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22回国会衆議院1955/05/09

決算委員会 第6号

発言数
151
登壇者
10
会派数
3
開催日
1955/05/09

会議録

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより会議を開きます。  まず病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について議事を進めます。  一昨日、本問題についての経過報告を厚生省及び農林省、両当局よりそれぞれ聴取いたしておりますので、本日はこれより質疑に入りたいと存じます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 質疑に入ります前に、少しく数字を明らかにしておきたいと思います。以下の数字を一つ御説明願います。私は資料で出してもらおうと思ったのだけれども、まだ届いておりませんので、詳しいことがわかりませんでしたら、概略でもいいと思います。そのおつもりでお答えを願います。  現在の都道府県別在庫の病変米の数。これが入国いたしました期間、最初はいつで最終はいつか。買付代金の総額、その他雑費を、要しておりますれば、これが総額。倉庫料概算、一カ月もしくは一カ年どれほど支払っておるか。それから菌の種類による数量別、なお都道府県別——これは大略でいいですから、あるいは関東地区というようにご説明願ってもいいです。以上、一応数字を御説明願っておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまのお尋ねの資料につきまして、なお詳細な点につきましては別途調査をいたしまして、至急提出いたさせていただきますが、現在わかっております程度の数字を御説明いたさせていただきたいと思います。  お話がございました第一点の各府県別の在庫ということでございますが、これは後ほど資料として提出いたします。現在のところ総在庫数量が十五万一千九百六十九トンございまして、その地域別は、北海道が小樽にございまして、九千九百十九トン、東京が一万八千百四十トン、神奈川、横浜でございますが、千三百四十七トン、静岡が七千四百八十二トン、名古屋が三万九千四百二十七トン、三重県の四日市が二千五百二十二トン、それから富山の伏木が六百十五トン、それから福井の敦賀が八百九十三トン、大阪が百十五トン、神戸が千二百二十二トン、静岡の関門博多地区が、五万三千五百八十二トン、長崎の長崎、佐世保が一万六千七百五トンということになっておりまして、以上合計が十五万一千九百六十九トンということになっておるのであります。なお詳細は数字をもって、あとから御答弁を申し上げます。  それから入国別の数量はどうかとのお尋ねでございますが、ただいま申し上げましたいわゆる病変米の在庫数量十五万一千九百六十九トンそのものの入国別の数字は、ただいまちょっとございませんが、厚生省から病変米として通報を受けました数量につきましての数字がございます。後ほどまた正確に御報告申し上げますが、それは大体二十八年の十一月から三十年の一月末までの入港事績によるものでございます。ビルマ、が七万六千九百二十九トン、パキスタンが三千四百九十トン、中共関係が六千三百三十八トン、アメリカが一万二千六百八十八トン、タイが六万四千百五十七トン、仏印が一万四千五トン。ペルーが八百八十トン、イタリアが一万七千八百四十一トン、スペインが八千六百六十二トン、合計が二十万四千九百九十トンということになっておるのでございます。  それから倉庫料あるいはこれの買い入れ代金の総額あるいはそれに伴う諸掛り等の金額は、ただいまちょっと手元にございませんので、調査をいたしまして、さっそくお届けいたします。  その他菌の種類別による数量につきましては、別途また厚生省と相談いたしまして、——実は検査ごとに一応菌の種類の表があるのでございます。それを集計いたさなければなりませんが、その集計に若干日にちを要しますので、集計の後にいずれ数字出したい、かように考えます。  買付代金はちょっとただいま正確になっておりませんので、後に御報告いたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 今の代金などの詳細は一つ資料で出していただいて、概略はどのくらいになっておりますか、トン何ほどという大体の相場が出ませんか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 かりにトン七万円といたしますと、十五万トンでございますから百五億円くらいになるかと思いますが、概算でございますのでそのおつもりで、正確な数字は資料で御報告申し上げます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 なお同じように数字を知りたいのですが、昨年の八月以来外米を配給して辞退した者が相当出ておるというふうに聞き及んでおるのであります。この大体の数量をお願いしたいのです。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 これも概略な数字でございますが、私ども需給推算の数字、また配給の実績から推定いたしますと、外米の辞退パーセントは大体二〇%から二四%程度になっておるのであります。かりにこれを一年間としますと、外米が百万トン入って参りますと二十万トンか二十四万トン程度になろうかと思いますが、これはまたいずれ資料を提出させていただきたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 大臣に伺いますが、あなたも昨年は決算委員会にしばしばお出になりまして、これらの問題につきましても十分当時の経過は御承知のことでございます。決算委員会といたしましては、昨年の八月二十三日、輸入病変米に関しましてきわめて重要な決議をいたしております。これらの決議につきまして、私は政府におかれても相当この趣旨を尊重して各般の手は打たれたものと思いますが、第一に伺ってみたいことは、どうも責任の所在が明らかでない。これは私ども第一点にうたった点なんです。一体この黄変米、病変米でありますかにつきましては、元来食糧庁が買付し、輸入をし、保管、配給などをする。従って農林大臣がその責任を負うべき立場にあることはもちろんでありますが、一方また食糧衛生の見地から、厚生省はそれぞれ黄変米の処理等につきましても、また認定等につきましても重要な責任をここに持っております。そこで具体的に問題になりますのは、在庫しておる十五万トン、それから決議いたしました当時は、八万余トンであったのでございまするので、その後七万トンがまた入ったのであります。それでこれは究極するところ食糧庁、すなわち農林省におきまして最終的な責任を負うのであるのか。あるいは毒素を含んだ米であるから、その見地から毒米であると認定される以上は、厚生省が最終的な責任を負うのであるか。この辺について何かはっきりしないものがお互いにあるのが、この問題が長らく解決しないで、なお今日まで及んでおる一つの原因ではないかというふうに私は考えるのです。これはしばしば委員会で論議いたしましたその途上におきましても、どうもその感を深くいたしました。たとえば入港したときのサンプリングの割合にいたしましても、また検定する時期あるいはそれが検定される機関、またこれの配給がいつの間にやらされてしまって、あとでびっくりして、あれは黄変米であったというようなことがあったという点から見ても、どこか食い違ったものがあって、そのまま今日まで経過しておるということが、一つの大きな盲点になっておるのではないであろうか、こう思うのであります。政府といたしまして、黄変米につきましては最終的な責任は、これは厚生大臣にあるのか、農林大臣にあるのか、その点を一つはっきりしておいていただきたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 お答えをいたします。国民保健衛生の見地から、その配給する米が有害なりやいなやという責任は、厚生大臣がお持ちいただくと私は心得ております。農林大臣といたしましては、外米を輸入して、そうしてそれが黄変菌を生じ、よって国家に損害を及ぼす影響、その責任は農林大臣が負うべきである、こう心得ております。なるべくそういう事態の起らぬように、最善を尽さなければならないという責任は、農林大臣が負うべきである、こう心得ております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 昨年当委員会が決議いたしました当時は、その後政府は外米輸入に当りましては、病変米の輸入を防止するために極力努力することは、これは当委員会でも当時の農林大臣も誓っておるのであります。ところがまた七万トンもふえまして、今問題は未解決のままある、こういうことになっておる次第であります。やはりこれらは制度的な——農林省、厚生省両省の立場における制度上の責任関係は、それは今の言葉としてはわかるのですけれども、やはりそこに農林大臣が全責任を持って入らないことに努力し、もしくは配給につきましても、遺憾のないことに努力するということにあるのか、あるいは見つかったら見つけようとしたものが厚生省であるので、それからは厚生省が押えてしまうので、その後においては米はいずれもが関与していく。こういうふうなので、どうも実際におきましては、一本でこの間の責任を明らかにしておらぬところに、やはり問題が生じてくるのではないだろうか、こう思うのであります。私はそういうふうな立場から考えますると、今大臣がお述べになりましたことは、これは概略的な御説明としてはもっともでありまするけれども、それならば、その後黄変米が七万トンもまた手持ちになるようなことを防ぐために、どうすればいいかというようなことやら、あるいはその後約十カ月後に、問題が新たにされよう——というと語弊がありますけれども、ともかく今なお問題が解決しない重要なことがたくさんに残っておりますが、あなたの方と厚生大臣との間には、もっとそこを一本に、責任の所在を統一していくということへの御相談でもなければ、なかなかこの種問題について、将来やはり尾を引き、あるいは次々と問題が起ってくるのじゃないかと思うのです。たとえば去年の十一月ごろ以降、あなたの方の業務第二部長が先頭に立って、タイ、ビルマその他へ多数の人が押しかけていって調査もされた事実もあるのですが、こういうような点を見ても、これはどうも厚生省が中心でなしに、あなたの方が中心になっている。どうも厚生省はあとからひっついた存在のような感じすらする。ところで今度また一0%再搗精するならば、それは国民の健康上無害である、こういうようなことの指弾的立場は、これは厚生省がやっておられる。それは保健上当然のことではないかといえばそれまででありますけれども、いずれにしましても、去年から問題が、両者ばらばらになって進んでいきおるので、在庫量はふえてくるし問題は未解決であるし、遠方まで莫大な金を使って旅行して視察し、調査してきたけれども、まだ最終結論も得ない。こういうことになるのは、やはりそこに不一致のものがあると思うのだが、これはもう少しはっきりして、統一しなければならぬものがあるのじゃないかと思うのですが、これは一つ率直に、ほんとうに将来の——あなたの立場はどう、厚生大臣の立場はどうとつく意味で言うのじゃなしに、この種の問題のあとをほんとうに断つために、行政上、制度上、機構上の問題と関連いたしまして、やはり責任のほんとうの中心所在がどこにあるのかということを検討しなければならぬのじゃないかと思うのです。万事積極的にものをお考えになる農林大臣だったら、これらにつきましても、あなたの一つあけすけな御意見を伺ってみたいと思うのです。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 ごもっともな御意見で、実はひとりこの問題だけではございませんで、たとえば高温殺菌の問題にいたしましても、農林省と厚生省との間に、立場の相違もありますが、なかなか技術者の間にトラブルがありましたり、意見が一致しない点がありましたりして、大衆に御迷惑をかけているような問題が、その例を見ないわけではないのでございます。ところが、今当面いたしておりまする黄変米の問題につきましては、これは私案は全部承知いたしておらないのでございますが、今数量が昨年の御決議後にふえたと言われましたが、これは御決議になったときに、もうすでに買い付けてあったものが、あとから来たというものもあるらしいようでございます。それからまたその後に入ってきましたものは、一昨日も申し上げました通りに、黄変していない白い米の中に、そういうものが出てくるというようなこともありまして、現地の方で一応の検査をいたしましても、なかなかそれがわからぬ場合もあるというようなことで、こちらへ参ったらそういうふうな結果になったということは、はなはだ遺憾に考えております。それで、昨年はすでに買付後でございましたが、さしあたり今年度におきましては、買付条件等を非常に厳重にいたしまして、絶対にという言葉は、これはほとんど不可能じゃないかと思いますから、これは使うわけに参らぬと思いますけれども、こういう国民の側から見ましても非常に不安のあるような食糧の配給をするということは、これは絶対に避けなければならぬことでございます。そのために入って参りまして非常に国家に損失を与えるというようなことも、最善を尽して防止することに努力をいたさなければなりませんので、一昨日お答えいたしましたようなことに諸般の対策を講じておるわけなんであります。そこで実はこれは私独自の考えでございますけれども、しからばこの米の検査を今一応政府といたしましては、一昨日述べましたように、着地検査にして、こちらへ参って港へ着いて倉庫に入れた上で検査して、そこで病変のあるものは全部ける、それだけで一体済むかどうかと言いますと、日本の貿易商社が持って来て、そうしてこちらへ来てみたら、これは病変菌があるからだめだといってみたところで、それを今度しからばそれは民間のものだということで、一たん向うへ持って帰らせることになればどうするかということもなかなかめんどうなことで、それだけで政府の手が済むわけじゃないというような気もいたしますので、一応は着地検査ということにしてやりますけれども、その事前に現地に一つ適正な機関を作るなり十分に人を派遣するなりして、向うで最善の検査をするということが一番いいんじゃなかろうかというようなこと等々も実は考えられるわけでございます。で、お示しになりましたように、この問題につきましては厚生省のそれぞれの関係とも十分に連絡いたしまして、そうして最善を期するようになお一そう努力をいたしたいと思いますから、さよう御承知を願いたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは黄変米対策の根本についての問題でありまするので、格別に御考慮を願っておかなければならぬと思います。そこでもう一度数字に入りたいのですが、タイ国黄変米とイスランジア黄変米の割合は、新聞なんかではタイ国黄変米は五万トンで三分の一、イスランジア黄変米が十万トン、こういうような記事が発表されておったのでありますが、それはそれでいいのですか、それを一つはっきりしておいてもらいたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 先ほどちょっとこの点に触れて御返事申し上げたのですが、先ほど申し上げた十五万トンの数字につきまして今般厚生省からの御通知をいただいたのでありますが、ただいま御指摘のタイ国黄変薗のものとイスランジア黄変菌の菌別の数量につきましては、ただいま個々の調査、個票を集計しておる最中であります。それでたしかただいまおっしゃっておるような十万トンあるいは五万トンというような数字は、私の方から申し上げたことはないと考えておりますが、ただいませっかく急いで個票を集計中でございますので、わかり次第また御連経申し上げたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それでは厚生省から答えていただきたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答えを申し上げます。ただいま農林省からお答えもございましたように、私どもはその都度農林省に連絡をいたしております。もちろんその都度連絡の内容といたしましては、菌別に連絡をいたしておりますが、口数が非常に多いために、いずれこの点は集計をいたしまして資料としてお答えをいたしたい、かように考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは奇怪な御答弁なんだが、あなたの方はすでに本年の五月六日に病変米の食品衛生の取扱いについて、食糧庁長官に対して公衆衛生局長から通牒を出しておられる。この通牒によれば、相当具体的な処理をしなければならぬようになっておる。こういう通牒を出す際に、黄変米の菌別の数量が集計できていないということはちょっと考えられない。ほんとうにそうなんですか。概数でもいいんですが、すでに新聞で発表しているんです。新聞がでたらめを書くわけもないと思いますが、たとえば朝日新聞のことしの五月七日の朝刊によりましても、タイ国黄変米は五万トンということも書いてある。これはあなたの方から出た記事であろうと思う。あなたが集計しなければわからぬということは、そんなややこしいつまらぬことに時間をとらずに、率直に述べてもらいたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 ただいま申し上げた通りでございますが、大体私どもの記憶では半々程度ではないかと存じますが、幾らかイスランジアを含めたものの方が多いかと存じます。その程度だと存じますが、半々程度あるいはそれ以内というように記憶をいたしております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 吉田委員にちょっと御相談申し上げますが、大臣は予算委員会に出席の都合もありますし、他に質問者が残っておりますから、なるべく大臣の質問を先にお願いいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ただいま私が述べました、本年の五月六日付で公衆衛生局長から食糧庁長官あてに、「黄変米の食品衛生上の取扱いについて」こういう通牒が出ております。これは要するに、現在の在庫の変色しない輸入チトリヌム黄変米について次のように扱われたいということになっております。これは三つの項目に分れて、なお別添として研究成績の表などがついておりますが、これはこの通り農林大臣は御容認になるんですか。それとも意見があるのでしょうか、この点いかがですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 厚生省の御連絡をちょうだいしたばかりでまだ相談しておりませんけれども、御承知の通り、一般世上にもいろいろ物議をかもした問題でありますし、これについては最善の注意を払っていたさなければならぬと考えておりますが、今ここで私から言明をすることはしばらく留保させていただきたい。いずれよく会議をいたしましてその上でお答え申し上げたい、こう考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これの重点の一つは、現在在庫の変色していないタイ国黄変米を主食として配給する場合には、一0%以上ぬかがとれるように再精をする。言いかえますれば、一0%の再搗精をするならば、七万五千トン余りの在庫変黄米はそのまま主食として配給してもよいというのが厚生省の趣旨なんであります。そこでこれは厚生大臣が責任を負って通牒を食糧庁長官に出したものと思われる。といたしますると、七万五千トン以上のものを厚生大臣の要請によって農林省はただちに配給の手配をしなければならぬと思うのであります。といたしますると、やはり一0%以上ぬかをとったならば、それで主食として配給してもよいということを厚生省が主張する以上は、これは農林省としてもそれに意をとどめる筋がないのではないかとも思われる。ただしかし、そうなるならば、この重要な問題でありまするので、当委員会の先年八月二十三日の決議の趣旨によりましても、やはり両名の緊密な連絡のもとに各学者の一致した意見によってということまで記載してあるのです。これをなお読んでみますと、八月二十三日の決議の第三項によれば、「黄変米を配給することは、これを中止すること。再搗精その他の処理をなし、再検討の上、学者の一致した意見により、これを処理すること。」こういうことも記載されておるのであります。でありますから、この重要な問題の最終解決の案というものが、厚生省から農林省に通達をせられました以上は、あらかじめ閣内におきましても両大臣の一致した意見の上において、かくせられなければなるまいと思うのでありますが、全然農林大臣の知らぬのに厚生省一本でこういう取りきめをやって、そうして指示してきた、こういうふうに了解していいんでしょうか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 その点は私はこれでよろしいんじゃないかと思うのであります。これで害はない、これだけの手当をすればこれでよろしいという食品衛生の立場から、通達をこちらの方へちょうだいいたしましたならば、そういうふうにしてそれを配給するかしないかということは、私の責任においてやる。その際に配給を受ける方の側が納得のいくように、配給をするかどうかということは、よく相談の上でやればよろしいんじゃないか、こう考えておりますが、ただいま申し上げましたように、私一個の考えとしましては、何分食糧の不足しております際に、配給の外米をどんどん買って食べられる人は、この外米でも食べなければならぬ人でござますし、そういう人に不安感のあるものを配給することは正しいことではございませんから、そういう点については十分な注意を払いまして、できればなるべく配給に回さないで、他のしかるべき用途があればそういう方面に回す等々、いろいろと十分考えた上で善処いたしたいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 一0%ぬかを取って再搗精をして配給をするということが、そう簡単に行われるのでありましたならば、たとえば昨年来すでに二割の外米の配給辞退が出ておるようであります。また所によりますと、農村地帯では、ある地域のごときは全部辞退してしまった。全体は二割になっているかもしれぬけれども、地域別に見ると十割配給辞退してしまっている地域もあるように聞いております。こういうことになる。やむを得ず、いやいやながら配給を受けて、納得しないままに食うておる向きもある。こういうように相当でこぼこもある際でございます。国民の黄変米に対する考え方というものは、ところによって相当違いますし、また利害によっても、やむを得ず受ける者、あるいはほかに食うものがあるから簡単に断わってしまう者、いろいろと事情はあると思うんです。こういう場合に、一0%の再搗精をして完全に配給が行い得るというふうな自信を持つということがなければ、主管庁の食糧庁といたしましては、農林大臣といたしましては、行政的にその面からも考慮しなければならぬのじゃないかと思うんです。もし従来のように依然として二割配給辞退が出る、あるいは三割出るということになりましたならば、それは一体どうなるのですか。何万トンの配給辞退米が出る。依然として倉庫に寝かしておかなければならぬ。何年も黄変米が寝るということになるんじゃないか。もっとも一面から見ると、それは黄変米と見なされないようなものだというお考えも出るかもしれませんけれども、いずれにしましても、黄変米の配給をお断わりするといったような空気は国民的なものになっておるのでありますから、もし今のような場合に依然として再搗精米辞退が続出するということになったら、一体どうなるんだろうか。そういうことについてあらかじめ農林省としてはお考えになっておるのだろうかどうだろう。依然として抵抗力のない、経済力のない面、東京でいえば深川、浅草というような方面にしわ寄せになってしまうのではないかとおそれるのであります。過去の配給成績の悪いところから見ましても、私はそういうところにお考えがあってしかるべきだと思うのですが、この点はいかがお考えになっておりますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 これは一つ吉田さんにもお考えを願いたいと思いますことは、配給辞退は黄変米の問題だけで起ってきたということではないんじゃないかと私は思うのです。むろんそういう原因が全然ないとは申しませんけれども、黄変米の問題が起ってきてから配給辞退が出てきたものもあるでしょうし、そうでなしに、食糧事情が相当緩和してきたところから配給辞退をする面も出てきたのでありましようし、ないしはまた経済的に外米を食わないで内地米にいくというような事等々、いろいろな原因で配給辞退もある。こういうのじゃなかろうかと思うのでございます。従いまして、配給辞退になりました分は、辞退になりっぱなしにその倉に積んでおくわけではございませんので、配給辞退になれば、なったものを他の入り用な面に回して配給しておるわけでございますから、決して配給辞退が二割、三割あるから、それだけその地方に寝ておるということはございません。  さらにもう一つは、かねて私申し上げております通りに、国際的に食糧事情がだんだんと変化して参りまして、今申し上げます黄変の心配のある地方の米に非常に強く依存しなければならないというような状態ではなく、たとえて申し上げますれば、韓国米のごときでも値段さえ折り合えば、大体今年度中にも相当数量のあちらの売りものがあるということも考えられますし、かねて申し上げておりまする通り台湾、中共、加州米等を合計いたしますれば、これらの米でも相当の数量が、しかも価格もそう高くなしに相当の数量の輸入の見込みがつきます。