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22回国会衆議院1955/06/18

外務委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会 第1号

発言数
325
登壇者
25
会派数
5
開催日
1955/06/18

会議録

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これより外務委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会を開会いたします。  慣例によりまして私が委員長を勤めますから、さよう御了承を願いたいと思います。  農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。     —————————————

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これより本件に関し質疑を許します。通告順によってこれを許しますが、御希望によりまして、農林、商工、農林、商工と交互に質問を願うことにいたしますことを御了承願いたいと思います。なお質問者の通告がかなり多うございますから、時間を制限することは本意でありませんが、どうか御同様になめらかにすべての希望する人に発言を与える意味におきまして、まず二十分くらいの程度において御一人の質問をしていただきたいと思います。  これより質疑を許します。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 外務大臣に質問をいたします。この協定はアメリカ合衆国の一九五四年農産物貿易の促進及び援助に関する法律に基いて締結されるべきものと考えられますが、この協定は将来起るであろうというこの内容規定の実行、つまり農産物の輸入をしなければならないという予想のもとにもちろん結ばれると思いますが、これを結ぶに当りまして、日本側の要請によって話が進んだものか、あるいはアメリカ合衆国側の要望があつてこの話を進められたか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 この話は前内閣時代に起つたのでございますが、日本側の要請によって始められたのでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 これは仮定でございますが、この検討の間に農産物の輸入をやる必要なしといったようなことから、この協定は要らないという結論に到達した場合、破棄されて——破棄とまではいかないまでも、協定を結ばずに済むのか、あるいはどうしても協定を結ばなければならないという必要がありますか、その点も一応聞いておきたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 御趣旨がよく私にはのみ込めませんでしたが、この農産物の協定をやることが日本の事情から利益である、こう考えましてやつたわけでございますから、破棄の問題は起らないと考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは、この穀物輸入が日本の農業に対して大きな圧迫を加え、必ずしも日本の利益じゃないという結論が出ました場合は、これを取りやめるにやぶさかでないという決意がありますかどうか、その点を確かめておきたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 この協定に関する限り、中途で取りとめるということはできないと思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは大体この方針が確定されたものと考えますが、それには一定の穀物輸入の計画が立っておると思います。数字的に輸入の数量及び価格及びその他の付帯条件がございましたらお伺いしたい。特に米、麦並びに脱脂乳等の単価と数量について詳しく御説明願いたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この協定に基く買付数量は協定に書いてございません。価格だけしか書いてございませんが、数量は小麦三十四万トン、大麦五万五千トン、米十万トン、綿花十七万五千俵、葉タバコ二千七百トンでございます。単価を書きませんのは、これは民間貿易によって通常の買付を行うわけてございますから、日々値段は違うわけでございます、従いまして協定面ではその価格で押えまして、その価格の範囲内で日々の動きにおいて買付をいたします。従いまして、ただいま申しました数量は大よその見当でございまして、実際値段が安くなればもっとたくさん買える、そういう関係に相なっております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そうしますと協定に基いた穀物の輸入は、ほとんど純粋な商取引になってしまうというふうに考えて差しつかえございませんか。なお一点、脱脂乳はどれくらいお入れになるか、その点もお伺いいたします。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 従来約一万トン輸入しておりますが、それにプラスして七千トンくらい入れたいと考えております。これは今お話がありましたように価格が向うの相場に換算して入れますので、多少の増減は出てくると思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 大臣にあらためてお伺いいたします。日本の今の農産物の状態は、特に価格面におきまして非常に混乱を来たしております。米価問題などは特に国会におきましても重要な問題になっておることは御承知だろうと思います。今御答弁を伺いますと、市場価格でもって入ってくるということですが、こういう条件だけでは日本の農産物に与える影響は、はかるべからざる状態になると思います。従ってこれらの輸入穀物が、実際において国内に入ってきた場合に、どういうふうな管理を行い、どういうふうな販売方法をとられるか。そういう点について、これまで関係各省との間に了解ができ上っておるかどうか、でき上っておりましたらその点を御説明を願いたいと思います。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 食糧品につきましては、米、麦、小麦は従来と同じに食糧管理特別会計で買い、一般のものと一緒に配給するということになります。脱脂乳の分は、これはグラントでありまして、受け取りまして学童給食用に回します。またこれはグラントでありますので、従来のものと値段が違うわけでありまして、従来のものとプールして、あるいは国産のものとプールして、一緒に学童給食用に配給したいと考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 ただいまは大臣に質問したのですが、こういう穀物の取扱いの方法について、関係各省との間にはっきり打ち合せが進んでおるのか、それを確かめたいのです。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 すべて関係官庁と協議をいたしましてやつておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 脱脂乳はグラントになるというお話でございましたが、千五百万ドルの現物贈与の穀物というのは、脱脂乳をさすのでございますか、その点をお伺いしたい。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 グラントの千五百万ドルの内容といたしましては小麦、これは大体の数量でございますが、八万トンを予定いたしております。それから先ほど渡部政府委員から話がありましたように、脱脂粉乳が約七千トン、それからあとは綿花が三百万トン、これは一万五千俵程度になります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 この贈与の穀物その他のものは、一体どういうふうに管理されるつもりですか。国内における取扱いはどうされるつもりですか。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 これは食糧管理特別会計にやはり受け入れまして、従来約八万トンを学童給食用に配給しておるものにプラスしまして、学童給食の範囲を拡大する。そうして価格は従来のものは約十六億九千万円の補給金を出して一般の配給価格より安くしておりますが、それにグラントの分を、これは輸入経費、加工経費だけの実費がかかりますから、従来のものよりも安い状態であります。その二つをプールして学童給食の方に回す、こういうことであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 千五百万ドルの贈与の農産物は、全部学童用に回しますか。綿花なども学童用に回すつもりかどうか、その点を明らかにしていただきたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 これは全部学童に供給する、こういう方針であります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 国内の生産状況に照し合せまして、三十年度における米、麦の需給計画、これらの輸入穀物に待たなければならないような需給の欠陥というような点をどの点に押えられておるか。一体国内における生産をどれだけに押えて、どれだけ少いといったような傾向をお答え願いたいのです。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 御説明申し上げます。昭和三十会計年度の需給でありますが、供給の方を考えますと、国内品の量は五百五万トン、そのうち三十年の四月一日現在のストック・オーバーを百七十三万トンと見ております。輸入品を百五十万トン、そのうち輸入品のストック・オーバーを十八万トン、従いまして供給の合計は六百五十六万トン、うちストック・オーバーは百九十二万トン、こういうふうになっております。それに対しまして需要を、国内のものは三百十三万トン、ストック・オーバーを百九十一万トン、輸入品の方は、需要を百三十一万トン、ストック・オーバーを十九万トン、合計四百四十四万トンの需要に対して、二百十一万トンのストック・オーバー、こういうふうに見ております。     〔植原外務委員長退席、須磨外務委員長代理着席〕 小麦は、供給は内麦の買い入れその他供給全体として七十三万トン、そのうちストック・オーバーが二十三万トン、従って買い入れが五十万トン、外麦は二百五十万トン、そのうち期初めのストック・オーバー二十五万トン、従って輸入を二百二十四万トン、合計いたしまして三百二十三万トンの供給に対しまして、消費は二百六十万トンを消費する。その消費二百六十万トンのうちは、内麦で五十三万トン、外麦で二百六万トン、その差額はストック・オーバーとして翌年に繰り越したいと、こう考えております。  大麦、裸麦でありますが、これは内麦の供給を百二十五万トン、外麦を七十二万トン、百九十七万トンの供給に対しまして、需要を百六十二万トン、そのうち内麦百四万トン、外麦五十八万トン、その差額を翌期に繰り越す、こういう需給になります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 さっき外務大臣は、どうしてもこの穀物を輸入しなければならない日本側の要因があるという御説明でありましたが、今の御説明でございますと、特にこういうふうな協定を結んで、早急に外国食糧を入れなければならないという国内の要求がないように考えますが、ただ財政的に豊かになるとか、あるいは日本に将来利益があるだろうという観点から、この協定を取り入れられるのかどうか、こういう点を確かめておきたい。特に今のような資料は一応全部お回しになっておいた方がいいと思う。これからでもおそくはありませんから、一つ資料として出していただきたい。この協定を結ぶ必要性というものは、日本の農産物の需給関係に基いたものか、あるいは財政上の必要からやられるものか、その点に対する見解をお聞きしたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 この協定を結びました趣旨は、これを議院に提出したときに御説明申し上げた通りでございまして、全般の農産物の輸入が必要であるという一点にとどまつたわけではございません。全部の問題を考究いたし検討をいたしまして、その必要を認めたわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは具体的に質問いたしますが、これらの単価はきまらないといっておりますけれども、国内における米、小麦と、こういう外国産の米、小麦との間に価格差は一体どれくらい出るという見当でございますか。価格差についての見当を一つお答え願いたい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 先般来の御説明の通り、今回買いますところの輸入食糧の最終的な具体的価格、余剰農産物の分は正式には決定いたしておりませんので、具体的にはっきり数字をはじくわけには参りませんが、余剰農産物の買い入れ価格そのものにつきましては時価で買うわけでございます。その時価がその時期におきまして、どの程度におさまるかということにつきましては、一応の推定はいたしておりますが、最終的に幾らできまるかということは、通常の取引をやつてみました結果で判明いたすわけでありますので、一応想定いたしているわけであります。それで米につきましては全体の食糧を通じまして……。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 ちつともわかつていないじゃないですか。外米と日本米の間に石当りどれくらい違つているか、これが重点なのです。各省との打ち合せをしたと言われるのでございますが、農業関係についてはほとんど無知のように考えられますので、はなはだ失礼でありますけれども、もうおやめになって農林大臣と大蔵大臣にぜひ来ていただきたい。それまで質問を保留します。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 今質問の趣旨を取り違えているようでありますが、たとえばタイ米と内地米、ビルマ米と内地米、そういう数字であればすぐ出てくるのでありますが、余剰農産物との価格差というので説明しにくかったわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 私は余剰農産物の問題を聞いているのです。しかもこれを六月三十日に間に合せるために、あなた方は決定を急いでいると言われているのでしよう。急ぐなら急ぐように、これほど重大な国民生活に関係ある法案を急ぐためには、完全な資料が必要です。これらの輸入農産物が国内の農産物に与える価格上のいろいろな影響、国民の需要に与える影響、これが的確にデータがそろわないで論議できますか。私はそこを追及したい。できなかったらできないようにあつさりかぶとを脱いでもらいたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 小麦につきましては、ただいまの想定でありますとFOBトン当り六十一ドルでございまして、従いましてこの小麦の六十一ドルは小麦協定に基きまして買います値段とほぼ同じでございます。それから大麦につきましてはFOB六十ドル程度でございます。一般の市場価格はFOB五十四ドル程度でございます。従いまして大麦につきましてはCCCから買います分は若干市場価格よりも高いわけでございますが、御承知のようにこの協定に基きまして買いますものは市場からも買えることになっておりますので、安い方を買えばよろしいわけでございます。次に米につきましては南部米がただいまの想定では大体FOB百五十ドル程度と想定いたしております。この百五十ドルをタイ米と比較しまして品質換算しますと、現在タイから買つております米と品質上の格差を考慮に入れますと、ほぼ同じ値段ではないかと想像されます。綿花につきましては一俵当り二百ドルを若干下回る約百九十ドル程度と想定いたしております。     〔須磨外務委員長代理退席、植原外務委員長着席〕

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 綿花は一体贈与ではないのですか。さっきは贈与というような話でございましたが、輸入するのでございますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 綿花につきましては、買い付けます数量は先ほど御説明申し上げましたように、一応十七万五千俵程度を予想しているわけでございます。それから贈与として受けます分は数量がいまだ確定していないのでありますが、一応一万五千俵程度を予定いたしているわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 脱脂乳はどうなっておりますか。これはあとで計算すればわかりますけれども、特に国内の相場に比べましてどれくらいの価格差ができるか、それを伺つているのでありますが、まだ考えたことはございませんか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 脱脂乳につきましては買い付けます分はございませんで、全額プラントとして贈与として受けることになっております。この数量はほぼ七千トン程度を予想いたしているわけでございます。

綱島正興自由党

○綱島委員 FOBというお話でありますが、これは主としてアメリカの剰余農産物の会計に入っているものだと思うのですが、私が知るところによると、アメリカの剰余農産物の支出はシカゴの倉庫渡しであつて、それから陸路海路全部受け取る方の負担になっているようですが、これは特にどこの港からFOBになっておりますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 CCC価格と申しましても日本が買い付けます場合は、ただいま申し上げましたのは海岸のFOB渡しの値段でございます。(「どこの港だ、港によって違う」と呼ぶ者あり)それは場所によって若干違いますが、一般の平均価格を申し上げたわけでございます。

綱島正興自由党

○綱島委員 御承知の通りアメリカは大体六十億ドルに近い剰余農産物の保障価格維持のための国費を払つております。剰余農産物として特に渡すものは、国家がこれを要請するような場合については無料に近いものが多いようでありますが、どうしてこういう価格か。ほとんど市場価格にひとしいような価格である。この点が僕にはどうしても意味がわからない。どういうわけでこういう協定をされたか。御承知の通りアメリカは毎年必要量の倍以上も米はできております。処分ついては特殊な機関を設けている。これから売り出すものはかつてはバター一ポンド一セントで出したようでございます。非常に安いものであるので、どうしてこんなに高いのか。これが非常に安く参りますれば、日本の食管法の補いにもなるのだが、こういうことでは一向何にもならぬような気がするのですが、外務省はどういうことをされたか、これは特に外務大臣に伺います。どういうことでこういう価格でおやりになるようなことになりましたか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは私は市場価格で買うということに考えておるのでありますが、しかし詳細のことは関係官から御説明いたさせたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 大臣の御説明の通りに、協定に基きまして買いますものは、市場からでも、CCCからでも日本側の買い付ける場合の選択によって自由に買えるわけでございます。従いまして市場価格が安ければ、市場価格に基きまして、一般の商業べースによりまして買つてちつとも差しつかえないわけでございます。

