決算委員会 第10号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/05/31
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 本日は去る四月四日本委員会に付託になりました昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書、同国有財産無償貸付状況総計算書を一括議題とし審査に入ります。 まず大蔵省当局より右案件に対する説明を求めます。藤枝政務次官
○藤枝政府委員 ただいま議題となりました昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明申し上げます。 まず、昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の内容について御説明申し上げます。 昭和二十八年度中に増加しました国有財産は行政財産三百六十六億千百六十一万円余、普通財産四千五百七十六億六千二百十一万円余で、総額四千九百四十二億七千三百七十二万円余であります。また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産百三十八億七千二十五万円余、普通財産千三百七十四億九千一万円余で、総額千五百十三億六千二十七万日余でありまして、差し引き総額において、三千四百二十九億千三百四十五万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額四千百六十四億五千四百七十三万円余に加算いたしますと、七千五百九十三億六千八百千八万円余となり、これが昭和、十八年度末現在の国有財産の総額であります。この総額の内訳を分類及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産七百四十六億六千七万円余、公共用財産一億二千六百三十八万円余、皇室用財産二億八千八十四万円余、企業用財産六百八十二億八千四百六十六万円余で、合計千四百三千三億五千百九十六万円余となっており、普通財産においては、六千百六十億千六百二十二万円余となっております。 また、国有財産の総額を区分別に申し上げますと、土地百八十八億六千六百五十一万円余、立木竹百四十九億二千七百六十七万円余、建物八百六千六億二千三百三十四万円余、工作物五百二十二億八千九百三十八万円余、機械器具六十一億二十七万円余、船舶二百三億三千七百四十六万円余、地上権、地役権鉱業権等の権利三千六百七十八万円余、特許権、著作権等の権利一億八千四百七千四万円余、有価証券及び出資五千六百億二百万円余で合計七千五百九十三億六千八百十八万円余となっております。 さらに、国有財産の増減の事由についてその概略を申し上げます。まず、増加額を申し上げますと、その総額は、四千九百四十二億七千三百万円余でありますが、この内訳は、第一に、新規に取得した財産は千七百十七億六千七百万円余でありまして、この内容のおもなるものは、まず、購入、新営工事等により取得したものが二百六十三億六千万円余、次に出資によるものは千三百六十二億三千九百万円余でありまして、その内訳は農林漁業金融公庫、その他に対し金銭で出資したものが五百三十三億九千三百万円余、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の規定に基き国際通貨基金に対し国債をもって出資したものが六百七十四値九千九百万円余、農林漁業金融公事法その他の法律の規定に基き、農林漁業金融公庫等に対する国の貸付金等が出資に振りかわったものが百五十三億四千七百万円余であります。 第二に、今回新たに国有財産として登載したものは千八百十五億四千九百万円余でありまして、この内容のおもなるものは、まず、産業投資特別会計において登録したものが千六百十二億九千七百万円余でありますが、これは従来対日援助見返資金特別会計の資金の運用として取得した有価証券及び出資による権利が産業投資特別会計の設置に伴い同会計に引き継がれましたため、新たに国有財産として登載いたしたものであります。 次に、昭和二十五年度に旧船舶公団から国が引き継ぎを受けた船舶の共有持ち分額を当年度において国有財産として登載したものが百二十億千七百万円余でありますが、この共有船舶持ち分は昭和二十五年度に国が旧船舶公団から引き継ぎを受けましてから、昭和二十七年度までの間は、国の債権として取り扱ってきたものでありますが、今回これを国有財産として整理することを適当と認めまして、当年度において引き受け総額を登載することといたしたものであります。 第三に、所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等の異動によるものは千四百九億五千七百万円余でありまして、このうも千百八十七億二千万円余は前に申し上げました産業投資特別会計において、産業投資特別会計法に基き一般会計から引き継ぎを受けました出資による権利であります。 次に減少額を申し上げますと、その総額は、千五百十三億六千万円余でありまして、この内訳は第一に、売り払い譲与、財産の減耗等による国有財産の減少額は百四億六千三百万円余でありまして、この内容のおもなるものは売り払いによるものが三十九億六千万円余、企業用財産のうち減価償却によるものが十二億九千八百万円余、譲与、取りこわし等の事由によるものが五十二億五百万円余、となっております。 第二に、所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等の異動によるものは千四百八億九千五百万円余であります。所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等による増加額が減少額に比して五千五百万円多いのは主としして所管がえ及び所属がえの際における評価増によるものであります。 なお、昭和二十八年法律第百九十四号をもって公布施行されました国有財産法等の一部を改正する法律によりまして公共福祉用財産という種類が廃止せられ、新たに公共用財産という種類が設けられましたので、この総計算書におきましては、この法律改正に伴う財産の整理のための増減が含まれております。 次に昭和二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明いたします。 国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により、地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は一億千九百九十七万円余であります。また減少した総額は一億五百九十七万円余でありますので、差引千四百万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額一億七千五百十三万円余に加算しますと、一億八千九百十四万円余となり、これが昭和二十八年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。