商工委員会 第8号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/10
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 まず小委員の辞任の件及び補欠選任の件についてお諮りいたします。中小企業に関する小委員小笠公韶君及び科学技術振興に関する小委員野田武夫君より、それぞれ小委員辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。 なおただいま小委員の辞任を許可いたしました結果、中小企業に関する小委員及び科学技術振興に関する小委員が、それぞれ一名欠員となりましたが、その補欠として、野田武夫君を中小企業に関する小委員に、小笠公韶君を科学技術振興に関する小委員にそれぞれ指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なきものと認めまして、さよう決定いたします。
○田中委員長 次に通商産業行政の基本施策に関し調査を進めます。 なお念のために申し上げておきますが、政府委員として外務省経済局次長西山昭君、通商産業政務次官島村一郎君、官房長岩武照彦君、鉱山局長川上為治君が出席されております。なお関係政府委員は直ちに出席をいたす予定であります。 質疑の通告があります。順次これを許します。齋藤憲三君。
○齋藤委員 私は商工委員として初めて本委員会に出席をいたしましたので、まだよく商工行政の大要についてわかりませんので、はなはだ幼稚な質問に終るかもしれませんが、その点をあらかじめ御了承を願いたいと思うのでございます。 昨日ちょうだいいたしました通商白書によりますると、世界の貿易の趨勢は、いわゆる貿易の自由化というものになってきつつある。この貿易自由化の潮流に日本の貿易の大勢を対比いたしてみますると、輸出入の帳じりは一応好転したかに見えるが、決してこれは安心ができない。結局わが国経済の自立を達成し、年々増大する労働人口に十分な雇用の機会を与えることは、はなはだ困難な問題であるが、これを解決していくには、どうしても今政府の樹立いたしておる経済六ヵ年計画を推進して、ここに企業の技術水準の向上、徹底的合理化等により、産業基盤の強化をはかって、企業経営の健全化を実現することと相まって輸出競争力を増大し、また国内消費、特に奢侈的消費の抑制により、貯蓄の増強と資本蓄積の増強に格段の努力をいたさなければならない、こういう結論でこの通商白書の大要は結ばれてあるのであります。これはわれわれも同感であります。ただ私がここに国会へ資料の御提出を願いたいと思いますことは、この貿易自由化というのは、すなわち不健全な朝鮮動乱ブーム等の態勢から、健全な自国の力によるところの輸出貿易ということ、各国ともいわゆる自分の持っている力による外国市場における輸贏を争う態勢、そういうふうにわれわれは考えておるのでありますが、これをつちかって参りますのには、どうしても日本の重要基礎産業のあり方から近代的な力を持っていかなければ実現できない、私はさように考えておるのであります。 そこで本日は大臣もおられませんが、製鉄事業に対する大要を知り得る御説明を何らかの機会にお願いいたしたいと思う。それから石炭の現況に対しての御説明を願います。それから石油、天然ガスに関する現況に対しての御説明を願います。その御説明のありましたときに、その重要基礎産業に対するところの質疑応答をして参りたい、かように考えております。これも一つ委員長でお取り計らいを願いたい。なおこの際それだけをお願いしておきまして、さらにつけ加えて御説明を願いたいのは、私の記憶では、昨年度予算の中に、ウラニウムの調査費がひもつき予算として一千五百万円あった。そのウラニウムの調査状況も御報告を願いたい。それからウラニウムに付随いたしまして、その他の核分裂物質の調査がどういうふうに進行しているか、たとえて申しますれば、トリウムの実在、そういうものはどういうふうな現況にあるか。それからもう一つ御説明を願いたいのは、去年の予算の中に、やはりこれも一千五百万円のひもつき予算でゲルマニウムの抽出製練に関する予算がありましたが、これの使途及びその予算を使った結果に対する報告をしていただきたい。チタンの製練に関するひもつき予算もあったのでありますが、このチタン鉱の製練を目標としてこの予算をとったのでありますが、一ヵ年間におけるチタン問題に対するところの進展、その実態を御報告願いたい。 それから、ことしの予算を見ますと、ことしの予算の中には、ゲルマニウム、チタンあるいはウラニウムというひもつきの予算がありませんが、これに対してことしの予算中にはどういう処置が講ぜられておるかというようなことに対しても詳細に御説明を願いたい。 それから昨年度予算に初めて組み入れられまして、大きな問題を提供いたしましたところの原子力の基礎調査に関する二億三千五百万円の予算、これを今までどういうふうな仕組で、どういうふうに使って、どういうことによって昭和三十年度に一億六千万円の繰り越しができたのか。それからことしは二億円の原子力平和利用に関する基礎調査費が予算に計上されておりますが、これは一体ことしはどういう構想をもって使うのであるか。これに付随して当然この委員会においても原子力調査のため海外に派遣せられました調査官の報告を求めたいと思うのでありますが、この報告も適当な機会にやっていただきたい、これをお願いしておきたいと思います。 それからいろいろ法案を提出されるようでございますが、特許法の改正ということがだいぶ前から行われるやに聞いておったのでございますが、特許法の改正はこの国会に提出されるかどうか。 それからもう一つは、鉱業法の改正、これは法定鉱物の中にウラニウムとかチタンとか、あるいはひる石とか、そういうすでに鉱業の対象物となっているところの鉱物が法定鉱物の中からまだ漏れておるのでありますが、昨年来から法定鉱物の中にこれを入れた方がいいのではないかという議論もあったのでございますが、こういう点に対して鉱業法の改正をおやりになるつもりであるかどうか。まだほかにたくさんございますが、今お伺いいたしました中で御答弁を願える部分がございましたらば、簡単に御答弁を願い、その他は適当な機会において御答弁を願いたいと思います。
○岩武政府委員 お尋ねになりましたいろいろの項目の中で、予算に一番関係のございます原子力関係について申し上げます。原子力関係の予算は、御指摘がありましたように昨年二億三千五百万円入ったのでございますが、その中で昨年度内に支出いたしました経費が、合計いたしまして六千二百八十四万円、ほかにウラニウム関係を合せますと、六千九百六十一万円になっております。その内訳は、試験研究の関係といたしまして合計四千五百七十七万四千円、この内訳は、いろいろ項目がございますが、概括して原子炉設計の基礎研究、それから放射能の測定器の研究、あるいは危害防止の関係の研究、この辺が大体原子炉自体に関する現在段階の調査研究でございます。それから炉の材料の関係といたしましては、重水の製造、液体水素の問題、これに付随いたしますが、石墨、これに類しますいろいろな分析関係、あるいは触媒の問題等の研究も入っております。それからなおこの原料関係の調査、ことにウラニウム鉱石あるいはウラニウム鉱石の選鉱に関する研究、あるいは燐鉱石からウランの抽出に関する研究等の原料関係の方にも支出いたしております。これは合計いたしまして四千五百七十七万四千円、それから海外におきまする原子力の平和利用の現状等を調査いたしますために、昨年度調査団を合計十五名海外に出しております。これがこのほど帰朝いたしたのでございますが、その関係の経費といたしまして千四百三十六万三千円、それからなおアメリカで行っております原子炉の操作の訓練、アルゴンヌでやっておりますが、との方に長期のいわば留学生的な人を二名出しております。その関係で二百七十一万二千円出しておるわけでございます。従いまして先ほど申し上げました予算額から差し引きますと、一億六千八百万円余の繰り越しが出たのでございますが、これは日本におきまする原子力の研究あるいは平和利用の現状といたしましては、なかなか一足飛びに炉自体の建設ということまで参りませんで、その基礎になりまするいろいろな部面の調査あるいは試験研究といったものが、目下の段階では主体となりまするので、従いまして相当各分野にわたりまして研究調査の手を打ったのでございますが、予算を十分に消化できませんで、本年に残してもらったことは、われわれとしましても遺憾に存じておりまするが、しかし本年におきましても、この関係の、ことに設計なりあるいは材料問題につきましては、具体的に目標をきめまして、一歩を進めて参るつもりでございますから、この残りました金と、それから本年度予算に計上されておすまする二億円の金と合せまして、当初の予定にありまするような、小型実験炉の築造という問題に一歩を進めて参りたいと考えております。なおこの予算の配付の手続等につきましては、通産省に設けております原子力予算打合せ会というもので関係各方面の意見を聞きながら、この予算の支出を行っておるわけでございます。