決算委員会 第28号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/25
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 まず昭和二十八年度決算中建設省所管について審査を進めます。それでは昭和二十八年度決算検査報告二九九ページより三一九ぺ−ジに至る報告番号二〇三〇ないし二二〇五を一括議題といたします。まず会計検査院当局より説明を求めます。小峰会計検査院説明員。
○小峰会計検査院説明員 建設省の二十八年度の検査結果につきまして御説明申し上げます。建設省の支出いたしました河川改修、道路改良直轄工事及び災害復旧国庫負担工事等に要しました経費は千三百三十一億余万円の大きな額に上っております。地方建設局管下工事事務所などは百六十七カ所ありまして直轄工事を担当いたしておりますが、このうち五十一カ所につきまして実地検査をいたしました。それから地方公共団体が施工する国庫負担工事等に対しましては、八百二十七億余万円の大きな金を交付しておるわけであります。このうちの現場につきまして約一一%ほど検査したのでありますが、一工事十万円以上の不当工事というのが四百五十一工事、国庫負担金におきまして一億三千八百余万円、こうなっております。二〇三〇号以下に不当と認めた事項を摘記してございますが、直轄工事の施工が疎漏のため手直しを要するものというのが二件、それから直轄工事の設計の工事費の積算がまずいというのが三件ございます。直轄工事については比較的経理がいいのでありまして、あまりたくさん不当事項というのは上っておりません。二〇三六号以下に補助金といたしまして、地方公共団体が施行いたしました補助工事について相当数の批難事項が出ましたので、まとめて書いてございます。まず全国の工事現場が四万七千ほどあったのでありますが、このうち一一・八%、五千六百四十四カ所の実地検査をしたわけであります。その結果先ほど申し上げましたように、十万円以上の不当工事というのが四百五十一工事、一億三千八百万円、それが出たわけでありまして、一欄表にいたしましてここに書いてございます。それから個々の案件については別表といたしましてあとの方に一欄にしてございます。 それから、代表的なケースといたしまして三〇六ぺージ以下に若干掲載してございます。相当ございますが、このうち幾つか代表的なものを拾って御説明いたします。 まず三〇六ページの(1)とありますのは、これは三〇六六号としてあとに表に書いてあるケースでありますが、秋田県山本都響村の百四十万円の工事であります。国庫負担金が百万円、これで村道の災害復旧をしたのでありますが、法長五メートルで、練石張を施行したことにしておりますが、実際は百メートルのうち四十八メートルに法長を一・七メートルでやっている。それから下流部の三十八メートルは応急的な詰くい工を施行しただけで練石張は施行していない、こういうわけであります。しかも根入れも不足いたしておりますので胴木が抜け出し全面的にはらんでしまって、非常に工事が疎漏になっているわけであります。こういうぞんざいな工事をしたと思われますが、工事費は百四十万円かかったということにして国庫負担金を百万円もらったのでありますが、実際の工事費はわずか五十五万円しかかかっていない。四十五万円国庫負担金を余らしてしまって、村の一般経費に充てている、こういうケースであります。これはいわゆる疎漏工事の代表的なケースであります。 それからその次の(2)でありますが、これは出来高不足、設計過大が若干入っておりますが、出来高不足で、しかも事業主体が国庫負担金だけで工事してしまって、なお余らしている、こういうケースであります。愛知県の幡豆郡の横須賀村の二千七百万円の工事、国庫負担金が二千三百万であります。これは七件の災害復旧をやったわけでありますが、たとえば石垣で申しますと、裏込ぐり石をほとんどやっていない。また先ほどと同じように、法長も不足している、こんな関係で工事は千二百万円で済んでしまった。村は四百万円ほど負担するはずだったのでありますが、全然負担しないで、二千三百万円の国庫負担金のうち千万円余らしてしまった。そうしてそのうちの四百八十万円で査定外の工事をやっている、こういうケースであります。 それから一つおきまして(4)、和歌山県の水軒川の災害復旧であります。これは県が直営しておりますもので、工事費八百七十万円で護岸の災害復旧をした、こういうことになっております。国庫負担金が六百二十八万円いっておりますが、実際は六百八十万円しか金がかからなかった。そうして人夫賃につけがけいたしまして百九十万円ほど捻出いたしまして、ほかの工事、県で負担すべき工事に使っているし、残りが七十五万円ほどありますが、これを預金で持っている、こういうことであります。県の直営工場でこういうことをやるのはちょっと珍しいケースであります。 それから飛びまして(6)、山口の干見折川の災害復旧でありますが、これは四百二十万でやることにして、国庫負担金が三百万円いったのであります。これは昨年の検査報告で、渡船を使っているのを、橋があったことにいたしまして、百間橋というりっぱなコンクリートの橋を作ったというケースがございますが、それの取りつけ道路であります。せっかく橋ができましたが、取りつけ道路ができていないために、現在橋がまだ使われていないのであります。その取りつけ道路を今度は作るために、災害を受けもしないのに受けたことにしてやっている途中に私ども検査に行ったわけであります。百間橋のかかっております川の支流の堤防に小さい道路があったのでありますが、これを自動車が通るような大きな道に直しまして、そして国道とつなごう、こういう目的のためにやったのであります。これは災害をまるきり受けていなかったわけであります。 それからその次の山口県大津郡の油谷町のケースであります。これは三百四十八万円で、渡船が災害を受けて流されてこわれた、こういうことで国庫負担金が三百十四万円いったのでありますが、実際はこの船は全然沈没しておらぬ。そうしてほかの全然関係のないところで沈没しました船の写真をつけまして国庫負担金の申請をしたわけであります。これがまんまと通ってしまいまして、結局新しいりっぱな船を作りまして、元の船はほかへ売ってしまった、こういうケースであります。これなんかは非常に珍しいのでありますが、先般来参議院あたりでもだいぶ問題になりまして、新聞なんかにも大きく出たわけであります。 それからもう二つほど申し上げますが、(8)の松山、これはやはり疎漏工事の代表的なケースであります。これは海岸の堤防二千百六十五平方米を施行したわけでありますが、工事費が二百五十五万円、国庫負担金が二百四十一万円でありますが、根入れを満足にやっていない。そのためにでき上ってすぐにこわれてしまった、こういうケースであります。そして金が余りまして、国庫負担金二百四十一万円のうち五十五万四千円余らしてしまったわけであります。もちろん地元は一文も負担しておりません。この五十五万円を余らして、これを小学校の校庭の整地工事費に使っていたというケースであります。 その次の(9)のやはり四国の宿毛でありますが、これは架空工事の代表的なケースなのであります。九十九万六千円で道路の災害復旧をしたということにして、国庫負担金が六十九万七千円いったのでありますが、実際はその道路はこわれていない、災害を受けていない、工事も何もやっていないで、まるまるこれは補助金をとってしまったわけであります。 以上は従来やっておりました工事の事後検査の代表的なケースをお話ししたわけであります。従来事後検査はずっと引き続いてやっておりますが、どうも事後検査だけでは検査の効果の万全を期し得ないというため、早目に、工事に着手する前に行って、たとえば便乗工事とか架空工事とかあるいは二重査定、建設省と農林省と両方から査定をとって補助金の二重取りをするというようなケースが非常に多いのでありますが、こういうものを早く洗い落してしまわなければいかぬということを痛感したわけであります。 ところが二十八年は御承知のように異常な大災害があり、しかも国庫負担率が非常に高くなりましたので、従来のような便乗工事なんかをどんどんやられてはかなわぬ、こういうことを考えましたので、昨年の一月から四月にかけまして、初めて事前の早期検査というものをやったわけであります。やりましたところが、農林省関係、運輸省関係、建設省関係、合せまして非常にいろいろなものが出てきて驚いたわけでありますが、結論を申し上げますと、建設省関係で二十億円余りは査定を減らしてもらう。査定は建設省がおやりになりますから、会計検査院で注意しておりますのは、便乗がひどいものじゃないか、あるいは農林省で査定がついている、こういうようなことでいろいろお話しして、結局二十億円ほど工事費で減ったわけであります。農林省で申し上げますと、農林省は八十七億円ほど減ったわけでありますが、建設省は二十億円ほど減らしてもらうことになったわけであります。私どもが検査いたしましたのは、査定額が一県で二十億円以上に上った災害の大きいところをよって十五府県やったわけでありますが、四万七千八百ほど工事個所があったわけであります。査定額が九百六十九億円、そのうち私どもが見ましたのが一万四百カ所、五百一億円について早期の検査を実施したわけでありますが、行ってみますと、先ほど申しましたように同一個所の工事を建設省と農林省が両方で重複して査定している、あるいは建設省の査定だけの場合でも河川の護岸工事と道路の鋪装工事等が重複しておった、そういうものが相当出てきたわけであります。また災害を受けていないのに川の幅を広げたりあるいは護岸改良をするというようないわゆる便乗工事、それから石崖やコンクリートの材料を工事の現場付近で取れるのに遠方から運搬するようにして、設計過大、水増しといいますか、そういうものが非常にたくさん出てきたわけであります。三一二ページのところに一覧表として出してございますが、結局二重査定が三億七千万円、便乗その他十二億、設計過大が四億七千万円、合計で二十億五千万円、これを最終的に建設省で減らすということになったわけであります。個々のケースについて幾つか代表的なものを御説明いたします。 三一三ページの(2)でありますが、熊本県阿蘇郡白水村。阿蘇郡は非常な災害を受けまして、ずいぶん大きな査定がついたのでありますが、これから申し上げる分はいわゆる二重査定、農林省と建設省と同じ工事に対して二重の査定がついてしまった、こういう代表的なものであります。まず査定総額が一つの村で一億二千万円というような大きな査定がついたわけでありますが、今の白水村、それから隣の村の長陽村というのが五千百万円という査定がついたのであります。