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21回国会衆議院1954/12/16

農林委員会 第2号

発言数
38
登壇者
8
会派数
3
開催日
1954/12/16

会議録

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより会議を開きます。  この機会に前委員長よりごあいさつをいたしたいとの申出がありますから、それを許します。井出一太郎君。

井出一太郎日本民主党

○井出委員 新委員長を迎えまして昨日当農林委員会の初会合がございましたが、私よんどころない用事で、昨日失礼をいたしました点をまずおわび申し上げます。  昨年の十六国会以来、十七、十八、十九、二十、この各国会にわたりまして、顧みますと一年有半の間、各位の非常な御協力を得まして、どうやらその職責を務めることができましたことに対し、厚く御礼を申し上げるわけであります。  この二年間というものは、北は北海道から南は九州に至るまで、未曽有とも言うべき災害が二年連続をいたしまして、当農林委員会の仕事というものは、質的にも量的にもきわめて重大であつたわけでございます。その間各位に非常な御勉強を煩わしまして、決して十分とは申しませんけれども、どうやら対策にいたしましてもその幾分かを救済し得るような道が講じられましたことに対しましては、これを思うにつけまして、よくも各位が御努力くださつたという感にたえないのであります。おそらく他の委員会に比べまして、本委員会が異常な勉強をしてくださつたことは、ひとしく認められている点だろうと思うのでございます。  法案にいたしましても、農業団体関係の二法案を初めとして、あるいは肥料需給安定法、酪農振興法、日本中央競馬会法事をその間に仕上げた実績も、各位とともに今さら振り返つてみて感にたえないのであります。あるいはまた共済制度の全面的な改正でありますとか、食糧管理制度の検討でございますとか、蚕糸対策でありますとか、これらを拾い上げますときに、まだ最終結論は出ておりませんけれども、これらに一つの方向を与え得たと考えているものでございます。ことにこの間、超党派的に各位の御尽力を得まして、きわめて円満に推進し得たということに対しましては、顧みて非常にすがすがしいものを覚えるのでございます。これは農村に対する深い愛情を皆様方がお持ちになつて、その点から出発して、ほんとうに農政を自分自身の問題としてお当りくださつたということにほかならないと思うのであります。  日本の農業の現状並びに将来というものを展望いたしますと、すでに基本条件において非常な困難がございます上に、今後国際農業の圧迫というふうなものもいよいよ強くなるであろう、こういう時期に際会をいたしまして、さらにわれわれここで一層の情熱を傾けて当らなければならないと思うのでございます。幸い練達堪能な綱島委員長を迎え、また私ども民主党の立場といたしましては、河野新農林大臣を台閣に送つたわけでございまして、河野さんも御承知のように従来農林委員の一人として、相ともにいろいろな審議に当つて参りました間柄でございますがゆえに、一層また皆様方の御協力をお願いしたいと思つているわけであります。ここに各位の長い間の友情に対して深甚なる感謝を申し上げまして御礼の言葉にかえたいと思います。(拍手)

綱島正興自由党

○綱島委員長 次に小委員会設置の件についてお諮りいたします。  昨日議長の承認がありました国政調査事項のうち、従前の国会以来懸案となつておりますところの食糧管理制度の改正問題、蚕糸価格の安定及び生糸輸出振興問題、林業の問題、並びに農業災害補償制度改正の諸問題等を中心とする諸事項を調査せしめるため、それぞれ食糧に関する小委員会、蚕糸に関する小委員会、林業に関する小委員会、及び農業災害補償制度に関する小委員会を設置することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なしと認めます。     —————————————

綱島正興自由党

○綱島委員長 次にただいま設置するに決しました各小委員会の小委員の数は、食糧に関する小委員会は十三名、その他の各小委員会はいずれも十二名とし、各小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なしと認め、追つて委員長において指名いたします。     —————————————

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより引続き本年の農林冷害対策の善後措置並びに農林金融の問題について、調査を進めます。  本年の農林災害対策につきましては、前国会におきまして、営農資金の融資、被災農家に対する飲用米麦の安売り、北海道の風害木の処理、その他水稲健苗育成措置等について所要の立法措置を講じましたが、一方政府にあつても、行政措置としてできるだけの施策を実施せられているものと存じますが、これら冷災害対策の施行準備及びその進捗状況等について質疑を行い、あわせて営農資金の融資措置とも関連して、きわめて困難な事態に直面している農林金融の状況等につきましま、検討を加えて参りたいと思います。  なお農林金融の問題につきましては、農林中央金庫及び農林漁業金融公庫の責任者の御出席を願い、その現況並びに今後の農林金融のあり方等について、説明並びに意見を承りたいと思いますが、この件について御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。  ただいま大臣官房の庵原総合開発課長、農林経済局の松岡金融課長、農地局の大塚災害復旧課長が見えておりますが、追つて農林漁業金融公庫の総裁の山添氏それから農林中金の江澤副理事長等が見えると存じます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今議題として委員長から提供されました諸般の問題につきまして、政府の事務当局はどのような処置を講じておりまするか、概要をまず説明願いたいと思います。

