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22回国会衆議院1955/06/17

外務委員会 第21号

発言数
64
登壇者
10
会派数
2
開催日
1955/06/17

会議録

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 これより会議を開きます。  農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。これより本件に関し質疑を許します。稻村隆一君。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 きのう私が文部大臣に学童用のものを有料にすることはアメリカ側の了解を得たかどうかということを聞きましたら、文部大臣は今高碕さんと相談しておるが、了解が得られるようだ、こういうふうなことを言っておりますが、それは事実でありますか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 それは文部大臣からお答えする方がいいかと思いますが、文部大臣と一緒に私は先方の責任者にごく最近に会ったのでございます。ところがアメリカ側が学童給食どかああいうものについて、アメリカがいろいろなことを言うということは、かえって日本に対してよい結果を来たさない。だから日本の事情を一番よく知っているものは文部省だから、文部大臣がこれをやりたい。それについては文部大臣は有料でやりたいと思っている。それについてどうだと言ったところが、それはあなた方の言うのはもっともだ。だから急速に文部省でこういう案で出すということを一ぺん示してくれないか、日本の言うことは自分は尊重しておる。大体それでいいだろう。ちょっと聞き方によればそれでまかすというふうにもとれましたが、そういう話し合いだったのでございます。原則的に言うと向うの方はなるべく無償でやってくれ、こういうことを希望しているようですけれども、無償ではできないということは松村さんが言うておったわけです。それで大体向うは了解したように私は了解しております。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 文部大臣がおいでになってから私は詳しく聞きたいと思うのですけれども、そういうことは全然考えられないのです。実はこの問題に対しては、アメリカが有料で配給してもよいと言ったというふうにはどうしても私は考えられないのです。どういうふうな技術的な方法があるか、これは文部大臣が来てから詳しくお尋ねしたいと思っております。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 詳細のことは私まだなにしておりませんが、パンのごときは、たとえば五円にするものを二円で配給するとかというふうな方法をとるということを詳しく一ぺん文部省から説明いたしますでしょうが、つまりただのものをもらったからそれをやると原価が安くなる、原価が安くなっただけ安く配給する、こういうふうな方針をとっておるようであります。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 ついでですから長官にお聞きしたいのですが、この中に宣伝費が幾らかありますね、それは要するにパン食の宣伝費に使うのでしょうが、そういう点は非常に日本の農業を圧迫することになるのじゃないかと思うのですが、これは足らない、やむを得ない分を入れるというなら仕方ないけれども、積極的にアメリカのものを宣伝して入れる、そういうことは結局食糧の自給政策を阻害して、日本の農業に対して非常な悪い影響を与えるのじゃないかと思うのですが、この点はきのうも私申し上げたのですけれども、実際上われわれは食うものを買うために、莫大な外貨をはたかなければならぬというときに、こういうことはよほど長官として考えていただきたいと思うのです。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 お答え申し上げます。ただいま御質問の点は、アメリカの、いわゆる第五条の、「農産物の新たな市場を両国の利益になるように発展させることを助長する」、この宣伝費の二百万ドルの点だと思いますが、私はこの問題につきましては、今の御趣旨に沿うように十分こちらの意見を申し出したいと思っております。日本の経済の妨害になる、日本の農業の発展を阻害する、こういうふうなものならば、私は反対したい。それは日本のじゃまにならぬようにするということが原則になっておりますから、ただいまの御趣旨によく沿うようにして、この点は、私自身として折衝していきたいと存じております。その点はいずれまた御意見も承わってやりたいと思っておりますから、さよう御承知願いたいと思います。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 それでは文部大臣に御質問したいと思うのですが、きうの文部大臣は、私が、児童用のものを有料で配給することは、アメリカ側の了解を得られないのじゃないか、こう申し上げましたところが、得られるはずだ、こういうことを答弁されておるのですが、これは私はなはだ無責任な御答弁じゃないかと思うのです。それは今度の児童用のものは、これは一九五四年のアメリカの法律の第二章の規定に基いて、これは贈与分として、綿花と合せて千五百万ドルアメリカの方ではこっちへよこすことになったと思うのです。それに対しまして政府の方といたしましては、加工賃もかかるし、いろいろ金がかかるから、何とか有料にしてくれという交渉をしたと思うのです。ところが処理法の規定によって、向う三ヵ年間に三億ドルの処分をきめたうちの日本向け救済物資だから、もしあくまでも日本側がこれを主張するならば、アメリカ側は救済を停止する以外はない、こういうことをいっておるはずです。そこで政府としては、加工賃その他の予算を支出することになったわけであります。私はこういう点から申しまして、有料で配給する了解が得られるということは全然考えない。政府としては、またいろいろな技術的な面を考えておるでしょうが、なるべくこういうことは言わない方がいいと思うのです。私は農村出でありますから、酪農を非常にひどい目に合せることには反対です。酪農を擁護しなければならぬという立場からあえて申し上げるのでありますが、文部大臣は、きのうは全然無責任な御答弁をされたように思われるのでありますが、それはいかがでありますか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 私は決して無責任なことを申し上げておりません。私はそういう交渉はもちろん不得手でございますけれども、高碕さんと御同席で、外務省の専門の方とともに、ざっくばらんの話をいたしたのでございまして、その席上、なるほどそういうふうに、アメリカの真意が徹底さえするならばけっこうであるから、それで文部省で案を立てることをまかせることを原則として、そしてその案ができたならば、それをまた自分の方にも見せてもらいたいから、そういうことにしようという大体の了解がついたものと存ずるのでございます。もちろんこれは私どもがざっくばらんに話をしたというだけで、これは責任者の間におきまして、さらに成文化して約束ができることと思いますけれども、そういうようなわけでございますから、決して無責任な御返事を申しておるのではございません。  それで私の方では、今その案を立てさせておりまして、その案は日本の給食の面から、また日本の農村の有畜農業、酪農等の関係から見て、最も妥当な案を立てたいと思うのでございます。私も農政にはかって携わっていたことがありますので、農村を圧迫するようなことはいたさない、むしろ酪農を奨励するような方向へ持っていきたい、このように考えております。