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22回国会衆議院1955/06/01

商工委員会 第19号

発言数
70
登壇者
12
会派数
4
開催日
1955/06/01

会議録

田中角榮自由党

○田中委員長 これより会議を開きます。  この際理事の補欠選任についてお諮りをいたします。去る五月二十七日理事首藤新八君が委員を辞任せられましたので、理事の補欠選任をいたさなければなりません。後任として田中彰治君を理事に指名いたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

田中角榮自由党

○田中委員長 次に、木材利用の合理化に関する小委員長、科学技術振興に関する小委員長及び総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員長より、それぞれ小委員会の中間報告をいたしたい旨の申し出がありますので、この際順次これを許します。  木材利用の合理化に関する小委員長中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 木材利用の合理化に関する小委員会の中間報告を申し上げます。  わが小委員会は、五月十六日以後前後三回にわたって会議を開き、その後における合理化運動の推進状況並びに北海道の風倒木処理に関する件を議題といたしまして検討いたしました。  前者については、去る四月一日関係各官庁の決議のもとに林総協が中心となって関係業界並びに官界代表者等を網羅した木材資源利用合理化推進本部が結成せられ、この運動を強力に推進することになりました。しかるところこれらの活動を推進するに必要なる資金の裏づけがないために、十分なる活動ができない状態であります。よって所要経費二千万円中、八百万円は国庫の補助を仰ぎ、残額については林総協並びに関係民間団体の醵金によってこれをまかない、強力なる国家目的を推進せんとするものであります。よって去る二十七日木材利用合理化に関する小委員会において、全会一致左の通り決議をいたしました。   本委員会は、さきに木材資源利用合理化方策を推進するため、その事業を企画し実践する強力なる協議会の設置を要望する決議をした。一方、政府においても、木材資源利用合理化方策の推進が国土保全と治山治水と産業の適正分布等の見地から国の施策として極めて重要であることを認識し、犀々閣議決定によりこれ等の施策を強力に推進することとなった。この趣旨に沿って、去る四月一日木材資源利用合理化推進本部が設立せられたが、財源の裏付のない限り十分り成果をあげることができないから、三十年度推進本部予算二千万円中八〇〇万円の国庫による予算補助支出を必要と認める。  右決議する。  なお右の決議を商工委員会に報告をし、商工委員会の承認を求めることに決定いたしました。よって委員長におかれましては右の趣旨の線に沿いまして、全会一致承認せられるよう御配慮願いたいと存ずるのであります。  次に、北海道の風倒木処理問題は、昨年の十五号台風並びに同年五月の旋風による膨大な被害木をいかに処理するかという問題であります。この問題の取り扱いは、国家経済の上において重大な影響をもたらすばかりでなく、さらに国の財政とも離るべからざる関係にありまするので、われらの中から委員を現地に出し、そうして現地の調査を進めるということに決定いたしました。現地における調査の結果については、あらためて報告をすることにいたしたいと存じます。右、簡単ながら中間報告を申し上げる次第であります。

田中角榮自由党

○田中委員長 ただいまの報告を了承するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、了承するに決しました。決議案の取り扱いについては後刻お諮りいたします。  次に科学技術振興に関する小委員長前田正男君。

前田正男自由党

○前田(正)委員 この際科学技術振興に関する小委員会の第一回中間報告を申し上げます。  わが小委員会におきましては、五月十七日より同三十一日までの間において、前後五回にわたって会議を開き、原子力の平和的利用に関する件を初めとして、科学技術に関する各省の予算並びに行政機構の問題その他科学技術研究所の問題などを検討いたしました。その際科学技術、特に原子力の平和的利用を中心とする科学技術の飛躍的発展をはかるため、まずこの際総理府に科学技術庁を設置して、原子力を含む科学技術行政全般の総合調整と刷新をはかるべきであり、ついては商工委員会において別紙のような決議を採択していただくべきであるということにおきまして、昨日の小委員会において満場一致申し合せをしたのであります。  次に決議案を朗読いたします。    科学技術庁設置に関する決議案   原子力の平和的利用を推進し、科学技術の飛躍的発展を期するため、原力力統轄機構を含む科学技術行政全般の総合調整と刷新の目的をもって、この際総理府に科学技術庁を設置することを要望する。  右決議する。  この決議に対しまして、出席の石橋通産大臣からは、御趣旨は非常にけっこうでありまして、私個人としては賛成であります。ただこれをどういうふうに政府が取り扱うかということについては、御趣旨を十分尊重して、しかるべく取り計らいたい、こういうような趣旨の所感の陳述があったのであります。何とぞ本委員会におきまして、この決議案を取り上げられて、満場一致採択されんことを切にお願いする次第であります。  なお参考に申し上げますが、お手元に配りました科学技術庁設置要綱案というものは参考意見でございまして、科学技術の振興の懇談会に出席いたしておりました各党の議員が、大体最大公約数的に案をまとめまして作りました一つの試案でございまして、これは参考意見でございます。皆さんにおいて十分に御検討願いたいと思うのでございます。  以上簡単ながら中間報告を申し上げます。

田中角榮自由党

○田中委員長 ただいまの中間報告を了承するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって了承するに決しました。なお決議案の取り扱いにつきましては後刻お諮りいたします。  次に総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会小委員長代理櫻井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会の中間報告を申し上げます。  本委員会は、去る五月二十日設置され、自来政府よりエネルギー総合対策及び地下資源対策に関し説明を聴取し、質疑を行う等調査を進めて参りました。去る五月二十八日、この調査の過程におきまして、内田小委員より石油資源総合開発五カ年計画を実施するためには、現行の探鉱助成金制度によってはすこぶる困難であると思われるので、この際政府、民間共同出資による石油資源開発株式会社を設立する必要があると認められる。よって早急に本委員会において立法化のための調査を進められたい。なお三十年度予算に計上されている石油探鉱補助金については、会社設立の際、この特殊会社に対する第一回の出資金の一部に振りかえることのできるようあわせて考慮されたい旨の提案があり、さらに神田小委員より、本問題は今後長期間にわたり政府出資を必要とすることでもあり、かつ本年度予算の修正を伴うこととなるのであるから、この際経済審議庁長官、大蔵大臣の出席を求め意見を聴取するとともに、民間の関係業界の代表者の意見も徴し、慎重に検討すべきである等の発言がありましたので、協議懇談した結果、まず国内石油資源開発の重要性にかんがみ、立法化の必要があると認められるので、小委員会に各派二名ずつ、計八名の起草委員を選任し起草に当ることとし、起草委員には、日本民主党小笠公韶君、齋藤憲三君、自由党内田常雄君、小平久雄君、日本社会党櫻井奎夫君、永井勝次郎君、日本社会党佐々木良作、中崎敏君を決定いたしました。なお齋藤憲三君、中崎敏君は小委員外の方々でありますが、特に起草に参画していただくよう依頼した次第であります。  また商工委員会に、石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会会長及び関係民間業者を、本問題のための参考人として出席を求め意見を聞くよう、小委員長より委員会に要請することについて決定いたしたのであります。  なお前段に申し述べました石油資源開発会社に関する立法化のための起草委員会は、去る五月三十日すでに第一回の会議を開き、種々検討を行いましたことも一言つけ加えて御報告申し上げておきます。  以上をもって報告を終りますが、何とぞ以上の趣旨をおくみ取り下さいまして、早急に参考人より意見を聞くことについて委員会にお諮り願うようお願い申し上げる次第でございます。

田中角榮自由党

○田中委員長 以上の報告を了承するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、了承するに決しました。  この際お諮りいたします。ただいま小委員長より要望のありました参考人の件につきましては、来る三日の本委員会においてその意見を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認めて、さよう計らうことにいたします。なお参考人の選定につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中角榮自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。

