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21回国会衆議院1954/12/15

本会議 第4号

発言数
26
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/12/15

会議録

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) これより会議を開きます。      ————◇—————  副議長辞職の件

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 副議長原彪君より副議長の辞表が提出されております。これにつきお諮りいたします。まずその辞表を朗読いたさせます。     〔参事朗読〕     辞職届              私儀  今般都合ニヨリ衆議院副議長ヲ辞任致シマス  右御届ケ致シマス  昭和二十九年十二月十五日            原   彪    衆議院議長松永東殿

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 採決いたします。原彪君の辞職を許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。      ————◇—————  副議長の選挙

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) つきましては、これより副議長の選挙を行います。選挙の手続につきましては衆議院規則によることといたします。なお、念のため申し上げますれば、投票は単記無名投票であります。諸君のお手元に配付してあります投票用紙に被選人の氏名を記載せられ、木札の名刺を添えて御持参あらんことを望みます。  これより点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼]     〔各員投票〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 投票漏れはありませんか。投票漏れなしと認めます。     〔「あるある」と呼ぶ者あり〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 投票漏れがありますか。     〔「あります」と呼ぶ者あり〕   [投票継続〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 投票漏れはありませんか。—投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。  これより名刺及び投票を計算いたさせます。     〔参事名刺及び投票を計算〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 投票総数三百四十一、名刺の数もこれと符合いたしております。本投票の過半数は百七十一であります。  これより投票の点検を命じます。点検の方法は、便宜上同一投票は十票ずつ合算して読み上げることといたします。     〔参事投票を点検〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕       二百七点高津正道君     〔拍手〕      百三十四点本多市郎君     〔拍手〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 右の結果、衆議院規則第八条によりまして、高津正道君が副議長に当選せられました。     〔拍手〕     —————————————  副議長選挙投票者の氏名    相川 勝六君  逢澤  寛君    青木  正君  青柳 一郎君    淺香 忠雄君  天野 公義君    有田 二郎君  伊藤 郷一君    飯塚 定輔君  生田 宏一君    池田  清君  池田 勇人君    石井光次郎君  犬養  健君    上塚  司君  植木庚子郎君    江藤 夏雄君  尾崎 末吉君    越智  茂君  大上  司君    大久保武雄君  大西 禎夫君    大野 伴睦君  大橋 武夫君    大平 正芳君  岡田 五郎君    岡野 清豪君 岡村利右衞門君    押谷 富三君  加藤 精三君    加藤 宗平君  加藤鎌五郎君    金光 庸夫君  川村善八郎君    菅家 喜六君  木村 武雄君    岸田 正記君  久野 忠治君    熊谷 憲一君  倉石 忠雄君    黒金 泰美君  小林かなえ君    小林 絹治君  佐々木盛雄君    佐瀬 昌三君  佐藤 榮作君    佐藤 親弘君  佐藤洋之助君    坂田 道太君  迫水 久常君    篠田 弘作君  庄司 一郎君    助川 良平君  鈴木 善幸君    鈴木 正文君  瀬戸山三男君    關谷 勝利君  田口長治郎君    田子 一民君  田嶋 好文君    田中伊三次君  田渕 光一君    高橋 英吉君  高橋圓三郎君    高橋  等君  竹尾  弌君    武田信之助君  玉置 信一君    津雲 國利君  塚原 俊郎君    土倉 宗明君  綱島 正興君    寺島隆太郎君  徳安 實藏君    苫米地英俊君  富田 健治君    中井 一夫君  中川源一郎君    中村 幸八君  中山 マサ君    