本年度におきましては、この二億円と繰り越しの一億六千八百万円と、合計三億六千八百万円につきまして、どの項目の調査あるいは研究にいかなる金を使うかということは、まだ具体的にきまっておりませんが、概括して申し上げますれば、先ほど申し上げましたような方向で、昨年の単なる第一歩を踏み出したという調査ないし研究よりも、さらに一歩進んだ調査あるいは研究の方に使いたいと考えております。これにつきましては、先ほど申し上げました海外におきまする原子力の平和利用の現状を調査団が見て帰りまして、このほど通産大臣あてに報告書を出して参りました。この概要も後日お配りしたいと考えておりまするが、この内容を見ますると、当初われわれ考えておりましたように、メッシュ力千キロ程度の小型実験用原子炉では、世界の原子力の利用の状況から見ますると、むしろおくれているのではないか。もう少し大きな規模のもので実験をする必要があるのではないかというふうな結論が示されております。たとえばその規模としましては、メッシュ力一万キロ前後のもので最初の実験を行う必要があるんではないかということをこの調査団の報告に述べております。この点も十分考慮いたしまして、一日も早く海外諸国との立ちおくれを克服するようにこの予算を有効に使って参りたいと考えております。おそらくこの実験炉の規模が十倍近くふえますと、それに応じまして当初予定しておりました若干の研究等もこの方向にあわせてしぼって参る必要もあるかと考えておるのであります。なおもう少しこの報告の内容を申し上げますると、この最初の炉は、天然ウランを原料にして、重水の制禦材を使って、多目的な原子炉を作るべきだということになっておりますので、その方向に沿いまして、材料の面あるいは燃料の面、あるいは炉の構造の面等もしぼって、しかも重点的に金を使っていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第であります。それからウランの探査の結果につきましては、後日工業技術院の方から申し上げたいと存じております。 それから特許法の問題でありますが、特許法は、一昨年来審議会を設けて、特許関係の四法、特許法、実用新案法、意匠法、商標法と四つございますので、この改正を現在審議会を設けて審議しております。そのうち商標法につきましては一応要綱も結論が出ておりますので、これも早く法文にしたいと思っておりますが、御承知のように特許関係の四法はお互いに関係がありますので、四法を一緒に改正して参った方がいいかと存じております。結論を急いでおりますが、一応現在の段階では、この次の通常国会あたりにあるいは国会の御審議をお願いする段階まで運べるんじゃないかと考えております。実体法の面が多いものでございますので、いろいろな意見もありますのと、それからもう一つは、元来が現行法は大陸法系のものでございますので、これと最近外国特許は英米法系のものが多いわけでありますので、その辺の調整もある程度はかる必要があるわけでございます。できるだけ急いで参りますが、あるいは若干おくれるかとも思うのであります。いずれにしても早く時代の進運に伴いまするような特許関係の法律を御審議を願いたいと思っております。
○齋藤委員 先ほど大臣お留守中に資料の提出方をお願いしてあるのですが、私の考え方から参りますると、ようやく日本の貿易が輸出超過になって、外面は従来の非常に大きな赤字貿易が解消したという形になっておるようでございますが、その内容をつぶさに検討していきますと、工業原材料の騰貴及び船賃の値上りとかというもので、これはなかなか前途楽観を許さざる状態にあると思うのです。この際思い切った充実した生産態勢を確立するには、やはり日本の基本産業に対して近代的なメスを入れて、ここにりっぱな力を持つところのベースを作るということが、私は経済六ヵ年計画推進の基盤をなすものであると考えております。それで製鉄関係または石炭の問題、石油あるいは天然ガスその他の地下資源の問題、そういうものと相並んで、将来の日本の国力を造成すべき新しい生産態勢の確立というものをこの際真剣に考える必要があるのではないか。たとえて申しまするならば、石油化学工業であるとか、石炭化学工業であるとか、これに伴うところの合成工業あるいは醗酵工業ないしはエレクトロニックスいわゆる電子機器工業、そういうものをこの際もう一ぺん検討し直して、従来のありきたりでなく、いわゆる近代的な生産態勢の確立というものを私はこの際急速にやる必要があるのではないか、こう考えておるのでございますが、こういう一般の生産の主体としての業種に、今大臣の六ヵ年の経済政策を遂行せられるというときには、どういうお考えをもつて臨まれるのでありますか。それを端的に一つお示しを願いたいと思います。
○石橋国務大臣 ごもっともの御説で同感であります。さしずめ今やろうと考えておりますことは石炭鉱業に手をつけて、石炭鉱業の合理化を行なって、その価格の引き下げと安定をはかる、これは多分今法制局で法案の形を作ってもらっておりますから、そう遠くないうちに御審議をわずらわすことになろうかと思います。今具体的にそういう産業はすぐ皆さんの御審議をわずらわす段階になっております。そのほか電気とか、製鉄とか、これも製鉄なんかはすぐやりたいと考えておりますが、もう少しひまがかかります。 それから国内の生産態勢を整えると同時に、外国の市場の開拓をどうしてもしなければなりません。私は今この東南アジアあるいは中南米あるいは中近東等は、日本の将来の大いなる市場であると思うのでありますが、いろいろな故障があって思うように参りません。それでこれらのうちから日本が今後何を輸入するかという問題の研究、輸出だけでなく、輸入物の研究をして、これらの開発をやる。それにはある程度の投資を日本においてもしなければねらぬということも起ってこようと思うのであります。それに今コロンボ計画などでアメリカあたりの援助を得られればなおけっこうであります。そういうように、国内の産業の態勢を整えると同時に、市場の開拓のために投資というところまで考えを伸ばしてこれから一つ検討していきたい、かように考えております。
○長谷川(四)委員 関連して。そうすると、一つ大臣に承っておきたいのですが、日本の産業構造というもの、たとえばお考えになるところの百年の計を立てた国是とした産業というものを、どういうものを重点にして進んでいこうかというお考えがあると思うのでありますが、そのお考えを明らかにしてもらうことが——すなわち国民に対して明示しておくことで、国民はそれによったところの関連産業というものをなしていかなければならぬ、こういうことになると思うのであります。であるから、お考えになるところの産業構造というものはこれとこれとこれだ、これに重点を置いて、輸出することは、すなわち輸入ということを前提としなければならぬという今日の貿易でありますから、そういう点を明らかに示してもらって、それによったところの国民全般に対する、中小商工業に対する関連産業というものを興さしていかなければならぬ、こういうふうに考えます。ですからどういうものを重点として取り上げて、計画の上に立った国是とした産業を興していくか、こういう点を一つ御説明を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 今日の非常に変化の激しい社会でありますから、百年とかなんとかということが、いいか悪いかこれは問題ですが、とにかく現在相当先を見通しての日本の貿易としては、すでに現われておりますように、今までのような軽工業だけを中心とした貿易ではうまくいかぬと思います。やはり近隣——中近東にしましても、あるいは申南アジアにしましても、彼らが切に日本から輸入したいと希望しておるものは重工業品が多いのであります。船舶でありますとか、機械でありますとか、そのほかいわゆるプラント類というようなものでありますから、やはり日本の今日の産業政策としては、今までの軽工業を決して軽視するわけではない。これも向うの購買力がふえればむろん分量としてはやはり輸出がふえると思いますけれども、パーセンテージとしてはどうなるかというと、日本の輸出産業の割合からいえば、今までよりも重化学工業に重曹を置かれてくる、こういう傾向であろうと思っております。
○田中委員長 この際政府に対して申し上げておきます。齋藤君より御要求になりました各般の資料につきましては、できるだけ早く御提出、説明願いたいと思います。なお委員諸君に申し上げますが、通産大臣は予算委員会に出席の必要がありまして、時間的制約もありますし、特にただいまも直ちに出席をしてくれ、こういうような要求があるのでありますから、大臣出席中はできるだけ大臣に対する質問だけに重点を置かれて御質疑を願いたいと思います。
○齋藤委員 大臣に対する質問は私はこの程度でやめまして、ほかの諸君に譲ります。
○田中委員長 内田常雄君。
