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22回国会衆議院1955/06/21

外務委員会 第22号

発言数
220
登壇者
15
会派数
5
開催日
1955/06/21

会議録

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これより会議を開きます。  農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を許します。並木芳雄君。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 前年度はMSA第五百五十条に基いて農産物の購入をいたしました。このたびはMSAから独立したアメリカの法律に基いて購入をし、贈与を受けることになったのでありますけれども、私はこれは一つの進歩だろうと思います。MSAの協定のときに非常な激論が出ました通り、MSAはひもつきではないかという反対論の中で購入しました農産物でありますから、ひもつきではないにしても、そういうひもを与えたことも事実であります。このたびはその点さっぱりとして、反対派の言葉をかりて言えば、ほんとうの平和的の意味における農産物の購入、贈与ということになると思いますが、そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 全く仰せの通りでありまして、昨年度の農産物の提供は、MSA法五百五十条に基きまして、従いまして積立円も軍需産業の育成強化という方に充当されたわけでございます。本年度におきましては、まだMSA法に昨年度の提供の根拠になった規定はあるのでございまして、MSA法の四百二条という新しい規定になりましたが、日本はそのMSA法の規定には基かないで、別個にできました農産物の貿易促進に関する一九五四年法、それに基いて今回の適用を受けることに相なったわけであります。従いまして、積立円は協定の第六条の2に書いてございますように、日本国の経済開発のために充当する。そして経済開発という事柄は、さらに交換公文におきまして、電源開発と農地の開発と生産性の向上、その三つにはっきり限定いたしまして、その三つの大きなワク内におきまして、日本側が随意に使用できるということも協定中に書いてございますので、その点、昨年度の軍事的色彩が非常に払拭せられましたことと、日本側の自由な使用が確保されましたという点におきまして、大きな違いがあると思います。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 きわめて明快なる答弁を得ました。私はそういう意味におきまして、MSAに基く農産物の購入に賛成を与えた昨年より、本年度のこれに対して賛成を与える態度は、はるかに強固なるものを覚えるのであります。従ってこういう協定であるならば、来年度も、再来年度も引き続いて行なっていいと私は思うのでありますが、見通しとしては、来年度もこの農産物貿易の促進及び援助に関する法律に基いて日本は購入し、贈与を受ける可能性がありますかどうか。このアメリカの法律は、また来年度あらためて新たにされなければできないものか、そのまま生きている法律であるのかどうか、あわせて伺っておきたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この法律は三年間に十億ドルの農産物を処理するということになっておりますので、三年間は、日本側が欲すればこの提供を受ける可能性はあるわけでございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 それならば来年、再来年とあと二年間これに基く協定が結ばれるわけでありますが、今度の協定に期限はつかなかったのでしたかどうか、もし期限がないとすれば、来年度、再来年度もやっていく方針で進まれるかどうか、この際はっきり伺っておきたいと思います。私は積極的な方針で進まれることを望む立場から質問しております。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この協定は、本年度と申しますか、本米会計年度における米国大統領の権限に基いて供与される農産物の取引に関するものだけでございます。しかしこの協定の期限は本年度だけではございません。この協定に基きまして積立円をドルに直して借款するわけでございますが、これは四十年にも上ります長期借款でございますから、この協定そのものの期限というものは協定には書いておりませんで、借款その他の全部完了するまでは有効に存続するもの、その借款その他のことが全部終りましたときは協定の目的が消滅しますので、事実上この協定は使命を果して効力を失う、そういう関係に相なると思います。しかし期限の定めがないからと申しまして、明年、明後年の農産物の取引をこの協定に基いて行うことはできません。もし明年再び米国の農産物の提供を受けます場合には、また別個の新しい協定を締結することが必要と相なると存じます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 ですから、続いて米国にそれを求める意思で進まれた方がよいと思いますが、その点はいかがですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 お答え申し上げます。来年度これを受けるかどうかということにつきましては、政府としてはまだ現在何もきめておりません。この問題は、来年度もやるかどうかということは、むしろ大臣からお答え願った方がよいではないかと思いますが、大臣がしばしば御答弁申し上げておりますところでは、この余剰農産物を買うことによって、利益の面と多少与えるところの不利益の面と総合いたしまして、最大公約数で有利だというふうに判断されれば来年度もやりたい、しかし政府としてはこれはまだきめていない、こういうことをしばしば大臣が答弁されております。そういう状況でございますから御了承いただきたいと思います。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 農産物に関してこういう独立した協定が結ばれることは、喜ばしいことであるとただいま申し上げましたが、その反面、MSA自体の実益というものは影が薄くなってきておるのではないかと思われます。MSA協定を審議するときに、何だ、結局これでは小麦の購入くらいが関の山でないか、つまりわれわれに賛成をした見地に立って、少しは秘密が伴うくらいの優秀な兵器でも来るようでなければ、MSA協定の意味がないのだ、こういうふうにまで説いたわけです。その点から考えますと、先方からもらい受けたセコハンのようなちゃちな使い古しの兵器以外見るべきものがない、辛うじてその付録のような形で入ってきたその農産物ですら、今度は剥奪されてしまうのですから、MSAから受ける実益というものは骨抜きになってしまうではないかと思われるのであります。来月から始まるアメリカの新会計年度においてMSAに基き受けられる援助というものはどういうふうな見込みでありますか、この際明らかにしていただきたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この農産物の提供を受けられなくなったらMSAの価値が減殺するということは、私どもそのように考えておりません。つまりMSA法自体には引き続き昨年と同じような農産物の提供の規定があるのでございますが、日本側がその規定によることを欲しないで、新しい法律によることを選択したわけでございますから、MSA法の方はちっとも変っていないわけであります。日本側の態度が変ったわけであります。そこでMSA法の価値は、本来はやはりいわゆる自由諸国の自衛力の増強のための援助を目的とするものでありまして、農産物の提供というのは、実はMSAからいえば、ほんの片手間の付帯的な仕事であったわけであります。MSA法に基く農産物の提供の場合にも、実は国防省の予算を流用して一時使って、あとで米政府内で予算のやりくりをするということになっておりまして、予算も国防省予算で片手間で行われておる。それがアメリカの農産物の過剰傾向がさらに顕著になりましたために、MSAという法律の片手間の仕事ではとても手に負えないので、本格的な独立の法律を制定いたしたわけでありまして、その法律が軍事的色彩を払拭しまして、純経済的の観点からものを考えることになった、それを日本は選択したということでございます。  しからばMSAからどういう援助が得られるかということでございますが、先ほどセコハンのような役に立たない武器と仰せになりましたが、なるほど当初多くもらいましたのは、日本の自衛隊がすでに借りておりました陸上兵器を譲るためにMSAが使われたのでございますが、これは当初のことでありまして、その後受けております兵器や装備は決してセコハンでも何でもございません、りっぱなものでございます。最近のF86Fというようなジェット機はもう第一線機でございますから、そういうアップ・ツー・デートの兵器や装備をMSA法によって日本は引き続き受けているのでございますから、そちらの方から見ますと、MSAの価値というものは日本にとりまして決して減殺されておらないと存じます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 しからば来年度のMSAに基く援助は、政府としてはどういうものを先方に請求しておるか。その申し入れはすでに開始しておると思うのですけれども、私はあれほど大騒ぎしたMSAでありますけれども、実体はすこぶる貧弱なものであるという感じを抱かせられて仕方がございません。来年度にはどういうものを受ける交渉をしておりますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 これは防衛庁の方からお答えになる方が適当と思いますが、私ども伺っておりますところでは、いかなる兵器を受けるかということは日本政府といたしましてまだ決定いたしておらないと思います。米会計年度及びわが方の会計年度の都合上、その次の年に受けるべき援助は毎年大体八月に相談をしてきめるということになっておりますますので、本年もまだ準備作業の段階にあるわけでございます。しかし一方予算でお示しいたしておりますように、本年度の日本の自衛隊の増強の規模はすでにきまっているわけでございます。陸上二万でございますか、あるいは飛行機も一定数の増強をするということに相なっております。この新会計年度における自衛隊の強化に伴う所要の装備、兵器は、むろん一部国内で作るものもございますけれども、なお相当部分のものを米国の援助による、そしてこの援助をMSA協定のもとに受けるということに相なると思うのであります。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 その額は、先方の総額から割り出して、大体でけっこうですが、本年度はどのぐらいに見込まれますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 額は、まだ援助の規模自体が確定いたしておりませんから、きまっておりませんが、第一年度に今まで事実上貸与せられておりました陸上兵器の見積り推定額がやはり八千万ドルとか七千万ドルとか申されておりますので、これが新兵器の場合には、どうしても何億ドルという——むろん一億ドル以上の価値であろうと思いますが、相当巨額なものに上ることに相なると思います。陸上だけでしかりでございますから、艦艇、航空機その他を入れますと、やはり相当な価格のものをもらうということに相なると思います。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 それからお伺いしたいのは、MSAに基く農産物の場合の品種とこのたびの、新しい法律に基く品種とでは、今度はだいぶ幅が広くなっておるように思います。当時われわれは小麦だけでなく、ほかの綿花とか、アメリカにできなくても取引先のある濠州の羊毛などにこれを三角関係を広げて、われわれがほんとうにほしいものを輸入するように持っていったらどうかという要望を申し上げておいたのでございます。今度はややそれに近づいてきたような感じもいたします。もしそうだとすれば、MSAのときから見ると格段の前進でありますが、前回の場合の品目丁と今度の場合の品目とを比較してみていただきたいと思います。新たに追加されたものはどういうものであるか。この点です。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 MSAに基きます農産物の買付と、余剰農産物の四百八十号に基きます買付とは原則として同じでございますが、実際問題としまして、昨年におきましては金額が少く、五千万ドルでございましたので、日本といたしましては小麦、大麦に限定して買い付けたわけでございますが、本年は買付金額が八千五百万ドルと相なりましたので、品目の種類も、日本側の希望によりまして小麦、大麦以外に葉タバコ、綿花、それから米を買うことに相なった次第でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 念のため、この協定の第一条2の農産物の小麦、大麦、米、綿花、これは価額で表示されておりますから、この下へ石でもトンでもいいですが表示していただきたい。小麦、大麦、米の場合はトンでもけっこう、綿花の場合には俵数でもけっこうです。私が求めたいのは、反対の立場に立つ人は、これを持ってくると国内の農業を圧迫する、また東南アジアから購入しようとする米の商談にも悪影響を及ぼすのではないかという点でありますから、そうではないという答えを与えるための資料としてほしいわけです。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 並木君、そのトン数はかなりしばしばここで述べておるけれども、あなたはお出かけにならなかったが、なお述べてもらいますか。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 あれは時価がちょいちょい変っておりますので、今日現在の価格でもって換算した概略のトン数であります。前から見るとだいぶ日にちがたっていますし、きようはいよいよ仕上げの日ですから聞いておくのです。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 一応時価に換算いたしまして、小麦が三十四万トン、大麦が五万五千トン、米が十万トン、綿花が十七万五千俵、葉タバコが二千七百トンと相なっております。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 よろしゅうございます。そうすると小麦、大麦は本年度外国から購入するところの輸入予定の中にこれを盛り込んでありますか、それともこれだけプラスになっておりますか。もしプラスであるならば、その比率を知りたい。比率が少ければ影響がないということですから。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 いずれも輸入の予算の面で織り込み済みでございます。従いましてこの協定に基きます買付数量が日本の一般の輸入予算の面の超過になることはない次第でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 よろしゅうございます。それをはっきり聞いておけばわれわれは安心するわけです。ですからもちろん国際小麦協定に基く買い入れについても、これは悪影響を及ぼすものでないと思いますが、いかがですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 その通りでございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 国際小麦協定に基いて購入したい予定トン数は何トンですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 百万トンでございまして、この協定に基きます小麦の買付も、もちろん小麦協定のワク内で買えるわけでございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 米の場合ですが、私は米が東南アジアの貿易に悪影響を及ぼすというのは心配ないと思うのです。何となれば、東南アジアだってずいぶんずるい国で、黄変米みたいな悪質の米を日本に売りつけようとしたことすらあるのですから、何もわれわれそれほどぺこぺこして東南アジアと貿易をやっていくというような気持になる必要はないと思うのです。ましてや十万トンぐらいでは問題にならないと思いますが、この点政府ははっきり答えられますか。これはやはり反対の立場に立つ人は突いてくる重要点の一つです。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 東南アジアの諸国、特に日本が米の買付をいたします主要国といたしましては、タイ、ビルマ、それから中国その他がございますが、これらの東南アジアの諸国は、日本と政治的にも経済的にも非常に緊密な関係がございまして、わが国といたしましては、米の買付につきましては、常にこれらの東南アジア諸国からの買付に最優先順位を置いて考えておる次第でございます。しかしながら、日本の米の三十年度一年間の輸入計画は一応百三十二万トン程度を考えておりまして、この全体の輸入のワクを埋めますためには、ことに配給の面その他を考えまして東南アジア諸国だけでまかない切れないわけでございます。ことに御指摘のありました黄変米の問題等がございまして、需給計画、輸入計画等全体を勘案いたしますと、アメリカからの米の輸入は、これらの東南アジア諸国からの買付を窮屈にするという点がないのみならず、全体の輸入計画を完遂いたしますためには必要と考えられる次第でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 韓国から米を輸入する計画は政府は持っておりますか。先方としてはだいぶ日本に、昔の朝鮮米、今の韓国米ですか、買ってもらいたい意向を持っておりますけれども、この方の商談はどうなっておりますか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 食糧庁の輸入計画課長でございますが、その点につきましてお答えいたします。本件に関しましては、農林大臣が本会議その他いろいろの機会に申し上げております通り、品質、価格の点で妥当なものであるという結論を得られますれば、これを輸入するつもりでただいま韓国と話し合いを続けておる最中でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 数量及び価格の大要はどういうふうになっておりますか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 数量につきましては十万トンないし十一万トンという数字がただいま話題に上っておるわけでございます。価格につきましてはいろいろの話が出ておりますが、CアンドF百八十五ドルという線が出ておるわけでございますが、この価格では農林省といたしましては、ほかの国々との関係その他がありまして直ちにこれで買うというわけには参らない、こういう段階でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 先方は現金をほしがっておるのですか、それともバーター取引を望んでいるのですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 その点につきましてはまだ明白になっておりませんですが、少くとも焦げつき債権の引き当てに充てるという要求はこちらはしない、こういう形でただいま話し合いを進めておるわけであります。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 次にお伺いいたしますが、今度の農産物に関する協定の中の非常な特徴であります千五百万ドルに上る食糧と、それから綿花等を日本国の学校児童の福祉計画に資するという点であります。これは非常にいいアイデアです。しかし従来何らかの形でこういうことが行われておったかどうか。