永田 良吉君  長野 長廣君    灘尾 弘吉君  丹羽喬四郎君    西村 英一君  西村 久之君    羽田武嗣郎君  葉梨新五郎君    馬場 元治君  橋本 龍伍君    長谷川 峻君  濱田 幸雄君    林  讓治君  原田  憲君    平井 義一君  平野 三郎君    福井  勇君  福田 篤泰君    福田  一君  福田 喜東君    船越  弘君  降旗 徳弥君    堀川 恭平君   本多市郎君    前尾繁三郎君  前田 正男君    牧野 寛索君  益谷 秀次君    松井 豊吉君  松崎 朝治君    松永 佛骨君  松野 頼三君    松山 義雄君  三池  信君    三帰寅之助君  三和 精一君    水田三喜男君  南  好雄君    宮原幸三郎君  村上  勇君    八木 一郎君  安井 大吉君    保岡 武久君 山口喜久一郎君    山口六郎次君  山崎 岩男君    山崎  巖君  山中 貞則君    山本 友一君  吉田 重延君    吉武 惠市君  赤城 宗徳君    荒木萬壽夫君  安藤  覺君    安藤 正純君  井出一太郎君    池田 清志君  池田正之輔君    石田 博英君  石橋 湛山君    稻葉  修君  宇都宮徳馬君    臼井 荘一君  遠藤 三郎君    小笠 公韶君  小高 熹郎君    大麻 唯男君  大高  庸君    大橋 忠一君  大村 清一君    岡田 勢一君  岡本 忠雄君    加藤 高藏君  加藤常太郎君    川崎 秀二君  川島正次郎君    木村 文男君  喜多壯一郎君    菊池 義郎君  岸  信介君    吉川 久衛君  楠美 省吾君    小泉 純也君  小枝 一雄君    小島 徹三君  河野 一郎君    佐藤虎次郎君  佐藤 芳男君    齋藤 憲三君  櫻内 義雄君    笹本 一雄君  志賀健次郎君    始関 伊平君  椎熊 三郎君    重光  葵君  島村 一郎君    首藤 新八君  白浜 仁吉君    須磨彌吉郎君  鈴木 仙八君    鈴木 幹雄君  世耕 弘一君    園田  直君  田中 龍夫君    高木 松吉君  高瀬  傳君    高橋 禎一君  竹山祐太郎君    武知 勇記君  舘林三喜男君    千葉 三郎君  床次 徳二君    中川 俊思君  中嶋 太郎君    中曽根康弘君  中村 梅吉君    中村庸一郎君  永田 亮一君    南條 徳男君  根本龍太郎君    長谷川四郎君  鳩山 一郎君    花村 四郎君  濱地 文中君    福田 赳夫君  古屋 菊男君    坊  秀男君  本名  武君    松田竹千代君  松田 鐵藏君    松永  東君  松村 謙三君    浦  一雄君  三木 武夫君    三木 武吉君  粟山  博君    森   清君  柳原 三郎君    山口 好一君  山村新治郎君    山本 勝市君   山本正一君   吉田  安君 早稲田柳石工門君    阿部五郎君   青男 武一君    流路 友蔵君  赤松  勇君    足鹿  覺君  飛鳥田一雄君    淡谷 悠藏君  井手 以誠君    井谷 正吉君  伊藤 好道君    猪俣 浩三君  石山 満作君    小川 豊明君  加賀田 進君    加藤 清二君  片島  港君    勝間田清一君  上林與市郎君    神近 市子君  北山 愛郎君    久俣田鶴松君  黒澤 幸一君    佐々木更三君  佐藤興次郎君    齋木 重一君  櫻井 奎夫君    志村 茂治君  柴田 義男君    島上善五郎君  下川儀太郎君    鈴木茂三郎君  田中織之進君    田中 稔男君  多賀谷真稔君    高津 正道君  楯 兼次郎君    辻原 弘市君  中村 英男君    永井勝次郎君  成田 知巳君    西村 力弥君  野原  覺君    芳賀  貢君  萩元たけ子君    長谷川 保君  原   茂君    福田 昌子君  古屋 貞雄君    帆足  計君  細迫 兼光君    正木  清君  松原喜之次君    三鍋 義三君  武藤運十郎君    森 三樹二君  八百板 正君    安平 鹿一君  柳田 秀一君    山口丈太郎君  山田 長司君    山中日露史君  山花 秀雄君    山本 幸一君  横路 節雄君    和田 博雄君  淺沼稻次郎君    伊藤卯四郎君  池田 禎治君    稲富 稜人君  今澄  勇君    受田 新吉君  大矢 省三君    加藤 勘十君  加藤 鐐造君    春日 一幸君  片山  哲君    川島 金次君  川俣 清音君    河上丈太郎君  木下  郁君    小平  忠君  小林  進君    河野  密君  佐竹 新市君    杉村沖治郎君  杉山元治郎君    辻  文雄君  堤 ツルヨ君    戸叶 里子君  土井 直作君    中井徳次郎君  中居英太郎君    中崎  敏君  中澤 茂一君    中村 高一君  中村 時雄君    西村 榮一君  平岡忠次郎君    前田榮之助君  松井 政吉君    松平 忠久君  松前 重義君    三宅 正一君  三輪 壽壯君    門司  亮君  矢尾喜三郎君    山下 榮二君  吉川 兼光君    岡田 春夫君  風見  章君    久保田 豊君  黒田 寿男君    小林 信一君  中原 健次君    小山倉之助君  山下 春江君    堤 康次郎君      ————◇—————

