外務委員会 第39号
- 発言数
- 307 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/30
会議録
○植原委員長 これより会議を開きます。 まず閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては、国際情勢等に関する件、日米行政協定等の実施状況に関する件について、閉会中もなお継続して審議いたしたいと存じますので、ただいまの二項目につきましての閉会中審査を議長に申し入れたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。
○植原委員長 次に、委員派遣承認申請についてお諮りいたします。ただいまの閉会中審査の件が議院の議決で本委員会に付託されました場合には、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。 なお、委員派遣についての期日、人選及び派遣地等の決定につきましては、委員長及び理事に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。 なお、理事会の協議に基いて、八月十日に委員会を開く予定でおりますので、さようあらかじめ御承知を願います。 —————————————
○植原委員長 次に請願の審査をいたします。 日程第一、東南アジヤ諸国と善隣関係樹立に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員が出席しておりませんので、かわって専門員よりその趣旨の弁明を求めます。佐藤専門員。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、わが国が国際社会に国をなし、りっぱに進路を開拓していく上には、まず東南アジヤ諸国との善隣関係を樹立せねばならないにかかわらず、今なおこれら諸国とわが国の関係は、物質的な賠償問題すら解決されていない現状にあることははなはだ遺憾である。ついては、東南アジヤ諸国との善隣関係の樹立について、まず道義的、精神的な措置をとることが必要であるから、比島にカトリック教大寺院を、ビルマに仏教大寺院を建立されたいというのであります。
○植原委員長 本件について政府の御意見はありませんか。
○中川(融)政府委員 ただいま御紹介になりました請願の趣旨でございますが、フィリピンにカトリックの寺院を作り、ビルマに仏教の寺院を作り、もって日本のこれら両国に対する申しわけなかったというような考え方を、これによって表わすという御趣旨であろうと思います。御趣旨ははなはだけっこうなことと考えます。しかしこれをどう実現するかということにつきましては、目下ビルマにつきましてはすでに交渉が妥結いたしました賠償、フィリピンにつきましては目下交渉中でございますが、政府のいたします賠償の中にこれを繰り入れてやるということは、先方のいろいろの計画等もございますので、なかなか実現は困難じゃないかと考えます。従ってこの趣旨のことはぜひ全国民的な一つの運動として政府も協力し、国会も協力して国民運動として起すということが最も適当でないかと考えております。またそういう場合には政府としてあらゆる便宜と申しますか、あるいは協力と申しますか、これをする意向を十分持っておるのでございます。
○植原委員長 御質疑はありませんか。——御質疑がなければ次に移ります。 —————————————
○植原委員長 次に日程第二より日程第七までの韓国抑留船員の帰還促進及び李ライン撤廃等に関する請願を議題といたします。 ただいまの請願につきましてはすでに当委員会において、これらの問題について審議いたしておりますので、その審議を省略いたしたいと存じますが御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければさように決定いたします。 —————————————
○植原委員長 次に日程第八より日程第一二までの駐留軍使用施設の返還及び飛行場の拡張反対に関する請願を議題といたします。 ただいまの各請願につきましてもすでにこれらの問題を審議いたしておりますので、その審議を省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議なければさように決定いたします。 —————————————
○植原委員長 次に日程第一三及び日程第一四の南樺太返還及び海豹島開拓企業に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員が参りませんので専門員より説明することにいたします。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、南樺太は、史実の示すようにわれわれの先人が探検開拓を試み、以来二百有余年の間日本の領土であったもので、しかもこの間断じて暴力または貧欲によって略取したものでないにかかわらず、敗戦の名のもとにソ連によって奪われたことはきわめて遺憾である。ついては、日ソ平和交渉の開始に当っては、南樺太の返還をすみやかに実現するよう措置されたい。 以下同趣旨であります。
○植原委員長 政府に御意見はありませんか。——政府の御意見はありません。御質疑はありませんか。——質疑もないようでありますから次に移ります。 —————————————
○植原委員長 次に日程第一五、沖縄の日本復帰促進に関する請願を議題といたします。まず紹介議員の説明を求めます。——紹介議員が出席いたしておりませんので、佐藤専門員より説明させます。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、沖縄は現在アメリカの直接的軍事占領行政下に置かれているが、これがため八十万の沖縄住民は、言論、集会、思想、結社等の基本的人権を奪われ、また原水爆基地造築のため、アメリカ軍によって強制的に土地を取り上げられる等、国際正義と世界人道上からも断じて黙視できない状態にある。ついては、沖縄をすみやかに日本に復帰できるよう、関係国と交渉されたいというのであります。
○植原委員長 これに対して政府の御意見はありませんか。——別段政府の御意見がありません。御質疑はありませんか。——御質疑がなければ次に移ります。 —————————————
○植原委員長 日程第一六在外未帰還同胞の帰還促進に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。——紹介議員が出席いたしておりませんので、佐藤専門員に説明いたさせます。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、ソ連、中共地域等における戦犯及び犯罪者として残留を余儀なくさせられている未帰還者の引き揚げ問題は、現在赤十字社間の交渉によって逐次解決せられつつあるが、この交渉も交渉団体としての限界ともいうべき障壁にはばまれている現状にかんがみ、これを解決するためには政府の直接交渉を待つほかはない実情にある。ついては、(一)日ソ交渉がいろいろな形ですでに開始されている今日、政府は未帰還問題の全面解決を最優先的に取り扱うこと、(二)中共、北鮮、外蒙、ヴェトナム等に対してもすみやかに交渉を開始する等の措置を講ぜられたいというのであります。
○植原委員長 別に政府の御意見もなし、質疑もありませんから次に移ります。 —————————————
○植原委員長 日程第一七、南方地域残留日本人の捜査に関する請願を議題といたします。まず紹介議員の説明を求めます。——出席いたしておりませんので、佐藤専門員に説明いたさせます。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、政府は、十一万に上る厖大な南方諸地域の残留者に対して、推定死亡者、現地復員者として一括処理したのであるが、最近少数ながら便船を求めて帰還してくる実例により、またこれらの人々の情報によって今なお相当数の人々が生き残っていることはきわめて明らかである。ついては、全南方諸地域に捜査隊を派遣し、一日も早く残留者を救出されたいというのであります。
○植原委員長 別に政府及び委員の御意見もありませんから次に移ります。 —————————————
○植原委員長 日程第一八、原子戦争の準備反対に関する請願を議題といたします。紹介議員戸叶里子君。
○戸叶委員 本請願の要旨は、広島、長崎に原爆の被害をこうむった日本国民にとって、原子戦争の悲しさ、おそろしさは十二分に知り尽しているにかかわらず、今日幾つかの国は原子戦争の準備をしていると伝えられることはきわめて遺憾でございます。ついては、政府は世界平和を守るため原子戦争の準備に反対し、すべての国の原子兵器貯蔵が破棄され、その製造を停止するよう要請されたい、こういう趣旨の請願でございます。どうぞ御採択あらんことをお願いいたします。
○植原委員長 政府から別段の御意見もありません。委員の御質問もありませんから次に移ります。 —————————————
○植原委員長 日程第一九、私有財産不可侵の原則確認に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。——紹介議員が出席しておりませんので、佐藤専門員に説明いたさせます。
○佐藤専門員 本請願の要旨は、私有財産尊重は人類生存の原則であって、わが国憲法はもとより、国連の世界人権宣言にもこれを宣明しているが、サンフランシスコ対日平和条約はこの原則を無視したもので、かくては日本民族の生存は大きく脅かされることとなる。ついては、私有財産不可侵の原則を再確認され、これを世界各国に宣言されたいというのであります。
○植原委員長 別段御意見もありません。 この際お諮りいたします。ただいま審査いたしまた日程第一より第一九までの請願は、採択の上内閣に送付すべきものと議決するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければさように決定いたします。 なお、ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければさように決定いたします。
○植原委員長 この際松岡君より発言を求められております。これを許します。松岡駒吉君。
○松岡(駒)委員 先ほどフィリピン並びにビルマにカトリック及び仏教の寺院を作ることの請願が採択されたのであります。その際政府当局の答弁もありました通り、それらの寺院を建設するといいましても、国の費用をもって特殊な宗教を助けるというようなことは、憲法上の支障もありましょうし、従いまして、せっかくの請願であるから採択はされましたが、実際問題としてはあの請願の採択だけでは、せっかくの請願をした人々のその気持というものを生かすことが十分でないように考えますので、この機会に本委員会におきまして、あの問題について政府が適切な指導を与えることによりまして、あの請願を採択した趣旨が実現し得るようにしたいと考えるのであります。あの請願をいたしました署名人の一人である神奈川県知事内山岩太郎君の話によりますと、先般ビルマの首相ウ・ヌーが日本に滞在中神奈川県を案内して歩いた、その際ウ・ヌーがいろいろと、仏教寺院を建設中であること、あるいは日本から僧侶をよこしてもらって、小乗仏教しかわからないビルマに、大乗仏教の影響を与えてもらうことが望ましいということを希望して、そのことについての懇談をした事実にかんがみて、請願は出しておいたが、そういうことををなおさらに考慮していただけるなら、大へん仕合せであるというようなお話があったのであります。従いましてそれらの事柄を委員長から政府に要請していただきまして、日本政府として両宗教団体の有力な人々と御会合を願って、政府からそれらの宗教団体代表者に強くこれを勧奨していただく、こういう方法をとっていただくならば、あの請願の要旨を生かすことができるのではないかと思うのであります。その意味におきまして、この決議の文案はきわめて抽象的でありますが、こういう決議を願いたいと思うのであります。 我国と東南アジア諸国との間には永らく善隣友好の関係が保たれていたが、今次世界大戦の結果不本意にも重大なる危害を相手国民に加え憎悪と怨恨の感情が醸成せらるるに到った。 我々は日本が将来之等の諸国に賠償を支払い又は国交を恢復するに当っては先づ精神的道義的な措置を執る必要な痛感して居る。今比島にカトリック教大寺院を又ビルマに仏教大寺院を建立し以て之等諸国において戦争の犠牲となった軍民総ての人々の霊を慰めんとする計画がそれぞれの国に於て進められて居ることを仄聞する。それは最も機宜を得た措置であると信ずるものである。 仍而本委員会は此の計画に満腔の賛意を表するものである。 故に委員長によろしくなるべく日本国民の多数がこれに同情の意志を表現するよう適当の措置を採られたい。 というのであります。どうぞ皆さんの御賛成を願いたいと思います。
○植原委員長 ただいま松岡君の御提案になりました本決議案に御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければ、その決議案をそのまま決定いたしたいと思います。 つきましては委員長としてこの際申し上げておきます。松岡委員の御提案の決議は、しごく時宜に適した決議と存じますが、日本国憲法その他の問題を考えますと、政府としてもその取扱いにはかなり慎重を要すると思います。よって委員長は本委員会の御決議に沿いまするように最善の方途を考えまして、適宜の措置をとるということを御了承願っておきたいと思います。 —————————————
○植原委員長 次に、国際情勢等に関する件につき、政府当局に質疑を行うことといたします。外務大臣は今参議院の内閣委員会に行っておりますが、もう十分か十五分お待ちを願えば出席することになっております。それで外務大臣がおらなんでも、政府委員に質疑をしたいという人がありますので、これを許したいと思います。——その前に園田政府委員が発言を求めております。園田外務政務次官。
○園田政府委員 この際日本に輸送する計画のあるロケット兵器に関して御報告を申し上げます。 米国国防省の発表として、外電が新兵器輸送に関する報道を伝えて参りましたので、これについて直ちに米国大使館に問い合せましたところ、同大使館当局は次の通り通報して参りました。 新兵器を日本に輸送する計画はあるが、まだこれらの兵器は到着はしていない。 次に、これらの新兵器は原子爆弾とは全然関係はない。ただしこれには原子弾頭を装置し得るけれども、これら日日向けの新兵器には、向うかかる原子弾頭を伴っていないし、持ち込む考えはない。以上のような通報に接しました。本件に対するわが方の態度及び方針は外務大臣よりしばしば説明いたしました通りでございまして、今後もこれによって処置したいと考えております。以上御報告申し上げます。
○植原委員長 並木芳雄君。
○並木委員 それでは私の質問を先にやりたいと思いますが、そうすると、原爆ロケット弾頭というものを伴っていないものを持ってきて、これは何に使おうとするのでしょうか。将来原爆弾頭というものが活用されることを想定しているのではないでしょうか。そこをお確かめになりましたか。
○園田政府委員 これを持って参りまして何に使うかということは、アメリカ軍当局の戦略的な考えでございますから、われわれがこれについて責任ある答弁はできませんけれども、このロケット発射管は、御承知の通りにロケット弾を発射する兵器でございまして、場合によっては原子弾頭をつけることができる、こういう程度のものであると考えております。
○並木委員 アメリカも日本に原爆を使用させる意思はない、日本政府としても、これはどんなことがあっても断わるという先般来のいきさつから考えますと、こういう兵器を持ってくることは誤解を与えるのじゃないか。将来弾頭の装置を活用すれば原爆が使えるという兵器を持ってくることは、私は誤解を与えると思うのですけれども、このロケット砲でなければ撃てないたまというものはあるのでしょうか。そのくらいのところは確かめてもいいのじゃないでしょうか、幾ら秘密だとはいいながらも、特殊なこの用途というものを……。
○園田政府委員 ロケット弾は御承知の通りに方向性を付与する種類の兵器でございまして、一般砲弾の発射管とは全然違っております。以上の意味をもちまして、長距離用のロケット弾を発射するのには、このような装置は必要であると考えております。
○並木委員 オネスト・ジョン砲と呼ばれるそうでありますが、このオネスト・ジョン砲によるにあらざれば、他の砲によってはかえがたい用途を持っておる、ただし原爆は使わない、こういうふうに了解できるわけでございますか。
○園田政府委員 今申し上げましたロケット発射管は、射程約三十二キロでありまして、日本の国内では戦術的には使用し得る場面はないと私個人は考えておりますが、米軍ではいかような面にこれを使用するのか、私には答弁はできません。
○並木委員 そうですか。そうすると今の次官の答弁ではちょっとわれわれ納得いきかねるわけです。日本ではそれを使うことが考えられない。どこで使うかはわからないということになりますと、ちょっと困るのです。世界の緊張が緩和されているというような方向に向いているという今日、また日本でも日ソ交渉というものを進めておる今日、こういう日本ではちょっと当てはまらない、どこで使うか見当がつかないというものをそのまま持ち込まれていて、それでいいのですか。政府はそれで済ましておられますか。
○園田政府委員 米軍が日本駐留軍の編成をいかようにやりますか、いかようなる兵器を持ち込みますか、あるいはいかなる戦略機構でやってくるかということは、参考としてわれわれもできるだけ知りたいところでございますが、協定によると、御承知の通り、そのようなことまでわれわれ一々干渉することはできません。ただし原子兵器を持ち込むことについては、通報があるのが当然であろうし、行政協定にもこういうことは約束してないから、われわれは通報を求めるつもりであるし、またそれは原子爆弾を持ち込むときには必ず向うからは通報があるし、その場合にはわれわれはこれを拒否するつもりだということは、しばしば大臣が答弁した通りでありまして、しかもその答弁は個人的解釈ではなくて、向うと相談の結果の答弁でございます。
○並木委員 アメリカの方でも軍部と国務省関係等の連絡が、必ずしも円満でなかったようでありますが、米軍の方では、確かに日本の政府に事前に通告した、こう言っておる。ところが国務省筋ではそれがわかっておらなかったようないきさつがございましたが、その点は解消いたしましたか。日本の政府に通告したということは、何省のどういう職を持っておるところへ通報されたのかわかりましたでしょうか。
○園田政府委員 米当局ではすでに通告したと言っておりますし、こちらでは聞いてないというこの言葉の食い違いは、原子爆弾についての持ち込みについて通報は受けてない、こういう意味でございまして、—————————————————。
○並木委員 —————————————————。
○園田政府委員 —————————————————。
○並木委員 この砲はいつごろ到着の予定でございますか、そしてまたこの部隊は、日本のどこに配属される予定でございますか。
○園田政府委員 沖縄については新聞ですでに発表の通りでございますが、日本については到着もいたしておりませんし、輸送中でもございません。兵器並びに部隊の到着というのは未定でございますが、相当長い期間のあとだろうと考えます。
○並木委員 どこの地方へ配属になるか、大体のところわかりませんか。
○園田政府委員 そういうことはわかりません。
○並木委員 ただいま沖縄の問題が出ましたが、沖縄の方では原爆ロケット砲というのでなくて、原子砲というのが持ち込まれるということでございますが、それはその通りでございますか。そうしてもしその通りだとすると、この原子砲というのは、原爆ロケット砲とどんなふうに性能が違うのでしょうか。もっともっとすごい原子爆弾をどしどし撃つようなのが原子砲なんでしょうか。われわれその点全然わかりませんので、わかったら一つ。
○園田政府委員 沖縄における問題は、正式の通報はわれわれは全然受けておりません。情報によりますと、御承知の通りに、原子砲六門、第六百六十三野戦重砲兵大隊に二百八十ミリ砲大門が上陸をしたという情報でございます。原子砲とロケット砲とはこれは全然違っておりまして、原子砲は原子弾を発射するための専門の砲でございます。ロケット発射管というのは、ロケット弾を発射する噴進装置でございまして、ロケット弾は御承知の通りに、非常に困った場合には、たとい発射装置がなくとも、堤防を切り抜きあるいは固い物体をもってこれに方向性を付与して発射すればロケット弾の発射は可能でございます。そういう意味で、このロケット弾の発射装置というものは、決して複雑しかも最新というほどのものではございません。きわめて簡単な、日本にやろうと言っておるのは、これをトラックに積んだ、機動性があるということと、それから垂直発射の機能を持っておる、こういう程度に私はいろいろな情報を見たところでは考えております。従いまして、これはロケットを発射するのが専門でございまして、ただそのロケット弾の先に、ときと場合によっては原子弾頭をつけることができるということでございます。
