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22回国会衆議院1955/03/28

運輸委員会 第3号

発言数
41
登壇者
8
会派数
3
開催日
1955/03/28

会議録

原健三郎自由党

○原委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  最初に運輸省の各局の所管について御説明申し上げる予定でありましたが、時間の関係上、とりあえず所管の説明資料を各位のお手元に配付いたしておきましたので、御参考としてごらんいただきたいと存じます。各局所管の説明は後日に譲りたいと存じます。  次いで、前回設置いたしました観光に関する小委員及び小委員長の指名を行います。理事会にお諮りいたしました結果、その数を十名とし、   岡崎 英城君  濱野 清吾君   堀内 一雄君  眞鍋 儀十君   木村 俊夫君  畠山 鶴吉君   青野 武一君  栗原 俊夫君   大西 正道君  小山亮君 を小委員に、小委員長に畠山鶴吉君を指名いたすことといたします。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 次いでお諮りいたします。小委員会の設置についてであります。すなわち理事会の申し合せによりまして、鉄道電化並びに建設促進に関する小委員会及び港湾整備促進に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 御異議がありませんので、さよう決定いたしました。  なお小委員の数及び小委員及び小委員長の指名並びにその時期等につきましては、委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 それではさよう決定いたしました。後刻理事会に諮りまして、相談の上決定いたしたいと存じます。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 それでは陸運に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私は運輸大臣に質問をいたしたいと考えますが、それは保留いたしまして、まず事務的に御質問申し上げたいと思います。今も自動車業者から陳情がありましたが、ハイヤー、タクシーの料金問題を中心にいたしまして、大きくは国内の自動車産業を奨励して、大いに国内における純国産車の増強をはかることによって、一つは外貨使用の節約をはかり、一つは国内における重要産業の強化促進をはかる、こういう大きな見地に立って、国内における自動車料金もまた設定せらるべきであるということでいろいろ論議されて、トヨペットに対する料金の改訂が行われたということは、昨年の十二月からずっと主張をいたしまして、それがいれられたものだと考えておるのでありますが、最近に至りまして、自動車の料金をめぐって業界も非常な競争といいますか、動揺といいますか、そういう事態が生じつつあるようでありますが、将来自動車局としましては、この料金の立て直しについては非常にむずかしい問題をはらむと思いますけれども、今後ハイヤー、タクシーの料金をもし改訂するとすれば、どういう方針をもって改訂されようとするのか、それをまずお聞かせ願いたいと思います。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 ただいま自動車運賃の改訂についての方針と申しますか、考え方についての御質問でございましたが、先ごろのトヨペットの運賃値下げ問題の際に、できれば全体としてのバランスのとれた運賃に改訂したいということで、トヨペットの運賃値下げについてもかなり時期があったわけでありますが、どうしてもなかなか話し合いがつきませんので、事案をそのまま置いておくわけにはいきませんので一応解決いたしましたが、その後統制のとれた運賃を作るために、都内に組合が幾つかございますが、その組合から代表者を出していただきまして、運賃委員会というものを数回開催いたしまして、恒久的な運賃と、それからそこへ持っていくまでの過渡的なバランスのとれた運賃、こういう二つの考え方で進めて参りまして、われわれの方も将来はこういう形に持っていくのだが、それまでの間車の状態その他を考えて、過渡的にはこうして、また別のこうした形の運賃を作るということにつきましては賛成でありましたので、その話し合いがうまくいくように、こちらからも人がオブザーバーとして出席しまして、話し合いを進めておりましたが、最近に至りまして大体都内のおもな団体五つの四つまでが、こういう案でいきたいということに対しまして、一つの組合だけがどうもそれに賛成しないということで、全体としての意見の一致を見ませんままに、四つの組合から恒久的な運賃と過渡的な運賃の一つの見通しをつけまして、過渡的運賃についての申請があったわけであります。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私は今のこの措置につきましては同感でありまして、少くとも私は今外車をお持ちの業者が、もちろんその車を利用する営業を続けるに必要なる措置を講じて、混乱を防ぎますことももちろん大切でありますけれども、しかし現在外車と国産車のいわゆる稼働車両数の比率を見ましても、あまりにも国産車が圧迫を受けつつあるのであります。従っていま少し国産車を大きくすることによって、外貨もまず第一に節約をはかって、もっと有効適切なる方面に外貨を使用する。そうして建設的な経済計画を助長するために必要な措置を講ずることが必要であると私は信ずるのでありますが、一体今日本の国内において稼働しておりまする外車と国産車の概数及び国産車に対する外車のパーセンテージはどういうことになっているか。また外車、また国産車を問わず、型式、すなわち大型、中型、小型に分けまして、国産車と外車はどういう比率になるか、お調べになったことがあればお知らせ願いたいと思います。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 外車と国産車の数のこまかいのはちょっと今探しておりますから、後ほどここにございましたらお知らせいたしますが、中型、小型という種類の分け方でございますとこちらにございますので、御説明いたします。乗用車といたしまして、普通車が八万五千両、これは十二月末現在でございます。小型車といたしまして、小型に四輪、三輪、二輪とございますが、一応四輪車だけが問題になると思いますので、その数を申し上げますと五万三千、合せまして大体十四万両近くございます。普通車の方がまだ多いわけでございます。外車の数につきましては、後ほど調べまして申し上げます。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 そこで私は、大臣が御出席になりましたので、大臣に一つお尋ねをいたしたいと思います。大臣が新聞に運輸交通行政について、いわば公約的な公式な所見として発表なさいました中には、私の所見と同じように、国内産業を発展させるという意味からいっても、また外貨の国内産業に対する有効適切なる使用等を考える場合においても、国内産業を中核として、これを大いに発展させるという意味において、交通行政も考えるべきだというようなお話が載っていて、非常に心強く思ったのですが、しからば現在の交通運輸行政上から見まして、大臣がこう公約をせられた。