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) ただいま御当選になりました副議長を御紹介いたしたいと思います。   [議長松永東君副議長高津正道君を演壇に導く〕

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) ただいま本院副議長に御当選になりました高津正道君を御紹介いたします。     〔拍手〕

高津正道日本社会党(左)副議長

○高津正道君 不肖高津正道、今回はからずも各位の御推挙によりまして副議長の職を汚すことになりました。(拍手)この際一言ごあいさつを申し上げます。  議員としての栄職に御推挙を受けましたことは光栄しごくに存じておることをまず告白いたしますが、その光栄しごくとともに、この機会に、私は、私なりに自己の良心の鏡の前にあらためて自戒自粛いたし、さらにこれを同僚諸君の前に誓うものであります。  ここに私が思い起すことは、過ぐる六月三日夜の国会混乱の後に、衆議院の各党各流が自粛決議を行つたという異例なる事実であります。また当然に国民の眼は国会の自粛いかんに注がれておることもちろんであります。従いまして、たとい議席にありし日の私が野党精神と愛党心のかたまりのごときものであつたといたしましても、いやしくも副議長の職責にある間は、その職務の重かつ大なるを自覚いたし、党利党略を離れ、最も公平に行動し、(拍手)もつて国会の威信の回復に尽したいと存じます。幸いに明朗磊落にして剛直なる松永議長のあるあり、この議長を助け、過誤なきを期したいと存じます。  私は、各位におかせられても、悪に強きは善に強しということわざを思い起され、私の職務の遂行に対しても惜しみなく御協力を賜わりますよう切にお願いをいたして、私のあいさつとする次第であります。(拍手)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) この際粟山博君から発言を求められております。これを許します。粟山博君。     〔粟山博君登壇〕

粟山博日本民主党

○粟山博君 諸君、僭越でありますが、私、慣例によりまして議員一同を代表いたしまして、高津新副議長に対して祝辞を申し上げるとともに、原前副議長に対して言ごあいさつを申し上げます。(拍手)  新副議長高津正道君は、すでに多年にわたつて政治運動に身を挺し活躍せられ、かつ議会政治の実際をも体験されました老練達識の士でありまして、今日の御栄任はまことにそのところを得たるものとして、われわれの最も喜びとするところであります。(拍手)思うに、新副議長の卓抜なる識見と手腕とは必ずやわが民主国会の権威を高揚せらるべきことは、かたく信じて疑わないどころであります。(拍手)  また、前副議長原彪君は資性温厚にして人格の高潔なるは、与党、野党を問わず認むるところでありまして、ことに民主政治の本質、議会政治の運営に関するすぐれたる識見とかたい信念に対しては、万人ひとしく敬意と高い評価を払つてやまなかつたところであります。しかも、君は、きわめて困難なときにあたり、議長を助け、真摯誠実よくその職責を全うされたのであります。われわれ面ここ謹んで感謝の意を表する次第であります。(拍手)  時局多端の際、御両君におかれましてはせつかくの御自愛と御健闘をお祈りいたし、簡単ではありますが、祝詞と感謝の言葉といたします。(拍手)      ————◇—————  第一 昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案(井上良二君外百三十二名提出)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 日程第昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事春日一幸君。     —————————————   昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案    昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律   所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)第一条第一項の規定に該当する個人が、昭和二十九年十二月一日から同月三十一日までの周に、同法の施行地において給与の支払をなす者(当該個人が同法第三十九条第一項又は第二項の規定により昭和二十九年中の支給に係る給与につき提出した申告書の経由先たる給与の支払者をいう。)から昭和二十九年の年末賞与及び年末賞与の性質を有する給与(以下これらを「年末の賞与」と総称する。)の支払を受ける場合において、当該年末の賞与については、その金額の合計額のうち五千円(当該合計額が五千円に満たない場合は当該合計額)を限り、所得税を課さない。    附 則   この法律は、公布の日から施行し、昭和二十九年十二月一日以後の支給に係る年末の賞与ですでに支払を受けたものについても適用する。昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案  (井上良二君外百三十二名提出)に関する報告書     〔最終号の附録に掲載]     〔春日一幸君登壇〕

