行政監察特別委員会 第9号
- 発言数
- 583 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/07/06
会議録
○篠田委員長 これより会議を開きます。 前会に引き続き小、中学校における教科書関係事件について調査を進めます。 直ちに証人より証書を求めることにいたします。ただいまお見えになっておられる方は早川康一さんですね。
○早川証人 はい。
○篠田委員長 この際証人に一言申し上げます。現在わが国において小、中学校における教科書は多種多様にわたり、大小出版業者が乱立の結果、これが検定並びに採択等に関しとかくの風評も生まれ、これが学童並びに父兄に及ぼす影響等を懸念し、世上大いに関心を抱いておる向きもありますので、義務教育の本旨にかんがみ、これが真相を明らかにすることはきわめて有意義なことと考え、本委員会は本件の調査に着手した次第であります。証人におかれましては率直なる証言をお願いいたします。 それでは、ただいまより小、中学校における教科書関係事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び記入の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証書を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔記入早川康一君朗読〕 宣誓書 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
○篠田委員長 それでは、宣誓書に署名捺印して下さい。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、御了承下さい。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。 証人の略歴について述べて下さい。
○早川証人 明治二十八年九月十八日の生まれでございまして、大正五年に岐阜師範を卒業いたしまして、岐阜県下の教職に従事いたしました。昭和九年の三月に大日本図書株式会社に入社いたしまして、昭和二十一年の六月に取締役に就任、二十九年の三月常務取締役に就任いたしまして、今日に至っております。
○篠田委員長 会社の輪郭、資本金、営業種目について述べて下さい。
○早川証人 会社は、明治二十三年の創業でございまして、当時文部省著作の教科書の普及のために創立せられたものでございます。昭和十六年に国民学校制度になりましたときに、当時出しておりました文部省著作の音楽、裁縫、その他が固定教科書に編入せられまして、以後国定教科書の本格的発行会社として仕事を続けて参りました。昭和二十二年から発行種目が変りまして、中学校の理科、高等学校の理科の文部省著作教科書の発行を担当いたしました。二十四年、検定が始まりましてから、主として理科、数学の教科書を発行いたして今日に至っておるのでございます。資本金は六千万円でございます。
○篠田委員長 会社で発行しておる教科用図書の発行部数及び採択せられた主要な地域について……。
○早川証人 発行部数は、昭和二十四年には二千七百万冊、二十五年には三千三百七十万冊、二十六年には三千四百万冊、二十七年には千七百五十万冊、二十八年には千二百三十万冊、二十九年には千四百五十万冊、三十年度といたしましては千七百三十万冊という工合になっておりまして、おもなる採択地域は、ほとんど各県同じような比率で採択せられております。
○篠田委員長 証人の会社に、もと文部省に勤務しておった者があれば、その氏名あるいは役職名、あるいは文部省に勤務しておったときの職務内容について述べて下さい。
○早川証人 もと文部省におられました方といたしましては、桑木来吉氏が昭和十六年まで文部省の図書監修官としてお勤めになっておられました。この方が昭和二十二年に会社に入社せられまして、主として編集上の助言をいただく編纂顧問として就任せられております。
○篠田委員長 岡現次郎という人は。
○早川証人 岡現次郎先生は、私の方とは直接の関係がございませんが、理科の参考書の著作者になっております。直接の関係はございません。それから 著作者の関係では、ほかに松尾俊郎先生という人が、横浜の国立大学の教授で、小学校の社会科の編集を昨年からお願いしております。
○篠田委員長 社団法人新教育協会と証人の会社との関係について述べて下さい。
○早川証人 直接の関係はございませんが、社団法人新教育協会は、たしか昭和二十二年でございましたか、当時上当寿さんという方が、戦前の財団法人日本文化中央連盟ですか、それを解体して、新しい戦後の教育民主化をはかる団体を作ろうというので、社団法人として設立されたものと記憶しております。
○篠田委員長 証人の会社が教科書販売のためにとっておる方法について述べていただきますが、まず第一に、献本しておりますか。
○早川証人 はい、しております。
○篠田委員長 その内容を述べて下さい。
○早川証人 展示会見本を印刷いたしますときに、ものによりましては五百部ないし千部というようによけい刷りまして、これを各都市の中心になる学校あてに見本を献本いたしております。
○篠田委員長 講習会、研究会は開催しておりますか。
○早川証人 開催しております。
○篠田委員長 どういう方法で開催しておりますか。
○早川証人 採用校を中心に、教科の実際の指導面を指導するために、著作者などが現地におもむいて、研究指導をしたり、あるいは研究座談会をいたしております。
○篠田委員長 その場合に、文部省の事務官などが講習に講師として出席するというようなことはありますか。
○早川証人 私どもの関係では、直接にはございません。
○篠田委員長 駐在員を置いておりますか。
○早川証人 置いております。
○篠田委員長 それはどういう人を置いておりますか。
○早川証人 昭和二十七年から、教職にあったような方で、地方から教科書に対する意見を徴するというような連絡の役目として、十五県の地域に現在二十名の駐在員がおります。
○篠田委員長 駐在員というのは、ただ意見だけでなしに、売り込みもやっているんじゃないですか。
○早川証人 売り込みというのでなく、言葉の範囲は何でございますが、学校を訪問して教科書を提示して採択をお願いしておることだと思います。
○篠田委員長 売り込みという言葉は悪いかもしれませんが、実際には普通に言っておる売り込みはやっておるわけですね。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 採択者に対して招待だとかあるいは接待、供応といったようなことをやったことがあるかないか。やったとしたら、そういう実情について一言述べていただきたい。
○早川証人 こちらから呼びかけてそういうことをいたしたことはございませんが、著者をたずねて、会社へ来訪せられる場合もありますし、そうした場合にお金事を出す程度で、努めて逸脱しない限度での接待をいたしております。
○篠田委員長 常識以外の接待はしたことがない、こういう意味ですか。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 そのことはまたあとで質問しましよう。 証人の会社は昨年の展示会の前に千葉の市川市の学校の教頭を船橋の料亭に招いて教科書の採択について便宜をはかるよう依頼した事実はありませんか。
○早川証人 その報告を受けた記憶を持っております。
○篠田委員長 報告を受けた記憶を持っておる。これは、あなたの方から自発的に、教科書の採択に便宜をはかってくれるように、その権限を持っている市川市の学校の教頭を船橋に招いたわけですね。
○早川証人 だれをどういう工合に招いたということは記憶いたしておりません。
○篠田委員長 しかし、会社の方で招いたんですね。
○早川証人 招いたということでなくて、自然に時間がおそくなってお食事をともにしたというようなことを報告しておりますが……。
○篠田委員長 まああとで委員の方から質問があるでしょう。しかし、あなたの今のお話だと、会社を訪問された方だけに、常識的に、昼飯時になれば昼飯、晩飯時になれば晩飯を提供するくらいのことで、そのほかのことはやっておらないということですけれども、料亭に学校の教頭を集めたということは、学校の先生が自発的に料亭に集まってきたのですかね。招待も何もないときに学校の先生が自発的に料亭に集まって、飯時になったら飯を食ったり酒を飲んだりすることがありますか。そういうことが常識的にありますかね。率直に言われたらいいでしょう。
○早川証人 現地へいろいろ学校を訪問して、教科書について趣旨を御説明して、ちょうど夕食時にこちらへ御案内したということで、結果としては会社の方から自発的においでを願ったことになります。
○篠田委員長 そういうこともあるわけですね。
○早川証人 はい。
○篠田委員長 先ほど聞いたのは、そういうことがあるかないかということを聞いたのです。そういうこともあるわけですね。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 学校を訪問して教科書の内容を説明する、そしてあとで料亭に集まってもらうということは、結論的には、自分の学校の教科書はいいのだから使ってくれという、言いかえれば売り込みのための供応ということになりますね。それは認めますね。
○早川証人 認めます。
○篠田委員長 証人の会社は他社に先がけていわゆる地方版という地方ブロック別の教科書を製作しておられるのでありますが、その動機について、あるいは検定審査の際の文部省の見解について述べて下さい。
○早川証人 お答えいたします。私の方の理科の教科書についてですが、ちょうど終戦後に新しく文部省が国定教科書を編さんし、あるいは学習指導要領を作るにつきまして、地方に理科研究委員会、これは九ブロックになっていると記憶しておりますが、広く教育団体の意見を徴して民主的な教科書を編さんし、またよき学習指導要領を作るという建前のために、九ブロックに理科研究委員会ができておりました。私の方で昭和二十七年に引き受けましたのは、九州地区理科研究委員会、ただいまは九州理科研究会となっておりますが、理科研究中国地方委員会、それから四国理科教育協議会、この三地区の共同編さんの理科教科書を、ちょうど国定に対する助言も終りまして、その後委員会はみずからの手で子供に与える教科書を作りたいという熱意を持ちまして、編さんされました。当時、私のところは、昭和二十六年の現状を申しますと、ちょうど国定教科書から検定教科書への移行のときに、私の方の理科は千九百万冊近い全国各地で同じような比率の採択がありまして、従って、その地域では私のところが一番採択が多くあったがために、これを大日本図書に一つ引き受けてもらおうという現地の委員会の決議によりましてお持ちになりまして、それでこれをお引き受けしたのでございます。
○篠田委員長 そのほかに、東北理科研究委員会、新潟理科教育研究会というようなものも共編でやっておりますね。
○早川証人 同様の趣旨でございます。
○篠田委員長 この研究会というものは、要するに学校の先生の会合ですね。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 これは同時に採択関係の諸君じゃないのですか。
○早川証人 現地で執筆委員になった方は全部採択委員からのがれておいでになるはずでございます。そういう申し合せが現地でも行われております。
○篠田委員長 学校の先生であるということは事実でございますね。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 ただ、採択委員になっていない、こういうこと、ですか。
○早川証人 さようでございます。
○篠田委員長 研究団体は著作権を持っていますか。
○早川証人 持っています。
○篠田委員長 印税の支払いはどうなっていますか。
○早川証人 委員会の方に支払いをしております。
○篠田委員長 そうすると、委員会はその印税の中から税金を納めているということになりますね。
○早川証人 納めております。
○篠田委員長 それから、証人の会社は、福岡、山口、佐賀、愛媛などで、学校生活協同組合が母体となっておる会社と取引をしておりますか。
○早川証人 しております。
○篠田委員長 それから、学生協を母体とする会社と取引をするに至った経緯、あるいはその利点があったならば、それを述べていただきたい。
○早川証人 昭和二十七年から取引いたしましたのが秋田県と佐賀県でございます。これは、当時旧来の特約供給所が破産に瀕しまして、取引がとうてい継続できないという考え方から、当時ちょうど学生協から出発しました佐賀教育図書などは実績を上げておるということを聞きまして、そちらと進んでお取引を願ったわけでございます。秋田県も同様でございます。さらに、福岡県、山口県も同様に、旧特約の資産状態がよくなく、取引が継続できないために、特に福岡では小学校の教科書を分離し、山口では小学校、中学校を分離して、旧特約にはその一部だけを残しまして、現在に至っております。
○篠田委員長 この学生協を母体とする会社と取引することによってどういう利益があるか。
○早川証人 特別の利益はございません。普通の他の特約供給所と同様な利益でございます。
○篠田委員長 販売部数が急激にふえたというようなことはございませんでしたか。
○早川証人 そういう事態はございません。ある特殊の県は伸びておるところもありますが、それほどの開きもないように思っております。
○篠田委員長 教科書の価格を現行よりも低くするために、出版社側において営業上どのような合理化が期待されるか。また、文部省の現行の価格基準について、これは高いものであるか安いものであるかというあなたの見解を述べて下さい。
○早川証人 昭和二十七年からページ当りの最高価格が制定せられまして以後、教科書をあくまで安くしたいというような考え方から、私の方としましては、それをかりに一〇〇としますと、全冊の平均が八一・五%の定価をつけております。一応教科書はあくまで何とか安くしなければならぬというのが私たちの考えでございまして、それには努力いたしておりますが、現状ではその程度でございます。あるいは何かもう少し国家的な法的な措置を講じていただけますならば、現在よりももっと安くなるのではないかと存じます。
○篠田委員長 委員長よりの尋問は一応終了いたしました。 この際委員諸君の発言を許しますが、これまで通り、おおむね十五分程度にお願いいたします。なお、努めて重複を避けて御尋問をお願いいたします。山中貞則君。
○山中委員 証人は、先ほど、委員長からの総括尋問に答えられまして、あなたの会社と文部省に関係のあった者とのいきさつについてお述べになったのでありますが、なお私としてはその点に若干の疑義を感じますので、いま少しく承わりたいのであります。 〔委員長退席、高木委員長代理着席〕 あなたのお話によると、戦前文部省の理科の国定監修官をやっておって、一昨年まで初等中等局におったところの岡現次郎君について、直接の関係はない、ただ参考書等の著作についてお願いをしておっただけだ、こういうお話がございましたが、私の知る限りにおいては、なるほどあなたの会社の直接の社員とかそういう形では表面上はないかもしれませんが、私どもが問題に考えておりますのは、二十八年岡君が退官をいたしまして後あなたの会社と関係を持ったというそのことよりも、退官いたすまでの、現職におった間の行動というものについて、明らかに退官後直ちにあなたの会社と面接の関係を生ずるというような前提をもって行動しておった事実を私どもは知っておるのであります。たとえば、ここに一例としてはがきがございますが、岡現次郎君は福岡県をあちこち巡回をいたしまして、理科の問題について話をして回っておりますが、そのときに学生協が主としてそのあっせんをいたしまして、はがき等にいたしましても、各小学校の校長あて、あるいはまた小学校の学生協の係あてにはがきが出されております。そうすると、その点に関する限りはあたの方と表面つながりはないようでありますけれども、その岡現次郎君が理科の講演をして歩きました後の理科に関する教科書の採択の傾向を見ますと、明らかにあなたの会社の理科の教科掛が飛躍的に増加をしておる事実は、岡現次郎君の講演内容がどういうものであったかは別といたしまして、退官をしてあなたの会社に関係を持つまでの間のいわゆる官吏としての行動において、すでにあなたの会社と不可分の関係があって、しかも教科書の販路開拓の面に有形無形の恩恵を与えていたものと、そういう疑いをわれわれは持つわけであります。その点について、証人は全くそういう事実はなかったかどうか、岡君が現職の時代にあなた方は役人と全然関係のない立場であったかどうかということについて証言を願いたいと思います。
○早川証人 お答えいたします。私の方に岡現次郎先生の先輩に当る桑木来吉さんがおられますので、個人的の条件はあったかもしれませんが、会社としてのあれは全然何のかかわりもありません。
○山中委員 もちろん、そういうふうにおっしゃれば、それであなた方は済むのでありますが、しかし、現実に、今おっしゃったように、自分の会社にその人と個人的な関係のある人がおったということも明らかになっておるわけであって、岡現次郎雪が講演をして歩かれた場所に関する限り、範囲に関する限り、理科の教科書というものが飛躍的増加をしておる事実は、少くとも、あなたの会社の方針ではなかったにしても、あなたの会社の意向というのが岡現次郎君の行動に相当の影響を与えたことを証明するものと私は考える。証人はそういう点は全く考えられないということを証書できますかどうか、お尋ねをいたします。
○早川証人 全くそういう事案はないということを申し上げます。
○山中委員 あなたがそういうふうにどこまでもおっしゃれば、われわれとしては一方の岡現次郎君を証人として喚問して対決していただかなければなりませんが、あなたが先ほど、直接の関係はない、ただ参考書の著作等にお願いしておるだけだとおっしゃいましたが、しかし、現実の行動としては――なるほどあなたの会社の社員ではありますまい。しかしながら、かりに岡君の前歴あるいはまた前歴によるつながり等を通じて、あなたの会社の書籍の販路拡張のために非常な努力をしておる事実があるではありませんか。著作者としてだけの待遇をしておるならば、そういうことがあり得るはずはないのであります。あなたはこの事実についてはどうお考えでありますか。
○早川証人 お答えいたします。岡先生と関係があるから私のところの教科書が普及しておるというふうに私は考えておりません。ちょうど国定教科書を発行しておりました一つの強味から、国定から検定へ自然に自分の方の教科書が移行していきまして、昭和二十六年でございますか、驚異的な千九百万冊近い採択を得たということは、それを申し上げる事例になるのではないかと考えております。
○山中委員 水かけ論になりますから、よすことにしますが、あなたは、岡君のために自分の会社が何も販路あるいは売り上げの面で好影響を得たと思わないとおっしゃるのですか。それならば、大体役人の古手というものは失礼な話だがそう役に立たないのが常識でありますが、あなたは、岡君が文部省を二十八年に退官したら、直ちにあなたの会社の著作者に迎えておるし、先ほども私が指摘してお答えがなかったのですが、あなたの会社の書籍の販路拡張に努力しておるじゃありませんか。何ら価値のない、実績上からもあるいは将来もあなたの会社の社運に好影響をもたらす価値は全くないと思う人間を、しかも役人の古手をあなたの方ではそういうふうに待遇なされるいわれはないじゃありませんか。あなたも簡売人ならばそろばんに合わないことをされるはずはないです。その点、販路拡張の努力を現在岡君がやっておるかどうか、また岡君はあなたの会社にとっては全く飼い殺しておるだけで何らの必要もないものかどうか、その点をお示し願いたい。
○早川証人 販路拡張のために岡さんを利用しておるということは絶対にございません。
○山中委員 話を次に進めます。あなたの会社の顧問に河原春作君がおられますか。
○早川証人 私の会社に関係ございません。
○山中委員 次に、あなたの会社はかつて公取委から何らかの勧告を受けたことがおありですか。
○早川証人 ございます。
○高木委員長代理 早川証人に申し上げますが、発言をなさる際にはそのつど委員長と呼び、委員長の許可を得てから証言をなされるようにお願いいたします。
○山中委員 あらためてここに再度明らかにしたいと思いますが、二十五年の公取の公式記録によりますと、「東京書籍および大日本図書は、それぞれ三重県教科用図書特約供給所(以下特約という)との間に締結した特約供給契約ないしそれに付帯する特約供給規程において、特約供給所以外の者には図書の供給をしない、取次店の選定改廃等については発行者に報告又は承認をうけること、特約は契約した取次店以外の者には供給してはならない等の条項を定め、三重県下における教科書取次の販路を制限し、教科掛取次競争を実質的に制限した、」とありますが、こういう事実を御承認になりますか。
○早川証人 承知しております。
○山中委員 そうすると、この文が示します反面の事実は、新興特約と、このような公取から警告を発せられなければならないような不公正な契約というものを取り結んだがために、あなたの会社の書籍等を自分たちも取り扱わしてもらいたいというような希望があった場合に、この文面からいたしますと、断わらなければならない筋合いになっておりますが、あなたの会社にそういうことがあって、実際に断わられた事実がありますかどうか。
○早川証人 その審決は、私、そういうふうには解釈しておりませんで、むしろ、どことでも開放的に契約を取り結ぶべきだというような解釈じゃないかと思っております。
○山中委員 私が申し上げたのは、審決を読み上げた点ではないのです。審決を受けざるを得なかった前提としての事実があなたの会社にあったかどうかをお聞きしたので、あなたはそれはあったとおっしゃる。従って、その事実に付帯する現実としては、あなたの会社の書籍を取り扱いたいがといって、いわゆる契約以外の者が申し込んだときに、あなたの会社は断わらなければならない建前になっておるはずですが、お断わりになった事例がおありかどうかということをお尋ねしておるわけです。
○早川証人 お断わりした場合もあると思いますが、そのことについては私は詳しく存じておりません。
○山中委員 いかなる理由によって詳しく御存じないのですか。
○早川証人 私、主として編集担当の重役をしておりまして、その当時の営業の方は割合に知識がうといのであります。
○山中委員 ところが、いかなる種類の会社でも、公取から公的なる警告ないしは審決を受けるということは、会社の社運にとって、あるいは今までとってきた経営方針にとってゆゆしい重大事でなければなりません。従って、あなたがその当時直接その衝に当っておらなかったからという理由でこの事実についてつまびらかにしないとおっしゃることは、私としては非常に不満でございますが、これ以上申し上げても、時間がありませんので、先に進めます。 私がただいま指摘したような事実につきまして、公取は、二十七年五月の二十四日に、「団体法五条一項五号、一三号及び一五号に違反するもの」という前提において、次のような同意審決をいたしてあなたの会社に通知しておるはずでございます。読み上げてみますと、「東京書籍及び大日本図書は三重県特約との契約中相互拘束の条項を廃棄すること、」「東京書籍及び大日本図書は将来三重県において特約業務を行うものとの間に本件同様の、他の者との取引を相互拘束する趣旨の契約をしてはならない、」こういうような内容の審決の通達をあなたの方は受けたことがございますか。
○早川証人 受けたことはございます。
○山中委員 それに基いて、あなたの会社は、そういう公的な機関から公正なる競争を阻害するものとしての指摘を公的に受けたわけでございまして、それに対して、指摘個所の反省と、具体的な指摘された個所をなくするための努力を当然されたと思うのですが、それらの具体的措置についてお示しを願いたい。
○早川証人 契約の内容に、その審決に該当する条項をもちろんなくいたしまして、その警告の御趣旨に浴うようにいたしたはずでございます。
