郵政委員会 第1号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/12/13
会議録
○田中(織)委員長代理 これより郵政委員会を開会いたします。 去る十一日私は郵政委員長を辞任いたしましたが、後任の委員長がいまだ選任されておりませんので、本日は私が委員長の職務を行いたいと存じます。さよう御了承願います。 この際お諮りいたしたいと思います。理事の補欠選任についてでございますが、去る三日理事山花秀雄君が委員を一辞任され、理事が一名欠員になつておりますが、山花君が去る七日再び本委員会の委員に選任されましたので、同君を再び理事に指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(織)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決します。
○田中(織)委員長代理 なお本日は武知郵政大臣が本委員会に出席して発言いたしたいとの通告がございますが、まだ途中でございますので、あとまわしといたしまして、国政調査承認要求に関してお諮りいたしたいと思います。本委員会は本会期中も従前通り、郵便、為替貯金、保険年金及び郵政従業員の待遇等、郵政行政に関する事項並びに郵政監察制度に関する事項について、国政に関する調査をいたしたいと存じますので、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(織)委員長代理 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 なお調査の目的、方法等、要求の記載事項については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(織)委員長代理 御異議なきものと認め、さよう決します。 —————————————
○田中(織)委員長代理 次に現在なお郵政従業員と当局との間に、賃金問題、年末手当等の問題で紛争が継続いたしておるようでございますので、この間の事情について当局より説明を聴取いたしたいと存じます。 まず人事部長よりその後の交渉経過について説明を求めたいと思います。
○宮本説明員 ただいまのお尋ねの件でありますが、その後の交渉の状況を申し上げたいと思います。年末手当の問題につきましては、先般組合から二箇月分の要求が出ておりました。その後、政府部内におきまして、これに対して何らかの措置を講ずべきであるというふうなことからいたしまして前内閣におきまして、小坂労働大臣が間に立ちまして、政府としてこの年末手当につきまして何らかの措置をとることにして、この紛争を収拾いたしたい、こういうふうなことからいたしまして、いろいろと話があつたのでございます。ちようど内閣が総辞職する直前に、大体そういうふうな段取りになりまして、関係閣僚の懇談会を開きまして、その線をきめてもらうように取運んでおつたように仄聞しております。ところがああいうふうになりまして、政府といたしましてそういうことをきめないうちに、総辞職と相なつ次第であります。その後新内閣ができましてからこのことが取上げられまして、一昨日土曜日の夜、関係閣僚の間に御相談ができまして、年末手当につきましては昨年と同様に——組合員につきましては御承知の通り一箇月分しか予算に計上されていないのであります。一般公務員は一・二五箇月分でありますが、これを昨年と同様に一・二五の線まで支給するということを認める、こういうふうなことになりました。実は私らの方でも組合の要求がありまして、年末手当の点につきましてなるべくすみやかにこれを処置いたしたいと考えておつたのでありますが、御承知の通り予算に一箇月分しか計上されておりませんし、もしそれ以上のものを出すといたしますれば、業績賞与その他の方法によりまして、当然大蔵省の承認を経てこれをやらなければならぬことになるのでありまして、その点につきましてただいま申し上げました通り、政府としてそういうふうな措置が講ぜられなかつた関係からいたしまして、大蔵省がこれを認めるということはなかなかめんどうなようであつたのであります。今度一昨日ああいうふうな線がきまりまして、一般公務員同様に一・二五まではこれを認めるという線が出て参りまして、これによりまして郵政といたしましてもその線に沿いまして極力これを実現すべく、目下大蔵省その他と折衝を続けておる状況でございます。 なお新賃金問題につきましては、御承知の通り調停案が不成立になりまして、その後労働委員会あるいは当郵政委員会から決議がありまして、その後の状況といたしましては、調停委員会に組合の方よりあつせんを依頼したやに聞いております。それによつたことと考えられるのでありますが、調停委員会より私どもの方に一度おいでになりまして、われわれの方の考えというようなものをさらに聴取せられたという程度でございます。調停委員会があつせんに乗り出すかどうかということは、まだきまつていないように私どもは考えておる次第でございます。大体以上のような状況であります。
○田中(織)委員長代理 ただいま人事部長からのその後の賃金問題に関する交渉の経過等について報告があつたのでありますが、本件について質疑を行いたいと思います。
○山花委員 ただいま一通りの説明がございましたが、見通しとしてはいかがなものでしようか。早急に解決するような見通しを持つておられるのか。それともなお相当両者間において、ただいまのような考えのもとにおいては難航するような見通しを持つておられるのかどうか。ちよつとそのところの御意見を承りたいと思います。
○宮本説明員 年末手当の問題につきましては、ただいま申し上げました通り政府としましてああいうふうな一線をきめられた次第もございますし、私どもはその線に沿つて今後鋭意努力いたしまして、日も大分遅れておりますし、遠からずこれが話がついて解決されるものと私どもは信じております。 次の新賃金に関連する調停案をめぐつての問題でございますが、これは先ほども申し上げました通りに調停案が不成立になりまして、その後組合の方といたしましては調停案の前文において、いわゆるベース・アツプというものが認められなかつたのでありますが、もちろん組合としてこれを認めるわけには参らぬのであります。但し調停案の主文が御承知の通り三項にわかれておりますが、その点につきまして現在当局側と団体交渉を継続している事項も含まれておるし、今後調停委員会の協力をまつて解決に努力したいという組合からの返事でございます。私どもといたしましてもこの点については異論がないのでございまして、従来やつておりました団交を継続いたしまして、何とかしてできるだけ早い機会に解決に向いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。ただこれは年末手当の問題等といささか趣を異にいたしまして、現在の郵政職員の昇格制度を含めましての、賃金体系を全面的に改訂するという相当大きな問題でありまして、両者がこれについて十分団交を行いまして、話がつくまでには相当の時日がどうしても必要であるということは免れないと考えておる次第でございます。
○山花委員 ただいまの説明を聞いておりますと、賃金問題についてはなお団交を継続して、解決するまでにはある程度の時日を要するというふうに承りました。年末手当の点について説明がございましたが、ただいまの政府側の説明通りでかりに解決するとして、それは去年支給した額より高いのか低いれのかという点、ちよつとそれをお知らせ願いたいと思います。
○宮本説明員 年末手当の一・二五というのは、昨年と同様でございます。
○山花委員 賃金問題の点について、この前の委員会でも調停の衡に当られました委員の方にいろいろ質疑をいたしましたときに、調停委員会においても、調停委員会の討議の過程から判然といたしましたことは、一般物価というよりも、むしろ従事員諸君の日常生活に関する生活必須の消費物資は四・〇四%ですか、それだけ明らかに上昇をしたということが言われておるのであります。それからもう一つは、予算がないないというような関係から、定期の昇給あるいは昇格という点が非常におろそかにされておる、こういう点がやはり調停委員会の勧告案の骨子になつておると思うのでありますが、賃金問題が将来に延びるという点と、実質的には二万四千二百円べースが物価上昇の分だけ低額になつておる。こういう問題を、解決するためには、当然今度の業績賞与であるとか、あるいは年末手当であるとかいうところに向けなければ、私は満足な解決はしないと思うのです。去年と同様支給しているからそれでいいというような、そういう安易な考えでは円満な解決はしないと私は思うのですが、こういう問題に関して、政府はただいまのような考え方で組合側を納得せしめて、円満に解決する自信をお持ちになつておるかどうかという点を、お伺いしたい。
○宮本説明員 ただいまのお尋ねの件でございますが、先般調停委員会の方の御説明にもごく若干でありますが、物価の上昇も考えられるというような御返答があつたように記憶しております。ただいまの御質問は、そういう点を考えて、年末手当その他におきまして、郵政当局としてこれを適当に考えよというふうな御趣旨の御質問と考える次第でございます。私どもといたしましては、現在の給与の状態あるいはその他いろいろ給与の基礎となりますところの経済の諸情勢からいたしまして、ことに郵政の現在の財政からいたしまして、ベース・アツプあるいはまたそれに類するようなことを実行することは、とうてい困難であるというふうに考えております。それでは年末手当その他のことについてこれを考えてはどうかということになりますが、御承知の通り本年度の郵政の収入状況というのは、昨年と違いまして非常に条件が悪いのでありまして、増収というものが期待した、あるいは予定しておりました通りになかなか参らぬのでございます。そういう点からいたしましても、私どもは組合の方の気持はよく、わかるのでありますが、年末手当等につきましても昨年より以上のものと考えることは非常に困難ではないか、現在の段階におきましては、やはり昨年程度のものを維持するということが精一ぱいではないか、こういうふうに考える次第でございます。
○受田委員 期末手当に関連してちよつとお尋ねしたのでありますが、郵政省の職員の中で臨時的な性格の仕事をしておられる人々、これは常勤的な臨時職員もまた非常勤の形の職員もあると思うのでありますが、そういう人々に対する期末手当は、一般職員と同等あるいはこれに準ずるというような、いずれの便法がとられておるのか、御方針を、お伺いしたいと思います。
○宮本説明員 臨時的非常勤等の職員につきましては、二箇月以上勤務いたしております者につきまして一般職員に準じて手当を出す、こういうふうにいたしております。
○受田委員 準ずるということは同率ということになりますか。あるいは減額されることになるのでありますか、正確な比率を示していただきたいと思います。
○宮本説明員 同率でございます。
○受田委員 政府で考えておられる臨時職員の数は郵政省でどのくらいあるのか、概数をひとつ御報告願つておきたいと思います。
○宮本説明員 ただいま正確な数字の資料は持合せがございませんが、大体の私どもの記憶といたしましては、三千人ないし四千人程度ではないか、こういうふうに考えております。
○受田委員 年末年始にかけて、年賀状その他の事務輻湊に用点された職員を臨時的に採用されると思いますが、そうした郵政省内部において表面に立たない、陰で非常に苦労をしておる臨時職員の人々、特にその臨時職員の中でまつたく常勤的な性格を持つて、当然一般職員と同等の取扱いをすべき立場にある者などの差別待遇というようなことは、われわれとしてははなはだ納得しない点でありまして、この点につきまして臨時職員を適宜罷免するとか、あるいは年末年始の臨時採用の職員に対する特別の配慮をされないというような現象がもしありとするならば、はなはだ遺憾と思うのでありますが、これらの点について郵政省としていかなるお考えを持つておられるかをお伺いしたいと思います。
○宮本説明員 ただいま申し上げました通りに、二箇月以上の実績を持つております者につきましては、一般職員と同様の率をもつて手当を支給するということになりまして、いわゆる常勤的労務者と申しますか、ただいま御心配になつたような者につきましては、そういうことがないと考えております。
