商工委員会 第11号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/13
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。昨十二日、理事内田常雄君が委員を辞任せられ、再び本委員に選任せられましたので、同君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。 なお小委員及び小委員長の補欠選任の件についてお諮りいたします。委員の辞任によりまして小委員及び小委員長に欠員を生じました場合、そのつど委員会においてその補欠選任を行うことは繁雑であり、また小委員会の開会に支障を生ずる場合もありますので、今後その補欠選任は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○田中委員長 昨日に引き続き日本経済の総合的基本政策並びに私的独占の禁止及び公正取引に関し調査を進めます。 なお高碕経審長官が出席せられるまで、できるだけ公正取引委員長に対する御質問を集中的にお願いを申し上げたいと思います。質疑の通告があります。これを許します。中崎敏君。
○中崎委員 委員長の言に従いまして、まず公取に関する問題から先に始めます。 まず独禁法に関する問題についてでありますが、最近ややもしますと独禁法を全面的に無力にして、そうしていわゆる不公正な自由取引的な考え方の上に立って経済界に対処せんとするような動きあるいは意見等を耳にするのでありますが、私たちといたしましてはどこまでも独禁法の制定されました当時の趣旨と精神に従って、これを強く推進していくべきものだと思っておるのであります。そこでお聞きしたいのでありますが、最近、具体的に言いますと、ことに石炭、鉄鋼等に対しまして、あるいはまた輸出入取引法等についても、独禁法の規定と異なる考え方の上に立ってこれを進あていこうとするような動きが具体的に出ておるようであります。これらの点についての公取委員長の意見を聞きたいと思うのであります。
○横田政府委員 ただいま御質疑の、独禁法制緩和の傾向があるのではないかという点についてお答えいたします。ただいま仰せになりましたように、石炭、鉄鋼あるいは輸出入取引関係につきまして、独禁法の適用除外的な取扱いを認めてほしいという要望があることは事実でございます。しかしまず最初にこういう問題に対します私どもの基本的な考え方を一言申させていただきますならば、御承知のように昭和二十八年に独占禁止法の相当のいわば大幅な緩和をいたしまして、われわれといたしましてはあの改正をもちまして、いわゆるアメリカから輸入いたしました独占禁止政策がほぼ日本的なもの、日本の実情に即したものになったというふうに考えております。もちろんこれは独占禁止法自体だけではなく、それには幾多のそれぞれの向きに向いましての若干の適用除外法がございますので、これと相まちまして、いわば日本の独禁法というようなものになったように考えております。 ところでただいまお話の石炭につきましては、御承知のように石炭は現在非常な苦況にございます。これは単に現在の問題でなく、いわゆる産業構造上いろいろな欠陥があるように認められますので、御承知のように今回石炭につきましては合理化法というようなものが考えられておるようでございます。この面における公正取引委員会の関係におきましては、この石炭合理化法の中に通産大臣の一つの統制行為と申しますか、指示によりまして、石炭のいわゆる操短行為を行うということが認められるようになっております。しかしこれはあくまでも具体的にその内容を一つの国家の統制という形において打ち出します関係からいたしまして、いわばこれはその面におきまして自由な競争というものの範囲が制約される、こういうことにはなるのでございますが、この統制行為に対しましては、公正取引委員会は協議にあずかりまして、その協議の結果そういう職権を発動するということになっております。これは石炭鉱業の特殊な事情からいたしまして、その程度の統制ということはわれわれといたしましてもやむを得ないものと認めまして、今度の合理化法につきましても、その観点から公取としては一応同意をいたした次第でございます。それから鉄鋼につきましては、これは通産当局におきましてもいろいろな案を練っておられるようでございまして、公正取引委員会の方にもいろいろある程度の御相談はあるわけでございますが、しかしこの点はまだ具体的な案としまして固まったものがないようでございます。これに対しましては、私どもとしましてまだはっきりしたことを申し上げる段階になっておりません。しかし鉄につきましてもいろいろ特殊な事情はございますが、この鉄につきましての独禁法の適用をいたずらに緩和するということに対しましては、もちろんわれわれとしましては非常に警戒的な態度で臨むつもりでおります。 最後に輸出入取引法につきましては、いずれこの国会に提案する予定をもちまして、通産当局において現在の輸出入取引法の改正案について公取との間にも数次にわたる折衝がございまして、ごく重要な一、二の点につきましていまだ意見の調整を見ないままで、現在法制局の段階においていろいろ検討をいたしておる次第でございます。二の一、二の点で意見が合わないと申しまするのは、いずれまた詳しく申し上げる必要がございますれば申し上げますが、結局今度は、輸出につきましては、いわゆる輸出取引それのみに関するものにつきましては届出制をとります。それから輸出に関しまする国内のいろいろな取引、ことに輸出業者間の国内に関する取引——輸出業者と生産業者との間の国内の取引、生産業者間の国内の取引というようないろいろな段階がございますが、一番最初の輸出の外に対する関係だけにつきましては届出主義を採用するということになっておりまして、これに対する独禁法の適用の問題は、描出をすれば一応独禁法がはずれてしまうような案になっておるのでございます。これらに対しましては、私どもとしては、いかに輸出のみに関する取引でございましても、やはり独禁法上いろいろ問題の含まれたものがあるはずでございますので、これに対してはやはり独禁法の適用が、ある範囲においてなければならないということを強く主張いたしておる次第でございます。それからあとの認可の問題につきましては——これは国内の問題については認可制のもとに独禁法の適用を除外するという案が立っておるわけでございますが、通産大臣が認可をいたしまする際に、公正取引委員会に協議をする。協議をすればいわば公正取引委員会が反対いたしましても、認可をいたしますれば独禁法がはずれるというような構想になっておりますのに対しまして、これはあくまでも独禁法ははずれる面から考えまして、公正取引委員会の同意が必要であるということを強く主張しておりますので、この点におきまして通産当局との意見の調整がいまだ残されておるわけでございます。要するにわれわれといたしましては、輸出あるいは石炭というような特殊な面につきまして、ある範囲において独禁法の適用が控えられるということ自体には一応の了解をいたしておるわけでございまするが、それが必要以上な独禁法の緩和ということに対しましては、あくまでも反対をいたしたいと考えております。なおこれは石炭、鉄、輸出取引というようなことだけでなく、その他の問題につきましても、いろいろ独禁法を緩和するという動きが業界その他から見られまするが、これに対しては、われわれといたしましてはただいま申しましたような方針であくまでも改正独禁法の線を乱さないようにいたしていきたいと考えております。
○中崎委員 この際委員長に申し上げておきますが、大蔵大臣の出席を要求したいと思います。
○田中委員長 出席要求をしておきます。
○中崎委員 続いて質問いたします。そういう操短に関する問題につきましては、しばしば通産省の行政措置等でこれが行われておるのであります。これはこの独禁法の違反になるのではないかと考えられるのでありまするが、これに対する実情を簡単に御説明願って、さらに公取委員会としてはどういう態度をもって臨んでおられるかをあわせてお尋ねしたいのであります。
○横田政府委員 操短問題につきましては、まず最近の問題といたしまして綿糸の紡績関係、綿糸の操短という問題があるわけでございます。これにつきましては、実は一昨年昭和二十七年にやはり同様の問題がございまして、その際は公正取引委員会から通産当局にいろいろ申し入れをいたしまして、これは時期が相当ずれましたが、結局その操短はある時期において取りやめということになったのでございます。この際にも行政措置をもっていわゆる勧告操短が行われました場合に、それを独占禁止法上の業者の間の共同行為、いわゆるカルテル行為と見るか、あるいは法律上の根拠はないといたしましても、一種の行政措置としてしかも相当強力な制裁を伴って、これをもって業者に政府が臨んだという場合に、それに業者が従ったというものを共同行為と見るかという点に実は法律問題的に一つ問題があるのでございまして、昭和二十七年には政府の勧告という点に力を人れまして、これは単なる共同行為ではないという一応の建前をとりまして、ちょうど同時に行われておりましたスフ、綿の操短に関しましては政府の勧告があったのでございますが、これは総ワクだけの勧告でございまして、個々の業者の操短の限度等につきましては、業者が話し合ってそれを実行したという面から、これを正式な事件として取り上げる、綿糸につきましては非常に具体的に指示があったという点で、これは共同行為と一応見ないで、通産省に対するいろいろなわれわれの方の申し入れという形をとったのでございます。この公正取引委員会の昭和二十七年のやり方につきましては、その後鋭い御批判をいただきまして、われわれもその後いろいろこの問題については考えておるわけでございます。 そこで今回の問題につきましては、実はことしの一月であったと存じますが、日はちょっと私はっきり記憶いたしておりませんが、通産当局からあるいは近い将来に行政勧告の形において操短をしてもらうようなことになるかもしれないというような話がございました。それに対して、いわば公取の考え方というようなものを軽く打診されたように感じたのでありますが、これに対しましては、その後直ちに当委員会の事務局長を通じまして、通産当局の方に伺いまして、現段階においてそういう勧告操短を行うことば適当でないということを申し入れましたのでございますが、あるいはその結果であったかどうかはわかりませんが、その後しばらくその問題がなくて済んでおりましたが、御承知のように最近に至りまして報道されておりますようなあの程度の行政勧告によります操短が行われ、現在に及んでおるわけであります。この問題につきましては、われわれといたしましてはまずこの最近の操短につきましては、全然通産当局から何らの話もなかったわけでございまするから、われわれといたしましてはまったく独自の観点に立ちまして、この問題を検討いたしておる次第でございますが、やはり根本問題につきましては、今回の操短が実質的には業者の共同行為であって、いわばそれを促進する意味において通産当局がそういう勧告という形を用いたものであるかどうかという点が基本の問題になると思います。 それから第二点は、この操短をやっております操短の内容でございまするが、この点は今回の操短は結果からもわかりますように、非常に程度の低いと申しますか、内容のきわめてゆるやかなものでありまして、いわば操短の効果はほとんどあまりないような程度のもののように見受けられます。実はわれわれといたしましては、その後引き続き業界の動きあるいは綿糸の価格の変動等をにらんでおるわけでございまするが、最近におきまして、あるいはもう少しこれを強化するというような話もあるようでございますので、もしそういうような事態になりますれば、どうしても公正取引委員会としての態度をある程度はっきりいたさなければならぬというふうに考えております。ただこの点につきましては、現在のところまだはっきりした、公取としてどういう手を打つかということについて、はっきりした決定をいたす段階には至っておりません。大体最近の操短につきましての公取の今までの経過はそういうことになっております。