庵原文二農林事務官(大臣官房総合開発課長)

○庵原説明員 私はとりまとめを担当いたしました救農土木事業つきまして、今日までとつて参りました措置につきまして御説明申し上げます。  まず北海道でございますが、北海道関係の救農土木事業につきましては、節約解除分それから予備費支出及び国有林事業の三つにわかれますが、節約解除分と予備費を合わせまして、事業費にいたしまして十一億百万円、これに対する国庫補助額として六億五千百万円を計上いたしたわけであります。内容といたしましては、農業関係で土地改良事業費、それから耕地整理事業、それから開拓事業開拓実施、これは開墾作業であります。それから林業関係といたしまして林道施設、造林事業、山地治山、漁港の関係では魚港の修築であります。それから臨時施設といたしまして臨時救農施設、以上のような項目につきまして、ただいま申し上げたような予算を計上いたしております。これにつきまして農林省におきまして実施要領を定めまして、先般北海道庁及び関係官庁に対しまして、それぞれ指示並びに連絡をいたしております。ことしの北海道の災害が非常に激甚でございますので、これらの地域的な配分につきましては、被害のひどいところによけいやるように、また農林省以外の建設省等の道路工事等につきましても、農林省で行います各種救農土木事業と即応いたしまして、相互の調整をはかりながら配分の適正を期する。そして被害農民に適正な就労の配分が行われるよう指導をいたしております。これによりまして推算でございますが、地元に現金収入として落ちると思われますものが約四億九千九百万円と見込んでおります。そうして就労いたします非熟練労務の数は、延人員にいたしまして百三十六万二千人ぐらい見込んでおります。ただいま申し上げた数字は国有林事業を除く数字でございまして、このほかに国有林風倒木処理等の事業費といたしまして、八億五千万円を計上いたしておりまして、これによりまして労務の数にいたしまして、約二百四十万人くらいの就労の機会を得るものと見込んでおります。  それから次は府県の関係でございますが、これは事業種目といたしましては、土地改良事業、耕地整理事業、開拓事業開拓実施、それから林業関係では林道施設、山地治山の各種目につきまして、救農土木をやるわけでございますが、財源といたしましては本年度の節約解除分約二億二千万円をこれに充当いたします。これによつて行う事業費が三億三十万円、この中で地元に現金収入として落ちると思われますものが一億四千万円、就労し得る非熟練労務者の数を約四十万人見込んでおります それで府県の救農土木につきましては全部が節約解除分でございますが、ただいま申しましたほかに青森、岩手県につきましては、国有林事業約八千五百万円を計上いたしまして、救農土木の実をあげるということにいたしております。ただいま申しました各種の事業は、とりあえずの措置といたしましては青森、岩手ほか東北、東山、北関東等におきます高冷開拓地、それを対象にいたしまして、その被害のひどいところに事業を実施するということにいたしまして、それぞれ所要の手続きをとつております。

松岡亮農林事務官(農林経済局金融課長)

○松岡説明員 金融関係の措置につきましで、その後の経過を申し上げます。さきの国会で成立いたしました特別措置法に基きます経営資金の融資と、農林漁業金融公庫から出します施施設の復旧資金の融資と、この二つにわけて申し上げます。  まず経営資金の関係でございますが、これは成立いたしました法律の施行令をただいまほぼ準備を完了いたしまして、来週中には公布施行でき得るかと考えております。なおこれに伴いまする実施要領を次官通達といたしまして、ただいま決裁をとつておるところでございまして、これも来週中には末端まで発送することができるかと考えております。  なおこれと並行いたしまして、緊急を要しまするので、融資のわくと申しますか、計画につきまして北海道及び各内地県当局と折衝を続けておりまして、漸次少くとも暫定的な措置につきましては話合いが成立いたしつつあるのであります。但し年末に発表の予定でありまする推定実収高が十月十五日現在の予想収穫高に比較いたしまして、特に内地の方におきまして相当動く見込みがございます。先の予想収穫高よりも推定実収高が相当に悪くなる見込みの県が若干ございますので、最終的な決定は新年に入りましてから行うことにいたしまして、とりあえず暫定的な内輪のわくを話合いできめつつあるのでございます。年内にできるだけすみやかに、末端まで融資が行われますように、とりあえずのわくをきめましてどしどし実行してもらうように話を進めておる次第であります。  人に施設復旧資金の関係でございますが、これは農林漁業金融公庫の方から出すことになつておるわけでございますが、すでに決定いたしました額が、回収金の中から十八億円を災害の復旧に向けることになつておるのでございます。そのほか約十億円の財政投融資の節約といたしまして資金運用部からの借入れを控えておるのがございますが、これの復活をもなお折衝いたしまして、これからも若干のものを施設復旧に向けるように、ただいま話を大蔵省と進めておるのでございますが、これも若干増額になる見込みでございます。  その実行状況でございますが、すでに先の臨時国会以前から緊急を要します北海道の農舎あるいは畜舎といつたような資金に対しましては、暫定的なわくをきめまして実行いたしております。  その後この十八億円の賞金わくが決定いたしましてから、その内わく、たとえば農地災害に幾ら、あるいは林道に幾ら、それから共同利用施設に幾らというような業種別のわくもほぼ決定いたしまして、今後いつでも申請を受理いたしまして融資し得るような態勢になつておるのでございます。  概略以上の通りでございます。

