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21回国会衆議院1954/12/17

労働委員会 第3号

発言数
111
登壇者
10
会派数
4
開催日
1954/12/17

会議録

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 これより会議を開きます。  この際、前の港湾労働に関する小委員長三浦寅之助君より発言を求められておりますのでこれを許可いたします。三浦寅之助君。

三浦寅之助自由党法務政務次官

○三浦(寅)委員 港湾労働の小委員会における経過を簡単に御報告いたします。  港湾事業の特殊性にかんがみまして、去る十三国会以来、港湾労働に関する小委員会を設置いたしまして、各関係の官庁並びに労使双方の意見を聴取し、また現地の調査をいたしたのでありますが、その後社会党左派の多賀谷委員より、港湾における雇用安定に関する法律案の試案が提出されまして、先般経営者代表の意見を聴取し、そのままになつておるのでありまして、今後労働者の代表あるいはまたさらに現地等の調査をしまして、この港湾労働政策の確立のために十分な調査をしなければならないと思う次第であります。この際引続き港湾労働に関する小委員会の設置を希望いたす次第であります。  以上御報告終ります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 ただいまの三浦寅之助君の要望のごとく、港湾労働に関する調査のため、港湾労働に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御異議なしと認めて、さよう決します。  なお、小委員会の小委員の数は六名とし、小委員及び小委員長の選任については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御異議なしと認めて、さよう決します。     —————————————

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 失業対策、労使関係及び労働基準に関する件について調査を進めます。  まず公共企業体等関係職員の年末に支給する一時金及び賃金に関する問題について調査を進めます。本問題に関し、大蔵大臣に対する質疑の通告がありますので、順次これを許可いたしたいと存じますが、その前に大蔵大臣より発言を求められております。これを、許可いたします。一萬田大蔵大臣。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私、今回はからずも大蔵大臣に就任いたしました。初めてのことで、万事皆様方のお世話になることばかりでありますので、この機会によろしくお願いいたしたいと思います。  一言ごあいさつ申し上げます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 それでは質疑に入ります。大橋武夫君。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 大蔵大臣に対しまして、労働委員会に御出席を仰ぎまして質疑をいたしたいというので、一昨日以来、労働委員長から大蔵大臣に出席方を要求いたしておつたのであります。しかるに、昨日当委員会の開かれまするまでの間、大蔵大臣の出席について確たる見通しを得なかつたのであります。どうしても大蔵大臣の出席が必要であると考えまして、当委員会といたしましては、委員会の決議をもちまして大蔵大臣の出席を昨日要求いたしました。しかるに、これに対しまして、大蔵大臣は出席するという御返事をなすつたので、われわれも非常に心待ちにいたしておつたのでございますが、しかし、なかなか御出席がございません。昨日は、そのために労働委員会を特に休憩いたしまして、三時半から七時まで、大蔵大臣の御出席をお待ちいたしておつたのでございます。この間におきまして大蔵大臣は必ず出席するという御返事があつたままその後何らごあいさつなしに、われわれは七時までお待ちいたしておつた、むろん七時以後にも、十二時まで時間はあるのでございますけれども、大よそわれわれの活動に適当な時間というものもあるわけでございます。大蔵大臣が出席されると言われた以上は、必ず常識的な時間の範囲内において御出席があるものとわれわれは期待いたしておつた。しかるに、昨日七時まで遂に出席がなかつた。この点について、まず大蔵大臣の釈明を求めたいと存じます、

