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22回国会衆議院1955/09/20

行政監察特別委員会 第21号

発言数
112
登壇者
8
会派数
4
開催日
1955/09/20

会議録

篠田弘作自由党

○篠田委員長 これより会議を開きます。  前回に引き続き、小、中学校における教科書関係事件について調査を進めます。直ちに証人より証言を求むることにいたします。  ただいまお見えになっておられるお方は吉武久賀さんですね。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 はい。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 あらかじめ文書をもって御承知の通り、正式に証人として証言を求むることになりましたから、御了承を願います。  この際証人に一言申し上げますが、現在わが国において小、中学校における教科書は多種多様にわたり、大小出版業者が乱立の結果、これが検定並びに採択等に関しとかくの風評が生まれ、これが学童並びに父兄に及ぼす影響等を懸念し世上大いに関心を抱いている向きもありますので、義務教育の本旨にかんがみ、これが真相を明らかにすることはきわめて意義あることと考え、本委員会は本件の調査に着手した次第であります。証人におかれましては率直なる証言をお願いいたします。  それでは、ただいまより小、中学校における教科書関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。なお、証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものであるときは、その旨申し出願いたいと存じます。  では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。   〔証人吉武久賀君朗読〕     宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それでは、宣誓書に署名捺印して下さい。   〔証人宣誓書に署名捺印〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはそのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴について述べて下さい。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 明治四十年四月九日生まれでございます。大正十三年四月中学を出まして、東京の神田橋税務署に奉職いたしまして、在職中昭和七年に高等試験行政科、司法科を合格いたしまして、昭和十二年滋賀県の大津税務署長を拝命し、その後本省各局を歴任いたしまして、昨年の十月現職に就任いたした次第であります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 証人は北海教育評論社の営業所得に関し税務上の調査を行なったことがありますか。あれば、税務上どのような調査の結果が出ているか、お答え願います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 株式会社北海教育評論社は札幌市にございまして、直接当職の所管ではございません。直接の課税関係は札幌税務署長に職権があるわけでございます。間接的に、私は税務署長を監督いたしておりますから、そういう意味合いにおきまして、課税関係に関係しているということが言えるかと思いますが、直接には私自身は課税関係にはタッチいたしておりません。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 課税関係に直接あなたはタッチしておられないということは、私たちも承知しております。それは北海教育評論社の資本が三百万円であって税務署の監督下にあることも知っておりますが、この問題が起りましてから相当新聞などにも報道されております。あなたが監督官庁として内容はお知りのことと思いますから、そのお知りになっている程度でお話し願います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 株式会社北海教育評論社のあれにつきましては、同社が設立以来税務署の所管であります。ただいま委員長御指摘の通りでありまして、大体現在まで過去数年の課税の模様を申し上げますと、昭和二十五年度におきまして、事業年度を申し上げますならば、二十五年の七月一日から二十六年の六月三十日に至る事業年度におきまして、調査したときは百七十七万三千円、二十六年度、二十六年の七月一日から二十七年の六月三十日でありますが、その期間におきましては三百六十四万八千円、二十七年度は百八十九万四千円――それは、その時期におきましては事業年度は非常に変っておりまして、二十七年の七月一日から昭和二十八年三月三十一日になっておりまして、その時期におきましては百八十九万四千円、昭和二十八年度と申しますのは、二十八年四月一日から二十九年の三月三十一日までの事業年度でありまして、これは三百八十五万二千円、二十九年度は四月一日から本年の三月三十一日まででありますが、これは課税調査は決定いたしておりませんが、申告によりますというと三百五十万一千円となっております。かような状況であります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それは納税額ですか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ただいま申しましたのは所得額でございます。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それは計数的に合いますか。われわれの調査によりますと、北海教育評論社の夏冬休み学習帳は原価が十六円何がしというのですが、それを二十二円で売っております。いろいろな経費をその中から差し引いて、それだけのものが残る、こういう意味ですね。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 法人の所得の計算は、御案内の通り、総益金から総損金を引いた残りに対して課税することになっております。従いまして、今お話しのような場合の本を売った、それに対して、経費を引いたその残りがすなわちただいま申し上げました所得額、こういうふうになるわけでございます。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 ちょっとお伺いしておきたいと思いますが、贈与というものは一体利益金の中に入るのですか。贈与というものは、たとえばわれわれが人に贈与するという問題は、われわれの給料の中からたとい贈与したとしても、それは損金の中に入るのですか、利益金の中に入るのですか、それを一つ伺いたい。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ある部分につきましては、寄付金の一定限度につきましては、これは経費と認められますし、これも会社によって、資本金によって違いますが、この場合におきまして普通の会社でありますれば、出した場合においてそれは損金として当然認められると思います。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 北海教育評論社の発行する夏休み、冬休み学習帳及びワーク・ブック類の販売部数及び販売価格はどのくらいであったか、また、右学習帳及びワーク・ブック類による同社の販売利益はどのくらいであったか、これは調べがついておりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ワーク・ブック、夏休み学習帳、冬休み学習帳の売上総金額はわかっております。それから、これについてのこの会社全体の利益、それにつきましてはわかりますが、いわゆる夏休み、冬休み帳だけについて損益を計算いたしてはおりません。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 北海教育評論社の学習帳及びワーク・ブック類の販売取引先はどこですか。また、代金の決済方法、そういうふうなものがどういうふうに行われておりますか。たとえば手形の振出先といったようなものでわかっているところがあったら、一つ伺いたい。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 夏休み帳、冬休み帳の販売先は北教組でやっております。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 北教組だけですか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 夏休み、冬休み帳はそうだと考えております。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 生活協同組合、学生協などというものは関係ないのですか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 失礼いたしました。