その公約面から見ますと、外車は、いろいろのやみルート等もありましょうが、それを一応考えの外に置くといたしましても、正式に完成車として輸入される場合、または部分品として輸入をして、幾らかの国産部分品を加えて組み立てて外車形式をとって国内で売り出すもの、あるいはまた駐留軍の自家用車を正式に帰還兵から買い入れてそれを販売するもの、あるいはそれに類似したような不当行為もあるようでございますが、そういうようなことで、非常に外車が多く輸入せられる。そのことによって国内自動車産業は、非常にその発展を阻害される結果になるというふうに私は見るのでありますが、これについて大臣は今後どういう措置をおとりになるつもりか。その点をお聞かせ願いたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 御承知のように、外国車が日本のように横行しておる国はない。これを国産車に取りかえることは非常に好ましいことでございますが、自動車工業が非常に立ちおくれておる現状からして、今日国産車の性能が、外国車に依存することを脱却して、国産車中心でいくというところまでは行っていないので、今日はやはり外国車の輸入もある程度日本の自動車工業の発達のためにも必要とするし、あるいはまた今御指摘になりましたように、日本で組み立てておるものがある。これは非常に日本の雇用問題の上においても貢献をしておる。一ぺんにそういうことにはいけないわけですが、方向としては、やはり自動車工業というものを育成していかなければならぬ。それにはやはり通産省の方としても、国産車と自動車工業を育成するために、いろいろ立案をしておるようでございます。またさしあたり役所などにおいても外国車は購入しない。役所の自動車は、今まで使っておるのを無理に国産車にかえるような必要はございませんが、新しく購入する自動車は全部国産車にする、こういうことである程度の需要を——民間はそうはいきませんが、官庁方面はそういうことにして、自動車工業を育成していく。外国からの輸入車も、いろいろ為替の割当は受けておるのですが、昭和二十九年度においてもその割当一ぱいでなしに、相当抑制をする措置をとって参っておるわけでございます。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 外貨の割当による外車の輸入抑制ということを言われたのでありますが、今申しますように、外車のそういう正式なルートによる抑制はもちろんそれで効果を上げるかもわかりませんが、しかし部分品の輸入であるとか、あるいはまたたとえば駐留軍をトンネルにした払い下げ、買却等による入手方法によることが非常に盛んになりつつある傾向であります。こういうものは抑制することは非常に困難ではありましょうけれども、しかしこれを抑制しない限り、外車の予想以上のはんらんを防止することは不可能だと私は思いますが、これについてはどういう手段をとろうとされますか。それを一つお聞かせ願いたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 中古車でありますが、二十九年度の中古車の払い下げが七千台あったのでありますが、今年度はこれを三千台くらいに押えて——根本的に中古車の払い下げを全然禁止するということも、今日の情勢ではいかがかと思いますので、次第にこれを抑制する方法をとって、現に今年度は昨年度に比べて半数以下に押えるというような処置をとって参っておる次第であります。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 中古車の払い下げにつきましては、今申し上げますように、中古車という名目の方が実は今まで多いという関係があるのでありまして、これは一つ厳に解消していただいて、そういうまぎらわしい中古車の払い下げは、国内産業を攪乱するばかりでなく、経済上から申してもゆゆしい問題になりますから、一つ抑制方について対処していただきたいと思います。それから今大臣が見えるまでに、運賃の問題につきまして質問をいたしておったのでありますが、国産車と申しましても、ただ狭範囲な小部分の人の利益という考えでそれが策定せられてはならぬことはもちろんであります。しかし大臣の言われる国内産業を維持、発展させるという大きな見地からいたしますると、この自動車等の需要面からする合理化をはかることはもちろん、今後国内産業を維持、改善して向上さしていく上に必須の要件だと考えるわけであります。大臣として今後まず運輸行政の一小部分でありますハイヤー、タクシー、あるいは観光バス、あるいは定期のバス等のこういう内燃機による運賃政策については、どういう構想をお持ちになるか、一つその構想だけをお伺いしたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 今申したように、国内産業としての自動車工業を育成するためには、もっとやはり産業政策として根本的なことを考えなければならぬ。運賃の操作によってということはそういう面からだけで日本の国産車を奨励するということを考えては、私は目的を達することはできないと思う。そういう点でこれは全般の大きな問題である。自動車業のハイヤー、タクシーなどの運賃は、私も就任以来、非常にこれは国民生活にも影響のあることでありますので、管轄は陸運局の管轄でありますが、いろいろ報告は求めておるのであります。そこで何とかしてこういう事業が安定した基礎の上に立ってやれないか。各国ともハイヤー、タクシーというものは、割合に安定した企業をやっておるのであります。どうも日本の場合は組合もなかなか複雑でありまして、これが下手をすると非常な不安定なダンピングに陥る傾向がある。組合が幾つにも分れて、そうして相当激しい競争をしておるので、組合に対しても何かもう少し強固な組合を作って、お互いにタクシー業というものが安定した基礎の上に立ってやれるような方法はないかということで、組合の幹部にも私は申しておるのであります。それはやはり強固な組合を作って、ただ料金のダンピング的な競争ではなくして、もう少し企業が安定してあるいは駐車場の問題があるし、あるいはそのほかいろいろな資金の融資の問題もあろうし、こういういろいろな問題をお互いに解決をしていけば、今日よりももっと安定した状態に持っていけるのではないかということで、努力をしておるわけであります。そこで運賃の問題についても、これはやはりバランスも考えなければならぬわけであります。今日ではまだ外国車を全部ハイヤー、タクシーから締め出すというふうなことを考えるべき段階ではない。そういうことでバランスのとれた運賃の制度を作り上げるために、今組合から代表者が寄って、いろいろ運賃問題に対して根本的な検討もしておるわけであります。そこでこのタクシー、ハイヤー企業というものは、今日ではなかなか東京などにおいてもいろいろな危険を感じるような状態になっておるので、これは組合とも話し合いまして、タクシー企業というものをできるだけ安定した基礎の上に置くために、今後努力して行きたいと思っております。ただもう全部運賃の操作で国産車を奨励するということは、それは少し邪道に落ちるのではないか。