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22回国会衆議院1955/07/22

運輸委員会 第33号

発言数
76
登壇者
12
会派数
3
開催日
1955/07/22

会議録

原健三郎自由党

○原委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  最初に当委員会の委員の方々が、新潟の現地を視察されましたので、その報告をいたしたい旨の申し出がありましたのでこれを許します。臼井君。

臼井莊一日本民主党

○臼井委員 先週の土曜日の午後から日曜を利用いたしまして、当委員会から自由党の伊藤委員、社会党の竹谷源太郎委員、なお青野武一委員、それと私の四人で、新潟の海岸の決壊状況につきまして視察に参りました。なお参議院からもやはり同様に視察に参りましたので、それと合流いたしました。当日は新潟市におきまして、約千六、七百と推定される市民が集まりまして、この決壊防止のための市民大会が行われ、それにも出席いたしました。本日新潟から市長さん初め陳情にお見えになりましたので、ちょうどよい機会でありますから、簡単に御報告を申し上げたいと思います。  当日の市民大会におきまして、新潟海岸決壊防止期成同盟というものができまして、今後決壊防止のための運動を継続しようという意味の市民大会が、盛んに行われたのであります。出席の各議員——有志議員、そのほか両院から出席いたしておりまして、約十二、三名かと思われます両院議員が出たのでありますが、各人みな所見を申し述べました。なお一行は海岸の決壊状況を、展望台その他付近の海岸数カ所から実際に見ましたが、うしろの写真にございますように、非常に激しい決壊状況で、明治時代から見ますと、決壊のためにみぎわが約三百メートル近くも陸上に近くなって、最後の砂丘の約三分の一が残っておる状態で、これがもし決壊するならば新潟市が三分の一海水によって侵されるであろうという状況である。それは御承知のように新潟市は、信濃川の土砂を沖積したいわゆるデルタ地帯であったのでありますが、これが上流におきまして、大河津において分水をいたしまして、従来洪水によって悩まされていた点はこれによって防いだのであります。ところが土砂が下流の方に十分来ない。また来た土砂でも港湾を築港いたしまして西堤防が非常に長く出ました。それがために西海岸の方に土砂が行かない、こういうために西海岸の決壊が非常に激しいという説明を受けたのであります。なお東海岸の方も同様に決壊が激しゅうございまして、これまた二百メートルも昔から見ると海岸線が陸上に近くなって、それがために三菱鉱業とか昭和石油の工場が、高潮のために非常な災害を受ける。また冬になりますと日本海独特の波浪のために非常な災害を受けて、昭和石油だけでも一億近くの海岸をコンクリートをもって固めるという費用をつぎ込み、さらに防波工事のために東海岸はやや押えられたのでありますが、西海岸におきましてはこれがなかなか防ぎ切れない。しかし工事を実施したところにおきましては相当にこれが防いでおるのでありまして、この工事が引き続いて連続して行かれていないで、ところどころ切れているために、切れているとろが非常に決壊が激しい、こういうところからこの防波のための工事を続いて急速に行う必要があるということを、われわれも感じたのであります。  それとともにもう一つは、今言ったように土砂が西海岸に流れるように何とか工夫したら、自然を利用してこれが防げるであろう、こういうために西突堤のもとから西海岸の方に突堤を切り開いて、信濃川の水をそちらに放流するような工夫をしたらよかろう、そうすれば土砂の決壊の砂が補給できるであろうということのために、目下試験中ということに聞いた次第でございます。幸いにそれによって十分効果がありということになれば、自然力を使用して決壊が防げることにもなろうと思いまするが、なおただいま陳情がありましたので、以上簡単に御報告するにとどめておきますが、当日は港湾局の計画課長さんも御一緒に視察をいただきましたので、いろいろ今後の御意見もあろうかと思いますので、簡単でありますが、ちょうど幸いの機会でありますから一言御報告をいたしておきます。

原健三郎自由党

○原委員長 最初に新任の港湾局長よりごあいさつを申し上げたい旨の申し出がありますので、これを許します。天埜港湾局長。

天埜良吉運輸技官(港湾局長)

○天埜政府委員 私はこのたび運輸省の港湾局長に任命されました天埜でございます。早く運輸委員の皆様にごあいさつ申し上げるはずでありましたがおそくなりまして申しわけありません。どうぞよろしくお願いをいたします。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 この際お諮りいたします。小委員会設置についてでありますが、本委員会に現在百件を越えております請願が付託されておりますので、この際その審査のため、請願審査小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議がございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 御異議がありませんので、さよう決定いたします。  なお人員及び小委員、小委員長の選任につきましては、委員長に御一任いただきたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 それではさよう決定いたしました。それでは後刻公報によって指名いたしますから、さよう御了承のほどお願いいたします。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 次に陸運海運行政に関して調査を進めます。最初に港湾行政に関して質疑を行います。櫻井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 私はただいま陳情がございました新潟の海岸の侵食の問題につきまして、運輸当局及び大蔵省に対して質疑をいたしておきたいと思います。新潟の海岸が非常な侵食の現象を起しましたのは、特に最近この二、三年間にその侵食の状況がひどくなって参ったのであります。その大きな原因は、先ほど市長さんの方からも述べられましたように信濃川の分水工事、あるいは新潟港の突堤工事、こういうものが大きな原因をなしておるのでありますが、最近非常に侵食がはなはだしいために、新潟市民が非常な不安を持って、この侵食の進行状況をながめておるというのが現状でございます。この市民の大きな不安の声が今次の市民大会となりまして、運輸委員の皆さん方から親しく現地を視察をしていただいたわけてございます。このような大きな災害でございますが、これにはやはり短期間に相当の額の資金を投じて、まず災害を食いとめるということが焦眉の急務であると思うのでございます。そのような観点から政府も昨年度総事業費九千万円が、本年度は先ほど助役の方からお話がありましたように、一応決定を見たのが防災費の一億八千万円、それから災害復旧費の過年度分といたしまして四千万円、それから失業対策費から一千万円、一応二億三千万円というものが今年度は決定をいたしておるわけでございます。しかしながらこの災害の進行状況及びその規模の大きさから見まして、この二億三千万円では早急の防災の措置も講じられない、地元の方ではどうしてもこれを総事業費最低三億円にしてもらいたい、こういうのが熱烈な要求でございますが、それで私が質問したい第一点は、残されておりますところの本年度災害復旧費として七千万円の支出が可能であるかどうか、このことを運輸大臣及び大蔵当局にお尋ねをいたしたい。

天埜良吉運輸技官(港湾局長)