たとえばユニセフなんか通じて来ておったのではないでしょうか。全然新たなる特典であるか、それとも何らかのチャンネルを通って、これに類するものが来ておったのかどうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 従来この種の慈善用の物資は、慈善団体を通じまして若干入っておるわけでございます。たとえば、ユニセフのミルクは、昨年度約六千トン入っておるわけでございますが、政府と正式な協定を結んでやっておるわけではございません。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 この協定ができると、そういう今まで行われたものはなくなってしまいますか、それともそれはそれで存続して並行的にいけるかどうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 この協定は、アメリカ政府と日本政府との協定に基きます計画でございまして、従来の慈善団体のものに影響すると考えておりません。従いまして従来のものも存続すると考えておる次第でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 脱脂粉乳の場合にはわかりますけれども、三百万ドル相当額の綿花は原料で来るものと思われます。この綿花を日本の学校児童の福祉に供するために政府としてはどういう腹案を持っておられますか、やりようによると、非常に微妙な問題であり、トラブルを起すおそれがありますから、この機会にその腹案を示して、なるほどこれならば児童のためになるという確信をわれわれに与えてもらいたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 綿花の使用方法につきましては、まだ最終的な結論に達していないわけでありますが、一応の考え方といたしましてアメリカ側と話しておりますのは、貧困児童にこの綿花三百万ドル、約一万五千俵の綿花のうちの半量程度を加工費として使用いたしまして、無料ないしは非常に安い価格で貧困児童に給付することを考えておるわけでございます。まだ実際の最終的な取扱いにつきましては確定いたしていない次第でございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 この学童の福祉増進のアイデアは非常にけっこうなアイデアですが、これは日本の政府から向うに要求したのですか、それとも先方からの考え方ですか、そのいきさつをちょっと聞いておきたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 もちろん日本の政府からの申し入れでございます。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 利息の点なのですけれども、ドルで払うときには三分です。それから円で払う場合には四分というふうに差がつけられておるのはどうも何かしゃくにさわってしょうがないのです。金利にしても、こういう決済にしても日本から払うのですから差がつくはずがないと思うのですけれども、これは要するに国力の劣勢からですか。つまりアメリカの中では国内の預金とかそういうものの利子が非常に安いということは私も知っておるのです。向うでの銀行の預金とか公債というものはほとんどが無利子です。向うで低いことはわかりますけれども、同じ人が払うのに建値の相違でもって一部の差をつけられるということは非常な侮辱だと思うのです。どういわけでこういう差がついたのですか。これだけはどうも先般来から納得ができないので、はっきりさせていただきたいと思うのであります。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 お答え申し上げますが、アメリカの国内におきまして金利が非常に安いということは仰せの通りでございますが、アメリカが外国に金を貸します場合、あるいは世界銀行にいたしましても外国に金を貸します場合には、こういう四分とか三分とかいうようなことで、安い金利では貸していないのが実情でございます。それで円の場合は四分、ドルの場合は三分というふうに、返済通貨が違うに従って金利の差をつけておりますが、これは単に日本だけではなくて、各国に対していずれもこういうふうになっております。その理由といたしまして、われわれが想像いたしますのに、ドルの場合にはアメリカは、これは世界通貨と申しますか、自国通貨でありますから自由にこれを使用することができる、しかし円で返してもらいました場合には、日本の国内で使う以外に方法がないというような点で、ドルの方が向うとしては非常に便利だ、有利であるという意味で、おそらく一分の差がついたのではなかろうかというふうに考えております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 私は条約局長にまずお伺いしたいと思いますが、第一条の二項におきまして、ここに農産物の小麦、大麦、米、綿花、葉タバコと書いてありまして、そこに海上運送費の見積額が四百万ドルと書いてございます。ところがこちらの方の議事録を見ますと、この輸送費の中には綿花が含まれておらないというふうに書いてございます。そうすると綿花の輸送費というものはどうしてここからはずされたのかという点をまずお伺いしたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 綿花につきましてこの四百万ドルの輸送費の中からはずれました原因といたしましては、綿花の取引は通常CアンドFベースで契約をいたしますので、CアンドFベースで契約をいたしますと、全体の品物の料金及び輸送費も一緒に込めまして金額を算定いたしますのが便利でございます。それで綿花の三千五百万ドルの中に輸送費も一応入っておることに相なった次第でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうしますと綿花の三千五百万ドルにはこの輸送費も入っておるということでありますと、実質的に大体綿花はどれくらいで、輸送費はどれくらいになるのでありますか。もう少しわかりやすく伺いますが、ここに先ほどの御説明によりますと綿花が十七万五千俵とおっしゃいましたけれども、そうするとその十七万五千俵の費用というものは三千五百万ドル、しかしこの中には輸送費も入っておりますから、実質的には綿花の費用は三千五百万ドルよりも安いのだ、こういう意味になるわけでありますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 その通りでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 その場合に綿花だけは別に輸送費をここに出さなかったということが私どもにはどうもわからないのです。先ほどの御説明によりますと、CアンドFの関係で綿花の場合には輸送費が含まれておるからここに出さなかったとおっしゃるのですが、こういうふうな余剰農産物協定などによって日本に入れる場合にでも、それからまたいつの場合にでもこういうふうに輸送費は含まれる、あるいは一般の綿花の輸入の場合にも含まれるその同じ規定に従ってやったわけなんでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 便宜上綿花につきましてはCアンドF契約で買付をいたしますので、計算の関係あるいはその後の処理の関係で輸送費も綿花の買付代金の中に入れてあるわけでございますが、実際上万一日本側がFOB買付を希望いたします場合には、もちろんFOBの買付をやってさしつかえないわけでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 次に伺いたいのですが、学童用の贈与物資に対する運賃はどうなっておるでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 この贈与物資はアメリカのFAS渡しで譲与を受けることになっておりまして、海上輸送費及びその後の諸掛りは日本政府で負担することになっております。従いまして、輸送費といたしましては、これはもちろん変動はございますので正確には申し上げられませんが、一応二百五十万ドル程度と想定いたしております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 それはどの会計から出るわけですか。そしてそれは結局学童の負担になって現われてくるのではないか、またなぜその額をこの中にお入れにならないではずされたのか、もう一つは、五〇%米船を使って、五〇%日本船を使うという協定に従うものかどうか、これらの点を伺いたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 この約二百五十万ドルの贈与分の輸送費の出所は、日本の外貨予算の貿易外支払いの方から支払われるわけでございます。従いまして、日本政府の負担でございますが、その理由といたしましては、アメリカの四百八十号の法律にもよりまして、建前として米船五〇%を使用することに相なっておるわけでございます。それから学童に負担がかかるかどうかという御質問に対しましては、これらの費用も見込みまして、この学童給食用の政府の予算とも勘案いたしまして全体の価格を計算して給食費を計算するわけでございますから、その意味では負担がかかるわけでございますが、現物そのものは無料で給付を受けますので、全体といたしましては相当安くなる次第でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 この協定の中に船賃を入れなかったという理由はどういうわけでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 これは日本側といたしましては、もちろん船賃も米政府の負担によって支出してもらえば助かるわけでありますが、この種の贈与物資の供与に対しますアメリカ政府の制度といたしまして、ただいま申し上げましたように相なっておるわけでございますし、この点につきましては変更する余地がなかった次第でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 贈与といいますからにはやはり与えられるということだろうと思うのです。そうしますと千五百万ドルのこれこれの品物を与えてくれるというからには、当然船賃なども含めるべきだと思うのですけれども、そういう点、私どもはどうも了解に苦しむわけです。その点わざわざここからはずしてしまって、そして知らなければ知らないで済ませるというようなやり方は、どうもそこに愛情が足りないように私は思うのですが、その点はどうかということをもう一ぺん伺いたいと思います。  それからもう一つ八千五百万ドルの農産物に対しては販売価格で扱われておりますけれども、この贈与物資に対しては商品金融会社の建値で扱われておりますが、これはどういうふうに違うのでしょうか、承わりたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 第一の点につきましては御同感でございまして、私どもといたしましては、今後この種の買付をいたします場合には、引き続きましてさらに有利な、輸送費もアメリカ政府で見るような交渉をいたしたいと思っておりますが、アメリカといたしましてもいろいろ国内の立場もございまして、そのように相なるかどうか、はっきりいたさない次第でございます。第二の八千五百万ドルの金額につきましては、市場価格をもとにして算定いたしておるわけでございます。現物贈与の分はCCCの価格を基礎といたしておりますが、八千五百万ドルの円貨によりまして買付いたします分は市場価格を基礎にして算定いたしたわけでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 その内容的な違いを承わりたいのです。つまり端的に言いますと、高い低いというような値段の上での違いがそこにあるのじゃないかと思うのですが、その点を少し具体的に承わりたいのです。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 値段そのものから申しますと、CCCのものは保管料に手数料等がかかりまして、市場価格よりも若干高くなるわけでございますが、現物贈与の分は現物を無料で引き渡しを受けますものですから、直接値段には関係がないはずでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 直接値段に関係ないとおっしゃるのですけれども、結局同じ品物が高くつけば、その品物が少くなるとかいうことによって違ってくると思うのです。たとえばこの千五百万ドルの贈与のものも販売されたならばこれだけの量になるのだけれども、CCCの建値にしたためにそれだけの量が少くなるということが言えると思うのです。この点はお認めになると思いますが、そちらからおっしやるならばこれは贈与だからそれくらいのことはがまんしてもよかろう、こういうふうにお考えになるかもしれませんけれども、私どもの側からすれば、やはり贈与としてもらうのにはそういうところまでもこまかい注意が払われて、贈与は贈与としての性質を十分生かすような方法でもらうべきではないか、こういうふうに思いますが、この点についてのお考えをもう一度承わりたいと存じます。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 ごもっともなお説でありますが、やはり贈与はただで上げるのでございますから、ただで上げるのを幾らに評価するかということになりますと、それは上げる方が、これはおれの国では幾らしているものだぞという数字をあげたいだろうと思うのであります。一方の方はこれは売買でございますから、買手の日本側としては市場価格でなるたけ安く買いたいというのは当然でありまして、アメリカもそれを認めておるわけでございます。そこがやはり贈与と売買との差だと思います。  それからなお先ほどの運賃の問題も、贈与でありますから、一つ差し上げるから取りに来ていただきたいということでございます。あなたのお宅まで運ぶ運賃はごめんこうむりたいが、ほしければ取りにおいで下さいというわけであります。この売買の方は、運賃も立てかえてはもらうわけでありますけれども、これはあとで借款として返すわけでございます。従って贈与の場合と違いまして運賃はひっくるめて、農産物自体の価格プラス運賃というものを日本は借款としてあとで返すということでありますから、これはまた当然なことであろうと思います。どうしても売買と贈与との差というものは、運賃の問題につきましても、幾らに評価するかという問題につきましても、相違が起りますのはやむを得ないかと存じます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 条約局長は大へんごもっともらしい御意見をお吐きになったのですけれども、私どもがもしよそに物をやるような場合でしたならば、そういうところにやるんだという見せかけだけでなくて、そういう点までもう少しこまかく気を使って、そして最後まで負担をかけないようにしてやるのがほんとうの贈与という形になるのではないかと思います。この点は意見の違いでしょからこの程度にしておきたいと思います。  それから第四条の一項に「日本国によるこれらの農産物の取得は、これらの又は同様の農産物をアメリカ合衆国に対する非友好国が入手する可能性を」云々ということが書いてございますけれども、この「これらの」とか「これらの又は同様の農産物を」ということはどういうことを意味するのか、どういう内容のものであるかを承わりたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 これは「同様」と申しますのは、たとえば小麦を引き取りまして、そのかわり大麦を非友好国に出す、そういうようなことになりますと、この法律の三百四条の規定から見ますとおもしろくないという考えから、こういう規定を入れたと思います。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうすると、念のためにもう一度伺いますが、ここにあげられている小麦それから大麦、綿花、葉タバコ、これだけをさすわけでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この協定で日米間の関係におきましては、やはり第一条に掲げました物資自体、あるいはその物資と同様なものを非友好国に出さないということを規定したことになるわけであります。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 第五条一項の(5)に「日本国における合衆国の債務を支払うため八十五分の〇・二五」と書いてそりますが、それはどういう内容のものでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 この内容は公文交換によりまして、アメリカのインフォーメション・サービスに使うことに相なっております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 たとえばどんなふうなものですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 たとえば人事交流だとか、文化センター、あるいはラジオ、プレス・リリース、その他そういう種類の文化関係に使われるものと考えております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうすると、結局日本の人たちにアメリカをよりよく理解させるための資料に使うということになるわけでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 御指摘のありましたような点も含まれると思いますけれども、必ずしもそれに限定されないと考えております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 インフォーメーション、サービスに使うとおっしやいましたけれども、特にこの中からインフォーメーション・サービスに使う分を割り当てるということは一体どういうわけなんでございましょうか。何か農産物に関係があるからかどうか、あるいはまた学童に贈与をしたというようなことに何か関係があるかないか、この点を承わりたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 これは在京の米国大使館の中に設置されております国務省の情報部の出先機関の行う一般的な対外啓発活動の意味でございまして、直接農産物と関係はないものと了解しております。なぜこの点が特に挿入されたかという点につきましては、これらの円資金の使途につきましては、日本側は日本側の立場で五千九百五十万ドルに相当します分については希望を持っておりますし、アメリカはアメリカの立場で希望を持っておりまして、その間をいろいろ話し合った結果このように落ちついたわけでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 今までこういうものに使う費用というものはアメリカになかったわけですか。今回特にここに書き込んだ理由はどういうわけですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 国務省の予算に含まれておりまして、国務省の予算から今まで払われておる次第でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうしますと、そちらを削って今度はこちらへ入れたということになるわけですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 必ずしもそうはならないのでございまして、米大使館の文化関係の活動というのは前から予算が少くて困るということを申しておりましたが、たとえて申しますと、先般文部省を通じまして教育用のスライド——幻灯機でございますが、あれを千二、三百台くれたのでありますが、それが全国の小学校や何かの数に比べますととても問題にならないほど少いということで、あるいはそういうものも学校の数に応じた必要数だけ上げるということになりますと、これは大へん費用がかかりますから、かねがね在京米大使館が予算不足をかこっておりましたような事業が今度の金が使えることによって十分に行くのではないか。