商工委員会 第15号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/20
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 日程に入り、計量法等の一部を改正する法律案、自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を一括議題といたし、質疑を許します。質疑は通告順によってこれを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 先日の計量法に関する質疑に引き続いて質問いたしたいと思います。 計量法の改正を簡単に考えられておるようでありますけれども、計量行政は国民経済生活の秩序維持の根本をなすものであって、重要なものであると思うのです。従って計量行政は政府において一元的統一運営が最も必要であると思うのでありますが、この改正によって一元的運営を根本から混乱させるもとを作るものであるように思うが、そういうことにならないのかどうか。
○鈴木(義)政府委員 ただいま御質問の点でありますが、この法律の改正が一元的な統制を乱さないかというお話でありますが、問題の点は手数料を地方に移譲することを御懸念されてのことかと存ずるのであります。これにつきましては、たしかこの前の委員会でも御説明申し上げたと存じますが、手数料を地方に移譲いたしましても一元的国の統一方針は十分保持していきたい、こういう方針を考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 計量の手数料を地方に移譲したときには、各地方公共団体は独得の立場から計量行政の費用をまかなうべく、計量手数料の額あるいはその取締りの方法等を規制するのであろうと想像されるのである。そうすると、そこに地方差というものができてくると思う。そのような場合に、政府としては行政的技術によって十分これを阻止することができるという確信をお持ちであるかどうか伺いたい。
○鈴木(義)政府委員 お話の手数料は政令で定めておりまして、全国画一的にこれをきめるものでございます。それからこれの取締りに関する規定は全部法律で規定してある次第でございます。しかしながら実際面でそういう点があるいはまちまちになるということをできるだけ防ぐために、先般申し上げました通り、計量法に調査官制度というものを設けまして、検定、取締りに不服のあった者は再審議の道が開かれておるわけでございます。これによりまして全国的統一の方針を十分間違いのないように実施することができますとともに、これもすでに御説明したと存じますが、計量講習所というのが通産省にございますが、これで地方の行政官を十分教育して、実際計量の行政の任に当る者はその教育を受けて、全国的統一方針の趣旨を十分体して実行する、こういうふうにして間違いないことを期しておるわけでございます。そのほかブロック会議を設けて十分統一をはかり、さらにこの行政の統一を乱すことのないように十分この会議を通じまして確保していく次第でございます。
○田中(武)委員 われわれが一番懸念しているのは、いわゆる地方差が生じないかということなのです。もし地方差が生じるような事態があれば、高度の技術と経験を要する企業合理化の計量器の製造、販売、使用等は著しく渋滞し、その企業の存続が危険に陥るおそれがあるばかりでなく、せっかく現在推進されつつあるわが国の産業振興の根本要件である各種産業の合理化もまた中途半端に終るようなことになりはしないかということをおそれるわけであります。そういう点はどうなのですか。
○鈴木(義)政府委員 ただいま地方差についてのお話がございましたが、全国的統一の方針をあくまでも実施するために、従来会合も開いていろいろ打ち合せましたし、この法案を提出する際にも一、特に府県の責任者を集めまして、この法案の実施の結果そういうふうに地方がまちまちにならないようにということについては十分誓約を得ておりまして、われわれとしては責任を持ってこういう点の間違いない運用が期し得ると確信いたしておる次第でございます。
○田中(武)委員 それからこの改正によって、日常各方面に使われているいわゆる普通のはかりは比較的小資本、小規模の業者で大部分作られておる。こういうことによって、その上いたずらに業者ができれば、乱立分散の機運を助長して業者の経済的基礎を薄弱にし、かつまた生産コスト、販売価格の引き上げを招来するような結果になりはしないか、こういうようなことをおそれるのですが、そういう点はどうですか。
○鈴木(義)政府委員 ただいまの御質問は、この結果各府県ごとに新しいメーカーが増加し、それによって乱立をしやしないかという御心配と思います。この点も、この法規の提案の準備をいたしましたときに打ち合せまして、府県からはかようなことは一切しないというふうに確言を得ておるわけであります。われわれとしても今後十分その方針によって指導して参りますし、またそういうこともないというふうに信じておる次第でございます。
○田中(武)委員 われわれの一番心配しておることは、これは手数料の地方移譲である。これが改正の大きな要点である。こうおっしゃっておるのであるが、手数料の地方移譲ということで、その結果計量行政の地方移管により、各地方自治体が勝手な検査をやったり、いろいろの主観による計量行政が行われるために、地方差ができてきやしないか、こういう点を一番心配しておるわけです。従って地方自治団体が要望しておるところの手数料を地方に移譲するという目的を達成することができるか、そういう心配が起らないといったような方法によるところの改正の仕方はないか、こういうことを伺いたい。たとえば今言ったような二百二十二条に一項を加えるというああいう条文の置き方でなく、地方財政法と計量法の一部を改正して、そうしてあくまでも計量行政は国家の行政である。これは政府がやるのだ、その費用だけは国家が負担するのだといったような改正の仕方ができやしないか。
○鈴木(義)政府委員 ただいまの御質問は、計量行政費の全額国庫負担の問題をおっしゃられたのかと存じます。ただわれわれといたしましても、そうできれば非常に理想的でありまして、一番望ましいものであると考えてきたわけであります。昭和二十四年までその形をとってきたのでありますが、二十五年度から地方平衡交付金制度においてそれが繰り入れられまして、二十九年度になって交付税制度になった。これによりますと、一応計量行政費として地方の所要経費が交付金の中にべースとして計算を入れますけれども、俗に言いますこれがひもつきでなくして、計量行政費として地方にいきます場合、その経費が確保されない。たとえて申しますと、昭和二十七年で二億数千方円の地方計量行政の費用を計上して、交付金のベースを出したのでございますが、実際の地方で計上されました計量行政の費用というものは一億五千万円程度でございまして、こういう点は地方の計量行政の円滑な実施に非常に支障があったということで、何らかの方法をとらなければならない、われわれとしては全額国庫負担の復活要求をしたのでありますが、これが地方自治制度の問題あるいは国の補助金の問題、そういう問題とからみ合いまして、その実現が得られない、そのまま遷延すれば計量行政はますます円滑を期せられなくなる、こういうわけでその次善の策としてその手数料を地方に移譲するという結論を出したわけであります。そういう事情でありまして、これは非常に理想的な案ではないが、現在当面しております、また今後当面いたします計量行政の円滑な施行の上においてはこれはやむを得ない、こういう手段をとらなければ、これ以外に方法がないということからこれをきめたわけであります。
○田中(武)委員 政府委員に対する質問ではなく、委員長にお願いいたしますが、実は質問して答弁を伺っておるのですが、実際計量法というのはほんとうによくわからないのであります。ことに地方差ができるのではないかといって質問してみても、できませんといえばそれまでなので、政府委員がよいと思っても、われわれしろうとにはわからない。それだけでは満足がいかないのでありますから、これは計量器を作っておる業者の代表とこれに関係しておる労働者の代表でも一つ参考人として呼んでいただきたい。こういうふうに思うのであります。
○田中委員長 あとから理事会に諮りまして、ただいまの発言の趣旨を適当に処置いたします。永井勝次郎君。
○永井委員 質問がダブって怒られるかもしれませんが、お答え願いたいと思います。 この地方移譲によってどのくらいの金額が地方に移譲されるのか。それから、実際に検査に要するいろいろな費用というものはどのくらいかかるか。また従来も地方で検査を実行していたということならば、この法案はただ手数料金の地方移譲ということだけが内容であって、検査という行政は従来と何ら変らない、こういうような内容のものかどうか、この点についてお尋ねしたい。
○鈴木(義)政府委員 第一の点の、この移譲によってどれだけの金額が移るか、これは大体年間にいたしまして約五千万円であります。 それから地方の計量行政の費用はどの程度かという問題でございますが、これは年間にいたしまして三億二千八百万円でございます。従いましてその差額は、やはり依然として地方交付税のベースとして計算に入れることになります。 第三点は、この法案の改正は、検定については従来と同じような方針でいくかどうかという御質問でございましたが、それについては従来と変りはありません。
○永井委員 計量検査を地方に移譲することによって、計量器の地域差というものが生まれてこないか。たとえば、こういう基準で検査をするという基準はありましても、実際の運用操作の上において、北海道と鹿児島と、こういうふうな地域差が実際に出てくるのではないか。こういう点についてはどういうふうに考えられますか。
○鈴木(義)政府委員 その点については、先ほど申し上げました通り、検査の方針については従来と変らないのでございますから、やはりこれは全国で統一いたしまして、法律の規定するところに従って十分遺憾ないようにしていく方針でございます。
○永井委員 実際に料金で移譲されるのが五千万円、そうして実際の費用は三億二千八百万円かかっておるというこの差は地方自治体の負担ということになって、これだけの負担の差額は平衡交付金で補填しているというが、そういうことは平衡交付金の配分規定の中に明確にして、これだけ補填されているのかどうか。ただ平衡交付金の中にこれは含んでおるというだけの話なのか、その点を明確にしていただきたい。
○鈴木(義)政府委員 前の御質問のときにお答え申し上げましたが、従来は、全額国庫負担が変りまして、全部交付金制度のベースとして計算しておったのであります。それがひもつきといいますか、はっきり交付金が一本になりますから、計量行政は幾らとしてベースとしては計算いたしますが、それがきまっておりませんので、地方で実際使いました場合にはそれがわれわれのベースと違って、予想通りの計量行政費が確保されていないという実情がございました。そのために、全額国庫負担にしてくれというふうな議論がありまして、われわれもそれを交渉したわけでございますが、前に申し上げましたような事情でそれが実現できない。次善の策として、せめて手数料だけは地方に移譲したい、こういうふうなことで考えたわけでございます。こういった例はほかにも、火薬の取締りとか高圧ガスとかいうのはやはり同じように手数料を地方に移譲しております。
