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20回国会参議院1954/12/05

予算委員会 第3号

発言数
402
登壇者
33
会派数
7
開催日
1954/12/05

会議録

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) これより委員会を開会いたします。  先ず委員長は、本日午前十時より当委員会を開くことが決定いたしまして、政府に申し出でいたしておるにもかかわらず、閣僚の遅延いたしたことにつきまして遺憾の意を表します。  昭和二十九年度補正予算三案は、昨日衆議院を通過いたしまして本付託となりましたにつきましては、この審議につきまして去る三日及び四日の両日委員長並びに理事打合会を開きました結果、本日及び明日の二日間の審査を行うことといたしまして、本日は都合によりまして一般質問を行い、明日総理大臣に対しまして総括的質問を行つた後に討論採決をいたすことに決定をうたしました。よつて理事打合会におまして決定いたしました順序によりまして、只今より補正予算三案につきましての質疑を行うことにいたしたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 副総理の出席はどうなつておりますか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) すぐ参ります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は副総理に出席して頂かんと質問が始められませんから、それをお含みおき願います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君)  河野君に申上げますが、今すぐ来るそうであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 先ず私は副総理に、政界の大先輩としての副総理、而も自他共に許すところの人格者としての副総理にお尋ねしますが、現在ほど政党政治が腐敗堕落したことは過去においてその例を私は見ないと思うのです。徒らに感情によつて政党と政党の争いを行い、背後に金権の圧力によつて金権と結び付くところの政治の動き、又徒らに感情的に党利党略によつて国政を弄ぶ政治、具体的に申すならば、感情的に余りに走つた結果、去る国会の暴力国会、金力の支配によるところの政党、即ち収賄、汚職の議会、具体的に数限りない。、これほど私は政党政治が堕落したことはないと思いますが、これらに対しましての副総理の所見を伺いたい。御感想を伺いたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今御指摘になりましたように、昨今の政治に少しく感情が入り過ぎておるということは私も認めます。その点から不必要に国会審議等が渋滞し、或いは前国会の末期における衆議院の乱闘沙汰というようなこともできたように考えられますが、これはやはり根本をただしますると、政局が安定していない。更に言葉を換えますれば、政府の基盤が十分でない。いわゆる過半数の上に立たずに、比較多数の上に政府が組織されておる。従つて政府の政策も或る場合にはキャスティング・ボートによつて歪められ、或る場合には政府の意思通りに通らない。これは比較多数の上に政府を組織せざるを得なかつた止むを得ない事情があつたので、これは私ここで改めて御説明するまでもないと思いますが、その結果、政府の基盤が弱り、政局が十分に安定しない。そこに今日の政局の昏迷の主なる原因の一つがあるように考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は副総理にはいろいろ御教授を願う意味でお尋ねしておるのでありますが、ただ今お話のように、比較多数の上の不安定な内閣並びに政党において議会が運営されておる。そこに病根が一切あるような御意見でありましたが、私はそれよりももつと根本的には、政党人の心構えというものが私はもつと根本的の問題じやないかと思うのです。今のような政党の運営なり、政党人の心構えであつて多数をとつた場合には、多数の上において権力というものは悪用され、濫用される虞れがあつて、却つて今の政党人の心構えから言えば、いわゆる安定勢力というものは、これが権力の濫用を行い、暴力化する虞れがある、かように思いますが、そういう御懸念はございませんか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政党人の心構えということもあろうかと考えます。併しこれは法律によつて選挙を経、その選挙民の投票によつて出て参つている以上は、これはやはり今日の世の中の縮図と申しまするか、選挙民の意思を如何ともすることができないので、その人が選挙によつて投票をかち得て出て来ておりまする以上は、これは批判はできまするけれども、如何ともいたしがたい。でありまするが、これを、そうすれば放つておいていいかということにつきましては、我々としても十分慎重に考えなければならんと思うのであります。それは一つの方法といたしましては選挙法の改正、今日の選挙は河野君もたびたび御経験と思いまするが、参議院の選挙におきましても衆議院におきましても非常に費用がかかり過ぎる。法定の選挙費というものがありますけれども、恐らくはつきり申しますれば、それだけで選挙が間に合つておる人は殆んどないのではないかというふうに考えます。従いまして、この選挙に金のかからんようにすることも、これは一つの選挙粛正の方法であり、同時に政界をよくする早道の一つではないかと考えるのであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は一つ国民の声を代表いたしますが、国民は今の政党に対して常に国家よりも党利党略を優先して考えておる、こういう声が非常に強いのであります。その一つの現われとして過日もラジオを聞いておりますと、街頭録音で、緒方副総理が自由党の議員総会で総裁に就任した場合の御挨拶があつた。私も聞いておりました。その一節に、今後総裁に就任した場合には、党のため国家のために大いに粉骨砕心するという御挨拶があつた。その言葉尻をとらえて街頭録音では、緒方さんは国家並びに党のためと言うならばいいけれども、党並びに国家のためということを言つておる、こういうことが気に入らんということを街頭録音で不満を訴えております。これは併し、この一事は緒方副総理の人格を知らん単なる揚げ足取りだと思つております。併しそのことによつて私は緒方副総理にどうこう言うのじやありませんが、現に今日農林大臣はなぜここに来ないか。大臣の出張はすべての手続をとると思います。副総理も大臣の出張には了解を事えておられると思う。一国の議会の予算審議に、重要な予算審議に当つて、知事の応援演説に出張してこの席に出られない。この事実は、緒方副総理の今の議員総会の挨拶のような言葉じりの問題ではない。心棒えが大体常に国事よりも営利党略、党勢拡張を優先しておる。現に今日只今そういうことをやつておる。而もこれは保利農林大臣一個の問題ではない。大臣が勝手に出られるわけはない。それぞれ手続きをして出張しておるはずである。これは一体副総理はどういう理由でこういうことを許可されましたか。これを私は伺いたいと思います。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 実は私、農林大臣まだ今日東京におるものと思つておりましたが、日曜であるために、今日、前には日曜は審議が或いは休まれるかのような話がありましたので、それで今日の日を選んで党務のために旅行する計画を立てたのではないかと  考えます。私どもはまだ農林大臣は東京におるというふうに考えておつたのであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私も実は今日は日曜で休み得るつもりでおりましたが、緒方副総理御存じのように、私はスポーツの関係で今日は鎌倉で国際マラソンがある。私の地元で国際マラソンがある。私はそれの実は副会長です。併しそれと国事の問題は別であります。私は敢えてそのほうを断わつてここへ来ているわけです。私は先ほど、政党政治を守るために政党人の心構えというものをその意味で伺つておる。国会を軽視して、国事を軽視して、党勢拡張のために予算委員会を休んで、知事の応援演説に行く。又自分の選挙区に、解散が近いからちよつと準備に行つて来る。これならまだかわいい。理窟はとにかくとして、かわいいが、知事の応援演説に行くために国会の予算審議を欠席するということにつきましては、副総理はどうお考えになるのですか。いいとお考えになりますか。止むを得ないとお考えになりますか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは農林大臣自身も、日曜であるので、多分その日を労務のほうに使い得ると考えたのではないかと思いますが、普通の日ならばこの国会の審議を無視して知事選挙に行くことは勿論悪いことです。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それは今日は日曜のはずであつたが、いろいろのいきさつ上、予算委員会を開くようになつた。だから農林大臣が知事の応援演説に行つたのはやむを得ない。悪いことではない。こういう御解釈ですか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 日曜であるからそう予定して、その予定を組んだのではないかと思いますが、今日予算の審議が参議院で行われまする以上よくないことであります。(笑声)

