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22回国会衆議院1955/07/29

決算委員会 第31号

発言数
107
登壇者
15
会派数
5
開催日
1955/07/29

会議録

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより会議を開きます。  本日は昭和二十八年度決算中通商産業省、運輸省、郵政省、労働省及び農林省の所管について審査を進めます。  まずこの二十八年度決算中、農林省所管のうち農業共済保険卒業に関する事項について、ここに参考人として出頭を求めました奈良県経済部農政食糧課長本谷義昭君よりその実情を聴取することといたします。本谷参考人につきましては、去る二十六日に出頭するよう通知をいたしたのでありますが、本人の職務上の都合により当日は出席できない旨の届出がありましたので、あらためて本日ここに出頭を願った次第でございます。本谷君には御承知のことと存じますが、農業共済保険事業に関する問題につきましては、昭和二十八年度決算審査に関連して、当委員会として重大な関心を持つところでございます。本日は去る二十六日の委員会に引き続き、農業共済保険事業に関する事項について、奈良県の農業共済保険専業の実情一を聴取いたし、当委会会の決算審査に資したいと考える次第でございます。  それではこれより参考人に対する質疑に入ります。なお出席者を申し上げます。奈良県農政食糧課長本谷参考人、行政管理庁松本監察官、農林省橘農業保険課長、検査院から小峰第三局長が出席しております。それでは吉田賢一君の御質疑を願います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 奈良県の木谷食糧課長にお伺いします。御承知の通りにただいま奈良県下における農業共済組合並びに連合会における不当な会計経理につきまして、当委員会はその原因なりあるいは事情なりその後の経過を究明しつつあるのであります。そこであなたに第一に伺いたいのは、農業災害補償制度における県庁は、つまり知事それを代理する機関としてあなたであろうと思いますが、県下の農業共済保険事業に対してはどういう役割を持っておるのか。それを一つ簡単に御説明願いたい。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 災害補償法に定められております通り、単位組合に対しまして指導並びに監督をいたしておるのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 県連合会に対しては。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 連合会に対しましては御承知の通り農林省が直接指導監督をいたしておるわけでございます。日常のささいな業務につきましては私の方も指導いたしておるのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしますとあなたの方は単位組合に対しては指導監督をする、県連合会に対しては農林省が指導監督するから、連合会の保険事業については何ら関与しない、こういうことになるのでしょうか。単位組合を指導監督しようと思えば、やはり単位組合と直接重要な利害関係のある県連合会との関係を相当知っており、また県連合会の業務運営が単位組合に与える影響の事情、あるいはまた単位組合が共済金を支払うといたしましても、県連合会の活動が適切でなければ共済金の受け取りもできないというような各般の事情を考慮しますと、県連合会に対しても、かりに法律の制度を厳格に解釈しても、やはり相当あなたの方としては手を差し伸べて何らかの接触をしなければならぬ、こう考えるのですが、その点はいかがですか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 お説ごもっともございまして、私の方といたしましても、連合会との連携は常に保ちつつ、ともに単位組合の指導に当っておるのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しからば何を重点的に単位組合を指導し、どういう点において連合会との接触を考慮してきたか、その点についての御答弁を願います。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 共済事業につきましては、制度が非常に難解でございます。かつ事務におきましても相当複雑な点があるわけでございます。従いまして私どもといたしましては、経理の適正な指導、それから損害評価に対しましての適切な評価の指導等を、重点的に連合会と提携いたしまして行なっておったのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ところで昭和二十八年度における奈良県下の多数の農業共済組合におきまして、明らかに不正と目すべき経理状況が会計検査院によって指摘せられておるのであります。これは当委員会に対する説明によっても、あるいは農林当局によっての説明でもすでに明らかになっており、それぞれの責任者の当委員会における説明も、大体事実を肯定せられておるのであります。  そこで第一に伺いますことは、あなたの方が十分に県知事の立場においてこれらの単位組合を指導し、ことに御説明によると、重点的に経理の適正な指導、損害が適正に評価せられることを指導しておったというのであるけれども、経理の適正な指導が徹底しておれば、私はこんなようなめちゃな経理は行えないと思います。またほんとうに適正な損害の評価が行われるように指導が行われておれば、このような結果を来たさないと思う。にもかかわらずきわめて顕著な、重要な例として不始末が暴露しておるのであります。あなたのお立場から考えまして、ごく簡単に言ってもらえば、何ゆえそうなったとお思いになりますか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 ただいま御指摘のございました点につきましては、まことに遺憾と存じておる次第でございます。私の方といたしましては、もちろん先ほど申し上げました通り指導はいたしておるのでございますが、職員の数等からいたしまして、決して十分ではなかったということを申し上げるほかはないのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 どうもこれは不徹底な御答弁で、あなた方の職員が足りないので、このような原因をなくすることができなかったというのであれば、なぜ職員をふやすように要請をなさらぬのか。一体職員が足りないというようなことがいつかおわかりになったのか。それをふやすことについて努力でもしておられるのか。やはり現状をもってしては結局職員不足のゆえに指導監督の適切を期することができないという結論を持っておられるかどうか。この点を伺います。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 御承知の通り共済事業の運行につきましては、奈良県といたしましては、事業そのものに対します指導監督という面の関連性がございます。この事業そのものの運行につきましては、農林省と連合会、単協というつながりが多いわけでございます。従いまして従来の私の方の職員といたしまして、そういったただいま御指摘のございました点につきまして、職員の数が足りないということもございます。なお職員の能力ということもあるわけでございます。そういった点につきましては、最近会計検査関係から指摘されましたことにつきまして、私といたしましては十分反省をいたしまして、さらに上司に対しましては増員をお願い申し上げております。なお課内におきましては、優秀な職員等を一部動員いたしまして、従来の職員と交替せしむる処置をとったのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 あなたは一体何年ほどこの職についておられるのですか。共済組合の指導は一体何年間ほどしておられるのですか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 私は昭和二十八年の十一月以降現職に参りましたものでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 まるで心もとないお話を聞くのであります。  そこでこのたび問題になりましたことは全部御了承のことと存じます。ずいぶんといかがわしい事例が指摘されておるのであります。第一、農家に支払うべきものを支払わなかった。この共済金が不当に流用せられ、保留せられたもの、あるいは架空名義で貯金をしておったようなもの、定期預金を組合長かしておったようなもの、——百姓の立場というものは、あなたらはよく御承知だと思うが、百姓は零細農が大半を占めておりますので、このような保険金なり共済金を農家が受け取るということは、営農のためにも生活保持のためにもきわめて重大な問題であります。ところが百姓に払うことなく、架空名義で百万円も預金をして、横に置いておくということは、天人ともに許さないところなのであります。こういうような事態が発生しておるのであります。