地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/12/15
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。この際一言ごあいさつをいたしたいと存じます。今回はからずも地方行政委員長に選任せられました。私は浅学菲才、きわめて不練達、不堪能のものでのりまして、その任ではありませんが、今後諸君の御指導と御協力によりまして、この重責をはずかしめざるよう努力いたしたい考えでございます。 御承知の通り、当委員会の所管いたします地方行政の重要性につきましては、もとより論をまたないところでありまして、特に窮乏せる地方財政の現状は、まことに憂うべきものがあります。これらについては特にわれわれの責任の重大なることを痛感いたしたいと存じます。 何分私は、ふなれな者でありますから、どうぞ皆さんよろしくお願いを申し上げます。(拍手) まずこの際理事の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち委員異動に伴い、理事が一名欠員となつております。それでその補欠選任を行いたいのでございますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。岡本忠雄君を理事に指名いたします。 —————————————
○小林委員長 次に国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。すなわち今国会におきましても地方行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため地方自治、地方財政、警察及び消防に関する事項について調査をいたしたいのでありまして、この旨議長に承認を求めたいとぞんじますが、これに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。 —————————————
○小林委員長 この際政府より発言を求められておりますので、これを許します。西田自治庁長官。
○西田国務大臣 私今回鳩山内閣のもとに自治庁長官を拝命いたしました。浅学菲才、その上になお地方行政に関しましては、まつたくのしろうとでございます。せつかく勉強して日本の自治行政のために努力をいたしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○小林委員長 安藤自治政務次官。
○安藤説明員 一言ごあいさつを申し上げます。 ただいま長官もしろうとと申しておられましたが、私自身しろうと以下のまたしろうとでございまして、極力皆様方の御指導と御鞭撻によりまして、何としてでも皆様方の御期待の線に沿うべく努力いたしたい所存でございます。 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○小林委員長 この際小委員会設置についてお諮りいたします。すなわち本委員会の所管たる地方行政の調査の便宜のため、次の小委員会を設置いたしたいと思います。すなわち、地方自治に関する小委員会、地方財政に関する小委員会、地方財政再建整備に関する小委員会、消防関する小委員会、警察に関する小委員会、町村会員促進に関する小委員会、以上の六つの小委員会を設置するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 つきましては、これら各小委員会の小委員及び小委員長の選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名することにいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、委員長より指名することに決しました。 氏名は都合によりまして公報をもつてお知らせすることにいたします。 —————————————
○小林委員長 それではこれより地方財政及び警察に関する問題について調査を進めることにいたします。北山君。
○北山委員 私は最初に新しい自治庁長官に、現在当面しておる地方財政の窮状についての御見解を承りたいのであります。いろいろ大きな問題もありますが、この国会も来年は解散によつて新しくなるというような状況にもあります。それで差向き当面する問題にいてお伺いしますが、実は臨時国会におきまして、この年末における地方財政に対する財政措置については、前の塚田自治庁長官から当面の方針を承つておるのであります。それは年末融資について約四百億というものが財政措置をしてやらなければいけないんだ、これについては二百五十億というものは起債の前貸でこれをやる、あとの百五十億は財政調整資金でもつて手当をするというように、前内閣の方針として答弁をせられておるわけであります。それで新しい政府の自治庁長官においては、この方針によつてやつておられると思うのでありますが、今までにその措置がどのように進んでおるか、またそういう措置を踏襲してやるつもりであるか、それらの点についての、年末の財政措置についてのお考えを承りたいと思います。
○西田国務大臣 ただいまの御質問でございますが、私前長官との事務引継ぎにおいて長官から今おつしやつたようなことを承つております。私自身といたしましても、就任早々ではありますけれども、塚田前長官のお考えになつておつたような方向で、今大蔵省とせつかく折衝をしております。数字の点につきましては、必ずしも四百億という数字を今ここに的確に達成し得るという確信は持つておりませんが、その点に関しましては事務当局から答弁いたさせます。
○後藤説明員 年末資金の資金需要は、こまかく各県別に調べて参りまして、市も大分こまかく調査いたしました結果は、総額四百六十六億になつております。そのうち県が三百二億、五大市、東京都が七十億、その他の市町村が約九十四億、これが年末に自己の団体の歳入をある程度見越した上で足りない額であります。従つてこの四百六十六億をどういうふうに措置するかということにつきまして、そのうちお話のように二百五十億を起債の前借に持つて行きたい、残りの二百二十億を財調資金の方で処理して行きたいという要求を、大蔵省及び郵政省にお願いいたしたのであります。現在進行中でありますので、数字がどういうふうになつておりますか、毎日かわつておるわけでございまするが、私としては前借は大体二百億は確実にできるんではないか、もちろんそのうちに今まで一時借入れで借りておりましたものの振りかえ分も入つおります。それの償還期の来てるものもございますが、大体二百億程度はまかなえるんじやないか。それから二百二十億の一時借入れ分のうちで、大蔵省の方で財務局の方に新しく四十億だけ流していただきました。これは私どもは大体市町村、小さい団体のために使うような方針になつておりますので、大きな、つまり府県で非常に資金需要の大きな団体は、やはり個々折衝ということに相なると考えておりますが、やはりそういうことになりまして、四十億のわくの外で現在各府県がそれぞれ大蔵省との間で、財調資金の借入れについて交渉いたしております。本朝までのところ大体各府県年末が越せる程度のものを借りておるようでありまして、今のところ残つておりますのは京都府だけがペンディングになつて残つております。市の方は私の心配しておりますところが二、三ありましたが、その方も大体片づいて参りまして、あと鳥取市が参りませんが、鳥取市くらいになるのではないかと思つております。四百六十億を全額ということはもちろんわれわれも望み得ない額でございます。と申しますことは、府県の財政資金の需要というものは、考え方が全部の事業の支払いをこの際全部済まして、しかも税収入の方はそう大きくない見積りをいたしております。従つて四百六十億というのは最高限の数字であると私ども考えております。それからもう一つは各自治団体で直接銀行その他の金融機関から、すでに手当をしておるものもございます。そういうものもやはり四百六十億の中には数字としては現われております。そういうものも私ども個々に相当知つておりますので、片づいたところは政府資金の需要はないわけでございます。従つて三百億程度の資金が確保できれば、私は大体越せるのではないかと考えて努力をしている次第でございます。大体その線に近づいていると考えている次第でございます。