春日一幸日本社会党(右)

○春日一幸君 ただいま議題となりました昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案について、大蔵委員会の審議の経過並びにその結果について御報告申し上げます。  この法律案は、昭和二十九年の年末の賞与について五千円を限り所得税を課さないこととするものでありましてその趣旨とするところは、現下の経済事情において、一般給与生活者の賃金は、その値上げもストップの傾向にあり、特に低額所得者の生活はきわめて苦しいという実情にかんがみ、これら給与生活者の年末越年のための賞与に対し少しでも税負担を軽減することによつて、いささかながらその潤いを与えようとするものであります。  本法律案は井上良二君外百三十二名の提案せるものでありますが、十二月十四日社会党春日委員より提案理由の説明が行われ、ただちに質疑に入り、まず自由党大平委員より、本法律の施行によつて税収減はどれくらいになるかとの質問がなされ、一萬田大蔵大臣から、約七十五億円に上るものと予想される旨答弁があり、次いで社会党柴田委員は、大蔵当局のいう七十五億円は見積りが過大に過ぎる、実際には六十億円程度であつて、その財源も税収の自然増その他で十分足りるのではないかとの質問に対し、大蔵大臣より、現下の財政事情ではそれだけの財源を捻出することが困難であるとの答弁がなされました。また、社会党春日委員からは、一萬田大蔵大臣に対し、われわれはこの年末にあたつて給与生活者のために三つの主張をして来た、その第一は年末賞与の二箇月分支給、第二はベース・アップの実施、しこうして第三がこの年末賞与に落する減税である、政府は年末賞与の増額とベース・アップのその二つとも実施しようとしなかつたので、せめてはこの減税ぐらいは実施してはどうか、国税総収入七千七百億円の中でわずか六十億円が操作できないはずはないではないか、本法律案成否のかぎは一にかかつて大蔵大臣の決意にあるが、これに対する大臣の所信はいかんとの質問がなされまして、大蔵大臣は、趣旨はよくわかり、まつたく同感である、何とかして実施したいが、低額所得者に対する全面的な減税措置をはかるから、それまで猶予してほしいとの答弁がなされました。  さらに民主党並木委員からも質疑が行われましたが、動議により質疑を打切り、ただちに討論に入りましたところ、両派社会党を代表して久保田委員よりは賛成の旨を、自由党を代表して苫米地委員は反対の旨おのおの述べられました。  次に採決に入りましたところ、起立少数をもつて本案は否決せられました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) これより討論に入ります。柴田義男君。     〔柴田義男君登壇〕

柴田義男日本社会党(左)

