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22回国会衆議院1955/03/31

商工委員会 第6号

発言数
130
登壇者
18
会派数
4
開催日
1955/03/31

会議録

田中角榮自由党

○田中委員長 これより会議を開きます。  前会に引き続き、日本経済の総合的基本施策及び通商産業行政の基本方針について調査を進めます。電気料金改訂問題に関する通告者の質疑は、昨日一応終了したのでありますが、理事会の申し合せにより、さらに本問題について総括質疑を行うことにいたします。ただし午後一時まで休憩といたし、同時刻より再開し、質疑を行います。    午前十一時三十六分休憩      ————◇—————    午後二時十七分開議

田中角榮自由党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  ただいま日本民主党、自由党及び両派社会党共同提案にかかる電気料金に関する決議案が委員長の手元に提出いたされました。まず提案者よりその趣旨の説明を求めます。中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ただいま議題となりました問題につままして、意見を付しまして、提案の理由を説明するものでございます。  元来電気事業というものは、それ自体独占的な性格を持つものでありまして、需要者大衆の意向いかんにかかわらず、ほとんど一方的にその価格が決定されるというふうな性格のものであり、そうしてまたこれが同時に国の基本産業並びに大衆の生活と離るべからざるところの関係を持つ事業でありまして、しかも物価を低落せしめるというととが国策としての大きなる使命を持っておるものでありまするが、今回のこうした措置は、ややもすればそうした大きなるところの使命というものを離れて、そうして逆に物価引き上げの方向に原因をもたらすというような懸念も多分にあるというような大きな問題をはらんでおるだけに、私たちはこの問題について重大な関心を持っておるわけでございます。そこで昨年の十月の料金改訂の際におきましても、政府に対しまして、ことにこうした大幅の料金引き上げについては、厳重なる警告を発して参ったのでございますが、政府はその当時の国会における言明等について、必ずしも忠実にこれを実行しないというふうな結果等ももたらしまして、全面的に政府の怠慢とまでは言いませんけれども、なすべき努力を十分にまだ払われない、そうしてまた閣内においても完全にこうした方向に意見の一致さえも見られないばかりでなく、ややもすれば電気産業に対して一方的に奉仕するというような考え方に急ではないかという危惧さえも私たちに持たしめるというような事態に至っておることは、非常に遺憾であるのでございます。そこで政府は、今申し上げましたような電気産業の使命とわれわれの趣旨に忠実にのっとられまして、ここに提案せんとするところの決議案について格段の考慮配慮を要求してやまないのでございまして、ごとに各派を代表いたしましてこの電気料金に関する決議案を提案せすとするものでございます。  以下との内容を読み上げます。    電気料金に関する決議(案)   今回、政府が実施せんとする電気料金の特別措置に関し、衆議院商工委員会は、政府に対し、次の諸点を強く要望する。  一、今回の措置は、供給規程の変更手続を踏むべき事項である。今後現行法令に規定された聴聞会、公告の義務その他の諸手続を省略し、あらかじめ、事前に国会の審議を求めることなく、一方的な行政措置を行なうことのないよう留意すること。  一、今回の措置は、一部の特例を除き、一般電力に対しては何等の措置をも講ぜず、大多数の中小企業を初め国民生活に多大な不安をもたらすものであり、重要産業、農業用電力へ影響もまた重大である。これらの点について万全の措   置を講ずること。  一、すみやかに電気事業の基本方針を樹立するとともに、租税及び金利負担の軽減、電気事業者の格段の企業努力等により、電気料金の引下げを行なうこと。  一、現行電気料金制度は、複雑であつて、難解に過ぎるをもって、一般大衆が了解しやすい単純料金制度とするとともに、水火力調整金、石炭条その他について、根本的な再検討を行うこと。なお原価査定並びに制度改正に当っては民主的   機関を設けて慎重に審議すること。    右決議する。  以上でありますが、どうか満場の皆さんの御賛同をいただきたいと思う次第であります。

田中角榮自由党

○田中委員長 本案について討論の通告があります。これを許します。永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 ただいま中崎委員提案にかかる各派共同提案の電気料金に関する決議案に対しまして、私は日本社会党を代表して賛成の意を表しようとするものであります。  電気料金の問題は御承知のようにずいぶん早く会社側から申請されたものを、政府はこれをあっためてぐずぐずしておりまして、昨年の十月にようやく料金の認可を与えたのであります。認可を与えるに当りましては、最初聴聞会その他の所定の手続を踏まなければならないにもかかわらず、この聴聞会は開きませんでした。聴聞会を開いた場合は、会社から申請された内容について聴聞会を開いたのでありまして、政府が認可を与えました内容は、夏冬一本料金という実質的に違った内容の認可を与えておるにもかかわらず、これらの問題について聴聞会を開かない、こういうような違法措置をやって参りました。これに対してわれわれは当時強く政府を責めたのでありますが、今後かかることは再びいたしませんという公約のもとにこれが進んで参りまして、今回の値下げに当りまして、これは旧公益事業令四十三条のただし書きでやるのだというような拡大解釈と詭弁によってまたまた同じような措置を講じようといたしますことは、政府が会社の利益の立場でこの問題を処理しようとする意図が十分読み取れるところでありまして、われわれは会社がたとえば不利になろうと国民がどうであろうと、法律に規定された限界において行動する、それをしないためには、事前に合法的な措置を努力する、われわれはやはりこういう遵法精神の上に立って進退をしなければならない。これが一度ならず二度も繰り返されて同じような措置が進められたということに対しましては、われわれは反対せざるを得ないのであります。ことにただいま中崎君から読み上げられました内容については、非常に内容が弱くて、われわれの意図したるもの、あるいは国民が電気料金に対して要望する輿とは内容が非常に違って参っております。これも各派共同で今後この問題を処置しようとする最大公約数の上に立った措置でありますので、われわれは涙をのんでこの問題をとの内容の程度において賛成をするのでありますが、大臣はこの問題の審議の過程において、われわれが誠意をもって誠実に論議し合いました内容を通して、十分にわれわれの意図しておるものがおわかりだろうと存じますから、この決議に盛られた内容の脆弱であることにあぐらをかいて、またまた国民の輿望にそむくような措置のないように、この弱い表現の中に盛られておる強靱なまた深刻な国民生活の叫びというものを十分にくみ取って善処していただきたいと存ずるのであります。またこの電気料金の審議過程におきまして、自由党が野党に下ったという立場に立って、いかにも電気料金の問題は自由党が値下げのために最善の努力をしておるのだ、この料金では満足していないのだというような表現なりゼスチュアを示しますことは、政治的良心のないやり方でありまして、この点に対しては自由党がかつて今日の高い料金を決定した、また違法の措置をして今日に至らしめたという政治的責任は、強くこの機会にわれわれは痛撃せざるを得ないのである。従ってこのあとを受けた民主党は、やはりその限度において保守党としての立場における責任というものは十分尽さなければならないと考えるのであります。従ってわれわれは今回の値下げなり、臨時的な措置に対しては、これは歯牙にかくるに足らないものではあると存じますが、石橋通産大臣がこの席上において公約いたしました、今後根本的な問題について検討して、必ず皆さん方の要望にこたえるような新しい第一歩を踏み出すのだというこの考え方に、われわれは大きな期待をかけまして、現在は不満足ながらこの決議案の程度にとどめまして、賛意を表しておく次第であります。  われわれの賛成したことに対しまして、選挙等その他において、野党も社会党も賛成だというような大きな宣伝はしないように、われわれはこの内容において強靱なものを持っておるのだ、こんなものは満足できないのだ、こういうことをつけ加えまして本案に賛成の意を表しておきます。

田中角榮自由党

○田中委員長 日本民主党、自由党及び両派社会党共同提出にかかる電気料金に関する決議案を採決いたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

田中角榮自由党

○田中委員長 起立総員。よって本決議案は可決いたしました。  なお関係当局への送付その他の手続につきましては、前例により委員長に御一任を願っておきます。  この際石橋通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 きょうの御決議の御趣意は十分に尊重いたしまして、できるだけ早い機会に御期待に沿うようにいたすつもりでございますから、どうぞよろしくお願いいたします。     —————————————

田中角榮自由党

○田中委員長 では日程、すなわち日本経済の総合的基本施策に関する件、通商産業行政の基本方針に関する一般質疑を行います。質疑は通告順によってこれを行います。中崎敏君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 だいぶ時間も迫っておるようでありますし、それから質問者も多いようでありますから、私はきわめて簡単に一、二の問題に限って質問してみたいと思います。今電力料の問題をやったばかりのことでありますか、実は電力の再編成の問題について、昨日高碕経審長官が電力の再々編成を考えておるのだというふうなことも言われておるやに新聞にも出ておるのであります。石橋通産大臣はこれについてどういうふうにお考えになっておりますか、この際お伺いしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お尋ねの問題は、先般もちょっと申し上げたと思いますが、昨日参議院で高碕長官が自分の個人的意見として自分は再々編成の必要があると思うという意味のことを言ったことは事実であります。しかし政府としては、この問題はまだ決して決定しておるのじゃございません。今度いわゆる電力の根本対策を作るについては、この問題もむろん議題に載せなければならぬと思うてはおりますが、しかし再々編成をするともしないとも決定しておりません。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 個人的意見というのでありますが、いわゆる行政庁の長官としての言葉に個人的意見というものは聞き取れないのであります。多分審議庁の長官としての立場における意見だ、こう思っておるのでありますが、そう解釈していいのでありますか、あなたにもう一度お聞きしておきたいのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 その辺は少々言葉の問題になると思いますが、実際は、お聞きかと思いますが、昨日も高碕長官は最初これはまったく自分の個人的意見だと、こう申しておったのです。ところが、質問者の方から経審長官として話をしろと言われて、そのまま話をしたものですから、個人的意見やら、終審長官の意見やらわかりませんが、これはかりに経審長官の意見であっても差しつかえないでありましょうが、まだ政府としては決定しておるのじゃございません。経審長官としてはそういう意見を持っておる、私はそう了解しております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 そうしますと、私は通産大臣としての石橋さんの意見を聞きたいのであります。いわゆる政府の全体としての閣議等によって決定された方針というふうなところまで行かぬにしても、通産大臣そのものの通産行政に関係のある範囲内における意見として聞きたいのでありますが、今言ったようにいろいろ不合理な点もあるようであります。たとえば高碕さんの意見によるというと、幾多不合理等もあり、コストの引き下げの面においてもさらにもう一度再編成した方がよさそうだという意見を言っておられます。従って、石橋さんの意見によると、このままほっておけば、五年先では二割も上るだろう、これでは大へんなことになるのでありまして、そうした問題を一つとらえてみてもなかなか大きな問題でありますが、あわせて再々編成の問題について、今料金の問題についての決議もされておるようなこともあり、恒久的なといいますか、そうしたことも含めて再々編成の問題をどういうふうにお考えになるか、お聞きしておきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 これはお尋ねの中にもありましたように、非常に大問題であります。一面においてはなるほどコスト引き下げには再々編成すればよさそうに考えられる点もありますが、同時にまた、きのう議論がありましたように、そうすると、発電地帯に安い電力が豊富にあって、そこへ東京とか大阪へ集中する人口を分散する、あるいは産業を分散するという目的には反するという反対論も出ておることは、これは事実であります。従って、通産大臣としては、ただいま白紙でございます。これから一つ皆さん方の意見を十分伺って、そうして両方の長所と欠点をどういうふうに調整するかという問題の検討をいたしたいと考えております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 次に通商に関する問題であります。石橋さんは拡大均衡というようなことも言っておられる。これはもちろん通商にも関係のある問題だと思うのでありますが、昭和三十年度における通商に対する一つの見通し、輪廓、アウト・ラインについて概要を御説明願いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 外国貿易についてのお尋ねだと存じます。数字は、詳細なことはもし必要があればそれぞれの係りから申し上げますが、今大体輸出は十六億二千万ドルから五千万ドルの間、輸入が二十億くらいという計算が出ております。これは、いろいろ考えようがあるのでありますが、しかし私としては、輸出をするにはどうしても輸入をしなければならぬ、これは物資の関係ばかりでなく、相手国との関係もありまして、今までのように輸出だけが貿易であるというふうに考えずに、輸入を大いに尊重して、どこからどういうものを輸入するか、できるだけ輸入を寛大にするようにいたしたいというのが私の考えであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 輸出をするには輸入をやらなければならぬ、これはわかり切ったことなんです、原料の少い日本においてでありますから。しかし、私たち非常に心配しておるのは、またそうした放漫な、安易な輸入の道を求めて、また外貨不足だなんて行き詰まることがあるのじゃないかということであります。二十九年度の国際収支が当初よりも多少好転しておるということについて、政府の方におかれては非常に楽観的な空気が流れておる。ややもすれば安易な輸入促進、輸入膨脹の方向にあるような空気が強く見受けられるのでありますが、みそもくそも一緒にして、輸入さえすればいいのだというような考え方にいかれることになると、これは大へんなんでありまして、ほんとうにやむを得ない基礎物資に限ってこれを輸入するのだ、そして、国内的に間に合うものは、できる限り、最大限度において国内の技術、資源等を動員してやるのだという考え方に立つべきであって、言いかえれば、国産の積極的な愛護というか、愛用といった方向に一般の努力を加えられないと、誤まった方向に行って、輸入さえすれば、外国のものはいいのだという頭の上に立ってやられるということになると、これは大へんなことだと思うのであります。国産愛護の上に立って、一体今の石橋さんの考え方とどういう調整をされるのか、それをお聞きしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 国産大いに増進しなければならぬことは申すまでもありません。今の内閣は決して輸入を放漫にやる考えは毛頭持っておらない。むしろ、もう少し輸入してもいいのだろうと思うほど、かなり厳重な規制を施しております。ことに、いわゆる不急不要品とか、ぜいたく品とかいうものは、相手国との貿易の協定上やむを得ず入るものという程度にとどまっておりますから、御心配のようなことは絶対ないと信じております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 私の見るところによれば、輸入が必要以上に押えられて、日本の貿易が不振だというふうには、今日までの段階において考えていないのであります。従いまして、石橋さんの考えておられるように、輸入さえどんどん促進すれば、輸出がどんどん促進するから、それで輸入をむしろ積極的に考えるのだというふうな意見にはにわかに賛成できぬのであります。要は、ただいま言いますように、第一には国産品を愛用して輸入品を国内の面においてはできるだけ押えていくこと、それから、輸出に振り向けられるいわゆる原料、資材となるような場合においても、同時にそれは外国の市場が開拓されない限りにおいては、原料をどんどん輸入して、物さえで透れば輸出できるとお考えになったら間違いだと思うのでありますが、この輸出の市場の開拓について、三十年度においては一体どういうふうな積極的な見通しを持っておられるかをお聞きしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 輸出市場の開拓については、たとえば旅商団を作って中近東とかその他へ派遣して、市場の開拓をするということを今計画しております。ただ私がさっき輸入と申しましたのは、むろん原料あるいは国内の物価の関係等から見まして、ただむやみに輸入を規制することはよくない。同時にこの東南アジアと大いに貿易をしたいと思いましても、たとえばインドネシア一つとってみましても、向うから入ってくるものがないから、せっかくの日本の綿布市場を失わざるを得ないという悩みもございます。中近東においても同じであります。そういう方面からはできるだけ日本で必要な物資が入るような、そういう意味の市場の開拓もしなければならぬ、かように考えております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 この片貿易といいますか、今言われるように、日本に輸入するものが少くて、向うへ輸出するような点に不便を感ずるというのでありますが、こうした意味においては、たとえばアメリカから非常に必要以上といいますか、片寄り過ぎているくらいの輸入があって、これに見合うだけの輸出が非常に微々たるものであるというふうな点については、十分にこれは是正しなければならない。この問題を解決しない限りにおいては、幾らちっぽけな枝葉末節な論議をしてみても始まらないと思うのであります。そこでアメリカにもう少し積極的に日本から買ってもらうのにいろいろな方法を講じて、日本からの輸出を——アメリカの輸入をアメリカの方は押えようとするというような傾向もあるやに考えられるのでありますが、この点について一体どういうふうな考えを持っておるか、それをお聞きしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ドル地域とその他のポンド地域との関係は、おっしゃる通りどうしてもドル地域の方が輸入品としては品物も多いし、値段も安いというようなことから、とかくドル地域から多く入りがちになるのであります。そこで、今後においては、できるだけドル地域からの輸入を減らして、ポンド地域等へこれをまわすというつもりで、外貨予算等を組む考えであります。そうかといって、アメリカの方で日本品を買ってくれればいいのですから、その点もこれは例のガットとの関係があるのですが、ただいま関税交渉が行われておることは御承知の通りであります。これはアメリカ政府としてはやはり相当日本の立場を理解して、できるだけ日本品の輸入が可能なような関税の措置をとろうとしているようであります。ただ御承知のように、当業者が日本品などが入って来ますのを非常にいやがって、政府に働きかけて、できるだけ日本品の輸入をとめたいという動きのあることも事実でありますが、しかし現在の政府はかなり好意といいますか、日本の経済自立をはかる意味において、アメリカ自身の関税をなるべく日本に有利にしてやる、あるいは場合によってはほかの国のかわりになってアメリカが自分の国の関税を下げるというところまで動きを示しております。こういうわけで、それだけにたよるわけじゃありませんが、われわれはアメリカに対しても、日本品の輸入を大いにふやすように関税その他の問題について常に注意を怠らずに向うに働きかけておる次第であります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 輸出を相当大幅に振興させる余力のある市場は、中共の市場ではないかと思うのですが、これには幾多の制約があるようでありまして、それらのために中共との貿易が相当に災いされておるということも事実だと思います。向うが買いたくても逆に売ってやらないというようなことが災いして、取引のごときもあまり振わないというのが実情だと思うのであります。ことに国産自動車でありますが、これは品質的に必ずしも万全だとは思われないのですが、国内においてはオーバー・プロダクションの域に入っておる。しかもこれは輸出すればできる余地もある。これは市場の新しい開拓でありますから、政府の方においても一段とそうした面において情熱と努力を払われる必要があると思うのです。しかるに中共に対しては相当自動車を輸出し得る可能性があるにかかわらず、何だか輸出し得ない一つの大きなネックがあるということを聞いておるのですが、一体これらはどういうふうになっておるかお聞きしたいのであります。   〔委員長退席、長谷川(四)委員長代理着席〕

