決算委員会 第32号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/07/30
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 本日は昭和二十八年度決算中、政府関係機関のうち、日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社、及び農林漁業金融公庫関係について審査を進めます。 まず日本専売公社関係について審査に入ります。それでは昭和二十八年度決算検査報告三二五ページより三三一ページに至る報告番号二二〇六ないし二二〇九を一括議題とし、会計検査院当局より説明を求めます。大沢説明員。
○大沢会計検査院説明員 日本専売公社の検査報告の不当事項として掲げてあります三二八ページ二二〇六号から御説明を申し上げます。二二〇六号に書いてありますのは、千葉県の農業協同組合に対する補助でありますが、結論から申しますれば、出来高不足の工事をなしておったのをそのまま検査しまして、正当にできたとしまして補助金の精算を了してしまった。われわれが行ってみましたところが、出来高不足の点がありまして、総額にしまして約百四十五万円の工事費が不足している。補助金にしますと、七十二万円程度のものが過大交付になっていたという事態でありまして、その後この過大交付分につきましては公社側において回収措置を講じておられるというように承知しております。 次の二二〇七号の分も同じく塩田の改良事業に対する補助でありますが、これは出来高不足というような問題ではありませんので、事業費の中に在来塩田であった地盤を組合が購入するという経費までも含めている。しかしながら在来塩田であったものを購入しても、そのこと自体によって改良の実が上るわけではないのでありますから、この購入費相当額だけは事業費から控除して補助金額を査定すべきではないか、こういう会計検査院の主張であります。本件につきましてはその後公社におかれまして、本件の場合は過去のものでありますが、将来の問題としまして、そうしたものは考慮するというような回答を受けております。 次に二二〇八号と二二〇九号に掲げてありますのは不正行為でありまして、二二〇八号の方は青森支局で製造たばこを保管しておった人間がほしいままにこれを売りまして、その代金を横領した。これがしばらくわかり得ませんでしたのは、在庫調査を行なっているのでありますが、その不正行為を行なった当人を補助者として在庫調査を行なったために、当人が在庫しているかのごとく報告しまして、そのために約一年半この不正行為が判明しなかった、こういう事態であります。 次の二二〇九号は大阪の近所の橋本の工場におきまして、これは職員が相当大ぜいが結託しまして、あるいは単独で、いろいろな方途を講じまして、あるいは資金を横領したりあるいは物品をほしいままに売却したりした事態でありまして、これは二十四年の十月から二十八年八月までという約四カ年にわたる行為でありまして、はなはだ長期間にこうしたことが行なわれたのは遺憾のきわみと存じます。会計検査院におきましては二十五年の最初に参ったのでありますが、そのときにもしも発見しておればこうした長い間の事故が未然にというか、相当前に防止し得たであろうと思っておりますが、そのときに発見し得なかったことはわれわれとしてもはなはだ残念に思っております。内部監査におきまして四年間こうしたことが発見できなかったことは、もう少し内部監査の徹底を期する必要があるのではないかというように感ずる次第であります。 以上簡単に不当事項として掲げてあることの説明を申し上げました。
○上林委員長 ただいまの会計検査院当局の説明に対し、日本専売公社当局において補足説明があればこれを許します。
○内藤説明員 ただいまのお話のありました四件のうち一番初めの二二〇六号、この問題につきましては会計検査院の御指摘の通りでありまして、過大交付になった結果になっております。まことに遺憾でございますが、これにつきましては、過大交付になりました分を返還を命じまして、すでに全額回収済みになっております。なお今後は指導監督あるいは検査というふうなことを厳重にいたしまして、かかることのないようにいたしたいと存じます。 それから次の二二〇七号、これは在来あった塩田を補助の対象にしたではないかというお話でありますが、当時この問題になっておりました塩田は非常に能率の悪い塩田でありまして、ほかの方に売れそうだという話もありましたし、さらにこの補助金の対象になりました事業は、流下式塩田といいまして従来の入浜式塩田とは違った新らしい方式の塩田でありまして、現在ではだいぶ各地で普及されておりますが、これをやります当時におきましてはまだ新らしい方式でありまして、公社としてどうしてもこれを補助してモデル塩田をこしらえる必要があるということで、製塩施設法の趣旨にかんがみましても、古い方の塩田を買収した上、流下式のモデル塩田を築造するための改良工事をやったわけであります。従いましてこういうふうな事情と相待ちまして、製塩施設法の規定もありますので、塩田の買収費を補助対象として採択したものであります。しかしながら塩田の買収ということを補助対象にいたしますことは、補助金の使用効率を悪くするという点で好ましくないと考えましたので、今後はこういう方式を認めないということで二十八年の六月に各地方局あてに通牒を出しまして方針を改めております。 それから次の二件はいずれも職員の不正行為でありまして、これはまことに遺憾でございまして、この種の事故につきましてはいろいろ手を打ってきておるのでありますが、件数としては毎年減ってきつつありますが、質が悪くなりまして、なかなか発見が困難であるというふうな点で、この発見が二件とも比較的おくれておりまして、金額が多くなるという結果になったのであります。なお内部監査の強化につきましては、ことにあとの方の件の橋本工場でありますが、この工場につきましては新らしい制度による監査を行いまして、親工場であります高槻の工場から監査をやるぞということになりました場合に、この係の者が多数結託してやっておったのでありますが、それらの者があわて出しまして事件の発覚の発端になったというふうなことで、内部監査の強化ということによりまして相当程度防げる面もあるかと思いますので、今後ともそれらの点につきましては、指導監督と同時に監査の強化ということによりまして、絶滅を期するということに努力を続けたいと思うのであります。 以上簡単でありますが、公社側の意見といたします。