○小笠委員 ちょっと関連で聞きたいことがあります。今途中から話を聞いたのでわかりにくいのでありますが、最近の独禁法の運用に関連しまして、先ほど御説明にあったような輸出入の取引法の改正あるいは石炭の合理化法案の関係、そういうような形で必要な程度において適用を緩和していく、だかしかし必要以上の場合はあくまでも守るというようなお話があったのですが、その必要とはどこで認定してくるのですか。今後独禁法を緩和する、あるいは独禁法運用に関連してどういう限界をもって運用していくのか、特に輸出部門についてはいくら輸出部門であっても、届出拒否の問題はどうでもよいのです。それはあとで審決の救済規定があるはずです。原案によりますれば……。そういうふうな事態から考えまするときに、どこを中心にして緩和の標準をとるのか。お言葉の中の必要とはいかなる認定によるのか、御説明願いたい。
○横田政府委員 独占禁止法は御承知のように公正自由な競争を促進することによって日本経済の発展をはかるという使命を持っておるわけでございますが、この公正自由な競争だけで経済の発展が維持されるわけではないことは御承知の通りであります。従いまして、その面におきまして他のいろいろな要請からいたしまして、むしろこの際はいわゆる独占禁止法の原理とは違った他の法則に従った方がむしろ日本経済に有益であると思われる場合には、その範囲において独占禁止法の適用が除外せられるわけでございます。結局その他のいろいろな経済上の要請というものと、独占禁止法のただいま申し上げました理想、この間の利益の調整ということがやはり適用除外の問題であろうと考えるわけでございます。従いましてその要請に従うことによって生ずる利益と、独占禁止法による原則を放棄いたしますることによる損害と、その両方を調整いたしまするところに非常にむずかしいところがあると考えるわけてございます。私の申し上げますのは、その必要のある範囲内におきましては、もちろん独占禁止法がその歩を譲るべきであると思いまするが、その度が必要以上に及べば、これはやはりそれ以上にいかぬように、独占禁止法の適用の排除というものについては相当考慮しなければならぬということを申し上げておるわけでございます。この必要があるかないかは、結局そのときの国家のいろいろな機構を通じて考えられなければならぬことでございまして、その独禁法以外の観点からする必要性というものは、やはり行政権の最も重要な責任を持っておる政府が考える、こういうことに当然なろうと考えます。
○小笠委員 もう一度伺いたいのですが、公正自由な競争によって経済力の増強をはかっていくというのが独禁法の使命であることは御承知の通りであります。公正自由な競争によるその形だけでは経済の発展とは縁遠い場合もあり得るということも御承知の通りであります。それで今の公正自由なる競争以外のファクターによって経済力を増強して行く、こういう場合に独禁法の緩和をはかるべきだ、まあ形式論としてそうだと思いますが、その公正自由なる原則以外のファクターによって判断をする場合の諸条件の判断はだれがするのですか。政府と言いますが、政府のどこですか。それだけ伺っておきます。
○横田政府委員 それは事柄によりましておのずからいろいろ違って参るかと思います。その産業を担当する部分が政府の中にあるわけでございますから、そういうところで判断をすることになるだろうと思います。
○小笠委員 そうしますと、産業の主管大臣の認定と公取の委員長の認定が違った、そういう場合どちらが優先するのですか。
○横田政府委員 それは結局法律の規定によってそれがきまる。そのために適用除外の規定等もできておるというふうに考えております。
○小笠委員 もう一言で終ります。実際の既存法律の運用上においては明らかにお話の通りであります。現在の諸情勢に応じて単独立法あるいはいわゆる独禁法の緩和をやろうとする場合に、公取当局の考え方と産業所管大臣の考え方が違うという場合は現に起っておると思う。現に起っておる場合はどうするのですか、それだけ伺いたい。
○横田政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、結局私の方の立場から申しますと、独占禁止法の必要以上の緩和に対してはあくまでも独禁法の理論で臨む。それに対して他のファクターからいたしまする政策的な行為というものとの調整をどこではかるか。つまりある特殊の問題につきまして、独禁法的な考え方を強調すべきであるか、あるいはその他の問題を強調すべきであるかというその限界になりますと、これはどちらに重点を置くかということは、これはいわば国家の権限の上から申しますと、五十五条ということになるのではないかと存じます。
○中崎委員 現在実質的に事実上カルテル行為が行われておると認められるものがかなりあると思うのであります。ことに価格協定等が実際において裏面的に行われてしるものがあるように見受けられるのでありまするが、それの実態並びにこれに対する公取委員長の見解をお聞きしておきたいと思います。
○横田政府委員 いわゆる地下カルテル式のものが方々にあるというようなことはよく言われることでございまするし、われわれといたしましても、そういう問題につきましては、常に手不足ながらいろいろ調査も続けておるわけでございまするが、何分そういうものの把握ということが非常に困難でございますので、あるいは外部の方には相当はっきりしているようなことが、われわれの方に存外わかっていないという面があるのではないかと思います。しかしわれわれといたしましては、そういうものをみすみす知りながら、それを黙認するというような気持は毛頭ないのでございまして、もちろんいわゆろ地下カルテル的なものの中にも、よくその実態を把握してみますと、あるいは独占禁止法の不当な取引制限という限度にまで至っていないものもあるのではないかと思われまするが、しかしいやしくも独占禁止法の規定によって禁止しておりますようた相当の効果を伴うものが現に行われておるといたしますれば、それはあくまでも取り締るべきでございまして、この点はわれわれといたしましてはそれをいたずらに黙認するというようなことは決してないのでございます。
○中崎委員 あるいは手不足の点があるかもしれませんけれども、実質的に相当広い範囲において、また分野において、いわゆる地下カルテルのごときものが相当多数横行しておるという事実だけは見のがすことができぬと思います。それで今後においてはこの点についてさらに一段と努力を払われて、——独禁法の精神というものはほとんどそこに主眼が置かれておると思うくらいにわれわれが重要に考えておる問題が、きわめて手軽に取扱われておるといいますか、怠慢であるとまでは申しませんが、もう少しこの点については身を入れて、一つ情熱を込めて独禁法の精神を生かしてもらいたいというのが、私の要望するところなんです。 次に百貨店に関する問題でありますが、これは公正なる取引を阻害するものであるという考え方から、相当広くこの問題が問題化されておりまして、公取の方でもこの問題についてはいろいろ関心を持って対処せられておるように思うのでありますが、社会党の立場から見ますと、あの程度ではまだなまぬるいから、百貨店法を作って、百貨店の行き過ぎを是正するとともに、多数の中小企業者の押し詰まった窮状打開の道を講じていきたいというふうにも考えておるのでありますが、百貨店に関する問題について、いま少し公取委員長の意見を聞いておきたいと思うのであります。
○横田政府委員 百貨店問題につきましては、公取といたしましても、非常に前からいろいろ調査も進めていますし、特に昨年の暮れは、長期にわたりましたいろいろの調査の結果に基きまして、百貨店の主として卸売業者に対するいろいろな不当なやり方というものを中心にいたしまして、不公正な取引方法の指定ということをいたしました。その後昨年からことしにかけまして、この不公正な取引方法の指定に基きまして、果して百貨店の業務がその後改善されておるかどうかということにつきまして、現在いろいろ調査を進めておる次第でございます。この不公正取引方法の項目につきましては、いろいろございますので、その一つ一つについてなお詳細な調査を続ける必要がございますので、いわば調査はまだ完了はいたしておりません。しかし返品問題につきましては、返品を委託販売というような形に切りかえるという一つのむずかしい問題がございますが、少くとも返品問題につきましては、従前の場合と異なりまして、返品が非常に減っておることは事実でございます。それから手伝い店員の問題につきましては、まだ多少問題が残っておりますが、手伝い店員の整理ということが非常に行われました。もし数字が必要でございますれば、詳しいことは後に申し上げますが、非常な整理が行われておるわけでございます。これも実は、一面におきましては失業問題という派生的な問題を含んでおりまするが、しかし、手伝い店員は相当に整理されております。それから御承知のいわゆる阪急友の会、その他いわゆる友の会問題につきましても、今回の指定の中に一つ入れてございますので、その条件に果して合っておるかどうかということにつきまして、主として阪急との間に種々折衝いたしました結果、従来行なっておりますいろいろなサービスの量に比較いたしますと、非常な違いでありますところの、いわゆる積立金の約一割という程度のサービス内に自粛をするというような結果に相なります。なおその他の百貨店が行なっております友の会につきましては、その大半はすでに廃止をいたしました。残っておりますものもほとんど言うに足りないような状態でございまして、その意味におきまして、今回の指定はかなりの効力があったように思っております。もちろんこれは一面におきましては、いろいろな世論の問題もございまして、百貨店側で非常に自粛、自戒をしておるという面もございますが、しかしこれはあるいは一時的な現象であるかもしれない。この点につきましては、公取といたしましては、なおこの特殊指定をひっさげまして、今後この励行に努めたいと考えております。ただ、百貨店法の制定というような問題があるようでございますが、この百貨店法の中には、あるいは独占禁止法の問題以上の問題が含まれておるように思われますので、独占禁止法の範囲内の問題につきましては、現在のわれわれといたしましては、この独禁法によって与えられました権限をフルに活用することによりまして、いろいろな不当な取引はある程度是正し得るというつもりでやっておるのでございます。それ以上の問題につきましては、あるいは百貨店法の問題ということが考え得るのではないかと思います。
○中崎委員 独禁法に関する問題につきましてはこの程度にいたしまして、次は高碕経済審議庁長官にお尋ねいたします。 民主党内閣におきましては、総合経済六カ年計画というものの構想をお持ちになって、それを進めていくというお考えのようであります。これは自由党内閣の当時から見まするというと、一歩前進というよりも、社会党の主張にだんだん歩み寄ってこられたということを考えまして、非常に喜びにたえないのでありますが、さてその内容につきましてはいろいろ問題があります。これはまだ未検討の問題だと思いまして、これらの問題についていろいろ所見をお伺いしてみたいと思うのでありますが、まず第一に、こういう計画を強力に推進していくためには、まず機構の問題が相当強化されなければならぬと思うのであります。経済安定本部がだんだん弱体化されまして、まるきり骨抜きになっているのが現在の経審の実情だと思うのであります。このままの機構においてはとうていこういう大きな計画は推進できないということは明らかであります。この点について、先般閣議において機構改革等についての決定もされておるやに聞いておるのでありますが、これについての大体のあらましのことをお聞きしておきたいのであります。
○高碕国務大臣 御説ごもっともでございまして、国家の経済を運営していく上においては、やはり何か一つの目安がなくてはならず、無計画であるということはすこぶる危険だということから、六カ年計画が発足いたしたわけであります。ところが、計画を立てる上におきましても、現在の規定では、経済審議庁では各省から数字を集めるということの権限もないわけなんであります。また、これを実行いたします上におきましても、監督することすらできないという状態でありますから、逐次その必要に応じて権力を強化しなければならぬかと存じますが、さしあたる問題といたしましては、各省から、要求する数字を提出せしめるということが一つでございます。それから、予算編成そのほか政策を実行するに当りまして、長期計画に即応するような工合の監督をし得ること。この二つの権利を持たすことにいたしまして、今度の経済審議庁の機構を改革いたしたいと存じます。ただし、御承知のごとく予算に限定をされるときでありますから、できるだけ経費を節約する意味におきまして、人員をふやさないで、現在の人員の範囲内でこれを実行に移す、こういう方針で進んでおるわけでございます。