この増減のおもなるものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの七百七十九万円余生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億千百七十五万円余等でありまして、減少したものは公園の用に供するもの三百三十三万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億二百五十七万円余等であります。 以上が、昭和二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これら国有財産の各総計算書には、各省各庁から提出されたそれぞれの報告書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 以上、昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の大要であります。 なにとぞ、御審議の上、すみやかに御承認下さいますようお願いいたします。
○上林委員長 引き続いて会計検査院当局の説明を求めますが、質問者にちょっと了解をを得たいのですけれども、藤枝政務次官は、大蔵委員会に答弁のために出席しなければならぬそうですから、退席することを御了承いただきたいと思います。それでは会計検査院当局の説明を求めます。池田会計検査院事務総長。
○池田会計検査院説明員 昭和二十八年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。 昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、昭和二十九年十月三十日、会計検査院においてこれを受領いたし、その検査を了しまして、同年十二月二十日内閣に回付いたしました。 国有財産の昭和二十七年度末における現在額、また昭和二十八年度中の増加の額及び減少の額は、ただいま大蔵省の御説明の通りでございます。従いまして昭和二十八年度末における現在額、またただいま大蔵省の御説明通りの数字でございます。 次に国有財産の無借貸付状況について申し上げますと、昭和二十七年度末における現在額及び昭和二十八年度中の増加の額また減少の額、及び同年度末におきまする無償貸付財産の総額は、それぞれただいま大蔵省の御説明通りでございます。 また国有財産の取得、処分及び管理について不当と認めましたものは、昭和二十八年度決算検査報告に掲記いたしております。これらの事項につきましては、いずれも昭和二十八年度決算の御審議の際別途御説明いたしまする予定でありますが、これらの事項をとりまとめて申し上げますと、国有財産の取得に関するもの十一件、管理に関するもの二十四件、処分に関するもの十一件、計四十六件になっております。 はなはだ簡単でございますが、概要の御説明といたします。
○上林委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。片島港君。
○片島委員 国有財産のいろいろな取扱いについて、管財局長にお尋ねいたしたいと思います。 政府は一方において土地、建物、船舶、その他の国有財産などを売却処分をして、一方においては土地、建物、船舶、その他の国有財産を購入して、いろいろだ所要を充たしておられるのでありますが、同時に大蔵大臣は国有財産法第七条により「国有財産の総轄をしなければたらない。」し、また同法第十条によって、各省、各庁の長に対してその所管に属する国有財産について報告を求め、また実地監査をし、また閣議の決定を経て、用途の変更、用途の廃止、所管がえ、その他必要な措置を求めることができるし、また用途を廃止した普通の財産は、国有財産法によってこれを管理し、処分をしなければならないのであります。大蔵大臣ほ国庫大臣として、会計法第四十六条により、「予算の執行の適正を期するため、各省各庁に対して、収支の実績若しくは見込について報告を徴し、予算の執行状況について実地監査を行い、又は必要に応じ、閣議の決定を経て、予算の執行について必要な指示をたすことができる。」ということになっておるのであります。国有財産の処分及び取得について、大蔵大臣は国有財産の総轄者、予算の執行監督者として、絶えず処分と取得とを痛感して連絡調整をして、有無相通ずる方途を講じなければならないと考えるのでありますが、現在どのような方法によってこれが連絡調整をやっておられるのであるか、承りたいと思うのであります。と申しますのは、各省各庁におきまして、それぞれ現在不要の国有財産、使用しておらない国有財産を多数に保有をいたしております。たとえて申しますと、鳩山内閣は大臣公邸などは使わない、こういうことになりましたので、現在使用はしておりませんが、またいつか使うということを言い出すかもしれないし、この次の内閣は使うということになりますと困るものでありますから、各省各庁ともその公邸は現在使わないまま持っておる。しかし各省各庁では自分のところの庁舎なりあるいはいろいろな建物をこのたびまた取得をしなければならないので、土地、建物について新たな購入計画などをやってこれをまた認めておる。こういうようなことは私は大蔵大臣の権限において何らかの方途を講じて、不要なものば必要な方向に用途転換をするとか、あるいは不要なものは処分をして新たな購入の財源に充てるというようなことで、常に管理をしていかなければならぬと思うのであります。それについて大蔵省としてはほとんどこれらの問題に触れておらないで、各省にこのような実際の事実が現われておるということはまことに私たちとしては不思議に思うのでありますが、この点をまず第一にお伺いしたいと思います。
○窪谷政府委員 御質問の趣旨はまことにごもっともでございますが、大蔵省といたしましては、国有財産の効率的な使用ということについては十分配慮をいたしておるつもりでございます。第十条に基きましてやっております事柄は、これはごく最近始めたのでございますが、各省が所管をしております財産の使用の状況を監査する制度を開いていただき、それに基きまして監査をいたしておるのでありますが、必ずしもこれは毎年各省を見るというわけにも参りませんので、年々計画を立てまして監査をいたすことをいたしております。それによりまして非常に非能率に使われておるというようなものにつきましては、各省に対しまして、その大蔵省に対する引き渡しなり、あるいはまたその不必要である状態というものが、将来納得し得る計画のもとにそういうことになっておるのかどうかというようなことを、審査をいたしておるのであります。ただいま具体的な例としてお話のございました公邸の問題でございますが、これは目下各省から大蔵省への引き継ぎをいたしておる状況でございます。中には若干今まで住まっておりました人たちの行き先のことを考えなければならぬというので、その引継ぎがややおくれておるものがございますが、順次引き渡しが完了いたしております。 〔委却長退席、山木(正)委員長代理着席〕 目下関東財務局におきましてはこれを売り払い処分をするということから評価をいたしております。