○上林委員長 以上をもって日本専売公社関係の説明は終りました。本日は質疑はしないことになっておりますので、御退席なさってよろしゅうございます。 —————————————
○上林委員長 次に日本電信電話公社関係について審査に入ります。 それでは昭和二十八年度決算検査報告三六〇ぺ−ジより三七二ページに至る報告番号二二二五ないし二二三一を一括議題とし、会計検査院当局より説明を求めます。大沢説明員。
○大沢会計検査院説明員 三六五ぺ−ジ以降に掲げてあります不当事項につきまして御説明申し上げます。 二二二五号の工事の計画当を得ないものといいますのは、東京の大崎の電話局でいわゆる代表番号制度、つまりたとえば千一番を回せば千十番までの同じ人間が加入しておれば、どれでも空いたところにキャッチできるというような代表番号の工事を行なったのでありますが、この計画当時においては、大崎電話局においてはまだ相当端子の余裕がありましたので、こうした代表番号で工事をやるということも一応いい方法であったと思いますが、その後この大崎電話局の加入者がどんどんふえまして、工事を完了するころになりますと電話局の端子が加入者で一ぱいになってしまって、せっかく代表番号制度をとってもその代表番号を動かすためには、今までの加入者のある程度の人に番号の変更をお願いしたりしなければならぬことになりまして、実際問題としてはそれが困難でありますので、せっかく作った代表番号の工事がそのまま役に立たず遊休化している。これは工事を設計されたころの事情と、その後の施工状況というのを絶えずにらみ合しておられるならば、こうした代表番号工事というものが、ここでは無理だということが相当早期にわかったのではないかと思われる次第でありまして、このために約五百九十万円くらいの工事費が、そのままある意味で死金になったというような状態であります。 次の二二二六号の工事命令の発令が遅延したため不経済な結果となったものといいますのは、御承知のように千代田の電話局が新しくできまして、そのために日本橋の電話局にあった線をある程度千代田の方に移した。そのために日本橋の電話局に空きができましたので、これに加入者を集めようという工事をしたのでありますが、これが工事の発令過程におきまして、当時の公社の内部機構のいろいろな変遷がありましたために、発令の個所が事務の渋滞を来たしまして、工事が遷延して、そして工事発令がようよう行われましたうちで、なお一部の工事が未発令になっておるというような手違いがありましたために、だんだん工事がおくれて当初の予定よりも約七カ月間この新増設の工事がおくれた、こういった事態でありますので、もしも計画をはっきりして千代田へ移す、同時に日本橋の方へ新増設で埋めるという方法で順調にいきますれば、相当額の収益がその場合にあったのじゃなかろうか、これは推測でありますが、七カ月の遅延によって約六千万円くらいの収益減になるのではないかと思われる次第でありまして、発令手続が公社内部の機構改正の結果とはいえ、非常に遅延したことは遺憾である、こりいう事態であります。 次に二二二七号の工事が跛行し新局舎を遊休させているものといいますのは、佐賀県の鳥栖の電報電話局を新しく作ったのであります。これは従来の局舎が老朽しているからというので、新しく鉄筋コンクリートの建物を作ったのでありますが、この場合に、中にどういう電話交換機を入れるかということに対してまだはっきりした決定がなかった。従来は磁石式の最も旧式なものであったのでありますが、これを共電式にするのか、あるいは完全な自動交換にするのかということが決定してなかった。そこで決定してから工事に着手すれば最も経済的に施工できたと思うのでありますが、建物が直ちにできてしまった、しかも建物はそういうわけで中へどういう交換方式を入れるかはっきりしてなかったので、自動交換でも収容できる、共電式でももちろん収容できるというような——自動交換だと比較的局舎が大きくなるわけでありますが、そうした建物を作ってしまった。ところがまだ内部にどういう交換設備を置くか決定してないために、たしか現在においてもまだ遊休しておるという状態でありまして、工事の跛行はなはだしいものがあると考える次第であります。 次の二二二八号の再用可能の電動発電機を売り渡したものといいますのは、電話局の能力を増すために従来神戸の葺合分局にありました発電機を撤去したのであります。ところがこの撤去した発電機はまだ使えるものなのでありますが、これをもう使えないものとしましてスクラップとして売ってしまったというために、当初の金で約百四十万円ぐらいするものを十二万円ぐらいのスクラップの値段で売ってしまった。この際これが再用できるかどうかを十分技術認定をして、再用し得るとすればほかに再用したらよかったではないか、こう考えるのであります。 次に二二二九号の借上機械についての解約が遅れむだな賃借料を支払ったものといいますのは、この公社の経営調査室というところで、いろいろ統計その他のために統計機を借りて仕事をされておったわけであります。