それも考えなければならぬが、やはり日本の国産自動車は政府の産業政策の大きな課題である、こう考いておるのであります。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 非常に名答弁だったと思います。しかし私が言ったのが誤解されておると思いますが、消費面からすれば仰せの通り、単なる運賃面からのみこれを解決するとは考えられません。やはり民主党のよく言われる総合的な計画というものの中に立てられなければならないことはもちろんであります。ただその全体的な中の一つとしてどう考えられるか、こういうことであったのであります。そこでもう一つ、私はこの国内産業を重点に考える場合の諸問題としては、これは通産省との間にいろいろ質問応答をしなければならない問題でありますし、運輸省だけでもって解決できない問題だと思うのであります。  そこで私は運輸省として考えられる面でもう一点大臣にお尋ねしたいのは、ハイヤー、タクシーの事業の実態の問題であります。一つは、今ハイヤー、タクシーの事業はやはり免許制によって会社が設立されて、その免許要件に従って運営をせられておるのであります。これはよく御承知の通りでありますが、実際には、その運営されている中にはいわゆる名義貸しといいますか、そういうようなもぐり営業によって、非常に問題を起しておる向きが多いのであります。これは各所にそういう傾向が見られて、従来からいわゆる正直者が損をするというので、たとえば陸運局等でそういう名義貸し等を整理する、そうして正常なルートに乗せる、正常な営業をさせる、こういうことで協力をしいて、そうしてそれに協力をした者は、それではというので新しい会社を設立する。ところがこの交通事業というものは、なかなか一年、半年で正常な運営をするということは困難です。その基礎が固まらないうちに、ついに仮免許の期限が切れる。そうすると免許はされないということで非常な混乱を起す、こういうようなことが見受けられるのでありますが、これについては大臣は今後どういうふうに、このハイヤー、タクシーの運営面を指導していかれるか、これをまず第一にお尋ねしたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 私はこういう考えを持っておるのです。やはりハイヤー、タクシーの企業が不安定になってきて、ダンピングみたいなことが行われ、都民が非常な危険を感ずるような状態になってはいけない。これは人命にも非常な影響があるので、組合を強力なものにできるだけ統合するように——これは何も権限でやるわけではないですが、勧奨をして、名義貸しとかそういうようなことで、これは非常な不労所得にもなりますので、できるだけ、一つの組合というわけにはいきませんが、強力な少数の組合で、そうしてその間に組合自体が強力になって、あるいは資金の融資を受ける母体にもなるし、あるいは共済組合的ないろいろな施設をする母体にもなる、そういう形に自動車の企業母体というものを持っていきたい。だから名義貸しのようなことが今でも実際にあると思うのですが、こういうようなものは次第になくしていきたい。そうしてこの自動車の経営の母体は有力な幾つかの組合にして、それができる限り信用もあり、いろいろ資金的な実力を持ち、そうして安定した企業に持っていきたい、こういう方針でこの企業に向いたい、こう考えております。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 今の大臣の答弁は、業界にとっては非常に重要なる御答弁だと私は考えるわけです。業界は小さな業態が非常に雲集しておる。そうしてその中で非常に激しい競争が行われておる。これは事人命を扱うものでありますから、大臣の仰せのように非常に危険な状態にある。これを解決することは非常に重要なことだ。それを解決しますのは、今言われるように幾つかの強力なる組合組織を完成して、そうして不安定な業態を安定さす。それには組合がその融資あるいは運転資金のあっせん等についても、非常に強力な基礎を持つ、こういうふうにすることによって業界を安定させ、しかも不当なる競争等によって、要らざる事故を起すようなことを未然に防止していく。そして正常なる業態の運営に持っていくということは、私は非常に重要なことであると思いますので、これは単なる試案ではなくて、大臣の英断によって、一つ強力にこれを進めてもらうように希望しておきたいのであります。  もう一つお尋ねしたいのは、今のような状態でありますから、従って交通事故はきわめて多いのであります。自動車の運転手に限って、今までは基準法の適用も除外せられておりました。いろいろの特例が認められていたのでありますが、それは昨年十二月に私が質問いたしましたときに、自動車局長の言明によりまして、今までのような自動車運転手に対する基準法の特例は三月以降廃止して、そして運転手の過労等による事故を極力防止することに努めたい、こういうような御答弁を得ておったのであります。業界のかくも不当なる競争をしなければその事業が維持できない、あるいは労働者の労働条件がかくも低下されなければその賃金が得られない、こういうようなことは、業界はそれでいいかもしれませんが、乗る者といたしましては、生命財産を維持する者といたしましては、私は非常に危険なことであると思うのでありますが、大臣はこれについてどういう措置をとって、当面これらの従業員並びにこの事業の健全化と、そして交通事故の防止の政策をとっていかれるか、これについてお尋ねしたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 労働基準法は運転手に対しての適用が除外されることにはなっておるが、まだ実施されておりません。私はやはり日本のハイヤー、タクシー業というものの企業が安定しないと、そのしわ寄せは労働の過重というものになっていくと思うのです。根本は、いろいろな問題がありましても、不安定な状態に置けば、そのしわ寄せというものは労働過重になっていくので、日本のハイヤー、タクシーという事業が安定するように軌道に乗せていく。そういうことでないと、いろいろな規則がありましてもやっていけぬというようなことになってくれば、やはり労働にしわ寄せして行くと思うのです。そういう意味で、根本問題はタクシーあるいはハイヤー事業をもう少し安定した企業に持っていきたい。そうでなければ、労働の問題は解決しない、私はこういう考え方の上に立つて、この問題に対処していきたいと考えております。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私は自動車交通政策上もう一点お伺いいたしますと、バス路線の競願の問題であります。これは各所に非常な問題を起しておりますけれども、私の常に思いまするのは、ただこういう定期路線につきましては、もちろん交通の使命といたしまして、便利であるということが第一であることはもちろん私も承知いたします。だがしかしこのハイヤー、タクシーにも見られますように、一面はその生命財産を安全に輸送することがまた、便利であるという以上に重要であると思う。従ってその安全を保持していくためには、多少の不便と申しますか、それを忍ぶ必要もできてくる。