すでに第一回の入札を今月の上旬に施行いたしたのでございますが、不幸にいたしまして入札価順が予定価額に達しないということで処分ができなかった例が一つございます。それからなお直ちに売り払いをいたすという前に、この施設が国のほかの用途に収用できないかどうかということを検討いたしたのでありますが、どうも大臣公邸というふうな点からしまして、これを庁舎に使うということも不可能であります。あるいは改造を加えた上で公務員住宅等に転用ができればということで検討もいたしたのでありますが、位置、建物、構造等から考えまして、どうも公務員住宅にも転用はできない。従ってこれはできるだげすみやかに売り払い処分をいたしまして、それを歳入に繰り入れるということが適当であろうという判断のもとに、目下各省に対しましてはできるだけすみやかに引き継ぎをするようにということと同時に、関東財務局におきましてその評価をいたしまして、順次売り払い処分をいたしていくというふうな運びにいたしておる次第でございます。
○片島委員 現在これは別途調査をいたしておるのでありますが、特に不動産、土地などにおいては棒くいの看板だけは非常に立ててあるけれども、実際いつ使用するのか全く目鼻のつかない国有財産として眠っておるものが相当たくさんあるのであります。これは未来永劫に使わないかというと、あるいは十年先、五年先には使うかもしれませんが、少くとも二、三年間は使わないであろうというふうな土地などについてお調べになったことがございますかどうか。私は別途調査をいたしておりますから、次の機会にまたお伺いをしたいと思うのでありますが、そういう遊休の国有財産といったようなものがどの程度ございますか、お調べになったことがございますればお伺いしたい。
○窪谷政府委員 大蔵省自体で管理をいたしております財産というのは、普通の行政事務に使用しておりますもののほかに、普通財産というのがあるのは御承知の通りでありますが、普通財産というのはできるだけすみやかに転活用をはかるべき筋合いのものでございます、従ってこういうものは国で使う必要がなければ、できるだけすみやかに売り払い処分をいたすべき筋合いのものでございます。あるいは御指摘のものはそういう性格のものでなくて、各省各庁で行政財産という名目で管理をしておるものかと存じますが、そういうものにつきましては目下、必ずしもそういうふうな不使用財産というようなことだけでなくて、管理の状態全般について随時監査をやっておりまして、その監査の過程におきまして発見されたものについて、それぞれそれの状況を審査をいたしておるのでありますが、お示しのような、これを全国統一的に調査をやってみるということはまだ実はそこまで手が届いておりませんで、今日までは、はなはだ遺憾でございますが、そういうような全国的な状況を把握するというふうな段階までには参っておらない状態でございます。
○片島委員 やはりこういうような問顯は全国的に調査をしてみなければ――各省各庁でそれぞれ勝手に買っておりまして、勝手に管理をしておるということになりますれば、大蔵省としては普通財産だけはわれわれの方で管理するが、その他のものはわからぬということになれば、これは実際使用する場合においては何らかわるところはないのでありますから、一応こういうところも全部調査を進められて、全部を通じた一つの国有財産管理についての処置をしていただきたいと思うのであります。特にこの特別会計などにおきましては、特別会計だからといって大蔵大臣は当然それだけの権限を与えられておるのでありますが、特別会計において購入したりあるいは管理をしておるものについてば、特に日が届かないのではないか。その特別会計において購入をしておる建物などを売却する場合、大蔵省の方からこれを処分されるということになれば、そこに新たなものをそのかわりに大蔵省の方からめんどうをみてやるということをしないで、ただ取り上げっぱなしということになれば、当然これの処分がおくれるということになるのでありますが、そういう点はどういうふうな手続になっておるのでありますか。
○窪谷政府委員 一般会計に所属しております財産は各省各庁で不用ということに相なりますると、用途廃止をいたしまして、大蔵省に引き継ぎをいたしまして、大蔵省で処分をいたすことになっております。特別会計所属の財産につきましては、これは特別会計で特別会計の事業の用に供する必要がなくなったというときにおきましても、それは行政財産から普通財産への繰りかえをそれぞれの特別会計でまずいたすのであります。普通財産となりましたものを処分いたしますのは各特別会計でやっております。従いましてその売り払いの処分収入というのは、特別会計の収入に相なるわけであります。従ってその収入はまた予算の御決議を願えますれば、その歳出の財源に充当し得るという建前になっております。
○片島委員 話は前の方に戻るのでありますが、特に旧軍用財産等の普通財産を一方においては民間の方に処分をしておる。また一方においては保安庁あるいは今度新たに出発しました防衛庁の施設として土地、建物などの財産を新たに購入をしておるのでありますが、大蔵省から防衛庁へ所管がえすることによって、処分と買い入れとのむだを避け得る場合も過去においては相当あったのじゃないか、特に現在私たちが防衛庁関係の実地調査をいたして参ります場合に、子の時期等から見て当然これは民間に払い下げをしないでとっておいても、国有財産管理の建前からすればよかったのじゃないか、民間に安く払い下げ処分をいたしておりまして、その処分をしたものを今日買い上げるとなれば高く売りつけられるというような結果が方々に現われておるようであります。また手放さないというようなことも出てきておるのでありますが、こういう点については国有財産管理の立場にある当局としては、何らかの方法が講じられるのではなかったか。たとえて申しますと、三十年度に政府において取得せんとしておる元海軍の駆逐艦「なし」というのが、この前本委員会において問題になったのでありますが、本艦は昭和二十年七月二十七日の爆撃で山口県の平郡島沖において沈没しておったのを、昭和二十九年六月二十一日大蔵省中国財務局長がこれを富士製鉄株式会社及び山口県平郡漁業協同組合に魚巣及び製鋼用原料として用途を指定して売却したものであります。おそらく当時防衛庁側においてもまた、本艦を取得して使用するために何らか調査が進められ、そのくらいのことは前もってわかっておったのではないか、大蔵省の方もこれを全然承知しておらなかったということになりますれば、この払い下げた値段というのは契約書によりますと三百五十万円程度で売り下げをしておるのでありますが、昭和三十年度における約三億円くらいの予算の中からこれを差し繰ってさらに買い戻すというようなことになりますと、相当なさやをとられるために民間に一度払い下げたというような結果になるのであります。こういうことは何もこの防衛庁の関係ばかりでなく、ほかにもあると思う。ただ一つだけここに例をあげて、こういう問題についてどういうふうに考えておられるか。また、今まではこういうことについては全然責任を感じないで、要らないものは払い下げる。要るものはなんぼ高かろうとまた買うといへようなやり方でやっておられるのかどうか、その点をお伺いいたしたい。