当初はレミントンランドの統計機械を借りてそれを使用しておったところが、このレミントンランドの方はやや能率が落ちて、I・B・M——インターナショナル・ビジネス・マシーン、あの統計機の方が非常に性能がいいので、I・B・Mの統計機械を借り入れてその方を使用するということに切りかえたわけでありますが、その場合にI・B・Mの方を借り入れながらレミントンランドの方の解約がおくれておった。いろいろ事務の手違いでありましょうが、この解約がおくれておったために、いわばその間むだな借り入れ料を払っておった。これが当初からすっきりとI・B・Mを借りてレミントンランドを解約するという方法をとれば、大体一年分ぐらいは早く解約できたのではないか。すると二百二十万円ぐらいはむだの借り入れ料を支払ったのではないかと考えられる次第であります。 次の二二三〇号は習志野電報電話局と室蘭の電気通信部の駐在所と両方における不正行為でありまして、習志野の方は電話料の横領であります。そうして室蘭の駐在所の方は架空の経理をやった。金額はあまり大きな問題ではありませんですが、こうした事態が出たのは遺憾な次第と存じます。 最後の二二三一号の電気通信施設記録図の補正をしなかったためその用をなさなかったものといいますのは、これは古いことでありますが、二十五年度ころ、当時の軍司令部の方の要請などがありまして、電気通信施設記録図というものを相当たくさん作ったわけであります。これはつまり机上におきましてどういう施設になっておるかということが一覧でわかって、そうしてその後の設計なりをする場合に、その図面によって設計ができるというようなものを作れということで、二十五年度から二十七年度にかけまして約一億の金を費しましてこの記録図を相当の枚数作成したのでありますが、その後絶えずどんどん施設が変化しておる間の変化の過程を全部修正していかなければ役に立たないのを、その変化の修正を怠っておったというような事情から、せっかく作ったものがほとんど役に立たなくなってしまったというわけで、全部で約三十三万枚作ったのでありますが、そのうち四万枚はすでに廃棄してしまった。その他の一部は焼けたものがありますが、約二十八万枚保管しておるのでありますが、そのうち役に立つといいましても参考程度で、実際のものには役に立たなくなったという次第でございまして、はなはだ仕事として遺憾であったと思うのであります。なおこれに対しましてはあらためて公社の方でもう少し簡単で、しかも有効な図面を新しく作ろうという御計画で、二十八年度から着手されているような次第であります。 以上簡単でありますが説明いたしました。
○上林委員長 ただいまの説明に対して日本電信電話公社当局において補足説明があればこれを許します。梶井総裁。
○梶井説明員 ただいま私ども日本電信電話公社の二十八年度決算報告に関連いたしまして会計検査院から厳重な批難を受けました問題は、不当事項が六件並びに不正事件が二件でございまして、この御批難に対しましては私どもはまことに検査院の御指摘の通りでありまして、遺憾しごくに存じておる次第であります。 二十八年度におきましては電信電話料金の値上げにつきまして国会の御承認を得ました。その際に国会の御注意といたしましては、この料金値上げによって得た収益をもつぱら事業の改善に使わなければならないという御趣旨でありまして、その御趣旨に沿うように私どもは極力努力をいたして参りました。やや業務成績の向上を見たのでありますけれども、まだまだ事業全般にわたりましては改善合理化を推進しなければならないと痛感しておる次第であります。 まず建設工事について申し上げますと、二十八年度は従来の二十五年度、六年度、七年度末におきまして会計検査院から国会に強く御報告がありましたところの仕越しの過大であるということにつきましては、二十八年度において相当改善を見ることができました。仕事をやります上におきまして十分計画を早期に樹立し、物品の手配を早くいたしまして、年度内に建設工事を全部完了するようにということで努力いたしたのでありまして、その結果建設勘定というものは大体において毎月平均に支出することができました。またそれによって生じたところの繰り越しも非常に少くなりました。しかし個々の建設工事のやり方につきましては、まだまだ今御指摘のありました通りに不当事項がございまして、改善すべきものが多々あるとわれわれは承知しております。私どもの事業といたしましては、もちろんサービスすなわち業務の運営ということにも重点を置かなければならぬのでありますけれども、年々歳々多額の金額をもって建設工事を進めて参っておるのでありますから、その建設工事の経済化、能率化ということにつきましては極力力をいたさなければならないのであります。従ってただいま御指摘のありましたような事項は多くは建設工事に伴うものでありまして、その根本の原因といたしましては、計画が非常に粗漏である。でありますから計画そのものを長期にわたって十分検討して合理的に計画を進めなければならないということを痛感いたしておりまして、近く機構を改正いたしまして長期計画を樹立するところの計画局というものを作りたいと考えておる次第であります。また五カ年計画につきましては、三十年度がちょうど三年目に当るのでありますが、最近の状況からいたしますと大体初期の成果をあげております。しかし何分にも資金調達は初期の通りに参っておりませんので、基礎設備等は幾分繰り延べをせざるを得ない状態になっております。しかし加入者の開通、回線の増設等サービスの向上に直接関係するものにつきましては所期以上の成果をあげておると信じておるのであります。また資材そのものにつきましても非常に過大に持っておるということをしばしば御指摘をいただいたのでありますが、その後極力資材を圧縮するように努力いたしまして、最近におきましては公社の発足当時に比較いたしまして、在庫量は約半分に近くなって回転率の向上を期しておるわけであります。