○中崎委員 鳩山内閣におきましては、ことに経済政策において、それぞれの大臣がみな食い違うような意見をしばしば報道されておるのであります。外交問題についてもそうでありますが、ことに、経済問題についてはそういう感が特に深いのでありますが、こういう問題を調整するために、たとえば経済閣僚会議とか懇談へ会とかいうふうなものが定期的に持たれておるのかどうか、あるいは持たれる考えなのかどうかお聞きしたい。
○高碕国務大臣 どうもやっぱり実行する機関の方ではいろいろ経費をよけいとりたがる、金をまかなう方はこれを引き締めたがる、こういうのはひとり政府だけでなく、どこの場合も同じですが、そういうきらいがございますものですから、経済審議庁の長官が幹事役になりまして、関係の各閣僚の懇談会を一週一回開く、こういうことに相なっております。
○中崎委員 この総合経済六カ年計画の内容を見ますと、まず今後六カ年間における人口を一応策定をして、その人口について完全雇用の線で失業者をできるだけ少くする、さらに国民生活の水準をある程度引き上げていくということを中心として組まれておるように見受けられるのであります。それで人口の問題が一番中心となる根本的要素でもありますのでお聞きしたいのでありますが、まず昭和二十八年度八千七百万人の人口が三十二年度においては九千万、それから昭和三十五年度には九千三百万の予定にされておるようでありますが、この人口の基礎というものは年々どういうふうな状態でふえておるのか。ふえる率も大分変ってきていますが、この間において、たとえば産児調節とか、あるいは海外の移民とかいうふうな問題を相当考慮に入れられておるのか。従って人口問題を計画的に検討しようとするのかどうかということについてお尋ねしておきたいと思います。
○高碕国務大臣 この問題はこれの基礎になることでございまして、現在は厚生省の人口問題研究所というものが一番信頼し得る人口の増加率の権威者でありますから、その数字によって計画を立てておるのでございますが、詳しいことは政府委員から答弁させます。
○佐々木政府委員 人口の推移の基礎でございますが、これはただいま長官からお話がありましたように、人口問題研究所の方で研究したものをそのまま拝借しておるわけでございますけれども、その出し方といたしましては、出生の最近の傾向——人口問題は千人について幾らというふうに計算いたしておりますので、出生の千人に対する毎年の歩みを初め見まして、それから同様に死亡の歩みを見まして、その差がいわゆる自然増ということになるわけでございます。ただいまのところでは、お手元の数字と若干違っておりますけれども、二十八年度が千人に対しまして十二・五人、二十九年には十四人、三十年には十二人、三十一年は九・一人、三十二年は九人というふうな自然増の傾向になっております。そういう傾向で人口の推定数字を出しました。 ただいま御指導がありましたいわゆる家族計画とか移民の問題はその中にどういうふうに織り込んでおるのかということでございますけれども、家族計画を推し進めるには、今の数字では大体三十五年ぐらいには少し力を入れますと百五十万、毎年三十万近く減少させ得るのではなかろうかということになっておりますが、この数字をそのまま織り込みまして、そして自然増の傾向を是正する、その辺はまだどうも十分練れておりませんので、その方は一つの余裕数字としてとっておきまして、この数字の中には織り込んでおりません。 それから移民の問題でございますけれども、移民の問題に関しましても、外務省の方の数字は三十五年には大体五万人ぐらいに移民したいという計数を持っておりますけれども、この数字も今の段階では年間三千人あるいは五千人という範囲でございますので、これも一応最後に調整数字を出すつもりで、今のところは先ほど申しました自然増の数字をそのままとってございます。
○中崎委員 政策の一番基本的な問題である人口の問題は、今後六カ年間の計画においては自然のあるままの姿において扱われていく方向のようであります。これについて何らか人為的にといいますか、政策的にといいますか、このままの姿でいいかどうかということを検討すべき段階ではないかと思うのであります。たとえばこの狭い国土においてこのままの姿において、一つの目標は一応生活水準を引き上げるといいながら、実質的にはほんとうに人間があり余っておるということだけははっきり言えると思うのであります。これについてもう少し積極的に、政府の方で人口増加問題解決の上に何らかの人為的な政策を取り加えてやっていくような必要を感じておられるか、またそう考え方をこの際持たれるかどうか、これを聞きたいと思う。
○高碕国務大臣 ただいまの政策の問題につきましては、私どもの案と離れておりますが、ただわれわれといたしましては、計画を立てます上において、今お話のごとく確実な数字をつかむということは絶対必要だと思いまして、政府としてどういうふうに確実な数字がつかめるかということについてはさらに十分検討いたしたい、こう存じております。
○中崎委員 時間の関係がありますのであまり突っ込んで言えませんから、ほんの一通りだけさわってみたいと思います。 失業者の点についてでありますが、これはこの表によりますと昭和二十八年末が六十七万ということになっておるのでありますが、しかもこれが昭和三十二年度には五十五万三千人に失業者の数を減らしていくという目標のようてあります。ところが現在においては失業者が続々と出てきて、まだまだ失業者の数がふえるのではないか、そういうふうな失業者がふえるような傾向にある状態において、この間に逆にこれだけの失業者の数を減らすような目標が立てられるかどうか、さらに具体的にはどうして失業者がこれだけ減るような方向に政策をとっていかれるのか、その点をお聞きしておきたい。
○高碕国務大臣 これはいろいろ問題がございまして、簡単に考えますと、今度産業を合理化すれば順次失業者はふえるではないか、こういうふうな考え方もありましょうが、私どもの査定いたしますところによりますと、大体生産する年令人口の増加は、ここにもございます通り、三十五年度には二十八年度に比べまして約一〇%ふえるということになっております。そういたしますと、これをどういうふうにして収容するかということが目安でございます。それには生産を合理化して、そうして生産をふやして輸出を増進する、その方に吸収するということが目的であります。従いまして、人口の増加は七%でありますけれども、生産年令人口増加というものは一〇%、非常にふえておりますから、これを収容するためには少くとも輸出を三十五年度においては現在よりも八八%ふやす、鉱工業の生産については三二%ふやす、こういう予定でやっております。そうすれば自然にここに農業方面に吸収するということはすこぶる困難だと思いますが、鉱工業方面及び——つまり第二次産業、第三次産業において約一八%くらいずつを収容していきたい、こういう所存であります。なお最近の状況といたしまして、失業者が六十何万人ある、来年度はどうするかという問題でございますが、来年度は失業人員が少くとも八十万人になるという予想でございます。八十万人にふえますから、現在のままで置いておけば、少くとも二十万人の失業者がふえる、つまり六十何万人が八十何万人、こういうふうに予想しております。それがために二十何万人の失業者をどういうふうに収容するかということにつきましては、失業対策の事業、それから公共事業、それから鉱害復旧事業等におきまして(「それから防衛庁」と呼ぶ者あり)十三万人を吸収する、あとの七万人につきましては転業対策というものに持っていきたい、こういう予定で進んでおります。
○中崎委員 今、防衛庁という声が出てきたのですが、結局において防衛産業というものをこの経済計画の中にどういうふうに織り込まれておるか、そういう点について、国民の経済生活にも関係がある問題でありますし、同時に国の産業計画を立てる上における一つの基本的な考え方でもありますので、一つこの点について、大体どの程度のものを考えておられるかお聞きしたいのであります。
○高碕国務大臣 たとえば、何ですか。
○中崎委員 防衛産業ですね。
○高碕国務大臣 防衛産業について御質問ですが、これについては本年は特別に考えておりません。
○中崎委員 今六カ年間の計画を立てておられるのでありますが、また軍備漸増ということも言われておるのです。その線に沿うて、一体この労働力人口をどう配置するかというふうな問題とも関連しておるのです。従って、輸出だけは振興すると言われるのでありますが、それだけでこれだけの人間が吸収し得るかどうか、私は非常な疑問を持っております。しかし同時に、一面においては国内における防衛力を増強するために防衛産業というものを漸次進めていかれると思うのでありますが、そういうような方向において人口問題がどう解決されるか、さらに産業構造はどういうふうになるのかということをお聞きしたいのです。
○高碕国務大臣 私は防衛産業というものは、できるだけ一般産業との間に溶け合っていくというところに防衛産業はあらねばならぬかと思っております。従いまして防衛産業というものは特別に考慮いたしておりません。それで防衛というものにつきまして、われわれは国民の経済力に順応して全体の防衛費をふやしていくわけでありますから、防衛産業というものは別に特別に考えておりません。
○中崎委員 たとえばジェット機の生産というようなものは、現実に相当の額が予算化されて進行しておる。そこで今後六カ年において、日本の飛行機、しかもジェット機を製造するようなことになるのですが、これがどういう程度に振り向けられるのか、国の予算がどうなるのか、また財政投融資はどういうふうになるのか、こういうような問題をも含めて、どの程度のスケールになるかということをあわせてお聞きしておきたい。
○高碕国務大臣 ただいま申し上げました通りに、防衛費というのは国民の経済力に応じて増加いたす考えでありまして、これを特殊に考えておりませんから、今後これを国防計画といいましょうか、防衛計画が完全に立ちますときに考慮いたしたいと思っております。今はそこまで考えておりません。
○中崎委員 もう時間もないようですから次の質問へ進みますが、まず総合エネルギーです。これは国の産業経済の基幹になるものでありますが、この総合エネルギーの問題についてお聞きしたい。まず総合エネルギーとしては、石炭、石油、電力、それにガスあるいは燃料用薪炭等の問題も関連しておるのでありますが、そのうちの石炭、電力、石油について、その関連性について申し上げたいと思うのであります。まず何といいましても、この中で一番経済性を持ち、優秀性を持っておるのは石油だろうと思うのであります。しかしその石油もほとんど外国から輸入してくるような関係もありますし、石炭産業に関する問題等もあるのでありますから、これを無条件で外国からどんどん輸入して、こればかりに依存するということもできないのであります。元来カロリー単価の非常に安い、また便利重宝な石油のことでありますから、あまりに石炭産業に重点を置き過ぎて、この経済的に優秀な立場を持つ石油をまま子扱いにするということも問題だろうと思う。あわせて電力の場合においては、漸次電源開発が進むにつれて、ことに水力の場合においては、単価が上っていくというふうな悪条件もあるのでありますが、これらの点を総合的に考えて、一体どういうふうな地位において産業六カ年計画の中にこの問題を取り上げられようとしておるのか、それをお聞きしておきたいと思います。
○高碕国務大臣 お答え申し上げます。この問題は、ただいま御指摘になった以外に、今後考えるべき問題は原子力等の問題もございますから、よほどこれは慎重にやりたいと思っておりますが、ただいまのところ電力というものは、でき得るだけ水力電気を開発いたしまして、これで多少高くなりますが、これをしのぐためには、電源開発会社に水力電気を開発させますについて、できるだけ低金利の金を使わすという方針で進んでいきたい。石炭につきましては、根本方針といたしまして、将来石炭をもって動力資源あるいは燃料資源にするというのはもったいないのでありまして、どうしても石炭というものはもっとこれを高度化して使いたい、こういう意味におきまして、あまり大きな増産をせずに、三十五年度にはまず五千万トン程度にとどめたい。こういうことを根本方針にいたしまして、それに見合うためには油が必要だ、その油を経済力の増強いかんによって増減するということにして、幾らか油を輸入せなければならぬか、こういうふうな方針でございます。ただし国内の石油資源の開発につきましては、できるだけ経費を惜しまずにやっていきたい。こういうのが根本方針でございます。 なお原子力の問題につきまして、この際少しく日本の根本方針を申し上げておきたいと存ずるわけなのでございますが、御承知のごとく原子力が戦争用に使われて、これの被害を受けた世界の民族では日本人が唯一でございます。これを戦争用に使わないで平和用に使いたいということのためには、日本は初め戦争で犠牲を受けておるのだから、これを大事に使いたい。こういうふうな考えをもちまして、私は先般のアジア・アフリカ会議にも参りまして、いろいろ主張したのでありますが、世界全体の空気は、平和産業に利用するときには、日本にまず第一にやらせようじゃないか、こういう空気が自然としてわいておりますから、ここであまりに排他的にならずに、できるだけすなおに受け取って、進んで平和産業に利用するについて研究いたしたい、こういう所存でございます。