○田中(織)委員長代理 なお委員長からちよつと……。先ほどの年末手当の問題でありますが、人事部長は昨年並ということを御答弁になつたのです。そういたしますと昨年は国家公務員と同じ一・二五に、さらにプラス・アルフアが出ておると思うのであります。これは、閣僚懇談会等で新内閣が決定しましたのは、公務員並の一・二五だというふうにも新聞紙等の報道も行われておるのでありますが、昨年も弾力条項その他の適用によつて、組合との間の団交で、プラス・アルフアとして若干のものが出ておるわけでありますが、本年度も昨年より以上のものが、一・二五にさらにプラスして出る見通しでありますかどうか。その点も含まれておるかどうかという点を人事部長にお伺いしたい。
○宮本説明員 先ほど申し上げました通りに、年末手当として一般公務員並の一・二五というものは、政府としてもこれを出そうと考えております。昨年と同様に私どもはぜひそれを確保すべく目下努力中でございます。ただいま委員長からお尋ねのプラス・アルフアと申しますか、その以外の分についてでありますが、もちろん組合の方からこれにつきまして当然、要求があるものと考えております。ただ目下のところ一般公務員並の一・二五というものを出すにいたしましても、予算の一箇月を上まわること約九億という相当巨額な金がいるのであります。従いまして私どもは目下の段階におきましては、ともかくもこの年末手当につきまして何とかして政府の考えに沿いまして、ぜひこれを実現すべく努力いたしておるのでありまして、その後につきましてはもちろん私どもとしても大いに考えますが、今のところこれをどうするということは的確に申し上げることができないと存じます。 —————————————
○山花委員 もう一つお尋ねしたいのですが、十一月二十九日の本委員会で、当局と組合側の紛争に関して特に田中委員長の方から当局側にお尋ねいたし、当局側では宮本さん自身が承知いたしましたと答弁している。紛争に輪をかけるような問題として論議されている休暇の問題を、ひとつ早く解決してもらいたい。そうでないと、この紛争の起きているときにこういう問題をわざわざ持ち出して油をかけ、火をつけるような形になつているから。こういう委員長の質問に対して、宮本さんは承知いたしましたと御答弁されているのでありますが、この問題が今日なお解決されていないように承つているのであります。どういうようになつているか、概略を御説明願いたい。
○宮本説明員 休暇の問題につきましては、これは現在の年次休暇を付与する方法なり、あるいはそれが十分に付与がされていない、職員の間におきまして相当の休暇日数がたまつていると申しますか、残つている。これをどうするかという、年次休暇に関する大きな一般的な問題が一つありますこと、もう一つは今回の闘争に伴いまして、いわゆる休暇戦術によりまして、相当の休暇を申し出ましたが、実際において業務に支障があり、あるいはまた休暇を申し出る手続に瑕疵があるというようなことで、休暇が承認されずに欠勤扱いになつている。こういう当面の具体的な問題が二つあると考えられるのでございます。 第一の一般的な問題に対しましては、これは年来の問題でございまして、私どもといたしましても、もちろん何とかしてこれを解決いたしたいと考えている次第でございますし、先般の委員長からの御質問にも、決してこれを等閑視することなく、何とかして早い機会に解決いたしたいつもりで私が申し上げたのでございます。先般も申し上げました通りに、この問題は何とかしなければならぬ問題ではございますが、御承知の通りかりにたまつている休暇を買い上げるというふうにしますれば、何十億というたくさんの経費がいるわけでありまして、われわれとしてとうていただちに実行するわけには参らぬのでございます。平生においてできるだけ計画的に、職員に対して年二十日認めます休暇のある部分を付与いたしまして、残つたものに対しましては何らかの方法を考究いたし、これを解決いたしたいというような大体の構想をもちまして、今後やつて行きたいと考えている次第でございます。これにつきましては、根本的に解決されるにはやはり若干の時日を要するのではないかと考えております。 次の今回の闘争に関連して起つた問題でありますが、現在組合との間にその点についていろいろ話が出ている次第であります。この点につきましても、私どもが元来この休暇につきまして持つている見解というものを組合に示しますし、また今回の闘争につきましての休暇の問題につきましても、この方針によつてこれを貫いて参りたいと考えている次第であります。ただ実際の問題といたしまして、先般の闘争に関連いたしまして、この問題が両者の間で相当のいざこざのあることは承知いたしております。この点につきましても、何とか組合側とよく話をつけまして善処したいと考えております。
○田中(織)委員長代理 ちよつと山花さん、その問題は年末闘争の締めくくりの問題に関連して、いわゆる賃金カツトの問題として、現に新しい紛争の種になつていると思いますので、本日なおその問題について東京郵政局長、宇都宮貯金局長等、現地の局長等も御出席を願つておりますので、質疑を続行いたしたいと思いますが、ちようど郵政大臣がお見えでございまして、なお参議院の電気通信委員会の方から大臣の出席を求めておられますので、この際先ほど保留いたしました郵政大臣の発言を許したいと思いますが、御了承願います。郵政大臣武知勇記君。
○武知国務大臣 お許しを得まして、この際ごあいさつを申し上げたいと存じます。はからずも私このたび郵政大臣の大任をお受けすることになりました。しかるに省みて自分の浅学菲才であることを考えますと、この大任をはたして全うし得るやいなや、内心非常に怩怩たるものがあるのであります。御承知のように現在の郵政事業は、かつて逓信省の所管であつた時分に一度は経験した行政ではございますが、七箇年間における不学、空白、このために、その間に研究いたしましたり、習い覚えましたことは、もうほとんど役に立たないようになつておりましたので、昨年五月政界復帰後も郵政事業に非常なあこがれといいますか、親しみというかを持つておりますので、みずから進んで郵政委員たることを希望いたしまして、田中委員長御指導のもとに、皆さんと一緒に先日まで郵政委員としてこの委員会に参画することができたのでありますが、御承知のように他に煩わしいことがありまして、その問題に没頭いたしておりましたために、委員会に出席することも数少い場合があつて、今考えてみますと、まことに残念にたえません。しかし幸いにも皆様の御指導によつて、かつて私が関係した時分の郵政事業と今日とは、その運営の面においても、特に労働面において非常に著しい転換を見ていることを発見いたしたのであります。郵政事業が今のように、当時と比べて非常な発展をいたしたゆえんのものは、全国に多数の機関が散布して、それに携わる二十五万の職員の和と申しましようか、協力一致の態勢が整いまして、今のような成功を見ているのでございますから、今後郵政事業の一番私どもが関心を持たなければならない点はどの点か、結局この人の問題であると思うのでありまして、今委員長から御指摘になりました年末手当の問題につきましても、一・二五は関係閣僚懇談会で決定を見ましたけれども、プラス・アルフアの問題につきましても、これは全力を上げて職員諸君の期待に沿うようにしなければならぬと考えますので、今後まつたくこの行政の知識に乏しい私が、円滑に運営して参りますのには、皆の御指導と御協力を得なければ、この任を全うすることはできないと考えておりますから、何とぞ今まで同様この上の御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、就任のごあいさつにいたしたいと思います。(拍手)
○佐藤(觀)委員 ただいま郵政大臣に就任のあいさつを伺いまして、ちよつとお尋ねしたいのですが、武知大臣は郵政省にもおられたこともあり、郵政委員でおられたこともあるのでありますが、われわれ委員会におきましても郵政職員の待遇が非常に問題になつておりまして、きようも委員会でいろいろ問題になりますが、先ほど宮本人事部長からお話があつたように、休暇があつても実際は予算がないから休暇もいただけないというような状態になつておる。そういう問題について郵政大臣としては、一般公務員より非常に低い郵政の職員に対してどういう態度で今後臨まれるのであるか、郵政職員の待遇問題についての御見解を伺いたいと思います。
○武知国務大臣 ただいまもちよつと申し上げましたように、私はどうしても郵政事業は職員の和、協力、これによつて初めて発展もできるわけですから、その面に非常に関心も持ち、理解も持たなければならぬと思いまして、就任いたしまして第一に取組んだ問題が年末手当の問題でございまして、これも今申しました通りに一・二五というものは決定したわけですけれども、その後の問題についてもこれは努力しなければならぬし、またこまかい事柄は存じませんが、総体的に御協力を得て、佐藤さんのお話のような点についても大いに努力いたしたいと思いますから、お力添えを願いたいと思います。
○佐藤(觀)委員 郵政事業が非常に発展しておることは先ほど言われた通りでございまして、しかしこの郵政事業が非常に発展したということは、何といいましても今お話の職員の和、それからもう一つは郵政職員が非常によく働いておられることはわれわれも認めます。しかし昔から衣食足つて札節を知るというのと同じように、もうぎりぎりの線に来ていて、このままでは郵政職員が現在の生活の基準ではやつて行けないような段階に来ておるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。そういう点についてよほど真剣な気持で、かつて犬養さんが逓信大臣になられたこともありますが、そういうようなことについての御決意をひとつ承つておきたいと思います。
○武知国務大臣 御希望に沿いまして全力を尽したいと思います。
○吉田(賢)委員 ちよつと郵政大臣に、参議院もお急ぎだろうと思うが、きようは初めての、ことでありますので、ひとつもうしばらくいていただいて、なるべく簡略にしてあちらへ行つていただく、こういうふうにひとつお諮りを願いたいと思います。ごく簡単にしましよう。
○田中(織)委員長代理 それでは吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 例の休暇の問題に関連いたしまして、政府の定員をめぐる根本の方針について、ひとつ大臣の新しい決意を承つておきたいと思います。かねてあなたも当委員会に御出席になつて、定員法の改正等のときに、郵政事業の渋滞を来すおそれがあるというようなことで、あらゆる角度からずいぶんと熱心に御尽力になつて来たのであります、そこでこのたびの問題になつております有給休暇の請求につきまして、これをめぐつてのいろいろな問題の根底には、やはり法律の観点からすると、定員法でひつかかつているのではないか、こう思うのであります。それであなたにぜひ決意をお尋ねしておきたい点は、今の実情におきましては、完全に有給休暇を与えるということができるのかできないのか。今の実情からいたしますと、さように完全に休暇を与えるということになると、業務に支障を来すのかどうか、すでに定員法論議の際にも、休暇を与えた場合に、そのあとの補充職員に三万一千人以上増員しなければならぬということは強く要望もされ、議論もあつた点であります。ですからそこに完全休暇ということになると、無理が起るのじやないかという考えもなし得るのであります。そういたしますと、休暇の残日数の滞積しておりますること数十日分とかいわれております。そういうもののたまる原因が、かなり従業員の一つの道義的な職務に対する忠誠という考え方からも来ておるだろうと思います。ほしいけれども、やむを得ず求めない。こういうことになつて来ると、結局は定員法に触れて、何か定員法改正の措置に出るか、さもなければ別の方途、これは適法かどうか存じませんけれども、今行われておりまする何らかの、予算の措置によりまして、臨時の人間を増員するとか、何か人間の増員ということへ根本の一つの方針を立てぬと、この問題の解決ができぬのじやないかというふうに思います。あなたもやはり人の問題は非常に重大であるということを今御発言になつておるのだから、はしなくもそこへ問題は触れていただかねばならぬということになつて来たことをわれわれも気づくのであります。そこであなたはその問題について積極的に、もう一ぺん実情にかんがみまして、定員法の改正とか、その他人間をふやすという方向へ問題解決の道を求めて行くというふうに、ひとつ、ぜひ御決意願いたいと思います。それについてあなたの御所信を伺いたいと思います。——ちよつと待ちなさい。相談じやなしに、やつぱりこれは事務の何か打合せならともかくも、根本の方針を聞くのだから……。