○山中委員 とすると、この指摘された三重県特約との関係については、指摘された条項等が抵触せざるように改正をしたとおっしゃるわけですか。そうすると、たとえば、前提として私が申し上げました、あなたの会社の本を私にも扱わせてくれと申し込む者があっても、それを縛る条項というものはどことの間にもすでに存在していないと了解してよろしいのですか。
○早川証人 原則はそれでございますが、実際に商取引となれば、つまり先方の信用状態に応じて私の方は取引をいたす建前にしております。
○山中委員 次に、先ほどあなたは委員長の質問に答えまして、学生協、いわゆる新興特約と契約を優先的にすることによって自分の会社の受ける利点というものはそうないということを言われたのですが、ここに佐賀県の教科書株式会社に関する陳情書がございます。これは文部省に陳情されたものです。佐賀県において、新興特約、いわゆる学生協が転身したところの株式会社によって自分たちがどのように教科書販売において生活の脅威を受けておるかという事実を文部省に陳情したもので、ここに具体的な明細表がございます。これによりますと、学生協取扱いの冊数というものは明らかに飛躍的に増加しておりまして、なるほどこれでは、自由な職業として教科書の特約供給に従事している書店の人々は悲鳴をあげるはずだろうと、私どもでもわかるのですが、そういうふうな、ここには一例しかございませんが、こういう一例が示しますように、あなたが別段新興特約と特殊に優先契約しても自分の会社がそれによって別段利益を受けるものではないというお話ですが、この事例から見ましても、また一方、学生協というものが、その本質において、学生協自体も公取からの警告あるいは文部次官通達等を受けておりまして、学生協の構成が教科書の最も重要な問題である採択の権利を持つ人々によって占められるおそれがある、従って、採択の権利を持つ人々がその特権というものをバックにして特約供給その他の事務に従事するならば、これは明らかに教科書会社に対する非常な脅威となり、従って教科書会社は半強制的にこれらの新興特約と契約を締結せざるを得ない、こういうような指摘さえも受けておるわけなんですが、この事実から考えましても、あなたの先ほど言われた、新興特約と契約するからといって別段利点があるわけではないという点が、合点がいかないのですが、あなたは商人ですから、もうけるためには努力をしてもいいはずであって、ただ教科書という良心的な出版の限界においてはもちろん問題があるでしょうから、それらの意味において考えるならば、自分たちは新興特約と率先特約を結ぶ方が利点があるならあると御証言願った方がよろしいのですが、いかがですか。
○早川証人 どうも私にはそういうように考えられません。現地の旧特約の資産状況ということが、向うの佐賀県教育図書との契約をするという結果になりましたので、そんなことは考えておりません。
○高木委員長代理 山中君に申し上げますが、持ち時間を経過する関係がありますから、簡単に願います。
○山中委員 次に、教科書の値段についてお聞きいたしますが、教科書の値段については、会社側ではそう高くないということをここではっきりと言われた人もおりますし、あるいは、何とか努力すればもっと下げられるかもしれませんと答えられた人もおりますが、私ども一般国民の父兄の立場からするならば、教科書の種類が多過ぎるとかいろいろありますが、少し高過ぎるのではないか、あるいは、われわれの現在の生活の平均状況から考えて、これだけの支出を義務教育にしなければならないということについて大きな負担を感じているのが常識だろうと思います。そこで今教科書用の定価の問題について概略の状況を私どもが調べたところによりますと、大体費用の内訳や原材料あるいは印刷、製本等の費用を含めまして、全くの必要経費が約五〇%程度、印税で五ないし七%程度、それに御承知のような特約、取次両供給所の手数料一六%、残りの二七ないし二九%が純益を含む会社の運営費あるいは営業費という名目に大体において見通しができるのでございます。そこで、先般あなた方の業界にあります錦会の代表の方を呼びましたところが、接待費とかあるいは交際費みたいなものをうんと制約すれば、五%程度は何とかなるかもしれない、また、先ほどあなたもちょっと触れられましたが、国が運賃に対する特別のやり方とかあるいは資金面の考慮とかいうことを考えてくれるならば、もっと下げる余地がある、こういうことを証言されたわけです。そこで、あなたは大日本図書の常務取締役といたしまして、あなたの会社から考えて、先ほど私が申し上げました大体の標準と見られる最終的純益二七ないし二九%、営業費というものはそれくらいあるかどうか、また、それについてあなたの会社はどのような点において下げ口を発見されるかどうか、あるいは、それ以前に、下げる必要のない妥当な値段である、こういうふうにお考えであるか、お答えを願いたいと思います。
○早川証人 私の例をもって申し上げますと、直接の生産費の内訳を申しますと、用紙及び材料というのに二九%、印刷、製本、鉛版等に二六%、合計五五%が直接の生産費になっている、印税は大体五%ないし七%、供給の手数料はやはり一六%、そのほかに宣伝費といたしまして、私の方の数字といたしましては約五%、荷作費に約六%、そうして参りますと、金利を含めました営業費が約一三%になっている現状でございます。先ほど申し上げましたように、何か長期金融の措置に対する法的の措置とか、あるいは荷作り発送費というものに対する三種扱い、雑誌同様の扱いというような工合に、切り詰めてくる分野はあると思いますが、何%と、はっきりこのくらいはというようなめどは今すぐは考えられませんが、どこかに下げ得る余地があるということは信じております。大体今のような考えであります。
○山中委員 あいまいのままで先に進むことは非常に心残りですが、時間がございませんから、次にいま一つお尋ねいたします。あなたの会社で発行いたしておりまするワーク・ブック、すなわち準教科書の販売の仕方等についてですが、これはあなたの会社から出されたところの各特約店等に発送したところの書類でございます。それによりますと「弊社発行の小学校社会科教科書(たのしい社会科二年――六年)に伴う一年用準教科書は予て御採択校からその刊行を強く要望されておりましたが今般教科書と一貫した方針のもとに教科書編纂の諸先生の御努力により首記の通り発売の運びになりました、就いては小学校社会科一年用の準教科書は社会科教育の基盤となるものでありますから弊社社会科教科書採択校のみに止まらずこの良書を広く他学校へも御推奨おとりなし願いたく切に御願い申上げます」、これは前文ですが、「御取扱い販売価格、弊社より特約供給所渡し正味定価の六掛、特約供給所より取次供給所渡し正味定価の六五掛、尚本書は準教科書としての仕来りに準じ相当額の学校歩戻しを御実施願いたく存じます」、こういうふうに通知をしておられるわけであります。そこで、お聞きいたしたいのは、定価の六掛ないしは六・五掛等で特約供給所より取次供給所に渡した場合、この準教科書としてのしきたりに準じ相当額の学校歩戻しを御実施願いたい、こうつけ加えられましたことはいかなる具体的内容を持つものでありますか、そのしきたり等について御証言を願いたいと思います。
○早川証人 しきたりと申しますのは、ワーク・ブックあるいはテストなどを学校へ納めるときには、慣習では定価の一割何がしということが実施されている、そのことをさすのではないかと思います。
○高木委員長代理 証人にちょっとお尋ねしますが、何が何がしなのですか、何がしでは答弁と受け取れませんから、具体的の話をはっきり述べて下さい。
○早川証人 一割程度ということに訂正いたします。
○山中委員 これはさっき申し上げましたようにあなたの会社の印刷物ですよ。それに対して、それは一〇%程度のものをさしているのではないかと思います。――そういうようなことでは商売にならぬのじゃないか。あなたは商売をしておられる。そうすると、しきたりに準じ相当額の学校歩戻し――あなたの会社としてもワーク・ブックについてはしきたりに準じ歩戻し一〇%程度見ていますが、一〇%を学校側に払い戻しする処置を前提として売り込みその他の取扱いをせよ、一〇%の要求があったらそれは出すということを明言こそしておられないが、実際にはその慣行というものを自分たちの会社は実施するからということをこの通り流しておられるのじゃありませんか。これはあなたの会社の印刷物ですよ。はっきりして下さい。
○早川証人 御質問の通りでございます。それを容認しておるわけでございます。
○高木委員長代理 いま少しはっきり答えて下さい。
○早川証人 一割を戻してでも普及をはかってくれ、こういうわけであります。
○山中委員 その一割はどこから出るわけですか。直接あなたの会社から、いわゆる特約取次の慣行である四%と一二%、計一六%以外の一〇%というものを学校側に返すのかどうか、あるいは取次特約等の一六%の中から返すという意味なのか。いずれにしても、慣行が特約取次等においても一六%あるならば、その中から出したって、いずれあなたの会社が埋めなければ向うも商売だから承知しないと思いますが、そういうふうにあなたの会社から出されるのか、それが一点と、それから、あなた方の方で学校歩度しとしてあるのは、何々学校なら何々学校に採択された準教科書の一〇%に当るものをただばく然と払い戻すのであるか、あるいはまた、それを取り扱う先生と申しますか、そういう方々に返すのですか、そこらの点はどうなっているのですか。
○早川証人 私の方がその一割を出すというのでなくて、つまり正味定価を百といたしますと、六掛でおろすということは、六掛の責任において先方の売りさばく方が処置をするということでございまして、本社はかかわり知らないことでございます。
○山中委員 冗談を言いなさんな。かかわり知らないなんて冗談を言っちゃいけませんよ。準教科書としてのしきたりに準じ相当額の学校歩戻しを御実施願いたく存じます。――知らないことでなくて、こうあなた方の方で指示しておることなんだ。ということは、向うだって商売人なんです。なるほど一時は自分たちの六掛ないし六・五掛の中から販売のために立てかえもいたしましょう。しかし、その後はあなた方の方でその一〇%相当額のものは何らかの形において出さない限りは、あずかり知らざる関係においてそういう措置がなされるわけは断じてないと私は思う。でなければ、あなたの方でこういう指示をされるわけはない。私はきょうあなたの会社だからこれだけしか言いませんが、まだあとの会社については、明らかに一〇%を会社の方から出すから、あなたの方ではそういうことを前提として売り込みの宣伝をやってくれとも書いてあるし、あるいは、所長取扱いの分については私の方で二%交際費を出しましょうというようなことを言っているのです。従って、六五%であったものを六七%にしますからあしからずというようなことまで具体的にほかの会社はやっているのです。ただあなたの会社はばく然と従来のしきたりに準じて歩戻しをやってくれと書いてあるだけで、そういうふうにかかわり知らざることだというようなことは、とんでもない話だと思う。私は何もあなたの会社をぶっつぶそうなんて思ってるのではない。私は現行の教科書のいろいろ欠点のある点を、教育上も経済上も何とかりっぱな制度にしたいと考えているから、あなた方をわざわざこの暑いときに証言台というかた苦しいところまでおいでを願っているのです。どうか、そういう協力してもらうという意味で、教科書会社において公然の秘密であるところのこの慣行について、あなた方もはっきりと責任ある態度で証言をしてもらいたいと思います。あずかり知らざることだというような証言は、私はとんでもない証言だと思います。
○早川証人 あずかり知らないという言葉は取り消します。一割というのは、私の方はそれを補填するのでなくて、全然特約供給所の責任においてやってもらうということで、そういう書状が行っております。
○山中委員 そうすると、少し私の言葉の表現がいけなかったかもしれません。というのは、六掛、六・五掛の中からという表現をあなたがされたから、私がああいう質問をしたのだが、逆に、六掛、六・五掛にする場合には――その次につけ加えある、あなたの会社があずかり知らざることではない、あずかり知っておることである一〇%の払い戻しを含めたものが六掛であり六・五掛であるということは、最後の清算のときにはそういう形において処理されるものだ、こう了承していいですか。
○早川証人 その当時取引しました正味の中でやってくれということで契約をいたしております。
○高木委員長代理 山中君に申し上げます。相当時聞が経過いたしておりますから、簡略に願います。
○山中委員 すぐやめます。今おっしゃったことは、結局一〇%の払い戻しということを前提にしてこの六掛、六・五掛というような決定をしておる、こういうことを承認されますね。
○早川証人 その通りでございます。
○山中委員 そうすると、テスト・ブック等は、やり方によっては、特約等をやらせずに、特約店等からいえばかつぎ屋などという表現をしておるところもありますが、そういうものを通じて売られるのが大体常識のようですが、その場合に、このテスト・ブック等の学校側への払い戻しについてはもっと大きな数字、たとえば、二十五円の定価のものであるならば、販売人渡しが十三円五十銭から十四円五十銭程度のものであって、一説によればかつぎ屋経由のテスト・ブックに関しては四五%程度というようなものが学校側に歩戻しをされておる、こういうようなお話も聞くのですが、その点については証人の会社はどうですか。
○早川証人 私の方はテスト・ブックはいたしておりませんので、わかりません。
○高木委員長代理 高津正道君。
○高津委員 大日本図書は大日本印刷とは深い関係があることはわかっておりますが、教育出版とはどういう関係があるのですか。
○早川証人 教育出版とは何の関係もございません。
○高津委員 大日本印刷の北鳥専務が教育出版の社長を兼ねておるが、それでも関係はないですか。
○早川証人 大日本印刷との関係も、たまたま社長が同じであるということでございまして、資本的の関係は別に何もございません。ただ、持ち株が六万株でございましたか、会社が持っておる程度でございます。また、教育出版は、御承知の通り大日本印刷の専務が社長を兼務せられておりますが、それだけのことでございまして、資本的関係も、人事交流とかいうことも一切ございません。
○高津委員 秀英出版とはどういう関係がありますか。
○早川証人 株主が同じであるということ、大日本図書の株主が秀英出版の株を持っております。
○高津委員 大日本図書の佐久間長吉郎という人は出版界における大へんな人物であります。だれでも、教育出版も秀英出版もみんな大日本系だ、佐久間さんのものだというふうに考えておりますが、長い間文部省の幹部をした有光次郎氏が秀英出版の社長をしておるということは、もちろんあなた御存じですね。
○早川証人 承知しております。
○高津委員 やはり文部省の大幹部であった河原春作氏が新日本教育協会の会長をしておられ、あなたの大日本図書ビルの中に事務所を持っておられると聞いておりますが、それは事実でありますか、どうでしょうか。
○早川証人 私どもの建物を貸与しております。
○高津委員 家賃はどのくらい払わせておりますか。
○早川証人 記憶いたしておりません。
○高津委員 あなたは大日本図書へはずいぶん前から入っておられ、取締役になられ、最近はまた常務をやっておられるので、そのくらいのことはわかっておろうと思うが、隠されるわけではないでしょうか。
○早川証人 調べまして、後日御報告いたします。
○高津委員 家賃は今わからぬと言われますが、この河原春作氏は社長佐久間長吉郎氏の私設顧問であるといわれておりますが、それは遠慮して表面専務などに乗り込んできておらぬだけで、有力なる私設顧問だ、こういうようにわれわれは聞いておりますが、あなたの見解はどうでしょうか。
○早川証人 私はそのことは存じません。
○高津委員 図書印刷系が非常に東京書籍とせり合っておる、こういうことも聞くのでありますが、図書印刷は教科書のために自分の専門を持っておるので、その分はちょっと除外をしまして、現在、大日本印刷と凸版印刷と共同印刷と、この三大印刷所が印刷物の取り合いのために窓口を、教科書出版という図書会社をおのおのこしらえて、こういう印刷の取り合いがこの教科書問題に非常にからんでおるのだというように私は尾ておりますが、あなたの御見解はどうでしょう。
○早川証人 印刷会社自体としてのそうした競争はあるかもしれませんが、私の見解としましては、また私どもの会社としましては、その渦中にはないものと考えております。
○高津委員 あなたのところでは理科の地方版をたくさん出されるのでありますが、西日本の地方版を作られる場合に、退官する前に文部省の理科の担当官であった岡現次郎氏が、理科の指導主事を徳島市に集められて、そこへ行って、諸君に地方版の原稿を書いてもらいたい、原稿料は出す、こう言われたので、みんなそれを了承して、だれやかれや書いたのでありますが、今もってまだ払ってもらわないとか、トラブルが現在にまで残っておるというようなことまでわれわれの耳に入ってくるのでありますが、早川常務はこの事実を御存じでありましょうか、承わりたいと思います。
○早川証人 そのような関係は全然存じません。
○高津委員 そのトラブルがあるためにあそこだけ売れないということまでわれわれは聞いておるが、やはり知らぬは常務ばかりなりでしょうか。
○早川証人 徳島も同様な普及状況と信じております。
○高津委員 われわれは、社会通念上、教育出版社というものは大日本系である、それは北海道に非常に勢力があって理科などはほとんど独占と言ってもいいくらいに根を張っておる、――先ほどあなたは各都道府県ほぼ同じようであると言われたが、北海道におけるあなたのところの勢力は非常に大きなものだと思います。そうして、北海道教育評論社なるものがあって、そこが割合に力があるので、教育出版社は、東京書籍に対して、図工を北海道に進出させる意思はないか、二百万円出すならばあっせんしよう、そういうことを言われたとわれわれは聞いておりますが、しかもその話をほかの社に、君のところで図工を出せばどうだ、二百万円だと言って、そこはけったものだから、今度東京書籍に持っていかれた。今東京書籍は、それだけの権利料というか通行税というものを出して、今は東京書籍がその地盤をもらっておる。こういうように、いたいけな学童に対する教科書の売り込みの権利というものを売買しておるというようなことまでがその間に介在しておるのでありまするが、非常に遺憾なことであると思う。われわれ、社会通念では、大日本糸の教育出版社がそういうことをやっておる、こう思うのでありますが、これも常務は知らぬのでしょうか。
○早川証人 大日本糸とおっしゃいますのは、どういう……。私の方をさすのでございますか。
○高津委員 それも同じものですな。両頭のヘビのような、胴体は同じで窓口がいろいろになっておるわけです。頭が違うと言われても、胴体は一緒でしょう。
○早川証人 私の方の普及状況は、中学校の理科は非常によく普及しておりますが、小学校はそれほど普及しておらない実情でございます。
○高津委員 私の方と言われるのは、教育出版社のことでしょうか、大日本図書のことですか。
○早川証人 大日本図書のことを申し上げております。
○高津委員 大日本糸の教育出版社が自分の地域の売り込みの権利を二百万円でよそに売ったというようなことは、それはやはりあなたは存じられないのでしょうか。
○早川証人 存じておりません。
○高津委員 それでは、方向をかえますが、王子製紙とかそのような製紙会社やそれらの販売代行会社があなたの大日本図書や大日本印刷に株を持っておりますでしょうか、どうでしょうか。
○早川証人 その事実はわかりません。
○高津委員 これはきわめて簡単で、あるかないかくらいはわかるでしょう。株数は書類で御提出願ってもいいですが、多く紙の製造会社が株を持っておる場合がしばしばあるのでありまして、秘匿される理由はないと思いますが……。
○早川証人 調べまして御報告いたします。
○高津委員 それでは、また変った面からお尋ねをいたしますが、戦後不景気ということを知らないでずっともうけ続けておるのが製紙会社でありまして、私は、教科書の定価を下げる場合には、第一番に、ああいう大きな配当をしてどんどん施設を拡張しておるところの会社の紙を安くするという、そういう交渉をすることが非常に大事なことだと思っておるのであります。他の証人にも質問したことがありますが、製鉄会社は石炭を買い入れる場合に団体交渉をやります。造船工業会も造船会社のかたまりとして製鉄会社の団体に対して団体交渉をやります。教科書事業に携わっておる人はそういうような努力を払われていないのでありますが、そういう努力をやったならばいいだろう。今紙については売手の市場が買手の市場にかわったような実情でございますから、今こそこういうような方法をとられれば、消費者である全国の学童、それの負担者である父兄は非常に喜ぶことになろうと思うが、しきたり通りで事業を経営されて、どうも創意工夫が足りないように思うのであります。私の今申します。教科書会社は新聞社とともに紙の大量な買い主でありますから、もしも株主などになっておればみんなぐるであってむずかしいところもございましょうが、団体交渉を同業者と相談をしてやる意思ありやいなや、これが私の質問であります。王子の社長をやっておった藤原銀次郎氏などは自分のポケット・マネーで藤原工業大学をぽんと建てるくらい、その限界がわからないほどもうかっておるのであります。産業の種別で、もうかるところとあまりもうからぬところと区別があるが、資本主義だから、悪い産業に携わっておる者は、それが国家的にどんなに育成を必要とするよい産業であっても、そこの労働者も重役も泣く。話をもとへ戻しますが、打ち出の小づちのようにどんどんもうかるものに、そう値切らずに紙を買い入れるのでは、子供もかわいそうだし、教科書を買う父兄もかわいそうである。私はどの会社とも何ら私怨がないし関係もございませんが、怠慢のそしりを免れないと思う。甘いものだと思うのであります。相談の上で団体交渉をやってみようという熱意を示されるかどうか、イエスかノーか、それを承わりたいのであります。
○早川証人 個々には担当者が製紙会社へ交渉して少しでも安く買い入れようとする努力をいたしておりますが、今御指摘のありましたように業者が一体になっていい紙を安く手に入れるということについては、今後研究して努力したいと思います。
○高津委員 それでは、今答弁をしぶられた製紙会社とその販売の代行機関、それがどのくらいあなたの会社に対して株を持っておられるかというその数字などを、至急当委員会委員長あてに文書で回答されるように、委員長においてお取り計らいを願いたいと思います。
○高木委員長代理 よろしゅうございます。 今高津委員から言われた内容の文書を至急事務局まで出していただくことを了承できますか。
○早川証人 了承いたしました。
○高木委員長代理 神田大作君。
○神田(大)委員 証人に二、三お尋ね申し上げます。 まず第一に、地方にありますところの特約供給所、この特約供給所は一府県に大体一カ所、東京とか大阪とかそういう大きいところには数カ所あるようでございますが、この特約供給所は、われわれから考えてみますると、非常に独占的な傾向を持って、その下にあるところの取扱所等に対しましてもその選定を独断でもって決定するような力をお持ちになっておるようでございますが、この特約供給所に対してあなたの方の会社は補給利子をお支払いになっておるのでありますか。
○早川証人 支払っております。
○神田(大)委員 その補給利子の割合はどのくらいです。
○早川証人 日歩、高い場合は五銭、ないし三銭というような利子を払っております。
○神田(大)委員 これはどういう意味でお支払いになっておるのですか。
○早川証人 特約供給所そのものも、その金融は取次供給所の協力も得ております。それには同様に利子を支払います。それをまとめて本社に送金があるのでございますから、特約供給所にそれに対する利子を補填しております。
○神田(大)委員 この利子は、あなたの方では銀行その他の金融機関を通じて調達して、そういうように特約供給所とか取次所等へ利子を補給するというような厄介なことをしないで、あなたの会社自体でもって金融の道を講ずるわけにはいかないのですか。
○早川証人 できればそうしたいのでございますが、現状は、銀行の協力にも限度がありまして、各方面への金融の措置をお願いしなければならぬ現状でございます。
