商工委員会 第5号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/03/30
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 日本経済の総合的基本施策及び通商産業行政の基本方針に関する件について調査を進めます。 まず電気料金改定問題について質疑を続行いたす前に、提出の資料に基く政府委員の説明を聴取することにいたします。公益事業局長中島征帆君。
○中島説明員 昨日お配りいたしました電気料金関係資料につきまして御説明申し上げます。 初めから順を追って参りますが、初めの二枚は閣議決定とその内容の詳しい説明でありまするので、これは省略させていただきます。 三ページに需給計画というのがございますが、これは昨年二十九年度の下記から三十年度の上期にかけての一カ年の需給の見通しを掲げたわけであります。この需給の見通しに基きまして先般の料金を改訂いたしますときの原価計算の基礎にした、こういうことになっておまりす。この表によりましておもな点だけを申し上げますが、全体の供給力が、一番右の欄の上から四行目にございますが、全国で五百十六億キロワット・アワーということになっておまりす。それからこの場合の途中の損失率が二三・五、これは後にも出て参りますが、こういうふうになっております。この二三・五という数字は、逐次毎年少しずつ下って改善されておる数字であります。従ってこの途中のロスを差し引きますと、その次に需用端供給力というのがありますが、結局需用家が使えるものが三百九十二億キロワット・アワーとなっております。これが実際に需用家が使います電力量であります。それから少し下の方に供給種別内訳というのがございまして、電灯、一般電力、特別大口、特約電力とございますが、これで見ますと電灯の全国計が七十一億、それから一般の電力の計が百五十八億、その他特別の大口が八十億ございますが、電灯が全体の中で二割余りという数字を示しておまりす。他は産業その他の電力である、こういうことが言えると思います。それからこの場合におきまする石炭の消費量は八百九十二万トン、重油が三十四万六千キロリットル、こういうふうに想定いたしております。 次に会社別総括原価といたしまして、これも会社別に原価の内訳を示しております。おもな点だけを申し上げますと、一番上に給料手当というのがございます。総括原価の合計が、下の方にありますように二千二百億になっておりますが、そのうちで三百六十五億が人件費関係、次に二つ置きまして燃料費というのがございます。四百四十七億。これは先ほどの石炭と重油両方になっております。次に二つ置きまして維持費というのがございます。二百三十四億という大きな項目でございます。これは修繕でありますとか、そういうふうな一般の経費に当るような事項でございます。それから中ほどから少し下に減価償却二百五十一億、減価償却の関係でこれだけのもの、こういうわけであります。その下に続いておりますのは、法人税・事業、いずれも三十億余、固定資産税が七十一億、こういうふうになっております。それからその四つばかり下に支払利息二百五十五億という大きな項目がございます。それからいつも問題になります配当金でありますが、これは一割二分の配当を予想しての数字でありまして、これが六十九億ということでございます。全体といたしまして二千二百十一億というのがこの一年間の総括原価として算定されたのでありまして、そのほかに地帯間のやりとりあるいはその他の雑収入等を差し引きまして、実際の純原価というものが一番下にありますように二千十七億九千万円というのが今回決定されております電力原価であります。 次に、第五表の新旧料金収入比較表というのがございます。これは電灯、電力、それぞれの種類別に大体どのくらいの需用率があり、それに対しましてこれはいずれもこういう種類別の料金が違いますから、どういうふうな料金が入るかということを算定いたしまして、改訂前の旧料金と比較したものであります。この表に誤りがありますので、大へん恐縮でありますが、この機会に訂正させていただきますが、注の1と2と3に上の方の表の二段になっております数値の説明がしてあります。註の2の「括弧内の数値は大口電灯3KWを契約電灯以上」云々とございますが、これは「大口電灯を契約3KW電灯以上」、こういうふうに御訂正願います。つまり「3KW」というこの三字を契約と電灯の間に入れかえていただきます。そうしますと、あまりよくわからぬ注でありますが、その方が意味が通ずると思います。上の表で二段に数値が書いてあるところがたくさんございます。このうちでカッコのあります数字は、いずれもその下に点線に実線がありますが、そこでちょっと線の引き方を間違っておりまして、カッコの上にすべきものがカッコの下になっておりますから、そういうふうな意味でお読み願いたいと思います。従ってこの注に説明がございますように、上段数値とありますのは、つまりカッコの下の実際の数字の上の数字、つまり線の上のカッコの数字のことを言っておる、こういうふうに御了解願います。そとで一番右の方に値上げ率というのがございます。これは各種別ごとに、旧料金によりました場合と新料金によりました場合との全国の合計でありますが、値上り率が出ております。たとえば定額電灯の場合におきましては、電灯は七・六%上っております。定額にもいろいろございますが、それを全部集計いたしまして一〇七・七とありますのは、七・七%の値上り、こういうことになっております。それから従量電灯はその下にございますように、八・三%、大口電灯は一五・八%、臨時電灯は一二・二%、電灯全体といたしまして一〇八・九とございますように、八・九%の値上りになるわけでございます。 それから業務用、小口、これは今申しましたように、カッコの数字とその他の数字と並んでおりますが、カッコの数字に下の方につくものであります。たとえば小口電力低圧といたしまして一〇九・二、これはそのままでいいわけでありますが、小口電力高圧、これは一〇三・七がいわゆる燃料費調整をしない前の、石炭の割引をしない前の値上り率であります。その点線の上に一一三・七とありますのは、もし燃料費の割引をした場合に旧料金と比べてどうなるかという数字でありまして、その場合は一一三・七、一三%程度の値上りになる、こういうふうなことであります。いずれもカッコとカッコでない数字とは、そういうふうな意味を持つわけですから、御了解願いたいと思います。 それから大口電力、これは合計いたしまして、その少し下にございますが、一〇二・四、これは乙、丙の合計でございます。すなわち大口電力は二・四%の値上り、ところが大口の方は燃料費の調整を行っておりますので、燃料費を割引かれたものとして比べますと、その上にカッコにありますように、一四%程度の値上り、こういうふうになっております。それで全体を合計いたしましたのが、一番下にあります一〇六・〇、つまり六%の値上り、全部燃料費調整を考えますと、その上にあります一一一・二、これが実際的な値上り率、こういうふうなことになっております。これは上にありますように、一年間の経過をとった数字であります。 それから次の第六表は、これは料金表を簡単に各地区別に出して、これによって大体使用者といたしまして、どういう使い方をした場合には幾らになるかいうことが、この表から計算ができるわけでありますが、この表の説明は省略させていただきます。ただ下の方にアンペア制というのがあります。従量制をとることによって新しく作られた制度でありまして、これはごらんの通りに、北海道から北陸までの五地区にわたってやっておりまして、関西以西では実行いたしておりません。関西以西では基本料金制度をとっております。それから北陸等におきましては、アンペア制をとって、アンペアごとに百円とか二百円という基本料金的なむのをとっております。それから特にアンペア制のワクの下の方に、特定措置としましてちょっと書いてございます。たとえば北海道では最低料金百九十、これは使っても使わないでもこの程度のものはもらうのだという最低料金であります。その下に五アンペア七灯以下とありますが、これは特に少額需用家の割引を強化いたしますために、五アンペア七灯以下というような家庭に対しましては、アンペア料金——ここで上に一〇〇とありますのは百円の意味であります。この百円を五十円にする、こういう措置にいたしまして、五アンペア七灯以下の需用家に対してはこの下期においては全然値上りにならないような方法を講じたい。それは東京においては全然とらない。五アンペア七灯以下はDC一〇〇%引きで行く。東北、東京、中部、北陸の四地区においては、全然とらないということをいたしませんと、値上りいたしますので、こういうふうな措置をとっておるわけであります。 それから二、三枚飛んでいただきまして、十ページの電灯料金比較表とありますが、これは今の料金表によって算定いたしました例示的な説明であります。まず定額電灯について上期と下期というふうにつながっております。上期といいますのは、これは順序がむしろ逆の方がいいわけでありますが、これから四月以降の半年、下期というのは、値上げしてから十月以降三月までの数字になっております。その一番初めの表は、これは夏料金が問題になりましたときにどうなるかということを見る表でございます。現在夏料金につきましては、三割頭打ち制度をとっておるわけでございますが、これで見ますと、定額料金については関西から東の方にはほとんど問題がございません。これは左に二十ワット一灯とか四十ワット一灯とか例示してございますが、ここにあげた程度の需用が一番多くて、これ以外にあまりよけい使うというところは定額電灯においてはございません。従ってこれは大部分のモデル・ケースだというふうにお考えになっていいと思います。関西以東には三〇%以上上るところはありません。いずれも二〇%以下で済んでおります。中国、四国、九州につきましては、下の方に一三一とか一三二というのがぼつぼつ出ております。一三〇越えたところは頭打ちにかかるというわけでございます。しかし定額電灯につきましては、西の方においても三割をそうひどく超過するところはない。こういうふうな実情になっております。次の表は、これは済んだものでありまして、当時定額電灯と少量の従量電灯については、特に値上りにならないように工夫をするということをいたしました。これで見ますと、きのうどなたでしたか、御質問がありまして、絶対に上げておらぬはずだということを私も言ったと思いますが、この表ではごらんになりますように、いずれも一〇〇%以下に下っております。むしろ東京においては下っておる。こういう状況になっております。 その次が従量の七灯以下であります。これは十三ページの方をごらん願いたい。これは定額の下期と同様の特別の措置をとりまして、アンペア制度をとらないということによって値上りを押えたわけであります。これもモデル・ケースを出しておりますが、この場合には大体上りますのが、二十から二十五キロワットあたりのところが値上り率が激しいのでありまして、これ以上使うところは下るわけであります。従ってこの表によりまして、大体網羅されておるとお考えになってもいいわけであります。九州と四国の一部を除きまして、あとは全部一〇〇%以下、つまり全然上っておらぬわけであります。四国・九州は数字の書き方で今度少し一%、二%ばかり上っておるようでございますけれども、この程度のととろはほとんど問題にならないというふうに考えております。 それからその一つ手前の従量電灯七灯以下の上期でありますが、七灯以下につきましては、やはり上期につきましても今の制度をとりました結果、値上り率は比較的少い。しかしやはり上期になりますと、たとえば東北三十五以上、四十、四十五、五十、この辺の需用家は三割から五、六割まで上る、東京におきましてもこの付近の需用家は三、四割上る、中国も同様、北陸も同様、こういうふうになっております。従ってこの辺の需用家が、今回の三割頭打ちの制度を実施されますと、三割までで済む、こういうことであります。 それから昨日これを個々の需用家について料金をきめるのか、頭打ち制度を実施するのか、こういう御質問がございましたが、こういうような表を全部——ここには五キロワット・アワー刻みで出ておりますけれども、これを一キロワット・アワー刻みでつくりまして、つまりこの表を十、十一、十二、十三、十四、十五と、こういうふうにこまかく刻んで表を作りまして、そこでたとえば東北の三十五キロワット・アワーの場合一三八となります。これが一三〇に触るように三百十五円という新料金を訂正いたしまして、二百何円になりますか、そういうふうな数字をここに入れて、そうして全体の表を作りまして、各営業所ともに配っておけば、需用家がどれだけ使ったという場合には、使った数量に応じてすぐ料金が出るということになりますから、実際上そうめんどうなことにはならない。 その次、十四ページには従量電灯八灯以上というのがございます。ただいまごらんになりましたように、定額電灯七灯以下の少額需用家につきましては、特別の措置をいたしましたので、三割以上上るというところは割合少いのでありますが、八灯以上につきましては理論通り実行いたしておりますので、特に上期に対しましては影響が大きいわけであります。 十五ページに、順序が逆でどうも恐縮でありますが、下期の現在冬料金の比較が載っております。これを見ますと、八灯以上につきましても値上り率はそう大きくございません。三〇%を越えますものは、四国の五アンペア、三十キロワット・アワーが四国の一番上にありますが、その程度でありまして、あとは大体三〇以下であります。ところがその前のページの上期が、つまり夏料金でありますと、今までもし夏料金を実施したということで算定いたしますと、いずれも非常に値上りになります。たとえば東北の五アンペア、五十キロワット・アワー、上から三行目であります。それのA分のB、つまり値上りは一九九、ほとんど二倍になるということでございます。これはほとんど北海道、東北、東京、中国、北陸いずれも三割以上七、八割までも上るようなケースがたくさん出てくるわけであります。ここには各アンペアごとに三つの例だけ出ておりますが、大体一番値上りの激しいのは、四十五ないし五十キロワット・アワー使うところが一番値上り率が激しくなります。