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22回国会衆議院1955/06/11

決算委員会 第15号

発言数
60
登壇者
8
会派数
4
開催日
1955/06/11

会議録

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより会議を開きます。  昭和二十八年度一般会計予備機使用総調書(その2)、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費使用総調書(その2)、昭和二十八年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和二十八年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書、昭和二十九年度一般会計予備費使用総調書、昭和二十九年度特別会計予備費使用総調書、昭和二十九年度特別会計予算総則第八条に基く使用総調書、昭和二十九年度特別会計予算総則第九条に基く使用総調書、以上八件の承諾を求めるの件及び昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括議題として審査を進めます。  まず大蔵省当局よりそれぞれ説明を求めます。藤枝政務次官。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 ただいま議題となりました昭和二十八年度一般会計予備費使用の件外七件について、財政法第三十六条第三項の規定に基き、国会の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和二十八年度一般会計予備費の予算額は三十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和二十八年四月二十五日から同年十二月二十八日までの間において使用を決定いたしました八億二千九百五十余万円につきましては、第十九回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和二十九年一月九日から同年三月二十三日までの間におきまして二十一億三千九百五十余万円を使用決定いたしました。そのおもな事項は、生活保護及び児童保護に必要な経費、租税払い戻しに必要な経費、検察費の不足補充に必要な経費、犯罪捜査経費の不定補充に必要な経費、帰還輸送に必要な経費、ユニセフ寄贈ミルク配分に必要な経費、離島振興法の施行に伴い必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費の予算額は百四十五億円でありまして、このうち昭和二十八年五月三十日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました百十五億一千五百六十余万円につきましては、第十九回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和二十九年二月十六日から同年三月二十六日までの間におきまして二十九億五千七百五十余万円の使用を決定いたしました。そのおもな事項は、第二号台風並びに第十三号台風等災害復興に必要な経費、市町村罹災職員等に対する特別給付に必要な経費、災害防疫及び公衆衛生施設災害復旧に必要な経費、簡易水道施設屠畜場及び国立公園施設の災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度各特別会計の予備費の予算総額は四百十億八千九百余万円でありまして、このうち、昭和二十八年七月三十一日から同年十二月二十五日までの間に使用を決定いたしました四十六億八千六百二十余万円につきましては、第十九回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和二十九年二月九日から同年三月二十六日までの間に予備費の使用を決定いたしました特別会計は、資金運用部ほか十二特別会計でありまして、その使用を決定した総額は三十五億六千三百余万円であります。そのおもな事項は、厚生保険、船員保険、漁船再保険、労働者災害補償保険及び失業保険の各特別会計における保険金等支払いに必要な経費並びに厚生保険、船員保険及び国立病院の各特別会計における西日本水害及び第十三号台風等災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度特別会計予算総則第十条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、郵政事業でありまして、その内訳は、事務量の増加等に伴い必要な経費六億六千八百万円であります。  次に、昭和二十九年度一般会計予備費の予算額は八十億円でありまして、このらち財政法第三十五条の規定により、昭和二十九年四月六日から昭和三十年三月二十八日までの間において七十九億九千六百七十余万円の使用を決定いたしました。そのおもなる事項は、衆議院議員総選挙及び最南裁判所裁判官国民審査に必要な経費、農業災害対策及び冷害対策に必要な経費、河川等及び都市災害復旧事業に必要な経費、租税還付加算金に必要な経費、鉱害復旧事業の繰り上げ施行に必要な経費、帰還輸送に必要な経費等であります。  次に、昭和二十九年度各特別会計の予備費の予算総額は三百六十億六千八百余万円でありまして、このうち、昭和二十九印四月二十七日から昭和三十年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました総額は五十八億九千十余万円であります。そのおもな事項は、厚生保険、船員保険、農業共済再保険、漁船再保険、簡易生命保険、労働者災害補償保険及び失業保険の各特例会計における保険金等の支払いに必要な経費並びに国有林野事業特別会計における第五号台風等の災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十九年慶特別会計総則第八条及び第九条の規定に基き、予備費使用の例に準じて、予算を超過して支出いたしました特別会計は、郵便貯金、簡易生命保険及郵便年金及び郵政事業の三特別会計でありまして、その内訳は郵便貯金特別会計において支出しました支払い利子の増加に必要な経費四億七千万円簡易生命保険及郵便年金特別会計において支出しました保険金及び還付金等の増加に必要な経費九億二千百三十万円及び郵政事業特別会計において支出しました業務量の増加に必要な経費九億九千万円であります。  以上昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書外七件につきまして事後承諾を求める件の説明をいたしました。  何にとぞ御審議の上御承諾下さるようお願いいします。  次に、昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして御説明申し上げます。  昭和二十九年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に、国庫債務負担行為とすることができる金額は、三十億円でありまして、このうち、日本国及びオーストラリア連邦間の真珠貝漁業紛争を国際司法裁判所に提訴するため弁護士を依嘱することにつきまして、昭和二十九年十月二十九日閣議の決定を経、総額六千百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  以上をもちまして、昭和二十九年度国庫債務負担行為に関する報告といたします。