綱島正興自由党

○綱島委員 ただいまのお話によると、どつちからでも買つていいというお話だが、実は御承知の通りアメリカは農産物が非常に余つておりまして、農民から買い上げるときは小麦など一ブッシェル二ドル四十五セントで買うのです。協定には一ドルで売るのです。それでも余つている。アメリカでは、日本の石高に直しますと、昨年も一昨年も大体二億六千万石ぐらい小麦ができております。アメリカで必要なものは八千万石ぐらいなんです。外国に売れるものは、日本とヨーロッパの分を含めまして五千万石しかございません。大体一億三千万石しかアメリカで処分がつかないのです。あとの一億三千万石は、倉庫に置いたり、焼き捨てたりしておるのです。これらの価格保障のために六十億ドルもアメリカは国費を使つておるのです。従って国家が必要とする場合、もしくは特別な慈善団体、これも指定がございますが、そういうものに必要とする場合等は、ただに近い価格で処分しておるのです。これはどうも意味がちょっとわからぬ。不手ぎわはなはだしいように思えるのですが、これに対してはどういう御処置をなさいますか、この点を伺つておきたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 CCCの手持ちのものだけを買いますことになりますれば、CCCの保管費用あるいは手数料等が加算されまして、市場価格よりも高いものを買わざるを得ません事態も想定されるわけでございますが、そういうことになりますと、日本といたしましては不利でございますので、厳格な意味におきまして普通の市場取引によりまして買うことを交渉いたしたわけでございます。従いまして初めのアメリカの法律におきましては、一般の輸出業者がCCCの手持ちのものでなく、て、自分のストックのものを売ります場合には、その売つた数量に見合う分をCCCから買い戻すという条項があったわけでございますが、その点にその条項を入れますと、われわれとしましては買付値段が若干上ることをおそれたわけでございます。従いましてその点を交渉いたしまして、結局その買い戻しの条件という条項は削除されたわけでございます。そのもとになります法律の修正が行われたわけでございます。従いまして厳格に完全に普通の、現在協定に基くもの以外の一般の買付と同じ条件で買えるということに御了解願いたいと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員 ただいまのところですが、CCCと交渉したと言われるが、私は不思議でかなわぬ。昨年の五月十一日にあの代表者のロバート・ネーサンが日本に参っております。十一日から十三日までおりました。私は農林省にも連れていって会わした。日本はどうも高いものばかり買う、これではどうしても日本はいくまいということでそのことは農林省にもよくお話をした。それはちゃんと向うはこういうことをすれば安く買えるのだというたくさんの向うの法律を送つてきております。外務省などにも注意を農林省からするようにということで、したこともあるようですが、それも一つもやらぬ、何か業者とくつついているのではないかという疑いさえ私どもは持っておるのです。なるほど一方からいえば、日本の農産物を保護するという意味から入れないということならば多少意義があるが、入れる以上は安く入れるということ以外にはない。これを詳しく言っても時間がないので、書類によってあとでまた委員外でいたしますが、外務大臣と経審長官にお伺いいたしておきますが、方法があればあなた方は安く買う意思がありますか、このことを伺いたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの綱島さんの御意見につきましては、私は同感の点が非常にあります。これは単に余剰農産物の今回の買い入れではなくて、過去において買い入れられておつた方法については、私はよほどこれは考究する必要があると存じております。今回の余剰農産物の買い入れにつきまして、グラントとして向うからもらうものにつきましては、CCCの値段に従わなければならぬと存じますが、こちらが買いますものは、どこまでも自由でありまして、自由相場、競争相場をもって買うということの原則をくずさない方針でございまして、そのように協定ができておりますから、できるだけそういうふうに今後は注意いたしたいと存じます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 今の価格の問題に関連をいたしまして伺つておきますが、これは農林大臣がおいでになれば一番いいのですが、おいでになりませんから……。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 農林大臣はすぐに参ります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 一応申し上げておきますが、本年の食管特別会計の輸入米麦の単価として掲載されておりますものは、大体シフで米が百六十四ドル、大麦が七十八ドル、小麦が八十二ドルであります。ただいまのお話を聞きますと、FOBで小麦は六十一ドルであると言われます。これは大体小麦協定と同価格のものであると言われますが、差引二十一ドルからの大きな、政府が国会に提出しておる単価との差があります。これは一体どういうわけでありますか。その原因はいろいろあるでありましょうが、ノルウエー等は、アメリカの船を半分使え、そんな屈辱的なことは受けられないということで、この余剰農産物の受け入れを拒否しておる。日本は今度の協定で半分ずつ——去年はアメリカの船を半分、その残つた半分のうち第三国船を半分、日本船を半分、四分の一が日本船で、第三国船が四分の一、アメリカ船が四分の二、MSAのときはこういう契約であった。今度は半々ということになっておる。従ってアメリカの船は、日本の船の場合よりもおそらく倍くらいの運賃を今までとられておる。そういうアメリカの高い運賃で持ってくるから、結局FOBでは六十一ドルのものが、食算特別会計に単価として計上するときには、八十二ドルというようなべらぼうなものになってくるのじゃないかと思う。だからFOBにおいて六十一ドルのものが、この余剰農産物で入ってくる場合には、いわゆる船賃を各国別の計算をして、シフでは一体どういうふうになりますか。シフではどういう計算になるかということを承わらねば、われわれはこの価格判断はできません。それが一つ。  それから一九五四年法による余剰農産物という言葉は、百六条の中に出てきておる。この百六条ないしは百一条の中にある言葉は、「合衆国の通常の市場取引を擁護し、」だからこのたびの分は通常の取引のワク外であるということになっておる。そういたしますと、通常の取引は幾らと大体計画をして、現在どの程度品目別に入っておるか、それとの価格はどういう関係になっておるか、それを御説明願いたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 御質問の第一の点につきまして、船賃の点でございますが、昨年五百五十条の協定に基きまして積み取りを行いました場合も、五〇%の分はアメリカの船籍の船を使わなくてはならないことになっておりましたが、その残りの五〇%につきましては、日本船であろうが第三国船であろうが自由でございまして、そのうちのパーセンテージを分けまして、どこどこでなければならないという制限はなかったわけでございます。それからこのたびの協定に基きましても、五〇%はアメリカの船を使うことになっておりますが、御指摘のようにアメリカの船賃が高い場合におきましては、その現実に運びますときの運賃の市場価格を基礎といたしまして、その差額はアメリカ政府が払い戻しをすることになっておるわけでございます。従いまして、日本といたしましては、通常の国際的な運賃よりも高い運賃を払う必要はないわけでございます。  第二の点につきましては、通常の輸入量と申しますのは、過去の平均をとりまして、さらにその年々の具体的な事情も考慮いたしまして、たとえば凶作のために特別に輸入をせざるを得なかったような事情は緊急輸入ということにしまして、われわれとしましては通常の輸入のワクに入れておらないわけであります。従いまして、一応アメリカと話をしました通常輸入量の内容と申しますのは、現実にアメリカから輸入しました内容よりも下回っておるわけでございます。この通常輸入量とそれから余剰農産物の協定に基きます数量との関係でございますが、いずれにつきましても価格品質その他商業上の条件に合わなければ、何ら引き取る義務はないわけでございます。  若干今御説明申し忘れましたが、現実に通常輸入量の買付の状況を申し上げますと、米につきましては四月末現在で一万三千トンを残しておるわけでございます。小麦につきましては全量買付終了でございます。大麦につまましても買付終了でございます。それから原綿につきましては九万四千俵残しておるわけでございます。葉タバコにつきましては全量買付終了でございます。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 今いろいろの価格の関係の御質問がございました第一点は、予算単価との関係でございます。予算単価につきましては、御指摘の通りたとえば大麦では八十二ドルを計上されておりますが、これは今回の予算から、着船べースになりましたので、御指摘のシフに直しますと七十六ドルになるわけでございます。この八十二ドルにいたしましても、七十六ドルにいたしましても、これは世界各国から買います大麦の平均値でございます。そこでたとえばオーストラリアあたりで買います小麦は実績といたしまして九十二ドル、それからカナダ等から買いますのが八十ドルというようなものがあるわけでございます。そういう各国から買いますものの平均値を三十年度の予算単価といたしたわけであります。  それから余剰農産物で買いますもののシフはどうなるのかという第二の御質問でございますが、先般来申し上げております通り、買います最終的な形は今後でございますが、私どもがただいま見当をつけております数字といたしましては、小麦はCアンドFで七十三ドル程度のもの、大麦は六十六ドル程度のもの、米は百六十五ドル程度のものを買いたい、かように考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員 その話を聞いて全く驚いた。無知というか何というか、しようがないですがね。アメリカのこの余剰農産物の処理は、商人が買うときは、あなたがおっしゃる通りやはり高いのです。国家が国家の必要に応じて買う場合、あるいはカソリック教会というものが慈善に買う場合、というようなものは特別の規定があるのです。そしてこれはべらぼうに安い。一例を申し上げると、昨年はイスラエルにバターを二千万ポンド、各一セントで売つております。アメリカの原価でもバターは七十五セントかかるのですよ。それを一セントで売つておるのです。ビルマには一千万ポンド、それを一セントで売つておる。そういうことで国家の相互の利益をはかる意味でやるもの、多少援助の意味も含まれるものは、いわゆるよそは幾らにするからここは幾らにするという価格にならないのですよ。それはアメリカは、先ほども申し上げる通り、小麦でも生産量の半分しか使用できないのです。そして他に市場がないのです。その他みなそうです。バターでもそうです。それはアメリカの農業政策で価格保障をしなければ立っていかれないからやつておる政策なんです。その政策があつて、やればやれるというので、わざわざ日本にネーサンが立ち寄つて、その法律も何もみな示した。私の方の知人でしたが、あとから全部法律を送つてやつて、これをこの間ちょっと経審のお役所にも一部お貸ししました。農林省にも一時貸しておきました。食糧庁にも貸しておきました。食糧庁にはコピーがあるはずです。それであなた方そういう子供みたようなことをせずに——あなた方に知恵をつけても限度があると思う。そこで、知らぬ者がやると間違います、後日こういうことだけ取りきめておけばよい。この正式のルートで国家の方針でやつていけばやつていける道があるのだから、その際は政府はそういうことをやるのにやぶさかでないか、また注意してそのことをなさるかどうか。このことを一つ外務大臣や経審長官に伺つておきます。その道があればそういう方法でやるということをあなた方が腹をきめさえすればよい。それならやる方法が別にあるのです。わざわざネーサンが日本へ来ました。私はその当時、来るときの手紙をたしか持っております。あなた方ただ商取引でこういうことを国際上やつておる。ことにその中には、防衛費に幾ら使うというような意味まで含んだこの条約で、そういうことを商取引ベースできめるなんというお考え方が非常におかしい。これが非常に安くなって参りますと、食管会計の中に安く入って参りますと、日本の農産物価格保障等も、割合に高く保障されるようになって、今の政府が突き当つておるような問題解決の一助ともなる。こういう点で事務当局などがめくら計算で、めくら方法でやられることはやめられるかどうか、この点を特にお伺いをいたしておきます。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 仰せごもっともでありまして、本年度の交渉におきましても、新しい一九五四年法に基きまして、ただいま仰せのような慈善団体その他に対するほんとうの救済の意味の醵出がございますが、この点は日本としては贈与分をできるだけ多く獲得したいという見地から交渉いたしたのでありますが、千五百万ドルのワクになつたわけでございます。これは一セントも払いません。それ以外のものは贈与ではなくて売買でございます。それで売買になりますと、アメリカの基本政策として、単に自国の農産物価格のみならず、世界市場の農産物の値くずしをしてはならぬ、これはまたアメリカのみならず、日本にとつても利害関係の緊切な問題でございます。そこでごらんの通り、協定におきましても、日米両国政府は農産物の販売が世界市場における……(「それは読んでおるから、わかつておる」と呼ぶ者あり)そういうことでございますから、結局通常取引におきまして現実に買付をするのは日本の商社でございます。商社がマージンをかせぐためには、やはりできるだけ値をたたいて買うわけでございますから、もしこの協定に値段を幾らで買うと書きましたならば、これはおしかりをこうむつてもやむを得ませんが、この協定は値段は白紙にしておるわけです。安く買うか買わないかは日本の関係業者の腕次第、そういう建前で、協定自体は値段にはタッチしていないのであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 これは重大問題だ。これはあなたが御存じないというはっきりした証拠なんです。アメリカが余剰農産物を売り渡します場合は、相手は国家か慈善団体以外は売り渡さないという規定があるのです。よろしゅうございますか、商社が買う場合は商社が国家の代表としてしか申し込みはできないことになっております。今日この委員会は後日まで延びられぬからしようがないと思いますが、私は法律を持ってきてお目にかける。あなたは何も知らぬから、そんなことを言って説明しておる。アメリカの余剰農産物の処分は国家か慈善団体に限つておるのです。そこで商社が申し込むときには、国家の委任状でなければ申し込まれないのです。それから慈善団体の委任状でなければ申し込まれない。あなたは商社の腕次第なんて、そこらもちょっとおかしい。まだ調べていない証拠です、それは。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この協定の根本的な建前は、仰せの通り国家間の取引には相違ございません。しかしながら現実に国家は何をいたすかといいますと、日本政府はその購入を取り計らうことに同意する、それからアメリカ政府は会計年度において与えられた購入許可に基く資金を支出することを約束するというのが、この協定に定められました直接の義務なのでございます。でございますから、買付自体は、この協定にはっきり書いておりますように民間貿易経路によってやる、そして値段も当事者間の話し合いでやる。ですから政府間の直接売買ではないのでございます。これはもう協定の根本の建前でございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 今のような御答弁では、とてもこれは満足ができません。第一これはアメリカの余剰農産物を買い取る契約なのであります。余剰農産物は本来ダンピングです。ダンピングをダンピングにしないで、一定の利潤をはかつて売りつけられる対象が日本では、たまつたものではない。わずか千五百万ドルの贈与農産物があるからといって、こんなでたらめな、腕次第で自由に商社がもうけられるようなことを、なぜあらためて協定を結ばれたか。こんな条件で結ぶならば、普通の商取引でもできる、もっと簡単にできます。この協定はあたかもある特定の商社に利益を与えるために、外務省が便宜をはかるような協定である、こう思わざるを得ない。この協定が結ばれた場合、どういう商社が穀物の買い入れに当るか、具体的に名前をあげて御説明願いたい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 お答えいたします。先般来いろいろ御質問がありましたが、この食糧の買い方の実務を申し上げたいと思います。この買い方の実務といたしましては、食糧庁といたしましては、この協定の批准が得られまして、正式に買い付けます際には入札をやるわけでございます。この入札をやります際に食糧庁が買い入れる品物は、たとえばアメリカの農務省のナンバー・ツーのものでなければ買わないとか、その他品質条件を考慮いたすわけであります。そういたしまして食糧庁といたしまして、どの値段でならば買うかという腹づもりを予定価格として腹の底に持つわけであります。そうしてその予定価格の範囲内で入札に応じましたものがありました場合に、その食糧を食管特別会計で買い上げる、かような段取りに相なるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 どうもその説明は私には受け取れません。先ほどは下田条約局長は、価格については政府側としては全然注文を出さぬので、商社の腕次第で安いものが買える、こういうのです。今の説明だと、食糧庁が腹づもりで買い入れ価格を予定して、これを入札の予定価格として買わせる、全然矛盾した方針です。しかもこれを買つた場合には、食管特別会計に入る。食管特別会計は七千億以上の予算を組んでおるのです。まさに国家の予算に見合うくらいの膨大な予算です。そうすると、国内の農産物の価格がどうなろうと、農民の生産意欲がどうなろうと、食管特別会計に黒字が出さえすればいいという財政的な必要からこの協定を結んで、特定商社と何らかの契約が成り立っておるのではないかというように考えられますけれども、それは一体どうしたのですか。全然違つておるのです。予定価格があるならば、協定を結ぶ前に大体あかしてもらいたい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 予定価格と申しますのは、部外に発表いたしませんで、食糧庁がCCCの輸出価格とか、アメリカにおきます相場とか、フレートの動きとか、そういうものを考えて、腹の底でこの程度ならば世界各国との関係で買つてもいいという値段を予定するのでありまして、この値は部内秘と取り扱つてあります。これは会計法上外に出せないわけのものでございますが、こういう腹づもりをいたすということであります。先ほど条約局長が、商社の腕次第と申しましたのは、私どもいろいろ商社情報その他を参考にいたしまして、努めて安い食糧を買うわけでございますから、その予定価格の中でさらに個々の商社によりましては、より安いものを買い付けようとする企業努力をいたすわけでございます。その点を条約局長は商社の腕次第、かように表現されたものと存じます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 今のあなたの御答弁で私はますます疑惑を深めざるを得ないのです。さっきも申し上げた通り、食管特別会計というものは七千億以上の予算を持っておる。しかもそれが秘密の前に隠れて、食糧庁あたりが勝手に腹づもりで、予定価格をつけて、そうして七千億の膨大な予算のワク内で、入札を通してかもしれませんが、商社と取引をする。そうなりますと、まるで食管特別会計というものは、国家の商社みたいになる。国家の名による一つの営利団体になってしまう。黒字が出た、赤字が出た——これは他日追及することはございましょうが、もしも一般に公開できないならば、秘密会でも要求いたしまして、あなた方の腹づもりを聞く必要があると思う。特に、これはあとでけつこうでありますが、どういう商社がこの入札に参加するのか、そのリストを資料として出してもらいたい。この協定を見ます場合に、非常に大きな必要を感じておりますのは、日本の農業でもなければ、国民の食糧でもない、何らか財政上にこれをやらなければ始末がつかぬ問題が一つ残つているのじゃないかと思う。大蔵大臣あるいは農林大臣に対して外務大臣からお話があった場合に、そういうふうな話し合いがあったかなかったか、これは大臣に御答弁を願いたいと思う。農村の要求などにはほとんど一顧も払わないで、ただ特定の商社が利益をしたり、あるいは国家の財政が幾らかでも楽になればそれでよろしい、こういった農民に対してしわ寄せをして農産物の輸入政策のように考えられますが、この点は大臣は一体どう考えておられますか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、さようなふうには考えられなかったのであります。これは抽象論になりますが、さような問題については、私は十分知識を持っておりません。従いまして関係の閣僚と総合的に話をしてこれができたのでありますから、ある一部分の国民にしわ寄せになるようなことは、これは断じて避けなければなりませんから、私はそういう点についてさようなことがあったとは感じなかったのでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 私は食管特別会計とこれらの協定との間にある関係が生じているということを、皆さんの御答弁によってはっきり考えます。その問題につきましては、大蔵大臣あるいは農林大臣にあらためて質疑をいたしますけれども、ただいま各説明員から御説明のあったことは、大臣の責任における答弁と認定してよろしいかどうか、この点を確かめておきたい。政府答弁とみなしてよろしいかどうか、この点でございます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 さように御了解を願いたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 私は大臣が出るまで保留します。

綱島正興自由党

○綱島委員 先ほどの説明員の説明によると、国家間の協定でなくてというような説明であったようですが、第四条の三項には、「両政府は、この協定を実施するに当り、民間の貿易経路をできる限り使用するように努めるものとする。」という規定があるようですが、この条項から見ても、この全体の条文から見ても、これはやつぱり国家間の売買協定であつて、ただ商社を使うというだけで——これはアメリカはみなやつております。御承知の通り小麦協定でも、その他余剰農産物の処理は全部商社を使わねばいたしません。先ほど例をあげましたイスラエルやビルマとの貿易におきましても、これはおのおの商社を使つております。アメリカにもきまつたコーポレーションがございます。けれども、それは手続をするだけで、この取引は国家の取引に間違いない。そうするとやはり先ほど申し上げたような余剰農産物の処理の特別規定によって、これは非常に安くすることもできると僕は思うのです。先ほどの御説明は、その点が少し間違つておりはせぬか。そういうことになるならば、私は政府の言明を得ておきたい。ここで短時間の間には何もやれぬから——これは国家間の取引だからやれる方法があるならば安くやれるのです、こういうことさえ言明してもらえばいい。これだけでも政府ははっきり言えぬですか。これだけを伺つておく。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまのお説はごもっともだと思います。そうしてこれは民間貿易経路をできる限り使用するということになっておりますが、これは使用しなければならぬということにも解釈はできません。従いまして、国家間におきましてできるだけ交渉をして、安く買うという方針をとつていきたいと存じます。     〔加藤(清)委員「委員長」と呼ぶ〕

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 加藤さん、あなた御自分の御質問のときにそれに触れるときもありましょう。だからなるたけ関連質問は——大ぜい質問者がありますし、みんな質問するようにいたしたいと思いますから、どうかあなたの御質問の中に今の関連質問のようなことを入れて御質問をしていただきたいと思います。——日野吉夫君。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 今までの論議で大体明らかになりましたが、取引の要素がまだ整つていないということ、これは資料を待ってもう一度審議したい。取引の重大要素が一つもきまつていない。大体余り物は安く買えるというのは常識であるが、これは余り物を安くなく買う一つのあれになっておる。それから、われわれ農林委員会で何らの資料ももらつていない、どうも計画性がない。これは非常に危険な取引であるから、一つ計画性のある計画書を今度の資料提出の場合出してもらいたい。その上で十分審議をしたいと思いますので、取引関係のことについては質問を留保しておきます。  そこで二、三の点だけを若干質問をしたいと思う。この協定成立には政府がいろいろ苦心されたことはよくわかる。もちろん相手のあることであるから、不満足な点があるであろうけれども、日本政府の意思に反してこの協定が結ばれたとも聞いておりますので、それらの点をもっと——先刻条約局長から御答弁がありましたが、贈与の不足を言われておるが、こういう不完全な点が交渉の経過にあったならば、一つその点をここでちょっと聞かしていただきたい。たとえば円建、円払いというような問題もある。こういうものがきわめて不利益に取りきめされてあるというようなことについて、外務大臣の御意見なりあれば、一つ聞かしてもらいたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 この支払い条件等につきましては、最初私どもは円で買つて、円で支払う、こういうことの考えでおつたのでございます。それをできるだけ長期に、できるだけ低金利でやるということの方針で進んだのでありますが、このアメリカの余剰農産物のほかの国との契約等を見ますと、かりに日本が円で支払つた場合には、その円の価格がドルに対して変動を生じた場合は、その変動の責任を支払うときに持たなければならぬ、こういう条項を彼らはどうしても引つ込めることができなかったのであります。そうなれば、いつそ円で買うことをやめて、ドルにしておいて、支払うときにはドルで払つたらどうか、こういうふうなことも考えたのでありますが、いろいろの点から考えまして、ドルで借りるということにして、借款はドルにいたしますが、支払うときの条件によりまして、あるいはこれを円に変えてもいい、こういうふうな工合に最後に相なつたわけなのであります。それで金利等は大体二分五厘か三分五厘か——二分五厘くらいということをわれわれは主張しておったのでありますが、いろいろ折衝いたしました結果、大体ドルで支払いますものは三年間据え置きまして、据置期間中は無利息、四十年年賦といたしまして、それで三分にする、こういうことになっておりますから、この据置期間を計算に入れますと、ドルで支払います場合には二分五厘六毛くらいの利率になっております。都合によって円で払います場合は、ドルで払うときの三分のかわりに四分、こういう計算に相なっております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 この点はこういうことできまつたので——われわれは、これは向うの余つて処分に困っているものの取引なのだから、もっとじつくりと条理を尽して、向うは民主主義の国なので、筋が通ればある程度のことは聞くのであつて、この点は去年改正になつたMSA法の改正では明確な規定がないようでありまして、交渉のいかんでは今の経審長官の主張のようなものは通ったのではないか、交渉の技術に若干のあれがあったのじゃないか、こういうように考えられるのですが、ここでこれを追及しても仕方がないので、あと資料の提出を待って詳細な質問はするといたしますが、不明な点は今の協定で運賃が食管会計の中から全部支払われるのか、食管会計の中には管理費として運賃、保管料、荷作り費、これらが二百十九億計上してありますが、この中から船賃、こうしたものが払われるのかどうか、中には今話があった食管会計以外のものも含まれておるのか、これらの内容はどうなのか、ちょっとお伺いしたい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 お答えいたします。余剰農産物として買い入れいたしますものの船賃は、一応食糧庁は輸入業者には支払います。ただ米船で運びました米船の四百万ドルの運賃は、これは米船と日本船との差額分だけはアメリカ政府から日本政府に帰って参りますので、それは食糧庁に戻し入れられる場合が予想せられるわけでございます。それから予算の項目といたしましては、買い入れ費はCアンドFで組んでございますから、外国食糧買い入れ費から支払われるもので、御指摘の運送費というのは国内食糧の運送費でございます。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 大体われわれは提案の説明よりまだ聞いておらないのですが、この農産物の購入が適当であると判断されたこの根拠を一つ承わりたいのですが、世界の市場と農産物の価格というのは非常に重大な関係があつて、アメリカの最近の農産物価格というのは非常に値下りをして問題を起しておる。こういう場合にこの余剰農産物を買い入れる場合に、日本の農業との関係も十分考慮しなければならないのであるが、この点について適当なりと判断された——もちろん日本の食糧不足から当然一定量を買い入れなければならぬが、買い入れるに当つてこういう余剰農産物買い入れの形において買い入れることが適当だとする根拠を一応承わつておきたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 アメリカ側とすると、これは余剰農産物として困っておることは事実であります。しかるにわれわれ日本側といたしますれば、これはどうしても必要欠くべからざるものでありまして、これを取引します場合には農林省、各方面とも打ち合せしまして、大体において日本の農産物の生産に障害がない、こういうことを確かめましてこの数量をきめたわけでありますが、買い入れ価格につきましてはできるだけ安くしたい、こういうことはもちろんでございますが、大体におきまして世界競争市場の価格においてとるということになれば、当然日本が輸入すべき価格であるということの前提のもとにやりまして、これは日本の農村にも大きな影響はなく、一方においては日本の必要なるものを買うのだ、しかもその取引条件におきましては五千九百五十万ドルに対して千五百万ドルの贈与もある、それだけの景品付だ、その上にこれが三年間据置で、その期間は支払いは無利息である、利率も安い、四十年年賦だ、こういうことになりますれば、その金を国内の開発、一部分は農業に使い、一部分は工業開発にも使つていけば、資本の不足しておるわが国といたしましては、日本の産業全体として有利である、こういう結論に到達いたしまして、これを取引することに決定いたした次第であります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 このことについては経済上に大きな利益があるということを経審長官が今言われておるのでありますが、われわれは大きなマイナスを持っておると考えるが、何かこの協定によるマイナス面についての考えを、あったら一つ伺いたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 これは各方面の立場立場によって多少違う議論があるでしよう。しかしわれわれは総合的に考えまして国家として利益であるとしてやつたのでありますが、かりにマイナス面があったとすれば、たとえば日本の農村からいえば、できるだけ日本の農村のものを十分作つて外国から一つも輸入せぬようにする、外国のものが入ってこなければやむを得ず増産するであろう、こういうことの見方からすれば、農村の自給というか、増産計画にじやまをしたという議論も出るだろうと思います。また買う上におきましても、たとえばタイやビルマあたりから米を買つておるのだ、これは輸出貿易を進める上において、この東南アジア方面から米を買えばいいものを、アメリカから買う必要はないじゃないか。これも一つの議論でありますが、それはやはり相当マイナス面もあるということは私はよく存じておりますけれども、そのマイナス面とプラス面とを比較いたしまして最大公約数から考えた結果日本全体の利益である、こういう結論に到達したわけなのであります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 そのことについては議論にわたりますのであとの機会に譲りますが、この協定の中には去年の協定と本質的にどこが違うのか、MSA法の改正が行われていろいろ一本にまとめられて、そうして軍事的な義務の強化がされておるが、この協定にはその面が現われていない。義務強化の問題は何か別な協定か文書か何かをもって規定するのかどうか、外務大臣にこの点をはっきりしていただきたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 御指摘の昨年との協定の相違点でございますが、仰せの通り昨年は二本立の協定でございましたが、本年は一本の協定になっております。根本的な違いはアメリカ自体の法律が違つたという点でございます。御承知のように昨年はMSA法の五百五十条というので受けたわけでありますが、従いましてその積立金は日本の軍需産業の向上発展というものに使われる軍事的色彩が強かったのが昨年の協定でございます。本年度はそういう面は全然ございませんで、純経済的の目的を追求するものでありまして、積立円は電源開発でございますとか生産性向上でございますとか、農地開拓に使う、そういう純経済目的に使うという目的上の大きな相違があるわけであります。その他こまかい点もございますが、大きな点は今申し上げたような点であります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 これはこの協定だけで、ほかに細部のとりきめに関する何かの文書の作成は必要としないのかどうか、その点をさらにお伺いいたします。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この協定のほかに交換公文と議事録という二つの付属文書がございます。これは参考資料としてすでに御提出しておるのでありますが、いずれも協定のワク内におきまして協定の細目に関する了解を取りきめたものでございます。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 われわれはまだそういう詳細な資料をもらつていないのであるが、さらに次会にできるならば一つここへ出してもらいたい。今の積立金の使途についてその七割が電源開発に使われ、農業開発、これは愛知用水等があげられていることは承知しているのであるが、生産性の向上というのは、これは世界各国がMSAの積立金使用の相当部分を持っているようであるが、どのくらいの予定になっておるか。これは日米技術援助協定に基いて使われることになっているようでありますが、日本の技術援助協定がいつ成立しているのか。その生産性の向上の本部とか事務所とか、そうしたものができているのかどうか、それらの点を一つ明確にしてもらいたい。