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 昨日委員会に出ることができませんでしたことは、非常に相済まなく思つております ただ、私はときどき貧血を起すのでありますが、最近就任いたしまして連日連夜——こういうことは私のことで、養生の仕方が悪いのですから、理由になりませんが、事実非常に疲労して気分がすぐれませんでした。その旨秘書に、どうもきようは気分が悪いからというふうに申しておいたわけであります。まかり出ることができませんでしたことは、実に申訳ありません。皆さん方が出ろというのに、何か特に出ないというような、そういう考え方は毛頭いたしておりません。ただしかし、出なかつたことは事実でございますが、事情をごしんしやくいただきまして御了承願いたいと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 病気であれば、いたし方がございません。しかしながら、病気で出席ができなければ、その旨医師の診断書を添えて届出をするとかしなければならぬ。少くとも、一日出席すると言つたものが、たとい病気であろうと、無断で出席しないということは、いやしくも日銀総裁を八年数箇月もお勤めになりました日本一流の紳士としてのなされ方とは受取れないのであります。そういうことについて、あなたの常識としてどういうお考えを持つておられるか、この点をひとつ伺いたい。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それでありますから、まことに相済まぬということを、今申しておるわけでございます。手続をとればよかつたと思いますが、そこに抜かりがありまして、おわびをいたす次第であります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 御承知のごとく、昨日の出席要求は、特に本委員会の決議をもつて要求いたしたものであります。これに対して出席をしないというようなことでありますと、これは申すまでもなく、国会の権威を無視するという非常に重大なる問題であることは、大蔵大臣もよく御承知のところであろうと思うのでございます。これに対して、病気ということでございますが、私の伺いたいのは、おわびもけつこうですが、おわびはまた別な方法で伺うといたしまして、病気であつたならば病気で出られないということを、なぜ適当なる時間に政府として正式に当委員会にお話していただけなかつたか、この点について当時の事情並びに今後のお心がけについてお伺いいたしておきたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 何にいたしませ出席することができませんでしたことにつきまして、私が悪いのでございます。それは私が一々手続をとるというととは、私自身ではできないのでありまして、しかるべき人が、私がそういう状況にあれば、しかるべきところに連絡をして、今のお話がありましたようになすべきであろうと思います。これは部下の問題になりましようが、私が悪うございました。それであやまりをいたしたわけでございます。今後につきましては、そういうことのないように、部下にも十分戒飭をいたしまして、連絡いたします。そうして今後におきましては、そういう事態においては、どういうことがありましようと、私必ず出ます。そういう決意をいたしております。今回のことは、早々でもありまして、いろいろのこともありますので、私が悪うございますが、どうぞひとつ御寛容をお願いいたしたいと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 ただいまの大蔵大臣の誠意あるお話に接しまして、私も釈然といたしました。今後の御健康をお願いいたしまするとともに、今後の十分の御協力を期待いたしたいと存じまして、この問題はこれでおきたいと思います。  さて公共企業体関係の年末闘争の問題について、お伺いをいたしたいのでございます。この問題につきましては、過日労働委員会におきまして、日本民主党を含む各党の満場一致の決議をもつて、政府に要望いたした事項があるのでございますが、その内容につきまして、大蔵大臣は御存じになつておりますかどうか、お答えを願いたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今主計局長から話を聞きますれば、私がいろいろと大蔵省の事柄についてお話を聞いたうちにあるようですが、大体決議は前年通りということであります。さように御了承願います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 その労働委員会の前年通りという決議につきまして、大蔵大臣はこれを実行すべくどういう御措置をおとりいただいたでございましようか。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 大蔵大臣としてこういう問題を考えれば、私は前年通りというようなことは、ほんとうはあまり賛成をしない。それに前通と本年とは事情が非常に違う。何も事柄をわくにはめて、前年通りということもないだろうと思う。これは私の考えですが、そのときどきに一番いいということをやるべきだというのが私の考え方であります。しかし私としては、特に勤労大衆については、できるだけのことをしてあげたいというのが私の心情であります。これは今後においても、私はそれに努めるつもりでおります。ただしかし、それをするためには予算がいる。予算がいるということになると、それは歳入、そうすると、これは国民全体の負担においてしなくてはならぬということであります。それもよろしいが、そうしますと、やはり予定されておる歳入あるいは財源の許す範囲ということに相なるのであります。従いまして、大蔵省としては一・二五という限度、こういうふうな線をかたくとつておるわけであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 ただいまの大蔵大臣のお言葉の、前年通りということは一・二五だ、こういう意味でございますか。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 必ずしも前年通りではないようであります。一・二五ということと前年通りと一致はしないようでございます。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 そうしますと、今の大臣が一・二五とおつしやいましたのは、一体何のことでございますか。前年通りということについては、自分はあまり賛成しない、経済界の実情が違う、従つて労働委員会の決議には不賛成だ、こういう御意向でございますか。それとも、自分は個人としては不賛成であるが、しかし労働委員会の決議もあるから、できるだけその趣旨でやろう、それは一・二五だ、こういう御趣旨でございますか、その点をはつきりいたしたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私が前年通りというのに言及いたしましたことは、何も委員会の決議と関係があるわけじやなかつたのです。何も給与というものでなく、すべて物事を考える場合に、前にそうだつたからその通りというような考え方は、私は必ずしも賛成しないということで、これは物の考え方で、よけいなことであつたかもしれません。それで、そのことは取消してけつこうでございます。それはもうおわかりくださいましたか。(大橋武委員「取消されたことはわかりました」と呼ぶ)  それから一・二五と前年通りという点ですが、私、はなはだおそまつな大蔵大臣で、そういう詳しいことはちよつとどうかと思いますので、主計局長がおりますから、主計局長から答弁させていただきたいと思いますのでお許しを願いたいと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 私は主計局長から聞こうというのではなく、大蔵大臣にお出かけ願つたのは、大蔵大臣の御答弁をいただきたいと存じてお出かけを願つたのであります。生計局長ならば、昨日でも呼べば来ていただけた。先ほど当委員会の決議をもつてお願いしたのは、大蔵大臣の御出席でございますから、私は大蔵大臣の御答弁をいただきたい。また各党の諸君も、その趣旨でお待ちをいたしておつたわけであります。  そこで、主計局長からよくお聞きになつてお答えいただくことはけつこうですが、もう一つ伺いたい点は、労働委員会の決議をごらんになつて、それについて、大臣としていかなる御措置をなさつておられるか、この点をまず伺いたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私といたしましては、労働委員会の決議はほんとうに遵奉して、これを実現いたしたい気持でおります。ただ、財源の関係から、そのようには参りません。この年末手当については、一・二五ということで、閣議の決定もあります。これを守つておるわけであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 ただいまの大蔵大臣のお答えによりますと、年末の手当は一・二五だ、こういうことで閣議で決定したのだと言われますが、労働委員会の決議は、われわれ労働委員だけ集まつて、いいかげんに相談して決議したわけではございません。