田中角榮自由党

○田中委員長 次に日程に従い、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び特定の物資の輸入に関する臨時措置に関する法律案を一括議題となし質疑を続行いたします。質疑の通告があります。順次これを許します。中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 近年中小企業者は非常に苦しい状況に追い込まれておるのでございまして、ことに最近における失業者の非常に深刻な激しい、また数の点においてもそうでありますが、そういう状況に追い込まれておるような実態を見ましても、いかに中小企業者が困っておるか、行き詰まっておるかということを反映しておる一つの証左とも思うのでありますが、ことに最近における中小企業者の行き詰まった状態について、中小企業庁長官はどういうふうに見ておられるかを一つお尋ねしておきたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○記内政府委員 昨年の金融引き締め以来、相当苦しい立場に置かれておったわけでございますが、ただ商品の売れ行き自体という方面から見ますと、いわゆる金融引き締めが極度に行われたということで非常に心配されておりましたが、その当初の心配よりも思ったより売れ行きは減らなかったというふうに考えられるのでございます。ことに下半期におきまして機械金属関係の仕事が非常に減って参りまして、この点を憂慮しておりましたが、幸いに輸出造船等が相当増大して参りました。また自動車工業方面あたりが一時生産計画の切りかえというふうなことで相当低調になっておりましたが、去年の暮れあたりから回復して参って、われわれが憂慮しておったほど減少を見ないで済んだというふうなことで、幾分愁眉を開いて参ったのであります。しかし最近におきましていわゆる金融引き締めの状況はやはり相当なものでありまして、ことにその裏にあります金融引き締めとからみました支払いの遅延、またこれに伴って手形の長期化というような問題が相当深刻になっているように思われるのであります。最近に至りましては、御案内の繊維関係が非常な滞貨を持ちまして、これらが非常な圧迫になったかと思うのでありますが、この三、四月ごろからいわゆるジリ貧の状態に立ち至りまして、売れ行きも減退し、滞貨が増大するというふうな状況になっております。これにからんでまた一部操短を強化しなければならないという動きもあるわけでありますけれども、それにからむ資金繰り上の問題も出ているというふうに承知いたしているのであります。われわれとしましては、こういう方面に何らかの手を打って参りたい。その意味におきまして紡績の勧告操短ということも行われたのでございます。本来から申しますれば中小企業の点についてむしろ紡績が操短することは糸の出荷が減る。それによってむしろ逆に糸高の織物安というふうなことで、大部分が中小企業であります織物関係、織布関係においては非常に困った状態にあるのであります。こういう情勢下におきましては、やはり紡績の操短ということもやむを得ない。ことに紡績工場は、御案内の通りに織布部門を相当大量に兼営いたしております。糸の方面の操短にあわせて織布部門の操短を実行してもらえば、その面だけでも織布操短の効果も上って参るということで、これに同調して参ったわけでございます。われわれといたしましては、この辺の動きを厳に注目いたしまして、遺憾のないように処置して参りたいというふうに考えている次第でございます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 昨年のいわゆる一兆円予算を実施して以来、これと並行して金融の引き締めが強く行われたのでありますが、その当時におきましてはいわば。パニック的な症状といたしまして、大きいところも中小のところも急速にばたりばたりと来ちまった。ところがその後になって漸次そういう整理すべきものは一応整理されたのでありますが、今度はいわゆるジリ貧にじっかりじっかりと売れ行きが不振になった。そうして真綿で首を締められるような状態になって、中小企業者が悩んでいる。そうして一面において銀行方面においてはだんだんと金融引き締めというものを去年あたりは急速にやられたのでありますが、最近になってはじっかりじっかりと締めているというような関係もあって、まずジリ貧状態の小商人が一番苦しみあえいでいる。こういうふうなものに対しては金融の道というものがほとんど開かれていない。ことに普通の銀行あたりのあり方というものは、まず歩積みだとか両建というものを要求して、実際においては自分の預金で、その範囲において金を借りているという状態に置かれているのであります。そこで歩積みとかあるいは両建ということによっての金融はこうした中小企業者に対しては最も残酷な無理をしいるものでありますが、これについて中小企業庁長官としては大蔵省あたりとも十分の連絡をして、こうした行き過ぎというか誤りに対して、金融資本が優越の立場に君臨しているという姿、いわゆる営利一本にあまりたより過ぎて、中小企業の真の意義を理解しない、それで国家的な要請に協力しないという点について、どういう努力をされたかお聞きしたいのであります。

記内角一中小企業庁長官

○記内政府委員 両建、歩積みの問題でありますが、われわれとしてはまことに遺憾に存ずるわけであります。ことに最近のように金利の引き下げということを相当強行するような格好で表面的にこの面の引き下げをやりましても、歩積み、両建の方が増加して参りますれば、せっかくの金利引き下げの政策もこれに反して参るのであります。われわれとしては大蔵省に対して表面金利の引き下げもけっこうだけれども、同時に、裏になる両建預金を押えるということについて強力な手を打ってもらいたいということで寄り寄り相談をいたしているわけであります。この面につきましては、形式的には大蔵省の銀行局長通牒をもって、すでに去年の暮れでありましたか二度目の警告を出しているわけです。われわれといたしましては単に通牒ばかりでなく、あらゆる方面でこの問題を追及してもらうように話を進めている次第であります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 次に国民金融公庫の金でありますが、これが遠隔の地になるというと貸し出しについて、金額の点においてもそうでありますが、たとえば島根県に隠岐島というのがありますが、ここは非常に金融的にも恵まれていない、経済的にもすべてそうなんでありますが、ところがこれに対する金融公庫の貸し出しが、一口十万円程度しか、それ以上は扱わないというようなことにされているというのでありますが、そういうような制限をされているのかどうかお聞きしたい。

記内角一中小企業庁長官

○記内政府委員 具体的に隠岐島がそういうようになっているかどうか私詳しくは存じませんが、もともと国民金融公庫の建前で、十万二十万という零細な資金を貸しつけるということを原則にいたしておりまして、それ以上貸してはいけないということになっておりませんが、原則を実行している面があるのじゃないかというように考えられるわけであります。なお遠隔の地になって参りますと、むしろ零細なところではなかなか扱いにくくて、ある程度まとまった資金の方がかえって貸しやすい、実態調査その他によりますとむしろ大きい方を望むというようなことになりがちでございます。われわれといたしましてはそういうようなことのないように、むしろ逆に申し入れをしているような次第でございます。なおそういう事態がございますればなお国民金融公庫ともよく相談いたしまして、そういうことのないようにはからって参りたいと考えます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 通産大臣が見えましたのでお尋ねいたしますが、この内閣は中小企業に対してこれを安定し、さらにこれを振興する、こういうように強く政策を打ち出されているのでありますが、中小企業の安定及び振興に関しては基本的にどういう政策をとってこれを安定し振興しようとせられるか、そういう道があるのかどうか、これを明確にお伺いいたしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 一つの方法で大きくやるというような名案はなかなかございません。中小企業に対してはいろいろ手を打っていくということ以外にはないので、組合を強化いたしますとか、設備の改善を助成するとかいうようないろいろな手を打っておるわけであります。そのためには、ことしは十分とはいえませんが、予算もとってあるわけでございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 中小企業の安定及び振興については、金融をこういうふうにすればよくなる、あるいは税制をこういうふうにすればよくなる、あるいは百貨店をこういうふうにすればよくなるというような、一つのきまった筋というものはない。いろいろな面からこれを総合的にやっていく以外にはない、こういうことはわかるのでありますが、結論から言えば、そういう総合的な一つの施策を集約して参りますと、中小企業が現在の形において安定できるというような条件が、日本の国の経済の中に現在あるのかどうか、この診断が基本的に間違っておりますと、これに対する治療方法が狂ってくるのであります。大臣は、総合的にやれば現在の中小企業は安定し、かつ振興することができるという診断に立って総合的な施策をやっていこう、こういうお考えなのかどうか。われわれは、基本的には中小企業を安定する道がないのだ、これはもっと大きな民族的な課題として別な方法でいろいろやっていかなければ、現在の形における中小企業の安定の道はないのだ、こういうふうに考えておるのであります。これに対する大臣の所見を伺っておきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ある意味においてはお説の通りだと思います。であるからして、昔から中小企業の問題が常に論議されながら、中小企業の強化育成ということがなかなかうまくいかないと思います。しかし一つは、どうしても経済界全体が繁栄と申しますか、とにかく仕事がふえるようにならなければ、幾ら中小企業だけに注射をしましても、それだけでは中小企業は安定して参りません。だが同時に、いわゆる弱小企業が多くて、そのために競争が非常に激しくて共食いで倒れるというようなことも、中小企業の弱体になる最も大きな原因でありますから、そういうものは協同組合を強化するとかいうことで、中小企業者自身の強化をはかることがいいと私は思っております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 経審長官が見えられたので、私は石橋通産大臣に対する質問を中断いたします。