ただ南方からの貿易の関係で、黄変菌の心配のあるものは全然買わぬというわけには参りませんので、これらについては十分な手当をして、今後もある数字は買わなければならぬと思いますけれども、そういう実情でございまするから、今ここにお示しになりました配給上のことにつきましては、それが困っておる人に、どうしてもそれに依存しなければならぬ人のところにしわ寄せがいく。それは一0%ついたら害がないからそれでいいということで押しつけるというのではなしに、納得がいけば配給をいたしますし、納得がなかなかいかなければ他の用途に向けるようなことも考えなければなるまい、こう先ほどお答え申し上げた通りであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しからば一0%再搗精することによって、あなたの方では菌がなくなるというようなお考えが前提になっておるのであろうか、あるいはあるということが前提になっておるのであろうか。これは非常にむずかしいところでございまして、われわれもしろうとでありまするので、専門的なことでありますから、そこは素朴な表現の仕方で十分に適当ではないかもわかりませんけれども、やはりこれは最終的にははっきりしなければならぬことでありますから、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 私はその点は厚生省において十分に研究をせられた結果、これならばよろしいという御回答をちょうだいいたしますれば、保健衛生上差しつかえないというふうに私、農林大臣としては了承してよろしいのじゃないかと考えます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 その場合この問題についてこういう点からも一つ御観察願いたいのであります。やはり一たん十五万トンというものがすでに在庫しておるのであります。在庫しておりますと、すでにこれは研究の対象だけじゃなく、政治上の問題になっておる。行政上の問題になっておる。あるいは責任上の問題になっておる。あるいは財政上の問題になっておる。それで何とかして処理しなければならぬという考え方も生じてくる。しかし国会の立場として、国民の保健衛生を守りたい、あるいはまた国家財政の見地からいたしましても相当筋を通したい、こういう見地からいたしますと、やはりいいかげんというと語弊がありますけれども、学者の意見にいたしましても、重要な意見は一致してもらわなければならぬと思います。ところが、これは厚生省の方にも伺わなければならぬのですけれども、たとえば厚生省の提出しておられます、先ほど述べました食糧長官への通達の末尾に添付してあります研究記録を読んでみますると、やはり日本のカビ学界の権威であります三宅教授なんかの強烈な反対があるけれども、これを押しつぶされてしまった。そういたしますると、やはり東大の研究グループも当然これは反対の立場だ。これはやはり御承知の通りに黄変米の発見者といたしまして、四十年も五十年も米と取り組んでカビの研究者といたしまして日本一と言われている学者なんであります。黄変米につきましてはともかくそれと命を一つにしているくらいの人なんであります。そういう重要なところでさえ反対意見が出ておる。反対意見が出ておりまするけれども、厚生省はそれを抹殺していく、こういうような重要な食い違いができておるんだが、こういう点もやはり農林大臣のお立場からすれば、これは厚生省が報告しておるのだからそれでもいいというようなそういうのじゃなしに、前段に申し上げましたごとくに、いろんな複雑した事情も生じておる現在の段階でありまするので、やはりここは国民の納得——という意味は、やはり重要な権威者の反対意見があれば、その反対意見については主管庁としてその意見のあるところないしは研究の成果、その述べられておる事実、そういうことにつきましても細心の注意を払って、厚生省の意見をさらに検討するくらいな、そこまでいかなければこの問題は結局国民が納得しないままに、あるいはうやむやにこわされてしまうかもわからぬ。しかし納得されないままに配給もされてしまうということになりまするならば、私は災いを将来に残していくと思います。これは大へんなことであります。ですから私があなたにこれを全面的にそのまま御容認になっておるかどうかを伺おうとしたのは、やはりそこの問題です。重要な立場の者が反対をしたような場合には一体どうしたらいいか、それでも少数だからいいじゃないか、十に対して一だからいいじゃないか。それでいいだろうか、一体そういう性質のものだろうかどうだろうかということなんです。一方またいろいろと所見なり研究の状況を私も読ましていただいたり、実際に調べてみましたけれども、カビの研究者の立場はどうも菌ありという説です。澱粉層に菌があり、一0パーセントに搗精しても、あるいは糊粉層までとってしまっても、ぬかにしてしまっても、それより外へのかびの存在というよりも、それから中への存在という説が非常に強い。しかもそれは真剣にされております。たとえばこの添付の六ページにも書いてありますが、これによって見ましても三宅教授並びに四つの研究機関——というのは慶応とか兵庫とかあるいは衛生試験所とかその他でありますが、このような学者が寄ったときでも、究極において菌は中心部の澱粉層にまで入っておらぬということが確認された記載になっておる。なっておりまするが、一方また立ち合った人に聞いてみまするとそうじゃなしに、慶大の人もおったし、それから東大の人もおったし、二十数名おったらしいのですが、五、六人について私が聞いてみたら、菌があることを認めたと言うのです。中心部に菌が入っておることを認めたということが事実であるとすれば、これはうそなんです。そういうことが一体あるのでしょうか。私は厚生省がせっかくこれを発表したのだから、それの権威をそこないたくありません。ありませんが、もし事実に反することが記載されておるといたしますならば、これは大へんな問題であります。しかも事はきわめて重大な問題でありますので、私はそこらの考慮がほんとうに農林大臣としてせぬでもいいのだろうかということを実は憂えるのであります。これはいかがでありましょうか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 今の御質問のうちで特にお聞きおきを願いたいと思いますことは、非常に食糧が逼迫しておるから、しかも黄変菌のありまするものを配給の数字の中に入れておるというわけではございませんから、私としましてぜひこれを配給しなければならぬというふうには考えておりません、ただしまた別の観点から、国民衛生を別にいたしまして、財政的見地から差しつかえないものを無理に倉に置いておくのもよくないじゃないかという国家的な観点から考えますれば、配給をした方がよろしい、早く何かに使った方がよろしいということになりますし、一方また、今吉田さんから御指摘のようなことがありますれば、必ずしも急いでこれをどうしなければならぬというふうには私は考えておりません。でございますからどこまでも慎重に考慮いたしますると同時に、一般国民の食糧としての配給は、これは一方において当然食べられるものをやらなければならぬ政府の義務でございますから、その中に入れるということでなしに、別の用途に使うということはどうだろうかということ等を、先ほどから申し上げますように考えていきたい、こういうふうに思いますので、今のように急いでこれを配給の中に計算に入れてやろうというふうにばかり考えておりませんので、これはあらゆる角度から研究して、そうして最善を尽して参りたい、こう思っております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 わかりました。まあそれ以上のことは、厚生省に伺うことといたします。  そこで農林省といたしましてなお確かめておかなければならぬことは、なるほど買い付けておったものが、その後七万トンも入ってきたのだから、買い付けておったのだから仕方ないというものの、やはりこれは急いで防止対策の完璧を期さにゃいかぬと思うのです。そこで燻蒸が行われておる。この燻蒸につきましても、これまた専門的になりますので、私もしろうとではっきりしませんけれども、多くはメチル・ブロマイドが使われておるらしい。メチル・ブロマイドによりまして燻蒸した場合を実施についていろいろと調べたりしてみますると、どうもこれは二、三週間で、たとえば中心部の澱粉層へ菌が入っておるとするならば、その澱粉層の菌はこれで死なないようです。これは私その方面の科学者やらいろいろな人に聞いてみましたところ、澱粉層に入っておるとすると死なないということです。そうすると糊粉層から外への部分が一応死滅するということになるのではないだろうか。そうしますと中からまた、それが湿気とか温度の適当な条件を得るならば、それぞれ繁殖していくということになるのではなかろうか。言いかえますと、倉庫で燻蒸をする。もっとも今度は積み出しの場合に燻蒸するようになって参りますが、積み出しにしろ倉庫にしろ、燻蒸いたしました結果、二、三週間ぐらいでその後また中心部からだんだん繁殖していくというようなことになるのであるとしますると、これまた一考を要するのではなかろうか。燻蒸することによって菌が完全に死滅するという前提に立っておるのではないだろうか、こういうことになったら私は大へんだろうと思うのであります。この点について、燻蒸で一切菌が死滅するという前提に立っておるのだから、もう、燻蒸しさえすれば心配要らぬというようなお考えでやっておられるのだろうかどうだろうか。そういたしますと科学者が言うところとだいぶん違ってくるのです。この点いろいろと対策について御検討になりまして、燻蒸もその一つとして取り上げられておるということを私は聞いておるのでありますが、これは非常に重要な点でありますので、その点大臣はどの程度に御理解になっておりましょうか、この際伺っておきたいと思います。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 お答えいたします。一昨日申し上げました、現地で燻蒸してこっちへ持ってくる。しかしそれは現地の処置でございまして、入って参りましたものにつきましては、申し上げました通りに厚生省があらためて着地検査をいたしまして、そこで差しつかえないというものをやるのでございます。今お示しのように実は学者の意見もいろいろありまして、どこでどういうふうなことは、ほんとうのことを申しますと私はよくわからないのです。いろいろ御意見がありましたら十分お聞かせ願いまして、最善を尽して参りたいと思います。何分問題はこういうことでございます。先ほど申し上げましたように対ビルマ等の米は、貿易をいたします上からいってどうしても買わなければならない。ある数字は買ってやらなければいかぬ。ところが現地の方はいろいろな事情でなかなか完全なものができにくいような状態にありますので、お気づきになりましたことにつきましては、ただ燻蒸だけでいいと考えておるのでは決してないのでございまして、可能な処置は経費その他の点を考えまして、十分手当をして持ってくることがいいので、はないか、こう考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 輸入防止の一つの対策に関しまするが、これは輸入いたしましたときに、厚生省の駐在官が検査の見本をとっておりますが、これもその後人間をふやしたように聞いておりません。そういたしますると、前に、去年の八月決議いたしました当時は、全体輸入量の三割から四割くらいを抜き取りサンプリングをとっております。そういたしますと、五割、六わ割はそのまま素通りしてしまう、そうするとそれは全く試験官の手を経ることなくして、黄変米があったやらなかったやらわからぬものになってしまう、そういうことになります。そういたしますと、やはりもっとその辺について相当厚生省で押えるものを抑えるようにしていかなければならぬものだと思いますが、私は厚生省は全然それについて改善のあとがないと思う。これは農林省の所管でないからわしの方は知らぬのだとおっしゃればともかくといたしまして、やはり一年に五、六百億円になりまするか、数百億円の金を費しまして外米を買ってくるというような重要な点でありますので、港で検査官の手をふやし、検査手段の完璧を期するという点をもっと積極的にお考えにならなければいかぬのじゃないか、あるいは伝うるところによりますると、各港、七つの港に総計百人くらいを駐在せしめて、農林省におきましても適当に検査の手段を講じるようなこともちょっと巷間伝えられておるのですが、それは存じませんけれども、厚生省が疑わしいとして指摘してきたもの、あるいは黄変米なりとして指摘してきたものの配給をとめるということ、そういうこと以上に、あなたの方で燻蒸したごとくに、何か積極的にとめてしまうということをおやりにならぬでもいいだろうか、これをやらなければいつまでたっても解決しません。なぜならば厚生省においてその点について確たる改善のあとが見えておらぬのですが、それでいいのでしょうか。これはいかがでしょう。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 さしを入れて黄変菌のあったものはこれがだめというのじゃなくて、吉田さん御承知の通り抜き取り検査をいたしまして、検査の結果不合格だったらばその一連のものはだめということにしておるのでございますから、たくさんさしを入れるにこしたことはございませんけれども、全部いたさなくてもその一つの範囲ごとにやって参れば、一つの範囲についてその何分の一かのものを検査すれば、そうしてその結果出てくるものがあれば、これは疑いがあるからこれはだめだということで捨てることになるのでございますから、いずれにいたしましても、米自体にいたしましても全部の米が悪いわけじゃない、全体の粒のうちに何粒あればこれはいけないということになるのでございましょうから、結局今のような程度で決して十分とは考えませんけれども、むろんある程度いっておるのじゃなかろうか、こう考えておるわけでございます。一番理想を申せば現地に十分な検査機関を持って、そうして現地で十分に検査をして、いやしくもそういう疑いのあるものは全部はねて、そうして持ってくるということが一番理想でございます。しかし何分にも経費その他の点もございますから、そこまでして買ってくることはどうかと思いまして、その責任はこちらの政府でとらずに、全部着地検査ということに——少々ずるい考えのようでございますけれども、こちらへ着いて合格したものだけを政府が買い上げるということに一応今回はしておるわけでございますが、この点は先ほど申し上げましたように、こちらへ来たものではねたものはどうなるのだということになりますと、これがまたやはり問題が残ると思いますけれども、われわれ農林省といたしましては、買う場合に今までと違いまして、合格したものでなければ今後買わないのだということにしておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は輸入の防止の一つの考え方といたしまして、やはり少数の四つ五つの商社が独占しておるというあの事実、これについてはやはり再検討しなければいかぬのだと見ているのです。何も私は商社に利害関係はないのですけれども、ただ二、三年来この問題は当委員会で継続しておりまするが、そのつどやはりこれは突き詰めていきますると、買い付ける輸入商社におきまして、相当責任を負わなければならぬ部分があるよう、だけれども、どうも全然触れることがないのであります。商社はどういう基準で選考されるのかということを聞いたときに、保利農林大臣も実績を重視するというようなことでありましたので、実績重視ならば適当な競争者が出ても入る機会はないじゃないか、なぜならばそれは新しいのだということを言ったわけでありますが、これはやはり日本の外米輸入の大きな行政上の問題であり、食糧政策に関連いたしておりますので、やはり輸入商社があまり何年も何年も三つ四つの代表社によって占められているというところに、思い切った改善の手段がとられなかったところにあるのではないか、たとえて申しますれば三菱の倉庫がタイ国にあるようであります。こういった倉庫でこれを保管するという方法をとりましたならば、相当カビのはえる危険は防止されると思います。これもやはり国家的な見地に立ちまして、いろいろな意見を出していくとそういう案が生れてくると思います。至るところでそういう案が生れて参りますけれども、ともかく商社が固まってしまって動かぬのでありますから、そういった方面に対する改善案というものはほとんど出てこない、やはり競争さすとか、あるいはいろいろと申し出を受け入れてやるとか、あるいはわれと思わん者は名乗って出よとか、こういうふうにしてみましたならば、私はいろいろと手があるだろうと思う。現地へ行ってみないろいろと新しいことを発見して帰ったようでありますけれども、今ごろそういうことをするのは実におそい、なぜならば駐在官も長い間行っているのだし、外交交渉もいたしたし、文書の交換もあったんだが、それでも行ってみるといろいろのことを新しく見て帰ったようでありますから、私は輸入商社の問題についてもう手を入れる段階に来ているんじゃないか、こう思います。これはぜひ伺っておきたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 御指摘のような点は私も考えております。ただそれだけではない、別に現内閣といたしましては、輸入商社の育成強化というような面もございまして、通産大臣といろいろと御相談申し上げました結果、従来ビルマにおきましては御指摘の通り三社でございましたのを今年から十一社にこれを増加いたしました。タイにおきましては八社でありましたのを十四社に増加したのでございまして、そうしてそれぞれの商社の間で今御指摘のような点について十分努力をさせるというふうにいたしたわけでございます。その他の地区においても、申し上げてけっこうでございますが、台湾は中共との関係がありまして両方兼ねるわけに参りませんので、台湾は五社であったのを七社、新たに中共が十二社、米国が八社であったのを十四社、韓国十五社というようなものを、むろんこれはダブっておりますけれども、それらのものを従来の実績でございますとか、 の地域に対する輸出の全体の数量で承りますとかいうような、四つほどの数字を基礎にいたしまして、それによってこういうふうに商社の指定を増加いたしてやらすことになっております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 農林大臣に対する質疑は午前中をもって終了させていただきみたいと思いますので、山田委員、細田委員の御協力をいただきたいと思います。山田長司君。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 二、三点伺わせていただきます。  実は黄変米の不正事件について大臣の御意見を伺いたいと思います。この黄変米の不正事件というのは、私の選挙区において起ったことでございますので、そのことの追及からだんだん発展してわかってきたわけであります。このことは結論が出ずにありますので、農協がつぶれかかっておるわけであります。この黄変米の事件に関係している有働一夫という人間がおるわけですが、その人が和歌山と兵庫、それから広島の食糧事務所にある黄変米を和歌山の食糧卸協同組合連合会長の神前義造という人に払い下げた。この黄変米の払い下げるようになった経過というのは、栃木県の下都賀郡南犬飼村というところからサツマイモを出したわけです。そのサツマイモでアルコールをこしらえて、そうして国から払い下げた黄変米を全部横流ししてしまった事件なんです。この事件について一応大臣に伺いたいと思うのですが、一体農林省では主食を払い下げた場合に、それがちゃんと理由があって払い下げているのを、その方向に使わないで、やみ流ししてしまったわけなんですが、そういう場合に監督の衝にあって——五百十何トンというトン数のものなんですが、それをどういうふうに処分したかということについて、払い下げたあとの処置については全然回答をもらわないものなのかどうか、一応参考までに伺いたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 私詳細に当該の事件については存じておりませんが、御指摘の、一応その使用目的を明らかにして払い下げ、払い下げを受けた者がどのように使ったかということでございますが、私どもの方といたしましては、通常の場合はある目的によって払い下げをいたしましても、その受けた者がどういうふうに使ったかということについての報告はとっておりません。とる場合は、特に安く売るとか、特定の目的のために売るという場合、その払い下げを受けた者がその通りに使ったかということを知る必要があるという場合には、特に報告を求めることもありますが、一般的には一定の目的を明示して払い下げるということになっておりますので、通常の場合は報告をとっていない、特殊な場合は報告をとる、こういうことにいたしておるわけであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 この米を払い下げられた連合会の会長は、いまだに実は仕事に携わっておるのです。それでその次男の神前栄之進という人に全部その責任を負わせてしまった。その公判は昭和二十八年の四月十六日に第一公判が開かれたきり、もう二年になるけれどもその公判の結論が出ずにいるわけなんです。そういう事件のために善良なる農業協同組合がつぶれかかっておるという事件作なんですけれども、何のためにこれは調べずにあるのか。それからこういう米を扱う人に対して、農林省はどうして行政処分をとらずにおるのか、このことを伺いたい。これは大臣の答弁にならないならば、大臣の答弁でなくてもいいのですが、一体こんなままにほうっておいて主食の取扱い方をさしておくというのか。これはたまたまわかったからいいけれども、わからない事件はこのほかにも必ずあると私は想像するわけですが、こんな処置の仕方をこのままにほうっておくのかどうか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 よく事情を承りましてしかるべく善処いたしますから、ここで申し上げては恐縮でございますけれども、事情を一ぺん私にお聞かせいただきたいと思います。古い話でございましてそれがそのままになっておりますことははなはだ遺憾でございますから、必ず私の責任において善処いたしますので、一ぺんお聞かせ願いたいと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 昭和二十八年の六月に東京地検にこの書類が一部回ってきました。東京地検に有働一夫という事件に関連があって、その書類が回ってきて、東京地検では、吉良検事がこれを昭和二十八年六月に取り扱った。ところが九月になったらそれを木村検事が引き継いだ。十一月になったら吉川検事がさらに引き継いだということで、当時犬養法務大臣に、一体何のために黄変米を取り扱う事件で次々検事がかわるかと聞いた。これがために、これに関連をした人は、黄変米は食べた方に毒があるのではなくて、この問題に本気になって取り組むと、取り組むことによって病気になってしまうというデマが飛ぶくらい検事の異動があった。このことについて犬養法務大臣に聞いたならば、犬養法務大臣は、内部的な事情によって更迭されているということだったが、それはそれでやむを得ないと私は思います。ところがそれがそのままほうってあるというところに問題がある。農林省としても、依然としてこの黄変米を扱って払い下げたところの東洋醸造にその後も米の払い下げをやっているわけですから、そういう不正事件が処理がされずにあるときに、次々とやたらにそれへ指名で主食を落すということはどうもわれわれには理解ができないのですが、刑事事件のことばかりではなしに、払い下げている東洋醸造の問題、その他何かこれらに関連のあることがあるだろうと思います。わかっている範囲で聞かせてもらいたいと思います。全然これがわからないはずはないと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまの東洋醸造に関するお話は、申しわけない話でありますが詳しく存じていないのであります。ただ問題の性質にもよりますので、はっきりこれは断言できませんけれども、そういう事件に関係した者には以後絶対に払い下げないということは一がいに言えないと思います。むろん問題の性質にもよると思いますから、具体的な問題によって判断したいと思います。事情を調査したいと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 ちょっと厚生省に伺います。五百十二トンという黄変米を関西でやみ流しをした。和歌山、大阪、兵庫、広島、愛媛に大量に流された黄変米の騒ぎがあったときに、大阪では病原菌で倒れたという話があったのですが、これらについて厚生省では何か耳にしていませんか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 御指摘の点につきましては、その後私の方では直ちに厳重な調査をいたしました。その結果、むろん横流しをいたしました黄変米を長時間にわたって食べた者の全部を調べることはできませんが、そのおおむねを調べることができましたけれども、何ら健康上支障のないことが判明いたしております。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 午前中の会議はこの程度にし、午後は一時三十分より再開いたします。   この際休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後二時十一分開議

