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22回国会衆議院1955/06/15

商工委員会 第25号

発言数
40
登壇者
5
会派数
4
開催日
1955/06/15

会議録

田中角榮自由党

○田中委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りをいたします。科学技術振興に関する小委員長前田正男君より、科学技術振興対策調査の必要上、本十五日小委員会において、参考人経済同友会産業政策部会長進藤武左工門君より、科学技術開発公社の構想について説明を求めたいとの申し出があります。小委員長の申し出通り決定するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  繊維に関し調査を進めます。質疑は通告順によってこれを行います。阿左美廣治君

阿左美廣治日本民主党

○阿左美委員 大臣にお伺いをいたしますが、何と申しましても中小企業は協同組合法を強化いたしまして、この力によりまして運営いたさなければならぬと考えるのでございまして、組合法の強化ということが中小企業にとりましては最も必要であると信ずるのでございます。現在の協同組合法から申しますと、その運営を全からしむる上において非常な支障があるのでございます。第一、加入脱退が自由でございます。こういうようなことは、この面から申しますと、民主主義の上からいっても非常にけっこうなことでありますが、おそらく青天井におきまして、自由の世の中で、すべてのことが成り立つはずはないと思うのでございます。ある程度の制約は必要だと思うのでございます。私どもはアウトサイダーの非組合員に対するすべての施策が非常にむずかしいのでございまして、こういうような面から経済も跛行しまして、思うような組合運営ができ得ない。組合員であれば必ずこれはどういう話し合いでもできますし、その施策を実行する上において非常に容易であるのでございますが、非組合員と組合員との関係が非常にむずかしいのでございます。そういうような点から考えてみますと、この組合法を抜本的に改正いたしまして、もとの同業組合法というようなものにひとしいような方法を講じてもらうならば、現在の中小企業というものは、この組合法におきまして非常に運営を全からしめることになると思いますが、この組合法をもう少し強化し、抜本的の改正をするような御意思はあるかないか、ちょっとお伺いをいたします。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お尋ねごもっともでありまして、われわれも協同組合の強化ということは念願しておりまして、今回もその目的で中央会等を作るという案を出しておるのでございます。今の強制加入の問題については、全般的に協同組合にこの際ただちにすべてに実行するのはいかがという考えを持っておりまして、従って調整組合との間の調和をはかっていく、その実情に即してやっていくというのがこの際は適当ではないか、こう考えておるわけであります。

阿左美廣治日本民主党

○阿左美委員 何と申しましても、生産の調節ということは私は最も必要じゃないか。過剰生産になればいかなるものでもこれは価はないことになると思いますので、この生産と消費ということに対しましては十分の注意を払う必要があると思うのでございます。たとえば調整組合をもちまして生産の調節をするというようなことは非常に複雑でございまして、むしろこれは協同組合において生産の調節が直接できるようなことが最も可能ではないか、こういうふうに考えます。ことに繊維は非常に多種に及んでおりまして、一地方の産地では現在非常に生産が順調であり、またそれは消費と非常にマッチしておる。一方は非常に滞貨しておるというようなことで、これを一本でやるということは、産地々々の特徴もありますので非常に困難でございますけれども、これがやはり組合の組織の内において調整をすることは非常に容易である、こういうようなことから考えますと、この調整組合という現在のあり方を、協同組合でこれは実施ができるというようなことに改める必要があるのではないか、こういうように考えますが、これはいろいろ公取との関係もあるようでございますが、しかしこういうような点に対してどういうお考えを持っておいでになりますか、お伺いをいたす次第であります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいま申しましたように、全部の協同組合をただちにお説のように機構を変えるという考えは持っておりません。しかしながら必要に応じて調整ができるようにいたしたい、こういうので今度の組合法の改正も立案しておるわけであります。それから広い地区にわたってのことは、府県の中央会あるいは中央の中央会というようなもので、各組合ごとの間の連絡は十分とらせるように指導いたしたいと考えております。

阿左美廣治日本民主党

○阿左美委員 現在各産地とも調整を非常に行なっておりますが、この調整の裏に業者は非常に資金的に悩んでおるのでございます。調整をしなければならないということは承知をしておりながら、やはり資金関係の上からその調整に従うことができ得ないという場合もあるのですが、調整をする場合において、何らかこれは経済的に裏づけがなければ完全なる調整を果すことができ得ないのですが、こういうことに対しまして、何らか今後調整に対する資金を別ワクから出すようなお考えはないのでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 調整のための特別の資金を作って、それを別ワクから出すという考えはただいま持っておりませんが、しかしながら必要に応じまして中小企業金融公庫その他からできるだけの金融的の援助をするということは行政上の措置として行うつもりであります。

