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21回国会衆議院1954/12/14

人事委員会 第1号

発言数
56
登壇者
10
会派数
3
開催日
1954/12/14

会議録

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 これより人事委員会を開会いたします。  議事に入ります前に、一言ごあいさつ申上げます。このたび不肖私が人事委員会の委員長の職を汚すことと相なりましたが、もともと不敏不徳でありまして、皆様の御懇切な御指導と御鞭撻がなければその任を全うし得ないと思います。どうぞ大過なくこの重任を果すことができまするように、格段の御支援をお願い申し上げます。(拍手)  理事の補欠選任についてお諮りいたします。当委員会の理事は現在三名欠員となつておりますが、この補欠選任につきましては、先例により委員長において御指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 御異議なければ次の三君を理事に御指名いたします。    田嶋 好文君  櫻井 奎夫君    池田 禎治君     —————————————

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。本件につきましては前回通りとし、調査する事項は公務員の給与に関する事項として、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 御異議なければさよう決しました。     —————————————

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 次に公務員の給与に関する件を議題として、調査を進めます。去る六日、期末手当の実質的増額について当委員会の決議として、当時の内閣官房長官等に決議文を送付いたしておつたのでありますが、新内閣におきましても、本問題については十分御検討のことと存じますので、この際政府より新内閣の態度について御説明願いたいと存じます。ただいま官房長官の御出席がありましたので、根本官房長官の御発言を願います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 まずごあいさつ申し上げます。このたび鳩山内閣が成立いたしまして、はからずも不肖私が官房長官に任命せられました。はなはだ不徳菲才でございますので、皆様方の特別なる御指導、御援助によりまして、職責を全うしたいと存じます。よろしくお願いいたします。(拍手)  官公労の期末手当の問題につきましては、実は先ほども、両派社会党の幹部の方々あるいは官公労の代表の方々とお会いいたしまして、その窮状並びに実情ついていろいろとお話を承り、また御要求も承つて参つたのでございます。  もとより現在の状況下におきましては、一般の経済的不安の状況もございまして、年末を控えまして官公労の方々の生活がまことに同情に値する状況にあるということは、われわれも認めておる次第でございます。つきましては、政府もでき得るだけの措置を講じまして、この労働者の方々の御要望に沿いたいと存じておるのでありますが、御承知のように、すでに二十九年度の補正予算編成にあたりまして、各省の経費の大部分が打切られまして、それを財源として措置されておる関係上、従前に比べて非常に困難な状況にあるように存じます。なおまた補正予算を組む余裕は、現在財源的にもまた時間的にもない、こういう条件下においてこれをなさなければなりませんので、従いましてそこでは非常に困難な問題はございますけれども、実情にかんがみまして、政府はこれに対する積極的なる、しかも好意ある措置をとりたい、かような意味からいたしまして、組閣直後の初閣議におきましても、実はこの問題を提起いたしまして、ただちに閣僚懇談会を開きまして、労働大臣を中心として、いろいろとこの問題について検討を加え、具体的の措置について今話を進めておる状況でございます。なお本日の閣議におきましては、問題の重要性にかんがみまして、給与担当の国務大臣をきめまして、労働対策という一般的な問題から離れて、特に官公吏の給与問題を専門に担当するところの国務大臣の指名を見たわけでございまして、三好国務大臣が給与担当の大臣に指定せられたわけでございます。一応そこにおきまして、政府の決意と申しますか、気持を表明いたしまして、これから具体的な措置に移りたいと存じておる次第でございます。私もでき得るだけ努力いたしまして、閣僚の方々と十分に連絡協調するとともに、皆さんの御意思を閣議並びに関係の大臣の各位に努めて積極的に伝達して、この問題の円満な解決をはかりたいと存ずる次第でございます。  簡単でございまするが、一言ごあいさつ申し上げます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 ただいま根本官房長官の御所見が開陳されたのでありますが、これに対して質疑はありませんか。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 ただいま根本官房長官から公務員の給与の問題、特に差迫つております年末手当の問題について政府の考えを述べて、政府といたしましては、この問題に関しまして、きわめて積極的、かつ好意ある措置を講じて行きたいという御所見が開陳されたわけでございまして、私どもも労働者の年末手当、期末手当というものには非常な関心を持つておりまして、新しくできました鳩山内閣が特に生活の困窮している労働者ら期末手当に対して、どのような態度をとるかということは、やはりこの内閣の一つの労働政策と申しますか、これの大きなバロメーターになる。そういう意味から今回の期末手当、年末手当に対する鳩山内閣の措置に対しては、国民は非常な関心を持つて見守つておると思うのであります。今の長官のお話によりますと、今までの吉田内閣と違いまして、できるだけこの要望に沿いたいというような御意見を承りまして、はなはだ意を強くするものでございますが、特に私がここで長官に御質問申し上げたいのは、政府は十一日の閣療懇談会でございますか、これにおきましてあのいわゆる団体交渉権を持つております三公社五現業の諸君の期末手当については、一・二五というようなものを下まわらないように支出したい。なおアルファについては各企業内における団体交渉によつてこれを進めることを認めたというようなことが、一部報道されておつたわけでございますが、この点はそのように解釈してよろしゆうございますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 私は実はその閣僚懇談会に出席しておりませんので詳細は存じませんが、本日の閣議において千葉労働大臣から報告されたところによりますと、若干違つておるようでございます。それは法律上一箇月分になつておりますが、あとは御承知のように団体交渉によつてこれは全体としてきまることになるわけであります。しかるところこのあとの一箇月分以上の問題につきましては、あるいは業績手当でございますか、そういうもので従来やつておるその建前からいたしますれば、昨年に比しまして本年は鉄道収入が非常に減収しておる。また専売の方も特にピースの売行きが非常に悪くて相当減収しておる。そういう観点から実はあの法の解釈だけでは、実際上一・二五まで行くことが非常に困難である。