決算委員会 第2号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/01/21
会議録
○委員長(山田節男君) ただいまから第二回決算委員会を開会いたします。本日は国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査といたしまして、黄変米に関する件、国鉄民衆駅に関する件を議題といたします。これら二件につきましては、いずれも第十九国会閉会中継続審査として審議して参ったところでありますが、外米買付状況並びに買付の方法、民衆駅の契約に付随する諸問題等につきましては、なお調査の必要を認め、調査事件として今後に残されたところのものでございます。 初めに黄変米に関する件を議題といたします。本日はかねて当委員会においてその必要を認め、種々実現に努力いたしました外米買付に関連する検査院の海外出張官が帰朝いたしておりますので、現地における外米買付状況等の調査報告を聴取いたしたいと存じます。なお本件に関しまして東南アジアに出張いたしました出張官といたしましては、会計検査院第三局農林検査第二課長小原剛君並びに同農林検査第二課の副長榎本哲彌君の両君でございます。 それでは只今から小原農林検査第二課長の報告を受けることにいたします。会計検査院農林検査第二課長小原剛君。
○説明員(小原剛君) 小原でございます。 私たち榎本副長両名は主として病変米につきまして現地の実態を調査把握するためにタイ、ビルマに出張を命ぜられまして、約一カ月の間同地におきまして精米所或いは倉庫、収穫の状況などを見まして、十二月の十一日に帰国いたしました。 この機会にお礼申上げたいことは、今回の会計検査院の現地調査につきましては当決算委員会のなみなみならぬ御協力、御指導があずかって力あったわけでありまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。 なお、これから調査の報告をいたすわけでございますが、その前に一言御了解を願いたいことは、この問題につきましては、タイ、ビルマ両国政府が非常に神経質になっておりまして、かりに現地の実態を話す場合におきましても、多少ともそこに附言的なものが入って参りますと非常に気にしておるわけでございまして、今度派遣されました政府調査団などにおきましても、非常にそういった点神経を使っておるわけでございます。そういった事情がございますので、この速記などの点につきましては、委員長においてしかるべく取り計らいを願いたいと思っております。
○委員長(山田節男君) ただいま聞きのように、小原課長から、この報告については関係国の政府が当該政府の承認を得るまでは外部的に発表することを差し控えてもらいたい、こういう実は条件があるようにまあ受け取れるのでありますが、いかがでございましょうか。一応速記を抜いてやれば、今のようなことに制約されないで相当自由な報告がでるんじゃないかと、かように思われるのでございますが、速記をやめて報告を受けるということに御異議ございませんか。
○委員長(山田節男君) ただいま小原課長に確認をしていただいたのでありますが、本日出席になっていない委員もございますので、一応会議録に載せるための速記はとっておきまして、印刷は向うの何と申しますか、承認があるまでしないという条件で、一応は速記をとらして、しかも速記はないという建前で自由に御報告を願いたいと思います。さようにいたして御異議ございませんか。
○委員長(山田節男君) それではどうぞ小原課長。
○説明員(小原剛君) 御承知の通り、政府におきましてはこの問題に関しまして細菌学あるいは建築学、医学等の各方面の学者あるいは関係各省の担当官から成ります調査団を現地に派遣いたされまして、ちょうど私たちがタイ国に到着する当時すでに活動を開始していた状况でございました。私たちといたしましては、あるときは調査団と行動を共にし、あるときは調査団を離れて行動いたしまして現地の事実を見、また日本政府の現地機関あるいは食料の委託買付業者などの話を聞きなどいたしまして、現地の認識を深めることに努力いたしたわけでございます。 病変米の問題につきましてイスランジア黄変菌あるいはタイ国黄変菌が具体的なもみあるいは白米の流通過程におきまして、どういった環境のもとで、どういった時期に発生してあるいは繁殖するかと、こういった学問的な問題につきましてはもともとわれわれ門外漢でございまして、云々することは妥当ではございません。いろいろ専門的な問題につきましては、それぞれの専門家の調査結果を待つ以外にはないわけでございます。 こうした事情からいたしまして、私たちといたしましては、現地の流通の各段階におけるもみあるいは白米の管理の状態をありのままに認識して、われわれなりに一応の判断をする。それとともに近い将来調査団によって科学的な調査の結果が出てきた場合において、これと関連において可能な対策を考える。こういった基本的な調査の立場をとりまして、一般的に品質のよい米、具体的に申すならばよい環境で収穫、保管され、よい精米所で精米された米をできるだけよい条件のもとに取得する。こういった買手にとって望ましい条件から見て、現地の実態はどうであるか、買手にとって望ましくない条件または環境があるならば、そうした条件又は環境はどういった事情に基いて起ったものであり、またそういった悪い条件は現地の経済機構、流通経済の実態から見て、たやすく除き去ることができるものであるかどうか、又かりに除き去ることが考えられるとしたならば、どういった方法が現地の事情から見て最も実現の可能性があるか、そういった主として流通経済の観点から病変米問題のいわば一歩前の問題について可能な調査を進めることにいたしました。 また今申したことと当然関連することでございますが、現在の南方米の買付の方式、現地における買付の機構、買付に当っての検査の方式などの諸点についてもあわせて検討することといたしました。 こういった基本的な立場でタイにおいては約二週間にわたりまして、バンコック、アユチア、チェンマイ、それからナコーンパトームにおきまして、またビルマ国においては同じく二週間にわたりましてラングーン、モールメイン、バセイン、アキャプにおいて精米所、政府倉庫、あるいは米商の倉庫、収穫の状況などを見、また現地の各関係者の話を聞いたわけでございます。 こういった態度で調査を進めました結果、私たちが得た所見を次に述べるわけでございますが、話の順序は若干逆になるかもわかりませんが、最初に私たちが得た結論的な所見を申し上げまして、次にそういった結論をどういった理由でつけたのかということを申し上げて、撮後に一体どういった方法が今後考えられるかといったようなことを述べたいと思っております。 第一は、白色病変米の混入の問題でございます。私たちが現地で見た結果得た印象を率直に申し上げるならば、恒久的な将来における対策は別といたしまして、とりあえずここ一月あるいは二月以降に購入する米につきまして、白色病変米の混入を絶対的に防ぐといったようなことは現実の問題としてはきわめて困難ではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。もちろんその白色病変米の混入の減少を若干でも期待できる可能性のある、早急に間に合う対策は考えられないことはないわけであります。しかしながら、それも病変米自体の直接対策ということといたしましては、たとえば、流通のある段階においてビニール燻蒸を行うといったような消極的な方法が主でございまして、その他といたしましてはできるだけ新鮮ないい品質の米を取得する、こういった一般的な対策の結果として混入率の減少が期待できるであろうという程度でございまして、しかも時期的に言ってこの一月或いは二月以降の船積みに間に合せるというようなことになりますと、これから始めたのではなかなかむずかしいというように考えられるのであります。 結局、応急的にはさき申したように収穫後、よく乾燥された品質のよいもみを選んですみやかに収穫後精米して、精米後時を移さず船積みして完全な輸送管理のもとに日本に持って来る、こういう極めて常識的な一般対策を出ないのではなかろうかと、こういうふうに考えられたわけでございます。 こうした一般的な対第によって政善が期待できる程度は、タイ、ビルマ両国それぞれ事情が違うようであります。ビルマ米につきましては、将来輸入される米は去年の一月以降輸入されたものよりもおそらく条件はよくなっておるであろう、こういうふうに考えられました。その理由はのちほど詳しく申しますが、ビルマ国ではもみの段階から政府管埋となっておりまして、政府のもみ収買所にかなりのもみの倉庫が新設されたということが一つ、それから政府が農民にもみの乾燥を奨励して、これがかなり効果をあげそうであるということ、それから二十八年度におきましては、季節はずれな雨が降って、そのために条件が悪かった、こういったことがビルマ米につきまして今後輸入されるであろう米が昨年度入ったものよりもよくなるであろうと、こういうふうに考えられるわけであります。その他といたしましては政府の今後の交渉によって一般的に品質のよいもみを指定して買い付けるということが考えられます。 タイ米につきましては率直に言って、ビルマ米の去年の買付分、つまり一九五四年一月以降購入した分と同じ条件まで改善するということは、のちほど説明いたします流通経済の実態から見まして、非常にむずかしいのではなかろうかというふうな印象を受けました。もちろんこのことは両国の一般的な条件の比較でございまして、かりに病変菌の発生あるいは繁殖の条件がタイ米とビルマ米について違うということであるならば別の話であります。 次に、私たちがこのように考えた理由を申し上げるわけでございますが、将来考えられる対策の可能性を考える場合において、その前提となるものは、現地におけるもみ或いは白米の流通の機構あるいはその実情でございますので、先ずそういった点について要点を申し上げます。 