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 これより決算委員会を再開いたします。  午前中に引続き、病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について、質疑を続行いたします。  この際委員各位に申し上げますが、厚生大臣が予算委員会に出席を要求されております関係上、大臣に対する質疑をまず行い、事務当局に対する質疑はこれが終了後に願いたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 それではまず私の方から申し上げたいと思います。  黄変米の処理の問題につきましては、すでに当委員会におきまして御審議を受けておることを報告を聞いて承知をいたしておりますが、御承知のごとく、私は今回第二次鳩山内閣の成立に伴いまして、厚生大臣たるの重責を汚すことになったのでありますが、この問題については、就任と同時に重要な問題であることに注目をいたしておりまして、過般参議院の予算委員会で、四、五月分の暫定予算が審議されました際に、どなたでありましたか質疑がありまして、黄変米について将来厚生大臣はこれを配給する意思はないかということを聞かれたことがあります。その際私は、現状のままであるならば断じて配給をする意思はない、これは農林省の所管事項ではあるけれども、現状のままでは配給しないように忠告したいということを申したことを、はっきりこの際申し上げておきます。一昨日の新聞を見まして、黄変米について環境衛生部長から、これをつき直せば無害であるということの結論が、食品衛生調査会の答申によってあったのだということを発表せられたのを、新聞記事によって私は初めて承知をいたしたのであります。この点率直に申しておきますが、厚生省内部のことでありまするけれども、事務的な手続で、厚生大臣に対して非常に遺憾な点があったのではないかということを、本日早朝係官を呼びまして申しまして、厚生大臣に対して答申があったにもかかわらず、厚生大臣はこれを承知しておらぬというような事件があると、今後答弁する際にもはなはだ不都合が起るということを申したほどであります。しかしながらすでに外部に発表せられたことでもありまして、従って責任は私にあるのでありますから、この経緯について明白に申し上げますとともに、今後の措置につきましては、ただいま農林大臣とも三、四回にわたって打ち合せをしておりますから、御質問があればお答えいたします。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 それでは厚生大臣に対する質疑に入ります。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 大臣にお伺いいたしますが、現在在庫しておる黄変米は十五万トンあるというのが、農林当局の午前中の答弁なのであります。そこで今あなたは農林大臣との間に数次この配給について協議した由でありますが、一体これは配給するつもりなのかどうか。ただしあなたの部下の部長が発表したとかなんとかいうことを聞くのではないのでありまして、あなた御自身の意向を聞いておるのでありますから、そのおつもりで御答弁願いたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 食品衛生調査会からかような答申があったそうでありまして、これに基くならば、全然つき直しをすれば無害であるということが証明せられたそうであります。それにはこういう問題に関連しての権威のある学者も相当に入って得られたところの結論でありますから、その結論については尊重いたさなければならぬと思っております。従ってこの結果を農林省に通告をいたしたのでありますから、農林省としてはその結果に基いての措置をいたすものと思いますけれども、私個人といたしましては、これは厚生大臣の責任をもってもお答えをいたしますけれども、従来黄変米に関して諸種の紛議があります。ことに国民が相当心理的な影響をこれによって受けているのですから、従って配給については慎重な態度をとらなければいかぬ、かように考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 昨年の八月二十三日、衆議院の決算委員会におきまして、輸入黄変米に対しまして、五つの項目にわたって決議をしておるのであります。その一項目といたしまして、病変米の配給を中止することと、再搗精その他の処理をして再検査の上、学者の一致した意見により処理する、こういう項目があります。そこであなたに伺うのは、重要な権威ある学者がこれに異議を述べたり、反対の意見を有するような、そういうグループがある場合でも、なおかつこれを配給を強行する意思があるだろうかどうだろうか、そのような場合には、今のお言葉に従いまして、さらにいろいろと慎重な手続をとるというような御意思がありますかどうか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 この食品衛生調査会の構成するメンバーについては、環境衛生部長にも、十分その内容について聞いてみました。私自身も調べてみますと、実際にこの種の問題に対する権威者も加わっておられるようであります。従ってその意味で他の学者と申しましても、それらの学者の方々の御意見によってこの結果を変更するというようなことは、当局としては考えてはおりません。しかし私は他の学者の意見よりも、むしろ昨年決算委員会で決議された事項、並びに国民に与えておる心理的な影響なども考慮いたしまして、これをつき直してもなおかつ国民に相当な不安が残るというようなことがありますれば、これは今後段で申されました通り、相当慎重に再検討をしなければならぬのではないかというふうに考えておりますし、本日も農林大臣にその旨は申したのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 衆議院の決算委員会の決議を尊重なさることはたいへんけっこうだと思います。ただ問題は、今在庫しておる黄変米について、その深部、うんと中に入った澱粉層とか言っておりますが、一0%再搗精しても、さらにそれらの中心部に菌があるないということについて、相当はっきりと意見の対立があるようなんです。そういうような重要な問題について権威ある学者の間になお意見が一致しないものを、たって一致したごとくに、もしくは少数意見として葬るというようなことは、それは問題をあとに残すのではないか、また国民の不安を解消する政府としての適当な道ではないじゃないか。ことに日常の毎日の食物であります。また全国の主婦が神経過敏にこの問題を見ておるのであります。そういうときに重要な権威のある学者の反対意見がある場合に、これを解消するについて手続を十分にせずして、多数学者の答申による意見がこれを否定するがゆえに、政府はしいて配給する、こういうようなことをしましたら、いたずらに事態を混乱さすだけではないかと思うのであります。これはやはりあなたとして政治的にお考え願わなければいかぬと思うのです。これは事務当局に聞くべき問題ではなしに、そのような場合に大臣としてどういうふうに処理すべきであるか、これは政治的なお立場から政治責任者といたしまして、一庁の首長として態度をはっきりしてもらうことが一番いいと思うのです。この点一つあなたの御意見を聞きたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 ただいま学者の間に非常な反対意見があったやつを、こういう新論を出したということについての御質疑でありましたが、調査会の内部においての研究の過程においてはいろいろの論議がありましたけれども、答申の内容に関しては全員一致して賛成をしておるそうでありまして、ただいま御質問のことは、調査会内部以外の学者の中にそういう意見を持っておられる者があるのではないかと私は想像をいたすのでありますが、調査会の研究については、過程においてはいろいろ議論がありましたが、終局的には先日当局から発表いたしましたようなことで処理いたすならば不安がない、こういうことの結論であったということは承知をいたしております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはあなたがまだ十分にお調べになっておらぬから、それでは私が申し上げますけれども、公衆衛生局長は参っておりますか、局長はどうして来ないのですか。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 呼んでいるそうです。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 公衆衛生局長から食糧庁長官に対して本年五月六日付で黄変米の取扱いについて通牒を出しております。この別添に研究の経過が報告されておるのです。この研究の経過というものが同時にまた答申の内容をなすものであろうかとも思うのです。もっとも答申の内容と同一の文章ではありませんけれども、趣旨は全体がどうもそうらしいのです。そこでこれによって見ても、あなたも御承知の通り、この黄変米の問題は当委員会におきましても二十七年来取り扱われておりまして、主としてカビの学問的ないろいろな当委員会の報告は、農林省系統及び農大方面の意見が当委員会で出てきたのであります。従って私ども国会の立場からいたしましても、その方面の意向は相当重視しております。ところでこの別添の研究の経過によりますると、たとえば東京農大の三宅教授は反対しておる。そのほか農林研究所、慶応大学医学部、国立衛生試験所あるいは新潟県衛生研究所、兵庫県衛生研究所などの研究員が立ち会った結果、黄変米の菌は米の中心部に入っておらぬというような趣旨の確言をしたようなことがこれに載っておるのです。ところが私が実際に調べましたところでは、これは二十数名実験に立ち会っておりますが、そのうちの数名の人に一々聞いてみましたら、そうではなしに、これらの研究機関の研究員は、かえって中心部に菌があることを確認したというのです。そうするとこの文章と逆なんです。もっとも添付第六ページに書いてある文書は、確認した二つの項目、二つの事項からは、当然結論としまして、中心部に菌がないという結論は私は出ないと見るのです。論理的に出ません。出ないけれども出るものと文責にはなっておる。それから立ち会った人数名に会って聞いてみると、かえって逆に菌があることを確認したと言うのです。あることを確認したのなら、なぜ一体あることを確認したごとくに書かなかったのか。もし私の言うのが不正確であるとお思いになるならば、こういうあいまいな字句を使わずに、だれとだれとだれとが何十名立ち会って、だれとだれとが確認して、だれとだれとが確認せなんだくらいに正確にしてほしかった。そういうこともないのであります。でありますので、そういうような重要なカビ専門の学者あるいは東京農大あるいは東大病理学者などの人々におきまして、これは菌がないという判断をしておるのです。中心部に菌がないということを前提にして、菌がないのだから、もうそれは配給してもいいのじゃないか、人体に障害ないのじゃないか、こういうことになっています。菌もない、さらにその後毒も出てこない、菌がない、毒も出てこないならば、一体なぜ配給をとめたのか、こういう問題も起ってくるわけであります。でありますから、あなたはまだこれらの点について詳細に御調査になっておらぬから、そういうふうに事務当局の報告から結論的にお答えをなさるのだろうと思うけれども、重要な学者がそれぞれ実験上、現実に菌のあることを明らかにしたという事実がある以上は、それが調査会のメンバーであろうとなかろうとにかかわらず、社会的に客観的に重要な学者がそういう反対意見があるとするならば、これはやはり考慮に入れなければ公正な行政とはいえない。そういうことを無視してこれを配給してしまいましたら、私はあと大へんだと思います。あなたの責任も大へんですよ。でありまするから、そういうものはそこらにある存在価値のよいような意見とはお考えにならずに、やはり重要な反対意見があるとするならば、どうしてそれを一致せしむるかということについて努力する必要があろうと思うのです。その努力をした跡はありません。ただ一蹴されてしまっておるのです。そういう重要な反対意見がある際でも、なおかつあなたは配給することが適当だとお思いになるのかいかがですか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 御指摘の点はきわめてごもっともの点が多いと思います。そして私は、終局的には配給の問題については農林大臣が処置をしなければならぬ問題ではあるけれども、従来の経緯からかんがみて、慎重に検討しなければならぬ、考慮しなければならぬということを冒頭に申し上げておるのであります。経過につきましては私は十分存じておらぬ面もありますので、政府委員から答弁させていただきます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しからば一0%を再搗精して直ちに配給するというような新聞発表なんかしておりまするが、そういうことじゃなしに、あなた方としてはさらに慎重に検討されて、そして農林大臣も慎重に検討すると言っているのですから、なおこの両省の間におきまして、真に慎重に検討して国民が納得し得るような範囲と方法をとって、この問題を処理するということにせられたらいかがですか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 御趣旨の点は十分に尊率いたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 やはりこれはいつの間にかまた食わされるかわからぬという不安があります。そしてまた一たん新聞に出たりしていますので、やがてそろそろと再搗精の準備も進められるであろう、あるいはいろいろと事務的に運ばれるだろうということも考えておるのでありまするが、一つ具体的に御協議になって、最終的な意見を将来きめる、こういうことに了解していいのでしょうかいかがです。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 明確にお答えいたしますけれども、一0%再搗精をすれば無害であるということを食品衛生調査会が結論して、そして厚生省としてはそれを認めて農林省へ通知をいたしたので、それを直ちに配給するということは厚生省の所管でもありませんし、申してはおりません。農林省に対して、私はまことにこの点は恐縮でありますが、おわびを申し上げておきますけれども、一昨晩このことを知りましてから直ちに、自分の考え方としてはこうだという意味で農林大臣に、配給については慎重なる措置をとってもらいたいということを実は私が申し入れをいたしたのであります。従いまして、先ほど来種々御質問ではありまするけれども、十分にお考えの向きを尊重いたしまして、措置については慎重を期するように農林大臣と協議をいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 あなたは私が今るる述べましたように、有力な反対意見があるということをお認めになれば、それはさらに考慮の中へお入れになって、そうして無害という答申もあるけれども、無害にあらず、また菌なしというような、もしくはないことが判明したとか、認められないことが判明したとかいう答申があるけれども、このグループに属しない、会に属しないところのそういう有力な反対意見があるとするならば、それは考慮にお入れになって、適当な処置をとるべきではないかと思いますが、その点はどうですか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 私のお答えは、先ほどお答えしたことで御了承願いたいと思うのであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私はその点が非常に大事だと思うのです。あなたは調査会の答申は一0%再搗精で無害なり、こういう答申があったので、その旨食糧庁長官に通知をしたのである、だからそれは動かすわけにいかぬ、こういうような前提があるように思うのです。ところが実はその答申に故障が起っておる。答申に反対する有力な意見があるとするならば、何もそれは答申したからといって、それを金科玉条に守って守り通さなければならぬというふうに、私はそんなこだわる必要はないと思うのです。やはりそういう有力な反対意見があるとするならば、その反対意見の所在、その理論あるいはその実験というものもさらに尊重いたしまして、そうして何も答申が絶対的なものでも何でもありませんし、人間のやっていることだから、あやまちがあるならあやまちを是正するのが政治なんですから、そこで答申の範囲を動かすことはいかぬ、そうしてそれを前提として配給することについては慎重に考慮するということでは、私の質問の答えにはならぬのであります。やはりその前提になった答申なるものに大きな反対意見があって、それが有力であり、また権威のあるものであるとするならば、これはさらに検討するというようなお考えがなければならないと思います。そこへ私は質問を持っていっているのでありますから、それを一体どうなさるのですか。そういうものはどんなところに出てきても、調査会の答申を金科玉条として、絶対的な動かすことのできないものとしてあなたはとっていこうとするのか、そうではなしに、やはりそういう有力な意見があるとするならば、それもさらに検討してみようということにお考えになるのか。私は後者の力があなたの政治的な態度であると思うのです。こういう問題ですから、何もとらわれていく必要はないと思う。もしあやまちがありまするならば、これは毎日食っているのですから、何年後にでも改めなければならぬようになるかわからぬ、特にまだイスランジア黄変米についてはこれから研究するからという、まだ未解決の分野が広大なものです。そんなような問題と取っ組んでおるのだから、あまり拙速をとうとぶべきじゃないと思うのです。それでありますから、その前段につきましてそういう有力なる反対意見があるという場合に、なおそれも考慮いたしまして、あなたとしては答申にこだわらずしていろいろ慎重に考えていくべきではないかと思います。その点なんです。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 吉田委員の独特の法理論による御質問でありますので、大へん答弁も窮屈を感ずるのでありますが、率直に申し上げて、私の意見は先ほど以来申したことで相当言外にはおくみ取りを願えると思っておるのであります。厚生省としては、食品衛生調査会の出しました答申というものは一応オーソライズされた意見であるというような意味から、尊重しなければならぬということには変りはありません。しかしながら、その他にも有力な反対意見があるということは事実のようでありまして、それはそれとして大臣としては認識をしなければならぬということは事実であることは申し上げておきます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 わかったような、わからぬようなことでありますけれども、川崎大臣の誠意を信頼して、その程度にしておきます。  そこで、あなたの方でこの黄変米の研究について、厚生省の立てた意見に反対する研究機関なんかに対して圧迫を加えるというような傾向はありませんか。私はやはり学問の自由というものはあらゆる面において当然守られなければならぬと思うのであります。ことに黄変米のごときものは国際的な大きな反響もあるし、国民衛生の見地から見ましても、財政の見地から見ても非常に重大なことでありますから、できるだけ自由を尊重いたしまして、そしてむしろ保護をして、助長して、そして有能な、有力な研究者には研究の機会をできるだけ与えるというようなふうに持っていかれることが、一国の厚生行政のあり方だと思うのです。ところが、現実に事実を見てみますと、たとえば厚生省が主催いたしました黄変米の研究者の会合がありまして、これは十二月の十五日、ころであります。このときなんかも、これは若い学者でありますが、黄変米の菌が中心部にありというような主張をする学者であります。ところが、そういう学者が発言をしようとしますると、そこへ問題が触れていきますと、座長が中止を命じて、ものを言わせない、こういう状態であります。あるいはそういうような反対の学者は調査会なんかのグループに入れない。もしそういうようなことでありましたならば、厚生省が自家薬籠中の学者だけを動員して一つの意見を作るという危険があります。そういうことはないと思いますけれども、どうも現われましたものがそういうことであります。そこで、学者のようなものは抵抗力がありませんので、あっちもこっちもおそれてじっとしておるようなことになりますので、私はこれは大へんなことだと思うのであります。そういうことがなければ大へんけっこうでありますけれども、私は今後厚生行政の運営の上におきまして、ことにこういう目新しい、国民衛生上きわめて重大な問題を取り扱うときは、むしろ反対の学者を優遇いたしまして、そういう人に意見発表の機会をどしどし与えて、お互いにフェアに意見の対立を世間の前に出して、そうしてそれを冷静に批判さす、こういうようなことがほんとうだと思うのです。ところが現実はそうでない。これはやはり学閥があるのでなかろうかとも考えましたが、どうもそうでない。そうするとやっぱり、厚生省の行政的な立場と学者との間の考え方が違うのであろうか、あるいは何か厚生省の持っている意見を一つの権威として、それに反対する者を弾圧するというような、そういうことでないだろうか、そういうことだったら大へんだ、こういうふうにも感じるのです。私は現実にまだ二、三の事実を持っておりますけれども、これは少し名前が出ますので今日は差し控えておきまするけれども、私はそのとめられた人間に会ってきたのです。若い学者です。厚生省主催の学者の会合におきましてそういう事実もあるのです。こういうことはいいんでしょうか、あなたの御意見を一つ聞いておきたいのです。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 原則として、有力な反対意見を持っておる学者を全然入れないでこういう結論を出すということについては、私は反対であります。その意味では、ただいま申されたことに私どもも大いに教示をせられるところがあるのでありますが、実際の経過について見ますると、昨年問題の起ったときに反対をされておりました方の中からも、たとえば東大グループといわれておる方の中から、小林芳人という教授も入られておるそうであります。ただいまお話のありました三宅教授も、小林さんと非常に深い日常の御交際もあるそうでありまして、そのような意味合いからは、この調査会の内部におきましても、意見が相当反映されたのではないかと思うのであります。たとえば、ただいま申されました非常に有力な意見で、権威がある学者を、厚生省として全然オミットするというような考え方は、行政上好ましくないので、そういうことがもしありますれば、これは訂正をしていかなければならぬと思いますが、それほど反対意見の学者を圧迫したとは考えておらぬのでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それなら、それはそれでよろしゅうございます。  この黄変米が十五万トンも出たことにつきましては、それは一体買付輸入の責任者である農林省が責任を負うべきものでしょうか。あるいは入港の際に検査をする厚生省に政治の責任があるのだろうか。いずれにいたしましても、これは午前の政府の説明によると百億円をこえるのであります。実在しておる十五トンが百億円をこえる。これは何割損するかわかりませんが、大へんな国損であります。のみならず十五万トンがじっと寝たまま全国の倉庫にあるわけです。この倉庫料も莫大なものであります。さらにまた燻蒸をする、あれやこれやで大へんなことであります。これはおととしの十一月ごろから引き続いての問題で、いまだほんとうの最終的結論を得ないで今日に至っております。