理論的計算で行くとできないのであります。しかしそういうような四角四面の考え方ではいけない。そこでせめて一・二五程度までは何とかしてこれはくめんしてやらなければならないのではないか。こういうふうな意味の申合せであつたということでございます。従いまして今御質問のように一・二五は政府が保障する。それ以上のことは団体交渉でアルフアーをとるようにせよ、こういうような説明ではなかつたのでございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 実は衆議院の労働委員会で満場一致決定いたしたことにつきましては、公共企業体等に従事する職員の期末手当については、ほぼ昨年と同額を支給するということが労働委員会としては決定されまして、これが政府に申入れがあつたと思うのですが、この労働委員会の決定については、政府はどのように考えておられますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 国会は国の最高機関でございまして、最も権威ある国家機関でありますから、従つて国会の議決を尊重することは政府の当然の政治的にも、道義的にも義務であると存じます。しかし財政上、それから現実の経理面において、あるいは資金上その御要望をそのままやり得るかどうかは、これはやはり経済上の諸般の問題を勘案してなさなければならないと存じます。従いましてこの問題は具体的にはもう少し検討しなければ的確なる答弁がいたしかねますので、はなはだ抽象的で相済みませんが、そのように考えてこれに努力をいたす。その意味におきまして先ほど申し上げましたように閣僚懇談会も継続して行くほか、特に給与担当の大臣を指名した、こういう状況でございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 現在団交も開始されたばかりで、交渉の初めの段階でございますので、ここで長官からはつきりした数字的の御回答が困難である状況はよくわかるのであります。従つて私はそのような数字的なことはここで追及いたそうとは思いませんけれども、労働委員会が決定した内容と申しますか、昨年とほぼ同様ということは、御承知の通り昨年はやはり法的措置一箇月分であつて、それをいわゆる一・二五にいたしまして、その上に各企業内におけるプラス・アルファーをやつた。労働委員会の趣旨はおそらくそこにあるのであつて、その公共企業体の職員に対してはやはり政府として一・二五を保障して、そのあとは団体交渉にゆだねる。こういう考えがこの決議の内容だと思うのでありますので、政府といたしましては、先ほど長官がお答えになつた通り、この国会の決議を十分に御尊重なさつて、ぜひともそのような措置を講ぜられるように、私どもこの人事委員会としても強く要望する次第であります。特にそのような事態が生じて参りました場合に、ぜひとも同じ公務員の中における現業と非現業、いわゆる団体交渉権を持たないところの一般職の職員との間に、期末手当についての不均衡が生じないように、このことは実は六日の人事委員会の決議にもそういう意味合いが含まれておるのでありますが、一応法的にこの現業の職員が一であり、非現業が一・二五というようになつておるのは、そこにそれだけの含みがある。いろいろな点がございます。向うがベースが高いという点もございますし、公共企業体という特殊な性質もございますので、向うを一とし一般職を一・二五とすることで、ちようど均衡がとれるという判定のもとに、そういう法的措置がなされておりますから、一般職の公務員に対する措置について、両者の間に不均衡が起きないような十分な措置を、特にこの際政府としても考慮していただきたい、こういうことを御要望申し上げる次第でございますが、いわゆる公共企業体の職員と、一般の国家公務員及び地方公務員との取扱いについて、現在の段階で、どのように長官は考えておられるか、その御所見をお伺いしたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 お答え申し上げます。御指摘の趣旨はよくわかりまするが、非現業の官公庁に勤めておる方々の期末手当の問題は、事実上非常にむずかしい問題のようでございます。先ほども申し上げましたように、従来でありますれば、法的にはいろいろ問題がございましよう、あるいは会計法上いろいろ問題はありましようけれども、各省においてなし得る一つの余裕があつたようでありまするが、本年はまつたくからざいふを与えられており、しかも予算補正ができない現状にある、こういう状況でございます。御指摘のように、法の建前としますれば、一・二五と一箇月、これが一つの均衡の立場にある、これはわれわれもよく承知いたしております。ただこれを現実に措置するということになりますと、法律と予算との関係において、どうその点を調整というか、うまく運用するかという問題になりまして、これは官房長官としてお答えする権限外に属しまするので、よく御趣旨のほどを関係各省大臣に申し上げまして善処方を——皆さんの強い要望であるということでお伝え申し上げるという点において、御了解のほどをお願いいたしたいと存ずる次第であります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 加賀田君。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 非常に含みのある御答弁でありましたけれども、今月の六日、先刻もお話申し上げた通り、吉田内閣もすでにあと余すところ命のない時期でありまして、自由党が与党であつたのでありますけれども、全会一致で人事委員会が一・二五プラス・アルフアーをつけるべきであるという決議をなしたわけです。しかも現在与党となつている民主党から提案の説明がありまして、これを了承したわけであります。当時は野党であつたわけですが、与党であろうと野党であろうと、やはりその趣旨に対しては同じだと思います。従つて今度の一・二五にプラス・アルフアーすべきであるという各党一致の決議に基いて、当時民主党は野党でありましたけれども、与党という立場に立つて今日政府を担当しているのですから、今なお政府として六日の決議と同じ趣旨でやる考えでいるかどうかということをお尋ねしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 政党責任政治の立場において御指摘の通りだと存じます。しかしただいま申し上げたように、実は破産したあとを受けたわけでございまして、すつかり使い尽してやめられて、そうして現金を出せとか言われてもなかなか困難でございます。現内閣は御承知のようにいろいろ政治上の状況がありまして、いわば解散を直前に控えておる。その前においては補正予算をつくるべきでないということを、皆さんから指摘されているような状況でありまして、現実にまたそれは不可能でございましよう。こういう過程においてやるわけでございますから、民主党が野党時代において意思表示をしたということを、与党になつたがゆえにすつかり態度をかえて、それはおれは知らなかつたというようなことは考えておりません。但し、現実に与えられている国家財政の立場からするならば、そのままその通りいたしますということが言い得ない事実上の問題がございますので、その点のことは御同情をもつて御理解していただかなければならぬのではないかと考えている次第であります。