○中崎委員 次に総合エネルギーの問題とも関連しておるのでありますが、また国土保全の意味においても必要だというので、この商工委員会の中に木材利用合理化という小委員会が持たれておるのであります。それによりまして、できるだけ木材資源を有効に使うために、またその補足をするために、木材を工業生産品によってかえていこう。そうしたような考え方から、たとえば段ボールの利用とか、あるいは足場用の丸太を鉄鋼等によってかえていくとか、あるいはPSコンクリートとか、そうしたいろいろな工業的な品物によって木材をかえていきたいという考え方をもって、ことにこれは閣議決定の線に従って、あなたの方の調整部が中心になって、各関係部局とも連絡をとりながら、具体的に工作を進めております。そこでこれに必要な予算が一文も計上されていない、それで全然動けないという実情になっておるということを聞いておるのですが、その点について一つ前後の事情をお聞きしておきたい。
○高碕国務大臣 ただいまお説のごとく、木材を薪炭用に使うことによって、日本の国土が非常に荒されておる。木材の利用をもっと高度化しなければならぬということにつきましては、政府としても十分これを考慮に置いておるわけなんでありまして、この方面の研究等につきましても、でき得るだけ経費の許す範囲において実行いたしておるようなわけであります。なお本年度は全体の予算のワクが小さいために、予定のごとく経費を支出することはできなかったのでありますが、順次これを解決していきたい、こういう所存であります。
○中崎委員 これは前の吉田内閣のときにおきましても、先般もしばしば閣議決定された重要な方針なんです。従いましてその要求額は、わずか八百万円程度で、ほんの事務的な処理にすぎないということを聞いておるのであります。それさえも認められていないということになると、みずから必要だと認めたものを、その裏づけを何らしないということになると問題は簡単でないと思う。さらにこれは現在委員会を持っており、引き続いてその推進をしつつあるのでありまして、全然動きのとれぬような状態である。それは実際に事務的な前後の連絡をやって、目的を有効に達するために、ぜひとも最低限度の金が必要である。現地指導もやらなければならぬし、いろいろな業者の指導もやらなければならぬというような関係もあって、たった八百万円の事務的な要求をしたものが認められていないということになると問題は非常に大きくなるのです。松尾調整部長、これはどういうことになっておるのですか。
○高碕国務大臣 政府委員から答弁いたします。
○松尾政府委員 御承知のような閣議決定の方針に従いまして、今後実施の推進をはからなければならないわけであります。これらにつきましては、御承知のように政府の側におきましても、従来の協議会をさらに改組強化いたしまして、政府の立場から推進に努めますと同時に、御承知のように林総協を母体といたしまして、民間の方にも推進本部ができておることは御承知の通りであります。両々相まって推進をはかることに進めて参りたいと思っておるのでありますが、今お話の予算あるいは資金の点がどうかという点でございます。これは御承知のように閣議決定の内容の各項目にわたってみますと、予算を要する点あるいは資金を要する点も多々あるのでございますが、しかし本年度の予算で特にはっきりと計上されておりますのは、御承知のように四十二万戸の住宅建設の関係で、住宅関係に木材をそのまま使うことをできるだけセーブをするという意味で、いわゆる住宅関係の不燃率の引き上げという措置は、住宅政策の上からもはっきりと出ております。これは御承知のような予算がついておりまして、不燃建築の率の引き上げということで、予算も十分な配慮がされておるわけでございます。なお森林資源そのものの開発保全という問題が、閣議決定の中にもはっきりうたわれておるわけでございますが、これも従来予算がついておりますが、本年度も引き続きまして林道開設のための補助金を確保いたしますと同時に、奥地山林の開発も、同時に予算面で要求の立場からいえば、必ずしも十分ではないと思いますけれども、できる限りの予算も計上されておるわけであります。なお各項目にわたってみますと、資金の要求がかなりあるわけであります。これも必ずしもその全部が、財政投融資というような政府の関係から出る資金に依存するわけではございませんけれども、しかしたとえば新しい広葉樹を原料とするパルプの関係であるとか、あるいは従来の継続ということになるかもしれませんが、いわゆる都市ガスの拡充でございますとか、あるいは今後新しい木材利用の分野におきまして、まだ計画で十分具体化していないものもございますが、これらの点はやはり財政投融資、特に開銀資金の面からできるだけの資金のめんどうというか、資金の配分に留意をして参りたい。まだその内訳等は、予算の通過の前後と相にらみまして、その内訳は決定しなければならぬと思いますが、十分その点は配慮をいたして参るつもりでございます。
○中崎委員 今の融資の問題でありますが、これは開銀の金は実際においてことに基幹産業、またこれに準ずるもの、あるいは特に政府の方で指定したものに限ると思うのであります。そういうきわめて狭いものでありますだけに、こうした木材利用合理化の目的に沿うた事業に一体出されるのかどうか、そういうふうな指定品目にされるのかどうか、ことにこの点につきましては閣議決定でもして、ぜひともそういう事業にも出せるような道をこの際考えてもらいたいということを特に高碕さんにお願いしておきたいのであります。これはさらに委員会をわれわれまた開きますから、ときにはあなたも出てきて、われわれのほんとうの実情、要望をよく聞いていただいて国家の目的に沿うように努力していただきたいと思うのであります。 最後にもう一つお聞きしたいのでありますが、離島振興に関する問題でございます。これは国土総合開発の一環でもないのでありますが、これと肩を並べた重要な問題といたしまして、ことに後進の離島の振興のために特別の法律ができていることは御承知の通りであります。ところがその離島の振興対策についてはきわめて政府の方は不熱心であります。出しているところの予算はほんの微々たるものであります。しかもその予算が一体どう使われるのかということを見ますと、たとえばおくれている地方の港を開発するというような場合において、農林省には港湾の整備計画があるのであります。ところがその方の予算の中につけてあるような関係で、せっかく親心をもって単独立法として特別法をつくっているのにかかわらず、何ら恩典に浴していないという実情にあるのであります。ことに不思議なのは、今度の予算の中においても何も別のワクがとられていない。離島振興のための港湾の整備であるということになっていると、特別の、金額はわずかでも恩恵を受ける、そのワクがないために、一般港湾整備の中にぶち込まれるために全然せっかくの親心の離島振興のワクを受けられない。私の島根県の隠岐島は非常に交通の不便な恵まれないみじめなところなんです。そこで指定を受けて適用をされるはずでありますが、さてすずめの涙ばかりの離島振興の予算でもあてがわれないと、いつでも下積みだけで恩恵が受けられない。こういう現実にぶつかっているのでありますが、この点についてはあなたの方でもう少し勉強していただいて、離島振興のワクをできるだけとっていただく、できたワクをそのまま生かしていただく、後進地域だからほかのものと同じように見ると、いつまでも下積みなんです。経済効果はどうだということで仕事をやられるのでありますが、それはだめなんです。経済効果云々の点は別として、非常におくれたものを何とか開発をやるのだという精神から、そのためにワクを別にとってやってもらわなければならぬ。ことにことしは何だか非常に手おくれで困る、来年は必ず実行できるように大蔵省とも十分交渉していただいて、その目的が実現されるように特にお願いしておきたいと思う。
○高碕国務大臣 木材利用のことにつきまして、開発銀行の資金を使うということにつきましては十分努力いたしたいと思います。なおただいま御質問の離島振興のことは、私実はあまりよく知らないし、今初めてお伺いしたわけでありますから、この点につきましてはよく相談いたしまして、なるべく期待に沿うよう処置いたしたいと思います。 〔委員長退席、前田(正)委員長代理着席〕
○前田(正)委員長代理 田中武夫君。
○田中(武)委員 きのうの経審長官の本年度の基本的経済政策に関するあいさつの中に、企業の合理化、生産性の向上につきましては、さきに発足した日本生産性本部を中心としてということがありましたが、君は労働組合の出身者でありまするが、労働者は今日まで企業の合理化という美名のもとに首を切られ、生産性向上の名に隠れて労働強化をしていられてきたのであります。このような言葉を聞くと、すぐ人員整理、労働強化を連想いたします。そこで日本生産性本部に関して経審長官に若干の質問をいたしたいと思います。私は初めでありますので、あるいは過去にすでに報告があったかはしりませんが、私は日本生産性本部については新聞で見た以外には公式には何も聞いておりません。 まず第一に、さきに発足を見たと言われておりますが、日本生産性本部はどこかの指示によって作られたのか、もしどこかの指示によって作られたとすれば、それはどのような意図によってなされたのであるか、発足の経過、その成果、メンバーの構成。 第二点としては、外国にもこのようなものがあるのかどうか、あるとすればそれをまねたのかどうか、ことさらに日本という言葉がうたわれているところを見ると、外国の同様なものの一環として作られたものじゃないかということも考えられるのであります。またがって経済復興会といったようなものがあったと思うが、それとはどう違うのか、また戦時中に労働者を弾圧した産業報国会のようなものに将来なるおそれはないのか、以上のような点について経審長官のお答えを要求いたします。
○高碕国務大臣 生産性本部についての大体の考え方は、従前の資本主義経済の合理化とか、そういった問題でなくて、社会全般にわたる問題として、たとえばその中においては労使両方の間を協調をするとか、あるいは生産意欲を向上せしむるとかいうことのために、社会保障等の問題も検討いたしまして、広い意味からいった全体の国民の生産意欲を向上せしむる、こういうことを主眼に置いてやりたい、こういう所存でおりますが、なお詳細のことにつきましては政府当局をして御答弁せしめます。
○松尾政府委員 ただいまの御質問の中に、諸外国の関係がどういうふうになっているかという御質問があったと思います。これは御承知のように以前に米国政府から——これは西欧諸国にもその例があるのでございますが、対外活動本部の活動の一部として、西欧諸国にすでに先例のありますような、いわゆる生産性向上のための生産性センターというような構想で、日本でも積極的な生産性向上をはかったらどうかという、いわば援助をする用意があるという意味のサゼストがあったことは事実でございます。私ども聞いておりますのでは、英国、西独その他欧州十カ国以上にすでに先例があると聞いておりますが、そういう先例の形も見まして生産性本部が日本においても出発した、こういう関係になっておるわけでございます。
○田中(武)委員 それでは諸外国に例があり、それを見ならってやったのである、こういうことだと思うのですが、これは独立したものなのですか、何か関係があるのですか、その関係はどうなのです。
○松尾政府委員 西欧諸国にすでにそういう例があるというだけでありまして、相互に何ら関連はないわけであります。
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねにつきましては、これは実は通産省が所管してやっておられますので、ちょっとただいま手元に資料がございませんから、午後までにでも取り調べて御返事をさしていただきたいと思います。予算は今年度事業費としては二億七千万円くらいで事業をやるつもりでございますが、詳しくは資料がちょっと手元にございませんので、後ほどお答えさしていただきます。