これはあなたとしては、全部——全部というと語弊がありますがすくなくとも会計検査院が実地調査し、指摘された十六の組合については、事件の内容、経過、状況全部御承知ですか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 よく存じております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしますと、これらの不当に流用されたり保留されて貯金をしておるようなものの処理は、どのようにすることにあなたの方は方針がきまっておるのでしょうか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 一部を保留いたしましたもの、それから他の方面に流用いたしましたもの、これらは当然被保険者に支払わるべきものでございます。従いまして、これを支払いせしむべく準備を命じております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 御承知の通りこれは二十八年の共済金であります。二十九年の災害は日本中で奈良県と鹿児島県のみがいまだ共済金を受けておらぬのであります。日本国中の各府県とも、農民はそれぞれ受けておるのです。ところが一面農民はそれぞれ掛金をしておるのであります。掛金をして二十九年の共済金を受けておらぬというような事態であります。すでにこれらの現地調査などがあって、事態が明らかになってからもう相当な月日がたつのであります。どうしてこういうものはすみやかに、もうすでにかくのごとくに事務は完結して、かくのごとき方法によって末端の農家に支払いを完了して、かくのごとくにあとの整備はしておるというふうな報告があってしかるべきだと私は思うのです。そういうふうにあなたの監督指導の作業というものは進まぬのでありますか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 二十九年の出納につきましては会計検査院の検査、なお行政観察当局の監査等も受けておりました関係もございまして、なお評価につきましてはさらに慎重を期しますため、多少私の方でひまをとった現状でございます。連合会といたしましてもいろいろ現地調査等の関係から、連合会自体の書類の提出がおくれて参ったような実情にあるわけでございます。私どもといたしましても、そういったことで従来の審査にかなり慎重を期しましたので、約三十日ほど私どもの方は要したことになっております。すでに農林省の方に提出いたしたのでございますが、一部書類の不備等がございまして訂正いたしております。近く農林省から支払われることになると存じております。なおそれによりまして、すでに支払い準備につきましては連合会を通じまして書類の完備状況等を指導いたしておる最中でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 その点を主として伺ったのではないのであります。保留金とか不当に流用されておる問題につきまして、特に保留金についてはそんなものを一日も保留しておく理由がないと思うのですから、そういう事務で一ヶ月もかかるべき筋合いのものでないと私は思うのです。即刻徹夜してでもこういうものの処理ば県当局としてしなければならぬと思います。そういうことをしなかったら農民はいよいよこの制度に対する信頼感を失って参ります。結局これは今後の運営よろしきを得ないことの原因を作ることになります。どうしてもっと早くこれは処置をなさらぬのかということを申し上げておるのです。それができないのかどうか、方針をきめているとおっしゃるけれども、おかしな話で、方針をきめて実行しないという筋合いのものではない、この間見えた組合員の方々は、検査院が見えて、あるいはまたその他から何か配分の差しとめを食っておるような話もあるのだというが、これもまたおかしな話なんです。そんなことのあるべき筋合いのものではありませんので、これは農家に払うべきものであるということの筋の明らかなものは、すみやかに農家に払えばいいと思うのです。何もあっちこっち見る必要はごうもない、これは私はあなたの指導監督の重要な職責ではないかと思う。即刻そのように共済金は農家に払い渡すという措置をおとりになりますか、そうしてお帰りになればそれぞれの機関を通じてすみやかに適切にそのような処置をおとりになりますか、いかがです。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 お説の通りごもっともでございまして、私の方といたしましてもいま少し数字の検討が必要でございますので、それでそういうことをやっていたわけでございますが、一日も早くこれを農民に支払うことにいたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 数字の検討もあるかも存じませんけれども、一体架空の名義で預金しておるとかあるいは個人名義で預金するとか、組合長名義で不当な預金があるというような、そんな状態は存続すべきものではございません。これはやはり一刀両断、直ちに処決しなければならぬと思います。そこであなたも、これはまことに御迷惑な申し分かも存じませんけれども、この補助金等については一つすみやかに処理をして、それからもう一つ、不当流用しておるものは、たとえばスクーターの代金を支払ったようなもの、あるいは建築費を支払ったようなもの、そういうような処理は一体どうするのか、これも組合員が承諾しておるのだからというような弁解もありますけれども、これらこそあなたの方で糾明しなければならぬのであります。そうして単位組合の経理が適正でなかったようなことにつきまして、さっそくお帰りになって処理を執行せられて、できますればかくかくの方法によってしたというようなことを当委員会に文書で報告してもらいたい。できるだけ早く、これはお約束できましょうか。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 もちろんそういった他の経費に使ってありますものは当然組合長等の責任におきまして保険金の支払いに回すべきものと私は信じております。従いましてそういったことによって処理をするようにただいまそれぞれ指示をいたしておるのでございます。できる限り早く御趣旨に沿いますように善処いたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 実はあなたの方があいまいな態度でありましたら、私ども現地調査をいたしたいということも考えておるのであります。非常に重要な案件と見ておるのであります。全国的に模範的と言うと語弊がありますけれども、注目すべき案件と見ておりますので、お帰りになりまして処理をせられ、そうして詳しいことは要りませんから、ここの委員長あてで報告書を出してください、よろしゅうございますか。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 了承いたしました。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それではもう一つ伺っておきます。昭和二十九年度の政府よりの再保険金の交付がおくれておる事実につきましては、やはり連合会に責任があると私ども考えております。これは連合会の責任者も大体そういう答弁でございました。それは前年にかんがみまして慎重を期したということをあなたも述べられておるのであります。しかしいかに慎重を期しましても、結果から見ると、要するに政府の示す作物統計調査書の数字をそのまままるのみでいくということになっておるのではないかと思われる。しこうしてそういうことが慎重という手続であるならば、もう自主的に損害評価の制度は不要だと思います。それはやはり自主的に損害を評価せしめて委員会の責任を全うさせて、また県連におきましてもそれぞれの評価の適正について協力させ、事務を執行さす、こういうことが制度の趣旨だと思うのです。政府の方で出す数字をのむためにじっと待っておって、そのために二十九年度の保険金が組合に渡せないというような事態はまことに重大な責任であると思う。全国の単協がかくの如き例にならうといたしましたならば、これは一体どうなりますか、またそういうだらしのない組合は全国にはないのであります。いずれもみずからの責任において損害の評価をやりつつあるのであります。農家の困難なことは存じております。これはいろいろと問題があるのですけれども、こういう点から考えまして、二十九年度の保険金がまだ組合に払われない実情にあるということはまことに遺憾であります。この点につきましてあなたは損害評価の慎重を期したと言われるけれども、私が今指摘したような事情も勘案して反省しなければならぬのではないかと思う。そんな理由でありましたら来年もそうであります。間にも何も合わぬでしょう。そんなことをしましたら、二十九年度といいますと、もうしばらくしたら米は収穫でしょう、まる一年何ももらわないことになります。適期に共済金は払うということが重要な課題でなければならぬと思います。時期おくれになりましたならば、ちょうど年末に必要な金を一月、二月になって受け取ったって役に立たぬのであります。やはり節季には節季の金が値打があるのであります。同じようにあまり時期おくれになるようなことは絶対に禁物であります。どうお考えになりますか、今後どういうふうになさいますか、同じようなことを来年させたら大へんであります。いかがでありますか、これだけ聞いておきます。