これは吉田内閣の総辞職がありまして、首班指名の行われる前におきまして、各党の代表が集まりまして、政変によつてこの年末手当の問題が遷延することはまことに困る。従つてこの際、後継内閣がいかなる党の内閣となろうとも、各党話合いをして一つの線を出そう、こういうことの結果が、あの労働委員会の決議になつた次第なのでございます。従いまして、あの労働委員会の決議というものは、単に労働委員会の決議ばかりでなく、民主党、左右両派社会党並びに自由党を含む四党のいわば政治協定でございまして、これは各政党がその信用をかけて約束いたした事柄であるわけでございます。これに対して、大蔵大臣が個人的に、先ほどお取消しになつたような言葉をお述べになりますことは、これは自由でございますが、いやしくもその約束をとり結んだ政党の一つであるところの民主党の内閣のもとにおいて、いかなる大臣であろうとも、この決議に対しましては、これを文字通り尊重していただくということがなければならぬ。こうわれわれは考えておるわけでございまして、これの実行ができないということは、いわば党そのものの背信行為である。こういわなければならぬと思うのでございます。各党とも、党内においてそれぞれ所定の手続をとりまして、ああいう決議になつたわけでございまして、そういう事情について、大蔵大臣はすでに御承知のことと存じておるのでございますが、御承知ないのかあるいは御承知なのか、また御承知でなかつたといたしましたならば、ただいま私の申し上げましたことによつて御承知いただけたことと存じます。それについて、どの程度までこれを実施しようというお考えをお持ちになつていただけるのか、この点についてのお答えも、あわせていただきたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは私の立場といたしましては、財源がありますれば、またいろいろと考えます。大蔵大臣としては、そういうふうにまわす金が今日ない。それで、いろいろと御要請がありましようが、一・二五を守らざるを得ない。こういう状況にあるのであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 そうすると。一・二五については、大蔵大臣としては責任を持つて財源的措置を心配しよう、少くともそれだけは承つたことになるわけでございます。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今申しました一・二五と申しますのは、詳しくいえば、それを限度として、事情の許す限り、こういうふうなわけであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 ちよつとこれは非常に重大な点で、われわれの考えと大蔵大臣のお考えが食い違つておるようでございますが、昨日、実は労働大臣にも、この点は同僚の諸君からも御質問がございました。それに対する労働大臣のお答えといたしましては、年末手当については、政府としては閣議において決定した方針がある。その閣議において決定したる方針というのは、一・二五については政府として最小限度各企業体についてはこれを保証するのである。それ以上に、昨年は何がしかの一・二五を上まわつたものが企業体によつてはあつたものもある。これについては、企業体の個別的な予算の許す範囲内において、各企業体と労働軒との団体交渉によつて決定さるべきものである、こういうふうに労働大臣の御説明を承つたのでございます。もしこれが誤つておりましたならば、労働大臣も御訂正いただきたい。その点について、大蔵大臣のただいまのお答えは食い違いがあるのであるか、ないのであるか、それをひとつ大蔵大臣から明白に御説明をいただきたい。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私どもとしてはできるだけ一・二五、こういうことでございます。ですから、これはなかなか含みがあるといいますか、そう千葉さんと違わない。できるだけ一・二五ということなんですが、まあそういうことでひとつ……。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 私の承りたいのは、昨日労働大臣からお答えのありました点をただいまごひろういたしましたが、それでは、これについて労働大臣は、私の申し上げたことが昨日の労働大臣のお話と違つておるかどうか、労働大臣のおつしやつたことが、今私の申し述べた通りであるかどうか、この点を労働大臣からお答えをいただきたいと思います。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 昨日私から申し上げましたのは、十一日、関係閣僚懇談会におきまして決定した線を申し上げておるのであります。すなわち、この年末手当の問題につきましては、当事者間において団体交渉で決定するのが原則である。但し、政府としては一・二五の限度としてこれを確保する、いわば保証するということを申し上げたのでありまして、今の大橋さんの御発言とまつたく同一であります。その点につきまして、政府といたしましては、団体交渉にあたりましても一・二五を確保する。各企業体内部におきまして、またさらに節約その他のことによりまして、そして多少でもそれに上まわつて交渉する向きもあるかもしれませんが、これは政府としてはその点は関知しないところであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 ただいま労働大臣のお答えによりまして、私が先ほどごひろう申し上げました労働大臣の昨日のお答えというものが、確認されたことと思います。従いまして、大蔵大臣はそれについて、まつたく同じ御意見であるか、それともそれに対して多少の意見の食い違いがあるのであるか、その点を明白にしていただきたいと思います。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 労働大臣も、できるだけ好意的にといいますか、できるだけ一・二五、こういうふうなお考えと思います。それは同じだと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 そうすると、労働大臣のお答えの通りに大蔵大臣もお考えになつておられる、こういうふうに了解いたしましてよろしゆうございますか。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 はなはだ恐縮ですが、御質問、今聞きとれませんでしたから……。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 大蔵大臣のお考えは労働大臣とまつたく一致している、こういう趣旨のただいまの御答弁であつたと了解してさしつかえないかということを、お尋ねいたした次第でございます。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の申し上げるのは、できるだけ一・二五を実現する、こういうことであるのでありまして——これは金の方ですから、その点については、労働大臣が大蔵大臣に一致するかどうか……。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 私は政府から質問を受けようとは、思いもよらざるところでありまして、私は私の質問に対して御答弁をいただきたいと思います。  その質問は、大蔵大臣は労働大臣の言われたこととまつたく同意見であるかどうか、この点について明確な御答弁を大蔵大臣からいただきたいということでございます。他の点については、また他の機会にひとつ……。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の申し上げておることは、一・二五、これは限度として、できるだけこの限度を実現するように努める、これであります。これが私の考えであります。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 そうすると、大蔵大臣は労働大臣と意見が同じなんですか違うのですか、その点だけお答えを願いたいと思います。私には、あなたの意見は、聞いてもよくわからない。労働大臣の言われることは、きわめて明瞭でありまして、よく理解できますが、大蔵大臣のお言葉ははつきりいたしません。それですから、私の伺いたいのは、労働大臣の意見と同じであるか違うのであるか、この点を大蔵大臣からはつきり御答弁をいただきたいと存じます。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは実質的には同じとお考えくださればよろしいと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 実質的に同じというのは、同じなんですか、違うのですか。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 まあ世の中というものは、そう裏と表がぴしやつと合いませんので、実の方が同じならよかろうという程度でお考え願いたいのであります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 持永君。

