商工委員会 第4号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/03/29
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 本日は、前会に引き続き日本経済の総合的基本施策及び通商産業行政の基本方針について調査を進めます。 この際お諮りいたします。前会の一般質問の通告がなお六名残っております。電気料金改訂問題につきましては、時日も切迫しており、昨年来の懸案の重要問題でもありますので、一般質問を続行する前に、本問題についてその調査を進めることとなし、その質疑の順序につきましては、前会の通告者六名の中で電気料金改訂問題に関する御質疑があれば、これを先にしていただき、本問題に関する質疑が終りましたら、残余の一般質問を前会の通告順にもどって行うことにしたいと存じますが、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田中委員長 御異議なしと認めます。それでは石橋通商産業大臣より、電気料金改訂問題に関して説明を求めます。石橋通商産業大臣。
○石橋国務大臣 電気料金の改訂問題については、すでに皆さんの御承知のように前内閣の時代に電気料金値上げの要請が会社側からありまして、それに対して政府は七月でありますか、閣議におきまして、電気料金改訂については来年三月末までは全、国の平均収入単価は現行料金ベースに据え置くこと。なお来年四月以降の料金については、現行冬季料金ベースを引き継ぐが、低物価政策の浸透の状況等を勘案し、この引き下げに努力すること。これがため電力会社の一そうの企業努力を要請するとともに、政府としては税及び金利負担の軽減に関する措置を考慮することというような閣議決定がありまして、電力会社はこの方針に基いて作成した、補正申請書を九月十日に提出して、通産省はこれに対して許可をいたしたのであります。こういういきさつがあって現在の電気料金ができております。従ってこの四月一日から何らかの措置をしろという要求が各方面からありましたことも、これまた御承知の通りであります。政府としましても、前内閣においてとにかくこういうような閣議決定まであったのでありますから、この趣旨に従って、いわゆる以前の制度によりますと夏料金でありますが、夏料金になる場合に、現行料金にある程度の引き下げ措置を講じたい、こう考えまして種々努力いたしたのであります。それで、すぐ考えられることは、税を引き下げること、金利を引き下げることであります。これはいろいろ検討いたしてみますのに、なかなか関連することが多く、ことにこの電気料金は今後根本的に考えまして、このままでほうっておけば、五カ年計画の終りごろには二割程度の料金の値上げがどうしても免れないような状況でございますので、さようなことになっては大へんでございますから、これを根本的に、税、金利あるいは建設費の振り割りというようなものにまで十分考慮を加えまして、恒久的に電気料金がそうはなはだしい高騰にならないような処置を講ずる必要がある。同時に電気ではない、ほかに石炭の問題があり、あるいは製鉄の問題がある。税、金利等についてはそれらに対しても考慮を加えなければなりませんから、そこでいろいろ協議の結果、税、金利の問題はその根本策を検討する場合に残しまして、この際、幸い各電力会社の下半期の成績が、豊水の関係で、赤字が出ると思いましたのが、総体としては案外黒字が出るというような状況でありますので、この際各会社の企業努力だけで、とにかくいわゆる一三〇%頭打ということだけを実行してもらいたい。家庭電灯においてはもとの夏料金に比較して一三〇%以上に上る部分は一三〇%で頭打ちをさせる。そしてこれを来年の三月三十一日まで継続する。さらにまた現在産業方面の電力については、一部一三〇%頭打ちを実行しておるのでありますが、それがことしの九月末で終るのでありますから、それも来年の三月三十一日まで現行通り一三〇%頭打ちで継続する。かような処置を各会社の企業努力だけで行わせるということで、今その話し合いを各電力会社でいたしておるというのが現状でございます。 以上御報告を申し上げておきます。
○中崎委員 今の大臣の説明に関連してちょっと確かめておきたいことがあるのです。私たちがこの前の国会においてこの問題の審議に関与した当時の事情並びに印象と、今の御説明はだいぶ食い違いがあると認められますので、その点について確かめておきたいと思います。 この夏冬一本化されたところの新しい料金の実施は、大臣の言われましたところではこの四月一日から発効するような印象を受けたのでありますが、それは去年の十月一日から実施されておって、ただことしの四月一日以降は以前の夏料金に比べれば相当に高くなるような結果にもなる感じを持つから、その際においては一応進行中ではあるが、途中において料金の検討をしてみる、それは急にまた以前に比べて上ったような印象を持たぬように検討してみるのだというふうに私たちは考えておったのでありますが、今大臣の方ではことしの四月の一日から実施するものを−実施は四月一日からだが、ただそういうことの閣議決定が去年の十月ごろにされておったのだというふうに感じられるのですが、その点を一つ御説明願いたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えいたします。それは私の言葉が足らなかったかもしれませんが、最初あなたがおっしゃった通りに私も了解しておるわけであります。決して四月一日から新しい料金が実施されると考えておるのではありません。昨年の十月一日から実施されておりまして、お話の通り、それがそのままずっと四月一日以降に流れますと以前の夏料金に比較してひどく高く感ずる部分が起る、そこでそのひどく高く感ずるところだけを三割頭打ちでとめよう、こういうのが私の考え方であります。
○田中委員長 以上の大臣の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。佐々木良作君。
○佐々木(良)委員 電気の問題というのは、いろいろの角度からの問題があると思いますが、最初に確かめておきたいと思いますのは、今言われました料金問題に対する改訂のお考えは今後別なお考えなり、あるいは今のことを根本的に見直すなりという第二次の考え方はまだ持っておられますかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○石橋国務大臣 それは先ほど申し上げましたように持っております。
○佐々木(良)委員 それではただいまのお話につきまして一、二お伺いいたしたいと思います。先ほどの関連の質問にあったと似たようなことに触るかと思いますけれども、実情がちょっとわからぬのでお尋ねいたしますが、三割の頭打ち分については値上げしないというのは、去年実施されておる夏料金に対して、それよりも三割上った分はとらないということだと了解いたしますが、それはどういうふうになさるつもりですか。一つ一つの需要家の家庭のおのおのの支払い料金に対して単価とほんとうに払う料金とあります。それをどう調べてどういうふうな実施をされるつもりですか。これはやり方によってはほとんど不可能に近いと思いますけれども、どういうふうに実際にやられるおつもりか、お考えを伺いたい。
○石橋国務大臣 こまかい技術的のことは私はわかりませんが、私の知っておる限りではできるという考えであります。なお政府委員の方から詳しく申し上げます。
○中島説明員 今度の頭打ち制度は、定額灯と従量灯と二つに分れます、定額灯の方はそれぞれの契約別に検討いたしまして、料金表上昨年と比べると当然上るわけでありますが、これは上らないように、そこで頭打ちをやってしまう、それから従量の方はそれぞれ使いましたキロワット・アワーの数字に応じまして計算いたします。たとえば東京都におきましては、アンペア別に、四十五ワットあるいは五十キロワット・アワー使った場合には、今年の料金ではこうなる、昨年の料金で使えばこうなるというような数字が各アワー別に出るわけであります。それが三割以上になった場合には三割でとどまるような修正の数字を作りまして、これを一覧表にしておきまして、各需用家別の各キロワット・アワーに応じた計算を出すということになりますから、結局個別に一つ一つ計算して昨年の料金の三割アップでもって頭打ちにする、こういうことになると思います。
○佐々木(良)委員 そうすると、今のお考えは、一つ一つの料金について需用家の一つ一つについて、しかもその単価まで一ぺんずつ計算に戻っていって、その単価と去年の単価と比べて頭を打った分を差引いていく、こういうお考えだと思います。これはやろうと思えばやれぬことはないと思いますけれども、これはとても手数が要って役所や何かで考えられておるような方法でいくかどうか、私はきわめて心配するものでありますけれども、心配だけを申し述べておきたいと思います。 今の料金が実施されることにつきまして、需用家の方からの、料金の問題の提出に対して、値上げは困るという考え方と、会社の側からの原価主義によって値上げをせいという考え方と、この両方ともにちっとも話が筋が通らぬ、妙なことになることは御承知だと思いますけれども、そもそも一番最初去年の十月にきめた料金自身が御承知のように値上げはしない、ただし冬の料金を夏の料金に実施するというやり方をされたと思います。その内容は、御承知のように最初一割二、三分か何かの値上げの要求があったに対し、役所の方では六分五、六厘かにしようという話で、それが今度は値上げをしないと打ち出しておいて、ほんとうは冬の料金を夏料金にすべり込ませるということで、結果から見ると、一割一、二分の値上げになるというきわめて妙な格好になっておるのです。そうすると今のお話はちょと妙な、ほんとうに竹に木をついだような格好のものをそのまま踏襲されるということになりますが、そういうことでございますか。つまり今お読みになつたように、去年の十月の改訂という意味は、電気料金の値上げはしない。ただし二十九年の十月から三十年の三月までの冬料金をそのまま据え置いていくのだという言い方をしておられる。つまり料金は値上げしない。そして料金制度自身で冬と夏との料金を統一されるのだという言い方をされておる。そのままの考え方を踏襲されて、それから結果として出てくる需用家の一つ一つの三割の分だけの頭をカツトするというその矛盾した考え方をそのまま踏襲されるつもりですか。
