運輸委員会観光に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/06/14
会議録
○畠山小委員長 これより観光に関する小委員会を開会いたします。 観光行政に関しては、その重要性につきましては申すまでもありませんが、先般の予算委員会の分科会においても種々の論議がかわされた次第であります。本日は特に内閣の観光事業審議会の平山副会長及び国際観光協会の横田常務理事の御出席をわずらわして、その貴重な参考意見を聴取いたしたいと存じます。 なお本日の参考人には国際観光協会会長浜口雄彦君、内閣観光事業審議会会長藤山愛一郎君をお呼びいたした次第でありますが、余儀ない事情があるため出席いたしかねる旨の連絡がありましたので、国際観光協会常務理事横田巌君、内閣観光事業審議会副会長平山孝君が御出席になっておりますので、一応御了承いただきたいと存じます。特に横田参考人には現在の観光行政のあり方及び国際観光の発展策についての具体案、平山参考人には各種の観光事業の見通し及び各観光に関する団体との連絡について等を主眼として、御意見を述べていただきたいと存じます。 それではまず平山参考人より御意見を聴取いたします。
○平山参考人 私は内閣観光事業審議会の会長代理、また国際観光協会の方は副会長をやっておりますが、国際観光協会の方は横田常務理事がここにおられますので、国際観光協会に関することは横田君から御説明を願うことといたしまして、私は観光事業審議会のこと及びただいまお話がありました各観光に関する組合との連絡、それから現在の国際観光をどう発展すればよいかというお話について、少しく意見を申し上げたいと存じます。 御承知の通り観光事業審議会は昭和二十三年に設立をされまして、その後総理府設置法に伴いまして、総理府の付属機関となりまして、約七年間観光事業に関する基本的計画でございますとか、その他重要な事項について調査審議を行いまして、政府に対していろいろな勧告を行なって参ったのでございます。特に昨年五月には、当時国際収支が非常に悪化の一途をたどっておりましたときでありましたので、国際収支の改善でありますとか、国際親善、文化の交流の促進、国民の保健厚生というような点の向上をはかりますために、観光事業振興方策の樹立及びその実施についてという建議及び勧告を行なったのでございます。それからまた昨年の秋には、国際観光ルートの選定並びに観光資源の保存、開発利用、観光施設の整備に関する計画、接遇宣伝計画、観光法規の整備というようなことを審議いたしますために、三つの部会を設けまして審議を続けて参ったのでございます。そのうち最も重点的に整備を要しまする観光ルート、観光地帯、これを十選びまして、本年の三月に至りまして観光事業振興上重点整備を要する観光ルート、観光地帯の選定という問題につきまして、内閣総理大臣に建議しました。あわせて関係の各行政機関に勧告を行なったのでございます。 以上の二つの建議、勧告は、目下政府におかれまして策定中でございます観光事業振興五カ年計画に、これが強く反映されるものと私らは期待しておるのであります。先般の観光事業審議会の総会におきましても、政府が五カ年計画策定をいたしました場合には、その最終決定を見ます前に、あらかじめ審議会に報告をしていただきたいということを申し入れておりまするし、審議会といたしまして、政府からの計画ができるだけ早く出て参りますことを非常に期待をいたしておるのでございます。ただ審議会といたしましては、御承知の通り別に自分自身で実弾を持っておるわけでございませんので、いろいろと計画審議をいたしましても、これが実施されませぬと、全く紙にかいたもちになってしまいまするので、いろいろの計画、またいろいろの方策がございまするが、これはやはりどうしても国会の方におかれまして、それの法的整備をするなり、裏づけをするなり、あるいは何か具体的な推進をしていただきませんと、一向に日本の観光事業は進まないという状態にあるのでございます。 もうすでに皆さんよく御存じでございまするが、昨年日本へ参りました外人客は約八万七千人、ことしは確実に十万人をこすものと思われます。そしてその落す外貨も約二百億をこえるものと思うのであります。国といたしましては、この観光事業というのは、非常にいい投資だと思うのであります。英国のごときは、観光収入の全体の一%か二%かをさいて、観光事業振興のために使っておるそうであります。国全体として考えますると、観光収入の二%や三%を使いましても、それによって観光客が増加いたしますれば、国としては外貨獲得の面におきまして非常な利益になるのであります。ことに観光収入はほかの貿易収入と違いまして、ほとんどネット収入になるのでありまして、九五、六%というものはほんとうの収入になるものでありますので、総額はそう大きくなくても、国としての利益は非常に大きいと考えられるのであります。観光事業審議会におきまして、いろいろと策定をいたしておりまするが、しかし伴うものはやはり金でありまして、海外宣伝をやるにいたしましても、あるいは国内の受け入れ態勢の整備をいたしますにつきましても、先立つものがなければ全く何ともなりません。こういう点は一つ国会の方におかれまして深い関心を持っていただきまして、推進をしていただければ幸いだと存ずるのでございます。 なお観光に関する組合との連絡についてというお話でございまするが、ただいま民間の機関といたしましては、温泉協会あり、ホテル協会あり、旅館組合あり、あるいは国際観光旅館連盟というものもございます。私、実は東京駅の八重洲口に昨年国際観光会館というものを建てたのでございまするが、これは観光事業の振興のためにその一助にもしたいと思って、実は建てたのでありまして、三分の一をホテルにいたしまして、残りの三分の二のうちのおもなるフロアーは、こういう観光関係の機関が入っております。地上一階におきましては全部観光関係のインフォーメーションをやっておりますが、これら各種の組合と申しますか、協会と申しますか、これらは終戦後みなりっぱに育ちまして、そうして全国的な連携がとれております。私らはそういうところと密接な関係をもちまして、仕事を進めておるのでございます。皆様方も御旅行になりますとおわかりと思いますが、終戦後日本のいろいろの設備というものは一向に進歩いたしませんが、旅館その他の設備というものは、終戦後著しくよくなったと私は思っております。ほとんどどこへ参りましても水洗便所になり、それから厨房その他もみな清潔になって参っております。しかし日本全体の観光事業という大きな点から考えてみますと、今の便所の問題あるいは厨房の問題、そういったようなところは民間でできますが、一番大きな道路の問題でありますとか、あるいはホテルの問題、あるいは一旅館の関係でないいわゆる途中の水洗便所の問題、そういったものになりますと、やはりこれは国が力を入れませんとどうしても整備ができません。こういう点につきましては先生方の十分なる御援助をぜひともお願いをいたしたいと考えておるのでございます。 簡単でございますが、また御質問によりましてお答えいたします。