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。古用賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 大蔵政務次官に伺います。第一点はこの国会に事後承諾を求められておる国庫債務負担行為を除きました自余の案件についてでありますが、その例をあげますれば、昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書を見ますると、たとえば九ページの総理府所管の国家地方警察中央官職の予備費の問題であります。これはただに同警察中央官署の予備費のみならず、多数同種類のものがありますので、一例をとったにすぎませんか、その使用決定は昭和二十九年の三月三十一日に行われております。その他法務省の所管予備費の調書によりましても、赴任旅費の不足に必要な経費は昭和二十九年一月二十九日の閣議で決定であります。そこでこれは昨年の一月ということになりますと第十九国会があり、さらにまた昭和三十九年の十二月には常会が開会せられておることは申し上げるまでもありません。そこで憲法八十七条と財政法の三十六条によりますと、予備費の国会の承諾を求めるのは次の常会であることを必要としております。そこで昨年の一月、昨年の三月等に決定いたしました予備費を次の常会に提出しなかったのはどういう意味か、それを明らかにしていただきたい。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 お答えいたします。従来の慣行もありまして、次の常会が開かれるまでに予備費を支出いたしましたのはその常会にかけてあります。先ほど御説明申し上げましたように、昭和二十八年度の四月から十二月までに支出した分は十九回国会に事後承諾の件を提出いたしまして御承諾をいただいておるわけであります。その後の国会が始まりまして以後に使用を決定いたしました分は、次の国会に提出いたしまして御承諾をいただくというような慣行もございまして、そのような手続をとった次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は慣行があるとかないとか聞いておるのじゃないのであります。憲法の明文まで明示しておる、財政法の規定まで朗示」ておるのであります。これには次の常会ということを明らかにしておりますので、慣行のあるとかないとかを聞いておるのじゃないので、法律の根拠を示してもらいたい。それから支出するとかしないとかいうことは、予備費承諾を求める議案の性質とは何の関係もないはずなのです。大体閣議において使用を決定いたしましたときに、その額その趣旨において国会の承諾を求めるということが法律の趣旨であります。だから使用をしたとか支出を済んだとか済まないとかいうことは関係なかろうと思います。いかがですかこの二点。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 お話のように財政法第三十六条には、「次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」とあります。従いまして先ほど申しましたように、十二月までに支出を決定いたし、予備費を使用した分につきましては、十九国会に実は提出して御承諾をいただいたわけなのです。その後に支出をいたした分については、次の常会というものは、その開かれている常会でなくて、次の常会というふうに解釈しておりますので、第二十国会になるはずでございましたが、第二十国会が御承知のように解散をせられましたので、この国会に提出いたした、こういう次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題にやはり慣例が悪ければ、憲法と法律の精神に基きまして改めてもらわねばいけません。今政務次官のお答えになりましたのは、少し質問の趣旨を誤解しておられるのであります。支出をするとかしないとかいうことは、国会に予備費の承諾を求めることとは何の関係もないはずなのです。これはやはり閣議におきまして使用決定をいたしましたら、その形において国会で承諾を求められることが、財政法三十六条の趣旨でありますることは申し上げるまでもないのであります。でありますから、支出したものは、「その1」として、すでに十九国会で承諾を求めたということによって、私の問いに対する答えにならぬのです。またそういう慣例があるとかいうことも法律の根拠の説明にならぬわけでありますから、そこはなぜそうしたかという理由は法律上明らかにせなければいけません。憲法及び財政法によって明らかにしてもらわなければいけぬのであります。これは私はそう解釈しますとかいうようなことではどうも納得しにくい。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 質問する委員の方に参考まで申し上げますが、大蔵省側の出席者は政務次官以外に、正示主計局次長、竹林会計課長、柳沢司計課長、ほかに会計検査院の保岡検査第一局長が出席しております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 お答えがある前に申しますが、これは事務を聞いているのではないのであります。私の質問の趣旨は、事務はどうなっておるかということを聞くのではないのであります。大蔵大臣が国会において予備費の承諾を求めておりますので、大蔵大臣は大臣の責任においてどうして出さなかったかということを開くのでありますから、事務当局が慣行によって事務をやったかやらなかったということを聞くのじゃないのです。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 私からこの事実上の関係だけを申し上げて、方針の問題とかなんとかの問題は、これは吉田委員おっしゃる通り、大臣なり政務次官の方からお答えがあると思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。あなたに聞いているのじゃないのだからちょっとお待ち下さい。そこで、政務次官はお答えになるのですか、なりませんのですか。ならなかったら、やはり五分でも十分でもいいから、またきょうでなくてもいいから、大臣に来ていただいてはっきりさせて……。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 事実だけちょっと申し上げて、御満足願えなかったらまた……。  第三十六条は先ほどからお話の通りでございまして、「内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」これは明文上きわめて明らかでございます。そこで先ほど御指摘の事例は、本来ならば前回の通常国会がすなわちこれを提示し御承諾を求める時期であったことは御指摘の通りでございます。従いまして私どもとしましては万全の準備を整えておったのでございまするが、衆議院の解散がありまして、事実上これを御提出申し上げる時を逸したわけであります。従いまして今回提出をいたしまして承諾を求めております。