ところがこれが別に農林省で同じ個所に査定がついておりまして、完全にダブっている。そこでこれは全部減らしていただいたわけであります。一つの川で図面を見ますとぴたっと合ってしまうのでありますが、川の名前だけ違っておったというのがこの中に入っております。今申しましたのは農林省、建設省両方で査定が、ダブったのであります。 その次に便乗、改良その他国庫負担の対象としてはならないもの。こういうものに査定がついたという代表的なものを申し上げます。三一四ページの(2)としてある案件でありますが、福井県の遠敷郡奥名田村の県道。これは千三百万円で道路千五百二十メートルを幅員二・五メートルから三・五メートルに復旧するというので査定がついたのでありますが、実際行ってみますと国庫負担の対象にならない小さい二メートル以下の小道で、しかも今度工事をやったところで行きどまりになってしまいまして、その先には連絡する道がない、こういう道路であります。 それからもう一つ便乗の代表的なケース(4)であります。これは和歌山県の紀の川。和歌山県もずいぶんひどい災害を受けたのであります。千九百万円の査定で護岸延長三百七十メートルる復旧することにいたしておりましたが、そのうち二百二十メートル工事費千百万円については全く被害の事実がないのを災害を受けたということで改良工事をやる、こういうケースであります。 最後に設計過大、水増し設計と一口に言いますが、この代表的なのを一つ御説明しておきます。三一六ページの(2)であります。奈良県吉野郡の野迫川の災害復旧であります。これは一億六千三百万円の大きな査定がついたのであります。コンクリートの護岸延長五千七百二十二メートルを復旧することにいたしていたわけでありますが、コンクリートの砂利や砂が現地に十分にある、それを使う設計にしないで四キロも先から運搬することにしている。それから今の砂利、砂を使いますと河床堀さくも同時に行われるわけでありますが、その河床堀さくは別に工事費を見ているというので非常に大きな設計過大が出たわけであります。一億六千三百万円のうち二千二百万円が過大だ、こういうことでこれは減らしていただいたわけであります。非常に簡単でございますが、ざっと御説明申し上げました。御質問にお答えいたします。
○上林委員長 建設省所管についての会計検査院当局の説明は終了いたしました。この際竹山建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。竹山建設大臣。
○竹山国務大臣 二十八年度決算検査に対するごあいさつ、御報告を一応私から申し上げさしていただきたいと思います。 三十八年度の決算検査報告におきまして建設省所管行政中、直轄工事六件、補助事業百六十五件、計百七十一件について工事の施行もしくは補助金の交付その当を得ないと指摘されておりますことは、まことに遺憾にたえない次第でありまして、深くおわびを申し上げる次第であります。直轄工事につきましては、監督、検収等の不十分により粗漏工事等をなしたため、若干の批難を受けているのでありますが、直轄工事は建設省みずから施行をいたします工事で年々改善に努力をいたして参りましたつもりでありますが、まことに遺憾に存じております。今後も一段の努力を傾注をいたすつもりであります。補助工事についての御批難につきましては、そのすべては災害復旧事業の負担金に関するものでありまして、架空工事、便乗工事あるいはでき高の不足、粗漏工事等でありまして、これらは査定上の欠陥または監督検収上の欠陥に原因するものでありまして、さらにまた事業主体である地方公共団体の財政力の貧困という点についても大きな原因があるかと存じます。建設省は一千億に上る予算をもって河川改修、道路建設等の事業をもって国民経済の基盤である国土の保全開発に資するとともに、民生の安定に必要な住宅の建設の推進もいたしているのでありまして、私としては建設行政の責任者といたしまして、これらの事業を推進するに必要な予算を確保することはもちろんでありますが、いかにその予算を計上をいたしましても、これを最も有効に効率的に使用するのでなければ国民に対してまことに申しわけないと考えまして、その点からいたしまして事業執行につきましては特段の注意をいたして参ったつもりであります。 直轄工事あるいは補助工事について批難を受けておりますことにつきましても、その衝に当る者がそのよって来る原因を深く反省をし、さらに一層の注意と努力をいたしますならば、必ずこれは絶滅し得るものと固く信じておりますが、所要の機構の整備はもちろん、機会あるごとに部内の職員の注意を喚起いたしまして、査察の徹底を期し、責任の所在を明らかにするように努力いたしている次第であります。そのために部内の監察制度の強化をはかるために今設置をいたしております監察官は漸次増加をいたしまして、現在十名の職員をもって直轄事業及び補助事業の執行について地方建設局あるいは地方公共団体の監察に当らしておりますが、直轄事業につきましては昭和二十六年度から昭和二十九年度までに百四十事務所を査察いたしました結果、千五百件余の指摘を行い、これに注意指導をいたすとともに、それぞれ所要の善後措置を講じて参りました次第であります。また補助事業につきましても随時査察を実施いたしておりますが、特に二十八年度は災害復旧事業に重点を置きまして、五千四百八十一カ所について査察をいたし、その事業費等の実行に当りまして必要な注意を与えて参っている次第であります。なお部内職員に対する信賞必罰の励行を行うことが必要であることは申すまでもありませんので、ただいま申し上げました監察の結果に基きまして、それぞれ懲戒処分あるいは訓戒等を行いますとともに、検査院から指摘を受けました批難事項につきましてもそれぞれ処分を励行をいたしております。批難事項に関するものに例を取りますと、国家公務員法による懲戒処分の件数は、引責退職を含めまして昭和二十五年度五十八人、昭和二十六年度三人、二十八年度四人と相なっております。 次に災害復旧制度につきましては、第一に実地査定を励行することといたしておりますが、災害復旧の適正を期する上において、第一に必要なことは的確な査定を行うことであることはもちろんであります。現地について十分に査定すべきは当然でありますが、従来災害個所数があまりに多く、これが査定に当り人員が少かったために、やむを得ずその相当部分を机上査定に譲っておったのであります。しかしながらその後若干の人員の整備をいたしまして、また二十九年度の災害からは全部について実査を強行することといたした次第でありますが、なお昭和三十年度よりはさらに十名査定官を増員いたしまして、二十名の査定専門官を置きまして、査定の適正を期する所存であります。 第二に、竣工検査の励行でありまして、すなわち中間検査あるいは竣工検査をでき得る限り実地について行うことは工事の適正化を期するために必要なことは申すまでもありません。市町村工事につきましては、これらの権限を知事に委任をいたしており、これに要する費用を県に補助しておるのでありますが、検査の励行につきましては知事を十分に指導、監督をいたして参りたいと考えております。また府県工事につきましては、昭和二十九年度以来本省の陣容を整備し、成功認定の早期完了を目的にして実地検査に努め、大いにその成果を上げておるつもりであります。 以上昭和二十八年度決算検査報告に対しまして、はなはだ遺憾の意を表するとともに、今後注意いたすことを申し上げて、ごあいさつ、御報告にかえる次第であります。
○上林委員長 建設省所管の審査については本日は説明だけを聞く程度にとどめたいと思っておりましたが、特に片島委員から大臣に対して発言を求められておりますのでこれを許します。片島委員。
○片島委員 せっかくですから、私はその具体的な一つ一つの問題については後日質問をいたしたいと思います。この補助金が非常に不当不正に使われておるという問題は、特に建設省あるいは農林省関係に非常に多い。これはもちろんその所管省として当然でありますが、多い。ところが補助金が非常に不当不正に使われるというような問題を、何とかして是正をしていかなければならぬというのは当然なことでありますが、今度大蔵省が音頭をとりまして、補助金の適正化と申しますか、補助金が不当に使われるような場合にはこれを厳重に取り締る、こういう法律が提案された。今竹山建設大臣はまことに遺憾の意を表せられておりますけれども、伝え聞くところによると、竹山建設大臣が一番反対をしておる。補助金が不当に使われることは適正に使おうということに対して、また不当なことをやった場合はこれに対して罰則を加えようということになりましたところが、竹山さんが先頭に立ってこれに反対をしておるということを新聞は報道しておる。これはどういうわけで竹山さんはこれに対して反対をせられるのか、私どもにはわからぬのでありますが、むしろ自分の所管省で非常な大きな事件がたくさん起るということになれば、当然あなたがまっ先になってこれが適正に使われるように先頭に立たなければならぬのを、適正に使おうというのを、そういうことを適正に使っては困る、不適正に使った方がよろしいというように、逆にとれて解される。この際私は補助金の適正化について竹山建設大臣が非常に反対をしておられる、その所見、理由をお聞きしておきたい。
