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22回国会衆議院1955/06/30

商工委員会 第33号

発言数
21
登壇者
5
会派数
4
開催日
1955/06/30

会議録

田中角榮自由党

○田中委員長 これより会議を開きます。  過度経済力集中排除法等を廃止する法律案を議題となし、質疑を続行いたします。質疑は通告順にこれを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 昨日、過度経済力集中排除法等を廃止する法律案につきまして、横田公正取引委員長に質問をいたしたのでありますが、一言だけ大臣にお伺いしたいことがありますので、この際お聞きすることにいたします。  過度経済力集中排除法を廃止する、こういうことでありますが、これが廃止後はどうなるのか、こういうことに対しては独占禁止法によってまかなっていくんだということでありますが、現在提案せられて本委員会において審議中の、たとえばただいまから行う石炭鉱業合理化臨時措置法案、あるいは輸出入取引法の一部を改正する法律案、また中小企業安定法の一部を改正する法律案、これらはそれぞれ一応の理由はあるといたしましても、独占禁止法を緩和し、そうして一角からくずしていくというような法案であります。従って過度経済力集中排除法を廃止し、あるいは一方において独占禁止法をくずしていくというような法案が多々出ておる点から、現在の内閣のいわゆる逆コース的な政策ということがうかがえるように思うのですが、そういうようなことを考えられておるのかどうか。こういう法案等から見まして、どうも現内閣の経済政策の本質がうかがえるように思うのですが、どうなのでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 過度経済力集中排除法の方は、御承知のように戦争直後の財閥解体等の関係から出ました特別のものであります。すでにその時期は過ぎましたからあとはお話のように独禁法の運用によって十分いわゆる過度の集中排除は行い得ると確信をしておるのであります。なお輸出入取引法でありますとかあるいは石炭の問題にしましても、確かに独禁法の一部の適用を除外するという法律が相当出ます。独禁法そのものも改廃してしまえという議論もずいぶんありますが、先般参議院でも申したのでありますが、私はやはり独禁法は必要だと思う。あまりに独占資本が発生するということがもしあるとすれば、これは決して喜ばしいことじゃありませんから、私どもとしては日本の産業界の実情に即して独禁法の一部の産業界の実情に即して独禁も、これまたやむを得ないことでありますして、一々法律によって国会の御承認を受けてやる。独禁法はやはり存置しておいて、そしてこの適用も行う、かような考えでありまして、決してただ、今御批判のように、現内閣はむやみに独占資本擁護をするというような立場に立っておるのじゃございません。私どもも過度の独占資本というようなものはむろん好んでおりませんから、その点どうぞ誤解のないようにお願いいたしたいのであります。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 お伺いしたい点は、一言でいいのですが、大臣及び現内閣の考え方の中に、現在の経済態勢といいますか、これを戦前のような態勢に戻すようなお考えがあるのかないのか、この点だけなのです。やっておられるところを見ると、どうもそのようなお考えが多分にあるように思うわけでありまして、そういうことを考えておられるかどうか、それをはっきり聞いておきたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 戦前のようにというお話でありますが、戦前にもよりますけれども、われわれはただいたずらに戦前に戻すというような考えは持っておらないのであります。どうかその辺は御了承願います。

