商工委員会 第10号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/12
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 議事に入る前にちょっと皆さんに御報告申し上げておきますが、先ほどの理事会の決定によりまして、本委員会の会議を開く日は、原則として毎週水、木、金の三日間連続開会をいたしたいということであります。第二は、来週からの議題としては、ただいま付託をせられております法律案のうち、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案、自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案及び中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、以上三件を一括議題として政府に対して質疑を行うことに決定いたしました。なおこの質疑にあわせて、通産省及び経審、公取等に対しての一般質問を取り行うということが理事会の決定でありますので、御了承願いたいと思います。 次に日程に入り、日本経済の総合的基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。まず両件について、高碕経済審議庁長官及び横田公正取引委員会委員長より、それぞれ説明を求めます。高碕経済審議庁長官。
○高碕国務大臣 政府は今回総合経済六カ年計画に基き、その初年度たる昭和三十年度について経済計画の大綱を策定し、本年度本予算並びに財政投融資計画編成の基礎とするとともに、本年度の基本的な経済政策についてその概要を明示いたしたのであります。 今、お手元に配付いたしておきました昭和三十年度経済計画の大綱に従って、簡単に本年度の基本的経済政策について御説明申し上げたいと存じます。 御承知のように、六カ年計画におきましては、経済自立と完全雇用とを目標といたしておりますが、この目標を達成いたしますためには、一時的にもせよ、インフレーションを招来するようなことがあってならないことは申すまでもありません。それは必ず国際収支の不均衡と、経済基盤の弱体化をもたらし、結局目標の達成を不可能にすることとなるからであります。 かような見地から、本年度の経済計画は、六カ年計画の初年度といたしまして、さしあたり経済の安定を旨とし、将来の経済発展基盤の育成をはかることを目途として策定いたしました。従いまして、本年度におきましては経済の安定基調を堅持することに重点を置き、財政、金融の均衡を維持し、通貨価値の安定強化、貯蓄の増強、消費の健全化等をはかって参る考えであります。さらにインフレを起さないで計画の達成をはかって参りますためには、今後特に資本蓄積を強力に推進いたす必要がありますので、本年度におきまして税制の改正等所要の措置を講ずるとともに、これら蓄積資本が重要産業の合理化等重要な方面に確保されるよう適切な措置を講じて参りたいと存じます。また物価につきましては、国際物価との均衡をはかるため、各種商品の生産性を向上し、コストの引き下げを達成するよう一そうの努力を傾けるつもりであります。ことに公企業料金、重要物資の価格につきましては、経営の合理化、生産用原材料の供給確保、資金の疎通を促進する等の方法によりまして、努めてその低廉化をはかる方針であります。 一面、政府は率先して冗費の節約に努めるとともに、新生活運動を国民的規模において展開し、国産品の使用を奨励する等、極力消費内容の健全化に努め、貯蓄の増強に資するよう努力いたしたいと存じます。 また国土の保全及び開発につきましては、今後とも引き続き重点的かつ効率的に実施して参りたいと考えております。 次に、本年度における産業政策の重点は、これを特に輸出の振興、国内自給度の向上、産業の合理化、生産性の向上、中小企業の育成、国民生活の安定、就業機会の増大等に置いて参りたいと考えております。 まず第一に輸出の振興につきましては、本年度においてぜひとも十六億五千ドル程度まで輸出を伸張せしめたい所存であります。これがため、根本的には、企業の合理化によりまして、輸出品コストの引き下げと品質の改善に努め、輸出競争力の強化をはかることが肝要であります。これとともに、貿易商社の強化、取引秩序の確立、輸出金融の円滑化等に努め、特にプラント輸出促進のため重機械技術相談室の強化、輸出入銀行資金の充実等をはかって参る所存であります。 また、対外的には、経済外交をさらに強化し、国際経済協力の促進をはかるとともに、見本市の開催、海外市場の調査宣伝活動を活発化して参りたいと考えております。特に東南アジア、中近東及び中南米諸国が、わが国貿易市場としてきわめて重要である点にかんがみまして、賠償問題等の解決をはかり、これら諸国との友好関係の確保に努め、経済協力を一そう推進し、通商関係の拡大にできる限りの努力を払う所存であります。 第二に資源の開発、国内自給度の向上につきましては、その重点を食糧、海運、電力、石油、繊維等に置きまして、効率的な増強方策を推進して参る考えであります。 すなわち、食糧につきましては、米麦を初めとして、畜産物、水産物を含め、総合的に自給度の向上をはかるため、経営の多角化、流通の改善等各般の効率的な施策を講じ、農林漁業経営の安定をはかって参りたいと考えております。 次に、海運につきましては、約十九万総トンの外航船を建造して、貿易外収入の増加をはかる一助といたしたいと存じております。繊維につきましては、合成繊維、アセテート等の増産とその品質の改善に力をいたし、需要面を開拓し、もって輸入原料の減少に努めたいと存じます。また国産石油、電力等につきましては、今後とも、重点的かつ効率的にその開発を推進して参りたいと考えております。 第三に企業の合理化、生産性の向上につきましては、さきに発足を見た日本生産性本部を中心として強力に推進して参る考えであります。この場合、企業の合理化に必要な資金に関しましては、財政投融資の重点化、効率化に努めるとともに、日本開発銀行の債務保証制度を活用する等の方法により、その供給の円滑化をはかるつもりであります。 なお、企業の合理化を実施するにあたりましては、その重点を石炭、鉄鋼等基幹産業に指向して参りたい考えでありますが、特に石炭につきましては、そのコストと価格の低下とを促進することの緊要性にかんがみまして、燃料全体にわたる総合対策を樹立するとともに、石炭鉱業の合理化を強力にはかりたいと考え、これがため必要な法的措置を準備いたしたいと考えております。 第四に、中小企業につきましては、日本経済に占める地位の重要性にかんがみまして、本年度中小企業金融公庫等の資金源を充実するとともに、これら資金が産業基盤の強化、生産性の向上に寄与するように指導いたしたいと存じております。また相談所の充実、中小企業協同組合の強化、製品の海外坂路の開拓等中小企業の育成助長に適切なる処置を講ずる所存であります。 〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕 第五に国民生活の安定につきましては、本年度施策の重点の一つを住宅の建設に置き、昨年度よりも約十一万戸増の四十二万戸を建設いたし、住宅不足を計画的に改善して参り、雇用増大の一助といたしますとともに、社会保障の充実に努める考えであります。 以上申し述べましたように、本年度の経済施策の基本といたしましては、将来のわが国経済の発展基盤の確立に重点を置きつつ、生産活動の増大を期する考えでありますが、なお発生する失業者に対しましては、道路事業、河川事業その他の事業を実施いたし、これらの労働力を努めて建設的事業に吸収して、少くとも完全失業者の数が二十九年度のそれをこさないように努力する所存であります。
○首藤委員長代理 次は横田公正取引委員会委員長。
○横田政府委員 公正取引委員会の最近におきますいろいろな活動の状況につきまして、ごく簡単にその大綱を申し上げたいと存じます。詳細は二十八年度の国会に対します報告書並びに昭和二十八年の独占禁止法改正後今日までの運用状況の概略と申しますパンフレットをお手元にお配りいたしてございますので、それについてごらんいただくことにいたしまして、私からはごく概略を申し上げます。 ただいま申しましたように、昭和二十八年の九月一日に独占禁止法の相当の大幅な改正がございました。この改正の骨子は、御承知のようにカルテルの結成につきまして、相当な緩和をいたしたという点でございます。そのうちで不況カルテルと合理化カルテル、この二種類がございます。しかしながらこの二つの規定の運用というものが実は法律改正当時はあまり活発に行われておらなかったのでございます。ところが最近に至りまして、だんだんそういうカルテル結成の動きが業界のうちに見えて参りまして、ことに合理化カルテルにつきましては、つい最近にわたりまして大体三件の申請がございまして、そのうち二件はすでに認可になっておりますし、他の一件につきましては現在調査中でございますが、やがて大体認可という運びになろうと思います。まずその点につきまして少し申し上げますと、ただいま申しました三つの合理化カルテルの第一は、古銅のくずの輸入に関するカルテルでございます。これは古銅輸入協議会という一つの団体が中心となりまして——これが大体伸銅業者百社以上も結成した一つの団体がございます。これによりまして、輸入銅くずの価格、数量あるいは購入方法というような相当広範なカルテルの結成を目的といたしたものでございます。これにつきましては三月九日に申請がございまして、三月三十一日に認可になっておる次第でございます。 