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第21回国会衆議院1954/12/14

電気通信委員会 第1号

発言数
40 件
登壇者
7 名
会派数
3
開催日
1954/12/14

会議録

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 ただいまより開会をいたします。  私、今回成田前委員長の後任として、委員長の席を汚すことと相なりました。本委員会の事情についてはまったく不案内であり、かつ不敏でありますので、その責めを来すことができるかどうか心配いたしておる次第でありますか、好様の御協力によりまして責任を果たして行きたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  まず国政調査承認要求に関してお諮りをいたします。本委員会は今会期中、一、電気通信事業の経営に関する事項、一、有線電気通信の規律に関する事項、一、電波及び放送の規律に関する嘉禎について、従前通り国政に関する調査をいたしたいと任じますので、衆議院規則第九十四条により、議長に承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認めさように決します。  なお調査の目的、方法等、要求書の記載事項につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認め、さように決します。     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 次に小委員会設置に関してお諮りをいたします。今国会におきましても、放送方法等の再検討を行うために、従来通り本委員会に電波法制調査に関する小委員会を設け、調査検討いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認め、さように決します。  なお小委員並びに小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認め、さように決します。小委員には     岩川 與助君 塩原時三郎君    橋本登美三郎君 菊池 義郎君     小泉 純也君 原   茂君     松井 政吉君 甲斐 政治君の八名をお願いいたします。小委員長には橋本登美三郎君をそれぞれ指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認め、さように決しました。     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この場合前委員長の成田君から御発言の要求がございますので、これを許します。成田君。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 ちょっとごあいさついたします。去年の五月にまったく偶然の事情から、電気逓信行政についてはまったくのしろうとの私が、委員長になりました。その間一年半以上、皆さん方の御協力を得まして、大過なく委員長の仕事を勤めさせていただいたことを厚く御礼申し上げます。なお政府並びに電電公社の方々、あるいは電通の専門員室の方、あるいは委員部の方、非常に御無理なかつてなお願いばかりいたしたのでありますが、快く御協力をいただいたことをおわびかたがたこの際厚くお礼を申し上げます。なお今回委員長には同僚の永井君がなられましたが、私も電気通信行政というものに非常に興味と関心を持って参りましたので、委員長はやめましたが、委員として今後とも皆さん方の御指導を得て、勉強して参りたいと思っております。一言お礼の言葉を申し述べます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 電波法制調査に関する小委員長橋本登美三郎君より発言を求められております。これを許します。