それはなぜかと申しますと、夏の場合におきましては、地区によって違いますけれども、四十五キロワット・アワーあるいは五十キロワット・アワーが標準料金、つまり各家庭とも安い値段で使えるわけです。それ以上使いますと高い料金になりますから、比較的平均的には高くなります。四十五程度のものが結局今まで一番安い電気を使っておったということになるわけです。従ってそれがそういうふうな制度でなくて、今後はいずれも一本料金になりますので、幾ら使いましても一キロワット・アワー当りの単価は同じという計算をいたしますために、今まで一番有利な待遇を受けておったその辺の限界点にありますところが値上り率が一番激しくなる、こういうことになるわけです。従って値上り率が一番激しいのは、この五アンペアの四十ないし五十、この辺のところが一番高くて、それ以上は幾ら例をとりましても、それ以上に上るものは出て来ないというのが大体の特徴であります。 それから十六ページが総括原価地域差比較表であります。これは先ほどの原価を較差別に見まして、それを電力量で割りました単価であります。いわゆる地域差がここに出てくるわけです。一番上に裸原価単価とございまして、北海道以下ございまして、全国計が五円十六銭、これが平均の値段であります。その中で北陸が二円七十六銭六厘、これが一番最低でありまして、四国の七円三銭二厘、これが最高であります。従って二倍半以上というふうになります。これはこの間に地帯間の水火力の調整をいたしますので、その次に改訂料金単価で違った数字がございますが、実際上販売する場合にはこういうふうな数字になるわけです。もちろん全国の計は同一でございますが、北陸、四国の比較を見ましても、少しその幅が狭くなって、北陸は二円七十六銭が二円八十二銭、少し上りまして、四国の方は七円三銭炉六円八十六銭、若干下っております。それを数字で見ましたのが、その少し下に地域差率というパーセンテージがございます。これを見ますと、裸原価の場合が、北陸が五四に対しまして、四国が一三六、ほとんど三倍近くになっております。それを北陸が五五で四国が一三三というふうに、少し間を詰める、この程度の調整を水火力調整金でもって行なっているということがおわかりになると思います。その下の方は新料金と旧料金との値上り率でありまして、各会社別にはどういうふうな変化になるかということが率でもって示してあります。 その次に水火力発電原価というのがあります。これはきのう御質問もございましたが、実際の全体の総合でありまして、右の方の二十七年度原価というのが改訂前に実施いたしておりました料金の基礎になっております原価で度に至るまでの間に石炭費が相当下っておりますので、その関係での原価減炉一番大きく、それで七円二十六銭が五円三十九銭になっておる。これはいずれも水火力全部の総合でありまして、昨日御質問がありまして、資料の御請求がありましたように、古い発電所と、それからこれから建設する新しい発電所との直接の比較はこれではわからないわけでありますので、これはいずれまた資料を作成いたしましてお配りいたしたいと思います。大体のあら見当で申しますと、かりに古い設備を二十七年度原価に入っております全体の総計に比べますと、水力は一円五銭が三円前後になる。これは発電所によって違いますから一がいに言えませんけれども、三円を少しこえるのであります。それから火力の方は、新営の発電所は非常に能率がいいわけでありますので、能率のいい発電所はいつも稼働率を非常に上げるわけであります。従って上った稼働率に比べますとずっと安くなります。そういう関係もありまして、大体新設は、いわゆる新営火力の原価は五円以下になる、こういうことになろうかと思います。大体そういうふうな傾向になりまして、火力と水力の新しいものはだんだん両方の原価が近づく。古い方は一円と七円幾らというふうに七倍も違っておりますが、新設のものはだんだん近づいていきまして、三円台と四円台というくらいの違いしか出てこないかもしれないわけであります。いずれこれはあとで別の資料によりまして御説明申し上げます。 それから十八ページは、租税金利軽減額内訳(査定原価)、これは先般改訂いたしますときに、できるだけ値上り率を抑制いたしますために、税金表につきまして特別の措置をするように努力いたしまして、その結果がこういうふうなことになっております。つまり合計欄にあります五十四億幾らというものが、改訂前の原価に比べてこれだけ税金及び金利の関係で減った、こういうことになるわけであります。法人税で二十億、固定資産税で十六億、事業税で二億、従って税金関係で三十九億、そのほか開銀金利を一分下げました額で十五億、こういうことになっております。どういう方法によってこういうような計算をしたのかというのは、その下の注に書いてありまして、これは省略さしていただきますが、この注の法人税減免措置の中で、二十九年とありますのは二十八年の誤りでありますので、訂正さしていただきます。 それからその次は、電力会社公租公課、これはまたどのくらい電力会社というものは税金を負担しているかということをちょっと書いてみたわけであります。これはこのほかに、国税といたしまして法人税がございますが、それは載っておりません。大体地方税及び地方に対しまして支払っております使用料その他であります。合計いたしまして、二十九年度においては二百八十一億、こういう数字になっております。 それから次は、電力会社増資状況、これは再編成後どういうふうな増資をいたしたかというその経過を書いております。合計欄で申し上げますと、当初の資本が七十二億、それから二十七年度の下期に有償、無償を含めまして二百一億だけふやしました。これを七十二億に加えたものがその期末の資本金ということになっておりますが、合計したものは出ておりません。両方を合計いたしますと、二百七十三億、それから二十八年度の上期に四億ほどふえております。二十八年度の下期に至りまして全面的な増資をさらに約百五十三億ほどいたしまして、この期末において四百三十億ほどになっております。それから二十九年度の上期にさらに三十一億ほど増資いたしまして、その結果の資本金が約四百六十一億、それから二十九年の下期、最後のところまで入れますと、二十九年度の期末におきまして、これは数字が出ておりますが、いわゆる二十九年度下期末資本金推定というのが下から三行目にありますが、六百十四億、これが三月末、まだあしたもありますが、三月末の資本金であります。こういうふうに毎年相当な増資をしなければならないのだということを書いております。 それから、そういう増資に対しまして配当がどういうふうに行われておるかということがその次のページにございます。二十六年の上下、この一年間は配当はいたしておりません。二十七年の上期から配当を開始いたしまして、一割五分を三期ほど続けております。昨年二十八年の下期からこれを三分落しまして、一割二分というところで現在まで続けております。 それからその次の二十二ページに電気事業減価償却不足状況というのがございます。これは電気事業の固定設備が実際どういうふうに評価されておるか。これは実際上の償却が足りないために、本来であればもう少し高く評価すべきところを、実はそこまで評価されておらぬ、こういうことを言っておるのでございますが、この(A)といたしまして再建設備八千百八十億、これが第三次再評価をした場合の評価額でこれに対しまして、実際は(B)にありますように、第三次再評価の限度額は三千八百九十億、従って実際上、その次にありますように四千二百九十億だけその間に償却がされておらなければならない、こういうことになるわけであります。ところが実際上は、実績償却額がその次にありますように千二百三十億しかしてない。従って償却不足としまして三千五十億ほど不足になる、こういうわけであります。ですから、この第三次再評価限度額が三千八百九十億でなくて、これに三千五十億を加えた六千九百億程度のものであればこれは正常な評価ということが言えるわけでありますけれども、これがそこまで行っていないために、実際上の評価は少い。従って今後も常に理論的に考えられるよりも少い償却をしていかなければならぬ、こういうふうな立場に置かれております。それはなぜかと申しますと、電気事業につきましては税法上の取扱いで、これは水の出方によって非常に業績が違いますので、その間の融通をつけますために、定率法の償却をとるという建前にしておりますけれども、実際は定率法でありますと非常に償却費がかさみまして料金が上りますので、料金計算上は定額法の償却をするという前提で進めていく。従って会社といたしましては定率法の範囲内で償却できるわけでありますけれども、実際上それだけの余裕がなくて、定額法の程度しか償却されておらぬ、こういうふうな状況であります。実際上は定額でやっておりながら、税法上の建前は定率ということになっておりますので、第三次再評価をいたします場合には、やはり定率法で行ったものとして限度額を算定いたしました結果、こういうふうなことになっておるわけであります。ですから、現在償却額が非常に多く出ておりますけれども、それでもなおかつ理論的に言いますと足りないということになります。こういうことを申し上げておきます。 最後に合理化の経費ということであります。これは合理化の内容はいろいろございますけれども、一応普通に考えられる項目をあげております。まずロス率、それから一人当りの従業員の能率、石炭の消費率、利用率、これがここに出ている項目であります。ロス率、これは途中のロスでありますが、昭和二十二年度で三割ありましたのが、二十六年ぐらいから減りまして、八年度は二三・五といろ数字になっております。先ほど申し上げました二十九年度の実績はまだ出ておりませんけれども、二三%以下になっております。二二%台になっておる状況であります。それから一人当りの販売電力量、つまり総供給量の増加に対しまして従業員がどういうふうになっておるかというわけであります。実数はここに出ておりますようにほとんど増減がございません。二十二年度と二十八年度と比べましても、数百人程度減っているという状況であります。それに対しまして実際の発電あるいは販売電力量は上の方にありますように相当ふえております。それで一人当りの販売電力量を見ますというと、当初の十五万三千キロワット・アワーから現在二十七万九千キロワット・アワーというふうに、二倍近くふえているわけであります。ということは従業員の努力として見られております。 それから次の石炭消費率、それは火力発電量におきまして、いわゆる能率の高い新鋭の機械設備が入りましたので、逐次向上いたしております。初めはキロワット・アワー当り一キロでやっていましたが、最近では逐次減りまして、〇・七六キロというふうに下っております。 それから利用率——利用率と申しますのは、これは水力設備がありましても・実際上修理その他によりまして水が出ても使わないわけであります。設備がボロである限り、利用率は非常に低いわけでありますが、それがだんだん向上して来たということをここで言っているわけであります。つまり二十五年度ころにおきましては一割くらい実際上水が出るところが遊んでおった。それが最近では一〇〇%足らずということになっております。これが一〇〇%になるということは、不可能であります。七・八%の停止率ということであれば、まずまず利用率も相当高いというふうに見て差しつかえないと思います。以上が大体のこの表の説明であります。 なお水火力の新設のものと古いものとの比較表は後ほど作成して御配付いたしたいと思います。 それから電気料金対策要綱、これは昨日の閣議決定でありまして、厚い方の資料の初めにあります二十九年八月五日の閣議決定をこれによって補充するというような意味でごらん願いたいと思います。
○田中委員長 皆様に申し上げます。が、大臣はあと五分くらいでお見えになる予定であります。それまでの間、ただいまの説明に対して御質問があれば許します。
○中崎委員 その前に議事進行として。料金に関する問題を検討するにあたって、大蔵大臣の出席を要求しておきたいと思います。それで、委員長の方で・あわせてその点一つ御努力願いたい。
○田中委員長 そのようにいたします。 〔委員長退席、内田委員長代理着席〕
○内田委員長代理 それでは昨日の質問に続きまして、中崎敏君の御質問を御継続願います。
○中崎委員 電気料金の引き続いての質問でありますが、きのうの閣議における決定等を土台といたまして、今回四月一日から電気料金の内容について、今までの行き方について多少の変更が加えられるような決定がされておるのかどうかをお聞きしたい。
○石橋国務大臣 昨日も申し上げましたように、電気料金が以前の、昨年までの夏料金に比較して三割以上上る、これは家庭の電灯の現行料金をそのまま四月以降に実行する場合には、昨年まで実行されておった夏料金に比較して相当の値上りがある。その中で、三割以上上るのは三割までで打ち切るということをいたしております。もう一つは現在産業方面の電力も三割頭打ちをいたしております。それが昨年の取りきめでは九月まで実行するということになっておりましたが、それをやはり来年の三月末まで継続してやらせる、かようなことをいたしたい、こう考えて、いわゆる電力会社との話し合いをしておるところでございます。
○中崎委員 ただいまの大臣の言明によりまして、電気料金の改訂がこの四月一日から行われる。とれば全面的であるかどうかは別として、いずれにしても改訂が行われる。そういたしますと、旧公益事業令——これが現在適用されておりますが、この規定に基いて聴聞会にかける必要があると思っておるのでありますが、大臣がこの点についてどういうふうにお考えになっておるか、お聞きしたい。
○石橋国務大臣 四月一日から実行したいという時間の問題と、それからこれは電力会社の自発的な努力でやるという意味で急ぎます関係上、聴聞会等は省略してやりたいと思っております。