○並木委員 だんだんわかって来たように感じがいたします。それでその原子弾頭をつけるという段階になれば、日本の政府としては断固としてこれを拒否する。アメリカもそれをつける意思はないということは、もうちっとも変らない、将来もどんなことがあっても変らないというのでありますか。
○園田政府委員 原子弾頭を持ち込む考え方は目下のところない、しかもこれを持ち込む場合には、もちろん通報を受けるし、これに関しては従来しばしば大臣が説明した通りの方針によってわれわれは措置するつもりでおります。
○並木委員 それでややはっきりして参りました。そうすると、私が最初に心配しておったのは杞憂かもしれません。それは世界の情勢が緩和に向っておる今日、あるいはまた日本から米軍の陸上部隊は一刻も早く撤退するであろうというような傾向にある今日、どうしてこういう新鋭兵器を持って来るのであろうかということに対する疑問でございます。その疑問はこんなふうにしたら解消できるでしょうか。今の御説明によると、原爆じゃないのだから、ただ兵器の少し気のきいたものであるから、何も世界の情勢緩和の方向に逆行するものでもなければ、日本における米軍の陸上部隊の漸次撤退の方向とも違うものではないのだ、たまたま新兵器なるものが来たのであって、そんなに気にかける必要のないものである、というくらいに軽く考えてよろしゅうございますか。
○園田政府委員 それはロケット発射管でございまして、原子兵器だとはわれわれは考えておりません。ちょうどガス弾並びに発煙筒、イペリット、ルイサイトを発射する砲というものは、ことごとく一般の砲であって、ガス兵器には分類されておりません。しかしこの一般砲もガス弾を発射することができる、こういう意味でございますから、原子弾に関する持ち込みに対する通報の点には、われわれは約束はたがえていないとは思います。しかし個人として申しますれば、このような時節にこのようなものを持ち込んだり、こういう声明を出されたことは、われわれとしてもアメリカに協力せんとする立場から、しごく迷惑であることは事実であります。
○菊池委員 政府は原爆問題についてしばしば一貫して同じことを言っておられます。アメリカが持ち込もうとする場合はこれを拒否するということを言っておりますが、私は戦争なんというものは、原爆時代、水爆時代にはあり得ない、起り得ないということをはっきり言っておりますし、また従って日本の再軍備も必要ないということを、ずっと終始一貫終戦以来今日まで言っておるのです。二十万、三十万、あるいは五十万くらいのはした軍隊を持って何になるか、敵の方には原爆あり水爆あり、しかも数千万の軍隊がある。五十万、百万、五百万の軍隊をもってしても、そんなものは鎧袖一触で何の役にも立たないと思う。そうして国民の税金を高めるばかりで、国民は塗炭の苦しみに陥れなければならない。何の役にも立たない。従って再軍備の必要はないということはずっと終始一貫して言っておるのであります。しかしながら米軍に対して軍事基地を許す以上は、つまり一たん緩急ある場合においては戦わなければならぬ。その場合において軍事基地というものを設けるのでありますから、つまり日本と米国とは運命共同体、守るも攻めるももろとも、米国の敗北は日本の敗北であります。でありますから、米国が日本に軍事基地を持つならば、どうしても米国はその敵に対して勝たなければならぬ。敵に対して勝たなければ日本国民の全滅であります。敵が短兵急に突如として原爆を持って襲い来たった場合においては、まるで裸でもって原爆なしに戦い得ると考えるのでございますか、どういう理由でこの原爆を日本の基地に置くことが悪いと考えるのでありますか、その点をはっきりとおっしゃっていただきたい。
○園田政府委員 わが政府の外交方針は、自由世界を基盤とする外交方針であることは当然でありまして、欲するといなとにかかわらず、すでに平和条約、行政協定が結ばれた以上は、自由主義国家と提携して防衛せんとする方針は確固たるものであります。また今日いずれの国の外交におきましても、ことに日本の外交の方向は、いかなる思想を持つものも戦争を回避し、人類特に敗戦後の日本を原爆の被害から守ろうとすることが、私は外交の最大の使命でなければならぬと考えております。そういう意味におきまして、国家を守ろうという意思はその通りでございまして、国内におきましても、菊池委員のような御意見もあるようではございますが、われわれといたしましては、国内に原子爆弾を持ち込み、二つの世界の対立が極度に高揚していって、日本人が、ひいてはアジア人が原子爆弾の惨禍を受けるようなことは、これは単なる爆弾の被害と違いますから断じて避けなければならぬ、このように考えております。
○菊池委員 私は原爆のない軍事基地というものはナンセンスであると考えております。国内を守らんがためにはどうしても原爆を置かなければならぬ。原爆のない軍事基地というものは百害あって一利なきものでありまして、原爆を置こうが置くまいが、敵の方は、日本の基地には必ず原爆があるものと確信しております。幾ら原爆がない、持ち込まないということを日本の政府が百万べん声明したところで、いざという場合敵に回るかもしれないソ連や中共が、日本の基地に原爆がないと考えると思うその心が、実にうかつ千万であると私は思うのであります。彼らは必ず原爆があると確信しております。従ってこの原爆は当然なければならない。日本を守らんがために、八千万国民の生命を守らんがためには当然なければならぬ。この原爆の戦いというものは、一分間を争うものでありまして、もし敵、味方両方の情勢が緊迫した場合におきましては、彼らは突如として来るでありましょう。それに先んじて敵の領土に向って原爆を落さなければ、もうこちらの方は死滅あるのみであります。そういうわけでもって原爆戦争というものは、これまでの戦争とは全く違うのであります。そういう点にも着眼をせられなければならぬと思います。原爆を置いたからといって、それが何で危険であるか。この間も言いましたように、消防署を置けば火事が起る、警察署を設ければ殺人、強盗が起る、そういうことは子供の考え方なんです。そういうものを未然に防がんがためにこそ、警察も置かなければならぬ、消防署も置かなければならぬ。また日本の国を守らんがために、原爆を落させないように、そうして八千万国民の生命を安全に保たんがためにこそ、原爆というものはこちらからアメリカに望んで用意しなければならぬと私は考える。アメリカがいやだといっても、むしろ日本から進んで原爆を入れることを要請すベきであると私は考えておるのでありますが、この点に関する政府の考え方は、われわれとしては全く理解ができない。
○園田政府委員 アメリカが、原子兵器ではございませんが、原子を使うことのできる兵器を日本に持ち込むという計画を発表し、これは極東並びにその他の国々にも同時にやったようでございますが、さような計画を発表しましたことは、今おっしゃいました通りに、アメリカが自由世界をアメリカの兵器廠にして、最新兵器を配置してこれを守るのだという軍事的な威力を宣伝しようとして、力による平和を進めようとしたのでございましょう。しかし先ほどから申し上げます通りに、時節柄——時節柄と申しますのは、四巨頭会談後話し合いの方向に進められようとしておるし、国内的には広島で原子爆弾の惨禍に対する大会が考えられ、一方アメリカの防衛に協力するために、われわれは国民の多数の納得を願って飛行場の拡張をしようとしておる時期に、こういうことをされることは、私個人としては非常に困る、こういう意味であります。
○菊池委員 広島の問題などそういうことは全く関係のない話であります。平和を愛好するがゆえに四巨頭会談云々と言われますが、四巨頭会談はまことに平和の空気に満ちたものであります。しかしながら、ソ連としては決して基本線を譲ってはおりませんし、これをもって直ちに平和が招来されると考えることは、これはのんき千万な考えであろうと思うのであります。戦争が起る、起らない——私は戦争はないものと確信しておる。従ってまた戦争があるとしても、日本の再軍備なんというものはくだらぬもので、五百万、千万の軍隊を用意したところでそんなものは何にもならない。それよりはそんなものはやめて、原爆一発を備えることがはるかに何千倍も有効であり、効果的であると私は考える。敵の方から五百機、千機で一度に襲ってきたら、八千万国民の生命は一瞬にしてなきものである。そういう場合に何をもって戦うか、何をもって米軍を戦わせるか。日本を防ぐには米軍以外にない。その米軍の最大の武器でありますところの原爆を取り去ったとしますならば、一体あとに何が残るか、何もない。私はこれは危険千万であると思う。安価な平和論にとらわれて、ものの真相をきわめぬということは、政府としてうかつ千万であると思うのでありますが、もう一ぺん御答弁願いたい。
○園田政府委員 御意見の点は十分わかりましたし、外務大臣も先般からお答えいたした通りに、菊池委員のような御意見もあるし、これに反対の御意見もあるから、十分考えるというふうに答弁いたしております。しかし、われわれといたしましては、最悪の場合の戦争の状態を考慮することは、これは防衛庁の仕事であり、外務省としては、あくまでこれを平和に解決するというのが、外交の使命であると考えております。
○並木委員 そこで私一つの提案があるのですが、いかなる場合にも、今の原子弾頭のみならず原爆そのものを含めて政府は拒否する、アメリカも持ってこない、これが先般来の答弁です。ですから先ほど原爆の弾頭というものが問題になりましたが、いわゆる原爆一般について、すべていかなる場合にも拒否するということがはっきりしているのですから、それをあらためてアメリカに申し入れる御意思はありませんか。それならば、私は今度重光外務大臣が渡米されますから、いい機会じゃないかと思います。重光さんの渡米の日程もあわせて伺いたいと思います。特にそのために、重光さんは外務大臣としてでなく、鳩山総理大臣の名代として行かれることが適当であると思うのですが、どうなっておりましょうか。
○園田政府委員 今の問題につきましては、よく当局と連絡を密にいたしております。外務大臣のアメリカに行くという問題は、すでに本人からも意思を発表されておるようでありますが、日程ははっきりわかりませんが、国会との関係等も考えまして、多分九月の十日から十五日くらいの間であろうと考えます。もちろん大臣がアメリカに行きますことは、当内閣の外交方針の基調を明確にし、自由主義国家を基盤にしつつ外交を進めていくという日本の基本外交方針を説明するのが最大の目的でありましょうし、それに伴っていろいろな問題を解決したいということでございましょう。従いまして、当然鳩山総理がおいでになるべきでありますが、鳩山総理がいろいろな関係で行けないから重光副総理に代理として行けということであろうと考えます。
○並木委員 ただいまの次官の答弁の中に、私が前段お聞きしたことについて触れておらないのですが、これは故意に次官が答弁されないのだとは思いません。しかしそういう誤解を与えるといけませんから、はっきり次官の口から言っていただきたいのですが、いかなる場合にも、今度の原子爆弾のみならず、あらゆるものについて、たとい極東に不慮の危険が生じた場合でも、日本の政府はこれをお断わりすることに変りはないのだということを、もう一度重ねて言っていただきたいと思います。
○園田政府委員 外務大臣の答弁は、これはお断わりするという答弁はいたしておりません。原子爆弾の持ち込みについては前もって御相談があるはずであるし、その場合には断わるつもりである。従って原子爆弾その他のものを持ち込む際には、前もって通報をして、こちらに相談をしてもらわなければ困る、こういう点はしばしば密接に連絡をとっております。
○並木委員 ほかの方の質問もあるようでありますから、最後に高橋公安調査庁次長が来ておりますから一点だけ簡単にお尋ねいたします。それは昨日突如として発表された共産党書記長の徳田氏の御逝去と、それから日本における共産主義活動あるいは共産党活動の今後の動向について、政府はどういうふうに見ているか、こういう点であります。質問をくどくど言う必要はないと思います。大体私が何を聞こうとするかということは、今の題名でわかると思いますから、わかっているだけこの機会に説明していただきたいと思います。
○高橋(一)政府委員 私どもも今度の六全協の決定を、先ほどその内容を記載した「ア力ハタ」を手に入れましたわけで、十分検討しておりませんので、確実なことは後にあらためて政府に報告しなければならないと思っております。ですから一般の新聞の報道や何かによるごく概略の点について簡単に申し上げたいと思います。 徳田書記長が死亡したからといって、別段日本共産党の動向にさしたる変化はないと私は考えております。党内人事において変化は若干あるかもしれませんけれども、全体の動向としては、そのようなことには影響されないというふうに考えております。 それから六全協の決定について一、二点申し上げますと、規約を改正してプロレタリア独裁という言葉を削ったという点であります。これも別段実質的な問題ではないと考えております。党は、いわゆる権力を奪取するまでの行き方につきましては、新綱領に民族解放、民主革命ということを言っておりまして、これはむろん平和的になされるものと考えてはならないということで、暴力革命方式を綱領の上でも明らかにしているわけであります。規約の第二条は、その権力奪取までのことにつきましては、新綱領と同趣旨を要約して書いてあるのでありまして、ただそのあとの行き方、権力を奪取して後の行き方につきまして、原文の正確な点は失念しましたけれども、この人民民主主義革命が勝利を得た後に、党はプロレタリアート独裁を強め、社会主義社会を建設し云々と、こういうふうにあったのであります。それを今度は「党は、日本の社会的経済的発展と日本国民の意志にもとづき、必要な道をとおって社会主義社会を建設し、それを通じて共産主義社会の実現を終局の目的とする。」というふうにしたわけであります。この点何ら実質的な変更でないと申しますのは、もうすでに党は将来のいわゆる日本革命というものを、人民民主主義革命と規定しているのでありまして、人民民主主義革命においては、権力を奪取した後、その第一段階においてはいわゆる人民民主専政であるということであって、プロレタリア独裁ということはこれを正面からは言っておらないのであります。でありますから、ただそのことを言っているだけであります。ところが人民民主専政というものは、東欧諸国あるいは中共その他の実際の経験に基く国際的な規定におきましても、プロレタリア独裁の機能を果すものということにされておるのでありまして、実質的には何ら従前と変更なく、ただプロレタリア独裁という非常に露骨な表現を避けて、一般的な印象を改善しようというねらいであるように思います。非常に宣伝がにぎやかにかかわらず、実質的には何ら変更を見ておらないようであります。 それからもう一点。党は今回の六全協において、一九五〇年すなわち昭和二十五年以来のいろいろなあやまちを自己批判しておるのであります。この点につきましては、私どもの方で五月に内閣に報告しました「日本共産党の現状」においてすでに問題点を指摘してあるのでありますが、当時朝鮮戦争がありまして、その戦線における共産側の擁護のために日本共産党が動員されまして、そうして非常に国内激化の政策をとったわけであります。そのときに、たまたまもう中共が政権を握って非常に元気な時代でありまして、党の戦略戦術につきましても、中国共産党の方式が非常に押しつけられた形跡があります。その結果、いわゆる根拠地であるとかあるいは独立遊撃隊であるとか、あるいは火炎びんであるとかいうような武装闘争路線が非常に出たのであります。ところが日本政府及び国民のこれに対する反応が、中国とは全く実は違っておりまして、むしろ先進資本主義諸国におけると同様の反応を示したのであります。すなわちそのような過激の方法ではかえって不利であるというような反応を示したのであります。この点が党の今後の戦略、戦術にとって非常に重要な点なのでありますが、これを、今回の六全協の決定の中でこのようにいっております。「日本は発達した資本主義国であるが、アメリカ一国に占領され独立を失っている従属国である。」云々というふうに申しておって、中国共産党が革命運動をやっておった当時のような、古い中国のようないわゆる封建的な国ではなくして、むしろ資本主義国型の国であるというふうに規定するに至っているようであります。それで新綱領には、先ほど申しましたように非常に中国型と申しますか、植民地従属国型の運用が従来なされておるのでありますが、この点は党が従来の実践を通じて、やむなくこのような新綱領の運用の変更をいたさざるを得ないというふうに至ったものと考えるのであります。戦法としては、いわゆる共産党のいう革命退潮期の戦術に徹底したのであって、革命退潮期というものは、当然革命高揚期を予定しておる一歩後退、引き継ぎのときの戦術である、それ以外に本質的な変化はあるようには思えないのであります。
○岡田委員 議事進行。ただいま外務委員会で国際情勢の案件について質問をしておったわけです。ですから国際情勢に関連せざる問題を質問あるいは答弁した場合においては、外務委員長としては当然それを注意することが、外務委員長としての責任であり義務だと思うのです。それにもかかわらず今の答弁の内容を聞いていると、外務委員会として現在案件になっておらないようなことを、むしろ意識的に質問をしたのであるが、政府当局においてもその言葉に籍口して反ソ、反共の宣伝をやるかのごとき答弁をやっているということは、私はこの委員会の運営上きわめて不穏当であると思う。特に今、日ソの交渉が進められているこの段階において、このような答弁を行うことによって、日ソの交渉を間接的にぶちこわそうというような客観的な意図を持っていると思う。そういう意味でただいまの発言というものは、きわめて穏当を欠くと思うので、この点について委員長はどのように処置されるか。これを議事進行上あなたに御意見を伺っておきたいと思います。
○植原委員長 今私は並木、高橋両君の質疑応答を聞いておりまして、なるほど考え方によっては岡田君の言うようなことも言い得ると思いますけれども、日本をめぐる国際情勢にとっては、共産党の問題、コミンフォルムの問題は国際情勢中でかなり重要な問題だと委員長は考えております。その場合に国際間に活動をしておった徳田球一君の死に関連して、それが日本の国内の共産党にどういう影響をもたらすかということは、私は国際情勢に関連する一つの重要なる案件と思うております。それに対する質疑を許すのは国際上当然のことと委員長を考えております。
○岡田委員 あなたは先ほどから外務大臣の出席についてそちらの担当の者と話をしておられたために、あの人の答弁をあなたは聞いておらない。徳田球一氏が死んだあとの影響という問題なんか答弁しておりません。答弁しているのは六全協の内容がどうであったかというようなことを言っているのです。しかも人民民主戦線の内容というものはプロレタリア独裁とどう違うかとか、いろいろ話を聞いていると間違いだらけの話をやっているのは聞くのも噴飯にたえないような面もあるのだが、しかしそういう点は言わない。しかし私たちはああいうような答弁を外務委員会として速記録に残るのを、ただ聞いているというわけにはいかない、外務委員会の運営上適当と思わないのでありますから、私は委員長に要望いたしますが、速記録をお取調べの上において、もし外務委員会の運営上不適当と思われるような部分がございましたならば、委員長の権限においてこの答弁を削除するなり、その他適当の方法を講じていただきたいということを要求いたします。
○植原委員長 お答えいたします。速記録を調べて、ただいまの質疑応答がこの委員会の国際情勢に関連を持たないというような、全くよそごとであるようなことがあったら、あなたの御意向通り取り扱います。森島守人君。
○森島委員 政府委員のどなたでもよいのですが、御質問いたします。私実は二十七日に御質問しようと思っていたのですが、そのときに上程されている問題の範囲外だということで、委員長の御注意もありまして質問を留保いたしました。それはジェット機の内地生産の問題でございますが、私はこの問題に気のついたのは六月の七日の日本経済に載ったときでございます。この記事によりますと、両三日中に調印されるということがあったのでございます。二十七日に内閣委員会で飛鳥田代議士の質問に対しまして防衛庁から御回答がございました。これは一体いつ調印されておりますか。交換公文らしいですが、その日付を一つお知らせ願いたい。
○千葉政府委員 お答えいたします。ジェット機生産に関する日米協定は六月三日交換公文でもって締結いたしました。
○森島委員 それでは私お尋ねいたしますが、六月三日といえばもう二月も前です。外務省としてはかくのごとき重要なる案件について——国会の審議に付するか付さぬかという問題はまた別にお尋ねいたしますが、重要な問題について交換公文をかわしておきながら、ニカ月もこの委員会に対して、外務省から何ら資料の提供も情報の提供もなかったのは、一体いかなる理由によるのか、御質問いたします。
