商工委員会科学技術振興に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/05/24
会議録
○前田小委員長 それでは小委員会を開会いたします。 ただいま懇談中科学研究所に関する問題について、工業技術院の院長より御説明を受けたのでありますが、この問題について質疑があればこれを許します。齋藤君。
○齋藤小委員 科学研究所の補助金ですが、補助金ということになりますと、補助の対象、いわゆる研究テーマというものを決定して補助金を出すのですか、それともほんと一億円を科学研究所へやって、これで勝手に研究しろ、こういうふうな態勢をおとりになるのですか、どっちですか。
○駒形政府委員 科学研究所の場合に限りませず、補助金の場合は研究項目をはっきりいたしまして、その研究項目に対してどれだけの研究費というふうにいたしまして補助金を出すようにいたしております。この場合も同じように、科学研究所に対しまして補助いたしますものは、研究題目をはっきりきめましてやる予定でございます。
○齋藤小委員 今は科学研究所は何に主力を注いでおるのですか。一時サイクロトロンが破壊されたあとは、あそこはペニシリンとかストマイに全力を注いで何とか会社経営をつないでおったようですが、今は何に主力を注いでやっておるのですか。
○駒形政府委員 先ほどちょっと御説明申し上げましたが、昭和二十七年に生産部門と研究部門とを分離いたしまして、生産部門の方は別の会社になっておるわけであります。株式会社科学研究所、今私どもの対象にしておりますものは研究部門の方でございます。もちろん研究部門におきましても、今お話のありましたストマイとか、ああいったようなものの基本的なことの研究はやっておるのでございますが、製造の方は生産部門である会社の方でやっておるわけであります。 それで現在科学研究所の方でどういう問題に重点を置いてやっておるかと申しますと、これは総合研究所でございますので、かなり各方面にわたりましてやっておるのでありまして、化学の関係、機械の関係、それから冶金の関係、そういったものを、総合研究所でございますので特にこのことをやっているということはございませんが、この運営をいたしますに、中に部会組織をとって、先ほど申しましたように研究所の数が三十五ございますけれども、この研究所をテーマごとに、三十五の中から適当なものをとって、部会で総合的に研究をいたしておるのでございます。その部会と申しますのは、原子核部会、これは原子核の研究に対しまして検討する部会、それから原子力部会、これは原子力に関する応用研究をする部会でございます。それからマイシリン部会、これはマイシリンの研究をやる部会、それから医薬品部会、各種の製造会社の方で作っております薬品あるいは医薬品の発見、改良というようなものをやる部会であります。計測器部会、あつみ計でありますとかその他の計測器の研究をいたします部会、レジン部会、合成樹脂のようなものの研究をいたします部会、金属材料部会、これはチタニウムでありますとか、ゲルマニウム、それからアルミニウム、合金、それから農工薬品部会、これは農工薬品の発見及び改良部会、それから自転車部会、自転車の生産技術の研究をいたします部会、これだけの部会がございます。 この部会のほかにもう一つ大体部会と同じようなものでございますが、班というものがありまして、宇宙線班、海洋資原班、アイソトープ班、有機微量分析班、収塵班、収塵班と申しますのは御説明を申し上げますと、超音波による収塵装置の設計というようなことを中心にしてやります。 こういう部会及び班がありまして、そういうものに現在科学研究所といたしましては割合力を集中してやっておる、こういうのが現状であります。
○齋藤小委員 そうしますと、この科学研究所には工業技術院としてはこの一億円を限度として研究費を補助金としてやる、その他にこれ以上はやらないわけですね、その意味はさっき原子核の部会、原子力の部会、あるいはゲルマニウム、チタニウムというようなものをその他にも、たとえば原子力研究平和利用云々だというと、三億六千何百万円あるわけですね。おそらくこの予算の中にはゲルマニウムとかチタニウムの研究費にほかの項目で予算が組まれておって、そういうところからもやはり必要に応じて出す。またたとえて言えば自転車、競輪から金が回ってくるものを自転車研究のためにこっちに流すということ、そういう一億円以外からの補助金とか助成金とか、そういうふうな形で科学研究所に金がいく道があるのですか、それともそういうものは一切抜にして一億円を切って、これ以上は科学研究所に補助金はやらない、こういう予算の組み方なんですか、どっちなんですか。
○駒形政府委員 これは結論的に申しますと、一億円で、あとはやらないということじゃございません。最初私ども一応考えましたのは、二億円というものを実は考えたのであります。しかしいろいろ折衝で一億円になったのでございますが、このテーマを取り上げますときこよく考えるつもりでございまして、おそらく原子力に関する問題になりますと、原子力の予算の中から——もしそういうものが科学研究所にございますれば、原子力の予算の中から出ていくということになると思います。自転車等につきましても、自転車の方の予算がございますので、科研に適当なものであれば、もちろんそちらから出ていくということにいたすつもりでおります。
○齋藤小委員 もう一点だけ伺いたいのですが、株式会社科学研究所の内容の評判を聞くのですが、これは非常にたくさんの部に分れておるけれども、整理統合する必要がある。不必要でもないのでしょうけれども、非常に有用ならざる人材——有用ならざる人材というのがあるかどうかわからぬけれども、この際整理統合して、ほんとうに近代的な研究所に作りかえる必要がある。そうでなければ科学研究所はなかなか経営も困難であるし、その実効も上らない。科学研究所は株式会社にするときに、附帯決議がついておって、将来どうしても政府はこれのめんどうを見ていかなければならぬという責任があるから、どうしてもこれは援助していかなければならないのであるが、現在の科学研究所の形態においては、幾ら金をつぎ込んでもむだだ。整理統合してもっときちんとしたものにして助成する必要がある一私はよくわからぬけれどもそういう説をはく人もおるのです。一億円の補助金をやり、さらに各部門にわたって必要に応じて助成金をやるということになりますと、行政官庁として補助金や助成金をやって科学研究所がりっぱに活動するような仕組みを相談ずくか何かでできるのですかどうなんですか。