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 中共に対する貿易がうまくいかないのは、単に禁輸の関係ばかりではない。むろん禁輸は大きな妨げをなしておりますが、それだけではない。実際に中共がほしいものは、今申されるように重化学工業品である。ところが日本の中小企業者がかって中共方面へ出しておったものは、雑貨とか、軽工業品であった。今日中小企業者が中共ブームでしきりに希望しておるのは、そういう方面の生産品である。それから海産物である。しかしこれらは向うの方であまり希望しないもので、そこに商品に対する食い違いがあります。これがまた先ほど申しました輸入に関係するのであって、たとえば大豆を輸入する。中共から大豆を輸入するかわりに、こちらから出すということになれば、それだけの限りにおいては貿易ができるのですが、しかしその中共の大豆は高い。聞くところによると、欧州方面には安く売っておるけれども、特に日本には高く売っておるというようなこともありますから、それらの点は今使節団が来ておりますから、これと当業者とがそういう値段の問題あるいは商品の品質の問題について、具体的に十分話し合ってもらうことに期待をいたしております。それらができますと、かなり今のままでも輸出入ともにふえる見込みがあるのではないか、かように考えております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 中共との貿易の一番大きなネックは、何といってもココムだと思うのですが、このココムについては私ども何も正式に国会を通じて知らされておりません。国の経済貿易の消長を決定するというこの重大問題が、何らわれわれに知らされていないということになっておるのですが、これについてのアウトライン、たとえばこういうものは禁止されておるのだという輸出禁止になっている品目のリスト、それからこれはいつどういう協定に基いてされておるのか、それらについて一つお示しを願いたいと思うのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ココムの問題は、われわれは常に気にいたしまして、なるべく禁輸の範囲を広げるように努力しております。しかし話がなかなかそう急激にうまくいかないということは事実であります。なお詳しいことは通商局次長が来ておりますから、それから報告させますが、今それのリストを発表するということはできないと思います。あらかじめ御了承願いたいと思います。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 今のその問題ですが、どういうわけでできないのか、私たちには知らされていないのです。今の日本の国においてそういう秘密があろうはずはないと思うのですが、それらを明らかにしてもらいたいと思うのであります。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀説明員 ただいまのココムの問題ですが、これは西欧諸国が約九カ国で協定いたしておりまして、中共へ対する戦略物資の輸出制限を協定いたしておるのであります。品目の内容につきましては、これは中共が交戦国にあるという前提に立っておりますために、協定の品目の内容については、公表しないという定めになっております。大体品目の範囲につきましては、御承知のように戦略物資と見られる主として重工業品生産に相なっております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 中共が戦争状態における相手方であるということによって貿易品目を発表しないというのは、一体どういうところから来ているのか。ただ相手が敵国であるがゆえに一切何も発表しないというのは、日本だけの方針なのか、あるいはココムの委員会がどういう性格のものであり、日本はココムに対してどういう関係に立っているのか、そこらをお聞きしないと全然わからないのです。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀説明員 これは各国間の協定によってきめられておりまして、品目は公表しないということにいたしおります。ただし各品目については個々の商社の方が取引されます場合には、これは禁輸品目であるかどうかということを確認されるために、一応御相談がございます。それについてははっきりお答え申し上げております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 その協定は日本も入っているのか入っていないのか。もし入っているとすればどう手続によって入っているのかお聞きしたい。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀説明員 これは各国間の行政上の協定によって入っているわけであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 行政上の協定であるかどうか知りませんが、こうした事項というものは、本来からいうと国民の権利義務に関すも重大な事項でもありますし、同時に一国の消長に関するようなきわめて重大な事項でもあり、その関係は全部経済的にわたる本質を持った事項であるのでありますが、この協定が国会の承認も経ず、しかも品目の内容さえも知らされないという事態は一体どこから出てくるのか。その法的根拠についてお示し願いたい。

岩武照彦通商産業事務官(大臣官房長)