○田中(織)委員長代理 武知大臣の率直な考えを伺いたいと思います。
○武知国務大臣 今事務当局からお話がありましたが、私は吉田さんと同じような考えを持つておる、だからそういうむずかしい問題と取組んで行きたいと思いますから、助けてください。長いことないかもわからぬが……。(笑声)
○吉田(賢)委員 長いことないという世論はありますけれども、武知郵政大臣は練達堪能の士で、郵政事業に対しても非常に大きな関心を持つて、あらゆる角度から勤務その他の改善についても、当委員会を通じて御熱心に御努力になつて来た方ですから、長く在任されることをわれわれ希望しております。それで助けてくださいという常識ではなしに、今申しましたように人間をふやすという以外に道はないと思うが、そういうふやすという手段をどうするか。法律を改正するのか、あるいはしからずして予算措置で、ある便宜措置を講ずるのか、何かそこに道を開かなければ問題は解決しないと思いますので、それに対するあなたの線——助けてくれとか、そういうような常識じやなしに、何かそういう問題解決への道を示すようなあなたの線を一本出していただきたい。そして事務当局に研究もさして行かれる、こういうふうにされてはいかがかと思います。
○武知国務大臣 私は一昨日でしたか、役所でも言つたのですが、御承知のようにこの内閣は選挙をやるということも確約しておるのですから、選挙後には辞職することは当然のことです。それで自分は郵政大臣になつて、その意味から言えば長いことはないだろうが、しかし大臣をやめても代議士には出て来るつもりだから、出て来れば郵政委員になるつもりだ。だから委員としても郵政事業には全力を上げるつもりである、こういう話をしたのです。だから今後郵政当局はやはり委員会の総意を取入れて、そうしてそれを行政の面に現わさなければいかぬ、こう思つております、だから吉田さんの今のようなお話につきましても、まだなりたてで、十分研究ができておりませんが、その点研究してひとつ線をはつきり出して努力いたしたいと存じます。のどが痛くて十分節まわしができぬので、お聞きにくいと思いますけれども、ひとつ御了承願いたいと思います。
○受田委員 武知さん、御就任おめでとうございます。暫定内閣とはいいながら、御在任中における大臣の良心的な御活動を御期待申し上げておきます。今非常に誠意のある御発言をしていただいたので、われわれとしても大いに安心したわけですが、由来郵政省はとかく遠慮をしがちな大臣がその任にあられて、職責も何となしに不遇の目にあつて来た歴史があるのですが、この歴史を打ちこわして、郵政職員の待遇向上の問題、あるいは郵政事業の進展のためにお尽しいただきたいと思います。特に大臣の御所信一つで片がつくような当面の問題である今の休暇の問題とか、期末手当の問題とかいうような問題は、予算上の措置、法律改正の問題に触れずして、大臣の御信念でやれる問題については、この短期間の間に偉大なる業績をお上げいただかんことを私ども期待しておるのであります。どうぞこの点十分御了承の上でがんばつていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 今の問題ですが、私の今あなたに提示しましたのは、根本の方針であります。受田君からはしなくも具体的にただいまでき得る処置はしてはいかがか、こういうことになりました。これは非常に適切な御意見だと思うのであります。それであなたに一言承つておきたいことは、その休暇の問題につきましても委員会の総意をよく尊重いたしましてすることと、もう一つはそれをすみやかに具現して解決するように、こういう指示をあなたの部下の各局長に与えていただきたい。これから局長の各位といろいろと論議するのでありますが、最終の省の方針によつてそれを左右しなければならぬというときには、やはりあなたのところに持つて行かねばなりません。そこでそういつたことを漫然とわれわれも待つておつても、いろいろと不祥なことが重なるおそれもありますから、そこで今の休暇の問題につきましても、きよういろいろと意見なり問題が提示されましたら、それらをくんですみやかに処理する。そしてあなたのおつしやる委員会の総意を尊重して処理する、こういうふうにひとつ御指示願いたいと思いしますが、約束願えませんですか。
○武知国務大臣 受田さんから御懇切なる御意見を承りありがとりございました。 なお吉田さんのただいまのお話でございますが、十分これを了としまして善処しますから……。
○田中(織)委員長代理 それでは引続いて年末闘争に関連して、新しく紛争問題となりつつある休暇の問題等について質疑を続行いたしますが、この紛争問題について現地の状況を参考のために聞きたいと存じまして、本日東京郵政局長の成松馨君と宇都宮地方貯金局長の相馬彌三郎君を委員長の方より連絡いたしまして、委員会に御出席を願いましたので、参考人としてそれぞれ事情を聴取いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(織)委員長代理 御異議ないものと認め、さよう決します。 なおこれは御相談ですが、質疑の過程で参考人から事情も伺う、こういうことに運びたいと思いますが、それでよろしゆうございますか。それとも休暇の問題についてそれぞれ現地の局ではどういうようにやつておるかということについてあらかじめ御説明を伺いましようか、どうしましようか。 〔「先に説明を聞いたらどうでしよう」と呼ぶ者あり〕
○田中(織)委員長代理 それではまず東京郵政局長の成松さんから、今度の年末の給与問題に関する紛争の過程における休暇の問題の処理を、どういうようになされておるかということについて御説明を願いたいと思います。
○成松参考人 東京郵政局管内といたしましては、休暇の取扱いにつきましては大体統一した線でやつておるのでありますが、休暇は就業規則その他によりまして承認制度をとつております。承認制度をとつておりますので、現実問題としましていろいろ闘争のようなことも起きておりますが、私どもといたしましても承認制であるということは、はつきりと職員諸君にあらかじめ周知をしておかなければいけませんので、普通現業局におきましてはいろいろ休暇の制度に関する書きものを、従業員の見やすいところに置いておくように指導をいたしております。それからまたこの闘争の前におきましては、休暇は承認制度である。従つて前日に休暇のほしい人は、一定の様式に基いて申し出てもらいたいということも言つておりまするし、あるいは闘争の過程に入りまして届の書式をもつて出して来る者に対しましては、これは承認制であるから願いの形にしてもらいたいということをよく訓辞をいたしております。そのようにしてこの闘争過程も続けて来たわけでございます。
○田中(織)委員長代理 次に宇都宮地方貯金局長の参考人相馬彌一郎君にお願いいたします。宇都宮貯金局では実際にどういうように処理されて来たかということです。
○相馬参考人 私の方の状況は、従来とも休暇というものは引続いて事前承認制であるという態度をとつております。それでその形式といたしましては、休暇願いというものを休暇をもらう人からそこの局の管理者の方へ提出してもらつて、そしてこれをずつと励行してもらうことについて数回にわたつて周知徹底をはかつております。それでこの休暇願いという形式でございますが、その形式が実施されましたのは私の方は本年の二月からでございます。それ以来十一月までで十箇月になるのでございますが、その期間の間に休暇願いという書式によつて休暇の承認をいたしたものが九千名ございます。そういう形式になつております。しかもその間におきまして、その休暇願いの形式につきまして何にもそういう紛争というものはございませんでした。それでそういうことをずつと実施したわけでございます。ところが十一月の十六日でございますが、休暇届というのが出て参りました。従来休暇届というのは実施されていなかつたわけでございます。それでこれを休暇願いにしてくれということでいろいろ組合とか当人とか、そういうものと折衝を重ねたのでございますが、休暇願いではぐあいが悪いというのでやはり休暇届ということになつた、そういうようなものもございます。そういう現状でございまして、従いまして休暇届のために現在欠勤の処理をされておるというものも相当な数がございます。そういう正状況でございます。
○田中(織)委員長代理 それでは参考人に対する質疑及び、本日は労働省の労働基準局長の御出席を願うべく連絡いたしたのでありますが、局長がどうしても出席できないということでございますので、和田監督課長が説明員として出席されておりますから労働省側に対する質疑も行つていただきたいと思います。山花秀雄君。
○山花委員 この問題に関しての先ほどの私の質問につきまして、宮本さんの方から御答弁がございました。答弁の内容に手続の過失というような言葉がございましたが、これは今の願いと届のいろいろな関連性のことだろうと私は考えておるのであります。なおたくさん質問したい点がございますが、同僚議員の方からも質問通告がたくさん出ておると思いますので、一応同僚議員の方にお譲りをいたしまして、後ほど私は関連の形で質問を続けて行きたいと思つております。
○田中(織)委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 年次休暇の問題をめぐりまして、少しく当局の所見をただしておきたいと思うのであります。基本的な考え方といたしましてまずお尋ねしたいのは、人事部長から、並びに郵政局長たらもあわせてお答え願つておきたいのであります。根本的に勤務に聞しましては労働基準法が優先して適用をされて、そして従業員の労働を保護するということが本来ではないかと思うのでありますが、国家公務員法にいろいろと縛られておつた時代の残澤が、なお強く支配しておるというような感を受けるのであります。その点につきましてどういうふうに根本的にお考えになつておるか、それをまずひとつただしておきたいのであります。
○宮本説明員 ただいまの休暇の点についてのお尋ねでございますが、公務員法並びにそれに基く人事院規則と基準法との関係のお尋ねと拝聴いたすのであります。この点につきましては、もちろん基準法という法律が厳としてある以上これを守らなければならぬ、これは私どももそのつもりでおります。休暇の問題につきましては、基準法においては三十九条でありますかに規定がございます。職員が休暇がほしいときにはこれを請求することができる、これに対しまして管理者が業務の運行に支障がありと認めた場合には、他の日に休暇を振りかえてこれを附与することができる。こういうふうな規定に基準法がなつておる次第であります。一方人事院規則によりますると。これはたしか規則の十五の六と記憶いたしておりますが、休暇につきましてはあらかじめ所属の機関の長の承認を経てこれをとる、こういうふうになつておる次第でございます。私どもの方の考えといたしましては、暫定協約というものがあります。今年一月から公労法が適用されたのでありますが、その後、組合との協定その他におきまして、別段の定めをしない以上は従来の法規慣例による、こういうふうな暫定協約を結んで、それでもつて実施をいたしておる次第でございます。従いまして私どもとしますれば、この休暇の問題につきましても人事院規則の十五の六によりまして、あらかじめ所属の機関の長の承認をまつて休暇を付与する、それが暫定協約によつて受継がれまして行われておる、こういうふうに解釈いたしておる次第でございます。 さらにまた、基準法第三十九条の解釈の問題に相なると思います。これは先ほど申し上げました通りに、職員は休暇を請求することができる、但し管理者が業務の運行に支障があると認めた場合には、これを与えないで他の日に振りかえることができる。こういうふうに基準法の規定はなつております。