阿左美廣治日本民主党

○阿左美委員 私はこれでよろしゅうございます。

田中角榮自由党

○田中委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 この際私はわが国の終戦以来初めて逢着いたしました繊維業界の不況に対しまして、二、三大臣に質問をいたし、この不況を与党、野党を問わず、超党派的の立場から打開したい、こう考えるものでございます。  大臣もすでに御存じでございましょうが、この問題については国民の心配を反映して、ジャーナリストの方々は毎日新聞にこのことを書いております。この不況の原因がどこにあるかといえば、それはまずだれしも次の諸点に指を折ることだろうと存じます。すなわち輸出の不振、供給の過剰、先行の売り急ぎ、これが一そう拍車をかけておるではないかと存じます。試みに二十番単糸に例をとってみますと、三品市場における価格が、一九五二年の平均は一コリについて九万四千円、一九五三年は八万五千五百二十円、一九五四年には八万二十八円、ここら程度でありますれば、どうにかこうにか中小紡、大紡を問わずやっていけると存じますけれども、一九五五年を中心に月別に調べて見ますと、去年の六月ごろを境にやや上ってはきておりますものの、またこれがずっと下りまして、今年の六月一日の値段を調べますと、これは六万六千円と下っている。こうなりますと、これはいかなる紡績でありましょうとも、いかなる機場でありましょうとも、手のつけようがないということになる。これはもう商社だけの力、あるいは紡績だけの力ではとうてい及びもっかない、こういうことでございます。この結果はやがて輸出価格にも、輸出の量にも大きな影響を及ぼして参ります。すなわち日本の製品はコストが高いから売れないのだ、こういう理論が時折行われておるようでございますけれども、そういう部門もあるかもしれませんが、事繊維に関しては、日本の方がイギリスのFOBと比較いたしまして、はるかに安い。安いけれどもなお売れないというのは、これはあながち品質が悪いわけでもない。コストが安くて品質がよろしい、にもかかわらず売れていかないということは、その原因がどこにあるのかといえば、この価格が波を打っているということ、安定していないということなんです。従って日本の商品を買い付けたバイヤーは、先行きの不安から、もしかすると安くなるかもしれない、損するかもしれない、従って大量に買い付けることもできなければ、これを長期にわたって買い付けることもできない。小刻みに、ほんの思いつきに少々買う、こういう状況なんです。従って貿易の契約高もだんだんしり下りです。特にこの綿の関係は、人絹糸にまで影響を及ぼしておりまして、今月の契約は例月の二百万ポンドをはるかに下回る七十五万ポンドくらいにしか達していない。つまり国内相場の先行き不安、下落の傾向は、やがて輸出不振の原因にも相なっている、こういうことでございます。国内の市場が金融引締めその他デフレ経済によって引締められ、輸出がまた振わない。そのおかげで、でき上った繊維製品の行く先がないので、糸だけでもって五十万もストックしてしまっている、こういう状況なんです。今にしてこれを打開するところの総合施策を打たれなかったならば、それこそ繊維経済の倒産だけではとどまらない。おそらく鳩山内閣に大きな打撃を与えるところの原因をここに出来するではないかと憂えられるのでございます。これに対しまして逐次承わりたいと存じますが、かかる状態を大臣はどのように認識あそばしていらっしゃるか、まず承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今日の繊維界の不況は必ずしも日本だけの原因でもないと思いますが、しかしながらお話のように、特に日本の繊維業界が元来企業の形態が弱いものですから、特に非常な波乱が多いということは、その通り確かであります。このことはしかし急にどうするといっても実は手段がないのでありまして、そこで私どもとしては今繊維——単に綿糸だけでなく、そのほかスフ、化繊等も入れまして、日本全体の繊維政策というものをどうするか。これは繊維の品質も変って参りましたし、需要の状況も変っておりますから、一つ専門家の御意見を十分にいれて、委員会でも作って、そうしてできるだけ急速に総合対策を立てたいと思って今準備をしておるようなわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 まことにけっこうなお考えを承わりましたが、繊維不況打開のために委員会をお作りになる御予定がございますか。その委員会をお作りになるとすればその構成及び時期を承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 まだ構成とか時期とかいうものを確定はいたしておりません。ただそういう構想を持って、いかなる構成にしたらよいかということについて、今事務的に検討さしておる状況であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 先ほど来新聞なり人のうわさでちょいと聞きましたが、この業界と一部代議士との間に繊維懇談会とか繊維研究会とかいうものが生まれたとか聞いておりまするけれども、どういうメンバーがそこに入っていらっしゃるのやら、また大臣はそれに御関係ありゃいなや一向私存じません。