○田中(武)委員 それではその点はあとにいたします。 先ほど長官も言われておりましたが、資本主義的なものでないということでありまして、当然今日においては生産の向上には労働者ないし労働組合の理解と協力がなければならない。そうでなければその成果は期待できない。つきましては今日までこの問題について労働組合との間にどのような方法で相談してこられたか、またそれに対して各労働組合はどのような態度で臨んだか、どのような見解を持っておるかというようなことについてお伺いをいたしたいと思います。
○高碕国務大臣 ただいまの御質問に答えますが、これはどうしてもやはり労働組合等も一緒に入ってぜひやってもらいたいというのは私どもの考えでございますけれども、この所管は今通産省にございますものですから、現在の状況は私どもでは詳しくわかっておりません。
○田中(武)委員 それではその点は通産大臣に伺うといたしまして、そうするとこの問題はほとんど通産省の関係で、その方でないと答弁できないですか。きのうの長官のあいさつの中に、生産性本部を中心にして云々ということがあったから、伺っておるのです。
○高碕国務大臣 生産性本部を拡充して、これを中心にして研究さすということにいたしたいと存じております。しかしその所管は通産省でやっております。
○田中(武)委員 日本生産性本部を中心として強力に推進したい、このようにおっしゃるのですが、それでは政府と生産性本部とはどのような関係があるのか、日本生産性本部の計画を各企業に強制せられるおつもりがあるのか、私は強制はできないと思うのですが、どのようにしてその計画を具体化しようとするのか、その点はいかがですか。
○高碕国務大臣 これを強制的にどうこうという考えは全然いたしておりません。全部通産省の方の所管でこれを実行させたいと思っております。
○田中(武)委員 それではもう一つお伺いしますが、強制しないのなら具体的に実施していくのにはどういうようにするのですか。
○高碕国務大臣 全体は話し合いでやっていきたい、こういう考えでございます。
○田中(武)委員 それではもう一つお伺いしますが、政府は本年度の予算で一般会計から五千万円、財政投資で一億五千万円を支出することになっておるが、財団法人日本生産性本部の寄付行為の第二章に、生産性本部の資産及び会計に関する規定がある、この規定との関係、と申しますのは、すでに寄付行為の規定ができるときに補助金を予定しておるので、補助金を出すというようなことはどこで話し合いができたのか、そういったようなことを伺いたい。
○高碕国務大臣 この問題は政府委員から答弁いたさせます。
○石原(武)政府委員 その政府資金はお話のように一般会計から五千万円、財政投融資の方から一億五千万円という予定をいたしております。こういうふうな話し合いがどこでできたかという点につきましては、日本政府としても生産性本部というものを作って、これで企業の合理化その他の推進をはかっていきたいということで、かような事業については業界で一応資金を負担するということももちろんでございますが、政府がある程度財政的な援助をしてもしかるべきであるという考え方からいたしまして、通産省で予算要求をされて、かような結果になっておるわけであります。
○田中(武)委員 ここにこういう資料が出ておりますが、これに経過の過程が書いてあるのです。この経過過程を見ましても、政府が一緒になって話し合ったというようなことはないわけです。これを見てみますと、ハロルドソンと経団連、日商、日経連、経済同友会の首脳者が寄って相談したことが起りのように書いてありますが、そういう経済団体の首脳部が寄って話し合った。それで、どちらが呼びかけたのか知りませんが、そういうような国家の補助金を使うということが、どういうところから出てきたのですか。
○石原(武)政府委員 ただいまお話のハロルドソンは、初め通産省の事務当局と話を進めておったようであります。それでかような運動をやりますのに、全部民間だけの資金でやるということはなかなか運営も困難だということで、通産省といたしましても何らかの政府の援助が必要だということで予算措置をとられたのでありまして、今お話のように、もちろんこれは民間の団体になるわけでありまして、民間ともいろいろ話し合いが進んでおるようでありますが、今御指摘のように話し合いがあったことも事実のように聞いておりますが、当初は通産省がこの問題を取り上げてやっておられたというふうに伺っております。
○田中(武)委員 それではもう一つお伺いいたしますが、日本生産性本部の事業計画を見ますと、視察団の海外派遣だとか、海外専門家の招請だとか、生産、販売、労務の科学的管理の研究などが中心であって、これはどうしても大企業偏重の感が強いのであります。どういうような点が中小企業にプラスになるものかどうか、その点をお伺いいたします。また事業計画の中に、下請企業の専門化という項目があるが、これは下請企業をこれまでよりも一そう強く大企業に隷属させる結果になりはしないかどうか。わが国の中小企業は全産業の生産高の六割以上を占めており、産業構造上重要な地位を占めておるものだから、大企業中心から中小企業中心に切りかえる考えはないものか、この点を承わりたいと思います。
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねの点は、この生産性本部の具体的なやり方と申しますか、実施の問題になりますので、われわれの方ではそこまで詳しくまだ聞いてもおりませんし、通産省がやっておられますので、的確なお答えはちょっといたしかねます。これは必ずしも大企業だけでなく運営されるのではないかと考えておりますが、詳しくは一つ通産省からお聞き願いたいと思います。
○田中(武)委員 そこで、そういうような大企業中心的な計画であり、またものであるというようなことから、この生産性本部に対する批判がだいぶ高くなっておる。たとえば五月十日の日本経済新聞の記事でありますが、この中に「中小業者の意見も聞け」というところで、次のような意見が出ております。ちょっと読み上げてみますと、「注文の第一はわが国の全産業の生産性の向上を考えるならまず下請代金の未遅払問題を解決せよということだ。現在下請企業の大きな悩みになっている下請代金の決済問題にはまるっきりほおかぶりしていて、やれトップ・マネージメントだ、海外専門家の招請だといってみたところでナンセンスだ。つまり中小企業の生産性を向上させようとするなら親企業の下請代金の支払状況を改善させるよう努力してほしいというわけだ。第二の注文は同本部事務局にもっと中小企業の意向が反映するよう考慮してほしいということだ。現在同本部の主要ポストは全部大企業関係者が独占しており、中小企業関係では日中連専務理事の稲川宮雄氏と中小企業研究所長の中島英信氏が参与という閑職に入っているだけ。これでは中小企業の意向が本部のなかに反映するはずがないので中小企業者はこの点も改善してくれといっている。」こういう記事が出ておりますが、これに対してのお考えはどうですか。
○高碕国務大臣 もしも生産性本部のやり方が大企業中心であって、中小企業を等閑に付しておるというなら、これは大きな間違いだと思います。どうしても中小企業というものは日本の現在の輸出産業を振興いたしますについての最も大事なものでありますから、これを枯渇せしめるということはよくない。どういうふうに中小企業に対する政策を立てるかということは非常に大切なことだと存じますから、もしただいまお話のようなことがあれば、これは大いに矯正いたしたい、こう存じます。
○田中(武)委員 もう一点お伺いしたいと思います。先ほどのお話では西欧諸国にもこういうものはたくさんある、そしてアメリカからの呼びかけが最初である、こういうような御答弁があったのですが、生産性本部は欧州において生産性増強運動がマーシャル計画と関連があるように、日本におけるこの運動は、アメリカがMSAの軍事的政治的目標を実現させるために日本経済に対する支配をもっと確実に有利なものにするためにそういうことを呼びかけたものではないか、こういう点が心配せられるのですが、その点はどうなのか。またそういうおそれがないのか。
○高碕国務大臣 この仕事に対するサゼスチョンは、先ほどのお話のごとくアメリカから出たかも存じません。また外国の例を引いたか存じませんが、これは断じて外国のためにやったのではなく、日本のためにこれをやりたい、こういう所存でございます。
○田中(武)委員 先ほど政府委員の御答弁の中に、西欧諸国にたくさんある、こういう言葉があったが、あれは確かにマーシャル・プラン実現のためにやられておるのではないかと思います。そうすれば、日本にこういうことをせよというサゼスチョンがあったとすれば、これはアメリカのMSA受け入れの問題と関連があるのではないかという点を心配しているわけです。
○高碕国務大臣 そういう御心配は断じてありません。
○田中(武)委員 それではこれは通産省関係の方に聞くことが多いようですから、経審長官に対してはこの程度にしておきます。
○加藤(清)委員 昨日の経審長官の本年度の方針、特にあなたが就任以来天下に表明していらっしゃいます経済六カ年計画の骨子をなす一つに、日本生産性本部なるものがうたわれていることは事実です。ところがこの問題を取り扱うに当って、ただいま承わっておりますと、日本の生産を向上して、やがて輸出振興に持っていき、日本経済に寄与する、その基礎的な条件を初めて作るに当って、その中心をなすいわゆる一部の企業の実権を握る人と相談をなさったことについては、これは何をか言わんやでありますが、しかしそれだけで生産が向上するということはとうてい考えられないことです。日本の産業構造が一体どのようになっておるか、これは私よりもあなたの方がよく御存じです。その占める中小企業の地位の大きさは、あなたの方がよく御存じです。またそこに働いているところの従業員が過去において生産に寄与してきたことはあなたもよく御承知のはずです。三本の柱のうちの一つだけに相談をして、他の二つに相談も何もしないでこれが発足をし、これを中心にやっていこうとなさるあなたの根本精神を承わりたい。これでいいのか悪いのか。
○高碕国務大臣 もちろん各方面とよく折衝をして相談づくでやってもらいたい、こういう考えでございます。
○加藤(清)委員 相談ずくでとおっしゃいますが、過去においては相談がなかったでしょう。それじゃ将来において中小企業や労働組合の少くとも代表と相談するという用意がありますかありませんか。
○高碕国務大臣 相談ずくでやってもらうようにいたします。
○加藤(清)委員 それは一体いつごろ実行されましょう。
○高碕国務大臣 具体的の問題になりますと、通産省がやっておりますから、通産省において実行せしめます。
○加藤(清)委員 経審長官としては、経済六カ年計画を実行に移すに当って、これを中心にやっていくということなんでしょう。だからそれは所管は通産省にあるかもしれぬけれども、経審長官としてのはら、これが当然あってしかるべきだと思うのです。しかし具体的のことはみんなそっちまかせだ、あなたまかせで私は言われる通りに動きますということならそれでもけっこうですが、それではあまりに経審長官としての責任あるいは信念に欠くるところがあるじゃないかと思いますが、発表をしちゃいけないという問題ならあえて聞きませんけれども、発表してはいけないという問題でなくて、ただあなたまかせ、こういうことでございますか。
○高碕国務大臣 経済審議庁は現在すべての経済のあり方につきまして、計画を立てるところでございまして、できるだけこれが実行力を持たすようにいたしたいと存じますけれども、先ほど申し上げました通りに、これは勧告することすらまだできない、こういう法規上の状態でありますから、これを順次力を持たせたいと存じます。なおそういうことにつきましてはこれは権力はなくても経済閣僚懇談会において、私は経済の一閣僚としてよくその問題につきましては発言するつもりでございます。