なお、ここでちょっと申し上げておきますと、御承知かと思いますが、今回の政府調査団の調査の結果によって、水田の土壤から、タイ、ビルマともに菌が発見されておる、有毒菌が検出されておるということをちょっと申し上げておきます。 流通の第一段階は、もみの生産でございますが、収穫に至るまでの過程につきましては省略いたしまして、収穫された稲の処理方法から申し上げます。これはタイ、ビルマ若干違っております。タイにおきましては刈り取った稲はたばねて三日間ぐらい田に寝かしておきまして、刈り取ったあとのたんぼに木で作った米を打ちつける道具をおきまして、あるいはこの道具のかわりに直径二メートルぐらいの大きなバスケットを据えつけまして、その木の打ち木、あるいはバスケットの底に稲を叩きつけまして脱穀いたします。また場所によつては、これはビルマと同じでございますが、特別に作った脱穀場にもみを集積いたしまして、それを二頭の牛で踏ませて脱穀いたします。先ほど申した木製の米を打つ道具は地面に直接置かれたり、あるいはアンペラを敷いて、その上に置かれたりいたしますが、脱穀されたもみは土の上あるいはアンペラの上に落ちるわけでございます。そうして脱穀したもみはちっちゃな籠に入れまして、小舟あるいは牛車などによつて農家の庭先に運ばれまして、そこで更に乾燥されます。ビルマにおきましては、刈り取った稲は農家の庭先または収穫地の中心に作られました先ほどと同じ脱穀場に運ばれまして、若干乾燥させたのちに、牛に踏ませて脱穀いたし、脱穀したもみは簡単なふるいでふるいまして、これを山に集積して移動しながら乾燥いたします。 次はもみ及び精米の流通の状況でございますが、これも両国かなり違っております。タイ国について申し上げますと、一般に農民はもみの中で自家消費する分を除きまして、もみで売買いたしますが、一般に農民は非常に貧困でございまして、もみの現金化を急ぐ関係、また非常に無知であるために、もみの高値を待つといったような経済観念に乏しいために、その大半を収穫後直ちに手離すのが普通でありまして、そのもみの買手としては仲買人に売るのが量的に一番多くなっております。これは農民が金融的に仲買人と結びつけられておる、つまり収穫前に前借をしておるわけでありまして、そういった関係でこの仲買人に売らざるを得ないといったようなことのようであります。農民の一部には仲買人を通ずることなくして、組合、これは農業協同組合のようなものでございますが、そういった組合に売るもの、あるいは精米所に直接売る場合もございます。この仲買人は普通幾つかの段階がございまして、カーゴ・ボートによってこのもみ運送を業とするものも一つの仲買人でありますが、仲買人は農民に比べて、特別にととのった倉庫を持っておるとも言えないようでありまして、もみの売渡しも、バンコック周辺に立つもみ相場をにらんでおって、有利な時期に処分する、こういった関係で、仲買人の不備な倉庫に長期間貯蔵されるということがあるようでございます。また運搬道具でありますところのカーゴ・ボートは設備が不完全のようであります。 なお、このもみとしての流通のほかに最近奥地のライス・ミルでもみを買いつけまして、これを精米した上、バンコックの米商人に売るものが相当殖えて来ております。仲買人に集荷されたもみは、これを精米所に売るわけでございますが、もみは精米所のもみ倉庫あるいは精米所の一部を区切ったもみの貯蔵所において貯蔵されまして、随時精米されて行きます。この精米の過程におきまして、新しいもみが乾燥が十分でないために、新しいもみの出廻りの初期におきまして、新籾だけでついたのでは所定の水分にならないといったことで、新籾に古籾を混ぜて精米するといったようなことが行われておるようであります。又硬質もみに軟質もみを混ぜて精米する、こういったことも行われておるようであります。精米所及びその精米所の倉庫は、側壁、屋根とも亜鉛引き鉄板ぶきのものが非常に多うございまして、また板囲いのものもありますが、いずれもすき間だらけで、燻蒸などできるような倉庫ではございません。倉庫の中には長期間保管されて、すでに黄変している白米、もみなどが相当ございまして、一般に倉庫の条件は清潔であるということは、とてもいえないような状態でございます。 タイ国では、以前はバンコックの周辺に精米所が集中しておりまして、もみの形で奧地からバンコックに出回ったわけでございますが、近時、これは主として経済的な事情が多いかと思われますが、精米所が奥地に移動いたしまして、従来もみの形で入ったものが精米の形で出回るといったことが多くなりまして、これを扱うものとして、バンコックに米商人が発達いたしております。そうして今日この米商人の倉庫から出荷される米の量は、輸出米の総量の六割以上にも達しております。この米商人の倉庫に入りました精米は、そのまま輸出されることなくて、この米商人の倉庫においていろいろの混米の操作が行われるわけであります。この混米は米商人の商売上の一つのコツとなつておるようでございまして、多い場合には六、七種類の米をまぜ合せて一つの米を作るといったようなことが行われております。こういった混米操作があるために、かりにまぜ合せる米の一種の中に病変菌があるならば、他のまぜ合わせる五、六種類の米が完全なものであっても、合成された米は病変米になるといったようなことになるわけであります。こうした米商人のところにおいて混米が行われる実情といたしましては、もちろん米商人自体の企業的な要求が根本でございますが、そのほかに、政府買上価格が、タイ国における物価水準の向上にもかかわらず、据え置きになっておるといったようなことが、この企業的な要求からくるごまかしにさらに輪をかけざるを得ないといつたような状態にあるわけであります。この混米操作は、病変米混入防止といった立場から見ますと、かなり重要な問題でございまして、その防止対策をきわめてむずかしいものにしておる一つの大きな事情ではなかろうかというふうに考えるわけであります。以上がタイ国でございます。 ビルマ国におきましては、輸出米に関する限り、政府の管理がもみの段階から行われておりまして、農民が生産したもみの大部分は、政府機関であるところのSAMBによって買い付けられます。農業協同組合、またはライス・ミルに直接売るものもございますが、そういった数量は比較的少いようであります。SAMBがその出先機関であるところのEOをして、もみを買付けさせる量は、全体の六〇%くらいでございまして、買付の最盛期におきましては、政府のもみ倉庫が十分でないために、野原にビルマ国旗を立てて野積みするといったような保管が行われておるようでございます。もみ倉庫は、床はもみがらを十五センチくらい重ねた上に竹で編んだものを敷いておりまして、囲い及び屋根は、木材、鉄板、アンペラ、ニッパヤシ、種々雑多でありまして、タイ国と同様その内部は清潔とはいわれない状況でございます。ビルマ国といたしましては、このもみ倉庫の拡充、充実に力をいれておりまして、先ほど申したように、この政府の収買所にもみ倉庫を作るといったようなことをやるかたわら、民間のライス・ミルに対しましても融資をいたしまして、倉庫の建造を奨励しております。 政府でもみの段階から管理する関係で、その米を、SAMBが委託加工命令をライス・ミルに出しまして、加工するわけでございます。従来このもみの精米は無計画に行われておりまして、長期間白米の形で倉庫に保管されておったのでありますが、二十九年度からは日本向けに関する限り、本船が入港する一週間前に精米の指令を出しまして、精米されてから約一、二週間のうちに——非常に早いときには、精米されるのを待つて、すぐ船積みすると、こういったような計画精米に改められたわけでございます。 なお、この委託搗精の場合の加工賃は、他の物価に比べて、これも相当低いようでありますが、私たちが聞いた精米所の人たちの話では、今の加工賃では工場施設の維持さえも困難であって、これを適正な価格に直さない限り、搗精度、もみ、あるいは砕米の混入率といったようなものを適正にすることはなかなかむずかしい、こういうようなことを申しておりました。 今申しましたように、もみ及び米の管理、あるいは流通の過程は、ビルマ、タイ、かなり違っておりますが、主要な相違点を申しますと、ビルマにおいては、もみ及び精米の国家管理が行われておって、輸出米はすべて政府の委託搗精米及び先ほどちょっと申し落しましたが、精米所が直接買い付けて、精米したものの買上米、つまり政府の委託搗精米と、精米所からの買上米が輸出される仕組みになっておりまして、ビルマ政府は一九五三年まではもみの買い入れ後無計画に精米して、精米の形で保管して輸出したが、去年からこれを改めて、船が入つて来る直前に精米して、精米したら直ちに船積みすると、こういった形に改めた。つまり日本向けに関する限り、全量そういった形をとりまして、さらに去年においては雨期前に全量を精み込んだというように、非常に改善をされたわけであります。 これに反してタイ国におきましては、政府は商品化された精米を買上げて輸出するという形をとっておりまして、しかも輸出米の大部分は、先ほど申した群小の奥地精米所で精米されて、カーゴ・ボートまたは鉄道で、バンコックに集まった商品化された米、すなわち米商が貯蔵する米であるばかりじゃございませんで、この米商の手元において複雑巧妙な混米操作が行われるために、米商の倉庫から出荷される米はいわば合成された米であって、その流通過程も全く不明なものとなっておる、こういったことがタイ、ビルマの流通過程の根本的な相違でございます。 このような流通の実態をありのままに認識いたしまして、最初に述べた結論を得たわけでございますが、その結論的な所見を得た理由を説明いたしますと、次の通りでございます。 第一番は、現状において病変米の混入を絶対的に防止する対策が、理論的に考えられるとしたならば、それは船積み直前に決定的な菌検査をして、無菌のものを船積みするという以外に方法はないのではなかろうか。