田中角榮自由党

○田中委員長 中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 今般提案になっておりまする過度経済力集中排除法の廃止に関する法律案でありますが、その趣旨とするところは、財閥その他過度の経済力排除はすでに実施せられておって、その必要がなくなっておるということが主たる理由のようであります。なるほど一応その目的は大体において達成されたのでございますが、その後における事態の推移を見ますと、漸次また過度経済力が集中されつつある現実は、これを見のがすことはできないと考えておるのであります。例をとってみますと、たとえば鉄鋼の場合においても、比較的中小企業者などの存在の余地のある薄鉄板などの場合においてさえも、これらの業者がほとんど大都分今後の推移いかんによっては排除せられて、圧倒されてしまって、その存在の余地がなくなるというふうな状態であります。政府においては一方産業の合理化というふうな名前にかりて、こうした中小の業者を行き詰まらしてしまうといいますか、整理してしまう、そういう方向にいく政策と加えて、一、二の大きな製鉄業者のみがひとり繁栄する結果になっておる。言いかえますと、こうした一、二の大きなる事業のために多数の中小企業者、ひいては大衆の生活の上に重大なる危機、破綻を来たすようなことがあるばかりでなく、さらに石炭についても同じようなことが言えるわけでありまするし、あるいは績紡等につきましても、十大紡績と申しますか、これらを中心として今後これらのみが残っていくような事態になるのではないかというくらい、新紡とか新々紡とかいう中小企業に類するところの繊維業者が行き詰まりの状態に置かれておるのであります。あるいは百貨店にいたしましても漸次それが手を伸ばしまして、そうしてたくさんの中小企業者が圧迫されて、行き詰まりの危機に迫い込まれておる、さらにまた電気等につきましても、ほとんど少数の独占的事業会社がこれをやっておる、あるいはパルプについても少数の大資本家事業のみが成り立っておるというふうな形でありまするし、あるいは輸出関係においても大きなるところの輸出商社が漸次集中結成されて、そうしてたくさんの中小企業というものがほとんど参ってしまう、こういうふうなことになりますると、あの戦争前あるいは戦争中を通して非常に大きなる経済力が結集されて、結局において多数の中小企業あるいは大衆というものが、あるいはそのカルテル等の価格つり上げあるいは売り惜しみ、買いだめというような、そういう結果によって参ってしまうような状態になります。一部独禁法はまだ残っておるとはいいながら、だんだんとその独禁法というものは押しつぶされるというふうな状況に追い込まれておる。一城を奪ってまた一城を、そういうような状況に追い込まれておる。やがてはこの独禁法も撤廃されるのではないかという心配さえもわれわれは持っておるのでございます。そうしてみますと、独禁法がかりに現在のままで実行されるとしても、たとえば独禁法の対象になるものは、大体において一つの業種がずっと各方面につながっておるというふうな関係もありましょうが、これは総合的に一つの財閥の形で、あるいは雑貨、あるいは繊維、あるいは鉄鋼、あるいは油、ありとあらゆるもののカルテル、コンツェルン形式においてこれが大きく独占されるということになると、国民経済に及ぼす影響が非常に大きいのであります。すなわち国民経済を守り、そうして経済の真の民主化、ことに日本のごときは、中小企業いわゆる中産階級的な存在というふうなものが強く存在するときにおいてのみ国民の生活の安定があり、さらに国民大衆の福祉が望み得ると思うのでありますが、だんだんとそういうふうな形において、しかも財閥的な形がありとあらゆる面に強く生まれてくるということになると、これは全くゆゆしい大問題であるのであります。政府はこれを廃止される後においてこういうふうな問題についてどういうふうに一体対処せんとするのか、それを一つお聞きしておきたいのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 御意見でありますが、これは中小企業には中小企業のやはり適当する部面があると思う。