ことに昨年の八月、本委員会で決議した当時におきましては、三万何千トンか黄変米の認定を受けたものがすでに配給済みになっておるという事実もあったのであります。でありますので、こういう点につきましては一体農林省の責任と見るべきなんでしょうか、あるいは厚生省の責任と覚るべきものでしょうか、それともだれも責任を負うべきものでない、天災にひとしいものであって、損をこうむるのは国家国民だけだ、こういうことに帰すべきものでありますか、そこは一体どうなるのでしょうか、この点について一つ御意見を聞きたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 輸入買付等の責任はあくまでも農林省でありまして、この内容検査といいまするか、害があるかないかということな一決定するのは、あくまでも厚生省の責任であります。そこでこれはただいま御指摘の通り、一昨年の十一月からの問題であり、ことに重大な問題になりましたのは、昨年の八月であったかと私も記憶をいたしておりますが、その当時私は改進党の一員でありまして、この問題究明についてむしろ背後で相当導火線を引いた方でありますから、率直に申して、責任はむしろ前内閣の責任の方が重大でありますけれども、しかし今日の措置といたしましては、むろん私どもに責任があるのでありまするから、迅速に結論を出さなければならぬいとうことで、五月六日にかような有害か無害かということに対する結論は、一応厚生省として措置をとった、こういうことになったと思うのであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そこであなたの方、つまり厚生省も重一大な責任があるということはお認めになっておるが、これは当然のことです。そこでその入港の際のいろいろ手続上の問題でありますが、これはあとで事務当局に聞きますから、こまかい点はお答えにならぬでよろしゅうございます。それで入ってくるときに大きな検査の手を打つのは、これは厚生省の仕事なんです。その大きな検査の手を打つというのは、たとえば検査員をふやすとか、検査方法を改善するとか、いろいろ方法はありますが、とにかくそういう面につきましてはとんと改善の様子がないように私には思われる。でありますので、これは入ったものの処分の問題もさることでありますけれども、やはり入るときにその防止ついて少し農林省におっかぶせになっておるのではないか、どうもこういう感じがするのです。これはあなたとしてお答えが願えなければよろしゅうございます、事務当局に一ぺん聞いてみますから……。お答えが願えるようでしたら、これは何百億のものをしょい込んでいくというときですから、関門を入るときに厚生省は知らぬと言えませんので、そこで厚生省としては当然防止の手を打たなければならぬ。あなたももうすでに昨年はずいぶんと御研究になってまておられますので、全くのしろうとではありませんから、私は申し上げたいのだが、当然何らかの大きな措置があって、防止するということを厚生省としても提案をし、人間も動員し、設備もし、手段を講じ等々がどうしてもなければならぬのだけれども、それはうっちゃってあるのではないか、どうもそういうふうに思われるのですが、これについて何か御意見はありませんか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 ただいま御指摘のことは、輸入の際におきまする検査が非常に粗漏であって、これが相当に問題化したことであるということは事実でありまするから、そういうものを厳重に検査して、かかることが起らないようにするのが、当然厚生省としての務めであろうと思います。従ってそういう機関を整備、拡充、強化をするという方向に向って今後は進むべきてあろうと原則的には考えております。なお政府委員からいろいろと答弁をいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 農林大臣は朝の答弁におきまして、主食として、配給しないことにすれば、加工用に使うことも一つの方法だ、こういうようなお答えがあった。これはぜひまたあなたの大きな御答弁がほしいのでありますが、白米である黄変米は、見たところは普通の米と変りないのであります。そこで一たん倉庫から外へ出ましたら、やみに流れてしまう危険が多分にある。かりに加工用に行くといたしましても、この点は国民保健上きわめて危険なことであります。それはあるいは厚生省の所管でないかもしれませんけれども、しかし保健上これまた相当防止の策も考えてもらわなければならぬ。いずれにいたしましてもあなたらが、いや菌がないのだ、菌がないのだという頭になってしまっていては何をか言わんやでありますが、しかしやはり国民保健上非常に慎重に扱いたいというお気持であるのであれば、かりにこれを加工用に用いるといたしましても、これは相当な手を打って、よほど警戒してもらわなければならぬと思うのです。何かこの点につきまして、手として十分な手を打っていただく用意がありましょうか。これの用意がなかったなら、かりに加工用にいたしましても、これはどれだけ大きな被害が別の意味で国民に生ずるかわからぬということをわれわれは案じております。この点はいかがですか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 農林大臣が午前中に答弁したことの趣旨を承知いたしておりませんが、もし吉田委員の御指摘のような答弁をしたといたしますならばそれは私、きょう午前中に、予算委員会に参ります前に、農林大臣に私の意見は相当長時間にわたって申しておきましたのですが、加工用に回すことについて考慮をするというようなことを言ったといたしますならげ、私どもといたしましてはああいう結論は出たけれども、今日の情勢からして相当慎重に検討しなければならぬということをも十分参酌してくれたものと思っておるのであります。従いまして厚生省といたしましては、加工用に回すような際におきましての措置は、一切農林省側の措置にまたなければならぬものではありますけれども、今日こういう問題になりました経緯から見ますと、厚生省の意見というものはかなり強く農林省の措置に影響するわけでありますから、地方の保健所などを督励して、そういう加工に回す際において横流れが起ったり、衛生行政に重大な影響を与え、また国民生活に脅威を与えることの絶対に起らぬように努力をいたしたい、かように存じております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 川崎厚生大臣はお若いのでもあるので、一つ積極的にこの種の問題を扱ってほしいという立場から提言するのですが、厚生省といたしては今の国立衛生試験所などもあり、またあっちこっち部分的に調査研究を委嘱しておりますが、こういうようなことではとてもいかぬと私は思う。第一カビの学者もいるし、病理学者もいるし、またその他いろいろな立場の学者がそれぞれやっておられますが、なけなしの予算でその使途ありやなしやということでありますので、これは一つ黄変米問題、広くいって病変米の問題を抜本的、根本的に調査解決するという一つの目的をもちまして、何か大きな企画を立てたらどうか、こうも思うのです。あなたの内閣がいつまで続くか存じませんけれども、しかしやはりこういうものは内閣の生命にかかわらず、、長く国民の幸福に関係を持った問題でありますので、これはうんと予算でも要求して、国家財政のいかんを問わず、この問題解決のために一つ積極的に調査機関あるいは研究機関などを持つというふうな点はどうか、こう思うのです。こういうことについての卒然とした私のあなたへの提言ですから、即答はいかがかと思いますけれども、少くともこういう構想は今の段階としては持つべきではないかと思うのです。いずれの内閣がなし遂げるか存じませんけれども、いずれにしても重大な問題です。今のままではとてもだめです。農林省に行きましても、東大に行きましても、国立衛生試験所に行きましても、また大阪なんかにも一人しかおりません。派遣されている港の駐在員なんかもきりきり舞いです。こういうようなわけでありますから、すべての機関におきましても、人も設備も不統一であり、ばらばらであり、貧弱であるという実情でありますので、こればやはり本質的な有力なものを国家として設置されるべきものではないかと思いますが、これについて御意見があれば伺っておきたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○川崎国務大臣 ただいま申されました御意見を尊重いたしまして十分に研究をいたしてみたいと思います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 他に厚生大臣に対する御質疑はございませんか。——ないようでございますから、厚生大臣に対する質疑はこの程度にとどめまして、事務当局に対する質疑に入ります。御質問はございませんか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それでは二、三点伺いますが、公衆、衛生局長の本年五月六日付の食糧庁長官に対する通牒の別添の研究成績の概要というのは、どこが作成したものですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 食糧庁長官に通知をいたしました別添は明らかに食品衛生調査会の委員長から厚生大臣にあてた答申を別添として添えたわけでございます。  なお国会の御要求によりまして提出いたしました書類につきましては、別添の中に研究成績も入っていたわけでございます。この場合農林省に提出いたしました別添、つまり答申は、厚生省が作成したものではなく、食品衛生調査会において委員長から正式に答申を得た写しでございます。なお国会に別添として提出申し上げましたものの研究成績の概要は、厚生省が一応従来の研究成績を取りまとめた次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはやはり将来のために、委員会は錯誤に陥りますから御注意願っておきたいと思います。やはり資料というものは、ただいま読み上げました食糧長官への公衆衛生局長からの書類、別添の通りの答申が食品衛生調査会からあったという趣旨になっておる。その別添というものがここに添付されておる。その添付されておるものは厚生省が作ったのだ、こういうことでありますから、これはやはりもっと正確に出して、別添はほんとうの別添をつけるというふうにしていただきませんと、問題の処理検討にこちらも錯誤に陥りますから、一つこれは厚生省に御注意願っておきたいと思います。今後こういうことのないようにしていただきたい。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 了承いたしました。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それであなたに伺いますが、こういう食品衛生についての調査会をやるような場合に、さきに大臣に質問いたしましたごとく、やはりできるだけ広く反対の学者も入れるというような方針をもって構成する方が最も公平な意見が現われるだろうと思います。何もしいて一致さすということはよくないことでありまして、一致さそうというような考え方がありますと学者の意見を拘束することにたりますし、また好んで好みの人間だけを入れるという結果になります。こういうことになりまするので、その点は一つできるだけ今後御注意願いたいと思うのです。これは必ずしもそうだったとは私は即断しませんけれども、しかしながら経過にかんがみてその跡がないでもない、においが出るのでありますから、こういう点について一つあなたの方はどういう方針でお選びになったのだろうか、また従来はどうだったのか、今後どうするか、そういう点について事務当局としての御意見を聞いておきたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答えを申し上げます。もちろんただいま御指摘のように、私どもといたしましては、研究依頼先並びに食品衛生調査会の各委員の構成につきましては、従来これらの研究に主として携わっておった方々にお願いしたわけでございまして、従いまして、従来反対の立場をとっておられました学者ももちろんこのメンバーの中に加えてございます。なおわずか一千数百万円の予算でございまするが、できる範囲においてこれらの反対の立場にあられる学者に対しましても研究費の支出もいたしております。なお先ほど御指摘の三宅教授はもちろん委員ではございませんが、私どもは各研究機関、各研究グループから一人ずつ代表者を出して委員にお願いをいたしたわけでございまして、従ってただいまお話の出ました三宅教授は私どもは東大グループと理解をいたしております。従いまして研究会の折等は必ず三宅教授も列席していろいろ討議を加えられた次第であります。なお御指摘のように当然これは一方の学者に偏してはなりませんので、できるだけ広い範囲からいろいろな立場を代表し得られる方々の御参加を願いたいのでありまして、これらの点に関してまだ今後至らぬ点がありますれば、適任者といたしまして喜んで御参加願うことにやぶさかではございません。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この別添によりますれば、これは一応しさいに検討させていただきましたが、いかにも白い黄変米については澱粉属以内には菌がほとんど見つからぬ、もしくは認められないことが判明した、それからさらに毒素の研究につきましては毒素も出ない、出たということの証明がないとか、受ける印象が何か菌もなし、毒もなし、それなら十五万トンをなぜとめた、そのとめたわけがわからぬではないかというような印象を受ける文章になっておる。やはり私どもは、こういう点につきましては、出なかったとかりにいたしましても、それは毒素がないという事実にはならない。あるいは栄養菌糸を澱粉質内には見つけられないというような判断にいたしましても、やはりこれだけの事実では論理的にそういう判断は出てこないと私は思うのです。たとえばミクロトーム切片では栄養菌糸の染色はし得ないけれども、結局し得るということに確認した。さらにまた内部よりも外部の方が菌がはえやすい、こういう二つの事実があげられております。そして次には、このような結果、結論的に見るならば、組織学的検査によって、菌は表在的であって、量はかろうじて認められた、一0%以上のぬかをとるならば菌は認められなくなることが判明したというようになっております。こういうような問題につきましては、私はできるだけ科学的に、論理的に、精密に記載した報告書を国会へも出していただきたいと思うのです。われわれはしろうとでありますけれども、しろうとながらもこういうような少し論理が飛躍したような、何もかも御破算になって、菌もなければ毒もないような印象を受ける文章なのです。そこでわれわれ疑問を持って、やむを得ませんから一々立ち会った人間について調べてみたのですが、そういうこともありますので、この点はやはり今後できるだけ慎重に扱っていただきたいと思うのです。国民はしろうとですから結論だけ知りたがるのです。こういうことでありますので、これは一つ希望として申し上げておきますが、なるべく今申し上げましたような慎重な態度でこういうものをお作り願いたいと思います。  それからなお港の例の検査する駐在官です。あれは去年八月当時から若干減らしたといううわさがあったのですが、現状維持でしょうか、減らしたのですか、ふやしたのですか、その点いかがでしょうか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 行政整理の結果、一、二名帳面の上では減ったかと存じておりますが、しかしながらやりくりをいたしまして、他から回しまして、実際的には従来通りの職員で実施をいたしておる次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは大へんなことでありまして、私は去年九州、京阪神、名古屋等あちらこちら回ったのですが、あのときの印象でも一人や二人ではなかなか手が足らない、たとえば大阪、神戸のごときは二人かけ持ちでやっておりましたが、神戸だけでも一年に十万トン以上も入っておるのですから、ともかくあんなところで二人でかけ持ちをやって、その他の食品の検査もやるようなことでは、これはとても追っつけない。これは菌を見つけようと思っても無理じゃないかと思ったくらいでした。行政整理とか何とかそのような圧力があったか知りませんが、うんと拡充いたしまして、あなたの方で出先の検査を厳重にするという態勢をとらねばならぬではないか。そういう点は、大臣にしましてもそこまで気がつかなかったか知りませんけれども、そういう点につきましても、ここらでもっとあなたの方自身が農林省の向うを張って、国民保健の見地から防止するというくらいの積極的な能動的態度がなければいかぬと思います。減らしてしまうというようなことは大へんです。もしくはやりくりで同じだということも熱意がないのではないか。あれだけの大きな問題が起ったあとですから、うんと現状即応で人をふやすなり、あるいは方法を改善しなければならぬ。第一人をふやさなければだめです。そういうことをどうして一体予算要求もしなかったのですか。もしくは予算要求したけれども、大蔵省の方が認めなかったのですか。その点どうなのですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 一応若干の増員は大蔵省に要求をいたしました。しかしながらここで一つぜひ御理解を願いたい点は、この研究の結果、もちろん今最後的な結論が出たということは申し上げられませんが、少くとも現在までの研究の経過からみますと、先ほど先生も御指摘があり、また私どもが差し上げました資料でおわかりいただけますように、何ら有毒なものとは思えない実情でございます。従いまして、もちろんこれが有毒というようなことになりますれば、何をおきましても十分なる検査をするために格別の措置を講じなければならぬことは申すまでもございませんが、少くとも現在のところは、むしろ無害であるという結果に近づきつつあるように思われます。従いましてとりあえず私どもといたしましては現状通りでがまんをいたしておるわけでございます。  なおくどいようでございますが、もちろんこれらの成績というものは、私ども別に作為的な何をいたしたわけでもございません。各研究機関の成績をなまで出せというお話も先ほどございましたので、これは後ほど資料として御提出申し上げたいと存じますが、なおもちろん米のほかにも、小麦あるいは大麦等にもついております。こうなって参りますときわめてむずかしい問題になってきますので、もうしばらくの研究の推移を——私どもはまじめに一つ研究をして参りたい、かように考えている次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは大へんな発言があったのですが、あなたは現在の段階では有毒にあらず——それなら聞きますが、有毒でないようなものをどうして一年以上も倉庫にうっちゃっておいたのです。大体国の金を何百億円使っていましょう。また毎日倉庫料を払っておる。そんなような米をどうして今日まで配給をさしとめたか。その責任は一体どこが負うか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 これらの点に関しましては、一昨日もここでお答え申し上げましたように、私どもといたしましては……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 一昨日問答はありません。私とは……。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 いやここで経過として御説明申し上げましたように、私どもといたしましては、少くとも国民の納得の行くことでなければできない。従って納得のいく資料を得たい、こういうわけで、実はその後まじめに研究をいたしまして、一応研究の成果にまつことにいたしております。しかし近い将来にこれが無害であるということになりましても、これはもちろん納得をいただいたあかつきにそういうことになるわけでございますので、やむを得ないとかように考えておる次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは実はあなたと問答しても始まらぬのです。そんなことをおっしゃるなら、大臣がいるところでそのことをはっきり言うべきであった。だから私は大臣に、これは一体農林大臣が責めを負うのか、厚生大臣が負うのか、それとも天災で、ただ迷惑をして損害を受けたのは国民だけということに帰着すべきものなのかと聞きおった。あなたは、今の段階では有毒でない、だから調査とか検査の人間をふやす必要も感じておらぬ、しばらく待ってくれ、全く無害になっちまうかわからぬ、そういうような御発言があった。そんな大胆な答弁を国会でしていいのですか。少くともそういう答弁をなさろうと思えば、やはり厚生大臣の口から言わなければならぬ。それはそうなんです。少くともあなたはここで今の段階で有毒でないというようなことであるならば、どうして一体一年以上も何万トン何十万トンの米を配給しないで古米にしてしまって、どうして一体そんな莫大な国の金を寝かしてしまって、そうしてこんな大騒ぎをさしたのか。もしあなたの方で有毒でないということで最初からやっておったならば、何も今日まで騒ぐ必要はない。今日まで騒がしたのは、有毒であるとしてあなたの方がとめたので、それではとして調査をし、研究して、そうして今日有毒でない、もうしばらく待っておってくれ、無害になっちまうかわからぬ、そんなしゃあしゃあとしたことでは国会は通りませんぞ。そんなことで国の経費を使うということは許せませんぞ。何億円、何十円億の損害を生じたか知りませんけれども、国会はやはり血税を支払う国民の代表なんですから、その前の答弁としてはそういう乱暴なことは言えません。一体それならばなぜ今日まで、こういうような状態で有毒なりという前提で差しとめたのか。有声でなければ配船をどんどんしちゃったらいいのだ。有毒であればこそ、配給をしないでとめた。それであればこそ、去年の国会におきましても、だんだんと論議がされたが、そんな大胆な意見を発表されたのは初めてですよ。厚生大臣も農林大臣もかつてそんなことを言ったことはありません。あなたのみだ。速記録を調べてごらんなさい。有毒にあらずというような答弁をしゃあしゃあとなさるのはあなただけですよ。そんな無責任な放言をしていいのですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 ただ私が申し上げましたのは、今でも断定的なことを申し上げたわけではございません。今の見通しとしては、これはまだ最後的な結論を言うにはいささか軽率のきらいもございますけれども、今までの研究の結果から見れば、有害という証明はされておらないということを申し上げておるわけでございまして、今後どうなりますかは別な問題でございます。おそらく見通しとしてはこういう経過であるということを率直にお答えをいたしたわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ただいまのは、率直であるか断定的か何か知りませんけれども、私は非常に軽率な御発言だと思います。やはりここではあなたの確信のあることだけを言ってほしい。あなたがそう大胆にお述べになるべき問題でない。それほど小さな問題と違います。もし将来これが有毒だという説が出たときは、一体どんなにするのか。あなたはそれで地位を去っても、それによって何も損害は穴埋めされません。やはりここでは全部の国民にあなたがお答えになっておるという態度で言わなければいけませんから、そういう軽率な簡単な表現はよくないと思います。これは一つ私から御注意申し上げておきます。この程度にしておきましょう。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 他に御質疑はありませんか。別に御質疑がないようでございますので、本問題についての質疑は一応この程度で終了いたします。     —————————————