これが事実のそのままの通りでございまするので、この点だけは事務当局としてはっきり申し上げておきたいと存じます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしますと、政務次官に伺いますが、主計局次長は、本来ならば今指摘しました事項のみについてもこれは昨年の去る第二十一通常国会に提出すべきはずである、だが、しかし国会の解散等によって出す時期がおくれた、こういうような事務上の事実を御説明になっておるのであります。そこで、そういうことになりますとさらに聞きたいのですが、これは一つ私の問いが間違っておりましたら蒙を開いていただきますし、あなたの方が間違っておりましたら、一つ何とか大きな政府の所信を当委員会に明らかにしていただきたいのであります。それは、財政法三十六条の第三項の規定並びに憲法八十七条の規定はほとんど同趣旨、同文字が使われておるのであります。やはり次の常会に出すということは、これは国会の審議権の尊重の建前からしまして重要な規定なんです。次の次の国会でもよい、さらにまた次の次の次の国会でもよい、五年後でもよい、十年後でもよい、そんなことになりましたら、国会の審議権は破られてしまいます。これは私から申し上げるまでもないことでありますけれども、やはりあくまでも予備費は白紙委任状が政府に渡されておりますので、どうしてもこの点は厳重に解釈していただきたい。そうなると、厳格に解釈する建前からいたしましては、これはどうにかあなたの方としてお考えになるべき案件でないだろうか。事務当局の御趣意もわかりますけれども、大蔵省といたしまして大蔵大臣のお立場からしましたら、国会に対して相当これは弁解せにゃならぬことではないかと思うのですが、これについて一応伺っておきましょう。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 財政法の規定及び憲法の規定についての解釈は吉田委員のおっしゃる通りだと思います。従ってその原則はどこまでも貫いていくべきであるということは、これは私も同様に考えます。ただ、先ほど他の政府委員から申し上げましたような事実上の不可能性がございまして、こういうふうになりましたことを御了承いただきたいと労えます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それならば、その点は私は非常に大事なことであると思いますので、と言いまするのは、政府は次の常会に提出して承諾を求めることをしなかったという事実が確定いたしましたならば、それは憲法並びに財政法の違反になるのではないか、少くとも憲法、財政法の趣旨はじゅうりんされるのではないか、こういうふうに考えますので、国会が予備費を承諾するという建前からいたしまして、非常に重大な案件が投げられておると思いますから、こういうことが今後も繰り返されていくということになりましたら、私に非常に重大なことであると思われます。これはできますれば一つ委員長にお計らい願って、ぜひこの点こういうことの将来もないように、大臣の明確なる御答弁を得ておかねばならぬと思います。  そこで、それはそういうふうにいたしまして、さらに伺いますが、国会が解散になりましたのは本年の一月の二十四日でございます。これは事例は何ぼでもありまして、昨年の二月二日というものもあるし、昨年の一月二十九日、昨年の一月とか二月、三月というものはずいぶんとたくさんにある。それからさらに二十九年度におきましても、そういう意味におきまして二十九年度が始まりまして近似したときにおける使用決定があるわけであります。たとえば昨年の五月十八日、六月の十一日等々、ずいぶんあります。もちろん十一月、十二月、一月もありました。そこでもっと突っ込んで伺いますが、予備費の承諾を国会に求めなさることは、使用が決定いたしましたその状態で調書ができて、そうして大蔵大臣は使用の総調書ができるように私も聞き及んでおりますのですが、そういたしましたならば、昨年の一月に使用決定をいたしますれば、それをそのまま大蔵大臣は調書にできるわけでありますから、本年の一月まで、解散までに事務が行えなかったというようなことはどうも合点ができません。昨年の十二月の常会に提出するには優に十カ月もあるわけです。十一カ月もあるものもあるわけです。でありますから、一月に使用決定したものが十二月の常会に出せなんだということは、どうも私は合点がいかぬ。今政務次官は支出が済まぬので、済んだものからとおっしゃるけれども、支出が済む、済まぬにかかわらず、すみやかに次の常会に提出して承諾を求めることが、申すまでもなく法の趣意でありますので、事務が解散でおくれたというようなことは、解散に籍口することは私はどうかと思われます。そういうことは許されないのではないかと思うが、この点どうお考えになりましょうか。事務がおくれて解散に籍口するということは、この際は穏当でない答弁と私は思うのだが、政務次官どうお考えになりますか。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 これは御解釈いろいろあるいはあるのかと存じますが、私どもの考えといたしましては、先ほど申しましたような意味において解散という思わざる事故でやれなかった。それまでに分割してでもできるじゃないかという御趣旨のようであります。これはそういうことが絶対にやり得ないということではございませんが、従来の財政法の解釈につきまして、一応総調書を作りまして御提出申し上げるというような関係からいたしまして、常会を持っておって、その常会が実は解散になったというような事実の関係がありましたのでおくれましたということを御了解いただきたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 その辺は苦しい弁解的御答弁でまことに時宜に合わぬお話で納得いたしませんけれども、お互いにこんな問答はむだでありますから、大臣からはっきりした御答弁を求めることにいたしましょう。  そこで私は少し中身について伺ってみたいのでございます。これは今提出されておる昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書の九七ページの大蔵省所管でありますが、租税還付加算金に必要な経費として六億四千万円が予備費として出されております。これは一体予備費の適格性があるのだろうかどうだろうかというふうに考えまするので、一体どういう理由があったのかということを一つはっきりしてもらいたい。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 お答え申し上げます。租税還付加算金は、すでに吉田委員よくご承知の通り、これは納税者の方々に対しまして一応概算的に納付を願っておるのでありますが、事業の決算が確定いたしますると、直ちにこれに基きまして税額の査定がえをいたすわけでありますが、その結果還付をいたさなければならぬようなものにつきましては加算金をつけておるのであります。納税の御励行を願っております建前といたしまして、政府ではこの加算金の支払いにつきましてはできる限りすみやかに事務を処理いたしまして、納税者の方々にも十分御納得のいくようにお払いをいたす建前をとっておるのであります。従いまして、これは私どもも従来の観念からいたしますれば、予備費の適格性の面におきましても最も必要なるものであるというふうに考えておる次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 どういう要件があったかということの内容を……。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 この点は詳細に会計課長から御説明申し上げます。