田中角榮自由党

○田中委員長 ただいまの議題に対する質疑は後刻引き続いて行うことにいたします。     —————————————

田中角榮自由党

○田中委員長 先刻了承いたしました木材利用に関する小委員長及び科学技術に関する小委員長より提案の決議案両案を議題といたします。まず提案理由の説明を求めます。中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 木材利用合理化推進に関する決議案の趣旨弁明をいたしたいと存じます。  まず最初案文を朗読いたします。    木材利用合理化推進に関する決議案   本委員会は、さきに木材資源利用合理化方策を推進するため、その事業を企画し実践する強力なる協議会の設置を要望する決議をした。一方、政府においても、木材資源利用合理化方策の推進が国土保全と治山治水と産業の適正分布等の見地から国の施策として極めて重要であることを認識し、犀々閣議決定によりこれ等の施策を強力に推進することとなった。この趣旨に沿って、去る四月一日木材資源利用合理化推進本部が設立せられたが、財源の裏付のない限り十分の成果をあげることができないから、三十年度推進本部予算二千万円中八〇〇万円の国庫補助による予算支出を必要と認める。  右決議する。 戦争の末期以来木材の乱伐、過伐によりまして、漸次国土が荒廃いたしまして、毎年々々災害によるところの損害が莫大なるのみならず、今日においても依然としてこの過伐、乱伐は跡を断たずして、国家の将来は実に憂慮にたえないものがあるのであります。  そこでこの商工委員会におきましては、前国会以来木材利用合理化に関する小委員会を設けまして、この問題について慎重審議を重ねて参ったのでございますが、いずれにいたしましてもこれは政府が、すでに国策としてこうした問題を重点的に取り上げる必要があるとして、しばしば閣議において決定されたと同じ線に従って、これが実行方についてこの委員会においても推進をする方向に進んで参ったのでございます。ところが今回の予算編成に当りまして、経済審議庁が主管となりまして、大蔵省に対して推進のために必要なる八百万円の予算を要求されたようでございますが、ついに最後に至ってこれが全額削られてしまったのであります。この点につきましては、この委員会において高碕経審長官に対してもその実情を訴え、そうしてこれが何らかの形においてその裏づけがされるような要請をして参り、長官もこの点について十分の考慮をすると言われておるのにもかかわらず、現在まで何らこれについての適切なる措置が講ぜられていないのであります。  そこにおきまして、木材利用合理化の小委員会におきましても、この問題を重要に取り上げ、去る二十七日でしたか、小委員会において全会一致をもって八百万円の予算的措置を講ずべきであるというところの決議を採択して参ったようなわけでございます。その趣旨に従って商工委員会に提案をして、その承認を求めんとする次第でございます。どうか委員長においてその点をお諮り願って、さらに政府の意のあるところを十分に確かめていただきたいと思うのであります。

田中角榮自由党

○田中委員長 次に前田正男君。

前田正男自由党

○前田(正)委員 まず最初に決議案を朗読いたします。    科学技術庁設置に関する決議案   原子力の平和的利用を推進し、科学技術の飛躍的発展を期するため、原子力統轄機構を含む科学技術行政全般の総合調整と刷新の目的をもつて、この際総理府に科学技術庁を設置することを要望する。  右決議する。  現在のわが国の科学技術の現状から見まして、非常に多事多難な問題がたくさんあるとともに、これについて画期的な発展と刷新をする必要があると思いますので、昨日の小委員会におきましても各党全会一致をもって御賛成を願ったような次第でございます。  何とぞ本委員会においても、皆さんの全会一致の御賛成を切にお願いする次第でございます。

田中角榮自由党

○田中委員長 次いで両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

田中角榮自由党

○田中委員長 起立総員。よって両案は原案の通り採択するに決しました。  なお本決議の関係当局への送付その他の手続につきましては、前例により委員長に御一任を願います。  この際高碕、石橋両国務大臣より発言を求められております。これを許します。高碕国務大臣。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御決議は、木材利用合理化促進に関する決議でございますが、これは私どもも非常にこの必要性を感じておったわけであります。御決議になりました御趣旨をよく体しまして、よく調査いたしまして、なるべく実行するように善処いたしたいと存じております。  第二の科学技術庁設置に関する決議でございますが、これはもともと非常に重要なことと存じまして、私どもは賛成いたします。つきましてはこれを実行に移すについてはよほど慎重に考慮する点があると存じまして、各方面と渡りをつけて実現するように努力いたしたいと存じます。特に原子力の利用につきましては、現在原子力利用調査会があるのでございますから、この方面の意見をよく徴しまして、なるべく実現するように努力いたしたいと思います。

田中角榮自由党

○田中委員長 石橋国務大臣。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいま経審長官からごあいさつがありましたことに私も全面的に同意でありまして、通産省としても木材利用合理化については十分努力いたすつもりで、財政投融資等においても考慮をいたしておる次第でございます。  それから科学技術庁の方は昨日小委員会で私ごあいさつ申し上げました通り、これも御趣意においてむろん同意であります。ただこれをどういうふうな形で実現するかということについては、実はすでにもう経審の方でも研究いたしておりますので、それに従いまして御趣旨に従うように、できるだけこれを実現することに努力をいたします。