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 この公務員の期末手当については、一昨年も昨年も、実は超過勤務の前払いという名目のもとに、実質的に増額を考慮していたのです。労働者に対して特に冷たい吉田内閣でさえ、そういうような方法を講じて、実質的な一・二五プラス・アルファーの期末手当の支給をされておつたので、今度も今申し上げましたように予算措置をしろ、あるいは法的措置をしろと言われれば、時間的問題で非常に困難があると思います。従つて一昨年並びに昨年と同様な方法で、各省が自由にやれということではやりにくい点があるので、政府がそういう措置を講じて善処することを了解するというような閣議の決定、あるいは政府の態度を明らかにしていただければ、各省としては超勤の前払いという形で、実質的に一・二五プラス・アルフアーということが実施されるではないか。これは前例としてすでになされているので、政府としてそういうような態度、用意があるかどうかをお尋ねしておきたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 御指摘のように、昨年以前においてもやはり実施上そういう措置をとつているようでございまするが、しかし閣議でそういうことをきめるということは——いやしくも法治国家であつて、明確に会計法その他の違反になるというおそれのあることを閣議決定するということは、これは行政の府としてなしがたいことだと存ずるのであります。従いまして、いずれの内閣においても事実上はそういう運用の妙を発揮しておつたでありましようけれども、閣議決定でこれをやるということを申し上げることは、行政府の立場としては言いかねることだと存じます。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 むしろ閣議で明確に決定して、各省にそういう通達をされると、各省としては非常に心強くそれを実施されると思うのです。もしそれが不可能であるとすれば、各省が自由に超勤の先払いをやると、政府はそういうことは知らない、お前たちはなぜそういうことをやつたかと言われる危惧が相当あると思うのです。それで政府としてこの際態度を明確にされることが必要ではないかと思うのです。政府さえそういう方法で支給することを了承してくれれば、各省としても超勤の先払いという形で、実質的にできるではないかと思う。もし閣議で決定するという明確な線が不可能であるとすれば、政府としては何らかの形において意思表示をすべきではないかと思う。その点他の方法によつてでも、その意思表示をする考えがあるかないかをお尋ねしたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 先ほど申し上げましたように、私は内閣の全責任者ではございません。政府は、特に給与の問題については非常に重要性を考えまして、そのために先ほど御報告申し上げたように給与担当の閣僚を置いたわけでございます。この給与担当の閣僚を中心といたしまして、そうした措置をどういうふうに講ずるかを十分協議の上、これはお答え申し上げなければならぬ問題だと存じます。従いまして、ただいま御指摘になつたような要望の点を、政府の担当者に十分にお伝え申し上げまして、そうして私からも善処をいたすべきものであるという意見を付して伝達したい、かように考えております。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 昨年の暮れには、閣議としてそういう方法にして増額すべきだという決定はなかつたにしても、大体そういう超勤の先払いをすることは了承するという形で、ほとんど決定的な態度をとつておつたと思います。今の官房長官のように、政府の責任者として言明することはできないということも、組閣日の浅いときで、もつともだと思いますが、しかし今の話では、官房長官からは、公務員並びに政府関係職員の期末手当に対しては、非常に善処するような言辞があつたわけで、私たちも了解するわけです。そういう立場では、閣議その他の政府機関において、各省の意思に基いて期末手当の増額を、昨年一昨年とつたような方法においてでも実施するように、やはり努力するというようなことは、本人事委員会で明確に、官房長官個人としても言明できるのじやないかと思いますが、その点努力するということに対しての言明をできるかどうかを質問いたしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 どういう具体的な方法によつて努力するということは、今これは担当大臣もでき、またいろいろの関係閣僚も考慮していることでありましようから申し上げられませんけれども、御趣旨を体しまして、何らかの方法で、そういう目的が達成されるように努力するということは、私は明確に申し上げることができるわけであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 委員長からちよつと委員各位に申し上げ、御了解願つておきたいのでありますが、ただいま根本官房長官の言われたように、給与担当大臣を三好英之君に委嘱されたということでありますので、三好国務大臣に急遽この委員会に出席するようただいま要請して、約十数分後には当委員会に出席されるそうであります。  それでこの機会に根本官房長官にお確かめ申し上げておきたいのでありますが、去る十二月六日人事院総裁浅井清君から、国務大臣加藤鐐五郎君にあてて、国家公務員の年末手当の増額に関しては、職員組合から当院にしばしば陳情があつたところであるが、もし三公社五現業の職員の年末手当についてその増額を考慮されるときは、一般職の国家公務員についても、これらの職員が団体交渉権を認められていないことにかんがみ、三公社五現業の職員との均衡を十分に考慮し、不利益にならないよう格段の御配慮をお願いしますという要望書が提出されております。この要望書が新内閣に、確かに事務引継ぎされておるかどうか、根本官房長官より御答弁願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 官房長官には引継がれてございません。昨日でございましたか、前官房長官の福永君がおいでになりまして、いろいろお話がありましたけれども、そういう点はございません。あるいはまたそれが労働大臣に引継がれたものかどうかも存じませんので、取調べの上回答をいたしたいと存ずる次第でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 はなはだ不可解なる御答弁でありますが、この要望の事務引継ぎがなされておらないとするならば、これははなはだ人事院軽視の実態を暴露したものだと思うのであります。人事院総裁としてこうした要望をする以上は、相当の根拠を持つて要望書が提出されたものと思うのでありますが、現政府においては人事院の意思を十分尊重する用意を持つておるのかどうか、この点について御答弁を願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 ただいまおしかりを受けたようでありますが官房長官、から官房長官に引継がれていないという事実だけは明らかでございます。  