たとえば今指摘されました鉄鋼をそれでは中小企業だけでやっていいか、やはり今日の世界市場において競争するのには相当有力な近代化をやらなければ競争できないというような部面もございますから、大きな企業ができたから、それが直ちに日本全体の国民生活に非常な悪影響を及ぼすと言うこともできないと思います。でありますからわれわれはただ無用なる集中をする、無用にカルテルを作って、そうして価格の引き上げを行なったり、あるいは買い占めを行うというようなことは、あくまでも禁止して、国民の生活を擁護しなければなりませんが、経済上の必然の傾向から、どうしてもある程度大企業によって経営しなければならぬというものを、この際それでは過度経済力集中排除法によって富士製鉄や八幡製鉄をぶつつぶしてしまってもいいかというと、そうも参りませんから、非常に経済的なめんどうな問題でございましょうが、私はやはりその中間をとって、世界的に競争力を持つという場合においては、これはある程度の大企業になることも、これまたやむを得ない、ただ不必要にそういうものを作らないということは独禁法で十分できる。過度経済力集中排除法は元来大きな企業を分散してしまって、たとえば商社にしましても、大きな三井物産をこわして——あれが百になったか二百になったかよく数字は覚えておりませんが、とにかく小さな商社をたくさん作ったということでありますが、さてまたその弊害が現われて、今日の日本の貿易にいろいろな支障を生じておる。でありますから、やはり商社の育成ということは必要である、経済上どうしてもそうせざるを得ないので、おのずから商社がまた統合を始める、こういうふうに考えております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 私たちといえども、一つの事業分野において、大きな事業でなければ実際においてやっていけないというふうな面もあるということは認めておるわけなんです。ところがそれかといって、必要以上にそういうような分野がのさばって、跳梁ばっこするということになれば、勢い私たちが一番心配しておる中小企業なり大衆の生活に大きな圧迫になるから、それをいかに調整していくかということが問題だと思います。たとえば八幡製鉄と富士製鉄をつぶしてしまえという人はだれもおらないのであります。ところが先ほど問題になったように、薄鉄板を加工しておるところの多数の業者は一体どうするのか。もうすでに富士製鉄並びに日本製鉄がフルにあの薄鉄板の加工設備を使っていけば、もう他の中小の設備等は何もいらないというのが現実なんです。いかにしてそれら多数の中小企業を生かしていくか、何十万人の生活をどうして守っていくのかということになれば、そこに政治があると思います。それをいかにして調整していくかということが、この過度経済力集中排除法によって生まれてくるのではないか。かりにこれを廃止するとするならば、それにかわるべきどういうことをやるか、政府はどういう方針をもってこの大きな弊害を除去していくのかということについての考えが必要だと思うのでありますが、その点をもう一度聞かしていただきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 これはその場合場合によって行政的に処置をしなければならぬ。たとえば鉄鋼の問題については、現にわれわれも研究しており、鉄鋼界においても問題にされておるのでありますが、これは何らかの整理をする、それではどういうふうに今後薄鉄板をもっていくかということを十分考えて、もし薄鉄板が新鋭機械でなくては世界的に競争ができない、こういうことであるならば、この中小企業方面のものは何らかほかの方面に転向をするというような処置をとっていく、それ以外には道はないと思うのであります。それで過度に、必要以上に事業が集中するということは現在の独禁法で十分やれる、かように考えております。