○竹山国務大臣 ただいまの御質問まことにごもっともでありまして、私はいろいろ伝えられることについてあえて弁明的なことは申し上げませんが、私があの適正化法案の上程に当りましていろいろ意見を申したことは事実であります。その私の申した趣旨は、この補助金の適正化をはからなければならぬということの重要なことは、私自身御指摘の通り率先して考えるので、また努力をいたさなければならぬ責任の立場にあります者として、前国会以来のあの適正化法案というものについて、前内閣は前内閣の考えがあったと思いますが、私は新たなる内閣といたしまして、ただ法案の継続的な提出、審議を願うということだけでは、私の責任は果したとは思えないというのが私の前提であります。と申すことは、今会計検査院の指摘をしておる点などから見ましても、私の省に例をとりますならば、四百五十一件の中で、全部が災害でありますが、そのうち二百八十件はいわゆる負担金が正当に上っていなかったというものであります。残りの百七十件がいわゆる工事の不適正その他の問題であります。そういう内容を検討して参りますと、私はまずこの問題についてはその補助金を出す所管省、大きく言えば政府みずからの責任を痛感いたさなければならぬ。こういうことが起る根本の問題について、もっとしっかりと検討をして、その態勢を十分に整えた上で市町村長あるいは知事を厳罰に処するということは——私は決してあの法制化について初めから根本的に反対をし否定をいたしておるものではありません。しかしながら、国民をただ厳罰に処するということだけでこの問題が解決するとは考えません。この相当部分というものは、われわれ政府、それぞれの所管省、あるいは知事の監督等において十分でなかった点というものをわれわれは自覚をいたさなければならぬ。従ってそれに対処するところの政府の処置を十分にとった上で、国民を厳罰に処するということでなければ、民主主義の政治の責任を果したものとは考えられないということを閣議で申した次第でありまして、市町村長を厳罰に処するという適正化法案そのものを否定いたしたものではありません。そこで私は建設省として今までの悪かったことは今もおわびを申し上げておりますが、おわびを申して責任が解決したとは考えられない。従って三十年度予算の実施以後に、十分な責任をとれるような処置を、どうしてとるかということにつきまして、私は具体的なそれぞれのいわゆる適正化に対する政府として建設省としてのとるべき処置を閣議に報告、了解を求めまして、法律が通る通らぬにかかわらず、われわれはその実行に着手をしておるつもりであります。しかしながら全体といたしまして政府がそういう責任処置をとる半面に、市町村長その他の中に会計検査院の指摘されたようないわゆる不適正な者が現存することは事実であります。これは責任をもって処置を講じなければならぬ。それについて、なぜそれは刑法で罰せられないか。会計検査院法によればこれを告発すべしという条文があるにもかかわらず、会計検査院が告発をした例をまずあまり聞きません。ですから、会計検査院に対し、調べて悪かったら、役人といわず市町村長といわずどんどん告発をしてくれ、そうしなければこの問題は解決をしない。告発したって刑法で罰せられないから告発はしないのだということであるならば、検査院の制度及び刑法そのものの実行の面において十分検討すべき問題があるのではないか。私は国民を重罰に処するについては民主政治の根本に立ち返って慎重に検討した上で、悪い者を罰するに何ら躊躇するものではありませんけれども、ただ補助金が全体的に悪かったからといって、全体の町村長を重罰に処するということだけでこの問題の解決をはかろうという考え方は、責任政治の建前からいたしまして、私はそれでは片手落ちだ、かように考えまして、数回にわたって発言をいたしたことは事実であります。しかしわれわれは責任の処置をとりますから、その上で国会の御判断にまかせるとして、政府があの修正をいたした適正化の法案を最後に提出することには私は同感をいたして、今日御審議をいただいておるような次第であります。 以上が、今私の心境を交えてはなはだ恐縮でありますけれども、御質問に対するあの法案に対してとった私の態度及び私の意見であります。
○片島委員 ちょうど売春法案がかかったときに何とかかんとか理屈を言って、今社会保障制度が整っていないからこういうものをやめても何にもならぬ、これは根本的な解決にならぬと言って民主党や自由党の諸君は反対をせられた。私は補助金の制度についても同じじゃないかと思う。今各地方自治体に対して自主的な財源を十分に与えておらぬ。どうしても補助金をもらわなければ何でもかんでもやっていけない、補助金をもらいにこなければどうしてもやっていけないという制度に今なっておる。だからあなたの言われるように、それは根本的な解決をやって、補助金がほんとうにやむを得ないところにだけ適正に配分をされるようになっておればいいが、今はとにかく何でもかんでも、二重にでも三重にでも補助金をねだった方がよろしいという制度になっておる。それを鳩山内閣、特に竹山さんが率先をして改善をしてくれるというならば私たちは一生懸命になってその後押しをやりましょうが、今のように根本的な政策がないからといって、二重にも三重にも取ったり、あるいは会計検査院の御報告のように査定をして、さらに剰余を生じて、その剰余でほかのことをやっておるというような事実がある場合、しかも会計検査院でお調べをしてもらっておるのは何パーセントというきわめて少い個所しか検査をしておらない。そういうような場合には、そういうことがないようにするために補助金の適正な使用について法的な措置を講ずる。それはあなたの言われるように根本的なことをやっていただくならいいです。それはいつのことになるかわかりやしない。とても鳩山内閣が続く間においてそんなことができようとは私たちは期待しておりません。そうすればこの際何とかして補助金が適正に使われるように、これはその法律が悪いならばほかの法律でもいいですが、何かそういうことをやる必要がある、法的に措置することは必要だ、そういうふうにはお考えにならないですか。
○竹山国務大臣 先ほど申し上げましたように、われわれはいろいろ措置することはしますが、法律の必要もあろうという全体のお考えに基きまして、今国会に政府として適正化法案を御審議いただいておるわけでありますから、この国会の御決定に従ってわれわれはまた進みます。それからいつまでもできないじゃないかとおっしゃられますけれども、私はそう考えません。二十八年度災害という異常なときに起った異常な処置等のために、いろいろ全体的には世間の非難を受けておりますけれども、御指摘のように悪いものはあくまでどんどんやるべきである。しかしそれには政府あるいはそれぞれの監督その他にいろいろ不十分な点があったということもわれわれは自覚をして、それを直すということに全力をあげることは私は当然だと考えますので、今申すようなことをいたし、また問題は建設省に関する限りは実は災害予算だけであります。従ってここでいろいろな問題をもっと根本的に検討をして進みたいと考えまして、今度も災害国庫負担法を政府の手によって修正をいたしまして通過をいたしましたが、その一つは連年災害について全額国庫負担率を思い切って高めました。これは要するに今御指摘のように十分の財政の処置をしてやらないで復旧をしろしろと言うから問題が起るのでありますから、そういう処置を一つやりました。それからこれは私の持論でありますが、災害復旧費等について一年限りの予算をやるものでありますから、何とかごまかしてもその年にやってしまわなければ、あとのことはわからないということの原因も一つあると考えまして、今回大蔵省にも理解をしてもらいまして、災害復旧費は必ず三年間予算措置をとるということで、政府みずから法案を提出して、これも成立をいたしました。一歩進んで考えれば、私はこれを継続費制度にいたしたいのでありますが、これを完全に継続費予算にするには事務的にまだなかなか準備を要しますので、それはまたこの次の検討に譲るといたしまして、一応政府としては災害予算については三年間で必ず実現をするということを今度は法的に明確にいたしましたから、従ってそれぞれの災害費等につきましても、今までのようにあといつもらえるかわからぬ、仕事はちょっとやってあとほったらかしておくというような、ある意味において国費の乱費をしないように今後ともいたすということもやり、また災害査定官を増員いたしまして、必ず現地査定を全部について今年度から実施いたしますから、そういう面で今まで不当に地方に御迷惑をかけておったような問題は少くとも事務的には解消できるだろう。その上で悪いものを厳罰に処することは何ら躊躇するものでありませんから、現在の法律がどうあろうとも、検査院からどんどん摘発をしてもらって、刑法によってどんどん処罰すべきだ、かように考えております。一歩進んで適正化法案が国会の御審議の結果を経まして実施するということでありますれば、私はそれに何ら異議を申すものではありません。
○片島委員 昭和二十二年でありましたか、竹山さんが決算委員長をしておるころから私は決算委員をやっております。あのころからもいろいろこういう報告書を検査しておったのでありますが、特に私が会計検査院から承わって非常に遺憾に存じておりますのは、建設省と農林省の二重査定というのが非常に大きな金額に上っておることであります。こういう査定をされる場合に、幾らあなたのところの検査官、査定官をたくさん作られましても、農林省との間によほど緊密な連繋がなければ二軍査定ということが起ってくるのじゃないか。同じ内閣のもとにおいて、しかも同じ現場において、復旧工事において、二重査定が一億何千万円、二億というような大きな金額が同じ工事において行われておる。こういうことが指摘をされておりますが、査定をする場合にあなたの方と農林省とがお互いに連絡をとって二重査定にならぬというような方法を何か講じておられますか。やはり役所のことでありますから、お互いがセクショナリズムに陥って、それぞれ勝手に査定をやっておるということでありますか。何か調整の方法はないのでありますか。
○竹山国務大臣 どうもお話の通りで、私もはなはだ申し訳のないことで弁明の辞はないのでありますが、従来役所の連絡が十分でなかったという点があったろうと思いますから、今後は一そう一つ連絡を緊密にしてかようなことにならぬようにいたしたいと思います。ただ片島さん同様、われわれもいろいろ地方の事情から判断をいたしますと、災害のときはどっちでもいいからもらえばいいのだという地方の立場から、建設省で蹴られたら農林省へ持っいく、農林省で蹴られたら建設省へ持っていくというように、仕事の性質上橋みたいなものはそうはいきますまいけれども、道路だとかあるいは耕地復旧の仕事だとかいうことになりますと、そういうことがとかくこういう問題のもとをなしたのだろうと思います。この点は私も非常に遺憾なことで、査定の専門の連中にも今後こういうことにならぬように、農林省との間で十分緊密な連絡をとるようによく注意もし、また検討もいたしておりますので、かようなことの起りませんように努力いたすつもりであります。また実はこれは政府の役人だけの心がけだけで果してできるものかどうか。県などもやはりその気になって、どっちにでも持っていくというようなことを改めない限り、人間のやることでありますから間違いも起るかもしれません。そういう点は県と本省とがほんとうに気持を合せてこういうことの絶滅をはかりませんと、全体的に国民の信頼を失うことでありますから、われわれの関係の土木の諸君には土木部長会議の際にも私は厳重にそのことは申し渡しをいたしておりますが、今後御指摘の点につきましては特に注意をいたして参りたいと考えます。