次に、人事院の総裁からの要望を政府として尊重するかということでありますが、特に現在の官公労の特殊な立場からして、そういう立場を保護するために涙によつてできた機関でございますので、その勧告を尊重することは当然だと考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 森君。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は先刻根本官房長官に総理大臣官邸で要請をいたしましたが、そのとき根本長官の御答弁の中に、鳩山総理は非常に人情味の厚い人だと、あたかも吉田前総理は非人情だというような含みのあるお言葉があつたのですが、私も長官のその言葉は非常に意味深長であると拝聴したわけであります。しかりとするならば——昨年におきましても、官公労の諸君の要請にこたえて、先ほども加賀田委員から質疑がなされましたように、一・二五というものは絶対に確保し、なおかつプラス・アルフアーというものも実現しておるわけであります。私は官房長官が非常に御多忙であることも知つております。しかるがゆえに給与の担当大臣を設定されたということも、私は非常に適切な措置だと思うのであります。本国会は十五日から自然休会になるのだというようなことも新聞なんかに書かれておりますけれども、しかしこの差迫つた現下の一般公務員の窮状をわれわれが思うとき、自然休会というようななまやさしい国会の運営に対しては、とうてい黙過できない。やはりこうした公務員の窮状を解決して、われわれ国会の責任を果さなければならぬと考えております。従いましてこの問題が解決しなければ、これを解決するまで、あしたもあさつても人事委員会を開会しまして、やはりわれわれの責任も果し、また政府に対しても責任を果していただきたい、かように考えております。そのような観点に立つて、官房長官はこの国会の運営とにらみ合せまして、ひとつこの際責任ある所信を披瀝していただきたいと思うのであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 先ほど森さんから、私が会見の席上、鳩山総理は非常に人情味のある方であるということを言つたと言われたが、そう言つたのは事実でありますが、その反対に吉田さんは非常に非人情だということは申しておりません。これは言わなくても、皆さん方おのずからわかることであります。速記に残ることでありますので、明確にいたしておきたいと思いますが、私は他人を誹謗いたしたくないのであります。これは、私はそう言つていないということを申し上げておきます。  次に、現在官公労の期末手当を緊急に措置しなければならないということは、まつたく同感でございます。その意味においてこそ、先ほど繰返して申しましたが、組閣の直後において、この問題の処理のために閣僚懇談会を開いて、数次にわたつて検討を進めておるわけでございます。なおまた先ほど申し上げたように、本日は特に労働問題ということから、特殊なる官公労の立場を考えまして、給与担当の閣僚に三好大臣を指定していただいた、こういう状況でございます。この状況から見ましても、政府が善意とさらに積極的な態度をつもて、この問題をすみやかに解決する態度であるということは御了承願えると思う次第でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 諸君に申し上げますが、根本官房長官は議運の方に出席を求められております。ただいま三好給与担当国務大臣が出席されたのでありますが、なお根本長官に対して御質疑のある方があれば、ごく限られた時間内でこれを許します。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 長官は非常に御多忙で、時間がちようだいできないので、私簡単に質問申し上げたいのでございますが、公務員の期末手当についての御決意のほどはよくわかりました。今後一段の長官の御尽力をお願いするわけでございますが、特に昨年度においても、一昨年度におきましても、大きな問題として取残されたのは地方公務員の問題でございます。これは御承知の通り国においてこういう決定をいたしましても、やはり非常に窮迫した今の地方自治体の財政状況では、必ずしも国家公務員に右へならえというような答えが出て来ないわけであります。従つて国家公務員と地方公務員の中に著しい不均衡が生じて、これが例年非常な問題になつておるわけでありますが、今までの吉田内閣の時代において、このような不均衡が放置されて来た。しかし新しい鳩山内閣になりましては、このような国家公務員と地方公務員の間に従来生じたところの不均衡を、そのまま放置しておかれるつもりであるか、あるいはこれに対して何らかの措置を講じたいというふうに考えておられるか。これは大きな問題でありますので、こまかい点は時間の関係上差控えますが、その基本的な考え方を一応お伺いしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○根本説明員 次の建前におきましては、御承知のように地方は自治体でございます。従いまして政府がこういうふうな処置をとつたからこれをやれというような指令は、もとよりいたすこともできないし、また地方庁におきましてもおのおのその財政上の観点において、いろいろ判定することでございましよう。しかしながらこれは一つの表向きでございまして、実質上はやはり同じレベルに達してやりたいということも、これまた地方庁の考え方であろうと存じます。しかしそのために今財政上の措置をとるということは、実質上困難であります。不可能と申してもいい状況であろうと思います。そこで先ほども実は全国の知事会の代表の諸君が三人参りまして、こういうふうな窮迫した状況にある、しかもなお現在におきましても総額にして数百億に達するところの赤字を持つておる、期末手当の問題を別にしてすら現在分割支払い、あるいは俸給支払い停止というような窮状にあるために、この問題は非常に重大である、地方財政の根本的再建整備については別途に考えるけれども、この当面した問題を解決するために、財政、資金を一時融資するというような措置を講ずるように大蔵当局に望んでおるが、これに対して官房長官としてできるだけ協力するようにとの申出がありました。これはその金額その他については大蔵省の査定あるいは自治庁において合理的な線が出て来ると思いますが、そうした措置は講じなければならない、政府もまたこれに対して善処しなければならない、かように考えておる次第でございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 大体長官の御意思はわかりましたが、特にこの補正予算を決定する場合に、附帯事項として、自治体に対する年末融資の問題が決議されておるわけであります。そういう点を政府は十分考慮いただきまして、資金運用部資金なり、あるいは簡易保険金なりの運用によつて地方の逼迫した財政、特に今の場合は公務員の給与という問題が一番重点的になつて来るわけでございますが、この点に対しまして十分考慮していただいて、国家が使つているのだから、地方が使つているのだからというような考え方でなくして、同じ公務員、同じ勤労者という面から、政府はできるだけ不平等のないように、不均衡のないような処置をとつていただくことを御要望申し上げる次第でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 ただいま給与担当の三好国務大臣が出席せられておりますので、三好国務大臣より御所見を伺いたいと思います。

