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22回国会衆議院1955/05/13

決算委員会 第7号

発言数
30
登壇者
9
会派数
3
開催日
1955/05/13

会議録

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより会議を開きます。  去る一月二十二日、第二十一回国会において本院に提出され、第二十二回国会の去る三月二十三日本委員会に付託されました、昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同政府関係機関決算報告書を議題といたし審査に入ります。まず大蔵政務次官より、昭和二十八年度決算に関する大綱について説明を求めます。藤枝政務次官。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算及び同政府関係機関決算報告書を会計検査院の検査報告とともに、第二十一回国会に提出いたしましたが、未だ御審議を了しておりませんので、その大要を御説明申し上げます。  昭和二十八年度の予算の執行につきましては、予算編成の趣旨に従い、かつその目的の実現に鋭意努力いたしますとともに、その経理につきましても厳正かつ適正な執行に配意いたしたのであります。  これがため会計職員に対する研修等の実施に努め、これら職員の資質の向上に極力意を用いるとともに、他方会計諸制度につきましても、引き続きその整備改善に留意いたしておるのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては千五百八件、是正事項につきましては七百二十四件に上る御指摘を受けるに至りましたことは、種々の事情の存することとはいえ、まことに遺憾にたえないところであります。  これにつきましては、綱紀の粛正を一そう強化するとともに、さらに会計法令の整備、経理職員の資質の向上をはかる等、予算の適正かつ効率的な運営の確保に一段の努力を傾注いたしておる次第であります。  以下決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。  一般会計の歳入の決算額は一兆二千百九十億円余、歳出の決算額は一兆百七十一億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと二千十八億円余の剰余を生ずる計算であります。  この剰余金から、昭和二十九年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額千二百七億円余、及び前年度までの剰余金の使用残額四百二億円余を差し引きますと、四百八億円余が昭和二十八年度新たに生じた純剰余金となるのであります。  なお、右の剰余金二千十八億円余は、財政法第四十条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和二十九年度の歳入に繰り入れ済みであります。しかして、そのうち、昭和二十八年度新たに生じました純剰余金四百八億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、同法第六条の規定によりまして公債または借入金の償還財源に充てられるものであります。  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額一兆二百七十二億円余に対して千九百十七億円余の増加となるのでありますが、このうちには昭和二十七年度剰余金の受け入れが予算額に比べて千五百九十二億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと純然たる昭和二十八年度歳入の増加額は三百二十四億円余となるのであります。その内訳は租税及び印紙収入における増加額二百六十一億円余、専売納付金における増加額八十八億円余、官業益金及び官業収入における増加額二千百万円余、政府資産整理収入における減少額三十六億円余、雑収入における増加額十億円余となっております。  一方歳出につきましては、予算額一兆二百七十二億円余に昭和二十七年度一般会計からの繰越額千百八十九億円余を加えました予算現額一兆千四百六十二億円余から支出済み額一兆百七十一億円余を差し引きますと、その差額は千二百九十億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述の通り千二百七億円余、不用額は八十三億円余となっております。  右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定によって、あらかじめ、国会の議決を経、これに基いて翌年度へ繰り越しました金額は八百四十一億円余でありまして、その内訳のおもなものは、旧軍人等恩給費につきまして、受給者からの恩給請求書の提出がおくれ、裁定が遅延したこと等のため年度内に支出を終らなかったもの、保安庁及び保安庁施設費につきまして、工事計画の策定、土地の選定、輸入物品の納入及び船舶建造の基本設計の作成に不測の時日を要しましたこと等のため年度内に支出を終らなかったもの、輸入食糧価格調整補給金につきまして、輸入食糧の数量及び価格の確認が年度内に終らなかったため年度内に支出を終らなかったもの、平和回復善後処理費、防衛支出金につきまして、事業計画の策定、算定基準の改訂、補償請求に対する支払額の確定等に相当の日数を要しましたため年度内に支出を終らなかったもの等であります。  