○岩武政府委員 正確な法律上の解釈につきましては、外務省の担当の方からお話するのがいいと思いますが、これは当初一九四八年でありますか。チェコかどこかあの辺の西欧の国に暴動の起りました際に、アメリカ、イギリスを中心といたしましてソ連圏向けの輸出統制を行うという行政上の協定ができまして、その後一九五〇年に朝鮮事変の関係がありまして、中国並びに北鮮が新しく相手国に加えられました。そして各国ともその協定の締結ないし加入につきましては、行政上の問題として処理したようであります。ひとり日本だけではないのであります。それで内容は先ほどお話がありましたように、ソ連ないし東欧諸国関係のものと北鮮あるいは中共向けのものと二つに分れております、品目の内容等もそれぞれ範囲が分れております。それで国会の審議との関係につきましては、各国の例に従いまして行政上の問題ということになっております。なお正確なことにつきましては外務省の方から御答弁があると思います。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 この問題はきわめて重要ですから外務大臣に出てもらうことを要求いたします。さっそく外務大臣の出席を委員長の方からおとりはからい願いたい。私は質問を一時保留しておきます。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川(四)委員長代理 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 いろいろお伺いしたいことがありますが、大臣は時間がないそうですから簡単に伺いたい。大臣は為替管理の制度をどういうふうにお考えになり、今後これをどういうふうに処理されていくお考えであるか。為替管理に対する通産大臣のお考え方をお示し願いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 大体の方針を申し上げますと、なるべく自由な方向に持っていきたいと考えております。しかし実際は限られた外貨を先ほど御質問のありましたように、むやみに使うわけにいかない状況にありますから、まだ管理は続けなければなりませんが、しかしながらその管理の中において、運用はできるだけ自由な方向に持っては通貨のコンパラティヴも解決ができるような方向に持っていきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 為替取引を自由な方向に持っていく前提条件としては、為替レートの安定の問題があると思いますが、現在の実勢価格と公定の価格との間に相当の開きがあると思いますが、この為替レートの問題は為替管理をはずすと前提条件としてどういうふうな具体的な措置をされるお考えであるか承りたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいま為替管理をはずすつもりはございません。またレートを変えるつもりはございません。今日の日本の経済は昭和四、五年ごろの情勢と違いまして、為替レートの問題ばかりで片づかない、通商上において非常に困難な問題がありまして、さっきからお話がありましたように、輸出輸入の関係がアンバランスでありますから、もし以前のように大体自由貿易の時代でありますと、為替レートの問題を片づけるとほとんどの問題が片づくということになりますが、現状においては為替レートをいじることは不利益だと私は考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 御承知のように、昭和二十六年朝鮮事変のあおりを食って、日本の国内物価はどんどん上っていく、国際物価はどんどん下っていく、こういう価格の鋏状差が非常にできてきた。国際物価が下っていく情勢を国内に影響せしめては、国内の産業が非常に打撃を受けるからというところで、国内の独占資本を擁譲する立場で為替管理が実行に移されたことは大臣も御承知のことだと存じます。そういう性格の問題について疑義はあるでありましょうが、われわれといたしましては、国内の独占資本を擁護する立場で、物価の下っていく国際経済を国内に影響させない、こういうことで鎖国経済を実行したのだと理解しているわけですが、そういう一つの形の中で為替管理の操作によって、たとえば鉄鉱石は輸入するが、銑鉄その他は入れない、あるいは綿花は入れるけれども綿糸は入れない。羊毛は入れるけれども毛糸は入れない。こういうふうに原料は入れるけれども製品は入れないという形をとってきて参っております。原料は公定価格で輸入される。製品になったとたんに国際物価よりうんとはね上って、そうして八幡、富士の製鉄は国際的な競争がないので、国内において勝手ほうだいな独占価格でもうけができる。あるいは綿糸の関係でいえば、十六大綿紡がもうける。六大毛紡がもうける。こういうような独占企業擁護の立場でこの為替管理が運用されておることに対して、大臣はこの現実をどういうふうに理解され、あるいは把握され、そしてどういうふうに善処されようとしておるか。こういう関係で国内においては原料高の製品安という形が出てきておる。こういう形で輸出の面においては出血輸出をする。出血輸出をした分を国内の価格に転嫁する。外国には安く、国内には高く、こういう二重価格という変則な形が続いていて、輸出貿易をどんなに回転さしたところで、日本経済の自立態勢というものが強化されていく基礎はできて参らないと考えるのでありますが、これらの関係に対して、為替管理の運用をどういうふうにお考えになっておるのか、これを承りたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 私は現在の為替制度は——これは今われわれが作ったのではむろんございません、前にできたのでありますが、いわゆる独占資本擁護のためにこれができたとは思っておりません。現在においてはむろんそんな意思は毛頭ない。日本の産業全体をどうして維持していくかということから考えておる次第であります。また、物価もまだでこぼこがございますが、たとえば今お話になりました鉄のごときは、すでに最近においてに国際価格に一致しておる。従って鉄としての輸出もあるような次第でございます。最近鉄が少し上ってきましたが、これは国際価格が上ってきた関係上、スクラップとかあるいは運賃とかいうものの影響を受けておるのであります。これは極力鉄の値上げを防ぐように、スクラップの供給を安くするような手段をとっておるわけであります。中小企業に対しても、たとえば鉄をとりましても、中小企業者の使う鉄鋼については、安い値段で十分供給ができるような手段を現在とっております。決して独占資本を擁護するというようなことはしておらないつもりであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 大臣は独占資本擁護の考えをもって操作しておるのではないと言うが、事実において原料だけを入れて製品を入れない。日本の貿易は、御承知のように国内資源がない、従って原料を入れて加工して、これを輸出して国際市場において戦っていく、こういう態勢が整備せられませんと、日本の輸出は増強して参らない。ところが、原料は公定で入れて、これを製品に加工する段階において国際価格よりうんと高くなってしまう。こういう形でこの高い原料を買って製品にする中小企業の段階が、奴隷的賃金で働いても国際価格に追いつかない、原料高の製品安に苦しんでおる。この現実は大臣はお認めになると思います。また外国に出血輸出した分を国内に転嫁する、こういう二重価格制の変則な状態になっておるというこの現実も大臣はお認めになると思います。さらにこの出血分を補てんするためにといって、たとえば肥料を輸出すれば、これに対して砂糖の輸入。バナナの輸入というようなものをくっつけて、バナナは輸入価格の四倍も五倍もの独占価格で食わしておる。バナナを食ったって日本の自立経済に何の役に立ちますか。砂糖だってもうけほうだいにもうけておる。これは一つの独占擁護の運用じゃありませんか。こういう事実を大臣はどういうふうにお考えになるか。今後どういうふうに是正していくか。原料を輸入して、加して輸出していくというこの加工貿易の一つの運命に置かれておる日本の貿易産業の振興、国際市場における戦う態勢を具体的にどういうふうにして整えようとするのか、強化しようとするのか。とれに対する大臣の考え方をお示し願いたのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 先ほど申し上げましたように、日本の貿易にいろいろの故障があることは事実であります。これをできるだけ早い機会に是正をすることが必要であります。しかしお話の二重価格というものが近ごろ大分なくなりました。それから昨年までは砂糖とかバナナのリンク制をやっておりましたが、本年からこれをやめまして、自立して、船舶にいたしましても、あるいはそのほかのものにいたしましても、輸出ができるような態勢になりつつあるわけであります。漸次是正をされていると思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 たとえば鉄なり綿糸なり毛糸なり、こういうもののカルテルを大臣はお認めになっておられるのか。ことにいろいろな不況カルテルが現在問題になっておりますが、これに対して独禁法を緩和して、これらの不況カルテルを大幅に強化するというようなお考えを持っておられるのかどうか、これを承わります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 現在におきましては、いかにも綿布などにおいては、いわゆる一種の不況カルテルみたいなものを許さざるを得ないようなことになりました。しかしたとえば鉄などにおきましては、値上りを防ぐためにスクラップを統制しなければならぬというようなことになっておりまして、値上り抑止のために、ある程度のカルテル的なやり方を許す、こう考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 綿布たとえばタナルとかそういったいろいろなものについて不況カルテルを認めていく。その結果として生産の制限をやる。生産の制限をやる場合には、たとえば織機の台数によって原料を割り当てるというような機械的な操作が行われる。そうすると織物業者は実際に稼働する機械ではなしに、何台手持ちしているという原料の実績を取るために古物商の物置にごみをかぶっていた機械を全部買ってそしてこれを店に並べて何台あるから原料をこれだけくれ、こういう形でやってくる。従って国内においては当分織機の新鋭な機械の購入がない。従って織機業者は外国に対してすぐれた新鋭な織機をどんどん輸出する。こういう状態で、国内の不況カルテルをやって、生産制限をやって、各生産業者がボロ機械を持って、そして主として国内の需要を対象にしてもうけることだけをやって、そして日本のすぐれた新鋭の織機はどんどん外国にいく。四、五年たつと外国の方の生産態勢はずっと近代化する。外国は向上して日本の方はボロ機械を持って国際市場における競争力が弱化してくる。後退していく。こういうばかげたことが事実の姿におい動いているのでありますが、こういう事実が不況カルテルや現在中小企業の安定法とか何とかいう、こういうものの運用の悪い結果としていろいろな形が出てきている。これにどういうふうに対処されるお考えか、これらの事実を知っておられるかどうか、これらの問題に対するお考えをお述べ願いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいま例にあげられた織機のことは十分承知しております。そして機業者の織機を新鋭の分に取りかえるように援助をしております。しかし全体として今のお話のような矛盾が日本の産業界のあらゆるところにあるということは事実であります。それをどうして改めていくかということが現在われわれに与えられた課題だろうと思います。そうかといってこれを一ぺんにおっぱなして自由にしてしまったらどうか、そうはいかないと思います。ですから逐次そういう矛盾を是正していくという方策をとらなければ、非常な混乱を来たす危険がありますから、混乱を起さずに逐次ノーマルな状態に産業界を戻すということが現在苦心をしておるところであります。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川(四)委員長代理 永井君に申し上げますが、時間があと二分ばかりです。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この問題について最後に一つ聞いて、そしてあと一つ聞きたいことがある。それならば、これらのいろいろなでこぼこなり、矛盾撞着しているいろいろな問題を、一体どこに重点を置き、どこにねらいを定め、どこからてこ入れをして、ノーマルな状態へ移行する方針を持っていられるのか。一体経済政策は、どういう基本的な態度をもって臨んでいかれるのか。あるいは計画経済でやっていく、それから基幹産業中心にそこから盛り上げていく、そういうねらいの具体的な一つの政策が三十年度予算にどういうふうに具体化されようとしておるのか、これを簡単でいいですがお示し願いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 経済活動は、できるだけ自由なイニシアチブを各個人がとってやれるのがいいと思いますから、自由企業という方針は捨てておりませんが、しかしながら相当の計画性を持って、ある計画の中でこれをやっていくということは、現状においてはどうしてもやらなければならぬ、さようなつもりでやっております。  それから、さしずめそれじゃどうやるかというとが今もお話の中にありましたが、私こどもとしては、とにかく基幹産業の合理化をやりまして、そして石炭あるいは先ほど問題になりました電力あるいは鉄鋼というようなものの価格を、もっと原価を引き下げて、そしてその基幹産業の製品の値段をで透るだけ安くする、そこからやっていこう、かように考えておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 時間がありませんから、最後に一つ違った問題をお尋ねしたいと思いますが、大臣は今回天然ハッカの輸入を強硬に実行されたのであります。大臣もこれはよく御存じだと思います。農林省はこれに反対いたしました。天然ハッカ六トンを輸入するということは、これはすでに前にきまっておって、そして天然ハッカは入れないということで進めて参りました。ことに輸入先はどこかというと、日本のハッカの根を持っていってこれを拡大して、戦争中今まで日本の押えていた市場を横取りしたブラジルであって、ここの天然ハッカを輸入した。これは農林省が、こういう傾向であるから反対であるということで反対したにもかかわらず、通産大臣は通産大臣の責任において輸入するということで、天然ハッカを入れたのでありますが、御承知のように岡山その他三備方面では六月には新品が出て参ります。本年の生産は需要に対して過剰であるという見通しがあります。こういうふうに、時間的に見ましても、具体的ないろいろな国内の需要の状況から見ましても、今後日本のハッカの国内需要の余剰分は、アメリカなりその他の海外に輸出しなければいけない。その輸出する競争相手であるブラジルを刺激するようなこういう政策をとられるということは、一体ばこにどういう効果をねらい、どういう考え方をもってなされたのか、これを一つ承わりたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 それもちょうど日本の産業の矛盾がいかにそこらじゆうにあるかということの一例でございます。同じような例がたくさんあると思いますが、天然ハッカはブラジルのハッカがどうしてできたかというようなことから、一種のリタリエーションで、ブラジルのハッカは絶対使わないというようなことは私は考えておりません。ただとにかくハッカの値段が非常に暴騰しておりましたので、それを押えるために、最初は六トンという話がありましたが、これは農林省の希望もありまして、結局二トン半というふうに減らして、当面ハッカを使う産業の需要を満たしたというだけであります。しかしそれが日本のハッカ業とフリクョンを起すということは聞いておりますから、そこでできるだけそういうフリクションを除きつつ、しかも当面ハッカの供給があまり減って、そのために価格が上り、ハッカを使う製品の価格が上ることを防ぎたい、こう考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 もう一つ最後に……。御承知のようにハッカの耕作というのは多年性でありまして根を分けて栽培してから四年か五年たたなければ、本格的な収穫に入れません。戦時中食糧増産に切りかえて、こういう関係の君が全部犠牲になった。それを盛り上げてきて、ようやく生産態勢に入ってきて品種の改良もされて、飛躍的に増産ができておる。こういう飛躍的な増産の出鼻を、こういう形によってたたきのめすというととは、耕作農民の側からいえば、非常な打撃である。そうして今度の輸入によって値下げをされる、国内における価格が上ったからこういう矛盾を是正するためだと言うが、是正して、この是正によって利益するものは何かといえば、国内における少数の薬種業あるいは歯みがき粉なり何なりという、こういう関係業者の少部分のものが値下りによって利益するのであって、何万という耕作農民は、これによって大きな打撃を受けるという、こういう関係、しかもこれは長期の農業政策とのう基盤の上に立って、その責任の衝にある農林省という国の機関が、しかも大臣と同じ席を占めておる農林当局が、農業政策の立場で反対するのを押し切って、こういうことをやるということは、私は了解しがたいのであります。ことにどういう点の矛盾を是正するというお考えでこれをやられたのか。もし非常な暴騰をするというならば、その前に行政的な措置において、十分ある程度の効果は上げることができると思いますが、どのような行政的な措置なり経済的な措置なりを講じて、しかし現実に品物が足りないから暴騰するのだから、これだけのものは輸入しなければならないというような、経済的な操作の立場で、輸入の必要を感じて輸入されたのかどうか。具体的にそういう矛盾を行政的にどう修正されようとして努力されたのか、しないのか。ほったらかしていてただ輸入した、こういうやり方に対しては、私は、妥当でないのじゃないか、十全の策ではないのじゃないか、こう思うのでありますが、それを輸入するまでの経過と、政府のとりました措置を伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 その問題は、農林大臣と十分打ち合せまして了解のもとにやったのであります。何しろ値段が非常に高い。私の聞いておるところでは、昨年のハッカの生産が悪くて、実際の供給が予想通りにいかなかったために暴騰したのだと聞いております。そこでそれをある程度押える必要がある。あなたは少数とおっしゃるけれども、これも中小企業者であります。歯みがき粉とかあるいは薬種業とかをやっておる相当数の中小企業者が重要する品物でございます。そこであまりに値段が高くて困る、こういうことから農林大臣とも十分打ち合せまして、最少の二トン半くらいなら、ことしハッカ業にそう差しつかえを起すという程度のものではないと考えまして入れたのであります。これは今後も——これはハッカに限りません。たとえば砂糖が高い、そこで砂糖を入れ過ぎればカンショが下る、いろいろなことから農村から苦情がくると思います。しかしながら、そうかといって、砂糖があまり上り過ぎれば、これは輸入をふやさざるを得ない。これがいわゆる農業と工業との矛盾といいますか、そういう産業上の矛盾がある。そういうものをどういうふうに解決するか、それは通産省だけではできない。農林関係のものは農林省の協力を受けないというまくいきませんが、価格の問題はこれから十分検討してやっていきたいと思っております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 それでは、時間がありません。なおいろいろ尋ねたいことがありますが、次会にゆっくりしますから……。

長谷川四郎日本民主党

○長谷川(四)委員長代理 田中利勝君。本会議がありますから簡潔にお願いいたします。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 高碕経済審議庁次官が出席になりませんので、その点に対する質問を保留いたしまして、まず石橋通産大臣に伺いたいのであります。通産省では経済六カ年計画の前三カ年の年度別計画として、物資の需給、輸出入、産業設備投資などについて検討中だと聞いておるのでありますが、産業設備投資計画のうちにおいて、最近いかなる外国資本の投資が計画されているか、伺いたいのであります。世界銀行の借款については、われわれも大体概貌をつかんでおるのでありますが、特に一般民間外資の投資の動向についてお伺いしたいのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 その点は特に取り立てて言うほどのものは今ないように私は承知しております。おおこまかいことは政府委員からお答えさせたいと思いますが、ただいまちょうど当面の衝に当っておる者がおりませんから、呼びにやります。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 通産省の産業設備投資計画では、特に石油化学工業、チタニウム、合成樹脂、合成繊維、ガラス繊維等のごとき、わが国として比較的新しい産業の育成に力点を置いていると聞くが、これら諸産業は、わが国では新興産業で、投下資本もまだ小さいのであるが、国際的には高い生産技術水準と強大な資本系が存在しておるので、これら外国資本に圧迫されずに、国内新興産業を育成するにあたって、現在の外資法の第八条第二項の「日本経済の復興に悪影響を及ぼすものと認められる場合」という漠然たる規定だけで強大なる外国資本の侵入を防止できると思うかどうかということ、特に新興産業に対する圧迫のおそれがないかというこの点について、外資法の特例として特に明記する必要がないかどうか、この点をお尋ねします。   〔長谷川(四)委員長代理退席、山   手委員長代理着席〕

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 外資を輸入する場合には、いつも外資委員会にかけて十分討議をしまして、その結論に基いていたしますので、日本の産業に支障を来たすようなものは今までも入れておりませんし、今後も入れないつもりであります。  それから日本の技術がまだ確立しておらぬ——他国のものを入れましても、そのために強い圧迫を受ける産業がないというような場合には、これを許すという大体の方針をとっております。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 わが党はさきに鳩山第一次内閣当時において外資法の一部改正案を作成して、第八条第二項に、中小企業を著しく圧迫する場合は外資の導入の許可をしないような改正を行わんとしたのでありますが、最近のシンガー・ミシン資本、日米スレート会社問題等の事例を見ましても、今後もこのような改正が必要と思うが、通産大臣の御意見を伺いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ただいままだその改正をするという考えは持っておりません。しかしながら今お話のありましたシンガー・ミシンなどは、大体日本のミシン工業というものが確立しておりますので、入れないという方針にきまっておる。スレートの方はまだ幾らか問題がありますから、その問題を検討いたしております。