○石橋国務大臣 お話のように昨年行われました冬料金で一本にしました料金をこのまま置けば、そのまま以前の制度ならば夏料金という時期にすべり込むわけでございます。そうするとその中には不当に——というと言葉が悪いかもしれませんが、前の夏料金に比べて著しく上る部分が起る。これが昨年も問題になって、従って政府は四月一日から何らかの考慮をするというような一種の約束をしておるような格好になっております。 そこでお説のように、木に竹をついだという格好になるかどうか知りませんが、結局現行料金をすべり込ませるのです。すべり込ませるけれども、三割以上、前の夏料金に比べて高くする部分だけはカットしよう。これは何灯とか何キロとかいうことで一つのリスト、表ができましょうから実行ができる、かように考えております。
○佐々木(良)委員 ちょっと確かめておきます。第一点は、技術的な問題がありますけれども、需用家一つ一つについてそういう実施をするというされ方、二番目の問題としては、論理的な矛盾はそのままにしておいて、もう一ぺん根本的な考え方は別にするということを前提にして、竹に木をついだような格好でも今のような格好でいく、そういうふうに了解いたします。そういうふうに了解した結果におきまして、三番目の問題としまして、こういう結果になるのは御承知だと思いますが、原価主義を建前とする料金改訂をたてにとって、電気会社の方からの値上げをしてくれというような話の中では、水力地帯からの要求が一番強かったと思います。つまり東北、東京、北陸、中部を中心としたような、そういう水力地帯の会社の値上げの要求が一番強かったにもかかわらず、三割で頭を打つ内容は、こっちの方がまた多いと思います。従いまして、電気会社の方からの要求の立場からいうと、最もたくさん収入があるように上げてくれという方にはそれほどではなくて、逆に火力地帯の側の会社の収入がたくさんふえていく。それを逆に需用家の立場からいいますと、火力地帯の側の需用家にとってみると、ほんとうは会社の収入は相当あって、原価主義の建前でいっても、経理上相当融通がつき得る。会社の経理内容は今のところ豊かな地帯であるにもかかわらず、値上げは相当たくさん行われる。それから水力地帯の需用家についてはその逆になるということになると思いますが、その結果は御承知の上での措置でございますか。
○石橋国務大臣 会社によって影響がかなり違うことは承知いたしております。それは承知の上でこの際この臨時措置をとる結局今度やろうというは臨時措置でありまして、根本的な問題は、水力の問題でもどういうふうになりますか、確たることを今申し上げられませんが、たとえば建設費などについても相当の考慮をしなければならぬだろうと思います。言うまでもなく、資金の金利、それから例の消費税の問題も考えなければならぬだろうと思います。それから各会社が電力の融通をしておりますから、そのまま融通電力の問題も考える、こういうふにうかなり広汎にわたって根本的に立て直したい。至急にこれをやって来年の三月三十一日にこの臨時措置が効果を失うまでには実行ができるようにいたしたい、こう考えてやっているわけであります。
○佐々木(良)委員 臨時の措置であるということでありますので、適当にやめておきますけれども、どうも石橋さんはほんとうの内容はおわかりになっていないだろうと思います。こういうことですよ。たとえば中国、九州の需用家については相当大幅な料金の値上げになる。ところが中国、九州等の火力地帯の電気会社の収入は今非常にいいのです。いいところにはたくさんの収入があるようになって、そうして需用家の面から見れば非常に高くなる。それから値上げを非常に強く主張しておる水力地帯の電気会社の方は三割で頭を打つ分が多いから、収入は期待するほど大きく入ってこない。だから電気会社の方の値上げをしてくれという要求と、需用家の方が値下げをしてくれという要求がちょうどさかさまになってくるということを御承知の上でおやりになっておるかということを言ったら、それは承知だということですから、どうもこれはやむを得ぬと思いますけれども、その辺は十分御承知おきを願いたいと思います。特に料金の根本的な問題の中で、私の一番強く要望しておきたい点一つだけ申し上げておきます。電気料金ほどわからぬものはない。需用家にとって何を払っておるんだかわからぬものというのは税金と電気料金だけです。つまり取る方の側のそろばんだけはじいて、出す方のやつをちっとも考えないから、結局何を払っておるんだか、何を払わされておるかわからぬことになっておる。正真な話が、おそらく石橋さんの家庭で今度電気料金を三割上げるとか一割五分上げるとかいう話を聞かれてもあなたの家庭の料金が何ぼになるか決しておわかりにならぬと思う。政府が一割値上げするといえば、うちがこれまで百円料金を払っておれば百十円になるんだというふうに、払う方のそろばんがぴたっといくようにお願いしたい。それにはきわめて簡単な料金にするよりほかにしかたがないと思う。それから二段目にほかの要素を加えていく料金という建前をとられる限り、需用家の方にわからぬような、全国平均で何ぼというふうに、今度は御承知のように九つの電気会社がある中で、先ほど来お話のあるところの一割二分とか一割三分とかいうのは九つの電気会社の全国平均の話になっておる。従って一割二分というが、うちの電気料に比べてみたら一割二分じゃない。そのうちで今度東京では何ぼ、東京の家庭では何ぼ、家庭の中でも従量と定額で何ぼというふうに、一つもわからぬ議論がいつでも行われておるわけであります。これから料金の改訂ある際には、私のうちの料金は何ぼになりますかということと、石橋さんのうちの電気料金は何ぼになりますかということがはっきりわかるようにお願いしたいと思います。 それではあとで理事の方々でも御相談があると思いますから、それに譲りたいと思いますけれども、もし理事の方々や委員長の方でお取りまとめによりましてお願いができるならば、ほんとうはこの四月から上げることになりますが、三割の頭打ちを含めての今言いました火力地帯、水力地帯、九つの電力会社別に、でき得ればその需用家にわかるような格好で影響の調べられるデータができるはずですから、そのデータを一つお願いしておきたいと思います。 電気料金の問題に限られておるようでありますので、一応次に譲ります。
○田中委員長 伊藤卯四郎君。
○伊藤(卯)委員 石橋通産大臣にこの間電気の問題でお尋ねをしたのですが、あのときは私もいわば大略的な点のお考えを伺っただけであります。その後新聞にもかなり具体的に出てきておるようでございます。それから石橋通産大臣も電気料金の値下げの問題については相当耳にタコのできるほど発表しておられますから、相当それについては信念を持っておやりになろうとお考えになっておることと思います。そこで私も少し具体的にお伺いをしておかなければならぬし、それから電気料金の問題は今後日本の産業経済に与える影響も非常に大きいのですから、私も少しまとめて具体に的お尋ねをしますから、そのつもりで国民もなるほど石橋さんは非常に具体的に信念を持ってやろうとしておるのだと思うように、一つはっきりとお答えを願いたい、こういうふうに思います。 第一にお尋ねしようと思いますのは、新聞にも出ておりましたが、この頭打ち制度の暫定期間を延長するか。現行料金制度では五十キロワット以上の公共用電力、水道、ガス、私鉄等について一三〇%以上の値上りをするものに対しては頭打ち制度がとられているが、これは暫定的に本年九月までとなっておる、十月以降は廃止となり、当然値上げとなるが、これに対して、これを延長または恒久化する意思があるのかどうか。新聞の報道するところによれば、八灯以上の中流家庭に対し、四月以降一三〇%以上の値上りするものに対し、向う一カ年に限り頭打ち制度を考慮中と報ぜられているが、その辺の点はいろいろ疑問がありますから、そういう点を少しはっきりお答えを願っておきたいと思います。
○石橋国務大臣 第一の産業方面に対する電気の三割頭打ちというのは先ほども申し上げました通り、このままではことしの九月で終るわけでありますが、明年三月三十一日までそのまま延期いたします。そうしてその間に、先ほど繰り返して申すように、電気料金の根本問題を検討いたしたいと考えております。 それから第二の家庭料金の三割頭打ちというのは、八灯とかなんとかいうことを限っておるわけではないのであります。結局どこの部面でも現行料金とそれから昨年まで実行されておった夏料金とを比較して、三割以上値上げになるところは三割でとめていくというわけでありますから、特にこういう需用者に対してフェーバーを与えるというような意味ではありません。