○神田(大)委員 その銀行とかその他の金融機関から借りるものが総額どのくらい、それから、そういうふうに地方に対する利子補給によってあがなうところの元金というものは幾ら、あるいは銀行への支払い利子というものは何銭くらいになっておるのでございますか。
○早川証人 かりに全体の生産一〇〇%といたしますと、その五〇%を銀行、あとの五〇%は特約供給所の協力を得ておるのではないかと思います。
○神田(大)委員 その供給所の援助を受けておるような経営について一つ詳しくお話しを願いたい。というのは、一体本を送る何カ月くらい前に前渡ししてもらうか、それとも本を送ってから何カ月くらいの間に送ってもらうのに対して利子補給をするのか、あるいはその利子補給の金額はあなたの方の会社では昭和三十年度においては幾らお出しになっておるか。
○早川証人 利息は銀行に対しては日歩二銭五厘くらいの程度であります。そして、かりに本年の例で申しますならば、来年の四月供給いたします教科書は、今年の八月ごろから準備いたさなければなりません。八月に一部予想で着手いたしまして、八、九、十、十一、この期間は銀行の融資に待って仕事上に対する支払いをいたしております。以後は十二月ごろから特約供給所の協力を得ております。
○神田(大)委員 そうすると、特約供給所からそのような金の厄介になるのは一月、二月、三月、四月という程度でございますね。
○早川証人 さようでございます。
○神田(大)委員 そこで、二銭五厘の金利でもって銀行からの融資によってまかなう、特約供給所には五銭ないし三銭の金利を払って、しかも一月、二月、三月というような短期間で、しかも必ずしもこの三カ月間全部金が要るというようなわけじゃなしに、特約供給所によりますと一カ月か二カ月銀行から借りれば資金繰りはやれるというようなことになりますと、私は五銭ないし三銭あるいは八銭とも聞いておるのでございますが、このような利子補給をやるというのは、利子補給のほかに何らかの目的か名目がおありのようにわれわれ考えられるのでありますが、利子補給以外の目的はありませんか。
○早川証人 ございません。
○神田(大)委員 補給利子はあなたの方からお支払いになりまして、特約供給所の方といたしましては、これは銀行融資にいたしましても二銭五厘ということになりますと、たとい三銭にいたしましてもそこに五厘の利ざやが出る。あるいは五銭にいたしますと二銭五厘の利ざやが出る。こういう利ざやは、いわゆる教科書の採択あるいは売り込み等に対する宣伝費、運動費等に使われておるということをわれわれは承知しておるのでございますが、そういうお話は聞きませんか。
○早川証人 そういう話は聞きません。
○神田(大)委員 そうすると、その利ざやは特約供給所の利潤ということになるのですね。
○早川証人 特約供給所の利潤になるかならぬかということについてのあれは、調べたことはございませんが、特約自体もその金融についてはかなりの苦労もしておるようでございますから、それほど大きな利潤にならないと思っております。
○神田(大)委員 この問題については、先日の証人であった教科書供給協議会全連の会計は、自分は八十五万円の損失をしておるというようなことでございますが、われわれ今早川証人に聞くところによりますと、損失どころか利潤を生んでおるというのが、これは私は事実だと思います。早川証人は、特約供給所に対しまして損をかけるような利子の補給の仕方はしていないということだけは事実でございますね。
○早川証人 おっしゃる通りでございます。
○神田(大)委員 それでは、方向を変えまして、市川市における教頭を招待した件につきまして、あなたはお認めになったようでございますが、この動機がありましたら、一つお聞かせ願いたいと思います。
○早川証人 動機といいますか、自分の方の教科書の趣旨を説明に参りましたときのできごとということでございます。動機というその御趣旨は少しわかりかねるのであります。
○神田(大)委員 動機といいますか、市川の学校の教頭の先生たちを御招待しなければならぬということになったのは、大日本図書がみずからそれを好んでやろうと思ったわけでもなし、教頭の先生たちもそういう御馳走になろうというような考えは毛頭なかったと思うのでございますが、教科書の販売のために追い詰められて、一つの方法といたしまして、ほかの社がそういうことをやったので、やむを得ずあなたの方でもやらざるを御ないような立場になったのではないですか。
○早川証人 そういう立場ではないと思います。
○神田(大)委員 そうすると、あなたは、東京書籍が、あるいは三葉書籍等が市川市において同じようなことをやったということを御存じでございますか。
○早川証人 存じておりません。
○神田(大)委員 それでは、方向を変えまして、文部省との関係について少しくお尋ね申し上げますが、あなたの方の会社に桑木来吉氏という人がお勤めでございますね。
○早川証人 勤めております。
○神田(大)委員 この桑木さんという人は元文部省の監修官をやっておられたのでございますが、今はあなたの方の会社でどのような職務についておりますか。
○早川証人 編集顧問を担当しております。
○神田(大)委員 この桑木さんと岡現次郎さんとは学校においても同窓の仲であり、また仕事の上におきましても、桑木さんは先輩の文部省の監修官であり、岡さんはそのあとの文部省の図書監修官である。そういう関係がありまして、岡現次郎さんと桑木来吉さんとの関係は非常に緊密であるというようにわれわれは承知しておるのでございますが、さようでございますか。
○早川証人 その通りでございます。
○神田(大)委員 そうすると、この岡現次郎さんがあなたの会社を通じて岡現次郎さんの図書の出版をいたしましたり、あるいはまた地方において岡さんが研究会や講習会等におきましてあなたの方の図書に対しまして便宜を計らっておるというようなことを聞いておりますが、そういうような関係もおありでございますか。
○早川証人 個人的の親しさでありまして、教科書の特別の採択に協力したことはないのでございます。
○神田(大)委員 あなたはないというようなことを言われておりますけれども、今言ったような因果関係からいたしますと、それはないというようなことを言い切り得るような事態じゃないと思うのでございまして、こういうふうに、あなたの方の会社ばかりじゃなく、たくさんの会社が文部省とのくされ縁によって、教科書会社と文部省というような関係が非常に深刻なものがあるのでございます。こういう点につきましては、今度の教科書問題を論ずる上におきまして非常に大野なことであると思うのでございますが、あなたは、このような文部省の天下り的人事によって会社が運営されておるというようなことでなければ教科書会社というものは成り立っていかないものであるとお考えかどうか、お尋ね申し上げます。
○早川証人 教科書を編さんするということについての協力、助言ということは、そういう方々がいる場合には便利であるということだけは、はっきり言えます。
○高木委員長代理 神田君に申し上げますが、持ち時間が経過いたしましたから、簡略に願います。
○神田(大)委員 そうすると、教科書の会社が文部省のある程度の監督を受け、相当大きな監視のもとにあるにもかかわらず、先輩であるところの文部官僚が教科書会社の枢要な位置におりますと、現在の文部官僚がこれに対しまして適切なる監督ができないとわれわれは考えるのでございますけれども、いろいろ、教科書の採択等につきまして、あなたの方の会社におきまして、あるいはほかの会社でもけっこうでございますけれども、この点を直せば検定に合格する。この点を直さなくちゃならぬというような指示を受けたり、あるいは事前にそのような御相談をされる場合がありますか。
○早川証人 そういうことはございません。
○神田(大)委員 委員長にちょっとお願いいたします。この前呼びました特約供給所の関係の証人の言と、きょうの証人の言と、特約供給所に対する利子補給の点において証言の食い違いが私はあると思います。この点について、今度は何らかの方法によって、どちらが果して正しいものであるかということをはっきりしてもらいたいと思います。
○高木委員長代理 次会の理事会に諮ってその取扱いをきめます。 佐々木秀世君。
○佐々木(秀)委員 証人にお尋ねいたしますが、先ほど大日本図書株式会社の資本金は六千万円ということでありましたが、その株主に対する配当はどのくらいやっておりますか、承わりたい。
○早川証人 前期は一側五分の配当をいたしております。
○佐々木(秀)委員 昨年の後期はどうですか。
○早川証人 年一回の決算でございまして、前期と申しましたのは昨年の五月末の決算でございます。
○佐々木(秀)委員 大日本図書株式会社の重役あるいは会社、その会社と個人とが、こういう類似の会社、たとえば先ほど申された他の印刷会社、こういうものの株をどのくらいお持ちであるか、おわかりですか。
○早川証人 大日本図書株式会社が大日本印刷の株を六万株持っております。
○佐々木(秀)委員 重役なりあなた方が、そういうようなまとまった株を、ほかの会社の株を持っておる数字がおわかりですか。
○早川証人 ただいまここではお答えできる数字を持っておりません。
○佐々木(秀)委員 私どもは、この会社の内容を検討するということは、全国の児童に対する教科書の価格問題等とも関係いたしますので、この数字は委員長のもとにお知らせ願いたいと思います。 次に、先ほどから岡現次郎さんのことをいろいろ他の委員がお聞きでございましたが、岡さんは昭和二十八年退官いたされまして、ただいま大日本図書株式会社の編集顧問でありますか、著作顧問ですか、どちらになっておりますか。
○早川証人 大日本図書株式会社の直接の関係ではございませんで、新教育協会の方に勤めております。先ほど申しましたように、会社の桑木顧問との個人的なつながりでの相互の協力は得ております。
○佐々木(秀)委員 われわれが俗にいう編集顧問というのは、何人くらいおいでになりますか。
○早川証人 桑木顧問一人でございます。
○佐々木(秀)委員 岡さんに対しては、直接の関係はないといたしましても、あるいは間接的にいろいろな相談をされることもあると思います。それらに対する会社としての謝礼とか、あるいは何らかの形で労をねぎらうための金額は上げておらないのでありますか。
○早川証人 きわ立ってのそういうものを差し上げていないと思っております。
○佐々木(秀)委員 きわ立たなくてもよろしゅうございますが、全然上げておりませんか、上げておりますか。
○早川証人 謝礼の意味では差し上げておると思っております。
○佐々木(秀)委員 その金額、今おわかりでしたら、お示し願いたい。
○早川証人 承知いたしておりません。
○佐々木(秀)委員 証人に申し上げますが、先ほど他の委員が質問されましたときには、岡さんは関係ないとおっしゃった。私が今謝礼的な面からお聞きいたしますと、いくらかお上げしておる。そうすると関係ないということは私は偽証だと思う。関係ない人に会社から謝礼なりあるいはそれに相当する金を上げておるということはないと思うのですが、その点は、先ほどの証言とただいまの証言はどちらがほんとうなんですか。
○早川証人 理科指導の要点というような著書もありまして、それに対する手当は出しております。
○佐々木(秀)委員 そうすると、先ほどの関係ないとおっしゃったことは、これは取り消されますか。
○早川証人 取り消しいたします。
○佐々木(秀)委員 証人に申し上げますが、宣誓されて証言をお願いしておるのでありますから、前に申したことを次の委員の尋問によってまた取り消したり、あるいはこれがまた全然違った証言になると、はなはだ不幸ではありますが偽証というようなことにもなりますので、われわれ何も証人を何といいますか罪人にしようというような考えじゃないのです。真相を明らかにして、国民の前に公正なるところの、いわゆる学校図書の将来の方向を定めようというのですから、どうか率直に証言を願いたいと思います。 次にお伺いいたしますのは、全国に駐在員というものがございますが、現在十五県に二十名の駐在員がおられますが、こうした方々はおそらくあなたの会社で発行される図書の販売に全力を尽すことだろうと思われますが、この二十名の方々が地方にこの教科書を販売するために相当経費が必要だと思います。これはどの会社でも物を売るためには宣伝費あるいはまたある程度の接待費、こういうものも必要だと思いますが、そういう接待費などは会社ではどのくらい見ておりますか。
○早川証人 駐在員には給与と各学校・郡市を回ります出張の実費を支給しております。
○佐々木(秀)委員 その実費と申しましてもいろいろ額があるのでありましょうが、金額はおわかりになりませんか。
○早川証人 その月、その人の行動によりまして、一定はいたしておりませんが、たとえば、宿泊費ならば一泊千円とか、あるいは車馬賃その他は実費ということで支給しております。
○佐々木(秀)委員 そうすると、駐在員からこれだけの実費がかかったということになれば、限度をきめないで会社はお支払いになるのでありますか。
○早川証人 会議を持ちまして、十分経費の節減をはかり、不合理なものについては支払いの責めを負わないようにしております。
○佐々木(秀)委員 それでは、駐在員だけでなく全体についてお尋ねいたしますが、あなたの会社は六千万円の資本の相当大きい会社であり、何十億という取引をしておるのでありますが、そういうような多くの販売をするには相当のいわゆる接待費あるいは宣伝費等が必要だと思いますが、そういうものの昨年度の予算というものがあると思いますが、昨年度の予算はどのくらいでございましたか、承わりたい。
○早川証人 昨年度は、宣伝費といたしまして五%、それは展示会の見本、指導書等一切入った宣伝費でございます。
○佐々木(秀)委員 われわれは五%、六%といってもちょっと数字がわからないのですが、金額にしてどのくらいでございますか。
○早川証人 定価の総額が昨年の実績で十億といたしますと、五%で五千万円でございます。
○佐々木(秀)委員 十億といたしますとというのは仮定でございますが、昨年のあなたの会社の発行部数は千七百三十万冊ですが、そうすると十億どころじゃないと思いますが、今の十億というのは違っているんじゃないですか。
○早川証人 十億という数字算定になります。
○佐々木(秀)委員 そうすると、あなたの会社で発行している理科の世界、これが大体おもだろうと思うのですが、これが九十五円ですが、これよりずっと価格の低いのも多数出しているということです。これが最高ですか、これの上はないのですか。
○早川証人 それが最高ではございません。
○佐々木(秀)委員 そうすると、私の計算では、千七百三十万冊で九十五円としても十七億幾らになるのですが、十七億弱ですか、そうすると十億というのはどういうのか、大体御説明願いたい。
○早川証人 平均の定価が、的確に記憶しておりませんが小学校は六十何円、中学がそれより一割ぐらい安くなる、高等学校は百円前後、そういうふうに考えております。
○佐々木(秀)委員 それにしても数字はちょっと違うようですが、数字の違ったくらい議論してもしようがありませんが、そこで、先ほどから承わりたいことは、五%の宣伝費あるいは接待費がそれにも入っていると思います。接待費はまた別にあるのですか。
○早川証人 その中に全部入っております。
○佐々木(秀)委員 それでお伺いいたしたいのですが、先ほどの市川の問題でありますが、これが、各委員からお尋ねのことに対しまする証人の証言はもううやむやになっておるのであります。委員長のお尋ねしたときには、たまたま何かの機会で夕食時になったから食事をお上げしたのでしょうとか、あるいは昼食時間になったから会社としては昼食をお上げしたのでしょうというような御証言でございました。これは、徹底的に証人はそのことに触れまいと、なるべく避けようということの御態度のように失礼ではございますが私は察知されたのであります。実は、千葉事件というものは、すでに新聞にも発表されておりまするし、また警察にもすでに取り上げた問題であります。この問題は、御承知の通り、昨年の七月千葉県において展示会が開催され、その一週間くらい前ですか、各会社が一様に接待しておるのであります。あなたの会社だけでないのであります。二葉とか東京書籍とか、各会社が争って学校の校長なりあるいは教頭を招待しているのであります。あなたのおっしゃった、たまたま夕食になったからなどというような、そんな接待じゃないのです。これは新聞紙上でも問題になっておりますが、あなたの方では三田浜の楽園という料理屋を御存じでございますか。
○早川証人 承知いたしております。
○佐々木(秀)委員 この料亭に何人くらい招待して、費用はどのくらいかかったのですか。
○早川証人 記憶いたしておりませんから、後日調査をして御報告いたします。
○佐々木(秀)委員 これはとかくのうわさがある。接待や招待によってそういうことがうわさされて、そうしてこの問題が国会においてこれほど取り上げられておるのですから、おそらくあなたは、千葉県の問題は、一応みずから計画したことでなく、みずから行なったことではないといたしましても、その実相は常務として一応内容は御聴取済みだと思いますが、あなたはその実情を今まで全然報告も受けていないのですか、それとも知らないのでございますか。
○早川証人 報告は受けておりますが、具体的なことは調査中でございましてまだわかりません。
○佐々木(秀)委員 これは知らぬ存ぜぬということであればいたし方ございませんが、もう新聞にも出て警察問題までなっておる問題が調査中などということでは私は承知できないのであります。いすれこの具体的内容を委員会の方へお知らせ願いたいと思いますが、今日一日だけでは十分なる証言を得られないようでありますから、いずれまた理事会で相談して十分この問題は徹底的に調査しなければならないと思うのでありまして、知っておる範囲においては、再度繰り返すというよりも、なるべく一日で終りたいと私たちも考えておりますので、できたら今日御証言願いたい。しかしながら、知らないということであればいたし方ございませんが、くどいようでありますが、現在のところは全然内容は知らないということに御証言をそのまま受け取ってよろしゅうございますか。
○早川証人 書類でお答えいたします。
○佐々木(秀)委員 これもあなたは報告を受けたというさっきの証言でしたが、あなたに報告したのはあなたの会社のどなたですか。
○早川証人 営業の者でございます。
○佐々木(秀)委員 その報告を受けたことを、あなたがお聞きしたそのままをここで述べていただきたいと思います。
○早川証人 まことにうかつで申しわけありませんですが、この問題につきまして、社内でも私自身も重大な責任を感じまして調査をいたしたのでございます。昨年の新聞の記事もまことにうかつで知らなかったようなわけでございますが、そういう事実があったということだけの本人の報告を受けました。
○佐々木(秀)委員 それは営業部のどなたですか、お名前を承わりたいと思います。その方にも聞いてみないとはっきりしませんので、どなたからお聞きになりましたか、承わりたいと思います。
○早川証人 金子という社員であります。
○佐々木(秀)委員 それは千葉県のですか。どこにおられて、どの営業をやって、金子何とおっしゃるのか、承わりたい。
○早川証人 たまたま住居が市川市でございます。営業専務を担当しております金子賢一郎です。
○佐々木(秀)委員 その金子君からの報告のときも、二葉もやったし、それから東京書籍もやったんだというような報告は受けられませんでしたか。
○早川証人 そのような報告は受けません。
○佐々木(秀)委員 いずれまた金子氏という人を呼んでいただくことを理事会に諮っていただきたいと思います。
○高木委員長代理 佐々木君に申し上げますが、持ち時間が経過しておりますから、簡略に願います。
○佐々木(秀)委員 理科の世界というのはあなたの方で出していらっしゃるのですか。
○早川証人 私の方で出しております。
○佐々木(秀)委員 こういう本を出すときには、大がい中に価格を書くところがあるのです。ここに九十五円なら九十五円と書くのが書籍の普通の常識でございます。中にちゃんと書いてあるのと、外紙に九十五円と書いてあるのとあるのですが、これはあたの会社だけでなく、この前、本のばらばら事件のときも、ばらばらになった本は外に書いてあるのです。これはあとからつけることができるのです。なぜ中にちゃんと書くところがあるのに書かないのでありますか、承わりたいと思います。
○早川証人 担当者が、たまたま、印刷に着手するときには来年度の定価の予想のつかない場合もあるのでございまして、便宜上とっているのではないかと思います。
○佐々木(秀)委員 これは展示会に出すときには価格をきめるのでしょう。
○早川証人 展示会に出すとぎには価格をきめます。
○佐々木(秀)委員 それではおかしいのです。展示会に出すとぎには価格をきめなくちゃならぬ、それなのに、価格を書くところがちゃんとあるにもかかわらず書いていないのです。私は、こういうところにも非常に不正があり、しかも文部省との交渉によっては五円や十円は上げることができるのだという想定のもとにこういうわかり切ったことをやっているのだという疑いを持ちたくなるのであります。この前は学校図書でありましたが、これは必ず入れなければならぬものと私は考えておりますが、あなたの方ではどうお考えになりますか。
○早川証人 今後は両方に入れることにいたします。
○佐々木(秀)委員 今後入れますとか言うが、これによって全国の学童がどれだけの犠牲を払わされてきたか、私はこう考えます。しかし、時間がないということですから、いずれまたあらためておいで願って、こうい点についてはもっと真相を究明したいと思います。 この理科の世界という本を私が持ち出したことは、これは中国地方の委員会、四国理科教育協議会、理科研究九州地区委員会、こういうふうになっておりますが、大体この本というものは九州地区委員会で作ったということをわれわれは聞いているのてす。それに間違いありませんか。
○早川証人 九州地区だけでなくて、全単元を三地区で分担してもらって出版しております。
○佐々木(秀)委員 それならば、なぜ著作料の問題で四国とあるいは中国と九州との間に争いが起きているのでありますか。この争いが起きていることを御存じでありますか。
○早川証人 そういう争いは起きていないと思っております。
○佐々木(秀)委員 それでは承わりたいと思います。先ほどあなたは、この理科の世界にしても、あなたの出している理科は全国大体平均して販売されているということでありましたが、その数字は間違っていると思います。こういう著作権の問題やあるいはその費用の問題で四国や中国が受け取っていないというようなことで、四国、中国方面ではこれが比較的売れていないのです。この販売の数字を見ると、大体九州だけで九五%売れている。そうすると、全国平均して売れているという証言は違っておりませんか。
○早川証人 九州九五%ということではないと思います。やはり三地区同様に採択されている。数学は後ほどまた御報告申し上げたいと思います。
○佐々木(秀)委員 それは後ぼど報告をいただきたいと思いますが、これは公取から出た数字ですから、私は間違いないというふうにこちらを信用しておきます。いずれこの数字も御報告願いたいと思います。 そこで、特約供給所の問題でありますが、先ほどのあなたの御証言によると、一、二あったような御証言でしたが、あなたの方は九州地区にこれを販売するために学生協と提携しておりますね。
○早川証人 学生協から発展いたしました教科書会社と取引しております。
○佐々木(秀)委員 学生協は改まりまして今の御証言の通りでありすが、旧特約店からあなたの方に販売の申し込みがあった。これは九州のことですが、これをあなたの方でお断わりいたしましたね。
○早川証人 旧特約店の資産状況がよくなかったがために、小学校の方の教科書全部を分離して教育図書と取引いたしたのであります。
○佐々木(秀)委員 内容がよくなかったから学生協の方と契約を結んだということですが、しからば、あとで申し入れをされてからまたこの旧特約店とも契約をされておりますが、そればどういうわけでごぎていますか。
○早川証人 ただいまの御質問はどういうことでございますか。