しかしながらこうした方法を講ずることは、両国におけるもみ、米の流通面、又は管理の実態からして、また買付がしょせん商取引であるという事実からみて、その実施はきわめて困難ではなかろうか、こういうふうに考えられるわけであります。 第二番目といたしましては、これは考えられるすべての対策に関係あることでございますが、両国政府とも白色の米に有毒の病変歯が附着しておって、白いビルマ米、又は白いタイ米の中に人体に有害なものがあって、日常これを食べると危険であるこういったことは夢にも考えておりませんし、またかりに現地の米から病変菌が検出されまして、その毒性を認識させられたとしても、食生活の経験からいって、これが人体に有害であるという認識を現地の人たちが持つのは相当困難ではなかろうかということが考えられます。 三は、農法あるいは収穫の方法、脱穀の方法などからみて、もみの生産段階における改善を要する点が相当あると考えられますが、伝統的なこういった農法を変えていくということを早急に期待することはかなりむずかしいことではなかろうかと考えられます。 それから第四番目といたしまして、もみあるいは精米の貯蔵倉庫、運搬機関であるカーゴ・ボートあるいは車両などが一般に不備であるというふうに認められるものが多いわけでありますが、また一般的に不潔で、菌の発生または増殖の温床となっておるかもしれないというふうに推察できるものもあるわけでございますが、こうしたものもまた早急に改めるということはむずかしいことではなかろうかというふうに考えられます。 五番目といたしましては、タイにおける米商の、先ほど申した混米は外米の病変米対策に関する限り非常に重要な問題と考えられまして、混米が行われる限り、輸出米の源となるすべてのもみをその流通の第一段階において無菌のものとする以外は、ほとんど手の施しようがないように思われるわけでございますが、このバンコックにおける米商の発展は歴史的経済的な所産でありまして、今日米商を除外しては大量の買付は不可能な実情にあるばかりでなくて、混米は彼らの利潤の追求乃至自已防衛の手段でもありまして、また、ある場合においては、同一の規格品を大量に取引するといった場合において、ある程度の混米はまたやむを得ないのではなかろうかといったような場合も実際問題としては考えられるわけでございまして、こういった実情からみて、これを直ちに絶対的に禁止するということはむずかしい問題ではなかろうかというふうに考えられました。 次は、これは一般論でございますが、輸出米として良品質のもみを出荷させることを阻害している事情の一つとして、タイ、ビルマ両政府の米穀政策が考えられますが、その米穀政策は結局両国の米に依存している財政事情が根本でございまして、そういった事情である以上、この点を早急に直すということもまたむずかしいのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。 このように病変米の混入防止につきまして、この一月或いは二月から船積みするという差し迫つた買付に間に合う積極的に有効な方法を発見し実施することは、今日から始めたのではなかなか困難と思われるわけでありますが、前申しました現地の事態の中から、ある程度推察できるように、輸出国政府の熱意のいかんによって、あるいは現地関係業者などの自覚と協力のいかんによっては、かなりの効果を期待できないこともないと考えられるわけでございます。 従って、買付に当りましては、輸出国政府に対して最善の手をつくして協力を要請いたしますとともに、買人であるところの日本としては、買付の方式、あるいは買付の機構、現地における検査の機構などにつきましても検討を加えて、これを改善充実いたしまして、総合的な施策のもとに良品質のものの取得に努力すべきではないかというふうに考えられるわけであります。 御参考までに、良品質の米を取得するため今後どういったことが考えられるかといった点についての私たちのこれはほんの私見でございますが、これを申上げますと、次の通りでございます。なお、この中にはその実施に相当長期間を要して、かつ相手方の協力なしには実現が期待されないことが非常に多うございますので、念のため申し添えておきます。 第一は、生産及び流通の段階における事項といたしまして、これは根本的な問題でありますが、第一番は原始的な現在の収穫方法、特に脱穀方法等を改めるということであります。それから二番目は、もみを十分に乾燥させるということであります。それから第三番目は、もみの貯蔵倉庫を改良して、さらにこれを衛生的にするということ、それから貯蔵方法としてもみの野積み貯藏は、これはやめるべきであるということであります。それから四番目は、先ほど申したように、もみ倉庫の床にもみがらを敷いておりますが、古いものは、このもみがら自体が非常にしめりを帯びまして不適当なものがずいぶんございました。そういった床のもみ殼を不断に交換するということが考えられます。それから五番目といたしましては、収穫、運搬機関の利用いたしますところの運搬具であるカーゴ・ボートあるいは車両を改善するということ、それから六番目は精米の倉庫を完備し、これを衛生的に管理するということ。それから七番目といたしましては、精米倉庫において新しい米と古い米とを区別して保管する。現地へ行ってみますと、この米の整理は非常に乱雑になっておりまして、倉庫の一部にはずいぶん真黄色になっている米が散乱しているといった状態でございますので、こういったところへ新米を整理することなく積めば、かりに無菌なものでも汚染するのじゃなかろうかといったようなことが考えられるわけであります。それから八番目は、タイにおいて行われております、古いものと新しいもみをまぜ合せて精米するということはやめるべきである。これはもちろん全部のものについて行われるのでございませんで、新もみの出廻りの初期において、もみの水分が多いために行われるわけでございます。従つて新らしいもみで搗いた最初の米の中には、古いものがまじっておって、考えようによってはかなり危険だということが言えるわけでございます。その次は、これもタイ米に関することでございますが、先ほど申した米商の手もとにおける混米の廃止ということであります。十番日は精米としての形での保管期間を可及的に短縮する。ビルマのような計画精米、つまり船積み直前に精米して、できるだけ保管するならば、もみの形で保管して精米の保管を短縮するということでございます。以上が大体米の統通段階おける事項でございます。 次は買付の段階におきましては、第一番は流適の適宜の段階において、できるならばビニール燻蒸などを行なって、菌の繁殖を防ぐということであります。 その次は当り前のことでありますが、雨期を越して貯蔵されたもみは非常に危険でございますので、雨期前に船積みすることを完全に行うということであります。 それからその次はもみの品種にもいろいろございますが、品種のいいものを選んで買い付ける。水分の多いような軽質米の購入はできるだけ避けるべきであるということであります。 それからその次は、これもタイ米についてでございますが、かりにタイ米の混米ということが廃止できないものであるとすれば、混米の危険のないもの、あるいは混米の危険の少いものを選んで買い付けるということであります。たとえば混米の危険のないものとしては、これは砕米が交ってくると必ず混米の危険がございますので、砕米が全然交らないホール・ライスを買い付けるというようなこと、あるいは砕米の流入率ができるだけ少いものを買い付ける、こういったことが考えられます。 それからこれもタイ米でございますが、先ほど申した米商の米は非常に混米の関係で危険が考えられますので、この米商からの購入量を可及的に圧縮する。それから同時に優秀かつ良心的なライス・ミルあるいは米商を指定して、それから買い付けるといったようなことを行う。 それからその次は、船積みする前に倉庫において予備検査を徹底的に行うということ。 その次はいかにいいものを選んでも、日本に持ってくる間の輸送中の管理などか不十分であると、何にもなりませんので、輸送する船の厳選、及び輸送中の管埋をさらに改善するということであります。 今申したのが大体買付に当っての問題でありますが、最後にその他の一般的な事項といたしましては、輸出国政府の買上価格あるいは委託搗精賃を合理的なものに直す必要があるということ。 それから二番目には、一般に良質の米を買い付けできるような買付の方式、現地における買付の機構あるいは現地における検査の機構等について検討改善を加えて、検討された姿における現地機関の充実を考えるということであります。 それから長い期間にわたっての政府間の買付契約はその間の事情の変動などもございますのでできるだけ避けて、短期間の契約に改めるべきであるということ。 それからその次は、これは国内問題ですが、病変米の配給可能の基準をはつきりと打ち立てて、そうして輸出国に対してもこれを十分指導啓蒙するということ。それから簡単な菌検査の方法を研究するということ。こういったいろいろの方法が一応考えられるわけでございます。 白色病変米につきましては以上の程度にとどめまして、次は黄変米の問題について申しますと、ビルマ米については二十七年度購入分の中で一万三千余トン、二十八年度購入分の中から五千七百余トンの黄変米が発見されておりますが、二十七年度に発生したものの全量、それから二十八年度に発生したものの中で三トンを除く他のほとんど全部はすべて雨期後に船積されたものから発生したものでございます。二十九年度におきましては、政府間協定において黄変粒の混入許容率が一%以下に指定されたことあるいは先ほど申したように計画精米が行われ、全量が雨期前に船積みされたといったようなことのために、二十九年度二月以降船積みのものにつきましては、今のところ規定量以上の黄変粒の混入がないというふうに承知いたしております。もちろん現地における検査機構の整備あるいは夜間荷役の実施といったような点につきましては、なお考慮を要する点があると考えられますけれども、雨期前に船積みする限り、検査の徹底によつて規定量以上の黄変粒の混入は避け得るというふうに考えられます。