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22回国会衆議院1955/03/25

社会労働委員会 第2号

発言数
13
登壇者
6
会派数
2
開催日
1955/03/25

会議録

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。今国会における委員会の活動を円滑ならしむるため、国政調査の承認要求をいたしたいと存じます。調査する事項といたしましては、一、社会保障制度、医療、公衆衛生、婦人・児童福祉及び人口問題に関する事項、一、失業対策、労使関係及び労働基準に関する事項、以上の二項目とし、これらの実情を調査し、対策を樹立することを目的といたしまして、小委員会の設置、関係各方面より説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査の承認要求をいたすこととし、文書の作成等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 この際厚生大臣が出席せられましたので、御紹介をいたすとともに、発言を求められておりますので、これを許可いたします。川崎厚生大臣。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 私は今回第二次鳩山内閣の成立に伴いまして、厚生大臣に新任されました川崎秀二であります。浅学菲才かつ若輩でありまして、委員各位の御教導のほどを、冒頭に当りお願い申し上げる次第であります。  およそ、厚生行政の大部分が、社会保障の実践にあることは御承知の通りでありまして、世界各国のうち、いわゆる先進諸国でありますヨーロッパあるいは北アメリカ等の諸国家はもとより、新興の地におきましては南米ないしは近東の国家群の二、三よりも、さらにわが国の社会保障が著しく立ちおくれておる現状はまことに残念の至りであります。従いまして、この現状を、将来近代福祉国家としての理想に邁進をいたしますことは、為政者として当然の責務であると考えるのでございます。しかしながら、わが国の終戦後の経済事情と財政上の制約は、この実現を著しくはばんでおりまして、この理想境に達するには幾多の困難を感ぜしむるものがございます。この実情のゆえにこそ、社会保障の必要性が一段と痛感されるのでありまして、幾多の困難を排除しつつ、一歩ずつでもその強化に邁進したいと考えておるのでございます。  社会保障の強化が、大別いたしまして、社会保険の整備拡充を軸とする医療行政の向上にあり、一方救貧対策である生活保護にあることは当然でありますが、これを強化する以前におきまして、今日健康保険の中核の体系が危機に瀕しているということを率直に認めなければならないと思うのでございます。ことに政府管掌の健康保険は近年医療給付費が急激に増加をいたしまして、昭和二十九年度末におきましては収支の均衡が破れて、約四十億の赤字が見込まれ、このまま推移をいたしますれば、昭和三十年度の末には、さらに赤字が増大することは必至の情勢となっているのであります。二十九年度において赤字がこのように大きくなりました原因には、新医療法の全面的採用を初め、二、三の主たる原因が数えあげられますが、一方この健康保険の利用度の激増や、保険医監査の停滞による一部保険医の動きなどもその原因の一つに数えあげなければならぬと思うのであります。今後医学の進歩に従いまして、医療費は逐次増加をする傾向にありまするし、これらの根本的解決は疾病保険全体をどうするかという問題にも関連いたしておりますが、当面の健康保険対策としては、なるべく早く収支の均衡を回復する措置を講じ、当面の赤字につきましては、長期にわたって逐次解消して行く方針で、財政当局とも折衝をいたしたいと考え、現に折衝をいたしております。また根本的な対策につきましては、各方面の意見を総合的に反映する審議機関のを設けまして、その議を経て健康保険制度の将来の発展を考慮に入れた対策のを実施いたしたいと考えるのであります。  当面の厚生行政の直面をしている問題が、健康保険の問題に焦点が向けられていることは事実でありますが、このほかにも、もとより厚生行政は多面にして複雑なる諸問題をかかえております。たとえば結核対策の計画的推進であるとか、生活保護法の充実であるとか、母子福祉対策の推進、医療機関の整備、遺家族援護に関する新しい施策、昨年来懸案になりました医薬分業問題の解決、人口問題等、厚生行政の前途には幾多の難問題が山積しているのであります。これらの問題を通じまして厚生行政を充実させ、真に日本が福祉国家としての名実を備える方向に導くことは、今日の日本の政治家のおしなべての任務であるとともに、少くともその基盤を確立することが現内閣の使命であると考えているのでございます。  厚生行政の前途は容易ならざる難路であります。しかし、この難路は、福祉国家という大平野につながる難路であり、希望に向っているということは、否定することはできないと考えるのでありまして、厚生行政は日本の将来のあり方を決定する一つのかぎでもあると信じ、今回新たに労働委員会と合体をして拡充をされました社会労働委員会もまた、将来の国政審議における実質的な中枢であるとかたく信じており、本委員会に議席を占められる先輩各位に深い敬意をささげている次第でございます。どうかよろしく御協力お引き廻しのほど、ひとえに懇願いたしまして、私のごあいさつといたします。

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 次に労働大臣が出席せられましたので、御紹介をいたすとともに、発言を求められておりますからこれを許します。西田労働大臣。