○北山委員 年末融資についてさらに詳しくお伺いしたいのでありますけれども、今後の地方財政についての新大臣のお考えを、この際伺つておく必要があると思いますので、それはあとにいたしまして、もう一つ。年末資金の相当部分というのは期末手当、勤勉手当というような地方公務員に対する給与が相当額に上るはずであります。ところが数年以前から地方公務員の給与につきましては、これは地方団体の自由である。政府はこれに対して直接関知しないというような建前からか、給与がまちまちになつておりまして、ある団体では財政上の都合から当然支払うべきものを支払わないというような団体すら出て来ておるような状態になつて、給与が非常に不均衡になつておるのではいかと思うのであります。ただいまお話の京都府のような場合でも、実際に年末手当がほかの団体のような水準では払えないというような実態にある。このような団体がほかにもたくさんあると思うのであります。そこでひとつこの際自治庁長官としては、地方公務員法の精神に基きまして、地方公務員の給与について地方団体に適切な技術的な助言というものが必要ではないかというふうに考えるのであります。それらの点について大臣のお考えを承りたいのであります。
○西田国務大臣 地方公務員の給与がひとしくないということは、事実そうなつておると私ども考えております。しかしこれは各地方自治体が、その自治体の財政上からにらみ合わせて、団体交渉その他によつてきめられたものであろうと考えておりますし、自治庁としていきなりこれに対して今の段階において、地方公務員の給与が全国平均して一律になるようにせよということを言う時期であるかどうかという点については、まだ結論に達しておりません。せつかく勉強してできるだけそういうふうになるように自治庁としては努力したいと考えております。
○北山委員 ところが地方公務員は普通の民間企業の労働者と違いまして、政治上の活動についての制限なり団体交渉と申しましても自由な権利がないのであります。地方公務員法あるいは地方団体の条例でもつてきめさへすれば、昇給ストツプも給与の切下げも、首切りもできる。条例を議会できめてしまえば、これと闘う方法はないというようないろんな普通の労働者と違つた制限を受けておるわけであります。従つて地方団体の自由にまかせておけばいいというものではなくて、やはり地方公務員法というものが上にあつて、それを大きく全国的な視野から、これを調整しておるというように考えなければ、地方公務員の勤務なり給与を守つてやるというわけにはいかないのであります。そこに地元公務員法の本旨があると思うのであります、従つてこれは地方団体の中で、当局と職員組合とが団体交渉をして適宜きめればいいのだというわけにはいかない。その団体交渉の権利というものが制約を受けておるわけであります。そこで特に大臣のただいまのような地方団体にまかせておるというようなことではなしに、特に助言なり勧告というものが必要になつて来ると思うのですが、さらにまた、一面から見れば、地方公務員といいましても、地方団体は国の仕事と全然別個の仕事をしておるのではなくて、やはり地方団体の仕事の七、八割は国から委任をされておる仕事をやつておる。その意味においては地方公務員も国家公務員も同じであるというような点からいいましても、この際地方公務員の全国的な給与その他の勤務条件の均衡をとるという点については、自治庁としての責任があるのではないか、かように考えますが、さらにこれらの点についてもう一度大臣のお考えを承りたい。
○西田国務大臣 ただいまのお説一応ごもつともと考えます。しかし地方公務員の給与の平均化と申しますか、あるいは均霑化と申しますか、不公平になつておる点を是正するということは、まず地方財政の健全化をはかり、その基礎の上に立つて、健全化だけでなくて地方財政が全国的に平均されるというその基盤の上に立つて、団体交渉によつて地方公務員の給与が決定されれば、そう大した不平等、不公平は来さないと私は考えております。従つて自治庁といたしましては今そういうことを、給与の面からだけ地方団体に勧告するとか通達を出すとかいうことよりは、むしろ根本的に地方財政の均一、健全化をはかることによつて、その目的の達成が可能になるのではないかと私は考えております。
○北山委員 大臣のお考えはごもつともであります。ところで地方財政の今の健全化といいますが、それについてのお考えを承りたい。地方財政の赤字というような問題は、数年前から叫ばれておるわけであります。昨年以来この委員会でも地方財政の赤字の処理対策という問題が、もう何回も取上げられまして、その結果として前の政府においては、二十八年度の決算に現われた四百六十二億という赤字は、別途の再建整備の方法でこれを処理するのだ、そうして二十九年は赤字を出さないように、いわゆる今年度の収支については赤字を出さないようにするのだというような塚田前長官のお考えであつたわけであります。こういうような前の長官の方針を受継いでおやりになるのであるか。この地方財政健全化について、大臣はどのような方法でおやりになるお考えであるか、それを承りたいのであります。
○西田国務大臣 皆様に就任のごあいさつを申し上げるときに申しましたように、私まつたくずぶのしろうとでございます。一応塚田前長官の考えておられたことを私の考えとして、自治行政に当つて行きたいと考えております。今せつかく研究はしておりますけれども、詳細は結論を生むに至つておりません、ただいまおあげになりました地方財政がどういうわけで赤字になつたかというような問題につきましては、全部ではないかもわかりませんけれども、赤字になつた原因としましては、非常に給与の高い市町村があつたり、自分の府県団体の財政規模に不必要なほどの事業をやり過ぎたというために赤字がふえておつたり、あるいは現在の法的な関係から、どうでもこうでも、どうしても赤字が出るというような状態の地方自治団体もあるようであります。こういう点をよく研究いたしまして、二十八年度とか二十九年度にとらわれないで、地方財政が赤字を出さずに、健全に運営して行かれるような方法を根本的に考えたい、こういうふうに私は考えております。
○北山委員 地方財政の赤字については、いろいろな見解があるということはお考えの通りであります。しかしともかくも、赤字が現実に出ているという事実だけは、これはもう明らかな事実でありますから、それをどういうような方法によつてやるかということは、今後の具体的な問題になると思うのです。そういう際にどういうふうにしてやるか、大体のお考えくらいはおありだろうと思うのです。たとえば今申し上げました前の塚田長官のお考えのように、二十八年度までの赤字というものは一応たな上げするんだ、そして別途措置するんだというのも一つの方針だろうと思うのです。そういうようなお考えでやるか、いまさら赤字の原因を事こまかに追究してみても始まらないじやないか、やはり一、二の府県なり市町村だけでなくて全国的に、四十六都道府県のうちで三十九、大部分が赤字だということは、府県のやり方というよりも、制度あるいは国と地方との関係とか、そういう全般的な、普遍的な原因があるのじやないか、運営がまずいというよりも制度上の欠陥があるのじやないか、そういう点を考えてみましても、やはり国としては大きな見地から、この赤字の原因をほじくり出してみたところでしようがないのですから、今後における大きな方針のもとに、この赤字対策というものをさしむき考えなければならぬと思うのでありますが、大ざつぱなところでもいいですから、ひとつ今後どういうふうにやつて赤字を埋めるのか、新しい大臣の御見解を伺いたいと思います。
○西田国務大臣 はたして御満足が行くかどうかわかりませんが、私がただいま考えておりますことは、今までに生じております赤字は、今度大蔵省から資金運用部の金を融資してもらう段階におきましても、各自治団体とも赤字融資を受けるところは三箇年、四箇年あるいは五箇年にわたつての地方自治財政の赤字解消案と申しますか、そういうものを大蔵省に示すことによつて大蔵省の了解を得て、十二月の融資を受けておるような実態でございます。各自治体が今のような考え方で、ほんとうに再建整備案をつくりまして、そして再建整備をやるという熱意を持ち、またそれができるという見通しがつけば一応それでもいいのではないか。将来にわたります問題は、国全体の問題と関連いたしまして、地方財政をどうするかという非常に大きな問題でございまして、就任してまだ三、四日の間でございまして、的確な御答弁をするだけの内容を私まだ持つておりません。従つてここ当分の間はと言うと語弊がありますが、三十年度は、前吉田内閣が考えていた予算編成方針と、そう大して食い違つた予算編成方針を新内閣がとるとは考えられませんので、前塚田長官が申しましたような建前において、地方財政というものは考えて行きたい、こう考えております。