○中崎委員 前内閣においてもそうでありますが、現内閣においてもこうした法律の規定を明らかにじゅうりんしておる、無視しておる。急ぐとか急がぬとかいうが、これは理由にならない。ことにきのうも申し上げましたように、電気料金の改訂についてという昭和二十九年八月五日の閣議決定と、並びに当時通産委員会において前通産大臣がしばしば言明しておりますところの事項に従っても、会社の努力目標と金利の引き下げ並びに税金の引き下げ等を総括的に含めて、さらに料金の値下げについて、四月一日以降の実施には一応国会に諮るということをも含めてでありますが、そのときにおいては、もちろん聴聞会にもかけられるものであるということも前提の上に立った了解だと思っておるのでありますが、これらのことが一つ一つ無視されて、そして単に急ぐから、あるいは会社の努力で自発的にやるのだ——自発的にやるやらぬにかかわらず、料金の改訂に変りはないのであります。そうした趣旨に従って、料金を自発的にやるにしても、どの程度自発的にやらせるのがいいのか悪いのか。これは政府の権限において、職権においてやるべき事項であります。会社がどの程度やるといってもそれがいいのか悪いのか、さらにそれをどういうふうにするのかということは当然政府がなすべきことであって、政府の責任においてなすべき前提であると思うのでありますからして、勢いこれは当然聴聞会にもかけ、そしてまた国会にも諮ってやるべきものであります。国会に諮るということは、これは法規上の要請ではないかもしれませんが、前大臣等の考え方を含めて、また聴聞会にもかけるということであるから、一応これは良識をもって国会に諮ってもらいたいというふうな考え方をも含めてでありますが、そういう意味において二つのことをあわせてやられるということは望ましい姿だと思うのでありますが、その点についてお聞きしたい。
○石橋国務大臣 御意見の御趣旨はよくわかります。ただ今度は供給規程の変更によらない、規程以外の条件によって通産省が認可する、こういうふうな形をとって実行いたしたい、こういうわけでありますから、なお根本的に改訂をする場合に、むろん供給規程に変更を加えるというような場合には、これはもう聴聞会も開かれるものと存じておりますが、今回の場合はさようなわけで手続を省略しても一応の筋が立つ、かように考えております。
○中崎委員 非常にこれは私たちにはわかりにくい、納得の行きかねる問題でありまして、供給規程がどうとか、供給の何がどうとかというふうな、そういうしゃくし定木的な解釈による問題でなくして、ことに電気料金に関する問題というものは、国の産業並びに国民の生活に重大な関係を持つものであります。それだけ国民というものが、真剣にこの問題について深い関心を持っておるのであります。従いましてこの四月一日からというものは、当然あの高過ぎるところの料金ではやり切れないから、何とか、政府の方でもやってくれるという期待の上に立って待っておるのであります。それを単に政府の一方的な業者との話し合いによって、これは少しも明々白々というのじゃなしに、むしろいろいろなことを思わせるような上に立ってのごとでもありますだけに、もう少し明るくこの問題を処理してもらって、言いかえれば業者にサービスするということは、むしろ従であって、国の経済並びに国民の生活に奉仕するのだという考え方の上に立って、もう少し真剣に取っ組んでもらいたい。いかに宣伝をうまくやろうが、口先だけで大衆を欺瞞するという今までのあの行き方を改めて、もう少し真剣に、この問題と取っ組んでもらいたいという意味合いにおいて、この問題は多少実施を延期するにしても、もう少しすっきりした形において一応の手続をとるというふうな考え方をもってひとつ進んでもらいたいと思うのでありますが、この点についてもう一度大臣の御意見をお聞きしたいと思います。
○石橋国務大臣 御意見のように私どもも考えております。しかしながらそれをちゃんとやるのには、きのうからもしばしば問題になっておりましたけれども、税金の問題も考え、金利の問題も考え、そればかりでなく水力開発の場合の設備資金をどういうふうに分配するか、全部電気におっかぶせるか、それともほかの方へというような問題もあります。しかしまた昨日も一部にお話があったように、公社にしたらいい、あるいは国営にしたらいいという議論まで取り入れて十分検討いたしませんと、ほんとうの案が出てこない。それをやっておると、まことに残念でありますが、時間が相当かかって四月一日からとにかく家庭料金が非常に高いのをどうかしてくれという希望に応ずることがむずかしくなりますので、根本問題はあとに残して、その際に十分の手続を踏んで審議をやらなければなりませんが、この際は簡略な措置によって、とにかく家庭料金の高過ぎるところを押えるということだけをやらしていただきたい、かように考えております。決して暗いことをやるとか、業者を保護するとかいう意味ではないのであります。何とかこの際少し、でも家庭料金の低下をはかりたい、こういう意味であります。
○中崎委員 公明正大にやってもらいたい、こういうのであります。言いかえますと、こういう事項は本来から言うと、やはり聴聞会にかけるべきである。四月一日から値下げを約束しておるのでありますが、三割頭打ちというほとんどどれだけの影響があるか問題にならぬような問題を非常に大きなように大衆にアッピールするような宣伝の仕方をしておられるようでありますが、われわれから見た場合、大した問題じゃないのであります。三割まで引き上げるというところに大きな問題があるのであって、そうしたような問題を含めて当然聴聞会にかけて意見を聞いて——たとえば新聞なんかによると、大蔵大臣が開銀の金利の引き下げについても通産大臣の努力にもかかわらず反対をしておると書いてある。ほんとうは大蔵大臣にも来てもらって実は質問をしたいと思っておるところなんでありますが、国民は金利の引き下げが直接料金に関係があるがゆえに非常な関心を持ってきておる。こういうことについて大蔵大臣の考え方を変える意味においても、やはり聴聞会にかけて、ほんとうに公正な冷静な大衆の意見を聞くのだというような手続をとられた方がいいのではないか、こういうことを聞いておる。かける考えがあるのかないのか、かけるとすれば一体どういう時期にかけようとするのか、そこらの大よその見通しを聞いておきたい。
○石橋国務大臣 ただいま申し上げましたように、今度のは不満足なることに違いありません。不満足の程度でも幾らかでもやる方がいい、こういう考えでやりまして、今度の四月一日から実施することについては聴聞会を開かないつもりでおります。ただし先ほど申しましたように、なお根本的に至急に検討して——これは石炭の問題、製鉄の問題等にも関連いたしますから、単に電力だけの問題としては取り扱いかねるわけであります。しかしこれらの問題を全部含めまして、この電力料金について、これで数年はいけるのだ、こういう確信がつきまましたところでその案を出して聴聞会等も開きたい、こう考えております。
○中崎委員 電気料の問題はなるべく安定した方がいいということは言えるのでありますが、数年も変えないような名案をお持ちになるという考え方でおやりになるのですか。今のような高い料金で数年もやられるということになると国民がやり切れぬ場合があります。その点もう一度お聞きします。
○石橋国務大臣 数年という数字がいいかどうか、これは問題ですが、先ほど申しましたように、五カ年計画を今のままの制度でやっていきますと、二割ほど料金が上るのですから、それを押えるという方策をとれば、相当長い期間にわたって電気料金は安定できるのではないかと思っております。
○中崎委員 次にお聞きしたいのですが、九電力会社の状況は、昨年の十月の料金の改訂以降相当に内容がよくなっておる。これは帳面の表面に出されておるものですが、ほんとうに帳面上いろいろな意味で隠されておるというか、保留されておるというか、そういうものも含めて政府において当然検討しておられると思いますので、その計数的な内容について、すみやかにお出しを願いたい、また御説明を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 その資料は御要求によりまして、ただいま通産省で調べておる限りのものはお目にかけます。
○中崎委員 私の聞いておるところによりますと、ある電力会社のごときは、初めから予想しておったのかもしれませんが、われわれに知らされておったいわゆる一割二分なりあるいは一割五分配当をするに必要な範囲をこえた収益が十月以降どんどん出てきておるというのですが、それほどの利益があるのかどうか。大体数字を示してもらえば一番よくわかるのですが、そこに今局長も専門家もおるのですから、こまかいことはいいとして、大体のところでも一つ発表願えれば、大へん好都合であります。
○石橋国務大臣 まだお配りするようにできていないそうですが、配られるように至急にやります。これはお話のように確かに成績はいいようであります。これは渇水が割合に少なかったとか、あるいは石炭の値段が下ったとか、あるいはロスが減ったとか、いわゆる会社自体の企業努力と自然条件の良化というようなことによって、予想以上に財政的ね成績がよかったということは事実のようであります。それで今度の企業努力のみによって、とにかく三割頭打ちをする。これはどのくらいの計算になるか実はわからないのですが、通産省の計算では、三割頭打ちと仮定いたしますと、約十四億円程度の減収になる。会社自身は二十四億円になると言っておるようであります。それからさらに電力の三割頭打ちを継続しますと、これはまったく計算はできないのですが、あるいは数億といい、あるいは十億といってはっきりいたしませんが、とにかく数億円の違いはある。それらのものを会社に負わせるということは、今お話しのようにいろいろの——われわれは一口に企業努力と言っておりますが、会社自身の経営の思いのほかに良化してきたということによって、それでやらせる、こういうように考えております。
○中崎委員 金利の問題については、いつどういうふうになるという見通しを持っておられるのか。税金の、ことに法人税の四割二分を四割にするというようなことも言われておるのですが、一体これはどういうふうなときにどうなるのか。さらにそのほかの地方税等にも関連して、一体どういうふうになるのか。そうした料金に直接関係がある問題は、一体いつどういう時期にどういう解決をして、料金の点については、大よそどういう見通しを持っておられるのか、それを一つ責任のある立場において、この際明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○石橋国務大臣 税金及び金利の問題は電力だけでなく、先ほど申しましたように石炭の問題も至急に何とかしなければならない時期になっておりますから、それらの点から考えまして、たとえば石炭、鉄鋼、電力その他について必要な法案を今度の国会においてどうしても御審議を願わなければならないのですが、それらの法案は本予算が大体決定いたしまして、その上に立って作られるわけです。ですから本予算が作成されるまでには大体の見当はつけねければならぬわけであります。それまでにはつけたいと、こう考えてわれわれ努力しております。 それからどのくらいの電気料金を下げ得るかということは、これは今まだはっきりいたしません。とにかくうっちゃっておけば二割も上るということを押えるということだけはむろんいたすわけであります。どういう数字になるかということは、今私としては申し上げかねるのであります。
○中崎委員 今の三割頭打ちが、来年の三月まで有効であって、それから先はもう手放しに三割が四割になろうと、この表によれば、今の段階ではいろいろ高いものもできてくるようであります。その後になっては……。そういうようなものも放任されて、高いっぱなしになるのだ、制度上からいえばそういうことに触るようでありますが、その来年の三月ごろまでまだほったらかしにして、金利とも税金の問題とも取っ組まないでおかれるような見通しなのかどうか。そこらのところをおききしたい。言いかえますと、大体五月なり六月ごろになり、予算のおよそ通過するころには新料金の改訂の見通しがつきのかつかぬのか、そこらをお聞きしたい。
○石橋国務大臣 暫定措置として一応三月三十一日という考えにして、これも今度もう時日もございませんので、そういうふうに電力会社と話し合って、その間に根本策ができまして、新しい料金が実行できるようになれば、それによってやろうと思います。
○中崎委員 それでは一応私はこれで質問を打ち切ります。
○内田委員長代理 お諮りいたします。電気料金改訂に関する質疑の通告をなさっておる方が、永井勝次郎君外三名残っておられまして、そのほか一般質問の通告ないし御要望の方が九人あります。従って電気料金の改訂の問題につきましては、で登るだけ重複質問を避けていただきまして、なるべく時間を詰めて、従来御発言のない方々にも多く発言をしていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。永井勝次郎君。
○永井委員 石橋通産大臣は、就任以来電気料金の値下げの問題、重油の値下げの問題、また民主党内閣の農林大臣は、硫安の値下げの問題、砂糖の問題と、自由党内閣の時代において問題になっておりましたこれらの諸点に手を染めて、国民経済的な立場でこの問題の処理をしようとする努力を示しておられますことは、まことにけっこうだとわれわれは考えておりますし、その努力に対して敬意を表するのであります。世論にアッピールするためにちょっと上つらだけをなでただけで、ほんとうにこの問題を掘り下げて、根本的に解決しようとする努力が欠けますならば、われわれはまたこの議場を通じて、十分にその腰抜けを鞭撻しなければなりませんし、大いにこれと戦って行かなければならぬと思っておりますので、腹を据えて、腰を据えて、言いわけ的なことでなしに、ほんとうにまじめにやっていただきたいということを願う次第であります。ただいま中崎君の聴聞会を開くかどうかという問題について、今度の料金の問題は、単に三割頭打ちということをやっておるのであるから、従来の供給規程を変更するものではない。従って会社の自発的な措置にこれをまかせるのだというような答弁を大臣がなされたと思うのでありますが、私は今度のそういうような政府の措置をしようとすることは、旧公益事業令における供給規程の変更であると考えるのであります。これはどういうふうに考えておるのか。供給規程の変更ではないかどうかということを明確にしていただきたい。
○石橋国務大臣 供給規程の変更ではないと解釈しておるわけであります。
○永井委員 その理由は。