持永義夫自由党

○持永委員 どうもただいま両大臣の答弁を聞いておりますと、私にはわからない。しかも、両大臣の話が全然食い違いがある。私の聞いたところでは、労働大臣のお考えは、一・二五を最低にする、最小限度にして、その上に各企業が団体交渉によつて、いわゆるプラス・アルフアをつけるという意味のように解しますが、それはそういうふうにお考えでありますか、この点をもう一度念を押しておきます。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 私は、政府の限度としては一・二五と申し上げておるのであります。それが最低とかなんとかいうことではないのでありまして、政府の限度が一・二五ということを、はつきり申し上げました。

持永義夫自由党

○持永委員 多分そうだろうと思いましたが、実は委員会の決議は、そうでなくして、昨年の例に準じてやるという意味でございます。昨年の場合におきましては、私もこの問題の解決に直接当つたのでありますが、それは各委員が御承知のように一・二五は最低基準でございます。昨日労政局長から御説明がありました通りに、それにプラス・アルフアをつけるというのが昨年の解決であつたのです。労働大臣は、昨日労政局長のお話をお聞きになつておりますから御承知だと思いますが、大蔵大臣は、その点はまだ詳しくお聞きになつていないようであります。大蔵大臣のお話では、できるだけ一・二五に近づけたいというお気持のようであります。その点は昨年の例と非常に違います。昨年は一・二五が最小限度であつて、それにプラス・アルフア——現に本日の新聞をごらんになつておわかりの通りに、鉄道は一・三五で話が妥結しておるということが報道されております、そういうふうにわれわれは一・二五を最低基準にして、あとは各企業の経営状況あるいは財政その他の状況を勘案されまして、団体交渉によつていわゆるプラス・アルフアをつけていただきたいというのが、これがすなわち労働委員会の決議でありますから、どうかその点を混同せずに、はつきりした認識のもとに、この決議に従うようにひとつ政府として御尽力願いたい。ただいま両大臣のお話を聞いておりますと、どうも話に食い違いがある。組閣早々で、あるいは十分なる打合せができなかつたためにこういうようなことになつたかと存じますが、どうか両省両大臣、十分に打合せを済まされまして、できるだけわれわれの決議に従つていただくように希望を申し上げまして、私の質問を終ります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 諸君の同意を得られますれば、この際委員長から本委員会の決議をあらためて朗読をして大臣に説明をしてあげて、そうして、今の質問においても、ほぼわかつて来られたんじやないかと思いますが、確答を願うということの措置をとつたらいかがかと思いますが……。   〔「異議なし」「必要なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御異議なしということもありますが、また不同意ということもありますから、しからば採決いたします。   〔「採決しなくてもいい、多数多数」「かたくならないでやろうじやないか」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 採決せずによろしゆうございますね。  それでは委員長から申し上げる。大蔵大臣、ひとつよくお聞取り願いたい。こういうことなんです。公共企業体等関係職員の年末手当並びに給与については、去る十二月十日、本委員会において「一、公共企業体等関係職員の年末に支給する一時金については、業績賞与等を含めほぼ昨年と同率を支給すること。一、公共企業体等関係職員の賃金については、団体交渉により妥結した結果を尊重すること。」この二つが決議せられておるのであります。これについては、昨日の委員会において労働大臣より、本決議の趣旨を尊重し、一・二五箇月分を最低として、政府はこれを保証し、それ以上については、各当事者間の団体交渉の妥結の結果を了承いたしますとの御発言があつたのであります。これについての大蔵大臣の見解をただしておるわけでありまして、一・二五に近づけようと努力するというようなことではないのであります。一・二五は最低として政府が保証するのだというのが、労働大臣の政府を代表した答弁であつたのでありまして、それ以上については、ほぼ同額に行くように各企業体別の折衝においてということ、そういう意味のことであつたのであります。この点を誤解のないようにお含みの上で、御答弁を願いたいのであります。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 ただいまの委員長のお言葉の中に、昨日の私の発言中、最低と言つたという言葉がありましたが、それは私は発言しておりません。一・二五を限度としてということでありまして、他の問題は、それぞれ企業体当事者間の団交の結果にまつということを言つておるのでありまして、最低ということは言つておりません。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 一・二五を保証するということでありましたね。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 そうです。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 最低という言葉が使つてないとすれば、それは委員長の聞き違いかもしれませんが、一・二五を保証するという御発言……。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 それは言つてあります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 そのほかの点は妥結によつて、ほぼ昨年と同額くらいまでのものを認める方針である、こういう御発言に間違いございませんね。——大蔵大臣はそれに対して御答弁はございませんか。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それでよくわかりました。その最低ということで、実は非常に今こんがらがつて、私も答弁に窮したのであります。労働大臣が最低と言うてないとすれば、私は非常にすなおに、やさしく答弁ができたわけです。それでわかりました。  そこで、労働大臣のほぼ昨年通りという今のお話、このほぼもまた非常に重大なので、ほぼ昨年通りで私は異存はないと思います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 今の大蔵大臣の御答弁は、私は少しどうかと思います。大体あなたは、ほぼというのを今初めて聞いたなんというのは一体何事です。これはすでにあなたの入閣される前からこの委員会が決議をしておる、内閣ができる前からきまつていることじやありませんか。それをこの問題が重大化しておる今日に至るまで、大蔵大臣たる者が、この重大なる決議について何ら関心を払わず、ほぼという字があつたかなかつたかわからないというような、かような不届きなことで、一体この問題の解決について、大蔵大臣はどれだけの誠意と熱意を持つておるか、われわれは疑わざるを得ない次第なんで、私はまことに遺憾に序じます。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の表現が悪かつたかと思いますが、今私がそれを知つたというわけではないのであります。今、問題は、お前の意見と労働大臣の意見はどうだということが、大きな御質問のようでありました。それで、ほぼという字があるから——先ほどは、そういうことも承知しておるのでありますけれども、最低という点が私はどうにもわからなかつたのです。今聞いて、初めてそれがわかりました。そこにひつかかつておる。それで、労働大臣と私は違つたところはない。こういうふうに申し上げたのであります。御了承願います。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 そうしますと、ただいまの大蔵大臣のお話で、昨日の労働大臣のお話とただいまの大蔵大臣の御意見は、まつたく実質上同じと言われましたが、多少表現は違つても、結果の率はまつたく同じことに帰着する、かように理解してよろしいかと思いますが……。