西田隆男自由民主党労働大臣

○西田国務大臣 私はこのたび鳩山内閣の労働大臣に就任しました西田でございます。どうかよろしく願います。  この機会に、労働行政についての私の基本的な考え方を申し上げたいと存じます。  現在、わが国にとって、経済の自立を達成することが緊急の要務であることは申すまでもありません。これがため、政府は全能力をあげて、経済の拡大均衡の基盤を確立する総合的な経済諸施策を樹立推進すべく懸命の努力をいたしております。労働問題が経済問題の一環であるということは申すまでもございませんが、私は労働問題は経済問題と総合的関連をもって解決されなければならない、また労働問題の合理的な解決こそ、経済諸問題の解決の基本であると確信をいたしております。労働行政の重要性を痛感するのでございます。私が経済閣僚懇談会のメンバーとして、総合的経済諸施策の樹立推進に参加することになりましたのも、全くそのような基本的な考えによるのでございます。今後とも経済閣僚と常に緊密な連絡をとりまして、有効適切な総合的経済施策の実施に努力して参る所存でございます。  第一に、労働問題の基本的な課題は、労使関係者が能率の向上をはかるために、真剣な努力をしなければならないということでございます。このような見地から労使関係の現状を顧みますとき、改善を要すべき幾多の問題が存することを率直に認めないわけには参りません。現在のように、年中行事的に春夏秋冬労働争議が繰り返されているような状態では、日本経済の自立の達成はきわめて困難のように考えられます。この際労使双方とも、現在国民経済に課せられた課題が何であるかということをよく見きわめ、互いにその責任を自覚し合って、良識をもって労使間の諸問題を合理的に解決する基本的態度に切り変らなければならないと考えます。賃金をめぐって労使間に紛争が起る場合、私が常に遺憾に思いますことは、労使が企業の利益を労働と資本との間だけで分配するという考え方の上に立っているように思われることでございます。私は、利益が上れば、これをただ安易にベース・アップに回すとか、あるいは配当の増加に充てるとかいうような方法をとるだけでなく、製品の販売価格を引き下げることによって、利益を消費者その他国民大衆にも分つという方向へ考え方を変えていただきたいと思っております。このように、労使双方とも常に国民経済的視野に立って、国民全体に奉仕するという考え、利益は労使双方だけでなく、労使を含めた国民一般にも返すという考え方の上に立ってお考えになったならば、分配の限界もおのずから明らかとなりまして、労使の調和点を発見することも可能となり、日本の貿易の拡大も達成できるものと考えております。私は以上のような基本的考え方が労使関係者に徹底し、生産向上のため積極的な労使協力態勢が確立されるような機運を醸成することに、あらゆる努力を傾注する決心でございます。従って私はあらゆる機会をとらえて、労使関係者と常に話し合う機会を持ち、真に意のあるところを率直に申し述べて了解を願うとともに、建設的な御意見は、これを勇敢に政府の施策に十分取り入れて参りたいと考えております。  次に私は、労働行政の一つの重点は、失業対策を最も効果的に実施して参ることだと存じております。現下の失業情勢は、デフレ経済の進展によりまして、すでに相当悪化しておるのでありますが、少くとも本年は、いまだ経済正常化の努力を必要とする段階でありまして、一般経済活動の改善は見込まれません。従って失業情勢は、なお当分の間楽観を許さぬ状態が持続するものと考えております。政府は当面の失職者に対しましては、まず失業保険制度をもって対処するとともに、公共職業安定所の機能を十分に活用いたしまして、就職のあっせんに努める所存でありますが、さらに失業者の就労対策として、本予算に移行するまでの間、暫定予算によりまして緊急就労対策事業、鉱害復旧事業等の失業者吸収を目的とした公共事業を、二十九年度下期と同程度の規模で実施いたしまして、緊急就労対策事業については、一日平均約一万五千人、鉱害復旧事業につきましては、一日平均約一万人の失業者を雇用する予定でおります。また失業対策事業につきましては、本年度第四・四半期よりさらに若干規模を拡大いたしまして、一日平均十九万人の失業者を吸収し、当面の失業対策に万全を期する考え方でおります。  さらに将来の問題としましては、長期経済計画に即応して公共土木事業、財政投融資対象事業と失業対策事業との総合的計画的運営をはかるとともに、失業対策事業の刷新強化を行うことが必要であると考えております。  私は、失業対策事業を効果的に行うためには、まず第一に、失業者の実態を的確に把握することが最も必要であると考えます。従来は、とかく失業者の人数だけをたよりに失業対策を立てて参っておるきらいがあるやに考えられます。同じ失業者でありましても、その間には技術とか技能等の相違、労働力の相違等によりまして、これをただ一律に、いわゆる失業対策事業に吸収するという方向は、効果的な失業対策は行えないと考えております。従って、私は国家的失業対策事業につきましては、政府が予算的に十分責任を持って行うようにし、事業それ自体も、生産的な能率の高いものに切りかえまして、断片的な小さな事業ではなく、相当長期間にわたる継続的、建設的事業を行いまして、その事業が終りました場合にはさらに別の事業に吸収するということによって、全体としては一つの長い雇用状態が継続するごとき方策を検討の上実施したい考えでおります。なお、このような建設的事業に就労いたすに適しない失業者に対しましては、簡易な作業を内容とする失業対策を社会保障と関連して行うようにいたしたいと考えております。さらに、働く婦人及び年少者の福祉増進と一般婦人の地位の向上をはかるためには、今後民間有識者の清新な御意見を十分に取り入れまして、婦人少年行政が真にその実効を上げるよう格段の努力をして参りたいと考えております。  以上、労働行政についての私の基本的な考え方を率直に申し述べたのでありますが、今後さらに各方面の関係者の御意見を十分に伺いまして、具体的な労働対策を樹立推進して参る決心でございます。委員各位におかれましては、私の意とするところを御了解いただきまして、今後とも一そうの御協力を賜わらんことをお願い申し上げます。(拍手)

