運輸委員会 第7号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/05/09
会議録
○原委員長 これより運輸委員会を開会いたします。 運輸行政に関する件につき調査を進めます。 最初に定点観測の予算について説明を求めます。中央気象台予報部長肥沼寛一君。
○肥沼説明員 最初にお断わりしておきたいことは、台長が四月九日からジュネーヴへ参りまして私代理をしておりますので、こまかいことでわからない点もございますが、その点御了承願いたいと思います。 定点につきましては、これは最初米軍の命令でやっておりまして、あとで行政協定に切りかえられたものでございます。二十八年ごろ船が非常に悪くなりまして、甲板の亀裂その他で代船の建造ということが問題になって参りました。いろいろ折衝いたしました結果、どうしても船がないということで、二十八年の十一月から一応米軍としてはこれは打ち切られてもやむを得ないという申し出がございました。それでその当時気象台で分担しておりました四分の一の経費でやれる範囲ということになりまして、二つの定点のうちの一つ、南方定点を半年だけやるということで、昨年一カ年運営して参った次第でございます。二十九年に定点がなくなりまして、予報作業には非常に困難を感じました。その結果どうしても新造船を作っていただきたいという要求を出した次第でございます。額は二千トン級三隻で十八億八千万円と記憶しております。最初の年度は船の建造だけでございます。 この定点を要求いたしました根拠となりました理由は、まず第一に北方定点はあそこを中心といたしまして、半径約千キロぐらいの海上には何も正確な観測がございません。詳しい資料を得るために、一般商船の観測はございますが、基準になるものがない、どうしても定点がほしい、これが第一の理由でございます。 第二はあそこで高層観測をやっておりますが、これが天気予報関係の基本資料となるのでございまして、ただいま中共地区の資料などがない関係で、天気予報はうまくいかないのが当然でございますが、それをどうやらカバーしているのは、地上の作業を高層の資料に切りかえてやった、そういうことでどうやらやってきたわけでございまして、北方定点がなくなって非常に不便を感じている、これが第二の理由でございます。 第三は二十八年、二十九年の北日本の凶作というような問題がございます。これはかねがね凶作は海から来るということがいわれております。海上の気象、それから海自体の観測、この資料によって凶作のことを長期の予報によって何とかまかないたい。これは定点ができてもすぐどうこうという問題ではございませんが、しかしできるだけ早く資料を得て、研究を可及的すみやかに進めていきたい、これが第三の理由でございます。 こういう理由で要求いたしましたので、私ども非常に重点を置きまして最後までお願いしたのでございますが、政府全般の予算の関係で、残念ながら認めていただけない結果になったということでございます。以上でございます。
○原委員長 質疑の通告があります。これを許します。臼井莊一君。
○臼井委員 この定点観測の問題は昨年の国会でも非常に論議になった問題で、ただいま御説明になった冷害と、それから台風による災害を防ぐ上には非常に必要だ、こういうほとんど結論的な意見が出ておったのですが、新造船三隻一ぺんにできぬでも、何か年次的に計画を持って、せめて本年は第一着手として一隻でもこれにかかる、こういう点ができなかったものであるかどうか。それともう一つ定点観測ではございませんが、台風の災害を防ぐという点について、気象台のいろいろ通信施設が不完全なところがある。たとえば災害時においては有線通信だと線が切れる、それがためにこれを無線装置にできるだけする必要があろう、そういうように昨年いろいろ意見が出たのでありますが、それらについて、予算の折衝等についていろいろ経過等を伺えれば伺いたいと思うのであります。あわせて一つその点もお伺いいたします。
○三木国務大臣 定点観測について私から申し上げることが妥当かと思います。本年度の予算折衝の最後まで、運輸省として折衝に重点を置いた点が三、四あります。その中の一つに北方定点観測も入っているのも事実であります。今臼井さんの御指摘のようなことも考えて、全体として十八億の観測船三そうという計画、金額として相当大きかったのであります。初めの予定では十八億を取ろうとして努力したわけであります。途中から今御指摘のような考え方が起って参りまして、そういうことでも話をしたのでありますが、何分にも全体の予算のワクの関係で成功しなかった。私も予算折衝を通じてこの点は最も遺憾に考えている点でございます。
○臼井委員 ただいま大臣の御答弁によって、いろいろ御尽力されたことは十分了承はできますが、ただ昨年の当委員会においての論議でも災害、特に洞爺丸事件の発生についても気象観測の手落ちとまでいかなくも、要するに施設などの不備がある。さらに定点観測についてもこれが重大なる影響があったというような、これが北方定点観測があれば、冷害等についても、さらに台風などの予知についても非常によかった、こういう点がある。それともう一つこれはけさの新聞でしたか出ておりましたが、気象台のうちにも、定点観測よりはむしろ気象台の通信施設の方が重要だ、こういう内部的な御意見があって、その両方ともあぶはちとらずになってしまったという記事がちょっと出ていましたが、気象台の方のお考えとしては、両方できればけっこうに違いないですが、一体どちらを、特に災害予防についてはどちらが先がいいか、北方定点の観測については、冷害の予知ということが非常に重要のように聞き取れますが、冷害も災害には違いありませんが、台風の問題等にも関連ございますが、どちらを重要に考えておられますか、その点をまずお伺いしたい。
○肥沼説明員 お答え申し上げます。気象台の施設が以前は政府のごく一少部分のものでございまして、私ども研究機関というような態度でやっておりました。それが昭和十二年、上海事変以後、気象台は軍の作戦に必要だということで、当時の企画院の計画でどんどん進められまして、気象台が大きくなったのであります。そういう意味におきまして、全般的のことを考える能力が多少私ども技術者でありまして、あまり政治的あるいは業務的の非常に重要なことのあんばいということが、残念でありますが少し劣っているということは事実だと思いますが、そういうことで予算の折衝その他はあまりうまくいっていないのは事実でございます。そういう状態でございまして、今の北方定点、それから通信施設、どちらといわれますと、実は両方とも非常に重要なんでございますが、私どもとしては両方いただきたいのでございますが、それでも今すぐといいますと、これはどうしても通信になります。北方定点は、先ほど申しましたように冷害について言いますと、これは今後五年、十年研究を続けなければならない問題であります。しかし北方定点につきましても、海上の正確な資料ということから申しますと緊急でございます。それであわせ考えまして、どうしても一方だけをとれと言われれば、これは通信施設になるわけでございますが、しかしどうしても両方いただきたいというのが私どもの希望でございます。
○臼井委員 そうすると、通信を完備するというと非常に膨大になると思いますが、とりあえず一応の通信施設としての要求額、これは大体どのくらいにお考えで折衝されたのですか。
○肥沼説明員 気象台の通信は、先ほど申しました企画院の計画で進めたのが有線電信の全国網でございます。これは現在動いているわけでございますが、最近の非常に発達した通信技術から申しますれば、非常に時代おくれなものになってしまっております。それが現在あるがゆえに、新しくできました官署では新しい通信施設を持っておりますが、私どもはなかなか新しいのと取りかえるというのがむずかしいのでございます。それで通信はいろいろの新しい施設でございまして、非常にお金がかかる。それで昨年台風災害緊急対策といたしまして最初に理想的に考えたのは、数十億になる膨大なものでございました。しかしこれは実際問題として不可能だということで、あとでまた考え直しまして、私ども不十分とは考えますが、この程度と考えましたのが短波の施設約三十カ所、それから経費が二億二千万円、人員五十名ばかりの計画をいたしたのでございます。しかしこれも実はほかのことに食われてしまって、実際は成立しなかったのでございます。
○臼井委員 二億二千万円の金がよそに食われたというのはどういうわけでございますか。気象台関係にそれだけもらったけれども、ほかの方へされたというのですか、どういう意味なんですか。
○山内政府委員 私から気象台の予算全般の今度の折衝について御説明いたしました方が、はっきりするのではなかろうかと思いますので、簡単に御説明申し上げます。気象台は、定点観測が非常に金額が高くなるが、重要なものであるということで、この問題につきましては私ども大臣にも御努力願ったわけであります。しかし一面考えますと、昨年の台風のときもさようでございましたが、たとえば部内の気象業務を管理するという費用が非常に僅少でございまして、気象台の施設及び管理全体的に経費が少い。たとえば昨年の例でございましたが、東京の気象台長及び大阪の気象台長が、気象観測の予報の見込みについて電話をし合うという経費が非常に少かった。あるいはあの十三号、十四号、十五号という、連続いたしまして職員が当面いたしましたのに超過勤務手当が出せなかった。そういう点が非常に台風時における気象の業務を阻害しておる。これを本年何とかして解決しなければならないということにも相当われわれといたしましても力を尽しまして、たとえばただいま予報部長が説明されましたように、通信施設という点にも、富士山頂あるいは御殿場の超短波無線通信施設の更改でありますとか、あるいは名瀬測候所の同じく無線通信施設の更新というふうに、改善の費用をもらいまして、そのほか水理気象業務の整備といたしましても、それぞれの通報施設を整備するとか、各般にわたりました業務の中でデータを集めて、集めただけでは気象台の業務は達せられないのでございまして、これをそれぞれの方面に正確に伝達するということにも力を尽しましたので、一見、無線通信だけを整備いたしまして、その面はよくなりましても、気象台のほかの面が向上しないと全体的の気象業務の向上というものは得られませんので、それぞれの項目を必要の緊急度に従ってやったわけであります。もちろんふえ方は、われわれといたしましても満足すべき状態ではありませんが、本年度の非常につらい予算の中では、気象台の予算は昨年度よりもふえておるということで、財政当局にも十分御認識を得て、つらい中からある程度出していただいものだ、われわれはさように考えております。
○臼井委員 限られた予算を重要な方面へ先へ回すということはやむを得ないかもしれませんが、そこで一つ伺っておきたいのは、たとえば無線の通信でございますね。われわれは、短波の電話等の施設をする、こういうようなことについて、たとえば昨年の洞爺丸等の問題についても、駅と、あるいは船と気象台との連絡等は、無線電話を使えばもっとひんぱんに、自由にできたように思うのです。これを一本の電話線でやっていて、ついそこにほかのいろいろの通信も入ってくる。こういう場合に——だいぶ自衛隊も拡充されてきましたですが、ああいう台風が来た、こういう非常の事態になりそうな場合には、自衛隊でもおそらく、現在の自衛隊ですから、相当通信等も科学的な組織があるだろうと思うのですが、そういうものに、もし不足を感ぜられる面については応急に協力してもらう、こういうような点についてどうお考えになっていますか。これは自衛隊の方の関係にも聞かなくちゃわからぬことでしょうが、何かそういう点について御研究になったことかございましょうか。
○肥沼説明員 自衛隊の協力の問題は、これは自衛隊法と申しますか、何かあれにうたってあるようでございますが、それにつきまして、すでに運輸次官と自衛隊の次長との協定ができているようでございます。それにつきましてさらに中央気象台長と自衛隊とのもっとこまかい協定が今相談中でございます。
○臼井委員 昨年の洞爺丸の際にも海上自衛隊あたりは、上から命令なくとも、自発的に相当協力をされたのでありますが、こういうあれは、むしろ気象台というより鉄道なり船舶方面で、要するに通信を必要とする方面で、そういう要請をすることが必要だろう。これは気象台の方にお願いするとかなんとかいうことは少し筋違いかもしれませんが、そういう点を御注意だけを願うことにして、私の質問は一応これで終ります。
○原委員長 委員長からお聞きしたいのでありますが、官房長のお話によると、ことしのこの気象台の予算はわずかに二億二千万円よりふえていない。二億二千万円ふやしてもらって、それが貴重な予算のワクからふやしてもらったから、事まことに満足であるというような答弁であるが、昨年のような大風水害を受け、特に洞爺丸なんかで全国民を震駭いたしましたが、しかもそのあとに来た予算において、二億二千万円をもってそういう国民の要望にこたえ、善処できると一体お考えであるか、それをお聞きいたしたい。
○山内政府委員 もちろん気象台といたしましても、運輸省といたしましても、満足すべき予算であるとは考えておりません。ただ私が申し上げましたのは、今回の予算編成、ワクが少くて非常に困難な中にもふえたことでありますし、われわれといたしましても、この北点の観測をどうしてもやりたいということは、終始変らない念願でございましたが、十九億に近い経費のために、財政の一般的な面からどうしても認められないということは残念でございまして、できるだけ近い機会にこれはやってもらわなければならないというふうに考えております。ただ全体が詰まっておるのに、気象が今委員長御指摘のように非常に重要なものであるという認識のもとに、幾分でもふえたということにつきましては、われわれといたしましても今後とも努力するとともに、この金をできるだけ緊急、有効のところへ使っていきたい、かように考えておる次第でございます。もちろんわれわれといたしましては、ただいま申し上げましたように気象業務全般について、まだ施設も管理の面におきましても欠けておる点が多々ございまして、将来ともこの施設、管理の面におきましても充実していかなければ、十分な気象業務の達成ができないと考えております。
○原委員長 次に運輸大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、私の言うておるのは、定点観測も含め、その他の施設も含めて、全般的ないわゆる気象台予算についてでありますが、そんなふうでもって、今まであれほど毎年何百億、何千億の損害をこうむっておる被害に対して、わずか二億二千万円くらいふやして、これで事足りると思っておるのかどうか、これを一つお聞きしたい。
○三木国務大臣 先ほど臼井委員の御質問にお答えいたしましたように、本年度予算で最後まで折衝に残った数点があるわけであります。それは三、四点あると申しておきます。その中の一つに北方定点観測が最後まで折衝の題目だった。何とかしてこれを実現したいと考えていろいろ折衝したのですが、全体の予算のワクもございましょうし、いろいろな関係で、私の微力もそこに原因したのかもしれませんが、目的が貫徹できなかった。この点は非常に遺憾に考えておる次第でございます。
○原委員長 大臣もはなはだ遺憾に考えておると思うが、私らの考えでは、そういう災害を未然に防ぐようなことに、しかも災害に比べてごく少い予算をもって食いとめる。まことにこれこそ政治上やるべき、打つべき手であると思う。こういうことに一切予算を組まないということは、鳩山内閣の政治の貧困なりといってもよいか、それを認めるかどうか。
○臼井委員 なおこの機会にちょっと大蔵当局の御意見も伺っておきたいのですが、気象業務というものは地味な仕事であって、しかも非常に御苦労が多い。何かあれば気象台の予報がはずれたというふうに攻撃されるのを、われわれも非常にお気の毒に存じておりますが、大蔵省の方でこういうあれについてどういうお考えを持っておられるか、その点を一つこの機会に伺っておきたい。