田中角榮自由党

○田中委員長 両国務大臣の発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。帆足計君。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 科学技術庁設置についての決議につきまして、政府当局もこの趣旨に対して御賛成であるという御答弁をいただきましたことはまことに喜ばしいことでありますが、しかしこれまで資源の乏しいこの国におきまして、科学技術に対する歴代政府のこれに対する態度というものは、私は必ずしも満足なものではなかったと思うのでございます。教育の面におきましても、それから日本の社会文化の面におきましても、科学というものがまだまだ軽視されておる伝統がある。この伝統の根深いことは驚くべきことでございます。科学といえば何か唯物的な、そして功利的なもののように考えられておる弊風がありまして、科学技術と対照いたしまして、精神的、道徳的なものを対照的に考えるような弊風がありますが、それは御承知のように間違ったものでございまして、科学の中には謙虚なる精神もあり、美しく高い心もある、そうして現代の人類がその福祉と徳性を守るための知性の具体的な現われの一つが科学技術でありますから、このようなものとして理解され、そのようなものとして尊重されねばならぬと私は思います。科学を無視してもはや今日人間の幸福を守ることはできないばかりでなく、無知であるということはいやいやしいことであり、そうして人類に対する犯罪であると私は思う。すべてのばかげたことは無知から起っておるのであります。それが今日までの歴代政府の都々逸、浪花節の精神で科学を論じたというようなきらいがあったのでございます。従いましてこの問題についてはおざなりの問題としてでなしに、この資源の乏しい国が国土を開発するといいましても、国土の開発よりも人間の心の開発がさらに重要なものであると思います。従いましてこの問題に対して政府は即刻慎重な研究をなさいまして、一日も早くそれを実現していただきたいのでありますが、これは心構えの問題と同時に、経費をかけなければだめだと思うのです。予算の問題だと思うのです。科学技術庁そのものはそれに金をかける必要はないと思う。それは簡素強力であることが望ましい。明敏な頭脳と強力な政治力さえあればいいのであって、技術庁はそれ自体が金を使うのでなくして、そこから予算を出して最も適切なところに予算を使うことによって科学技術の振興のために寄与する。また正しい努力をしておる人たちを助ける。またいい方向に進んでおる企業に対しても力を添える。なすべきことは非常にたくさんあると思うのです。この参考案に出ておりますものはその一端にすぎないのではないかと思うのです。同時に原子力の問題も日程に上っておりますので、この問題につきましても、もう少し国民が理解しやすいような研究の手順、自主的研究の態勢、諸外国から技術摂取の自主的な態勢、仕事の手順をもう少し明確にする必要があるのでないかと思います。いずれにいたしましても予算の裏づけのない科学技術の振興ということは絵にかいたもちであると思いますので、少くとも初年度において十億円以上の資金を計上し、やがて相当巨額な金額を惜しまずにこのために使うという決意が必要であると思いますが、通産大臣は予算の裏づけにつきましていかなる決意をお持ちでありますか。予算の裏づけのない政策は無意味だと思います。従いまして政府のこれに対する心構えと将来の予算の裏づけについてどういう決意をお持ちになっておられるか、このことだけを一言承わっておきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お説のように、科学技術というものについては、どうも日本においては一般に軽視される傾きがあるのであります。民間の会社あたりでも何か整理するとすれば一番先に研究費を削るということが今までの一般の傾向でありました。それが反映してあるいは今までの政府にもそういう気持があったかもしれませんが、しかしながらこの鳩山内閣は断じてそうではございません。科学技術は大いにその振興をはかろうということで、本年度の予算においても——これは今までのいきさつがありますから十分のことはできなかったのでありますが、いろいろな形で、文部省あるいは通産省等においてある程度の予算もその目的に計上してあるわけであります。けれども科学技術庁がかりにできるといたしまして、年間少くとも十億円以上の支出をしろという御要求は、本年度は間に合いませんが、次年度からの問題として十分お説を尊重してその方向へ進みたいと思います。     —————————————

田中角榮自由党

○田中委員長 本件に対する質疑を終了し、先刻より継続中の日程による中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案外三件に対する質疑を行います。田中武夫君。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 先ほどの永井、中崎両委員の中小企業の金融及び安定の問題に関連いたしまして大臣に具体的な事実をあげて質問いたしたいと思います。実は兵庫県の三木市において起っておる事実なんですが、三木市は昔から三木の金物と言われて、いわゆる金物の有名な産地である。そこに三木熟練工業所という会社があるのですが、そこは現在約三十名ばかりの従業員を持っておりますが、やはり企業の不振と金詰まりのために、約三割の九名の人員を整理して現在一万五千円の平均賃金ベースですが、それを残った者は二割ダウンする、こういうことの発表がありまして、先日来労働組合との間に争議が起っております。私は先日の日曜日に参りまして、労働組合及び経営者にも会って意見を聞いたのですが、どちらの言い分ももっともであって、どうにもしようがないというのが実情であります。しかもこの状態は、三木市にある同程度の多くの企業について同じことが言えるのでありまして、この争議は三木市及びその付近の業界から大きな注目を浴びておるわけであります。この工場はスパナを作っておりますが、業界の不振と金詰まり、しかも銀行はすでに前から金を貸さないぞといっておりますので、金融締め出しを食っておるという状態であります。大臣は先ほど、中小企業の安定については逐次方策を講じて云々と言われましたが、そんなまだるっこいことで間に合う問題ではないと思います。すでにこういう問題が各地に起るおそれがありますので、こういう問題についてどのように考えておられるか、また現に起っておるこの問題については、どのような解決をしようと考えておられるか、お伺いしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 三木市には私も一度行ってみたことがありますが、三木市だけではなく、織物業地のごときはいずれも同じような状況に陥って非常に困っております。これは結局現在の経済界が一般に不況でありますために、中小企業者の製品に対する需要が非常に減ってきたということであります。従ってここに金融するとしても、普通の銀行の考え方では金融はむずかしいというようなことがあるのだと思います。そこで一面においては、ああいう全市こぞって金物をやっておるようなところについては、組合等の力によって、保証その他の方法で金融をつける、それから設備等の改善をやって競争力を増すとかという方法を講ずる以外には、一時の救済はできましょうが、ただ一時の救済だけではああいう中小企業者を今後完全に救済するということはむずかしいのではないかと思っております。やはり現地で研究してもらって、その具体案に基いてわれわれもそのお手伝いをするという方法でいきたいと思います。織物の方は、例の中小企業安定法の二十九条の発動をして生産制限等を行なっておりますが、なお三木市のごとき場合については、中小企業庁において十分調査をして適当な対策を講じたいと思っております。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 これはむしろ中小企業庁長官にお伺いするのが適当かと思うのですが、このような状態に立ち至っておって、ほっておけば労使ともに共倒れであるというような事態が起きているときに、一般の金融機関は金融を締め出しておる。こういうような場合に、中小企業金融公庫等から融資をしてもらえるかどうか、その点についてはどうお考えになりますか。

記内角一中小企業庁長官

○記内政府委員 中小企業金融公庫は目下直接貸しをいたしておりませんので、やはり地元の金融機関の力にたよる以外にないと思います。地元の金融機関がこれを代理店として扱うことになりますれば、もちろん中小企業金融公庫から金がそちらに参るわけであります。そういうわけでございますが、もしそういう事態に立ち至りませんければ、商工組合中央金庫等によりまして組合を通じて融資をするという道もあるわけでございます。ただ何分にも、売れ行きの不振、需要の減退によりまして事態が発生しておるというような場合におきましては、やはり売れるものを作るという考え方でいかなければならないかと思うのでありますが、その辺が実際問題となるといろいろむずかしい問題もあろうかと思います。われわれといたしましても、できるだけ現地の事情等も聴取いたしまして善処したいというふうに考えております。