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 次に朝鮮向輸出物資に対する対米債権に関する事項について議事を進めます。本問題については、昨日の委員会において外務省、大蔵省両当局よりそれぞれ経過報告を聴取いたし、若干の質疑を行なっております。本日は昨日に引き続いて質疑を続行いたします。  質疑に入る前に、議事の運営上打ち合せがございますので、理事の方々の御参集をお願いいたします。  ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 速記を始めて。それでは質疑に入ります。なお政府側の出席は外務省千葉欧米局長、大蔵省佐々木資金課長、徳永企業局長でありますから、御了承願います。山田長司君。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 朝鮮向け輸出物資についての質問をいたしますが、さきに行われた朝鮮事変は、朝鮮向け輸出物資が朝鮮に送り届けが済んだ時分に行われたのではないかという風説が出ていますが、朝鮮向け物資が出たのは二十年の十月からのようですが、大体これが終了したのはいつごろですか、ちょっと最初に伺っておきます。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 ここに品種別及び金額、時期を書いてあるわけでございますが、時間的に申しますと二十年十月から二十三年ごろまでが大部分になっているようでございます。今お話がございました朝鮮事変と関係があるかないかということでありますが、品物をごらん願いますとわかりますように、終戦直後から日本が朝鮮といわゆる正常な通常の貿易に入ります前、いわば占領直後から貿易そのものも全然許されていなかったわけであります。占領によりまして、いわゆる民間貿易が許される前の姿というものは、一々占領軍の監理の形であったわけであります。従いましてここへあがっております数字なり品目から、またこの問題の起りました時期からごらん願いまして、いわゆる通常貿易の始まる前の姿の貿易というものにすぎないのであります。お話のございましたような朝鮮事変と直接関係がどうのこうのと申すようなことは、私どもはほとんど関係ないというふうに御了解いただいていいのではないかと考えております。   〔委員長退席山本(正)委員長代理着席〕