○千葉政府委員 この交換公文を発表するかどうかということにつきましては、米国側といろいろ相談いたしたのでありますが、米国側はほかの国との関係におきましても発表いたしておらないのだそうでございます。発表を渋っておったわけでございます。その後やはり国会でいろいろ御質問がございまして、これはやはり発表すべきであるということを強く申しまして、先方の同意を得ましたので、最近に至りまして公表いたすことにいたしたのであります。
○森島委員 私は今の御答弁では納得できない。外務委員会には何らの御発表もない。たまたま二十七日内閣委員会で飛鳥田代議士が質問したので、防衛庁からやむを得ず発表したというのが事実でございます。外務省としてはいかなる態度をおとりになるか、もっと明確に御答弁を願いたい。
○千葉政府委員 これは公表できない部分は依然残っておるわけでありますけれども、米国側との話し合いによりまして公表する範囲がきまっております。その範囲のものはこの委員会に今までに申し上げてなかったことは私どもの手落ちであります。資料としてもし御希望があれば提出いたしたいと存じます。
○森島委員 私は希望があるなしにかかわらず、外務省としては当然とるべき措置だと思う。私はこの際外務省出身者の一人としても御注意申し上げたい。いろいろな案件が出ましたが、その審議が非常におくれがちである。これも一つには外務省が進んで資料を提供しなかったというところに問題があるわけであります。どの案件をごらんになってもその通りなのであります。外務省はもう少し官僚独善のやり方をやめて——委員会なんか無視していいのだという考えが潜在しておることは事実なのです。これをおやめになって、法案と一緒にどしどし資料はまとめて出すというくらいの態度をおとりにならなければ、私は委員会としても将来考えなければならぬということを痛感しておる一人なのです。この点について一つ政務次官からはっきりした御答弁をいただきたいと思います。ついでに今たびたびこの問題について御質問があったということでございますが、飛鳥田委員が二十七日にやったのが第一回、私が今やっているのが第二回です。それ以外には何ら質問は出ておらない。
○園田政府委員 本取りきめに対する御注意の点は十分わかりました。先ほどから申し上げております通りに、日米間の相互防衛援助協定の細目取りきめでございまして、行政府に委任されているところに属しますから、この取りきめの実施のためには何ら新たなる立法措置をとる必要がございませんし、本件の実施は国会における予算の成立を条件としておりますが、今年度は今回提出の予算案に計上されております財政負担以外に、何らの措置もとる必要もございませんので、国会の承認は求められませんでしたが、しかし、それにいたしましても、このようなことができました場合におきましては、機を失せず当該委員会には報告するのが当然でございまして、今後この種の問題につきましては十分御注意を守りまして、進めていきたいと考えております。
○森島委員 国会の審議を要しないという点につきましては、私は今後政治問題としてこれを別に考慮すべき点があると思います。この点につきましては、この前委員長からも私の提起しました質問に対して、条約と協定、国会の審議等の問題については根本的に考究する必要があるという御注意もありまして、私は外務省としてはむしろ進んで国会にかけて、そしてその先例を作る意味において、法律論は別としましても、政治的な立場から大局的な考慮を払われる必要があると確信しておりますが、この点につきまして政務次官の御意見を一応伺っておきたいと思います。
○園田政府委員 本件等のごとき行政府に委任されておる事項を、国会の承認を求めるということについては考えておりません。ただし国会の承認を必要としない問題にいたしましても、国会の基本方針に従って、外務省といたしまして各国と折衝し、具体的な取りきめをいたしました面において、相手国と発表についての合意ができました際には、なるべくすみやかにいろいろな資料を提示をして御報告を申し上げ、これに対するいろいろな御指摘なり御注意を伺いたいと考えております。
○森島委員 この取りきめの中には相当秘密にわたる事項があるようでございます。これについては日米相互防衛協定に定める秘密保持の措置をおとりになると思うのですが、日本の会社と、名前もここにありますが、二つの大きな会社と契約を結んで、そこでこの秘密にわたる兵器の生産をやらせるということになるのでございます。そうすればおそらくその工場の前にでも警察官を立てるとかなんとかいうふうな、個人的な基本人権に違反するような行為がとられることがあるのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、この点はどうでございますか。
○園田政府委員 ただいまの取りきめにいたしましても、細目の極秘にわたる点等につきましては発表を差し控えたいと考えますが、その他の点について御報告申し上げたいと考えております。なおいろいろな秘密にわたる点についての取締りその他については、われわれの管轄ではございませんので、そのような新たなる事態が必要とするならば、関係省で検討の上、国会に御相談申し上げるものは御相談したいと考えております。
○森島委員 それから二十八日の朝日新聞にこの記事が出ておりますが、「日米取りきめ内容」といたしまして、その第四に、「日本国政府は本計画実行のため生産担当会社と関係米国航空機会社との技術援助協定を日本国関係法令に基いて認可するよう努力を払う。」という点がありますが、これは私は日本国で新たな義務を負ったことになりはしないか、こういうふうな点から国会の審議に付することが妥当ではないかと私は信じておるのであります。条約局長の説明によりますと、立法措置を要するものとか予算措置を要するもの並びに新しく両国間に権利義務を設定するものは、国会の審議に付することが必要だというふうな御答弁があったように記憶しておりますが、この点に関する政府の御見解はいかがでございますか。
○園田政府委員 取りきめに関しましては、国会の承認を得ました日米間の相互防衛協定の細目に関する問題でございますから、立法措置その他のことは必要としないと考えております。これの細目取りきめによる業務の実施に関してただいまのところそのような必要はなくて、現行法令をもって処置し得ると考えてはおりますが、いよいよさらに検討いたしまして実施の段階に入り、その必要がありとするならば、検討の上関係省から御相談申し上げたいと考えております。
○森島委員 私は将来必要になったら適当な措置をとるという御答弁だと拝察いたしましてこの質問を終えたいと思うのですが、ただ一点要望したいことは、私は重ねて申し上げますが、法令等の関係にとらわれることなく、なるべく民意に沿って国会の審議に付するという先例をお開きになっていただきたい。私はこの前の質問のときにも申し上げましたが、昔の旧憲法時代におきましてもこの種の交換公文は枢密院の批准を求めておるのが常例でございます。これは筋違いの議論かもしれませんが、枢密院の、諮問を経ているかわりに、すべて国会にさらけ出して国会の審議に付するという慣例を、私は日本の憲政史上においてお開きになっていただきたいということを要望しまして、私の大臣に対する以外の質問を打ち切ります。
○植原委員長 私はただいま森島守人君の外務省に対する御注意に関連して、この際に委員長の意見を述べて、なお御参考に供しておきたいと思います。 私の察するところによれば、外務省の方が一番よく海外の事情も御存じで、民主主義というものはいかに運用されなければならないかということを御存じであるべきはずだと思います。しかるに、ただいまのような質疑応答の必要なことは、私委員長としてはなはだ遺憾だと思います。ことに今日の外務大臣の出席に対してもさようでございます。昨晩の新聞に、今のロケット砲か原子砲かのことについては、外務大臣がみずから外務委員会に出席して説明すると報道されております。まことにしかるべきことで、外交上の問題は衆議院の外務委員会を中心としてすべてなすべきことであります。単に条約上説明しなければならないこと以外のことまで、外務省はみずから国民を代表する衆議院の外務委員会とできるだけの了解を得て、外交上のことを取り扱うということが当然なことだと思います。(「その通り」)しかるに今の国会の運営の方法を見ますと、非民主的なことは相変らず旧帝国議会のような慣例を追うております。と申しますることは、旧帝国議会においては、今日のように常任委員会制度がありません。それゆえに予算委員を中心として国策全体に対する質疑応答が行われることになっておったわけであります。今日のごとく常任委員会制度ができるようになった場合においては、予算の質疑応答も主として予算に限定されたことでよろしいと私は思うのであります。ここにおいて国策の問題を総理大臣から外務大臣まで出て質疑応答するということは、新国会法の常任委員会の制度を徹底的に理解せざるゆえんであると思います。(「その通り」)これはひとり政府のみではありません。議員自体もこの理由をよく御了承にならなければならないと思うのでありますが、外務省の方々は外国の事情もよくおわかりで、民主主義については徹底的に御理解あるとともに、その運用についても練達堪能の方々と推測いたしますがゆえに、どうかそういうような旧帝国議会における悪い慣例は、なるべく外務省が政府当局をも教えて改めるようにして、常任委員会の存在する今日は、事外交に関する限りは、どこよりもここを中心として取り扱うべきことであるということを御了承になれば、今日の外務大臣の出席に対しても非常な支障を来たすようなことはないと思います。けさほどから——今日の、最後の日の参議院の重要なことは私どもよく承知いたしておりますけれども、参議院の内閣委員会に出て外務大臣が午前中を費して、さらに継続的に今度は参議院の本会議に出席して、またそこで質疑に答えなければならないという、ただいま外務省の方から委員長に対する情報であります。それだから午後何時に外務大臣は出席されるという時間を切ってここに約束することはできないという報告に接したのであります。これはこの委員会としては意外なことでありますが、委員長としては手を尽すべきようはありません。これをどう取り扱うか、さらに外務省に交渉して二時か三時にこの委員会を開くか、あるいは休憩してさようにするか、あるいはきょうは散会して十日の委員会には必ず出ることを確約させて十日の委員会まで延ばすか、こういうことを委員長としては実は再三再四外務当局と交渉しておりますけれども、取り扱いにくいのでありますから、諸君の御意見を伺います。
○穗積委員 はなはだ遺憾なことで、委員長の言われる通りなのです。そこで私は結論を申しますが、大臣に対する質問は留保して、次官、局長に対する質問をこれから継続していただきたい。それが済んだら暫時休憩をいたしまして、委員長から外務大臣に強く同趣旨のことをお伝えいただいて、参議院の審議等のかね合いで、そうして様子を見て再開のできるような状態に置いていただきたい。そのためには、散会でなしに休憩にしておいていただきたいと思います。
○岡田委員 前段の点については、私は穗積君の御意見に賛成をいたします。しかし後段の点につきましては、先ほど植原委員長は、さすがにオールド・リベラリストとして傾聴すべき御意見を吐かれました。私は常日ごろ委員長のリベラリストとしての御意見に尊敬をいたしておりますが、きわめて傾聴すべき御意見として承わりましただけに、当該委員会を軽視するという外務大臣の態度については、このまま黙過することはできないと私は思います。従って、これについてそのような御高見を吐かれた委員長といたしまして、そのような御意見にもかかわらず外務大臣が出席しないとするならば、これについて外務委員長は今後どういうふうな態度をおとりになるお考えであるか、この点について伺いたい。これについては、単に委員長の警告だけでは私は済まされないと思う。なぜならば、外務委員会に対して外務大臣の出席がきわめて悪いということは速記録に残っておりますが、すでにこれで私は三回言っております。その機会ごとに外務大臣は、私は決して外務委員会を無視しているものではありませんということの答弁があり、またそういう意味で一応了承して参ったのでありますけれども、しかしながら今日の段階においてもなおかつこのような外務委員会軽視の状態に対して、委員会が単に出席しないのはけしからぬじゃないかといってそのままでいるとするならば、外務大臣が今までいんぎん無礼な態度で外務委員会を軽視してきたこの態度に対して、委員会としてこれを黙過することはできない。従って、委員会の決議において外務大臣に対して厳重な警告を発するのが適当であると私は考えますので、まず第一段階として、委員長はどのような御見解をおとりになるか。第二の点については、委員会としての決議に基いて外務大臣に厳重なる警告を出すべきであると考えるが、この二つの点について、委員長の御意見を承わりたいと思います。
○植原委員長 第一におきめを願いたいことは、穗積君の先刻の御発言には御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議なければ、さように一つ決定したいと思います。岡田君の私に対するお尋ねは、もしこのまま午後に外務大臣が出られない場合には、委員長としてはこれをどうするかということでありましたが、それに対しては、今までのいろいろの悪例を一瞬にして直すこともなかなか骨の折れることで、警告は強くしておきましたけれども、悪例というか悪習というものは、なかなか一朝一夕に直らぬものだと思います。のみならず、外務大臣が出ないとすればどうするかいっても、それはちょっと仮定でありまして、出ないにもまた出ない理由がありましょうし、それらの一切の条件を委員長がよく了解した上でなければ、それに対して委員長の意見は、どうも仮定のような状態において申し上げられないことを御承知を願いたい。その次の外務大臣に対しての処決のいろいろの問題は、これは委員長としては取り扱うべきことでなく、委員諸君の御意見によって決定するよりいたし方がないことであることを御承知を願いたいのであります。
○岡田委員 それでは私は、外務大臣の出席を要求するというこの委員会の決議をするための動議を口頭をもって提出いたしたいと考えます。
○植原委員長 それに対しては委員長も異存はありませんし、皆さん方の強い意向をもってここに外務大臣の出席を要求する、そのことについては、委員長においてもさような意味において外務大臣に交渉するつもりでありますから、さよう御承知を願います。
○岡田委員 その取扱いは違っている。これは私が動議として出したのだから、委員長は動議としてこれを扱わなくちゃいかぬ。委員長の意見を言ったんじゃだめです。
○植原委員長 だから、動議はどなたか賛成者がなければちょっと困ります。——岡田君の動議に対してはいかがでしょう。外務委員会として外務大臣の出席を強く要望するというのです。
○並木委員 今動議が出ました。先ほどから承わっておりますと、岡田委員のおっしゃることは、植原委員長のおっしゃることと相表裏して私はごもっともだと思うのです。ただきょうはいかんせん会期の最終日に予定されておって、重光外務大臣も、自分の一番行きたいところはやはり衆議院の外務委員会でしょうから、おそらく心はやたけにはやっていると思うのですが、きょうは来れないという事情があると思うのです。今動議が出ましたけれども、その動議は、もし必要ならあとで理事会でも開いていただいて、理事会でその取扱いについて御相談していただくのもけっこうだと思いますが、先ほどの委員長のお言葉を信頼して、委員長から厳重に外務大臣に申し入れることにしていただいて、一応ここで岡田委員に留保しておいてもらいたい。この動議は反対とまでは言いませんが、もう少し留保しておいていただきたいというのが私の希望であります。
○戸叶委員 はっきりしておいていただきたいと思います。最初に出ました動議は、穗積委員は、今政府委員に対する質問は続けて、そして 午後再び外務大臣の出席を求めてするということだった。ところが今並木委員のおっしゃるのには、きょうは最終日だからとてもむずかしいというようなお話がございました。そこに食い違いがあるのですが、穗積委員の言われたことはすでに決定されて、そしてその次に岡田委員から重光大臣に、この委員会を無視しないで必ず出てほしいという動議が提出されておるのですから、それに対しての処置をまずおとりになっていただかなければならぬと思います。
○植原委員長 ごもっともですが、ただいま並木君は、その動議に対して留保してもらいたい、理事会で取扱いを協議してもらいたい、そういう動議を出したのです。 〔「あれは動議ではない」と呼ぶ者あり〕
○並木委員 それならあらためて動議として出してもいいのです。
○植原委員長 つまり岡田君の動議は、強く外務大臣に出席を要望するということですが、並木君は、そういうことをここの決議にするよりは理事会で相談してくれ、こういうことですね。
○並木委員 岡田君の動議をどういうふうに扱うかということを理事会で御相談願いたい、そういう動議です。動議に対する動議です。
○植原委員長 岡田君の動議は今ここへ出されました。重光外務大臣は七月三十日衆議院外務委員会に出席するよう厳重な警告を発する。こういうことです。 〔「休憩々々」と呼び、その他発言する者あり〕
○植原委員長 暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後零時二十九分開議
○植原委員長 会議を再開いたします。ただいまの、重光外務大臣を七月三十日衆議院外務委員会に出席するよう厳重な警告を発するという岡田君の動議につきましては、並木君の御意見もありましたが、並木君から岡田君の動議に同調するという御意見もありましたので、岡田君の動議を採決することにいたします。岡田君の動議を採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議なければさように決定いたします。 ついては、穗積君の動議によって審議は継続いたします。
○園田政府委員 先般からの委員長並びに森島委員の御意見並びにただいまの決議は重大でございますから、一言申し上げます。 森島委員並びに委員長からの御注意による外交上の諸問題は、法令にとらわれることなしに、なるべく国会の承認を受けるようにしようという御指摘の方針は、十分わかっております。従いまして法令にとらわれることなしに、外交上の折衝の経過または相手国との発表等の問題で、純粋なる外交行政上拘束を受ける面は別でございますが、その他の面におきましては、なるべくさようにしたいと考えております。 なおただいま決議に相なりました外務大臣の出席について、一言申し上げたいと考えております。本日は、御指摘の通り、重大なる問題でございまするし、特に外務大臣、総理大臣が本委員会においてしばしば言明いたしました原子弾持ち込みの件に関する報告でございますから、当然所管委員会である衆議院の本委員会に、大臣みずから出席をして御報告申し上げる予定を本朝までいたしておったわけでございますが、ただいま会期最終末でございまして、これに関連をして参議院の内閣委員会で昨晩から質問が出ておりますので、まずその関係上向うに参りまして、その間政務次官が代理として質疑を受けつつ、終ると早急に本委員会に出て参りまして、率直に申し上げますと、十分でも二十分でもいいから大臣みずから御報告申し上げ、陳謝したる上、法案の審議に必要なる参議院の方に出席を許可願いたい、こういう計画でおったわけでございますが、その後参議院の状況が変化をいたしまして、内閣委員会の質問から直ちに議運に招致され、これに関連する質問があり、再び本会議にこれが延引さるるの状態になったのでございます。そういうわけで御注意、決議の点は十分わかりましたので、大臣にも十分注意をして今後戒めたいと考えますが、本日は、御承知の通りに、大臣並びに政府委員の出席は、重要なる国会の各委員会の方方から要求が交錯したる場合には、大臣みずからの権限においてどの委員会に出席するかという判別は許されておりませんので、これは民主主義の今日においては、国会が最高権威でございますから、国会議員の方々、各委員長の御相談の上に引き回さるべきものでございますので、この点もあしからず御了承の上、本日の大臣の出席は、率直に申し上げまして、見込みは困難でございますので、右御報告申し上げます。
○穗積委員 簡単に一つお尋ねしておきますが、先ほど私どもの方の森島委員から質問しましたジェット機生産に関する協定でございますが、これはアメリカとの間に公表して差しつかえない部分だけ国会に見せるということでなくて、秘密なものにつきましても、事情がそうであるならば秘密会をわれわれは了承いたしますから、秘密会において秘密の分も説明していただくようにしていただきたい、これが一点。それから第二は、本日は最終日で、先ほど言いましたような特に緊急な問題がありますから、時間についてはあまりぜいたくは言いませんが、できる限りお互い譲歩し合って、必ず出席をしていただくように政務次官からお取り計らいをいただきたい。第三には、来月十日に閉会中の第一回の外務委員会を本日の理事会で決定いたしまして、そうして委員会に諮りましたところ、満場一致御賛成をいただきました。この予定されました来月の十日は、水曜日でいわば従来の定例日でありますが、この日には必ず総理並びに外相の御出席をいただくように、次官から何分のお取次をいただきたい。そのもとに来月の第一回の委員会を開くようにいたしたいと思いますから、それが条件でございますから、とくと申し上げておきます。