○畠山小委員長 平山副会長の参考のお話につきまして御質疑があろうと思いますが、一応国際観光協会の常務理事をしております横田さんの参考意見を聴取いたしました後に、御質疑に移りたいと思います。横田君。
○横田参考人 御紹介にあずかりました横田であります。新しくできました財団法人国際観光協会の常務理事をやっております。本日浜口会長が出なければならなかったのでありますが、長途の旅をして帰りましてちょっと病気をいたしておりますので、参上することができないで、私が代理にお話をいたします。 観光協会の設立及びこの目的、見通し等についてお話を簡単に申し上げたいと思います。日本の観光事業も戦後いろいろな活動がありましたが、現在におきましては相当な功績を上げてきておるわけであります。過去に国際観光協会ができるまでは、国際観光協会が持っておる使命がどういうふうに行われていたかと申しますと、一つは国際観光宣伝、外国に向って観光宣伝をするという仕事でありますが、これは法律によって日本交通公社が補助金をいただきまして、観光宣伝の活動をいたしておったのであります。いま一つ全日本観光連盟が、これも法律によって補助金をいただきまして、受け入れ態勢の整備をやっていたのであります。そのほかもう一つ海外観光宣伝協議会という会がございまして、つまり補助金による海外宣伝だけでは足りないところを補うために、海外観光宣伝協議会というものが作られまして、それは主として各地方団体、つまり都府県それから主要なる市、また交通機関というふうなものが主になった醵出金によりまして、主として仕事は海外における博覧会等に参加いたしまして、そこに出品をしていろいろ活動をやっていたのであります。この三つがあったわけでありますが、このたびその三つのものを打って一丸として、強力な民間の観光態勢を作るという目的でもって、国際観光協会が作られたわけであります。すなわち交通公社のうちの海外宣伝の部門と、全日本観光連盟のうちの受け入れ態勢を整備するという部門と、もう一つ先ほど申しました海外観光宣伝協議会、その持っておる機能、これを三つ一緒にいたしまして、そこに法律による政府の補助金をいただいて、そのほか各種団体からの醵出金を集めて、そして強力なる観光事業の民間としての活動を展開しようというわけで、これができ上ったわけであります。去る六月一日に発足いたしたわけでありまして、浜口雄彦氏が会長になり、ここにおられる平山さんが副会長になって、私が常務理事としてやることになったのであります。 その仕事はどういうことをするかと申しますと、ただいま申し上げましたことで大体おわかりと思いますが、最も力を入れなければならない問題は、海外に対する観光宣伝であります。その次が外客の受け入れ態勢の整備並びにこれが促進ということであります。その次が海外博覧会の参加、これはつまり宣伝の一つの手段としてのものであります。それからさらに観光事業に関するいろいろな調査をするというふうなことが仕事としてあるわけでありまして、それに対しまする本年度の政府の補助金は皆さんも御承知と思いますが、五千二百万円余りということになっております。このほか国鉄でありますとか、交通公社あるいは都道府県、市あるいは海陸空の交通機関その他からの醵出金を上げまして、大体本年度としては一億円程度の活動をいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。現在におきましてはアメリカに二つの宣伝事務所があります。これはニューヨークに一つ、二十七年度にできましたのがニューヨークの宣伝事務所であり、サンフランシスコに二十八年度に作りまして、この二つの海外事務所か活動いたしております。これは交通公社に付属していたわけでありますが、今度は新協会の手足となってくるわけであります。こういうふうなのが現状でございまして、今申し上げました仕事の内容をお話しすると、こまごまといろいろございますが、簡単にするためにこれで打ち切らしていただきます。 そこで、この見通しでありますが、先ほど平川さんからお話がありました通りに、日本の観光事業は年一年と東邦客が増加しており、従ってその消費額も増加しております。特に本年度はいろいろな、たとえば国際商業会議所の会議があるとかいうことも手伝いまして、格段の飛躍をせんとしているわけであります。われわれ観光事業に関係しておる者といたしましては、努力を続けていけば、大体三十五年には一億ドル程度の収入を上げ得るものであるということを考えて、それに向って努力いたしたいと思っておる次第であります。世界の情勢でありますが、今特に力を入れる時期が戦後十年にして来ているということを考えさせるものがあるのであります。一つには、日本に集まってくる世界各国の交通機関、飛行機、船、これが非常にふえて参り、さらに日航も加わり、郵船会社も旅客船を動かしているという状況でありまして、日本に世界各国の旅客が集まってくる態勢が十分にできているということであります。特にアメリカから回ってくる客、あるいはヨーロッパの方から来てアメリカに帰っていく客が非常に多いのでありますが、そのほかに最近の著しい状況といたしましては、東南アジアからの客も、インドあたりからも相当数ふえてきつつある、飛行機及び船の便がよくなった関係もありますが、ふえてきつつあるということを感ずるわけでありまして、そういう面からいたしましても、どうしても強力な観光事業を展開しなければならぬというふうに考えておるわけであります。 さらに、皆さんも御承知と思いますが、アメリカの観光事業に対する態度であります。世界各国が今——日本は出足がおくれておりますが、世界各国特にヨーロッパを中心にしまして、あるいは南米あるいは東アの各地は観光宣伝に大わらわである。特にヨーロッパは、われわれが足元にも及ばない多額の金を使って観光宣伝をやっておる。その対象はアメリカの国民にあるわけでありまして、アメリカ人を引こうとする努力が非常に強いわけであります。アメリカ人は御承知の通りに金があって、のんきな国民ということができましょうが、とにかく旅行が好きで、世界を歩き回ることが年々だんだんふえてきていることが、統計上はっきり出ておるわけであります。それでアメリカの国策といたしましては、世界各国でドルが不足している国には、補助金を与えるという政策をとったわけでありますが、補助をするよりは商売でもってドルを与える方が一番いい、それには観光客をアメリカから送り出して外国で金を使わせるということが、アメリカ以外の国のドル不足を補う一つの手段になるのだという考え方で、つまり日本では見えざる輸出と申しておりますが、アメリカとしては見えざる輸入とでもいいますか、そういう態度でいるわけであります。御承知と思いますが、ことしのアイゼンハワー大統領の年頭の教書にも同じ意味のことが、つまり観光客を外国に出すということが世界経済のためになるという意味のことが盛られておりますし、またそれに従って具体的な政策もとられております。