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 私はこれの了解はむずかしいと思うのです。実際問題として。その場合一体どうされますか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 そういうふうに話が大体できましたので、それが変更される等の場合のことは考えておりません。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 きのう私は有料にしたその金をどこに使うかと申し上げたら、これは児童の給食設備とか、酪農というものに使う、それははっきりしていないのですが、酪農のどういう方面に使う御意見でしょうか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 それから出た金をどういうふうに使うかということは、現にまだ案を持っておりませんが、やはりこれは学校給食完成の目的に使いたい。その範囲において今事務的に案を立てておるわけでございまして、案を得ましたならば、もちろんお示しをして御批判を得たいと思っております。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 松村さんも農村問題に非常に理解がある方と思っておるのですが、私も実は農村出で、日本農業に対していろいろ心配しておるのですが、きのうも高碕長官に申し上げたのですけれども、戦後何百万トンに及ぶところの食糧を輸入するということは、非常に重大な問題なので、前途実に心配にたえないことなのです。そこで私は何よりも先に、食糧の自給自足政策を——これはすぐにはとれない。食糧の輸入が悪いというのじゃない、やむを得ないのだが、しかし少くとも、年々食糧の輸入の量が少くなるような農業政策を——今日は農林大臣おりませんけれども、高碕さんと松村さん両氏に申し上げたいのですが——とっていただかないと、日本の前途というものは実にひどいことになる。それこそ植民地経済になってしまう。そこで、きのうも私は高碕さんに申し上げたのですが、日本の農業生産力は限度に達しておる。しかも漁業の方も思わしくない。その場合残された日本の農業生産力の拡大の道は畜産しかない。それがために政府はいろいろ奨励して、そして苦心惨たんしてやってきた。それがきのうの久保田君の質問にもあったように、向うから来たものがやみに流されたり、それから最近酪農を非常に痛めつけておる。二葉のうち酪農をめちゃくちゃにしてしまう。これは日本の農業政策に重大な問題であると思う。こういう点は今の政府当局はほとんど無関心である。特に河野農政のごときはそうであると思うのですが、この点松村さんは農林大臣もしておられたし、農村問題に対しては非常な権威者なのでありますから、こういう点をよほど注意をして扱っていただきたい、こういうことを私切に申し上げる次第です。これは私の希望でありますけれども、松村さんの御意見、日本の農業生産に対する考え方、むろん所管は違うでしょうけれども、お聞きしたい、こう思うのであります。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 今お話の通りに、酪農の普及という、日本の食糧問題の解決と農村問題の農家の経営の解決とには、ぜひそうでなくてはならない。お話の通りであって、これがためには学校給食の面からもそれと関連を持った政策をとらなければならぬと考えております。ただお考えと多少私違いますことは、食糧を入れれば直ちに農村を圧迫するというお考え方でございますが、私は機会があればできるだけ外国の麦、米を輸入しておいて、そしてそれを貯蔵をいたすべきだと考えております。今日この面から見まして、内地の端境期を渡りますのに、百万石くらいしかの米が残らないという、こういうきちきちの食糧事情で推移いたしておりますが、もしもこういう中に、そういうことはなかろうと思いますけれども、もし世界のどこかに戦争でも起ったとして、そうして東洋へ来る船が足らなくなりました場合には、そういうことの起ったそのせつなから、食糧問題というものは手をあげなくちゃならないことになりますので、私は戦後のあの苦しい状態を手にかけておって痛切に感じますことは、少くとも日本の国に半年くらいの食糧の余裕を持ちませんと、国民全体の飢餓に関する問題が起ってくると思うのであります。従いましてこういうときに食糧が安くとれますならば、日本の国力で許す限り食糧はとっておきまして、そしてそれは予備の倉庫その他で保存をして、内地の米価等に影響を及ぼさないように保存をして、年々古いのと新いいのをかえまして、やっておくということがきわめて大切なことで、そういうことはないからと安心すればそれだけのことですけれども、万一の場合があったら、日本の食糧というものは命に関することでございますから、相当な量を機会があって安く買えるときに入れておくべきものと心得ておるのでございます。これに対して農村を圧迫することがあれば、それは貯蔵を厳重にさえいたして量を調整しますならば、決して影響がないわけでございますから、そういうふうに考えを直さなければならぬのじゃないかと、ひそかに考えておるわけでございます。

稻村隆一日本社会党(左)

○稻村委員 今の松村さんの意見、私決して反対するものではないので、食糧がなければ輸入する。まさかの場合があるときには貯蔵しておく、これは絶対に必要なので、ただ酪農のようなものは全然入れる必要はない。粉乳のようなものは入れる必要がない。酪農を圧迫するような、これから発展しようというふうな、ほんとうに緒についたものに対して、傷つけるようなものは入れる必要がない、こう私は申し上げるのです。それはそれでよろしいのですが、そこで今食糧の問題が出ましたから、実は農林大臣にお聞きしたいのですが、農林大臣は来ませんから、高碕経審長官にお尋ねしておきたいのですが、私どもは食糧の輸入が悪いというのではない。アメリカから買って悪いというのではない。ただ問題は、今のようなやり方で食糧の輸入量の上積みとして、さらにこういうものを入れる。これは日本の農業を非常に圧迫する結果になっているのです。特に私は決して統制経済一点張りじゃないのです。社会党だから何でもかんでも統制経済を主張するのではない。経済というものは自然の原則から離れるものじゃないから、その点あり余るものは自由販売でも何でもよろしいがないものはほんとうに倹約をして統制すべきなのである。ところがそうじゃなく、今日の情勢はほとんどむだに使われている。これは米の統制なども撤廃しようということを農林大臣は言明するし、それから予約買付制度というようなものもあれは自由販売の前提である。それから麦にいたしましても自由販売ですから、こういう貴重な外貨を使って買った食い物をほとんど野放図に使っているというようなこと、おそらく敗戦した日本が経済を再建するときに、こんなむちゃくちゃなことをやっている国は世界にないだろうと思う。イギリスなどその他戦勝国でも厳重にやってきた。これは保守党であろうが労働党であろうが変りはない。それをああいうふうなことをやっている。そうして農家を脅かす、一面において外国から買つたものは野放図に乱費をしている。これは絶対に統制しなければいかぬし、倹約をしなければならぬ。そうしてなるべく食糧などに外貨を使うことを少くするようにして、一面において農業生産力を発展させていかなければならぬ。ところが全然そういう努力はせず、口ではいや足らないから輸入するのだ、増産計画と輸入価格は別だといっているが、前の吉田政府以来今日の鳩山内閣のやっている政府のやり方というものは——私はこういうやり方ではますます食糧の輸入が年々進んで参りまして、一方酪農も倒れ、農産物価格も下落して、農家が参ってしまう。農家が参れば都市の産業も滅びてしまうのでありますから、こういうことになってしまっては日本の経済の再建など絶対にできないと思う。