○天埜政府委員 ただいまの本年度の事業費に予約された三億円の、きまっていない分の七千万円が可能かどうかという点についてお答え申し上げます。今の七千万円に相当する分と申しますのは本年度災害に当るのでありまして、これは予備費の方からの支出になるのであります。この点もまだ建設省方面その他の分も出そろっておりませんので、確定はいたしておりませんが、できるだけ今の額にするように努力いたしたいというふうに考えております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 一応当面の責任者である港湾局長からは、できるだけ地元の要望に沿って、七千万円の額にするように努力するという明るい決意を述べられたわけでございますが、最高責任者として運輸大臣からも、一つこの機会に証明をしてもらわないと困るので、この問題に対する大臣の御決意のほどをはっきり御言明願いたい。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 新潟海岸の決壊についても、私もしばしば陳情を受けておるわけであります。計画課長も現地に派遣をしております。そういうわけでこれは緊急に処理をしなければならぬ問題であると考えておりますので、港湾局長も答えましたように、できるだけ希望に沿いたいと考えております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 運輸当局から七千万円の希望に沿うような努力をするという言明をいただきまして、まことに安心をいたしました。おそらく新潟市民各位もただいまの大臣の御言明を聞きまして愁眉を開くことと思うのでございますが、最後に私は一番の鬼門であるところの大蔵当局にお伺いしたいのであります。  新潟海岸の侵食の状況が一日も捨て置けないということは、ただいま地元の方々の陳情もございましたし、大蔵当局としても十分御認識しておられることと思うのでございますが、かりに今年度の予備費からの支出について、先ほど運輸大臣の御答弁のごとく七千万円の要求がありました場合、大蔵省はまたその財布を締める本能的作用をいたしまして、どうもこれは少し多すぎる、こういうふうなことで無慈悲な査定をなさるのではないかということを懸念するわけであります。この問題は、先ほど現地を視察された運輸委員の方が、現地の実際の状況を見て非常にびっくりしておられる。ここにある写真は、これはまだ現状から見ると実情を伝えていない。民家まですでに三十メートルに迫っている地点があるわけです。こういうものを食いとめるためには、短期間に相当な金をつぎ込まなければならぬということが、もう常識的に申されるわけでありますが、大蔵省といたしましては、このような災害に対して運輸省の要求を全面的においれ下さる御意思があるかどうか、一つ大蔵当局の意思をお伺いしたいと思います。

鹿野義雄大蔵事務官(主計官)

○鹿野説明員 新潟の決壊につきましては、私も数年来お話を詳しくお聞きしておりますが、残念ながら私自身は現地を存じておりませんけれども、先日私の方の係官も出張いたしまして、現地を詳しく拝見させていただいて帰っております。同時に非常に事柄の重要なることについては、政府の方といたしましても深く認識しておる次第でございます。ただいまのお話の当面災害の七千万円を今年の予備費で全部支出することができるか、運輸省の方が努力するということに対して、大蔵省の方は財布のひもをゆるめることができるか、こういうふうなお話のように承わったのでございますが、予備費は御存じのように本年度は八十億ございまして、そのうち例年の例によりますと、大体災害に充てられる分は五十億ぐらいの見当かと思います。災害につきましては常々三、五、二で復旧しろとか、二年でやれ、三年でやれという非常に強い御要望があるのであります。今までのところ災害につきましては残念でございますが、戦後異常な災害の状態になりまして、五年とか、長いものでありますと六年にもまたがって復旧するような状態でありまして、今年は特に法律まで出して、緊要なものは今後はぜひもっと早く、三年で復旧するようにしたいという法律改正までやって努力はいたしたいと思っております。ただ本年度の予備費で七千万すぐできるかということに対しましては、予備費支出につきましては運輸省の所管なされる港湾の災害とか、農林省の漁港災害とか、それから建設省の非常に額の多い土木災害、そういったものに対しまして予備費が出ていくものですから、今までのやり方といたしましては、個所別に言いますともちろん新潟の港湾の防災施設の災害復旧というのは、非常に重要なものの一つだと思うのでございますが、やはり破堤した個所がそのままになって穴があいている、あるいは国道のような重要なところの橋梁が流れっぱなしになっておるというようなものがたくさんにあるわけでございまして、それを乏しい中でやっていくということになりますので、実際の予算といたしましては大体被害を査定いたしました額の——今年はどのくらいになりますか、災害全体の姿が出て参りませんからわかりませんが、二割ないし三割くらいの復旧になるものと考えます。全体として平均するとそういうふうな復旧率になるのが前例でございますけれども、その中で特に今申し上げましたように、堤防の破堤したままになっているもの、あるいは非常に交通量が多くて回り道のないような橋梁の復旧というものは至急する。それについては具体的に言えば、一つの橋梁だけについて言いますと、その年で全部復旧するということもあり得るわけであります。堤防の決壊した個所だけについで見ますれば、全部復旧することもあるわけでございまして、同様な意味からいって運輸省の方の予備金から出された中で、重要な個所について比較検討されてやられることになるかと思いますが、そこらは運輸省の所管されておられる災害復旧のどこに重点を置いていくか、特に新潟の海岸決壊の防災施設の災害復旧について、どこに重点を置くかということにつきましては、予備費の出された、簡単な言葉で言いますとワクの中で重点的にどういうふうに使っていただくか、こういうことになっていくのではないか。一つ一つのものをこれは全部復旧する、これは二分の一程度だ、これは一割程度だ、そういうこまかい査定は、大蔵省といたしましても毎年の災害の件数が約十何万くらいに上りますから、とてもそこまではできないのです。各省で自主的にその中で重点を置いてやっていただく、そういうふうになります。大蔵省といたしましては、この改正そのものに対して財布をゆるめる、締めるという問題は、はっきりしたお答えはできないのであります。全体といたしまして重点的に施行されることについては賛意を表しております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 大蔵当局としてはまだ全部のあれが出そろっていない現段階において、新潟市にこれだけを出すということは言明できないと思います。その点は十分わかりますが、しかしこういう災害は金額を少しずつやったのではさいの川原と同じです。やらないと同じような状況になるのでありますから、特に出そろった中で重点的にこの金を出す面を考えていただいて、その重点の一つにぜひ新潟港の海岸の決壊という問題を取り上げていただくように、私は強く要望を申し上げる次第でございます。  次にもう一点、運輸大臣の方にお尋ね申し上げます。先ほど要望もありましたように、防災費も一億八千万円ちょうだいいたしております。しかしこれは四、四、二の率になるのでありまして、三分の二はやはり県と市が負担するわけであります。現在全国的に見まして県の財政、市の財政及び広く地方自治体の財政の状態がどういう状態であるかということは、私が申し上げるまでもなく大臣が十分ご承知おきのはずでありますけれども、せっかくワクを大きくしてもらっても、地方の自治体の負担がこのように大きいのでは、実際の工事としてはなかなかできがたい、そういうことが起きてくるわけであります。災害復旧費は御承知の通り三分の二国庫負担でありますので、地方自治体の負担がよほど軽減されるわけでありますが、特にこのような国土が欠けていくとか、大きな災害があるとかいう、こういう事件については一運輸省ということにこだわらないで、やはり建設省、運輸省という、いわゆる政府が一体となって緊密な連絡をとって取り上げていかねばならない性質のものであろうと思うのであります。しかしその補助率の割にいたしましても、建設省の場合は五割が国庫負担になっておる。しかるに運輸省は四、四、二というような、きわめて悪い率での国庫負担ということになっておるわけでありますが、これは改めるわけに行かないのかどうか。運輸省及び建設省との間にこういう点に関して十分な打ち合せが行われておるのかどうか。これは一運輸省とか建設省とかいう問題でなくて、政府自体の問題として一つ御答弁を願いたい。

天埜良吉運輸技官(港湾局長)