○岩尾説明員 お答えいたします。ただいまいろいろお話がございましたが、大蔵省といたしましても、できるだけ定点観測、その他の気象台の経費は、ぜひ投入いたしたいという考え方で作業をいたしたのでありますが、種々検討いたしました結果、定点観測は先ほど予報部長からもお話がございましたように、本来航空気象のため発達をしたものでございまして、戦後大西洋と太平洋におきまして、航空気象の拡大のために発達をいたし、特に大西洋におきましては、航空機の飛翔回数を中心に分担金をきめるというやり方でやっておりまして、最近のように飛行機の精度が非常に向上いたしますと、現在のような定点を置いておくことは、経費の上から見て果して得策であるかどうかということが諸外国でも議論の的になりまして、大西洋におきましては逐次縮減をいたしまして、また太平洋におきましてもアメリカはこれを減らしております。さらに昨年のトロントにおきます世界気象機構の高層委員会におきましては、定点よりも離島の利用を最大限にすべきだということを勧告しておるような状況でございます。そういう点を考慮いたしまして、さらに実際の定点におきます観測は、先ほど予報部長からお話しになりましたように、現在大陸方面からの気象が全然入って参りません。その場合に一点の増加が、どれほど大きく気象確度の向上に役立つであろうかという点も検討し、さらに海上の観測は、あらゆる点で地上の観測と比べまして制約を受けております。いわゆる一般的な観測以外にも上高層につきましては、特に強い制約を受けますので、それらの点で精度の向上は期待できないのではないかという点を考えまして、非常に遺憾ではございましたけれども、それ以外の緊急性のあるものに金を注ぐということで、今年は定点観測を認めなかったわけであります。なおそれ以外の諸経費につきまして、通信施設につきましては、現在行なっております水利、水害の経費、これは局地的な予報の問題に関連をするわけでございますが、先ほど委員長からお話がございましたように、毎年わが国は災害に見舞われておるわけでございますが、もちろんその災害の予報のためには、気象確度の向上も必要でございますが、その向上は特に局地的な気象確度の向上が必要なのではないか。さらにまた局地的な気象確度の向上に伴って、気象の予報を受け取っていかに配意していくかという配慮、この二点が特に必要ではないかということを考えまして、一昨年以来、全国の災害の多いと思われる、また降水量の多いと思われるところにロボット観測器等の計器を備え、それに無線の通話をつけるという形で、予報の確度の向上をはかっておるわけでございます。このために先ほど臼井先生からお話のありました通信網の整備は、こういった水利、水害等の無線設備の関係の経費を入れまして、全体として大体二千二百万くらいの金を入れておるわけでございます。これによってできるだけ気象の通信網の拡大もはかりたいと考えたわけでございます。さらに測候所等の全体としての気象は非常に苦しい仕事をしているので、この面についても配意してはどうかという御意見でございますが、その点につきましては、現在の予算では各官庁の予算は人頭庁費と申しまして、一人頭中央官庁であれば何万円、地方官庁であれば何万円、地方の特に小さな各県単位のごとき、たとえば税務署のごときは一人頭何万円ということで、人頭の庁費が来ておるわけであります。その庁費も特に気象台の場合は増額をいたしまして、昨年より八百十万程度ふやしておるかと思います。さらに非常災害の場合の超勤を五百六十万円程度、それから上高層の観測のためにバルーンを上げるわけでありますが、そのバルーンが非常に亡失をいたしますために、予備を今まで見ていなかったのでありますが、その予備を見るという意味で千八百万程度を計上しております。
○徳安委員 関連して。ただいま大蔵省の説明を聞きますと、海上定点観測に対してただいぶ御意見があったようであります。先ほど大臣が非常に遺憾だとおっしゃっておることは、従来運輸省から私ども聞いている説明とその必要性、そういう点から考えますと、今大蔵省のおっしゃったこととは非常に食い違いがあるように思うのです。大蔵省の人が今おっしゃったように、わが国においてもそういうものは将来必要ないというふうにお考えなのか。運輸大臣、大蔵大臣との間に行き違いがあって、意見の相違のままで、結局今年はやめるということになっておるのですか。あるいは大蔵大臣はほんとうに必要だけれども、予算の関係でやむを得ないのだという結論になっておるのか。その点運輸大臣、明瞭にしていただきたい。
○岩尾説明員 私の申し上げましたのは、定点は不要であるというふうには考えておりません。現在やはり予報確度の向上のためには定点は必要だと思いますが、非常に苦しい財政の中で緊急性のあるものからやっていくという場合には、本年は先ほど申しましたように、十八億八千万という要求でございますので、とてもこれをいれることはむずかしいという判断で、受けなかったわけであります。決して不要であるとは言っておりません。
○徳安委員 不要でないとはおっしゃいましても、お話を聞いてみますと必要度は非常に薄くて、だんだんにもうなくてもいいような工合になっていくような説明のようですが、私どもが運輸当局から聞いておるところでは、これは絶対必要なんだ、なくてはいけないというように、過去においても、前国会におきましても、しばしばそういう説明を聞いておるわけです。そうして当局からもしばしば陳情を受けておるわけです。だからわれわれもそれを信頼しているわけですが、また私どもも過去の実績から考えまして、非常に必要ではないかというように考えているのです。ところが今大蔵当局の説明を聞きますと、必要度について私どもの考え方とはちょっと違うようですから、運輸大臣から一つ説明を聞きたいと思います。
○三木国務大臣 私どもの立場としては、これは必要なものであります。大陸の気象観測に対して情報が取れないということは、お聞き及びの通りだと思います。しかしやはり日本の気象業務というものを今後できる限り完全なものにするためには、北方の定点観測ということが必要なのだという立場に立って折衝したわけです。その間大蔵省の考えとの間に、必要の度合いというものに対して、今御指摘のように多少考え方の相違があったと思います。しかし大蔵大臣とも数回この問題で折衝したのですが、その必要性は認めているが、私とその必要の度合いというものの感じ方が同じかどうかということには多少の疑問がある。しかしこれは必要だということを否定するような立場に大蔵省は立ったのでない。ただ全体の金額が大きいから、予算の割合上から本年はがまんしてもらいたいということで、その必要度が非常に薄いからという話は大蔵大臣からはなかったわけでございます。
○徳安委員 これまでの事務当局の説明を聞いておりますと、運輸省の方でこれは絶対必要欠くべからざるものだというようにも聞き、昨年のあの大きな被害等についても、もしあれが完全しておったら、こういう被害もあるいは免れ得たのじゃなかろうか、あるいはまたその予報によってある程度被害を少からしめることができたのではないかというようなことを、われわれはしばしば説明を聞いておるわけです。今のお話を聞いておりますと、大蔵省の方は必要でないとは言わないけれども、その度において非常に運輸省と考え方が違うようなお話を今聞くわけですが、もう少し政府の中で考え方を統一していただいて、そうしてぜひ運輸省の努力によって、大蔵省に、絶対必要なんだ、ほかのものは少しくらい倹約してもこれだけはじておかぬと、また大きな災害を受けては大へんだというような気持にするように、一つ運輸大臣に努力していただきたい。そういうことはいかがですか、その点できませんか。
○三木国務大臣 今申したように、いろいろ今年の予算のワク等で定点観測の費用が落ちたわけですが、大蔵省もそう否定的な立場じゃないのです。金額等も十八億八千万円ですか、相当の金額ですが、最後までこれは予算折衝に残った項目ですから、そんな必要な度合いを否定的に考えておるならば、予算折衝の最後の項目にならない。必要の度合いというものは認めておるわけですが、いろいろ金額等のにらみ合わせでうまくいかなかったのですが、私はやはりこれは必要だという見地に立って、これはできる限りすみやかに実現をしたいということで努力したいと考えております。
○徳安委員 それではちょっと運輸大臣に伺います。これは政党は違いましょうが、もし私どもの方でこれはどうしても予算修正をやるのだというような工合になりましたときには、運輸大臣は先頭に立って、閣僚の一人として必ずこれを実現するように御努力願えますか。
○三木国務大臣 やはり民主主義の原則に従って、国会の意思は尊重いたしたいと思います。 —————————————
○原委員長 次に、運輸大臣が見えておりますので、本年度運輸省関係予算について質疑があればこれを許します。主として新線建設、港湾、こういう方面に向って緊急の予算修正その他の問題がいろいろございますので、質問をしていただきたいと思います。伊東岩男君。
○伊東(岩)委員 運輸大臣おいででありますから、この間ちょっと保留いたしておきましたから、簡単に新線建設問題について三木運輸大臣の御構想と御決意を伺っておきたいと思うのであります。 日本鉄道の現状からいいますと、改良に重点を置くことは当然でございます。しかし新線は内地産業開発の重要幹線でありまして、ことに新線の公共性にかんがみて、決して軽視すべきものでないと考えておるのでございます。しかるに三十年度の新線建設の予算要求は六十五億であったのでありますが、これが実現いたしまするならば、大体予定の新線建設ができるのでございますけれども、大蔵省との折衝過程において、大蔵省の圧力を受けた結果か、あるいは運輸省の方の熱意が足らなかったのか、二十五億に縮小されたことはまことに遺憾であります。新線建設問題の解決は、申し上げるまでのこともなく財源関係でありまするが、この問題について運輸大臣は何か別に案はないのでございますか。すでに新線建設は五カ年計画というものがございましたが、それが最近では、この予算の上からいうと、ほとんど帳消しでございます。独立採算制の日本鉄道から申しまするならば、これはなかなか容易ではございませんけれども、新線問題だけは別に積極的な案を立てて、新線計画を実行してもらいたいと思うのでございますが、大臣はこれに対してどういうお考えを持っておられるか、この点をはっきりしていただきたいと思うのでございます。
○三木国務大臣 私も昨年中、鉄道建設審議会の委員を一カ年やったわけでございます。そうして鉄道の建設資金には昨年一年中、政府ではございませんけれども、委員の立場から悩み抜いたのであります。それで全額六十五億という資金は必要なんだということをしばしば決議になったのですが、結局において予算に当初計上されたものは二十五億円、今度と同じ金額が計上され、予算修正で五億円ふやして三十億ということになったのです。各政党の有力な方々がしばしばお集まりになって、六十五億を取れということで決議をして、私もその中に加わっておったわけですが、やはりその金額が今申したような程度以上になかなかふえなかった。一昨年は三十線もの新線を計画した。それだから、そのときは六十五億円くらいは取ろうという財政的な裏づけでお考えになったのでしょうが、去年三十線も計画しながら建設資金を二十五億に落したものですから、昨年一ぱいは建設審議会は、建設の審議会でなくして跡始末の審議会であった。そういうことで、何とか六十五億円程度のものを毎年建設資金に充てるようにして、今までの二十三線も早くこれを片づけて、そうして鉄道を敷きたいという地方もあるわけです。自動車が便利なところもありますけれども、しかし資源開発などの点からいって、鉄道の必要性というものはまだまだ私はあると思う。そういう点でやりたいと思って努力をしたのですが、とにかく一つの予算全体のワクも限られていることだし、昨年度やはり当初予算で二十五億円であったということは、こちらの方で増額を申請する場合は、昨年の基礎があるからなかなか困難なことになっておる。そういうことで、この点も私の予算折衝を通じて当初の考え方とは非常に食い違ったのであります。従って何かいい方法があるかということでございますが、結局二十五億円を最も有効に使うという以外にいい考えは今ないのであります。新線建設というものを今後どうしていくか、これを今のような状態でやっていくのか、別の新しい構想はないかということで検討は加えておりますけれども、今ここでこういう妙案が浮んだということを申し上げるような妙案はないのであります。そういうことで、運輸委員会としても今後の鉄道建設についていろいろお知恵があれば、拝借いたしたいと考えておる次第でございます。
○伊東(岩)委員 ただいまの御答弁のうちで、二十五億円のほかに五億財源があるようなお話でありますが、それはいかがでありますか。
○三木国務大臣 それは前の内閣の当時、当初予算は二十五億円で、予算補正で五億円を加えて三十億になった、こういうことであります。
○伊東(岩)委員 二十五億円の配分問題については、過日の委員会で各委員からもだんだん質問があったのでございますが、最近の新聞によると、改良対象線の六線、延長対象線の四線を運輸省案として発表されたように新聞で承わっているのでございます。二十五億のうちで大体やろうというのが十線でございますが、そうしますと、三十線のうち七線完成、二十三線でございますから、残りの十三線の配分をいかようにいつ御決定になるのでございますか、これが一点。 過日の委員会において監督局長は、二十五億円は二十三線全部に配分すると言明されております。さらに建設部長は、改良対象線が六線あるが、これに要する金がおよそ十八億五千万円である、その残りの六億五千万円を残余線に配分するとの答弁がございました。この配分については大臣は同意されておるのでございますか、この点をお答えを願いたいと思います。
○三木国務大臣 今二十五億円をどう配分するかということは決定をしていないのであります。もし発表されたというようなことがあれば、それは公式なものではないということであります。この二十五億円という金額が少いものですから、この配分には頭を悩ましている。それで大体今考えているどう配分するかという中の一つの考え方の基準になる事柄は、今やっている工事がある、この工事を今やめて、そして解約金を払ったりするようなことはつまらぬことじゃないか。工事はやはりある程度今やっているように続けていく。あるいはまた二十五億円でございますから、そう膨大な路線に今からかかるわけにいかぬ、できるだけ早く開業のできるような地点もその中に入れて考えるべきじゃないか。どういう線をこの二十五億円の中でやるかということについては、いろいろ検討も加えておるのですが、これは地方にもいろいろ関連の多いことでございますので、鉄道建設審議会を近いうちに開き、これは各党からお入りになっているのですが、その建設審議会にこの二十五億円の配分を御相談したい。そして各党の意見も徴したい。そうして二十五億円を最も有効に、公平に配分したいと考えているのでありまして、もうすでにどういうふうに配分するということがきまったということはまだございません。
○伊東(岩)委員 過日の委員会で、監督局長は大体二十三線に漏れなく割り当てるという御答弁があったのでありますが、この点大臣はどう考えますか。
○三木国務大臣 実際は一昨年その三十線をきめたのも、これはどういう事情があったのか、相当予算が確保できるという見通しで、したのでしょうけれども、必ずしもこれは長期にわたって財政的な裏づけがあるというわけではなかったけれども、三十線をきめたわけであります。それはみな必要の度合いがあったわけで、この三十線も今七線ぐらいはできてあと二十三線残っている。これはやはりこれを白紙に返す考えはない、やはり尊重していかなければいかぬということで、二十三線に全部つけるという監督局長の言は、おそらく調査費とか、測量費というような形において、その二十三線にみな分けるということで、もちろんそんな二十五億ぐらいの金を、二十三線に全部ばらまいてしまうような工事の仕方はできませんから、おそらく測量をしたり、調査したりする費用を、まあ二十三線には大なり小なりみなつけるが、工事をするという路線については、その中で数線を選ばなければならぬ、こういうことだと思います。
○伊東(岩)委員 ただいまの御答弁で、大体決定線は打ち切らない、こういう工合に承知いたします。そこでもしもこの配合がうまくいかずに、あるいは答申によって打ち切るというようなことがかりにもあったとするならば、これは非常に大へんな問題か起ると思うのであります。大体想像いたしますと、十二、三線というあとに残された線がございますし、そのうちでも測量費だけで今日まで工事に着手していない七線というのがございますが、この七線ともいずれも自由党内閣時代にすでに予算の一部分を配分して、未着手線も全部起工式をやっているのでございます。ほとんど起工式をやらないところはないのでございます。そこで今度は民主党内閣時代になって打ち切るということになると、いよいよ民主党内閣の消極性が露呈するということになるのでございます。どうも与党の私からなかなか言いにくいことでございますけれども、運輸大臣はその点をどうお考えになるか。この点もし野党が増額修正でもかりにいたしますならば、私どもは与党であっても、正しい修正であるならば賛成しようと思うのでございます。どうでございますか、こういうことが起った場合には、運輸大臣はどうお考えになりますか。
○三木国務大臣 私も各地に祝賀会が行われたことを承知いたしているわけであります。地元の方の鉄道を敷くということは、地元としてもこれは非常な大きなできごとでございますから、そういう点で地元の熱意から各地に盛大な祝賀会が開かれて、自由党時代に政務次官も御出席になったという報告を聞いているわけであります。こういうことで地元の人たちもいつかは鉄道が敷けるものだという、非常な大きな期待をお持ちになっているし、おきめになった三十線はとにかく必要性がある路線に違いないのですから、これを打ち切るというようなことになると、地方自身に対しても非常なお気の毒なことになるわけでありますから、これは続けていくということでございます。 それから予算修正のことについては、私から修正を委員会に慫慂いたすような言辞は申し上げることはできません。しかし私は、申し上げたように国会の意思は尊重はするということが議会政治の建前だ、そういう点だけでありまして、政府全体として予算のバランス——今年度の予算に私も承認を与えておるわけでございますから、これを委員会に対して修正をお願いするという筋合いのものではございませんが、国会の全体の意思というものが決定をされたときには、それは尊重すべきものである、こう原則的に考えておること以上には申し上げられないのでございます。