本谷義昭奈良県経済部農政食糧課長

○本谷参考人 お話の御趣旨に対しましては十分反省をいたしまして、さらに私自身のみならず係も十分督励いたしまして、御期待に沿うように最善を尽したいと存じます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 一言だけ申しておきます。これはあなたに御希望を申し上げておきますが、やはりあなたも手不足でお困りのようだ。そこで当委員会においてこういうふうに尋ねられたということも帰って御報告になって、部長や知事と御相談になりまして、奈良県の共済事業の将来についてほんとうにりっぱな方針を立て直すというふうに一つ努力して下さい。これは御希望申し上げておきます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 本谷参考人に対する質疑は他にございませんか。——ないようでありますから、本谷参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。本谷参考人御苦労でありました。御退席を順います。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に通商産業省所管について審査に入ります。すなわち昭和二十八年度決算検査報告二五三ページより二七〇ページに至る、報告番号一八八一ないし一八九七を一括議題といたします。会計検査院より説明を求めます。上村第二課長。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 二十八年度の検査報告に通商産業省関係の検査報告を掲記しました件数は十七件でございまして、機械の管理に関するものが一件、補助金に関しまするものが十二件、その他四件というふうになっております。  まず最初に一八八一号の機械管理について申し上げます。機械管理につきましては昨年度も同じような事態を報告したわけでございますが、本年も機械を借り受けた人あるいは預けられ人が無断で処分しあるいは勝手に使うというような事態が、機械の台数にしまして二百一台ばかりございました。これは掲記してあるわけでございます。  次は一八八二から一八六の補助金でございます。この補助金は工作機械試作補助及び科学技術研究関係の補助でございまして、二十八年度中に検査いたしました件数が百件でございまして、検査報告に掲記しております件数が五件になっております。これらは大体同じような案件でございまして、補助金を交付します場合にそれに先行する研究関係が十分進んでいない。これを見きわめてやるならば、なお補助金を出す時期を相当おくらしてもよかったというような事態、あるいはこの研究をします場合に施設等が要るわけでございますが、それらについての見きわめを十分にやらないで補助金を交付せられましたために、あるいは研究を全部中止するというような事態が起っておる案件でございます。  次は一八八七から一八九三の補助金でございますが、この中小企業庁関係の補助金につきましては、通産省におきまする実態調査が必ずしも十分に行われておらない事態でございまして、私の方で二十八年度検査いたしましたのが補助対象件数にいたしまして百三十一件、そのうち不当と認めましたのが二十件でございまして、ここに個別に掲記してありますのはそのうち七件でございます。これらはいずれも組合が補助金をもらって作った施設を売却するとか、あるいはその他処分する、あるいは全然利用していないというような事態でございまして、これらについては補助金交付の指令等に基きまして返還等の処置がとらるべきでございまして、これらにつきましては補助金返還についての措置を通産省においてとっておられるわけでございます。  次は一八九四号でございまして、糖蜜の運送賃に関するものでございますが、この運賃は、加工場所が数個所ありまして、その数個所についていろいろの費目を取りましてどれだけかかるかということを計算いたしまして、加重平均で一本の単価で契約になっておるわけでございます。そのうち手押し賃が六十三円から百十九円ばかり積算してございます。これはその後改訂によって幾分変っておりますが、実際見てみますと、前年度の実績は一番多いところでトン当り二十二円くらいになっておりまして、非常に大差がありますし、二十八年度の実績に見ましても、手押し賃として積算されておる金額の二百四十万六円に対しまして実際使われておるのは十五万円ばかりになっておって非常に差があるわけでございます。さような関係上、前年度の実績を調査されて単価をきめていかれれば相当減額する余地があった、かように考えておるわけでございます。  一八九五号のアルコールの生産計画でございますが、これは二十八年の十月になりまして需要が増加したということで、なまカンショで四百五十トンを追加割当されたわけでございます。その後一月になりましてなまカンショをやめられて糖蜜による生産に切りかえられたわけでございます。  これにつきましては当時なまカンショの出回り状況というようなことを考えれば、初めから糖蜜で生産の計画を立てられる方が至当であったろうというふうに考えます。さらになまカンショから糖蜜に切りかえられる場合に連絡関係が必ずしも十分でなかったので、すでになまカンショを手当しまして生産した結果、普通のなまカンショで生産したものよりも百六十万円ばかりが不経済になっておるような状況であります。  次は一八九六号の石綿の輸入に関するものでございますが、これは昭和二十七年の二月から七月までの間に加藤商会外四会社から二百四十六トンあまりの石綿が六千五百余万円で購入されておるわけであります。これを購入せられました事情は、当時輸入業者が、民間輸入契約が成立しておったわけでございますが、資金事情が悪くて引き取りができないというような関係上、緊要物資輸入基金特別会計の運用といたしまして本件を購入されたものでございますが、特需関係上必要であるということでありますれば、必ずしも法律に違反するというわけではありませんが、すでに民間業者において契約が成立しており、相当部分が国内に入っておる事情のもとにおきまして、しかも資金事情が悪いからということでこういうような事態に運用されることはいかがであろうか、かように考えます。第二は、さような関係上、通産省におきましてはそれを購入する場合に、業者が六カ月以内に引き取るということと、あるいは輸入業者から一切の迷惑をかけないというような念書を入れておるわけでありますが、これをさらに業者に売り渡す場合にさような条項の発動をせられず、当時の時価等によっておられた関係上、約一千万円の損失を生じた次第でございます。  次は一八九七号の特別鉱害の補助金でございますが、この補助金はすでに補助事業を完成しておりましたものに対しまして実はまだ完成していないということで、工事費の総額を認められたということが事実に即していないということと、すどに行われた事業費の中には御承知のようにプール資金で出た関係の事業費も含んでおりますので、これらを控除して積算すべきものだと思います。かように考えますと、約百余万円が過大に交付された結果になっておるわけであります。  以上で通産省関係の御説明を終ります。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 会計検査院当局の説明は一応終了いたしました。  島村政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。通商産業政務次官島村一郎君。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○島村政府委員 通産省といたしまして、会計検査院の昭和二十八年度決算検査報告において御指摘を受けました分は第一八八一号以下第一八九七号に至る十七件でありますが、これらは大約いたしまして、第一に機械類の管理等当を得ないもの、第二には国庫補助金の交付について処置がその当を得なかったもの、第三には国庫補助金交付後における管理が当を得なかったもの、その他アルコール専売事業特別会計、緊要物資輸入基金特別会計、特別鉱害復旧特別会計における経理上の不当事項及び米国対日援助物資等処理特別会計、輸出保険特別会計についてそれぞれ善処方及び保険引き受け実績の向上及びこれに伴う事務費の節減等経営改善について検討の余地ある点を御指摘いただいておるのでございます。  これらの案件のいきさつにつきましては、それぞれ政府委員及び直接担当の説明員から後刻十分御説明いたすことといたしますが、私といたしまして、就任以来官紀綱紀の振粛につきまして特に留意いたしまして、機会あるごとに監督指導いたして参りましたが、特に経理の面につきまして、諸法規を順守し予算の忠実なる執行に当り、真に公僕としての責めを全うし、国民の期待を裏切らぬよう、それぞれの冬部局を督励してきた次第であります。しかるに昭和二十八年度においてあまたの御指摘を受けました点は実に遺憾しごくでございます。御指摘の案件の中には、事情のあるいはもっともと思われるものもございますが、なお冷静慎重に批判検討するならば、事の処理が御指摘のようにさらに正確を期し得て改善の余地かあったと思われます。御指摘の案件の処理につきましては、その後極力事態の改善をはかって参りましたが、さらに続いて万全を期し事態の整備をはかるのはもちろん、将来につきしましては再び過誤を繰り返さぬよう事務的の指導において万全を期したいと思うのでございます。とともに、根本的に官紀綱紀の徹底的粛正をはかりまして、遺憾のないよう注意して参りたいと思う所存でございます。  なお、事後監査のために新たに考査官の制度を設けまして、業務及び経理の公正を期することといたしまして、去る七月十九日にこの点につきましては大臣の御決裁を得たような次第でございます。この制度はすみやかに実施に移したいと存じておりますので、何とぞ御了承をたまわりたいと思います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 質疑の通告がありますのでこれを許します。關谷勝利君。

關谷勝利自由党

○關谷委員 通産省の関係でありますので関連しておりますために簡単にお尋ねしておきたいと思います。まず会計検査院の方にお尋ねしたいと思いますが、開発銀行等の資金が電力会社の電源開発等には多額出されておるのでありますが、各電力八会社等の経理の監査は年々しておるのかどうか、この点最初に承わっておきたいと思います。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 その方の関係は私の担当ではございませんので、実際上やったものがあるかもしれませんが、私が言いまして間違いがあるといけませんので、御了承を願いたいと思います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 今担当の会計検査院の方と連絡中ですから……。

關谷勝利自由党

○關谷委員 それでは鉱山局の関係についてお尋ねをしたいと思います。これはあとで会計検査院の方にもお尋ねいたしたいのでありますが、電力会社が電源開発のためにダム等を作りました際に、その区域内におきます鉱業権保有者というふうな者に対しましては、開発事業をいたします者がその区域内を調査して、そのような鉱業権の保有者に対しては一応承諾と申しますか連絡等をしなければならないのではないかと私たち常識的に考えるのでありますが、このような場合に鉱山局としてはどのような監督をしておられるか。またダム等が作られます場合には、鉱山局に対してその事業者から緊密な連絡があるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。

磯野太郎通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)

○磯野説明員 お答えいたします。ただいまの御質問は、鉱業権者と電源開発との関係が、連絡がうまくいっているかどうかというような御趣旨だと思いますが、私の方といたしましては、その所管でございます公益事業局の方とよく話し合いをいたしまして、電源開発計画がございます地点については、その計画をとりまして、両方をつき合せをいたしております。具体的に申しますと、鉱業権者の方から鉱業の出願がございました際には、その地域について電源開発計画が予定されているかいないかというような両方緊密に連絡いたしまして、そして最終的には、御承知の通り、電源開発計画は内閣総理大臣の公表を待って確定せられるのでありますから、その公表を待って決定いたします。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと、計画がそこにあった場合に、その鉱業権を許可をしたという場合に、それを実施をいたしました際に、その鉱業権者が採掘ができなくなる、こういうふうな場合の補償関係はどうなっておりますか。

磯野太郎通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)

○磯野説明員 電源開発計画の遂行によって鉱業権者が鉱業ができなくなった場合の補償はどうか、こういうような御質問でございましたが、その点につきましては、電源開発につきましては、電源開発促進法の中に規定もございますし、それからそれを受けまして補償要綱という閣議決定がございますので、その補償要綱に基いて両者円満に補償の点が話し合いがされるものと考えます。