一萬田尚登大蔵大臣

○一萬田国務大臣 さように御了承願つてけつこうであります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 少しまぎらわしい点があるので、はつきりしておきたいのですが、一・二五を保証するということは、一・二五は大丈夫だ、こういう意味だと思うのです。なるべくそこへ持つて行くという意味ではない、一・二五は大丈夫だ、こういうふうに私は解釈しますから、その通りであるかどうかということを、もう一ぺん答えていただきたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 先ほどの大蔵大臣の御答弁の中で、その点が大分問題になつておるようですが、結局団交の結果一・二五という線が出ていれば大丈夫だ、こういう意味に御解釈願つたらいいと思います。団交の結果、そんなものは、いらぬと言つたら別でありますが、一・二五までは大丈夫だ、こう御解釈願つたらよいと思います

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 だんだんあいまいにして来る。きのうは、団交の結果によつて一・二五を上まわるものが出ても、それは各企業体の自主的な団交の結果であるから尊重する、しかし政府としては一・二五は保証する。こういうことなんです。団交の結果一・二五出たらそれを保証するというのでなくて、団交の結果一・二五を上まわつても、それは自主的にきめることであるから尊重する。少くとも政府は——少くともという言葉を使うと、またきらうかもしれませんが、少くとも一・二五は保証する。昨年とほぼ同様というのは、そういう意味なんです。昨年は一・二五を団交の結果上まわつているのですから、その点をもう少し明確にしてもらわなければ困る。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 私どもの考えておりますのは、団交の方が先になつておるのです。ですから、団交の結果一・二五と出れば、政府は当然これを尊重しなくちやなりませんが、それ以上に上まわつて交渉ができたときには、政府としては一・二五は確保するが、その上は当事者同士が適当に妥結する、こういう意味であります。ですから、結局においては同じことになります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 そうすると、大蔵大臣に対する質疑は終了してよろしゆうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 それでは大蔵大臣、御苦労さまでした。     —————————————