財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は八十億円余でありまして、その内訳のおもなものは、安全保障諸費につきまして、天候の不順、資材の調達難、設計変更等の事故により工事が遅延したこと等のため年度内に支出に至らなかったものであります。  財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割額を繰り越しました金額は四億円余でありまして、その内訳のおもなものは、利根川外二河川総合開発事業費につきまして、天候の不順、用地補償の決定遅延、資材調達難等のため年度内に支出を終らなかったものであります。  財政法第四十二条の特例に関する法律により繰り越しました金額は二百八十一億円余でありまして、その内訳のおもなものは、安全保障諸費につきまして、駐留軍との連絡手続、事業計画の策定、設計変更、敷地の選定等に不測の時日を要しましたことと、輸入物品の到着が遅延したこと等のため年度内に支出を終らなかったものであります。  次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは、保安庁につきまして、欠員補充が予定よりおくれたことによるもの十四億円余、厚生本省の医療施設費補助につきまして、国立病院の地方公共団体に対する移譲が予定まで達しなかったことによるもの四億円余、厚生本省の国民健康保険助成費につきまして、振興奨励交付金の交付条件に該当する組合が予定より少かったことによるもの三億円余、引揚援護庁の留守家族等援護費につきまして、引揚者数が予定まで達しなかったので、未支給給与金等を要することが少かったことによるもの三億円余、農林本省の農業災害対策費につきまして、被害農家に対して、営農資金を貸し付けるに当って、その貸付の時期が予定よりおそくなった結果、利子補給補助金の所要額が当初の見込みより少かったことによるもの三億円余等であります。  次に予備費でありますが、昭和二十八年度一般会計における予備費の予算額は、予備費、三十億円、災害対策予備費百四十五億円、計百七十五億円でありますが、その使用総額は、予備費二十九億円余、災害対策予備費百四十四億円余、計百七十四億円余であります。そのうち昭和二十八年十二月までの使用額、予備費八億円余、災害対策予備費百十五億円余、計百二十三億円余につきましては、第十九回国会におきまして御承諾をいただいております。  また、昭和二十九年一月から同年三月までの使用額、予備費二十一億円余、災害対策予備費二十九億円余、計五十億円余につきましては、本国会に別途提出いたします予備費使用承諾案について御審議いただきますので、その費途及び金額につきましては、説明を省略させていただきます。  次に一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。財政法第十五条第一項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は百五十四億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は三十億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し分を加え、昭和二十八年度中に支出その他の事由によって債務の消滅いたしました額を差し引きました金額三十九億円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。  財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、実際に負担いたしました債務額はありません。また、本項の規定に基き既往年度において負担いたしました債務額は四百万円余でありますが、昭和二十八年度において支出いたしましたのでその全額が消滅いたしました。  次に昭和二十八年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は三十四でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は一兆四千八百十五億円余、歳出決算総額は一兆三千三百三十五億円余であります。  次に昭和二十八年度政府関係機関の決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は九機関でありますが、その決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。  以上昭和二十八年度一般会計、特別会計及び政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議のほどお願いいたします。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に会計検査院長より検査の概要について説明を求めます。