關谷勝利自由党

○關谷委員 全国各地でこういうふうな問題がたくさん残されておるということを仄聞しておるのでありまするが、この電源を開発いたしまするためにダムを作った、そこに鉱業権が存在しておって、その鉱業権者から電力会社に対してしばしば交渉をいたしましても、一回の回答すらもしない。従って何らの補償をもしないというような事例がたくさんあると聞いておるのでありますが、こういうような事例を鉱山局の方で聞いたことがあるかないか、この点伺っておきたいと思います。

磯野太郎通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)

○磯野説明員 今御指摘がございましたような点は、これはどうも実際問題として絶無とは申し上げられないことでございまして、実際にたとえば電源開発計画につきましても、電力会社がそれぞれ計画を立てます際、あるいは実施いたします際に、しばしば実際の施工については変更がございますし、そういう点でなかなか前もって完全な連絡をとりにくいというような点等がありまして、もちろん私どもといたしましては、両方の側が緊密に連絡のあることを期待いたしておりますけれども、たまにそういうような例もあるということは聞いております。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そういたしますと、これは私の聞いておりますのに、具体的なものといたしましても、そういう事例があるのであります。ダムが作られる、そのためにダムの工事は着々進んでおる、そうしてもう採掘ができなくなるということであって、そのためにどのような程度に工事を進めるのか、あるいはどのような計画であるのかということを、鉱業権者の方から問い合せても返事が何にもないということで、公益事業ということをかさに着て、そういうことを他人の権益を無視してどんどん工事を進めておるというような事例があると聞いておるのでありますが、そういうような場合には、鉱山局といたしましては、そのようにやっておっても何ら干渉をしない、それは当事者間の問題であって、鉱山局としては一切関与しない、こういうような態度であるのかどうか、この点伺っておきたい。

磯野太郎通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)

○磯野説明員 今の御指摘の点につきましては、もちろん両方が緊密に連絡をされることが必要でありますので、私どもといたしましては、今日鉱業権者からいろいろそういう話があるわけでございますけれども、それについては所管の公益事業局とかあるいは電力会社等とできるだけ話し合いをいたしまして、円満解決をいたしたいと考えております。

關谷勝利自由党

○關谷委員 緊密に連絡をとっておるはずだと言いますが、鉱業権者の方からはしきりに連絡をとり、いろいろ催促をしておっても何らの回答もしないというようなことさえあるという事例があるのでありますが、こういうような場合にも公益事業局とかそういうところも、そういうような面には一切関与しないということになるのですか、その点伺っておきたい。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 今のようなケースにおきまして、本来であれば、権利者相互がお互いに計画なり権利の内容を十分明示しておくというのが通常の場合であると思います。ところが今のような場合におきまして、相手の方、たとえば鉱業権者の方が、実際の電源開発の計画がつまびらかでない、その場合に電源開発会社なりあるいは電力会社なりに対しまして内容を見せろといった場合、これを隠す必要はもちろんございませんし、電気事業者としては当然明らかにすべきところは回答して差しつかえないと思います。ただ実際上計画がきまらないような事例もありましょうし、いろいろ会社の内部の事情で回答がおくれるということはあると思いますが、そうでなくして、正当な事由がなくしていたずらに計画の明示を遷延しているということがありましたならば、これは公益事業を監督するわれわれの立場といたしましては、当然にもう少しフェアに回答を出すべきだということを勧告をしております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 ちょっと申し上げますが、会計検査院から大沢第四局長が出席しましたから、それも考慮して御質問願います。

關谷勝利自由党

○關谷委員 具体的な小さな一例かもわかりませんが、現有関西電力が岐阜の白川村というところでダムの建設をすでにやっておると承知をいたしておるのであります。その区域内にありますところの鉱業権者、石川鉱業所と聞いておるのでありまするが、その石川鉱業所から関西電力に対しまして、しばしばその計画がどうなっておるのかということを照会をいたしましても、何らの回答もない。ただ仕事をどんどん進めておって、一切鉱業権のことについて顧みないという態度でやっておるというふうなことを聞いておるのでありますが、そういう事例を聞いたことがあるかないか一つ伺っておきます。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 そのことにつきまして多少の紛争があることは前々から聞いております。ただ、ただいまのように、計画の内容等につままして照会があって、それに対して正当な事由がなくて回答がないかどうかということについでは、十分まだ確認いたしておりません。

關谷勝利自由党

○關谷委員 それではきようでなくてもけっこうでありますが、この点を調査をして、その結果を一つ御報告願いたいと思うのでありますが、関西電力が岐阜県の白川村でやっておる、その地域内にある鉱業権者と関西電力との関係がどうなっておるかということの詳細を一つ御調査の上、書面ででもけっこうでありますから、御報告を願いたいと思います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 その取扱い方をどうしましょうか。大体いつごろまでとかあるいは……。

關谷勝利自由党

○關谷委員 それは調査のでき次第書面で出していただく。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 書面という希望ですが、大体の見通しはどうなのでしょうか。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 一月くらい。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 一月くらいでいいのですか。