田中角榮自由党

○田中委員長 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 さっきの続きでありますが、今中小企業が非常に行き詰まっていく状態は、何といっても一般の経済界の中から失業者がほうり出されておる。この失業者が中小企業の中になだれ込んでくる。そうして小商いをする。屋台を開いて物を売るとか、あるいは家庭工業的な非常に未熟な技術で仕事を始めて、安定しておる既成業者の領域の中に食い込んでいってこれをくずしてしまう、こういういろいろな要素から波紋を描いてくずれていくということが一つの原因です。もう一つは、大企業が貿易によって拡大していくという努力を怠って、国際的な市場から追い込まれてきて、国内で仕事をしなければいけない。そこで今まで中小企業のやっていた領域へ大企業が系列化をやってどんどん食い込んでくる。そうして国内における市場を開拓して中小企業から商権を奪取する、こういう両ばさみの形によって中小企業は現在基本的に不安定なところに追い込まれてきておると思うのであります。もしほんとうに中小企業を安定させ、これを振興させなければならぬという政策を考えるならば、まずこの中小企業者のよって立つ基盤の問題に手を染めて、ここから地固めをしていくのでなければ、いわゆる金融の面あるいは税金の面で小手先のことをやっても、問題の解決にはならないと考えるのであります。この点については現在の中小企業の不安の根本的な原因がそこにあると思いますが、私が今申した問題が了承できるかどうか。了承できるとすれば、これに対する地固めをしないで中小企業の根本的な対策はないと考えるのでありますが、この点について大臣はどういうふうに考えますか。中小企業安定の基本的な政策をどういうふうな分析の上に立って打ち出されておるか、これを伺いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お話のような現象は特に商業部門に多く起るのだと思います。これは結局人口過剰と申しますか、全般に仕事が少いために、失職した人などがやりやすいところへ入っていって共食いをやる。これがかねてから商業部門に非常に多くありまして、日本の中小商業の悩みなんです。でありますから、私は特に中小企業の地固めといいますか、やはり全般の仕事をふやす、経審を中心にして立てました案のように、ある計画を立てて、逐次フル・エンプロイメントの方向へ日本の経済全体を持っていく以外には、実は中小企業のそういう点においての解決はむずかしいと思います。たとえば百貨店法をしいて百貨店の進出を押えるというようなことだけで中小企業が安定するものではないと考えるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 基本的な考え方については、大臣とわれわれの考えるところとはあまり違わないと思うのであります。ただその対策の具体的な面においてだいぶん違いがあります。今中小企業金融公庫の問題が法案としてかけられておるわけでありますが、これらの問題についても、金融難という形で一つの症状がここに具体的に現われてきておる。その症状に対して今の政府はどういうふうに対処しておるかといえば、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、こういった中小企業専門の金融機関を強化して、その面において融資を疎通していこう、こういうような考え方であります。しかし看板はどうかというと、これは看板だけ掲げてあって、実際の原資は御承知の通りに、商工中金にしたってこれは五百億内外、中小企業金融公庫に至っては二百四十何億、あるいは国民金融公庫にしましても五百億足らず、これだけのものでは、ほとんど全産業の九五%内外の頭数を押えておる中小企業金融公庫の窓口としては、台所としては、問題にならないことは明らかであって、ただ見せかけである。しかもその金利はどうかといえば、今非常な高金利で、採算がとれない、コストが非常に引き上るということで、コスト引き下げの問題がやかましく言われておるのでありますが、市中銀行の関係で言いますと、大企業に対しては歩積みも両建預金もこういう関係なしに、ストレートで貸しておる。従って表の金利で借りられる。しかし中小企業の関係になると、こういう歩積みあるいは両建というひもがついて参りますから、実際の借り入れ金利は一割五分にも二割にも当るというような、非常な高金利な形で市中銀行からは融通を受けなければならない。しかも中小企業の専門の金融機関はどうかといえば、国民金融公庫を除いては、商工中金にしても日歩四銭五厘、あるいは五銭というような高い金利で借りなければいけないし、中小企業金融公庫にいたしましても、窓口を通して非常な高い金利のものを借りなければいけない。それならば企業の実態において大企業と対抗できない。こういう基本的な条件を持っておるところに、しかも金融難という、こういう金融梗塞という形の病状が現在現われてきておる。この病状の治療に対して、さらに高い金利をこちらに融通し、大企業には安い金利のものを回していく。しかも大企業の方に対しましては、開銀にいたしましても、あるいはいろいろな企業の関係からいえば、造船にいたしましても、財政投融資によって非常に低金利にしておる。あるいは石炭に対しましてはさらに財政投融資をする。あるいは鉄鋼業に対しても投融資をするというふうに、こういう大企業に対しては、政府の非常な低金利な財政の、補助金なり何なりを与える。あるいは市中銀行の金利も安い。こういうような一番ひどく現われておる現象面に対する具体的な政策というものは、こういうような逆な形によって現実に行われておる。この問題に対してこの形が、金融面から通して中小企業に対する安定及び振興の具体的な政策であった、こういうことが言えるのかどうか。良心があったら私は言えないと思いますが、この点に対して具体的に一つ解明をしていただきたい。これが中小企業の振興になるのだという根拠を、一つこの金融の具体的な政策の面に現われている形からお答えを願いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今大企業は歩積み、両建がないと言われますけれども、これもなかなかあって、いけないと思っております。ことに中小企業の方には多いでしょう。結局その点は信用の問題になるものですから、銀行屋に言わせれば、両建、歩積みというようなものも、やはり信用の保証のためにある程度やむを得ないとも言うておる。それもあろうと思います。ですから中小企業者の金融上の信用が高ければ、これは何も中小企業金融公庫や国民金融公庫に依頼せずとも、市中銀行で融資もできる。現に中小企業者の中でも、相当信用の高い連中は、市中銀行から相当融資を受けておるのであります。ですから問題は、やはり中小企業をどうしたら金融上の信用を高くすることができるかというところに力を注がなければならぬだろうと思います。これは一つは、中小企業者の生産品のマーケットが相当にふえるということに努力する。これは中小企業者自身も努力しなければなりませんが、政府としてもむろんそういうことに努力するつもりで、中小企業者の輸出品の振興ということには、本年度の予算においてもある程度の努力をするように要求をしているわけであります。それからさらに例の保証協会あるいは保険ということが、やはり中小企業者の金融上の信用を高める手段であろうと思いますから、これは保険制度も今回は特に中小企業者の方に金融の道を開けるように、そういう努力もいたしております。そういうことをして、一般に申せば、先ほどお話にもあったように、全体の中小企業者の生産品のマーケットがふえるということに努力をするということが根本だろうと思う。それが行われれば、おのずから金融も楽になると思いますが、さらにそれに加えて今のさしずめの政策としては、とにかく中小企業金融公庫や国民金融公庫でもって一応足りないところをまかなう、それから保証あるいは保険によって、一般の彼らの金融の信用を高める、こういう手を打っていくよりほかにはない、こう考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 大臣の今の答弁は、これは単に架空の議論であって、中小企業の安定、信用を高めて大企業と同様の金融対象にするようにするとか、それから市場を広げてこうするとか、これは一通りのよそ行きの答弁であって、日本の中小企業の現在の実態の上に立って、そうして大企業と並列して融資対象になるような信用が、手っとり早くできるものではありませんし、あるいは信用保証協会にしても、あるいは保険にいたしましても、それは保険をつければつけるほど金利が高くなってくるのでありますから、決して安い金利の融資というものの対象になってこないわけであります。私はそういう答弁を聞いておるのではなくて、これは基本的には金融資本が、三井なら三井、住友なら住友、三菱なら三菱というものが、自分の系列産業に対して集中融資をしておる。しかもそこに重役を送り込んできておる。こういうような形において、一般から集めた預金は、自分の系列の産業の方に集中融資をして流しておる。あるいは一般市中銀行にいたしましても、大企業には大体大臣も御承知のように、三割とか四割近いところの株というものは、ほとんどこの金融機関が持っておる。さらに大きな有利なところには、外国資本がどんどん株を持っておる。こういう形によって、そういう金融資本と外国資本との強力な金融資本の背景において、日本の産業を支配してきておる。こういう力が非常に強くなってきておる。しかもこれらの動きに対しましては、独禁法があり、公取がある。こういうものを正しく活用して、現在の法的な一つの土俵のワク内において、公正な形において、将来明るく希望の持てるような一つの経済活動、経済競争というものが、公正に行われてこなければならない。そういう役割を持っておる通産省が、こういうことに目をおうて、現象面からいって、ただ単にこれに信用をつけるなどというのでは、いつまでたっても信用がつくものではありません。こういう一つの仕組みの中において、金融資本と産業資本と結んで、日本の中小企業を圧迫し、集中してきておる。そうして吸い上げておる。こういう形のものに根本的にメスを入れた大手術を加えないで、この問題を解決しようというのならば、これは夢物語である。そういう金融資本が独占支配を非常に強化しておるというこの事実に対して、大臣はどのような認識を持っておるか。もしこれを認めるならば、これに対して大臣はどう対処することが必要であるとお考えになっておるか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お説にもごもっともな点もありますが、しかしながら大企業に金融がついて、それでその仕事ができるということは、たとえば造船一つとってみましても、結局下の下請がその仕事ができて潤うていくわけであります。大企業と小企業とがいつでも同じようなレベルで信用があるということは、これはどこの国でもなかなかむずかしかろうと思う。ですからやはり大企業に集中して、大企業が小企業を圧迫するという点もありましょうけれども、同時に大企業が繁栄するということは、結局小企業が繁栄するということになるのでありますから、そう一概に大企業に金融が行われることを排斥すべきものではないと私は思います。それで、小企業の弱点は弱点として、今の保証その他の方法でこれを補うということでいくべきものと考えておりますが、しかし他に名案があれば一つ伺ってみたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 たとえば一生懸命に働きなさい、そうすればあなたは成功する。安田はすし屋からこういうふうになった、この人はこういうふうにして金をもうけたんだ、かせぐに追いつく貧乏なし、こういうふうな道徳で労働搾取をしてみんなが太ってきた、そういう立場で大臣が現在の中小企業なり経済の活動を認識されておる。大企業があって初めてこれに関連する中小企業が立っていくんだ、こういうような道徳論と、こういうアヘン的なごまかし方をなさいますことについては、これはまあ意見の違いでありますから、また後刻いろいろ論議をしていきたいと思いますが、これは金融の面から見た今の非常な不均衡なやり方のことでありますが、それならば税金の面ではどうなっているか。一つの税の体系というものを作っておいて、そうしてその中で特別措置法というものを出してここから落していく、あるいは銀行の面の貸し倒れ準備金とか何なりというものを、どんどん大企業について特別措置法でこれを減税措置で落していく。中小企業は全然圏外に置かれている。従って特別措置法の関係でいいますならば、昭和二十八年度においては一千数百億というものが利益金の中から損金に落されている。税額にいたしまして六百億というようなこういう減税が大企業に対して行われておる。そうして中小企業の面においてはどうかといえば、法人においては四二%がきちんとかけられておるし、大企業、銀行などは三〇%以下でありましょう、平均いたしまして三一%か二%というような税率で、税金の上で一〇%から違うというようなこういう措置がとられておる。あるいは個人営業におきましては、御承和のように、勤労基礎控除あるいは勤労控除というようなものが非常に低い。従って三井、三菱のような財閥の大企業も、非常に小さい零細な企業も、これは一つの系例の中で、これを税の中で押えておる、こういうひどいやり方でやっておるのであります。金融の面で、先ほど申しましたようなこういうひどいやり方をやっておる、税金の面でこういうひどいやり方をやっておる。これが中小企業の振興対策になるのか、これをしも振興対策とお考えになるのかどうか、良心的に一つ御答弁が願いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今の税金の実情については、中小企業庁長官からちょっとお答えいたします。

