建設委員会 第22号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/06/22
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 国土開発縦貫自動車道路対策に対する意見並びに中央道調査審議会の経過等について道路局長の説明を求めます。富樫道路局長。
○富樫(凱)政府委員 国土開発縦貫自動車道建設法が提案されるやに聞いておりますが、国土開発縦貫自動車道と申しますのは、産業発展のために高速度自動車交通網を新たに形成するために、国土を縦貫する高速自動車道を開設することになっておるようでございます。この中に予定されております路線のうち中央自動車道というのがございますが、この中央自動車道は、東京都を起点にいたしまして吹田市に至るものでございまして、このうち東京都から愛知県の小牧に至ります間は、戦前中央道といたしまして、建設省において調査審議を進めたものと同様のものでございます。そこで中央道審議会の経過を御参考のために御報告申し上げます。 国土開発中央道というのは、かねて民間の田中清一氏の計画されたものでありまして、山梨、静岡、長野の山岳地帯を横断して東京−神戸間を結ぶ高速自動車道をいうものでございまして、この国土開発中央道事業法案としまして前国会に提案され、参議院においては審議未了、衆議院においては継続審議となったものでございます。建設省では、この国土開発中央道を審議するために昨年の六月国土開発中央道調査審議会を設けて検討いたしたのでございますが、その調査審議の経過を御報告申し上げます。 第一回の審議会は、昨年の六月三十日に開会いたされまして、このときには田中委員から、国土開発中央道の構想、計画の概要について説明がございまして、審議の方法として、まず技術的の可能性について、次に建設費について、その次に経済効果についてという順で検討をいたすことになりました。 第二回の審議会は七月六日に開かれましたが、この審議会におきましては、技術的な面におきまして全般的な検討が行われました。その一つは、田中委員がこの道路を計画する基礎といたしましたものは五万分の一、二万五千分の一及び二十万分の一の地形図と、五万分の一の模型地図をもとにしたのでありまして、その間にみずから踏査をされて計画されたものでありまして、縦断図等は作成されたものがないということがわかったのであります。第二は、山岳地帯において田中氏の計画されております道路は最小屈曲半径が百八十メートル、最急勾配を四%というふうにきめまして路線を選定されておりますが、これが果してその通りに取られておるかどうかは、五万分の一地形図程度では検討できないので、また建設省で作成した一万分の一の地形図でも——一部は一万分の一の地図がありますが、全体については一万分の一の地図がございませんので、これも利用できない。従って、全般的に線形工事費等の検討のためには、はなはだ資料が不十分であるということがわかったのであります。第三には、長大隧道についてでございます。田中氏の計画によりますと、九キロに及ぶ道路隧道があるわけでございますが、道路隧道として五キロ以上のものは、世界においても例がないようでございまして、その技術的な面が検討されなければならぬとされたわけでございますが、特にこの長大隧道の換気のことが問題になったのでございます。この換気については第三回の審議会で検討されたのでございますが、この第三回の審議会におきましては、特に道路隧道の専門家を呼びまして、その説明を求めたのでございます。そのときに明らかにされましたのは、交通量がこのトンネルの要路一ぱいになるというときに必要な換気の総馬力は二千馬力に達するということが明らかになったのであります。 第四回の審議会は七月二十二日に開かれたのでございますが、このときには、建設省で作成した一万分の一の地図で、田中さんの案を利用できる個所ができました。その個所は、神奈川県の千木良村から山梨県の大月町まででございますが、この間につきまして、一万分の一の地形図に、田中さんの案による道路中心線を入れまして、これによって概算の建設費を見積ってみたのでありますが、この結果がこの審議会に報告されたわけであります。この報告によりまして、建設省の見積りは田中さんの見積りよりも、相当の高額の費用が要ることが明らかになったのであります。このときに田中さんの御意見は、古い時代にやった数字であるから、これは検討されてしかるべきものであるということが明らかになったのでございます。 第五回の審議会は八月二日に開かれましたが、この審議会におきましては、千木良−大月間を基礎にいたしまして東京−神戸の全区間について、建設省において建設費を検討した結果が発表されまして、また田中委員からもこの区間の建設費の見積りが発表されたのであります。