關谷勝利自由党

○關谷委員 いいです。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 それでは了承いたしました。

關谷勝利自由党

○關谷委員 次に会計検査院の方に伺っておきたいと思いますが、開発銀行等から電力会社に対して相当な金が開発資金として出ておるはずでありますが、電力会社等の経理状態は年々監査をしておられるのかどうか、この点まず伺っておきたいと思います。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 開発銀行の融資先の経理自体を検査し得るということには、現在の法律はなっておりませんが、融資が的確に行われてうまくいっているかということは、どうしても調べなければなりませんので、電力会社の開発銀行に提出しております試算表その他の書類あるいは融資は、それぞれ個々の、たとえばどこのダムの工事に対する融資とかいうふうに出ておりますから、それの工事の進行状況の報告というようなものによりまして、融資が適宜に行われておるかは見ております。現場の方は、もしも、それがどうも行われていないのじゃないかという危惧を持ちますれば、現場調査をいたしますが、大体は開発銀行に提出されております書類によってその点を見ておる次第であります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 先ほど鉱山局の方へも質問しておったのでありまするが、そのような際に、実際の支出者の収支というようなことにつきましても、詳細な監査をせられるわけですか。一つのダムの工事に対して出資せられておるということになりますと、その部面におきまするところの経理に対しましては、監査をせられるわけですが、どうですか。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 監査をするという言葉が——会社の経理帳簿を直接の検査権限を持って検査するというだけの権限はただいまのところ持ち合せておりません。ただしかし融資を受けた会社は、その経理内容を開発銀行の方へ申告する、これは融資のときにいろいろな契約その他によりまして経理内容を報告しておりますが、それをわれわれとしては審査し監査するということになる次第であります。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 松岡委員。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 政府委員にお尋ねしたいのですが、この水力の発電に当って、ダムの場合でも、あるいはダムによらざる方法による場合でも、結局個人の権益と衝突する問題がたくさん出てくる。こういう公益が私益に優先するという問題、これは既定の概念としても、そのために私権が侵される、それに対する補償ということに対してどのような御方針を持っておられますか、お伺いしたいと思います。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 これは先ほどもちょっと話が出ましたが、電源開発進法の第七条に、一般の権益を害した場合には公正な補償に努めなければならない、こういう条項がございます。従って、権利を侵害した場合には当然公正な補償をすべきだ、こういう建前であります。ただ権利がいかなるものかということにつきまして、権利の性質なり何なりにつきましてはいろいろな議論が起きますので、その点に関する話し合いはございますけれども、根本方針としまして、権利の侵害があった場合にはその補償をするというのが建前であります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 今伺いますと、私益を侵した場合に補償する、これは一つの基準でございますが、具体的な場合に、電力会社というものは膨大なる資本力を擁しておるところの一つの勢力である。多くの場合に、私権の当体というものはまことに微弱なものである。この侵されたる被害当体が、資本の当体である電力会社に交渉いたしましても、なかなか受け付けてくれない。そのために、私権の侵害に泣いている人がたくさんある。その事例をこれからまた漸次お伺いしますが、こういう問題に対しては、当局はどういう指示を電力会社に与えられるのであるか。結局これはだれでも電源開発の主体になれるわけじゃない、政府の許可を得て初めてその仕事ができるのでありますから、政府がこれに対して監督し指示を与えなければならないものと本委員は考えるのですが、こういう紛争に対して具体的にいかなる指示を与えておられるのか、これをお伺いしたいのであります。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 補償問題には常に紛争が伴うわけでありますが、これはただいま御指摘のような意味で、電力会社なり何なり、開発主体が力が強いために、私権をことに侵すという事例ももちろんあったかと思いますが、しかし最近の事例では、むしろ私権の所有者なり何なりが非常に大きな賠償を要求するという事例も少くございません。従いまして、政府といたしましては、最も公正な補償をされるということが適当である、過重な補償をいたしますと、その権利の所有者におきましては十分満足が得られますけれども、その補償費というものは、将来建設費の一部を占めまして、電気料金等によって全般の負担になりますから、できるだけ公正に持っていかなければならぬ。こういう見地からいたしまして、一昨年の春に電源開発に伴う水没補償要綱というものを作りまして、これは閣議決定でございますが、これによりまして補償の基準を示しているわけでございます。これは各省相当の年月をかけまして一定の基準を作りましたが、これは一応の基準でございまして、具体的に当てはめます場合には、各地の特殊性もございますから、この通りには参りませんけれども、これによってやっていきたいというのがわれわれの希望でございます。しかしこれは別に強制的な法規でもございませんので、実際上はまだこれが完全に行われているともいわれませんし、またこの補償要綱そのものに不備な点もきざいますから、なお修正を要する点はございますが、現在のところでは、われわれとしては一応この補償要綱を基準としてやって参りたい。ただ、具体的な紛争が起きました場合に、あまりにわれわれがその内容に立ち入って干渉することは、司法上の問題、裁判上の問題に立ち入ることになりますので、あまり深入りすることは避けておりますが、原則的にはこの補償要綱を守ってもらいたいというのがわれわれの希望であります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 そうしますと、ダムに例をとりますと、浸水地域は、当然これは私益を侵すことになりますので、補償要綱にあるのですが、いわゆるボーダー・ラインに属するがけっぷちにかかってくると、水が満水してきますと滲透して土地が深くうんできます。今具体的の事例を申し上げますと、富山県の婦負郡の細入村一帯にわたって、北陸電力の第一発電所のダムの審浸水後における耕地を侵害することは約四千余坪に及ぶといわれておる。しかるに、一年以上も経過しておるにかかわらず、この補償に対して何らの誠意を示しておらない。そして耕地はもう亀裂が入り崩壊しておる。全然土どめの工事をしておらないのです。今日日本の耕地を守るについては政府は万全を期しておられるはずなんです。しかるに、浸水すれば当然耕地を侵す可能性があるにかかわらず、適切な工事をしておらない。そのために、現実具体的に広範なる耕地に侵害を及ぼしておる。これに対して会社は何らの対策をやっておらない。こういうことは、許可をせられる場合に、どういう予防工事を施すべきかについて一体指示を与えられたのかどうか、これを一つ具体的にお伺いしたいのであります。つまり、北陸電力の第一発電所の細入村一帯にわたる浸水地域でありますが、これは非常に広範なもので、村民はこのためにごうごうたる不平を鳴らし、そのために村の空気は非常に悪化しておる。しかるに会社はてんとしてこれを顧みない、こういう実情があるのでありますが、この場合、満水してくればこれは当然崩壊する、水が深きに達してきまずから……。そうすると、四千坪以上の侵水ということになりますと、農民にとってはなかなか大きな問題です。それが長きに及んでおります。こういうものば初めから土どめの工事をしてかかるべきだと私どもは常識的に考える。それを、全然しないで侵水させてしまう、これではまるでむちゃくちゃなんです。私益を侵すどころではない、このために耕地が侵されておる。今食糧事情の悪いときに、増産をしなければならぬというときに、耕地がこの浸水によって侵される、これに対する何らの対策工事を行なっていない、この実情に対して当局はどのようにお考えでありますか、承わりたい。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 水利権を許可しますときに、もし冠水いたしましたときにそういう危険があれば、水利権の許可の条件として、まあ条件なり何なりがつけられる。水利権の許可は、御承知の通り県知事がやっておりますけれども、必要によりまして、通産省なり農林省なりあるいは建設省と十分協議をした上で、条件等につきましてもつけるわけであります。私は、その事例につきましてどんな条件がついておったか存じませんが、もしそのような危険が予見せられましたならば、おそらく当初からそれが条件について、いろいろなそれに対する手当が要求されたと思います。もし要求されておったにもかかわらずやらなかった、そのために被害が起きたという場合には、これは問題なく会社の責任であります。しかしそこら辺がまたあいまいだということは、そういう条件がおそらくついていなかったのじゃないかと私ども想像いたすのであります。かりに条件がついていなかったとして、そういう災害が起きた場合におきましても、やはりダムを作ったための損害でございますから、会社としてはむろん賠償する責任がある。ただ賠償の内容としまして、これは損害を賠償するのでありますから、たとえば田に浸水した、あるいは畑がくずれたということのために直接起きました作物等に対します被害額を全額賠償するということもできます。またそれを永久に未然に防ぐためには、かきを作るということも必要かもしれません。そのいずれをとるかということは、これは具体的に検討しなければならぬと思います。たとえば浸水あるいは土くずれ等を防止するために全体に石がき等を作ることは、これは一番安全でございますけれども、そのためには非常に多くの費用を要するので、むしろ金銭賠償ということが考えられると思います。それからもし食糧増産上相当な金を借りても土地を守るべきだということであれば、国としてもそういう要求をするわけでありますが、主として農地の確保のために若干の費用も出さなければならぬというようなこともありましょうから、具体的にこれは研究しなければならぬ。ただ少くともその場合にダムを作りました電力会社の責任が免れないということだけは明瞭であります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 今の具体的の事例の場合に対して調査を進められる御意思ございましょうか。

中島征帆通商産業事務官(公益事業局長)

○中島政府委員 ただいま詳細調査中であります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 会計検査院の方にお伺いしたいのでありますが、おそらくダムの建設に対して開発資金が使われておると思うが、その資金の使途の明細の中に、この浸水地に対する補償金額などというとまかい数字を一体会計検査院の方は承知しておられましょうか。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 融資先の建設費のこまかい内容につきましてはわれわれは承知しておりません。開発銀行に対していろいろ報告が出た範囲をわれわれは承知をしておるのであります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 それにつきまして、おそらく開発銀行には一々具体的なる項目についてこれは出ておると思うのです。会計検査院の方のお手元に出てなくても、開発銀行のお手元にはたとえ三十億かかろうと百億かかろうと、それは個々具体的なる数字が積み重なってその資金が出されておると思うのであります。従って浸水地域並びに浸水可能な地域に対する補償というものは、必ず事業者として想定しているはずであります。この点について開発銀行に提出せられた書類に基いて本件の問題について御調査を進めていただく御意思はありませんか。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 北陸電力に対する融資は当然どういうように融資されておるかということは、われわれ開発銀行について検査しておりますので、そのうちただいま御指摘のダム、これに対して幾ら融資されておるか、事業計画はどうであるということは当然わかっておるのでありますから、補償費が幾らということは当然わかります。ただ補償費の中でただいま御指摘のように周囲の地盤がくずれているのに対してそれに補償しなければならぬじゃないかということは、金融の関係から見てもちょっと判断がしかねるのじゃないかという感じがいたす次第であります。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 私の伺いたいのは、これは通産当局にもできると思うのですが、要するにダムの建設計画の資金の使途というのが出ておるわけです。果してどれだけ計上されておったか、どれだけ流用があったかということは、やはり事業者としての見通しの上に立った問題だと思うのです。こういう点について、すでに問題は一人、二人の問題ではありません。村全体の耕作に関係しておる問題でありまして、私は私の地元であるのでとうてい見のがすことはできないと思ってお伺いしておるわけです。これは富山県知事にも責任があるわけであります。私はこれに対して至急対策を講ずるように今から二カ月前に警告を発したのですが、いまだに対策がとられておらないので、まことに遺憾に思っておるのです。この上は通産当局におかれましては十分調査を、進めていただくのみならず、会計検査院当局におかれましても、こういう問題に対しましては、当該貸付銀行が果して何ほどの資金をこういう方面に貸し付けておるか調査を進められんことを私は希望してやまないのでありますが、いかがでありましょうか。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 ただいまの点、もちろんどう使われたかは調査をいたしておりますが、具体的な問題はただいま御指摘もありましたから特に調査をいたしたいと思っております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ただいまの電源開発と鉱業権その他の被害の問題でありますが、これはやはり相当注目すべき案件のように思われますので、通産当局において次の資料を取り寄せて本委員会に提出方お計らいを願います。關谷委員から御質問になりました岐阜県の白川村の関西電力と石川鉱業所の関係、白川村における電源開発事業についての水利権許可の趣旨、内容、条件、年月日等あるいは図面、それからわかっておれば鉱区に関する図面、見取図のようなもの、これを資料として一つ至急に当委員会にお出し願いたい。次に開発銀行の最近における融資の状況、特に貸付についての概況、これは事業別にしていただきまして、どういう会社にどう貸し付けておるか、これの提出方を委員長にお計らいを願いたいと思います。なお、通産省関係の資料の要求は、松岡君の質問のあとでいたします。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 やはり關谷委員の要求された資料のように約一カ月くらいかかるそうです。