福井政男通商産業事務官(企業局次長)

○福井説明員 生産性向上のためには一億五千万円の金額を出すことにいたしております。なおただいま御質問のございました技術援助協定というようなものは、生産性向上についてはできておりません。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 それは協定をやるつもりですか。

福井政男通商産業事務官(企業局次長)

○福井説明員 ただ生産性向上のために日本政府とアメリカ政府との間で行政協定ができております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 大本われわれの主たる問題は、先刻経審長官が言われたように、日本農業との関連でこれは私の見るところでは大きなマイナスであろうと考えるので、これらの点に対する配慮が足りなかったのではないか、各省間の打ち合せ等も十分できていないのではないか。日本貿易の現状を見ますれば、明らかに農産物輸入というのが日本の国際収支を悪化しているということは、これは御承知の通り、国際収支の関係を見ても、おととしは全体の二八%、去年は三四%九ということになっており、日本貿易の改善、国際収支の改善、これによる日本の自立経済という観点からいたしますならば、何としても食糧輸入を防遏しなければならないということは常識であります。こうした場合に何をさておいても食糧輸入に全力をあげられなければならない。民主党の内閣でも六カ年計画でこの点を考えておりますが、しかしなかなか自給の線が出て参らない。せめてこれは生産性の向上、自給力の向上をはかるというようなことが重大な問題で、当面解決しなければならぬ問題であるが、この余剰農産物の協定の、直接とは言いませんけれども、大きい関係を持ってこれは日本の食糧政策というものは、去年のこの協定を結ばれるときから前政府の五カ年計画がくずされ、そうして今年も同様にくずされて、もう日本の食糧というものはますます多く輸入しなければならない実情になっておるのであります。今年の食管会計の輸入予定等を見ましても、昨年よりはるかにふえておる。こういうことで日本の農村の問題が……。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 御議論があるなら討論の際にしていただいて、どうか質問を願います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 簡単にいたします。この協定を結ぶに当つてこういう点に対する配慮を十分してあったかどうか、同時にこの協定は今後こういう形で継続されていくのかどうか、この継続に対してずいぶんいろいろな議論があるようでありますから、これは一つ通産大臣からこれに対する御意見を承わりたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 私からお答えするのが適当かどうか知りませんが、せつかくでありますから……。今年の余剰農産物も日本の農業を圧迫するような意味において輸入しておるのではなく、必要最小限度の範囲内において受け入れるがよろしい。しかも輸入すれば、輸入には外貨が要るのであります。外貨関係において余剰農産物を入れるのには、どうせ入れなければならぬものなら、こういう方法がよろしい、こう私どもは考えて賛成をしたわけであります。  それから農村の問題の今後のことは、無論農林大臣が中心にやるのでありますが、われわれも、また経審の方におきましても、日本の食糧の完全な自給ということはいつ到達できるか、なかなかむずかしいと思いますが、できるだけ自給度を高めるということには一致してやつておるわけであります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 議論はあとに譲りますが、今日のこの問題で、なおただしておきたいのは、去年の協定に基くこの取引の場合不良品が大分あつて、われわれ調査に行つたことを記憶しておるのであります。小麦の場合でも、脱脂粉乳の場合でもこういうことがあるのでありますが、こうした場合には何か取りきめがあったのか、普通の取引であればいろいろの救済方法、求償金の問題等がありますが、この協定にはそういうものが何かあるかどうですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 取引いたしました結果、クレームが発生いたします場合は、通常の契約に基きますクレームと同様の手続によって処理することに相なっております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今石橋通産大臣は必要最小限度のものを入れるということでこの協定を作つた。こういう御説明ですが、他の閣僚の諸君も同様お考えになってこの協定を結ばれたのかどうか、この点だけをお伺いいたします。必要最小限度のものとしてこの協定を結ぶに至つたのか、これを他の閣僚もお認めになりますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 同様認めます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 外務大臣はどうですか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 同様でございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 川俣君、じきにあなたの番が来ますから、その際に、大臣はこういうことを言われたがこれはどうだと御質問して下さい。すぐあなたのところに来るのを関連質問したらとめどがなくなりますから、どうかそういうお含みで、なるべく大勢の方が質問の機会を得るようにしたいと思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 大分時間がたつていますから、あとは資料の提出を待って審議をいたしたいと思いますが、この協定は急いでおるということを聞いている。しかも外務大臣は国会の承認を得る前にすでに調印をしているのであつて、こういう重大な、国内に及ぼす影響の大きな問題に対しては、慎重な態度をもって、十分な用意をもって国会に臨んでもらいたい。あとは資料の提出を待って、質問を保留しておきます。これで終ります。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 久保田豊君。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 私はすでに外務委員として大分いろいろなことを聞いておりますので、きようは主として日本の農業に対して、現実にこれがどういうような影響を及ぼすかということを少し具体的にお聞きしたい。それには農林大臣が出ていないとまずいのですが……。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 農林大臣は午後に出てこられますから、そのときに願います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 午後はほかの問題がありますから……。おそらく各大臣とも協議をされて、日本農業全体についてどういう影響を与えるかということについても、相当具体的に考慮された上で検討されておると思いますので、ここでは問題を提起して、それに対して閣僚の御意見をお聞きしたいと思います。  この前から外務委員会において高碕さんが、国民経済全体から見て、これが非常に有利だと思ったからきめたのだ、こういうお話です。その内容は今石橋さんもおっしゃった通り、どうせ日本は食糧が足りないのだから、食糧を入れなければならぬ、それには外貨が要るが、外貨が不十分なときだから、直接に外貨が要らないで円貨で買えるようなものがいい、しかもそれが長期の借款になって、工業開発あるいは農業開発等に使えるからこれは有利だ、さらにグラントが千五百万ドルもくつついている、こういう条件で非常に有利だからこれを入れることにきめたのだというお話に尽きると思う。そこで今後の問題についてどうだということをお伺いしたら、不利だったら来年からやめるというお話だった。ところが、これはあらためて通産大臣にお伺いしたいと思うが、実は政府の計画はそうなっておらぬ。具体的に申しますと、たとえば愛知用水の計画の中には、今後五年間余剰農産物の受け入れをして、その中から当初におきましては二百四十九億の資金を予定しておる。今度は変りまして八十四億ばかりの資金を本年度以降五カ年間で入れるように考えておられる。もう一つ、あとになって問題になると思いますが、今年政府は学校給食を今度のグラント分で拡充された。その結果はどうかというと、学校給食のワクが非常に大きくなって、中学校から保育園まで含めてやるということです。そのために必要な経費というものはこのグラントのうちから三十数億出ている。そのほかに政府としては、今までの八万五千トン分について半額の負担をしておる。もしこれを来年からやめれば、学校給食を維持するために政府は五十億の資金をちゃんと予定してかからなければならぬ。今わずかな米価の引き上げの資金さえ出ないような政府に、そんなうまい芸当ができるはずはない。今後においても当然これを続けていくという政府のお考えが少くともそこにある、こう見ていいと思うが、この点についてあらためてもう一回確かめておきます。果してこれが日本経済全体にとつて不利だという結論が出たならば、来年からやめる決心があるかどうか、それをここで言明できるかどうか、明確に言っていただきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 私を御指名のようでございますから私からお答いたします。むろん不利な協定なら結ぶつもりは絶対にございません。  それから、これは農村その他の関係を考えまして、今年と同じようにとにかくこれだけの農産物を入れても、日本の農業に直接圧迫を加えぬとか、資金の関係からいっても入れた方が有利だという場合に限つて、そういう結論になれば入れます。愛知用水の問題も、なるほどお話のように継続事業でありますが、これも余剰農産物の借款ができなければやれないという問題ではないと思います。やはりほかに手を打つべきでありまして、学童の給食の問題についても同様であろうと思います。ですからそのことがあるからといって、どんな不利益があつても入れるというふうな考えは持っておりません。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そこで私は主として農業面についてのことをお伺いいたしたいと思いますが、この協定の第四条の2によりましても五十四年法の百一条の(a)によりましても、今度できます協定によってさっきお話がありましたように小麦が三十四万トン、大麦五万五千トン、米十万トン、綿花十七万五千俵並びにタバコが二千七百トンですか、これを入れることになっておる。これは半面において合衆国のいわゆる通常の農産物の市場を擁護するという強いところがあります。今まで外務委員会における高碕さんの御説明あるいは農林省の政府委員の御説明によりましても、これには当然合衆国の通常の取引というものをある程度承認してかかっておる。その数というものは、この前説明があったところでは、大体小麦か年間にして七十五万トン、大麦が二十万トン、米が二十万トン、綿花が二十七万五千俵、タバコが二千九百トン、これだけのものは了承してかかったものだと思う。従って今度の協定を調印しますれば、以上申しました通常のアメリカの輸入というものが実質上日本に義務化されたようなものになると思う。この点なるほど条文の上ではそういう規定はないでしようが、この法案の趣旨なり五十四年法の趣旨なり、あるいは今度の第四条の2の趣旨から当然日本が承認してかかったものだと思います。従って今度の余剰農産物の輸入全体は、以上申しました通常のものに対して、これを実質上の義務化した上にプラスしたものである。もちろんこの義務というのは条約上のはっきりした義務ではないが、実質上これだけのものはとるというふうにわれわれは理解していいと思うがどうでしよう。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問の点は、私は非常におもしろい点だと思っております。つまり久保田さんのおっしゃることは、来年余剰農産物をとるということを言つた以上は、過去における実績のものをまずとつてからじゃないといけない、こういう意味にとつていいか、こういう御質問ですか。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それは両方だと思うのです。余剰農産物も当然受け入れる、これは条約上の義務ですから受け取れる、同時に実質上の義務として日本としては通常の今申しました数量だけはとる、両方一緒にとるということになると思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 もし来年とれば通常のものは必ずとつて、その上におつかぶせるものだ、とこう見なければならぬか、こういう御質問でしょうか。——これは私は非常に注意しなければならぬ点だと思います。通常貿易のものにつきましては、必ずしも過去にこれだけやつておつたからこれだけとらなければならぬという義務はないと私は存じております。従いましてやはり日本が必要だというものを購入すべきものだ、こう存じます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 その点は外務委員会の際に非常にごまかしてかかっておられるが、そんなはずはない。もともと今度の協定は余剰農産物の処理ということであつて、しかもその目的は、通常のアメリカのいわゆる農産物の海外処理というものを、値段の点においても、数量の点においてもくずさないということが根本の目的です。その余つたものだけは日本に義務を課したが、本物の方はどうでもいいなんというばかなことを、しかも全体の構想というものを——アメリカ側のあれというものは全農産物の市場価格なり市場の販売数量なりをふやしていこうということが根本のねらいです。その際に正確な条約なり協定があるかないかは別として、今まですでにあなた方との間においてある程度の突つ込んだ話がないはずはない、もしそんなことならば、アメリカの国民が三年間に十億ドルの余剰農産物の取引をして、しかも外貨でやつてそれを借款する、それに三億ドルの贈与分をつけてそれだけは向うの連中が借金をする、つまり負担をするわけです。そんなことを承知するはずはありません。これは一九五四年法がアメリカの議会において論議をされた当時においてもそんなばかなことはないと思う。これは何らかの少くとも事実上の了解事項なんかになっておるのです。ある程度義務化されておることは間違いない。もしそれならば、来年度やるという場合は、余剰農産物だけはみんなもらうが、一般のものは全部とめるということができるか、必要なものがなければとめることができるとここで答弁することができますか、明確に言っていただたきたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 現在協定いたしましたものにつきましては、通常取引のものの上におつかぶせるということに相なっておるわけでありますから、通常取引のものは現在までに大体もう完了しておるわけであります。ただ未完了のものが先ほど政府委員から御説明いたしました通りに、少数はございますが、大体はもう完了しておるわけですから、現在の協定の取引については何ら問題にする必要はなく、どうしてもこれだけのものをとらなければならぬということに相なっておりますが、将来のことについての御注意だと存じまして、それは多少考慮する必要はあると私はただいま申し上げたわけであります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そこでこの問題はどうしてもことし一年の問題とは考えられない、政府のいろいろな具体的な計画から見てもそう考えられない、そこで問題が非常に重要になってくる。これを入れますと、さっき言いましたような通常輸入の大体のものを一つの基準に置いて、それに余剰農産物をことし程度今後入れるとすれば、大体においてその総額というものは農産物だけでも百八十五万トンになります。政府のことしの食糧の輸入計画は四百二十四万トン、大体そのうちの四割五分というものを今度アメリカ一辺倒に押えつけるという結果になる、ここからいろいろな問題が出てくると私は思います。そこでその出てくる一つの問題は、いわゆるアジア諸国に対しまする貿易関係にどう響いてくるかという問題がある。今の政府は口を開けば盛んにアジア各国との貿易をする——しかしながらアジアは御承知の通り大部分が米産地です。こういうように百八十五万トンというものがアメリカから入ってくるということになり、特にそのうちで重要な小麦については、前年度の計画に比べると三十年度は二十八万トンふえております。それから米については前年度に比べると十七万トン、合せて四十五万トンというものが大体においてアメリカに加重になってくるのです。これがタイやビルマやそのほかの米の輸入国に対しまする輸出貿易に大きな影響を及ぼさないはずはないと思う。もう一つ特に、日本の将来の食糧問題からいっても、輸出をふややすという問題からいっても、中国の問題が非常に大事になる。通産大臣も御承知の通り、ことしは肥料の増産をするという、中国に対しまして去年十万トンだったが、ことしはそれに十一万トン加えて二十万トンくらいやりたい、それの見返りにくるものは、主として米であります。こういう場合においては中国の方から計画以外に入ってくるから、政府の計画ではわずか四万五千トンしか入っていませんが、日本は米の過剰になる、従ってその米の過剰を押えるために——これは農民に大きく響いてくる、どうしたつてどこかで米の輸入をチェックしなければならぬ、そのしわはどこに寄るかといえば、タイ、ビルマに寄るにきまつています。そういうことになると米の関係も工合が悪くなるし、そこへ持ってきて輸出関係というものが非常に大きな影響を起してくると思う。同時に大麦や小麦につきましても、アメリカへの依存度が非常によけいになる、従ってカナダやアルゼンチンや豪州に対する依存度が非常に少くなる、こういう点において輸出貿易に大きな支障を来たすことは明らかであります。こういう点について通産当局としては具体的にどのように検討されておるか、これをお聞きしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 農産物については久保田さんは専門家だから、専門家と太刀打ちはできないのですが、貿易の関係はこういうことになっております。今お話のタイとかビルマの米、これは買えるだけ買う計画で話をしております。これは御承知と思いますが、この間も私言うたのですが、案外向うさんに食糧として日本に適当な品物というものは少いのであります。砕米が非常に多いというようなことで品質の上で制限を受けるし、私どももできるだけ東南アジア等へ輸出もしたいから、そのかわりに彼らの農産物を最大限に買うという努力をしておるのでありますが、実際に努力しましても品質等の関係からなかなかむずかしい点がありまして、少くもことしは買えるだけはやつております。  それから中共の問題は、米を幾ら入れるということはまだきまつておりませんから、これは計画外でございます。しかしながらこれは品質、価格の問題でありますから、もし中共から品質がよくて安い米がたくさん入ってくるというようなことになれば、過剰農産物の方は何もこれだけ買わなければならぬという義務を負うておるわけではないと思います。多少この方で調節ができるのじゃないかと思っております。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 どうも石橋さんのお話はおかしい、余剰農産物はこれを買わぬでもいい、その義務なし、そういう性質のものではありません。よく協定をお読みいただきたいと思う。約束をして、グラントまでもらつて、借金までして、買わぬでもいい、こういう協定はありません。これがどうしても協定に入ってくる、その上に持ってきてほかの貿易関係でやつてくるということになるから問題になると思う、この点はどうも今の石橋さんのお話ではおかしいと思う。いずれにしましても、外務大臣、どうですか、この協定は、私どもが都合が悪ければ、この八千五百万ドルのものは買わぬでもいいのですか。そういう今の御答弁だったので、これは間違いだと思うがどうです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 外務大臣に累を及ぼしてはいけませんから私より申し上げます。品質とか価格とかいうことで、折り合わなければ、必ずしも買わなくてもいいということになっておると思います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それはおかしいと思う。品質価格等についてクレームがついた場合は別です。これはそのときの個々の場合の処理をしていくのですから……。しかし全般として価格なり品質でもってもし折り合いがつかなければ買わぬでいいのですか、これはどうもおかしいですよ。もっと勉強してもらわないと困る。もしそういうあれで政府の見解がそうであるというなら、それでいいです。それならばこんな協定を結ぶ必要はない。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 その点は第一条にはっきり書いてございまして、価格の最高限だけが書いてあるわけであります。でございますからアメリカの農産物が高くなるとか、あるいはカリフォルニアの米が急に悪くなつたりすることも考えられませんが、かりにそうなりましたら、これは民間貿易の取引が成立しないわけでございますから、この最高限まではいかない、そういうことはあり得るわけであります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そうすると、アメリカにもし特殊な天災等が起きて、アメリカの農産物が今予定されている価格よりずっと上つた場合は、この協定は実行しなくてもいいのですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 仰せの通りでございます。その場合は、アメリカの農産物価格が世界の市場価格より高くなるわけでございますから、世界の市場価格より高いものを買うということは、毛頭ないわけであります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 私は何回かお聞きしておるのですが、世界の市場価格は何を基準にしておるのですか。たとえば小麦にしてみれば、カナダの小麦の相場というものは、アメリカの国内の普通の小麦相場よりも安いのですから、それよりも高い場合は、今の協定に基き、アメリカの方は一つも買えないはずです。世界の小麦相場というのは何をさしていっているのですか。それには具体的な取りきめがあるなら、最高価格はこう、最低価格はこうということをはっきりしたらどうですか。今までのところは、価格については市場価格だ、その市場価格をいろいろ言って、アメリカの市場価格だ、そう言うかと思うと、国際市場価格だと言う。何が市場価格か。その協定が具体的にあるなら、全部の前に発表されれば、さっきから問題になったような価格問題は一つも問題にならぬ。それによってはっきり判断ができます。どっちなんですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 市場価格と申しますのは、現在食糧について申しますと、食糧庁が通常の買付をいたしております場合に、品質その他諸般の点を考慮いたしまして、比較考慮の上買っております世界的な競争値段という趣旨でございまして、現在の買付方針等は何ら変らないわけでございます。これは最近の数字でございますが、御参考までに小麦につきまして各国別の値段を比較いたしますと、FOBトン当りアメリカが六十一ドル、カナダが六十六ドル、アルゼンチンはことしに入って現在まで買い付けしておりませんので、値段が出ていないわけであります。米につきましてはビルマが百四十二ドル、タイが百四十三ドル、アメリカが先ほど申し上げましたように、南部米が若干品質が優秀でございまして、百五十ドルとなっておりますが、品質換算しますとほぼ同じくらいという工合に想定しております。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そうしますと、この条約にある市場価格というのは、日本の農林省の買付価格ですか、それを上回ったもの、日本の農林省が査定したものよりも上のものは、一切断われるというのですか、そんなばかなことをアメリカが承知するはずはないと思うが、どうなんですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 日本がよその地域からの買付と比べまして、競争で比較にならないという意味でございます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 どうもその点ははっきりしない。何らかの協定があるならここに出してもらいたい。資料がなければ、今のような説明では納得ができない。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 農産物の価格につきまして、いかなる協定でもはっきりした例を出しておるものは一つもございません。御承知のように国際小麦協定にいたしましても、二十ドルくらいの幅を書いておるのでございます。そういうわけで、日々変るものでございますから、資料と申しましても、そういう農産物の値段を国際的にきめた資料というものは存在し得ないわけでございます。ただいま申し上げましたように、小麦の値段はどうだという資料は差し上げられます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それはわかっております。国際小麦協定にしてみたって、最高が幾ら、最低が幾らということになっておる。今の西山さんの御説明だと、要するに日本の農林省が決定権を持っているという話である。そういう点これは常識的に判断して、こういう協定ができるはずはないと私は思う。従ってさっきあなたの話の中に、最高はこうだということですから、従って最低価格があるわけだ。その間をどう決定するかということについての細目協定があるはずです。それをお出し願いたい、こう言っているのです。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 先ほど条約局長が最高の数字と申しましたのは、品目別に幾ばくの金額ということを申し上げたのでありまして、単価について申し上げたわけではないのでございます。小麦について総額幾ら、綿花について幾ら、大麦について幾らという数字でありまして、その金額の範囲におきましては、市場価格によって競争的な考慮の上から日本は買う、こういう趣旨でございます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それはちゃんとこの協定に書いてありますから、そのくらいのことはわかっております。ですからその点はもし資料がないならないとして、はっきりした話し合いがついているならば、細目協定をつけるならつけるというものをはっきり出してもらいたい。その上で検討いたしたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 御指摘の点に関する細目取りきめというものはございません。これは農林省で立てます予定価格、この予定価格自体というものは、世界の市場価格によっておきめになるわけでございますから、結局世界の市場価格というものがまず予定価格を押えますので、それより高いものは絶対に買うことがないということになる。これは自然に放任しておけばいいわけでございますから、資料としてお出しするような細目取りきめというものは全然ございません。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それだとおかしいじゃないか。さっきのお話のように、日本の農林省が決定して、これは世界の市場価格より高い、こう思えば、これは全部取引を破棄していいのですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 協定によりましても、世界の市場価格より高いものを買う義務がどだいないのでございますから、農林省がきめます予定価格と世界市場価格とにらみ合せておきめになりまして、それに合致して引き合うものがなければ、結局買うものがないということになります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それではその点はどうも時間がありませんから、あとでもう少し突っ込んでお伺いしたいと思いますが、ずいぶんおかしい。そういう協定がどんどんおできになれば日本にとって非常にけっこうです。従って農林省の食管会計の運営とひっからんだ市場価格のきめ方いかんで、アメリカとの取引、少くとも六十万トンの農産物並びに二十万俵近くの綿花の取引をどうでも左右できるというような大きな力を持っておるということは、非常にけっこうです。この点私どもはそんなふうに簡単に考えられない。その点はあとでいろいろ専門的にやりたいと思います。  その次に、これは農林大臣がおらぬとわかりませんが、農林政務次官がおいでですから、ちょっとお尋ねいたしますが、今度の問題で、大体通常取引と両方合せて百八十万トン、これを入れるということは、日本の食糧にとって、今度の余剰の六十万トンは、よけいな要らないものを入れておるように考えられる。さっき通産大臣でしたか、高碕さんですか、これは食糧輸入上最低限の必要なものを入れる、それでもってこれだけやったと言うが、私どもはどうしてもそう考えられないのですが、その点はどうですか。私はこれから数字を出して一つ一つ追及いたしますが、はっきりこの点は自信を持って最低限のものだと言い切れますか、はっきりお答え願いたい。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 お答えいたします。需給計画上必要なものだけと農林省は考えておりますが、こまかい具体的な数字につきましては、需給課長が来ておりますから、そちらから説明をいたします。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 久保田さん、あなたはもうかなり長いし、そして一時になりますから、まだ長かったら、休憩して午後やりましょう。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それでは質問を保留いたしまして、休憩するなり何なり……。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 この三つの連合委員会はそう幾日も幾日も継続するわけにいきませんから、 午後に御出席になって御質問を継続していただきます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 けっこうです。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これにて暫時休憩いたします。午後二時より再開いたします。     午後一時一分休憩      ————◇—————     午後二時二十二分開議