私は高碕さんのような経済人を説教しようというようなことはごうまつも考えませんが、かつてデンマーク、スウエーデンが敗戦したときにどうなったか。まず農村購買力を高める、農業を高度にする、高度の農業と農村の購買力を高め、肥料工場、農器具工場を興し、農村の経済を発展させ、敗戦経済を立て直した。その敗戦の歴史を見れば明らかにわかるのである。私は経済はしろうとのいなか者ですから、高碕さんのような経済人に説教するようなことは考えておりませんが、少くとも私の非常に憤慨にたえないのは、外国から借金をして食糧を買ったり油を買ったりして、それを乱費して一つも統制しない。私は統制経済論者でも何でもない、原則的に統制経済がいい、自由経済がいいというようなことは言えるものじゃない。そのときの事情によるのだ。そういうふうな乱費をして買い入れをしている今日の政府当局者は、何ら日本の経済再建に熱意がないと言える。このままにしておいたら日本は完全に植民地経済になりますよ。アメリカのいわゆる独立資本の恐慌の緩和策としての犠牲になり、市場になってしまう。そして日本の農業はだんだん衰退していくにきまっている。私は余剰農産物の利息が安いからこれでいいというのではなくて、根本的に政府当局者の認識が間違っている。そういう間違ったもとにおいていかに経済再建をしてもだめなのです。こういう点は経審長官あたりよほど考えていただきたい。外国から借金した貴重な金で買った食糧がこのような乱暴な使い方をされておる。これに対しまして経審長官はほんとうにまじめに——私は農林大臣はまじめに考えておらぬと思う。私は学生時代から友人であるけれども全然信用しておらぬが、経審長官は非常にまじめな人だと思うので、この点一つお伺いしたいと思うのであります。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの稻村さんの御心配になる点は私も同感でありまして、今日世界の情勢、特にアメリカの経済状態を調べてみますと、食糧増産、特に産米の計画などにつきましては、実におそるべきものだと思います。安い種を使って、大きな機械や飛行機で種まきをする。こういうことでどんどんやられると、その生産原価は非常に安いものになってしまう。これと対抗して日本の農業がどうなっていくかということは、よほど考えなければならぬ。従いまして日本の農業政策は決して経済的に考えてはいけない。外国から安い物が来るからこれを買うというだけの考えではいかぬ。日本の農村のあり方は、単純なる経済問題ではなくて、日本の民族の将来を考えたときに、都市に集中された日本民族の将来はどうなるか、農村におる青年があってこそ日本のバック・ボーンができるのだ、こういう点から考えましたときに、日本の農村政策というものは、日本民族の将来ということから考えなければならぬ。この点につきましては私は稻村さんと同じく憂えておる一人でございます。将来の日本の経済政策を立てます上において、日本の生産した農産物より安いから、外国から物を持ってくるという考えがいけないということは、第一に私は考えておる一人でございます。  第二に、そういう意味から申しまして、この過剰人口をどんどん吸収していく上におきましては、農村の負担力をできるだけ軽いようにして、工業、商業方面に持っていって輸出を振興していく。それはなぜかと申しますと、現在いかに働いても現状におきましては、日本の食糧は二割足りないのだ。また原材料においては大体三割足りないのだ。これを買ってバランスをとるためには、商工業の方に力を注がなければならぬ。この両方から考えていきますが、しかし日本の食糧生産は断じて減したくない。輸入数量はできるだけ少くしていく方針をとらなければならぬ。食糧の自給ということは採算を無視しても考えなければならぬ、こういう考えで進んでいきたいという所存であります。特にただいま御心配になっておりましたが、長期で借りたものといえどもどうせ返さなければならぬものですから、その一時借りた金で外国から輸入される必要なる食糧を乱費するというようなことはまかりならぬことだ、特にきのうも御指摘になりました児童の食糧として配給されておる乳製品をやみ流しするというふうなことはもってのほかのことだ、そういう点は十分取り締るべき方針をとらなければならぬ、こう私は存じておりまして、御心配の点は私は同感でございます。今後その方針に向って進みたいと存じております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 高津正道君。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 文部大臣に質問します。私はアメリカが心理学を非常に尊重し、その成果をいろいろな方面に応用しておることを注意しておるものでありますが、アメリカが日本を考える場合に、日本にいかにして親米思想を植えつけようかと、彼らはすぐに心理学を持ち出すのであります。そして農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に関する合意された公式議事録というものやその他の関係書類を読んでみますと、一千五百ドルの小麦や脱脂粉乳、綿花というようなものを日本の児童にただでくれてやる、こういうのでありますか、日本にはまたそれを受けるのに最もいいように、浪花節その他いろいろなものによって一宿一飯の恩義というふうな受け入れ態勢が心理学的に整っておるのでありますが、それをぴたっとねらって的を撃ったかのように、学童給食という手で出てきておるのであります。私は朝に晩に——まあ昼食かもしれないが、それを全国の実に手数百万の学童が、毎日毎日これはアメリカさんの下さりものであるといって食べるということ、これから真に独立国になろうとする若き世代の、日本の国家を背負ってくれねばならぬその者に、そういうものを毎日々々与えるということは非常に弊害がある。十五、六人もおる大臣の中に専門の担当者として文部大臣がすわっておるのでありますから、党務も大事だが、内閣に入っておる以上は、そのような問題についてはそういう精神的な悪影響があるという面について、堂々と論陣を張って発言してもらいたいと思うのでありますが、なぜ発言しなかったのかという、それを問いにしないで、そういうアメリカのわなに陥っておる日本の政治家が今行政を担当しておる諸君かと、これもまた質問にしないで、幼い学童に非常に悪い影響がある、こういうように私は考えますが、これに対する大臣の所見を伺いたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 お話のような点は十分考慮をせねばならぬことと考えておるのでございます。しかしながらそういう心理作用で日本へ臨む国はアメリカばかりではございません。それは他の国々もみんな、方法手段は違うかもしれませんけれども、おのおのそういう心理を利用したことをやっておりますのが今日の国際の情勢でございます。そこで必要なことは、そういうことが幾らありましてもそれに迷わないで、そうして日本人独特の立場を把持できる精神といいますか、訓練というものを国民が持っておらなくちゃならないのでございまして、ひとり今度の問題だけではないと考えます。  今度の問題につきましては、御承知の通り近来学童などの福祉については、どの国も国際関係を超越いたして、互いにその福祉について助け合うというようなことが、今日の大きな一つの現象となっておりまして、それが世界平和への一つの道にもなってきておるわけでございますから、そういう児童の福祉のための点であるならば、あながちこれを断わるばかりのものでもなかろう、ただその悪い心理関係を純粋な児童に及ぼしてはなりませんので、その点には十分の注意を必要とすると存じまして、この間も議会においていろいろの御注意もありましたことでもありいたしましたので、高碕さんにお願いを申して直接会って、今申されたような趣旨にのっとって話をいたし、先刻申したような経過をたどって参った、こういうことでございまして、決して御注意の点をないがしろにいたしておるわけではございません。