建設委員会 第31号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/19
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 本日の日程に入ります前に、理事の補欠選任につきましてお諮りいたします。すなわち今村等君が去る二日委員を辞任され、十六日に再び本委員になられたのでありますが、同君は理事でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりません。この補欠選任につきましては、選挙の手続を省略して委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に今村等君を指名いたします。 —————————————
○内海委員長 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を行います。西村力弥君。
○西村(力)委員 災害の頻発にわれわれも頭を痛め、もちろん政府側においても長いこと頭をお痛めだろうと思います。われわれが頭を悩めるのは何でもないのでありますが、要は国民がこの災害にあって、非常な苦しみにあっておる。これを国家の手で救済していかなければならない。こういうことに重点を置いて、今回の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部改正の法律案も出たわけなんだと思うのです。確かに一歩前進でありまするが、私としてはまだいろいろな点に対しまして疑義を持つわけなのでございます。 第一点につきましては、通年災害をこうむっておる地方に対しましては、政令によって定められた手続によって、緊急復旧の指定をするということでございまするが、その緊急指定をしたものは、三カ年間で復旧をみるようにという法律的な規制が出て参りましたけれども、そうしますると、結局緊急指定を受けなかった、そういう事業がずんと投げやりにされてしまうのではないか、この心配を持つわけなんでございます。現在そうしないでおいても、復旧予算の総額が少いために、地方団体において非常な苦しいやりくり予算をやっておる。私今回所用がありまして、うちへ帰りまして村の役場に寄ってみました。二十五年の災害、四十万の事業費であるが、これは何ともほっておけんから村がやっておった。幸いに災害の復旧事業に指定を受けたところが、お金がきたのは去年だった。こういうことであって、利息をそれまでずっと払っておったために、四十万いただいても何にもならないでしまった。こういうようなことを村長が申しておりました。今まででさえもそういう工合に、指定を受けたけれども予算が足らぬから、来年々々と延ばしに延ばされて、そして去年やっとその金がついにきた、こういうことなんでございますので、今後緊急指定をして、それに重点をおいて三カ年間で復旧するということになれば、他の指定を受けない事業はずんと今以上に投げやりにされてしまう。これは好まないことであるけれども、予算総額を押えておる限り、そうならざる得ないじゃないか。だから緊急指定をしたのが三カ年ならば、その他のものもこの精神に準じて最も短期間にこれを復旧するという、こういう措置をやるのかどうか、その点をどういうふうに考えておられるのか。建設大臣はまことに熱意を持って、善意ある御見解を述られておりまするけれども、しかし建設大臣の善意だけではものは進まないじゃないか、やはり大蔵省の方の大臣のこれに対する言明をこの際私たちは必要とするのであります。 第二番目は災害復旧国庫負担をやる事業の、その金額の限度でございまするが、府県は十五万以上、十五万以下は切り捨てる、市町村は十万以下は切り捨てる、こういうことになっておりまするが、これはやはり私は府県も十五万以下に、市町村と同じような取扱いをした方がいいのじゃないか、それは府県は財政規模が大きいから、十五万以上でもかまわんだろうという意見もありまするけれども、しかし現在の地方自治団体の財政状況をずっと見ますると、府県の赤字が一番大きいように私は見ておる。市町村よりもむしろ府県の財政事情が非常に窮迫を告げておる、こういうことでございますので、何もそんなに府県と市町村と区別をする必要はないではないか。両方とも十万というところに線を引いていかれて、不都合は何も存しないじゃないか、こういうことを考えられるのでございます。そうはできないか、できないとするならば、その理由は一体どこにおありでございましょうかということが第二点なんでございます。 