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私はそういうふうなことを、政党人、特に閣僚がやつておるところに、将来の議会政治の危機というものは意外に早く来るのではないかと思うのです。そういう意味合いで、副総理のような議会政治に最も理解を持ち、議会政治について大いに尽瘁しておられる方に――よほど私は閣内においても引締めてもらわなければならないと、こういうふうに私は思います。  次に私は伺いますが、議会政治運営はこの頃非常に紊れておるようでありますが、一体副総理に議会政治のルールを教えてもらいたい。例えば今度不信任案が出る。而もこの不信任案の通過はこれはもう動かすべからざる事実であります。その場合に、一体どういう場合に政府は解散をやるか。どういう場合に総辞職をやるか。これは副総理もこれらのケースにつきましてはルールがあるはずであります。私は決して自分で大先輩に意見がましいことは申しません。ただこのルールについて我々が今後拳々服膺する関係がありますから、議会政治のルールを一つ教えてもらいたいと思うのです。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 議会政治にルールがあるということは、一般論としては言えると思います。併しこの議会政治のルールは、その国の政治の伝統等によつてそれぞれ又違つて来はしないかと思いますが、大体においてイギリスの国会が一番早く発達いたしたために、イギリスの国会のいわゆる憲政の常道と申しますか、一定のルールというものが、一般的なルールとして行われておることは認めていいのではないかと思います。私個人の意見を申しますならば、今の不信任案が提出された場合どうすることがルールに適うかということにつきましては、やはり民主主義の国会におきましては、すべて最後的には国民の審判によつてきめるということがルールでないかと考える。ただその場合に、政治上特殊の事情がある。その内閣自身がその内閣自身の意思によつて国会を解散せずに辞退をするということもあり得ると考えます。併し不信任案が通過した場合には、原則としては、国会を解散して、そうして選挙区に問い、その国民の審判を待つて初めて最後的な態度をきめる。それはこの委員会においても私は前に幾たびか繰返して申上げたような記憶もありますし、今もそれが一つのルールであろうかと考えます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そういたしますと、副総理のルールというものは不信任案が通過した場合には解散だが、その解散は現政府の手において解散をすることがルールだ、こういうふうな御見解ですか。吉田内閣の手において解散することがこれが常道である、こういう御見解ですか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) ルールをお尋ねになりましたのでルールを申上げたのでありますが、現在そういう事態が起きればそれがルールであると考えます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 まあ大分いわゆる世の識者が言うところのルールとは非常に違うようでありますが、一応御見解は伺つておきますが、そこで吉田内閣が解散したという場合に、解散後において総理の地位は一体どうなるのですか。そのまま吉田さんが……これはまあ次の班首選挙までは吉田さんはこれはもうどうもならないのですが、党の総裁というものは一体どういうふうにかわるのがルールとして正しいのか。かわらずに吉田さんがそのまま総裁としてこの選挙に臨むのが正しいのか。これについての一つルールを教えてもらいたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) お尋ねの一つは、ルールとしてではなくて、今の自由党の特殊の事情についてどう考えるかということのように承知いたすのでありますが、それは現在のところは、ただ総裁の後継者をあらかじめきめておくということでありまして、その後のことは何もまだきめておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 しばしば衆議院並びに本院の本会議等においても意見が出ておりますが、総理、総裁の不可分論というものについての御見解をこの際一つ改めて伺いたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは政党政治の下には不可分であるのが原則であると考えます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 不可分であるとすると、今の解散後におけるところの総理というものは、当然緒方副総理が交替されて、次に備えることが不可分論の前提ではございませんか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 総裁の後継者を自由党内においてあらかじめきめたということは、或る適当な機会に新らしい総裁が出るということを暗示しておるのでありますけれども、それをいつにするかということにつきましてはまだ決定しておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 時間の関係で、次に大蔵大臣に伺いたいのですが、いよいよ解散ということになりましたが、一体、解散について総選挙に要する選挙費用というものはどのくらいかかりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 大体十四、五億見当かと存じております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それは現行法ですか。現在審議されておる選挙法改正後におきましては、費用は幾らか私は違つて来ると思いますが、どういうふうになつておりますか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 十四、五億と申しますのは、現行法の基準で計算いたした場合の概算でありますが、目下審議されておりまする選挙法の改正法案によりますと、それより若干多めになると存じますが、まだその辺のところは自治庁から詳しいところを伺つておりませんので、どの程度余計かかるか、私のほうではちよつとわかりかねます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 すでに自治庁から要求が出ているのじやございませんか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) まだ解散ということがございませんのでございますから、選挙費用の要求は勿論ございません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 大体、あなた専門家だが、どのくらい殖えますか。三億殖えますか、五億殖えますか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 座談的に出ましたことでございまして、ちよつと責任が持てないのでございますが、一億くらいは余計かかるような話を聞いたことはございます。これは的確なものではございません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 その支出は予備費から出るのですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 解散があることを予定にいたしておりませんので、予算のどこにも計上いたしておりません。若し解散ということになりますれば、差当りは残つておりまする予備費を差繰つて、その中から支出するということに相成るかと存じます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうしますと、この予備費は一体今どのくらい残があるのですか。ついでに、その選挙費用に充てる予備費以外に、将来予備費の予定されておるものについてちよつと極く簡単に御説明を願いたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 国会が始まりまする直前までに支出いたしました金額は四十三億でございまして、当初の予算には八十億計上いたしておりましたから、残りは三十六億ございます。但しこの中から只今お話がございましたように、災害復旧費の補助の残りも殆んど数字が確定いたしておりまするものが十億、そのほかに災害関係、官庁の災害復旧、その他いろいろなものが、ございまして、又租税還付加算金の不足の要求があつたり、或いは裁判費につきましての補充費途的なものの不足が予定されておりましたりなどいたしまして、要求額は相当多額に上つております。その金額、支出を要する金額がどのくらいになりますか。これはもう予備費のことでございまして、これから査定を加えて行かなければならんわけでございますが、私どもといたしましては、経費の緊急度に応じまして今後十分慎重な査定を加えて支出して参りたいと考えておるものでございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうしますと、選挙が行われた場合の十五、六億というものは、将来当然予備費で賄うだけの余地は残してあるわけですね。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 予備費でございますので、的確な内訳を計算して、当初の予算を計上したわけでございませんで、決してそれだけのゆとりがまるまる残つておるということは申上けられないのでございますが、万一解散というような事態になりました場合には、これは不測の事態に対処するためにどうしても賄つて行かなければならん金でございますから、他の予定がございましても差繰つて優先的に出して行かなければならん性質の金だと考えるわけでございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 次に、愛知通産大臣が一番お詳しいと思うのですが、余剰農産物の受入れの問題を伺いたいのですが、一億ドルの日米交渉がきまつたわけで、その内訳は、贈与分とその他と、こういうことになつていますが、私が承知しているところでは、贈与分は千五百万ドル、その他借款が八千五百万ドル、こういうことに承知しておるのですが、そうなつておりますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 只今お尋ねの通りでございましてこの点につきましては十一月の十三日附で日米両方からの共同の新聞発表をいたしておりますが、それに書いてございますところのものが、両方の代表者間の一致した意見でありまして、その発表文にもございますように、綱目につきましてほ引続いて東京及びワシントンにおいて協議をしよう、こういうことに相成つております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そり贈与分の千五百万ドルは、学校給食用とか、その他棉花などとなつておりますが、もう少し詳しく、学校給食用とか、棉花とか、それからあと何がありますか。その内訳を伺いたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 大体その内容として予想されておりますものは、小麦と棉花がそその大宗になつております。これは学童給食計画、或いは学童に対する給衣計画とでも申しますか、これに用いられることに考えられております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 次に日本側の使用分ですね、これは配分はどういうことになりますか。愛知さんはお帰りになつて、これは自主的にやるのだ、こういうことでありましたが、その後の経過を伺いた。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 八千五百万ドル相当の農産物の買入に伴いましては、先ほど申しましたような両国の合意した意見によりますると、そのうちの七割相当分の、これから生ずるところの円資金につきましては、日本側において融資の形において使用されることに相成つております。それからその融資について農業開発を含む国内産業の改善発展のため、それから地域相互間の経済交流を円滑にするためという、二つのものが、例示的にその上に明示されておりますが、なおその前に発表されました日米共同声明のほうでは、そのほかに例えば防衛支持というような産業関係等にもこの金が使い得るようなことが書いてあるわけでございますから、大よそのところ、今申しましたような類別に従いまして、これはいずれこの両国間に正式の協定ができなければならないと思います。この協定によつてきめられるとにろに従いまして、日本側の融資として使うことに相成るわけであります。その協定の締結に際しまして、私といたしましては、日本側が自主的にこういうふうな融資計画ができるようにいたすべきものであると考えておるわけであります。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 只今の河野委員の質問に関連してお尋ねしたいと思うのですが、千五百万ドルの贈与分は、伝え聞くところによると、学童向けの給食及び衣料、こういうふうになつているようでございますが、このことは、日米両国間の合意の意思が、はつきりと使用目途をそのように決定しているのか。最終的な決定は見ないけれども、そのことはもう既定事実として計画が推し進められる段階に来ているのかどうか。  第二点は、千五百万ドルの小麦粉の消化ということは、現在の学校給食の設備では消化し切れません。そこで問題が、千五百万ドルの二十万ドルほどは衣料に行くと聞いておりますが、ともかく一千万ドルを超える厖大な小麦粉を消化する学校給食をやるとするならば、そういう設備は持つた、来年からはそういう贈与分はなくなつた、こういうことになるというと、非常な問題だと思いますが、今言つたような学校給食という紐付き贈与は、今後何年間確保されるお見込であるか、この点伺つておきたいと思います。  なお、学校給食という紐付きであるけれども、設備その他を勘案して、これは生活困窮者等に廻せるというような幅があるのかないのか、この際伺つておきたいと思います。以上三点お伺いいたします。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、十一月十三日の発表によりまして、千五百万ドル相当の物資は現物で日本に贈与され、学童給食並びに被服計画のために使用されるようにしたいということが明示されておりまするから、只今紐付きというお言葉が、ございましたが、これは我々の立場といたしましても、学童給食を拡充する、被服計画を拡充するということは、適当と考えましたので、この大綱に私どもとしては賛意を表したわけであります。  それから第二に、これは今後設備を拡充しなければならないというような関係から、いつまで続くかというお尋ねでございますが、これは御承知の通りアメリカの余剰農産物処理法に基きまして、これはアメリカの国内法ではございまするけれども、向う三カ年間こういう計画をやりたいということになつておりまするから、少くとも三カ年間については、これとの関連において日本側においても計画ができると考えます。なお、それから先は私の私見に相成りまするけれども、三年間こういう程度のものを続けておいてもらえれば、その後におきましても、この施設は、日本側としても十分活用できるのではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけであります。  それから第三点のお尋ねでございますが、これは学童給食、並びに学童の衣服計画というふうになつておりまするので、一般の生活困窮というところまでは、これは入つておりません。なお、これは余計なことではございますが、更に若しそういう一般の困窮者というようなことを対象に考えるということでございますると、この関係からでなく、ほかの方向で考えることが、或いは可能かとも思いますが、この計画には入つておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 先ほど自主的にきめたいという、これは希望のように伺いましたが、これはどこまでも現在の段階では希望であつて、向うが自主的にきめることを日本側に了承を与えた、こういうことじやございませんか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは正確に法律的並びに具体的に申しますると、その点がはつきりいたしますのは、今後の協定の問題になると思います。併しながらすでに両国の代表者間において、新聞で発表いたしましたものでも、先ほど申上げました通り、これら売却円の使用部分は、日本の国内経済の改善、農業開発を含む、及び地域的な経済発展に使用されるということが明示してございまするし、更にその金額は七〇%、日本政府によつて借款の形で使用されるであろうということに、この発表もしておりまするので、私の先ほど御説明いたしました気持は、すでに十分文章にも現われておるつもりでございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それはいつごろまでにきまる見通しでございますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは実はできるだけ速かに具体的な細目の取極もいたしたいと考えております。いささか余談になりまするが、昭和三十年度の予算の編成、財政投融資計画とも密接な関係がございますので、私といたしましては、できるだけ速かに更に細部の話合をきめたいと思つておりまして、現在ワシントンの駐米大使館におきましても、私どもがし残して参りました点等につきまして、話合を進めておりまするし、場合によりましては、早急に東京におきまする会談も進めて参りたいと考えております。まだ的確に何月までにという見込はついておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 この際に伺つておきたいのですが、マイヤーさんがこつちに打合せに来るというように聞いておりますが、これは一体いつ来るのですか。それから又巷間伝うるところによると、スタツセン対外活動本部長官が日本に来るとかいうことも聞いておりますが、これらについての消息を伺いたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは米国政府側のことでございまするので、私からはつきりしたことを申上げるわけにも行きませんが、当初マイヤー氏は十二月一日に東京に着任するというふうに聞いておりました。約二週間ほど延びたという情報をその後得ております。それからスタツセン長官の来訪につきましては、確たる日取りは私聞いておりませんが、滞米中しばしば会見いたしました折にも、できれば行つてみたいという希望は漏らしておりました。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうすると、二週間くらい遅れてマイヤーさんが来ると、それからいろいろ交渉する。その交渉の日時というものは大体予定はあるのですか。何日くらいかかる、そうして仕上げをいつまでにするということは、大体のお見通しは持つておられると思いますが……。それからスタツセンさんのやつは、ただ向うでこつちに来てくれという希望を、あなたが申出たという程度以外には何も進んでいないのですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) どうもこれは相手方のことでありますので、私から余りはつきりも申上げるわけにも行かないのでありますが、私の承知いたしておりまする想像を交えて申上げますると、マイヤー氏の着任が遅れましたのは、アメリカのほうで只今申しました細部の問題、その他についての意見を取りまとめて、できるだけ仕事を片付けて来たいということで遅れたのではないかと考えております。従いまして先ほど申しましたように、こちら側の構えといたしましても、できるだけこれはワシントンであろうが、東京であろうが、的確に当分の意見が十分通じさえすればよろしいのでありますから、場所はどちらだつても、要は本問題が早く片附くようにいたしたいということで、再々こちらの希望は申入れてございます。それからスタツセン氏が来るかどうかということ、並びにその来るとして、氏名等については私はつまびらかでございませんが、必ずしもこの問題ではなくて、もつとほかの目的で、一般的な視察に、日本を含むアジア地方を見たいという希望ではなかろうかと、これは私の想像でございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうしますと、この問題は来年度の予算にも関係がある問題でありますから、政府としては来年度の予算編成に支障を来さないように、時間的の考慮も払つて向うと取極めをしたい、こういう希望でありますね。そうしますと、それで一体いつ頃ということになりますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、予算の問題とも関係がございますから、予算編成の前に更に細目のうちの大綱がはつきりすれば、これはもう非常に結構なことである、そういう観点から折衝を急いでおりますわけであります。併しこれは相手のあることでもございまするし、果してそううまく行くかどうかはわからないと思いますが、こちらとしてはできるだけ早く話を進めてまとめたい。こういう希望を持つておるわけであります。さつき申しましたように、いつこれができるかということについては、まだ見通しを持つておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 いや、その希望ですがね。来年度の予算とも関係があるのですから、大体いつまでにこの話をまとめなければちよつと困るという、その最終の、いつまでという希望があると思いますがね。それは一体いつ頃になります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) それは一番理想的なものを申しますれば、この年内に大体きまれば一番よろしいのでありますが、これはなかなかむずかしいのではないかと思います。ただ予算の編成その他について大体ここまでは大丈夫であろうとか、それとの関連を見ないで編成をしたらよろしいだろうというような大体の見通しが年内につけば、先ず先ず結構ではないかと思つておりますが、その辺の予算編成の技術的な面とのタイミングを、どの点で合せるかという点につきましては、まだずい分考究を要する問題が多いだろうと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 時間がありませんから、あとは省略しますが、最後に希望を申上げますが、どうも懸命になつて自主的にこのことを運びたいという努力をされていることはわかりますが、これは背後の国力の関係もあるでしようが、とかくどうも自主的になるということは爪の垢ほどもなくて常に向うの思うままにきめられておる。こういうふうな過去の、いつかあなたに申上げましたが、電力借款にいたしましても、すべて過去の借款等におきましては、何ら自主性がないということは言えると思います。大いに一つ御検討頂きたいと思うのであります。  次に大急ぎでMSAの小麦の三十六億ですね。これは一年も棚ざらしになつているのですが、一体どうなつたのですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 三十六億円の問題につきましては第十九国会のときにもいろいろと御審議を頂いておりまして、基本の使用方法と申しますか、大綱については日米両国間で話をきめる必要がある。細部については日本側で開発銀行等を通じて融資計画を作るということに相成つておりましてその後日本側としての大綱の考え方、それから細部の計画を作つて検討をいたしておるわけでございます。このほうは大体近い機会に具体的に処理が私はできると思つております。大分長くかかりました点は、私どもも恐縮に思つておるのでありますが、何分初めての計画でもございまするし、又日本側といたしましても拙速を尊ぶよりは将来のこともございますから、できるだけ慎重にということで相当の時間がかかつておるわけです。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 ちよつと伺つておきたいのですが、今までこんなに手間がとれたのは、向うの希望とこちらの希望と合わない点があつたから、私は延びたと思うのですが、その向うの希望とこちらの要求と合わない主なる点は、どういうところでございますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 率直に申しまして、先ほど来申しておりますように、非常に日本側としても、ここは大事なところだと思うのでありまして、拙速を尊ぶよりも建前を確立して参りたい。従つてアメリカ側が考えておりますることと多少食い違つておる点もあつたわけでございまして、その是正に努めて参りますのに、多少の時間がかかつたことは否定できません。只今お尋ねの点は更に具体的にお答えすればよろしいかと思うのでございますが、個々の会社或いは産業等の問題になりまするのと、只今その建前を解決すれば、あとは政府側で自主的にやれると思いまするので、細部につきましては今少し御勘弁願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 どうも質問が尻切れとんぼになるのですが、時間がありませんのでいずれの機会に又お願いしますが、次にこの余剰農産物は需給計画の枠外ということに処理法の建前からなつていますね。これは政府はその処理法の建前そのままを適用するつもりですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 処理法の関係から申上げますよりも、日本側の立場を最初に申上げたいと思いますが、これは本会議でも申上げましたように、日本の現状におきましては、食糧或いは綿花等について需要供給の関係から言えば、どうしてもこれを輸入をしたい。併しながら現在の一方外貨のポジシヨン等の関係からいつて、正常な外貨の割当てをするのにはなかなか困難であると感じておりました。その部分を日本側としてはこの処理契約によりまして買入れをしようとするものでございます。従つて日本側の立場とすれば現在のところは通常の需要量の枠内にあるものを入れようということに相成るだろうと思いまする