そういうような点につきましては会計検査院からも多少おほめの言葉をいただいておるのでありますが、しかし今後ともわれわれは資材の運営ということにつきましては相当大きな資材を年々買うのでありますから、これは有効適切に使うということについて十分の注意を払わなければならぬと考えておる次第であります。 不当事項のことにつきましてはその根本原因は多くは工事の実施が跛行しておる、つまり事務的連絡が不十分であるためにお互いの工事が連絡が十分緊密にいっておらぬ、またお互いの協調が不徹底であるということによって幾多の事故を起したとわれわれは考えております。また場合によっては不注意によりまして不当な仕事をやったということもあるのであります。これらのことにかんがみまして、私は今後絶対にこういうことのなくなるように極力努力いたしたいと考えておる次第であります。そのためにはかような不当工事を起しました際にはその責任者を十分処罰し、かつその不当工事につきましては部内全体に周知宣伝いたしまして、他の機会においてかかることの起きないように従業員全般に対して注意を促しております。また不正工事につきましては昨今よほど件数は少くなって参りました。しかしまだ御指摘の通り二件ございます。これらにつきましては迅速に処分を行いましてその原因を探究して今後かような事態を起さないように、一層綱紀の振粛をはかりたいと考えておる次第であります。
○上林委員長 日本電信電話公社関係についての説明は終りました。 —————————————
○上林委員長 次に日本国有鉄道関係について審査に入ります。それでは昭和二十八年度決算検査報告三三一ページより三五九ページに至る報告番号二二一〇ないし二二二四を一括議題といたし、会計検査院当局より説明を求めます。大沢説明員。
○大沢会計検査院説明員 日本国有鉄道の分の不当事項として掲げました三三七ページ以降の分だけ御説明を申し上げます。三三七ページの二二一〇号は東京の関東地方資材部におきまして職員の橋本というのがほとんど一人で支払い関係の書類の作成とかいうことを担当しておった、一人にまかされておったのを奇貨としまして、書類を偽造したりまたは変造したりしまして架空な支払いを立てまして、総額——これは検査報告には三百四十一万三千円と書いてありますが、その後念査しましたところが、そのうち一部は入っておりましたのがありまして、この金額が二百九十万円程度になりますが、約三百万円という金をほしいままに領得してしまった、こういう事態でありまして、結局ほとんど一人が仕事をやっておったところに大きな原因があるのではないか、これは会計検査院で検査しましたときに、帳簿などが鉛筆書きで書いてあったので非常に不備があるので、それから端緒を得て調べた結果発見し得た問題でありますが、その後監査局、資材部の協力を得まして詳細な調査をしました結果がこの金額になった次第であります。はなはだ遺憾な事態であると存じます。本件につきましては関係者はそれぞれあるいは懲戒免職になったりその他ありまして、三百万円程度の金額はその当人がその後自己の財産処分等によって国鉄の方へ返納しておるという事態であります。 次の二二一一号、これは工事を施行します場合にその埋め土には石炭がらを使うという契約をしておるわけでありまして、この石炭がらのことはあとの方にもう一度出てきますが、これは所要の場所に請負業者が取り捨てることになっておりますが、これを使う場合にはむしろ無償でこれだけの石炭がらをそこへ持っていけということを業者に指定しまして、そこでそれを取り捨てれば、この石炭がらの代価というものは無償でいいはずでありますが、本件の予定価格を組む場合には、この石炭がらが立米約百円するということで、予定価格を組んで工事を請け負わしたのであります。そうして工事の請負業者は石炭がらを取り捨てている会社の方からこの石炭がらを買いまして工事を竣工したということになっておりますが、当初の契約に当りまして、この石炭がらを無償で渡すから、それだけを埋め立てろということにすれば約百万円くらいは減額できたのではないかというように考える次第であります。 次の二二一二号の工事実施時期がおくれたために不経済になったといいますのは、名古屋のそばの枇杷島駅の構内で御承知の電化工事がどんどん進みまして、この電化設備をやったわけでありますが、電化設備をやった直後に、そこの部分の列車の軌道が急カーブ過ぎるから、このカーブを変更しなければならぬということで、カーブ変更工事をしたわけであります。そのためにせっかく直前に取りつけたトロリー線その他の、いわゆる電化工事に必要な工事がまたすぐ移設撤去しなければならなくなりまして、約百万円不経済になった、こういう事態でありまして、このカーブが非常に急だから変更しなければならぬということは、前前から名古屋の鉄道管理局の方で本庁の方に施行方を要求しておった次第でありますから、電化工事のとき一緒にすればこういう手戻りはなかったのではないか。百万円くらいの経費は節減できたのではないかと考えられる次第であります。 次の二二一三号の工事の監督当を得なかったため発生したずりを河川に捨てたものといいますのは、長野県の大町から新潟の方へ抜けます例の大糸線の工事の一部でトンネルを掘る場合に出てきたズリを姫川という川のそばへ捨てるのでありますが、この川に捨てることは河川法その他で禁ぜられておりますので、現場説明におきましては、そこへある程度の障壁を設けまして、そうして川の中へ落ちないように捨てるということを説明しまして、この部分のそうした仮設的な工事費を予定価格に組んで請負に出したわけでありますが、監督が十分でなかったために、その土砂が川の中へ捨てられたというような結果になった次第でありまして、監督が不十分であったと考えられるわけであります。 