○伊藤(卯)委員 三割以上の頭打ちというのはわかりますが、昨月の夏料金とことしの夏料金と比較をすると相当値上りになるのじゃないかと思いますが、その辺の点はいかがですか。ただことしの分だけを今大臣がおっしゃったように考えると、冬料金に対して相当これを押えて、そうして夏料金は相当値下げをした形にするのだというようにとられますけれども、去年の夏料金と比較をすると相当高値になると思いますが、その辺の点はいかがですか。あるいは去年の夏料金程度まで押えつけるというような勇気をもってやられるお考えはないかどうか、その辺の点をお答え願いたい。
○石橋国務大臣 昨年の夏料金には戻しません。ただ昨年の夏料金に比較して三割以上も上る、部分だけを三割でとどめようというだけであります。はなはだ勇気のないことでありますけれども、そういうことにせざるを得ないわけであります。
○伊藤(卯)委員 それでは新聞などに発表されておるように、非常に値下げをするのだということについてあまり宣伝が強過ぎますから、去年よりことしはこれだけ高くなるのだということをむしろ知らす方が良心的だと思いますが、その辺の点は以後あまりから宣伝にならないように一つ御注意をしておきます。 それから火力地帯の値下げ実施の促進等についてですが御存じのように、石炭の値下り等が非常にひどくなっておることは申し上げるまでもない。火力地帯の関西、中国、九州の各電力会社は、税金、金利の引き下げがなくとも収支はなはだしく良好であることは私どもよくわかっております。水力地帯と切り離して直ちに四月以後の料金の値下げをもっと十分やれる根拠がある、こういうようにわれわれは数字的にも考えておるのですが、この辺の点ももっと明らかにさるべきであると思うが、この点どうであるか。 それから電力の九会社はそれぞれ水力、火力の割合が異なる等の特殊性によってその収支も各会社まちまちであるから、値下げも値上げも同時に実施することはどうか、それぞれの状況に応じて実施されることについて一体どのようにこの辺をさばこうとしておられるか。これを具体的にお聞かせ願わないと、地方によってそれぞれ違いますから、これは大事な点だと思います。また金利、税金の軽減等も九会社同時に同率に実施するときには不均衡を来たすように思うが、その調整はどうするのか。水火調整金についても十分調整し得るかどうか、このいう点もやはり具体的な問題として明らかにされておかないと、非常に複雑でございますからなかなか納得できないものがあるのであります。こういう点も一つこの際できるだけ具体的にお示しを願っておかなければならぬと思います。そういう点について一つお答えを願いたい。
○石橋国務大臣 各会社水力、火力その他の関係で経営内容に非常にデコボコがあることは、お話の通りであります。ここに技術的にめんどうな点がありまして、それを一律一体にやるということもある程度無理があろうと思います。これらの点を今後どういたしますか、とにかく今度の暫定処置は一応暫定処置といたしまして、先ほど申しましたように今後の電力会社の経営をいかにするか、また料金問題をいかにするかという場合には、それらの点も十分検討を加えていきたいと考えております。
○田中委員長 ただいまの伊藤君の発言は先ほど保留になった佐々木良作君の発言と同趣旨のものでありますし、資料提出の要求がありましたが、公益事業局長より諸君の手元に配付をしております書類について御説明をいたしたいという申し出がありますから、中島さんから御説明を願うことにいたします。
○伊藤(卯)委員 ちょっと待って下さい。実は私も今大臣が御答弁になった点で、それぞれの異なる点等についてやはり資料を提出していただかぬとわれわれが知ることができないから、その資料の提出要求を今ちょうどしようと考えていたところですが、それは大へんけっこうです。それでは私が電気問題を一応終ってから、公益事業局長から資料の内容について御説明を願うことにしましょう。 さらにお尋ねしたいのは、電力会社の借入金の過多についてですが、これの解消について石橋通産大臣は電力会社の借入金が多過ぎるので、これを解消し、あわせて低金利のものに置きかえ、料金値下げをも考慮をしているような構想をお持ちになっていることを、われわれは新聞やら雑誌やら大臣のお話になっていることで考えるのであります。御存じのように、現在の九つの会社の合計借入金は、開発銀行関係が約千五百億円、金利が六分五厘、市中銀行等からの借入金が五百億円、金利が一割弱、こういうことになっておるが、これについて大臣の構想等をどのように実行していこうとお考えになっておるか。これはわれわれが料金値下げ問題を論ずると、とかく借入金が多い、金利が高いということを電力会社は防衛線のごとくして絶えず言っておるのであるから、多分大臣もこういう点をお考えになって、今私が質問しようとするような構想を発表されておると思うので、その構想について一つお聞かせを願いたい。
○石橋国務大臣 各会社の経営を大いに緊縮するといいますか、少くとも放漫な経営をさせないように十分な監督をする必要はあると思います。だが何と申しましても根本的に資本構成が——これは電力会社だけではありませんが、資本の構成が非常にアブノーマルになっておりまして、割合に金利の高い借金が多く、自己資本が少い、こういうことが日本の産業、ことに電力や石炭等における難点だと思います。 そこで市中銀行から一割前後で借りているような資金はできるだけ低利な開発銀行の融資に移す、あるいは開発銀行の融資もこれをもっと低利にするということにいたすことが必要だと考えております。 料金値下げというお話がさっきありましたが、なるほど値下げという言葉は一般に値下げ値下げと言っておりますから値下げと言うのですが、電力に関する限りは現状においては積極的に値下げはなかなか困難であります。この上まだ上ってくるのを何とか防ぐという程度のことであります。それが世間では値下げという言葉で通用されているように思います。電力料金の今後の高騰をいかにして押えるかということがわれわれの現在取り組んでおる問題であります。その中の一つとしていわゆるオーバー・ボローイングの解消ということが考えられるわけであります。
○伊藤(卯)委員 どうも今の御答弁の程度では、せっかく石橋通産大臣が借入金が多過ぎる、高金利のものが多過ぎる、これを解消しなければだめだと言って大見得を切っておられるのはけっこうでございますが、さて具体的に内容を解決するということについて、はなはだどうも何もないようですが、もう少し確信を持っておられるかどうか。この金利は高い、これは多過ぎる、これは安いのをこう借りかえてやる、どういう金で借りかえてやるか、あるいは国家資金等の投融資というか、あるいはもっと何かあなたに名案があるから多分おっしゃっておられるのだろうと私は思うが、その名案を一つここでおっしゃらぬと、あれもやっぱり例の石橋放送以上に何ものもなかったということになってはなはだあなたの不名誉だ。もう少し何かあるでしょうから、一つここでおっしゃって下さい。
○石橋国務大臣 私のオーバー・ボローイングの解消の問題はもうずいぶんたなざらしになりまして、少くとも二、三年たなざらしになっております。けれどもこれはいろいろの事情もございますから、そうある個人の意見がそのまま皆さんの了承を受けるというわけにも行かぬでありましょう。とにかく現在の日本の産業の大いなる欠陥の一つは非常なオーバー・ボローイングにあると思いますから、できるだけこのオーバー・ボローイングの解消をするということがやはり必要だ、こう考えております。
○伊藤(卯)委員 どうもこれははなはだのれんに腕押しというより、全く何もない荒野で私が質問しておるようなもので、せっかくあなたも産業経済の大臣になられたのだから、石橋放送というのをここらで漸次収穫を上げるようにやられぬと、あなたの政治的な信用に非常に影響すると思う。今度三十年度予算を提出されていよいよ本格的な審議になるときに、この問題をもう一ぺん私が尋ねますから、大体おれはこれでやるのだという具体的な解決案をそのとき答弁のできるように、一つそれまでに作っておいてください。これはあなたの政治的な信用に関することだと思う。それでないと石橋放送というのはことごとく単なるから宣伝に終っているということになって、はなはだあなたのためにも私は惜しむところです。 さらに將来の建設方針についてお尋ねしますが、火力を主、水力を従のいわゆる松永構想というものが相当言われた、これに対してどういうようなお考えをお持ちになっておるか、それから将来の電力料金値上げ防止対策の一つとして、先日松永安左衛門さんが、従来の水力を主、火力を従の電源開発方式を、火力を主、水力を従に改め、新鋭の高能率火力の建設によって値上げを防止しようとする案を発表しておるようであるが、これに対してあなたはどういうようにお考えになっておるか。これは日本の電源開発計画建設の上に非常に重大な国家としての方向を示すものでありますから、この点についてあなたのお考えをぜひ伺っておかなければならぬ。
○石橋国務大臣 最近の松永構想というものは私も承知をいたしておりますが、ただいま技術的に検討をさせております。大体の感想を申しますと、そう一ぺんに水力はもうだめだ、火力に変更せよということもまた行き過ぎであろうと思います。特に日本の石炭が今は余っておりますが、しかしながらこの松永構想のように非常に多くの火力をやりました場合に、この石炭の需要というものは相当の量に上ると思います。そういうことも考えて、全体の石炭、電力、あるいはただいま輸入品であります重油等の問題も総合して考えて善処していかなければならぬと思うのであります。ですから、私は今の段階においては松永構想は非常にいいところに着眼があると思いますから、むろんこれは尊重いたしますが、そうかといって松永構想そのままを実行すべきだという考えにはなっておりません。