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を継続いたします。加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 先ほど来このたびの余剰農産物についていろいろお話がありましたが、それは食糧についてのことが多かったようでございます。私はこの際余剰農産物のうちの綿、特に綿花の輸入状況について二、三お尋ねしてみたいと存じます。まずこれを審議するに当って、私は商工委員会におきまして再三この点を質問したのでございますが、いまだ余剰農産物からくるところの米綿の資料を受け取っておりません。そこで政府の方としては、これを審議するに当ってほんとうにこれを正しく審議して、やがて今日の綿紡、綿機等の不況打開に資するところの気があるかないか。まずその資料を提出される気があるかないか、この点を最初にお尋ねいたします。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 綿花につきましては資料を差し上げる用意がございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 それはいつのことですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ただいま手元にございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それを早急に本委員会に御提出願いたい。——一部しかなければあとで印刷して出してもらえばけっこうです。大ていこっちは知っております。一部しかないものを答弁者側から取り上げるということはまことにお気の毒に存じますので、後刻印刷して配付なさる用意があればそれでけっこうでございますが、その用意がございますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 その用意はございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それではお尋ねいたしますが、このたびの輸入を約束されておる、あるいは約束されようとしている米綿の品質はどんなものでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 ただいま通産当局がまだ見えておりませんので、後刻見えましてからお答えいたします。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 だから私の質問は通産大臣がいらっしゃってからにしてくれと言うておるのに今すぐやれというから私はやりかけたわけです。先ほど来コストの問題が盛んに論議されているようでございますけれども、下田条約局長のお答えによりますと、限界価格が一つきめられておるだけだという話である。ところが綿花というものはしかくさように単純なものではございません。同じ米綿と申しましても、幾種類かありますし、本綿もあれば落綿もあり、同じ落綿のうちにもカード下もあればコーマ落ちもあるというわけです。他の国から買い付ける価格と見合って不利益にならぬようにこの価格を指定する、それが時価、市場価格の定義であるというようにおっしゃっていたわけでございますが、綿に関してはしかくさように簡単にきめることはできない。なぜかならば同じ綿と申しましても、条約局長ならおわかりでございましょうが、エジプト綿と、すぐ隣でできますパキスタン綿とではまるっきり品質が違うのです。月とすっぽんなんです。同じアメリカでできると申しましても、メキシコ綿と米綿とでは違うのです。ブラジル綿とではまた違うのです。その違いがあればこそ、綿紡業者がずいぶんと過去において困った経験があることを、この道の業界のベテランであるところの経審長官はよく御存じのはずなのです。そこで私はいかなる品質のものが予定されているかということが、まず前提として考えられなければ、いかなるコストをきめられようとも、高いとも安いとも言うことはできないわけです。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 大へんおくれまして申しわけありません。綿花の買付につきましては、通常米綿を相当買っておりますが、今回の余剰農産物協定によりまして買います米綿につきましても、通常買い付けております米綿の品質のものを、国際価格で通常の方法によって買い付ける予定でおります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 通常のとおっしゃいますと、過去にアメリカから入りました綿花の品質についてあなたはよく御存じでございましょうけれども、終戦後入りました米綿、これはやがて日本の綿糸及び綿織物が海外市場において不評判をとるという原因を作っております。そのことはよく御存じのはずだと存じます。なぜかならば、これは日本の綿糸及び綿織物の品質は海外において非常に悪い、悪いといわれておった。その原因は技術が低下したのであると、このいう名目でいわれていた、品質が悪い上にコストが高いということもいわれた。ところがこれは一体どこに原因しているかと申し上げますれば、あなたは御存じでございましょうが、終戦直後日本へ、日本へと入りました米綿、この数量は日本で消費する綿花の半数以上なのです。去年もそうです、去年だって一億七千万ドル買い付けている。例年累加してきて、日本で使います綿花の約半数、アメリカが国外へ売ります綿花の約半数はこれまた日本へ来ておる。そこで日本がこのものを買い付けることによって、日本の綿業界が大きに影響を受けると同時に、アメリカの綿花の市価もまた日本がいかように買い付けるかによって左右されているということは、あなたがよく御存じのはずであります。そうでしょう。ところで終戦後入りました綿花はどういう綿であったか、十年間もストックしていた残りのものだった。だから強力がない、つやがない、風合いが悪い、こういう悪評を受けた。これは必ずしも日本の紡績業界の技術低下ではなくて、材料が悪かった。麦を植えておいて米を作れといってもできません。小鳥の首を締めておいて、いい声で鳴けといってもできません。このことならば経審長官が一番よくおわかりだと思います。そこでとかく余剰農産物から生ずるところの綿花なるものが、果して市場価格で買うと、先ほどコストのことをおっしゃいましたが、それで買い付けてよい品物であるやいなやは、過去の苦い体験にかんがみて、政府当局としては当然のことながら、いかなる品質のものでありますかくらいのことは尋ねてしかるべきだ。そのくらいのことはやってあげるのが、やがて日本の綿の品質を向上し、これを海外市場に輸出して信用を博する元になるのではないか。長い間苦い体験を経ておればこそ、私はそれを考えるわけです。それだけの熱意が政府当局にございませんか。今日これほど綿業界が苦しんでいるにもかかわりませず、それだけの手当をする用意がありませんか。ただ例年と同じだでは、これは納得できません。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 綿花に限らないのでございますが、綿花につきましては、新綿の出回り時期の関係もございまして、日本といたしましては最も希望に適します品質のものを買い得るように、本来ならばアメリカの予算年度は六月末で終るのでありますが、綿花につきましてはそのような事情も考慮いたしまして、積み出し期限を十月末まで延ばすことに相なっておるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 期日のことはあとでお尋ねするのですけれども、期日のことを答えてもらっては困ります。品質はどういうものかということを聞いておる。たとえていえば、こちらから言いましょうか。本綿がどれだけで落綿がどれだけで、去年だってわかっておりましょう。その品質が何年度産のものであるかを聞きたい。何年度産のどこ産ということで値段が違って来ます。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 御心配の点は、御承知のようにアメリカにはCCCが、相当多数の古い綿花をかかえておるわけでございますが、余剰農産物の今回の買付につきましては、一般の市場の新しい綿花を買い付け得るようになっておりまして、その点につきましては、本年度の三月末までに先方の法律の改正もありまして、一般の市場のものを、通常の取引の方法によって買い得る、こういうことになっておりますので、特に悪いものが入ってくるとは考えておらない次第であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは今度この余剰農産物に関する協定から買い付けるところの綿花は新綿ばかりだ、ことしとれたものばかりだ、こう解釈してよろしゅうございますか。そういうことがはっきり言えますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 新綿ももちろん買い得るわけでございまして、これは買う人の選択にまかされるわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 だから聞いておるのじゃないですか。アメリカの余剰農産物の中には古い、古い綿がたくさんたくわえられております。売手側から考えれば、これを先に売りたいのは理の当然でございます。これを新しくとれた国際並みに買わされたらたまったものではありません。古い綿が残っておるのはほとんどアメリカだけです。ほかのパキスタンにしてもメキシコにしても、あるいは日本が取引しておったあまたのほかの国にしても、そんな古い綿が、そんなにたくさん残っておるということはありません。これがコストに影響してくるというのもここなんです。あなたはさっき新しい綿だけ買うようにするとおっしゃったが、それはよろしゅうございますか。条約を結ぶ当事者の方から聞きます。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 今のちょっとお答えします。私は綿花のことは加藤さんほどくろうとではございませんが、しかし古いものは悪いということはよく存じております。そういう意味におきまして、古いものは全然とらぬということは私は言えないと思いますが、なるべく新しいものをとっていきたい、こういう方針で進みたいと存じます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 さすが私の尊敬する経審長官は実態をよく知っていらっしゃる。新しいものだけよこせといったってくれません。これは必ず抱き合せになります。過去でもそうだった。ところがその抱き合せの率が逆なのです。古いものも買わなければやむを得ぬというのではなくて、古いものだけをよけい買い、そこにちょびっと添えものに新しいものを入れてあげましょう、こういうことなのです。その態度は今後変えなければならないと考えます。日本の綿製品を国内需要にとどめるという方針であれば、これは何を入れられたってしんぼうしましょう。ところがこれほど綿製品の海外市場の競争が激しくなりました今日におきましては、ほんのちょっとの風合いの相違でクレームがつきます。このクレームは業者が持たなければならない。この業者の欠損はやがて国内消費に課せられてくるのです。この際国家が新しく契約を結ぶに当りまして、今後過去の弊風を一掃して、ほんとうに輸出の振興のでき得る良質の新しい綿を買い付けるように、その量をふやすように努力されますか、されませんか。もしされるとしたら、具体的にどのような運びをなさいますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 お答えいたします。なるべく新しい品質のいいものをとりたいと思っておりますが、その方法等につきましてはよく輸入業者と折衝いたしまして、どうするかということは具体的にはただいまお答えすることはできませんですが、よく当事者と打ち合せいたしまして、こっちの目的に沿うように努力いたしたいと存じます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 必ずしも業界は新しくて良質のものだけを要望しているわけではございませんで、中には内需で当然格安のものでけっこうである、古いものでけっこうであるという需要もあるわけでございます。そこでお尋ねいたしますが、この際にきめられますところの価格設定は、いずれのものが主体に相なっておりましょうか。その良質のものと古いもの、新しいものと古いもの、それからもう一つは本綿と落綿がございますね。この価格設定は一本だと先ほど条約局長は言うておった。限界価格は一つしかないのだ、こういうことだった、一体どれが主体になっておるのですか、それをちょっとお尋ねしたい。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 私の御説明しましたところに言及されましたので一応お答えいたしますが、私の申し上げましたのは協定第一条に書いてあります価格の限度と申しますのは、綿なら綿、小麦なら小麦のトータルの買付額の最高限だ、そういう意味で申し上げました。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうすると、これは単価ではないということでございますか。しかし総トータルがわかって数量がきまっておれば、おのずから単価もきまってくる勘定に相なりますが、その総トータルを設定するときにしからばあなたはいかなる綿を主題に考えて、この設定をされたのですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 総トータルと仰せになりますのは、分量につきましてはトータルも何も全然協定では問題としていないわけでございます。買付の物資の総価格のトータルが出ておるだけでありまして、単価はそのときの世界市場に準じて変るのでありますから、従いまして単価もまた、単価が安ければたくさん買える、単価が高ければ少くしか買えないという関係にありますから、分量と単価というものには協定自体は全然言及していないわけでございます。つまり買い付けたものの総価格だけが協定に書いてあるわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それじゃあんた問題になりません。なぜかならば、あなたは先ほどこれをきめるときに商社の腕次第だ、腕にまかせる、こういうお話でございましたね。それできめてあるのは、その総額の金額だけだ、そんなむちゃくちゃなことでそれで仕事ができますか。だからやられてしまうことになるのですよ。あなたは糸へんのコストが国内できめられたときにどうなっておるかよく御存じでしょう。限界価格をきめるときも、マル公価格もみんな最高まで持っていってしまう、そうして利益を追求しようというのが、これが商社の常であるくらいのことはあなたの方がよく御存じのはずなんだ。そうしておいて、総トータルだけきめて、品質もわからなければコストもわからない。それでもって業界にまかせるなんて、そんなことでこれが円満に遂行され、やがて今日の業界が救われるなどとは夢にも考えておりません。そんなことは考えられない。今日の綿業界の不況の責任は一にかかって政府にあるのですよ。はっきり申し上げましょう。この値段がこれほどどんどん下ってきた理由の一つは、先ほども申し上げました通り、通産大臣ならよくおわかりでございましょうが、日本の綿の材料のほとんど半分はアメリカから入れておる。そのアメリカから入れている米綿の先行き不安ということが大きに影響してきておる。それからもう一つは、正常に入ると予定されておるところの綿の支持価格制度が廃止されておる。それからもう一つは、いわゆる余剰農産物として入るところの綿の値段が国際価格よりも上回っているということに原因がある。これらが合わさって綿業界の先行き不安、こういうことが醸成されてきておる。先行き不安、米綿の輸出価格の見通し、これがはっきりしないので日本の綿業界の不安定ということになるのです。日本の綿業界は単価が下って参りました。ほとんどの方々はコストが下れば輸出ができると考えている。日本の綿業界の輸出不振はコスト高と考えておる。とんでもない大間違いです。そうじゃないのです。コストが高い安いはイギリスと比べたらはっきりわかっておるでございましょう。イギリスの方がはるかに高いのです。にもかかわらずイギリスが売れておる。日本は安いけれども売れてない。品質が悪いか、そうじゃないのです。コストが安定しないところに日本の綿糸の輸出不振の大きな原因があるのです。これは大臣もよく御存じの通りです。これを安定させるということが目下のこの綿業界の不振を打開する最も緊要な要務である。それが過去においてはあなたたちのような取引の条件をきめなさるものだから、その先行き不安はやがて綿業界を不況に陥れ、この不況はやがて外国のバイヤーが不安がって買わない。日本の綿製品は今買ったっていつその先安くなるかわからない、こういう不安のために、量も少くなればまた価格もたたかれてしまう、こういうことになってくる。このことはあなただって政府当局ならよくわかるはずなのです。従ってこの際品質、数量、価格、それから時期、こういうものをはっきりと条約の中にうたう、うたわぬは別として、この膨大なものを受けるときに話し合いができていないなんというようなことで、どうして日本の綿業界が救われますか。今それができていなければ、将来これを交渉するときに話し合いをする用意がありますか、ありませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 途中から質問を伺いましたから、あるいは見当違いになるかもしれませんが、これは先ほど午前中にもほかの小麦やその他について議論がありましたように、価格とか品質とかいうものは、きめてないからいいのじゃないかと思います。これはいわゆるコマーシャル・ベースでこっちは買う。国際的に見て高いもの、それからまたこっちで使うのに不便なものとか、品質が悪ければ買わない、こういうことになりますから、どんな品質のものをどれだけ幾らの値段で買うということを、これはとても協定なんかできめられることではないと思います。こっちでも都合があるから、そのときの都合によってわれわれは買い入れる。それから今の米綿の状況が先行き不安だから、日本の綿業がまたこのあおりを食って不安になっておるということはお話の通りでありますが、それは余剰農産物を入れることと必ずしも関係のないことじゃないか。これは入れる入れないにかかわらず、米綿の先行き不安ということはわかっておるのであります。それから買付の期間は、むろんこれも日本の都合で買いますから御懸念はないと私は思います。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 大臣らしくない答弁をしちやいけませんよ。それじゃ次に質問しますが、ことしの、新年度の米綿の買付予想数量はあなたわかっているでしょう。どうなっていますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 どういう意味か知りませんが、これは外貨割当の方から申しますと、百三十六万俵、こういう予定でおります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 米国から百三十六万俵ですか、そんなに多いですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ドル地域全体です。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 米国からはどれだけですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 それはきめておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 全然きめてないですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 ええ。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そういうふうに答えられていいですか。私の調査したところによりますと、大体正常輸入は七十七・五万俵ということになっております。余剰農産物の方は十七・五万俵ということになっております。合せて九十五万俵がその目途として考えられているはずです。そうすると、これは空理空論でございますか、うそでございますか、もしそれがうそだとおっしゃると、次に追って質問いたします。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 今の数字は政府委員に答えさせます。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 米綿の七十七万五千俵につきましては、本年七月に終る綿花年度の買付になっておるわけでございます。これにつきましては、九万俵程度残しましてすでに買付を終っておるわけでございます。今後買い付けますのは余剰農産物の十七万五千俵だけであります。これにつきましては、十月末まで買付の時期がございますので、私どもといたしましては非常な無理をしないでもこの程度のものは買い付けられる、かように考えておる次第であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 その十七万五千俵の品質と価格を承わりたい。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 品質につきましては、先ほど申し上げましたように、通常の米綿と同一のものを買い付け得るわけでございまして、値段も国際価格ということになっておる次第でございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 これは真剣な話なのです。この話であなたの答弁がどう答えられるかによって、綿業界が安定するか、しないか、小康を得るか、得ないかということがかかっている。綿の問題は、扱われる業者がいかに神経質であるかはあなたがよくご存じのはずです。  さてそれで、国際並みに買うとおっしゃいましたが、それはどこの国際並みでございますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 国際価格と申しましても、もちろんエジプト綿のような高品位のものは非常に高いのでありますが、アメリカの中の通常買っておりますのはミドリングの十六分の十五というような規格のものです。品質につきましては、エジプト綿もございますし、米綿もございますし、あるいはブラジル、パキスタン、それぞれ規格がみな違うわけでございますが、それぞれの規格における国際価格があるわけでございまして、米綿につきましても通常の方法で買い付けております。米綿の競争価格によって買い付けるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 コストの問題でございますが先ほど来時価であるとか、あるいは市場価格であるとか、あるいは商社の腕次第であるとかいう話が出ておるようでございますけれども、今の話によりますと、これは国際価格だというお話でございますが、もう一度お尋ねいたします。その国際価格はどこの品物を基準にしてとられるものか、先ほどの品質でいくとどの品質を主体にとられるものですか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 少し言葉が足りませんでしたが、国際市場における競争コンパラティブ・プライスということになっておるのでございまして、価格につきましては、米綿もこれはそれぞれの規格において値段が立っておりますから、それによって買い付けるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 これを買い付ける場合に、先ほどのお話でございますと、その契約、大体の協約は国家がやるのだが、あとは実務代行者の腕次第にまかせる、こういうお話でございました。すると、その実務代行者はどのように選定され、すでにきまっておるとするならば、それはどこの商社がやることになっておりますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 割当の方法につきましては、一般の綿花の輸入割当と同様でありまして、需要家に対して割当が参りまして、需要家の発注を受けた人が、本協定によります輸入を実行するわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは私は、あと経審長官と外務大臣とがおられないと質問になりませんので、あとはそれまで保留させていただきます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 淡谷さんも久保田さんも留保ですから、先に淡谷さんにお許しをいたします。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 農林大臣の出られるのを待っておったのでございますが、大臣は三十年度の米穀並びに小麦等の需給関係につきまして、この余剰農産物を入れなければならないという必要をいかようにお考えになっておられるか。この余剰農産物を輸入しなくとも、一般の輸入買付食糧によってまかなえるはずでございますが、特に余剰農産物の買い入れに待ったのは、何か特別な利点があるとお考えになっておるかどうか、その点をお伺いしたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 先般来お答え申し上げました通りに、わが国の米麦の必要量のうちにおいて、それだけのものを輸入しても差しつかえないということでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 先般来も何も、ちっとも聞いていないのです。今初めて聞くのです。今私の質問は、一般の輸入と余剰農産物の輸入買付、この二つを比べて、こっちの方をとられた理由はどういう点に利点を考えておられるか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 大へん御無礼を申し上げましたが、私といたしましては本会議等で質問があった際にも申し上げておりますので、申し上げたわけであります。そこでわが国の米麦の必要輸入量の範囲内においてその量を入れるということでございまして、しかも私は常に申しますように、外麦、外米を輸入するに当りましては、第一にわが国の国民保健衛生、もしくは嗜好になるべく合致するものであることがよろしい。第二には価格がわれわれの企図する価格であるものがよろしい、こういう標準度からいたしまして、ただいまアメリカから買おうといたしておりますものが、その範囲内に入っておるということで、これの輸入をいたしておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 大臣あまり用心されないで、ざっくばらんにお答えを願いたいのですが、非常に用心をしておられるようです。一般のアメリカから入ってきます米と、この余剰農産物に見られた米、あるいは麦は、一体どのくらい利点に相違があるか。もし同じであるならば、特別にこの余剰農産物の買い入れをなさらなくても、今まで通りやっておられてもかまわないと思うのですが、何か特別利点がございますか。私の言うのは、外米を入れることはかまいませんけれども、一体この余剰農産物の買い入れによったのはどういう理由からか、こういう点なのです。あまり用心なさらないでお答え願いたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 それは経審長官からお答えがあったと思いますが、これによって外貨の点についても、消費の点についても言い得ると思いますし、ないしはまたその金によって、国内で必要な土地改良その他ができるということ等について、適切ではないか、こう考えるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 大体この余剰農産物の買い入れの協定によりまして考えられる利点というのは、千五百万ドルの現物贈与があること、それから積み立てました代金のうち七〇%は電源開発、農業開発、生産性向上の面に使うということ、それから利率が三分で三年間利子をつけないで借りられるということ、こうなりますと、大体農業関係においては、電源開発、農業開発、生産性向上というこの積み立ての方に重点が置かれているようですから、財政的に見ましてこの七〇%の積み立ては、全部農林大臣の構想のもとに使う自信がおありかどうか、この点をお聞きしておきたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 お答えいたします。これは予算でお示しいたしております通り、約三十億を愛知用水に使うということでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 三十億と申しますが、この積み立ての総額はもっと多いでしょう。七〇%になりましたらもっとずっと多くなるじゃありませんか。けたが大体違うじゃないですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 二百十四億のうち三十億使う、七〇%で二百十四億、そのうちから三十億を使う。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そうしますとあとは農業の方面には使わない、こういうわけでございますか。そうしますと財政的にはあまり農業は恵まれてはいない。この買い入れについて一般の買付をするより特別値段が安いとか、その他の利益はございますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 国際価格で買うのでございますから、値段が特別に安いわけではございません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そうしますと直接米麦の引き取りは、買付する値段は安くない。余剰農産物ですから日本側よりもアメリカ側の方で、普通ならばただ同然でダンピングできるものを、日本に買い取ってもらうという非常に利点がアメリカ側にあると、こう認定してよろしゅうございますか、その点をお聞きしたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 アメリカの立場についてはアメリカの立場でお考えいただいてけっこうじゃないかと思います。私は日本の立場だけ申し上げているのであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 日本の立場を十分尊重していただきたいのですが、そこでこのとりました米麦、さっき伺いますと外務省の手を離れますと食糧庁がこれを所管しまして、秘密な予定価格によって商社の入札に付する、こういう御答弁があった。