決算委員会 第5号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/05/07
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について議事を進めます。まず厚生当局よりその後の経過説明を求めます。楠本環境衛生部長。
○楠本説明員 御指名によりましてその後の経過を御説明申し上げます。 かつての当委員会におかれまして問題になりました点等を考えまして、われわれといたしましては国民の納得しないものを食べさせるということはすべきことでもありませんし、またできることでもありませんので、私どもといたしましては、第一に、すみやかに調査研究を行いまして、国民の納得するに足る資料を得るため、特に昨年度におきまして予備費一千数百万円を支出いたしまして、これによりましてその後引き続き黄変米の実態に関しまして調査研究を進めております。第二は、厚生大臣の諮問機関であります食品衛生調査会に、病変米に関する取扱いを諮問いたして現在に至っております。これらの措置のその後の概要を申し上げたいと存じます。 まず、国民の納得する資料を得るため調査研究をいたしました結果の現在までの経過は、すでに当委員会でも問題として取り上げられました輸入黄変米、しかもこれらはすべて外見上ほとんど正常な黄変米でありまするが、これらを調べてみますると、菌の所在はきわめて表在的で、表面のみに付着いたしておりまして、しかもきわめて痕跡的でありまして、このことが顕微鏡検査におきましてもまた培養試験におきましても確認されたことであります。第二に、これら輸入黄変米の菌量は、従来学者が実験に供していたしておりました人口的に作った培養黄変米とは著しい相違がありまして、少くとも菌量によりまして数千万あるいは億の単位の差があることが確認されたわけであります。第三に、この輸入黄変米からはいかなる理化学的試験によりましても毒性物質を証明することはできません。これに反しまして、従来学者が使用いたしておりました人口的に培養いたしました黄変米からは、明らかに同様の理化学的試験によって毒性物質を証明いたしております。第四に、輸入黄変米を多数の動物について試食実験をいたしました。その結果は、現在までのところ何ら異常は認めません。また一方、従来学者が使用いたしておりました、人工的に培養いたしました黄変米を、多数のサルに試食試験をいたしておりますが、三ヵ月の経過におきまして現在まで対象例に比して何ら異常を認めておりません。ただマウス、ラット等の小動物におきましては、きわめてまれに内臓等に若干の変化を疑わせるものも出ております。しかしながらこれらは、第一に申し上げましたように、おそらく何億倍という菌量を多数に含んだ人工黄変米を使ったわけでありますから、これらはもちろん、たとい変化が画一であるとしても、輸入黄変米と比較することができないものと考えております。以上が大体従来までの研究の成果でありますが、これらの結果を総合いたしますと、輸入黄変米は何ら現在までのところは毒性、有害という証明はいたされておりません。 次の第二にとりました措置といたしまして、食品衛生調査会に諮問いたしました結果につきましては、同委員会におきましては、現在倉庫に十数万トン滞貨いたしております輸入黄変米のとりあえずの措置といたしまして、当委員会の御示唆等もいただいた関係もありまして、再搗精の問題を中心として審議を重ねて参りました結果、少くとも一〇%程度再搗精することによって、表面に付着しておるきわめて痕跡的の菌を完全に取り除くことができるという結論に達しまして、さような答申をわれわれは得ております。従いまして私どもといたしましては、とりあえずの措置といたしまして、現在十数万トンの滞貨の処分につきましては、これら再搗精によりましてこれを主食として配給して差しつかえない旨を農林省に通経いたしております。ただし、これらのうちとりあえずの措置といたしましては、輸入黄変米のうちの一種類であるタイ国黄変米についてのみこれらの措置をとっております。しかしながらその後、ただいま御説明申し上げましたような研究成績も進んでおりますので、これらの結果ともにらみ合せまして、タイ国黄変米並びにイスランジア黄変米の処理につきましてもあらためて結論を得まして、その旨を農林省に連絡して最後的な決定をいたしたい所存でございます。
○上林委員長 農林省当局よりの経過説明は、後刻これを聴取することにいたします。
○上林委員長 次に株式会社鉄道会館に対する鉄道用地、貸付等に関する事項について議事を進めます。本問題についてのその後の経過報告を運輸省、日本国有鉄道両当局より順次聴収いたしたいと存じます。三木運輸大臣より発言を求められておりますのでこれを許します。三木運輸大臣。
○三木国務大臣 昭和二十八年十一月二日、当時の決算委員長田中彰治氏より前運輸大臣石井光次郎氏あてに、決算委員会としての鉄道会館問題に関する決議を受け取っておるわけでございますが、それについてどういう処置をとったかということを御報告申し上げたいのであります。 その決議は六件に分れておるわけでございますが、第一点は、日本国有鉄道当局においては責任の所在を明らかにして、人事の刷新を行うことというのでございます。当時その責任の所在を明らかにして、人事の刷新を行なったのでございます。 第二点は、会計の経理、固定資産の管理運用について適当な処置をとるようにという趣旨の決議であります。これにつきましては、本庁内に臨時財産管理部を設けて、財産の管理に対して遺憾なきを期しておる次第でございます。しかしさらに財産の管理については徹底を期したいという考え方で、私が着任以来検討を加えておるわけであります。 第三は、民衆駅の建設運営に対しては国鉄本来の使命を達成するように基本方針を確立せよということになっておりますが、これについては民衆駅等運営委員会を設け、そしてその運営委員会にいろいろ諮問をいたしまして、そういう場合の公正に取り扱うような処置をとっておる次第でございます。 第四点は、会計検査院の検査意見を尊重して、会計検査院のいろいろの意見についてその内容を検討した上で適正な処置をとれということになっておりますが、これは会計検査院の検査意見に従って、すでに適正な処置をとった次第であります。 第五点は、八重州口広場の整備に関しては、関係官庁の緊密なる連絡のもとに円満なる解決をはかれということでありますが、この問題はいろいろ関係官庁との関係が複雑になっておりますので、まだ解決はいたしておりませんけれども、関係官庁と連絡をとって解決をいたそうと鋭意努力をいたしておるのでございます。 第六点は、国鉄退職者の就職制限についてでございますが、これについてはいろいろな他の公共企業体との関連をも勘案いたしまして、検討を加えておる次第でございます。 以上、六点について決算委員会の御趣旨に沿うような処置をとってみたつもりでございます。詳細なことについては事務当局も参っておりますので、必要があれば補足説明をいたしますが、決算委員会の御決議に対する運輸当局の処置について、大体のことを御報告申し上げた次第でございます。
○上林委員長 次に長崎総裁の説明を求めます。
○長崎説明員 過般来決算委員会におきまして鉄道会館問題その他日本国有鉄道の財産管理に関しましていろいろな御批判があり、御注意をいただいたような次第でございますが、ただいま大臣からお話がございましたように、六項にわたる決議がございまして、監督官庁である運輸省からこれに基いて適当な処置を講ぜよというお話がございましたので、その御決議の趣旨に準じまして、私どもとして今日までとって参りました大体の経過は、大臣からお話申し上げた通りでございますが、まことに私どもとしましても、終戦後いろいろ財産の管理について手抜かりがあったということについては、申しわけのないことであったと存じます。それにつきましては、御批判を受ける前からそういうことがあってはならぬというので、着々準備を整えておりましたが、それが非常に手おくれになっておりまして、過般のような御批判を受けたということについては、われわれも大いに考えなければならぬというので、本庁には財産を管理する部局を設けまして、一意専心規定の整備その他いろいろな事項についての整備を着々いたしております。今日まだ完全だとは申し上げかねますが、漸次整備の緒についているような次第でございます。 また民衆駅等の取扱いにつきましても、これはわれわれだけの考えではだめであると存じまして、民間の有識者等の参加も願いまして、民衆駅等運営委員会というものを設けて、民衆駅というものの取扱いをどうすべきかということについて今日まで二十数回にわたり会合を開いて、大体の根本の方針をきめていただきました。それに従って順次仕事を整備したいと考え、この仕事も緒について参っております。 なお個々の問題については未処理の問題もまだ相当ございますが、これも漸次処理していきたい考えでおります。また高架下その他の評価の問題、幾らに土地を見るかということにつきましても、これは鉄道屋というような狭い見解のもとではいけないということを考えまして、特に問題の多い東京と大阪には土地の評価に関する専門の委員会を作って、これもやはり専門の方々に御参加、御協力を願いまして、肝心土地の評価をいたして、これに従って適当なる使用料というようなものの算定に当っておるような次第でございます。 大体以上のような次第で、皆さんの御批判に基きました処置といたしましては、漸次その歩を進め、そうして専業といたしましても着々整備の緒についておりますことは、まことにわれわれとしてもなさねばならぬことを当然なしておるのでございますけれども、中業が漸次整備して参りますことをこの機会において皆様に御報告申し上げたいと思います。
○上林委員長 次に唐沢営業局長の説明を求めます。
○唐沢説明員 鉄道会館に対する鉄道用地貸付等の問題に関する件といたしまして御注意いただきましたことにつきまして、ただいま総裁から一応申し上げたわけでございますが、いささか内容について主なる点を敷衍して私から申し上げたいと存じます。 六項目にわたる決議の第二の、会計経理、固定資産の管理運用に関しては関係法制の整備その他必要なる改善を行い、収入の確保と管理運用の公正を期せよ、ということにつきましては、先ほども申し上げましたように、国有鉄道の財産管理規程を改正いたしまして、その部内使用について不備の点を相当直しまして、適正なかつ統一的な運営をはかるように整備したのでございます。また使用料金につきましては、土地建物、高架下等の場合の評定の要素を明確にいたしまして、これも令部統一的、画一的に計算できるような方法を講じたのでございます。また構内営業規則の方も付則を改正いたしまして、二十九年の七月一日から実施したのでございますが、これにつきましても、営業料金につきましては従来小規模な売店というようなものを対象としたような料金構成でございましたのを廃しまして、いろいろな各種の規模に応ずるような料金にする。また営業の監督につきましても、営業形態に応ずるような監督をするというような点を明らかにしました。また最近民衆駅のような大きな規模の横内営業も出て参っておりますので、それに対応するような料金のきめ方あるいは経営の委任というようなことに関しましても規律を設け、必要な措置をとるというように規程の整備をはかったのでございます。ことに料金を実際に定めますにつきましては、東京と大阪の鉄道管理局に土地建物評価委員会を設けまして、その方面の専門の方を委嘱し、委員会をつくりまして、ここにおいて評価をきめてもらうことに評価の方法を決定していただいたのでございます。非常に複雑な要素がたくさんございますので、非常に熱心に審議していただいたのでございますが、相当時間が長くかかりまして、二十九年の七月ごろからだんだん答申をいただいてきておるのですが、これらに基いて評価をいたしまして、二十九年度は相当の値上げをすることになったのでございます。大体二十八年度に対して二倍の収入を得ることになったのでございます。大体さようなわけでございまして、規程の整備と料金の算定ということに努力してきておるのでございますが、なおこの点につきましては、本年も引き続きまして、個々のケースについて従来のやり方が妥当であるかどうか、もう一ぺんこの評価委員会にお願いをして当ってもらう作業を今進めておるようなわけであります。 それから第三項の民衆駅の建設運営に対しては、国鉄本来の使命を達成するに支障なきよう基本方針の確立をせよという点でございますが、これにつきましては民衆駅運営委員会というものを設けまして、各方面の有識者にお願いいたしまして、その方針を諮問いたし、その意見をいただいたのでございますが、これは二十九年の四月に一応中間の報告がございまして、基本の方針についての答申があったのでございます。その内容につきましては、結局民衆駅はどういう場合に作るべきか、またどういう駅を対象としてつくるべきかというような方針から、建設の承認はどういう相手にする、あるいは工事の設計、施工はどうする、工事費の分担の問題あるいは財産の帰属の問題というような重要な事項について答申があったのでございます。結局戦災をこうむった仮駅であるとか、あるいは老朽で取りかえ工事をしなければならないような駅、あるいは都市計画との関連で改築、移転をしなければならない、あるいは輸送量の増加に伴い改築、増築をしなければならぬというような場合に限って、しかも国鉄自体ではやれない場合に民間の資本を入れてやる。しかし、あくまでも鉄道本来の使命を害せないようにしてやるのだという基本の条件でございまして、先ほど申しましたようなその他の項目についても基本的な方針についての答申を得たのでございまして、これに従って今後は運営をしていく方針でございます。また従来のものにつきましても、この基本に合いますようにいろいろな承認条件あるいは契約条項の改訂をすでにしたのもございますし、今交渉して整備しておる場所もあるような次第でございます。 それからその次に国鉄と鉄道会館との契約について、会計検査院の意見を尊重して、その内容を再検討して適正を期するということに関する問題でございますが、これにつきましては、あるいは工事費の分担について、あるいは用地建物の使用料について、あるいは委託工事予納金の取扱いの問題について、あるいは連絡上屋の撤去に関する協定の内容について、こういったいろいろな問題について会計検査院から御指摘を受けまして、これらにつきましては、その御指摘を尊重いたしまして、適正なるように改め、あるいは内容を明らかにするというような措置を講じてきたのでありますが、その中で特に用地、建物の使用料につきましては、最初の会館との基本の承諾書に、単に構内常業規則を適用するということだけ書いてあって、明確にその料金に関する内容が規定してないということでございました。この点につきましては、当時この駅舎の規模とかあるいは使用区分というようなものがはっきりしない点もありましたのでこういうことになったので、この点を当委員会におきまして大へんおしかりを受けたのでございます。まことにその点は遺憾であったと思うのでございます。その後古い構内営業規則に基きまして、建物使用料、土地使用料につきまして、二十八年度分はすぐ徴収いたしまして、それからその後新しい構内営業規則の制定に伴いまして、新しく契約することにいたしたのでございます。なお一方東京における土地建物評価委員会におきまして評価してもらったのでございますが、この委員会の答申がなかなか高架下その他全体についていろいろ研究をしていただいたので、大へんおそくなりましたので、この答申がおそくなったのでございますが、答申が出ましてすぐ契約をいたしまして、二十九年の十月に新しい構内常業に関する承認書を出し、これに基きまして使用の面積あるいは目的、あるいは料金というものをはっきりいたしまして、二十九年度について料金を納入させたのでございます。これによりまして大体四千五百万円の二十九年度の料金を徴収したわけでございます。大体そのほかのいろいろな会計検査院の御指摘の事項につきましても、それぞれ処置をいたして参ったような次第でございます。 それから八重州口広場の整理に関する問題でございますが、この問題につきましては、東京都においては、都市計画の見地からいろいろと方針を立てて計画を進めておられるのでございまして、これにおきましても八重洲口広場の区域をなるべく少くしまして、できるだけ民有地の犠牲を少くするようにしたいという方針でやっているのでございまして、国有鉄道といたしましても、それに協力いたしまして、最初の昭和二十二年の広場決定のときよりは、三十メートル引き下げて、また自動車の駐車ということにつきましても、屋上あるいは地下を使うというような点につきましても考慮をめぐらすというようなことをいたしまして、当局とこの点についてよく連絡をしておるのでございますが、なお首都建設委員会、建設省、東京都及び国鉄というようなところでよく協議いたしまして、これらのでき上りました案につきまして、建設大臣が目下東京都市計画審議会に諮問中であるので、この審議会におきましては、今特別委員会を設けて審議しておるような次第でございます。私どもといたしましても、関係方面とよく連絡協調してやっていくというような次第でございます。大体先ほどの総裁の説明に関しまして、少し敷衍させていただいたような次第でございます。
○上林委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。猪俣浩三君。 参考までに申し上げますが、国有鉄道からは、長崎総裁、唐沢営業局長、井上職員局長、久留公安本部長、それに警察庁からは石井次長、官地捜査課長が出席しておりますから、御了承願います。
○猪俣委員 長崎総裁にお尋ねいたします。すでに総裁もお耳に入れて御研究済みだと思いますが、大阪鉄道管理局において発生いたしました伝票改ざん偽造事件顛末につきましてお尋ねしたいのであります。 事案は、大体大阪鉄道管理局において、千五百円ばかりのクリーニング代の伝票が五百九十万四千五百三十八円と改ざんせられて、そのまま金が支払われたという事件であります。そこで大体伝票の記載それ自体に、こういう不正虚偽な記入ができ得るような伝票になっておることに一つ問題があると思うのです。千五百三十八円の千という字を四に変えまして、その上に五百九十万というのをくっつけた。そこは空欄になっておった。空欄に棒か何か引いてあれば、こういう数字を入れられないのですが、万単位のところが空欄になっておる。そうして千五百三十八円となっておるやつを千を四に変え、その頭に五百九十万をくっつけまして、五百九十万四千五百三十八円として支払いを受けておるという事件であります。驚くべきことである。そうしてそれが今日に至るまで、何人がやったのかわけがわからぬ。かようなことは税金を納める者から見るならば、言語道断、さたの限りと申さなければなりません。この点について私どもは幾多の疑問がある。一体刑事上及び行政上の責任問題はどうなるのであるか。そこで長崎総裁にお尋ねすることは、今私が申したような事件が大阪鉄道管理局に起ったことは御存じであるか、その後その調査をなされたか、それを承わります。