○北山委員 今後について、あまり具体的のことをお伺いするのは確かに無理かと思いますが、ただお伺いしておきたいのは、吉田内閣の方針を踏襲してやるというようなお話でございましたが、前政府の昭和三十年の地方財政計画の案というものを拝見しますと、相当部分この地方財政の需要に応ずるために地方税の増税を考えておるわけであります。住民税あるいは固定資産税、また新しく税金を立てて、そうして三百数十億の増税を考えておる。この率は、現在の地方税の総額が三千四百億くらいですか、それに対して約一〇%であります。すでに二十八年度に比較して三十九年度の地方財政の計画によれば、地方税において約八%の増税の見積りをしておるわけであります。さらにまた三十年度においては、一割も地方税をふやそうというような方針のもとに、明年度の地方財政計画が組まれておる。こういうような地方税を増税するということについては、一体大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。地方税というものは、いろいろな面で、住民税におきましても、固定資産税でも何でも相当問題があるわけであります。それをそのままにして年々大幅の増税をして行く、そうしてそれによつて地方財政をまかなつて行くという方針については、どういうふうにお考えになつておりますか。
○加藤(精)委員 関連して。ただいま北山委員から、自由党が地方税の増税を計画しておるというようなお話がございましたが、自由党の方で考えておりますことは、決して単純な地方税の増税を考えておるわけではないのであつて、これは国民負担においてこれ以上重課することができないことは、自由党といえどもわかつておるのであります。財源の分配の問題にこそ重点があるので、国税でやたらにとらないで、地方税でよけいとらせてくれという主張なのでありまして、自由党が地方税を計画しておるというように簡単に言われますと非常に因る。その形態が交付税の交付率を上げることになりますか、それとも交付税の徴収部分を少くして、それを地方の課税の余地に余裕あらしめるという形で行くかは疑問があるのであります。新しい大臣は万々御承知だろうと思いますけれども、自由党の方針が地方税の増税にあるとして、新しい大臣から自由党の地方財政について攻撃を加えられますとたいへん困りますので、ここでお断りいたしておきますから、その点もどうぞ御了承いただきたいと思います。
○西田国務大臣 ただいまお先に御質問いただきましたのに御答弁いたしますが、今自由党の政策を御弁明になりましたが、私よく了承いたしております。ただ現在のまま行けば地方税を増税しなければならないであろう。従つてそれを増税しないようにするためには、どういう方法をとつて行つたらよいかということが自由党で議論になつて、二、三の問題が取上げられておると思います。鳩山内閣におきましても、増税をするというような考えは現在とつておりません。従つて増税しないで済むような具体的の方法はまだ閣議で決定いたしておりません。これから論議に上ることと思いますから、そういうふうにとりはからいたいと考えております。
○北山委員 現在のまま進めば増税はやむを得ない、別に何か名案でも出て来れば増税しなくてもよいというお話でありますが、その増税しなくてもよいという名案というのはどういうことなんでありますか、お示し願いたいと思います。
○西田国務大臣 まだ塚田長官との事務引継ぎの場合におきましては、地方交付税を現在よりふやすことに閣議で一応話を出しておる、結論を得ていないが、という話がありました。私もその方法をその点においては踏襲したいと考えております。もし増税することをとりやめられないという状況下になりまするならば、他の適当の方法をもつて地方税の増税にならないように努力したい、かように考えております。具体的に個々のものをあげよというお話でありますが、これはまだはつきりした結論を得ておりませんので、せつかく勉強してあなたの御期待に沿うように、極力努力いたしたいと考えております。
○北山委員 地方交付税の増加によつて増税を避けたいというようなお考え、前の内閣でそういうふうな決定をして、それを引継いでおるというようなお話でありますが、地方交付税は一体どのくらいふやすというような閣議の決定をいたしましたか、お示しを願いたいと思います。
○後藤説明員 大臣のお言葉の足りなかつた部分を私から申し上げます。交付税の増額の問題は、警察費に関連して増額をするということでありまして、全体の問題は、大臣から先ほどお話のように、どういう方法でやるか、補助金の整理に伴つてその財源を補填するか、または他のタバコその他の税でやるとかいろいろな方法があると私は思いますが、これは新しい内閣の予算編成方針とからむものでありますので、そういう方法とにらみ合わせてわれわれは考えて行きたいし、また努力をしたい、かように考えておる次第であります。
○北山委員 そうすると、交付税の増額によつては、この増税を避けるということはできないということなんですね。それではその問題についてはいろいろ疑問もあるのですがそれだけにいたしまして、さしむきの問題でありますが、この前修正財政計画の御説明のときに、本年度起債を資金運用部資金により三十億ふやすというように言われたのです。その点について何か大蔵省との間に話合いがつかないというような説もございますが、この前発表の通り三十億の資金運用部資金による起債が話としてまとまつておるかどうか、その間の経過について承りたいのであります。
○後藤説明員 先般の補正予算の際も、起債のわくを政府資金で三十億ふやすというようにきまつたのであります。ただ、今の資金の見通しでは、大体地方債にまわすべきものは三十億くらいではないか、その三十億をもつて災害関係と、それから災害以外の財政需要がございます。それは先年からの仕越工事分の三党協定に基くつなぎ資金、これはどんなに小さく見積りましても十億か十五億くらいいります。それの処分と、それからかねがねいろいろ増額の要求があります中小水道の起債の増額の問題、これは大体私ども三十億と申しております。それも政府資金で出してもらいたい。それから東京都の水道及び電車の値上げ抑制のために、東京都の単独事業の振りかえとして起債を約十億くらい、こういうものがからんでおりまして、どれを優先するか、こういう問題があつたのであります。私としては補正予算に必要な、つまり災害に必要な額が約三十億でありますので、三十億を優先してきめて、もらいたい、そのあとで貯蓄に努力をいたしまして——これは私どもがするわけではありませんが、郵政省の方で努力していただいて、そして今申しましたような資金需要に充ててもらう、こういうようなお願いをいたしておつたのでありますが、大蔵当局の方では、今申しました災害以外のものにも多少この際認めなければならない、それをどうするか、こういうことでいろいろ議論いたしたのであります。三十億そのものを出すこと自体については問題がないのであります。三十億を優先的にどれに振り向けるかということが問題になるのであります、私どもはそれは災害につけてもらいたいということを申しております。災害はすでに既定財政計画の中に入つておるものもございますので、その分は一応先に許可してもよろしいのでありますが、この際は災害関係を早くきめたいという気持がございますので、私どもは災害を早くきめて、そのあとで考えて行く。資金の増勢の関係は一月と十二月が問題でありますので、この際郵政省当局に馬力をかけていただきまして、さらに今申しましたような資金需要を満たすだけのものを出してもらいたい、こういう要求をしておるわけであります。その辺で、現在つけようとする三十億をどれに先につけるかということが問題なのでありまして、三十億自体に問題があるわけではございません。
○北山委員 最後に一つだけ承りたい。それはやはりこの地方財政の赤字の処理に関係するのですが、四百億以上の地方財政の赤字の中には、国の直轄工事、ダムとかそういうような直轄工事に対して地元団体が約三割くらい負担をして、その負担金で未納になつてたまつておるものが相当あるはずであります。約百億円くらいあるのですが、これを交付公債か何か別の形にたな上げをしてしまうということになれば、その分だけでも赤字処理ができるではないか。要するに政府に支払うべき未納金でございます。これが地方財政を相当圧迫している。しかもダムとかそういうものは必ずしも財政力のある団体のところにあるのではなくて、比較的財政力の貧弱な団体のところにある。そこに直轄工事をやりますと、相当地元負担金がかかつて、これが未納の原因になつていると思うのであります。これをやつてもらいたいというような意見が相当強いのでありますが、新しい政府においてはこの直轄工事の地元負担金、これを別途の方法によつてたな上げをして、そうして長い間に年賦償還をするというような形にでもなさるお考えはないか。これは、たしか昭和二十八年度以降については、交付公債でやつてもよろしいということになつたのでありますが、この前の分は未納になつておるわけでありますから、その以前の分の処理は今のような方法でおやりになるお考えを持つておらないか、それを承つておきます。