田中角榮自由党

○田中委員長 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 今集中排除の問題について中崎君から大体お話があったのでありますが、これに対して大臣の答弁がありましたけれども、私はいろいろ納得のできない面が非常に多い、ただいまの大臣の答弁によると、大体現在の大きな商社がまとまらないと今後の日本の経済に対処していくことができない、こういうことで小さく分けたのをまたもとに復元して集中していく、こういう政策を基本的におとりになるのであるかどうか、伺いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 政府として別段それを基本的にとっておるとかいうわけではございませんが、最近の現象は実際の問題としておのずから起ってきたものと思うのであります。金融の関係から申しましても、金融の方面あたりはやはり強力な商社がほしい、あるいはメーカーの方でも強力な商社がほしい、現に御承知の中共方面でいろいろ問題になっておりまして、外貨の割当を直接に紡績業者にやれということで、通産省も現在はそうしておるのでありますが、しかしこれもどうしてそういうことが起るかというと、あそこに有力な商社がないからということに結局帰着するので、そうすると輸出貿易を振興するためは、中共方面のメーカーのためにもあそこに有力な商社が必要だ、こういうような結論になって参ります。そういうふうな経済上のいろいろの必要から最近の動きがあるものと思うのであります。しかしながら、私どもは中小商社というものも殺すつもりはないのであります。ですから今度の輸出入取引法におきましても、組合を作って、中小の貿易業者もこの組合の中に入って一つの形になって海外に対する十分の対抗力を持つ、こういうふうにいたしたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 最近政府の行なっておる合理化政策というものは、中小をしぼり上げて大企業に集約する、基本的にそういう政策をとっております。たとえば石炭にいたしましても、中小炭鉱を買いつぶして大企業に集約をする、鉄鋼の関係にいたしましても、中小がつぶれていってそれが大企業に集約されるという形になっていく、あるいは硫安の関係にいたしましても、貿易の関係にいたしましても、石炭は石炭でこういうふうにする必要がある、鉄鋼は鉄鋼でこういうふうにする必要がある、そういうふうに一つ一つが目立たないような形でそれぞれの企業別に大企業への集約をしておる。そうして全体として、やはり中小企業を押しつぶして大企業に集約するという基本的な政策がずっと行われておるようであります。金融の面においてもすべて企業合理化の名において行われておる。そうしてそれの背景となる独禁法、こういうものをそういう一つの単独法によって一つ一つ乗り越えていっておる、そうしてその基礎となっておるこの過度経済力集中排除というものがだんだんじゃまになってくるから、これを今のうちにつぶしてしまう。そうしてやがてこれが取り除かれてしまったときには、かって過度の集中を排除したいろいろな経済界の再編成が、復元の形において再編成が行われておる、こういう形が出るのではないか、政府はこういう一貫した政策をとっておるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、現在合理化の名によって一つ一つ独禁法を乗り越えてやっておる、こういうことに対して大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 先ほどから申し上げます通り、われわれはそれをしいてやろうとか、あるいは大企業を保護して中小企業をつぶそうとか、そんな意図を持っておるわけではございませんが、日本経済全体を育成していくためには、ある面では結果としてそういうことが生まれてくるということは、これは確かに御指摘の通り私ども認めなければならぬ。しかし必要以上にそういうことが起ることは好ましくありませんから、われわれはそれを独禁法によって取り締っていこう、これは独禁法で十分にやれる——法律のことはよくわかりませんが、過度経済力集中排除法よりも一そう強くそういう制限が独禁法によって行えるというように解釈されておるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 日本経済のために企業の強化をはかるということはわかるのでありますが、現在石橋通産大臣の政策として行なっておる企業合理化というものは、日本経済の合理化ではなくて、国民経済の立場における合理化ではなくて、三菱なら三菱、三井なら三井、こういう大企業がどういうように採算をとるか、利潤をかせぐことができるか、こういう立場における合理化であって、その反対に国民大衆は搾取の対象になっておる。こういうことが現実に行われておる。造船の関係において、三菱と日立と播磨と日本鋼管と川崎重工と、この五社で日本の造船業の四七%を独占しておるのです。電球でいうならば、東芝と松下と東光と東輝と東都と、この五社で全体の五七%を独占しておる。こういうふうなことが、苛性ソーダにおいても硫安においても、あるいは板ガラスにおいても言えます。板ガラスのごときは、旭と日本板硝子とでほとんど百パーセント独占しておる。こういうふうな過度の集中が現実に行われておる。それにもかかわらず、これに対する過度集中の排除の法案を廃棄して、独禁法は一つ一つ乗り越えて、公取の活動を弱体化して、有名無実な状態においてこういう一つのやり方をはかっていこうということば、一体国民経済的な立場における合理化なのか、少数の大資本への奉仕としての合理化なのか、石橋通産大臣の経済的立場を明確に伺わなければならないと思うのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 大資本に奉仕するなんという意思は、私には言うまでもなく、この内閣においても毛頭ございませんが、先ほども申しましたように、この小さなマーケットにおいて、造船にいたしましても、あるいはほかのものにいたしましても、今の御指摘によりましても、五つとか六つという相当のものが競争しておるのでありまして、それだけでもなかなか競争が大へんであるような次第であります。