現在の郵政の実態と申しますか、基準法の解釈といたしましても、事業の公共性から仕事をかつてにその日に限つて縮小したり、あるいはやめたりすることはわれわれにはとうてい許されないと思います。命ぜられましたその日その日の郵政の業務というものはこれを完全に十二分に運行を確保しなければならぬというのが、私どもの方の考えでございます。そういう事業の公共性の点からいいまして、またさらに現在の郵政の定員の実態、そういうふうな点からいたしまして、定員があり余つて何人が自由にその考え通りに休暇を申し出て休んでもかまわぬ、それによつて仕事の運行に支障がないということには参らぬのであります。そういう一方におきまして、事業の公共性なり、あるいは現在の実際の定員の状況というものからしまして、かつまた人事院規則の先ほど申し上げましたような規定、それを受けました暫定協約というものからしまして、私どもとしますればやはり休暇というものは、その所属の機関の長が業務の運行に支障がないと認めたときにこれを付与することができる、あらかじめその承認を求めて休暇をとることができる、こういうふうに私どもは解釈いたしておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 あなたの方で事業の公共性のことを相当強調されておるらしいのたが、私の伺う根本は、なるほど人事院規則、基準法、そしてこれらによつてできた暫定協約の趣旨、それらをいろいろと適用し準用なさる構えはわかるのですが、基本的には従業員の保護のために基準法ができておるわけです。そして従業員の保護のために、従来の一般に適用すべき国家公務員法をそれぞれ排除するということにまでなつております、これは基準法の根本精神であると思います。基準法を可能的最大限に活用するというところに、使用者としての官が、従業員の各労働条件を誠実に守る、もしくは義務を履行するということが初めてなし得ると思う。そこで私が聞いたのは、昔の官庁の内部規律、あるいは国家公務員法を全面的に適用するというような考え方がかなり支配しているが、むしろ基本的には労働基準法を守り、これを尊重するという方が重きをなさねばなるまいではないか。その取違えがあるものが、いろいろと問題を起す一つの原因になつておるのではないか、これを実は疑うのであります。そこで労働基準法とか人事院規則とか暫定協約とか、その他慣例とかをそれぞれ適用するのだという、その具体的な扱い方はともかくとして、その前にまず従業員の人格なり健康なり、あるいは労働の各条件なりを守つて、官として、使用人としての義務を履行して行くというような面は、どうしても基準法本位になることが私に正しい考え方だろうと思う。それであなたに、基準法が根本になつて、それに相いれないような場合には、基準法によつて解することをまず基本的建前とする、こういうふうにあるべきではないかと思うので、それについての態度、考え方の基本的なものを聞いたのであります。それに答えていただきたい。
○宮本説明員 私の申し上げたいと思いますことも、決して基準法に違反して、そうして一般公務員に適用され、あるいはまたそれを暫定協約において引継いだものを優先してやる、こういうことを申し上げる意思は毛頭ございません。それは基準法という法律があります以上、それに違反してはならぬし、またこれを尊重しなければならぬことは私もその通りだと思います。ただその現在の基準法というものの解釈なり、その運用につきまして、私はただいま申し上げましたような内容をもつてこれを解釈するということは基準法違反でない。違反を知つてあえてこれをやつているというつもりでは毛頭ございません。
○吉田(賢)委員 そんなら聞きますが、事業の公共性——なるほど郵政の事業の公共性ということは、これは何人も疑わない、事業の公共性と、基準法の求めている政府への義務づけたものがずいぶんあります。これは今の休暇問題をめぐりましてもそうでありますが、それがもう食い違いが生じたような場合は、まず基準法の適用ということに行くのではないか、その点についてはどうお考えですか、これも考え方の問題ですが……。
○宮本説明員 私の申し上げたいと思いますことは、基準法というものがあります以上、これを実行しなければならない、その点については私は何も異論はないのでございます。その基準法の三十九条を実施するにつきまして、私どもが従来やつておりましたような方法をとることが、それでは基準法の違反か、基準法の三十九条に照してこれが間違つているかどうかという問題だろうと思います。私は現在の基準法三十九条の解釈、その運用ということが、私どもがやつておりますような内容によつてこれを解釈し、運用するということが、基準法三十九条の違反でない、こういうことを申し上げております。
○吉田(賢)委員 それなら具体的に、ちよつと問答をまとめておきたいと思います。この休暇請求の問題をめぐりまして、あなたは基準法を最も基本に、むしろこれを優先的に、労働に関する限りは基準法を基本に扱つて行かねばならぬ、こういう考え方は了承なさつていると思うのであります。それならば基準法と人事院規則、それから組合との暫定協約、あるいは省の通達、あるいは規則、あるいは慣例、あるいは事業の公共性、あるいは法律の定員、こういうものとの間にもし相いれないような問題がありますときは、基準法によつて処理する、こういう原則を堅持して行くことには御異存ありませんか。
○宮本説明員 その点については異存ありません。
○吉田(賢)委員 それならば進んで聞きますが、年次有給休暇というのですか、三十九条による休暇請求というものは、これは従業員の持つているみずからの健康を守り、また新しい労働力を回復するために重大な権利だと私どもは考えているのであります。そこでこの重大な権利でありますので、これを与えるか与えないかのけじめ、つまりあなたの今おつしやつた事業の運営に支障を生じない、三十九条の正常な運営を妨げる場合、妨げない場合ということは、これはあくまでも客観的に社会通念によつて妥当なりというような場合でないと、私は承認しないとか許さないとかいうことはなし得ない問題だと思うが、その点いかがですか。
○宮本説明員 基準法の三十九条によりまして、職員は休暇を請求することができる、しかしこれこれの場合には、これを他に振りかえることができる、この点につきまして、ただいま吉田先生のお尋ねでありますが、その判断はあくまでも業務の正常な運行を確保するかどうかということが根本である。その判断のもとに、もし業務の運営に支障がありと認めた場合にはこれを承認しない。もしそれが支障がないとしました場合にはこれを承認する、またしなければならない、こういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 私の言つているのは、基準法三十九条の休暇請求権というものは、従業員の持つておる重大な権利である。だから請求権を行うという場合にこれを阻止する、つまり承認をしない、許さないということは、それは客観的な妥当性のある理由がなければならぬ。もし業務の正常な運営を妨げるということをその所属長が恣意に判断し、認定するということであるならば、従業員の請求権を剥奪する結果になります。そういうことは基準法の許さないところである、これは申し上げるまでもないところであります。でありますから私の聞いておるのは、業務の正常な運営を妨げる場合には承認しないというふうにおつしやるが、そういう言葉を聞いておるのじやなしに、業務の正常な運営を妨げておるかいなやという判断は、あくまで客観的に妥当性のある事情がなければならぬと申し上げておりまするので、従つてそれを承認するとか承認しないとかいうことは、あくまでも個々の具体的事実について客観的安当性が要件となるものであると考えるがいかがか、こういうことなのです。
○宮本説明員 ただいまおつしやいました通りに私どもも考えております。
○吉田(賢)委員 それならば例をあげてみまするが、たとえば当該請求者がみずからの疾病のために、あるいは社会的にやむを得ざるとみなし得るような家族の疾病看護のために、あるいはその他その請求者自身が持つておるやむを得ざる事情のために、その場合に請求したときは、何を基準に承認するしないをおきめになるのであるか、この点いかがでしよう。
○宮本説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、その理由が当人の個人的な事情に基く場合であります。基準法三十九条には、その点につきまして特にこれを明言しておりません。あくまでも業務の正常な運行ということをうたつております。正常の運行にさしつかえない場合にはこれを与えなければならぬ、こういうふうになつております。もしかりにその本人が休んだ場合に、業務の正常な運行が確保できない、こう予想される場合もあり得ると思います。これは基準法から言いますれば、その場合にはこれは承認しなくてもいいという一応の結果にはなると思います。しかしながら私はそれはやはり実際の運用として間違つておるだろう、こういうふうに考えております。その人間をどうしても余人にかえることができないという場合は別でございまして、当人にそういう個人的なもつともな理由がありました場合にはそれを許す。その場合に業務に支障がありましても、そのほかの人をもつてこれに充てるというふうに解釈し、運用するのは妥当でない、こういうように考えております。
○吉田(賢)委員 あなたはそうおつしやるけれども、もつと精密にものを言えば、たとえば病人を連れて来て職場に置いても、そんなものは業務の上においてはプラスにならぬ。ですからその業務たるや、形式的な一つのわくをはめて業務の正常な運営、そういうような頭で行くべきではないと思うから私は聞くのであります。だから業務の正常な運営というものは、あらゆる主観、客観の角度から考えて行かなければなるまいと、こう思うのであります。もちろん本人が病気であるとか、近親が病気であるとか、あるいは社会的に考えてやむを得ざる場合に、それをひつぱつて来て職場につけることによつて、人間の穴埋めができて、業務が正常に運営されるということは、常識を欠いたものの考え方であります。ですから業務の正常なる運営というものは、広くこれに従事する人との関係、そうしてまた業務自体の内容、分量、時間、そういうようないろいろなものを総合いたしまして、判断するというふうに持つて行くのがほんとうだろうと思う。でありますから、今の私があげた例の場合も、基準法によればひつぱつて来て業務につかせていいというような考え方では、基準法というものは何かということを言わなければならぬ。それに従事する人間を離れて、基準法というものはありはしません。三十九条の正常な業務の運営というものは、人間を離れてありませんから、人間がその場にあつて職場について初めて業務の運営という内容と形が整うのでありますから、それをのけた業務の正常な運営というものは私はないと思います。ですから、今お答えになりましたのは、業務の正常な運営の観点からは、休暇を許さなくてもいいというお考え方は、私は間違つておると思うがどうか。けれどもそれは病人であるので、別の意味において休暇を与えることが妥当であろう、こういうふうに思うという、これも私はそういう考え方は基準法の解釈としては間違つておると思います。いかがでしよう、その点は……。
○宮本説明員 その点でございますが、私は病人をひつぱつて来て仕事につかせる、それもかまわぬ、そう別に申し上げたつもりではないのであります。基準法の規定からいいますれば、業務の正常な運行に支障がなければ与えなければならぬ、また支障があつた場合には承認しないことができる、これだけの規定があるのであります。ところがたまたま本人が病気とかそういうふうな場合には、それは基準法の規定をそのまままつ正面に適用して、お前が休むと業務の運営に支障を生ずるから、お前は病人だけれども出て来い、これはやはり間違いであろう、こういうことを申し上げたのであります。