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 今大臣のお話を聞いておりますと、そういう外国からの働きかけは一つの国に対してたくさんあるのだ、それはそうでしょう。アメリカの議会などには台湾から堂々と金をもらったり、ほかの国からもらって、そうして運動員がおって運動もするし、出版物もどんどんと出す、全く台湾のエージェントということがはっきりわかるように、弁護士でも国会議員でもやっておるような実例さえもあるので、それはあなたのおっしゃる通りですよ。しかしながら、たくさんある例だからそれはやむを得ない、それだからしょうがないと言われるが、たくさんある例であっても悪いものであるならば、それを防ぐようにしなければならぬと私は思うのです。  それから第二番目には、私はあなたの考え方に対して質問のたびに意見を申し上げておるのでありますが、このアメリカの力による世界政策というものが今世界にとって紛糾の種になっており、そこが主として火元であるというように私は見ておるのであります。そこでアメリカに親愛の感じを持つようになることが平和へつながる道である、こういう食糧か来るようなことはいいことであるから受けるのだと言われるが、われわれはちょうどそれと反対に、そこに結べば結ぶほど、ほんとうの意味のカタストロフというか戦争への道、地獄への道を進むものだというふうに、このしらがの男が真からそう思っておるのです。そしてわれわれは青年の支持を受けておるのであります。私はそう思っております。そこで注意をすればよかろう、影響のないように大いに注意をするとおっしゃったのでありますが、どうかそういうようにできるだけやってもらいたいと思います。私は、これは文部大臣や高碕長官のお話を聞けば、ただではなしに、日本独特に安くして出すのだというようなことでありますが、金を安くして分かてばそれだけやはりアメリカのおかげだと思うのであります。それでこういう一千五百万ドルですか、これだけの贈与分というものを、それだけ安くしてもらうようにすれば、私は非常によかろうと思うのであります。片方はできるだけ高く売っておいて、千五百万ドルだけはどうしてもギフトにしょう、ギフトにしようということでこうしてくるのを、どうも魚がつり針をぱくっとのむように見えてしょうがないのでありますが、負けるようにしてくれというような交渉はできなかったものですか、その点を長官にお伺いいたします。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問は、千五百万ドルの分を贈与としてもらわなくて、それで買う方をそれだけ値引さしてくれ、こういう意味ですか。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 そうです。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 それは考えられる点だと思っております。個々の折衝については多少それを考えたと私は思っております。これは前からのいきさつ上いろいろの折衝の結果、それでは千五百万ドルをただでよこせということになったので、そういういろいろな交渉をしてあれやこれやの折衝の結果、そこに落ちついておるわけでありますから、その条件を変えるということは非常に困難だった点でありますが、ただいまの御趣旨で私非常にいいと思っておりますことは、私はどこの国からでもただで物をもらうということの考え方は大きな間違いだと思うのです。そんなにわれわれは窮しておりません。どうしたって払うべきものは払う。ところが先方においてよけいできて困っておるものなら値を負けさせる、これは商取引でありますから、独立国家として今後交渉する場合には物をもらうというふうなことはやりたくない、せいぜい値引きをして買う。買う値段を安くする。しかし向うが困っておるものなら、捨てるものなら、焼くものならただでもいいのじゃないか、こういうことで交渉することが原則だと思っておるのでありまして、私はただいまの御意見には賛成でありますが、ただ従前のものは従前のいきさつがあるものですから、これはこうすべきものだと思ってそのままのんでおるわけであります。さよう御了解を願っておきます。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 最近の外電で南方のビルマやタイやそういう国々で——社会党左派にとって言えば親類筋ですよ、ほんとうの自分らの恋人のような、同じ宗教のような、同胞のような感じさえ持っておるのでありますが、君らはよくやってくれるというような感じを持ってわれわれは見ておるのでありますが、それらの国々が、いわゆる食糧が買手の市場になって非常に困っておる、安く値下りして困っておる、こう言えば、アメリカから大量に買い付ける分を半分にしたり、あるいはせめて三分の一でも向うから買い付けるならば、日本が向うへ輸出する上にも非常に都合がよくなるのではあるまいか。それは長い年賦で利子を安くしてくれるとか、あるいはそういう便宜はないかもしれないが、言うに言えない利益が必ず生まれてくる。あなたは、ただでもらわぬでも値引きしてやれぬことはないのだとおっしゃるくらいでありますから、今の内閣では全部はできなかったでしょうが、三分の一でも四分の一でもそれらの国々から入れてやれば、非常によかっただろうと思うのです。私は、アメリカから日本はずいぶん買い入れておるそうだ、こう言ってはるか東の空を見て恨んでいはしないかと思うのであります。南方に日本か友を求める、南方に経済的に外交を進めていく経済的に貿易を進めていく上からは遺憾な点があった。両方いい工合にいかぬから、片一方はやむを得ないのだ、こういうお答えが出るかもしれませんが、そういう点では、アメリカからの大量の食糧の輸入ということは、同僚稻村君がほんとうに農民を思うように、ぼくらは、またアメリカにくっついていって、われわれの同僚がいるのにそこを忘れたような政治のように思います。どうも支離滅裂な表現でありますけれども、意味だけは長官はお聞き取り願えると思うのでありますが、これに対する御意見を聞きたいと思うのであります。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問に対してお答えいたしますが、私どもアメリカに行き、同時に東南アジア方面をよく見ますと、御説のような感情は湧然として出てくるわけでございますけれども、現在国家としてとるべき政策は、東南アジアの諸民族とわれわれは親善関係を結んでいる、同様にこれは中共といわず、アメリカといわず、ソ連といわず、やはり同じ感じでもって世界の人々とっき合っていかなければならぬ、これは感情でなくて、実際上そうしていかなければならぬ、私はこう存じておる次第でございます。現状におきましては、アメリカから私は物をもらいたくないという感情があると同時に、われわれの国がまだまだ外国を助けるだけの力がない、これはよく考えなければならぬ、こういう考えでございますから、その御趣旨はよく尊重いたしまして、そういうふうに今後の政策をとっていきたい、私はこういう所存でございます。

大橋忠一日本民主党