○伊藤(卯)委員 公益事業局長に、この点について資料を要求いたしておきますが、最近水力の開発建設に膨大な資金が要るので、従って料金が非常に高くなる。さらに今後水力を開発しようというのには条件がだんだん悪くなって参りますから、従来以上に膨大な資金が要るわけでありまして、この料金が非常に高くなるということは専門家が言っておるところであります。そうなれば火力の方がはるかに料金が安いという数字を、われわれはそれぞれの専門家から今後の見通しの上に立って聞かされておる。そこで御存じのように、石炭問題は、貯炭の山で炭鉱がつぶれるという状態を現出しているし、炭価もだんだんとつるべ落しに下っていっておるので、こういう点を比較検討すると、火力の方が建設費も安く上るし、料金も非常に安くなるし、さらに炭鉱等の問題も解決してくるというようにも考えるのであるが、今日の水力、火力の料金の比較、それから今後のそれらの比較した大よその見通し、これは今後の電力開発の上において非常に重大な関係を持つものであるから、ぜひ至急その資料を提出されるように要求いたしておきます。 それから今後の電源開発担当者はもっぱら水、火力とも開発会社に実施させるか。今後水力開発の振興とともに料金が値上りするという悪循環を断ち切るために、低金利の金を使用し得て、発電コストの著しく低い電源開発会社をして、水、火力とも開発に当らしめることが最も時宜に適すると思うが、今後の開発担当者をどのようにきめようとしておられるか。この点もやはりお伺いしておかないと、いろいろその辺にわれわれは問題点のあることを知っておりますから、もっと明朗にするためにも、この膨大な事業計画を遂行するためにはそのことがぜひとも必要です。石橋大臣はこれらを今後どのように扱おうとされておるか、これをはっきりと伺っておきたい。
○石橋国務大臣 現在においてはこの開発会社一手に開発させる、あるいは火力までも作らせるという考えは持っておりません。やはり各電力会社にやれるところはやらせる、開発会社の開発に待つのが適当と認めるものは開発会社にやらせるというのがいいと思っております。
○伊藤(卯)委員 どうもはっきりしませんが、これは大臣もまだ自分の考えというものがおそらくまとまっておらぬと思いますから、これらも十分検討されて、そうしてどの方向がいいのだということとを一つもう少し腹を作っておいて下さい。いずれそのうちお尋ねいたしますから……。 さらにお尋ねしますが、電源開発会社の売電が、全国均等配分の九つの電力会社に比して著しく低価なのは、売電をなし得る開発会社の電気は低金利の国家資金を使用し得ることにその原因があるのでありますから、その売電先も九つの会社中の特定の一、二の会社とせず、広く均分すること、特に地域差の大きい地区に多くの配分をすることが妥当であるとも言われておるので、近く本年の末または来春早々佐久間ダム等も完成する予定であるが、その売電先等につきどのようにこれが処置を講じられておるか。これもいろいろその扱い方によって問題が起って来ます。だからこういう点もやはりはっきりして、国会を通していろいろな疑問、疑惑を起させないように処置されることが大事ですし、またあらかじめこれらに対する用意があろうと思いますから、その点を一つお聞かせ願いたい。
○石橋国務大臣 お尋ねの点がなかなか大きな問題であることはたしかであります。開発会社を融通会社としていつまでも存続させるか、それとも開発するだけを開発会社の任務として、その開発したものはそれぞれの電力会社に譲り渡すかということも検討を要する問題だと存じておりますが、現在においてはまだいずれとも決定しておりません。なお根本問題と一緒にそれらの点も十分考えたいと思います。
○伊藤(卯)委員 先ほど申し上げましたように、これは非常に大きな問題ですから、一つ十分お考えになって、そしていずれ本格的に三十年度予算その他法律案を審議いたしますときにこれらの点を明らかにしてもらうために再度お尋ねしますから、あらかじめそれについて大臣の腹がまえを作っておいていただきたい。 さらにお尋ねいたしますが、電力会社の企業形態及び電源開発会社の性格の変更——電源開発会社の性格は、現行法においては建設会社で新設発電所を電力会社に譲渡または貸与をすることが建前で、売電することは二の次になっているが、これを逆として譲渡または、貸与を行わず、売電会社として融通会社的な色彩を持つことが今後の電力料金値上げ防止の点から有力なように思われるが、電源開発促進法改正の意思がおありになるかどうか、この点をぜひ一つ伺っておかなければなりません。 次に電力会社の企業形態は、現在のごとく私企業のままとすれば、他の私企業との振り合い上、金利、税金の優遇にもおのずから限度がある。料金値上げ防止も意のごとくならないから、この際私企業的なものでなく、公社、もっとほんとうに公益事業が名実ともに明らかになる公社または国営等に企業形態の変更をなすことが当然だと思うが、この点は非常に重大な点である。そこで従来のような、公益事業であるけれども経営は私企業だというようなことでは、私は結局公益事業の目的を達成さすことができないと思います。そこで公益事業であるなら公社化または国営化、そういう形をとらなければ、電気が国の産業経済、国民生活への公益サービスをする使命を果すことはできないと思うが、この点について将来どのようにこれらを扱おうとしておられるか、これを最後に一つお伺いしておきたい。
○石橋国務大臣 最初の融通会社、建設会社のお話は、先ほど申し上げましたようにいろいろ議論のあるところでありますが、現在においてはまだいずれとも決定しておりません。 それから第二の公社とか国営とかいうことはこれまた一そう重大な問題でありますが、今の私どもの考えでは、公社あるいは国営にして、これは机の上の一つの計画としてはちゃんと割り切った制度になるように見えますが、実際において果してどうかということは、今までのいろいろの実例もございまして、公社必ずしも私企業に対してまさっているとも言えないような気がします。ですから現在において私は公社または国営にするという考えは持っておりません。やはり一つの私企業として相当の監督を加えてやっていくのが適当ではないかと存じております。
○伊藤(卯)委員 今の問題は相当根本的な問題でありますから、これは民主党と私の社会党と政策的に違うところでもありますし、さらにこの問題は私どもは後日いろいろな、予算、法律等の関連に合せて大臣と一つ十分根本的に論争をせねばならぬと思っておりますから、この問題は一応お預けにいたしておきましょう。 それから委員長にちょっと御了解を得て、あと二つの問題についてあまり時間をとらないで大臣にお尋ねしておきたいと思います。具体的な内容にわたってはいずれ三十年度予算に関連する重要法案が出て参りましたときに論議をすることにいたしますが、三十年度予算をお組みになるその前に、予算上、資金上あるいはそれに関連して出されようとする重要法案、こういうものでございますので、今二つの問題についてあまり時間をとりませんから、一つ御了解を得ておきたいと思うのでございます。そこでお尋ねしようと思いますのは、国内石油開発に関して石橋通産大臣のもとで、通産省の五カ年計画案をもって特殊会社を作って、国内石油を現在の三倍以上に増産しようというねらいをもってこの法案を本国会に提出をされようとしておると聞くのでありますが、そうすれば当然それに予算上、資金上の問題が伴います。従ってそういう予算上、資金上の処置も合せてどのように、お考えになっておられるかということをお尋ねするのでございます。第一に、わが国のこの一年間における一千万キロリットル近くの輸入原油でありますが、この大部分は強大な外国の石油カルテルを形成するいわゆる外国油資本が独占的にこれを供給しておるのでございます。その点に関してはほとんど生殺与奪の権を握られているといってもよいのでございます。それでわが国の国内石油は輸入油の全体から比較してみますと、わずか三%強くらいしか生産されておらぬ、これは問題にならぬ貧弱さでございます。石油精製産業は原油の独占供給を条件として、その精製資本の六五%、販売市場の八五%以上を外国資本の支配に置かれておるというのが今日の日本の現状でございます。これは言いかえれば、日本の基幹産業と国民生活は、外国の石油資本の政策というか、彼らの方針によって左右されておるきわめて危険な状態に日本は置かれておる、こう思うのです。これらの外国石油資本に対して石橋通産大臣は、これを総合燃料対策の立場から一体どのようにお考えになっておるのか、この点を一応先にお聞かせ願いたいと思う。
○石橋国務大臣 日本の現在の石油の供給状況はお話の通りであります。しかし、今までは日本には石油はどうも望みがないと思われておりましたが、最近だんだん調査をいたした結果、日本海沿岸等において相当有望だということでございまして前内閣時代にも石油開発五カ年計画というものをつくりまして、一年百万キロくらいの生産まで持って行きたい、こういうふうな案が前内閣でもあったのであります。これは非常に適当な案でありますし、ことに日本石油は性質が非常にいいのであります単に燃料でなく、石油化学の原料として非常に性質がよろしいということでもありますので、どうか一つわれわれとしては五カ年計画を遂行して、少くも百万キロ程度の油を国内に出したい、かように考えて、ただいまその案を練っておる次第であります。これはどういうふうにしますか、開発だけをやるとしますと、やはり政府資金をおそらく年十億くらいずつつぎ込まなければならぬ。そうなりますと、これを今の帝石にいきなりやらせるというようなこともいかがかと思いますから、その点を勘案しまして開発だけの特別の会社をつくって、そこへ政府資金を回して開発する、こういう考えも現在持っております。あるいはそういう案にいたしまして御審議を願う段階になるかもしれません。