河野謙三緑風会

○河野謙三君 あと時間は何分ありますか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 二分半です。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それでは題目が変りまして大蔵大臣に伺いたいのですが、決して私が悪口を言うわけではありませんが、いよいよ吉田内閣も店じまいの段階に入つておりますが、そこで一つ、吉田内閣がやりましたことの中で、特に吉田内閣の責任において国民に知らせてもらいたいということは、一体外国に今まで幾ら借金したのですか。まだこれから予定されておる借金というのは幾らあるのですか。これを私は伺いたい。いろいろ賠償の問題とかガリオアの問題とか、仏貨債の問題とか、いろいろございますね。そういうものを挙げて、一体幾らぐらい今まで借金し、これから予定される借金が幾らあつて、そうしてそれは国民一人当り、一体幾らぐらいの借金になるのか、そのくらいのことをちやん国民に知らしておかなければ、あなたの主張されるところのデフレ政策の遂行、耐乏生活、こういうものを国民に呼びかけましても、国民に肚ができないのです。つきましては当然、ただ無見当に借金されているわけじやないでしようから、幾ら借金して、今後又幾ら借金して、それが国民の負担が幾らになつているか。それは将来どういうふうに処理して行くか。これを一つ、時間がありませんから、極く概略国民に知らしてもらいたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今お話の点は、導入されている外貨の問題と、今後日本がガリオア等支払わなければならん問題、この二つに亙るかと思うのであります。大体から言いまして、対外債務のほうから申しますと、例えばガリオアがまだ交渉中でありまして、これがどの程度に話がつくかわかりません。仮りに約二十億ドルと言われている分が六億ドル見当で話がつくといたしますれば、これが三十カ年になるとかということになりますると、その割合が出て参ります。それから仏貨債は今調停中でありまして、まだ支払いを開始しておりませんが、この調停の如何によりまして、レートが違うので調停を求めている次第で、レートがはつきりいたしませんから、数学的にちよつと申上げにくいのでありますが、当初の場合よりいずれにしても十数倍多くなることは間違いないものと思つております。それから英貨債とか米貨債については、これはそれぞれ支払いを開始しておりますが、的確な数字はあとから申上げたいと思いますが、支払いを開始しております。今後支払うべきものとしては、平和条約十六条に基いて、捕虜その他に対する分の支払いがこの間話がつきまして、大体四十五億円払うということに相成つているのであります。これはまだ御協賛を経ていないので、一応の話がついているだけでございまして、国会の御協賛を経た上で、きまつて参ることであります。それから賠償の問題でありますが、賠償は、今のところきまつているのはビルマだけでございまして、ビルマに賠償として払われるのは二億ドル、十カ年、一カ年に二千万ドルになつておりますが、これは平均でもございませんが、年の状況によつて、御承知の通り機械その他の実物と、それから又役務と加えたものでございますので、これが年々、年によつて事実は違う。平均すれば一カ年に二千万ドル、こういうようなことに相成るかと思います。それからいずれにしてもフィリピンとも話がつくことに相成りましようし、更に又インドネシアとも話を進めることになりましよう。これがどの程度になりますか、金額如何によつて相当分れてくると思つておりますが、いずれにしても支払いは相当ございます。私どもがいろいろな数字をここで的確に申上げる域に達しておりませんけれども、相当今後の支払いは増加するものであつて、一人当りの負担も、内容がきまつておりませんから申上げられませんけれども、この際いろんな債務の支払いについては、今後日本経済にとつて、日本の財政にとつて相当な負担であるということを考えておる次第でございます。それからあとは、今度は民間が入れておるような外資の関係でありますが、これは御承知のごとく火力借款が世界銀行から入つているのが四千二十万ドル、今後入ります分が大体六、七千万ドルと一応予想いたしております。こればいずれも採算がとれるものについてやつているものでありまするから、このほうは国民の負担にならんと考えております。それから又今日まで、そのほか民間の外資等でいろいろ入つておりまするものが、これも恐らく百敷十億円、或いは二百億円近くあるかと考えますが、これも純粋な採算の上に立つておるものでありますから、これも支払いについて国民の負担になることはない。それから株式その他で相当出ておるもの、これもやはりちよつと私の概算で百四、五十億円、現在あるのではないかと思つております。これも採算的にやつているものでございますから負担にならない。要するに民間でやつているもの、いわゆる導入外資については国民の負担になるものはないと存じます。併し今申上げた、一番きまらない内容の分について、例えば今後どういうふうに、賠償がきまるか、どういうふうにガリオアがきまるかというような問題で、相当国民負担が分かれて来ると思いまするが、いずれにいたしましても、河野君御承知のごとくに、大体昨年の予算で、一切そういうものを入れて百五十億円と見ておりまするがとてもなかなか、最初は足りましようが、次にはそういうものを合せますると、数字がもう少し殖えて来るのではないかと思つて、その点から賠償額等、日本の財政負担の点から、できるだけ少額になるように極力交渉をいたしておる、こういう実情でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 河野君時間がありませんから簡単にお願いいたします。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 対外債務についてはコンクリートされていない数字が多いのでありますけれども、一応コンクリートされていないままにおきましても、例えば向うの要求額だけでも結構です。そういうものを合計したら幾らになるのだ。例えば賠償なら賠償、向うから要求されたものは幾らだ、それをそのままとつて、それを合計したもので国民一人当り一体幾らの債務になるのだ、というようなことを、これは決していたずらなる数字じやないと思うのです。そういうものを一遍私は是非政府は示してもらいたいと思います。そういうことを示すことによつて、国民の、日本経済の危機とか、財政の危機とかというものに対する認識も深まるのだし、又そういうことを知らすことによつて、国民が、いわゆる国民外交としてこの賠償問題等につきましても、政府と共に対外的に国民が大いに力を加えるということになると思うのです。こういう仮定と言えば仮定でありますが、仮定の数字はございませんか、コンクリートされていなくてもいいです、仮定の数字によつて……。とにかくわからないのですよ。一体幾ら借金があつて、これから幾ら借金するのだか、一体我々は今後何年間幾ら借金を背負うのか、こういうことを私は知らせなければいかんと思いますが、わかりませんか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今申上げました通り、これは、例えばその数字も多く見るならば、それは日本人はそれだけ考えておるというようなことにもなつて、交渉上非常な不利な点もございますし、さればと言つて少く見ておけば、財政計画上にも非常な支障を来たす。大体これも河野委員の御承知のごとく、私が申上げることをお考え下されば、大体わかると思うのです。ガリオアというものがどの点で話がつくだろうか、ビルマの賠償は二億ドル、フィリピン、インドネシアはどのくらいになるかということを併せお考え下さつて、成るべくこれは日本の負担を少くしたい、こういうような点から、仰せの通り、向うの言つた額だけを計上すれば直ぐ出て来ましようが、まだ交渉状態で、向うもはつきりした額を言つていない。インドネシアとフィリピンとはまだはつきりした交渉をしておりませんから、こういう事情もありまして、大きい数字になることは河野君御承知の通りであります。あとのものは戦前の外債で、そう大きなものでございませんので、従つて大きいものはそういう点にあるのでございますので、この点まだ遺憾ながらはつきり申上げにくい点を御了承願うよりほかはないと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 時間がないそうでありますから……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 簡単にやつて下さい。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は極く簡単に、あとただ私は今大蔵大臣おつしやつた、そういうことを知らすこと、発表することが、却つて賠償その他対外交渉に悪影響があるのだ――これは私はちよつと見解が違うのですけれども、これらもいろいろ更に御意見を伺う時間がありませんから、一つ私の希望につきましてはよく検討願つて、要するに対外債務に限らず、もう少し、財政にしろ、経済にしろ、国民にもつと簡明にわかりよく知らすことが私は必要じやないかと思うのです。ただ何も知らないで一部の人だけが知つておいて、そうしてついて来い、ついて来いというようなことは、これは私は民主主義のあり方じやないと思う。そういう意味合で今一つの事例として対外債務について私は希望を申上げたのですが、是非一つ適当な機会に御報告願いたい。  最後に極く簡単に私は農林大臣おられませんから、農林政務次官なり、又場合によつたら大蔵大臣に伺いたいのですが、今後の食糧ですね、食糧の管理、これをどういう方向に持つていくつもりですか。今御承知のように、本年度当初に組みました九十億の補給金も、食管会計においては浮いてしまつて、逆にその上で更に苦しくなつておる。逆に向うから輸入するものは安くなつた。今後更に安くなるだろう。従つて補給金の問題はなくなつたのですが、今後麦なり米なり、世界的にこれらのものが安くなつてくるという傾向におきまして、この安く輸入した分につきましては、その黒字を公定価格の引下げに持つていくのか、それとも公定価格の引下げに持つていくのではなくて、その出てきた黒字というものを、食糧増産その他農業開発方面に廻わしていくのか、これらの基本方針を私は伺いたいのです。ただいい加減に食糧管理制度については根本的の改正を意図しておる、更にそれを掘り下げてきてみると、今の食管制度でも十五日を保証して、なかなかいいところもある、そうかといつて、今の供出の状態からみると、食管制度もどうも少し根本が崩れてきた、農林大臣はいつでもそう言つておる。結局なんのことかわからない政治家である。農林大臣がお留守だから私は言うのじやない。いつのまにか役人になつて、役人というのはなにもしないのが一番成功するのだが、今の保利農林大臣はなんにもやらない。やらないことによつて身分の安定を図つておる。強いてやつたと言えば人造米だけなんです。人造米、人造米と言つて、一方において粉食奨励をやつている。粉食と人造米とは全然逆のことなんです。陰口になりますから私はやめますけれども、要するに食糧の管理制度は一体どういう方向にもつていくのか。特に本年度の、これは全く仮りなんですが、そういうことはないでしようけれども、仮に小笠原大蔵大臣が来年度の予算を編成される場合には、どういう基本的な予算を組まれるか。これは大蔵大臣並びに農林大臣に伺いたい。どつちに実れるか。国内の米なり麦の生産費を国内の農民に保証して行く。一方においては向うから安い米なり麦を買う。そうしてこの価格差をどつちに持つていくのか。マル公を下げるのにもつていくのか、食糧増産にもつていくのか、その間において食糧統制というものはどうするのか、これを一つ伺つて私の質問を終ります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 食糧問題は大蔵省のみの所見でも申上げにくいのでございまして、根本的に私ども検討しなければならん時期に達していることは、この前申上げた通りだと存じます。併しながら予算化するときにどうかという問題になりますると、これは少くとも今予算を組みますときは、将来を見込んでの予算ができませんので、現在の制度をとるものとしての予算編成しかできません。仮に政策そのものを織込んでやるとすると、法律の処置は立法措置等が伴いませんと行いにくいことになりまするので、これは現在の制度のままで仮に私が予算を編成すれば、そのまま行くよりほかないことを、これは立場上御了承願いたいと思います。  ちよつとさつきの数字に多少入りますが、はつきりするものもございますので、一つ申上げておこうかと思います。現在までに、本年十月までに、社債とか貸付金が一体どうなつているかというと、三百六十四億円になつております。それから株式は、さつきちよつと百四、五十億円と申上げましたが、百三十五億円でございます。それからそのほか技術援助契約等で決定された分が四百十六件ございます。その内訳を申しますと、繊維工業三十一件、化学工業六十五件、金属工業で三十四件、機械工業で二百三十件、こんな工合で四百十六件ございます。そのほかこれも借款といえば借款でしよう、いわゆる綿花借款というやつがあるのですね、これが今までに合計二億ドル入つておることは御承知の通りです。これだけは数字がはつきりしておりますので、ここで申上げておきます。