橋本登美三郎自由党

○橋本(登)委員 この機会に、従来から小委員各位が電波法制改正に関する委員会についての御努力に対し、心から御礼を申し上げます。今国会におきましても、先ほど来委員長から御指示がありましたように、小委員会を設置して、再度私が小委員長の席を汚して、これが審議に当ることになりました。従来小委員会といたしましては、小委員会の開催十数回にわたり、また全国数箇所における聴聞会等によって、各方面の意見を集めて参っておるのであります。去る七日にこれが大体の研究対象をとりまとめて、なお小委員会としては再検討を重ねるために、一応資料のとりまとめ方をやったわけでありますが、現在の状態ではなかなか広汎にわたっておりまして、急にこれの結論を得ることは困難な状態であります。しかし電波法制の改正については、従来国会から改正の要望が強いし、外部においてもこの意向が強いのでありますから、当小委員会としてはできるだけこれがとりまとめを行いたいと考えている次第でありますが、関係するところ非常に多いのでありまして、急速にこのとりまとめ方は困難な情勢であります。しかし日本の文化社会に影響するところ甚大であり、かつまた国際的にも影響するところ甚大でありますので、慎重審議、超党派的精神をもって、最も理想的な電波法制の完成に努めたいと考えておりますので、委員会の各位においても、また小委員各位におきましても、これらの完成について御協力あらんことを切にお願いして、一応従来の経過について御説明申し上げ、御了承願いたいと存ずる次第であります。(井手)     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この際先般帰国されました日本電信電話公社副総裁靱勉君より、欧米における電気通信事業に関する視察の報告をいたしたいとの申出があります。これを許すに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 御異議ないものと認め、これを許します。靭公社副総裁。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 たいへん貴重な時間をさきまして、持に欧米の電気通信事業についての報告をせよというお求めでございますので、はなはだ潜越でございますが、ごく短時間拝借いたしまして、御報告申し上げたいと存じます。  私は逓信省へ入りまして、その後いろいろ行政組織も変更になりましたが、今回が歌米出張は初めてでございます。しかも戦前と違いまして、敗戦国の一国民として欧米各国を見てみたいという感じと、御承知のように終戦後電気近信事業のわが国における認識が非常に高まり、これの設備改善のために、電気通信委員会におきましても、いろいろと公社に対して御要求があり、また法制的ないし予算的に非常な積極的なる御措置がなされたので、欧米各国の電気通信事業につきましては、公社社員の帰朝報告あるいは欧米の印刷物によって見ておりましたものを現実に見たい、こういう目的で行ったわけでございます。概観いたしますのに、これは申すまでもなく欧米各国におきまする電気通信施設というものは、非常に発達いたしております。これはもう申すまでもないことでありまして、わが国の五箇年計画実施後におきまして、加入者も電話機数としますれば戦前の倍以上になって来ておる、あるいは東京の一部におきましてはもう需給関係がバランスがとれたというような状態にありますが、欧米各国に比較しますと、これはまだまだ非常に遅れておりまして、今後五箇年計画の規模をもって進みましても、十年あるいは十五年たちましても現在の状況に及ぶことは、非常に困難であるというような状態になっておるのであります。御承知のように電話におきましては、すでに欧米各国いずれの国におきましても、自動化が非常に進歩しておりまして、現在におきましては、要するに加入者が直接ダイヤルで相手力を全国的に呼ぶという方向にどんどん進んでおるわけであります。非常に発達した国といたしましてはスイス、スエーデンというような、いわゆる小国といわれる国におきまして非常によく発速いたしておりますし、アメリカにおきましては、世界で一番発進しておるといわれておるわけでありますが、人口、面積に比較いたしまして、確かにアメリカの電話の発達というものははるかにすばらしいものであります。これもやはり加入者ダイヤルによるところの市外通話という方向に目下非常なスピードで進んでおるのでありまして、わが国におきまして、東京がよくても、東京の近郊との通話がよくないというような状況と対比しまして、これら現在のような状況、あるいはまた欧米各国が目途としておるような施設に整備して行くことは、相当多くの資本を投下して行かなければ達成できないという状態にあります。これに伴うところの通信技術にいたしましても、日本で採用しておりまするいわゆるステップ・バイ・ステップ方式から、あるいはクロスバー、あるいはドイツにおきましては、モーター・ウエウア・システム採を用いたしまして、これを発展させようといたしておるわけであります。さらに市外通話の関係におきましては、御承知のようにすでにマイクロの施設、同軸ケーブルによるところの施設というものが各国において整備されつつありますし、すでに英国、ドイツにおきましては非常に多くの生産をいたしております。アメリカにおきましても、ウエスタン・エレクトリックの会社におきまして同軸ケーブルの製造というものが行われておりますが、これらは単に陸上だけの問題でなく、今一つの大きな問題は大西洋横断のいわゆる同軸によるところの海底電話の開設であります。これが相当欧州と米国をつなぐ電話線路といたしまして、今後非常に偉大なる役目を果すのではないかという感じもいたしまして、この点から見ますと、国際通信の無線から再び有線時代になることも考えられるような情勢にあるやに拝見いたしたのであります。それら一般の基本的な施設以外に、それに伴うところのこまかい各通信施設と申しますか、あるいは運用の問題にしましても、料金の問題にしましても、これらの欧米各国を通じまして、非常な優秀な機械によりまして、人員を極度に節約をしておる。例を農村電話にとりますならば、まったく無人局の農村でも非常に発達しつつあり、また開設中でありまして、今後におきまする農村電話の経済性というものは、すでにアメリカあるいはその他のところにおきましても、りっぱにペイしておる。わが国におきましては御承知のように五百加入以下の農村電話におきましては、必ずしもペイをしていないというような状況に対しまして、われわれは今後わが国のいわゆる人口問題その他とあわせまして、しかも電気通信事業のほんとうの合理化という点から見ますれば、どうしても検討しなければならぬ問題であります。今郵政大臣がお見えになりましたので……。     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 それではこの際、郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武知郵政大臣。

武知勇記日本民主党郵政大臣

○武知国務大臣 この機会にごあいさつを申し上げたいと存じます。  御承知のような浅学非才の身をもちまして、今回はからずも郵政大臣を拝命いたしました。しかるに日進月歩の勢いをもって発展いたしております電気通信事業及び電波行政等を担当いたすことになりましたので、その責任の重大さを痛感いたしております。私はかつて電気通信事業が逓信省の内局にありました時分に政務次官をいたしておったことがございまするが、その当時と今日とを比較いたしてみますると、まったく、隔世の相違でありまして、当時わずかばかり得ました私の知恵をもってしては、とうてい今日はおしはかることができてないのであります。いわんや電波行政は新しい部門でございまして、これに対しては全然無知と申し上げても過言ではないほど知識を持っておりません。これから勉強いたしましても間に合わぬことと思いまするが、幸いに日ごろ何かと御指導を受けておりまする委員長初め委員各位の格別の御鞭撻と御教導にあずかりまして、その御協力によって私の任を全ういたしたい考えでございます。この上とも何分よろしくお願いいたします。(拍手)

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この場合、日本放送協会の明年度収支予算等の取扱いに関する問題について質疑の通告がありますのでこれを許します。成田君。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 大臣、お急ぎのようでございますから、簡単にお尋ねいたします。今委員長からもお話がありましたように、日本放送協会の三十年度の予算編成の問題ですが、多分御承知と思いますが、現在の法律では日本放送協会の予算について、暫定予算という制度がないわけであります。現在政局は三党首の共同声明にもありますように、一月の休会明け劈頭解散、おそくとも三月上旬に選挙をやる、こうなっております。そこで三月上旬の選挙だといたしますならば、その後国会が召集され、新内閣ができましても、事実上三十年度のNHKの予算というものは編成困難であります。しかも国家予算と同じように暫定予算の制度がないわけでありますので、これをどう対処されて行くか、これについて政府の御構想がありましたら承りたいと思います。