また日本にも先日参りましたスタッセンが、世界活動本部ですか、あそこの長官をしておったのでありますが、彼がことしの春言ったことには、観光客を増加させるということが、おそらく日本の経済のためになるであろうということを申しておりまして、これは新聞にも出ております。こういうふうなわけで、世界的に観光事業というものにはみんな一生懸命になっておる。そのときに日本は立ちおくれておる。しかし日本には今観光客が流れ込んでくる態勢がもうできている。どうしてもここで一ふんばりしなければいけないというような情勢でありますので、今力を入れるならば、先ほど申しましたように、三十五年には一億ドルの収入を上げることができるであろうというふうに私たちは考えて、それに向って努力したいと思っておるわけであります。しかし何分にも先ほど平山さんが言われました通りに、結局資金の問題でありまして、特に、世界各国と観光宣伝場裡に戦う——戦うといっては語弊がありますが、とにかく貿易と同じでありますから、競争をして、日本が相当な地歩を占めていくためには、相当な資金をこれにつぎ込まなくてはいけないというふうに考えます。またせっかく宣伝して来ても、わが国の受け入れ態勢がだめでは、人は再び来ない。どうしても受け入れ態勢をそれに伴ってよくしていかなければならぬ。それがためにもどうしても相当額の資金が要るわけでありまして、これは一に国会の方でその重要性を御認識いただいて、どうか資金の増加に対しても格段の御活動を願いたいものだとわれわれは考えておる次第であります。ほかに御質問があると思いますから、この辺で打ち切らしていただきます。
○畠山小委員長 それではこれより参考人及び政府に質疑があればこれを許しますが、この際観光小委員長といたしまして一言申し上げたいと思います。ただいまお聞きのように、観光行政につきまして、観光部門をもっと確立するためには、ただいま参考人からお話のあったように、政府に強力なる機関を設けてもらいたいということに意見が一致しているようでありますが、国内観光は、もう申し上げる以上に進み切っておると思いますので、この際はもっと形を変えたところの、ほんとうの観光政策を取り上げていただきたいと思うのでございます。御承知の通り今運輸省に観光部がございます。また厚生省に国立公園部というのがあり、その他に観光に関するごく薄弱な部門が存在しておりますだけで、これを統括するだけの機関というものは政府には何らないと思うのでございます。同時に、今平山観光審議会の副会長さんが申されたように、内閣に観光審議会がずいぶん前からできておりますけれども、何らこれらの進歩した政策がないように私は思うのであります。同時にこの際はこれを憂慮されまして、国際観光協会——しかも浜口雄彦さんというりっぱな方が会長になられて、また横田常務理事がこれを担当して、いろいろの面で活躍されると思うのでございますが、ただこの活躍という問題だけでは、今までの形が幾らか大きくなるだけでもって、根本の推進というものは私はないと申し上げたい。 本日は、運輸省の間島観光部長も見えておりますので、御意見がありましたら、委員の方から聞いていただきたいのでございますが、私は自分の考えといたしましては、どうしてもこれを一元化さして、弾力性のある予算を持っているりっぱな一つの庁なり局なりを設けるくらいのところまで、この観光問題を取り上げていただかなければ、この問題はいつまでたっても同じことを繰り返しているのじゃないかと思います。今や国内観光というものはもう行き詰まっていると思うのでありますから、外国と手を握ってやる施策としては、まずホテルへ来たならばホテル賃が安い、道にしても、どうやら自動車で乗って歩ける。それからこの観光客のあっせん業者というものがマージンを取っているような形がありますが、これらは取らなければやっていけないのでありましょうが、これを国家がマージン料を払うようにして、そしてホテル等に泊っても、外国の値段よりも高くない値段で泊れるように考えていただかなければならぬ。これは原料を向うから買う仕事ではありませんから、決して損がないと思いますので、これらの点をお考え願いまして、政府が、また国会がこれをもっとお聞き入れ願うならば、一億ドルくらいの収入はそうむずかしい問題じゃない、私はかように考えておりますので、一言観光小委員長として意見を申し上げましたが、委員の各位から、ただいま参考人からお話のありましたことについて、御遠慮のない御意見を拝聴できれば幸いと存じます。幸いに運輸委員長がただいま見えましたので、委員長もこの際ぜひ御協力下さるようお願い申し上げて、私のお願いの言葉にいたしたいと思います。
○木村(俊)小委員 内閣観光事業審議会についてでありますが、その事務局はどういうような規模になっておりますか。
○平山参考人 事務局については、今ここに神田君が来ておられますから、神田君から……。
○神田説明員 私、総理府の神田でございますが、観光事業審議会の事務局についてちょっとお話し申し上げます。 先ほど平山副会長からお話がありましたように、観光事業審議会は、昭和二十三年に内閣に臨時に一年間設けられたもので、二十四年に総理府設置法に基きましてあらためて再発足しまして、以来七年間今日まで続いておるわけですが、事務局は正式の事務局はございませんで、内閣審議室の経済班で担当しておりまして、現在観光事業審議会の事務をやっておるのは、参事官一名と事務官一名の二名でございます。参事官は経済班の参事官でして、ほかの国土開発等の事務がありまして、専任は私一人というような格好であります。
○原健三郎君 この内閣観光事業審議会に政府が答申案を求めたりしたのが一件ありますが、そういう場合に運輸省の観光部を局にするとか、あるいは観光庁にするとかいうような答申をしたことがあるか、議論が出たことがあるか、そういう点はいかがでしょう。
○平山参考人 それは行政機構部会といいますか、そういうところで相当論議されたのです。それで観光庁の問題もずいぶん論議されたのですが、御承知の通り観光というのは各省に関係があるものでございますから、なかなか意見がまとまりませんで、最近における議論においては、むしろ観光事業審議会の事務局をもう少し大きくするなり、強力なものにするなり、あるいはまた観光事業審議会そのものを強力にしたらというような意見も出ておりましたが、結局今のところまとまったものは別にないわけでございます。 答申は、二十三年には「観光行政機構の整備について」というので、観光庁の問題について意見が出ておるのですが、最近には、昭和二十八年の七月に、「観光関係行政機構の改革について」という建議を審議会から出しております。
○原健三郎君 その昭和二十八年に答申したのは、内容はどういうことですか、ちょっと読み上げて下さい。
○神田説明員 かわって読み上げます。
○平山参考人 結局観光事業審議会でただ立案しただけではだめなので、もっとそれを強力にしたらどうか。それからまた国会以外の者だけが集まって話をしておったって、ちっとも反映しない。だからむしろ国会議員の方も入っていただいて、それを強力にしたらいいのじゃないかという意見なのです。
○原健三郎君 結局その答申案は、まだ政府で採用しないでそのままになっておるわけですね。