これは説明員の御答弁でございますが、重光外務大臣から大臣の答弁と同じく責任をとると御言明がありました。一体商社が引き受けて買い取り、あるいはこれをまた食管会計に繰り入れて配給面に流します場合に、一般国民に配給する場合は現在の消費価格に準ずるつもりでありますか、それとも若干割引するつもりでございますか、その点を確かめたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 この米麦を特殊な扱いをしようとは考えておりません。一般の外米、外麦を配給いたします際と同様な考えで処理する心がまえでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 食管会計に繰り入れて一般のそれと同じく取り扱う。そうしますとこの余剰農産物が入りましても、輸入する予定の数量のワクというものは動かない、こう考えてよろしゅうございますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そうしますとさっきの答弁にだいぶ矛盾がございます。大臣は劈頭お伺いしましたときは、大体予定の数量は出てきています。米が幾ら、麦が幾ら、あるいは綿花が幾ら、予定の数量は聞きました。ところがだんだん聞いているうちに、説明する方の答弁が違ってくる。数量についてもまだはっきりはしておりません。価格についてもはっきりしていない。従って全体の価格を押えられておりますから、単価が安くなれば数量が増し、単価が高くなれば数量が落ちる。非常に不確定の数量と価格の関係が生じまして、極端に安く買い入れができました場合には——安く買う分にはかまわない。安く買った場合には数量が増しまして、需給のバランスが狂うおそれがあるように考えますが、この点いかがでございますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 それは価格と申しますか、総体の数量でいわずに価格の方で示してありますので、石当りと申しますか、トン当りの価格が変動しますと数量に増減が出てくる、これは御指摘の通りでございます。しかしこれはいずれにいたしましても、わが国の配給の数字に変動を加えるほどの動きにはならないと私は考えておるのでございまして、しかもそれが輸入の予定数量を非常に動かすというようにはならぬと思いますので、私が申し上げたことで御了承がいただけるのじゃなかろうかと思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 輸入数量が需給計画に狂いを生ずる程度じゃなくても、若干動くということははっきりお認めになるのでございますが、その点を伺いたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 予定で組んであるのでございますから、その方が予定の数量以上にオーバーいたしますれば、たとえば他の国から、もしくはアメリカから一般に買ってくる量の分で考慮する場合もございましょうし、これは先ほど米綿の問題について通産大臣からお答えがありましたが、為替の割当で一応きめておりますので、すべて輸入の計画は為替の割当によって計画を立てております。ただし食糧は出来秋の豊凶によって輸入の数字全体を、これはまた変更しなければならぬようなときもあることでございますから、今御指摘になりましたものも、価格の変動によって数量が多少の影響を受ける一つの要素にもなりますし、さらに出来秋の豊凶によっても、将来の外米、外麦の輸入の量の多少の増減はやむを得ない、こういうふうに考えておりますので、いずれにいたしましても、御指摘の点は確かにそういうふうに、そのものだけで考えれば数字的には多少変動があるかもしれませんが、全体の輸入の量について考えます際には、私たちは予定通りのものを入れていく、こういうふうにいたして参りたいと思っておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 いずれにしましても、数量なり価格なり、その変動を免れない。これで買い入れた米あるいは麦を一般配給の基準で流した場合は、利益が生ずると思いますが、これはやはり食管特別会計法によって、あの会計の中に利益として繰り入れるつもりかどうか、その点を伺いたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 その通りであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そうしますと、入札によって買い入れの委託を受けた商社の——さっき下田条約局長から言われましたように、食管特別会計の利益が増大するとも減るとも、商社の腕次第だと考えてよろしいのでございますか、この点を一つ農林大臣からあらためてお聞きしたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 お答えいたします。御承知の通り食管特別会計におきましては、その他の米麦を多量に商社に委託して買い入れをやっております。それと同様なケースによってこれらを入れることにいたします。従って商社におきましては、十分に努力をして有利なものを輸入するように競争する、こういうふうになると考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 大蔵大臣は、きょうは出られますか出られませんか、その点お聞きしたい。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 大蔵大臣は参議院の予算委員会に行っていて、ちょっと出られないらしいです。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは農林大臣にあわせてお聞き願いたいのですが、大蔵大臣は昨日の農林委員会で、米価の修正をする意思があることを言明されました。ただしこれによって予算は修正しない、こういうことも言われた。最後に食管会計の中で、いわゆる新しい言葉かもしれませんが、差し繰りをして、この米価によって生じた予算はまかなう、こういうふうに言明された。そうしますと、今後の米価決定にも、この食管会計の黒字になるか赤字になるか、これが非常に大きな影響を持つと思う。幸い大臣はこの程度の余剰農産物の受け入れでは、日本の農産物価格に大きな変動を与えないという御答弁がありましたが、これは私は御信頼申し上げます。ただし七千億余にわたる食管特別会計が非常に等閑視されまして、いわば今日では全農民の上にかかる米価決定にも減収加算にも、食管会計いかんが重大な要因になっているということは、これは大臣も、お認めになるだろうと思う。その七千億円に余る大きな食管特別会計、いわば政府が責任を持っているこの会計が、黒字にされるも赤字にされるも商社の腕次第という形が将来ともあっていいか悪いか、その点大臣にあらためて私はお聞きしたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 それは商社の腕次第ということで、赤字になるの黒字になるのというふうに私は考えられないのでございます。なぜかと申しますと、価格は大体国際価格でございまして、しかもこれは政府の予定価格の上に立ってわれわれは予算を組んでおりまして、その範囲内において入札するのでありますから、その範囲内における勉強、競争をわれわれは商社に要求しておりますから、そういうことにならぬと思うのであります。なおこれには十分な監督、努力はして参らなければならぬと思いますけれども、ただ単に商社の勝手によって、これが赤にも黒にもなるというふうにしているのではないのでありますから、御了解願います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 さっき下田条約局長の答弁では、今後の買い入れ価格は、商社の腕次第によるということをはっきり言われた。それは確かに予定価格でございましょうけれども、入札の性格からいって、予定価格一ぱいということはないでしょう。予定価格一ぱいにして、そしてあとの利益は商社のふところに入るという仕組みはないだろうと私は思う。特にこの性格は余剰農産物です。余剰農産物であれば、一般の商売上の価格よりは安いのが常識です。安く買う分においてはこれはちっとも遠慮はいらぬと思う。それを予定価格があるから、それ以下にはならぬといったようなふうに受け取られる大臣の答弁ですが、予定価格というのは一体どれくらいですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 今申し上げたのは逆でございます。これは一般入札の場合と同様でございまして、政府は大体ここらあたりが適当だろうと思う指値を持っております。その指値において入札をさせて、それより下のものをとっていく。こういうことでございますから、今のように予定価格よりも上のものをとっていくというのではありません。逆でございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 さっき予定価格は秘密だから言えないという答弁がございましたが、少くとも七千億円という大きな比重を持っておりますこの特別会計です。この入札方法あるいは予定価格の問題、こういうのは食糧庁だけにやらせて間違いがないというお考えでございますか、それとも何らか国会に対して責任をとるような方法をおやりになる気持はないか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 これは政府が一般にやっております、もしくはどこでも、競争入札でものを処理いたします際に、予定価格を発表してしまっては、競争入札にならぬと思います。ましてそんなことは絶対ないと思いますけれども、談合してみたりなんかすることがありがちなものでありますから、これをオーバーすれば再入札でやるべきものであって、そういうことはできない。もちろん食管の予算の中にもあります通りに、米麦合せたものの予定価格はありますけれども、各地域別もしくは国別、品種別についての予定価格は、そのときの国際市場の価格ないしは船の運賃等を勘案いたしまして、時々作っておるのでございますから、これは申し上げかねるのでございます。過ぎたことは、会計検査院等の調査もあるのでありますから、それはある時期になればむろん決算委員会等でも申し上げることは一向差しつかえないと思いますが、将来のものについてはちょっと申し上げかねます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 入札も談合等が行われますので、特に心配するのですか、最近はそういうふうなことに対する官庁のさまざまなスキャンダルも伝わって参っております。一体予定価格というものを知っているその秘密の範囲、食糧庁ではどういうところがこの予定価格を知っているのか、その範囲を伺いたい。これは談合が行われます場合の第一の被疑者ですが、その範囲をはっきり教えていただきたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 政府委員から答弁いたします。私は存じませんから。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 これは非常に厳重にやっておりまして、大体課長が作成いたしまして、持ち回りの了承等によりまして、課長部長等上司のはんこを取りまして厳重に処理いたしております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 もちろんルーズにやっておるとは私は申しませんが、厳重にやっておるところは厳重にやっておりましょうが、どういう官庁が立案して、どの範囲で秘密が保たれておるのか、いわゆるその秘密の範囲をお聞きしたいのです。もっとはっきり言って下さい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 御説明いたします。非常にこまかいことでございますが、素案を作りますのは、大体課の班長と課長が相談をして作ります。食糧庁の例を申しますれば、食糧の買い入れ業務をやっております買入課で原案を作成いたしまして、範囲といたしましては輸入計画との関係がございますから輸入計画課、経理の関係がございますから経理課、あとは部長、課長こういう形になります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 さっき入札に参加する商社の資料を求めましたが、関連しまして重大ですから、この余剰農産物の入札に当ります職名及び人名を資料にして御提出願いたい。いわゆる秘密を守る範囲を、何か談合が行われます場合、一番最初に疑いの対象になる官庁あるいは氏名というものをはっきりお出し願いたい。  集約して農林大臣に確認しておきたいと思うのでありますが、第一は余剰農産物の買い入れによりまして、日本の農業の構造に大きな変化を起さないという大臣の御確認。それから農産物の価格等には影響しないかどうか、その見通しが一点。  それから食管特別会計の中に、これは質問の部になりますけれども、一体この輸入によってどれぐらいの利益がもたらされるかというような問題が一点。これは大臣の答弁を聞いておりますと、米価の問題を食管特別会計のいかんによって何とかするのじゃないかという疑義を私は多分に持つのです。食管特別会計が豊かになれば米価などをもっと見てもよいし、減収加算ももっと出してやる。この三十二億八千万円というようなものは大体差し繰りによって食管会計に回すといっておるのです。それで天下の耳目はますます食管会計に集まっておるのです。だからこの食管会計をもっと豊かにして米価問題などの解決をつけてやろう、こういうお気持があるならばはっきり言っていただきたいのです。  それから食管特別会計の今までのやり方ですが、非常にたくさんの黒字を持ったときと、赤字になってきた段階というものがあるのです。この食管特別会計というものの機構をこのままでよろしいとお認めになっているのか。何かこれに対して手を加える必要があると思っているのか。そういう予算に見合うような莫大な金が動いているわけでありますから、そういう点に対する大臣の御信念をお伺いしたいと思います。要するにこの余剰農産物買い入れの協定が、日本の農業に対して大きなマイナスの影響を与えないという大臣の御信念をはっきりここで御表明願いたいのです。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 第一の、この余剰農産物買い入れによりまして、わが国の農業に悪影響はない。悪影響があるということであれば、私はこの買い入れに同意をいたしませんということをはっきり申し上げます。これによって土地改良その他愛知用水等の事業ができていくことは、考えようによっては、現在のわが国の財政事情においてはむしろプラスになるのじゃなかろうかということを考えております。  第二の、これがわが国の農産物の価格に絶対影響はないか、この点につきましては、米麦については絶対に影響はありません。ただしこの中の酪農製品につきましては正規の通り参れば、ないような筋になっておるべきはずでございますけれども、過去において遺憾な点があったと私は率直に認めざるを得ぬと思うのであります。従いまして将来に対しては、そういうことのないように適切な処置を講ずる必要があるというふうに考えます。第三の点につきましては、食管特別会計の現機構は、私は改正の必要ありというふうに考えております。これにつきましては、たとえば黄変米等の処理、これらにつきましても十分考えなければなりません。これはすでに農林委員会等において申し上げております通りに、適当に衆参両院のしかるべき方々の御協力を得て、考えなければならぬものである、こう考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 もう一点だけ落ちたのがありますから……。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 どうぞ短かく願います。あなたはずいぶん時間をとっております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 時間をずいぶんとって申しわけございませんが、ことに重大でございますから……。今の酪農の問題は脱脂粉乳のことでありますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 この脱脂粉乳は明らかに農産物に影響があると思ます。私は特に抜き出しましたのはその点なのです。大臣はその点を認識されたからけっこうですが、あの膨大な脱脂粉乳をアメリカではどういうものに使っておるかということは、大臣はおわかりだろうと思うのです。正直に言ってこの脱脂粉乳というものは、あれはおそらく学校給食に回して、牛を養うというつもりはないだろうと思う。国内の酪農を圧迫してあれだけの脱脂粉乳を入れなければならないという義務があるかどうか。買付の義務があるかどうか。買付の義務と申しますか、日本の利益からいうならばそういう義務はけ飛ばしてもいいと思う。そういう点で、この農産物価格というものに対する影響というものは、酪農だけに限らず、米にも麦にも生じてくる、こういう観点を私は持っておるわけであります。これは大臣の所信とは違いますけれども、私の見解の相違で、追及いたしません。食管会計等につきましてもぜひとも早く正しい方に持っていかれたい。なお、時間もございませんから、これで私はやめますけれども、この余剰農産物の買い入れというものは、日本の立場から立たれましても、アメリカの意図というものは十分御認識あってしかるべきだと思う。どういう必要があってこういうことをしたのですか。これは賢明なる大臣もすでにお気づきになるだろうと思います。用心して言明されなかったのだろうから私はあえて追及いたしません。そういうアメリカの意図なども日本の立場から十分お考え願いたいと思います。  なお米価あるいはその他の麦の買い上げ等につきましても、大臣は支障がないというのですから、今後は余剰農産物の買い入れ等によってそういうことに変更を及ぼしたという弁解はもう聞かないことにいたしますから、この点を確認して、一応これで私は質問をやめておきます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 久保田豊君、久保田さんは午前もこの問題については御質問なさっておりますし、久保田さん以外にまだ少しも質問しない人がありますから、ごく短かく、なるべく十分くらいにお願いいたしたいと思います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 なるべく短かくやりますが、この問題は実は日本の農業や食糧政策に非常に大きな影響がありますので、農林大臣からお聞きいたしたいと思っておったのですが、その機会がありませんでしたので、この機会に伺います。さっきから、またこの前の外務委員会等で、この余剰農産物の受け入れ協定の問題は日本経済全般の立場から非常に有利だからやったのだ、部分的には多少のマイナスも出るというようなことを高碕さん等も率直に言われております。私どもが一番心配するのは、実はこれが日本の農業にどういう影響を具体的に及ぼしてくるかということが一番大きな問題であります。今の御弁明でもそういうことは懸念がないという答弁でございました。この点を中心にして二、三大事な点をお伺いいたしたいと思います。  第一に農林大臣にお伺いいたしたいのは、高碕長官あるいは外務大臣等は、この余剰農産物の受け入れば、本年度としては日本経済全体にとってプラスであるからやった、しかし来年度不利になれば来年度はちゅうちょなくやめてしまう、こういうことを言っておられる。私は政府の立場はそういうふうになっておらぬと思う。そこでこの問題に一番関係の深い農林大臣としては、これが不利ならば来年度から余剰農産物の受け入れをアメリカにはっきり断わってしまうということが言い切れますかどうか、これを第一にお伺いしたい。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 不利な立場に立つようなことがあれば、十分交渉、折衝によって、不利でないようにアメリカの理解によって私は結論が得られるのじゃなかろうかということを期待いたします。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 あとでまたこの問題にも触れますが、たとえば愛知用水の問題については、もうすでに余剰農産物のいわゆる借り入れ分の見返り資金を予定されている。しかも石橋さんは、こんなものはあとでもって都合が悪いからほかのものを回してくると言うけれども、そうはいかない。というのは、世界銀行等の関係がありますので、そう簡単にいかない問題である。あとでこの問題にも触れたいと思いますが、もう一つ今度のグラントによって学校給食のスケール、内容が相当変ってくる、来年度これを打ち切るとするならば、政府は学校給食だけで少くとも年々五十億の予算を計上しなければならぬ、こういう点から見て、来年度以降についてアメリカとの間に協定の内容の変更等は多少あると思うが、これは御承知の通りアメリカは十億の金を予定して三年間の計画でやっておられる。日本としても少くとも三年くらいは今後アメリカとの間に続くもの——私どもはそれとは違った立場を持っておりますが、農林大臣としてはそういう立場に立ってこの問題をお考えになり、お扱いになっているとわれわれ了承したいのですが、この点はどうですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 一応希望としてはそういうふうに考えております。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そこでこれはことしを初年度にいたしまして、二年ないし三年続くものと見て御質問を申し上げます。そうでないと言うなら、愛知用水の資金はどうするか、学校給食の資金はどうするかということを明確にお示し願いたい。それができない限りはこれは当然続くものとしてお伺いいたします。そこで午前中にもお伺いしたのですが、これは大臣にも確認しておきたい。今度の余剰農産物の受け入れば四条の二項を見ましても、向うの五十四年法の一〇一条(a)項を見ましても、アメリカの農産物の通常の輸出を擁護するということが根本の目的です。そこでわれわれがこの前外務委員会で責任のある当局から弁明を得た限りにおいては、今度の余剰農産物の受け入れについて通常輸入として小麦が大体七十五万トン、大麦が二十万トン、それから米が二十万トン、綿花が二十七万五千俵、葉タバコが大体二千九百トン、これだけは通常輸入として——協定ではないが、義務ということはないが、要するに日本が実質上道義的な義務を負ってやる、そうしてその上にプラスして、総体にいたしますと、穀物だけでも、グランド分まで入れますと大体六十万トンに近いものを入れる、こういうことになって、この二つの集まったものがいわゆる今度のアメリカにとって、また日本にとっての協定の実質的なスケールであると思いますが、この点はいかがでしょうか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 その通りでございます。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 そこで第一にお伺いしたいのは、これは年度の食い違いは多少ありますが、私は今度これだけの、大体六十万トン近くの米、麦、大麦等が入って参りますと、これは日本の現状からいうと、なるほど農林省の直接のあれからいいますと、これは需給計画上必要だということになろうかと思いますが、全体として見ると、私は今度の余剰農産物の分だけは、全部とは言いませんが、大部分が不必要なものを入れることになりはしないか。と申しますのはなぜかと申しますと、農林省の日本の食糧輸入の大体の概況を見て参りますと、二十六年度には米と大豆、大麦を入れまして、大体三百十九万トン、二十七年度に三百六十八万トン、二十八年度は御承知の通り非常な減収でありまして緊急輸入をいたしましたが、このときも大体四百十八万トン、二十九年度の計画も大体四百十四万トン、三十年度になってこれが大体において四百二十四万トンになる。ところでこの今度のものは、これは最初にお伺いしておきたいが、日本の食糧需給の計画の中では大体において二十九年度の計画の中に入っておったもの、三十年度の計画の中に入れておったもの、これが非常に重要な問題になります。と申しますのはなぜかと申しますと、もし三十年度の計画であるならば、向うの会計年度ではこれは明らかに五四年度の計画です。それが御承知の通り協定の日がずれてこういう協定が承認になったとしても、今後大体九月の三十日までに約六十万トンのものが別に入る。さっき言いましたように、米、麦合せまして全体で百数十万トンのものが一般通常輸入として次年度におそらく持ち越されると思う。これが続くということになりますと、来年度はことしの余剰農産物の分と来年の余剰農産物の分とが一緒に入ってくるということになりかねない。こういう現状から見ると非常に過剰なものが出てくるように私どもは思う。さらに国内のあれを見ますと、米については価格の問題や集荷制度の問題等で二千三百五十万石で前年通り、これは平年作に比すれば非常に余裕のある数字であることは明らかであります。麦についてはどうかといいますと、二十九年度では内地産については大体において大豆が十五万トン裸麦が二十五万トン、大麦が四十万トン、ところが三十年度の計画については大豆が二十七万トン、裸麦が五十万トン、大麦が五十万トンで、約倍であります。こういうことになりますと、政府の需給計画の表側の役人のいじるだけのものでは別でありますが、かりに来年度以降やるといたしましても、五五年度のアメリカの余剰農産物を五六年度、ことしと同じような措置が、大体六月以降に向うの農産年度から繰り延べてみても、私は大体本年度の需給計画等からいえば、政府の手持ちのもの以外を含めたものから見ると、これは非常によけいになってくる。しかもこれは政府の手持ちを見ればわかる。麦の政府の手持ちは、明らかにふえておる。しかもその内容は内麦はどんどんふえて、外麦は減っております。これは当然なのです。内麦をどんどん買うから結局内麦がよけいストックになるということになる。こういう点を総合して考えてみますと、この余剰農産物は、本年度におきます政府の手持ち、あるいは政府の手持ち以外の全体の食糧のあれから見ますと、非常によけいなものを入れることになると思うのであります。特に今度の政府の計画の四百二十四万トンの内容は、小麦が二百二十四万トンで前年度に比べると二十八万トンふえておる。これはほとんど大部分がアメリカの余剰農産物の影響と思われる。米につきましても、前年度の百十五万トンが百三十二万トンになる。これも今度の余剰農産物の協定によって影響してくるのです。こういうアメリカの米が日本によけいに入ってくるということによって、これが十七万トンもふえて、総体において政府の輸入が、小麦、米に関します限り四十五万トン以上ふえておる。減ったのは大麦だけです。差引すると十万トンですが、実際においては、日本の市場で一番大きな影響を来たす小麦と米については、大体四十五万トンの過剰輸入をしなければならぬ。こういうものは私どもは、日本の食糧事情において、政府の管理並びに政府の管理以外の全体を見た場合において、決して必要なものではないというふうに判断をせざるを得ない。これに対して、あなたは農林大臣だから、ただ政府がいじくるだけの米麦の数字のつじつまが合えばいいという考え方であったならば、日本の農業政策なり食糧政策の立たないことは御承知の通り。政府の手持ちでない、政府の力の及ばない一般のものを含んだ場合において、この四十五万トンの小麦、米の輸入というものが、日本の国内の農業にどういう影響を与えるかということを具体的にお考えになってこれをおきめになったかどうか。私は、この前のMSA小麦の輸入が日本の米麦にどういう影響を与えたかということを考える必要があると思うが、ことしは、なお深刻なものがあろうと私は思う。そこで以上のような点から私どもの考えたことは、今度のものはその大部分が要らないものを押しつけられた、こういう感じを持たざるを得ない。これが日本全体の農業並びに食糧政策に大きな影響を持ってくると思うが、どうですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 こういうふうにお答えをして御了解を得たいと思います。食糧政策の見地から申しますならば、ただいま御指摘になりましたような数字を御理解いただきます際に、第一に人口の増加がございます。従ってわが国の食糧の需要度は多少数字がふえます。第二といたしましては、現在までのわが国の食糧事情が決して十分ではございませんので、その安定感を得るために持越量をふやす必要がございます。幸いにして、ことしも平年作以上であるならば、さらに私はこの機会に食糧の安定感を得る必要があるだろうという考えで、ただいまの計画を立てておる次第でございます。これらはいずれもわが国の国民全体の食糧政策から勘案して立案いたしたものでございます。ただし、わが国の米麦の農業政策としての価格の決定、これらの運用は、わが国の農村政策としていたすのでありまして、その間に多少われわれの遺憾に考えますことは、ただ過去におきます外麦と内麦との価格の決定、これの利用度の価値等において、多少遺憾な点があるのではないか、これは是正を必要とするのではなかろうか。御指摘のように、外麦の方が非常に利用度が高くて、内麦について多少遺憾の点があるということは私も率直に認めます。従って来るべき麦価の決定に当りましては、これらの点を修正する必要があると考えております。これを要するに、この余剰農産物の受け入れによりまして、内地の農民の農業政策、農民の利害に影響をもたらすというようなことは絶対にいたしませんということで御了解を願いたいと思います。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 ちょっと久保田君に御注意申し上げます。実は参議院でも予算委員会を開いておりますので、経済審議庁長官と農林大臣と入れかわるようにしておるのですから、あなたの質問も、例を引いては何ですが、淡谷さんのように単刀直入になるべく簡単にお願いいたします。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 それでは簡単にいたしますが、今度の会計年度で大体六十万トンはそのまま入ってくるわけですが、さらにこれが来年度も続くとすると、また六十万トンも入ってくるのをどう処置されるつもりでありますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 この詳細につきましては、事務当局から御説明申し上げた方がはっきりすると思いますから、かわって事務当局から説明いたします。