○永井委員 いろいろ地方に仕事を移譲するということは、地方の自治体を尊重するというような意味で大へんけっこうなことでありますが、移譲される仕事の内容を見ますと、そろばんに合わないようなものだけを地方にどんどん移譲して地方の負担を増しておる。そうしてこっちの方では命令や指図や行政権だけを握って大きな顔をしておる。そうしてその費用は平衡交付金の中に含んでおるのだ、あれも平衡交付金、これも平衡交付金だといって、実際は地方庁は赤字で苦しんでおる。大体自治体はその固有の仕事は二割か幾らで、ほとんど国家の行政を代行しておる。こういう形になって地方に赤字が出ておるわけでありますが、これに対して、そろばんに合わないからこれは移譲するのだ、五千万円をやって、そうして三億二千八百万円ですか、これだけをともにひもつきで赤字を移譲してやる、これはこういう意図から出ているのではないのですか。
○鈴木(義)政府委員 お話の点はむしろ逆でございまして、計量行政の円滑を期するために、今まで国の収入となっておりました手数料を地方に移譲するというわけでございますから、この点はむしろ地方行政としては楽になるのではないか、こういうことでございます。
○永井委員 楽だといっても、実際的には五千万円だけ楽になるということであって、赤字の負担には何ら変りはない。先ほど来の答弁によると、五千万円だけの移譲で、これは問題にも何もならないのです。五千万円だけ現実に楽になるというだけで、実際には三億二千八百万円の負担を、移譲によってかえって正当化するという結果になるだろうと思う。 それはそれとしまして、今度の法律改正の中に電気計量器が含んでいないのはどういうわけですか。電気計量器の問題は、明治四十年かなんかの古い法律一本で今やっているのですが、この計量法の改正の中に電気計量器をなぜ入れないのか。入れない理由と、電気計量器についてはどういうふうに考えておられるか、これをお答え願いたい。
○鈴木(義)政府委員 ただいまのお話は計量法と電気測定法の問題かと思いますが、これは前にこの計量法が制定されます当時も実は問題となっていろいろ議論をされたのでありますが、これは従来歴史的に法系を異にしておりまして、そういった意味でいろいろ問題があるわけでございます。しかしながらいずれの法規におきましても、それぞれ従来特色を持っておりますが、相手方の思想を取り入れなければならないというふうな考え方もございますので、目下この両法の体系をどうするかということについてわれわれとしては研究しておる次第でございまして、これについてはなるべく早い機会にこれをどうするかということについて結論を得たいというふうに考えておりますが、今度の改正案におきましてはこれは取り上げておりません。
○永井委員 計量一般ということになれば、電気測定器関係のものも同様に扱わなければ、これは一貫性、普遍性というものは出てこないと思うのです。研究中ということですが一それはどんな形でどんな方向でどういう機関でやって、大体見通しとしてはいつごろそういうことをやるのか、そうしてその考え方は、現在提案されておる法律案と切り離して何ら支障が起らないのかどうか、そういう点について詳しくお答え願いたい。
○鈴木(義)政府委員 実は今度の改正につきましては、当面問題としております点だけを掲げまして改正の提案をいたした次第でございまして、お話のような根本に関する問題は目下研究しております。これは先ほど申しましたように、できるだけ早い機会に思想を統一いたしまして結論を出したい、こういうふうに考えてせっかく研究を進めておるところでございます。具体的にそれがどうなるかということは、もう少し結論を待ってから申し上げさせてもらいたいと思います。 〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕
○永井委員 先ほど同僚田中委員からも話がありました通り、計量法というのはわれわれしろうとでちょっとまだ伺えない。しかも今聞きますと、やはり計量法の一環であるべき電気測定器というようなものが全然除外されておるというようなことで、この問題はやはり専門家に——たとえはこういうことによって計量検査の規格運営というものが全国統一された形で行われるかどうか。地域差が出てくるとすれば、これは非常に重大な問題でもありますし、これらの関係のそれぞれの利害当事者を呼んで参考意見を聞くという運び方をすることが妥当ではないか、時間もまだあることでありますから、そういう手続をぜひしていただきたい、こういうことを申し添えまして私の質問を終ります。
○首藤委員長代理 永井委員に申し上げます。あとで理事会を開いてその結果で決定いたします。
○永井委員 それから計量でないことでちょっと政務次官にお尋ねしたいのですが、肥料の輸出会社が昨年決議されました。この輸出会社法は、現在の国際経済の情勢からいって輸出は出血ができる、この出血輸出をやった場合、外国には安く売る、その安く売った分を国内の農民に転嫁する、こういう二重価格制になって、これは農民が承服しないところである、こういう大きな国内問題から、この赤字は国内の農民に転嫁しないのだ、輸出会社を作ってここに赤字を積み上げておいて、そうして一面政府から財政投融資をして、企業の合理化をはかって合理化から生ずるところの黒字でこの積み上げてある赤字を消していくのだ、もっぱらこれは輸出だけをやるのである、事業はやらない会社である、こういう趣旨及び答弁のもとにわれわれはこれを——私の方は反対したわけでありますけれども、賛成の方はそういう趣旨で賛成しているのですが、最近聞きますと、この輸出会社に輸入外貨の割当をして、輸入の事業をやらせよう、こういうことに変質してきておるように伺うのでありますが、その実情はどうなっておるか、これを一つ政務次官にお伺いいたします。
○島村政府委員 お尋ねの問題はひとり肥料に限らないことであると存じます。結局出血輸出というのは正常な貿易の姿ではないと私は考えております。それで今の肥料に関係のあります問題につきましては、その後どういうふうな成り行きになっておるかよく承知いたしませんので、政府委員から御答弁申し上げることにいたします。——永井さんいかがでしよう。今政府委員が見えておりませんのですけれども、後刻にお譲りいただけませんでしょうか。——それではしばらく御猶予をいただきます。
○首藤委員長代理 小平久雄君。
○小平(久)委員 私は競輪関係から主催者への収入金、これについて若干お尋ねをいたしたいと思います。 まず第一に承わりたいのは、この施行者の指定でありますが、これは都道府県は別として、市町村の関係は自治庁の長官が人口であるとかあるいは市町村の財政状態とかを検討した上で指定をする、こういうことになっておるのでありますが、一体その間に何か基準でも設けておやりになっておるのかどうか、基準があれば一体どんな基準で現に指定なさっておられるのか、この点をまず最初にご説明願いたい。
○後藤政府委員 関係各省と相談いたしまして一応の基準を作っております。私今そのこまかい資料を持っておりませんが、おっしゃいましたように、大体人口三方ぐらいの規模を持っておる団体がやるというのが一つの基準であります。町村は一が町村だけでは認めない、三万ぐらいの組合でも作ったものを認める、こういう方針であります。もう一つは財政的な観点から、財源の乏しいところに対して認める、こういう大きな方針を大体持っております。そのほか実際収益が上るかどうかというような技術的な基準と申しますか、採算上の基準と申しますか、そういうものはやはり通産省の方でいろいろお考えになっておりますので、そういう基準も入れて、やはり収益が上るものでなければ困る、地方財政に寄与するものでなければ困る、こういうふうな基準でやっております。
○小平(久)委員 きわめて抽象的な答えで満足いたしませんが、何でしたら後ほどその基準を参考に御提出願いたい。 第二に伺いますが、施行者の収入は、通産当局の御説明によると、二十九年度が五十三億数千万円、三十年度においてもやはり五十七、八億円くらいになるのじゃないかという御説明であったのですが、それらの使途について、大体今までどう使われておるか、参考書類が出ておりますが、一体この使途につきましては、自治庁としてどのような監督というか、指導というか、タッチされておるのか。あるいはこれは地方自治体等がそれぞれ思い思いにやっておられるのかどうか、この点を承わりたい。
○後藤政府委員 競輪で上りました収益のうち、一般会計に繰り入れる分につきましては、やはり公共事業に使うような指導をいたしております。
○小平(久)委員 一般会計に繰り入れるというのは、どういうことですか。
○後藤政府委員 大体特別会計になっておりますが、収益が一般会計に入りますと、一般財源という格好になって参ります。その場合にはやはり公共事業に使う、学校、道路、河川とこまかい公共事業の項目をあげまして、大体こういうふうなものに使え、こういうふうに指導をいたしております。
○小平(久)委員 そうしますと、最初に地方自治体が施行者団体になろうという申請か何かをなさるときに、収支は大体どうなる、収益があった場合にはどういう方面に使う、そういうあらかじめの計画書によって施行者を許可しておるのではないですか。
○後藤政府委員 先ほど申しました財源の不足しておるという意味は、やはりそれに見合う財政需要があって財源が不足する、こういうふうに考えております。従って財源が不足しておるかどうかということを判定する場合に、それに必要な財政需要というものが一方にある。道路とか学校というような建設の費用が要る。しかし十分の財源がないというので、その財源の補填をするために、競輪とか競馬をやる、こういうふうな格好になるわけであります。従って財源不足ということを財政上予定しての話でありまして、収益は予定した財政需要に持って行く、こういうわけであります。
○小平(久)委員 そこで当局の説明によりますと、現在施行者となっておるものは、都道府県が十八、指定市町村が百七十一、合計百八十九だけでありまして、こういう資料が出ておりますが、私の考えによると、一体全国の市町村——県はしばらくおきましても、市町村のうち、わずかに百七十幾つが施行者になっておる、こういう実情であります。一体今日の各地方団体が窮乏の状態にあるときに、こういう片寄った一部の町村だけがその競輪による収入を使っておるのが、果して妥当かどうか。そういうことをすでに検討する時期に来ておるのではないかという気が私はいたすのであります。たとい競輪を始めるという際においては、最初はその動機が、当時戦災を受けて特に苦しい市町村等にやらせるというような話があったことも承知をいたしておりますが、すでにもう競輪を施行以来数年、しかも年々五十幾億の金が入る。政府の説明によれば、現に提案になっておるこの改正案によりましても、ここ五年くらいはまだどうやらやっていこうという考えである。こういうことになりますと、私はそういう先のことを考えても、この施行者を従来のままでやっていくことはどうかという気がいたすのであります。そういう点について自治庁としての御所見をこの際承わっておきたい。