○内田委員 防衛産業の国有民営という問題が最近しばしば新聞でも取り上げられておるわけであります。またことに先日の予算委員会において石橋通産大臣がかなり明確なお答えをされているのでありますが、防衛産業の国有民営ということは、一体どういう構想のもとでおやりになるのか。ことに防衛産業は、日本が日米安全保障協定その他の国際上の義務として自衛力に漸増しなければならないのみならず、これは日本が独立国として自立するためにも、当然財政力と見合せてある程度の自衛力の整備増強ということは必要であるものと私は考えるのであります。そこで大臣の言われる防衛産業の国有民営というのは、たとえば航空機でありますとか、あるいは特殊車両でありますとか、当然自衛力の増強に伴って、わが国自体の産業において整備しなければならないものを将来また増強しなければならない。これらの防衛産業を民間だけの手には負えないから、政府が一応力をかしてやろうということであるのか、あるいはまた最近米国からロスなどが来て、特に問題となっておる重砲弾の発注などのように、従来二ヵ年間、いわゆる試験発注というか教育発注で毎年六千万ドルないし七千万ドルの注文を受けておった。しかるに本年は、日本政府のロスに対する折衝がはなはだ不誠意であったというようなことで、ロスが一千万ドルの注文を残したままで帰ってしまった。しからば従来二年、三年の間これらの教育生産をしてきたところの、たとえば重砲弾の受注会社のようなものは、一千万ドルの発注だけではせいぜいことし一ぱいとか、あるいは来年三月までしか生産量はない。そのあとはせっかく整備したいろいろの機材あるいは払い下げを受けた国有の施設等を自力では持ちこたえられないから、日本が自衛力を維持増強するためには、それらの重砲弾等の生産設備をある程度は国として日本の国内に保有しなければならない。そこでさようなものを政府が力をかして維持していこうという意味であるのか、どちらであるのか。その辺を含めて一つ構想を大臣から承わりたいと思います。
○石橋国務大臣 防衛力を持つ限りは、防衛に要する産業がなくてはこれは役に立たないものでありますから、どういうふうにして防衛産業なるものをやっていくかということは、これは大き血問題と思います。ところが今いろいろ研究いたしておりますが、実際はこれはなかなかむずかしいのです。第一、日本の防衛力というものがどれほど必要であるか。どこまで伸びるかということで、きのうも予算委員会で六年計画があるとかないとかいっておりましたが、これは防衛庁自身はむろんほっておるわけではなく、研究していると思いますが、前内閣においても現内閣においても、政府として決定した計画というものはできておらないのです。従って防衛力それ自身がどれだけになるのかわからないのに、防衛産業ができるわけはない。規模がわかりませんから、いろいろ試験的な計算はしておりますが、実は今の見通し、日本の今の国力に相応した防衛力というような考え方では、防衛産業というものはいろいろなものがありまして成り立ちにくいのです。そこでさしづめ必要が起ってきたものは、今御指摘の飛行機の問題が一つ。これは軍の必要なジェット飛行機ということばかりでなく、F八六、七十機、T三三、九十七機というのですが、これはあと続けて生産できる設備ができるわけであります。軍としてそれを使うというより、実は通産大臣として興味を持っているのは、それによって日本の一般の技術水準が引き上げられるということに私はむしろ興味を持っているのです。さしづめの問題としては、とにかくジェット飛行機を実際作る必要があるのですから、それを作るにはある程度政府の資金を出してやらぬと、民間だけでやれといってもなかなかできませんから、そういうものには政府も資金を出してやる。それからもう一つの今の砲弾、これはロスがいろいろどうかしてくれればもう少し出すということをにおわしたとかにおわさぬとかいっておりますが、これは確実な話ではない。とにかく現在注文が減りました。それでほっておけば、中には専業でやっておるのもあるから、これはつぶれてしまいます。それから小松製作所その他の専業でない兼業でやっておるのも、今持っておる設備が維持できなくなりますから、そこで専業でやっておるものについては土地建物も含めて、とにかく一応施設は国有にして、そしてあと管理費を払って維持していくという必要があるのじゃないか、それから兼業でやっておるものは、ある砲弾あるいは銃弾についての一系列ずつの施設を国有として保持して、そしてもし必要がなければふだんは維持費を出してその維持をさせる、そして必要なだけの生産をさせる、こういう方法でもとらなければ、せっかくでき上りました銃砲弾の産業も、日本では維持ができなくなる。全然防衛力が要らないということになりますれば別問題でありますが、防衛力が要る限りは、決して日本でもむだなことではないのですから、そういう方法でこの際維持してやろう、こういうことでもって、方針として国有民営にするとか国有国営にするとかいう意味ではない。私はできるだけすべてのものは民営がいいと思う。民営でやれればいいが、今申す通り民営では十分需要がありませんから、純粋の民営では維持ができないということが大体防衛産業の現状でありますから、純粋の民営で維持ができないものについては国家がある程度の力をかしてやる、こういう程度のことであります。
○中崎委員 関連して。今の銃砲弾の国有民営に関する問題ですが、こうした特殊なものですから、何らか国家的に手をかしてやる必要があると考えられる。元来は自由党もそうだし、民主党もそうだが、自由主義の上に立って大体物事を考えていくという考え方であります。従いまして、たとえば銃砲弾なんか作る場合にはたくさん注文がなければコストが高いのはわかっておる。だからそれに引き合うコストで買ってやったらどうか、特にそれがために国家で設備を買い上げておいて——そしてあなた方の立場からいえば・経営が不合理といいますか、自由主義の長所を持たないような、また研究も十分されないような無責任な態勢に持っていくよりも、引き合うような値段において買い上げていくという方法も十分考慮すべきだと思うが、この点どうです。
○石橋国務大臣 お説は承わって参考に供しますが、今私が申したのは、まだ決定したわけではないのですから、いい方法があればほかの方法をとってもむろんよろしいのであります。しかし今のところでは高くできたものはコストに従って買ってやるということがはたしていいか、それとも設備の一部分を国家が保存してやらせる方がいいか、これは問題だと思います。今結論は私ここで出しませんが、お説は承わっておきます。
○内田委員 今の大臣の御答弁よくわかりました。それから中崎君の御質問に関連したことになるのですが、今の銃砲弾の問題は、実は中崎君の御質問のような事態ではないのでありまして、国が引き合う値段で買い上げてやれば、国有民営あるいはその他の特別の援助はいらないという事態ではないと思う。銃砲弾については、これは昭和二十八年、九年の二ヵ年間にわたりまして、アメリカからいわゆる教育発注があって、その発注を受けたものが相当蓄積されておって、私の聞くところによりますと、現在各種銃砲弾、銃弾を合せて十五万トンの保有量ができているのだそうです。今日の演習の状況をもってしますれば、一年にせいぜい一万トンの銃砲弾を使うかどうかということで、万々一特別の事態でも発生しない限り十五ヵ年間は銃砲弾が持つということであります。これはこの間からの予算委員会の御答弁ではっきりしないところでありますが、防衛六ヵ年計画というものがまだないとか研究中だとかいうが、しかし私はおそらく事務当局の方では防衛六ヵ年計画のおたまじゃくしのようなものはあるに違いないと思っている。研究の何かまとまったものがあると思うのです。それが民間へも漏れているのでありますけれども、かような事態において銃砲弾の製造計画というものは防衛六ヵ年計画にはない、従ってまた経済審議庁でお立てになっている総合経済六ヵ年計画の防衛計画の中にも銃砲弾の製造計画というものはないと思う。従って高く買ってやるというよりも、十五年間は要らないのだということで、全然製造計画がない。今まで政府がお助けになったのか、無視しておったのか知らぬが、おそらく国有財産払い下げ等特別の便宜を講じてやったのだから、私は政府も陰に陽に援助しておったと思いますが、さっきおあげになったように、いろいろな会社、それにつながる中小企業、下請等が銃砲弾の製造設備を持っているにもかかわらず、高くにも安くにもこのままの政府の防衛計画のもとにおいては、そのまま買ってもらえないという事態が実は起っている。政府が外交方針その他を統一されて、アメリカとうまく行くなら、六千万ドル、七千万ドルの追加発注があるかもしれませんが、特に最近の外交方針から見ましても、かような甘いことは考えられない。そういう事態が起っているのであるから、さような事態を御認識なされた上で政府においても考慮する必要があると思うのです。ことに大臣は今のは自分の構想だけで、政府部内としての国有民営その他防衛産業に対する援助方針がきまっておらないということでありますが、大臣が御存じないはずはないと思うのでございます。通産省の重工業局の航空機課におきましては、とっくの昔に一つの成案を得て、大蔵省とか防衛庁とか経済審議庁等に相談をなされているのであります。