松岡松平日本民主党

○松岡(松)委員 今の岐阜県のに合せて、婦負郡細入村の北陸電力のダムに関する分も御提出していただきたい。また現地について調査を進めていただきたい。会計検査院の当局にお願いいたしたいのは、開発銀行について、実際私ども事業に関係がありますが、とかく資金計画を出すと、実際その部面だけに資金が果して使われておるかどうか、これは疑問なんです。当局に出すときには、この浸水地域にこれだけの補償が要るといっておぎながら、実際にはほかの方に使っておる。何も不正とは断じませんけれども、資金の流用は非常に激しいものであって、このように大いに資金が侵かされておる場合には、よく会計検査院から十分なる警告並びに監査を遂げていただかないと目的が達せられないのではないかと考えるのであります。本件についてもぜひとも調査を進められんことを要望いたす次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 資料の要求は後刻文書で出します。それであとの質問をする参考にしたいと思うのですが、ちょっと一問簡単に伺っておきたいと思います。それはさきの關谷君や松岡君からお尋ねがあったのですが、電源開発の事業によって許可を受けた地域ですが、そういうものは、これは今、電源開発促進法を調べかけておって、まだ私の頭に実はないのですが、許可しておる範囲と鉱業権が衝突するような場合には、鉱業権を侵害しても差しつかえない、ただ損害を賠償すればそれでよいというように法律上はなっているのですかどうですか。法律上のことであるから、われわれ調べればいいのですけれども、ちょっと簡単な点ですから、念のため伺っておきたい。

磯野太郎通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)

○磯野説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては、鉱業法がございまして、それにいろいろ規定があるわけでございますが、鉱業権の出願に対して許可をいたします場合には、鉱業によって得られる経済上の利益と、それからその鉱業権を、要しますについていろいろ他の産業、たとえば農業でございますとか林業、そういうものとの経済上の利益がどっちが大きいかという比較をいたしまして、鉱業権を許可するかしないかということを決定いたしております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そういうことを聞いているのじゃないのです。両者の優劣の法律上の関係だけでいいのですから、一つ次の機会に準備しておいて下さい。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 きょうはほかに日程がございますから、その問題はきょうこれで打ち切るわけではありませんから、次会にお譲りを願いたいと思います。  それでは通商産業省主管の説明並びに質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に郵政省所管について審査に入ります。昭和二十八年度決算検査報告二七九ページから二九三ページに至る報告番号一九九七ないし二〇一五を一括議題とし、会計検査院より説明を聴取いたします。

大沢実会計検査院事務官(検査第四局長)

○大沢会計検査院説明員 郵政省関係の二十八年度の検査報告に掲げております案件を簡単に御説明申し上げます。二八一ページの一九九七号に書いてありますことは、その前の総論のところにも触れている問題でありますが、郵政省の各年度の損益の関係がいわばそのときそのときによって動かされる危険があるということの一つの事例として指摘しているのでございます。具体的に申しますと、昭和二十八年度におきまして、二十九年一月から三月までの特殊勤務手当、これは貯蓄奨励内務手当とかそろばんなどの特殊有技内務手当というようなものを、本来ならば一月から三月までのものでありますから当該年度の損費として計上して支出すべきであると思いますのを、組合との間の協定に基きまして、一月から三月までの分は四月において支給するという協定にいたしまして、結局二十九年度のの損費として計上することにしたわけであります。こうしたことがいつも行われるということになりますと、極端に申し上げますれば、今年の俸給は来年支給するというような協定を結びますれば、本年度の俸給が全部翌年度の損費に計上されるということになって、毎年度の期間損益を源泉にしていこうというこの特別会計において非常に適当でない処理ではないか。現に二十八年度を見ますと、この一月から三月までの貯蓄奨励内務手当などを翌年度に支給することにいたしませんで、当該年度に支給したといたしますれば、予算総則できめられましたところの郵政事業特別会計の給与総額を上回る結果になる。簡単に言いますれば二十八年度におきましては給与総額を上回るだけの給与を実際には支給したことになるのではないかというので、こうした取扱いは妥当でない、やはり一月−三月のものは当該年度において決算するように処理すべきである、こう考える次第であります。  次の一九九八号の点は、これは現金を入れる袋及びその錠前をたくさん買い過ぎたという問題でありまして、これは中央におきまして各郵政局の、下の郵便局で扱っております現金袋及び錠前の破損あるいは増加分というようなものを調達しようとして、各郵政局にどのくらい、要るかという所要量の通牒を発したわけであります。するとその中の大阪、広島、松山、この三郵政局におきましては破損品取りかえあるいは予備というようなものにさらに加えまして、現在使っているところの使い得るものをこの際かえてしまおうというような計画のもとに多大の数量を要求した。これをそのままにして中央で調達されたために、ここに書いてありますように現金袋で約七十七万円、その錠前で約三百二十万円、合せて約四百万円程度のものが当該年度としては過大に調達した結果になっているのではないか、こういうふうに考えられる次第でありまして、臨時の要求をした各郵政局のやり方も妥当でないと同時に、それをそのまま集計して購入された中央としても調査が粗漏ではなかったかと考える次第であります。  次に一九九九号から二〇一五号までに対しまして不正行為が約十数件記述してあります。これは会計検査院が検査の結果指摘したというものではございませんで、いわば郵政監察局が摘発されたあるいはその他警察の方でわかったという問題でありますが、こうしたたくさんの現金の亡失事故が生ずるということはきわめて遺憾なことと思います。この原因は二八七ページから二八八ページ、九ページにかけて記述してありますが、結局窓口で横領するというのは大体一人が窓口事務をやっている点に多い。それから今度集金先で集金してきたやつを横領する、これも一人で集金する結果でありますが、同時に、そうしたものを帰ってきたときに、領収証書あるいは郵便局におきます徴収原簿の記載というものを正確に絶えずやっておりますれば、そう大きな額にならぬうちに発見できたのではないかというように考える次第であります。さらにもう一つの例としましては、特定郵便局長自身が相当の現金を横領しているものがあります。これははなはだ論外だと思いますが、特定郵便局というような比較的個人の独裁力と言っては言葉が過ぎるかもしれませんが、相当勢力の強いところにおいて、こうした事態が生ずるのでありまして、こうした点に対してはさらに監察の方も十分にやっていただく必要があるのではないかというように、感ずる次第であります。  なおこの郵政省の不正行為というものは、大体年々の状況を見ますると、具体的に年々を切るわけにいきませんが、二十六年ころまでは非常に多かった感じがいたします。それから、二十七年、二十八年はそのころと比べると多少減少しておるというように感ぜられる次第であります。  以上簡単に御説明申し上げました。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 この際松田郵政大臣より発言を求められておりますのでこれを許します。松田郵政大臣。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 ただいま会計検査院より御指摘賜わりました第一の件でありますが、昭和二十八年度予算をもってまかなうべき特殊勤務手当について、予算総則の給与総額を上回ってその限度を超過しておる、これは当然こういうことがあってはならないという御指摘でございますが、この点につきましては、 再びこういうことのないようにというので、本年の二月十五日にちゃんと改めることにいたしましたから、今後は再びこれを繰り返すようなことはないことを確信いたします。  第二点でございます現金袋及び錠前であるとか、そうしたものを過度に買い過ぎたではないかというおしかりでございますが、これは確かにこの件につきましてはそういう事実がございます。これはある地方の郵政局において郵政局のものを全部取りかえるものだと誤解をいたしまして要求をいたしてきたものを、十分調査が届かなくてそれを購入したという結果、そういうことに相なった次第でございまして、これはまことに御指摘の通りでございます。これまた再び繰り返すことのないようにいたしたいと考えております。  それから郵政局内におけるいろいろの不正犯罪につきましても、これはもう何とも申し上げようがありません。しかも近年その犯罪の数がだいぶ減って参ったところ、昨年度のごときはまたぞろ件数においても金額においてもふえて参ったのでありまして、これは何とも申し上げようがありません。むろん、多くの人間の中であるからこれくらいなことはという考えは決してわれわれ持っておるわけではございませんで、一件といえどもこういう不正事件を起すことのないように、監察制度、その関係者を厳に戒めて、あらゆる方面から研究いたしまして、こういうことの起り得ないように持っていかなければならぬと考えております。中でも、今御指摘になりましたように、特定郵便局長というような人々の中からそういう犯罪者を出したことに対しては、ほんとうに恐縮いたしておる次第でありまして、かかることのどうしても起り得ないような監察制度、並びに常平常全員を督励いたしまして、そういうことの起らないように極力努めていきたいと考えておる次第であります。詳しいことはなお経理局長その からお答え申し上げます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 会計検査院当局の説明に対して郵政省事務当局において補足説明があればこれを許します。八藤経理局長。

