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22回国会衆議院1955/05/30

商工委員会科学技術振興に関する小委員会 第4号

発言数
34
登壇者
3
会派数
2
開催日
1955/05/30

会議録

前田正男自由党

○前田小委員長 これより会議を開きます。  この際申し上げますが、小委員外の商工委員の方々の発言は、随時これを許すことにいたしたいと存じますので御了承願いたいと思います。  前会に引き続き、本日議題となりました件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。齋藤憲三君。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 この工業技術院の工業化試験費補助金三億一千四百万、それから鉱工業技術研究費補助金一億九千万円、これはまだその使途ははっきりしてないと思いますが、このうちで大きな継続的な補助金あるいは研究費補助金というものは大体どのくらいのパーセンテージを占めておるものか、新しいものにはどのくらいやるというめどがありますか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 工業化試験費補助金と鉱工業技術研究費補助金については、年度の初めにおきまして、私どもが現下重要であると考えております事柄、それを重要課題ということで明示いたしまして、そうして申請を受けております。しかしながらその課題だけしかとらないかと申しますと、そうではなくて、課題以外のものでありましても、その研究が非常に重要で、また独創性のあると考えられるものにつきましてはこれをとるようにいたしている次第でございます。今ほどの御質問でございますが、前年度の継続と新規にするものとはどういう関係になるかということでございますが、毎年の例によりますと、継続というのは少いのでございまして、ただ応用研究で成果が出たものを、スケールを大きくいたしまして、工業化の試験に移りたい、こういうものが相当ございますので、そういうものは私どもといたしましても、極力その仕事を推進する上から採用するように心がけている次第でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 工業技術院に所属しておりますいろいろな調査所、試験所というものがあるのですが、その中の電気試験所予算ですが、電気試験所では河かメートルの試験をやるのじゃないのですか。あれの収入は特別会計に入るのですか、額はどのくらいですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 電気試験所におきましては、電気測定法によりまして取引に使いますところの電気計器の検定をやっているのでございます。これの収入は一般会計に入っております。額は後ほど申し上げます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 この前も質問して、工業技術院長がおられないで要領を得なかったのですが、昨年度のひもつき予算の一千五百万円のゲルマニウムですが、あれはどこどこへ分配されてどういうふうに使っているのですか。一体今年の継続研究費というのはどこの予算の中に含まれているのか。どのくらいの金額を想定しておられるのか、それをお聞きしたい。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 昨年の工鉱業技術特別研究補助金チタニウム及びゲルマニウムの交付につきましては、研究組織をそれぞれに作りまして、その研究組織でその分野の方々の衆知を集めました上に、予算の配分につきましては全体に、これを片寄ることなくその中から選択いたしまして金を出す。申し上げますと、それぞれの関係の各分野の方々から出し合にていただきまして、実際手を下す方は適当だと思われるところで仕事をやっていただく、こういうような方法をとった次第でございます。チタニウムの方から申し上げますと、チタニウムの関係といたしまして研究題目といたしましては、七つの課題を取り上げまして、一つは含チタン砂鉄の性状に関する研究でございます。これは東北大学の選鉱製錬研究所の方にこの仕事はお願いいたしまして、経費といたしまして百十万円。それから第二番目といたしまして含チタン砂鉄の選鉱の研究、これは資源試験所の方にお願いいたしまして、この補助金四百十万円。それから含チタン砂鉄の粉砕性に関する研究というものにつきまして、東京大学にお願いいたしまして、これが二十万円。以上の三点が選鉱に関する事柄でございます。それから四番目といたしましては三塩化チタン、二塩化チタンの熱分解による不純チタンの精製法の研究、これは石塚研究所に四百万円。それから熱分解による金属チタンの製錬の研究、これが東京工業試験所に百八十五万円。それから液体アンモニア中での金属ナトリウムによる四塩化チタン還元の研究、これが科学研究所に二百万円。