決算委員会 第18号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/06/17
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費使用総調書(その2)、昭和二十八年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和二十八年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書、昭和二十九年度一般会計予備費使用総調書、昭和二十九年度特別会計予備費使用総調書、昭和二十九年度特別会計予算総則第八条に基く使用総調書、昭和二十九年度特別会計予算総則第九条に基く使用総調書、以上八件の承諾を求めるの件及び昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括議題とし審査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。吉田委員。
○吉田(賢)委員 簡単に質疑をいたしたいと思います。まず一五一ページの海上保安庁の航路標識の台風被害に必要な経費につきましてお尋ねしたいのですが、これは三十年三月二十五日の閣議決定の事項になっております。もう年度を過ぎておりますが、年度内の仕事の運び方、その後の支出の状況などはどういうふうになっておるでしょうか。
○上林委員長 政府側の出席者を申し上げます。藤枝大蔵政務次官、竹村会計課長、運輸省は梶本会計課長、海上保安庁からは吉行経理補給部長、森総務部長、会計検査院からは保岡検査第一局長が出席しております。吉行経理補給部長の答弁を求めます。——今いないそうですから……。
○吉田(賢)委員 それでは、簡単ですから次の大蔵省関係の分をお尋ねいたします。一二一ページの租税還付加算金に必要な経費であります。これは租税の還付金につきまして、加算金が莫大に支出されておるのでございます。申すまでもなくこの加算金は、租税を納付者に還付するにつきまして、利子に相当する金と考えまするが、ずいぶんと大きな金額になっております。御提出の資料によりますると、本年六月十四日付の調査によると、当初予算が七億円で、予備費といたしまして六億四千万円、こういうことになっております。十数億の還付加算金が支払われておるのであります。ずいぶんこれは国の支出といたしましても遺憾のように考えるのですが、その点について、どうしてこんなに莫大な加算金を支払われなければならぬのであろうか、一つ御答弁願いたい。
○竹村政府委員 お答え申し上げます。なるべく還付加算金の予算を節約するということについての御意見は、まことにごもっともでございまして、私どもといたしましては、極力さような方向に努力しておるわけでございます。ただ還付加算金の種類によりましては、ある程度必然的に出てくるものがございます。その一つは、青色申告の損失繰り戻しの場合でありますが、その場合においては、当該事業年度において損失が出ておるということを税務署において確認しなければならないわけでございます。法律によると、申告を出すべき時期から三カ月間は還付加算金をつけないことにはなっておりまするが、そういう大きな欠損金額について調査いたしまする場合においては、実際上の問題といたしまして割合に調査に時間を要する。かような点から一つ還付加算金が出て参るという場合がございます。それからもう一つの問題としては、たとえば会社の場合でございまするが、その会社が源泉徴収の対象になるような収入、たとえて申しますると、公社債、株券、かようなものを持っておりますると、それぞれの配当期あるいは利払い期に先に源泉徴収されるわけであります。それから後決算期が参りまして、決算期において、その期中において源泉徴収されました税金を差し引きまして、還付が出るか出ないかという計算をするわけでございます。さような場合においては、初め決算期のずっと前に源泉徴収されておるわけでございまするから、その分については、やはり必然的に還付加算金をつけざるを得ない、こういうふうな格好になっております。それからそのほか普通の過誤納、さような場合におきましては、支払いがおくれますと、もちろん還付加算金がつくわけでございますが、さような問題につきましては、税務署といたしましては極力早く調査を完了いたしまして、また支払いの方法につきましても、今までのように税務署の方においでいただくというのではなくて、税務署の方から郵便局の方へ支払い通知を出して、できるだけ早くお受け取りを願うというようなことにいたしまして、納税者の方方の御便宜をはかると同時に、還付加算金の節約をはかっているわけでございます。何と申しましてもまだ相当大きな還付加算金の予算を使っている現状でございまして、できるだけ御趣旨に沿いまして、還付の促進をはかって経費の節約をはかりたいというふうに考えている次第でございます。