若干その点もあると思います。学生協に多少取り扱ってもらっております。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 証人は北教組及び同支部について学習帳の編集と販売による利益金について課税の適否を決定するための調査を行なったことがありますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 はなはだ申しわけない次第でありまするが、当行政監察委員会の調査があるというので初めて――私、そのときはちょうど東京に出かけておりまして留守をしておりまして、帰って参りましてから、行政監察委員の方が参りましてお調べになっておったということを聞きまして、それで私は北教組がかようなことをやっているということを初めて知った次第でございます。その後わかりましたから、さっそく部下職員をいたしまして、ただいま調査させておりますような状況であります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 北教組の代表の当委員会での証言によりますと、夏・冬休み帳の編集のために、こういう四十ページあるかないかの薄い冊子ですが、これを作るのに一万五千人の人間を動員して、それは一年に夏・冬休み二回です。一冊で約四百万円の編集料をかけている。そのほかに一冊について一円七十何銭という編集料が北海教育評論社から別に出ている。こういうことはきのう証言があったわけです。しかし、もっと大きな本を作るのに、たとえば理科の教科書とかなんとかいうものを北海道でも教員組合の諸君、研究団体が作っておりますが、その原稿料はわずか十万円か十五万円もらってやっぱり作っておる。こういう薄っぺらなざら紙で作った夏休み帳、冬休み帳に一万五千人も動員して、そうして一冊について四百万円近い編集料、別にまた北海教育評論社から取っているから、五百万円以上の編集料がかかることになるのですが、そういうことは税務署で妥当だと思いますか、思いませんか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、ただいまの委員長の御質問に対しましては、はなはだ遺憾ながら、それがいいか悪いかということにつきまして、私といたしましては、私の個人の意見がお聞きになりたいならば格別、私の方といたしましては、課税につきまして、所得につきまして云々ということにつきましては証書を申し上げられますが、それにつきましての高いか安いかということは、私自身ではここではちょっとすぐに御意見を申し上げることはできないと思います。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 私の聞くのは一般です。たとえば商品の製造ですね。課税に対して大体の常識というものがありますね。そうすると、この商品ならこの商品は製造している人が十人いますね、そうすると、十人なら十人の工賃というものはそれから実費で差し引かれるわけです。しかし、税務署はこれに対して五人きりかかっていないという判定をすれば、五人というものは控除されない。北教組は大体常利団体でない。営利というのは金もうけという意味です。そういうことをやらないというので課税の対象になっていない。しかし、一冊について五円ずつ手数料を取っておる。それは弁護すれば編集料とかいろいろなことを言うけれども、その編集料というものも、一般の社会常識上、別に評論社から出ているその程度の編集料であれば、これは教育者の団体だから問題ないと思う。しかしこんなものを作るのに延べ一万五千人の人間を動員して一冊について毎年々々四百万円の経費をかけたということは、日本中のどこの本屋さんを探してもそういうことが許されるかどうか。これは税務署としても考えなければならぬが、これに対してあなたはどういうふうに考えるか。それだけを一つ……。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、その夏休み帳、冬休み帳を作成するにつきましていろいろな経費がかかっていると思う。その経費が夏休み帳、冬休み帳を作るに必要な経費であるということにつきましては、私は十分に税務署をして調査させます。税務署も調査しておると思います。そのかかった経費が果して税法上は経費と認められないものを認めておるとすれば、これは私は是正いたさせますが、それが高いかどうか、結論がいいかどうかということにつきましては私は申し上げかねます。その経費は必要経費かということにつきましては、私は当然職務上判定しなければなりませんが、高いか安いかということは私はまだ申し上げられないのです。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 証人の調査で、さっきもちょっと触れられましたが、北海道学校生活協同組合がワーク・ブック類の販売について教育評論者と取引しておるような事実を御存じですか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 若干さようなことを聞いております。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 その生活協同組合の手数料の金額あるいはその使途について調べたことがありますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ただいま詳細につきましては調査中であります。現に調べております。調べておりますが、それが最近どういうふうに金が行っておるかということについては承知いたしておりません。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 手数料の問題は昭和二十六年の冬休みの学習帳から始まっておるのですが、二十六年、二十七年、二十八年、二十九年、三十年、約五年間というものは税務署は全然この問題にタッチしていなかったと了承してよろしゅうございますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 株式会社北海教育評論社の課税につきましては調査いたしております。しかしながら、先ほど私がおあやまり申し上げましたが、北教組に対する課税につきましては遺憾ながら調査が徹底いたしておりませんで、今度の当委員会の調査によりましてわれわれも初めて知ったわけでありまして、現在といたしましては調査させております。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それは、しなかったということは、北教組の性格が営利団体でないということでしなかったのか、それとも、そういう手数料のようなものをもらっておるということを知らなかったためにしなかったのか、どっちですか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 かようなものを出しておるということを知らなかったのです。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 委員長よりの尋問は一応これにて終了いたしました。  この際委員諸君の発言を通告順により許可いたします。佐々木秀世君。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 議事進行に関して。昨日の質問の状態を見ておると、一人の人が一時間二十分の長時間にわたる質問があった。一体今までの慣例から言いますと、大体十五分ないし二十分で一応やめておったと思うのです。そういう時間の点について一応規制をすべきだと思いますが、この点委員長からお取り計らいを願いたいと思います。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 非常に質問者の多い場合は時間を制限します。この前のように十人も質問の通告があった場合には制限をしないと物理的にやっていくことができません。しかし、昨日のように、たとえば初め二人、あとで追加されて三人というようなときには、やはり真相を調査するということが委員会の目的でありますから、時間の許す限り質問をさせるということがいいと考えて、時間の制限をしなかったわけであります。本日は今のところ四人おります。従って、これから一時までやりましても一人三十分くらいはできると思いますから、大体二十五分ないし三十分の限度において質問をしてもらいたい、そう考えます。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 そういう形で一応やはり時間の規制をした方がいいと思うのです。一応二十分でも三十分でもいいですから。やはりそれでないと、のんべんだらりやっていたのでは切りがつかぬという感じがしますから、ぜひそうお取り計らい願います。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それでは三十分限度の質問を許すことにいたします。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 昨日私が非常に時間をとりまして、はなはだ恐縮しております。