第三点は過年度災害でございまするが、本年度の予算をもってしても、二十五年度災害全部を遂行することはできない、このような状態にあるわけなんで、二十五年度の災害の一部と二十九年度までの災害、これはずっとほうられておるという状況にあるわけでございます。今後の問題については、幸いに補助率を引き上げたり、あるいは連年災害についての特別の考慮を払ったりして前進を見ておりまするが、過年度災害は一体どうするのか。建設省側、大臣も三カ年でこれを復旧する、二十九年度災までは完全にこれをでかすと、こう申しておりまするが、これもやはりはっきりした大蔵省の見解をお聞きしておく必要が私としてはあるのでございます。せっかく建設大臣がそうおっしゃって下さったのですから、これを信ずべきでございましょうけれども、当初申し上げました通り予算総額が押えられ、むしろ今年度は前年度に比して減額しておる、こういうような状況下において、他を有利にすれば、その他のところは不利になるというようなことが考えられるので、今後の災害について力を入れれば、過年度災害というものはやはり投げやりになる、こういうことを考えられるのでございます。それで過年度災害の復旧についてはどういう工合に考えるか。三カ年間で復旧するということを建設大臣は言明しておるが、大蔵大臣も、これは同じ政府全体の意見であって、ここに確約することができるという言明をこの際いたしてもらわなければならない、かように思うわけなのでございます。 私は実は今申したような点について、修正案を準備しておったのでございまするが、各党とのいろいろな話し合いによって、大蔵大臣の言明が建設大臣の言明と同一にこれが行われるというようなこと、それにまたわれわれ委員会の全体の附帯決議をつける、こういうことによって、修正案ということを一応保留して進もうではないかという皆さんの御意見でございまするので、私もこれを了としまして、修正案は出さないことにしょう、こういう考えに今立っておるのでございまするが、大蔵大臣の言明いかんによっては、私たちもやはり相当考えていかなければならない、こう思うわけでございます。以上の点につきまして、一萬田大蔵大臣の御答弁を一っお願いいたします。
○一萬田国務大臣 まずお尋ねの第一点でありますが、政令で緊急と認めたものについては三カ年でやる。この緊急と認められぬものは、従ってなおざりになる。それで少くとも復旧がおくれてきはしないかという御心配、これも財政上の見地からいたしまして、そういう御心配のあるのはごもっともと思いますが、しかし私どもとしては、今回緊急なものは特に早くやる。同時に緊急とされないものについても、財政の許す限り早くやる。これは災害の性質からいたしまして、なるべく急ぎたい、かように考えております。 なお過年度の災害、これは今後におきまして大へんな金額に上るように、私が今ちょっと頭にあるのでも、土木災害については、やはり千億をこえておるようなものが残っております。これを早くやることについては、財政の負担も大きいのでありますが、しかしこれもやはり何としても災害という特殊な性質を持っておるものに対することでありまするから、これもできる限り早く復旧ができるように努力をいたしたい。こういうふうな点については建設大臣とも意見が一致いたしております。 なおもう一つのお尋ねの都道府県十五万円、市町村で十万円、これは一件当りの工事の最低限度でありますが、これは問題が二つあると思うのです。これはその後の物価あたりを考えると、少しこれは高めても実はいいわけだ。二十五年、二十六年、ごろの最低限度になっております。しかしその後小さい災害についての補助の要請が非常に大きいので、今回はそれば改正しませんが、問題は市町村と府県との関係であります。これは私は事務的に十分実情を考えましてこういう差別をつけてあると思いますが、なおそういう点については政府委員から答弁があることと思います。
○西村(力)委員 今後の災害について緊急指定以外も可及的すみやかに、あるいはなお過年度災害の残工事も可及的すみやかに、こういうことでありますが、そういう御答弁ではわれわれとしては満足をいたすわけには参らないのでございます。建設大臣は過年度災害については三カ年間で復旧すると確実に言明なさっていらっしゃる。そういう御態度を私は望んでおるのでございます。私はまた緊急指定以外の事業につきましても、やはりもう少し可及的すみやかにという以上の御答弁を一つ期待いたしたいのでございます。再度の御答弁をお願いいたします。
○一萬田国務大臣 今ここでこういうふうにしてやるということを、数字的にお示しができないことを遺憾に思います。これは近くまた来年度の予算編成も考えなくてはなりませんので、取りかかりますが、その際に今申し上げたような趣旨において考えてみたい。来年度においても、なかなか困難な財政の状況にあるのでありますが、それにかかわらず今申しましたような趣旨で考えてみたい。従って数字的にも、私がただいま申し上げたようなことが具体化していくよう、できるだけそういうことに努力しよう、こういうふうに考えております。