○駒形政府委員 補助金を出しますからには成果が上るような工合にしなければならぬと私どもは考えておるのでございますが、今お話のありましたことにつきましては、私どもとしても十分検討し、会社の首脳部に対して話をすべきことはしていきたいと考えておるのでございます。
○小平(久)小委員 科学研究所に対する補助は、先ほどの院長のお話ですと、昨年も研究のテーマをきめて補助を出しておるというお話ですが、二十九年度の予算についてはどういうテーマで何件ぐらいやったのかを伺いたい。それと同時に、民間の依頼に応じて研究をやっておると思うのですが、そういうものは何件ぐらい年間にあるか。またそういう依頼を受けてやる以上は、委託料金というか何というのか正確には知りませんが、そういうものの収入が相当あるのではないかと思いますけれども、そういうものはどんな工合になっておるか御説明を願いたい。
○駒形政府委員 二十九年度におきましては、補助金その他を合せまして——私の記憶が間違っておるかもしれませんが、大体三千万円くらいでなかったかと思っております。しかしながら、今お話の補助金並びにその交付の項目、それから委託を受けてやりましたときの金額等の詳細につきましては、別に資料を作りまして差し上げるようにいたしたいと思っております。
○前田小委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕 —————————————
○前田小委員長 次に科学技術に関する各省予算の説明を科学技術行政協議会の事務局長より求めます。
○鈴江政府委員 資料はこの前差し上げてございますが、タイプで横刷りになっております科学技術振興予算年度別一覧表、これで最初に申し上げます。 科学技術関係の予算といいますと、これはなかなか切りにくい、科学技術振興だけでなく、それ以外の目的のもので、どっちに入れるかというような問題がございますが、大体おも立ったものだけを集めて表にしましたのが、お手元に差し上げたものでございます。ここにございますように、これは二十五年度から三十年度まで歴年のものを書いてございます。二十九年度まではみな承認を得たものでございます。三十年度は大蔵省の査定のありましたものをここに現わしたわけでございます。 それで最初に種別の方にございますが、官庁直轄研究機関、これは各省の研究所、それから文部省の直轄のものがこの中に入っております。 それからその次の大学附置研究所というのは、各大学についておりますいろいろな研究所でございます。たとえば東大の理工研といったものがこの中に入るわけでございます。それから講座研究費と申しますのは、これは教育の費用とちょっとやはり切りにくい点もございますが、しかしこれは大学教授が研究のために費す費用でございますので、これを科学技術振興の方に取り入れたわけでございます。 それから補助金並びに委託費、これは各省の研究補助金とかあるいは研究委託費といったようなものが、この中に入っておるわけでございます。 その次に国際学術会議出席旅費と申しますのは、学術会議が持っておりまする予算でありまして、外国の各種の国際学術会議に出席する旅費でございます。 その次に研究技術者の渡航費と申しますのは、これはスタックと、それから文部省にあるのでございまして、スタックの方は一般会計に属しまする官庁の研究者あるいは技術者の勉強のために受けまする渡航費でございます。それからもう一つ、文部省の方は大学の教授、助教授の留学の費用でございます。 次に輸入特殊機械購入費と申しますのは、これはやはり一つのスタックについておる予算でございまして、各省の研究機関に研究用の機械を買って与える費用でございます。これで買いますのは、各省の予算ではなかなか買えないような高額の機械、大体一万ドル以上の研究用の機械でございまして、これは一つの省だけが使うのではなく、関係の省あるいは関係の研究機関が共用して使うというような趣旨になっておりまして、そういった研究機械はスタックで買いまして、それを適当な省に移管するという建前をとっております。 こういった費用を一応科学技術振興予算というふうに集めまして、これに入れたわけでございますが、これを見ますと、昭和二十四年度を一〇〇といたしますと、三十年度におきましては三一四というような指数になっております。二十五年度は五十七億六千万円が、現在百三十一億七千八百万円というような数字になっております。それでこれを見ますと、大体非常にふえましたのは、大学の附置研究所がふえております。それからなお補助金も相当ふえておるわけでございます。全般的にこのようにふえて参っておるわけでございます。金額の方は当然貨幣価値の変動もございましたので、これだけでいきなり予算がこれだけふえて来たといって安心はできないのでございますが、その下に一般会計予算というのがございます。これが国の一般会計予算に比べてどのくらいの比率になるかという割合を示したわけでございます。A/B×100というのがございますが、これを見ますと、昭和二十五年度におきましては〇・八六という数字でございましたが、二十六年度は大分上りまして、一・二八、二十七年に至りましてこれは一・〇二というふうに下っております。下っておりますのは、金額が減ったというより、一般会計の予算が非常に膨張いたしましたために、その比率がずっと下って来たわけでございます。それがまた再び次第に上昇して参りまして、現在のところ三十年度は一・三二といったような数字になっておるわけでございます。なお国民所得に対してどのくらいかという率もここに御参考に書いてございますが、こういったようなことで幾分科学技術予算は向上しつつあるということがうかがえるわけでございます。