○大橋(忠)委員 文部大臣にちょっと——乳製品がやみに流れますために酪農が影響を受けるということは、みな言うことですが、これを取り締るといっておられますが、何か取り締る方法について具体的にお考えになっておりますか。どうも飼料にいたしましても、飼料として輸入したものが、全部食糧の方にやみに流れていく。それがために飼料が高い。また酪農が非常に困るのも、結局アメリカから来た粉乳がやみに流れていく、それがために日本の酪農を圧迫する。やみに流れるのを取り締る方法、こういうことについて何か具体的にお考えになっておりますかどうか、その点をちょっとお尋ねしておきたい。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 その点につきまして、よくそういううわさを聞くのでございます。これは直接監督に当りますのは地方の教育委員会でございますので、その方面に対しても、取締りと、そういう流れる事実を調べるように絶えず連絡を取っておりますが、そういう流れた事実を今日までまだ認めることはできないのでございまして——これは大体見当はつくのでございます。なぜかなら、この学校とこの学校とは給食をやって毎日これだけの粉乳が要るということはわかりますから、十分監督はできると思いますので、今後も教育委員会を通じて一そう注意をいたしたいと思うております。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 外務大臣に対する質問は留保して高碕長官に少し御答弁をわずらわしたいと思いますが、実は私ちょっと所用のために席をはずしておりましたので、他の委員からお尋ねいたしましたことと重複いたしましたら、私は速記録で拝見いたしますから、その点はどうぞ御遠慮なく御指示を願いたい。  その前に、どなたか事務当局の方でけっこうですが、きょうここでお示しいただいてもよろしゅうございますし、場合によれば資料で提出していただいてもいいのですが、最近二、三年間におけるアメリカの農産物の世界各国への輸出状況、これはたとえば日本に対します昨年度のMSA小麦等の数量もプラスしてお示しいただきたい。それはなぜかと言いますと、アメリカ農産物輸出貿易関係における日本の地位を知っておきたいというのでございまして、これはできましたら今度のものも見込んでお示しがいただきたいのですが、きょうここではどうでございますか。資料としていただけますか、どちらでしょうか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ただいま各国に対します輸出の正確な資料を持ち合せておりませんので、調査いたしまして、書類で提出いたしたいと思います。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 それはいつまでにできるのですか。——今西山説明員は調べてお答えするというのですが、調べてお答えするなら、いつまでにできるか、こういうことです。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 ここで御説明申し上げてもよろしいのですが、これは米国の農務省の資料であります。大麦から申し上げます。一九五三年七月から一九五四年六月まで、総体が千三百九十六ブッシェル、それに対しまして、日本に八百五十八万ブッェル、朝鮮に三百七十七万ブッシェル、ベルギー及びルクセンブルグに十五万ブッシェル、カナダに三十三万ブッシェル。その前年を申し上げますと、総体が三千二百五十万ブッシェル、そのうち日本へは千四百九万ブッシェル、朝鮮には千二百三十一万ブッシェル、ベルギー、ルクセンブルグへ三百四十三万ブッシェル、カナダは二百二十五万ブッシェル、こういうようになっております。  小麦について申し上げます。小麦は少し相手先がたくさんになっております。これも同じく一九五三年七月から一九五四年六月までで、総体で一億八千三百十七万ブッシェル、そのうち日本へ四千五百六十八万ブッシェル、パキスタンへ二千二百三十三万ブッシェル、西ドイツへ二千二百四十万ブッシェル、スペインへ千九百八十五万ブッシェル、ユーゴへ千四百十二万ブッシェル、そのほかの国としましてはメキシコ、イギリス、オランダ、イタリア、インド、これが二百万ブッシェルとか、三百万ブッシェルということになっております。その前年が二億七千六百四十四万ブッシェル、そのうち日本が二千四百八十二万ブッシェル、パキスタンがその年は少くて七百八十七万ブッシェル、西ドイツが四千四百八十一万ブッシェル、それからスペインは非常に少くて百六十万ブッシェル、ユーゴが千五百三十八万ブッシェル、その年にはほかに大きいのがありますので申し上げますと、インドへ二千百三万ブッシェル、イギリスへ千九百二十七万ブッシェル、ブラジルヘ二千百三十四万ブッシェル、そういうふうになっております。  それから米について申し上げますと、同じく一九五三年七月から一九五四年六月まで、これは精米でありますのでポンドになっておりますが、総体が十六億三千六百八十万ポンド、そのうち日本へ八億七千三百二十四万ポンド、キューバへ五億一千九十九万ポンド、朝鮮へ一億二千八百七十四万ポンド、そのほかカナダ、サウジアラビア等に多少出ております。それからその前の一年間のを申し上げますと、総体が十四億三千八百二万ポンド、そのうち日本へ四億五千九百七十四万ポンド、キューバへ五億一千八百四十万ポンド、朝鮮へ一億七千六百十三万ポンド、その年はインドネシアそのほかに一億三千六十八万ポンド、そのほかカナダ、サウジアラビア、セイロン等にも多少出ております。  それから脱脂粉乳について申し上げます。同じく一九五三年七月から五四年六月まで、これもポンドであります。合計が一億七千七百九十五万ポンドで、そのうち日本へ五千三十二万ポンド、朝鮮に四千六百四十四万ポンド、そのほかイスラエルに二千二百二十七万ポンド、チリー、メキシコ等も輸入しております。その前の年でありますが一九五三年七月から一九五三年六月まで、合計が五千六百三十九万ポンド、そのうち日本へ七百五十五万ポンド、朝鮮へ三百三万ポンド、イスラエルに二千九十九万ポンド、こういうふうになっております。  次に綿花について申し上げます。一九五三年七月から一九五四年六月まで、これは俵であります。合計三百七十九万俵、そのうち日本へ九十九万俵、フランスに四十六万俵、イギリスに三十八万俵、西ドイツに三十七万俵、イタリアに二十六万俵、カナダに二十三万俵、その前年は総計が三百十一万俵であります。そのうち日本に六十五万俵、フランスに五十万俵、イギリスに三十五万俵、西ドイツが二十三万俵、イタリアが二十七万俵、カナダが二十八万俵、こういうことになっております。  タバコにつきましては品種が非常に多いのでここへ明細を持ってきておりませんからあとで……。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 その次に討議に入ります前に、資料としてお尋ねしておきたいのは、日本の食糧のこの数年間の輸入先、各国別、品目別にわかりましたらちょっとお知らせ願いたいと思います。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 まず米からでございますが、前年度の関係を申し上げますと、これは一応手元の資料が日本の会計年度で整理してございますから、二十九年の四月からことしの三月までのものをまず申し上げます。米では全体で百六万七千トンでございます。大きな方から申しますと、タイ国の三十万五千トン、ビルマの二十六万七千トン、アメリカの十八万二千トン、その次が台湾の九万七千トン、中共の八万四千トン、イタリアの五万八千トン、スペイン四万トン、あとは南米等の小さな国でございます。  それから小麦でございますが、合計で二百十万六千トンこの期間に入れております。そのうちアメリカが百二十五万四千トン、カナダが六十万三千トン、アルゼンチン二十四万九千トンでございます。  次に大麦を申し上げます。大麦は全体で四十九万四千トン入っております。そのうちアメリカが二十二万六千トン、カナダ十万七千トン、オーストラリア十六万一千トン、その前年を申し上げますと、二十八日本会計年度でございますが、米は百四十五万三千トンでございます。