○吉田(賢)委員 宇都宮地方貯金局長に今の具体的な事例についてちよつと伺つてみたいのでありますが、私ども聞いたところによりますと、実例といたしまして、母が病気で当該休暇請求者は、母の病気のためにどうしても輸血をしなければならない、こういう重大な場合に立ち至つておるのであります。そこで休暇の請求をいたしましたところが、願書の書き方にこだわつて、電報で呼び寄せて、それが正式な休暇請求でないという理由で、欠勤扱いにしたという事例があるのであります。これはさきの人事部長の御説明によりますと、そうでない、こういうことであります。そういうこともあるし、あるいは都内の問題ですが、妻が病気で容態が悪化した、そこで看護することは人道上当然である。休暇届を出したけれども、これも同様欠勤として扱われた。また自分が感冒で仕事ができないというので、同じく届を出したところが、これも認められない。どうもこれらはいずれも——また別に尋ねますが、形式の届というのはけしからぬから、それでたとい妻が死ぬような事態に立ち至つておつても許さないというのです。一体そういうものは、どういうものでしようか。今の人事部長の解釈からみても、まことにこれは不可解なことだと考えねばならぬ。あなたのお考えを聞きたい。
○相馬参考人 ただいまのお問いにつきまして、実情を申し上げますと、私の方の根本的な考え方としましては、休暇というのは、やはり休暇願を出して行かなければいけないので、そのために、これらの場合に休暇願を出して休暇の請求をしなさい、こういうわけです。その休暇の承認はできないから、それで出勤命令が出たという結果になるわけですが、それで出勤命令との関係をちよつと申し上げますが、休暇届を出して、休暇は承認されないけれども、当人は出て来ない、そういうことが考えられるわけです。それで出勤命令を出すわけですが、そのときに、私たちとしましては、その出勤命令を出すのに非常に慎重にやつております。それでとにかく当人が実際病気であるか、また緊急やむを得ないものであるかということは、非常に吟味して出しております。しかしながらいろいろそういう休暇届を持つて来るという瞬間が、ちようど退庁間ぎわに持つて来られるわけなんです。それも一人一人持つて来るのではなく、相当な数をまとめて組合の執行部の方なりが代表して持つて来るわけです。ですからそのときにすぐその吟味は当然できないわけです。そういう関係で、その人についてどういうわけだということを聞く機会がまつたくないのです。しかたがありませんから、出勤命令を出すわけです。出勤命令を出して、その中にたまたまそういうことに該当する人もできるわけでございます。 それから今の事例でございますが、実は父親が……。
○吉田(賢)委員 途中ですが……。
○田中(織)委員長代理 素の点委員長からも注意しますが、具体的な事例について質問に対して答えてください。
○相馬参考人 実は母の病気という事例は私は聞いておりません。父の病気で輸血しなければいかぬ、そういう人はおりました。しかしその人か休暇届を出した事由というものはそうでなくて、何か付添い看病のためという事由で休暇届が出て来たわけでございます。そういう事情がわからなかつたものですから、それでその人に出勤命令の電報を出したわけでございます。次の問題の妻が病気というのは、私実は聞いておらないのでございます。妻が病気のために休暇届を出した、それに対して出勤せよと言つた事例は、私まだ聞いておりませんでございます。それからもう一つは本人が病気のため、こういうのはございました。先ほど申しました通り、休暇届を一括して持つて来られて、その事情を聞くという暇もないものでございますからこうなつておりますが、しかしそういうものに対しまして、出勤しないものですから、当局側で出かけましてその事情を聞いて、当人ともいろいろ折折をしましてその休暇届を休暇願に訂正してもらつて休暇を追認した、そういう事例はございます。それからまたそういう人たちが出勤した後におきまして、休暇届ではぐあいが悪いから休暇願にしてくださいと言つて、その人に頼んで休暇願に直してもらつた人もおります。またそういたしましても、やはり休暇願ではぐあいが悪い、やはり従来通り休暇届のままにしておいてください。同時に、その人は休暇届では休暇の承認はできない。だから私は欠勤届を出しますと言つて、欠勤届を出した者が相当の数ございます。その事情というのはそういうわけでございますが、そこで重ねて申し上げますが、出勤命令を出すときには、そういうことがないように非常に慎重にやつております。しかしながらそういう事情のためにそういう行き違いが少しはございます。
○田中(織)委員長代理 ちよつと委員長から参考人に申し上げますが、吉田さんが質問された母が病気で輸血するというケースは、たまたま宇都宮の場合には父が病気で輸血するというのも、ケースとしては同じだと思うのですが、具体的にそういう事情で休暇請求して当日休んだ。しかしそれはあくまでも休暇届で、休暇願でないからということで、現在はやはり欠勤扱いにしているかどうかという点です。
○相馬参考人 これは実情を申し上げますと、さつき申し上げましたが、付添い看病のためという事由で休暇届が出て、参りました。病人の輸血ということではございません。それからこれも非常に重要なことであるので申し上げますが、父の輸血というので、実は私の方で非常に病人の便宜をはかつてやつておりまして、当人から……。
○田中(織)委員長代理 現在でもなお欠勤扱にいたしているかどうかという点だけをお答えください。そういう事情がわかつても欠勤扱いにしているのかどうかということです。その一点だけをお答えください。
○相馬参考人 欠勤扱いにしております。
○田中(織)委員長代理 その根拠はどこにありますか。
○相馬参考人 それは休暇届であるから——休暇届というのは、これは郵政省全体の方針として、そういうことを指示されているわけであります。ですから休暇届では休暇の承認はできない。ですからその休暇願を出してくれとこつちから頼むわけです。
○吉田(賢)委員 今の郵政省全体の方針として指示されているというのは、どういう指示がいつどこからあつたということですか。それをお答えください。
○相馬参考人 それは就業規則できまつておりますから、その就業規則に基いた通達がございまして、休暇願という様式がきまつております。
○吉田(賢)委員 結局今のあなたの御答弁は、形式が届になつておるからそれで欠勤した、こういうのですか。具体的の内容としては父の急病とか、母の急病とか、みずからの病気等々で、そのような場合は明らかに業務の正常な運営を害しない場合と同じであり、害しないものとして処理すべきだ、従つてそれは承認するということにしなければならぬというのが、今の人事部長の言明なんです。あなたの御答弁とは相いれないが、まあよろしゆうございます。あなたと問答を繰返していますとちよつとくどくなりますから、次に行きます。 これは人事部長に伺いたいと思います。今の形式の問題ですが、基準法を遵奉することが基本的の態度であり、方針であるということになるならば、基準法の精神を遵奉しておればそれでいい、こういうふうに言われるのですか。これが犯罪の要件とかいうものならともかく……。従つてあなたに確かめておきたいことは、年次休暇の請求権の行使というものは、法律上ある一定の方式を要求された様式行為というふうに考えておられるのかどうか。私はそうでないと思うのだが、その点に対する所見はいかがでありますか。
○宮本説明員 基準法の三十九条は、その点についてその様式を何も規定してございません。この点につきましては先ほどから申し上げました通りに、従来休暇というものは承認制をとりまして、また繰返すようでありますが、人事院の規則なりあるいは就業規則、その他就業規則に基いた通達等によりまして、休暇を申し出る場合には、こういうふうな休暇願を出してあらかじめ機関の長の承認を受くべし、こういうことになつておるのであります。基準法そのものには何も様式行為はありませんが、私どもは人事院規則なり、あるいは暫定協約また就業規則を受けまして、その様式をわれわれのあれでもつてきめておる、こういうわけであります。
○吉田(賢)委員 そうなれば、あなたの御説明自身によつて、基準法は様式を規定していない、従つて請求の要件として一定の方式を要求しないのが基準法の解釈である、こういうことになります。それから前に御答弁になつたがごとくに、その他の法規だとか、慣例だとか、あるいは公共性とか、協約等々と、基準法が相いれないような疑いを生じたときは、基準法の解釈をとる、こういうふうな御説明であります。そういたしますと、根本の法規であるところの基準法には方式を、要求しない。それならば、これは方式を要求しておらぬのであるから、法の精神を生かして、休暇請求権の行使をせしめ、また休暇請求をした者に対して使用者の立場から適当に承認を与える、義務を尽す、こういうことが法の解釈上最も適当であり、また妥当であると思います。そうなればむずかしく、願いとか、届とか、申請とか、そういういろいろなことにこだわることは、基準法の精神を蹂躪するのではないか。なるほどそれは公に知る機会を与えてあるとおつしやるかもしれぬ。しかしそれはまた別の問題であります。従つてあなたの方の郵人管第四二九号、一般長あて通達の三十四条でありますか、これによつて方式というものはきめられてあるが、これはほんの内部における一種の基準、そういうものを示すにすぎないのであつて、かりにこの要件が満たされておつても、満たされてなくても、基準法の精神を生かすということが大事でありますから、従つて休暇請求権の行使を拒否するということはできないのじやないか、こう思うのであります。その点の見解いかん。それから労働省の和田監督課長の御説明を聞きたい。
○宮本説明員 私が先にお答えいたします。なるほど基準法三十九条は様式をきめておりません。私どもの承知いたしております限りにおきましては、その様式というのは内部規律にまかされておるのだ。これを届出制にするか、あるいは願出制にするかということは、内部規律にまかされておるのである、こういうふうに私どもは承知いたしております。従つて私は三十九条によりまして、休暇というものが職員の基本的の権利であるということには毛頭異論はございません。従つてその正当の権利にいたしましても、これを行使いたす場合にやはりあらかじめ定められました様式なり、方式を守るということが、当然要求されてしかるべきではないか。これは私ども郵政省だけがかつてにきめたものではございません。人事院規則にもあります。また職員側の意見を聞いて定められておる就業規則というものによつて明瞭に規定されておる。それにきめられた方式を守つてもらえればよいのであります。三十九条に様式が何も要求してないから、その様式は何でもよいのだ、こういうことには参らぬのじやないか、こういうふうに私は考えます。
○和田説明員 私どもの解釈といたしましては、三十九条は今田先生から御指摘かございましたし、宮本人事部長からお答えがありましたように、これは請求権である。従つてその請求権の権利行使をば断り得るのは、法律上は業務の正常な運営を妨げる場合に限られております。その手続の問題が今盛んに問題になつておりますが、この手続自体は基準法には全然触れておりませんので、当事者が御自由におきめになつてけつこうだと存じます。といいますのは、会社の慣習もございましようし、公共企業体としてのいろいろなものの考え方もございましようから、手続をどうおきめになりますかは、私どもの基準法として直接触れるところではございません。御自由におきめ願つてけつこうだと思います。しからばその手続が違反しておるから休暇の請求を与えないかどうかということも、これは実は労使間でどういうふうにきめておるかということによつて差が出て来ると思います。私契約の範囲内においてできますので、その点は私どもの力では判断いたさずに、労使双方のいろいろのとりきめにおまかせしておる、こういうことになつております。