ただ、ただいま委員長が申された通り、最初は二人だけの通告でありましたので、その点その覚悟でいたしましたところ、後になって非常に時間がおくれましたことをあらためておわび申し上げます。  ただいま委員長よりのお尋ねに対しまして、北海教育評論社の事業の概要についてお話がありましたが、その中で、教育評論社の全体の収益、全体のいわゆる仕事の内容はわかっておるが、夏休み、冬休みの分については承知しておらないという御証言のように承わったのですが、全体を知るということは部分を知るということだろうと私は思います。夏休み、冬休みのおさらい帳のことを御存じだからこそ総体がわかるのだと私は考えるのですが、「夏休み」「冬休み」のことはそこでおわかりにならないのですか。それを承わりたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 大へん恐縮に存じますが、ただいま私が申し上げたのが悪かったのでさような誤解を受けたのでございますが、私は、夏休み帳、冬休み帳、それだけによって利益を云々すべきものではない、――会社全体で所得があるかどうかということですね。それ以外にもまだやっておりますから、会社の全部の収支を見て、その結果先ほど申し上げました数字になっておる、かような意味に申し上げた次第であります。非常に説明がまずかったのですが、あやまっておきます。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 そうしますと、「夏休み」「冬休み」の内容がその全体の中に入っているということを承知して承わりますが、北海教育評論社の事業の概要を大体札幌で承わったのでございますが、ほとんどが夏休み、冬休みおさらい帳の部分、それにワーク・ブック、これがあの会社のほとんどでありますが、その大半を占めるものは夏休み、冬休みのおさらい帳でございます。それに対しまして、国税局として、もちろん札幌の税務署ですかのお調べだろうと思いますが、その監督の地位にありますあなたの知っておる範囲のおさらい帳の内容を一つ承わりたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ただいま質問がありました夏休み帳、冬休み帳、これらのおもな商品の大体の原価の状況を見ますと、会社の計算によりますと、三十円の定価に対しまして夏休み帳は十二円四十五銭、冬休み帳につきましては三十円の定価に対しまして十二円九十八銭、さような状況になっております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 一冊に対して十二円四十五銭、十二円九十八銭ということはわかりましたですが、総発行部敬をそこにあります書類に基いてお話しを願いたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 夏休み、冬休みの学習帳の発行は、二十九年度について申し上げますならば百五十七万六千部ということになっております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 そうすると、百五十七万六千部の発行部数に対して、原価を引きまして、その利益がどういうふうに査定されておりますか。経費を控除しないで、会社の得る利益、それから、申告する利益は違うと思いますが、その申告でなく、それの差し引いた利益というものはどうなっておりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 夏休み帳、冬休み帳の学習帳だけで損益を見ておりません。会社全体の収入と支出を見ておりまして、それだけではただいま私持っておりません。全体といたしまして、全会社の収益を私は持って参っております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 それでは、第六期の二十八年四月一日ですか、それのいわゆる総売り上げの金額はどうなっておりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 二十八年度の夏休み帳は、部数は七十七万七百五。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 会社の総収入です。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 販売高でございますね。夏休み帳は千七百七十四万八千三百五円、冬休み帳は千六百四十六万八千六百九十円。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 総収入は。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 今私が申し上げましたのは夏休み帳、冬休み帳の販売高でございます。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 それでは、だいぶ時間をとるようですから、私の方から申し上げます。私たもの調査したところによりますと、第六期、二十八年四月一日では総売り上げが七千八百九十六万三千四十六円となっております。雑収入が百五十九万一千五百十五円、その合計の総収入が八千五十五万四千五百六十一円、こうなっておりますが、あなたの方の帳簿と合いますかどうか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ただいま先生の御指摘になられましたのは、この評論社の二十九年三月三十一日現在の全体の売り上げでございますね。それをさしておるわけでございまして、その金額は先生が御指摘のような七千八百九十六万三千余円、こういうふうになっております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 そうすると、約八千万以上の売り上げをやっておりまして、しかもわれわれとしてはもう原価がはっきりしておるわけです。紙代、印刷代、あるいは編集費、発送費。そうしますと、これだけの売り上げをしているものが、原価というものがちゃんとわれわれしろうとでもできるものに対して、三百八十五万円の課税対象というものは、私ら常識では考えられないのですが、そういうのは、どういうところにその会社が経費として落している点があるかどうか、その点を承わりたいと思うのであります。要するに、課税の対象が三百八十五万二千八十五円となっております。そうすると、総売り上げが八千万であります。しかも、これはほかの仕事と違いまして、紙代が幾ら、印刷代が幾らということはわれわれしろうとでも判然とするのであります。たとえば、印刷原価にいたしまして、小・中学校のおさらい帳を見ますと、一年、二年のものは比較的色刷りで十六円なんぼ、十七円近くかかっておりますが、ほかの高学年の三年から六年あるいは中学一年から三年、こういうものは印刷原価というものはほとんど十一円ないし十二円でできているわけであります。ほとんどそれは利益なのであります。そうすると、それほどの莫大な利益をもって八千万円からの売り上げをしておるものが、わずかに三百万円の課税の対象だということは、われわれ合点がいかないのでありますが、その点一つ、大ざっぱなところでよろしゅう、ございますが、こういうのでこういうようになるのだというような御説明を願いたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 二十九年度に例をあげて申し上げますならば、夏・冬休み帳の編集費は二百万円近くかかっておりますし、それから、この直接費を引いたいわゆる経費といたしまして、大体差引二十九年度三千三百七十二万円、こういうふうになるのではないか。これはまだ調査中で何とも言えませんが、大きな支出といたしましては給料が割合高いのです。それから旅費・運賃、接待費、交際費その他消耗品費、広告宣伝費、会議費、そういうものが大きなものじゃないかというふうに今ここでは考えております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 最後的な決定がなされていないということでありますから、私の方から参考に申し上げますが、編集費は一冊に対して一円七十二銭、それが百五十七万部といたしまして二百五十八万円、大体これは十六円何がしかの原価の中に入っておるのです。これは総収入のうちから課税の対象として落す経費にはなっておりません。これは原価の中に入っておりますから。あなたのおっしゃる宣伝費ということになりますが、宣伝費はこの会社は必要ないのです。なぜなれば、各学校に注文部数だけを申告させまして、その部数に基いて印刷するのですから、北海教育評論社は宣伝をして本を売っておるという対象ではございません。しかも、先ほどあなたのおっしゃる中に、取引はどこかということであったが、北海道教職員組合だということでございました。そうすると、ほとんど教職員組合で引き取って各学校に配付しているのですから、販売の手数料も要らない。そうすると、今あなたがおっしゃるところの宣伝費というものはどういうように使われておるのか、交際費は相当使われておるということですが、その宣伝費と交際費というのはどのくらいの金額になりますか、一つ承わりたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 実は、私も、先生と同じような観点からいたしまして、――広告宣伝費というものの費目が相当出ております。