さらに一昨年の暮れから問題になっておりまして、ずっと懸案になっておりました御承知のくず鉄の購入に関しまするカルテルにつきましては、いろいろのいきさつがございましたが、最近に至りまして、三月三十日に、八幡製鉄外十八社から国内のくず鉄の購入価格に関する共同行為並びに輸入くず鉄の購入価格並びに購入方法等に関する協定につきまして認可の申請がございまして、それも私の方で前々調査をいたしておりましたことでございますので、ただちに手続を進めまして、四月十一日に認可をいたした次第でございます。 第三番目は混紡糸のいわゆる生産品種の制限とでも申します合理化カルテルでございます。これは要するに混紡糸の品質をよくいたしましために強制検査をいたしますと同時に、三五%以上の綿を含んでおりますものとそれ以下の良質のものとの間に表示上の差をつける。なおその実行につきましては、確保いたしますために相当強力な罰則の規定を設ける等のいわゆる生産品種の制限に関するカルテルでございます。これは四月六日に申請がございまして、現に調査中でございますが、最近業界等の希望をしんしゃくいたしまして、大体五月二十一日ごろには認可に相なるものと考えております。なおそのほかまだ正式の申請にはなっておりませんが、合理化を目的といたしましたカルテルにつきましては、いろいろ動きがあるようであります。ただ不況カルテルにつきましては、これも二、三件業界から非公式に公取に対していろいろ問い合せもございますが、これは業界内部のいろいろな事情もございまして、いまだに正式の申請は一件もない状態でございます。この不況カルテル、合理化カルテル並びに独占禁止法上のいわゆるカルテルの取締りに関します公取の見解というものは、一昨年九月一日の改正法施行当時に、われわれの考え方を声明いたしましたが、大体その線は基本的にはかわっておりませんが、しかし合理化カルテルにつきましては、御承知のようにコストの切り下げ、品質の向上というようなことが、輸出その他わが産業を振興いたしますために、喫緊なことになっておる点にかんがみまして、われわれといたしましては、合理化に役立つものでございますれば、これを関連業者に不当な不利益をこうむらせず、また関係者の間に不当な差別扱いをせず、また特にある企業に生産が集中するというような弊害の認められません限り、どんどん進んでこれを認可して参りたいと考えております。不況カルテルにつきましては、やはり厳正な態度で臨む方針ではございますが、御承知のように産業の中にも好況の波に乗っておるものもございますし、いろいろデフレ政策その他の関係からいたしまして、かなり窮境に立っているものもあるように考えられますので、それらの業界の実情に即して、弾力性のある、また機動的な運用がはからるべきであるというふうに考えておる次第であります。 〔首藤委員長代理退席、委員長着席〕 これがカルテルに関する最近の動きであります。 次に先般の改正で相当重点を置かれましたものに、いわゆる不公正な取引方法の問題がございます。この点はむしろ先般の改正によりまして取締りをやや厳にいたした面でございます。この点に関しましては、御承知のようにいわゆる取引上の地位を乱用しまして、他の企業者を不当に圧迫することが、不公正取引方法の一つに加えられました結果、御承知の百貨店業対納入業者、卸売業者あるいは一般小売業者の問題、あるいは親企業対下請企業の問題といたしまして、下請代金の支払いに遅延等の問題が提起されておりますが、いずれにいたしましても、相当期間にわたりまして調査をいたしまして、百貨店の問題につきましては昨年の十二月に百貨店業に特有のいろいろなおもしろくない取引方法がございますので、法律によって与えられました権限に基きまして、百貨店の不公正な取引方法に関する指定ということをいたしまして、現在はその指定の状態がどういうふうに動いておるか、ことに返品問題あるいは手伝い人を強要する問題、あるいは友の会というような問題までにつきまして、いろいろその後の動きを調査いたしておる次第でございます。なお下請問題につきましては、一昨年の暮れ、すなわち独占禁止法改正前からすでに問題になっておりましたが、独占禁止法で明らかにこれを取り上げ得ることになりました結果、二十八年の改正の年の暮れに、相当広範囲な調査に基きましていろいろ処理をいたしまして、それをまた昨年の春からほとんど今年にかけまして百数十社にわたる親企業、その下請企業またおびただしい数に上るのでありますが、中小企業庁と公取と密接な連絡をとりまして、相当広範囲な調査をいたしました結果、不当と認められますものをだんだん選びまして、それについてさらに詳細な調査を行いまして、いろいろ改善策を講じ、それに基きまして相当の改善が得られたと考えております。なおこの下請企業の代金の支払いにつきましては、認定基準と申しますか、いかなる程度に至りますればそれが不当なものであるかということにつきまして、一応の基準を二十九年の三月に設けまして、これの徹底を相当はかっておる次第でございます。しかし御承知のようにこの問題は絶えず調査を続ける必要がございます。本年度におきましても、まだいろいろ計画は立ってはおりませんが、この点については今後も十分に力を注いで参りたいと考えております。 なお御承知のように景品付販売その他非常におもしろくない販売方法が横行いたしておりまして、この点につきましてはすでに昭和二十八年の九月の改正法施行後いろいろ業界につきましてそういう販売方法を是正するための不公正な取引方法としての指定をやっておりました。すでにその業界は数にいたしまして、七、八に及んでおりますので、なお引き続きまして新聞業、ミシンあるいはキャラメル、最近新聞紙でごらんいただいたと思いますが、清原飲料水の問題につきましても同様な問題がございますので、これらの点につきまして鋭意調査中でございます。 なお先般の改正でもう一つやや特色のございまする点は、御承知の再販売価格維持契約というものが日用品につきましてある程度認められることになったのでございます。これにつきましてもすでにいろいろな業界からこの商品の指定の申請がございまして、その申請に基きまして調査いたしました結果、化粧品、歯みがき、石けん、雑酒、キャラメル、医薬品の一部あるいは最近カメラというようなものにつきまして指定をいたして、要するに小売業の安定をはかるということに力をいたしている次第でございます。 なおこれらはいずれもいわば公正取引委員会の行政的ないろいろな面でございますので、この行政的面にはさらに広範な調査の問題がございまして、これらと先ほど申しました概要の説明書の最初の方の部面に現在公正取引委員会で調査いたしておりますいろいろな問題があげてございますが、これを見ていただきますことにいたしまして説明は省略いたします。 なお審査活動といたしましては、最近にこの改正法施行後取り上げました事件の数は百件足らずでございます。そのうちの半分くらいのものはいろいろ調査いたしました結果正式の事件として取り上げないことになっておりまして、そのあとの半分くらい現在調査中、あるいはすでに審判にかかり、あるいはすでに裁判所に行くというような状態になっているのでございます。これも内容はいろいろでございまして、これを一々御説明するのは省略させていただきます。ただいま申し上げました半分くらい不問になっていると申しましたようなものにも、実は実質的には相当重要な問題がございまして、しかもそれは正式な審判にはかかりませんでしたが、実質におきまして非常な是正がはかられました結果、審判に対する必要がないということで不問になったものは相当ございます。ことに銀行の各種の企業に対しまする人事干渉でございまするとか、あるいは合併の強要、いろいろな問題がございますが、それらは比較的早期にそういう正式な手続を経ないで解決しておるのでございます。この部門の中にもいろいろそういう事件があることを御承知願いたいと思います。 以上はなはだ簡単でございますが、最近公正取引委員会で取り扱っております問題のごくあらましを申し上げた次第でございます。いずれまたいろいろ御質疑等によりまして詳細にお答えいたしたいと思います。
○田中委員長 横田公正取引委員長に対する質疑は明十三日午前に行うこととし、高碕経済審議庁長官に対する質疑のみ許します。質疑は通告順にこれを許します。八木昇君。
○八木(昇)委員 それでは三、四の問題について御質問をいたしたいと思います。 電源開発問題についてお伺いをいたしたい。すでにいろいろな点にわたりまして通産大臣の方には質疑がなされておるのであります。そこでできるだけ経審長官に関係のあるような点についてお伺いをいたしたいと思うのでございますけれども、あるいは若干通産省の方と関連があるかもわかりませんが、できるだけ長官の御意見を率直にお述べ願いたいと思います。新聞紙上その他で見た範囲でございますので、私もよくわかりませんが、最近三、四カ月間のやりとりを見ておりますと、現在の電発会社の方と政府との間にいろいろな点について意見の食い違いがあって、事ごとに両者が見解を相互に発表し合っておる。こういうふうな傾向をよく私としては感ずるわけです。それからまた電源開発の問題につきましても、各電力会社の方面の考えと電発会社との考えにいろいろズレがある。しかもその電力会社と通産省あるいは経済審議庁との間にも相当の食い違いがある。今度は電発会社と政府との間にもまた食い違いが出ておる。問題の所在がばくとしてとらえ難く、相互におのれの立場を主張して盛んにやりとりが行われておる、こういうふうに考えるわけです。従ってそういった間の調整といいますか調節と申しますか、そういうものがとられて、ほんとうに総合的な合理化された電源開発の立案計画並びに実行というようなものが果してうまく行われておるかどうかということについて非常な疑いを持つわけです。そこら辺の点につきまして最初に御見解をお伺いいたしたいと思います。