ですから、その上に数十、数百のそういう同業会社が現われて競争するという余地は、日本のマーケットにはないのだと私は思うのです。すでにそういうふうに五つとか六つとか、それでも私は日本の今の状態においては決して少いものとは思わないのでして、かなりひどい競争が行われておるのです。共食いをするということが至るところに現われております。過度集中ということは、現在においては全然見られないと申し上げていいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 それならば、五つの企業で全体の六〇%、七〇%、こういうような独占がなされておるとするならば、それに対して独禁なり公取なりの公正なにらみがきいて、国民経済のためにこれらの企業が奉仕できるようないろいろな仕組みを整備しなければならぬと思うのでありますが、その仕組みは一体どういうふうになっておるのか。公取はだんだん後退してきておる。独禁法は、最初の案からいうならは、ずっと修正されて、力を失ってきておる。しかもその中において、現在の独禁法を、一つ一つ単独法で乗り越してきている。こういうような状態の中で、石橋通産大臣は、主観的に、大資本に奉仕するという考えがないと言っている。確かにそんなことは、心の中にあってもあるとは答弁はできないのでありましょうから、これは当然言うでありましょうが、われわれが客観的に見て、こういう政策によって独占資小がずんずん強大になっていって、強大になった反面、中小企業はどんどんつぶされていく。この現実は通産大臣だって認めざるを得ないと思う。中小企業をつぶす考えはないと言うが、つぶす考えはなくても、自然に落ちるような仕組みにして落していっている、これをどうするのか。でありますから、これがさらにこの中で自由な競争が行われるならばいいのでありますが、四つか五つにまとまれば、その中でカルテルをやって、そうして利潤をかせぎ出す、こういうようなことをやってくることは、資本主義経済の必然の結果として結果されるわけであります。従って、こういう問題が起れば、一面に独禁法を強化する、あるいは公取をもっと強化する、あるいは過度の集中排除というものを最後の武器としてにらましておく。こういうような諸態勢の中でこういう集約が行われていくことはある程度やむを得ないとわれわれは思いますけれども、そういう一切のにらみを取り除いてしまって、ノーズロースにこういうような大企業への集約をやるということは、これはおそるべき独占資本の強化以外の何ものでもない。この結果として、国民経済は全く戦前以上あるいは明治時代以上のひどい状態になるということをわれわれはおそれておるのでありますが、これに対して通産大臣は、大資本に奉仕する考えがあるとかないとかいう主観的な考えではなくて、客観的にどうなっているかという、現在の経済の実態の分析の上に立ったところの大臣の一つの客観的なお考えを伺いたいと思うのであります。中小企業はつぶれていっていないかどうか、そうして、中小企業のつぶれたことが大企業への集約になっていないか、この相関関係をどういうふうに分析しているか。そうしてこういう状態の中でこのカルテルが行われて、国民が搾取の対象になっており、大企業を安定させるための犠牲に国民がされている。こういう現在の事実を正確に認識されているのかどうか、そうは思わないのかどうか、これらの客観的な事象に対して大臣の答弁をわずらわしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 私は、お話しのいわゆる大企業といいますか、大した大企業ではないかもしれませんが、とにかく比較的大企業、それがカルテルを作って国民の生活あるいは中小企業者の営業を圧迫するというようなことは今起っておらぬと思います。それは公取がずいぶん目を光らしてやっているわけでありますが、そういうことはないと思います。  それから今の独禁法の適用の免除は、たとえば輸出入取引法にいたしましても、今度の石炭の問題にしましても、むしろ中小企業を保護するために独禁法の一部適用を解除するということになっていると私は思うのであります。われわれはいまだかつて、大企業を保護するために独禁法の適用を除外しようとしたことはないのであります。事実においても、むしろ中小企業をどうして生かしていくか、中小企業が生きていくためにはどうしても組合を作って話し合いをしなければならぬ、そのためには独禁法の適用を一都免除する、こういうようなことだと私は思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 大臣は参議院の方へ呼ばれているそうでありますから何しますが、ただいまの答弁が、石橋通産大臣がもしほんとうにそういうふうにお考えになって答弁をされているとするならば、石橋通産大臣の経済的な見識が正常であるかどうかを私は疑わざるを得ない。もし、わかっていながら、これは中小企業を安定するためにやっていることだと強弁するならば、ずうずうしいにもほどがあるといわざるを得ない。なおこの問題については、それならばこれがほんとうに中小企業のためになっているかどうかという具体例についてなお論議をいたしたいと思いますから、一応参議院に行って答弁をされて、お帰りを待ちます。

田中角榮自由党

○田中委員長 本案に対する残余の質疑は後日行うことにいたします。次会は明七月一日午前十時より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時十七分散会

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