しかし諸外国の例を見ますと、もっと比率が多いのでございます。ただいまお配りいたしました資料の一番最後の紙に書いてございますが、海外諸外国科学技術予算概括というのがございます。これはちょっと資料が古いのでございまして、年度も一律ではございませんけれども、入手いたしました資料によってこういう表を作ってみたわけでございますが、ここにありますように、アメリカにおきましては総額が、科学技術関係の予算といたしましては一九五二年におきまして五千九百億、約六千億の金額でございますので、金額におきましては、日本の予算の百三十一億というような数字から見ますとかけ離れて多いわけでございます。なお政府予算との比率におきましても、一九五二年は二・三一ということで、日本よりは相当多いということでございます。ことに一九五一年は一般予算が少かったために三・〇に近いような数字になっております。でございますので、日本もアメリカあたりに比べればまだまだ少いということが言えると思います。それからイギリスも、これはだいぶ古いのでございまして一九四七年でございますが、総額におきましては日本の円にして六百九十二億円くらい、比率も二・〇五というわけでございます。それからフランスは一九五一年でございますが、これが約六百億ぐらいでございまして、比率が一・五〇、こういったような数字でございますので、日本の科学技術関係の予算といたしましては、総額においてもまた比率においても、まだこれらの国々に比べまして相当低いということが言えるだろうと思います。 それから各研究機関の予算についてでございますが、前に昭和三十年度の研究所の予算並びに補助金の予算につきまして、要求予算と大蔵省の査定額この一覧を差し上げてございますが、最初に文部省から申し上げますと、文部省といたしましては大体ここにありますように、概算要求額としましては三十五億に対しまして、大蔵省の査定が二十三億ということになっております。人員は若干減少しております。減少というよりは、要求人員に比べまして五百人程度少い査定を受けておるわけでございます。それから通産省等がずっとございますが、これは特に一々御説明申し上げることもないのでございますが、ずっと見ていただいて一番最後の総計で申し上げますと、三枚目でございますが、概算要求額といたしまして研究所の予算としましては全部で百二十七億四千九百万円といったような数字でございますが、これに対しまして大蔵省の査定を受けましたのは八十四億六千百万でございまして、八十四億程度の査定になっております。これはちょっと数字が変っております。急いで作りましたので、註にあるように、あとから多少出ているものがあります。要求額に対しまして大蔵省の査定額は八十四億八千百万円でございます。ちょっと数字が変りましてこういったような数字でございます。 それから次に補助金の方を申し上げますと、文部省の関係におきまして本年度特に注意すべき点は、文部省の欄の一番最後の2の化学に関する研究の促進に必要な研究費というのがございます。これは大蔵省に対しては当初事務当局としては要求がございませんでしたが、文部大臣の特に御熱心な主張によりまして、こういった化学に関する研究の促進の補助金が一億五千万円入ったわけでございます。要求額と対比いたしますと、十六億七十万に対しまして十二億の予算がついております。それからあとの通産省関係でございますが、当初の要求とだいぶ変りまして、たとえば原子力の関係の予算が、今までここにあります一の3の原子力平和的利用研究補助金というのが、当初の要求がこういう形で出ましたのですが、査定の結果は、一番最後の3にあります原子力平和的利用研究費というような格好になりまして、こういった数字がついておるわけでございます。要求額十八億に対しまして七億四千八百万円の予算が組んであります。それから運輸省、厚生省は特に申し上げることはございません。全体といたしまして、一番最後の紙になりますが、四十五億九千三百万円の要求に対しまして、二十二億五千七百万円、大体要求の四十五%が査定されております。なお先ほどの研究所の方につきましては大体六七、八%が認められておるという状況でございます。 それから、なお本日差し上げました資料につきまして申し上げさしていただきますが、これは二十九年度の予算と、それから大蔵省の三十年度の査定との比でございます。最初申し上げましたのは要求予算との比でありますが、今度は昨年度との比率を申し上げたいのでございます。これをごらんになってわかりますように、文部省関係におきましては、研究所の費用合計二十億に対して二十三億ということで、幾分予算が増額されております。それから通産省も十七億三千万円に対して十八億三千七百万円、幾分ふえております。このうち通産省として特に新しい項目は、通産省の最後に試験研究設備費等というのがございます。これは工業技術院で一括予算を持っておりまして、所管の研究所の中で必要な新しい研究に対して、研究施設を技術院があとから買って与えるということで、当初から大蔵省に要求した予算でございませんで、あとから追加したものであります。それから運輸省は特に変ったことはございません。厚生省は幾分減っております。前年度四億六千四百万が四億二千八百万になっております。この減りました原因といたしましては、昨年度、表の中の一番最後の国立癩研究所というものが三千万円でございましたが、今度千二百万円、これは昨年度国立癩研究所が新しくできたものですから、当初予算としまして相当多かったのでございますが、三十年度は平年に戻りましたので予算が落ちておるというような状況でございます。農林省関係はほとんど変りございません。労働省も幾分ふえております。郵政省は幾分減っておりますが、あまり大きな変化はございません。それから建設省も幾分減っております。総理府関係といたしまして新しく航空技術研究所というものを設置することについて、これはこの国会に総理府の設置法一部改正でこの設置の法律を上程しておるわけでございますが、こういった新しい研究所のために千七百万円という数字が新しく出ております。