従いまして、この取引関係が先ほど申し上げましたように特定の人ですから、さように大きな宣伝費は要らないじゃないか、従って、これの内容を十分調査しなければならない、かように思いまして、税務署に指示を与えてやっております。これは実際検討してみなければ果してこれが経費と認められるか認められないかわからないから、今詳細に資料に基いてこれを調べろということを命令しております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 金額はどのくらいになっておりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 この三月三十一日に終りました事業年度におきまして百五十万ばかりであります。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 それから接待費はどのくらいでありますか、交際費は。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 二百三十二万数千円になっております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 それでは、あなたの方でこの問題が出てからお調べになったようでございますから、また時期から申しましても最後的な結論に到達しないと思いますので、私の方から申し上げますが、私は決して北海教育評論社をやり玉に上げるというのではございません。御承知の通り、この教科書というものは学童のいわゆる主食であります。必ずなくてはならぬものであります。夏・冬休み帳につきましても学校で全学童が使うのであって、ある学童が使ってこの学童が使わないというような性格のものではございません。われわれといたしましては、この教科書問題は重大な問題であって、しかもどうしても買わなくてはならぬという立場にあります学童をして一銭でも負担を安くするということについて、われわれのいわゆる国会議員としての立場からはこれを真剣に検討しなければならぬ、こう思いますので、今承わりました百五十万の宣伝費とか二百数十万の交際費とかいうような点が節約されますならば、それだけ安いものを児童に渡すことができるという考えでやっておるのでございますから、あなたの立場からこの点の税金問題あるいは総収入の問題等につきましては十分一つ御調査をお願いしたい。今まだ完全にできていないところに私からいろいろ申し上げることは、かえって調査の将来の結論を得るためには――ただ参考として申し上げておきますが、この問題はこの程度にしておきます。  そこで、先ほど委員長がお尋ねのときに取引先はどこかということでございました。取引先は北海道教職員組合だ、こういうことでございました。そうすると、取引という言葉は、われわれの通常常識から申しますと、取引というのは商売だと思うのです。商売だと思いますので、商売をやったならば、必ず課税の対象になる。取引という言葉を使う以上は課税の対象になる、こういうように私は考えます。いわゆる取引をして利益を受けた方は、どのような答えをしようとも、得た利益というものは、そのままやはり税務署も利益として認めることが当然だろうと思います。その取引の実態は、北海教育評論社から各北教組の支部ないしは生活協同組合、これらに対して二十二円で渡しておるという事実だけは――その後のことはまた聞きますが、二十二円で渡しておるということだけは国税庁としてお認めになりますか。その点を承わりたい。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 御指摘の通り、私もさように考えております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 それでは当然これは課税の対象になるわけであります。われわれも営業をやったことがございますが、取引をして利潤を得たということに対しては、これは課税の対象になる結論を得たように私は考えますから、その二十二円以後の問題、八円にわたりましてもう一つ承わりますが、北教組として各支部で扱っておるものもありますし、生活協同組合で扱っておるものもございますが、北教組はそこで五円という利潤を得ておるわけであります。それは編集費であろうと何であろうと言う方の側の自由でございますが、しかし編集費というのは会社自体でも一冊に対して一円七十二践、その合計二百五十八万円というものが原価の中で加算されておりますので、それ以外の編集費というものはその立場の人の単なる詭弁であると思います。しかし、その点はいろいろその仕事に携わっている人の意見の相違はございましょうが、その五円に対して一つ今後調査いただきたいということが一つ。それから、もう一つは、その八円の内容のうち、五円は各北教組の支部がとっておりますが、三円は直接児童に販売する学校側がとっているわけであります。学校側ではその三円は貧困児童に無償配付しているんだということでありました。その行為を云々するのではございません。私のお尋ねしたいのは、その三円という金が、一応の原価――、私たちの言うのは二十二円が卸価格ですから三十円というのがこのあとの原価になると思います。そのうちの五円以外の三円というものが貧困児童に無償で配付しているということでありますが、買う方は三十円という価格で買うのであります。しかも三十円の価格の中でマイナス三円というものは貧困児童に配付するということの何ものもうたっていないのであります。買う方はそんなことは知らない。定価そのまま買うのであります。そうすると、三円というものを、無償配付するんだと言っておきながら、その価格の中に入れておくということにおいては、私は、詐欺的な行為じゃないか、こう思います。これは二十七円の原価だ、しかしそのうちの三円は貧困児童に無償配付するんだ、こういうふうなはっきりした定価のつけ方ならば、何も私たちは申し上げませんが、ただ何も内容を話さずに三十円で売って、そのうちの三円というものは無償配付するんだからということで税務署がそのまま課税の対象にしないで通りますかどうか。その点を一つ承わりたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 学校におきまして、評論社から二十二円で売り渡したものを学校側が三十円で生徒に売ります。御指摘のように八円の差が出るわけでありますが、それにつきましては、そのうちの三円は今お話しのようなことに使っているらしいのです。向うの説明によりますと、御指摘のように、貧困の者にやるとか、あるいはまた給食の費用にやるとか、あるいはまたその他の研究費に使っているというようなことを言っております。それはいろいろありましょうが、三円につきまして――これは北海道におきますところの一番大きな学校は大通小学校でありますが、これが大体生徒数が二千五百人おりまして、三円にしますと七千五百円です。夏冬合せますと一万五千円で、金額としては、一つの単位とすればあまり大きな金額ではないように見受けますが、法律の性質としては、あくまでもこれはやはり検討すべきものではないか、かように考えております。これは目下検討中でございまして、ここではっきりどうだということは申し上げられませんが、性質としてはさようなものではないかというふうに考えております。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 私もそう考えます。ただ、その中で給食に使うとかなんとかいうことは、これは別な方法でやらなくちゃならぬわけです。たとえば貧困児童の問題は、各町村の財政によって、あるいは地方の問題であれば北海道庁の財政においてやらなければならぬのが当然であります。そういうことを児童の犠牲において、何も知らないうちに定価の中に入れておくということは違法だ、こう考えます。その点に対して私とあなたの意見は同じようでございますから、そういう点に対しても十分一つ御調査願いたいと思います。  ただ、私のお尋ねしたいのは、ただいま金額の問題が出て参りましたが、確かに一つの学校にすれば一万円内外です。しかし、これが全国的ということになれば膨大な数字になるということを一つお忘れないようにしていただきたいと存じます。一つの学校で一万円そこそこだからこれは大した金でないと言いますけれども、夏休み、冬休みのもの、あるいは教科書問題でも、たとえば一円安くしても、全国から申しますと、正教科書が二億四千万冊出ておれば二億四千万円になる。それが五円違ってくれば幾らになるか。何十億となる。われわれは決して北海道一部分の教科書問題だけ扱っているのではございません。全国のいわゆる教科書問題をどう今後改善するかというような点を私たちは考慮しているのでありますので、どうか、その金額の一部分の小さい大きいということにこだわらず、あなた方の立場からこうすることが正しいのだというような方法で一つ進んでいただきたいと存じます。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 ちょっと佐々木君に申し上げますが、あなたの持ち時間が来ておりますから、簡単にお願いします。