○伊藤(卯)委員 大臣のお考え、やろうとされておることは、私も大へんけっこうだと思います。そこで私は、その法律をお出しになり、予算上、資金上これに裏づけしようとされるには、相当大臣の政治力が必要であることは言うまでもないと思う。と申しますのは、経過的な点を一言だけ申し上げますと、昨年の通常国会のときに通産省は、石油資源総合開発五カ年計画というようなものをもって、この計画を達成して現在生産量の三倍以上、百万キロリッター以上を確保しようとすることを明らかにして、本委員会にも説明をされたのであります。そこで本委員会では私どもが、この計画の完全実施を強力に、全会一致の形でこれを成功さすように支持したのであります。非常な強い要望であったのであります。通産省のこの計画案をその当時達成するとすれば、五カ年間に六十億円が要る。年間に十二億円の国家資金の投入が必要であることが明らかにされた。ところが大蔵省側からこれを削減をされまして、その十分の一、いわゆる一億二千万円程度に削減をされてしまったのであります。これは二階から目薬という話もありますが、全く問題にならぬ。そこでせっかくの計画案というものも、大蔵省の資金削減のためにてんで問題にならなくなってしまった。そこで、おそらく近く大臣の方から私どもの手元に計画案を出されるであろうと私は想像するのであるが、今大臣がおっしゃったように、その計画案というものに、もしここで、大体予算上、資金上このくらいの金が要るのだということをお聞かせ願えればぜひ伺いたいと思うのであるが、おそらくは吉田内閣当時、昨年通常国会のときに通産省が発表したような——私はそれ以上のものであろうと想像するのですが、そうすればその資金の裏づけ、予算の裏づけを確保するためには、大蔵省との間に、いわゆる大蔵大臣との間に、相当通産大臣は強力な政治力を持ってこれを解決されということにならなければできないのじゃなかろうかと思う。私の聞くところによると、大蔵省はそんな国家資金を投入しなくても、外国からその日暮しに油を買えば安上りでいいじゃないか、いわゆる商売人的な、その日暮しの考え方で、この国内石油開発に対してはきわめて冷淡である、問題にしておらぬということを聞くのであるが、その辺の大蔵大臣との話合い、もしくは事務当局の大蔵事務当局との折衝の状況、あわせて開発法案を出そうとされる、その予算上、資金上の裏づけについて、どのような信念を持ってこれを成功させようとしておられるか。この点はぜひ伺っておかないとなりませんので、これは私は大臣を激励、鞭撻する意味において聞くのですから、あなたの力が足りなかったらばわれわれ大いにこの点については協力をするから、一つ率直におっしゃって下さい。
○石橋国務大臣 私はまだその折衝をいたしておりません。これからの話でありますが、伊藤君からそういう激励を受けまして、非常に力強く感じます。ぜひ一つあなたの力を背景にしまして大いにやりますから、お願いいたします。
○伊藤(卯)委員 大体わかっておるのに、もう少しおっしゃったらどうです。それなら私は聞くが、大体こういう開発事業を私企業か、あるいは、たとえば帝石の場合を例にあげましても、これは政府の持ち株もありますから完全な私企業というわけにいきませんが、一応形態は私企業のような形態。もしくは私企業かあるいはカルテルか、そういうようなものでもしやらすとすれば、大体そういうところの経営状態から見ると、年間十億以上の赤字になるだろうというので、それではとてもやれはしません。そうすれば結局この開発は、国家の力でやる以外に計画の遂行はできないと私は思うが、大臣はこの開発をどのような形でやらなければならぬとお考えになっておるか、この点を一つ伺います。
○石橋国務大臣 この点は先ほど申し上げたように思っておったんですが、先ほど伊藤君から公社とか国営の電気等のお話がありましたが、われわれは、社会党だから事業を国営にする、民主党はどんなことにしても国営事業をやらないというものじゃないと思う。国家のために必要がある、これを国営にした方がよろしい、あるいは公社にした方がよろしいというような場合には、いつでも国営にし公社にするつもりでおりますが、今の石油の問題は、帝石にやらせようという案もある。けれどもお話のように帝石はある程度私企業であります。それからことに今帝石はガス事業をやろうということで非常にがんばってやりかけております。そういうこともありますから、全く海のものとも山のものともつかない石油の開発につきましては、やはり国家資金でやる。そこで先ほどお話のありましたように、特別な一つの会社を作りまして、そこへ民間の資金も多少入れさせて、そうして国家の資金と両方で開発をやる。開発専門の会社を一つつくったらどうだろうか、こういうような全体の構想でございます。それには政府としては多ければ多いほどいいのでありますが、現状においては、一年十億円くらいつぎ込んだらかなりの開発ができるのではないだろうか、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 その問題につきましては、いずれ法案が出されるであろうと思いますから、法案の出て参りました場合に、内容にわたって十分論議をしそれが完全に成功するように協力をするのに決してやぶさかでないと思います。そこで大臣も法案が出された場合には、必ず予算、資金の裏づけがなければ、それは絵にかいたもちでありますから、かえってそれは軽蔑される。だから法律を出す以上は、必ずそれを完遂する予算、資金の裏づけが、大蔵省との間に完全に解決をせなければならぬし、またさせる。この点一つ強い政治力をもっておやりになるようにこの際強く私は御希望を申し上げておきます。法律は出て来たが、予算上資金上の問題になったところがあいまいになって、法案だけは通って実際に実行はできないということになってくると、これは石橋通産大臣の政治力というものも非常に疑われて参りますから、さすがに石橋は、法律を出す以上は必ず促進をするものを、政治力で解決しておるぞということをおやりになり得るかどうかを当分の間、一つ出てくるまでお預けにしておきます。あなたを一つ断頭台に上げたつもりで見ておりますから、そのつもりでしっかりやって下さい。 いま一点はこれも年度予算にからまる、通産省の解決されておかなければならぬ問題であります。——時間の関係があるようですから、私の方から先に全部簡単に質問いたしますから、この答弁を願いたいと思います。炭鉱地区の鉱害復旧工事、これが特別鉱害と一般鉱害と二つにわかれておるわけですが、これが二つにわかれておるために、工事計画が総合関連性が立たない。これが非常にちぐはぐなんです。一方は復旧になったが、一方は復旧にならぬ、片一方の家は上ったが、片一方の家はどんと落ちておる、片一方の道路は上ったが、片一方の通路は上らない、まるでこれでは問題にならぬということがある。これらのやはり計画の総合関連性が一貫して行われるというなやり方は、復旧の上に絶対に必要であることは論ずるまでもありません。それからまた一般鉱害の関係においても、たとえば工事計画が通産省、厚生省、農林省、建設省というようにそれぞれわかれておる。だからこれがまた各省がばらばらに計画を立て、予算をとっておるという点から、道路は上ったが、あるいは家とか水道というものは上らない。せっかく道路を上げたが、もう一ぺん水道のために掘り返さなければならぬ。あるいは耕地は上ったが道路は低いというようなことで、行ってごらんになればわかるが、全くなっていないそういうことでは完全な復旧じゃない。そういう点から、実情に最も詳しい、今労働大臣をしております西田隆男君が、参議院において臨時鉱害法を通すときに、こういうばかばかしい、でこぼこちぐはぐのことがあって、これでは復旧にはなっておりやせぬ、何も意味はないという点から、こういう復旧工事は特別鉱害と一般鉱害、あるいは一般鉱害における通産省、厚生省、農林省、建設省等が、この工事計画は一につ計画をして、予算上においてこれを一つの計画の上から見て、そして工事計画も予算も、この施工も全部一つにしてやることが最も工事計画を完成させるのに大事な点であるということを、附帯決議としてこれが議決されて、国会を通っておるのであります。ところがその国会でそういう決議をされてあるにもかかわらず、依然として各省の工事計画、予算のぶんどり、縄張り争いはやまない。だからちっとも具体的に工事の一貫完成というものができない。こういう点について一体どのようにこれを解決しようとしておられるのか。依然としてそういうばかばかしいことをそのまま放置しておかれるつもりか、あるいはそういう点を総合一体化して解決完成させようとしておられるのか、もしそれが縄張り争いでできないとするならば、どういう点ができないのか。もし事務当局でできないなら、閣議においてでもこれは御決定になればできないことはないと思う。そういう点を事務当局での折衝及び閣議でお取り上げになっておるのかどうか。国会決議を尊重されようとしておられるのかどうか。それから将来この鉱害復旧に対してどのようにしてこれを完成させようとしておられるのか。これを私は最後に一つお伺いをいたしまして質問をやめるのでありますが、答弁が納得できなければ、それについていま一回くらいはお尋ねしなければならぬ。その点を一つ明らかにして下さい。