それから防衛庁の技術研究所が幾分減っておりますけれども、実質的には、註の2にありますように、昨年度研究所の中に器材費というのがございまして、それを研究所の方からはずしまして本省の方に移しましたので、これで幾分減っているような格好になっておりますが、あまり実質としては変っておらない状況でございます。大蔵省も大体昨年と同じ——幾分増加しておりますが、こういうようなことで、総額といたしましては、昨年度の八十一億五千五百万円に対しまして、本年度は八十四億八千百万円、幾分増加しております。ただ研究者の数におきましては、人員整理がございましたので、幾分減少しておるというような状態でございます。 それから次に第三表になりまして、科学技術関係研究補助金及び委託費の内訳でございます。この辺も本年度におきましては幾分増加しておりまして、昨年度八億九千六百万円でありましたのが、本年度十二億に増加しております。このうちに主として変りましたのは、先ほど申し上げました2つの化学に関する研究の促進に必要な研究費が一億五千万円つきましたのが非常にふえた大きな原動力でございます。それから科学研究費の交付金が七千万円程度増加しております。あとは特に変ったことはございませんで、この辺の金額が幾分増加したということで、文部省は総体としてふえております。 それから通産省の補助金は昨年度八億三千百万円でございましたのが、今年度は七億四千八百万円、これは減少しておるようでございますけれども、実質上は昨年度の原子力の補助金が二億二千万円ございましたけれども、そのうち七千万円程度しか使っておりませんので、一億五千万円余しておるわけでございます。合計した金は八億三千万円でありますけれども、実際は六億七千万円程度の金額になるわけでございまして、昨年度余りました一億五千万円の金が本年度に繰り越されておりますので、本年度は七億四千八百万円と書いておりますけれども、これにプラスいたしまして一億五千万円程度のものが入りますので、本年度は約九億くらいの予算があるということになるわけであります。従いまして昨年度よりは要するに増加しておるわけであります。 運輸省、厚生省は幾分減少しております。 労働省も幾分減っておりますし、農林省は特に原爆被害対策に関する調査研究委託費が昨年度は予備費で新しくとれたわけでございますが、本年度はそれが落ちましたものですから、特に滅っておるわけでございます。 建設省も若干減っております。 それから総理府関係では、防衛庁関係が非常に落ちておるようなかっこうで、三億九千百万円が一躍八千四百万円というように非常に下っておるような格好になっておりますが、実質的にはあまり変りません。と申しますのは、先ほど申し上げました試作発注というような予算は、もとは研究委託費の方に入っておったわけでございますが、試作注文のものは研究というよりはむしろ防衛庁の本来の事業費であるということで、そちらの方に防衛庁としては予算をつけましたものですから、表面的には減っておりますが、実質的にはあまり変らないということでございます。 以上簡単に御説明いたしました。
○齋藤小委員 スタックから科学技術振興に関する予算の御説明をいただきましたが、科学技術行政協議会法を見ますと、総理大臣が会長になっておりますが、副会長は今だれがやっているのですか。
○鈴江政府委員 高碕国務大臣であります。
○齋藤小委員 科学技術行政協議会法によりますと、第一条に「科学技術行政協議会は、日本学術会議と緊密に協力し、科学技術を行政に反映させるための諸方策及び各行政機関相互の間の科学技術に関する行政の連絡調整に必要な措置を審議することをその目的とする。」と書いてありますから、これによっていろいろな国立研究機関の予算その他に関する御説明があったと思うのですけれども、この予算を組まれるときに、実際にスタックは各省の科学技術に関する予算についてどういう処置を講ぜられているのですか。何かスタックを中心としてこの予算が立てられているのですか、それとも各省の思い思いの予算獲得によってできた予算に対してスタックが表を作って説明されるのですか。
○鈴江政府委員 スタックといたしましては、この中に専門部会がございまして、科学技術予算部会というのがございます。この部会は各省の役人と、学術会議から出ました委員の方も入っております。それ以外に学識経験者も入りまして、各省が作りました予算を全部ここに集めまして、その間にどれを重点的にやってもらいたいとか、あるいは各省間に調整する必要があればそこで話合いをして一つにまとめる操作をいたしまして、全体の意見を大蔵省の主計局の方に申し入れるわけであります。しかしスタックといたしましては何ら権限はないわけでございますので、事務局が大蔵省に参りまして、よく説明をいたしますが、それをどこまで大蔵省がとるかということは向うの自由でございますが、大蔵省もかなり参考にしてくれているというようにわれわれは考えているわけであります。
○齋藤小委員 そうすると、スタックは各省の科学技術に関するところの予算を組み立てたものをいろいろ説明を聞いて、それを大蔵省にアドヴァイスをするわけですね。
○鈴江政府委員 さようでございます。
○齋藤小委員 そうしますと、われわれが国立研究機関に対するところの予算を審議するときには、どこにどれだけの重複があって、どこにどれだけの重点を置いてこういうような予算が組み立てられているということは、スタックから詳細に説明を受けなくて全部わかりますか。それとも個別的に通産省、文部省等、科学技術に関するところの予算の取り方を研究していかないと、どこにどういう重複があるとか、どこにどういう不要な部分があるとかいうことはわからないのですか。