しかしながら私はこれに対しては、繊維については自分が繊維畑の出ですから非常に関心を持っておりますけれども、少くとも私、わが党には何らその話がなかったようでございます。私自身の考えからいけば、繊維の不況はやがて国の経済に大きな支障を来たす問題で、内閣それ自体の存立にも影響を及ぼす問題でございまするから、こういうものは、すべからく超党派的に、ほんとうに繊維のことを憂えている憂国の士を集めて作られることが最も妥当ではないかと存じまするが、その用意ありやいなや。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいまお尋ねの一部業者と議員との委員会ということは存じません。今事務当局も知らないそうでありますから、これは私どもただいま関係がないのでありますが、政府が今考えております委員会は——お話の通りこれは鳩山内閣はどうでもよいことでありますが、実際国の今後の経済のために、繊維というものをどうするかということは重大問題でありますから、われわれとしては超党派的に、できるものは一つ皆さんの御協力を願い、適当なる案を作って進んでいきたいと考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 鳩山内閣よりもなお繊維の不況を一そう憂えるという大臣のその心情に、私は心から敬意を表するものでございます。そこでそれほどの御決意を持っていらっしゃるお方ならば、必ずや成果を得るものと確信して、私は次の顧問に移りたいと存じます。  日本の繊維、特に綿業界の不振の一つには、その原料であるところの米綿が大きに影響をなしておることは、すでにその道の達人でいらっしゃるあなたはよく御存じのはずでございます。終戦直後の日本の繊維は、海外市場において品質が劣っておるという汚名を着せられました。しかし、この原因は決して技術が劣っておったわけではなかったはずでございます。なるほど終戦後の機械は、戦火に見舞われたおかげで相当荒廃はしておりましたものの、少くとも輸出に出した糸は、決してその荒廃した機械でなくて、焼け残ったほんとうにいい機械で作って出したはずです。技術も決して劣っておりませんでした。にもかかわりませず、これは一部悪評を買ったことを非常に遺憾に存じておりますが、その原因は那辺にあるかは御承知の通りです。米国において十年間もストックしていた古い残りの原綿、これを与えられた。十年も古いものを与えられてみれば、そこから生産される糸に弾力が少かったり、つやがなかったり、風合いが悪かったりするのは当然のことでございます。そこで私はこのことについて、かつてGHQにその筋の要人をたずねましてるる訴えました。話し合いができました。うまく納得していただけました。そういう実例を持っております。このたびの綿糸の下落、不況の原因が必ずしも国内の状況だけでないとあなたは今おっしゃいましたが、しかりごもっともでございます。その原因の一つに米綿の先行き不安ということがあることをよく御承知だと存じます。正常輸人の米綿が、相手国のおかげで、指示価格制度が廃止されたようでございます。これはやがて先行き不安となって、もっと下落するんじゃないか、農産物が世界的にたくさんとれて、米綿もたくさんとれた、その上なおこの指示価格制度の廃止によって、ますます安くなるんじゃないか、この不安が、製品である糸にも大きく影響を及ぼしていることは、これは経済を語る者ならよく御存じのはずでございます。それからもう一つ、余剰農産物の買付からくるところの米綿のコストでございまするが、これがどうも国際プライスよりも高いようでございます。あえて大臣に数字を承わろうとは存じませんが、確かに高いようでございます。国際プライスよりも高い原綿を買い付けて、これを加工して出した場合には、さなきだに原料高の製品安で苦しんでいる紡績以下の業界を一そう圧迫する、これはやがて不安を醸成する、こういうことに相なっておりまするが、これについてさすが繊維局長は、あなたの命に従ってやられたのかどうか、そこは知りませんが、すでに米国のその筋に対して交渉を開始していらっしゃるということを聞いております。この交渉はもっともっと促進して、早急に効果を上げていただきたいものだと考えておりまするが、この点大臣としてはどのようにお考えになり、今後どのような手をお打ちになるか、あるいはまた現在どういう状況に相なっているか、要すれば、先ほど大臣のおっしゃいました研究会なり懇談会なりをお作りになれば、私もさっそく今そこに行って微力をささげたいと思うわけなんですが、いかがでございましょう。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 過去における米綿の品質等につきましては、占領中であり、また戦後の、あらゆる物資が流通の非常な障害を受けておる時分でありますものですから、お話のようなものも入ってきたように思いますが、今回はそういうことはありません。