○加藤(清)委員 今あなたのおっしゃいました通り、この具体的方法については通産省にまかしておくが、これを作るに当ってはあなたの方が責任を持っていらっしゃったはずです。ただいまの同僚委員の質問によりまして、アメリカのサゼスチョンがないということは御存じのようです。はっきりおっしゃった。ところがこれを構成する主要メンバーの一つだけと相談して、あと二つと相談せぬと、これが発足をみて実行に移していくというようなことについて、これは私は解せないと思います。全然知らぬ、つんぼさじきに置かれたと言うならこれはまた別問題でありますけれども、事実つんぼさじきでない証拠には、アメリカないしは諸外国のサゼスチョンによったのではない。サゼスチョンはあったにしても、決してその他の関連性はないということまでよく御存じなんです。そうするとこれはあまり御存じなかったとは言えないはずなんです。知っていらっしゃる。知っていらっしゃる方が、大事な三本柱のうちの一本だけに相談して、二本はつんぼさじきに置いて、おいたということは、これは私には解せないことなんです。そこででき上ったことはやむを得ぬとして、今あなたのおっしゃいましたように、早急に考えていただきたい。ほんとうに日本の生産を合理化し、向上させ、そうして経済力を発達させる上において、中小企業の占める地位と、これに協力するところの労働力というものがいかに大きな地位を占め、いかに過去において貢献してきたか。また将来これを無視してはとうてい完全な仕事のできないことはあなたの方がよく御存じなんです。従って私はオミットされた側だから云々するわけではなくして、ほんとうに日本の経済を発展向上させようと協力する上には、これはやはり納得してかからないとどうにもならないわけです。私の承わるところによりますと、これはほんの一部の人にしか話がしてないようでございます。これをあなたの意思通り早急に改めるべく、通産大臣とお話し合いなりともしていただく御用意がありますか、ありませんか。
○高碕国務大臣 この生産性本部というものが、ヨーロッパ及びアメリカで非常によく働いているという、その事実は、私はアメリカに参りましたりいたしまして存じております。こういうものがいつ日本に発足したかは実は私は知らなかったのでありますが、これができておるということは非常によいことだから、これを強化しようじゃないかという考えでおります。ところがただいまの御質問のごとく、これは一部の資本家だとか、そういう人たちがやっておってはできない仕事だ。どうしても労働組合なり中小企業者が入って、そして全部の国民の意思が生産意欲を向上するようにいたしたい、こういう私は所存であります。ただいまのようなことがございますれば、よく私検討いたしまして善処いたしたいと思います。
○永井委員 私はこの際大臣に簡単に伺っておきたいと思う。 この総合経済六カ年計画、これを進めて行く土台となるプリンシプル、これを一つ承わりたいと思います。自由主義経済の土台の上に計画的なものを盛って、そして花を咲かせたり、実を結ぼう、こういう考えでございますか。自由主義経済の土台の上にそういう期待ができるのかどうか、それをどういうふうに組み合わせ、構造して、そして六カ年をどういうふうな計画で持っていくのか、これを一つ伺いたいのと、もう一点はこれは一つの問題を投げたのだ、これについては民間からいろいろな意見が出てくるだろうから、それを取り入れて実行できるような具体案にまとめていきたい、こういうお考えのようであります。それならばどういう一つの機関なり、どういうふうな練り合わせでいくのか、単に民間から投書が来た、あるいは個々の意見を聞いて、そしてあなたの方の行政的な組織の中でそれをやっていくというお考えなのか、どういうのか。今後のこれの具体的な内容を充填していく運び方を一つ伺っておきたい。
○高碕国務大臣 この六カ年計画につきましては、これはこういう数字をまずいろいろ各方面から正しいと思って作ったものでありますが、これは各方面の意見をお聞きして、大きくいえば国民全体の意見を聞いて、数字の訂正すべきものは訂正していきたい、こういう所存でございます。この実行に当りましては、政府の権力を用いてやるのは、相なるべくは避けて、相談ずくでこの目標に沿っていくようにいたしたいと存じますが、しかし場合によれば、そのときの政策によってある程度の政府の権力を用いる規制を行いたい、こう存じておる次第であります。
○永井委員 一つの計画を立ててやりましても、なかなか計画通りにはいろいろなものが動かない。ことに投げっぱなしにしておいて、指導であるとか、勧告であるとか、こういったことで、過不足なくいろいろな経済活動を効率的に推進し、結果を上げるということは、これはなかなか困難だと思うのでありますが、その関係をどういうふうに組み立てていくのかということをお聞きしておきたい。たとえば資本主義経済あるいは自由主義経済というような土台を置いておいて、そしてさらに独禁法というようなものはできるだけワクを広げておいて、そうしてその中で鉄鋼はこれを基礎産業である、電気は基礎産業である、石炭はどうだ、こういうふうにして一つずつそういうものには財政投融資をするというような形で、私企業の形態を残しておいて、そこに国の力を集中して、いく、独占資本を強化していく、こういうようないき方をしていく過程においては、われわれはその間におけるいろいろな弱肉強食の形が出てきて、ほんとうに国民経済的な立場における国の経済の再建ということは結果されないのではないか、こういう心配があるのでありますから、利潤を追求する資本主義経済の本質的な方向と、国民経済的な立場におけるいろいろな産業の公共性というものを、どういうふうに日常の経済活動の中で公正に発展させていくのか、その間の考え方。六年間にこういうことをやりたいという目標はわかるのでありますが、それじゃそれをどういうふうにプログラムを組んで、どういうふうに持っていくのか、そういうことを具体的に伺っておきたいと思います。
○高碕国務大臣 この問題は、根本方針といたしましては、個人の創意と工夫を生かしていきたい、こういうことが主眼でありますが、国の力でもってこれを押えつけるということは、ある一つの計画経済を立てました東条さんがやったのと同じことでありまして、この数字を押しつけていこう、力でやる、こういうふうな考えは持っておりません。できるだけ相談ずくでその数字をきめ、それから各自の創意と工夫を生かして生産を増強しつつ、輸出も増進しつつ、そこで間違いがあれば、ある程度の規制はいたす考えであります。その規制はどういうふうに、いかなる場合にするかということは、そのときそのときの状態に応じて政策として実行いたしたい、こういう所存でございます。
○永井委員 計画経済が東条方式と同じだというようなことは、これは大臣の独断であって、われわれはそういうふうには考えないのでありますが、これはこれとして、次に国土開発の基本的な考えは、どういうふうなお考え方、どんな構想で、どんな具体的な内容で今後おやりなるのか。この案によりますと、特殊開発地域というようなものを指定いたしているようでありますが、あるいは特殊土壌地帯、いろいろなものが問題を出しておるようでありますが、これらの開発の基本的な考え方を承わりたい。
○高碕国務大臣 国土開発は総合的によく考えまして、そして日本の治山治水、そのほか食糧増産、こういう方面からよく総合的に考えていきたいと存じております。きのうの御質問もあったごとく、あるところには片ちんばが起っておる、こういうことのないように心がけていきたい、こう存じております。
○永井委員 たとえば愛知用水のごとく、あるいは北海道における根釧原野、あるいは新篠津、石狩泥炭地帯、ああいうところに、世銀なり、外資の導入というような資金計画のようなものも考えておるのか。あるいは開発の方式については、それぞれの指定をした特殊地域について、公社というようなものを考えておやりになるのか、そういう具体的な内容を伺いたいと思います。
○高碕国務大臣 北海道の湿地あるいは例のツンドラ地域の開拓とか、愛知川水等におきましては、これはひとり世界無心だけでなくて、できるだけ低金利の資本をもってこれを開拓したい、こういう所存でございまして、公社にするか、あるいは民間の仕事にするかは、その場合によってよく考慮いたしたいと存じております。
○永井委員 国土開発計画の中における特殊地域の指定というほかに、たとえば土地の広ぼう、未開発の現状、こういうところから見て、今後開発の重点が置かれるのが北海道であるというふうに大臣も平素言われておるようでありますし、内閣もそういっている。それならば、この国土開発の総合的な計画の中における特殊地域としての北海道開発というものが、現在開発庁というようなものでやっておるわけでありますが、これを国全体の総合開発の中でどういう地位を与え、どういうふうな財政的な裏づけによって具体的な年次計画を進めるかというような、こういう計画、プログラムが必要であると思うのでありますが、そういうようなお考えはないかどうか。ただ毎年予算を折衝して、そうして毎年の予算の増減によって、その年その年の出たとこ勝負で開発をやる、こういうような計画をお持ちになるのかどうか、その点を一つ伺いたい。
○高碕国務大臣 ただいまの御質問の要点につきましては、国土全体から総合的に考えまして、それでどれから一番早くやるべきものかということをよく検討してきめるのがほんとうだと思います。その方針で進んでおります。
○永井委員 検討も何もない。北海道の開発が重点だということも前からわかっていることであり、ことに強調していることであるが、またこれから検討といえば、六カ年経過してしまう。 今具体的な構想なり、具体的な内容がないということで了承いたしまして、次に移りますが、日本の産業構造からいいましても、いろいろでこぼこがある。ことに日本の産業構造の中には、軍需産業というようなものが大きな部分を占めておって、終戦後そういうものがそのままの形で平和産業なり何なりの力に転換されたといえども、技術なり施設なり、そういうものはやはり軍需産業を指向する、そういう本質的な性格を持っている。そういうものを何しながらこれを近代化していく、あるいは国土の開発をやる、あるいは石炭なり鉄鉱石なり、地下資源なり、こういうものを相当重点的に基礎的にやっていかなければならぬ、こういうことになりますと、相当に資金というものが固定しなければならぬ。そういたしますと、こういう作業を進めていく過程においては、インフレが起ってくる要因がある、こう思うのでありますが、一体財政投融資の関係と、これら基礎的な関係に投入する資金の固定によるインフレというようなものが起ってくるいろいろな要件に対しましては、どういうふうにこれをお考えになっておるか。 またもう一つは、輸出の振興をはかると言っているのでありますが、輸出の振興をはかるということになれば、何といたしましても世界の国際市場において競争力を持たなければいけない。出血輸出というようなことを繰り返していたのでは、悪循還で問題になりませんが、そういうような場合に、どうしても七割以上は原料を輸入にまたなければならぬ、こういう日本の実情から見て、原料の輸入先という問題が相当問題になるだろうと思うのでありますが、そういうような点から、鉄鉱石にしても、あるいは粘結炭にいたしましても、アメリカからアジアの地区に輸入を切りかえるというようなことが基礎的に行われませんと、原料高の製品安、外国には出血輸出する、国内には高く売るという二重価格制、こういう悪循還がやはりいつまでもつきまとって、これは自立経済の再建にはなっていかないと思うのでありますが、そういった二つの点についてどういうふうな構想を持っているのか、伺いたいと思います。
○高碕国務大臣 経済六カ年計画の根本は、失業対策と、それから経済自立でありますが、これを実行するためには、インフレーションが起ってはいけない。どうしてインフレーションを防止するかということを根本方針にしてこれを立てているわけであります。できるだけ財政投融資の許す範囲におきましては、重点的にこれを持っていきますが、これによってインフレーションを起らせないという方針が根本でございますから、さよう御承知願いたいと思います。
○永井委員 方針はわかるのですが、国土開発なり、あるいは重要産業の設備の近代化というような、こういう固定資本に投入していく、その間に長期にわたって生産がこれに伴ってこないという過程においてインフレが起る要因があるのだが、それを具体的にどういうふうにやるのかということを聞いている。方針ばわかるのです。
○高碕国務大臣 よくわかっております。それは、その物事に応じてどうやるかということ、そこが重点であります。根本はそういうところです。 それから輸出入の問題でありますが、これはできるだけ今後は物を買ってくれるところから買うというふうな方針をとりたい、こういうわけでございます。従いまして、現在鉄鋼業のごとく、遠方から鉱石を持ってくるとか、あるいは粘結炭を持ってくるということは間違いがある。そこでこれを矯正して行きたい、こう考えております。