○園田政府委員 第一点の、ジェット機生産に関する米国との協定は、両国の間に合意したる面だけでなく、その他の秘密面についても秘密会を開いて討議しようということでございますが、御承知のごとく、外交折衝の結果結びました協定等の発表その他につきましては、お互いに合意の上でそれぞれ発表することになっております。従いまして一般に発表できない秘密に属する部面もなるべく御報告申し上げるように、当局も研究してみたいと思います。第二点の、本日の大臣の出席は、先ほど申し上げました通りでございますが、ごもっともでございますから、数分間でも本委員会に出席するようなるべく努力したいと考えております。十日の定例委員会の外務大臣の出席は当然でございますから、責任を持ちまして外務大臣に出席させます。総理大臣の出席につきましては、私が責任を持つわけに参りませんので、政務次官として極力進言をいたします。
○穗積委員 議事進行について。ここで一たん休憩して下さい。そうして先ほどの本委員会の決議が早く大臣に伝わることが必要ですから、委員長からさようにお取次をいただきまして、その模様で必ず出席していただけると信じますが、その時間に再開を通知していただきたい。万一いろいろな正当な理由によって出席ができないというような場合におきましても、次官、局長をお呼びいただいて、必ず再開していただきたいと思います。
○植原委員長 お尋ねいたしますが、あらゆる手段を尽して、たとい少時間でも外務大臣の出席を願う。しかし相手もあることだから、万々一そういうことが実行できないときでも、この委員会を再開して、政府委員の出席を願って審議を進めるということで……。
○穗積委員 今、次官が必ず出るように努力すると言うから、その報告を聞いて、それに対するわれわれ委員会の態度は、そのときに申し上げたいと思います。それから大臣が万一お見えにならぬでも、きょう、来月十日まで延ばすことのできない緊急質問がございますから、ぜひそのつもりで委員会にお臨み下さるようにお願いいたします。
○植原委員長 休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ————◇————— 午後五時九分開議
○植原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 お諮りいたします。当委員会に付託されております南樺太返還に伴う海豹島開拓に関する請願、松前重義君紹介第五八〇号につきまして紹介者より取り下げが提出されております。この際これを許可いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植原委員長 御異議がなければさように決定いたします。 —————————————
○植原委員長 これより国際情勢に関する件について質疑を許します。森島守人君。
○森島委員 調達庁の方にお尋ねしたいのですが、駐留軍側から学校を使いたいとか、あるいは特殊な建物を使いたいという場合には、私は日米合同委員会を通じて折衝をされるものと思っておりますが、米軍あたりで直接に出先に対して交渉したという事例はありますかどうですか。
○磯説明員 軍が施設、区域の要求をいたします場合には、おおむね調査立ち入りの問題が最初にあります。そういう場合には必ず施設委員会を通じまして、どこどこの施設、区域を提供してもらいたいが、あらかじめ予備調査をしたいからという申し入れが必ずあります。それがありました場合に、施政委員会の方ではその要求を正式に受けますと、公民有の建物あるいは土地の場合には、府県知事を通じまして、所有者の同意を得まして、そして同意を得ました暁に、調査をいたします。調査の結果それを提供しなくてはならないという場合には、さらにその条件等を、府県知事を通じまして地元の人たちともよく相談をいたしますし、関係各省とも協議いたしまして、そして同意を得ました場合にはさらに手続をするということになっております。
○森島委員 私もその通りでなければばらぬと思うのですが、それに異なる事例が米軍側でちょいちょいあるらしいのです。先日も非公式でありますが、厚木の飛行場を拡張する計画があるというので、神奈川県の渉外部長が現地へ行って村長さんと何か話をしているというふうな例もありまして、これは一つお取調べを願いたいということを要求しておいたのございますが、今日まで一カ月たちますけれども、私は御返答をいただいていない。これは督促していただきたい。 同時に今朝の朝日新聞を見ますと、米軍の横須賀基地から箱根の宮城野村、温泉村の両村組合立の明星中学の運動場を八、九の二カ月間ヘリコプターの発着所に使用したいという申し入れをしたそうでございます。そこで村の方では、おそらく米軍の要求だということで、手続等は考慮しないで、力に押されてやむを得ずやった措置だと思いますが、これを許可している。条件付でよろしいという返事をしているのでございますが、これを後に聞いたPTAの会長あたりでは、それは不可解だということで、問題にしているということがございます。これは私は詳しくは新聞を読んでいただければおわかりになると思いますから、詳しいことは申し上げませんが、この事実について何か御承知の事項がありましょうか。
○磯説明員 前段の御質問につきましては、先般庁次長に森島先生から御質問があったかと思います。その後調査いたしましたところは、私の方の出先である横浜調達局を通じて調査いたさせましたが、そういう事実はないという報告をいただいております。それから後段の御質問につきましては、そういう事柄につきましては、いまだ公式にも非公式にも要求は軍からは参っておりませんので、調査いたしまして、もしそういう事実がありますならば、厳重に抗議を申し込みたいと思っております。
○森島委員 ただいまの御答弁で、情報を持っておられぬということでございますが、至急に御調査願いまして、米軍に対して厳重に抗議をして、かかる要求は撤回させるように御措置を願いたいということを要望しておきます。これでよろしゅうございます。
○植原委員長 この際園田外務政務次官より発言を求められておりますのでこれを許可いたします。園田政務次官。
○園田政府委員 この際御了解を得たい点がございます。午前中の当委員会で並木委員の質問に対する私の答弁中、午前中問題になりましたロケット発射管の持ち込みについて米当局から通告があったという意味の印象を与える発言がございましたが、これはもしもそうでございますならば私の言い違いでございまして、本件については全然通告は受けておりません。一般的の問題でそういう話があったことはございますが、本件に関する通告ではございませんので、この点御了解を願いまして、並木委員に対する三月二十五日の通告の点は削除させていただきたいと考えます。
○穗積委員 今の次官の御弁明でございますけれども、そうすると三月二十五日にあった通告というのは内容は何でございますか。
○園田政府委員 これは日にちははっきり覚えませんが、三月二十日前後に兵器その他についての話があったというふうに私は聞いておりましたが、その後大臣その他と連絡をいたしてみますと、私の申しました新しい型の兵器の持ち込みについての通知は、本件について通知を受けていないばかりでなく、新しい型の兵器の持ち込みについても聞いていない、こういうことでございますので、全く私の誤まりでございました。
○穗積委員 そうするとあなたが午前中おっしゃったことは、あの御答弁で私も実はロケット砲を含む新兵器の話なのかあるいは他の兵器なのか、しかもその兵器の内容について日本側が何と何だということをよく知っておられたのかどうなのか非常に不明確な御答弁でありました。それで実はお尋ねしたいと思っておったやさきなのです。そうすると三月二十日前後の通告というのは、内容も含んですべてそういう通告がなかったということですか、全然なかったのですか。
○園田政府委員 通告というのは、文書または正式に通告があったというわけではなくて、何らかの話し合いの際に兵器についての問題がちょっと出た程度であったと聞いております。
○穗積委員 そうするとあなたの今の御弁明はどういう意味なのですか。そういう通告があったという、内容のいかんにかかわらず、通告があったということを取り消すという意味なのか、内容についての修正なのか、何でございますか。もう一ぺんはっきり御答弁願いたい。
○園田政府委員 一つは本件については全然通告がなかったということと、もう一つは三月二十五日に外務省は通知を受けておりますということを言っておりますが、これは正式の通知でもなくて、ただ単に話の中に兵器の問題が出てきたという意味であったということがわかりましたので、この点、三月二十五日の通告を削除させていただきたいということでございます。
○穗積委員 そうすると問題は二つですが、その話の中に出た話というのは、何ら効力のない申し入れだということですか、そういう意味でお取り消しになるのか。通告は必ずしも文書によらずしてもよかろうと思うのです。それからもう一点は通告はそれは有効であるけれども、内容がロケット砲その他原子兵器に関係のある新兵器を含んでいないという意味なのか、どちらですか、その点はっきりしていただきたい。
○園田政府委員 内容については明瞭に原子兵器または今日問題になっておりますロケット発射管等についての内容ではなかったということ。それから通告自体も、話の中にちょっとほかの兵器の話が出たということであって、通告ではなかったという両者であります。
○穗積委員 そうすると、その通告そのものは有効なものと認めていないわけですね。
○園田政府委員 その通りでございます。
○穗積委員 それではその通告というか、話の中に出たというのは、一体だれが、どこで、だれに話をしたのですか。これからだんだんお尋ねしたいのですが、向う側の米軍司令部のスポークスマンは、鳩山さんは知らぬということを言っているが、それはおかしい、通告してあるはずだと言っている。しかもその内容については、この外電によりますと、ロケット砲のことを言っているのです。ですからそのことだろうと思うのです。そこでこまかくちょっとお尋ねしますが、向うのだれが、こちらのだれにいつ、どこで、一体どういう話があったのか、それをはっきりしていただきたい。そうすれば一番はっきりする。
○園田政府委員 率直に申し上げますと、向うの意見とこちらの意見の食い違いがございますので、本委員会に出る前にいろいろ打ち合せをして真相を尋ねたわけでございます。その際原子兵器の持ち込み及びこのロケット発射管については、話し合いは全然受けてない。これは事務当局、局長ばかりでなく、大臣も数回にわたってそういうことを私に言明いたしました。そこで何か三月二十日ごろに話があったんじゃないか、こういうふうに聞きましたら、三月何日ごろであったかしらんが、何か兵器の話はあったが全然これには関係ないという話を聞いてここへ出てきたわけであります。
○穗積委員 そこで私はこれからお尋ねしたいが、向うのスポークスマンの言っている通知済みということはそのことだろうと思う。あなたが三月に何か話があったということを言っているのだろうと思う。そこで向うは通告済みだと思っている、こちらはそれは通告済みだとは理解していないということで、そこで食い違いがあったのだろうと推察されますから、その三月幾日かの話の内容を具体的にお尋ねしているのです。
○園田政府委員 先ほど申し上げましたようなことで、そこで私もつい考え過ぎまして、それがこの問題の通告だと向うは考えたし、こちらは通告だと考えていないのではないか、このように推察いたしたものを、私が誤まって答弁をいたし、その後そうではないという大臣からの通告を受けましたので、私の誤解であったと思い、ここで取消しをお願いするわけであります。
○穗積委員 そうすると三月幾日にだれがだれに、どこで、いつ、どういう内容の話をしたかということはあなた御存じないのですね。
○園田政府委員 聞いておりません。
○穗積委員 それはしかし、その事実はあるのでしょう。このロケット砲の内のことではなくても、あなた今ロケット砲のこととは関係ないが、新兵器について話があったようだということは言っておられるのだから、話のあった事実はあるのですね。
○園田政府委員 私は朝そのように聞いたつもりでおったのでございますが、大臣の方ではそういうことは聞いてない、こういうことを言っているようでございます。大臣とさらに連絡をとりましてからお答えいたします。
○穗積委員 そうすると朝とも違うし、先ほどの答弁ともまた違ってきている。先ほどは、とにかく三月幾日にこの問題ではないが新兵器の問題について、文書ではないが口頭で話があったようだと、こういう話だったのですね。だから関係がなければならないでいいから、その内容を、だれがどこでどういうような話があったのか、それを確かめておきたい。おそらくそれが向うによって誤解されていると思うから——誤解か正誤か知りませんが、日本の政府の解釈とは違った解釈をしている種になっているのだから、だからそのことを伺っているのです。それはお答えいただけないのでしょうか。
○園田政府委員 先ほど申し上げました通りに、朝出る前に大臣に、向うは数回にわたって通告したと言っているが、ほんとうに外務省では聞いていないのか、率直に言いまして、あるいは聞いているかもわからぬということもありますので、ほんとうに聞いていないのかどうか確かめましたけれども、原子兵器についてもロケット発射管についても聞いていない。そこで三月何日ごろに何か話があったのじゃないかと聞きましたところ、それはほかの兵器の問題だ、それだけ聞いてきました。
○穗積委員 ほかの兵器の話はあったわけですね。
○園田政府委員 そういうふうに私は聞いたわけでございます。その後の詳細はあとで大臣に詳しく聞きましてから御報告申し上げます。
○穗積委員 それではその問題については大臣が見えてからもっとはっきりさしていただきます。そこでけさの毎日新聞にUPの東京の特電として、米極東軍司令部のスポークスマンは「原爆ロケット砲部隊を日本に派遣することについては鳩山首相は米国から通告をされていないと述べたが、事実はすでに日本政府に通告済みである。ただしこの通告を受け取ったのが日本政府のどの省であるか、またいつ通告が行われたかは、今は言えない、それは日本政府側が知っているはずだ」こうはっきり言っているのです。これについては、先ほど、問題になったのでアメリカの意向も聞いたというが、それはおそらくアリソン大使を通じてお聞きになったのでしょうね。まずこの問題についてお尋ねします。そういう事実はないというお答えですか。
○園田政府委員 向うの方は、軍当局は通知をしたと二回にわたって言っているようでございますが、わが方では総理の方も外務大臣の方も、事務当局も聞いていないようでございます。
○穗積委員 それではちょっとお尋ねしますが、きょう 午前に、この問題が出てきたからアメリカ側に聞いたと言っておられる。きのう重光大臣は今アメリカ側にただしている、その返事を待って答弁をするという趣旨の答弁をしておられる。その答弁がきょう 午前中にあったものと思うが、それはいつだれに聞いて、いつどこから返事があったか、その点もう一ぺんはっきりしておいていただきたい。
○園田政府委員 その問題は、本問題が外電として入りまして、大臣が参議院の内閣委員会だと思いますが、ただいま照会中であると答弁をした前ごろから、数回にわたって在日米大使館当局に照会いたしております。
○穗積委員 それは返事はいつあったのですか。だれがしたのですか。
○園田政府委員 向うの返事は、けさ御報告申し上げました通り、新兵器を日本に輸送する計画はあるが、まだこれらの兵器は到着していない、なおこれらの新兵器は原子爆弾とは何ら関係ない、ただこれには原子弾頭を装置し得るけれども、これまた日本向け新兵器には何らかかる原子弾頭を伴っていないし、目下のところ持ち込む考え方もない、こういうような結論を得たわけでございます。
○穗積委員 それはだれからの返事ですか。
○園田政府委員 これは大使館当局と、それから最後には軍当局とも折衝をいたしました。
○穗積委員 そうすると軍関係と大使館と両方からですね。
○園田政府委員 当初は大使館当局だけでございますが、最後の段階では軍当局とも、直接か間接かは覚えておりませんが、話し合いをしたわけでございます。
○穗積委員 その新兵器を日本に送る計画があるというのは、そのことですか。原爆ロケット砲並びにその部隊ということですか。
○園田政府委員 それはその通りでございます。
○穗積委員 そうすると原爆そのものではないが、私どもも技術的にしろうとでございますが、何でもオネスト・ジョンというものは、つければ原爆弾がつけられる。さきのロケット砲とは違うのでしょう。ロケット弾の先につければつけられる。つけないでも発射できる。そういうふうに使い分けのできるもののようですね。だからこのロケット発射装置は原子爆弾もつけられるロケット弾、すなわち新聞の解説で見ますと、名前をオネスト・ジョンというのですが、そういう内容のようにわれわれは理解できるのです。原爆ロケットを発射できる装置、ロケット砲がいくのだ、それからロケット弾も送るけれども、それは原爆がつけられるものだが、今のところはつけては送っていない、向うから答弁はこういう意味だと思うのです。しかも外電の報ずるところによると、沖縄にしても日本にしても、原爆を使える装置だけは今からやっておくのだ、そうして原爆そのものは日本へ持ち込まないでグアム島かどこかに置いておいて、いざというときには、ジェット機で持ってくれば数時間で持ってこられる、そうしてすでに発射装置はちゃんと持ち込んであるのだからそこですぐ使える、そういうふうなアッセンブリーで初めて最後の威力を発揮するわけで、その一部がすでに日本に送られたということですから、これはまさに外務大臣の言われるように、広義な原子兵器の装置であることは疑いがないと思うのです。それは今のところロケット砲弾の先の方に原爆はつけていない、そしてまたその原爆は日本の基地の中に持ち込んでおらぬというだけのことであって、もうすでに原爆発射装置並びに原爆をつけるロケット弾が持ち込まれるということですから、これは前々からアリソンと重光大臣との話し合いによって、原子兵器関係のものは一切持ち込まない、しかもそれは無断で持ち込まないのみならず、申し入れがあったときには断わる、こういう二重の意味をもってわれわれはできるだけ政府を信用しようと思っておったのですが、今になりますと信用できなくなってきたわけです。ですからそこでお尋ねいたしたいのですが、向うからけさ行われたという返事は非常に子供だましだと思うのですが、一体それじゃまだ着いていないが、日本に持ち込む予定であるという新兵器とは何を言っているのか、それを具体的に説明をしていただきたいと思います。
○園田政府委員 向うで言っておる新兵器とはロケット発射管を言っております。すなわちオネスト・ジョンというロケット弾発射装置のことを新兵器と称しておるようでございます。
○穗積委員 それだけでございますか。
○園田政府委員 向うで称しておるのはそれだけでございまして、先ほども申し上げました通りに、ロケットの発射装置というものはそう複雑なものではございません。ロケット発射管というものは管そのものは複雑ではなくて、ロケット弾そのものが非常に大事なものでございます。噴進装置をみずからが持っておって、ただロケット砲に方向性を与えるのと、射角を与えて発射するだけの装置でございます。従ってこれはやはりロケット発射機でございまして、迫撃砲やあるいは一般の砲が砲弾を発射するために作っておりますが、それはやはり弾頭にガス弾をつけたり、発煙剤をつけたり、あるいはその他をつけたりでき得るように、このロケット発射装置もロケット弾の頭に原子弾頭をつけ得るものである。そのロケット弾頭はこの新兵器とともに日本に持ち込む計画はないし、目下のところ持ち込むこともない、このような通知でございます。