○上林委員長 資料提出の要求について発言を求められておりますので、これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 建設省所管の質問は次の機会に譲ることにいたしまして、この際建設省当局に資料を至急取りまとめて提出せられるように要求したいと思います。本日会計検査院当局から、昭和二十八年度決算報告に基きまして御説明のありました各事項、主として批難事項として代表的にあげられております事項につきまして、その事実の実情、その原因、経過、結果につきまして、詳細に文書によって御提出願いたいと存じます。とりわけ三〇七ページの和歌山県が直営で施行いたしました工事の問題、それから三一〇ページの松山市が施行いたしました工事、いずれも補助事業でありますが、これにつきましては特に詳細に御依頼をしたいと思います。
○竹山国務大臣 よろしゅうございます。
○細田委員 片島君の質問に関連して、先ほどの点ですが、退職または訓戒といいますか、戒告といいますか、昭和二十八年度はわずか三人か四人と言っておりましたが、検査報告の三〇六ページの附録のリストを見ただけで、これは二重査定だとか、工事の目的を達しなかったというのは、これだけの件数があるのです。これでわずか三人か四人しか責任をとらぬというのはどういうわけでございましょうか。あまりにも少いと思います。
○竹山国務大臣 個々については、あるいは事務当局から申し上げるのがいいかもしれませんが、批難事項が、直接政府のいわゆる直轄工事等について批難をされた場合には、建設省の役人を国家公務員法で処分をいたすわけでありますので、いろいろ指摘をされておりますことは、補助事業として市町村でやりまして、県が監督してやった仕事でありますので、そのことの究極の責任はもちろん建設省にあるわけでございますけれども、検査院の指摘は、直接建設省の公務員の責任の追及をしておる件数でないものが大部分でありますので、批難事項に対する公務員法での処置はかようなことになっておる。また結果的に見ましても、われわれは漸次検査院も今申されておる通り、直轄工事については批難は激減をいたしておりますから、このくらいの数字は決してわれわれとしては実態に沿わないものではない。問題の四百五十一件の地方の補助事業に対する責任処置というものは、また別個に考えなければならぬ問題と心得ております。
○細田委員 私は補助工事を言っているわけではなくて、直接担当している工事、二重査定とか架空の工事というようなものが二十二件、それから工事が粗漏で目的を達しないものが十二件、全部で三十四件、これでわずか三人とか四人とか、戒告または解雇しないというのでは、ほとんどやりっぱなしでやり得というようなものであり、あるいはまた建設省としては、これは全部やむを得ないというふうに見ない限りは、公務員法による処罰をしないというようなことになっておるのではないかと思いますが、もう一度お伺いしたいと思います。
○竹山国務大臣 一つ一つのケースは私から申し上げかねますが、われわれはこの批難事項に対する処置はこれで適正である、また会計検査院もこの処置を認めているようなわけでありますから、なお御意見に基いて具体的に検討はいたしますけれども、われわれとしてはこれは適正な処置であったと考えております。
○上林委員長 残余の建設省所管に関する審査についての質疑は次会に譲りたいと存じます。それでは建設省政府委員側は退席をしてください。 —————————————
○上林委員長 次に、前会に引き続き、農林省の所管のうち、食糧庁、林野庁及び水産庁関係を除く他の部分について、審査を進めます。 それでは昭和二十八年度決算検査報告一五四ページより二二二ページ及び二三八ページより二四五ベージに至る報告番号九三〇ないし一八五七及び一八六五ないし一八七一を一括議題とし、そのうち九三〇、九四一、九四二、九五二ないし一八五七、一八六五ないし一八七一について、重点的に審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。細田委員。 政府側の出席者を念のために申し上げます。農林省からは大坪農林経済局長、武田会計課長、橘農業保険課長、大塚災害復旧課長、農地局関係は正井総務課長、農業改良局からは庄野総務課長、堀植物防疫課長、行政管理庁からは森政務次官、山中次長、岡松監察部長、犬丸監察参事官、松本監察官、なお会計検査院からは小峰説明員が見えております。
○細田委員 まず農地部に伺いたいのですが、御承知のように、毎年一定の計数を定めて原野または平地林の開墾をされておるわけですが、昭和二十五、六、七、八年というふうに、おのおの全国的にそういう平地林だの原野の買い上げをして、いまだに開墾をしていない面積が相当残っておる。この面積を大体昭和二十五年ごろからでいいのですが、二十五年が幾ら、二十六年、二十七年、二十八年が幾らという数字を一つお示し願いたいと思います。
○正井説明員 ただいまお話がございましたが、まことに申しわけございませんが、平地林だけの数字をただいま持っておりませんが、御承知のように開拓につきましては、未墾地の買収をいたしまして、その前に適地調査をやるわけでありますが、買収をやりまして、それに続きまして、その地区の開拓計画を詳しく作るわけであります……。
○細田委員 そんなことを聞いていない。結果の数字です。どこを開墾するのだとして国が買い上げながら、まだ配分をしていないのでそのまま残っておるものがかなりある。二十五年度から国が買い上げて、金は払っておる。安い高いは別です。登記まで国に移していながら、開墾をしていない面積が二十五年は幾ら、二十六年は幾らというふうに、八年、九年まで結果の数字をお示しを願いたい。
○正井説明員 ただいま年度別の買収面積と、それから事業に着手しておりません面積につきまして、数字を持っておりませんので、後ほど調べましてお届けしたいと思います。
○細田委員 持っていないというなら、やむを得ないから、あとでお示し願いたいのですが、二十五年、六年、七年、八年というように、四年も五年もたったものをなぜ配分しないか、国家の税金でちゃんと代金まで払って、登記まで移して、依然として山林地主の、あるいは原野の元の所有者の管理にまかしておる。これはどういうわけですか。
○正井説明員 開拓につきましては、特定の地区に入植してもらいまして、それから必要な建設工事をやるわけでありますが、大体その地区の入植予定者がかりに五十戸なら五十戸ありますと、この入植の進度というものは、事業の始まった初年度に一挙に入るわけではございませんで、逐次入るというふうなことになりますので、おおむねその地区につきまして入植者が大半入ったとき、一括してそれぞれの配分に基きましてやるということになるのでありますから、事業の着手年度と、正式に所有権を移すという売り渡しとの間には若干の時期のずれがございます。
○上林委員長 細田君に申しますが、農地局の開墾建設課長も御出席になっております。
○細田委員 これは人植者だけを目的としていなくて、かえって増反者もその配分にあずかるときには、その地方の状況によってあずかるわけです。そこで多数家族の入植者を収容できないような面積を買い上げてどんどん移している、また付近の零細農家がぜひわれわれに増反のためにそんなところを配分してくれということを熾烈に希望されていながら、県ではそのままにして、農林省は何もこれに対して指揮監督をしていない、こういうところがかなりある。これをあなたたちはいつまでやるつもりなのか。今実際五年も六年もたっていて、入植者がありませんので、増反希望者がありませんのでというようなばかな話は、われわれはとても聞いておれない。いずれも希望者が娘一人に婿八人というのになぜ四年も五年も六年もこれが行われないのか。そして将来いつまでに——いつまでというか、何年以内にこれは完成する予定なのか、この点を伺います。
○正井説明員 特定の地区につきまして、事業に着手いたしましたならば、できるだけ早目に入植をしていただき、また増反の方には土地を配分するということになっておりますが、これは一面建設工事の方との関係もございまして、あるいは入植者の入る地区、それから増反の地区と入り組んでおると思うのであります。それでまとまった地区はなるべく入植者に入ってもらう、そうでないところは増反の方に入ってもらうというふうなことで、建設工事の進度とかあるいはその地区の配分等に関連しまして直接入植していただく、あるいは増反者に配分する手続がおくれているというふうなことはあろうかと思いますが、私どもとしましては、ある地区に着手しましたならばできるだけ早く片づけて次の地区へ移っていく、建設工事もそれに並行しまして早く片づけるというふうな心づもりでやっておるわけであります。そのようにおくれておりますのは、実は主として——特にこれは入植の場合でありますけれども、建設工事の進度との関連でややおくれるということは想像もし、考えておりますけれども、増反の場合については、実はそのようにおくれておるということをあまり私自身聞いておらなかったようなわけであります。全般的には増反の場合は入植に比べれば入りやすいというふうに考えております。
○細田委員 その点は、さっき委員長が申された開墾建設課長ですか、その方ではどうなっておりますか。
○古賀説明員 今総務課長から説明申し上げました通り、増反者について建設工事が非常におくれたがために、ある程度建設工事をしない限りは、開墾作業あるいは営農事業が進められない部分があるわけです。それと関連して多少おくれているものもあるかもしれませんけれども、増反はそういう条件が比較的少いところに増反されるのが従来の例なんです。お話の点によくわれわれにはわからないのですけれども、めったにそういうことはないと存じます。
○細田委員 たとえば茨城県では二十五年、二十六年に買収したのがそのまま残っていて、ずいぶん農民組合なんかが連動して、大会を持ったり、何回もこれは配分しろといったりして、ようやくその一部が実現した。しかもその配分のできないところは地主の勢力の非常に強いところです。御承知のようにかつて自由党の政調で、これは発表されなかったが、開墾してないところはそのまま旧地主に戻すというような草案をこしらえたことがある。そういうようなことに万一の望みを託して地主が猛烈に配分に反対したであろうことが十分想像できるのです。あなたたちはせっかく国が金を出して登記まで移させている。それではまるで子供の生みっ放しみたいなもので、あなたの方でいろいろ機構ばかりこしらえて、役人ばかりたくさんおったって何にもならぬと思う。それで四年も五年もこれが配分されないでそのまま置いてあって、旧地主の利用にまかしていというよなことは、全国的に至急整理してもらいたい。三十年はまだですが、二十八年、二十九年には国が増反もしくは入植者のために買い上げた面積はどのくらいありますか。これは予定通り買い上げたのですか、それとも予定より下回ったのですか、その点について伺いたい。