○西村(力)委員 それでは押し問答以外になくなるだろうと思うのです。今後の災害について、緊急指定以外のものもなおざりにせずに可及的すみやかにというならば、ここではっきりしたことを言わないにしても、緊急指定のものが三カ年なら、その他のものも大体このくらいでできるというような努力をしてもらいたい。それから過年度災害については、はっきりこれを投げすてて住民に苦汁を負わせ、なおかつせっかくの工事費をつぎ込んでも、これを急がなかったために、完遂しておかないために、そのロスがいかほど多いかということを考えられると、大蔵省側としても軽々にはこれを見のがし得ない。ここはやはり断固としてやり抜くことによって、資金の効率というものを高めることに相なるだろう、かように考えられるのです。そこで過年度災害については建設大臣が三年で復旧する、こう申しておるのでありますから、大蔵大臣もそのようにはっきりと三年でこれだけはやるのだ、こういう工合にしてもらいたい。第一点については、やはり緊急指定は三年でやるのだから、その他の点についても大体このくらいでやりたいと思う。第二の点の過年度災害は三カ年間で必ず復旧するようにする、こういう確実なる御答弁を願わなければ、幾らやっても応答は意味がないことになるだろう、こう考えます。同じことを何べんも私は言うようですが、これはやはり私が期待する答弁がいただけなければ、そうする以外にないということでございます。再度一つお願いいたしたいと思います。
○一萬田国務大臣 御返事が、私も繰り返すようになりまして恐縮であるのでありますが、今のところやはり財政全体の見通しを立ててみないと、今ここでこうするということを災害全体についてちょっと申し上げかねる。しかし今申しましたような考え方をもってやりたいということを御了承いただきたい、私はかように考えます。
○西村(力)委員 建設大臣が同じ政府の一員として、過年度災害は三カ年で復旧する、こう強く言明しておる。そのときに同じ閣内におる大蔵大臣が、そのような工合で答弁をするというようなことは、これはおかしいじゃないかと思う。そばに建設大臣がおって、同じ内閣の大蔵大臣があやふやな答弁をするなんということは、われわれとしてはとても認められない。どうしてもこれはやはりはっきりした御答弁をしてもらわなければ私は下るわけにはいかぬと思う。
○竹山国務大臣 ごもっともでありますが、私の申しました趣旨も、今大蔵大臣が私と見解を同じにして、予算で実現をすることに努力をせられるという意味のことを申されておるわけでありまして、財務当局としては、数字的なことを申し上げることは今の段階としてはお困りだということも一つ御了承いただいて、私は政府全体の考え方はいささかも食い違いがあることとは考えておりませんので、どうかいずれもすみやかにするという趣旨においては、大蔵大臣が申しておるように、法律で限定しないだけの話で、その趣旨で実行いたしますということを申しておるわけでありますから、御了承を願います。
○西村(力)委員 それでは建設大臣はこの前の言明通り、世年度災害については三カ年で復旧をするという、この言明に対する自己の責任をとろうとする、そういう立場はお変りはないのでございましょうか。
○竹山国務大臣 もちろん私の考えとしては、そういたしたいという考えには何ら変りはありません。
○西村(力)委員 再度建設大臣がそういう言明をされておる。同一閣内の大臣がそういう言明をなさっておるわけでございますので、それでは大蔵大臣の今可及的すみやかにというのは、建設大臣の今言明せられた方向そのままの考え方において、可及的すみやかにということを言っておるのだ、こういうことでよろしゅうございますか。
○一萬田国務大臣 この過年度災害につきましては、これは今建設大臣の御意向もあったのでありますが、私といたしましても、決して今ここではっきり私の立場として三年ということはお約束しかねるというだけでありまして、三年ということを目標として、あくまで努力しようという点において申しておるのであります。そういう意味におきまして、建設大臣の御意向と違っていないと考えておる次第でございます。どうぞ御了承願いたいと思います。