○天埜政府委員 ただいまの防災対策の事業に対して、補助金関係についてお答えいたします。実は先年ジェーン台風で長崎、大阪方面がひどくやられまして、そのときにその事業に対する補助は大阪が三割、長崎が四割、東京が一割五分というふうにきまりました。以来新潟に対しては四割の補助が行くということで進んで参ったのでありますが、運輸省当局といたしましては、やはり五割の補助までは上げたいというようなことをもちまして、関係方面とこの一、二年ずっと折衝して参ったのであります。いろいろな関係からまだ五割に上げてもらえないのでありますが、なおこの折衝を続けて御希望に沿えるようにしたいというふうに考えております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それでは来年度の予算編成に当っては十分各省と連絡をとって、運輸省としては五割の線まで上げるように努力をする、こういうことに了承してよろしゅうございますか。

天埜良吉運輸技官(港湾局長)

○天埜政府委員 さようでございます。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 私はこの新潟の砂丘の決壊について、各党の一人として十六日に東京を立って十七日の市民大会にも、また現場の視察にも参ったものでありますが、これは質問ではなく、大蔵省並びに三木運輸大臣に心から希望したいことであります。  私は昭和二十四年に議会に出てきて以来、約四年半ばかり災害特別委員を勤めて、北海道の地震災害、日光今市の二百四十何年ぶりの地震、またキジア台風が九州沿岸を荒して、もう一カ月すれば稲が枯れる、福岡県のごときは十五キロにわたって何一つも収穫がなかった、そういう苦い経験を得て私は帰って参りまして、そのときに議会で、大体日本に起る台風について予備費が百億組まれることになりましたが、まず第一に南の鹿児島、宮崎、ここばどういうわけか台風の通過路になっている。またずっとおくれてやられる福岡県のごときは、少いときで二十億、多いときは四十億くらい台風と水害災害で毎年やられるのです。そこで災害予備費のうちの三分の一程度は、鹿児島、宮崎等九州全体に、予算を組むときに優先的に予算を立ててもらいたいということを言った経験があります。また自由党の増田甲子七氏が建設大臣のときに質問いたしましたときに、終戦後約一兆円ほど災害の金を使いました。ところがお説のように二割から二割五分程度の国庫負担でございましたけれども、実際に災害の復旧をやるときに二割程度の金しか出しておりませんので、一兆円からの金を入れましたが、元も子もないほど流れてしまったことになりまして、何のためにそれだけの金を入れて大きな犠牲を払ったかわからないということは、お説の通りでありますという答弁で、私はその速記録をいまだに持っております。  そこでこの新潟海岸の問題でも、全国的ににらみ合せて金を出さなければならないとかと言っておりましたのでは、もう三十メートルであの日本海の海水が新潟の町に入ってくるようになっては、ポンプでかい出すわけにいかないのですから、過去の苦い経験からしても、そういうものは重点的に考えるべきだと思う。一萬田さんという人はなかなか一筋なわでいく人ではないでしょうが、この新潟の侵蝕されていく砂山がもう三十メートル決壊すれば、おそらく新潟市街の半分くらいが水浸しになるという緊急性を力説され、三木運輸大臣も政治力を十二分に発揮して、一つこの問題は政治的に解決してもらいたいと思っているわけであります。いろいろ具体的に申し上げたいこともありますが、最後は政治的な折衝によって解決する以外には道はないと思います。どうかこの点を十分御留意していただいて、新潟市民諸君が国土防衛と自分の財産保全のために非常に心配しておる点を解決するために御努力を願いたい。また大蔵省の主計官の方にもお願いいたしますが、一つ同様の趣旨で善処せられんことを特に御要望申し上げておく次第であります。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 次に国鉄関係の諸問題について質疑を許します。楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 私は自動車行政につきまして二、三お伺いをいたしたいと思います。これは私が運輸委員をいたしておるときからの問題でありますが、今日全国的に民営同士、あるいは国鉄と民営との間に、いわゆる路線獲得についての相当深刻なあつれきがあると聞いております。従ってまず第一にお伺いいたしたいことは、大体全国でどのくらいの数に上っておるかという点を、概数でけっこうでありますからお答え願いたいと思います。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 全国で競願になっております部分の数がどのくらいかというお話でありますが、競願になっておる部分だけの件数をとりまとめてございませんのでもょっと申しかねますが、現在たとえば旅客関係だけで運輸省で受け付けて審議中のものが千百三十五件ございます。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 千百三十五件という数でありますが、これがすみやかに解決されていけば私は何も質疑の必要はないと思いますが、すみやかにこの競願の路線が解決されていく見通しがあるかどうか、お答えを願いたいと思います。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 毎月かなりの数片づけて参りまして、多いときは月に百件以上、二百件くらいは片づけておりますが、あとからあとから出てくるので、その内容は入れかわっておりますが、最近は常に千件くらいの数を下らないというのが現状であります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 今の眞田局長のお話では、きわめてスムースに解決しているけれども、あとからたくさん出てくるから、千件以上保有しておる、こういう御答弁でありますが、私どもが聞いておるところでは、一年あるいは長いのは三年以上も競願のままいずれに決定するか、あなたの方でお迷いになりまして、そのまま放置されておるということを聞いておるのでありますが、そういう件数がどのくらいあるか、あるいはないかという点をお聞きしたいと思います。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 この五月に調べました件数でお許しを願いたいと思いますが、一年以上たっておりますものが、四百六十三件ございます。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 一年以上たったものが四百六十三件ということでありますが、それらが解決しない主たる理由は、一体どういうところに原因するのか。ついでにお聞きしますが、将来どうやって解決していくおつもりであるか、この二点についてお伺いいたします。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 初めのお尋ねの解決をしない理由と申しますか、これはいろいろございますが、一つは最近バス路線につきましてもかなり路線網が発達いたしましたために、新しいところの申請が割合に少く、互いに他の事業者がある程度やっておりますところへ入り込んでいくというような申請が多いために、あるいは新しいところができますと、そこへ二業者、三業者が申請するという形のものが多いために、互いにそれについて自分たちが当然免許を受けるべきであるという主張をするわけでございまして、これらについての調整をするために、いろいろと話し合いをしたりなんかしますので、かなりおくれております。それがある程度話し合いがっきますと、非常に簡単に済む場合があるのでございますが、最近そういったものについて、なかなかお話し合いがつかないことが多いために、延びておるのが一つでございます。それから新しい道路等にバスを出そうというふうな場合に、道路管理者の意見を聞くとか、あるいは市等につきましては市長の意見を聞く、こういった場合に、その免許がなかなかもらえない。地方といたしましてはできるだけバスが通ってほしい。しかし道路の改修ができていないので、これをある程度修理の費用を出してもらえばできるとか、そういった付帯的な意見をつけて出しておる場合があります。そういうことにつきましても、何とか早く出してもらいたいということと、道路の修理がおくれておりますこと背反するために、それを少しでも有利な方向に持っていくために、事案をそのまま置いておくというふうな場合もございます。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 私は時間の節約上少し飛躍いたしますが、今の眞田局長のお話では、相当それらしい理由があって、それらが解決すれば、たとえば道路の改修を行えば、これを許可されるというように、きわめてスムーズなる解決の方法が前途にある、こういうふうに私受け取れるわですが、われわれが承知をいたしておりますのは、そういうような状態でないと思いますし、私が今あなたに御質問を申し上げておるのも、そういう問題を質問をしておるのではございません。当然道路は通れる。しかもあなた方の所定の通りに手続を済ませ、公聴会までやっても、なおかつ政治的な意図と申しますか、われわれどういう原因かあまり詳しいことはわかりませんが、そのまま放置されておる。あるいは公聴会まで行かなくて、いろいろ遷延の理由をつけて、必要以上に遷延をしておるという事実が、私は相当の数に上っておると思っておるわけでございます。そういうような問題をどうして解決をしていくかという点を質問いたしておるわけであります。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 お話の内容としてお聞きになっておりますことは、大部分競願等になっております事案について、その審議がおくれ、また公聴会が済んでいるのに、その決定がなされないという事案の件だと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、最近のバス申請は非常に競願という形のものが多いために、それらの調整と申しますか、事業者の利益だけでなしに、やはりバス事業というものがかなり固定資本をおろしてやって参ります関係上、ある程度の事業の安定ということを考慮に入れなくてはなりませんので、ただ通るバス会社の数が多いとか、あるいは回数が多いというだけでなしに、やはり合理的な回数、合理的な受け持ち地区の配分といったようなことも考えて、その事業の安定ということを考えませんと、結局は不当競争に陥りまして、サービスも低下されることも案じますために、事業者間の調整ということに苦労をしておるわけでありまして、最近特に一般の民営の自動車と、国鉄の自動車とが、何かにつけて話が合わないというふうなことがありましたために、昨年民営自動車と国営自動車とが仲よくやって、お互いに関係のあるところへ申請を出すときには、あらかじめこういうところをやりたい、あなたの方でやるのでなければ私の方でやりますよというふうな話し合いをして、申請を出すというふうにしていただきたいということを申し入れまして、国鉄側からも民営のバス会社からも、そういうふうにやって行きましょうというお返事をもらったのであります。  先ほど申し上げましたように、一年以上の事案と申しますのは、そういった申し合せをする前の事案がかなりあるわけでありまして、そういったことにつきまして、そういう事案の解決をそういう申し合せの精神に沿って解決をしていきたい、こういうことから、われわれの手元にあって調査いたしておりまする間にも、両者を呼んでいろいろと意見を聞き、話し合いをさせ、また公聴会の申請、あるいはその公聴会ができますまでそういった努力をいたしますし、また公聴会が済みましても、勝ったとか負けたとかいう形でなしに、お互いに適正な分野を守ってやっていくということを了解の上でやろうというために、私たちとしましては、両者の調整をとる、そのためにかなり時間がおくれた事案がたくさんあるのでございますが、今後できるだけお互いの話し合いをよく聞いて、そうしてこちらで適正と思われる判断をしてやっていきたい。事案はかなりふえておりますので、そういうことを言っても一向減らぬではないかという御意見があるかもしれませんが、今後大いに努力いたしまして、そういった円満な話し合いの上に立って、できるだけすみやかに解決をしていきたいと思います。