○高碕国務大臣 九電力会社と電発会社と、それから政府との間の意見の食い違いがあるという御質問でございますが、こういうことは各社の立場においてそれぞれ意見を異にするのは当然であると思います。思いますが、 これをよく調整していくというところに政治の要諦があるのでありまして、そういうふうな問題がもし取り上げられましたならば、経済審議庁はこれに対してよく調整をいたしたい、こう存じております。
○八木(昇)委員 非常に常識的なお答えでございますけれども、具体的にお伺いしますと、名前をあげますが、小坂電発会社総裁が、私も非常に忙しいときでございましたので新聞もよく見なかったときでございますが、三月ごろであったと思うのですけれども、電発会社の経理について何らやましいところはないんだというような意味合いの、新聞記者団に対する談話みたようなものがあったように思います。それから三月ごろ、これも日経新聞あたりにも載っておったと思いますが、電気料金問題についても、電源開発問題についても、普通の常識的な限度を越えた通産大臣が何かの見解が出されると、ぱっと電源開発会社総裁がそれとことさらに異なった見解を出される。経理問題のようなものについてまでも何かしら奥歯にもののはさまったようなもののやりとりがある。こういうふうな印象を与えておる。ですからどうも普通の状態ではなく、ちょっとこれは逸脱しておりはしないかという点をお伺いしておるわけです。
○高碕国務大臣 それは新聞社の書くことは新聞社の随意でありまして、また御想像は御想像の随意でありますが、私ども電源開発会社に対しては経理上の不備の点があるとは存じておりません。必ずこれはりっぱにやっておられると存じております。またそういう意見の食い違いがかりにあるとすれば、これは一つの想像でありまして、私はそういうことはないと存じております。
○八木(昇)委員 一応そういうことで承わっておきます。 そこで具体的にお伺いをいたしたいのであります。昔は日本発送電、それから九つの配電公社というものがあったものを九分断いたしましたが、その後わずかの年数でもって通称小坂日発といわれるような形の電源開発会社というものがまたぞろ設置をされた。こういう経過を経ておるわけです。その後見ておりますと、一体電源開発についての基本的な施策をどういう基本方針に基いてやらしていくかということが全く私ども捕捉しがたいのです。そこで本年度の予算案やその他を見ますと、この電源開発会社に対しては二百九十八億の投融資をされる。それから開銀を通じての融資を電力会社あたりに二百八十億程度やられるというようなお話であります。そこでいろいろ開発をされなければならない地点がありましょうが、それぞれの会社からいろいろ申請がくるものについて、一体どこからどこまでの限度をどういう考えに基いて電発にこれをやらせ、それからどこからどこまでの分を電力会社にやらせるというようなことについてのあるまとまった御見解がおありになるかどうかということが一つと、それからもう一つは、その場合経済審議庁あたりで考えておられまする電源開発の大体の計画は、大ざっぱに申しましてこの数カ年の間に五百万キロ程度くらいは何とかしたい、そういうことであろうと思います。ところが一方におきまして、本日も参考のプリントが渡っておりました電力中央研究所ですか、こういうところによりますると、数カ年に少くとも六百数十万キロというものの電源開発が必要であるということを強力に主張しておるようであります。こういう点についても見解が非常に不統一であって、政府それ自体としてはどういうふうに考えておられるのかが明確さを欠くわけであります。しかもこの開発の内容について、大体経審方面のお考えでは水力と火力との比率について従来の方針を踏襲すると申しますか、水力に重みが相当かかっておる。しかしながら電力中央研究所あたりの見解としては、将来火力に対する重みが相当かかってくる。それから今度はさらに仕事を実際やっていくについては、できる限り電力会社でやろうという計画であるけれども、政府の方面のほどちらかというと開発会社を通じてやらせるという方向の重みが何がしかよけいかかっておるというような感じがするわけであります。そこら辺の非常な困難について、経審長官としてはかくかくこういう考えだということをこの際お聞かせいただきたいと思います。
○高碕国務大臣 詳細な数字にわたりましては私ちょっと記憶がありませんから、根本方針だけを一つお答えいたしたいと存じますから、さよう御承知おきを願います。 電源開発会社はとにかく水力電気の中で非常に大規模で困難なる地点をやるわけであります。比較的容易であって小さなものは電力会社にやらせる、こういうのが今までの全体の方針だったのであります。なおこの方針は将来あるいは多少考えなければならぬかと思います。というのは、水力電気の開発はだんだん原価が高くなって参ります。高くなってくる結果、九電力会社にやらすというとそのコストが非常に高くなるだろう。従いまして水力電気の開発のコストが高くなるのはそのコストのもとほ何かというと金利でありますから、できるだけ金利の安いものを使うとか、あるいは税金等を免除するとかいろいろな方法でむしろ電源開発会社をして衝に当らしめて、コストを下げるという意味からやった方がよくはないかと思っております。これはただいま研究中でございますが、大体今までの方針はそういう方針で電源開発会社と九電力会社とでやらしておったわけです。それから火力のお話がございましたが、私は水力電気というものは、これは単に電気の問題だけでなくて、総合開発の関係が非常に多うございますから、将来電気のコストだけの問題でなくて、国家全体としてあるいは治水だとかあるいは治山だとか、そういう方面とからんでやらなければならぬから、この水力電気の開発というものは特殊に考えていこう。そういう意味から言いましても、むしろこれは将来開発会社にやってもらうという方針でございます。 それから火力の方はただいまから申しますると非常に機械が進歩して参りまして、発電の原価が水力よりも安く上るということはいわゆる松永構想などに言われておるのでございますが、これはまことにその通りでございます。一体火力というものは水力を供給してもなお不足のときに補うというのが主眼でございまして、それに今日またなけなしの金をたくさんかけてやるよりも、多少能率は悪くても予備機関であるという意味からいけば、従前の古いものを利用していかなければならぬ。こういうことから国家全体の資金計画、国家全体の産業計画等から総合的に考えまして、ただ一がいに安くつくからこの火力の機械をどんどんいい機械に変えてしまうということにもいかない、そういうふうな根本方針をもって指導していきたいと存じております。 それから問題は、結局すべての電力行政という問題はいかにすれば電力を十分に確保し得るか、これが第一でございまして、それから第二にその原価をどうして安くするか、電力料金を引き下げるか、こういうことを考えたいと思いまして、そういうふうな根本方針をもって今後電力行政をやっていきたい、こういう考えでございます。ただいまの御質問は大体それで答え得たかと思いますが、何か落ちておりましたでしょうか。
○八木(昇)委員 それは現在ある発電会社と九つの電力会社の事業形態というものを是認して、その間に何とか格好がつくように、大きな矛盾が出ないようにという観点からのお考えだと思うのです。ですけれども現在ある姿をあるがまま動かしていかなければならないなどということは、これは何もないわけです。電源開発を最も合理的に促進しなければならないというのがわれわれの大きな目的でございますから、そういう観点からいきますると、ただいま言われましたようなことではほんとうに合理的な電源開発は進められないと私は思います。 そこで先ほどのお話では、電発会社というものに相当重みを持たして、そうしてやはり火力というものも考えるけれども、水力電源開発ということを相当重点的に考えて、しかもその仕事は電源開発会社あたりに相当重みを持たしてやらしていく、こういう大体のお考えのようであります。しかし元来、現在ある電源開発促進法によりましても、電源開発会社が行うべき仕事というものについては相当制限があるわけです。電発法の十三条二項には、一、二、三の開発地点というものを大体指定しておる。そうして民間電力会社が申請してきた分以外の地点についてやる、こういうふうなことになっておるわけでしょう。そうしますと、ただいまおっしゃられましたような経審長官のお考えであるとすれば、今の電源開発促進法というものについては相当考えなくてはならぬという結論になるのだろうか、こう思うわけです。そういうふうに考えると、もしそこまで考えていかれるとするなら、元来が大体九つに電気事業を分割して、電源開発も発電も送電も配電も一切それでやらせるという考えでもって分割をしたにもかかわらず、その後一年の時を経たかと思うと、またぞろ電発会社を作ったということ、それにまで問題をさかのぼらしてこれは根本的に検討をやり直すべきではないか、こういうふうに考えるわけです。いろいろな問題が起きてくるでしょうが、やはり何といってもこういうふうないざこざ、ごたごたがしょっちゅう電気事業をやっていくものの内部において続くということがないような形においてこれは考えらるべきじゃないかと思いますが、そこら辺の御見解を伺いたい。
