商工委員会 第18号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/27
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 去る二十五日に本委員会に付託になりました特定の物資の輸入に関する臨時措置に関する法律案を議題となし、その趣旨の説明を求めます。島村政務次官。
○島村政府委員 特定の物資の輸入に関する臨時措置に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 昭和二十九年度の国際収支は、前年度に比較しますと非常に改善を見たわけでありますが、今後特需は漸減傾向にあり、また世界各国の景気動向、輸入制限措置等を考えますと、これを手放しに楽観することはできないのでありまし、政府としては、今後とも輸出の振興に大いに意をいたすことはもちろんのことですが、さらに不用不急物資の輸入を制限することにより、外貨使用の節約に努め、国際収支の改善に努力いたさねばならぬと存ずるのであります。 従いまして、通商協定の締結に伴い、やむを得ず輸入しなければならないバナナ、パイナップル・カン詰等の、国民生活にあまり影響のない物資につきましては、当分の間その輸入数量はかなり制限されることになると思うのでありして、そのためこれら物資の国内における需給の不均衡が生じ、これら物資を輸入すれば通常の利益以上の利益が生じてくるのはやむを得ないと考えられます。しかしながら、このような異常な利益は、外貨資金の割当によって反射的に生ずるものと言えるのでありまして、これが全部を関係業者に帰属させることは適当でないと考えられますので、政府としてはこの利益の一部を国庫に納付させて、これが有効な活用をはかることとし本法案を提案いたした次第であります。 本法案の内容につきましては、御審議の途上逐次御説明申し上げる所存でありますが、以下その概要について申し述べますならば、第一は、この法において特定とはバナナ、パイナップル・カン詰等の輸入数量が著しく制限されているために、その輸入によって通常生ずる利益を越えて異常な利益を生ずる物資を云うこと。第二は、特定の物資の輸入について外貨資金の割当を受けた者は、一定額を国庫に納付しなければならないこと。第三は、国庫に納付すべき一定額は、外貨資金の割当を申請した者が見積った輸入価額及び輸入諸掛りの合計額と、申請者の予定国内販売価額との差額とすること。第四は、特定の物資の輸入について外貨資金の割当を受けた者は、納付金を納付する保証として担保を提供すること。第五は、外国の輸出制限、戦乱等のいわゆる不可抗力の事故によって特定の物資を輸入することができない場合には、その納付義務を免除しまたはすでに納付した納付金を返還することであります。 なお、本措置はあくまでも異常な利益に対する臨時措置でありますので、有効期間を三年に限定した次第であります。 以上が本法案の提案理由及びその概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、可決あらんことを切にお願い申し上げる次第であります。
○田中委員長 本案に対する質疑を許します。小笠公韶君。
○小笠委員 ただいま提案理由の説明のありました法案につきまして、一、二具体的な説明を伺いたいと思います。 第一は、この操作のやり方をどうするか。第二号におきまして、「外貨資金の割当を受けた者は、一定額を国庫に納付しなければならないこと。」と書いてありますが、その操作のやり方をどうするか。第二点は、これによって上げられる予想利益が幾らであるか、国庫に納付すべき予想利益は幾らであるか。マージンと納付すべき金額の割合をどうきめておるか、その対策。関連しまして第三点として同様の法案が砂糖に関して提案されると聞いておりますが、それとの関係がどうなのか、もし二つが出るとするならば、その金がどういうルートで国庫に入ってくるのか、両者の関係はどうか。そういうふうな具体的な流れ方、運用の方法等につきましてこまかい御説明を承わりたいと思います。
○大堀説明員 ただいまの御質問のうちで、最初に砂糖との法案の関係について申し上げたいと思います。砂糖に関するものは、御承知のように輸入価格と国内販売価格では、国内の精製コストなり適正な利潤を考慮いたしましても、相当の差益が出ておるという事情ございまして、これも同趣旨によりまして、別途に差益金を納付していただきまする法案を一両日中に国会の方へ御提出申し上げる予定になっておるわけであります。砂糖につきましては、国内の国民に対する生活必需品といいますか、一部は生活必需品としまして相当糖価の問題について考慮しなければならぬ点がございますので、差益の徴収と同時に、価格安定という点についてこの法案に盛り込まなければなりません。