○前田(榮)委員 西村委員からの御質問に関連して、大蔵大臣にお尋ねいたしておきたいのでありますが、今西村君の御質問にもありましたように、建設大臣は所管大臣として、災害については従来歴代の建設大臣が主張されたことを、一そう力強く三カ年で完了したいということを言われて、それに大蔵大臣が財政的な裏打ちをいかにされるかということが、建設委員会の問題になっておるわけであります。そこで大蔵大臣といたしましては、国の財政のことでありますから、三カ年で完了するという熱意については変りはない、同じであると言われたのだと思う。ところが実質的には果して三カ年でできるかというと、今の日本の国家財政の上からいうと、ややともすると三カ年が四カ年になっておる。過年度災害は、早く終止符を打ちたいと思いますけれども、なかなかそれができない。そこで問題は、三カ年で完了する熱意はあるけれども、実質的に三カ年でできないような場合があるかもわからぬということが、正直な大蔵大臣といたしましては、できなかったときに食言するようなことがあってはという考えから、言われておるのだろうと思う。そこで御質問申し上げたいのは、三カ年でできないような場合というものは、いかなる場合においてできない場合があるのか、こういうことは、たとえば災害復旧費が五百億円になるとこうだとか、あるいは三百億円になる場合には、まず国の今の財政ではやれると思うけれどもというような、災害の額に大小があるために、その額はどのくらいの限度という数字が見当がつくかどうか。またそういう額で見当がつかないならば、いわゆる災害復旧費が、国の財政ワクの中の何%をこした場合においては、あるいは四カ年に、そういう大災害については三カ年は四カ年になる場合があるかもわからぬとかいうような、財政計画上の一つの見当といいますか、そういうものについて何か御意見を明確にされないと、どうも建設委員といたしましては、何かまさかのときには、やると言いながらやらずにおいて、ただ国の財政上仕方がないのだと言われたのでは、なかなか納得のいかないところがあるのですが、そういう点での、今直ちに数字上の問題が言われないならば、後日明らかにするとかなんとか、そちらを一つ明確なところを述べていただきたいと思う。
○一萬田国務大臣 私の考え方についての、こういうふうな大蔵大臣の考えだろうという点は、大体そういうふうであります。今や御意見の点は、実は正直に申し上げまして、三十一年度の予算編成に当りまして、今回はいろいろな点を見直して考え直していかなければならぬ点もあると思う。そういう計画を今至急に打ち立てようと努力いたしておるわけであります。それの計画を打ち立てる場合に、今申しましたように、三カ年の目標にしてこれが実現できるように努力する、そういうふうな考えで、そういう計画も一つ考えてみよう、こういうことであるのでありまして、そういうふうに御了承を得たいと考えております。従いまして、今ここですぐに金額を何%と申し上げかねるというだけでございまして、決して何とかかんとかとか言って、一時を糊塗しようということは私ほんとうに考えておりません。すべて予算編成の際、財政計画を打ち立てて、ほんとうにやりたいという考え方を持っておりますことを申し上げておきます。
○前田(榮)委員 ただいまのような御答弁をされると、これはわれわれの方から言いますと、まことにおざなりの答弁であって、どこを押えていいのかわけもわからぬ。これはもう歴代の内閣の方で、いわゆる三、五、二とかいうような比率で三カ年でやろうということは、ここ六、七代前からの建設大臣なりあるいは内閣の当局も言っておるのであります。そういうことでは、幾ら法律を作っても、また当局の言明があっても、そのことがことごとく裏切られておって、実行された例なしといって過言でない程度なのであります。だからそこで大蔵大臣一萬田さんだけを疑うのではない。ただそういうことで従来きておった日本の災害復旧費というものが、いつも町村、府県に対して迷惑をかけておるのであるから、災害国ともいわれる日本の災害を、ほんとうに国民的な立場に立って、安心して復旧が行われ、また地方財政の赤字で悩んでおる財政についても将来の明るみを与えたい、これが今の政治の上から重大な問題になっておるので、そこを考えまして、やはり従来とは変った、確信のある一つの具体的な数字かなんかで示されないと、一萬田さんを疑うのではなしに、やはり従来からの言明と形が変っておらぬ、こういう点に疑いを持っておるのであるから、それをもう少しはっきりした何かの表現をもって、御答弁が願いたいと思う。
○一萬田国務大臣 私の考えは、今後過年度の災害の復旧にいたしましても、財政全体の見地あるいは経済の関係等から考えまして、あるいはまたその復旧さるべき災害の緊急の度合い等から見まして、三カ年でやるという方針で行って、どうしてもこういうものは必ず三年で完全にやる、こういうものはこういう理由だから三年が若干延びるけれども、これはこういうふうな措置をとる、そういうふうなことをはっきりさせたいと思う。そして皆さんにちゃんとした目標といいますか、なるほどこうしてこう行くのだというふうな御安心も願いたい、かように考えておって、そういうふうなことを今回も打ち出していこう、こういうふうに考えておりますが、まだそれが十分緒についておりませんものですから、ここで御説明できませんが、私はそういう考えであるということを申し上げて、御了承を得たいと思います。