○鈴江政府委員 こまかい点になって参りますとわからないと思います。というのは、予算の項目が非常に多いものでございますから、大へんむずかしいのでございますが、大きなものはわかりますから、それを調整いたしまして、たとえばここにありますように、先ほど申し上げました新しい航空研究所というようなものは通産省と運輸省両方から予算を要求されておったわけでございますが、こういったものは国の費用を両方に使うことは非常に不経済であるというので、あとで関係の防衛庁とか、文部省も入れまして審議いたしました結果、国としては一カ所でいいのだという結論を得まして、なお各省の共用に供するということで総理府も入れまして相談いたしているわけであります。 なお予算といたしましては、要求と査定との間に先ほど申し上げましたように相当開きもございますので、金を使います場合に——これは特に補助金でございますが、補助金の使い方につきまして各省が同じことをやることは不経済でございますので、別に応用研究費配分調整部会で各省の補助金の分配の計画を全部集めまして、そこで調整を行うのであります。 繰り返し申し上げますが、大きな問題はつかめますけれども、小さな問題はつかみにくいというような状態であります。
○齋藤小委員 これは別段不服なわけではないのですが、今年度の文部省の予算の中に、昨年度はゼロのものが一億五千万円化学に関する研究促進に必要な額だというので出ているわけです。こういうような内容のものはスタックで研究されて適当と認められるわけですか。
○鈴江政府委員 この予算は文部事務当局の案ではないのでありますから、われわれの方としてはいただいてなかったわけであります。それで予算の査定の直前でございましたでしょうか、文部大臣からお話が大蔵省にありまして、こういう予算がついたと思います。この点につきましてはスタックは相談にあずかっておりません。
○齋藤小委員 そうすると、今まで御説明を承わりましたように、科学技術に関する特別の研究予算というものは全部がスタックを通るというわけじゃないのですね。政治的にいくやつはスタックを通らない。事務的にいくやつだけスタックを通る。だから全般に対しては結局スタックが決定的にその妥当性を認めるだけの審議を行う力もないといえば、スタックというものは飾りものみたいなもので、実際的に——怒らないで聞いて下さい。私らはわからぬから聞くのです。今も聞いたのですが、サイエンティフィック・アンド・テクニカル・アドミニストレーション・コミティというむずかしい名前をつけて、スタック、スタックというから、われわれは何だと思っているのです。実際に何を一体ここではやっておるのか承わると、国立研究機関予算に対してはスタックが説明される。だから全部ここへ統合されて、そこで日本の科学技術に関する予算の配分というものは、何かスタックが中心となって審議する、この問題はこういうようにするとか、いわゆる横と縦の連絡をとって国費をむだに使わないで科学技術の振興をつかさどる機関であるというふうに考えてもみられるのですが、実際問題としてどうなんです。日本の科学技術というものを縦から横からスタックでもって統合して万違算なきを期するということはできるのですか。
○鈴江政府委員 スタックはここにございますように審議機関でございまして、行政権限は全然ないわけでございます。それでわれわれといたしましては、各省の予算要求の内容をよく承わって、各省間において——各省からもちろん出ておりますので、その間連絡をいたしまして、それからなお先ほど申しましたように必要なものは調整はいたしますけれども、しかし権限のないことでございますので、スタックとしては意見をまとめてそれを大蔵省に申し出まして、大蔵省が査定の権限がございますから、それに従ってやるということでございまして、それ以上のことはできないわけでございます。
○齋藤小委員 いや、それは行政力は一つもない、審議機関だというけれども、いやしくも総理大臣が会長なんですよ。そして不適当な予算であると思ったら、大蔵大臣をしてこれはやめろということもできるわけですね。そういうことはやらないで、単なる形式だけスタックというものがあって、実際は行政権に対しては何らの容喙する力がない。だから形式的に審議して特に悪いものは悪いという意見は具することはできるけれども、何ら各省の科学技術の予算に対しては拘束力もないし強い主張もできない、そういうのが今のスタックの実情ですか。
○鈴江政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば航空研究所のような場合には、スタックの審議が済むまでは大蔵省に予算をつけないでくれと申し入れをいたしまして、その場合はやはり通産省、運輸省からの予算が毎年出ておりましたけれども、大蔵省はスタックの意見によりまして、それは全部落しております。そうして意見がまとまりました上で、その由を大蔵省に連絡いたしましたところ初めて予算がついたということでございます。それで問題はどこまで大蔵省がスタックの要請を認めるかという点は、行政府ではございませんので、要するに大蔵省がスタックの審議が的確にいっているかどうかを認めるかどうかということによってきまるわけでございます。そういう点だろうと思いますけれども。……
○齋藤小委員 これはスタックのあり方と、結局文部省、通産省、運輸省、厚生省、農林省、労働省、郵政省、建設省、総理府、大蔵省、これだけにいわゆる国立研究機関があるわけですね。それに対して、今御説明を承わると、スタックというものは行政に対して何らの力もないし、また強い主張もやれない、がしかし今内閣総理大臣が会長をしておって副会長は高碕経審長官がやっておる。今度一つ経書長官にここへ出席してもらえませんか。
○前田小委員長 今予算委員会がすぐ終るそうですから、終ったら石橋大臣と高碕大臣はここへ出てこられることになっております。 —————————————
○前田小委員長 それでは、この機会に科学技術行政機構に関する件をあわせて議題といたしまして、鈴江政府委員から、各国における科学技術行政機構について説明を求めたいと思います。