○平山参考人 建議されただけで、そのままになっておるわけです。
○畠山小委員長 この際観光部長、何か御意見はありませんか。
○間島説明員 ただいま議題になりました観光行政の問題につきましては、運輸省といたしましてはやはり観光事業審議会のただいまの御建議に、実は賛成いたしておったのであります。観光事業審議会はただプランを作る機関で、あとは責任も力もないということでなしに、調整する機能を持つ。それからまたそれだけの仕事をするには、ある程度の事務局も必要じゃないかということを考えております。ただ観光行政のプロパーのものは大体運輸省がやっておりますので、運輸省としましては御承知の通り現在は観光部でございますが、やはり対外折衝あるいは国内における発言というふうな関係から、経費の増加を伴いませんで観光局を設置したい、かような考えで機会あるごとに努力いたしておりましたが、現在まで実現いたしておりません。それから今の観光事業審議会の構成メンバーを、国会議員の方も加えて改めるというふうな問題につきましては、私の拝聞いたしましたところでは、内閣当局においては行政委員会の建前で、必ずしも賛成していなかったように聞いております。
○木村(俊)小委員 小委員長に対するお願いというよりも、むしろ運輸委員長に対するお願いですが、せっかくそういう答申案が出ておるのですから、これをこの際運輸委員会で取り上げて、運輸委員会の決議とか、そういうことをやっておく必要があるのじゃないかと思います。予算も済みましたし、この国会でどうするということはむずかしいかと思いますので、次の臨時国会で取り上げて、早急にその答申案を生かすということが必要じゃないかと思いますので、お願いしておきます。
○畠山小委員長 ただいまの木村君の御意見はごもっともであると考えておりますが、今お聞きの通り、この観光行政というものは五十歩百歩の御意見でございまして、これを推進するにはもう一歩も二歩も強力な態勢が必要だということと、ただいま平山副会長から御意見もありましたが、この観光審議会等におきましても、その必要が起きた場合には国会議員も一緒に入れて、希望なり、あるいは条件なりをそこへ加えて審議するようにしなければ、私は前進しないように考えておりますので、どうか当委員会におきましては今後これらの点で皆様に御協力をいただきまして、せっかくできましたところのこの観光委員会を意義あらしめるために、一段の御協力を切望したいのであります。同時に原委員長も非常にこの点力を入れていただいておりますので、私は感謝を申し上げる次第であります。
○原健三郎君 ただその場合に内閣観光事業審議会が開かれたときに、オブザーバーとして運輸委員を呼ぶことも意味がない。木村さんの言うのはそういうことではないので、ほかの行政委員のように国会が承認を与えて各党から正式に入る。それでやらなければいかぬ。そこへ一つ持っていくことが必要だ。そうすれば予算の獲得にも便宜だ、これが第一です。第二は今各省にまたがっておるものは、その中心部になるものを盛り上がらせたら吸収できるのではないか。今のところドングリの背比べで、厚生省には国立公園部があるし、運輸省には同じような部である観光部があるということで、相雁行をしておって、よけい勢力争いをやるから、この際思い切って運輸省の観光局に昇格させるように、運輸省設置法の一部改正をやったらよい。予算はあとにしても、法律案だけでもそこへ持っていかなければ、今度はなかなからちがあか一ないのでは、ないか。
○畠山小委員長 ただいま原委員長が言われたように、私もそれを希望いたしておりますが、どうぞ参考人として御出席願いました各位におかれましては、これらの点を十分に御留意をいただきまして、格段の一つ御協力と推進をお願いいたす次第であります。
○青野小委員 私はちょっと横田さんと運輸省の観光部長に、どちらも一つ御答弁を願いたい。私は大体住居が北九州であります。お説は一々ごもっともで、国家の補助金も少いし、地方自治体からの寄付金も入れて一年間に一億だ。これが国家の補助を仰ぎ、今度は国会の援助を受けて大々的にやれば一年間、昭和三十五年ごろには一億ドルくらいの外貨の獲得ができるという見通しも、私ども妥当と思っております。しかし東京であるとか、京都、大阪、あるいは奈良、そういう方面はなるほど水洗便所の設備とか、ホテルらしいホテルもあり、また食堂も外人向きにできておるかもしれませんが、そう全部の観光都市が東京並みあるいは京都並みにできておるとは思えない。大体私は若いときから遊説などをやっておりまして、ほとんど全国を回ったのであります。国会に席を置いて災害特別委員も長らくやりまして、災害のあるたびに各都市に出張して、非常に観光事業の必要性を常に感じておりましたので、特別にそういう方面にも気を配って今日に至りました。それで観光都市として重要なる都会に、たとえば外人向きのホテル、あるいはそのホテルがある場合には食堂の構造あるいは水洗便所の設備の有無、そうして気持よく日本の観光に来た外人に、非常ないい印象を与えて帰さなければ何にもならない。そういう点で今日の日本国内の各観光都市は十分の設備ができておるかどうか、これを私は運輸省の観光部長と国際観光協会の常務理事をやっておられる横田さんに、大体の点でよろしいのですが、お話を願いたい。
○間島説明員 私から申し上げます。外客が参りました場合の宿泊施設につきましては、一言で申し上げますと、ここ数年に見違えるほどよくなりましたが、しかし決して十分であるとは申されません。また外客が非常に多く参りますところはもちろん京浜地帯、あるいは関西方面が多いのでございますが、最近では相当全国的にも足が広がっておりまして、そういうようなところまで参りますと、やはりまだ不備の点が多いということが言えるのでございます。そういう関係がございまして、私どもとしましては宿泊施設の整備のために、御承知の通り国際観光ホテル整備法というものが数年前にできまして、外客をとれる宿泊施設として最小限度必要な基準がそれに示されておるわけであります。そういった観光都市、観光地の宿泊施設を、その法律にきめられたホテル、旅館の基準まで持ち上げたいということで今日まで努力して参ったわけでありますが、その点につきましては、御承知の通り二十八年九月から中小企業金融公庫が発足いたしております。これができました際に、融資対象の中に旅館業を入れてもらいまして、そして公庫並びに中小企業庁との間に協定を結びまして、外客宿泊に適する施設をやる場合には優先融資をするというふうな協定を結んでおります。この方は従来比較的円滑を欠いておりました融資と違いまして、かなり円滑にいっておりまして、二十八年九月発足いたしましてから現在の一月までに二百九十五件融資いたしまして、大部分は旅館でございます。金額にいたしまして九億一千七百万円出しております。この主たる内容は、水洗便所とかあるいは厨房の整備、あるいは若干の部屋の増設というふうなものに充てております。あと二、三年こういった状況を続けますならば、相当改善を見るのではないかというように考えております。