○高碕国務大臣 ただいまの御質問でございますが、現在の法規のもとでやっていくのは当然でありまして、私さっき申しましたのはそのことを申したのであります。今のお話のごとく、将来といたしましては、原則として、いかにして電力の料金を安くするか、いかにすれば電力が円滑に供給できるか、こういうことを根本方針といたしまして、現在の九電力会社は現在のありのままでいいかどうかということも相当検討をし、そうして現在の電発会社の方針がいいか悪いかということも検討しなければならぬ。そういうことで、今の御説明のごとく慎重にこの問題を検討する必要があると存じまして、今せっかく検討中でございます。
○八木(昇)委員 それでそういう点を質問いたしますと、検討中ということで、取りつく島がないのですが、検討中と申されましても、長年こういった問題にたんのうな長官のことでございますから、大体こういうふうな考えを持っておる、将来の電源開発を円滑にやって行くためには、こういう形態をもってこういうふうにやって行くがいいと思うというような、大体の御見解があろうかと思う。本日できるならばその大筋について御発表を実はいただきたい、こう思うわけでございます。それと同時に、元来これはどちらかといえば通産大臣の方のお考えをただすべきかとは思いますけれども、電気事業そのものが公益事業、公益事業ということをよく言うわけです。しかし公益事業というものは、これは消費者の利益に便ならしめ、しかもその消費者が一般庶民大衆である。しかも供給する側が独占的な形にどうしてもなるような、こういうものささしておるわけで、これは主として家庭電燈であるとかアイロンであるとか、こういうふうな消費者を対象としての考え方だろうと思う。ところが今日では電力消費のほとんど八割は動力消費である。しかもその動力消費のうちのさらにほとんど大部分を占めておるものは大口の動力消費である。こういう意味からすると、今日申します電気事業というものは、公益事業というよりは、基礎産業という意味においての対策というものが一番中心課題となっておる、こういうふうに考えられる。そうしますと基礎産業の場合は、鉄鋼であれ何であれ、原則的には、それぞれの民間事業がどんどんやって行って、その事業の採算の合う価格で売って行く、こういうことになるわけですが、しかし電気の場合には絶対にそういうわけにいかない。そこに結局国営的な、社会的な考え方というものが必然的に生れて来る。従ってイギリスやフランスあたりにおいてはその通りにずばりと断行しておるわけです。結局行き着くところそういうところに行き着かざるを得ない。幾ら観念的にどう考えても、現実の欲求というものがそこへ行き着いてしまっておる、こういう考え方を持つわけで、これは私の意見であります。こういうふうな点をも十分に考えて行くならば、今後一体どういうふうな形態を電気事業はとって、その上に乗って電源開発をして行くかということについての長官の大筋のお考えが出て来よう、こう思うわけで、御答弁願えるならば御答弁を願いたい、こう思うのであります。
○高碕国務大臣 ただいまの御質問はごもっともで、私どもそれはしょっちゅう考えておる点でございます。一体電気事業というものは今の基礎産業である。同時に公共事業である。この建前からいろいろの施策を考えておりまして、ただいま検討中でございます。
○八木(昇)委員 それ以上の答えがなければやむを得ないと思います。 そこで問題を現状の点に返したいと思います。今日の電気事業の場合には非常に性格があいまいであるということは、だれしも言われておるところです。その場合に、さらにこれが変な意味での政治性がからまりついておる、こういう感じを持つわけであります。たとえば電発会社の場合にも、今日の高碕経審長官が総裁をしておられ、そうして当時の内閣の方か別の方を御任命になって、今日総裁になっておるわけです。それからまた民間の電力会社の場合にも、当時の政府と政治的な立場において非常に密接な関係の方、そういう方々が電力会社あたりの中枢に相当おられるというような現実から、そういうふうな政治的なからみ合いというものが底流して、そうして事々に新聞面をにぎわせるというようなことにどうもなりかねないというよりは、なっておるんじゃなかろうかというふうに気を回すわけであります。事実そういうことが巷間でもいろいろ論議されて、一体どういうふうにやって行くだろうかということについていろいろなうわさがされておる。こういった点につきましても、今後十分にお考えをいたされまして、公益事業という名前を冠しておるにもかかわらず、公益には非常に反したような形での運営がなされておるのではなかろうかというような疑惑が一掃されるように、今後とも努力をしていただくようにお願いをするわけであります。 そこで問題を次に移したいと思います。水火力の調整という問題についてお伺いいたします。水火力調整などというものが必要なような電力の分断をやったことには相当な批判があると思いますけれども、しかしこの問題について、大体当初三カ年で一応やろう、それから一年延長をしたということで、期限がいよいよ切れようかというような時期にもなって来ておるのではないかと思います。今後この水火力調整問題についてどういうふうにやって行こうと考えておられるのか、一つお伺いしたいのであります。
○高碕国務大臣 第一の御希望の点でございますが、従前、電力会社が水利権その他いろいろな関係上、いろいろ政治問題とくっついておったという事実は、私も承知しております。私電力に入りましてごく新しいのでありますが、そういう弊があるということは認めておったわけであります。私は電源開発会社をお引き受けいたしまして一年六カ月働いておりますが、それを、私の交代に対しましていろいろな世論がありましたが、私の関する範囲におきましては、全然そういう問題はありません。私自身が自分の都合でやめまして、そうして小坂さんはりっぱな方だと思いまして、私が御推薦申し上げたわけであります。この問題につきましては、私はその点は明白にいたしておきます。当内閣といたしましても、こういう政治問題とからむということは非常に世間の誤解を受けるのでありますから、この点はきわめて慎重に人事等やって行きたい、こう存じておるわけであります。政治問題とこういうふうな公共事業とが相からみ合うということは、非常に悪い結果を来たすわけでありますから、これは十分注意をいたして行きたいと存じます。 それからただいま水火力の調整の問題ですが、これは私はなはだ何でございますが、はっきりした答弁は政府委員からさせますから、さよう御了承を願います。
○石原(武)政府委員 水火力調整の問題につきましては、元来これは通産省が所管しておりますので、われわれからあまりはっきりした方針を申し上げるのはいかがかと思いますが、一応お答えいたします。御承知のように水火力調整値ができましたのは、分割をいたしました際に、水力地帯と火力地帯の電源コストが非常に開いておりますので、一部の需用者には非常に電力料金が下るにかかわらず、一部は非常に上るということがありまして、その影響の甚大なのを緩和するのに水力地帯から火力地帯に補給をするということになっておりました。これは順次改正していくという方向で当初もできておるのであります。現在までもたしか私の記憶では二回その金額を調整し、料金を引下げてきたはずであります。この問題は当初からただいま申し上げましたように、期間内になるべく廃止したいというのが根本方針でございましたし、また現実に御承知のように石炭の価格が現に下って参りました点もございますし、非常に効率のいい、安い設備が出てきたことによりまして、火力発電のコストが水力とだんだん差が少くなってきたという事情がございますので、やはり今後の方針といたしましては、一挙に全部廃止するかどうかということは、その影響を十分考慮しなければならないと思いますが、方向としては、水火力調整は順次縮小するような改正方向に考えるべきだ、こう考えております。
○八木(昇)委員 私が経審長官並びに政府委員の御答弁に期待をいたしておりますのは、もっと具体的なお答えです。実は私はある電力会社の従業員でございます。そうしますと、今度内閣が変った、うちの親分さん変るだろうか、こういうのが一般の感じでございます。これは率直にみんなの空気でございます。こういうあり方についてどういうお考えをお持ちになり、今後具体的に何らかのことを考えられるお気持があるかということを聞いておる。 それからただいまの水火力調整の問題は漸次縮小をしていきたいというのでございますけれども、もっと具体的に、これこれこういうふうな今後の見通しと計画だというような、もう少しく具体的な点をお伺いしたがったのであります。もう一度お答えをいただきたい。
○高碕国務大臣 ただいま政府委員からお答え申しましたような状態でございまして、私はこれはできるだけ公正にやっていきたい、こういう所存でございます。さよう御了承願いたいと思います。
○八木(昇)委員 具体的な御回答はございませんのでやむを得ません。問題をあと一、二点で大体終りたいと思います。実は何と申したですか、昔の復元といいましたか、そういうふうな問題の争いが相当あったわけであります。それで今後の開発について電発会社がやる、それから電力会社がやる、それから公共団体がやる、こういうふうに非常に複雑になっておって、そうしてしかもその間にいろいろな取り合いが行われてきたことは先ほど来お話がありました。従いましてこういうような公営事業が電力供給事業を行なっていくことについて今後どういうお考えか。それからまたこれの行う電源開発の面と電発、会社電力会社に行わしめる電源開発の面との関連をどういうふうに調和をとっていこうとするお考えか。いずれにやらせたとしても、結局するところ金の出ていくところは同じものであります。私はこれほどむだなものはないと思います。電力会社の方にやらせればコストが安くなるとか、こちらの方にやらせればコストが安くなるとかいうことはあり得るわけはないと思う。出ていく財布の元締めは同じであります。ですからこういう点と公益事業に関する電力問題とのからみ合いにおいての御見解を伺いたいと思います。