ですから今までの予算を削って、そしてこれに立てかえるというよりも、今までの予算の不足の点を補うということに考えておるのであります。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 次にお伺いしたいのは、第六号の一項に「第二条1に定める積立金の七十パーセントは、日本銀行を通じて合衆国ドルに交換することができるものとし、」こう書いてございます。この点でだいぶ日米間で妥協ができなかったかのようにも、何の雑誌だったか読んだようにも思われるのですけれども。一体日本銀行法とかあるいは為替管理法というものでドルを操作する権限があるのかないのか。私は勉強が足りないのでよくわからないのですが、この点はどういう関係になっているか承わりたいと思います。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 お話の点はおそらくいわゆるドル、クローズの問題だろうと思います。このドル、クローズと申しますのは、国内の円で貸借が行われました場合に、返す場合の通貨にドルの約款をつけようということでございます。そういうことをいたしますと国内で円というものは強制通用力を持っておりますので、それにまた約款をつけることはおもしろくないという点もございますし、かたがたそういうことをいたしますと、日本の中で外国人が持っております円について同じような約款をつけろというような意見も出て参りますので、これは日本としてはどうしてものめないということで、それならばいっそドルで借りよう、ドルで借りた場合には金利もかたがた安くなりますし、ドルで借りようじゃないかということで、この第六条の第一項にありますように買付円は日本銀行を通じて合衆国ドルに交換をする、これは外為会計からドルを買ってドルに交換するわけでございますが、そのドルをさらにドル建で日本側が借款をする、かようなことになっておるわけであります。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうすると国内法のいかんにかかわらず、条約によって交換することができるということを条約だけで決定したというふうな結果になりはしないかと思うのですが、その点はどうなんですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 御承知のように円というものは残念ながらまだコンヴァーティビリティが回復をしておりませんので、自動的にドルにならないわけでございます。そこで協定にこういうふうに書いたのでございます。同時に日本銀行は日本銀行法第三条によりまして国の事務を取り扱うことになっておりますが、第六条に掲げるような——アメリカ合衆国政府の持っておる円をドルに交換するということでありますから、国の事務を扱う日銀としてはできない。従いましてここに日銀に特別な権限を与える規定を明記したわけであります。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 ほかの場合にも条約上こういうことは許されるものなのでしょうか、条約局長に伺いたいと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 条約を国会に提出いたしまして、国会の御承認を得ましたものに限って、これは国内的にはやはり国内法と同じ効果を持つということに相なると思います。でございますからこれはアメリカ政府の持っておる金を日本銀行を通じてドルに交換するということでちょっと国内法に規定するのはおかしなことでございますので、むしろ協定そのもので規定いたしまして、直接協定の国内法的効果からして、日本銀行にそういうことを可能ならしめるという措置がむしろ適当ではないかと思っております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうすると何か国内法を変えなければならないようなものはないわけでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 国内法を変えなければならぬような必要は、この協定から全然出て参りません。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そういたしますと、ただいまの条約局長のお話ですと、こういうような似通った場合でも、もしも国会でその条約さえ承認されれば、私どもの目から見るならば、当然国内法できめておかなければならないものを、条約の規定だけできめてもよいというようなな場合も今後出てくるわけですね。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 それは仰せの通りだろうと思います。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 その点は何か私すっきりしないような気がするのですが、これはもう少し勉強してみないとわかりませんからこの程度にしたいと思います。  それからもう一点伺いたいのは、いわゆる返済方法なんですけれども、四十年間の長期に縛ろうというふうにここに書いてあります。それから三年間据置のようでございますが、三年後払う場合に、利子と元金というものを毎年平均して払っていくわけでございますが、どういうふうな支払い方法ですか、今の為替相場のもとにあって、どういうふうに払っていくかということを伺いたいと思います。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 おっしゃるように三年据置であと全体の期間を通じて四十年の借款でございまして、三年は据え置く、その据置期間中は利子を取らないということになっております。利子は半年ごとに払うことになっておりますので、三年半たちました場合に利子を支払わなけばならない。四年目から元本と加えて支払っていくわけでございます。これは逓加法という方法によりまして、毎年の償還金額を協議いたしましてきめてあるわけであります。初め少くてだんだんあとへいくほど支払いが多くなる、そういうようなきめ方でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうしますと、八千五百万ドルなら八千五百万ドルのワクがあって、そうして三年半になったならば利子がかさむわけですね。そうすると、利子だけ払って、四年目からはある一部の元金に利子を加えて払う。それからその次にはもう少し元金がふえるとか、その次にはまたふえるとかというように、だんだん多く払うということなんですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 大体はその通りでございます。ただ四十年間元本を加えて払っていきますから、従って元本の額がだんだんあとへいきますと小さくなりますが利子の部分が初めは多い。そしてあとの方で元金がふえていくわけでございますが、その元金と利子を加えまして、後年度にいくほどだんだん支払額が多くなっていくという表になっておるわけでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 元金を三十六年間に割って、同額にして払うという払い方と、今おっしゃったような払い方とどっちがいいわけなんですか。どっちがいいというよりも、そういうふうにした理由はどういうわけなんでしょうか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 これは借款いたしました金を日本の経済開発のために使いまして、これによってだんだん日本の経済が大きくなっていく、同時にそのほかの要因におきましても、日本経済がだんだん発展していく、すなわち後年度にいくほど支払い能力が日本としては出てくるわけです。後年度に支払いが多くなっていく方式をとった方がむしろ有利じゃないかと判断いたしたわけであります。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 もう一点条約局長に伺いたいのですが、ここに交換書簡というのがありますけれども、交換公文というのと交換書簡というのとどういうように違うのでありますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 全く同じものでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 わかりました。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 細迫兼光君。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 これは重要なことだからもう聞かれているかもしれませんが、第一条第二項に、いろいろ農産物の種類があってそれの買付の額がいろいろに分割してありますが、これはどういう基準によって、小麦は二千二百五十万ドル、米は一千五百万ドルというふうに按分したのですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 これは第一次的には日本の希望によりまして、希望品目の大体の買付数量というものを予定いたしまして、その当時の時価が必ずしも確定いたしておりませんので、金額に分けたわけでございます。アメリカの制度といたしましても、金額で規定いたしまして、時価によりましては数量に多少の変更がある次第でございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 そうではなくて、たとえば八千五百万ドル全部小麦を買うても、場合によってはいいという場合があると思います。それを小麦、大麦、綿花、葉タバコというふうに分けて、しかもそれを金額上数量を分けて買い付けるようになった根拠は何ですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 もともと日本側といたしましては、協定に書いてあります小麦、大麦等の品目につきまして初めから買付の希望がありまして、交渉の結果、全体の金額は平均しまして減りましたけれども、品種別には日本側の希望が入っているわけでございます。それから金額の内訳でございますが、これも大体日本の需給の計画から見まして、必要な数量を基礎にいたしまして金額は細分された形でございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 こうお尋ねしたらはっきりよくわかるかもしれないと思います。日本の希望に従ったと言われますが、その日本が何ゆえに小麦をこれこれ、大麦をこれこれ、米をこれほど希望したかというその根拠です。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 これはもちろん品目別の年間の輸入計画をもとにいたしまして、輸入計画の中の地域別の買付数量等を計算いたしまして、アメリカからこの協定に基きまして買う数量が一応これくらいの数量であれば、全体の輸入計画が充足されるという見地に立っているわけでございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 逐条審議的なものになりますが、第二条第二項のおしまいの方にあります「合意された日本円の平価で」ということは、三百六十円ということですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 その通りでございます。これは買い付けられ、積み立てられる場合でありますが、現在の国際通貨基金に登録をしてあります一ドル対三百六十円ということは、現在ではその通りであります。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 第六条第一項の「ドルに交換する」という文ですね。これの相場もやはりそれに準ずるわけですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 やはりその通りでございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 輸送費の問題ですが、これはアメリカの船ないしは日本の船を使った船賃の場合、日本の船を使った船賃もこの中に含むというように解釈すべきですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 米船で五〇%以上運ぶわけですが、その残りの五〇%を日本船で運びました場合の運賃は、この中に入っておりません。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 含まないということが協定のどこかに、あるいは交換文書のどこかに現れておりますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 公式議事録1の(b)に書いてございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 これはへ理窟になりますが、第四条第二項でこの買付によってアメリカの通常の市場取引も排除しない、それから自由諸国家間の貿易も実質上害しないようにするというのですが、アメリカから輸入するワクの中での買付であれば、よその国の貿易を阻害しないということはわかりますが、アメリカの通常の市場取引を排除しないということは、やはりこの分だけはするようになりはしませんか。それはそれでいいのだという了解がついておるのでございますか。もちろんこれはついておるだろうと思いますが、文書のどこかにそういうことが現われておればお伺いしたい。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 これはアメリカの考え方と、それから日本からいたしますれば自由諸国ことに東南アジア等の貿易関係、この両方の関係が含まれているわけでございますが、アメリカからの通常の買付を阻害しないと申します通常の買付の内容といたしましては、必ずしも現実に日本がアメリカから買い付けました実数を意味しているわけではございませんで、日本側が通常の買付と申しますのは、その年その年によりましていろいろの特殊事情がございまして、たとえば麦の統制を撤廃をいたしましたときにはストック用として大量の麦を買っておりますし、また一昨年のごとく凶作の場合も相当多くの米麦を買っておるわけでございますが、これらのものは日本の通常の買付とみなさないで、いわば通常買付量は相当低目に見て話をしておるわけでございます。従いまして現実には、この通常の買付をアメリカに対して阻害しない、と同時によその国の買付も阻害しないということは両立するわけでございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 第五条第一項の第三号にあります「合衆国の農産物の新たな市場」これは日本のでなく、外国の市場のことだけをもっぱら意味しておるのでございますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ここに申します「新たな市場」というのは日本のことを言っておるわけでございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 日本のことを言っておるというのですが、いったいどこから解釈できるのでしょうか。私は外国のことじゃないかと思って、あべこべに解釈しておったのでありますが。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 この金は円資金でございまして、アメリカが日本の国内で使用するわけでございます。従いまして計画の詳細を見ますれば、あるいは間接的に外国の市場に関係する面も出てくるかもわかりませんが、直接には、使途から申しまして日本ということに相なるわけでございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 そうすると、ちょっととっさな考えですが、おかしなことで、日本内地におけるアメリカ農産物の市場を開拓するのに一番いいことは、日本の農産物の生産を低下させることが一番いいのですが、おかしいですね。そう解釈できますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 お話の日本の生産を低下させるというようなことは、この協定の実施によってアメリカ側が円資金を使います場合には、日本の経済に悪い影響を及ぼさないようにするという大きい条件がございますので、そのようなことには相ならないと思います。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 ならないと思ったって、一番いい方法は、新たな市場の開拓には日本の生産を低下させるのが一番いいのです。あるいは想像するならば、たとえば粉食を奨励して小麦の需要度を高めるとかいうことが考えられる。そのほかにどういうことが考えられるでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 まだ計画が最終的にきまっていないわけでありますが、いずれにしましても両国の利益になるように取り扱うことになっておりますので、今御心配のような点はないと確信いたしております。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 そうすると、この八十五分の二という金を具体的にはどういうことに使うのですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 市場の調査とか、あるいは日本及び米国の関係者の交換だとか、その他倉庫の拡充とか、いろいろなことが考えられるわけでありますが、これらの点につきましては、まだ具体的に結論を申し上げられない状況でございます。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 幾ら調査してみても、幾ら交換しても、倉庫を建ててみても、そのままでは市場の開拓にはならないと思うのですよ。市場開拓のために金を使うといって、具体的にどんな事業が想像できますか。まあ人が使う金だからそこまで心配してやらぬでもいいようなものだが、できれば日本の利益になるように使わした方がいいのですから。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 先ほどちょっと申し上げましたが、具体的には粉食の改善だとか、施設の改良だとか、人員の交換とか、そういう点が考えられるのじゃないかと思っております。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 おそらくそうでしょうね。学童給食のこともありますし、粉食の習慣を広め深めるというようなことの施設のために、あるいは大きなパンの製造施設だとかというようなものを普及するとかいうようなことが考えられるのです。これから先は政策的な面になりますが、そうしてつまりアメリカの市場を永久化すということを、根本的にはそういう施策に含んでおることに相なるのであります。これが不利益ならば、この取りきめはもうことし限りでやめるということは、しばしば高碕さんが申しておられましたが、この間何かの新聞で、来年度についても内々交渉が始められておるというようなことをちょっと見ましたが、そういうことはありませんですか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 来年度のことにつきましては、いまだ何ら交渉をいたしておりません。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これにて暫時休憩いたします。午後一時より再開することといたします。     午後零時二分休憩      ————◇—————     午後一時四十三分開議