防衛庁、経済審議庁の方は受けて立つようなかっこうでありますけれども、大蔵省は強硬でなかなか話がまとまらないということで、今日予算案にも、たとい石橋通産大臣が特別の資金的援助を与えるとかあるいは国有民営の方式をとるとか言われましでも、何ら予算の裏打ちもできておらないようでありますし、また特にこれらの防衛産業をやっておりますものは、旧軍廠等の国有財産の払い下げを受けたものが多いのでありまして、それを国が買いもどすとか、年賦で売ってあると思うのですが、その年賦分を何か特別の措置によって取り消すとか、財産法上の処置が要ると思うのですが、それらに関連する法律案も出ていないのであります。これはあとからでもけっこうでございますが、重工業局長から重工業局はどういう案を立て、それが大蔵省なりほかの官庁とどういう折衝になっているかということをお聞きしたいと思うのであります。この点は私は大臣に深く追及はいたしません。 それに関連して最近一つの矛盾があると思われることは、最近新聞等で非常ににぎわしくなっている徳山の旧海軍燃料廠の払い下げの問題、四日市の旧海軍燃料廠の払い下げの問題であります。今日の新聞にも伝えられる通り、民主党の閣僚及び首脳部の御相談によると、四日市の旧海軍燃料廠は、石橋通産大臣の案としては、これは昭和石油あるいはシェル等の協同体に払い下げをなさる。その反面、徳山の方は別個の処理をする、あるいは出光興産に払い下げるのか、あるいはわが国の航空燃料等の補給地として国有のまま存置されるのか、とにかく四日市の払い下げ案なるものは、今まできまった形とはかなり違った形で石橋通商産業大臣の構想として伝えられておる。これに対して防衛庁は反対だ。それは将来航空燃料等を確保するためには、四日市はどうしても国で持っている方が便利であると主張されているように新聞には伝えられておるのでありますが、果してそうであるとするならば、一方においては銃砲弾とか、あるいは航空機、艦船等について国有民営の案が足元から起っておる際に、今度は燃料についてはこれはまるで反対です。また将来国有民営を蒸し返さなければならないかもしれないような方向に進んでおるような気もするのであります。そこに考えの統一がないように思いますが、これはどう解釈したらよろしゅうございますか、お教えを願いたい。
○石橋国務大臣 通産省としては統一した考えを持って、さっき申したように、これからの防衛産業というものは民営でいくということを建前にしたいと思う。ただ民営では行けない部分だけは、何とか考慮しなければ防衛産業の維持ができませんから、これはやろう。先ほどの砲弾の場合も相当のストックがあるということは事実です。しかしこれはただ食いつぶしていっていいわけじゃありませんから、やはり年々リプレースする必要がありますから砲弾の注文が日本の防衛分から全然出ないということはないと思う。それが出るという建前のもとに今研究をしております。ただ通産省では、先ほど申したような案を立てておりますが、一部ほかの省と調整のできないところがありますから懸案になっておる、こういうことであります。 それから燃料廠の方は、これは古い、えらい厄介な問題でありましたが、純粋に経済的立場からこの際処置したい、こういうのが私の考えで、日本の石油産業あるいは日本の石油化学工業の将来ということを見て、この際各現地が草ぼうぼうに残されている場所を早く利用するということがその土地の繁栄のためでもありますし、国全体のためでもありますから、早くそれの処理ができるような経済的処置をとりたい、かようなことで一応の案をつくっておるわけでありますが、しかしこれにはいろいろ異論のあることも御承知の通りであります。異論の調整をただいまやっているところであります。
○内田委員 きょうは序論だけにして、早く大臣を解放して予算委員会の方にお送りしたいと思うのでありますが、とにもかくにも、この防衛産業につきましては、少くとも日本として自衛力の増強なり維持なりをしなければならないという立場から、力をかさなければならないというお考えのようであります。 これはごく小さい即題のようでありますけれども、やかましい議論になっておる問題が一つあります。それは金利の問題でございますが、金利については商工中金にしろ、国民金融公庫にしろ、あるいは開発銀行その他市中銀行におきましても、全体に低金利の情勢が馴致されて、一方一兆円の窮屈予算におけるデフレ不景気の政策を金利の方面から解消するというような大臣のお話をしばしば承わるので、私はまことにいいことでぜひやっていただきたいと思うのでありますが、防衛産業にも大臣御承知のない変な金利があります。それは国有財産の年賦売り払いを従来やって参っておるので、年賦になっている部分については法律上金利をとるということになっておる。国有財産特別措置法という法律がありまして、政府の定める金利をとるということになっておりまして、現在は八%の金利をとられておるはずであります。私は必ずしも八%の金利が高いとか安いとかというものではありませんが、政府が防衛産業について消極、積極、また全部ではないにしても何らかの部面においてこれを助けなければならないとすれば、この金利についても調整が加えられてしかるべきものではないかと思うのでありますが、今日の法律上に非常な欠陥があるのです。大へんこまかい話で恐縮でありますが、財政法上の何条とかいうものがあって、政府が一たんきめた契約の条項を変更するためには法律上の定めがある。年八分ときめたら将来低金利の情勢が馴致されても、また同種の産業について開発銀行が六分五厘の金利を出そうが、五分の金利を出そうが、大蔵省における国有財産の売り払い未納分については、一たんきめたら未来永劫八分というばかなことになっておる。この点につきましては、関係方面、大蔵省等ともお打ち合せになって、八分で安ければ九分にする、八分で高ければ六分、五分にするというようににぜひ直していただいて、今おっしゃる防衛産業の援助方策、あるいは国有民営の方策と歩調を合せるようにお願いしたいと思います。防衛産業の問題は委員の皆さん方がこれから質問されることであり、本委員会の問題になると思いますから私は序論にとどめておきます。 次にもう一つ、簡単にお尋ねしたいのですが、国産原油の増産について画期的方策を講ずるということは、これは経済審議庁長官代理の施政方針演説におきましても、そのようなお言葉がございましたし、また最近の当委員会における社会党の伊藤君の御質問に対しましても、そのようなお答えがあったのでありますが、予算が提出されてふたをあけてみますと、何も画期的の措置がないのでありまして、昨年一億何千万円かの試掘助成金が予算に載ったのに対して、本年はその四割増しか何かの三億円というものが試掘助成金となって載っておるのでありますが、これは私は画期的の措置とは言えないと思います。元来原油の増産につきましては、私どもは自由党内閣のときに国内石油増産五ヵ年計画というものを立てて、それを現政府が継承され、経済六ヵ年計画の中にも明らかにそれを取り上げられておる。国産原油の生産数量というものは、日本の全需要量に比して非常に少いのでありますが、私どもの伺いますところによると、石油化学工業の原料としては非常に適当のものでもあるし、国際状況を見ても、イタリアとがフランスとか欧洲の石油資源の少いところにおきましても熱心に増産をやっておるのでありまして、わが国においてもなおざりにすべきでないことは石橋さんの考えと同じであります。ところが三億円のこの助成金をきめてみても、これは石橋通産大臣は御存じないかもしれませんが、三億円を試掘会社に直ちにやれるものではないのでありまして、何とかいうむずかしい法律がありまして、会社が石油の採鉱試掘のためにある経費を支出いたしますと、それを査定してそれと同額の補助を与えるということで、今日までの現状で行きますならば、おそらく三億円の補助金は使えないと思います。またかりにこの石油採掘会社にいろいろな金融上の力等をつけてやりまして、それが思い切って採鉱試掘のために経費を支出いたしたといたしましても、三億円の補助を五割の補助として全部載せたといたしましても、とても五ヵ年百万キロリットルの原油増産ということはできそうもない。大体この三億円の補助金を載せることによってこの五ヵ年計画が達成されるというめどでおられるのか、あるいはこれを一応かようなことにしてあるが今国会の審議の過程において別個の案を政府としてはお出しになるのか、あるいはわれわれ議員の総意においてわれわれをして特別の案を立案せしめる御用意があるのか。私はそれについて、必ずしも予算の修正にならないでわれわれの希望を満足させ、政府の面子も十分に立つような案の用意も実はあるのでありますが、その辺についての御見解をもう一度お聞きしておきたいと思います。
○石橋国務大臣 前段の金利の問題については、これはだれよりも内田君が一番詳しい専門家で、その方面のことを今までやってこられたことだろうと思いますが、確かにいろいろなめんどうがその方にありまして、今の砲弾の問題がこれほどやかしまくならないときからすでに非常に困難をしておる向きがあるのでありまして、何とかしてやらなければならないということで、大蔵省と実は話をしておるのであります。 それから石油の方の問題は、御説の通り補助金でありますと、これはなかなか使えないということはおっしゃる通りです。ですからこれは、われわれもあの補助金を三億円出して満足しているわけではありません。いろいろな案を考えてやりまして、さしづめとにかく三億円の補助金という形にしてあるのでありますから、政府提案としてやるか、あるいはまた御厄介を願うか、とにかくこの三億円が有効に使えるような方法を講じたいと考えておりますから、どうかよろしくお願いいたします。