○後藤政府委員 私どもといたしましては、やはり地方団体の財源というのは、正規の一般財源、税で与えるのだという観点に立っておりまして、かような収益を得るために地方団体が事業をするということは、変則な行き方である。従って競馬、競輪その他の収益事業そのものは、これは公営事業のうちでも、従来の公共団体に最もふさわしい事業と考えておりましたものの外にある事業でありまして、一般の公営事業とは異なった性格のものであるから、地方団体との関係を早く縁を切りたいという気持はございます。 それからもう一つ、おっしゃいましたようにある特殊な団体、競輪で申しますと二百くらいの団体が、特殊な利益を得ておるということは、これは全体の四千幾つの市町村のうちでもやはり一つの問題である。従ってできるだけその利益を均霑するところの方式をもう考えてもいい段階ではないか、かようなことを私は通産省の方々にも申し上げておるわけであります。つまり特殊な財源を持っておる団体であるということでなくて、その特殊な団体の利益をやはり付近の市町村に均霑してもらうような方策を、もうそろそろ考えてもいいじゃないか。しかし全部やめてしまうということになりますと、おそらく償却は全部完了していないところの団体が相当あると思います。従って償却の完了を待つというのも一つの考え方ではないか。従って一挙にこれをやめるということでなくて、何年かその期限を切って、何年先にはやめるという一つの看板をかけてやめるというのも、一つの方法ではないか。一挙にこの際やめるということは、やはり団体に与える影響が相当ありますから、その説は私はあまり感心しないという考えを持っております。しかし将来の問題として、何年か先にやめるという方針のもとに運営して行くという考え方が必要ではないか、これは競輪そのものの本質から、また地方団体の財源としての考え方から、私どもそういう考え方を持っております。
○小平(久)委員 自治庁のお考えもわれわれと同じような考えを持っておられるようでありますが、ただいまお話のように、償却という問題もありましょうが、今の答弁から申しますと、施行者というものの許可、これは償却等の関係も見合いながら、とにかくこの競輪が行われておる以上は、これが望ましいものでないことは申すまでもないのですが、現実の問題としてやはり施行者の範囲も極力広げて行く、そういう御方針と解してよろしゅうございますか。
○後藤政府委員 新しい許可は私は好ましくない、新しい施設の許可はこの際やめてもらいたいという希望を持っております。しかし現在ありますものを利用するところの団体、施行者団体でありますが、その団体は先ほど申しましたように、できるだけ広く利用さした方がいいのじゃないか。しかしこれは理屈で申しましても、最初に施設いたしました団体の償却なんかいろいろあるわけであります。そういう団体間の問題がございます。話し合いさえつけば、できるだけ広く認めてやって、利益を均霑さした方がよろしい、こういう考え方を持っております。
○小平(久)委員 私の申したのは、もちろん競輪場そのものの新設を広く認めるというのではなくて、従来施行者に入っておるものを、これをなるべく多くの市町村に分ち与えるような方式を一つ考えたらどうか、こういうことを申し上げたのであります。 そこで政務次官に伺いますが、今自治庁の意向は大体わかったのですが、これはもちろん通産省とも相談があることと思います。そこで競輪場そのものの新設はやらぬ、これははっきりしてもけっこうですが、要するに当分これを続けるという以上は、私は単に百数十、二百足らずの団体がとにかく五十数億の収入を得て使って行くということは、もうそろそろ再検討を要するときに来ておるのじゃないかという気がするのですが、通産省の方針はどうなんですか。
○島村政府委員 ちょっと聞きとれないのですが、もう一ぺん……。
○小平(久)委員 政務次官も御存じでしょうが、施行看たる地方自治体に二十九年度は五十四億からの収入があるわけです。三十年度においても約五十八億からあるだろうという御説明があったわけであります。ところがこれらの収入はわずかに二百足らずの県並びに市町村の収入となっておる。今日の段階に来てはこの施行者というものをもっとできるだけ広げて、いずれも地方自治体は窮乏を告げておるのであるから、特定のわずかの自治体だけがこういった特殊な収入を得ておるということは、もうそろそろ清算というか、再検討を要するのではないか、こういう意味なんです。大体自治庁の方でも同じような考えの御答弁があったわけでありますが、これをどうするかということについては通産省にも当然これは協議があると思いますから、通産省としてはどういう考えを持っておるかということを聞いておるわけであります。
○島村政府委員 お答えいたします。今の施行者の問題につきましては、自治庁の方で所管いたしておりますので、そちらの意向に従ってこちらは御意向に沿っていくような方向に進めていくということに相なろうと思います。
○小平(久)委員 その相談のことはわかっているのですよ。相談があるという以上は、通産省でも、その主管ではないが、通産省としてはこんなふうに考えるくらいの意見を出すのではないか。だから通産省としてはどうですか、こう伺っているわけです。
○鈴木(義)政府委員 大体自治庁の方から答弁された気持と同じような気持でわれわれは考えていきたいと考えております。
○小平(久)委員 その点は大体そういう方向を厳守してもらいたいと思う。 大臣が来たから、大臣に一点だけ承わりたいと思う。実は大臣御承知の通り、競輪関係の施行者というものは、都道府県、それから市町村においては自治庁長官が人口とかあるいは財政状況等を勘案して許可を与えているわけです。ところが現在それが幾つあるかというと、これは大臣御承知でしょうが、都道府県が十八、それから指定市町村、施行者となる市町村が百七十一、合せまして百八十九だけが施行者になっているわけです。これらの地方公共団体が二十九年度において約五十三億の収入があった。それから三十年度においては、大臣のおっしゃられる通り約五十八億くらいの収入があるだろう、こういうお見込みですね。私の考えでは、このような現状というものは、地方財政の窮乏ということがほとんど普遍的になっている今日の状況においては果してどういうものか、実はそういう気がするのです。競輪というのはそういう特殊な好まないことをやって地方自治体の収入をはかったということそもそもが、当時戦災の復興とかいろいろな特殊な事情があったということが一つの動機であったことも承知しておりますが、二十三年以来ですから、すでに今日競輪が始まってから数年たち、時日も経過しておりますし、財政事情は御承知の通りである。従って私は施行者というものは今後広くやらせる、ねらいは施行者である。競輪場そのものをふやせという意味ではない。要するに五十数億の財源というものをなるべくあまねく地方団体に行き渡るような方途をこの際はもう考えていい段階ではないか。特定のわずか百数十の地方公共団体がこういった収入をとにかく得ているということは、もう時勢に合わなくなってきているのではないかという気がするのです。この点について自治庁の方の考えているところは大体同じような考えだと思いますが、通産省にも協議なさるということですから、大臣の直接の御所管でないかもしれませんが、この際御所見を承わっておきたい。
○石橋国務大臣 お話は現在許可されている競輪場をもっと広く利用させるという意味ですね。それは現在も他の市町村にある競輪場を利用して、競輪を開催するということは、どれだけ行われておるか知りませんが、相当にやっております。それでお話のように、新しい競輪場は許可しない方針でありますが、しかしながら現在ある競輪場を利用するということは今でもやっておりますし、なお今後希望があれば広く利用させるというつもりであります。
○小平(久)委員 大臣の答弁の通り、施設者以外の地方公共団体もやっていることは承知しているのです。それを含めてなおかつ百七十一の市町村きりやっていないのです。これで要するに五十数億の収入を得ているわけだが、それでは今日の段階ではまだ私は不適当だと思う。だから五十数億というこの年々の収入というものを、他の市町村にも均霑するように、何らか方法を考えるべき段階じゃないか、こういうことでお伺いしたわけです。
○石橋国務大臣 御趣旨よくわかりました。いずれ自治庁の特にそういう希望があると思いますが、よく自治庁と相談いたしまして御趣旨に沿うようにいたします。
○小平(久)委員 そこで今度法的に審議会が作られるという、これはこの間からの説明によると、今後競輪自体を継続すべきかどうかということまで検討してもらうのだというお話でありましたが、今私のお尋ねしたような、かりに競輪による収入、大臣の説明によると、五年くらいとにかく好まないがやらざるを得ないだろうというお話のようだから、その間においての収入というものをどう取り扱っていくかというような点まで、やはり今度の審議会には審議させるのですか、どういう考えですか。
○石橋国務大臣 それはむろんそうでありまして、根本的問題も一つ、そのほか競輪の監督、今暫定的にやっております間のやり方とか、その入って参ります金の処分についての監督あるいは指導というものを審議会でやるつもりであります。
○首藤委員長代理 森山欽司君。
○森山委員 この前の委員会で重工業局長にお伺いしたのでありますが、一億円以下一千万円以上の企業に対する融資の問題についてお尋ねしました。それについて通産省の現在の御方針及び今後の御方針について、それから現在の融資状況をお伺いしたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 これは昭和二十九年度の調べでございます。実は二十八年度まではちょっとトレースできませんので、一応申し上げますが、機械工業の設備近代化の資金といたしまして、個々別に見ますと、一千万円未満のものが約九百六十二件、二十一億、それから一千万円以上一億円未満のものが七十二件、四億五千万円、一億円以上のものが二十二件、十一億円、こういうことでございます。
○森山委員 設備近代化のために、一千万円以上一億円以下の規模の企業に対して四億円の融資というのがあります。いわゆる中小企業あるいは一億円以下の規模の企業に対して、この数字が適当な数字であるとお考えですか。
○鈴木(義)政府委員 ただいまの数字は通産省としてあっせんしました数字でございまして、これ以外にも自分で調達した資金というのは別にあるわけでございます。別に自己において調達した資金はあるわけでございます。それから、先般も御質問がありました通り、一億円以下一千万円以上というものについては長興銀とか一般市中銀行に期待するという点がございまして、中小企業関係の恩典も受けず、また開銀が相当大規模になるものですから、開銀は必ずしも一億と限っておりませんが、結果的に見てそれに均霑しないという点もあるわけでございますが、その中間の地帯は、これは先ほど申し上げました通り、長興銀その他の一般市中銀行という点において従来考えていっているわけであります。しかしながら、御指摘のようなギャップは確かにあるわけでございまして、これはほかの事業につきましてはこの点はあれなんでございますが、機械関係につきましては、ちょうど競輪の資金がございますと、先ほど申し上げました四億円のうち二億円足らずのものは競輪の方の、近代化設備として、機械関係の部品その他輸出方面あるいは基礎的な関係の部品工業に、その近代化設備として貸付をいたしたわけであります。
○森山委員 一億円という線を、現在通産省はそういう基準を打ち立てておるのじゃございませんか。
○鈴木(義)政府委員 必ずしも一億ということに限定いたしておりません。大体大規模なものは開銀に持っていく、こういうことでございます。
○森山委員 私どもの聞いておるところでは、一応一億円という線を引いて、開銀融資の対象には一億円以上のものを対象としておる、それ以下のものについては、通産省のあっせんするのは法律による競輪資金をやっておるということであるのでありますが、開銀の方に話を聞きますと、開銀としては何も資本金を一億円と切ってはおらないというように聞いておる。ですから、通産省の御便宜でそれをおやりになっているのじゃないですか。