ただアメリカが農産物の指示価格制度を設けておる、これはまだ廃止しておらぬようでありますが、そういうことから今後の、この次の年度におけるアメリカ政府の政策が今のところはっきりいたさないものですから、非常な不安をかもしておるものと思っております。これほどうも、アメリカがあれだけの大きな力を持っておって、その制度がきまらないために世界的に影響を及ぼしておるのでありますから、実はいかんともいたし方がない状況である。ただその過剰農産物、これは単に米綿だけに限りませんが、決してそんな高いものを、また品質の悪いものを買ってくるというような気持は一つもないのでありまして、余剰農産物の今の借款問題の交渉中にも、そのことは日本政府から幾たびも念を押しておるのでありまして、コマーシャル・ベースで日本の必要なものを買ってくる、こういうことでありますから、綿花もお話のように高いものを買うというような場合は一つもございません。実は幾らでどういうものを買うかということは、これから実際にやることでありまして、まだ何にもきまっていないのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 まことにいい考えでございまするが、大臣御承知の通り、余剰農産物のうちの米綿のコストは、綿の国際プライスよりは設定されている値段が高いのですね。だからそれをそのまま受け取られますると、高くなるという結果が生じてくるわけなんでありまして、だからこそ政府のこれに対する努力を一そう要望しているわけなんです。この私の言うていることは、はったりでもなければ何でもない、事実なんですから……。そこでこの二つが原因となりまして、つまり余剰農産物の、国際価格よりも高いところの米綿をもしかしたら買わされるのではないか、つまり高く設定されておるから高く買わされるのではないか、日本政府が額面通り受け取るのではないかということと、もう一つは、正常輸入の、この綿の先安不安というものの二つが原因となって、不安が一そう醸成されておる。これはやがて経済を最も鋭敏に反映するところの三品市場に影響してくる。その三品市場への影響は、やがて末端の機場にも小売り市場にも影響する、こういうことでございますので、要すれば、政府としてはその不安をこの際一掃して、価格を安定させるためにアメリカに対して手を打つのが至当であると考えます。その国際価格よりも高いものを買わないというお話だけはわかりました。その意思、決意のほどはわかりましたが、今後なお折衝を重ねて、より安定の線へ持っていく覚悟がございますか、ございませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 その正常の——今何ですか、アメリカの政策による綿花の現在の先行き不安というものをどうかしろ、こういうことをアメリカに申し入れろというお話のようでありますが、実はその話は今はまだ外務省としておりませんが、ごもっともでありますから、大使館等を通じて、どういう形で申しますか知りませんが、その点を確かめてみることはいだそうと思います。  それから余剰農産物の方は、実際われわれは高いものを押しつけられて買うつもりは毛頭ありませんから、これは御安心を願ってしかるべきものと思います。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 次に、今日のこの不況の原因のうちの一つに、供給過剰ということがございます。供給過剰は、必ずしも生産が伸び過ぎたとは私は考えておりません。なぜかならば、戦前の生産量と今日の生産量を比較した場合に、さほどでき過ぎたという成績は出ていない。ただ問題は輸出が伸びていない。従って相対的に考えた場合に、この生産過剰という結果が生じてくるのであって、要は市場が削減されている、ここに大きな原因があるわけでございます。そこでこの市場開拓をするに当っては、いろいろな方法がございまするが、政府としては、すでにパキスタンの加工貿易、それからインドネシアにおけるところの三角貿易等々を繊維局長が腕をふるって推進していらっしゃるようでございますから、これはまことにけっこうなことと私は敬意を表しておりまするが、この際ぜひ承わらなければならないことは、輸出をよりよく振興させるために、今までは輸出した場合に紡績機場に対して報奨用のリンクだとかバーターだとか、いろいろ奨励制度が設けられて、その奨励制度の実行方法として、これにほうびとして外貨が割り当てられておったわけでございます。たとえば毛における二〇%、二〇%、三〇%というような、これはIMFの影響とか何とかで、だんだん削減されてきた。しかしほんとうの割当は設備割当、錘に対する割当になっていた。ところがやがてこれも削って商社割当にするというお話でございましたが、これも紡績及び機場に対しては大きな不安の原因となっておることはすでに御承知の通りだと思います。ところでこの間水上さんと貿易振興に関する委員会で一問一答をやりましたところが、つまり商社の代表でやがて外貨がもらえるであろうところの一番総本山に尋ねましたところ、まだ受け入れ態勢ができていないというようなお答えでございました。どういう規格、どういう基準で商社に割り当てたならばよろしいかに対して答弁ができなくて、登録制にしたらよろしい、登録制で実績を見てだんだん割当にしたらよろしい、こういうことだった。