○高碕国務大臣 現在のところこの復元問題は考えておりません。実行しない考えでおります。それから地方公共団体が単に電気事業がもうかるからやるというようなことは、できるだけやめてもらいたいと存じておりますが、ただ多目的のダムがありまして、いろいろダムを建設することによりましてその府県に特殊な関係が生ずると思います。こういった場合は特殊な場合として考慮いたしたい。しかし電気事業がもうかるから府県でやるのだということはやめてもらいたいという考えでございます。
○八木(昇)委員 最後に要望を一つ申し上げて終りたいと思います。今日行われておりますいろいろな電源開発についての幾多の矛盾のうち、おもな三つ四つの点について御見解をお伺いしたわけであります。そこで結論的に感ぜられますことは、結局するところ電気事業というものは、今日の日本の状態においては大きな開発の資金を要し、しかも日本の基礎産業であるという点が非常に基本的に重大であるというような点から、今日のような矛盾は抜本的に是正をしてもらいたい。そうしてできることならこれを全国一つの開発から末端供給に至るまでの一本のものにしてもらいたいわけですが、さしあたってそれが至急にできないとしても、そういう理想の方向に、現実の隘路を切り開くなり進んでいくという方向に、今後の計画の方向をぜひとも向けさせていただきたいということをお願いするわけであります。 それからもう一つは電気料金の問題でありますけれども、ただいま申しましたように、何と申しましてもほとんど八割は動力供給でございます。結局国民は税金であるとか、その他いろいろな金を電源開発に自分のふところから出してつぎ込んで、それで発生した電力は非常に採算の合わない価格でほとんど大資本の産業にこれが使われる。しかも小口の電燈需用家は非常に高額の電気料を取られる。従って公益事業であるなどといううまい名目に惑わされて、税金を払って電源開発を政府の手を通じてやって、しかもその電気は重要産業に取られてしまう。そうしてその上に高い電燈料金を取られておる。こういうような今日の電気料金のあり方に関連する諸問題、こういう問題についてもやはりこの際思い切っての処置をとっていただきたいということをお願いいたしまして一応終ります。
○高碕国務大臣 ただいまのもう一ぺん全国を一本にしろという御意見は御意見として承わりますが、これまた研究を要する点だと思います。 それから電力料金の問題につきましてはごもっともな点もあります。一産業を擁護せんがために大衆にこの負担をせしむるということは、根本において私は間違いだと思いますから、なるべくそういうことのないように方法を講じたいと思います。
○永井委員 ただいまの八木君の質問に対する大臣の答弁は、もう少し踏み切って御答弁を願いたいと思う。大臣は新聞などで、企業形態の問題については相当新しい構想を発表しているようでありますが、委員会に参りますと非常に処女のごとくおとなしくなってしまい、現状のワクから少しも出ないように四角ばった答弁でありますが、これは経審長官が、きょうここに長期六カ年計画というものをわれわれに示されて、この計画に基いて三十年度の第一歩を踏み出すのだ、こういう高邁な一つの計画的な動き方をしようとしている。われわれは民主党にしましても自由党にしましても、本質的には保守党として一つだと思っております。ただそこで色合いが少し違うのは、民主党は少し進歩的だ。われわれ社会党の言うことも耳を傾けて聞いて、いいものなら取り入れてとにかくやろう、こういう気合いだけはある。自由党はますます反動化して、現実から遊離してしまう、こういう違いが民主党と自由党との違いだと思っております。ところが大臣は今言ったように、何といっても現在の電力問題、基礎産業として六カ年計画の土台になる、根幹になるこれらの問題を、現在のようなお茶を濁すような答弁では、この六カ年計画は単なる作文であって問題になりません、そうしてこの問題を六カ年後にどうするというようなことは問題にならぬ。具体的な内容としてまだまとまっていなければまとまっていないでもよろしいけれども、少くもこの六カ年計画を単なる作文にしないで、これを現実化していく一つの基礎的な要件としては、電力の問題に大きなメスを加えなければいけないのだ。そのメスを加えるためには、何といっても企業形態に手を染めないで、現在の土台ががたがたになっている上に、どんな修正工作をやってもだめなんだ、こういうことははっきりしているわけなんです。とにかく電力料金は原価主義で保証してある。保証してあるのに税金をまけるのだ、金利をまけるのだというのでは、結局国民の負担に転嫁するだけであって、電力会社自体の企業の内容の企業合理化というところには大きなメスを入れない。しかも料金の原価を保証しておいて、その中で企業努力によって料金を下げるのだというようなことは、子供だましと同じで問題にはなりません。従ってほんとうに企業合理化によって料金の値下げをほかろうとするならば、企業形態の問題にメスを入れていかなければいけない。問題はここにあるのだという問題点のつかみ方を明確にはっきりと示していただきたい。これが一点。従ってこれは国有国営でもよろしいし、国有国家管理の形態でもよろしいし、もっと企業を社会化する方向、企業の合理化の方向に大きく踏み切るのだ、こういう新聞で発表しているような大臣のはっきりした答弁を速記に残していただきたいと思う。 それからもう一つは、料金の水火調整を漸次なくしていくということになれば、原価が違うのでありますから、これはどうしても電力料金の地域差が大きく出てくる。出てくるとすれば、その地域差は一つのいろいろな工場の立地条件、その他工場配置の問題にも響いてくる基礎的な問題だと思いますが、この六カ年計画の中にどういうふうに企業配置、工場配置を——この電力料金の地域差が出て参ります、その地域差が出て参った場合、これは大きな工場の立地条件になってくると思うのですが、そういうようなものもこの中に織り込んで工場配置を考えているのかどうか。これを今言った企業形態に対して、国有国営なりあるいはこれを社会化するという方向へ大きくメスを入れて、その上に産業計画、産業構造を考えておるのかどうか、この二点だけを伺います。
○高碕国務大臣 この経済六カ年計画と申しますものはちょっと御説明させていただきたいと思いますが、六カ年後における日本の人口に対応してどれだけの産業を持続していくことによって失業者の数を減らすことができるか、日本の経済が自立するか、こういう目標を作りまして、その目標はひとり政府だけがつくるのでなくて、できるだけ民間なり、これを大きくいえば国民の声を聞いて、その目標を作りたい、こういう所存でございまして、それを実行するに当りましては、それは絵にかいたぼたもちじゃないか、そんなものは力がなければ何にもならないじゃないか、それはなるほどごもっともでありますが、これは国民が、みんなが見たときには場合によってはあるものは規制を加える、どの程度の規制を加えるか、政府の力を加えるかはそのときの政府の方針によってきめるべきもので、向うべき道は政党政派を超越して、そうしてだれが見てもこういうものだと納得のいくものを作りたい。実はここに書いてあります目標、これはいつでも変える、皆の御意見を聞いて変える、こういう根底であったのであります。それでただいまの御質問の電力の問題につきましては、これは先ほど申し上げました通り、電力の供給をどうして円滑にするか、どうすれば電力は安くなるか、その根本趣旨におきまして現在の電力会社の状態を見ますると、私この前に新聞で発表いたしましたところは、経営を合理化しなければならない。今の電力会社は果して合理化しているかということについては非常な疑問があると思う。たとえばということで、東北電力と東京電力は合併したらどうかと言ったのは事実であります。また北陸と関西とやったらどうか、これは一例を述べただけにすぎないのでありまして、この点はもっともっと比較研究したい。これに幸いに今度の内閣が中心を置いて考えておりますことは、生産性本部というものを置くわけでありまして、これは従前の合理化だけでなく、合理化は従前は資本主義的の合理化が多かったのでありますが、今度は社会保障問題等も入れた政策、従いましてそれはつまり労働者も入れ、経営者も入れ、この生産性本部を活用したい、こう存じているわけでありますから、そういう方面で十分検討いたしたいと存じます。