原健三郎自由党

○原委員長 ただいま衆議院議長から早く本会議場に入れという注意をいただきましたので、なるべく簡単に一つ……。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 それでは委員長の注意もありますので、ごく簡単に質問したいと思います。これは全国で非常に困難な問題である例が幾つもあると思いますが、具体的な例をあげて端的に質問をいたしたいと思います。  私は解散前の国会において、運輸委員をいたしておりますときに、いわゆる瀬戸の国鉄自動車の名古屋乗り入れについて、眞田局長に質問をいたしました。これは速記録に載っておりますが、やがて考慮もし、相談もし、解決をする、そういうようにあなたは答弁なさっておりますが、公聴会を二月にやりまして、今日その結論さえ出ておらないという実情ではないですか。しかも私は国鉄代表の議員であるとか、あるいは民間の利益を代表するという立場に立って申し上げておるのではありません。この名古屋乗り入れにつきましては、おそらく十人が十人その路線の状態をお聞きになりましたならば、必ず国鉄の名古屋乗り入れについては、常識がある者なら許可をされる路線である、こういうふうに私は考えておるわけであります。眞田局長は私が申し上げるまでもなく、十分御承知だと思う。たとえば明知の奥地から瀬戸まで出て参りまして、そこでバスのお客さんが全部ほうり出される。しかも名古屋まで相当距離のありますところを、違った名鉄の路線からたくさん乗りましたバスに乗り継がなければならぬ。どうしても始発でないから満員ですから、乗れないじゃありませんか。瀬戸でみんな車からあけられて、よそから来た満員のバスに乗るといったって、これは乗れっこない。しかも雪の降るとき、あるいは今日のような炎天下においては、老人や子供ば非常に困ってしまっておる。こういう状態が一つあるわけです。それから今一つの理由としては、今日名鉄が走っておるあの八間道路を乗り入れをする、こういうことならば、これは無理であると思います。しかし幸いに二十八年、二年前に新しい道路ができましたので、今日その道路にはどこも入っておらない、その新しい道を少し迂回をして名古屋に乗り入れをしてもらいたい。筋道が通っております。今日私どもの方から出て参りましたお客さんは何と言っておるか。もう陳情ではない。今日のこの政府の自動車行政につきましては、もう怨嗟の声をあげておるわけでございます。私どものところに参りました二、三の文書を、ごく簡単でありますから、私読んで御紹介いたしたいと思いますが、こういう陳情といいますか、要請が来ております。  省営バス中馬線が名古屋駅へ直通について、なかなか実現しないがどうしているのか。当地方から名古屋へ出るに瀬戸へ出ることが最も都合がよいが、しかも瀬戸で乗りかえするので、これがまことに旅行する者のがんである。まず腰かけることができない。特に手荷物の置き場所もない。まして老人、子供連れでみじめだ、こういうことを言っておりまして、交通の便のよいところの人はわれわれのような苦労はわからないだろうが、もう少し親身になって考えてもらいたい。乗ったまま名古屋まで行けるようにすることが、なぜそんなにむずかしいのだろう。私たちにはわかりません。こういうのはもう何十通も来ておるわけでありますが、その一例を私読んだのでありますけれども、もう怨嗟の声に変ってきております。すなわち自動車局がいわゆる免許制をとっているがために、沿線の十万ばかりありますところのこれらの利用者が、バスに乗れない。一体何のために自動車行政というものはあるのだろうか、こういうことを私どもが同地方へ参りますと、住民の方々が非常に強く言われるわけです。眞田局長は十分この実態を承知しておると私は思いまするが、一体この問題を解決する意思があるのかないのか。私はもう余分なことは言いませんので、ここで結論をはっきりと一つ断言をしてもらいたい。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 直通で乗りかえなしに行けるということは、交通機関としては望ましいことでありますので、その便ができますことは非常にけっこうでございますし、そういった便を設けることについて、決してわれわれは反対するものではございません。ただそういった直通の運転をだれがやるかという問題が、結局今もめているといいますか、はっきりした結論が出ていないということでありまして、これを国鉄がやるのがよろしいか、現在やっている会社がある程度延ばせばやれるかということが、問題の一番中心になることでございまして、それをどちらにやらせるかということを、ここで結論を出せというお話でございますが、それはまだ運輸審議会からのお返事をいただいてからでけなれば決定するわけにも参りませんので、従っていずれにやらせるかという返事はお許し願いたいと思います。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 くどいようでありますが、そのことについてもう一言私は言っておきたいと思います。いずれにやらせるかということが問題じゃないのです。私が言っているのは、ずっと奥地から国鉄のバスに乗って参りまして、瀬戸でほうり出されるのです。そのほうり出されるお客さんが行けないから、そのまま今日民間の自動車の通っておらない道を、新たにできたのであるから、経由して名古屋に入りたい、こういうことを言っておるのであって、何もどこにやらせるかということは、国鉄の名古屋乗り入れを延長するという、私が今主張している理由の解明にもならないし、沿線の住民の利益の供与にも決してならない。眞田局長はどういうことを考えて言っておられるのかわかりませんが、あなたはよく現場を知っておるはずです。そんないいかげんな弁解は私は通らないと思います。もう少し誠意ある回答を願いたい。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 理想的に言えば、どこでも乗りかえなしに行けるというこが一番いいのでありますが、やはりその直通客の需要と申しますか、それが一体どの程度あるか、またそういったために何回も便を設ける必要があるかというふうなことから、やはりその利用者の便宜ということと、事業をやって参ります能率の点から、いろいろと乗りかえをしなければならないような運行系統を設けている場合もございますし、直通もあるわけでございます。ただ明知の奥地から出てきて瀬戸で乗りかえて名古屋へ行く人がどのくらいあるか、こういった直通便を何回設けるかという問題も、そういったことに関連するわけでありますが、現在国鉄が新たに申請しております路線を申しますのは、瀬戸から現在民間の事業者がやっております路線の間に新しい道路ができて、そこをやりたいということであります。この道路は最近ようやく改修もできまして通れるようになったのでありますが、多少まだ路盤の軟弱のところもあるというふうに聞いております。この道路が完成して安全な運行ができるときには、必ずこれの結論を出さなくちゃならないということで、われわれとしても急いでお話し合いをしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、国鉄の自動車と民間の自動車というだけでなしに、たといこれが民間の自動車同士の場合でありましても、お互いの受け持ち区域の中に入っていくという形になりましたときには、やはり十分なお話し合いをして、将来不当な競争をしないということをあらかじめよく相談してからでないといけない。