○田中(武)委員 私、最初言ったように、きのうの長官のあいさつの中に、生産性本部を中心として云々とあったので、長官に質問したのであります。所管が通産省だ、こういうことであるので、私はまず発足の経過、その性格、構成メンバー、これらを伺った後、その上に立って質問したい、こう思っております。たとえば加藤委員が質問した点は、その発足後の問題にも触れておったと思うのであります。そのような点も考えておった。 もう一つは、当初申しましたように、結局過去においては企業の合理化の名において労働者が首を切られていった。生産性の向上という名において労働強化をされた。こういうことについて労働者が心配しているが、どういうことになるか。そういう問題について、次に通産大臣の出席を求めて伺いたいと思います。
○前田(正)委員長代理 多分予算委員会で大臣はむずかしいと思いますが、一応連絡をとってみます。代理の企業局長が来ておられますので、差しつかえなければ午後に願います。 この際休憩いたしまして、午後一時半から再開いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○前田(正)委員長代理 それでは午前に引き続き委員会を再開いたします。永井君。
○永井委員 公取委員長にお尋ねをいたしたいと思うのであります。独禁法が出て、それが後退の方向に改正されたのでありますが、委員長はこれを、日本の実情に適応するような改正がなされた、こう言うのでありますが、われわれは、後退の方向にこれは修正されたと思うのであります。そういうふうな非常に後退の方向に修正されたこの法に基準いたしまして、さらにこの法律以上に、公取委員会の活動が実際面において非常に後退しているのではないか、いろいろの環境の変化に押されまして、実際の職務の遂行に欠くるところがあるのではないか、われわれはこう考えるのでありますが、委員長のこの改正に対する基本的な考え方、それからその後における活動、最近のいろいろな経済界の動き、そうして公取委員会の環境というものがどういう情勢に推移しており、どういうふうにこれを判断されておられるか、これをお伺いいたしたい。
○横田政府委員 けさほど二十八年の九月の改正について一言申し上げましたが、私が日本の実情に沿った改正と申しましたゆえんは、御承知のように、それまでの独禁法は、取締りの面から申しますると非常にいいのでございますが、非常に形式的にある行為をとらえて、それを独禁法違反ということにいたしておった傾きがあったのでございます。それが二十八年の改正によりまして、簡単に申し上げますると、実質的な競争の制限に至りません場合は、これを不問に付するという線が一つ出ておりますることと、不公正な取引方法につきましては、実は先般の改正はむしろその前よりも強化されておりまして、この不公正な取引の面とこの二点を一つの線といたしまして、そこでいろいろな事業者の活動行為の違法であるかないかということを決定することになったのでございます。つまり非常に形式的に取り締っておったものが、かなり実質的な面を見ながら取り締るという線に落ちつきましたので、その意味におきまして、あるいはこれは一種の後退というふうに申すこともできるかと思いますが、それがむしろ日本の実情に即しておるのではないかというふうに申し上げたわけでございます。 こうなりましたその改正法の施行について、公取の態度はあるいは法律の要求しておるよりももっと後退しておるのではないかという御懸念でございまするが、この点につきましては、われわれの気持を申し上げますと、先ほども申し上げましたように、法律が非常に形式的な取締りから実質的な取締りに移りました結果、法律の適用の面におきまして相当の困難を感ずる面が出て参ったことは、これは正直に申し上げまして争いのないところでございまして、その面におきまして、いろいろわれわれの調べまする範囲とか深さというようなものがかなり複雑になって参りまして、その点で前ほど敏活迅速な活動が、あるいはできなくなったという批判もあろうかと思うのでございます。それは法律そのものがかなり実質的になったという点に一つあるのではないかと思います。 それから諸般の情勢がどうも独禁法をじゃま者扱いにしておる——これは改正の前後を問わないことでございますが、そういうような社会一般の空気に押されて、公取がこの実施を手控えておるのではないかという御懸念でございますが、この点は外からごらんになりますと、あるいはわれわれの力の足らないところからいたしまして、そういう御懸念もあるかと思いますが、けさほども申し上げました通り、法律に定められましたところは、われわれの職責といたしましてこれを守っていくという気持を、われわれとしては持っておるわけでございます。ただ改正法の施行後、実はせっかく改正になりましたいろいろな諸般の規定が必ずしも十分に活用されておらない、それはあるいは法律に対するいろいろな誤解もあるように思われますので、われわれといたしましては改正法の趣旨にのっとって、これを大いに意味のある運用をいたしたいという意味におきまして、時折、折に触れまして、われわれが外に発表いたしますことが、とかく公取か何か独禁法施行の態度がゆるんでおるかのごとく報道される場合がございまして、これは実はわれわれが発表したり何かしておりますものは決してそういうことを言っておるのではございませんが、場合によりましてはそれに尾ひれがつきまして、そういうような印象をお与えしておるのではないかと思うのであります。そういういろいろな諸般の状況からいたしまして、そういう御懸念もおありになるのかと思いますが、私どもの気持はそうでございまして、これはいかに口をもって申し上げましても、やはり事実上のいろいろな仕事をもってお答えいたさなければならぬことと考えておりますので、今後の公取の仕事のやり振りを見ていただくほかはないと思いますが、一応私の公取といたしましての考え方をお答えいたした次第であります。
○永井委員 公取の仕事を執行する上に、行政組織の中で何か障害を感ずるような事態があるか、また対外的にそういう一つの抵抗が非常に強まってきておるのではないかとわれわれは考えるのでありますが、そういう関係はどうであるか、この二点について伺います。
○横田政府委員 公取の機構の上で独禁法の施行を困難にならしめておるような事情があるのではないかという第一点の問題につきましては、機構の問題はなおいろいろ検討してみなければならぬ問題があると私は考えております。何分司令部の指揮下を離れまして、公取が自分の足で立ち、自分の頭で仕事をするようになりましてまだ三年でございまして、幾らもたっておりませんので、一応ただいまの組織をできるだけ活用しますことによってもう少しやってみまして、いろいろまずい点が出て参りましたらそういう点を改めるということにいたしたいと思っておるわけでございます。 なお公取の組織そのものよりも、やはり人的の機構、それを構成いたしまする人物が非常に重要なのでございまするが、正直なところを申しまして、公取の発足のときは新しい役所でございますので、あちらこちらから人を集めて参ったような次第でございまして、そういう人が日本では新しい独占禁止法ということをぼつぼつ始めたというところでございまして、そういう人的構成の面におきましてもなお十分とは言いかねる面もございます。これはもちろん公取もだんだん育って参りまして、最初からおります人はだんだん仕事にもなれて参りましたし、今後も大いに公取のために働いてくれることと考えておりますが、この人物の構成の点につきましてはなおいろいろ工夫をこらして参らなければならぬと考えております。 それから第二点でございますが、御承知のように公取の仕事はほとんどあらゆる行政官庁との接触面がございまして、いろいろな問題につきましてきわめて密接な関係があるわけでございますが、現在の私の感じを率直に申しますと、あるいは外部からお考えになりますと意外にお思いになるかもしれませんが、各省との関係は比較的円満に行っておるように考えております。ことに通産省との関係は非常に深いのでございます。たとえば中小企業問題等につきましては——これは通産省と申しましても中小企業庁でありますが、それらとの関係は非常に密接なものがございまして、中小企業庁の人を何人もお借りして公取の仕事をしていただいておるという面もございまするし、なお実は公取自体の人だけではなかなか足りませんので、若い比較的有能な方に通産省、運輸省、農林省というようなところから来ていただきまして公取の仕事をやっていただき、またそういう方は公取へ来られて独禁法の考え方を非常によく理解して下さって、二年、三年と適当な期間をおきまして各省に帰られるというような関係でございまして、ここに言うに言われない非常に微妙な問題があるように思います。もちろん各省と公取の立場は、けさ小笠さんからも御質問がございましたように、いろいろな政策上の面におきまして衝突いたす場合もございます。しかしこれはやはり役所の性格上やむを得ないことでございまして、これにつきましてもいずれも誠心誠意をもちましてお互いに折衝いたしているつもりでございます。ほかの役所からのたとえば圧迫であるとかいうようなことは、運営上の問題としまして私といたしましては別に感じておらぬ次第でございます。
○永井委員 わが国が敗戦後廃墟の中から立ち上る、そのためにはいろいろな問題があるわけでありますが、日本の経済再建のためには、その出発点において正しい土台を築き上げていかなければならないという単に当面の経済活動ばかりではなくて、民族の将来と国の将来という悠久の展望の上に立つ基礎的な諸条件を今日整備するという役割を果していかなければならぬと考えるのであります。そういうことを考えて参ります場合、少くも資本主義経済なり自由主義経済という一つの考え方でこれをやります場合には、どうしても一つの正しい土俵が用意され、そこで正しい競技方法によって、正しい行司があって、そして勝負が正しくきめられていく、こういうことがフェヤーにだ行われなければいけないと思うのであります。従って今日ほど公正取引委員会の公正な活動を期待する時期はないと思うのであります。こういう重要な時期に当りまして、公取が現在どういうことをしておるかといえば、ただいまお話のありました通りに、法的な内容におきましても、行政的な機構におきましても、その運営においても、また行政の中における公取の地位というような面から考えましても、われわれは非常に不安を感ずるわけであります。特に解体された財閥がまた復元してきておる。金融の面を考えましても、今日ほど経済界に金融が力を持っておる時代はない。しかも大企業に集中的に融資されておる。あるいは財閥関係の金融機関は自分たちの系列への投融資を重点的にやっておる。あるいは税の問題一つ考えましても、一般的には相当高率な税を課しておきながら、その中において租税特別措置法あるいは企業合理化促進法というようなものを立法化して、大企業に対する特別な恩典を与えているというようなことは、日本の税制上いまだかつてない。こういう独占資本復元への大きな法的な措置が講じられておる。また貿易の関係を見ましても、外貨の割当にいたしましても、輸出入関係のいろいろな操作の中におきましても、今日ほど大企業が擁護され、暴利をむさぼっておる時代はないと思うめであります。法的にどんどんこういうようなことをやっておいて、そしてわずかに残された公取の一つの任務というものが影が薄くなって、その法律的な根拠を飛び越え、法的な擁護あるいは経済的な擁護、あらゆる恩典の上にあぐらをかいて、さらに公取を踏みにじってどんどん弱肉強食が行われるというようなことは、われわれは民族の将来を考えましても、国の前途を考えましても、決して正しい方向に動いておるものではないと考えるのでありますが、委員長はこれらの現在の諸情勢についてどういうような判断を持っておられるのか。これは公取の委員会の委員の当然の任務かどうかはわかりませんが、現在の経済の動きというものを一つの背景にした任務というものが自覚されませんければ、公正な活動は期待できないと思うので、一つその点を伺っておきたいと思います。