武知勇記日本民主党郵政大臣

○武知国務大臣 まったく御指摘の通りでございます。私も詳しいことは存じませんから、局長から補足的に答弁をさせますが、お話のような状態でありまするから、何としてもこれは法的処置を講じまして、今想像されるような不安を除去しなければならぬと考えております。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 お答え申し上げます。御承知のように日本放送協会はきわめて重要な業務を行っておるのでございますので、その業務の運営に困難を来さないように、来年度の予算の国会御承認を願うにつきましても、政府として万全の努力をいたしたい、こういうふうに思っております。ただいま大臣からもお話がございましたように、暫定予算という形でどうしても御審議を願わなければならないのではないかと思われる現段階を考えまして、暫定予算制度が適用できますような法律改正、あるいはまた会期の御都合によりまして、それらの暫定予算のようなものも万が一御審議をしていただくいとまがなくて、国会の御承認が得られないような場合等もあり得るのではないかと考えますので、いわゆる臨時予算に関するようなことも考えまして、至急その法案につきましての御審議を得たいと考えて、実はただいま準備をいたしておる次第でございます。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 今長谷局長の御答弁によりますと、暫定予算制度というものを考えておる。また暫定予算も組むいとまがないときには、臨時予算という制庭も考えておられる。臨時予算の構想というのは大体わかるのでありますが、それはどういう意味なのですか。暫定予算という制度をとらないで、最初から臨時予算という制度にして行くのか。それとも暫定予算という制度もつくり、さらに臨時予算という制度もつくる、こういう二段構えになるのですか。それとも最初から臨時予算一本でやるという構想なのですか。そのどちらかお伺いいたします。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 お答えいたします。これらの点につきましては、まだ十分検討を遂げておりませんので、確定的なことは申し上げかねますが、ただいま考えておりますところでは、暫定予算という形で御審議を願うのを原則として、まず考えて行くつもりでおります。しかし万が一これらの暫定予算の御審議も、期間等の関係から十分していただけなくて、御承認を得られないということもあり得る場合を想定いたしまして、臨時予算という考え方も補足的に織り込んで行きたい、こういうふうに考えております。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 どうも私の質問がまずいせいかわかりませんが、今の情勢からいって暫定予算も提出できないという事態を予想して、臨時予算というものを考える、こう言われるのですか。それとも制度としては法律改正で暫定予算制度もつくり、それから臨時予算制度もつくる。実際そういう制度をつくりまして、運用にあたってはまず暫定予算制度でやりたい。しかしながらその時間もない場合には、臨時予算制度でやるのだというお考えなのか。それとも初から臨時予算制度一本でおやりになろうとするのか。法律改正としてどちらをお考えになっておるか、これを承っておるのです。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 お養え申し上げます。ただいまお話になりました前者の方と申し上げた方がいいと思いますが、暫定予算を組みまして、暫定予算のお認めを願うことを建前として、政府はどこまでも進めて行きたい。しかし制度としては、万が一暫定予算を国会に御提出申し上げましても、いろいろの御都合で御承認を得られない場合も心配されますので、制度的に並行的に臨時予算というものも法的な処置だけはさせていただこう、こういう考えでございます。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 それは臨時予算という制度ですか。これは非常に熟しない言葉ですが、その内容を簡単でけっこうでございますが、御説明願いたい。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 まだ十分検討を遂げておりませんので、構想としてお聞き願いたいと思いますが、協会の予算につきましてその事業年度の中の一定期間にかかる収支予算及び事業計画等について、その年度の予算なり事業計画が国会の御承認を得ることができなかった場合に、郵政大臣の認可によって臨時の処置かできるようにいたしたい。そういたしまして国会か開かれましたならば、ただちに郵政大臣から御報舌を申し上げ、別途本予算の御審議を願いまして、予算の御承認を得ましたならば、ただいま申し上げました臨時の収支予算の郵政大臣の認可というものは消滅してしまう、こういうような考え方で、まったく臨時的な処置、こういう考え方であります。

成田知巳日本社会党(左)