○吉田(賢)委員 還付加算金が十三億円以上にもなりますことは、これはやはり莫大な支出であろうと思いますので、これは手が不足であるのか、あるいは制度が悪いのか、あるいはその他真にやむを得ざる分があるとするならば、それはともかくといたしまして、できるだけこれは改善の方途を講じて支出を削減するように、圧縮するように努力せられなければならぬと思うのであります。この点は一つ御希望だけ申し上げておくことにとどめておきます。 それから海上保安庁が見えたようでありますから、先の御答弁をお願いします。
○上林委員長 席をはずすときは、断わっていただきたいと思います。いたずらに時間を空費して混乱いたしますから、御注意願います。
○吉行説明員 先ほど御質問のありました件につきまして、まずサダドー岬の風力発電装置は、昭和二十九年十一月二十八日、関東地方に来襲いたしました台風で被害をこうむったわけでございます。それから九州の沖ノ島灯台の大島待機所の固定局、これは連絡無線超短波十ワットのものでございますが、これも昭和二十九年十一月二十六日火災により損害をこうむったのでございます。これに対しまして正式に、昭和三十年一月二十二日に大蔵省の方に対しまして、予備費使用の折衝を行なったのでございます。当時は総選挙の費用の支出が見込まれておりまして、予備費の使用が非常に困難でございましたので、一時保留ということになったのでございます。しかしこの二つの航路標識はどちらも非常に重要な航路標識でございまして、業務を休止することはできるだけ最小限度にとどめたいという必要を感じたのでございます。そこでやむを得ず一応昭和二十九年度の予算の範囲内で可能な限り修復することといたしまして、その計画を進めておったのでございます。昭和三十年の三月十九日に至りまして、大蔵省の方から予備費の使用が可能であるというふうな内報をいただきましたので、工事着工の準備に取りかかったのでございます。三月二十五日に至りまして、この両方の災害復旧工事に必要な経費につきまして、予備費使用の閣議決定がございましたので、何とか年度内に完成を期しまして、直ちに着工いたしたわけでございます。しかし両方の灯台とも何分にも離島のことでございますので、資材の運搬その他がなかなか意のごとく参りませんで、結果におきまして、御指摘のございましたようなことになったわけでございまして、まことに遺憾に存じている次第でございます。
○吉田(賢)委員 この問題は被害以来数カ月後にようやく閣議決定があって、しかも翌年度に多額の、四百四十万円かの繰り越しになり、不用額も若干出ているよう次第でありますので、そのような応急の復旧工事の費用はもっとすみやかに処理して、復旧事業の着手すべきものであったと思うのであります。これは今後において十分に御注意下されんことを希望いたしまして、この質疑は終ることにします。
○上林委員長 他に御質疑はございませんか。——ないようでございますから、それでは以上で昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件の承諾を求めるの件及び昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書に関する質疑は終了いたしました。この際片島委員より発言を求められておりますので、これを許します。片島君。
○片島委員 ただいま議題となっております昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件の質疑が終了いたして、これを承認するに当りまして、私は本委員会として決議を採択いたしていただきたいと存ずるのであります。決議の案文を朗読いたします。 昭和三十年六月一日内閣より本第二十二回国会に提出された予備費をもって支弁した総調書及び各省各庁の調書を見るに、予備費使用の決定が常会たる第二十一回国会開会前に行われたものが少くない。これらはいずれも第二十一回国会に提出ができたものと認められる。 内閣は、予備費の支出に関しては、憲法第八十七条第二項、財政法第三十六条第三項の規定の趣旨を厳守すべきである。 右決議する。 理由はそうつけ加えなくても、この決議の案文に十分盛られておるのでありますし、また本委員会におきまして本件審査の調査の経過にかんがみまして、ずいぶん論議をせられた問題でありますから、これにそう詳しく理由をつけ加える必要はないと思うのでありますが、本案件を承認するに際しまして、委員会として満場一致御賛成あらんことをお願いする次第でございます。
○上林委員長 お諮りいたします。ただいま片島委員より提出されました決議を本委員会の決議として議長に報告し、関係政府当局に参考送付いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 これより、まず昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書外七件の承諾を求めるの件に関し討論に入るわけでありますが、別に討論の通告がないようでございますから、討論を省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。この際山本委員より発言を求められておりますので、これを許します。山本委員。