○正井説明員 買収面積は最近の実績は下回っております。二十九年度が北海道と内地を合せまして、二万二千町歩、二十八年度はちょっと的確に覚えておりませんが、三万町歩前後でございます。
○細田委員 これはもちろんあなたたちがその計画を立てるためには予算措置も裏づけになっているでありましょう。どうして計画より下回っているのですか。
○正井説明員 根本的には、私どもが未墾地買収をいたしますときには、最初適地調査をいたしまして、その土地が開拓適地であるかどうかということを土性なり、あるいはその地区の広狭なり、あるいは傾斜の度合いなりいろいろ調べまして、その上でそういった買収をすることが、その所有者に対してどのような影響を与えるかというようなことも慎重に検討しなければなりません。そういったことを検討いたしまして、開拓審議会が各府県に、また地方事務所単位には地方部会がありまして、小面積の買収にはその地方部会に諮りまして、そこで審議をしていただきまして、その上で買収の手続をとるというようなことでやっております。最近の成績が非常に上っておりせん理由はいろいろとありますが、絶対的には非常に国土が狭くて、それぞれ持っておられる方にも大きく持っておられる方もありますが、それほどでない方も相当におられるわけであろうと思います。それと買収価格につきましても非常に安い価格であるというようなことと、もう一つは、先ほど申し上げましたような適地であるかどうかというふうな点について、最近はせっかく買収いたしましても、それが開拓に不適であるというような事態を防ぐために、十分慎重に検討いたしておるわけでありますが、そういういろいろな事情から成績が必ずしもこちらの予定しておるところまで伸びておらないというふうな状況だと思います。
○細田委員 これは今の話で、あなたにまかしておいたのでは、開拓行政というものはだめだという印象を私は受ける。三十年度の予算もいずれ十一月の上旬ごろには編成されるでしょうが、あなたの方で組んだ予算は、その三分の一か半分くらい国会の方で削ってもいいと思う。これはあなたの話では、現在の地主の方に利害関係を持っておるというようなことも言っておられるし、傾斜度なんかのことも言っておられますけれども、茨城県や東北の方に行ってごらんなさい、傾斜地の開墾なんてありゃしません。全部平地林です。現在地主というものは、農地を解放されたものだから、あと残っているのは山林です。山林をとられたら地主が困るのはきまっている。だからあなたの方も価格が安いというなら、行政措置でもう少し上げたらいい。あなたの話を聞いておると、総じて予算が、予定より開墾面積を下回っていると言いながら、毎年々々同じような予算を組んで計画を立てている。そんなものは机上プランで何にもなりゃしない。開拓審議会に対して農林省が警告を発したとか、あるいはあなたたちの係官が行って指導をしたということは聞いたことがない。まるでやりっぱなしである。そうして地主のごきげんをとって、開拓行政は下回っております、そんなばかなことを言っておる。そういうものの考え方では、結局あなたではできないということになる。これは農林政務次官に一つ御意見を承わりたい。
○上林委員長 農林政務次官は出席しておりませんから、次の機会に一つ……。
○細田委員 それでは干拓の問題を伺いたいのですが、都道府県に委託しておる干拓は、農林省ではどういうふうに報告を聴取し、どういうふうに検査をしておるか、この点を一つ伺いたい。
○古賀説明員 代行干拓のことだと思いますが、県に代行さしておるわけであります。それにつきましては農林省の出先の農地事務局というのが東京にございまして、農地事務局の方で検査をやり、いろいろな具体的な指示を県の方に与えていると思います。
○細田委員 実にたよりない答弁で答弁にならないでしょう。あなたはその課長でしょう。それで月給をもらっているというのだから、役人はずいぶんいいものだと思うのですが、実際は県に代行さしている場合には何もやっていません。だからここで一千万円も一千数百万円も使って、干拓工事が上ったりになっているところが茨城にもあるし、全国にもずいぶんあると思う。何にもしていない。それは農地事務局というのがあって、やっておるはずでございますと言う。それで本省の課長が勤まりますか。実に無責任きわまる話です。これ以上あなたに伺っても、これもやっていると思いますぐらいですからよしましょう。 あと局長、次官の来られたときにさらに伺うことにしまして、今度は農薬の方面で伺いたいのですが、病虫害の——当委員会でも相当関心を持って今審議されておるのですが、災害共済保険をもらう場合には、一応農薬を散布して最善の措置を講じなければ共済保険はもらえないわけでしょう、この点を伺いたいと思います。
○橘説明員 農薬災害補償の関係では、一応農家として当然すべき防除の義務を行なったというふうなことが明らかである場合には、共済金の支払いを免責することができるというふうな規定になっております。
○細田委員 そこで農民諸君は病虫害の場合には血眼になって農薬を探す、そうして農薬を散布するのです。ところが農林省の農薬の規格というものは、一たんきめると五年も十年もそのままで、最近新しい規格にどんどん直すというようなことが現に行われていない。これは厚生省の方と非常に違う。農林省の方では一たん規格で通ったものは何年たってもその規格そのまま——三十年も五十年も前のことは知りませんが、これはあなたの方はどう考えておられるか、その点お聞きします。
○庄野説明員 農薬の方の担当は改良局でやっておりますのでお答えいたします。 農薬につきましては御承知のように農薬取締法というものがございまして、農薬の品質の保持といいますか、そういうことで登録制度になっております。今のところでは農薬の規格というものはまだ設定を見ておりませんのでございますが、販売されます農薬につきましては、農薬の袋あるいはびんにその農薬の成分、たとえばパラチオンにつきましてはパラチオンが何%、それから粉剤としてそれをメッシュ、粒の大きさとか、それから全部がパラチオン剤でございませんで、それを薄める粉がございますが、そういったタルクとか、それを何グラム、こういうふうに表示いたしまして売っているものと、それからその薬の品質が一致するように取り締っているわけです。それについては業界から農薬の検査所に農薬の登録をやるわけです。そのときにうちの製品は何%、何が何%と表示いたしまして、その表示の通りに売っていたわけです。その取締りが一ぺん登録いたしますと今のところは大体三年と記憶しておりますが、三年間登録の効果がある。そしてまた切りかえていく、そういうことをやっておりまして、いわゆる表示と品質がいつも一致しておるようにわれわれの方で取り締っておるわけであります。規格というものは今のところは設定されておりません。
○細田委員 あなたの方は登録する場合に、許可になるメッシュは何メッシュでありますか。
○庄野説明員 ただいまのところはきめておりませんですけれども、農薬の植物に対する展着の模様とか、そういう点から大体二百五十以上のメッシュがないと、農薬として十分な効果が出ない、そういうふうに考えておりますので、登録に際しましては、いろいろ品質の改良を命じたり何かして、業界に、注意を与えていいものが登録されるように指導いたしております。
○細田委員 あなたは、厚生省の方では、これは人間の方ですが、現在何メッシュ以上であるということを御承知ですか。
○庄野説明員 その点は私まだ承知いたしておりませんですが、厚生省との関係で、特に農林省が連絡しあるいは協議いたしてきめておりますものについては、毒剤でございますね、たとえばパラチオンの毒性の問題、そういうものにつきまして、非常に人畜に影響を及ぼしますので、それの取扱いの基準といいますか、販売からそれを使用します基準、毒物の取締り基準と申しますか、それを厚生省と協議してきめまして、それによって農民が使用するように、そういう指導を農林省としてはいたしておる次第でございます。
○細田委員 厚生省では二百五十メッシュなんというのは、もうとっくに済んだはずです。今じゃ二百五十メッシュなんというのは、厚生省は認めていません。 それからあなたの方は、なるほどその表装にいろいろ成分を書いておかせる、こう言うのですが、抜き打ち検査はおやりにならないのですか、この点を一つ。
○庄野説明員 農薬検査所の職員が抜き打ち検査を実施いたしております。検査所は東京に一カ所しかございませんので、検査所の職員が二十八名ほどございまして、その中で取締官が一定の標章を持ちまして抜き取り検査を実施いたしておる次第であります。何分農薬の種類と、これが全国的にまたがっておりますので、努力はいたしておりますが、十分なことはできない状態であります。
○細田委員 農林省は二十八人おいでになって、そのうち稼働人員がどれだけか知りませんが、実は厚生省と違ってほとんど抜き打ち検査というものはしてない。相手は商人ですから、従ってその表装に印刷してあるだけの成分があるかないかということは非常な疑問です。だから農民は病虫害になると。これはもう保険にも関するし、また農民の本能からいっても、これは駆除しなければならぬという気持で一生懸命やる、そういう薬は血眼になって探して、そしてまくけれども、きく場合もあればずいぶんきかない場合もある。こういうのは、あなたの方の非常な怠慢じゃないか。実際それだけきいているかきいてないかわからぬ、というのは抜き打ち検査が非常に怠慢だからだ、それは二十八人でできる範囲でやっているかもしらぬが、全国で二十八人でできるものかどうか、それは知りません。これはあなたの方はほとんどやっていない。やっていると言うなら、何月何日にどこのものをどうというふうにとわれわれ承知したい。これはほとんどやってない。だから農民諸君が、病虫害を前にあれだけ熱心に散布するけれども、どこまできくのだか、農民諸君といえども、実に気の毒な話だけれども、確信が持てない。ただいよいよとなって災害保険金をもらおうという場合に、これをやっておかないともらえないから、ただ一生懸命散布するというだけなんです。 そこで、こういう状況を御存じですか。農薬は非常に投機的な仕事といわれている。そして業者は、もうかるときはもうべらぼうにもうかる、だから農林省へ行って登録するということに非常にうき身をやつす。けれども厚生省方面の薬なんかと違って、別に抜き打ち検査もない、従って廃棄処分もない、だから一応検査に通ってしまうと、あとはちっとばかり印刷しておけばどうでもいいというようなことだと思うのです。でない限りは断じて投機的な仕事とはいわないわけです。農薬の製造業者はそういうふうな感覚がかなり強いのですが、これに対するあなたのお考えを伺いたい。