○鈴江政府委員 私も詳しくはわかりませんので、違った点があるかもしれませんが、私が調査いたしました範囲内で申し上げます。科学技術行政機構といたしまして一番はっきりした形をとっておりますのはイギリスであろうと考えるのでございます。と申しますのは、イギリスの科学技術の責任のある大臣といしたましては枢密院議長でございますプライヴィ・カウンシル、これは大てい副総理のような方がなっておられると思いますが、プライヴィ・カウンシルの議長である、やはり大臣で、この方が閣議で科学技術関係の責任のある行政の長でございます。その下に三つの機関がございます。その一つDSIRはといっておりますが、デパート・メント・オヴ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ、これは一つの行政機関でございますが、しかし中にやはり委員会がございまして、委員会がそのDSIRのすべての運営をきめておるわけでございます。大体御承知のように、イギリスとかアメリカなどは委員会組織の行政機関が多いものでありますから、DSIRというのは、訳しますと科学技術庁あるいは科学工業技術庁になるかと思いますが、その運営もヘッドにある委員会がこれをつかさどっておるということでございます。このDSIRの中には、日本におきまする工業技術院といったようなものも全部入っておるわけでございます。そのほかに建設省の土木関係、それから農林省の食糧加工の問題、それから厚生省の衛生の問題、そういったような比較的インダストリーに関係のある研究所は全部そこに統合しておるわけでございます。それからそこではやはり補助金を持っております。イギリスはそういった産業的な研究に対しましては個々の補助金は出しておりません。必ず業界全体が利益を受けるような出し方をやっております。そのやり方と申しますのは、研究組合、リサーチ・アソシェーションというものを作らせるわけでございます。これは各同業者が集まりまして、一つの研究機関を持ちたいということを政府に申請いたしまして、そこで適当であると認めますと、大体設立の場合には半額の政府補助があります。あとは運営につきましては三分の一の補助を政府がやるということで、その組合は組合の人たちが平等にその研究の成果を受けられるというような状況になっております。DSIRの中に特別に基礎的な研究に対して一つの研究所がありますが、それはナショナル・フィジカル・ラボラトリーといいまして、物理関係の研究所でありますが、それは歴史的にもと向うの学士院、ロイヤル・ソサィティが持っておりましたが、ロイヤル・ソサィティは政府機関でございませんので、持ち切れない点もあったと思いますが、それがDSIRの方に移りまして、その機関をさっき申し上げましたようないろいろな工業関係、日本でいいますところの工業技術院の工業関係よりももっと広いわけでございます。そういうものを全部研究所に統括しておる、そういった機関がございます。あと二つございますが、一つは農学、一つは医学でございます。農学の方は、アグリカルチュラル・リサーチ・カウンシルというのがございます。これはいわゆるカウンシルで合議体でございますが、やはりこれも農業関係の研究行政をやっておりまして、ヘッドはやはり委員会でございますから、DSIRと名称はだいぶ違いますけれども、実質的には同じような組織で、委員会がこれをきめておる。その下にやはり研究所もございますし、また補助金も持っております。それから医学の方は、メディカル・リサーチ・カウンシルというのがございまして、これも農業と同じような関係でございます。補助金を持ち、研究所も持つ。農業と医学と、それから先ほど申し上げました工学と、この三つのものがプライヴィ・カウンシルの下にありまして、これが全部科学技術行政をやっておるわけでございます。それからなお基礎研究——大学に関しましては、それはプライヴィ・カウンシルの外にありまして、全然タッチしておりません。御承知かと思いますが、イギリスはほとんど私立大学でございますので、文部省というのはありましても、大学には全然タッチしていない。イギリスの文部省は高等学校以下の学校行政でございまして、それも直接自分が持っているということはないのでございます。それで大学に対する補助金というのはございますが、これは文部省が扱っておりませんで、大蔵省が直接それを握っておるわけでございます。大蔵省の中にユニヴァーシティ・グランド・コミティというのがございますが、この委員会というのは全部大学教授が集まりまして、そこで予算を編成して、これだけ補助してくれということを大蔵省に言ってやる。大蔵省はそれを幾ばくか委員会に与えますと、自主的にそれを分けるということで、金の分け方につきましてはほとんど政府がタッチしておりません。イギリスの大学の補助金というのは、そう古いものではありませんで、戦争になりまして——今まで大学としましては、政府から金をもらうのはむしろ恥くらいに考えておったわけであります。学問の自由からいいまして、政府の方から金をもらいたくないという思想があったのでありますが、どうしてもやはり戦争になって金も非常になくなって来たということで、金をもらうかどうか非常に問題があったわけであります。結局政府からもらわなければやっていけないということでもらったわけでございます。それもやはり行政機関を通じないで、直接トータルの金だけをもらい、それを分けるというような格好でやっておるわけでございます。先ほども申し上げましたDSIRとか、メディカル・リサーチ・カウンシルとか、アグリカルチュラル・リサーチ・カウンシル、この三つの委員会につきましては、ちょうどその組織は、現在のスタックと似たような組織でございます。政府の行政官と各科学技術関係の行政官も入っております。それから民間の人も入っております。それからロイヤル・ソサイティ、学士院から推薦された人も入っておりまして、そういった人たちがそれを運営していくということでございます。これはシヴィル、つまり軍を除いた方の問題でございますが、軍関係につきましては向うの国防省といいますか、そこにやはりこういった科学技術のコミニティがあるようでございます。それにやはり軍人も入っておりますし、軍の行政官も入っております。それから民間の人も入っておるようでありますが、その軍の方の委員会のヘッドは、大学教授になっておるようでございます。