○横田政府委員 ただいまお示しの問題は、お話のございましたように、公正取引委員会の関係いたします仕事の範囲よりも非常に大きな問題でございます。その中で特に公正取引委員会に関係いたします面から私の考えを申し上げますならば、私どもが独占禁止法の法律の緩和ということに対しましてかなり否定的な態度をもって臨んでおりますゆえんも、ただいまお示しになったいろいろな情勢からいたしまして、現在の独占禁止法をもってそういうことから生じますいろいろな弊害を矯めるべく工夫されておりますそのことが、次々にさらに緩和の方向に向うということは、わが国の経済のためにゆゆしき問題であるとわれわれが考えております結果でございまして、こういうたとえば財閥の復活と申しましたり、あるいは金融の産業支配あるいは経営化という問題につきましては、もちろんわれわれといたしましても十分な警戒をいたして、独占禁止法の規定に基きまして厳格にこれを監視しておるつもりでございます。 なおその他独禁法の施行に関連いたしまして、いろいろ政策上の問題からいたしまして、それがしいて独占禁止法の理想といたしておりますような事柄にいろいろ障害になるような問題もあるようでございまして、われわれといたしましてはそういういわば独占禁止法そのものの施行と申しますよりも、あるいはそういう独占禁止政策、あるいはそういう考え方に基きまして、各省等に向いましてもいろいろわれわれの考え方を申し入れをいたしたり、できるだけの是正方に努力をいたしておる次第でございまして、それらのわれわれの仕事によりまして、ただいまお示しの問題に対しまするわれわれの態度を御了解願いたいと思います。
○永井委員 たとえば百貨店法の単独法を出して、百貨店の横暴を押えようという動きが、小売り業者の悲鳴の中から生まれてくるということを考えましても、これは公取が正しく活動していない結果であるといわなければならないと思うのであります。われわれは、かりに百貨店法の単独法を出しまして、これによって百貨店の独裁を押えようといたしましても、個々の取引の内容にわたりまして、この法律一本でこれを正しく押えることができるかどうかということについては大きな疑問を持つのでありますが、少くも不公正な取引の部面について、公取がもう少し正しく、また活発に、適切に活動いたしますならば、正しい独禁法の現存する限り、そうして公取が正しくこれを行われる限り、私はこういう単独法を作る必要はないことになってこなければならないと思うのでありますが、百貨店法の単独法を出すという情勢の生まれてきた事柄に対して、公取はどういうふうにお考えになっておるか伺いたい。
○横田政府委員 百貨店法につきましては、けさほどもちょっと申し上げましたが、その中に含まれると予想いたされますいわゆる不公正——独禁法的に申しますといわゆる不公正な取引方法に関する部分は、明らかに独占禁止法の問題でございまして、これにつきましては、けさほども申し上げましたように、われわれとしてはいろいろ工夫をして今日に至っているわけでございますが、諸般の情勢からいたしまして、十分な活動ができませんことはまことに遺憾でございます。しかしこの問題も多少時をかけ過ぎた感もございますが、やや一つの結論的なところまで到達したように考えますので、それに基いて公取の組織をもちまして今後できるだけのことをやって参りたいと考えております。
○永井委員 北海道における乳製品の調査及び裁判に関して結論が出ておるようでありますが、簡単でよろしいですから、その経過と結論をお聞かせ願いたいと思います。
○横田政府委員 農林中金の問題でございますか。
○永井委員 そうです。
○横田政府委員 ただいま御質問の問題は、昨年公正取引委員会で取り上げました農林中金、雪印、北海道バター、それから北信連でございますが、それを被審人といたします独占禁止法違反の事件のことと存じますが、この事件につきましては、実は審判官を指定して三人の審判官によって今年の一月ごろから審理に入りまして、実はまだ参考人を数人調べた段階でございまして、近く北海道へ出向いて十数人の参考人を調べるという段階に至っておりますので、まだこの問題については結論を出すに至っておらない次第でございます。われわれといたしましてはこの問題についての公取の考え方なり、あるいはこの審判を通じてこの問題に対する農林省あるいは農林金融側のいろいろの考え方というものをできる限り早く明らかにいたしまして、それに対する公正取引委員会の見解というものを明らかにいたしたいと考えておる次第でございますが、何分いまだ審判中でございますので、その結論についてはただいまはっきり申し上げることはできない状態でございます。
○永井委員 日本経済が国際的な舞台に出て堂々と太刀打ちしようとするようなそういう気魄とそういう努力を怠って国の権力と国の財政に依存して、そうして国内において弱肉強食によって安易な搾取をはかろう。この安易な搾取の上に自分が太ろうとするような不公正な動きが全体として流れておる。こういう動きがある限り、こういう状態が続く限り、日本の土台のある一つの再建ということは不可能であると思うのでありまして、この意味において、われわれは公取に対して非常に大きな期待をかけておるわけであります。現在の機構と現在の行政組織の中における公取のわれわれが期待する活動というものは、非常に困難でありましょうけれども、その中において、国家のためとか国民のためとかいう一つの看板を掲げておきながら、実質においては自分だけの暴利をむさぼっていくという、こういう気風を経済界から一掃するためにも、一つ公取委員長はしっかりと腹を据えて信念のある活動をしていただきたいと思うのであります。私は、この問題について商工委員会は、公取の公正な活動を大いに刮目して期待しているということで大いにがんばっていただきたいと思うのであります。委員長の所信を承わりたい。
○横田政府委員 大へん御同情ある、また御期待をおかけ下さいましたところのお言葉をいただきまして、まことに感激いたす次第でございます。力がなかなか及びませんで御期待に沿えないことを非常に恥じる次第でございますが、ただいまお示しのような線に向って、でき得る限りの力を尽したいと存ずる次第でございます。
○前田(正)委員長代理 次に田中武夫君。
○田中(武)委員 先ほどの百貨店の問題に関連してお尋ねしておきたいと思います。中小企業庁長官に御答弁願いたいと思います。 百貨店の不公正な取引の是正、それから中小小売商人に対する圧迫、これが現在問題になっておるわけであります。伸びんとしている百貨店を押えるというだけでは中小小売商人の保護にはならない。従って中小小売商人に対する積極的な保護の政策として、どのようなことを考えておられるか。たとえば百貨店の進出に対抗してといいますか、これによって自分たちの商売なり生活がくずされていくことを守るために、今日各地で、ことに小さな都市における中小商人が、協同組合とかあるいは連盟とかいったものを作って、たとえば何々専門店とかいうような名前でクーポン券を発行して、これを労働組合あたりとタイアップして月賦販売のようなことをやっている。ああいうような制度につきまして、積極的に保護していく、あるいは育成していくというようなことについて何らかお考えを持っておられるかどうか、これをお伺いしたい。
○記内政府委員 小売商の繁栄につきましては、われわれもかねがね非常に注意いたしまして、あらゆる手を打って参っておるわけでございますが、ただ何分にも全国各地に散在いたしておりますので、思うようなところまで至っておらないということを非常に残念に思っておるわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、今小売商は結局、消費者と直結していく最終の配給段階でございますので、これがうまく参りますことは、単に小売商ばかりではなくて、中小企業、国民生活全般についても、いろいろ関係を持ってくるわけでございまして、われわれとしても、今後とも小売商の振興については、いろいろ手を打って参りたいと思っておる次第でございます。 ただいまお話のございましたクーポン券の発行等に対する援助の問題でありますが、御承知の通り、考え方によりましては一種の月賦販売でございまして、この月賦販売の中には、あらかじめ金を積み立てさせておいて販売をする場合と、先に品物を渡してあとから代金を月賦によって取り立てる場合と両方あるわけであります。あらかじめ金を積み立てておいて、何カ月かたったところで商品を渡すというようなことをスムーズにやって参ることはけっこうでありますが、中には、例の保全経済会式のものにまで発展してくるおそれもございますので、こういうものについては、われわれとしてはあまり積極的には援助もできないのじゃないかというふうに考えております。ただクーポン券をあらかじめ発行しておきまして、それによって商品を売り渡す、あとから特約してあります工場、会社等職場の者との契約によりまして、給料を渡す際に取り立てを代行するというふうなことによって、月賦販売の効果を上げて参るというふうなことは非常にけっこうなことではないかと考えております。こういう面については、われわれといたしましても、いろいろそのやり方あるいはキップの様式その他の指導もいたし、またそれに関連するいろいろな警告等もいたしておる次第でございます。またそのために、必要な場合におきましては、商工協同組合等を組織しております場合には、商工中金等から資金の融通をするというようなこともいたしておる次第でございます。
○田中(武)委員 今おっしゃったように、発行の仕方あるいは発行しておる主体もいろいろありまして、中には今言われるような保全経済会のような組織のものもあると思うのであります。従って発行についていろいろな指導というようなことも必要ではないか、またあれがほんとうに労働者というか、給料取りには受けておる制度でありますので、それを一方において、そういうようなあいまいなものが出ないように取り締るといいますか、監督をする必要があると同時に、これを育成することが望ましいのではないかと思っております。
○記内政府委員 初めに申しましたものにつきましては、大体町の月賦販売会社等の個人営業としていたしておるものが多いわけであります。これを取り締ると申しましても、これは一種の預金集めのような関係にもなってくるわけでありまして、従いまして、これを取り締るということになりますと、いろいろなむずかしい法律問題等もございまして、そのやり力等によりましては相当効果の上る問題でもございますので、個別的に検討いたしませんと、そういうやり方が全部悪いとも考えられない、非常にデリケートな問題に相なっております。従いまして、それはそれといたしまして、むしろそれに対抗するような意味合いでそういうふうな商店街あるいは専門店街というようなもので共通のクーポン券を出し、これによって商品を先渡して代金の取り立てをあとからやるということになれば、弊害はほとんどございません。そういうふうな方面を奨励いたしておる次第でございます。
○田中(武)委員 だから、そういうようなものについて、何か積極的に保護するような法律とか政策について考えられないかということなんです。
○記内政府委員 すでに現在におきましても、そういうようなものは事実上行われておりまして、あとは消費者がこれを便利として利用するかどうかという問題になってくるかと思います。従いまして、法律でもってこれをどうこうするまでもないのじゃないかと目下のところ考えておる次第でありまして、法律までは現在のところ考えておらない次第であります。
○田中(武)委員 結局は、たとえば百貨店法を作るにしても、作り方によっては既往の百貨店を擁護するような結果になるかもしれない。要は伸びておる百貨店を押えるということだけでなく、そのために脅かされておるところの小売店を積極的に保護するということについての政策あるいは考え方というようなことをはっきりしていただきたい、そういうことを望んでおきます。
○記内政府委員 もちろんわれわれといたしまして、そういうふうな単にクーポン券の問題だけじゃございませんて、商店街を通じての——結局町の発展ということが小売商の発展ということにも結びついて参りますので、そういう面において商店街の発展というふうなことにもいろいろ手を尽しておりまするし、またお客の入りやすい、また感じのいい店にするというふうな意味合いにおきまして、臨店診断と申しまして、現実に店舗に参ってそこの店の構造、配置、取扱い商品の選別というふうな各般の指導などもいたしておるわけであります。ただ、今のところ、そういうふうな具体的な実際的な近代的手段を講じて、これの振興策をはかっておりますが、法律的にこれをどうこうするというところまでは考えておりません。そういうふうな積極的な手段をもってこれを援助して参りたいというふうに考えておる次第であります。
○田中(武)委員 積極的に指導し、また保護していくことを考えておられる、こういうことならけっこうです。
○前田(正)委員長代理 それでは質疑を終りまして、次会は来る十八日午前十時より会議を開くこととし、本日はこれをもって散会いたします。 午後三時四分散会