○吉田(賢)委員 その私契約に一切まかすというけれども、おのずからそこには線がなければならぬ。これはやはり基準法の精神を生かして基準法の指示するところに従わなければならぬと思います。ことに一方、今の具体的な場合においては、全逓の組合側においてはその方式には反対の意思表示をしておるようです。そういたしますと、暫定協約というような、要するに暫定的なものにとらわれて、なかなか正確な解釈へ到達ができない。一方当事者にまかしておるというあなたの御説明ですが、実は今日は労働大臣なり基準局長が見えぬので、労働省の見解として聞いておるのでありますから、そのつもりで答弁してもらいたい。 そこで労働省の意見としては当事者にまかしておくというけれども、恣意に何とでもまかすということであれば、基準法なきと同じ結果になると思います。そういうことは許されない。あくまでもそのわくがあることは申し上げるまでもありません。そういたしますと、今の方式なるものはそんなに厳格に解すべきでないということは、法律解釈の常識じやないかと私は思うのです。なぜならば、これは従業員の基本的の権利でありますから、基本的の権利が一方の使用者側の恣意によつて、どうとでも解釈運用し得られるような協約が濫用されるということになりましたら、これは基本的権利の侵害になります。ましてやこの権利行使につきましては、違反省は罰則まで規定しておるのが法の精神であります。相当そこは使用されておる側の権利を尊重するというのが建前なんです。だからそれを制限するとか、何かわくを入れるとか、方式をきめるとかいうことは、あくまでも一の種お互いの、注意の規定にすぎないので、それが要件というような強いものであるべきでないと私は思うのです。ですからそこをあなたにお聞きしたのですが、あなたの今の御説明を聞くと、当事者にまかしてあるので、基準法はそこまで触れておらぬとおつしやるのだが、今申したように基準法の精神解釈のわくの中において許さるべきもので、方式というものは要するに、注意的なものにすぎない。それが絶対的要件である、そういうふうに解釈することは基準法の抹殺になるおそれがある。その点お答え願いたい。
○和田説明員 基準法の三十九条にございますのは、労働者の請求権でございまして、それを拒否する場合に規定してございますので、この法的な性格を変更するような私的契約は、私は強行法規違反として無効になると存じます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、こういうふうに了承したらいいのでございますね。つまりあくまでも休暇請求権が適正に行われたか、どうかこれを使用者側が与えたか、与えなかつたかについて、それがまた同時に適法妥当であつたかどうかをきめる基準は、あくまでも事業の正常な運営を妨げたかどうかという具体的、客観的な事実の有無によつてきめられる、こういりふうに了解していいのでしようか。
○和田説明員 実はその手続の問題は、先ほどからここで伺つております範囲においては入口の問題でございまして、請求それ自体のところにまで触れておらないと思います。その入口のところの問題、要するに請求権の内容を変更するとか何かという問題以前の問題が論じられておるように存じますので、直接私どもの方でそのことの云々につきましては、請求の手続いかんによつては絶対的に与えないとか何とかという点になつておりますかどうか、十分実情を調査いたしませんと、ここで私が聞いた範囲内において、こういう場合はよくない、こういうことを判断することはちよつと差控えとう存じます。
○吉田(賢)委員 そうではなしに、私のあなたに伺いますのは、要するところ方式のいかんとかいうことよりも、休暇を与えないか与えておるかの基準は、この正常な事業の運営が妨げられたかどうかによつてきめるべきもので、入口の方式が申請とか願いとか席とかいう、そんなところで議論すべきものでなしに、あくまでも正常な事業の運営が妨げられたかどうかによつてきめるべきものである、こういうふうにあなたの御説明を了解していいか、こういうふうに聞いたのです。
○和田説明員 手続問題は一応切り離しまして考えますと、正常な業務の運営が妨げられておるかいないかによつて、だけ拒否の問題になります。但し手続問題はその中に入つて来る問題であるか、その以前の問題であるか、その点についてはなお私たちといたしましても研究をいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 それならばその点に触れて行きますが、具体的、客観的に事業の正常な運営が妨げられておつたかどうかを検討する前に、手続としまして願い書とか届とか、そういうような、とにかく休ませてほしい、休暇をさせてほしいという意思表示はあつたのですから、意思表示だけでいいだろうと私は思う。私も実は職業として法律生活をしておりますので、裁判所のような、民事訴訟、刑事訴訟の厳格な様式を規定しておるものでも、最高裁あたりの判例によれば、本人が何を求めようと、するかということによつて、それをその意志の有無によつてきめることが大体の方向であります。でありますから、必ずしも公訴状に書いておる文字にとらわれるというようなことは、およそないというのが大体原則でございます。そういうような法律常識から考えましても、この場合は実質的な事業の通営を妨げたかどうかという判断がなさるべきで、入口の届書の文字が何と書いてあつたとか書いてなかつたとかによつて決定しますというと、請求権行使を入口で拒否してしまうことになりますので、請求権行使の拒否を、そういう本来の実体的な事由の有無の判断に至らぬまでに拒否してしまうということになりますことは、これは基準法の運用の上から見ましても実にたいへんなことだ、こう思われます。でありますから、あなたの御説明によりましても、文書の形式よりも中身、その事業の正常な運営の妨げの有無の検討へただちに入るべきことが、妥当な法の解釈でもあり、運用でもあり、労使双方そういうふうであることが、休暇請求権をめぐつてのお互いの方針、態度でなければならぬと思われるのですが、いかがですか。
○和田説明員 古田先生の御意見と私はほとんど差異がございませんですが、ただ本件の、ここで問題になつておりますことについては、どういう事情がありますか、私の方もつまびらかにいたしませんので、お答えを差控えたいと思います。
○田中(織)委員長代理 吉田さんにちよつと御相談申し上げます。午後に続行しても委員諸君の集まりもあまり考えられませんので、大体一時ころまでに——委員、職責の諸君にたいへん恐縮ですけれども、一時ころに委員会を終りたいと思いますので、昼食を抜きにしてやるわけですから、その点で質疑を簡潔にお願いいたします。
○吉田(賢)委員 承知いたしました。そういたしますと、労働省側の御意向もだんだん判明して参りまして、問題の処理がしやすくなつて来たのでありますが、人事部長もしくは——もしくはではちよつとお困りかもしれぬが、一体各地方の局に対しまして、具体的な休暇届に対して、届ではいけない、願いにしろ、届の場合は欠勤扱いにしろということは、これは指示、指令でもなさつたのですか、その点どうなのですか。
○宮本説明員 その点につきましては、私どもは何も今回に限つて今まで届出制だつたものを承認制にしたわけでは決してございません。従来承認制としてこれを就業規則にうたい、また通達にもうたいまして、現に本年の初めからでありますが、今日に至るまでこれをやつておるのであります。従いまして今回につきましては、ただその従来の方針通りやるのだ、そういうことにしておりました。もちろんそれは届出制ではいけないのだ、それはやはり従来通りに承認制である、こういうふうに指示いたしました。
○吉田(賢)委員 そうしますと、届書ではいけないのだ、願い書にせよということを指示したとおつしやるが、労働省の見解も、大体私が申し上げておりまするように、ただちに内容について具体的に、事業の正常な運営の妨げの有無に入るべきだというふうに解しており、そういう御意向のようでありますが、従来のことにかかわりませず、——従来ということになりますると、これはたとえば私も今の組合との間の暫定協約の成文も取寄せてみましたが、幾多もつと改めなければならぬ、もつと具体化しなければならぬものがあるだろうと思うのであります。お聞きのような法の精神なりとすると、やはり郵政省も労働関係法規の解釈においては、労働省の所見を尊重されることは当然であります。また今後もそうしていただきたいと思います。そうなりますると、たとえばこの十六日に給与の繰上げ支給もなさるようでありますが、聞くところによりますと、相当数が届を出しておつたので、それを欠勤扱いにしておるという事例が相当に上るようであります。将来根本的に改めるということは別といたしまして、この際の臨機の措置といたしまして、一応欠勤は御破算にして白紙にして、従来通りの休暇を与えるということにして給料を支給する、こういうふうにお扱いになつてはいかがかと思います。これは給与問題だから経理局長の方ですか、もしくは両方から答えてもらつたらよろしいのですが、臨機の措置をそういうふうにしたらいかがかと思うのです。御答弁願います。
○宮本説明員 今回の措置につきまして、私どもはやはり業務につかないで、仕事をしない者に対しましては、給料を差引く、こういう方針で貫いて参りたい、こういうように考えております。
○吉田(賢)委員 あなたがそういう強いお答えをするなら、もう一ぺん言つておかなければならないが、事例として、親が病気で当人が輸血しなければならないような事例や、本人が病気である。そういう場合には、業務の正常な運営を害するとか害しないということにかかわらず、当然これは欠勤と認めるべきではないというのが、あなたのさつきのお答えなんです。それならば最小限に見ても、やはり再検討するというような問題が私はずいぶんあるのじやないかと思うのです。全部白紙にしなさいと申しましたが、百歩譲つても再検討しなければならない。ところが事実において、職場へ来なかつた者は全部欠勤扱いにするということですが、これは基準法を蹂躙するのではないか。あなたの前の答弁とまつたく矛盾する。もつとこういう問題につきましては幅のある考え方をしてもらいたい。何かかたくなになつてしまつて、これまでやつて来たことをどこまでも押し切つて、しまわなければならぬというような、何とかワンマン式のような強い態度ではなしに、おやりにならぬといかぬと私は思うのです。すでに当委員会におきまして、いろいろな事例に対するいろいろな意見もでておるのであります。ことに大臣は委員会の意向を尊重すると言明されておるのであります。私ども質疑しておりますのは、やはり肯定する意味ではなしに、否定的な観点から質疑しておることは、質疑の全趣旨によつておくみとりくださると思う。しからばあなたはこれは委員会の空気としてとらなければいかぬ。にもかかわらずこれをあえて拒否して、欠勤扱いにして、今後なおやつて行くというようなことを断言なさることはどうか。
○宮本説明員 私がただいま申しましたのは。方針としまして、欠勤した者に対してこれを欠勤扱いとする、こういうことを申し上げたのであります。先ほど吉田先生の申されましたように、本人が事実病気である、あるいは親の看病のためにどうしても出られない、そういうふうないろいろな個々のケースがあると思います。そういう具体的な個々のケースにつきましては、私どもはこれを欠勤扱いにすべきか、あるいは給料を差引くべきかどうかということは、個々の具体的なケースについてよく考えまして、善処いたしたい、こういうように考えます。
○田中(織)委員長代理 今の人事部長の答弁は私非常に重大だと思いますので、委員長からもちよつと申し上げたいのですが、これは全般的にこの紛争の問題で減給処分等の問題があることは、前国会で私からも、また閉会中にも人事部長の方に、こうした問題の紛争がいわゆる賃金カツトの問題で将来あとを引かない意味において、善処を実はお願いしておいた関係なんです。それで今回の闘争の過程において、相当いろいろ業務の正常な運営という点に支障があつたような新聞報道がございましたけれども、その点については、これは十一月二十六日の委員会でございましたが、人事部長からもはつきり、業務にはそう著しい支障と申しますか、障害、具体的に申しますれば、著しく多くの郵便物の滞貨というようなものは、なかつたように理解されておるということで来ておられます。それから問題は、これは参考人の方からも伺わなければならぬのでありますけれども、どうしても業務命令が出ても就労しないという場合には、減給処分を法の命令でやるということを、二十九日に委員会で人事部長が答弁しておるのでありますけれども、届出の形で出たものを省側の希望するように願いに改めろということの手続の関係で、呼出し電報がはたして業務命令であるかどうかという点については、これは業務命令でないというように、それぞれの現場で申されておる現場長もあるわけであります。その点はそれが電報で届出を出したものが一斉に出て来て、休暇をとるならひとつ願いにしてくれれば全部出そうというようなことで、二割でありますが、全部の休暇をとつたというようなこともあるのです。またどうしても改めなければ業務命令が出るということで出た場合に、業務命令に従つて出勤した事例もあるので、現在画一的に扱つておる関係を、今人事部長の申されたような方針で、この十六日に賃金カツトをするということになれば、年末を控えて、これから郵政関係の、特に年賀郵便その他の取扱いが最も繁忙になる時期に、新たな紛争を起すことになり、省側がみずから責任をとらなければならぬような事態になると思うのですが、その点については吉田委員も申されておりますように、相当やはり幅を持つたというか、弾力性を持つたものの考え方で、現に組合との間で団体交渉も続いておると思いますが、お話合いになる余地は全然ないものでしようか、どうでしようか。