記内角一中小企業庁長官

○記内政府委員 税金の問題でございますが、われわれも今の法人税と個人事業所得税がバランスがとれているかと考えてみました場合に、今の法人税の四二%は非常に多過ぎるということで、われわれとしましてはできるだけこれを下げてもらいたいというふうに考えておるわけでございますが、ただ一般財政との関係上これにもおのずから限度がございまして、今年度におきましては四〇%というふうに二%だけの引き下げ、またそれに対応いたしまして一般事業所得税の方面におきましては、基礎控除の引き上げあるいは賦課する税率そのものは変えませんが、それを賦課する区分におきまして低額所得者に多く減税されるような手段が本年度においては講ぜられております。従いましてわれわれとしては当初の考えといたしましては、中小法人に対して三五%というぐらいにまで下げてもらいたいということでいろいろ折衝もいたしたのでございますが、一般財源の関係もございましたので、とりあえず本年度は二%の引き下げ、基礎控除あるいは専従職員の控除の引き上げ、また低額課税という面をできるだけ緩和するというふうな措置で、満足はいたしませんがやむを得ないものとして、漸を追ってその方向に実現して参りたいというふうに考えておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 今の長官の答弁は不十分だとは思いますが、これは大臣でも何でも、計算ではっきり出ることでありますから、いかにひどい税の実情になっておるかということはおわかりでありましょうし、あるいは青色申告というような一つの手続にいたしましても、大企業者と小さな零細な企業者とが同じような形式で、同じような形態でやれるかどうかということ、こういう徴税技術の問題においても、あるいは実務の実態から見ましてもいろいろ論議があるところでありますが、私はきょうはこれらの問題については避けます。何といったって、大企業の税金を安くして下の方の税金を高くとる。一応はこういう税体系を作っておいて、そうしてその中から特別措置法でどんどん大企業の税金を安くしていく。そうして中小企業をほったらかしてある。こういう形における不均衡の税に対しましては、これは速急に改正しなければならない問題であると思います。  その次に何といっても大きな問題は、私はやはり為替管理の問題であろうと思う。これは現在の為替レートの関係から申しまして輸入業者がいかに利益を得ているかということは、もう大臣に説明する必要はないと思う。こういう形において外貨割当をする。割当をされたそれらの業者が、たとえば綿花の割当はするが綿糸は割当しない。羊毛は割当するが毛糸はしない。パルプは割当するが人絹糸は入れないというふうに原料の輸入をする、これはいいと思うのですが、しかし国際価格で原料を輸入する、そして国内で加工した場合、これは国際価格からうんと高く綿糸ははね上っていく、毛糸ははね上っていく、人絹糸ははね上っていく。こういう形で原料が非常な高いものになっていく。これは独占価格であるからこういう形が出てきておるわけですが、こういう原料を仕入れて、そして綿糸布なりあるいは洋服生地なり、こういう織物業者が原料高の製品安に悩んでおる。そうして外国には出血輸出する。出血の分は国内に転嫁して、外国には安く、国内に高く、こういう悪盾環が現在起っておる。これはすべて独占資本の強化をはかり、それの強大をはかっていくだけの結果になって、その結果として中小企業が非常な圧迫を受けている。これらの問題に対して根本的な解決をしなければならぬ段階にきているのです。大臣はこの為替管理の関係と、現在の外貨割当の問題と、それから国内における独占価格の問題、こういう問題を一括して、こういう点で——正当な競争の上で中小企業が圧迫されるのならいいのですが、そうではなしに、特別な政府の措置あるいは特別ないろいろな不当な措置によってどんどんもうかって、その反面中小企業が圧迫されておる、不当な搾取をされておる。こういう面に対するチェックをするということは、これは政治の正しい方向としてわれわれは考えていかなければならぬ問題と思うのでありますが、これらの現在の輸出入貿易関係、為替管理の問題、これは国際的な情勢からいっても為替管理というのが、こういう統制が漸次自由の方向へ動いておるのでありますが、これらに対して大臣はどういうふうに現在の事実をつかんでいて、これらに対する是正をどういうふうにしようとお考えになっておるか。冒頭に申しました通り、これは中小企業の安定と振興をやはりはかっていく、基本的にはかる道は現在は日本経済の実態から見てないと思いますけれども、その過程において、不当な現在の中小企業の搾取に対して公正にわれわれは守ってやる、防衛してやるという、こういう良識のある措置だけは線をはずしてはならないと考えるわけでありまして、この点について伺いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今例にあげられた綿花、綿糸の問題などは、これは輸入して紡績業者がもうかっていればまだしもけっこうなんですが、現在のところでは御承知のように織物が第一非常に悪くて、やむを得ず昨年これを制限した。ところがそれだけでは足りなくて紡績業も生産制限をした。その生産制限の要求は決して大紡績から要求されたのではなくて、中小の織物業者がどうしても綿糸の生産制限をしてくれという強い要求がありまして、生産を制限するというようなことになっておる。それから今の状況で、外貨割当の関係から中小企業者が特に非常な圧迫を受けておるというふうには、現在私は思っておりません。さっき述べられた三木市のような鉄の材料を使うようなところで、くず鉄の処分などにつきましてもできるだけ中小企業者にもそういうものが回るように、鋳物業者にも回るように措置いたしておるわけでありまして、できるだけ原料の供給を中小企業者へも均霑するということで施策をしておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 為替管理及び輸出入貿易政策の問題についてはなお時間をとってゆっくりお話したいと思いますが、大臣がこれは中小企業の圧迫にならないのだという、紡績業界の不振という現在の一時的な現象だけをとらえて、単純平面的なものの考え方をしているようでありまして、そういう考えでおりますならば、通産行政全般に対する石橋行政といって、大いに天下にはやされているが、中みは非常にわびしいものであるという感じがせざるを得ないのであります。なおこれらの問題につきましては十分またあとで論議いたしたいと思います。  大体こういったいろいろな不合理な面を全部大企業へ有利な形において運営され、中小企業にすべてしわ寄せされておるという形において現在政策はとられておるのであります。