○石橋国務大臣 それは先ほど申しましたように、単に電力会社の企業努力によって三割より上るところを押えるだけのことでありますから、供給規程を変更してやるのでないのでありますから、供給規程以外の許認可事項としてやろう、こういうことであります。
○永井委員 ずいぶん勝手な理屈があればあるものだと思うのであります。旧公益事業令によりますと、三十九条では、供給規程は政府の認可事項である。それから四十一条では供給規程の変更命令を政府がすることがある、また変更処分をする、これは社会的、経済的の変化があった場合にこういう措置をするということを四十一条で規定しておる。そうして四十二条では公益事業者は、供給規定以外の条件で供給してはならない、こういうふうに規定してあるのであります。ただし特別の事情がある場合、通産大臣の認可を受けた場合はこの限りにあらずと、こういうただし書きがあります。おそらく通産大臣は旧公益事業令の四十二条のただし書きによって、この特別の事情があるという理由で、これに認可を与えて、実施を四月一日からしようとしておるのだ、われわれはこう了解するのでありますが、供給規程の変更ではないのだ、四十一条によるところの変更命令、変更処分の限界ではないのだということになると、一体前回認可を与えました料金制度というものは何であるか。それに対する変更ではないのかどうか。そうして四十三条には、供給規程公表の義務があるわけであります。これは供給規程の変更であるとわれわれは考えるのでありますが、大臣は供給規程の変更ではないのだ、そうして各戸における料金は変ってくるのだ、供給、規程が変らないで料金が変るということはあり得ないと思うのでありますが、しかもそれは、従来の料金と、この三月三十一日までの料金と、四月一日からの料金との間に差ができる。それは供給規程の変更によらないでできるのだとするならば、そういう変更は一体何の理由によって、行政措置でそういうことができるのか、これを承わりたいと思います。
○石橋国務大臣 お話のようにただし書きによってやりたいと思っておるわけであります。
○永井委員 ただし書きでやるとするならば、これは供給規程の変更ではないです。四十一条におけるところの供給規程の変更命令を出して、それによるところの変更でないです。さっきは、これは供給規定の変更でないのだと、こう大臣が言ったのですが、前言を取り消しなさいますか、どうです。
○石橋国務大臣 私は実はそういう法律のことをよくわかりませんが、これは事務的に研究した結果、供給規程の変更ではないと、こういう解釈をとっております。
○永井委員 現在も……。
○石橋国務大臣 はあ、そういうわけです。
○永井委員 そうすると、四十二条のただし書き、特別の事情がある場合、通産大臣の認可を受けた場合はこの限りにあらずと、これは会社としては供給規程以外で供給してはならないという制限が付されております。従って供給規程以外の規程で供給するときには、たとえば四十一条によるところの会社自体の関係でなくて、大臣が変更命令をする、そうして変更処分をする、こういう場合においては、これは供給規程の変更をすることができるのだ、こういうことなんで、供給規程の変更をしないで料金が変ってくると、こういうことは私はあり得ないと思うのですが、大臣が法律のことはわからないというならば、局長のこれに対する事務的な見解を一つ承わりたい。
○中島説明員 供給規程を変えまして、料金制度そのものを変更する場合には、むろん供給規程の変更手続をとるわけです。今回の場合は、規程はそのままにいたしておきまして、供給規程の条件以外の条件で供給いたしますという例外的な認可申請をさせるわけです。そういたしますと、それは規程の変更ではなくて、供給規程以外の条件による認可の方法で行えるわけでありますから、実際問題としましては料金制度そのものをかえないで料金をかえることができるというわけであります。
○永井委員 供給規程以外の例外規程を置くというそういうばかな例外規程が、一体料金の問題に影響してくるのですか。そういう例外規程が供給規程の変更にならないのかどうか。例外ということは、従来の供給規程はそのままにたなざらしさせておいて、実際はこういう例外規程で料金をとるのだ。こういうことは一体変更ではないのか。供給規程の変更でなくても、料金の変更になるのではないか。
○中島説明員 これは規程変更ではございません。実際問題として支払い料金が規程通りのものと違ってくるという結果にはなりますが、この場合におきましては暫定措置であるということと、それからその規程が非常に軽易であるということのために、これを例外的な措置でもって行うことが可能だ、こう解釈されます。
○永井委員 例外規程であるということを一応承わっておきましょう。そうすれば例外規程にいたしましても何にいたしましても、これの変更のある場合においては、これを公表する義務が公益事業法の四十三条で規定されております。この義務は実施の十日前までに見やすい場所に掲示すべきことを規定しているのであります。閣議決定は昨日であるということを聞いております。実施は四月一日からと承わっております。そういたしますと、こういう料金の変更については十日前に見やすい場所に公表して、公示するという義務を政府は負っているわけですが、これに対して四月一日からの実施が可能であるかどうか。旧公益事業令を無視しない限り、四月一日からの実施は困難であると思いますが、その関係はいかがですか。
○石橋国務大臣 規程の適用は、今の事務の見解では公表は必要ない、こういう見解をとっております。
○永井委員 大体法律の限界において行政をやるという義務を行政官は背負わされていると思うのです。それを勝手な解釈でこれは例外だ、これは例外だ、そして十日前に公示するという義務も無視して勝手にやる。今回の場合は料金を値下げするということでありますから、国民大衆からの反撃というものは割合に少いかもしれませんが、値下げということが大臣の独断で、一方的な解釈で規程を無視してやることができるならば、これは値上げの場合の措置でも、こういう例外規程を置いて、公示しないで、聴聞会も開かないで、公益事業令を無視してやるということが可能になってくるわけですが、そういう独断な解釈が許されるのかどうか。大臣は常識上こういうことをやることが正しい法律解釈で、正しいことをやっているのだという見解に立っておられるのか。あるいは国民の輿望にこたえて、一日もすみやかに値下げを実施するという便法で、これは全く例外でこういう措置をするのである、こういうふうに考えておられるのか。法律をその通り実行するためにこういうことができるのだと考えているのか、この点明確にしてもらいたい。
○石橋国務大臣 それはあなたから教えを受けたように実際国民の要求の、満足ではないでしょうが、一部にでもこたえたい、こういう一念から出たわけであります。それは論理的に申せばこういうふうに幾らかでも値を下げる何をやれば、値上げの方もできるのじゃないかという論理も出て参ると思いますが、今回の場合は例外として去年から問題になっているものを実行したい、こういうわけであります。
○永井委員 値下げというのは言いわけ的なもので、実際は値下げというようなものにはなっておらない。そしてしかもその措置は一切の手続関係を無視して四十二条の供給規程の変更を、これは変更でなくして例外であると言う。そうして供給規程の公表の義務をじゅうりんしてこれは便法である。それから公益事業令の六十条一項二号によるところの三十九条、四十一条の実施の場合には聴聞会を開かなければならないという、先ほど中崎君から質問されたこの聴聞会も開かない。こういう手続規程、法律を無視して今回の供給規程を変更しようとしているわけであります。しかも前回の料金改訂に当りましては、当時の大臣は料金の決定、認可権は行政権であるから議会の方は知らさなくてもいいのだ、ただこういうふうになったという結果の報告だけをすればいいという考えであるのかどうか。そういうことをやるならやるでわれわれはまた別個の決議権限でこれに対抗することもできるのだがと言ったら、これはまったく特別の条件であって、次回からはこういうことはいたしません、十分に議会にも内容を公示いたしまして審議の機会を与えますし、聴聞会その他の手続を十分とります、ということをこの委員会において明確に約束した。前回も特別なんだ。また半年たった今回も特別なんだ、こういうことで法律を無視し、決議権をじゅうりんするような措置がなされることに対しては、われわれはこの委員会を通じて通産大臣に、なおひいては民主党内閣に対して重大な警告を発しておかなければならぬと考えるのであります。この問題はこの程度にしておきます。 次に三割頭打ちの値下げの対象がまだ明確になっておりません。公共用並びに準公共用は三割頭打ちとする、こういうようにわれわれは聞いているのでありますが、この三割頭打ちの値下げ対象をこの機会に明確にしていただきたい。
○石橋国務大臣 その点は政府委員から説明をいたします。
○中島説明員 ただいまの三割頭打ちの名前というのは、産業関係の電力の頭打ち、こういうふうに解釈しております。電灯の方は定額従量とはっきりいたしております。電力の方の頭打ちをされております事業は、いわゆる公益事業のほかに、地区によって若干違いますけれども、製氷、冷凍、石炭、酸素、製粉、精麦、紙及び類似品、金山、鉄鋼、電機、ビール、炭素、医薬品、ソーダ、製塩、化繊、化学工業、金属工業、機械、これだけの種類が対象になりますが、地区によってこれは若干違います。
○永井委員 なぜ小口電力を対象にしないのか。対象にしない理由は何ですか。
○中島説明員 小口も入っております。
○永井委員 小口一のうちの公共用及び準公共用として業種別に入っておるので、小口一電力としてこれを対象にしていないのはどういう理由ですか。小口電力は上ってもさしつかえないというのか、また実質的に三割以上の値上りがないというので、これを対象の外に置いたのか、これを承わりたい。
○中島説明員 小口はいかなるものでもすべて頭打ちをとるんだということであれば、小口電力ということで規定するわけでありますが、大口、小口の区別なく公共用及びこれに準ずる業種につきましては全面的に頭打ちをする、こういう建前をとっておりますので、小口という分け方をしていないのであります。
○永井委員 結果的にはそうすれば大口の方には調整電力・調整用のものもあり、何もあって、実際には電力料金はそう値上がりが影響しておらない。小口や家庭電灯に相当これがしわ寄せされておるので、今日これが問題になっておるのでありますが、そのしわ寄せされておる小口電力の中から、公共用というものを業種別にただ抜き出して、これを対象にして小口電力一般は値上げほうだい、こういうことにすることは石橋通産大臣の今回の電力料金に対する考え方の基本的な考え方とだいぶん背馳するようでありますが、大臣はこれに対してどういうふうにお考えになりますか。
○石橋国務大臣 お説のように、中小企業が使っておりまする電力が高いということでまことに困っております。しかしこれも今度はとにかく家庭用電灯だけに手がつけられるのでありまして、小口電力をどうするかという問題は、やはり後の全体の根本計画の上に立たないと、ただいまのところではできないと思います。なぜかと申しますと、現在のやり方では家庭電灯の三割頭打ちだけで十数億ないし二十数億の資金と申しますか、それだけの減収が起る。それから現在やっておる産業用の電力の三割頭打ちだけで、これははっきりいたしませんが、数億ないし十億程度の違いがあるんじゃないか、こういうわけでありますから、これをさらに全面的に小口電力を下げるということは、どれほどの負担になるか知りませんが、それにはもっと検討いたしませんとやれない、やりたいという意思はありますが、現状においてはやれないと思います。
○永井委員 今回の三割値上げ頭打ちという原因が企業努力によったのだということを盛んに先ほど来強調されておるようでありますが、一体今度の値下げの条件の中に、企業努力による、たとえばロスを減らした、あるいは水力の利用率を高めた、こういうような企業努力によるパーセントは何パーセント含まれておるのか。今度の値下げの原因は、そんな実質的に見た企業努力の内容ではなしに、石炭の値下り、それから火力の石炭消費率の向上、こういうものが主要な原因であって、企業努力などというものはほとんどつめのあかほどもないではないか、こういうふうに考えておるのですが、企業努力、企業努力と表看板に掲げておる条件というものは、今度の値下りの中で値下りを可能であるとする条件の何パーセントが企業努力によるものであるか、これを明確に数学的にお示しを願いたい。
○石橋国務大臣 先ほども申しましたように、大ざっぱにただ企業努力という言葉を使っておるだけで、つまり会社の経営上に出てくる黒字を利用する、こういう意味で申したのでありまして、それは確かに石炭の値下りあるいは実際に雨がよけいに降って豊水であったために、自然の条件の良化あるいは周囲の条件の良化がだいぶん入っておることは事実であります。
○永井委員 そういたしますと、企業努力なんということは一つ言うことをおやめ願いたい。石炭の値下りだ、火力の石炭消費率の向上だ、水の関係によるのだ、その結果もうけ過ぎた口から若干を吐き出したにすぎない、こういうことをはっきりと内容を、値下がりの原因を明確にしていただきたいと思います。そういたしますと今度の減収分で電灯の三割頭打ちによって十四億内外、それから公共用電力の分に対するものが大体三億内外くらい計算できるのではないか、そうすると合計して十七億内外である。ところがわれわれの試算からいたしますと、少くも石炭の値下がり、それから火力の石炭消費率の向上、こういった関係から二十九年下期における電力会社の不当利得ということは言えないけれども、企業努力によらない経済条件、自然条件の結果として生まれて来ておるところの収益増は少くも八十億はあると思う。八十億くらいの収益の中から大げさに大騒ぎをして、そうして十七億くらいの程度のものを値下げして、これが石橋通産大臣が大だんびらを切って電力料金の問題と取っ組むのだという、その削り方の十七億内外としては、あまりにこれは少な過ぎるのではないか。これは決して現在の料金制度が原価主義に立っている以上、原価を切って値下げをしようといっても、これは法的にむずかしい事柄でありますから、これは私は根本的に料金問題は原価主義ということがいいか悪いかは検討する必要があると思いますけれども、とにかく何ら企業努力によらないもうけというものが二十九年下期において八十億内外あるのだ、その中からもう少し小口の電力なり何なり、こういう大衆負担になる関係のものを、この中から会社に何ら損失を与えないで吐き出させる条件がここにある。そういうものをなぜ吐き出させないか。十七億に食いとめるということは、消極的にいって、石橋通産大臣は電力料金の値下げによって会社の利益を七十億前後擁護してやっておる結果になるのでありますが、これに対してはどうお考えになりますか。