佐々木秀世日本民主党

○佐々木(秀)委員 引き続いてお尋ねいたしますが、北教組の各支部の問題はそれで大体私は要領を得たと思います。ただ、それとからんで、学生生活協同組合というものは、これはその事業の内容というものは課税の対象になっていないと私は思いますが、その学生生活協同組合が自分たちの生活以外の事業をやって利益をあげて――あげる利益は幾らでもかまいません。金額を言うのではございませんが、何かの利潤行為をやった場合は、この学生生活協同組合といえども当然課税の対象になると私は考えますが、国税局長としてどういうことを考えますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 全く先生と同じ意見でございます。利益事業をやっておりますれば当然課税の対象になる、かように考えております。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 関連してちょっとお尋ねいたします。税務署ではどういうふうに見ておりますか、監督官庁が違うのでありますが、しかし、税にはすべて関連してきますからちょっとお尋ねしておきますが、学生協というものの実体を御承知でございますね。一体学生協というものはどの法律でできておるものか。これは税務署は知っておると思います。消費組合法か何かでできているのだと思いますが、ちょっとお尋ねします。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 遺憾ながら私は知りません。知りませんが、ただ、学生協同組合の中に、法人であるものと、それから単なる申し合せのものと、二つあるように存じております。北海道にあります学生協の中で、いわゆる申し合せのようなものと、法人組織のものとあります。その中の、ただいま私どもに申告しているのは、法人のものが申告いたしておりますが、片一方の方はまだしていない、こういう状況でございます。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 監督局の方がそうでありますから、実体はよくわからないようであります。北海道の学生協が法人であるかどうか、私もよくわからないのでありますが、確かに役所には届出が済んでいると思います。私どもの知るところにおきましては、消費組合法でできた協同組合は営利行為は絶対にできないと思います。そのできない学生協というものが、少くともワーク・ブックやテスト・ブックやあるいは学習帳などを売りさばいて相当の利潤をあげておる。それを、今の役所は監督が不十分であって、そのままに放置しておったということが一つ。また、相当の利益をあげているということは、教科書類が非常に高いということの世論の原因にもなりまするので、この点は一つ十分税務署においても御注意を願いたいと思います。  それから、もう一つ、ついでのことですからあなたに注文をしておくのでありますが、最近この行政監察委員会の活動によってある方面の税の問題が取り上げられた。しかるに、ある団体は、従来のような方法で税務対策を行えという指令が出ておるはずである。この点については、まさか皆さんの同僚並びに下僚はこうした誘惑に陥るようなことはなかろうと思いますが、十分一つ税法の精神を貫かれんことをお願いいたします。  以上の通りであります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 高津正道君。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 吉武証人にお尋ねしますが、北海道教組の全道の支部などが受け取った一冊について五円の金額は不当なものである、このようにお考えになりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 なかなか先生の質問が私にははっきりわからないで、はなはだ遺憾でございますが……。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 私は不当と思っていませんよ。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、先生の言われる当不当ということに対する、何と言うか、意味合いが解しかねるのでありますが、私は、何と申しますか、事業でありますから、ある財産を向うに渡すというときに、それに対して対価をもらっている、その対価がいいか悪いか、五円が果していいのか、三円がいいかということに対しては、私は意見を申し上げることができませんが、それがどうこうということにつきましてはお返事はできません。かような意味合いで、私はお返事をいたしかねるということであります。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 きのう本委員は北海道の教組の最高責任者から詳細に聞いたのでありますが、その五円は、三十円という本の定価から見ると、もし印税と見れば一割六分六厘六毛、こういう数字になるのであります。夏目漱石の印税は競争によって三割という例もあります。現在の売れっ子の作家の印税も二割というのもあります。それで、北海道の場合一割六分六厘六毛ということは、まるでけたはずれに高いものだというような印象を持たないように調査をしてもらいたいと私は考えるのでありますが、それだけの用意がありますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、実態に即応しまして、実質的な所得があるかどうかということに対して究明しているだけでありまして、その価格が当不当という、値段の点につきましては、これは私の所管外のことでありますから、これは私から意見を申し上げるのは差し控えたい、かように考えます。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 私は今の質問に対する御証言は満足いたしますが、この間決算委員会で明らかにされたところによれば、昭和二十六年以後五千万円以上の滞納をしておる会社が実に五十三社の多きに及んでおる。その名前を大蔵省の当局に言えと幾ら委員が迫っても、ついにその名前を言わなかったのであります。私は、税務局長として北海道地区を担当しておられるあなたが、大きな脱税をする者に目をつむって、そうして――この教員組合が受け取った額が一学校当りでは決して大きなものではないということを吉武証人は今も指摘されたのであります。われわれは、昨日の北海道の教組の委員長の説明によって、しかもその用途は個人的に費消したという事実は全くない、編集関係に使って、副次的には教育研究に非常に役立ったというような事実をもわれわれは聞いて、本委員はこれを了承したのであります。それで、それらの点を調査される場合には十分お含みになっていただきたい、こう思っております。それから、大きい脱税を無視しておいて、この問題は教師の信用を失墜することになるし、教科書そのものの信用を失墜することになるし、教育の権威をもまた非常に大きくそこなうことになるのであります。それゆえ、この問題を扱われる場合には特別の用意が必要であろうと思う。あなたは政治家ではないのでありますけれども、大きな脱税には目をつむっておいて、ここだけをむやみやたらに掘るというような、税務署は重箱のすみをようじで掘るようなことが得手かもしれぬけれども、この問題にそういう全力を集中されて、大きな脱税を見のがしにするようなそういう怠慢なことがあるならば、われわれはあらためてあなたを証人として出てもらわねばならないようなことになるかもしれないと思います。あなたはこの問題の重要性を、及ぼす影響のいかに偉大なものであるか、この点を御自覚になっておるかどうか、これを聞きます。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、常に、課税の方針、税務の運営方針といたしましては、課税の公正を得ることが一番肝要だと思います。従いまして、これにつきましては、本庁から毎年指示をいただいておりますし、またわれわれといたしましても、下部機構に対しまして、この対策をいろいろ練って指示を与えておりまして、今先生から御指摘のような、大きい脱税者を見のがしておるということは、少くとも私の知っている限りにおきましては、北海道におきましては絶対にない、かように証言申し上げて間違いないと思います。できる限り全知全能を集めましてただいままでやっております。それから、滞納の整理につきましても、御指摘のありましたように、大きいものをのがしている、これを一番私気にしているわけでありまして、常に、大納税者に対しましては、その動向は局といたしましても表を作っておりまして、これがどうなっているかということをいつも気をつけているわけでありまして、故意にさような大きいものをのがしておるということは絶対にありません。  それからまた、今回の問題につきましては……。   〔発言する者多し〕