安田善一郎農林事務官(大臣官房長)

○安田(善)政府委員 久保田委員の御指摘の通り、今回の農産物に関する日米協定はたまたま最近において締結されましたが、その第一回の買付時期は一応六月末ということになります。アメリカの会計年度ともやや照応しておるかに見えますけれども、これを受け入れるに当りましてのわが国の食糧需給計画といたしましては、外貨につきましては日本の会計年度、食糧の需給計画としては、日本の会計年度及び米国年度の双方を勘案いたしまして、その両者がマッチするようにいたしておるのであります。かりに第二回目以降の協定をこの次にいたしますといたしましても、日本の食糧需給計画と余剰農産物の受け入れば、本年度の取扱いと同様に、その関係を時期を調節し、ずらしながら計画内にとどめるつもりであります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 当然そのくらいなことはやると思います。しかし相手側のあることですから、日本側の言うようにばかりはいかない。御承知のように、向うには二十五億ドルの農産物の市場からのいわゆるはね出しを帳づらでやってつじつまを合せておる実情です。日本の方がグランドまでしてもらって、その金を借りて、日本の会計年度がうまくいかないからずらしてくれといっても、そうは柳の下にドジョウはいない。その点を非常に心配しております。  さらにこれに関連してお伺いいたしますが、本年度政府はどうして麦に関してだけ持越量の三カ月分というものを食管会計で見たのか。今までかつて三ヵ月分の持越量なんか見たことがない。にもかかわらず本年度だけはあらためて三カ月分ということは、これは当然アメリカのこの余剰農産物の影響が現われているものと、こう私は理解するのでありますが、今までかつてできなかったことを——さっきの河野さんのお話では、食糧の安定上と言われますが、なるほど安定です。安定は安定ですが、特に本年度麦について三カ月も端境期に持ち越しを予定された理由はどこにあるのでありますか。私の今までの理解によれば、そんなに多くの持越量を持ったこともなければ、そう必要もないと思うがどうか。これは当然これにひっかかってくると思うがどうか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 今までは事情が許しませんでできなかったことでございまして、将来は大体三ヵ月分くらいを持っていくことをやっていきたいということであります。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 これはただ要するに今度の余剰農産物のあれで現金が出ない。キャッシュが出ないということでできるでしょうが、切れたらどうしますか。今の日本の全体の外貨の事情その他から見て、三カ月分麦の持ち越しが毎年できますか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 そういうふうにやっていきたい。そういうふうにして参る方が食糧の安定感から言ってよろしい、こういうふうに考えるのです。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 もう時間一ぱいですから……。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 じゃあその点はそれでいきたいというのですから、そこで昨年度のMSAの麦のとき、これは御承知の通り政府の方は要するに内麦の方が業者が引き取りが悪いというので買い渋りをやった。そうして実際に政府の手に入る前の麦の市場価格はずいぶん落ちました。その結果がことしあたりは麦が全然基本的な価格が安いということも一つですが、大体においてそういうことから麦作というものは決して発展をしない。百姓は今の価格では引き合いません。これを可能ならしめる一番大きなのは、去年はMSA、ことしは余剰農産物の余剰受け入れだ、こう考えますが、ことしは政府は買い渋りをやらない腹かどうか。現に倉庫ではわれわれの聞くところによれば内麦によって埋まっておるそうです。その埋まっておるところへ、地方の農協あたりは、政府が現に麦の価格をきめてない、そういう関係から言って買い渋りをやっていると見ております。そうして現に金が必要な農民は安い麦の価格で売っておる。こういう実態は去年よりことしの方がまだひどいように思う。なお麦の価格をはっきりきめられませんか、これがひっかかっておるからきめられないのだと思うがどうですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 これはそういう誤解を持っていただかないように願いたいと思います。これは御承知の通りに麦の価格は五月末のパリティを基礎にしてきめるのでございますから、従いまして毎年六月末に決定をするより早くはできないのでございます。政府におきましてはきのう、きょうようやく計算が出て参りましたので、できればこの二十一日の米価審議会にでもかけて決定いたしたいというふうに考えておるのでございます。これがおくれますのはそういう事情で、これは例年よりおくれておるのではございません。その暫定処置といたしましては、暫定価格をすでに発表いたしております。これも御承知の通りであります。ただことしは昨年よりも少々農民の有利のように規格を下げまして、そして規格の決定がありませんし、規格を新年度の規格で受けた方がよろしいというので、農家の諸君がその規格の実施を待っておられる関係からそういうふうになっておることも御承知の通りであります。買い渋りをするようなことは絶対にありません。ただここでもう一つ御了解願いたいと思いますことは、昨年はわが国初まって以来の大増収であったことも御承知の通りであります。そういう情勢でありましたので、倉庫等が多少不自由があったかとも私は考えます。ただしことしは御指摘のように現在麦が非常に前年度のものが余っておりますから、これを非常処置として私は早く処分しなければならぬということで、家畜用等に処分をしまして、飼料の引き充て対策にこれを使って、内麦の処理を緊急にやって、新年度の必要な麦の買い入れに支障のないようにするということの非常処置をとって、現在久保田さんも御承知のように前年度の麦をどんどん処理しておることは御承知の通りであります。しかるべく非常の処置をとっておる次第であります。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 もう一つだけに限定願います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 今のお話でももう少し突っ込みたいのですが、時間がないようでありますから、やめておきます。  そこでもう一つ大事な点ですから伺いますが、今農林大臣は米の問題で非常に苦悶されておると私ども推測し、同情を申し上げておるのです。しかしながら苦悶をされておりますその裏に、一番強いものは要するに大蔵省だと思う。大蔵省の態度を見ますと、今年の米価は予算米価を基準にして押そう、そうして将来においては多少の金の処置をしようということを言っております。ただし予算の変更はしないと言っておる。その裏にもう一つあるものは何か、今年の予算米価九千七百三十九円で買えるだけ買って、集まらなければ、集まっただけでやろうじゃないかという考えがあります。これはひそんでおる。否定すべきことではないのであります。この裏づけになっておるものは何かというと、この余剰農産物を入れて、全体で外国から米をこれだけ買っておるのです。どうして米だけこんなによけい買う必要があるか。なるほど準内地米をよけい買うというならわかる。全体で十八万トンもよけいにどうして米を買う必要があるか、こういういろいろな諸点を考えていきますと、そういう考えがある。この余剰農産物を中心にした食糧輸入の無理な拡大、これが農林省的な食糧統制の一番基本の線です。これを破らないで、それにそのまま乗っかって、さっき淡谷君が質問されたように、余剰農産物を受け入れれば、今の実際においては、外国から農産物を受け入れれば確かに食管は黒字が出ます。外米の方が安い、外麦の方が安いのです。そうして内地のものを買い足そう、こういうけちな根性を持っておるところに、こういう問題が非常に大きく深刻に、根本的な問題として発展してきておると思います。この点をなお詳しく突っ込みたいのですが、委員長から時間の点のお話がありますから、一応この一点だけお伺いします。どうですか。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 私の考えておりますことは全然別でございます。私はそういうふうに考えておりません。これはあらためて申し上げるまでもなく、現在の予算米価は御承知の通り予算米価算定の方式で算定しております。二十九年産の米の買い入れ当時にとりました九千百五十円ですか、それに供出奨励金、もしくはその他の奨励金を入れたものを基準にしてやっておるのでございまして、それが基礎になって九千七百三十九円が出ておりますことは御承知の通りであります。三十年度の米価の決定は食管法の規定によってきめるのでございますから、そういうふうにお前考えているだろう、考えているだろうとおっしゃっても、私はこの規定の通りにやります。裏に余剰農産物の受け入れがあるから、そこで追い詰められておるだろうということは、私がかねて申し上げております通り、余剰農産物の受け入れは、わが国の農産物価、つまり農業政策に影響のあるようなことは絶対にいたしません。はっきり申し上げております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 あとは意見の相違だと思います。簡単に質問だけ願います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 今のは私の質問の要点とまるで違っておる。九千七百三十九円がどうしてはじき出されたかということを聞いておるのではない。あなたは最近は日本の食糧の統制をやらなければいかぬと言っておる。就任した当時は食糧の統制撤廃を主張されて、みなから反対されてあなたはひっ込めた。みなの反対を食ってあなたはひっ込めた。あの当時の考えと同じ考えを今大蔵省が持っておる。現にあなたは大蔵省にいじめられておるではありませんか。一萬田さんにあなたはきゅうきゅう言わされておるのではありませんか。その大蔵省の考えの土台には余剰農産物を入れて、全体の外国食糧をよけい入れて、これによって内地における食糧費なり、いわゆる農業増産費を減らしていこう、こういう考えがいつも基礎にある。むき出しに出ておる。そのために今年は農業増産の経費をけられたのではありませんか。今米の問題でしくしく言っておるのはそれじゃありませんか。それで大蔵省の腹の底にはいつも今度の予算米価で集められるだけ集めて、集まらなければ二千三百五十万石は集まらなくてもよいという考えがいつもある。統制撤廃に通ずる考えです。この土台になっておる基礎的な力といいますか、事実は何かというとこれじゃないか。これがある限り日本農業というものは立っていきませんよ。あなたがこういう点を見落して、食糧統制のつじつまが合うからどうだとかなんとか言うことは、私は日本農業を根本的に考える農林大臣の立場ではないと考えるが、どうでしょう。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 これは私は大へんな誤解だと思います。私は米の自由販売を主張いたしました当時にそういう趣旨のことは申しておりません。私は米を手放しで自由販売にしようという議論は一回もしたことはないのです。間接的に価格の統制をしていくということを私は常に主張しております。これは消費者と生産者との価格の間において統制して参る、中間経費を削除していくのだということを言っておるのであります。ただ手放しに外国から安い物を持ってきて、そうして内地農民を圧迫するような考えは私は持ったことがございません。現在それがその手段まで行くことはできませんけれども、現在の米価の決定に当りましてはそれと同様な見地に立って、内地の農家の経済を安定するに足るだけの価格を決定しなければいけないということで、私は常に申しますように、内地の農家から買い上げする米の価格と国民食糧としての価格の決定とは、全然別個の要素できめられるべきものであって、その間に経済上勘案して調整をとっていくのが私は政治だと考えておるのであります。それを今お話のように一方に非常に圧力をかけてそういうふうに行ってしまうのだろうというふうに御指摘になることは、はなはだ私としては迷惑であります。決してそういうことを考えたことはございません。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 最後にもう一つ。ただいま農林大臣からお話があったのですが、私もあなたが手放しで米の統制撤廃をやるということを言っておらないことは承知しております。そんなことはだれもできるものではない。間接統制の場合に、その基礎になるものは何かということを申し上げておるのです。しかしこれはこれ以上突っ込んでもしようがありませんからやめます。  もう一つ、ただいまのお話の中にもありましたが、要するに河野さんのお考えは、こうして余剰農産物によって借款したその一部、三十億ですか、これを愛知用水に入れて開発をすれば、将来日本の農産物の増産に役立つ、同じような考えができ得れば今後八郎潟にもあるいは根室、釧路にもというお考えがあろうと思います。現実の問題としては愛知用水だけです。愛知用水はことし三十億、政府の当初の、農林省から発表されたものによりますと、今後五年間に余剰農産物等の資金を大体二百四十九億入れて——二百二十何億のうちの三十六億は世界銀行から借りる、二百五十億ばかりを余剰農産物等の見返り資金によって入れてそうして愛知用水を完成しよう。こういう計画です。それが今度変りまして大体八十何億というものだけ見返り資金で入れて、しかもこれは五カ年計画、ですからいやおうなしに今後私どもはこういう計画なり学校給食の問題がある限り、そういう点の財政措置々別個にせずに、来年度から余剰農産物のアメリカから受け入れが切れますなんということは、根拠のない無責任な考え方だと思います。まあこれを入れることはよろしいが、今のような考えで入れないとしたらこの資金計画はまた変更になってきます。世界銀行との関係においても、世界銀行との約束は当然余剰農産物を入れて、その資金を回す、こういう前提で立てられておると思う。この点についてどういうふうに考えておられるかという点なのです。  それからあなたはこれが非常に日本の増産に役立つとおっしゃいますが、なるほどこれによりますと三百数十億の金を入れて三万三千町歩の農地改良をやろう、それによって大体二十六万石の増収をはかろう、これは大へんりっぱであります。しかしながら資金の計画がうまくいかない場合においては中途半端になります、その場合にはどうなりますか、この余剰農産物の受け入れ計画が今後において条件が変っても、国内においてやる余裕があるかどうか。余裕があるとすれば、現在の資金状況その他から見ると、当然一般の土地改良費を削ってそっちへ持っていく以外にないと私は考える。そうなれば愛知用水はよろしいかもしれぬが、ほかの一般の農地改良というものはずっとマイナスになる。しかも愛知用水は非常に大きな効果があるように言っているが、農民の立場からいうと疑問であります。なるほど三万三千町歩の土地改良ができるというが、あれだけ膨大なものをやる場合に、そんなに詳しい受益面積、受益効果をはじき出せるはずがない。今までの農林省のいろいろな計画から見ると、三万三千町歩全部の受益効果はとうてい考えられない。大体よくいって六割でしょう。そこから来る増産効果は今政府がはじき出しているようなわけにいかないと思う。片方においてこれでは五億七千幾らというものを返すことになる。これの計算でいくと二十年間に返すことになっておりますが、三万三千町歩予定通り開発されるとして一反当り二千円近くになります。これに間接費の生計費まで入れますと二千五百円くらいまでなりましょう。受益面積、受益効果が少いということは、もっとよけいになる。水田だけでこれだけでしょう、しかも小作料を上げられてやっていって、そうして百姓は増産してどうして得になりますか。政府がこれを入れてきたからすぐに日本に増産効果が出るなんという簡単なことには参らぬと私は思う。いずれ近く政府の方から愛知用水に対する法案が出るそうですから、私はこの点について詳しくまたお伺いする機会を持ちたいと思いますが、これらの点について大臣はどう考えておられるかお伺いしておきたいと思います。