なお、ダメージによつて黄変した米に対する現地の人たちの考え方は、現地の政府あるいは米に関する業者とも、いずれもそういった黄色い米は商品価値が低い。従って買手がそういったものを嫌うことは当り前であるというふうに認識いたしておりまして、この点病変米に対する認識とはかなり違うようでございます。 それから次は、買付の方式に関係ある問題を簡単に申し上げますが、タイ、ビルマとも輸出米がその財源の大宗となつておりまして、精米所、米商などから低価に買い付けてこれを高価に輸出するということによって大きな財政収入を上げております。このようなタイ、ビルマ両国政府の米の管理の方式からして、貿易は政府間貿易という形をとるわけでございます。一律的な価格統制或いは流通統制のもとにおきまして、特にその価格が若干でも無理があるといったような場合において、商品の品質が一般的に低下するのは常識的に考えられるわけでございまして、タイ国における精米所あるいは米商にとりましては、ただ政府が買ってくれればいいわけでございまして、自分の商標だとかあるいは責任というようなことはあまり考慮する必要がないわけでございます。従って買い上げの規格に合格するぎりぎりのものを出す。或いは場合によつては、何とかごまかして買い上げの検査にパスするというところまで品質を下げて、これを出荷する傾向が多いわけでございます。こういった条件の下におきまして、一般に輸出米のプールに入ってくるところの米が低下するのは当り前でございまして、こういった非常に低い品質のものの中から、いいものを集めようとしても、これも無理なことではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。このように考えてみますと、タイ米に関する限り、よい品質のものを取得するためには、政府間貿易というものが再検討の余地があるというふうに現地では考えられました。なお、私たち帰ってからの問題ですが、タイ国政府は一月以降、米の政府管理をやめたようでございます。従って今後買い付けるものは民貿の形になるものだと思われますが、私たち現地におりました際はそういった話が若干におっておりましたが、決定的なものは何もございませんでした。 それから次の問題は、政府間貿易のもとにおける現地の買付機構の問題でございますが、タイ、ビルマ両国の政府間貿易のもとにおきましては、外米の数量確保、或いは価格高騰を防止するために過去の取引実績或いは経験、能力等を勘案いたしまして、タイ八社、ビルマ三社を輸入食糧取扱業者に指定いたしまして、これを政府代行機関として買付検査、積み込み、海上運送等の業務を委託しているわけでございます。ビルマにおける買付機構は別といたしまして、タイ八社の実施している業務の内容を見ますと、買付業者としての本来の使命であるところの検収業務は、その一切をあげて中立の国際的検定機関であるところのフェスコ、あるいはIITCにこれを一任しておりまして、商社がみずから行う業務といたしましては、これら機関の検査の結果に基くクレームの申し立てと、それから新らしいアロケーションを得る場合のアレンジ、つまりクレームをした結果、他の物を探さなければならない、そういった場合のアレンジでございます。それから用船積み込みの際の監督といつたような事務処理にすぎないものでありまして、特に八社というような多数の商社を指定いたしまして競争的に業務を行わせるという意味は少いのではなかろうかというふうに考えられました。 なお、タイ米の輸入国であるところのイギリスあるいは東インドはともに個々の、ばらばらの商社に仕事をさせませんで、現地においては、商社に組合を結成させまして、現地の政府機関監督のもとにこの組合をして実務を行わせているということをやっておりますが、政府間貿易あるいは民貿を通じまして、現地における買付の機構の問題については今後なお研究を要するのじゃなかろうかというふうに考えられました。 それから次は現地における検査機構の問題でありますが、砕米の混入率の超過及び搗精不良といったようなことが黄変米と並んで南方米に多いわけでございますが、こういった不良品が多量に輸入されるのは、前に申したような流通の各段階におけるいろいろの悪い条件が原因となっていることはもちろんでございますが、買付現地におけるところの検収の如何によって左右されることもまた明らかであろうと思われます。そうして白色病変米の輸入を除く不良米の輸入防止につきましては、買付に際しての検査の徹底によってその大半の目的を達成することができると考えられるわけでありますが、その検査の適否は、その検査機構のあり方に左右されることが多いと考えられます。 タイ国及びビルマ国における現地の検査機構の現状を申上げまして御参考に供したいと思いますが、タイ国においては、タイ米の買付は、先ほど申したように委託買付業者がみずから行うことなくて、中立の検査機関であるフェスコ、あるいはIITCをして行わせております。しかしながらこれらのIITC、あるいはフェスコといったような検査機関は買手のために検査を行なっているということにはなっておりますけれども、委託買付業者とこれら検定機関との間には明確な検定に関する契約もないようでございまして、中立的な検定機関であるところのこれら機関の検査が、安全に買手の立場に立って検査をする、買手になりきって検査をするということを期待することはその検定機関の性格上若干困難なのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。又買付業者がこれら検査機関を強力に指導するということが考えられるわけでありますが、その検査機関の人的の機構上、これらは困難のようでございまして、フェスコに対しては二人の日本人の技術者を指導者として送り込んで強力な指導を試みているわけでございますが、残念ながら二人の日本人は技術面では大いに指導しておるが、人事権がないというために所期の目的を十分期待できないような段階にあるわけでございます。実際の検査事務を行う現地人の中には米商あるいは精米所からイージー・マネーをもらって適当な検査をするといったようなことも間々あるようでございますが、そういったようなことを日本人の技術者連中が見つけても人事権がないので、どうにもならないというようなことを嘆いておりました。さような実情からいたしまして、買い人がみずから強力な検査機構を持つて実施するか、あるいは真に買手の立場に立って検査をするような機関を選んで実施させるか、いずれかの方法を講じて検査を強化充実する必要があるのではなかろうかというふうにタイについては考えられました。 ビルマ国におきましては、二十六、二十七、二十八、この三年にわたるところの黄変米の輸入状况などを考慮いたしまして、政府間貿易、あるいは政府間の貿易協定あるいは委託契約に定められた積み地検定人のBPS、これはビルマの機関でございますが、このBPSが予備検査あるいは船積みの検査を実施するとともに買付側として委託買付業者、これはそれぞれサーカーと現地で言っております検査人を使って買付に当って検査を実施しております。このサーカーを使ってのビルマにおける買付検査の点について検討を要することの第一番目は、委託買付業者が使つておりますところのサーカーとこの委託買付業者との間には何らの契約関係もないし雇用関係もないということでございます。つまり買付業者が実際に契約を結んで自己の使用人としておりますものは、そういった検査用員の中の指導者であるところのスーパーヴァイザー及びそのアシスタント二名程度でございまして、その他は船積みの時期になるとスーパーヴァイザーが親分子分の関係でそういったサーカーと称するものを集めて来て、自分の指導の下に検査をさせるといったようなことでございまして、従ってそれらのサーカーは委託買付業者に対して何の責任関係もないといったような姿になっております。ある商社の船が一ぱいしか入らなければまだいいのでありますが、場合によっては一つの商社の船がラングーンに一ぱい入り、モールメンに入るといったような場合には、一人のスーパーヴァイザーではどうにもならないわけでございまして、そういった場合にはスーパーヴァイザー同士が自分たちの個人的なつながりによって他のスーパーヴァイザーを一時雇って最も大事な検査の全責任をその人が持って検査するといったようなことになっておりまして、米の検査は、いわば現地において行うところの委託買付業者の検査でございますので、もう少ししっかりと検査機構というものを確立して、責任を明らかにするような仕組みに改める必要があるのじゃなかろうかというふうに感じられました。 なお、この委託買付業者がサーカーを使つて行うところの検査のほかに、先ほど申したように、中立の機関としてBPSが検査を実施しておりますが、さらにこのほかに日本側の検査の相談役と申しますか諮問機関として先ほど申したフェスコあるいはIITCがさらに使れておるわけでございます。そうしてこれらのフェスコあるいはIITCに対して食糧庁で検定料を支払つておるわけでございますが、実際の問題として中立の検定機関であるBPSが中立の立場から第三者的な検定をする。さらに買い人としての委託買付業者がその立場における検査をするといったような検査の仕組みのもとにおいて、実質的にそれらの検査よりも低い検査しか実施していないようなフェスコ或いはIITCに検査料を払って顧問的な役割を演じてもらう必要があるかどうかといったようなことが将来検討を要するのではなかろうかというふうに感ぜられました。 概略でございますが、以上タイ、ビルマ両国の現地調査の報告を終ります。
○委員長(山田節男君) ありがとうございました。ただいまの小原課長の調査報告に対しまして、御質疑並びに御意見のおありの方は、この際御発言を願いたいと思います。