東谷会計検査院長。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院説明員 昭和二十八年度決算検査報告につきまして御説明を申し上げます。  昭和二十八年度歳入歳出決算は、二十九年十一月六日内閣から送付を受けまして、その検査を了して、昭和二十八年度決算検査報告とともに昨年十二月二十四日内閣に回付いたしました。その検査報告には、国の収入支出の決算の確認検査上不当と認めた事項のほか、会計事務職員に対する検定、政府関係機関に関する検査事項などを記述しております。  昭和二十八年度の一般会計及び各特別会計の決算額は、ただいま大蔵政務次官から説明のありました通りでございまするが、各会計間の重複額などを控除いたしまして、いわゆる歳入歳出の純計を概算いたしますと、歳入一兆九千七百八十七億円、歳出一兆九千百六十四億円でありまして、前年度に比べますと、歳入において千九百七十六億円、歳出において二千五百五十三億円の増加となっております。政府関係機関の昭和二十八年度決算額の総計は、収入七千六百九十億余万円、支出六千二十六億余万円でありまして、前年度に比べますと、収入において千九百九十五億余万円、支出において千八百七十四億余万円の増加となっております。  ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは総計百三十五億三千五百余万円でありまして、そのおもなものは、食糧管理特別会計の食糧売り払い代でなお調査中のものが四十六億三千五百余万円、建設省の安全保障諸費で前金払いの精算未了のものが十五億六千四百余万円、総理府の平和回復善後処理費から支出した補償金で、なお調査中のものが十四億三千七百余万円、農林省の農業施設災害復旧事業費から支出した補助金でなお調査中のものが八億二千百余万円などでございます。  会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させました事項として検査報告に記述いたしました件数は合計二千二百三十二件に上っております。またこのほかにも経理上妥当と認めがたいものとして、それぞれの関係責任者に対し警告を発し、改善を促した事項も多数ございます。  二十八年度は、二十七年度の千八百十三件に比べますと、四百十九件の増加となっておりまするが、これは特に検査上の重点を置いた補助金の経理の部面などで増加していることがおもな原因でございまして、その他の一般の経理の部面においてはおおむね減少を示しております。  今この二千二百三十二件について経理の態様別の金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が七千四百余万円、架空経理など法令または予算に違背して経理したものが二億四百余万円、検収不良などのため過渡しとなっているものが、九千八百余万円、補助金で交付額が適正を欠いているため、返納または減額を要するものなどが十一億六千八百余万円、災害復旧事業の査定に対する早期検査の結果により、補助金の減額を要するものが百億二千四百余万円、歳入などで徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額をこえていたものが五億二千余万円、工事請負代金、物件購入代金などが高価に過ぎましたり、または物件売り渡し代金などが低価に過ぎたと認めたものの差額分が五億千五百余万円、不適格品または不急不用の物件の購入など、経費が効率的に使用されず、いわゆる死に金を使ったと認めたものが十八億八千二百余万円、その他の雑件を含めて総額百四十八億千四百余万円に上っております。  二十八年度、二十七年度の百二億九千余万円に比べますと、四十五億二千三百余万円の増加となっております。これは主として不適格品または不急不用の物件の購入など、経費が効率的に使用されていないもので四十七億九千九百余万円、架空経理など法令または予算に違背して経理しているもので二億四千八百余万円の減少となっておりまするが、他方、二十八年発生災害復旧事業の査定に対する早期検査の結果により、補助金の減額を要するもので百億二千四百余万円、工事請負代金、物件購入代金などが高価に過ぎたと認めたものの差額分で三億四千三百余万円の増加となっているためであります。しかしながら国民の租税をおもな財源とする国及び政府関係機関の会計にこのように不当な経理が多いことは、はなはだ遺憾にたえない次第でありまして、会計検査院としては不当経理発生の根源をふさぐことに努力を傾けている次第でございます。  検査の結果の概況は、租税、未収金、予算経理、工事、物件、役務、補助金、不正行為の各項目に分けてこの検査報告に紀逃してありますが、これらのうち会計経理を適正に執行するについて特に留意を要する事態として、収納未済、予算の効率的使用、補助金の態様別にその概要を説明いたします。  まず歳入の収納未済について申し上げます。一般会計の二十八年度の収納未済額は五百四十三億余万円で、その徴収決定済み額に対する割合は四・二%に当りまして、前年度の四・八%に比べて好転しております。