○宮本説明員 私の申し上げたいと思いますことは、今回の問題につきまして大部分の実例を申し上げますと、その中には吉田先生の先ほど申されたような個人的の事由による事例も確かにあるようであります。しかしながら大部分実例というのは、先ほど相馬参考人からも申されましたごとく、退庁まぎわになりまして届出書というような形式でもつて休暇を申請——と申しますか、一括して届出に来るのであります。そしてそれが本人に対しまして、これは休暇の届出であるが、願いに書き直せ、あるいは願いとすればどういう事情かというようなことを一切調べるとか、様子を聞く余裕もないのであります。そして本人はその翌日になりまして役所に出て来ない。役所の方ではそれだけの人数が休まれれば、業務の運行に支障がある。こういうわけでこれをまた、業務命令を出して呼び出す。しかしながらその呼び出しまして——ことに最初の闘争におきましては一、二の局を除きまして、大部分の者は出て来て就労したようであります。問題はこちらの方から業務命令を出しましても、結局出勤して来ない。これが大部分の実例でございます。これに対しまして私どもはどうすべきか。休暇の承認をとらずに休んで、これが承認にならぬから結局出て来て働いてもらいたい、こういう電報を出しました。それでもなお出勤をして来ない。これに対しましては私どもはどうしてもやはり法規の命ずる——給与法にそういう規定が明瞭にあるのでありまして、やはり仕事をしない、その欠勤した者に対しましては、給料を差引かなければならない。こういうことを申し上げておるのであります。病人その他の具体的な個々のケースにつきましては、一般の方針通りにこれを行つては妥当でないというものもあり得ると思いますが、そういうものにつきましてはよく話合いをいたしまして善処をしたい、こういう考えでおります。
○吉田(賢)委員 私の話で病気を例にしましたのは、あなたが全然就業しておらぬ者は欠勤扱いにするというような、全部否定的な御答弁があつたから例を出したにすぎないのであります。先ほどからだんだんと私が聞いておりますのは、そのこと以外で一番多くの重要な問題の一つはいわゆる形式の問題、つまり入口の届出と願いがいいとか悪いとかいう問題であります。そういうものがやはり基準法の精神、解釈から行き、またその請求権の保護の面から行くならば、そういうものは第二義、第三義的な問題であります。だから届と出しておろうが、願いと出しておろうが、客観的によく業務の実情を把握して、それから判断するということが正しい。時間があるとかないとかいうことにおつしやつておりますけれども、それにかかわらず届だから、業務の正常な運営を害したやいなやを検討する余地もない。届だから門前払いだ、届だから正式な請求がないとみなして欠勤扱いをした。もしこれを願い書にしたならば、内容に立ち至つて業務の正常運営と照し合せてみる、こういうような局すら相当あるらしいのです。そうしますとますます届出にこだわつてしまつて、届なるがゆえに、届の場合は一切業務の正常な運営に入らずに、欠勤扱いにしてしまつておるのであります。だからそういうものもあわせて、これはむしろ所属長側において、法の精神から行くならば、そういう形式にこだわらずに、内容に立ち至つて調査して、妥当性の有無を判断して処理すべきであつたのが、しておらぬ。だから手落ちはむしろそちらにあるのではないか。しかしこの際は、それを責めるよりも一応白紙に返して、病人はもちろんのこと、親の輸血というようなことはまさに人道問題です。これは間接的殺人罪になるおそれもありますから、そういう場合はもちろんのことで、そんなものは論議するもへつたくれもありません。そういうことが町の工場にあつて新聞記事にでもなつてごらんなさい。町でも捨てておきません。そういうわけでありますから、病人とかなんとかいうような事例はもちろんのこと、今申しました形式の問題にこだわつて、門前で拒否したという事実を一応白紙にお返しになつてはどうか、こういうふうにやわらかく申し上げるのですが、人事部長どうですか。
○宮本説明員 幅をもつてその点を考えろというお考え方であろうと思います。問題は結局届出をかりに願い書なら願い書に書き改めた場合に、本来の三十九条によりまして、はたしてそれが休暇がもらえたものかもらえなかつたものかということに、私は問題が帰着するのではないかと考えております。
○吉田(賢)委員 どうも失礼なことでありますけれども、尋ねようとすることにお答えくださらぬ。何べんも問答があつた通りに、この方式というのではなしに、実体的に業務の正常な運営を阻害したかいなかが、拒否の基準になることは明らかだと思う。だからきようは労働省からも御足労を願つておるわけでありますから、労働省の意向につきましては、郵政省はすべからく尊重してもらわなければならぬ、われわれの意見につきましてもそうです。こういう重大な基本権利を、くだらぬ形式にこだわつて抹消するようなそういう態度は、紛争を刺激する以外に何もプラスはありません。そういうことによつて業務の正常な運営を阻害される要素がふえて行く以外に何もありません。正常な業務の運営を阻害する以外に、郵政省全体の業務が麻痺する危険性があると思うのであります。 最後に一つ伺つておきますが、だんだん聞けば、あなたの力では結局今の四百二十九号の通達の三十四号の方式に願いと書いてあるから、願いと書いてないものは欠勤扱にしろという御指示もあつたらしいが、どうもそれは法の精神には相いれないものである、そういうことになるように思うのであります。そこでそういう方式などをめぐりまして、組合との間に、もつと組合の意見も聞いて、これはお互いに協力すべきだということは法の精神でもあろうし、また当然のことでありますから、雇つておる使用者側一本で考えて事を処理すべきものでももちろんありませんので、組合側の意見も十分聞いて話合いの上で、あらためてそういう方式等の問題も含めてさらに協約を新たにして——協約も暫定ということになつておりますから、暫定にあらざる、もつと恒久的な広汎な角度から検討いたしまして、今日のような事態を刺激するような原因を芟除してしまうような、完璧を期するようなものに持つて行かれたらどうかと思うのです。これは基本方針としては大臣に聞くべきものだと思いますけれども、当面あなたの責任でこの仕事をおやりになつたらどうかと思うのですが、そういうふうにあらためて協議をする、こういうふうにせられてはいかがかと思いますけれども、いかがでございましようか。
○宮本説明員 こういうような事態というものは、もちろん私ども歓迎しておりません。従いまして吉田先生のお話のごとく、今後この問題を解決するために、この休暇付与の問題につきまして、その方式その他のことについて十分組合側と相談をしてやつて行くということにつきましては、異存ございません。
○吉田(賢)委員 あなたも当初に、若干の日時を要するが、何とかこの休暇の問題については解決したいと御意思のあることをお述べになつておりましたから、まあこれに照応する私の質問になるわけでありますが、若干の日時ということも、こういうものはあまり長く遷延することを許しませんので、当面の問題だけ切り離して行くかどうかは別といたしまして、ともかく当面しておる争いの問題がありますから、それとの関連におきまして、引続きこういうものはひとつ処理してしまつてはどうか。従つて時間的に引続いて処理にお当りになるという御用意と意思があるかどうかを聞いておきたい。それからなおこういう問題が紛争を続けておりますと、やはり義務違反といたしまして、提訴だとかあるいは告発だとか、そういつた問題も私はないことを期し得られないと思うのです。これもまたまことに煩わしいようでございますので、相なるべくはなからしめたいと思いますので、あなたも今お聞きの通りに、あなた独自の御解釈はいろいろあろうけれども、われわれも解釈する、あるいは組合側も解釈をしておる、労働省側においてもいろいろと御意見をお述べになつておる、こういうような状態でありますから、やはりここはもつと謙虚になつて、いろいろと手落ちも省側にあつたというふうにお思いになつて——あまり形式にこだわつておつたので、下部末端におきましはまちまちな扱いも出たというようにもなつたのではないか、こういうように思いますから、この際事態を円満に収拾する意味において、まず一切の行きがかりを捨てて、全体解決とあわせていろいろと検討し、また組合側とも——これは利害関係のある当面の当事者でありますから、十分に協議を遂げて、そしてこういう問題をめぐりまして、今後解決すべき問題は何と何とであるかということもおきめになる、こういうふうにでもして収拾策を具体化するというふうになさつたらどうかと思いますが、ひとつ御意見を承りたいと思います。
○宮本説明員 ただいまのお話の通りに事を運んで参りたいと考えます。
○田中(織)委員長代理 今度の休暇の問題に関連する紛争が起つたこの根本的な原因は、やはり労働基準法で認められた年次休暇が非情に堆積しているということにあると私は思うのです。数十日に上る堆積があることをわれわれ従来から承知いたしておるのですが、幸い参考人として東京郵政局長と宇都宮貯金局長が見えておられるので伺いますが、休暇の問題について規則をたてにとつて、非常に厳重に処断されて来ているようでありますが、年次休暇はその年度分をその年度内に付与すべきことは法の定めるところとなつております。そこであなたたちの所管のところでは、年次休暇の堆積等はございませんかどうでしようか。
○成松参考人 年次休暇の問題につきましては、可能な限り付与するように心がけておりますが、必ずしも本人の欲するときどきに付与するというわけに行きませんので、相当の堆積があるように聞いております。
○相馬参考人 その点につきましては、従来休暇願というものを提出して参りましたときに、休暇を付与しなかつたという事実はございませんでした。ですから現在……。
○田中(織)委員長代理 あなた方に堆積があるかないかという点だけをお答えください。
○相馬参考人 堆積はございます。
○田中(織)委員長代理 どうして堆積があるのですか。
○相馬参考人 当人の請求がないというのが相当な原因だと思います。
○田中(織)委員長代理 本人から請求がないから堆積があつたというのですか。
○相馬参考人 そうです。
○田中(織)委員長代理 それは間違いありませんか。相馬参考人に重ねてて伺います。
○相馬参考人 こういう休暇届を除いてはそうでございます。
○田中(織)委員長代理 それでは重ねて伺いますが、従来休暇請求の方法として、緊急やむを得ないことで、同僚のことづけとか、電話をかけて話をかけて請求するとか、事前に連絡できないときは、当日就業開始時刻以後または極端な場合には翌日に連絡した場合も、従来はこれで取扱つて来ておる。そういう前例が今回の場合に限つて郵政省から出ておる通達の三十四条に基いて、こうした休暇願という取扱いでなければこれを処理しないということに変更されたことについては、深い理由があるだろうと思うのですが、それを率直に申し述べていただきたい。
○相馬参考人 それは従来でも休暇の追認という制度がございまして、休暇が事前にどうしても申し出られなかつた緊急やむを得ない場合は、事後でも承認をしております。しかしながらその終局の形はどこまでも休暇願そのものを提出して承認するのでございます。
○田中(織)委員長代理 これは東京郵政局の関係でありますけれども、群馬県の某郵便局では業務に支障がないので、休暇届様式による休暇請求書については全部認めていたところが、本省から係官が来て、それは就業規則違反だということで欠勤扱いを指示したので、事後において休暇処理を取消して欠勤扱いにしているという事例があるようでありますが、今回の紛争の過程においても、東京郵政局並びに熊本郵政局の両局を除いたほか、休職の問題でそう紛争が起つておらないようにわれわれは承知しておるのであります。特に東京郵政局の関係においても、休暇届の出た者を局の方で業務に支障のない範囲内においては、あとから休暇願に改めさせる等の方法で、欠勤処理就業規則違反だということで欠勤扱いを強要したという事例があるやにわれわれは聞いておるのですが、そういう事例があつたのですかどうですか、これは人事部長から伺いたい。