竹村忠一大蔵事務官(大臣官房会計課長)

○竹村政府委員 お答えいたします。還付加算金につきます大きな項目は青色申出口者につきましての損失繰り戻しによるもの、これが一番大きな項目でございます。それから第二の項目といたしましては法人につきまして源泉徴収をいたしております税金、それが法人の決算をいたしました場合に、先取りになっておる関係でそれを差引いたしまして計算することになるわけでございます。たとえば保険会社のようなものにつきましては、その運用資産の相当部分が公債とか、社債とか、配当とかいうものになっておりますので、その分につきましては税金が先取りされるわけでありますが、その分を法人税の申告の場合に差し引いて参るわけであります。さようにいたしまして、大きな項目といたしましてはさようなものであります。それから申告所得税の確定申告分につきまして還付するものが出て参ります。その三者につきまして還付すべき税願がきまりますと、先ほど御説明がございましたように、それに利子相当分を付加して税務署の方から返すことになるわけでございます。この予備を使用いたしました年度におきましては、確定青色申告の損失繰り戻し分に対応する還付税額が非常に多かった。それからまた第三の項目でございます先取りをいたしておりまする法人税相当分、これを計算いたしまして還付すべき税額が多かった。主といたしましてこの二つの理由から還付加算金が不足して参ったのでございます。なおこのほかに、税務署といたしましては、返すべき税金はなるべく早く処理をいたしまして返すことになっておりますので、事務の促進に基きまして当初予算よりも還付すべき税額がふえまして、従いまして還付加算金がふえたという理由もございます。大体ふえました理由はその三つでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 今の御説明はまことにごもっともらしいのでありますが、もちろんあなたの方は全体こまかいものをつかんでおられると思いますけれども、一体現実の実情といたしまして、地方の税務署などが小商人などとの間に納税の還付金を出さねばならぬような事件が起っておる場合、なかなか還付しないのが実情なのでありまして、場合によっては次の税金に引き当てるとかいうことで現実に払うことは容易じゃない。ところが何億円というような法人税になりますと、これは顔もきいてさっさと還付されるということが世上伝えられておる。そこで一つ伺いますが、その中の最高のものは一口何ほどの法人税になるのでしょうか。今の御説明によると、法人税が一番大きいらしいのだが、法人税で還付されるのはどこの何会社で何ほどでございましたか、幾つでもよろしゅうございますから、伺いたい。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 資料につきましては、後ほど資料にしてでも差し上げることにいたします。  なお納税の過納の還付の問題で、従来取る方は非常に早くて返す方は非常にのろいという御批判が非常にありまして、これについては十分徴税当局を督励はいたしておりましたが、ことに昨年から御承知のようにこれに関する資金を作りまして、そうして回転を早くするということの制度を作りました。昨年からその制度と相まちまして還付の事務を早くする、これはまたただいま御指摘になりましたように早くすることによって加算金も減ずるわけでありまして、国家財政上にも必要なことでございますので、過納の租税の還付につきましては事務をできるだけ早くするように督促をいたしておるような次第でありまして、資料の点は後ほど申し上げたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 今のは一つの例を申し上げたにすぎませんので、この租税還付加算金に必要な経費と称する六億四千万円ですか、こういった一般会計の予備費というものの使用決定をいたしますのは、今青色申告とかその他還付を急ぐというような御事情をお述べになっておりますけれども、やはり国庫はできるだけ厳格に返していくというのが私は建前ではないかと思うのです。一々そう厳格に返しては、予算外に必要な経費の充当に予備費をどんどん便っておるような現状に適しないかもしれませんけれども、しかしやはり法律なり憲法なりは、予見しがたい、やむを得ない経費の支出ということが条件にされておりますので、天災とかその他ほんとうにやむを得ないということをなるべく厳格に解釈するというのが、一般会計の予備費の扱いの建前ではないかと私は思うのであります。相手が取ることを急いでおる事情だからどんどん予備費を使っていくのだというようなことであるならば、それはその他の場合にもずいぶんとあると思うけれども、しかし国家が予備費を出して国民にもしくは団体に交付するというような場合にはそうやすやすといかないと思う。そこで大口の還付金などにいろいろとうわさが出たりするようなことも考えられるので、特に一般会計につきまして予備費の使用決定というものは、いずれにしましても相当厳格にしていただかねばならぬということを私は考えております。これは一応資料が出ましてからなお御質問することにいたしましょう。  次に実質的な御質問をいたしたいのですが、一一一ページに自治庁の地方公共団体委託費が二千二百三十一万円とあります。それからその上にもう一つ十四億三千二百四万余円とあります。これもかなりの金額です。これは例の選挙の事前における一種の公明選挙の啓蒙的な通勤がいろいろと公共団体で行われましたそれで、何か地方の選管などでやったあれではないかと思うのですが、それとして聞きますれば、この経費というものは現実に委託を受けました団体に交付されたのかどうかということを、自治庁当局から伺っておきましょう。