○正木委員 関連して。私は運輸当局に新線のことを一言だけ聞いておきたいと思いますが、三十線のうち七線ができ上って、あとに残った二十三線、このうち本年度の資金が二十五億、この配分についていろいろ議論をされておるわけですが、そのことはそのこととして、一体三十線の建設に必要なる資本総額はどれくらいになるのか。そしてこれが完全にでき上った場合に、これから上るところの営業収入見込みはどのような数字になっておるのか。資本を投下して営業収入は上るが、その反面、支出の面において営業経費というものが当然これにかかってくる。それと同時に減価償却も当然それに付随してかかってくる。それに対する資本利子も見ていかなければならない。そうした場合、全体としての差引の結論は、一体どういう数字になって現われてくるのか。まことに私は賛成ですよ。新線建設、新線建設、非常に賛成です。しかし現在の国鉄の経理内容は、あとで私は十分に大臣及び国鉄当局と一問一答の形で明らかにするが、私は非常に憂慮すべき事態にきていると思う。この場合に、一体国鉄の現在の財政の立て直しをどうするのだということが前提にならなければならない。従ってこの新線建設に対して、さしあたって一体どういう結論が出てくるのか、それを明らかにしてもらいたい。これは大臣でなくてもいい。事務当局でなければわからぬでしょう。
○植田政府委員 新線建設三十線の総工費は四百四十八億要る。このうち百二十四億は二十九年度までに投入いたしまして、三十年度以降所要額は三百二十四億ということになっております。この線が開業いたしましたあとの鉄道の経営に及ぼします影響につきましては、国鉄当局から御説明願いたいと思いますが、約四十億ばかりの赤字が出るというふうに私どもも聞いております。
○正木委員 国鉄当局から、収支バランスを数字をあげて詳細に承わりたい。——それでは私の方から一つ、私の計算ですから、若干数字上の食い違いがあると思いますが、四百四十八億を投下してこの三十線の新線ができ上って、これから入る営業収入見込みは大体三十五、六億ではありませんか。これに対して当然営業諸経費がかかりますが、これが三十五、六億、減価償却が約十億円、資本利子が約三十億、こういうものを勘案すると、今監督局長が言われたように、抽象的ではありますが、ここで約四十億の欠損が生ずる、こういう結論になるのではございませんか。
○高原説明員 お答え申し上げます。ただいま正木先生のお話がございましたように、投下資本四百四十億円に対しまして、経費といたしましては資本利子が約二十九億、償却が八億、営業支出が約三十五億、合計七十三億となっております。これに対しまして収入見込みが三十三億、従いまして御説のように全線開業の場合には、約四十億が赤字となる見込みでございます。
○正木委員 私はあとで詳細に大臣の意見を聞くことにするのですが、大臣に一言聞いておきたいと思う点は、今事務当局が数字を明らかにしたように、この三十線が、あなたの内閣で十年かかるか二十年かかるか私にはわからぬができ上ったとして、四十億からの赤字が出る。赤字が出るということを十分承知の上で、このままの姿で国鉄の経理その他を勘案しないでどんどん進めていくことが、一体必要なのか必要でないのか。この点については大臣はどう考えておるか、この点聞いておきたい。
○三木国務大臣 やはり国鉄の財政立て直しについては、これは正木さん御指摘の通り重大な段階に来ておる。これについては近く国鉄の財政再建の委員会を作りたい。この機会に将来のために国鉄の財政を健全なものに立て直すということについて、各方面のそういう方面に造詣の深い方々の意見も徴し、あるいは運輸省当局としても検討を加えておるわけであります。従って今後その場合にはいろいろ国鉄内部の合理化、あるいは運賃の問題等にも検討を加えなければならぬことになるわけでございますので、新線の場合の今の四十億というものが、そういう新しい財政立て直しの方策の上に乗って考えた場合に、金額がどの程度になるかということは、これは将来検討してみなければならぬことになると思いますが、とにかく新線は赤字が出るでしょう。大体有利な路線というものはすでに鉄道も敷かれておるし、今後開拓して建設をしていかなければならぬ新線というものは、必ずしも経理上から見れば非常に有利な線というのは少いかもしれぬということは、御指摘の通りだと思います。しかしながらやはり国鉄全体とすれば、全体の国鉄の経理の中でプールして考えないと、あまりもうからぬ路線、すぐに営業収益が上らないような路線は全然考えないのだということになってくると、今予定されておる、鉄道を希望しておるような地域に鉄道を敷設するということが、なかなか困難になって参りますので、やはり日本の国土開発あるいは資源開発という必要性に基いて、場合によったならば赤字でもやむを得ない路線も出てくると思います。そういう点で、赤字が出るから、もう赤字路線は全部鉄道建設はやめるのだ、すぐに黒字の収益が期待できなければやめるのだという原則を確立するのは私はいかがかと思うのであります。全体として、赤字があっても、ほかの路線でカバーしなければならぬような路線もできてくるのではないか。それは結局鉄道というものは、国全体の開発に関連をして、必要の度合いがどうかということの個々の問題を検討しなければならないので、全体の原則論として、すぐ収益が黒字にならぬ路線はやらぬという原則を確立するのは、鉄道敷設についてはいかがか、こう考えておるのでございます。
○山本(友)委員 港湾費の問題について大臣にお伺いしたい。港湾設備の充実について、予算編成前の二月二十九日の委員会において、この港湾行政の貧困を充実あらしめたいという提案がされまして、全会一致でもって百五十億程度の予算を獲得したいという当委員会の意思表示が、ここに決定をいたしておったのでございます。しかるところ、今日決定をいたさんとするこの予算は、その精神をまるきり没却されてしまって、八十五億の昨年度の予算より下回っておるという現象になっておるわけでございます。これらの折衝に当りまして、大臣はこの決議案を御承知の上で折衝に当られたのか、あるいは御存じなかったのかというような点を御説明願いたい。
○三木国務大臣 先般港湾予算で百五十億を獲得せよという決議をいただいたときには、私も本委員会に出席をいたしておりまして、十分承知をいたしておったのであります。なるべく運輸委員会の御要望に沿いたいと考えて、港湾予算は予算折衝の最重点の一つとして——御承知のように運輸省にも港湾労務者がすわり込み等のこともございまして、それはやはり港湾予算が削減をされると失業の危険も起ってくるわけでありますが、そういう意味でもこれは問題を投げかけた予算の一つでございましたので、私は最後まで委員会の御趣旨に沿いたいと努力いたしました。最初大蔵省の第一次査定には五十九億であった。それを御趣旨に沿いたいと思って十億程度ふやして六十九億、いろいろなものを寄せて最終の港湾予算というものは六十九億、公共事業の中で、正直に告白いたしますと、十億円の増額というものは相当に骨が折れたわけであります。しかしそう申しましても当委員会の御決議とははるかに遠いわけですし、また昨年度八十五億でありましたが、その中には安全保障費の二十一億円というものが入っております。これは建前からすると、その安全保障費は一般の予算とは別に駐留軍関係の港湾施設ということになるので、普通の港湾の予算は去年に比べると三億円ばかりふえている。安全保障費をのけて考えればふえたわけです。しかし全体として仕事の方からいえば、安全保障費もやはり港湾をやったわけですから、そういう点ではこれは去年に比べましても、安全保障諸費を入れて考えれば去年よりも少くなっている。さらに委員会の御決議からは非常に下回っているということで、これは私自身といたしましてもまことに残念なことと思っている予算の一つであります。
○山本(友)委員 御説明を承わると無理からぬと思いますが、今も徳安さんの質問に大臣は、いわゆる民主主義の原則に従ってという言葉を出されておりましたが、委員会の総員の決議ということになりますれば、私は最小限度所管大臣はこれ以上の政治的責任をお考えになっていただくもののように大きく期待いたしておりましたし、ことに老練な三木大臣でございますから——百五十億程度という言葉を使ってありますけれども、これは私は委員会の名において言うのではありませんけれども、これは含みのあるところであって、およそ百五十億もらわなくてはならないと考えた人も、まず今日の財政下においてなかったと思いますけれども、昨年より下回るということは、委員会の権威というものを一体大臣はどういうように見ておられるかというところに、非常にわれわれは遺憾の気持を持っているわけでございます。これはこの決議の建前もありますので、いずれ総体的にこれらの操作につきましては御意見があろうと思いますので、まだ済んだわけでもなかりそうに考えておりますので、やはり所管大臣に責任を持っていただきたい。所管大臣は自分の委員会の決議というものは、本会議の決議ともみなすべき政治責任を持ってもらいたいということをつけ加えて、私の質問を終ります。
○原委員長 ちょっと委員長からお尋ねいたしたいと思います。大蔵当局にお聞きいたしたいのは、第一に、聞くところによれば国鉄の新線建設は、内示のとき、大体内定したときには、一文もなかった。二番目には、港湾予算は運輸委員会において百五十億程度というのを無視して、わずか十億円よりふやさぬ。第三には、国民の世論がこんなに硬化しているにかかわらず、気象台の予算はわずか二億円程度をふやして一体どう考えているのか、しっかり答弁を願いたい。
○岩尾説明員 最初の新線建設の問題でございますが、当初の内示案におきましてわれわれが新線建設を落しました理由は、現在の総体の財政総ワクのもとにおきまして、国鉄において必要がある補充取替のための費用、あるいは資産を食いつぶさないための費用というものに対します経費の計上と、それから新線費の計上、この二つを勘案いたしまして、補充取替の方に重点を置くべきではないかという考え方で、大蔵省においてははずしたわけでございます。 それから第二番目は、私担当の主計官でございませんのでお答えができません。 それから第三番目は、気象台の予算でございますが、先ほど御説明いたしましたように、もちろん災害の問題はわが国にとって重要な問題でございますが、気象確度の向上ということと、予報資料をいかに利用していくかということに重点があるかと思います。気象確度の向上は、できるだけ予算をつけましても、それによってすぐあすから天気がぴたっと当るというものでもございません。その問いろいろな予報の仕方、あるいは設備等につきまして、できるだけ財政のワク内で緊要度のあるものから金をつけていくということで、測器の改良なりあるいは予報の向上をはからねばならないかと思います。そういう意味合いで今年は特に定点観測は認めませんでしたけれども、現在の上高層の資料を把握するために紋別の測候所を新設いたしました。さらに現在わが国でやっております上高層の資料は、非常に不完全な等感度受信機という受信機でやっておるわけでございますが、これを米軍で使っておりますGMD一という非常に精度の高いものに取りかえまして、さらに鳥島に上高層の観測所を置くということをやる。そういった点を取り入れまして、予報の確度の向上にはできるだけの力をいたしていくという方法をとったわけであります。
○徳安委員 いかがですか、一ペん大蔵大臣を呼んできてやりなさいよ。それを一つ提議いたします。
○原委員長 委員長からそれを取り計らいます。 それでは午前中はこれぐらいにして、午後一時半から引き続いて再開いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○原委員長 それでは再開いたします。 午前中に引き続いて運輸行政に関して質疑を続行いたしますが、午後は自動車関係を主にいたしたいと思います。質疑は通告順によってこれを許します。永山君。
○永山委員 大体大臣や竹山建設大臣は、選挙のときには道路並びに鉄道新線建設の関係の地においでになりまして、これが建設はぜひともわが党でなければいかぬのだ、わが党は一つ大いにこれに対して主力を尽してやるということの公約をされたのです。河野政務次官は、あれは大臣の個人的意見だとおっしゃるのですが、これは国民としては公約でございまして、それがためにわが同僚は落ちておるのですが、事実まことに強い発言力によりまして、非常に不利な立場に立っておるような状態もございます。この予算面を見ましても、新線建設の予算の関係も、実質的には昨年よりは少くなっておりますし、さらに港湾施設の関係におきましても、実質的には多少上回っておるというようにいわれるのでございますけれども、総額において下回っておる。さらに定点観測の問額等につきましても、強く公約されたことが事ごとにうまくいっておりませんので、かれこれを総合して、われわれはどうしても運輸大臣の責任を明らかにしてもらわなければならぬじゃないかというところへ追い込まれざるを得ない結果になるのではないかということを、非常に遺憾に思いつつあるのでございます。さらにこれに加うるに、自動車行政の諸問題につきまして、全く運輸当局は指導的な理念をお持ちになっていないので、絶えず大蔵省並びに建設省、その他通産あたりから強い圧力を受けられまして、真に維持育成していかなければならぬ自動車業者の公正なる発展を阻害されておるという面が多分にあることは、加えて遺憾に思っておる次第でございます。 逐次質問を続けますが、これを例証いたしますならば、外車輸入の問題におきましても、あるいはガソリン税引き上げの問題におきましても、あるいは労働基準法の問題におきましても、金融措置の問題におきましても、さらに自動車保険と共済組合の共済制度の問題におきましても、あるいは東京都のタクシー、ハイヤーの運賃の問題におきましても、まことに遺憾な点が多々あるのでございまして、これについて直接大臣が強く関心を持っておられた点がございます。第一点として、東京都のタクシー運賃の改訂の問題については、これは単なるタクシーの運賃改正だということではないのでございまして、国産車か外車かといういわゆる大きな対立でございます。内輪の上げ方によって、国産車がさびれるかあるいは有利になるというような、全く政策上の大きな問題でございまして、ただ単に値下げをしたり値上げをしたりすることが、どんなに大きな問題を起しておるかということをお考えになれば、国産車と外車との解決は重大なる運輸行政の問題だという点に、深く関心を持たなくてはならぬと思うのであります。大臣賢明でございますが、あらゆる点において短時間に知悉されることは困難でございますので、特に下僚関係のただ意のままに安坐されるということではなしに、その人柄、背後関係、あらゆる旧来の業績等を総合されて深く研究して、御指導されることに思いをいたされることを深く期待をいたすのであります。この点に対しては河野政務次官も、大臣にかわって特に料金関係は強く指導的地位に立って采配をされましたので、重大な運輸行政の外車か国産かの解決だということにともに思いをいたされまして、一つ御答弁を願いたいと思うのであります。 まず第一に、二月一日に国産車のプリンス及びトヨペットが八十円を七十円に値下げされたのでございますが、それが四月の初めになって、国産車の一九五五年のトヨペット、プリンスを八十円に値上げした。これはわれわれの調査では、業者の過半数に満たざる申請がありましたのです。私の言うのは車両数の問題でございます。所有車両数から見まして、結局未申請車が四百六十両で、申請したのが二百八両、申請車よりは未申請車の車両数が多いのでございますが、これらを唐突としてまた十円値上げをするということに至りましたこの行政の理念と並びに計数的根拠を伺いたいと思います。
○三木国務大臣 計数的根拠は局長からお話を申し上げた方が詳しく御説明ができると思います。 タクシー料金は、これは陸運局長限りで処理できるのですが、私もこれは重大関心があり、今度の決定の場合も報告を受けたわけであります。これは今お話の国産車か外車かという対決を、自動車料金の操作によってやるべしという考え方には、私は同意をしない。それもやはり一応頭の中には入れなければならぬ一つの要素ではありましょうけれども、しかし全体としての産業行政の面において、国産車というものを奨励すべきであるということは、鳩山内閣の方針であります。そういう意味なので、産業政策の見地からやはり国産車を奨励していくべきであって、それにはいろいろ資金の面、あるいは技術指導の面、市場開拓の面、いろいろあろうと思う。そういう見地からやはりこの国産奨励の問題は取り上げるべきで、タクシー料金の操作を通じて国産車と外車を対決さすということは、それは国産奨励のことも頭の中に入れなければならぬけれども、タクシー料金を対決の場と考える考え方では私はない。そういうことになって参りますと、タクシーというものが市民の交通の安全とか、いろいろな点で関係をするところが多いのでございますので、私が考えておることは、これは何とかしてタクシー企業の奨励というものが——将来においては国産というものが世界的な水準になってくれば、それは国産車に全部取りかえられるのでしょう。そういうふうになってくれば、これは今お話のような問題は少くなってくるのですが、今日の過渡期としては、やはりいろいろな外車もあろうし、タクシー業界が、いろいろな種類のものがある、一つの営業所においてもいろいろな種類の車を持っておられるので、一つのタクシー業者がどの車を持っておるから非常な利益を持って、どの車を持っておるから非常な過重な労働をやったり、スピードを出してかせがなければやっていけぬというようなことではなくして、一応バランスのとれた一つの営業をさせたらどうか、タクシー業界というものが営業が安定をするような方向に持っていったらどうかということで、営業成績等も勘案をいたしますると、やはり料金は、たとえばダットサン、オオタというものは、七十円というのでは、営業成績が急に悪化してきておる。これは車の型、性能からしても、十円値下げをするのは適当だし、あるいはトヨペットの旧車は七十円でいいわけですが、新車を七十円に据えおくことは、ほかとのバランスから都合が悪いのではないかというような、緻密な一つの営業成績等の統計、あるいは車自体の持っている要素、いろいろなことからして、お話のような運賃の申請に基いて改訂することが妥当であるという説明を自動車局長から受けまして、しかもそれは運賃委員会というので、各方面からお寄りになって出た結論が、こうすることが妥当だということで、役所が一人の材料によって判断したのではなくして、いろいろ自動車業界からお出になっておる運賃委員会で検討の末、こういう運賃が妥当であるという結論が出たという裏づけもございましたので、私もそれでよかろうということの同意を与えたわけでございます。