○佐々木(秀)委員 科学の世界が昭和二十六年七月文部省検定を受くるや、中学生協は運動を開始し九五%に近き採択数を獲得した、旧来の特約は大日本図書株式会社に対し特約供給契約の申し入れを行なったが拒絶された、その後四、五カ月にわたり交渉を継続したが契約の締結は不可能であった、やむを得ず旧来の特約は中学協との間に二十七年一月十四日科学の世界の供給に関する供給契約を締結した、これが公取から出した文章でありますが、これに間違いありませんね。
○早川証人 契約の順序としてはその通りでございます。
○佐々木(秀)委員 どうか、知らぬ存ぜぬでなくお答え願いたい。こういうふうに四、五カ月たってから旧特約店と契約を結んだわけであります。しかしながら、従来のように特約店の得る利潤をそのままに、あなたの方と関係なく結ぶならばよろしいのですが、そのあとがいけない。この学生協と契約を結び、旧特約店と契約を結んで、その旧特約の得る利潤の五〇%か学生協に払い戻しをするという契約になっておるのですが、そういうことをお聞きになったことがありますか。その事実をまたあなたとして認めることができますか。
○早川証人 当時双方にそうした交渉がありましたことを承知いたしております。
○佐々木(秀)委員 そうすると、学生協に対してあなたの方は特別の待遇をやっておるということに私は理解するのです。しかも旧特約店が利潤を得たものの半額を学生協の方に払い戻しをするなどということは、まことにこれはトンネル会社だと私は存じますが、こういうやり方をあなたの方では黙認されているのでありますか。
○早川証人 双方の取引でそうなっておるものと思っております。
○佐々木(秀)委員 まだ大分あるのですが。
○高木委員長代理 時間も大分経過いたしました。
○佐々木(秀)委員 それでは、いずれまた機会を見てあれします。一応私の質問を終ります。
○高木委員長代理 早川証人に申し上げます。佐々木委員より先ほど要求がありました会社の内容、特に株主名簿その他を文書をもってすみやかに本委員会に御報告を願います。 山田長司君。
○山田委員 先ほど証人から御説明を願いました教科書の発行部数の増減が、昭和二十六年度に比較して昭和三十年度にはかなり、半数以下に発行部数の減少を来たしているようですが、この点について、どうしてこんな変化が起ったものか、御存じの点をお答えを願いたいと思います。
○早川証人 当時理科の教科書が一学年が六分冊でありまして、三学年ありますから十八分冊になっております。それが現場において非常に使いにくい、分冊が多過ぎる、なお定価も軽減しようというふうな考え方から、一学年を二分冊にいたしまして、その結果新しい三分冊の採択によってそういう部数の減少を来たしたものと思っております。
○山田委員 教科書は普通の雑誌などと違って非常に部数に明確なものがある。こういう点から、利益の点が非常に多いとわれわれはしろうとらしく考えるわけですが、この点について先ほども多少触れておる点があるのですが、これを一つの書籍に限定をして話されて、たとえば先ほどの理科の世界でもいいですから、九十五円の書籍が一体どれだけの利益があるのか、あなたは常務として一つここでこまかく御説明願いたいと思います。
○早川証人 非常に利潤というものは不確実でございまして、どれだけの採択があるかわからないという一つの不安があるのが教科書の企業であります。従って、確実な数字というのは採択があって初めて生まれてくるわけでございまして、私どもの全体の企業の上の利潤といたしまして事業報告書に現われたのが、全体の四%、あるいはときには二・五%くらいになるような現状で、企画いたしましてから、そのものの採択の結果がわかり、現実に会社がそれに対する金額を手にするのは三年目というような長期の投資になりまして、事業的には大きな利潤の生まれる企業ではないと考えております。
○山田委員 今の御説明ではよく理解ができませんから、もう一ぺん伺いますが、組み版とか、あるいは原画とか、あるいは紙質とか、いろいろ扱い方によって違うと思いますから、一応今の教科書の例をとって話すのですが、今の理科の世界百万冊が採択されたとすれば、これが全体の経費としてはどれくらいの利潤があるものか、百万冊を限度として証人に御説明を願いたいと思います。
○早川証人 御指示がありましたが、直ちにそれを御説明申し上げる資料がございません。
○山田委員 大体その道のオーソリティであるから、概算の目安くらい立つと私は思ったのですが、できないとするならば、いずれこれは書類でこまかく提出するよう委員長からお願いしていただきたいと思います。 そこで、あなたの会社で扱われた本年度の千七百三十万冊というものの数量は、今の理科教科書、この一冊の分量、厚みから推して、大体目算でどのくらいの量になりますか。大体の見当でよいですから、御説明を願います。
○早川証人 ちょっと想像つきかねます。
○山田委員 私はなぜこういうことを証人に伺うかといいますと、教科書業者というものは、同じお仕事の中でも、文化的なかなり先端を行っておるお仕事ですが、お話を伺っておると、政治的な点で少し無気力な点があるのではないかと思うのです。なぜ私はそういうことを申し上げるかというと、五千部か六千部しか出していない町の雑誌でも、あるいは五千か一万部しか刷っていない新聞でも、ちゃんと郵便の料金にしてもあるいは鉄道運賃にしても割引してもらっている。全日本の教科書年に二億三千七百二十万冊という膨大なものに、こういう運賃について何の手も打たれていないように感ずるのです。先ほど高津委員の質問に対して、紙の問題だけについて、個々には交渉しているけれども、全体でまとまっては交渉していない、こういうことが御答弁にあったわけですけれども、運賃についてもなぜ交渉していないのか。もうかっておるから交渉しないのだとあなたば言われるかもしらぬけれども、日本の本を買うことのできないような気の毒な階層の大勢おられる中にあって、できるだけ安くして、よい本を作って配給ができるようにするのが、あなた方教科書業に携わっておる者の仕事でなければならぬと思う。そういう点について、運賃の問題などの交渉についてどういうことをされたことがあるか、あるいは郵送などについてどういう交渉をされたことがあるか、これらについて御説明を一つ願いたい。
○早川証人 御指摘の通り、まことに無力であったと思います。社団法人教科書協会は、業者のそうした代表的なことを担当しておってくれますが、まだまだその実績をあげるところに至っておりません。今後はそういう方面に一そう努力したいと思います。
○山田委員 文部省などではこれらについてどういうお考えを持って接しているのか、文部省の当局者はあなた方にこういう問題について話をされたことがあるのかどうか、伺います。
○早川証人 ときどきは協力を求められて、お願い申し上げております。
○山田委員 各委員からいろいろ質疑がなされておりますから、私はあと一点だけ伺いますが、長い間教科書事業に携わってみて、あなたは展示会についてはどういうことをしたら理想的だということを考えられたことがあるか、一つ参考までに伺います。
○早川証人 私のところなども、これに対してもっと方策を考えなければなりません。たとえば適確なところに見本を提供して常設展示会を施設するとか、絶えず地方の教師たちの教科書研究組織が行われて事務的の運営がうまく行くとか、また私たちが知らず知らず自分たちのことだけにとらわれて採択に狂弄することについての適確な対策というようなものを設けていただげますならば、選択方策も誤りないようにいくのではないかと考えております。
○山田委員 展示会制度は有名無実であるということを言われるほどに、採択に大きな役割をしていないように世間では言われています。こういう点についても、いずれ大きな問題として討議されなければならぬことになるのでありますが、こういう点については国家もずいぶん無責任な点が多々あると思うのです。私は証人にもう一点伺いますが、実際上、教科書会社というのは、いずれも毎年々々相当の利益があるために伸びているようですから、相当の利益配当をやっている。あなたのところも一割五分配当していると言われましたが、大体このくらいの配当はみんなされているんじゃないかと思うのです。私はこのことについてとやかく言うんでないんですが、今の状態でも、あなた方が少し政治的な力を発揮して、運賛の問題とか紙の問題の交渉とか、こういうことが本気になってなされたならば、書籍の問題についてはずいぶん単価を安くすることができると思うのですが、さっき私が申し上げた百万冊を基準として出す資料の中に、あなたにお願いしたいことは、もし政治的な力で運賃の新聞雑誌並みの割引がなされた場合に、これでどのくらい単価を下げることができるか、こういうことも一応この中へつけ加えてあなたに案を出していただきたいと思うのですが、この点、議人に御意見を伺っておきます。
○早川証人 その問題についても考えてみたことがあるのでございますが、現行では私の方の荷作り費として六%の実費支出になっております。そうした運賃が第三種あるいは雑誌並みになりますれば、概算一%くらい安くなり得るということを考えてみたのでござまいす。
○山田委員 私の質問はこれで終りますが、委員長に資料について証人に提出方を要求していただきたいと思う点を申し上げたいと思います。ただいま申し上げましたように、もし新聞雑誌並みに運賃の割引がなされたとするならば、ただいまは一%と言われたが、百万冊を単位にした場合における運賃はどのくらいの差が出てくるか、百万冊を単位として理科の世界の印刷費、紙代、組版代、原画代、こういうものを取り入れて一冊の原価はどのくらいでできるか、これを証人に明確に間違いのない状態で御提出願いたいと思います。そのときに、利益の面、それから今まで支出をした接待費、宣伝費、あるいは展示会等に経費が必要とされておったならばそれらの額、こういう点も委員長から証人に頼んでいただきたいと思うのです。 私の質問は終ります。
○高木委員長代理 早川証人に申し上げますが、ただいま山田委員より要求のありました点について、すみやかに文書をもって本委員会に提出せられんことを願います。
○佐々木(秀)委員 ただいま山田委員から百万冊ということでございましたが、同時に、図書などというものは部数によって価格が非常に変ってくるものでございますから、それが百万冊になり五百万冊になったときは幾ら、一千万冊になったときはどのくらい、もしできましたら現在の発行部数をもつけ加えて資料を提出願いたいと思います。
○高木委員長代理 証人に申し上げますが、ただいま佐々木委員から要求のあった各事項について、書面をもって御報告願いたいと思います。 西村力弥君。
○西村(力)委員 関連して一点だけお尋ねしたい。山田君の質問に対して、発行部数が非常な減退をしている理由として、理科の教科書を六分冊にしておったのを二分冊にしたたためにこのように発行部数が減ったんだと、あっさり割り切っていらっしゃいますが、そのような理由だけにとどまるのかどうか。それで済めばいいんですけれども、業界全体の不振ということがありとすれば、そんな簡単な自己反省というか、そういうものでは割り切れないと思うのですが、その点を一つ御証言願いたい。
○早川証人 二十六年から二十七年の間の部数の激変だと思っております。当時は、二十六年は理科と数学だけでございます。特に数学は大きな採択をとっておりませんので、理科の数字のみについての計算で、そういう千七百五十万冊という結果になるのでございます。
○西村(力)委員 そうしますと、その場合において、業界の不振と考えて皆さん方でその問題に対する御研究をなさったようなことはございませんでしょうか。
○早川証人 結果的には、六分冊のものが二分冊になりまして部数は減ると思いますけれども、経理的には単価においては変らない結果になるのであります。また、教科書自体につきましては、表紙をそれぞれに取りつけないために、教科書そのものも非常に安くできるので、この方がより合理的であるというふうに考えます。
○高木委員長代理 高津君。
○高津委員 非常に教科書出版はもうからないものだということを強く御主張になりましたが、あなたのように印刷会社を別個に持っておられるならば、印刷会社の方で利益がよけい動くようにすれば、図書の方は利益は少いような帳面づらもできると私は思うのです。 それから、今百万冊単位ということがあったが、二万冊ならば幾らか、十万ならば幾らか、百万ならば幾らか、そういう一万、五万という小刻みなところをまず出して、それから百万の場合はどうかというふうにしていただきたいと私は思います。これは委員長への希望であります。百万単位という大きな話でしたから……。 それから、もうからぬもうからぬと言うのですが、大日本図書が銀座の土一升のところに何億もかけて地上四階、地下は何階か知りませんが、大日本図書ビルという大きな建物を建てておる。あれはもうかった証拠じゃないのですか。もうからぬもうからぬと言われるが、われわれは製紙と教科書印刷ぐらいぼろいもうけはないのだ、こう思っておるのです。それで、私はもう一点聞きますが、役員の報酬、それにボーナスを含めたものはどのぐらいになっておるか、それから、銀座のは何億何千万円かかったか、こういう点です。あなたのところは、新建築を計画して、今やっておられる。われわれちゃんと見ていますよ。
○早川証人 役員の報酬のことは資料を得て御報告いたします。また建築はお説のように地上六階地下一階でございます。あのかどにあります三井銀行と私の方とがタイアップいたしまして建築をいたしました。二億というのは双方の合計の金額だと思います。私の方の経費は九千二百三十万円の工費でございます。そして、このために昨年の六月に三千万円の増資をいたしまして、建物の方の補填等にも充てております。また、銀行から借り入れをいたしまして、現在まだ借款は四千万ばかり残っております。
○高木委員長代理 証人に申し上げますが、ただいま高津委員から要求せられた各事項はおわかりになりましたか。――それでは、その事項をもあわせて、山田委員、佐々木委員の報告と同時に提出していただきます。 小林信一君。
○小林(信)委員 私は中途から来ましたためにあまり委員会の審議過程を知りませんので、あるいはこういうことがすでに論議されておるかもしれないのですが、その点の御了承を願って御答弁願いたいと思います。 まず第一番にお伺いしたいのは、かつては用紙は配給制作度になっておったわけですが、その場合には、各学校の教科書の需要数がわかりますと、これが文部省に集められて、その需要数に応じて用紙の割当が各会社になされたのですが、その用紙の割当を持って参りますと優先的に確かに融資がされたわけなんですが、それはそのときだけであって、現在はそういう点では優先的にはなされておらないのかどうか、金融の面について今の事情をお知らせ願いたいと思います。
○早川証人 ただいまは、当時と違いまして、銀行対会社との関係は各社の信用という一点にかかって融資をなされておるように思います。
○小林(信)委員 その信用の状態は、ほかの事業と比べて、あなた自身のお考えでは非常にいいと思いますか、普通だと思いますか。
○早川証人 今日までの例で申しますと、銀行の協力を得て管理を受けなければならぬという時代もあったのであります。特別にいいということは考えません。
○小林(信)委員 確かに、この国会におきましても、日時は忘れましたが、用紙の割当がなされておったころ、その融資に対する利子の引き下げが法律でなされたことがございますが、証人は御記憶がございますか。
○早川証人 その記憶はございません。
○小林(信)委員 確かに三分の利子が二分に引き下げられたことがあるわけです。私は文部委員をやっておりましてこれに関係したのでございますが、その当時、教科書が安くなることについてわれわれは異議がないのでありまして、三分の利子を二分に引き下げることにわれわれ同意したわけなんです。しかも、一方需要数がわかればそれに対する用紙の割当がなされる、それを持っていけば銀行では文句なしに融資される、そういう融資の非常にいい条件の中で、さらに教科書を安くすることは父兄の負担を軽くすることだという、子供たちの立場から考えて国会では三分の利子を二分に引き下げたことがあるわけなんです。そういう事情で、教科書会社に対しましては非常に国家も国会も考慮を払い、父兄の立場からもこういうふうに今までやってきたわけなんですが、私は、現在におきましても、どうしても必要だという教科書を取り扱っておる会社に対しましては、そういう信用の問題も私は普通以上であると思うのです。そこで、今証人が三分の利子を二分に引き下げたときのことを御承知ないというお話で、非常に残念でございますが、確かにそのときにこの問題は各公社とも国会に対して相当働きかけたことがあると考えるのですが、そういう点も従って御承知ないわけですか。
○早川証人 どうも当時の記憶がはっきりいたしません。
○小林(信)委員 先ほど来いろいろ委員の質問を受けられまして、あなた方のやっておることは非常に高いところであって、下部の方の仕事については通じておらぬというような感がするわけです。それだけに、問題はたくさんあるけれども、あなたはそれくらいのことはこういう仕事をやっていれば当りまえだということで無視されておるような感がするのですが、私たちは、この三分の利子を引き下げる場合も、これは国会では相当重大な問題として扱ったわけなのです。従って、業者の皆さんもこのことでは相当動いたように思っております。たまたま今教科書問題として「全貌」という雑誌が取り上げて、国会議員の何人かをあげて、教科書を食う国会議員というふうに出ておるのですが、その中に私の名前があるのです。私は、三分の利子が二分に引き下げられたそのときに、八芳園というところで、ありがたかったというので、これは普通に行われるのですが、その会に出たために非常に疑惑を持たれて迷惑しておるのですが、そういうことは確かに行われたはずです。これは、普通行われる、あとで御苦労だったという、そういう意味の会合として私は出たわけなのですが、そういうことについて、あなたは社内にいて社内のそういう仕事をする人たちに伺って、そのことについてもさっきの委員長の要求同様にこの委員会に御報告願いたいと思います。これは「全貌」という雑誌に出ておりまして問題になっておることですから、そのときの年月日、そうしてその構成、そういうものも一つ委員長あてにお届け願いたいと思います。それは大ぜいの会社です。たくさんの会社が一緒になってやったことなのですから、お取り計らい願いたいと思うのです。 そこで、もう一つお伺いしたいことは、これもやはり旧にさかのぼることなのですが、教科書用紙の配給がなされておったころに、予約制度でもって、これこれの教科書を使いますというときには、地方の配給する本屋さんは子供の金を集めて、教科書を買う以前に払い込んであるはずなのですが、そういうこがとあなたの会社にもあったかどうか、お伺いいたします。
○早川証人 末端の取次で相当そういうことがありましたことは発行会社で耳にしまして、厳重に戒告して、そうしたことは取りやめさしたはずであります。
○小林(信)委員 それは非常に私、耳よりなことなのです。今まで予約の形であったから、たしかもう十一月ころから各学校に必要数の調査があって、そうしてその数字を出す場合にはそれに該当する金を子供から集めた。先生が金を集めるということは非常に先生にとっては困る問題なのです。ない子供もありますし、先生も金をいじるということは非常にふなれでございますので問題が起きるわけなのですが、そういう過程も踏んで金を集めて下部書店に出したわけなのです。ところが、一方においては、必要数がわかれば用紙の配給がなされる。それを持っていけば金融がなされる。そうすると、あなた方業者というものは、かつては、一方においては子供から半年も前にたくさんな金を集めて、そうしてこれを一応銀行に預けてその利子かせぎもできる、あるいはほかに融資もできるというふうなことがなされておったわけなんです。そういうものが犠牲になってああいうビルディングなどができたものと私は想像しておったわけであります。一方においては、必要な紙が配給になればそれでりっぱに金融がなされる、こういう過程でやってきておったわけでありますが、今あなたは、そういうことをやった覚えはないが、下の方でそういうことをやったと御答弁になった。あなた方は大体調査なさっておると思いますが、どれくらいの期間、どれくらいの金で子供から金を以前に集めたか。差しとめたということですから、そのことについては相当御調査をなさったと思うのですが、お知りの点を御説明願いたいと思います。
○早川証人 当時ほんの一部でそうした問題が起きたことを耳にしただけであります。決してそれが最後までそういう金融措置をしたということは考えられません。
○小林(信)議員 ほんの一部というのは、大体県としては何県あたりですか。それから、期間にしては一年とか二年とかあると思いますが、そういう点をできるだけ詳しくお聞かせを願いたい。
○早川証人 記憶は確かでございませんが、一時、県の一部の程度でないかと思います。
○小林(信)委員 それはあなたの会社に関係する会社に限ってでございますか、それとも教科書を扱う全体の業者の立場での御答弁ですか、もう一度伺います。
○早川証人 記憶を呼び起しますと、取次も各社の教科書を取り扱うわけでありますが、私のところでもそういう指令をしたことは全然ありません。そうした方が便利であろうということが、一時何県かの一局部的なところで起きたということを耳にした程度でございます。
○小林(信)委員 何もこの問題は旧悪を暴露するというようなことでなくて、委員各位からお話があるように、教科書問題を国民が納得のできるようにしたいということで御答弁を願っておるわけですから、今の証人の御答弁等はまことに誠意がなさ過ぎると私は思うのです。私の県あたりでは、全県下くまなく教科書供給所の全部がやりました。しかもそれは相当の長い間、二年、三年にわたって、配給制度が解消されるまでやったはずなのですよ。それを、あなたは、こういうりっぱな重要な業者の中にありながら、ごく一部の郡市に限られた問題であって、一時であるというふうな、そういうような証言というものは、あなたの地位にもそむくわけなのです。下部の実態というものは必ず掌握されていなければならないはずなのですが、これはまことに残念なことです。私の県ばかりではございません。用紙というものはちゃんと全国的に統一されて、その用紙に必要数を書いて、そうしてそれに相当する金額をちゃんと先生がまとめて半年も前に教科書会社に提供して、さあこれで本を作って下さいとやったはずなのです。それをあなたはごく一部だと言うことは、私は残念でならないのであります。しかも、一方におきましては、先ほど申しましたように、用紙の割当がなされればすぐに金融がつき、その金でもって教科書を作る。何ら金が要らないわけであります。一方において国家はこういうような補償をしながら、業者は、一方においては、教科書を変えなければ困る、よくしなければ困るということで、あらかじめ半年も前に金を集める。それは全国ではおそらく何十億、何百億という金になるのではないかと私は思うのであります。そういうことについてあなたは御存じでないと言うのですが、あなたがそういうふうにおっしゃれば、これはあるいは地方の書店が計画してやったことかどうかわからぬが、とにかく、そういうことで、学校の先生方が子供に無理に金を持ってきてくれと言って、その金の収支がなかなか困難なことも、あえて教科書が教育の大事なものであるからやむを得ずきょうまでやってきたということを考えると、まことに先生方に申しわけがないような気がいたしますが、この点につきましても、もし証人が御答弁なさらぬならば、委員長において調査を願いたいと思うのです。 以上です。
○早川証人 いろいろの未熟さから、御非難を受ける事態のあったことに対して、社会的にもわれわれの責任を感じております。
○高木委員長代理 小林君に申し上げますが、小林君から委員長に要求のあった事項は、次回の理事会に諮って、そのように取りはからうようにいたします。 早川証人に対する尋問はこれで一応終了いたしました。 証人には長時間にわたって御苦労さまでした。なお、後日再び証人として出頭を求めることになるかもしれませんから、その点御了承おきを願います。 午後は二時半より再開いたします。 それまで暫時休憩いたします。 午後一時三十一分休憩 ――――◇――――― 午後二時五十六分開議