山手滿男日本民主党

○山手委員長代理 田中君、三時までという約束になっておりますし、経審長官も来ておりますので、通産大臣に対してはその程度にしていただきたいと思います。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 わが国内市場をねらうところの外国資本は、わが国の外資法によって導入が許可されない場合には、余剰農産物円資金による特別会計のルートをくぐって、目標としてねらわれているところの国内新興産業に実質的に資本を投下せんとするおそれもあるのであって、昨年の三十六億円の余剰農産物資金の投資については、わが国側としては全く自主性のないことが明らかにされたのでありますが、目下その交渉中の二百十四億円の余剰農産物円資金が同様に全く自主性のない、アメリカ側の指示に従って投資されるとすれば、外資法の適用を受けない円資金として事実上わが国の新興産業を圧迫するような投資がなされるのではないかと思うのでありますが、その点はどうでありますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 私よりお答え申し上げます。きのう、おととい、さきおとといと三日間私はやむを得ない公用のために出席できなかったのでありますが、はなはだ申訳なく、遺憾の意を表します。この点おわびを申し上げます。  ただいま御質問の昨年の五千万ドルを持ってきたMSA援助の問題につきましては、あれはアメリカからギフトでもらったのであります。自然これにつきましては前内閣がやったのでありますけれども、ある一つのひもをつけております。余剰農産物の買い入れにつきましてては、これは約一億ドルを買うのでありますが、そのうちの千五百万ドルはギフトでもらう、あと八千五百万ドルの中の七割は日本側がこれを使ってよい。これはドルで借りて、三年据置、四十年賦で払う、これは借りたものでありますから、もらったものと大分趣きが違っております点と、最初より長期で金を借りるものでありますから、ある程度のわくは話すつもりであります。たとえば農業開発に使うとか、電源開発に使うとか、わくを話すつもりでありますが、小さなひもはつけられない。昨年のMSAのもののようなひもはつけられないというつもりで、せっかく交渉中であります。この点御了承を願います。

山手滿男日本民主党

○山手委員長代理 田中君、通産大臣はすぐに行かれますので、前田君も二、三分ということでありますから……。前田君。

前田正男自由党

○前田(正)委員 通産大臣はお急ぎのようでありますから、簡単な点だけお願いしたと思います。  通産大臣はかねてから拡大均衡のことを唱えておられまして、しかもまた今度の経済六カ年計画でもそういうことに触れられておるようであります。そこでこれから予算を編成されるについてお聞きしたいと思いますのは、この計画を見ましても、その他から見ましても、非常に財政投融資その他の民間の資本蓄積等によりましてこれらの拡大均衡の問題について考慮されるように書いてありますけれども、私の聞いておる範囲では政府は一兆円予算でやる、しかも当面の社会政策の住宅問題であるとか、その他の方面に相当金を使うという話でありまして、将来にわたるような総合計画施策に対しては資金的配慮、予算的配慮というものが不十分である、場合によっては一般の各省の予算を削る。こういう話も聞いておるのありますけれども、こういう点に対して、通産大臣は今後三十年度予算編成に対してどういうふうな決心をもって当られるか、その点を一つお聞きしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ごもっともなお尋ねでありますが、通産省としては、極力財政投融資は必要なものだけは確保していくつもりで大蔵省と折衝いたしております。

前田正男自由党

○前田(正)委員 そこでそういう問題をやるにつきまして特に考えなければねらぬ問題は、将来の総合的な計画でありますから、これをやるためには合理化の問題であるとか、あるいは輸出の根本対策であるとか、あるいは科学技術の振興であるとかいうふうないろいろな問題があると思うのですが、そろいうものはすぐに芽の出てとないものでありまして、しかも現実の政策から離れた問題でありますから、従来とも題目は並べられるけれども、実際にこれを行うときにはいつでも予算を削っておられる。最近われわれの聞いておる範囲においても、そういう面が削られるという話を聞いておる。これはいずれ高碕長官にもお尋ねしたいと思っておりますが、そういうような考えでもって今後の政策というものをおやりになると、通産大臣の言っておられたいわゆる拡大均衡の方式というものは実現ができないのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。この点について特に一つ大臣の御留意をお願いいたしたい、こう思っておるわけであります。具体的な問題につきましては、また次の機会にお尋ねさせていただきたいと思いますけれども、特にその点だけを一言お尋ねし、大臣の決心だけを聞いて、きょうの大臣に対する質問を終ります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 拡大均衡は、私の意見というよりは政府自身が拡大均衡政策をとると言っておるのでありますから、これはとれるものと考えます。御鞭撻ありがとうございます。お礼を申し上げます。

前田正男自由党

○前田(正)委員 経審長官の高碕さんに一つ質問させていただきます。この際高碕長官にお聞きしたいと思いますことは、経済六カ年計画の構想についてお聞きしたいのでありますけれども、この構想を達成するについて、前期と後期とにわけてやっておられるようでありますが、前期の目標は経済の正常化・正常貿易による国際収支の均衡と将来の発展の基盤の確立に主眼を置くというように書いてありますけれども、こういうようなやり方でもってこの経済六カ年計画というものがはたして毎年——工業の生産水準も、この表を見ましても幾らかずつ拡大していくようになっております。人口もふえていきますし、雇用率もふやしていかなければならぬ、単に三カ年の目標を経済の正常化ということに置いただけで、この経済六カ年計画が達成できるかどうか、私はどうも疑わしいと思うのですが、もう少し積極的な政策をとらなければこの六カ年計画というものの達成はむずかしいと思いますが、大臣はいかがですか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 大体の構想といたしまして、六カ年というものを目安に置いておりますが、今前田さんのお話のごとく、最初の三カ年間は主として地ならしをする、最後の三カ年間で拡大均衡に持っていこう、こういうシステムでございます。しかし最初の三カ年においても必ずしも地ならしだけをやっておるのではなくて、その間に将来芽ばえるように相当額を増していく、輸出におきましても工業生産におきましても増していく、こういうような計画を立てておりますが、詳細の数字等につきましては、御質問があれば事務当局からお答えいたすことにいたします。

前田正男自由党

○前田(正)委員 私はきょうは時間もありませんから、詳細のことはけっこうでありまして、またあらためて御質問させていただきます。ただ構想的なものと、それから今後の予算に対する大臣のお考えをまとめていきたいと思っておるのですが、そこで一番問題になってくるのは、財政投融資の問題がさっそくこの予算に出てくると思うのですけれども、本年は財政投融資を幾らか拡大されるお考えでありますか、それとも圧縮されていくつもりであるか、この六カ年計画の第一年度のスタートとしてどういうように考えておられるかお聞きしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 大体三十年度の予算は六カ年計画の第一年でございますが、その意味を織り込みまして財政投融資も幾らかふやしていく、同時に余剰農産物の問題も大体解決するようでございますが、これはそのワク内で約二百億を回していこう、こういう考えでございます。

前田正男自由党

○前田(正)委員 そのお考えを承わっておいて、いずれ出ました予算を拝見してまた質問いたしたいと思いますけれども、実は私の選挙区にも関係した話でありまして、申しわけないかもしれませんが、私の聞いておるところの電源開発か何かの予算は、財政投融資によることが非常に多いわけですが、その規模が縮小されというふうに聞いております。初めの計画より減るという。そういうようなお考えでもっては、実はどうもこれはむずかしいのじゃないかと思うのです。そこで自分の選挙区の問題はこの際省きますけれども、やはり一般的に電源開発会社の方は、ある程度政府は強力に進められるといたしましても、この電力会社の方の開発とというものは、当分むずかしいのじゃないかとわれわれは思っておるのです。高碕さんもこの方面は専門であります。総合いたしまして日本全体の電力開発というものは、われわれの聞いているところによりますと、需用量が減ってくるのではないか。今の電力会社の方に対する政府の財政投融資はむずかしいなら、電源会社の開発の仕事をふやすとか何か考えなければならぬと私らも思っておるわけですが、今のお話のようにふやしてよろしいのだとおっしゃるならば、出てきました予算を拝見いたしましてから、その結果について私はまた御質問さしていただきたいと思いますけれども、要するに需用量が減ってくるというようなことのないようにお考え願いたいと思うのであります。  そこでさらにこの際お聞きしたいと思うのでありますが、産業の合理化対策ういうものを今後おやりになるということでありまして、われわれの聞いておる範囲では生産性本部というものをおつくりになるということをちょっと聞いておるのですが、これを一体どこへおつくりになって、どういうようにおやりになるつもりでありますか。しかもいつからスタートをされる予定でありますか。これは高碕さんが対米折衝をしておられるように聞いておりますので、お聞きをしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの生産性本部の問題は、これは通産省に置きましてスタートしておるはずであります。詳細のことは私よく存じませんが、そういうように記憶いたします。

前田正男自由党

○前田(正)委員 それでは通産省の方にお伺いしたと思いますが、今年のこういろ経済的な合理化対策ういうものを進めていくについて、一つの問題とする点は、先ほどもちょっと述べました科学技術の問題であると思うのです。これについて高碕さんはスタックの副会長をおやりになっておられると思っておるのでありますが、私はこの際スタックの副会長として高碕大臣にお聞きしたいと思うのは、こういうふうな関係の予算というものは、従来、先ほども申し述べました通り、ワクというものは一兆円ういうようにきまっておりまして、しかもいろいろな建設的な事業をやらねければならぬ、こういうようなときには大てい各官庁の予算においては、科学技術方面の予算が削られるのでありまして、私も最近聞いておりますと、文部大臣は非常にふやすと言っておられますけれども、その他の官庁においてはどうも予算が削られるらしいということをわれわれは聞いたのでありまして、そこでスタックの副会長とされて、そういうような日本の傾向でもって将来の日本の経済六カ年計画、総合的な長期対策というものが立っていくかどうかということについて、いかにお考えになっておられるか、一つお聞きしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 お答え申し上げます。ただいまの御質問は私が非常に心配しておる点をおつきになったので、私は喜んでお礼を申し上げたいと思います。常に政府の予算が縮められるときには、すぐに目につかない方面のものだけがだんだん削られて参ります。ところがすぐに目につかないものがほんとうは国のためになる一番大事のものでありますから、この意味におきまして、科学技術の振興ということにつきましては、私の力の及ぶ範囲におきまして予算を削られないように努力いたしたいと存じますから、よろしく御了承願います。

前田正男自由党

○前田(正)委員 この点につきましても、私どもの委員会でも小委員会ができましたので、いずれ三十年度予算が出ましてから具体的な問題についてお聞きいたしたいと思っております。しかしながらこの予算を作成するに当って、大臣は一つ特にこの方面にお力を入れていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  さらに具体的な問題について一つお聞きしたいと思いますことは、賠償の問題が相当あると思うのであります。この賠償の問題について、われわれはかれてから政府側は自主的な日本の立場に基いて賠償の経済的な方面は交渉していきたい、こういうふうな話をしておられるように聞いておるのでありますが、ビルマ等の現実の姿は、そうではなしに、日本側でまとめることはできないというような姿になりつつあるようにわれわれ聞いておりまして、ビルマの思う通りに日本の賠償の品物を買ってくれというような状態のように聞いております。この辺のところは通産省がおやりになっておるのか、経済審議庁がとりまとめておられるのか、その辺のところをどういうふうに、あくまで賠償の問題には日本の立場というものを堅持してやられるのかどうか、その辺を一つお聞きしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 お答え申し上げます。ただいまの御質問は外務省が主としてやっておりましたことを、受け入れるのは通産省がやり、経済審議庁がその相談を受けてやっておるわけであります。大体向うの言いなりほうだいではなくて、やはりこちらの方も十分主張を出して、相互に相談づくでやっておる、こういう状態でございます。

前田正男自由党

○前田(正)委員 これにつきましては、いずれまた十分時間があるときにその交渉も伺いたいと思います。しかしながら日本の賠償というものは、同時に日本の将来の東南ア開発におきますところの一部の経済協力の一環であると私は思っております。単に日本が貿易を伸ばしてくれ、伸ばしてくれといったところで、日本が何ら益するところがなくては貿易が伸びるはずはないのでありますから、やはり賠償の問題も、誠意的に解決して、そうして日本の東南アジア市場開拓の大きな役割をしなければならぬ。従って当然日本の経済協力の立場から見た考え方でいかなければならぬと思う点も相当あると思うのです。ところがそういう点について、総合六カ年計画を拝見しておりまして、具体的なことは私もよく知りませんけれども、賠償の字があまり出てないように思うのであります。やはり日本の経済計画というものの中には賠償の仕事というものが非常に大きいのではないか、要するに向うの原材料を日本が買わなければ、東南アジアの市場というものは私は開拓できないと思う。従って東南アジアの方面の原材料を買うためには、この賠償も東南アジアの原料開発の一環としての一つの役割を負わなければならないと思うのです。いずれまた別の機会に詳しくお聞きしたいと思いますが、そういう点についてある程度日本のイニシアチブがとれるようにいたしたいと思っておる。それから同時にまたこの品物の買い方等についてはこれはたしか通産省だったと思うのですが、賠償室というものを設けて、しかもこれを買うについては全部日本側が一本にまとめて向う側に出すということにしておったところが、日本で買いまして向うへ持って行くということは事実上はだめになったようでありまして、ビルマが直接日本の商社から競争的に買うというようなことでありまして、日本の経済発展の立場というものは相当無視されたような、すでにビルマの問題はそうなっておるように聞いております。こういう点についても、一つ政府側として根本的に、そういう全体の計画の一環としての賠償という問題と、賠償の具体的な計画についてもどういうふうに進めていかれるかという問題について、お考えがありましたらお伺いしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質疑にお答えいたしますが、大体六カ年計画では、ビルマそれからフィリピン、インドネシア等の賠償が解決するものとして予算を組んでいるわけです。ただいま御質問の点につきましては、非常に詳しくお話がございましたが、正直に申しまして私よくわかりませんが、大体はこちらといたしましても全然向うの言いなりにやるのでなくて、こちらの意思をくんで、相談がきまりましたものについて逐次今度ビルマ側が買い出すということにする、買い出すまでの間はやはりこちらが相談するようになっていると記憶いたしております。