大塚常治農林事務官(農地局建設部災害復旧課長)

○大塚説明員 農地の災害復旧につきまして御説明申し上げます。  農地の災害復旧の本年度の予算額は、前国会で計上されました十三億一千万円余と、予備費から三億四千万円余、計十六億七千百万円余が本年度分として予算化されたわけでございます。これは査定額に対しまして大体二三%程度でございますが、査定当時の単価と実施に当ります物価の値下り等を考慮して二五%程度の実際の仕事ができるのではないかというように推定されておる次第であります。  なおこの補助事業自己負担分に対します裏づけは、先ほど申し上げました十八億のうちから公庫は一億五千百万円、それから被補助事業に対しましては三億一千五百余万円、計四億六千六百余万円が公庫の繰上げ償還金を財源として新起債に割当てられることになつております。そのほか預金部からつなぎ資金といたしまして第一回に四千五百万円、第二回に六千二百万円がすでに交付されております。  以上きわめて簡単でございますが、農地の災害復旧の現況を御報告いたします。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 実は続けて質問をいたしたいと思うのでありますけれども、参考人も見えておりますから、時間のやりくり上、参考人の意見をお聞きする方が適切じやないかと思うのです。午後再開の場合に今の説明についての質問を続行することにいたしまして、まず参考人の意見を聴取したいと考えますから、委員長において適宜のおとりはからいを願いたいと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員長 ただいまお聞き及びの災害の職制立法について、参考人からただいままで中金の方でおやりになつたことについて御説明を願いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 中金の方にお尋ねする要点は、政府が今度の冷災害について、営農資金を初めいろいろな補助施設を行うわけでありますが、これらの補助額以外の分または営農資金等について相当やりくりが困難でははいかということが予想せられておるわけであります。しかも昨年の例を見ましても、中金の資金というものは農民の自己資金の集積でありますので、こういう集積によつてまかない得られるのかどうかという懸念も出て参ります。また自己資金でありますために昨年のような弊害も起きておるわけであります。こういう点について、万遺漏のないような処置がはたして可能であるかどうかという点を重点にしてひとつ御説明を願いたいと思います。

江澤省三農林中央金庫副理事長

○江澤参考人 今川俣さんのお話のございました点についてごく概略をお話申し上げまして、御参考に供したいと思います。  昨年の災害から説き起しましてはなはだあれですが、昨年の災害関係の資金は、系統でまかないましたものが四百五億であります。このうち信連以下でまかないました分が百三十五億、中金でまかないました分が二百七十億ということになつておりまして、当時私どもはこれは非常に重い負担であるということを申し上げたわけでございます。しかしながら系統としても、これに対してはできるだけの努力をしなければならぬというので、災害克服貯蓄運動を起しまして、また幸い債券の消化も順調に行きましたために、何とかこの災害資金をまかなうことができたわけでございます、しかしながらこれだけの過去の重荷を負つておりますところの系統金融機関といたしまして、またこの上に本年度の災害について十分な資金を供給するということにはよほどの困難があることは、川俣さんのお察しの通りでございます。私どもの方でもいろいろ資金繰りその他を検討いたしまして、何とかしてご要望に応じたいと努力しておるわけでございますが、現に昨年の冷害でプロパーの資金の方にしわを寄せられました分が百億以上に上つております。今年度も災害関係で百億以上のものがさらに追加して必要であるというふうな情勢におきまして、系統の努力にもやはり限度があると考えます。利子補給、損失補償というような措置は、私ども農村に対してたいへん有効で結構だと存じますが、なお望むらくはそれにある程度の政府資金のバツクがあれば、私どももつともつと十分な活躍ができるのではないか、こんなふうに存ずる次第でございます。もちろんそういう施設のあるなしにかかわりませず、系統といたしましては、資金の吸収それからこれの有効適切な使用ということには全力を尽して行くわけでございますが、皆様方のお力によりまして、政府からのある程度の資金の援助が得られますればまことに仕合せに存ずる次第であります。いろいろ財政上も困難なときでございますので、無理は御注文ということになるかもしれませんが、たとえば長期の賞金でございますから、私どもの発行しておりますところの長期の農林債券、この資金運用部の引受額を若干拡張していただくというようなことも、この際としては御配慮いただく余地があるのではないか、こんなふうにも存ずる次第であります。なお御質問に応じまして御説明申し上げたいと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員長 なお御質問がございますか。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 まず第一に政府の方にお尋ねしておきたいと思いますが、本年度予算の編成にあたりまして、物価が引下るというところから、前の吉田内閣は事業量を縮小せずに予算節減を行う、こういうことで節約の予算を組んだわけですが、農林省の実績を見ますと、実際は単価が引下らないために事業量の縮小となつて予算節減が行われたようである。そこでなお復活予算だ、節約予算の解除だと称して今度の災害対策費に向けておりますが、これは節約解除じやなくて——事業量が達成できておれば節約予算でありますからプラス解除になりました予算で、事業量がさらに拡大されるということが言えると思うのです。この事業量を縮小しておいて、あらためてプラスをしたから、今度の災害予算にこれこれのプラスができたのだ、これによつて労賃に吸収せられるものは北海道関係で四億九千万円、内地の各府県において八億五千万円という説明なんですが、今まで私どもが聞いておりましたのは、農林省のこれらの事業費が、はたして最初もくろんだような事業量が達成されて、その上に節約ができた予算であつたのかどうか、この点ひとつお尋ねしておきます。