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 なお両大臣に対する御問もあろうと存じますが、これらはすべて次会以後に譲ることといたします。  次に、厚生政務次官の紅露みつ君を御紹介いたします。

紅露みつ日本民主党厚生政務次官

○紅露政府委員 私このたび厚生政務次官に就任いたしました紅露みつでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  現在の日本で最も強く要請されておるのは、社会保障の拡充強化であることは、これはもう申し上げるまでもないことでございます。鳩山内閣におきましても、使命のうちの相当の分野をこれが占めておるということも御承知の通りでございます。ところが、私はまことに経験も少うございまして、女性でございます関係で、わずかに婦人面のこと、あるいは青少年の問題、そういうような問題にわずかに経験を持っておるという程度でございまして、今後は切に皆様の深い御研究と、そして御厚意のある御協力、こういうことをたよりに、ただいま大臣から申し述べました政府の方針に従いまして努力をきせていただきたいと存じまするので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 次に労働政務次官の高瀬傳君を御紹介いたします。

高瀬傳日本民主党労働政務次官

○高瀬政府委員 ただいま御紹介をいただきました高瀬傳でございます。何分私は労働行政につきましては、全くのしろうとであります。どうかお手やわらかにお引き回しのほどをお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 次に公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題とし、審査に入ります。まず通商産業政務次官より趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。島村通商産業政務次官。     —————————————

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○島村政府委員 御説明を申し上げます前に、一言新任のごあいさつを申し上げたいと存じます。  何分ふなれでございますので、よろしく御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。  ただいまから昭和三十年一月二十九日に、公共企業体等仲裁委員会が、アルコール専売事業職員の勤務地手当の改訂に関する紛争について行いました仲裁裁定第十九号を国会に上程いたし、御審議願う次第につきまして御説明申し上げます。  昨年二月二十三日に、アルコール専売労働組合は、東京通商産業局磐田アルコール工場、同じく新潟アルコール事務所、四国通商産業局商工部アルコール課、同近永アルコール工場、福岡通商産業局相知アルコール工場、同肥後大津アルコール工場、同出水アルコール工場及び小林アルコール工場の八事業場に勤務する職員の勤務地手当の改訂に関する要求書を通商産業省当局に対し提出いたしまして、両当事者におきまして数次の団体交渉が行われましたが、当局側がこれを拒否いたしましたので、組合側は、六月九日公共企業体等福岡地方調停委員会に、七月二十三日公共企業体等東京地方調停委員会に、七月二十七日公共企業体等高松地方調停委員会に、それぞれの所轄事業場の勤務地手当について調停申請をいたしました。  福岡地方調停委員会は八月二十四日、東京地方調停委員会は八月三十日、高松地方調停委員会は八月三十一日、調停案をそれぞれ提示いたしましたが、当局側が九月十三日受諾しがたい旨の回答をいたしましたので調停が打ち切られ、その後十一月十六日に至り、組合側は、前記八事業場の各別について、それぞれ公共企業体等労働関係法の規定によりまして仲裁申請を行なったのでございます。よって公共企業体等仲裁委員会はこれら八事案を一括して処理することとし、これが審議を重ねました結果、本年一月二十九日、これから御審議をいただきます仲裁裁定を行なった次第でございます。  右の裁定を実施いたしますには、必要な経費を増額支出する必要があるわけでございますが、三十年度予算については、いまだ成立もしておりませんので、現況においては予算上可能と認めがたいのであります。従って、本裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するとするのが妥当と認められる次第でありますので、同条所定の手続をもちまして裁定を国会に上程いたし、御審議を願う次第でございます。  何とぞ慎重御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。

中村三之丞日本民主党

○中村委員長 以上をもって説明は終りました。  なお本件に関する質疑は、昨日の理事会の協議の結果、次会以後に譲ることといたします。  本日はこれをもって散会をいたします。次会は公報をもって御通知いたします。     午後一時五十四分散会

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