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を継続いたします。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 私は経審長官に二、三点お伺いいたしたいと思います。まず第一に、この質問は幾たびか出たかもしれませんが、大へんいろいろ影響を及ぼす問題でございますので、もう一度確かめておきたいことは、来年度もこの余剰農産物を受け入れるお考えであるかどうか、この点をもう一度はっきり伺いたいと存じます。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 お答え申し上げます。現在のところ政府といたしましては、まだ来年度受け入れるということには取りきめておりませんが、私の考えといたしますれば、これは非常に有利なものであると存じておりますから、来年度におきましても——本年と同じような条件であるかどうかということは別問題であります、あるいは数量あるいは品種、これは相当考慮せなくちやなりませんが、先般来当委員会におきましても、いろいろ有益なる御注意がありましたから、そういう御注意を頭に置いて、できるだけ有利に、ある程度のものを受け入れたい、こういう考えでありますが、まだ政府としては先方の考えもありますから、そこまで決定いたしておりません。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 それで経審長官のお考えがまあ有利なものであろうという結論をつけられたことがわかりましたが、そうなりますと、今年の場合を例にとりますと、結局これは八千五百万ドルの借款になると思います。借款ということは結局債務となりまして、そうしてそれがだんだん重なって参りますと、自主独立を願っております国民の側から見ますならば、反対の方向に持っていかれる、従属性が高まるような方向に持っていかれるように考えられるのでございますが、この点はどのようにお考えになりますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問の数字は少し違っておりまして、今年は五千九百五十万ドルになっております。  アメリカは今日あの農産物を持ってほんとうに困っております。それを日本側が引き受けてやるということはアメリカに対する恩恵であります。従いまして私はこれはアメリカのためにもなり、日本のためにもなると思って買っておりますから、これを長期借款で借りるということは、政治的のつながりは何らない、純粋なる商取引でありますから、これにつきましては、かりに金を借りましても、アメリカの支配を受けるという心配は全然ないと思います。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 ただいまの御答弁でございますが、私どもの側からいたしますと、だんだん債務が重なって参りますと、どうしても従属的な地位に置かれるということが心配になるのでありますが、この点につきましては意見の違いとして、私は次の質問に移りたいと思います。  この協定の中を引用しておりますと時間をとりますので、幾たびかの御答弁を総合して考えましたときに、また、ただいまもおっしやいましたように、両国の利益になる、こういうふうなお考えでございますけれども、たとえば今度のアメリカからの借款によりまして、農業開発にも使えるとおっしゃっておられました。ところがアメリカは余剰農産物を新しく売り出すための市場を見つけようとしておるわけでございます。もしも日本を助けることによって農業開発を盛んにさせるならば、このアメリカの余剰農産物のはけ口が狭められるというような、この協定に矛盾する方向に持っていかれる、こう思うのですが、この点についてどう考えていらっしゃいますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 アメリカが日本に持ってきます農産物に、アメリカの農産物の販路開拓のために使うというふうな費用も一部分入っております。その点からいいますれば、日本で農産物がどんどんふえればアメリカの趣旨に反するじゃないか、こういうただいまの御質問だと思いますが、農産物にもいろいろございまして、かりに日本において小麦を作ろうといってもその割に小麦ができないということもあるかもしれない、まだ綿花を作ろうといってもその割にできないこともある。そのほか地理的の関係におきまして、日本においてできるものとアメリカにおいて有利にできるものとその間の違いがあります。従いまして今後アメリカ農産物の宣伝については、将来において日本の経済に打撃を加えないとか、日本の経済にじゃまにならぬという方針でこれをやってもらう、こういうことでやっておりますから、ただいまの御心配の点はないように存じております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 高碕長官は大へん自信を持ってそういう点お答えになりますけれども、私どもがこの協定の中を読んでみますと、どうもそういう点が信じられず、そしてまた非常にこの点に矛盾を感じるのでございます。しかしこれもこれ以上の追及をいたしません。もう一つ伺いたいことは、これも前から幾たびか質問が出たと思うのですけれども、四条におきまして、「アメリカ合衆国に対する非友好国が入手する可能性を増大する結果をもたらしてはならない。」こういうふうに農産物を輸出する場合の制限が加えられております。このことは日本の将来にとって非常に不利になるものと私どもは考えますけれども、これをどうお考えになられますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 その問題につきましては、専門の条約局長からお答えいたしました方が適当だと思います。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 御指摘の規定は、米国の農産物貿易の促進に関する一九五四年法の第三百四条に書いてあります規定に基いておるものでございます。これはまず第一に精神規定でありまして、厳格にどうするという実施の問題がすぐ生ずるというよりは、抽象的な精神をうたった規定でございます。  第二に、日本側といたしましては、日本自身がどうしても多量の農作物を輸入しなければならない地位に置かれておるのでありますから、これをアメリカの非友好国に輸出しようなんということは、農作物輸入国としての日本としては全く架空の問題でありまして、大して気にする必要もない規定なのであります。ただアメリカといたしましては、法律の精神としてそういうことを書いておりますので、日本側といたしましても、その米国の気にしている点は、協定に触れましてもちっとも差しつかえないという観点から、これを入れることによって協力をいたした次第でございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 ただいま条約局長の御答弁によりますと、日本が将来多量の農作物を作ってこれをこういう国に輸出するということは、架空の問題でそういう心配はない、こういうふうな御答弁でございましたが、私どもはそう考えません。もしも、もっともっと日本の農業開発が行われますと、そういうふうな場合も出てくると思うのです。そういうふうな場合に、非常に制限を受けるということを私どもは懸念するわけです。  さらに条約局長の御答弁によりますと、これは実施というよりは精神的なものだ、そうであるとしますならば、もしそういうふうなことが出た場合に、やはりこの条約が生きてくると思うのですが、いかに精神的なものでありましても、条約そのものとしてある以上は、これはそうした条件が起きたときにはこの条約が守られなければならない、こういうことでありましょうか、この点を承わりたい。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 それは条約に一たん書きました以上は、守らなければいけないわけであります。ただこの規定によって現実に縛られるというような可能性が、ただいまのところ予見し得ないというだけのことでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 そうしますと、今のような条約局長の御答弁ですと、これは必要ないと思うのですが、なぜこういうことをうたわなければならなかったのでしょう。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 先ほど申し上げましたように、この点はアメリカの議会に対する説明、国内に対する説明からいたしまして、どうしても抽象的にこういう旗を掲げなければならない地位にあるわけであります。それで日本はそれを無視してかかるということはやはりできませんので、日本に実害のない限りは協力するという意味で入れた、そういうことでございます。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 高碕長官、ただいまの条約局長の御答弁をお聞きになったと思いますが、ああいうふうなお答えを聞きましたときに、何か日本がアメリカの議会なりに従わなければならないという一まつのさびしさをお感じにならないでしょうか、どうでしょうか、その点承わっておきたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 アメリカから持ってきたものは、これは非友好国はもちろん、どこへも出せないと思っております。そういうことは事実ないと思っております。「これらの又は同様の農産物」と書いてありますから、そういうことになってきますと、これは相当明らかにしておく必要があると思いますから、せっかくここまでいっているから御承認願いたいと思いますが、今後のことにつきましては注意をいたしたいと思います。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 先ほど私条約局長に伺いました第六条でありますが、日本の国内法にないものを条約によって規定しておる。それを詳しく申し上げますならば、つまり「積立金の七十パーセントは、日本銀行を通じて合衆国ドルに交換することができるものとし、」とあり、日本の国内法できめていないことを条約で決定づけておるわけであります。これに対して条約局長は、こういうことは今後も国会の承認を得るならば許されることであるというふうに言われておりますが、それがたびたび許されるようなことになりますと、将来いろいろな問題を残すと思います。こういう点に対しまして、重光外務大臣がおいでになりますので、条約局長のおっしゃった通りお認めになられるかどうか、将来問題を起さないかどうか、この点を承わりたいと存じます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私もその点は条約局長の解釈の通りだと思います。思いますが、将来それではそういうことをどんどんやるかということを御懸念のようでありますが、実は私はこういうことはできるだけ避けたいと思っております。理屈ではできますけれども、これは避けたいと思っております。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 けっこうです。