○山本(幸)委員 ただいま議題となっております昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件の承諾を求めるの件については、いずれも承諾を与うべきものであるとの議決あらんことを動議として提出いたします。
○上林委員長 ただいま山本委員から提出されました動議の通り決するに、賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○上林委員長 起立総員。よって右八件は全会一致、いずれも承諾を与うべきものと決しました。なお右八件についての委員会報告書の作成については、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めさよう取り計らいます。 次に昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書に関しこれより討論に入るわけでありますが、別に討論の通告がないようでございますから、討論を省略して直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。この際徳安委員より発言を求められておりますのでこれを許します。徳安委員。
○徳安委員 ただいま議題となっております昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書につきましては、異議なきものと議決されんことを動議として提出いたします。
○上林委員長 ただいま徳安委員から提出されました動議の通り決するに、賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○上林委員長 起立総員。よって本件は全会一致異議なきものと決しました。なお本件に関する委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めさよう取り計らいます。 —————————————
○上林委員長 次に昭和二十八年度決算中、本日はまず大蔵省所管のうち租税の項について審査を進めます。すなわち昭和二十八年度決算検査報告一〇〇ページより一〇五ページに至る報告番号五四ないし九四及び一一八ページより一二三ページに至る報告番号一三〇ないし八三三を一括議題といたします。会計検査院当局より説明を求めます。保岡会計検査院検査第一局長。
○保岡会計検査院説明員 一〇〇ページの五四号から御説明申し上げ上げます。国税庁管下税務署など八百二十九カ署のうち二百五十五カ署で課税の面、徴収の面を検査いたしました結果、不当事項として取り上げました件数が、五四号から九三号まで四十件あります。まず五四号から五七号までの四件は、法律で明瞭に青色申告法人として取り扱うべきものでないものを青色申告法人として取り扱いまして、その特典であります準備金の控除、欠損金の繰り入れ、繰り戻しなどを認めて減税したものでありまして、違法の措置であるというのであります。青色申告法人として取り扱うには、承認申請を期限までに提出されたものでなければなりません。法人税法の第二十五条第三項は、「までに」、「提出しなければならない。」と、裁量の余地はないのであります。しかるに五四号は設立でありますから設立の六月十四日の二十日以内が青色申告承認申請期限でありますのに、八カ月以上たった翌年の三月十一日に申請したものを承認いたしました。五五号は七十日以上、五六号は七カ月、五七号も七十日以上というように、はなはだしく期限におくれているのを承認したという理由であります。当局の説明書に、制度ができてから間もないとありますが、制度は二十五年四月に制定されておりますから、みな相当たっております。育成とはいっておられますが、育成の方法は別にあるはずであります。また期限までに申請することができなかったやむを得ない理由があり、帳簿処理が法律に定める条件に適合しているというような理由で承認されたのでありますが、およそおくれるものはみなやむを得ない理由がありましょうし、帳簿書類が整っているという当然の理由だけで裁量するのは違法の処置であり、法のワクを越えた不公平と見られる裁量は、納税思想への影響もいかがかと考えられるのでありまして、ここにゆるやかに過ぎる取扱いと認められるとの結論に達したのであります。現に本件と同様の例で、本院の注意によって是正されましたものが、あとから申します四一一ページの四三七号外数件ありまして、現に是正されているものであります。 次に五八号は贈与の事実があったのに、資産税係で法務局関係からの資料の収集が不十分であり、法人税係との署内連絡がよくなかったため、消滅時効が完成いたしまして徴収不能となったもので、こういう例はめずらしい例であります。 次の五九号から七一号まで十三件約一千万円は還付する税金があったとき、まず未納の国税に充当することとなっていますのに、充当しないで返すものだけ返してしまったというものでありまして、その一部六百万円は昨年の九月末現在の調べでまだ納入されておりません。一〇二ページの表の下から三段目が、環付した当時の未納の国税額で、二段目が充当すべき金額であります。このうち欠損繰り戻しによる法人税還付金とその還付加算金を充当しないで、還付してしまったものが、六五号と七一号で、その他は過誤納による還付金であります。