次の二二一四号の電車線用張力自働調整装置新設工事が高いといいますのは、名古屋の電気工事事務所でやはりこれも浜松以西の電化工事に伴いましてやった工事でありますが、この自働調整装置という一つの滑車で電線の張り方を調整する工事でありますが、これの予定価格を作る場合に、この滑車の重量というものを図面で計算したところが、予定価格における重量の計算に相当誤まりがあった。それとそれに必要な労務費、どれくらいの労務費がかかるかということも、多少歩がかりが甘過ぎたというような点で予定価格が相当水増しの予定価格ではなかったかと考えられる次第でありまして、そのためにもしも予定価格が適正であれば相当額が節減できたのではないかと考えられる次第であります。検査報告には約七百四十万円ほど節約できたのではないかと一応仮の計算をいたしたのでありますが、これはちょっと検査院の計算も酷に過ぎるかと思います。しかしいろいろ考えても五百万円程度は節減できたのではないかと考えられる次第であります。 次の二二一五に掲げてありますのは、軽便軌条を貸し付けましたところが、相手方がこれをほしいままに処分してしまって、行く先がわからなくなった、こういうのが青函鉄道管理局と岐阜の工事事務所にあるわけでありまして、こうした貸付先の監督といいますか、監視といいますか、そうしたことが十分でなかった結果と思われる次第であります。 次は二二一六号、腕木を高価に購入したといいますのは、仙台の東北地方資材部で購入したものが関東、東京あるいは新潟の地方資材部で購入した腕木に比べまして非常に高くついておる、その原因を探究してみますと、腕木の材料たる木材の歩どまり、資材歩どまりというものを少し少く見過ぎたのじゃないか。それから加工賃もほかのところから比べると多く見過ぎているのではないかというような点で相当高くなっていると考えられる次第であります。検査院が一応他の関東、新潟で購入したものと比べますと、三百七十万円ほどは高価になっておると考えられる次第であります。なお本件につきましては、その後東北地方資材部で鋭意研究しまして、二十九年度などの契約におきましては相当減額しておるということを最近の検査によって報告を受けております。 次に二二一七号、高価なふとんカバーを購入したものとありますのは、金沢の資材事務所で年度末になりまして、ふとんのカバーを買うという場合に、おそらく年度末に差し迫って予算消化ということが念頭にあったのではないかと思われますが、いわば市場にある輸出品の生地を買うというような方法をとったために、普通カバーとしてならばもっと安くていいと思われるものを、高価な高規格のものを買ったというように考えられる次第であります。普通のものを買っていれば約百万円くらいは節滅できたのではないかと考えられる次第であります。 次に二二一八号、石炭の荷役契約に当り処置当を得ないものというのが相当長く書いてありますが、これは国有鉄道が各港々に所要の国有鉄道自家用の石炭の船積みあるいは陸揚げ、こうした作業を請け負わせるに当りまして、全国を一つの契約としまして競争入札をするわけであります。全国を一単位とする関係上、こうした全国の港々に網を張っておるという業者はきわめて限定されるということになりまして、結局は日本海陸運輸株式会社が従来からほとんど単独で請け負ってきておるわけであります。その契約内容を見ますと、いろいろの点におきまして、予定価格を立てる場合にもう少し考慮して引き下げる余地があったではないかと思われますのが三四八ページ以下1、2、3でありまして、1は国鉄の川崎埠頭の陸揚げ荷役料でありますが、これは国鉄の機械を使って荷役しておるわけでありますが、その場合に荷役料の算定に、普通の荷役料といいますのは、船内荷役料と沿岸荷役料を加えて、それから機械による割引が約一五%程度割引ということで算定しておるのでありますが、隣の三井川崎の埠頭におきますと、機械でやっているために非常に安い一貫作業の機械料金というものを、これは運輸省に一々申請届出の料金でありますが、一貫した機械荷役による作業料金というものをきめている。だから国鉄川崎におきましても一貫した機械荷役という作業料金を交渉してやればもっと安くこの作業料金が決定し得たのではないか、予定価格をそういうようにして契約し得たのではないか、こう考えられる次第であります。こうした機械荷役でやると、これは仮定数学でありますから、はっきりした数字は出ませんですが、約一千万円ぐらいの安い契約ができたのではないかと思われる次第であります。 次の2に書いてありますのは、今引例しました三井川崎の埠頭のやはり陸揚げの作業でありますが、これは全扱い量の約七〇%というものは夜間荷役をするということで、夜間荷役は割増しがあるのでありますが、その割増し料金を加算しての予定価格を作っておるわけであります。しかしながらこの夜間荷役といいますのは、荷主が特に夜間作業をしてくれというような請求でもあって、夜間荷役をするのならば、夜間荷役料の割増しということも考えられるのでありますが、鉄道としては特に夜間荷役をそう急いでしてもらう必要もないのであります。相手方の会社が自分のいろいろな都合で夜間荷役をすることは別といたしまして、予定価格を作る場合に、こうした七〇%の膨大な金額を夜間荷役をするということで予定価格を作ることは妥当ではないんじゃないか。また埠頭におきまして、二三%程度のものは一応はしけ取りをするというような予定価格を作っておりますが、実績から見ますると、そうした膨大なはしけ取りの数量はないのでありまして、約七%程度しかはしけ取りで作業しておるのはないという状態でありまして、彼此総合しましてこうした点を是正しますれば、これも契約価格におきましては約七十方円くらいは節約できたのではないかと考えられる次第であります。 