○長崎説明員 お答え申し上げます。ただいま猪俣委員から申されました事件があったということを私はよく聴取いたしております。これはきわめて遺憾なことでございまして、今日から見ますと、どうしてそういう間違いの支払いをしたかということについて、幾多研究すべき問題がございます。そういう間違いをすべきはずでないというふうにも考えられるのでございますが、実は起ったのでございまして、この点は私はきわめて遺憾に存じております。従いましてこの事件が起きますと同時に、この伝票の様式あるいは記載の方法その他についてこれを改めさせました。なお責任の点につきましても、今日事件は全く迷宮に入りまして、何人がそういうことをやったのかということがまだ不明でございます。従いましてその点についての責任はともかく、支払いについて点検その他に不備があったということについての責任は十分これを戒め、あるいは責任をとらしております。なお先ほど申し上げましたように支払いの方法、検査の方法あるいは伝票の記載方ということについては即刻これを改めまして、今日においてはもうそういうことは全然できないようになっている次第でございます。しかしながら返す返す私どもといたしましては遺憾に存じている次第であります。
○猪俣委員 これだけの不都合な行為、これは私ども長い間弁護士生活をやっておりますが、常識上内部の人の連絡がなければできざることです。いかに大阪の鉄道管理局が膨大なる機構なりといえども、クリーニング代を一挙に五百九十万も払う、そんなばかな話があり得ようはずがありません。それが現に正当なものは千五百三十八円だ。クリーニング代といえばそれが当然でしょう。しかもこれに伝票が九枚ついている。それを合算すれば五百九十万四千五百三十八円になっている。それを見ますとふとんの修理代が一万円なのです。八十枚で八十万円の請求をやっている。クリーニング代一枚二万円なんという常識をはずれたことが伝票を見る人がわからないはずはないでしょう。それでこれはどうしても内部の人が連絡をとってやったと見るよりほかありません。しかもそれが今日まで発覚せざるところに鉄道のやり方についてわれわれは疑問がある。この捜査は何人がやられましたか、それをお答え願いたい。
○久留説明員 お尋ねの件でございますが、この事件は二十八年の四月十三日でありましたが、発覚いたしましたのは四月十六日でございます。経理関係の過誤あるいは錯誤というような問題につきまして、本来事務的手続の全般あるいは関係者一同にわたりまして事務調査を開始するのが例でございまして、本件も報告によりますれば四月十六日、つまり事件が発覚いたしまして以来鉄道管理局長におきまして経理部長を指揮し、経理部員をして経理手続の全般について事務的な調査を遂げておったのでございます。その際公安職員に対しましても若干理化学的な知識、あるいは日ごろの営業事故の調査その他の経験、特技を利用いたしまして、経理部員のみならず公安職員もこの調査に協力させた模様でございます。しかし十日間の事務調査の段階の結果、どうもこれは犯罪性濃厚である、このような観点から発覚後十日目の四月二十六日でございますが、大阪鉄道管理局から大阪鉄道公安室を通じまして大阪地方検察庁に事件の発生を告げ、その結果検察官が公安職員を指揮せられた、このような段階になっておったのでございます。
○猪俣委員 一体われわれの調査したところによれば、鉄道公安官なるものがこの犯罪の捜査に当っている。国家警察あるいは市警、そういうものには何も協力を求めておらない。そこで問題がある。だれが見ても常識上これは部内の人間が協力しなければできないことです。この五百九十万四千五百三十八円の金額の書いてある伝票には添付伝票が二枚となっているにかかわらず、実際は九枚ついている。千五百三十八円のものを五百九十万円にするのですから、その伝票を今言ったように、銘仙のかけぶとんのクリーニング代が一万円だなとというとほうもない計算をしないと追っつかない。そうすれば、こんなものを見れば、でたらめなものだとすぐわからなければならない。そこで内部に協力者があることは常識上明白だ。あなた方の常識はどうか知らぬ。われわれの常識では明確である。これについて疑いをかけられても申しわけは立たない。しかるにその捜査について鉄道公安官が主として当った。僕は鉄道公安官が労働争議に対して弾圧的行動をとったことに対して、あなたに相当質問した。しかるに今度はかような伝票の偽造なんというものについて、鉄道公安官が捜査するところの権限が一体どこから出てくるのであるか。それを御説明願いたい。
○久留説明員 先ほど御説明申し上げましたが、一般的に鉄道局の業務、特に本件のごとき経理関係の窓口事務の錯誤、それらにつきましてはまず何といたしましても経理上の部内の法規手続あるいは関係者の注意力、こういった面を業務的に調査いたすのが従来の例でございます。もちろん犯罪でありますれば正規の手続に服すべきでございますが、報告によりますれば、まずは業務事務的調査といたしまして、管理局長がこれをまず関係者について、あるいは事務手続について通常の経理監査的な立場も兼ねまして、厳重な調査をした模様でございます。なお先ほど警察側に何もその十日間の中にも連絡がなかったのじゃないかというようにもとれたのでございますが、この点は四月十六日より二十六日に至るまでにおきまして、やはりそういう印鑑等につきましての必要からであったと思うのでありますが、当時の警察関係にも印鑑等について鑑定的なお願いをしたというように報告に出ているのでございます。
○猪俣委員 あなたの答弁は違う。これは国警の方が来ているから、国警の方にお尋ねしますけれども、大阪府の国警本部及び兵庫県の国警本部の回答書がある。この日本国有鉄道総裁室文書課で発表したものには、こういうものと十分連絡をとった発表である。しかし大阪府国警本部は、本件については鉄道公安職員から何らの連絡も受けたことがない。従って国警本部は捜査したこともない。でたらめじゃありませんか。それじゃそれにつきまして国警本部のどなたか答弁して下さい。
○石井政府委員 ただいまお尋ねの点につきましてお答えいたします。ただいま問題になっております大阪鉄道管理局におきます不正事件につきまして、何分にも事件が発生いたしましてから時目が相当経過いたしておりますことと、御承知の通り昨年の警察制度改正前のことでございまして、事件の発生いたしましたのが旧自治体警察たる大阪警視庁管内でもありましたような関係もございまして、今日におきまして私ども当時の旧国警大阪府木部、旧大阪警視庁、現在の大阪市警察本部に対しまして照会をいたしたのであります。現在の段階において判明いたしております点は、大阪府国警本部におきまして、昭和二十八年の六月二日に大阪鉄道公安室よりゴム判の作成者のことについての手配の依頼を受けておるということがわかっておるのであります。当時の旧大阪府国警本部におきましては、大阪鉄道公安室の依頼に基きまして、ゴム判の写真を隣接府県の隊長に発送いたしまして、そのゴム判の作成業者の何人であるかということを確かめる手配だけをいたしておるのであります。それ以外のこの事件についての鉄通側としての依頼なり、あるいは連絡なりというものは何ら受けておらないということが、現段階において私どもの調査においては判明しておる現状でございます。何分にも先ほど申しました通り、相当古いことでありまして、その当時鉄道側の何人が警察側の何人に対して、いつどういう事柄を依頼されたか、申し入れされたかということがさらに詳細判明いたしますならば、それに基いて正確なところを調査してみたい、かように存じております。
○猪俣委員 兵庫県の国警本部はどうですか。国警本部はその報告はきておりませんか。
○石井政府委員 兵庫県の尼崎市警察本部、やはり自治体警察でありますが、その方への連絡云々ということがいわれておるようでございますが、この方に照会をいたしました結果といたしましては、何ら連絡を受けた事実はない、こういう回答になっております。
○猪俣委員 そうすると大阪府の国警本部でも、ただ印鑑についての照会があっただけで、事案の本体については何らの捜査の依頼がなかったことはわかるし、尼崎については全然何の連絡もない、こういうのですが、しかるに国有鉄道総裁室文書課の発表によれば、「大阪の国警本部からの手配と、大阪の公安室の連絡により、大阪市曾根崎署から情報連絡があり、犯人捜査に協力を受けた。五月二十五日尼崎警察署からも極力捜査に協力する旨連絡があった。」こういう報告があった。これはまるっきりでたらめだ。そこでますますわれわれの疑惑が深くなるのです。あなた方はみんなこんなことをして、くさいものにふたをするようなことをやっておったのじゃないか。大体鉄道公安職員の捜査権というものは、久留公安本部長がくさるほど知っておられるように、限られたものである。鉄道公安職員の職務に関する法律は、衆議院の法務委員会で作った法律である。私どもはそれに関与したものである。その立法の精神も、法文の解釈も練りに練ったものなんです。あなたが解釈しているような広範なものじゃない。これは法の第一条にはっきりしている。鉄道公安職員は「列車、停車場その他輸送に直接必要な鉄道施設内における犯罪並びに日本国有鉄道の運輸業務に対する犯罪」——これは当時列車の抜き取り犯人や何かが多かったためにできた特別法なんです。しかも大阪鉄道局の経理課、そんなものは直接輸送に必要な鉄道施設なんですか。それはそうじゃないと思う。これは国家地方警察と鉄道公安職員との捜査に関する共助連絡の協定というものが国警と鉄道公安官の間にできて、それが発表になっておるわけです。それを見ましても、本件のごとき大阪鉄道局の経理課に起ったような伝票の偽造、変造事件、こんなものを鉄道公安官が主となって捜査するというようなことはあり得ないことなんです。それば法律違背です。どっからそんな捜査の権限が出てきたのか。それに諸君の考え方は、こういう国警との共助連絡の協定というものがあるにかかわらず、そんなものを無視してもやっていいと解釈するのであるか。 そこで久留さんにお聞きする。国家地方警察職員と鉄道公安職員との捜査に関する共助連絡の協定というものがあって、その協定の精神からすれば、本件のごときものを鉄道公安官が主となって捜査するということが許されることであるかどうか、御答弁願いたい。
○久留説明員 鉄道公安職員の捜査の権限につきましては、御承知のように法律そのものの解釈に待つべきものだと思うのでございます。国家警察本部、当時の国警本部との協定もございますが、これは捜査の手順その他についての協定でございますが、本分そのものに今お話のように地域そのものについての協定内容はないので、事物の性質というような点が列記されておるのでございます。くどいようでございますが、発覚以来十日間は、これは業務の事務の調査を管理局長として当然おやりにならなければいろいろな実情がわからないのでありまして、その点は業務事務調査をやり、その間に公安職員がお手伝いを命ぜられる、これは事務の調査のお手伝いを命ぜられる、こういうふうに考えております。
○猪俣委員 そんな十日間漫然日を過ごす問題ではない。一枚のクリーニング代が一万円というようなことは一見すぐわかる。何人かが偽造、変造したことがわかる。直ちにこれは刑事問題として捜査しなければならぬ。それを十日間もあなた方は極秘裏にして警察とも連絡をとらずに、検察庁に持ち出したのは十日後の話です。悪く考えればその間に皆うやむやにしてしまう、そういう疑惑がかかる。だから鉄道の公安官というものは鉄道の仲間から出ている人なんです。これらの仲間の犯罪を自分たちが捜査しておったのでは始まりません。だからこれは職権違反なんです。法律の精神に反しておる。どうもあなたはそういう見解をもって労働争議に繰り出したり、今度こういう詐欺、横領、窃盗というような事件にも公安官を使っておる。そうすると鉄道という竜のは手兵を擁することになる。国家警察権から出ている捜査権です。それが国家公務員でもない者に国家警察権の捜査権が与えられるというのは、特別な法律の範囲内に限られておる。それは考え方が間違っておる。それがたまたまこういう事件に現われる。公安職員の捜査権、鉄道公安職員の職務に関する法律の第一条にはっきりしておるのじゃありませんか。これは立法当時非常に議論があった。鉄道の駅からどのくらいの範囲までという議論まであった。これはまた解釈上運輸に関する直接の施設ということになるならば、鉄道局内の司令室あたりに限られるはずである。そんな経理のところまで運輸に直接関係のある直接施設なりという解釈はできないはずである。そういうように法律の精神を無視しておやりになっておるから、千五百円というものを五百九十万と、六百万近い詐取をやられても、いまだに犯人がわからない。しかもこれは内部から出たことは明らかではありませんか。こんな伝票にめくら判を押すようなやつはだれか。一体係の人は何をやっておる。その人の責任は今どうなっておりますか。それを総裁にお聞きします。こういう千五百三十八円の伝票を五百九十万とつけて、しかもクリーニング代を一枚二万円なんというのにどんどん金を支払ってしまった、その当の係は今一体どうしていますか。
○長崎説明員 先ほどもちょっと触れましたが、いわゆる事務上の監督あるいは管理というような面につきましては、処分をいたしてございます。ただ事件の内容が、常識的にはおっしゃる通りではないかと思うのでございますけれども、まだはっきりいたしませんので、それは保留いたしてございます。
○猪俣委員 そうすると、事件がはっきりしないからまだそのまま保留ということですか。そうすると一体鉄道というところは大へんなところだね。何百かという金がこういう明瞭な伝票の変造でやられても、その関係者はだれも責任を負わない。これは一体どういうことになるのですか。
○長崎説明員 補償と申しますか、弁償と申しますか、そういう支払者の責任につきましては検査院の判決がいるのでございます。その判決がまだございません。従いまして、弁償を請求するともしないとも、まだきまってないのでございます。但し事務上の責任につきましては、先ほど来申し上げておりますように、それぞれ相当の処分をいたしてございます。
○猪俣委員 しからばどういうふうな行政上の処分をし、どういうふうな改革をしたか、それを承りたい。こういうことをたびたびやられてはたまったものではない。だからどういうふうに改革され、その責任者にどういうふうに行政上の処分をしたか、刑事上の処分は共犯者だという裁判がなければ、懲役何年に処すというわけにはいきますまい。そうしてその共犯関係は現在まだ五里霧中なんです。やり得ということになってしまう。そこでそういう寝ぼけたクリーニング代を一挙に五百九十万も払うということを平気でやっておる、そういう伝票に関する関係者に一体どういう処置をとったか、その関係者の名前とその処分とを明らかにしてもらいたい。
○長崎説明員 その処置につきましては、経理部長、出納課長、出納役の補助者、これらの者をいずれも戒告あるいは訓告、それで先ほど申しましたように、出納役につきましてはおっしゃるように刑事責任は裁判がなければもちろんできないのでございますが、そのほかに、こういう間違いをしたことははっきりいたしておりますので、これをいかなる処分にするかということにつきましては、検査院の判決がいるのでございますが、その判決を待って、それ相当の処分をいたしたいと考えております。
○猪俣委員 行政上のいろいろの処分ばありましょうし、刑事上の処分もありましょうが、五百何十万円も国家に損害をかけて、一体何人が弁償するものであるか。そうしてこういうことについては総裁が弁償を命ずることができると思う。会計検査院の判決を待つ必要はない。法令によれば、事態が明らかならば総裁は弁償を命ぜられると思うのだが、そういうことについての処置を総裁はどういうふうにお考えになるか。
○長崎説明員 これらの手続につきましては経理局長から御説明いたします。
○石井説明員 本件に関しましては、ただいま総裁から御説明がございましたように、監督上の責任のある者、管理が行き届かなかったという者についての行政処分をいたしたのであります。会計法上の責任につきましては、これはもちろん故意あるいは重大な過失がある場合は弁償責任を命ずることができるのでございます。しかしこの事案は、具体的内容を見ますと、この支払い請求書がいつ犯人の手に渡ったかという点が非常に問題でございまして、結局調定をする者、この支払いが正当なりやいなやを判定する者の手のうちにあります間は、元の伝票であったとしか考えられないような状況でございます。一方現金の支払いをする出納役、その補助者、いわゆる窓口の仕事をやっております者は、非常に事務的な仕事のやり方で申しわけなかったのでありますが、金額を確かめることと、請求者が本人であるかどうかを印鑑で確かめるということが主たる業務でございます。そこで請求書が正当なりやいなやを判定する段階におきましては、元の洗たく代千五百何円かでそのまま各方面の認印を通って参った、窓口に参りましたときに、先ほど御指摘のありましたような改ざんが行われていた、こういうふうに考えられる公算が非常に大なもので、従ってその点の事案が明確になるまでは、はたして弁償の責任を追及しなければならないかどうかという点に、相当検討を要しなければならない問題があると存じて、今日に至っておるわけでございます。
○猪俣委員 そうすると窓口へいくまでは最初の千五百三十八円でいって、窓口にいくようになってから五百九十万四千百三十八円に化けてしまった。それだから窓口へいくまでの係官はもう関係がないと御説明のようだが、なるべくけが人を少くするにはそういう説明が一等適当でしょう。しかしわれわれはそんなことは信用しない。その窓口の現金を渡す人は、伝票の信憑性についてどれだけの審査をする権限があるのですか。
○石井説明員 窓口で現金事務を取り扱っている君の職務につきましては、これは支払い請求者に記載されてある金額と領収証の金額とを確かめ、請求者が本人であるかどうかを確かめて渡しておるのが通常の業務でございます。その請求書の内容の案件にまで立ち入って正当なりやいなやを——もちろんそういう注意を払ってくれることは非常に望ましいことでございますが、その注意を払うことを義務として望むことができるかどうかという点につきましては、若干疑問があると私は考えております。
○猪俣委員 その伝票の請求者というのは何人をいうのですか。
○石井説明員 債主でございまして、この場合は仮装の債主で、西沢耕次郎という名前を使っております。本来の正当な債主は西沢耕一という名前でございます。