河野一郎日本民主党農林大臣

○河野国務大臣 世界銀行の関係は今申し上げます通り、この余剰農産物の受け入れだけでなしに、これが中絶しても、わが国の政府において土地改良の必要性を認識しております実情を十分理解いたしまして契約をすることになっておるのでございます。  次の農民の負担等につきましては、地元の農民の熱烈な要望がある点につきましても御了解いただけます通り、いろいろ御意見はございましょうが、私はこれらの実情を勘案いたしまして、今度の計画は非常に綿密な計画をいたしておりますから、この通りやって所期の目的を達し得ると考えておる次第でございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私は先ほどの質問に引き続きまして簡単に要点をかいつまんで申し上げますから要点をお答え願いたい存じます。まず第一番に、米国との協定あるなしにかかわらず綿の輸出入の状況を、アメリカ国に例をとって調べてみますと、去年は輸入が一億七千万ドル余でございます。この国への日本の綿製品の輸出はわずかに一千万ドルとちょっと、十七分の一でございます。その前の年を調べてみますと、綿花の輸入が一億二千二百万ドル何がしでございまして、輸出はわずかの五百七十八万ドル、二十分の一でございます。こう考えて参りますと、通産大臣のおっしゃるところの拡大均衡論、輸出振興のための拡大均衡ということ、その言葉は私も大賛成でございますし、今日は輸出しなければ国の経済が成り立たないということはだれしも知っている。従って輸出ということは無上命題でございます。この立場に立ってただいまの米国との綿花の輸入、綿製品の輸出のバランスを調べてみましたとときに、これで果してよろしいと答えを出す人は一人もないと存じます。それじゃほかの物がたくさん輸出されているか調べてみますと、総体の日本の輸入は約七億ドルでございまして、輸出は二億ドルであり、五億ドルの入超ということになっております。これでは拡大均衡論はどこへいったやら、から手形に終りそうでございます。先ほど来承わっておりますと、この余剰農産物からくる綿花の贈与分は、ほんのスズメの涙ほどでございます。かりに余剰農産物くらいは安く買えるかと尋ねてみましたら、これは国際プライスだというお話でございます。もしそれ国際プライスでありとするならば、何がゆえに日本の消費綿花の約半数から半数以上をここから買わなければならないのか。入超の国から買わなければならないのか。拡大均衡論をお唱えになる通産大臣が、ほんとうに輸出振興を考え、拡大均衡をお考えになりますならば、綿花は必ずしも米綿でなければならないはずはございません。綿花を買うてやるからおれの国のこの物を買うてくれと言うてやれる国、綿花を買うことによって輸出振興のできる国は、他にたくさんあるはずでございます。(「国の名は」と呼ぶ者あり)国の名をあげよとおっしゃるならば、あげてみましょう。まずメキシコ、ペルー、マレー連邦、ビルマ、パキスタン——これは短繊維でございます。それから英領の東アフリカ、ずっと向うへ行きましてブラジル、アルゼンチン、特にブラジルあたりはこれを買わないと向うは自結自足を勝手にやります。それから特殊綿としてはエジプト等々。これは拡大均衡を考えてみれば幾らでもあるわけでございますが、それを通産大臣や経審長官はお目こぼしになっていらっしゃるのか。そうとは考えられません。何がゆえに拡大均衡をお唱えになる現政府が、このことをおやりにならないのか。もしやれるとするならば、今後やる意思があるかないか。やることによって、米国から輸入される綿花は削減されていく。このことをもって交渉していけば、かりに米国から買うといたしましても、そのコストを必ず安くする条件になると思うのでありますが、まず両大臣にこの点を承わりたいのでございます。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 これは加藤君、よく知っていてそういうことを言われるのだから、私の方から答弁しなくてもよろしいと思いますが、それはわれわれもやっているんですよ。ブラジルでも何でも、買えるだけは買っております。アメリカからの輸入超過が多いのは、御承知の通り特需でありますとか、いろいろな形でアメリカの資金が入っておるから、それだけのものが物になって入って参ります。ですから、現在アメリカとの関係が入超になっているのは資金の関係で、これはやむを得ない。それを断ち切ってしまうのが必ずしも拡大均衡の極意に沿うわけではないのでありまして、われわれもできるだけのものは他の地域、ポンド地域あるいはその他のオープン・アカウントの地域から輸入するようにいたしておりまして、食糧でも綿花でも買える物は精一ぱい買っておるのです。結局それはやはりアメリカからよけいに輸入しなければならぬような現在の実情にあるということは、あなたの方が一番よく知っておられる。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいま石橋通産大臣からお答え申し上げました通りでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 特需があるからとのお答えでございましたが、こんなものは小学校の生徒でもわかりますが、特需は大体四億ドル、ところが入超は五億ドル、一億向うに行き過ぎです。どう考えてみたって、そこでこのことを種にしてコストを下げることができないというならば、私はここに一つ——そのことをぜひやってもらいたいのだが、それをやるとあわせて、私は次のことを提案してみたい。それはほかでもございませんが、特に今日アメリカから入る輸入の綿花、これが加工されて輸出できない今日の状況を打開しなければ、日本の綿業界及び繊維業界の不振を打開することはできない。そこで輸出振興の一つとして考えられますことは、今まで一番たくさん日本の綿を買ってくれました国がございますが、それが、外務大臣、国交調整がただいまできてていないがゆえに焦げつきができてしまって、輸出がストップしてる国があることを御存じでしょう。すなわちインドネシアであります。インドネシアの貿易の中で繊維関係、綿関係を調べてみますと、日本の綿製品の総輸出額は約二千万ドルでございますが、インドネシアの過去において買い付けた年間の額は、そのうちの約半分、九百七十万ドルでございます。これがストップされているおかげで、綿業界は非常な不況に立っていることを、通産大臣は苦慮していらっしゃるはずでございます。そこででき得ることならば、米綿を買い付けた輸入額に見合う綿布を、インドネシアに送ります。インドネシアとアメリカとの関係はあなたの方がよく御存じでございましょうが、すず、ゴムその他の天然資源がアメリカヘアメリカヘと送られております。そこでこの日本の輸出をはかると同時に、アメリカがあり余って古くなって困って、やがて太平洋へ捨てなければならない米綿を、こちらが買ってあげるというんですからね。この三角貿易ぐらいはやったって罰は当らぬと思いますが、そのことすらも向うに交渉する勇気がないのか。ほんとうに日本の繊維業界が終戦以来始めて逢着しているこの不況を打開する勇気があるならば、この業界を指導育成するほんとうの慈悲の手があるならば、当然このくらいのことはやってしかるべきだと存じますが、この点業界のベテランであり、私の尊敬しております経審長官に、まず五ヵ年計画、六ヵ年計画の手始めとして、やる勇気があるかないか、まず承わりたい。  それから外務大臣にぜひ承わりたいことは、この協約を結ぶに当って、こういうことをやってもらいたいということは、これは私一人の希望じゃなくて、すでに業界の希望なのです。そこでそれをやるだけの用意があるかないかを外務大臣にもお尋ねしたい。通産大臣にはもうこの間尋ねましたから……。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 私は日本の輸出振興ということに考えまして、三角貿易というものはよほど密接に考えていかなければならぬ、こう存じておるわけでございます。ただいまの加藤さんの御質問の点は、御承知のインドネシアには一億何千万ドルという貸し越しになっておって、これ以上送るわけにいかない。従いまして、この間私はインドネシアのバンドンに使いいたしましたときに、いろいろ考えまして、アメリカ側であそこからゴムを買ってくれないか、すずをとってくれないか、それだけのものをもってあの支払いを振りかえてくれないか、こういうことを頼んだのであります。ところが、今のお話からいえばこれはもう一歩進んだやり方でありますから、これは大いに通産省として考えてもらいたい、実行に移していきたい、こう存じております。三角貿易ということはひとりそれだけではありませんで、東南アジアの問題につきましては、ますます密接にそのことを考えていかなければならぬかと存じておりますから、どんどん進んでいきたいという所存でございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 この問題は、幸い通産大臣もここにいらっしゃいますが、ただいま経審長官のお答えのように、通産省としてはこれは初耳の話ではないはずでございます。私は前々からこのことを外務大臣にも訴えてきたのですが、すでに準備を整えて交渉をする段階に入っていらっしゃる。大臣ではございませんが、すでに具体的に折衝をやっていらっしゃるという段階でございます。そこで外務大臣としては、この件について促進する、援護射撃をする気持があるかないか、用意があるかないか、この点を承わりたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そういうふうに大いに奨励してやっていきたいと思っております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 もう一つでございますが、日本がぜひ必要な物資で中共にしか産出しないものが、日本と中共との取引がスムーズにいかないがゆえに、その物資をわざわざ大西洋を越え、アメリカ大陸を通って日本へ輸入されている。そうしてこのものがまたぞろ太平洋を通り、アメリカを通って、大西洋を渡って地球の裏側へ行っているというものがたくさんありますけれども、ほんのわずかな豚毛までがこうなっている。これは紡機に最も必要な物資でございますが、このようなことが行われるということは、日本の産業を開発し、輸出を振興する上に非常に迷惑な話でございますが、この際拡大均衡を唱えられます通産大臣は、なるほど四億の特殊外貨というものはあるには違いないけれども、なおペイして一億の余を買い越しなのだから、これを解消する意味において、少くとも中共への輸出、輸入は、ソ連並みに許してもらいたいということを、この協約に当ってもそうでございますが、アメリカ国に対して要請する勇気が外務大臣や経審長官にあるかないか。あるかないかというてたどたどしている間に、アメリカの外務委員長の方から、やりましょうじゃないですかという話が出て来ていることは、すでに新聞で御存じの通りでございます。渡りに船と考えますが、これでもなお外務大臣は、この協約を結ぶに当ってこのくらいの簡単なことを交渉することができないものでございましょうか、お二人の御意見を承わりたいのでございます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 その御趣旨によって常に努力をいたしておるわけでございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 加藤さんと田中さんに御相談いたします。加藤さん、外務大臣に対する質疑を継続して、経審長官等については後にしていただきたい。ということは、参議院の予算審議の関係もありますので、外務大臣はこっちを早く切り上げて向うへ行ってもらいたいので、外務大臣に対する質問はあなたと田中武夫さんですから、外務大臣の方を先にやっていただきたい。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 わかりました。努力するというお答えだけでは仕事になりません。そんなことで日本経済のこの苦境が切り抜けられるくらいだったら、私はここで声を大にしてそんなことを頼みません。しからばいかように交渉をされますか。ココムのワクを拡大するとか、その時期はいつとか、具体的にお答え願いたいのでございます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 その交渉は、パリ及びゼネヴァのココム関係の機関において機会あるごとに、また機会を作って交渉をいたしております。しかし大体においてソ連に対する制限と、つまり欧州並みの制限と同様に大体なっていることは御承知の通りだと考えます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そういうことを外務大臣が言われては困ります。中共への輸出がソ連並みになっている、そんないいかげんなことを言われては困ります。詳細を調べてごらんなさい。ソ連へ向ける船は決して戦略物資ではないけれども、同じものを中共へ向けると、これは戦略物資ということで禁止されている。禁止されておればこそ、つい最近大豆五万トンと木造船とのバーターが、契約はしたけれども、木造船は軍需品だからいけないということのために、これがストップになっていることは、あなたは御存じでしょう。一国の大臣が、座談ならよろしゅうございますけれども、こういう国会の委員会の席上でむちゃくちゃな答弁をなさるということになりましたならば——私はそれじゃもっとこまかい具体的なデータをあげて申し上げますが、はっきり答弁願いたい。あなたのおっしゃる通りであれば、何も大豆の五万トン程度のことで苦労しなくたって、新三品市場で大豆がストップしなくて済むわけです。通産省としては、これができないおかげで、逆トーマスではいけないからというので、別な方式でこれに臨もうと苦慮しているじゃございませんか。あなたは何を言っていらっしゃるのですか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私の申しましたのは、中共向けの制限については、日本は全く他の諸国と同様の立場に立っておって、日本が特別に制限を受けておるわけではないということを申し上げたわけでございます。つまりココムの関係では、日本は欧州並みの制限であって、日本だけが厳格な制限を受けておるわけではないということを申し上げたわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 ところが、先ほど三角貿易のことを申し上げましたが、中共に行ってごらんなさい。そんなことを言っていると笑われますよ。イギリスからソ連にどんどん物が運ばれ、ソ連から中共にどんどん行っている。こんなことはもう新制中学の生徒だって知っていますよ。パリ・リスト云々のことを言っているのではないのです。いかにして拡大均衡を実現するかということをここで論じているのです。——お答えがないようですが、それについて日本も、その三角貿易をして輸出振興をはかる用意があるかないか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 三角貿易等について貿易を伸張する方法については、私としては外国との関係において十分に、一生懸命にやりたいと考えております。貿易を促進する方法があれば、三角貿易等について十分考究してやりたい、こう考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは通産省の方から、このことをアメリカの大使館なりあるいはアメリカ国なりへ働きかけようとしたときに、外務省としては今の大臣のお言葉通り努力する、一緒に協力される、こうここでお約束していただけますか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 協議をして、適当なことであるならばむろんやります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 ただいま、外務大臣のお答えによりますと、経審長官と相談の上で必ずやる、こういうお話のようでございます。そうなりますと、さっそくお尋ねしたいのですが、米国の大使館に、元農務省の局長をしておられました農務担当のタモーレン氏というお方がいらっしゃるはずでございます。このお方はこの余剰農産物の関係者と承わっておりますが、このお方に——今のインドネシアの三角貿易の問題を実現されるべくすでに運びができているはずでございますけれども、これをもっと大きな政治的な手を打って、大使館なりあるいは向うの直接担当官なりに話し合いを早くつけて、早急にこれをもし解決されるとするならば、これこそが民主党がほんとうに拡大均衡をやってくれた、わあっ民主党ってありがたいものだ、公約を実現してくれた、こう言って国民がひとしく喜ぶことだと存じますが、一体このことはいつごろから始めようとなさるのですか、具体的に一つ経審長官なり通産大臣なりに承わりたいのでございます。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お答えいたします。これは今個人的折衝を始めていることはあなたがよく御存じだと思います。しかし個人的折衝では話になりませんから、そこで公式に案をまとめて交渉したい。それはむろん外務省を通して、外務大臣にお願いしてやるつもりであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 パキスタンの委託加工——米綿を購入してこれを委託加工してパキスタンへ送る、このことが大体でき上ったというだけで、この六月以降綿業界はやや安定を見てきました。そこでこの次に、インドネシアのこのことが行われるということになりますと、先行き不安の約半分ぐらいはこれで解消できる。先行き不安が解消できれば、やがて操短に苦しみ、あるいは操短から生ずるところの賃下げ、首切りで苦しんでいる労働者も経営者も、みな一齋に喜ぶ。やがて三品市場は安定した価格になる。安定した価格になれば、バイヤーもこれからはもう値上りに行くだろうということになると、買付が進んでくる。こういうふうで、風が吹くとおけ屋がもうかるとかいうのと同じ結果に相なるわけでございますが、これはもう経審長官ならば、その業界の生え抜きでございますから、よく御承知のはずでございます。そこでこれを一刻も早く実現するように努力していただきたいのでございますが、それは一体いつごろから始められますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 この問題は私は非常に急速を要する問題だと思います。現在の関西方面における綿業者の状態から見ましてそう思います。従って通産省の意見を聞きまして、外務省との間に介在いたしまして、できるだけ早くこれを実現する、即刻始めたいと存じております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 今までの質問と重複する点を避けまして、簡単に質問したいと思います。午前中私は関連質問でお尋ねしようとしたときに、午後にしてくれということでありましたので、その点からお尋ねしたい。午前にこの協定と生産性増強のことが問題になりましたが、それについてお尋ねしたいと思います。政府委員の御答弁の中に生産性増強については行政協定が結ばれている、こういう話でありましたが、その行政協定というのはどういうものか御説明願いたい。それから二月に発足した日本生産性本部とこの協定のアリソンの書簡に現われているところの五項三号の日本国の経済の生産性の増進ということの関連をお尋ねしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 生産性本部については、アメリカと話し合いがつきまして、やることになっております。そのこまかいことは政府委員からお答えいたします。