引委員会の事務局にいろいろ問い合せがございました。それらにつきましては、一々認可申請の手続その他についての説明をいたしておりますが、ただいま委員長からもお話がありましたように、業界内部で必ずしも利害の一致が見られない、話し合いがまとまらないというところから、認可申請の取り運びに至らないという実情でございます。  そのほかの合理化カルテルとしまして、近く申請が出そうな状態になっておりますものとしては、軸受け工業、ベアリングがございます。それから自転車につきましても若干そういう話がございます。これはいずれも大体生産品種の専門化というような構想をもって、合理化カルテルを結成したいという意向でありますが、これらにつきましてはまだ十分調査する段階までに行っておりません。大体以上であります。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 質疑に入ります。  この際、議員長谷川四郎君より小委員外の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 それでは長谷川君の発言を許します。長谷川君。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 それでは一つ簡単な問題を聞きますけれども、そうすると合理化カルテルというものが結成されれば、そのアウトサイダーの方はどういうことになるのですか、アウトサイダーはそのまま認めるということになるのですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 独占禁止法の合理化カルテルにつきましては、むしろアウトサイダーを認めるという建前でございまして、認可の要件にも強制加入あるいは脱退を制限するということはいけない、むしろカルテルを認めてはならない要件の一つになっておるわけでございまして、その意味におきましてアウトサイダーの存在を認めておるのでございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 そうすると、国内はいずれにしても、国外が問題になるのだが、国外においてたとえばこのカルテルが結成されて、他のアウトサイダーが行って買い入れの競争があった、こういうことが今日までにあったかないかということと、適正価格というものはどういうことを基本として適正価格というものをあなたの方で決定するか、これを一つ御説明願いたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 実例といたしまして、輸入関係におきまして、鋸くずあるいは鉄くずにつきましていわゆるアウトサイダーが向うへ行きまして買いあさるというような事態がかつて生じ、あるいは将来生ずるであろうということにつきましては、私どもとしまして十分な資料を持っておりませんし、また将来の見通しもそうはっきりいたしませんが、大体銅につきましてはほとんど大部分、ごくわずかのアウトサイダーがあるだけであるように聞いておりまするし、それから鉄につきましては、御承知の特殊鋼がはずれておりまするが、しかし最初は大体大きな製鉄業者だけでというような構想もあったようでございまするが、御承知のように十八社という相当な範囲が入っておりますので、アウトサイダーによる買いあさりの弊害というものはそれほど心配がないのではないかと思いまするし、ことに輸入につきましては、御承知の輸入に関しまする統制がございますので、これはまたそういう面におきましても弊害がかなり押えられるのではないかというふうに考えております。  それから先ほどの適正価格というお話でございますが、これは鉄の問題、ことに国内くず鉄の購入に関する問題であろうと思いますが、一応その問題についての考え方を申し上げておきたいと思います。これは認可をいたします際に、われわれが考えましたことのきわめてアウトラインでございますが、現在の製鋼用の一番いい一号銑鉄の価格、これは建値ではございませんが、実際取引価格と申しますか、認可の際の二万三千五百円のもとにおきましては、大体くず鉄の価格というものが、今までのいろいろな資料によりました計算におきますると、特級品につきましてはおおむね銑鉄価格の七〇%というような数字が出ておるようであります。この計算によりますと、くず鉄の安定価格とでも申しますものが、一万六千五百円というようなことになりまして、申請者が国内鉄くず価格の最終安定目標としておりますのが、先ほど申しましたように一万五千円ということになりますと、現行銑鉄価格に比較いたしますと、六三・八%というようなことになりまして、従いまして本共同購入による安定の最終目標というものが上記の比率を恒久的、画一的に固定化させるということになりますると、先ほども申しましたパーセンテージから見ますと、申請による価格は安定価格としていささか低きに失するのではないかというふうにも考えられるのでございます。鉄くずの取扱い業者は、単に転売利益の取得を目的として鉄くずを売買しておるわけでございませんので、そのマージンは輸送、選別、プレス等に要しました費用を償うに足りるものでなければならないのでございます。