○飯島連次郎君 タイ国の場合で一点伺いたいのですが、タイ国では精米に対してビルマでやっているようなオン・デマンド・ミリングといったようなのは実施の可能性がありますか、あるいは、それも必要だと思うけれども、そういうことは必要がありとお考えになりますか。
○説明員(小原剛君) お答えいたします。必要があることは言うまでもないと考えられますが、現在のビルマにおきましては、このもみ段階から政府は管理しておるという関係で、そういったことも言えると思いますが、タイ国におきましては、そういった管理の事情が全く異なりますので、よほど政府が本腰を入れて徹底したことを考えない限り、実際問題としてその実施はむずかしいのじゃなかろうかというふうに考えられます。
○三浦辰雄君 ちょっとお聞きしたいのですが、今のタイですが、日本ではずいぶん業者を整理して今では八名らしいですね。米についてはG・G、政府対政府のほかの相当分量を多くはこの八社等が中心になって、プラス・アルファーといいますか、G・G間のやつは買っていたわけですね。それについては得体のわからない米ドルというやつを出しているというふうにも聞いているのですが、そういう問題はどうだったかという点と、それから英国は同じく入れるについて組合組織をうまく使っているという御報告がありました。組合というのは、いわゆるライス・ミル等のものなり、いわゆる米商というものなり、或いは英人の向うにいる商社なり、これらの、あるいは合体になった何人かの、何十名かの組合かしりませんが、その辺の組合の大体のお聞きになった内容ですね、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(小原剛君) 最初の点はタイ国政府のフォビング・チャージの問題かと思いますが、タイ国政府といたしまして、私たち聞いた範囲においては、輸入米につきまして、先ほど申したように、かなり国内価格よりも高い価格で売っておりまして、差益を得ておりますが、そのほかにフォビング・チャージを実際よりもかなり高く得て、そこからも又利益を上げておるといったような事情があるようでございます。私たちが聞いた範囲においては、現在六ドル五十五くらいになっておるわけでございますが、それが実際は五ドルくらいでいいんじゃないかといったようなことを聞いて参りました。 それから第二番目の問題は、英国はたしか五社だと思いましたが、五社で組合を結成いたしまして、各組合のシェアはあるようでありますが、外に対してぶつかる場合は、個々のものがばらばらで行くよりも、一つにまとまったほうがいろいろな面で楽であるといったようなことから、組合を作つて外部折衝などいたしまして、ただ分け前としては五社のシェアによって、内部的に利益を分け合うといったような仕組みになっているようであります。
○三浦辰雄君 今の一ドルの問題といいますか、大体見当つきましたが、依然としてやっている。今度ああいった政府貿易といいますか、管理方式を変えるということになると、今の八社というような問題は、もうすでに八社じゃ多すぎるということさえあって、まあ十六社ぐらいのやつをやっと半分にしたのだという経過もあったようですが、あなたのほうの、つまり会計検査院というふうな立場から、勝手にというとおかしいけれども、立場からこれを見るというと、いろいろな見方があると思うのです。たとえば非常に一社とか二社とかいったようなものにしてしまうと、あるいは別の心配も出て来ないとも限らないし、そうかといって事実ごらんになっているように、八社あたりがお互いに競合して、そうしてそこにつり上げるといっちゃ悪いけれども、粂件を悪くしながらもお互いの競争を激しくするというのも、これは国としてもマイナスになることは明らかだ。こういう点、どういうふうに率直に、わずかな期間でありますから、無理にどうですか、どうですかと言つて、我々としてあなたに結論出せというわけに行きませんけれども、どんな感じがして来たかという点だけを、この機会にお聞かせ願いたい。
○説明員(小原剛君) 今の問題につきまして、八社がいいとか悪いとかいうことを私たち申上げることは、その立場でもないと思われますので、そういった点は避けまして、現地で聞きました実情を率直に申しますと、これは直接輸入米の問題ではございませんが、ライス・フラワーを八社が扱った例が最近あるそうでございます。この場合に輸出するほうは一つであるといったようなところにもって来て、八社が競い合ったという関係で、たしか買付を予定した当初よりも、相当値上りしたものを買わざるを得ないような結果になったといったような話を、外務省の出先機関である大使館の担当官からお聞きいたしました。それから同じような事態は、私たち帰りにヴェトナムへ寄りまして、ショロンの精米所、あるいはショロンの郊外の収穫状況なども見て参ったのでありますが、その際、ショロンで、まあショロンの大きな代表的な精米業者の主人の話、あるいは率直な日本側の商社の駐在員の話などに出たのですが、仏印米をこれまで買った場合において、群小の商社がそこで競い合うために、非常に値を高くしてしまっている。向うの話を率直に伝えますと、つまり内地で入札の気配があると、仏印では輸出組合が輸出を一貫して扱っているわけなのでございますが、その輸出組合が市況と申しますか、そういった相場を直ちにはね上げさせる。従って精米業者のその主人の話では、日本がこれまでのような買付の仕方をしてくれれば、自分たちは非常に儲かるのでありがたいけれども、日本としてはもう少し考えなければいけないのじゃないですかというようなことを、これは華僑でございますが、率直に話をしてくれました。そういったような事実があるということを申上げます。
○奥むめお君 関連して、同様のことを、船賃のことではどうでございますか。やはりもっと積めるかもしれない船に、少ししか積まないかもしれないですね、そのことを伺つておきたいと思います。
○説明員(小原剛君) 船賃の問題につきましては、格別にお話のような点は、現地では聞いて参りませんでした。ただ船賃の問題として、私たち将来考えなければならないと思っておりますことは、このバンコック積みの場合に、バンコックであまり大量積めない関係で、コーシチャンというバンコック港の外港から積む場合が多いのですが、このコーシチャン積みの場合とバンコック積みの場合の運賃の問題については、今後検討を要するというふうに考えた問題がございましたが、その他の点につきましては、今御指摘のようなことは現地で聞く機会がございませんでした。
○奥むめお君 その今後考えなきゃならんというのは何ですか。
○説明員(小原剛君) それは現在このコーシチャン積みの場合がバンコック積みの場合よりも若干高いのでございます。ところがコーシチャンはバンコックのまあ外港と申しますか、広い意味でバンコック積みの一部でございまして、その場合バンコック積みよりも高い。バンコック積みとの差額というものの計算がバンコックからはしけでコーシチャンまで持つてきた場合にはどのくらいかかるといった計算を基礎として、バンコック積みの加算額をきめておるわけなんですが、バンコックからコーシチャンまではしけで持つてきた場合と、それから船で、汽船が動く場合とでは運賃が同じというようなことはあり得ないということで、このバンコック積みについて、かりに高いとしても、この計算というものをもう少し合理的にしなければおかしいし、なお高いということが、同じような事例がビルマのモールメインについてあるのですが、モールメインにおきましても、やはり港が浅い関係で、大量積む場合には約三十二マイル余り離れたハーフェイ、アンカレッヂというところで積むのです。この場合はハーフェイ・アンカレッヂで、積んでもモールメインで積んでも料金は同じわけなんですが、そういったことから見て、あるいは現在やっておる計算の仕方から見て、バンコックとそれからコーシチャン積みの場合の運賃の問題については将来研究する余地があるというふうに思っております。
○奥むめお君 ちょっと続けてよろしうございますか。これは世界で日本が初めて問題にしたのですか、黄変米とか白色病変米とか、今度初めて問題になったのか、今までもあったのかどうかということと、それから何か水田にある、水の中に白色病変米の菌があった、これはおそるるに足らないところの菌でございますか、それともやはり将来問題が残っておるのでございますか。外国にやはり問題があったとしたらどういう対策を今までしてたかということと、これからのことについて……。
○説明員(小原剛君) お答えいたします。最初の白色病変米、あるいは黄変米を日本で最初に問題にしたのかというようなことにつきましては、私たちが承知している範囲では、これを食糧の適不適といったような観点から問題にしたのは日本が最初であろうと思います。 それから第二番目の水田にある菌の量の問題でございますが、これは調査団といたしましても、まだはっきりとした結論をもちろん出しておりませんし、中間的なものはかなり報告は出てはおりますが、まあこれを読んで見ても、あまり明暸でないのですが、ちょっと読んで見ますが……。
○奥むめお君 厚生省のほうの調査で……。
○説明員(小原剛君) 厚生省ということではございませんで、今度現地に出ました政府の調査団のこれは主として東大助教授の飯塚さんが当られたのですが、その方の御意見と思います。タイ、ビルマ、大体同じような実情のようでございますが、タイにつきましては、水田の土壌の中に有毒の病菌が含まれている。ただし水田の空気の中からは検出されないということが中間報告になっております。それからなおつけ加えますと、これはサンプルの取り方によっていろいろ違いがあったのじゃなかろうかというようなことを言っておられましたが、タイにおきましては、土壌の中からタイ国黄変菌、それからイスランジア黄変菌両方検出されておるようでございます。それからビルマにつきましては同じく有毒菌が検出されてはおりますが、イスランジア黄変菌は検出されてはおらないようでございます。ただ先ほど申したように、これはサンプルの取り方の問題であって、ビルマの土壌の中にはイスランジアはいないんだというようなことでは決してないというようなことを飯塚さんも言っておられましたので、つけ加えて御説明申し上げます。