さらに基幹産業から手を染めるというのでありますが、石炭に対しては石炭合理化、あるいは先年は肥料の合理化、鉄鋼の合理化、電気企業の合理化、合理化という名前をつけてわれわれ零細な国民から吸い上げた税金をここに合理化資金としてどんどん財政投融資をして、補助金の形において、あるいは金融の面で金利を下げてやる、こう集中的にやって、そして中小企業をとりつぶしていくというような形において大企業の独占化をやる、こういう大きな一つの流れの中で、独占資本が強化されているにもかかわらず、さらに政府がこれにてこ入れして金を貸してやる、金利を安くして合理化という名前でこれを正当化してやろうというようなことは、非常に冷酷無残な政治のやり方ではないか、人間の血の通ってないやり方ではないか、こう思うのでありますが、これに対しては何らかの考えがなければならぬと思う。中小企業は気の毒だ、中小企業を見たら夜は安眠がとれないというほどの血の通った政治でなければならぬと思うのでありますが、一片の涙もなしに、合理化という名によって中小企業を打ち切って、その搾取によって独占資本だけを強化しようというひどいやり方をされるのかどうか。私はきょうは金融と税金と為替貿易の関係と三つの面から——このほかに下請の問題もありましょうし、系列化の問題もありましょう、いろいろな問題がありますが、それだけを取り上げてやったのですが、その面から通しましても、正確な分析をするならば結論ははっきり出てくる。その中にさらにこういう合理化の名によって独禁法を一つ一つ乗り越えて中小企業をとりつぶして、さらにこれを国の大きな権力によって独占資本の強化を助けていかなければならないという根拠がどこにあるのか、私はそれを大臣に聞きたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 たとえば石炭にしてもほんとうに経営ができる炭鉱をつぶすというようなことはだれも考えておりません。このままでおけばほおっておいてもつぶれてしまう、その結果は中小炭鉱の経営者も非常に困るし、そこに従業している人たちはなお一層困る、あるいはそれにつながるいろいろの商業者、あるいはそこへ物を入れている連中などもみな非常に悲惨なことになりますから、全体を見て、石炭鉱業全体を生かしていくという観点に立って施策するよりほかないと思うのであります。ですから先ほど申しますように、中小企業というものはこれは日本の国情として助けていかなければならぬ。けれども助けていくにはただ助けるということはできないのでありまして、どうしても中小企業自身が経済的に立ち行くようにしなければならぬのであります。それには必要なものの金融とか、あるいは税制の問題というものもむろん考慮しなければなりませんが、根本はやはり経営として立ち行くようなものでなければならぬ。立ち行かないものをいつまでもこのままやっていくというわけにはいきませんから、そこで立ち行かない部分は——これは石炭だけの話でありますが、立ち行かない部分はやむを得ないから当人の申し出に従って整理する以外には、実は全体を生かす道がないと思う。これをみんながいいように、いわゆる弱小炭鉱でこのままでいけば経営はとてもだめだというものをいつまでも残しておいて、それで果していいかどうか、それでは全体がつぶれるのではないかと思うのです。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 死ぬ者は死なしたらよろしい、こういう端的な結論のようでありますが、死ぬ者は死なしたらいい、中小企業庁はそれにお経を読んでいればいい、こういうことならそれでけっこうなんですが、今やっている政府のやり方は、その死にそうになっている病人から大企業に輸血をして、そうして中小企業の方の安全死を早くさせて、頭をなでながら、上手にごまかしながら、お前のためになるんだからと言いながらしりの方から血を吸って、その血は大企業の方に輸血をしてやる、こういうひどいやり方だから、一片の涙もない政治だと思うのでありますが、なお石炭の問題についてはあらためて本会議で質問をいたします。  そこで最後にお尋ねいたしますが、こういう関係からいきますと、本年度の中小企業金融公庫に対する十五億の政府出資、あるいは商工中金に対する見せ金の十億という出資は、先ほど来大臣は中小企業に対するお経を上げていたのかもしれませんけれども、そのお経だけから考えましても、こういう金はあまり零細過ぎはしないか、もっと大幅にやる考えはないか、死んでいく中小企業を前にして一片の悔みの言葉ぐらいは、もっとあたたかい言葉があってしかるべきだと思うのですが、これに対する大臣の決意を伺いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 死ぬ者は死なしておくというふうなことではございません。実はあの案の概要をあるアメリカ人に聞かしたら、むしろ驚いている。アメリカあたりならほうっておいてつぶれるものはつぶしてしまうというのでありますが、日本の国情はそんなわけにいかないのですから、ほうっておけば非常に惨たんたる状況なる部分については、できるだけ救済の手を差し伸べるという意味で石炭合理化の法案も考えたつもりであります。  それから今の中小企業金融公庫等の資金の問題でありますが、これは中小企業金融公庫の当事者あるいは中小企業庁とも十分打ち合せまして、本年度の資金はあれで相当いけるという確信のもとにやったのであります。もしそれで足りないということであればそのときに一つ考慮することはむろんいたします。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 私は中小企業金融公庫の運営について大臣に警告を発しておかなければならぬと思うのでありますが、大体中小企業金融公庫は、正常な状態における一般的な中小企業の金融難に対処するために生まれたものであります。ところがその運営を見ておりますと、さあ九州に水害が起ったというと、当然別途の措置でやらなければならないにもかかわらず、水害の金融措置というものをこの中小企業金融公庫に持ち込んでしまう、あるいは石炭鉱業が非常に不況になるというと、その石炭鉱業をこの金融公庫の方に持ち込んでくる。こういうことで、ただでさえスズメの涙ほどの零細な資金ワクの中にそういうものを持ち込んで政府の責任を糊塗しておる。これは非常な間違いではないか。そういうものは別途に、災害対策は災害対策としてこれに資金ワクをつければいい。対策の予算をつければいい。あるいは石炭は石炭の別途の問題で考えればよいのでありまして、あくまでも現在の中小企業金融公庫というものは原則的には一般的な金融難、こういう状態に対処するための金融公庫ではないかと思うのでありますが、今後この運営に当りましては、十分その点を一つ考えていただきたい。責任を全部この中に持ち込んできてごまかそうということはやめていただきたい、こう思うのですが、大臣はこれに対してどういうふうにお考えですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今の御注意は十分承わっておきますが、しかし中小企業金融公庫といえども機宜の処置をとってさしつかえないと思うのです。石炭鉱業の方が、中小炭鉱が非常な金融難に陥ったという場合に、中小企業金融公庫というものが出動するということも、これはやっていいのじゃないかと私は思っております。