○石橋国務大臣 御満足の行くような答弁ができない、詳細は私知らないのですけれども、とにかく予算の上においては、私今度の三十年度予算においては、通産省一本にまとめようとただいまいたしております。ですからそれによって御希望の方向に持って行けるのじゃないかと思います。なおさらに研究いたしまして、一つ御期待に沿うようにいたします。それはごもっともでありますから……。
○伊藤(卯)委員 一言だけお尋ねいたします。今の通産省に鉱害復旧予算を一本化してやるということについては、大臣の今おっしゃったことを、私どもはそのように信用してよろしゅうございますか。この点を一つあなたの責任においてここでもう一ぺんはっきり言って下さい。
○石橋国務大臣 それは通産省の計画でありますから、まだほかの省と十分に折衝が進んでおるわけじゃございません。通産省としてはあなたのおっしゃる通りなら、むろんやらなければならぬことですから努力します。
○伊藤(卯)委員 あなたは必ずやられる政治力があるものとして、それに従って必ず何するものとして信用してよろしゅうございますか。
○石橋国務大臣 承知しました。
○田中委員長 中崎敏君。
○中崎委員 ちょっとその前に議事進行について委員長に注意しておきたいと思います。この委員会は通商産業並びに経済審議庁の委員会でありますから、従いまして、経済審議庁に関する問題についても今度経済審議庁長官の出席を要求して今後審議していきたいと思うのであります。それで私が本日質問しますのは主として電気に関する問題でありますが、この次にはそうした通産行政並びに経済安定に関する諸般の問題について質疑をしたいと思うのでありまして、この点は一応保留しておきますから、次の時期には必ずそれらの人に出てもらって十分に一つ検討してみたいと思います。その点を注意しておきます。
○田中委員長 お申し出の通り行います。
○中崎委員 さて先般通産大臣の説明によりますと、電気料金の見通しとしては、昭和三十五年度の候にはおよそ二割程度の値上りはやむを得ないであろう、これは設備の費用によけいコストがかかるということが主たる原因であったようであります。およそそういうふうな言明がされておったのでありますが、この点について変りがないかどうか、もう一度お尋ねしておきたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えいたします。ただいまのままに何らの処置を施さなければ、だんだん新設備ができるに従いまして、価格の安い旧設備の割合が減りますから、従って全体の電気料金は上らざるを得ない、それが今の計算では約二割くらいになるのではないかこういう心配をいたしておる次第であります。
○中崎委員 仮定がありますが、この総合経済六カ年計画の構想というものが経済審議庁の案として出ております。これは閣議了解とありますから、おそらく一応閣議を通して出てきたものと思うのでありますが、この構想の中には電気料二割程度のものが一応上るのだという考え方の上に立ってこれができ上っておるものであるかどうかをお聞きしておきたいと思います。
○石橋国務大臣 その六カ年計画は電気料金の値上げを予想しておりません。上げないという立場からできております。
○中崎委員 この電気なり電力料というものについては、国民経済に重大なる関連性を持つものであります。従いまして、こうした重要な要素が、しかも二割も大きく影響するというものが全然無視されてこの計画構想が出ておるということは、きわめて不徹底きわまるものである、かように考えておるが、これを今後さらにそうしたものを取り入れて、もう少し完全なものにして、われわれの国会においてもさらに明らかにされる考え方を持っておられるかどうかお聞きしておきます。
○石橋国務大臣 これはごく素案でありまして、現在少くも前三カ年分のこまかい検討をいたしております。電気料金の問題も今申し上げましたが、必ず二割上るというのじゃございません。今のままでほっておけばそういうことになる憂えがあると申すのでありまして、これは押えるつもりでございますからその二割のうちどれだけが押えられるかということはこれからの検討によります。とにかく電気料金の二割値上げをそのまま認めていこうとは思っておりません。なお六カ年計画の方のこまかい点はいろいろ検討中でございますが、いずれそれができましたららお目にかけることができようと思います。
○中崎委員 もともと電力の分割案が爼上に乗りましたときにおいては、豊富低廉なる電気を供給するということが一つの大きな看板であったのであります。それが実際やってみてわかったのかどうか知りませんが、事ごとに反しまして、物価はむしろ低落の傾向に進むべき方向にありながら、ひとり電力料のみが今後年を経るに従って逆にまだまだ上っていくというきわめてさびしいというか、悲しむべきことであります。これについては必ずしも石橋さんが今当面の責任者とは申しませんが、いずれにしてもこれは大きなる考え方の上におけるそこであると私は考へておるのであります。そこでこのままこれをほっておくということは当然なすべきことでないと思うのであります。その一つの考え方として、コマーシャル・ベースの上に乗った発電というものについてはこれはいわゆる民間の電力会社にまかしていいと思うが、コマーシャル・ベースに乗らない電源開発の上における大きなる一つの事業といいますか、たとえば大きなる発電量を擁するような、そういう個所等については、特に国家資金をもっと直接電源開発等をやる、これが本来のあり方だと思うのでありますが、先ほど通産大臣のお話によると、どうもその間における、考え方がはっきり線が引かれていないと考えたのでありますが、一体この点についてはどういうふうにお考えになりますか。これが同時に、今言うほっておけば二割も上るというその電力料についても、国家資金をもってやる場合においては、ややもすればコストがかかるから民間会社にまかせっぱなしにしておいて、いつでも電気料金の値上げにしわ寄せしてくる、コストがかかるから値上げをしなければならぬという結果になってきておるのであります。そういうことを防ぐ意味においても電力料はあまり値上げをしない、だんだん値下げをしていくという方向に向けていく意味においても、コマーシャル・ベースに乗らないような電源開発を民間会社にやらせるというところに一つの食い違いがあるじやないか。これらの問題について御意見を聞いておきたいと思います。
○石橋国務大臣 日発を解体して九つの会社にした場合のいきさつは、詳細は存じませんが、あのときにも御承知のごとく非常に議論がありました。どちらがいいかということはなかなか軍配が上げにくい問題でありますが、現状においては国家資金で全部やってしまえば、これはある程度問題はなくなるわけでありますが、そう参りませんで、どうしても民間資金も集めなければならぬ。従って各電力会社がそれぞれの信用によって増資するとか、その他の方法で開発銀行等以外からも資金を集めるこういうことのために、その点におきましては、まるまる国家資金でやる場合と違って参りますので、そこに矛盾等があると思いますが、それをお話のように、コマーシャル・べースに乗らないものは私営会社でできないはずでありますから、これは当然やれないわけでありますが、これをも現在は国家資金をある程度つぎ込んで私営会社にも国家の要請に従って電気の開発をやらせていく、こういうのが現状でございます。これが一つの日発みたようなものにするがいいか、ある程度やはり民営の形をとらせて競争をさせ、利益を得させることがいいか、これは大きな問題でありますが、私どもとしてはそれを一つにまとめて、もとの自発みたいなものに戻すということは適当でない、ある程度民営会社にやらせる必要があるというふうに考えております。
○中崎委員 コマーシャル・ベースに乗らないものはやれないというのでありますが、それは言うように、電気料の値上げにしわ寄せしてくるのであります。これは独占事業でありますから、一方的に値をつけて幾らでも値上げしていけばコマーシャル・ベースもへったくれもありません。そういうのでなしに、電気料金というものは値上げしないという考え方の上に立って、そういう無上命令をやるにはどうすれば一番いいかということです。従いまして国家資金をもって直接開発銀行などによるということになりますれば、電気料の値上げというような問題は起ってこない。そういうような方法によって、将来五年も先に二割も上るというような、さびしい日本の経済界が暗たんたることになるようなことでなしに、もう少し計画的に、日本の経済をしてほんとうにより物価の安定、物の上らないような方向に持っていくのだ、こういう考え方の上に立てば、電力の開発の問題についてもおのずからそうした道が選ばれるのではないか。また選ばるべきではないか。でありますから、たとえば三千キロ、五千キロ、一万キロ程度の開発まで全部これを開発会社でやれというのではなしに、そうしたような適当なスケールのものであり、あるいはこれが資本構成の上に大きなる圧迫を加えないようなものであれば、これは民間の事業会社にまかしていいのであるけれども、それより大きいようなものまでも開発会社と競争して設備をなし、これがために電気料の値上げしてくれと政府に要請することになる、そういうことのないように、もう少し政府の方で方針をきめて、監督督励していったらどうかということを聞いておるのであります。