この結果、両者の間に約五百億円に近い差が出ることになったのでありますが、この原因について、第六回の審議会において検討されたのであります。 第六回の審議会は、八月十八日に開催されたのでありますが、田中委員の方で作成しました平面図、縦断図、土量計算書等に基いて千木良−大月、大月−中津川間の工事費の検討を行なったのでございます。建設省においては、総工事費千九百六十億ないし二千百億くらいと考えた旨を報告されたのでございますが、田中委員の方は総工費千四百四十三億ということでございまして、両者の意見の一致は見られなかったのでございます。結局、その当時持っておりました資料では、工事費についてこれ以上検討することは困難であるということになりまして、工事費の検討は一応それでとどめられることになりました。 第七回の審議会は、九月六日に開かれたのでございますが、このときには、建設省計画局において府県から出されました資料に基いて、中央道の経済効果について検討した結果について説明されたのであります。また田中委員からも、経済効果についての説明があったのでございます。両者の間には、相当の差がございまして、田中委員側において計算されたものが、全般的に大きな数字になっておったのでございまして、結論的に表わされた予想交通量について申しますと、建設省側においては初年度において三千台から五千五百台となっておるのに対しまして、田中委員の方においては、同じ区間について平均七千二百台と見積っておったのでございます。 第八回の審議会は九月二十日に開かれましたが、前回に説明のございました経済効果について、主として両者の間の差の原因が検討されたのでございます。結論としまして、田中委員は、この道路の目的は資源の開発、工場の誘致がそのおもなるもので、高速自動車道路ということだけで計画したものではないことを明らかにされたのでございます。経済効果の検討も、一応その審議会でとどめて、全線の一万分の一の地形図ができるまで審議会を休会することにきめられまして、第八回の審議会を終ったわけであります。現在はこの一万分の一の地形図を全線にわたって作りまして、これを田中委員の方に送付いたしまして、中央道の中心線を入れてもらうことになっておるわけでございます。 この中央道審議会を通じまして出ました意見は、賛否両論あるわけでございますが、賛成の意見は、日本の国土はきわめて狭小であり、新たな未開発地を開発しなければならない、そのためには山岳地帯の開発が第一に取り上げらるべきであり、その開発のためには高速自動車道路が必要であるということでありまして、反対の意見は、開発のための道路であれば、開発に必要な規格を持った道路にしたらどうであろうか、また開発する地点が、最も近い生産工場に行けるような線を選んで、その線を開発道路としてやるべきである、すなわち現在ある国道なり府県道なりから支線を出しまして、開発地域に道路を延ばしていくというやり方にした方がいいではないか。高速道路として考えるのであれば、採算のとれる経済的に利用できる地点にした方がよかろう、また高い山を通ることになりますと、気象条件も平地に比して条件が悪くなるから、利用する側についても、比較の問題でございますが、山岳を通る道路の方が利用価値が少いではないかというようなことが反対の意見でございました。 以上、簡単でありますが、国土開発中央道の審議についての経過を御報告申し上げた次第であります。
○内海委員長 中島さん、ちょうど運輸省の方から河野政務次官、岡本自動車局業務部長の二人がお見えになっておりますから、この際御質問がありましたらどうぞ。
○中島(巖)委員 ただいま道路局長より、中央道調査審議会の模様について御報告がありまして、これについていろいろとお尋ねいたしたいのでありますが、建設委員会にはたびたび局長もお見えになるので、後刻に譲りまして、本日は運輸省の政務次官並びに自動車局関係よりお見えになっておりますので、そちらの質問をいたすことにいたします。 すでに御承知と思いますけれども、昨日、国土開発縦貫自動車道建設法案というものが、議員の大多数でもって提出されたのであります。それで現在議会といたしましては、この法案はいずれの委員会にかけるかというようなことについて非常に物議をかもしておるわけであります。われわれ建設委員会といたしましては、道路のことであるから当然建設、委員会の所管である、それから運輸委員会といたしましては、道路運送法によるところの自動車道であるから当然運輸委員会にかかるべきものである、それからまた、これの準備の世話人会としては、実に日本の産業革命ともいうべき歴史的の大事業であるから、結局特別委員会を組織して、そして運輸、建設両省の技術を動員して超党派的にやるべきであるというように、意見がまちまちになっておるのであります。