○内田委員 もう一点は、中小企業金融の問題でありますが、私は大臣に非常にミスがあるんじゃないかと思います。先般当委員会で私は留保しながらお尋ねしたのでありますが、従来やって参った国庫余裕金の中小企業金融のためにする預託、たとえば信用金庫でありますとか、相互銀行あるいは商工中金等の市中銀行に対する預託、これを民主党政府になられてからは新しい預託をやめてしまわれておる。この引揚げについては手心を加えられておるようではありますけれども、とにかく昨年末以来新しい預託はないのでありまして、そのために中小企業は金融上非常な困難をしており、これをぜひ復活してほしいということは、中小企業全体、天下の要望になっておるのであります。これに対しまして大臣はまことにその通りであるが、なかなかむずかしい点もあるので、これに対して何か代案を用意しておるというお話がございました。代案と申しますと、おそらく国民金融公庫であるとか、中小企業金融公庫あるいは商工中金、それらの方面に政府が思い切った予算上の出資、政府投融資を昭和三十年度においてなされるか、あるいは一兆円予算の関係上その出資ができない場合には、昔の預金部、今日の資金運用部資金を昨年以上に増して、国庫余裕金の預託ができない部分を補うに十分なだけの資金運用部の資金供給でもなさるかと思って、実は楽しみにして参っておるのでありますが、今度の予算並びに政府の投融資計画を拝見いたしますと、昨年よりもむしろ減っております。石橋通産大臣は本会議における、社会党のどなたかの質問であったと思いますが、これに類似した質問に対しまして、国民金融公庫にしろ、中小企業金融公庫にしろ、政府はその資金量を昭和三十年度において大いにふやして、金融の円滑をはかっておるのだという御答弁でありましたが、これは間違いであります。現に昨日、通産省官房長から御説明がありました通産省関係の投融資予算を見ましても、中小企業金融公庫は昨年の二十億の出資に対しまして十五億と、五億減っております。また国民金融公庫におきましては、昨年の二十億の出資に対して本年も二十億の同額でありまして、同額のように見えますけれども、もう一つ裏の資金運用部から供給する資金は、中小企業金融公庫、国民金融公庫いずれも昨年よりは減ってしまっておるのでございます。ただその自己資金がふえるんだ、資金の回収があるから、その回収した資金をもう一ぺん三十年度において貸付に回すから、新しく政府から出資をする金額、投融資をする金額、それに金利あるいは従来の回収を加えた総運用資金が去年よりふえている。通産大臣は中小企業庁長官あたりから最後の数字だけを見せられて、中小企業金融はことしはうまくいっているというふうに誤解をされているのではねいかと思うのでありますが、一体回収資金は——通産省におかれましても経済審議庁におかれましても、毎年資金計画を立てるときには、何千億というような資金計画を、やれ設備資金であるとか、運転資金であるとか、産業並びに企業というように縦横そろばんの合った計画を立てるのでありますが、それらに載っている数字というものは、増加供給資金が載っているのであります。銀行預金は本年七千億を貯蓄目標にするということは、七千億銀行預金が純増加する。そのうちの五千億貸すのか、六千億を貸すのか。とにかく今までの貸付よりは五千億、六千億よけいに貸し出されるという計画になっております。これは石橋通産大臣がよくおわかりでありますけれども、市中に供給される一つの基本になっている。その資金をもう一ぺん引揚げてもふえないのでありまして、資金の供給増加とはならない。従って国庫余裕金引揚げのきわめて有効な代案ではない。すべてを通じて中小企業に対する金融の面は非常に悪くなってくる。これは年度の途中において必ず問題が起り、補正予算の材料となることを断言するものであります。御存じのように昨年自由党内閣のときに国民金融公庫、中小企業金融公庫に対する出資の予算を編成したのでありますが、おそらく民主党ができる前でありましょう。当時の改進党でありましたか、日本自由党でありましたかが、そのときに第一に手をつけて政府案を修正され、国民金融公庫、中小企業金融公庫への政府の出資を増額されたのでありまして、それほどに中小企業に対する新しい資金の供給を必要だと考えられた同じ民主党の皆様方、あるいは石橋通産大臣が、なぜことしは減らさなければならぬのか。しかも減らしておいて、一方においては国庫余裕金、指定預金もやめてしまった、その代案があるというようなことを言われるが、私ははなはだ了解に苦しむし、国民に対して説明に窮するのでありますが、きょうは時間がなければこの次でもけっこうでありますから、懸案として真摯なる御説明をお願いしたいと思います。
○石橋国務大臣 中小企業に対する金融も満足とは思いません。しかし全体の運用の金額というものは減っておらないのです。財政投融資としてもできるだけのものを出しておる。特に中金の十億円の増資というものは相当の効果がある、こう考えております。しかしなお十分考慮いたしたいと思います。
○内田委員 最後の中金の十億の出資の点について誤解があると思いますから申し上げたいのは、十億を出資したというのは、先ほども説明がありましたように、十億の金を中金に使わせるということでなしに、中金は資本金の二十倍の金融債を発行できるのであります。従って見せ金として十億を出すのであります。そこで金融債は、これは大臣はほかで忙しいので御承知ないと思いますが、金融債は政府の関係で引き受けたのは百九十億という金額に対して今年は百五十億に減らしてあります。この金融債は長期信用銀行、興業銀行、農林中金、商工中金、この四つに供給するのでありますけれども、この金融債を昨年よりも四十億も減らしておるのでありますから、商工中金の方へどれだけの金融債が行くか。従って出資の十億では私は解決しないことであると思います。これは大臣の御反省を願うだけで、中小企業庁長官も見えておりますから、ぼちぼち御答弁願うことにいたします。
○田中委員長 帆足計君。
○帆足委員 通産大臣に二つの問題についてお尋ねいたしたいと思います。第一は、ただいま兵器工業の国営の問題が出まして、中崎君から逆にああいうものは自由企業のままにして適当な値段で買上げた方がいいというお話でありました。またただいま中小企業の問題について、内田君から御質問がありました。また昨日の通産大臣からのお話の中で、生産性本部をつくる、それに補助金を出すということも承わつておりますが、たとえばその問題一つにいたしましても、いずれも民主党内閣が今後の経済政策をおおむねどういうプリンシプルでおやりになる意向であるか。自由党の経済政策と民主党内閣の経済政策の基本の方法論といいますか哲学において、どういう点で一歩前進しようとなさるのか、より合理的に福利民福をはかろうとなさるのか、それらの点を一つ通産大臣に伺っておいた方が、あとの審議のために役に立つように思うのです。また電源開発の問題などにも同じ問題が出て参りますから、石橋さんの最近の御心境を伺いたいのですが、資本主義のもろもろの弊害に対していろいろな形において修正するということの必要は、私は今日の常識だと思うのですけれども、たとえば旧来の自由経済に対してどういう点に多少の調整を加え、修正を加えるのか、また国営、国の補助というような観念を加えるのか、従来の自由党の政策に対して民主党の通産大臣として、プリンシプルにおいてどういう筋道に行こうとなさるのか、第一点として一つ伺っておきたいと思います。生産性本部の問題にいたしましても、生産能率を上げるということの重要なことは、社会党としても異存はないところでありますし、労働組合としてもプリンシプルにおいては異存はないと思うのです。しかし従来の自由競争万能の経済態勢のもとでは、せっかく能率を上げれば、かりにその能率が労働強化にならないとしても生産過剰の問題をどうするか、利益分配において納得できないとか、あるいは逆に努力をふさいだことが失業者を生むとかいうような、数十年来指摘された弊害が、そのまま放置されておる状況で、労働組合に協力しろと無条件に言うてもなかなか気持が動かぬと思うのです。そういう点について弊害は弊害として、政府としてはその弊害をこういうふうに直していくし、国の経済の運営のプリンシプルはこういうふうに弊害を矯正していくというお考えが筋道立ち、誠意のほどが働く者に理解されるならば、初めて生産性本部のような運動も効果を現わし得るのではないかと思うのです。こういう点につきまして、結局これは経済機構の根本に対する保守政党としての最も合理的な考え方、また最も進歩的な考え方でいかれることをわれわれは希望しておるわけですが、通産大臣はそういう点についておおむねどういう御所見をお持ちであるか、それが今後の御審議のすべてにわたる根本問題でありますから承わっておきたいと思います。