○佐々木(良)委員 八木君の質問に関連しまして電源開発について一、二伺いたいと思います。電源開発問題が出るとどうも関連してお伺いしないと工合悪いような気がするのでありますが、先ほど八木君の質問にお答えになりまして、電源開発に対する高碕さんの構想を述べられたわけでありますが、先だってまで私は高碕さんのもとで一等運転士のような仕事をしておりましたので、大体お考え方はあまりかわっておらないだろうと思います。従いまして私は今現に動きつつある電源開発の問題を中心にお伺いしたいわけです。ただ前提といたしまして、八木君から御質問いたしました点を補って一、二点だけお願いをいたします。 電源開発に関する構想の問題と三十年度の財政投融資計画との関連が質問の中心でありますけれども、その前提として電源開発に関する構想の問題について一、二だけちょっと前提としてお伺いいたします。それは先ほど述べられた問題にだんだんと電源開発の問題は電力オンリーではなく、国土総合開発の観点でもってやらないとどうもやりにくいということを言われたのであります。私ども仕事をしておりまして全く同感の感を抱いたわけでありますが、あのやってみました北上川の例をとりましても、現在進行中の西吉野の例をとりましても、全くそういう感を深めるのでありますが、ただ非常に大きな問題は、国土総合開発計画の立案機関が一応あります。私どもがおった時分に国土開発法というのを作りまして、計画を立てる機関まで作った。しかし実施機関というのは、今ないわけです。たとえば北上川の総合開発を行うのに、ダムを作る仕事は建設省、発電所を作る仕事は電源開発会社、それから発電所から出ていった水を持っていって土地改良なり農業用水に使う仕事は農林省、それがきわめて不十分な二人三脚になっておりますがために、非常に非能率な点があったことを私ども経験しておるわけであります。おそらく今後の問題といたしましても、たとえば四国の吉野川を開発するにしても、中国の郷川を開発するにいたしましても、非常に深い関係が出てくると思います。これを能率的にやる方法につきまして御構想があるかどうか。なお先ほどの低廉な開発という点につきましては、御承知のようにその総合開発の場合の開発費用の配分という問題が非常に微妙な問題だと思います。仕事を能率的にやる問題と費用の配分の問題についてのお考えを承わりたい。 それからもう一つは、最近水力開発とそれから火力の設置とのほかに、御承知のように原子力発電という問題がそろそろ出かかっております。高碕さんもウラニウムの輸入等につきましてなかなか積極的な御意見を出されておるようでございますが、今後原子力発電というものにつきましてどういうお考えをお持ちになっておりますかというこの二つの点、総合開発に関する問題と、それから原子力発電に関する問題、まずこの二つを簡単にお答え願いたいと思います。
○高碕国務大臣 今の佐々木さんの御質問にお答えいたします。第一の総合開発のことにつきまして、先ほど申しました通りに、電源開発は単に電力だけでなくて、将来治水、治山、農耕等々を考えてやっていかなければならぬ、その通りであります。ところが現在までの結果から見ますと、総合開発においては佐々木さんのおっしゃったような工合に、あるものは所管が違っておる。そういう関係上、水だけは引けた、ところが農地の方の開拓はでき上っていない。電力は引けたけれども、今度はそこの間の道が開けない。いろいろちぐはぐがあるわけであります。そこで今度、これは審議庁に置くか置かぬかは別といたしまして、先立つものは金でありますから、この総合開発をやりくりするように、あるいは今おっしゃった通りに、ダムはできて水を引けるようになった、ところが農地の方の水を引く水道はできていないということになると非常にちぐはぐになるから、これを調整する費用として十億円もらいたいということを大蔵省に申し入れた。ちょうど大蔵大臣が見えておられるようでありますが、そのときにいろいろ審議いたしまして、これをどこに置くか、こういう問題があったわけであります。これを審議庁に置くという必要はないけれども、そういうふうなものは一応予算の中に織り込んでいないけれども、臨時支出としてある程度これを認めようじゃないか、こういう大蔵大臣のお話もあったものですから、ぜひそういうふうに実行していきたい、こう存じております。 それから第二の原子力の問題につきましては、これは現在各方面からの報告を私は聞いておりますが、これは将来どうしても日本の国はエネルギー資源から考えても一番先に原子力を利用すべきものだ、こういう観念でありますが、これはあまり飛び離れては困るので、私どもの今基礎にあります数字は、現在六万キロぐらいのものを作れば——一キロワットがアメリカ金の〇・七セントといいますから、約二円五十銭ぐらいでできるそうであります。現在あるものはアメリカ金一セント、五円近くになっておりまして、これをやっている。こういうわけでありますから、原価からいくとそんなに高くはないのであります。ところがこれを利用するにつきましては、いろいろの方面で研究を要するわけであります。単純にこれだけやるというわけにはいかないので、今すぐに、この原子力を使うのだからもう水力電気の開発をやめようじゃないか、こういうことのないように考えていただきたい。私は将来原子力がかりに利用できても、日本の水力電気の開発というものは、これは単に水力電気だけでなくて、総合的の開発をしなければならないという観点から、この方はやはり十分の予算をもって予定通り進行させていただきたい。しかしながら原子力というものは決して捨てるものではない、研究は十分しなければならない。このことだけははっきり申し上げておきたいと存じます。
○佐々木(良)委員 電源開発の問題につきましての総合開発問題、それから原子力問題につきましては、構想を承わった通りだと思いますが、ちょうど大蔵大臣が見えましたので、昨日からの関連と、今の問題と両方ひっくるめまして、電源開発に対する政府のお考え方と、三十年度の財政投融資の関係を一つ審議庁の長官と大蔵大臣との両方からお伺いをしたいと思います。鳩山内閣の経済閣僚ほおのおの違った考え方を持ちながら、それが統合されるところに妙味があるそうでありますから、従いまして三人ともから話を聞いておかないと安心ならないのでお願いいたします。昨日石橋さんとお話をいたしましたが、石橋さんのお考えでは、あくまで電源開発は大体既定計画の線に従って三十年度以降開発を進めるということを前提とし、そう進めるために従来ややもすれば開発するに従って電力コストが高くなってきた、そのコストを下げるという点が今一番重点なので、慎重考慮中なんだというお話がありました。それに対しまして大体三十年度の既定計画通りの開発ができるかできないかの一番大きな問題は、それに要する資金が間に合うか間に合わないかの問題ではないか、全くそうだということでありまして、九つの電力会社の電源開発の資金は、期中の自己調達分をまぜると大体何とかなると考える。しかしながら電源開発会社の分につきましては、大体三百億程度の投融資が、三十年度の財政投融資計画の中に盛られておるのでありますけれども、この三百億程度では既定計画の線に沿う開発は大体困難だと思う。少くともあと五、六十億でしたか、四、五十億でしたか、要するに五十億程度は何とか考えなければならぬということで、その五十億程度は、大体経済閣僚三人でもって市中借り入れか何か適当な方法で充足供給する方針にきめたんだ。だから既定計画を遂行するのに間違いないから心配ないように、こういうお話であったのであります。ところが大蔵省の事務当局にお尋ねしてみますと、必ずしもそれはまだはっきりしていない。一方電源開発計画は、今計画を樹立する段階でありまするので、おそらくその不足分の五、六十億というものの見込みがつかないと計画が立たぬものではなかろうかと思います。従いましてこの五、六十億というものが、どういう方法で今政府部内でめんどうを見る態様になっておるかということをお聞かせを願いたいのであります。 同時にこの問題と並行的にお願いをしておきたいのは、料金を上げずに電源を開発するというやり方に、大体先ほどの八木君の質問にお答えがありましたし、きのう石橋さんからのお話がありましたのは、電源開発会社を重点とする開発方式が重点にならざるを得ないのではなかろうかという意見が出されました。その意味はおそらく国家投資が行われておる開発会社は——株主は政府でありますから、従って国家投資の行われておる電源開発会社、つまり利子のつかない投資の金及び低利の国家融資、これを前提とする開発でなければ料金は高くなり過ぎるからということだと思います。ところがそういうお考えをお持ちになっておるのにもかかわらず、三十年度の財政投融資計画は、二十九年度の投融資計画に比べますと、私はその意味からは後退をしておると思います。早い話が、電源開発会社に対して昨年は百億の投資がなされた。今度の計画を見ますと三十億になっておる。要するに利子のつかぬ金が百億から三十億に減っておるわけであります。しかも百八十数億という非常に不安定な見返り円を当てにした投融資計画になっておる。まことに私は電源開発に対するお考えと、現実に盛られたところの三十年度の財政投融資計画との非常に大きな矛盾を感ずるのでありますけれども、これを矛盾であるかないか、先ほどの五、六十億の問題とあわせまして、一つ長官と大蔵大臣と両方から御答弁をお願いいたしたいと思います。
○高碕国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。この量の問題でございますが、これは石橋通産大臣はどうお答えしたかよく存じませんが、大体三百億円はことし見ております。それでは既定の計画を遂行するのに足らぬということだけははっきりしております。どれだけ足らぬかということになりますと、金を使う方の通産大臣はよけいなことを言うでしょうし、また大蔵大臣はこれをしぼるのは当然の話でありますから、そこのところを三大臣でよく協議いたしまして、できるだけただいまの御質問にこたえ得るように十分やって行きたいと思っております。 それから金の質の問題、これはなるほどできるだけ政府投資をよけいにしたい、こういう所存でございますが、何しろ一兆円で縛られておるものでございますから、できるだけのことをやりまして、現在あれだけしかできなかったわけであります。しかしあとの資金につきましては、できるだけ値の安い、金利の安いものを持っていきたい。そこでこれは今余剰農産物の方の折衝をやっておりますが、その方の金が比較的安いのであります。そうしてどうしても私はこの四分そこそこのものでまかなっていくようにいたしたいと存じておるわけであります。できるだけその方の金を回していきたい、こういう所存であります。あるいはもう少し高くなるかもしれませんが、金利の安いものを持っていきたい、そうして電力の価格を安くしたい、こういう方針で進んでおるわけであります。