○庄野説明員 御指摘のように、二十八人でございますので、最大の努力はいたしておりますが、不十分な点はあろうかと存じます。なお二十八人のうちのそういう検査官が現地に出向いて抜き取り検査をやるということも相当ございますが、また県の——県庁でございますが、県内に流布されております農薬等について、疑問のものがあれば、それをとって、県からの依頼検査というものもございます。そういう点もあわせて実施して、できるだけ効率を上げるように努力いたしております。昨年産も北九州あたりでBHCが非常に問題になりまして、係官を派遣して、抜き取り検査を実施して、相当数の品質の改善あるいは発売停止、そういったことをやった例もございます。またパラチオン等につきましても、全然パラチオン等を含有してないものが詐欺的に昨年はパラチオンの名前で売られた。そういうものも摘発して告発するとか、発売禁止を命ずる、そういうことも昨年度はいたしておるわけであります。われわれといたしましては、今後一そうの拡充をやって、農民がそういう点からこうむる不利益をできるだけ防止して、食糧増産に邁進できるようにしたい、こう思っておるわけであります。 なお、今御指摘になりましたように、病虫害防除の薬剤というものは、その年度の気象条件といったようなものに非常に左右されて、異常発生をやるという傾向がございまして、御承知のように、投機的と申しますか、見込み生産というものが肥料のようにできにくい性格のものでございます。これにつきましても、われわれといたしましては、異常発生をやった場合に、農民が防除に差しつかえないように、またそのときに物が少くて価格が暴騰しないように、そういったような含みから、二十九年度から農薬の備蓄管理ということをやっておるわけでありまして、これは地方では県あるいは県の指定する団体、中央では農薬の販売業務を大口にやっております全購連、そういったところに管理費用の金利、倉敷でございますが、そういうものを補助いたしまして、一定量の農薬を早期に備蓄さして、発生期であります六月、七月、八月に備えておるわけであります。そういう点もあわせて、農薬が投機的にならないように、不時の需要に応じられるように、われわれはできるだけの努力をいたしておるわけであります。
○細田委員 とにかく病虫害の補助費が二十六億六千万という膨大な予算をとっておる。これに対して、きくのだかきかないのだかわからないような薬を許可しておくということは、きわめて無責任だと思う。あなたのお話によると、備蓄管理の方法を講じておられる、こう言われておるので、一歩前進だとは思いまするけれども、しょっちゅう抜き打ち検査をして、規格というか、あなたの方の合格の水準に達しないものは、どんどん廃棄処分をするということをしなかったならば、これは国の機関がこしらえたものではない、業者であり、しかもまくところがものの言えない植物なんだから、私が業者だったらそれくらいな冒険はします。病虫害が出たとなるとその点を十分注意しませんと、表装にこれだけのものが書いてあるといって安心しておられたのでは、農民は非常に迷惑する。抜き打ち検査をひんぱんにして、あなたの言われる備蓄を完全にして、有効成分のあるものを備蓄できるようにするようにするには、あなた方二十八名の職員あるいはその他の機構をどういうふうに拡充されたらいいか、あなたのお考えをお聞きしたい。
○庄野説明員 毎年農薬検査所の拡充予算は要求いたしておる次第でありますが、三十年度まで実現を見なかったことはまことに遺憾に存じておるわけであります。三十一年度も、われわれとしては抜き取り検査を拡充するということで今準備を進めつつあります。これは結局ある程度の人員の増——あるいは分析室の拡充とか検査官の人員の増加とか、あるいは農薬が一番出回ります六、七、八、九月といった期間に臨時に学生等の応援を得て分析を強化する、そういったような考え方をいたしております。 それから備蓄の問題でありますが、備蓄も昨年初めてやりまして、昨年の実績によって今年またいろいろ改善しながら、平常防除と異常発生に対する両方の考え方から、一応過去五カ年の平均発生面積をとって農薬量の決定をして、それに相応するような予算を組んでおるわけであります。さらに現実の問題といたしましては、全勝連あるいは県にいろいろ予察事業をやっておりますので、今年大体の発生状況等を予察いたしておりますが、そういう点を時々刻々流しまして、備蓄量の拡充整備と申しますか、準備にできるだけの努力をいたしておる次第であります。
○生田委員 関連してお尋ねしますが、先ほど細田さんもお尋ねしておったことですが、未墾地の買収のことであります。あれは、すでに政府が取得したもので開墾に着手していないもの、それから個人の所有に帰したものでも、現状のままで開墾に着手しないものが相当あると思うのですが、その面積はどのくらいになっておりますかお尋ねします。
○正井説明員 概数で申し上げますが、内地につきましては今までに未墾地の買収が大体六十五万町歩、そのうちすでに着手しております地区の面積が五十五万町歩であります。残っております十万町歩につきましては、開拓の事業は、買収いたしましてそのあと地区開拓計画によって、その地区にはどういった建設工事が必要であるか、あるいはその地区の気候なり地形なり地味の状態から見まして、その地区はどういった形の営農がよろしいかというようなことをきめます。これは地区開拓計画でありますが、それが大体買収の翌年になります。それでそういった開拓の可能地が出てくるわけであります。それと見合いまして何年度は何千戸の入植をやるというふうな計画を立てまして開拓行政を進めていくわけでございます。入った方々にはそういった建設工事を進めますし、また基本的な営農資金の貸付制度がございままして、御承知のように十七万円を三カ年に分けてそれぞれ営農資金を貸し付けるわけであります。そういうことでありますので、開拓の仕事は、買収するときには三カ年か四カ年の後に入るというふうなことでずっと継続的な計画になって参っておりますから、国が持っていなければならない土地も一定量必要であります。そうして事業着手前に地区開拓計画ができておりまして、事業費がつけば建設工事ができるし、入植者を入れることもできる。増反の方にはまた増反をやっていけるというふうな見込みを立てまして、ずっと年次計画によってやっているのであります。 ただいまのところは大体そういった状況で、的確な数字は覚えておりませんが、そのほか計画してまだ着手していない面積、あるいは計画中であるとか、あるいは終戦後買いました土地の中には、どうも傾斜がきつ過ぎるとか、石ころが多くてむずかしいというふうな地区も若干あります。大体の状況はそういうことであります。
○生田委員 そうすると、あなたの御説明では、開墾準備中にあるものというふうなお話なんですが、その十万町歩の内容はすべてあなたのおっしゃるような内容だと解釈してよろしゅうございますか。
○正井説明員 さようでございます。その中にはすでに計画が済んでおりまして、いつでも着手できるというところと、買収してこれから計画を立てるという地区と、若干は計画は立てられたけれどももう少し検討しなければいけないというふうなところがあるわけでございます。
○生田委員 細田委員も言われておりましたが、東北方面だと未墾地がだいぶん余裕があるようです。関西の方へいきますと余裕がないように思う。それでも一様に、余裕のないところでも、ひどい傾斜地のところとか、非常に高いところとか、そういうところを無理に国の有に買収して、もう六、七年もそのまま経過しているものがあるように思うのです。これはあなたの今言われる土壌あるいは高度等によって再検討を要するものに該当すると思うのですが、そういうのはどういう処置をなさるつもりですか。
○正井説明員 どうしても開拓地として適当でないというところにつきましては、元の方に返すということで、実は二、三年前予算をとりましてそういった地区を調べたことがあります。それにつきまして県の方に督促いたしまして、だめなところはだめで返す、それから適地は事業を進めていくということにいたしております。県の方の手続を事務局を通じまして督促いたしております。
○山田委員 ただいまのお話の中の開墾計画十万町歩の中に入っておると言われるものに、栃木県の西那須にある青木農場が入っておるかどうか。これは開拓団が数年来懇請しておるようですが、これについて何か御存じの点がありましたならば伺いたい。
○正井説明員 私の課では実は具体的にそういった計画に直接タッチしておりませんので、ただいま御質問の青木農場がどういうふうになっておるかについては存じておりません。後ほど調べましてお答えいたします。
○山田委員 これは前小平知事は、満州から引き掲げてきた開拓団の諸君が県に陳情しているけれども、国の方でこの方針を示してくれないということを言われているのですが、一応資料をわれわれに御提出願いたいと思います。
○上林委員長 ちょっと細田委員の質問の前に農林省側に申し上げますが、私が聞いておっても非常に答弁が不十分なようですから、一つきょうの質問の要点を御記憶になって、次の機会にまとめて、農地局長なり政務次官なり出席して御答弁するように御考慮願いたいと思います。
○細田委員 さらに私今の農地部の課長に伺うのですが、これは東京駅を西へ行った場合と東京駅を東へ行った場合とで開墾適地の多い少いは非常に違うと思う。しかもこれは最近ほとんど県にまかしてしまっている結果、国の方でも実際どうにもならぬ場合が多い。国が直接どんどんこういう国家の予算で買い上げ、これは金は若干安いので幾らか上げていいと思う。そして二千億ずつ食糧輸入をしてこれを何とか解決しなければならない重要な国策として、現在ではあまりにも県にまかしている事項が多過ぎる。この点はあなたはどういうふうに考えているか、あるいはその制度を将来——将来というのではない、近い間に改革する御意思があるのか、その点を一つあなたに最後にお聞きしたい。
○正井説明員 実は開拓の関係につきましては、地方庁に二千人近くの補助職員を持っておるわけでありまして、その補助職員を通じまして買収なりあるいは開拓計画なりいろいろ指導いたしておるわけでありますが、終戦以来大体同じ方がかなり長くやって参ってそれぞれエキスパートにはなっておりますが、開拓の仕事は非常に利害に関係するところが多いのでございますので、実はこういつた職員につきましては、全額国が経費を負担するというようなことで、国のそういった仕事に対する指導力をもっと強化するというような線で、実は三十年度におきましても予算折衝をいたしたのであります。結果は半額の補助職員ということになっておりまして、こういった点から職員に対しての国庫負担を多くすることと、それからこれらについてはこちらの指導態勢ももっと強化していくというふうに考えております。