○成田委員 そういたしますと、国家予算には本予算と暫定予算があり、しかも参議院の緊急集会という形もございますが、国家予算と違って臨時予算という新しい制度をおつくりになるというのでありますが、それでは参議院の緊急集会制度というものはお考えになっていないのですか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 お答え申し上げます。緊急集会による審議ということも実はいろいろ考えておるのでございますが、御承知のようにNHKの予算は国の予算と違い、現在の建前がほかの公社とか公共企業体の予算と違いまして、国の予算とともに審議するということにもまだはっきりしていない点等もございますので、ただいま申し上げましたように、郵政大臣の認可によりまして臨時処置ができるようにさしていただくのが、一番実際的ではなかろうかと実は考えまして、なるほど御指摘のように新しい制度のようでございますけれども、その点で研究さしていただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 委員長からお尋ねしますが、提出の時期はいつごろの予定ですか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 お答え申し上げます。正面に申し上げまして、まだ大臣ともしさいに御相談をして御指示を得ておりませんので、確定的なことは申し上げかねますが、私どもとしてはできるだけ早く、できるならば年内に、もしそれが間に合いませんならば休会明け早々ということになるだろうと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 本件についての御質疑はこの程度でよろしゅうございますか。——ほかに御質疑がなければ、本問題はこの程度にとどめたいと思います。     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 それでは引続いて、靭副総裁のお話を伺うことにいたしま」す。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 ただいま電話のことについてごく簡単に申し上げましたが、電信について簡単に申し上げますと、電信は御承知のように各国とも相当赤字に悩んでおるというのが常識であります。しかしながらアメリカの国内通信を担当しておりますウエスタン・ユニオン、これはここ数年にしまして赤字を克服しておるということであります。欧州を見たのでありますが、英国もやはり赤字であります。しかしながら本年の八月に料金を一挙に倍に値上げをしたのであります。それからフランスにおきましても若干の赤字でありますが、それでも日本のような大きな赤字ではありません。その他の諸国につきましても若干の赤字はありますが、大体とんとんである、あるいは国際通信を合せて見れば黒字であるというような国があったのでありまして、アメリカだけが唯一の例外であるかと思いましたら、さにあらずであったのであります。  どういうふうにして解決しているか。これも結局機械化の問題でありまして、要するに中継を自動化するということが各国で行われております。と同時に加入者電信、普通テレックスといわれておりますが、加入者電信の発達が非常に著しい。ドイツが一番著しく、アメリカが最も多いのでありますが、欧州大陸におきましてはドイツが一番発送しておる。ことに御承知のように欧州大陸にはたくさんの国が国境を接しておりまして、国境を越えてまったくそのテレックスが利用されておる。すなわちドイツの商社がフランスあるいはその他スイスの商社と通信をする場合に、自動的にダイヤルを出しまして、スイスの電信の加入者を呼び出して電信を送り込む。これはもちろん自動的に行くものとあるいは手動で交換してつなぐのとありますが、さらにこれは発展いたしまして、欧州大陸とニューヨークとの間に無線でテレックスがやられるというこの二つによりまして、普通の赤字の問題は解消するが、しかしながら配達面の問題がなかなか解決つかぬということで、ただいま申したような赤字の国においては、さらにそれらにつきまして検討をしなければならぬという段階にあるわけでございます。  しかしながら電信につきましても、電話の技術の応用といいますか、電信技術そのものに対して非常な検討がなされまして、電信が場合によっては、かえって電話より便利である。記録されておるという点もありますし、相手方がいなくても記録が残る。日本におけるアメリカのある商社におきましても、このテレックスの設備を持っておりますが、他の会社がこれに競争しまして、デスク・ファックスという模写電信みたいなものをまず事務所に、それぞれの通信会社が無料で提供する。そうしますとどちらが勝つかと申しますと、テレックスの方は朝出て来ますと、夜中に来た電報が全部記録されておるということで、どうしてもそつちの方を利用するというような形になっております。かような次第でありますが、わが国ではまたテレックスが使われておりません。ただわが国において非常に問題なのは、かな文字及びローマ字によるところの国語の問題でありまして、諸外国におきましてはそのまま出るものでありますから、言葉がそのまま字になつて出て来るという電信におきしましては、日本は非常なハンデイキャップがあります。しかし世界におきまして電信を利用しているのは、アメリカに次いでわが国でありまして、人口密度から見ますれば、わが国は非常に電信の利用度が高いのであります。従いまして私どもとしましては、この電信問題の解決を徹底的にやらなければいかぬというので、すでに公社といたしましても、いろいろと検討いたしておる次第でありますが、特にその点は今後推進を要する問題であります。ただ電話の発達と相まちまして、配達の面におきましても、あるいは夜間における窓口業務、こういうものは欧州諸国及びアメリカのウエスタン・ユニオン等におきましては、夜間は窓口を全然開いていない。電話によればいいということになっておりますので、そこらにおきます経費の節約ということは、非常に大きいよりに思ったのであります。  