八藤東禧郵政事務官(経理局長)

○八藤政府委員 ただいま大沢局長からいろいろと本年度の郵政会計に関する批難事項について御説明があり、大臣から御説明があったので、私から若干補足させていただきます。  最初の一九九七の事項につきましては、大臣が申し上げました通り、この支出の年度区分というものが乱れる危険性がある。先ほど大沢局長からごまかしという、非常に手きびしい、きついお言葉があったけれども、私ども毛頭ごまかすというような意図はないのであります。しかし実際において会計検査院の御指摘になりまする郵政特別会計の又払いの各項目の中で、年度区分について調査決定した日をもって支出とするという会計令第一条の条文がありまして、全国多数の局において同じ費目で同じ性質の支出でありながら、当月払いあるいは翌月払いというように区々になっておった事情はご指摘の通りでございます。私どももご指摘の通りこれを是正すべく本年二月十五日付、大臣決裁をもって全国に同種類、同性質の支出は同じ区分において支出するように全国統一するように通牒を発しました。ただいまその通牒に基いてやっております。かような意味におきまして、大臣の申し上げました通り、ごまかしや便宜主義で年度区分や調定期日を変えることのないように、はっきり改善いたします。この点は会計検査院の御指摘に従いまして改善いたしたいと思います。ただ具体的な事案としてここにおあげになりましたうちの一九九七号の給与総額を割ったのではないかというふうなお疑いに対しましては、私どもといたしまして、いささかこの際会計検査院側の御見解と違うところでございまして、詳細に申し上げますことは機会がありましたら申し上げることといたしまして、簡単に申し上げますならば、この六千五百万円という金の調定期日というものが、組合との協約関係に基きました結果、一月、三月間に支給すべき手当の額がその期が過ぎた、第四、四半期が過ぎた、翌朝において支給するというように決定いたしました。同時にそれが省内の給与準則の一つとして関係機関に示達いたしました。その結果、この第四、四半期分の六千五百万円が当該年度内の支出とならないで、翌期において支出決定されたときに支出するということになったのであります。従いましてその六千五百万円はその項目に関する限り不用残といいますか、残額になったのであります。御記憶にあると思うのでありますが、当時二十八年は公企労法適用職員というものは、一般国家公務員の年末手当に比較して〇・二五分だけ足りないというような予算の積算だった。少くとも公務員並みに支給すべきであるということで、全国的に広範な実力闘争が年末を控えて展開されました。これの収拾にわれわれとしては非常に苦慮をいたしたのでありますが、国会においても、公務員並みに支給するように、それぞれの業績に応じて努力せよという御決議もいただきましたこと等もありました。その結果によりましてわれわれとしては当該手当といたしましては調定が翌朝になったために残となるべき筋合いの金が他の金と合せてこれらの年末の特殊処置の原資として使用したということになりました。大沢局長の御心配のように、その年の給料を払わない、そのかわりその金を別の手当にしてやるというような非常識な通常の観念を離れるような支払い方法に、もしも会計令第一条が乱用されるようなことがありましたならば、私ども何とも申しわけない。私ども郵政当局は、給与総額それ自体を無視するとかあるいはこういうような制度を悪用するとかいうことはないのでございまして、この点何とぞ御了承願いたいと考える次第でございます。それから年度区分あるいは調定期日の全国統制という点において、決してそういうことにはならないように考えておる次第であります。  第二として、現金袋の過大調達につきましては何とも申しわけございません。私どもが各種のこの種の品目の需要量について細心の注意をもって算定したならば防ぎ得た過大調達でございまして、かようなことのないよう今後十分に注意いたしますし、関係機関に対してもさように注意をいたします。この点は何とも申しわけございません。その過大調達になりました点について、今後算出基準を明示することによりまして的確な調達数を算定することにいたしましたが、当該年度に関しましては何とも申しわけございません。  以上簡単でございますが、大臣の御説明を補足させていただきます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 以上をもちまして会計検査院並びに郵政省両当局の説明は一応終了いたしました。本日は説明を聞く程度にとどめることに申し合せておりますので、この程度にとどめたいと思います。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に労働省所管について審査に入ります。昭和二十八年度決算検査報告二九三ページより二九九ページに至る、報告番号二〇一六ないし二〇二九を一括議題といたし、会計検査院当局より説明を求めます。上村説明員。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 労働省所管の報告件数は十四件でございまして、そのうち失業対策事業の補助関係が三件、それから保険関係が十一件、かようになっております。  失業対策事業補助につきましては、掲記してあるものは三件でございまして、これはいずれも補助金の積算に関することでございますが、精算するに当りまして労力費を重覆して計上したり、事業に使用しなかった資材費等を含ませたりしたというような、事実に沿わない事態でございまして、返納を要する金額は二百余万円になっておるわけでございます。  次は労働者災害補償保険特別会計及び失業保険特別会計の関係の保険料の徴収不足の点でございますが、これらは昨年も掲記した事態と同じでございまして、賃金の把握が十分に行われておらなかったというような関係上、かような事態が生じたものでございます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 ただいまの説明に対して労働省当局より補足説明があればこれを許します。澁谷会計課長。

澁谷直藏労働事務官(大臣官房会計課長)

○澁谷政府委員 ただいまの不当事項につきましては、検査院の御指摘の通りでございまして、まことに遺憾に存じておる次第でございます。失業対策専業費の補助金の指摘されました三件中、二〇一六番と二〇一八番の三件につきましては、それぞれ返納の手続を終了いたしまして、国庫に返納を見ております。二〇一七番の福島県の件につきましても、すでに返納の指令を出しまして、近く国庫に返納になる見込みでございます。  次に労災保険と失業保険の保険料の徴収不足の件でございますが、これも徴収不足の分につきましてはいずれも収納済みになっておるのでございますが、ただ福岡と佐賀の二県につきましては、御承知のような炭鉱の不況と、それから炭鉱の自然発火によりまして、現在のところ直ちにこれの徴収はできない状況でございますけれども、いずれこれも近いうちに徴収できる見込みでございます。両特別会計の保険料の徴収不足につきましては、非常に限られた職員で全事業場に対して実地調査ができないという関係から、こういう遺憾なことが出ておるのでございますが、今後とも労働省といたしましては、職員に対しましてバイクモーターを配付するというようなことによりまして、できるだけ多くの事業場を実地調査する、それから監査機構等の強化をはかりまして、こういった事件の絶滅を期して参りたいというふうに考えておる次第でございます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 会計検査院並びに労働省当局の説明は以上をもって終了いたしました。これも前と同様に説明を聞くだけにとどめることに申し合せがしてありますのでさようにとりはからいます。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 この際本委員会の閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。会期も切迫いたしましたので、目下審査中の昭和二十八年度決算及び調査中の歳入歳出の実況に関する事項、国有財産に関する事項、政府関係機関の収支に関する事項につきましては、本会期中に審査または調査を終了する見込みもございませんので、閉会中もなお審査を継続するように取り計らいたいと存じます。これにつきましては国会法の定めるところによりまして、院議によりこれらの案件が閉会中審査案件として本委員会に付託されなければなりません。つきましてはその手続といたしまして、これらの案件について閉会中もなお審査したい旨の申し出を議長に対して行うことといたしたいと存じますが、このように取り計らうに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 御異議ないものと認めます。よってそのように取り計らうに決しました。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 なお重ねてお諮りいたします。ただいま議長に申し出を行うに決しました案件が閉会中審査を付託されました場合、その審査のために実地調査を行う必要があると認められますので、そのための委員派遣について衆議院規則の定めるところによりまして、議長に対して承認方を申請することといたしたいと存じます。派遣委員の数、その人選、期間、派遣地等につきましては議院運営委員会の定める閉会中の委員派遣に関する基準に従いまして、委員長が各派の理事に諮って決定することとし、その手続等は委員長に御一任願いたいと思いますが、このように取り計らうに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 御異議ないものと認めます。よってそのように取り計らうに決しました。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に運輸省所管について審査に入ります。すなわち昭和二十八年度決算検査報告二七〇ページより二七九ページに至る、報告番号一八九八ないし一九九六を一括議題とし、会計検査院当局の説明を求めます。なお説明は一つ簡単に要領よくお願い申し上げます。小峰説明員。