それからチタニウム金属中の酸素及び窒素、水素等の分析方法の研究、これが東京大学に百万円。その四件は製錬分析に関する事柄でございます。次にゲルマニウムのことでございますが、ゲルマニウムは石炭燃焼ガス及び煙灰からゲルマニウムの抽出、これが石炭綜合研究所に六百二十万円。それから国産ゲルマニウムの精製に関する研究というのが電波技術協会に五百九十五万円。それから第三番目といたしまして、ゲルマニウム分析に関する研究、これが東京大学に二百十万円。このように配分をいたした次第でございます。これが昨年度の特別研究補助金でございますが、本年度はこの特別研究補助金というのは、一般の工業化並びに応用研究の補助金の方で一括して補助をする、そういうことに相なっておりますので、その方で考えて参りたいと思っておるのであります。それで今年度の工業化並びに応用研究の配分につきましては、目下通産省の方で審議中でございまして、今この関係にどれだけ出ることになるかというのは、はっきりしたことは申し上げる段階になっていないのでございますけれども、私どもといたしましては、昨年度の実績がこのようにあるのでございますからして、またその関係のものも今年度はそういうふうな工合で金が出るということを承知いたしておられるようでございますからして、昨年度の仕事が中絶しないように考えて参りたいと思っておる次第でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 そのチタンの研究ですが、このチタン関係は、昨年度においてはひもつき予算の千五百万円だけですか。ほかに何か一般工業化試験からこれに対して補助金をお出しになったのですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 昨年はチタン関係も、ゲルマニウム関係も、ほかの一般の方から出しております。私ここに書類がないので申し上げかねますけれども、たとえば北越電化のチタンの関係でございますとか、あるいはまだ二、三あったように記憶いたします。ゲルマニウムにおきましても、やはりその補助の関係は一般の方から出しております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 チタンの関係ですね。北越電化というのは、もうチタン製練の方へ入っておる会社ですか。工業化試験ですから……。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 ここへ出しましたのは、あの会社では砂鉄を焼きまして、そのスラッグをほかの会社に売っておる、そういう仕事をやっているのであります。その仕事に関連いたしました研究といたしまして、昨年度申請がありまして、それを認めたわけでございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 私が昨年度千五百万円のチタンひもつきの予算を特に主張しましたゆえんのものは、第一に、日本の含チタン砂鉄がどれだけあるかということ、それからチタン鉱として特別の鉱床がどれだけあるか、これに関しましては、今年は地質調査所に含チタン砂鉄の調査費というものが盛られておるようでありますから、これはいいわけですが、その含チタン砂鉄あるいは単独のチタン鉱床というものの調査を将来日本はやる。これは含チタン砂鉄というものは、今日本に何億トンあるのか、何十億トンあるのか、まだ調査ができておらない。しかし予想によると、数億トンないし数十億トンの含チタン砂鉄というものが日本にあるのではないかという予想です。それに対してチタン鉱の製練ということになれば、従来の考えからいくと、電気銑を作って、いわゆるチタン・スラッグをたくさん作り、一方では銑鉄を作るという態勢を作っていかなければならない。それに対して将来はいかなる構想をもっていくべきであるかということ。もう一つは、日本の一億四千万俵の木炭、この木炭で含チタン砂鉄を原料として木炭銑が作られるかどうか、木炭銑を作るときに、チタン・スラッグが出て来て、これを有効に利用することができるか、また木炭銑によるものが、チャーコール・アイアンとして非常な特殊鋼の優秀性を発揮することができるか、こういうことをずっと継続的にやってもらいたいという意図を含んで、昨年度の千五百万円のいわゆるチタニウムの製練に関する研究助成費というものを組み入れてもらったのです。ですから私の調査いたしておりまするところによると、含チタン砂鉄を木炭によって、木炭銑とチタン・スラッグに分けて、特殊鋼に持っていくその製鉄というものは、従来日本で経験されたところの特殊鋼製練方法において、一番のいい特殊鋼ができるということに結果づけられておる。ですからそういう方向に今後も工業技術院で、特に工業化試験に対する助成金をお出しになって、いわゆる含チタン砂鉄というものを特殊鋼の方向に持っていくと同時に、チタン・スラッグの製練によってチタンの製練の方に持っていく、こういうふうに一つ助成されるお考えがあるかどうかということを、これを承わっておきたいと思います。