さてそこで、われわれは建設委員会といたしまして、絶えず建設省とは折衝しておりまして、建設省の言い分というものは十分にわかっておるわけであります。私も、最近になりまして道路運送法などを研究いたしてみますと、第三章におきまして、自動車は建設、運輸両大臣の共管である、そしてあとの管理は運輸省がすることだというようなことを、はっきりとうたってあるわけであります。ただし、法律にはそうありましても、実際面といたしまして、これが対策に当るところの技術であるとか、あるいは資金関係であるとかいうような、いろいろ多難な問題がここに当面するわけであります。従ってこれらの障害を克服していくには、いかなる形態の委員会を持つことがよろしいかということが、今われわれの当面しておる問題なのであります。そこで運輸省の立場から、たとえば高速自動車道に対するところの現在の世界の情勢であるとか、その性能であるとか、そして、なぜ運輸省の所管であるというような点につきまして、詳細に一つ御説明を願いたい。これは次官でありましても、あるいは政府委員であってもけっこうであります。詳細に、われわれの納得のできるような御説明をお願いしたい、かように考えております。
○河野(金)政府委員 詳しいことは、あとで自動車局の業務部長から答えさせますが、今度議題になっておりますこの問題は、道路とはいいながら、実に考え方によっては鉄道に匹敵するようなものでもありますし、これの建設のためには鉄橋だけではなく、隧道やら何かあると思います。これは私はほんとうに国家的見地から見て、一つのどの省とかなんとかいうような、そういうセクショナリズムにとらわれて考えておっては、こういう大事業はでき得ないと思うのであります。従って法文の上でどこになっておるとかどうとか、そういうこまかいことじゃなしに、ほんとうにこの道路を完成するという意味からいうならば、各省の持てる全知全能、全技術を総合しなければ完成のできない大きな問題であろうと思うのであります。従って、建設委員会でやるんだとか、あるいは運輸委員会でやるというような考え方でなしに、ほんとうにこの問題を完成するためには、むしろ大きな特別委員会を作ってなしていくべき問題じゃないだろうか。それを運輸委員会にまかせれば、おそらく建設委員会が——建設委員会というと語弊がありますが、建設省の方はおもしろくないだろうし、建設委員会にまかせれば、運輸省も法文の建前からいっておもしろくないような面も出てくるであろうと思います。従ってこういう問題は、一つそういう立場を離れて、もう少し大きい国土開発というような見地から考えるならば、特別の委員会を作って、各省の全知全能、全技術が総合的に集められるような力が出せるような形においてなしていかない限り、どちらの委員会の所管であるというようなことにこだわっておっては、この目的の完遂はできなかろうと思っております。法文の建前とか、運輸の事務当局が考えておること等については、業務部長から答えさせます。
○岡本政府委員 それでは事務的なこまかいことを申し上げます。自動車道事業と申しますのは、昭和八年に制定されました自動車交通事業法、すなわち現在の道路運送法の前身でございますが、自動車交通事業法以来自動車道及び自動車道事業というものが法律的に規制されておりまして、この自動車交通事業法が戦後道路運送法に改正されましたが、現在では、この道路運送法の第三章に、自動車道及び自動車道事業というものが載っております。そして第四章には、やはり国がこの自動車道及び自動車道事業を経営するということも予定しておりまして、その条文も載っておるわけでございます。この自動車道及び自動車道事業と申しますのは、建前といたしまして道路運送法に規制されておりますけれども、大体建設大臣と共管になっておりまして、その共管の内容を申し上げますと、自動車道事業の免許、工業施行の認可、工事の完成検査、事業計画の変更の認可、事業改善の命令等は、すべて運輸大臣及び建設大臣の共管事項でございまして、両者で協議の上処理しております。ただし、使用料金の認可でありますとか、供用約款の認可は運輸大臣の専管事項になっておるのでございます。 この自動車交通事業法は、自動車運送事業の法規制とあわせて自動車道及び自動海道事業の法規制をしております法律でございますが、実に昭和八年以来一貫して、自動車運送事業と自動車道事業を一つの法律の中に規制しております。 そのゆえんをいろいろ考えてみますと、自動車道というものは一般の道路と違いまして、ごく簡単に申し上げますと、鉄道の線路あるいは電磁の線路、こういったものと同じに考えたように私は推察しております。従いまして、自動車道というものは、自動車が専用にこれを使う道だ。