羽田武嗣郎自由党農林政務次官

○政府委員(羽田武嗣郎君) お答え申上げます。外麦から得ましたる利益は食糧増産のほうに向けたいと、こう我々のほうの農林省としては考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 大蔵大臣は、仮に来年度あなたが予算を組むとすれば、食糧統制は今の形のままにおいてやつて行くより仕方がない、その場合に今米が百三十ドルなり百二十ドルという価向があることは御存じの通りですね、非常に黒字が出て来ますね、その黒字は一体どうされますか、私はそこを伺いたい。マル公の引下げのほうにそれを持つて行くのか、今農林政務次官は、これは食糧増産のほうに挙げてその黒字は持つて行くのだとこう言つた、大蔵省はそれでいいのですか。それを伺つておけば、私の質問は終りですよ。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これは私は両様に考えなければならんと思います。消費者価格を引下げるということもこれは無視できないと思います。従つて消費者価格に対する問題、農業の生産の増強に対する問題、この二つの点を併せ考えてやります。いずれにしましても、御協賛を得るわけでございますから、なお、私その二つの点からもう少し今研究をいたしたいと存じております。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 大蔵大臣にお尋ねする前に建設大臣にちよつとお聞きいたしたいことがございます。今度の補正予算による一般一会計の歳出の追加分の中で、その財源中、物件費、施設費等の節約が百五十三億となつております。このうちで建設関係では河川砂防等の防災といいますか、災害復旧といいますか、こういう関係のものが四十一億九千四百万円ほどございまするが、この節約分の中で人件費の関係はどの程度含まれておりますか、それを先ずお聞きしたい。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) これはどうぞ一つ大蔵省のほうから、人件費の問題は……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 結構です。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 只今お示しの数字は直轄分と補助金の分と両方あるわけでございますが、その中にいわゆる労賃等がどのくらいかということはなかなか的確には申上げられないのでございますが、大観的に申上げますと、公共事業費の構成要素は資材費の部分が四乃至五、残りの四ぐらいが労賃部分、残りの一が雑費的なものと、大体四ぐらいの比率になつているのじやないかと思いますが、そういう比率で達観する以外に、ちよつと今手許に的確な資料がないのでございますが、御了承頂きたいと思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 人件費関係が減つたということは、やはりそれだけ事業量が激つたと解釈していいかどうか、この点……。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 公共事業費全体として結局は七%ぐらいを今回の補正で減額をいたしたことになるわけでございますが、別途公共事業費の価格指数、只今申上げましたような構成要素で資材関係五、労賃四、その他一というようなことで、公共事業費の単価指数をとつてみますと、年初来たしか本年の一月は百八十二ぐらいの指数でございましたが、それが八月頃には百七十ぐらいまでに下つておるわけでございます。当初予算の積算に用いました単価よりも相当公共事業費の単価が下つておると考えておるわけでございまして、労賃分を含めました単価が今回七%近く下つておる。さような結果から判断いたしますと、公共事業費全体として大きく事業量を圧縮するというような結果にはなつていないかと存ずるのでございます。勿論中には資材費の割合口が少くて労賃部分が多いとか、いろいろ個々の事業におきましてはさまざまでございますので、ものによりましては事業量に全然影響がなかつたとは言い切れないかも知れませんが、極く大観的に申上げますると、そう多くの事業量を圧縮する結果にはなつていないと存ずる次第でございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 非常に複雑怪奇な答弁でございまして大して事業量は減つてないと言つていることは、裏から申しまして、これは事業量がやはり減つておるということをはつきり裏付けしておるものだと思います。それでそれの肩替りと申しますか、この説明書の五ページの所に緊急就労対策事業費というのが出されております。この説明の中にも「道路関係事業費の節約解除額等を充当して」云々と書いてございますが、この事業量が大なり小なり減るということは、言いかえましたならば、これまでの建設関係のほうから事業量を減らして、それを一方のほうに肩替りにしたに過ぎないと私は考えるんですが、そのように解釈していいですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 緊急就労対策事業費九億六千二百万円は、道路につきましてはこの金額だけを落しまして、それを同じような事業種目である道路事業、都市計画事業等に振替えたわけでございまして、緊急就労対策事業という新らしい項を起したわけでございます。但しこれは事業の目的、内容、種類は当初と変つていないのでございまして、ただいささかでも失業問題の解決に資し得るようにということで、緊急就労対策事業という別項を起したわけでございます。この実行に際しましては、主として炭坑地帯とか、大都市周辺とか、失業者の多い地域に重点的に実施することによりまして、失業問題の解決の一環に資しようという目的を持つておるわけでございますが、事業の種類、量そのものは当初と従いまして変化がないわけでございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 新らしくこういう緊急就労対策所事業費を作つたということはよくわかるのですが、そこで私は大蔵大臣にちよつと根本的にお聞きしたいんです。補正予算という補正というのはどういう意味なんですか、何か定義があつたら教えて頂きたい。補正というのはどういう意味が。この問題に関連するわけです。大臣にお願いします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 正とは追加と変更とでも一つ申上げたいと思います。予算の追加と予算の変更、こういうふうに申上げたらいいかと思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 追加と変更ということになりますと、これ又大きな問題がありますが、今度の補正予算はそれじや三億の追加とそれ以外は変更なんですね、そう見ていいですか。追加三億とか何とか申しておりましたが、そう解釈してよろしいですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 各種目に……、その総額からいえばそういうことになりますが、併し追加されたものはいろいろ各予算について分れておるのでありまして、そうはつきりと言うことがいいかどうか、予算の項目で御覧願うほうがはつきりすると思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 私はこの補正予算というのは実はわからないんです。この中にも当初の説明には節約と書いてありますが、節約という言葉は私が考えますると、これは既定の経費の中で節約できるものを節約する、例えば公務員の旅費等を或る程度辛抱、倹約してもらう。いろいろな問題で節約をするということは、節約の精神は私は誠に結構だと思うのですが、実際上今ちよつと聞きました建設関係の予算の問題から考えましても、一定の事業量がとにかく減つて、そうして片方の事業へそれをくつつけるわけです。これは一つの移動に過ぎないのですね。その予算はどこから出たかと申しますと、今申しましたように、節約と書いてある。非常に美しい表現でございまするが、節約の背後は、これは私に言わせますればすり替えに過ぎない。切捨てなんです。天引きなんです。天引きということになると由々しい問題だと思う。天引きになりますと、これはどうしても必要な経費であるにかかわらず、これを切つてしまう。当初五%節約ということを厳達したようでございますが、それで少くとも事業が支障を起した点はあると思います。これは天引きか、又あなたがたの言つている節約か、これははつきりしてもらいたい。どちらでございますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 勿論節約でございまして、その節約の標準がそういう五%とか十%というふうになつておるだけでございます。勿論節約をその物価等の値下り或いは請負価格等が安くなつて来ておる等の実情から、そういう節約にしたのであります。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 私の申上げるのは、例えば四ページの三の失業対策費の増加の問題のように、失業保険とか或いは政府職員等の失業者退職手当、こういつたような動きがないもののことを云々するわけじやない。むしろ失業対策事業費の補助、その問題が中心になつてそこから事業量が減つておる、すり替えられておるというわけなんです。そういう意味で補正予算という名前の中でもつと根本的に考えて頂きたいものが多々あるのです。ここではこれ以上追及する時間がないと思いますが、とにかくすり替え予算ということは厳に謹んでもらいたい。殊に今度の災害が大きく出た現在におきましては、こういうような予算は当初予算から考えましたならば、すり替えをして何とかそこを糊塗するということは、言い換えましたならば、少くとも節約できる途がある、事業量を減らす途があるということは、言い換えましたならば二十九年度の当初予算はインチキであつたということになる。二十九年度の当初予算というものをもつと適正にやつておけばそれ以上節約もできないし、それ以上事業量を減すこともできない。従つて追加予算というものは、それ以後に発した災害その他止むを得ざるものをプラス・アルフアーする。完全に補正予算は。プラス・アルフアーでなければいけない。私はこう考える。勿論その間に不慮の事態が起りましてこれを補正する、それはわかりますけれども、それ以外に一方の事業量をとつて、こちらに持つて来る、それが若し妥当だといたしますと、当初予算はこれは駄目だということになる。この点は今後予算編成の上に当りましては、もう二度と予算編成をなさる機会がないかとも思いまするが、(笑声)一つ十分に各省の公務員の方々にはつきりとお伝えしておいて頂きたい。  第二は、二十九年発生の災害復旧事業費の問題でございまするが、例ばここでお聞きしたいのは、私が関連している水産委員会の例をとつて考えましても、本年の災害に対する政府の査定額が大体二十九億八千万円程度になる。このうちの八割は国庫補助の対象になつている。これに対して政府は慣例としまして初年度三、二年度五、三年度二といつたような復旧工事を進めるようになつておりますが、それにもかかわりませず、今回これを初年度二・五に切下げたことはどういう意味でありますか。その点をはつきり伺つておきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 最初に申上げておきしますが、予算というものを編成する当時は大体において八、九月くらいのときの物価をとるのでありまして、従つてその時分における考え方のもとに予算の編成をされておるのでありまするから、その後の情勢が変つて、例えば政府は物価の五分乃至一割の引下げを目途としていろいろやつて来た。その効果がだんだん現われて来ておるのであるから、予算があるから予算をそのまま使わなければならんことはないので、できるだけこれを効率的に使う。つまり予算が仮に十という請負価格があつても、若し九で請負う人があれば九で請負わせることは当然なんでありまして、そういう予算の変更をすることは、これが一番予算を適正に使うゆえんでありまして予算編成の時期にはこれは何にもインチキではない。そのときの物価によつて編成するということは当り前であります。従つてこの点は最初にお断り申上げておきますが、予算編成は、あなたがたが別にインチキなものに御賛成下さつたのでないことは、これははつきりと御了承願つておきたいと思うのであります。  その次に今の災害予算の問題でございますが、災害対策費というものは、これは大体の目安というものをその年度において三、次年度において五、それから二ということにいたしたいのであります。いたしたいのでありますが、昨年のごとき異常なる災害がありますると、遺憾ながら現在の日本の財政状態ではそういうことができません。従つて昨年はどうかと言いますると、恐らく数字的に予算の措置をとりましたものは、これはまだいろいろな見方がありまして、一千五百六十五億とか見た時分もありまするが、その後更に大蔵省等で調べると、千二百億見当にも補助の分が査定されますので、はつきり申上げられませんけれども、大体二割ちよつと強に、その当該年度分はそうなつていると思うのでありまして、本年の年度分として今度二割五分計上したのは、最近としては、恐らく金額としては最も高い数字であると私は考えます。これは本年度内の分について言うのですから、二割五分というのは、もはや時日もそう余計あるわけではないし、本年度の仕事の量としては決して十分ではございませんが、できればもつとたくさん盛りたいのですけれども、予算措置がとれませんので、これで御我慢を願わなければならん次第なんです。今までの数字から申せば三・五・二というのは一応の標準でありまして、予算措置は昨年は恐らく二・二くらいじやなかつたかと存じております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 関連質問……。大蔵大臣に伺いたいのですが、今の質問に関連して、予算に対する国会の議決ですね、それは支出の限度を国会が承認するのであつて、そして金額を支出する義務を内閣に命じたものではない、そういうようにお考えになつているわけですが。只今のお話ですと、成立した予算から物価が下つた。そこで内閣が勝手にその予算を削減していいのかどうか。その点です。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 予算を変更しようとすれば、これは国会の承認が要るので、今回予算を変更しようとしておりまするから、この補正予算案を出して御承認を求めているわけであります。併しながら一体、歳出予算というものは内閣に対して支出の権限を付与したものでありまして、内閣はその金を全部使わなければならんということではなくて、その金を予算の金額の範囲内で最も効率的に使用することが行政者に課せられた義務なんです。従いまして変更しようとするときは、こういうふうに今回のごとく御承認を求めております。ただ内輪ですむものについて、この内輪ですまそうということについて要らん費用を効率的に使うようにいたしていることは、行政者に対して許されていることであり、過去の慣例もさようになつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今大蔵大臣は変更しようとするときには国会の承認が必要であるということをはつきり言われたのですね。ところが変更しちやつているのじやないですか。変更されているじやありませんか。只今森崎さんの御質問は、国会の承認を経る前に、すでに我々に出された資料を見ましても、港湾関係その他農林関係等々国会の承認を経ないで、すでに節約という形において事業に支障を来しているのです。そうしてそれが事後承認という形になる。今の大蔵大臣のお話は、旧憲法時代の解釈です。新憲法においてはそういうことは許されておりません。財政法二十九条の二項を御覧になれば、これは明らかに違反です。この点については又私の持時間のときに十分実行予算について質問したいと思いますが、今森崎氏に対する御答弁では変更するときには国会の承認を求めていると言いながら、すでにもう変更されちやつているのですよ、事実は。ですから森崎氏が今質問されておるので、森崎氏はただ節約する場合には今後気を付けなければならんと、こういうお話ですが、気を付けなければならんのではなくて、国会の承認を得なければならないのです。国会の承認を得ない前に、すでにそういう予算節約によつて事業量に変更が来ておるのです。重大な支障が来ているのです。そこが財政法の違反だ。又憲法八十三条の違反ですよ。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 法律問題でございますので、一応事務当局からお答えいたしたいと思います。今回の補正をお願いいたしまする前の状態についての御指摘でございますが、これは予算は変更されていないのでございます。国会を通りましたそのままの予算が財政法第三十一条によりまして各省に配賦されておるわけでございます。但し各省がこの予算を執行するに際しまして物価の値下りその他の事情を考えまして、これを全額使い切るという趣旨が予算の趣旨ではないのでございますから、できるだけこれを節約して資金を効率的に使おう、その意味で一割ぐらいを節約しようということを政府部内でいわば自主的に申合せて、予算の実行に当つておる、そういう予算の執行の一過程に過ぎないわけでございます。予算そのものをこれによつて変更したと、そういうことは毫もないわけでございます。今回はその申合せで自主的に予算の節約を申合せておりましたのを、正式に変更いたしまして、他の財源に供する必要が起つて参りました。これはもう予算の変更でありますから、今回補正予算という形で国会の御承認を仰いでおるわけでございます。その前の状態におきましては、政府部内でできるだけ資金を節約して、いやしくも血税をおろそかにすまい、そういうことから予算の節約を申合せておる、さような執行の段階にあることを御了承願いたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 木村君、簡単に。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 あとで私は自分の持ち時間のときに十分その間違いを、大蔵省の間違いを指摘したいと思いますが、どうも旧憲法の考えですよ。実行予算、実行予算と新聞によく出ておりますが、一体実行予算がそんなに勝手にできるはずはないのです。今の財政法には実行予算という制度はありません。昔の財政法にはあつた、慣例としてあつた。ところが今度の財政法二十九条の二項というのは、なぜ設けたか、この点十分考えて頂きたい。これは重大な私は財政法違反ですよ。憲法第八十三条の違反ですよ。今度の節約というのは、地方財政にも亙り、実に広汎な節約であつて、単なる物価値下りだけじやないのです。我々に出して来た資料を御覧なさい。大体一割くらい物価が下ると思つて節約した、ところが一割下らないで、港湾関係では事業量に支障を来しておるという資料が我々に配布されております。従つてこの予算案の出て来る前の節約分については、予算の変更ではないと恥しますけれども、実際の事業計画、国鉄あたりでもそうです。大変に大きな支障を来しておる。これは実質的には予算の変更なんです。前の旧憲法時代の実行予算の考えで之れをやつておるのです。主計局長も説明するとき予算の節約、実行上と言つておる。予算の実行上――ですからいわゆる実行予算の考えでやつておるのであつてこれはあとで私は又十分にこの点について論議いたしたい。これは非常な矛盾です。こんなことをしたら国会で予算を議決しても意味がなくなるのですよ。勝手に内閣がそういうことをすることになつたらですよ。非常に大きな矛盾が出て来ると思います。これは今度の補正予算の一番重大な問題じやないかと、私はそう考えておるわけですがね。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 さつき私は政府に要望して、一応終つたつもりでございましたが、この問題が又むし返されて出て来日ましたのは、大蔵省の答弁の結果だと思いまするが、私が申しましたのは、当初予算を組んで、組んだ結果、物価の値下り、或いは入札の価格が安くなつたとか、或いは単価の引下りとかいつたようなことで、自然に出て来るものをかき集めて、丁度補正をする機会にそれを他に使つているということは、これは結構だと言うのです、これは。又そのほか節約の精神に則つて、さつき申しました旅費の或る程度の節約とか、物品の購入費の節約ということはわかると言うのです。事業量を減して、その事業量をすり換えて他の事業のほうに持つて行くということは、これは当初予算を編成したところの精神を疑うものです。それならば最初から事業量を滅してやればいいのです。その代り余つた金を予備費に組んでおけばいいのです。それを初めはこれだけ必要だということで、而も各省の要求をどんどんどんどん切つて切りさいなんで、ぎりぎりのところで組んでいる。それを天引しておいて、事業量を減しておいて、そうしてさつき私がインチキと言いました言葉は、そのいい悪いは別としまして、その言葉の表現する意味において、私はあなたの答弁は間違つていると思つているのです。何か屍理窟を言われるのでしたら、もう一遍言つて下さい。だからこれはいいか悪いかということをはつきりもう一回答弁を要求します。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもは予算の範囲内で、いわゆる予算の実行上節約を図ることは何ら差支えないと考えております。但しこれに変更を加える、事業量に変更を加えてやるような場合には、これは変更でありまするから、国会の承認を仰ぐ、今回のように承認を仰ぐ、こういうことにいたしたい、又いたしておるのでございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 それはまあその問題はそれだけにしておきまして、さつきの災害復旧の比率の問題でございまするが、この一ページには「本年度内に復旧事業総体のおおむね二割五分を実施する」というのですが、二割五分はもつと正確に言うと幾らになるか。それから各種事業において全部これは平均して一律であるかどうか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 二割五分と申しますのは、直轄と補助の平均でございまして、平均比率では二五・三三%ということに相成つております。但し実際の事業を実行する場合には、直轄河川等についてはおのずから緊要度の高いものが多いわけで、ございまして、緊要度の高いものには厚くということになりますと、まあ補助事業につきましては若干二五・三三より減るというような、実行上の格差はいろいろ出て参ると思います。なお又災害激甚地に厚く、しからざる所に薄くというような重点的な配分も当然実行上考えなければならないことと思いますので、各地点について正確に一律に二五・三三%というわけではないのでございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 それではもう一つ例をとつてみますと、漁港関係では精密に計算いたしましたならば、二三・三五%になつておるのですが、私どものほうで計算してみた場合そうなつているのですが、これは一体どうしてこう平均より下廻つているのか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 只今申しました直轄には重大な個所が多いものでございまするから、平均は二五・三三%でございましても、直轄地点につきましては四割、そういたしますと補助の率が下つて来るということになるわけでございまして、只今御指摘のございました数字は恐らくは漁港の補助関係の分であると存じます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 それではこの比率の問題ですね、事業の種類によつてはいろいろ多少の変更はできるというのですね。そうしますと、もう少し思い切つて三、五、二の比率をもつと合理的に考える必要があると思うのです。例えば流失家屋が二万戸なんですよ。これを、三、五、二の比率でやりますと、今年中は三割、あとの七判は来年に五割と……、とにかく住宅の流失ということは、旨い換えますならば、一日も住んでおられない、家屋に困つているということなんですね。そういうようなものと、或いは或る僻地における余り人の通らない個所の護岸が多少破損しているというような問題とは、これは根本的に違う。そういう場合には当然これは八、一、一とか或いは少くとも五、三、二、初年度に大半を早く復旧してやるということが必要なんです。今聞きますと比率がいろいろ違うということになりますと、こういう態度は当然出て来ると思う。そういう点の心がまえがあるかないか、伺います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 直轄について四割、その他の補助は若干下るわけであります。その下りましたものにつきましても、只今お話がございましたように、例えば治安上特に重要なる地点につきましては、その補助の分も復旧率二割三分何がしにかかわらず、或る地点はこれを三割復旧するというような場合も出て参ると思います。災害の種類乃至災害のひどかつたとか、ひどくなかつたとかそういうような地域的な配慮もございますし、実行上はさまざまな重点的な配慮に基いて行われるべきものと考える次第でございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 この問題は金がない金がないとおつしやいますけれども、国土を防衛する本当の意味から考えます。と、いわゆる国家防衛の意味でなくて、来もせぬ敵を仮想で立てまして、軍備方式のみに予算をどんどん注ぎ込むという方式ではなくて、国土を大自然の暴力から防衛するということにつきましては、もう少しこれは心を入れ直して努力をしてもらいたいと思います。  最後に地盤沈下の問題でございますが、南海地震によつて瀬戸内海中心に各衆が一メートル乃至一メートル半の地盤沈下を来たしている、水位が非常に高くなつているところがあります。そこへ台風が来て一層の被害ができたわけなんでございまするが、ところがこれが特に漁港関係では今年で打切られるということになる。そうなりますと、打切られるということは、言換えましたならば、何年かの年次計画が一応完了を見たのでここで打切りというのが当然だと思います。ところが実際上これは完了しておりません。完了ではない。殆んど半分程度しかできていない、宿題は山ほどある、この対策については一体どう考えているか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) お話のように、この昭和二十一年の南海地震によりましてなかんずくこの四国、瀬戸内海、九州方面におきましては非常な地盤沈下がありまして、年々その後災害が起つているのであります。今年の災害もそれを前提とした災害が非常に多いのでございまして、従つて私どものほうでもこの対策を全部講ずるには大体九十億くらいの事業量で金が要るのであります。去年と一昨年で大体十五億くらいでありまして、来年も十五億程度の事業量をやりたいと思つて今予算の要求をいたしております。ただ併しその地盤沈下対策でも、漁港は農林省でありまするし、又港湾は運輸省でやつております。その他のほうは私のほうでやつております。私どものほうは続いてやつて行きたいと思つております。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 森崎君、時間が来たようでありますから、簡単に。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 時間がありませんから、簡単に副総理にお聞きしたい。  内閣がもう余命旦夕ということはわかつておりますけれども、私は基本的にはこう考えております。政党政治の原則として、解散なり総辞職なり、いろいろなことがあろうといえども、それが行われるまでは、内閣は人民の幸福のためには全力を挙げてこれは働かなければならない。これは当然のことだと考えております。今日、今朝ほど我々は十時から待つているが、副総理が遅れられたのが一時間十二分三十秒、農林大臣は来やしない、これは一体どういうことか。ここに私は政党政治の頽廃があるのではないか。どうして遅れられたのか、その理由は、委員長のほうで誠に申訳ありませんと言つて詫びているが、これは委員長が詫びる問題ではない。これは政府責任者においてこれは当然詫びなければならんのに全然詫びてない。どういう理由であなたがたは遅れられたか、何のために遅れられたか、このことはいいか悪いか、はつきり理由があればお聞きしたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) お答えしますが、私は今日は十時五分前に登院をして、直ちに秘書をして予算委員会に皆が集つておられるかどうかを見にやつたところが、一人もまだ来ておられないというので、大臣室で待つておつた。その後予算委員長から連絡がありまして、もう三十分過ぎたらそろそろ始めようというお話があつて、もう一度連絡があるまで待つてくれというので待つておつたので、私だけの場合は少しも過失はなかつたと考えております。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 政府全体の責任を聞いておるのであります。今後こういうことのないように気を付けて頂きたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 特に私を御指摘になりましたので私のことを申上げたので、先ほどの農林大臣のあれは、先ほど申上げましたように、結果から見て不都合であると考えております。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 時間が切れましたのであとはもうやめておきます。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私は副総理と外務大臣に御出席を求めておるのですが、外務大臣はどうされたのですか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 外務大臣は一時頃にはここに到着されるという通知が来ておるのでありますが、少し遅れまして。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私も我が党の松永君も外務大臣の御出席を要求しておつたわけであります、今朝から。何故に一時頃でなければ出席されないのか、その点はどういうことになつておるのか、はつきりお聞きしたい。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 委員長は委員会に間に合いますように外務大臣に対しましても出席を要求してあつたのでありますが、今遅れるという通知が参つておるのであります。(「どこへ行つた」「政府の答弁はないのか」と呼ぶ者あり)