次に九州の西戸崎におきまして、これは国鉄の志免の炭鉱から出ました石炭を船積みする作業料金でありますが、これは全部中塊炭が出てくるということで、一応中塊炭の料金で予定価格を作っておるのでありますが、国鉄の志免の鉱業所の石炭というのは非常に粉炭が多くありまして、三十八年度の実績を見ましても、約四割というものは粉炭、だけで出てきておるというような状態でありますので、全部を中塊炭で計算するということなく、粉炭と中塊炭との比率を過去の実績あるいは出炭の状況等から見まして、加味して予定価格を作ったとすれば、相当節減できたのではないか、われわれの計算だと約五百八十万円くらい節減できたのではないかと考えられる次第であります。 以上三カ所、特に荷役量の多いところを検討しました結果、これだけが出たのでありますが、その他の場所を相当見ましても、特にここは非常に安くできておると思われるところもないので、もう少しこの予定価格の積算においては検討を、要するのではないか。今まで申しましたことを要約して三五〇ページに書いありますが、夜間荷役の割増しというものをあまり大きく見過ぎていはしないか、これはこの三カ所だけでなく、全般についての問題であります。それから機械のある場合の機械契約というものに対する料金は、もう少し低い価格で決定し得るのではないかというような点が考えられる次第であります。 次に二二一九号、石炭がらの処理当を得ないものと書いてありますのは、東京の鉄道管理局の石炭がらの処理、これは潤生会という会社と交通工業株式会社、この二つの会社に請け負わせておるのでありますが、その予定価格の積算の内容を見ますると、全体の取り捨て数量のうちの二五%程度が立米当り六十円くらいで売却し得るものだ、こういうような計算をとりまして、いわゆる積み込み、積み下しの経費、それからそうした有価で処分し得るものを差し引いて予定価格を作っておるのでありますが、実情を見ますると、東京の近郊におきまして、この両会社が各機関区等から発生した、石炭がらを取り捨てる場合に、これはほとんど全部他に売却処分をしておるわけであります。さきに千葉の工事につきましても、請負業者がこの分から買っているということを申し上げましたが、そのほかにもほとんど大部分需要者がこの両請負業者から購入しておる。そのためにこの両請負業者は特に石炭がら取り捨ての場所なんか持っていない状況でありますので、むしろ全部売却処分ができるということで予定価格を組むべきではなかったか、こういうように考えられる次第でありまして、もしもそういうように予定価格を組みますれば、約三百二十万円くらいは低価に契約できたのではないかと考えられる次第であります。この点につきましてその後相当考究されて、二十九年度の契約におきましては、相当是正されてきておるように拝見しております。なお詳しいことは二十九年度の検討としてゆだねられております。 なおこの石炭がらの取り捨てに関連して、各駅の現状を見ますると、三五三ページの半ば以降に書いてありますように、各駅がいわば請負業者にまかせ切っておるような感じがするのであります。そのために当然駅長あるいは保線区長が発行しなければならない書類が請負業者の力にあったり、あるいは保線区長なり駅長が受け取るべきものを請負人がそれを受け取って、ほかに処分しているという例が相当あります。こうした点におきまして保線区、駅に対する監督、請負業者に対する監督をさらに徹底する必要があるのではないかと考えられる次第であります。 なお二二二〇号に掲げましたものは、同じく石炭がらの問題でありますが、これは和歌山県の水害の応急工事に送った石炭がらを、契約におきましては、積み込みから積み下しまで請け負わしておるわけでありますが、実際はその積み込みの仕事は、ほとんど機関区などの鉄道職員が機械で積み込んでやっている、取り下しの方は請負業者が取り下しているという状況でありまして、こうした場合の予定価格を作る場合には、これだけのものは鉄道自身が積み込み得るという計画でもって予定価格を作ってやれば、相当減額できたのではないかというように考えられる次第であります。 二二二一号は、兵庫県の高砂工場でありますが、ここの倉庫の荷役の実態、料金の支払い状況を見ますと、はいがえ、つまり倉庫の中の積みかえの作業料金として払っておる。この作業の量から見ますると、非常にはいがえを多くやったような計算になるわけでありまして、ここに書いてありますように、はなはだしいものになりますと、全量を三十五回も月間に積みかえているというような計算ではいがえの料金を支払っておるわけであります。これはあまりひどいじゃないかというので、調べますと、結局工場側の言い分としましては、ほかの作業も全部はいがえということで支払ってしまったことのために、こういうことになったんだということを申しておるのでありますが、どういう作業をやったかということは、作業日誌その他がないので、確認することができないのであります。おそらくほかにも作業はあり得るので、作業に使ったろうと思うのであります。こうした事実に合致しない経理ははなはだ遺憾であると存ずる次第であります。 二二二二号、二二二三号は、職員がレールくずその他のものを持ち出して、処分してしまったという事態でありまして、金額はさほど大きくありませんが、きわめて遺憾な事態だと存じます。 最後の二二二四号の機関車直通運転契約を改訂しないで不利となっておるものといいますのは、例の厚木の飛行場に当時いろいろな土工材料などを搬入する必要があったのですが、相模鉄道は電車線でありまして、その鉄道の機関車では牽引力が少いというので、国鉄の機関車で牽引して直通して持っていくというので、機関車直通運転契約というものを結んできたわけであります。それで工事盛んな当時はどんどんやっておったのでありますが、その後この飛行場工事も完了しましたために、最近機関車で直通して持ってくるものはほとんどない。しかし機関車はまだ相模鉄道の方へ貸与するために、毎朝茅ケ崎の機関庫を出て、厚木まで独走して、あとは相模鉄道の方の仕事をやっておるというような状態であります。もう直通運転の必要はほとんどなくなった。むしろこうなれば、機関車そのものを相模鉄道に貸与する——向うが必要ならばの問題でありますが、必要ならば貸与すればいい。そうすれば国鉄内部の機関車の貸与の料金、そうしたもので計算しましても、直通運転による収入に比べまして約九十四万円ほど、の収入の増加になる、こういうように考える次第でありまして、本直通運転契約をいつまでもやっておったのはきわめて遺憾であると存じます。 なお本件はその後貸与契約に改めてわれわれの所見通りに改正されたと記憶しております。