○西村(力)委員 どうもこうなりますと、財政の許す範囲でとすべてにつけていくのですが、事、災害復旧の問題については、やはり考え方を少し改めていかなければならぬじゃないか。やはりいろいろ大臣は、国民に対して暖かいミルクをくれるというせっかくの恩情ある政策を考えていらっしゃるようでございますが、それがことごとく裏切られていくような状態にある。その暖かいミルクとして、直接的ではないにしても、災害復旧に重点を置くということは、これは実に重要なことであると思いますので、直接個人々々に減税とかなんとか、そういうことはいかないにしても、災害復旧ということは、これはまことに国民全体にとって民生を安定ならしめる重点的な施策として考えていかなければならぬじゃないか、かように思うわけなんでございます。これを行わなければ民生安定も期し得ないでしょう。またさっき申しましたように、せっかくの国民の血税がむだに使われることがどれほど多いか、こういうことを考えるときに、これはもつと突き進んだ考え方でもって処理されなければならない。そういう考え方に立って物事を進めるときに、いろいろ事情もあるでしょうが、三カ年間で復旧するなどということは、これは当然しなければならぬことであるだろうと私は思うのです。三十九年度災害までのものを三カ年間でやれば、三十一年度までで終る。四カ年間でやって三十二年です。それを二十九年から三十三年ならば、五カ年かかって復旧するということになってくる。二十五年度災害などを加えれば、十カ年間かかってやっと復旧するということになる。だからこの際三カ年で復旧するということをはっきり覚悟せられることが、最もあなたの暖かいミルク政策に一致する方策ではないか、こういう工合に思われるわけなんです。それで何とか、建設大臣が言っている通りに自分もやるという御答弁を願いたいのでございまするが、それとともに、この災害復旧は、財政の許す範囲といいましても、財政の総ワクの中において最優先的に考えられていくべきものである、自分はそういう立場をとる、こういう点までの御答弁はぜひお願いしたい、こういう工合に思うのです。私どもはそれを期待しております。そうでなければ、やはり今まで通りの、何だかわからないような質疑応答を繰り返していくだけでございまして、どうにも前進はいたさない、かように考えられるわけなので、一つはっきりした御答弁をお願いしたいと思います。
○一萬田国務大臣 災害について、これは災害に対する対策と財政の関係ですが、これはむろん財政の許さないようなことはできないのは、常識で御了承が得られると思うのですが、しかしそういう場合に、災害の予防並びにその起った災害復旧について、重点的な資金の配付をするということには私は異存はありません。これは国の経済の上から見て、非常に重大であることでございますから、私はそういうふうな考えは持っております。それなら三カ年と言ってしまえ、こういうようなお話でありますが、三カ年とはっきり約束はなかなかできませんが、建設大臣も先ほど申したように、建設大臣に協力いたしまして、三カ年でなるべくできますように、これを目標として努力をいたす、こういうことは申し上げておきたいと思います。
○瀬戸山委員 災害の問題ではだいぶ議論が繰り返されて、今西村委員、前田委員と質疑応答があったわけでありまするが、こういうことでは、実際これは進まない。大蔵大臣にしても建設大臣にしても、災害というものを軽んじられておるとは私は考えておりません。正直なところ大蔵大臣は、きわめて真剣に日本の財政その他を考えてやっておられるということを、私は決して疑っておりません。しかし災害は治山治水と直結するものでありますから、治山治水をほったらかしておいて、災害の問題を考えてもいけない。しかし災害は私が申し上げるまでもなく、実に大きな問題であります。現在損害があるのだから、これを早く復旧といいますか、もとに戻す、あるいはそれ以上の改良をしなければ、国自体がだんだん悪くなっていくのですから、これは非常に深刻な問題であります。大蔵大臣あるいは建設大臣は御存じでありますが、昭和二十五年以来をずっと見てみましても、これは農作物その他の被害まで加えて、千四百億ないし三千五百億、平均にいたしまして毎年二千億前後の損害を日本の国土がこうむっておる。日本の国民がそれだけの財産を毎年なくしておるのです。