金額の多い六八号は、未納額があることを知りまして、一たん充当処理をしながら、会社の資金の枯渇に同精して、取り消して還付したものであります。 次に七二号から九三号まで一二十二件は、滞納に対する処理がよくなかったため、不納欠損としたり、処分の執行停止をしなければならなくなった事項十万円以上のものを税務署ごとに一括としたものでありまして、処置よろしきを得れば、この金額は徴収できたと認められるものであります。前文にあります態様別に申し上げますと、差し押え登記、登録しなかったため処分されたものは七三号、七九号、八一号、八七号、八九号で、百五十万円ばかり、差し押え物件が換価価値を失い、また差し押え中保管を委託している間に滞納者に処分されたものは、七二号、八一号で、約百三十万円ばかり、滞納処分票を紛失したりしたため、何ら徴収処置をとらなかったもの、これが七五号、七九号、九二号で六十万ばかりありまして、その他は全部財産差し押えの時期を失したものというカテゴリーに入ります。財産差し押えの時期を失した原因としましては、財産調査不十分、また差し押え時期の判断を誤まったとか、滞納者の社会的地位やその納付誓約を過信したなどでありまして、登記、登録しなかった原因は、事務多忙による失念とか、登記、登録の書類を不備のまま法務局などに出しまして、差し戻されまして、そのまま放置したものなどであります。以上の処分に関するこれらの事件の再発防止に関しましては、当局の国税庁でも通達などを流されまして、その処置を講ぜられております。 次に九四号の前段は、法人税徴収に当りまして、一度徴収している金額を再び徴収しまして、長期にわたって放置していたため、すなわち二十三年十月一日から、二十八年五月四日まで放置していたため、利子である還付加算金を還付金と同額くらい支払ったものであります。後段は還付加算金の期間計算を誤まって支払ったものであります。 一二九号、これは不正行為でありまして、五十万円以上でありますので、ここに特記いたしました。一一八ページにあります東京国税局の分でございます。東京国税局で通報報償金と払い戻し金の小切手に、かってに支出官の印を押しまして、小切手を切り離して、領収書など必要な書類を作為して整えまして、それでとったものと、隔地送金の通知書が居所不明で返されて金庫に入っているものをとったものであります。その他五十万以下のものもありますが、税務署関係の犯罪は、昨年、一昨年などに比べて相当減っております。 次に是正させた事項というのが一三〇から八三三号まで、これについて説明申し上げますが、この是正させた事項と申しますのは、検査の結果われわれから照会を発しまして、それによつて是正されたという回答を受けたものをここに掲げたものであります。課税の面で不足でありましたものと過でありましたものと二つございますが、それが六百六十九件、それから徴収上の過誤三十五一件ということになっております。全体の間違った金額は四億三千七百八十四万六百五円ということに集計されます。 そこでここに態様区分を掲げてございますが、一といたしまして、個人取引関係の調査不十分として、その中に(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)でかなり具体的に表現しております。この区分を受けまして、別表第一の三八七ページ、第二の四三八ページに表示されております。一件一件の過誤の態様をここに掲げているものであります。 そこで今申しております二九ページの(ア)に属するもの、国、公共団体その他法人取引関係、この(ア)に属するものが最も多く取ってありますが、これは六十六作で、不足が約七千四百万円であります。 次に一一九ページの最後の法人の経理でございますが、これのうち(カ)の事業税、利子税は損金に加算することができますが、その処理を誤まったもの三十一件、不足が千百万円、過が六百一万円、(ケ)に属するもの、前期以前の否認金に対する当期の処理を誤まったもの、三十五件、不足一千万円、過七百万円、その最後に「(カ)および(ケ)に属するものが最も多く」と書いてございますので、今その金額を申し上げたのであります。 その次は(三)法令の適用を誤ったもの。これの中では(イ)に、青色申告法人であるかないか、諸規定及び経過規定の適用を誤まったものが多くありまして、これが六十件、不足二千三百万円、過が八百万円ということになっております。 その次の一二一ページの終りの(四)、課税資料についての通報連絡または活用の不十分なもの、これが一億以上ありまして(一)、(二)、(三)、(四)のうちでも一番多いのであります。二十七年度の二倍近くふえております。せっかく資料があるのでありますから、それを利用しなかった誤まりは、われわれ非常に遺憾に存じます。このうち(ア)認定賞与、譲渡所得の資料について税務署間または税務署自身の内部の通報連絡をしなかったものが百十一件、不足八千六百万円、過二百万円で、一番多くあります。 次の一二二ページ源泉徴収の(五)中では、(ア)徴収義務者の納付していないものを強制徴収しなかったもの四十一件、不足三千五百万円、これが一番多い。(六)その他では(ア)の誤算十二件、不足二百万円、過百万円が一番多いのであります。 次に徴収では、(ウ)滞納処分の執行停止しなくてもいいのにしたもので二十四件、二千万円、これが一番多くて、これも署内連絡の不十分によるものであります。 以上要約いたしまして申し上げますと、八ページをお開き願いまして、八ページに「第二租税」というのがございますが、それの次のページの「すなわち、課税資料の収集活用が、不十分なため課税漏れを生じたり、不注意により法規の適用を誤って徴収過不足を生じていたり、また、滞納処分において財産に対する差押えの時機を失したり、停止事由に該当しないものに執行停止をしたものが相当見受けられる。」これが全般的の結論かと存じます。 以上で終ります。