そういうことで私のところへも何回も民間の人の代表も来ておられ、また国鉄からも来ていただいてお話し合いを進めておるわけでありまして、御趣旨のように、できるだけ早く直通のバスが通れるようになるようにいたしたいと思っております。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 これは時間の延びるのは私の方の責任ではないらしいですが、真田局長は私の質問を誤解しておる。といいますのは、話し合いをして入るということは私必要ないと思う。必要ないといってもそれは程度があるのですが、いわゆる国鉄は途中で中断をされているのを、新しい道ができたので、何らどこにも支障のないその道を経由して名古屋へ入って、そうして国鉄に連絡をしたい。しかも名古屋から国鉄の各線に直通をするためには、切符を買うのに、あるいは手小荷物を送るのに直通で都合がいい。そういうような条件までついて住民は熱望をしておるわけです。そういう状態であるにもかかわらず、なぜその話し合い云々とかいうような問題が出てくるのですか。そういう必要はないじゃないですか。しかも奥地から出て参りまして名古屋へ乗り入れができないので、今日多治見、高蔵寺へ参りまして中央線に乗っております。その時間が、同じ名古屋に行くのに一方は一時間十分で行きます。ところが片方は二時間の余もかかっておるわけです。従って運賃も五割なり六割よけいに払って、大きな迂回をして名古屋へ旅行しなければならない、そういう状態になっておりますので、私は先ほど申し上げましたように、国鉄の利益を代表するとか、あるいは民間の企業を代表するとか、そういう立場で言っておるのではありません。こんな合理的な、だれが考えても許可すべき路線を、なぜ一年も二年も理屈をつけてほうっておくのか、なぜすみやかに解決をしないのか、そういう点をお聞きをいたしておるわけでございます。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 私たちはできるだけ早く解決したい。ただその解決の方法について、円満な解決ということで努力して参りましたために延びてきておるのでありまして、決して無理やりに延ばすとか、そういうつもりではないのであります。お客の便宜からいえば、数多い事業者がたくさんの便を通すことが一番いいのでありますが、ただそういうことではお互いの事業というものが成り立たないような場合も出てきますので、できるだけむだのないように、そしてお互いの受け持ち分野をしっかり守って、その中でいいサービスを提供するような努力をさせるというために、できるだけそういったお互いの受け持ち分野でないところへ入っていくときには話し合いもしてもらって、どうしても話し合いがつかないときにはわれわれの方で裁決する、こういう形に持っていこうとするために延びておるわけであります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 同じような御答弁ばかりですが、話し合いをするとかなんとかいうことは、非常に益が少い。自分の車に乗せて持ってきたお客さんを、そのまま名古屋まで運ぶ。しかも運ぶコースについては、まだどこの民間会社も入っておらない新しい道を通って運ぶというのでありますから、どこに今あなたが心配をされるような話し合いであるとか、相談であるとかいう根拠が生まれてくるのですが。自分のお客さんを、新しい道を通って名古屋に乗り入れるというのに、どうしてあなたのおっしゃるようなことが出てくるのですか。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 新しい道と申しましても、その間大した距離は離れておりませんので、もちろん延長の部分だけでありますが、起点は瀬戸、終点は名古屋というふうな場合は、その途中に特別に部落があるとか、あるいは町があって、そこから乗降が相当数あるという場合以外は、やはりその起点及び終点において乗るお客が大部分でありますから、従って多少その通る道は変っても、競争態勢にあるということは同じだと思います。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 それでは今名鉄の走っておりまする道路と新しい道路との間隔は、どのくらいありますか。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 正確にこの間の距離をはかっておりませんので、ちょっと今何キロぐらいと申し上げかねまするが、現在民間の自動車がこの新しい道路の両側を走っておりまして、一番離れているところで四キロか五キロくらいだと思います。近いところでは一キロに満たないところもあると思います。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 両端、起点と終点はひっついておるのであるから、それは一キロくらいですよ。あなたは幅も知らずに、利用される利用されると言いますが、そういうところからして私はどうかと思います。  ではもう一つお聞きしますが、なぜ名鉄の場合はあらゆる個所から名古屋の乗り入れを許可しておるか。国鉄の場合はたった一つの、それもお客さんが困っておる、それをいろいろなへ理屈をつけて許可せずにおいて、名鉄の場合はどの線へ行ってもじゃんじゃんと名古屋へ乗り入れておるというのはどういう理由によりますか。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 名鉄だから許可したとかなんとかいうのではなくて、名鉄がこの附近に最初にバスをやったということでありまして、国鉄は岡崎からこちらの瀬戸の方へは非常に古い時代からやっておりますが、この申請はすでにある程度バスの路線網ができてから申請してきたために入りにくくなっているというだけのことでございます。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 あなたは既設道路を国鉄が乗り入れるというふうに持っていこう持っていこうとしておる。新しい路線であるから、何も関係がないと私は思う。名鉄の場合は、私の知っておるだけでも五の線から名古屋への乗り入れをやっておるのです。しかも回数の増発その他じゃんじゃん抵抗なしで許可をしておきながら、たった一つの国鉄バス、しかも住民が三年来かかって熱望しておるところの、何ら民営に支障のないと思われる路線をなぜ許可しないのか、こういうところを私は申し上げておるわけであります。  同じようなことを言っておりましても、同じような答弁を繰り返しておりまするから、私は次に運輸審議会の委員の方に、せっかくおいで願っておりますので、一言お聞きいたしたいと思います。二月六日であったと思います。この問題で公聴会を行いましたが、相当今日では日数が経っておりますが、どうして結論を出されないのか。どういう理由があって公聴会の結論を、運輸審議会としての見解を発表されないのか、一つ御答弁を願いたいと思います。