庵原文二農林事務官(大臣官房総合開発課長)

○庵原説明員 ただいまのお尋ねにつきましては、節約という措置によりまして、政府としては当然物価の値下り等による関係で当初計画の事業が行われるという想定のもとに行われたと思いますが、現実に御指摘のように事業量の縮小という結果を招いたものであるということは詳しいデータをつかんでおりませんので、私はつきり申し上げかねるのでございます。ただいずれにいたしましても、節約解除分を救農土木費の一部として計上いたしましたことは、現実にはこれだけの事業を実施するわけでございますので、先ほど申し上げたような地元の現金収入あるいは就労の機会というものは、地元において行われるというふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 それは二十九年度予算通り行つておれば、当然それだけの事業量に見合う人件費なり事業資材なりが消費されなければならなかつたはずのものである。私がお聞きしておるのは、事業量が達成されたのかどうか、達成されて予算としてそれだけの財源が剰余になつた、こういう意味の縮減であつたのかどうかということなんです。それであれはあなたの説明のように、あらためてこれだけの予算計上によつて救済労賃となつて投下せられるという説明が理解できるのです。一方初めの予定の人員を減らしておいて、今度はプラスだというわけには行かないのでしよう。事業量が達成しておれば確かにそういうことが言えると思うのです。事業量を縮小しておりますと、当然労賃としてそれだけ落ちなければならないものと落さなかつたというマイナスの面が説明では足りないのじやないか。当然前にそれだけの施策を行わなければならない分を縮減しておるのじやないですか。それは私にはわかりません。プラスの面だけはわかつたというようなことじや説明にならぬ。

庵原文二農林事務官(大臣官房総合開発課長)

○庵原説明員 実際におきましては、指摘のように事業縮小のやむなきに至つたものが相当多かろうと思います。従いまして労賃とかあるいは就労という関係から申しますと、それが解除されることによつてプラスになることは当然でありますが、事業の面から見ますると、当然年度当初に計画いたしましたものが、解除分だけさらに伸びて参るというようなことになると思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 二点疑問が出て来るのです。一点は、おそらく事業量の縮小となつたものが多かろうという説明ですが、これは今までの農林省各局の説明によりますると、全部予算削減の結果事業量を減らしております。事業量を減らさないで縮減できたところがありましたならば、おそらく一箇所か二箇所と思うから御説明願いたい。二点は、結局事業量に伴うところの労賃でありまするから、事業量が縮小されるというと、労賃もそれだけその地元に落ちていないということなんです。ことに災害地はそれだけのものを最初からもくろんだ計画になつておる。それは役所だけですよ。農林省だけなんだ。あるいは農林省というか、政府機関だけがこれだけ縮減をするんだ、こういいまするけれども、受けるところの地方自治体を初め地方庁は、最初の計画通りの見積りをもつて、予定人員の配置等も考慮されておるはずなんです。これだけ就労人員が必要だという計画が、地方的にはなされておるわけであります。それが達成されないために、そこに当然必要な労賃が浮いておるはずなんです。そのほかにプラスになるんだ、こう説明いたしますから、そうじやないんじやないか。予算削減に伴うところのものは規定計画の上にすでにあるのであるからしで、ふえる分だけは、予算削減によつて縮減を受けたものを復活したからというわけで、就労人員がふえるのではない。新しく計画されたもののみがふえるのだという考え方ではないか この二点なんです。

庵原文二農林事務官(大臣官房総合開発課長)

○庵原説明員 ただいま本年度の事業の大部分が進行中でございまして、先ほど申しましたように実績等をつかみにくい状況にございますので、大半のものが事業規模の縮小という結果を招いたものと申し上げたわけであります。ただ一、二の場合において、そういう例があれば示せというお話でございますが、それはちよつと私今御説明しかねるわけであります。まあ、そういうものもあるいはあるかもわからぬという程度で、ほとんどないという方が真相に近いかもしれません。それから解除分によつて救農土木を行うことは何らプラスにならないということは、私どもも実はそう考えておるのでありまして、やはり救農土木として措置する以上は、予備金なりあるいは補正をもつて新しい事業を起すべきものと、私ども予算折衝の過程等におきましては主張して参つたのでありますが、予算もこういうふうにきまりましたので、やむを得ず先ほど説明しましたような措置をとつておるわけであります。