従いまして砂糖につきましては別の法案を作っておるわけであります。本法案の特定物資につきましては、ここにありますように、バナナ及びパイナップル・カン詰等は生活必需品と申すことができないわけでありますので、これは別の体系において本法案を作ってある。しかして納付金を取りまして、その納付金を国庫に入れる場合の会計といたしまして、特別会計法案を別に提案いたすわけであります。従いましてこの砂糖の価格安定及び輸入に関する法律、ここにあります特定の物資の輸入に関する法律の両方を受けまして、国庫に納付する特別会計法案、一つの目的のためにこの三つの法律が出るのでありますが、これが一番最初に提案されまして、あとの二法案はすでに閣議決定が済んでおりますので、一両日中に国会の方に提案して御審議をお願いいたす段取りになっております。 次に予想利益の問題でございますが、本法案によりますバナナにつきましては、台湾との協定によりまして、年間約四百万ドルの輸入を行うということに通商協定上義務を持っております。これによりまして、バナナの方は大体六億七千万円程度の異常利益があるというように推算しております。パイナップル・カン詰につきましては、年間約五十万ドルの輸入量でありますけれども、台湾との協定によりまして、これは異常利益が一億円、これ以外は、砂糖の方で入って参ります予定金額は六十三億見当であります。全部合せて約七十億円ということを予定しております。大体輸入予想利益トータルといたしましては、砂糖が六十三億円、バナナが六億七千万円、パイナップル・カン詰が約一億円で約七十億円でありますが、この特別会計に入りましたものを産業投資特別会計の方に繰り入れまして、これが財政投融資の一部の財源になるわけであります。これが大体金の方の関係の問題であります。 次に御質問の点は操作の方法かと思いますが、本法案によりますと、輸入外貨を割り当てます際に、当該のバナナを入れたいと思う人が国庫に対して、一かご幾ら納付いたしますということで、外貨の割当の申請をいたすわけでございますが、その際に、その納付金額の高い人から逐次外貨を割当てしていく、一種の入札のような取扱いになるわけでございます。砂糖の場合はちょっと事情が違いますが、バナナ、パイナップル・カン詰等につきましては、国内の価格について、特に価格を抑制しなければならぬという理由もありませんので、国内の市場価格から逆算いたしまして、業者がこれだけ納付しても十分利益があるという計算をはじめて申請して参るわけであります。その納付金の高い順序に外貨割当をするという方が適当であろうということで、そういうことを考えておる次第でございます。 なお、納付金と利益との関係について御質問がございましたが、これは非常な利益を生ずるものでありますから、通常の利益につきましては当然これは考慮して——たとえは本法案におきましては、これはおのずから入札のような形でございますから、そこで業者側の採算によって数字が出て参ります。しかし砂糖の場合等でありますと、精製費と適正利潤というものは控除いたしまして、それ以外の異常な利益だけを特別会計に収納する、こういう考え方になっておる次第でございます。大体以上で御質問にお答えしたかと思います。
○中崎委員 バナナ、パイナップル・カン詰等については、金額の高いものから順次外貨割当を許可していくというのですが、将来これを一定の市場価格に換算したときに、一定の利潤が出てくるわけです。その利潤と、納付した保証金といいますか、供託金といいますか、それとの差金は、どういうように今度はこれを清算、処理するのか。売った値段とのそういう差益を取り上げるという考え方でありましょうか。その差益は、どういうような方法で取り上げるか。そこらをちょっと伺いたい。
○大堀説明員 最初の御質問だったと思いますが、差益の決定は外貨の割当をいたします際に決定いたすわけでございます。そうしますと、一万かごなら一万かごに対して幾らと、納付金額を申請の方が出しておられるわけですが、それが甲、乙、丙三人おりますれば、一人は一万円、一人は九千円、一人は八千円と出ました場合に、一万円の人に対して外貨の割当をいたすわけでございます。そうすると、その人はかりに一万かごを輸入いたします場合に、為替許可をもらいました際に、一万円の納付義務を負うわけであります。そこで義務は確定されるわけでございます。外貨を割当しまして、本人が物を入れまして、そして国内に物を販売する。ここで現金になるわけでありますが、この納付義務をさらに現金で徴収いたしますについては、一定のユーザンスを与えまして、物が売れてから一定の時期に出させる、こういうことで、その間は担保を積んでおけばよろしい、こういう取扱いになっております。
○中崎委員 そうしますと、政府として受け入れるべき利得金額というものは、申し入れのときにすでにきまっているのですか。そういうことになるのですか。