○柴田義男君 ただいま議題となりました昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、私は、日本社会党を代表いたしまして、委員長報告に反対をいたしまして原案に賛成の意見を表明するものであります。(拍手)  この法律案の趣旨及び内容につきましては、すでに委員長の報告で申し述べておりまするが、これをもう少しつまびらかにいたしたいと存ずるものであります。  その主眼といたしますところは、一般給与生活者に対しまして非常に窮迫し切つておりまする今日の状況から判断いたしまして、租税負担が他のいろいろな階級に比べまして非常に過重である、だから、この越年にあたつて、ほんとうに少い金額ではありまするが、ほんのもちをついて正月を祝うだけでも何とかしなければならないということで、この法案が提案せられたのであります。こういうことで、すずめの涙ほどでございますけれども、せめてこの程度、五千円だけを基礎控除してあげようということが、このいわゆる今日の世相から考えまして為政者の温情であつてしかるべきだと存ずるのであります。(拍手)私ども日本社会党は、昨年の国会におきましても、左右両社が相携えまして、年末賞与に対し一万五千円の免税案を国会に提案いたしたのであります。だが、不幸にいたしまして、反動吉田内閣が遂にこれを葬り去つたのであります。こういうことで、続いて去る臨時国会におきましては、年末両与が二万円以下の者に対する免税案を提出いたしたのでありますが、おごれる者久しからずして、吉田内閣は累積する悪政と腐敗のために自分がみずから崩壊いたしましたが、そのあとをとりました鳩山民主党内閣下におきましても、同様これらの状況をさらに考慮することなく、この案に対しまして反対をいたしたのであります。(拍手)しかも、鳩山内閣は、政権をとりましてから、口には清新な政治を唱えておりまするけれども、現実に行いますことはかくのごとき状態であります。やはり保守反動内閣であるということは、みじんもかわりはございません。(拍手)  租税負担の公平ということは、重要な租税原則として、自由主義経済学者といえどもこれを金科玉条としておるのであります。しかるに、現在の税制、その租税構造あるいは租税体系は一体どんなふうになつておるのか。一口に言えば、それはあまりにも大企業に有利にでき上つております。中小企業に不利であります。富裕階級に有利で、低額所得階級にはまつたく不利一で、大衆課税となつておるのであります。  その一、二の例をここにあげてみますると、たとえば法人税は、名目的には税率が四二%ということになつておりまするが、重要物産の免税もあれば、あるいは特別償却の引当金等も多額に上つておるのであります。これらを計算いたしますると、千六十六億円という巨額な免税が行われております。ために、大企業の実効税率はわずかに二〇%から三〇%を出ません。これに反しまして、中小企業は正直に税法通り四二%の法人税を納めておりまするから、私どもは、ここにはつきりと、国家権力を行使し、租税機構を媒介として大企業が中小企業者を収奪しておるという現実を指摘せざるを得ません。  次に、現在の税制なり租税構造が大衆課税となつておることは、これは国民の実感であつて、私はことさら申し述べようとはいたしません。しかし、試みに大蔵省の公表しておる所得階級の階級別納税人員を調べてみますと、年額二十万円以下の納税人員は給与所得者全体の六〇%を越えております。あるいはまた、これを五十万円までの年収で見ますと全体の九三%であります。こういうように、申告納税者というものの八八%はすべてが勤労大衆であるということを御記憶願いたいのであります。  実にかくのごとくでありまして、私は、大衆生活が、資本家という支配階級が牛耳る国家権力によつて、租税制度を通じていかに圧迫されているか、はなはだ憤懣にたえないのであります。給与所得者の租税負担の重いことにつきましては、昨年吉田内閣がわが国の実情に即した合理的な租税制度を確立するということで設けられたあの税制調査会の答申にも明らかであります。しかも、吉田内閣は、こういう調査会を設けて、この調査会が答申いたしましたにもかかわらず、一顧だにこの考慮を払つておらぬのであります。こういうことで、控除限度を現在の四万五千円より七万五千円に三万円を引上げることを勧告しております。また基礎控除は六万円より八万円に引上げることを勧告いたしました。しかし、吉田内閣は、この税制調査会の適切なる答申があつたにもかかわらず、ただ基礎控除を七万円に引上げたにすぎません。ここに私どもが今回の免税案を提出いたしました有力な論拠があるのであります。  私どもは、今回の免税案によつて六十億円程度の減収を予想しているのであります。自由党のみならず、民主党は、この免税案に対していろいろ反対の理由をあげられまするが、「私どもは、事務的あるいは技術的な見地よりする反対、あるいは税制の建前からする反対には、ただいままで申し述べた理由からいたしまして何ら考慮する必要がないと思います。彼らの最も有力な反対の理由は、おそらく、予算に六十億円内外の歳入欠陥を生じ、予算の収支の均衡に支障を来すということでありますが、しかし、これは単に反対せんがための反対の口実にしかすぎません。(拍手)何となれば、本年の十月末の租税収入の実績—十月末でございまするから、七箇月を経過いたしました実績によりますると、申告所得税が三五%であつて、すこぶる不調であります。しかし、全体を通じましては五五形という成績を示しております。あるいはまた、法人税の収入歩合は五八%であります。さきに、政府は、補正予算を編成するにあたりまして、今年度内に百五十億という増収を見込み、これを補正予算の有力な財源の一つとして組み入れておることは、とくと御承知の通りであります。さらに、砂糖消、費税のごときは、十月末で収入歩合が非常に高率であります。七十七、八パーセントを越えております。あるいはまた揮発油税のごときは六八%、こういう良好な成績を示しておりまして、この二つだけでも、年率に換算いたしますると、七百数十億円以上の徴税が可能であるのであります。これに対しまして、この二つの税収予算額は六百二十億円であります。そういたしますると、その差額の百四十億が残るのであります。だから、われわれの主張いたしまする六十億という、この一般勤労大衆に対する減税は何ら心配の必要がないのであります。かりにその他の税種で若干減収があるといたしましても、何ら必配する必要がなかつたのであります。こういう状況から、われわれはあくまでも根拠のある数字をとらえて主張いたしたのでありますが、悲しいかな、自由党、民主党の反対にあつて、遂に本案が委員会を通過いたしません。残念にたえません。  一言最後に申し上げたいことは、今のいわゆる民主党もやはり大資本家あるいは企業家を擁護する政党であるということを、今あらためて天下に絶叫するものであります。  これをもつて私の原案に対する賛成討論にかえるものであります。(拍手)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 大平正芳君。     〔大平正芳君登壇〕