尾崎末吉自由党

○尾崎委員 関連して開発課長にちよつと伺います。おつしやる通りに、事業年度の終りにならなければ、実績の上からはどこどこが元々通り行われたとか、どこどこがどの程度縮減されたということはわからないはずでありますが、こういう点はおわかりであろうと思う。きまつたものを節約するというか、きまつたものの中からほかの方にやりくりをして出した際に、一ぺん割当てられた予算をその中から天引きして五分なり一割なりを出すようなやり方をやられたのか。または個々の事業に当てはめて、物価の値下りその他の点において相当縮減し得るという計画のもとに、五分なり一割なりの予算を差引かれたのか。予算の節約という名目でやつた予算の操作上の根拠を伺えば、今の問題ははつきりすると思います。ですからあなた方がこの前に五分か一割かの節約をやられた当時の計画そのものがあつたのかなかつたのか。天引き予算をとつてやつたのか。ほかにまわしてやつたのか。あるいは計画を立ててやつたのか。そこを伺えば今の点ははつきりすると思いますので、その根拠を聞きたいと思います。

大塚常治農林事務官(農地局建設部災害復旧課長)

○大塚説明員 私が直接担当しておる事業ではありませんが、大体建設部の仕事が大部分かと思いますので御説明いたします。御承知のように一割削減を受けたのでありますが、これは予算の各科目につきましては一割ぴつたり受けたのであります。しかしながら一地区々々々につきましては、相当吟味をして、今年完了するという性格のものからは割当当時と減をいたしておらないのであります。従いまして完成しないような地区は、一割以上削減を受けておるわけであります。その一割以上の削減を受けました結果、当初の事業重がそれでできるかというと必ずしもそうではないのでありまして、私どもは減るだろうという予想のもとに、やむなく削減した割当額を新たに引かせたのであります。しかし実際にその金を使用するにあたりまして、その後物価の値下り等がありました場合には、その削減した額よりも幾らか伸びた事業ができるのではないかという期待は多少持つておりますが、それは御推定の通り、本年度が終り、決算が出て、事業成績が私どもの手元に集まつて参る来年の五月ごろにならないと、はつきりしたことは申し上げかねるということでございます。確かに減ることは間違いないであろうと考えております。

尾崎末吉自由党

○尾崎委員 ややそれではつきりして来ました。そこであとのところはこういうことです。二つ今御説明願つた中のあとの方でありますが、地区ごとに事業の状況等を見合つて今のような操作をやられたというように了承しておりますが、その際物価の値下りとか、労賃が幾らか下るとかいつたような計画が立つておつたのでしようか。あるいはそれは実情に応じていずれそのときそのときでやるのだという考えでおやりになつたのであるか。それをもう一つ御説明願えば大体了承できます。

大塚常治農林事務官(農地局建設部災害復旧課長)

○大塚説明員 労賃においては下るとは期待いたしておりません。しかしながら資材、ことに鉄材におきましては多少の値下りが期待できる。従いましてそこらのわずかなところが削減された事業量の予定よりも幾らか伸びるのではないか。これはきわめてわずかな量だろうと考えておる次第であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今尾崎委員の質問で非常に具体的に明らかになつたと思います。というのは、天引一割じやなくて、今年度完成するものについてはできるだけ天引一割の方針を平均的に一割にして、着工間もないようなものは経済的効果が上らないために、そちらの方の削減は大きくする。今年度完成するものは削減を行わなかつということは、物価の値下りとかあるいはその他の資材の値下り等の内容を検討したのではなくして、今年度完成するものについては翌年度にまたがらぬように完成することによつて経済効果を上げようというねらいであつて、物価の変動とかあるいは内容を検討したのではないということはあなたの御答弁で明らかになつたんです。この地域においては物価が下つたとか労賃が下つたかあるいは鉄材が下つたということになりますると、事業の内容について鉄骨の多いもの、あるいは鉄材の多いものは予算減を多くしたとか、あるいは労賃の非常に多いものは予算削減をしなかつたんだ、こういう説明であれば現在の物価の実態に応じた予算を組んだのだということになりまするけれども、そうじやないのです。二年度にわたるよりも今年度に完成した方が経済効果が上るというところには削減を行わないで実行さした、あるいは着工間もないようなところは、どうせ継続でやるのであるからして、そつちの方は多く削減した、こういうのでありまするから内容じやないんです。経済効果をねらつてやつたというだけで、そのこと自体の説明はいわゆる天引予算削減であつて、事業量に応じた削減じやないという説明であつたと思うんです。その通りじやないんですか。あなたの説明によるとそうなんですが、もう一度明らかにしていただきたい。

大塚常治農林事務官(農地局建設部災害復旧課長)