この一般会計の収納未済額に特別会計の収納未済額百六十二億余万円を合せますと、収納未済額は七百五億余万円に上り、そのうちおもなものは租税収入の四百二十八億余万円、食糧売払代の八十七億余万円、公共団体工事費分担金の七十八億余万円であります。これらの当年度分の収納未済額のほか、既往年度分の収納未済額並びにまだ徴収決定をしていないものがあることを考慮いたしますれば、事実上の収納未済額、はなお多額に上るものと認められます。  なお公共団体工事分担金の収納未済につきましては、昭和二十七年度決算検査報告においても指摘したところでありまするが、ただいま申し上げました収納未済額七十八億余万円のほかに、二十七年度以前別の分についてみましても、二十九年九月末現在建設、運輸、農林各省で合計八十八億余万円の多額に上っている状況でございます。これらの収納未済額については、その徴収の促進についてなお一段の努力の要があると認められる次第でございます。  次に予算の効率的使用について申し上げます。経費が効率的に使用されていないと認められる貫例は、工事の施行や資材の購入などについて保安庁、食糧庁を初め、各省にわたり多数見受けられますが、このような事例が毎年繰り返されることはまことに遺憾であります。  まず工事について見ますと、計画の立案が効率的でなかったり、調査、設計が粗漏なため不必要な施設をしたり、関係部局閥の連絡が不十分なため手戻りとなっているものがありましたり、また物品について見ますると、規格の検討が足りないため必要以上の規格品や不適格品を購入いたしましたり、所要見込み量や在庫量の把握が十分でなかったために過大調達となっている毛のなどがございます。これら工事や物品について予算執行の跡を見ますと、契約の基本となる予定価格の算定に断り検討が不十分なため、工事を過大な見積りで請け負わせ、ひいて高価となったものや、物品をより低価に購入することができたと認められる事例なども相当見受けられるのであります。よって、予算の効率的使用については、特に留意を要するものと認められます。  最後に補助金について申し上げます。補助金の経理が適正を欠いたと認められるものは、総計百十一億九千三百余万円でありまして、補助金がこのように粗雑に取り扱われておりますことは、はなはだ遺憾千万でございます。このうち公共事業費関係の補助金に関する不当事項は、昭和二十七年度決算検査報告において特に多数指摘したところでございますが、二十八年度においても依然としてきわめて多数見受けられるのであります。すなわち災害を受けた事実がないのに災害復旧専業として補助を申請いたしましたり、必要以上の過大な工事費で補助を申請するなど、事業主体の不当な補助申請がそのまま見のがされておりましたり、事業主体が負担すべき自己負担金を免れるために査定工事費より少額で工事を行い、このため工事の施行が粗漏で工事の目的を達していなかったり、あるいは設計通りに施行されていないのに施行されたこととして処理しているため、補助金の超過交付となっているものなどの事例が見受けられるのでございます。  なお二十八年に発生いたしました災害は、復旧事業費が多額に上り、その国庫補助も高率を適用されることとなりましたが、過大な設計や災害に便乗して行なった改良工事などは、工事完了後の検査ではその是正が困難でございますので、特に農林、運輸、建設各省所管につきましては、事後の検査にあわせて工事完了前のものにつきましても早期に検査を行いましたところ、このような不当な事例が多数見受けられ、会計検査院の注意によりまして、これら各省ですでに査定した事業費を減額いたしました結果、補助金の減額となるものが百億二千四百余万円に上ったのでございます。  公共事業費以外の補助金は、その費目も農林省所管の分を初め、多岐にわたっておりまするが、市町村などで補助金を事業の実施者に交付しないで、そのまま保有していたり、これを他の目的に流用したり、過大な申請に基いて交付された補助金がそのままとなっているなど、不当な例が少くございません。このように多数発見された補助金の不当経理は、従来から指摘しておりますように、第一には事業の内容や所要経費が大部分机上の査定によっていて、実情に適合していないこと、第二には交付後の監督、完了の確認、精算などが的確に行われていないこと、第三には以上第一、第二の事情に事業主体が正当な自己負担を忌避しようとする事実が相伴なっていることなどが、そのおもな原因と認められるのでございます。補助金が効率的に使用されるためには、補助金交付の必要性や計画実施の適否を的確に把握することが緊要でございまするが、事業主体の財政能力や事業遂行の技術能力についても十分な配意と指導とが必要であり、さらに事業が的確に行われたかどうかを確認し、補助金交付に締めくくりをつけることもゆるがせにできないことと存ずるのであります。  このような事態にかんがみまして、会計検査院におきましては、さきに関係各省に改善の意見を提示したところでありますが、これに対しまだ的確な処置がとられているとは認められないのでありまして、国家財政上重大な比率を占めている補助金についての効率的使用を確保するためには、各省においても早急かつ果断な防止対策の樹立が緊要であると存ずるのであります。  なお検査報告の説明を終るに当りまして、会計検査院の検査方針及び検査状況について一言つけ加えたいと存じます。  