首藤新八日本民主党

○首藤委員 関連して……。ただいま同僚永井委員から、中小企業に対して核心に触れたきわめて適切な御質問がありました。ところがこれに対する大臣の御答弁を承わりますると、実際において実態を把握していないじゃないかという気がいたしますから、私もこれに対して若干質疑をいたしたいと思います。  今の中小企業は、ほんとうに重大段階に当面しております。このまま放任しますと、日本の中小企業者は、近く全面的に破産状態に陥ります。これはいまだかつてない重大な段階にまできておると私どもは非常に憂慮いたしておるのであります。従ってこの際何か抜本塞源的な対策を講じて、この危機に直面した中小企業の安定をはからなければならぬという点に政府の格段の配慮を願わなければならぬと思います。ところがただいま税制の問題あるいは金融の問題、私たちは永井委員の御質疑に心から共鳴しておるのであります。この点を根本的に解決しなければいかぬと思います。それよりももっと根本的にどうすれば安定するか。まずこの安定に重点を置いた考え方——安定しますれば金融の問題もあるいは税制の問題もおのずから解決するのであります。ただあまりにも営業自体が不安定、行き詰まっておる。ここにもろもろの問題が派生してくるのでありまして、これは大臣の言われた、全部が全部安定するようなことは困難である、こう思いますが、しかしその中にもやはり可能な方法がある。たとえば輸入品でありますが、大臣は先ほど適切な輸入が行われておると言われるが、われわれに言わせれば適切な輸入が行われていない。これが日本の中小企業者を不安定にしている一番大きな原因だと率直に私は申し上げたい。簡単に申し上げれば、産業別に為替の割当をやっているものは非常な好況です。AA制をとられているものは全部不況であります。これは事実が証明しておる。あなた方がお調べになったらすぐわかることであります。ここにも法案が出ておりますが、要するに砂糖あるいは羊毛あるいはその他皮革等々、産業別の為替の割当をしておるものはみな需給は調整され、むしろ供給不足です。従ってそういう業界は必要以上に好況を呈しておる。ところが一方AA制によって自由に輸入のできるものは、どれもこれも供給過剰、そうして業界は混乱いたし、出血販売をいたしておる。そうして輸出もまた出血輸出をしておる。いわゆる悪循環をしておる。そうして出血の販売をするから金融がますます困難になってくる。困難になってくるからますます生産をふやさなければならない。生産をふやすから輸入をますますふやさなければならない。そうして貴重な外貨を乱費しているのであります。これが現在輸入品による中小業者の不況の最大原因であります、従ってこれを適切に解決しなければ、幾らほかの方面の対策をやったところで、中小企業の安定はおそらく百年河清を待つの観があると申し上げても私は過言でないと思います。よって私はこの際幸い通商局長も見えておられますから、為替の割当に再検討を加えて、過剰生産をやっているものはその為替の割当を減す、あるいはまた産業別の割当制に直す、そういう適切な方法を講ずることが一番効果的だと思うのでありますが、これに対してはどういうお考えを持っておるか、この点をまずお伺いしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 もしAA制によってそういう過剰の輸入があって、そのために市場がまた過剰になってくるというものがあれば、これは検討をいたすことにやぶさかでありません。具体的な問題については通商局長の方からお答え申し上げます。

板垣修通商局長

○板垣政府委員 ただいまの為替割当の問題につきましては、元来からいいますれば、できるだけAA物資をふやすということが今後の為替割当政策からいえば本道なんでございますが、今の一時的な現象といたしまして、あるいは場合によっては、本来ならばAA制によってたくさん原料がほしいというところに、かえってAA制のために原料が入り過ぎて困るというような部門が少しずつ現われておるように聞いております。しかしながら全体の為替政策の方向といたしましては、逆行でありますと同時に、中小企業が欲しまするようないろいろな原材料の輸入が、非常に需要者が多いために、技術的にいかにして割り当てるかという非常に困難な問題があるわけであります。ただいま大臣から御説明申し上げましたように、この点具体的に検討いたします。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ちょっと議事進行で……。いずれ首藤君が質問するでしょうが、この外国為替の問題は重要な問題ですから、一度目を改めてゆっくり徹底的にこの問題を検討していきたいと思うのです。幾多の欠陥もあり、行政措置としても納得いかぬ点もたくさんあると思いますので、徹底的にこの問題は検討していきたいと思います。その点を一つ……。

田中角榮自由党

○田中委員長 適当なる処置をいたします。

首藤新八日本民主党

○首藤委員 それでは為替の問題は一度目を改めてもっと突っ込んで検討をいたすことにしまして、その機会に譲りますが、ただついでにさっき永井君の質問に対する大臣の答弁の内容について、もう一つ私が聞きたいと思いますのは、税制の問題です。私たちも先般、この四二%をある程度引き下げる、どうしてもこの中小企業者に対しては大企業よりも幅の広い引き下げをすべきであるというように私も要望いたしてありますが、結局同率になったのであります。この点は非常に遺憾に思いまするけれども、大企業と中小企業の税制のアンバランス、不公平、これは表面は税率は一緒です。ところが実際問題として、中小企業の書類はきわめて量が少い。従って税務署が踏み込んできた場合に、一日か二日あれば全部調査ができる、いわゆる洗いざらいとられるわけです。大企業になりますと言うべくして不可能です。山ほどある資料を税務署が調べようといったって、調べることができるものじゃないのです。従って結局大企業の申告にそのまま認められていく、ここに中小企業者と大企業の税制の、率は同じでありますが、内容的に非常な不公平ができてくる。従って事実上大企業は大きな脱税をしておる。中小企業者は一つも脱税ができない。むしろ必要以上に税金を払わせられておる。これが中小企業者の大きな悩みであり、中小企業者の内容を悪化させる一つの大きな隘路であります。従ってこういう税制をきめる場合におきましては、特に中小企業者に対してはこの面をよく考えて、税率に対して適切なる措置を講ずる必要があるのであります。これは私は御答弁はいりませんが、その点をちょっと心得ておいていただきたいと思うのであります。  それからもう一つは金利の問題ですが、私たちはこの中小企業者に対しては、少くとも大企業よりも金利を安くすべきである。いわゆる育成、指導、強化、この精神にのっとって中小企業に対しては金利を安くすべきである。ところが商工中金の金利は、現在において中小企業に対する金融の中核体でありますが、大体一割三分から四分、そうしてそのよって来たった原因は、商工中金は金融債をやっておる。この金融債が八分から八分五厘、この高い利子で資金源を集めて、それに事務費あるいはその他の費用を加えるから、どうしても一割三分とか、四分とかいう高いものになる。これでは中小業者の指導、育成という目標に反することになる。そこで何とかして中小業者に対する商工中金の金利を最高一割くらいに押えなければならぬ。これもやり方によれば不可能ではないと思う。たとえば預金部の資金を相当大量に商工債券をもって出しております。従って預金部の出しておる八分五厘を三分五厘とか、あるいは四分五厘とかいう特殊の金利に直してやりますならば、商工中金の資金源のコストが平均して非常に低下する。よって貸し出し利率も一割程度でいくのではないかというような気持がいたしております。どうしてもこれをやるべきだと思うのですが、大臣はどういうようにお考えになっておるか、ついでにこの際お聞きしておきたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 前の税の問題は脱税を予期してどうこうというわけにはいかぬでしょう。これはできるだけ一つ一切の税が高過ぎるのですから下げる必要がある。  それから商工中金の金利が高過ぎるということはわれわれも特に気がついておる。今商工中金の当事者とも協議をして商工中金自身の努力も頼み、政府としても何らかの処置をとりたい、こう考えております。

田中角榮自由党

○田中委員長 四案に対する質疑は次会に引き続いて行います。次会は明二日午前十時より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時二十三分散会

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