それから今申し上げました農学と医学と工学と三つの行政機関があるわけでございますが、その上にさらに枢密院議長の諮問機関としまして、ちょうどまたスタックと同じような機関がございます。これは全体の政策を論じ、なお枢密院議長にアドヴァイスする機関でございますが、その委員会と先ほどの軍の委員会とのチエア・マンが同じ人でありまして、そこで軍とシヴィルとの方の連絡をとっておるというような機構になっておるようでございます。 おも立ったものはそういう機構でございますが、しかしイギリスの行政機構は御承知のように非常に複雑でございまして、なお保守的でございますので、われわれから見てかなりおかしいと思われるような存在もあるわけでございます。たとえばケミカルの研究所が、大蔵省に一つ非常にりっぱなのがございます。これは分析の研究もいたしますと同時に、国のやる分析の要求にも全部応じて、そこで分析をしておるわけでございますが、これなんかは歴史的に見ますと、やはり税関関係におきまして、いろいろな輸入品とか輸出品の分析をやっておるのがもとで、それがだんだん発展してそういう形になったのだろうと思います。日本の関税の研究所、たとえば税関が研究所を持って、それがだんだん大きくなったというのがございますが、そういった例外的なものがございますけれども、大体プライヴィ・カウンシルの中に基礎科学以外のものはおさまっている、そういう格好であります。 それから次にアメリカを申し上げますと、アメリカはそういったはっきりした行政機関はございません。各省に、たとえば向うの内務省とか、農務省とか、商務省にいろいろ研究所がございます。それから御承知のビューロー・オブ・スタンダードのごときは商務省に属しておるのでございますが、これらは一元化するような行政機関は別にございません。ただ行政機関を見ておりますものは三つあるのでございますが、その一つは大統領の補佐官でございます。アドヴァイザーといいますか、これは向うとしては非常に地位の高い官吏でございますが、その中に科学関係の補佐官が一人ございます。これはスティールマンという有名な人でありますが、ドクター・スティールマンが大統領の科学補佐官として大統領に科学技術上のいろいろな問題を話をしておる。それからもう一つやはり大統領の補佐機関とし、審議機関としてインター・デパートメント・オブ・サイエンティフィック・リサーチですか、これがちょうどスタックみたいな格好になるわけでありますが、これに各省の行政機関が入っております。若干民間の人が入っておって、そこで大体のアメリカ全体のポリシーを審議しておる。あるいは予算をどうしたらいいか、あるいはサイエンス・アタッシェをどうしたらいいかというような問題、そういうようなことを扱っておると思いますが、そこで審議機関としては大統領の諮問機関がございますし、それから実際のアドヴァイザーのスティールマンがございますし、それから予算関係としましてはそういうものもスタックも同じでございますし、結局実行いたしますためには予算関係で握っておらなければ実行できないのでございます。スタックの悩みもそこにあるのでございまして、おそらく経済審議庁も同じことになるのではないかと思いますが、そういった点がございますので、アメリカはビューロー・オブ・バジェット、予算局というのは大統領の直轄になっておりますが、その中に科学技術の専門の主計官というのがございます。その主計官とスティールマンと連絡をとっておりまして、委員会のコミティの意見を聞きましてスティールマンがサゼスチョンを与えまして、予算を配分していくというようなことでございます。それからなお科学技術専門の行政機関としましては、ナショナル・サイエンス・ファウンデーションというのがありますが、これはやはり大統領の直轄の機関でございますが、これは基礎科学振興のための特別の機関でございます。これはちょうど学術会議のやっておりますような国際会議の派遣の問題、それから文部省がやっております留学生の問題とか、そういったこともやっておりますが、基礎科学研究だけに限っております。 アメリカがこういったようなやり方をやりますのは、要するにアメリカは産業的な研究はそれほど政府がタッチしなくても、どんどん民間の力で自治的にやっていけるのでありますから、その方にあまり金を使っておりません。アメリカとしては応用研究の基礎となるべき基礎研究の力が非常に弱いということで、先ほどのコミティあるいはスティールマンの報告、スティールマン・リポートというのがございますが、その中にアメリカはもっと基礎科学を振興しなければならぬというようなサゼスチョンがありまして、そのナショナル・サイエンス・ファウンデーションというのができまして、基礎科学の研究をやっておるわけであります。アメリカの科学技術振興の問題は先ほど申し上げましたように非常に膨大なものでございますけれども、大体そのうちの七割くらいは向うのディフェンスの関係から出ております。軍から出ておるのは委託研究でございまして、アメリカも産業的な研究に対しましては補助金というのはあまり出しておりませんで、基礎研究の方は政府から金が出る。医学とか農学とか個々の会社にあまり関係しないで、全体的にわたるような研究に対して金を出す。それとあとの工学の研究は、先ほど申し上げた軍の委託研究、そういう形になっておるようであります。 それからフランスにおきましては、フランスは私は行ってみましたけれども、あまり科学技術行政というものはやっておりませんが、向うに文部省の中にサントル・ナショナール・ドウ・ラ・ルシェルシュというのがございまして、主としてこれは基礎研究を振興するような大きな文部省の外局がございます。この組織はやはり各大学の先生方も相当入っておる委員会がありまして、そこで基礎研究の予算を政府からもらっておりますからそれを配分しております。配分したりあるいはそこは金だけを配分するのでなく、その中に研究の補助者、たとえば電気の技術屋とか機械の技術屋とか、そういうのがありまして、そういうものを要求すると、金のみならず人も派遣して仕事をやらせるというようなやり方をやっております。 イタリアも大体同じような行き方でございます。 あとの国は、スイスなんかにも行きましたが、スイスは、向うのチューリッヒの工科大学というのが非常に大きな大学であり、かつ研究機関でございまして、国も小さいのでそこが中心になっていろいろの研究をやっておりますが、別に特に補助金というのは持っておりません。 大体そういうことでございますが、スタックについて申し上げますと、スタックは委員会組織でございまして、普通の行政機関と違うのでございますが、結局一つの予算の査定権を持つとか何とか、そういう強い力のない限りは、やはりスタックのような機構で、各省の人も入って、そこで審議をして、各省納得して、それじゃ自分もこうやりましょうといったようなやり方をせざるを得ないのじゃないか、そういう感じを持っておるわけであります。