○真田政府委員 数字の点でございますが、申請者の数が約二百社となっておりまして、全事業者の数が少しずつ動いております。と申しますのは、名義貸しの整理その他で分離した人たちが会社を作っているというような格好で動いておりますので、現在は約三百社になっております。三百社ちょっと切れますが、二百社が申請をいたして、百社足らずのところがまだ申請をいたしていないという状況であります。なお車両数につきましては、私の方で三月の二十六日に取りました資料によりますと、申請している方が百両、申請していない方が二百二十八両、こういうふうになっておりますが、この点については申請していないのが多いのは御疑問だと思いますが、この前にトヨペットの値下げをしますときには、値下げをしてもやっていきたいという申請者の方がずっと多かったわけであります。というのは、値下げをしなければトヨペットでやっていくのがつらいということで、たくさん出したわけであります。今度はトヨペットは割合にいい成績を上げているために、ほかの車両は困っている。従ってトヨペットの新車を持っている人たちは、自分たちはその車によって利益を得ているために、申請したら損なわけであります。従って申請した人が持っている車の方が少いというのは考えられることなのでありまして、たくさん持っている人たちは、できれば自分たちはそのままの利益を保持したいという気持があるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。
○永山委員 計数的根拠はどうでございますか。
○真田政府委員 それは値下げしました後に、実車率がどういうふうに変っているかと申しますと、あるいは運賃の収入がどういうふうになったかということについて申し上げますと、中型の外車が三十年の一月には五〇%でありましたものが、値下げ後三月になりまして四八%に下っております。ルノーが五八%から四十九%に下っております。トヨペットの新車は、これは前にはなかったのですが、三十年の三月には五四%と最高の実車率を示しております。それからトヨペットの旧車は四二%でありましたものが、値下げ後四八%に上っております。プリンスにつきましては、四五%のものが値下げ後五〇%に上っております。ダットサンの新車はまだできてなかったのでありまして、三十年三月におきましては四五%と中くらいのところにきております。ダットサンの旧車につきましては、四五%から三七%と、こういうふうに落ちておりまして、今度の措置は三七%に落ちたダットサンの旧車を、値下げすることによって実車率を上げるという措置と、五四%まで上っておりますトヨペットの新車をもとのランクに戻すという二つの措置であります。
○永山委員 計数的根拠については、当局のずさん性を今こちらから言いますが、大臣は今の計数だけをお聞きになって、よろしいとこうお考えになったわけですか。計数はお聞きにならずに、次官でも大臣でも概念的だけでお考えになったか。一応計算根拠をごらんになったのですか。
○三木国務大臣 今の計数も聞きましたし、運賃委員会、これは各業者のお集まりになっておる委員会ですが、そこでその料金が妥当であるという決定をされた。運賃委員会の料金の決定といいますか、そこで適正な運賃はこういう運賃であろうという決定がなされたということと、もう一つは、やはりタクシー業界の組合を強化したい、そういうことで、できる限り組合が強固な基礎の上に立って、そうしてタクシー業界が健全に発達するように、組合の強化についても、そういうことを組合側にも申し入れて、いろいろな意見を聴取した結果、また今の計数も根拠になっておるわけですが、そういうことで私はそれが適当であろうという判断を下したわけです。
○永山委員 運賃委員会の性格等についてはまた事務当局とやりますが、大臣のおられるところで特に聞かねばならぬことは、外車と国産車との対決の問題は、あらゆる総合政策の中に見出すべきであるということにおいて、国産車を維持育成しようということでどの内閣も進んできておったのでございますが、その総合政策上、決定的に国産車を立つあたわざる情勢に追い込む絶対要素というものは、これがタクシー、特に東京都のタクシー運賃によって制約されてくる。これが絶対的のものである。総合政策上の見地に立って、すべての総合政策をやって国産車を立つあたわざる情勢にしたのは、その総合政策の中のタクシー料金が、これが非常な決定的な地位にあるのだということを深く認識をされたるがゆえに、私は大臣のところで八十円を七十円に、大臣の決裁というか指示といいますか、関与されたのじゃないか、こういうように考えておるわけでございまして、国産車擁護の立場に立つ、あるいは国政の立場に立って、他に何か政策上欠点があって、どういうようにそれでは持っていこうというお考えが別にあるのでございますか。
○三木国務大臣 国産車の奨励については、たとえば役所に対しても、今後新車を入れるときには国産車に切りかえていくという、ある一定の需要というものが国内にあることが必要ですし、技術も、きょうも国産自動車のロードショーがあって、私も出たのですが、こういうふうな国産車の技術的な水準も高めて、将来やはりアジア、中近東あるいは南米なんかに輸出の対象にもなるわけで、現在でも少々はトラックなんか行っておるのですが、こういうことで、先日も石橋通産大臣とも話したのですが、通産省としてもいろいろ検討を加えておよるうであります。こういうことで大きな一つの産業政策の見地から、やはり国産奨励というものをやって、国産車の奨励をしていこうということを政府の方としても一つの大きな方針にしておるわけであります。そういうふうなものの一環としてタクシー料金も考えられるのでしょうけれども、タクシー料金が今永山委員の御指摘のように、国産車と外車の対決の場面だとして、国産かあるいは外車かということを料金の操作によってばかりでやっていこうという考え方ではないということを、私は申すのであります。
○永山委員 国産奨励に対する他の政策としては、官庁が国産車を買うのだということ以外に、技術指導というよなことでございますが、この技術指導等は前からやっているわけでありまして、せっかく国産の維持育成といいながら、他に大した名案をお持ちでないことを残念に思うわけでございますが、大臣、一段と一つ御研究を願いたいのであります。国産の維持育成の一番大きな問題は、国民がこれを愛用するということにあるのでありまして、そこで大衆の前に出しまして、国民がこれを愛用してよく乗るというところへ持っていきませんと、官庁用の自動車を強制的に国産車を買わせるといったような程度では、これは国産の維持育成の決定打にはならぬのでございます。なお技術指導ということは、国民が多く乗ってみて多く利用していく間に、結局これに対する技術の向上が出てくるわけでございまして、どうしてもやはり現在における総合政策の中で一番問題になったのは、やはり料金ということが国産を伸ばすか伸ばさないかの重要な点だということを深く認識してもらわねばいけないのでありまして、そうでなければこんな運輸委員会——これは失言でありますが、運輸委員会であれほど強く大問題になり、あるいは運輸委員会へ持ち出すということは、そう言ってはおかしいのですけれども、ほんとうに地元の声が大へんやかましいからこういう結果になるのでありまして、実際は、大臣は奥座敷におられるからわかりませんが、もう町の声は、これ自体が国産か外車かを決定づけるものであるというふうにみな動いている。またそういうことで旗を上げて、命がけの戦いをいたしておるということに深く留意をされなければならぬのでございまして、大臣でも次官でも、それほど重要だということになれば、やはり原価計算等に対してもっと深く認識を深められなければならぬと思うのであります。先刻の当局の説明で、中型外車とそれからプリンスの五五年の分との乗車率の表がございますが、それは中型外車の分は新車について調査をお取りになったのでございますが、新車であるかないかということを一つ聞きたいのです。
○真田政府委員 中型外車につきましては、運賃は一本の形になっておりますので、両方、新と旧と分けないでやりました。しかしながらトヨペットにつきましては、新車が相当両数出て参りまして、はっきり分けました。プリンスにつきましては新型の新しいものが非常に少いので、今度性能その他の変って参りました分が非常に少かったので、一本で参りました。
○永山委員 それが要するにきわめてずさんなる統計だと申すのでありまして、新車というのは、国民は新しい車なら一台くらい待ってもみな乗るわけであります。それは中型車といわず、国産車といわず。そこでその乗車率は新車を中心に、いわゆる一九五五年の新車に対しての値上げでございますから、外国車の中型車の新車との運収並びにキロ当りの平均を出すべきだと思いますが、それは当局に出ておるのですか、出てないのですか。
○真田政府委員 中型外車の新車、旧車につきましては、この前の申請のときに、先ほど申し上げましたように、一本になっておりますので、一本で計算いたしました。二つには分けておりません。
○永山委員 そこにいわゆる当局が作為的な、あるいは外車主義に背後につながっておるというように、業界から強い指弾をされている原因があるのでありまして、新車に対する値上げをする場合におきましては、どの新車も、新車の間はすべて乗客は乗るのでございますから、中型車の外国新車と国産車の新車との統計を出して、そしてキロ当りの運収はどれだけあるかということを御調査にならなければいけないのであります。いやしくも料金を決定しようという当局が、国産車の新車だけを十円上げるというのに対して、その新車の外車に対する統計を取らずにおいて、そしてこれが乗車率を見られて、これを運賃決定の——しかも業者は外車か国産車か命がけの戦いをいたしておるこの重大なるときにおやりになるということに、われわれは全くあぜんたらざるを得ないのでございます。私の方におきましては、この新車について全部調査をいたして、会社数十三社にわたり、トヨペット・マスター四十台、プリンス十一台、ダットサン三十台、ヒルマン十六台、ルノー十四台、オースチン十二台という、いわゆる新車によって調査を進めてみたのでございますが、それから見ましても、ヒルマン、オースチン、トヨペットのマスターが大体同じ運収に入っておるのでありまして、さらにこの原価計算から申しますと、ヒルマンとオースチンの新車が一キロ当りの運収が一番いいのでございまして、この新車の料金についてみますと、大よそ国産中型車が外国の中型車より十円下る、外車の小型よりは国産小型車が十円下るということが、一番妥当なる統計を示しておるのでございますが、当局はこの統計を持たぬということで運賃を許可されるということに対しましては、私は、行政の責任を明らかにされなければならぬと思うのでございます。 まず第一、申請者の数に対して御質問申し上げますが、国産車を持ってない会社が申請に加わっており、いわゆる会社の数は多いのですが、持っている車両は少い統計になって出ていることは、運輸当局も認められました。そこで該当車のない会社がどれだけ申請をいたしておるのでありますか、統計は出ておりますか。
○真田政府委員 ただいま個々の会社について車両数全部調べておりますので、後ほど御報告をしたいと思います。 それから外車の新車、旧車についての運賃収入については、私の方にも実は今度のトヨペットの新しいのを上げることについて反対だという団体からいろいろの資料が出て来ておりますので、それは私の方で見てはおります。しかしながら自分の方で調べた数字でないものですから申し上げなかったのですが、その数字によりますと、トヨペットが七十円でありながら、八十円の外車よりも収入を上げているというふうな数字にもなっているのでありまして、従って七十円でありながらそれだけの収入を上げているということは、実車率が非常にいいというふうな結果にもなるのであります。なお外車とトヨペットだけ比較するのはおかしいのでありまして、トヨペット、ダットサンその他国産車との比較をしなければならない。現在反対している会社は、ダットサンの新車と旧車の区別を認めながら、トヨペットの新車と旧車はそのままでいいのだというふうな申請の仕方をしていまして、この点は非常に申請の形がおかしいじゃないか。ダットサンについて新車と旧車を認めるならば、トヨペットについても新車と旧車を認めるべきだ、私たちはそのように考えております。
○永山委員 問題はダットサンだ。私は先刻も言いましたように、国産車は一段下るのだ。その意味においてダットサンが十円下るということに対しては全部異論はないのでございまして、ただいま局長の言われることは、いわゆる魔術によって、委員会を自分の方へ有利にしようとお考えになる言葉でございますが、その方には全業者は賛成いたしますということを当局に申し出ているのでございます。ただ一九五五年のトヨペットとプリンスの新車の値上げということは遺憾であるというので、反対をいたしているのであります。しからば新車のときは特にすべての率がいいということは厳たる事実でありまして、だれも新車に乗るのでありますから、その新車の統計を持たずに、しかも運賃の許可を二カ月前にやったものを、さらにこれは適正でなかったというのでまた十円の値上げをやる。しかも二月、八月というのは業界の一番悪いときであります。三月選挙のときでもあり、二月、三月において十分の統計が出るはずはないのでありまして、少くとも臨時に許可をいたしたとしましても、六カ月間くらい実際の情勢を見て、それを統計上に表わした絶対計数によって、これに対する決定をすべきであるのでございます。運賃関係をそう軽率に扱われるということに対して——しかも高くするということに対して、業者の車両を持っている数が多くて、しかもそれが申請してないのに対してこれを許可されたという事実は、実に不可解でございまして、外車依存の事務当局に大臣自身が全くめくらで追い込まれたのだという非難が伝わるゆえんでありまして、要するに道路運送法第八条にある適正なる原価を償い、かつ適正なる利潤を含むということが、料金決定の絶対要素でありますが、それに対するところの調査が、業者が出しておる調査を見たのだというようなことで、いわゆる新車に対して値上げをしろというのなら、外車の中型の新車を、二月一日から運行しておるものをすべて取り上げて、そうしてそれに対する表を出してやるべきであると思うのでありますが、そういうことをやらずにやられるというところに、国民が信を置かない原因があるのであります。 さらに料金値上げに至る運輸実績並びに原価計算の資料を出してもらうように要求いたしておるのでございますが、どういうわけで今日その資料の提出をなさらぬのでございますか。
○真田政府委員 まずトヨペットの値上げ、値上げというお話をされておりましたが、今までの運賃体系というものは、普通車が百円、トヨペットと中型外車が八十円、ダットサン、オオタが七十円という基本の型でやっておったのでありまして、この前に下げたのはトヨペットの旧車だけを下げたということで、トヨペットを下げたのは今までのバランスが破れたということなのでありまして、今度トヨペットの新車をわざわざ下げなくても、中型の外車と対抗してやっていけるということで、もとのランクに戻したのでありまして、ダットサンにつきましてはもともと十円下っていたものを、新車についてはそのままだが、旧車については十円下げるということであるのでありまして、特にトヨペットを値下げしたというふうにお考えになるのは、何かこの前の下ったのを当然のことのようにお考えになっておるからではないかしらとこう思うのでありますが、あの際にすでにダットサン等の非常に苦しくなっておるものについては、申請の出そろうのを待って値下げしようということを言っておりましたので、それと伴って全体としてのバランスの取れた運賃を考えろということを事業者の方々に申し上げておりましたのが、一応まとまったといって出てきた案が今度の四本立でありますので、今度の改正はすでに二月一日に予想していたところであります。 それから原価計算の資料につきましてまだ出ておらぬ、まだきょう出せない——実はこの間御要求のありました資料が非常にたくさんありまして、福岡陸運局におけるいろいろの問題、それから現地に調査の人が行ったときの速記録があるかないかというようないろいろな問題を含んでおりまして、それを取りまとめて一緒にしたがったことが一つ。もう一つは、先ほどから申し上げておりますように、外車につきましては一本の運賃でいいのだ、現在の申請主義によります運賃は、申請者が出してこない限りこちらが認可するとかなんとかいう措置ができないわけでありますが、現在一本でいいと言っておりますので、その一本のもので計算してきたわけでありまして、今度新しいものと分けて出せという御注文がありましたので、陸運局の方に申しまして、それで計算するようにやらせております。そのために少し日を要しまして、きょう提出できなかったのであります。