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 委員長、ここに副総理もおられますし、田中副長官もおられるのですが、政府のほうとしては委員長からの出席要求に対して如何なる措置をとられたか、明らかにして頂きたい。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) それでは田中官房副長官からその問題に対して答弁をいたします。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) お答え申上げます。十分連絡をとつておるのでございますが、諸般の情勢からいろいろと(「諸般の情勢とは何だ」と呼ぶ者あり)打合わせをいたしておる関係上、少々時間が間に合いませんところは誠に恐縮に存じまするが、いずれ午後になりましたならば必ず出て参りますから御了承願います。(「休憩」と呼ぶ者あり)

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 今副長官の話では申訳ないというだけで事態がいささかも明瞭でございません。僅か二日間の審議で要求大臣を明示して要求していたにもかかわらず、今朝は農林大臣がここに見えない。日曜であつたからやらないと思つたと言うが、昨日理事会で、昨日のうちに今日やることを決定して、あなたから、委員長から政府に言つていたはずです。今の、外務大臣は一体どこに行つておるのか、このことも甚だ不明瞭です。それから委員長からも冒頭に、出席大臣の都合で開会も遅れて申訳ないという遺憾の意が表明されたので、私は委員長を責めようとは思つておりません。外務大臣の問題、それから農林大臣の問題、これらは閣僚諸君が精神的に弛緩しておると我々は思わざるを得ない。この際特に責任者である緒方副総理よりこれらを含めて緒方副総理の場合には今の御説明でわかつた、連絡がまずくて時間が遅れたということはわかりましたから、今の農林大臣の問題、外務大臣の問題を含めて一つこの事態を明瞭にされて、どのように考えておるか、明確にしてほしいと思う。話がはつきりすれば我が党でも曾祢さんは質問をすると申しておるのですから、一つはつきりと責任を明確にして頂きたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 農林大臣につきましては先ほど申上げた通りでありますが、外務大臣につきましては、私今どこに所在しておるか、事実上存じておりません。若し登院しました後に精神の弛緩がありましたら戒心いたさせます。(笑声)

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 田中副長官が先ほどから連絡に当つておるのですから、端的に伺いたい。外務大臣の所在は今どこなんですか。諸般の事情、打合の内容なんぞを聞くのじやない。どこにおられるのですか。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) お答え申上げます。連絡をとらしたのでありまするが、すでに自宅を出られた頃合になつておるのであります。自宅を出ておられまするので、途中打合をされてこちらへの到着だそうでございますので、それをお伝えしたわけでありまして、いずれ出ることになつております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 副総理は、どこにおられるかわからない、連絡をとつたかたは、自宅を出られたと言つておる。ところが先ほどは諸般の事情で打合せ中だと言うのです。何を言つておるのか。(笑声、「捜査願を出さなければならん」と呼ぶ者あり)

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 曾祢君に私申上げますが、只今外務政務次官が来ております。(「駄目だ駄目だ」と呼ぶ者あり)

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私は今質問しているわけですから……。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) お答え申上げます。先ほど申しましたが、十分連絡はとれておりまして、いろいろ手違いがあり、極く早朝には手違いが生じたようで、ございましたが、十分連絡はとれておりまして、只今登院の途中でございます。(「登院の途中か、休憩休憩」と呼ぶ者あり、笑声)