○穗積委員 ロケット発射装置がどういうものかということは、私もいささかあなたくらいの知識は持っておるつもりです。そこで私の言っておるのは、そのロケット発射装置そのものが直ちに危険じゃなくて、総合的に判断すると、それは原子ロケット弾を発射するという意味において非常に危険な武器の一部になる、そういうことでわれわれは問題にしておるのです。ですからロケット発射装置そのものがもうすでに原子兵器であるとか、危険なものであるとのみ言っておるのじゃない。それはもとより原子爆弾以外のものも発射できましょう。そういうことはわれわれ知っているが、それは明らかに原子爆弾を装填いたしましたロケット弾を発射するために使い得るその一つのファンクションを持っているという意味で、非常に重要な意味をわれわれは自覚しておかなければいけない。そういう意味なのです。そこで外務次官にお尋ねしますが、今の日本を取り巻きます国際情勢や、あなた方の言う日本の防衛情勢から見て、果して一体こういうものが必要であるのかどうなのか。そしてそれは原子爆弾を装填したロケット弾と結びつけて初めて新兵器としてのおそるべき威力となる。あるいはアメリカに言わせれば、非常に有効な防衛武器だというふうに説明されるでしょう。すなわちそういう意味を持って初めてこれが新兵器としての取扱いを受け、そういう評価が出てくるわけなのです。それと結びつけて考えなければ、このロケット発射装置、ロケット砲というものはそれほど意味を持つものじゃないのであって、それにそういう意味があるということをあなたはお認めになるかどうか。それから同時に日本の情勢として、そういう武器を持ち込むことが必要であると御判断になっておられるのか。そして今は原子爆弾を持ち込まぬにしても、すぐ持ち込める素地を作ることは、日本に原子爆弾を持ち込むことに一歩近づいた危険を感ずることは当然であるとわれわれは思うが、それについての次官のお考えはどうであるか。
○園田政府委員 御指摘の通り、ロケット発射管自体が原子兵器であるとは考えませんが、少くともその発射する一般ロケット弾がある場合には、原子弾頭と申しますか、アトミック・ワー・ヘッドという言葉を使っておりますが、こういうものを付することができる。しかしこういうものを今突如として配置されることは、先ほどから申し上げます通り、また外務大臣がしばしば申し上げました通り、原子爆弾を日本に持ち込む場合には当然協議があるはずであるし、その場合にはこれを拒否するつもりだと総理大臣も答弁しております。その約束にたがうものではないとは考えますが、時節柄、一方には四頭会談が終了して世界が話し合いの方向に進もうとしておるし、国内には原子爆弾禁止の総会が行われようとしておるし、一方には自由主義国家を基盤として外交を推進し、防衛をしようとするわが外交並びに防衛の基本方針からいたしまして、飛行場の拡張などで米国に協力しておる時期に、このようなことをされることは、これに対して協力しようという点からも、まことに困ったことであると私は考えております。
○穗積委員 それではあなたも、これがそれだけではすでに原子兵器ではないが、それが原子兵器に利用されるという意味においてはなはだ不適当である、迷惑であるというお考えであるならば、この新兵器の持ち込みに関する向うの申し入れに対しては、お断わりになるつもりであるかどうか、当然そうあるべきだと思いますが、この際伺っておきたいと思います。
○園田政府委員 この問題に関しては、われわれが米国に協力せんとする立場から非常に困るという点については、いろいろな場面に申し入れをしたいと考えております。しかしながら今日本とアメリカとの行政協定等において、アトミック・ワー・ヘッドを持ち込む、すなわち原子兵器を持ち込もうとする際には、これは当然相談を受けるべきであるし、もしもその場合には十分考慮をし、原子爆弾などという危険なものであるならば、これは当然拒否すべきであるとは考えますが、今日ただ発射装置を持ってきたことについて拒否するということは、今までの約束からはできないと考えております。
○穗積委員 約束からはできないにしても、迷惑だと思ったら断わったらどうですか。話合いをして当然断わったらいい。一方的に断わるわけにはいかないだろうが、少くとも話合いはすべきです。やめてもらいたいということでぜひおやり下さい。
○園田政府委員 将来についてのいろいろな問題、特に原子弾頭を持ち込むことについては、十分意見を申し込むつもりでおります。
○穗積委員 あと大臣が来てからお尋ねしますが、そうしますと、この新兵器に対する通告というのは、こちらから聞いて初めてけさ返事があったわけですが、今まで何らそういう通告はなかったわけですね。話合い、通告は先ほどのお話だと。
○園田政府委員 本件に関してはございません。
○穗積委員 そうするとそれはいつ着くのですか。外電の報ずるところだと、沖縄、日本には二十九日に着く、または着いておるというような報道が行われておるわけです。相当確かな筋の報道として。
○園田政府委員 沖縄は別でございますが、日本には到着していないということははっきり言明しております。なおいつ着くかということについては向うは明言いたしておりませんが、これは今輸送中のものではないように推察いたします。
○穗積委員 そうするとその新兵器を持ち込む、このロケット発射装置を持ち込む量並びに部隊の数は、向うの方針はどれだけですか。
○園田政府委員 来る兵器の数並びに部隊の編成等については、まだ全然通告がありません。
○穗積委員 最後にお尋ねしますが、アリソン・重光会談で、原子兵器持ち込みについては日本の承諾を得ずしてやらない、また承諾を求められたときは断わるつもりだという話合いをもっと確かなものにするために、適当な時期に文書をもって向うに再確認せしめておくことが、必要な措置だとわれわれは考えるということを先般申しましたら、重光大臣も、そういう適当な時期があったらそれもよかろうと思うという御答弁でございました。今度こういうようなことが起きましたのでまことに適当な時期だと思うのです。そうでないと——しかも今度は新兵器を持ち込むのだが、外電が先に報じて、報道機関が報じて、問題が外に出たから政府もびっくりして向うに問い合せて、初めてけさそういう通告があったのですから、何をされるかわからない。政府も知らぬ間にいろいろなことをされておる。まして国民も知らない。そうして国民は、一方ではアリソン・重光会談があるから心配するなというだけで、安心させられるというわけには参らぬと思うから、そのアリソン・重光会談をコンファームする意味において、この際文書をもって再確認しておくことが最も適当な時期であり、措置であるとお考えになりますか。その原則についてはすでにもう外務大臣も承認しておるのだが、時期、チャンスとして非常に適切だと思われる。ぜひそれをやるべきだと私は強く要請する次第ですが、外務省のお考えを伺っておきたいと思います。
○園田政府委員 ただいまの基本的な方針については、大臣も言明しておりますし、われわれも同感でございますが。それをいつ、どういうふうにやるかという具体的な問題については、大臣の決裁事項でございますから、ただいまの御意見は十分大臣に申し伝えます。
○穗積委員 続いてちょっとお尋ねしますが、これは緊急性を持っておりますから、ぜひわれわれの納得のいく明確な御答弁をいただきたいと思います。すでに関係者から政府の協力を求めて、政府も協力を約しておることでございますが、御承知の通り八月六日から三日間、十五日に最後に東京で原水爆禁止世界大会を行うことになっております。この原水爆禁止大会は、日本は、他の民族と異なって、三たび先んじてその被害をこうむった国民であるから、超党派あるいは超国家的に、人道的な立場に立って世界に向ってこの問題を訴える義務と権利を持っておる。そういう趣旨でやって参りました。しかもこの原水爆運動は共産圏においても行われております。しかし日本におきますものは、御承知の通り昨年来、原水爆禁止の署名運動が二千数百万を数えるに至りましたが、この経過を見ましても、その内容から見ましても——共産党の諸君から集められたものもこの数の中に入っており、それが十万とれたと推察されておりますが、他のほとんどすべては、あるいは園田さんに投票した婦人の手によっても署名運動が行われ、署名が行われております。あるいは植原委員長や吉田さんに投票した人たちの間においてもこの署名運動が行われ、署名が行われております。そういうものが二千数百万に及んだわけです。その運動が実は国際的に思想を超越し、主義を超越し、政権を超越した人道的な悲痛な叫びとして、生命と幸福を守る運動として、世界に心深く訴えてきたことは事実でございます。その流れとして今度広島世界大会が計画されて、われわれもその呼びかけに従って参加をしておる。その二千数百万の署名の中には共産党の方も署名をしておられるかもしれません。そういう意味で、今度の運動には共産党の方も人道的な立場で、それはけっこうなことであるということで参加あるいは協力しておられる方もございましょう。しかし運動全体としては、今申しました通りにそういう純粋な、人類の最後の要求であります生命と幸福を守るという人道的な立場に立って行われており、それがほうはいたる情勢であることをわれわれは信じておりますが、この大会に対しまして政府は一体どういう認識を持っておられるのか。私の認識が誤まりであるというならばここでただしていただきたい。その御所信を最初に伺っておきたいと思います。
○園田政府委員 人類のおそるべき敵である原子爆弾の第一の被害を受けた日本国民として、原子爆弾禁止の大会が行われることは当然のことであるし、また民族の要求でもあると考えます。従いまして本大会には、総理大臣等よりもメッセージ等発せられるように漏れ承わっております。
○穗積委員 満足の御答弁をいただきまして、われわれはその御答弁を多といたします。そこでお尋ねいたしますが、全世界の人々が、この問題に対して今申しましたような立場で参加することに意義がございます。そうして日本の医学的に見たあるいは物理学的に見た被害の実態をも説明して、聞いてもらうことになっております。また被害者の悲痛な声も世界の人々に聞かせる計画になっておるわけですが、そのときに共産圏の人々——アメリカを初めとするイギリス、インドその他の国々と同様に、共産圏の人々もこれに参加し、これの叫びを聞いてお帰りになることは、まことにけっこうなことだと思いますが、次官はどういうふうに思われるか。次官としてでなく、外務省を代表して御答弁をいただきたいのでございます。
○園田政府委員 この大会に対する問題と、これに世界各国から来られるための旅券の問題とは、具体的にはいささか違うところが出て参ります。共産主義圏に対する入国許可の件につきましては、すでに御承知の通り、相当これを変更いたしまして、出られる方も入られる方も、メーデー参加の労働者の方々の出国を契機として、いろいろ方針を変えてきたつもりでおります。が、これはどの問題にいたしましても、外務省としては旅券並びに入国の査証の券を発行する最後の事務上の手続はいたしますが、出国、入国に関する権限は法務省に属しております。外務省といたしましては、特殊なものでないものは共産圏といえどもなるべく旅券は交付したい、こういう方針で進めてきておりますが、本件に関しましては——今までの問題も関係各省と討議をし、各省の意見を統一して許可しておりまして、たとえばメーデーに参加する労働者の諸君の旅券は労働省、あるいは農業視察あるいは農業関係のものは農林省、主としてそういう関係所管各省の意見を聞いて、最後に法務省の意見を聞いてやっておりますが、本件に関してのみは、各省の意見がこれに対して特殊なものとして反対でございまして、次官会議並びにその他の政府部内の会議で、これについては入国を許可しないというふうに決定したわけでございます。
○穗積委員 あなたはこの入国問題について、所管のすべてではないが、所管の一部である外務省の次官としての立場でおられる。同時にあなたは与党である民主党内における有力なる党員としての立場におられるわけです。そして党と内閣との両方にわたっておりますが、その外務省としてだけでなくて、党と内閣とすべてを統べております鳩山総理は、先週の土曜日であったかと記憶いたしますが、私も同道いたしましたが、この運動の責任者の人々が大臣室でお目にかかりました。そして三つのことを要望いたしました。第一に、この運動はこういう目標を持ち、こういう性格であるから、ぜひとも政府は積極的なる理解を持ってもらいたい。第二に、総理のメッセージをいただきたい。第三に、これら関係諸国のお招きをしておる人々の入国については、これは一括して一つ政府において入国をできますようにお取り計らいが願いたいという三つの要望をいたしましたが、鳩山総理は消極的なる賛成ではなくて、私自身もまことに同感にたえない。そういう運動が日本において行われることはけっこうなことである。今度のジュネーヴ会談のごときも原子力の競争をした結果、これでは幾らやっても安心できない、やればやるほど不安心だというので、世界の巨頭が悟りを開いて開かれたのがジュネーヴ会議であると思うから、こういう運動が国際的に訴えて日本において行われることはまことに同感にたえないから、十分なる理解を持ちます、そして私はメッセージも送ります、しかもそのメッセージは、私はからだが悪いのと政務が多端で出られないからメッセージにするが、それも川島国務大臣をもって代読させるつもりでございます、それがもしできなければ松本官房副長官をもって携行せしめて代読をいたさせますから、どうぞお受け取りをいただきたい。第三の入国問題についても、御要望の通り一括して入国ができるように外務大臣にもよく話をいたしておきますという快諾をいただいたのです。そしてその足で代表者の一部の方は外務事務次官と法務事務次官に、事務上のことがございますからごあいさつに上りまして、あなた方の総指揮官である鳩山総理に今話したところがこういうことであった。そこであなた方事務当局にもよく理解していただきたいと言ったら、それに対しても、今のようなお話とは全く違った御返答があったわけです。そうして実はもうすでに中国の人は本日香港に立つ用意で集結いたしております。こういう事態になって共産圏を一括して入れないとは一体どういうわけでそういう方針に変ってきたのか。単なる党の総裁ではない、行政府の責任者であります鳩山内閣の総理としての立場、行政府のキャップとしての立場から責任者に対してそういう御答弁をされておって、そうしておいて今言うような、しかもきめるについては、個々の審査をした結果不適当な人も中には出たという話ならまだしものことでございますが、そうではなくして、共産圏の人々は一括して人のだれたるを問わず、人数を問わず一人も入れないというような取りきめをされたのは、一体どこに原因があるのか、この原水爆禁止運動がおかしいといわれるのか、入る人が悪いというのか、入れる国が悪いというのか、その理由をはっきりしていただきたい。そのような御答弁で変った理由をはっきりしなければ、われわれはその責任者である鳩山内閣総理大臣の言を信じて行動せざるを得ないのです。その行政府の責任者の意見に対して次官が一昨日ですか不穏当な決定をするというようなことは、僣上もはなはだしいことです。どういうわけでそういうことになったのか、われわれに納得のいく説明をしていただきたい。どこにけちがつけられるか、そのけちをつけられるならどこにつけようというのかはっきりしていただきたい。
○園田政府委員 総理大臣が本件に関してそのような御答弁をされたことは、私は初めて伺ったわけでございます。総理がどのような考え方かわかりませんが、総理の言は行政的な系統を経て、それぞれの所管官庁に通達に相なるでございましょう。ただいまのところは、そういうような御通達を受けていないものと見えまして、各省、特に法務省ではこれを強固に拒否いたしております。
○穗積委員 そうしますとわれわれが推測いたしました通りですが、外務省としては日ソ交渉もやっておるやさきであり、その前にすでにわが方の議員、あるいは政府の人あるいは民間の人が招かれて行ったり来たりしておる間柄で、そんな共産圏であるからという理由によって、一括してだれも一人も入れないというようなことをきめることは不穏当であると考える。むしろそういった態度で臨むべきではないと考えておるが、法務省が特にそういう意見を強く言うので、それによってそういう結果になったのだ。問題のネックは法務省にあったということをわれわれは理解していいわけですね。
○園田政府委員 主としてその通りでございます。
○穗積委員 そうであるならば、法務省の入国審査課長がお見えになっておるようですから、入国審査課長から一体どういうわけでそういうことになったのか伺いたい。外務政務次官に申し上げておきますが、その後私は本大会の関係者の委員の一人といたしまして、外務大臣にも申し上げたのです。そうしたらよくわかっております。総理もそういうおつもりであるし、私も問題はないと思っております。ただ入国の問題については法務省の諸君がいろいろな意見を言うから、外務省としてはその意見も聞くけれども、外務省としては、今のところ何も入国について反対をしたり、問題を持っているわけではないという御返事をいただいております。そこで外務省が国際的に見て、入れてもいいじゃない、入れるべきだ、入れなければならないと思っておられるのに、法務省がそういうことを言われる。それをあなた方は国際的な関係から見て、そういうことを言うのは不穏当だという話をされたと思うのですが、あなた方のそういうふうに積極的に入れるべきだ、入れないということはよくないという意見を持っておる外務省を屈服せしめて、次官会議で申し合せをするほど、それほど正当にして強い理由が法務省から説明されたはずだと思うのです。だから今から法務省の方に説明を伺いますが、あなたも聞いておってもらいたい。
○田村説明員 お答え申し上げます。きょう 午前中法務委員会で大臣が答弁されましたが、共産圏からの入国につきましては、一定の基準を設けまして、それによって一応事務処理をいたしておる次第でありますが、それは貿易とか、文化、スポーツ等の目的のために日本に入国しようとするものであって、かつ日本に利益になるもの、そういう基準によって現在まで入国を処理して参っておるのでありますが、それに今回は合致しないというので、考慮をしないようになったと大臣も答弁しておられるのであります。
○穗積委員 それではあなたに、法務省を代表してお尋ねいたします。法務大臣がお見えになればそれが一番いいのですが、おられぬから伺います。一体文化、貿易、または科学、そういうような特殊な部門において、日本の利益になるというものであるならば入れてよい。それ以外のものについては、ばく然としたものについては入れないといっておりますが、平和こそ一番重大な利益なのです。われわれがさっき言いましたように、貿易関係業者であろうと、漁民であろうと、農民であろうと、あなた方官吏であろうと、あなた方官吏の奥さんであろうと、子供であろうと、平和ほど民族、人類の生活にとって重要にして利益のある問題はないと私は思うのです。その問題に寄与するために、しかも日本がひとり先んじてやるべき原水爆禁止、そういう権利義務を持っておる。そういうものに対して、国家に利益がないから認めないというのは一体どういうわけですか。平和が国家の利益にならぬという理由を示していただきたい。同時にその原則を別といたしまして、あなた方のお作りになっておるところの内規であるか、基準であるか、これは法律ではございませんね、旅券法にはそんなことが書いてないから、法務省の基準だと思いますが、その基準があるならば、ここでもっと正確に内容を御説明いただきたいと思います。その二点です。
○田村説明員 第一点の問題につきましては、こういう関係の入国につきましては、現在までに作られておる一定の基準によって処理して参っておりますので、新しい基準をどうするかというふうなことは一応考えておらないわけであります。それから第二点の、この基準の内容は貿易、学術、文化、スポーツ等で、わが国の利益になるもの、こういうものについては、審査の上で入国を認めよう、なお共産圏につきましては、一応国交がございませんので、原則としては、国交のある国でも入国希望の申請者をすべて入れるというのではございません。従って原則としては入国は認めがたい。前に申し上げましたような基準に合致しておる者について入国を例外的に考慮しよう、そういう基準に基いて事務を処理しておるような次第でございます。
○穗積委員 貿易、学術、文化、スポーツとありましたが、これは列挙主義でありますか、その他はございませんか。内規なるものを文書で一つ出していただきたいと思うのですが、きょうは最終日ですから、時間がありませんが、時間がなければ来月十日、外務委員会を開きますから、それまでにちゃんと文書にして各委員に配付していただきたいと思います。それが一点。 それから内規の法律的効果についてお尋ねいたします。しかもこれは旅券法を制限するものですから、未条約国との間における入国を認めるとか認めないということは、外務省の政治的な判断によるべきだ。われわれは実は来月二十三日に超党派でもって、七つの政党すべての選ばれた国会議員団が、向うの招待によってソ連を訪問いたします。それに対してあなた方は今言うように、未条約国であるからというので禁止されるつもりであるか。外務大臣は大いに行ってもらいたいといって、この委員会で答弁しておられるのですが、それではあなた方の基準が旅券法を制限するものであるという法律的効果があるならば、これもちょっと伺っておきます。
○園田政府委員 ちょっと御質問中でございますが、出国と入国はやや趣きを異にしておりまして、出国に関しては、事務の手続上は法務省にも協議をしてやりますが、これは最後の決定権は外務省であります。これはただいま旅券法でやっておりますが、入国の問題は決定権は法務省でありまして、出入国管理令によって入国のことはやっておりますので、若干のことは食い違いがございます。