○窪谷政府委員 御質問、まことにごもっともと感じます。私どもといたしましても、まず政府部内において転活用ができるような物件につきましては、第一にこれを考えなければならぬと考えております。防衛庁の方の問題が出ましたが、防衛庁の方の陸上の土地等につきましては、警察予備隊が創立されましたのは昭和二十五年でございます。その以前におきましてはこういうふうな事態になろうということはなかなか予想もつかないような状態でありましたので、前の方に払い下げました土地等につきまして、今日においてまた防衛庁の方でさらに買い戻さなければならぬというふうな事態が起っておることは御指摘の通りでございます。はなはだどうも残念なことではございますが、その後におきましては土地の払い下げ等につきましても、大体防衛庁その他各政府機関で使う必要があるかないかというようなことを念査いたしまして、どうもこれはほかの方で活用する計画もないというようなものを審査した上で処分をいたすことにいたしております。 なお例としておあげになりました「なし」の問題でありますが、これは私どもまことに遺憾なことに存じております。初めの調査が十分に行き届かなかったということを反省をいたしておるのであります。従来一応調査をいたしました後、沈没船の引き揚げをいたしておるのでありますが、船として活用できるような状態のものがなかったものでございますので、その辺若干調査の不行き届きということが出たのではなかろうかと反省をいたしておるのであります。この件が起りましたあと、さしあたり、従来は沈没船等につきましては財務局長限りで処分をいたす建前に相なっておったのでありますが、その扱いを変更いたしまして、すベて中央に協議をしろ、なお協議を受けました後に、本省といたしましては防衛庁の方に相談をかけまして、防衛庁の方でこの船を使う計画ありやいなやというようなことを十分に打ち合せをいたしました上で処分をするというふうなことで、再びこういうことが起らないようにという用意はいたしておるのであります。まことに御質問の趣旨はごもっともでありまして、私どもとしても従来その考え方で行政をやってきたのでございますが、不備な点がございましたことをまことに恐縮に存じます。将来ともに御趣旨の線に沿ってさらに努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○片島委員 一番最後の「なし」の問題についてはなお本委員会としてさらに調査を進めております途中でございますから、この問題についてはさらに今後本委員会の問題といたしたいと思うのでございます。 先ほど申し上げました現在の遊休の土地といいますか、要らないものをいつまでも政府の管理に持っておるというような問題は、普通一般会計あるいは特別会計を問わず、非常に大きな問題であろうと思います。私も別途調査を進めておりますが、もしこの実態が当局の方でつかめますならば、すみやかに調査を進めていただきまして、その概略でもお示しを願えればけっこうだと思います。本日はこの程度で終ります。
○山本(正)委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 二、三伺います。管財局長に伺いたい一点は、国の予算を政府が作成いたしまするについては、ただいまは国民の総所得などを一つの基準といたしまして、歳出あるいは国民の負担の計画などを立てておることは御承知の通りであります。そこで私どもは、国の財産がどのくらいあるのかということにつきましても、これはやはりできることならば相当明確にいたしまして、国民をして知らしむるということが必要なことではないか、こう思うのであります。もっともずいぶんと多岐にわたって膨大な数量になりまするので、技術的にただいま困難な幾多の事情はあるかと思いますけれども、一つこの際は考え方としてだけ伺っておきたいと思うのであります。 国有財産の総計につきまして大蔵政務次官からただいまるる説明がございました。莫大な価額に上っておる次第であります。ところで一方また国有財産増減及び現在額の報告樽を見てみますると、たとえば二四二ページの管財局の項に「有価証券その他」といたしまして、二十八年度末現在におきましては二千六百八十八億円こういうことになっております。この内容はこれだけの資料では判明しないのでありまするが、しかしたとえば政府関係機関でありまする電電公社、あるいは専売公社、あるいは国鉄、これらのものが所有する資産につきまして、それらの公社の創立のときにおける-これは政府の全額出資でありまするが、政府の持っておりました資産がその後増減をいたしまして、当時の政府の資産なるものがただいま私が読み上げました価額のうちに含まれることになるのではないか、こう思うのであります。そういたしますると非常に金額が少くなって参ります。私は他の資料によって調べたところによりますると、これらの公社成立当時における政府の持分の資産といたしましては、たとえば国鉄にいたしましても八十九億円、電電公社にしましても百八十二億円、専売公社にしましても三百三十二億円、こういうことになるのであります。もしこの数字にして誤まりがないといたしましたならば、私は現在の時価とはなはだしくかけ離れた数字が列記されておるのではないか、こう思うのであります。そういたしますると、一体こういうような膨大な書物によって国の財産の価額があげられてありまするけれども、現実とはすっかりかけ離れた事実が数字になっておるというふうに判断せざるを得ないのでございます。たとえて申しますれば、国鉄にいたしましても、他人資本もずいぶん入っておると思いますけれども、しかしながら八十九億円という計算は私は成り立たないのではないかというふうに考えるのであります。もっともこの点精密に数字を検討したわけではございませんので、大体一般的な考え方として御質問しておるのでありますから、その点御了承順いたいのであります。結局これは真実に数字が当時の価額を表明するというものを出すことがなければ、大した意味がないのじゃないだろうか、こういうふうに考えるのであります。のみならず、こういうことが国有財産の管理、処分等におきましても、一つのいろいろと問題を起す誘因にもなりはしないかとさえ想像するのであります。でありまするから、国有財産の総額が何ほどであるやということにつきましては、年度の国の予算を作成するときにおいて国民所得を推計するがごとくに、いろいろの方策、政策を策定する上におきまして、国有財産の総額、内容を的確に把握するということについて、現在は非常に欠けるところがあるのではないか、どうすればいいのか、こういう点について一つお考え方を伺っておきたい。