何といっても私は長年交通関係に従事した者といたしまして考えますることは、まず第一に何といっても人命財産の安全輸送、これに重点を置いて、次に便利である、こういうことが考えられなければ、私は思わざる不幸を招来して、各所に大事故を起すと思うのであります。でありますから、こういう見地に立ちますると、競願路線の問題につきましては、採算がとれる、あるいはとれないにもかかわらず、ただ便利であるということだけを主眼にして、沿線の各市町村等からもその競願に応援をする。そして非常な危険を招来して、あとで悔いを千載に残すというようなことが各所にある。こういうことでは私は運輸行政上から見ますると、その施策は全く無能にひとしいものになるというふうに考えるわけであります。そこで私は将来、この競願路線の問題は、あるいは今まで運行しているものに、もしそのような沿線に不便をかけるものがあり、不適当なものがあるとすれば、適宜それを適当なものに改善をして、いたずらに複数制による競争を排して、その業態運営に、さらにこの沿線の要求の実情に合うような運行措置をとらすように指導していくことが、私は運輸交通行政上最も妥当なものだと考えるのでありますが、大臣はこの複数制の問題についてどういうふうにお考えになりますか、一つ将来の問題についてお伺いいたしたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 先ほどちょっと私の言葉が足らなかったのですが、タクシー、ハイヤーの運転手が適用除外に今までなっておったのを、これがはずされることになっておったのが、まだ実施されていない。だから今度適用を受けることになるということになっているが、まだ実施されていないという意味であります。  今のバス路線の問題でございますが、それはやはり複数の路線になって競争をすることが、いろいろな点でサービスの改善にも、あるいは料金の点においても便利なこともあろうと思いますけれども、日本の場合は、こういう経済状態で過剰ないろいろな投資は許されない。だから交通量というものを考えて、あるいは今言われた安全という面も考えて、そうしてそういう必要が現実にあった場合は、複数ですることが必要な場所も出てきますが、しかしどこもかしこも複数でなければ——独占するといろいろな弊害が起ってくるというふうには私は考えていない。その場合、必要な場所は複数にしてもいいけれども、しかし一面においてこういう状態でございますから、どこもかしこもいろいろなバスが複数でいろいろと走ることが、好ましい現状だとは思っておりません。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 それから今大臣の労働基準法関係の問題についての答弁がございましたが、この基準法施行規則の第二十六条を改正して、今までの労働時間の特例を廃止する、こういう御意図があるというので業界では騒いでおるが、これは昨年自動車局長から御答弁があって、なるたけ特例として労働時間を極端に、たとえば二十四時間勤務はおろか、四十八時間も勤務をさせておる。もちろんその中には多少の間眠状態が許されるというようなことがありましても、そういうことでは、ハイヤー、タクシー業界というものは、特例が認められているために、あまりにもその労務者に対する労務管理を軽視し過ぎている。こういうことが自動車事故の最大原因をなしておるということは、私どもタクシーに乗りましていろいろ実際に運転手に聞いてみますと、おおむねそういうことが多いのであります。これを改善するという言明があったわけです。これは事務的にもまた行政上から申しても重要なことでありますが、これは昨年御答弁をいただきましたあれと同じ方針をもって、やはりこの特例についても、あまり極端ないわゆる苛酷な労働条件は、当然安全保持の必要上からも改善せらるべきであると思いますが、いかがですか。一つ自動車局長から御答弁を願います。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 ただいまの労働基準法とタクシーの従業員の時間の問題でございますが、これは昨年の七月十五日以前は適用除外になっておりましたものを、七月十五日からこの適用除外をはずすということで、本来ならば七月十五日から、タクシー関係の従事員にも適用されることになっておったのでありますが、実際には現在のタクシーの運行状態その他から、簡単には切りかえができないということで、各地区ごとに労働基準局とその地区の組合との間で、いろいろとその実行方法について話し合いをしております。ある程度歩み寄って参りましたが、いずれにしましても、早急に実施するということがむずかしいものでありますから、たとえば三年計画で三分の一ずつ直していこうとか、そういったことで相談中でありまして、これは主として労働基準局と組合との間で話し合いをやっていただきます中に、われわれの方から担当の者が出席をして意見を述べる、あるいはオブザーバーとして出席するというような形で進めております。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 もう一点大臣にお尋ねして、あと研究していただきたいと思いますのは、交通事故の略式裁判です。裁判法ができて、交通事故の裁判が非常に迅速に処理されつつありますことは、非常にいいと思うのでありますが、往々にしてこれを乱用する向きがあるというようなことが言われておるわけです。と申しますのは、この法ができましたその趣旨は、違反を摘発せられて、警察に引っぱっていかれて、それから裁判にかけられてというようなことでは非常に困るので、その煩雑さを省いて、即決裁判に持っていく。こういうことでああいう法律ができたと思うのでありますが、しかしそれはそのときに厳に乱用にわたらないようにという附帯決議もせられておるのであります。およそ私は犯罪の防止ということは、やはり犯罪を防止することに重点を置いて、罰することに重点を置くということは考えられないと思うのですけれども、しかし聞くところによりますと、どうもこれを罰する方に重点を置いて、そうして予防ということに重点が置かれていないのではないかと思う。だからといってこれは限度の問題でありまして、ゆるめると大へんな問題になるわけでありますから、その実施の可否というものが非常にむずかしい問題をはらみますことは、よく承知をいたします。しかし今申しましたように、たとえば警官などが物陰に隠れていてスピード違反をあげる。そうしてあげたものを忠告や戒告というようなことでなしに、直ちにそれを略式裁判に持っていくというようなことをしたら、あるいは全く懸賞付のように、出て行くときに、きょうは何件スピード違反をあげなければならぬ、きょうは何件あげれば、それで仕事はおしまいだ。言いたいことを言いますと、そういうような態度で交通違反を摘発する。全く犯罪を摘発することを請負のごとくに心得たり、そういう様子が見える。こういうことは、どうも適当な運営方法ではない。そういうことのために、せっかくの法律がかえってあだになって、恨まれる結果になる。そうして実際には所期の目的に沿った効果を上げ得ない、こういうようなことが起っておる。またそういう声を非常によく聞くわけでありますが、これらのことについて、大臣としては今後どういう行政をしていかれるのか、お聞きしたいと思います。