○猪俣委員 そうすると、あなたのおっしゃるには、窓口でいっても、正当の請求書であるかどうか調べなければならぬことになっておるようだが、西沢耕一という者であるにかかわらず西沢耕次郎という名前で来た、それをそのまま見過ごしてもミスはないことになるのですか。
○石井説明員 窓口の業務におきましては、債主の氏名が西沢耕次郎となっており、またその支払い請求書が同じく西沢耕次郎となっております。そうして同時に請求書に押してございます印鑑と、支払いの際に領収書に押しました印鑑とが全く同一の印鑑であることを確かめておりますので、そういう意味におきまして、債主の正当性を確認する手続は一応尽しておるのではないかと考えております。
○猪俣委員 そうすると、このクリーニングを何人に請け負わしたかということは窓口ではわからぬわけですね。西沢耕次郎と書いてくれば、それを持ってきた人が人違いであるかどうかは何も審査することはできないじゃありませんか。
○石井説明員 わが国の支払いの通例におきましては、印鑑を確かめ、支払い書の印鑑と領収書の印鑑とが合致いたしておりますれば、請求の本人であるという取扱いをいたしておるわけでございます。
○猪俣委員 あなた方の説明によると、一人も悪者は出ないということになる。窓口もやむを得ないし、窓口へ来るまではだれも知らなかった、何かわからぬような幽霊みたいなものがいて、ひょいとやってしまった、鉄道職員は一人も責任者がない、そういうことでよろしいのですか。一体国鉄の経理部というものは、そんなことがいともやすやすと行われるような仕組みであるのか。どこの会社にしても官庁にしても、そんなとほうもないことはない。千五百三十八円のものが五百九十万円に変ってしまって、何人も責任を負わない、みんなやむを得ない、そんなばかな答弁ができるのですか、そんなことでいいのですか、長崎総裁にお聞きします。そういうことで今後もこの伝票の信憑性を維持できますか。あなた方の今までの数ヵ月の捜査は、結局そんな結論に持っていくための捜査だ。それでいいのですか。そこに私どもは疑惑がある。何がゆえに、さっそく国家警察なり検察庁なりにどんどん持ち出して、これを徹底的に捜査しなかったか。十日間も公安官がごちゃごちゃやっておったあげくに一人も犯人がない、みんな善意の人で何も責任がない、しかし六百万円近い国費というものは煙に消えてしまった、天下の奇怪事じゃないか、そういう答弁でいいのですか、お尋ねします。
○長崎説明員 先ほど来申し上げておりますように、かかる事故を起したということについては重々遺憾であり、またかかる事故を起さないように伝票の様式その他を全部改めました。今後におきましては、そういう事故は絶対に起らないと私は確信いたしております。
○猪俣委員 問題は総裁が言うような簡単な問題じゃないと思う。これだけの伝票の偽造というようなことは、部内の者の協力を得なければやれる道理がない。印鑑もそろっていれば、すべてがそろっている。そうして六百万円という金は煙に消えてしまった。一種の完全犯罪だ。そんなことは、部内の者が協力しなければできる道理がない。そこに目を光らして、部内の春を調べるには、部外の正当の捜査機関でなければできない道理だということに気がついてなぜやらなかったか。同じ仲間の、特別な任務について捜査権を与えておる公安官なんかを十日間もがちゃがちゃ働かせて、警察——大阪にも尼ヵ崎にも一切連絡がない。国警の責任者が答弁しておるじゃないか。そうして十日間も同じ仲間の公安官なんていう者が捜査をやっておる。これはどう考えてもあなた方がもみ消すためにやっておったと考えるよりしようがない。部内に必ず協力者があるはずだ。それをみんな口うらを合せたように、だれも責任を負う者がない、みんなが責任がないようなことに結論を持っていってしまう。不届き千万だと思う。これに対して運輸大臣は、一体どういうふうな監督権を発動されるか、運輸大臣の御意見を承わりたい。これは刑事訴訟法の二百三十九条を見ましても、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と義務づけられておるのです。鉄道職員は国家公務員じゃないかもしれないが、この刑事訴訟法二百三十九条の精神からいっても、告発する義務を与えておる。しかるに漫然として十日も過ごしてしまった。犯罪なんかは十日間も過ごしてはだめだ。非常な困難性を来たしてしまう。われわれから見れば、もみ消しのために使っておる。しかも何も法令の根拠がない。鉄道公安官には、こんな経理局の伝票偽造なんていうものの捜査権があるはずがない。そんなことは法律第一条に明記せられておる。それを職権を濫用してそういうようなことをさせてしまう。 そこでかような鉄道公安官の職権行使について、及び大阪鉄道管理局経理部のかような不始末について、運輸大臣はいかなる監督権を発動されるのであるか。今この人たちが答弁したように、だれも悪いことをした者はなく、六百万円という金は煙に消えてしまった、そうか、それはしかたがないということになるのでありますか、それともどこまでも監督権の発動として、事実を究明する御意思でありますか、運輸大臣のお考えを承わりたいと思います。
○三木国務大臣 本件については、昭和二十八年四月のできごとで、事務引き継ぎの場合にも私はこの事件の報告は受けてなかったのであります。本委員会で猪俣委員のいろいろ御指摘になる点は、私も非常に同感をする点が多いということ、従って本件については十分に調査を加えまして、国鉄当局の今までの処置に遺憾なきやどうかということを、監督の立場にある運輸大臣として詳細な調査をいたしたい、こう考えております。
○上林委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後は一時半より再開いたします。 この際休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後一時五十九分開議
○上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 まず日本開発銀行の造船融資に関する事項に関連いたしまして、先国会の決算委員会において告発いたしました証人吉田茂君に関する事件のその後の経過について説明を聴取いたします。法務大臣花村四郎君。
○花村国務大臣 検事総長に対するお呼び出しでありましたが、所用のため出頭ができませんのみならず、かりに出頭いたしたといたしましても、秘密事項に関しましては結局法務大臣の許可を受けなければ供述ができぬというような関係から、私がお呼び出しに応ずる方がかえって便宜であろうと存じまして、出席をいたした次第でありますから、その辺はしかるべく御了承を願たいと存じます。 そこで御質問の、吉田前首相に対する当該委員会における告発問題に関するその後の経過に対しまして答弁をいたします。 お尋ねの事件については昨年九月二十一日衆議院決算委員会よりの告発を受けまするや、東京地方検察庁においては直ちに主任検事、特捜部剛部長神谷尚男を定めまして、そうして捜査を開始いたしました。ついで同年十二月九日二回目の告発の事実についても引き続き捜査を続行し、都合七回の不出頭の各事実、すなわち九月十五日、同十八日、十一月二十五日、同二十九日、十二月四日、同六日、同七日、不出頭の理由は公職あるいは病気等について関係者多数、すなわち田中彰二、杉村沖治郎、武井衆議院秘書課職員、白幡、中根各総理大臣秘書官、上田外務大臣秘書官、馬場主治医、河野金昇、古屋貞雄、福永前官房長官、松井外務省官房長、白洲次郎、小坂順造、安斎正助、荒井喜平、鍛冶良作等の諸氏について直接事情を聴取し、その他木村篤太郎等八名の諸氏については書面をもって回答を求め、なお美甘東大教授については医学上の見解を聴取いたしまして取調べを進め、かつ被告人吉田前首相に対しても直接取調べをいたしまして、大体捜査は終了の段階に近づいて参りましたが、なお最終の処分をいたしまするについて多少調査をさらになすべきものが残っておりますので、その調衣が済み次第最終処分決定をいたす段取りに相なっておるような次第でございます。
○上林委員長 本件について質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大臣に質問する前に、検事総長はきょうは出頭されないのですか。今大臣の御説明の冒頭には、秘密事項に関しては大臣の許可が必要である、かようなことがありましたが、秘密でないことを質疑するかもわかりませんので、あらかじめ出頭された方が、審査の進行上都合がいいと思いますが、その点いかがです。
○花村国務大臣 出頭をせないという意味ではございませんが、本日は所用のため出頭ができません。しかし法務大臣がかわって出頭をいたしましても、検車総長に対するお尋ねについては、私から責任をもって御答弁ができる、こう考えましたので、かわって出頭したわけであります。
○吉田(賢)委員 結局検事総長はきょうは出頭されないことになりますか。委員長に御答弁を願います。
○上林委員長 私の方にはまだ出席しないという回答はきてないのです。
○吉田(賢)委員 それでは二、三法務大臣に伺いたいと思います。 昨年九月十八日付の告発、同十二月九日付の告発事実につきましては、不出頭の事実が今も御説明があったごとく、七回あったのであります。そういたしますと、七つの告発事実があった、こういうような見解でお取調べが進められたのですか。その点はいかがですか。
○花村国務大臣 仰せの通りでございます。
○吉田(賢)委員 私ども決算委員会におきましては、申し上げるまでもなく、当時の出頭要求をせられたのは、国会の国政調査権に基いておるのであります。そこで国政調査権が、あらゆる公務を理由に出頭しないために、調査権の行使ができないという危険も感ぜられ、吉田証人の不出頭の事情の説明は官房長官などから当時だんだん聞いたのでありますけれども、しかしあるいは相当重要な公務も述べられ、もしくはさほど重要でない公務の説明もあった次第でございます。一体国会の証人として出頭する場合に、公務を理由として出頭しない、こういうような場合には、どこに線を引いて正当な理由とみなせばよいのであるか、その辺についてのあらかじめの御見解は、相当熟した上でお調べになったものと思うのでありますが、法務大臣も国会議員として長い間の御経験もあることだし、国会と行政府との関係におきまして、これを相当重要視すべき一つの見解が示されておらねばなるまいと思うのであります。これらにつきましては相当論議してきたのでありますけれども、この告発事実をめぐりましてはまだ具体的に討議はされておらぬのであります。これにつきまして大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○花村国務大臣 古田委員の御説ごもっともと存じます。私どもも国政調査権は原則としてあらゆる公務に優先するという見地に立って、そうして吉田前首相に関する取調べを進めておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 そんなら具体的に伺ってみますが、昨年九月十八日に公務を理由に出頭しなかったのであります。当日は当委員会は午後相当おそくまで時間待ちしておりました。私の記憶に間違いがなければ、三時ごろまで待ったのではないかと思います。ところが官房長官の当委員会に提出いたしました当日の出頭しない理由といたしましては、午後ビルマ使節の団長のウ・チョー・ニェン氏と会談する、それからそのあと先に大蔵大臣、防衛長官あるいは駐印大使、建設大臣などと会談する、そういうことになっておるのであります。つまり大臣と会談するという時日は、これはまたその事のいかんにも軽重があるものと思いますけれども、しかし単にそれぞれの大臣とあるいは所管事項についてであるか、内容はわかりませんが、ともかく会談するという理由で、出頭をしない、こいうことは一体あなたのおっしゃる国会優先的な考え方からいたしますと、全く国会を無視することになるのではないか、こうも思われるのですが、その点いかがでしょうか。
○花村国務大臣 ただいま吉田君の御質疑は、要するに捜査の内容に属しておりまする事柄でありまして、その点は検察当局があらゆる面から証人並びに書証等を検討いたしまして捜査を進めておるはずでございます。従いましてただいま御承知のごとく、先ほど申し上げましたように、捜査終了の段階には至ってはおりまするが、まだ捜査の内容について発表すべき段階でありませんから、その点に関しまする見解はもうしばらく一つお待ちを願いたい。
○吉田(賢)委員 これは法務大臣も国会優先的なお考えがおありでありますし、やはり国会の運営から見ましても、その点は非常に重要視すべきことでありますので、従ってこれが侵されることのないようにということは、お互いに十分に考えて進めて行きたいと思うのでありますが、あなたのお考えとして、閣僚との間にいろいろ政務等についての話し合いというようなことは、これは今の十八日の事実は一応具体的にそれを問わないといたしましても、総理大臣といたしましても絶えずあるべきことであろうと思うのであります。そういうことのためにやはり一々国会の審議が妨げられるということになりましたら、どんなに国会優先的な考えを持っておりましても、不可能になるのじゃないかと思うのであります。あなたの思いと私の憂えておるところと、結局帰一するだろうと思いますので、あなたの善意と国会優先的なお考え方とに信頼いたしまして、聞くのですが、閣僚との話し合いというようなことは、原則的にはそれは真に国会出頭を拒否すべき理由にはならぬというふうな考え方が相当じゃないか。今の十八日の問題は一応具体性を持っておりますから、除いておくといたしまして、そういうふうになるのじゃないかと思いますが、これに対するお考え方はどうでございましょうか。
○花村国務大臣 ただいまの御質疑でありますが、吉田前首相の来集に関係いたしての答弁は、先ほど申し上げた域を出でませんが、当該事件を離れての今のお説、大体あなたの御意見と私らの考えも一致はいたしておりますが、しかし吉田首相に関する事件との混淆をいたすおそれがありますので、その点はただいま申し上げましたような意味において御了承願いたい。
○吉田(賢)委員 今の問題は、閣僚との懇談あるいは政務の打ち合せ等に一応限定したお尋ねだったのでありますが、もう少し広く考えますと、一体国会に証人として出頭する義務があるという以上は、少くともまず時間的にもその後の発生しました公務の理由などは、これは国会出頭が優先しなければならぬのではないかと、こうも考えるのであります。事の軽重につきましても、緩急につきましても考えられるのですが、ともかく原則といたしまして、一応公務というものが、公務員であり、大臣である以上は、何かと日常事務としてまつわっているのは当然でありますので、こういうような場合に何かそこに理由づけようとすればいっでもできると思うのですが、結局こういうことになると、公務を理由にして出頭しないということはすべての場合にあり得る。またそれを正当とすれば正当づけられるというような危険があるように私は思うのですが、あらかじめそういう点につきましては、国会優先というものが相当強く打ち出されて、国会に出頭する義務が確保されていくような、そういうことに持っていかねばならぬのじゃないかとも実は考えておるのです。国会の権威を維持する上から見ましても、よいかげんにしておきましたならば、私は証人規定というようなものは無用なものになってしまいはしないかと思うのでありまして、非常に重要なときに証人の規定を発動されていくものでありますが、その重要な場合というのは、やはり今のようなほとんどすべての場合に、公務よりも国会に出頭することが優先すべきである、もし出頭しないというような場合には、それは内閣は行政府として国会に責任を負わねばならぬ。またそれが正当な理由がなかったというような場合には、内閣は総辞職しなければならぬというくらいにまで国会に対する権威というものを考えていいのじゃないか、こうも私は思っておるのであります。でありまするので、あなたはきょうはたまたま大臣としておありにはなるのだけれども、また捜査官に対する監督の立場におありになるのではあるけれども、しかし憲法を守り、国会の権威を守っていくという国会議員の立場にまた翻って考えてみられるときには、私はやはりそこまで突き進んで突っ込んだところに、確固とした国会へ召喚する権限をはっきりしておかねばならぬのじゃないか。これは新しいといいますよりも、憲法実施以来の最初のケースでございまするので、この点につきましては相当明確に、吉田喚問がどういう運命になるとかならぬとかいうこともさることながら、それよりも永遠の生命を持っておる国会の権威維持という観点からいたしまして、相当明確な考え方、態度をもって、この種の問題につきましてははっきりとしておかねばならぬ、こう思うのであります。でありまするので、よくよくでないと国会に公務を理由に不出頭を申し述べることはできない、よほどの場合でないと、原則としては公務を理由に出頭しないということは理由なき不出頭に該当する、こうまでも考えるべきではないか、私はこのくらいに思っておるのですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○花村国務大臣 吉田委員のただいまのお説ごもっともであります。私も大体において賛成であります。従いまして、捜査当局も今吉田委員の言われたような線に沿うて、あらゆる観点から公平な立場に立って捜査が進められておることであろうことを信じて疑いません。
○吉田(賢)委員 さらに進みまして、昨年十一月二十九日、それから十二月四日並びに六日でありますが、二十九日の場合には疲労休養を理由にしておるのであります。これは文書もきております。それから四日、六日は病気といっておるのであります。そこでこれも一つ概念的になるかもしれませんけれども、やはり相当明確に御所見を伺っておきたいのですが、疲労休養と申しましても、これも程度があります。それから病気と申しましても、これは馬場医師について当委員会は具体的に病状を聞いたのでありまするが、出れば出られぬこともない、しかし出ない方が好ましいといったような答弁があったことを私は記憶しておるのであります。疲労休養につきましても、疲労休養といいながらも、それぞれの世間の人とお会いになっておる。それから後者の四日、六日の病気不出頭の場合にも、いろいろな政客としきりにお会いになっているということは、新聞紙上伝えられておるのであります。でありまするので、こういう場合にもやはり真にやむを得ざることが証明せられるというのでないと、これは出頭義務のある者において、理由が十分に証明せられなかったものということになるのじゃないかと思うのであります。一方において国会には病気を理由に出頭しない、他方において世間の多数政客と歓談を交えておる。そういうことでは国会がばかにせられて無視されておると同様であります。こういうような事実が新聞にも伝わり、また馬場医師の説明によりましても、われわれは結局納得しないままに当日終ったのであります。そこで大臣におかれては、前の質問と同じような趣旨におきまして、疲労休養並びに病気というのは、真にやむを得ざることが疎明せられるということが必要ではないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。