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 非常に抽象的な理解のできない答弁で全然ふに落ちません。実はこの輸出については世間ではこの物資が向うに着いてから、それが見はからわれて朝鮮事変が起ったというふうに見ておられるのです。ただいまの答弁ではそういう点がちっとも感じられませんけれども、われわれはそういう点で世間で見ていることに間違いないことを思料するわけです。だいいち朝鮮向けの石炭の場合はことごとくが九州の麻生太賀吉さんの炭坑から出ているということですが、石炭の場合はどこから一体出ているのか、その出ている範囲を御説明願いたい。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 私具体的にどこの石炭山から出たかということは一々資料を存じませんけれども、今お話ございましたよう麻生代議士がどうのこうのというような——まあ麻生さんの山からも出たかとも思いますが、私どもの常識から考えますれば想像できない。と申しますと、結局朝鮮に幾ら要るから幾ら石炭を出すことを用意しろと日本政府に対して言われ、日本政府はそれに伴いましてその用意というものを、北九州の方が近いから入札が落ちるわけでございましょうが、通常の商売の形でやっているわけであります。どこのものを勝手に出すということを指図するわけでもございませんので、お話のようなことはわれわれとしては想像できないと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 この輸出物資の数量はいいとしても、金額的な見積りは大体いつを基準にして立てられた見積りであるか。その点を一応御答弁を願います。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 ここに数量及び金額が出ているわけで、金額はドル標示で出ているわけです。石炭で申しますれば全体の二百四十万トンに対しまして金で申しますれば三千二百万ドルというふうに出ているわけです。それぞれの時期ごとにきまっているわけであります。当時具体的には日本側は公団が扱っておったわけでありますが、公団が扱って輸出します場合に、そのときの業者から買い取ります額がそれぞれあるわけです。当時は正式の意味における対米為替レートというものはないわけで三百六十円レートというような換算はございません。時期々々によって日本のインフレーションの進行に伴いましてそれぞれ変っているわけであります。そのときどきの、いわゆる民間的な貿易的な意味ではございませんが、換算ドル相場というものがあったわけであります。それによりまして、ドルに換算すればこうなるという数字があげられておるわけであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 輸出物資の換算率とさらにアメリカから日本に来た物資の換算率との相違点は、どういう点で相違点があるのか、きょうはアメリカから日本に来た物資の問題については出ていないけれども、そのことを参考に伺っておきます。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先ほど来申し上げますように、この時期における貿易の姿というものは非常に変則でございまして、公式の換算レートというものがない時期であります。それから国内には、そのときどきの主要物資につきましては、御承知のようなインフレのさなかでありまして、民生安定というような意味で大部分の物資に公定価格が設けられておったような時期でございます。アメリカ側からいろいろなものを日本が輸入し、もらったわけでありますけれども、その値段につきまして、今と違いまして幾らで買ったから幾らで売るというわけではございません。もらったものはそのときの原則として、円内のマル公で売っておったというようなわけ合いでございまして、そのときにアメリカの方の積み出し価格といいますか、輸出価格が幾らであるから幾らで売るとか、そういうことがいわば必要のない取引の仕方である。公団はアメリカから幾らかもらいまして、それを売るときにはマル公で売る、そういう事情になっております。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 ついでに伺っておきますが、アメリカから日本に来た物資の受け入れというものは、当時どういう名目でだされたものか、これを伺っておきます。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 アメリカから参りました物資は、いわゆるガリオア物資すなわち占領地救済物資という名目でアメリカから日本に輸入されておるのであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 占領地救済物資に対して日本がこれを金に換算して返済しなければならぬという理屈はどう考えても考えられないのですが、どういう根拠に基いて日本政府はガリオア物資に対する法律的な債権を負わされる理由があるのか、一応伺っておきます。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 政府はガリオア援助についてはやはり債務であると心得ております。これは法律上の債務ということはできませんけれども、終戦後の社会不安を除き、日本における民生の安定をするために必要であったものであります。政府はこれを無償でアメリカからもらった、ものとは考えておりません。いずれ何らかの形で返済し、処理することを要するものと考えておる、こういう意味で債務と心得ておる次第であります。    〔山本(正)委員長代理退席、委員長着席〕