松平忠久日本社会党(右)

○松平委員 関連して若干質問をしたいと思いますが、昨年の十一月でありますか、前外務大臣岡崎氏が南米の方からニューヨークに回っていったときに、日本の明治、森永その他の酪農業者から電報をやりまして、脱脂粉乳についてはとにかくこれは極力もらわないようにしてもらいたいということを伝えた、こういうことがあったわけでありますが、その後当時の外務大臣が帰って参りまして、ただのようにしてもらうのであるから、もらった方がよいという答弁があったそうであります。日本の現在の酪農の状態は御承知の通りでございますが、この大きな原因というものは、脱脂粉乳にあるということも申すまでもないところであります。従って総合的な日本の食糧計画というような問題からいたしましても、現在の文部省の脱脂粉乳の管理というものはまことによろしく参っておらない。そういうところから非常に大きな打撃を酪農界に与えております。従って高碕長官は、この這般の情勢つまりそういう要請が前外務大臣にあったということ、並びにこれが日本の酪農に非常に多大の影響を与えておって、今日の酪農が悲惨な状態に陥っておるということをお考えになったことがあるかどうか。この脱脂粉乳についてはどういうような管理方式をもって、日本の酪農界がめちゃくちゃにならないような方法をとられんとするのか、その点について御答弁をお願いしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 私は前内閣の岡崎外務大臣が答えられた通りだと思っております。この脱脂粉乳はなるべくもらいたくないのですが、ただでくれたのですからこれはもらったわけであります。そこでこれを学童に配給することによって日本の食生活の改善になる。子供にひとり米の飯だけ食べないで牛乳を十分に飲む癖をつける。それにはごく安く、そして行きわたって配給するということが実行されれば、これは日本の食生活の改善に対する一つの練習になり基礎になる、こう私は存じておりますが、ただいま御指摘のごとく、そういうふうに学童に給食されるべき品物が、かりにこれが市場に流れ出て、そうして日本の酪農工業のじゃまをするということは、容易ならぬことだと私は存じます。従いましてこれに対する取締りはさらに文部省なりと十分話しまして、十分に厳格にこれを取り締っていきたい、こういう所存でございます。

松平忠久日本社会党(右)

○松平委員 厳重に取り締るということでありますが、現在大体日本における酪農製品の滞貨というものが五十億円くらいに上っておると思うのであります。その原因の大部分が実はこの脱脂乳にあるのでありまして、この影響は今日各農村において非常に深刻な状態になっておる。昨年の外務大臣のそのときの電報のやりとりを伺っておっても、ただであるからいいじゃないかという岡崎元外務大臣の話だったそうであります。ところがこのただというのは実は困るのでありまして、ただほど日本の経済界を混乱するものはない、こういうふうに私どもは思うのであります。その心理的影響というものは非常に酪農家自身に伝わっておって、今日めちゃくちゃになっておる。そこでどうしてもこれは相当な金を払うなり何なりして、むしろ日本の国内相場との間の一つのバランスをとってやるという方針を立てられなければ、日本のこの酪農界を救っていくことはできないと私は思うのであります。従ってただだからもらうというその考え方、すなわちこじき根性をどうしても清算していかなければ、日本の自主独立、すなわち経済自立はできないというふうに私は思うのであります。この点はとくと一つ将来勘考してもらいたいと思う点であります。  そうしてもう一つは、先ほど来年度のことがどうなるかという問題があったのでありますが、たとえば愛知用水の今回の案を見ましても五カ年計画でありまして、ほとんどその大部分、十分の一程度でありますけれども、各年次計画によって五年間続けて、こういう余剰農産物の協定が結ばれるということを前提としてあの今回出そうとするところの公団法の法律案が成り立っておるのであります。従って政府はもうすでに五年くらい先のことまで考えてこれをやっていくというふうに受け取れるのでありますが、その点について先ほどの御答弁と少し食い違うように思うのであります。もう一度一つ五年くらい続けてやっていくつもりであるかどうかということをお伺いしたいのであります。一方においてはそういう法案をまさに出そうとしておる。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 愛知用水の計画につきましては、これはそのスタートにおきましては本年度はこの余剰農産物の金を使います。それからもし来年できますればこれを使うでしょうが、かりにできなかった場合にはこれはそんな大きな金額でございませんから、ほかの方法をもってこれをまかなっていくということの確信を持っております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 大臣にお尋ねいたします前に事務当局にちょっとお尋ねしますが、今資料をいただきましたが、まだ見ておるひまがございません。先般私がお尋ねいたしました資料に対して御答弁漏れのものは全部含んでおりますか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 含んでいるつもりでありますので、ごらんになりまして足りないものがありましたら、すぐ追加いたしますから……。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 それでは含んでおるということですから、あとでまた拝見いたしますが、もし漏れておりましたら追加を要求いたしますから、論議が済みましても一つ後々のためにいただいておきたいと思います。  高碕長官にちょっと御答弁をわずらわしたいのですが、この協定に伴いまして買付実施が期限内にいろいろな条件で完了しない場合も想定されるのでありますが、その場合におきましては当然若干計画に支障を来たすわけでございますが、先般の長官の言葉をかりますれば、有利な条件においてのみ引き取るのであるということでございましたので、そのことも考えられるわけです。そうなりましたときに、今は次年度の質問がありましたが、本年度の財政投融資の計画に対しましては予算の修正をなさるわけでございますかどうか。どういうやりくりをなさるつもりであるか、その場合のことをお尋ねいたします。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 大体農産物の方は九月末をもって限度といたしまして、綿花の方は十月末、こういうことになっておりますが、それまでの間に大体私どもの予定通りこれは購入できる、こういう考えでおりますが、しからばこれが万一できなかったらどうか、予算を修正をするのか、こういう御質問でありますが、私はそんなことをしないでも済むだろうと思っております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 それはどういうやりくりをなさるということを、具体的に何か想定なさっていますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 先方もこれを十分売りたいという考えでおるわけでありまして、すべての条件が整っておるわけでありますし、こちらの意向もわかっておるわけでありますから、これはこちらの条件がいれられて買い取りができるもの、こういうふうに信じておりますので、そういう場合はただいま想定いたしておりません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 不吉なことを言うようですが、やはりものには大事をとらなければいけません。おっしゃったようにもうすでに予算に組んでおりますから、従って多少は不利な条件、すなわち特に問題になりますのは品質、価格でありましょうが、それらの点について、不利でもやはり押しつけられてしまうという事柄をわれわれは危惧しておるから、そういうことをお尋ねをするわけです。すなわち予算の上でもう受け入れ完了を想定いたしました予算が組んでございます。そうして先般来の減収加算問題であるとか、今問題になっております米価問題等で、おそらくは今年度の予算は全く余裕のない予算にならざるを得ない、こう思われるわけですね。そういうことでございますから、従って農産物の市場関係からいきますれば、私と長官と同意見であるごとく、買手市場であるにかかわらずこの場合においては売手市場になる危険がある。そういうような財政予算等の計画の特殊な事情のために危険がある。語るに落ちると言いますが、今私はその悪いことを願うわけではありませんが、その場合は一体どういうふうにされるか。その方針がなければ買手市場が売手市場に逆転いたしまして、いやでもおうでも受けざるを得ないのみならず、予算上の政治的責任等が出てくるので、国民の不利益も顧みずして予定額は押しつけられる、すなわち引き取らなければならぬというような問題が出てこようと思うのです。そういう点で特に私はそのことをお尋ねしたのでございます。今は想定していらっしゃらないでしょう。しかし今までの審議におきまして長官のお言葉が真実でございますならば、品質、価格等において不利であるならば必ずしもアメリカから予定額を受け取らぬでもいいのだ、そのつもりでやるのだという御答弁でございました。だからそれが真実であれば今の問題が出てくるわけですから、そこで私はこの言葉を念のため後々のために明らかにしておいていただきたいと申し上げるわけであります。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御忠告の点は私はごもっともだと思っております。こちらはどんなに強く言っても、お前の方はそれは使い道を作っておるではないか、それだけは受け取らなければならないではないか。これくらいのことは相当交渉上あることだと思いますから、そういうような点も十分私どもの頭の中に入れて、そしてこちらの有利なように善処していきたいと存じております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 どうも御答弁にならないで……。もとより買手市場の有利な地位をあくまで確保するということで、その場合にそうなりますならば、ますます今の予定額に買付完了しない場合が出てくるわけでございます。そのときにおいては私はアメリカに対する態度じゃなくて、日本の財政計画に対する修正をどうなさいますかということを伺っておるのですから、前段に対してはお答えいただく必要はありません。後段に対してお答えをいただきたいのでございます。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまそこまでは想定しておりませんが、そのときになりますればそのときにまた善処いたしたいと存じます。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 どうも満足な御答弁をいただけませんので、はなはだ遺憾でございますが、これ以上やりましても、押し問答で、しようがありませんから、不満足の意を表して先へ進みます。  次にお尋ねいたしたいのは、来年度、同様の協定を結んで買付される場合には、この借款の分と贈与の分、今年度の二百十四億円と、それから一千五百万ドルの分、こういう分に対しては一体どういうお見通しを持っておられるか、どういう方針で、お臨みになるつもりであるか、お尋ねいたします。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 来年度のものにつきましては、全然白紙でございます。原則的に申しますと、ただでもらうようなこじき根性はやめたらいいじゃないか、私もその意見には非常に同意するわけでありますが、しかしそろばん玉からはじいていって、また日本のためによくなるということならば、これを考えなければならぬ、あれやこれや考慮いたしまして、来年度は、いろいろ御注意もありましたことでありますから、これを基礎に置いて、全く白紙で交渉に当ってみたい、こう存じております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 この買付代金の借款の分はどうですか。借款に対する向うの態度、こちらの方針は……。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 借款の条件等につきましては、根本的にこの条件をくつがえすということはむずかしかろうと思います。そういうことを前提として、来年度のものは取りきめていきたい、こう存じております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 私のお伺いしているのは、来年の買付についても借款の積み重ねをされるつもりですかということを伺っているのです。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 その点につきましては、日本全体の経済とにらみ合せまして、来年度の状況、今年度の模様等もしんしゃくいたしましてきめたいと思っておりますから、まだその数量等も考えておりません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 外務当局にお尋ねしますが、それはこちらの投融資計画でもし欲するならば、向うはくれるという態度を持っているわけですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 米国の法律には、もし日本が希望すれば借款もできますし、また贈与もできますような道を開いております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 その問題に対しては今まで全然話はなく、政府も無方針だということですね。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 来年度のことにつきましては、まだ政府としては決定いたしておりません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 続いてお尋ねいたしますが、来年度買付を向うが希望した場合、そしてこちらがこれを拒否した場合、そのときにおける今年度借款、これに対する条件は、もとより変更あるべきはずはないと思いますが、そのことについてはちゃんと話し合いはしてございましょうね。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは当然のことと考えております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 話し合いはしておりますか、確認を求めておられますかどうか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 確認はどうですか知りませんが、求める必要もないように私は思います。これ以外のことは協定をしない。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 関連して一点だけ。長官並びに外務大臣にお伺いしますが、今までの御答弁で、来年不利ならば断わる、有利ならば続けたい、こういうお話です。しかしまた米国の事情は御承知の通り三年間に十億ドルという大体の限度をきめております。そしてそのうちでも七億ドルだけが、いわゆる外貨、外国の貨幣による売り渡しであり、三億ドルが贈与です。今年の一月末のその後の状況はわかりませんけれども、この七億ドルのうちの五億五千万ドルはすでに成約済みです。三億の贈与分のうちの一億五千万ドルはすでに成約済みです。そういう点から見て、日本の政府としても、私どもはこれを受け入れるか受け入れないかという問題でなくて、ほんとうにあなた方の言うように、受け入れるか受け入れないかの態度を早くきめないと、十億というワクは終えてしまう。その場合にはあなた方はどうするか。国内におけるあらゆる計画というものは変更されてきます。ここでは、来年はもう少し様子を見てからでいいなんと言うていますが、向うでもって要するにこれに引き当てたところの五十四年法に基く財源、大統領の限度が終ってしまえば、これはある意味においては、日本の財政の上にも、食糧計画の上にも非常に混乱を来たすと思う。これらについてただいままで交渉はしていないとか、予備交渉はしていないということですが、アメリカの方の新聞あるいはそれの日本に移されたところの新聞の情報では、すでに予備交渉を始めているように伝えております。ですから、この点はもう少し率直に以上の点を見てどういうふうに進んでいるかということをこの際明確に言っていただきたい。ただ単に何もやっておりませんというだけでは、いろいろな状況から見て、そんな無責任な答弁はないと私は思うのであるが、どうか。この点だけ……。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 全くお話の通りで、前もって十分これは方針を決定しなければならぬ問題であることはもちろんであります。そこで秋までにはそういうことをすっかり決定して、考えをきめていかなければならぬ、こう思っている次第でございます。しかし今のところこの次の問題まで考案をしているか、こういうことになりますと、その考案はまだない、こう申し上げているわけであります。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 次にお尋ねいたしますが、これと実質的な関連があるのでお尋ねするのですが、昨年度のMSAによります贈与分一千万ドル、それから向うの使い分四千万ドル、これの使用状況はどういうふうになっておりますか。この前もちょっと質問の途中で私も申し上げたと思っておりますが、政府からの正確な報告をお伺いいたしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 私がただいま記憶いたしております範囲におきましては、昨年のMSAのものはすでに片づいて、全部円になって日本銀行に積み立てられているように聞いておりますが、そのどういうふうに使われているかということは、事務当局から数字をもってお答えいたします。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 昨年のMSA法の五百五十条に基きまして受け入れました円資金の積み立てでございますが、このうち、日本側が贈与を受けて御承知のように一千万ドル、三十六億円使えることになっております。そのうち本年の一月におきまして、火工器、それから銃砲弾、こういうものを作る設備等、六業種に対しまして七億四百七十万円を日本開発銀行を通じて融資をいたしております。それから次に三月末におきまして弗素樹脂等の関連産業というものが三業種ございますが、これに二億五百万円やはり日本開発銀行から貸し付けるということに話がつきまして、これは開発銀行にすでに振りり込まれております。なお残りが、約二十五億円ございますが、この分につきましてはただいまのところ大体におきましてジェット航空機の生産施設というようなものに使う予定でございますが、基本的な計画につきまして目下検討中でございます。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 それから米政府側の四千万ドルはどういうふうになっておりますか。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 米側使用の四千万ドル分でございますが、これはただいま資料を手元に持っておりませんので、後ほど取り寄せてお答えいたしたいと思います。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 あとで正確な御答弁はいただくといたしまして、ラウンド・ナンバーの記憶程度でけっこうですから、本案の審議の参考のために伺いたいのです。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 至急調べましてすぐ御説明いたしますからちょっとお待ちいただきたいと思います。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 それではほかの問題についてお尋ねします。さきの三十六億の使用が非常におくれて、大半といいますか非常に多くの部分が残になっておるわけですが、これの理由はどういうことでございましょうか。日本の金融状況からいたしますならばこれは飛びつくもので、昨年度のMSA小麦協定の唯一のプレゼントであった三十六億が、一年たってもいまだにこういう状況に置かれておるということでは、まるで話が違うとわれわれは思うのです、その間の事情を明らかにしていただきたいのです。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 先ほど申し上げましたように、残額が今日でも二十五億ございます。これは大体ジェット航空機の生産施設のために使う予定でございますが、これを施設に融資いたしますためには、しからば将来日本のジェット航空機の需要の面からいって、どのぐらいの施設が適当であろうかという点について、よほど慎重に考えなくちゃいけないという点をいろいろ調べておりまして、大体近いうちにまとまる予定でございますが、ほとんど大部分ジェット航空機の施設になると思います。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 今のお話によりますと、日本がみずから欲してこれを今まで使わぬでおったのだというふうに聞えますが、実情はそうではなくて、おそらくはより早くより他のことにも使いたい事情であったにかかわらず、アメリカとの関係でおくれたのだろうとわれわれは推測しておるわけですが、その間の事情を伺いたいと私は申し上げたのでございます。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 その点はお説のごとくはなはだ私は遺憾に思っております。一々アメリカ側と相談しなければこれが出せない。ところがこれはもらったものだからしょうがないと思ってあきらめておりますが、今回のものは、それがあっては大へんだというので、それを非常に私は頭に置いて、今度の借り入れのものにつきましては、農業開発、電源開発、生産性本部という大まかなワクはきめる。しかしその内部の内訳については何らそういうふうなことをやってもらっては困るということをはっきり言いました。前の一千万ドルを使うということについては非常に困られたことは事実でありますから、それがないように今後のものはやっていくという方針で進んでおりますし、またそういうふうに、実行いたしたいと存じております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 その点は事情を正直にお答えいただいてよくわかりました。しかし文面または今までの交渉におきましては、事後報告でよろしいとお答えになりましたが、しかしあたかも銀行が貸した金に対して後々になっても相当発言権を持って経営方針、使用方法、融資計画等について発言をするごとく、私どもの推測によりますれば、この場合とそう違わないようになる可能性が、高碕長官の努力にもかかわらず相当多いと思いますから、その点はわれわれに対してのお答えがうそにならぬようにこの際一言警告申し上げておきたいと思います。  それからその次にもう一点だけお尋ねしたいのですが、三年間据置で、あと年間の返済が始まるわけですが、それはどういう方法でどこへ返済をしてその使途はどういうふうにするかということ、これは今まであるいは私が欠席して聞き漏らしておることかもしれませんが、これも私としては直接伺っておりませんし、はっきりいたしませんから、後のためにお答えをいただきたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 四十年の年賦にいたしまして、最初の三年間は据置でございます。その計算の基礎は六月三十日から計算いたします。そして三年間は据え置いて、それからぼつぼつ始まるわけでございます。そこでこれを元利ともどっちの方法をとるかということは、元利を合計いたしまして、それを逓加法ですか、そういう方法で大体支払うことになっております。大体においてよけい払っても一年に二百万ないし三百万ドルの限度である。ドルで払った場合は、今度ドル貨をアメルカに送るのではなくて、こちらでドルで払うわけでございますから、そのドルをアメリカの方ではできるだけ日本で使ってもらう。今まで大使館においては大体一年間に三百万ドルくらいのものをアメリカから現金を持ってきておって、それを円にかえて払うわけですから、アメリカから三百万ドル持ってくるものをこちらのもので使ってもらうということにすれば、私はドルで払ってもちっとも差しつかえないと思う。かりに円で払ったという場合になりますれば、これはアメリカ側が円貨をもって日本に支払うわけですからこれは問題ありません。そこのところをなるべく日本に有利なようにしてもう、こういうふうなことに進んで取りきめておるわけです。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 その元利使用の目的、場所等については話し合いは済んでおるのでございますか。でき得るだけ日本国内において使用するという話し合いにおける了解程度のことなのですか。その点はどういうふうになっておりましょうか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 これを円で払う場合はもちろん日本だけしか使いませんが、ドルで払った場合もそういうふうにしてもらうということの口の話はしておるわけです。