○齋藤小委員 今のお話のやつは、何か報告資料をまとめられましたか。
○鈴江政府委員 私が書いたのがございますが……。
○齋藤小委員 それは印刷してありますか。
○鈴江政府委員 印刷してございます。
○齋藤小委員 それを一つ下さい。
○鈴江政府委員 実は雑誌に出しましたので、それの余部を探しましてお手元に差し上げることにいたします。
○齋藤小委員 皆に配付してもらうのはないのですか。
○鈴江政府委員 雑誌に投稿いたしましたのが出ている程度でございますから……。
○前田小委員長 できたらそれを一応刷って、小委員に配ったらどうですか。
○鈴江政府委員 ではそういうふうにいたします。
○齋藤小委員 簡単な抜き書きでもいいですから……。 それから、今お話を承わったのですが、科学技術行政に関しては英国が一番整然たる機構ができている。アメリカは民間が非常に大きな力を持っている。それで、そういうところをごらんになって日本に帰ってこられて、日本の実情をごらんになって、これはほんとうの私見でいいのですが、どうすれば日本の科学技術行政というものが整然として、アメリカ、英国、特に英国式になれるか どこに一体日本の科学技術行政の欠陥があるのかというようなことはお気づきになりましたか。世界的に見て、どこに欠陥があるか……。
○鈴江政府委員 なかなかむずかしい問題でございますけれども、私ども科学技術関係の行政を見ましても、たとえば資源調査会といったようなところで、科学技術関係のかなりりっぱな仕事をしております。いろいろな調査をいたしまして、日本のエネルギーをどうすべきかというようなことをやっておりますけれども、それを生かすといいますか、それを行政に反映するところでやはり力がないのでございます。私どもスタックとしましては、大体学術会議の委員とか各省の人が集まって会議をやっておりますけれども、そういうような、スタックとしましては、深く掘り下げて研究するという力が割合に乏しい。一方資源調査会のようなところは、深い仕事をやっておりますけれども、それを行政に反映する力がないということで、やはり何か総合した一つの機関が必要であろうということは感ぜられるわけでございます。ただその中で、単に集まって一つの機関を作りましても、それを行政力として用いるだけの何らかの措置をそこに講じていただかなければ、やはり作ってもそう意味がないのじゃないか、そういうような気がするわけであります。そういたしますと、たとえば、予算というものは大蔵省がなかなか手放さないわけでございますけれども、ある程度今よりももっと大蔵省が、新しい科学技術行政の方針といいますか、それを受け入れるような措置、そういうものが何らかないと、せっかく一つの新しいものを作っても、やはり動きが悪いのではないだろうかというようなことを私ども心配するわけであります。 それからなお、これはほんとうの私見でございますけれども、経済審議庁あたりのああいった経済企画官庁と科学技術を一緒にした方がいいか、あるいは別個にいった方がいいかといういろいろな問題があるのでございます。私ども、自分の経験を申し上げますと何でございますが、当初企画院におりまして、科学部といいますか、そういうところにおりましたし、また独立官庁としての技術院にもおりましたわけですが、それぞれ一長一短がありまして、科学技術だけが別になりますと、独走してしまうというような感じもございますけれども、しかし経済とかそういった大きなものと一緒になりますと、科学技術というものは、どうしても弱いものでございますから——弱いといいますか、経済政策の方は、政策を立てますとすぐ結果が現われるような政策が多いわけでございますが、科学技術関係は、将来非常に先の長い実を求める行政でございまするので、一緒になりました場合に、やはり科学技術関係はちょっと弱くなるわけであります。まあ日本としては、科学技術がその中に入っても、かえってあまり主張が通らないような感じもいたしたわけでございます。 それから技術院のような独立になりました場合、これも戦争中の技術院は、御承知かと思いますが、自分自身が研究所を作りましたり、あるいは補助金を持つというような、相当実行機関的な実施官庁的な存在でありましたので、こういったものは確かに予算も取れ、手っとり早くいけるのでございますが、しかし現在のように各省がすでに研究機関を持ち、補助金を持って、相当科学技術行政をやっておりますときに、新しくそういうものを作るということは、その間に摩擦が起きて、かえってうまくいかないのじゃないだろうか。作りますならば、やはり科学技術の審議をいたします、また企画をするようなところが、日本全体の科学技術を掘り下げて考え、それをプランとして表に出す。しかし単にプラン・メーカーであっては、今の資源調査会と同じようなことでありますので、それに対しまして何らかの行政権限を付与していただけるならば非常にうまくいくのではないかという感じを持っておるわけであります。これはほんの私見でございますので、あるいは皆様方の御批判をいただいた方がいいのではなかろうかと思いますが、思いついたままをちょっと申し上げたわけであります。
○前田小委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十七分散会