○鈴木(義)政府委員 この前も申し上げましたが、大体非常に大きな資金の要るものを開銀に持っていっているわけでございます。しかしながら、これは個々のケースによってきめるわけでございまして、一億円ということではっきりした線を引いているというわけではないと存ずるわけであります。
○森山委員 それではお伺いいたしますが、一億円以下の資本金の会社でも、開銀の融資をぜひやってもらいたいということを通産省に対してお願いにいった場合、そういう基準があるからということで頭から問題にしないということはございませんね。
○鈴木(義)政府委員 そのようなことはございません。過去においても一億円以下の会社が開銀の資金を受けている事例がございます。
○森山委員 過去というのはいつごろですか。
○鈴木(義)政府委員 二十八年、二十九年両方ございます。
○森山委員 具体的に何件ぐらいございましたか。
○鈴木(義)政府委員 二十八年二件、二十九年二件ございました。
○森山委員 それは機械関係でございますか。
○鈴木(義)政府委員 さようでございます。
○首藤委員長代理 加藤清二君。
○加藤(清)委員 ほんの二、三点をお尋ねしたいと思います。まず最初にきょう案件になっております商工組合中央金庫のことについてお尋ねしますが、これと同じような関係にございます農林中金と商工中金を比較いたしてみますると、農林中金は非常に市中銀行に対して強い力を持つ。ところが商工中金は大へんに弱い。その原因が一体どこにあるかと調べてみますと、商工中金の方はその資金源のほとんどが債券によっておるわけでございまして、債券による資金が大体七割程度を占めておる。ところが農林中金の方は米麦そ他のからの売り上げに関する預金が多いですね。ところで、商工中金の方の債券を消化するところがどこかと調べてみますと、これが大体市中銀行にたよっている率が非常に多い。従って市中銀行ないしは十一大銀行、つまり商工中金の資金源を作っているところの銀行の発言力が商工中金に大きくクローズアップされている。この結果はやがて、商工中金をたよりとしてここからわずかな金を借りようとしている中小企業に大きく影響されている現状でございますが、大臣としてはこの傾向はこれでよろしいとお考えでございましょうか。ないしは、いけなければ何かこれに打つ手を考えていらっしゃるでございましょうか、その点まずお尋ねしたいのでございます。
○石橋国務大臣 私は実はその商工中金の過去のいきさつをよく知らないのですが、私の聞いているところでは、中小企業金融公庫を作るときに、大体大蔵省の方針は、商工中金は組合金融機関として、つまり政府の機関でない、むしろ民間的な機関にしたいという考えをもって、当時はそういう話し合いもあったのだそうでございます。それですから、本年十億円の出資を増す場合にもなかなかこれは難色があるというようなわけでありましたが、たってわれわれとしては、商工中金の資金源をふやす必要があるというので十億円の出資を財政資金からやった、こういうわけでありますから、実は商工中金にどういう手を打つかという案は私今持ち合せておりません。農林の方が非常に強いというのは、今お話のように農林自身が預金を持っていますから、これは強いことは、どうしてもそういうことにならざるを得ないのですから、これはお話の通りでございます。これでよろしいとも思っていませんが、しからばどうしていいかといいますと、ただいま申し上げますように私は今特にこういう案という案は持っておりません。
○加藤(清)委員 そうすると、それに対する手は何ら研究されていない、大臣の手元には、この疲弊困憊しているところの商工中金に対して何ら手は考えていない、こういうことでございますか。
○石橋国務大臣 商工中金としてはその通りでありまして、ただ、ことし十億円の出資をとにかくふやしたということが、今手を打った精一ぱいのところだ、こういうことであります。
○加藤(清)委員 ところでその十億の内訳でございますが、これは見せ金でございまして、事実ことしそれがふえるというのではございませんでしょう。今まで貸してある分の肩がわりをするというだけのことであって、実際はふえるのじゃないのです。次に、私はなぜこういうことをお尋ねしなければならないかというと、あなたが実際中小企業者になって商工中金へ借りに行かれると初めてよくわかる。わずか二百万や三百万の金を借りるのに、これを商工中金へ借りに行きますと、これが市中銀行と協調融資になるのです。協調融資になった結果は、県の保証協会へ行って保証をとってこい、こういうことになる、たださえ日歩三銭、四銭という高金利である上に、なおそれにかてて加えて保証料もとられるということになりますと——現在すでに金利が高過ぎるというので、通産省としては他の方面の金利を下げようという案があるというやさきに、中小企業に対する金利だけはますます累加され、高くなっていくという状況下に置かされているわけなんです、従って金利を引き下げましょうというあたたかい心があるならば、そのあたたかい心を中小企業にも少しくらいたれたって罰は当らぬと思うわけです。その点は大臣、きっと心得ておられるだろうと思ってお尋ねしたわけですけれども、何ら打つ手が考えられていないということになると、やはり大臣は大企業の方への投融資はたくさんやって、中小企業へはわずか十億しかやらないということになる。それも見せ金で肩がわりしただけだ、金利の方は片方は引き下げようとするのだけれども、中小企業はますます累加されていくのを放任しておくということになると、せっかく中小企業が石橋さんというえらい人が来たというので期待しておったのですが、それが期待はずれになるのは、業界にとっても大臣のあなたにとってもまことに遺憾千万だと思うわけなんです。見せ金の十億くらいでしんぼうせずに、何とかこの際手を打っていただけないものか、こう思うわけなんです。これは与党とか野党とかいう問題ではございません。
○石橋国務大臣 お説はごもっともで、中小企業の金融はごく低利な、そして豊富な資金を回したいことはやまやまでございます。今の商工中金の十億はなるほど今までの中小企業金融公庫との貸借関係を振りかえたものでありますが、しかし政府出資になりましたから、それだけ資本金がふえたわけであります。従って債券発行の余裕ができた、従ってただ十億をストレートに貸すという意味ではないのであります。その十億が債券発行の種になるというところにみそがあるわけであります。これは御承知の通りであります。それだけでも相当資金はふえることになるわけであります。
○加藤(清)委員 見せ金がみそだとおっしゃるなら何をか言わんやでありますが、同僚委員がこの点関連質問をされるそうでございますから、私はそれではその次の中小企業金融公庫のことについてお尋ねしたいと存じます。 御承知の通り中小企業金融公庫は、発足以来政府の援助のもとに非常によく発展して参りまして、業界からは大へん喜ばれておるようでございますが、ただ残念なことに——公庫の母法の精神をよくわきまえた公庫の幹部の方々は非常によろしいのですが、惜しむらくは手足を持っていない関係上、国民金融公庫や商工中金のように手足のない関係上、窓口の業務を代理させているのでございますが、この代理店が母法の精神を忘れまして、自分の家の金と同じように考えて、これをこげつきに肩がわりしたり、あるいはこの公庫の金を自分の窓口の発展の材料に使っているという向きが非常にたくさんあります。実例はおそらく大臣の耳にも入っているでしょう。私のごときものの耳にも生きた実例がたくさん入っております。そこでこの問題について公庫の理事側ではこれは早急に改めますと言っておられますけれども、これは口契約に終ってしまって、から手形になると考えるのでございます。なぜかならば、直接貸しをするとか、代理店業務を公庫の手足でやらせるには予算がいることでございます。そこで今年度は一体大臣としてはこの窮状を救うためにどのような手だてを施されますか。
○石橋国務大臣 御指摘のような弊害がある程度あるということは、これは今の制度上おのずから想像ができるわけでありますが、できるだけ直接貸しをやりたいというので、本年度からでも少し店をふやしまして、直接貸しができるように、そのために必要な理事も一名ふやすということで、中小企業金融公庫の法案を提出して御審議を願っているわけであります。それから代理店等の問題については保証の方法によってもう少し今までよりも円滑に金融が行われるようにいたしたいと考えております。
○加藤(清)委員 本年度の予定についてはあらかじめ承わっておりますので、それは承知をいたしておりますが、これはほんの焼け石に水でございまして、十分なことはとうていできかねると思います。そこで商工中金の方も十分な手が施されない、中小企業金融公庫の方もまだ不完全なあり方であるということになりますると、御承知の通りデフレ経済によってこの金融引き締めのしわ寄せを受けているのは何といっても中小企業が一番多いのでございます。この点は大臣よく御存じの通りだと思いますが、このおかげですでに今年度に入りましてからも、なお倒産がぼつぼつ現われて参っております。去年の六月をピークとして糸へんの会社がずいぶんぶっ倒れたことはよく御承知のことと思いますが、その傾向が今現われつつあります。そのことは中小企業の安定法二十九条の発動もこれに加えてその勢いを一層助長させつつあるようでございますが、これに対して何らかの手を施す用意がありますか、既成の金融機関の力にまかせっきりでございますか。あるいは何か手を打とうとなさる気持がございましょうか。
○石橋国務大臣 いろいろ承知はしております。これは直接貸しとかなんとか申しましても、そう急にはスタッフの関係もありますし、中小企業金融公庫の活動をすべてわれわれの希望するように広げるということは、実際問題として困難でありますから、これは当面の問題にすぐに何かうまい手があることをわれわれも希望いたしますが、金融機関としては徐々に機能を作っていく以外にないと思っております。
○加藤(清)委員 この問題については九月から直接貸しを月々三億ずつおやりになったと承わっておりますけれども、不景気のどん底は三、六、九と参りまして、六月が一番どん底になりそうなのです。あなたの考え方が違えば別ですけれども、例年の例をとってみますと、そこへ中小企業のしわが一番よけい寄せられる、その次に現われるのが九月で、糸へんの不景気は三、六、九にきまっています。そこで六月のどん底をこのままに放任しておきますと、一層倒産に拍車をかけることになると存じますが、それについてせめて市中銀行に対して政府が何らかのサゼスチョンをするとか、あるいは例産に向かおうとしているものを、金融面のみならず別な面でもこれを助けようとする腹があるのか、その点を承わりたい。
○石橋国務大臣 中小企業者が倒産をするのを傍観をしているということはもちろんいたしません。これは大蔵省ともむろん相談をして、できるだけの処置をとりたいと考えております。今不渡り手形の買いもどし制度というものも始めておりますので、倒産までにいかないように、できるだけの手は打つつもりでおります。