当委員会が調査いたしました結果によりますと、昨年の国内の鉄くず価格が一万五千円前後でありました場合に、取扱い業者が入手いたしましたマージンは、取引段階によっていろいろ違うのでございますが、集荷費用をまかなうに必ずしも十分ではなかったのでございます。もとより集荷費用は、経済的諸条件の変動につれて変化するものであることは言うまでもございませんが、前述の調査の結果から見ますと、国内鉄くず価格が、申請の言います最終安定目標価格に固定化されるということになりますと、取扱い業者の利益が害されるおそれが生ずるのでございます。このように最終安定価格を一万五千円としまする点につきましては、取扱い業者の利益から見て全く問題なしとは言えないのでございまするが、他方に国内鉄くずの各月の購入価格は、結局参加者の需給状況、鉄くずの入荷状況等を勘案して決定するものとされておりまするから、最終目標価格に到達したあとでありましても、必ずしも同価格が固定化するものとは見られないのでございます。また各月購入価格決定の際には、この協定の中にもございますが、各階層にわたり取扱い業者の大部分を包含いたしまする日本くず鉄連盟の意見を参酌することになっておりまするから、取扱い業者の利益を十分尊重する用意があるように察せられるのでございます。さらにまた取扱い業者のうち、取引段階の下部にありまして、主として下級品を取り扱う業者は、価格の値下げによって最も不利益をこうむることになりやすいのでございまするが、最終安定目標価格によりまする規格別価格差、これは先ほどちょっと触れましたが、すなわち上級品と下級品との値幅というものは、過去の実績に見られまする値幅よりもかなり狭められておるのでございます。これは製鉄業者の方でいろいろ取扱い業者の立場を考えた点、それから一万五千円がかなり低いという点もあるかもしれませんが、上級品と下級品との値幅がかなりはっきり狭められておりまするので、この面ではこのような業者に対する影響はかなり緩和されておると見られるのでございます。なお各月の購入価格の決定は相当の予告期間を設けるというようなことにもなっておりますので、この点につきましても鉄くず業者の立場はかなり考慮されておるように思います。従いまして本共同行為が取扱い業者に及ぼしまする影響は、この共同行為の運用並びに経済諸条件の推移のいかんによって決定せられるのでございまして、一方五千円は多少低いとは思いまするが、今直ちにこの協定が取扱い業者の利益を不当に害するおそれがあるとみなすことは当を得ないというふうに考えまして、一応この線による認可申請を得たのであります。しかしこの点は先ほどから申しますように、いろいろその後の事情の変更等によりまして、あるいはそういう価格を維持することが少くともくず鉄取扱い業者の利益を不当に害すると認められるようになりますれば、認可取り消しの問題になるわけでございます。その意味におきましても、今後も現行の価格からこの価格に至りまする経過を十分に注意して見て参りたいと考えております。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 変動が非常に激しいというお話が前にありましたが、それを毎月この価格の決定をやるというお話もありましたし、こういうことが可能であるかどうかということが一点、それから証紙の点が出ておりますが、たとえばビスケットにおきましても、綿紡におきましても、その証紙の規格というものを、何人がその規格の検査をし決定をするか、その点について御説明を願います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 これはこの認可申請によりますると、一応取扱い業者の意見をしんしゃくいたしまして、毎月決定いたすことになっております。これは実際問題といたしますると、先ほど申しましたくず鉄連盟との折衝というものにいろいろな支障があることとは思いまするが、しかしこれは毎月きわめて円満にいくかどうかは多少疑問でございますけれども、一応それでやっていけるのではないかというふうに考えております。なお、この毎月の価格の決定につきましては、一々公取の方に届出をすることになっておるのであります。それから先ほどのビスケットあるいは先ほど申し上げましたうちで混紡糸の規格につきましては、これは主として輸出品の検査をいたすために政府の認めました検査機関といたしまして、すでに日本紡績検査協会というのがございまして、この混紡糸の比率の問題、スフの混入の比率の検査並びにそれに基きまする証紙等の表示の方法というようなものは、すべてこの検査機関の検査員によって行われるということになっておる次第でございます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 ビスケットは……。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 ビスケットにつきましては、私詳しく存じませんので、ちょうど担当の者が来ておりますから、そちらの方からお答えいたします。