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 次に、昨日の労働大臣の説明に対する質疑が残つておりますので、通告順にこれを許可いたします。日野吉夫君。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 昨日労働大臣からあいさつがあつたのでございますが、御承知のように、重大な日本の労働行政を担当する労働大臣には、きわめてお気の毒ですが、短期の内閣でありますので、ごあいさつには一応抱負経論を述べておられるようでありますけれども、内閣の性格上、そういうことを伺つても無理だと思いますので簡単に一、二の点を伺つておきたいと思うのであります。  大体、ここにいろいろ詳しく書いておられます点、今まで七年間担当いたした自由党の労働大臣とは、大分違つた考えがここに出ておるようであります。前段の方、いろいろ日本経済のことも書いて、これに対する所信を述べておられます。盛りだくさんでありますけれども、昨日来新労働大臣に対して甲の上をやるというような世間の印象を山村委員から述べられております。これは結局、七年間の自由党内閣の労働行政が、労働者の労働意欲を減殺し、そして正常な労働運動のあり方に対して、反動逆コースという名で呼ばれた、これに対する反撃が新大臣に甲の上をやろうというような表現になつて現われたのじやないかと思うのでありまして、このあいさつの中にありますものを集約いたしますと、新労働大臣は、労働運動の正常化をここにまず掲げておられる。そのことによつて、労働者の労働意欲の向上をはかる、こういうことを掲げておる。このことは、非常に重大なことであつて、もし新大臣が、労働運動の正常化、労働者の意欲の向上に成功いたしますならば、まさに甲の上をやつてよろしいと思うのでありますが、ここでちよつと労働大臣に伺いたいのは、昨日の持永さんの質問に対して、きわめて簡単に前労働大臣の労働行政を踏襲するような答弁をされている。私たちは、ここでしばしばこの問題を追究し、当委員会において決議までしておるあの労働次官通牒、これは非常に重大なことであつて、この通牒が労働運動の正常化をいかに阻害しておるか、労働者の労働意欲の向上にどれほど障害になつておるか、こういうことがこの委員会で明らかにされ、そして、いろいろの経過はありましたけれども、本委員会の決議として吉田内閣の労働行政に対する警告決議案というものが決議をされておる。大臣は新しいが、このことをまず御承知かどうか、そういう事情で、あなたの掲げる労働意欲の向上、労働運動の正常化を阻害する最大なるものが、過般出された労働次官通牒であろうと思うが、この二つの労働運動の正常化と労働意欲の向上という項目を掲げて、この目的達成のために、われわれは重大支障を来すと思つておる労働次官通牒に対して、あなたはどうお考えになつておられるか、まずその見解を承つておきたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 ただいま日野さんからの御質問でございますが、大体どんないいことでも、これは程度問題でありまして、そこに濫用が起きると、当然弊害が起つて来るのであります、そこで、このピケ・ラインの問題にいたしましても、普通の常識上であるならばけつこうでありますが、時によつては、常識を逸脱した行為が生ずる。そこで前内閣におきまして、これらの労働を基準する一つの規格を示したのでありまして、私は就任以来日は浅いのでありますけれども、あの労働次官の通牒を逐一読んでみましたが、あたりまえのことだと思つております。そこで、これは発表した当時の情勢から考えましても、これを非難すべき理由にはならないと思うのであります。われわれといたしましては、今後努むることは、労働行政において次官通達なんかというものができないような世界をつくらなくちやならない。そういうふうに、だんだんわれわれの努力によりまして労働運動が正常化して行つたならば、こんな通達の必要はなくなつてしまう。だから、そういう世界をつくることに全力を注ぐのでありまして、まだまだときに行き過ぎの事態がある以上は、この次官通達は現在としてはやむを得ない。こういうふうに私は考えております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 昨日ああいう答弁をした関係もあると思うのでありますが、労働委員会の吉田内閣の労働行政に対する警告決議案をごらんになりましたか。御承知ですか。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 決議の内容は、まだ拝見いたしませんけれども、大体の趣旨を承つております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 新しいので、この点そこまではつきりとおわかりにならないかと思うのでありますが、三日かかつて各学者を呼んで、ここでいろいろ質疑検討をいたしたのであります。速記録をごらんになるとわかるのでありますが、その結果、この警告決議案というのは、実は次官通牒廃止決議案として一応成立することになつておつた。これがあの複雑な政情のもとご、形が何べんもかわりまして、最後に吉田内閣の労働行政に対する警告決議案というものにかわつて行つた経過等もひとつお調べ願えば、この事情等が明らかになろうと思う。そこで結局あなたが今の労働行政を担当されて、労働意欲の向上、そうして労働運動の正常化を期待するならば、少くともこの次官通牒は大きな障害になるであろう。この目的達成のために大きい障害を与えるものであつたならば、これはやはりもう一度再検討する必要があろう。労働委員会もこの強度の決議をいたしておりますが、この通牒が出て以後の労働運動というものは、不必要な暴動化、そうして最もわれわれの考えなければならぬところの事態を幾多起しておる実例も、われわれはすでに調査しておる。こういうことで、あなたは昨日以来、院議を尊重する、決議をどこまでも尊重するという建前で答弁いたしておられるが、もし労働委員会のこの決議のほんとうの趣旨がわかり、今後なお不明確な点を委員会が明確にしてさらに決議をするというような事態が来まするならば、これは再検討を要するものと思う。その場合、今のような答弁、昨日持永氏にいたしたような答弁でもつて、前内閣、反動逆コース、もう労働者から蛇蝎のごとくきらわれた吉田内閣のもとにおける労働行政、いわば労働行政の面に関する限り、まさに破産管財人みたいな地位にあなたが立つて、あくまでこれを固執しなければならぬという根拠がわれわれにはわからぬ。もしこの決議の趣旨に従つてあなたに要請するならば、あなたは再検討をされる御意思があられるかどうか、その点を承つておきたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 この点は、十分研究してみないと何ともお答えができないのでありますが、賢明なる日野委員におきましては、過般の事情は十分御了承のことと思いますから、私はとくと研究してみたいと思つております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 昨日今日とそうかわつた御答弁もできないと思いますので、この点は、あとで委員会でも十分検討し、新大臣にとくと考慮してもらわなければならぬ一点として質疑を残しておきます。次に、失業問題についていろいろの抱負を述べておられます。その点でも、十分意図するところはわかるようでありますが、われわれは失業対策の小委員会等もつくり、失業問題にとつ組んで参つたのであります。