○上林委員長 この際会計検査院当局の説明に対し、天坊副総裁から発言を求められております。これを許します。天坊副総裁。
○天坊説明員 一言おわびを申し上げたいと存じます。 御承知の通り国鉄といたしましては年額ほとんど一千億に近い資材を購入いたしまして、また五百億近い工事を施行いたしております。特にいろいろそうした点についての問題が起る可能性もございますので、いろいろ営業局内におきます監査課あるいは総裁直属の監察役という機構も設けまして、それぞれ関係の事務処理に当っております者を督励いたしまして一生懸命間違いのないように督励いたしておるのでございますが、なおただいま会計検査院の御指摘を受けましたような事態が相当ある、これはまことに遺憾でかつ申しわけない次第に存じておるわけでございます。今後さらに十分気をつけまして遺憾のないように努力をいたしたいと存じております。御指摘になりました中で、責任者というような君につきましては、できるだけ遅滞なく処分をやっておるつもりでございます。そのほかまた制度関係その他の欠陥と申しますか、そういうようなことから起ってくるというような問題もないわけではございませんので、こうしたものについてもそれぞれ善処の措置を講じて参っておるわけでございます。何分非常にたくさんの現場機関その他を持っておりますので、なおいろいろ御指摘を受けたようなことのないように、今後ともぜび何とかこれに全力を注いで参りたいと思います。御了承を願いたいと思います。 なお具体的な事項につきまして二、三営業局長から御説明を申し上げたい、かように考えます。
○上林委員長 それは質問のときでいいと思います。これにて日本国有鉄道についての説明ば終了いたしました。 —————————————
○上林委員長 次に農林漁業金融公庫関係について審査に入ります。 それでは昭和二十八年度決算検査報告、三七二ページより三七七ぺ−ジに至る報告番号二二三二を議題とし、会計検査院当局より説明を求めます。大沢説明員。
○大沢会計検査院説明員 この農林漁業金融公庫は御承知のように農林漁業資金融通特別会計が二十七年度で終りまして、その業務を引き次いで二十八年度から発足した公庫であります。そうしてこの特別会計につきまして二十七年度の検査報告で同じような事態を掲げてありますが、その後ある一部においては改善されたが、まだ改善されてないというような事態がありますので、二十八年度におきまして二二三二号で検査の結果の概要を述べた次第であります。 この二二三二号の第一に、貸付の効果があがっていないものと言いますのは、これは審査が不十分であったと思われる事態でありまして、一つは千葉県の農村工業株式会社というのに、あめの工場を作る資金として二千三百万円を貸し付けたのでありますが、この工場はすでに貸付当時におきましては、この会社の主たる出資者である千葉県の販売購買農業協同組合連合会が、もう見込みがないと思ったせいか、運転資金の援助を中止しておる。業績が非常に悪いという状態の会社でありまして、この貸付は六月に貸し付けましたのですが、貸付直後の六月末の財務諸表を見ますと欠損金が七千五百万円もあるというような会社であります。こうしたことは貸し付けるときの審査で少しよく調べれば当然わかったことでありますが、これをよく審査しないで貸し付けたために、この二千三百万円はそのまま焦げつきまして、会社の方は工場を閉鎖しまして、現在までまだそのまま滞り貸しになっておる状態であります。 次の大分県の竹林協同組合に貸し付けましたものはこれは多少事情は無理もない点もあるかと思うのでありますが、竹材を削っていろいろな細工物をしようというために工場を設備をするというので、千百万円ほどの資金を貸し付けたのでありますが、肝心な削る仕上げかんなの機械というものが、どうも試作してみても思うように動かない、なかなか削れないというために、この工場施設がほとんど所期の目的通り稼働せず、従って貸付金もなかなか返還ができないというような状態になっておる次第であります。こうした機械で竹を削るということは比較的新規な作業でありますから、むしろ最初にそれだけの資金を融通して、それができてからあと工場設備の資金の融通ということを考えた方がよかったのではないかと考える次第であります。 もう一つはやはり九州の日田市の石井材木店というところに林道開発の資金を融資したのであります。大体林道開発の資金を貸し付ける場合におきましては、どこに作るかという、その林道の土地の所有者の承諾書を取って、承知しましたということを確認してから貸し付けるというのが通例の取扱いでありますが、その場合はそういう確認書を取り付けずに貸した。そのためにと言いますか、結果から見ますと、その林道予定地の所有者がそこを林道にするのはいやだといって許さないために、事業がほとんど進まないということになりまして、貸し付けた額のほとんど半分以上のものが銀行預金のままで滞留しておって、林道施設としての効果が上っていないという事態であります。 