○永山委員 要点は結局トヨペット及びプリンスの新車の値上げということでございますから、それに対する運輸実績並びに原価計算というものを、中型車の新車と比較して当局がお持ちにならずに、そうして運賃料金を決定されたということにあるのでございますが、この点もう一度確認をお願いします。
○真田政府委員 先ほどから申し上げますように、外車については新車と旧車について運賃を別にしてくれという申請が出ておりませんので、外車を持っている人はこれを適当に新陳代謝をやっていくとすれば、その車の状態は平均して同じと考えればよいわけでありまして、従って一本で計算しても外車を持っている人たちは、それでやっていけるということでありましたので、特に別々の運賃の申請のないものを、わざわざ分けて比較することもないと思ってやらなかったわけであります。
○永山委員 これがやはり中心でございますから、この点をはっきりしておかねばならぬと思います。要するに外車の新車と、トヨペットの新車との運賃計算及び実績表、原価計算もないのだということが今はっきりしたわけであります。当局の方はしていないということがはっきりしたわけです。その点ははっきり承認されたわけでありますか。
○真田政府委員 外車については新旧一緒に計算した、しかしながらトヨペットについては、新と旧と別々の運賃申請が出ておりますから別々にやりました。
○永山委員 そこで私が言いましたように、外車については、外車の新車についての運輸実績並びに原価計算は、これを分けて当局はしていないということを、これははっきり申し上げて、当局は認識されておるわけであります。従って運輸実績、原価計算に対して新旧一緒にした分についての計算では、これは適正なる原価計算ではない。トヨぺットは一緒にしてやれば、これに対する原価計算もまた別にあるわけでございますが、ここに新車について上げようというなら、やはり新車に対する原価計算というものが出ていなければ、ずさんなる運輸実績であり、原価計算である。しかも二月から二カ月でございますからして、その二カ月間の運輸実績及び原価計算というようなことで絶えず変動して、しかもこれを格上げしていこうという、下ることなら大衆は喜ぶのでございますけれども、格上げでいこう、しかも申請数が過半数に満ちていない。むしろ申請した数は少い。しかもいわゆる業者申請主義だから、申請していないものに対しては、当局はこれを八十円にしろと命ずることはできないのだ、こういうことをおっしゃっておるのでございますからして、そこで業者の方で八十円と七十円と二つの——同じ車で事業をやっていくということになってきますので、乗客に及ぼす迷惑というものは非常なものでございますが、当局はこの申請してない会社に対して非常に弾圧的な言質を設けて、申請を迫っておるというようなことをも聞いておるのでございますが、さような事実があるかないか。また当局はさらに申請してない会社に、ぜひ八十円にしろという申請書を出せということを勧告していると聞いておるのでございますが、その事実ありやいなや、伺いたい。
○真田政府委員 もし五月二十日以後になって七十円と八十円で走る、それが一般の公衆に迷惑を及ぼした場合には、業務改善命令として、公共の福祉を害する事実ありと認めたときは、運賃の改訂を命じてよろしいということでございますから、一般の公衆に迷惑を及ぼす段階に達しましたら、業務改善命令が出せると思います。それから今出したらどうだということを、出していない業者に勧告しているというお話でございましたが、それは業界が幾つにも分れて争っている。その一つが運賃問題として出てきていることは、お互いに業界の発展のためによくないから、一緒の運賃でやってはどうだという勧告はしていると思いますが、不当な圧力をかけるというようなことは絶対ないと思います。
○永山委員 さらに重大なることを聞いたのでありますが、道路運送法第三十三条によりますと、いわゆる事業をやってみた上で乗客が迷惑するような場合においては、業務改善命令が出せるのだということを言われるのでございますが、値上げをせなかったからというので、値上げをせなかった方に対してこれが公共の福祉を阻害しておるということが言えるのでございますか。
○真田政府委員 私が申し上げましたのは、そういった事態が生じた場合には命令が出せるかというと、現在の状態では出せないということを申し上げているのでありまして、現実にそういった事態が生ずるかどうかということは、まだわからないわけであります。
○永山委員 料金を七十円に下げて許可されて営業をやっておって、そうして今度安かったからということによって、公共の福祉を阻害するという事実が発生するというようなことは、全く想像できないことでございますが……。
○真田政府委員 先ほど乗客が迷惑するというようなお話があったようなんですが、もしそういったことがあればと申し上げたのでありまして、おそらくそういった場合に上げろというふうな命令を出すということは、われわれとしても非常にむずかしいことだと思います。従って業界の統一によって、そういった強制的な方法をとらずに、お互いが一本の運賃でやろうという状態に持っていくために、最近両方の組合、あるいは東京都内の組合の方々に集まっていただいて、一本化への方法を講じているわけでありまして、私たちといたしましても決してそういった無理なといいますか、強制的な方法によって統一したいとは思っておりません。
○永山委員 乗客は安い方がいいのでございますから、安く運行しているから、乗客が迷惑するということはないのでございますが、それはどういうことでございましょうか。
○真田政府委員 私は安くするとも上げるとも申し上げたのじゃないのでありまして、そのときになって考えると申し上げたのでありまして、上げるように必ずするとかなんとか申し上げたわけではございません。
○永山委員 安い方が迷惑することはない。だからして、それでは高い方が乗客は迷惑を感じるというときには、高い方を下げろという改善命令を出すというのでございますか。
○真田政府委員 お客は安い方がいいに違いないということは、これはだれもわかっておることでありますが、しかしながら事業者としては、全部をお客の希望するままに下げていくとすると、事業そのものが破壊される。そうしますと、結果においては公共に対するサービスというものが悪くなる。従って運賃が安い方がいいということは言えないわけであります。その点で全体としてのバランスをとるように命ずることになるかもしれません。あるいはトヨペットだけについて命ずることになるかもしれません。それは今後の成り行きに待たなければならないと思います。
○永山委員 結局自動車局長は、安い方で迷惑するということはないとおっしゃるのでありますから、高くしたり安くしたりすることを、当局がわずかな期間にやったということから来る混乱で、その責任は当局の暴政にあると思うのでありまして、業者に対して改善命令をするなどという大それた考え方で独善的な——しかも道路運送法には申請主義をとってあるのでありまして、申請者に対して許可をするのでありますから、許可を受けた、しかも安く許可を受けた関係者に対して、命令をして高くするというようなことのできないことは当然なのでございまして、道路運送法改正のときにも特に問題になりましたのは、業界が組合を通じてまとめて申請をするということは、公取の方で認めない。どうしても個々申請でなくちゃならぬということで、個々に申請をするようにしたのでございまして、それを運輸省は七十円のものも八十円のものも両方許可して、そうして混乱が来たから改善命令を出してやるのだというようなことは、暴政以外の何ものでもないのでございますが、こういうような高くしろということを目的としての道路運送法三十三条の改善命令ができるかできないか、大臣一つ御答弁願いたい。
○三木国務大臣 道路運送法に対しては検討を加えておりませんが、しかしタクシー業はどれが適正料金かということは、実際非常にむずかしい。できる限り各企業が安定してやっていけるように善意に考える以外にない。一つの絶対論みたいなことで、これが正しいのだということは私は非常にむずかしいと思う。運賃の決定についていろいろ今の決定の仕方にも、何かいい方法はないものかと私自身思っているわけです。申請主義でありますから、申請が出てきた場合にそれをいろいろ検討するのに、何かもう少し機関が要るのじゃないかと思うし、ほかの都市では問題が起っていないで、東京だけなんです。それにはやはり組合自体のどういうやり方であるかということにも、問題が影響してくるわけなんです。そういうことで今私が願っておることは、永山委員はいろいろ対決だ何だと言いましたけれども、市民がいろいろ迷惑するので、やはりもう少しタクシー業というものが、いろいろ数字を言っていけばこういうなかなかめんどうな問題があろうと思います。最も適正な運賃ということは、大体のところみなが納得するような運賃でやれればいいわけで、運賃の委員会というのがあったようでありますが、業界の者が寄ってこの運賃が妥当であるという運賃委員会の決定を、私らも非常に大きな参考にしたわけであって、これが道路運送法との関係は、そういう混乱が起った場合にはいろいろ法制的なことも考えなければならぬが、今の場合は組合などが何か対立もあるようですから、これが必ずしも対立激しいダンピング的な競争のもとで、お互いの利益になるわけはないのですから、組合自身がきちんとした強固な組合になって——タクシー業界自体にいろいろ問題があるわけですから、そういう問題、この料金の問題も円満に解決ができればそれに越したことはない。今道路運送法の関連において業務命令などは、私自身は検討いたしておりません。
○永山委員 道路運送法の三十三条の改善命令について検討していないということ、しかも今大臣が言われるように運賃問題は大へんめんどうだ、これはどうにもならぬと言われるほど、しかも三者間の対決だなんというような料金の問題が、結局国産車を圧迫するかどうかという岐路に立っておる。これほど騒動しておるのでありますから、大臣が下僚にまかされては——全くこのケースも、二カ月もたたぬのにまた値上げをさせるという、そういうようなことが臨時であるとかなんとかいうことを言いますけれども、そんな臨時でもって料金なんか査定できるものではないのであります。はっきり料金については、これは第八条によって「適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含む」ということで、徹底的に原価計算をして出すべきものなのであります。その原価計算をせずにおいて、ただ臨時に許可したのだからというが、そういう許可の仕方自体がおかしいのでありまして、そこにやはりいろいろな風説が飛びまして、許可を臨時に、しかも選挙中にやったのだ、だから何かあるだろうということを言われることになる。われわれはそれを信じておりません。そのことが正しいのであったのではないかということをむしろ言っているのでありますが、それをまた二カ月たたぬ間に、運輸実績もないのに、しかもちゃんと原価計算をして、利潤と原価を適正に出せということが道路運送法の八条にあるにもかかわらず、ただ業者が申請しているのは国産の中型の新車で、外国の中型車は新旧一緒のもの、これに対してはやらなかった。しかし国産の新型に対してだけ値上げをするというならば、新型は多く拾って乗客が乗るのだから、新型だけに対する実績と原価計算を出さずにやるなどということは、大よそ不可思議であると同時に、われわれのような全く普通の常識しか知らない者でも不思議に思う状態であります。さらにまた該当のない、いわゆる外車しか持っていない、トヨペットの新車も持っていないというのが百四十社加盟して、実際持っておるのは五十八社二百八両、そして申請せぬ分が八十社で四百六十、申請せぬ分が多いということは、結局これを引き上げられたならば、国産車が立っていかない。すなわち中型車を古いのと新車と一緒に計算されたと同じように、国産車も新車と古いのと一緒にして計算をしていただいて、初めてその会社の運収、経理が確立するのであって、新車ばかり持っているという会社はどこにもない。しかるにいわゆる国産車に対しては新車だけの運収及び実車キロ統計を出して、そして中型に対しては新旧一緒の分で実績表を作って、そうしてこれによって国産か、外車かの運命をきめようという、この生命にも属すべきものを軽率にやって、そうしてまた混乱がくれば業務命令の範疇に入るなどというような、全く無常識な答弁をされることは、大臣、次官は下の上に安坐されているのですが、これは重大な問題ですから、もっと強く事務当局と意見を交換されまして、大臣は直接関与されて、国産擁護のため、国産車がつぶれていくのはいけないから、中型の外国車と国産車と同じ値段では国産車に乗らない。乗らなければ国産はどうしても改善もできないし、需要も少いから、そこでこれはどうしても十円下げにしてやらなければいかぬという大臣の国産擁護の点と、運賃が下れば乗客は喜び、直ちにそれがいわゆる物価計数に影響するものではないにしても、少しでも低物価の線へ近寄るのだという国策的見地において物価を下げる、あるいはつぶれそうだから国産を育成するのだというこの二つの観点で、事務当局がいやがるものを大臣の方でやるべきじゃないと言われたのだという風評もございますが、私はよく知りませんけれども、そういうようにまで大臣の方で大きな見地で指導されたというならば、さらに事務当局の方で外車依存的な立場において、何も実績もないものを二カ月やそこらで統計も出ないものを、これを急遽変えて行く。大体前の申請は六カ月間、すなわち国産車が血と汗を流して国産愛護の立場で事業をやってみたが、どうしてもやれないのだということで、六カ月前から当局に申請して、どうしても事務当局は動かなかった。最後に大臣に陳情するということで、ようやく十円下げということがきまったのでありますけれども、それが急遽地方選挙に帰っている留守に、がたがたとまた新車だけを十円値上げるというような決定をされるというような、しかもこれを出さぬものに対しては、ほとんど当局の監督権を利用する立場において、出さなければ業務改善命令でも出すぞといったような説を——もちろん当局が出されたのじゃないでしょうけれども、これはわれわれとしてはやかましく言うものではありませんけれども、業務改善命令などというものは、ほんとうに公益を阻害したる事実ありということに限られておるのでございます。料金をわずかの間に下げて起きた混乱を、これを業界に改善命令でもって押し迫るというような暴政をあえてするということに対しては、全くわれわれは大臣がこの事務当局の上に安坐することのできない理由であることを、特に一つ付言しておきます。 さらに運賃委員会というようなものは、法的な根拠のものがどこにあるのでありますか、お聞きしたいのであります。
○三木国務大臣 法的な根拠というものはないでしょう。やはり運賃決定について諮問機関としてそういう機関がある。その機関にかけてそういう意見の一致をみたという報告を受けております。
○永山委員 局長、どういうようなメンバーでどうやられるのですか。
○真田政府委員 私具体的なメンバーの名前をよく存じませんが、東京都内の組合が五つあるいは六つに分れておりまして、何事につけてもその組合で意見が違っても困りますので、各組合から経営改善の委員とか、あるいは運賃委員とかいったものが出まして、それが一つになって研究する、そういった人たちの集まりが運賃委員だ、こういうふうに聞いております。
○永山委員 大臣はそのことをお聞きになったのでございますか、どうでございますか。
○三木国務大臣 そのことです。
○永山委員 道路運送法にあるものは何もないではございませんか。これは全くの私的な、しかも上げたい人だけの会合であって、これに反対する人は出ていないのでございますか。それはどうでございますか。
○真田政府委員 前のトヨペットの運賃を値下げしたいというときにも、トヨペットだけについて考えるよりも、全体としてのバランスをとったらどうだということで、各組合から選出された委員の方々のお集まりに、バランスのとれた運賃の改訂方法はどうしたらいいだろうということを御相談しておったわけであります。ところがなかなか御意見が合わないで、トヨペットの運賃を下げればみんな非常にすなおに話が合うというふうな——これは私のまた聞きでございますのではっきりとは申し上げられませんが、ということであったというふうに聞きまして、トヨペットの運賃が下りました直後、そういった人たちが集まって妥協点に達した。ところがその委員たちが各組合に帰ってみたら、五つのうち四つはよかろうということだったが、一つの組合がいやだと言ったというふうに聞いておるのであります。