○大塚説明員 大体ただいま川俣委員の説明の通りであります。事業を完成するものにつきましては多少値下りは期待できても、それを計画面に載せることができませんので、やむなく当初割当通りの予算をそのままにして節約をしない。しかしながらこれも最後にふたをあけてみて、決算額でいくらか余剰が生じるようなことがありましたら、年度末において割当額を変更する程度であります。従いましてその予算の措置につきましては一割以上の削減を受けております関係上、私どもとして計画の縮小変更はある程度やむを得ざるものとして措置している次第でありますが、先ほども申しましたように、執行途上におきまして値下りになるような要素がありましたならば、それはその分だけなるべく多く仕事をして、当初の事業量に近づけるようにというような期待は持つておつた次第でございます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私ほんといはそこらをしつこく聞くつもりはないんですよ。どうも少しものをごまかして、年度末になると何か浮いて来るのだというような表現をお使いになるからここで明らかにしたいんです。政府の入札などを見ましても、ある工程部分は決して前の予算額から減らした見積額で入札には落しておりませんようです。ただ十工程のうちで予算削減されたために八工程よりやれないということはあり得るんですけれども、工程ごとに予算を削減して入札に付しておるというようなことはあまりないようです。額がそうなんだから、これからのものは幾らかあるかもしれぬけれども、ほとんど全予算から見ますと、もう三箇月であとはないのであります。四分の三を経過した実績から見まして、そういうものが出て来るとは想像せられない。おそらく橋梁用のようなものは、農林省の関係ではほとんどありませんから、それほど大きなものが出て来る余地がないようなんです。この点明らかなんです。それをさも年度末には出て来るようなことを強調せらるるから、私はここで質問をしなければならぬことになるのです。なぜ一体入札のときに、入札予定価格というものを変更していないのです。今まで予定価格を変更されたことはないのです一工程においては……。十工程のうち予算削減のために八工程になつたということはあり得ます。二工程だけは繰延べるようにする。現にそういうことはやつていないじやないですか。いわゆる工程を延ばしただけであるから、それから予算が浮いて来るということではなしに、使わないために災害地等においては必要な労働力を当然吸収しなければならないものを、縮減したためにそれだけの事業量が減つて来て、労働力を吸収できなかつた。これをあらためてまた新しい労働力として吸収するのだという説明をせられたから私は質問したのであつて、農林当局もそうじやないということで、大蔵省と予算折衝をしておつたけれども、結局政府がこうきめたのだから、一応こう説明しないとぐあいが悪い、こういう説明なら私は了承するのです。事務当局までがさもほんとうであるかのごとく説明するのは許しがたい、こういう意味での質問なんです。どうなんです。この点を明らかにしてください。

大塚常治農林事務官(農地局建設部災害復旧課長)

○大塚説明員 事業担当課としては、御指摘のように確かに一〇%節減いたしまして、当初予定の事業量ができるとは推定いたしておりませんでした。しかしながらくどいようでございますけれども、多少値下りの傾向にあることによりまして、年度末に多少の残が出て、それが非常にわずかなパーセントではあるが増になるのではないかというような期待も、きわめて少く持つていることもまた事実でございます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そこで災害対策として、いろいろこういう計画をされておりますけれども、実際は、表面と実際との間において開きがあるのだ、こういうことに相なつておると思うのであります。そこで今年度の営農資金にいたしましても、あるいは災害施設に対する補助金分、あるいは自己まかないをしなければならない地方団体が、この資金のやりくりについて非常に苦労すると思うのであります。特に今年度の冷災害は、局地的には打撃が非常に大きいのでありますから、局地において解決することは、非常に困難であります。こういうときに中金が系統資金をもつてこれを見ようというのでありますが、昨年の例をもつていたしましても、昨年は幸いにしてデフレのしわ寄せが農村に浸透いたしておりませんでしただけに、まだ余地があつたと思うのでありますが、今年度の状態を見ますと、デフレのしわが相当きつく農村に寄せられて来ておるようであります、このこと自体は相当の預金吸収運動をいたしましても、なかなかはかばかしくない状態から見まして、この点が想像せられます。しかし一面中金は利子補給、あるいは補償等の政府の恩恵を受けて資金のやりくりをいたすのでありますから、中金自体といたしましても、政府だけに依存するということは許されない状態であるのでありまして、もちろん私どもは、これだけの恩恵を与えていながら、なおこれに安逸な考え方の上に事業を行うことは許しがたいと私は思います。しかしながら何といいましても、全体の営農資金の量を見ますと相当困難な状態ではないかということは想像せられるのです。そこでこの問題をどう打開して行かなければならないか、これは中金としても真剣に考えなければならぬと私は思うのです。自分たちが思うように行かないものを、そのきゆうくつをどうも末端に押しつけて行くような傾向があるように思うのです。中金みずからが打開して行かなければならないものを末端に打開させて、中金が王座を構えているというようなことも許しがたいと思うのでありますが、総体としては、一体これはまかない得られるのか得られないのか。得られないものを得られると見ると、末端にこれがしわ寄せされまして、末端が非常な不況に泳がなければならない結果になると思うのです。これらに対する中金の態度をまずお伺いしたい。