前田正男自由党

○前田(正)委員 具体的な問題につきましては次の機会にいたしまして、きょうは構想だけを質問させていただきました。終ります。

山手滿男日本民主党

○山手委員長 代理次は伊藤卯四郎君。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 実は国会の方も自然休会の形になり、本委員会も当分開かれないということになりますので、従って今度再開されるころには、三十年度予算並びにそれぞれの法案が本委員会にも提出をされてくるだろうと思うのでございます。それらの法律案等については、提出をされて参りましてから内容等にわたっては審議をするのでありますが、実は提案されるであろうと思います法案等について、政府側の準備というか、心がまえ等について二、三お伺いをしておかなければならぬという点から、石橋通産大臣にぜひお聞きを願い、また意見を伺っておきたいと考えていたのであります。ところが御出席になりませんので、政府委員側に聞くのも少し無理ではないかということも考えますけれども、しかし時期的に見てどうしても聞かざるを得ませんので、簡単に要点について一つお伺いしておきたいと思います。   〔山手委員長代理退席、永井委員長代理着席〕  大体近く提案されるであろうと思います炭鉱合理化法案の内容——内容の問題は別として、準備、心がまえについてでありますが、これらの合理化を行う上にはどうしても経営者側、労働組合側が一体になってこれに協力をするということでなければ、この合理化を成功さすことはできない。従って準備されつつあると聞くその合理化法案については、これらの労使関係の意見も聞き、またある点は了解を得て理解を求めて作られたのであるかどうか。そういう点に対して考慮を払われたか、また払う必要はないと考えて作られたのか、それらの経緯についてちょっと伺っておきたい。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 お答えいたします。経営者の方とは非公式に数回話をいたしております。それから政党の関係の方面にも今まで数回お話をいたしまして、社会党の方々にも非公式に御説明はいたしております。今伊藤さんがおっしゃいましたように、この方面に十分な協力がなければこの法案の形式的な処理はもとよりのこと、実質的な運用が非常に困難になるということはよく承知しておるつもりでございます。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 政党の方は法案を出されればそれぞれの関係の委員会が審議をするのですから、何も事前の了解ということはさのみ重点を置く必要はない。それより、先ほどお尋ねしたように、労働組合側がこれに協力し得るような十分な了解というか、理解というものを求められたかどうかということが私は大事であると思う。この点についてどうです。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 現在までのところ、正式に組合の方々とこの問題の話し合いをしたことはございません。ただ一つの組合から近くこの問題について研究をしたいから省側からも出席してもらいたいといろ話がございまして、時間の差し繰りがつきますれば連絡をとって出席するようにいたしたいと考えております。なお法案が実はまだ十分固まるところまでいっておりませんが、固まりましたならば、何らかの形で組合関係の方々ともお話し合いをしたいということを考えております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 私は、この点について事前に御注意を申しておきたいと思うのですが、合理化法を出されて、たとえば国会で何らかの形でその法案ができたといたしましても、労働組合側がこれに反対であるという態度をとって臨んで参りますならば、その合理化法はおよそ私は実質的に成果を上げることはできないというふうに、炭鉱の場合においては、局長あるいは政務次官もおられるから、お聞きを願っておきたいと思います。炭鉱の不況等に伴って、最近は相当深刻になっておるのであるから、合理化に名をかつて企業整備をして、さらに多くの失業者を出すのではないかという不安があるのであります。だから、現在政府が出そうとするこの合理化法は、合理化に名をかつて企業整備をして、法律の力でそれを強行しょうという意図があるということを相当見ておるのです。そうすればなおさらのこと私はこれに強い反対の起ってくることを予想するのであります。そんなことでしたらこれはやれやしません。だから私は、法案が固まっておらなければなおさらのこと、事前に意見を聞いて、できるだけその意見を取り入れて成案化されるということが大事であると思うから、これは御答弁されることが何でしたら、私はそれを御注意を申し上げておきたい。それからこの法案には相当予算上というか、資金上の裏づけがなければ、私はこれはやれないと思うのであるが、それらに対する予算上、資金上の準備をどのようにして達成しようとしておられるか、その点について一つ……。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 この法案と申しますか、われわれの考えております合理化の対策には、資金面——予算面にも若干問題がございますが、主として資金面に非常に大きな要求がありまして、それが対策の骨子になっておるわけでございますが、これは結局財政資金ということになりまして、来年度予算の問題に帰着するわけであります。従って、現在のととろ、まだこれにつきまして、はっきりした政府側の意思につきましては、何ら表示がございません。ただ大蔵省その他の関係部局に対しましては、十分詳細な説明をしてございます。それから、大蔵大臣その他の関係大臣の方々は、非公式に、石炭関係につきましては相当重点的にやっていきたいということをおっしゃっておられるようにわれわれは聞いておりますので、来年度におきましては、相当この方面に資金が回ってくるものと期待をいたしております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 これは、資金の裏づけがなければ絵にかいたもちと同じで、何ら合理化を促進し達成するものにはならぬ。そこで、その資金上の裏づけの見通しがつかなければ、法案は、もちろん成案としてお出しになれないだろうと思うのであるが、その点についてどうですか。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 これは、まだ正式に政府の意思として法案の内容がきまったものではございませんが、しかし、われわれが考えておりますところを基礎にして申し上げれば、今伊藤委員から御指摘のように、財政資金の投下量のいかんがこの計画全体のかなめになっておりますので、その面が著しく削減されるようなことになりますれば、われわれの計画をもう一ぺん再検討しなければならぬということにはなると思うのでございます。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 合理化法が資金上の裏づけも伴って成立をするということになれば、相当の失業というか人員整理が行われるようにも考えるが、そろいうものが初年度あるいは二年度といろか、その計画年度において相当出るようにも考えられるが、そういう心配はしなくてもいいのかどうか、具体的なことは今私は聞きませんが、もし出るようであれば、それらの人員整理で失業者になる人々の他の炭鉱への配置転換、あるいはそういう人々の就労について、どのようなことを——あるいは別途にそれらを救済するというか、あるいは法律や制度の上でそれらの不安なからしめる準備対策を、この姉妹的な考え方として考えておられるかどうか、この点を一つ伺いたい。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 石炭関係に従事する労務者につきましては、合理化法と申しますか、われわれの考えております措置をとるととらないとに関せず、相当の過剰人員があるわけでありし鉱業て、石炭鉱業が今後自由経済の基礎のもとで日本の産業として成り立って行くためには、どうしてもある程度の過剰人員の整理といろものは免れがたいものであるとわれわれは考えております。十分な合理化資金が導入されて、坑内の合理化が進みますれば、生産が上昇いたします結果、そういう時期が若干早まるということは当然考えなければならぬ点でございます。従ってすでに本年度におきましても、昨年の夏以来失業問題が非常に大きな問題になりまして、それにつきましては予備金なりあるいは補正予算なりで、他の部門と比べて非常に画期的な失業対策をやったわけでございますが、来年度につきましても、この規模をさらに相当拡張したいと考えまして、その方面の予算の要求も現在いたしております。なお従来のような失業対策と申しますか、狭い意味の労働省所管の失業対策あるいは各省にまたがる公共事業における失業者の吸収措置というふうな従来のやり方だけでは必ずしも十分ではないというふうにもわれわれは感じておりますので、そういったやり方につきましても、もっと改善をする必要があるというふうに感じまして、現在経済審議庁が中心になりまして、労働対策連絡協議会というものが経審に置かれておりますが、そこでその方面の研究をいたしておりまして、できれば来年度の予算におきまして新しい一そう進んだ方法をとりたいということで、現在研究をいたしておる次第でございます。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 時間の関係等もございますから、私は突っ込んで申しませんが、今斎藤局長がお話になった二十九年度関係などを見ますと、大体九万人近くの失業者が出ています。実際これを鉱害復旧というか、河川、道路、そういうものの修理関係、補修関係に就労している者は一万ちょっとくらいです。だからそう失業対策をやったと大きな声でおっしゃるようなことはありません。同時に法律を作って、その法律によって人員整理が強行されて、失業者が出るということになれば、当然よって起ってくる結果は、やはり政治として責任を持たなければならぬ、行政上としても処置しなければならぬ。ですからこういう点においては、合理化法という多分役所で考えておられることをより以上成果を上げれば、必ず多くのそういう人員整理、失業者が出るということは予期しなければなりません。従ってそういうものを配置転換というか、あるいは他への就労というか、あるいは失業者としてどのように救済するかということの十分な備えがなければ、この法の成果を完全に上げることはできないのですから、そういう点は法案を出されるに当って十分準備をして出されたいということを、これも御注意を与えておきたいと思います。  それから炭鉱の問題は、合理化だけでは解決をせないのです。御存じのように、この二年この方炭鉱が非常に不況に追い込まれ、危機に瀕してきておるというのは、これはやはり石炭にとってかわる外国からの重油の膨大な量が、わずかの間に輸入されてきて、これに切りかえられておるということにもよるのです。これは石炭にして少くとも私は五・六百万トンくらい切りかえられておると想像するのです。だから追い詰められたから合理化する、追い詰められたから合理化するというだけでは、どこまで合理化したらいいのか、私はとめどもないと思うのであります。そこで日本の炭鉱というものを守らなければならないという考えがありとするならば、当然これは経審長官等もお考えになっておられるかと思うのですが、やはり日本の総合燃料対策というものを打ち立てていくべきであります。たとえば国内炭をどのように生産消費をしていくか、あるいはこれを年度計画ならば、その年度に応じて日本の国内炭をどれだけ生産させ、消費させていくか、さらにはまた外国炭の原料炭などの関係においても、これの輸入をどのように扱うか、あるいは外国から入ってくるもろもろの油、特に石炭に関連する重油についての輸入量をどのようにするか、あるいは国内の石油開発をどのようにしていくか、さらに電力等の問題もあわせてこの総合燃料対策というものを確立して、この上に立ってこれらの問題をやはり一本の計画の中に組み入れてやっていくということでなければ、この問題は解決をいたしません。そこで総合燃料対策というものをどのようにお立てになり、国内石炭、外国炭、重油、国内石油、電力、こういうものについてどのような構想を持って鳩山内閣はやろうとしておるか、この点を一つ大きな計画の線だけでよろしゅうございます、いずれ具体的なことは法案等も出て参りますから、そのとき討議をしたいと思いますが、一応その計画等に伴ってこの国内炭の生産消費の需給調整というか、今申し上げたような諸点についての概略を一つお聞かせを願いたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいま御質問の国家全体としての燃料対策を立てるということは、一番重要なことだと思います。従来のごとく石炭が足らなくなったからといって、すぐに油を入れる。油が入り過ぎたからといってまた石炭に切りかえる。こういうようなやり方は、どうも経済政策上おもしろくないというので、経済審議庁が中心になりまして、燃料対策というものの協議会をつくりまして、今その方の大体の具体案ができております。その細目の数字につきましては、簡単に事務当局から御説明を申し上げますから、さよう御承知願たいと思います。   〔永井委員長代理退席、山手委員長代理着席〕

佐々木義武総理府事務官(経済審議庁計画部長)

○佐々木政府委員 これはまだ成案と申す段階ではございませんが、昨年六カ年計画を作成します際に、御指摘のようにエネルギーの総合バランスをどういうようにするかということは、国の将来につきまして決定的な重要性を持つ問題でございますから、一応試案として検討したものがございますので御説明申し上げますと、ラウンドナンバーで申しますと、電力は二十九年が五百七十四億キロワット・アワーでございます。これが三十二年度には六百七十二億キロワット・アワー、三十五年には八百三十億キロワット・アワーにしたいという計画であります。石炭に関しましては、二十九年度は大体四千五百万トンというととろでございますが、三十二年度において四千九百五十万トン・三十五年には五千三百二十万トンというふうになっております。油に関しましては、二十九年度は国内と輸入を合せまして一千万キロリットルになっておりますが、三十二年には千三十七万キロリットル、三十五年には千百十万キロリットルというふうになりまして、この点はなるべく通産当局でやっております国内の百万キロ生産という目標を織り込みまして、自給度の向上に努めようという考えでおります。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 今の資料等ももう少し具体的になっているだろうと存じますから、自然休会になりますと、なかなか手元に届かないと思いますから、再開劈頭にそれに対する資料を一つ私の方に御配付願うように要求いたしておきます。  それから今の計画が完全に政治力をもって行われていくとするならば、私は大へんけっこうだと存じますが、ただその計画だけでは、これは政治力というか、行政力になりませんから、国内炭の場合にいま一応経審で作られた数字を年度別に達成するためには、どうしても法律が必要であると思う。それから合理化をして、さらに外国からの圧迫によって追い詰められてくるのを守って、今お話になった国内石炭の数量を確保するためにも、やはり生産消費の需給調整をするような法律が必要であると思いますが、これは合理化法と一体になるべき内容のものであると思うが、石炭の需給調整に関するような法案を本国会に出される意思があるかどうか、この点を伺いたい。

斎藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○斎藤説明員 石炭だけにつきましての需給調整の法律というようなものを国会に提案する意思がないかというお話でありますが、今のところそういう案は少くともわれわれ通産省では考えておりません。ただ合理化のための法案を出しますときには、合理化計画というものは需給のベースが基礎になってできるのでありますから、合理化計画を立てる際に必ずその年度の需給計画が基礎になってできるという関係がございます。その面で需給関係につきましては法律は出しませんが、毎年必ずある程度の見通しをつける必要がある。またそれはやる予定になっております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 今局長の御答弁は、われわれ責任政治家として考えればはなはだどうもあいまいなもので、さきに経審庁から発表されましたそれぞれの燃料計画の数字というものを実行していく場合において、ただ内閣にこういう計画がある、それを方針としているということだけでは、これは風が吹いていくのと同じです。何の権威も価値もありません。ただ資料として参考になるだけであって、これをほんとうに実行する場合においては、それぞれこれを法律化、制度化していくところに初めて権威があるのであって、ただ数字の計画があるということだけでは参考資料にすぎません。そこで今御発表になった国内炭あるいは外国からの油あるいは電力、こういう計画を鳩山内閣の一つの方針として日本の産業経済の基礎をこれによって推し進めていくのだということになれば、やはり法律と制度によらなければ私はこれは権威がないのじゃないかと思うが、今お示しになったような数字は、単なる計画数字というだけで、実行上において何らの権威のあるものでないという解釈をしてよろしゅうございますか。これを一つ経審長官にお伺いしておきたい。 たとえは