○永山委員 委員はみなめくらなものだから、いかにも運賃委員会といった運送法に基くところの、諮問機関にしても、いわゆる公的な性格のものがあって、そういうところで審議されたのだろうというように聞いておったのでありますが、今の局長の話では、業者の者が寄って、しかも反対の者は逃げておった。そういうところできめた委員会だというようなことで、さらにこの決定に対して、事務当局は外車依存主義だ。大臣は公正な見地に立って国産車主義を唱えておる。中に入っておる河野次官は何の事情かわからずに、ただサンドイッチ的に両方で締められてめくら判を押したのだということが、しきりにいわれている。これほど重大な問題に対して、やはり運輸行政の中の自動車行政というものは、非常にウエートを持っておるものでございますから、一段と研究しなくちゃならない。そういう料金委員会というものは理由が非常に希薄でございまして、その私的な委員会に運輸省の関係者が行って、いや四本立に今度はやってやるのだ、これで許可するのだから賛成しろと言って、むしろ強要しておるというようなことを言っている。業者が全部寄っておるのではなくて、値上げをしたいという、しかも外車を持っておって、少しも国産車を持っていない会社が百四十もあるのです。そうして持っている会社というのは五十八なんです。そして数だけは実に二百社以上のものが申請しているのだというようなことで欺瞞をして、そうして委員会の人にはいかにも当局が妥当だというようなことで、次官も大臣もだまされたのだろうと思うのでありますが、そういうようなことで料金委員会も少しも公的なものでないのであって、しかもそこへ行って課長が四本立でやるのだ、諸君がこれに応じなければあとはどうなるかわからぬぞというような——どうせ事業家というものは、少しは事業上の瑕疵があるのですから、業務改善命令を何らかでやるのだぞというおどかし文句を突きつけられて、書類を受け付けさせ、そういうことでだまされて書類を出したのが、これを取り下げたいと言って申し出ているのですが、断じて許さぬということになっている。これは取り下げさせますか。決定はしても、実行は二十一日からになっておりますが……。
○真田政府委員 その申請者で取り下げるというお話は、私はまだ聞いておりません。相談があればよく研究したいと思いますが、おそらく申請されたものは、すでに認可を受けた人のお話じゃないかと思います。これはよく事実を確かめてからお返事をしたいと思います。 それから外車だけしか持っていない会社というようなお話がございましたが、確かに事業者が同じような車の配分状態でやっておりますれば、おそらく今度のように運賃について利害が対立するというようなことはないわけでありまして、そういったときにはみんなが大体同じ意見になるのでありますが、ある会社は国産車を持っておる、ある会社は外車を持っておる。それがお互いの会社の持っておる車のバランスをとろうというときに、どうしても利害が対立する格好になるのは当然だと思います。従いましてそうしたときに、それでは一体どういった基準でやるかという問題でありますが、もし国産車がほんとうにりっぱであって、自動車工業の競争にたえられるならば、全部一本にしていいのかもしれません。しかし現在は非常にたくさんの車種があって、その一つ一つについてきめるわけにもいきませんし、それを一本にするわけにもいかないということで、二、三年前からとってきておりました三本立という案については、各事業者個々についてはおのおのの不満もあったかもしれませんが、とにかくその時代はみんなが一緒になって、タクシー事業のためにやっていこうという結束ができていたわけでありますが、それが今回のように、お互いに組合が分れて争うという形になりますと、その個々の利害が表へ出てきて、どうしても意見が合わないという格好になるわけであります。しかもわれわれの方では、そういった方々が事業の発達のために、こういった運賃でやっていくのが一番公正だという運賃を出してきて下さることを建前として、申請主義というようなことにしておるものでありますから、今回のように業者が分れてけんかされるということになりますと、われわれとしては非常にやりにくいわけであります。それでこの問題もやはり根本は、組合が一本になってやっていただくということだと思いますので、とにかくまず第一に組合の統一ということに力を入れて参りたいと思っております。
○山口(丈)委員 私も二、三今の大臣、局長の御答弁に関連して質問をいたしておきたいと思います。この料金の問題は、昨年の十二月以来、この委員会で問題に実はなってきたのですが、実際に業界の実情を調べてみると、今の質問応答の中にもありましたが、外車ディーラーは外車を輸入する、そうしてそれの需要を擁護するというために、たとえば百車持っておれば、その百車両のうちでわずかに名目的に一、二両トヨペットなり何なり持っているが、実際にはその所有しておる会社から上る企業全体の利益の上からは問題にしておらない。外車を擁護するということが目的で持っておるわけです。そうしてそういうような者が、あたかも申請者の主体をなすようにごまかして申請をする。それから逆にほとんど内地車ばかり持っていて、そうして私が十二月にも申し上げたように、その内車を使って犠牲を払って、ひいては内地車の隆盛に協力するというような心がけのいい業者、こういう者に対していわば圧迫的な料金を設定させよう、こういうところに東京の業界の分裂しておる根本がある。ですから、これはずっと伸ばしていけば、今申されるように内車と外車との、いわゆる内地の生産者それから輸入する輸入ディーラーとの間のけんかに発展するものだ、そういう深い政治的な要素を多分に含んだ問題であるから、従ってこれは運輸省としては、やはりこの際は内地車を奨励して、内地産業を発展させるというところに主眼を置いておやりなさるのか、それとも日本の自動車産業は外国の自動車産業に押されてもよろしい、もう外国依存でもいい、こういう態度で臨まれるか。そこまではっきり割り切ってお考えにならないと、この料金問題というものは、単なる料金問題として解決することは困難ではないか。どういうふうにお考えになられるかということを私は質問申し上げて、一応当局の御決意というものを促しておいたわけです。しかしその目的に反して料金は改訂されておるということを聞いたのですが、それは根本的には今申したように、それではもう内地のいわゆる国産車産業はどうでもいい、自動車に限っては、特に乗用車に限っては外国にまかせてそれでよろしい、こういう考えで指導なさるのか。これが第一点。 それから第二点は、いかなる場合においても、組合とかそういうもので料金を画一的に統制して、それに強制権を持たせるというようなことは、公取法からいってはこれは違反になると思います。ですから任意申請ではあるけれども、それが同一地域内において個々のものであっては困るので、従って運輸省としては、それを認可するに当っては、ある程度の行政的指導をもってその料金を決定していく、こういうようなことで公取法に違反しない建前をとり、そして行政指導していくということは、私はその申請を認可する最も基本的な態度でなければならない、こういうふうに思って今まできたのですが、今の局長さんの言明だと、その点では違反する行為が非常に多いのじゃないかと思います。これについてどういうお考えを持っておられるか。以上大臣からと局長から御答弁願いたい。
○三木国務大臣 私はたびたび申しておりますように、タクシー料金というものの操作によって、外国車と内地車を対決さす意思はない。それでは大混乱が起ってくる。むしろ国産自動車を奨励していこうというのが鳩山内閣の方針であります。それは産業政策の見地においてやっていきたい。タクシーは現在は過渡期にある。こんなにタクシーの自動車の種類が多い国は日本以外にありません。みな非常に単一化されておる。そうであれば料金問題というものもこんな混乱したものは出てこないと思います。国産車というものが世界的な水準に達して、需要者が喜んで国産車を使うというようなことに遠からずいくと思います。またいかさなければならぬ。自動車工業をやはり日本の輸出産業としても育成すべきだとこう思うのです。しかしこの過渡期の処置として、タクシーの料金を操作して、そこで対決さすということになってくれば、都市交通の上においていろいろな不祥事が起ってくる。われわれはそういう料金の操作だけが、今お話のあるような対決の場とは考えていない。もう少し大きな産業政策の見地があるのではないかということを申し上げておるのであります。現在の過渡期の処置としては、タクシー事業という企業体がいろいろな車を持っておるという複雑な事態をありのままに認識して、そしてタクシー企業というものが安定した一つの基礎の上で事業をやっていく。各事業会社というものは種類は雑多なものを持っているのですから、それが神ならぬ身ですから、数字からいえばちゃんと割り切るわけにはいかぬでしょうが、だれが見てもまずこの辺が妥当でないか。それにはいろいろな数字の根拠も要るでしょうし、あるいはまた業者の意見も徴する必要があるでしょう。そういうことで現在のタクシー企業が、一つの安定する企業として、いろいろな車の間にバランスのとれる方法でやっていくよりほかに方法がないのじゃないか。今お話のような、料金を操作して対決さすといっても、こっちは料金の決定権を持っていない。申請主義ですから、その操作といっても、申請がないと今言ったような厄介な問題が起ってくるわけです。大づかみにいえば私はそういう考え方を持っておるわけでございます。 それからタクシー企業というものは、戦前も激烈な競争でした。料金が一定しないで、最も血みどろな自由競争の企業のもとに置かれた。そこで運転手その他に非常な労働の過重もあった。そのときには車が少かったからだけれども、今日のように車がたくさんふえてきますと、都市交通の上にいろいろな不祥事が起ってくる。そういうことでなるべく組合自体が組合の中で処置する。料金問題をめぐる組合の対立というものは、自動車企業の健全なる発達のためにならない。組合というものがもう少し守るべき共同の利益があるわけなんです。それでいろいろな点におきまして、そういうものが組合の強固な基礎になれば、料金問題のごときもその解決は非常に早いと思うのであります。だから現在のところではやはり認可主義になっておるという建前を尊重して、なるべく道路運送法の改正などによって強権的なものでなくして、こういう問題はなるべく自主的に解決できるように行政指導をしていきたいというのが、私の考えておる立場であります。
○山口(丈)委員 大臣の言われることは私には非常によくわかるのです。しかし今の局長の言葉からいうと、公衆の利益に反するものについては、強権命令を出すとか業務命令でやらせるとか言っておりますが、そうすると、今の大臣の言われることと全く逆である。大臣の言われることはきわめて民主的な方法でお考えになっておると思うのです。けれども局長の方の言われる業務命令でやるということになれば、これは申請主義も何もありはしない。ですからそれは公取法の関係からいけば、大きな誤りを犯されつつあるのじゃないか。第一料金というものを組合なり何なりで統制をして、一本の形でやるということは、それ自体が実際は公取法の違反だ、けれどもそれを個々の組合の自主的な申請によって、たまたま七十円になった八十円になったという、いわゆる自然の形において運輸省が許可するから、それで公取法の違反にならないのだ、こういうことになる。ところがもし運輸省が強権を発動して、申請しないものに業務命令だなんというようなことでやってごらんなさい。それは明らかに公取法違反だ。そしてまた組合に何ぼかの料金を統一して出せということを組合にボスがおって言うことになれば、これも公取法の明らかな違反じゃないか、これは大臣も言われるが、局長はどう考えるか、公取法からいえば大へんなことです。
○三木国務大臣 これも私の考えを申し上げておいた方がいいと思うのですが、もしそういうことで大混乱が起りますれば、業務命令ということは実際問題としてなかなかむずかしいと思う。それはそういうことで必要が起れば、道路運送法の改正を伴わなければなかなかやれないと思います。だからそれは場合によれば公共の福祉を害するような場合があり得ます。そういうふうな抽象的な、いわゆる公共の福祉に実際に反するような場合が、今度のこういう場合というのじゃなしに起ってくれば、そういうこともあり得ますが、今度の場合は、なかなか実際問題として困難性があると思います。だからそういうふうなことで、それならそれでうまくいくかというと、決してタクシーの企業の健全な発達はできない。そういうことで、できる限り組合側というものが、自主的にこういう問題が話がつくように指導をしておるということであります。今すぐに、これでいけなければ業務命令を出すのだというふうに、態度をきめておるのではないということを申し上げます。
○山口(丈)委員 私は大臣の言われることはわかるし、また事務当局をかばわれる大臣のあたたかい気持はよくわかる。わかるけれども、事務当局が今答弁をされたような誤まった考え方で指導されるということになると、これは非常に困る。そうでしょう。それでは行政官庁自身が公衆の利益に反したことをやることになるのです。そういうことでは困るので、私はやはりこれは事務当局としては、はっきりと腹のすわった、何が何でも動かないという答弁をして、業界を安心さしてもらいたい。そうでないとわれわれはどうも危なくて、そんなところにまかしておけはしませんよ。だから大臣にそれを一つはっきりしてもらいたいし、局長からも私は答弁を得ておきたい。 それから局長も大臣も、あなた方は運賃審議会とか委員会とか盛んに言われておりますけれども、これはどの法律を見てもそういうものはないですよ。道路運送法は私らが作ったのですから、これは一番よく知っているのですが、道路運送法の中にも、そんなものはありませんよ。ただ事業免許について、陸運局長の諮問機関としての委員会はある。それ以外にないです。だからこういう私的なものの集まりを重視せられて行政当局が処置をされますと、これはさなきだに、悪くいえば、大臣が認められるようにボスの寄り合いです。そう言うと業界が怒るかもしれませんけれども、私は実際にボスの寄り合いが多いと思う。怒られても私はかまわない。私も強迫されているところまできているのですからね。ですからそういうような人々の集まりの意見だけを尊重しておると、これは非常な誤まりを犯します。むしろそんな意見は聞くべきではないのです。それでもしあなた方の方で、こういう委員会なり何なりをほんとうに持って、民主的にそれらの意見を聞きたいと言われるならば、それこそあなた方は即座に法律の改正案を出して、そして正式に国会の承認を経て任命し得るような、権威のある委員会を構成せられて、そこでやられるなら、その委員会にも責任を私どもは負わせることもできますからよろしいけれども、こんな私的の、どこに何があるのかわからぬような、そんなものの意見ばかりをあなた方が尊重しておられることは、非常に遺憾だと思うのですが、これにはどういう態度で今まで臨んでこられたか。私はその点が不可解ですから、一つ明らかにしていただきたい。また今後こういうふうな勝手にきめた私的のものを、どうしてそれほどまでに行政機関として重視せられるのか、重視せられるのだとすれば、またわれわれとしてはよく考えなければならぬ。これはどうですか、明らかにしていただきたい。
○三木国務大臣 申請があれば、陸運局長の権限になっているのです。ところが影響するところが多いしするので、民間側の意見を徴する。そういうことは、それは道路運送法によったものじゃないのですけれども、そういう機関はいろいろあります。行政上の権限は陸運局長が持っているが、独断に陥らないように民間側の意見を徴する。私の聞いたところでは、今御指摘のように、ボスの集まりだというふうには聞いていない。やはりみな真剣に、自動車企業の安定するような料金をきめたいということで熱心である。しかしその性格は、今御指摘の通り、運送法によるものじゃないというふうに聞いておりますが、それは、権限は陸運局長が持っているのを、独断に陥らないように、参考に意見を徴するための機関であります。法律的な根拠は持っていないのです。それから、御指摘のようにこういう問題が非常に混乱が起れば、それは道路運送法の改正等も考えなければならぬ場合もあるかと思いますが、私の今の考えでは、なるべくそういうふうなことは自主的にきめた方がいいということで、なるべく強権主義によらないで、業界の自主的な決定でやっていくという指導を私は行なっていきたい。これは私の考えでございますが、局長も私の考え方に従ってやるわけでございますから、その間に御心配のような食い違いはないということを御了承願います。
○永山委員 ただいまの大臣の答弁の、政府で許可した料金でやっているそのような場合に、業務命令は出せぬということに対しては、一つ十分部下を督励して、大臣の命に従わせるということを、われわれは信じます。またそういうことはあり得べきじゃない。政府が許可した料金で営業しておるのに、今度業務命令で変えるなんというようなことは、法の精神から見て断然許されることじゃない。この点は、ただいまの大臣のお言葉をわれわれは信頼いたしておきます。
○三木国務大臣 私が永山委員に申し上げたのは、業務命令は今私は検討していないということを言ったのです。私はこういうものはなるべく自主的にやりたいと思っています。非常な混乱が起ってくれば、それはやはり考えざるを得ない。しかし今の私の考え方は、こういうものは自主的にしたいというので、業務命令とか道路運送法の改正というものは、現段階では検討はしていない。しかし今後のいろいろな事態に対処して、これはやはり責任のある者として考える場合もありますが、今の段階ではそういう考え方で指導していきたいと、私の現在の心境を申し上げたのであります。
○永山委員 それでは先刻の答弁より違うじゃありませんか。局長がどう言うても、こういう場合業務命令は出せぬのだ、自主的な組合の一元化に応じて、組合をしてやらしめるのだということを言っておって、そして今度研究していないというような言葉でまた打ち消されたのでは、これはきわめて不明朗じゃないですか。
○三木国務大臣 実は私は業務命令ということは、この委員会に来るまで考えていなかったのです。私は今までよくその業務命令の法文を読んでいないのです。それで研究していないと言ったのですが、私自身今ここで話を聞いておったのでは、この場合業務命令の適用というものはなかなか困難だという印象を受けましたが、私自身条文も読んでいないのですから、今後事態の推移によって研究いたしますというお答え以外にはできないのです。条文も知らない者がいろいろなことを申し上げることも、これは責任を持つゆえんじゃないというので、そういうことを申し上げたのであります。