これが電気通信、電信、電話に関するごく概観でございますが、技術の問題——私は技術屋でございませんで、はなはだ僣越でありますが、何と申しましてもわが国の通信技術は輸入技術でありまして、ほとんど外国のまねをしまして、その特許を得てやつておる、こういう状況にあるわけでございます。しかるに戦争の長い期間、終戦後の占領というようなことから、外国の通信技術との接触が少かつた。その間にすでに先ほど申したように、非常な進歩を見ておるわけであります。私はこれに対しましては積極的に外国の技術をまねることが必要であると同時に、わが国自身としましても、国の大きな施策として技術の進歩発展をどうしても取上げて行かなければならぬ。すでに英国におきましても、スエーデンにおきましても、ドイツにおきましても、アフリカ、東南アジア、あるいは南米に対する通信器材の輸出ということを国家的にやつております。国内の需要を切つても出す。ところがわが国においては、まつたくこれら外国会社と対抗できない。これにはいろいろ原因もあつたことでございましようが、結局わが国の通信技術というものが外国依存であつて、ただまねてそれを東洋の一部の市場に出すということではいかぬ。このためにはやはり公社の問題といたしまして、通信技術研究所の拡大と、その内容充実とともに、私は日本の通信工業界が、これに対して国家的見地に立つてやつて行かなければならぬ。いたずらに同じような外国特許を競つて持つて来まして、ただ国内市場にそれを売り、一時の会社の目前の利益だけをとるというようなことがあるとすれば、これは非常に大きな問題ではないかと痛感いたしたのであります。  しかしながらこれは単に通信技術だけというわけに行きませんで、私はなはだ大それたことを申し上げますが、欧米諸国をまわりますと、日本がいかに貧乏であるかということをつくづく感ずるのであります。この点につきましては、わが国全体の国民生活のレベルが上るような大きな国の施策がなければ、日本の国民は非常に不幸ではないかという感を強くいたしたのであります。世界を飛行機で飛んでみますと、なかなか広くて、人口が何倍になつても、まだ世界の土地というものはその人口を収容する力がありますが、われわれ日本人が出て行くわけにも行かぬのであります。顧みてみますれば、わが国も相当国土が開発されていますが、まだまだ国土の開発されない面があるのじやないか、こう感じましたのは、欧州の北の方の国——要するにナポレオン戦争に敗れた後の国の発展のためには、一体国は何で立つか、それには平和国家を標榜しても、国民が富んで来なければならぬというので、国土の開発を徹底的にやつた。デンマークにおきましても、スエーデンにおきましても、歴史が証明いたしております。のみならず、国民は何で立つか、資源が少ければ結局学芸、技術で立つということで、そこの諸国からいわゆるノーベル賞をもらうような人がたくさん出て来る。一般の国民の教育も成人教育がデンマークは世界で一番発達しているといわれておりまして、その学校も実は見て参つたのですが、われわれとしましては、わが国の今後の行き方としまして、通信技術という点から考えあわせてみましても、私はわが国の学術振興に徹底的な重点か置かれなければならぬと考えます。  ドイツのジーメンスの会社でございますが、御承知のようにベルリンにありました関係上、徹底的にその工場はやられておりました。ところが今回行つてみましたら、ほとんど復興しております。ジーメンスの会社の人は、その復興ぶりを非常によく説明されたのでありますが、そこにおきまするいわゆる日本の昔の言葉で言えば職工の訓練、これはまつたく模範的なものであります。戦後会社が成り立つかどうかわからないというときにおきてましてジーメンスの社員に対する会社のいろいろな救済の手というものに、私ども非常に敬服いたしました。ドイツの教育制度は非常に複雑でむずかしいのでありますが、九箇年の学校教育をを受けた者が、三年間そこで徹底的な訓練を受けます。これは必ずしもジーメンスに就職する必要はない。給料はもちろん出して訓練しております。これは要するにドイツ全体の工場に、優秀な技術者を提供するという意味において行われておるのであります。わが公社におきましても、設備におきましてはなかなか諸国に負けない中央学園の設備を持つております。公の金をもつてやる公社におきましては、ここに優秀なる技術者を養成するということが、大きく申しますれば国家の利益にも合致しますし、小さく申しますれば公社並びに通信工業界に貢献するところがあるというふうに考えて参つたのであります。  なお通信事業に直接関連はないのですが、基本的な問題としましては、ともかく国民の一つの精神と申しますか、私ども終戦後非常に精神的な廃頽を嘆かれた時代があり、現在でもいろいろ諸問題がそれによつて生じておるやに感ずるのであります。私ども戦前におきましては、三大強国の一つとして、イタリアは非常に資源も少く、こじきの多い国と聞いておつたのでありますが、あるいはまだそういう事態があるかどうか、ローマに一泊した程度でございますからわかりませんが、ローマにはやはり昔からの芸術的な遺物が残つておる。そこにやはりキリスト教の影響が欧州各国に及び、アメリカにおきましてもその影響は非常に強いのでありますが、小さいときから昔から残された偉大な芸術に接しておる。私ども学校教育を受けて世間にほうり出されましても、特別の精神的訓練はなかなか受ける機会がなかつた。これらを見て、私は公社に宗教を持つて来ようというのでは刈りませんが、やはり非常に若い人をかかえている公社でございますので、それぞれの人が天賦の才能を発揮でき、生活の安定を確保いたしまして、各人がほんとうに精神的な修養を積むというところに行けるような施策を講じて行かなければならぬ。これはずいぶん叫ばれていることでありますが、なかなか実行がむずかしいのであります。各機関においてそういう心がけでやつて行くということが、国民生活を非常に豊富にするのではないか。これがまた通信事業の発展のために非常に寄与するところがあるというふうに感じたのであります。労い青年あるいは学生または働き盛りの人が、昼間からパチンコ屋に入つたり、高級喫茶店が町のどこにでもあつて、そこにとぐろを巻いておるという現象は、遺憾ながらどこの国でも見られかつた。私はその根本は何かということを、日本国民として反省しなければならぬ点が多々あるやに考えたのであります。  