○石橋国務大臣 非常に大きな問題のお尋ねでありますが、大体われわれは個人といいますか、私企業のイニシアチヴはどこまでも尊重していきたい、どうもいろいろの官僚統制というか役所の統制といいますか、何もかも政府機関が干渉をしなければ進んでいかない、こういう現状にやや相違点がありますから、それは一つためていきたいと思います。しかしそうかといって野放しに無計画にいくことはできませんから、まず基幹産業を初めとして、いわゆる先ほど申しました石炭のごときは、相当の計画のもとに生産性を向上させると同時に、燃料全体に対する総合的な案を立てまして、そして重油とか石炭とか、あるいは電気とか、あるいは進んでは原子力というものも含めて、どういうふうに日本の燃料もしくはエネルギーの計画を立てていくかというその計画のもとにやっていきたい、かように考えておるわけであります。われわれはできるだけ自由を尊重しますが、しかし決して昔の自由放任でいけるとは思っておりません。ですから同じようなことを繰り返しますが、どこまでも計画性を立てた計画のもとに、できるだけ自由な活動を許すような方式でいきたい、かようなのがごく大ざっぱな大体の原則であります。
○帆足委員 これらの問題につきましては、石炭産業にも企業整理の問題が起っておりますし、電力問題についても審議が続けられますから、いずれその節また大臣の意見を伺い、われわれの所見も述べまして、保守政党として進むべき方向ができるだけ合理的な方向に進んでもらうことが、やがて革新政党が仕事をしていきます上においてもできるだけ矛盾を少くするゆえんでありますので、大いに主張すべき点はわれわれも主張し、また政策の中に盛り込んでいただきたいと思うのであります。 そのついでに一つ伺いますが、生産性本部の問題です。それは政府も補助金を出すということですが、これは労働組合側の協力について事前に適切な手を打ち、話し合いをいたしたのでしょうか。担当の方からでもちょっと要点を伺いたいと思うのです。
○石橋国務大臣 こまかいことは担当の政府委員からいずれお答えさせますが、この労働組合との話し合いも私はしたと了解いたしております。これからもなお——まあ総評あたりが何か誤解があって参加し安いとか言っておるそうでありますが、その話し合いはいたしたいし、またできるだろうと思っております。
○帆足委員 私どももこの問題について十分に了解いたしていないのですから、いずれまたこのあと各論のときに話し合いたいと思います。従いましてわれわれの方では十分に了解ができていないということだけを御承知ありたいと思います。 それから中国との貿易交渉の問題につきまして、一ヵ月にわたりまして中国から貿易使節団が参りまして、各政党からこの問題は超党派的に一名ずつ代表が出まして、私どもも交渉の任に当ったのでございます。その間政府当局とも逐次連絡を密にして参りまして、いろいろ御支援を得ました点は深く感謝にたえぬところでありますが、それにいたしましても、率直に申しまして総選挙直後でありましたし、地方選挙がその間に重なり合ったりいたしまして、各大臣も御多忙であったせいもあろうと思いますが、この問題についての努力におきまして、私は政府当局は十分でなかったような感じを受けました。それは私一人が受けておるだけではなくて、協定ができました日の各新聞の論調を見ましても、やはり同じような印象を受けておったようでございます。たとえば朝日新聞は、ごく最近の論説においてこういうふうに書いております。「交渉の経過を見て、われわれの思うことは、一体政府は、中共貿易を促進する熱意を、どの程度に持っているかということである。対共産圏貿易を促進するというのは、だれでも知る通り、鳩山内閣の公約であったが、日がたつにつれて、その態度はあいまいになってきている。使節団入国の際の不手際はともかくとして、最初は日中貿易交渉に政府は関知しないとの態度をとり、中共側がわが政府の保証を求め、日本側交渉委員がこれを要請するに及んで、次第に方針がまちまちになり、一方では使節団の滞在延期の許可を拒否するかと思うと、他方では首相が、日中貿易に支持と協力をあたえると言明するなど、無統一と無方針を暴露する始末である。いやしくも一国の首相が、日中貿易促進議員連盟の代表者に言明し、これが日本側代表から中共使節団にあてた書簡に明記されているのであってみれば、政府は如何なる支持と協力をあたえる方針であるかを明示するか、さもなければ、首相の言明は日中貿易交渉に関知しないとの方針と一体如何なる関係にあるかを、明確にする必要があろう。」もちろん新聞の記事でございますから、多少不明確なところもありますけれども、大体においてこれは世論の声を代表したものであろうと思うのです。従いましてこの際通産大臣にお尋ねいたしますが、中国との貿易の問題で何もかも解決するというものではもちろんございません。日本は島国であり、貿易の国でありまして、全世界と貿易をしなければ生きて行けない国土狭小な国です。そうして人口の多い国です。従いましてアメリカとの関係も依然として重要ですし、東南アジアとの関係も重要ですし、それから遠く中南米、ヨーロッパの貿易すら相当重要性があるのです。しかし中国との貿易を無視して日本経済の今後の発展ということは、私は望めないと思います。日本経済における比重が少いときは二割、多いときは三割くらいというのがかつての北アジアの貿易でありました。しかしかりに二割としましても、二割というのはなかなか大きな金額です。従いましてこの出題について、選挙のときに実は私も花村四郎さんの立会演説を聞いたのですが、花村さんは法務大臣ですから中共貿易のことなどはあまりお触れにならぬと思ったら、なかなか正確にお触れになっておる。それでは帆足のお株は奪われたではないかというヤジが入ったくらいですが、私は大へん工合が悪いとかなんとかいうことではなく、よいことはよいのであるからけっこうなことであると思って、私も横から拍手を送ったくらいであります。しかしそういう風景は選挙のときの各地の風景だったと思うのです。わが党の若い党員は、民主党に政策を盗まれたといって非常に憤慨しておりましたから、私どもはよいことはだれが盗んでもよいではねいか、問題は実行にある、もし実行してなかったらそのときは詐欺罪としてこれを処罰すればよいじゃないかというような冗談を申したくらいであります。ともかく非常な国民の期待のもとに鳩山さんの国交調整並びに貿易拡大の言葉は迎えられておるのです。中国との貿易を過大に評価することは誤まっておりますけれども、過小に評価することはこれまた愚かなことです。先日の会談の最後の日でしたか、中国側にそれでは一体どういうものを買いたいかという話が出ました。そのときに、ココムの全面解消をするということはむずかしいであろうけれども、西ドイツあたりではすでに薄鉄板を特別許可で出しておるということもありました。それからソ連と中国とを区別して輸出禁止をしておるけれども、せめてソ連並みになったならばどういうものが出得るかという質問に対して、先方からは大量に船を発注します、船は三千トン、五千トンくらいでけっこうです。遠洋航路用でなくて沿岸及び揚子江、黄河等に就航するもの、船の種類は貨物船、旅客物、浚渫船その他タンカー、いろいろな種類のものを発注いたしましょう。それからトラック、特に日本のトラックは非常に丈夫でよろしい、西ドイツや英国のトラックはよい道を滑りつけておりますからしりが軽いけれども、日本のトラックは適当にしりが重く、非常に丈夫だ。また小型のオート三輪は水牛の車しか通らない中国のあの尨大な、悪い道を縦横にかけり回るのによいというので非常な興味を持っておりました。それからディーゼル・エンジン、起重機、運搬車、さらに戦争中あのしりから煙を吐いて走った木炭車、あれがコウリャンの木でもたいて走るような木炭車でもできれば大量に買いたい、こういうような話も出ました。これらのもののほかに、さらに電気機関車及び貨車のことが出ましたが、私はまことに適切な輸出品だと思うのです。終戦直後三、四年の間でしたら、オート三輪、トラックを戦略物資と言った人もあったでしょうし、またそういう言い方もできたと思う。しかし平和になって十年たって、西ヨーロッパの経済雑誌を先日何げなしに見ておりましたら、今日の戦略物資はまずレーダーとロケット砲、ジェット機と原爆、水爆の秘密、これらがほとんどの戦略物資であって、過去の戦略物資という定義は変えねばならぬということが載っておりました。私はこれはその通りだと思う。アメリカの政策も最初は戦略物資ということで出発したと思うのです。別に最初はうそでなかったと思うのですが、いつしか言葉の内容が歴史的に変ってしまって、形だけにとらわれて、現在では日本が中国と貿易をしないことは、アメリカが台湾で事を起してまごまごしているうちに中国の市場に深く入ってもらいたくない、西ヨーロッパはその姿を見てそれは非常に不合理である、日本のために気の毒であると、ときどき論評しておりますけれども、他国が困っている姿を見ることは今日の自由経済の体制ではあまり不愉快なことでもなさそうで、それほど強くは論じない。