○加藤(清)委員 次に中小企業の金融公庫のワクでございまするが、目下のところは十八業種あるようでございます。これについて先般公庫の理事中野君にも尋ねたことでございまするが、当初は十七業種でございましたが、これをふやせというので、去年一業種ふえたわけなんです。このふやしてもらいたいという希望は、今日の段階では非常に多いようでございますけれども、そのうちに、政府が命令をしたために、あるいは委員会が決議をされたために行わなければならない、そのために資金がいるという業界がございます。それはほかでもございませんが、興行界、映画館、これは御承知の通り風通、換気、衛生設備が悪い。ところがこれの利用者は今日非常に多い。しかもここは国民文化向上の上に大いに貢献をしている。だからこれを禁止することはできない。従って早く設備を改善しろ、こういうことを政府の方からいわれているわけでございますけれども、これが悲しいことに市中銀行の融資のワクからいきますると丙種になっておるわけでございます。また中小企業金融公庫のワクの中にも入っておりません。従って金なしで、資金なしで設備改善をしろ、こう言われたって、これはないそでは振れないということになります。政府が命じているゆえに資金が必要と相なってきているこの業種は、政府が資金面のめんどうを見るのが当然だと思いまするが、大臣としてはどのようにこれに対してお考えでいらっしゃいますか。
○石橋国務大臣 映画館については、御説のように現在丙種取扱いをしておりますから、非常に映画館の金融というものはむずかしいということは想像がつきます。これはいわゆる不急不要の事業という取扱いを受けております。しかしお話のようにもしこれが不急不要でなく、どうしてもやらなければならぬというものでありますれば、むろん考慮をしなければならぬことと存じておりますが、現在はお話の通りであります。
○加藤(清)委員 政府が命令をして設備改善をやれといっているのですよ。それでも不要不急でございますか。不要不急というのは過去の言葉であって、現在政府から命令をされて設備改善しろといわれておったら不要不急ではございません。目下緊急に必要な金なんです。これでも不要不急という言葉が当てはまりますか。そこで申し上げたいことは、不要不急といえば、むしろ私らから考えれば料理屋の方が不要不急の率は大きいと思う。ところがこの料理屋の方は国際観光の看板を一枚かけさせてもらいますると、ここへは設備改善の費用がちゃんと貸してもらえるようになっているのですよ。ところが一般大衆が文化向上のために行くところのここは不要不急で、料理屋の方が緊急だというたら、これはナンセンスですよ。一体それでもなお大臣は片方は不要不急だとお考えになりますか。
○石橋国務大臣 それは料理屋がどうして金融をしているかということは、私は不思議に思うくらいでありますが、どこかに穴があるのでしょう。映画館は、これは頭から不急不要と言うことは少し行き過ぎだろうと思うが、今までの取り扱いはそうなっております。それから設備改善はむろん不要不急ではないので、設備改善はどうしてもしてもらわなければならぬ。これは不急不要とは言えないと思います。ですからその点は一つ実際設備改善が大衆の健全なる娯楽のために必要であるという観点から、なお考究する余地がありますから、考究はいたそうと思います。
○加藤(清)委員 最後に、あなたは料理屋がどこかから借りておるだろうというお話ですが、どこかからでなくて、国際観光旅館の看板をかけますと、中小企業の金融公庫からちゃんと借りれることになっているのです。そこから借りてきて設備改善をやっているのです。どこかからじゃないのですよ。この中小企業の金融公庫からちゃんと借りられるようになっているのですよ。事実そういうところでは借りてきて直したところがありますよ。ただしこれは公庫の本部の人が悪いというわけじゃないのです。公庫の本部の人は窓口から言うてきたから、額面通り受け取って渡すのですから、公庫の本部の人が悪いのじゃない。ただ国際観光の看板をかけたものには貸せるということになっておるのです。そこへ貸すだけの親心があるならば、一般大衆の娯楽場であり、この娯楽場は衛生設備を完備しなければならないということを政府みずからがここへ指令しておる以上、当然ここへはまず優先的に貸したって罰は当らぬと思うわけなんです。どこかから借りてきているのじゃない。公庫から借りてきている。だからそのワクに入れる意思はありますか、ありませんか。
○石橋国務大臣 観光ホテルになれば金融のワクに入るということは存じておりまして、今までもある程度そういうところへ貸しておることは事実であります。これは建前としては、外人客を泊める設備があるところに限るというわけでありますけれども、悪用をされておるということはどうもあるかもしれません。それから映画館の問題は、なお一つよく検討いたします。
○加藤(清)委員 最後に一点だけ……。この間、大臣お約束いただきましたね。国有機械の払い下げをスクラップ・ダウンするという問題、あれは早急に大蔵大臣と話をするとおっしゃいましたね。あれはその後いかが進展いたしましたでしょうか。
○石橋国務大臣 政府の持っておる機械あるいは建物をスクラップにまわす、あの問題ですね。これは今事務的に大蔵省と案を立てて、あれはその払い下げ値段の問題で会計検査院の方との問題がありまして、何か特別の立法を要するようであります。それがないと、一応帳簿価格にある値段があるものを、それよりも安くてもかまわぬ、スクラップで売ってしまうということができないという話であります。そこで今その事務的な折衝をして案をまとめておるところであります。
○加藤(清)委員 その件について、立法措置をしなければスクラップ・ダウンができないということは、大臣もよく御承知の通りでございますが、これは大臣の選挙前の公約なんです。中小企業に対しては百五十倍の指数によって払い下げをするのだ、しかし大企業にはこれをスクラップ・ダウンするのだ、これのおかげで政府みずからにも時価相場との間に大きな矛盾が起きておると同時に、中小企業としては、今古い機械でやむなく、資金がないおかげで、これをしんぼうして使っておりまするが、そのために中小企業に下請に出した場合にはりっぱな製品ができないという非難を受けている矢先なんです。従って大臣のスクラップ・ダウンされるというあの意思はまことにけっこうなことなんです。あれは中小企業は非常に歓迎したところなんです。だから早急にこの中小企業を救い、今日スクラップの足りない鉄鋼業界を救うという意味においても、なおこれは早急にやってもらわなければならぬことですが、この立法措置というものはすでに大蔵省の方では決議になっておることなんでございまするから、しごく簡単にいくと思います。問題はこういうことを大蔵大臣が御存じないかもしれぬ。だからあなたは業界の専門、向うは金融の専門で、向うは何でも高く売ればいいという考え方を持っているようです。事実です。あの第二課長を呼んで聞いてごらんなさい。必ずそう言いますから……。それではせっかくの機械が年式が古くなってしまって、宝の持ち腐れになり、その宝の上にハトのふんが乗ったり、あるいは水浸しになって、スクラップにするにも困難な状況に今進行しつつあるのだ、一刻も早くあなたの公約を実行されることが、中小企業のみならず、国家の経済にとってもプラスになる、こう思うわけです。そこでいつごろまでにそれができますか、早急にやるというお話でございましたが、今会期中にできますか。もしできるとするならば、願わくばすでに話も出ておることと存じますが、スクラップ・ダウンをする場合に、法律が規制する場合に、中小企業の出す今の古い機械の目方と、払い下げになる機械の目方、目方目方でやられるということが一番合理的で、一番簡単にいくことだ、早期に解決できることだ、私はさように考えております。その目方と目方の率をどのようにするかは別問題で、これは事務当局にまかせたらいいのですが、目方目方でいくというのは公平かつ合理的で、一番簡単にいくことだ、こう思うわけです。その点についてどのように立法措置をされるか、その時期は一体いつごろであるか、これを承わりたい。
○石橋国務大臣 お説のように私も非常に急いで、今早く案を作るように督促をしておるところであります。むろんこの国会中にこれは間に合せるつもりで現在おります。 それから今の目方目方でやるというのは、これは技術的な問題でありますから、その通りにいたしますというようなお約束もここではできかねると思いますが、できるだけ御希望に沿うように、私どもとしてはできるだけ中小企業に安い機械を回したい、それからまたもう使えないものは早くスクラップにしたいという念願でありますから、それで督促いたしております。
○八木(昇)委員 ちょっと一つだけ……。先ほど加藤委員の御質問の中で、中小企業金融公庫の直接貸しの問題が出ておりましたが、これに関連して、中小企業金融公庫から金を借りようという場合には、まず企業診断がある。そして市中銀行の信用その他を検討する。それに相当な時期を要する。さらに二、三倍の担保物件が必要だ。いよいよようやく資格ができても金がない。こういうふうなことで実際に金が借りられる段取りになるまでは、非常な長期の期間を要する。それで借りるに至るまでのいろいろな条件については、一応させておくといたしましても、タイムリーに金を借りることができないということが、かねがね非常に言われておる。おそらくこの委員会でも、従来そういったことのいろいろな意見があったろうと思う。それで直ちに直接貸しというようなことにはなかなかできないにしても、こういう非常に時期的なズレを要するような問題について、今後どういうふうにやっていくかということについて、具体的にこういうふうにしたいということを承わりたいと思うのです。できるだけそういうことにならないように、スピード・アップができるように努めますというようなことではなくて、何らかの具体策をきめてもらいたい。そういう具体的な策についてお伺いいたしたい。これと関連してもう一つですが、私どもは実は労働金庫の理事長などをやっておる。その場合に担保物件も十分にある。それから大体企業としてはうまくいっておるのだけれども、年末であるとか、あるいはお盆の時期であるとかいうことで、ごく短期間金繰りがうまくいかない、こういうふうな関係で労働者に対する賃金の達欠配が出ておる。こういうふうな場合に、中小企業の経営者が、事もあろうに労働金庫に金を貸してくれというて申し込んでくる例は今非常に多いわけです。そこで労働者の積み立てた零細の金を中小企業経営者が借りる。もちろんこれは労働組合が借りるのですが、会社が担保物件その他について保証措置をする、あるいは社長個人の保証というような格好にして、金を貸してくれというようなことが非常に多いわけです。それというのも今の中小企業金融公庫にしても、あるいは商工中金にしても、とにかく急を要する場合の金の用立てというのにはとても間に合わぬ。こういうようなことで非常に多く問題が持ち込まれておるような現状でありますので、労働金庫あたりは労働者が盆を前にして金がもらえずにおるというようなことから、やむを得ず法の許される限界内において、何らかの措置をしておるようなところもおそらくあるのではなかろうかと思う。そういった事情もありますので、この際具体的な方策についてお伺いしたい、こう思います。
○石橋国務大臣 どうも金融機関が一般に調査等に手間をとって、お説のようにタイムリーに貸し出しができないということは、これは一般の弊害であります。しかしこれは手続をなるべく簡素にしてやるということ以外に道はないのでありまして、中小企業金融公庫の方ではさように指令をいたしておりまして、窓口から来たものは、本部においてはこれを即座に承認するというような制度をとっております。だが、まだ窓口等がなかなか思うように動かないといったような点が確かにあると思いますから、できるだけこれをそういうふうにさせるということ以外に別に——それでは調査しなくてもよろしいというわけにも参りませんから、従業員の心がけでやってもらうということ以外にはないと思うのであります。そういうふうにやりたいと思います。 それから中小企業の方は、ことに長期資金の貸し出しのものですから、どうしても調査によけい手間をとるということがありますが、商工中金の方は相当早く手続ができておるつもりでおります。