岸川忠嘉総理府事務官(公正取引委員会事務局経済部調査課長)

○岸川説明員 ビスケットに関しましては、これはすでに取り下げになっておりまして、事実上はそのようなことは行われていないそうでございますが、御参考までにお答えいたします。戦争中にビスケットの構成規格というものがかつて定められたことがあるそうでございまして、そのときの規格に、砂糖の構成と小麦粉の構成と、それから油、そういう主要な原料の構成に関しまして、ある優良なビスケットはそのような比率を持ったものであるという基準があったそうであります。それで今度申請になって取り下げられましたビスケットの場合にもそのときの基準を基準にいたしまして、それより以下の商品、以下のビスケットは証紙を渡すわけにいかない。それ以上、それに合格した以上のものに渡そうということでありまして、その検査はビスケット協会の中にそういう検査機関というものを設けまして、その機関が先ほど申し上げました基準で行おう、こういうふうな計画であったようであります。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 幸いこれはないからいいけれども、もし今後あるとした場合、戦争中の規格というものは今日に至ってはちょっと当てはまらぬと私は思うのです。しかし一応はあなたの方で合理化カルテルをされるために許可をして、証紙を勝手に張らしておいた場合に、抜き取り検査というようなことをときどきやらなければならないと思いますが、あなたのところにそれをやるだけの余裕があるかどうか、そういうようなことをやったためしがあるかどうか。今日までたとえば百貨店なら百貨店というような問題が出て、抜き取り検査と同じにあなたのところで人を派遣して調査したことがあるか。食糧の問題に対してもあなたの方で許可認可した問題に対してあったかどうかという点、それをやるだけの余裕があるかないか、これを一つお聞きしたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 そういう規格を調べる、これはこの問題のみならず、いろいろな規格を調べるということがもし公取の仕事の上で必要というようなことになりました場合に、一体それに応ずるだけの陣容が整っておるかという御質問と思いますが、この点はそういう十分の組織を持っておらないとはっきり申し上げてよいかと思います。これはアメリカにおきましては、いろいろ商品に表示をするということが相当盛んに行われておりまして、この点はことに毛、綿というようなものにつきまして、そういう制度があるようでありまして、ちょうど日本で申しますと公正取引委員会に相当いたしますようなものがそれを検査いたしまして、それがもし看板に偽りがございますと、それは違反ということで取り締るようになっておるようでございます。これには相当膨大な組織を持っておるようでございます。公取の場合につきましては、そういう点では特に法律上の職務ということにはっきり指定してあるわけではございませんので、もしそういうような面に検査というような必要が出て参りまして、調査というような必要が出て参りますれば、もちろん現在の公取の機構では十分できないと考えられます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川四郎君 他の国は非常に良心的に製品も作り、そして規格、証紙というような点については、明らかにこれが貼付されている。それを国内においてもやろうというようなお考えが出ているようであります。また、あなたのところへ申請があって取り下げにはなったけれども一応は提出してある、たとえばビスケットの問題一つ出しましても、その通りであります。今後繊維全般にわたってもそういうような傾向があると私は思う。しかしこういうときであるので、あなたのところで、ただめくら判であんまに判をもらったと同じことで、認可はしたけれども、そのままほっておいたのでは何ら価値がないのであって、こういうことは合理化カルテルの中に、そういうことはしてはならないという方が、かえっていいのではないかと、私は今の公取を見ればそうでないかと考えられます。しかし幸いに国内こおいてはまだそういう面がないそうですから、これでけっこうだというわけにはいかないだろうが、まあいいでしょう。しかし今後こういう面において行う場合には、あなたのところで認可を与える場合には、まず、与えるだけのすべての用意と準備が整えられて、それを抜き取り検査する場合、どこでもって検査をするという——検査をするのは当然あなた方の手によって検査をしなければならないはずなんだから、そういうものができていなければ、認可をするということはとうてい困難じゃないか、こういうふうに私は考えます。ですから、そういう面については今後十分気をつけてもらわなければならないと思います。それには、許可をするには許可をするような、認可をするには認可をするような、すべてのものを整えた上でなければならない、こういうふうに私は考えます。先ほどのお話の一カ月間というやつは少し納得がいかないが、以上申し上げまして、あとは次会に譲ります。

小笠公韶日本民主党

○小笠小委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は追って公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時二分散会

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