○後藤説明員 大臣にまだ私申し上げてありませんので、私からかわつてお答え申し上げます。直轄工事の負担金の未納分が二十八年末に九十五億ばかりあつたわけでありますが、そのうち支払いをいたしておりますものもございまして、現在約八十九億ばかり残つておると思います。昨二十八年度からの分は交付公債にいたしましたが、その際私どもは大蔵省と約束をいたしまして、既往の分についても何とかしていただきたいということであつたのでありますが、話がつきませんので、既往の分は別の問題にして一応残してあつたのであります。本年に入りましてから、既往の分については大体五箇年以内の年賦払いにしよう、こういうことにいたしまして、本年度約三十七、八億であつたと思いますが、支払う。大きいところは五箇年でありますが、額の小さいものは二年くらいで払う、こういうように額によりまして支払いの期限をきめまして、それぞれの地方団体から年賦の方法でもつて払うということにいたしたのであります。それに基いて各地方団体が現在払つておるわけであります。これをさらに一歩進めまして、お話のように交付公債にいたしますということも、私ども前から考えておりますことであります。でき得れば今度の債権整備の法律を出します際にその話もつけて、その中に盛り込んで行きたい、かように私どもは考えております。しかしまだこの点につきましては大蔵省との間に話をいたしておりません 一応最近年賦払いの方法をきめたばかりでありますので、一応それが軌道に乗つた上で、そういう交付公債にするか、来年度からすぐするかということにつきましては、さらに私ども十分話合いをいたしてみたいと思つております。ただ再建整備の一つの方法として、私どもも交付公債の方に移しかえて行くという方法がいいんではないか、かように考えておる次第であります。
○小林委員長 西村君。
○西村(力)委員 大臣も次官も就任早々でありまして、また先ほどはずぶのしろうとだということでございましたが、あまり専門的にならない方がかえつて物事がはつきりわかるのではないかと思うのです。それで御質問をいたしたいのですが、大臣は塚田前長官からの引継ぎによつてその方針を一応踏襲する、かような御答弁でありました、私としましてはまことに残念に思うのです。いずれにしましても、吉田内閣に対決をして内閣をとられた皆さんが、そのままを踏襲せられるということは、どうもわれわれとしては納得されない。吉田内閣の地方行政一般に対する方針は、とにかく中央集権を表面化せずに、期せずしてその方向に持つて行こうというのが基本であると私たちは思うのです。その方策としまして、財政的に苦しい状況に地方自治団体を追い込んで行く、こういうことになつて、結局地方自治というものがゆがめられて中央依存の度が強くなる、こういう方式で今まで来ておるのです。だからそういう方式を踏襲せられるのであつては、せつかく誕生された鳩山内閣、しかも昨今非常に清新なアドバルーンを盛んに上げられておる鳩山内閣としましては、あまり早く正体を見せ過ぎるのではないかというふうに思われるわけであります。それで地方財政の窮乏というものがどんな事情によつて、こうなつて来たかという問題については、先ほど大臣からも答弁がございましたが、その責任の帰趨を今まで塚田長官は、地方の放漫なる行政にある、それは大きくまた一つの重要な要素としては知事公選にあるのだということを言つておりましたが、そのような見解を大臣は肯定されるかどうか。私たちとしましては、そういうことも少しはあるかもしれぬけれども、それは自治体自体の機能を果して行く場合にはあり得るとしても、根本はそうではなくして、結局中央のいろいろな政策なるものが地方の責任に転嫁せられるその転嫁せられた責任を十分に果し得るだけの財政措置をしないで押しつけて来ておる先ほど北山君からも話があつたように、中央からの委任事務的なものが、全体の地方事務の八割程度を占めている。それを十分なる措置をせずに押しつけたところに根本的な原因がある。だから大方は政府の責任に帰属すべきものである、かような見解を持つわけです。それで塚田長官の方針を踏襲せられるとおつしやいますが、現在の地方財政の窮境に対する見解も、そのようなぐあいに塚田長官の見解を踏襲せられるかどうか、その点をはつきりと御答弁願いたい。
○西田国務大臣 たいへんおしかりを受けましたが、私どこどこまでも塚田前長官の方針を踏襲すると申したわけではございません。とりあえずのところは塚田前長官の方針を踏襲する以外に方法がないのでありまして、問題は将来の問題ではなくて、毎々々起きておる問題でございますから、その問題を全然角度をかえて私の意見通りに事務当局にこうせよということを命令しますことは、かえつて事務の進捗を阻害する結果になつても、いい結果がもたらされるとは私考えられませんので、とりあえずは塚田前長官の方針を踏襲いたします。鳩山内閣としての予算編成の方針を決定する段階におきましては、いろいろ論議して、私も勉強した上で、地方自治財政の確立のためにひとつ努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。第二段の御質問はごもつともと思いますが、私まだ日が浅うございまして、実際に地方自治団体のルーズな財政運営のために、はたして地方財政の赤字の大部分ができておるものか、法的な欠陥のためにできておる部分が非常に大きいのかということを、はつきりまだ数字的に結論的に出しておりません。それがいずれも地方財政の赤字を出しておる原因の一つになつておるということが間違いないということだけはつかんでおりますけれども、これから先そういう問題を検討いたしまして、最も大きな原因、最も大きな障害になつている点を排除して三十年度予算とは取組みたい、かように考えております。
○西村(力)委員 それでは次に、塚田長官から地方交付税の税率を上げるということを決定せられた点を聞いておる、その点を踏襲したい、それはけつこうだと思う、かように大臣も答弁されましたが、これは後藤財政部長の補足説明では、これは補正に伴う今回の一応の手直しだ。あれは一九・九六だかに直したほんとうにちよつぴりした補正なんでありますが、それは過ぎ去つたことでございます。来年度はやはり還元する交付税をもつとぐつとよけいにしよう、こういう考えはやはりお持ちなんでございましようか、その点をひとつ承つておきたいと思います。
○西田国務大臣 もしそういうことが財政的に可能であれば、地方交付税はふやしたいと考えておりますが、予算編成の個々の問題だけを今大蔵省で検討しておりまして、閣議でもまだそういう問題を具体的ら一つ一つ取上げる段階に至つておりませんので、大蔵大臣の予算編成方針と民主党の予算編成に対する方針等々を調整する段階にありまして、その調整が幾らくらいになりますか、地方自治行政確立のために、もし支障を来すような予算編成方針がとられます場合には断固闘うつもりでおります。
○西村(力)委員 次にさしあたつての問題でございまするが、年末融資の問題は、先ほど財政部長から詳しくお話がありまして、相当程度何とかやりくりできるような状態に今進んでおる、かように伺います。ところが実際に今地方自治団体で当面している問題は、年末手当の問題のほかに、前の臨時国会で補正予算が組まれて失業対策事業なんかも拡大するというようなことになりましたが、あれの地方負担分の捻出が困るので、返上しようという動きまで出ておるということを私は知つておるのですが、一方失業者がどんどん出て七十何万も完全失業者が出ておるときに、せつかく補正予算を組んだけれども地方負担分が出せないためにそれを受取れない。失業者が失対事業というああいう最低の生活を営むためというか、あの支出までも地方ではできないという場合になつておる。あるいは医療扶助が三月分までしかないとか、そのほか生活扶助の問題にしてもその通りで、全部きゆうくつになつている。そうして地方負担がそれに見合わないため、せつかく社会保障的なものを、じかに住民に当つている地方の自治団体の長がやろうとしてもできない状況になつて来ておる。こういう点も十分に考えて年末金融というものはやはり拡大されて行かなければならぬのじやないか、これは相当の努力をしてやつてもらわなければならぬのじやないかと思う。国家においては予算を組んであればあとは何とかできるだろうと思うのですが、そのように地方では苦しいから、国会できめられたものも受取れないし、そうだからといつてやらないと、自分の市民なら市民が食えなくて困つておるんですから、投げてもおけないという状態に地方自治団体の理事者が置かれる。こういうことを十分に考えて行かなければならぬと思う、こういうことを放置すれば、結局社会不安というものが増大して来て、このままで行つたら失業者がどんどんふえて行くから、恐ろしいことになるんじやないかと私たちは思うのです。そういう点も十分に考えてもらいたい。その点に対する考慮はどうなされておるかということ。 それから、もう一つは、公共企業体の諸君に対する年末手当について、去る十一日の閣議において〇、二五プラスして一、二五にする、そのあとは団交によつて業績賞与を考える、こういう決定がなされておるわけ上です。これに伴つて国家公務員に対しては、大体今のところ十八日分の超勤手当の繰上げ支給、こういうような計画がなされつつあるということを私たちは知つておる。それは表面化しないでしようけれども、公共企業体関係ははつきりしておるわけです。ところが地方公務員の年末手当というものは、一部には法律通りの一、二五も支給できないというふうに投げられておるのもある。どうやらそれができたにしましても、それ以上何らかの措置をやつてあるというようなぐあいに、国家公務員あるいは公共企業体の諸君たちとも均衡を保たしめるための地方の努力は、全然できそうもないという状態にあるわけです、原則はどうしても国家公務員も地方公務員も同じようにされるんだ——する、しないは地方自活団体の自由ですけれども、されるんだという財政措置は、やはり国家がしてやらなければならぬ。こういうことが一つ考えられるわけです。そんなところも今回の融資の努力の中には十分に考慮せられて行くべきではないか、かように私は思うわけであります。それらの点についてひとつ御答弁を願いたい。