前小阪労相は、失業問題に悲観も楽観もせずという答弁をして、前国会以来この重大なる問題についてきわめて冷淡であつた。これに対して、新大臣はいろいろの計画を持つておられるようであります。今日労働省がやつている失業対策というものは、きわめて消極的な、失業者が出た。その失業者に対してだけの対策しか持つておらぬ。新大臣は、国土開発事業とか、いろいろ積極的な雇用力の確保、増大、こういうようなことの片鱗をここに見せておるのでありますが、何か具体的に、これならばこのくらいの失業者を収容して、日本の失業問題の緩和をやれる、こういう案があれば承りたい。だれか、あなたではないが、今度の新内閣で完全雇用という御意見を発表しておられた大臣があつたように記憶しているのでありますが、これは重大な問題でありまして、完全雇用を、今新内閣が短命内閣として打出しても、これは一つの宣伝にしか見えないのでありまして、今の失業問題を緩和する一つの大きな事業か何か、具体的に考えておるものがあるならば、ひとつお示し願いたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 失業問題につきましては、ただいまのお言葉のように、従来の労働省の予算では足りません。新内閣におきましては、この点を重要視いたしまして、あるいは道路建設その他の大事業を興しまして、失業者を多数これに吸収する。同時に、庶民用の住宅建設、この二つに重点的に指向いたしまして、これで失業者を吸収するという構想を現在具体的に立案中であります。おそらく来週の半ばごろまでにはこれが具体化して、予算はどの程度、また吸収する人員はどの程度ということも、ほぼ具体的になろうかと考えておりますが、現在のところではそういう構想を持つており、特に失業対策事業という点につきましては、お言葉のように内閣といたしまして十分考える所存でありますから、御了承を願います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 あなたが大蔵委員長当時、わが党から出した国土開発中央道事業法案という法律案が出たのを御承知ですか。東京から神戸まで四百九十キロの山岳道路をつくるという一つの構想を盛つた法律案が、国土開発中央道事業法案という名前で、経済安定委員会に出て数回審議されましたが、この法案について相談を受けたことはございませんか。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 残念ながらございません。とくと勉強したいと思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 これは八千五百万人かの人夫をこの工事のために使う案で、あなたの掲げる住宅建設とともに、国土総合開発計画の一環であつて、こういう案がもし実施されますならば、日本の完全雇用の線が出て来ると考えて、これをわれわれは提案したのであります。いずれ政権がかわつた次の機会に、こういう案が国会で十分論議される場合が来ると思いますので、詳しいことはその機会に譲りますが、何かこういう具体的な計画を——今まで自由党は、長期の計画経済はやらないと言つておりました。あなたは長期の総合計画経済をやるとこう言つているところが、従来と大分かわつているのですが、もしそういう計画を立てるならば、漠然とただ住宅をつくりたいというようなことでは計画にならない。住宅何万戸、どこに、幾らの予算をもつてつくるというふうに具体的に示されないと、計画経済のプランにはならぬのでありまして、こういうことは十分お考え願いたいのですが、これは今後の機会に譲ります。  あと一点伺つておきたいと思うのは、私は以前からもこのことを重大に考えておつたのでありますが、労働省内の空気が弛緩したというか、われわれがここでいろいろの問題を審議して明らかになつたことで、労働基準法違反がざらにあるが、これに対して労働省の監督行政がまつたく徹底しておらぬ。近江絹糸あるいは東京証券の、あの就業規則も何もない、世界各国に例のないことが日本にある。こういうことは、決して日本の名誉にはならぬが、こういう事態がたくさん起つており、その事態を知りつつ、適当な監督行政、指導行政というものがない。これは七年間の自由党内閣のやつて来た労働行政からすると、無理もないことだと考える。学校から一足飛びに労働行政に携わつて、ひとつ人類の幸福のために、日本経済の再建のために労働行政をやつてやろうと思つて、感激を持つて来た者が、来てみたとたんに、することなすことが反動、逆行ということで、そういう正義感、感激を持つて労働行政をやることができなかつたこの七年間の累積が、まつたく省内の空気を沈滞させ、腐らしているという現実をわれわれは見ている。あなたは労働大臣として、省内の刷新のために何か一つの方法を考えてもらいたい。あなたが掲げられた一つの目標であるところの労働意欲の向上、労働運動の正常化、この目的を達成するために、もし本気になつてやろうとするならば、一応労働省内の空気を刷新し、新しい感激によつて青年を奮起させるような方針をもつて臨まなかつたならば、ほんとうの目的達成はできないと思うが、労働省の省内の人事あるいは空気の刷新、こうしたものに対して、何か御意見があつたならばお聞かせ願いたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 ただいまの日野さんの御注意は、まことにありがたく思う次第であります。労働省の末端におきまして、あるいは近江絹糸の事件、いわゆる労働基準法の違反の問題、あるいは失業保険の流用というような問題をたまたま新聞で見ますと、私どもも心配しておりましたが、現在労働省に行つてみますと、省員はもう自分をまつぱだかにして労働行政の正常化に邁進するというような意気が非常に盛んでございます。私はこうした諸君と仕事をすることは、むしろ喜んでおるのでありまして、今後は御期待に浴うように、また再びそうした世間のつまはじきを受けることのないように十分の注意をいたしまして、労働省内の空気をいやが上にも刷新し、また能率化をはかりたいと増えております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 新労働大臣に多くを注文しても無理だと思いますが、これから勉強するということでありますし、一番あとに各方面の意見を率直に聞く、こういうことを言つている態度には、私たちは賛意を表しておくわけであります。さらに積極的に労働者の中にまで入つてやる、何か従来のはれものにさわるような、さわらぬ神にたたりなしというようなことで労働行政をやられたことが、今日の事態を引起したのであつて、むしろ積極的にこれにさわつてみる、さわらねばなおたたりありということもありますので、そういう点で、ひとつ心構えをはつきりときめて、ふんどしを締めて労働行政と取組んでもらいたいと思うのであります。詳しいことは今後の委員会の審議等で伺うことにいたしまして、今日はこの程度で打切つておきます。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 ただいまの最後の御忠告でありますが、私もそういう気持で積極的に労働組合の諸君と話をし、同時に意見も聞いてみたいと思いまして、実は今日もこれから総評の幹部、全労の幹部、また総評の執行委員の各位と話をする予定になつておるのであります。なお、労働行政に対しまして皆さんの御意見がありましたならば、私も喜んでお伺いしたいと思いますから、何分の御忠告をくださいますようにお願い申し上げます。     —————————————