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 本年度の助成費のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、この特別補助金というものは、この一般の方に含まれておりますから、今お話のありましたことについては、極力補助金の中でやるようにいたしたいと考えております。  それから先ほどの電気試験所のメーターの検定関係がどれくらいになるかということにつきましては、二十九年度で二億一千八百万円、三十年度が二億九千六百万円の印紙収入として一般会計に入っております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 その電気試験所のものですね。そうすると電気試験所の予算というものは、ここに計上されておりますのは、幾らですか。電気試験所の予算は三億八千二百万円ですね。そうするとこの三億八千二百万円というものは、いろいろ所長、部長、副所長と、こう定員がありますが、これだけでメーターの試験をやるのですか、それともメーター試験は特別に人員がいるのですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 電気試験所の定員は現在一千百十九名で、大体この中で人の割り振りから考えますと、全体の数でもって研究関係五〇%、メーター検定関係五〇%というくらいの比になっておるのでございます。そうして先ほどお話のございましたように、本年度は節約をいたしまして、三億八千二百万円は研究、検定両方足したものであります。私どもの方の検定の仕事から見ますならば、収入の方は収入の方で考えて配分する、別に私どもは検定の仕事として予算をもらってくる、こういうふうな関係になっております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 その検定に必要であるところの予算は、この中に入っておるわけですね。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 入っております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 そうすると電気試験所の実質予算というものは、わずか一億円ということですね。収入、支出一般会計に入ってるくもの、検定料、それに必要なところの人件費と相殺すると電気試験所本来の研究費に使えるものというのは一億円きりですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 今の算術から行きますと、確かにそういうふうになるかと思います。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 そうすると、電気試験所というのは、私は三億八千万円も予算にあるというから非常に大きな試験をやれるかと思ったら、実質的には一億円しかやれないということですね。そうすると特許庁みたいなものですね。特許庁はとにかく二億数千万円の特許料が入ってくる。これは財源として入ってしまって、かせぐところと、それから予算で編成されて使うところとはパーになっておるということがしょっちゅういわれておるのですが、電気試験所もややそれに近いところの、実質的な電気試験所本来の試験研究に使う金というものは一億円ということになるわけですね。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 電気試験所の全体の予算といたしましては三億八千二百万円でございます。しかしその中で検定の仕事に半分以上使っております。それに対しまして収入といたしまして、昨年度におきましては二億九千万円入った、こういう結果でございまして、研究に一億円しか使っていないというふうにはなかなか出て参らぬわけでございます。一応収入と支出が別になっておりますので、私どもの方といたしましては相当研究にも金が使われておるというふうに考えております。検定の面におきましても、検定に必要な研究もあるのでございますから、それによりまして研究も相当やられておるというような関係になっております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 僕の言うのは、検定で二億八千万円も収入があるのだけれども、別段官庁としてもうけ仕事をやっているんじゃないから、結局三億八千万円検定料の収入があるということになると、二億八千万円という金がかかっているのじゃないかというふうに考えるのです。そうでなければ非常にうまい仕事をやっているということになる。官庁だからそうじゃなくて、二億八千万円とるためには二億八千万円くらいの費用がかかるから、検定料というものをそこで算定しておる。そういうことになると、本来の電気試験所の試験研究費に使われる金は非常に少くなってくるのじゃないか。そうじゃなく検定料の収入は非常にもうかるのであって、これがあるために研究費がうんとふえていくというならば私はそれで満足するのです。