青盛忠雄運輸審議会会長

○青盛説明員 運輸審議会で公聴会を二月に開いて、今日までまだ答申をしておらないことは何とも申しわけないと思います。公聴会の際に、国鉄並びに名古屋鉄道の両者からの意見は聞いておりました。そしてそれについてその後また審議会において、いろいろ調べたりもいたしておって長引いたようであります。なおただいま眞田局長からお話があったようでありまするが、私ども審議会といたしましても、この問題はできる限り早く答申案を作りたいと思っておりますので、これには運輸当局が、国鉄バスと民営バスとの調整の問題について重大な関心を持っておられるわけでありまするから、それに対する結論をお聞きして、答申案の参考にいたしたいと思っておるわけであります。私最近運輸審議会長に就任いたしたわけでありますが、この問題は相当に重大な問題であり、できる限り早く解決するように最善の努力を払うつもりであります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 会長さんは日が浅いとおっしゃいますので、相当前のことをお聞きしても無理だと思いますが、それではこの設置法の運輸審議会の項を見ますと、公聴会をやりますと公聴会の報告書を作らなくてはならない、こういうことを規定をいたしております。二月から今日まで相当の日数がたっておりますが、一体報告書というものは作ってあるかどうか、お聞きしたいのです。

青盛忠雄運輸審議会会長

○青盛説明員 全員公聴会の場合には審理報告書は要らないことになっております。審理官の出る公聴会では審理報告書を作ることになっておるわけであります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 私もこまかい内容はよくわかりませんが、今あなたの御答弁では要らないと言ってまあ突っぱねられましたけれども、そういたしますると、ただやかましいことを言うから多数の人を東京に集めて公聴会を開いて、そして聞きはなしのやりはなし、そういうことにしか私どもとれないと思います。公聴会を開いたら、運輸審議会としての意思がそこに入り、将来この問題を早急に解決をしなければならない、そういうことで何らかの御発表がなければうそだと私は思います。今会長さんのお話を聞いておりますると、よく聞き取れませんでしたが、何かほかの理由があってそのままだ、これではせっかくの運輸大臣の諮問機関としての運輸審議会の権威というものは全然ない。こういうような取扱い方では、先ほどから繰り返して申し上げておりまするように、泣く者は住民だけ、利用者だけである、こういうふうにしかとれないと思いますが、こういう見解に対してはどうですか。

青盛忠雄運輸審議会会長

○青盛説明員 別にほかに理由があってしないというようなことはございません。その点は何か誤解でもおありかと思います。そういう点は全然ございません。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 それでは会長さんに最後にお尋ねしますが、たしか二月の六日に公聴会を開いて、今日までほうっておいてもまだ何ら発表されない、意思表示をされないということは妥当であるかどうか、一体それでいいかどうかということをお聞きしたい。

青盛忠雄運輸審議会会長

○青盛説明員 大へんその答申がおくれておるということは残念でありまするが、いろいろその後の審議の模様に手間取ったのであろうと思います。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 どうも聞き取りにくいし、私は同じような答弁を聞いておるわけですが、二月の六日公聴会をやって、しかもその前すでに一年半なり二年かかっておるのです。それを今日に至っても何ら運輸審議会の意思表示をしないということは、だれが考えても非常識だと思う。会長さんは新しくおなりになったのならば、以前のことは追及いたしませんけれども、すみやかにその結論をお出しになる意思があるかどうか。

青盛忠雄運輸審議会会長

○青盛説明員 審議会に諮問のありましたのは去年の十二月であります。それで公聴会を二月に開きまして、今審議中でありまするが、できる限り、私就任しましてから、早く答申をしたいということで、努力しておるということで御了承願いたいと思います。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 私ばかり時間をとってもいけませんので、大臣に一つお伺いしたいと思います。私は時間がございませんから余分なことは申しません。この地域は大臣も御承知のように、東海道と中央線がありますそのまん中に、十万以上の人口が住んでおりまして、特に大きいのは瀬戸市といういわゆる窯業の日本の第一番の生産地があるわけです。外国貿易にもきわめて主要な土地です。そこの問題を今言っておるのでありますが、国鉄の自動車が運転をするという条件には、私は合致したところであると考えます。これはいろいろな条件がありまするが、それの条件にはずれない、しかも先ほど来私がよくおわかりになるようにお話をしなかったと思いますが、お聞きの通りな状態です。これをほっておいたら将来利用住民の怨嗟の的になると私は思う。こういう状態でありますから、できるだけ早く解決してもらいたい、こう思って各政府委員に苦言を呈しておるわけでありますが、きわめて断片的に私が言いましたので、深い事情はおわかりになるかならないかわかりませんが、一つ大臣としての責任ある答弁をここで表明願いたいと思います。私も毎回毎回委員会においてこのようなことを繰り返したくありません。私は公平な立場に立って実情を訴えておるわけでありますから、一つ責任ある表明をしていただきたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 確かに自動車の路線の免許は時間がかかるのであります。これはやはりなるべく民主的にと申しますか、みなの間に円満に話し合いをつけて、行政が、何か強権的にぴしゃっときめたりしないで、地元の円満な話ということの基礎の上に立っているわけであります。こういうことがよいか悪いかは検討の余地があろうと思いますが、そういうことで、これはどの案件についても時間がかかっておるわけであります。しかし今御指摘の問題については、いろいろ陳情もあるようでございますし、できる限りすみやかに結論を出したい。運輸審議会等にも促進をするように申し上げまして、結論をすみやかに出したいと考えております。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 大臣の好意ある御答弁を聞いたわでありますが、先ほど来申し上げておりまするように、よその個所と条件が違うということと、私が三年間経験をしたところによりますと、いわゆる関係当局でこれを遷延するがために、ますます地元が紛糾をする原因を作っておる。簡単に申し上げまするとそういう状態でありますから、いろいろな立場があるということは私はわかります。私もしろうとではございませんから、いろいろの立場はわかりますが、だからといってこれを今日以上に遷延をいたしておりますると、より以上に紛糾をいたしまして、しまいにはこの地方の住民の怨嗟を買うというようなことになりまするので、ぜひすみやかなる解決を再度くどいようでありますがお願いをしておきたいと思います。  最後に私は国鉄総裁にお伺いいたしたいと思います。総裁、あなたはあまり国鉄の自動車の問題については御存じないかもわかりませんけれども、あの瀬戸地方は、私が今申し上げておりするところは、決していろいろな短絡であるとかその他の条件からはずれたところではないわけです。当然国鉄自動車としても大手を振って運転することができる地域でありまするから、今日まで非常に努力はされたでございましょうけれども、なかなか他の方面と比べますと、努力の馬力が足らなかった、私はこういうふうに考えますので、ぜひ一つ利用者のために、本問題につきまして総裁も一段と御尽力を願って、すみやかに解決し、再度委員会においてこのようなことでひまをとらせないように、一つ御推進方をお願いしておきたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 国鉄といたしましては、せいぜい今お述べになりましたような御趣旨に従って、努力をいたしたいと存じております。