○八木(昇)委員 今のような抽象的な御答弁は、おそらく今まで前政府時代からいろいろあったのだろうと思う。それでもっと技術的に検討せられて、ぜひとも実際に早くなるように何とかしてもらいたい。もう一つ、労働金庫を代理店あたりに指定をしていただきたいという希望を持っているわけです。そういった御意思がおありかどうかをこの際お伺いいたします。
○石橋国務大臣 御希望は承わっておきます。なお一つ検討いたしまして、できればやりたいと思います。
○首藤委員長代理 内田君。
○内田委員 中小企業金融公庫法の改正、それと商工中金法の改正がかかっておりますが、大蔵委員会の方に国民金融公庫法の改正もかかっておりますけれども、これは事によると予算の修正を伴うような修正案を出さなければならないようなことになる案件かとも思いますので、私は一つほかの委員の方にもよく理解を得たい意味で、筋を立てて詳しく石橋通産大臣にお伺いいたしたいと思います。 今までの御説明によりますと、石橋通産大臣は中小企業金融というものは非常に苦しい状態にあるから、中小企業はわが国産業の非常に多くの分野にわたり、また国民の生活をささえておるのであるから、金融についても十全の措置を講ずるということを、しばしばいろいろの機会におっしゃっておるのでありますが、先般来御説明がありましたように、今回の政府の投融資計画におきましては、昨年の投融資実績に比べまして、中小企業金融公庫に対しましても、また国民金融公庫に対しましても、政府からの投資または資金運用部等からの融資もその絶対額は減っておるのであります。たとえばただいま議案に供されている中小企業金融公庫にいたしましても、昨年は一般会計からの出資が二十五億円あったのに対して、本年はこれが十五億ということで、この法律の改正案が提案されております。なお法律には載っておりませんが、この陰の投融資計画の方におきましても、資金運用部資金が昨年は中小企業金融公庫に対して百五億円供給されたけれども、本年はこれが十億円減って九十五億円しか出されていないというようなことでありまして、中小企業金融公庫だけをとりましても、一般会計におきまして十億円、資金運用部におきまして十億円、計二十億円減っておるのであります。国民金融公庫の方は、これは大蔵委員会の所管になっておりますが、これも同様でありまして、一般会計からの出資額は昨年同様二十億でありますけれども、資金運用部からの資金供給額は昨年の九十一億に対して本年は八十五億で六億域っておるのでありまして、都合二十六億が、中小企業金融公庫と国民金融公庫で減っておるのであります。それに対しまして石橋通産大臣は、商工組合中央金庫法の改正によって十億円の出資をふやしておる、それで十分しりをぬぐっておるということをしばしば御説明になっております。そこで問題が始まるのでありますけれども、私はまずこの商工中金に対する政府の十億円出資の問題を取り上げたいと思います。 この十億円は、さっき社会党の加藤君からも質問がありまして、それに対する答弁がはっきりしないのでありますが、一般に伝えられるところによると、この十億円は出資ではあるけれども見せ金である。政府から受け取るけれども、他の面において中小企業金融公庫からの借入金二十億円のうち十億円として返してしまう、従って右の手で十億円取って、左の手で十億円返すから、差引商工中金に残る金としてはない。ただこの資本金は金融債発行の基礎になりますから、たといそれが十億円でありましても、二十倍まで、すなわち二百億円まで金融債発行の余力を得ること、これは確かに言えます。これはいいことにも悪いことにも、いやしくも商工中金に金融債の発行を認めまして、そして資金運用部もその五割か六割を引き受けるという制度が確立いたしております以上は、今回商工中金の出資をふやさない限り、商工中金の出しておる資料によっても、金融債の発行が行き詰まるのでありまして、 これはどうしてもやらなければならないことで、特別の措置でも何でもない。そこで先般大臣から商工組合中央金庫法の改正の提案理由の説明がありましたが、それによりますと、今言う十億円は出資に出すが、別にその他の改正の一点があって、従来中小企業金融公庫から商工中金が借りている借入金二十億円の償還期限が本年の八月に来るけれども、これを延ばすために今回所要の改正法を提案したということをお述べになっておるのであります。それは中小企業金融公庫法の三十四条の第四項の改正ということでお述べになっておるのでありまして、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明によると、「第五は、公庫の商工組合中央金庫に対する貸付金の返済期限を延長することであります。商工組合中央金庫に対する法定貸付金の返済期限は本年八月に到来するのでありますが、同金庫の資金繰り状況にかんがみ、これを政令で定める時期まで延長しようとするものであります。」こういうことをお述べになっておるのでありますから、加藤君のさっきの質問や、また商工組合中央金庫の心配とか、あるいはわれわれが伝え聞いておるのと反しまして、政府の御意思は、十億円は出資するけれども、その半面中小企業金融公庫は今までの貸付金の二十億円を本年度において取り上げないで、これは延ばしてやるんだ、従ってあの十億円は見せ金ではないという御趣旨のように承わるのでありますが、その点をまずはっきりお伺いしたい。
○石橋国務大臣 その商工中金の問題は、実際言うとまことにややこしい話がありまして、これは出資をする、しないでなかなかもめたのであります。けれども商工中金としては、今お話のように見せ金というのが正しいかどうか知りませんが、中小企業金融公庫から借りているものの振りかえでもよろしいから、どうしても政府出資をしてもらいたい、そうすればお話のように債券発行限度がそれだけふえるからということで、そういう希望がたってありまして、そこでわれわれとしてもこれに努力して十億円出資をする、しかしながら金繰りの関係上、今申すように、すぐに中小企業金融公庫から借りているものを返せというてもできませんから、そこで延期をする、かようなつもりであります。
○内田委員 最後のお言葉の返せといわれても金繰りの都合で返せないから、延期をする、これはほんとうに延期なさるのですか。政府からいただきました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案要綱には、しまいの方に、「商工組合中央金庫に対する中小企業金融公庫の貸付金の返済期限を延長すること。」と書いてありますが、これは大臣がはっきりされなかったら、中小企業庁長官でけっこうですが、一体ここに書いたことはうそであるか、われわれをだまされるのか、だますのであれば、この説明をもう一ぺんやり直して、十億円出資をするけれども、これは別の手において十億円は取り上げるんだ——法律第三十三条の修正は何か期限付になっておりますが、この期限を現在はたしかこう書いてある。第三十四条の第四項に、商工組合中央金庫は、公庫の成立の日から二年をこえない期間内において、政令で定める日までに、中小企業金融公庫からの借入金を返さなければならぬと書いてある。この二年をこえない期間というのは、ことしの八月でくるはずです。これをあなた方の今度の改正案は抹殺するのでありますから、もし十月に返させるというなら、十月と書いていただきたい。これを削ってしまって、しかも説明においても、これは金繰りの関係上延期すると言われる以上は、ほんとうに延期していただきたい。そこをはっきりさせて、ごまかしをなさらぬようにせられたい。
○石橋国務大臣 ごまかしじゃございません。それから商工中金が債券発行等によって資金ができますれば、中小企業金融公庫だってやはり金はほしいのですから、返せるものは返してもらいたいと思いますから、それは十分これから研究して、政令でその時期を定めて、政令で定める時期まで延期をしたい、こういうようなわけであります。
○内田委員 その問題は一応留保しますが、今大臣のお言葉に、債券を発行して金ができるからということでありますから、私は時間を節約するために、今の十億円の問題は、問題の所在だけをはっきりさせまして、次の債券問題に移ります。 私が先般大臣に御質問申しましたが、債券は商工中金の発行する債券、いわゆる金融債であります。しかも商工中金の発行する債券は、資金運用部の援助がなくては、自分だけのぬきみでは一般市場の引き受けができないのでありまして、資金運用部からの引き受けを同時に求めて、抱き合せで発行を今までいたしておったのであります。ところでその政府の投融資計画における金融債の引き受け計画は、先般お尋ねしたように、昨年度は百九十億円でありましたのが、本年度は百七十億円に減っておるのであります。だれが金融債を発行するかということになりますと、私の存じておるところでは、長期信用銀行、それから興業銀行、農林中金、商工中金と、この四者であったと思います。従って今の大臣のお言葉からすれば、金融債の政府引き受けの総額は百九十億から百七十億に減っておっても、商工中金は金繰りが苦しいから、その割合には資金運用部の引き受け分を減らさないというか、少くとも昨年度と同額にする、あるいは昨年度以上にする、こういう意味を持つのでしょうか、それとも総額が減ったのであるから、商工中金債の運用部引き受け分も減る、従ってこれと抱き合せになる市中の方の金融債引き受けも減ってくる、こういうことになるのでありましょうか、これは大臣からでも長官からでもけっこうですから、御答弁願いたい。
○記内政府委員 預金部引き受けの金融債は、御指摘の通り、昨年度は百九十億円でありましたが、今年度は二十億減りまして百七十億になっております。われわれといたしましては、減額にかかわらず昨年度通り二十四億はぜひ確保したいと考えております。現にこの四月、五月におきましても二億ずつを引き受けてもらっております。この配分の率はまだ最終的にきまっておりませんけれども、われわれとしては、全体の減額にかかわらず、少くとも商工中金については昨年度通り二十四億を引き受けてもらいたいというふうに努力するつもりでおります。