小峰保栄会計検査院事務官(検査第三局長)

○小峰会計検査院説明員 二十八年度の運輸省の歳出決算額は二百五十四億円でありますが、省としては比較的少いわけであります。従来と同様に海上保安庁その他の経理及び地方公共団体が施行する港湾改修、災害復旧、この国庫負担工事に重点を置いて会計検査を行なったわけであります。前年度まで連年多数の不当事項がありました海上保安庁の経理には改善の見るべきものがありまして、今年は一件も批難事項が載っておりません。それから地方公共団体の施行しました工事、これは従来と同じように相当批難事項が出ております。国庫負担金を除外すべきもの、一工事十万円以上のものが百五十七工事、国庫負担金にして五千百余万円に上っております。従来工事につきましては事後検査だけでやっておったのでありますが、農林省、建設省のときに申し上げましたように、これだけでは検査が十分行き届きませんので、運輸省の工事につきましても農林、建設と同じように、災害復旧の査定に対しまして工事施行前にその当否を調査したのでありますが、二重査定、災害便乗、設計過大、こういうものが相当数出て参りまして、運輸省において工事費を二億八千三百余万円削るということになったわけであります。  歳入につきましては、地方海運局でモーターボート競走法によりまして徴収する納付金二億九千八百万円々徴収決定いたしておるのでありますが、そのうち一億五千六百万円を収納しただけで、一億四千百万円が収納未済になっている。特に近畿海運局ではこの徴収成績が悪いということになっております。  先ほど申し上げました事後検査の批難市項につきましては、別表第四といたしまして五三九ページ以下にございますが、二十万以上の分九十八件、四千三百万円と掲載してございます。その中で代表的なケースを二七四ぺ−ジ以下に六件掲げてございますが、そのうちの幾つかを拾いまして御説明いたします。  まず二七四ページの(2)でありますが、これは一九四〇号として別表第四に載っている案件であります。これは島根県簸川郡岐久村が三百七十二万円で小田東港の災害復旧をやったものであります。防波堤の中詰石、被置石、こういうものが出来高不足で工事費は二百二十九万円で足り、国庫負担金が三百二十三万円あった関係で、村は全く自己食掛しないばかりでなく、九十四万六千円の金を余らしてしまったというのであります。  一つ飛びまして高知県の案件でありますが、これは県営工事で県がすべき仕事をしないで金を余らしてしまって、県の費用に使っていたというちょっと珍しいケースであります。高知県が五百四十七万円で、国庫補助金は三百三十七万円でありますが、これで市営施行した幡多郡清水町の漁港の地盤変動対策は、硬山石破砕五百七十五立方メートル、同取り除き八百六十三立方メートル、このあと浚渫をやって竣工したということになっておるのでありますが、実際は硬岩破砕も取り除きも出来高が不足しておりまして、県は工事費のうち百三十七万七千円をこの工事とは関係のない県道の補修工事費などに充てておりまして、また検査当時二十二万八千円ほど残額を保有していた、こういう案件であります。  それから次の(5)ですが、これは二十八年災害のときに、御承知のようにいわゆる排土法というものができまして、全額国庫負担で港に入った泥を取り除くという措置がとられたわけでありますが、全額国庫負担でやりましたのが金をうんと余らしてしまったという案件であります。これは、長崎県北松浦郡福島町が、二百二十三万円で港の災害復旧として堆積した土砂の取り除きをやったわけでありますが実際はその量が非常に少くて工事費がわずか七十七万円で済んでしまった。それで二百二十三万円のうち百四十六万円の金を余らしてしまったという相当激しい案件であります。  それから(6)は、事業主体の負担分として大蔵行の資金運用部から金を貸したわけでありますが、それを工事に使わないで町のほかの経費に充ててしまったという案件であります。大分県坂ノ市町でありますが、六百万円で工事をやるということで、この自己負担分として大蔵省の資金運用部から百八十万円貸したわけでありますが、工事費をうんと安く上げまして、その百八十万円の融資はほかに使ってしまったというケースであります。  その次に、先ほど申し上げました工事着手前の早期検査の結果を一九九六号として全部とりまとめてあります。二十八年災害の査定額が多かった三重県、愛知県、和歌山県等十一府県の工事査定額を四十億五千万円のうち三十七億四千万円ほど見たのでありますが、農林、建設のときに申し上げましたように二重査定、便乗工事、設計過大、こういうものが相当出まして、運輸省に御注意して工事費を三億八千三百万円減らしてもらったということになっております。  それぞれの代表的なものを一件づつ御説明いたしますと、まず二重査定でありますが、三重県北牟婁郡引本町の港災害復旧でありますが、これは河口港と申しまして川の口が港になっておるのでありまして、建設省と運輸省と堤防がダブったわけでありまして、査定額七百七十七万日のうち建設省の二百三十二万円が重なりまして、これは運輸省の方を落してもらったわけであります。  次は便乗工事の代表的なものを二つばかり申し上げます。まず舞鶴港の災害復旧でありますが、これは八百三十一万円の工事費で護岸三カ所をコンクリートで復旧するということで、四百二十一メートル工事をやる必要があるということだったのですが、よく調べますと、そのうち百九十七メートルというのは従来全然護岸施設がないか、また被害も受けていないのに、隣りが災害を受けたついでにいいものにしてしまおうとしたものであります。  もう一つは(3)の高知県室戸町の室津港でありますが、ここは岩盤のところでもちろん防潮堤などなかったのでありますが、そこを近所が災害を受けたので、りっばな防潮堤を作ろうということで査定が千五万円ついた。ここは岩盤で、防潮堤など必要のない箇所であります。  最後に設計過大の例を一つ申し上げておきます。二七九ページに(1)として整理してあるのですが、和歌山県有田郡湯浅町の港でありますが、そこが先ほど申しました排土法の適用で、五百五十三万円全額国庫負担になったのであります。そして港に入った土砂一万五千立方メートルを浚渫することにしておったが、実際は一万立方メートルしか必要なく五千立方メートルが過大で、百六十五万円が過大になったという案件であります。  以上簡単でありますが終ります。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。河野運輸政務次官。

河野金昇日本民主党運輸政務次官

○河野政府委員 決算委員会に出るたびに身を切られるような思いをするのであります。御指摘を受けた案件は、悪かったから御指摘を受けたのでありまして、御指摘を受けるたびに注意をいたしておりまして、運輸省に関してはだんだん案件は少くなってきておりますが、やがては一つもなしに、御審議願わなくてもいいようにしていきたいと考えております。この起きました案件に対しては、十分調査をし、またその後の処置についても関係の方面からいろいろ調査させ、それぞれ今後こういう事件の起きないように十分の手配をさせております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 本日はこの程度にいたして、次会ば明三十日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。    午後零時三十分散会

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