大きな方から申しまして、タイ国の五十一万トン、それからアメリカ合衆国の三十一万八千トン、ビルマの二十四万四千トン、イタリアの四万七千トン、スペインの五万七千トン、その他の地域が十万以上ございますが、これはコロンビア、エクアドル、ニカラグァ、コスタリカというような非常に小さい国々から二千トンというように集めた数字でございます。主として中南米諸国です。  それから小麦は二十八会計年度におきまして百八十九万五千トン入っております。このうちアメリカが九十六万四千トン、カナダが八十二万七千トン、アルゼンチンが八万六千トン、オーストラリアが一万八千トン、こういうような状況であります。  大麦の方は同期間におきまして七十七万トンほど入れておりますが、一番大きいのはカナダの三十三万六千トン、オーストラリアの二十五万トン、合衆国の十七万四千トン、あとはこまかくデンマーク等から約九千トン程度入れております。そういうような状況であります。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 その次に伺いたいのはもしお手元にありましたら、アメリカの農産物の最近の収穫、この一、二年でけっこうです。それから滞貨数量がわかりましたら……。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 アメリカの生産量を申し上げます。まず米でございますが、一九五四年のクロップは、これはもみでございますが、単位はトンで換算をいたします。二百六十六万九千トン、その前年が二百三十八方六千トン。それから小麦は一九五四クロップはやや不作でございまして、二千六百三十九万三千トン、その前年が三千百八十二万八千トン、大麦は一九五四クロップは八百五万八千トン、その前年は五百二十八万トンでございます。それからストックの状態でございますが、これはアメリカの農務省の資料がございます。小麦だけのストックしかございません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 綿花の生産量はわかりませんか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 綿花は後ほど経審の方から御説明いたします。ストックの関係ですが、ただいま手持の資料の関係で、小麦だけ申さしていただきます。ことしの四月一日で二千八百三十五万九千トン。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 前年は……。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 前年は二千六百二十九万九千トンです。大麦と米は今資料がございませんので、もう一回整理いたしまして後ほど……。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 年別のあれでございませんが、本年の三月末現在で、CCCが価格支持のため農産物に投資しております総額が約七十億ドルです。そのうちローンを与えておりますものが三十三億ドル、それからCCCが買い上げまして手持ちとなっております分が約三十九億ドルとなっております。品目別に申し上げますと、小麦はローンの分が千四十一万トン、手持ちの分が千八百三十九万トン、合計二千八百八十万トン、それから大麦につきましては、ローンの分が百九十九万トン、CCC手持ちの分が十六万トン、合計二百十五万トンでございます。それから米につきましては、ローンの分が五十一万トン、手持ちの分が三十二万トン、合計八十三万トン。それから綿花につきましては、ローンの分が六百六十四万俵、手持ちの分が百七十五万俵、合計八百三十九万俵でございます。葉タバコにつきましては、ローンの分が三十七万トン、手持ちの分はほとんどない、こういう状況になっております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 これの前年はわかりませんか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 前年の分はただいま持ち合せておりません。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 これは正確な資料がいただければけっこうですが、前年よりふえておりますね。大体御記憶はどうでしょうか。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 ものによって多少増減はありますが、おおむねふえております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 数字はわかりますか。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 ただいまのは少し混み入った数でありますので、あとで……。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 高碕長官今お聞きの通り、実は私時間がないものですからつい資料等勉強不足ですが、大体のラウンド・ナンバーでアメリカの農産物の生産状況、輸出関係、滞貨状況を推算して今伺いますと、あしたかあさってまた数字をいただければなおけっこうですが、今見たところでも、食糧関係を中心にいたしましたアメリカの経済の見通しというものは、大して誤まりがない感じを深くするのです。そういたしますと、今度の協定は法律上一年間になっていることは明瞭でございます。しかし再々他の委員によって指摘されましたように、やはり長期の借款を含んでおりますから、日本の財政予算から見まして、これをストップして来年度から財政投融資を二百億見当ふやすというようなこと、また場合によって打ち切りになりますと、向うとしてはこの返済要求をどういう形で話を変えてこぬとも限りません。そうなると、その返済能力もないということで、品質、価格等について極端に無理な話が向うからあれば別ですけれども、若干の年間だけはアメリカの食糧品買い入れが事実上義務づけのような格好になってくるのではないか。しかも前にわれわれが心配いたしたのは、通常貿易による買い入れでございます。これも法律上のオブリゲーションを負っている、そういう協定を結んだ覚えはないということでありますけれども、昨日の御答弁によっても、ある程度通常取引の基礎数量を向うに示してあるということなんです。その数字についても私ども国会にお示しいただくべきだと思うのですが、私が昨日他から入れました材料で推算いたしまして申したのも、大体当らずといえども遠からずというような御答弁で、御訂正がございませんでした。そうなって参りますと、やはりどうもアメリカの農業恐慌を日本に持ち込む危険があるではないか。国内におきましては、一方政府の御方針としても、食糧の自立対策ということでどんどん増産計画をやっていかれるわけですね。今度の借款の中でも、三十億見当のものは国内の食糧増産対象のために使うということである。こうすると、これは本年、来年すぐということではございませんでしょうか、将来相当深刻にアメリカの農業恐慌の影響を持ち込む結果になりはしないか。そうすると、今の日本の国内におきまする零細自作農を中心にいたしました農業経営というものが圧迫されるのみならず、対外的に申しますならば、やはりドル換算が国内相場によって相当日本側に不利になってきはしないか。そうすると、お示しの通りに、非常に低利であるということもくずれてくる。基本の結びつきが、この数字を伺えば伺うほど、私としてはやはりどうしても心配になるわけですが、これはわれわれのほんとうの思い過ぎの危惧であればけっこうなんで、むしろそれを念願するわけです。高碕長官からそういう心配はないという——不利なら断わるというような仮定的な話でなくて、事実問題として私は続くものだというふうに思いますから、その点を基本の線でもう少し安心を与えていただきたいと思うのです。