○石橋国務大臣 現状におきましても各会社が勝手に開発をされればいいというので開発しているわけではありません。また開発できないのです。そういう力はございませんから、いずれもある程度開銀等の資金を貸してもらわなければやれない。ところがその開発銀行の資金が、先ほどもどなたからか御発言がございましたように、六分五厘の金利、こういうわけでございますから、そういうことではこれはもう国営にしてやりましたところが、金利のついている資金で開発すればやはりそれだけコストが上って参ります。だから国営とか公社にすれば全然電気料金は上らない、民営では必ず上るというものでもないのです。問題はいかにして今後の開発資金を調弁するか。現状のような開発銀行ぐらいのことではどうしても上る。これは全部国民の負担によって開発をする、これをもう全部無利子にすれば電気料金はうんと下る。こういうことでありますが、そこまではなかなか行き切れないと私は思う。ですから二割上るというのは、さっき申しましたように、決して二割上ることを希望しているわけでも、またそのままほうっておくというわけでもございません。そこでこの開発資金も、現在の開発をするコストの中には相当いろいろなものが入っておる。補償というものも非常に高い補償が払われておる。あるいはその開発によって公共施設、道路その他が水没いたしますと、それにかわる路線は今までよりりっぱなものを作るということが起って参ります。そういうような果して電気だけに背負わせていいかどうかと思うような資金までが、現在は電気に背負わされておる格好でありますから、その点も一つ検討して、今の電気料金はとにかく非常に安い、一キロ五百円か何かでできた設備が過去にあるのですから、それが入ってようやく今の電気料金を保っておるのですから、これがほんとうの全部新設となりますと、おそらく国営でやろうと何でやろうと、もし金利等がつくものとすれば、やはり電気料金はある程度上らざるを得ない傾向にある。しかしこれをできるだけ上げないようにどう処置するかということが今検討をしようとしている問題であります。
○中崎委員 次に開発会社で出しておる電力でありますが、今度は配電会社に売られるところの電力料というものは一体どういうふうな条件になっておりますか。それをちょっとお聞きしておきたいと思います。
○石橋国務大臣 現在は原価主義でやっておりますから、やはり建設費に応じた料金を取るということになっております。
○中崎委員 たとえば現在供給されておるところのいわゆる東北電力などに対するところの電力料金でありますが、それは東北電力自身が起すところの電力料のコストとそれから開発会社から供給しておるところの電力料の売り値単価と一体どの程度の開きがあるのかちょっとお聞きしたい。
○石橋国務大臣 それはちょっと私にはわかりませんから政府委員に説明させます。
○中島説明員 東北の現在の販売現価は大体三円前後だと思います。胆沢、猿ケ石の販売単価は二円二、三十銭でありますから、東北の全体の原価に比べてあの電力が非常に安くなる、こういうことであります。
○中崎委員 ただいまも説明がありました通りに、政府の方から民間の会社へ供給されるのはこの程度安く売られる。今政府が開発銀行等を通じて直接開発させる場合においては、やはりこういうふうに原価主義によっておるのでありますが、こういうように安く供給できるものだということを一つの事例によって証明しておるものだと思うのであります。従いまして今後電力の開発の方針についてもまたこれに準じた一つの方針を立てられることを特に要望しておきます。 次に料金に関する問題であります。まず詳しいことを聞く前に、扱い方としての問題でありますが、先ほど通産大臣から説明になりましたように、四月一日からの料金については、三〇%以上のものについては三〇%でとめる。言いかえれば去年の夏料金よりも三割方の値上げを認めるけれども、それ以上の値上げは認めない、こういうことであると解釈していいのでありますか。
○石橋国務大臣 その通りでございます。
○中崎委員 実はこの前の−この前というのは、この料金が国会において論議された際においてでありますが、そのときにおいて、四月一日以降においては夏料金に本来からいえば変り目になる段階であるが、一本料金であるからこれは一本でやる。ところが四月一日には企業家の努力と税金並びに金利等の点について十分の考慮を払って、そうして価格の点についても十分にその点を織り込んでいく、従ってそれについては国会に諮ってその承認を得ていく、独断ではやらないということがすでに約束されておったのであります。これは前の委員会のときでありますが、当時中島君は局長として、しばしばその委員会には立ち会っておったはずであります。ところで話によると、何らか閣議においてきょう決定をされたのかされるのか知りませんが、きょうのうちにこれがかけられるということになっておるようでありますけれども、そうしたようなことについては一応十分に国会において論議をし、十分に誠意を尽して一つ納得のいくような説明をしてもらって、そうしてその問題がさらに最後的に取り上げられるものだと思ったのでありますが、その点におけるところの食い違いは一体どういうようにお考えになるか、お聞きいたしたい。
○石橋国務大臣 私は前内閣のときのいきさつは全然存じませんですが、今度の処置は税金とか金利にまで及んでこれを根本的にやるということになれば、むろんそれぞれの手続を要すると思います。だがそれは先ほど申しましたように、あとへ延ばしまして、お話のような経営の形態あるいは建設費の問題を当時にさかのぼって十分検討し、その場合に金利及び税金の問題を取り入れて処置をする、そういう根本策をできるだけ至急にとっていきたい。この場合にはどうしても聴聞会その他国会の承認を受けなければならない。けれども今度はまったく各会社の企業努力だけで、三割以上上がるものを一応暫定的に三割でとめるということをむしろ会社の発意として会社の計算でやらせる、こういう考え方でございますから、前のいきさつは存じませんが、比較的簡単に処理をいたそうこう思っております。
○中崎委員 この問題をそう簡単に取り扱われるというのは非常に遺憾であります。大臣はまだ新しいから言うのでありますが、電気料金の改訂についての昭和二十九年八月五日の閣議決定、これをよくごらんを願いたいと思います。それにはどう書いてあるかと申しますと、「電気料金の改訂については、来年三月末までは、全国平均収入単価は、現行料金ベースに据置くこと。なお来年四月以降の料金については、現行下期料金ベースを引継ぐこととなるべきも、低物価政策浸透の状況を勘案し、その引下に努力すること。これがため電力会社側の一層の企業努力を要請すると共に政府としては、税及び金利負担の軽減に関する措置を考慮すること。」とあります。これによると、四月のときには税金についても、金利についても十分に考慮を払って、三割も四割も値上げになるようなことはやらないということの上に立っておるのであります。それを、ほんとうを言えば今度九月末に料金改訂の時期が来るのだけれども、それを来年の三月まで延ばすことを決定したということを今大臣は言うたのでありますが、こういう国民の生活に大きなる関係のある問題をほったらかしにして、しかもその問題さえまだ解決がつかぬのに、また六カ月間も延ばして、来年の三月末まで延ばすということは一体どういうことですか、それをお聞きしたいのです。
○石橋国務大臣 先ほどから繰り返して申し上げるように、税金及び金利の問題は、単に電力だけでなく、石炭、鉄鋼等基幹産業全部にというよりも、むしろ全産業に関係するのでありますが、なかんずく今政府として取り上げようとしております石炭それから鉄鋼等についても至急に処理をいたしまして、石炭の問題は合理化をして石炭の企業を安定させる。それから鉄鋼につきましては、ややもすれば高騰しようとする価格を抑制するという必要が起って来る。電力もその中の一つであります。こういうわけでありますから、今電力だけを切り離して税、金利までの問題に入りますと、ほかの方に関連をいたしまして、関連を切り離してやるということは適当じゃない、こういうように考えましたし、前内閣も一応そういうことを言うておるのでありますから、税金とか金利の問題だけをはずして、とにかく今回は一応企業努力だけで暫定的に処理をして行く、そうしてあとの問題に入りたい、かような考えであります。
○中崎委員 たとえば鉄鋼とか石炭とかいう問題について金利、税金等を考えられるのは、これはあり得べきことであり、これについてかれこれ言うのではありません。ただこの電気料については、去年値段を引き上げる際に条件がついておる。ほかのものにはそういう条件がございません。去年値段をきめる際において、税金と金利については政府の方で責任を持ってこれに善処する。それで四月以降の新しい価格へのすべり込みについては当然責任をもって善処して、言いかえれば夏料金の値上げにならないような方向に持っていくのだということが約束されておる。その約束は、幾ら内閣が変ったからといって、おれたちは知らぬということじゃないと思います。そういう意味において誠意のある取扱いを私たちは要求しておるわけなのであります。国会においてこういう問題を要求して初めて出される、言いかえれば、われわれが言わなければほおかぶりしてこういうふうな値段の問題を取り扱われようとしておったと私たちは考えざるを得ないのでありますが、これは非常に不誠意きわまるものであります。従って前の内閣の公約に従ってこれについて政府ではどういう責任を持ってやるのか。来年の三月までということは、来年の予算の編成の時期までに何とかしようという考え方とも考えられるのだが、そういう不誠意なことでは国民は納得できぬと思います。であるからもう少し誠意のある回答と取扱いを要求するのであります。