○永山委員 ただいま質問いたしているのは、政府の認可した分の料金で営業しておる。それに対して、業務命令で改訂を命ずることができるかどうかということを問うたところが、そういうことはできないのだ、こういうように大臣は自分の感覚では考えているということはけっこうですが、同時に自分の命令通りやらせるのだという局長の答弁を、自分の答弁でいいのだ、こうおっしゃるほどなのでありますので、ここをはっきりしてもらいたい。当局の方はあとで言葉を訂正されたので了承はしております。政府の認可した料金で営業しておるものへ、それを業務命令でこの料金を変えるように命ずるというようなことを意味しておるのじゃないというように、真田局長もあとで言われておりますので了承しておるのですが、しかし大臣のように打ち消されたのではどうにもならぬので、そこを一つ伺いたい。
○三木国務大臣 打ち消すわけではないですけれども、これは今申したように、今まで自主的に組合で解決できるようにという方針を私は述べておったので、しかしいろいろな混乱が起ってきた場合には、責任者としてどういうふうにこれを処理するかということについて考えざるを得ないわけでありますから、今までそういうことは考えておりませんでしたけれども、業務命令の法文もよく検討してみたいと思っております。
○永山委員 混乱が起きたらということを言われるのでありますが、もし混乱が起きるとすれば、政府が二段構えに許可したということが原因です。業者に業務命令をかけるというようなことはあり得ないことであるし、また法の精神が業者の申請主義によっておる。そして自主的にやるということになっておる。それに従って当局は許可しておるのでありますから、これに従って営業しておるものに対して業務命令をかけるということはあり得ない。法の精神から見てもどうしてもない。これが当然なことであるわけでありまして、その他の事由をここに書いてありますが、公益を阻害する事実という、その他のいろいろな問題があるときに対しては、それは考えられるという大臣の御答弁は了承しておるのですけれども、これ自体の問題に対して、業界の混乱もないでしょうし、またかりに混乱があるとすれば、政府自身がそれを許可したことによってあるわけでありますし、また安いものに乗るのに乗客の文句があるはずはないから、これらの点に対してはっきり答弁されなければ、いつまでたってもそういう法の精神に反することに、そうこだわる必要はないじゃないかということを言わなければならぬ。そして実際上五五年の新車の水揚げの一覧表から見ましても、今の料金でやってトヨペットが一日平均八千四百円、ヒルマン八千五百円、オースチン八千四百円、ワーゲン、オペルはまだ入っておりませんが、こういうようにとにかく十三社にわたって実に百両からのものを調査して出して、そして原価計算から見ましてもトヨペットが一キロ十八円四十七銭、ルノーが十九円五十五銭、ワーゲンが二十円四十八銭というように、いろいろ原価計算の点から見ても、大体大臣が前に御許可になったのが適正なものであるということが計数上出てきておるし、実績表から見ても原価計算から見ても、大臣が御許可されたやり方の方が適正なのだということが出ておるのに、それをまた二カ月足らずで、責任者としての大臣はお知りになるかならぬか別として、委任事項であってもまた上げられるということに対しては、大臣の政治理念を疑う。政治思想が非常に疑われざるを得ないのじゃないかということを言うのは、総合政策の上に立って国産車を維持育成するということについては何人も異議がないし、そうやっておるのですが、その中で今料金問題に国産を決定的な窮地に追い込んでおる盲点があるのだから、これを一応是正するということが、今日の自動車行政上一番大切な国産維持育成の重点であるのに、料金によって国産を愛護するなどという考えはないということはもう形式論で、総合政策で運営していったところが、たまたま料金問題が決定的な要素になってきたのだからして、これに対して重大関心を持って、そしておれは国産維持育成のために許可したのだということをお言いになるのならけっこうですけれども、今度は外車側の運動で、またこれを新車に対しては不当であったから、十円上げるというような考えでおやりになるからして、結局自動車行政に対する大臣の理念が、非常に統一を欠いているということを遺憾ながら指摘しなければならぬ結果になるのでございます。この点に関してもう一度大臣の御答弁を願います。
○三木国務大臣 それは思想などの問題ではないのです。私が今最初に申したように、過渡的な時代にはタクシー企業が安定してやっていけるということを考えるべきで、それを今永山さんの御指摘のように、そこでもうタクシー料金で勝負をつけてしまう、そういう考え方はやはり交通政策上いろいろな不祥事件を起すのではないか。だから現在の過渡期の処置としては、タクシー企業の健全なる経営ができるような基礎の上に立って、運賃を考えていくということが妥当である、こう考えております。
○永山委員 業務命令についてはどうですか。
○三木国務大臣 業務命令は私は検討しておりません。御指摘のようにいろいろな問題があろうと思いますので、そういう場合もいろいろ考えまして検討を加えてみたい。なかなか実際問題としてこれはいろいろな困難性もあると思いますけれども、しかし十分検討しておりませんから、業務命令については今後よく検討してみたいと思います。
○永山委員 業務命令関係については、大臣はよく検討するということでありますが、私が質問しているのは、結局料金の改訂を政府の命令通りやっているものに対して、業務命令が出せるかどうかという点であります。これを一つはっきり局長からでも答弁を願いたいのであります。
○真田政府委員 今回の運賃の問題は別にいたしまして、法律的な解釈として、認可を受けているものに対して業務命令を出せるかというお話でありますが、これは極端な場合を考えますと、たとえば百円なら百円ときめていた、しかし物価が下ってみんなが八十円にするといって八十円に下げたのに、その人だけが百円にしているというときには、もと認可を受けた運賃ではありますけれども、今の経済情勢では七十円なり八十円が正しいということになって、七十円なり八十円にしなさいという命令を出すことがあると思います。しかしまた逆に、みんなが商売が苦しいから百円にしたいと言っているのに、自分だけが何かの方法で六十円なら六十円でダンピングして歩いて不当な利益を得たとすれば、それは六十円にして業界を攪乱してはいけないから百円に上げなさいといって、かつて認可を受けた料金であってもそれを直せということは、そういった場合にはあり得ると思います。
○永山委員 私は仮定論を聞いているのではないのでありまして、現実においてこういうように当局は新車に対する統計も全くなくして、いわゆる外車に対しては新旧を合せたもので、新車だけの統計はなく、そうしてずさんな原価計算と実績に応じてやられておる。それでわれわれの方の調査によれば、むしろ前に許可された方が適正なという統計を出しておるのでありまして、それがために、しかも業者の車を持っておる過半数以上の人が申請せずにおる、こういうような場合において、料金を上げろという方面に向っての業務命令ができるかどうかという具体的な問題を聞いているのでございますから、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○三木国務大臣 いろいろ重ねての御質問ですが、これはそういう場合についてはいろいろ検討しなければならぬので、御指摘のように簡単にいかぬ問題があると思うのですけれども、しかし今私が言っているのは、こういう問題がことさらに紛糾するのは何か、それは組合の非常な対立がこういう問題に一つの焦点となって料金問題に現われている。今私が努力しておるのは、この組合自身もそういう競争のもとで、結局大きく見れば、やはりどちらが勝っても負けてもタクシー企業全体の発展のためにプラスになるとは思えない、そういう点でこのタクシー企業というものが全体として安定ある企業としていけるように、組合の今の対立が緩和できて、そうして全体の利益を守っていくように、そういうことで努力をしておる。だから、それがどうしてもできぬという場合には、やはりそれはいろいろな場合を検討せざるを得ないわけです。しかし今考えておるのは、どうやって業務命令を出そうかというようなことを考えておるのではなくして、組合自体をもう少しまとまりのある組合にして、お互いの利益を守っていくようにできないかということで努力をしておるので、今私自身が業務命令について法律的にどうとかいうことを研究しておるのではないことを申し上げたので、どうしても混乱が起るという場合にはいろいろな場合を考えなければならぬが、現在のところはこういうことを検討しておるのではないのである、組合の一つの強化ということについて努力しておるのだということを御了承願いたいと思います。
○永山委員 大臣は結局混乱を来たさないように、業界の一元化ということの指導によって、本問題が将来かりにおもしろくない場合でも、その方途によってこれをやってみたいという考えであることを言明されまして、われわれはそれを期待をいたしておるのでございます。重大問題でございますから、自動車行政に対しては一段のよき指導と監督をお願い申し上げまして、本料金問題に対して業務命令を出すという考え方でなくて、業界の一元化ということで指導していきたいという大臣の気持を了承いたしたいと思うのでございます。 そこでわれわれ事務当局に対して大臣及び次官に特に十分なる指導、研究をお願いしなければならぬ点として、道路運送法にございます自動車運送協議会の性格の問題でございますが、この道路運送協議会の答申は需給調整が第一点でございまして、この需給調整に関して運送協議会が答申したものに対しては、これを尊重しなければならぬということが道路運送法に明記されておるのでございます。この点に関して現東京陸運局長宮田氏が福岡の陸運局長時代に行われた答申を無視したる処置の事実があるのでございますが、これに対する当局の資料が今出ていないので非常に残念に思うのでございますが、これに対して大臣の方では一応御調査になりましたか。当局はどういうふうに見ておられますか。
○三木国務大臣 そういうことはまだ調査というか、私は聞いておりません。
○永山委員 昭和二十九年の八月十九日に意見書として、財団法人全国乗用自動車協会は福岡市内における新規免許に対し、宮田前福岡陸運局長のとりたる行政措置に関する件ということについて、当局へいわゆる全国業界の総意に基いてこれが御意見を承わっておるのでありますが、どういうわけで御調査が進まないのか。
○真田政府委員 この件は大分古いのでありまして、大臣が御就任になりました時分には、すでに全国乗用自動車協会からこの問題についてはもういろいろと言うことをやめたという声明を出しておりますので、大臣にはお話してございません。従いまして大臣に、二、三日前の資料要求のときにも、資料がまとまりましてからお話をするつもりでおりましたので、御連絡してございません。
○永山委員 この道路運送法による自動車運送協議会の答申に対して、これを重要視するか無視するかということは、実に道路運送法の改正の根幹をなすものでございまして、これに対する意見を徴してある場合において、業界がこれに対してはこれ以上言わぬというような言葉があったから、ないからということとは別途の問題でございます。事務当局が半年にわたって、しかも全国的な業界の問題として論議されたことに対して、大臣へまだ報告していないということについては、この事務当局の事務の怠慢に対しては全く驚き入った次第でございます。これに対して資料を要求いたしておるのでございますが、どういうわけでこれが早く出てこないのか。
○真田政府委員 先ほど申し上げましたように、できれば資料をまとめて差し上げたいと思いまして、この間のお話では行政監察の中薗さんでしたか、調べに行かれたときの質疑応答がどうもおかしい、速記録でもあればというお話で、そういったこともございましたので、九州の局の方に照会いたしてございますが、まだ速記録についての返事がございませんものですから、きょうお出しできなかったのでございますが、この問題は、一つは陸運局長がとった免許処分は妥当であったかどうかという問題、もう一つは、陸運局長の異動についてこれが適当であるとかないとかいう問題でありまして、これは普通意見書といったもので出た場合に、お返事に非常に困るような問題でございまして、処分が悪かったという返事は出ませんし、よかった場合にわざわざよかったからというお返事をするのもかどが立つということで、別に出さなかったのでございまして、その後九州ではみなが話し合って、今後はお互いによく話し合っていきましょうということで、現地で円満に話がついたということを聞きましたものですから、われわれの方でも特にいろいろなことについてお返事をしなかったわけでございます。
○永山委員 行政監察特別委員会の方が内調査を進めていた事実があることは、ただいま局長が申されたのでございますが、 〔委員長退席、山本(友)委員長代理着席〕 行政監察特別委員会の事務局さえも内調査を進める情勢にあったものを、運輸当局の局長限りでこれを無視して、実情をよくたださないというようなことは、われわれは事務当局の考え方に全くあぜんたらざるを得ないものがあるのでございますが、本問題に関しましては、一応資料を提出していただきまして、十分検討を続けていかなければならぬと思うのでございますから、いろいろの資料が出ますまで発言を留保いたしまして、すみやかに資料の提出をお願いいたすのでありますが、大体いつごろならあらゆる資料が出そろうのでございますか。
○真田政府委員 福岡関係のものは、一両日中にできると思います。それから先ほどもお話が何回も出ました外車を新旧に分けるものにつきましては、局の方に督促しておりますので、できるだけ早く出させますが、ちょっと日は今申し上げかねます。
○永山委員 道路運送協議会の問題に関する点、自動車運送協議会に関する諸問題に関しましては、資料が出たときに質問を留保します。 さらに運輸当局の自動車行政に関連をいたしまして、ガソリン税の問題について、当局は低物価主義でいくのだ、そして減税をやるのだということを絶えず主張されておるようでございますが、今回のガソリン税の二千円値上げは、まさに低物価政策に反するものでありますと同時に、業界をしていよいよ経済上窮地に陥らしめる態勢にいくのでありますが、これに対する大臣の所見を伺いたい。
○三木国務大臣 税金は御指摘のように上げないに越したことはないのでありますが、地方財源にもこれをいたし得ますし、いろいろな見地からガソリン税をある程度上げるということは、やむを得ないのじゃないかという結論に達したのであります。
○永山委員 減税をやるという態勢でおりながら、ガソリン税の二千円の値上げでございますが、大体この値上げによりましてタクシーはどのくらい税金が上り、トラックはどのくらい、バスはこの値上げによって一台どのくらい税金が上るものであるか。大臣は御存じですか。
○三木国務大臣 自動車局長からお答えいたさせます。
○真田政府委員 全体の自動車に対して約五十億の増額になることはわかっておりますが、車種別につきましては、きょう資料を持っておりませんので、後ほど調べてお答えをいたします。
○永山委員 自動車局長は一大権威でありながら、資料がないと言われるならば仕方がないのでありますけれども、ガソリン税の二千円の値上げによって、タクシーはどのくらい、トラックはどのくらい上るというくらいのことは、大臣へも次官へも報告をされておると思う。これが不当のものであるかどうか。とにかく減税と低物価と言いながら、運輸省だけは逆コースを行くのだ、そうして業界はただいま申しましたような苦しい状態に追い込まれて、血の出るような戦いをいたしておるときに、このガソリンの税金を上げられることにおいて、大臣はいわゆる鳩山内閣の大きなる政策として、これに対して断固反対をさるべきではないかと思いますが、現在東京都内ではタクシーはガソリン税を約十万円一台についてかけておるのでございます。そこで二千円値上げによって、二万円のガソリン税の負担増になる。トラックは一万六千円から八千円の負担増になる。バスは二万四千円の負担増になるのでございまして、これほど大きな増税はないのでございます。あらゆる点において減税を主張しながら、この一番経済の困難な状態に追い込まれておる事業者に対してしわ寄せされるというようなことを、平然として運輸当局が見ておられるところに、私は大臣のいわゆる自動車行政に対する理念がきわめて薄いということを、前からあらゆる観点で指摘をいたしておるのでございますが、この増税関係について大臣は、やむを得ぬのだというようなことで、鳩山内閣の施策と相反するものであるということを深く認識されないのでありますか。
○三木国務大臣 これは運輸省だけの関係でもございませんが、今申したように政府が減税をするという約束をしたのは、やはり公約通りに実行いたしておるわけであります。所得税あるいは法人税等について約束をしたのであります。消費税の面においても、なるべく税金は上げないに越したことはないのですが、いろいろ地方財政ともにらみ合せて、やむを得ないものとして承認をいたしたわけでございます。