そうするとこれは将来のことであります。現在すぐに切りかえることはできないはずです。切りかえたら受け入れ態勢が整っていない。人物によるか、公称資本によるか、あるいは過去の実績によるか、実績ならば戦前か戦後か、一体何を基礎として割り当てるか、あなたの希望を述べてもらいたい、あるいは予定があるなら述べてもらいたいと申しましたところ、答えがなかった。そこで政府としてはこの外貨の割当方式を一体変えるという基本方針のようでございまするが、どういう時期にどういう状況が醸成したならば変えられようとしていらっしゃいまするか、その一点だけでけっこうです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 われわれとしては貿易を促進するためにも、商社が活動ができるように彼らの力を充実させる必要がある、こういうようなことから、外貨もできるだけ商社割当にした方が商業の普通のルートに乗るわけでありますからそれがいい、こういうように考えてやっております。ただ現在は紡績については特に中京地方の紡績事情がありまして、繊維品については外貨割当をまだ商社にしておらないということでありますが、もう少し様子を見まして、できればやろう、こういうことであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 もう少し様子をごらんになるのはけっこうでございますが、業界がどういう状態、つまりどういう受け入れ態勢ができたらするか、大体その時期の見通しはいつごろか、こういうことを聞いておるのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 それはなかなかむずかしい御質問ですが、特にこれは御承知のように中京地方、名古屋付近の事情によるのでありまして、あそこが聞いてみても私どもよくわからない。外貨割当をメーカーにしてもらわなければ生産金融が非常にむずかしい。それですから、この間ちょうど名古屋地区の何とかいう会がありましたときに、あそこの東海銀行からも出ておりましたから、そういう人と、あれだけの大きな産業地区になったにかかわらず、普通の商業ルートでやる方式で外貨が商社に割り当てられていったのではメーカーが困るという金融は間違いではないか、同時に名古屋地方でも一つそういうしっかりした商社を育成することが必要じゃないかというような話をしたわけでありまして、それ以上の点はどうもその地方の事情がよくわからないのですけれども、そういう同じ質問がきのうも参議院の商工委員会で出た。そこで私はとにかく商社に外貨割当をするために特にメーカーが非常に金融上困るとかいうことであるならば、その間は一つできるだけわれわれとしては猶予をしようという考えを持っております。何とかそこに態勢が整うのを待つつもりである、こういうことを申し上げたのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 おやりになることに対して私らがとやかく言ってみても始まらないことであります。要はやられることについてとやかく言うのではありませんが、もしよかれかしと思っておやりになる結果、かえって角をためて牛を殺すという結果に相なることを私は憂うるものであります。従いまして、まずその基礎、条件をしっかり固めて、受け入れ態勢をよく整えさせて、平地に波を起させたり、平生立っていける業界をあえてそこに倒産を起させるというようなことのないように手当をしておやりになるならば、これは自由主義経済の行くべき道でございますから、私はやむを得ぬと存じます。しかしわが党としてはこれはまた別の考え方を持っておるわけでございます。決してその自由主義経済の自由放任で自分の街道をずっと行くことに喜んで拍手を送るものではございません。今幸いによいことをおっしゃいましたが、中京地区、特に名古屋地区の業界はこのことが行われる当って非常に困難がある。それには商社のかちっとしたのがない。商社の強化育成は大事である。こうおっしゃいましたが、これは同感であります。しかし商社のあるなしにかかわらず、繊維の問題が取り扱われた場合に、中京地区、つまり愛知県、東海地区一円ですね、この地方の業界が一そうなんじゅうするということは、、われわれは商社がないからだけではない、その大きい原因は、これが中小紡であるということなのであります。過去の政府の施策はほとんど大紡にのみ厚く、中小紡には薄い政策が行われておったことはあなたはよく御存じのはずでございます。たとえば外貨割当にしても、たとえば取引の条件にしても、三品市場における格差にいたしましても、すべて中小紡が薄く与えられ、大紡が大きく与えられておる。この結果弱肉強食のこの競争場裏に立ってあえぎあえぎ行かなければならないというのが、これが東海地区一円の状況であります。これが東海地区のみならず、関東北部にしても、北陸の方にいたしましても、中小機の一様の悩みでございます。これをまず救わなければならぬと存じますが、この時期に至ってこれに対して何ぞ打つ手がありますか、ありませんか。やられようとしておりますか、おられませんか。