国及び政府関係機関の会計経理に対しましては、会計検査院は特に収入の確保及び支出の節約をはかり、経費を効率的に使用し、また事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理及び処分するとともに、一般的に当務者の経理の適正を期し、かつ不当事項の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な経理事務の執行を確保するよう、検査の徹底を期したいと存じておる次第でございます。  会計検査院の検査は、書面検査及び実地検査の二つの方法によるのでございまして、書面検査におきましては、二十八年十二月から昨年十一月までの間に、国及び政府関係機関などの歳入、歳出などに関する計算書及び証拠書類を検査したものは十四万二千余冊三千二百余万枚でございます。また同期間中に実地検査を施行いたしました個所は約千八百個所に上っております。  なお現金、物品の在荷や帳簿整理の状況を検査する場合などには、必要に応じまして相手方には予告しないで、いわゆる抜き打ち的に実地検査を行い、検査の徹底を期しておる次第でございます。  会計検査に伴い関係者に対しまして質問を発しましたものは九千余件に上っておりまするが、検査の結果及び経理上の所見に対しましては、検査をお受けになります側の一そう機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありまするので、国会におかれましてもこの点についての一そうの御支援をいただきたいと存ずる次第でございます。  以上をもちまして検査報告の説明を終りまするが、なおさらに一言申し上げたいと存じます。会計検査院におきましては、会計経理の実情にかんがみまして、今後一そう会計検査の機能を発揮して検査の徹底を期し、もってできるだけ国民の要請にこたえるため、その検査機構を拡充いたしまして、一局を増設する方針でおります。従いまして、これに必要なる予算及び会計検査院法中一部改正法律案の両者を政府から本国会に提出され、御審議を仰ぐこととなっておりまするので、何とぞ御了承の上よろしくお願いいたします。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 この際各委員より発言を求められておりますので、順次これを許します。まず山田長司君。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 最初に大蔵政務次官に伺い、さらに会計検査院長に伺いたいと思います。二十八年度の決算報告の説明をただいま伺いまして、さらに会計検査院からの報告等を伺いますと、不正事項というものが、逐次毎年驚くべき増加を示していると思うのです。それでありますので、おそらくまだこの報告の何倍にも上る不正事件というのがあるに相違ないと思います。国庫補助金のごときは、二重査定とか、あるいは架空の工事とか、全然予期していないような不正事件がたくさんにあるわけですが、これらの莫大な金額について、特に大蔵当局としては各地区に財務部があるのであるが、この財務部からこれらの不正事件というものを摘発されている状態というものはどんなふうになっておるものか、これらについての御報告を願いたいと思うのです。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 第一に、説明の冒頭におわびを申し上げましたように、不当事項、是正事項等が年々増加いたしますことにつきましては、私どもとしても非常に申しおけなく存じておりまして、これが是正のためには、会計検査院のいろいろな御注意、さらにわれわれの方といたしましても、職員の研修、あるいはただいまも御指摘がありましたが、各財務部等の事前の是正と申しますか、そうしたものにつきまして最前の努力をいたしまして、これらの防止に当りたいと考えておりまするが、その実効がまだ十分上っておりませんことはまことに遺憾でございます。今後さらにそれらの点につきましては最善の努力をいたしたいと思います。  ただいまお尋ねのありました財務部からの報告があるかということでございますが、御承知と思いますが、実は各地方の財務部がいたしておりますのは、むしろ予算の作成に当りまする資料をできるだけ地方の実情に合わして的確に把握いたしたいということがおもな使命でありまして、ただその間にありまして事前にただいまのような不当な支出、その他の問題の発見もいたすというようなことでありまして、主たる目的はむしろ地方の実情に応じて予算の編成の重要な資料を収集するということになっております。従いましてただいまお尋ねのような不当な事項についての報告につきましては、資料を持っておりませんので、その点は後ほどお答えさせていただきたいと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 二十六年度、二十七年度の風水害の工事等に当って、驚くべき過払いがされている山口県の事件などについては、あれは返納金が要求されていると思いますが、それらについてどんなふうに監督されておられるのか。もうすでに返納金がなされておるものかどうか、一応伺っておきます。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 返納を命じましたその返納金を徴収するのは、各当該省でやっております。