○窪谷政府委員 御趣旨ごもっともでございます。先般の国会におきましても、現在の国有財産の報告書に計上しておる価額がどうも実情に沿わないというふうな御意見もございました。ただいままた重ねてそういう御意見を承わるのであります。まことに同感でございます。現在の取り扱いによりますと、国有財産に記帳いたします価額は、取得いたしました価額を記載いたしておるのであります。ただ土地と立木につきましては、昭和二十一年に評価がえをいたしまして台帳価額の改訂をいたしておるのでございますが、その後御承知のような経済界に非常に大きな変動がございましたために、現在持っております価額は実情に沿わないのであります。それで二十六年度末に総合評価ということをいたしたのであります。それは二十六年度末を標準時点にいたしまして評価がえをやったのでございまして、この評価がえをやりましたことは、二十六年度の増減の報告書と同時に国会にも提出をいたしたのでございますが、そのときの扱いといたしましては、総合評価をいたしましたけれども、個々の財産を記帳しております台帳の価額の改訂をいたさなかったのであります。従いましてやはり依然として実情に沿わない数字が載っております。それで私どももできるだけこれを実情に近づける努力をしなければならぬということから、現在の制度ではやはり台帳価格の改訂はやらないという建前に相なっておるのでありますが、これはやはり適当な期間を置いて見直して台帳価格の改訂をなすべきであるということから、今の計画では、三十度末を期しまして全体的に再評価をやりまして、今度はただ単に参考資料として再評価するにとどめないで、台帳価額そのものを改訂いたそうということで、これは若干の経費も必要といたしますので、本年度の予算に御承認を得べく提出をいたしておきました。そこで再評価で一番むずかしい問題は、例示をいたされました出資証券の評価をどうするかということであります。二十六年度の総合評価をいたしました場合も、これは当初の払い込み金額と申しますか、そういうものを動かしてなかったのでありますが、これをどういうふうに評価をいたしますか、十分検討を要する事柄であろうと思います。政府の出資は、国有鉄道等につきましてはそのできたときの価額を出資額とするというようなことがありますので、この出資額を動かすという場合にはその条文をいじる必要もあるのではなかろうかというような感じもいたすのでございますが、これらにつきまして十分検討をいたしまして、結論を得たいというふうに考えておりますが、目下のところまだ具体的に実は研究がそこまで進んでおらないことを御了承願います。
○吉田(賢)委員 それからもう一つ総括的に根本的な問題を伺っておきたいのですが、それは財産の処理についてであります。たとえば法律の立場から見ますると、国有財産法という法律がございますし、それから物品会計規則という法律がございます。その他債権につきましてはどこにあるのかはっきりいたしませんが、先般対米債権が当委員会であげられましたときにも、結末といたしまして、財産とするならばどこに帰属して、どこに登載するかということが問題になったのであります。こういうふうに不動産とか、船舶とか、その他の動産であるとかあるいは無体財産であるとか、債権であるとか、そういった財産を近代的な法律あるいは社会生活の実情に即しまして、適当に分類、配列し、系統を立てまして整理するということをしていくことが、私はやはり国有財産を管理する一つの根本の態勢でないかと思うのです。この辺の整理を怠っておりますると、物品会計の扱い方、国有財産の扱い方、それから債権の扱い方等、それぞれちぐはぐになっておりますので、その重要さにおいて変りない場合におきましても、扱いがちぐはぐのために、要らざる煩瑣なことにもなり、国損にもなり、その他不経済的にもなる等々、結局政府の目的に沿わない事態を招来するものと思うのです。要するところ、法制的に、制度的に、国有財産をいかに整頓して、現状を直ちに国会も政府も国民も把握する、こういうことはほんとうに必要なことじゃないかと思う。もっともこれはあなたの方の所管に限らぬわけでありまするから、これは大蔵省の代表的な御意見を聞かぬといかぬのでありまするけれども、最も重要な部分を占めておるはずでありますから、やはり管財局長からこれらに対する根本的な考え方を一つはっきりしていただいて、そうして事務的に整理して成案を得るというふうに持っていっていただくべきじゃないかと思うのでありますが、あなたのこれに対するお考え方の要点を簡単にお述べ願って、なお司計課長も見えておりますから、司計課長からも説明を願いたい。なお会計検査院の第一局長からも、この点について御意見を伺っておきたい。簡明にお願いしたいと思います。
○窪谷政府委員 私の局で管理をいたしておりますのは、御承知の通り国有財産法による国有財産ということになっております。目下国会に対して御報告を申し上げまして御審議を願うのも、国有財産法に基くものだけということになっております。今の御質問、は、法律的な意味における国有財産というのではなしに、さらに国有の財産全般について、もう少し管理の制度を整備したらどうかという御質疑だろうと存じますが、私どもといたしましても、そういう方向に考えるべぎであるということから、そういうような問題は必ずしも私の局の所掌事項ではございませんけれども、主計局等とも相談をしながら、たとえば物品の管理に関する法律というようなものを、実は研究いたしております。いつ成案を得ますか、まだどうもはっきりした期日を申し上げるような段階にはないかと思いますけれども、大体仰せになりますような趣旨で検討をいたしているのであります。 〔山木(正)委員長代理退席、委員長着席〕 なお物品の中にも、現在の国有財産と同様に重要なものにつきましては、やはり国会に御報告申し上げて御解義を仰ぐのが適当であろうというふうに考えております。物品になりますと、たとえば器具・調度でございますとか、そういうものまで国会に御報告申し上げるということになると、あまりに事務が煩瑣になるのでありまして、これはなかなか技術的に不可能かと思いますが、重要なものについては、やはり国会に御報告申し上げることが適当ではなかろうかというふうなことを考えて、目下研究を続けております。なお債権につきましても、やはり同様なことが言えるのじゃなかろうかというふうなことで研究をいたしておりますが、まだ成案を得る段階まで参っておりません。
○吉田(賢)委員 今の答弁につけ加えもしくは違った御意見がないようでありましたら、ほかの司計課長と検査第一局長の御答弁はこの際要りませんから……。
○柳沢説明員 お答え申し上げます。ただいま管財局長からお答えがありました点で大体尽きるのでありますが、当委員会においても物品の管理の問題、債権の管理の問題につきましてはしばしばお話がございまして、それについて主計局といたしましてはいろいろ調査をいたしますと同時に、立案につきてましても、目下着手いたしているような状況でございます。大体の構想といたしましては、ただいま管財局長のお話になりましたような構想でございますが、御承知の通り現在の会計の制度としては、金銭を中心といたしまして、それに物品、国有財産、債権、こういうようにおのずからそこに有機的な関係を持たせまして、その関係を明確にしておくことが必要であろうと存ぜられますので、その点を中心として今研究をいたしている状況でございます。