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 甚だ遺憾でありますが、外務大臣がおられないので、私は非常に大きな外交問題について副総理と外務大臣に御質問申上げたいと思います。そこで大きな問題でございますから、副総理も十分にお答えできることと思いますし、殊に副総理は中国問題については見識と抱負を持つておられると思いますので、先ず副総理からの御答弁を願いたいと思います。  私が御質問申上げたいのは、総理大臣の外遊或いは総理大臣の今議会に対する所信に現われた大きな問題でございますが、最初に吉田内閣のソ連及び中国に対する外交の基本について伺いたいと存ずるのであります。申上げるまでもなく、我が国はすべての国との友好及び平和関係を目途として独立安全及び自立をやつて行かなければならないのであります。従いまして只今国際情勢において不安定ではあるけれども、社会体制の異つた国々の間にも、とにもかくにも大戦を避けていわゆる平和共存というコースがとられつつあるのであります。この平和共存のいろいろなイデオロギー的な意味については、必ずしも我々は資本主義体制及び共産体制が永続的な平和共存ができると楽観をするものではございません。併し大戦を避けて行かなければならない、こういう見地から、又日本の置かれておる立場から考えるならば、やはり平和的な共存を求める。殊に隣国としての共産国との間にも、ただ単に共産主義だからつきあわないといつたような行き方だけではこれはやつて行かれない。或いはそういう考え方はすでにアメリカにおいてすら相当修正を見んとしづつあるのが最近の動きではないかと思われる。かような観点から改めて中ソに対する吉田内閣の国交について伺いたいと存じます。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 中ソ両国と言われますけれども、ソ連に対する場合と中国に対する場合とは別な考えを持たざるを得ないと思うのであります。共産主義国であるということにおいては同じでありますけれども、中国の場合は中華民国、台湾の台北に政府を持つておりまする中華民国を日本は承認いたしておりまして、いわゆる我我が中共と呼んでおりまする大陸の北京政府と台湾の中華民国政府との間の問題がまだ国内的にも国際的にも解決をいたしておりません。日本としては中華民国政府を承認いたしております。この関係は、今直ちに、日本のこれに対する態度は変えるつもりはございません。  ソ連につきましては、ソ連はサンフランシスコの平和会議にも参加いたしておりませんので、将来若しあのサンフランシスコの条約をソ連が賛成をし調印をする場合には、これは国交は自然に回復せられるのでありまして、その点は中国の場合とは別に考えております。で共産主義国に対する根本の方針としまして、その国の内政に干渉するというような考えは少しもないのでありますけれども、現在におきまして中ソの間には中ソ友好条約というものがありまして、日本を想定敵国にしておる。その何から、日本のほうからはこの両国に対して、今申上げました事情等もありまして、国交の調整に乗り出す気持は差当り持つていないのであります。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) なお曾祢君に申上げますが、外務大臣は到着されました。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 只今緒方副総理からも言われましたように、中国の問題及びソ連の問題はおのずと違つた点があることは認めますが、まあソ連の問題を差当り暫らくおきまして、中国関係について政府としては、例えばこの間十月の十二日に中ソ両国が対日共同宣言をやつたのであります。この対日共同宣言に対して政府は、吉田首相が外国で言つたように、これは単なる謀略であるから放つておけばいい、或いは謀略に乗つてはいけない、こういつたような態度を示しておつて、何らこれらに対して日本としては自主的な見地に立つて国交回復等の条件を示すというような積極的な外交がなされておらないように思いますが、その点に対する御意見を改めて伺いたいのであります。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 十月の幾日かに発出されました、今御指摘の中ソ共同宣言、これは成るほどその字面におきましては世界の平和、又は中ソというものとの間の平和を愛好する、平和を欲求する意味の文字が使つてあります。併し文字は極めて平和愛好的でありまするけれども、その中に流れておりまする考え方、行間をつぶさに検討いたしますると、これはいわゆる平和攻勢の一環でありまして、日本の現在の立場が西欧側と申しまするか、米国との間に緊密なる提携をいたしておる。この米国と日本との間を何と申しまするか、裂くと申しますか、この日本が米国と提携をしておる間は日本の独立の干渉はできないのだというような意味で日本の現在の国交上の立場を変更させるべく主張しておる。これはソ連が全般的に今日の外交方針とじておりまする国際的にアメリカを孤立させること、それから相手国に、妙な言葉でありまするが、相手国の国内に三十八度線を打ち立ててそうして人心を混乱さして、共産主義に対する対抗力を弱らしめるといつたような一般的な謀略がその中ソ共同宣言の中にも現われておる。そういう意味から、今あの宣言あるが故に日本の外交上の国際的の立場を変えようという考えは少しも持つておりません。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 この共同宣言が、中ソ両国から見ての日本に対する外交的な或る目標を追求する意図で出ていることはこれは当然でございましようが、併し今の副総理のお説のごとく、何でもソ連が中心になつて動かしているのだという見方はこれは非常に私は誤りではないか。中ソの関係は非常に密着した関係で、対等な協力者であるけれども、逐次アジア問題に関しては中国が主導的な地位を認められつつある、こういうことの現われだと見るべぎではないかと思うのでありまするが、いずれにいたしましても、ただ単に平和的攻勢、謀略、日米離間であるから乗れないのだと、これでは一つも日本の外交の進展にはならない。その向うの意図は察知しつつも、然らば日本としては中国及びソ連という強大な、而も我々と思想を異にする国家との問にも、我々の条件に立つた国交と平和関係を樹立する積極的な努力がなされなければ私はならないのではないか。ただアメリカ一辺倒では日本の安全も日本の自立もできない、かように考えるので、そこで伺いたいのは、少くとも吉田さんは、これは緒方さんも恐らく御賛成だと思うのですが、中国問題に関しては今度の旅行中にも大西洋の真中の船の中で日本の新聞記者に恐らく肚を漏らした、これは私は事実だろうと思うのですが、米英の中間を行くんだ、アメリカも余りに固過ぎる、そういつたような間をとるというか、こういう考え方であつたやに聞いておるのですが、その内容がどういうものであるかお示し願えるなら結構であるのでありますが、更に折角その気持でワシントンに乗り込んだ吉田さんが、アイゼンハワーとの会見においてどういうことを一体したのか。新聞の伝えるところによれば、結局アメリカに行つては何もそのことに触れないで逃げて帰つて来てしまつたように伝えているのであります。少くとも外に現われたアイゼンハワーと吉田さんの共同コミユニケにおいては、中国問題については何も触れてない。一体吉田さんですら多少は中国問題については、今までのアメリカの行き方、それに対する一辺倒ではいけないという気があつたのかないのか、その点に副総理はどうお考えになるかを伺いたいのであります。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今御引用になりました大西洋の船中で、総理大臣が対中共に対する考え方、これはアメリカとイギリスの中間を行くという表現をされた。これは私、どういう内容を意味して話をされたかを、帰られて後も聞いておりません。ただ私が想像し得るのは、イギリスの対華政策とアメリカの対華政策が正反対に違つている。そこで自由陣営の中にあります日本としては、特に中共と地理的にも密接な関係を持つておりまする日本としては、非常に日本の政策をきめる上におきまして困る問題が多い。そこでアメリカとイギリスとの間に隔意のない話をして、この中共の問題に対する考え方を一致させたいという気持があつたことは私、想像することもできまするし、そういう話を聞いたこともあるのであります。この中共に対しましては、今御質問の初めに御指摘になりましたように、長い将来におきましては、漢民族の粘り強い国民性等から考えまして、ソ連との関係がどういうふうに展開されるかということは、これは極めて興味のある問題であると思います。現に今お述べになりましたように、中ソの間の主導性がやや中共のほうにウエートが殖えつつあるということも想像されますが、その中共或いはソ連、或いは両国の関係というものにつきましては情報が極めて貧弱でありまするので、的確にこういう公開の席上におきまして責任のあるお答えをするだけの知識を私は持つておりません。歴史から見ますると、太平天国当時におきましては、一種の今日の中共の実現にも必要な経過ではなかつたかと思いますが、そういうものもやはり中国の粘り強い国民性にいつの間にか融かされてしまつて、六十年くらいの運命でつぶれたということもありますし、中ソの関係というものに対しまして、将来には興味がありますけれども、少くとも今の場合、中ソ友好条約を以て日本を想定敵国としている今の場合におきましては、考え方は現に政府のとつている以外にとりようがないと考えております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 副総理の中国に関する何といいますか、該博な知識から見て、やはり単に中共をただ共産党或いは共産主義国とだけ見ないような裕りがありはせんかということを思うのですが、いずれにいたしましても、二年前に吉田さんからダレス長官に与えた一つのクリスマス・プレゼントと我々は言つているのですが、共産主義国であるから条約を結ばない、そういうような行き方だけでは、これは大局的に長い眼で見て誤りであるというようにお考えにならなければならない一つのコースが引かれているのではないか。例えば台湾問題について次にお話したいのですが、この台湾の問題が非常に今日世界の一つの危機になつていることはわかるのでありますが、最近の米・台湾条約を見ましても、今まで少くともアイゼンハワー政権ができてから、いわゆる台湾から大陸に攻め込むことはよろしい、大陸から台湾に攻め込むことはいけない、こういつたような行さ方を変えて、あの台湾との間の条約によつても、台湾及び澎湖島、これだけが現実には台湾政府の領土として米国が守るのだという具体的な方式を出しておるのであります。私はその方式かいいと言つているわけではありませんが、少くとも台湾に対する考え、中国に対する考えが大きく現実的な見方に立たなきやならない態勢が動いておるのではないか。従つて日本としても、ただ向うが日米間を離間する謀略だからいかんというのではなくて、又日本が中ソの間を裂こうというような子供らしい夢想から計画を立てるのじやなく、現実的に中国の主人との間にやはり平和友好関係を立てる。いわば無条件的な、簡単な、日本とインドとの間に作つたような、サンフランシスコ講和条約をこわすものでもない、而もサンフランシスコ講和条約でもないというようなもので若しできるならば、それは差支えないという、一つのコースを引いて行く必要があるのではないかと考えまするが、この点如何でございますか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 根本問題として、私は平和を欲求する意味におきましては曾祢委員におきましても私におきましても少しも変りはないのでありまするが、その平和の欲求の仕方に、今日国際的に見ていろいろな考え方があるのではないか。それは中共に対して、言葉が適切であるかどうか知りませんが、宥和政策的に進んで参る、共産主義国に対してそういう態度で行くということも或いは一つの方法であるかも知れませんが、我々といたしましては、やはり今日の共産主義国が平和攻勢を展開しておる現在の段階におきましては、この自由諸国というものが固く提携をいたして、固く手を握つて、そうして武装も止むを得ない、その間にだんだんにいろいろな環境から、両方の間の何といいますか、調整が整つて来る時代がやがて来る。今の日本の立場としましてはどこまでも自由国家群の中に入つてすべての提携に、平和を欲求するというその信念と立場を固く持つて、迷わない、動揺しない、その平和自由諸国との問の提携を固くいたしまして、その上で調整の途があれば共産主義国との間の調整もして行く。根本はやはり平和自由諸国との問の提携ということに置きまして、動揺しない、迷わないということが私は日本の外交の基調であるべきであると考えております。  なお先ほど来の御質問は、現在外務省でとつておるような政策に直接関係しておることでありまするし、外務大臣もすでに参りましたので、外務大臣から御答弁したほうが更に適切であるように考えます。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 今のお話ですが、私はやはり何といいましても台湾が今の状態で中共の線に入るということは日本としては望ましくないと考えております。将来中共と自由諸国との間の調整ができればこれは別でありますが、そこでSEATOのマニラの会議以来のアメリカの態度であると思いますが、今回のやり方は、私はむしろ暫定的にも平和が維持される方法じやないかと思つて、むしろ歓迎しておるのです。つまり向うにも行かないが、こつちにも来ないでくれということをして暫らくは推移するのが、これは常識的な暫定的な方法としては然るべきものではないかと、こう考えております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私は共産主義国に対する宥和政策を考えておるものではありません。又いわゆる民主陣営自由国家、広い意味に立つて、東南アジアのいずれの陣営にも属さざる国を含めての自由国家との提携に基本を置くべきだということについても、何らの異存を持つておるものではございませんが、だからといつて何も自主性のない、アメリカも大分反省をして来ておるこのときに、今まで通り行くのではこれは曲がない。それでは本当の日本の自主独立ということにはならないのではないかという観点から御質問申上げております。台湾について岡崎大臣から言われましたが、なかなか示唆に富む点があると思います。私たちは少くともアメリカが一方交通、大陸逆上陸はいいというような危険な方向をやめたことは、それだけはいいと思いまするが、あの状態はやはりお互いの陣営の間に危険をはらんでおることで、決して満足な状態ではない。従いまして台湾について、私たちも台湾が中国の問題として、又同時に大きな国際問題として平和的に解決される、これを望む。少くとも我々は実力によつて解決する、国内問題であるからという理由の下に実力で解決するということは、今のかりそめの平和を乱すものであるから賛成できない。同時に如何に解決されても、台湾というものは特殊の戦略的な意味を持つておるのであるから、その解決の暁においても他国を脅威しないような非武装化的なことが考えられなければならないと考えておるのであります。その点を明らかにしておきたいと思います。  時間がございませんので次の問題を御質問申上げたいのでありますが、次にこのやはり吉田総理のアイゼンハワーとの会談、或いはアメリカにおけるいろいろな行動から見て、東南アジアの開発にいわゆる五十億ドルばかりの一つの新しいマーシャル計画といいますか、開発資金を要請したという点に関連してでありますが、これは我々非常に大きな問題だと思う。ただ吉田さんが卒然としてああいう数字を出される前に、一体政府としては如何なる機構によつて開発、如何なる国際的の結び付きということをお考えになつてやられたのか。例えば曾つてのヨーロツパにあつたOEECみたような機構で考えておられるのか、それともSEATOに関連した軍事的な関連の強い形で考えておられるか、勿論資金の出す元はアメリカといたしましても、もつと東南アジアが受入れやすいような進歩的な、すでに国際連合においても取上げておるような、国際連合の経済開発基金というようないわゆる紐付でない形において考える。それとも中間的にはコロンボ会議にも日本が入るような気運になつておるから、少くとも一国対一国のバイラテラルでない、マルテイラテラルな形で、一地域内の各国が入つて来てやるということも考えてやつておられるのか、そういうような構想もなく、ただ観測気球を上げて五十億ドルをせびるというやり方ではなかつたと思うが、これは非常な重要な点であると思う。私は方向として間違つておると思わないが、政府の御構想をお漏らし願いた。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) これはまだ正確な数字とは到底申されないのでありますが、我々が先般コロンボ・プランに加入するときに、各国で今までやつておる点を見ましてそれによつて日本がどの程度できるかということは大体推算、非常なラフな推算はできないことはないのであります。それからエカフエのやつておること、ポイント・フオアーで考えておること等を大体頭に入れまして、それから最近のビルマとの賠償交渉によつて経済協力的な面が相当ある。これも実際的の問題として考えてみますと、同様のことを若しフイリツピンやインドネシアに及ぼすとしたらどの程度のものができるか、このよろなことを考えまして、日本が自分だけでやるというのは、恐らくこの賠償協定にからむ問題でありましようが、それからコロンボ・プランなどは、日本と相手国との間の相談でできるものという勘定になりますが、併しポイント・フオアーなどは日本が必ずしもやるという意味ではない。ただアメリカとしてもこの程度のことはやり得るし、又やるのが然るべきじやないかというようないろいろな点から集めました数字でありましてあれだけを日本が借りて来てどうしようという意味でもないのですが、このくらいあればこの程度のことができるのじやないかという極くラフな推算、これはアメリカでもコロンボ・プランとかその他の結果、或る程度数字は承知していると思います。そういう意味でありますので、お話の趣旨に直接お答えしますれば、これはコロンボ・プラン、エカフエ、ポイント・フオアーというような線と、それから日本と相手国との間の賠償協定、経済協力、こういうようなものによる開発ということを考えておるのであります。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 その点はラフな計画でも数字をあとでお出し願いたいと思います。これを要求いたしておきます。委員長お願いします。  そこで私のお尋ねしたい点をもう一ぺん明確にしますと、やはりいろいろな計画があるけれども、それから日本の東南アジアに対する賠償についてはこれはやはり独自にバイラテラルに各国単位にやつて行くのが当然でありましようが、もう少し大きな構想としては、まあコロンボ・プランもあるけれども、もうポイント・フオアーというような行き方でなくて、いわゆる国際連合の開発特別基金というような方面に向けることをお考えになつておるかどうかを伺いたいのであります。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 具体的にはまだそこまで話合つておりませんが、成るべくは国際機構で行きたいというのは、これはもう前からの趣旨であります。国際機構の中の一員としてやりたい。コロンボ・プランなどもその意味で入る、方向はその通りであります。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 曾祢君、時間が参ります、簡単に。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 それじや最後に中国問題に返るようでございまするが、最後に一点だけ伺いたいと思います。  日中貿易というものは非常に私は重要なものでありまして、ただこれを徒らなる過去の夢から過大評過してはならないと思いまするが、勿論過小評価は断じてならない。そこで基本的にはやはり日本と中国との国交調整という線から行くのが本当だと思います。併しその問題は先ほど来論議したところでありまするから、繰返しませんが、いま一つは、やはり中国に関しては米英の中間を行くということを総理は考えたそうですが、確かにこの中共貿易については殆んどアメリカ一辺倒でない、イギリス、西ドイツとも競争関係がございます。併し同時に今までのいわゆる戦略物資であるからという名目による対中共貿易の統制は、現実にはソ連関係のほうは殆んどもう統制は解かれております関係で、これは西ヨーロッパの諸国を利しているけれども、日本に対して重大にして不公正なハンデイキヤツプ、而も大勢から言うならば、中ソ両国の間を簡単に裂こうというような子供らしい夢想ではいけないけれども、やはり大きな考えとして、あの中国の厖大な経済建設をソ連及び東ヨーロツパ衛星国にのみ独占させるような、中共をソ連にのみ追いやるような、こういつた短見的な考えではいけない。かかる観点に立つてやはり時勢の推移に応じて、政府は力強く一方においてはパリ・ココムーリストを根本的に改正して、純然たる武器弾薬を除いては建設資材は全部これを許すという大きな点をお考えになり、真剣に努力されるお考えがあるかどうかが第一点。  第二点は、当面の問題としての日中貿易を考えた場合に、日本から有資格者、我々国会議員クラスの者よりも、本当に業界の代表を送ることも結構かと思いますが、同時に日本に、岡崎君が考えを改められて中国人が来るたびに非常に稀少価値から大騒ぎするいう考え方を国民から捨てさせるためにも、むしろ中国の貿易関係の関係者を、これは仮にそこに政府の関係者があつても呼び、業者を日本に招いて一面においては過去の日中貿易を夢見る人に限をさまさせる必要がある。又彼らをして日本の貿易品の現状を見させる、こういう手をお打ちになる考えはないか、この点を伺いたいのであります。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 私は共産国家との間の貿易の統制、ココムといいますか、こういう点についてはソ連圏と中共を分けるという意味はない。少くとも日本にとつては甚だ迷惑な分け方と考えております。というのはソ連圏から中共に物が行かないとは誰も保証できない。中共だけを制限するということは日本に対する制限にひとしい。ソ連圏を別とするということは、日本は手は届かんが、ヨーロツパの諸国は手が届くということになりますが、これはココムの考え方を若しやるとすれば、全部の共産圏一緒でなければいかんという考え方で進んでおりますが、まだ現実には御覧の通りで十分なことはできておりません。併し最近何回かに亙りまして、中共に対する禁輸品目の解除をいたしましたのは御承知の通りであります。漸次その方向に進みたいと考えております。  それからいわゆる貿易代表の問題でありますが、実はソ連からの貿易の代表、と言えるかどうかわかりませんが、その入国を許したのは御承知の通りでありまして場合によつてはそういうことはほかの国に対しても考え得ることであります。その点は最近議員団ほか各団体が中共にも行きましたのですが、漸次国際情勢の転換と同時に弾力的にこれは考えて差支えないものと思つております。ただとかくいろいろの問題がありまして、例えばスケートの選手の監督が実はまるで違つた内容の人であつたとかいうようなこともあります。李徳全女史が来られたときも、何か費用として北京では三万ドルを決定したという話でありますが、日本の国内では赤十字が全部この費用を持つたはずでありまして、その三万ドルの費用がどことかへ行つたという噂も、これは確かでありませんから、こんなところで申上げるのもどうかと思いますが、要するにときどき妙な問題が入つて来ますものですから、この点を注意しているだけのことであります。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 時間がありませんからこれで……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 午後は二時半から再開いたします。  暫時休憩いたします。    午後一時二十八分休憩    ―――――・―――――     午後二時五十九分開会