あとまた私は買い取りの手続、価格、品質の問題、それから船の問題、受け渡しの問題、国内における検査の問題、さらに借りたワクの投資先の問題並びに方法の基礎を事務当局の方にも伺いたいと思っておりますが、アメリカの経済と日本の経済がどういう形で管をさすわけですか、それが日本経済の将来にとって私はどうも心配でしょうがないのです。その点について、もう少し基本の点について特に大臣の御答弁をわずらわしたいのですが、お願いいたします。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 今の穂積さんの御心配の点は、私も非常に心配しておる一員でございます。きのうかきょうの新聞を見ますと、何かワシントンの電信で、日本は八千何百万ドル来年度の分を話しておるというようなことを書いておりますが、これは少くとも私に関する範囲においては、全然相談に乗っておりませんし、そういうことはやっておりません。それで明年度のものにつきましては、私はこう考えております。日本のために相当有利になるということでなければ、私ははっきりお断わりする考えでございまして、そのオブリゲーションは全然ないということをこの協定にもうたっております。そこで、アメリカの農産物というものは今後相当増加してくるものだ、アメリカ自身が、その過剰農産物の処分については、非常な国内問題として、心配しておるという事実も私はわかっております。従って、日本がほんとうに必要なものだというならば、私は、この際アメリカから買ってやる方が向うも喜ぶだろうし、こちらもいいだろう、こういうことですから、これはやっていいと思っておりますけれども、その結果によって、東南アジアにおける各国と日本との貿易をじゃまするとか、いわんやまた日本の国内における農産物について、あるいは国内の経済について動揺を来たすというようなことになれば、これははっきりお断わりする方がいい、この方針であくまでも進んでいきたい、こう存じております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 それは昨日の御答弁の繰り返しなので、なるほど私は、協定でそういうはっきりした法律上の義務を負っておるというふうに、あえて牽強付会なことを申すわけではございません。事実上よほどの政治的な変革がない限り、極端なことをいえば、われわれが政権を取る時期があって、それで対米関係を根本的に修正していくというような事態がない限り、この話し合いはある程度の不利益があっても継続させられるというふうに私は判断するのです。あなたは今良心を麻痺させて都合のいいことを答弁しているとは私は思いません。しかし、あなたのそういうような良心や御決意とは全然別に、独立して、やはり日本の将来の見通しというものはそこまで行くというふうに私どもは考えなければならぬと思うのですが、そうむやみに振り切れるものではないと思うのです。でございますが、それ以上そういう御決意を伺っても、数字をもって私を納得させるだけの御方針がなければ、これはもうこれ以上議論しても議論になるばかりですから、いささか他の機会にお話し合いをした方がけっこうだ、委員会の質問としては不適当だと思います。従って、私ははなはだ満足いたしませんが、特に高碕長官の経済的なすぐれた見通しの上に立っての御答弁としての、主観的な御説明だけであって、客観性を帯びた合理的な御説明としては、私どもはどうも満足できないことをつけ加えまして、他の問題に進みたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの穂積さんのお話で、高碕審議庁長官は良心を麻痺させて答弁しているというようなお話がありましたけれども……。(穗積委員「とは思わないと言ったのです」と呼ぶ)それならばけっこうです。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 とは思いませんが、そうあなたがおっしゃっても、客観的にはそうは政治は動かない、別のところで動くというわけで申したわけです。  そこで続いてお尋ねしますが、自国船の五〇%の問題ですね。これは一体どういう事情でこういうお話になりましたか。今後の政府の海運政策ともからみ合せて、少し交渉の経過を伺いたい。この前のMSAのときにもこういう条項がはっきりついている。私は忙しくてまだよく拝見し尽しておりませんけれども、公式議事録の中にも、(c)頃のところに、綿花の問題についての船賃の問題についての船賃の問題が、(a)項の場合と違ったようにしるされているように見受けるわけですが、こういう問題も含めて、五〇%の自国船の問題は、これはどういうおつもりでどういう経過でこういうことになったのか、今後に対する御方針も伺っておきたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 米船五〇%使用の規定は、もともとアメリカのコングレスの決議に端を発しまして、その後商船法の九百一条の改正によりましてこれが立法化されまして、アメリカの政府が直接間接に援助を与えるような物資の買付ないしは輸送に関連しましては、アメリカの物資を輸送する場合には、米船の五〇%を使わなければいけないという規定があるわけでございます。この点につきましては、海運の自由競争その他の点からも、日本のみならず各国も非常に反対をいたしまして、昨年の五百五十条の買付の場合も、日本側としてもちろん強く反対をいたしましたし、よその国も強く反対をいたしましたのでありますが、アメリカの商船法の規定及び海運政策の関係から結局のところ話し合いがつきませず、アメリカの政策をのむ結果となったわけでございます。本年の買付につきましても同様でございまして、この点は遺憾ではございますが、一応各国も了承しまして、この点を含みました上で買付の協定を結んだわけでございます。  五〇%の米船使用の内容と申しますのは、トランパー別及びライナー別に米船の五〇%を確保するということでございます。ただし、米加の場合に、船賃が一般の運賃よりも高い場合には、その分はアメリカ側において差額を補てんする、こういうことに相なっております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 われわれもそのことは心得ておりました。つまりアメリカの国内法が、援助に似たような物資の場合に、それを国内を通すなりあるいはアメリカの業者を納得させるための法律であることは明瞭でございましょう。しかしそれは相手国が全部しょい込まなければならない。日本側はすでに、今おっしゃったように、昨年からこういう協定は好ましくない、将来ますますこういう例ができて積み重ねられていきますと——日本の今までの例から見ましても、貿易外収入として海運の問題は非常に重要な収入であったし、日本のこれからの政策としてそうあるべきだと思うのです。そういうわけでこれをだんだん解除していかなければいけないというやさきでございますから、そこで特に私は大臣にお尋ねしたのですけれども、これはどうしても排除できなかったのかどうか。そして将来に対してはどういうふうにお考えになっておるか、そういう意味で実はお伺いしたのです。と申しますのは、私どもが再三こういう協定の基本法になっておりますアメリカの国内法を引きずり出してあえて言うのは、向うの国内法がそのまま協定の中に押しつけられてきておるわけです。何かというと、この協定の解釈になるとこの基本法が持ち出されて、この中でちゃんとわかっているじゃないか。MSAの場合もそうであったし、今度の場合もそうでございましょう。またやがて原子力法の場合もそうだと思うのです。