○穗積委員 そういうことを言ったのじゃないのです。未条約国との関係を原則的に否定された、それは私どもは越権だと思う。外務省の判断に従うべきであって、向うの招待だけ応じて、こっちは入れない、そんなばかな外交がありますか。そのときに外務省も意見を言うべきことは当然であって、かの国に出ればこっちも入るにきまっておる。そんな判断では困ります。その内規なるものの法規上の効果をお尋ねしておるのです。それは国会を通じなければ動かせないのですか。どこで動かすのですか。法務大臣が勝手に作ったものか、絶対不動のものであるか、内規なるものの法律的な効果について伺っておきたい。
○田村説明員 この内規は法務省におきまして大臣決裁をされたものによってやっておるのであります。
○穗積委員 法律上の効果を私は聞いておるのです。いかにも不動のものであって、それ以上のことは考えられぬとおっしゃっておられますが、貿易、文化、学術、スポーツ、それ以外は書いていないのかどうか、それに関係のないものについては、これを拒否されるのか。文化であるならば平和運動は文化運動の中に入らないのかどうか、その解釈をはっきり伺いたい、もう少し納得のいくように御説明願いたい。具体的に聞いているのですから、文書を読んだらどうですか。
○田村説明員 入国の基準を申し上げます。一つは、わが国の国際的地位を向上するに役立つと認められる国際連合関係の会議への参加者、次に、学術、文化スポーツ等わが国文化の向上に真に資すると認められるものであって、かつ思想的、政治的な活動と関係のないものと認められる者、次にわが国とソ連、中共との経済、貿易の目的を達成するために真に必要欠くべからざるものであって、わが国の利益を害するおそれがない者、次に国際赤十字事業遂行上真に必要と認められるものであって、かつわが国の利益を害するおそれがないと認められる者、この基準を法務大臣決裁によって現在事務処理をしておるのでございます。
○穗積委員 前文はありませんか。基準の表題から言って下さい。
○田村説明員 入国関係は法務大臣の専決事項でございますので、大臣の決済によって、申し上げましたような事務処理をいたしております。
○穗積委員 前書きがあるでしょう。 〔「見出しと前文があるはずだ」と呼ぶ者あり〕
○田村説明員 これは共産圏諸国からの入国許可に関する取扱い方針、入国許可に関する件です。
○穗積委員 これは法律上どういう性質を持ち、どういう効力のあるものですか。
○田村説明員 これは法律じゃございません。
○岡田委員 関連して今の点だけ伺いますが、内規は何らかの法律の規定に基いて作られなければならないと思うのですが、どういう法律の何条に基いてその内規が作られておりますか。
○田村説明員 出入国管理令という法律がございまして、一応それによって入国の許可、不許可をきめるわけです。
○岡田委員 それはその管理令の何条に基く内規になっておりますか。今の専決事項になっていますか。
○田村説明員 管理令の第五条の第一項——ちょっと今管理令を手元に持っておりませんですが、第五条でございます。
○岡田委員 出入国管理令の第五条第一項に共産主義諸国から入れることについての適当な抑制措置についての条文がございますか。
○田村説明員 第五条は共産圏とか共産圏でないとかいうことでなく、一般外国人を出入国管理令は規定してございます。
○岡田委員 私の聞いたのは、第五条に一般外国人の出入国についての規定がある、その規定に基いてこれができたのであるということになるのかどうか、それが法的根拠になるかどうか、この基準になるわけですか、そこの点を伺っているわけです。そこで、それではその出入国管理令の第五条の一項において、一般外国人の入国を許可するかどうかという問題について、ことさら共産主義諸国というものについての適当な内規を作ったという根拠はどこにあるか、こういう点を伺いたいのです。
○穗積委員 関連して外務省についでだから伺いますが、今のいわゆる共産圏入国取扱い方針とかいうその内規ですね、これには外務省は相談にあずかって、承諾を与えておりますか。
○中川(融)政府委員 その問題でございますが、この法務省の内規を作るに当りましては当然外務省と協議があったのでございます。外務省の意見も入れまして、法務省でこの内規を作ったのであります。従ってその際の考え方を少し申し上げて、ただいまの岡田委員からの御質問の参考に供したいと思うのであります。結局共産圏とかなんとかいうことで分けるのでなくて、国交のある国とない国とではおのずから取扱いが違ってくるわけでありますが、国交のない国という中にも二種類あるのでありまして、たとえばフィリピンでありますとか、あるいは韓国であるとかいうような国交未回復、国交は正式に回復していないが、たとえば代表部とかあるいは総領事館とかを置くというようなことで、事実上は国交があるにほぼひとしいような国もございますし、いわゆる共産圏の国はそうでなくて、そのような正式な代表部というようなものもなく、実際上も国交がない、かような区別になるのであります。ただいま法務省の内規の冒頭に共産圏ということが出て参りましたのは、その実際上の区別の仕方からそれを共産圏としたのでありまして、結局それは思想的に共産圏であるからどうこうということではなくて、実際上の国交があるかないかによって取扱いの区別ができたのでございまして、その点を申し上げておきます。
○岡田委員 そうすると、今国交のない国の関係としてフィリピンの例が一つ出てきたのですが、フィリピンなんかもこれに準じた何らかの内規があるという御説明と理解してもよろしいわけですか。
○中川(融)政府委員 国交未回復ではございますが、代表部あるいは総領事館等を開きまして、事実上は国交が行われておるにひとしい国、たとえばフィリピンでありますとか、あるいは韓国もそれに入るかと思いますが、平和条約締結前のビルマでありますとかインドネシア、これらの国につきましては、これはその他のいわゆる国交が正式に回復している国と大体同じ取扱いに日本側としていたしております。先方では取扱いはまた違った面もございますが、日本側としてはそうしております。従って、これらの国に特に規定されるべき内規は法務省でも特に作っていないと考えております。
○岡田委員 そうすると、外務省としては国交未回復国との間の入国問題について、フィリピンの場合においてはそういう特別の内規はない、それからそれ以外のいわゆる共産主義諸国の国についてはこういう内規を作っておる、こういうような差別——同じように国交回復をまだやっておらない国々の国籍を持つ人々の間に、差別の待遇が行われているということは、いかなる理由に基いているのか、この点を伺いたい。
○中川(融)政府委員 先ほど御説明申し上げました通り、事実上の国交もない国、正式には国交がなくても、事実上はそれに準じた国のつき合いがすでにあるもの、この二種類ございますので、それに基いてさような差別が出てきているのであります。
○岡田委員 関連ですから簡単にやりますが、先ほど朗読された文章を聞いておると、貿易、文化、スポーツ、学術、その次に等という言葉が入っている。この等という言葉は、どういう意味をさしているのですか。この等というのは、それ以外を意味しないという意味ですか。それ以外のことを意味するというのですか。その他という意味ですか。どういう意味ですか。
○田村説明員 それは、学術、文化、スポーツ等に類似したもの、こういうものも含んだ意味でございます。
○岡田委員 等という場合には、類似したものと法務省では解釈するわけですか。等というのは、その他というものを概括的にいった言葉として使っているのじゃありませんか。たとえば例をあげて言いましょう。学術以外に赤十字社の関係なんというものは、これは等に入れることだと思う。しかしその説明をむしろ先に伺いましょう。等ということは、この四項目に類似したものというばかりでなく、その他という意味を含んでいるとわれわれは解釈すべきだ。これは日本語の常識です。そう解釈すべきだと思うのだが、法務省では、これは特別に類似という意味で、等という日本語を新しく発明されてお使いになっているのかどうなのか。
○田村説明員 それは学術、文化等これに類似したものであって、日本の文化の向上に資するもの、そういう意味が等の中に入ると思います。
○岡田委員 私の言うのは、等という概念です。類似したものはもちろん入るでしょうし、それ以外のものも入るでしょう。
○田村説明員 類似したものはもちろん入る。その他のもので、要するに日本文化の向上に資するもの、そういうものが入る、こういうように解釈しております。
○岡田委員 だから私は新しい日本語を発明したのかと伺ったのだが、等という言葉の場合には、主題の、たとえば貿易、文化、スポーツ、学術、これに類似したものということだけを意味しておるとは、日本語の常識では考えられない。その他のものという判断の基準はいろいろあるでしょうが、その他のものという意味のことを、等という言葉で表現しているんだと私は解釈すべきだ。これは日本語の常識です。ところがあなたの御説明によると、前段に規定している学術、文化、スポーツ、貿易、この四項目に類似したものという意味が等というのだと言うが、そういう意味ならば、そういう言葉であるという注釈をつけなければ、日本人にはわかりません。あなたは特別に日本語の研究をされて、新たな発明をされたのであるらしいから、この機会にはっきりと御宣明になったらどうかと思う。こういう機会にこの等という意味をはっきりしていただきたいと思う。私はその他ということを意味するのであって、このその他というものを判断することは、これは何らかの方法があるでしょうが、しかしこの等という言葉それ自体は、この四項目以外のものも含めて、その他という意味だと解釈すべきだ。そのように日本語では解釈すべきだと思うのですが、その点についてもう一度はっきり伺っておきたいと思います。
○田村説明員 学術、文化、スポーツ等となっているのでありますが、これは学術、文化、スポーツと同じようなカテゴリーのもので、そのほかのものがあるとすれば、そういうものが文化の向上に資するものであれば、それが等の中に含まれる、こう解釈しております。
○岡田委員 それでは貿易、文化、スポーツ、学術等という等の中に——これはまだ私はいろいろ議論しなければならないと思うが、関連質問だから簡単にしますが、平和というものがあるとすれば、これは先ほど穗積君が言っているように、貿易、文化、スポーツ、学術の基礎である。少くとも戦争をやっている場合に、貿易なんかできはしない。それから文化の場合においても、文化の交流という目的で入国する場合においては、これは平和というものが基礎になっている。そうすると、こういうように貿易、文化の面に関しても、あなたの言われる通りに、それに関連する、同じカテゴリーに属すべきものが平和であると私は解釈すべきだと思うが、あなたはその点についてはどのようにお考えになりますか。当然関連を持ってきます。
○田村説明員 平和という言葉の概念は非常に広いと思いますので、その平和ということが、学術、文化、スポーツ云々の中へ入るか、ちょっと判断いたしかねる次第でございます。
○穗積委員 関連して。あなたと外務省と一括してちょっとお尋ねしますが、今度の大会の実議の内容を御存じですか。といいますことは、今度の大会の議題の中心は、一つは、原水爆の被害の実態をわれわれは学問的に明らかにするということが一つになっております。それからもう一つの大きな議題は、そういうおそるべき、非人道的な被害をいかにして防ぐかという方法の問題と、二つが議題になっているのであって、特に前半については、われわれは感情的に、観念的に言うのじゃなくて、あの被害をこうむりました現地で——ビキニの被害についてもそうですが、貴重なる医学的または物理学的な被害の実態を明らかにして、そしてその被害の実態が、いかにおそるべきものであるかということについては、日本の医学界、物理学界が世界に先んじて、そういう献身的な調査をいたしておりますから、その調査の内容を明らかにしよう。放射能被害の学術的な究明ということが、今度の大会の大きな議題になっております。それで六日に始まりまして七日、八日と二日間は、その問題を世界に最も理論的に、最も科学的に認識させて帰そう。そして特に医学の方面からの説明につきましては、今までの臨床の結果すら報告いたしまして、世界に先んじたわれわれの研究をはっきり認識してもらう。その学問的な基礎に立って、これを禁止する運動を大きく平和と言っておりまして、ばく然とした平和運動をわれわれは言っているのではございません。今度の大会の持ちます意味は、そういうことが議題になっておりますが、そのことをあなたは御存じになって、今言ったような学術、文化の中に入らぬとおっしゃるのかどうか、そういうことを検討されたかどうか、外務省並びに法務省のお方に、この問題を決裁されるに当っての過程をまず第一に伺っておきたいのです。平和運動が文化、学術に関係があるかどうかということを聞いているのじゃない。大会の内容を検討なさったかどうか聞いているのです。
○中川(融)政府委員 今度の大会がどういう御趣旨で開かれるかということは、よくわれわれも伺って知っております。その今度の大会の御趣旨自体は、はなはだけっこうのことと存じます。これは先ほど政務次官からも政務次官のお考えを政府を代表して申されましたし、また首相がわざわざメッセージを出されるということも、その趣旨に賛同されたからこそ、さような措置をとられたのだろうと考えております。従いましてその大会の御趣旨自体についてわれわれは賛成であり、こうもこれに反対するものではないのでございますが、ただ実際上国交を回復していない国からこれに代表が参加するということにつきましては、ただいま法務省の方から説明いたしました通りの今までの標準がございますので、その標準に照らし合せてみますと、これにも当らない。これは確かに狭義の解釈という御判断あるいは御批判はあろうかと思いますが、どうも平和というようなことで当る項目はないのであります。
○穗積委員 平和なんという言葉をどこにも使っていませんよ。平和という言葉をどこに使っておるのですか。結果は平和を持ち来たすことになっているが、今度は平和大会なんという言葉は使っておりません。
○中川(融)政府委員 今度の大会の御趣旨がこれに当るものが見当りませんので、法務省とも相談いたしたのでありますが、法務省の方のお考えもこういうことであるということで、次官会議でさような決定を見た次第でございます。
○細迫委員 関連して入国管理局の方とアジア局長にお伺いをいたします。穗積君が提起しました共産圏諸国の人の八月六日の広島大会の入国の問題でありますが、穗積君が先ほど言われましたように、鳩山総理大臣を訪問なさって、その入国についても好意ある協力をしようという言明を得られたこと、これは穗積君が政治家として責任を持ってここで言うておるのでありまして、うそではありません、真実のことであります。なおまた今朝八時参議院議員安部キミ子さんは電話で総理大臣にお話を申し上げました。総理大臣も直接電話口へ出られまして、何とかもう少し努力して円満に入国できるようにしたいものだ、こういう御返事をなさった。外務大臣またしかりであります。これはまた安部参議院議員が政治的な責任において申し上げておることで、間違いないのであります。そして今のお言葉にもありました通り、これを現実に処理したものは次官会議であると私どもは認めるのであります。これらの事実を総合いたしますと、鳩山内閣におきましては事務次官は総理大臣の言うことも聞かない、外務大臣の意思も尊重しない、逆にいえば鳩山内閣は総理大臣も事務次官を動かすことができない、外務大臣も事務次官を動かすことはできない、こういう事実も結果として現われておるのでありますが、さような内閣であるとわれわれは認識してよろしいか、御感想を一つお願いいたしたい。
○中川(融)政府委員 政府の機構、仕組みといたしまして、大臣の意向に反することを事務当局が強行するとか、事務当局のすることが大臣のお考えと正反対ということはあり得ないのでございまして、事務のやり方といたしましては、比較的事の重要なものにつきましては、事務次官会議においてこれを決定いたします際にも、必ず大臣の意向を聞きまして、それによって処理いたしておるのであります。また事柄によりましては、事務次官の決定のみでは最終的ではなくて、さらに閣議に諮るということもあるのでございます。われわれは事務次官の決定というものは、少くともそのときまでにおきましては、各関係大臣の御意向も十分お聞きした上での決定である、かように考えておるのでございます。もちろんこの政府部内の決定というものが絶対に変らないものではないのでございまして、もしも総理大臣あるいは外務大臣等からはっきりした御指示があれば、事務当局としては当然考え直さなければならぬ問題でございます。政府の仕組みといたしまして、事務当局が勝手なことをするというようなことはあり得ないことでございますことをあらためてここに申し上げます。
○細迫委員 事務当局らしい御弁解ではありますが、重ねて申し上げませんけれども、具体的な事実として現われているところを総合すれば、私が前申し上げたような結論に到達せざるを得ないのです。しかも閣議に報告になって云々ということは、きのうに属することのように聞き及んでおります。次官会議ということもおそらくはきのうあるいはおとといのことに属するのじゃないかと思う。そして鳩山総理大臣のお話、外務大臣のお話は、今朝八時のことであります。そうすると総理大臣、外務大臣のおっしゃることに事務当局が従わないことはないとおっしゃいますが、総理大臣や外務大臣は安部キミ子さんにうまいことを言うておいて、事務当局やそこらには、円滑に入国をさせるような努力は一つもなさらなかった、こういうふうに認めざるを得ないことになるのであります。外務大臣あるいは総理大臣というものは、そういういいかげんなことを言うてただ人を喜ばしておくものだ、鳩山内閣においてはそうだ、こういうふうに理解してよろしい結論になるのじゃないかと思うのでありますが、一つ御感想をお願いいたします。
○中川(融)政府委員 ただいま御指摘のありました総理あるいは外務大臣の今朝の言明ということを決して疑うものではございません。今伺ってまさしくその通りであったのかと私も感ずるのでございますが、政府の事務のやり方といたしましては、はっきりした大臣からの指令を待って事務的な検討をいたすのでございまして、従ってまだそのような段取りにはなっていないという現状を申し上げたいと思います。
○細迫委員 押し問答してもいいですが、私の最後的な鳩山内閣に対する認識は御弁解によっては変りません。最後に、さっき関連質問で問題になっておりました等という問題について一言判決を申し渡しておきます。(笑声)これはなるほど同じカテゴリーに属するものを含むということもちろんでありますが、たとえば暴力行為等処罰二関スル法律というようなものは、ただに暴力だけを内容としておるものではなくて、集団暴力あるいは脅迫等をこれに含めておることもちろんでありまして、等という言葉はその前に掲げられてあるもろもろのことだけをさすのではなくて、その他のことを排除しない意味を持っておる。いかに御弁解になりましても、それ以外のことを考慮すべからざるものとして規定しておる言葉ではないのでありまして、これはその事情によって広く解釈すべき問題であると私は思うのであります。
○岡田委員 最後に、今判決として言われた等という言葉についても、お話の通りに少くとも日本語を知っておる者の常識としては、等というものに表わされていることはそこに含みを持っていることだと思うのです。このことはあなた自身もお認めにならざるを得ないと思う。この四つだけではありません。それ以外に等という意味での含みがあるのだという意味での答弁だと私は解釈してよろしいと思うのです。そこで、先ほどからいろいろな質疑応答を伺っておると、外務省としてはこのような入国について具体的な阻害すべき問題はないということを、先ほど園田政務次官は答弁いたしておりますし、そしてこの問題の一番大きな原因になっているのは、法務省にあるのだという意味の答弁もされておるわけです。そこできょうは、法務省の方にこれはぜひ伺っておきたいのですが、先ほどからあなたは法律解釈、あるいは文章上の解釈だけにこだわって、入れないという一点張りでお話になっているのですけれども、しかし今度の問題は、あなたもおわかりのように、この条文解釈によって等という含みのあることばかりでなく、こういうような入国の判断については多分に法文上の解釈だけでなく、いろいろな四囲の情勢を考慮した上で、その入国許可を与えているというのが、今までの状況であると私は考えている。こういう点がこの条文上にあまりにも大きく反せざる限りにおいて、その状況、段階に応じて認めていくというのが今までの傾向であったと私は考えている。そういう点からいって、あなた自身が今この機会においてあまりはっきり絶対に認めませんというようなことを言ってしまうと、そうでなくなった事態になった場合に、あなた自身は責任をとらなければなりません。これは速記録に残っているのですから、やはりそこまではっきりしたことを言うのではなくて、この際においてはこういう状況のもとにおいてこうであるけれども、今後において情勢が変ってきた場合においては、再考慮する余地があるという含みを与えて、速記録に残しておきませんと——私はあなたに御親切に申し上げるのですが、そうでないと、あなた自身の答弁に対してあなたの責任問題が出てくる場合も、あなた自身はお考えにならなければならないと思う。そういう意味でも、この場合において今後の情勢の変化におきまして——今後といいましても一両日の問題です、あるいは一両日ではなくして、四、五日になるかもしれない、あるいは十日になるかもしれませんが、そういうような情勢の変化のもとにおいては、この条文の理解、そしてそれに基いて入国の許可をとり得る情勢の変化があった場合においては、当然それをおやりになる考えがあるであろうと私は考えるのだが、その点について、これは外務省からは特に答弁を求めません。なぜならば先ほどから言っているように、阻害する条件は外務省にはないと言っているのだから、それでこれは特に法務省に伺っておきたいと思いますが、そういう情勢になってきた場合に、あなたはあまりこだわらないで、いさぎよくはっきりと割り切った形をとっていかれる決意があるかどうか、この点を一点だけ伺っておきたいと思います。