そうでなくて、官庁ですから、結局検定料の収入は一ぱい一ぱいの出費を伴っていくのだということになると、一億円くらいしか研究費に残っていかない。そうなると電気研究所というものは非常に局限された、つまらない試験研究しかできないのじゃないかということをおそれるのです。そうでなく、検定料というものは、費用の倍ぐらい収入があるのだということになれば、これは非常にいいことだと思う。相当に金が使えるのじゃないかと考えるのですが、その点どうですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 私どもは、収入と支出をそう直接的に結びつけていない関係が、先ほど私が申し上げておりますようなお答えになってしまうのでございます。検定料金も、役所がやることでございますから、そんなにもうけるという性質のものではないわけであります。しかしその中には研究の要素も相当あるということを申し上げなければならぬのでございます。それで私どもの方からいえば、研究に対して検定から金が流れていくというようなことはないわけでございまして、メートル関係の研究に対しましては、ある程度検定の仕事と一括いたしまして流れていく、こう考えております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 その問題はそれでけっこうですが、この電気試験所に電子技術に関する研究というのがありますが、これは私の関知しているところでは、昨年から設けられた研究じゃないかと思うのですが、これに対して何か特別の予算措置があったのですか。一般工業化試験とか、そういうものから流用して行ったのですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 これは電気試験所に新しく電子部というものを新設いたしました。従いまして補助金との関係はないわけでございまして、役所の経費といたしまして、昨年度二千万円、ことしも二千万円というものが電気試験所の一般研究費のほかに、電子部を新設するために、そのものがプラスしてある。それで現在新設されたものが動いておる、こういう関係でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 研究内容は何ですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 エレクトロニックスの関係といたしましては、一つは電子回路、エレクトロニックス・サーキットの関係が一課、それからエレクトロニックスに使いますような部品の関係が一課、それからもう一つは、音響の関係、エレクトロニックスを主体にいたしましたものが一課、三課の構成になっております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 次にゲルマニウム関係のことですが、これは昨年の電気通信委員会におきまして、ゲルマニウの工業化に対する積極対策を行うべしという決議ができまして、当時の通産委員会におきましても、その決議をしてもらったのでありますが、その当時の電気通信委員のゲルマニウム振興に関する決議文の中には、これは単にエレクトロニックスのためにゲルマニウムの研究をするということと、もう一つはゲルマニウムを医療的に研究すべきであるという決議文であったようでありますが、その決議文の意思を尊重して、このゲルマニウムというものが医療に非常に大きな影響を持つという方向には、工業技術院で何かの施策を行われたかどうかということをお聞きいたします。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 先ほどゲルマニウムに関しての特別研究補助金の内容を申し上げたのでございますが、大体これの考え方といたしましては、たくさんの資源からゲルマニウムをとるというその抽出の関係、これは一つは石炭総合研究所に補助金を出しておるわけでございます。それからその国産のゲルマニウムが果して使いものになるかどうか、この問題はもっぱらゲルマニウムの精製の技術に関係いたしているのでございますから、精製の研究をやる。それからゲルマニウム分析ということが非常に不確定であるということですが、そのゲルマニウムの分析、一応昨年度におきましてはその三本建ということで進んでおるのでございますが、先ほどの医療というような問題に対しましては、これら分析あるいは精製その他の技術が進んでそこのところに入っていくべきではないかしらというふうに考えるのでございますが、この三本建にいたしましても、それぞれの予算といたしましてはまだ不十分であるというような見方もできる次第でございますが、特に分析に関する研究というようなものを早く進めることによりまして、その他の医療という面に応用が広がって参るというふうに考える次第でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 その問題はこれは一つ委員長にもよく聞いていただきたいと思うのですが、実は昨年の電気通信委員会で、ゲルマニウムの問題を取り扱いますときに、東大の木村健二郎博士とそれから石炭総合研究所長の浅井一彦さんに来ていただいてゲルマニウムの問題を説明してもらったのです。