三好英之日本民主党北海道開発庁長官

○三好国務大臣 私三好でございます。今日閣議で給与担当を命ぜられまして、初めてかような職務を担当するわけでございます。まことにしろうとでございますが、しかし給与そのものはいずれの面から見ましても、政治経済あらゆる面から見て、非常に重大なことであことは申し上げるまでもありませんので、私も一生懸命研究いたしまして、皆様の教えを得て、国家公務員二百幾十万のために、ともどもに大いに勉強したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 なおこの委員会に人事院滝本給与局長、大蔵省岸本給与課長もそれぞれ出席しておられますので、三好国務大臣とあわせ関連して御質疑を許したいと思います。池田君。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 もうすでにしばしば労働組合なり、またわれわれ社会党からも担当の国務大臣に要望いたしておりますが、きようは実は閣議のあとで根本官房長官にもお目にかかつて、そうして政府の立場も、予算上の処置を伴つておらないということも承つておりますし、十分承知いたしております。ただ慣例や従来の予算のわく内における操作においてできるだけの努力をして、この窮迫しておる年末の公務員に対する諸手当というものをやつてもらいたい。先ほど森委員からも申しましたように、労働者に対しましては比較的冷淡であつた吉田内閣のもとでもしたことが多々あるのです。そこで今問題になつておる地方公務員に対します財政上の処置あるいはまた〇・二五に対するアルファーの問題というものについても、熱心に御努力願わなければなりませんが、政府は大体どういう構想のもとに——たとえばここ数日間のうちに何らかの日韓をつける用意があるか、またそれについてどういうふうにすればよいというようなお考えがありましたならばお漏らし願いたい。御承知のように、公務員の年末給与闘争というものも、この年末になりましてさらに熾烈を加えるような状態を見ましたことは、私どもとしてもまことに遺憾に思つております。また年末を控え、こういうことから一般国民に与えるトラブルをできるだけなくしたいというような考えであります。労働組合の諸君も成立早々の内閣であるというので非常に慎重な態度をもつて、しかも紳士的な態度をもつて臨んでおるということは、本日の会党で官房長官が明らかに示されておることでありますので、こういう趣旨をどういうふうに生かしていただけるか、こういう点で三好大臣から御所信のほどが伺えましたならば、伺いたいと思うのであります。

三好英之日本民主党北海道開発庁長官

○三好国務大臣 池田さんの今お話のように、先ほども労働関係の方とお目にかかりまして非常に誠意のこもつたお話を伺つたというので、官房長官も閣議でそれを報告いたしておりました。われわれもそれを聞いて公務員関係あるいは現業関係、政府と直接間接仕事の関係のある労働者の諸君がさようにお互いに誠意を披瀝して、国家の要務に尽したいという気持にお互いになるということは、まことに喜ばしいことでございますので、政府といたし、またさようなことを担当しておる者の方面からいたしましても、誠意を披瀝して、全般から見て公正な判断のものにすみやかに解決しなければならぬ、かような考えを持つておるのでございます。その具体的な案といたしましては、先般から経済閣僚が集まりまして、いろいろ意見を闘わし、また寄り寄り相談をいたしておりますが、しかしこれはおのおの立場々々によつての意見及び関係等がありますから、さらに研究を続けて、しかも一日もすみやかに解決したい。今池田さんのお話のように、年末を控えてかようなことのためいにささかでも混乱を起しますことは、日本経済復興のために、非常に損であるということは申し上げるまでもありませんから、一日も早く解決したい、かような考えを持つて善処いたしたいと考えております。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 たいへんありがたいことだと思つております。ただ私どもが懸念いたしますことは、大蔵大臣は地方公務員などに対する措置としては、非常に困難であるということを申されておるやに私どもは聞いておるのであります。しかしそれではまことにわれわれの要望することとは縁遠いものでありますので、そういう点からぜひひとつ閣議で御主張なさつていただきたい。また本院がなし得るところのものは、もし何らかのそういう給与体系の改訂のお力になるならば、衆議院といたしましてわれわれの決定をさらに敷衍して、内閣としてもやりいいような、大蔵大臣をしてそういう財政的な措置を伴わしめるような方法がありますならば、私ども喜んで協力いたしたいと思つております。今日の場合闘争するというのではなくて、いかにしてこの状態を平和裡に解決するかということを願つておる次第であります。従いまして私どもも本委員会を明日でも明後日でも連日開いてでも政府の出方を注視し、かつまた政府のとられる措置について、われわれとしてぜひひとつこの委員会を通じて、国民の前にこの事態の解決をはかりたい、こういうふうに思つております。どうかひとつその点はくれぐれも担当大臣としても御努力をお願いいたしたいと思います。