こういうふうなことで整備いたしましたので、先ほど申し上げました国際観光ホテル整備法によりまして政府の登録を受けた宿泊施設が若干ふえて参りまして、現在では全国でホテルが五十九、旅館が七十六登録を受けております。しかし、たとえば旅館について見ますと、先ほど平山さんがお触れになりました国際観光旅館連盟というものがございまして、この連盟は国際観光事業に深い関心があり、外客を宿泊させることに非常に関心のある全国一流の旅館が加盟して、約五百のメンバーを持つ連盟でございます。ところがその五百のメンバーのうち、今申し上げた通りまだ七十六が法律に定めた基準に合致して政府の登録を受けたということでありまして、理想から言えば少くともその五百程度は政府の登録を受ける域にまで達していなければいかぬというふうに考えておるのでございます。しかし中小企業金融公庫の制度ができましてからは、それ以前に比べますとかなり整備の度が進んできているということは言えると思うのであります。なかなか完全な域には達しませんが、しかし若干こういうふうに整備を見ましたので、最近では外客に対しましても旅館に対する宿泊を相当勧めております。また外人自身も、いろいろ人に聞いたりあるいは宣伝文を読んだりして参りまして、日本旅館に対する宿泊の要望も非常にふえてきております。われわれとしましてもホテルだけでなしに−彼らも日本に参ります以上は、日本の生活様式というものに触れたいという気持も非常に強いのでございますから、こういった面も今後活用していきたい、かように存じております。
○横田参考人 ただいま観光部長のお答えで、大体御質問の要旨は尽きたように考えますので、蛇足をつけさしていただけば、われわれの努力といたしましては観光客をたくさん呼ぶということと同時に、できるだけ日本に滞在を延ばさしたいということの努力をしなければいかぬと思います。そのためにはやはり地方に行かせなくてはいけないということなのであります。今の御質問にありましたホテルの問題でありますが、地方に参りまして必ずしも洋式のホテルでなくてはいけないということでもないわけでありまして——もちろん洋式のホテルがあるのは望ましいことでありますが、ホテル自体としては需要供給の関係で成り立っていかない場合もありますので、日本旅館が十分に役をなすように改造していけば、役をなすわけであります。今間島観光部長が申しましたように、そういうふうな努力が続けられていっておるわけであります。同時に設備ばかりでなく、従事員のサービス、従事員の教養ということが大事になります。設備だけは観光客を受けられるようになっても、従事員が悪かったならば何にもならないので、そういう方面の努力も続けていかなくてはならぬと考えております。
○青野小委員 私のお尋ねした点について御親切な御答弁で、大体了解することができましたが、私は去年国会の代表で各党から一名ずつで各国の国会の事情調査に欧米十四カ国を回って、九月の中ごろに帰りましたが、これは日本の観光客と大体逆です。ホテルも各国の一流のホテルに投宿して、つぶさにその実態に触れてきたのですが、われわれはフランスに行けばフランス語、ドイツに行けばドイツ語、スペインに行けばイスパニア語、北欧三国に行けば北欧三国の言葉で非常に困ったのです。大使館や領事館のある場合は進んで通訳してくれるが、たとえばナイヤガラ瀑布を見に行くとき、バファロには領事館も何もないから単独で行く。そうするとなかなか言葉が通じない。カナダ領に橋を渡って向う側から写真をとりたいと言っても、官憲がなかなか聞かぬ。通訳してもらって、イギリスの外務大臣の了解を求めて来ておるのだから、国境の役人がどうしてそうわからないのだといってけんかをした。それでようやく納得して、二時間ばかりカナダ側から写真をとらしてくれた。五十五、六日欧米各国を回ってきて私が痛切に感ずることは、語学の上で非常に不自由した。それでやはり旅行する場合は語学の点で非常に精神的な打撃を受け、みじめな立場に立つのであります。日本への観光客は、アメリカだけではなく、イギリス、フランス、ドイツといったように相当たくさん来るでしょう。何か御報告によると二十九年度は八万五千、三十年度は大体十万人程度を予定しているということですが、それについてはまず従事員のボーイが、英語でも相当知っておかなければならぬ。女中にしても、日本旅館であれば行儀作法を一通り知っておかなければならぬ。そういう点でりっぱな建物のホテルができて、部屋もりっぱである、土地も広大であるといっても、旅館の場合は女中、ホテルの場合はボーイ、こういう人たちの態度が外国人に悪い印象を与える。朝から晩まで非常にいやな感じを与えるのでは、せっかく皆さんが責任ある地位に立って観光事業のために努力していただいても、結局結果においては何にもならなくなる。そういう点について、たとえば国際観光旅館連盟といったような団体の女中だとかボーイだとかいう人に、英語はもとより、外国語、行儀作法に至るまで、何らかの機関をもって、あるいは何らかの機関を通じて、教養を高めつつあるのかどうか、私はこれが非常に大切だと思います。 それから私も北九州方面に外人専門の観光ホテルを作れ、こういうことを市長を通じて有志に呼びかけておりますが、おそらくこれは実現すると思います。ほかに何も見るところはありませんが、北九州の八幡製鉄——日豊線に乗れば別府の方に行きます。あるいは鹿児島本線を通ればそこここに温泉場があり、有名な雲仙もある。しかし鉄鋼一貫作業の大工業都市のいろいろなものを見たいというので、多少観光ホテルというものが利用されるのではないかと思いましたので、私も少し危ないとは思ったが、大体ホテル建設の計画だけはでき上ったようであります。そういう際に政府は何らかの補助金でも出してくれることになるのか、そういう点も一つお尋ね申し上げたい。 それからこれは余談になるようですが、私がシカゴに参りましたときに、総領事の黒田さんと前後五時間ばかりいろいろなことで話をしておったのですが、シカゴのミシンガン湖の横に、個人の人が経営しているりっぱな博物館みたいなものがある。世界各国の国旗がほとんどこの会場の中にあるが、日本の国旗だけはありません。アメリカであれば、ロサンゼルスの石油をポンプでくみ上げておる広大なる設備が建物の中にできておる。あるいは炭鉱なら炭鉱の縦坑で、エレベーターで石炭を積み上げてくるようなものが、ちゃんと博覧会の方に常設的にできている。世界のあらゆるものが、個人経営ですけれどもそこにある。ところが日本のものは何一つそこに陳別されておらない。日本の日の丸の国旗は何ぼさがしても見当らない。シカゴはアメリカの重工業の動脈で、ここには三万五千から四万人に近い日本人がいる。日本人全体で日本の金で百億も銀行預金をしている。祖国に万一不慮の災難が起ったときには、私たちは生活の安定がついているから、一人で五万や十万くらいの寄付は日本に送って上げるつもりだ、しかし日本はアメリカにおいて観光関係の宣伝ができておらない、こう言うて、日本人の代表者の諸君に詰めかけられたときには、私は実は赤面をした一人です。