次にパリは、かつては非常に享楽の都市としていわれておつたのでありますが、今や整然といたしまして、ネオンサインなんかも日本の銀座の比ではありません。きわめて光が統一されて、非常におちついた町であつて、戦後におけるフランス国民の精神というものは、しつかりしておるという感じがいたしたのであります。これは当委員会の松前委員もおいでになりまして、フランスの通信研究所の非常な組織的な、また有効なる研究に精進している点を、非常に驚嘆して帰られたようでありますが、私どももまつたく感を同じくいたしたのであります。ことに丙ドイツの働き盛りの人たちの話を聞きますと、この点についてはさらに敬服する点があつたのであります。  事業全体といたしまして、当委員会におきまして、公衆電気通信法衣制定する際、あるいはまた予算の御審議等において問題になりました二、三の点を、外国を例にとつて申しますと、英国では電信料金は一躍倍にしたが、ドイツにおいては現在郵政事業が赤字のため、それの補填のために料金値上げを現在考えておるような次第であります。料金は各国と比べますと、必ずしも安くはありません。御承知のように、アメリカにおいては十セントないし十五セントですが、はがきは二セント、手紙は三セントというような形になつておりまして、電話料金は必ずしも安くない。さらにまた私設無線の関係につきましても若干調べて来たのでありますが、フランスは非常にモノポリーが強い。たとえば山の上と下との連絡用の無線局には、もちろん政府の電信電話線は行つていない。そういうところに無線を許す場合においても、相当高額の特許料をとつておる。私はフランスというところはモノポリーの強いところと感じたので拠りますが、アメリカのFCCにおきましても、最近の方針としては、公衆通信との関係を考慮して相当押えておる。FCCにおきましては、公共施設については各企業相互間の関係は考慮しない。郵便がどうであろうと、電気料金がどうであろうと、バスがどうであろうと、各企業体の実態をよく調べて適正な料金をきめるように考えておるので、他との比較はあまりやつていないということを申しておりました。フランスあたりはモノポリーが強いと申しましたが、例のPBXの問題になりますと、四割どころは政府直営でありますが、他の六割は自営を認めております。テレックスにつきましては、事業主体がつくることが大体原則のようでありますが、これも自営を認めておるというような点があつたのであります。なお料金の集金ということは各国やつておりません。ただいなかの方でそれを納める機関のないところにおきましては、あるいはタバコ屋に預けるというように、加入者くらいのところはそういう制度にして、会社がそれを集めに行くということをやつておりまして、集金制度はやつていない。  しかし電報になりますと、アメリカにおいては、非常に特殊なサービスをやつておる。たとえば天気予報なりニュースの頒布ということはもちろんやつておりますが、郵便為替、電信為替制度というような、何でもやつていると感ずるくらいやつておりますが、そんなことをやつて損をしないかと聞きますと、やる以上は絶対に損をせぬと言つておりました。欧州諸国におきましては、電信についてそういうサービスはあまりやつておりませんが、電話についてはやつておる。電信におきましては、さらにアメリカの例をとりますと、非常に利用するところにおいては、どんどん設備して、わざわざ頼信に来るとか、電話でもつて申し込むということは誤謬が多いということで、印刷電信機ないし模写電信によつて電信をやる。それの経済性いかんといいますと、配達してもそういうのが非常に経済的なのだといわれておる。そこらを考えてみますと、いろいろ外国の機械を使い、電信、電話のいろいろな機械化をやつた場合には、どうしても経済性を考えなければならないし、また保守の点について、せつかく機械をとりつけて人手をたくさんかけるのは故障が多いからでしようが、そういうことをしておるのは二重のむだである。スイスにおきましては、大体二百五十坪ないし三百坪のところに常勤する技術者は、わずかに七人であります。どんな大きな電話局においても、電力装置に人を監視に立てている国はないのであります。わが国は小さな電力装置にも電力の人がいないと不安だ。わが国全体の科学工業なり、そういうものに対するものなどはかなり大きな問題である。そういうことではなかなかわれわれの事業自身の経営合理化もできない。  それから電信につきましては、積極的に電報をもらいに行くというようなことまでやつております。アメリカにおきてましては儀礼電報、日本で言いますと慶弔電報のようなものにつきましては、あまりパーセンテージが高くない。やはり商業通信簿が非常に多いのであります。北欧の国におきましては、儀礼電報七〇%というところもあります。英国において三〇%、わが国におきまして大体三%くらいかと存じますが、儀礼電報が非常に多い。そうかといつて必ずしも今やつているように、クイズの電報を打つというような勧奨の仕方はしていないような気がしましたが、儀礼電報について特別に料金を安くするということはしていない。むしろ非常にいい用紙を使つておりますから、かえつて用紙代をとるというような方向で、電信の赤字等の問題は解決しておる。  先ほどちよつと申しました電話に伴うサービスとしましては、これは大体天気予報、時報、それからニュース、ラジオですとやはり一定の時間でないと聞けませんから、電話によりますと特殊港号を呼びますと、その間におきまする最も重要なニュースを簡単に知らせる。全部録音で自動的になつておる。あるいはお医者さんの連絡サービス、また場合によりましてはその他フランスあたりでは、もちろん郵政と電通と一緒でございますから、郵便に関するあらゆる質問は全部電話でお答えしておるというような、いろいろな特殊サービスをいたしまして、電話というものは非常に便利であるというようなところへ持つて行つております。それ以外にPBXのような交換機を置かない、十かそこらの問題であるならば、電話機自体に、日本ではいわゆるワイヤーリング・プラントと称してアメリカから輸入しておりますが、そういうことが盛んでありまして、交換台を要しないで同じオフイスにおきます各部屋との連絡が十分できる。あるいはまたこれはドイツの日本の人が言つておりましたが、同時に聞けて、悪いことですが片方は知らぬ顔しておる。