三好英之日本民主党北海道開発庁長官

○三好国務大臣 ただいまの池田さんのお話はしごくごもつともと考えますし、地方公務員との関係は先ほど来いろいろ官房長官との間にもお話がありましたように、まことに今日の状態で放置しておくということは、困つたものだと私どもも考えております。これには幾多の原因があろうと考えておりますが、大きな原因を尋ねれば、一体日本の地方行政制度が、このままでいいのかどうかということとも開通して来るだろうと思います。しかしこれは将来のことでありまして、地方公務員の多少不公正な給与関係をどうするかということが、目前に差迫つておるのであるから、これはお話のようにきようは官房長官に要求あつたようですが、何とか差繰りをしてでも融資の道を講じてでも、何とか方法がないものかということを研究したいと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は地域給のことについてお尋ねしたいと思うのですが、三好大臣も御就任早々で、そこまで御検討をなさつておるかどうかわかりませんが、去る五月に人事院から地域給の勧告が国会並びに政府にありまして、われわれはそれを基準にいたしまして全国の各市町村の地域給の是正を行いまして、去る十一月に大体衆参両院の合致した委員がまとまりまして、ここにその是正が行われたわけであります。これがまだ法律案になつておらないわけであります。私どもはやはり絵に描いたもちでなく、実際に衆参の意思が公務員諸君に実際上の恩典が行われるように、一日も早くこれを法律案にし、かつその予算の裏づけをしたい、かように考えておりましたが、政局に非常に変化があつたために、遂にまだその目的を達しておらないのでありますが、これも私どもの年来の希望でありまして、ぜひとも来国会にはこの予算の裏づけをしたい。その前提として私どもが非常に心血を注いで行いました地域給是正の結論を、法律案にして出したいと考えております。政府が法律案を提出してくださるならば、これは一番われわれが望んでやまないところでありますが、これにつきまして担当大臣がいかようなる御所見を持つておられるかお尋ねしたいと思います。