その資料の集まりましたものをただいま手元に持っておりませんので、これも後ほどお答えいたしますが、各当該の省で実は実務をやっておりますので、場合によっては当該省の方にお尋ねをいただくことが、あるいは適当じゃないかと考えております。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 毎年の批難事項を見ますと、金を持っておるところ及び物を持っておるところというような順序で批難事項があるようでありますが、大蔵当局の場合においては、これが検査をする機関というものは、どんなふうにこれから先強化をしていこうとお考えになっておられますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示説明員 ただいまの御質問に対しまして、事務当局からお答えを申し上げます。先ほど検査院長がおっしゃられましたように、ただいま御提出申し上げております今年度の予算の中に、会計検査院の機構の拡充のために、人員におきまして約六十人の増員をいたし、機構といたしまして一局を整備する、このために必要な経費が計上されておるわけであります。ただいま山田委員御指摘の点につきましては、検査院、行政管理庁あるいは大蔵省の財務局系統というふうに、いろいろの検査機関があるが、どういう点に重点を置いて整備をはかっていく考え方であるかという御趣旨のように拝聴いたしたのでございますが、やはり会計検査院は憲法に定められました、いわば最も重要な検査の権限をお持ちになっておるのでありますから、会計検査院を最高の検査機構といたしまして、ただいま大蔵政務次官もお話になりましたように、財務部はむしろ予算の編成なり、会計制度の改正なりに資するような現実の資料の収集、あるいは情報の収集というふうなことに重点を置いて参りたい。さらに行政管理庁は行政監察という面に大きな使命を持たれておることば、山田委員も御承知の通りでございます。すなわち検査院は最高の、また格段の地位にあられるのでございますが、財務部あるいは行政管理庁は、これとは全然違った分野におきまして、それぞれの機能を果していくというふうに考えて参りたいと思っておるのでございます。  先ほども御指摘がございましたが、財務部が今までどの程度の具体的件数について報告をしておるかという御質問でございますが、災害のときにおきましては、私どもはあらゆる災害の場合に、査定の事前に財務部の資料をとっておりますので、その件数を洗いますと相当のものになるかと思っております。なお今申し上げた三つの機構のほかに、各省の内部監査というものを私どもは重要なものといたしまして、それぞれの執行官庁の中の内部監査の機構に必要な経費も計上いたしております。たとえば国税庁におきましては監察官、監督官というものがございます。税関につきましても考査官というようなものを置いておる。そういうふうにそれぞれの分野におきまして必要な監査、考査の機構を整備していくように考えております。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 次に会計検査院長に伺います。会計検査院長の決算報告中四ページのまん中ごろにある「経理上妥当と認めがたいものとして、それぞれの関係責任者に対し警告を発し改善を促した事項も多数あります」。こうあります。ただこれだけではばく然としているんですが、これらのことについて、警告を発した事項の具体的なものを、文書をもって本委員会に出してもらいたいと思いますが、この点どうでしょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院説明員 ただいまの点でございますが、的確な数字は覚えておりませんが、大体四百件ばかりあるわけであります。今後要望がございましたので、ごらん願うのに御便宜のように分類いたしまして、後刻差し上げたいと思っております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私はきょうは質疑をしないことにしておきたいと思います。それで資料を要求いたしますのと、若干御説明を加えていただきたいと思うのであります。その点を一つ申し上げます。  第一に、大蔵省当局に対して次の資料を至急提出されんことをおはからい願います。  一、一般会計及び特別会計につき昭和二十九年度予算より翌年度への繰り越し金見込み額、年度繰り越しの事項、繰り越しの事由別及び不用額、これは各省各庁に分けて御説明願いたい。なお付記として、事故及び不用額について、ごく一行でいいですから、その事由を書いておいていただきたいと思います。  二、昭和二十九年度歳計見込み剰余金、各省庁別について、これはまだ締め切っておられないときでたいへん作業はお気の毒ですけれども、ぜひ一つお願い申し上げたいのであります。こればやがて次に提出されようとする本年一月以来三月末までの予備金の承認を求めるの件、こういうことにも若干関連を持っておりますので、ぜひ一つ至急お願い申し上げたいと存じております。  それから検査院の第二局長が見えておりますから——昭和二十八年度決算検査報告書の総論を見ますと、第二ページの二、歳出の部に、特に保安庁及び保安庁施設費につきまして繰り越された金額が相当莫大に上っておるのが目立つのであります。