○高木委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 直ちに証人より証言を求めることにいたします。 ただいまお見えになっておられる方は高場季光さんですか。
○高場証人 そうでございます。
○高木委員長代理 この際証人に一言申し上げます。現在わが国において小中学校における教科書は多種多様にわたり、大小出版業者が乱立の結果、これが検定並びに採択等に関しとかくの風評が生じ、これが学童並びに父兄に及ぼす影響等を懸念し、世上大いに関心を抱いている向きもありますので、義務教育の本旨にかんがみこれが真相を明らかにすることはきわめて意義のあることと考え、本委員会は本件の調査に着手した次第であります。証人におかれましては率直なる証言をお願いいたします。 証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑野上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁固または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして、証人に覚書を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人高場季光君朗読〕 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
○高木委員長代理 それでは、宣誓書に署名捺印して下さい。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○高木委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、さよう御了承願います。 この際お諮りいたします。高場証人は健康を害しておられ、なお医師の診断書も提出しておりますので、証人は着席のまま証言を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高木委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。 証人に申しますが、気分が悪くなりました際は遠慮なく申し出願います。 それでは、証人の略歴を述べて下さい。
○高場証人 昭和八年に師範を出まして、昭和二十七年末まで教職にございました。二十七年末退職して、現在の佐賀県教育図書株式会社の専務取締役に就任いたして現在に至っております。なお、二十三年の初めから二十七年のおしまいまで佐賀県教職員組合の厚生部長と佐賀県学校生活協同組合の専務理事を兼任いたしておりました。
○高木委員長代理 証人は、佐賀県学校生活協同組合――これからは学生協と呼びますから、さよう御了承願います。ここの専務理事をしていたことがあるかどうかをお尋ねいたします。
○高場証人 昭和二十三年から二十七年の末まで専務理事をいたしておりました。
○高木委員長代理 その組織はどんなことになっておりますか。
○高場証人 二十三年の初めは、組合員になっておりましたのが教職員だけでございましたが、消費生活協同組合法が施行されましてから、厚生省の指導に基きまして、児童、生徒も組合員に加入させるようにいたしました。各郡から役員として理事三十二名、監事十名、それから本部の執行部には常駐の役員が三名おります。以上であります。
○高木委員長代理 大体わかりましたが、組合員の構成はどうなっておりますか。
○高場証人 組合員の構成は、先ほど申し上げましたように、二十三年ごろは教職員だけでございましたが、消費生活協同組合法の施行と同時に、厚生省の指導により児童、生徒を含めまして、二十六年に私が生協の役員を引くころには、生協に生徒を加入させることはいかがかというふうな解釈がございまして、法制意見局の方から厚生省を通して私どもの方に申し出がございましたので、卒業する生徒だけはそのつど脱退してもらって、新しい加入を勧誘をいたさなくてやって参ったのでございます。昭和二十七年の末には児童はずいぶんだくさん脱退をしたままになっておりました。このままでいきますと、自然子供たちは完全に組合員じゃなくなるかと思います。
○高木委員長代理 父兄はどうなっておりますか。
○高場証人 父兄の加入は現在全然ございません。
○高木委員長代理 出資金の状態はどうなっていますか。
○高場証人 出資金は現在三十七年末で約八百万ほどあったように記憶いたします。
○高木委員長代理 取得時の出資金は幾らになっておりますか。
○高場証人 当初の物価指数その他から、子供たちを加入させるというふうなこともございましたので、一口十円になっておりました。
○高木委員長代理 組合員の人数はどのくらいになっておりますか。
○高場証人 人数は、教職員が約六千名で、児童が五、六万だろうと思います。その後ずいぶん脱退しておりますから、現在では相当数減っているんじゃないかと思います。
○高木委員長代理 学生協は昭和二十四年以来教科書の供給業務を始めておるようであるが、その動機はどうなんです。
○高場証人 昭和二十一年から教科書がいろいろな形で出されたわけでございますが、供給の状態がきわめてよくございませんでした。二十一年あたりには刷りぱなしの折りっぱなしといったような十六ページぐらいの小冊子が年間に五分冊とか六分冊というふうに分冊で配給をされたわけでございますけれども、その当時から生徒数に満たない数が配給されたように記憶いたしております。終戦直後のことであったということもありましょうけれども、発行会社の方では、地理とか歴史とかそういうものを除いては、ほとんど子供たち一人当り一冊印刷がなされておった模様でございますけれども、それが現場の学校の方に参りました際に七〇%とか、ひどいのになりますと三〇%といったふうな供給状態でございました。それが二十四年の検定制度になりましてもなお続いたのでございます。三年、四年ごろになりますと幾らか余裕があったかもわかりませんが、郡部の方には依然としてそういう状態が変らなかった。町の学校では場合によっては残ることもあるようになっては参りました。ところが、先ほど申し上げましたように、一人一冊当りで来ておったものが完全に渡っていなかったという事実が確かにあったように記憶いたします。現場の私どもとしては、当時私も現場におりましたが、子供たちからは、五ヵ月とか六ヵ月くらい前に、入手困難だから前金が要るんだ、こういうことで集めておられたのでございますけれども、別に完全に供給されるわけでもなし、入手の努力をなさったというふうには思えない点が多々あったのでございます。足りない子供たちに対しましては、私どもはガリ判を切りまして、そうして、まずい字で書いて子供たちに分けて間に合せたのでございます。そういうことが二十一年ごろから四年ごろまで続きました。また、配達の場合でございますけれども、店の方から配達していただくのでなくて、私どもの方に、はがきで、本がついたからとりに来いというふうな連絡がありますと、子供たちを連れて本屋まで受け取りに行ったものでございます。町の方は大したこともございませんけれども、郡部の方は一里も二里も出遅い本屋に本をもらいに行く、もらってはきたけれども、子供には十分渡されない、こういう状態があったわけでございます。さらに、返本については、町の学校が割に昭和二十三、四年ごろになると多くなる、そして児童数よりも多い、そうしますと、その残った本を学校が買い取らされるというようなこともございました。そういうふうに非常に現場に対してよくなかったものですから、各学校としては、こういう状態では困る、ぜひ何と’かこれを改善するようにしてほしいというふうな要望が非常に高まって参りました。私どもはちょうど生活協同組合の係をしておったものですから、そういう声が次々と私どもの方へ届けられてくる。私どもは何とかしなければならぬということもよくわかりましたので、当時の特約に、何度も何度も、こういう状態では困るからぜひ改善してほしいということを頼みに行ったのでございます。ところが、何べん行きましても、さっぱりらちがあきませんで、、最後には、うるさい、あなた方がそれほどやれると思うならば自分でやってみたらいいじゃないか、そんなに簡単に教科書の取扱いはできるものではない、こういうふうにまことに、すげない返事でございました。それで、私どもとしては、もうこの上は、頼むのではなく、自分たち肩身でこの窮状を打開するより道はない、そういう結論に達したわけであります。それで、さっそく学校の方にいろいろの調査を依頼いたしました。昭和二十一年から四年までの実態調査を依頼いたしまして、相当分厚な報告書ができ上りましたので、それを携えて文部省へ伺いました。そして、佐賀県の教科書の供給の実態はこの通りでございますが、これでは困る、何とか文部省の手を借りてできないものでしょうか、こういう要望をしたわけであります。ところが、文部省の方では、佐賀のそういう状態はいろいろ聞いておる、しかしながら自分たちの手ではどうにもならないのだというふうなことでございました。さらにまた、文部省の方では、当時占領軍のハークネスという教科書関係の係の方がおられたようでありますが、そちらの方に、生活協同組合が教科書を扱うということを言っているが、どうしたものだろうという伺いを立てられたように聞いております。その際に、生活協同組合の教科書取扱いは拒否するどころか、むしろ好ましいことであるというふうに言われたと伝え聞いております。そういうことで、私どもとしては、こういうように放置されることは教育上きわめてよくない、万難を排してやらなければならない、また、先ほど申し上げたようにハークネス氏の方でもそういうことを言われたというので、さっそく発行会社に当りまして、取り扱いができるようにお願いをして回ったわけでございます。ところが、発行会社の方でも、当時は特約がしっかりしておったようでございましたので、教科書の特約が佐賀県にはちゃんとあるから、もういらないというようなことで、なかなか問題にしていただけなかったように記憶いたしております。しかし、私どもとしては、こういうふうな実情では困る、だから、何とかしたいから、一つわれわれの立場、学校の立場、需要者の立場を考えてほしい、教育を真に愛するがゆえにこういうことを言っておるんだということを説きますけれども、むしろ玄関払いを食らうことが多いのでございます。その中で、四社で大体私どもの言うことがわかっていただけて、まがりなりにも教科書の取扱いができるようになったということでございます。
○高木委員長代理 四社というのは、どことどこですか。
○高場証人 二葉株式会社、教育出版株式会社、教育タイムス社、北陸書籍株式会社、その四社でございます。
○高木委員長代理 その提携の内容、経営等を詳細に述べていただけませんか。
○高場証人 提携の内容と申しますと、普通の教科書の契約と全く同じものでございます。
○高木委員長代理 教科書の取扱いについて学校側に割り戻しをしたというようなことを聞いていますが、そういう事案がありましたら、その金額とか年度別とかいうものを説明していただきます。
○高場証人 割り戻しをしたことはございません。
○高木委員長代理 学生協が教科書を取り扱うことは好ましくないという文部省の通達があったと聞いておるが、そういう事実はどうですか。
○高場証人 文部省の通達は確かに展示会要綱によって承知いたしました。
○高木委員長代理 それはいつごろですか。
○高場証人 二十六年でありましたか――二十七年だったと思います。
○高木委員長代理 その結果会社組織に変更したのではありませんか。
○高場証人 文部省の発した通達に基いて、生活協同組合で扱うことをやめる、そして現在の佐賀県教育図書株式会社を創立するようにいたしました。
○高木委員長代理 会社創立をしたときの発起人、それから会社の組織、資本金、会社創立以来の役員の名前、またはその役員の前歴等について述べてもらいたいと思います。
○高場証人 井上功でございます。それから山崎健二、武藤御大、江崎善夫、杠友二、八色敏郎、もう一人ですけれども、もう一人忘れました。
○高木委員長代理 会社は何会社ですか。株式会社ですか、その他の組織ですか。
○高場証人 株式会社でございます。
○高木委員長代理 資本金は。
○高場証人 資本金は一千万円でございます。――失礼しました。創立の当初は五百万円、現在は一千万円でございます。役員でございますが、創立当時の社長が井上功でございます。現在は商売をやっております。それから専務が高場季光、私でございます。それから常務取締役が小渕吉郎でございます。農業を営んでおります。それから監査役が石橋三作でございます。現在取次店をいたしております。それから現在の社長が石丸喜代次であります。元村長をしておりました。現在は農業をやっております。専務が私でございます。常務が小渕吉郎さん。
○高木委員長代理 この役員の前歴をちょっとお話しになったが、いま少し明細に前歴をお話し願えませんか。
○高場証人 井上功という入は三十年くらい前に教員をしたことがあるそうでございます。それから私は先ほど申し上げた通りでありまして、小渕吉郎氏は昭和二十六年まで教職にございました。それから石橋三作氏は昭和二十一年まで教職にあって、教育委員に立たれて、教育委員を一期勤めて、あとは無職、現在は取次店でございます。現在の石丸社長は終戦前まで校長をしておられて、終戦後村長を勤めて、それから教育委員長をなさって、町村合併でやめられたようでございます。
○高木委員長代理 この会社の資本金の募集方法は公募ですか縁故募集ですか。
○高場証人 公募の形式をとりました。
○高木委員長代理 株式の数や株主の職業等、概略説明していただきたいと思います。
○高場証人 実は、株の総数とか職業の調べをした資料を持ってきておりませんので、明確な数字が申し上げられぬのを残念に思います。しかし、昭和二十九年の初めごろだったと思いますが、二株以上の株主について外務員を通して調べさせたことがございます。そのときの数字によりますと、二株以上が約五百名くらいだったと記憶します。そのうち教員が約二百名くらいで、その他約三百名くらいじやなかったかと思います。
○高木委員長代理 会社には株主名簿がおありになるでしょう。
○高場証人 株主名簿を備えております。
○高木委員長代理 それを提出していただくことができますか。写しでもよろしゅうございます。
○高場証人 写しを提出すればできると思います。
○高木委員長代理 それでは提出して下さい。なほ、その場合に、株主の職業、わかっている分だけでけっこうですから、それもあわせて報告していただきたいと思います。 教科書の取次は、最効に十二名の郡市駐在員によって取り扱っていたそうであるが、その後取次はどんなことになっていますか。
○高場証人 一番最初は駐在員によりまして各学校に持ち込み販売をいたしました。その後、現在では前期から取次店を通して学校に供給するようにいたしております。
○高木委員長代理 取次供給事務に従事する者の中に、県の教育庁次長をしている人や、県の教育委員会の委員をしている人または学校の教職にあった者が多いということであるが、その実情についてお述べになっていただきたい。
○高場証人 業務に従事している者のうちには、県関係者あるいは学校関係者というものが取次店に何人かいる以外はございません。
○高木委員長代理 県の教育庁の次長が取次供給所の仕事に従事しているというようなことはありませんか。
○高場証人 次長はやめて、現在県議をしておられますが、取次はいたしておりません。
○高木委員長代理 県の教育委員会の委員がそういうことをしていることはございませんか。
○高場証人 県の教育委員であった人は石橋三作氏で、その場合ございますけれども、現に委員をしておる人ではございません。
○高木委員長代理 前に委員をしておった人で現在その業務に従事している人はございませんか。
○高場証人 先ほど申し上げた石橋三作氏が、二十四年か二十五年に教育委員をやめて、無職でおって、現在は取次をしておりますをの方だけてございます。
○高木委員長代理 学校教職員であった人でそういう業務に従事している人はございませんか。
○高場証人 三人か四人にあるかと思います。
○高木委員長代理 証人の会社では教科書の供給業務のほかに百貨部を置いて学生協に対し生活必需品の卸売をしているかのごとく言うおる人があるが、その点はどうです。
○高場証人 一部そういうことをいたしております。ですけれども、どこまでも教科書が主体でございます。
○高木委員長代理 一体会社と学生協との関係は現在どんなことになっておるんです。
○高場証人 全く関係はございません。
○高木委員長代理 学生協が最初二葉書籍、教育出版その他二社と取扱いを始めたんでしょうが、その四社とも逐年採択部数が増加しているように思われるが、その原因は証人はどういうふうに考えられますか。
○高場証人 その点は、事務局の方にも書類を提出いたしましたが、昭和二十五年度には先ほど申し上げました四社の供給でございましたが、二十六年度に同じく四社、二十七年度に十一社にふえております。二十八年度に九社に減りまして、二十九年度にさらに元のようにに十一社にふえ、今年度十五社にふえております。来年度の供給からは二十二社になることになっております。そういうふうに発行会社の数が逐次増加いたしております。それによって私は増加したものと思います。
○高木委員長代理 そこで、最後にお尋ねしますが、学生協がこの業務を取扱うことによって利益があると思いますが、年度別にをの利益及びその利益の分配方法等について詳細にお述べになっていただけませんか。
○高場証人 生活協同組合につきましては、二十七年度まで私は関係いたしましたので、二十七年度までの数字を申し上げます。二十五年度の利益金が二十六万七千五百円でございます。二十六年度が、約六十九万円、二十七年度が約八十八万円でございます。教育図書になりましてからは、二十八年度三百五十六万、二十九年度三百五十五万、そういうふうになっております。この処分でございますが生活協同組合の際は、準備金、それから税金とか、退職積立金とか、配当金、――配当金は五分でございますが、そういうものに使っております。それから、会社の方は、二十八年度は準備金に二十万、積立金に五十万、税金に百八十万、従業員の退職積立金に二十万、株主配当金が一割二分の六十二万それから二十九年度が準備金二十万、積立金に四十五万、税金に百四十五万、従業員の退職積立金に十五万、それから配当金が一割三分の百十万、そんなふうに処分いたしております。
○高木委員長代理 昭和二十九年の六月、公正取引委員会から証人の会社に対して不公正の取引法に関する警告を発してあると思うが、会社の現状はこの警告に対して完全に是正処置がとられておるとお考えですか。
○高場証人 公取の警告を受けましてから、その後株式の増資をいたしましたが、その増資については、教職員関係もおられることでありますので遠慮していただきました。それから、取次店を全面的に使うように――これは公取の警告のある以前、会社創立のときから、第一年目に内部を確立する、第二年目からは取次を全部設置するというふうな方針でおったものですから、そういうふうに御趣旨に沿うようにいたしております。そういうふうに、教科書の完全供給を合理的な形においてやるというふうに努めております。
○高木委員長代理 委員長よりの尋問は一応終了いたしまた。 この際委員諸君の発言を許しますが、先ほど申し上げた通り、証人は健康を害しておることでもありますので、努めて重複を避けて簡略にお願いいたします。なお、申し合せの通り、一人打ち時間十五分といたしたいと思いますから、さよう御了承を願います。山中貞則君。
○山中委員 先ほど、委員長の質問に対しまして、あなたの証言いただきました事柄のうち、二、三さらにお尋ねをいたしたいと思いますが、学生協の供給業務内容について、教科書の取扱いについて学校側に割り戻しをしたことがあるかということに対して、ないということを言われたわけでございますが、私の方の資料によりますと、二十六年度に二日六十二万九千七十五円、二十七年度に二百四十九万八千六百六十円、――ただいまのあなたの御説明になりましたところの内容は、二十六年度が六十九万、二十七年度が八十八万、それから二十八年度が三百五十六万、二千九年度が三百五十五万、こういうお話をされたのですが、私どもの考えでは、少しく数字が違うように思うのですが、先ほど述べましたように、二十六年二百六十二万、二十七年二百四十九万というこの逐年の割り戻し金は、明らかに学生協を利用した学校に対して割り戻しをされた数字だと思いますが、証人は先ほどお話しの割り戻しをしたことはないという証言を撤回されませんか。
○高場証人 その点は、委員長の方から、利益金の処分ということでお尋ねがございましたので、利益金について申し上げました。ただいまおっしゃった数学は、利益金と申す性質のものではなくて、一般管理費として、経費として落したものでございます。つまり、消費生活協同組合法によりますと、事業分量の割り戻し金というのがございます。これはいわゆる一般でいう割り戻しとは性質が異なると私は思いましたので、その点は申し上げなかったわけでございます。
○山中委員 そうすると、先ほど委員長は、学校側に割り戻しをした金額、年度等を言えということだったのですが、あなたはないという御答弁をされたのです。今の御答弁でははっきりしませんが、性格が漂う云々ということでしたけれども、実際上には、私の述べた金額全部がそうでないとしても、学生協を利用した学校側に対する払い戻しというものは、新しく株式会社制度に変られるまでは少くともあったのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○高場証人 事業分量の剃り戻し金は、事実事業年度の割り戻し金として組合員の方に戻しております。大体千円利用した者に対して二十円から二十五円見当を戻しております。
○山中委員 では、先ほど委員長に、割り戻しをしたことはないと答弁されたのは、取り消しをされますね。
○高場証人 委員長の御質問に、ただ割り戻し金とございましたので、一般にいわれる割り戻し金と間違われては大へんだと思ったものですから、私は申し上げませんでしたので、委員長の御質問を事業分最の割り戻し金というふうにおっしゃっていただけば、その通り修正いたします。
○山中委員 私どもはそういうふうな問答をするために来ていただいているのじやないのですが、今あなたが私にお答えいただいた内容でも、明らかに割り戻し金に含まれるべきものがあるのじゃないですか。
○高場証人 ちょっと今おっしゃる内容がよくわからないのですが……。
○山中委員 では、先ほどあなたが説明された数字ですが、二十六年度が六十九万、二十七年度が八十八万ですね。それから二十八年度になって三百五十六万、二十九年度、三百五十五万、こうなっているでしょう。これはあなたのおっしゃった数字です。とすると、二十六、二十七の両年度の六十九万、八十八万という数出に比べて、二十八年度三百五十六万、二十九年度二百五十五万と飛躍的に増加しているのですね。この事実は、二十六年度、二十七年度、すなわち学生協時代は、学校に対してというか、あなたの言葉で言うならば、その所属の先生方ですか、それれに払い戻しをしていた、しかしながら、これを会社制にすると割り戻しというりことはできないことになるから、いわゆる株主配当という形でその剰余金というものが配当されるから、二十八年度からは一躍三百万以上の飛躍がそこに出てきた、こういうふうにあなたの説明された資料によっても証明されていると思うのですが、いかがですか。
○高場証人 二十七年度までの数字は、学校生活協同組合の数字でございます。二十八年、二十九年は教育図書の数字でございます。生活協同組合としては、先ほど申し上げますように、事業分量千円につき二十円から二十五円程度を組合員に戻しをしたわけでございます。これは何と説明したらよろしゅうございますか、結局無用な経費を戻したという性格のものでございますので、ちょっと私性質が違うように思います。
○山中委員 性質ニュアンスの違いということはありましょうが、ただいまの御答弁で、大体おっしゃるような性質のものであるという前提ならば、割り戻しがあったということが明らかになったと私は解釈してよろしいと思います。 次に、学生協の会社組織に変更したときの役員の履歴等のうちで明らかにしておきたい点があるのですが、それは学生協とあなた方の会社とは全然別個だ。全く無関係だと言われたことにも影響のあることですが、初代の社長の井上功さんという方は県の教職員組合の委員長の奥さんではありませんか。