○花村国務大臣 ただいまの御質問は、多分吉田首相が帰朝後における病気のため不出頭であったという点であろうと存じまするが、この点につきましては、医師の診断書等も出ておりいたしまするので、その診断書等に基き証人等も調べ、あらゆる角度から捜査を進めておりまするが、その詳細についてば先ほども申し上げましたように、ただいま申し上げ得る段階に至っておりませんので、その辺はあしからず御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 私の伺いましたのは、医師の診断書が出ておることも承知しておりまするし、二十九年、昨年十二月四日馬場辰二医師の診断書を添付されて、病名は急性咽喉カタル及び神経痛、付記、向う二日間静養を要す、そういうことになっております。そこで当委員会に出てもらってどういう状態かと聞いてみれば、やはり出頭しない方が医者の立場からすると好ましい、こういうことであります。そこで私の聞きたいのは、このような内容が正確でない、つまりこちらへ出頭することに耐えられる状態であるかいなか、答弁に耐えられるかどうかという点について明らかでない診断書というようなものではどうかと思いまするので、やはりここは、たとえば刑事訴訟法なんかによりましても相当厳格な規定がございます。刑事訴訟法によりますれば、国会証言法よりもずっと処罰規定は軽いのであります。にもかかわらず、厳格な不出頭を正当化するための診断書の様式が規定されておるわけであります。でありまするので、もっと重い罪科が規定されておりまする国会証人の不出頭につきましては、これはやはり出頭しない側におきましてもっともだという妥当性が明らかに証明せられる、疎明せられるということが必要ではないか、そういうことなしに出頭しないということはやはり正当な理由と言えないのではないか、こう思いまするので、これはやはり具体的事実、昨年の十二月四日、六日と十一月二十九日になりますので、あなたのおっしゃる具体的な捜査の対象になっておる事実だから、述べられないというのであれば、病気ないしは疲労とかいうものに対しては、やはり相当なやむを得ざりし事実が明らかに客観的に認め得られるような証明とか疎明が必要でないだろうか、こういうふうに思いますので、一つ御意見を聞いておきたいと思います。
○花村国務大臣 その病気の点につきましては、ただに診断書のみによって出頭し得なかったという事情を断定しておるわけではございません。あるいはその他証人等の証書等も徴し、あらゆる角度から、その不出頭が正当なりやいなやを検討して捜査を進めておる次第でありまして、決して簡単に診断書のみによって足れりとしておるわけではないと申し上げてよろしいと思います。
○吉田(賢)委員 最後にもう一点。これはすでに第一回の告発からは八ヵ月目になっております。第二の分は六ヵ月目であります。これはやはり国会の重要性、この種の問題は急速に処理をすることがあらゆる観点から必要であるというふうに強調いたしまして、われわれはすみやかなる処理方をしばしば要請したはずであります。それは検事総長にも当委員会から、代表が行って話し合ったこともあったと思うのであります。非常に遅滞しておるのではないかと思うのでありますが、これは法務大臣として——あなたの立場はきょうは違うのでありますが、民主党の立場ですから違いますが、やはり指揮監督の立場から何か制肘があっておくれたのではないのか、もっと早く済ますべきではないかという点。 それからいま一点は、吉田前首相に対して、呼び出してお調べになったのか、あるいはこちらから行って調べたのか、この辺も聞いておきたいと思います。つまり後者の場合は、もし所在に出張して調べたとするならば、それはどういうわけなのか、前総理大臣だから敬意を表したのか、あるいは総理在任中であったとするならば、それなるがゆえに敬意を表したのかどうか、他のすべての証人や参考人などは一々検察庁に呼び出したのか、概括してこの二点を明らかにしてもらいたいと思います。
○花村国務大臣 ただいま吉田委員の申されましたように、長く時日を費しましたことはまことに遺憾であります。しかし御承知のように、とかく告訴事件ばおくれがちでありまして、そういう一般の扱いから申しますれば、そうおそきに失しないことは、これは吉田さんも商売柄御了承下さることであろうと思いますが、しかしこれについては、ただいま吉田委員の申されたように特に私宅本件を重大視して、なるべくすみやかに捜査を進めるように注意をして参りました。しかしながら御承知のごとく二十人になんなんとする多くの証人を調べるにつきましても、不出頭等の場合もあり、また吉田前首相といたしましても病気等の関係毛あり、いろいろそういう事情が重なり合いまして多少おくれがちであった、こう申し上げてよろしいと思うのであります。そこで、吉田前首相も調べたのでありまするが、それはどこで調べたかということは、ただいま申し上げ得る段階に至っておりませんから、調べたことだけは間違いありませんから、その点は一つその程度で御了承を願いたいと思います。
○上林委員長 次に猪俣浩三君に発言を許します。
○猪俣委員 大体吉田君の質問で尽きておると思いますが、告訴、告発事件は長くかかるのが常道だというような御説明、しかしこの事件は実に簡単明瞭で、ほとんど私どもは事実関係をあまり調べるところがないのではないか。たとえば昨年の九月十五日に閣議があるので出られないということであった。そこで問題は、閣議がある場合に決算委員会の召喚に対して出ないでもそれは一体正当と見られるのかどうかという法律問題だと思う。それでしたら、そう長く事実の捜査をする必要が僕はないと思うから、はなはだこれはあまりかかり過ぎておるというふうに思います。しかし、これはある程度所管問題になるかもしれぬが、この意味におきましては、どうしてもあなたのように告訴、皆発事件だから長くかかるのが当りまえだというようなわけにはいかぬので、あまり長くかかり過ぎて検察当局の怠慢だとわれわれは思う。これは法務大臣として十分なる、それこそ指揮監督をしていただきたい。これは要望としてあなたに申し上げておきます。 そこで、今言ったように、これは九ヵ月も七ヵ月もかかっておるというようなことで最終段階にいっているのですが、これは事務的の質問ですが、ちょっとお尋ねしたいことは、刑事訴訟法の二百六十条を見ますと、「検察官は、告訴、告発又は請求のあった事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。」こういう規定があります。そこで第二百六十条の公訴を提起したとか、また提起しなかった処分をしたとかいう通知が、一体告発人である当決算委員会にいつごろ出るお見込みであるか、それが一点であります。もう最終段階になってきているとおっしゃるから、大体今月内とか、あるいは来月一ぱいとか、この刑事訴訟法二百六十条の告発に対する通知はできるかどうか。これは事務的のことです。ですから、その意味において実は法務大臣よりも検事総長が適任だと考えた。実際の捜査の第一線に立っているのは検事総長で、最高の責任者である。ですから検事総長をお呼びした点もそこにあるのですが、あなたが自分がかわった方が適当だと信じて出馬せられた以上、こういう事務的のことに対してもお見通しがあると存じますから、刑事訴訟法二百六十条のこの処分に対して当委員会へ報告されるのがいつごろになるか、その点。それから二百六十一条によれば、もし「告発又は請求のあった事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。」もし告訴、告発を不起訴にしたというような場合には、その理由を告げなければならぬことになっておりますが、この二百六十一条の理由を告げるのは一体いつごろになるのか、このお見通しをお尋ねしたいと思います。
○花村国務大臣 猪俣委員のおっしゃられました告発事件をずみやかに処理する方がよいではないかという御意見はごもっともで、私どもも長い間持論としておった一人でありまするので、その事案のいかんを問わず、すみやかにやはり告発事件であっても捜査を進め、そうしてその処分をするということが望ましいことであろうと存じます。従いまして本件もそういう気持で処理すべきはもちろんでありまするが、ただいま申し上げましたように、証人の数も多く、また事件も相当に重大視して、慎重に扱わなければならぬといえ意味も含め、おくれてきたうらみはございますが、しかし大体において来週中にはその結論に到達し得ると申し上げてよろしいと思います。そこで告発人に対する処分の通知でありまするが、これについては告発人たる決算で、委員会は消滅をいたしておりまするので、従ってこの告発人がないような形になっておって、この点は議論もあろうと存じます。が、しかし、議論は別として、ここにまた新しい決算委員会が成立しておるのでありまするから、まあ便宜上現在成立しておる決算委員会に通知をするのも一つの方途であると考えております。
○猪俣委員 そうすると、結局今大臣の御答弁は二百六十条の処分の通は大体来週中にはできる、ただしこの委員会が同一性格を持っておるものかどうか、告発人と継続性を持っておるかどうか疑問があるが、まあ継続性があると見れば二百六十条の処分の通知をするが、それが来週中にはできる、こう理解してよろしゅうございますか。
○花村国務大臣 結論の出るのが大体来週中と考えておりますが、通知はそう長くかかるわけではありませんから、結論が出れば直ちにでできるのじゃなかろうかと思います。 それからして告発人であるところの決算委員会についてでありまするが、これは継続しておるとは私は今申し上げたわけではありません。前の決算委委員会と同一性を認め得るかどうか、これは疑問であろうと思います。問題があろうと思います。が、しかし議論は議論として、今の決算委員会に通知をして悪いということもありませんから、まあ通知をするのがしかるべき妥当な処置ではなかろうか、こう考えております。
○猪俣委員 なお吉田茂氏その人自身に対する取調べの場所について吉田委員から質問があったが、これは現段階においては捜査の秘密だという御答弁でした。私どもから考えると、何のために秘密であるのか全然わかりません。そこで大体その日ですね、何日、あるいは一回か二回か、その調べた場所は申されないにしても、調べた日及び回数、これは一つ御説明いただけたらけっこうだと思うのですが、というのは実は疑惑があるのです。今法務大臣が断言されたので、それがふっ飛んだのですが、吉田茂氏は調べてないという巷間デマがある。これはあまりに秘密になさるからだと思うのですが、それでまた法務大臣はどうしても秘密だと言うと、そこに疑惑が出てきて、調べないのだが、これからちょこちょことごまかすためにこれ以後ちょっと調べたような形にして、発表のときは調べたと、こういうのじゃないかという疑惑がある。そこで、日及び回数、それだけお漏らしにならぬと痛くない腹を探られるようなことになる。いつ、一体何回ぐらいお調べになったか、それを聞かせていただきたいと思います。
○花村国務大臣 猪俣委員の御説、ごもっともだとは存じますが、調べたことはこれは調書がありまするからはっきりしておるわけであります。その日時、場所については、この吉田前首相取調べということのみを摘出して考えれば、何も秘密でも何でもないじゃないかとおっしゃられることもごもっともであります。が、しかし、捜査の一貫性という建前から考えると、ただいま申し上げましたように発表する段階でない、こういう結論になるわけですから、そういう意味において御了承を願いたいと思います。
○猪俣委員 それから、これも吉田委員が最初から質問されたところでありますが、事はワンマンと称された前総理大臣であります。そして、だれだって決算委員会なんかに出てつるし上げられることはいやなことは当然です。いやであっても出なければならぬのが義務でなんであります。それをいやであるといって出なければ制裁があるというのが法の強制であります。その法の強制を無視するならば法治国家じゃなくなる。問題はそこにある。総理大臣という地位にある人間ならワンマンでも許されるのか、たとえ国会が全会一致で召喚をしても、出なくてもそれに対して何ら制裁がないのであろうか。もう総理大臣をおやめになった吉田さんに、われわれは別に死屍にむち打つようなことはしたくないのですが、法の権威を維持し、これを高めるためには——総理大臣といえども法の前には平等だ、そういう法の権威、あるいは検察当局は威武に屈せず堂々としてその本来の正義に基いた行動をやるという世人の信頼を高める、そういう意味からいたしますと、これは重大な問題であります。とにかく、国会の決算委員会があれだけやっきになってやったにかかわらず、本日までとうとういやだいやだでもって出頭しない。それがそのままうやむやになったとするなら、一体法の権威、国会の権威、検察当局の権威はどうなるのでありましょうか。これは一吉田茂氏にはかえられない問題だと思う。これは自由党の諸君もよく御考慮願いたい。われわれ吉田さんには何も恩怨ありません。しかし、吉田茂氏個人よりも法は永久である、法の尊厳は国家秩序の中心であります。私どもはこの意味におきまして、これをうやむやにせないことを強く花村大臣に要望するものです。なお、その意味におきまして、一体総理大臣たる職にあるものが、公務が一日もないなんということは絶対にないはずだ。そんな総理大臣は日本の総理大臣ではないと思います。いやしくも総理大臣の地位にある人なら世界一多忙なので、総理大臣は毎日公務があるはずだ。そうすると、公務があるから出頭しないでいいということになるなら、いやしくも総理大臣である以上は永久に出ないでいいということになる。それでは総理大臣に対しては喚問ができないということになるわけです。ですから閣議があるのだ、いや使臣に会うのだ、そういう公務があるということで決算委員会の召喚を拒否していいなら、総理大臣は絶対に出る必要はありません。公務のない日は日曜日でもなければある道理がない。そういう意味におきまして、よほど深甚な考慮を法務大臣に僕はしていただきたいと思う。もちろん今の法務大臣は硬骨をもって鳴った大臣でありますから、つまらない御処置はなさらぬと思いますが、それこそ検察当局がもし威武に屈して二、三のことを言ったら、検察庁法の十四条を発動していただき一たい。これに対しては正義にかなった方法をとってもらいたい。そういう場合こそ法務大臣の指揮権発動がある。 そこで検察の事務当局が不起訴のような態度になった際には、法務大臣は指揮権を発動して起訴を命ずる——もちろん法務大臣が起訴すべきが正当だとお考えになった場合ですが、その意思があるかどうか、念のためにお尊ねいたします。
○花村国務大臣 猪俣委員のお言葉ありがとうございました。私に対しまするお言葉は当らないとは存じますが、その他の点についてはお説ごもっともで私も同感であります。その結論をどうするかはただいま申し上げる限りではありませんが、今猪俣委員のおっしゃられたように、法の前においては何人も平等であり、かつまた法の尊厳を守っていかなければならぬという点においては異存のないところでありますので、その精神に徹して最も公平適切な処置をいたしたいと念願をいたしております。
○上林委員長 他に御質疑はありませんか。——別に御質疑もないようでございますから、以上をもちまして本件についての質疑は一応終了いたすことといたします。 —————————————
○上林委員長 次に株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する事項について、午前中に引き続き質疑を続行いたします。猪俣浩三君。
○猪俣委員 長崎総裁に先ほどの大阪の鉄道局の経理課の問題につきましてなおちょっと確かめたいと思うのですが、何人かが伝票を改ざんいたしまして、六百万円近い損失を国家に与えた。しかもその経緯を冷静に判断しますれば、必ずこれは部内に共犯者があることは常識上明らかである。われわれの見解からするならば、時を移さず警察の協力を求めたならば犯人がちゃんとわかったろうと思う。漠然たる範囲の犯罪ではなく、範囲が限られております。必ず鉄道職員の中に共犯者がある、部内で行われた問題でありますから。こんな事件が調べられないようでは警察なんというものは意味がない、簡単明瞭な事件なんです。それが今日うやむやになってしまった、はなはだ遺憾と存じますが、済んでしまったことは仕方がない。そこで国家に加えた損害の賠償でありますが、日本国有鉄道の条項を見ますると、その道があると思う。私はその経理に関係した連中はみな共同責任だと思うのです。こんな一枚一万円のクリーニング代というものを払って、そうして知らぬ存ぜぬというわけにはいかぬと思う。そこで日本国有鉄道法の四十八条の二を見ますると、「総裁は、現金出納職員又は物品出納職員が、善良なる管理者の注意を怠り、その保管に係る現金又は物品を亡失き損し、日本国有鉄道に損害を与えたときは、その損害の弁償を命じなければならない。」とある。これは義務です。そうしてこの場合これに当てはまると思う。こんなことは幼稚園の生徒だってわかります。六百万円近いクリーニング代を払うばかな話はない。六百万円にしなければならないから、一枚一万円くらいずつでやってしまった、こういう途方もないことを知らぬで払うなんということは、善良なる管理者の注意を怠ったことは明白である。そうすれば総裁はその損害の弁償を命じなければならぬということは、日本国有鉄道法に明記されておる。あなたは先ほどの答弁では、会計検査院の判決云々というようなことを言われたが、会計検査院が裁判するのではないから、判決なんという言葉はお間違いであろう、あなたが専門家でないとすれば責めませんが、判決なんということは裁判所以外にありません。四十八条の二を見ますると、「会計検査院の検定を求めることができる。」とありますが、これは総裁から損害の賠償を請求せられた者が、それを不当とする場合において、会計検査院に自分には責任がないのだという、その責めを免るべき理由があると信ずるときは、会計検査院の検定を求めることができるのである。つまり上訴機関なんです。ですから、四十八条の二の法理からいえば、かような善良なる管理者の注意を怠った場合には、総裁は損害の賠償を命じなければならぬ義務がある。また命ぜられた者が、自分はその責任がないという場合には、会計検査院の検定を求めることができるという規定になっている。あなたはその順序を踏まれたのかどうかお聞きいたしたい。