○一萬田国務大臣 お答え申します。今高碕君が何か判決を下したようなお話で、私は申すことはないかもしれませんが、今度の財政投融資については、電源開発にできるだけ金を回さなければならぬ。それに工事もこの年度に相当集中して来ます。それで開発会社に約三百億計上いたしておる。それにむろん余剰農産物の見返り資金の関係も入って来ますが、これは決して不確定ではありません。経審長官からおそらく話があると思いますが、相当近いうちに私はきまると考えております。そうして従来の計画を遂行する上において、その金ではなお足らぬという御意向もありました。これについては、私は一般金融の上から十分ある程度つけ得る確信を持って、関係大臣にも話して去ることは事実であります。ただどのくらい足らぬであろうかということは、関係者の間にもまだ金額はまちまちであります。通産大臣はどういうような金額をお示しになりましたか、私承知しておりません。ただいま五十億というふうなお示しがありましたが、そういうふうに必ずしもきまっておりません。たとえば開発銀行の総裁のお考えもそういう金額ではないし、いろいろあります。これはしかしすぐということでなくてよろしいのですから、必要な金について十分私は金融的な措置をとるつもりをいたしております。そうしてそれは実際できるという楽観的な考えを持っております。そういうふうに一つ御了承を得たいと思います。
○佐々木(良)委員 きのうの石橋通産大臣のお話とはだいぶ話がぼやけております。私は必ずしも五十億とか六十億とかいうことを聞こうと出したのではなく、大体既定計画の開発を進めるためには、電源開発会社の金は三百億では足らぬので、少くとも四、五十億は市中金融で片づける方針を立て、三大臣で話し合いをして、それに従ってそれをプラスした計画を進めるという段階になっておるから、御安心願いたいということであった。そういうふうに安心していいかどうか、はっきりしてもらわぬと、既定計画通りに開発を進めていいか悪いかわからぬわけでありますから、一つ明確に御答弁をお願いいたしたいと思います。なお公益事業局事務当局の話によりますと、その数字をはっきりしないと、事業計画が立たないということであります。だから大体見通しがついたら、それを含めた事業計画を立てて、それを既定計画の線で進める、こういう返答なんであります。
○高碕国務大臣 その問題は、当然初めはそういう話でありますから、急速に三大臣とよく協議いたしまして、大体の方針はそれでいいと思います。既定計画通り進むにはどのくらい金が要るのか、どういうふうにこれをまかなうのかということは、実地問題でありますから、これは三大臣とよく協議して、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
○一萬田国務大臣 私からもお答え申しておきます。御趣旨はよくわかるのであります。ただ金額をどのくらい、それはどういうふうに足らないか、そういうことがまだはっきりしていないのであります。私も電源当局者から、大体このくらい足らぬかと思うんだが、それについて一つ考えておいてほしい、こういう話を受けております。それは、そのくらいなら一つ考えましょうというふうなところで、内輪話のようになって悪いのでありますが、そういうことであります。
○佐々木(良)委員 今の量の問題は、今のお答えのままで一応留保いたすことにして、最後に一つ追っかけて念のために聞いておきたいと思います。先ほどの農産物を買い入れる場合の見返り円の金がたまる時期は、大体いつごろを見ておられるかということ、それからもう一つ、先ほどの利子のつかぬ金という点では、私は財政投融資は三十年度の方が二十九年度に比べて後退だと思いまするけれども、後退だとお考えになるかならぬかということを、大蔵大臣からはっきりお答えをしていただきたいと思います。
○高碕国務大臣 お答え申します。余剰農産物の問題は今着々と進行しておりますから、多分本月くらいに大体の話がつくだろう、そうすればこの資金の方は御心配なくこれから供給できる。 それから三十年度の分につきましては、財政投融資の金額は減ったということは事実であります。それにつきましては、従前のような高い利息の金を持っていくよりも、見返り資金のような比較的安いものを持っていって、できるだけこれを埋め合せていきたい、こういう所存であります。
○田中委員長 中崎敏君。大蔵大臣は時間がないそうですから、大蔵大臣に一つ先にしぼってお聞き願います。
○中崎委員 実は経審の基本に関する問題はいろいろあると思いますが、これはあとに譲りまして、委員長のお言葉に従って、とりあえず大蔵大臣に関連する事項について質問いたします。 まず電気の料金に関する問題でありますが、この問題については、この四月に一本料金を通して実施する上において、三割頭打ちを限度としてということを含めて実施されておるのでありますが、これに対しましては、前の内閣において毛、閣議決定の方針に従って、企業者の努力目標と、さらに金利並びに税金の引き下げによって、さらに電力料について値下げの方向に努力をするという決定がされておるのであります。これに対して石橋通産大臣もしばしばこれに対する改正を要求しておるのでありますが、われわれの伝え聞いておるところによりますと、石橋通産大臣のそうした努力にかかわらず、大蔵大臣の反対の立場もあって、これがなかなか容易に実現していないのが現実であるということを聞いておるのでありますが、この点について一つお聞きしたいのであります。
○一萬田国務大臣 いや、決して何もかも反対しておるというわけではないのであります。ただしかし、コストが高い場合に、すぐ税金をまける、金利をまける、それで片づくなら、これほど容易なことはない。これは補助金を上げるのと何も変りはない。そういうふうな考え方で財政を受け持っておると、迷惑なさるのは、税金を納める国民大衆というのが私の考え方です。ですから、金利をまけるのも場合によってはいい、税金をまけるのも場合によっては当然考える。しかしそれには、そうしてあげるだけの努力が他面において十分払われておるかどうかということをやはり考えて——そういうことをいっても間に合わぬじゃないかという実際的な御意見は、私はあり得ると思う。しかしそれはそれでいいと思う。それなら必ず、こうやるんだからこうなるというしっかりした計画があってやるというなら、それなら間に合わねば金利やあるいは税金を考えることもあり得る。しかしそれなくして、まず手っ取り早く一つ税金をまけてくれ、手っ取り早く金利を下げてくれ、これは私の立場としては、なかなかうんとは言いにくい。こういうような事柄であるので、どうぞ御了承願いたい。
○中崎委員 そうするとあなたは、閣議で決定されて、国会においてもしばしばその事項は約束され、言明されておることであります。それをお守りにならないというお考えですか。理由はいろいろあると思います。
○一萬田国務大臣 閣議で決定したことはありません。
○中崎委員 あります。昨年の九月にちゃんと閣議で決定されております。そういうこともまだよくお調べにならないで、うかうかと処理されるということは、重大な背信問題じゃないか。よくこの点を調べていただきたいと思います。これは閣議決定のはっきりした書類も公示されているのであります。これは吉田内閣のときでありましたが、それは同時に内閣の決定であり、国会を通じて国民に公約しておることでありますから、新しい内閣においてもこれを実行されるのが義務であると考えております。
○一萬田国務大臣 その点については、新内閣でも一応通産大臣から、この問題についてはこういうふうにしようという話が閣議でありまして、そういう線でいっておると思います。
○中崎委員 通産大臣からさらにどういうお話があったか知りませんけれども、少くとも通産大臣としては、今年待ってくれ、その間において引き下げの方向に向って、金利、税金の引き下げの問題も含めて、何らかの具体的な案を立てるということでありましたけれども、今あなたのお話によると、たとえば金利を下げるということは、国民に負担をかけるものであるから賛成できない、こういうことなんです。そこで二つの問題がある。一つには、この前の内閣の公約はそのまま生きておるのであるが、その公約を無視してまでもそういう主張をされるのかどうか。一つには、国民に負担をかけるということにはなるけれども、電力という重大なる国の基幹産業、これを産業合理化の方向に持っていって、いわゆる物価の引き下げ、国民生活の安定を企図していくところの重大なる電気事業に対して、その料金を引き下げるという問題である。今まで引き上げておるのでありますが、それをもとに返すという、そういう大きな使命を持っているのに、そういう方面へ使う金さえもこれは工合が悪いのかどうかということが聞きたいのであります。
○一萬田国務大臣 若干私の言い方が悪いかもしれませんが、私はまけない、そういうことをしないというんじゃないのであります。する場合にはこういうふうに——単にそういうことばかりではいかないから、こういうことなんです。そういうことを言うても百年河清で、なかなかできぬという意見もある。時間的な問題がありましょう。しかしそれならそれで、今こういう計画を持てば、今すぐはきき目が少くても、先は必ずよくなる、そういうような基礎のもとにおいてならまた考えられるから、こういうのであって、何にもそういうことがなく、ただ金利をまける、すぐ税金をまける、これはなかなかやりにくい。おそらく前のおきめもそういうことじゃないんだろうと思うのですが、十分研究してみましょう。