片方に答えさせる。日本で言えば秘書電話といつているようなもののもう少しかわつたものでありますが、そういうことはビジネス上非常に必要だというようなことを強く言つておりましたが、電話を便利に使う、公社でもそういう案をつくつておりますが、まだ実行していない。たとえば同じ家におきましても、自分の行くところに電話機を持つて行つて接続するというようなこともすでにやられておりますし、そういうような点につきましては、単に公社におきまして電話機の基本的設備が少いから、あまり特別なサービスはしないという方針をそろそろかえまして、もつと便利な電話にして行くということが必要ではないかというふうに考えたのであります。  なお現場におきまする人というのは非常に少いし、サービスが非常にいいわけでありますが、現場におきましてはかなりしつこいサービスを提供する。わが国におきましては——わが公社におきましてはと育つた方が正当かもしれませんが、管理機関はしつこいことをやつていて、現場はなるべく単純化する。そのために公衆の方から非常に不親切だ、事情は何も知つていない、機転もさいていないという非難があるわけであります。それらにつきまして非常にサービスがいい。この点は私ども大いに考えなければならぬことだと思つたのであります。こまかいいろいろな制度の問題あるいは計画の問題等につきまして、今後公社といたしましては、どうしても先ほど申しました自動によるところの市外通話の基本的な計画を早く確立しなければいかぬ、ここが一つの問題でありますし、交換方式の新方式を、どれをきめてどういうふうに発展せしめるかという点も、速急にきめなければならぬ問題であります。ただ欧州各国におきましても、アメリカにおきましても、古い施設をいたずらに投げ出してしまうということは絶対にやりません。アメリカのある国際通信会社を見ますと、無線で国際通信に使う機械を二十数年使つております。無線は非常に進歩発達するものでありますから、そのかわりに新しいものも入つておりますが、欧州各国におきましても、古いものをどんどん捨てて行くような考え方でなく、使えるだけ使う。そのかわり入つて来るものは、まつたく新しいものを持つて来る。局舎の設計にいたしましても、フランス、イギリスで私は驚いたことがあります。最近に至りましてようやく新局舎の建設を必要とするという事態になつておる。ここ長年の間その局舎でやれるようなかつての規模であつたということと、機械がだんだん小さくなつて来るし、人が節約されて来ますから、昔のままの局舎でやつておる。電信局におきましても、たしかストックホルムの電信局は、百年前に建つた局でありましよう。ドイツ、フランスにおきましても五十年前に建つた局であります。公社の事業計画を見まして、百あるいは二百局くらい新たに建設しなければならぬ。ここらは、私ども今金のないときでありますから、ぜいたくは言いませんが、やはり耐震耐火の設備で、しかも内部の機械の進歩発達を期待しまして、相当長期に使えるようなものが必要であると思うのであります。先ほど機械の故障のことを、申し上げましたが、欧州各中心都市いずれも古い建物が多いと同時に、住宅問題の解決には非常に苦心しております。イタリアにおきましても、飛行場から市内に入るときに、りつぱな高層なアパートが建つております。先ほど例に引きました徹底的にやられたジーメンスでも、すでに機械の改善と申しますか、新式化を行つて、向上の態勢を整えるとともに、職員のりつぱな住宅を建設して、すでに相当大部分を収容しております。英国では、これは私の聞き違いであるかもしれませんが、住宅大臣というのが総理に次ぐ重要な大臣であるということで、住宅問題の解決に当つておる。スエーデンに至つてはまつたくお話にならないほどりつぱなもので、電話局一体も、すばらしい内部の設備であるし、建物自体が非常にきれいであります。先ほど申しましたように、つくづくわが国は貧乏であるというように感じたのであります。きようも通信局長会議で九州の局長から、過去十五箇年の台風の経路を全部線で引いてみると、九州がまつ黒になる。被害の最もひどいのは九州に集まる。そこにおいて過去五年間に十何億という災害復旧費を用いておりますが、いつも中途半端で流されてしまうという話がありました。これは要するにわが国全体の土木的な施設と申しますか、そういうものに対する全体の問題であると思いますが、これは非常にむだなことでありまして、そういう公共施設はやはり堅牢で長く持つものをつくらなければいかぬ。いくら貧乏国でもよほど考え直さないと、土地は狭いし、建物は木造ばかり建てて、またすぐ焼けてしまうということを長年繰返して行くということは、私ども公社自体としてもよく考えなければなりませんが、通信施設の被害の状況その他から見て、その点も今後とも大いに研究しなければならぬと思います。  はなはだ粗雑なお話を申し上げて恐縮でございましたが、公社内部に向つて申すべき問題も多々あるのでありまして、これから帰りまして局長会議に初めて報告をいたしたいと思つております。ただどうも初めて行つたので、外国ばかりがいいように思う。また一方においては正反対にまつたく外国を捨て、けなすということがあるのであります。両方ともはなはだしく事大思想かもしれません。私ども明治維新のときに外国から機械を入れて、わが国の一般の工業が非常に発達した。その後非常に伸び切つて外国を軽視した。その後におきまして再びアメリカの機械がどんどん日本に入つて来て、それに対して再検討というような問題もあるやに聞いておりますが、ともかく外国の進んだところは早く取入れ、わが国自身として先ほど申したようにいかに技術、学芸、文化を発展せしむべきかということを、電気通信事業に関係しております一人としても、深く考えて行かなければならぬと思います。ただ先ほど精神的支柱の問題を僭越ながら申し上げましたが、各方面におきまして、これではいかぬということをよく聞きますし、私どもそう思つております。これは一番貴重なことでありまして、わが国のわれわれの努力いかんでもって、ますます発展されるべきものであるというふうに考えて、決してそう失望落胆するわけでもなんでもないのであります。そういう感を特に深くして帰りました。  はなはだよけいなことを申しましたが、これで御説明を終ります。(拍手)