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 この問題を最後まで掘るか掘らぬかという質問だよ。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それは職務上当然やるべきことをやるのであって、そこまで返答は必要ないと思います。証人は公正にやると言っているから、それでいいじゃないですか。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 教組が受けた三円は、学童に無償配付用に使ったということは、私はこれを了承したのであります。これは国家がやるべきものを教組がかわってやってくれたので、われわれはこれを感謝しなければならない、このように考えておりますが、その三円に対して課税をする意思ありやいなや。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 先ほど佐々木先生の質問に対しましてお答え申し上げた通りであります。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 われわれは、昨日の証人の証言によって、教育に無関係な組合活動に使われておるということは全然認められなかったのでありますが、税務署の見解はどのようであるのか、それを承わりたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 ただいままでの調査の段階におきましては、さような点は見かけておりません。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 私はその答えにも満足であります。  これをもって私の質問を終ります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 神田大作君。

神田大作日本社会党(右)

○神田(大)委員 証人にお尋ね申し上げますが、先ほど佐々木委員の方からいわゆる北教組の支部へやったというようなことを取引するというような言葉で表現されておりますが、私たちはこれを取引と思っていない。そういう点について、あなたはそれを取引と思っておるかおらぬか、その点をお尋ねいたします。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私は、株式会社北海教育評論社と北教組との間におきまして、夏休み帳を編集して、これをお前のところに三十円のを二十二円でやるからということであって、この代価をもらった場合におきまして、これは当然課税の対象になる、法律のいわゆる公益法人の収益事業、かようにとるわけでありまして、言葉そのものの取引とかなんとかいうことでなくて、収益事業と私は認めている。かような考えを持っております。

神田大作日本社会党(右)

○神田(大)委員 われわれは、しろうとですから、その点についてはよくはわかりませんけれども、少くともこの差額を貧困児童に使用し、あるいはこれを編集費のために――広い北海道の地域に合うところの編集をするためにはたくさんな費用がかかる。そういうために使われておるとわれわれは了解したのでございますけれども、そういう意味から言いますと、これを課税の対象にすることに対しましては、法律上においてはどうかわかりませんけれども、私ども、常識的には、課税の対象にならぬ、こういうふうに考えておるのでございますけれども、どうお考えになりますか。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 私の申し上げるのは、必要経費を控除した残りがいわゆる課税の対象になるわけでありまして、そのもらった金額そのものがずばりと全部が対象になるという意味で申し上げたのではないのです。その点はあくまでも間違いのないように願います。しかしながら、あくまでも、その事柄自体は、これは収益事業である、だから課税の対象になる、これはどこまでもかように信じて疑わないのであります。

神田大作日本社会党(右)

○神田(大)委員 佐々木君も北海道へ参りまして、教科書の特約供給所経営をやっておる冨貴堂の中村何がしという――これは北海道で一軒しかない。この冨貴堂の中村それがしという者の取扱い方、あるいはそれらの収益、それらの内容等について詳しく佐々木君も質問したからおわかりだと思うのでありますが、これに対して、税関係におきましても、その収入、所得等につきましても非常にあやふやな点がある。このことについては佐々木君は一言も触れないのですが、私は調査の目的はそういう問題よりも税金関係だと思う。この冨貴堂の膨大な利潤に対する追究はこれは行われねばならねと考えております。そういう点につきましてちょっとお尋ね申し上げますが、この富貴堂、中村何がしの所得に対しまして御調査したかどうかについてお尋ねいたします。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 実は、きょうさような御質問をいただくとは思わなかったために、冨貴堂に関する課税関係につきましては何ら調査資料を持って参っておりません。しかしながら、冨貴堂のようなああいう大きな納税者につきましては、もちろん調査しておるものと思います。なおまた、ただいま御注意がありましたので、私といたしましても、帰りましてから書類を見まして、その調査について十分検討いたします。