○吉田(賢)委員 検査院第一局長の御意見が格別なかったら、ほかへ移ります。 国有財産の管理と言うより、大蔵省所管事項と言う方が、あるいは適当でありますけれども、大体資料の意味でこの機会に少し伺っておきたい、こう思うのであります。それは管財局長に伺いたいのですが、伝えられます、いわゆる日本銀行に保管しております接収貴金属の問題なんです。これは一体何ほどの時価のものがあるのか、どこの所有物であるのか、どういう法律の関係で日本銀行は保管しているのか、この三点をはっきりしておいていただきたいと思います。
○窪谷政府委員 まず保管数量でございますが、これは金、銀、白金、ダイヤモンドその他貴金属、貴石類でございますが、全体の評価額といたしましては約七百億円というふうに考えております。これは、中には占領中に溶解をいたしたもの等につきてまして、まだ品位の鑑定が済んでいないものがございますので、若干の異同を生ずるということはあるのでございます。なお若干のいろいろな美術品等がございますが、これは私ども評価することはなかなかできませんので、その概数の中には、それを、たとえば金の製品でございますと、金の純分で一応計算をしております。そういうふうなことを前提といたしまして評算をいたしますと、約七百億ということに相なっております。 それから保管の場所は、大部分ば日本銀行本店の地下の金庫に格納をいたしておりますが、そのほかに大阪の日本銀行の支店の金庫、それから造幣局の金庫にも若干保管をされております。それはどうしてかと申しますと、占領中に占領軍がそういうふうな格納方法をとっておりましたので、日本側に引き渡されましてからあとも、この処理が明確に片づくまでは移動することが適当でたかろうということから、そのままの状態で保管をしておるのであります。 なお、これの所有者はだれかということでございますが、これは今回実は接収貴金属の処理に関します法律案の御審議を願いました上で、所有者の確認をいたすという手続をいたしたいというふうに考えておるのでありますが、これは旧軍のものを接収されましたもの、日本銀行の昔の金準備でございますが、そういうふうなものでありますとか、それから造幣局特別会計が持っておりましたものでありますとか、さらにまた民間から接収されたものでありますとか、いろいろになっておるのでありまして、これの正確なことは、この法律案が成立いたしまして、その法律に基きます処理の審議会というものにかけて個々に判定して参らないと、正確な判定ができないというふうな状況でございまして、現在所有者がどういうふうになっておるかというようなことにつきましては、ただいまのところでははっきりとお答えすることができないようた状態でございます。現在は、大蔵省が事務管理として管理をいたしておるのでありまして、その保管を日本銀行なり造幣局なりに依頼をしておるという状態でございます。従いまして日本銀行といえども、その貴金属類を保管してあります場所に勝手に出入りはできないのでありまして、その金庫に入ります場合には、必ず大蔵省と日本銀行と両者が立ち会いの上でないと入れないというふうな状態になっております。
○吉田(賢)委員 その前にちょっと伺いますが、接収というのは、これは大蔵省としては法律的にどういうようにお考えになるのですか。
○窪谷政府委員 これは御承知のように、占領直後、占領軍が自分の権力で、無償で管理を占領軍の手に移したのでございまして、当初占領軍の意図といたしましてなぜそういうことをやったかと申しますと、あるいはこれを賠償に充てるというふうな考え方があったというふうにも推定をされるのでございますが、従ってその接収という行為は、連合軍が強制的に管理を移したということでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、これは終戦までに接収したことになるのですか、時期の問題ですが…。
○窪谷政府委員 これはすべて終戦後占領軍が進駐をいたして参りましたあとの問題でございます。従いまして終戦前に接収ということはもちろんなかった、わけであります。
○吉田(賢)委員 ちょっと誤解しておりました。占領軍は終戦後入ってきたことは当然でありますが、そうしますと、時期といたしまして最終はいつごろになるのですか。
○窪谷政府委員 最終は昭和二十三年の十月か十一月ごろだったというふうに記憶しております。
○吉田(賢)委員 個々につきましてはきょうは伺いませんけれども、大体事務管理を大蔵省がしておるのだというのだが、何のために所有者もわからないものを事務管理をしておるのか、たとえば今御説明になりましたごとくに、陸海軍当局が保持しておったものは少くとも当然政府の所有物ではないか、一応そう推定すべきではないかと思うのであります。政府の所有物であるということが明瞭なものと、それから明らかでないものというふうに区別されるのじゃないかと思いますが、その点を整理しないで、法律を作って審査をするというのは、どうも財産の管理としては適当でないと思います。たとえば七百億の中で九割が政府の所有であるとすれば、六百億円というものが日銀その他の地下に眠っておるということは実に不経済千万なことであります。もし九分の一が政府の所有物であるということならば御説ごもっともでありますが、そういうことも考えられる。そこで所有の帰属がいずれにありやということは、事務管理をしておる大蔵省といたしましても、すみやかにはっきりさせる必要があるのではないか。日銀は一体無償でこれを保管しておるのか。持ち主のわからないものを政府が事務管理でやっておるのだから、しからば政府に対して保管料を請求するということになるのですか、その点はどうですか、
○窪谷政府委員 これは大蔵省が事務管理をしておりまして、それの保管を日本銀行に依頼しておるわけでございます。その依願の条件は、無償で保管をするということに相なっております。従いまして、日本銀行からの政府に対する保管料の請求はございません。
○吉田(賢)委員 そこで法律を作り、何か審査委員会を作って所有者をきめていくという御説明でありますが、一体そういうようなことができるものであるかどうか法律を作って所有者をきめてしまう。日本にも今民法という法律がありまして、所有権の帰属については相当完備した法制であろうと思いますが、これでもきまらぬのであるかどうか。いかに利用するかということについて法律を作ることはこれは意味がわかりますが、そういう点はどういうことになるのだろうか。これはいろいろな資料を持っておりませんので、突っ込んだ質問はこの程度にしておきますけれども、これは無主物かもしれない、所有者が判明することがまったく不可能な事実にあるのかもしれない、政府のものもあろう、こういうことを想像し得るのでありますが、法律を作ってその上で所有者を確認するということが何かしら私どもにはひったりこないのです。法律を作る前に仕分けをして、政府のものか個人のものか、名義のわかった人の所有であるか、そういうことは一体今の日本の法律では仕分けができないのだろうか、どういうわけでこういうことになるのだろうか。あるいは世上伝えられるがごとくに、数百億円のものを、あるいはもっと高い価格のものであるがゆえに、利害てんめんとしていろいろ策動するものがあるので、なかなか処理がしにくいということが真相であるのかどうか、その辺について私どもどうも合点がいきにくいのです。法律がなくてもそこらに散在する一切の物件は、すべての人間の力の届く限りのものは、それぞれ所有を確定することはたやすいのじゃないだろうか、こういうふうにも思うのです。いけなければ裁判所できめればいいのですから、そういうことも考えるのですが、それらについてどう考えておられるのでしょうか。