そこで日本がそういうところに、日本のいろいろな名産なり、たとえば一例をあげるなら、博多の博多人形であるとか、九谷焼といったものでも、総領事を通じて陳列すれば、世界の独立国と一緒に日の丸が立つ。そこに非常にたくさんの人が、夏はミシガン湖にヨットを浮べて観光に来る。そういう点でやはり国外の宣伝は、そこにいる日本人あたりとも緊密な連絡をとっていけば、皆さんがお考えになっておるより以上の外人が、日本に観光に来る場合もあるし、予期せざるところの効果を上げ得るのではないかと思います。 またイタリアに参りまして、私はイタリアの政府関係の人と一時間ばかり国会でお話をしたが、イタリアは常に国政上赤字が何百億と出ます。この何百億出ておる赤字はどうするのかというと、いわゆる観光のための外人客をイタリアにひっぱって、そして観光客を相手にすることで、あの赤字をりっぱに補損して、どうかすると六十億や七十億の金は余る。だからイタリアの予算のつじつまは、全部観光客を相手にする観光事業の方から上ってくる。 こういうように私はいろいろ参考になることを承わって、帰ってきたのですが、今のような政府の観光事業に対する熱意のないやり方であれば、皆さんが縁の下の力持ちをしても、結果においては大きな期待に沿うようなこともできないと思います。第一は、名称だけの変更ではなくして、実質的に強大な力を持つためにそれから日本を代表して観光事業の指導監督をしていくという点で、運輸省の中に観光部というものでなくして、今の現状からいってみて、国内の情勢からいってみて、観光省はちょっと大げさになるかもしれませんが、今の観光部を観光局と昇格さして、そうして内容を充実し、人的にもりっぱな構成を作り上げて、民間団体と協力して、観光事業を推進していただけば、どうにかこうにか欧米先進国の驥尾に付していけるのではないかと思います。私どもも各党の代表者と話し合って、この点についてはかなり具案的な案も実は持っておるわけでございます。平山さんのお話によりますと、内閣観光事業審議会はなるべく各党から一人ずつぐらい議員の方に入ってもらった方がいいということですが、一人ずつというわけにもいきませんが、何人かは入っている方が、それは予算の関係上、補助金の関係上、事業それ自体の関係上、密接な連絡がとれるのですね。そういう点は観光部長はどうお考えですか。観光部の観光局への昇格、民間団体の指導監督、それから審議会に国会議員を関係させるかどうか、こういった点について掘り下げて、具体的にほんとうに思っておることを率直に打ちあけていただけば、私ども社会党ですが、いいことは超党派的に、これは外貨獲得にもなることですから、——何もパン助を相手にして外貨獲得をするだけで満足しておったのでは、いつまでたっても日本の国家の発展はあり得ないと思います。以上の点についてお答えできる範囲で御答弁願いたいと思います。
○間島説明員 お答え申し上げます。まず観光事業審議会の構成メンバーの中に国会議員を加えるという問題につきましては、先ほども申し上げました通り、運輸省といたしましては、先般二十八日に審議会が建議されました案に大体賛成でございます。われわれも幹事としてある程度参画をいたしておりましたが、運営の実態から見まして、やはり単にプランを作るというだけでは、結局それを各省が受け取っておくだけということになりますので、それをあるいは法律化し、あるいは予算化するというためには、やはり国会の強力な御協力がなければできないことでございます。私どもとしてはぜひ実現をしていただきたい、かように思っておったのであります。先ほどもお話し申し上げました通り、やはり内閣当局には、行政部内としての委員会に国会議員の方に入っていただくことはどうかというふうな意見もあったように聞いておりまして、これがそのままになって進展いたしていないようなわけであります。 それから現在の運輸省内の観光部の観光局への昇格につきましては、運輸省といたしましては、やはり仕事をいたしてみますと、どうしても国内的にも対外折衝がございますし、また国際的にも対外折衝があるというふうなことで、機構の大を必要とは思いませんんけれども、やはり格というものがある程度必要である、そういうふうな見地に立っております。またさらに今お話がありましたように、適材を迎えるという意味から、やはりある程度の機構の昇格ということが必要だというふうな見地から、絶えずこの点は強調いたして参ったのであります。また予算的に見ましても、特にさほど経費を必要とするわけではございません。それでやって参ったわけでございますが、そのつどその必要性は認められましても、形式上局の数がふえる、あるいは局の全体の数をふやさないようにするために、観光局はけっこうだが、そのかわりどこか他の局を一つ減らすというようなことにひっかかりまして、従来実現を見ていないというのが実情でございます。 それから先ほどお話のホテル施設に対する助成の件でございますが、これにつきましては現在のところ必ずしも十分な助成はできておらないのであります。まず補助という制度はないのでございます。結局ある程度融資のあっせんをするということでありますが、現在融資といたしましては、ある程度本格的なホテルにつきましては、年に一つずつくらいは開発銀行が融資をやりております。東京の帝国ホテルの増築、あるいは名古屋の観光ホテルの増築というふうに、大体年に一件くらいは開発銀行が融資をやっておりますが、開発銀行にかかりますものは相当大きなものであります。それから五大産業以外の資金は、ことしは一応二十億、予備金を入れましても三十億という程度でありますので、たくさんの産業、事業が競願いたしますので、なかなかむずかしいという点がございますが、私どもとしましても、今年も三つ四つそういう希望が出ておりますので、できる限りあっせんいたしたいと思っております。 なおそれ以下のものにつきましては、今申し上げました通り、相当成果を上げておりますのは中小企業金融公庫の融資あっせんでございますが、これは何分最高が一千万円に限られておるわけであります。資本金一千万円以下の事業につきましては、融資金額が一千万円に限られておる。この方は相当成果を上げておりますが、その中間的なものが今非常に困っておるのであります。ホテルなんかはその中間的なものがかなり多いものですから、そういう本格的ホテルを建てるということは採算上なかなかむずかしいものですから、そうひっかかりはないのですが、旅館の方はまた非常に設備改善の要望もあります。その中間的なものに対する融資が非常にむずかしい。結局普通銀行の融資になるわけでありますが、この点につきましては、宿泊施設というものは一応融資順位が丙になっておりますが、外客宿泊施設につきましては甲種に準ずるという建前になっております。この場合に銀行側が判断してやればいいわけではございますが、しかしあとで検査等もございますし、自信がない場合には政府当局のわれわれの方へ証明を要求するというのが通常でございますので、その場合われわれといたしましては、企画者から申請があれば、その内容を審査いたしまして、銀行の方へ推薦して融資あっせんをいたすというような方法でやっておるのであります。