○長崎説明員 先ほど来事務当局から申し上げましたように、いろいろ調査しなければならない点があったようでございます。しかしながらお話のようにその問題は等閑に付すべきものではもとよりないのでございまして、賠償すべきものはすみやかに賠償させるというつもりでございます。
○猪俣委員 私も国有鉄道法を全部見たのではないので、あなたの答弁をそのまま聞いておったのだが、昼休みに四十八条の二を見ると、あなたの答弁とまるで逆なんだ。「善良なる管理者の注意を怠り、その保管に係る現金又は物品を亡失き損し、日本国有鉄道に損害を与えたときは、その損害の弁償を命じなければならない。」と書いてある。命じられた者が自分には責任がないのだという場合に、初めて会計検査院に検定を求めることができるのです。それを、さきのあなたの答弁では、会計検査院の判決によってそれからおもむろに考えるということを言っておるけれども、まるで四十八条の二を御存じないということになる。これはまことに無責任だと思う。こういう問題が起きたのは総裁たるあなたの責任になっておるのです。鉄道法の四十八条の三項には、会計検査院が現金出納職員の申立を理由ありとして弁償の責任がないと検定したときは、総裁はその弁償の命令を初めて取り消す、そう書いてある。ですからあなたの方は命ずる、それで不服があれば会計検査院の検定を受ける、検定の結果そういう責任がないのだということになれば、あなたは取り消す、こういう順序なんです。てんであなたはそういうことをお考えになっておらない。あなたは総裁だからあれとしても、その下に係の人がおるでしょう。その人は何をやっておるか、四十八条の二の順序をなされたかどうか。
○石井説明員 国鉄の出納の責任につきましては、ただいま猪俣委員のおっしゃった通りであります。しかしながら善良なる管理者の注意を払ったかどうかという点を、一応弁償の命令を出す前に私ども検討いたさなければなりません。それにつきましては、犯人がわかって、いかなる段階において請求書の改ざんがなされたかということを調べるのが先決問題であろうと存じまして、私どもといたしましては、犯人があがりましたときに初めて検定をいたさなければ、果して何人がその責任を負うかの決定はしにくいと思っておったわけでございます。しかしあまりじんぜんとしていつまでたってもわからぬというような場合は、やはりその状況において判断しなければならぬということになることは当然でございます。ただいままではできるだけ犯人のあがることを期待いたして、その結果を待って責任をきめるというために待っておった次第でございます。
○猪俣委員 そういうとほうもない考え方だからとうとうとして官庁や公団の腐敗が出てくる。事件が起ってから何年たっているのです。犯人なんか永久につかまりっこありません。そうすると、責任を負う者は永久にだれもいなくなる、こんなことでどうするのです。しかも犯人がつかまらぬ原因は鉄道公安官を出動せしめ、それによって相当もみ消したとわれわれ見ておる。ですからその報告書には警察署と連絡をとったと文書課で報告しているじゃありませんか。しかるに警察には何も連絡をとっておらぬ。連絡もとっておらぬものを連絡しておったというのには何か心にやましいことがあるからである。警察にも連絡したがわからぬといってごまかそうとしておる。だからわれわれからいうならば、鉄道公安官なる内輪の人間を使ってもみ消した。二年たった今日なお犯人がわからないということは当然であります。犯人がわからない以上善良なる管理者の注意を怠ったかどうかわからない。それなら永久にたれも責任を負わぬことになる。そんなことで綱紀の粛正ができますか。それで泣いて税金を納めた人が承服しますか。これはあなたを責めてもしようがない。総裁の責任だ。そんななまぬるい態度でどうするのです。私は本日東京大学の辻清明博士が日本の官庁、公団の汚職問題について書いた論文を読んだが、その原因の一は、公職を私有物化しておることであると論及されておる。あなた方は鉄道を私有物だと思っておる。だから係の人間がいいかげんなことをやっても、それはうちの使用人がちょっといいかげんなことをやったのだくらいにしか考えておらない。実に綱紀粛正の熱意がない。これだけでたらめなことをやっておっても、何人も一人として責任を負う者がない。とにかく犯人が出ようが出まいが、かようなクリーニング代に六百万円を一ぺんに払ってしまうというようなことは、常識上承服できない。何人か責任を負わなければならない。伝票を改ざんするというようなことは、部内の者でなくてだれができますか。そんなことあなた方が調べたらすくわかるはずです。部内の者でなければ、そんなことができるはずはない。ですからその監督系統にある人は、当然責任を負わなければなりません。総裁もまたこれは犯人がつかまろうがつかまるまいが、善良なる管理者の注意を怠ったことだけははっきりしておる。共犯でないかもしれない。けれども善良なる管理者の注意を怠ったということだけは明白ではありませんか。千五百三十八円のものが五百九十万四千三十八円に改ざんされておる。これは関係者でなければできる道理はない。印形は同じ印形で、同じ伝票で改ざんされておる。外部から来てそんなことができるはずはないではありませんか。そこに何人かが来て伝票を盗んだにしても、そういうふうな管理の仕方をやっておるところに責任があるはずなんです。それに対して何人も責任を負う者がないというのは、実にふかしぎ千万といわなければならない。これだから日本の官庁その他公団における綱紀紊乱の絶え間がない。私は痛憤を感ぜざるを得ない。総裁にお聞きしますが、何人かが伝票を横取りして、それを改ざんして金を受け取ったという行為が明らかになっておるにかかわらず、一体その係が善良なる管理者としての注意を怠ったと認めないのですか、それをお尋ねいたします。
○長崎説明員 お話のように、何人かが善良なる管理者の注意を怠っておったということは、私は必ずあると思います。それを追及して、賠償の問題をすみやかに解決いたしたいつもりでおります。
○上林委員長 次に片臨港君に質疑を許します。
○片島委員 私は鉄道会館の問題について、二、三先ほどからの御報告に関連してお尋ねしたいと思います。鉄道会館は地階以上十二階まで建てるという計画になっておったのですが、この問題はどの程度進捗しておるのですか。
○上林委員長 片島委員の質疑中でおそれ入りますが、大臣は時間の都合がありますから、大臣に質問がございましたら、それを先にしてもらいたいと思います。
○片島委員 大臣に対する質疑は、ただいまのところありません。
○上林委員長 それでは吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 これは当時の運輸大臣が三木運輸大臣ではありませんので、それで質問しますことはあなた自身に関することではないのですが、私は鉄道会館問題につきまして責任の所在ということについて相当深刻に考えてきたのであります。前に当委員会におきまして、いつでありましたか決議をいたしましたときにも、可決されました決議は、その責任の所在を明らかにして人事の刷新を行うということが第一項にうたってあるのであります。そこで私ども両派社会党から提案いたしまして、これは少数意見となったのでございますけれども、それには責任関係は相当強調をしたのであります。国鉄の首脳役員とかあるいは監理委員あるいは運輸大臣において、その責任をとらねばならない、こう一いうふうに強調したのであります。なぜこちいったかと申しますと、第一この監理委員は、御承知の通りに総裁以下国鉄運営につきましてはまっ先に監督し、もしくは業務運営につきましては指導、統制の権限を持っております重責があるのであります。ところがこの鉄道会館の当初の契約に当りましても参加しておりませんし、またこれにつきましてもみずから株主になっておった監理委員があり、あるいはほとんど当時事情の経緯は知らなかった。ときどき寄って話する程度で正式な議題として協議に上さなかった。こういうことすらあって、当委員会で監理委員に向って、あなたは鉄道会館の大株主になっておるが、監督指導の責任者であって、鉄道会館がこんなに世の指弾を受けて、契約の不当を糾弾せられて、国鉄が損害を受けておる。あるいはまた綱紀の紊乱もつかれておるようなその鉄道会館の大株主になっているのはどういうわけだと委員に詰め寄られて、後日株主でなくなったとか、手放したとかいうことすら聞いた、こういうようなわけでありまするので、監理委員は、この鉄道会館の問題が、契約上もしくは国鉄の財産管理上あるいは国鉄の業務運用上、あらゆる角度から見まして非難されるべきものとするならば、相当責めを負わなくちゃならぬ、こういうふうに実は思ってきたのであります。これほ実は少数意見で敗れたのでありますが、しかし幾たびかの論議の都度この点を十分徹底しておったと思うのであります。ところが何ら責任関係ば触れることなくして今日まで経過しておる。どうもこれはこの点がいけない。私どもさっきの洗たく代の問題につきましても、やはり国鉄の最高首脳部において、どうもこの委員会でついて行くところに対する誠意が足りないじゃないかという気がするのであります。なぜこの監理委員に対して相当責任をとるような処置がとられなかったか。この点当時の運輸大臣ではありませんが、あなたの御所見を一つ聞いてみたいと思います。
○三木国務大臣 吉田委員の御承知のように、鉄道会館は一昨年の問題であって、私が就任をしたときには、すでに決算委員会の決議によって責任者も責任の所在を明らかにして、そうして責任者の責任の追及も終っておるという報告を私は受け取っておるわけであります。先般も決算委員会の決議によって、私が承知しておる点につきましてはこのように処置したという報告を受けておるということを申し上げたのでありますが、私が責任を感じておることは今後の問題でありまして、鉄道会館等についてもああいう世の指弾を受けるような問題が起って参りましたし、今後国鉄財産の管理に再びああいうふうなことを起さないように、いろいろな点から今検討を加えておる、あるいは日本国有鉄道法それ盧体にも現在検討を加えておるわけでございます。今後この財産管理については万遺憾なきを期したい、そのために適当な処置をとりたい、こういうことで検討を加えておりますということを申し上げておきます。
○吉田(賢)委員 いずれあなたとは現在及び将来の問題について、鉄道会館以外のことについては二十八年度の会計検査院の報告事項をめぐりまして、国鉄中心に政府関係機関の一部といたしましていろいろと質疑したい問題をたくさん持っております。それはまあそれといたしまして、やはり鉄道会館問題の跡始末につきまして、それは当時の責任者、局長などの職員はそれぞれ他に転任されておるという事実も報告によって明らかでございますが、私どもはやはりあの鉄道会館の出現というものは、国鉄において国家国民に対して相当責めを負うべき事実であったとするならば、やはりそれを監督しておる、監理委員というものは相当な責めを負っていかねばならぬ立場にあったと思うのです。ところが全然それに触れることなく、またそのまま選任されたと聞いておるのであります。やはりこの点につきましては、運営の指導統制など第一次的な監督の立場、常時監督の立場ではないかと思うのですが、これらに対しましては、今からその責めをどうしてもらうということになりますると、また別個の問題になってくるかと思いますけれども、これはやはり決議は多数によって可決されたとはいいながら、少数意見は、審議の全過程を通しまして、その監理委員の責任に関する追究というものは相当あったのでありまするから、何らかの形でその責めを負って、国家国民に対して責任を明らかにすることが当然だろうと私は思うのです。ただ局長が責めを負って転任したというだけでは、何かこうお茶を濁したような感じ、ごまかしたような感じがするのです。私は当時の総裁以下、局長以上の幹部の諸公の心境についても、もっと謙虚な態度で国会に対してこたえられると私は期待しておったのです。われわれは質疑において辞職してくれというところまで激しく迫ったような空気もあったのですけれども、いろいろと心境などもそんたくいたしまして、その高雅な謙虚なお立場御心境というものに敬意を表しながら待っておった。ところがその後何の音さたもない。やめた人はほとんどない。一人です。工事事務所長ですか、それくらいなものです。監理委員に至りましては、またその責めに再任されておる、こういうことになつておりますので、責任の所在が明らかになって責めを負うという事実は具体的に表われておらぬ。あなたは当時の運輸大臣ではありませんけれども、国会が一旦決議したものは相当な権威をもってこたえてもらうべきだと思いまするので、審査の全過程の趣旨に徴しまして、現職の運輸大臣といたしましても、しかるべき方法をお考えになるのが、私は国会に対してこたえられる忠実な道でないかと思うのです。今後の問題もさることながら、この鉄道会館問題の経過、跡始末というものは、やはり相当重視して処理されるべきでないかと思います。こういう問題はいいかげんになっておりますると、なかなか国鉄問題というものは次から次へ問題が尾を引いて、跡を断つまいと私は思います。こういう点から考えましても、このような重大な問題が起ったときにこそ適当に処断されて、責任は明確にされて、今後お互いが自粛していくという態勢を整えてもらいたいと思います。あなたは当時の大臣ではありませんけれども、いかがでしょうこの点について何らかの措置をお考えになりませんか。
○三木国務大臣 今から措置ということになって参りますと、すでにその問題は決算委員会の決議の趣旨を体して処理済みであるということで、私などもそれを深く当時にさかのぼって詳細に調査はいたしませんでした。しかしやはり一つのこういう問題が起ったときにどういう結末になったかということを私自身が十分に承知していることは、今後の運輸行政の監督の上においても必要だと考えますので、それは御注意の点等も勘案して、その処理を詳細に調べはいたしますが、さらにこの機会にあの問題について新たなる処置をということを私はここでお約束はできません。
○吉田(賢)委員 それでは国鉄全体の問題についてあなたに伺いますが、これは将来のことにもわたりますが、私どもは鉄道会館問題を通しまして、国鉄の実情というものを相当知ることができたのであります。これはいろいろな面から根本的に再検討しないといかぬのじゃないかという考えすら持っております。第一公共企業体といたしまして、今日現在まだ資産再評価もできておらないのです。これはあなたも御承知と思います。資産再評価もしないですぐ貸借対照表を毎年発表したりなどいたしておりますので、国鉄は公共企業体として世界的に膨大なものであるのかもしれませんが、こういうものの構成とか形態とか経営ないしは資産の管理あるいは会計の問題等にわたりまして、これは全般的にもう一ぺん再検討しなければならぬのじゃないかとさえ実は感じた。従って当時国会もしくは内閣に国鉄の臨時調査会というような趣旨のものでも設置いたしまして、健全な国鉄を再建する、こういう趣旨におきまして、また国民の運輸サービス機関といたしまして最も高度な運営をなし得るような、あるいはまた企業体といたしまして利益の問題などをも十分に考慮するような、そういう面につきましても徹底的に調査をすることが必要でないだろうか。いいかげんにそういうふうにした方が、この種の問題を一つ一つ起ったときにとられて論議するのでなしに、全体として再検討するときに問題の起ることを根絶し得るような方法が発見されるのじゃないか、こういうことも思ったくらいであります。従って今申したような各般の角度から、あるいは鉄道会館のようなさまざまな種類のものを今後つくるにいたしましても、やはり国鉄そのもののあり方とにらみ合せて根本方針とか原則的なものを持っておらなければいかぬのじゃないかと思っているくらいでありますので、そういった何か一つ抜本的、基本的に調査とでも申しますか、そういうことをやる必要があるのじゃないかと思うのであります。これはどうお考えになりますか。
○三木国務大臣 その点については吉田委員と私は全く同感であります。私自身も運輸大臣に就任して以来国鉄というもののあり方について根本的な検討を加える必要があるということを感じまして、ごく最近に今申したような趣旨によって国鉄のあり方を根本的に検討する、あるいはまた国鉄の財政面についても吉田委員御承知のように非常に苦しい状態である。この国鉄の財政というものをどう立て直していくか、今お話の公共企業体としてのあり方、運輸大臣との関係というものはどうあるべきか。いろいろな国鉄の経営の根本問題の中に私自身が疑問を持っている。幾多の疑問を持っている。こういうことでやはり国民に対しての責任を果す意味において、国鉄のいろいろなそういう問題点について民間側のいろいろこういう方面に対して意見を持たれている方々を御委嘱して、運輸大臣の諮問機関として国鉄の根本的な検討を加える委員会を最近の機会に発足したい、検討を加えてみたいという考えでございます。