私の知る範囲によりますと、かてて加えて品質表示法で追い打ちをかけようとなさっておるようでありますが、品質表示法もはっきり言えば十大紡の要請から端を発しておるということは業界全部が知っております。これが行われた暁には中小機の製品は一そう追い打ちをかけられなければならない。こういうふうになるのはこれは火を見るよりも明らかである。手を打つどころか、追い打ちをかけようとなさっておる大臣に、これは反省を促すと同時に、私は救いの手を伸べていただきたい、こう思うのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今は中小紡が困っておることはお話しの通りであります。しかし中小紡は非常な勢いで大紡績に食ってかかって、非常なものなのであります。一時は中小紡にみな追いまくられて政府機関の方も中小紡にやられて、設備の制限などもかまわずに、どんどん拡張したというほどの力を持ってきた。だから今名古屋地方の中小紡もやはり一つ一つ違うと思います。あるいは中にはずいぶん強いのがあって、外貨割当を商社にしようとしまいとそんなことには平気なのもいるように私は聞いておりますが、しかしそうかといって過去のことを言ってもしょうがないので、今中小紡は非常に困っているということは認めておりますから、従ってたとえば綿花の割当などにしましても、この間中止したのでありますが、中小紡の中で手持ちが少くて操業に困難を来たすようなものには特に解除して綿花の割当をしようというようなこともいたしております。そのほか金融上の問題などについても、むろん中小紡等には必要に応じてそのめんどうを見るということにいたしておりますから、決して中小紡を捨てておくわけではありません。ただお話のように中小紡は初めから弱いものではなかった、相当強いものであり、現在でもなかなか力を持っておるものがいるということだけは御承知と思います。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ちょっと加藤君の了解を得まして関連質問を……。外貨の割当の問題についてであります。実は今日本経済のあり方として一番強力なしかも組織的な統制の行われておるのはこの外貨であります。従いましてこの少い外貨をもっていたしまして、日本の経済の全般をまかなうというのでありますから、勢い外貨の割当を受けたものは非常に大きな利益を受けるのは言うまでもない。従いましてこの外貨の割当の仕方等についてはきわめて慎重に、しかも一定の画然たる計画と方針の上に立ってやらなければならぬのでありますが、これらのことについて今詳しく議論はしないといたしまして、まずこの問題としては第一に政府の方では大きな商社を漸次育てていって、この商社を中心に外貨というものの操作をやらそうというふうな方針の上に立っておられるということが一つ、一つにはたとえば今の紡績あるいは羊毛あるいは砂糖、石油等について、これら重要な物資がほとんど大きなる企業家に割当てられておる、従いましてこういうふうな業者のみが大きなるいわば独占的に近いような利益を受けておる、国民と国家の犠牲の上にこれたちが国家から手厚い保護を受け、膨大な、不当な利益を受けておるというのが現実なんです。この傾向がますます大きな商社の方、しかも漸次企業の集中化の方にいくというようなことにつれて、ますます利益が独占的な方向に進められると同時に、その割当が強化されていっており、従って今問題となっております中小紡についても、もう少し何らかこういうものを、同等な立場、機会均等な立場において割当されるような道がとらるべきものである、言いかえますと、現在の政府が漸次進めつつある方向というものは大企業中心の行き方になりつつあるが、これを改めて、もう少し外貨というものを公正に、国の経済全体を、中小企業というものを生かしながら組み立てていくのだという上に立って、再検討されなければならぬ段階だと思うが、この点について大臣の意見を聞きたいと思う。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 割当というような制度はなかなかむずかしいものですから、こうすればああするという、必ず全部からほめられるようなことにはなりかねるというのが事実で、これはだれがやってもそうだろうと思う。しかし政府としては非常に公正な立場で今各省が寄って十分検討いたしてやっております。従って私としてはできるだけさしつかえない限りはAA制にしてしまおう、あるところへ割り当てておるということに弊害がありますから、さしつかえない限りAA制にしたいと思いますが、しかし外貨事情で全部そこまで参りません。そこで今でも割当制をとっておるのでありますが、しかしこれはお話のように割当となるとどうしても設備割当というようなことが起るものですから、何も大企業に特別な便宜を与えるというような意思がなくても、設備割当になれば自然多くの設備を持っておるものがよけい割当を受けるということになる、と同時に今の中小紡が非常な勢いをもって増縛して参りましたのも、その設備割当の結果たくさんの縄数を持てばそれだけよけいに綿花が割り当てられるということで弊害が生じてくる、砂糖でも同じことでありますが、現在の過剰設備というようなものはこの外貨割当、設備割当というところから生じたものと見られる、そこで私どもとしては、現在は一そうかといって設備を全然無視するわけにいきませんから、そのほかに一般に設備にかかわらず綿花が手に入るような部分も、わずかではありますけれども、商社をして輸入させておるというようなことで、過剰設備になることを一面において防ぎつつ割当をしておるのでありまして、中小紡に対して特に非常な過酷なことをしておるどころじゃない、最近においてはむしろ中小紡に大紡よりもかえって幾らか便宜を与えるというような処置をとっておるのであります。