○細田委員 今の計画の具体的な資料なんかも一つ御提出を願いたい。 最後に公共事業の関係について伺いたいのですが、これは検査報告を見ても、五万五千九百カ所五百六十一億八千万、実に膨大な予算を農林省自身が擁しておる、これに対して減額是正されたものが一万六千七百カ所というようなことで、しかも八十七億という大きな数字になっておるが、こういうような不正工事と申しましょうか、また妥当ならざる工事を含めて、だれが見てもこれは最初から故意がないにしても重大な過失がある、また使う道が違うのだというようなものについて、農林省はこれの金の返還を求めておられるか、求めておるとすると何件で幾らくらいになっておるか、その点を一つ伺いたい。
○武田政府委員 農林省所管の、これは全部でありますが、会計検査院の方から批難を受けました事項についての補助金の返還状況についての御質問と思いますのでお答えをいたします。昭和二十五年度から申し上げます。昭和二十五年度は返還命令を出しましたものが、概数で申し上げますが、七百十万円でございます。そのうち返納済みのものが約四割でございます。それから二十六年度は農地局、林野庁、水産庁合せまして二千三百十八万円でございます。これに対する収納済み額は約二千万円でございます。昭和二十七年度は同様農地局、林野庁、水産庁を含めまして五千八百万円、これに対しまして現在までの収納済みが約三千万円余であります。二十八年度は、これは相当広く各局にわたっておりますが、総額で一億二百八十三万円、これに対しまして現在までの収納済み額は二千三百万円ということに相なっております。
○細田委員 この程度にして私はあとにいたします。
○上林委員長 次に吉田委員。農林省所管はまだ質疑は打ち切りませんので、十分それを御配慮の上で御質疑を願います。
○吉田(賢)委員 できるだけ簡明に御答弁願いたいと存じます。そこでまず伺いますが、前会に農業共済に関しまして、二十八、九年度の共済事業の決算上の不足額と関連いたしまして、数字の御説明を資料として出していただきたいと言ったのですが、この資料では特別会計の決定計算書というので、私の資料には該当しないのであります。要するところは、素朴な表現をもっていたしますれば、農業共済の事業に対しまして、二十八年及び九年度において国は何ほどの経費を出したのか、こういうことの実態をつかみたいのであります。従って特別会計の決定計算というのでは出てこない面が多分にあるのです。これは一般会計からも出ておりますし、そういうような面から一つ見ていただきまして、その数字を文書にして出していただきたい、これをお願いしておきます。
○上林委員長 この間の農業共済再保険特別会計決定計算書では資料としてちょっと不十分だというのですが、今の要望の通り出していただけますか。
○橘説明員 了承いたしました。
○吉田(賢)委員 その次に行政管理庁でありますが、本年六月行政管理庁の出した資料による監察の中間報告の二○ページ及び二〇一ページの山口一、山梨二、愛媛一の四つの各組合が、T、M、H、W等の各符合になっておりまするので、これらの内容を詳細に御説明願うようにしておいたのでありますが、資料が出ておらぬ。これは口で御説明なさるつもりですか。
○岡松政府委員 御質問にお答え申し上げます。前回の委員会で次長が答弁申し上げましたように、火曜日の委員会までに間に合わすというお約束で、実は内部的に非常に——徹夜までして資料をやっておりますので、時間には間に合わすつもりでありますが、きょうはまだできておりませんので、さよう御承知を願います。
○吉田(賢)委員 火曜日に間に合わすということで、いつできるのですか。
○上林委員長 火曜日は明日です。
○岡松政府委員 明日の朝……。
○吉田(賢)委員 明日の朝持ってくるというようなことでは、われわれは従来もそう言っているのですが、前日にすべて資料を出してもらいませんと、当日資料をこの場で読んで質問するということはいたずらに時間をとりますので、しないことにしております。
○岡松政府委員 実は外注に出しておりますので、きょう中にできる見込みになっております。委員会の定刻前にはぜもお手元に差し上げて、余裕をとりたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは少し伺ってみましょう。私どもおとといの日も埼玉県につきまして少しく現地調査をやってみたのでありますが、この掛金が適正に微収されておらぬということは一般的に常識になっておるのでございます。そこでこれは組合の総会などで、あらかじめ預金その他の金をもって便宜徴収する、こういうようなことの表決がせられて、それで具体的に徴収しないで預金等から差し引くとか受け出すというような方法が便宜とられているということを聞いたのであります。この点はあなたの方の管理庁の御報告のうちにも書かれておるのでございますので、ほかの各県にも類例がずいぶんあるようにも想像しておるのでございます。こういうようなことは一応便利なようではありますけれども、結局農民といたしましては、直接みずから掛金をしておらぬということが、次の段階の共済金を受け取るというときにも、直接受け取ることをしないで、他の者に代理をせしむるとか一括受け取りするとか、あるいはほかのものに流用されるとか、他の債務に引き当てに取られるとかいうようなことが生じやすいものとどうも思われるのであります。この点につきましては、あなたの方としても、また保険課の方におきましても、やはり農業保険の上の一つの掛金徴収上の盲点であるというふうにお考えになりませんでしょうか。その点についてちょっと聞いておきます。もしこまかくおわかりでなければ専門の保険課長から……。
○岡松政府委員 前会にもちょっと申し上げましたように、農民の現金収入の時期その他現金を出すのが困難であるというような関係上、そういう便宜処置をとっているのが非常に多いと思うのであります。農協の預金から便宜振りかえるということは、私の方としては違法ではないというふうにも見ておりますが、しかしやはり御指摘のような徴収に便宜処置をとったために、共済金をもらう方にもあまり強力に主張できないといったような、多少関連性はあるようにもとれるというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 保険課長御意見ありますか。
○橘説明員 ただいまの点でございますが、預金から掛金を引き落すようにということは、あらかじめその組合員との間に契約がなされていて、適当に手続をされておれば私どもの方としては違法としてとがむべき問題ではないというふうに考えております。その点につきまして現実に掛金を現金で個々に納入するということが、今までの事実事務処理の上から申しましても、非常に事務量がふえて困難であるという点も考え合せまして、預金から納入するということは手続さえ確実になされておれば、私どもとしてはあえて禁止すべきことだとは考えておりません。
○吉田(賢)委員 農林局長に伺いますが、一体この農業共済保険の事業というものは、根本的に法律に従って適法であるということを眼目にしておられるのか、あるいは運営の妥当を期してやっておられるのか、今伺っておりますると、管理庁においても農林省においても両方とも法律上違法でないというようなことにお答えがあるようであります。私は違法であるか適法であるかということを主眼に聞こうとしているのでないのであります。掛金が徴収されないということが共済金が適当に支払われておらぬということの大きな原因であると思いまするのでそのよって来る原因の探求が私の質問の趣意なんで、従ってこれが適法であるか違法であるかということを私は聞くのじゃないのです。そういうようなことなら、伺ってみたいことは、あなた方はこの農業共済保険の事業というものを、法律上の正確を期して運営することが主眼であるのか、そうでなしに、客観的に妥当な運営をするということを眼目としてやられておるのか、その点はどうなんですか。
○大坪政府委員 ただいま御指摘の通り、共済組合といたしましては、農業の再生産力を維持していくということが眼目でありまするが、やり方はもちろん適法でなければならぬということは前提となると思うのであります。しかしこれは農民がほんとうにその制度を理解し、その制度になずんでいきまして、それが適法に運用されていくということが必要だと思うのでありまするが、実際問題として、数百あるいは数千の組合員から一々現金で金を徴収しておるということが、現在の職員の数その他の上から非常に繁雑であるのであります。農民がこの制度にほんとうになずみますために、やり方といたしましては、御承知の通り一々現金を保険にかけるわけでありまするから、事務員が農家をまわり、あるいは農家から来て現金を払うということが一番制度のやり方としては正しいことじゃないかと思いますが、現在の状態では多くの組合員においてなかなかそういうことをやりますことは、事務の分量上困難ではないか、かように考えるわけであります。従いまして私どもといたしましては、この際できるだけ組合を合併いたしまして、合併いたしますと職員が現在一組合平均大体二・三人おりまするが、五つの組合を合併いたしますと十人くらいの人間ができてくるというふうなことになりまするし、できるだけ組合の内部を強化いたしまして、ほんとうに農民がこの制度になずんでいくような体系を作っていって、そうしてこの制度を運用した方がいいのじゃないか。もちろん建前自体といたしましては、組合の預金から引きおろすということは違法なことではございません。しかしながらこの制度をほんとうに農民のものにするためには、一々現金を農民の方からあるいは組合の方からとってもらうということが正しいことじゃないかと考えております。
○吉田(賢)委員 この制度ができまして、昭和二十二年の十二月でありまするから、すでに八年になります。そこであなた方は全国の農民がこの制度の趣旨、この制度の構造、この制度による農民及び組合等の権利義務、そういうものに対する理解があるというふうに御認定になっておりますか、いかがですか。