○石橋国務大臣 大体に申して二十九年度下半期がいろいろの条件が良化したために、電力会社の経営が楽になったということは考えられますが、まだこの成績が数字的にはっきりしておるわけではありません。それから私は実はよく知らないのですが、電力料金をきめる場合に、計数を基準にしてやっておる。従ってそれが変って来ますと、電力会社の経営状態が変ってくる。その関係から二十九年度の下半期は成績は良好だろうと見られる。しかしその前途を見ると、計算の上では三十年度にはまた赤字が出るという。ですからそれらの点を勘案して、急に今の全部のものを吐き出させるということがいいか悪いかということは問題だと思います。とにかくできるだけ電力会社の経営を合理化させて、そうして料金の引下げをはかるということは強力にやりたい。今度の処置を非常に大きな処置だとは決して思っておりませんし、また新聞ががいろいろ書きましけれども、私自身としては、そんなに今度の電力料金の四月一日からの値下げということを大きなことだというふうに自分自身が言ったことはない。ただ前内閣以来の引き継ぎでどうしても四月一日から何かしなければならぬということでありますから、それに努力したという程度であります。
○永井委員 前内閣からの引き継ぎで四月一日から何とかしなければならぬ、ごまかしの手でも何でも一応はやらねければならぬからやったのだという程度のことであるならば、これは相当ごまかして世間体をつくろっておるだけだ。こういうことに了承しておきますけれども、今大臣は、二十九年度の下期は若干の黒字になるが、三十年の上期は赤字になるというようなことを言われたのであります。これはとんでもない間違いです。前回電力料金をきめました場合には、局長は、二十九年下期は十五億七千万円の赤字が出る、しかし三十年度上期においては同額の黒字になるのだ、従って現在の原価計算からいって、こういう原価計算が出るのだ、こういう二十九年下期、三十年上期に対する原価の予想、収支予想を明確にしておるのです。ところが十五億七千万円の赤字になるのだといった予想が、私の計算では八十億内外の黒字になっておると考える。しかも三十年度上期においては同額の黒字になるという予想でありますから、これはもっと大きな黒字になると思う。ところが値下げするときには、赤字が予定されるのだ、こういうことを言い、前回は先へ先へと、この期は赤字が出るのだけれども、あとの期には黒字になるのだというように、答弁を二、三にすることは私は許されないと思う。局長がここにいるから、前回、下期は赤字になるのだ、三十年上期は同額の黒字になるのだと言ったことを明確にしていただきたい。
○石橋国務大臣 ちょっと訂正いたしておきます。私が今三十年度上半期と申したとすれば、それは間違いで、下半期が赤字になるという一応の予想があるということであります。
○中島説明員 お話の通りに昨年の料金改訂のときの計算は、二十九年下期は赤字になり、三十年上期において回復をいたしまして、年間でとんとんになる、こういうことを申したのであります。
○永井委員 質問する方もダブった質問はしないようにしますが、答弁の方も、大臣とよく打ち合せて、タブったり訂正がないようによく注意していただきたい。
○内田委員長代理 政府側に、ただいまのお申し出のように御注意をいたします。
○永井委員 通産大臣は一つ電力料金の問題に根本的に取り組んでいただきたいと思いますが、今石炭はずっと下っていく状況だと思います。従来石炭が上ったら上った分はこれを原価計算の算定に入れて変更するのだという石炭条項を置いてあったが、今度の電気料金改訂に当って、この石炭条項というものを削ってしまいました。これは国民のために削ったのでなくして、会社のために削ったのです。これはもう下ることは確実だから、下っただけ電気料金を安くせいとしょっちゅう言われたのではかなわぬから、石炭条項は廃してしまう。上る心配はない、こういうことで石炭条項を削ったというのだ。そうしてこの石炭を原価計算の中にどういうふうに見込んであるかといえば、今までは会社側は昭和二十七年を基準にして電力料金の原価計算の申請をいたしております。それを土台に政府が原価計算をして参りました。そして前回は局長は二十八年の石炭の価格の実績によって算定をしたということを言っております。ところがわれわれの計算によりますと、昭和二十七年を一〇〇といたしますと、今日の石炭炭価は七六に下っております。そして現在の電気料金の原価計算の基礎になっております石炭価格は、カロリー八十銭に計算しております。ところが現在はカロリー七十銭です。ですからこういう算定を基礎にして電気料金の原価ができているのですから、これは原価計算の上から言ったって石炭のウエートが高い。こういうものにこれだけの大きな開きがありますのですから、黙っていたって、たとえば石炭はこれ以上値下がりしなくても、あるいは水の条件がどうであろうと、平水の条件において、石炭の原価計算の水増しの関係からだって何十億というものがここで黒字になってくることは当然なのです。そういう一つの原価計算ができている。でありますから、私は原価主義というものが国民経済の上に立った一つの因子を取り上げて、正しくこれが算定されないで、会社の利益の立場でこういう算定基礎が定められているところに現在の電気料金の根本的な間違いがあり、しかも毎期々々黒字になっていく条件というものがこういうところにある。これをみな自然条件、水の条件だ、何の条件だと、こういうような条件に転嫁することは私は不当だと思う。たとえば今度の電気料金の問題にいたしましても、前回は二十八年の予想において百九億赤字が出ると会社が政府の方に申請している。ところが結果はどうかというと百十四億黒字になっている。従ってこういう関係から申しますと、収支の好転は二百二十三億という大幅なものであります。これはどこから出てくるかと言えば、主として石炭の価格の関係からこういう値開きというものができてきている。こういうものを土台にして原価をきめて、国民大衆に高い電気料金を転嫁しておいて、そして黒字になってくると、これは水の条件だというように全部水に転嫁するというようなやり方は、私は根本的な間違いであると思う。国民に奉仕するという公務員としての責任を果してないものと考えるのであります。ここに石炭の問題一つ取り上げたのでありますが、こういう原価計算において根本的な間違いがある。これに対して大臣は根本的に再検討するお考えがあるかどうか、ひとつこの点を承わっておきたいのであります。
○石橋国務大臣 御意見は非常にありがたく拝承いたします。むろん今度やります場合には、原価において十分検討いたします。ただし石炭ももう価格を安定いたしたいと考えておりますから、今後においてはもし幸いに石炭の価格の安定ができれば、今申し上げるような、しいて石炭のクローズをつけなくても電力の石炭に関する限りにおいては原価計算がはっきり出ると思いますが、その点は御意見を十分参酌いたしまして検討いたします。
○内田委員長代理 ちょっと永井君にお諮りいたします。あと二名の方から通告がありまして、できるならば一時くらいまでに本日は料金改訂に関する質疑を終了いたしたいと思います。決して制約するつもりはございませんけれども、なるべく十二時半くらいまでにあなたの御質問のうち重要な分をお済ましになってくださると非常に都合がいいのですが……。
○永井委員 きょう一日で電気料金を上げなければならぬという理由はないでしよう。
○内田委員長代理 大体そういうような相談になっております。あした一日この委員会を続行する、明日一般質問の通告が九人あるのです。
○永井委員 できるだけ皆さんと協調 して参りましよう。
○内田委員長代理 あなたの一般質問も明日席をとっておりますから、そのときに御質問なさってけっこうですから、なるべくその際にお進めを願いたいと思います。
○加藤(清)委員 議事進行について。電気の問題はお聞き及びの通りこれは重要な問題であるにかかわらず、政府は大きなミスをしてほおかぶりしてさっと逃げ込もうとしている。だからこれについて聴聞会を開くというのがほんとうであるにもかかわらず、それをせずにやるのだから、もうあと一人、二人の質問くらいをそう気にせずに、この際せめて委員ぐらいは納得する程度の問答をやらせるということの方が、あとの結果がいいのじゃないかと思います。だから十分に審議を重ねられるよう私は要望しておきます。
○内田委員長代理 御趣旨を体することに異存はございません。なお一時過ぎにこの委員会が終りましたら、ちょっと理事の方のお打ち合せを願いたいと思いますから、ただいま私が申し上げました趣旨で一つ……。
○永井委員 大臣にお伺いしたいのですが、この電気料金の原価主義というものと企業努力による値下げというものと、昨日来大臣は盛んに企業努力によって値下げをする、値下げをすると、こういうことを強調されておるのですが、一体電気料金は原価主義であるという規定の上に立って、その中で企業努力によって値下げができるという、こういう考え方は私は矛盾すると思う。原価というものをちゃんと置いて高くなればこれは原価だといって高く売れる。何も会社はこれによってお前のところは高いのだといって切り下げられる心配はない。原価を保証しておるという法的な根拠の上に立って、この中で苦しんで値下げをしていく意欲というものがどういう事情によって出てくるのか、通産大臣の卓抜した経済識見を承りたい。(「精神的なものだ」と呼ぶものあり)原価正義の上において企業努力によって値下げができるのだという経済的な根拠をお示し願いたい。
○石橋国務大臣 別段さような卓抜な意見は持っておりませせんが、原価主義の上でも、たとえばロスを極力減らすとかなんとかいう会社自身の努力も含まれるだろと思います。その努力があれば、どれほどの程度か知らぬけれども、値下げの材料にはなると思います。
○永井委員 従って私は、原価主義というものが今日の電力料金を審議する場合の根本的な土台の問題になると思います。こういう保証が一体妥当なのかどうか。この企業が公的な性格を持ったものであるならば別として、私企業的な独占企業にしておいて、しかも原価主義を保証して、そうして企業努力によって値下げをせよ、値下げをせよといっても、これはさっきだれかが言われました通りに精神的なものであって、決して経済活動の分野からはそういう意欲は出て参らないと私は思う。でありますから、そういう矛盾したものを根本的に直すことが必要である。これは私はもっと経営という根本的な問題もいろいろあると思います。九分割の問題についても、ロスをどうする、こうするという、こういう技術的な、部分的な、末梢的なものをいじるよりは、経営の基礎そのものを合理化しなければ、これは合理化にはなってこないと思います。 そういう問題は今日取り上げることは第二といたしまして、一体原価主義という、価格の保証をしておいて、その中においてこれよりどんどん切り下げろ、こういう一つの方式によって値下げができるということは、私は言えないと思う。従ってもし原価主義というものでいくならば、国際水準なりあるいは日本における水力、火力、こういう水準によって合理的に経営するならば、こういう価格が出るはずだ、こういう標準原価価格というようなものを示して、それ以上に出ておるものはチェックする、その線に各企業が努力して標準に近づけるように企業の合理化をはかる、こういう標準原価主義というような一つの標準を示して、そこに合理化の焦点を合せるようにしむけることが必要ではないか、こう思うのであります。現下のような野放の原価主義のもとでの企業努力による値下げというものは不可能であると考えるのでありますが、これに対する大臣の見解を承わっておきたい。
○石橋国務大臣 その点はなかなかむずかしい問題だろうと思いますが、しかし現在のように料金について一種の公定的なものを作るという場合には、一応原価主義で計算する以外には道がないだろう、で、そういうことをやっていると思いますけれども、これにはこれで御説のように弊害もござまいしょう。従って今度どういう案ができるか、一つ皆さん方の御意見を伺いたいと思うのですが、いい案があれば、その案に従ってやっていきたいと思います。
○永井委員 原価の査定に当りまして、政府の事務当局だけが会社側と折衝しておる。会社側から出す数字というものは非常にややこしくて、一般には端的にわからないような内容である。こういうようなものについては、現在のようにただ行政権でこれが査定されて、そうして国会の方にはこれにタッチする権限が非常に薄い、こういうような形では民主的な原価の査定は私は不可能であると思います。従ってもっと原価査定の方式あるいは過程というものを民主化する方式によりまして、民主的に選ばれた審議会なり何なりを持ちまして、民間の消費者、技術者も、原価査定の過程において十分これに参加できるような方式を立てる必要があると考えるのでありますが、これに対して大臣は今後この問題について、腰を据えて取っ組まれるということでありますから、われわれ非常に期待するわけであります。これは事務当局だけにまかしておいては私はいけないと思うのでありますが、そういうような民主的な原価査定の審議機関をお設けになるお考えはないかどうか、これを承わりたい。
○石橋国務大臣 確かに役人だけでやるということには欠点があると思います。でありますから、御説のようにほんとうにいい審議会、審査といいますか、そういろ計算をやる何らかのコミティーができれば一番いいと思います。それをもしやればどういうような構成にするかということは、相当検討を要すると思いますが、御説は十分参酌いたしまして、何らかの方法を考えたいと思います。