大平正芳自由党

○大平正芳君 私は、ただいま上程せられました昭和二十九年度の年末賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案に対し、自由党を代表して、原案に反対、委員長報告に賛成の討論を述べんとするものであります。  両派社会党は、去る臨時国会におきまして、補正予算案の成立前、すでに年末賞与二万円以下を免税にせんとする法律案をわれわれに提示し参つたのであります。われわれは、これに対し、かかる措置は給与所得者中独身者のみに対し不当な税法上の恩典を与え、真に生計の電圧に苦しむ家族持ちの階層を全然顧みるところのない、衆愚におもねる一夜づけの提案であるとして、これをしりぞけたのであります。われわれの反対あうや、両派社会党は、倉皇として、全給与所得者の受ける年末賞与中五千円を限り非課税とする本法律案を、いともむぞうさに提案して参つたのであります。しかし、本年度補正予算案に対する両派社会党の組みかえ動議には、かかる提案の片鱗だに見ることができなかつたのであります。われわれは、近く予定されました総選挙を前にして、かかる速成の提案を試みられる社会党の態度自体に、むしろいぶかりを覚えるものであります。(拍手)また、これによつて生ずる七十五億円に上る歳入減を、本年度はもとより、後年度にわたつていかにカバーするかについても、何ら精密な検討を加えたあとが見られないことを遺憾とするものであります。しかし、ここでは、あえてこの点を追究いたそうとは思いません。ただ、本法律案による所得税の減免が、ひとり年末賞与を受ける給与所得者のみをその対象とし、全然年末賞与の支給にあすからざる給与所得者はもとより、課税の重圧にあえぐ中小商工業者や農民等広汎な勤労大衆をごとごとく無視したところに、見のがすことのできない問題があることを強く指摘するものであります。もとより、われわれも、現行税制のもとにおいて源泉課税にかかる給与所得者に対する課税が、他の申告所得者に対する課税に比しまして相対的に過重であるという実感を押え得ないものであります。これに対しましては早急に是正の必要を認めるにやぶさかではありません。さらに、給与所得税のみならず、中小商工業者や農民に対しましても、現行税率や各種の控除制度が十分であるとして満足しておるものではありません。過去数箇年におたり、自由党とその政府は、減税、特に所得税の減免に執拗な努力を重ねて参つたのでありますが、今後ともさらに一層の精力を減税政策の推進に傾倒することこそ、わが党の一貫した党是であります。ただ、かかる減税政策は、あくまでもそれぞれの所得層の生活の実態に即して各所得層の間に具体的な公平を失わないように実施すべきものでありまして、本法律案に盛られたような、単なる一部のみを利する即興的な思いつきであつてはいけないと思います。(拍手)われわれは、近くあらためてわれわれの意図する所得税の合理的減税案を提案いたしたいと存じますが、ここでは、以上申し述べました理由によりまして両派社会党提案にかかる本法律一案に対しまして反対せざるを得ない意向を表明するものであります。  私の討論はこれで終ります。(拍手)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 平岡忠次郎君。     〔平岡忠次郎君登壇〕