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問にお答え申し上げます。私どもがやっております総合六カ年計画は、大体無計画の経済現象ではいけない、経済に対して計画性を持たせるということが主眼でございます。計画経済を法の力をもって実行するというのじゃありません。どこまでもやはり自由主義のもとにおいてこの計画のめどを作りまして、そのめどを国民諸君によく了解してもらって、こういうふうなことにすればこうなるということをよく了解してもらって、これを実行に移すようになるべくほかの方法をもって導いていきたい、こういう考えでございますから、ただいまの御質問のようにこれを法律の力をもってこの数字に織り込んでいくというようなことはいたしませんが、たとえば燃料にいたしましても、石炭をこれだけ使うという数字が出れば、それに合うように輸入する油を減すとか、あるいはそのほかの政策をいろいろな方面から講じていきますが、法律でそれをどうするということはただいまいたしておりません。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 それでは私大へん失望せざるを得ないようなことを伺ったのですが、石炭の合理化はおそらく高能率とコスト切り下げの目的を達成するためにこれはやられるのだろうと理解するのです。そうすると一面から外国の油や石炭によって、追い詰められてくる。それに対抗さすために合理化をしていく。しかしながら合理化しても外国から入ってくる油はまだ相当値段が安くできる実力を持っております。するとこれを強く推し進めて参りますと、だんだん第一次合理化、第二次合理化、第三次合理化というようなことにならざるを得ないと思う。しかしこれも自由主義だからいたしかたないんだということになるならば、およそ日本のこの基礎産業あるいはそれをまかなうところの日本の燃料というものを一体どこで守るのかということになれば、やはり今経審庁で作られたその数字を年度的に上昇させようとされるならば、やはり外国から入ってくる油も年度的にこの輸入の制限をしていく。あるいはむちゃくちゃに安くして日本の燃料を圧迫していくなら、これに対して関税を取ってやはり保護していく。こういうことでやらない限りにおいては、合理化だけで日本の産業というものは守れるものではないと思う。そうすれば、今おっしゃったようなことであると、重油の輸入制限もされる意思がないのか、また制限する法案なども作る意思がないのか。あるいはこれについて関税も取る意思がないのか。こういう点を一つあわせて伺いたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 現在は原油には課税しておりませんが、必要があれば逐次これに課税するとか、あるいは原油の輸入につきましては、為替の行政措置をとって数量の制限を加えるとかいう方法を講じまして、合理化によって、石炭については需給のバランスがとれるように調整いたしたい、こう存じております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 通産省では外国から入ってくる油に対してこれを規制する法律を準備されておるやに聞くのですが、準備されておるのであるかどうか。関税は、昭和二十六年に法律をもって一〇%課税をするということがきめられた。それを前内閣はだんだん税を取ることを停止して、今日まで取らないできておるのであるが、この二十九年度をもって一応これは切れるので、三十年度、いわゆる三十年の四月一日から一割の関税は自動的に取れるようになる。これは年度予算との関係もあるから、あるいはこの暫定予算中の二カ月間をさらに延長されるものであるのかどうか。あるいは年度予算の場合に法律に基いて自動的に収入として徴収されるのであるかどうか。これらの点について一つ伺いたい。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上説明員 重油の規制の問題につきましては、昨年の四月から行政的な指導によってこれを実行しておるわけでございまして、年間五百三十七万キロリットル程度に押えまして、もちろん必要な方面には確保いたしますけれども、不必要な方面には極力流さないように、また重油の設備につきましても、ボイラーとかそういう設備については極力石炭の方に転換するように、私どもとしましては昨年の四月から強力に実は推し進めておるわけでございます。この三月末におきまして大体われわれが計画いたしました五百三十七万程度でおさまっているわけでございまして、昨年の年度初頭におきましては、ほうっておくとおそらく五百七十万くらい消費があるのではないかと考えたのでありますが、行政的な指導によりまして五百三十七万程度に食いとめたわけであります。来年以降におきましても、先ほど経審の方からお話がございましたが、やはり石炭との調整の問題とか、あるいは総合燃料対策の一環として、私どもとしましては、この重油の規制につきましてはさらに強力に推し進めていきたいと考えておるのであります。従いましてことしの五百三十七万キロリットルをもっと私どもの方は圧縮して実行していきたいと考えておるのであります。石油業界なりその他の方面からは、三十年度においては少くとも五百八十万くらい必要だということをいっておりますけれども、私の方としましては、本年度の五百三十七万よりも相当低い線で実行していきたいと考えているのであります。しかしながらあまり急激に転換することもなかなか実際問題としてむずかしい問題でありますし、一方水産あるいは農林、船舶という方面につきましては、どうしても油を確保しなければならぬ。また同時に価格につきましても上らないようにしなければならぬというような問題がありますし、また一面においては転換もさしていかなければならぬというようなことになりますと、どうしても行政的な指導だけではうまくいかないとわれわれは考えますので、何とかして消費規正についての、あるいは転換についての法律を出して、そういう法律のバックによってこれを進めていくべきじゃないかと考えまして、今法律案は一応作りまして各方面と折衝中でございます。おそらくこの国会においてそういう法律案を御審議願えるのじゃないかと考えます。いずれにいたしましても石炭との調整あるいは外貨の面から見まして、相当程度圧縮し安ければねらぬということになりますれば、行政的な指導だけではなかなかうまくいかないのでありますので、何か法律のバックがなければいかぬというふうに考ているし、それから関税の問題につきましては、現在一応延期になっておるわけでありますけれども、この問題はいろいろな問題がありまして、関税をかけますと、特に農水産等に対しまして非常に影響がありますので、そちらの方からも相当反対意見もあるのでありますが、また一面石炭との問題については、価格の面においてある程度調整すべきであるというようなことも考えられますので、水産とかそうした方面に対しましては、そういう影響がそれほどない方法によりまして関税を陸上方面においては取っていくというようなやり方がないかどうかという点につきまして、現在いろいろ大蔵省その他と折衝をいたしております。とりあえずとしましては、予算その他の関係もありまして、六月までは現在の姿でいくと思うのでありますけれども、それ以降におきましては、何とかして関税もある程度取って、そして調整をしていきたいと考えて現在いろいろ折衝をいたしております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 今川上鉱山局長の御答弁で大分筋が立ってきたような気がいたしますが、ただ私が割り切ることのできないのは、先ほど経審長官はあくまで自由主義によって自然の形で調整をはかっていくのでというようなお考えのようでありましたが、私は今川上局長が答弁されたように、ほうっておけばやはり油が五百三十七が五百八十になり、あるいは二十九年度でしたか、業者関係などで六百八十万キロリットルも要求していたようにもわれわれは知るのであるが、そういうことにしておくならば、今経審で発表された石炭の年度消費数量などというものは、てんで問題にならないと思う。石炭の方を経審で作られた年度別に消費量を高めていかれようとするならば、当然これを圧迫しているところの重油の輸入を制限していく、あるいは消費を規正していく、あるいはまたある程度関税も取って保護もしていく、こういう計画性がなければ、私は今経審で作られたものは単なる計画だけであると思う。だからそういう点から考えますと、やはり石炭の需給調整、どれだけ生産して、どれだけ消費をさしていくという一応のめどというものがなければならぬ。合理化をする以上は、合理化にも一つの目的がなければならぬはずである。合理化をして能率を上げていく、コストを下げていく、そして外国からの油なり石炭と対抗して、遂に今度は日本の石炭を外国に輸出してやる。そのためには、先ほど言われたように、数量を四千五百万トンから五千万トン以上にふやしていく。このことによって、私は合理化の最終的な目的というものが漸次達成されていくと思うのです。だからそのためには、今この質問をしておりますように、やはりある段階にいくまでは外国炭なり外国からの油なり、そういうものの輸入制限、消費の規正もだんだんしていく、そして逆に輸出できるようにしていく。こういうことのために、私はやはり生産計画、消費計画というものが石炭の部面にもなければ意味がないのじゃないかと思うのです。こういう見地からも、やはり炭鉱の方は合理化法だけを作って、そして生産計画、消費計画というようなものは野放しで、こんなものはほうっておくのだという考えなのか、先ほど経審長官から言われたのは、単なる計画の数字のみでこれを終るのであるか、その辺をもう少し割り切って、一つはっきりしていただきたい。これが一点。  それから時間の関係もありますから、ほかの問題にも、もう一点かそこらですから触れておきたいと思います。先ほど川上局長が言われた輸入関税の問題ですが、これは私が先ほど言ったように、三十年度から自動的に取れるようになる。ところがこれに対して大蔵省では、風当りの強い方から関税を取るということはやめて、一番風当りの弱い、取りやすいところから取ったらどうだというところから、原油からは取らないで、揮発油・軽油から取る。そうするとこれはトラックであるとか、そういう車から取るのですから、直ちに消費者に転嫁されていく。これは最も弱い方にしわ寄せされるというか、負担がかかっていくことになる。こういう方からは取りやすいから、こういう方から現在三百億取っておるやつを、もう百億ふやして四百億取ろうというようなことを大蔵省が言っておるということも陰ながら聞いておるのであるが、そういうところから取られるならば、これは何も石炭に対する保護というか、そういうものにならぬと思う。だから大蔵省の考えておるその考え方と、通産省か経審側で考えておられる輸入油に対する関税の考え方と、その辺を内閣として、あるいは閣議などでどういうようにさばこうとしておられるかを経審長官から伺いたい。  それから、目的税はいかぬというようなこともよく聞くのであるが、諸外国では目的税というものを相当取っておる。日本でも目的税というものはあるのです。何もこの油ばかりではありません。御存じのように目的税はほかにもある。そこで目的税として、国内石油の開発——今一千万キロリットルも入れるのに、日本ではわずかにその三%、三十万キロリットルくらいしか掘り出されていない。これは日本の権威ある学界、専門家などにおいても、政府が計画的にこの開発、探鉱事業をやるならば、百万キロリットルくらいは確実に出せると言っておる。だからこの国内開発のために関税などを目的税として使うことは、私は最も当を得ておると思う。それからたとえば炭鉱なども、日本の石炭が高いなら、設備を合理化もする、あるいは近代化もするというようなものに、こういうものを目的税として取って使って、そうしてできるだけ早くこういうものを外国から買わなくとも国内のもので十分対抗できる、いや逆にこっちから輸出してやることができるという態勢を作るのが、日本の産業の発展、自立経済達成の上の最大のねらいでなければならぬと私は思う。民主党などでも五カ年計画とか六カ年計画とかいうことをよく宣伝されておるのを聞くのであるが、この宣伝をまともにやろうとするなら、こういうことをやられるのが一番公約に対して忠実なるゆえんだと私は思うが、こういう点もあわせてお伺いしておきたい。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上説明員 関税の問題につきましては、先ほどお話し申し上げた通りでありまして、通産省としましては、何とかして石炭の調整の関係からもある程度徴収したいということで、大蔵省その他の方面と事務的に折衝をいたしております。まだ閣議に諮るというようなところまではきておりません。先ほど伊藤先生から、大蔵省の方では、関税をやめてガソリン税をもっと増徴したらというふうな意見があるというような話を聞きましたが、これも私はそういうのを正式に聞いておるのではないのでありまして、関税の問題につきましても、主税局長といろいろ相談をいたしております。大蔵省でガソリン税を増徴するということは、私は正式に聞いておりません。  それから資源開発の問題で、石油の開発の問題につきましては、私どもの方としましては、何とかしてあの計画を進めていきたいというふうに考えまして、現在大蔵省といろいろ予算の折衝をいたしております。しかしこの関税を目的税として取って、石油の開発の問題に使うという点につきましては、私の方としましては、それはどっちでもいいのでありまして、ただ予算さえもらえばいいという考えを持っておりますので、予算を何とかして取って、そうして石油の開発を進めていきたいというふうに考えております。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 最後にいま一点。今の炭鉱の問題等については、経審長官にくどくどお尋ねするのもどうかと思うから、私はもうこれ以上お尋ねしませんが、これは一つ主管大臣の石橋通産大臣に——今の日本の産業計画の全体的立場から、あるいは総合燃料対策の立場から、先ほど来だんだんお尋ねした石炭の合理化だけでは何らの意味をなすものではない、やはり生産計画、消費計画というものが石炭にも作られて、そうしてさらにあるいは油なり電力というものを、総合的な上に立ってこれを実行するところに合理化の意味があるという信念を私は持っておるので、石炭局長にこれをこれ以上聞いてみたところで、政策をやれる人じゃありませんから、これは一つ、私は後日石橋通産大臣との間において合理化法を作る以上は生産消費の需給調整を行なっていく。これを一つの柱として油その他の問題等も組み合せをしていくということでなければおよそ意味がない。合理化だけならば、法律を作って企業整備をさせて、いたずらに弱いところをつぶしてしまって、膨大な失業者を出してしまって、そしてこの反撃を受けるということで、これは何ら三文の価値もないものであることを私はかたく信じておる。これは私はここで明言しておく。もし生産消費の需給調整法を作らないで、合理化法だけを作って、企業整備をやって弱いところをつぶしておびただしき失業者を出して、これらに何らの処置もし得ないことだけを強行するならば、炭鉱労働者がおそらくこれに大反撃を与えて、この合理化は三文の価値もないものになることを私はここで明言をしておく。これはここであなた方に声を大にして言ってみたところで何だから主管大臣の石橋さんところの法案が出て参りましたときに私は一つ十分論議をします。それから鳩山内閣の計画経済とかなんとかいうものは、今経審長官の言われたような、ばらばらでただ数字を作るだけの計画経済であるならば、単なる選挙のときけの票集めの事前運動以外の何ものでもないということを私はとこではっきり明言をしておいて、今度石橋さんと話をすることにしましょう。

山手滿男日本民主党

○山手委員長代理 帆足計君。

帆足計日本社会党(左)