三木武夫日本民主党運輸大臣

○三木国務大臣 交通違反の場合は、これは御承知のように国警の問題になってくるわけですが、しかし今指摘になりましたように、これは予防と申しますか、交通規則を守るようないい慣習をつけるということが、問題の中心であろうと思います。しかしまあ中には、このごろ少し交通規則を破られるようなものが多くて、そういう場合にはある程度罰則が伴わないと、なかなか秩序が保たれぬ場合もあると思いますが、しかし行き過ぎたことは許されるわけではないので、ことにいろいろ略式裁判でも、問題があれば正式裁判も仰がれるわけですが、実際問題としてはそういうことも手数がかかりますので、いろいろお話の行き過ぎた行為のないようにしてもらいたいという趣旨は、国警の方に伝える所存でございます。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 山川君の質問に関連いたしまして、私からもちょっとお尋ねいたしたいと思います。先ほどタクシー運賃についての質問に対しての局長のお答えによりますと、調整のとれた運賃を将来設定するつもりだ、こうおっしゃるのでありますが、調整のとれた運賃をどう作らんとするのか、その基本的な構想をお伺いしたいと思います。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 ただいまトヨペットが運賃値下げをされる前までは、一応調整のとれた運賃ということで数年間やってきたわけでありまして、車の定員が何人であるとか、あるいは車の一キロ当りの経費はどのくらいかかるとか、大体何人くらいの人が乗れるであろうか、そのために一日どのくらいの収入が上るだろうといったようなことを全部考えまして、一つは原価計算の面から、一つは需要供給の面からの収入の面から、この両方から考えて、きめておるわけであります。現在では外国車と国産車、あるいは国産車同士の間の実際の稼働状況その他が、必ずしも同じになっておりません。たとえばトヨペットあたりが四十数%の実車率——実際にお客が乗って走っているキロとお客を乗せないで走っているキロとの比率を実車率といっておりますが、オオタ、ダットサンは三十数%、こういうふうなことから、ダットサン、オオタはトヨペットに比べて非常に不利な状況に置かれている。そういうものをできるだけ同じように、全部がというわけには参りませんでも、少くとも似通った実車率を上げられるような運賃に持っていこう、そういったようなことで、ただいまいろいろと実態調査をやりたいと検討中でございますので、今度の申請につきましても、原価計算、それから実態調査をやりまして、なお関係の方々の聴聞会と申しますものをやりまして、これに意見のある方々の御出席を願ってお聞かせ願う、こういった順序を踏みまして、運賃についての決定をいたしたいと思っておるわけであります。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 そうしますと、大体調整のとれた運賃というものは、需給関係と原価計算を基礎として割り出しをする、こういうわけですね。  そこでもう一つ、これは大きな問題ですからお尋ねするのでありますが、わが国は言うまでもなく自由主義経済をとっている。しかるにわが国の交通輸送産業は、全部免許制をとっておる。一体免許制をとることがこの産業にはいいのか悪いのか。免許制をとるからには、需給関係と原価計算というものをどういうふうに見ているのか。これはどうしても理論的に解明してもらわなければならぬ。さらにまたそういう免許制をとったこの事業が、現実のこの産業の偽わらざる姿として、不当競争が至るところに起きている。この根本原因はどういうことか。免許制をとるときに、何か役所は大きな過失をしているのじゃないかというふうに考えるわけでありますが、この点簡潔でいいですからお答え願いたい。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 交通事業に免許制度が必要であるかどうかという問題と、それに関連して需給関係と原価計算に基いて運賃をきめていったらどうかというお話と伺ったのでありますが、交通事業に免許制が必要であるかどうかという点につきましては、前国会等におきましてもいろいろと議論されまして、道路運送法改正の際にも、必要であるという国会の御承認を得て改正されたわけであります。われわれの考えておるところを申し上げますと、自動車に限らず、鉄道等の交通機関が無秩序に行われますと、交通の輸送調整ということは全然できなくなる。自動車も鉄道も一体となって、国の輸送を担当しておる。その自動車だけが野放しになっては、総合的な交通政策は立てられないということが、一つの考え方であります。もう一つは、事業をやって参りますためには、安定した事業をやっていただいて、初めてよいサービスが提供されるのであります。