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 この際お諮りいたすことがございます。ただいま理事の河本敏夫君より理事辞任の申出がありましたので、これを許可いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  ただいまの河本敏夫君の理事辞任に伴いまして、理事が一名欠員となりましたので、この際理事の補欠選任を行わなければなりませんが、これは前例によりまして、選挙の手続を省きまして、委員長より指名したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 それでは山村新次郎君を理事に指名いたします。  この際暫時休憩いたします。    午後二時五十六分休憩      ————◇—————    午前三時八分開議

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際お諮りいたします。失業対策事業に就労しておる労働者の越年措置につきまして、決議をいたしたいと存じますが、その案文を読み上げてお諮りいたします。    失業対策事業に就労している労働者の越年措置に関する件   失業対策事業に長期にわたり就業している労働者に対し、その生活困窮の実情に鑑み、政府は年末年始の賃金につき昨年に比し増額等の具体的措置を講じ支給することを要望する。   右決議する。  これを本委員会の決議とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御異議なしと認めて、さよう決します。  なおこの際労働大臣より発言を求められております。これを許可いたします。千葉労働大臣。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 失業対策事業に就労する日雇い労働者の年末措置につきましては、前年同様五日分と発表されておりますが、さらにただいまの決議の趣旨を尊重いたしまして善処したいと存じます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 別に御発言はありませんか。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 その決議の趣旨を尊重されるというのですから、増額措置ということは、当然昨年に比べて、すなわち五日分に比べて若干の増額について措置する、こういう意味ととつておりますが、それでよろしいかどうか。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 それでよろしいのでございます、その通りの趣旨であります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 いや、大臣の御答弁を承りたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 先ほど申し上げましたように、昨年は五日分でございましたが、ただいまの決議の趣旨に従いまして、御意思のあるところは十分わかつておりますので、善処申し上げたいと思います。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 労働大臣に、実は昨日関連質問で聞きたかつたのですが、これは留保しておきました。それを一点だけ……。  たしか山村委員からの質問であつたと思いますが、総評は政治的に偏向している、特定の政党を支持して、政治的に偏向している、労働組合は政治的に中立であるべきだという質問があつた。そうすると、その点はよく調査した上で対処したい、こういう意味の御答弁があつた。私は厳密に言えば、労働組合は政治的に自由であるべきものであつて、中立でなければならぬというわくをはめることは、労働組合の自由を拘束するものであると思う。特に中立でなければならぬということを政府が関与するがごときは、大問題だと思います。中立であるということをきめるか、あるいは他の党を支持するということをきめるか、支持しないということをきめるかは、労働組合の自由であるべきものであつて、中立でなければならぬというわくを押しつけることは、労働組合に対する政府の関与だと思うのです。労働組合が民主的な方法によつてきめる分には、中立をきめようと、あるいは他の党の支持をきめようと、これはまつたく労働組合の自由であるべきものと考える。中立でなければならぬというようなわくを労働組合にはめようとするお考えであるか。労働組合は政治的に自由であつて、どのようにきめようとも、労働組合の民主的な手段、方法によつてきめられるならば、これは自由であるべきものだと私どもは解釈しているが、この点に対する大臣の御見解を伺いたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 ただいまのお説につきましては、昨日山村委員から労働組合の中立化のお話がありましたが、その中立化を強要するような意思は毛頭持つておりません。これはおのおのの労働組合の自由意思によつて、その選ぶところの政治形態また政党に支持を与えてしかるべきものと、かく考えておりまして、これを一方的に強制するごときことはいけないと考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 従つて、政治的にどのような態度をとるかということは、労働組合が自由に、かつ自主的にきめるべき事柄であつて、政府が関与すべきことでない。こういうふうに今の御答弁をとつてよろしいです。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 その通りであります。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 私の質問に関連して島上君から御質問があつて、それに対する大臣の御答弁があつたのですが、もとより組合員の自由意思を尊重すべきことは、民主主義下においては当然のことだろうと思うのです。この点につきましては、議員たる者はだれも異議がないところですが、実際問題としては、各組合において、執行部でこういうふうにきまつたからという指令が流れて来る事実を、労働大臣は何とごらんになつておるか、この点をお答え願いたい。

千葉三郎日本民主党労働大臣

○千葉国務大臣 山村さんの御注意につきましては、とくと事情を調査いたしまして、善処申し上げたいと思います。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 これは政治問題に限らず、争議の問題でも、いかなる問題でも、労働組合が自由に自主的に民主的に決定した事柄は、それがさらに実行の面においては指令という形で流れるのは当然の話である。指令が出たから、これは組合員に対する強制であると解すべきものではない。その指令が自由に民主的な手続によつて決定した事柄の実行の指令であるか、そうでない特定の二、三の者がかつてに組合員の意思を問わずに指令をするかというところには、問題があろうかと思いますけれども、指令というものは、いかなる場合といえども、民主的な労働組合にあつては、組合員の自由な民主的な意思の決定を執行する際に、その執行の担当者が指令という形で発するのであつて、指令という形そのものは、決して組合員の意思と関係なく、あるいは組合員の意思に反して強制するものでないということを、この際私は労働大臣に理解をしていただきたいと思う。そうでないと、指令というものそのものが、はなはだけしからぬものであるかのような認識をされて、今の山村君の質問をそういうふうにとられてはたいへんなことになると思うから、その点は理解していただきたいと思う。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 この点は、委員の皆さんが非常に帰りを急がれているときですが、重大な問題ですから……。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 それでは日をあらためて、ひとつ民主党と社会党が一大論争を展開されてはいかがですか。

持永義夫自由党

○持永委員 ただいま問題になつている点について、私労働大臣の答弁に一つ疑問があります。この点をはつきりしておきたいと思うのです。それは、山村委員の御発言は、おそらく日本の労働組合が政治活動に走り過ぎているということから出ているのじやないかと思うのでありますが、これはちやんと労働組合法に規定がありまして、主として政治活動または社会運動を目的とするものは労働組合ではない。だから、なるほどただいま島上委員の御発言の通り、政府が介入すべきものではないと思いますけれども、しかしながら、おのずからその限度がある。この点を、ひとつわれわれははつきりしておきたい。保守党の一員として、その点を特に大臣にも申し上げておきたいと思います。すなわち、非常に疑問の点がありますから、特にその点を申し上げておきます。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 きようは時間もないようですから、論争する気持はございませんけれども、この点重大な問題として労働大臣に関心を持つてもらいたいのです。実際現実的には、労働組合が非常に政治的に偏向してしまつていることは、万人の認めるところじやないかと思う。この指導をして健全に発達せしめなくちやならない責任者の労働大臣としては、この点は真正面から取組む気持を持つてもらいたい。そうしてもし組合にあやまちがあれば、遠慮なく労働大臣として勇気を奮つてこれに対する見解をはつきりしてもらつて、ほんとうに組合員の幹部から縛られている、これを解放してもらつて自由を与えてもらいたいというのが私の要望です。従つて適当のときに、この問題についての時間を持たれんことを希望いたしまして、私は労働大臣に善処を要望いたしまして私の質問を終ります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 この際委員会が続いて開かれないような状態でありますので、労働省のどなたでもけつこうですが、一言……。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 さようには決しておりません。さような申合せは一つもございませんが、日を改めては都合が悪うございますか。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 明日でもできますか。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 御希望によつて各理事と相談してきめたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 それでけつこうです。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員長 大臣の方でもただいまの問題を研究する必要もありましようから、本日はこの程度にして散会いたします。    午後三時二十一分散会      ————◇—————

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