しかし気の毒だというような論評は、大臣も御承知のように始終西ヨーロッパの新聞雑誌には出ております。それが鳩山内閣になって世界の世論はどう見ているかといいますと、まず鳩山内閣の国交調整、北アジア、東南アジアへの貿易拡大の方針に対して悪口を言っておる論評は一つもありません。おおむね日本国民のやつはぼつぼつ目をさまし始めた、正気になって正当なことを言い始めた、こういうふうに論議している論調がほとんど全部だと私は思う。大いに鳩山さんも石橋さんも意を強うしていいのではないかと思う。それが内閣をお作りになったら急に遠慮なさるということは、これは一体どういうことであろうか。そこでお尋ねしたいのですが、通産大臣はトラックやオート三輪を戦略物資と今日考えておられるかどうか、まずこのことを私はお伺いしたい。わずか一年前にDDTが中国に行くことを禁止されております。私は不思議だと思ってある人に聞いた。すると当時は、DDTが行けばノミやシラミが減るじゃないか、ノミやシラミが減れば中国の解放軍の背中がすがすがしくなって元気を出すおそれがある、そういうことです。わずか一年前のことです。ところが中国に行ってみたらDDTは上海でできているほかに、西ドイツから圧搾空気で入ったものが大量に輸入されておりまして、日本はこの点は手おくれになりました。辛うじてペニシリンとストレプトマイシンが間に合いまして、御承知のように輸出総額の九割を占めております。こういうこともありまして、戦略物資などという言葉をただ漫然と吟味し、検討することなしに使っておりますと、戦略物資はそうではなくして実は商略物資、商売がたきの物資をアメリカが無意識に、または意識的に押えておるという不幸な結果になっているのが今日の現状だと私は思う。従いまして、長い、古い形のあのB二九前期の戦争の惰性となっていたところの戦略物資という言葉を、原爆と水爆の光に照らしてもう一度正気になって再検討していただいて、ココムで堂々の陣を張って、そうしてどうせ水爆時代戦争はないのですから、トラックとか貸車とか起重機とか今のオート三輪とかいうような貿易は自由にしよう、それによって国民生活が安定するのが社会生活全体を明るくし、そして社会全体の平和と安定に貢献するのであるというような主張を持って、もう一度朝ぶろから上ったような気持で一つココムで主張すべき点を主張していただきたいと思うのですが、石橋さんはどういうふうにお考えでしょうか。従来の外務省の諸君は、アメリカが戦略物資と言えばもう百科辞典を引いてみないで、そしてそれを戦略物資と思い込んでしまう。DDTが戦略物資と言われれば——あれは戦略物資ではなくて衛生物資である。ノミやシラミにとっては戦略物資です。しかし人類にとっては平和物資、衛生物資であって、それすらもわからなかったのが一年前の外務省経済局あたりの諸君ですから、まだ吉田内閣のときの惰性と畏怖と恐怖の念は残っておる。ワン・マンに対して劣等感を持った時代の恐怖の念、それからアメリカの言うことはすべて正しいといったその十二才的な心理、こういうものから解放されていくというのが、民主党の鳩山さんが伸び伸びとした発言をされたことに対する人気であって、必ずしも私は鳩山さんが反米思想であるとは思いません。いつも言われておるアメリカとの協力をしておることはその通りだと思う。それでもそのワク内で、せめて保守党は保守党らしく伸び伸びした発言をなされた。それに対して私ども敬意を表しておるわけです。しかるに内閣をとられて経済使節が来てから私どもが交渉に参りましても、通産大臣にはゆっくりお目にかかる機会がありませんでしたからこの席で攻撃するわけでありませんけれども、それでもあなた方の方から、あの交渉はどうなっておるか、どういう点へ一つ手をかそうかといって官房長官を差し向けられるくらいの態度に出てしかるべきであるにかかわらず、今日の朝日新聞の論評にある空気というのが一般の人たちのやはり世論だと思う。通産大臣の明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○石橋国務大臣 私どもはむろん中共・ソ連との貿易も大いに増進することを希望していることは、前々から申しておる通りであります。しかしこれは多くの諸君からいろいろ臓ごとを言われたでしょうが、私は同時に、今の国際情勢で中共貿易が、すぐにそのようにココムの禁輸品を解除して行くということにはならぬ、これはよほどしんぼう強くやらなければならぬという考えは初めから持っておりまして、従って国民諸君が中共使節団が来たために、これで非常な貿易の打開ができるというふうに考えられたら、これは失望するぞということは、少くも私は絶えず申しておりました。現在でもさようでありまして、お説のように戦略物資というものの定義は、これは広く考えればあらゆる物が戦略物資で、いやしくも敵国といいますか、とにかく対立しておる相手方の国民生活を便益にするものはすべて戦略物資だという定義も下せない限りではないと思うのでありますが、これはそんなことを言っておったら日本から中共などへ輸出するものはありませんから、御説のように中国に対するココムの制限もソ連に対する制限くらいまで少くとも減らすということは、私どものたって希望するところでありまして、その点今後大いに努力して、その方面に外交を展開してもらいたい、こう考えております。
○帆足委員 結局、この問題につきまして通産大臣を何ぼ責めても、これは外務大臣がいつも問題を起す人物なんです。香湾で中国というパス・ポートの名称を中華人民共和国に変えてくれという、あの交渉だけで四日間もかかっているのです。そのとき私は言ったんです。池田正之輔君のことをわれわれは池正と呼んでいる。これは略称ではない、愛称ですけれども、しかし正式の名前を出す場合には池田正之輔と書くわけです。だからパス・ポートに中華人民共和国と書くくらいのことで、なぜ誤解の種になるとかなんとかいって心配されるのか、まことに非常識きわまる外務省の態度だ。そのときおりましたアジア局長に、あなたは一体大学を出たかどうか、身元調べをする必要があるとまで言うたのです。人をしてそのくらいに言わしめるほど非常識な外務省の現状に対しまして、これは閣議で問題にしていただかなければいかぬと思うのです。こういうことをした局長さんは、まことに気の毒ですけれども、減俸か懲罰に付す。これは一局長の問題ではなくて、国としての損失だと思うのです。またソ連との交渉の場所をニューヨークにしたなどとういのも、結局はロンドンになるかゼネバになるか、適当な第三国になるか、東京になるか、モスクワになるかするわけで、ああいう平和について語り合う場所、たとえばソ連と話し合うのが恋人と恋をささやくというようはことではもちろんないでしょう、そういうなまやさしい相手ではありません。しかし普通ランデブーするといえば、東京では井之頭公園。それをあなたは警視庁の前で会いましょうというラブ・レターを出したのでは、これは最初からうまく行かぬことはもうきまっておる。こういういやがらせ外交というものは、吉田内閣時代に大いに流行したものですけれども、民主党時代にはそういうことであってははらぬ。そういうことをして損をするのは国民です。私は国民の利益を侵害していることを行なっていると思う。こういうことについてはやはり閣議で石橋さんあたりから言うて聞かして、二度とそういうことのないような方向に、民主党は民主党らしく、鳩山さんの路線に行っていただくならば、われわれも論争しても気持がいいと思うのです。問題によっては協調することもできます。そこで今後の中国との貿易につきまして、ココムの問題はせめてソ連並——私は実は朝鮮戦争の最中に北京にいたんですが、インドから来た実業家、評論家たちに会いましたら、インドの世論は、朝鮮戦争については中国の立場は気の毒だと言っておるのが非常に多い。それはソ連とアメリカの、あのときはマリク大使が国連代表でしたか、両方の意思の疏通の不十分なところから誤算が起った——そうであるかどうか知りませんが、インドあたりの論調はそういうふうに見ておって、中国が出たのは、鴨緑江のところまでマッカーサーが出て来て、そうして国境は越えないよというけれども、もう鴨緑江の対岸までぼうぼう火がついておる、それで思い余って出て来たと見ておるのが、ほとんど東南アジアの論調である。インドあたりは、朝鮮出兵のときには兵隊を一人も送っていないのです。看護婦さんは……。
○田中委員長 帆足さん、恐れ入りますが、あと佐々木良作君一人やりまして、予算委員会が待っておるんですから、どうぞ一つあと三分余りですから……。