もし次から次へと新しい事業が出て参りまして、不当な競争をやる場合には、事業の安定性が失われる、その結果としてサービスが悪くなる、そういうことでは困る。また運賃の面では、もし運賃について野放しにいたしますと、差別待遇が行われ、また不当な運賃タンピングが行われるであろう、そういう面から運賃についても認可制度をとっておるわけであります。その他いろいろございますが、そういった面から免許制度を必要であると考えておるわけでありますが、運賃をきめるについて、需給関係と原価計算を考えてやっておることについて、何か間違いがあるのじゃないかというお話、ちょっとわかりかねたのでございますが、もう一度お聞かせを願いたいと思います。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 それは私は大きな過失ありと見ているから、質問しておるのであります。免許制をとるときには、経済的に見てもう計画経済に入っておる、私はそう見ておる。計画経済の範疇に入っている事業が安定性を失うようなやり方は、計画経済の破綻だと思う。公けの事業でありますから、企業上マイナスのできるような場合でも、国鉄のごときは産業路線などといって、かつては新しい路線を敷いたこともございます。しかし自動車事業、それがバスであろうとタクシーであろうとトラックであろうと、全然採算のとれそうもないところにじゃんじゃん免許するというようなことは考えなければならぬと思うので、そういった意味から見て、今日輸送量と輸送力がどういうふうになっておるかというようなことを厳密に検討の上、免許をおろしておるかどうか。この点を私は考えてみたい。業者にしても事業家にしても、採算のとれないような事業はやりたくない。またそういう事業を許しても、この事業のサービスなどというものは期待できない。しかるにタクシー界においても、バス界においても、あるいはトラック界においても、現状の姿はことごとくダンピングである。規則は作ってくれる、認可はしてくれる。しかしながら現状の交通輸送業者は、どの事業を見てもダンピングが全部行われる。これは運輸省でもわからないはずはないと思う。そこで私どもが疑問に思うのは、免許制をとっていながら、まるで野放しの事業のような状態になっておるのだが、そうして御意見なり演説を聞くときには、皆さん方はそれはりっぱな免許事業であって、統制経済の一つのカテゴリに入っている。理想的に運用されなければならない。理想的な運用がされないのは、業者が何か事業上の運営について過失があるごとく考えておられるようでありますが、一体これはどこに原因があるか、車両は一体どれだけ日本にあるのか、一体どれだけ運行させておるか、外貨獲得に国民全部は大わらわになっておるけれども、せっかくガソリンをとってどういうふうな工合に使用されておるか、この点を私は聞きたいのです。

真田登運輸事務官(自動車局長)

○真田説明員 免許事業でありながら、実際は事業の経営が困難になっているものが相当あって、ダンピングが行われておるというお話でありましたが、確かに現状ではそういった徴候があるのでございます。バスのような事業におきましては、はっきり定額制が守られ、やっていけるわけでございます。しかしながらトラックその他は、必ずしも現払いというわけにも参らず、信用取引が行われ、いろいろなことで多少実際の取引が変ってきております。なお世の中の景気と申しますか、そういったことに非常に敏感なのは、やはりトラック、タクシー、ハイヤーでございまして、バス事業等につきましては割合にその影響がおそく現われてくる。そのために、多少景気が悪くなりますと、トラック事業が苦しくなる、タクシー事業が苦しくなる、こういうことはあり得ることだと思います。ただ鉄道等でありますと、貨車が余ったらどこかヤードへ置いておいて、必要な車だけ使うという一つの操作ができるわけでありますが、トラック事業は、お互いの車をだれが何両休ませようというように、お互いがほんとうに自分たちの事業のために考えて車を休ませることができれば、そうしたむだな競争もやらずに済み、有効な車の動かし方ができるわけでありますが、なかなかそこまでお互いが結束してやることがむずかしいような状態であります。そのために勢いダンピングが行われるというような結果になるのだと思っております。需給関係から見まして、事業が多過ぎるからといった場合に、できるだけ車を休ませてもらうことができればいいのですが、もしそれができなければ取り消しをしろといわれても、そう簡単にできるわけではありませんので、一応生まれた事業は何とか成り立って行くような方法を考えていかなくちゃならない。東京都内のタクシー問題からこういったお話が出たのでありますが、都内につきましては昨年の四月ごろから、全然車をふやさないという方針でやってきておりまして、むしろ去年の今時分よりも車数は少くなっているという状態になっております。