酒井俊彦総理府事務官(経済審議庁総務部長)

○酒井政府委員 先ほど御質問がありました昨年の四千万ドルの使用状況でございますが、話し合いで一千万ドルは昨年六月までの会計年度に成立いたしました契約の支払い、つまり第三国向けの弾薬の域外調達等に使用済みでございます。あとの三千万ドルが今後やはり第三国向けの域外調達に使われることになっておりますが、その三千万ドルの分は全然まだ未使用だそうであります。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 念のために長官にお尋ねしておきますが、さっきのMSAの三十六億の使途を交渉する場合は、相手はどことやっておるのですか。大使館ですか、あるいは顧問団を通じてですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 アメリカ大使館であります。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 最後に事務当局にちょっとこまかいことをお尋ねしますが、受け渡しに伴います検査の方法です。それから受け渡しの責任のアメリカ船の場合と、日本船または三国船の場合と違うと思いますが、それは普通の貿易の場合と同じ手続、機関がこれに当るわけですか、あるいは特殊なこちら側の在外機関等を動員されることになっておるのか、あるいは一般の業者が大体現実の取引をやって責任は持つわけでしょうから、そうなりますと一般貿易同様の検査機関あるいは受け渡し責任の原則によろうかと思いますが、何か特殊なものがあるかどうか、それをお尋ねしておきます。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 御説明いたします。買付に当りましては、食糧庁では、たとえば小麦につきましては米国農務省の農産物規格規程に定めてあるナンバー・ツーならナンバー・ツー以上のものを買うということを一般に公示いたしまして、先ほど資料としてお配りいたしました関係商社が入札に応ずるわけであります。そうしてそういう規格のものを向うで買い付けるわけでございます。その規格に定められます水分なり異物の混入の度合いその他につきましては、米国農務省の検査官の証明書を取り付けるわけです。米等につきまして、米国の農務省の規格には出ておらないが、日本としては非常に関心のあるたとえば搗精度というような問題になりますと、日本側の商社が現地におります検査機関に委託いたしまして、その証明書を取り付けて日本本国に持ってくる。そして本年度から食糧庁の買い入れは着地検査になりましたものでございますから、今度は港で食糧庁の検査官が、食糧庁の定めました規格であるかどうかをもう一度ふるいにかける着地検査を実行いたしまして、その結果によって食糧庁が買い入れる、かような手続に相なっております七〇穗積委員話が前に戻って恐縮ですが、高碕長官にお尋ねいたします。四年目からの返還分、それが今度の協定によりましてアメリカ政府の日本国内使用分は九十万円になりますが、この中へ繰り入れられてあの予算が増額する可能性はむろんあるわけですね、それはないようになりますか、その点はまだ話し合いになっておらぬのかどうか、その点われわれ協定文を見ただけでは明瞭になっておりませんので、お尋ねしたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ちょっとわかりかねますのですが、九十万円とか……。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 言い違いました九十億円です。九十億円の今度の協定でアメリカ政府使用分がございますね。その中へ繰り入れることがあるかということです。次年度協定がない限りは、それはないわけですか。あの額は増額されませんか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 そのアメリカ側が使用した三割の分のあの中に入れるかどうか、こういう御質問ですね。あれに使うものは内容ははっきりきめておりますから、従ってこれはその中に繰り入れられぬということに御解釈願ってけっこうだと思います。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 そうしますと在日米軍の宿舎の建設または日本国内における農業市場開拓のためにどういうふうな使い方をするのか知りませんが、その費用等はただいま予定されたものより増額されないことになりますか。農業市場開拓のために多分七億二千万円ばかり使うことになっておると思いますが、そういうものが増額されることは絶対にないということでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 その通りでございます。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 これでよろしゅうございます。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これにて本件に関する質疑は終了いたしました。これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次これを許します。委員会において討論の順位は規定がありません。本会においては反対、賛成、反対、賛成でいく、これが討論の原則であると思いますから、この委員会においてもその形で進むことをあらかじめ御了承を願いたいと存じます。細迫兼光君。