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 法律的な債務と心得ておると言われるが、一体それでは質的な量はどこでそれの調べがなされておって、今法律な債権と見なそうとする根拠があるのか、その理由を伺います。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 ただいま私はまだ法律上の債務とは心得るに至っていないというふうに申し上げたつもりであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 あなたの言われるのは、道徳的債務であるということをはっきり今言い切るわけなんですか。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 そうであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 さらに朝鮮向け輸出品についての品物について一応伺いたいと思いますが、一体朝鮮向け輸出品というものは戦争物資だけだと言われておるのですが、戦争物資以外のものも出ておるような一覧表ですけれども、わかっておる範囲があったならば、その他の機械器具というような率というものは非常に金額がふえておるが、これはどういう品物であるか。それから化学薬品というのはどんなものが出ておるのか。繊維製品の場合もただ繊維製品でなくて、どんなものが出ておるか、一応参考まで最後に知らせてもらいたい。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先ほど私申し上げたつもりでございますが、石炭で申しますれば二十年からなされて、それぞれ年ごとに数量が上っておるわけでございます。二十一年、二十二年、二十三年、一年六十万、多くなって九十万という工合になったりいたしておるわけであります。そのほかの品物につきましても二十一年からのもの、おおむね二十三年末までくらいの分が大部分でありまして、その時間的な区分が、金額が石炭ほど多くないものですから、一括していておるわけであります。お話のような朝鮮事変のための物資というふうにお考えいただくのは事態に合わないのでございまして、当時日本の普通の貿易は何にも行なってなかった占領管理時代である。朝鮮もそういう姿であった。朝鮮にもそれぞれのほしい物がありますし、日本から供給してもらいたい物もあり、逆に日本も朝鮮からもらいたい物もある。それは次の表をごらん願いますと、ノリとか水産物というようなものは昔から朝鮮より買ったりしておるものがあり、そのころでもほしい物もあったわけであります。今でも御存知のように——今は正常になって日本と朝鮮の間は貿易が行われておるわけであります。この間のものは朝鮮は工業もございませんし、石炭も思うように出ませんし、それで日本に出る物を日本から送ったというふうにごらん願えばいいのであります。従いまして電気通信機械は電気通信機械、その他の機械器具と響いてございますけれども、そう何も変ったものがあるわけではございません。普通の民生用のもの、軍需と関係のほとんどないような一般の鉱工業関係、あるいは消費関係、民生関係に要る通信機械なり、あるいは機械器具なりというものとごらん願えばいいわけであります。肥料及び化学薬品と書いてございますが、肥料が相当部分を占めておるわけであります。その中に肥料ばかりでなしに、薬なども入っておるものですから、総括した普通の商品分類に従いまして分数して書いておるだけでございます。最初のお尋ねのような朝鮮応変と関係ある貿易というふうにお考えになること自身が取引の実態と合ってない、取引のやり方自身は非常に変則でございましたけれども、合ってない、こう了解いただきたいと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 朝鮮事変と関係がないとはっきり言い切れるのですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先ほどから申しましたように、商売のやり方自身が仮の形でありまして、一々占領軍からのメモによりまして、こういう物を今度朝鮮に送れというような形をとっておったおけであります。従いまして、その背景になります使い方自身というものにつきてまして、朝鮮側で何に使ったか、私一々承知しておるわけではないのです。ただしかしながら、この取引の行われました時期及び商品の性質から見まして、その関係は万が一あるといたしましても非常に稀薄なものであり、その時期及び商品の内容それ自身は、現在通常の民間貿易において行われておりますものとほとんど大差ないものであるということだけは、間違いなく言えるのではないかと思うのです。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 最後にもう一点局長に伺いますが、道徳的債権であるというものに、援助した物資に、なぜ日本から一応邦貨に換算して返済しなければならぬかという理屈が、どうしても私は理解ででないのです。道徳的な債権であったならば、一応どうもありがとうと国会で、感謝決議をしただけで十分ではないかと思うが、その点どうしてこれから邦貨に換算してアメリカに返済をしなければならないわけですか。一応はっきり伺っておきてます。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 先ほど申し上げましたように、法律上の根拠があっての債務ではございません。しかしながらアメリカ側においてもただでくれてやるということを申したことはありませんし、わが方におきましても、先ほどおっしゃいました国会の感謝決議などございましたけれども、政府といたしましてはこれをただでもらったということはかって考えたことはなかったのでございます。国会の決議は何によって行われたか私はよく存じませんけれども、かりにもらったのでなくても、その当時とにかく日本の困っておるときにそういう物資の供給を得たことは十分感謝に値するところであったので、そのために感謝の決議をされたのだと私は考えますけれども、政府といたしましては、それだけではやはり事は済んでいない、こう考えております。現にたびたびの日米間の従来の交渉におきましても、先方からはいずれガリオアの債務については日本側からこれを整理する相談があるだろうというような申し出もございました。昨年は五月から数回にわたりましてガリオア債務についてどう返済するかというような協議を米国側といたしております。すなわちはっきりした法律的な根拠はございませんけれども、先ほど申しましたようにこれはいずれ何とかしなければならないものである、そういう意味の道徳的な債務と従来から考えてきておるわけです。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 道徳的な債務であるという結論を出すとしても、その品物の来方が、飛行機で持って来たり船で持って来たりして、日本の国内には全然控えがないという世間の風評であるが、この控えはただサンフランシスコだけしかないといわれているが、一体それらの控えについては日本の国内においてはどんなふうになっていたのか。一応その点も御答弁願います。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 ガリオア物質については、一般の貿易と同様に、当時の連合国の司令部が完全にこれを掌握して管理していた時代と、その後その経費の管理が日本側に移された時代とに分れることでありますけれども、後者の分については、日本側にはっきりした資料があるわけであります。前者の分については、資料がすべて米国側の手元にありましたために、わが方で十分調べることができなかったのであります。しかし米国側からある程度のものを渡してもらいまして、現在政府において検討中であります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 そうすると、向うがよこした品物については、向うが勝手に向うの数量に従って日本によこして、それを日本政府は一応検討して結論を出すということのようですが、そんなばかげたことで、窮迫しておる日本の国情に政府はどういう負債を負わせるお考えか知らぬけれども、そんななまやさしくこれらのことが引き受けられるとするならば、日本国民にこれからかけられる負担は大へんなものだと思うのですが、一体政府で検討しようとするものは、どのくらいの分量で出てきておるのか、実はその資料を出していただきたいと思うのですが、どうですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 一昨日でございましたか、欧米局長からもお答えしましたように、本件はまだ外交折衝の過程になっておるわけでありまして、ただアメリカ側からガリオア関係として約二十億ドルのものを日本側に送ったはずであるということがいわれておるわけであります。それに対しましていろいろな外交折衝が行われておるわけでありますが、ただ今お話になっておりますのは、ガリオアでもらったものは勝手に向うが送ったのであって、日本側としてどうなったかわけがわからぬというふうなお尋ねのようでもあるわけですが、実はそれは非常に違うわけでございまして、先ほど来欧米局長が言いましたように、占領の当初のころは、ドル勘定として幾らのものがどう日本側に届けられたかということはよくわからなかったわけであります。しかし、いやしくも日本側が、受け取ったものにつきましては、それは政府がただ受け取ったわけではございませんので、政府が受け取り、それを国民に配給しておるわけであります。御承知のようにガリオアの大部分というものは小麦とかカン詰とか衣料とか、食糧関係が大部分であります。小麦なら小麦を幾らもらってもらった数字もわからずに政府は配給しておるわけではないのでございます。ただそれが当時の相場として何ドルのもので来たかということが——日本側は普通の貿易で買ったわけではございませんので、それを何ドルで契約して幾らで買ったということになっておりません。その関係から、前半の部分におきましては、小麦を数量的に幾らもらったということはわかるけれども、しかしそれが幾らの金額になるかということが、そのときどきの相場というものもあるわけでありますが、正確にわからないという、面があるわけでございます。ただ、すべての数字が今お話のようにでたらめのように言われますと、非常に実際と合わないというふうに御了解いただきたいと思うわけであります。私ども直接折衝にも関係いたしておりませんので、どの程度の外交上の重要性を持つかというようなこともわかりませんけれども、しかし常識的に考えまして二十億ドル見当であることは間違いないにしましても、それのどの分が幾らどの分が幾らということは、やはり交渉の過程の途中のものでございまして、その過程の中で日本政府は最大限の努力もしながら、その信憑性を確かめる努力もしておるわけであります。しこうしてそれが先方との折衝の対象にもなっておるわけであります。折衝しておるさなかの中身そのもの——折衝が大体話し合いがつきますれば、そのついた状況に応じまして、そのときどきにおきまして、政府としてこういうことであって、こういう工合に話し合いをきめたということで、それも国会の御批判にまかす段階になろうかと思うわけでありますけれども、今の段階としましては、大部分が食糧関係であろということを御承知願っておきまして、商品別にどうのこうのということにつきましては、それが若干折衝の過程中でもあります事情をおくみいただきまして、御猶予をいただくのが穏当ではなかろうか、また政府側の立場としましても、こういう工合にお願い申し上げたいというふうに存じておる次第であります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 穏当だとか穏当でないとかいうのではなくて、二十億ドルという莫大な国民負担になるということはゆゆしい問題だと思うのです。そういう点で資料として国会へ出してもらうのが至当だと思う。その点、資料として出していただいて、さらに国会の助言も聞くつもりはあなた方にないですか、一応この点をお聞きします。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先ほど来申し上げますように、金額が非常に大きな品物であることも確かであります。また日本人がそれを食べて生き長らえたものであるとはしましても、それがどの程度の話し合いになるかということは、やはり日本の支払い能力等との関係もあるわけでございまして、それだけに、外務省を初めとして政府として、それの取扱いに非常な——極力国民の負担が少いようにということで折衝いたしておるというふうには思うわけであります。ただ私ども事務屋として見まして、商品別のある程度のラフな分数ならございますが、数字そのものが折衝の過程にある際に、過程にあります問題について数字を出すというようなことは、やはりお互いの折衝しておるものといいますか、日本側は外務省が中心でおやりになっておるわけでありますけれども、そこに御迷惑をかけるということにもなると思うわけであります。国会にいつまでも出さないというわけではございませんので、適当な時期に出される時期も参ろうかと思うのであります。目下のところとしましては、もう少し事態の成り行きをごらんいただく方がいいのではないか、しばらく御猶予をいただいた方が、折衝そのものにも悪い影響を与えないで済むというようなことを考えるわけであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 どういう点で悪い影響を与えるとあなた方は考えるかしらぬが、国民が負担を背負わなければならないこういう問題について、あなた方が資料を出すことによって、国民の世論を喚起することができたならば、国民の中からアメリカはけしからぬじゃないかという声が出て、知らずにその声のためにアメリカとしてもあなた方が交渉をしやすいような状態をだんだんに作り出してくると思う。その点はあなた方はそうお考えになりませんか。こういうことを、国民に真相をはっきり知らせれば、国民的な感情がここに一つできてきて、アメリカもそのことによって譲歩する点があると考えられるが、どうですか。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 私どもはガリオア債務の処理につきましては、日本の国際貸借の現状、あるいは日本の負担しております賠償の問題、その他外債等、今後の日本の経済力あるいは国民の負担、国民の生活安定の度合いなども十分勘案いたしまして、国民におかれて負担のできないような解決をするということは考えておりません。そういういろいろな要素を十分考慮に入れまして、妥当なところでこれについて米国との妥結をはかりたいと思っております。ただいまお話のようにすべて一切を公開することによりまして、交渉がさらにしよくなるのではないかというお話がございましたが、ただいま徳永企業局長からも御税明がございましたように、いろいろな数字の細部の点につきまして、まだ先方と十分つき合せておりませんので、今の段階においてこれを申し上げるということは、やはり交渉の支障を来たすものと考えております。