○大坪政府委員 法律自体の立て方が、非常に詳細と申しまするか、綿密にできておりまするので、農民の理解がきわめて困難じゃないかというふうに私ども考えておるのであります。しかもこれが強制加入と申しますか、当然加入であり、加入した以上は必ず耕地反別面積を全部加入しているという建前をとっておるのでございまして、制度自体が強制加入であり、また仕組みが非常に難解でありますので、理解の程度は非常に低いじゃないか、こういうふうに考えております。これは今後とも大いに啓蒙して参らなければならぬ問題だ、かように考えております。
○吉田(賢)委員 農民はこの法律の規定のこまかいこと、構造の複雑なこと、強制加入等々いろいろな理由によりまして、すでに八年も経過しておるけれども、まだよく理解をしない。これはきわめて重大な問題であります。第一の主人公は農民でなければならぬ。まず第一番に理解し、納得してくれる人が農民でなければならぬ。その農民がよく知らないというようなことで、一体運営の適切と完全を期することができましょうか。そこでまたさきの御説明によれば、組合は人間が足りない、職員が足りない。そこで徴収できない。徴収できないので、預金を引き落し、委任状をとったりして、便宜の方法をとる。組合というものは共済の事業をする主体でございますが、その組合が職員が足りないので徴収はできない。一体徴収ということは、まず第一義的な重要な事務でなければならない。損害の評価の問題も重大でありますし、また共済金を適正に支払うということも重大でありますが、第一義的には掛金の適切なる徴収ということが大事な問題である。それの人間的な構成の不備から力がない。一体それでいいだろうか。第一組合自体が、組合事業の経営の能力がないということになるのじゃないだろうか。そして組合員が理解をしておらぬ。組合が理解をしておらぬ。組合に経営の能力がないということで、この農業共済の保険事業が適切に、完全に運営できるということは想像されません。いかに政府が何百億円の予算を、国費を毎年使いましても、幾多の問題が生ずるのはそういうところにある。これはこのままでいいのでしょうか。あるいはあなたの今の御説によると、啓蒙するとおっしゃっているけれども、啓蒙するというようなことだけでは、第一啓蒙にならぬし、問題は解決しない。今申しましたこの二点は、相当重大な点であると思うのであります。つまり農民の理解がないということ、組合において経営の事務的能力がないということ、この二つについては深く省察を払わねばならぬ重点だろうと思うのですが、いかがですか。
○大坪政府委員 現在の組合が、組合の事務員の数からいたしまして、あるいはこれを経営する理事者側の面から見ましても、非常に弱体であるということは御指摘の通りでありまして、この点が現行共済組合の運営上、最も重大な点と思っておるのであります。そこで組合といたしまして職員の数をふやすということになりますと、当然これが一般経費の賦課金にはね返ってくるのであります。賦課金が多いということは、結局農民がこの共済補償制度にあまりいい感情を持たない、こういうようなことにはね返ってくるのでありまして、何といたしましても掛金並びに一般経費の賦課率というものを引き下げて参ることが必要であるのであります。しかしながらこれはなかなか急にそういうふうに参りませんので、私どもといたしましては今度農林省で衆議院並びに参議院の両院議員を中心といたしまして研究されております農業補償制度再建整備協議会の中間答申に基きまして、現在非常に弱小の組合を合併後の市町村に大体平仄を合せまして、共済組合をできるだけ合併をいたしまして、県庁の指導監督も十分いくようにし、かつ組合の事務員といたしましても十名内外は職員を備え得るような組合に引き直して参りたい、かような見解のもとに目下指導をいたしておるのであります。現在は組合の区域も非常に狭くて、いわゆる共済対象となる面積も非常に小さい組合が多いのでありますが、これを合併ということをやりまして、大きな組合に対しまして内容の充実をはかって参りたい、同時にこの共済組合の制度内容を農民によく納得させるように、啓蒙をいたしまして督励をいたしておるのであります。
○吉田(賢)委員 そこで問題の一つは事務所の問題になりますが、どうも大半の事務所が独立をしておらぬ。埼玉県におきましても三百四十三の組合のうち、農協組合の中に事務所を持っておるのが三百三十であります。でありますので、大半といいますか、ほとんどが農協の中に居そうろうをしておる。それから農協の組合長即共済組合の組合長であるというのが、三百四十三のうちの二百五十六、八割ということになっておる。そういたしますと、人間の数は二人ないし三人、しかも頭は兼職、事務所は農協の中で、こういうような場合に、経済的な力もない、人間の数もない、事業がきわめて煩瑣である、こういうようなことでは一体独立の運営ができるのであろうか、これは何の事業か本質的には性格は私にはよくわかりませんが、あらゆる機会に一度あなたの御意見も伺ってみたいと思いますが、保険事業であれ、共済の事業であれ、いやしくもこの種の事業を運営する上におきまして、私は末端の組織、経営体というものがあまりにも不合理な存在である、こう思うのであります。そこで今のようなあなたの御説でありますけれども、さりとて人間を十人にしたからいいということで問題は解決するものではないと思います。そういうふうに部分的に一々の結論を出していくべきものではないように思われる。一々結論を出していくと、問題が次々と関連性があまりにも大きいのでありますから、これは全般といたしましてやはり結論の大きな方針が立てられるべきだと思いますから、私は今あなたが人間の数をふやして、あるいは小さいものを合併してというだけではいくまいと思いますが、これも一つのお考え方には違いません。そこでただいまの事務所で居そうろうしたり、頭が一緒になって——一緒になってといっても、それは共済組合が従であります。主は農協である実情からいたしまして、こういうことも基本的にきわめて重大な問題であると思うのですが、いかがでしょう。
○上林委員長 答弁の前に、農林省所管の質問は本日で打ち切るのではございませんから、一時から他の委員会がここで開会されますから、一つこの問題はこの程度にお願いします。
○大坪政府委員 農業共済組合がただいまの御意見の通り大部分が協同組合と事務所を一緒にしておるとか、あるいは組合長を一緒にしておるとか、そういうふうな意味におきまして共済組合が協同組合の出先と申しますか、うらはらみたいな格好になっておるのであります。あるいはその他の場合は市町村と事務所が同じというような場合も相当あろうと思うのでありますが、大部分は協同組合の裏の団体というような現実の姿を持っておるのであります。この点につきましては、実は独立の事務所を設けまして完全に独立の経営をやっていくということは当然でありますけれども、ただいま申し上げましたように、組合の事務費と申しますか、そういうような部分の経費が非常に少いのでありまして、もし独立の経営をするということになりますと、相当一般の賦課金を多額にとらなくちゃならぬ、こういうような事情がありまして、そういう事情から、いわゆるうらはらのような恰好に相なっておるのであります。このことが農業共済組合という仕事が農民に少しも徹底をしないという一つの大きな要素をなしておると思うのでありまして、私どもといたしましては、組合長もできるだけ専任にし、かつ事務所等も独立にこれを持っていくということが当然必要じゃないか、かように考えておるのであります。そういう意味合いからも、数カ町村を合併されました新しい市町村合併に即応いたしまして組合を合併していく、こういうことがぜひ必要じゃないか、かように考えておるのであります。
○上林委員長 もう一点だけ……。
○吉田(賢)委員 いろいろ聞きたいと思いますけれども、きょうは時間の関係がありますので、もう一点にとどめておきます。 もとへ戻りますが、農民にこの事業なり法律なり制度なり構造なり権利義務なり、そういったことをほんとうに周知徹底せしむるということは非常に大事なことでございますが、あなた方の今日の方向といたしましては、これは現行法がこうあるのだから、新しい制度ができればそのときのこと、現行法がある以上は現行法によってということになるのだろうが、農民に周知徹底せしむるという方法を何かほんとうに考えておられるかどうか。この制度の複雑なことを周知徹底せしむるということは、今の日本の農家の知能なり、あるいは労働の激しさなり、農業経営の規模の小さいことなり、いろいろな社会的事情なりからいたしまして、なかなか容易ならぬことである、こういうふうにもお考えになりますまいか。それからさらに農家全体といたしまして、農業共済並びに保険等につきまして、村の何がしあるいは部落の何がし——どうも村というよりも部落が単位らしくわれわれは感じておるのでありますが、部落の何がし、たとえば部落長あるいは支部長、班長等々幾多の名称があるようでありますが、そういうものにたよって、まかせて、会計もまかせば何もかもまかしてしまっておるということで、しごく便利である、そういうのが実態で、従って一々の農民にこの制度の趣旨を徹底せしむるということは、第一容易ならぬことでもあるし、そういうことは事実全くやっていないというのがほんとうじゃないのでしょうか、それだけ聞いておきます。
○大坪政府委員 この制度の内容を農民に徹底せしむるということは、非常に困難なことでありますが、この制度を農民のものにします以上は、ぜひ徹底をするような方策を具体的に実行しなければならぬのではないか、かように考えるのであります。この点につきましては、常に地方庁に対しまして、この制度の徹底方を要望しておるのであります。ただいまの部落長まかせというような点につきましては、実は損害評価と申しますか、実収高の調査の場合に、——これは供出の場合もそうだったのですが、部落長が中心になって供出数量を決定していくというような事情であります。これとうらはらをなしております本制度の損害評価といういう点につきまして、部落長は大体自分の部落の農家については、公平な目で見れば、被害高がどのくらいかということがわかる関係上、そういうような運営をしておる場合も多かろうと思います。この制度といたしましては、今後はできるだけ各個々の農民にその精神を徹底せしむる、こういうことが前提をなすんじゃなかろうか、かように思っております。これらの徹底方につきましては、私どもといたしましても今後最善の努力を尽すべきだ、かように考えております。
○上林委員長 農林省所管についての質疑はこの程度にいたします。 次回の委員会は明二十六日とし、午前十時より理事会、引き続いて十時十分より委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時六分散会