○永山委員 大臣は結局直接税、所得税等の関係は減税されておる。運輸当局にしわ寄せを食って、地方財源の関係等もあって非常な増税になっておる点は、ほおかぶりじゃないということに対しては、われわれがこれ以上言っても、理念の問題でありますし、大臣の閣議におけるウエートの問題もございまして、私は全く事務当局に責任があると思う。事務当局はこれに対して十分大臣の補佐をしてほしい。減税を主張し、他のあらゆる面がみな減税を受けながら、この自動車、バス、トラック等の一番困難を来たしている業界にしわ寄せをしていく。これ以上料金を上げることは困難な情勢で、上げれば需要がないという立場に追い込まれているところに、燃料費も上ってくる。しかもその上り方たるや、一台に対して二万円であるとか、一万六千円であるとか、二万四千円であるとかいうような膨大な増税になるということに対して、自動車局長が補佐の責任を全うしないところに、大臣の認識、次官の全く認識を誤まらしめたのじゃないかということを、われわれはまことに残念に思っておるのでございますが、現在予算面上に現われておりますところのこの揮発油税は、どれだけに算定されておるのでございますか。局長わかりますか。
○真田政府委員 三百五十四億でございます。地方道路税の関係が約百十八億、それから国税としまして二百三十六億、合せて三百五十四億というふうに記憶しております。
○永山委員 この二十九年度の需要量の推定と、三十年度の需要量の関係等から見まして、大蔵当局は非常に財源を低く見積っておるのでございまして、現在自動車がふえておりまして、その需要量を正しく計算した場合においては、値上げをせずして、しかも現在のいわゆる予算面にある揮発油税が徴収できるということが、計数上明らかになっておるのでございますが、この点に関して一つ当局の方で今直ちにわかっておりませねば、需要量をどういうように二十九年度を推定されておりますか、三十年度をどういうふうに需要量を推定しておるか。そこで値上げの場合と、値上げせない場合とにおいて、どういう数字が出てくるかということを、一つ資料として要求をいたしまして、その資料が出ましたのに基いて、大蔵当局に数字の魔術がありまして、結局値上げをせぬでも、今日予算面に現われておるところのこの揮発油税以上のものが、事実上収入で出てくるということを、はっきりわれわれ委員会で認識を新たにいたしまして、そしてこの問題は増税の問題とからみ合せまして検討をいたしたいと考えますので、委員長、その資料が出ましたときに、この燃料問題についての質疑を続けることを留保いたしたいと考えるのでございます。
○山本(友)委員長代理 了承いたしました。
○永山委員 さらに当局にこの自動車、ことにタクシー、ハイヤー関係の金融措置に関する面に対して、どういうように当局は指導し、あるいはお考えを持っておられるかを聞きたいのであります。
○真田政府委員 自動車関係の金融につきまして、ここ二、三年前までは開銀等からの融資も受けられて非常によかったのでありますが、その際にも非常に制限的でありまして、他の交通機関のないところに走っている自動車に対する融資であるとか、電源開発のために必要なトラックであるとか、そういったふうに非常に限局されたものだけについて正式に認められたのでありまして、その他につきましては、いろいろの努力はいたしましたが、一般の市中から、実際に事業をやっておられる方々の資力、信用によって借りておられるというところまでしか、われわれとしても力が及ばなかったわけでありまして、常に金融関係の問題についていろいろと話が出ますたびに、自動車関係としても要求したわけでありますが、何分にも一般に自動車が少し多過ぎるとかなんとかいうふうな、東京都内だけを見ての間違った考えといいますか、そういったものが非常に強くて、自動車はほうっておいても伸びるのだというような印象を非常に持っておられるようであります。その点がわれわれとしても非常に説明がしにくい立場にありまして、そういったことにつきまして、東京は例外であるということをよく話してやっているのでありますが、現在の状態ではどうもわれわれの力が及ばないというような状態であります。
○永山委員 この自動車関係はいわゆる運輸事業でございまして、あらゆる原価に影響するのでございますから、やはりガソリン税の値上げを受ける、あるいは車両税を上げられる、しかも金融的措置は困難だというような、あらゆる面で圧迫を受けてくる態勢になったのでは、営業が全く困難に陥ることになるのでありますので、いわゆる政府の低物価政策にも逆行いたすものでございます。この金融的措置は全く顧みられていないのでございますが、これらの措置に対して一段と当局の方でこれら業者に対しての措置を、日銀並びに他の金融機関に強く推進されなければならぬことでございまして、ことに最も顧みられないのはタクシー、ハイヤー業者でございまして、この点は大臣なり次官なり、これらの面の金融的措置を一段と研究を願いたいのでありますが、さらにこの場合道路をよくするということにおいてガソリン税の値上げをするのでありますが、道路を損傷いたしているものはガソリン車のみではないのでございますが、他の道路を損傷いたしている乗物に対しては、どういう税的措置が行われているのでございますか。ことに聞き及ぶところによりますと、ディーゼル車に対しては、ガソリンは年々上っていくのに、このディーゼルの軽油に対しては何ら税金はかけていないのでございますが、これに対しては当局はどういうふうにお考えになっているか。
○三木国務大臣 今ディーゼル車に対しても課税問題というか、検討を加えており、全然問題が起っていないわけではない。まだ政府の案としては出てきていないのですが、今事務当局の間でいろいろ検討を加えられている最中でございます。
○永山委員 道路を損傷するのは、いわゆるディーゼル車の大バスでございます。ことに観光バス等でございますが、これらに対する税の均衡ということに対しての考え方は、どういうふうになっておるのでありますか。
○三木国務大臣 ある程度やはり均衡をとらなければならぬと考えております。しかしどの程度のものにするかということについては、まだ今検討中でございます。やがて成案を得ますれば、御批判を受けたいと思っております。
○永山委員 ただいまの大臣の意見では、ディーゼル車に対しても、税の均衡上何らかの処置をとるというようなお考えでございますが、結論的にはまたこれも増税への道へ行く以外はないのでございまして、かくしていわゆる運輸関係のものにあらゆる税の増税が行われるということに対しては、輸送関係は重要な物価形成の要素をなすものでございますので、われわれはこの場合ガソリン税を上げずに税収入があるということを信じておりますと同時に、このディーゼル車に対しても、課税関係を増税にならないという観点でお進めになるということが適正じゃないかと思うのでございますが、均衡課税の面から見まして、大蔵省は運輸当局に対してディーゼル車の五割車両税値上げを強く要望しておると聞いておるのでございますが、そういう事実がございますか。
○三木国務大臣 今課税問題が起っておることは事実ですが、どの程度かということはまだ検討中でありますから、今お話のような五割車両税を上げるというような具体的なところまではいっていないのであります。まあ一つ成案を得ますれば、これらの御批判を得たいと思っております。
○永山委員 自動車行政の地位はきわめて重大でございますので、大臣並びに事務当局の方もあらゆる観点において一つ十分勉強をされまして、万全を期して業界の安定をはかると同時に、増税にならないように特に一つ御留意を願いたいと思うのでございます。 ディーゼル車の課税の均衡問題は別の機会にまた一つ申し上げることにいたしまして、さらに今日労働基準法で、タクシー業者は二十四時間制をとって一日交代にやっておるのでございますが、これを労働基準法においては適当でないから、八時間昼夜交代制を一日二交代制に変更するように、労働基準局の方から指示があっておるのでございますが、これらに対しまして自動車局の方はどういうようなお考えを持っておられるのですか。
○真田政府委員 労働基準法の特にタクシー、ハイヤー関係の従事員に対する適用は一応除外されておりましたが、昨年その除外規定がなくなりまして当然適用されるようになりましたが、現実のタクシー事業の従事員の勤務態様というものはなかなか複雑でありまして、簡単にその基準に合わすということは非常にむずかしいということで、寄り寄り基準局なりあるいは事業をやっておられる代表の方々とお話し合いをいたしまして、大体この問題としましては基準局が主になってやっておりますが、そこにわれわれの方からも出席いたしまして、いろいろの問題を審議しておるわけでございます。大体今の状態は一度に直すことはむずかしいから、ここ二、三年かけて、徐々にそういう態勢に持っていこうじゃないかという方向に進んでおるように聞いております。
○永山委員 これは船員法のように、労働基準関係をこの道路運送法の中へ取り入れられまして、いわゆる特殊事業でございますから、これに即応する労働基準を設けるべきではないかと考えておるのでございますが、ここに法的には昼夜交代を認められてない。しかし行政的措置として二、三年のうちに昼夜交代をなくして、一日交代制に持っていこうというような今の考えでございますけれども、法的に認められないものを行政的措置で、二、三年かかってやるというようなことが、なかなか業界の不安を来たすものでございますので、どうしても抜本的な考え方を一つ当局がお持ちにならなければ、業界の安定を得ないのでございます。この特殊事業と申しますことは、使用者だといいながら事実は事業者でございまして、百万円以上の車を持って、自分でその日営業をして帰るのでございますから、全く自分の思うままに営業をするのでありまして、使用者でなくして、むしろ一つの営業者であるとも見ることができます。すなわち夜一番需要者の多いところをねらいまして、そうしてそこへ待機して、昼間は全然働かずに休んでおるという者もおりましょうし、要するに需要面が場所的に時間的に違っておるのでございまして、そうして持っておるところの百万円以上の車をもって、自分の意のままに事業をやるのでありまして、結局拘束時間というものはない。みずからが拘束をするだけでございまして、ここで二十四時間制が適用されるということは当然なのであります。むしろ労働者の運転手の方は、そのことがからだのために一番いいのだ、二交代制にしてもらえば、夜の部の人は絶えず朝方帰ってまた夕方出てくる。朝帰って夕方出てきても、寝るまでには自分の家へ帰るのにこういう状態でありますから一時間以上かかる。さらにまた夕方出てくるということになれば、全然夜の部に回った者は昼間の休養をすることが困難な状態でございまして、逆に二交代制でいくことが、非常に事故率が多いというような体制を持っている会社もございますし、非常に設備のいいところは、自分の家へ帰らずにそこで休んでやるから、そのかわり一週間も自分の家へ帰らないという結果になっておるのでございます。従ってこれらのあらゆる事業の特殊性を考慮されまして、労働基準法の問題については一つ一段の構想を持って、労働省と体当りをされなければならぬと考えておるものでございます。 さらに当局はナンバー更新をやるということで、現在業者がつけておるところのナンバーを新しいものに変えるということを計画されておるのでございますが、これらも一つの協会がありまして、協会の独占的な事業になっておって、かりに五百円であるとすれば、実に六億からの費用を協会が負担しなければならないのでありまして、料金改訂によって、メーターの変更だけでも直ちに二千円はかかる。さらにナンバー更新をやるというような工合に、要するに外郭団体の協会のごとき、しかもそれに運輸省の古手蟠踞がいたしておって、そうして利権的な立場においてナンバーの更新をやるというような状態でありまして、業界はあらゆる面においていろいろの諸費用を負担せしめられ、そのしわ寄せを受けておることに対して、遺憾の意を表しておるのでございますけれども、現在のナンバーをどういうわけで変えていかなければならぬのでございますか。
○真田政府委員 まず最初に、誤解されているといけませんので申し上げておきたいのでございますが、今度のナンバーは全部すぐ取りかえろというのではないのでありまして、ナンバーを取りかえる必要の生じたときは、新しいナンバー・プレートを使えということでありまして、新たな負担を課したことにはならないのであります。それから変えました趣旨は、警察官等が非常に番号が見にくい、細いのをもう少し字を太くしてくれとか、番号が非常に大きくなりますと、何万何千というのが非常にわかりにくい。それをイロハを使って万の単位を現わすとか、そういった趣旨で変えたのでございます。
○永山委員 現在のものをすぐ取りかえろというわけではないということでございますけれども、事実上検査場に行った場合においては、ナンバーが新しいのでないと、当局の方ではこれは監督上も適当でない。いろいろのナンバーが出ますからして、すみやかに変えるべきだということの考え方で検査をやられるのでございますから、これは自主的に変えさすのだといいながら、実は強制的に変えざるを得ない態度に追い込まれるのでありまして、現在のナンバー自体でこれが取締り上困難だというようなことは考えられぬことであります。ただこれらの点に対して、いたずらにこれを取りかえるというようなことが行われることになりますれば、業界はつい一年前も取りかえて、またこれを取りかえるということになりまして、非常に営業上の点で迷惑をしておるわけでありますので、当局の言われるように、これを強制化するという考え方でなしに、その車に対してのナンバーは取りかえぬでもそのまま車一台使わすのだ、こういう指導方針を確立されまして、部下の監督を十分されることを期待いたして、いまさらこれをやめろといっても、すでに発表されておられることでありますので、どうすることもできないかと考えますので、これらの点を一つ十分留意されたいのであります。 さらに一つ、外車の輸入問題等について当局と根本的にやらなければならぬのでございますが、一応資料として要求をいたして、外車の輸入問題に対してはその資料が出てからに発言を留保いたしたいのであります。資料の要求といたしましては、組み立て会社が国産化を目的として外貨割当をされておるのでございますが、これに対する国産化の進行を一つお示し願いたいのであります。その状態を見まして、外車の輸入問題すべてを一つ総合的に発言をいたしたいと考えておりますので、外車輸入問題は一応その資料によって検討を続けたいと考えております。このことは、国産車か外車かという総合政策の一環の中にもまた見出すものでございますので、十分検討を続けたい。 さらに自動車保険の問題に関しまして、やはりこれは業界に非常な負担をかけることになるわけでございます。これに対しまして、いわゆる組合が共済制度としてこれを実行するというような考え方と、政府の意図されておるところの自動車保険との関連性については、組合自体が共済制度としてこれを自主的に実行するということに対しての考え方は、どのようにお考えになっておるか。
○真田政府委員 ただいま自動車損害賠償補償制度につきまして、法制局と話し合いといいますか、法制局の検討を受けておりますので、いずれ近いうちにこちらに出しまして、いろいろと御検討を願うことになると思うのでありますが、保険のやり方をどういうふうにするかという問題につきましては、非常に何度か案の変遷がありまして、現在では保険に入る人は一般の保険会社に入って、それを国家で再保険しておる。それから一部、国が強制しなくても、その会社なり事業者が十分に被害者の保護をはかることができるような資力とか信用とか、事故の今までの趨勢、すべてそういったものについて考えまして、そういうものについては、自家保険という言葉を使わないで、自家補償というような言葉を使っておるのでありますが、そういったものを認めてはどうかというふうな考え方で、目下話し合い中でありますが、組合制度によるものにつきましては、現在の案には入っておりません。
○永山委員 この点は今法制局といろいろの研究を進められておるようでございますので、大体の構想がまとまりましたら、一つ要綱としてでも御提出を願いまして、それを中心に検討を進めたいというように考えております。いわゆる自動車行政に対する私の発言は、留保いたしましたものを除いて、これで一応中止したいと思います。
○真田政府委員 それから先ほど資料提出の御要求のありました、外車を組み立てておりますものの国産化の程度その他、実はこの組み立て関係は通産関係でございますので、通産関係によく照会して出しますが、もしこの関係についていろいろのお話がございました場合には、通産関係からもいろいろとお話をお聞き願わないと、運輸省だけで申し上げると、あるいはひとり合点というようなことがあるかもしれませんので、その点はお含みおき願いたいと思います。
○永山委員 ただいまの点は了承いたしましたが、要するに運輸当局が非常に他省より弱いという点が、絶えず圧迫を受けておるのでございますから、私は運輸当局のきぜんたる態度を要求いたしておるのでございます。 なお資料の点に関連しまして、行政監察特別委員会の中薗氏が調査に福岡においでになっておるのでございますが、資料がまとまりまして、この次にその問題を取り上げるときには、宮田東京陸運局長並びにこの中薗氏の参考人としての出席を、委員長にお願いをいたしておきます。
○山本(友)委員長代理 承知いたしました。 本日はこれで散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後四時五十七分散会