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫委員 私は日本社会党を代表する者でありますが、私どもは根本的には承認することに反対しなければならないという結論を持っておるのであります。(拍手)それで民主党の委員諸君やあるいは自由党の委員諸君が私どもの反対意見に同調していただけるように、以下主として私どもの意見を述べておきたいと思います。  この協定を貫く一つの精神といたしまして、この協定の基本になりますアメリカの五十四年法の名前に見ても明らかなように、アメリカの農産物の貿易を増進する、そのための取りきめであるという一つの精神が流れておると思うのであります。これはいなみがたいことです。それが日本のためにも役に立つか立たぬかということはまた別問題といたしまして、これが第一、私は好かぬのであります。  今私どもが日本の国をどうしてやっていったらいいかというその一番大きな問題は、日本がほんとうに独立を早く得なくてはならないということ、日本の国民が楽に食べていかれるようにどうしたらできるだろうかという問題であると思うのであります。しかるに結論的に申しますれば、こういう協定はどうしてもアメリカの経済に日本が依存するというこの依存度を増加し、深める役目を果すということはいなみがたいことだと思うのであります。もちろんアメリカとも友好状態を続けなくてはなりません。われわれの最も希望するところでありますが、友好状態を続けるということと、依存度を広くし深くして、これから脱却できないようになるということとは別問題であります。重光外務大臣が口にせられますような自主独立ということをほんとうに文字通りに解釈しますれば、なるべくある一特定国への依存度は軽くしていくということが考えられなくてはならぬと思うのであります。そうして自由な立場に立ってこそ、初めて自主独立というお言葉がそのままに実行せられるという、こういうふうに解釈しなければならぬと思うのであります。しかるに今まで、これは全部が重光外相の責任でもありませんけれども、安保条約からMSA条約あるいはこの協定というように、漸次依存度が広まり深まっていくことを私は感ぜざるを得ないのでありまして、インデペンデントのインを忘れてデペンデントばかりになっていくように考えるのであります。私の下宿の窓から名にし負う昔の麻布三連隊のあとの屋敷が見えますが、これは今アメリカ空軍の司令部になっておって、アメリカの国旗がへんぽんと翻っておるのを毎朝見るのであります。悲しいかなこういう状態を朝晩見ておりますと、何だかこれが不可思議なことでない、当りまえのことのように感ぜられてくるのであります。これは私だけではなくて、日本国民全体がそうだろうと思うのでありますが、これは非常におそるべきことでありまして、早くこういうことから脱却をしなくてはならない、これがわれわれの努むべき根本の国策でなくてはならぬとかたく信じておるのであります。  今日政治状態を見ましても経済状態を見ましても、あるいは軍事状態を見ましても、このある一特定国、すなわちアメリカへの依存度が日々深くなっていきつつある。政治面を見ましても、あるいは防衛分担金の問題あるいは自衛力漸増という問題など、実質上一々アメリカとの話合いに待たなくては、日本の予算さえもはっきり組めないというような状態でありますし、あるいは特需の問題にしましても、あるいは中国、ソ連との貿易が制限せられておるというような問題におきましても、こういうふうな経済上の問題、軍事上においてはもちろんのことであります、依存度がきわめて深いのでありまして、独立という実質を備えていないことは言うまでもなく、そういう言葉がふさわしいかどうかすら疑われるような状態であります。しかしこれは何も努めてそうしていらっしゃるとも思いませんけれども、特に警戒してこの点は考えていかなくては、苦しまぎれに次第々々にこうした依存度を深め、独立を失うということに陥ってくるのでありますから、極度に、神経過敏なほどにこれには気をつけなくてはならないと思うのであります。もちろん私は、この協定に賛成の気風にある委員諸君がこのことを忘れておるとは思いません。あるいは日本独自の憲法を今や作らねばならぬといって、憲法改正——私どもはこれを憲法改悪と称しておりますが、そういう議論の出てきつつあるその精神の流れ出て参りますもとは、言うまでもなく、日本がほんとうの独立を得なければならぬという精神に基いておると思うのでありまして、私はそのお心に訴えたいのであります。どうか真の独立をかちとるために、いささか神経過敏だという非難もあるかもしれませんが、あえてこの協定を承認することに反対することに御同意が願いたいのであります。  いわんや学童給食用のためにただでもらうということは、なるほど経済的にはありがたいことでありますが、これが学童に及ぼす心理的な影響などを考えますと、まことにりつ然としてはだえにアワを生ずる感がいたすのであります。このことは詳しく私が言うまでもなく、皆さんがすでによく御想像もできるし、御承知のことだと思うのであります。アメリカからただでもらったものを食わしてもらっておるというこじき根性を、わが幼なき学童に植えつける効果というものは、否認できません。いわんやその中には戦争によって父を失いあるいは兄を失った遺児なんかもありましょうが、アメリカからただでもらったものを食わしてもらっておるんだというようなことは、客観的に見ましても、実に涙なくして考えられない悲しむべきことと言わなければなりません。私どもはアメリカとの友好関係を深くすることには決して異存はありません。よく努めていかなくてはなりません。しかしアメリカが現在どういうことをしておるかということをはっきり見なければ——アメリカの言う通りになるということが、私は友好関係を深めるゆえんではないと思うのでありまして、それが世界平和を目ざしておるものであり、おのおのの国の独立を念願しておる国策でありますならば、私どもはこれに同調し、これと協力することに何ら不安もなく、反対を唱えるところもありません。しかし私の見るところによれば、アメリカは現在いわゆる共産圏、非友好国に対する巻き返し戦術と申しますか、巻き返しの国策を強行いたしておるのであります。かってはともに天をいただかずと思われたような国々。日本にしましてもあるいはドイツにしましても、あるいはスペインのフランコ政権などに対してすら媚態を呈してといっていいほどお情をかけてこれと力を結び、いちずに共産圏諸国を巻き返すという世界政策を強行しておることは言うまでもないのであります。これは決して平和に通ずるものでないし、諸国の独立をこいねがう政策の現われだとはどうしても理解することができない。そういうアメリカの政策に同調するということになる危険がある限り、私どもはこの危険な区域に足を踏み入れることは、警戒しなくてはならないと思うのであります。現にこの協定の中にも、非友好国というような穏やかならぬ言葉が出ておりまして、これは明らかに一つの仮想敵国を予想した上に立っての協定であります。そういうものに、私どもがいかに腹がひもじいからといって恩恵をこうむり、足が出なくなるという関係に踏み込むことは、よほど警戒しなければならぬ問題だと思うのであります。  しかもこの協定を見まして、第一条でありますか、予定せられております輸入農産物の数量を見ますれば、余分のものになりはしないかと思われるものがあります。ずいぶんと御説明も承りましたが、私はとんと了解ができないのでありまして、先年MSA協定の審議の際には、前年度は小麦が非常に凶作であったから、この際輸入計画を二百万トンにするのだという話でした。平年度の輸入必要量は百五十万トンでよろしいのであるが、去年は凶作であったから二百万トンの輸入計画にしたのだ、こういうお話でありました。しかるに最近新聞で見るところによると、農林省が麦の収穫の予想発表をいたしております。ことしは去年よりも少しく収穫は下回っております。三十年度の麦でありますが、去年よりは三百万石くらい下回っております。でありますが、その去年というのがもう非常な大豊作でありました。空前の豊作だった二十九年度、こういう言葉まで使われております。二十九年度は空前の豊作でありました。ことしの小麦の成績を見ましても、平年度の収穫に比較すれば一〇五%、大麦においても一〇五%、裸麦においても一〇六%というようなことを農林省は発表をいたしておるのであります。この空前の豊作でありました去年の麦の収穫を見ながら、またことしもこれに比較すれば減収ではありますが、平年度に比べれば一〇五%くらいの増収になっておりますこの状態において、平年度以上の輸入計画というものが私はどうにも納得できないのであります。凶作だったから二百万トンと言われる、そのまた上を回って二百二十四万トンでありましたか、でありますから、これは膨大な上回った輸入計画であります。これはこの余剰農産物を受け入れる余地を余分に残さんがために、わざわざこの輸入計画のワクを拡げたのではないかと、意地の悪い解釈でありますが、解釈できるのであります。そうまでして恩恵をこうむる必要はありません。いわんや、さっき申し上げましたように、ただでもらったアメリカからのパンを学童にわけてやるというような好ましからざる影響の予想されますことまでやらなくてもよろしいのでありまして、これは厳重に必要な数量に限定すべきものであります。麦の問題においてさようでありますし、あるいはまた酪農方面に非常に深刻な影響を及ぼします脱脂粉乳などに至りましても、同様なことが言われるのでありまして、日本の農業ことに酪農業には非常な圧迫を加えます。しかもこの協定には、アメリカの農産物を輸出する新たなる市場の開拓のために、この中の金から金が使われるのでありますが、アメリカの新たなる市場といえば、私はうっかりいたしまして、午前中質問したとき申し上げましたように日本の国の外の外国の市場だと考えておったのでありますが、答弁によると日本の国内のアメリカの市場の意味だそうであります。そうなると、日本の国内におけるアメリカの農産物の市場を増大するということのために一番よい方法は、日本の農産物をできないようにしてしまう、日本の農産物の生産額を減らしてしまうことが、アメリカの農産物の市場を開拓するゆえんなのでありまして、これはもうとんでもないことに相なるので、そういう精神をもくんでおるので、アメリカからの輸入農産物を固定化し、その市場を固定化し、しかもこれを拡大していこうということが、この協定の精神の中に流れていると見なければならぬ。これははっきりこの協定の中にも文字が書かれておると思う。  そういうような意味におきまして、今私ども自主独立、中立の政策でもって日本の運命を進めていかなくてはならぬと考えております立場から、あるいは鳩山さんや重光さんが申されます自主独立という立場も、ほんとうの独立という意味をお考え下さりますならば、区々たる金銭上の利害というものを超越いたしまして、日本の将来のほんとうの独立、日本国民の独立を要求する、その精神作興というような大きく高い立場に立って、すべての物を見ていかなくてはならぬと思うのであります。そういう観点から申しまして、この協定はそれに逆行するものであると結論づけざるを得ないのであります。あえて私どもはこの協定を承認することに反対せんとするものでありまして、民主党、自由党の委員諸君の私への御同調を切にお願いする次第であります。(拍手)

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 大橋忠一君。

大橋忠一日本民主党

○大橋(忠)委員 私はこれから民主党を代表いたしまして、本協定に賛成の意を表せんとするものであります。  この協定は昨年度のMSAに基く小麦の輸入協定と違いまして、昨年度に新たにできました余剰農産物処理に関する法律に基いた純粋の経済的の協定であることを第一に指摘したいと思います。この協定によりましてわが国は八千五百万ドルまでの余剰農産物を購入することとなりますが、同時にわが国学童の福祉計画を拡大するために、千五百万ドルの余剰農産物の贈与を受けることになっておるのであります。この八千五百万ドルを見返りとしてわが国に積み立てられる円資金のうち、その三割は駐留米軍が使用し、七割は電源開発、農業開発及び生産性の向上のため低利長期の借款として受け入れることになっております。この協定の実施がわが国にもたらす利益は、本来外貨による輸入を必要とする農産物を円で購入することができ、また贈与を受ける農産物によって、現在の児童福祉計画を一段と拡大することができる。次に農産物購入代金の七割、すなわち約六千万ドルに上る額を、四十カ年という長期の年賦、年三分ないし四分というきわめて低い利息の借款として、そうしてそのお金を食糧増産、電源開発等わが国の基礎産業の発展に利用することができる。これだけの農産物はどっちみち外貨をもって外国から輸入しなければならないものでありますので、それだけ外貨の節約になるということであります。さらに現物贈与という形で千五百万ドルまでの余剰農産物がわが国学童の福祉増進に使用し得ること等、いろいろな利益があることは御承知の通りであります。  本協定実施の結果、わが国農業の対米の従属性を強め、食糧需給の努力に悪い影響を及ぼす、入超国たるアメリカからばかり輸入するということは、わが国の輸出を促進するゆえんでないという、いろいろな反対論がございます。  このうちわが国の対米への従属性を強めるという問題であります。これはわれわれもむろん一日も早く自主独立の国家にならなくてはなりませんが、今日のわが国といたしましては、この目的を達するためには、やはりアメリカの膨大なる経済力を利用すること以外に、わが国の自主独立、経済的の自立ということを促進する道はあまりない。つまりアメリカを実は利用して、アメリカに対するわが国の経済的従属性を少しずつでもなるべく早くこれを脱却するというようなふうに持っていくそういう意味において私は本協定は非常に意味があると思うのであります。  従いまして本協定は、今日の日本の実状といたしましては、わが国にとって非常にためになる協定であると思いますので、私は本協定に賛成の意を表したいと思います。(拍手)

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいまの農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定について、簡単に反対の意見を述べんとするものでございます。  今回の協定の中には一千五百万ドルの贈与があるがゆえに、日本にとつても非常に有利であるかのごとく政府は説明しておるのでございますが、幾ら贈与分がありましても、一億ドルのうちの六千万ドルに近いものは借款であることは間違いなく、それがいかに長期のものでございましても日本国の債務となります。債務額が多くなればなるほどいやおうなしに従属性が強まることは、どんなにだれが弁解をいたしましても理の当然でございます。私は、自主独立の日本を一日も早く打ち立てることを希望する国民の意思と反対の方向に導いていく政府のこの態度にまず反対せざるを得ません。  民主党の政府は、六カ年の計画で食糧増産をはかり、輸入を徐々に削減すると公約しておるのであります。ところが今回の協定によりまして、八千五百万ドルの物資買付は、通常の輸入量の上積みとなることを必要とし、従って小麦の例をとってみますれば、通常アメリカから輸入するものが七十五万トンであり、余剰農作物で予定しているものは三十四万トンであります。このほか大麦、米、綿花等の輸入もありますが、特に小麦に関しましては、日本の小麦の方がどうしても品質が劣るために、外麦をよけいに入れる傾向がますますふえ、日本の小麦の品質改良に対して熱意を示さず、その結果日本農村の小麦生産が減少し、必然的にアメリカよりの輸入を助長する結果になるのでございます。さらに米の場合にいたしましても、この協定に基いて、通常輸入量のほかに輸入することになるのでありますが、このことは日本が貿易関係を結んでおります国々、特に東南アジア等の国々との摩擦をすでに超しているということを聞いておるのでございます。そしてそれは日本にとつて大きな貿易市場を失うことになるのでありまして、これまた反対せざるを得ません。この協定の第五条第一項の(3)に、「合衆国の農産物の新たな市場を両国の利益になるように発展させることを助長するため」云々とありますが、日本の市場を開くことを考えるといたしましても、アメリカは自国の農産物の市場を発展させ、アメリカの農業をいかにして保護するかということに必死になっております。わが国もまたわが国農業を保護しなければなりません。いかに協定の中で両国の利益になるように発展させることを助長すると言ってみても、国力の劣る日本、弱い立場にある日本が、どうして強大なアメリカに太刀打ちできるでありましょうか。結局あり余った農産物を売り付けられるという形になって、条文の意味するものと実質的に異なった方向に持っていかれるのでございます。従ってこの八千五百万ドルの七割の借款は、電源開発とか、農業開発、生産性本部に向けられるときめられておりましても、日本農業の開発が行われれば行われれるほど、アメリカの余剰農作物の市場は閉ざされる点を考えますと、この協定の内容に幾多の矛盾を指摘せざるを得ないのでございます。  そのほか輸送の問題があります。アメリカの規定によれば、五〇%は米国船が運ぶことになっております。従ってわが国が高い運賃を払わなければなりません。わが国と違いまして、デンマークでは米船、自国船半々の原則をあくまでもアメリカが主張しましたので、本年の余剰農産物受け入れを拒否するという強い態度に出たという例さえも示されているのでございます。  また本協定中、わが国の児童の福祉計画を増大するために、小麦、脱脂粉乳、米綿等が千五百万ドル贈与されることが、述べてありましたが、ところがこの農産物は販売価格で日本に輸入するのに対し、この贈与分はCCC、すなわちコモディティ、クレディット・コーポレーションという会社の建値で、値段が定められております。この価格は、前者よりも高くなると政府が説明しております。贈与とは言いながら、なぜもっとあたたかい気持がこの面になかったかと、私はまことに残念でございます。この贈与分に対しては加工賃を必要とするために、実際に学童は小麦製品、綿製品を買うことになるのでありまして、この経緯を知らない子供たちはお金を払って買いながら、アメリカから与えられたものと聞かされて、その真意のほどを判断に苦しむような場合が出てこないとも限りません。もし政府がこの贈与に魅力を感じたとするならば、まことに幼稚といわざるを得ないのであります。むしろこの贈与物資に要する加工賃を他に使った方が、子供の将来において卑屈感を抱かせないという意味からしても、より賢明であるとさえ思うのであります。  以上申し述べました理由から考えただけでも、政府がこの協定を今月中に有効ならしめようとするのは、まるでどこからかむちを打たれているような感じを国民に抱かしめるものでございます。こうした意味から、どうぞこの際もう一度考え直しをされんことを強く要望いたしまして、私の反対討論を終る次第でございます。(拍手)