ところがそのときに、木村博士と浅井一彦さんは口をそろえて、ゲルマニウムのコロイドを再生不能型貧血症に注射することによって相当効果的な結果が現われたという。これは東大の医学部物療科でやった試験であります。それから順天堂において結核試験にこれを応用したところが、これもまた相当の効果があったという発表です。そこでわれわれは、ゲルマニウムのコロイドというものは、再生不能型貧血症、いわゆる不治の病に注射して効果が現われるということになれば、これは非常に大切なことではないかということで、浅井一彦氏に石炭のガス廃液からゲルマニウムを抽出する過程を説明してもらいますと、まさに石炭の中に含まれておるゲルマニウム抽出の過程において非常に大きな効果が現われるんじゃないかというような考えが生れてきたので、そこでゲルマニウムには特に医療方面に関するところの問題も含めて決議をやったわけなんです。ところが私の開き及んでおりますところによりますと、世界においてゲルマニウムが医療に特効があるという百に余る文献があるそうです。それで今特に工業技術院長にもお伺いいたしたいのでありますが、もしそういうゲルマニウムを医療に用いていくには、テン・ナインとかエレブン・ナインとかいうピュアリフィケーションでなくとも私はいいのだと思うのです。ただ私のおそれるのは、日本にはゲルマニウムの製練がエレブン・ナインだとかトエルヴ・ナインだとかいう過程がないのですが、そのままゲルマニウム時代去るということになりはせぬかというように考えるのです。というのは、シリコンがもっと早くピュアリファイされて、シリコンがゲルマニウムに置きかえられるよるな事態になるのではないか。しかもシリコンの純粋製造の方法というものは、最近大分工業化されてきて、現在においてはシリコンのピェアリフィケーションというものがゲルマニウムよりも困難だから高いけれども、純粋化が簡単に成功してしまうと、シリコリンですからこれは無尽蔵に出てくる。そうするとゲルマニウムなんというものはだれも顧みる人がなくなるのじゃないか。しかしそういう態勢に陥ったときに、ゲルマニウムの研究をギブ・アップして全部シリコンに置きかえてしまうとかいうことになりますと、私はそうはいかないと思う。なぜかというと、昨年木村健二郎教授と浅井一彦さんが発表されたように、ゲルマニウムが再生不能型貧血症や結核にきくということになったら、これは医療に回すべきものとしてまた相変らず多量生産というものをやらなければいけない。そのときには、あるいはフォア・ナインでもいいし、 スリー・ナインでもいいし、あるいはワン・ナインでもいいかもしれないということになりはせぬかと思うのですが、そういう研究は、やはりゲルマニウム全体からああいう委員会において発言があったのですから、並行して医療という方面に対する研究も遂行していかなければならぬと思うのですが、そういう研究費というものは一体どこから出るのですか。ゲルマニウム全体として研究を遂行する過程においては、工業技術院の一般工業化試験費というものの中からエレクトロニックスに使うところのゲルマニウムの研究費、それから医療的に使うゲルマニウムの研究費も一緒になって助成金が出る性質のものでありますか。それとも医療に使うところのゲルマニウムの研究というものは、厚生省あるいは文部省の方からの予算を取っていかなければならぬのか、こういうことを伺いたいと思います。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 ゲルマニウムの医療に用います分野の研究の助成費は通産省か厚生省かの問題でございますが、これはたとえばビタミンの研究というようなものにつきましても、その製造過程においては鉱工業の分野でございますものは一般の通産省の助成金の中から出しております。従いましてゲルマニウムの場合もそれと同じように考えていけるというふうに思うのでございまして、たとえばゲルマニウムのコロイドをつくるというような問題に重点があります場合には、通産省の一般の助成金の中から助成していくべきだと考えておりますが、それの対象が医療そのものということになりましたならば、あるいは早生省の右のしかるべき予算の中から出していくのが妥当ではないかと考えるのでございまして、その事柄によりまして十分話合ってそのところは解決できるというふうに思っておる次第であります。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤小委員 それはあとで一つよく御懇談を申し上げることにいたしまして、最後にお尋ねいたしたいのは、この間私質問したのですが、東京工業試験所の改良フィッシャー法の中間試験は、ことしは特別研究がゼロの査定になっております。この間質問いたしましたときには、そのフィッシャー法を改良いたしまして、粗悪炭から相当化学原料を取るところの望みが濃厚になってきた。しかもこの東京工業試験所の目黒の分室を拝見いたしましたときには、りっぱに粗野炭から高級アルコールの製造をやっておる。