○西田国務大臣 第一の問題ですが、鳩山内閣におきましては、これははつきり決定いたしておりません。決定はいたしておりませんが、私の意見としては、失業対策というものと完全雇用というものとは、別個の観点においてぜひ考えなければならない、こう考えております。 第二の問題につきましては、私の承知するところでは、国家公務員の一、二五と申します手当は、一箇月分が期末手当であつて、〇、二五は業績手当である、従つてバランスをとる意味から、地方公務員に対しては一、二五というものを給与いたしておる、かように私は承知いたしております。
○後藤説明員 第一点につきまして大臣の御説明について補足いたしたいと思いますが、私どもが資金需要を各地方団体から求めます場合に、生活保護、失対事業等非常に財政需要がございますものをこまかく計算をいたしまして、大体十二月分としては二十五億の金が必要であるという計算を基礎にいたしまして、資金計画を立てておるわけであります。従つてその中に入つておるわけであります。従来の各地方団体のやり方を見ておりますと、失対事業でありますと割当てましたものの範囲内でやつておつたのでありますが、本年はデフレの影響で失対事業が非常に増加いたしております。従つて単独事業の形でもつて失対事業が相当行われておるのであります。そういつた経費もやはり資金需要の中に入つております。これに対して起債と一般財源で措置をするわけでありますが、その一般財源は、つまり従来出しておつたものを補助金と起債でもつて補充するというかつこうになるかと思われます。従つて地方団体としては——全部の地方団体ではありませんが、失対事業の非常に多いところで、単独事業が補助事業に振りかわつて行くところが相当ございます。そういうところでは返上という問題ではなくて、むしろ財源的なプラスになるのではないかと思います。新しくこれから起るところにつきましておつしやるようなことが起るかもしれません。従つてそういうかつこうでなくて、やはり従来単独の失対事業の非常に多いところに、今度の補助金をつけて事業をつけてもらうというようなかつこうにしてもらつた方がいいのではないか、かように考えておるのであります。 地方団体としてその財源措置がどうなつておるかということは、県は承知しておりますが、市になりますとまだ十分に行き届いていないかもしれません。急いで補正予算の結果を報告いたしたいと思いまして、実はけさその案文を私見ておつたのであります。財源措置につきましても十分に徹底して行きたい、かように考えております。
○西村(力)委員 年末手当の問題は、労働委員会の決議が出て、それは昨年と同率になるように措置するということ、昨年は一・二五が年末手当でこれに業績賞与がプラスになつたという形になつておる。そういうことによつて労働省も大蔵省も承認した、こういうことになつておるので、それを今になつて、今大臣が答弁されたように、頭打ち一・二五だ、その中に業績賞与も含まれるのだというような解釈をなされるのですが、これは最初の約束と違うのではないか。これを労働委員会で決議する場合においては、民主党も当然それに同調せられてやつたわけですし、今になつてそういうことをやられるのは、政府の立場になつてみると財政的に苦しいから、金の出ない方、出ない方と、りくつをつけて言うのかもしれませんが、いかぬじやないかというふうにも思われるのです。いずれにしてもとにかく国家公務員と地方公務員は均衡をとられるべきである。こういう基本原則については、大臣は御承認いただけるのではないかと思うのです。その点はいかがでございますか。
○西田国務大臣 お答えいたします。国家公務員と地方公務員の交流が盛んに行われております実態から考えまして、今あなたのおつしやつた基本的な考え方はそうなければならぬ、かように考えております。
○小林委員長 門司君。
○門司委員 この機会にきわめて簡単に二つ、三つお聞きしておきたいと思います。それは内閣自体が本予算を組まれるにいたしましても、その予算の実行ができるかどうかわからぬ立場にあるという解釈をしておいた方がいいと思います。そういう観点に立つてお聞きをしますと、はなはだ不見識なようでありますが、少くとも内閣がかわりました以上、一応聞いておきたいと思いますことは、地方財政の基本的の態度であります。これは前自由党のとつて参りました態度というものが、地方の自治体の財源の付与についてはきわめて不親切であります。その結果現われて来ておりますものは、御承知のようにすでに日本全国の都道府県市町村の中で、ほとんど大部分が政府の財政調達金をもらわなければやつて行けない実情に追い込まれておる。本来地方自治体というものは、少くとも憲法で規定しております限りにおける範囲からわれわれ考えて参りますと、地方の自治体に山自主財源を与えて、地方が行政上にも財政上にも自主的の立場に立つて、地方住民の要望にこたえる組織を持つということが最も必要だと思う、ところが自由党の長い間の悪政といいますか、税政というか、間違つた施策の結果、今日のような状態になつておる。これはおおい隠すことのできない事実であります。おそらくこのまま推移いたして参りますならば、三十年度には都道府県で不交付団体は一つもなくなると思う。東京といえども、神奈川といえども、大阪といえども、おそらく全部交付団体にならざるを得ないと思う。この問題は特に内閣がかわりました以上は、一体その方針を踏襲されるのか、自治体自身の自主財源によつて自治体が十分にやつて行けるような方針を立てられるのか。私は具体的の税金をこうしろ、ああしろということは今申し上げません。基本的な態度を現内閣はどこに置かれておるのか。その点をひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○西田国務大臣 一応ごもつともな御意見と拝承いたします。しかし御承知のように、地方財政を確立して、地方は地方だけでの財源で地方財政がまかなつて行けるようにすることが、これはもう一番理想的だと考えておりますが、中央の税制と地方の税制との関連性において税制を一挙に理想通りに改革してしまうということは、これまたに常に困難な問題でございます。鳩山内閣におきましては、地方財政の健全化をうたつております以上、その目的に向つて、徐々に、できるだけ早く、逐次改善を加えて行きたい、かように考えております。