○石橋国務大臣 決して不誠意のやり方をするつもりはございません。誠意を持って努力をいたしておる次第でございます。来年の三月までというのは、これは電気料金のごときは安くするのもけっこうでありますが、同時に安定するということが需要者にとっても企業者にとってもまたもう一つの大いなる要求だと思います。そこで今度は料金をとにかく三割頭打ちにした。それがまたいつ変るのかわからないというようなことでも困ると思いますから、そこで今度は三割頭打ちにするということで、それを来年の三月三十一日まで継続する。それから今まで九月で終るというのは、産業の方面の一部の電気料金の三割頭打ちが前内閣の決定では九月末日で終るわけであります。それを来年の三月三十一日まで継続するつもりであります。そういうわけで、実はできるだけのことをやったつもりであります。いかにも前内閣が金利、税金のことを織り込んでおりますから、それを何か無視したようにおとりになっておりますが、これはそういうわけではないのです。実際において、金利、税金のことをすぐ処理しようというならば複雑でありまして、たとえば消費税、電気ガス税を一つはずせばそれだけでも一割変ってくるのでありますが、これをはずせばすぐ地方税に影響いたします。これは一つの例でありますが、電気だけの税金、金利を下げるというようなことも、ことに地方税に関係する分が多いのであります。簡単に片づきませんから、それで四月一日から実行しようとしますと、どうしてもこういうような簡単はすぐにやれる手段がないというようなことに実はやむを得ず結論がなつたわけであります。決して不誠意でやっているのではないということだけは御了承願いたいと思います。
○内田委員 中崎君の御質問に関連して。前会に、石橋通産大臣に、現内閣においてはどうも財政産業政策に関して二元性がある、石橋通産大臣のせっかくのお考えが一万田大蔵大臣によってあるいは妨げられ、あるいは撞着を来たしておるのじゃないかというような質問を私はいたしたのでありますが、その御答弁の中に、内閣にもいろいろな考えがあってよろしいのだというようなまことに簡単なお話で私は非常に不安を抱いたのであります。今の中崎君の御質問の中の電力金利の引き下げの点につきまして、巷間伝えられるところによると、先般石橋通産大臣は大蔵大臣に対して開発銀行の電力金利六分五厘を五分に引き下げるというような話を持ちかけたところが、大蔵大臣にけられた。そればかりではなしに、通産大臣から大蔵大臣に話を持ち込みますと、事の善悪にかかわらずすべてけられるというような話まで実は私どもの耳に入っておる。かくのごときは、まことに現内閣の重要なるポストを占められておるお二人の方々の考え方が違っておりまして、非常に国民に不安と疑惑を与える、私はかような点が心配になるのであります。また先ほど伊藤卯四郎君から御質問ありました原油の百万キロ増産計画に対して、通産大臣から近く法案等の審議願うことあるべしというような言明があったのでありますが、これは私の承知をいたしておるところによりますと、原油の試掘、探鉱等に一昨年までは三千万円の試掘補助金が出ておった。それを自由党内閣の時代に、二十九年度におきまして一億三千万円に増額をいたした。しかし今日の民主党内閣の政策によりますと、あるいはこのような補助金は切られるのではないかとさえ私どもは心配をいたしておるのであります。石油の増産計画はまことに私は重大だと思いますが、このような考え方のもとに、石橋通産大臣は、先ほどの御言明のように、別に石油の試掘、探鉱を目的とする特殊会社をお作りになって政府出資十億円をなさる、それを内容とする法案を本委員会へ提案をなさるというようなことを言明されましたが、それがまた次の機会におきましては大蔵大臣からけられて、いやあれは取り消すというようなことになりはせぬかという疑問を私は深くするのであります。その点に関しまして、最初の私の質問に関連することでありますから、この際御答弁をいただいておきたいと考えます。
○石橋国務大臣 いろいろの意見があることはやむを得ないと思います。今の石油の問題等につきましては、これは今折衝中でありますが、予算の裏づけのない法案などは出すつもりはございません。極力予算の裏づけをつけて、そうして本国会で御審議を願いたい、こう考えております。
○中崎委員 先ほどの通産大臣の意見でありますが、価格を安定する方がいいという御意見であります。どうも私にはわからぬ。一方値段を上げるときに、将来はこれを必ず下げるんだ、こういう努力によって、こういう目標をもって下げるんだということを約束されて上げられたものです。安定といったって、下げることはけっこうだ。電気料が上ることを望むものはだれもない。上ることよりも下ることを国民全般が望んでいると思う。そういう意味において、下がるのが安定だというのは私はいいと思う。そういうことがしかも約束されているのだから、それがことしの九月で切れるというのに、また六カ月間延ばすという、どうもそれがわからない。どうしてそういう一方的な措置をやらなければいかぬのか。しかも去年の十月一日から発効して、この九月でちょうど一年だから、それでいいはずなのに、またそれを途中になって、期日もまだ来ないのに六カ月間延ばす、これは一体どういうことですか。
○石橋国務大臣 実は九月までということは聞いておらないのです。今ちょっと政府委員に聞きましたが、政府委員も知らない。ただ産業方面の電気料金の三割頭打ちというのが九月末日で終るということは承知しております。だから、九月に改訂しなければならぬということにはなっておらないように今私は理解しておる。あとは同じことを繰り返すことになりますから申し上げませんが、先ほどからの質問応答の中に出ておりますように、全体としての料金はどうしても根本的に考えなければどうにもならない状況にありますから、これをぜひ一つやりたい。しかしそれはやってみますとなかなかひまがかかりますし、さっき内田君から話があったように、大蔵省との関係等もむろんあります。それは一方の方はなるべく出したくない、われわれの方は使いたいというのですから、これは話がつかないにきまっているのであります。しかしながらそれを調整して参って何とか希望を達したいと考えているわけです。
○永井委員 ただいま中崎君から、だらだらと料金決定を延ばしていることはおかしいという質問がありましたが、私も当時この案が委員会にかかりまして審議されたときの審議過程から申しまして、政府に責任があると思う。内閣はかわりましたけれども、行政の長として議会を通して約束したことについては、その責任を継承されなければならない。内容の政策その他についての考え方や何かは別でありますが、この電気料金の問題についてはこういうふうに取扱います、こういう約束した事柄については責任を持たなければならないと私は思うのであります。それは当時半年分の料金だけを出しまして、四月以降の分についてはこれはいろいろな措置を講じてやらなければいけない。それから三月末日までの料金の問題につきましても、聴聞会その他を開かなければならないようになっているのでありますが、これは聴聞会も何もやりませんであの料金が決定されたのであります。これは時間的に余裕がないからこういう措置をするけれども、四月以降の分については、十分に議会にも諮りますし、聴聞会その他も開いて、正しい方法によって四月以降の料金は措置いたします、こういうことを約束した。それが政変その他によって時間的にずれもありましょうけれども、とにかくそういう措置によって国民に納得するように四月以降の分については料金を下げるのだということを約束しておきながら、聴聞会も開きませんし、議会その他においても十分論議の機会を与えないで、そのまますべり込もうとする、こういう措置については、私は政府は責任を負わなければいけないと思います。 それから中島局長は当時、七灯平均はとにかく料金は上らないのだ。私は、上るのだ、こう言ったら、アンペア制にして……。これは料金単位をずり変えてごまかそうとしているのである、こう言ったのですが、いやそういうことはない、七灯平均は上らない。それじゃ上ったらどうするか、責任を持つか、首をかけるかと言って、私は首をかけますということをちゃんと約束してある。料金の問題について私は後日いろいろ具体的な数字をあげて質問をしたいと思っていますが、本日中崎君が言ったように、四月一日からの料金改訂に対する事務的な取扱いは、議会に対してうそを言っているものである、国民を瞞着したものである、ごまかしたものである。料金の内容その他については、政府がかわっておりますから、いろいろな考え方が変ってもよろしいが、事務的な運び方、国民に約束したことについて責任を政府はとらなければいけないと思います。はっきりした答弁を求めます。
○石橋国務大臣 先ほど来申し上げますように、前内閣の約束だからわれわれに責任がないなんとは決して考えておらない。何とか前内閣のお約束に沿うようにいたしたい。ただ遺憾なことは、前内閣がある程度申しております税金及び金利の引き下げを同時に加えて料金問題をこの際検討するということが、時間的にずれて参りまして、あまり長くなりますと、四月一日からの料金の引き下げということがまずい。とにかく値上げを押えるという前内閣の約束に反しますから、そのお約束にできるだけ沿うように、とにかくはなはだ不完全なやり方でありますが、業者の企業努力だけで三割頭打ちをやりたい、こういうわけで、これは全く私どもとしては前の内閣の約束をできるだけ誠実に実行したいというところから参った次第でありますから、御了承を願います。
○田中委員長 明三十日午前十時より会議を開き、残余の質疑を続行することといたし、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十九分散会