○永井委員 電力科今原価に大きな因子になりますのは、やはり燃料の問題であると思います。現在の原価は重油の年間消費を大体五十万キロリットルと押えておるわけですが、大臣は重油についての消費規正をお考えになっておるようでありますが、この関係はどうなるのか。大体五十万キロリットルを重油消費として押えていって、そういう見通しに立って間違いないのかどうか、これに対する見通しを伺いたいと思います。
○石橋国務大臣 石炭との関係がありまして、重油の使用をある程度規正することはやむを得ないと思います。しかし電力の方面にはさしつかえがないだけの使用をさせるつもりでおります。
○永井委員 時間がありませんから簡単に伺いますが、水火調整の問題はどういうように今後取り扱われるお考えであるか。実際の条件からいえば、火力発電の関係はコストがどんどん低くなっているが、水力の方は高くなっている。こういう条件があり、地域的にも現在の九分割の限界においては非常な矛盾が出てきておると思うが、こういう関係をどういうふうにお考えになって、将来水火調整をどういうふうに取り扱われるお考えであるか伺いたい。
○石橋国務大臣 現状においては重点を火力の方へ今までよりも少し置くということはやりたいと思います。けれどもいわゆる松永構想というように、火力に非常な重点を置いて、水力にあまり重点を置かないということもいかがかと思って検討をいたしております。
○永井委員 あと一、二分でありますから、新たに質問をしたい事項はたくさんありますけれども、きょうはこれからまた株の問題、資本金の問題、それから九分割の問題、こういう問題をいろいろお尋ねしたいと思いますけれども、時間がありませんから省略いたしますが、ただ水火調整の問題について、現在石炭業者救済の意味において、石炭の消費を国内において増強していくというようなやり方は問題ではないか。日本の石炭資源といったところで大したものではないし、これは民族としての大きな資源でありますから、これを単なる燃料というようなものに消費することなく、この石炭資源というものは将来化学工業へ転用していかなければならないので、現在投資の資金が相当多く固定いたしたにいたしましても、水力発電は日本の資源の開発でありまして、これは資源を食いつぶす関係のものではないと考えるのでありますが、やはりそういう情勢に押されて、石炭を四千五、六百万トンは国内において消費しなければ石炭業者が救われないのだというような、こういう考え方に立って、そして火力発電を多く作っていくのだというものの考え方は、私はこれをとらないのであります。大臣のそういう口裏はわかるのでありますが、石炭資源を将来化学工業の資源として使っていくという方面に努力をするのが本筋ではないかと思いますが、重ねてこの一点だけ伺っておきます。
○石橋国務大臣 御説の通りであります。しかし今われわれは、石炭鉱業の合理化をはかりたい、そうして原価を安くしかつ安定をさせたいというつもりでせっかく案を練っておる次第であります。石炭をなるべく化学工業に使うという考案は非常にいいのでありますが、しかし現状においては、やはりある程度石炭の利用炉国内になければ、石炭鉱業というものは成り立ちませんから、それだけはやりたいと思っております。ただお説のように、それだから電力も火力で、水力の開発は怠っていいという考えは持っておりません。
○永井委員 委員長から命令を受けた時間ですから、これでやめます。
○内田委員長代理 通産大臣、定刻を過ぎてまことにお気の毒でありますが、先ほどもお話が出ましたように、一時か一時過ぎまでには重要な電力料料金改訂の質疑を終った方がお互いに便利だろうと思いますので、一つごしんぼう願います。 神田博君の質疑を許します。神田博君。
○神田(博)委員 電力料金の改訂問題につきましては、永井君初め同僚諸君から連日巨細にわたって述べられております。私がお尋ね申し上げたい点も相当あったのでありますが、委員長の御忠告もございますので、重複を遅けまして、簡単に一、二お尋ね申し上げたと思います。 重複を避けたいと申しましても、聴聞会を開かなかったということは非常な手落ちだと私は思う。どうしても納得がいきかねますので、もう一度聴聞会を開かなかったということについて、大臣から十分な御意見を伺いたい。第二次鳩山内閣は先日成立したのでありますけれども、第一次鳩山内閣成立以来、これは途中選挙もございましたが、相当の日にちがたっておるわけなんでありまして、しかも四月一日からこの料金改定の問題に触れなければならぬことは、大臣として十分御承知のはずだと思う。しかも今日、四月一日を目睫にされて、ようやく昨日の閣議でこれをきめておる。こういうことは、民主主義を特に唱えておられる鳩山内閣として、また石橋大臣におきましては、常に産業の主体性についていろいろと談話を出されておりますが、その談話の中におきましても、矛盾する点が非常に多いと私は思う。民主党の内閣におきましては、三十年度に三百億円の減税をするのだというようなことを大げさにおやりになっておられる。しかるにその減税の方法、どういうように行われるかということが、まだ具体的に現われておらないのに、電力料金の改訂によって、これは百十数億の料金のはね上りになる。それをすぽっとお出しになって、聴聞会にもかけないのだ、四月一日から実施するのだ、こういうようなことは、国民としても納得できないし、またわれわれ議会人としても全く驚かざるを得ないのであります。大臣は大物大臣だから、国務大臣として、あるいはまたいろいろの立場でお仕事がおありになって、あまりこういうことを御研究なさらなかったのかしらぬが、先日来質疑応答を伺っておりますると、大臣がこの電力料金の今度の改訂そのものについて、ほんとうに御研究なされたか、御勉強なされたかということについて、私は非常に疑いを持つ。どうも聞いておりますると、石橋副総理、中島電力大臣、こういうふうに私どもうかがえる。ことに通産省の産業行政が、今日とかく大口といいましょうか、基本産業あるいは大きな産業だけを対象として行政をなさろうとしておるように言われておるし、事実またそういうふうに見えます。中小企業等に対するおもんばかりというものが実に薄い。中小企業庁を作ればそっちの方でやるのだから、本庁の関係でないというような、これは口では言われぬが、平素の通産行政を見ておりますると、そういうような傾向が見える。たとえば今度の家庭用の電力は三割以上上げないのだ、頭打ちを三割にしてとめるのだということをおやりになっておいて、しかも国民生活に最も密接な関係のある中小企業の電力については、大口並の、大口と同じ肩を並べるものだけの頭打ちを考えておって、ほかの方はみなうっちゃらかしておる。これはわずかな表でありまするが、この調査表を見ましても、一割五分、一割七分、一割八分というような非常な負担の増加を来しておる産業がたくさんある。しかもそれらの産業は、日本経済再建のために非常に重要な位置を占めておる産業なんです。私は、こういうような小口電力についての頭打ちを考えた場合には、今のような大産業と肩を並べる同種類のものだけを取り上げるというような、そういう事務的な考えをなさらないで、むしろ不要不急の産業と申しましょうか、電力の消費を今日の日本経済の再建から考えて押えてもいいというものだけを頭打ちをさせないことのして、その他はむしろ三割に頭打ちを押える、家庭用電力並にやる、こういうような逆な行き方をすべきものではないかと思う。これはおそらく石橋大臣が、他のお仕事に時間をお取りになられて政務としての御研究の時間が、非常に余裕がなかったのだと私は思う。ほんとうに勉強していただけば、石橋先生のことでございまするから、こんなことは私が申し上げるまでもなく御採用になったのだと思う。しかも来年の三月末までの暫定的措置だというようなことでお考えになることは当を得ていないと私は思う。私も電力料金を改訂しなければならぬ、ある程度値上げしなければならぬということは十分認めております。しかし値上げをする、改訂をする、少くともその値上げそのものについては急激に増加する、そうしてそれが国民経済に悪影響を及ぼすのだ、こういうことについては政治的考慮をなすべきものではなかったが、今からでもおそくはないのでありまして、どうか私が今お尋ねしたことについて大臣の率直な御答弁をお願いいたしたいと思います。 〔内田委員長代理退席、委員長着席〕
○石橋国務大臣 お尋ねのように今回十分のことができません事情にあることは、はなはだ残念でありますが、しかし前から申し上げておりますように値上げは前内閣において去年してしまった、その値上げの一部分を押えるというだけのことなんです。でありますから去年きまったことをそのまま放っておけば非常に上りますけれども、せめて家庭料金だけでも三割値上げでとめたい、こういうだけのことであります。先ほどお話に出ました小口電力の問題などは確かに産業上重大なことでありますから、これはしばしば申し上げますように、今後電力の問題を根本的に検討する場合にあわせて考えたいと思っております。
○神田委員 昨年の値上げを放っておけばこのまま行くのだということはお説の通りで、お聞きしなくてもわかるのでありますが、しかしその際の論議を拝見し、また政府の当時の考えを見ましても、四月一日からの料金については別に考えるということを政府も了承しておれば、また国会においてもまた国民においてもそういうふうに考えておったと私は考えておるのであります。すなわち昨年の冬料金が今度の夏料金にそのまま来るというふうには、電力会社も需用家も、また国会も次の政府も考えておらないと思う。そこで今日この問題が問題になっていると思います。どうもただいま伺いますと何だか前にきまったものを多少よくしたのだというお言葉であるならば、私はきわめて遺憾だと思う。しかも暫定料金であるなら私は何も一箇年にしなくても研究できると思うのです。いわゆる暫定料金として一カ年よりももっと短かい期間で研究する道が私はあると思う。時間をかけたからいい結論になる、時間が非常に短かいから結論が悪かったというものでは私はないと思う。上げなければならぬ理由、改訂しなければならぬ理由はわかるが、この改訂の結果日本経済、特に中小企業に及ぼす影響は非常に大きい。中小企業に及ぼす影響が大きいにもかかわらず、大企業と同率のものだけ取り上げるということが、私は通産行政としてそんな考え方でいいかどうか、むしろ家庭電力についても三割で押えるというならば、中小企業についても、不急不要なものは押えない、しかしその他のところは押えるという逆な考え方をなぜしなかったか、それを時間がないから考えないとおっしゃるのでありますが、私はこのぐらいのことを考えるのにはそう大した時間は要るものではないのではないかと考える。頭打ちをさせないものをきめて、あとはみな三割なら三割で頭打ちをさせるというきめ方の方が楽ではないか、その方が実態に合っている、こういうことを申し上げて御参考に聞いておるわけなのです。もう一度御答弁願いたいと思います。
○石橋国務大臣 きわめてごもっともな御意見でございますが、実はそこまで研究ができておりません。ですからこれから研究をして御趣旨に沿うようにいたしたい、かように考えております。
○神田委員 大臣が研究しておらないとおっしゃるのでありますから、研究しておらないのにお尋ね申し上げても、これは非常にむだになることでございますので、それはそれでやむを得ないということに相なるわけでありますが、中島説明員から私が今申し上げたような、小口電力について通産省としておそらく省議決定の際に何らかあったのだろうと思いますが、そういうことはどういうふうにお考えになっておられるのか、十分な御説明を願いたいと思います。
○中島説明員 小口電力につきましての頭打ちを大口と区別してやるということは、前回の改訂のときにも全然問題になっておりません。現状といたしましては、大口電力も小口も公共事業その他指定された産業については同じように考慮する。これだけである。それから大口と小口の電力料金そのものを、小口の方に対しまして有利にきめるということも前回には考慮されておりません。そういう点につきまして特に中小企業等に対します対策の一環といたしまして、小口電力を優遇するという方法を講ずる方がいいかどうかという問題はありますが、やはり電力料金の個別原価主義という建前からいたしまして、おのおのの原価に応じた料金をそれぞれにおいて徴収するという立て方をいたしまして、特にそのような考慮は払っていないのであります。 今回その点をさらに考慮しなかったかという点でありますが、今回の措置は、特に夏に向いまして値上りの大きい分だけを取り上げる、それは電灯であるということから電灯だけを取り上げた。従ってもし小口電力に対しまして全面的に同じような措置をとるといたしますと、さらに料金収入の減少の程度がひどくなりまして、会社の企業努力だけでやることははなはだ困難であろうというふうな見地からいたしまして、そこまで問題を拡張して考慮することをしなかったのであります。
○神田委員 私のお尋ねしておることと少しお答えに誤解があるように思います。私のお尋ねしておるのは小口電力についての救済規定は暫定だからするべきものではないかということを申し上げておる。今あなたの御答弁を聞いておりますと、電力会社の保護だけしか考えておらぬ。これは公益事業局長だからそうだということなら話は別だ。 〔委員長退席、山手委員長代理着席〕 しかし五割も八割も上るのだ。一体それらのはね返ってくるのをどこに吸収するかという期間を与える、準備を与えるということが私は政治として当然なことではないかと思う。家庭の方は一般的に三割で押えておく。それは押える理由もよくわかりますが、しかし今日の通産行政としてたくさんの中小企業が、電力料金が非常に上るのだという場合に、その企業努力によって是正する期間を与えなかったということが、あなた方の考え方がいつも大企業だけ考えておるということを言われておるやはり一つの証明になると思う。私はそれが非常に遺憾だというのです。私は中小企業に先にこれをやれということまでは申し上げていない。根本的なものは将来考えるというから、将来のことについてはいずれまた議論する時期があろうかと思うからそれは申し上げていない。暫定措置だというから暫定措置としてなぜお考えにならなかったのか、通産省の局長会議にしてもそう言うことは問題にならなかったのであるか、こういうことを聞いておるわけです。暫定だからこれは特にやるべきものだ。そういうはね返りを大きくして中小企業を苦しめる、それに対して一つのおもんばかりもない、大企業と肩を並べるものを列挙すればいいのだ。そういう考えが不親切ではないか。通産省の局長会議にもそういうことが一つも取り上げられておらないのだ、そんなことは中小企業庁でやればいいのだという考え方がそのままではないかということを私は申し上げておる。暫定措置だから特に考える必要があったのではないか。この点については一つ大臣にもお答え願いたい。