○吉田(賢)委員 これは希望しておきますが、運輸大臣の諮問機関というようなそういう小規模なものじゃなくして、やはりこれはひいては電電公社とか専売公社など公共企業体として三つが一連の関連もあるわけでありますから、よほど基本的な調査をするということに大がかりな態度をもって私は臨むべきだと思うのであります。この国鉄の将来いかんというのは、日本の公共企業体のあり方についてやはりとても大きな示唆を与えることになりましょうし、また、経済、交通その他の全体の国政の上にも与える影響がとても大きいと思いますので、あなたの一つの諮問機関とかいう考え方でなしに、もっと根本的な基本訓育をやり得るような規模にお考えをしていただいたらどうかと思うのであります。 それからもう一点最後に伺っておきたいのだが、鉄道の一貫する一つの立場は、国民に対するサービスだと私は思う。そこで前の決算委員会で若干触れておいたのでありますけれども、あなたになお伺っておきたいと思うのだが、サービスの面につきましてはずいぶん批判、非難、文句百出なんであります。こういうことは少々言っても直らぬというような、直してくれないという声はちまたに満ちております。たとえば鉄道弘済会の常業の実情について見ても、旅客に対して何も満足を与えていない。独占的企業であるがゆえに、戸板を張って通るというような、そんな強さで商売をされる感じさえある。一体国鉄というものがこれに対して監督をされないでいいのか。国鉄という大きな旅客を呑吐するところの、また購買力を持ったところの、八千万国民が全部利用する国鉄、その国鉄の旅客に対するサービスがとかく言われるということは、これは全く国民の立場からしで耐えられない。私鉄ならまだ文句もいれられる。私鉄よりももっと立場は独占的に強いものであります。私は今時間もないので多くは述べません、一つだけ言っておきますが、鉄道弘済会の営業の問題であります。これはあなたが大臣にならずして旅行するとしみじみと感ずる。もしくは代議士にあらずして旅行をしたらなおさらです。三等客でもまれて旅行いたしますと一層感ずる。そういうような面をいろいろ考えてみるときに、食物においてあるいはその他価格におきまして、何から何までこれはほんとうに国民へのサービス、最高度のサービスをしなければならぬという建前から、根本的に再検討しなければいかぬじゃないか、こう私は思うのです。私自身は弘済会に恩も、恨みも、利害関係も何も持っておりません。何も持っておりませんが、ほんとうに声のない旅客の立場から、もっとこういうことはどしどしとやらなければならぬ。私はこの間例をあげて牛乳の問題も一つあげたんです。特急に乗って牛乳を飲んだら三十円とられました。牛乳は今百姓の手から離れるのは五円以下です。一合五円以下で百姓は渡しておる。そのために値が暴落してあっちこっちで酪農がへたっておる実情は御承知の通りであります。こういうような実情にありまして、国鉄が監督しているこういう駅なり列車内の物売りの状態というものは、粗悪のものを高く売る、そして犯占企業である。また他の競争を許さない。こういうような実情でありますから、何千万の旅客は耐えられぬ。こういうようなことに対しましては、ほんとうに国民へのサービスという観点からも抜本的に検討しなければいかぬと思います。一つはっきりとした強いところをあなたは示しておいてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○三木国務大臣 弘済会のことを吉田委員は問題にされたようでありますが、とにかく弘済会は駅の構内においては独占的な事業の形態をなしております。従って売買物品もその独占的な地位を利用して市価よりも高いということはよろしくないことだと思います。低廉なものでなくてはならぬし、サービスも満足すべきサービスをすべきものでございます。弘済会の問題については国鉄当局とも連絡をとりまして、そういう苦情が将来起らないような工夫を加えることにいたしたいと思います。
○上林委員長 次に山田長司君に質問を許しますが、片島委員から譲っていただいておりますので、大臣にのみ限って質問をお願いいたします。山田長司君。
○山田委員 一、二点大臣に伺いたいと思います。先ほど吉田委員の質問に対して、この鉄道会館問題についての責任の所在を明らかにしていると言われているが、実際は世間では、責任の所在を明らかにしているという問題は、むしろ明らかにしておるのではなくして、この事件に関係した人は栄転されているのではないかということがいわれているのです。そういうことがあるのかないのか、私たち動いた範囲の顔ぶれも一応わかっておるけれども、その点の所在がどういうふうになっているかということが一つ。もう一つは、鉄道会館の問題は七階でとまっているが、あそこでとまるということになっているのか。実際は今年度の場合はもうすでに十二階までの常業収入を目当てとした収益を鉄道会館側が大丸からとっておる。こういうことがいわれているが、これは収入のことだから大臣が果して知っているかどうか、これも一応最初に伺っておきます。
○三木国務大臣 最初に申し上げましたように、この鉄道会館問題は一応責任問題等で結末がついている、そういう報告を受けて私も、これは一昨年の問題でしたから、正直に申し上げまして、これは一応結末がついておるということでさかのぼって調査いたしませんでした。そういうことでございますが、いろいろお話がきょうも出て参りまして、責任のけじめがついていないがというようなお話もあったので、これをどう新しく処置するということではなくして、将来やはり運輸行政を監督すべき立場にある運輸大臣として、過去の処置がいかになされたかということについて私は調査をいたしたい、こういうことを申し上げておるのでございます。
○山田委員 さらに東京駅前の広場の問題については、実は会館が十二階になるということを基準にして、すでに都市計画が東京都において進められておる。それがために国については大体国の補助額を一億から国にさせよう、さらに国鉄側には一億八千万円、東京都には二億百五十万円、こういうふうな分担金まできめられて、実はあの会館の十二階建設というものが実際はもうすでに具体化しているのだ。国会では七階までと言っておるが、そんな問題ではないのだ、こういうふうに流布されておるけれども、これについてもしそういう事実があるとするならば、一体東京都の都市計画の方を私は調べてみたんですが、都市計画の方では一大丸の営業のためではないけれども、一応あの前は広範な広場にする計画を東京都の方では持っておるといわれておる。これについて国鉄会館側あるいは国の方としてはいかなる方途が講ぜられておるのか、具体的にわかっておる範囲をお聞かせ願いたいと思います。
○三木国務大臣 私はその問題について聞いてはおりません。従って、国鉄当局から説明をしてもらいます。
○上林委員長 大臣に対する質問はこれでよろしいですか。
○山田委員 国鉄当局から……。
○猪俣委員 では大臣に。さきの結論になるのですが、大阪鉄道局の不始末の結論ですが、一体国家警察は、どうも公安官がおるのでちょっと手を出すのは工合が悪いような格好ではないかと思うのです。そんなばかなことはないと思う。こんな事件は鉄道公安官にまかせる事件ではない。鉄道公安官の最終の責任ばあなたにあるのではないかと思うのです。そこでああいう鉄道公安官というものがあるために相当警察が遠慮しておるのではないかと思われる節もあるのですが、あなたの方から一つ国家警察に対して徹底的に捜査してくれということを御依頼する意思がおありであるかどうか、何か遠慮しておるのではないかと思われる。あれは私どもは徹底的に事を明らかにしていただきたい。そうして私どもの感からいきますと、あれは簡単な事件だと思う。部内に出た事件で一般大衆の事件ではないのですから、クリーニング屋にも何とかいうのをちょっと調べてもすぐ出てくる事件ではないかと思う。ですから警察に今からでもおそくはないと思う。国家警察に徹底的に調べさせていただきたい。あなたにその御意思があるかないか、ちょっと承わりたい。
○三木国務大臣 だいぶ時間は経過いたしておりまして、こういう問題は捜査上において非常に支障を来たすと思いますけれども、しかし事の真相を明らかにすることが必要なので、そういう処置をとってよろしいと、私はそういう考えです。
○佐藤説明員 鉄道会館は現在六階でとまっております。このとまっておる理由は、これを三十一メートル以上に建築するときには東京都の建築条例に触れますので、その場合には東京都の建築審査会の議を経なければならないことになっております。その建築審査会では駅前広場がきまってから後に東京都で承認すべきである、こういうような方針になっております。それで駅前広場につきましては東京都の都市計画審議会にかかって数回、それの特別審議会でございますか、それにかかっておりますが、まだ結論を得ておりません。従って承認も参っておりませんのでいまだに六階でとまっております。
○片島委員 今の問題から始まるわけですが、七階から十二階までを作り上げるという計画はどの程度まで進んでおるのでありますか、御承知でありますならば……。
○佐藤説明員 これは最初十二階建にするという計画で進んでいましたが、現在ただストップしているだけでありまして、承認がおりればやはり十二階までいくのだろう、そういうふうに考えております。
○片島委員 これはちょっとほかのことのようですが、施設局長の所管問題は何ですか。あなたの方は土地などの管理をやっておられるのでありますか。
○佐藤説明員 土地の管理は私の方は駅間の土地をやっております。駅の付近の土地は営業局でありまして、これは現場の業務機関の関係の都合からそうやっております。
○片島委員 この鉄道会館は株式会社でございますから、株式会社の鉄道会館が七階から十二階建にする計画というのは、あなたは十分御存じないわけでありますか。それともあなたの方の所管としてそこに出願をせられたのでありますが、あなたはその問題については深く関係があるのでありますか。
○佐藤説明員 これば現在民衆駅等運営委員会の諮問の答申にもございましたように、ああいう建物を建てますとき、おもな骨組みは国鉄が施工するということになっております関係上、私の力としても非常な関心を持ちまして、もしやりますときには設計の吟味あるいはこちらに設計を委託される、あるいは施工を委託されますという関係で、私たちも非常に関心を持っております。なおまた十二階建の計画も、最初十二階建で出発しました関係上知っております。
○片島委員 国有鉄道側としては、そういういろいろな営業を目的としておる株式会社のことに力を注がれるよりは、やはり自分の内部における施設の改善によって、国有鉄道本来の公共の利益ということのために専心をしていただくのがほんとうだろうと思う。それをこういう株式会社などに非常な関心を持たれて、それをあなたの方で進めていただくということは、これは株式会社の方では非常に都合がいいでありましょうが、その設計から施工などの請負をされるわけでありますか。あなたたちはそれによって国有鉄道の収入をはかる、こういうことになっておるのでありますか。
○佐藤説明員 鉄道には多くの陳情あるいは請願によります委託工事がございまして、それにつきましては、もし鉄道の本来の業務に支障ないときは、私の方でこれを受けてやることができるようになっております関係上、実際にかかります費用を取りましてその求めに応じておる次第であります。
○片島委員 ひまがあればそういうことも十分やっていただくのはけっこうでありましょうが、この十二階建を建てるということになりますれば、最初の計画に戻りまして、十二階建を許可するということになると、当然相当の広場を必要とするようになる。その広場を作るということが、駅を引っ込めるとか、あるいは前の方の民家を取り払うというような問題にひっからんで、ついに六階までに今まではとまっておったわけでそれを七階から十二階まで建てれば、なお広場を広げなければならない。そのためには当然都市計画について数億円の金が必要になってくるのでありまして、先ほど山田委員から話がありましたように、すでに私たちが漏れ聞いて調査をいたしたところでは、五億八千四百万というものが計画をせられて、その内容を見ますと、国鉄の負担が一億八千百万円、東京都負担が二億百五十万円、こういうふうなことになっておるのでありますが、こういう株式会社が自分のところの利益のために七階から十二階までを延ばすために都市計画をやらなければならない、それに、そういう株式会社の利益を目的としないで、一般国民乗客のサービスを目的とする国鉄が、どうして一億八千百万円の金を分担されるのでありますか。
○佐藤説明員 駅前広場の拡張の問題でございますが、これはこの前の決算委員会でも国鉄から御答弁申し上げたと思っておるのでございますが、駅前広場を広げるというのは、あそこの前の交通のためでございまして、そのために広げるということになっております。現に都市計画審議会で東京都が配られた資料がございます。それにはすっかり数字が出ております。それによりますと、結局今八重洲通りの角を削っておりますのは、外堀を通る道路交通、それからまたそれが八飛州通りを曲っていく、それのためにどうしても取らなければならない。こういうふうな計算が出ております。鉄道会館あるいは観光会館に行きます車は大体六百両くらい、全体の二%くらい。これはまたあそこで実際立ってごらんになるとよくわかると思いますが、道路交通が非常な数量でございまして、それに対して鉄道会館あるいは観光会館に来る車は少うございます。もちろん駅に来る車全部入れますれば全体の約八%くらいになりますが、ほとんど響かないという状態であります。それでどちらかと申しますと、現在におきましては向う側を削るのは路面交通のためというふうに数字上は見られております。これは東京都で作られた資料でございます。 それから先ほど一億八千万円というお話でございますが、それはそういう話が出ておるのでありまして、私の方にもそういう話が出てきているのでございます。駅の前を整備いたしますときは、地方公共団体と鉄道とで分担して整備することになっております。一億八千万円と申しますのは、鉄道の用地の鋪装と、駅をおりた人の通行のためにあそこに地下道を作ることになっておりますが、その地下道の鉄道の用地内の負担でございます。
○片島委員 そうじゃありません。鉄道会館の十二階建建築を許可するについて、東京都知事が東京都建築審議会に諮問したところ、駅前広場が現在よりも拡張せられることを条件としなければ許可しないということになっておる。つまり七階から十二階まで建てるについては拡張しなければ認めない、こう言っておる。だから広げることによって許可がおりるわけです。あなたはまるでこの鉄道会館の方が出入りが少いので、あれを利用するお客のための混雑ではない、これは駅の出入りの混雑であると答弁をされておるが、そうじゃない。東京都の方では、十二階建にするならば——これは建築法上かどうかわかりませんが、建築審議会がいろいろな点から考えたのでありましょう、何か根拠があって考えたのでありましょうが、その広場を広げることを条件としてこれを許可する、こういうことになっておりますれば、あなたのお話は食い違うではありませんか。その点はどうです。
○佐藤説明員 ただいまそうおっしゃいましたが、この前の決算委員会と思いますが、記録を読みましても、これは鉄道会館と関係なく駅前広場があれだけ必要なんだ、こういうふうになっております。私はそう覚えております。
○片島委員 最初の計画が今の六階建まででよいというのは、駅の方から後退をいたしたがためにそれだけ広場が現在相当広くなったので、六階のままならば今のままで何も文句はないのでありましょう。これは広げるに越したことはありませんが、しかし東京都の方でも、都市計画の面からいっても広げなければならぬということはだれも言っておらない。だから、その問題が出て参りましたのは、十二階まで建て増すということによって、それではこれだけの拡張をしなければならない、こういう条件がついてきたのであります。そうして今も大した利用もないといわれておりますが、最初の一週間には八十三万七千を数え、その後も一日平均七万ないし九万を数える、こういう雑踏ぶりであります。それへさらに、七階が十二階ということになれば、これば何割か増すということは当然で、十何方かわかりませんが、あそこに雑踏してくるということは、建物があるから混雑するのじゃなくて、駅の方の乗降客の混雑だ、これは国鉄が責任を持って広げてやらなければならぬというような解釈は出てこないじゃないか。あなたは調べたと言われましたが、もし国鉄がこういうことのためにこれだけの負担をするということになれば、これは全く一般乗客の負担において、犠牲において、あすこの株式会社鉄道会館のために私たちが国鉄にこれを奉納した、こういうことになるのじゃないか。これは総裁、一つあなたの御意見を承わりたい。
○長崎説明員 私は都市計画の分担金の問題は詳しいことは存じておりませんけれども、ひとり今度の東京駅ばかりじゃなしに、他の地方の駅等におきましても、今広場を拡張するには、鉄道用地内の鋪装その他については国鉄がそれを負担するということになっておるように聞いております。
○山田委員 関連して。これは鉄道会館の事件として最初われわれが調査したとき、十二階を対象として七億五千万円の権利金を鉄道会館株式会社はとっているということを聞いておるのです。これは監督の衝にある国鉄として、その七億五千万円を大丸から権利金としてとっているときに、一体十二階を承知した形において、その金を鉄道会館株式会社がとることを国鉄側では承認しているのかどうか、一応総裁から伺いたい。
○長崎説明員 その問題については営業局長からお答えいたします。
○唐沢説明員 大丸からの入居料等につきましては、会館は今現に使わしているところについてはとっておりますけれども、まだ建たないところについての入居料、権利金というものはとっていないと承知しております。
○山田委員 私が伺ったのは、実は大阪へ調べに行って、大丸の支配人から、使用する場合には七億五千万円の権利金を払うということを建前にして東京進出をすることになっておる、こういうことを耳にしているのです。ですから、その金を私はとっていると思うのですが、あなた方はその金をとっていないとそれでは認められるのですか。
○唐沢説明員 今後建て増しするときの資金としては、そういう新たなる入居料をこの大丸なりその他入る人からとるという計画にはなっているはずでございますが、すでにとっているというようなことはないと承知しております。
○山田委員 三十年度の経費を鉄道会館側では大丸からとっているといううわさがあるのですが、そのことについ、てもあなた方は全然知らないのですか。しかもそれは十二階までできているものとしてとっているという話なんです。だからそのことについて知っているかどうかです。
○唐沢説明員 臨時財産監理部長がそのことについて知っております。
○篠原説明員 その七億五千万円という金は、入居保証金といたしましてとりましたもので、それは十二階を建てるんだということでとっているのじゃなくて、大丸の入る部分に対する建設資金の一部をまかなうというような意味合いでもって入居保証金というのはとっているのでございます。これは不動産事業をやっているところではどこでもそういうような格好の保証金をとっているのでございなして、そういう例に従いまして七億五千万田の入居保証金をとったわけでございます。
○山田委員 どうも不動産のことについてほしろうとでわれわれにはわかりませんが、一応七億五千万円の金をとった以上は、大体何坪くらいを使用させる、常識的には当然使用させる坪数に応じてとっておるものとわれわれしろうとは考えるのですが、一応七億五千万円をとった以上は、何坪を使用させるということを限度としてとったものか伺いたい。
○篠原説明員 約八千坪くらいに相当いたしますが、それは六階から下の部分でございまして、七階以上について大丸に貸す計画はないのでございます。