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡忠次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案につき、委員長報告に反対し、原案に賛成の意思を表明せんとするものであります。(拍手)本法案は、大蔵委員会において、民主党、自由党の反対によりこれを否決すべきものとの結論が出されたのでありますが、その反対理由としてあげている、本案は社会党の人気取り法案であるとか財源を考慮せざる法案であるとかいう理由は、まことに低級な反対論でありまして、私は一顧だに値し得ないものと思うのであります。(拍手)特に年末賞与非課税をもつて人気取り立法なりとなすがごときは、租税体系の中に占める勤労所得税のポジシヨンのいかなるものかを理解しておらない頑迷な所論であります。もとより、われわれも、輿論の人気の上に立つ政党であり、また政党人でありますから、善意の立案、善政の結果としての人気を拒む必要はごうもありません。しかしながら、作為をもつて人気に投ずるとか、特定階層のごきげんに不当に奉仕するようなさもしいりようけんからこの法律案を提出したのでは断じてないのであります。(拍手)そもそも現在の所得税納税者の数は約九百五十万人ありますが、これは戦前すなわち昭和十一年の百万人に比べて約十倍の増加でございます。増加分八百余万人は、源泉納税者として戦後新たに苛斂誅求裏に拉致され来つた勤労者層であります。(拍手)しかも、その大部分は年所得三十万円以下の低額所得者であります。戦前なりせば、もとより非課税所得層でございます。すなわち、三十万円を戦前の貨幣価値に換算いたしますと、わずかに年収八百六十円であり、当時の第三種所得税の免税点一千二百円に達せざる低額所得であることに留意しなければなりません。(拍手)現行勤労所得税が不当なる大衆課税と非難せられ、またシヤウプ税制の谷間とも呼ばれるゆえんはまさにここにあり、またここにこそ、せめて年末賞与から税金を巻き上げるほど苛斂誅求をするなとするわれわれの主張の根拠があるのであります。(拍手)折しもデフレ経済下にもかかわらず、消費者物価は低落せず、中小企業の労銀支払い能力はその限界に達して官公企業ともぐ俸給賃金はストップの傾向にあり、希望なきこの年の瀬に追い詰められては、戦後長年にわたる勤労所得者層に対する不当課税をこの際排除するために、五千円の基礎控除要求を内容とする年末賞与非課税法案が生れ出たとしても、何ら奇異とするには当らないのであります。(拍手)この法案生誕の母体はつとに成熟していたと申さなければなりません。  次に、この法律案は、その内容におきまして減税額おおむね六十億円を要するものでありまするが、この六十億円は多額に過ぎて予算に穴が明くという所論が、大蔵委員会において政府当局並びに保守両派の議員諸公によつて行われ、この法案否決の表看板とされたのであります。過去幾たびかの勤労所得税軽減を拒否して来た同一の理由をもつてであります。減税範囲が広いから、減税所要額が大きくなり過ぎるから手をつけるべきでないとの理由をもつての拒否であります。このことほ、日ごろの大衆収奪の範囲が不当に広がつているということを逆に裏書きしていることでありまして、六十億円そのものが減免額として多額であるということにはならないのであります。(拍手)論より証拠、六十億円を八百万人の勤労所得者にわかつとき、一家計当りわずかに七百五十円という少額なものにすぎないことでも明白であります。  次に六十億円の捻出財源の問題でありますが、これは、あるかないかの問題ではなく、やるかやらぬかの問題に帰着するのであります。(拍手)しかも、再軍備費を削れなどと大だんぴらを振りかざすまでもありません。財源はきわめて手近に具体的にあるのであります。  すなわち、大蔵省の見積つた農民申告所得税の二十九年度の当初歳入予算は八十億円であります。これは基本米価七千七百円ベースで計算されております。現在基本米価は千四百余円を増しまして九千百二十円でありますから、二千三百万石の供出、約二割の課税と見て、これだけでも増徴六十億円が間違いなく算出できるのであります。  