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。補正予算に対する質疑を継続いたします。  その前に資料の件につきまして政府にお願い申上げておきます。先般当委員会の要求によりまして資料を三十件お願い申上げたのであります。うち二十一件は提出済でございまして各委員に配付してございますが、次に申上げます資料がまた提出されておりませんから、今明日のことでありますから、直ちに御提出あらんことをお願いいたします。大蔵省関係といたしましては、補正予算に伴う修正財政投融資計画、それから保安庁経費及び安保諸費の使用状況、それから賠償に必要な経費の見込額、援助資金三十六億円の使用計画並びに使用実績、今次補正予算の大蔵省原案と閣議決定案との比較対照、並びにその増減の経緯、以上が大蔵省関係であります。それから厚生省関係では生活保護費増額に対する基礎資料、それから運輸省関係といたしましては、二十九年度災害復旧事業費各申請額、及び査定額の府県別各省別内訳、それから国鉄の交通公社からの未収分、それから本年度において米駐留軍並びに自衛隊が基地異動、拡充等の理由による新設拡充する諸施設、演習地の内訳及び所在地に関する資料、これだけがまだ未提出でございまするから、速かに提出方をお願いいたします。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 政局について不安定の今日におきまして、政府の施政方針を伺いますことは、必ずしも当を得ないかとも存じますが、長い間責任の地位におられた方々に、日本の現状及び将来の対策につきましてお考えになつていらつしやるところを伺つておきますことは、これ国家のために大変大切だと存じますのでお尋ねいたしますが、どうぞこの際はたとえまだ政府の施政方針にはなつておりませんでも、大臣個人の創意工夫を大いに披瀝して下さることを特に歓迎いたします。  まず第一番に大蔵大臣に対してでございますが、今年の夏、日本では多くの国会議員が海外視察に出かけましたが、その報告によりますと、異口同音に国運が隆盛に向いつつあります国では、一様に国費のむだを極力さいて、社会保障その他国民の利益のほうに使つておると言われますが、これは日本にとりましては大変にいいおみやげだつたと思うのでありますが、そこでもはや日本の財政を切盛されます上におきましては熟練工であられるはずの大蔵大臣に対しましてお尋ねするのですが、大臣は今日の日本の財政を御覧になりましてまだどのあたりにむだがあり、どういうふうにしたならばそのむだを防ぐことができて、それをどういうふうに有用に使うことができるかという御工夫ができておるであろうと存じますので、その点につきまして、たとえ私の持時間二十五分全部それによつて費されても、これは国家のために大変有益なことだと存じますので、ごゆつくりと詳しく御答弁を願います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 今仰せになつた意味は、多分今度の、今二十九年度編成をしておる予算、そのうちに多少ともむだなものがあるのではないかというようなお話が中心になつておるかと存じます。私どもは実は予算のあんばいには非常に苦慮し、又国会でも御修正に相なつたような次第でもございまするが、現在の国費の中にむだになつておるところがあるとは存じませんが、お考えのいたし方によつては、例えばよく社会党の諸氏は防衛費についてむだがあると仰せになりますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)これは私はさようには考えておりませんが、私の立場からいえば必要欠くべからざる予算であると考えております。そのほかいずれにいたしましても、私のほうとしてはむだ或いは余分なものがあるとは感じませんが、ただ公共事業費或いは災害復旧費等のうちには、その後の御承知のごとくに会計検査院とか、或いは行政監察方面とか、大蔵省方面で実地に調査をしてみますると、多少まだむだという言葉は適当でないかもしれませんが、とにかく水増しがあつたりいたしておることは、又不正な或いは不当な申告等があつたことは事実でございまして、かような点につきましては、会計検査院で詳細の報告をされておるのでありまするが、私どもからみましても、この点についてはまだ若干改善する余地があるだろうと存じまして、今後ともこの方面には十分行政費にむだのないよう処置して参りたいと存じております。  なお仰せになりました社会保障費関係の分でございまするが、これは現在のところ丁度戦前に比べますると、物価指数を考慮に入れましても大体二十倍に達しております。併し決してこれを以て十分とは考えておりませんので、もつと財政事情が許せばこれにもなお少しあんばいしたいとは考えております。只今のところどういう点に最も釣合いよいよ、この日本の全体の国政を進めて行く上においてはどういう配分が最も釣合いを得ておるか、こういう点にこれからの十分な配慮をなさなければならん点があると存じておりますので、むだその他につきまして、かりそめにもそういうことについて御指摘の点等がありますれば、十分これに対しては注意いたしたい所存でございます。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 防衛費の点につきましては、不必要な支出はしていないと言われましたが、これはやはり見解の相違だろうと存じますが、今日アメリカの駐留軍のために支払つております金が六百三十億、或いは六百二十億でございましようか、これにつきまして私最近不審に思いますのは、日本で自衛隊を募集いたしますと、日本の青年で応募いたします人の数が相当多いようでございますね。よその国を守りますならばこれは別でございますけれども、自分の国を守りますのに、日本にも男子の方がおりますので、殊に青年の人が日本の国を守りますために応募するということは誠にいいことでございます。併しどうせ守らなければならない、自衛隊を置かなければならないほど危険状態にありますならば、日本の青年に守つてもらつたほうがむしろ自然でございますので、失業者も多いときでございますし、応募者も多いのだから、もうぼつぼつ一つ独立の回復のためにも駐留軍を帰るようにしてもらいましてこの六百二十億の金は相なるべくは日本の青年のために使つてもらうということが、むだを省く一つの大きい題材にならないかしらと思うのでございますけれども、これについてどうお考えですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 防衛庁の問題は防衛当局からお答え申上げることが適当かと考えますが、私どもが財務当局としてみますると、現在のところ仮に日本の防衛に必要なるものを日本の力で賄うとしましたならば非常なる財政上大きな負担で、これは国民の負担に堪え得ないのであります。従いまして、日本の方針としては、条約でもきめました通り防衛は漸次増加し、漸増的にこれをやつて参るということになつておりまして、言い換えますと、日本の国力に相応したものを日本の国で負担して参る、国力以上のことをしない、こういうのが私ども財務当局として、又国がとつている建前に相なつております。従いまして今アメリカがやつておりますものを漸次日本に変えるように持つて参るでございましようが、今の日本の国力では到底そこまで参つておりませんので、この程度は止むを得んかと存じております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 むだというわけでもないでございましようけれども、よく遺家族の人たちの集まりに参りますと、いつも文官の恩給というものを対象にしまして、自分たちが非常に国家から冷遇されているというようなことを聞かされるのですが、私もこれに対して不思議に思つております。百姓でも商人でも、とにかく一生懸命一生涯働きましても、恩給などにありつけませんのに、在任中はちやんと適当な生活費が支給されておりますのに、文官だけが高額の恩給が支給されるというようなことは、多少敗戦国として矛盾じやないかと思います。今日の旧弊を打破いたしまして、思い切つた改革をせられますためには、やはり勇気が必要であります。どう考えましても、一般の釣合いから考えまして文官の恩給というのは、私はこれは改善の余地があるのではないかと思うのですが、どうお考えですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これも私がお答えすることが適当でないかもしれませんが、財務当局としてお答え申上げますが、これはやはり国家に一生懸命で公務にいそしんでおる公務員諸君が、やはり公務を退いた後も生活の安定を得るということは必要でございまして、その意味から私どもは恩給制度はこれは必要であると考えております。但し、現在の恩給制度がよいかどうか、或いは又他に代るべき方法がないかどうか、こういう事柄等については、これは国といたしましては、十分検討すべきであると思いますけれども、只今の制度のもとではこれは必要であると考えておる次第であります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 過年度災害の問題は、これが非常に国家の国費を濫費いたしておるように思うのです。障子の破れも小さいときにつくろいますと、経費が少くて済みますけれども、大きくなりますと経費がかかるということは、今更松下禅尼の古い教えを引用するまでもございませんが、今日の日本の実情はやはり非常なむだが行われていると思うのです。そこでこの資金がございませんために災害対策が困難でございましようけれども、それに対しまして、終戦後の日本は地主もございませんし、家主も引合いませんから成立ちませんので、小金を殖します方法といたしましては、やはり保金経済とか日殖のような高利貸しのほうに廻しまして、元も子もなくなつておりますのが現状でございますので、むしろ国家のほうから銀行預金よりももう少し高い利子で、それこそ建設公債にでも借上げて頂きまして、大いに過年度災害にならないように、早いうちに手を施すということも、国費の濫費を防ぐ一つの方法ではないかと思うのですけれども、そういたしますと、インフレになると一般に言われますけれども、インフレにならないと思います。所得が殖えますれば、そこから税金で吸い上げればいいと思いますから。今日中共あたりでも盛んに公共事業が行われておりますが、日本はいつでもこういう消極的な方法で、却つてむだが多いのではないかと思いますが、これにつきまして……。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 過年度災害が、今日の事業税で恐らくは千数百億に上る、国家負担に属するものがなお千二百億くらいに上つておることは事実でありまして、この点も誠に遺憾に思うのでありますが、現在の国の歳入の関係上はこれ以上処置しかねますので、甚だこの点遺憾に存じております。尤もなお予防的な意味で、今まで治山治水等にも昨年から相当増額をいたしておりますけれども、とにかくあの長い間の戦争で荒廃した山河を復旧するのには非常に足りませんので、この点を甚だ遺憾に思つておる次第でございます。お話の通りに、或いは建設公債その他を起してやつたらどうかという問題でございますが、これは私どもが現在の状況から考えますると、先ず日本のような国では国際収支が均衡を得て、日本の品物が国際的に競争力を持つて、よその国へ出て行くようになりませんと、今のごとくに、日本が食糧にしても原材料にしてもみなよその国から買わなければならんときには、そのことが第一に必要になつて来るのでありまして、それを差しおいて、少しでも物価が上つて来る、いわゆるインフレーシヨンに向うようなことでありますと、国の本をこわすことにもなりますので、そこでその意味から申しまして、国の歳入の範囲内だけでその年の歳出を賄つて行くといういわゆる健全財政主義をとつておるわけでございます。従つて今の場合にいわゆる公債等を発行して、そしてそれによつて仕事をして参る、これはもう少し行くと私のいう拡大均衡の線に出て来ましてそれをやり得るのでありますが、今年或いは来年の半ばくらいまではまだその時期でないように確信いたしております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 やはりこれは建設と関係がございますけれども、今の政府のなさり方は、国家予算でのみ償うのでございませんで、よく地方財政に手伝わすという項目が多いのでございます。例えば災害対策にいたしましても、国家が三分の二を背負いまして、あとの三分の一は地方財政に背負わす。ここに文部大臣がいらつしやいますが一文教のほうででも危険校舎の修築はやはり三分の二ばかりは国家が背負いますけれども、あとの三分の一は地方です。未亡人対策でもその通りやはり地方に背負わす。こういうことは極めて良心的でないのであつて、一応派手に国家としてはそういう施策をしておるごとくに見えますけれども、貧乏な地方財政が推進力になつたような形でございまして、実行困難でございます。殊にこの災害対策などでは三分の二国家が出しましても、地方としては捨ておけませんので、三分の一の支出ができませんために、国家からくれる三分の二だけでその修築をいたしますために、徳川時代の建設工事が壊れませんのに、近代科学を応用したはずの最近の請負い工事がどんどん壊れるというのは、そこに一つ原因があると思いますので、相なるべくはこういうようなのは地方に背負わせませんで、良心的に一つ国家が全国を比較いたしまして、最も危険地域と、最も必要と思うところから順々に国家経費で賄うようにしなければ、これ又一つの大きな濫費になつていると思うのですが、如何でしよう。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 国費を重点的に使わなければならんことは仰せの通りであります。但し今の災害その他のものにつきましても、これを国費のみでやりますと、又延いていろいろな弊害も実は出て参るのであります。即ちそれの関係の深い地方がそれに対しての費用を若干持つということは、この復旧工事その他で極く円滑に進捗せしめるゆえんであり、効果的に進むゆえんであると考えるのであります。なお、中央のみがこの地方に背負わせるようなお話でございましたが、そうではございませんで、地方の足らん点については起債その他の方法でもつて資金上の措置をいたしておりまするし、又利息その他についても補給等の途を講じておりま写るので、仰せになるようなその三分の一の負担にはなるわけではございません。  それからなお、現行法によりましても重点的に物が使い得るように相なつておりまするから、例えば災害の激甚な地方には自然多くこれに費やす、災害の比較的まあ薄い地方には比較的薄くする、同じ金でございますけれども、さような措置をいたしておる次第でございます。又地方におきましても、その地方が受けたものについての配分についても同様な措置がとり得る一次第で、全国が全部完璧とは申せませんが、私は現在の制度がよろしいように考えております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 国家の濫費を数え上げれば切りがございませんが、今日風教との関係がございますが、賭博の方面にはなかなか融資がされております。資金がなくて外国から高い利子で金を借りたりしておりますときに、賭博の方面に年預の融資が行われておるというようなことも、これは濫費に違いございません。農林大臣も折角出席下さつております関係上、伺いますと、何でも飛行機にお乗りになるところまでおいでになつたのに、私の質問のために帰つておいでになつたそうでありますが、大変国家の政治を大切にお考えになつていらつしやるようで敬意を表するのですが、ついでにいろいろな大臣に一緒に御質問しますので、関係大臣から御答弁下さつて結構なんですけれども、競馬にいたしましても競輪にいたしましても、今日土地がない。耕地面積が狭いために世界銀行から金を借りまして、それで愛知用水であるとか、或いは北海道の泥炭地方等の開拓等をせられますときに、一方では競馬だ競輪だというところに非常に美田を費やしてやつております。こういうところもむだといえばむだ、それから農林大臣でございますけれども、美田を費やして、すいかとかそのほか余り急がないものをどんどん作らせているようですが、これでは民主政治はやつて行けないじやないでしようか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 農地をできるだけ他の用途に転用しないようにということで、かなり督励をいたしておりますけれども、実際問題といたしましてはやはり住宅が増加して来る。いろいろの用途がそこに起きて来るということで、遺憾ながら年々二万町歩くらいの美田がつぶれて行くという状態でございます。これにつきましては、只今現在の法制措置をもう少し厳しくして、もう少し取締つたほうがよくないかということで検討いたしております。御趣旨のような線ではやつておるわけでございます。それからすいか等の不急作物というお話もございますけれども、これは農家のやはり土地利用を高度化して行きますためには、立派な水田で稲も作らんですいかを作るというわけではございません。裏作としてすいかを作るとか、或いは畠でそのほかの作物を作るよりもすいかを作つたほうがいいということで作つておるわけでございます。これも主としては畠でございますが、大体全国で二万町歩くらいのすいかが栽培されておるわけであります。併しこれは単に農家経済だけからでもなく、又国民嗜好と申しますか、そういう上からもそう私はやかましく言う問題ではなかろうと考えております。無論何と申しましても米麦の生産に集中して参るという政策は、これはもう固く堅持して参りたいと考えております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 国費のむだにつきましては、ずいぶんここに挙げておりますけれども、時間がございませんので、のちの機会に譲りまして、質問を先にいたしますが、大蔵大臣、通産大臣に対してでございます。二十九年度の当初予算の最も大きい狙いどころは、国際収支の点でまさに破産に瀕しつつあります日本を救いますために、物価を引下げまして輸出振興を図るということにあつたのでございますけれども、未だ半年ならずして相当の黒字だという御報告をされたようですが、とられた政策の中でどういう政策が特に効果を奏しておるようでございますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) なお深川さんの先ほどのにちよつと一言お答え申上げておきますが、世界銀行等から入れまするものは、これは全部農業に関しますものは食糧の増産でありますが、昨年すでに入れました火力借款とか、或いは今鉱工業等についての話をいたしております。