○帆足計委員 時間も移りましたし、同僚委員の質問もありますので、簡単に申し上げます。  私はいつも中国の貿易のことで御質問しますけれども、実はそれよりも、国内の開発、特に農業の改革のことについて非常な関心と重要性を痛感しておる次第であります。日本の農業は英国の十七世紀くらいの段階にあるわけで、むしろその方が重要でありますが、きょうは、経済使節団が中国から参っておりまして、明日から交渉が始まります。大体民間から、議員から七名、十四名を相互に出し合って、明日から貿易の拡大についての交渉が始まりますので、それに連関いたしまして四、五のことをお尋ねいたしまして、あとは、休会になりますから、ぜひとも高碕国務大臣を中心にいたしまして、密接な御連絡をしていただきたいと存じておる次第でございます。これは純粋の経済使節でございまして、物腰も非常にやわらかで、発言もきわめて慎重で、経済のことに限って発言しておるような次第でありまして、先方の態度も私大へんよいと思っておるのでございます。  そこで第一にお尋ねいたしたいことは、使節団が参りまして、東京、名古屋、大阪だけはよろしいと外務省は言っておりますが、福岡に行くことも認められておりません。私の考えでは、福岡は平和的工業の中心でございまして、名古屋に劣らぬ重要なところであると思います。せめて三、四名のそちらの専門家が福岡の商工会議所あたりと懇談することはむしろ当を得たものじゃないかと思って、園田さんにも先日申し上げたのですが、せっかく鳩山さんがおおらかな態度で隣邦諸国と仲よくし、水爆、原爆の時代ですから、再軍備しようとしまいと、とにかく平和でいきたいということで、非常な票を集めて、国民の信頼を得られたわけでございますが、一体せっかくの新政府になりましたのに、岡崎さん時代とあまり異なるところのないような態度を外務省がとっておられますことは、これは慣性の法則で、もとの惰性が抜けないせいだと思いますけれども、一体役人というものは銀行員と同じもので、政治に従属すべきものであり、政務次官なり大臣の命令によって仕事をする事務官であるべき性質のものである。その役人が政府の、特に総理の意向を裏切って勝手なことをなさるような今日のやり方は、これは党派の問題を越えて、日本の官僚主義の弊害としてまことに憂うべきことである。役人というものは政党が変るたびに仕事が変るものでありますから、いわば銀行員のよろなもので、お札を忠実に数え、帳簿をつけるというようなことがおもな仕事であって、自分の自主的抱負経綸を行いたいならば役人をやめて政治家になればよい。役人の仕事というものは謙虚な仕事であって、国民の税金でもって食べておる人たちでありますから、自慢できる商売ではない。そういう謙虚な仕事がいやであるならば、役人をおやめになればよい。昔の天皇制時代の役人と違うのですから、役人とは銀行家である。こういうことであってほしいと思います。そういう役人を国民は望んでおるのであって、権力を持ち、政治力を持った役人というものは国民は欲していない。政治力は政治家が持つべきであると思います。園田さんと話し合ってみますと非常によくお話がわかる。もちろん国際情勢を見ましても、自由世界との関係上いろいろの点で制約がある。特に共産圏との交渉には制約のあることも十分私は知っておりますが、まず英国市民の良識くらいの程度は認めた方が日本の国益のために私はよいと思います。福岡とか、あるいはまた富士五湖にレクリエーションに行くこともいけない。諏訪湖に行くこともいけない。私などは杭州にも漢口にも行った。漢口からはジープを借りて五十里も山奥に行き、自由自在に走り回ってきましたが、こういう自由人でありますから、恣意奔放に中国ではふるまって参りました。日本に参りますと、冨士五湖にも行けない、諏訪湖にも行けない。北九州の商工会議所の御招待の会議に行くのもいけないということであってみれば、まことに筋道が通らぬように思います。もちろん各地で国民大会を開くというようなことをするならばそれは行き過ぎであろう。今はそういうような催しは全部やめていたしません。たかだか商工会議所と数名の者が懇談したいということをなぜ認められないのか。これは園田さんもお見えになっておりますから、外務次官とし御答弁を願うとともに、高碕さん並びに通産大臣の立場からも、そういう非常識なことはやめたまえと外務省を一つ教育していただきたいと思います。事も急いでおりますから、はっきりした御答弁をいただきたいと思います。外務省の方と経審大臣の両方の御意見を、最初に経審大臣から経済の立場から一言、専門の大臣でありましても、国務大臣としてやはり共同の責任があるわけでありますから、外務大臣の教育をしていただきたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 私の権限を離れた問題で、はなはだむずかしい御質問だと思いますが、私は中共との取引関係ということにつきましては、経済的である以上は、できだけ早くやりたいと思います。こういうことはもう数年来希望しておる点でありまして、これが順次実を結ばんとしておるときでありますから、なるべくその道の専門家であるところのただいま質問者の意見等もよく考慮して、政府で善処するように私も努力いたしたい。こういうふうに思うわけであります。ただ専門家でないから、今どうやったらよいということは、私の権限を越えて御質問に答えることはできませんので、この程度でお許しを願います。

園田直日本民主党外務政務次官

○園田政府委員 ただいま参っております中国使節団の視察地域の問題は、これは外務省で一方的にきめた問題ではありませんので、御承知のように招請団体と入国者側との御意見あるいは外務省の意見等によって三者が了承して決定した問題と聞いております。最初外務省で外国人の入国並びに出国については管理いたしておりますが、日本と中国との貿易並びに国交について進めたいというのが政府の方針ではありますが、今日においてはまだ正常なる国交に進めぬ段階にございますので、入国並びにその他について制限があることは当然でございます。そういうわけでありまして、今度来られる目的からして、民間の経済のわく内における協定を結ぶのが目的であるから、その方を重点的にやられるようにという外務省の意見があったことは、招請団体の議員連盟並びにその他の団体も御了承になって今日のような決定をしたものと聞いております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 もう一つ園田さんにお尋ねしますが、それは多少状況が違っておりまして、議員連盟としては今のように簡素な形で地方の視察をすることは賛成で交渉したのです。しかし政府が頑迷不霊で聞かないものですから、聞かなければ旅券をくれぬ、ヴィザを出さないというものですから、仕方なしに三地域だけを一応了承して帰ってきたのです。しかし名古屋に行って、福岡になぜ行ってならないか。九州出身の園田さんとしては福岡と名古屋を差別待遇なさるお考えであるのか。なぜ福岡の方が名古屋の風下に立なければならぬのか、なぜ福岡に自由に使節団員が行ってならぬのか。いまだ国交が未調整の状況といいながら私は非常識もはなはだしいと思う。これは教育の問題で、外務省のお役人に対するPTAの親のしつけの問題でございましょう。先日も中華人民共和国の名前を中国としてくれということでしたが、私たちは池田正之輔君のことを通称池正と言っております。しかし正式の招待状を出すのには池田正之輔殿と書いてある。一体外務大臣は大学を出ておるのかどうか、にせ大学生ではないかと思って身元調べをしなければならぬと思っております。こういう非常識なことを行なっておる日本の状況は一体どこから来ておるか。アメリカの自由世界といいますけれども、自由世界の中にはインドもあるし、マンデス・フランスのフランスもある、良識ある英国もあるわけです。先日英国からモスクワ、北京を経て日本に一人の貿易商が来ました。この人は北京でヴィザをもらって日本へ来た。しかるに日本の政府は、日本の商社の社員が一人でも北京へ行ったならばその人にはヴィザを出さぬ、こういわれておって、せっかく渡航が許可になってもおそろしくて北京に商談に行けぬというような実情です。私はそのことを聞きましたところが、それはイーデン外務大臣の威力のためだ——そうであるとすれば、園田政務次官は全く国際信用がないのか、重光さんあたりでは過去の満洲人同様に取り扱われておるのかということを疑いたくなるのです。自由世界といいましても、アメリカの軍部、右翼もありますし、良識あるチャーチル、イーデンの英国もある、私たちが保守は保守なりに尊敬している人たちもあるわけでありますから、同じ自由世界といってもそういうような良識ある人たちを見習っていただきたいと思います。こういう点からいきましていかに敗戦の国とはいいながら、あまり非常識な子供が笑うようなことはやめていただきたいと思うのです。従いまして今の問題につきまして、園田さんのお答えは多少不十分あるいは大いに不十分だと思いますが、高碕さんや石橋さんのような良識ある人たちと相談して、即刻あすからの問題でありますから……。富山県の日産化学の伏木の硫安工場などは、私は見せたいものです。あの伏木の港から天津に出せば非常に値段も安い、最近は電力がたくさん出るようになって、尿素がとれ始めております。尿素こそは全く希望多き商品の一つです。日本の化学工業のごときは中国に硫安を輸出するようになってから永久に不景気というものが消えました。これだけでも驚くべき朗報です。その見返りとして中国米が輸入される。これも非常にいいことです。そうなれば国内の思想問題も緩和されると思います。私ども社会党左派ですが、左派よりももっと穏健になるでしよう。言葉づきも穏やかになるでしょう。国民生活が穏やかになればすべて穏やかになるのです。そのくらいの論理すらわからないということは、まことに私は情ないことだと思います。一体小さな島国に八千万もいて、中国の人口が六億、アメリカの人口が一億三千万です。アメリカに電気洗たく機を売りたいということは、富士山の上にアイスクリームを売りたいというのと同じで、どうしても中国との貿易をふやすために——一体鳩山内閣はそれをすると言って国民の投票を集めておきながら、岡崎副領事——副領事というのは通称ですが、岡崎前外務大臣と同じことです。私は園田さんの外務省事務官に対する教育が足らないことを非常に残念に思います。さっそくこのことについて、谷さんが連絡役だそうですから、きょう議員連盟から申し入れをいたしますから、良識あるごあっせんを願いたいと思いますが、一応御答弁を願います。