○大堀説明員 納付金額は外貨の割当のときに確定する、それ以外は、かりに国内の価格が上りましても、これは業者の利益になるわけでありますから、そこは消費税と同じように定額できめてしまうという考え方です。
○中崎委員 砂糖の場合にはそれはどういうことになるのですか。これが一定の精製業者に割り当てられることになるのでしょうか。その精製業者が、一定の認められた利潤において次に売るのでありますか。それが卸小売の過程を通して、最後は消費者に行くのでありますけれども、どこを基準にして国家が差益を取り上げるのか、そこらの辺のところを伺いたい。
○大堀説明員 砂糖につきましては、先ほど申し上げましたように、本法案のバナナ、パイナップル・カン詰と違いまして、国民の生活に相当の影響がございますから、安定帯価格制ということを法律の中に織り込んでおるのでございます。つまり、一定の砂糖の販売価格に対して、一定の限界を、上限と下限を設けまして、その幅の中でやって参る。しかし、かりに非常に糖価が上ってくるというような場合には、砂糖の輸入を増加いたしまして糖価を引き下げる、あるいは政府が勧告を行うという態勢でやって参る考えでございますが、その場合に、砂糖の場合は、その幅の中の一定のところに標準価格というものを置きます。下限からやや近いところに標準価格をきめまして、標準価格から逆算いたしまして、精製コストあるいは適正利潤を差し引きまして、しかして、輸入価格との差額を納付金として徴収する、これが一つの考え方になっているわけであります。砂糖の場合は、大部分はそういう考え方でいきまして、一部は、本法案と同じように、若干そこに業界の競争の余地を残した態勢でいきたい。砂糖の場合は、大勢は、今申し上げましたように、標準価格というものをきめまして、それから逆算して計算していくというのが考え方でございます。本法案の場合は実は安定帯価格という字はございませんので、国内の、おのずから出ます価格を基礎にして、業者が、これだけは納めて十分採算がとれるというところで納付金の申請を出しているわけでありますから、それによりまして処置していくという考え方でございます。
○中崎委員 その砂糖の輸入割当は、原則として精製業者に割り当てられると思うのでありますが、現在においては、そのほかどういうふうなものにどういう基準で割り当てられておるか。さらに、今後こういう変った制度を実施するに当って、一応必ず精製しなければ市場へ出せないものかどうか。従って、精製業者の手を通さなければやれないことになるのかどうか、そこらの辺を伺いたい。
○大堀説明員 砂糖の外貨の割当につきましては、現在でも大体八割程度は精製業者に現物がいくような外貨の割当をやっているのでございますが、残りの二割につきましては、現在は、インポーター割当といいますか、輸入業者に対しまして、輸入実績によって割り当てておるのでございます。これにつきましては、精製業者に売られる分と、あるいは粗糖の方へ使われる人があれば、それから買い得るという態勢もとっておるのでございます。この制度ができましても、割当の方針につきましては、大体八割程度が、設備割りなり生産割りで精製業者に割当が行われるのであります。しかしながら、二割程度は、やはりどなたでもやり得るような競争の余地を残した方法に持っていきたいと考えておる次第でございます。
○中崎委員 このような新しい制度ができても、なおかつそのようなことにやるつもりであるか。ことに、そうなれば、精製業者によって、精製に必要なコストも予定し得るのだが、インポーターを通じてやるというような場合には、どこにどういうふうに入るのかわからないというような結果にもなるのだが、そういうことは考えておられないかどうか。
○大堀説明員 大部分は精製業者に対して割当が参るわけでございますが、精製業者の設備能力なり生産実績なりで全部の砂糖を割り当てるということは、実績から申して必ずしも適当ではないという考え方でございます。やはり二割程度は、精製業者も場合によっては競争して勉強してそれを取っていく、あるいは精製業者以外の方でもその二割のうちから必要があれば買えるという競争の余地を一部あけておくことが、行政の運営の上からいいまして適当ではないかということを、これは農林省が中心でございますが、私ども農林省と相談いたしまして、大体そういう考え方で参りたい、こういうふうに現在考えておる次第であります。
○中崎委員 これらの点には幾多問題もあります。ことに二割の割当が適正であるかどうか、そういうふうな基準を今後守っていかなければならぬかどうかというふうな問題についても幾多問題もありますので、これはいずれ法案が出てからさらに具体的な検討を加えなければならぬと思います。
○田中委員長 小平久雄君。