神田大作日本社会党(右)

○神田(大)委員 われわれが調査いたしました内容を簡単に申し上げまして御参考に資してもらいたいと思うのでございます。この冨貴堂というのは北海道一円の教科書の取扱いを全部一手に引き受けておりまして、大体この取扱い高は、卸売だけで五億四千万円。この利潤は、卸売価格の四%でございますからして二千二百万円。このほか、小売といたしまして、末端の取扱い所といたしまして札幌市内に七軒の取扱い所を持っておる。この収益がおそらく一千五百万円。合計いたしますると三千七百万円の収益がある。それだけの収益をあげるのに一体営業費がどれくらいかかっておるかというと、向う側の言ったことだけを聞いてみましても、この営業費が千八百八十万一千円かかっておると称しておる。この内容、これが問題だと思います。その内容をちょっと申し上げますと、社交費九十四万七千円。大略です。多少の違いがあります。家賃が七十九万九千円。これはやはり中村さんという人の持っておる家の家賃です。保険が三万四千円、通信費が三十八万二千円、電話が十万円、光熱費が二万七千円、薪炭費が十八万四千円、消耗品費が六十七万一千円、運賃が八十三万円、旅費が百三十八万六千円、会議費が五万七千円、負担金が六万円、それから記念会費、これは何のことかわからないのですが、これが百六十万円、このほかに記念品代として百五十万円、退職金が二十万円、雑費が七十八万六千円、雑運賃が百六十五万円、荷作り費が七万七千円、代表者の報酬が四十五万六千円、給料が二百七十二万九千円、特別手当が百八十二万円、交際費が百四十一万一千円、こういうふうにして、この数字は多少の違いがありますけれども、営業費として千八百八十万一千円かかっておると称しておる。この中において、大体証憑書類やいろいろそういう点を見なくても、私は計理をやっておりましたので大体見当はつくのでありますが、計理をやっていた感覚から私が見ますと、こういう金がかかるわけがない。というのは、職員が、大体小売の店をやらしておきながら一緒に使っておるのだろうと思いますが、これが十五、六人、二十才前後の女の人です。こういう人たちで営業をやっている。しかもこれが、有限会社になっておりましたか合資会社になっておりましたか知らぬけれども、株金はたった十万円、しかも四人か五人の同族会社、お父さんにむすこに、あと兄弟と、そのほか二人ばかりほかの人が入っているというような同族会社であります。家賃も旅費もみんなその人たちがとっているようだし、それから記念品代として、三百万円からの金を一年に出している。そのほか、運賃なんかにいたしましても、あるいは会議費とか交際費にいたしましても、これは相当膨大な費用がかかっておる。この四千万円からの収入があるうちに、とにかく千八百八十万一千円というようなことを営業費として、われわれが追及したのであげたのですけれども、これは北海道一の本屋であります。全国でも指折りの二、三と数えられておる、本屋としては財閥です。この財閥に対して幾ら税金をかけておるか。われわれが聞いたのは五十六万円と聞いたが、この調査では六十六万九千円になっておりますけれども、こういうことはわれわれとしてはとても信用できないのです。そういうことをやっていまして、教科書の定価を下げるというようなことをわれわれも念願いたしているのでございますけれども、こういうような人々の独占企業によって膨大な利潤が占められているということこそ追及しなくちゃならぬとわれわれは考えるものでありまして、あなたがこの点について資料がないと申しておりますけれども、これは北海道一の本屋でもって相当の財閥でもあるから、あなたも冨貴堂という名前は頭にあるだろうと思うのです。ですから、こういう点について、きょうどうしても資料がなければ私はこれ以上お聞きしませんけれども、ぜひ帰ったら詳細に調査をいたしまして、本委員会の方にあなたの調べた資料を御提出願いたい、こういうふうに考える次第であります。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 神田先生ののお話しの冨貴堂はよく存じておりますが、先ほど申しましたように、課税につきましては、その内容は詳しいことは存じておりません。帰りましてよく調査いたしまして、もしどういう点までほしいか、それを御指摘いただきますれば、その分に対します調査報告を差し上げてけっこうであります。

神田大作日本社会党(右)