この三七六ページの二に掲げてありますものは、昨年に申し上げたのとほとんど同じような事態でありまして、補助金を政府なりあるいは県などから受けますると、融資の額の中から補助金相当額は繰り上げて償還するということを契約で相手方本承知しておるのでありますが、実際におきましはこの補助金を受け取ってもなかなか繰り上げ償還してないという裏態が非常に多いのであります。ここにあります分だけでも七千四百万円ほどのものは補助金を交付を受けて、繰り上げ償還していない、こうした点に対してさらに管理を十分にして、早期繰り上げということをはかる必要があると考えられる次第であります。 そのほか三、四に掲げてありますものは、最初に融資のときに申請した事業以外の事業を施行したり、あるいは運転資金に、その融資を受けた命を使ってしまったり、あるいは当初の事業計画より少額で事業が完成してしまったというような場合で、当然目的外に使用した金は繰り上げ償還させる、あるいは不要になった金は繰り上げ償還させるというような措置を講ずべきだと思いますが、それが管理が十分でなくて、繰り上げ償還の措置がとっていないというのが、三、と四と合わせて、われわれの検査した限りにおきましても七千万円程度の金があった、こういう次第であります。
○上林委員長 ただいまの説明に対して農林漁業金融公庫当局において補足説明があれば、これを許します。山添総裁。
○山添説明員 農林漁業金融公庫の現在の貸付残高は約七百五十億でありますが、最近におきましては年に二百五十億ばかり貸付をいたしております。件数にいたしますと一万五千件ということであります。会計検査院で二十八年度決算に関連して御指摘を受けました事項はまことにごもっともで、私どもも遺憾に存じておるところでありますが、第一点は千葉県の農村工業、すなわち御承知のようにあすこはいもの産地でありますが、でんぷんを原料といたしましてあめを作り、キャラメルを作っておった工場であります。これは元来千葉県の販売購買組合連合会が経営をいたしておりました工場でございますが、これを引き放して会社組織にする、同時に設備改善をするということで貸付決定をいたした次第であります。貸付を決定いたしました当時は、昭和二十八年の一月、二月ごろでございますが、あめの方は若干の損があり、キャラメルは利益を上げる、こういう状態で、ここに改善を加えれば何とかいけるだろうという見込みを持っておったのでございます。会計検査院から御指摘を受けましたように、バランス・シートあるいは損益計算書等を見ますと、そう欠陥はありませんが、含み損がございましたこと、並びに当時デフレでございまして、そういうかげんからか、キャラメル等は北海道の「雪」の下請をやっておりましたが、それが解約されますとか、非常に急いで作りましたので不良品ができるとか、返品が重なるとか、そういう事情が重なりまして、ついに行き詰りになったのでございます。貸付の当時すでに事業の損失の含みがございましたこと、並びにその後信連が取引を、信用の供与を停止いたしました後におきましても、そのことを知らず、なおかつ金の払い出しをいたしたことにつきましては、まことに審査並びに取扱い上不十分でございまして、まことに遺憾に存じております。 なお竹の件、これも会計検査院の御指摘になりましたことはまことにごもっともでございます。林道の件につきましても、敷地の点について確かめておかなかった。これは通例では確かめるのでございますが、この場合手落ちがございましたこともまことに遺憾でございます。これらの点は今後とも十分気をつけて、このようなことがないように努めて参りたい所存でございます。 なお補助金の繰り上げ償還、私の方から金を貸しました場合に、後に補助金を受領いたしますれば、その補助金相当額は繰り上げて返してもらうことになっております。これがおくれておりますこともまことに遺憾であります。会計検査院から指摘されましたうち、現在までにおよそ半分は処理済みでございます。この点はだんだん改善されまして、私どもの審査室で最近の状況を調べてみますと、大体八五、六%は確実に繰り上げ償還ができており、漸次改善を見ておると存じております。 次に貸付限度をこえておるもの、私どもといたしましては、所要資金の八割が貸付の限度になっております。ところが実際工事をやった結果、それよりも少くて済んだというときには、すみやかに償還すべきであるにもかかわりませず、これを怠っているものがございます。御指摘を受けましたうち、現在までに七割はすでに是正いたしております。なおかように金が余りますと、とかく他に流用するという場合が生ずるわけでございまして、ここに指摘されましたうちの九割は是正の措置をとっております。私どもといたしましては、全般に気をつけますほか、特に審査室を設け、三班を作りまして地方を回って、このような監視、監査に努めておるのでありますが、本年はさらに一班をふやして、できるだけこの方面の管理をよくしていき、会計検査院の御指摘を受けます事項を少くしていきたい、かように思うのであります。
○上林委員長 以上をもって本日予定いたしておりました昭和二十八年度決算中、政府関係機関のうち日本専売公社、日本電信電話公社、日本国有鉄道及び農林漁業金融公庫関係についての説明は終了いたしました。
○吉田(賢)委員 議事進行につきまして。検査院の批難事項に上っておりませんけれども、復興金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫につきましては、これは少し資料として出していただきたいものがございまするので、この機会に申し上げておきたいと思います。それは二十八年度、二十九年度の財務諸表、貸付の状況をぜひお取り寄せ願いまして、今後審査をするかどうかにつきましては、よく資料を検討した上にしたい、こういうように思います。
○上林委員長 了承いたしました。 本日はこの程度にいたしまして、これにて散会いたします。 午前十一時二十六分散会