そんなことお前らわかっておらぬのか、わかってこれを基本にして協定しているのであって、これは承諾されたものとしてこの協定ができておるのだということで話が進んでくる経験をわれわれは持っているので、特にそういう点について高碕長官に直接御所見を伺っておきたいと思います。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの五〇の点は非常に私けっこうなことだと思っております。その気分でやっておりますが、今回余剰農産物を受け入れましたことにつきましては、大体これで話がついておるわけでありますが、今後の方針につきましては、私は原則的に向うから物を恩恵的にもらう、ギフトを受けるというところにいろいろな問題があると思うわけなのでございます。先ほどどなたかの御質問に対しましてもお答えいたしました通りに、私はどこまでもコマーシャルベースでいくのであって、先方はたくさんできて困っておるのだ、それでこっちは買ってあげるのだ、こういうことからいって、同じ焼き捨てるものなら安くすればいいじゃないか、こういう方針で折衝すべきものだ、こう存じております。新しく折衝する場合は根本方針をそこに置いてやっていきたい。それから出発すれば、アメリカの国内法において五〇%自国の船を使うということは、恩恵を受けて向うからもらうといった場合は仕方がないでしょうけれども、コマーシャル・べースでいくということになれば、相当の主張ができることだと存じておるわけでございますから、今後の折衝につきましては、そういう点は十分注意したいと存じております。先ごろ原子力の濃厚ウランの問題もありましたが、この点は非常に慎重に考えまして、先方における国内法をもいろいろ検討しておるようなわけであります。これはこの間からの御注意がありますから、よほど慎重にやっておるわけであります。今後その方針で進みたいと思っております。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 これは表面はギフトということになっておりますが、先ほど来私がこの問題を取り扱うに当ってお互いの認識を統一しておきたいと思って、果してギフトであるか、どっちがギフトになるのか。私はむしろこっちの方がアメリカの農業恐慌を救うお客さんじゃないかと言いたいのです。だから当然バイヤーが強くなって、バイヤーの要求によって、われわれにすれば一ぺんに行ってもらいたいのですが一ぺんには行かないにしても、少くとも五〇%のパーセンテージは、多少は変更せられていく一つのきっかけを作るべきではなかったかと思うのです。われわれにすればこういうことは基本的に少し意見が違いますから何ですが、政府の側に立って、その政治的論理から行きましても、これは、昨年も五〇%、ことしも五〇%、来年も五〇%、これは既定の事実だということで積み重ねられていくということは、あなた方のお立場にお立ちになったとしてもこれは何か少し失敗ではないか。今おっしゃる通り、表面はギフトという言葉を向うも使っておるし、今まで日本人は食糧の足らぬときのことをいまだに錯覚して、アメリカから恩恵を受けておるごとく思っておるが、私は今、日本経済なくして、対外的な輸出関係なくして、アメリカの経済というものは成り立たぬ、アメリカ経済自身の一つの危機を救っておるとすら思うので、そういう点でこれはまた非常に弱い態度じゃないかというふうに思うのです。今長官はこれからは気をつけていきたいとおっしゃいますが、のど元を過ぎると熱さを忘れるということで、やはり来年の交渉になりますと、また同じことを繰り返す危険があるのじゃないかというふうに憂えるわけなので、この点はこれ以上問答いたしましても何ですから、その点を明らかにはいたしておきたい。ですからわれわれはこれを了承するわけにはいかないのであって、その点問題の点だけは指摘いたしておきたいというふうに思います。  それからこまかいことは、また一々大臣に伺うのも何でございますから、事務当局の方に伺いますが、最後にもう一つ伺っておきたいのは、千五百万ドルのプレゼントの分の中身並びに条件について、すでに具体化されておりましょうか、現状を少し御説明いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○高碕国務大臣 詳細なことは政府委員からお答えいたしますが、大体において千五百万ドルの中のこれは小麦と脱脂粉乳と綿花になっておりますが、これはアメリカ側とよく相談し合って、学童に与えるために分配するようにして、アメリカ側とよく協議し合ってやる、こういうことになって今折衝中でありますが、このことは文部省の所管にも属するのでありますから、最近に私は文部大臣とも、先方の責任者とも会いまして話をいたしました結果、これは大体文部省の立案を基礎として先方はのむだろう、こういうように私は現在考えておりますわけで、ただいまこれは折衝中でございます。なお各種目について、これをどういうふうに、どう分配するかということにつきましては、政府委員からお答えいたしたいと思います。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 ただいま長官からお話がありましたように、千五百万ドルのうち千二百万ドルは小麦及び脱脂粉乳に充用することにしております。残りの三百万ドルを綿花に使用することに予定いたしております。そのうち脱脂粉乳及び小麦につきましては、小麦は約八万トン、脱脂粉乳は約七千トンを予定しておるわけでございます。この使途につきましては、現在の学校給食の範囲を拡大いたしまして、さらに中学校にも拡大する、それから保育所にも拡大する、こういう工合に考えておりまして、大体大ざっぱに申しますと、約倍近くの拡大計画を——対象人員から申しますと、約倍近くに適用されるように考えておるわけでございます。もちろんその中には生活保護法の適用を受けます貧困児童に対しまして安い値段で配給する、こういうことも考慮の中に入っておるわけでございます。  それから綿花につきましては、この綿花を利用いたしまして、貧困の児童に学生服を供給することを考えておるのでございますが、これらの点につきまして、まだ詳細の最終的な計画は決定に至っていない次第でございます。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 これの配分の場合におきます価格はどういうふうにいたしますか。

西山昭外務事務官(経済局次長)

○西山説明員 価格は大体におきまして配給制度を利用いたしまして、価格は小麦につきましては通常の輸入小麦とのプール計算、脱脂粉乳につきましては、国内産及び本件の脱脂粉乳並びに通常輸入の脱脂粉乳のプール計算ということを考えておる次第でございます。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 委員長にちょっとお願いがあるのです。実はこれから事務当局の方にいろいろこまかいことを順を追うてお尋ねしたいと思っていたのですが、四時から党の重要な会合がございますので、きょうはこれで一ぺん打ち切っていただきたいと思います。

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 さようにいたしますが、お諮りいたしたいことがあります。  明日の外務、農林の合同審議の際に商工委員会からもそれに加わるようにとの申し出がありましたので、明日は外務、農林、商工の連合審査会といたしたいと思いますが、御了承を願いたいと思います。  ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

植原悦二郎日本民主党

○植原委員長 速記を始めて。  明日の日程は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十二分散会

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