○神田(大)委員 これで質問を終ります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大体いろいろな御質問がありましたので、私のお尋ねいたしたいこともそう大してないのであります。ただ、先ほど高津委員が、今問題になっている夏・冬休みの友についてのいわゆる編集費と、それぞれ取扱いの側が証言をしている金額について、果してこれが課税の対象となる収益であるかどうかについて徹底的に掘るか掘らぬかというお尋ねをここでしたわけでありますが、その高津委員の真意なり、またわれわれが申し上げたい真意は、ありきたりの当然のことではないかと先ほど言われたのであるが、そういう意味じゃないのであります。というのは、これは、先ほどから言われておりますように、単に北海道のみならず全国的に相当われわれも問題にしているいわゆる滞納、あるいはそれに対してあえて積極的に課税をしていかない税務当局等の問題があるのです。そういった問題等ともにらみ合せて考えて、われわれはぜひともいわゆる税務署の業務執行を厳正にやってもらいたいということを考える。しかし、その場合に、ここで十分留意してもらわなければならぬ問題、またわれわれがあなた方に十分お聞きしておきたいのは、先ほど委員長からも御質問のあった、どういうような調査をやっておるかという調査のやり方、調査の範囲であります。高津委員が言われたのも、おそらく、そういったあなた方が税務当局として課税をしていくというその責任上の調査の範囲は十分厳守しておやりになるかどうか、こういう問題はえてして、やり方を間違えれば営業面に入っていったり、場合によれば特定の問題に対して飛び入ったために不測の問題を生ずることがしばしばあるので、そういう点については十分留意してこの種の問題を考えておるかどうか、こういう御質問であったと思うのであります。従って、ここであなたにお伺いしておきたいのは、必要な調査はどしどしおやりにならなければいけないと思うのですが、しかし、それは課税の対象になるかならぬかという調査であって、それ以上、果してこのやり方がどうであるかとか、これは、あなたが証言されたように、高いとか安いとか、これはおそらく税務当局のここで答弁される範囲でもなかろうし、また実際業務をやっていく際において、さようなことをあなたの同僚並びにお使いなさっていらっしゃる下の方々がそういうことをする問題でもないと思うし、われわれはまた別の立場において、こういった問題が適正な価額であるかどうかについては、それぞれの当局のお考えを承わるのであります。従ってあなた方にお伺いいたしたい点は、そういう調査の範囲を十分厳守されて公正適正にお進めになる御決意があるかどうかを私は聞いておきたいのであります。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 われわれ税務当局といたしましては、課税所得の真実の発見に努めているわけでありまして、その他のあれは何らありません。そうして課税の公正を期すために真実を探求するだけであります。それ以外に何ら感情を交えたりあるいは特別のほかの勢力に災いされるようなことは全然考えておりません。そういう点は全然排除いたしまして、ただ一途に課税所得の真実の発見に努めているわけでございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 次に、私は具体的な問題についてあなたにお伺いしようとは思いません。それは、あなたが今申し述べられたように、公正適正に真実の発見に努めることにもわれわれはおのずからなる考え方があっても、それをあなた方に押しつける結果になってはいけませんから、そういうことは私は申し上げません。ただ、申し上げておきたいのは、この委員会でも、またわれわれがこの種の問題を扱うときでも、いろいろ私どもの考えに非常にまとまらない点が、よくそれぞれの人の考え方によって生まれているのであります。それは、あなた方も実際課税の対象にするための調査をおやりになるときに、一つ一つ事実に照らし合せて、法の建前に合っているかどうか、これをお調べになるのだろうと思いますが、あくまでも具体的に当てはめてみなければわからぬので、一般的にそれをお伺いすることは困難であろうと思うが、いわゆる問題になっているのは、これが果して編集費という範囲に入るのであるか、もしくは一般的に言われる単なる利潤というものに入るか、突き詰めてみればこういう問題だと思うのです。しかし、きのうるる証言を承わり、私どももそれぞれ実情調査をやって、確かに普通会社の経理等において行われる編集というような形とは違っていることは事実だろうと思う。そこにいろいろ誤解も生まれるし、また取扱い方によってはこれは真実と違う方向に取り扱う結果も生まれる。また、事実に徴してそれを精細に調査されれば、そこに、いわゆる普通の会社の経理の姿ではないかもわからぬけれども、実際上それが本の編集にあずかって力のある使途、方向になっておったということも明瞭になると思う。そういう点で、今まで調査をいろいろされてきておると思うのでありますが、ただ課税をしていくのだ、それはけっこうであります。同時に、やはり、それぞれ営業には営業の目的もある。特にこの種の、教科書ではありませんけれども、児童の教育の便に極限まで合わしていかなければならぬといったような性質のものについては、いろいろな角度から検討していただかなければならぬと思うのであります。そういう点において、一片の商品のように、単に、これは高いじゃないか、普通こんなものは最も効率的にやればこの程度でできるじゃないかという論も営業的な頭をもってすれば出てくると思いますけれども、しかし、それだけではいけない。その中に、たとい一字一句、これを配列するにも、そこにいろいろな研究、あるいはその配列の組み合せというものを考えれば、ずいぶんいろいろな考えも生まれ、またこれに対する研究も行われなければならぬ。そういった点について、私どもは内容を高めるための努力がその跡に顕者にあるというような見方をしておるのでありますが、ここに、いわゆる編集費というものが別の形において使われているのじゃないか、従ってこれは単に利潤として課税していくというような、一般的な常識で割り切れない問題がわれわれとしては残っておるのじゃないかということも考えておるわけであります。そういう点について、あなた方も、北海道にいらっしゃる関係で、北海道それ自体の実情なり、またこの種の問題についてのわれわれの調査はおわかりになっておると思いますので、一つ、法を適正に運用する、同時にその法が実際冷たい悪法にならないような、しかもいいものが作られ、それが適正に販売されていくというような観点において、十分なるこれからの調査及び研究をお願いしたいと思うのであります。  私の質問は、そういう前提を置いて、一般的に編集費と言われる種類のものは、ただその一会社なら会社の一つの決算面に現われたそういう形式的なものだけで取り扱われるのかどうか、そういった点についての、これは結論でなくてもけっこうですが、一般的な傾向なり、あなた方のお考えを参考に申し述べていただきたいと思います。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 課税を適正ならしめるために、できる限り納税者の実際の意見――書面並びに口頭で説明を求めております。できる限りわれわれといたしましては相手方の立場に立ちまして事情を聞いておりますが、ただ、遺憾ながら、現在ではなかなか資料が少いのです。それで、私たちといたしましては、全然私たちの心証を得ないものを、どうも自分の感情でこいつはこれぐらい出ているだろうというわけにいきませんので、その点につきましてはまだ調査中の段階であります。とくと職員組合と話し合いまして、事情をただしまして、十分検討してきめるつもりでおります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それから、ちょっと一つ言い漏らしたことがありますから証人に申し上げておきますが、この夏・冬学習帳は昭和二十六年からやられております。ただいまここで質問の対象になりましたのは二十九年だけでありますから、調査をされますときには、ただいま議題になりました北教組、北海教育評論社、冨貴堂というようなものにつきましては、二十六年以後のものを詳細調査していただきたいということを申し上げておきます。

吉武久賀札幌国税局長

○吉武証人 かしこまりました。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 他に御発言がなければ、吉武証人に対する尋問は終了いたしました。  証人には長時間にわたってまことに御苦労さまでございました。  明二十一日は午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会

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