○石橋国務大臣 率直に申し上げていま度の措置は非常に消極的でありますので、とにかく当面問題になっておる家庭電灯の料金だけについてやる。産業上の電力についてもいろいろの要求などを受けました。しかしながらそこまで考えることはこの際急には困難でありますから、それはあとの根本策と一緒に考究をしようということで延ばしたわけであります。
○中島説明員 結果において考えられておらないわけでございますが、今度の暫定措置というのは、四月以降の分についての措置を行なっておるわけであります。そこでかりに小口の全面的な頭打ちをやるとすれば、これはむしろ十月の改訂のときにやるべきでありまして、そのときにはもう大口と同様のやり方で行なっております。従って現在までは適用以外のものにつきましては頭打ち制度もなくて経過しておる、こういうことになっております。小口電力、大口電力につきましては、いわゆる夏冬の差があまり多くありませんから、電灯ほど大きく四月以降の影響が現われませんので、この際は取り上げない。もしこの際そういう頭打ち制度を取るということにいたしますと、下期と比べまして上期になりますとむしろ下るというようなことになるわけでありますが、電灯の措置に対しましては、これは上るやつを押える。従って下げるということではない。そういう意味でありますので、今度の暫定措置のときに特に今まで頭打ちを取っておらないところも頭打ちで押えるということをやるわけであります。
○山手委員長代理 加藤清二君。——なお加藤君にちょっと申し上げまが、大臣が一時に参議院の予算委員会に行かれるそうですし、あとまだ佐々木君の質問が残っておりますから……。
○加藤(清)委員 私は前の質問者と重複をなるべく避けまして、要点だけを簡単にお尋ねしたいと思いますから、簡単にお答え願えればけっこうなのです。 まず第一番に、大臣の先ほどからの答弁を聞いておりますと、研究をしていねいというお答えが間々出てくるようであります。しかも大臣さえも研究されていないそのことを、三十九条から四十二条に至る法律の違反までのあえて犯して、そんなに大急ぎに値上げをしなければならない理由を承わりたい。
○石橋国務大臣 決して値上げをしようとしておるわけじゃありません。前のままでいきますともっと値上げになるから、それを一部分押えたい。こういうことであります。
○加藤(清)委員 今の大臣はそう答えられてもそれでいいかもしれませんが、この前の審議の折には、御承知の通り冬料金を夏料金に押し及ぼせば相当の値上りがする。従ってこれを改訂して事実冬料金を夏料金に移行する場合においては、聴聞会を開いて再検討をするということをはっきり言っておられる。これも最後の折に改進党のお方も電力審議会をぜひ作り、再検討をしてもらいたいということをはっきり言って、それを政府側が納得してきたはずなのです。従ってそれをやられてからということならば何をか言わんやでございますが、その約束の手続を踏まずに、大急ぎで値上げをしなければならないという理由——私の値上げというのは、冬料金が夏料金に移行されるおかげで、普通ならば四月に安くなるはずですが、去年の夏の料金と比較してずいぶん高い料金になるわけなのです。従って去年と比べると値上げということになる。だから私は値上げと言うわけなのですが、その理由を承わりたい。
○石橋国務大臣 それはお説の通りであります。昨年定めたところによりますと、それ以前の制度の夏料金に比較するときわめて高い料金が現われてくる。それは困るから、そこでその一部分だけでも適当の処置をいたしたい。こういうことでありまして、それを四月一日から何とか実行したい、こういうことから生じたことなのであります。決して先ほどから申しますように特に法律違反をやってどうこうというような意図があったわけではないのですから、御了承願います。
○加藤(清)委員 意図のあるなしは別として、事実例外措置とかなんとか言いのがれの言葉を使って、去年の夏料金よりも値上げをしようとしておることは厳然たる事実であります。それをこれほど大急ぎでやらなければならないという理由が私にはわからない。そこが聞きたいのであります。
○石橋国務大臣 今いろいろゆっくり検討しておりますれば、当然今の現行料金は前の制度による夏料金の時期にすべり込むわけであると思います。そうすると上ってしまう。ですからその上るのをとにかく四月一日から幾らかでも押える方がよいと私は考えるのです。
○加藤(清)委員 すべり込ませないという話し合いのもとに行われたことですが、それは過去のことでありますから、言うことはやめましょう。 ところで私がぜひ承りたいことは、電源開発五カ年計画は電力料金の値上げ計画とイコールのようになっておりますが、ほんとうにこの計画が完遂された場合には、去年十月以前の料金と比較いたしまして一体いかほど上げたならば収支が相償うというのか、あなたの方の目的通りになるというのか。そこが承わりたい。
○石橋国務大臣 詳しい数字については政府委員から申し上げますが、大体はすでに昨年一割の値上げになっておる。従って、おとといから申し上げる通り、五カ年計画をそのまま実行して、現在のままでいくならば、原価計算の上で二割くらいは上るという見込みでありますから、昨年十月以前に比較すると結局三割上るということになります。
○加藤(清)委員 三割以上は上げさせない。こう言っていらっしゃるようでありますが、去年の十九国会でこれが問題になりました折に、私がこの通りの質問をしたわけです。そうしたら最終にはおそらく二割七分四厘上げればこれでよろしいということをおっしゃったわけですが、最終に至らぬ先に三割余の値上がりがしてしまうわけですが、これは一体どういうことなのでありますか。
○石橋国務大臣 今回のは家庭用の電灯がすでに昨年の御決定によりまして値上げになる。そのまま実行すれば、今までの夏料金に比較して三割以上上るものが出てくる。こういうことでございますから、全体のコストの上からの電力の五カ年計画を実行すると、結局三割近くの値上げになるというのとは少し違うと思います。
○加藤(清)委員 家庭用の話が出ましたから、それでは家庭用についてまず承わります。このコール・クローズの廃止だとかあるいは夏冬料金の一本化だとかいう改訂の一条項の中に、アンペア制の採用ということがあったことは御承知の通りだと思いますが、これを家庭用に当てはめてみますと、御承知の通り最低を五アンペアにするということなのです。五アンペアでもってラジオと電気アイロンがございますると、あとの電灯は百二十ワットしかつけられないという勘定が出てくるわけなんです。すると、六十ワットの電灯二つしかつけられないわけです。そこで十アンペアの契約を余儀なくさせられておるというのが現実の実態なんです。そこで料金はとながめてみますると、大体家庭は五割から、中部地方においては六割五分の値上りをしておるわけでございます。うそだとお考になりましたら、あちらの家庭を調べてごらんになったら一番よくわかる。東京はでこぼこ是正の関係でそれほどは上っていないと思いますが、もうすでに五割も六割も上っている。しかしそのときの政府の答弁にいわく、一割程度しか上げません、とおっしゃった。そこでこのときの最後に、改進党のお方もこう言っておられる。上らないという答弁はうそで、上るデータを政府は隠しているだけだ。しかし今急ぐからやむを得ない、まあこれを認めましょう、こういうことになって終ったわけなんです。ところで六割五分も上っている。それを今後一そう上げていくということになりますと、今の大臣のお話では、上っていないところもあるんだ、だから平均してこうだとおっしゃいますけれども、上るしわ寄せは、先ほど同僚委員がおっしゃいましたように、中小企業の小口や家庭にのみ多くひっかかっていって、そして潤うところだけは潤っているという勘定に相なりまするが、それは果して大臣の意図なさるととろでございましょうか。大臣は国民に対して、さような血も涙もない考え方を持っていらっしゃいましょうか、その点を一ぺんちょっと…。
○石橋国務大臣 お説ははなはだごもっともの点がありますから、むろんさようなことをいたすつもりはございませんが、今までのいきさつや数字のことは一つ政府委員から申し上げさせたいと思います。
○永井委員 関連して。加藤委員から新しい制度における五アンペアを実施した場合どうなるかということについてちょっと述べられたのですが、御承知のように今のところは七灯以下は全需用者の六〇%だ、この六〇%がアンペア制に移行した場合に五アンペアで間に合うのだ、こういう原価計算になっているのです。ところが実際にアンペア制に移行した場合、五アンペアというと、御承知のように五百ワットです。電気アイロンがあると三百五十ワット、ラジオが三十ワット、これで三百八十ワット食われる。そうすると、あとの電灯の余力というものは百二十ワットしかない。だから六十ワット二つよりつけられない。従って実際にアンペア制にした場合には、七灯つけたところには、あなたのところには電気アイロンがありますか、ラジオがありますか、それでは五アンペアの契約はできません、十アンペアですといって、現在六〇%を占めている需用者を五アンペア制の計算をしておりますが、これはほとんど十アンペアの単位に繰り上って、五アンペアの契約というものはほとんどなくなっしまう。新しい制度に切りかえる中にこういうごまかしがあるんだ。計算だけは、六〇%は五アンペアにしている。それを加藤君が聞いておる。大臣はよくわからないからそう言うが、事務当局はそういうごまかしを会社と協力してやっておるのです。そこらは一つがんとしてやってもらわなければ困る。
○石橋国務大臣 もしお説のようなごまかしがあるなら、それは訂正させます。
○加藤(清)委員 幸いいいお言葉を承わったわけでございますが、訂正の時期でございますね、それはいつでございますか。
○石橋国務大臣 何月何日と申し上げかねますが、至急にやるように努力いたします。
○加藤(清)委員 これは訂正していただけるということならば、全国の家庭の主婦から一船国民は喜びでございます。このゆえに東京の主婦連合あたりからも再三陳情があったわけなんです。今大臣から近いうちにというお話がございましたが、その近いうちというのは、往々にして過去の大臣は半年先のことも近いうちと言い、一年先のことも近いうちとおっしゃったのでございますが、それは近いうちに料金が改訂される、つまり四月一日以降実行されるその以前でございますか。できることなら以前にやられることがあなたの精神に沿うことだと存じますが、いかがでございますか。
○石橋国務大臣 今のアンペア制をとったとかいうようなことは、前に皆さんも御承知の上で決定されたことと存じます。しかしそこに今のお話のようにごまかしがあるということなら、そのごまかしの点は訂正させます。しかしこれはある程度の調査もしなければ触らぬと思いますが、四月一日以前にやるということは実際上不可能だと思います。
○加藤(清)委員 次に夏冬料金の一本化ということが今度行われたわけです。ところが水力、火力、それから昼電気と深夜電気等々は今まで通りいかれるのでございますか。これもやはり一様になさいますか、いかがでございますか。
○石橋国務大臣 その点は政府委員よりお答えいたさせます。
○中島説明員 深夜その他の電力につきましては、従来通り実行いたします。
○加藤(清)委員 それではぜひ承わりたいのでございますが、夏の灌漑用の電気でございます。これは御承知の通りほとんど夏にのみ多く使われるわけでございます。豊水期にのみ使われるこの電気に、冬料金の高いがゆえにということでおっかぶせていくということは、これはちと胴欲じゃないかと存じます。これは事実その影響を及ぼしておるのでけすれども、これをどうお考えでございますか。
○永井委員 関連して。それと同じことですから、大臣に聞いておいてもらいたいのですが、北海道の農村電力の問題です。牛や馬を飼っておるところで、飼料の草を切るためにモーターを一日に十分か二十分使えばいい。十分か二十分使うことによって基本料金を三馬力で月千百二十二円とられます。これを年に通算いたしますと一時間当り五百円以上の電力料金の単価になるわけです。これじゃとてもたまらないというので、現在モーターを使っておったものがヤンマーに切りかえる、発動機を使う、こういう状態になっておりますが、今加藤君からもお話があり、ましたけれども、同様にこういうものは農村とか零細な者に全部しわ寄せしておる、こういう不合理な組立てになっておる。これもあわせて一つ御答弁を願いたい。
○中島説明員 農事用電力につきましては、お話の通り、大体夏の水の多いときに使うという理由をつかまえまして、非常な割引をいたしております。この表にございますが、農業電力は別掲にしておりまして、主として夏ということを対象にいたしました、ほかのものに比べますと少し引き過ぎたと思うくらいの割引をいたしております。従って夏場になりましても特に不利ということにはならないと思います。 それからいろいろのケースによりますと、ただいま永井委員のお話のように、一日わずか使うために基本料金を払わなければならぬというケースもあるわけでございますが、これはそういう電力を使う設備を持っておれば、電力会社としてはいつまでも電力を供給できるような備えをいたしておかなければなりませんので、そういうものに対しては基本料金は一応とるということになっておりますが、ある期間に固まっておりまして、たとえば灌漑期なら灌漑期、収穫期なら収穫期だけに使うという場合におきましては、その契約を期間ごとに切ってやるという便法を講じております。それからいま一つ、三割と言っておきながら、五割も六割も上るという点でありますが、これは制度を全面的に改正いたしましために、全体的に平均値上りにかりになっておりましても、需用家によって下るところも上るところもあるのはやむを得ないと思います。