○高場証人 その通りでございます。
○山中委員 次に、委員長の同じくお尋ねに対しまして、株主の内訓をおっしゃったのですが、あなたは大体推定株主の二株以上の特主のうち、全部が五百名くらいで教職員が約二百名程度とおっしゃったのですが、二百名の間違いじゃありませんか。
○高場証人 そんなふうに記憶しておったので申し上げたのであります。
○山中委員 私の方の調べでは五百七名中教職員二百九十八名となっております。これは昭和二十九年一月の公取の調査によるものてございます。いかがでございますか。
○高場証人 それでは、先ほど言ったのは私の記憶違いだと思いますので修正いたします。
○山中委員 記憶違いならけっこうですが、ただ五百人のうら二百人を占めるのと、三百人占めるのとでは、株主の性格上非常に大きな影響がある。いわゆる五分の三を占めるということになりますから、慎重に考えて一つ御答弁願いたいと思うのであります。 次に、この出資者の内訳等についてはお答えがなかったようでありますが、私どもの察知するところでは、当初は二葉あるいは教育出版、日本書籍がそれぞれ四百株ずつ持っていたのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○高場証人 創立の当初は二葉、日書、教出ともに二百株ずつでございまして、増資の際に二葉、日書が倍額申し込んでいただいて約八百株になりました。その後二葉の方からは、もし引き合いがあれば譲ってほしいということでございましたので、そちらの方にたまたま引き合いがございましたので譲ってあげて、現在では日書四百、教出二百となっております。
○山中委員 教育出版が八百株というようなことはございませんか。
○高場証人 私、今間違って申し上げたかもしれませんが、日書四百、教出八百、それは現在ございます。
○山中委員 あなた方の教科書を児童に完全配給するために、隘路を打開するために、この会社を教育者としての情熱をもって設置されたことはよくわかります。ただ、しかしながら、現行教科書制度の基本は、あくまでも自由な競争であり、そしてまたその自由な競争の中から最も美点を抽出できるようにしてあると思うのでありますが、ただいまの御証言で明らかになりましたように、会社の発足当時より出版会社の二、三のものがそれに出資しておる事実、あるいはまた現在も二つの社が相当大幅な出資をしておる事実を考えた場合に、私どもといたしましては、教育の公正あるいは教科書の採択の公正という面について多大の疑惑と、またあってはならない姿をそこに感ずるわけですが、あなた方はそれについて別段の疑問を感じられないでしょうか。
○高場証人 その点については、言葉を返すようでございますが、そういうことはあり得ないと思っております。現在――現在と申しますよりも、従来から出版会社が特約に出資したというふうな例は全然ないではないような話を承わっておったものですから、たまたま満株になりそうでなかったのでお願いしただけの話でございます。
○山中委員 非常に簡単に考えておられるようですが、よそにもそういう例がなかったでもないような話を聞いたからやっていいということは、少くともあなた方の最初自分たちだけでもやり抜こうということでお作りになった教育の情熱の純粋さから考えると、私は、その及ぼす効果が現実に出ている以上は、簡単に承服できてないのです。というのは、先ほど委員長の質問にもございましたが、あなたの県の昭和二十四年度から二十九年度に至る各関係教科書会社の発行部数の増加の比例を見てみますと、増減に著しい大差を示しております。あなたの会社に直接関係のある出版社として二葉とかあるいは教育出版というものの占める比重、あるいはその後大日本、日書等が二十七年度に入りましてからの比重というものは、ほかのたとえば東書あたりのみじめな出版社の激減ぶりに比べて飛躍的な増加をしておるということは、教育的、良心的に考えられてこの二つの出版社が一番いいとお考えになったことでありましょうが、しかし、公取の聴聞公を開いた際の聴聞に応じて来た人の意見をいろいろ調べてみますと、自分たちとしては今年はこの会社の本がいいと思うが、しかしながらわれわれの出資している学生協あるいはその後の株式会社において取り扱っている会社のものでないから、われわれとしては遺憾ながら推薦できかねるとか、採択できかねるということを証言しておられます。そうすると、あなた方の意図せられたところとは全く違って、不用意によそに例がないでもないからというのでおやりになったことが、実際の教科書の売り上げの増減に著しい影響を及ぼしております。このようなことは、教科書の現行制度を肯定する以上は、完全な公平な採択という点でいかがかと私は考えるのですがその点はどういうふうにお考えになりますか。
○高場証人 発売元の出資株主につきましては先ほど申し上げましたが、二葉は現にございません。日書と教出についてでございますが、これも引き合いがあれば譲っていただくように頼んでおります。取次店を今年から全部設置いたしましたので、そちらの方からも株の要望がありましたから、そういった方面にも引き受けていただくようにいたしたいと思っております。それから、教職員の関係株についても同様に考えております。今までは私どもが仕事にふなれなためにまずいことがあったかと思いますが、今後はそういった御心配をいただかなくてもいいような姿でやっていきたいと思っておりますので、もうしばらく時期をかしていただきたいと思います。
○山中委員 あなた方はさりげない気持でおやりになっておると思いますが、しかしながら、実際においては、あなた方の会社に関係のある教科書会社と、そうでない教科書会社との間には、本の販売部数というものにあまりにも開きができ過ぎておる。ですから、今まで特約を営んでおりました書店等は、連合で、これを何とかしてもらいたいという陳情を文部省にいたしております。それは二十八年のことです。その内容は別段読み上げることはいたしませんが、学校生活協同組合が最初教科書を取り扱って、自分たちとしては非常な圧迫を受けつつあった、ところが公取の警告あるいは文部次官通達によって、そういうものは好ましくない、あるいはまた公正な取引阻害であるから厳重に警告するというようなことがあったので会社に変えた。しかしながら、そての会社の実態は、内容において、構成において、あるいはその持っております効果、すなわち第一線において採択の権限を持っておるはずの教育委員会やあるいは教職員の方方のいわゆる無形のバックを持ち、採択権を持つ人が供給業務に従事するという、まことに公正を阻害するような形等が依然としてそのまま残っておる。従って、われわれとしてはこのままでは佐賀県の教科書販売に関する限り旧特約会社の生存の余地はなくなって、ついにはほとんど独占されるに至るであろうという陳情を文部省にいたして、具体的にその数字をこのように累年の移り変りを書きとめて陳情いたしております。あなた方は全然そういうことはないとおっしゃいますが、あなたり身近な佐賀の県会におきましても、二十六年、二十七年あるいは二十八年にまでわたったかと思いますが、この問題を無視できないとして相当な激論が戦わされたことをあなたはよもや知らないとはおっしゃらないだろうと思う。そうすると、あなた方が、持株な教科書出版会社を株主として最初から入れておって、依然としてそれを改めていないあり方というものは、実際には大きな波紋を描いておると私どもは受け取っておりますが、あなた身体は、渦中の人として、先ほどお述べになっている通り、全然何にも悪影響のないものであるし、また何にも他意のないものであるから、今後の成長を見守ってくれという程度の軽い受け取り方しかしておられないのかどうか、一つもう一ぺんお答えを願いたいと思います。
○高場証人 部数の変還については、佐賀県の供給状態が全国にまれに見るほど悪かった、それが数年にわたって続いた、そういうことが現場に非常に悪く響いていた、それがわれわれの手によってある程度是正された、そういったところにも大きな要因があるのじゃないかというふうにも考えております。まさか、五百円の出資をしておられる方で五十円や六十円の配当金ぐらいにつられて先生方が採択までも曲げられるというようなことは、私は、あり得べからざることでもあるし、信じ切れないのでございます。
○山中委員 では、あなた方は、公取から警告を受けた際に、自分たちの機構の一部に欠陥があるから警告を受けたと軽くお考えになったのか、あるいはまた、自分たちがいわゆる学生協から転身をしたものであって、あなたは全然関係がないと言われるが、公取り正式な機関としての受け取り方、あるいは、ただいま私が申し上げましたように、反対側の旧特約書店の文部省に対する陳情あるいは、あなた方の身近な佐賀県会における長い間の論争がそんな軽い内容によって動かされたという点について、あなたり考え方は一体どうなりかということを承わりたいと思うのです。
○高場証人 私は、現在、機構を皆さんの納得いくような形にして、完全に供給ができるようなものにしたいと、それのみ考えております。
○山中委員 私が言うのは、公取の警告はいかなる点に重点を置いて発せられたものであるという受け取り方をされたかということであります。というのは、あなた方は、厚生省等の公的な基礎に立って作られたわけでありますから、合法的なものであるという点において法的に何らの心配もしておられないのです。しかし、私どもが考えるのは、教科書のあくまでも完全な、自由なる採択と自由なる供給、これが最も望ましいと考えるのです。ところが、公取の両点もそこにあると私どもは受け取っておりますが、学生協の転身したあなたの会社は実際には学生協時代と大差ない。いわゆる採択に権限を持ち採択に力を持つ人々が、直接間接影響のある者が供給の事業に従事するときには、教科書会社に対しても非常に足力のかかり方が強いわけであって、従って、教科書の公正なる採択並びに供給ということが行われにくくなるのじゃないかということを私どもも心配もし、また、公取としては、ここに証拠がたくさんございますが、いろいろの聴聞会等においてその実態をつかんだ後に警告を発したものと私は脅えます。また、反面においては、あなたも直接の関係者ですが、全国の学生協連合会においてなされた決議文なるものがここにありますが、その中には明らかにこういう心配を裏書するような決議がなされておるわけであります。指令がなされましたその内容全部は読みませんが、「学生協は発行者と交渉して取次、特約にかわって契約を進め、内諾した発行者の教科書は展示会において推薦すること。」という一文が指令の中に入っております。それをあなたはあずかり知るかあずかり知らないか私知りませんが、これは学生協連合会の決議指令ですが、明らかに私どもの心配しておる点を明瞭に指摘しておるわけであります。すなわち、自分たちが販尭会社としての立場においていろいろの点で折衝して、大体契約ができたならば、その会社の本を展示会において推薦をせよということになりますと、明らかに推薦をすることそのものが、採択権というものに対して――バックにおいては採択権を持っておるわけでありますから、強附なる圧力となり、また無視できないところの不公正なるあり方ということを指摘されるのじゃないかと私どもは考えるわけであります。そこで、公取の警告はそのようなことを重点になされたと私どもはあくまでも考えておるのですが、その点等についての受け取り方と、またそれについてのあなた方の立場において善処するところの態度というものは、具体的にどういう点があるのか、お知らせを願いたい。
○高場証人 今おっしゃったような、現在のような機構が選択と直接間接に関連があるということでございますので、それが全然ないようにいたしたいというふうに思っております。 次には第二番目の指令のことでございますが、今見せていただいたその指令が、指令そのままのものか、それともそれを写し取られたものか、わかりませんけれども、私にはその記憶がないのでございますが、もし指令そのままでございましたら、見せていただけませんでしょうか。 〔山中委員高場証人に書類を示す〕
○山中委員 文部次官通達には好ましくないという表現がしてございます。それから、公取から直接あなたの方にも出ております。佐賀県教育図書株式会社代表取締役社長の石丸喜代次君あてに文書が出されてあるわけでありますが、あなた方の特定の出版会社等を自分たちの会社の株主として迎えておるあり方、あるいはそれらから発してまた採択、供給の立場を混同してやつた場合、いわゆる公職なる取引の阻害、具体的に教科書の公正な取引秩序を乱すものであるという断定がしてあって、厳重な警告を発すると書いてあるわけであります。とすると、文部省の表現は、好ましくないであり、公取は、そういうような会社の機構の実態、すなわち学生協と全く変わらないために、採択権をバックに持って供給の仕事に従事することがいけないということ、それから、そういう特定のものが株主として特定の会社に入っておることはなお好ましくないということが指摘をされておるわけであります。その二つが明らかに是正されていないと見るのですが、あなた方は具体的に何かその点是正をされておるでしょうか。
○高場証人 先ほども申し上げましたが、株主については、発行会社関係は、取次が今度全部入りましたので、そっちの方に引き受けてもらうようにいたします。それから、先生方の持っていらっしゃる株でございますが、この分はなるべくすみやかに関係のない方方に譲っていただくようにお願いをするつもりでございます。それから、全面的に公取あるいは文部省のおっしやるような趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。
○高木委員長代理 山中君に申し上げますが、持ち時間が過ぎておりますので、なるベく簡潔に願います。
○山中委員 時間を要求されましたので、打ち切りますが、あなた方の協同組合の基盤は、先ほど申し上げました通り、存在の理由がちゃんと法的にあるわけですが、その際に私どもが感ずる疑問が一、二ありますが、児童、生徒を組合員にして差しつかえないことは事実でしょう。ただ、その未成年の児童、生徒の株を持っておる立場の意思の表明がどういう形においてなされ、あるいはあなた方はどういう形でそれを受け取っておるのでしょうか。それが一点。さらにまた、卒業と同時に脱退を認めるということはあなた自身も言われたわけでございますが、脱退されたときには当然出資金はそれらの人々に返すべきだと思いますが、返しておられるかどうかを伺います。
○高場証人 法制局の解釈、私どももしごくもっともだというふうに考えましたので、さっそくそういうふうに、子供たちを組合員に入れる勧誘を中止したわけでございます。それから、出資金の払い戻しでございますが、卒業のときにちゃんと返しております。
○山中委員 私の方の調べでは、脱退を認める、ただし出資金については一括番付をさせておられるようでございますが、私の方の調べで手落ちでございましょうか。
○高場証人 寄付の話は私初めてお伺いいたしますが、少くとも私の方からは一括して戻しております。
○山中委員 証言は、普通の参考人の場合と違いまして、事実に違った証言をされると、私ども予期しないような強硬な態度をとらなければならぬこともございますので、なるべく慎重に御答弁願いたいと思いますが、私どもが少くともここで申し上げる以上は、何らかの基礎があるわけでございまして、卒業脱退と同時に一括寄付をさせておる事実があるわけですが、あなたは全然そういうことはないとおっしゃいますか。
○高場証人 ただいまの寄付とおっしゃるのは、私どもの方への寄付ではないでございましょう。私どもはその寄付については全然関知しないのでございます。またそれを勧めたこともないわけでございます。
○山中委員 では、どちらの方に寄付が実際にはなされている事実がありますか。
○高場証人 それを私は知らないわけでございます。
○山中委員 これも途中ですが、これでやめます。 ただ、最後に伺いたいのは、あなた方が特約所を凌駕する勢いで現実に特約業務をしておられるわけですが、これはあなた方の方というよりも、教科書会社のあり方について問題があると思いますが、お尋ねをいたしたいと思いますのは、会社で、準教科書と申しますか、いろいろなワーク・プック等をあなた方の手をわずらわして販売していると思うのでございますが、その際に、大体これまで呼びました証人等も申しておりますが、ワーク・ブック等につきましては特約店ないしは技術的には取次の段階等において販売数量の約一〇%程度は学校側に割り戻しをするようにということを指令をしておりまするし、また割り戻しをすることを前提にしての勧誘あるいは特約店等の手取り等についてきめておりますが、そういう事実はございすますか。
○高場証人 そういうふうにいたしておるようでございます。
○山中委員 あなたの場合にはまた特別のお尋ねしたいのですが、先生をしておられたので学校のことは詳しいと思いますが、私ども一々どこかの学校の先生をここにお呼びしてお聞きしますと、教育効果上もいろいろ影響がありますので、相なるべくはお聞かせ願いたいと思いますが、そういうふうに学校側に一〇%程度の割り戻しをいたしました際に、受け取りました学校側はどういう措置を会計経理上いたしておるかということでございます。たとえば、県市町村からそれぞれ公的な予算として令達を受けまする金以外に、別途の会計で別途経理として学校で使っておるか、あるいはまた、校長先生初めそれぞれの先生方の分配金になっておるのか、そこらの点を、これはあなたの責任ではございませんが、先生をしておられましたりで、側承知でありまするならば、お聞かせいただければ幸いに思います。
○高場証人 私は、終戦後は現場には二年ほどおりまして、あと現在のようになっておるのでございまして、現在の状態については十分承知いたしておりませんが、生活扶助法による教育扶助というのがあるわけでございますが、それが学校の方を通して学用品その他の支払いをするというのでなくて、役場から直接父兄の方に支払いをされておるように聞いておりますが、そういった場合に、父兄はややもすると教育扶助であるにもかかわらず生活費の方に回すような向きもあるらしくて、学校の方としてはそういった諸経費に非常に困っていらっしゃるようでございます。授業をしまして一番私どもが困りましたことは、そういった一部の生徒たちが教科書なりあるいは参考書なりそういったものを持たないでいることが一番苦痛でございまして、そういったものに先生方としては使っていらっしゃるんじゃなかろうかというふうに考えております。
○山中委員 大へん恐縮でございましたが、それでは、その別途会計がなされておるということでございますね。国や県市町村、そういう正当なる予算の経常費以外のいわゆる別途の経理においてそのような教育の方に使っておられる、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
○高場証人 その点は、私は、別途経理がどうか、その辺よくわかりませんが、そういったふうに使っていらっしゃるんじやないかというふうに考えておるわけでございます。
○山中委員 どうもありがとうございました。
○高木委員長代理 井手以誠君。
○井手委員 ただいままでの高場証人の証言によって、学生協が教科書を取り扱った動機なり現状について大体承知いたしたのでありますが、佐賀県下で問題になっておった特約の関係も、先刻の証言によって、取次所を全面的に指定したということで、それも氷解したわけでございます。 さらに二、三点、不明瞭な点がありましたのでお尋ねいたしたいと思います。第一には、全国学的協のときに割り戻しがあった、――今の言葉では工合が悪い熟語が出て参りましたが、学年協は協同組合法に基いて利用者に還元するものであって、もうけたものをお礼に差し上げるものではないと私は考えておりますが、証人はどのようにお考えになっておられるか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
○高場証人 組合員が自分の手から出した金がまた自分の手へ戻ってくるものでございますので、お礼ではないんじゃないかと私思います。
○井手委員 先刻の証言によりまして、現在の取引されておる出版会社は十五、来年は二十二になる見込みだということでございましたが、そういたしますと、特定の出版会社と特約がある、あるいは特別の提携があるとは考えられないのでありますが、その点についてどうお考えになるか。さらに、あなたの会社の方ではどの出版会社とも取引するお考えであるか、希望されておるのか、あるいは先方がやらないのか。あなたの方が出版界と何か特別の関係があるかのごとく一部ではいわれておりますので、その点をはっきりしていただきたいのです。
○高場証人 私どもが一番最初仕事を始めましたときから、どの社とも取引していただきたいということで、上京のたびごとに各社を訪問して実情を申し上げて、取引していただきますようにお願いをいたしております。特定の会社とのみ取引するようなことは毛頭考えておりません。今後も各社にその点をお願いして回る、また現在も回っております。そういう努力を続けるつもりでございます。
○井手委員 出版会社との取引が今日すでに十五にも上っておりますが、かように数がふえて参りますると、一部に懸念されておる採択との関係、それが起きるものかどうか。かりにどれをとろうと、どの出版会社とも取引ができるあなたの方としては特別な利益を得られないように思いますが、やはりそういう場合でも採択に関係があるとお考えになっていらっしゃいますか。その点をお伺いいたします。
○高場証人 先ほど触れましたように、出資の問題、それから取次の問題、発行会社との問題、それらが完全に解決しましたらば、そういったことは全然心配していただかなくてもいいようになると考えております。
○井手委員 あなた方の会社の取扱い部数が非常にふえておりますが、そうすると、一方の方のいわゆる特約と申しますか、旧特約と申しますか、そういった方面を参考までに現状をお聞かせ願いたいのであります。聞くところによりますると、佐賀県では、かつての特約が倒れる前に何か別にそういった会社ができたとか、あるいは旧特約が倒れて新たに会社ができたとかいう話も承わっております。その辺の事項を参考までにお聞かせ願いたいと思います。
○高場証人 これは、どこまでも、私が確証をもって申し上げるわけではなくて、うわさに聞いた程度にとどまるわけでございますが、従来から長く続いておりました特約は数千万円の借財を負うてつぶれたと聞いております。そうして、そのあとに現在の佐賀県教科書株式会社というのができておりますが、それができる際にも発行会社間では非常に問題があったということでございます。つまり、佐賀県内には適当な有力な店がない、それで発行会社の共同出資で会社を作ろうか、あるいは九州の特約が共同出資して作ろうかというような話まであったかのごとく聞いております。そういう中に、旧特約の一部負債を引き受けたか何かして、現在の特約ができたらしゅうございます。さらに、さかのぼって、生活協同組合が教科書の取扱いを始めまして、それを前後して、従来旧特約のもとではどうしても取次がやらしてもらえなかった数十の店が、共同出資して別会社を作って教科書の取扱いを始めようとしたと聞いております。ところが、それが旧特約から吸収されて、その旧特約の取次店におさまってケリがついた、県内にはそういったふうな非常に対立した状態があったようでございます。現在もなおその暗流があるようでございまして、なかなか複雑であるようでございます。そういったことを聞いております。
○井手委員 よくわかりました。
○高木委員長代理 大西正道君。
○大西委員 学生協並びに学生協から転化した特約販売会社についてはいろいろな疑惑が持たれておったのでありまするが、今までの証人の証言によって私は大体了解できます。むしろわれわれの憂えておったことが杞憂にすぎないという点を強く感じておる次第でございます。なお二、三の問題について私は証人に御意見を聞きたいと思います。 まず学生協が出発いたしましたその動機であります。若干触れられましたが、当時、私の聞くところによりますと、学生、生徒から前金を取るということなんであります。このことも今証人の陳述の中にありましたが、私の聞くところによれば、この前金を実に一カ月や二ヵ月じゃなしに数ヵ月も前から取ったということも聞いております。しかも、それも教科書代の一部というものではなくて、かなり高額のものを徴収しておったということも聞いておるのでございますが、あなたの県並びにあなたの知っておられる範囲で、当時のそういう前金の模様をもう少し詳しくお述べ願いたいと思います。