○中崎委員 この問題はもうちょっと触れておきますが、実は去年の十月一日に夏冬一本料金が決定されて、当時年間を通して一割一分二厘の料金の値上げになっているということが発表された。けれども、それは同時に夏の料金から見ると三割程度も値上げになるという重大問題であるから、一本料金という考え方は一応認めるとしても、その際においてはさらに引き下げてもらわなければ四月一日から実行されては困るという要求に対して、それでは四月一日から実施に際してはさらに値下げをやっていく、そのためにはまず企業の努力によって値下げをするということと、税金と金利をあわせて三つの要素によって値下げをするんだということを約束されているのであるから、本来から言うと、四月一日には実行されなければならぬ政府の責任がある。それをほおかむりして、金利と税金の問題をそのままにして現在実行されているから、しかもその原因が大蔵大臣にあるということになっているから、私は今質問しているわけです。でありますが、この問題はすでに過ぎたことでありますから、今後大蔵大臣の側において、そうした閣議決定の事項もあるし、諸般の事情を御考慮になって、なるべくすみやかな機会においてそれらの処置を講じて、国民に対して公約を守るのだという、その実行を政府の手においてやってもらいたいということをこの際要望しておきたいのであります。 さてその問題にまた関連していることですが、金利の問題です。金利が世界の水準に比べても非常に高いことは、すでに御承知の通りと思います。先般来、実質金利を下げるとか、あるいは名目金利を下げるとかは別として、一厘貸出金利の値下げを考えられているようでありますが、私の考え方からすれば、これは一ぺんにどうかとも思いますが、さらに今後の努力目標としては、まずコストを下げる意味において預金の利子を下げていいんじゃないか、そうしてそれが関連して貸金の金利が同時にまた下げられるという方向になるのでありますが、現在は郵便貯金にいたしましても、これは零細な預金ですから、できるだけ金利はよけい出していきたいのでありますけれども、すべて物価がまだ相当高いという段階においては、ことにまた金利が一つの大きな要素をなしているという点にかんがみて、むしろ預金の金利も引き下げていいんじゃないか。ことに金に対する不信用というか、インフレの激しい時代においては金に対する信用というものはなかった。従って相当高い金利をつけて、そうして預金者を釣りつけるというか、興味を引かして預金をふやすという方向にあったかもしれませんが、今日の段階においては一応貨幣に対する信用を取り戻して、昨年のごときもああした大きな預金の増額をされている。そういう段階においてある程度の金利の引き下げ、私の目から見れば、日歩三厘程度あるいは年一分程度の金利の引き下げは、さして預金の増額の点については支障はないと見ておるが、この点について一体大蔵大臣はどういうふうにお考えになっておられるかをお聞きしたい。
○一萬田国務大臣 金利はなるべく下げる、金利が下がる客観情勢を作っていくことが必要であることはお話の通りでありまして、私は相当努力しておるのでありますが、御質問の要点は預金の金利を下げたらどうかという点にあったようでございます。今日こういう預金貸し出しを通じての金利において、どこがまず一番に問題になるかというところを考えてみなくてはならぬ。そうした場合にむしろ今日預金の金利と貸し出しの金利は、従来に比べて貸し出し金利の開きが多過ぎる。これは戦後におきまする物件費、人件費、あるいは経営のやり方、いろいろ問題があって、銀行の経費が膨張しておることもあるのですが、開きが多いのは間違いないのです。従いまして諸種の情勢を考えてみると、まず今日考え得べきことは貸し出しの金利を下げ得るような状況に持っていくとともに、また金融機関としては下げる意欲を起していく、こういうことにするのがまず当面の問題である、私はこういう考え方をいたしております。
○中崎委員 この問題はもっといろいろ検討してみたいのですが、時間の関係もありまして、あまり詳しく承われないのですが、さらにこれは中小企業金融公庫の貸し出し等の問題にも関係があるのであります。地方の実情を見ますというと、非常に普通の銀行、金融機関などに委託して貸し出しをしておるような関係上、金融機関自分自身の金を貸すに急にして、国民金融公庫の金を親切に取り扱っていないという実情があるわけであります。しかも一面において政府の中小企業金融公庫の方でもみずから窓口を設けるという方向にあるのでありますが、これとても十分な運用ができぬのであります。そうした面において、大蔵大臣としては、そうした運用がきわめて実情に即さない、政府の親心に沿わない運用であるということをお認めになるのですか、お伺いいたします。
○一萬田国務大臣 中小企業金融公庫の貸し出しが代理貸付になっておる。従ってそれから生ずる今後改善を要すべき点があろうと思います。そこで私は今後中小企業金融公庫自身が窓口を持つがよろしい。その意味において主要な都市に支店を置くように今やらしておりますから、一挙にはいきませんが、今後主要なところには中小企業金融公庫の支金庫といいますか、支店に当るのですが、それができます。
○中崎委員 まだいろいろ問題もありますが、もう一点だけお伺いいたします。 さらに今度は貸し出しの面でありますが、先般政府の方では閣議において公衆衛生等の考え方として、映画館における上映時間を短縮されまして、さらに衛生上の考え方からいろいろの施設等も強化するような要求をされておるのであります。ところがこれらの映画館についてはサービス業であるがゆえに、国民金融公庫などの金も貸し出されるような道が開けてない。普通の金融機関においても、この貸し出しの道が十分に開かれていないというので、ジレンマに陥っておるという現実に置かれておるのであります。こうした面については、さらに大きな文化事業をやって、文化国家としての使命を果さしむべきじゃないか。そうした面に対して単なるサービス業であるために金融の道を閉ざされるというようなことを今後依然として実行していかれるのかどうか、この点をお伺いしたい。
○一萬田国務大臣 映画館等のこういう文化的なものに金融があまりうまくいかぬがその点はどうか、こういうふうな御質問であったと思います。御承知のように今日資本の蓄積もある程度進みましたし、資金需給もよほどよくはなって参りましたが、しかし最近やっと日本銀行の貸し出しが相当減ったと言ってはおりますものの、なお千億以上の二次高率の金が日本銀行にまでかかっておるという状況であります。従いまして日本の経済を再建していく上におきまして、やはり資金の重点的な運営というものをぜひともしたい。先ほどお話がありましたように、電気とか石炭とかあるいは鉄とかいうようなこういう基礎的なものと同時に、他面中小企業というものも考えていかなくてはならぬ。従いまして何もこの資金を不便にするとい引ことでなくて、そういう観点から自然、映画とかあるいは料理屋とか、こういう方面にいく資金を押えるということは、今日の日本の情勢ではやはりまだやむを得ない、こういうふうに私は考えております。
○中崎委員 この問題につきましては、私は今中小企業の立場から言うておるのです。映画における五大メーカー、製作会社は大きいかもしれませんが、映画館というものは大体中小企業の範疇に入るものであって、中小企業金融公庫の金を借りる必要があるものなのだ。ことに、これはさっき言いましたように、閣議決定によって次官通牒をもって映画館における上映時間を二時間半に短縮し、そうしていろいろな衛生設備をこういうふうにやれというような諸般の要求なども伴っておりまして、政府の一つの方針として命令的にやられておる事項であります。その裏づけを実行するためには、どうしてもその設備資金等が新しく必要であるのだが、以前のような考え方の上に立って中小企業金融公庫から締め出しを食っておるようなことではどうにもその資金の調達の道がないのです。このジレンマの問題をどういうふうに解決しようというのか、それを聞きたいのであります。
○一萬田国務大臣 お話の点はおそらく一般的な金融の問題ということよりも、ある具体的な個々の映画館なら映画館についての問題だと思いますので、これはやはり具体的にどの映画館がどういうふうに困っておるのか、それによって解決すべきではないでしょうか。
○中崎委員 そうじゃないのです。映画事業には貸さないという一つのワクをちゃんと示しておる。具体的にこれには貸さぬというのではない。映画事業には一切貸さないというので締め出しておる。それが不適当だと思うがどうかということを私は聞いておるのです。
○一萬田国務大臣 一般的な問題としては、先ほど申し上げましたようにやはり資金を重点的に回していかなくてはなりません。映画館というような、ある娯楽ということになりますか、あるいは文化的とも言えますが、これは今融資順位が下っておることはやむを得ないと思います。
○田中委員長 この際委員諸君並びに政府側に申し上げますが、大蔵大臣に対する委員諸君の質問要求が相当あります。しかし本日大臣は時間的余裕がないようでありますから、あらためて御出席を求めることにいたしますので、本日の分はこの程度にしていただきたいと思います。なお大蔵大臣も予算委員会等で御多忙と存じますが、極力お差し繰り願います。 本日の質疑はこの程度といたし、明日午前十時より委員会を開きます。 本日はこれをもって散会いたします。 午後零時四十九分散会