江澤省三農林中央金庫副理事長

○江澤参考人 今のお話に対しましては、私の方でも非常に苦心をしておるところであります。ただ何を申しましても先のことでございますから、これは中金として自信を持つて何とかやれるということも申し上げられませんし、全然手をあげて何とかしてくれというようなことも申し上げられない。何とか努力をしてこれを切り抜けたい、こういうような覚悟だけを申し上げるよりないわけでございます。数字的にはいろいろ私の方も研究しておりますが、先ほど申し上げましたように、昨年の荷物がまだ残つて、その上にさらに荷物を背負うわけで、昨年すでに無理だということを申し上げておりますので、なかなかこれは困難な仕事である。系統がほんとうに全力を傾けてやるということを予想しましても非常に困難な事情がある、こういうふうに私は考えるわけであります。数字的の操作もしておりますが、これはただ見込みだけでございますが、先ほどお話がございましたように、デフレがだんだん農村に滲透して来る。またほかの金融機関との競争もはげしくなつて来るということになりますと、預金も昨年度ほどは集め得ないということもまた考えられるわけであります。また私の方の長期の資金源でありますところの農林債券というものにつきましても、これまた主として都市に消化を求めております関係上、その消化について一沫の不安なしとしない、私どもの方としましても、余力のある限り、これは災害資金といわず、あるいは通常の営農資金といわず、十分な努力をしてこれをまかなつて行きたい、こう考えておりますが、そこに予想し得ない素要がなかなか多いのでございますので、何とか——すぐ政府にたよるということを私どもはしたくありませんが、最後の場合には何とか政府の方でも、この災害資金のめんどうを見ていただきたい、こういうようなことをお願いしたいわけであります。先ほど申しました農林債券の資金運用部の引受けでございますが、これも最初は相当額資金運用部で引受けていただいておつたわけでございますが、私どもの方のだんだんなじみが市場につきまして、消化がよくなつて来たというような情勢によりまして、政府の方で引受けていただく額をだんだん減らして行くというようなことになつておるのでございます。この二十九年度は、年間を通じましてわずかに十二億しか引受けていただけないというようなことになつております。せめてさらに二、三十億これに追加していただくことができますれば非常に力強いことになるだろう。またこれによつて系統の士気もふるい立つて、預金の吸収等にも大きな効果を収めることになるのではないか、こんなふうに考えておる次第であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私の一番憂えておる点は、政府がデフレを乗り切るために、政府みずからが乗り切らないで、系統機関であるところの中金にその責任を負わせ、中金はまたこのデフレを乗り切るために、また末端にその責任を負わせて来るということに意つて、最後に最も救済を要するところの対象になつております農民に責任を負わせて来るということになりますならば、この災害対策、冷害対策というものは成り立たないということになる。逆に言つて、政府にだけたよれということを必ずしも私は言うのではないのです。しかしどうかしてこのデフレを乗り切るために、みずからほんとうは乗り切るべきなのを、これを端末の機関でありますいわゆる系統の中金にその責任を負え、中金はまたこのデフレを乗り切れるために末端の信連が負え、信連はまた単協に負え、こういうことになつて参りますと、今言つたような最も救済を必要として施策がとられておるにかかわらず、実際は逆な結果になるおそれを憂慮いたしておるのです。この点からいつて、十分中金がやはりおのおのの責任を負えるところを、どうしても政府からはこれだけのものを確保せられなければ、末端にしわ寄せするほかはないということを明らかにしていただかなければならない。われわれやるんだやるんだといつてやり切れないために、末端に責任を負わせるというようなことだけは慎んでもらわなければならない、こういうことなんです。この点もつと明らかにしてもらいたい。責任を負つたからには、これは明らかにいろいろな補助があるのでありますから、ただ安逸をむさぼる、こういうことでは決してなりません。負えない責任を、私ども負えますというようなことになることをおそれておる。