○門司委員 答弁としてはそういうことかもしれないと思いますが、しかし、私はもう少しその次に聞いておきたいと思いますことは、実際上の問題であります。だれか考えて参りましても、地方財政は赤字にしておいて、そして中央の官僚行政を地方に及ぼすのだというようなことはいけないということはわかつておるのであつて、そうしますと言う大臣は、私はおそらく一人もないと思う。今まで自由党の六年有半にわたる行政でもそうであつた。そういう答弁をしておるが、実際には相当それに反して、どうにもならないものができ上つて行く。問題になるのはこの点でございまして、どんなに中央でいい案を立てられましても、それの実施と、それの国民に及ぼす影響の範囲というものは、地方の自治体が健全でなければその施策は完全に行えないということはわかつておる。ことに民主行政自体が、官僚行政と違つた、地方の住民の参与する一つの住民自治の形といいますか、従来の団体自治の形から住民自治の形に切りかわつて行くことが、私は最も望ましい形だと考える。せつかくのただいまの大臣の答弁でございましたが、私は、この機会に そういう問題についてはぜひひとつ総理大臣にその所信を伺つておきたい。これは委員長にひとつ要求をいたしておきますが、次の機会がございますならば、ぜひひとつ総理大臣にこの点についての問題の焦点をただしておきたいと考えておるのであります。そのことは、もう一つつけ加えて申しあげさしていただきますならば、私どもがなぜそういうことを言うかといいますと、先ほどからしばしば申し上げておりまするように、地方財政がこのままの姿で行けば、三十年度にはどうにもならぬようになる。そうしてそれが始終中央に、給料すらも払うことのできないような実情を訴えて来なければならない。そのたびごとに中央のさしずを受けなければならない。憲法でせつかく定めておりまする地方の自治体というものが、まつたく憲法自体の趣旨を踏みにじつて、地方の自治体のあり方というものが中央に左右されるという形が出て来る。ここにまた官僚行政の悪い面が出て来る。これには補助金の整理であるとかというような問題があると思いますが、これはきわめて重大な問題であります。これははなはだ失礼な言葉を申し上げるようでございますが、自治庁所管の大臣の一存では、今の補助金をそれではどう整理して行こうかというような問題は、私は片づけられないと思う。これは当然時の政府の一つの大きな方針として、三百あるいは四百に上つております多くの地方に対する補助金の整理というものは行わるべきだ。そして国がひもをつけなくても、地方のやれるような財政あるいは事業というものは、地方が独自でやつて行けるような態勢をとつてもらいたい。これらの問題は行政上の一つの大きな改革でありまして、今の赤字をどうするかという小手先の問題だけでは始まるものではない。従つて国の一つの大きな方針を私はぜひ伺つておきたい。そのことのためには、鳩山内閣は幸いにして専任の大臣を置いていただきましたことについては、今まで吉田さんのときに塚田長官が三つの大臣を兼任しておつたというよりも、はるかにその処置については感謝をするのでありますが、しかし、それ以上、これから先のことは、さつき申し上げましたようなことで、ここにぜひひとつ総理大臣に出ていただきまして、そうして地方財政に対する基本的な態度を示していただきたいというように考えております。従つて、このことはひとつ委員長からぜひ総理大臣にお伝えを願いたいと思います。
○小林委員長 門司君の御要求につきましては、さつそく政府に要求することにいたします。
○門司委員 それからその次に聞いておきたいと思いますことは、今の大臣の言葉じりをとつて申し上げるわけではございませんが、財政の規模の問題で、交付税の増額のお話が非常に出ておるのでありますが、この交付税というものがふえればふえるほど、地方の不健全な財政を暴露する一つの問題でございまして、財政調整金がふえればふえるほど地方の財政の貧弱ぶりを裏書きするものであります。この交付税自体の配分の内容等についても意見は持つておりますが、きようは申し上げる段階でもございませんので、申し上げませんが、これよりもむしろ、やはり地方には自主財源としての与え方が必要ではないかと思う。それには、たとえば今ありまするタバコ消費税というようなものについても、これは一つの自主財源になるといつて間違いない。こういう角度から考えて参りますので、地方の財源の処置については、いたずらに交付税にたより、交付税を云々するということと、やはり地方の不健全な財政化を政府みずからが考えておるのではないかという懸念を私は持つのでありますが、この点についての大臣のお考えはどうでございますか。
○西田国務大臣 地方財政平衡交付金の増額という問題は、現在のままの情勢で、税制を根本的に改革しない限り、地方財政平衡交付金というものを減らすことは不可能でございます。少くとも幾らかずつふやして行くという考え方の上に立つて、税制の根本的な改革ができるまではやらざるを得ないのが、現在の地方財政の実情じやないか、かように私自身は私なりに考えております。 それから、地方財政をいかにして健全化するかという問題につきましても、まだ具体的な結論は得ておりませんけれども、日本の現在の行政区画というものは、税制の面から考慮されてきまつていない。従つて、非常に豊富な財源を持つている市町村あるいは都道府県というものと、今の地方税法によつて非常に財源の少い都道府県、自治団体というものとが相錯綜しておるという今日の情勢下において、画一的に地方税制というものを改正することだけによつて、はたして地方財政が健全化されるかという点については、私は多少の疑念を持つております。従つて、地方行政区画を、地方財政というものを健全化するという意味合いにおいてつくるか、いわゆる府県の統廃合あるいは道州制というようなことが論議されておりますが、あるいは、ただいわゆる行政費の節減という意味合いからだけやるかといういろいろの見方、考え方があると思いますが、私は、少くとも地方税制を健全化することが国家財政を健全化するところの唯一の有力な方法であるという観点から、税制を現在のような地方税のままで考えるか、あるいは税制を変革して行く場合において、そういうことを主として考えるかという点については、重大な注意を払つておるわけでありますけれども、いまだに結論を得るに至つておりません。従つて、おつしやいますように、地方財政の健全化のためにある程度どうしても税制を改革しなければならぬということは、原則的にそう考えてよろしい、かような見解を私は持つております。
○門司委員 これ以上ここで議論することは私は避けたいと思いますが、もう一言、今のお言葉がございましたのでお聞きをしておきたいと思いますのは、今の大臣のお言葉の中にもしこういう考え方があるとすれば御注意願いたいと思うし、また御答弁を承りたいと思います。 それは、私どもが心配をいたしておりまする地方財政のあり方、地方の行政のあり方というものは、今の大臣のお考えから私どもが推察いたして参りますると、地方行政というものが絶えず一番下に置かれる危険性を持つている、こういうことであります。この財政調整金でこれをずつと押えて参りまして、そうして、郷道府県あるいは市町村というものを一つの段階に同じようなレベルにできるだけしたいということは、これは一広考えられます。考えられるが、しかしこの考え方が過ぎますと、一番下のレベルにすべてが押えられるということであります。そうして、市町村の財政を持たないところは、絶えず国からの調整金によつて一番下に押えられてしまい、より以上の力を持つているところは、右へならえで上をちよん切られてしまうということで、地方財政の発展性というものがないのであります。この点が、今の日本の地方財政の中でも最も関心を持つべき段階に来ていると思う。今の大臣の答弁を聞いておりますと、どうもそういうふうにお考えになつているのではないかという考え方がするのでありますが、これでは、ほんとうの意味地方財政の充実もなければ、地方行政の発展性もあり得ない。どこまでも国がこれをある一定の基準に押えておくというやり方、しかもその基準は最低の線で押えるという行き方、私はこういう点について多少疑念を持つておりますが、もし私の言つたことが大臣のお考えと違うならば違うでよろしゆうございますが、その点をもう一度お伺いしておきたいと思います。
○西田国務大臣 お答えいたします。私の答弁がまずかつたかもしれませんが、私決してさようには考えておりません。地方財政を確立するという意味は、徳川幕府時代、明治憲法時代のように、地方から中央が搾取するという形をとつてはならない、むしろ地方から中央が脅やかされるというような考え方で、地方財政平衡交付金というものも考うべきである、かように考えておりますので、私の考え方は門司委員の考え方とあまり違つてはいない、かように私は考えております。
○門司委員 それから現在の問題でちよつとお聞きしておきたいと思いますが、それは、今西村君から聞かれましたので大体了承しておるのでありますが、地方の財政が非常に困つておるころいろ御相談を申し上げたのでありますが、何といいましても速急に手を打つていただく必要があるのであります。考えている、調査するというのでは実際間に合わぬのであります。きようは十五日でありまするからあと十五日しかございませんし、この間に地方の自治体の公務員諸君の期末手当というものが一応きまらなければなりません。それについては政府も非常に困難だと思いますが、見通しについて一応この機会に大臣から承つておきたいと思います。大臣のお考えになつておるような、国家公務員と大してかわらない処置がとり得るだけの財政処置については、政府は大体いつごろ言明ができるか、時期的の問題でありますが、いつごろこれが実施に移されるか、その点のお考えがもしありましたらお伺いしておきたい。