○帆足委員 ええ、結論をつけます。そういう状況から起きた中共への一種の制限ですから、私は日本としては日本独自の立場をとって、せめてソ連並にすることが当然であるということを、日本がインドと相呼応して、またアジアの隣邦として、そういう理解ある態度を示すこともよいことでないかと思いますから、今までココムに出て成功するとむしろしかられるというのがココムの代表の立場だったそうですが、今後は石橋さんあたりも督励して、ココムの日本代表にはもっと強力な人を送って、日本の一定の見通しと確信を持って、そうしてヨーロッパの代表の諸君が育種的に納得するような論理をもって主張してもらいたい。そうでなければこれはなかなか解けないと思うのです。そうであっても、国際情勢が好転しなければ困難なことかもしれませんが、しかしソ連並にするということは私は可能なことだと思う。ソ連並になりますと、貿易が非常に拡大して来るわけです。大体において希望は達せられる程度になると思います。ぜひとも通産大臣が閣議あたりでもっと積極的に主張していただきたい。この問題につきまして私ども困っておりますのは、中国との貿易——他の問題もそうですが、貿易の問題は各省にまたがることが多いわけです。従いましてだれが主管大臣であるか。たとえば石橋さんにこのことをしかと御報告し、御了解を得たならば、石橋さんの手から外務省にも大蔵省にもある程度まで了解をとっていただいて、推進し得るというような態勢にしていただくならば、一年かかるところなら四ヵ月で解決するということにもなろうと思いますので、その責任の推進力の中心を一つ通産大臣から明らかにしていただきたい。 委員長から御注意がありましたからあと一言、あとは次の機会にいたします。実行可能な貿易の中で、今問題になっておるのは硫安であります。昨年は十二万トンぐらいの輸出ができたと思います。ことしはせめて十五万トンぐらい輸出したい。中国側は二十万トン買うと言っておる。尿素を含めますれば、十五万トンの輸出は楽だと思います。中国側はこれについて貿易商社と仮協定を結んで帰りたいというので、熱心に主張した。中国側が、許可されている物資の中で、一番ほしがっているものは硫安です。硫安さえ買えれば大豆でも米でも輸出すると言うておる。ところが硫安輸出会社はこれに対してはっきりした態度を示すこともできず、ましてや貿易商社はこれに対して何ら意思表示をすることができませんでした。そのときに中国側の代表が言った言葉は、これほど私たちがほしがっておるものに対して・皆さんの方で誠意のくむべきものがないことはまことに残念である、仕方がないから中国は、硫安の消費を減らすか、または他国から買いあさるかどうかして解決しましょう、こう言って帰りました。私はその言葉を聞いて非常に残念だと思った。と申しますのは、増産をすれば、電力事情いかんでは五万トンや六万トンの増産、あるいは十万トンぐらいできないことはないでしょう。今日輸出が国力の繁栄の基礎であるときに、硫安工業だけは二十万トンじゃなくて、三十万トンも四十万トンも買うと言っておる。従いまして、電源開発計画の中に、中国に輸出する硫安の輸出というものが組み込めますし、先方は三年、五年の長期の契約をしてもいいと言っている。日本側は見通しが立たないという心配があるでしょうが、中国側も同じ気持があります。計画を立てておいて、急にお前の方に輸出ができないと言われれば、私の方も困るから、両方の利益のために、三ヵ年、五ヵ年にわたる控え目の協定でもいいから結びたいということになる。または、何万トンから何万トンまでというような弾力性のある協定でもいい。電源開発の問題と結びつけて硫安を輸出し、それから食糧、飼料、雑穀を輸入することは、日本の隘路解決の一つのかぎになる、こういう問題に対して、通産省並びに農林省に参りましも、一応事務的な折衝は快くして下さいますけれども、問題の政治的意義について深く理解して、積極的態度を示されるということが従来なかったのです。従いまして、肥料の輸出問題につきましては、ぜひとも石橋さん自身がときどき問題をお見通し下さいまして、この問題について、今のうちならばまだ北京で交渉ができるのですから、何らかの意思表示をわれわれがすることができますように、格別の御関心と御注意をお願いしたいと思います。 それから最後に決済問題がありますが、一言だけ趣旨を申し上げます。これは一萬田さんに申し上げなければはらぬのですが、現在七千万ドルからの貿易を中国としておるのです。これは国連が認めた貿易です。日本は密貿易などというきたないものは一つもしておりません。国連が認め、政府が認めた貿易をしておりまして、その決済がロンドンで行われておりますために、非常にむだな経費がかかっておる。それがコストを高める原因の一つになっております。これにつきまして、国際的に承認されております貿易のあとじりの決済でありますから、両国が話し合うことは、私は少しも差しつかえのないことではないかと思うのです。許されていないワクの問題を日銀なり市中銀行が出てきて討議するということになれば、国際情勢を刺激いたしますけれども、許された範囲の貿易を謙虚にやって、その帳じりの決済についての技術的な打ち合せをするということですから、政府が多少これに協力なさったところで、これは何ら不当にアメリカを刺激するものではないと思うのです。こういうことにまで遠慮するということは間違っておると思います。従いまして、その交渉を木村禧八郎君と加納久朗君が非常に熱心にして下さいまして、その結論は、それでは日本銀行または東京銀行に円を向うが積み立てまして、円をもって決済してもよろしいというとこまで申し出てきている。これは非常に有利な案でありまして、外貨は一文も使わず、ある意味では逆に二千万ドルも入超になっておりますから、中国が日本に円貨のクレジットをするのと同じ結果になりまして、それをまた適当な品目で中国が買うのであります。それを日本の劇場や株に投資するというのではないのです。それは貿易基金として積み立てておいて、決済の通貨に使われるから、円貨の国際信用の方でも多少のプラスになる。こういう案は当然大蔵省として研究すべきものである。これは政府が出しゃばったから困るというような問題ではないと思う。いずれ大蔵大臣に来ていただいて詳しく説明いたしますが、帳じり決済だからといって通産省と関係ないことではないので、貿易の重要な要件でありますから、それはもう少し積極的に研究し得るということを通産大臣御認識下さいまして、ごあっせんのほどをお願いしたいと思います。ただいまお尋ねいたしました二、三の項目につきまして御答弁を承わります。
○田中委員長 通産大臣、御簡潔に願います。
○石橋国務大臣 御意見きわめてごもっともであります。肥料の問題は、内示等の関係があるものですからぐずついておったものと思いますが、本年度は相当増産をいたしたいと考えておりますから、できるだけ中共にもこれが輸出ができるように努力をいたすつもりでございます。 それから決済の問題は、これは私から申し上げる限りではありませんが、御要求の通り大蔵大臣によく申しておきます。
○田中委員長 佐々木良作君。おそれ入りますが、一つ十二時半までにお願いいたします。
○佐々木(良)委員 しりがそういつもつかえておったのでは困りますから、次の機会にやりたいと思いますが、いいですか。
○田中委員長 よろしいです。
○佐々木(良)委員 それではお願いをいたしておきますが、この前三月末に、私が一般質問のつもりで二、三質問しかけたところが、そうして大臣の方にも大体質問の趣旨が行っておると思ったら、さっぱり行っておらなくて、答弁にも何にもならないようなお話しが出かけたものだから、それはもうけっこうです、あとの機会にいたしますといってやったわけです。そこで一つこの次の機会にはっきりとお願いいたしたいのですが、石橋さんにお願いをいたしておきます。総論的なお話しをいたしますといろと、どうもぼうっとしたような返事しかいただけませんので、総論のお話しを具体化するために、私一番よく知っているのは電気の問題でありますから、電気の問題を例に具体的に政策をお伺いいたしたいと思います。特に最近におきましては、昨日大臣からお話しがありましたように、電気の問題については既定計画を進める、しかしながら、開発すればするほど料金が高くなってくるので、その料金を高くせぬための適切なる施策を目下慎重考慮中だというお話しでありました。そのお話しがありましたのと相前後して、二、三の新聞の伝えるところによりますと、電源開発を公社にしようとかいう話しが出てみたり、と思いますと、今度の三十年度の投融資計画におきましては、公社化するのとはおよそ反対の方角の電源開発に対する投融資計画になっている等々、どうも支離滅裂のような感じがいたします。なお、今度の国会におきましては電気事業法も出されるというお話しであります。従いまして、私は、電気事業の問題を中心にいたしまして、現在の商工行政の中心でありますところの経済六ヵ年計画を実現いたしまするための基礎産業の施策、基礎産業に対しまする計画性付与の方針、この基礎産業に対しまする計画性付与の方針と、先ほど来帆足さんからお話しがありましたような官僚統制という問題、官僚干渉の問題、いわゆる産業行政の幣というものの調節をどう考えられておるか等等の問題を、電気事業の問題に例を引きましてお伺いをいたしたいと思います。従いまして、最近におきます公社化案のうわさであるとか、投融資計画であるとかいうものを含めてお伺いいたしたいと思いますから、どうか一つ、予算委員会ということでしりを端折らないようにしてはっきりお願いいたしたいと思います。これをお願いいたしておきます。
○田中委員長 本日の質疑はこの程度にいたし、明十一日午前十時より会議を開き、残余の質疑を続行することといたします。本日はこれをもって散会いたします。 午後零時十一分散会