しかしこれは何分普通銀行のやる融資でございますので、そう強力なあっせんではございません。現在のところはなはだ残念ながら、その程度の金融に対するあっせんしかやっておりません。 それから最初に従業員の教育についてのお話がございましたが、お説ごもっともでございまして、幾ら施設がりっぱでありましても、外客に接する従業員のサービスが悪ければ、何にもならないわけであります。この点につきましては、従来とも十分ではございませんけれども、政府が従来全日本観光連盟に出し、今年からは国際観光協会に出しております補助金の中には、やはりサービス向上という面についての若干の補助金を出しておる。サービス講習会あるいは語学講習会というものも、適当な講師を選んで地方でやらしております。 それからホテル等では、ある程度ホテルの養成機関等もありますので、そういうところへ従業員を派遣させて、従業員の再教育を受けさせる、そういうこともいたしております。 それからもう一つ、外客に接する従業員の中で重要なものはガイドであります。日本は御承知の通り語学の関係で、ガイドを要する場合が非常に多いわけでございます。このガイドにつきましては通訳案内業法によりまして、運輸大臣が年に一回試験をいたしまして、その試験合格者に対しまして都道府県知事が免許状を出し、免許状を持たない者はガイドができないということになっておるわけであります。現在までに試験合格者が七百人くらいございまして、免状を持っております者は約四百五十人でございます。大部分は英語でございまして、ごく少数のフランス語、ドイツ語、スペイン語がございます。九分九厘までは英語のガイドでございます。これは試験に通りますれば一応最低限度の能力はあるわけでございますが、それだけでは決して十分ではないので、最近では毎年一回関東の東京と関西の、大体京都でございますが、京都に数十名のガイドを集めまして、再教育と申しますか、つまり先生がつきまして実際ガイドをやらしてみて、そのやり方を改めさせるというふうな、実習を主とした教育を実施いたしております。これは運輸省、それから観光通訳協会、それから全日本観光連盟、こういうふうな団体が協力いたしまして、それぞれ金を出しまして、そういったガイドの実際に即した教育を実施いたしておりまして、一人でも多くのいいガイドを作ろうということで努力はいたしておるのでございます。相当の成果は上げておりますが、現在の実情を申し上げますと、春のような一度にどっとたくさん観光客が参りますときには、ほんとうに役に立ついいガイドはまだまだ足りないというのが実情でございます。今後もこういったガイドの養成にはさらに努めたい、かように存じております。 それから今シカゴのお話がございましたが、実は私どもも従来ニューヨークとサンフランシスコに宣伝事務所を設置しまして、対米宣伝を現地でやらしておるわけでございますが、シカゴの方にはまだ置いてございません。しかしシカゴももちろん今お話の通り日本人も二万以上おりますし、また北中部のああいう重要都市でございまして、多数の人が海外にも出ておる地域でございますので、この点ほっておけないということで、おそまきではございますが、昨年から若干この方面の宣伝に手をつけまして、実は六大都市が一緒になりまして、日本商品のサンプル・ショウをシカゴでやりました際に、六大都市の要望もありまして、観光宣伝を相当やりました。ある程度まで展示をすると同時に、ニューヨークから現地に人も派遣しまして、旅行のインフォーメーションをやるということで手をつけたのであります。ただ今のところ常駐はやっておりません。今後の方法といたしましては、そういった事務所が置かれますまでには、まだある程度の期間があると存じますので、戦前やっておりました宣伝嘱託員というような制度を作っていきたいと考えております。戦前は最盛時には約十カ所の海外の宣伝事務所と、それから二十数カ所に宣伝嘱託員というのを置いて、現地の有力な日本人あるいは日系人あるいは親日外人というふうな有力な人に、現地で宣伝を嘱託しておったわけであります 実は戦前シカゴにもそういった宣伝嘱託員が日本人でおったのでありますが、こういう制度もできるだけ早く復活させたいと思っております。
○原健三郎君 開銀から国際観光ホテルに融資した額は、年にどのくらいあるのか。
○間島説明員 二十九年は一度もございません。二十八年は帝国ホテルの分が一億四千万円、国際観光ホテルに一億五千万円、その程度でございます。
○畠山小委員長 この際横田さん、吉野さんの質疑に対して何かありませんか。
○横田参考人 青野先生の御質問については、観光部長の回答でもって大体済んだと思いましたが、私何か蛇足をそれに添える必要がありますか。
○青野小委員 何かお考えになっておることがあれば……。
○横田参考人 わかりました。第一に、最初にお話のありましたシカゴの問題であります。宣伝嘱託員の問題もありますが、お話のありましたようなところに対して、あるいは物を展示するというふうな仕事が、国際観光協会が持っている仕事なのであります。たとえば黒田総領事の方からその御意見が出たのか、青野先生がそれをお感じになったのか知りませんが、黒田総領事の方からそういうふうな要求があれば、私の方といたしましても考えてみなくてはならない問題だと思っておりますが、今のところまだそういうものは来ていないように思っております。 それからもう一つ私の方の関係しますことは、ただいま間島部長が話されたように、従業員の問題であります。これに対しましては私自身といたしましても、ホテルの従業員のみならず、旅館の従業員あるいはみやげものを売る店の従業員というふうなものの教育が、非常に大事であることを痛感いたしておりますので、これに対してわずかながらでも補助金をいただいているわけであります。これに対してやはり十分な努力をいたしたいと考えております。 なお、もう一つ観光部長がつけ加えましたガイドの問題でありますが、ガイドの問題は非常に深刻な問題でありまして、私もガイド協会の会長というわけで一応関係はいたしているわけでありますが、これをどういうふうに持っていくか、非常に問題がありまして、七百人余りのガイドの試験を通った者がある、ライセンスを持っている者か四百人余りあるわけでありますが、ほんとうに役に立つ者は非常に少く、百人ないと言ってもいいくらいなのであります。これらの問題が非常に大事な問題であります。ガイド協会と申しますのは、ガイドの試験を受けた者のうちで、実際に就業している者が希望によってガイド協会というものに入っていく、つまりガイドのアソシエーションなのです。これがその教育に努力しているわけであります。先ほどお話にありましたような語学の問題の解決は、このガイドによってだいぶ救われてくると思うわけでありますが、ただ需要と供給の関係、いわゆる生業が立っていくか立っていかないかという大事な問題がありますので、教育とともにそういうふうな問題の解決も、これから政府の問題でもあるとともに、われわれ民間の団体の問題でもあるというふうに考えておる次第であります。