○飯島連次郎君 タイ国とビルマと両方の場合ですね、例えばビルマならラングーン、タイ国ならバンコックといった代表的な一番たくさんの日本に対する米の動く港を経由して、レギュラーのコースでいいですから、農民の手を離れてから日本の港に着くまでの中間経費というか、経費のかさんで行く状況、お調べであれば、一つお伺いしたいと思います。
○説明員(小原剛君) 実はそういったことも調査するようにしてデータは集めておるのでございますが、肝心の資料がいろいろの関係でタイ国につきましても、ビルマにつきましてもまだ送って来ないわけなんでございます。それが来ますれば、ある程度計算は出るかとも思いますが、今のところデータがございませんので、お答え申し上げられません。
○飯島連次郎君 今の問題は、特にこの決算委員会とは非常に関係が深い問題ですから、なるべく資料が着いたら、すみやかな機会に一つお知らせを願いたいと思います。
○説明員(小原剛君) わかりました。
○飯島連次郎君 それからもう一つ、この写真で拝見すると、ビルマのレミリング・マシンというのは、どういう場合にこの機械を使うのですか。
○説明員(小原剛君) その写真のレミリング・マシーンは、悪いものですが、これは政府倉庫にあったわけなのであります。というのは政府倉庫はやはり相当古い米を扱っております関係で、インド向けなどに輸出の場合に、非常に悪いものはその機械にかけて再搗精した上積み出すといったような方法を講じておるようでございます。
○委員長(山田節男君) ほかに御発言もなければ本件に関しましては本日はこの程度にとどめたいと思います。 —————————————
○委員長(山田節男君) 次に国鉄の民衆駅に関する件を議題といたします。 国鉄民衆駅につきましては、去る第十九国会閉会中に改正営業規則実施後の措置について、説明聴取並びに質疑をいたしておるのでありますが、本日は民衆駅について善後措置の全般について、国鉄当局から説明を聴取し、今後の調査の資料といたしたいと考えるのであります。本日は会計検査院の大沢第四局長、国鉄側としましては、唐沢営業局長並びに篠原臨時財産監理部長がおいでになつておりますから、では唐沢営業局長から御説明をお願いいたします。
○説明員(唐沢勲君) 民衆駅に関する全体の問題を説明するようにということで資料の御要求もございまして、一応とりまとめましてお手元に差し上げたのでございますが、大体その資料に基いて申し上げたいと思います。かねてからの何回かの当委員会におきまして御説明を申し上げた点もあるので詳しく申上げることは、かえって御迷惑かとも存じますが、だいぶ何回も重なっておりますので、大体を取りまとめて全体の姿という意味で申し上げた方が都合がよいと思いますので、そういう気持で申し上げたいと思いますから御了承をお願いいたします。 まず、資料の一というのにございますように、民衆駅の建設及び運営に関する基本事項が決定されるまでの経緯ということで書いてございますが、十六国会以来、民衆駅の問題につきましていろいろと御指摘をされ、御批判を受け、また問題となっておりました。また会計検査院、行政管理庁からもいろいろな点から御指摘があったのでございます。国鉄といたしましては、戦後の輸送というような問題に全力をあげておったというような関係もありまして、こういつた財産管理の関係や、民衆駅というような問題について十分の検討が足りなかったという点もあったということを認めざるを得ないわけでございます。また経済情勢が非常に急変いたしまして、これらに対する適切なる処置が遅れておったということも事実でございますので、この機会に十分そういう点をはっきりさせなければならぬというふうに考えまして、根本的な検討をすることにして参つたのであります。そういう意味におきまして、まず民衆駅の建設及び運営に関する基本事項、並びに土地、建物、高架下といったような、そういういわゆる財産の部外使用という点に対する問題、それから料金の問題というような問題を議論していただくために、総裁の諮問機関といたしまして、民衆駅等運営委員会というものを昭和二十八年の十月に作ったのでございまして、その委員の顔ぶれは別表に書いてあるようなわけでございます。そしてまた部内といたしましては臨時財産監理部を本庁内に設けました。これが昭和二十八年の十一月でございます。そしてもっぱらこういった財産関係の事務に専念させることにしたのでございます。そこで、この民衆駅等運営委員会はその後ずっと十七回にわたって審議を重ねて参っておるのでありますが、二十九年の四月二十一日、第十一回の委員会において、ここに添付してございますような民衆駅の建設及び運営に関する基本事項についての答申があったのでございます。それからなおその後も引き続きまして実際に取り上げられるような民衆駅の問題、あるいはそれに関連するような事項、あるいは料金の立て方というようなものにつきまして今日もなお審議を続けておるようなわけでございます。そこでまた一方、規則の関係から申しますと、日本国有鉄道構内営業規則、それから国有鉄道の固定財産管理規程、こういうようなものも、その民衆駅等運営委員会に諮りまして改正をしてきたのでございます。 一方また料金の決定につきまして重要な要素となる土地、建物等の評価につきましては、特に大阪と東京の鉄道管理局長の諮問機関といたしまして、土地建物等評価委員会を設けまして、これも委員の顔ぶれは別表に添付してございますが、そういう方にお願いいたしまして、専門的に研究していただきまして、十数回にわたって審議を重ねて参りまして、これも東京の方におきましては、八月三十一日と十月七日に答申があり、大阪におきましても九月十日にあったのでございますが、この委員会におきましても、その後さらに具体的に一つずつ検討するという仕事を今もなお続けておるような次第でございます。かようにいたしまして、大筋からいいますと、この民衆駅等運営委員会において民衆駅の基本事項を答申をされて、それから規則の改正もして、それによって行う、それから評価委員会の答申に基いて評価を行う、こういうような手段方法を通じまして、次第に改善をはかって来て参っておる次第でございます。 次に、それらの内容についていささか申し上げますと、まずこの民衆駅の建設及び運営に関する基本事項でございますが、これもあまり内容を詳しく申し上げるのもどうかと思いますが、簡単に要点だけ申し上げますと、結局民衆駅の建設というものにつきましては、国鉄の駅舎の整備、それから経済的に価値の高い鉄道用地を立体的に活用するという点、それから都市計画の要請にこたえて都市美を形成するというような点からいい点はあるが、しかし民間の金を入れることでありまするから、その入れた人たちがこれを営利的に使うというおそれがある。つまりその民衆駅において営業する人たちの企業性、つまり企業性のために駅の公共性を害するというようなおそれができてくる。そういうおそれがあるから、そういうことのないように、十分に初めから基凖を設けて、そういう弊害のないような方向へ持っていかなければならぬという考え方が基本の考え方でございます。 それからまた建設の対象となる駅につきましても、それを積極的にどんどんやるという意味ではなくて、災害をこうむった駅だとか、あるいは老朽で取りかえ工事をしなければならない駅だとか、あるいは都市計画との関連上どうしても改築しなければならぬ、あるいは輸送の需要の増加に伴って、どうしても改築しなければならぬというような、改築に迫られているところに限ってそういうことを考えてもよろしいというようなことが根本の考え方になっております。 あとの点につきましては、建設の承認の相手であるとかあるいは工事の設計、施行はどういうふうにやる、あるいは工事費の負担をどういうふうにするか、あるいは財産の帰属の問題、あるいはそこで営業を承認される場合にどういうふうにさせるか、あるいは営業承認の方式、時期はどうであるか、また営業の監督については、民衆駅の営業のような場合の監督は従来の出店業などのものと違いますので、そういう点について適切な方法をやるというようなこと、それから料金の算定の方法はどういうふうにする、それから料金の徴収の時期というような点で、従来いろいろと問題になった点につきまして基本の考え方が答申の中に入っておるのでございます。 こういうような答申を受けましたので、これらの点を取り入れまして、この資料の四にございまするのですが、民衆駅に関する請願の処理方について、こういう通牒を地方の鉄道管理局長のほうに出しまして、この諮問に応えた答申、こういうような趣旨で今後もやるからそのつもりで取扱うようにという通知を出して、民衆駅のあり方について局長にそういうふうな通牒を出して趣旨の徹底をはかったのでございます。 その次にこの委員会にかけて改正しました固定財産管理規程の要点を若干申し上げますと、この固定財産の管理規程は、これは昨年の四月一日から実施したのでございますが、この規程の中の部外使用の点でございます。国鉄自身ではなくて、部外に使用させる部門につきまして改正をしたのでございますが、その要点は、これもここに資料を出してあるのでございますが、全部一々申し上げるのも大へんでございますので、要点を申し上げますと、部外使用に関するこの規程の適正にしてかつ統一的な運用を確保するために不備な点を整備したわけでございますが、さらに新たに取扱手続を制定したのでございます。また使用料金につきまして、土地、建物及び高架下等の場合の評定要素を明確にしたのでございます。従来は近傍の類似価格というようなものを主としておったのでございますが、今回はあらゆる評定要素を積み重ねて、はっきりした使用料金をきめるというふうにしたのでございます。また、譲渡とか転貸というような点があいまいになっておりましたので、そういう譲渡とか転貸というものを原則的には禁ずるが、事情によって許す場合には、特別に厳格な承認を受けてやるというようなふうにいたしました。