原健三郎自由党

○原委員長 古屋貞雄君。衆議院議長から注意が来ておりまして、またいただくのも何ですから、なるべく簡単に……。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 議長の御注意でございますから、私簡単に申し上げますから、答えも簡単に願います。  自動車局長にお尋ねしたいのですが、免許の申請が行われましてから、可否の決定により、免許するとかしないとか決定をいたしました今までの平均の期間、いわゆる申請から免許するかしないかの意思決定をあなたの方でなさるまでの平均の期間は、一体どれくらいでございましょうか、お尋ねしたいと思います。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 平均を出しておりませんので、はっきり申し上げかねます。それから事案で、非常に軽微な事案と重要な事案とございます。軽微な事案は申請が出まして、本省に参りましても、運輸審議会で軽微事項という認定をいただきますと、そのままこちらへ戻していただきまして、運輸省の機構限りでこれを処理いたしております。従いましてこれは他の道路管理者の意見を聞くとか、そういったことのために延びない限りは、せいぜい二、三カ月で処理されております。ただ道路管理者の意見等が来るのがおくれたりいたしますと、ある程度延びていくこともございます。それから重要事案にもいろいろございまして、書面審理で済みます場合と公聴会の申請があって……。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 経過はいらない。結論だけでいいのです。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 重要事案でございますと、普通は大体六カ月ないし一カ年で片づいておると思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 私があえて承わりましたのは、国民は営業する自由を持っておるわけでございます。ことに交通関係ですから、公共福祉の立場から考えますと、これはすみやかに自由にやらすベきことが原則なんです。これを制限して免許制度にいたしました関係は、諸般の事情がございましょうけれども、少くともすみやかにやらなければ、経営をしようと企画をいたした方は、申請をいたしましてから後に、手をこまねいてその決定を待たなくちゃならない、こういう関係があるので、私は承わっておるのですが、やはり自動車局では統計ぐらいとられて、一体簡単なものはどのくらいでやっておる、それからあまり競願でむずかしいのはどのくらいかかったというようなことを、あらかじめこの委員会に御報告を願って、すみやかにこの可否の決定をするということを、われわれは要望いたしたいので私は承わっておるわけです。  もう一つは、最近におきまする関係は、どうも独占禁止法の精神に反して、大会社あるいは一地方における一つの有力な会社が路線の許可を持っていますと、あとから申請するものについてはことごとく反対している。しかし一方、大衆の要求といたしましては、もう少し台数をふやしてもらいたい、もう少し新しい路線に乗り入れを許可してもらいたいという要望が非常に強い。かような場合に、今局長も御答弁しておられましたが、大衆の要望の関係と、それから事業が成り立つか成り立たぬかというような関係、いわゆる事業の安定と申しましょうか、どちらの方に重きを置かれてやられているのでしょうか。大体私の方は、大衆が要望される、それが日本の経済復興に非常に大切な場合があると思うのですが、ただその場合に、事業安定という方面に重きを置かれて、あなたの方で最後の意思決定をされるのか、それとも経済的あるいは地理的立地条件並びに大衆の要望に重きを置かれて最後の意思決定をされるのか、この御方針を承わりたい。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 まず第一は大衆の要望でありますことは間違いございません。ただそれをやるべき方法として、その事業の安定性ということを考えながら、いずれにこの事業をやらせるかということを決定しておるわけでございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 これは私どもが承知いたしておりまする具体的な事実でございますが、既存の業者がすでに権利を持っておる、そしてこれに対して申請をいたしまする新しい人たちを政策的に押えつける、その既存の業者が、反面には、名前は出さないけれども、実質的には資本を出し、人間の配置をして、そして競願をして持ってくる、そしてあなたの方へ持ってきて、公聴会なり聴聞会で反対をする、こういう具体的な事実がしばしば見受けられるのですが、そういう場合に、やはり資本の提供者であるとか、経営の主体はどこにあるか、あるいは今御答弁になったように、大衆の要望はどこにあるかというようなことを十分に御審査なされてから、免許の可否を決定されておるのかどうか。ただいま私が申し上げたような設例がありましたことは御存じの上で、そういう点にも特段の考慮をなさっておるかどうか、承わりたい。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 仰せのことについては十分考えて事案を取り扱っております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 実は私山梨県の関係を申し上げておるのですが、最近富士山を中心に観光客が非常にふえて参りました。ある一定期間内——最近は、夏でも冬でも、相当な期間、観光客がふえて参りまして、観光バスの要望が非常に多いのであります。従って、他の県から出て参りました苦情が非常に多い。そこで山梨県の観光課、甲府市の観光課、吉田の観光課、こういう方面で調査をされた報告書が出ておるわけでありまして、今の許可されておる台数では不足なんだ、相当ふやして許可してしかるべきだというようなことを要望されておるのですが、そういう場合、やはり観光課あたりのこうした意見を尊重されておるかどうか、その点いかがでしょうか。

眞田登運輸事務官(自動車局長)