石渡猪太郎総理府事務官(自治庁長官官房会計課長)

○石渡政府委員 ただいまの委託費でございますが、これは衆議院議員の選挙並びに最高裁判所の裁判官の国民審査の際、地方の選挙管理委員会において要します経費について交付されるものでございます。これは法律の規定がございまして、これらの経費の基準が定まっておるのでございます。これに基いて計算されておるものでございまして、いずれもこれは三月に交付されてございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうすると、委託いたしました団体に全部交付済みということになるのですか。

石渡猪太郎総理府事務官(自治庁長官官房会計課長)

○石渡政府委員 さようでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それはいつですか。  それから受託団体というのは、たとえば選挙につきましては都道府県の選挙管理委員会が受託の相手方になっているはずなのですが、その点はっきりしておきたいと思います。

石渡猪太郎総理府事務官(自治庁長官官房会計課長)

○石渡政府委員 前のお尋ねの委託につきましては、二月と三月に分けまして交付済みでございます。  それから相手方でございますが、これは国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律というのがございまして、その法律に従いまして府県に対して市町村分も合せて交付いたしております。それから市町村において要しまするものについては府県の手を経まして、府県から市町村に交付をいたしております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは受託者が各上下階級の選挙管理委員会であり、法律によって府県へ交付してやるというお話でありますが、私の聞いたのは、ほんとうに仕事をしたところへ交付されたかどうかということを聞いておるのです。あなたは二月から三月にかけて交付済みであると言われたが、中間の公共団体に交付したということは、最終の受託者に交付があったかなかったかということの答えにはならぬ。これを聞きますのは、今から半月くらい前でありますか、近畿地方の府県の各選挙管理委員会の代表が東京に陳情に来ております事実を私は目撃いたしております。現実に渡ったか、どうかということには非常に関心を持っておったので、この機会にお聞きする次第であります。今のお説によりますと、いまだ受託者が交付を受けたか、受けていないかということは、まだわからぬということではないのでしょうか、それとも受領済みという報告が自治庁にあったのかどうか、中間の府県という公共団体が他の経費とともに預金でもして持っているとか、流用してしまったとかいうこともあるいは想像されるのでありますが、その辺については最終の受け取るべき人が受け取った事実があるという確答をあなたの方で今できるのですか。

石渡猪太郎総理府事務官(自治庁長官官房会計課長)

○石渡政府委員 私の方は先ほども申し上げました選挙等の執行経費の準備に関する法律に基きまして府県に対して市町村分も合せて交付いたしておりますから、その支出済みの報告は若干こちらに参りますのがおくれておりまして、ただいま御指摘になりましたようなものがありますかどうか、今のところ確答を申し上げることはちょっと困難でございますが、調査をいたしてみたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 もし現実に委託を受けたものが支払いを受けておらぬ、別に支払いを受けなくても大した支障がなかったというようなことであるならば、そんなようなものは別に予備費を使うべき要件が具備していないと思うのです。そういうような場合、中間がとって他に流用してもいいというような場合であるならば、憲法並びに財政法で明確に規定いたしております厳重な条件が何も具備されておりません。予見しがたい予算の不足に充てるため、旧憲法時代からむずかしいいろいろな規制が行われつつ今日まで参っておりますので、私は予備費の使用ないしはその後の支出の状態というものは、予備費の決定を受ける自治庁の長官が全責任を持たなければいかぬ。あとは野となれ山となれ、あとはどうなったか知らぬ。法律の権限に基いて中間の公共団体に渡したが、それがいったかどうやらわからない、事務上今日まで報告の来ないものもある。そんなだらしないことでいいのでしょうか。二月といえば今六月ですから五カ月目です。まだ最終の支出が完了しておるかどうか、受け取ったかどうかというようなことがあなたの方に確認できないようなことで一体責任が果されたのであろうか。法律によって中間の公共団体に渡すというところまではあなたの仕事であっても、しかし予備費の決定を受けたのは自治庁の長官ですよ。ちゃんと法律に明記しである。自治庁の長官は予備費の決定を受けるべき立場でありますから、従って予備費の調書をちゃんと作るべき責任もあるのでありますから、そういう建前からいたしまして、ほんとうに支出したかどうか知らないというようなだらしのないことでは、私は予備費の精神は貫かれないと思うのです。しかもこれもあなたの事務当局を責めるのは無理かと思うが、やはりこういうことは去年から——二十八年度の一般会計予備費使用総調書(その1)あのときから緒方副総理に対して予備費制度の乱用はいけませんということを、口をすっぱくして言っておるのです。予備費の乱用はいけませんということを、何べんかここで問答しておるのですよ。そういうような経緯もあるのです。そういうことはあなたの方には響いておらぬと見える。こういうことはほんとうならばあなたの方の長官が来て、そういうことをはっきり答弁をされなければいけません。やっぱり国会の承認を求めるというのは、すっとめくら判を押して通すというような、そういう従来の悪い慣習は打破せなければいけません。やっぱし予備費というものは、あくまでも憲法で特別に規定された国会でますもって審議すべきものの例外で、白紙委任状が行政府に渡されておるのでありますから、やはり厳格に解してもらわなければならぬことは申し上げるまでもございません。使ったか使わないか知らないというようなことではいかぬと思う。やはりそういう点は相当な金額になりますので、これらの点につきましては、長官から国会に対してそういう点についての御説明があってしかるべきものと思います。今あなたにこれを一々お責めすることはいたしません。  次に文部省の会計課長に伺いますが、提出書類を見ますと、ユニセフ寄贈ミルク配分に必要な経費千二百三十九万余円、またその次に同じく三百九十六万余円、合せまして千六百三十六万余円というのがありますが、これは一体何ですか、これは西日本の災害に当って被害を受けました地域の児童、学生、生徒などに対する寄贈のようでありますので、かなり典型的な予備費使用のもののように思われます。これは翻訳いたしますと、国際連合国際児童緊急基金ということになっておりますが、このユニセフの寄贈はどういう経緯でどういうようになり、その結果はほんとうに物が配分されたかどうか、その辺の使用なり支出なりの実態を聞きたいのです。と言いますのは、こういう天災、災害の際に各方面からいろんな物が寄贈されますけれども、その寄贈された物が十分寄贈の本旨に従って行われなかったということがしばしば伝えられるのであります。そういうこともありますので、そういうことはないかと思いますが一応念のために伺っておきたいのであります。