のでございます。また料金の徴収の時期をいつから取るかというようなこと、あるいは延滞利息を徴収するというような規則等について明確にしたのでございます。また保証金の預託とか、連帯保証人についての規定というような点がおもな点でございます。こういうようなふうに規程を改正いたしたのでございます。 その次に、規程の関係を申しますと、構内営業規則でございます。これもかねて御報告を申し上げたのでございますが、これは四月からという予定でございましたが、いろいろ研究問題もございまして遅れまして、七月一日から施行したのでございますが、その要点につきましては、資料の五に「構内営業規則は民衆駅に関してどのように変えられたか」というような題で一応書いて資料として提出したのでございますが、この改正のおもな点は、営業種別の改正でございまして、この民衆駅における営業は非常に広く、多岐にわたって大規模になってきておるのでございます。従来この構内営業規則の制定されたときは、大体駅の小さな売店とか出店というようなものを主として対象にしておったのでありますが、こういう民衆駅とかいうようなところには大規模な営業、また複雑な営業ができてきますので、これらに合わせるように営業の種別を改正したのでございます。これにつきましては資料の三にも対照してございますが、これは少し見にくくて、わかりにくいと思いますが、追加資料で「構内営業規則による営業種別・種目等について」というのも出してございます。要するに大ざっぱに見まして、構内旅客営業と構内公衆営業というふうに分けまして、構内旅客営業というのがほんとうの旅行者のサービスを主として考えたようなものでございまして、立ち売り営業とか、それから手回り品運搬営業、あるいはくつみがき営業、あるいは小さな売店、携帯品一時預り営業というようなものを考えているのでございます。構内公衆営業といいますと、相当大きな店舗、あるいは貸室をするような業というようなものもこれに加えまして、そういうふうに民衆駅の営業に合うようなふうに改正をいたした点でございます。 それから営業の料金が問題でございます。これにつきましては従来は売上高に千分の十をかけたものを構内営業料としまして、そのほかに土地を使えば土地の使用料、建物を使えば建物の使用料というふうに別々にしておったのでございます。これに対しまして、この方式を変えまして、大体三つの種類に分けまして、出店や売店とか、立ち売りのようなものにつきましては、売り上げを基礎としまして、売り上げの千分の十一というのだけでいく。しかし一方民衆駅等のように広い場面を一帯として使うような場合には、その土地の収益力というようなものを考えまして、その土地の地代という点で、これを正確に適当に評価して、それで一本でやる。それからまあその中間といいますか、構内であるけれども、あちらこちらに点在しているような売店というようなものにつきましては、その場所によってやはり非常に収益力や地価が違いますが、それを一々評価することが非常にむずかしいもので、その基礎になる地代と土地使用料と、それに売り上げの千分の五の料金を附加してとると、こういうような三つの方式をきめまして、小さい立ち売りのようなものから大きな民衆駅の営業というようなものにそれぞれ合うような方式をきめたのでございます。 それから営業を開始する以前、民衆駅を建て始めたとき、まだしかしそこで営業していないときでも土地の使用料をとることとしましたのであります。それから又二階以上の場所の地代相当額についての料金のとり方もはつきりさせたのでございます。 それから営業の監督につきましても、直接旅行者にサービスするようなものにつきましては、つまり旅客営業につきましては十分非常にこまかい監督をする、その半面民衆駅等で直接の旅行者じゃなくて、一般の公衆にもそれをサービスしておるようなものにつきましての監督はある程度寛にする。しかし同時にまた貸室業のようなものにつきましては、そこの入席者あるいは経営を受けて営業しておる者、そういう者に対しても十分監督のできるというような方法もとるというふうにしまして、民衆駅の営業の監督の実情に合うよろな監督をし得るようにしたのであります。以上のような点が構内営業規則の改正のおもな点でございますが、詳しい点はこの対照表等によって御承知を願えれば幸いと思つております。 なおここで民衆駅等において一番問題になりましたのは、この営業の料金の問題でございます。これについてもう少し申し上げますと、これは資料の六に特に「民衆駅の営業料金について」ということで提出いたしてあるのでございます。これは先ほど申し上げましたように、営業料金のとり方を改正した点でございますが、この民衆駅におきましては、大体その使っておる場所を一体として評価いたしましてその土地使用料、それから建物の使用料というものをとる。これを一本として、別々でなくして一体として営業料としてとるというふうにしておるのでございます。なお民衆駅におきましては、このうちには民衆駅におきましても、ここにあります豊橋であるとかあるいは尾張一の宮というように、個別に一件々々承認しておるような小さいのがございます。これらにつきましては、べースになる土地使用料のほかに売り上げの千分の五を徴収するというふうな範疇に入るものもあるような次第でございます。それでこの料金の計算につきましては、先ほども申し上げましたように、土地の評価というものが非常に問題になって参りますので、この評価委員会等で十分検討して頂いた関係などもありまして、この決定が大へん遅くなったのであります。しかしこれもきまりましたので、契約の更改の手続を、東京、大阪等につきましても、答申があった直後、この作業を始めまして、着々やってきておるわけでございまして、その数字を申し上げますとここにも添付してございます資料の七に出ておるのであります。「都内民衆駅の昭和二十九年度及び二十八年度営業料金」というのがございます。ここにございますように、東京駅の八重洲口の、これは鉄道会館に貸してある分でございます。これが二十八年度で二千百万円ばかりでございます。これは営業が年度の途中から始まっておりますので、平年度換算にいたしますと、カッコの中にありますように二千四百万円となるのであります。これが今回の改正によりまして、二十九年度が四千五百六十万円ほどになるわけでございます。これが完全な姿になった場合は、これはまだ正確に計算しておりませんが、おそらく七千八百万円見当ではないかというのが、この三角のしるしがしてあるところであります。こういうことであります。秋葉原駅の秋葉原会館につきましては、これはそういった方式の変更の結果、これが二十八年度の五百万円余りのものが、これが三百万円ぐらいになったのでございます。高円寺の方も百七十二万円が、これがだいぶ下りまして九十三万円ほどになるようなわけでございます。 それから地方の方の民衆駅におきましても、資料の八に添付してございますように、札幌、沼津、豊橋、一の宮、富山、金沢、福井、松江、門司、西鹿児島というのがございますが、それぞれ先に申し上げましたように統一的な方法によりまして計算をし直しまして、それぞれ二十九年度の料金を決定いたしたのでございまして、下っているところも相当ございます。若干上っておるところもございまして、まあこれを全部ならしてみまして、民衆駅の営業料金は大体二倍見当になっていると思うのございます。こういうふうにいたしまして料金の改訂をいたしたのでございます。 それから次に契約はどういうふうに新旧によって変ったか、その例を示すようにというお話でございまして、これはおわかりにくいかとも思いますが、若干資料を提出したのでございます。 まず鉄道会館、東京八重洲口の本屋の建設に伴うこの鉄道会館との契約でございます。これもこの前の十一月の委員会で概略申し上げたと思うのでございますが、この契約はその節も申し上げましたように、一般の私契約の契約のような形をとつておりませんで、使用承認というような形式をとつておるのでございまして、申請に対しまして、条件といいますか、内容を書いて、こういうことで承認をする、それに対して請書をとるというふうな格好でできておるのでございます。この東京の鉄道会館につきましては、「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」というので、これを承認を二十七年の九月にしておるのでございます。これと、これに伴いまして、工事の細目に関する承認が別にございます。それがこの資料の九に一番もとの承認がございますが、この中で原契約と新契約と、こうございますが、これは新契約のほうは、会計検査院あるいはその他からいろいろ御指摘のあったような点につきまして改正をしたのでございます。なお、ちょっと申し添えておきたいと思いますのは、この資料におきまして、たとえば第一条とあるのでございます。こういうのが右の方に何も書いてないのはそのまま生きておるのでございまして、削除したところ、あるいは変ったところだけ右の方に書いてあるのでございます。それでこの契約がございます。 それから資料の十の方は、これはこの契約に基きまして土地使用の承認を東京鉄道管理局長が出しておる、この承認でございます。こういうふうになっておるのでございますが、一番この契約において問題となりましたのは、構内営業につきましてはっきりとした、どういう構内営業で、どういう料金でどういう範囲であるとかといつたような基本のことがないという御指摘を各方面から受けたのでございまして、この原契約の第十一条に、「この施設内における営業については、日本国有鉄道構内営業規則を適用する。」