濱野清吾日本民主党

○濱野委員 こまかいことは申し上げませんが、結局この輸送力と輸送量の問題、これはどうしても少し考えてもらわなければ困る。それからなるほどバスは定額制がよく守られている。しかしタクシーの現状は、局長も市内で円タクなどに乗ると御承知の通り、エントツを倒したとか倒さぬとか、非常な競争が行われていることは、全部の方々がよく御承知の通り。トラックも局長の御承知の通り。それから路線バス、路線トラックも局長の御承知の通り、自家用に至りましては営業行為までやっている。一体それで免許制をどこにとっていると言い得るのか。こまかいことは局長が全部御承知でありましょうから、申し上げることを差し控えますが、それほどならば、何も声を大にして免許制などとる必要はないじゃありませんか。私はここに大きなミスがあるのではなかろうかと思う。ことに自家用の営業行為などひどいものです。そして放任しておいて、何らそれに対する措置をとれない。法規上とれないのか、あるいは役所側が見のがしているのか、その辺はよくわかりませんけれども、そういう現状は役所の方方が全部知っている。過般警察権の協力を求めてそれを取り締るなどというお話もありましたが、これもただかけ声だけであって、何ら交通事業を守ろうともしない。現払い制ができて、多分それをやっておるのであろうというけれども、それをやれない状態に日本の産業、経済は落ち込んでいる。それでもなお免許制をとっているということは、これはどうも免許制という制度それ自体が、バス、鉄道を除いては、およそ死法になって、制度がもう死んでいる、こう私どもは見ているのです。一面、これは役所を責めるのではありませんけれども、日本の産業が、日本の経済がそういうふうな衰退した状態にあるから、そういう現象のできるのはまたやむを得ないことでございますけれども、この点は一つ大臣、局長の十分御考慮を願いたいということが一つでございます。何といってもこれは計画経済でやらなければ日本はだめで、ことに輸送交通の問題は、しきたりとしてそういう伝統的なことをしているのですから、どうせ免許制をとっておやりになるならば、いま少し強力なる行政措置をとってもいいのでございます。これは決して自由主義経済に云々という非難を受けるものでもなく、民主主義云々という非難を受けるものでもなかろうと思います。ことに私は、これは後ほど申し上げたいと思いますが、今複数制の問題が出ましたが、複数制による免許等については、ある種のものについてはまことに妙を得た押え方をしている。ちょうどたまたまトヨぺット、トヨタ等の生産工場の利益のために料金の認可をしたというようなことで、一部車両製造会社に便宜を与えたいというような印象を強く与え、あるいはそれとは逆に通運業の複数免許制については、業界では盛んにある種の批判がされている。こういうことはまことに不明朗であって、私はまことに遺憾だと思っておるのであります。いずれにしても免許制をとるからには、免許制はこうやるのだという模範を一つ示してもらいたいものだ、こう考えておるわけであります。私の関連質問はこれで終ります。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 次に海運に関する件につきまして調査を進めます。最初に政府当局より説明を求めます。港湾局計画課長中道峰夫君。

中道峰夫運輸技官(港湾局計画課長)