また不用額なども保安庁は十四億余り出しております。これはいろいろな事情ありと大蔵当局の御説明もあったのでありますけれども、私ども毎年出て参ります防衛庁、保安庁関係の批難事項の多いのには実に遺憾に思っておる際でありますので、この際簡単でよろしゅうございまするから、私は保安庁関係につきまして委員長のお許しを得まして、一つ報告番号の二三、関東地方建設局で、昭和二十九年三月、株式会社安藤組ほか十三名に請け負わせた世田谷区保安隊三宿施設A地区などの工事につきまして請負代金が六億六千九百四十四万一千円、これにつきましては用地問題が全く解決をしない。従って着工の見込みすら立たぬ。こういったものに対しまして契約を締結しておるというのでそれに二億六千七百七十七万六千四百円を前払いした、こういうことは民間の請負契約においては想像もできないことでございます。二億六千万円もこのように理由なくして前払いするということは、われわれ想像もしにくいことであります。こういうこともございまするので、なお昭和二十九年度へ継続いたしましてこのような事例がございましたならば、もし相当固まっておるような案件でもございましたならば、一つこの際お聞かせを願いたい。またその次五七ページの二四におきましても、ジープの購入に当りまして、これも検査適切でありましたならば二億数千万円が支払いをしなくてもよかったことが明らかにされておるのでございます。こういうふうに防衛庁の予算の執行の状況というものに実に顕著なこういう不当な莫大な使用が見当るのでございますので、私はこの機会に、この報告書には載っておりませんけれども、最近の状況につきましてここで御説明願える資料をお持ちでありましたら、少し御説明願いたい、こう思うのでありますが、お許しを願いたいと思います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 資料の要求については委員長は了承いたしました。大蔵省、会計検査院検査官よろしゅうございますか。説明の方はしますか。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 ただいまの、防衛庁関係の現在における検査状況でございますが、二十八年度に引き続きまして物件の調達に相当主眼を置いて検査をすると同時に、二十九年度は用地買収関係あるいはそれに伴う補償関係も相当ございますので、それに検査の相当のウエートをかける。艦船その他の経費も出ておりますので、作業の検査が十分にできるように準備行為をしていくということで、二十九年度の検査を進めておるわけでございます。二十九年度の検査は現在検査途中にございまして、一々問題に疑問がございまして検討中のものもございます。具体的には現在資料を持っておりませんので申し上げかねますが、昨年度と同じようにやはり不用不急の物品を買われたのではないかという線で検討しておる面もございますが、まだ十分固まっておりませんので的確に申し上げる段階には達しておらぬ状況でございます。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 よろしゅうございますか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。それでは防衛庁の方から直接出すような文書もきておりまするが、できるだけ早い機会にわれわれ二十八年度の検討の資料にしたいと思いまするので、固まりましたものを一つ本委員会に資料として御提出願いたいと思いますから、その点お計らい願います。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 検査の段階に応じまして、内部的に相談をいたしまして、できるものは提出することにいたしたいと考えております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に床次徳二君。

床次徳二日本民主党

○床次委員 いろいろ報告はございますが、この報告に従いましてそれぞれ処置をせられておるものがあります。あるいは懲戒処分せられたものも載せてありますが、単に注意されたものとは、それぞれの団体あるいは官庁等におきまして、果して当事者に対して責任をいかように追及しておったかということがおわかりかどうかという点であります。かかるいろいろの問題が逐年増加するということになりましては、やはり当事者の責任観念というものを相当明確にする必要があるのでありますが、会計検査院といたしましてこの処置に対して、それぞれの官庁がいかなる処置を当該責任者にとったかということがおわかりになっておるかどうかということを承わりたい。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院説明員 ただいまの御質問でありますが、責任を追及して責任者に相当な処分をするということは最も必要なことだと存ずるのでありまして、どんなことが起っても責任が明確でない、うやむやに葬り去られるということでありまして、同じようなことを毎年繰り返すようなことになりまするので、会計検査院といたしましては、検査院法の上からもあるいは予算執行職員の責任を問う法律がございますから、それによりまして著しいものにつきましては懲戒を要求するとかその他の注意書を発するというふうにいたしておりますが、ただいまお話の各省で注意の程度にとどめておられるという点については、必ずしも満足いたしておらぬのでありまするが、いろいろ事情を聞きますと、責任が明確になっていないのでありまして、まず第一に責任を明確にしなくてはならぬじゃないかということで、各当務省と連絡協議しておるようなわけであります。ただいまの状況はわかるかということでありましたが、実は状況を調べて私の方には一括してわかっております。