○加藤(清)委員 決して不当な料金じゃない、不利になっていないとおっしゃいますが、それはあなたたちはここの場所をのがれただけで事は足りるのです。ところがわれわれは農村に帰るのですから、目の前に現実を見せつけられるのですから、具体的に言えば、農業用灌漑用の電気を利用する場合に、設備は消費者が持たされるのですよ。ところができ上ると全部所有権は電力会社に移行されるのですよ。そうすると結局先ほどからも話が出ておった減価償却の必要がないのです。これはお百姓さんが作るのですから……。作って提供するのです、寄付してしまうのですよ。こういうことが厳然と行われていて不当じゃないということは、あなた、ここでは通るかもしれないが、農村へ行ったら袋だたきにあいますよ、冗談じゃない。あれはほんとうに夏しか使わないのだから、あなたのこの前の答弁からいってもそうだ。夏は電気会社はもうかる、冬に損する、このバランスをとるために一本料金にするのだ、こうしてもらいたいという話だった。だから深夜の電気と昼間の電気にあれほど大きな相違を与えて、そうして電力の要らない深夜に使う電気だけは安くしてあげましょうというあたたかい親心があるならば、夏に豊水期でもうかるときに、つまり石炭をあまり使わずにいけるところのその電気だけを使わせてもらって、灌漑用の電気は当然安くされてしかるべきであり、冬に欠損するものをこれにまで追いかぶせていくことは不当だと思いまするが、大臣さんはそういうことは不当とお思いなさらぬですか。
○石橋国務大臣 お話のような設備を作って、それを電力会社が寄付させてしまうということはいいことじゃないと思います。ほかにも郵政関係でも電話などで同じようなことをやっているようでありまして、まことに妙なことだと思います。それから今の電力料金は、事務当局の言うところでは、電気料金は農業用のものは夏だけだから、安く相当の割引がしてあると申しますが、なおこの点も十分に調べまして、合理的にやれることだけはやりたいと思います。
○加藤(清)委員 ついでにもう一つ。
○山手委員長代理 約束の時間が来ているので、簡単に願います。
○加藤(清)委員 それでは簡単にもう一つ、硫安のメーカーに対する電力はこのたび特別措置になっておりますか、おりませんか。——なっておりますか。なっておればそれでけっこうです。さっきあげた中に答えがなかったから……。
○石橋国務大臣 特約料金だそうです。
○加藤(清)委員 今度の頭打ちの中に入っておりますか。さっきお読み上げになったとき入ってなかったですよ。
○石橋国務大臣 入っておりません。
○加藤(清)委員 入ってませんでしょう。さっきお読み上げになった中に入ってない。入ってないということになると問題はここだけで済まぬことになる。と申しますのは硫安の値下げを要望されておることは、これは輸出、内需いろいろございますが、値下げをしなければねらない時期に到達しておる、従って河野農林大臣も値下げをしようとおっしゃる、あれほど努力の結果八百二十二円が七円下った、これは大へんけっこうなことです。しかし電気料金が上るとついでに硫安も値上げをしますということになっておるのです。それではなぜ硫安メーカーのみが頭打ちの中へ入っていないのか、その理由が承わりたい。
○石橋国務大臣 こまかいことはよく存じませんが、肥料会社のは特約料金でやっておりますので、事実上は上らないと思います。三割頭打ちはあえてしなくても、別個の料金です。
○加藤(清)委員 わかりました。上らないとおっしゃるならば、今度の硫安の審議会において、あるいは当委員会で硫安の値を問題にするときに、コストの中に電気料金の値上りということは絶対にないわけですな。言わせないわけでございますね。それはよろしゅうございますか。
○石橋国務大臣 これは会社と硫安会社との特約でやっておりますから、ここで必ず上らないということは言い切ることはいかがかと思いますが、上らないように努力いたします。
○加藤(清)委員 最後に、私たくさん聞きたいことがあるが、大臣もお急ぎのようですし、次に質問者もおるそうですから、まとめて申し上げておきます。実行に移されるものは移していただきたい、こういうことです。 その一つは企業努力はされるとおっしゃいますが、電気料金を上げないために政府は税制措置とかあるいは融資の問題とか、あるいは電源開発の機械をわざわざ政府の手で入れてやるとか、結局公共性があればこそこういうことをおやりになるわけでございましょう。しかし企業努力、企業努力と言いながら、なおロスが三割近くもある、ところで会社の配当金は少々減ったにしても、一割二分の余ある、この会社はつぶれることはないのですから、この株価が下るようなことはないのです。私はほんとうはここで株価の上昇率から売買の状況等々を勘案して、企業努力の中にもこの点をよく含んで、将来会社に注意を喚起するようにしていただきたいと思いますが、普通の会社、いわゆる民間資本だけでやっておる会社でも、配当金は一割五分あれば決してそう悪い会社じゃないわけなんです。国家が保証しておるのですから、絶対倒れることはない、財産株と同じなんです。この点は専門のホーム・グラウンドでございますから、よく御存じのことと存じますが、これをぜひ企業努力の中へ国家公共性を持たせるために、配当金その他も含んでいただきたい、こう思うわけでございます。 それからもう一つは、電力審議会を作るということは、先ほども大臣は必要性を認めていらっしゃったわけですし、このことはきのうきょう始まったことではございません。そこで早急にこれを作る意思があるやいなや。 次に開発会社が配電事業をもあわせてやろうというようなことをちょっと聞いたわけでございますが、開発会社に配電事業をやらせる意思があるかないか、電力の再々編成をやる意思があるかないか。以上簡単でけっこうです。
○石橋国務大臣 審議会のことは御趣旨に沿うて、できるだけやりたいと思います。 それから開発会社にいわゆる融通会社的な性格を持たせるかどうかということは、いまだ決定いたしておりません。 それから再々編成も同様でございます。これもいろいろの議論がございまして、再々編成すべしという議論もあるし、その必要なしという議論もございまして、なお検討を加えておるという段階でございます。
○山手委員長代理 次は佐々木良作君。
○佐々木(良)委員 電力と間接に関係がありますので、通産行政一般の質問の中で、特に基礎産業に関する問題につきまして、三点だけ簡単に方針をお伺いいたしたいと思います。簡単に説明いたしますので、一挙に御説明願えればけっこうと存じます。 第一点は、御承知のように現在の鳩山内閣は、経済六カ年計画というものを樹立されまして、この計画の推進を産業行政の中心に置いておられるように聞くわけでありますが、この計画に即応いたしますところの通産行政部門の基本産業に対する具体的な対策、方針を承わりたいのであります。私は参議院の任期中を通じて経済安定委員長をずっとやっておったのでありますが、その間次々に五カ年計画、六カ年計画等々のこういう計画案が出されるのでありますけれども、これといつでも一体をなすべき実施官庁である、その部門の通産行政部門とが、ほとんど切り離されておったような状態があったために、あまり効果が上らなかったように感じるのであります。従いまして今度立てられております六カ年計画、特にその基礎となるところの基礎産業・電力・石炭・鉄鋼に対する六カ年計画を実現するための対策、方針を承わりたいのであります。私は今通産省内部で勉強されておるこの対策の一つとして、今の基礎産業に対するいわゆる合理化法案というものが準備されておるように聞いておりますが、それ以外にあまり具体的なものは聞いておらないのであります。第一の質問は、この六カ年計画を実現するために、私が聞いております重要産業についての合理化法案の意図以外にも、なお具体的に他産業に対する根本的な方針をお持ちになっておるのかどうか、お持ちになっておるのならば承りたい、こういうのであります。 それから第二点は、今申し上げましたような基礎産業に対する合理化法案を準備されておるように聞いておるのでありまするが、この合理化法案は伺うだけでありまして、まだ提示されておらないわけであります。しかしながら合理化法案の大体意図されておりますところは、独禁法の規定を排除いたしまして、大企業に不況カルテルを結成させて、生産計画を政府命令、大臣命令の形において左右して、同時にまたその価格をも指定するような権限を持たせよう、大体そういった性格のものが予定されておるのではなかろうかと思います。要するにこういう重要な基礎産業部門の中の大企業に対しまして、適当なコントロールを行う方針でありますことは、独禁法の規定排除の考え方から帰納されるわけでもあると思うわけであります。ところが石橋通産大臣は、従来自由主義経済の最も頑強な主張者であられまして、この合理化法案が意図いたしまするところの重要産業に対する方針、それと、それから石橋通産大臣が従来考えておられましたところの自由主義経済の考え方との矛盾が、非常に大きく感ぜられるわけでございます。特に御承知のように、民間の企業者の常識は、官僚によりましてコントロールされる場合には、これは計画経済と名がつこうが、統制経済と名がつこうが、従来私どもか経験したところのあの統制経済的なにおいがしていることは、十分心配しておるし、わかっておるわけでありますが、これに対しまして通産大臣は、みずからの持ち味を生かして、合理化法案の意図するものと、いわゆるる従来の官僚行政の弊とのこの調節につきまして、特に石橋通産大臣の御所信をお伺いいたしたい、これが第二点であります。 第三点は、今の合理化法案と並んで、電気事業法案が準備されておることは御承知の通りであります。合理化法案と電気事業法案は、言うまでもなく、今の基礎産業の電力、石炭、鉄鋼の三つの足が、二つが合理化法案、一つが電気事業法案という形になっておるのであります。合理化法案は今私が言いましたような意図を持って、産業規制、コントロールを目的としておるものであります。ところが準備されておりますところの電気事業法案の法は、これは非常な矛盾した二つの性格を持っておる。一つは統制強化でございます。官僚の干渉強化であります。ところがそれよりももっと重大なことは、従来コントロールしておりました九つの電力会社の供給区域、要するに供給の法的独占を撤廃しようとする意図であります。今度の事業法で準備されておる考え方は、法的独占を撤廃しようとする考え方と並行的に、なお政府の干渉を強化しようとする考え方と、二つが盛り込まれておるのが電気事業法案の内容になっております。従いまして私が第三点としてお伺いいたしたいのは、準備されております石炭、鉄鋼に対する合理化法は、政府の監督といいますか、コントロールを強化する方向を持っておる。それであるのに、それと同じ三本の足でありまする電気事業法案の意図されておるものは、法的独占を撤廃しようとする意図を持っておる。これは私は非常に矛盾があるような気がするわけでありますけれども、大臣はどういうふうにお考えになりますか。以上三点でありますが、これは大きい問題でありますので、大臣の考え方の根本だけ伺えばけっこうであります。
○石橋国務大臣 第一点は、そのほかにできるだけ輸出産業の助長をやって行きたい。それに今の基幹産業が結びつくわけであります。いずれにしても、日本の商品のコストを下げよう、今の基幹産業の合理化の目的はそこにある。従ってそれに関連して、全般的に輸出産業の助長をできるだけはかる。あるいは直接輸出市場の開拓——それには輸入がむろん考えられるわけでありますが、貿易市場の開拓ということを考える。それからそれに関連の中小企業の問題も取り上げなければならぬ。さようなふうに現在考えております。 第二は、私は何か非常な自由主義者のようにお話でありますが、必ずしも自由主義者というふうにイズムに固まっておるわけではありません。国家の全体の経済のために必要ならば、公社であろうと、あるいは国営であろうと、やって一向差しつかえないと考えておるものであります。たとえば石炭のごときは、この前石炭国管のときずいぶん問題が起りました。あのときは片山内閣でやろうとしたのでありますが、実はその案の起りは、私大蔵大臣の時分にすに検討を加えつつあったものが、次の内閣で取り上げられたという形でありまして、その点は自由に考えて行きたい。現在鉄鋼、石炭、電気について通産省内において検討されておりまする案は、まだ最終結論に達しておりません。今後なお検討をしまして、十分できるだけいいものにしたいと存じておりますが、どうも今の形では国家資金を相当つぎ込まなければならぬ。国家資金をつぎ込むとすれば、これはもう金は出してやる、あとは自由にしろというわけには参りませんから、ある程度の統制と申しますか、そういうことをいたすことはやむを得ないことだと思っております。そういうラインでできるだけ事業が活発に行われて、すべてのもののコストが下がる方向に持って行けるような案をつくりたい、かように考えております。
○佐々木(良)委員 私は要綱で質問が通っておるものだと思っておりましたところ、今の御答弁を承わりますと、私の質問の意図が大臣に通っておらないと考えます。従いまして、問題が大き過ぎますので、これは今言いましてもどうも大臣にはすぐに納得されない根本的な問題だと思いますから、後日に問題を残したいと思います。 ただ一口だけ十分に御注意を喚起いたしておきたいと思いますことは、準備されつつありまする重要産業に対する合理化法案と、それからそれが行われます場合の官僚行政の弊は、通産大臣十分御承知のはずであります。この調整に対しまして十分気を配られながら、合理化法案の省内における準備をお考え願いたい。それから電気事業法案と合理化法案とは決して別々のものとしては存在し得ない、六カ年計画の基礎をなす重要産業部門の三つの足でありますから、石炭と鉄鋼に合理化法案的な考えがあるならば、これと並行的に準備されつつある電気事業法案につきましても、理屈の通る、筋の通る考え方をもって対処せられますように、法案として提案される前に省内におきまして十分御検討いただきますようにお願いいたしまして、質問を終ります。
○山手委員長代理 次会は明三十一日午前十時より会議を開き、残余の質疑を続行することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十二分散会