○宮本説明員 そういうことは私聞いておりません。
○田中(織)委員長代理 その点については、先国会の参議院郵政委員会においてわが党の永岡参議院議員から、休暇届、休暇願の紛争については、特別に処置したことがあるかどうかということを伺つたときに、人事部長は特別に指示したことはないと答弁されておるように開いておるのでありますが、本日参考人の諸君の意見を伺つておりましても、また今人事部長は否定されますけれども、われわれの手元に入つておる事例では、この問題について本省から特別に積極的に指導したように見受けられるのですが、そういうことが現実にあつたのかどうか、重ねて人事部長から伺いたい。
○宮本説明員 現場におきまして、現実にそういうことがあつたかどうか私は聞いておりません。ただこの問題の処理につきましては、先ほどから繰返して申し上げますように、従来省側がとつておりました承認制というものも、これをこのままやるのだ、別にこの際その方針をかえないのだということを指示しておるだけであります。現場におきまして、そういうふうに積極的にこれを指示したかどうかということは、私聞いておりません。
○吉田(賢)委員 関連して……。その休暇の残日数とか称するものは、一体全国的に見てどれほどになるのでありますか。年度別に見てどうなんでしようか。今お答えし得る範囲において、もしくは地方局においてでもいいですが、これは突然のことでございますから数字のこと、あるいは資料がなければ十分言えぬかもしれませんが、ひとつできるだけ説明願いたい。
○宮本説明員 ただいま吉田先生のお話は、今回の問題と申しますか、欠勤扱いの対象に官側が考えておる人数が どのくらいかというお尋ねでありますか。
○吉田(賢)委員 そうではなしに、堆積しておるというか、休暇請求がなければそれは与える必要はないという御説明がありましたが、請求とは何であるかということで、また請求があつたとかなかつたとかで問題になつておるのでありますが、結局それらをひつくるめまして何ほどの休暇が、各職員においてなお権利として持つておるのであろうかという点であります。
○宮本説明員 休暇のたまつております日数は、全国平均いたしまして約四十数日ということになつております。
○吉田(賢)委員 そこでこれは労働省側に伺つてみますが、この四十数日がたまつておるということになつておりますが、これはただたまつておるというだけで、措置をしないということになる上、権利がまつたく無視されてしまつたことに結局なるのでありますが、これはいつまでもこういう状態で繰返して行つていいのかどうか。何か処置をしなければならぬのではないだろうか。権利がそのまま眠つてしまつて、剥奪と同じような結果になるのもいかがかと考えますが、これにつきましては何らかの措置をとらなくても使用者はいいのですか。
○和田説明員 今お答えになりました四十幾日というのは、三十九条で規定しておりますような有給休暇でありますかどうか、私ちよつと疑問でありますが、私ども基準法を施行しております立場といたしましては、できるだけたまらないように、各使用者側においてやつていただきたいという希望は持つております。
○吉田(賢)委員 たまらないように使用者に通知を出したり、注意しておる。それはごもつともですが、たまつたのを糞をためておくというような式で、いつまでもためておくというわけに行くまいと思います。これは一体ためておいていいのか、適切な措置を考えないでいいのかどうか、そうすればどうすればいいのか、これについて聞きたい。
○和田説明員 非常に率直に申しますと、たまり方は二年間の時効がございますので、二年だけたまるわけであります。それ以外は時効でもつて、時効の中断がない限りは終つてしまう。そ間のたまつておるものの問題につきましては、これは使用者側にも、あるいは労働者側にも、いろいろの事情があることでございますので、画一的に具体的な事件についてはこうこうということは申し上げかねますが、一般的にはせつかく三十九条で与えられておる権利の行使、及びその権利の行使に対する付与については、一般的な問題として使用者側にできるだけ有給休暇の与えられるような状態をおつくり願いたい、こういうように期待しておるわけであります。
○吉田(賢)委員 三十九条によつて休暇請求権を行使したが、事業の正常な運営を妨げるという理由によつて承認をされなかつたからたまつたという場合におきましては、使用者は、その従業員に対して何らか賠償をしなければならぬのではないのですか。
○和田説明員 法律上の問題ではございませんが、指導といたしましては、事ある場合には、次のいつごろという日をできるだけ言つていただきたいと言つております。三十九条の但書の文句を読んでいただきますと、「他の時季にこれを与えることができる。」という言葉づかいがございますので、われわれは、具体的に次の与え得る時期を指定いただきたいというように指導をいたしておりますが、しかしその場合、従来の経験によりますと、労働者側の方の都合の悪いのが非常に多いのでございます。そういう点で一応の指導にとどまつておりまして、徹底を欠いておるというように考えております。
○吉田(賢)委員 いろいろな事情もあろうし、その次の適当な日を指示するということもあるとかないとかいう場合も具体的にはありましようけれども、権利を行使しようとしても、使用者側は事業の運営が害されるからという理由で、これを許可しないという場合もずいぶんあろうと思います。そういうことは職員にその権利を行使せしめなかつたということでありますから、それは当然民事的な経済的な損害賠償的な法律上の関係が生ずるのではないか。使用者の郵政省におきまして何らか賠償の義務があるのではないかと思いますが、その有無についての見解を聞くわけであります。
○和田説明員 労働者の休暇請求権の性格については、いろいろと法律的にも問題があるようでございますが、私どもといたしましては、請求があつて初めて与えることになつておりますので、初めから六日なら六日という権利が当然に発生しておるものではなく、それは請求によつて具体的になつて行くものだというように存じておりますから、法律的に申し上げますれば、残余のものについて使用者側は賠償しなければならないということにならないと思います。ただ問題は、かつて休暇の買上げの問題が三年、四年ほど前に問題になりました。この点については、実はわが国の実情からいたしますと、買上げ制度を認めますと、休暇を現実にとらずしてあとで買上げをして行くという例の方が実は多うございます。そういたしますと、三十九条はそういうことを規定しておるわけではございません。二十七年に行いました法律改正の問題をば中央労働基準審議会でいろいろ御議論になりましたときに、買上げの問題が出ましていろいろ審議を重ねました結果、買上げ制度を認めることはよろしくないだろうということになりました。これは労働者側の方の御意見もそうでありました。労働者側は初めから否定的な考え方でありました。使用者側の方は、買上げ制度がどうだろうという点についてはいろいろ御議論願いましたが、結局買上げ制度を認めれば、有給休暇制度の根本をくつがえすことになるからよくないだろうというような御出見でありましたので、法を施行いたします私どもといたしましても、そういう御意見を尊重いたしまして現在施行いたしております。
○田中(織)委員長代理 人事部長に最後に伺つておきます。この前の委員会で、休暇の申請に対してただちにもつて給料を差引くということはいたしておりません。業務命令が出ても就労しない場合に規定に従つて給料を差引いているのだ、こういうような御答弁があつたわけなんです。こそで最後に伺いたいのは、休暇届という形で組合の役員等が固めて出して来た。そこで先ほどから参考人の説明等を伺つておりましても。それを願いに改めるということにすれば休暇の問題を考えようということで、とにかく電報で呼び出す。その電報で呼び出したことは、いわゆる業務命令ということに当てはまると考えておるのですか。それとも電報で呼び出して、届ではどうしても休暇は出せないということで、そこであらためて業務命令を出す。それでも拒否した者を欠勤扱いにする、こういうところはそこにけじめがついておるのでしようか。その点を確かめておきたいと思います。
○宮本説明員 その点につきましては私の方は先ほど申し上げました通りに、その前日の退庁まぎわに一括して届け出て来たというのが実例でございます。これに対してわれわれはともかくも願いという方式をとつています以上は、実は方式としてそれを受付けるわけには参らぬのでございます。とにかくその問題は別といたしまして、現実の問題として翌日休む、これは休暇の承認を得ずして休んだのでありますから、これは欠勤とみなすべきが当然だと思います。しかしその問題は別といたしまして。ともかくも休暇が承認にならぬのだから、出局して働いてもらいたい、こういう趣旨におきまして業務命令というものを出しております。その業務命令を出しましてもなお出局しなかつた、あるいは出局しても就労しなかつたというのが、今回の実例の大部分であります。これは先ほど申し上げた通りであります。
○田中(織)委員長代理 くどいようでありますが、その場合に呼び出して就労に応じた者と応じなかつた者との間には、ちやんと区別がついておりますか。
○宮本説明員 現場におきまして、それぞれはつきりその点は調べてわかつておるはずでございます。
○田中(織)委員長代理 そういたしますと、今度減給処分になる、欠勤処理されるという者については、やはり各個のケースについてそういうことが明確な場合でなけれど、そういうように処置しない、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。
○宮本説明員 その通りに考えております。
○田中(織)委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——委員長から最後にこの問題について希望を申し述べておきます。これは現在非常に繁忙をきわめている郵政業務について、現在の定員では十分でないということは、本委員会の最初にも大臣に対して各委員から指摘された点でございます。そういうところから勢い年次休暇の年度を越える非常に莫大な堆積ということになつて来ておるので、組合員との紛争の過程において、率直に申し上げれば組合が闘争手段として、休暇戦術に出るという事実が起つておるのであります。その関係から見て、これを手続とかいう点できわめて画一的に取扱うということになりますれば、年末なおさら業務の繁忙期を控えまして、新たなる紛争を起すことにもなろうかと思いますので、本日の委員会の質疑において、各委員から十分そういう点の配慮のもとに質疑が行われておると委員長も考えますので、当局においては十分本日の委員会の各委員の質疑に現われた意向等をしんしやくされまして、来るべき十六日の給料支払日における欠勤処理の問題の取扱いについて、きわめて慎重にまた公正にひとつ善処していただたきたいことを、委員長から希望を申し述べておきます。 本日は両参考人の諸君には、長時間にわたつて多忙な中、委員会に出席していただきまして、委員長から厚く感謝いたします。 私最初にお断りを申し上げましたように、一昨十一日郵政委員長を辞任いたしたものであります。後任がきまりませんので、本日皆さんの了承を得て委員長の職務を執行いたしたのでありますが、一年七箇月余にわたる国会最長の郵政委員長に就任をいたしまして、この間郵政部面におけるもろもろの案件が、委員諸君の御協力によりましてほぼ解決を見る段階にまで進んだことは、私の委員長在任中の非常な喜びでございます。至らぬ委員長に対しまして、長期間にわたつて熱心に御協力をいただいたことに対しまして、委員長辞任にあたりまして一言お礼を申し述べておく次第でございます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十六分散会