山田長司日本社会党(左)

○山田委員 このことが決算委員会で論議されてから、もう三年もかかっておる。一年や二年のことなら、数字における了解点が出ないというようなことはあなた方言えるかもしれないが、もう長い歳月がかかっておる。外務省がそんなに長い日子を交渉に要しなければならないような点がどこにあるのですか。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 先ほどもちょっと申し上げたと存じますけれども、昨年は五月から十月まで数回にわたりまして、朝鮮債権の問題も含めまして、ガリオア債権の処理の問題について、米国側と折衝いたしたのでありますが、私どもの主張がアメリカ側といろいろ折り合わない。すなわち私どもとしては、日本にとりましてより有利に考えていろいろ主張しているために、話がまだ妥結に至ってない、そういうふうに一つお考えいただきたいのであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 外務省の欧米局長、通産省の企業局長、大蔵省は為外局の資金課長が見えておるそうでありますが、これはどこがおわかりになるのかちょっとはっきりしませんので、まず所管を伺っておきますが、このガリオア、イロア物資を内地で払い下げましたその代金の総額というものは、これはどこがつかんでおるのですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 役所の所管ははなはだわかりにくいと思いますが、その対日援助関係のものを受けましたころは、御承知のように通産省が扱っておったのであります。その扱っておった時期が、先ほど来言いますように二つの時期に分れておりました。一つは、二十四年になりまして見返り資金特別会計を設けました以降と、終戦直後からそれまでの時期というふうに分れておるわけであります。そうやりまして、日本側で受け入れたものを処分する仕事というものは通産省がやっておったわけであります。ところがその仕事は、現在から申しまするといわば過去の時期になりまして、従いまして現在だけを形式的に見ますれば、その始末が全部大蔵省に行ったというようなことになっておるわけであります。しかしその当時の処置についての責任といいますか、責任は通産省が持っておる。役所の機構がややこしいのでありますが、そういうふうになっておりますから御了承願います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この二十億ドルが相当であるとか、その内容を検討するとか、あるいはさらに何らかこちらがそれに対して主張するもそういう場合にも、入って参りました物資を何ほどに払い下げたかというようなことにつきましては、今日の段階においてはやはりどこかが正確なものをつかんでおらなければ、私は交渉なんてできるものじゃないように思うのですが、今資料が向うにある、向うから二十億ドルと言ってきたので、かりにそれを検討するといたしましても、どういう性質のもので、どれだけどう処分されたかということが、日本の政府で今わからぬというのでは——過去においてどういう手続をどこがとっておったというのはいいのですよ、きょうは政府といたしましてまさに債務と認めると言うのだから、認めると言う以上はやはり政府全体がそういうのでしょうから、それはどこかに正確なよりどころがあるような、何かがはっきりしておらねばならぬと思うのです。外務省は交渉だけやる、企業局は何か残務の仕事をやる、大蔵省は今言ってきただけで、それの正確性もはっきりわからぬということでは因ると思う。これは大蔵省でわかっているのだろうと思いますが、一体アメリカから参りました輸入物資の払い下げというのは、総額何ぼくらいになっておるというお見込みですか。

佐々木庸一大蔵事務官(為替局資金課長)

○佐々木説明員 大蔵省は司令部の外貨を引き継いだわけでございまして、その外貨を引き継いだことから申しますと、ガリオアを含めたいろいろな国際取引の結果としての外貨を引き継いだという格好になっておるわけでありますが、根本の取引のところは、もと通産省にございました貿易資金特別会計ないしは貿易特別会計で行われておったわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうするとあなたの方は結局もとの通産省に尋ねてくれ、通産省はもう大蔵省へ行っているのだから、大蔵省でわかるだろう、外務省は、わしの方は外国と交渉するだけだからというので、どれもこれも、結局どこがこれをほんとうに握っておるのか——一体債務であろうと債権であろうと、つまり財産であろうと借金であろうと、一国が背負っていくやつだから、政府がそれをちゃんと、背負い込むなとつかむなと、どっちかしておらなければならぬ。きょうはたまたま予算と衝突しておるので大臣が来ておらないだけで、事務当局としては最高の答弁ができるような用意がなければならぬ。そうはっきりしないで、過去のことをさかのぼって事務がどうやこうやということでなしに、きょうつかんでおるのは一体何ほどというふうに正確なところをつかんでおられるのか、こういうふうにはっきりさせたいのですがね。わからないならわからないでよろしゅうございますがね。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 所管がどこだというお話がございましたので、ややこしく申し上げたわけでありますが、事実がそうなっておりますから申し上げたわけでありまして、ただ現在折衝しております過程におきまして、この折衝の材料になりまするどういう物を幾らもらったかということにつきましては、通産省が当時やっておったことでもございまするし、またそれに関連いたしまする資料も持ち合せておることでもございまするし、通産省におきましてそういう数字的な資料というものは十分正確を期しながら用意をいたしておるわけであります。ただそれを発表するかしないかということにつきましては、先ほど来申し上げますように、その基礎になりまする数字自身も折衝の対象になっておりまするので、今の時期としましては発表を御猶予願いたいということを申し上げたわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 国会に対しては、発表するもしないもありませんぞ。債権であろうと債務であろうと、発表することは義務でもあるし、責任があると思う。もし公開がいかなければ、秘密会を要求するとか何とかのことはあろうけれども、国会で、外交交渉に支障を来たすから発表しない、そんな答弁は許されません。一体どこを突いたらそういうことが言えるのですか。それはもしそういうことが一々許されるとするならば、行政府が国会の審議権を左右することになる。なぜならば、それは差しつかえがあるから言えません——差しつかえの重大性はたなに上げておいて答弁ができないということになるわけであります。だからそれは述べるべきだけれども、公開の席上では困るということであれば、その理由が妥当であれば、われわれも了承せぬでもないわけであります。そういうことであります。  そうすると、あなたの方でこれがはっきりわかっておるというのですか。わかっておるけれども、今公開の席上で言うと外交上損をするから言ない、こういうことなんですか。わからぬからそういうふうに籍口しておられるのですか。その点はどっちなんですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 今お話のございました前段の方と御了承いただきたいのであります。日本側としましては、これこれの物をこれだけ、いついつ幾らもらったはずであるということはわかっておるわけでありますが、これの数字につきまして若干の折衝上の問題もあるわけであります。従いましてそれを最も有利に解決すべく外務省も努力しておられる段階でございますので、それが国会の審議権そのものを否定するとか否定しないとか、そういう大それたことを申し上げておるのではございませんが、ただ私どもとしまして、折衝のさなかにある事項につきましての、折衝の途中での発表を御猶予いただきたいということをお願い申し上げておるのであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 終戦後平和条約の発効するまでの間、これはアメリカの占領軍に対しても報告したことであろうと思う、そういうこともわからぬのでありますか。それからアメリカから参りました物のうち、商品と商品ではないものがあるのではないか、こう思うのです。そういうものについての区別も秘密に入るのでしょうか、これもいろいろと調査しなければわからぬということになっておるのか、その辺はいかがでしょう。きょうはあなた方の方へうんと入って、いろいろ多岐にわたる質問はするつもりではないのであります。なるべくきょうはこれを片づけてしまいたいと思いますので、残務的な処理をやりつつあるわけです。われわれの委員会といたしまして一種の結末をつける意味でこうした質問をしておるのでありますから、なるべくそれに沿うて要点だけは述べてもらいたい。あまりたくさん聞くつもりはありません。そういうことでありますので、そのつもりで御答弁願います。三省相談が適当なら相談しながらお述べください。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先ほど御要求がございました資料の点でございますが、あまり微細な点は省略させていただきまして、食糧、食糧でも小麦がどうだ、砂糖がどうだ、医療関係のものがどうとか、工業のものがどうだとかいうのもつくりますが、この次まで御猶予いただきまして、若干の時間をちょうだいしまして、外務省の折衝の関係もございますけれども、そのさわりのなさそうな点を外務省でも御検討いただきまして、許されるところをあれしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それではこういうふうに聞きましょう。欧米局長に伺いますが、すでにこの種の問題につきましては、たとえばドイツ、ベルギー、イタリアなどにおいて相当先例もあることでありますから——同じ種類かどうか、これは別といたしまして、またいろんな各般の客観情勢が違っているけれども、これはこれらの諸国に比較いたしまして、もっと有利な関係において解決しなければならぬというふうにも思うのですが、その辺についての交渉の線はどういうことに進んでいるか、これは答えられると思いますが、いかがでしょうか。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 ただいまお話のございました通り、ドイツの関係において先例がございまして、日本のいろいろな事情はドイツとまた異なる点がありますので、十分ドイツの場合よりも有利な解決を望まれる、私どもといたしましてはかねてからこう考えておりまして、そのように従来努力いたしておりました。また今日もそういうふうにいたしたいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはあなたの方の大臣に聞かなければならぬことでありますけれども、たとえばアメリカの援助物資は、あなたも当時御承知か、それを受けた人かどうか存じませんけれども、国民はただもらっているのではないのです。みんな代金を支払っておりますよ。ただもらったものはおそらくないのではないか。そうしますと、これはやはりさっきの払い下げ代金との関連が生じてくるのです。国民は一たん代金を払ったのです。それが安かりたか、相当であったか、高かったかは別にいたします。そこで今度あらためてまた二十億ドルは借金になる、こういうことでは国民とすると二重に払うことになるのですよ。そこはやはり相当筋を通していただかなければならぬのです。そういたしますとまたここに問題が一つあるわけです。そんならば二十億ドルというものは、大半が非常に特別に有利に特殊な方面に流されて、大多数の国民はかなり高価なものを背負わされている。こういうことになるのではないか。そこにまた問題が生じてくる。そうすると少くとも半分くらいは特殊な方面に、非常にわけがわからぬように流されてしまったのではないか、こういうような問題すら生じるわけなんです。何千億円のものが、わけがわからぬというと語弊がありますけれども、特殊な経済的な利権を持った方面に流されてしまったのではないか、こういうふうな疑惑すら実は生むのであります。でありまするから、問題は二重にも三重にも次々に発展していきますので、ここらはやはり国民のためには納得するような割り切ったものが生じてきませんと、どんなに一生懸命になりましたところが国会は承認しません。もし多数決で押し切るということになりましたならばこれは騒動です。そういうこともあるのです。その辺のこともありますし、これは根本方針でもありますので、あなたに申し上げたり聞くのはちょっと無理かもわかりませんけれども、私どもはやはりそういう点があるのです。同僚山田委員からも感謝決議の話が出ておりましたが、結局国会でそういうふうに現われたのです。けれども実際はそれぞれみな代金を払っておる。でありますのでそこに割り切れぬものが残るわけです。こういうことになりますので、その辺はそれぞれ筋を通し国民を納得させませんと、これは交渉にならぬと思う。あなたらは値段を若干でも有利にしたらそれでいいというだけで一生懸命になっているのかもしれませんけれども、やはり国民が納得しなけれげいけません。それで可能な範囲で国会に報告になれげ、国会もそれぞれみな被害者でもあるし関係しておるのですから、それぞれ意見を出しますよ。この問題はそういうのもそれぞれ取り入れて交渉するというようにあるべきなのです。ガリオア、イロア関係はそういうふうに思うのです。そういう点について考慮しつつあなたらは交渉しておるのかどうか、それを一つ聞いておきたい。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 お話の趣旨は上司に申し伝えます。ただ二重に負担を負うことになるのではないかという御議論につきましては、なるほどこれらの物資は国民に配給いたしまして政府はその代金を取っておるわけです。今度また国民からいただいた税金の中からこの返済をしていくということになりますと、いかにも二重のように見えますけれども、実際は当時代金として国庫に納めました金は、その後国民のためにほかのことに国が支出しておるわけでありまして、国とアメリカとの関係におきましては二重に払うということはないのでありますから、その点御了承いただきたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私の言うのは、何も国とアメリカの関係で二重になるということじゃありません。国民の立場からすれば当時相当な代金を払っているつもりです。それをまた全額新たに日本の国は債務として負担するのか。それならば二十億ドルの半額に近い前後のものがかなりでこぼこに使われている問題をもっと追究しなければいかぬ。そういうことになってくる。問題が二重に三重になるというのはそこなのです。そういうことになってくるので、何千億円の売り払い代金が国に入ったかということ、従ってどこにどういうようにしたのかということ。たとえば基幹産業には特別に利益を与え、一般民衆にはそうでないとか、いろいろあります。しかしきょうはその議論はやめます。やめますけれども、とにかく国民感情といたしましてはあなたのお考えになっておるよりももっと複雑なものを持つのです。これだけは申し上げておきます。これはこれでいいと思います。  それから対米債権の問題でちょっとお聞きしたい。琉球向けの分。政府側としては朝鮮へ行ったつもりだが、実際は琉球へ行ってしまっている。こういう金額は相当ある。大体この問題は一昨年の七月ごろと思いますが、一応あのとき打ち切りますときに、私が二百万ドルの品名までいろいろあげまして、その有無について答弁を求めましたところが、大蔵省と十分協議して調べるということで物別れになっておるわけです。これは商品の名も私全部手元に持っております。これは資料としてでよろしいから出していただきたい。そこで琉球向けの問題があるのでありますが、これは一体どうなったのですか、これは当然加算されなければならぬものではないか。あのとき相当問題になったのでありますが、現金で受け取らなければならぬ荷役が相当あった、こういうものもどうなりましたかという点が少し残っておると思います。これは外務省ではなく、企業局の方でわかっておると思いますから——これはこれによって四千七百万ドルが相当増額してくるだろうと思います。この御答弁願いたいと思います。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 お手元にお配りしてありますのは朝鮮向けの分を出しておるわけです。このほかに琉球関係のものといたしまして金額にして百六十万四千ドルあるわけであります。これも朝鮮向けと同じように、ガリオアの始末と関連して処置するごとく今外交折衝の対象になっておるものであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 荷役はありませんか。港湾荷役については相当あるはずです。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 この分は七万ドル弱のものがあります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しからば以上によりまして琉球向けのものが百六十万四十ドル、それから港湾荷役が約七万ドル、そうしますとこの四千七百五万六千ドルに加算するという関係になるのですか。そういうふうに了解してよろしゅうございますか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 さようでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 あなたは当時企業局長でおられなかっただろうかと思いますので、私の申し上げたことを御存じでないかと存じますが、別の二百万ドルにつきまして、四千七百万ドルのほかにお調べ下さいましたか、どうですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 前にお尋ねがあったそうでございますが、その点はよく調べてみましたところ、ただいまお配り申し上げておる四千七百万ドルにいずれも含まれておる、従いまして分類は違っておろうかと思いますが、四千七百五万六千ドルの中のどっかに含まれておるというふうに御了解願います。

上林與市郎日本社会党(左)

○上林委員長 他に御質疑はありませんか。御質疑がなければ、本問題に関する質疑はこの程度にて一応終了することといたします。次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会

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