○内田委員 それは総額が減ったのでありますから、昨年度通り二十四億確保するということは私はなかなか困難だと思いますが、しかしさっきも話が出ました農林中金等と違いまして、農林中金はなぜあんなに楽であるかということは、これは石橋大臣も御承知のように、あれは今までの供米代金の前渡しを受けておりますために、無利息の金を非常に豊富に持っております。ところが商工中金の方はそういう性質の金がないために、さっき加藤君その他の委員から言われたように、非常に苦しい立場に置かれている、これがしかも理念的には中小企業を組織化するということを、石橋大臣の演説でも、また配られた提案理由の趣旨説明にもあるのですが、その組織化の中核的金融機関という立場を背負っていながら、そういうよけいな金、農林中金のようなよけいな金をもらう制度がないわけでありますから、商工債券の資金運用部の、政府引き受けの割当をとられる際には今記内長官からおっしゃられたように、委曲を尽してぜひがんばっていただきたい。これもこれからぜひお願いいたさなければならぬことでありますから、ここで議論をしても始まりませんが、この決意をぜひ貫いていただきたいのであります。 それからその次に伺いたいことは、今度十億出資されるということは、それが石橋さんの言われるように見せ金ではないのだ、一方の中小企業金融公庫の二十億のうち十億の返済期限を延長されるとすればなおけっこうでありますが、私が政府当局にもう少しの親切があっていいのではないかと思いますことは、従来商工組合中央金庫法の四十九条にはこういう規定があるのであります。「商工組合中央金庫ハ設立ノ時ヨリ昭和二十七年三月ヲ以テ終ル事業年度迄政府ニ対シ剰余金ノ配当ヲ為スコトヲ要セズ」という規定があるのであります。昭和二十七年三月までは政府からの出資に対しては利益配当が要らない、こういう規定があるのでありまして、昭和二十七年以後に政府が出資された例はおそらくない。従って昭和二十八年以後の出資は初めてであります。従ってさっき返済期限を延期されたと同じように、この保護規定は、今度の十億出資に伴って、私は延期してやっていいものではなかろうか、ことに一方の中小企業金融公庫からの借入金十億円を支払います場合には、この十億円は利息がついておりますから、その利息は損金として中金の経費勘定で落ちるのであります。中金といえども法人税は払っておる、その十億円、利息を損金に見なされるものが落ちまして、今度は新しく配当を伴う十億円ということになりますと、配当をとられるのみならず、配当のもとには法人税がかかるということでありまして、差引収支勘定を非常に苦しめる計算が出てくるのでありまして 〔首藤委員長代理退席、委員長着席〕 これは私は政府が忘れられたのかあるいは忘れられたのでなければこのぐらいのことは、今度の十億出資に伴ってこの四十九条の恩典は見てやるべきだ。あるいは政府としてはやりにくいから委員会修正等でやってもらいたいという御意思ならやろうと思いますが、その辺いかがでしょうか。
○石橋国務大臣 事務的にはどうか知りませんが、私は配当をとるなどということはむろん考えておらないのですから、とらないつもりであります。
○内田委員 大へんいいお考えですが、今度のたとえば中小企業金融公庫法などの改正を見ますと、委員のだれが読んでもわからぬようなこまかい規定ばかりたくさんあるが、しかしこの四十九条の配当をとること、昭和二十七年三月までは政府がとらない配当を十年延ばすというような規定は、あんなこまかい、とてもわからない規定を置くぐらいなら、きわめて簡単でありまして、大臣が考えてもすぐわかる。大臣はさような親切なお考えで配当などを問題にしない、ところが金庫の方から見ると大問題であるのでありますが、これは所管の長官はどうお考えになりますか、この条文は忘れられたのか、どういうお考えなのか。
○記内政府委員 われわれもぜひそのようにしたいと考えておつたのでありますが、出資決定の際のいきさつその他から見まして、なかなかそこまで話が参りませんので、配当は民間出資と同様の扱いに相なることかと思います。
○内田委員 ところが農林中金のことはここの主管ではありませんから、農林中金だけがいいことをしておるということは一々引例いたしませんが、たまたま同じ法案が載っかっておる中小企業金融公庫におきましてはこういう規定があります。これは御承知だと思いますが、二十五条の第三項というものがありまして、中小企業金融公庫は政府から借入金ができるのでありまして、この借入金のことをこう規定してあります。中小企業金融公庫が政府から借り入れる借入金については、政府の方から見れば貸付金についての利息を免除し、または通常の条件より公庫に有利な条件を付することができるという規定があるのであります。これはお忘れになっておらないと思いますが、つまり中小企業というものを助ける、しかもこの中小企業のもとになる金融機関といものは、いろいろな面において弱いものであるからという趣旨で、一昨々年中小企業金融公庫法を作って、この公庫が出発をする際にもさような政府からの借入金にも利息を免除するとか通常の条件より有利な取扱いをするとかいう条文が生きておる。ところがさっきの商工組合中央金庫法の四十九条というものの二十七年三月というものは過ぎておりますから、この条文は自然消滅してなくなってしまっておるわけです。従って今度の改正でももしこれをやめるつもりなら四十九条を削るとかいうことを表に出してわれわれの注意を喚起しておいていただいた方がいいくらいのことでありますが、中小企業金融公庫の方はそういう規定を置きながら、商工組合中央金庫の方にはさようなこれを支援する規定を削ってしまうということはどうもわからないように思いますが、これを問い詰めてみてもなかなかむずかしいから大蔵省に負けたのだというようなことではどうも御答弁にはならない。特に一萬田大蔵大臣よりはるかに強い石橋通商産業大臣が中小企業の方には乗っかっておるのでありますから、そのくらいのことは押し切っておやりになっていただかないと、われわれもこの法案審議の職責が果せないように思うわけでありまして、これはほかの委員の方も関連質問があったらどんどん述べていただきたい、かように思うのであります。 それからその次に移ります。問題の要点だけを取り上げます。これもたびたび申し上げておることでありますが、国庫余裕金の指定預金の制度をおやめになってしまっておる。ところが全然やめたのではなしに新しく預けることをやめたので、これを全部取り上げることをやめておらぬ。従って国庫余裕金が現在でも商工中金その他に預託されておる。なぜこれをやめたかといいますと、私どもが聞いておるところによると、会計検査院から国庫余裕金の預託制度が財政法違反の疑いがあると言われたことを表向きの理由にしてやめられたということでありますが、もしこの会計検査院の言うことが正しいとすれば、新しく預託することはもちろんいけないでしょうが、現に預託しておる、しかも預託の期限をたびたび延ばして六、七十億くらいの金が商工中金その他に残っておるのであります。それはどうしたわけか。現に残しておるならば今年度もぜひ新しくこれをやっていただきたい、と申しますのは最初に申し上げましたように、中企小業金融公庫にしろ、国民金融公庫にしろ、すべて中小企業に対する政府の出資あるいは融資等が民主党内閣の公約にもかかわらず、昨年よりもはるかに後退いたしておるのでありますから、これくらいはどうしておやりにならないか、なぜやめておるかということも、これは前に関連して留保した質問でありますからもう一ぺん伺いたいのであります。ことに予算委員会その他本会議においても明らかにされましたように、本年度の一兆予算は昨年度の一兆予算とは、全体の格好は同じでありましても、その中身がうんと違っておる。昨年度は前年度からの繰越金あるいは貿易関係の支払い超過のために千九百億円くらいの政府資金の散超がある。同じ一兆予算でありましても本年の一兆予算にはわずかに七百億かそこらの散超しか見積られていないのでありまして、そのために本年度の一兆予算は昨年度の一兆予算と違ってデフレ予算であるということが世間で言われております。デフレがいいか悪いかは別です。従って私は予算に関係のない政府の指定預金をやめられるということは、先ほどから申します趣旨においてもぜひ一つ考えていただきたいと思う。何らかの障害があるならば、お互いに法律でするなり何なりして障害を破っていきたいと思うのでありますが、この点を一つ……。
○石橋国務大臣 指定預金のことはごもっともでありまして、実はこの前私が大蔵省に交渉する題目の一項に書いておることでありますから、大蔵大臣に強く申しまして、指定預金の問題は解決したいと思います。 それから今の商工中金出資の配当ということは、私としては全然考えておらなかったのであります。何か立法措置を要するならば、それをしていただきたいと思います。
○内田委員 ことに商工中金におきましては、さっきも同僚の委員から話が出ましたが、非常に金利が高いのです。私が聞いておるところによりましても、一年以上の金利が一割三分、一年以内のものであっても日歩三銭ということであって、市中金融機関よりも高いのであります。それで中の資金コストとか経費率というものを調べてみますと、何らかの措置を施さなければ、それこそ定期預金ではありませんけれどもなかなか金利が引き下げられないという事態でありますので、先ほどから取り上げました問題は、石橋さんが主張される金利引き下げの一環としてもこれをやらなければなかなかできないことではないかと思います。ことにこれに関連しまして資金運用部資金法というものがありまして、いわゆる預金部資金の貸付先を法律できめておるのであります。ところが、いろいろの機関があがっておるのでありますが、商工中金は中金債を預金部資金によって引き受けてもらうことはできますけれども、貸付を受けることができないようになっておるのでありまして、金融債もけっこうでありますが、御承知のように金融債というものは非常にコストがかかる。たしか表面金利でも八分五厘です。そのほか発行費用とか登録費用とかいろいろありまして、一割あるいはそれをこすような状況であります。同じ預金部の金を使うなら、預金部のいろいろな金に対する金利率が一覧で載っておると思いますが、それらと関連いたしまして、預金部の金を直接借りるという道を開くべきではないか。どうも御研究が足りないので、商工中金というものがだんだんせばまってしまって、一方中小企業金融公庫ができたからあれはあれでいいのだ、あるいは中小企業等協同組合、ああいう団体の中枢金融機関であるから、政府が手を出さぬ方がいい、金利が高くてもいいというようなお考えに後退されているのではなかろうかと思うのでありますが、さればといって今度の商工組合中金法改正の提案趣旨の説明によりますと、政府はこれによって大いに中小企業の共同化を鼓舞鞭撻するというようなことが書いてあるのですが、どうもその辺がわかりません。私は、中小企業等協同組合の中枢金融機関として育てることはまことにけっこうでありますが、それなら今言うようないろいろの手を尽さなければならない問題があるのじゃないかと思います。 それからもう一つ、これも一緒に大臣にお伺いすると申しますか、私から知恵を吹き込むようなかっこうになりますが、中小企業につきましては日本銀行の別ワク資金というものがあるのでございます。御承知のように日本銀行には現在普通の公定金利で借りられる金というものはほんの少ししかありません。第一次高率とか第二次高率とかいうものがみんなかかりまして、日歩二銭六厘とかそれ以上の金利をとられておるわけであります。ところが別ワク資金というものが商工中金を含む四つばかりの金融機関にずっと認められておる。その中にはまことに変な金融機関があります。変な金融機関というと語弊がありますが、全く沿革的に入れられておる金融機関があります。たとえば北海道拓殖銀行とか、あるいは長期信用銀行の性格を持って参りました興業銀行も入っておる、勧業銀行も入っておる、商工中金も入っておるのでありまして、商工中金はこれで何十億かの金を日銀から低利で引き出しておるのでありまして、別ワク資金をやめるという考え方が日本銀行当局において非常に濃厚になっておることを私は警告するのであります。これをやめるということは、商工中金にとりましては一大事の問題でありまして、これは大臣が気がつかなければ中小企業業庁長官あたりはぜひ気をつけていただいて、大臣にしっかり知恵を授けて、この方の道を閉ざされないようにすべきであると考えますが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか、きわめて大事な点でありますから、大臣なり長官なりからお伺いしたい。