○窪谷政府委員 御疑問ごもっともかと存じますが、もちろんこの法律は、正当な所有者を確認するための手続等を規定するものでございまして、所有権を創設するという考え方ではございません。なぜそういうふうなことをしなければならぬかと申しますと、これは日本政府としては、当時占領中でございまして、占領中におきます管理につきましては、全然介入が許されなかったのであります。占領軍におきましては、これをあるいは将来賠償に充てることあるべしというふうな考え方から接収をいたしましたものを、もとの所有者の個人別の整理をいたさなかったので、あります。それをすべて混合いたしまして保管をいたしておるという事態が一つございます。それからもう一つは、たとえば製品等でありまして、そう美術的な価値もないというようなものにつきましては、溶解をいたしておるのがあるのであります。全部を溶かして保管をしておったというようなものもございまして、これが個人別にきちんと整理がしてありますと、もとの所有者がきわめて明確になるのでありますが、そういうような整理がしてなかったということが一点でございます。それからもう一つは、接収をいたしましたときに大部分のものにつきましては連合軍の受領書が出ておりますが、中には出てないのがありますのと、それから出しております受領書がきわめて区々まちまちでありまして、非常に詳細な受領書が出ておるものがあるかと思いますと、また非常に大ざっばな受領書が出ておりまして、何を接収したのか具体的には、なかなか占領軍の接収のときに出しました受領書だけでは判定がつきかねるというものもございますので、その辺のことを、単純に普通の行政事務のルートで、従来の既存の民法等の規定に従って処理することが、技術的に不可能な状態に相なっておるというようなことから、こういう特別立法の御審議をお願いしなければならぬというようなことに相なったのであります。
○吉田(賢)委員 占領軍が、将来賠償に充当するために接収した、こういう事実がかりにあるとしますと、これを法律的に考えましたならば、占領軍当局は日本人からその金属を預かった、借りておる、将来返すというような意思はなかったように考えられる。そうすると占領軍は、むしろ対価を与えない場合には没収、対価を与えた場合には所有権を対価によって取得するという意思があったのではないか。そうすると、日本政府がそれを引き継いだ場合には、占領軍が特っておった意思を、当時の法律上の関係などからそのまま引き継いだというのがほんとうじゃないか。そうしましたら、結局占領軍の意思は、所有権を取得するという意思であった、相手方もそれを納得しておったかどうか存じませんが、そういうような場合であるならば、これは国の所有に帰するのではないのであろうかということも考えられる、それはそうかどうかは別としまして、――今この法律案を審議しているのではないから、これは適当じゃありませんのでやめますけれども、どうもあとから追っかけていって法律を作って、所有権を創設するんじゃないけれども、所有者を見つける法律を作るというのはどうもおかしい。やはり七百億円というこういう膨大な資産が、ちょっと宙に浮いた格好なんです。これはやはりもっと適切に、公正に所有をしなければ、あなたは一番重要なお立場らしいのだが、後代に恥をさらしますよ。だからそこは、ほんとうに筋を通してやっていかなければいけないとう思う。もっとも人間は欲深いものだから、自分のものだと思えば、あらゆる手を通じてそれをほしがるということは当然であります。いずれにしましても、利害てんめんといたしまして、筋の通らぬことになりましたら大へんだと思います。そこで前にも何かいただいたと思いますけれども、これは山田委員からも一ぺん現地調査したいという御提案がいつかの委員会にあったと思いますので、われわれもそういう機会を待ち望んでおりますので、事前にこれに関して何か資料がありましたら、当委員会に御提出になるように、委員長、お計らいを願いたいと思います。この問題はその程度にしておきたいと思います。 もう一、二点だけ伺っておきましょう。四日市の燃料廠の問題につきまして、旧燃料廠跡の管理処分の問題につきまして若干資料をいただきました。それから徳山の燃料廠、これも今なお相当燃え盛っているらしいのでありまして、この点も財界の大物がそれぞれ角逐いたしまして争っているらしいのでございますので、こういう点につきましてわれわれも相当強く注目していきたいので、この機会に徳山燃料廠につきまして、燃料廠跡の国有財産の処分の状況、現在の段階につきまして、もう少し詳しい――前の四日市の燃料廠跡の資料は少し簡単に過ぎましたので、もう少し詳しい資料をあらためて出していただきたい。これも一つ委員長にお計らいをお願いしたい。 それから共有船舶の問題でありますか、例の終戦直後の、船舶公団とでありましたが、多数の船主との間に政府が共有している船、この船についての問題でありますが、その後、ちょっと何であったか忘れましたが、国が船舶を売却して、代金未収納が数十億円あるということを、何かでちょっと見た記憶があるのです。あるいはそれが今の共有船舶の共有持ち分の売却代金の未収でないかと、ちょっと思いましたまま、ただいまのところ、どこにあったか、ちょっと出どころがはっきりしないのでありますが、そういう事実がございましたならは、この機会に御説明を願っておきたいと思うのであります。
○窪谷政府委員 これは先般の国会におきまして、吉田委員から国有財産として整理すべきでないかという御発言がございました。私どもその御意見をまことに適当な御意見であるというふうに考えまして、今年度の決算書でそれの整理をいたしましたことは、先ほど政務次官から御説明いたした通りでございます。これはやや技術的に整理がしてあるものですから、なかなかわかりにくいかと存じますが、概括的に申しますと、船舶公団から政府が引き継ぎをいたしました持ち分の価格は百二十億円ということに相なっております。それでその中で売却をいたしましたもの、償却をいたしましたもの、それから全損で、沈没してその保険金を受領いたしましたもの等が十一億九千五百万円、これは二十七年度までに減少いたしたのでありますが、それから今御審議を願っております二十八年度中に売り払い、償却等で減少いたしましたものが四億四千万円程度に相なっております。これを通計をいたしますと、二十八年度末現在の国有財産としての船舶共有持ち分は百三億八千万円に相なっております。 それから、なおこのほかに滞納と申しますか、未納のものがあるのではないかというお話でありますが、ごく最近の状況を申し上げますと、御承知のように、共有船舶の持ち分につきましては、償却の収入と金利の収入と二つあるのでございますが、今年の二月末現在の数字によりますと、償却収入で徴収の決定をいたしましたものが、二十三億五千万円ございまして、そのうちで現実に収納いたしましたものが十九億一千万円、従って収納未済額が四億三千六百万円ございます。 なお利子収入の方におきましては、徴収の決定をいたしましたものが、十五億五千万円、現実に収納いたしました金額が十四億一千万円、従って利子収入の面におきまして、収納未済が一億四千七百万円ということに相なっております。従って償却収入と利子収入とを合算しますと、約五億八千万円程度が本年の二月末現在で収納未済に相なっておるということでございます。