隠してありました設備のごときも逐次承認をして、それに対しては綿花等が割り当てられるようなことにいたしておるわけであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 私は日をあらためて根本的にこの問題についてお尋ねをいたしますので、本日はこの程度にいたします。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 大臣は非常に時間がないようでございますから、大急ぎで要点をかいつまんで、あと二点だけお尋ねいたします。  ただいまもお話のありました過剰設備に対して、この際はやむなく、ほんとうは輸出振興をした方がいいのですけれども、それができなくなったので、制限の強化ということが行われておるようでございますが、過去行われました機場に対する二十九条、紡績に対する操短、この成果は予期したほどは上っていないように思います。なぜかならば、監視員の報告は決して実情そのものではない、こういうことなんです。この原因については詳細にわたりますから、いずれ局長さんとまたよく相談したいと思いますが、大臣としてはこの操短を一層強化する気持ありゃいなや、もしするとするならば、継続期間はどの程度おやりになるか、業界はどういう状態になったらやめる、あるいはどういう状態が続く限りは続ける、こういうところのポイントを承わればけっこうです。もし今後これを継続してやる場合には、いろいろ要望があると思います。たとえば一二%の率を三〇%にしたらいいじゃないかという率の引き上げ、あるいはそうではなくして、今あなたのおっしゃったように原綿の割当を制限していくのだ、こういう考え方もあるわけなんです。そのいずれをとられますか。いずれをとるかによって、あなたが先ほどおっしゃいました中小紡を助けると口には言いながら、結局これを殺すことになって、中小紡は大紡の系列の中に入って、大紡の言う通りに従わなければならぬ、こういう結果が生じてくるわけでございます。一体これをどうなさろうとしていらっしゃるのか。  次に同じ操短にからんで、大紡の方から買い上げ機関の発動云々の問題が出ておるようでございます。五十万コリもかかえてみれば、これは大へんなことなんです。さてこの買い上げ機関は、どのような方針で臨まれますか、大臣の所信を承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今のとこる、ては可現在以上に操短を強めるつもりはございません。現在の操短の効果をまず上げしめるということに力を注ぎ、その状況を見まして、やむを得なければ操短をなお縮めなければならぬかもしらぬが、これ以上に縮めるということは、さらにいろいろ大きい問題を起しますから、われわれとしても十分考えておる次第であります。それからこれは結局今の過剰生産の状況がある程度除去されると申しますか、今までは月々の生産が過剰になっておる、最近操短の影響で過剰状況がだいぶ少くなったようでありますが、なおまだ過剰でありますから、この過剰の状況が除去されることを目途として、ほかにいろいろな市場等の変化がない限りは継続せざるを得ない、こう考えております。それからストックの買い上げのことはただいま考えておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 強化はしないけれども継続するとおっしゃいましたね。その継続の方法、内容は、率を今まで通りでずっといくのか、率を少々は変えるのか、あるいは割当制度に持っていくのか、その点を伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 これは事務的に研究を絶えずしておるのでありますが、現在のところでは率は今のままで、これを実効があるように指導をしていくということに考えておるのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 割当削減はやられないのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 やりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 次に、繊維の不況は綿のみならず、毛にも化繊にも及んでおることは御承知の通りでございます。化繊の方では御承知の不況対策の合理化カルテルをこの際いたすべきであるという考え方が行われて、これが要望されているようでございますが、これに対して一体どのようなお考えを持っていらっしゃいますか。  