人事委員会 第9号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/01/23
会議録
○受田委員長 これより人事委員会を開会いたします。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案起草の件を議題といたします。 当委員会におきましては、旧年より勤務地手当の支給区分について、勤務地手当制度の根本的検討とともに、現行支給区分の不均衡是正についても検討を進めつつあったのでありますが、昨年十月、川島前委員長在任中に一応当委員会の意見として是正の最終的な案を作成し、去る五月に行われた人事院勧告による改訂文と合せて当委員会の最終是正案として発表いたしたのであります。この委員会の研究の成果を内容といたしました給与法の一部改正案がお手元に配付してありますように、ただいまその案が提案せられております。この案につきましては各派の御協力を得まして、委員会提出の法律案としたいとの希望もありますので、この際本草案についてこれを委員会において成案とすること、またこれを委員会提出の法律案とすることなどについて、各派の忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。田嶋好文君。
○田嶋委員 実は私簡単に質問、希望を述べておきたいと思うのでございますが、今委員長がお述べになりました御趣旨によって審議が進められております当時、私は当委員会の委員でなかったのでございます。それといま一つは、御承知のように、今度提案されるであろうと考えられますところの別表という項は、非常に複雑にして膨大なものでございまして、考えようによりましては、幾ら人事を尽したといっても尽し切れない面を多分に包蔵している法案ではないかと私考えるのであります。それだけに、個々に当りますれば、個々的にいろいろ議員の意見も分れることでございましょう。従いましてこれを徹底的にかゆいところに手が届くというようなことでやりますことも、法案作成の上において技術的にどうかと思われるのであります。だからある面におきましてはしんぼうをしなければならぬ問題が、この法案にはたくさん包蔵されているような気がいたします。しかしその後実は前政府の方針によるところの町村合併等もだいぶ促進されまして、この法案を考えました当時と今日とは違った状況が出ておる、こう思うのであります。これらの点に対してまだ十分検討を加えられてないうらみがあるのではないかというような気がするのでございますが、この点今後この法案が成立の暁はいかように是正されるのか、これは附則として出ているようでございますが、この附則の趣旨をちょっと承わっておきたいと思います。
○受田委員長 この件につきましては安倍専門員より答弁をいたさせます。安倍専門員。
○安倍専門員 お答え申し上げます。多分お手元にいっておるだろうと思いますが、附則の一項、二項、三項ございますが、今田嶋委員の仰せになった事柄につきましては第二項に書いてございます。当委員会の草案は、すでに御承知の通りに衆参両院の是正案を骨子として作成したものでございますが、この附則は特にその当時の前文をこの附則に生かすという申し合せがございましなので、それに基いてその内容を指示して法制局にこの点を作っていただいたのでありますが、要するにわれわれのはそれを三十年一月一日現在の町名に変更し、その区域につきましてもその当時の趣旨を本年の一月一日現在の区域に限定して、その別表を定めたのでありますが、なお市町村合併等は続いておりますので、一月二日以降におきましてはこの市町村の廃置分合または境界変更等によりまして、今御審議をいただくところの内容が不適当であると考えられたときには、この別表七が改正されるまでは予算の範囲内において人事院が人事院規則をもって変更することができるという条項でございます。これによりましてあらためて国会におきましてその別表七を徹底的に調整するまでは、人事院の手によってその調整がなされることになるはずであります。
○田嶋委員 よくわかりました。そこでもう一つ問題になる点をお尋ねいたしておきますが、今のお答えによりますと、昭和三十年一月一日現在を基準にした、こう仰せられるのであります。この趣旨はよくわかります。しかしこの法案が審議された当時、川島委員長当時でございましょうが、これが問題になるのでありまして、その後別表の上では何々市と新しく制定された市が載っておるようでございますが、昭和三十年の一月一日を最終とし、川島委員長当時の決定された期間、この間に市になりまして、この別表に新市として載っておるところがある、こういうところは昭和三十年一月二日以降のものと検討して、同格の立場に立つようなものもあるのじゃないかというような気がするのですが、これはどういうような取扱いになるのでございましょうか。
○安倍専門員 十二月二十一日の懇談会の申し合せにおきましては、川島委員長当時でき上りました是正案の限界を一応守る。その後の市町村合併によって、技術的にどうも困難であるという点については、専門室の方で一応専門的な立場から一つの案を持ち込むことになり、これを御審議をいただくことになっておりましたが、なかなかそういう事情に参りませんので、そのままで通っておりますけれども、若干の点につきましては同一区画内におけるいろいろの不便から訂正されておるものもございます。しかし懇談会における起草の原則がそういうことでありましたので、われわれの方としてはなるべく手をつけない形になっております。今後この別表を国会の方でやるといたしますれば別でございますが、それがなされるまでは人事院規則によって、人事院の専門的な見解から予算の範囲内においてこれを調整するということになると思います。
○田嶋委員 私から意地悪く質問するわけではないのですが、それを前もって御了解願っておきたいのですが、私は当時委員でなかったから特にこの点を確かめておいて責任を果したいと思いますが、あなたのお答えによりましても一月一日以降にそうした問題が起る、こういうことになれば、その前にもやはり同じような問題が起ると思うのです。一月以降の分だけ取り上げますと、かえってはね返りが大きくなって問題が複雑になるような気がいたすのです。私この法案を見ますと、法案の書き方によっては、そうしたものまでいざこざなしに取り上げられるのではないか、あまり法案の書き方の幅が狭いのではないかというような気がいたします。何もいざこざを起さないように附則の改正ができるような気がいたしますが、もう少し附則について研究の余地はありませんか。一月以降ときめなければならないものですか。そうしたものも予算の範囲内において取扱うとなれば、何もいざこざなしに行くような気がいたしますが、どうですか。