○青野小委員 私の質問に対して御懇切な御答弁で、よく了解することができました。くどいようでございますが、これは私のしろうとの思いつきですが、今のシカゴの問題は黒田総領事が私に言ったのではない。私は三万人ばかりの日本人代表者五、六十名にお目にかかったが、非常に頭がおくれている。二十年くらい前の丹下左膳の有声映画を見て、首をひねって喜んでおるという人の方が多い。しかし金は、加州の日本人排斥から戦時中虐待を受けて遠くシカゴに流れていって、裸一貫の人が三万五、六千人いるが、日本の金にして百億くらい、生活の安定がついている。アメリカの重工業の中心になって、今の三万五千の日本人がのいたら、シカゴの重工業は維持していかれないというほど重要な役割をしている。こういうところは日本の総領事館なり、あるいは有力な日本人なりに十分御連絡をとっていただければ、一年に一ぺんくらい、五十人や百人くらいの団体が故国日本の観光にやってきて、久しぶりに故郷に帰って親戚と久しぶりに対面するといったようなことで、それはかなり生活に余裕があるのですから——日本人のふところから外貨を取り上げるということはおもしろくないと言えばそれまでですが、そういう点からでも開拓を始めれば、アメリカ人自身がまた一緒にやってくる。それからハワイなんか御承知の通り四十八万の人口で、いろいろ雑多な人種が寄り集まっておりますが、十八万人は確かに日本人がおる。たとえば県会議員や市会議員、この市会なんか絶対多数を日本人が占めておる。県知事の代理も日本人がやっておる。裁判所の検事、判事も日本人が有力な地位を占めておる。それから放送局なんか日本人自身の手によって持っている。新聞は英語の新聞を発行すると同時に、それと同文の日本語の新聞を発行している。そうしてどこの旅館、ホテルに行きましても、日本人が十八万おるのですから、二世も多いのですが、やはり片言まじりに尋常三年か四年生くらいが使っておる日本語を使っている。それから大体一年間百万ドルの砂糖と、世界の需要量の八割を作っているパイナップル、それらを頭割りに平均してずっと利潤を見積ると、大体一カ月の収入が七万円平均、六十才から以上の人は二万ないし三方の養老年金をもらっておる。金は残る一方である。生活の安定は得ておる。こういう手近にハワイあたりでも、外国人だけではなくして、日本人に一つ日本に観光に来てくれないかという手を打っても、それは日本の日航会社あたりと連絡をとっても、やはりそういう点にもまだ見込みがある。それから北欧三国のノルウエー、スエーデン、デンマークあたりに行くと、大体スエーデンには日本の公使館があって、それからデンマークとノルウエーにはありませんが、いわゆる北欧三国、ここいらは社会党の政権が、デンマークなどは二十三年間続いている。やはりここも七百万の人口であるけれども、生活の安定が一応ついておる。そうすると、夏一ぺん家族連れ、冬一ぺん家族連れ、スイスあるいは遠方になりますけれどもイタリアという山紫水明の地に、夏と冬一同ずつ半年間に残った何十方かの金で、ヨットに乗って遊び疲れれば外国に観光に行く、こういったような慣習を持っておる国もある。何でも航路を見ると北半球、いわゆる北欧の方からずっと短距離でもってアメリカに行く航空路もできたということですが、こういったところにも大使館なりあるいは総領事館あるいは公使館あたりとも十分連絡をとれば——不幸にしてノルウエーあたりは宗教的な大学に日本人が二人しかおらぬ、全国で幾ら探しても二人しかおらなかったのですが、たとえば日本の国内においては国鉄あるいはバス会社、海外においては外務省の出先機関と連絡をとり、有力な日本人で向うに行っておる人にそういう事業を委託して宣伝をして、そうしてこういうものが日本にできるのだ、こういうりっぱな温泉都市があるのだ、こういって宣伝をする。やはり宣伝すれば、日本人より外国人の方がどちらかというとおとんぴんが多いものですから、では行ってみようかということになりますれば、やはり一ぱい何千トンという船を借り切って三百でも五百でも来る。日本に来れば親切にしなければなりませんことはもとよりでしょうけれども、来ればそれだけ外貨が落ちることになると思います。そういうことについても私は、ヨーロッパ各国あるいはアメリカあたりの事情を大体調べられる範囲に調べて参ったのですが、そういう点を一つ御考慮を願って、そういう点も何かの御参考の端に加えていただいて、やはり出先機関とも十分連絡をとり、そうして日本の観光都市の宣伝をよくやって、今より一そうの御努力が願いたい。もちろんこういったような問題は社会党だ、民主党だ、自由党だといって対立をして功名争いをしておったって、これは効果が上るものではない。これはまさに超党派的な立場に立ってお互いに協力してやらなければ、大きな期待は持てないと思います。そこで、御答弁はけっこうでございますが、以上私の希望の一端としてお願い申し上げます。
○畠山小委員長 この際青野委員から懇切なお言葉をちょうだいして恐縮いたしております。お説の通りに進んで行った方がいいと思いますが、これに加えまして、平山副会長あるいは横田常務理事、間島観光部長等に私はお願いいたしたいことは、幾多の協会あるいは審議会、組合等がありますけれども、現在まで横のつながりがとれていなかった。それがために思い思いの意見ばかり言っておりまして、先ほども申し上げました通り、進歩性が少いのじゃないか。もう一歩確たる方法をとるには、一応横のつながりを作っていただくことがいいのじゃないか。先ほど青野委員からも言われたように、政党政派を超越して国会からも時によったら会合に出て、そうしてお互いに忌憚のない意見を交換するようにして、観光政策の根本を作らなければいけない。今観光政策といって、観光という文字が日本の国内にうようよあっちにもこっちにありますけれども、羅針盤のない船みたいなもので、一体観光というものの根本はどこに落ちつくかというような状態にあるようであります。またホテルの話も出、その他施設の話も出ましたが、まずホテルよりも、施設よりも、あるいは補加、建設、いろいろの点よりも、むしろ観光というものの根本を作って、推進力のある、弾力のある、予算化できるところの政策をとらなければ、これ以上観光政策は進まないように私は考えますので、青野委員が言われたような点を関係の皆さんにおかれましては、特に御考慮下さいまして、今後ますます観光行政を推進あらんことを切に私は再び希望を申し上げる次第でございます。 ほかに何か御質疑ありませんか。——きょうは運輸委員長もわざわざおいで願いましてありがとうございました。 本日は御多用中にもかかわりませず、当委員会のために貴重なる御意見を述べていただき、当委員会の審議にも多大の参考になったものと考えます。小委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。なお観光行政に関しましては、今後慎重に検討の上、何らかの結論を得たいものと考える次第でございますが、今後ともよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。 本日はこれをもって観光小委員会を散会いたします。 午後三時十四分散会