これでもなおあぶないとお考えになりますならば、確実な年度末調整財源として砂糖消費税の延納期間短縮措一置が考え得られるのであります。現在、砂糖価格の暴騰は、砂糖会社を太らせ、主婦たちの恨みの的となつております。政府は、現在、この砂糖会社に、砂糖消費税として徴収すべき税金を、運転資金その他としてかつてに使えとばかり、二箇月間の延納を許しているのであります。ところが、砂糖取引の実情は、たとえば日本製糖株式会社に例をとつてみましても、一日一千トンの砂糖を問屋その他に売り渡しておりますが、税込みの代金は商品引渡し後六日間で回収し、いわば現金売りにひとしい条件で取引をしているのであります。これは他の砂糖会社も同断でありますから、延納を一箇月にとどめますならば、年度末三月には最低三十億円が二十九年度の予算収入増として計上可能なのであります。出血輸出の犠牲を砂糖消費者として転嫁せられ、さらでだに高い砂糖価格の上に政党献金のあかまでなめさせられて、砂糖会社に恨みを抱く勤労大衆は、この措置を一石二鳥と大歓迎いたすでありましよう。  以上の二つをもつてしても、確実な調整財源として、勤労所得者年末賞与減税六十億円を優にまかない得るのであります。  重ねて私は強調したい。この法律案に伴う財源措置は、できるかできないかの問題ではなく、やるかやらないかの態度の決定の問題なのであります。(拍手)この意味では、まさに新政権担当者鳩山内閣と与党民主党のヒューマニティの有無を測定するバロメーターであると言えましよう。(拍手)  特にこの際私があえて指摘したいのは、本法律案をめぐる日本民主党の態度であります。われわれは、この法律案を提出するにあたつて、何よりもますその成立実現を目標といたし、そのために、当初は賞与の免税点二万円の分離課税としておりましたが、民主党との兼ね合いから、法案を基礎控除方式に直し、非課税所得の額も五千円といたしたのであります。ところが、日本民主党は、吉田内閣退陣によつて政府与党となるや、それまでは本案の主旨に賛成し、その成立に協力する態度をとつて参りましたにかかわりませず、たちまち豹変して、本法案反対の立場にまわつたのであります。天下の公党として、このようなことがはたして許され得るでありましようか。万が一本法案が不成立に終つたとすれば、その責任はあげて日本民主党の態度豹変によるものであつて労働政策改善の羊頭を掲げつつ、早くも衣の下に反動のよろいをのぞかせているものとして、全勤労者とともに断固糾弾しなければならないのであります。  今や、迫り来る年の瀬を前に、一般給与生活者の生活はつとに窮迫を告げているのであります。私は、これら給与生活者の年に一度の年末手当にまで重税を押しつけることには、断じて同意することができません。税法の谷間にあつて生活苦に神吟ずる勤労大衆に対して、せめて年の瀬に恩情ある措置を講ずることこそ、政治の座にある者として当然なすべき義務でなければならないと思うのであります。(拍手)たといもちの一切れ、げたの一足なりとも家族に買い与えようという切実な勤労者の希望をあえて許そうとしないのはたれであるか。全国八百万の勤労者はこの法案の帰趨を凝視しているのであります。  私は、議員各位の良識に訴えまして委員会の否決をここにくつがえし本法案が成立いたしまするよう衷心より祈念いたしまして、本法案に対する賛成討論を終ります。(拍手)

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案の委員長の報告は否決であります。本案を委員長報告の通り否決するに賛成の諸君の起立を求めます。   [賛成者起立]

松永東日本民主党議長

○議長(松永東君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り否決いたしました。本日はこれにて散会いたします。     午後六時五十七分散会

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