というような規定がございまして、これしか基本の契約にはないということが、こういうことがよくないということでございまして、これにつきましてはこの当時工事中でございまして、いろいろ不確定な要素等もございましたので、こういうことにしたのでございますが、確かにそういう点を明確にする必要があると思っておったのでございますが、従来は、先ほど申し上げましたような東京鉄道管理局長からの土地の使用の承認書によって土地の料金をとり、一方営業の料金につきましては、前の営業規則によりまして、そのつど料金を徴収の手続をとる、こういうような格好にしておったのでございますが、このたび構内営業規則の改正によりまして、ここに構内公衆営業承認書、資料の十一でございます。こういうのによりまして、新たに構内営業の承認をはっきりときめたのでございます。これが昨年の十月十六日でございます。これによりまして、営業の種目は、店舗営業、貸室営業、雑営業、こういうのを認める。それから貸室営業の入居者、それから営業内容、こういうものもはっきりきめる。それから承認期間は二十九年の七月一日から三十一年の三月末日まで、営業の場所は、これもはっきりと図面で明らかにする。それから土地及び建造物の使用につきましても、図面でもってはっきりさせる。その広さも明確にいたしたのでございます。それから料金につきましても、二十九年の四月一日から九月三十日までの料金、それから納入金額は、昭和二十九年六月二十三日にすでに旧料金を納めておりますので、その差額を納める。それから下半期の分は幾ら、こういうふうにはつきり明確にいたしました。それから三十年の四月以降の分は、また別に通知するというふうに明定したのでございます。そのほか(2)、(3)の建物保守の問題とかあるいはそのほかの問題につきまして二、三つけ加えまして、構内営業、すなわち土地の使用及び構内において営業する場合の料金といったようなものについての契約をこれではっきりさせたのでございます。かようになりました結果、先ほど一番最初に申しました建設に関する基本の契約と、それに伴う工事の細目に関する契約、それから土地を利用して構内の営業をする契約、その三本建の契約に整理いたして、相当不明な点が明らかになったと考える次第でございます。 資料の十二は会社の定款でございます。 この十三は鉄道会館と入居者、そこにおいて入居して営業する者との間の契約のひな形でございます。結局これは構内営業規則の改正によりまして、たとえば鉄道会館から借りて、中で営業する者も、日本国有鉄道構内営業規則というものを守らなければならぬということを入れる、そういうようなことを規定すると、構内営業業則改正に伴いまして、会館と入居者の間の契約もはつきりさしたわけでございます。以上が鉄道会館の契約に関する資料でございます。 その次にございます十四の方は、これは秋葉原の秋葉原会館に関する旧契約と新契約でございます。旧契約につきましてはやはり土地の使用、評価したものの使用ということで、財産の使用、構内の営業料、二いろになっておるのでございます。これをあわせて一本にいたしまして、なお営業の内容等も現実に合うようにはっきりと明定するというふうな方法にいたしまして、料金を明示いたしまして、資料の十六にあるような新しい契約とすることにしたわけでございます。 その次の資料の十七の方は金沢の例でございます。十七と十八、十九が金沢の例でございます。これはあそこが四十四店ほどございますが、これが個別に営業の承認と土地建物の使用というのを別々に、しかも四十四店に出しておったのでございますが、このたびこれは金沢駅地下ビル株式会社というのに統一されまして、これに一括承認をすることになりました。しかもこの料金は土地使用料というようなものも全部合わせまして、一つの構内営業料としたので、承認は一本にいたしました。資料十九というようなものになったわけで、こういう承認の形になったのでございます。 その次は、これは松江の例でございます。これは大体承認の方式は変っておりません。ここは前から一本でやっておったのでございます。ただ営業の種別が二つあるので二つになっておるのでございます。承認の方式は、従来から今度の改正の趣旨にのっとったような方式でやっておりましたので、何といいますか、この書類の形式と、それから料金が変っただけで、そう承認の方式といいますか、そういうものには変更はございません。 その次は豊橋の例でございます。ここは三階が豊栄百貨店で、下には小さな売店が若干あるのでございます。これがそれぞれに対しまして、建物、土地の使用と営業の承認が出ておったのが、これがやはり相手方は変っておりませんが、合わせて一本にしまして、新規則に合うような承認形式に改めたというわけでございます。いろいろな場合につきましてこういう契約のひな形を参考資料にしようとして提出したような次第でございます。 大体こういうふうに民衆駅等につきまして規定の改正並びにこれに伴う料金の改訂、契約の更改ということをしておるのでございますが、なおこれらの民衆駅の問題につきましては、料金の問題につきましても、あるいはその使用の期間の問題、使用させる期間の問題とか、いろいろ問題もございますので、従来のこのやり方を更に細部にわたつて検討をしていく必要があると思いまして、民衆駅等の委員会におきましても、さらに細目についていろいろ検討を続けてもらっております。また、土地建物等の評価いかんにつきましても、個々のケースについて具体的に検討し、また今回実施したこれが、果して妥当かどうかというような点につきましても、なおそのあとを検討するというふうにしておるのでございまして、今後もそういう方面に一そう努力をしまして、万全を期していきたいと、かように考えておる次第でございます。 簡単でございますが、今までのいきさつ、その他現状を概括申し上げた次第でございます。
○委員長(山田節男君) ただいまの国鉄側の説明に対しまして、検査院の方で何か御意見があればお伺いしたいと思います。
○説明員(大沢実君) まず規則、規定の改正について申しますが、大体この固定財産管理規則及び構内営業規則が、今度の改正によりまして相当改善されたということは、会計検査院としても十分認める次第でございます。ただ問題は、これから改正規則の実施をどうするかということ、管理することが問題であるのであります。それはちよつと後に申し上げるわけでありますが、なおこの規則の中で検査院として、はっきりしたものではありませんが、検討を要すると思います点を申し上げますと、この資料の3の二枚目のところに、構内営業料金の軽減の規定があります。これは従来は軽減の規定がなくて、たしか総裁通達によって、鉄道弘済会だけは、一般から千分の十の営業料金をとっておるところを千分の五とっておるということを、今度は規定で明文化しまして、公益法人が国鉄の事業遂行上必要な厚生福祉事業を営む場合に限って軽減するという規定を設けられまして、実際にはこれを鉄道弘済会に適用されて、今度は一般が千分の十の料金であるところを鉄道弘済会は千分の八料金を徴収するということにまあ実施されたわけであります。従来明文のなかったところをはっきりしたという点においては、そしてなおかつ千分の五が千分の八に引き上げられたということは一つの進歩でもありますが、なおわれわれが考えますのに、鉄道弘済会はなるほど国鉄の一つの外郭団体としまして、厚生福祉事業を相当やっておられることでありますが、むしろ構内営業料金としては一般の営業所と同じ料金を徴収し、国鉄事業遂行上必要な事業を弘済会に委託するといいますか、施行させるとすれば、その分は別途に分担金とかあるいは補助金といいますか、そうした面で出す方がすっきりするのではなかろうか。構内営業料金が千分の八、一般より千分の三減つても、これは売り上げによって相当金額に移動が出てくるわけであります。一つの事業を遂行させようとする場合には、やっぱりある一つの固定した、どれだけの金というものをはっきりした方がいいのじゃないかという感じを持っております。これはなお検討を要する点として一応申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、同じ構内営業料金の付表の方に出ておりますが、列車食堂の営業料金であります。これは従来は食堂車の使用料と、それからいわゆる構内営業料千分の十、こういうのをとっております。今度はそれをひっくるめまして、売り上げの千分の三十使用料をひっくるめてとるということに改正されたように見られるのでありますが、もちろんこれによりまして、収入は七割方多くなるという計算が出ておりますが、これは従来の食堂車の使用料というものは非常に安かったのでありまして、従来より上ったという点は認められますが、これで果して、干分の三十とることによって食堂車のいわゆる修繕費なり緘価償却費なりというものをカバーできるかどうかという点がまだわれわれとしても検討を要する点、これはそういう検討を要する点として申し上げておきたいのでありますが、それを検討する必要があるのではないかというふうに考えておる次第であります。そのほか規則の改正については特に申し上げることはありません。相当進歩改善されたと思います。 なおこの改正規則の実施状況でありますが、これは御承知の通り会計検査院の昨年の検査が大体四月から九月ごろ行われたのでありますが、当時においては規則の改正手続中、または規則の改正になつてからあとの、個々の契約の締結手続中でありましたので、昨年においてはほとんど改正の点の実施状況は検査上触れておりません。それで今年の検査におきましては、特にこの固定財産の管理及び運用ということを重点的に見まして、特にいろいろな使用料金の規則にマッチしておるか、計算が妥当かという点、その他一般の固定財産の点に対して検討してみたいと思っております。特に従来よりもこの規則の改正の適用によって料金など安くなったような場所もありますが、それが果して合理的かどうかというような点は、本年において検査して、その結果まとめたいと思っております。以上簡単に……。
○委員長(山田節男君) 皆様にお諮り申したいと思いますが、本日はこの程度にとどめて、この件に関しましての質疑等は次回に讓りたいと思いますが、さよう取り計らうことに御異議ありませんか。
○委員長(山田節男君) それでは本日はこれにて散会します。 午後三時二十七分散会