次に、すべての繊維がこんなに不況であるときに、たった一つだけほくほくの繊維がございます。妙な現象でございまするが、それはナイロンでございます。このナイロン、特にウーリー・ナイロンのごときはプレミアム付で羽がはえて飛んでいく、こういう現象でございまするが、プレミアム付で羽がはえて飛ぶという経済状況というものは、決して正常ではございません。需要と供給の関係で国民がそれほどほしいというものならば、これは増産の態勢に持っていかなければならないと存じまするが、このナイロンの増産計画、今年度あるいはその次、その次三、四年後の計画まではすでに立っていることと存じまするが、これはいかように相なっておりまするか。もしそうなりますると、他の化学繊維が圧迫を受けるという考えもなきにしもあらずでございまするが、他の化学繊維の育成指導についてはどうされようとしているのか、この点承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ナイロンその他については増産計画を立てております。しかしこまかいことは政府委員から答えさせます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは、時間がありませんから、あとで伺います。  最後に、私はこの繊維の不況を打開するについて、切に政府の善処方というよりも大英断を望むわけでございます。この大英断は決して合理化カルテルとかあるいは操短であるとか、二十九条の発動であるとかいうことだけでは成果が生まれないと思います。これはこうやくでございます。それよりも抜本的な問題をここに総合樹立しなければならぬと存じまするが、先ほど最初にそういう研究機関を設ける、こういうお話でございましたので、私もこれは大賛成でございますが、その時期は一刻も早いほどよろしい。そこヘピック・アップされてくる代表は、ほんとうにこの繊維の立て直しを、世直しを心から憂えている者をあらゆる階層から選び出すということが、最も妥当ではないかと存じまするが、これについて大臣はそのような意図がありやいなや。  次に繊維が不況の一つの大きな原因に、中共の貿易が閉ざされているという点がございます。去年も実は千五百万ポンドに及ぶ人絹糸がこちらの商社の考え違いからついにキャンセルになってしまったことは、まことに遺憾に存じておりまするけれども、せめて人絹糸の輸出くらいは中共へ向けて一層促進すべきだと存じますけれども、この点については、口では中共貿易はやるやると言いながら、事実の面になりまするといろいろな支障があるのでございます。これはどうせ貿易振興に関する委員会でまたやることでございまするけれども、大臣の中共貿易を拡大することについての所信を承わりたいのでございます。市場を開拓すると同時に、国内の状態をあらゆる英知をしぼって整備をするならば、繊維の業界はなお前途洋々たるものがあると存じます。繊維はもうだめだから重工業にかえた方がよろしいというような考え方が間々行われまするけれども、それは世界の繊維事情を知らざるもはなはだしきものでございまして、繊維は文化とともに進みつつある、ディオールの指先は世界じゅうの女性のため息の的であり、これは流行の基を作っていますが、やがて日本の女性の指先から生まれた繊維、これに英知と技術と総合政策を与えまするならば、必ずやディオール以上に日本の繊維が、かつてのランカシアを圧倒したと同じように、世界じゅうの人類のからだを包むと同時に、幸福をもたらすことになる、私はかように考えているものでございます。それに対する大臣の、特に拡大均衡をお唱えになった大臣の、私は最もこの点を信頼し、親愛している、この大臣の所信を承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 委員会の構成については、お説の通り各方面の繊維についての権威者あるいは繊維について憂えておる人たちに、ぜひ一つお願いしたいと考えております。  それから今の繊維の全体に対する対策、どうも総合対策とか何とかになりますと、とかく消極的になりがちのものでありますが、私はお説のように、ただ国内の生産を制限するとかあるいは何かの統制をするとかいうようなことでようやく繊維を保っていくということではだめだと思うのですから、できるだけ一つ輸出もふやす、それから国内の需要もふやすという方面へいくべきものと思っております。輸出をふやすについては、中共は確かに一つの輸出先でありますが、これは中共に限らないと思うのであります。インドネシア等についても何とかしたいのでありまして、研究はしておりますが、中共でも口で言うほど楽でない、いろいろむずかしい点がありまして、なかなか思うにまかせませんが、これはむろん大いに努力しなければならぬと思います。

田中角榮自由党

○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、明十六日は午前十時より会議を開くことといたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時九分散会

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