○安倍専門員 お答え申し上げます。仰せのようなことは確かにございますが、この法文は、合併しないところの町村について人事院といえども手をつけられないかっこうになっております。市町村合併によりまして区域の変更が起った場合に、従来、たとえば四級地の中に新たにゼロ級地が入ってくれば一級地にするとか、あるいはその一級地がその後入ってくる一級地よりも当然格が上であると判定されたときには、それを二級地にして行くというようなことが起ってくるのであります。しかし今田嶋委員の仰せられる通りに、あれはたしか十一月の十七日に是正案があったと思いますが、その以後から今年の一月一日までのものは厳格に申しますと手のつかないようなかっこうになると思います。それにつきまして人事院の方で拡大解釈されて、その方面にも若干の修正、調整がなされないとすれば、これはやはり別表を今直すか、あるいは来るべき国会において新たに別表を改正するよりほかにないと思います。
○田嶋委員 一月一日以降の廃置分合、境界変更、こういうように区切らずに、その前であっても、廃置分合、境界変更等が起きて矛盾するときは、こういう法文に書きかえられるような気がするのですが、法文上不可能でしようか。
○安倍専門員 厳密にこの附則を適用すればその点はなかなか困難だと思いますが、専門員室においては草案作成の場合におきましてできるだけのことをやっております。やっておりますけれども、なおその御不満の点について委員長から、あまりたくさんやるとかえって混乱を招いて再びこれが成立しないようなおそれもあるからということでございましたので、われわれとしては十分慎重を期しておりましたが、この案について御不満あるいは客観的に不適当なものがあるとすれば、この法案を厳密に解釈すれば、以前にさかのぼることはできないと思いますが……。今法制局の方に伺うと、こういうふうに区切っている以上、以前にさかのぼることは困難であるということでございます。
○受田委員長 暫時休憩いたします。 午後二時八分休憩 ————◇————— 午後二時二十八分開議
○受田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 質疑を許します。田嶋君。
○田嶋委員 先ほど私はこの昭和三十年の一月二日以降の町村の廃置分合、境界変更、これのみでは矛盾するのじゃないか、不平不満がいたずらにつのるのではないか、こういうことを御質疑いたしたのでございますが、やはりそれは私の考えが正しいのじゃないかというような気がいたします。そこでなるたけ地域給の問題を、不平不満をなくして摩擦を少くする意味からいたしまして、昭和三十年の一月二日以後と区切らないで、その前におきましても、廃置分合、境界変更等があって他の地域との権衡を失するような場合は、法律ができるまで裁量を人事院にまかすということが適当ではないかというように考えるのであります。しかし今日の状況では、せっかく今まで委員諸君がこれを御審議下さってここまで参りましたものに対して、新しく選任されました私が特に自己の意見を強く主張いたしまして、この法律ができないということは、今まで御審議下さいました委員諸君に対しても、まことに相済まないような気がいたしますので、一応この附則の原案として出されたものに私は了承を与えたいと思います。しかし、私の気持は、どこまでも先ほど申し上げたところにあるのでございまして、これは何とかいい機会をとらえて是正していただきたい。幸いこの法律は「別に法律で定める日から施行する。」ということになっておるのでございまして、別に法律を定めることになっておりますので、そのとき等にこれを考慮して下さる機会もあるのじゃないかというようにも考えるのであります。これらの点に対して、最後に委員長から御答弁を願っておきたいと思います。
○受田委員長 ただいま田嶋君の申し出の件につきましては、施行期日を決定する法律を制定する際に、あわせ考慮することとして御了解を願いたいと思います。
○田嶋委員 強くそれを希望いたしまして、私は委員長のお説に従いたいと思います。(拍手)
○受田委員長 なお、意見の御開陳の続行をいたしたいと思います。櫻井奎夫君。
○櫻井委員 私は、社会党を代表しまして、ただいまここに提案されております一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の原案に賛成の意を表したいと思うのであります。時間が切迫しておりますので、簡単に申し上げさせていただきます。 この勤務地手当支給区分の改正につきましては、長い間の時日をかけて当人事委員会が研究して参ったわけでありますが、ここに一応の成案を得まして、この成案自身についても、ただいま田嶋さんの方から指摘があった通り、あるいはまだそのほかにも不備な点があると思うのでありますが、しかし、これは、一応両院の決定を見た草案を法律案として一日も早く実施することが緊急であるという考えのもとに、この原案を今回の委員会の案とすることに賛成を表するものであります。 なお、できるだけこれを本会議に上程して、これが法律として成立することを強く希望するものであります。(拍手)
○受田委員長 矢尾喜三郎君。
○矢尾委員 社会党を代表しまして、いろいろ意見がございますけれども、意見を省略いたしまして、全面的に賛成いたします。(拍手)
○受田委員長 以上で各派の意見の開陳も終りました。他に御発言はありませんか。——この際お諮りいたします。一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の草案を、当委員会の成案とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○受田委員長 御異議がなければ、委員会の成案とするに決しました。 次にただいま御決定いただきました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の成案を、当委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○受田委員長 御異議がなければ、当委員会提出の法律案とするに決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会