○上林委員長 以上の説明に対して、大蔵省当局において補足説明があればこれを許します。
○平田政府委員 昭和二十八年度の租税の徴収につきまして、検査院から多数の指摘事項を受けましたことは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。この機会に若干補足的に御説明さしていただきたいと思う次第でございます。 今まで毎年案は検査院からいろいろの事項につきまして御指摘を受けていたわけでございますが、そのうち私一番まっ先に絶滅をはかろうということで努力いたしましたのは、実は職員の不正であります。みずからいいかげんなことをやっていて、納税者に税金を納めろということを求めるのは無理じゃないか、考え直してほしいというので、この点はだいぶやかましく言いましたわけでございまして、先ほども検査院から報告がございましたように、三、四年前は架空経理などと称して指摘された事項が非常に多かったのでございますが、幸いにしましてこれは絶無になました。それから硬い込みその他の不正事件も実は昭和二十五年度あたりは五十四件の多きに達しておりましたが、その後だんだん減りまして、昭和二十八年度は六件ほどの指摘を受けております。これが今なおありますことはまことに遺憾のきわみでありまして、こういう点につきましては、たびたび決算委員会でも申し上げましたように、仕事の仕組み自体をできるだけ不正の余地なからしめるようにすると同時に、いろいろの機会にかきまして職員の指導、訓練のよろしきを得まして、今後ともこういうことにつきまして絶無を期するように努力いたしたいと考えております。 それから租税の賦課徴収につきましては、二十八年度も多数の御指摘を受けております。これは率直に申し上げまして、何しろ戦後、税の負担が非常に高いのと、納税者と課税件数が著しく増加し、一方職員の熟練が十分でなかったというような点もございまして、今なお相当多数の御指摘を受けておりますことをまことに遺憾に存ずるわけでございます。この点につきましては、前回もたしか申し上げたかと思うのでございますが、私どもといたしましては、仕事のやり方、職員の指導、訓練等にさらに一層努力をいたしまして、このような間違いをできるだけ少くするように努めたい考えでございます。その中で、先ほど検査院から御指摘がありました資料の総合漏れという問題、この問題は実は昨年検査院から早くも御注意願いまして、まことに重大な問題だということで、昨年すでに内部的にも特別監査を行いまして、そういうようなことがないように非常に努力いたしております。その後は大分改善を見ておると思うのでありますが、このように多数の指摘存受けましたことは遺憾に存じておる次第でございます。 なおその他租税の徴収等につきましても、件数が多いためあるいは職員のふなれなどのために、多数の当を得ない措置が出ておりますことは遺憾に思う次第でございますが、こういう点は今後とも一層勉強をいたしまして、できるだけ御批難を受ける事項が少くなるように努力いたしたいと思っておる次第でございます。 ただ一言だけつけ加えておきますと、青色申告に関する取扱いの問題であります。この問題は、率直に申しまして、承認が法律上の要件になっておりますことはまさにその通りでございます。でございますが、もともとこの承認というのはほかのことと違いまして、そう著しく強硬的に解釈すべきではなかろう、ことに初期におきましてはなるべく青色申告の普及をはかるというような見地からいたしまして、一定の帳面が青色申告をした場合と同じ条件を具備している納税者の場合、相手方に期限がおくれたことについてもっともだという理由がありそうな場合は若干甘く扱うと申しますか、実情に合うよう臓扱いをしてもよいということでやってきたようでございまして、その関係で御指摘のような事項も出ておるようなわけであります。しかし厳密に法令の解釈をいたしますとまさに検査院の御意見の通りで、私どもその点につきまして御異議を差しはさむ余地はないと思います。若干期限がおくれていたのはどうかという御指摘もございましたがおくれましたのも、あまりしゃくし定木に扱うのもどうかという趣旨でやって、しかもその当時として何かその間に変なことがあれば別として、そうでなくて相手方にもっともな理由があるならばよかろうということで、一たん認めましたのをあとになって蒸し返すということもいかがであろうかと考えているわけでございます。もちろんそういうこと自体厳密な法令の解釈という点からいきますとどうかと思いますが、今ここでさらにこれを追及して徴収不足を取ってしまうかどうかということは、行政の通常の実際において考えましてよろしきを得るようにしたい、こう考えている次第でございます。 以上簡単でございますが、今後とも鋭意勉強するつもりでありますことを申し上げまして、補足説明を終りといたします。