○石橋国務大臣 日銀の別ワク資金の問題は、中小企業者からも陳情がありまして承知しておりますから、これは存続するようにいたしたいと思います。
○内田委員 私は大体問題を拾い上げましたが、もう一つは金繰りのことです。さっき大臣もお触れになりましたけれども、商工中金から十億中小企業金融公庫に返さなければ中小企業金融公庫も苦しいのだというようなことを言われるが、これは大体政府が作中よりも中小企業金融に重点を置くと言いながら、これらに対する投融資を減らしてしまったことに根本原因があるわけですが、それは何べんも繰り返しません。中小企業金融公庫の方の金繰りにおいて、先般大臣の御説明でありましたか、官房長の御説明かで、政府からの投融資は減っているけれども、全体として動かす金は、回収金があったりしてそれはふえておるのだという御説明でありまして、数字もあるのであります。ところが中小企業金融公庫におきましては、これは今度の改正の中にもむずかしい文句で改正点が載っておりますけれども、開発銀行に返さなければならない金があるようであります。この開発銀行に返さなければならない金と同じ項目の金を今度は政府の貸付金か何かに振りかえるような改正があったと思いますが、どうせ貸付金に振りかえるのならば、中小企業金融公庫から開発銀行に返す金が十八億かあるはずでありますが、それらも一まとめに貸付金か何かにして、開発銀行に返さないで中小企業金融公庫の資金源にするような措置を講ぜられないものかどうか。これは記内さんからでもお答え願いたい。
○記内政府委員 今度の改正案にございます開発銀行からの借入金になっておりますものに二種類ございます。そのうちの一つは、今回公庫法の改正によりましてこれを政府からの直接出資の形に振りかえることになっております。これが約六十億ばかりございます。そのほかにちょうど公庫が設立される際におきまして、国会の関係におきまして、公庫法の成立がおくれましたくので設立がおくれました。その間に開銀が自己資金でもって中小企業に融資したものが約四十億ばかりあったわけであります。これを公庫が設立されました際に、公庫の出資金でもって返済する、ちょうど開銀がその間立てかえて貸しておりましたものを、債権を引き継ぎますと同時に、それを公庫が開銀からの借入金として引き継ぐということになっておりましたが、そのうちの半分は返済いたしまして、残りは約十九億ばかりのものがまだ借入金の形で残っております。しかし債権を引き受けましたにつきましては、いわゆる貸し倒れ準備金その他いろいろこれに伴う開銀自身で持つ、中小企業向けの財源に関連して持っておるいろいろな準備金等もございますので、それをこの際受け取りまして、差引六億ばかりが実際上開銀に返す金になろうかと思います。それは今度ことしの回収金の中からこれを返済して参る。結局におきまして、第一種の借入金は今回約六十億ばかりのものを出資にいたします。それから公庫設立当時にありましたいきさつ上できました借入金のうちの残額十九億につきましては、六億だけを返せばいいということで、相殺勘定に相なっておる次第であります。
○内田委員 大体そういう数字だと思いますが、とにかく中小企業金融公庫は、借入金六億円を開発銀行に返さなければならぬ。今回の改正を見ますと、二種類の開発銀行の借入金がある。その一種類についてはこれは政府からの借入金に直すということで、せっかくここに三十三条の第七項というものを改正の事項に入れまして、われわれの審議のために提出されておるのであります。こういうことをするならば、ついでをもってもう一種類の方も六億円をやらないで済むように、開発銀行の借入金を政府の産業投資特別会計からの借入金に直して、産業投資特別会計あるいはその他から開発銀行に対する貸付金として、そのまま落してやるという帳簿上の操作で、中小企業金融公庫の六億円の金を返さないで済むようにしてもらいたい。六億円といえば中小企業金融公庫にとりましては大枚でありまして、おそらく五百万円か六百万円しか貸さない、何十人かに貸される金でありますから、そこらも勇敢にやるべきである。なぜこういうことをしないかというと、開発銀行に対する政府の投融資も少いから、そうはさせないということで、順々に詰まっていって、結局最初商工中央金庫が切腹し、中小企業金融公庫が切腹し、それから開発銀行が切腹し、最後には政府が切腹しければならないということになるのでありますから、どこかにしわ寄せが来る。国民金融公庫の話は抜かしましたけれども、国民金融公庫に同じような話があるのでありまして、私は非常にまずいことであると思う。これは現に中小企業のために特別の力を払っているということを幾ら言っても、少し数字に詳しい者はごまかせない。また数字に詳しくなくても、八月、九月の中小企業金融危機のときになりますと、中小企業が金繰りが苦しいということになって、結局その恨みは政府に返って来るのでありますから、私は小手先のことをやらないで、よくお考え願いたい、かようなことを警告いたしまして、一応質問を終ります。
○田中委員長 小平君。
○小平(久)委員 昨日の夕刊紙、たしか東京新聞だと思いますが、それによりますと、大蔵省が中小企業庁その他と協議の上で、三十年度の中小企業資金需給見込みというのを国会に出した、こう報じられておるのでありますが、これは当委員会には来ておりませんので、どこかの委員会へ来たと思いますが、そういう事実はございませんか。
○記内政府委員 参議院の予算委員会におきまして、大蔵省の方に要求がございました。そういうふうな資料をきのう提出したようでございます。
○小平(久)委員 それではこの同種のものを当委員会へも参考のために配付を願いたい、これをまずお願いしておきます。 それからそれによりますと、需要の総額が四千二百六十七億、その内訳が、耐久施設の増加千八百六十二億、在庫の増加千七百三億、預金、現金の増加七百二億、こういうことになっておる。それからこれに対する供給につきましては、自己資本の増加八百九十一億、減価償却千百六十五億、金融機関借り入れ必要額二千二百十一億、締めて四千二百六十七億、こういうふうにつじつまが合っておるようですが、これに間違いありませんか、まずこれを承っておきます。
○記内政府委員 大体そういうふうな数字になっております。
○小平(久)委員 そうしますと、三十年度において中小企業が必要とする資金のうち、金融機関から借り入れを要するものが二千二百十一億、こういうことになるのでありますが、われわれの手元にある資料からいたしますと、二十九年三月末現在と三十年二月末現在、この全金融機関の中小企業向けの貸出額は、これは一月足りないのでありますが、これを比べますと、二十九年三月末には一兆四千七百二億、三十年二月末には一兆六千二百九十億、差し引きますと千五百八十八億、つまりこれは十一カ月ですから、一月足りませんので、三月末当時の比較ではありませんが、その間に約千五百億ふえておる、こういうことが言えると思う。そうしますと、先ほど説明のありました、三十年度においては二千二百十一億必要だということから、大ざっぱにいって、約七百億だけ二十九年度以上に三十年度は多く資金源がなければならぬわけです。それについて一体当局はどういう見通しを持っておられるか、その点を伺っておきます。
○記内政府委員 経済審議庁におきまする本年度の資金需要の増加の貸し出し増の予定は、約四千九百億増加というふうに見込んでおります。去年の貸し出し増の中で約四〇%近いものが中小企業向けとなっておりますので、それをかけ合せますと、大体二千億近い金が中小企業に増加に相なります。それで先ほど御指摘になりましたように、本年度の不足資金二千二百億の中で、約二千億近くのものが市中から借り入れができる。結局残額約二百億が市中銀行以外のもの、たとえば政府資金あたりから導入しなければ足りなくなるというような計算が一応出ておるわけでございます。
○小平(久)委員 どうもその説明では納得できません。そうすると、二十九年三月末と三十年二月末と、この両者を比較しますと、一般銀行における中小企業向けの融資の増加というものは、わずかに七億程度しかない。これは長官も御承知だと思います。そういう状態であって、今度は中小企業専門の金融機関と称すべき商工中金あるいは中小公庫、国民金融公庫、これらについて本年どの程度増加するかということを考えるときに、このうち、中小公庫が御承知の通り、本年三十年度の貸出資金というもは二百四十五億、国民金融公庫の方が四百六十二億、こういった状態でありますから、これに商工中金が数十億加わるでしょう。それでは私は総額である二千二百億なんというものは貸しようがないと思うのです。この点どう思いますか。
○記内政府委員 詳細はいずれ文書でお配りいたしまして詳しく御説明申し上げるつもりでございますが、一応の計算といたしましては、資金下足が今申し上げたように二千二百億であるという計算に相なっております。これが資金調達でどういうふうになるかといいますと、去年二十九年度の四月から二月末日までの貸出増三千二百八十六億、これは全体であります。そのうち中小企業向けが一千百七十九億、三六%ばかりになっております。ことしの貸出増の予定四千九百億にこれをかけ合せてみますと、大体二千億近い数字が出てくる、従いましてここ二百億ばかりの穴がある、こういう計算に相なります。
○小平(久)委員 それは全体として話しておられるが、そのうちの中小企業向けだけをとれば、当局が配った資料がありますから、これをごらんになっても、先ほど申す通り、二十九年三月現在と三十年の二月末現在では中小企業向けというのは幾らもふえていない。わずか七億かそこらしかふえていない。それなのに、全体のパーセンテージをとって約二百億程度ふえるというようなことで、中小企業関係の金融というものを、そういう全産業に対する金融と同じように考えておられることは、私は根本的に違うと思う。これは用意がないようですが、この二千二百億からの足らぬ分を、一体金融機関別にどういう計画を持っておるのか、これをはっきりしてもらいたい。これは大臣にもよく頭に置いていただいて、こういう計画を出される以上は、それを金融機関別に、どこから大体どの程度資金が出るかということを、当然はっきりすべきだと思うのでありますが、一向それがわからぬので、われわれも非常に困る、また大臣の施策上も困ると思いますかつ、一つ大臣におかれても頭に置いて、ぜひしっかりしたものをこの委員会に出していただきたいと思います。
○田中委員長 お諮りいたします。木材利用の合理化に関する小委員長中崎敏君より、次回の小委員会に木材利用の合理化対策等について参考人より意見を聴取したい旨の申し出があります。小委員長の申し出の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めさよう決します。 なお参考人につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。 次に委員田中武夫君より計量法等の一部を改正する法律案について、参考人を招致し、その意見を求めたいとの申し出がありますが、その通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 なおその氏名、日時等については委員長に一任するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めそのように決定し、委員長においてしかるべく取り計らいます。 来たる二十四日火曜日午前十時より会議を開くこととなし、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時五十六分散会