○田村説明員 私たちは大臣決裁によって与えられた事務基準に従って処理しておりますので、それが情勢によって変化をすれば、当然変っていくものと思います。それで、ただ事務基準以上の判断についてのイエス、ノーは私たちの立場では申し上げられません。もちろん、だからこの基準が永久に動かないものであるとも考えておりません。
○岡田委員 私の言っているのは、等ということで、その事務基準の問題には相当の含みがあるという点は、これはあなたもうなずいておられた通りなんですよ。その基準がこのままであってもこの解釈において、先ほど中川局長が狭義の解釈という意味の答弁をしておられたが、この解釈自身においても、言葉をかえて言うならば、これがこのまま生きておっても、このままの形で、情勢の変化においてこれを認めなければならないような情勢が出てくる場合もあるのだ。それにもかかわらず、あなた自身がこの基準だけは、この基準だけはといってこれを拒否しておられるとすれば、そうでなくなった情勢になったら、あなたは責任をとらなければならなくなってくる。なぜこういうことを言うかというと、先ほど細迫委員からも言っておるように、またけさ安部キミ子参議院議員もすでに言っておるように、しかも花村法務大臣の意見も、あなたが今ここでそう言っておる間に変ってきておる。私は今ここでは言いませんけれども、あなたの一番上の大臣の気持が変ってきておるときに、あなた自身一人だけ幾らがんばってみても仕方がない。それではあなたは孤立してしまう。従ってこの基準の生きたままにおいても、情勢が変った場合においては、釈然としてそれを受け入れるという気持になるべきではないかということを私はさっきから長々と言っておるのです。ですから、その点についてあなたの率直なる心境を伺っておきたいと思うのです。
○田村説明員 私は今まで事務処理をしたことについて御説明申し上げましたので、もちろん大臣の方の解釈が変って参りますれば、当然それに従って処理すベきたと思います。
○森島委員 今の問題でございますが、事務当局の方にいかに長く質問をしましても結論は出ないのではないか、こういうふうに考えるのでございます。要するにあとは事務当局としては親切にこの問題を取り扱うかどうかという、その親切心があるかないかに帰着すると思う。今アジア局長の答弁を聞いておりますと、一応次官会議できまったのだ、別に大臣から指令がないのだ、こういうお話ですが、大臣も非常に忙しいと思いますから、あなた方外務省と法務省の方々は、大臣、これはどうしたらいいでしょうか、こういうふうに取り扱おうじゃありませんかというふうに、進んで積極的に処理せられることを私は希望してやまないのです。これに対しておやりになるだけの御親切があるかないか、この点をお伺いしたいと思う。
○中川(融)政府委員 事務処理のやり方について先ほどから御説明申し上げましたが、事務処理をやる際には、大臣の考えというものを必ず直接聞くなり、あるいは大体これをそんたくして事務を処理しておるのでありまして、事務処理自体はさような方法でやったのでございますが、先ほどのお話で、今朝になりまして大臣方の考えが変ったというようなお話がございましたが、こういう新しい事実があるのに事務当局はどうするかというようなお話であれば、果してさようなことがほんとうであるかどうかということを、大臣にこちらから積極的に伺ってみるというようなことは、これはもちろん考えていいことだと思います。
○田村説明員 私もただいままではそういうことは聞いておりません。上司に連絡をとって聞いてみたいと思います。
○穗積委員 本件について昨日閣議でどういうお話をされたか御存じですか。
○中川(融)政府委員 一昨日の事務次官会議の結果の報告があったように聞いております。しかし詳しいことは私どもも聞いておりません。この事項はむしろ次官会議で別に決定すべき事項ではないかというような意見も出たということを聞いておりますが、それ以上のことは聞いておりません。
○穗積委員 その問題は、私の聞いているところでは、きのうの閣議では閣議の決定事項とすべき性質のものではない、これは次官会議の話もあるので、所管の大臣において善処したらよかろうということで、閣議は報告としてだけ聞いて、閣議で全面的に共産圏の諸君は入れないということを決定なんかしておらぬと私は聞いておるのです。しかも閣議に入る前に、私は重光外務大臣にお会いして、そういうことはあなたの方からお出しになって閣議にかけるつもりかと言ったら、そんな考えは持っておらぬ——あなたが持っておらぬなら法務大臣からそういう報告があったという場合においても、閣議で決定すべき性質のことではないと私は思うから、そうでないようにしていただきたいというふうに言いましたら、もとよりこんなことは閣議できめるべき性質のことではないので、御趣旨に沿ってそういうふうに取り扱いましょうということで、別れたのです。従って、結果をあとで聞きますと、実は何も閣議で決定する性質のものじゃございません。ですからその点もあわせて、私の知れる情報は——私の情報が一部分であり、または間違っておるならそれだけですが、私の知れる範囲においてはそういう事情ですから、これもお含みの上でお伺いを立てていただきたい。 続いて法務省にお尋ねいたします。先ほどあなたは入れたいとか入れたくないとかいう、初めからそういう目的意思は持たないで、そうして入国の話があったのでこの内規に照らしてみたらどこにも当るものがないので、そこで事務的にこれを処理して、どうもイエスと言えないから結局ノーということになったのだ、こういう話ですが、他の問題について検討なさいましたか。先ほどの内規の中にも、政治的、思想的という言葉がございます。この大会の政治的、思想的な判断をされたかどうか、さらに入国される国の、しかもまたその個人について、その政治的な影響または思想的な傾向というものを御判断になって、本件決裁についての検討をなさったかどうか、それを伺います。あなたのさっきから言っただけの事務的なものであるのか、政治的な思想的な検討をなさったかどうか。
○田村説明員 私たちのレベルでは、一応こういう規定に該当するかしないかということを見るだけでございます。
○穗積委員 法務省の関係の他の機関、公安調査庁とか、あるいは昔の特高的性格を持ちましたいわゆる特審というようなものがあったのですが、そういうようなものの情報もあなたの耳に入りましたか。外務省と両方からお答え下さい。
○中川(融)政府委員 法務省で何か思想的な方角からこの問題を検討したということは私は聞いておりません。
○田村説明員 何回も繰り返して恐縮でございますが、私たちのレベルでは、この基準に当っているかいないか、それで処理をする、それ以上の、いろいろ政治的配慮とかそういうことは、私たちの段階ではいたしておりません。
○穗積委員 田村課長にお尋ねいたしますが、この問題について法務省関係の意見を聞かなければならぬと言っておるが、法務省の中においてこの事務を取り扱うのは、あなたが責任の課長でありますか。
○田村説明員 手続につきましては、私がファースト・ステップをとっているわけでございます。
○穗積委員 先ほど来伺った経過をずっとみますと、外務大臣、外務次官は入れたいと思っておる。ところが法務省の人がこれに反対をして、結局一昨日の次官会議においては、法務次官の意見が全事務次官会議において了承されたということですが、それでは法務事務次官の意見を決定するについては、あなたが意見を具申されたわけですね。
○田村説明員 この件につきまして次官が決定されたのについて、私の意思によって決定される、そういうことはあり得ません。
○穗積委員 どこでやったのですか。
○田村説明員 私たちはただその手続をやっておりまして、そういう最後の決定はもう少し上で行われておるわけです。
○穗積委員 そうするとこれは役所の機構のことでございますが、あなたの方でこの内規に照らして、これは入国査証を与えることは困難であるという意見具申はされた事実はありますね。
○田村説明員 それは先ほどから申し上げましたように、一応の基準に該当しておらないということは事務処理上考えるわけでございます。それをずっと上に上げて、そうしていろいろ判断を加えられて最後の決定がされることと思います。
○穗積委員 そうすると先ほどのあなたの御答弁によると、法務事務次官の意思決定は、何といいますか、入国審査課の意見だけによって決定されたものだとは思わない、こういうことですが、他の部局から、政治的または思想的な判断に立ってこれに反対をする意見が法務次官の中に入った事実を御存じですか、そういう事実はないとお思いになりますか、念のために伺っておきます。
○田村説明員 そのことについては、詳しいことは存じておりません。
○穗積委員 もしそれがあるとするならば、こういう旅行の問題とかあるいは入国の問題は、本来をいえばこれは基本的人権に関することであって、政府がそういうことを一々許可するしないというようなことが——旅行の自由については、第一許可の範囲を政府の一存によって左右すベき性質のものでは本来ないわけなのです。ところであなたの方では、そういう全くあなたの責任がある所管課で事務的に判断されて、こういうものは事務上入れないとか入れるというあなたの方の結論が、正しいか正しくないかは別問題といたしまして、こういう事態を取り扱うについては、その所管課長であるあなたは、こういう問題を政治的または思想的な面から、他の部局からそういうことをとやかく次官に言うということは、不適当なことだというふうにお考えになるべきだと思いますが、御所感はいかがでございますか。純事務的に、客観的に、合理的に取り扱うべき性質のものというふうに、所管課長としてはお考えになりませんか。
○田村説明員 私のレベルでは一応事務的に処理をいたすよりほかないと考えております。それ以上の政治的のいろいろの考慮は、いま少し上の段階で加えられるべきものである、そういうように思います。
○穗積委員 今おっしゃったように法務省としてはそういう政治的な判断というものは、すべて国際外交に関連することです。こういう外国に出たり外国人が入ったりすることについては、そういう判断はこれは外務省にまかすべきことであって、あなたの方でやるべき性質のことでないとわれわれは考えますが、それで御異存ございませんか。
○中川(融)政府委員 法務省が最終的な決定をいたします際に、ことにいろいろ問題が多い事件につきましては、当然にほかの省とも相談する、たとえば外務省と相談するということはもちろん必要であろうと思います。しかし大きな案件になりますと、むしろ事務次官会議というふうな形をとって、ほかの各省にも全部高いレベルにおいて相談するということでやるのが適当でございまして、最近においては出入国関係は非常に事柄が重大でございますので、事務次官会議において判断を決するという方法をとっておるのでございます。
○穗積委員 外務省にお尋ねします。先ほど来の約束で、大臣も次官もお見えになりませんから、残られた優秀なる両局長が外務省を代表してお答えになるということで外務次官は去られたのだから、外務省を代表してお答えをいただきたい。先ほどから結論として伺いましたところは、これは法務省の内規であります、貿易、学術、文化、スポーツ等に該当しないという理由によって拒否されておる。ところが外務省としては、こういう問題について、この内規を作るについても大体了承しておるわけだから、鳩山さんが内規を知らないと言われるならなるほどということもありましょうが、事務当局たる両秀才局長がこのことを知らないということはないでしょう。それに賛成する、反対する、入れることが望ましい、こういうことが頭になして言われるはずはございません。そこで協議の上にでき上った内規が頭の中にあって、しかもなおかつ情勢判断をした上で、これを入れるのが適当だとお考えになった。ところが法務省の事務当局は、理由がこの内規のどこにも当てはまらないから——これは列挙主義であって、そこへ当てはまらないから、遺憾ながらワク外でオミットしなければならなくなったのだ、こういう説明をされて拒否された態度については、外務省は適切でないとお考えになるべきと思うが、御所感はどうでありますか。
○中川(融)政府委員 ただいま法務省から説明のありました内規は、昨年の暮れにできたものと承知しております。その際には外務省にも相談がありまして、外務省もこれに同意いたしてできたのでございます。最近までいわゆる共産圏からの入国というものは、いずれもこの内規に従って処理されてきておるのでございます。われわれといたしましても、現在までのところでは、この内規を特に変更する必要はないのではないか、かように考えておるのであります。今回の広島大会の件につきまして外務省にも話があったのでありますが、外務省といたしましては、従来外務省が第一線に立ちまして、いろいろお話を聞いたり、いろいろなことをして、外務省だけの責任でやることが多かったのでありますが、どうもこういう問題は、関係各省に十分相談して、衆知を集めてその意見をきめるのが適当であるというので、先ほど申し上げましたように、事務次官会議に付して決定する。これは外務省が旅券を出す場合もありますし、また法務省の方におきまして入国を許可する場合もございますが、その両方の場合について、事務次官会議で相談するという方法を最近はとっておるのでございます。事務次官会議の大体のわれわれの方針といたしましては、外務省として積極的な意見を言うのではなく、むしろ関係各省からの意見を十分聞いて、それによって最終的な判断を下すという方法、いわば非常に民主的と申しますか、そういう方法をこのごろは採用いたしておりまして、先ほど政務次官の言われました趣旨も、やはり当局である各省の意見を十分聞いてきめるという方針で、結局一昨日の事務次官会議で、法務省の方針に結局大多数の事務次官が賛成いたしまして、それによって決定したのでございます。
○穗積委員 私は入国審査課長にお目にかかるのは初めてでございますが、お見受けするところ、まことに明晰な頭脳と誠実な人柄の方のように思いますので、率直に、あなたのすぐれたる日本の官僚としての立場から判断をしていただきたいのは、今度入国する人人の目的、それから大会の内容等は、私先ほど説明した通りですが、そのことで、もしこの内規のどれかに当てはまっておるならば、これは入れることが望ましい。すなわちこれを左右する要素は二つあります。一つは法務省の内規そのもの、これの法律的効果と、それからこれを変更すること、拡大解釈することは、あとの大臣の問題としてお尋ねいたしますが、これと、もう一つは政治的な判断がプラスされるということも一つ、その政治的な判断は課長のところではなく、もっと上の方でやるのだ、次官、大臣においてなさるべきだ、こういうふうな御答弁でありました。これが今まで要約したる要旨でございます。そのときに課長自身としては、この内規に当てはめて、それに政治的、思想的または国際的な影響等は考慮しないで、全く事務的に客観的に判断してみた結果、この中に当てはまらないから入れられないという結論があなたの課において出た、こういうことなのですが、あなたは政治的なことについてあなた自身としては責任は持たないかもしれませんが、あなた個人として、先ほど申しましたような入国が、日本にとって好ましいものだというふうに私どもは考えるわけですが、あなた個人はどうお考えになりますか。
○田村説明員 この現在の問題に具体的に関連をしておりますので、それが政治的であるかないか、私どもとして内容を十分承知しておりませんので、私見をこの具体的な問題に関連して申し上げることはできかねます。
○穗積委員 それでは最後に事務当局へお尋ねいたします。先ほど私が申しましたように、いささか広島大会の内容について誤解があるのではないか、あるいは認識が不足しておったのではないかと思われる節がございます。すなわちあの大会は単純なる平和大会ではございません。そうではなくして、先に言ったように、原水爆兵器の被害の実態というものを物理学的に、または医学的にこれを分析いたしまして、そして今まででき上った貴重なデータを国際人にはっきり認識してもらいたい、特にその点について力点を置いております。大会の運営の委員として私はそういうことを今まで討議して参りましたから、責任を持って申し上げますが、そういう中身を持ったものを、その政治的な配慮はあなたのところではされないにしても、ごく事務的な判断としてごらんになって、先ほどの学術または文化等という、同じカテゴリーのその等の中へは当然入るべきだと考えますが、あなたはそうお考えになりませんか。そこで、そういう事実を新しく発見せられ、大会の内容を新しく検討した結果、その認識をもってもう一ぺん再検討するならば、これに入らぬこともない、少くとも学術、文化等の等の中へ必ず入り得るものだというふうに、私は事務的に見ても思うのでありますが、いかがでございますか。
○田村説明員 従来検討してきた結果は、結局私たちの考えでは、この基準に照らして基準にぴったり入らない、そういうことになったわけであります。きょう 午前中法務大臣よりそういうふうに御答弁されました。それで御了承願いたいと思います。
○穗積委員 それでは最後に田村課長に誠実な御答弁を願いたい。私も他意のない質問をいたしますから、誠実に、ブランクにお答えいただきたいのだが、あなたは先に私が報告し、細迫委員から報告がありましたように、鳩山総理、重光大臣が私どもに責任のある立場から御返事になった事実もよくお聞きにならなかったと思う。初めてお聞きになったでしょう。それから同時に、率直に申しまして、広島大会の内容について、先ほど申しましたような、科学的、技術的にこの原水爆の被害の実態を究明するということが、一つの大きな議題の中心になっておるという事実も新たに今日認識されたと思う。その新たなる認識に基いて、本問題についての今までの判断の経過をみずから反省されて、もう一ぺん再検討するだけの価値が——結論がどうであるかは別です。同じ結論が出るかもしれない、違った結論が出るかもしれない、その結論を私はここで求めませんが、少くとも今までわれわれが申しましたことが、お確かめになってもし真実であるとするならば、これは事務当局も再検討するだけの値打のある新たなる資料であると私どもは考えますが、課長はそうお考えになりませんか。そうお考えになるのが当然だと思いますが、いかがでございますか。
○田村説明員 この問題は一応大臣の方において決定されておりますので、現在の段階でこれについて私からどうこうということははなはだ僣越でございますので、今のお話のようないろいろ情勢の変化があり、大臣の方から指示がございましたら、当然事務当局としては大臣の指示に従って動くようになるわけでございます。
○森島委員 先ほど中川アジア局長の御答弁の中に、次官会議は大臣の指示を受け、もしくはその意向をそんたくして決定をするのだということをおっしゃったと思いますが、おそらくここ二、三日は大臣連中は非常に忙しくて、一々事務当局としての意向を的確に尋ねるといういとまもなかったろうと私は思うわけであります。おそらくあなた方が、事務当局限りで独断的に意向をそんたくして、次官会議にお持ち込みになったものと私は判断いたしますが、先ほど中川局長から持ち帰って大臣の意向を聞くという御答弁もありましたが、今田村さんの御答弁によると、依然として大臣から指示があるまで待つような御答弁ですが、一つあなたの方から積極的に、先ほどお話しました通り、大臣はこうこう言っておられるのだからということを御指摘になって、そうして決定を新たにされることを私は希望してやまないのです。その決定を新たにすることが、立場を異にする人の意見があるかもしれませんが、私は今後ソ連問題、中共問題等が大きく動いてくるやさきですから、この入国を許すという問題がいかに大きな影響を与えるかということは、私は当然あると思う。アメリカでも中共に抑留されている七、八人のアメリカ人を釈放するかせぬか、その問題で大臣級の人が行って話をしようというくらいですから、事は小さいと思ったら違っていると思う。日本と中国との将来に対して大きな影響があると思うのです。その大局の見地から一つ善処せられんことを私は希望してやまないのです。