三好英之日本民主党北海道開発庁長官

○三好国務大臣 まだ私は就任早々で今お話のようなわけで、私も確かな研究はいたしておりませんが、しかし地域給の問題は私個人から申し上げますと、まだ幾多の疑問があるように思うので、この間衆議院、参議院できまりましたあの程度で、地域給の扱いは一体完全と言えるかどうかということについても、多少疑問を持つている一人であります。従つて今お話のようなことはいま少しく時間をお与えくださつて研究いたしました上で、御相談申し上げたいと存じますから御了承願います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 三好大臣も御就任早々で、具体的な御所見も御発表になられる段階ではないと思うのでありますが、これは相当時間が経過しているわけであるのであります。本来ならばことしの五月に勧告がありまして、できるならば第十九国会においてこれが是正並びにその予算の裏づけをしまして、第二十国会の補正予算の中にこの予算をわれわれは実現したい、かように思つておりました。ところがいろいろな政治上の変化によりましてそれが達成できなかつたことを、まことに遺憾に存じております。これは何もわれわれ社会党ばかりでなく、そこにおられる民主党の山口君、永田君、赤城君——赤城君は従来地域給の小委員長でありまして非常に努力なさつてまとめて、当時川島正次郎君が委員長でありまして、川島君も非常にこの問題については御尽力なさいまして、特に川島君は当時委員長として、その予算の獲得については自分は責任を持つてやろうというような実は言明もなさつておつたわけであります。といつて私は川島君一人の責任に転嫁しようと考えておりませんが、非常に川島君にお骨折り願つたということを皆さん方に申し上げたわけでありますが、あるいは川島君でも大臣になつていてくれたら好都合であるかもしれませんが、その点は非常に残念に思うのでありますが、つきましては私どもとしてもどうしても本国会において、予算の裏づけの見通しをつけるための法律案をつくりたい、政府に対してどうしても政府案として法律案を提出してもらいたいと思つておりますが、緊急の場合でできないとするならば、われわれは当委員会において議員提出の法律案として法案を成立させることを、実は考えているわけなのであります。これはおそらくそこにおられる民主党の山口君、永田君にも御賛成いただけるだろうと思うし、また自由党の諸君にも大体御同調いただけるのではなかろうかと、かようにも思つているのでありまして、もし政府が法律案として提出する時期をこの正月の休会に入る前に、そうした提案をなさらないならば、われわれは当人事委員会の権威において出さなければならない責任があるわけなのです。非常に全国の国家公務員並びに地方公務員は地域給の予算化することを期待しております。またそうしなければ、われわれとしても単に長い間かかりまして審議した実績があがらないわけでありますから、この点はとくと三好大臣に御考慮をお願いして、政府が法律案として提出すべきであるというお考えをぜひ持つていただきたいと同時に、その予算の裏づけ等に対しましても、十分お考えを願いたいと思うのであります。ただいまの御答弁によりまして、今この実現方について三好大臣の今後の御努力をお願いするよりしかたないという印象を受けましたので、三好大臣にはこの程度にいたしますが、私はそういう希望を述べておきます。  続きまして、私は大蔵省の給与局長にお尋ねしたいと思うのです。給与局長には、この地域給の問題につきましても、ときどき当人事委員会に御出席を願いまして、御所見等も承つたことがあるのでありますが、大体この地域給のわれわれの審議についても、局長は知つておられると思うのです。しかも人事院が勧告いたしましたその勧告の内容を、われわれがもう何回となく委員会を開きこれが是正をいたしまして、その結果人事院提出の内容よりは拡張といいますか、範囲が広げられたといいますか、相当大幅なものになりました。従いまして当初の人事院の勧告によるところの予算より相当増大いたしまして、大体百五十億——現在の衆参のまとまりました是正では、百五十億程度の予算を必要とするようにわれわれは考えておるのでありますが、大蔵当局としてはこれが予算の裏づけ等についてどのようにお考えになり、かつまた予算の操作等におきまして、この地域給の予算というものが考慮の対象になつておるのかどうか、さらに進んで、あなた方のお考えによつて来るべき三十年度の予算の中にこれが入つているのかどうか。私は先ほどもちよつと述べましたが、前委員長の川島君から、とにかく自分は責任をもつて政府当局にも話をしてやる、大蔵当局に対しても自分が責任をもつて話をしてやるというお話がありました。私どもは単に川島委員長だけにまかしておいてもいかぬじやないか、われわれも大蔵当局へ行つて、あなた方にも折衝をしたいという気持は十分あつたわけです。ありましたが、当時川島君はとにかくひとつ自分にまかしておいてもらいたいということをしきりに言いますので、いささか私どもも遠慮といいますか、川島君の顔を立ててあげようというような気持もありまして、直接お伺いはしなかつたのでありますが、私はおそらく川島君からも、あなた方の方へ相当つつ込んだ予算折衝もなされただろうと考えておるのであります。私どもは先ほども三好大臣にも申し上げましたように、これを絵に描いたもちでなく、やはり実のあるものにしてやらなければならぬ、そうでなければ、あれだけ長い間かかつてわれわれが是正をいたしました効果というものはまつたくなくなつてしまう、これはまことに遺憾にたえないと思う。特に公務員の給与ベースの引上げ等も、当然人事院は勧告しなければならないものを、いわゆるデフレ予算のしわ寄せによつて、とうとう公務員の給与ベースの引上げの勧告はしなかつた。すべきものもしないで、そのままになつてしまつておるわけでありますが、私どもはせめてこの際、非常にわれわれが心血を注いで闘つたといいますか、あの大きな是正を行いました結果をぜひひとつ実現したい、これだけはどうしても大蔵省に了解を得て、予算の裏づけをしていただきたい、こう考えておるわけですが、これにつきましてひとつ当局の詳細な御所見、あるいは今後の見通し等について承りたいと思うのであります。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 ただいま給与局長とおつしやいましたが、私主計局の課長でございます。  勤務地手当の問題については種々御研究を進められておりまして、いろいろ案を考えておられますことは、われわれよく承知いたしておりますし、また先ほどお話のありました川島先生あるいは赤城先生からも、こうした財源措置についても御相談を受けたことは事実でございます。先般のこちらで決議なさいました案を、来年度の予算にどう取扱うかという問題でございますが、この点については、現在のところは大蔵省といたしましては、別にこれをどうのこうの、どうするというて腹をきめておるわけではないのであります。もちろん制度的には、事務的にはいろいろ議論もあることでございますけれども、まつ先にこの財源の点から見まして、非常に多額な金がかかる。森先生は百五十億くらいだろうとおつしやいましたが、実は私ども人事院勧告だけでも国、地方を通じますと、百二十億くらいいるのじやないか、その上に加わりました修正でございますから、総体として二百億円くらいに上るのじやないかと概算いたしております。こうした大きな金を勤務地手当だけで取扱うということは、ほかの財政需要との関係もございますので、これはほかの重要政策の問題とも関連して来ると思います。従いまして一般的に勤務地手当だけで解決することができないのじやないか。国家の来年度の予算編成方針を一体どうするのだ、その基礎となる政策というものはどうなるのだ、こうした点の十分の見きわめがつかない以上は、この問題をどうのこうのと、今すぐ議論するわけには参らない状態でございます。その点をひとつ御了承いただきたいと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 ただいま御答弁がございましたが、この金額の点について、人事院側か専門員側からひとつ御答弁願いたいと思うのですが、私どもも自分で計算したわけではないのですが、聞くところ大体そのように聞いておるわけで、その数額等については、担当の方から御答弁願いたいと思うのです。そしてなおまた続いて私は課長さんにお尋ねしたいと思いますが、今の御答弁によりますと、川島、赤城両君から、そういう話は聞いた、そういう要望は強くあつたというお話でありますが、予算の編成上その金額は非常に大きい、また他の関係の重点性からいつて非常に困難ではないかというようなお話がありましたが、それはあなた自身のお考えでしようか、あるいはまた大蔵当局としての責任ある立場におけるあなた方全体としてのお考えなのでしようか。その辺ひとつ積極的な御答弁を願いたいと思うのです。大蔵省は大蔵省の言い分もあるかもしれませんが、われわれ当人事委員会としては、衆議院も参議院も委員会においては、どうしてもこれを通さなければならぬという強い要望があるわけです。だからあなた方が予算上なかなか措置ができないというようなお考えがあつても、これはやはり国会の意思というものを尊重してもらわなければならぬ。最近どうも議員立法は抑制しなければならぬ、議員が予算を必要とする法律案の提出をどんどんされたのでは困るというような御意見を、私どもも聞いておりまするが、議員にはあえて国費を不必要な面に使いたいと思つておる人はだれもないのでありまして、やはり必要なればこそそうした法案、そうした予算の要求をするのでありまして、これに対してもし大蔵当局が何ら考慮をめぐらしていないというようなことであるならば、これは全国の勤労階級の生活をまつたく無視したものと言わざるを得ないのでありまして、私はそういう態度は、ほんとうに今日の日本の経済の上からいつても、今後の日本の政治、地方自治体の政治の上からいたしましても、むしろ道義の高揚とかあるいは能率の向上とか、そういうことは期待し得ないじやないか、かように考えております。やはり私は今日の生計費の関係から考えますと、ベース・アップをしてやるか、さもなければ、せめても地域給の予算等は考慮してやらなければならぬ、かように私どもは重大な決意をいたしておるわけです。大蔵当局といたしましても、もう少し今日の公務員の現状をお考えになつて、確固たる決意を持つて、この地域給の予算の裏づけ等については御努力を願わなければならぬのじやないかと思うのです。そういう観点に立つた御所見をひとつお伺いしたいと思います。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 私の申し上げましたことは、ちよつと言葉が足りなかつたかと思いますが、全然勤務恥手当の問題を考慮してないというふうに申し上げたわけではございませんので、何分にもこれは非常に金のかかる改正案でございます。ほかのいろいろな政策との問題、来年度の問題もございます。そういう点を総合的に考えまして、来年度の予算をどうするか、この基本方針がきまりませんことには、これだけの金がかかる改正案をまつ先に取上げて、既定の事実ということは、なかなか今の段階でははつきり申し上げることはむずかしいということを申し上げたわけであります。人事委員会で御努力になりましたのを、全然問題にならぬとかいう、そういう意味でけ飛ばすとか、そんなことを申し上げておるのではありません。その点は御了承願いたいと思います。