江澤省三農林中央金庫副理事長

○江澤参考人 御返事いたします。現在の中金の資金の状態は、供米期でありますので非常にゆるんでおりますが、お話の災害資金というものは、これは長期にわたる資金、今ゆるんでおる金をそれに充てるということはできない事情にある。これがどの程度長期の金に向け得るかということが問題、この見通しになるわけであります。昨年八月には、私どもの方の資金状態は非常によくなりまして、日本銀行の借入金も最高で百六十億、年間の平均残高で六十億というところまで、経営自立といいますか、努力して来たわけでございます。それが昨年の災害によりまして、これを系統で自まかないしたというような関係で、末端から単協、信連、中金というふうにしわが寄つて参りまして、これが原因で、この八月の日本銀行からの借入金は最高二百八十数億というところまで上つたわけであります。すなわちその差額の百十億ないし百二十億というものは、われわれが営々として努力して、何とか経営の自立を達成したい、農村のほんとうの力をそこに出したい、そのやつた余裕をここで食い込んでしまつたということになつたわけであります。二百八十数億の借入れがあつては中金としてはやつて行けない、こういうことは私は申しまん。もちろん必要の場合にはどんどん資金も借り、必要な方面に流すということが金融機関としての役目でございますから、そういうことは申しませんが、さらにその上に厖大な額を積み重ねて行くことがいいかどうかということは、系統全体としての自主性の確保、あるいは早くしつかりした金融を農村に新たに立てたいという理想からはだんだん離れて来るわけでございます。この辺は御了察いただきまして、災害というものはやはり農村だけの力ではなかなか克服できないものである。できるだけ政府としても、これに対して応分の資金的援助を与えたいというお気持で、何らかの措置が講ぜられれば、まことに私どもとしてはありがたい、こう存ずる次第であります。中金も責任を回避するということは毛頭ないのでございまして、できるだけ政府並びに日本銀行への依存から脱却し、力強い農村のたよりどころになりたいと念願しておる次第でございまして、それをなるべくこわさぬようにしたいというのが私どもの考えであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 日本の災害を受ける地域というものは、不幸にして大体きまつたようなかつこうになつておるのです。そこに問題がある。従つて昨年貸し付けた資金が今年全額回収せられるならば、私はあえてこういうことをおそれないのです。また今年も冷害に見舞われ、今年も災害に見舞われるというように、二年、三年と引続いて災害が起る危険性があり、日本の風土、気候がそういう条件下に置かれている。この点を閑却しては相ならぬと私は思うのです。農民自体が、自分たちの系統信用機関を完全な独立の方向に持つて行きたいということは、何人もおそらく反対しないと思うのです。しかしながら農業災害についての特殊性というものを無視せられてまで強要されますることについては、そこに反撥が起ることは当然だと私は思うのです。これは農民の努力のいかんにかかわらず、まつく天災的な災害を受けるのであります。しかも、一年に一回ないし二回より収穫の上らない一年の労苦が、一朝にして災害にあうというような危険の伴う地域がやや限られておるところに問題があるのでありまして、そのためになかなか資金が回収せられない。しかも初めは短期の融資のつもりがだんだん長期にならざるを得ない。このところに中金だけが、ひとつ大いに理想を高くして切り抜けるのだというその気概は私は了としますけれども、その気概だけをもちましても克服できない自然条件があるということをお考えにならなければならないと思いまするし、この点についてはおそらく御異存はないと思うのです。私は決して中金が安逸をむさぼることを慫慂しようとも思いませんし、認容しようとも思いません。もう少し別な立場から、あらためて中金の内容については検討いたしたいとは思います。しかし私はきようはそういうことを言うよりも、この際全体の日本の系統機関の持つておる任務を別にいたしましても、政府がこれだけ過重な責任を負わせるからには、政府みずからにもある程度負つてもらわなければならないということも強く主張せられなければならないではないか、むしろきようはその方を強く表現したいのです。この結果これだけのものを与えられた上においては、私は内容についてほんとうはもつとつつ込まなければならぬ点はありますよ。それとこれと別にしなければならぬ。あなたたち中金の業績内容については、これは別の機会に譲ります。これはおきゆうをすえなければならぬ点もあると思いますけれども、それをやつておつたんでは根本は片づきません、それはのけますが、それだからといつて決して寛大だというふうに説解されては困るのです。この際中金は、これだけの災害を負担するということを、農民全体のために、みずからもつと積極的な意思表示を政府になされなければならぬのではないか、私の申し上げておるのはこうなんです この点どうですか。

江澤省三農林中央金庫副理事長

○江澤参考人 川俣さんからたいへん御激励の言葉をちようだいいたしまして、まことに恐縮に存ずる次第であります。私どもとしましてもつとにそういうことに考えをいたしておるわけであり決して、例年のように起きます災害を、比較的短期の信用しか持つていない農林中金の力だけでカバーして行くということは、なかなか容易でない。そこにどうしても無理がある。日本銀行からの借入金をもし災害融資ということを中心にして考えますれば、本年度よりさらに百億以上の資金を出すために重い負担をしていただかなければならぬということになりまして、これによつてどういう結果が生ずるか。われわれの方としましても担保の点でいろいろな問題が出て来るわけであります。日本銀行の方としましても、それだけの資金を出す以上は、中金に対する統制と申しますか、監督がさらに強く入り込むというようなことになりはしないか、こういうことをおそれるわけであります。そういうような見地からしまして、政府の方には私どもの方からつとに、先ほども申し上げました農林債券の引受け増額という点を強く御依頼申し上げておるわけでありまして、農林省の方でも、大蔵省に対しまして極力その主張の貫徹に御尽力いただいておるわけであります。しかしながらこれは私が申し上げるまでもなく、非常に切り詰めた財政というわく内での主張でございますので、なかなか簡単にはその財源が出せないというのが実際だろうと思います。私どもの方の債券のことしの政府引受け十二億というのを、三十二億あるいは四十億というふうにふやすといたしますれば、ふえました二十億ないし三十億というものは、他の金融債、たとえば興業銀行あるいは長期信用銀行、あるいは商工中金という方面で出しておられます債券の方を削らなければ財源が出て来ぬというようなことになるのではないかと思います。ここに財政御当局としても非常な困難はあると思いますが、私どもとしましても、災害という特別の影響を受けているこの際、農林中金の資金源充実のために、暫定的でもよろしい、特段の措置を請じていただきたい、こういうことを続けてお願いしておる次第でありまして、この努力は今後といえども怠りなく続けたい、こう存じておる次第であります。

綱島正興自由党

○綱島委員長 今日はこれにて散会をいたします。明日は十時より委員会を開きます。     午後零時五十分散会

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