○小平(久)委員 二、三点簡単に伺いたいのです。まず最初に、ただいまの説明によりますと、台湾よりのバナナが約四百万ドル、それから。パイナップルのカン詰五百万ドル、これを日台の協定によって入れなければならぬ、こういうお話でありますが、一体これは普通ならば国内の需要というものはどのくらいあるものと推定しておりますか。
○大堀説明員 実需がどのくらいになるかということは、ちょっと私ども予測は困難でございますが、現在相当差益が出ていることは、入れれば相当入るものであるというふうに考えておりますが、バナナの例をとってみますと、一番最高に入っておりますときは七百万ドルくらい入っておることがございます。従いまして、四百万ドルということはかなり制限した数字でありますが、昨年は三百五十万ドルでありました。三十年度は、日本のリンゴその他を台湾に輸出しますために、さらに五十万ドルバナナの輸入のワクをふやしたのでありますが、逆に台湾からも日本のリンゴその他を買い付けるという約束をとっておりまして、そういう協定になっておるわけでございます。私どもは実需がどのくらいかということはちょっと推測つきませんが、もし入れれば相当入るんじゃないかと思っております。
○小平(久)委員 次に、パイナップルがどのくらいになっておるのか。特にパイナップルなどの場合には、直接台湾からでなくして香港あたりを経由して入ってくるというケースもあるように思うのですが、そういう場合には今度の外貨の割当との関係でどういう取り扱いをなさるのでありますか。
○大堀説明員 現在のとろはパイナップルのカン詰は台湾以外には輸入は認めていないのでございますが、あるいは一部ホテル関係の調達の場合に入っておるものがあるかもしれません。これはちょっと私も調べてみませんとわかりませんが、現在のところ台湾以外に輸入を認めてはいないことになっております。なおパイ・カンの見込み数量につきましては、ちょっと私も本日数字の見込みはわかりませんので、なお調べまして御説明申し上げたいと思います。
○小平(久)委員 この点は当然わかっておることではないかと思うのです。こういうことをやって輸入を制限するから、市中の相場が非常に高くなる。その特別利益をこうして国庫に納入させるのだという趣旨なんでしょうから、かりに野放しにしたらどのくらいあるのかということは、大体推定されておることと思ったのですが、わからないではしょうがない。 それから次に承わりたいのは、こういう方法でおやりになるということでありますが、これは関税との関係はどういうことになっておりますか。たとえばかりに輸入を抑圧しようとか、あるいはぜいたく品だからこれを種にして国の収入を多くしようというならば、関税でやってもいいのでありますが、関税との関係はどういうことになっておりますか。
○大堀説明員 関税は一般の正常な場合を予想しましてやっておるわけでありますが、現在は外貨の割当が非常に制限されておりまして、特に不急不要物資については極度の制限をしておりますために、通常以外の利益が出るわけでありますが、かりに日本の外貨事情がよくなりまして、貿易が自由化して参りまして、こういう事態が生じないということになりますれば、おのずからこういう制度は廃止される性質のものであります。結局暫定的な措置であるために関税で一般的にやりますのが適当でない、こういう考え方であります。
○小平(久)委員 現在は関税はかかっているわけですか。かかっているとすれば幾らくらいかかっているのですか。
○大堀説明員 現在関税はかかっておりますが、私ちょっと資料を持ち合せておりませんので、本日実は詳細なことはお答えできません。
○小平(久)委員 はなはだ準備不足のようで心外です。関税は通産省の御関係でないかもしれぬが、しかしこういう案を出す以上は、関税は幾らかかっておるかくらいは知っておるのが当然だと思うのです。何か準備不足のようですが、お調べの上、私の方も調べますが、このためどのくらい関税がかかって、どのくらい関税収入があるのか、これも一つ報告してもらいたい。 それから先ほどの御説明によりますと、外貨割当の申請に当って、納付金を多く出したものの順に従って外貨の割当をするのだ、こういった説明のようであります。ところがその納付金なるものは、説明によりますと、輸入価額に適正な利潤及び諸掛の額を加えた額と国内販売価額との差額の見積額であるということであるようであります。その間に適正利潤ということもまた考慮に入れているようでありますが、一体幾らくらいを適正利潤と査定なさるわけですか。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。 本案に対する残余の質疑は次会に引き続き行うことといたします。次会は来たる六月一日水曜日午前十時より会議を開きます。 本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時十三分散会