○吉田(賢)委員 この収納未済は、まだ処分後多くの日時がたっておりませんが、これは何か収納の見込みが立たぬものでありますか。それともまだ支払いの時期が参らぬものでありますか、その辺はどうなっておりますか。
○窪谷政府委員 収納の時期は一応きておるのでございます。目下鋭意その回収に努めておるのでございますが、ここ二、三年来、海運界は非常に不況にありましたために、なかなか海運会社の金繰りがうまくつかないというような状況から、こういうようなおくれを見せておりますが、私どもの立場といたしましては、それでははなはだ困りますので、鋭意その回収に努力をいたしておるのであります。これがとれないということはまずなかろうというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 これは重要な問題でありますので、当委員会はこれを外になるべく漏らさないようにしたいと思いますから、代金の支払いをしない借り主の名前、代金の総額、支払いの滞っておる金額等々、必要事項を資料としてお出し願いたいと思います。 この機会にもう一つ伺っておきますが、従来はちょいちょい問題になっておりましたが、官庁の建物が民間の寄付によって建設せられるということで、幾多の弊害を生んで、いつぞやも会計検査院の批難事項にもあげられた裁判所の実例もあったのでございますが、最近はそういうものは全国的にやはり行われておりますか、行われていませんか。これは各省の所管になりますけれども、御説明できる範囲でこういうことに対する政府の一般的方針を聞かしていただきたい。
○窪谷政府委員 これは主としては地方公共団体の寄付でございますが、多く行われておりますのは、学校のいろいろな施設でございます。大蔵省といたしましては、できるだけそういう寄付は受けないでやっていくことが適当なことであるというふうには考えておりますが、寄付を一切まかりならぬというふうにも従来は考えておらなかったのであります。やむを得ないものについては、書付の受領もいたし方なかろうというふうな考え方できておったのでございますが、その後最近におきまして、ことに地方財政の逼迫等から、できるだけ公共団体は国に対する寄付等を遠慮するようにというふうなことでもございますので、これはそれぞれ各省各庁の方でまず決定されることではございますが、大蔵省といたしましても、そういう寄付で事柄をやっていくというようなことは、できるだけ抑制するようにというような考え方はいたしております。
○吉田(賢)委員 これは事実を私は持っておりませんので、当てずっぽうなお伺いになるのですが、東京の都内で国有財産の不動産で紛争をしている件数は相当にしるのでしょうか。その辺おわかりの範囲で御説明いただきたい。
○窪谷政府委員 今都内で紛争になっておりますものは、ちょっと承知いたしておりませんので、あとで調査してお答えしたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは何か重要な不動産についてそういうものがありましたら、当委員会に資料として出すことをおはからい願いたい。 最後に聞いておきたいことは、検査報告書の五ページの終りから四行目の国際電信電話株式会社の株券を三百七十五万株売却して十八億円を取得した。これが株券等における減ということになっておるのでございます。これは委員会が始まります前に事務当局から若干伺ったのでありますが、この種の株券は、処分をするという方針になれば、適当に時価でどんどん売ってしまうべきものであるのか、あるいは処分をするという方針であっても、なお数年間処分をしないままにいくということもよいのであるか、これは現実の経済的な考え方からどれがいいかは存じませんけれども、一体こういうものについても一つの方針がなければならぬように思うのです。たとえばこの場合に電電公社に対して売却代金を交付することになるらしいのでありますが、それを交付するとなれば、株の時価というものとの関係が相当関心を持たれるのでしょうが、その辺は何か方針があって株を処理し、保管し、するのか。電電公社の意思を考慮して処理するのか、考慮しないでするのか。そういう辺についてはどうなんでしょうか。相当大きな金額に上る株券の処分の問題でありますし、また莫大な量が残っておるようでございますから、その辺についての方針を聞かしていただきたい。
○上林委員長 質問中はなはだ恐縮ですけれども、午後一時から他の委員会が開催されますので、その点を御配慮願って、質問を願います。
○窪谷政府委員 国際電信電話の株式は、御承知のように、国際電信電話株式会社法の附則の規定によりまして、政府は、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、その株式を処分しなければならない。それで政府は、その処分いたしました株式の代価を電電公社に支払うという建前に相なっておるのであります。従いまして、株の性格から申しますと、できるだけすみやかに売り払いをしなければならぬということに相なっているのでありますが、それも売れればいいということではなくて、有価証券市場の状況も考えて、できるだけ適当の値段で処分をせいということに相なっておるのであります。当初、国際電信ができました直後に処分いたしましたのは、それぞれ会社の経営につきましても安定的な株主があることが望ましいということから、額面価格をもって第一回の処分はいたしたのであります。その後第二回の処分をいたすということから、昨年の三月でございましたが、これを一般入札に付したのでございます。ところが非常に応募者が少くありまして、千百万円程度の処分しかできなかったのであります。株式市場が御承知のような状況でなかなか処分が困難で、さしあたりのところではどうもこの処分はむずかしいのではないかというふうに考えられます。なお電電公社の方からの御希望はできるだけ早く有利に処分してほしいということで、それらの御希望等と関連いたしまして、私どもといたしましては、額面価格を割っては処分いたさない、少くとも額面価格を上回る価格で処分をなすべきものであるというふうな考え方から、そういうふうな時期の到来を実は待っておるという状況でございます。
○吉田(賢)委員 本日はこの程度にいたします。
○上林委員長 他に御質疑はないようでございますから、本日はこの程度にいたしたいと存じます。なお次会の開会は公報をもってお知らせすることといたします。 これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会