それでここで特に工業技術院長に御質問申し上げたいのは、今石炭合理化に対するところの立法措置も考慮しなければならぬというふうになっているのであります。ところが私の考えからいたしますと、日本の石炭はその品質からいうと世界的に比較して粗悪炭です。特に今問題となっておりますが、重油と石炭を転換して、重油をある程度規制してこれに石炭を置きかえるということになりますと、いわゆる熱エネルギーとしての考えからいけば、どんな石炭でもかまの中に入れて燃えて熱が出ればいいじゃないかという考えから、なに重油と石炭を置きかえて石炭の量をふやしていけばいいじゃないかという考えが生れますけれども、実際第二次、第三次の精密工業をやりますときの熱エネルギー源というものは、石炭にしてみればやはりカロリーもそろえなければならぬ、またアッシュの含有量というものも一定しておいて、そうしてかまの能率が一定限度まで常に作用するような熱エルギーを持たなければやっていけないと私は思う。常に熱の浮動があるということは精密工業に対しては非常に大きな支障を来たすのだ、こういうふうに私には考えられる。ですから簡単に日本の石炭というものは不況に陥ったら重油の規制をやって、石炭とどんどん置きかえていけばおのずから石炭の需要がふえ、かつここに一つの救済策が出てくるのではないかという一面が考えられる。また一面から考えると、そういうことも言われないので、そこで浮び上ってくるのは、日本全体としてコール・ケミカルというものはどういう地位にあるのか、日本のごとき石炭を原料としてコール・ケミカルをやることが、日本が将来国策としてやるべきものであるか、やらない方がいいかという問題、いわゆるペトロ・ケミカルとコール・ケミカルと相対峙して、今世間ではペトロ・ケミカル、ペトロ・ケミカルとわあわあ騒いでいる。しかし一方から考えると、日本にはペトロ・ケミカルの原料と、コール・ケミカルの原料の石炭と、国内において一体どっちがよけいあるかというと、これはコール・ケミカルの原料である石炭の方がよけいある。この際日本の国策としてコール・ケミカルというもののいわゆる一つの助成策を講ずるならば、日本の新しい産業として成り立つものであるかどうかということの決定をしなければならないのじゃないか。そういうことが考えられて初めて石炭の合理化というものにも筋金の入った合理化方法が案出されるのである。それでなければ常に弱い合理化方法しかできない。縦坑を掘るとかそういうことだけしか考えられない。それでなく日本の石炭でもコール・ケミカルの原料としてどんどん使えるのだ。そうしてそこから出て来る化学原料を有効に利用して、日本の化学工業を近代産業のレベルまで持っていかせる、持っていかなければならないのだといえば、これは大きな立場から石炭の合理化ということも考えられるのではないか、そう私は思うのですが、工業技術院として川口にある燃料研究所、今の資源技術試験所ですか、その管轄下にあると聞いているのですが、工業技術院長としてこの点に対してはどういうふうにお考えになっておられますかこれを承わっておきたい。

駒形作次工業技術院長

○駒形政府委員 東京工業試験所におきましては、改良フィッシャー法の研究につきましては本年度は一般研究の中から主力を推進して行こうということで、特別研究というものはつけなかったのであります。その理由は、東京工業試験所としましては、他のたとえばカリ原料の研究というようなところに特別研究の金を回してやるというようなことからそういうふうなことになっているのでございますが、しかし一般研究でこの種目は続けてやってもらう、そういうふうに考えているのであります。  さてコール・ケミカルとペトロ・ケミカルの事柄についてこれをどう考えるかという問題につきましては、石炭の完全利用ということから、やはり石炭の事業に対して、あるいはまた日本の資源を活用していく面から重要なことは申すまでもないことでございますが、今お話がありましたように、資源研究所におきましては、石炭、亜炭、コークス等の利用に関する研究をやっておりますところの部がありまして、前々からあそこは石炭液化の仕事を相当やっているのであります。それで石炭の利用というものを熱だけではなくて、それを原料として考えていくことの必要であるということは申すまでもないことで、現在の段階におきまして、見かけ上は石油化学に熱が入っているような工合に見えるかもしれませんけれども、研究の面から見まするならば、石炭を原料として使う研究というものはやはりおろそかにすべきではないというふうに私は考えているものでございます。こういう問題につきまして現在のような段階におきましては、その関係のものといろいろと意見を聞く機会を持つようにいたしたいものと考えております。

前田正男自由党

○前田小委員長 次会は公報をもって御通知いたすことにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。  午後二時五十六分散会

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