私は常に申し上げておりますけれども、これを何とかしなければ、日本の経済の復興に重大な支障を来たす。その損害がなくなったら、それだけ遊んでおっても二千億ないし三千億の利益が国民のふところにとどまるのです。私はこれを常に心配しておるのであります。 そこで昭和二十五年の災害も昭和三十年度になって、六年間かかってまだ今年の予算でもこれが残る。こういう状態ですから、大蔵大臣が言われますように、財政の許す範囲——これは財政が許さなければ、いかなる神様でも金のかかる仕事を、財政を度外視してはできない。そこで先ほど来の御質疑を聞いておっても、これは少し考え方を根本的に変えてこなければ、私はこの問題は解決しないと思っております。これは前田さんも具体的に大蔵大臣の御答弁を求めておられますが、これは一つ考え方を変えて、こういうふうな方式でやったらどうかという、何と申しますか、大きな政策の転換をやらなければ、この問題はいつまでたっても解決しないし、日本の災害亡国といわれておる状態は、私は抜け切れないと確信を持っております。現在もすでに災害が始まっておると思いまするが、こんなことを繰り返しておったのではたまらない。ほかの政策ももちろん必要でありますけれども、しかしそれ以上に、私はもうそれこそ日本の天下の一大事だというふうにずっと考えております。 そこでこれは自分の一つの考え方で、これがいいか悪いかは確信を持っておりませんけれども、そういうふうな具体的な考えをもって、災害復旧あるいは治山治水についてはどういうふうな方法をとるのだ。これが大事な緊急な問題である。非常に大へんな問題であるということはどなたもおっしゃって、また考えておられるのでありますが、これがなかなか前進しない。それで社会党の諸君の方では、たとえば防衛に関する経費を全部削って、あるいはこれに相当減額をして、治山治水あるい災害復旧に回そうという具体的な案を持っておられる。われわれの方では必ずしもその案に賛成はいたしません。そこでやるのならば、財政の許す範囲とおっしゃったが、今の日本の財政規模の中で、これを最優先、あるいは国の一大事ということになれば、ほかの経費を相当削って、これに重点的に、あるいは三年でやるとか、そういう御方針を確立するか、あるいはほかのそういう政治をしばらくストップするということがはなはだ困難であるということになれば、ほかに財源を見つけ出さなければ解決いたしません。何度ここで議論をいたしても、そういう具体的な方針をきめて、国をあげてその方針に従っていくということにならなければ、私はこの問題は絶対解決しないと思っております。そこで防衛費を全部削るとか、あるいは大幅に削減するということは、私どもの立場では賛成ができない。それならばほかのものというわけでもありません。ほかの財政支出を大幅に削って、これを治山治水あるいは災害復旧に充てるかといえば、これもなかなか困難であります。今のような財政規模だけを前提にして考えるということは、これは議論をここで何百万べんしたって、少しも具体的に前進はいたさない。そこで私はこういう考え方を持っております。今日は一つ大蔵大臣と建設大臣のこれに対する考え方を承わっておきたい。これはほかに金を見つけなければだめなんですから、金を見つける方法として、国民全体に呼びかけて、国民は災害復旧については騒いでおりますが、これを一切政府にたよるだけで——政府といっても国民のふところから出てくる金でやるのでありますから、政府がどうというだけでは始まらない。そこで私はこういう考えを持っております。どうですか、一つタバコに五円か十円をかけて——私は計算はここでできませんけれども、それが何百億かになると思う。そうしてかりにタバコの五円なら五円、十円なら十円、タバコの種類によって違ってもいいと思いますが、これを日本の一大事だからこれだけ治水費あるいは災害復旧に充てるということをちゃんとタバコのレッテルに明記をして、そうして国民の総力を上げて、これだけの財源を全部これは今天下の一大事であるからこれをやるのだ、こういう方法をとるか、あるいはまた別に意見がありますが、電気はほとんど水の力によって出るのが多いから、そこでこの電気に何パーセントかをかけて——これは非常に問題になると思いますけれども、何パーセントかかけて、このたとえば十円なら十円、五円なら五円を、これは全部日本の国土の復興と申しますか、国土の救済に充てる費用だということを国民に徹底させて、そうして国民全体の力を合せなければ、治山治水あるいは災害復旧は絶対できません。どんなにここで議論しても、財政の範囲内という以外の方法はないのですから、そこで金を見つける方法、これがいいか悪いか検討してもらわなくちゃなりませんが、こういう方法をとってでも、この大問題を解決しなければならないと私は考えております。