○中道説明員 昭和三十年度におきまする港湾関係の公共事業費の予算の概要を簡単に御説明申し上げます。  港湾予算につきまして従来の実績を申し上げますと、昭和二十八年度におきましては、一般修築費、北海道の港湾施設費を合せまして、安全保障費によります港湾の代替施設、災害復旧費等、合せまして百十六億の予算で工事を実施したのであります。昭和二十九年度におきましては、それが総計におきまして八十五億に減少いたしております。昭和三十年度といたしましては現在の港湾の施設の現状を十分に検討いたしまして、原案としてただいま大蔵省に要求いたしておりまする予算は、内地一般分で百六十五億、北海道分で二十七億、災害復旧費で六十億、合計いたしまして二百五十二億、それに昨年度に起りました十五号台風による青函連絡船の惨禍にかんがみまして、北海道の函館港の整備をいたしますことを追加いたしまして、それにとりあえず緊急分として三億、なお港湾関係の緊急就労対策費といたしまして四十九億をこれに加えまして、総計五十二億を追加要求として大蔵省に要求をいたしております。  港湾関係の予算を要求いたしておりまする主要な理由でございますが、ごく大要を申し上げますと、最近の傾向といたしまして、世界的に港湾に出入いたします外航船舶が増大をいたしてきております。従来五千トンないし六千トンの貨物船が現在は八千トンないし一万トン、特に油送船は二万ないし三万トンの大型の船が出入する状態であります。これに対しまして日本の現在の港湾施設はきわめて不備でございますので、これに応ずる施設を考えておるわけであります。  その次の問題は、現在横浜、神戸を初め、わが国の主要貿易港におきまして、依然として沖荷役、はしけによります沖荷役が相当程度——大体七割程度は沖荷役にたよらざるを得ないというような状況でございまして、このためにポート・チャージが高まっておりますし、また荒天時の荷役その他の原因で、港湾の荷役能率が減少してきております。これらの沖荷役を解消いたしまして、すみやかにこれを合理化されたる接岸荷役の形態に一歩を進めるべきであるというような考えをいたしておるわけであります。  その次の問題は、総体といたしまして、港湾の取扱い貨物量が増大をいたしております。戦前、重要港湾におきまして一億五千五百万トンの扱い量でありましたが、昭和二十八年度の実績におきまして、これが一億七千八百万トン、さらに昭和三十年度を推定いたしますと一億九千五百万トンとなる予定でございます。これに対しまして、施設は戦前は扱い量を上回っておりましたけれども、現在でははるかにこれを下回った能力不足を来たしておるわけであります。従いまして、これに対する施設を増強いたしまして、港湾の貨物を扱えるように持っていきたいと思います。  その次の問題は地方港湾でございますが、地方港湾におきましても、これはちょうど主要な重要港湾の衛星的港湾あるいは離島僻地に対する海上連絡の輸送基地、あるいは生活必需物資の輸送連絡路というふうに、また漁業の基地というような一般民生と密接なつながりを持っておりまして、これらに対する港湾の状況は、非常に現在不十分な状況に置かれているわけであります。従ってこれらの問題を解決するために、港湾の整備を考えておるわけであります。  次の問題は港湾の防災的な問題でございますが、港湾はわが国におきましては直接外海に面しまして、細長い長大な国土の関係から、台風時に高潮あるいは浸水等の被害を年々のごとく見ております。また河口港におきましては、これが埋没等の現象を来たしております。そのほかに海上保安庁の統計によりますと、毎年わが国の沿岸におきます海難の状況は、年間二千五百ないし三千隻、特に昭和二十五年のジェーン台風及び昭和二十九年の第十五号台風におきましては、一回につきまして五千ないし六千隻の船が遭難を受け、金額にいたしまして二百億近くの損害を来たしておるわけであります。特に昨年の青函連絡船の事故等を考えますときに、港湾にありまする船舶災害の  防除、あるいは人命の防護、また港湾施設自体の機能の確保という面から、港湾の防災工事を考えていかなければならぬというふうに思う次第であります。  なお最近の経済六カ年計画と関連をいたします港湾計画といたしましては、港湾の取扱い貨物量を推定いたしまして、昭和二十八年が二億三千三百万トン、昭和三十二年が二億五千三百万トン、昭和三十五年には二億九千二百万トンと推定いたしております。これに対応して整備を要する港湾事業は、外国貿易港あるいは内国貿易港、そのほか港湾機能確保のための防災事業等を含めまして、概算約八百五十億の予算を必要とするというふうに推定いたしております。  以上大体三十年度におきます港湾関係の予算を要求いたしております主要な事項でございます。  なお個々の港につきましては、横浜、神戸、門司、洞海湾等の特定重要港湾におきまして、それぞれ緊急必要欠くべからざる要請をいたしております。また避難港等におきましても、ただいま申し上げましたような船舶災害防除の意味から早急にこれを整備したい。現在の状況で行きますと、十年ないし二十年の年月をかけなければ整備できないような予算のつけ方になっているわけであります。  なお北海道におきましては、北海道の開発事業と関連いたしまして、函館、釧路等の重要港湾のほか、苫小牧の工業港、あるいはそのほかの港は、これは北洋漁業の揚陸地といたしまして、現在漁業期には港内水深が浅いのと港内狭隘のために収容できず、外海にほとんど大部分の船が集まるというふうな実情でございます。  なお最後に地方港湾の実情につきまして一例を申し上げたいのですが、現在運輸省におきましては、全国で約二千の港が運輸省所管となっているのでございますが、その中で工事をやっておりますのは、約八%の百五十八港でございます。これに対しまして農林省関係の漁港は全国で二千六百四十四港ございますが、工事に着手しておりますのは三百三十五港で、一二・七%というふうになっております。地方港湾の性格といたしましては、単に漁港だけではございませんので、先ほど申し上げましたような離島僻地に対する連絡、民生物資の取扱いというような面で、地方港湾の要請は強いのでございますが、それに対しまして工事に着手しております港もきわめて少いのでありますし、予算的に見ましても、きわめて僅少な予算しか現在ないというふうな実情でございます。     —————————————

原健三郎自由党

○原委員長 この際お諮りいたします。理事であります佐々木秀世君より理事を辞任いたしたい旨申し出がありましたので、これを許すに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 それではこれを許可いたします。  次いでお諮りいたします。理事の補欠選任をいたすわけでありますが、選挙の手続を省略して、委員長より指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由党

○原委員長 それでは有田喜一君を理事に指名いたします。

原健三郎自由党

○原委員長 この際畠山君より発言を求められておりますので、これを許します。畠山君。

畠山鶴吉自由党

○畠山委員 本委員会におきまして観光小委員会を設置せられ、不肖小委員長として御選任をいただきましたことは、まことに感謝にたえません。この観光行政につきましては、第七国会以来この運輸委員会の恒例ともいうべき一つの小委員会でございまして、この小委員会成功のためには、先輩皆さんの絶大なる御支援と御協力を願いまして、この観光小委員会の使命を果したいと思いますから、どうぞ今後委員長初め各委員の方におかれましては、御支援あらんことを切にお願い申し上げ、お礼の言葉にかえる次第であります。(拍手)

下平正一日本社会党(左)

○下平委員 おとといの委員会で、日本国有鉄道に関するいろいろの資料の要求をいたしまして、きょう配付を受けたのですが、昭和二十九年度の日本国有鉄道営業収支見込み、これについては特に経営費等について詳細な款項目にわたっての資料をいただきたい、こう言っておきましたが、きょう配付を受けた資料では非常に簡単でありますので、特に支出の項目についての詳細な資料をいただくように手配をしていただきたいと思います。

原健三郎自由党

○原委員長 承知いたしました。  それでは本日はこの程度といたしまして、次会は公報をもって御通知申し上げます。  これにて散会いたします。    午後零時五十九分散会

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