○高場証人 私の記憶では、昭和二十一年ころには教科書が総額で多分十円ぐらいだったと思うのです。私がもらっていた月給が八十円ぐらいでありましたころの十円でございますので、当時としては相当に大きな金額であったと思います。それが約五、六カ月くらい前に集められたと記憶します。それで、前金は出したけれども本はもらえなかった子供は、三カ月くらいたってから金を返してもらうというようなことで済まされたようでございます。さらに、本県の場合は、その前金が発行会社の方にはあまり支払われていなかったと聞いております。全国で一番支払いが悪かった。それは文部省の方からも聞いたわけでございます。とにかくこの前金の使途というものにもきわめて問題があったかのごとく聞いております。他の県にもあるいはこれに類したことがあるかもわかりませんけれども、少くとも佐賀県が残念ながら一番極端な状態にあったということが言えると思います。
○大西委員 ますます驚くべき事実が出てくるわけであります。これも私が聞いたのでありますが、もし、そのとき、そういうむちゃなことはない、前金を取るなんてことはけしからぬといって前金を出すことを拒否したというような場合には大へんなことになるということも私は聞いておるのでありますが、そういうふうに一応前金を拒否しようというような態度に出た場合に、当時はどういうふうな反応があったか、その模様もまた聞かせてもらいたい。
○高場証人 当時の記憶では、私どもが特約に参りましてそういうことを申し上げますと、前金を払わぬなら本は来ないぞ、来なくてもいいか、といったふうなことは再々聞きましたし、おそらくそれに類したことは随時あったんじゃないかというふうに考えます。
○大西委員 また、配達の問題でありまするが、これも私の聞いたのではたくさんありまするが、たとえば、愛媛県のある郡のごときは、二月ごろに包のままほうり込んできて、いつまでたってもそれを末端で配給しない、見るに見かねて先生が販売を手伝った、こういうふうなことを聞いておるのでありますが、こういうことは、単に愛媛県のある一部の場合のみならず、多くのところで行われておったのではないかと思うのでありまするが、この点はどうですか。
○高場証人 私の県では、先ほどちょっと触れましたが、私どもと前後して新しい会社ができたほど問題が多かったところでございまして、一軒の店で一部全部担当する、三十校とか三十三校とかいうふうに、たくさんの学校を受け持った店がございました。そういう場合にそういうことがあったようであります。それで、取次店でありながら学校に完全にまかしっぱなし、そうして何持ってこい何持ってこいというふうなことであったらしいのでございますので、おそらくそういうことはあっただろうと思います。
○大西委員 そういう場合は、私も先生の経験があるのでありますが、おそらく、先生が多忙の手間をさいてこういう本を分け与える、また金を集めて非常な御苦労をなさると思うのでありますが、もしこういうふうに配給が学期が始まるのに間に合わぬということになると、教育上大へんな迷惑があると思うのであります。現場の経験があるあなたは、教育上、こういうふうに配本が遅れるとか、その他のことによって、どういうふうな悪影響があるとお考えですか。
○高場証人 配本が遅れることは、とにかく現在、教科書は戦前のように教育の聖典ではないまでも、少くとも子供たちが楽しい生活の手引きとして非常に大事にしておるし、学校教育はそれによって現在推進されておるような状況でございますので、完全に教育が遅滞してしまう、やはり完全に教科書を供給することが教育への大きな貢献であろう、この問題は教育問題で決してゆるがせにできないというふうに考えます。
○大西委員 そういうやむにやまれぬりっぱな教育界の立場から学生協が教科書を取り扱うようになったのであろうと私は理解をいたすのでありますが、今は、そういう前金を集めたり、あるいはまた末端まで配給せずに投げっぱなしでやったり、あるいはまた、あなたが今証言なさった、売れ残りの残本を無理に押しつけてしまう、そういう不合理なことはございませんか。あなたの県ではないのです。聞かれるところ、全国ではそういうところはございませんか。
○高場証人 前金の問題は、現実的に私がこの仕事を始めてから相当の反響を呼んで姿を消したように聞いております。それだけでも大きな役割を果したのじゃないかというふうに考えております。それから、供給の問題も、やはり相当粛正されたのではないかというふうに考えております。
○大西委員 それはまさに学生協の一つの功績なりと私は考えているのでありますが、なお、ここでちょっと聞いておきたいのですが、学生協から変化したところの株式会社は、今全国にどのくらいあり、何県にあるのですか。
○高場証人 北から、秋田県に、名前は存じませんがあります。四国に愛媛県がある。山口県、福岡県、それから私のところ、そういったようなところ。
○大西委員 その県では、従来の特約はやはり存在して、あなたの会社と並立の形になるのですが。それとも、あなたの方が独占しているようなところがどこかございますか。
○高場証人 秋田県は何でも一本になったように聞いております。山口県は並立しているようなことだと思いますし、愛媛県がやはり並立だと思います。福岡県が現在三本だと思いますが、一本化の話がずいぶん進んでいるように聞いております。佐賀は現在並立の状態のままでございます。
○大西委員 その問題はそれでよろしいのですが、次に、今委員長からお尋ねになりました問題でありまするが、学生協が二葉教育出版というような特定の社の取扱いを始めてから、これらの出資をしているところの発行会社の採択数が飛躍的に多くなったということを言っているのでありまするが、私は必ずしもそうではないと思いますが、証人はそういうことを認めますかどうですか。
○高場証人 会社の数がふえるに従って私はふえていると思っております。今おっしゃった二つの会社については、会社の発行の点数もふえておりますし、その会社自体の業績ともある程度並行しているのではないかというようにも考えております。なおまた、私どもが扱いましたからといっても、必ずしもふえておりません。社によっては全然なくなったというのもございますし、ずっと現状維持というのもございますし、一概に私どもやったからふえたというふうにばかりは言えないじゃないかと思っております。
○大西委員 私もそういうふうに思うのであります。問題は出資をした発行会社の教科書の採択が多いというところにあるのでありますが、佐賀県の場合に、出資をした会社、二葉教育出版はこれは累年ふえておりますが、大日本図書、日書というのは、二十六年には出資をせず、二十七年に出資をいたしておりますが、出資したとたんに十何方という数が佐賀県においては少くなっているように私は数字を見るわけであります。また、日書も、佐賀県のこの会社に出資をしたそのとたん、二十七年は二十六年よりどかっと少くなっている。こういうふうに私は見てみますると、世上言われておりまするところの佐賀県の会社に出資をした発行業者が飛躍的に採択数が多くなったということは、今証人の言われたように、決してその間に何ら関連のないものだと私は考えております。むしろ、一部の出版会社の県下における採択部数がふえたというような現象は、おそらくその出版会社の検定にパスした本がどんどん多く出たからではないかと考えるのですが、この点はあなたの方といたしましても非常に重要な問題でありますから、あなたの研究の範囲でできるだけ確信を持ったお答えを願いたいと思います。
○高場証人 ふえた会社は二葉でございますが、二十五年度には展示会に展示された点数が八点でございましたが、現在では百二十三点になっておるようでございます。それから、教育出版にしても、最初は七点であったものが、現在は百二十五点になっておるようでございます。そういうふうに、発行の点数が飛躍的にふえておることが大きな原因の一つではないかというふうに考えておるわけであります。
○大西委員 最後に、公取の警告でありまするが、いろいろ、その警告に基きまして、増資する場合にも考慮が払われ、またその他末端の取次店を利用して疑惑を払拭するような努力がされておるのでありますが、まことにけっこうだと思います。どうしても、過渡的な瀞代におけるところのいろいろな問題は、私どもは大きな目で見て、そうして本質をそこねないように育成していかなければならぬと考えておるのであります。この点は、証人は今後具体的にどういう方法で供給と採択の面の混淆のないようにしていこうとする意図であるかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
○高場証人 先ほども申し上げたように、株主の問題、それから取次店の問題、あるいは特約さしていただく発行会社の問題それらを完全に全国的に行われておる供給の状態と同じものにしていく努力を続けたい、そうして教育に側面からの貢献をさしていただきたいというふうに考えております。
○高木委員長代理 西村力弥君。
○西村(力)委員 生協組で教科書を扱うに至った動機については十分わかりましたが、あなた方がそういう工合に教育的な良心に立ってやろうとすることは、これは全国的に起きたのではないかと考えられるのです。ところが、ただいまの御証言によりましてわかった通り、実際に生協組及びそれに引き続いて教科書の取扱い会社として現存するのは五つだけだ、こういうことでございまするが、それは、他の県においては全然そういう動きがなかったのか、あっても成立し得なかったのか、成立し得なかったとするならばいかなる事情によるか、御承知である範囲をお話し願いたいと思います。
○高場証人 その点については、私が当初文部省に参りましたときに、一番供給状態の悪い北の秋田と南の佐賀でこの問題が起ったというのはごく自然なことだというふうなことをおっしゃったことを覚えておりますが、そういったふうに、供給状態の最も悪いところにこの問題が起っておるように思います。やはり供給が普通に行われているところにはそういった問題は起きていないように考えられます。
○西村(力)委員 ただいまの御発言ですが、文部省ではまことに同情的な御発言があったようでございまするが、そうすると、当初文部省に話した場合には、文部省はむしろ皆さん方のその動機あるいはその動きに対して賛成する、助成する意向であったかどうか、今の発言をもう少し補足してもらいたい。
○高場証人 占領軍の方に行って聞いていただきましたことからしても、私はある程度私どもの気持をくんでいただいたのではないかというふうに考えております。
○西村(力)委員 先ほどからいろいろ今後の問題について証人は構想を御発表になっていらっしゃいますが、要は、生協組であろうと、また会社組織であろうと、全出版会社の教科書を全部取り扱うならば何らそこに問題が出ないのではないか、かように考えられるわけなんでございます。長い間の努力にもかかわらず、どうしても取扱い会社が拡大できない、こういうようなお話がただいまございましたが、最初二、三の出版会社だけであって、その後逐次伸びているが、まだ全面的に行かない、こういうようなことはどこにその原因があると思われますか。
○高場証人 その点は、私どもではわかりかねますけれども、やはり従来の取引あるいは会社関係といったふうないろいろな事情があろうと思います。
○西村(力)委員 一つの新興勢力というか、そういう形の現われるときに加えられる現代の経済機構の中の圧迫であろうと思いますが、今までこれを育成される過程において、あなた方の努力に対する有形無形の圧力というものはどういうものがあったか。
○高場証人 これは一番初めに起ったことでございますが、昭和二十五年に取引を始めて、二十六年に入る前だったか、入ってからだったか、ちょっと記憶ございませんが、ある日事務所の方に特約の方が五人見えまして、私に外へ出てちょっとつき合えということだったのです。外へ行って話をしなくてもここでいいはずだ、何でもいいからちょっとつき合ってくれということで両腕をとられまして、前後に人がついて、さらにもう一人ついて私は外へ連れ出されたのでございます。そうして、教科書の取扱いをやめろということでずいぶんやられました。しかし、私は、あなた方が供給状態を改めない限り絶対にやめない、こう言ってやったのでありますが、そういう圧迫も受けたことがございます。これは一つの例でございます。
○西村(力)委員 公正取引委員会の通達、これなんかも簡単にあなたは認めていらっしゃるようでございますけれども、公正取引委員会そのものから、今いろいろ新聞記事をにぎわすような問題が出ております。それはそれといたしましても、私は、当初申しましたように、全部の会社と取引しようとする意図があるが、それができない、だからやむを得ず限定された出版会社だけ扱っているというのでありますので、公正取引委員会がせっかちに取引の公正を阻害するというような結論を出したことに対しては、あなたは最初の動機に基いて反対すべきではなかったか。あまりに簡単に、公正取引委員会が文句を言ってくると、いかにもおすみつきが頭から下った工合に折れているようですが、そういう点、あれが正しいという工合に御判断になさったのはどういうお考えによるのか、そのときの心境を伺いたい。
○高場証人 私は、文部省の警告なり公取の警告を受け取りまして、なるほどそういうふうな見方もあるかもしれない、私ども自体としてはそういうことによって採択の公正が曲げられるとは考えないけれども、しかし、やはり考え方によってはそういう考え方が成り立つかもしれない、そういうふうに思われることは、私たちが立ち上った動機にしても、あるいは現在誠心誠意完全に供給しようと努力しておるその努力が世間に受け入れられないようなことになりましたら、私たちの立ち上った趣旨とも異なりますので、なるべくそういった疑惑の持たれない、すっきりした形でやっていこうというふうに考えたわけでございます。
○西村(力)委員 私は、まるで逆にそういうときの立場をとるべきであると思うのです。そういう工合に立場をとっていらっしゃるから、今後の問題として、たとえば二葉が八百株持っておる、これを引き合いがあれば一般の人人にかえていく、これもよかろうと思うんです。そのほか取次店を疑いを持たれないようにしていく、これもよかろうと思うんです。その次に、教員が株を持つておるというようなこともやめていく、こういう工合に、すべてを疑われないように持っていきますが、それでは、当初教科書販売をおれたちが教育的良心に立ってやろうとしたそのときの純粋な気持を今後一体どうやって持ち続けるかということに私は非常な疑問を持たざるを得ない。そういう工合にやっていったのでは、以前の取次店と何ら変りはない、単なる一商社にすぎないということになるのではないか。それでは、せっかくほんとうに純粋な気持でやったことが、ただ一時教員を利用し、あるいは児童を利用し、そして自分たちが一つの会社を作ったと、結果的にそう言われてしまうんじゃないか、こう私は思わざるを得ない。今後一体そういう発足当時の気持をどういう形で永続させていくか、ほんとうに教育的、サービス的にやっていくために一体どうやろうとするのか。私は、むしろ、今後とも、全会社の教科書を全部扱ってやる、教員が株を持つことも差しつかえない、またたとえば、最高五十株なら五十株以上の持ち株は認めないとかいうような形にして、ほんとうに大衆によって運営されていく、こういう工合に持っていかないと、ただずるずるに、あれも悪いこれも悪いということで引きずられて、それをウのみにして、普通一般にある商社と変らない形に持っていったのでは、せっかくの動機が無になるんじゃないかと思いますが、その点に対する今後の御方針を一つお話し願いたいと思います。
○高場証人 私がおそれるのもその点でございます。そこで、現在考えておりますことは、まず教科書の供給が発行会社と特約、特約と取次の間にどういう形で行われておるかということを十分学校側に知っていただきたい、そういうふうに思っております。現在でも、私の県の場合、特約と発行会社の間の契約内容は取次は知りません。今度私の方と取次と契約した際に、取次が変な顔をしたことが一つあるのですが、それは補給利子の問題でございます。発行会社から特約は補給利子をとっておる。ところが取次店には、その補給利子を、十一月と十二耳に納めた金に対しては払っているけれども、その後のものに対しては全然払っておらぬという事実がわかったわけであります。そういった、発行会社から取次へ出したものに対してはそのまま取次に渡すというふうに契約内容を明らかにしたい、そうして教科書というものがこういう形で学校の子供たちの手に渡るものだということを十分に周知させておきたい、その努力をまずやろうと思っております。価格に対しては取次店とこういう契約をいたしましたから、こういう契約に基いてどういうように業務をしておるか、十分一つ気をつけて見ておっていただきたい、そうして、もし学校というよりも需要者の立場を忘れた取次所のあり方があった場合には遠慮なく申し出ていただきたいというふうにして、今までの特約、取次のあり方を完全に関係者全体で改善していくというふうに努力したいと思っております。もちろん、これがまたある時期に達した場合には、従来の独占の形があるいは再現するかもわかりませんが、そういったふうに、全部が供給のあり方というものについて了解していくならば、その憂いはなくなるんじゃないかというふうに考えております。
○高木委員長代理 辻原弘市君。
○辻原委員 るる経過を承わりまして、われわれが疑点に思っておった点もだんだん氷解して参ったのでありますが、なお一点明らかにしていただきたい問題は、先ほど山中委員の御質問に対してあなたが御説明になられた、昭和二十七年までの学生協が取り扱っておった当時の利益の配当処分について、どうも御説明がはっきりいたしませんでしたが、消費生活協同組合法を見てみますと、利益金の配当については法文上明確であります。第二条に「消費生活協同組合は、この法律に別段の定のある場合の外、左の各号に掲げる要件を備えなければならない。」と要件を規定しております。その左の各号の中の第五に、「組合の剰余金を割り戻すときは、主として事業の利用分量により、これをなすこと。」こういうふうに明文化されております。この関係を見ますると、先ほど御説明になった利益金の配当というものは、さらにその次の項にその点がうたわれておるのでありますが、それぞれ出資した組合員に、普通の会社の配当金と同質の取扱いでもっていわゆる配当をするという定めになっておる。その問題ではないかと私は考えるのであります。証人の先ほどの御説明によると、そういったものが割り戻された場合に、学校等においては特別会計を設定して備蓄したり運用したりするような場合もあるというお話であったのでありますが、私はこの種の剰余金の処分というものは、いわゆる学校という一つの法人が積み立てたり、あるいはそれを共同で処分したりする性質のものではないと考えます。すなわち、これは出資した額に応じて個人に割り戻される株の配当金と同じようなものであれば、これは個人が取得すべきものであって、個人がその処分権にあずかるものでありますから、一般に言われるいわゆる割り戻し金と混同された場合には、これは単に学校生活協同組合のみならず、その他の一般地域、職域協同組合が非常に迷惑をこうむる問題だと考えるのでありますが、この点、いま一度明確にされておいた方がよろしいと思います。その点はいかがでございますか。
○高場証人 委員長にお尋ねいたしますけれども、先ほど私は事業分量の割り戻し金と利益金の処分は別だと申し上げたつもりでございますが、そんなふうになっていないでございましょうか。
○高木委員長代理 大体そういうふうに聞き取っております。しかし、あなたの説明は次から次へと多少変っておるもんだから、どれが真意であるかは、速記録を見ないとはっきりいたしません。
○辻原委員 おそらく、山中委員の質問も、その問題と別であったと私は思うのです。ところが、あなたは混同されて説明されたから、受け取り方によっては非常に違っておると思うので、いま一度明確にされた方がよろしいと申し上げたのです。従って、二十七年までに百万円内外の利益金を決算において出されている、その報告が先ほどあなたの方から出されたわけである。ところが、その他にまだあるのじゃないかと山中さんが言われた。いわゆる剰余金について学校に削り戻されているのじゃなかろうかというので、二百数十万という数字を山中委員があげられた。その点の問題について、それはあなたの先ほどの説明の中でも若干触れられておったが、事業分量によってこれをやるのだ、こう言われたが、若干あいまいであったから、その点を再度確かめるわけです。もう少し申し上げますと、二十七年までのいわゆる割戻し金というものは、法律に基いたいわゆる会社等の配当金に類するものであるかどうかということを、私は明瞭にされればよろしいと思います。
○高木委員長代理 高場証人に申し上げますが、今辻原君から言われたことはまことにもっともですけれども、証人としてお話しになるときは、自分の記憶そのままをお話しになっていただきたいと思います。
○高場証人 事業分量の割り戻し金は組合員に戻すものでございます。つまり、自分が千円利用した場合に、余った金から二十円とか二十五円とかいうふうに戻してもらうわけです。いわゆる営利会社なんかでいう配当金のように、自分の仕事とは全く関係のない利益金の配当を受けるものとは全然性格が別でございます。
○辻原委員 多くの人々が、この割り戻し金という問題が出ると直ちに、これは今までの当委員会でもしばしば問題になった点でありますが、取次店が学校にその教科書を採択してもらう、利用してもらう、その謝礼的な意味でもって個々に学校への割り戻し金をやっている例もあるということを証言されたのであります。そのときのものと、この協同組合のいわゆる割り戻し金とは全然性格が違う、出資した者には、その出資額に応じ、さらにその出資した者が協同組合では利用者なのですから、その利用者に剰余金が返ってくるという、いわば出資者に対する割り戻し金なんだ、単にそのものを買ってあげたからその謝礼としてもらうといったような筋合いのものではないという点を、これは協同組合全般のために、その点を区別されて明らかにせられておかないと、非常に迷惑をこうむるということを私は申し上げておるわけです。その通りであるかどうか。
○高場証人 今辻原委員さんのおっしゃった通りであります。
○辻原委員 次に、二十八年以後の会社組織に切りかえてからは、そういうことはないと言われたのですが、そういった俗にいう割り戻し金というものはございませんね。
○高場証人 ございません。
○山中委員 関連して。ただいまの辻原君の質問に対するお答えが、私に対するお答えとは少し違ったような気がします。というのは、辻原君の方でも少し混同されたのですが、私が直接証人に責任を持っての証言をお願いするのには少し御迷惑であろうと思うがと前提して質問をしたのが、いわゆるワーク・ブックの一〇%の払い戻しの学校の経理の問題です。ただ、少し混同されたようですが、しかしながら、前段のいわゆる割り戻し命の問題ですが、これは、あなた方の会社の特徴としては、現在は取次店をだんだん多くして、普通のやり方にするように努力しているとおっしゃって、公取の警告、次官通達等によってそれが実施されているのはけっこうだと思いますが、しかしながら、私どもの論議しておるのは、二十六、三十七、あるいは二十八年度の実情であって、その当時はあなた方は普通の特約店と違って取次供給店を持たなかったわけですから、従って、慣例になっておる特約四%、取次一二%の手数料、つまり一六%というものは、公取の現地における聴聞会等の証言によっても明らかなごとく、あなた方の運営によってまるまる入るしかけになっておったわけです。従って、これは、配当とは別に割り戻し金の出されたことは明らかなんです。というのは、あなたの先ほどの御説明にもありましたが、配当金が、二十六年度は六十九万、二十七年度は八十万、二十八年度は六十二万、二十九年度は百十万、こう言われた。それと別に二十八年度は利益金が三百五十六万、二十九年度は三五十五万と証言しておられる。そうすると、もうけの内容と申しますか、言いかえれば剰余金の内容というものは、そう大きな変化があるわけではないから、それを足した金額、四百万円前後というものは二十六年度、二十七年度にもあるわけです。従って、あなたは配当金が六十九万、八十八万と言われたのですが、私の方では三十八万と四十一万にそれぞれ二十六年度、三十七年度はなっておりますが、一方において割り戻し金が、酷当金は別にして二百六十二万、二百四十九万とあるわけです。従って、取次店を必要としなかった純利一六%の手数料のうちから、学生協を利用したところの学校に対して、その金額あるいは内容にはいろいろ理由はございましょうが、私は明らかに払い戻されたものであると思いますし、また、公取委員会が警告を発する前段のいろいろの調査の中にも、この事実は具体的に指定をしているわけです。その点をもう一ぺん明確に御証言を願いたいと思います。