○吉田(賢)委員 ちょっと資料を……。
○上林委員長 資料要求の発言がございますけれども、その前に私からちょっと。昭和三十年五月十九日に委員会で資料要求をしております。五月二十九日に一部こちらで受領いたしましたが、その経緯に私いろいろ疑問を持っているのであなたの御意見を聞きたいのです。私の理解しておりますととろでは、資料要求は衆議院規則第五十六条、第二百五十六条に基いて処理してきたわけです。ところが、要求した資料の提出を承諾しながら、なかなか出てこなかったわけです。その後徴収部長でしたか折衝に来たんですが、それだけでは私はまだ満足がいかなかったわけです。その際、国税庁の公式の意見ですかと言ったところが、なかなか公式の意見とは言わないのです。もし事前にそういうことが必要ならば長官が来たらどうかと言ったのですが、あなたの方からは何のあいさつもなかったのです。そうして私どもの了承するような資料も出てこないのです。私ども資料要求をして、他の官庁その他からこんな取扱いを受けたことは一ぺんもないので、あなたから聞きたいのですが、率直に言って、資料要求を拒否なさるのは他に事情があるのか。徴収部長さんが二度も来たが、その話し合いでは納得ができなかったのです。どの程度の資料はどうしなければならないかということの話し合いをしてもらって、委員の了解を得るような含みを私ども十分持ちたいと思うのです。それが国税庁の公式の意見かどうかわからないので、私とても委員会に諮ったりなんかできないわけです。
○平田政府委員 ただいま委員長から御指摘の事項は、おくれましてまことに遺憾に存じますが、御要求になりました資料が、実は若干個人の秘密に関連したような事項にまたがっておりましたので、できますならば必要最小限度にとどめていただくという意味におきまして、事務の方から御連絡申し上げたかと存じます。その際に、実は私が伺いまして正式にお話すればよかったのだと思いますが、それをいたさなかったことにつきまして委員長より御質問を受けまして、まことに恐縮に存じます。今後こういう場合におきましては、当局の事情もよく御説明申し上げまして、その上で委員会で必要な措置をとっていただくようにして、それに応じまして私どもも妥当な資料を提出いたしまして、委員会の審議に支障のないように努めて参りたいと存じます。
○上林委員長 なお具体的に、この前いただいた資料、それが個人の秘密に属して公益に反するとか、いろいろな問題は追って研究しましょう。今また資料の要求がありますが、今後こういうふうな取扱いをされたのでは、国会の審議がちょっと円満にいかないと思うのです。内容については、私も議論があるのですが、個人の秘密というけれども、五千円や一万円の人は差し押えまでやっているのに、千万円の滞納者の名前を発表できないということは、私はちょっと了解できないのです。しかし内容の議論は今私はする気はないのです。これはいずれ委員会でも御議論があると思うのですけれども、今また直ちに資料要求が出るのです。だから、一応事前に私からこれだけの話をしておきます。それでは吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 資料要求をいたしておきますが、各国の国民所得と租税負担の割合につきまして、可能な範囲でおまとめ願ったものをお出し願いたい、これが第一。次は、一年間一人二十四万円、三十万円、三十六万円と段階的に区別いたしまして、国民の所得者数、それからそれによって何ほどの歳入総額になるのかということ、これが第二。第三は、全国の税務署におきまして不当公売と目されるような案件はなかったであろうか、顕著な事例があれば出してもらいたい。格別なければ出す必要はありませんが、過去一両年来に特殊なそういう事件はなかったでしょうか。この三つにつきまして資料を一つお出し願いたい。
○平田政府委員 今御要求のありました資料のうちで、国民所得に対する租税負担の割合、これは調査したものがございますのでさっそく御提出をいたします。 それから、公売が不当と目される事例、これは私どものととろにも若干こういう問題がありますので、その問題を資料として提出いたします。 ただ二番目ですが、一年間一人二十四万、三十万、三十六万という御区分のようでございますけれども、これは、現在の所得税の階級別の区分に応じました若干の資料がございますが、この数字にぴたっと合うものがありますかどうか。それは若干ずれるかもしれませんが、現在ありまする中で一番近いものを御提出申し上げたいと思います。
○上林委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして、次会は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後零時二十五分散会 ————◇—————