そこでこういう問題について、あるいはほかにいい考えがあるかもしれませんが、大蔵大臣と建設大臣の所見を伺っておきたい。そういうこともやらない、こうおっしゃればそれでもけっこうであります。そういうことは今の日本の経済状態からできないのだということであれば、もうこの災害復旧の議論はしないで、仕方がないから泣きながら同じようなことを繰り返していく。だんだん滅亡の方に進行していくという結論になるので、この問題について、一つきょうはせっかく両大臣おそろいですし、私は前からこの機会をねらっておりましたので、そういうふうに何とか方法を考えていかなければ、絶対にこの問題は解決しないと私は考えておるが、一つ両大臣の所見を承わっておきます。
○一萬田国務大臣 大へんいいお考えと私拝聴いたしております。今後はそういうふうな考え方もやはり考えていかなくてはならぬかもしれません。しかし私が今一応考えておるわけじゃありませんが、この年々の災害で大へんな損害を繰り返している。だれが考えても、実はほんとうに損なことであります。ですからこの災害の予防について、できるだけ災害が起らないようにやる。それはだれも異存はないと思うが、結局どうして財源を求めるかという点にくるのであります。これは考えようによっては、かりに少くても五百億とか、多いときには千億以上の損害というものが生ずるとすれば、これが助かる。全部じゃなくとも、それらのものの何割かが災害予防をよくすることによって助かるならば、これはまたその災害予防はこれは申すまでもないが、生産的な意味も持つというふうな考え方もいたしております。そういう考え方をしつつ、今回は、今後の予算編成等、あるいは財源の見積りについて考えてみよう。同時にまた今お話のような考え方も、私は研究していいことだし、研究したい、こういうふうに考えております。
○竹山国務大臣 災害につきまして、財政的な裏づけをしっかりしろという御意見については、われわれも全く同感であります。それの財源処置等につきましては、大蔵大臣の所管でありますので、私はかれこれ申すべきではないと思いますが、よく御趣旨の点はともに研究をいたさねばならぬ問題であって、建設省としては、早くから建設公債等の考えも持っておるわけでありますが、これは全体の財政の問題、公債政策の問題と関連をいたしますので、今日まで差し控えておるような次第でありますから、よく御趣旨の点を政府全体として検討をいたしたいと思います。
○瀬戸山委員 私はこれ以上申し上げませんが、何かそういう方法をとらなければできないということは、これはわかり切っておる。これはほかの委員諸公もいろいろ御質疑なされましたけれども、聞いておっても私は涙の出る話だ。逆に考えるとこっけいな話だ、こういうふうな感じを持つわけであります。今建設大臣は、それは大蔵大臣においてとおっしゃいましたが、あげ足をとるわけではありませんけれども、これは国民全体が何かいい知恵をしぼって、忍ぶべきことは忍んで、そうして全体を上げるといったことになるのでしょうけれども、それだけの仕組みにしなければ、金のないところで、さあやれさあやれといっても、これはできないのです。この私が申し上げた方法が最上だとは思いません。何かそういう方法を考えて、少くとも来年度からやるという決意をもって御研究を願うということで、私はきょうは終っておきます。
○西村(力)委員 そうしますと、瀬戸山委員の質問に対する答弁では、大蔵大臣は増税を一つ研究しよう、それを財源に充てよう、こういう話になりますし、建設大臣は建設公債、こういうものをだれが引き受けるかは別といたしましして、建設公債ということも考えていこう、こういうことでございまするが、そうしますると、やはりそういう手段をとらないと、建設大臣の三カ年復旧も、あるいは大蔵大臣のその趣旨を了として協力するという答弁も、前提としてはやはり増税か公債か発行しなければできないのだ、こういうことになると、今までの答弁はみなこれはその場を合わせるための御答弁にすぎなかったというようなことに相なるのではないかと思うのです。それではやはり何年か、建設大臣は何らかのそういう増税なり、あるいは公債発行なりの措置をとらなければ、三カ年ではできない。三カ年間でやるという、その決意の裏には、そういう政策があるのだ、こういうことになるのかどうか。私たちはそういう行き方であるとするならば、せっかくの言明でありまするけれども、それはそのままありがとうと受け取るわけには参らない。こういうことに思うのでございます。その点について御答弁を願いたいと思います。