北岡健二文部事務官(大巨官房会計課長)

○北岡政府委員 ユニセフと申しますのは、国際的な児童を援護するための一つの国際的な組織でございます。これで災害等があったりいたしまするところに対して、全世界的な資金の集まりもありますしいたしまして、そこから特定のそういう国に対して援助が参るわけであります。この場合に援助の形式といたしましては、特定の事項の範囲を限って当該国の政府とユニセフとの間に話ができまして、品物そのものは無償で参りますが、それを国内において配付するための費用は、当該国で持つというふうなことになっております。それで二十八年度の西日本の水害、十三号台風及び冷害によりました凶作地の小中学校あるいは保育所の児童、こういうものに対しましてミルクの寄贈が参りまして、それで西日本の水害の分としてミルクが二千四百五十トン、十三号台風の分として千五百十九トン、冷害の分としまして二回に分れましたが、合せまして四千四百四十六トン、こういうようなミルクの寄贈があったわけでございます。それでこの寄贈された物が日本の港へ着きましてから、港内の荷役から、都道府県の教育委員会から指定してきます駅までの輸送費を国で見まして、当該県へ到着した以後、該当の配当を受けるべき市町村へ配給する分につきましては、各市町村がその経費を負担しまして現地に届け、そうしてこれの配給は学校給食の機会を通じて児童生徒に与える、こういうことになっております。逐次船積みしまして入って参りました物をすぐ現地へ送りまして、それぞれ現地へ配給しておりますが、これは日本の政府の方でその報告結果を取りまとめましてユニセフの本部の方へ報告をする義務がございまして、実施状況等は明確に毎月の月報をとり、それを年間集計いたしたものでございまして、今手元に何も持って参りませんでしたが、厳重な報告をとりまして、本部の方へも報告いたし、文部省の方でもその資料は十分報告をとって用意してございまして、確実に児童の手に渡っておることは確認できると存じます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それは私は気がするだけでありますけれども、こういうものは、ミルクでありますので、横流し等によりまして刑事的な忌まわしい事件が起ったようなことはないのでしょうかどうでしょうか。それが一つ。なければないと一言でけっこうです。  それから、これはあなたに事務上のことを伺っておきますが、この決定は、前者の千二百余万円につきましては、昨年の一月九日閣議決定、それから後者の三百九十余万円につきましては、昨年の二月十六日閣議決定とありましたので、この調書をあなたの方が大蔵省に送ったのはいつごろのことなんですか。

北岡健二文部事務官(大巨官房会計課長)

○北岡政府委員 ユニセフ寄贈ミルクについて、手元にいかなかったという事項については全然耳にしておりません。一ぺんに分量が参りまして、それを現地の児童へ回し、毎日それを給食でやるということになりますから、多少のずれはございましても、完全にいったようでございます。それから時期は……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 質問の趣旨がわかりませんか。

北岡健二文部事務官(大巨官房会計課長)