○西田国務大臣 大体のお話は、今財政部長から前の質問者にお答えした通りでございますが、その問題につきまして大蔵省側としてはいろいろ意見があるようであります。しかし過去の経過は、年末に際して給与が払えない、期末手当がやれないという都道府県が一つでもあつてはいけないということで、大蔵大臣に昨日も交渉いたしまして、大蔵大臣の方からも何とか善処をしようというお話を承つておりますので、ここ二、三日うちに結論が出るかいなかは私も確言はできませんけれども、できるだけ早くそういう都道府県の一つもないような措置をしたいと、自治庁職員を督励して今盛んに交渉さしておりますから、どうぞ御了承願います。
○門司委員 これは大臣ではなく後藤君に聞いておきたいと思います。これは財政に関係があるからあなたに聞いてはつきりしておくのだが、それは市町村職員の共済組合との関係であります。これは厚生年金との関係で、来年の一月一日で法律の切れ目ができるわけであります。そうすると厚生年余をもらうために今までかけておつつた諸君が、どうしても移りかわりをしなければならぬようなことになつて来る、その場合に大都市で特別の共済規程を持つているところは別でありますが、共済規定を持たないところになりますと、厚生年金と共済との切りかえの場合に非常に不利益、不合理ができ上ると思う。従つて今のうちに何とか手当をしておかなければ、来年の一月一日に発生する問題でありますので、どうにもならぬと思います。これについて何か自治庁でお考えになつておりまか。
○後藤説明員 私はその間の事情をよく知りませんので、さつそく帰つて相談して、あとで連絡申し上げたいと思います。
○西村(力)委員 この際本委員会の決議をいたしたい、かように思うので提案いたしたいと思います。事は地方公務員の年末手当に関する融資の善処方を、政府に要望する決議であります。 決議案を朗読いたします。 地方公務員の年末手当支給に関 する件 政府は去る十二月十一日の閣議において、公共企業体関係職員の年末手当を〇・二五ケ月増という措置を決定し、国家公務員についてもこれと均衡をみるよう処置がなされようとしている。しかるに、地方公務員については何等の措置を講ずることなく放置されたままにあり地方財政の窮乏から一部には既定の手当の支給すら困難な状況もある。 よつて政府は、早急につなぎ融資等の措置によつて、地方公務員に対する年末手当については、国家公務員並びに公共企業体関係職員との均衡を期するよう措置することを要望する。 右の決議案でございます。御賛成を願いたいと思います。
○小林委員長 ただいま西村力弥君から地方公務員の年末手当支給に関する件について、本委員会において決議をされたいとの動議でございますが、この動議につきまして御意見なり御質疑はございませんか。——ないようでありますからお諮りをいたします。西村君の動議のごとく地方公務員の年末手当支給に関する件について本委員会として決議するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。さように決定いたしました。なおただいまの決議の取扱い、字句の整理等は委員長に御一任を願いたいと思います。 —————————————
○小林委員長 それでは引続き警察に関する問題について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。門司亮君。
○門司委員 それでは警察関係について少し質問をしておきたいと思いますが、これは道路交通の関係でございます。御承知のように、二十九年の国会で道路交通に関しまする一つの法律として例の即決裁判の規定が設けられました。この即決裁判の規定を設けましたことは、主として道路交通の取締りに関する問題をその自的としたものであつたことには間違いがないのであります。従つてそれから来る今日の交通状態あるいはこれから及ぼして参ります実質上の問題等について二、三の点を御質問を申し上げたいと思うのでありますが、今現状を見ますと、即決裁判によつて物が早く片づけられて行くということ、これは一つの裁判の過程において不都合ではないと私は考えておりますが、しかしそのことのために現在これらのことを業といたしております運転手その他の者につきましても、実はいろいろな問題を引起しておるわけであります。その一つは即決の裁判自体が一方的に流れていはしないかという一つの物の考え方であります。なるほど事件が起つて裁判をするまでには時間がないわけではありません。即決の裁判といつても、何もこの場ですぐ裁判をするわけではないのでありまして、時日もございますし、裁判においては検察側からは証拠品を出して行く、また被告はこれに対する反証をあげることができる規定になつておりますが、しかしただ問題になりますのは、裁判においては証拠を出すといたしましても、どうもいたずらに運転手のみが悪い者であるというような物の考え方の上に立つた取締りが行われておるじやないかということが、実は考えられるわけであります。このことを私が特に申し上げますのは、年末年始に際しまして、時期的には特に流しの運転士等のごときは、かき入れ時だと申し上げてもさしつかえのない時期であります。従つて自然に競争が行われて来る、競争が行われて来れば、そこにはスピードの違反もありましようし、あるいはその他の違反事項も多くなつて参るという時期的には非常に重要な段階に来ておるわけであります。そのときにさつき申し上げましたような取扱いを受けて、そうしてどんどん即決裁判でやれるから、ひとつ検挙の件数をかせごうというような警察側の態度であるということになると、これは非常に迷惑するわけであります。そういう点について当局の取締りの方針が一体どうなつておるのか、その点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○山口説明員 交通事故の取締りあるいはそれに対する裁判によりまして、運転手のみに対して取調べ、あるいはその処置が一方的になつておるというような御質問でございますが、私どもといたしまして、取締りをいたします際に、もちろん交通事故につきましては、通つておる人その他いろいろな原因が重なりまして事故が起るのであります。その際に運転手のみが悪いというような見地から、取調べをいたすというようなことはできるだけないように努めております。また特に年末年始に際しまして、いろいろ交通事故がありますので、取締りを強化いたしておりますが、それも事故を起さないという見地からいたしておるのであります。この際事件をできるだけ多く送致するというような、事件検挙主義といいますか、そういうような気持は毛頭持つておらないのであります。いろいろ事故が起りますのを調べてみましても、運転手についての自動車の会社の労務管理の問題というようなことも相当多く含まれておると思うのであります。従いまして御質問がございましたような点につきましては、われわれといたしまして、できるだけ注意をいたしてやつておるつもりでございます。
○門司委員 このことは法律ができました趣旨、それから法律の内容等については、交通行政を完全にするということと、もう一つは、要するに被疑者となつておりまする運転手諸君をたびたび呼び出して、裁判できめるということになりますと、運転手にも非常に迷惑をかけることになる。そうして一つの事件が起つて、その事件が解決つくまでには、全国平均すると大体百日以上かかつておるというのが現状である。従つてそれでは運転手にも迷惑をかけるし、かたがた役所の方も非常に手数が多いので、できるだけこれを即決にして、一時間か二時間のうちにきまりをつけたい、これが法律の趣旨であります。法律自体の趣旨は一応わかるのであります。ところが先ほど申し上げておりますように、これが行き過ぎて参りますと、やはり何でもかでも即決できめられる。どうもそれは言い訳が違うのだがというようなことがあつても、それは裁判できめられる。しかし納得の行かないものは、これは本裁判に持ち込んでもさしつかえないと思いますが、なかなか運転手の立場ではそうは行かない。それから同時に、こういうことを当局がお考えになつておるかどうかということであります。運転手というのは、やはり時間的に働かなければならない性格を持つております関係から、たびたび警察に呼び出されるのはめんどうくさい。何も千円か二千円の罰金なら納めておいて、それだけ一時間かせげばかせげるのだ、こういうふうな観念が強いのであります。だからこういう裁判には容易に服するのであります。つべこべ言わないで罰金くらいなら即時納めて、すぐ働けるならそれでいいのだという観念があるのであります。従つて、この取締りの対象にするのも、やはりそういう点は十分に気をつけてもらつて、厳正にこれをしてもらいたい、こういうことであります。 それからもう一つ私どもが聞いておきたいと思いますことは、今の言葉にもありましたように、運転手の勤務状態であります。これについて当局はどの程度まで調査をされ、どの程度までこれは注意が与えられておるかということであります。私の手元に私が、この法律ではありません、ほかの法律をこしらえるときに、労働省に頼んで実態調査をしてもらつた調査表があるのであります。この調査表を見ますると、大体百八十五件に上る適用事業所を一応調査していただきましたものの中には、運転手の勤務時間というものが、二十一時間あるいは十何時間というようなばかばかしい勤務時間がたくさんあるわけであります。従つてこういう状態であつては、もちろん事故も非常に多いということが実は考えられるのでありますが、これらの労働政策について、警察側から何らか処置をされたことがございますか。