床次徳二日本民主党

○床次委員 けっこうです。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 片島港君。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 資料を二、三お願いしておきたいと思います。収納未済額が昭和二十八年度において七百五億余万円に上り、そのうちおもなものは租税収入と食糧売り払い代金というようなことになっておりますが、この収納未済額についてもう少し詳しく資料がいただけましたらと思います。たとえば各庁別あるいは各会計別、特に金額の大きい租税収入についてはでき得る限りにおいてその租税の内訳といいますか、それから食糧代金の内訳、これについてもう少し具体的な資料をいただきたい。  それからこの百億円余りの査定を、すでに補助金の査定をした後において不当であったために是正をして百億円余りというものが減額の処理がされたとしてあるのでありまするが、この百億円余りというのは各省別にどうなっておるのか、そうして査定後におけるところのこういう減額された金というものは、どういうふうに処理せられるものであるか。もしこれが口頭で御説明ができるならばそれでもよろしゅうございますが、その二点をお願いしておきたい。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院説明員 先ほどの収納未済でありますが、これは会計検査院に対する資料の御要求でございますか。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 これは会計検査院の方から御説明されたのであなたの方にお願いしたい。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院説明員 次の百億円の点でありまするが、先ほどもちょっと御説明いたしましたが、実は私どもの方の検査は一般に言われておりまするのは事後検査といいますけれども、その月の分をその月に見るというのがほんとうの姿でありますが、人員が少いためにだいぶずれて検査をいたしております。しかしながら二十八年に発生しました災害のような非常に大きな災害で、しかも補助率の大きなもの、しかも会計検査院が補助に対して検査を数年来いたしておりますると、実にいろいろな不当な事態が多いのでございまするので、早期に検査する。すなわち査定が済んで事業が始まればすぐ行ってみるというふうにいたして、早期の検査をしたわけでありまするが、それで事業はまだ緒についたばかりである、あるいは十分の一ぐらいしかやっていないというところへ行って検査をいたしまして、たとえば一億円なら一億円の査定を受けた工事をやっておられる、検査院で行ってみるとそんなにかからぬじゃないか、五千万円か三千万円で済むんじゃないか、なるほどおっしゃる通りでありますという現地における説明を得まして、それで私の方は査定権限はございませんので、主務省に対しまして一億という査定をつけて一億の工事をすると言っておられるが、実際は三千万円なら三千万円だけの工事しかしておられないし、それだけのもので済むんだ、どうされるか、七千万円を削って三千万円にされるべきではないかというような照会を出しまして、その照会によりまして各省、農林なり建設なり運輸は査定を変えるのであります。その額は百十億、工事費で申しますと百十億でございますが、その内訳を申しますと、農林関係が八十七億でございます。運輸関係が二億八千万円、建設関係が二十億五千万円、これを合せますと百十億三千万円になるのでありますが、百億二千万円と申しまするのは、それに対する補助金は九割ちょっとでありますから、百億二千四百万円という補助額になります。それを査定減いたしましてどうするかと申しますると、この分は査定減でありまするから、これからやる補助金をそれだけ減してやるということになります。そうでない分につきましては、先ほどもちょっと床次さんでしたかどなたでしたか御質問がございましたが、多くは返納の分はこれからやる補助金で差し引くという操作をしておられるようでございます。そればかりではございません。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 他に御発言はございませんか。——ないようでございますから本日はこの程度にとどめ、次会の開会日時は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時三十五分散会

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