自動車道路と言わずに自動電通と言っておりますのも、そこに道路と根本的な変りがあるのでありまして、従いまして、自動車交通事業法というような法律に一本できめたわけでございまして、それが道路運送法という形でずっと参っているわけであります。運輸省といたしましては、最近全国的に高速自動車道の建設熱が非常に高まって参りましたので、道路運送法の中に、今第三章、第四章として自動車道及び自動車道事業を規制しておりますが、もっと近代的なそういった高速度自動車道の建設熱に対応するように、これを単独法にいたしまして、もっと規模の雄大なものにすべきであるという考え方から、先般来自動車道法というものの要綱を起案しまして、これにつきましては、ここにお見えになっておりますところの建設省の富樫道路局長にも御相談申し上げまして、早くこれを単独法にしようではないかということを御相談申し上げております。そうして現にわれわれといたしましては、自動車道法の案につきましては、ある程度条文も整備しておりまして、国会にお諮りしたいと考えておりましたが、そのやさきに、今度国土開発縦貫自動車道建設法案というものが出て参ったような状況でございます。この建設法案によりますと、いずれ実施機関といたしまして、日本国有自動車道会社法案というものを御提出になるようでございますが、やはりよるべき法難といたしましては、こまかいことはすべて道路運送法の適用があるようにうたっておるのであります。従いまして、現在のところ、この国土開発縦貫自動車道建設法案とか、あるいは続いて提案されるような話を聞いております日本国有自動車道公社法案、すべてこれは一応道路運送法によっている、こういうことでございまして、われわれといたしましては、これを運輸委員会にかけるとか、あるいは建設委員会にかけるとか、そういったことは別といたしまして、ただ、ごく事務的に申し上げてみますと、以上のような経過になっております。 ここで参考までに申し上げておきたいのは、自動車道と道路の相違でございます。先ほど申し上げましたように、自動車道というものは、自動車専用の線路で、鉄道の線路と同じような考え方で参っているということを申し上げたのですが、これは構造上の相違からみましても、はっきりしておるのでございまして、自動車道は、道路と比べまして、まず自動車の専用であるということ、それから自動車道上の自動車交通は、ノンストップ、ノンクロスが原則でございます。それから自動車道上の自動車の運行速度というものは、大体毎時百数十キロを予想しております。これは今の道路運送法に基きます自動車道の構造、設備規則でもってはっきり書いております。またこまかく申し上げますと、曲線半径、最急勾配、幅員、予定しておる時速、そういったものは全部違うのでありまして、こういった点から申しましても自動車道の性格をよくおわかりになっていただくことと考えております。 諸外国におきましての状況をお尋ねでございましたけれども、これはもうすでに御承知のように、欧州各国でも、高速自動車道の建設が相当進んでおります。特に有名なのは、御承知のようなドイツのナチ政権が作りましたライヒス・オートバーンでありまして、これは理想的な自動車道を作っております。アメリカも、御承知のように自動車専用の高速自動車道の建設をどんどん進めております。詳しいことは私も存じませんが、そういう状況になっておるようでございます。 それから、もう一つ申し上げておきたいのは、自動車道と申しますのは、先ほど政務次官が申し上げましたように、こういった大規模な高速自動車道というものが建設されるならば、これは陸上の交通体系のまさに画期的な変革でございまして、鉄道以上のもっと性能のいい交通機関が新しく設定される、こういうことでございますので、われわれ運輸省といたしましては、鉄道網あるいはその他の交通機関というものと一貫的に、総合的に、理想的な交通体系というものを形成するように持っていっていただきたい。こういうふうな考え方も持っておるわけでありまして、運輸省といたしましても交通政策の見地からも重大な関心を持っておるわけでございます。
○内海委員長 今日は、私のねらいは、今日の委員会でもって建設、運輸、経審の各主管大臣に御出席願って、そうしてこの問題に対する基本的な方針なり政策を聞きたいというのが、本委員会のいわば理事会における申し合せであったのでありまして、事務的な問題を聞かんとしたのではございませんから、どうぞそのお含みをもって、今日の質疑はこの程度といたしまして、今日は聞いておくという程度にいたして、あらためて次会において質疑を続行していただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。 よって、次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会