○片島委員 もう一つだめを押しておきたいと思いますが、七階から上の建築の許可申請に対して、広場を拡張するということが条件になっておる以上は、国鉄が申請したのでなくして、鉄道会館が申請したのでありますから、鉄道会館の責任においてやらなければならぬものであるのに、国鉄の方の経費からこれが出るということはどうしてもふに落ちないのであります。国鉄が公共の利益を眼目としなければならぬのは当然でありますが、今日鉄通会館という、こういう営利会社をあなたの方の施設の中に同居させましたために、東京駅一つを見ましても、待合室などはベンチもなく、新聞紙を敷いてみんなすわっておるというような状態です。それにまた鉄道弘済会——これは営利を目的とせざる財団法人だと思いますが、それがここにつけ込んで、あの乗客に対して一回五円の使用料で腰かけを賃貸しておるというような状態であります。調べたところによりますと、二百五十のいすを十数回転々として、何万円かずつを毎日もうけておる。東京駅一つを調べてみましてもこのような情勢です。そういうときに、また鉄道会館が拡張するからといって、国鉄がこのような犠牲を払っておる乗客の負担において、また何億円という分担金を出してやるということは、私たちにはどうも納得がいかない。先ほど運輸大臣が言われたように、今まで入っておる者を全部追い出したりするということは、いろいろ既成事実として築かれたものはやむを得ないかもしれませんが、それもしかしほんとうは勇断をもって何とかやるべきであります。それをすぐ手をつけるということはなかなか困難もありましょうが、七階から十二階を建てようというのはこれからの問題です。それに対して東京都の方では何も広げろとも何とも言わない。それを十何万のお客さんが出入りするために必要になってき、またああいう高層な建築物でありますから、広場を作らなければならぬというように理屈をつける。それでなくとも狭いんだから国鉄が金を出してこれを負担をして何か都市計画を援助してやろうではないかというようなことでは、一般国民は納得がいかぬと私は思う。やはりこの金は出されるつもりでありますか。
○佐藤説明員 その金はやはり出さなければならぬと思っております。デパートの込みますのは、御存じの通り二時から三時ごろであります。国鉄の駅の込みますのは、朝の八、九時あるいは夕方の六時ごろ、東京駅ですと五時から六時までの急行のときであります。それでこれらの雑踏のピークはずれております。あそこの設計を何によってきめるかというと、鉄道のラッシュの人の流れによってきめる。設計は、全部そういうふうにしております。従いまして、この駅前広場の必要、それからあそこの路面交通をいかにしてうまくさばくかという問題は、地下道によらなければならない。これは建設省、それから東京都の方でも、そうしてくれと、こう言われておるのであります。それで私の方でも、自分のところの用地内の金は出すべきじゃないか、こういうふうに考えております。
○片島委員 東京都の方から、広場を現在よりも拡張しなければならぬという条件をつけてきたが、向うはどういう考えでこういうことをつけられたと思いますか。これは十分調べてやられたのでありましょうか。
○佐藤説明員 それは結局、私先ほど申しましたように、駅前の交通その他を考えたと思っております。と申しますのは、この前の、たしかこの決算委員会じゃなかったかと思いますが、都の副知事からも、この駅前を広くするのは決して鉄道会館のためではないとはっきり申されております。
○片島委員 それほそうおっしゃるなら、これにはちゃんと向うで許可をするのの条件につけてありますから、そういうことを何ぼ口で言っても、それじゃなぜに、七階から十二階を建てるのにここを広げなければならないということを、向うが言うはずはない。それを現実に言うてきているのですから、これはあなたがいかに強弁をなさっても私は納得しません。しませんが、それ以上のことを言っても仕方がありませんから……。 なお、あなたたちの先ほどの説明において、第二の項に、いろいろな構内営業規則、固定財産管理規程などの改正をやったと言われますが、私たちがこの決算委員会において前に問題にいたしましたのは、国鉄から安く手に入れておるやつをまた貸し、また貸しをして、非常な中間搾取をしておるのがいる、こういうことはけしからぬことだと言ったわけです。だからまた貸しをしないようにということを私たちは主張したわけです。ところが今度の改正を見ますと、名義変更を認めて、賃貸譲渡が今度は法的に、この規則によって——今までやっていかなかったのだから、今度はやれるようにその道を開いてやるということで、今度は合法的にできるようになった。今までは、また貸し、また貸しは非合法であるかのごとく決算委員会が追及をしたところが、今度はちゃんとその規定を作って差し上げて、この非合法なやつを今度は合法化するような措置をあなたたちはやってやられたのでありますが、これはこの委員会における最初の主張と違うじゃありませんか。この点はどなたですか、これは総裁は御存じですか。
○唐沢説明員 その点につきましては、構内営業規則等が、古い小さな売店とか立ち売りといったようなものを主として対象とした規則でございますので、最近のように民衆駅というようなものができてきますのに適合しないので、改正したわけでございますが、その際に、ある人がある場所を借りて、そこへ施設をしまして、そしてそれをほかの者に貸すということも、実際問題として認めないわけにはいかないというふうに考えまして、その契約の内容なりいろんなことについて、また借りた者が構内営業規則に従うというようなこともはっきりさせまして、十分な監督をすることにして、特に承認を受けた場合にのみそれを許す、こういう建前にしたのでございます。
○片島委員 これはまた貸し、また貸しをやるということが悪いので、また貸しをやってはいかぬと言ったところが、法的にまた貸しができるようにされたのでありますが、次々に人が変り、また貸しをやる場合には、あなたたちはその次の人とまたさらに契約をし直す、こういう方法はとれないのでありますか。私が借りてあなたに貸す、あなたがまたほかの人に貸すということはなくして、私が借りたものをあなたに貸す場合には、国鉄との関係はもう、手を切ってしまって、あなたが国鉄と直接契約をする、こういうことはできないのですか。
○唐沢説明員 今のように甲に貸した、甲が自分で何もしないで乙にまた貸しをしておるというようなのはもちろんよくないので、そういうものにつきましては全部直接契約するように指導する、それを今ずっと続けてやっております。ここに申しましたのは、たとえば鉄道会館のごときもそうでございますが、ある施設をいたしまして、そうしてそれを専門の者に経営を委託する、あるいはそこを貸すというような実際の例があるのでございまして、それを一つずつ全部が全部を直接やるということは、われわれの方としましても非常に人手もかかるし、専門家も養成しなければなりませんし、大へんなものでございますから、そういう特殊な例についてだけ特に承認を得た場合には認める、こういうふうにやっておられるようであります。
○片島委員 どうもあなた方のやっておられることは、先ほども私が言いました広場の資金、七階から十二階に対する問題にいたしましても、あるいは現在の問題に対しましても、業者の方に利益を与えるようなことばかり—こちらから指摘をされると、それが合法的にできるようなことをされたりするものだから、いろいろな疑惑を買っておるのだろうと思う。こういうものを作られる場合には、やはりいろいろと相談をされて、こちらから指摘されぬような方法があるはずだ。今あなたは、何もしないでほかにまた貸しするような、そういう場合には指導してそういうことをやらぬようにすると言われたが、それはできないことにしてしまえばいい。それをわざわざまた貸しができるような規定を作って、そうして指摘せられた決議事項については、りっぱに皆さんの趣旨に沿うように措置をいたしましたと、報告書の中にそういうことがちゃんと書いてある。これは私たち決算委員をごまかすのもはなはだしい問題であろうと思う。私はなお非常に詳細な資料も今調査中でありますから、またいずれ二十八年度の決算報告の審議の際にこの質問を譲りまして、本日は同僚委員の方に譲りたいと思います。
○吉田(賢)委員 今の片島委員の質問に対するお答えについて関連して伺いますが、大丸から七億五千万円を受け取っておるのは、このうちのどのくらいの割合か知りませんが、鉄道会舘は大丸から権利金を取っておる、こういう御説明なんですか。
○篠原説明員 今の七億五千万円は入居保証金でございます。権利金とほ違います。建設費の一部に充てる金でございます。
○吉田(賢)委員 七億五千万円の保証金を取って大丸を入店せしめておる。そういたしますと、これは経理局長に聞きたいのですが、国鉄はそのかわり鉄道会館から保証金は取っておるのですか、その点どうなっておりますか。
○篠原説明員 国鉄は会館から入掛保証金のようなものは取っておりません。
○吉田(賢)委員 大丸もやはり全国で百貨店としては最大のものと私承知しております。これが七億五千万円の保証金が必要であるというのであれば、鉄道会館に対しましても国鉄としては数億円もしくは十数億円の保証金を取ってもいいのであります。一方は建物の賃貸借であり、一方は土地の賃貸借等の契約でありますけれども、しかし相当大きな経済価値があるものの貸借でありますから、鉄道の資産の活用といたしましては、やはり取っても不思議でもなく、また取ることが利益でもあるし、かえって取ることがほんとうに資産を利用する道でないかと思うのですが、その点どうなんですか。
○篠原説明員 国鉄は鉄道会館に対しまして、共用部分に対して相当の負担をしてもらっております。共用部分と申しますと、鉄道の旅客も大丸へ行く、会館へ出入りする人間も両方とも使うのであるというような部分に対しましては、両方で負担するという格好にいたしまして、数億の金を会館に持ってもらっております。そのほかに地下の一階、二階につきましては鉄道会館が建設いたしまして、国鉄にその財産を寄付しております。そういうような金を入れますと相当の負担を鉄道会館にかけておりますし、さっき申しました入居保証金というものは、その鉄道会館の二階以上をつくる建設資金の一部に充てる金でございまして、これは国鉄がとるべき性質のものではないのであります。
○吉田(賢)委員 私は国鉄が大丸からとるべき性質のものだと言っているのではないのですよ。鉄道会館が七億五千万円も保証金をとるのならば、国鉄も鉄道会館からとるのが妥当である、こういうのです。あなたは鉄道会館がものを符付したりあるいは共用部分があるので犠牲を払っているのだからと言いますけれども、犠牲を払っているということは、国鉄といたしましてあの日本一の地価の高い場所を鉄道会館に使わしておるということ自体が大きな利権を与えておるのですから、これは当然のことてあります。そういうこと以外になぜ保証金をとらないのでありますか。普通賃借なら保証金をとるではないですか、保証金と見合うために寄付をさしたのかあるいは共用部分を提供させたのか、その点はいかがですか。
○篠原説明員 鉄道会館に対しましては、普通不動産事業で参りますと、保証金というものは建設資金の一部を負担させるという意味ではとる例が多いのでございますけれども、鉄道会館についてはこういうことをやらなかったのであります。
○吉田(賢)委員 やらぬから質問しているのです。あなたば鉄道会館から国鉄はとるべき性質のものではないということを一つ言っておりまして、そういうことを聞いておるのではないということが一つと、大丸が鉄道会館に払うのならば、国鉄も鉄道会館からとればどうだ、こういうのです。あなたは犠牲を払っている、寄付しているのいうので、それならば犠牲、寄付というのは保証金に見合うために寄付させたのか、こういうふうにまた逆に聞いたのです。
○唐沢説明員 国鉄で管理しております土地や建物を部外に使用させる場合に、保証金をとるかとらないかという問題でございますが、大体こういう財産の使用方につきましては、当委員会でもいろいろとその財産の性質とかあるいは使用承認の場合の契約と性質とか、いろいろ御議論もございまして、そういうような角度から一体どういうふうな使用方をさすべきか、どういう契約をさすべきかというような問題とあわせまして権利金と申しますか、保証金というものをとるべきかどうかという問題は、これから研究しなければならぬと思いますが、従来はそういった国鉄が管理をしております財産は、国鉄の必要な場合には使うというような場合が多いので、そういうものには保証金といいますか、一種の権利金式のものをとるというようなことをしないできたのが慣例でありますので、この場合もそれに従ってやってきているわけでございますが、今後は財産の管理をいかに法的に考えるかというような問題とあわせて考えなければならぬ問題かと思います。
○吉田(賢)委員 私がこれを尋ねるゆえんは、長崎総裁が加賀山社長に対して鉄道会飢の敷地を貸すことになった経緯から見ると、全然そういうことは念頭になかったものとわれわれは推断している。しかし今はその後の経過を聞く段階になっておりますので、その後の経過といたしましては、資産管理についての規定の改正もし、ないしは賃料等のとりきめ、あるいは適正な価格に引きさげ等々いろいろと方途を講じてきたのにかんがみまして、大丸からは鉄道会館は七億五千万円の莫大な保証金をとっている。これは建設資金だと思うけれども、建設資金であろうと何であろうと用途は何でもいい、保証金に違いない、保証金は契約違反のときの保証のための金なんです。ですからそういうようなものが一方あるのに、国鉄としては鉄道会館から保証金をとるという方途になぜ出なかったか、実はこれを聞いたのです。つまりその後幾多改善のあとを御説明になったのだから、改善のあとを一々われわれが検討してみた結果、今片島委員からの質問に対してたまたまそういう答えが出たから、国鉄としてもそこでとるべきではなかったか、なぜとらなかったか、こういうことを聞いているのです。ちょっと重ねて答弁して下さい。
○唐沢説明員 国鉄の財産を貸す場合、従来ともそういった一種の保証金というようなものをとって長期的な権利化するということをしないで、従って保証金をとらずにやって来たというのが例でございますし、また特にこの会館やその他民衆駅の場合には駅を作る費用を負担させる、いわば共同施設と申しますか、全体の建物を作る、そういうような関係にございますので特に保証金というものをあらかじめとるというようなことをしなかったわけでございます。
○吉田(賢)委員 ちょっとその点は長崎総裁に伺いますが、これは今後の問題といたしまして、膨大な資産を、客観的に非常に価値のあるものを他人に貸し与えるような場合には、相当な保証金をとるということができると思います。相手に能力がなければとにかく、できると思います。当然そういう措置は考慮されてしかるべきだと思いますが、一つ御意見を伺ってみます。
○長崎説明員 お説の通りでありまして、ただいま営業局長からお話したように従来小さな売店のようなものに土地を貸しておくとかいうようなものとは違いまして、そういう種類のものがたくさん出て参りましたから、その点については十分考究いたしまして、とって相当であると考えますればむろんお説のようにいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは次に伺いますが、長崎総裁にあなた御自身についての問題を聞くのだから、ちょっと聞く方も辛いのだけれども、一つ御了承願いたい。私は大義名分の建前から伺いますので、そのつもりで一つお聞き願いたいと思います。鉄道会館問題を決算委員会が取り上げまして、私ども長い間いろいろと論議して参りました。その経緯にかんがみますると、やはり国鉄の重大な資産の管理の上において当を得なかったことは明らかである。それからまた契約について随意契約で鉄道会館に貸し付けたという点につきましても、これは違法ではないという見解もありますけれども、私どもはそこはなお納得しにくいものがあります。やはりもっと他に善良な管理者としてはとるべき道があったのではないかと思うのです。たとえば多数の資格者を選定いたしまして、その中で随意契約するとか、あるいはそうでなしにまだ類似の方法を何か選ぶべきではなかったか、あるいはこういうような重大な資産の管理の上で、国鉄に与えました損害は相当大きかったと思います。後日賃料はとっておりますけれども、しかしながら私は相当損害がすでに発生しておった、こう思うのであります。またこういうことによりまして、結果といたしましてはよい結果を生じておりますけれども、鉄道会館自体といたしましては、鉄道資産管理運営の上からみましてもまことに遺憾だと思うのであります。こういうような各観点から帰納いたしますると、やはり最南の幹部の諸君は相当責めを負うべき事案でないか、私はこういう点に思い至りますと、やっぱりあなたは適当な機会に責めを負うということを、何かの形で具現なさるということがあるべき道だというふうに実は考えておったわけであります。そういうことについて今一つあなたの心境を聞いておきたいと思います。いかがでございます。
○長崎説明員 その御質問につきましては私すでにこの前の委員会のときに、やはり吉田委員にお答えした通りの気持でございます。責任を感じておることば感じております。しかも財産管理の面において遺憾なところがあったということも率直に認めます。従いましてこれを漸次改善し——まだ完全ではありません。しかしさらに一層拍車をかけて完全にして、当委員会で御指摘になった、あるいは御批判になった点を是正して参りたい、かように考えておりますて
○吉田(賢)委員 なるほど改善なさるのもけっこうであります。やはりこういう重大な問題が起りましたら身を引くというのが、たくさんな人をお使いになっているのですから、筋じゃないかと思うのです。これはまことに身を切るような思いをする事柄でありますけれども、永遠に万年その職にあるわけではないのでありますから、やはり引きぎわも大事だと思いますが、あなた御自身が責めを負って退職するとかいうことは必要ないものなんでしょうか。それは部下にあちこち転任を命じて、また改善に努力したらもうそれでよいという程度の性質の案件だったのでしょうか、その点いかがですか。私はその後洞爺丸の問題が起って、大へん国民といたしましても不幸なことでもあるし、また国鉄といたしましても残念なことであるし、いろんな点から、遺憾なことがまた起ったというような感じさえしたのであります。それはともかくといたしまして、この鉄道会館をめぐりましての国会の論議というものは、相当社会に深刻な影響も与えておると思うのです。こういうことにつきましてあなたが内部の部下をそれぞれ適当に措置なさる、改善なさるとかいうことで済むのか、やはりみずからその責めを負って善処するということが、やはりほんとうに責任の道を明らかにする一番すっきりとした方法じゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、その点に関する御心境はいかがですか。
○長崎説明員 御意見の次第もございまするし、私としましては今後とも十分にそれらの点について考えていきたいと思っております。
○吉田(賢)委員 それではもうそのくらいでおきまして、そこで東京工事事務所長増田という方が退職していらっしゃいますね。幹部の人事異動で引責退職していらっしゃるらしいのですが、これはまた何か別の事件が——東京の鉄道潤生会というのがあって、それが土地使用について贈賄事件が起って、そこで収賄関係の事件で引責辞職されたというのではないのですか。何でも東京工事事務所の副所長ですか、竹内とかいう次長が刑事事件として収賄罪で検挙されたようにも聞いたのでありますが、その責めを負うてやめたのではないでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○上林委員長 どなたに。