○北岡政府委員 時期でございますから調べまして……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 わからなければ調べておいて下さい。  それから農林省に伺います。農林省、来ておられますか。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 農林省、来ておりますか——来ていないようです。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしたら大蔵省でよろしい。大蔵省に聞きます。農林省の予備費、この書類の七二ページ、農業共済組合連合会への交付金などの不足補充のために六千七百余万円を交付しております。そこで最近あっちこっちで問題になっておりますが、この交付金は損害を受けました農家に完全に交付されておるかどうか。あるいは連合会で保留されておる数願が相当に上っておるのであるかどうかというようなことについては、お調べになっておりますかどうか。これは大蔵省でわかれば答えて下さい。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 先ほど来吉山委員から選挙の関係経費等についてのお話、私はまことにごもっともだと思います。私どもは法律に基きまする義務費でございますので、予備費の支出をいたしたのであります。そこまでは私どもの国民に対する義務としていたしたのでありますが、あとはその支出されたものが的確に必要な時期に交付団体に参るということをどうしても、私どもとしてはトレースしなければいかぬ義務を持っております。その点につきましては、従いまして追って資料をお出しいたすわけでありますが、この農業共済組合連合会につきましても、御指摘のように、これは災害がございますと、非常に早く出せ出せというお話がいつも翻るのでございますが、私どもとしては、査定を厳重にいたします関係上、とかくある程度おくれがちになりまして、おしかりを受ける場合が多いのであります。せっかく厳重に査定をいたしまして、かように予備費支出を決定いたしましても、それが連合会の段階でとどまるというふうな事例も従来絶無とは言えないようでございます。これらの点につきましては、私の方も行政上の連絡をもちまして、常に厳重に現業各省庁の方々にもお願いをいたしておりまずし、また出先財務局あるいは財務部におきまして、この補助金交付の時期を調査いたしまして、閣議決定の時期、すなわち支出の時期と、現実にそれが末端において支払われた時期につきましては調査をいたしております。たまたまこの分につきましての調査を今手元に持ち合せませんが、これは先ほどの選挙に関する経費その他と同じように、一つ責任の省からぜひ資料としてお出しをいただき、今後十分それらの点については注意をして参りたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それはあなたの方の責任をもって、当委員会へ資料として出して下さい。関連質問があるようですから……。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 関連質問の申し出がありますから、これを許します。生田君。

生田宏一自由党

○生田委員 今吉田委員からお尋ねのありましたことは、その真偽は別として、私たちも具体的なことをたくさん聞いております。真偽のほどがわかりませんから、その名前は申しませんが、しかしお調べ願うということならば、そういうような疑いが確かにあると思います。こういう地方の公共団体とかあるいは農業協同組合とかあるいは共済組合とか、そういうようなものについて、調査をしていただくことができますかどうか、それをちょっとお尋ねします。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 ただいま農林省の政府委員の方をお呼びしておるのでありますが、私どもとしては、これは事実の関係でございますから、全国にわたって調査をするとなりますと、相当に時間を要すると思いますが、むろん調査は可能だと考えております。のみならず先ほど文部省の方から御説明がありましたように、本来これは報告をとっておるべきはずだと存じまするので、できる限りすみやかに資料として提出いたします。