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 ただいまの靱副総裁の報告に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ次に移ります。     —————————————

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この際、庄司委員から日本放送協会の受信料に関して質疑の通告がありますので、これを許します。庄司君。

庄司一郎自由党

○庄司委員 本委員会においてもただいままでしばしば議題にはなつておりました問題でございますが、それはNHKのラジオの聴取料の問題でございます。現行制度といいましようか、衆参両院が協賛を与えております聴取料の問題について民間の一部の方々の中に、われわれはNHKの方聴取しないで民放だけを聞いておるのだ。だから聴取料を支払う義務は絶対にないのである。NHK当局が集金人なんかをまわして徴収するのは不合理であるというような論点から、このごろは都内においても、全部数えてみたわけではありませんが、おそらく数百箇所に大きなのぼりを立てまして、相当大きなビラを張り、あるいは純綿の長い旗にそういう趣旨のことを書いて、この撤廃運動の本部であるとか支部であるとか、そういうような文字をしたためまして、各所に林立しておるような状態であります。また都道府県の中でも若干そういう傾向が伝播して参つたようでございます。聴取料の問題は、本院としてはもとよりこれを公正妥当なりとして協賛を与えておるのでございますが、ただいま申し上げたような撤廃運動が一つの思想連動、あるいは政治運動化したといいましようか、だんだんうわさを聞くと、中には聴取者より会費などを集めて職業的に始めたものもあるようにうわさを聞いております。特にある特定政党の関係者のごときも、この問題を取上げて座談会をやるとか、あるいは宣伝これ努める、こういうような傾向が現われておるそうでございます。われわれ国会議員にも赤い紙に印刷をした聴取料撤廃運動、聴取料不納同盟云々の印刷物が私のおる九段の宿舎などには配達になつておるのであります。もとより聴取料の問題に関して各自の見解を述べることは、言論自由の観点からそれは御自由、でございましようが、特に会費を集めたり、あるいはこれを積極的に政治運動化する。そのことも決してこれはとがむべきことではないでございましようが、職業的に、あるいはある特定政党の専売特許的の運動のごとき感を与えて、ことさら波瀾を起すといいまようか、ことさら現行制度を否認するかのごとき運動が開始されておる。これがもし来春年明けて、国会の選挙断るいは地方選挙等々に、かようなものがスローガンとして掲げられ、あるいは選挙対策土の政策として用いられるというようなことになりますならば、かなり大きな問題にもなつて来るのじやなかろうか。こういうような問題について、特に会費を徴収しておるというような、商売人的なやり方響に対して、政府はどういう御見解を持つておるか、どういう御対策をお持ちであるかというようなことを、念のために伺つておきたいと思うのであります。私のこの所論は、決してNHKをことさらに擁護せんがための言論でも何でもない。またこういう問題を職業的に、あるいは特定の政党のある特殊なる目的の上にこれを利用といいましようか、濫用といいましようか、私のような古い者からいえば、まことに望ましくない運動の展開であるというようなことを老婆心ながら憂慮の上において、政府のあらかじめの御見解なり、御対策なりを伺つておきたいと思うのであります。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷説明員 確かにただいまお話のあつたようなことが方々で、東京都内で、ことに目抜きのような場所に立札を立てましたり、あるいはビラを配布いたしましたりして、ラジオ受信料の不払い運動をやつておる向きがあるようでございます。私どももいろいろ調査いたしておりますが、その内容は放送法の改正の署名運動というような形をとつております。必ずしも不法的な行為というふうにも今のところでは見られないのではなかろうか。こういうふうに思つて調査を進めるのと並行して、十分注意いたしておるのでありますが、ただいま申し上げましたように、今のところでは非合法的な動きをしておるように見られないと私どもは見ております。なおこのいろいろなビラ等の配布いたしたものの代表者として、やはり名前なり住所が載つておりますが、これを調べると実は不在の人間で、私どもも関係当局といろいろ連絡の上で調査を進めておりますが、また責任者の所在もはつきりしないということでございますので、ただいまお話の点等も十分考慮に入れまして、政府としての対策を進めて行きたい、こういうふうに思つております。  なお余談でございますが、これはNHKに対して何らかの働きかけをしているような様子も見えませんし、またそのほか放送に関係しておるどこかと特別の関連がある、そういうようなことも今のところ見られないようでございます。形の上で現われておるのは、先ほど申し上げましたように、受信料の問題をめぐつて法律改正の署名運動のような形をとつている。なお受信料そのものにつきましては、先ほどお話がございましたように、政府といたしましても放送法を改正するというような場合には一つの大きな研究課題といたしまして、いろいろ研究いたしておりますけれども、一方このような形で、不当な輿論を、十分の調査もなしに、十分の知識を得られない一般の人人に植えつけるというようなことについては、私どもも大きな関心を持つて見なければならぬ、こういうふうに考えておる次第であります。

庄司一郎自由党

○庄司委員 よろしゆうございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 本日はこの程度で散会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 散会いたします。    午後三時四十一分散会

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