○吉田(賢)委員 総裁御承知なら答えていただきたい。つまり部下に対する戒飭その他のいろいろな措置を講ぜられたその一環といたしまして今の点はいかがですか。
○長崎説明員 その次長の話は私よく承知いたしておりません。
○吉田(賢)委員 それなら国警の方だれかおりますか。
○上林委員長 石井次長、宮地捜査課長がおります。
○吉田(賢)委員 国警の方は、だれでもわかった方でいいのでありますが、今の鉄道潤生会とかいうところから国鉄への贈賄事件があって、その収賄罪で責めを負って辞職したとか聞いておるのですが、そういう事件があったのですかどうなんですか。そのへんを一つ聞かしておいてもらいたい。
○石井政府委員 今正確なことを記憶いたしておりませんが、昨年の秋ごろ、ただいまお話の潤生会関係の事件で若干の者が検挙をみたということは聞いております。たしか石炭ガラの払い下げの問題であったかと思います。しかしただいまお話のありました東京工事事務所の方が、はたしてその事件の関係者であったかどうか、これほただいまはっきり記憶いたしておりません。そのころ潤生会関係の事件としましては、先ほども申しました石炭ガラの払い下げの問題と、新橋ガード下のコマ割りの問題、この二つがあったかと思います。新橋ガード下のコマ割り問題につきましては、潤生会のほかに、やはり類似の八重州会というのがあって、その方の関係であったかとも思います。その関係で東京工事事務所のいかなる責任の地位にある何という方であったか、そこまで詳細なことはただいま記憶いたしておりませんが、どなたかがその関係において検挙されたということは記憶いたしております。
○吉田(賢)委員 大体の外貌は、国鉄収賄事件に違いないと思うのですが、これはやはりいろいろな参考にもなりまするので、一つあなたの方で文書で当委員会に報告をせられんことをお願いしたいと思います。
○石井政府委員 承知いたしました。
○上林委員長 他に御質疑はありませんか。 —————————————
○上林委員長 それではこの際午前中の会議において厚生省当局より経過説明を聴取いたしました病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について、農林省当局よりその後の措置及び経過について説明を求めます。河野農林大臣。
○河野国務大臣 ただいま委員長からお話になりました点につきまして私から御報告申し上げます。 昨年八月二十三日に行われました輸入病変米に関する本委員会の御決議につきまして、その後政府において講じました処置等に関し御説明申し上げます。 第一点は「政府は責任の所在を明らかにし、適当に処置すること。」ということでありますが、当時外米の輸入の方式は、政府間の貿易協定に基く委託買付と民間貿易によるものとがありまして、いずれの場合につきましても、あるいは政府間契約に病変米輸入防止に関する規定の挿入についての交渉を重ね、あるいは食糧庁の公表する買入条件に、病変米の輸入防止に関する条項を掲げる等の措置を講じた次第でありますが、輸出国に病変米の有毒牲についての認識もなく、積地の検査規格にも病変米に関する規定が欠除し、かつ売手市場であってきわめて不利な条件のもとに売買取引を行わさるを得ない状況であったのであります。ことに外見上正常な、いわゆる白血病変米につきましては、簡易な鑑別方法もなく、積地において抑制することがほとんど不可能に近い状況にあったのであります。しかもなお、当時の国内の食糧需給事情は相当量の外米の輸入を行わざるを得ない実情でありましたので、その結果病変粒の混入したものが入った参ったということにつきましては、まことに遺憾に存ずる次第であります。いずれにいたしましても、病変米の輸入につきましては、当時の輸入方式、輸入事情等から見て、中岡の商社に対して瑕疵担保の責任を追及するということもいたしかねる次第でありますが、政府といたしましては、その後根本的に病変米の輸入を防止することに努力を傾けまして、政府間の契約に病変米に関する規定を挿入し、貿易協定の改訂、輸入方式の改善等の措置を講じまして、万全を期しておる次第であります。 第二点は、政府は外米輸入契約に関し再検討を加え、損害の補填等につき善処することということでありますが、輸入商社と輸出国側商社との売買は、積地の検査基準によって行われ、この際も病変米については極力規制し得るよう措置したのでありまけが、政府と輸入商社との売買は輸入港において食糧庁の検査を行なった上で買い入れる、いわゆる着地検査方式に改めたのであります。従いまして、品質及び重量の相違による損害は、輸入商社が負担することとなったのであります。もっとも白色病変米につきましては、積地において完全にこれを防止することは不可能でありますが、現在の段階において可能な限りの防止対策を講ずべき条件を、輸入商社との契約に織り込み、それらを完全に履行させることにより、病変米輸入の防止に努力いたしておる次第であります。 第三点は、病変米を配給することは、これを中止すること、再搗精その他の処理をなし、再検査の上、学者の一致した意見によりこれを処理することということでありますが、昨年八月以降におきましては、輸入外米についてば厚生省から病変粒混入の有無についての連絡を受けることとし、病変粒が混入されていないことが判明したものについてのみ配給を指示しております。病変米を再搗精の上主食として配船することの可否については、目下厚生省において食品衛生調査会の意見を聞きつつ検討中でございますので、その結論に基いて慎重に処理の方針を決定いたす所存であります。 第四点は、病変米の処分は公平、適正を期し、かつ国損を最小限度にとどめることということでありますが、昨年八月以降病変米は主食としては配給いたしておりませんが、一部を菓子、みそ、しょうゆ、のり及びアルコールの加工原料用としてその実需者に売却しております。売却に際しましては、適正な価格により極力国損を生じないように努力しております。 第五点は、政府は外米輸入に断り、病変米の輸入を防止するよう努力することということでありますが、昨年八月以降外米の買付を一時停止するとともに、十月にはビルマ、タイ及び台湾に調査団を政府から直接派遣し、またそれ以外の地域については、指定商社等を通じて相手側と交渉させ、それらの結果に基き、無菌証明書の添付、搗精後船積みまでの日数制限、積地における漁蒸、船内管理の改善、買付品質規格の引上げ、雨季前の積み取り完了等の具体的な対策を講ずべき条件を輸入商社との契約に織り込み、それらを完全に履行させることとして、病変米の輸入の防止に努力いたしておる次第であります。 なお、昨年八月二十三日以降の外米の輸入の状況、病変米発生の状況等について一言申し上げれば、病変米輸入防止の対策を考究する間、一時旧穀の買付を中止したのでありますが、当時すでに買付済みであった旧穀約十六万トンが同日以降に到着しており、さらに輸入方式の改善後買付を行なった新穀約二十二万四千トンがその後到着しております。右の旧穀中からは約二万四千トンの病変米が発見されておりますが、これらはすべて主食としての配給を中止しております。新穀中からは現在までのところ病変米は発見されておりません。 以上の通りでありますが、今後とも万全の措置を尽す所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
○吉田(賢)委員 今農林大臣が朗読せられたのは、一つそのままいただいて、そして謄写して委員に配付するようにお計らい願いたいと思います。
○上林委員長 了承いたしました。お諮りいたしますが、質疑は次会に護ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 それでは質疑は次会に譲ることに決定いたします。 —————————————
○上林委員長 次に朝鮮向け輸出物資に対する対米債権に関する事項について議事を進めます。まず外務省、大蔵省、通商産業省当局より本件に関する経過説明を順次聴取いたします。まず千葉欧米局長の説明を求めます。
○千葉政府委員 御質問の対米債権について御説明申し上げます。 終戦後韓国と日本との間の貿易は、総司令部の管理下にございまして、総司令部におきまして清算勘定を運用いたしまして、双方の決済をいたしておったのでありますが、講和条約発効の直前までの貿易の状況を見まするに、わが方から見まして輸出超過になっておりましたために、わが国に対するその輸出超過額は、約四千七百万ドルでありましたけれども、それだけの総司令部の日本政府に対する債務が生じたわけであります。この債権につきましては、講和条約発効の直前、昭和二十七年の四月十九日に総司令部におきまして新聞発表をいたしまして、この債権についてはいずれガリオア等の米国側の対日債権と関連せしめて解決すると、そういう方針を発表いたしたのであります。その後政府におきましては、米国側とこの債権の処理について交渉を開始いたしたのでありますけれども、先方は当初声明いたしました通り、ガリオア、イロア等、わが方の米国に対する債務の処理に関連してこの問題を解決する、そういう方針を堅持いたしましたために、当時この債権の処理について解決を見なかったのであります。政府におきましては、その後昨年の五月に至りましてから、さらにこのガリオア、イロア等米国に対します債務の処理について交渉を開始いたしました。その際に、この韓国との貿易の関係でできました対米債権の処理についていろいろ申し出をいたしたのでありますけれども、結局全般についてまだ折り合いがつかない状態であります。昨年の五月から始めまして十月ころまで交渉を継続いたしたのでありますけれども、ついに十月の最後の会談のときまでこの問題について結論が出ませんでしたために、本件は未解決の日米間の懸案の一つとして今日残されておるままになっておるわけであります。簡単でありますが……。
○上林委員長 質疑の通告がございますのでこれを許します。吉田賢一君。ちょっと吉田君、質疑は次会に譲る申し合せもございますので、本日は簡単にお願いいたします。
○吉田(賢)委員 私は次会に質問したいのでありますが、その準備のために一、二点だけ伺っておきたいと思います。欧米局長の今のお話によると、すでに昨年の五月以来アメリカとの間に対米債権について折衝が行われておるようでありますが、これにつきまして、ガリオア、イロアの先方の主張の数字というものばどういうことになっておるのですか。それを一つまずはっきりしておいてもらいたい。
○千葉政府委員 数字につきましては、彼我の話し合いはまだついておりませんですが、先方の提示しております数字は約二十億ドルに達する牧字であります。
○山田委員 実は、この問題については緒方前副総理に質問したことがあるのですが、そのときに、道徳的債務であるという説と、法律的債務であるという二通りの説明をこれに加えたのですが、二十億ドルと今おっしゃられたことは、この道徳的債務と法律的債務と両方加味した二十億ドルなんですか、それとも法律的な債務だけなんですか。
○千葉政府委員 緒方前副総理がどういう意味で法律的債務でありあるいは道徳的債務であると、言われたか存じませんが、ただいま申しました二十億ドルは、米国側が終戦後対日援助等に使用した援助の総額である、こう申しておるわけであります。
○上林委員長 次に佐々木資金課長の説明を求めます。
○佐々木説明員 旧朝鮮オープン・アカウント受け取り残高四千七百万ドルにつきましては、昭和二十八年の八月一日現在をもちまして、この債権の経理を明確にいたしますために、大蔵省としては次のような措置をとった次第でございます。外国為替資金特別会計の本来の法定帳簿のほかに特別の帳簿をつくりまして、旧朝鮮オープン勘定残高特別整理簿という名前をつけましてこの債権を記帳いたしましたが、その記帳の方法といたしましては、これは整理項目としては旧朝鮮オープン勘定残高整理のためのものであるとし、金紙は四千七百五万六千二十七ドル五十七セントというふうに掲上いたしてあります。なおこの債権につきましては、この債権の特殊の性格にかんがみまして、外国為替資金特別会計の諮勘定残高表中の項目としては掲上いたしませんが、欄外の備考欄にこの金額を掲記して、その所在を明らかにしておる次第であります。
○上林委員長 通商産業省から徳永企業局長が見えております。
○山田委員 当時聞くところによると、朝鮮に送った物資の控えの薄紙が農林省の深川の倉庫の中に、リンゴ箱六十箱に入れて保管してあったという説があります。さらにその控えの薄紙は農林君の倉庫から九段の大橋図書館に移管して、現に保管してあるということでありますが、このことについて何か御存じの点があったならば伺いたいと思います。
○徳永政府委員 ただいまお尋ねのございました証拠書類は、九段の倉庫と申しますのは、日本銀行の九段の倉庫でございます。それからただいま通産省へ持って参りまして調べ上げ、現在は通産省に保管いたしております。
○山田委員 日本に全然品物がないときに、これだけの品物が朝鮮に行っておるわけです。一体何のために朝鮮にこれだけの品物が行ったのか。同時にこの品物が朝鮮に行っていた時分に朝鮮事変が起きておるという風説が立っておるわけです。それで淡然とした総額だけでなくて、どんな物資が朝鮮に行ったか通産省としての控えがあるとすれば資料として私は出してもらいたいと思います。九日の日の委員会までに、朝鮮に出た物資の品名を一応金額別に資料として提出願います。
○徳永政府委員 前国会でございましたか、その前の国会でございましたか、概敷といたしまして商品別に分類した資料をお配り申し上げたかと思います。今はっきりいたしておりませんので、また重ねて御要求がございますれば用意いたしてお配りいたしたいと思います。
○山田委員 大蔵当局と同時に通産当局の両方に一つ伺います。対米債権のガリオア物資について、聞くところに上ると、日本政府はアメリカから日本によこした古着とかトウモロコシの粉とか、そういうものについてはどこでも計算していなかった、計算していたのはサンフランシスコであったというので、非常に疑義があるのです。これらのアメリカからよこされた物資についての算定は一体どこでやったのか、それを一応大蔵当局に伺いたいと思います。それから通産当局は、算定は昭和二十二、三年ごろの朝鮮にやった物資の算定であって、これが最近の算定ではなかったと言われています。朝鮮に送ったときの物資と今の状態とでは大分価格の開きがあるのですが、その点二十三年当時の朝鮮に送った商品の価格の査定をしたものかどうか、両方から一応伺います。
○徳永政府委員 前段のお尋ねの部分はガリオア物資の評価のお話だと思うのでございますが、ガリオア物資の評価につきましては、日本側が受け取りましてそれぞれの目的に応じて処分いたしたのでございます。ただ先方から受けましたものは向うの勘定で幾らのものであるか、金額表示及び数量表示につきましては、それぞれその品物ごとに、その時期ごとに関係書類もありまして、それに従って全体をチェックいたして見ておるわけであります。物によりまして先方の評価自身が、日本のいわば商品的な需要価値といいますか利用価値から見て高いとか安いとかいうことも、中にはなまものもございますし、そういうこともあると思います。しかし一般的に見まして、数字そのものがお話がございましたように、いいかげんの値段というような評価の仕方であるというふうには私どもは見ていないわけであります。
○山田委員 しかし物の価格は、終戦直後の二十一年、二年ごろよこしたものと、それが最近の査定価格であるとすれば、品物についての価格に大きな開きが起るじゃないですか。この点について今ここでどういう精算をあなた方はされたのか知らぬけれども、その査定の時期において物の価格は非常に違ってきておると思うのです。それでアメリカから日本によこした物資というものは大体われわれはもらったと思った。国会が昭和二十五年に感謝の決議をしておるというのは、品物をもらったと思ったので国会でおそらく感謝決議をしたと思う。それが今になつて査定されておることになるのだが、その査定の時期というのは一体いつの時期の査定をしたものかということを私はお聞きしておる。終戦直後の査定をしたものとすれば、これは今の場合よりも相当物が安かったときだし、最近になって査定したとすれば日本の価格においてずいぶん高くなってきている。この点を私は伺っている。いつを基準にして査定したのですか。
○徳永政府委員 御承知のように日本の為替相場がきまりましたのは最近のことでもあり、ただ今回問題になっております評価は、先ほど欧米局長からもお答えいたしましたように、アメリカ側の要求しておるもの、ガリオアとして提供したものはアメリカ側としては約二十億ドルのものを日本側に提供したと言っておるのでありまして、これは円で見ました場合に、時期々々によりまして為替レートの関係で値段の違いもございますけれども、そのときそのときのドルを今に換算してどうということとは、これは無関係だというふうにお考えになっていいのじゃないかと思うわけです。
○山田委員 やはり一応月曜日の日に資料を出していただきたい。何も質疑するつもりで伺っておらないのでありまして、一応資料を出してもらう建前上出したわけでありますから、御提出を願いたいと思います。
○上林委員長 それでは今の山田委員の発言による資料を月曜日までに提出を願えますか。
○徳永政府委員 対米債権の方については先ほども申し上げましたように、次の機会までに資料を用意いたしたいと思いますが、ガリオアの方につきましては目下外交折衝中の関係の案件もありますし、どの程度の資料が用意できますか、この点百パーセント御希望に沿うような資料が出し得ますかどうか、私限りではお引き受けいたしかねるわけであります。
○山田委員 日本国内では飲まず食わずで非常な不便な思いをしておるときに朝鮮に物資を出しておる。あなたは外交折衝でどうのこうのと言われるが、最大限の資料を出してもらわなければならない。国民は何も知らずにおるのです。あなた方も誠意をもって日本民族のために資料の提出方を外務当局にも一つ交渉して出していただきたい。日本民族に知らせる必要があると思いますから、そういう点について誠意をもってやっていただきたい。
○上林委員長 山田委員の御趣旨に沿うように委員長の方でお取り計らいいたします。 本日はこの程度にとどめ、次会は明後九日午前十時三十分理事会、十一時より委員会を開会し、病変米に関する事項及び対米債権に関する事項について質疑を行うことにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会