園田直日本民主党外務政務次官

○園田政府委員 ただいまのところは先ほど申し上げました通りに、すでに三者の相談によって決定した問題でございます。あらためて招請団体から御提案せられる場合には、さらにそれについて関係者が相談をした上でやりたいと考えております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 時間がありませんので、あと簡単にいたしますが、ただいまの御答弁は多少お役所風で、園田さんにふさわしからざる答弁だと思います。政治家は政治家らしく蛮勇を発揮していただく方がいいじゃないかと思います。それが国の利益に一致するのですから……。お役所に入ったからといって、お役人らしい答弁をなさることは、園田さんのために非常に残念に思いますが、いずれあらためて申れ入れをいたしますから、誠実なるごあっせんをお願いいたします。  それから地質学会が日本で開かれることになります。地理学の問題です。ソ連及び中国その他東方諸国から学者が来ることになっておりますが、そのヴィザもまだ下りておりません。こういう状況では岡崎さんと何の選ぶところがあるか。御承知のように岡崎さんは落選しました。国民の批判はきびしいのです。こういうことをなされば重光さんむこの次落選疑いなしということになるのですから、どうか今の地質学会のヴィザの問題も即刻解決していただきたと思います。後ほどこれについて関係の方の御答弁をいただきます。  それから時間がありませんから一括して御質問いたしますが、さて中国と交渉いたすとなりますと、北京で私どもが一人のガリバー旅行の旅行者として協定を結ぶならば、どうにか及第点であればよかったのです。しかし東京のまん中で、世論環視のもと、ジャーナリズムの非常な歓迎のもとで行うとすれば、多少現実性のある協定を結ばなければならぬと思います。そのために、背後において政府当局との多少の良識ある了解というものが、党派を離れて私は必要だと思うのです。その問題について第一の問題は、ココムの緩和についてどういう見通しがあるか、これは非常に困難な問題ですから、努力するということでいたし方ないかもしれませんが、多少の特免申請または国際情勢とにらみ合して、薄板や亜鉛引鉄板くらいは出る程度になってもらいたいと思います。少くとも即刻、そうでないと大豆や米の輸入に支障がくるわけです。第二には大豆・塩・米・クリンカー等の輸入につきましても、どの程度輸入するか。政府は中国との貿易を拡大するという公約をした以上は、事務官の諸君も拡大するための努力をなさるべきだと思います。大豆は昨年十四、五万トンも入りました。今年は二十万トン入ると予期しておりましたところが、上半期に十万トンを半分に削って五万トンに削るということを聞きました、私はこういうことであってはいけないと思うのです。去年大豆が入りましたときはポンドで輸入しました。あとはトーマス方式で、輸出の見返りで補うという話でありましたが、輸出が思うように出ませんでした、せっかく使節団が来ましたから、輸入しておいてぜひとも買ってもらいたいという交渉を今からしようとする矢先に、縮小再生産のような方式をとられるとするならばまことに遺憾でございまして、会談が済むまでしばらく大豆を打ち切ることをとめておいていただいて、大豆を買ってあげるから日本の余剰物資を買って下さいという交渉を今から私どもするのでございますから、一つ拡大再生産の方向に政策を向けていただきたい。  さらに鉄、石炭の問題につきましては、情勢が変りました。しかしアメリカ全部を買うということは私は設備に合わないものだと思います。中国の石炭と鉄は、日本の要求から離れ、技術も遠いものになりました。しかし今後技術者を交換し、適切に選炭、品質、カロリー等について打ち合せするならば、日本の溶鉱炉に適合した割安の状況になることは、数カ月の努力をもってなし得ることです。それをしないで山元の貯炭を、ボタを買ってきて、品質が悪かったとかなんとか言うことは子供らしいことでありまして、真にアジア諸国と手を結ぼうとするならば、技術者を派遣し、相当の見通しを持ち準備をして行うならば、いかなることも可能でございます。それらのはしりとして、せめて数万トンなり十万トンなりの石炭や鉄鉱石の計画輸入をまず考える必要があると思いますが、それらのことについてすら見通しがない、わずか一年前には、吉田内閣は平家のように永久に続くように官僚諸君は考えておりましたが、今日民主党に私ども期待を持っておりますが、やがて民主党が失敗したならば、社会党内閣もできるのでございます。万有は流転すであって、国が必要とすることをわれわれは実行せねばならぬのでありますから、時の政権、時の権力関係、時の国際状況が永久であるかのごとくお考えになるこの迷信を打破してもらいたいと思います。宿敵米英を打破しようと戦ったのは十二、三年前のことです。しかし今や宿敵はこの国の保護者になっておるのでありまして、歴史の移り変りというものはきわめて逆賭すべからざるほどの移り変りでありますが、その中から合理的に日本の進むべき道を発見せねばなりませんから、卑屈であったり一方に片寄った考え方を持つことは断じて間違っておると思います。せめてこれも英国並の良識を持ってもらいたいと思います。日本の役人諸君は、青年時代にほんとうの勉強もせず、教養も低く、哲学の勉強もせず、六法全書なんというばかなものを読んで、恋愛すべきときにほんとうの恋愛もしなかったような生活を送った方々が多いのですから、そのために多少人間としてかたわになっておる。これは悪口を言うわけではありません。非常に優秀な方々ですけれども、人間としてはかたわである一面もあるのです。ちょっと銀行員のようなタイプの人が権力を持ったので、ございますから、これはかたわでございます。そういうこともよくお考えになって、自己の欠点をもっと広い視野で補う、それには政治に対してもう少し目を開いて、政治出家の言うことを虚心たんかいに問い、そして良識を持って親切と弾力性を持って事を処理する。あすの見通しも持って、一方に片寄らないで中庸の道を進み、卑屈にならない、こういうようなことが必要だと思うのです。従いまして中国との問題を、中共貿易というのはジャーナリズムの安言葉でお考えにならずに、アジアの地図を見、人口を見、歴史の流れを見、そして社会主義勢力、資本主義の修正、いろいろな課題になっておる問題をお考え下さい。保守党ですら計画経済を叫ばねばならないということが何から起っておるか、こういうこともお考え下されて、もう少し中国との貿易の問題を科学的に考えていただきたいと思います。この問題に対して私どもは今日の官庁の態度はきわめて遺憾である。私のごときまるで中国貿易の流行に乗っている人間であるかのごとく取り扱っている向きもあるようでありますが、まことに心なきことと実は思っておる次第でございます。従いまして中国と話し合うといいましても、結局は鉄、石炭または大豆、米、塩、クリンカーなどの輸入計画をどういうふうにお考えになっておるか。見返り輸出としては特に硫安または人絹糸、化学薬品等どうお考ええになっておるか、こういう問題についてもう少し大臣のお耳に入れまして、わくを広げて一つ御協力を願いたい。  それから中国側は二、三の工場を見たがっております。今こちらで見せるという工場はボロ工場ばかりでございまして、私はあまりに恥かしいと思うのです。従いまして政府の方でも、アメリカの特許が入っている工場などは困難でしょうが、そういうものでなくて、やはり一流の工場、またはこういう技術は、戦略に関係あるものといえば今ほとんどないのですから、ぜひ見せたらどうか、政府の方から、特に通産省の方から私どもにも積極的に助言して下さるようにしてもらいたいと思います。この問題についても業界は遠慮して工場をなかなか見せないのです。私ども非常に困っておりますので、御協力のほど願いたいと思います。  最後に、こういう問題を進めて参りますためにどうしても会談が二週間続きますから、その間に三大臣と懇談をいたさねばならぬと思いますが、全部の大臣がおそろいになるのが困難でありますならば、高碕さんを中心といたしまして、他の省の次官なり官房長に来ていただきまして、もう少し両国の関係を広げるような下相談を多少はしておく方が国益によいのではないかと思います。貿易と平和の問題はある意味で私は超党派の問題だと思うのです。これほど貧しく、これほど絶望的であれば、われわれ社会党にすら収拾できないほどです。民族の道徳的低下、その道徳的低下の中には社会党も共産党も入るのです。民族全体が貧しくなって、そうして教育が低下し、生活も乱れたときに、新興政党だからといってその徳操が、教養が高いというはずはない、自由党が低いと同じように社会党も低いのです。この困難を打開するためには生産の復興しか方法がないと思います。こういう点からお考え下さいまして、目前の陳腐なことばかりにとらわれずに、国内では国土の開発とか、立ちおくれた農業の改革とか、牧畜の問題とか多角経営の諸問題、あるいはエネルギー資源、科学技術の振興、それから特に教育の改善です。ほんとうは教育を変えなければ今のようなばかばかしい暗記教育をして民族のエネルギーを浪費したのでは絶対に日本はいい国になりません。私は官庁を愛することより、政党を愛することより、国を愛することの方が一番大事なことだと思います。国を愛する手段として政党に籍を置いているにすぎないのです。従いまして中国の問題を単に流行の問題のように安っぽくお考え下さらずに、これは重要な問題の一つです。おそらく日本に十くらい大きな問題があるでしょう。その中の最も重要な問題の一つは、中国六億の人口に対してどう対処し、この市場に対してどう対処するかということです。そういう問題として私どもの誠意や努力にもこたえていただくことをお願いいたしまして——今使節団三十五名が来ておる。これは画期的なできごとです。このできごとに対して党派の立場を離れて政府当局においても背後から絶大なる御協力をお願したいと思います。  申し上げたいことはこれだけでございますので、ただいまできます御答弁だけ伺いまして、その御答弁を私どもたよりにいたしまして、超党派的に他の講堂の委員諸君とも相談して多少ともいい協定を結びたいと思います。せめて六十五点くらいの協定に到達したいと思って、本日から努力を始める次第でございまするから、よろしくお願いいたします。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。第一にココムの禁輸品の問題でございますが、これは御承知のように、昨年の夏までは日本の輸出についてな西欧並以上の制恨が課せられておりましたが、昨年の夏に、中共に対する輸出といたしましては西欧並まで禁輸品目が解除になりましたので、昨年度は一昨年度に比べまして、輸出が二千万ドル程度まで伸びております。その後の問題といたしましては、私どもとしましては禁輸品目のボーダー・ラインにありますものについては、ケース・バイ・ケースに解除の問題について話し合いをいたしておりますけれども、一般的な見通しといたしましては、必ずしもこの禁止が急速に解除になるという見通しは少いように事務当局といたしては観測をいたしておる次第でございます。第二の問題といたしまして、向うからの日本の輸入と、今後の輸出の問題につきましてのお尋ねでございますが、輸出の方は最近硫安も相当に出しておりますが、人絹糸あるいは化学薬品の類も相当出ておる次第でございますが、ただいま申し上げましたように、輸入を約四千万ドル昨年行いましたに対して、輸出は二千万ドル程度にとどまっておる。輸出の方につきましてはただいま申し上げましたように、禁止品目の解除の見通しが必ずしも楽観を許さない現状におきましては、やはり輸出可能な品目を相当向うに買ってもらうということが日本側としての要望になるのではないか。特に先ほど通産大臣からも御答弁がありましたが、戦争前の大陸貿易においても相当多数の雑貨が出ておったわけでありまして、これがまた国内の中小企業の生産品でもありますし、現在のところは中共側はこの雑貨の買付についてあまり積極的ではございませんが、日本側といたしましては、現在のところ輸出可能な品目、特にこういった雑貨類の輸出について強く先方に要望するのが日本側としての立多ではないかというふうに、私どもは事務当局といたしまして考えておる次第であります。なお問題が戻りますが、輸入の問題につきましては、先ほどお話のありましたように、主として今まで入っております大きなものは大豆と米、塩等でございます。この塩等につきましては、これは日本側としてできるだけ多く入れていただくことはけっこうだと存じておりますが、米、大豆につきましては、米については最近一応国際市場から見ますれば供給が非常にふえて参っておりますので、いわゆるバイヤーズ・マーケットということになっておりますので、従いまして、米はやはり中共の昨年入れました米は値段もよろしい、品質も悪くはありませんが、この量等の問題につきましては、やはり値段の問題なり、バーター条件で先方がどういうものを買ってくれるかということをにらみ合せながら考えていかなければならぬ問題だろうと存じます。大豆につきましても同様でございまして、現在アメリカの大豆が相当よけい入っておりますが、これと比較いたしまして中共大豆は相当値段が高いわけでございます。ことに対日向けはヨーロッ向けより若干上値になっておりまして、値段からいくと高いわけであります。しかし私ども通商政策の立場からいたしますれば、できるだけドル払いを節約する意味において、昨年もバーターで、買えます中共の大豆の輸入についてできるだけよけい入れますような方針をとりまして、昨年も十五、六万万トンの輸入がされたと思っております。この点につきましては、昭和三十年度につきましても、同様にできるだけドル節約の見地から、もし有利な条件で中共大豆が引き取れるのでありますれば、この方へ輸入を持っていくということは考えてもよろしいのではないかと考えます。もちろんその場合も、ただいま申し上げましたように、値段の問題と見返り物資を先方が買ってくれる、バーターで、物で買える、外貨の支払いを要しないというところにわれわれの興味があるのでございますから、この点についてはあくまで日本側から出し得る見返り物資との見合いの問題になって参ると思っております。外貨予算の中におきましては、先ほどお話のように一応五万トンを計上いたしております。しかしながら条件がよろしければ、私どもは予算の運用でこの量をふやしていくことも考えてよろしいと思っております。私から事務当局といたしましてお答え申し上げることは以上の点かと存じます。

針谷正之外務事務官(欧米局渡航課長)

○針谷説明員 お答えいたします。地質学会の問題は実はあらかじめこの会議が開かれる前に連絡がなく、開かれるまぎわについ数日前に連絡がきましたのでございます。大体外国の方が日本へ入って来られますのは、普通の方でも何も制限なくどんどん入れるのではありませんでして、どういう人間であるかということを言うのは、これは万国共通でありまして、一国をかまえる以上は当然のことであります。従いまして、この場合も急に出て来たので、その手続をするだけのひまがないということが一つと、それからその会議自体の性格等につきまして、国際文化向上という見地から見ましてただいま学術会議と外務省の内部的に申しますれば国際協力局と折衝中でございまして、間もなく何分の結論が出るだろうと思います。そういうわけでありまして、特にこれをおくらしているとか、出さないという問題ではなくて、そういうふうに時間的の問題と手続上の問題で会議を開く主催者にとっては非常に何かおくらしておるというような印象を与えておるのじゃないかと思います。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 それではこれで、私最後にいたしますが、今のヴィザの問題は急いでいただきたい。だれに対してもこんなことをおくらしているということは悪いことです。カポネの子分みたいなものは平気でアヘンの密輸などに来ておるのに、学者に対してはもっと早く判断してもらいたいと思います。

針谷正之外務事務官(欧米局渡航課長)

○針谷説明員 今申し上げたように、特におくれているようなことはありませんから……。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 それで、それと同時に、あとの問題のために高碕さんから一言承わりたいのです。あとの連絡ができるように、一つ大臣から特にお計らい願いたいのです。いずれ村田省蔵さんからもお願いすると思いますが、あとの密接な連絡ができませんと、せっかくの中国との話し合いが絵にかいたもちになります。それともう一つは、事務当局より多少いわゆる拡大均衡の方向で御相談願いたい。  もう一つ、ココムのことは、じっと待っておって開けるものじゃないのです。すべてとびらはあけてこそ開くのでありまして、非常なる協力が必要なんです。今日まで私ども非常な努力をしてきました。民主党内閣という以上は、自由党内閣と違うところは、それに対して誠実なる努力をしているということであって、今まではココムの解除について努力すればぐちを漏らされる、そういうことでは努力する人はないと思う。今度はとびらを開いた人は論功行賞にする、こういうことになれば、お役人さんたちは努力すると思う。従って、努力せよというスローガン、目標を示してもらいたいと思うのです。それについて大臣はどのようにお考えになっておるのか。中国貿易の打開のスローガンは、わが社会党が率先してやっております。それを民主党がとったということを若い党員はよくいいますが、私は盗んだと思わない。いいことをまねをすることは当然です。ただ、約束をして実行しなければこれは詐欺であって、詐欺罪として告発しなければならぬことになると思うのです。従いまして、そういうことにならないように、誠実に努力していただいて、なおかつ国際情勢の困難があったから十のうち五しかできなかった、しかし岡崎さんのときとは格段の相違であった、こういうふうになってもらいたいと思う。渡航課長もよく聞いておって、頭の洗たくをして、今は自由党内閣でなく、民主党内閣であって鳩山さんの内閣だということをお忘れにならないようにしてもらいたいと思います。そこで、大臣から一言だけ承わって私の質問はこれで打ち切ります。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。私、できるだけ連絡をとりたいと思っておりますが、先ほどお話の見学したい工場というふうなものがありますれば、一応申し出て下さいますれば、私の方から交渉に当ってみたいと思います。  なお、ココムのことは、私は同感であります。これはじっとほっておいたらいつまでたっても解決しません。できるだけ早く、そして強力にこれを交渉するように私の方からもよく連絡をとりたいと思います。

山手滿男日本民主党

○山手委員長代理 田中利勝君。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 時間もありませんので簡単に二、三の問題を経審長官にお尋ねいたします。経済六カ年計画は、経済自立のために六カ年間に一兆七千六百八十四億円の資金の投資を必要とするということになっておりますが、この資金の調達計画の中に、外国資本に対してどの程度依存するという見通しであるか、その点をお伺いいたします。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。現在差し当って外資ということは考えておりません。将来はあり得ることと考えております。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 重ねてお伺いしますが、現在の外資法では、第八条第二項の三で、日本経済の復興に悪影響を及ぼすものと認められる場合は外国資本導入の契約に対して許可してはならない規定になっておるのでありますが、経済六カ年計画遂行上、この法文の上にいう日本経済の復興に悪影響を及ぼすということは、いかなる事態をさすものと解釈するかお伺いしたいのであります。

岩武照彦通商産業事務官(大臣官房長)

○岩武政府委員 私今正確な法文の規定を持っておりませんが、外資法における外資導入の目的は、基礎産業の発展に寄与するものと輸出産業の発展に寄与するものとの二つになっておると思います。それでそれを国内の法律といたしまして、その範囲で外資の導入を歓迎しておることになっております。ただし、今お尋ねのことでございますが、その悪影響と申しますのは、そういうふうな目的に反するような事態ではないかと考えております。当時の立法に携わっておりませんので、詳細のことはよく存じません。

田中利勝日本社会党(右)

○田中(利)委員 それでは私はこれで終ります。

山手滿男日本民主党

○山手委員長代理 本日はこの程度とし、次会は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。    午後五時二十一分散会

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