○植原委員長 委員長として田村説明員に一言申し上げておきたいと思うのですが、あなたはきょうのここの委員会において現われた一切の事情、一切の空気をごらんになって、法務大臣にこの事情を具申して、そうしてその場合にあなたは法務大臣の意向によって御再考なさることには御異存ないと思いますが、いかがですか。
○田村説明員 大臣からそういう御指示がございましたら……。
○植原委員長 違います。私の言うことは、あなたは説明員として今日ここの委員会における一切の御意見、これは総理大臣や外務大臣は、なおこの問題に対してはかなり慎重に考慮しよう、そうして同情的に事を扱おうという御意見も吐かれておる、こういう一つの事実があるでしょう。また意見の違いですけれども、そういう人もこの際に広島に来ることを許した方が、国際的に広島の会議を意義あらしむるためにおいて、よりよき状態をかもしはせぬかという委員の意見もある。これは委員の御意見として尊重して聞かなければならない。そういうことをあなたは一切大臣に伝えて、大臣の意見をお聞きになって、そうしてこの問題を再考してみるというお心持になるかならぬかということです。
○田村説明員 きょうの会議の事情を詳細に大臣にお伝えいたします。
○植原委員長 そうして大臣の意向によってあなたは動く、そうあってしかるべきだと委員長は思います。
○菊池委員 最近起りました大きな密入国の事件についてお伺いしたいと思うのでありますが、元外務省の書記生で池田篤紀なる者が、香港の総領事館と関係あることを利用いたしまして、望月領事を説いて香港福新公司李成源と称する男と共謀して、二十名余の身元不詳の者にパスポートをあっせんし、一名よりあっせん料香港ドルの千ドルずつを取った、そういうことを私のところに書いて持ってきた者がございます。それで先ほど入国管理局の方にこのことを話しましたが、その調べた結果を御報告願いたいと思うのでございます。事実であるか、違いがあるか。事実であるといたしますならば、どういうところからそういう手違いが起ったのでありますか、そういう点をお知らせ願いたいと思うのでございます。
○田村説明員 ただいまの御質問の外務省関係の池田さんとかあるいは中国人の李成源云々の問題につきましては、具体的な事情を承知しておりません。ただ一般に香港において起きました偽造査証につきましては、私の方で承知している限りにおいてここで御説明申し上げます。 この香港における中国人の偽造査証の問題でございますが、これは本年の一月の十一日、十五日、十六日の三回にわたります香港総領事から外務大臣にあてました電報によって偽造査証を持って日本に入国を企図している中国人がいる、こういうことでございましたので、私の方としましては直ちにこれを各港に連絡をいたしました結果、これらの偽造査証を持って入国をしようとする中国人の十二名は、それぞれ上陸港において一応偽造査証なることが判明いたしましたので、上陸を拒否いたしました。すなわちその乗ってきた船で十二名の者は帰したのでございます。それからその後現地の香港総領事館において査証を付与したリストを外務省を通じて入手いたしまして、あるいはすでに日本に入っておる者の中にも偽造査証で入っておる者があるのではないかという点が疑われましたので、査証付与リストによって一つ一つチェックしてみましたところが、それによって発見された者が十三名、現に二名はすでに発見されたときに、日本の国から出国をしておりまして、結局十三名が現在のところ偽造査証で入った者であるということがわかったのです。それでなおその十三名のうちの三名は出国勧告によって現在出国済みでございます。他の三名は現在出国を勧告中でございます。それからあなたは偽造査証によって入っておるのだから、これでは正規に在留はできないからお帰りなさいということで勧告をしても聞かないという者は、これは管理令によりまして退去強制手続をとるわけでございます。その該当者が四名ございまして、現在そのほかに三名は目下入っておると思うのでございますが、その者の所在が判明いたしません。目下所在を捜査中でございます。大体偽造査証によって入国を企図した者あるいはすでに入国済みであった者は以上の状況でございます。
○菊池委員 その入国を企てた者、また入った者はおもに中国でもってどういう職業の人で、どういう程度の地位におった連中でありますか、それを一つ伺いたい。
○田村説明員 合計二十七名になるのでございますが、これらの者は果して具体的にどういう職業の種類であったか確かなことは、ここに資料がございませんので申し上げかねるのですが、大体コックとかあるいは船員とか、そういう者が多いように記憶いたしております。
○菊池委員 一人について千ドルずつもそでの下を出すというぐらいですから、相当の地位のある人であると思うのです。現にこれを書いてきた人が、みな中国の相当の地位にある者が入っておるのだということを言ってきておるのです。これを持ってきた人は長い間シナにおってシナ通と言われておる人なんです。とにかくこういう密入国が最近ひんぴんとして行われ、しかもそれがだんだん激増しておるという話でありますが、どういう点に手抜かりがあってそういうふうに密入国ができるのでありますか、そういう点を一つ教えていただきたいと思います。
○田村説明員 香港からの密入国につきましては、この偽造査証に関連しては、ただいま申し上げましたように約三十名ぐらいは発見されております。まだそのほかにもあるかとも思いますが、その方は外務省と打ち合せをいたしまして、すでに偽造査証ができないような方法を講じましたので、現在私たちが承知しておりますところでは、そう多数の密入国者はないのじゃなかろうか、こういうように考えておる次第でございます。
○菊池委員 密入国は今ふえておりますか減っておりますか。密入国をやっておる連中はおもにどこの人ですか。台湾ですか、あるいはまたシナ本土の方ですか、どちらでしょうか。
○田村説明員 台湾、香港、両方の密入国があると思いますが、現在はそうふえておるというようには考えておりません。
○菊池委員 この密入国の媒介をやる人は外務省に関係があったという。そして元の古巣を利用してそういうことをやっておるのですが、これはほかの官庁にもそういう例が多々あるのであります。外務省もその例に漏れないわけでありますが、こういうことのないようにやめた官僚を厳重に監督する方法がないものかとわれわれは考えておるのであります。なぜこういうように勤務しておりました元の官庁を悪用するのか判断に苦しむのであります。これは結局やめた元の勤務者に対する外務省の油断から来ておるのではなかろうかと思うのですが、そういう点に何かわれわれに参考になるようなお話がありましたら、聞かしていただきたい。
○中川(融)政府委員 ただいまお話のありました池田某という元外務省員が、中国人李という者と結託して、一人千ドル取って密入国をやらしていたというお話でございますが、これは正直のところ私ども初耳でございまして、もし何らかその資料をいただければいただいて、さらに調べたいと思いますが、ただいま入国管理局の方から報告のありました香港で起きました事件と申しますのは、ただいま御指摘の人物等とは関係がないのではないかと思っております。ただいま入国管理局の方から申し上げました事件というのは、大体ことしの一月ころに起きました事件でございまして、大体どういうのが香港でそういうことをやっていたか、つまり日本の領事館の査証というものを勝手に自分らで判を偽造いたしまして、それによって日本領事館の査証があるがごとく見せかけて、先方の旅券を持ってこちらに入国していたのでございます。大体この犯人も香港政庁の調査によってわかりまして、一味の者が逮捕され、あるいは一部がマカオ方面に逃げたのでございます。いずれも中国人でございますが、御指摘の池田某というのは私ども実は心当りがないのでございまして、さらに何か資料があればいただきまして、念には念を入れて注意いたしたいと思っております。さような者はないものと確信いたしておりますが、なおそのような疑いでももしありますれば、さらに厳重に取り締りまして、そのような事件が起ることのないようにいたしたいと思います。
○菊池委員 書いてよこした書類の中には、元の外務省の大官の名も出ておりますので、私は発表することは遠慮しておりますが、とにかく今後は厳重に注意していただきたいと思います。それから法務省側にお伺いしたいと思いますが、御承知のごとく、ただいま日ソ交渉が進められております最中でありますし、またソ連の方では日本の議員を招待するといったような太っ腹なところを見せております。共産党の外人が来たからといっても、日本には共産党員がたくさんおりますし、大した活動はできぬだろうと思う。その活動を過大評価するということは、ちょっと頭が古いとかあるいは認識不足だとかいうことを免れないと思う。だから入ってきたって大した活動はできはしない。太っ腹にかまえて、そうして入れてやった方がよくはないか。これは日ソ交渉の妥結のためにも、彼らの感情を緩和するためにも、外務省としてはむしろ当然にとるべき態度でなければならぬし、法務省といたしましても、また外務省の意向をくんで寛大な措置をとって、そうして彼らに赤化されず、むしろ彼らを白化するくらいの頭を持っていなければならぬと思う。もちろん共産党を自由主義に導くには、まず共産主義を研究せんければならぬ、そうして堂に入って堂を出でたる人にあらずんば、共産主義を自由主義に誘導する資格はないと思うのであります。資本主義の根本には多くの欠陥もあります。共産主義に多くの欠陥があるのと同じように、両方とも欠陥があるのでありますから、彼らをどうこうということは別といたしまして、とにかく日ソ交渉をスムーズにすベらしていくために、何とか連中に寛大な態度を示してもらいたいと思うのでありますが、外務省といたしましての御意見をもう一度伺いたいと思います。
○中川(融)政府委員 菊池委員の御意見、非常に傾聴に値する御意見だと考えます。一つまた十分われわれも研究して参りたいと思っております。
○菊池委員 法務省といたしましても、どうか一つ本日のこの委員会の空気を大臣の耳に反映せられて再考願いたいと考えます。これには何か他に伏せた裏の事情もあるのではないかということをお察しするのであります。従ってこの委員会に発表できないような事情もあるのじゃなかろうか、それはわれわれは察しておるのでありますが、そういうことがありましたらば、せめてわれわれ与党の議員くらいには漏らしていただきたいと思うのでございます。野党の諸君にはその必要はありません。(笑声)そのくらいのことを一つ考えていただきたいと思います。私の質問はこれでもって打ち切ります。
○細迫委員 次に述べるがごとき決議を外務委員会の名においていたしたいという動議を提出いたします。 すなわち、衆議院外務委員会は来たる八月六日から広島において開かれる原水爆禁止世界大会に出席のため、入国を希望しておる外国人の入国を拒否すべきでないと認める。右決議する。 どうか皆さんの御賛同をお願いいたしたいと思います。(拍手)
○山本(利)委員 この問題についてちょっと申し上げます。先ほど来皆さん方の一生懸命におっしゃった熱意と議論には非常に傾聴しております。それから事務当局があれほど一生懸命で反対の立場をとられたのも、事務当局としては私は了承します。それは上から指図がなければ言えることではありません。そして菊池君のお話もありましたし、委員長もああいうような考えを持っておられるのですから、ここの委員会で決議をしないで円満に事を運んだ方が、私はより効果的じゃないかと思うのです。ことに人数が、私は実際は定足数を欠いているのではないかと思う。これは与党が非常に少いから申しわけないのですけれども、私が先ほど議事進行について言いたかったのは、穗積さんが外務大臣にも会うたら大体了承だったというし、それから安部議員が首相に話されたときもそうであった、了承されたという。ただこれがつい立ち話であったり、あるいは電話の交渉であったために、その点を事務当局は懸念されたということも私は一応了承するのです。しかし広島大会というものは、これは社会党や共産党だけの催しものではない。かりにそういうことがあっても、これは日本民族がともに味わうたこととして、これをよい方向に、戦争のない方向にわれわれは持っていかなければならぬ。ですから何とか皆さんの希望のように、せっかく途中まで来ている人なら入ってもらってもいいと私は個人的には思うのです。だからこちらから、どなたでもいいから今度は準備会のメンバーとして、もう一度首相あるいは外務大臣にも正式に話をし、そうして先ほど事務当局も了承されたから、今日の空気を大臣に伝えて、できるだけその方向に持っていくということが、円満に解決する道だと私は思うのです。この外務委員会で与党の者が一人や二人いるところをぱっと押し切ってこの決議案が通ったということでは、またここにいない与党議員の神経を刺激すると思う。だからせっかくここまで話が来たのだから、この決議案は撤回していただいて、何とか皆さんのきょうのこの空気を達成するような方向へ、お互いに協力するというような方法が、私は円満だと思うが、いかがでしょう。
○戸叶委員 私は実は委員会を開いていることを知らなかったものですから、会館にいたわけです。用事があって事務局に電話をかけましたら開いているということでびっくりして来たわけですが、今の事情を大体伺いまして、私もぜひともこれを入れるべきだと思うのです。今のこの動議に対する山本さんの御意見、全くごもっともだと思うのです。ただ問題は、山本さんがおっしゃったように話し合いでほんとうに入れていただけるものなら、私どもは入れていただきさえすればいいのですから、話し合いでまとめていただいてけっこうです。しかしもしもその話し合いがうやむやにされるというようなことがあったら困ると思う。そこで山本さんは与党でいらっしゃいますし、菊池さんもああいうような発言をなさいましたので、どうか与党の方がもしも責任を持って下すって、どんなことをしても入れて上げるという、そういうふうな確答がいただければ、この動議は一応話し合いでまとめてもいいではないか、こういうふうに考えます。
○植原委員長 ちょっと委員長の意見を申し述ベることをお許しいただきたい。私は戸叶さんのように必ず入れてやるというようなことを要求することも無理だと思います。そこで私はこういう決議の出ないことを考えまして、政府委員にこの議場の空気をはっきり政府に伝えて、政府の再考を求めることにしてあるのであります。その場合に与党が——もちろん少数であることは与党の責任上間違っております。間違っておるけれども、議場の事実は事実であります。この少数の事実のときに、社会党のみでこの動議を議決したということになりますと、かえってその印象は、私は人間の心理を考えて、逆になりはせぬかということを気づかうのであります。もちろん委員長としては、与党が少いときに、また野党が少いときにいかなる動議が出ても、委員の方が御決定なさるといえば、委員長はそれを取り扱うことにやぶさかではないものでありますが、私は非常にこの事件に同情しておる者として、あらゆる角度をもって皆さん方の質問を許して、最後に、委員長はどうかこの事件が円満に皆様方の希望が達せられるようにということを考えましたので、特に政府に対して注意を促したほどでありますから、皆様方にも再考慮をわずらわしたい、こういうことです。
○穗積委員 ただいま細迫委員から出ました動議について、党を代表して一言申し上げたいのです。今委員長からもお話があり、また与党の山本委員からもまことに理解ある常識的な御意見がございました。そこで今の動議は、さらに委員長並びに与党の理事並びに委員の方々のこの問題を促進する決意を一そう強固にしていただくために、非常に役立ったと考えます。そこで皆さん方の御提案もございますから——委員長からも先ほどの政府に対するおとりなしはございましたが、直接委員長から総理並びに外務大臣、法務大臣にこの委員会の空気というものをお伝えいただき——しかも委員長みずからの御判断によっても、これは気持よく入国させた方がいいというお考えのようでございます。また菊池与党理事におかれましても、先ほどわれわれの趣旨について全く好意的な御理解を持った御発言がありましたので、一つ党並びに政府責任者に委員長とともに推進していただくことをお約束いただきたい。私どもの先ほど提出いたしました動議を撤回いたすのにやぶさかではございませんので、そういうふうにお取り計らいを願いたいと思います。
○植原委員長 委員長は、ここの委員会の空気は政府当局にも十分伝えて、再考をわずらわすという意思があったので、政府委員にもそのことを申し伝えたのでありますから、さよう御了承を得て、どうかこの御了解のもとに、動議提案者の細迫兼光君にも一つ御再考願うことをお願いいたします。
○細迫委員 委員長の非常に御理解ある御説得に応じまして、最終のよき効果を期待するために、さっき提出いたしました動議はここに撤回をいたします。
○園田政府委員 ただいまの委員会の趣旨は十分わかりましたので、その方針に従ってさらに研究をいたしたい。なおただいま内閣委員会に参りましたところ、総理が私を呼ばれまして、非常な白熱の中でございましたが、向うの論議のことかと思いましたらそうではなくて、ただいま議題になっておりますこの大会に入国せしめる件について、法務省が管轄だそうであるから、法務省と君と相談をして、うまくいくように話を進めていけという直接のお話でございましたから、外務大臣にも報告して参ったところであります。十分努力いたしたいと思います。 なおこの際続いてお断わりをいたしておきます。先ほど午前中の発言について訂正いたしましたが、これは三月二十五日に防衛分担金の折衝中部隊の移動についての話が出たことを、私が感違いをしたことでございまして、訂正いたしましたのは、もちろん重大な問題を感違いしたことをおわびをする陳謝の意味を含んでおりますので、御了承を願います。
○植原委員長 この際委員長より一言ごあいさつを申し上げます。 第二十二回特別国会もいよいよ本日をもって閉会となることになりましたが、本会期中当外務委員会は、会を開くこと実に三十九回、付託を受けた条約十八件、法律案四件を全部議了いたした次第であります。その間委員各位の御熱心なる御審議により、当外務委員会の使命を十分発揮できましたことは、まことに喜びとするところでありまして、長期にわたる委員各位の御精励に対し、委員長より厚く感謝の意を表したいと思います。 なお本委員会の論議を迅速に内外に報道されました記者各位に対しても、厚く御礼を申し上げる次第であります。
○細迫委員 ただいまの委員長のごあいさつに対しまして、委員一同からまた委員長に対してごあいさつを申し上げたいという動議を提出いたします。これは与党の方にもお許しを願って、穗積君を全委員の代表としてお認め下さるようにお願いいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○穗積委員 ただいまは、二十二特別国会閉会に当りまして、植原委員長より適切なるごあいさつをいただきまして、感謝にたえません。 顧みますと、本委員会は元来ともに英知と勇気をもって、民主的にしかも合理的に自主的に運営して参りました。従って衆議院におきます外務委員会の誇りと秩序とはずっと保たれてきたのでありますが、今国会におきましては植原委員長、民主的な精神を持ち、老巧にして良識のある委員長を迎えまして、おおむねその議事の運営は良好であったとわれわれは考えます。われわれ野党といたしまして一言申し上げておきたいことは、議会の運営が最も民主的に合理的に行われることは、少数野党の意見をよく聞くということでございます。またさらに政府の関係責任者の出席を求めてよく国務を審議することが、委員会の民主的運営の要諦であると思いますが、その二つのことにつきまして、従来の自由党内閣時代におきます委員会に倍加いたしまして、おおむね良好の委員会の運営を見ましたことは感謝にたえないところであります。 最後に当りまして一言申し上げたいことは、暑気であり、御老体でありますから、一そう御自愛下さることをお願いいたしまして、われわれのこの正しい精神もよく身につけていただき、野党の意見も尊重して、民主的な委員会の名誉を発揮していただきますよう、一そうの御加餐をお願いする次第でございます。(拍手)
○植原委員長 ありがとうございました。実は委員長は、民主主義は、少数党の意見に十分考慮を払うことだと思っております。その趣意によってやります。ただ、穗積君のごあいさつに対しては、感謝いたしますけれども、御老体だけはいただきかねます。(笑声)
○園田政府委員 この際政府当局といたしましてもごあいさつ申し上げます。外務省といたしましては、非常に膨大なる案件、条約、協定等を提出いたしまして、答弁あるいは説明、御審議をお願いするに際しましては、いろいろ疎漏であったにもかかわらず、熱心なる御審議と御庇護を賜わり厚く御礼申し上げます。本国会で御質問あるいは御指摘を賜わりました点等につきましては、十分注意して外交を推進していきたいと思いますので、今後とも委員長初め各位の御支援をお願いしてごあいさつを終ります。
○植原委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後七時五十三分散会 ————◇—————