○竹山国務大臣 私の申したのは、災害予算のために、そういうことだけを考えておるという意味ではありませんので、災害復旧はもとよりのこと、治山治水の根本的対策をすみやかに促進をするためには、財源的な処置は当然考えなければならぬという瀬戸山委員の御説に私は共鳴をいたしたわけでありまして、災害復旧の点について考えておる考えは、今申したことと何ら矛盾をいたしてはおらぬつもりであります。
○西村(力)委員 大蔵大臣の答弁を私たち追及して参ったわけでございますけれども、瀬戸山委員の諷刺によれば、まことに、涙が出るとともに、こっけいな質疑と答弁である。こういうことでありますが、あの答弁では、先ほどの理事会の私たちの立場も、ちょっと別に考えていかなければならぬように思うのです。それでこの際ちょっと休憩願って、理事会を再度開いてもらいたいと思います。
○内海委員長 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めて下さい。 ほかに御質疑もないようですから、本案に対しまする質疑はこれにて終了いたしました。 ただいまより本案を討論に付します。
○山口(好)委員 本案につきましては、討論を省略して、直ちに採決に入られんことを望みます。
○内海委員長 ただいまの山口君の動機は、討論を省略、直ちに採決すべしというのでありますが、これに御異議がありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 ただいまより採決いたします。本案を原案の通り可決すべきものと決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○内海委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
○西村(力)委員 ただいま可決した公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案に対しまして、この際委員会の意思を、附帯決議として付しておきたいと思うのでございます。先ほどから申しました通り、私は附帯決議というものでなく、もっと強い法改正に持っていこうと考えておったのでございまするが、しかしこの法案は、従来主張し続けたことが、一歩でも二歩でも前進したということであり、かつまた建設大臣におかれましては、ほんとうに誠心誠意をもって、この解決に当らんとするような気がまえがわれわれわかるのでございますので、その御決意が十分に、また現在以上になお前進できるような工合にしていただきたいというようなこと、それが国民に対するわれわれの道でもあろうと、かように考えまして、附帯決議をこの際付したいと思うわけでございます。読み上げます。 附帯決議 一、政府は、本法第八条の二に指定する緊要なもの以外の災害復旧事業については、これを四カ年以内に完了するように必要な措置を講ずること。 一、政府は、過年度災害の復旧については、本法第八条の二の趣旨に基き、緊要なものと認めるものについては二ヵ年以内、その他のものについては三カ年以内に措置すべく必要な措置を講ずること。 一、政府は、一カ所の工事費十五万円以下の小規模災害復旧事業については、地方財政窮乏の実情にかんがみ、適当な措置を講じてその促進をはかること。 以上の三点を強く要望する附帯決議を付したいと思うのでございます。何とぞ全会一致の御賛同をお願いしてやまないものでございます。
○内海委員長 以上西村力弥君より、本案に対する附帯決議が提案されました。これに対して何か御発言がありますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御発言がなければ採決いたします。附帯決議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○内海委員長 起立総員、よって本案に附帯決議を付することに決しました。 この際お諮りいたしますが、本案に関しまする委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○内海委員長 御異議なしと認め、さように取り計らいます。 —————————————
○内海委員長 次にお諮りいたします。が、ただいま地方行政委員会において審議をいたしておりまする地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、これに御異議がありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 速記をちょっととめて下さい。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会 ————◇—————