○眞田政府委員 具体的事案については、私たちまだ話を聞いておりませんのでわかりませんが、そういった台数をふやした方がいいとか悪いとかいう地元の御意見は、よく尊重いたしております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 私は時間がございませんから、あえて申しませんが、実はかって山梨県から、観光バスの路線に対してAという会社とBという会社の申請がありまして、同じような条件で、同じような会社でありましたけれども、ただいま私が申し上げましたような山梨交通であるとか、山麓バスとか、こういう背景を持った会社が出資されて、そしてその会社の姉妹会社である方面に許可されまして、一般大衆から要望された会社が不許可になっておる。再度これに対して申請をしておりますけれども、二月から今日までまだこの免許の可否がきまっておらない。これもただいま楯委員から御質問のように、聴聞会を聞きまして、五月ごろでありましたか、済んでおるはずなんですが、どうかそういう点について、やはり御答弁になりましたような点を十分勘案されまして、すみやかにこれを免許するかしないかを御決定願いたい。これを要望いたしまして、私は質問を終ります。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 青野武一君。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 私はせっかくお忙しい中を御出席していただいております十河国鉄総裁に御質問を申し上げたいと思います。長崎総裁が紫雲丸の遭難沈没事件で責任をとられて、その後任に十河さんが総裁になられてまだ日も浅いことでございますから、もし御存じのない点は、ほかの方から御答弁していただいても差しつかえありません。  私がお尋ねしたいと思いますのは、昨年の九月に函館で沈没いたしました洞爺丸は、岡田組との約束では大体今年の二月ころに引き揚げるという予定でありました。しかしいろいろな関係、もちろん天候関係、作業の関係等でずっとおくれて引き揚げられた。写真は新聞で拝見をいたしましたが、その引き揚げられた洞爺丸が、果して修理をすれば使えるのか、修理改造して今まで通り青函連絡船として活用なさるのであるかどうか。それと、時間がございませんからあわせて御質問申し上げますが、海難審判所の判定は、これは船長の過失である、船長の過失は国鉄の責任である、こう私どもは解釈をしておるのであります。海難審判所の判定が下るまでは、この運輸委員会としても軽々に国鉄の責任である、いや責任でないというような議論も戦わされましたが、今日の場合では、大体近藤船長の責任であるということは、国鉄の責任であるということに間違いはないように私どもは考える。当時一般乗客に対する弔慰金は大体五十万円ということでございました。それは国鉄の責任であるかないかがわからぬときに、一応弔慰金あるいは賠償金といったようなものですが、それは仮払いという建前で五十万円の弔慰金を差し上げたというような答弁を私は聞いております。そこで今日国鉄の責任であると判定がはっきり下ったということであれば、この弔慰金はどういう形によって増額せられるか。紫雲丸との関係もございますので、これが今国鉄の幹部間で御協議になって、大体どの程度になっておるか。公開の席上でございますから、発表のできないことを私はお尋ねするわけではありませんが、この点を一つお尋ね申し上げます。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 初めの御質問は、天候の都合その他の状況が初めの予想と違っておりましたために、だいぶ引き揚げがおくれております。ただいま検査がまだできておりません。検査をしてみないと、どの程度にいたんでおるか、将来これは使えるものか使えないものか、そういう点がはっきりいたしませんから、そういうことができた上で方針をきめたいと考えております。  それから第二の御質問については、今日まだ論告があった程度でありまして、審判庁の裁決が下ったわけではあません。裁決を待ちまして検討をいたしたい。こう考えております。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 もう一つ、私は各党代表の一人として高松で——宇高丸と紫雲丸の衝突沈没事件ですが、この紫雲丸の沈没現場へ参りまして、つぶさに同僚議員とともに調査をし、それから遺族あるいは負傷者の方々をお見舞い申し上げて帰った者の一人であります。これは私どもより多少おくれましたが、三木運輸大臣も忙しい中を繰り合せておいでくださったことを私どもは知っております。これは私公開の席上で発言するのはどうかと思いますが、私大体福岡県の筑豊炭鉱地帯で生活をして今日に至ったものでありますが、迷信と言えば迷信でしょう。常識のある人からは一笑に付されることかもわかりませんが、たとえば一つの経営者のもとにたくさんの炭鉱がある。第一坑、第二坑、第三坑とあるが、第四坑というのはないのです。四坑というのはごろが悪いので、いきなり飛んで五坑、六坑、七坑といく。全国どこへ行っても第四坑という名称のついたものはない。それと同じように全国の日本の船員諸君は、同じトン数で同じ構造の船が三ばいあった場合は、必ずどれか一ぱいは衝突をするか沈没するか、大きい遭難に出くわすというのが一つの常識になっておる。それは明らかに迷信だよと私は言ったのですが、迷信であろうが何であろうが、大体鉄則として船員の中にはそういう考え方が生きておるというのです。願わくば四国鉄道管理局内の国鉄従業員の意思を尊重して、迷信だといって片づけずに、この紫雲丸が引き揚げられた際に適当なドックに入るでしょう。そして何千万円かあるいは何億円かの金をかけて改造するのであれば、同じ形の船がもう二はいありますから、でき得れば甲板を一つ取りはずすとか、構造を少し変えるとかいったようなことをしていただけば、将来国鉄関係の職員は非常に職務に対して熱意を持ってやることができると思う。今のままではこの三ばいのうちどれが今度は犠牲になるか、衝突をするか、沈没するかわからぬというので、それは職務を通じての士気に非常に影響することですから、その点は一笑に付せられずに、運輸委員会で各党代表者の皆さんとお話し合いを願って、われわれの切なる希望を取り上げてもらいたい、こういうことであります。職員はもとより、局長自身が非常に疲労困憊して、遺族の方々たちの応接その他で多忙をきわめておる中に、ぜひこれだけは何とか考慮してもらいたいということを、私どもは各党の代表者と一緒にその希望を聞いてきた。幸い関係者の皆さんの御努力によって、紫雲丸はついに引き揚げられました。そうして聞くところによれば、呉のドックに入っておるそうですが、どうかそういう点を御考慮願って、やはり船体の改造とかあるいは修理とかいう点に同じ金かかけるなら、多少そこに形を変えて修理をしていく。これは沈没してもわずか十八メートルぐらいのところで横倒しに沈没したのですから、修理をすればりっぱに使えることはもちろんですが、原形を多少そういうように改造せられることが、将来四国鉄道管理局の諸君にとっては、士気の方に非常に好影響を及ぼすものであると私は考えますので、こういう点についてはどういうお考えであるか、これは運輸大臣と一緒にお尋ね申し上げます。  それからもう一つは、これはいなかの古くさいことかもしれませんが、あちらの方面は旧か新かわかりませんが、九州方面の私どもは八月の十五日が盆です。そこでやはり遭難者の一週忌、初盆、こういうことになって参りますと、大体犠牲者の大部分は四国の人ですから、農村の方が多いでしょうが、その一週忌ということでなく初盆を迎えるに当って、国鉄は具体的に初盆に対して何か慰霊祭でも行われるのであるか、あるいはもう弔慰金をやってしまったから、そういうことは関係がないのだということになるのか、こういう点を私はお伺いしたい。  それからもう一つは直接でありませんが、例にあげておきますから監督局長の植田さんに聞いてもらいたい。西武電車が二十日ほど前に十九才の女学生をひき殺した。これは議長をしておった堤康次郎さんの関係ですが、あの人は顧問か会長です。ところがこれは線路の中か横を通って来て、電車でひき殺したのは確かです。ところが勝手に運転手が自殺だ、自殺であるからわれわれは関係はないのだ。その西武電車がひき殺したことは事実なんだが、学校当局が学校の葬式をやった。そこに花輪一つも悔みにも行かない。親や親戚のところにただの一ぺんも行かない。二十日もたっておるけれども、電車でひき殺したことは事実だけれども、自殺であるという勝手な認定のもとに、十九才の女学生をひき殺して、そのまま放任をしておるという事実があるのです。そういうものとひっくるめて、そう費用がよけい要るわけではありませんから、初盆に対して国鉄が丁重な気持、謙虚な気持で慰霊祭の一つも具体的におやりになれば、あきらめきれない遺族はやはりある程度は納得してくれるのではないかと思いますので、そういう実例をもあわせて取り入れてお尋ねしておきたいと思うのであります。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 最初の御意見と同じようなことを私も伺っております。せいぜい御趣旨に沿うように考慮をいたしたいと考えております。  それから遺族の方に対するお盆の弔慰でありますが、これは御承知の通り私就任後、合同慰霊祭をいたした後間もないことであります。現場の者が寄り寄り手を分けて御遺族の方をお盆前後に訪問するということにいたしております。どれだけどういうふうに実行したか、まだ報告を受けておりませんからその点は申し上げかねますが、そういうふうにきめております。さよう御承知を願いたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 合理主義者の青野委員から同じようなトン数の船を三つ作るなという御意見であります。これはやはり人生は科学で解決のできない部分が確かにあるわけであります。そういう点からいって、みんなが忌みきらうようなことは避ける方がいい。ことに船員などに対して何か常にそのことが気にかかるということが、職務上勤務にも悪影響を及ぼす場合がある。そういう点で国鉄総裁も御希望に沿うということでありますが、運輸大臣としても青野委員の意見は、これを改修するに当って生かされるよう希望するものでございます。

原健三郎自由党

○原委員長 本日はこの程度にして、次会は公報をもって御通知申し上げます。    午後三時四十九分散会

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