生田宏一自由党

○生田委員 報告をとっておるということだけではこの真偽はわからないと思うのです。でありますから、かりに、幾らの営農資金を国の方から出したか、それがどの団体に幾ら行ったか、その配分がどのように個人に渡っておるかということを押えていかねば、報告をとっただけでは私はだめたと思うのです。持に疑わしいところは、末端の農家の受取り金額に至るまで押えていかねばわからないと思うのですが、そのようにされるようなことはございませんですか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 個々の農家の具体的な手取り額というところは大蔵省では調査が困難かと思いますが、ただいま農林省の政府委員がおいでになりますから、あとからもう一度農林省側から御説明を願いたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 予備費につきましてはまだ聞きたいことがあるのですけれども、昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書、これにつきましてちょっと伺っておきたいと思います。これは要するに国際司法裁判所へ例の真珠貝採取問題の紛争についての訴えを提起するための弁護士の謝金等の費用らしいので、六千百万円ということになっております。これは一体どうしたものなのでありましょうか。こういうものが予備費に使われているというのだが、そうでなしに国庫債務負担行為にされていると思うのですが、どういう経緯になっているのでございましょうか。私も若干は聞き及んでおりますけれども、要するに訴訟関係はどういうふうになっておりましょうか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 私の方から一応概括的なことだけを申し上げまして、詳細は外務省の政府委員からお答え願います。御承知のように平和条約第九条は、「日本国は、公海における漁猟の規制又は制限並びに漁業の保存及び発展を規定する二国間及び多数国閥の協定を締結するために、希望する連合国とすみやかに交渉を開始するものとする。」という条文でありますが、その条文に基きまして昭知二十八年の四月豪州キャンベラで開始されました日豪漁業交渉は四カ月の日子を費したにもかかわりませず、豪州の一方的交渉打ち切りによりまして、事実上決裂をいたしたのであります。しかも豪州は二十八年十月、真珠漁業法を改正いたしまして、公海において真珠貝採取に従事する外国人及び外国船に対しても一方的にこれを規制することといたしたのであります。元来アラフラ海におきますわが国の真珠貝採取は、その最盛期でございました昭和十三年には出漁船百七十隻、採取量二千八百トンに達しておりましたが、昭和二十八年度におきましては従事人員四百人、採取量九百五十七トン、生産価格にいたしまして約四億円の金額に達しております。しかも公海自由に対する制限が各国により行われることになりますと、わが国の漁業のこうむる影響はアラフラ海真珠貝漁業にとどまらず、広く東シナ海、黄海、南シナ海、ベーリング海、北洋等の底引き漁業、引いては内漁業にも及びまして、その損害は非常に大きなもののなって参ります。年間を産額にいたしまして外漁業では百九十九億、内漁業では百四十四億という数字が私どもの手元に出ております。こういう措置に対しまして、わが国の政府といたしましては公海自由の原則という立場から、日本漁船が公海において支障なく真珠貝採取に従事できますよう再三申し入れをいたしたのでありますが、満足な回答が得られなかったのであります。そこで本件紛争の法律的性格にかんがみまして、問題を国際司法裁判所に付託いたしまして、その判決を提議いたした次第でございます。このわが国の提案に対しまして、豪州におきましても昭和二十八年十月、これに同意をいたしましたので、今後国際司法裁判所において争うこととなった次第でございます。  なお訴訟の現段階のことを簡単に申し上げますと、二十九年二月、特別付託書の日本案を豪州に提示いたし、三十年二月、これに対し豪州よりその対案の開示がありました。日本としてはこれに同点できませんで、検討の上近い時期に日本案を再提示する予定になっております。なお判決のあるまでは日豪間には暫定漁業協定を締結して真珠貝の採取は継続いたしている次第でございます。さような関係からわが国といたしましては弁護人に対する経費等の支弁のため、ただいま御指摘の予算外契約を締結したのであります。なお詳しいことにつきしましては外務省当局から……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題はきょうはこの程度にして次の機会にさせていただきたい。まだ少し聞きたいことがほかにありますので。  主計局次長に伺いたいのですが、この予備費のうち、この総計の中で支出未済の分があるかどうか、使用状況につきましてはあなたの方は大体御承知だろうと思いますが、そのような場合でも、なお国会の承諾を求めるということが妥当であるかどうかという点。もう一つは、支出未済の場合、もしそれを国会が承諾しないというような事態が生ずるようなことがありましたら、そういうときには法律上の効果はどうなるのでしょうか。やはりこれは使えるのですか。使えないのですか。その二点について。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 私としてでき得る限りのお答えを申し上げたいと思います。まず第一点でございますが、私どもは予備費の使用を決定いたします際にでき得る限り的確な見積りを立てるわけでございます。いわゆる憲法、財政法の精神に照らしまして、予算外の経費として必要最少限度にいたすことは、当然の責務として最然を尽すわけでございますが、なお私どものやることでございますので、たまたまある程度の見込み違いというようなことがございまして、現実に先ほど申したように行政の責任をとりまして、使用に当りましても、でき得る限り的確な支出をはかって参り、時期的にも、金額的にもまた相手方へ渡る個々の場合におきましても、予備費制度の精神から考えまして、いやしくも厘毫の末に至るまでむだのない硬い方をいたすことは当然と考えているのでありますが、たまたま見込み違いその他の関係で不要が出た場合あるいは余剰が出た場合どうするかという御質問のようでございましたが、これは私どもはやはりそういう間違は率直に間違いとして正しく支出いたすべきでございますから、余剰のある場合はこれを不要額といたしまして整理すべきものと心得ております。  第二の点の、万一国会において予備費使用に御承諾を得られない場合はどうするかという御質問でございますが、これは当委員会においてすでにたびたび吉田委員からも御指摘を賜わったように思うのでありますが、いわば内閣はそれに対する政治的な責任を負うことに相なるものと心得ているのでありまして、これによりまして政府か財政法あるいは会計法の建前から、法律によりまして合法的にとりました支出の効力そのものは影響を受けるものでないのではないか。これが影響を受けるということになりますと、善良な国民の方々も非常に困ったことにも相なるのでございまして、私どもはやはりその場合は内閣の政治責任という問題か残るのではないかというふうに存じております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちょっと大事な問題に触れておりますので、使えないで、繰り越しのようなものでなくて、年度が切れると不用額になるということでありますが、そういたしますと二十八年度の一般会計の予備費というものが不用額と確定するのはいつを時期とするのですか、二十九年の同じく一般会計予備費を不用額とするのはいつを境とするのか、両方いかがですか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 先ほどの私の説明、ちょっと言葉が足りませんでしたので補足させていただきたいのでありますが、契約をいたしまして、それがどうしても年度内に支出完了いたさない場合、これは明白なる余剰と先ほど申し上げた分ではなくて、現実にこれだけの金は要るのでありますが、どうしても天候その他の関係上支出を了するに至らなかったような場合は、繰り越しということもあり得るわけであります。従ってただいまの御質問でございますが、繰越額あるいは不用額が確定いたすのは、その年度の結末の場合に確定をいたすわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そういたしますと、この総調書のうちの事故繰り越しの分がどれか、事故繰り越しが何ほどあるか、どれが不用額、何ほど出しておるかということがわかるだろうと思うのですが、それは各主管庁に問い合すまでもなくあなたの方でつかんでおられますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 昭和二十八年度に関しましては私の方の手元にただいま資料がございます。二十九年度につきましてはなお調査を要しますので調査中でございますが、一応二十八年度の一般会計予備費使用の状況につきまして、これはただいま申し上げましょうか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 両方とも資料の方がよろしゅうございます。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 それでは資料として御提出いたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 二十九年度につきましては、これはまだ未確定ではありましょうけれども、見込みでもけっこうですから、できるだけこれに照応するような記載の方法で資料としてお出し願います。  私はなお質問したいと思いますけれども、きょうはこの程度にしておき役す。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 他に御質疑はございませんか。——ないようでございますから本日はこの程度にいたしたいと存じます。次回の開会日時は公報をもってお知らせすることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十四分散会

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