滝本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○滝本説明員 人事院が勧告いたしました地域給の神域区分の改訂に関します金額の見積りというものは、実は予算上の問題となりまして、人事院といたしましては、専門家でないものでありますから、あくまで人事院の推定ということにとどまるわけであります。しかも現に地方に対する地域給の処置等につきましては、従来金額が国庫負担というわけでございませんので、かりに従来の例を参酌いたしまして、また三公社等の自前ででき得るであろうというようなところについては、費用を一応考えないということで、この全体を推計しすなわち人事院の勧告を実現いたしますために要する国庫負担分、これは国家公務員、地方公務員、三公社、五現業、それでかりに人事院で推計をいたしてみますならば、年間約七十五億円、こういうことを人事院は申し上げたわけでございます。ただ人事院は予算あるいは財政の専門家でございませんので、推計等につきましては、大蔵省の責任をお持ちになるところであろう、このように考えます。

安倍三郎専門員

○安倍専門員 次に衆参両院の是正案に要する総額について申し上げます。  算定の方法は人事院のとりました方式を用いたわけでございます。従つて地方とか、あるいは公労法適用者であるとか、あるいは三公社とかいうようなものはフルに見てございません。フルに見ますと、是正案だけで八十三億三千万円程度になりますが、公労法適用者、それから地方をそれぞれ八〇%程度と見て参り、それから電電の方は見ず、専売も見ず、国鉄だけをそのまま見て参りますと、六十八億九千万円になります。従つて国庫負担分といたしますと、勧告を合せまして百四十五、六億になるのじやなかろうかと思います。ただ地方の方は八〇%と見ておりますが、交付団体というものを八〇%に見ていいかどうかということにつきましては相当疑問がございまして、特殊な地域でございますけれども、このたび富山県に参りまして調査したところによりますと、富山県では今まで十二箇町村が交付団体になつておりましたが、それはいずれも小さいのでございます。ところが今回富山市と高岡市が新たに交付団体になりました関係上、公務員の半数が交付団体になりましたので、そういうところは五〇%以下に見積つてさしつかえないという事情にも達しておるわけでございます。これは全国をそうしてみなければ、はつきりとした数字は出て参りませんので、ここでやはり勧告と合せて百四十五、六億と見ましたのは、これはあくまでも地方を約八〇%と見た関係の数字でございます。  以上でございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 今三好大臣、それから大蔵省の関係の方からお答えをいただいたのですが、目下のところ三好大臣としても地域給に関する法案を出すというようなことについては、しばらく御研究をなさらなければできないというようなお含みのある御発言もありましたし、今のところ年内に政府がこの勤務地手当に関する是正の法律案を出すというようなことも、ちよつと困難かとも思われますが、私は当委員会をどうしても権威あらしめるためには、あれほどわれわれが熱心にやつて来ました地域給の法律案を正月の休会に入る以前に、どうしても当委員会において成立せしめたい、こういう強い要望を持つております。このことは私ばかりでなく、ここにおられる委員諸君にも大体御賛成いただけると思つておりますが、委員長におかれましてはぜひとも政府に対しまして、強く法律案の提出の要求をするとともに、もしそれがどうしても不可能な場合におきましては、当委員会において法案を成立せしめるという重大決意を持つていただきたいと思うのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 ただいまの森君の御発言に関しましては、特に地域給の改訂につきましては、当委員会の総意として案ができておりますので、これの具体化について政府にさらに要望をし、もしこれが不可能な場合には当委員会において何らかの方途を講ずるというような研究をするために、明日午前十時半よりさらに委員諸君のお集りを願つて委員会を開き、この問題の処理に当りたいと思います。さようお含み願いたいと思います。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 私はここに年末手当に関する決議案を提出し、皆さんの御賛同を得たいと思います。案文は  政府は去る十二月十一日の閣議において、公共企業体職員の年末手当一・二五ケ月分を支給する方針を決定したが、一般公務員については現状のまま放置されようとしていることは均衡上当を失する措置であり、当然考慮すべきものと考へる。よつてこの際一般公務員については、実質的に、均衡を失せざるよう適切なる措置を講ずべきことを強く要望する。   十二月十四日 右決議案を御採択願いたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 ただいまの池田君の御発言は、公務員の期末手当に関して当委員会として決議を行いたいとの趣旨でございますが、同君の御提案通り決議するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 御異議なければ、右の通り決しました。  なおこの決議の関係方面への送付につきましては、委員長におまかせを願えますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 それではそのようにいたします。  三好国務大臣に申し上げますが、当委員会では期末手当の問題に関しまして、その処理にあたつて非常に強力に政府に要望の決議をいたしております。特にただいま三好国務大臣の御発言で、何らかの方途を講じたいというお言葉があつたのでありますが、法律改正の余裕もなく、また予算の措置の上にも非常な困難な段階における今日、政府自体の行政的措置として、きわめて早急にこの問題の解決に御尽力いただけると、われわれは御期待申し上げております。従つて委員会はいつでも政府のその行政措置におこたえ申し上げるために待機して、委員会開催の用意をしておりますので、願わくはこの決議の線に沿うて、大臣御就任間もないことでありますが、全力を尽して、国会の意思尊重のために御努力あらんことを御要望申し上げます。一言ごあいさつを願いたいと思います。

三好英之日本民主党北海道開発庁長官

○三好国務大臣 ただいま決議のされました趣旨はよく伺いました。なおよく研究いたしまして、できるだけ皆さんと一緒になつて、この問題を解決するように努力いたしたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員長 本日はこの程度で散会いたしたいと思います。次会は明日午前十時半より開会いたします。    午後四時三分散会

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