○高場証人 学校生活協同組合で二十四年から二十七年までに利益金として計上したものは先ほど申し上げた通りでございます。なお、二十六年と二十七年の配当金は、ただいま山中委員のおっしゃった三十八万円、四十一万円に相違ございません。先ほど法律に基く割り戻し金と辻原委員がおっしゃいましたが、その割り戻し金は組合員に戻されたものであります。
○山中委員 関連して。他の質問者に時間をとることはまことに恐縮でありますが、非常に違うようでありますので、念のために申し上げますと、公正取引委員会事務局が教科書の発行供給事業に対する考察といたしまして、文部大臣に対する二回の勧告、並びに業界に対する勧告、あるいは供給事務に携わっておるあなた方に対して勧告いたしました、すべての前提としての資料がここにあります。これはいいかげんな当て推量で書かれた資料ではないと思います。この資料の中でその点に触れたところを簡単に読んでみますと、「これら利益金の名目は、組合員に対する許容事業より生じた分配利益金とされていたが、実質的には学生協扱い教科書の選採択に対する割り戻しであって、それぞれの学生協の事業資金として運用されるとともに、」――この先は、社会党の方もおられますので、ちょっと恐縮でありますが、「一部に教組の運動資金に充当されていたのではないかと思われる疑いもある。」――これは疑いですから、この点については御答弁なさらないでよろしゅうございますが、学生協の事業資金として運用されたというふうに明らかに指摘されておるわけであります。従って、私は、何もあなたをとっちめるために読んだのではありませんから、先刻はいわゆる当りのよい表現をいたしまして質問をいたしたわけでありますが、その中で若干肯定をされましたので、それ以上の深追いはお気の毒だと思って差し控えたわけでありますが、今の辻原委員の御発言に対して全面的にその通りだとおっしゃったそのお答えを伺うに及んで、私はどうしても再質問をしてこの点をはっきりしておかなければならぬと思いましたので、証言をもう一ぺんお願いするわけでありますが、この点についていかがでありますか。
○高場証人 事業分量の割り戻し金は、二十六年度に二百六十万、二十七年度に二百四十九万、それは確かにいたしております。先ほど数字を申し上げなかったわけでありますが、その金は、先ほども申し上げますように、組合員への事業分量の割り戻し金でございます。今公取の方の見解をおっしゃったけれども、私にはどうもふに落ちないような気がするのでございますが……。
○山中委員 あなたは割り戻し金の二百六十二万と二百四十九万を今肯定されたわけですが、私の最初の質問には、二十六年度、二十七年度は六十九万あるいは八十八万とだけ金額を言われまして、私の資料による二百六十二万、二百四十九万については別段触れられなかったわけです。今肯定されましたからけっこうですが、しかしながら、これが今組合員の出資に対する払い戻し、千円の出資に対して幾らという払い戻しだとおっしゃいましたが、そうすれば、明らかにそれは出資者である先生、学童、そういう人たちにそれぞれその率に応じて返っておることになるわけです。しかしながら、私が受け取っておる資料では、そうではなくて、その刷り戻しは取扱い数量に応じたところの払い戻しでなくて、それはいわゆる学生協の運営資金に充当されておることがはっきり出ておるわけですが、そのいずれですか。
○高場証人 私の申しましたことを誤解していただいているようでございますから申し上げますが、千円につき二十円ないし二十五円と申し上げたのは、山資金についてではございません。そうではなくて、事業を利用していただいた総額に対する事業分量の割り戻し金の率を申し上げたのでありまして、その点誤解のないようにお願いいたしたいと思います。 それで、今申し上げましたように、事業分量の割り戻し金二百六十万と二百四十九万というのは、事業総量、一億に近い総額に対するその割合でございます。それが組合員に戻された、こういうことを言っておるわけです。
○山中委員 その組合員に戻された後の形ですが、いわゆる組合員は株主としては児童も含めて個人の資格で入っているわけでございますから、それらの人々に一人ずつ何がしかの率に応じて返されたものである、あるいは、そうではなく、それらの人々が所属しておる学生協の運営資金に一括してそれぞれ――配分先はあっちこっちあるでしょうが、しかしながら、表面はそういう形だが、実際には学生協の運営資金として使われたのじゃないか、こういうことを私はお聞きいたしておるわけです。
○高場証人 その点は、国税庁がちゃんと来て、書類がそろっていないと承認いたしませんし、これは確実に戻しております。そして、その使途がどこだと追及されますと、私がこうだろうああだろうという憶測を申し上げてもし間違いがあるといけませんので、申し上げる範囲ではないと思いますけれども、組合員の手元に戻っておることは確かだと思っております。
○山中委員 その戻り方の形式でございますが、何という先生に幾ら返したというようなことは決して聞きません。それは不可能なことでございます。その形式が、個々の出資者たる学童、それから先生方、それぞれ、その取扱い数量のいわゆるここに残った二百六十二万、二百四十九万の純益に対するパーセンテージの割合で個々の人たちの収入として渡ったのか、あるいは、今のあなたのお話を聞くと、個々の人に対して渡ったようにも受け取れるし、あるいは組合員たる出資者たる人々に対して渡った形をとったということにも受け取れるし、どっちともとれるのですが、そこの点を、個々の人の財布に個人々々に渡ったのか、あるいは、個人々々に渡った形において、その個人々々がまた共同の組合員である学生協というものの運営資金に渡した形になったのか、そこを明らかにしてもらいたい。
○高場証人 私の方からは組合員個々に渡るようにちゃんと支出いたしております。
○山中委員 もちろん、あなたの方からはそうされなければおかしな手続になるわけですが、そうされました場合の渡る先が、個々の人々に渡るべく委託し、また実際に個々の人々に渡ったかどうかです。
○高場証人 個々の人々に渡っておるものと思っております。
○山中委員 証言をされる場合には、非常に不明確な答弁は困るのでして、決して追及しているわけではございませんが、明らかにしていただきたいと思って何回もしつこく申し上げておるわけですが、渡ったと思うじゃなくて、あなたの方は経理の手続上はそういうふうにしなければ出せないわけですから、もちろんそうされると思いますが、具体的にその金額は、たとえば二百六十二万のものが、組合員というものは相当な数でしょう、そういたしますと、一人に対して、あるいは十円出資の学童に対しては一円か二円になるかもしれません。あるいは先生方であったならば百円くらいになるかもしれませんが、そういう形で一人々々にほんとうに行き届いて返っていったかどうか。そこらの点は、あなた方の方の、と思うというような証言ではちょっと私どもはいただきかねるのですが、はっきりすることはできませんか。
○高場証人 あるいは各学校の方で子供たちにその使途について諮られたりしたかもわかりませんけれども、とにかく子供たちにわけていただいたものというふうに私は思っております。
○山中委員 それでは、反面、私が申し上げておる一方の例である個々の組合員に渡った形の支出はされたが、しかしながら、現実には個々の組合員の了解等を得る得ないは別として、個々の組合員たちの直接の利害関係のある学生協運営の費用にそれが繰り込まれたということについては、あなたはどう思われますか。これは単なる私の推察ではなくて、公正取引委員会が現地に行って聴問会を公的に開いて、そうして、やっぱりこれでは警告を発しなければならないという覚悟をするに至った、いわゆるその過程に明らかに指摘をされざるを得なかった事実なのです。その点についてはしからばどう思うのですか。
○高場証人 私の方でその割り戻し金を運転資金に使ったような記憶はないのでございますけれども……。
○高木委員長代理 関連質問ですから、簡単に願います。
○山中委員 御記憶が薄れては、これ以上申し上げてもまことに恐縮でございますが、知っていて言われないというようなことはまさかないと思う。あなたも教職にあった方でございますから、ないと考えますが、しからば、責任を持って、どうですか。郷里にお帰りにならなければその資料は提出できませんか。それとも、記憶を呼び戻すためにきょう一日お考えいただければ資料がすぐできますか。具体的に幾らをどこにやったということでなくて、一人々々確実に学童、先生方の手にいわゆる個人所得として渡ったものであるか、あるいは個人所得の形にして出すには出したが、了承を得た得ないは別として、実際は学生協等の運営に使われたものであるかどうかは、向うに帰りなければ資料は出せませんか。
○高場証人 私は各個人に渡ったものと思っております。私の方で運営資金に使った覚えはないのでございますがね。
○高木委員長代理 証人に委員長からちょっとお尋ねしますが、どういう形で各個人々々にそういうこまかい金を渡したのですか。そのときの姿をはっきりさせれば、おのずからわかってくると思う。
○高場証人 大体各市郡に係がおるわけでございますが、その各市郡の方では、その郡の総額、利用の総額でございますが、それがわかりますから、それに基いて今度は各町村ごとに配分をしていくのでございます。
○高木委員長代理 そうすると、一括してその区分々々のものを渡す形ですね。
○高場証人 私の方からの支出はそうでございます。子供が入っていますのは十何方という大ぜいでございましたから、それに一々私の方から一円、二円と直接渡すことは実際問題として不可能でございます。ですから、その区分区分に行って、だんだん個人の手に渡っていくわけでございます。
○高木委員長代理 そうすると、証人はその渡った先はわからないということですね。
○高場証人 その先は、子供たちや先生方の事業利用の量に応じて戻されていっておるものと思っております。
○山中委員 一応そういうふうに町村段階までは利用額に応じた割り戻しをした、そこまでは大体確信がおありのようです。それぞれ学校ごとにも学生協の係がおるわけです。やはりそれぞれの運営というものは費用が要るわけですが、その先学童教職員の手に渡ったか渡らないか、その点だけが「と思う」という表現だけしかできないというのはどうなんですか。あなたは専務理事なんですし、あるいはまた学生協の場合にもその中枢におった人ですが、これは運営の基本にならなければならないと私は思うのですが、その基本たる末端にどういう形で渡ったかが、「と思う」という表現だけしかできないというのは、私はどうしても納骨ができませんし、今委員長もふに落ちないようですが、どうですか。わざわざ資料をお出し願った結果によってまた御病身のあなたを再度お呼びするという、そんな失礼なことはしたくありませんが、あなたの会社についてこの結果によってどうこうということも考えておりません。私どもは、方法こそ違え、角度こそ違え、あなた方の意図される最終の目標である、学童たちによりよく、より安く、そしてより自由な教科書の供給がなされるように、それを念願するためにこういうふうに連日やっておるわけでございますから、そういう意味において一つここで御証言を願えれば、私はそれが一番いい方法じゃないかと考えるわけですが、どうでしょう、曲げて一つ、御存じならば詳しいところ願えませんでしょうか。
○高場証人 それは確実に組合員の方に行っておるはずでございます。
○山中委員 では、はずでございますでは私納得いたしかねますから、行っておるなら、おるとおっしゃって下さい。それならそれで、またこっちとしては、それの確証を裏づけするためには、手数ではありますけれども、あなたの所属されております佐賀県に職員を派遣いたすことにいたします。はっきり断定をして下さい。断定できない立場ではないと私は思う。
○高場証人 はっきり組合員の手に渡っております。
○山中委員 私の関連質問はこれでようございますが、このはっきり渡っておることの確認をするための手段を、あとで各委員に理事会等で御相談願って、お取り計らいを願います。
○高木委員長代理 次回の理事会でさよう取り計らいます。 小林信一君。
○小林(信)委員 証人はお疲れのことと思いますので、ほんとうに二、三御質問をいたしますが、お話しを承わりますと、生活協同組合を通して教科書を扱うということは、子供のためであり、教育のためであるというふうなお考えから出発されたことがよくわかるわけでございます。当時、今山中委員の御質問にもありましたように、その利潤が生協の建前からして利用者に利益が配分された、もしこれが事実とするならば、多少その教科書というものは安くなって、あなた方がその仕事をなさった当初の目的に合致するわけでございますが、しかし、今日は性格を異にしまして、一商業として扱っておるわけでございますから、需要者に利益が配分されないわけでございまして、当初の目的と大分性格が違っておるようでございますが、しかし、先ほど来委員の質問にも答えられて、あなたははっきり、教科書というものが納得のいく、実際教育のためになる供給がなされなければならぬという一貫したものを持ってお仕事をなさっておるわけでございまして、既成のこの業界に対しては相当な御批判を持っておられた。そして、そこには、より安い、よりよい教科書を提供するというふうな、根本的な使命があなたの会社には将来ともあることと私は確信するのでございます。そういう意味から、今こうして教科書問題がいろいろと取りざたされております現状に対して、どうしたら一般の父兄を納得させ、また安心させる道が開けるか、お考えがあると思うのでありまして、それを詳しく承わりたいのが私のここに立った念願でありますが、時間がありませんし、すでに証人もお疲れになっておることを考えますと御無理と思いますから、とにかく安くすることは非常に父兄が希望しておることであると思いますが、安くすることができるかどうか、現在の値段が他の商品に比べるならば決して高くないというふうな業者の意向もございますが、あなたがまじめにお考えになられまして、この点をいかように考えておいでになりますか、お伺いいたします。
○高場証人 定価の問題は私どもでできる範囲ではございませんけれども、私どものできる範囲で申し上げますならば、現在発行会社で一番困っていらっしゃるのは返本の問題だと思うのでございます。この返本が、ものによっては一割もあるし、ものによっては二、三分くらいでとまっておるかもわかりません。そういう莫大な返本の数というもの、それが供給業者がまじめにやるかやらないかによって相当大きなものになってくるのではないかということを考えております。取次あるいは特約でできる問題はそれだけではないかと考えております。
○小林(信)委員 あなたは、教科書をもって子供に教えられておった立場で、その点からしてこういう仕事に従事なさるまでになったのですから、こういう業界にある以上は、単なる取引店というだけでなく、出版会社を含めて、あるいは検定制度全体を考えての御意見が伺えると思ったのですが、できるならばそういう点を話していただきたいのです。今あなたのおっしゃった返品の問題は、配給業者がふまじめであるために返品が多い、それが教科書を高くするゆえんであるというふうなお話ですが、その点を、何ゆえふまじめであれば返品が多いのか、もう少しお知らせを願いたいと思います。
○高場証人 特約業者がふまじめだというわけではございませんけれども、何と申しますか、過不足の調整ということで特約も取次も非常に苦しんでおると思うのであります。どういうところにこの返本の量がたくさんになるものか、なかなかむずかしい問題でございますか、これが的確に需要の調査をすることができれば、ある程度これを把握することができるのではないか、そうすることが発行会社の原価を下げることにもなるのではないかという意味で申し上げたのであります。
○小林(信)委員 その調査の問題は、これは各学校において先生が調査するという種目が一つあると思いますが、これはどうであるか。先に調査した場合と実際必要になった場合とでは、児童数に変動がある。これもやはり問題になると思います。それから、業者の調査というものは不的確であるという場合、何かもっと国の機関で調査するというふうなことも要望されるわけですが、そういうふうな点をもしお知りでしたら、こまかくお知らせ願いたい。
○高場証人 ある県では、子供たちに一人々々需要の票を分けて、それを集計して発行会社の方に発注するというふうな方式をとって返本を非常に少くして実績を上げたということを聞いておりますが、そういうふうに最末端に至るまで十分そういう調査をするということが非常に役立つのではないかというふうに思います。
○小林(信)委員 返本が多いから教科書が高くなって父兄の要望に沿うことができないようなことは、まことに情ないことであって、もっと業者も良心的にこういう問題に深く調査を進められなければならぬと思うのでございますが、そういう点からすれば、ほかの業者よりもあなたのところは当初の目標からして大きな責任があると思うのですが、そういう点に今後御努力願いたいと思います。しかし、今世間でもってとかく問題にされるのは教科書の高い理由についてであって、いろいろこれに対して批判の多いことは、そうした調査等の不的確という問題でなくて、出版会社、取引店あるいは販売店というふうなものとの関連、あるいは教科書を採択する学校とのいろいろな関連というようなところに非常に冗費が使われておるということが教科書を高くしておるゆえんだと言われておるし、私たちもまたそういうことを必ずしも信じないわけではないのですが、そういう点につきましては、あなたは業者としてどういうふうにお考えになっておりますか。
○高場証人 そういういろいろなうわさも聞きますけれども、現在の価格算定なんかにも一つ問題があるのじゃないかというふうに考えます。というのは、部数はどういうふうにすべきであるか知りませんが、採択が多くても少くても、展示会で出されたときの定価でそのまま販売される。前はたしか、展示会のときには定価がなくて、採択の需要数がきまってから定価がきめられたように記憶しますけれども、そこらにも一つ問題があるのではないかというふうにも考えます。しかし、それが必ずしも安くなる前提になるかどうか、その点ははっきりわかりません。
○小林(信)委員 今後の教科書に対するあなたの大体のお考えはわかったわけですが、きわめて素朴な質問をいたしますが、あなたがこの仕事に携わって、教科書を扱う商売というのはもうかる仕事であるというふうにお考えになりますか。ほかの商売と何ら変るところはない、普通の商売だというふうにお考えになられますか。これはほんとうにあなただからお伺いするわけなんですが、率直に御答弁願いたいと思うのでございます。
○高場証人 取次の場合には、売れ残りがあったら全部返品ができますし、値下りもなければ、何も心配はいらないし、非常に安定した、毎年々々の実績というものがきまっていますし、非常にいいんじゃないかと思います。
○小林(信)委員 今業者がそういう安定したところに居眠っておって、そうして父兄の声やあるいは先生の声というふうなものをまじめに考えないところはこういう問題が起きてくるというふうにも考えられるわけなんですが、ただいまのあなたの証言というものはその通りだと私考えております。そこに業者がいたずらに惰眠をむさぼっておる、これが非常にいけないのじゃないかと思いますが、その点は以上にとどめます。 もう一つお伺いいたしますのは、教科書と副読本ではどちらがもうかるのですか。またもうけやすいのですか。これも率直にお答えを願いたいと思います。
○高場証人 教科書は必ず学校の方で採用されますけれども、副読本は必ずしも採用されるというふうにはきまっておりませんし、また都市と郡部とではずいぶんその採択の率も違うと思います。さらにまた、いわゆるかつぎ屋さんというのがたくさんおられますし、普通の取次なんかはあまりそれにはタッチしないのではないかと思います。
○小林(信)委員 そうすると、教科書の方が利潤があって、副読本の方が割合もうけが少い、こういうお考えですか。
○高場証人 少いということよりも、骨折らなければならないという問題があると思うのでございます。
○小林(信)委員 私たちの想像では、教科書というものは、値段は文部省で押えられるし、そして展示会で採択という過程を通らなければならぬ、採択されればもうかるけれども、やはりそこには値段等の問題で制約がある、副読本の方は、そこへいくと、いろいろな形で出されるし、値段等もかなり自由に売れるわけですが、この副読本をいろいろな工作をすることによって売り込む道がなされておるようにわれわれは聞いておるのですが、あなたはそういうふうなことをしたことはないか、聞いたことはないか、お伺いいたします。
○高場証人 それはおそらくかつぎ屋さんの場合に多いじゃないかと思います。取次さんはあまり副読本の方は関係なさらないようであります。ほとんどかつぎ屋さんだと言っても、いいじゃないかと思います。
○小林(信)委員 そのかつぎ屋さんというのは、その経路があなたたちのような取次店を通らないとすれば、何らかの形でやはり機構というものが作られておるのじゃないかと思いますが、その点、お知りですか。
○高場証人 やはり各府県にそういったものの卸屋みたいな形でやっておるようでございます。
○小林(信)委員 それについて出版会社の方からやはり駐在員とかあるいは何か派遣をされるような形というものは見ておられませんか。
○高場証人 それについてはよく存じておりません。
○小林(信)委員 私の質問はこれで終りましたが、あなたが当初おっしゃったように、この仕事を始められるときに、実際取次店なりあるいは販売店なりというものが、当時は教科書を配るにおいても半年も前に金を集めるというふうな不徳義なことについての義憤を持って仕事に出発されたわけでありまして、これは私了といたしますし、また生活協同組合を通してこの仕事をなさって、その利潤を子供に還元されたならば、確かに教科書は安くなっておると思うのであります。しかし、その趣旨から今一つの会社に発展なさっておるものとするならば、やはり当初の考えというものは通さなければならぬ責任があなたにあると思う。そういう立場から、今この教科書問題というふうなものをあなたがお考えになられて、――返本の問題あるいは業者間に行われますいろいろな問題、あるいは学校との関連においてなされる不正の問題等についてはきわめて簡単にお考えになっておいでになるのですが、それではかえってあなたの存在というものに対してやはり疑惑が生まれると思う。こういう仕事に従事なさっておって、最初が教育に関係してお立ちになった立場でございますので、もっとこの教科書問題がりっぱに解決できるような御意見を、きょうは御病身でこれしかお聞きすることができないのでございますから、できるならば、ここでなくて、私たちにお示し願いたいことをお願いしまして、私の質問を終る次第でございます。
○高木委員長代理 証人、ただいまの質問に対してお答えになりませんか。――それでは、高場証人に対する尋問はこれで終了いたしました。 証人は健康を害されておるにかかわらず、まことに御苦労でございました。 次会は来たる七月八日午前十時に開会をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会