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 生産性向上に関しまして日米間に交換公文ができているわけであります。この内容といたしますところは、日本の生産性向上につきまして、アメリカ側としていろいろな援助もする、日本政府もできるだけの援助もする、簡単に言えばそういう内容の協定でございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 その協定を出して下さい。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 先般この委員会に「生産性向上ニューズ」という資料をお配り申し上げましたのですけれども、その終りの方についております。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それはいつ結ばれたのですか。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 もうだいぶになろうかと思います。この出版物ができまして間もなくのころ、五月であったと思います。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それならば経審長官と通産大臣にお伺いしたいのですが、私かつて商工委員会におきまして、両大臣に生産性本部の問題についてお尋ねした際に、この日本生産性本部の発足はアメリカのMSA援助につながる、いわゆるアメリカと経済関係があるのじゃないか、こういうことを言ったときに、両大臣とも絶対にそんなことはありませんとお答えになったのです。そうするとこの協定に掲げられておる日本国の経済生産性の向上及び二月に発足した日本生産性本部についての説明は誤まっておるのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 MSAとは全然違います。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 去年のMSA援助と大体同じようなものでしょう。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 違います。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 アメリカの余剰農産物受け入れの問題と、それに関連して日本の経済をアメリカがより確実に支配しようとすることに関連がないかということをお伺いしたときに、アメリカとの関係は絶対ないと言われたのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 それはここにもはっきり出ていますように、余剰農産物の資金の中から一億五千万円出すということになっております。これはMSAではないのです。MSAとは関係ございません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 今の質問の要旨は協定の上で関連があるのではなくて、アメリカ経済と日本経済との実質的の関連を聞いているのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 それはむろんアメリカと共同してやる生産性本部の仕事でございますからアメリカと関係があることはむろんでございます。アメリカヘチームを日本から出す。だからアメリカの援助によってアメリカの技術あるいは経営上のいろいろの方法についての研究をする。向うからもこちらへチームが来るというわけで、余剰農産物の中から一億五千万円出しますのは日本側が出すのでありますが、そのほかにアメリカは援助をするわけでございますから、むろんアメリカとは関係がございます。先日どういうことを言ったか今記憶はありませんが、MSAと関係があるかとおっしゃられればMSAとは関係ございません。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 私が先日お伺いしたのは、いわゆる西欧諸国におけるこの種の運動がマーシャル・プランと関係を持って作られたように、日本におけるMSA援助につながるアメリカの日本経済支配確立のためということに関係があるのか、また日本生産性本部とアメリカとは関係があるのかないのか、こういうことをお尋ねしたときに、はっきりとこういうことは絶対にありませんと両大臣がお答えになった。記録を見ていただいてもそれははっきりしておる。ところがこれによると関係があるのです。だからそれをお尋ねしておる。もし先日の答弁が誤まっておるのならば訂正していただきたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 お話のようにアメリカと全然関係がないという意味のお答えを私はしたはずがないと思いますが、もししておればそれは誤まりであります。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 私は先日、今後日本生産性本部を通じて、アメリカの日本経済に対する干渉というようなことが行われないかということもお尋ねしたと思うのです。金をもらっておれば関係があると思うのですが、そんなことは絶対にないと言われたが、ここで見ると若干違っておる、そう感じておるので、その点お尋ねしておるのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 だいぶわかりましたが、なるほどアメリカの好意によって金も出し、やっておるけれども、それはアメリカがその生産性本部を通じて日本の経済的支配をしようという意図を持ってやっておるのじゃない、またこっちのやり方も、あれによってアメリカから支配を受けるようなやり方をしない、こう申し上げた。そういうことはできないのです。こちらはこちらで本部を作って、日本の意図によって日本の欲するところのチームを向うに送って、ただ向うの研究をするというだけでありますから、直接に何も産業に関係がない。ただ日本の産業の経営の方法についての研究をするチームを送る、あるいは向うからそういうチームが来て日本を指導するというだけでありますから、技術とか何かが入ってくるということまでも広げてアメリカの干渉といえばなるほどそうかもしれませんが、われわれはアメリカのノーハウを入れることだけでありまして、それ以上の何もない。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それではこの協定によって生産性本部の金に使うというひもがついておるわけですね。この協定によって若干の金は電力資源の開発、灌漑用水、開拓工事、これらに関連する事業、日本生産性本部の問題、これ以外には使われないのでしょう。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○石橋国務大臣 これは実は日本側の希望でこういたしたのでありまして、ほんとうは日本から一億五千万円も別に出せばいいのですが、予算などの関係上、それが一般会計等から出すことができない、あるいは財界からそれだけのものを徴収することができないので、苦しまぎれに日本から希望しましてこの中の資金を使うことにしたのであります。でますから向うからこれを使えといってきたわけじゃないのです。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 一九五五年五月三十一日付でアリソンから外務大臣に来た書簡は、こちらからどういうものを出されてこういう返事が来たのですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 その交換公文はこの協定の細目をきめたものでございますが、協定自体には積立円を何に使うかということは書いてございません。そこで初めて交換公文におきまして、先ほどおっしゃいました通り電源開発と農地開発と生産性向上の三つに使う、これはすべていずれも日本側の希望をアメリカ側が承諾しました結果合意が成立したのであります。その使途を交換公文できめたわけでございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それでは生産性本部の問題につきましては後日商工委員会でお尋ねすることにいたしまして、経審長官に一言だけお尋ねいたしたいのですが、この協定と経済安定六ヵ年計画とはどういう関係を持っておるのか。経済安定六カ年計画をお立てになったときに、すでにこの協定を予定してお作りになったのか。そうするならば、午前来論議がありましたが、この協定は本年だけの協定だが、あと引き続き六カ年計画の完成まで同じような協定を進んでいかれるのですか。その点をお尋ねしたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 経済六カ年計画の立案につきましては、こういう協定ができるということは予期せずにやっております。従いましてこれを実行する上におきましては、運営上これがあるということは便利でございますが、これはなくてもやるという考えでございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それじゃ六カ年計画をお立てになったときは、こういうことは予定しないでお立てになったのですね。そうすると、こういうことがきまれば何か経済六カ年計画に修正が行われるのですか。その点はどうなのですか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 経済六ヵ年計画は、六年先における日本の人口に対して、できるだけ完全雇用に近いものを作って日本の経済自立をする、その目標を立てておるわけです。それで実行に当りましては、そのときの情勢と過去の実績を積み立てまして、積み立てたその数字と、それから先のめどと結びつけて、一番合理的な方法で持っていきたいと存ずるわけであります。そういう意味から申しますと、経済六カ年計画を遂行いたします上において、この余剰農産物が入ったということは、非常にまたほかの面に楽に実行に移せる、こういうことはありますが、これを初めから見込んで六カ年計画は立てておりません。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 午前中から、これを来年も再来年もやるのかどうか、こういうことについても質問が出ておりますが、今言われるような答弁ですと、そのとき、そのときに当って、こういうものを結んでいく、こういうことなのですか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 日本の経済全体からながめまして、有利であるという場合には、これは来年度もやっていきたいと思います。不利である場合はやめたい、こういう所存でございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 有利であれば結ぶ。そうすると、これは有利だから結んだ、こういうことになるのですね。午前中もいろいろと答弁が行われておるのですが、よくわからない点も多いのです。簡単にお伺いしたいのですが、これを結ぶことによって、アメリカは滞貨で困っている農産物をまず普通の値段で日本に売りつける。こういうふうに理解できるのです。しかもそうしておいて、その金でひもをつけて、アメリカの都合のいい、たとえば再軍備体制の強化、あるいは駐留軍の物資の調達といったようなことに使うわけなのです。日本が金を借りるという点において、いいように考えられます。アメリカ側に立てば、そういう有利な点があるのですが、日本側に立てば、一体端的にどことどことが有利か、お教えいただきたい。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 第一に、引き受けます農産物は、アメリカとしては余って困っておることは事実でありますが、日本といたしますれば、これは必要欠くべからざるものである。ぜいたく品でもなければ、これはどうしても輸入しなければならぬ必要な物資である。それが外国為替をすぐに使わずに、先に長期にこれを借りられるという、非常に有利な点があります。その意味から、それに使った金は、長期の融資をもって日本の全体の産業の開発にこれを使う。こういう点から考えますと、これは非常に有利だと存ずるわけであります。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 ただいまの御答弁であると、たとえば、この金が三年間無利子で、それから先は三%といったような、金を借りるという点から見れば、なかなかいいような感じを受けるわけです。それだけに何か隠れたものがあるのじゃないか、こういうことをわれわれは心配するわけなのです。そんな点はどうですか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 それは、隠れたるものは何もありません。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それでは、たとえばこの協定書第七条ですか、「この協定の実施のため必要な細目取極は、両政府の間で合意されるものとする。」こういうふうに、細目取りきめが後日に譲られておる。これはわれわれから見ると、何か秘密協定のような感じを受けるのですが、これは一体どういうことをおきめになる予定なのか、あるいはきまっておれば、どういうようなことか、発表していただきたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 第七条に掲げております実施のために必要な細目取りきめは、すでに資料としてお手元に配付しております交換公文と議事録の二つでございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 交換文書と議事録がいわゆる七条のこれである。これ以外にはないわけですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 将来こまかい点について細目取りきめがまだ行われると思います。しかしこれはアメリカの輸出入銀行——これは政府機関でございますが、これと日本政府の代表との間で金の貸し借りのこまかい条件を相談してきめる、そういったようなものは今後ございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 そうすると、この書簡が法律的な効果を持つわけですか。いつかも書簡の効力ということが問題になったようにも記憶しておりますが、書簡の法律上の性格はどんなものでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 交換公文については、二種類ございます。一つは協定と全く同じように法律的の完全な権利義務を新たに設定するというものもございます。これはたとい交換公文でありましても、実質は条約でございますから、国会の正式の御承認の対象として出すわけでございます。第二の種類の交換公文は、お手元に差し上げてありますように、協定に掲げましたワク内でその細目についての了解を掲げるといったものでございます。これは新たな権利義務を設定するものではございませんので、つまり協定に委任されて政府の間でこまかいことをきめるといった種類のものでございますから、これは正式の承認の対象とはいたしませんで、ただ御参考までに資料としてこちらに提出している次第でございます。

田中武夫日本社会党(左)

○田中(武)委員 それではきょうここに出している書簡は、今言われました中では後者に属するものなのですね。それがこの七条によって細目取りきめ云々に当る、こういうことですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 仰せの通りでございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 北澤直吉君。

北澤直吉自由党

○北澤委員 午前の委員会におきまして、農林委員長から当局に質問がありまして、今回の余剰農産物協定によると、市場価格で農産物を買い入れることになっているが、それ以外の方法によって非常に安い値段で買い得る方法があるにかかわらず、どうして政府はそれをやらないか、こういう質問があったわけでありますが、綱島委員長の質問は、大体一九四九年のアメリカの農業法の第四百十六条の方法を利用したらどうか、こういう意見だと思います。今回の協定の基礎になっております一九五四年の農産物貿易の促進及び援助に関する法律の三百二条におきまして、先ほど申しました一九四九年の農業法の四百十六条を一部修正しておりますが、この方法によりますと、米国における慈善団体に対しまして、政府が余剰農産物を外国における貧困者の援助のために使用する目的で寄付することができる、こういうことになっておりまして、その方法によって現在世界にわたってケア物資とかあるいはアンラ物資とかいうふうなことで、貧困者の救済のためにただでたとえばバターとかチーズとか脱脂粉乳を贈る。こういうふうな方法が現在も行われておりますが、今後ともできるだけこういう方法も利用されて、そうしてなるべく安く、できますれば無償でこういうふうな食料品を入手できるように、政府において十分の御考慮を願いたいと思うのであります。これについて御意見を伺いたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ただいま御指摘になりました農業法の四百十六条の規定によりますと、アメリカ政府は対外活動本部、FOAに登録しております国際的な救恤機関を通じまして、過剰の農産物を非常に安く、あるいは無料で対外的にも活用することができるように相なっております。私どもは本件の取扱い方も慎重に研究いたしたのでありますが、場合によりますと、この救済機関を通じて協定を結ぶ必要がありますのと、それから救済機関の関係の職員あるいは取扱いにつきまして、免税その他の措置を講ずる必要がありまして、日本の政府及び日本一般から申しますと、取扱い上はなはだやりにくい点も多々ございまして、むしろ政府間のとりきめによって実行できます端的な、グラントの取扱いを受ける方が諸般の関係から便利でありますし、またあとくされもないわけでございまして、この点につきましてはなお研究を続けてはおりますが、さしあたりの措置といたしまして、政府間の取りきめとしては直接政府が受け入れまする贈与の取扱いにきめた次第でございます。現在ケアその他の救恤機関が救済機関を通じまして若干救済物資を日本に入れておるのでございますが、それは政府間の取りきめによります関税定率法の特別の措置によってとり行なっておるわけであります。

北澤直吉自由党

○北澤委員 ただいまの政府側の答弁で大体理解したわけでございますが、そういうふうな政府間の取りきめでなく、米国における慈善団体を通してそういう食料品というような日本国民に必要な物資をあるいは安く、あるいはただで入手できるという方法もあるのでありますから、一つ政府におきましては、今後ともどういう方法が最もよいかということをよく御研究になって、善処せられんことを望みます。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ただいま申し上げましたように若干の支障がございますが、本件につきましてはまだ研究を続けておる次第でございまして、取扱いが簡単になりますとかその他支障が除かれれば、もちろん政府といたしましても積極的に受け入れを研究したいと考えております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これにて本連合審査会を散会いたします。委員諸君の御労苦を感謝いたします。     午後五時五分散会

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