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 北澤直吉君。

北澤直吉自由党

○北澤委員 私はただいま議題となりました農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、自由党を代表いたしまして、左記理由によって、賛成の意を表明せんとするものであります。  第一に日本は食糧の自給度を高めますために、あらゆる努力を払っておりますが、年々百万を超える大幅な人口増加のために、毎年三百万トン以上の食糧を外国から輸入しなければなりません。そのために数億に上る貴重な外貨を年々外国に支払わなければなりません。また綿花等は日本の産業に必要な原材料でありまして、日本に絶対不足する物資は、どうしてもこれは外貨によって輸入しなければならないのであります。今回の協定によりますれば、米国の余剰農産物で、これらわが国に必要な食糧及び原材料を八千五百万ドルだけ外貨によらないで、円通貨で買い付けることができるわけでありまして、これは先ほど日本民主党代表の討論にもありましたように、それだけわが国としては外貨を節約することができるわけでありまして、わが国の経済自立に必要な国際収支の改善に寄与することが大きいものがあると信ずるのであります。  第二に、今回の協定によって千五百万ドルに相当する小麦、脱脂粉乳及び綿花をわが国の学童の福祉計画に充当するために、無償で給付を受ける次第でありまして、これによって、わが国の受けます利益はここに多言を要しません。  第三に今回の協定によって、わが国の買い付けます農産物の代金として支払われる八千五百万ドルに相当する円通貨は、日本銀行に積み立てられて、そのうち三割は米国政府が日本国内において、住宅の建設その他必要物資の買付のために使用することになっておりまして、いわゆる米国の域外買付の一部として、日本の物資及び役務に対する有効需要を喚起する次第でありまして、日本産業に対する好影響が少くないと信ずるのであります。  第四に、この積立円通貨の七割はドルに交換して、あらためてドル借款として米国から供与を受け、日本の基礎産業である電源の開発、愛知用水、さらには生産性本部というものに、それぞれ百八十二億五千万円、三十億円、一億五千万円ずつ使用することとなっておりまして、一億ドルに上る世界銀行の借款とともに、外資導入の有力な一環であるばかりでなく、わが国の財政投融資計画に必要な資金の確保に貢献するところも大であります。特に愛知用水の事業が、世界銀行借款と、本協定による借款の二本立によりまして促進せられ、わが国の食糧増産に寄与するところがありますことは、これは特筆すべきことと私は思うのであります。  第五に、本協定は日本を米国に従属せしむるものであるとして反対するものもあるのでありますが、これは当らないと信ずるのであります。何となれば、日本経済自立のためには、資本不足の日本としましては、外資導入の必要でありますことは論を待たないところでありますばかりでなく、また今回の協定によります借款は、日米対等の立場に立つ経済借款であるからであります。  以上の理由によりまして、私は自由党を代表しまして、この協定に賛成するものでありますが、この機会に次の数点について政府当局の注意を喚起せんとするものであります。  第一は、この協定に関する交渉は、吉田内閣の手によって始められ、吉田内閣時代に順調に進んでおったのでありますが、旧蝋鳩山内閣成立後は、いわゆるドル条項の問題等をめぐりまして、わが方の方針が二転、三転し、ほとんど半年の間空費されたことであります。結果から見ますならば、最も大局的な見地から交渉を進めまして、すみやかに交渉を取りまとめて、協定を実施した方が日本のために有利であったと信ずるのであります。じんぜん今日まで交渉の妥結をおくらせました鳩山内閣の不手ぎわを指摘せざるを得ないのであります。  第二に、本協定による農産物の買付は、通常取引の別ワクとなっておりますが、過去数年の間の平均による通常取引量の別ワクでありますから、日本の必要量を越えるものではなく、特に日本農業を圧迫するものとも思われないのでありますけれども、本件協定の運用に当りましては、いやしくも日本農業の利益を害しないように、万全周到な注意を政府当局に要望するものであります。  第三に、今回の協定によって、米約十万トンを買い付けることになっておりますが、現在の世界の米市場はいわゆる買手市場ありまして、日本が東南アジア、中近東方面から米を輸入することによって、これと見合って日本商品の輸出を少からず増大することもできるわけでありますから、今後余剰農産物として米国より米を買い付けることにつきましては、輸出増進の見地から、格段の注意を払われんことを希望いたします。  第四に、本協定によります借款の使途については、贈与された目的の範囲内で、随時使用することができるとなっておりますが、昨年のMSAによる小麦協定によって、贈与を受けました一千万ドルの使い方とも関連いたしまして、名実ともに日本側が自主的に使用し得るように、政府当局の善処を要望するわけであります。以上をもちまして私の賛成討論を終ります。(拍手)

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 久保田豊君。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)委員 私はただいま議題になっております農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件に関して、簡単に反対の意見を申し上げたいと思うのであります。  反対を申します第一の理由は、この協定の内容は一見いたしますと純経済的なもののように思われます。しかしながらこの一九五四年法がアメリカの議会において論議をされました過程を見ましても、またこの五十四年法の基本の精神を考えてみましても、これは要するにアメリカの今日の世界政策を裏づけ、同時にそれによってアメリカの農業恐慌を他国に押しつけるということが根本的になっておることは言うまでもありません。今日の日本のあらゆる困難の根本は、アメリカの対日政策、従属的軍事政策とでも申しましょうか、こういう政策であります。これを裏づけるものがこの協定でありまして、この協定によってアメリカの余剰農産物を受け入れますことによって、わが国全体がますますアメリカの戦争政策のとりこになって、身動きができなぐなるという点が強くなろうと確信をいたすのであります。この点におきまして政府がいろいろあげております目先の利益よりも、もっと大きな損失ということを考えまた場合に、特に日本の平和と独立を望む見地からいたしますと、この協定に賛成をすることはできないのでございます。これが根本であります。  第二の理由は、この協定によりまして日本の貿易関係においてプラスがあるようにいっておりますが、私は実際においては将来においてマイナスになろうと思います。政府はただいままでのいろいろの質疑の過程におきまして、この協定が不利であるならば、来年からでもとりやめるということを言っておりますが、愛知用水の諸計画やあるいは学校給食の諸計画等を考えますと、来年度以降においてもこれが続けられることは明らかであります。その場合に、日本は食糧を外国から入れねばならぬ立場にありますが、アメリカに対します依存性というものは、あるいは従属性というものは、これによってほとんど抜きさしならないような態勢になって参ります。その結果は、アジアにおきます米を中心とする日本の輸出入貿易のバランスを大きく破ってくるということは明らかであります。特に今後われわれが考えねばならぬのは、たとえば朝鮮にいたしましても、特に北鮮にいたしましても、あるいは南北のヴェトナムにいたしましても、タイにいたしましても、ビルマにいたしましても、また中国にいたしましても、これらの国は御承知の通りアジアにおきます大きな米産国であります。この米産国と日本がどのように基本的に結んで参るかということは、日本のアジアにおきます将来に最も基本的な問題であります。しかるにこの協定におきましては、すでに一般輸入におきましても二十数万トンのアメリカからの米の輸入に依存しておるのが、さらにこれによって十万トン、将来はこれによってさらに大きくなると思いますが、こういうことでアメリカとの関係を強くすることによって、アジアの米産各国と日本との経済関係というものは、ますます複雑になって参ると思います。この点からも私どもはこれに賛成できません。同時に他の、綿花にいたしましても、あるいは小麦、大麦等にいたしましても、このようにアメリカだけに一辺倒になることは、日本の輸出貿易その他貿易のバランスという点において、将来において非常に大きな不利を来たすであろうことは明らかであります。この点からいたしましても、私どもはこれに賛成できないのであります。  さらに最も基本的な問題は、これによって日本の農業が大きく破壊をさるということであります。今回のこの協定、特にこの前のMSA協定以来日本の食糧輸入というものは、非常に急速にその量を増してきております。特に今回の協定におきましては、日本の今日の生産状況等から見れば、今度の協定分は明らかに日本としては絶対の必要量ではありません。これは全くよけいものであります。このよけいなものをこれだけ入れるその結果は、政府の、たとえば本年度の年度末におきます小麦、大麦等のいわゆる持越量が非常にふえておる、こういう点から見ても明らかなごとく、これを結びつくアメリカの余剰農産物の全般的な受け入れによって、日本はむしろ外国食糧の過剰輸入という状態が明らかに出ております。そのことがすでに昨年以来政府の麦の買い渋りになり、いわゆる一般市場の麦価格の低落になり、本年度におきまして、すでに北澤君から指摘のありました通り、昨年度に比べまして約二万八千町歩という麦の減反になっております。これは作付減であります。こういう格好になって麦作を大きく圧迫しておる。これはおそらく本年度におきましてもそうであります。過般の農林大臣の答弁の中でも、今度この麦を九月までに入れるためには、国内で買い上げた麦の消化ができなくなって困るから、これを飼料に早急に払い出しする措置をとるということを言っておる状態であります。外国で余った麦を入れて国内で作った麦を、当然人間の食糧になるものを飼料に充ててなおかつアメリカからこういう余った麦を入れなければならぬという理由は、私どもにはどうしても納得ができません。これは当面の現象的な問題のように見えますが、そうではありません。片方において今政府並びに保守党全体がぶつかっておる問題は、いかにして米の統制を撤廃しようか、あるいは間接統制に移行しようかということでございましょうが、しかしながらその裏にあるものは、この余剰農産物の受け入れを中心とするアメリカからの過剰輸入を土台にして、国内のいわゆる統制撤廃を促進しようということに意図があると私は思うのであります。それらの結果、日本の農業、特に米麦を中心とする日本の農業に、どのような破壊的な影響を及ぼすであろうかということは言うまでもなく、これはおそろしいことであります。これがこれを促進する唯一の根拠になろうと私は考えます。その点はすでに部分的にどしどしと現われておると思います。  もう一つ国内のデフレ政策ないしは軍事予算のしわ寄せから、日本の農業に対しまするいわゆる土地改良、災害復旧その他の経費は御承知の通りに年年大幅に削られております。その大幅に削られることは、要するに国内の米麦の生産に対して政府が骨を折らない、こういうことになるのでありますが、この基礎はこのような形におきます外国の過剰農産物を入れることによって、これが裏づけられることであります。しかもこの農産物の代金の一部がなるほど愛知用水等に投資されることは明らかであります。しかしながらこの愛知用水に投資されます余剰農産物の見返り資金が果して日本の農業の増産になるかどうか、特に農民経済の発展になるかどうかは大きな疑問であります。と申しますのは、今政府の出しております計画によって試算をいたしましても、今度の愛知用水の範囲に含まれますところの農民は一反歩当り年に二千円以上の借款をいたして参らねばならぬということになります。このような高い水利費、おそらく実際にはこの倍以上になりましょう。こういう高い水利費に小作料その他を加えられた場合に、果してうまく増産ができるかどうかということは非常に疑問であります。ともあれ土地関係についてまで、アメリカの資本の支配を受けるということは、日本の農民の自主性を守る上において、最も警戒をすべきことだと考えるのであります。  以上のような諸点からこの協定の承認に賛成の意を表することはできません。反対を申し上げます。(拍手)

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を承認すべきものと議決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 起立多数。よって本件は承認することに決定いたしました。  なお、本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。  次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十一分散会

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