○山口説明員 運転者の勤務状況につきましては、ただいまお話のように、仕事の状況から見て非常に無理が来るような事例が相当あるのであります。私どもも交通事故をなくしますためには、単に警察として取締る、検挙をするだけで、問題が片づくとは思つておらないのであります。どうしても勤務条件といいますか、労働条件をよくしなければ事故は防ぎ得ない、こういうように考えておるのでありますが、これは警察という立場から、その改善をはかるというわけにも参らないのであります。この点は労働者の方に対しまして、私の方から再三いろいろの事実をお話いたしまして、また関係の会社その他の業者の方にもお話をしまして、できる限り勤務状態が改善されますように、絶えず努力はいたしておるのでございます。
○門司委員 どうも絶えず努力をしておるというだけでは一向わからぬのであります。 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、交通事故に対する取締りの基本的な方針でありますが、これを検挙主義に置かれておるのか、あるいは指導にその重点を置かれておるのか、このことを一つこの際聞いておきたいと思います。
○山口説明員 根本の方針は事故を防ぐ、あるいはまた事故が再び起らないようにするという見地からやつておるのであります。従つて検挙主義をとつておりません。送致いたします件数は、交通事故で警察が取調べましたもののごくわずかのパーセントで、これは五%以下が実績でございます。
○門司委員 警察の考え方の違うのはそこなんです。つかまえたけれども、送致するのが少いから現場は送致主義ではない、こう言つておりますが、問題はつかまえることにあるといつてもいい。それから同時にさつきのような、これを送つたとか、あるいは罰金にしたとかいうことも問題になりますが、私どもの直観で——われわれもしばしば見るのでありますが、どこかすみの方に隠れておつて、そうして出て来ると、それをつかまえるという行き方をしておるのが実はたくさんあります。大体これにみなひつかかつておる。私どもから考えると、もし指導しているというなら、警察の白く塗つた車か何かが、規定の速度で規定の方針と通りにあの中を歩いておつて、これについて来い、これが標準だということを示すことが私は指導だと思う。宮城の前へ行つてごらんなさい。たいがい隠れておつて、向うとこつちで合図をして、行つたらつかまえるというようなことでつかまえておる。これは運転手の方から言わせますと、あまりいい指導ではないので、これはやはり検挙第一主義のものの考え方である。だから交通事故が非常に多いということは、どんなに検挙して参りましても、原因は先ほどもお話のありましたように、運転手諸君の勤務状態が非常に大きな影響を実は持つておりますのと、それから道路の狭いところに輻湊する交通から片づけて行かなければ、この問題の解決はつかぬと思う。いずれにいたしましても、当局の取扱い自体というものが、やはりどうも検挙主義であつて、ものの考え方が少し間違つているのじやないか、もう少し親切に指導をして行くという形と、それから勤務の状態等については警察自身が——これは労働省の管轄であるから、労働省で取締るべきだというようなものの考え方でなくて、やはり警察自身もこれらについてほんとうの実態に即した指導をしてもらいたい。そうしない限りにおいては、この事件は絶えないと私は思う。はなはだしい例は、これはほんとうかうそかわかりませんが、警視庁の中には一箇月に十三回くらいの罰金を食つた運転手がいる、こう言つておるのです。そうすると一日おきぐらいにひつぱられておるというような状態になりますが、それでもスピード違反か何かでごく軽微な違反でありますから、免許証は取上げられなかつたかもしれませんが、しかしそういうことが現実の問題としてある。こういう問題についても、当局にもう少し親切な取締りといいますか、指導をこの際強く要求をしておきたい、そうして年末年始における交通量の非常に輻湊いたして参りまする場合に、運転手をしております者、いわゆるこれに従事いたしておりまする従業員があまり恐怖感にかられないように——これはよけいなことを申し上げるようでありますけれども、取締りを厳重にすればするほど、片一方はのがれるという気持が出て参りまして、そのことのための事故が私はかなり多いと思う。ですから、もう少し親身になつてこの辺の調整をしていただきたいということを考えておりますが、こういう点について当局はやはり今までのような方針でお進みになるのか。私がさつき申し上げましたようなことを加味された方針で、交通の取締り行政をやつていただけるのかどうか、その辺をひとつお尋ねしておきたい。
○山口説明員 ただいま門司委員からお話になりましたことについてはよく了承いたしました。ただ私先ほど申し上げましたのは、検挙主義、いわゆる罰すればよろしい、そういうつもりでやつておるのではないということを申し上げたのであります。やはり私どもとしましては、今日の交通の事故の状況から見まして、違反があればそれはとめて注意をする、この努力は今後も重ねて行かなければならないと思うのであります。もちろん事前にいろいろと運転する人たちと話合いまして、そういう間違いのないようにすることも必要でありますが、現にいろいろな違反があるのに、それをそのままにしておくというわけには私は参らないと思う。むしろそれはその場で注意をして改めていただくというようにやつて行きたいと思います。それから運転する人の勤務条件の改善等につきましては、私どもといたしまして今後もできるだけの力を尽して参りたいと考えております。
○西村(力)委員 去年でしたか、免許状切りかえを一年から三年に引上げるという問題のときに、警視庁側としてはやはり一年間ごとに検査しないとだめなんだ。すなわちあまり勤務が過労なために、反射神経が鈍つて簡単に言えば片輪のようなものだ、こういう話があつたのです。そのときも私たちはそういう状態に運転手の勤務状況を放置することでは、いくら交通事故を取締ろうとしてもだめなんで、警視庁側においても労働省側と十分連携をする必要があるのではないかということを申し上げたことを記憶しておるのです。そういう努力をぜひやつていただきたいと思う。何事につけて犯罪や何かの出る根源は、やはり矯正するという努力をいたされなければならないのじやないか。警察は検挙するだけでなく、予防ということも当然あるだろうし、仕事ができない、なくなつてしまえばけつこうだと思いますが、決して仕事は浜の真砂とどろぼうは何というようなぐあいになりはしないかと思うので、そういう努力をしてもらいたいと思う。ただ私ちよつと申上げたいのは、違反のときなどその場で罰金をとるということはできないものかと考えている。その場で罰金をもらつてありがとうというかつこうにできないものが、サンキユーとポケツトにぶち込んであとで出す。まさかイン・マイ・ポケツトするような悪質な警官はないと思う。そういう方法は得られないものか、一々呼び出されて行つたのでは商売にならぬので、一番困るのじやないか。これは大きい衝突でけがをしたとか、人を殺したという場合はいかぬでしようが、交通違反のときなどはそんなぐあいにやつていけないか。私の結論でも何でもない思いつきですが、お考えをお聞かせ願いたい。
○山口説明員 ただいま西村議員から御意見がございましたが、私どもといたしましてはそれは現在のわが国の憲法の制度、警察制度から申し上げまして避けた方がよろしいと考えております。というのは、それは一種の昔の警察署長が行いました即決処分の考え方に通ずるわけです。これは警察制度を占領中に改正しました際に、そういう裁判類似行為を警察官が行うということは、絶対にやめるというもとにやりました。それからいろな行政処分に以たようなものもできるだけ警察から切り放して、現在はそういうわけで警察としましてはまつたく純粋の立場から職務を行つているので、従つて警察署長の即決処分も廃止をいたしました今日、まして第一線の個々の警察官にそういう権限を与えるということは、ゆゆしき問題であると私は考えております。
○小林委員長 他に御発言はありませんか——御発言がなければ、次回の委員会については公報をもつて御報告することといたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時五分散会