そういうものもございますが、これはいずれも日本産業の近代化、合理化及びコストの引下げに使うものでありまして、極めて有用な役割をするわけでございます。  それからあとの一点について申上げますと、今資金統制法がございませんので、金については金融業者の自主的な判断の下にやらしておりますが、併し行政指導といたしまして絶えずそういういわゆる歓楽街とか、むだなことのないようにすることに努めますけれども、最近はそういう傾向は減つたと思いますが、過去においてそういう仰せになつたようなむだが相当あつたことについてはこれは誠に遺憾に存じております。  それから只今の点でございますが、国際収支を合せるために何が一番効果があつたかと申しますれば、これはいろいろな見方がございましよう。併し何と申しましても日本の物価が下つたこと、或いは物価が下つた意味にはこれはいろいろあります。例えば中には金融のためのものもございます。中にはいわゆる出血と称するものもあります。或いは又いろいろなリンクとやらの結び付けによつて出ているものもございます。いろいろなものがありますけれども、併し、おしなべてこれを申しますれば、日本の品物がいわゆる国際的に競争力を持つて来た。今の価格なら国際競争力を持つているということでございまして、今後の施策はどうしてこの価格のところで維持させてこの競争力を培養させて行くかというところに、主たる点が注がれるのじやないかと思うのであります。これは数字がずつと逐月御報告申上げてありますので、輸出なり、輸入なりの状況は御覧の通りでありまして、最近著しく好転しつつあることはこれは皆さんと共に御同慶に存じておる次第でございます。当初私どもが昭和二十九年度予算のときに、大体二十九年度で約一億ドルの赤字にとどめたいと申しておりましたが、これが過日来申しておりますように一億八千万ドル近く、一億七千数百万ドル、その中には尤もポンド・ユーザンスというようなものも含まれております。従つてそういうものを除きましてもなお約九千万ドルからの実の黒字になると考えております。  それから更にもう一つ申上げるのを忘れましたが、昨年はイギリスとの間に貿易協定ができまして、その協定の関係上向うがいろいろ制限を解きましたもので、従つて日本の品物がいわゆるスターリング・エリアに向つてたくさん出て行つた。これは非常な著しい増加を示しているもとでございます。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 デフレ政策のことにつきまして御説明がございましたが、主に政府の施策は金融の引締めにあつたと思うのですけれども、なるほど狙われた通りお盆頃から物価は下つたようです。繊維製品を初めといたしまして一部分の物価は下りましたけれども、下つた原因は融通金を引締めましたために、融通金がないために仕方なく安く投売りしたというのが実情でありまして、自然に安いものを仕入れておつて安く下つたのではございませんで、高く仕入れておりましたものを融通金を無理に締めつけたものですから、仕方なく安く投売りしたというので、失礼ですけれども、自由党内閣長年の失政の後仕末をただ商工業者のみに背負わしたというので、これは政治にあらず、暴政になりつつあると考えるわけです。こういうやり方では私は輸出品の物価は下るわけがないだろうと思います。輸出品の物価はこういう方法で下るのでないのであつて、やつぱり遅まきながら基礎産業の拡充とか、或いは経済外交とか、或いは暫くの間は急がない輸入品の制限とか、或いは輸入品に対して低金利の融通とか、或いは課税に対しまして手心をするとか、或いは労賃が余り上つてくれては困りますので、社会保障制度の充実とか、或いはまあ長い目で見ますならば、人間が多過ぎますので輸入が殖えるのでしようから、産児制限とか、或いは南方移民等々が挙げられるのだろうと存ずるのでありまして、こういう方法でなければ本当に輸出品の値段は下らないのでありまして只今まで政府がとつておいでになります、財政及び金融の方面で融通金を締めつけるというようなところに主眼点をおいておいでになりますことは、これは非常に暴政でございまして、殊に年末を控えまして商工業者はさぞ悲鳴を上げるだろうと思うのですけれども、この私の考えは間違つておりますでしようか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 百私は少しも暴政とは考えておりません。この点は私どもが繰返し申しておるのでも御承知を願つておると思うのでございますが、二十八年度予算というものが相当戦後の予算で最初のインフレ的傾向を持つておつたのであります。従いまして私たちが二十八年秋から先ず金融の引締めを行なつたのでありますが、深川さんが数字をお調べ下さればわかりますが、金融においても、例えば昭和二十五年朝鮮事変のときに、一番金融が不健全な徴候として現われておるオーバーローンというものは幾らあつたかということをお調べになれば、朝鮮事変が起つたときには千億に足らないのです。それが或いは二千億を越し、三千億を越し、四千億を越すに至つた不健全な金融状態を、例えば昭和二十七年のところに戻すといたしましても、これは二千七百億くらいのところになるのです。従いまして金融が非常に走り過ぎておつたので、むしろ独走というか、金融のほうが放漫に走り過ぎておつたので、その手控えをしたというのが実情であることが、数字を少しお調べ下さればすぐわかることなんであります。但しその間に少し走り過ぎた部分に、いわゆる不健全な企業の方面にいろいろなものが出て来ましたことはこれは世界的に見て止を得んことであります。従いましてこれらに対する処置も又必要であり、又全般的に申せば、非常な廻り道をして何年間にもやつておいたといたしますれば、お話のようなふうになると思います。お話のようなふうに基礎的なものやつておけばいいことになると思いますが、併し昭和二十八年度三億一千三百万ドルという一年で赤字になつたのでありまするから、それをもう一年同じ状況が続いておつたならば、これは日本が原材料も買えなくなり、食糧も入れられなくなる、こういう事態が起つて参りますので、そういういわば非常に廻り道をして、併ししつかりした道だという道を通りにくい事情等もありまして、只今のような政策をとつておるわけ合いでございます。併しこういう結果として起つて来るいろいろな錯綜に対しては、これは政府として処置すべきものが少くないと存じまして、この点には今後とも十分な配意をいたしたい所存であります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 次には文部大臣、厚生大臣、法務大臣にお尋ね申上げますが、ヒロポン中毒患者が非常に殖えまして、非常に一つの国難になつておりますが、この対策に対しまして只今ではどういう手段をおとりになつていらつしやるか、及び将来どういうふうになさろうと御計画されていらつしやるか、ありのままを一つ順々に大臣から御説明願いたいと存じます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) ヒロポンの中毒症状が大変最近目立つて殖えて参りました。従つてこれが対策は最も現下急務の状態になつて参つたのは御指摘の通り。従いまして、この覚せい剤の中毒に対しまする問題につきましては、先ずヒロポンその他覚せい剤の中毒の如何に身体に害になるかということを啓蒙宣伝をいたしまして、十分これを一般に徹底させる。又国民がこれに協力してこれを排除する方向に持つて行くことが、先ず何よりも大事だろうと存じます。これを現在では、政府が作つておりまする以外は大体全部密造、密売と申上げて過言ではないと思いますが、従つてこれが厳格な取締りの励行、次にはかかりました中毒患者を速かに治療して治すという、この三つの方法をとつて参りたいと存じます。幸いに最近世論も大変この点を心配して強力な支持を願つておりまするので、又取締当局の協力を得ておりまするから、この点を十分徹底させるような方法をとつて参りますると同時に、かかりました人たちを一日も早く全治させる方法をとつて参りたいと存じます。本年只今大体これを精神病院等に入院させまして、治療をいたしておりまするが、大体千五百人程度現在治療をいたしておると存じまするが、なお不十分でありまするから、本年度におきましても予備費をもちまして、取急いで二百五十床増設いたし、明年度は更にこれを増設して、治療の万全を期したいと存じます。こうして現在のような覚せい剤禍というものを根絶せしめたいという方針で進んで行きたいと思います。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 厚生大臣、啓蒙宣伝には具体的にどういう方法をおとりになつていらつしやいますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) これは一般の言論機関その他の機関の協力を得ますと同時に、府県におきまして、或いは青少年対策等の婦人の力なり、又民生委員の力なり、これらの十分協力を得まして、或いは映画を作製いたしますなり、或いはパンフレットを出しますなりして、国民の啓蒙宣伝に当つて参りたいと存じておりまするし、現在府県等におきましても、強くこれを取上げております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 随分苦心のあるところを伺いましたが、おつしやるその婦人団体にいたしましても、これはなかなか全体に行き渡りませんね。映画にいたしましても、殊に民生委員の協力と申しましても、現在の民生委員は五つも六つもかけ持ちの仕事を持つていらつしやるわけです。そうしますと、ここまで手が届きません。一番最初の厚生大臣がおつしやいましたように、中毒患者の措置とか、或いは密造者の検挙よりも、一般の国民にヒロポン中毒というものの恐ろしさを先ず知らせるということが一番大切だとおつしやつたが、それは私も全く同感でございますけれども、一般国民に知らせる方法には、やはり最小の労力をもつて最大の効果を挙げなくちやいかんが、今厚生大臣のおつしやつたほかに、この頃では農村とか漁村とかに盛んに浸潤いたしつつございますので、ラジオなんかを大いに私は利用されることが大切だと思います。勿論予算とも関係ございましようけれども、一日の間に何回も何回も繰返し繰返し、そうして青年が好奇心を持つてこの注射をしてもらうのですから、知らん人が、或いは知つている人でも、やたらに注射を勧められても、恐ろしい中毒患者で気違いのようになるのだから、医者と相談でなければ、絶対人から勧められても注射してはいけない、家庭も十分気をつけるようにというような、簡単なよくわかる言葉を一日に繰返し巻き返しラジオで放送なさいますならば、これが一番有効じやないかしらんと思います。新聞の協力もございますが、ときどぎ長い文章を拝見いたしますけれども、短い文章で結構ですから、数を何回も何回もするように、これは希望として申上げまして、次にこれは文部大臣として、ヒロポン中毒に対しましては、何か小学校、中学校、高等学校、大学あたりで特に教育さすように指令でもお出しになつていらつしやるでしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 深川さんのお話の通りに、ヒロポンの害毒、これは非常に困つたことであります。警視庁でいろいろ犯罪者、或いは非常に不良行為をした、そういうものについて調べられたヒロポン患者、その一割が学生ということになつております。大体二十才前後、高等学校の子供が相当多いのだろうと思います。こういうふうに思つております。だんだん文部省としましてもいろいろ、この点はなかなかむずかしいことでありますが、苦労してどういうわけかということもいろいろ調べてみておるのでありますが、試験勉強するような場合にこれを使つてするというようなことが相当あるように思われますので、県の教育委員会のほうの指導課長へそれから保健課長会議等におきまして、強くその点を指示して、一般にそういうことのないように、学校の子供にそういうことのないようにということについては、特に注意をして指導しておるわけであります。何しろ文部省の仕事といたしましては、結局指導啓蒙という、そういうきめ手よりないのでありまして、一般の社会教育面、つまり一般青少年につきましても、社会教育研究協議会ですか、そういう場合に各方面と連絡をとつて、いろいろと啓蒙には努めて参つております。なかなかこれは実効を挙げるということが目に見えて現われて参りません点は、非常に遺憾でありますが、本年の五、六月、御承知の通り青少年育成運動というものが行われたのでありますが、これも関係各省と連絡をいたしまして、できるだけの啓蒙には乗り出しておるのであります。御承知の内閣のほうに青少年対策協議会という、青少年の関係の各省事務当局の委員会ができております。これにおきましては、ヒロポン禍の問題が最も強く重点的に取上げられております。各省の連絡を保ちまして、一日も早くヒロポンの害悪を防止し得るようにしたいと、文部省としては只今申上げるように、もつぱら啓蒙指導という面で努力をしておるのであります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 法務大臣はいらつしやいますね。ヒロポン密造者が簡単に保釈されております。ところが保釈中に又またたくまに密造したり、小売したりする実例が非常に多いようであります。これに対しまして、なるべく犯罪者は保釈をあまり早くしてもらわないようにという一般の声がありますが、これについて何か御意見がありますか。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) お答え申します。ヒロポンの害毒については申上げるまでもないと思うのでありまするけれども、今お尋ねになりましたことに関連することでありまするから、どれほどの数か今日検察及び警察の面において検挙せられておるかという数字を申上げたいと思うのであります。ヒロポン禍は私ども戦前おいては殆んど知らなかつた問題でありまするけれども、戦後急激に青少年の間に、或いは延いて壮年者の間にまでこれが浸潤いたして、今日では都市のみならず、附近農村にまで浸透して、その害毒は非常に恐るべきものがあるのであります。昭和二十六年に初めて覚せい剤取締法ができまして、これによつて検察及び警察では違反者を検挙したのでありまするが、その違反の仕事はどういうことが違反になるかと申しますると、覚せい剤の輸入、製造、譲渡し、譲受け、所持すること、並びにこれを自己のために使用するものも罰せられることになつておるのであります。而して昭和二十六年に警察が検挙いたしましたものが件数として一万八千余件、二十七年には二万一千余件、二十八年には三万八千余件と殖えて参りまして更に今年に至りましては、六月末までの違反件数、検挙件数が二万三千件になり、殊に検察庁が十月末までに受付けました違反人員数が五万を突破しております。かような勢いでどんどん参りまするので、先の十九国会においては覚せい剤取締法を強化せんければいかんということで、いろいろの点において強化をいたして、殊に刑罰を上げたのであります。更に警視庁を初め全国の府県警察及び検察庁においてこれが取締りを励行することになりました。六月には検察庁としては全国の検事長及び検事正を招集して、これが取締りの励行を訓示いたしました。なお十月には地方の検察庁の次席検事を招集いたしまして、特にこれが励行を厳重に申し渡したのであります。丁度警察においても全国の警察管区長及び警察本部長を招集いたしまして、これ又暴力団の取締りと共に、覚せい剤の違反の取締りを厳重にするように示達いたしました。自来今日に至るまで、引続いてこれを励行いたしておりまするため、縦挙件数が非常に殖えたのであります。それが只今申上げましたように、検察庁が受付けた件数が十月末までに五万人以上に達したというふうに急激に増して参りました。で、一面においてはかようにして検察、警察の手において違反者を検挙いたしておるのでありますが、この検挙の数は実際に行われておるものの数の何割までにしか当らないものと思うのであります。実際に違反者というものはもつと非常に多いのではないか、かような状態で進んだならば、日本の青少年、壮年の衛生保健の面に恐るべき害毒をことと思うのでありまして、誠に憂慮に堪えない次第であります。  そこで今申上げたように、十九国会における法律の強化によりまして、従来よりは刑を皆重くいたしまして、最長悪質犯罪者に対しては懲役七年、罰金五十万円までを科することになつたのであります。これと同時に検察庁においてはこういう違反事件の審理に当りましては、できるだけ重く刑罰を用いるように裁判所に注意を促すことを指示いたしております。現に今日では従来に比して裁判所の科刑もよほど重くなつて参りました。現に今日では検挙いたしたもののうちで五年以上の求刑をすべきものが相当たくさん出て参つておる次第であります。そこで今お尋ねになりました、かような検挙をしても、保釈をするために再び保釈中に同じ犯罪を繰返すものがあるから、これを注意すべきであるという御注意であります。誠に御尤もなことでありまして、検察当局においても保釈中に再犯をするようなものが随分殖えて参りましたから、今後は検事としては保釈の請求を被告からいたした場合においても容易に保釈を許さないという方針をとらなければなるまいかと考えておる次第であります。  なお一面に刑罰が重くなりましたと同時に、検挙の割合も非常に今殖えて参りました。従来は覚せい剤の違反者に対してはそう多くの関心を持たない結果であつたかもしれませんが、不起訴になる数のほうが遥かに多かつたのであります。今日は検察庁が受付けた事件の数のうちで四二%を起訴して、不起訴になるものは二十数パーセントにしか過ぎない。こういう状況で検察の面においても処分を強化いたして参りました。かようにいたしまして、検察及び警察においては違反者を容赦なく処罰いたしました。幸いにして、今までは原末の製造がどこで行われるかがわからなかつたのであります。漸く検挙によつてその経路がおよそわかつて参りました。外国から輸入される分が若干あり、而してほうぼうに密造所をこしら、えておいてそこでこの原末の密造をやつておる根拠もわかりましたので、今後はこれらを手繰つて行つて順次検挙いたしましたならば、このヒロポン禍を絶滅する上において相当の効果を挙げることができるであろうと考えております。併し覚せい剤の害毒というものはひとり検察、警察の検挙だけでは到底効を奏する見込みがないのであります。そこで警察においても又検察といたしましても、先般招集いたしました係官に対しては、一面に検察、警察の検挙を強めると共に、他方ではこれを一般民間に啓蒙運動をして防止をすることが必要である、こういう考えから検察庁或いは警察においてはそれぞれ関係のある諸団体に話をいたしまして、なるべくその啓蒙運動によつてこれが防止を図りたい、こういうことで各地の婦人団体、青年団体、或いは工場、事業場等の指導者とも連絡をとり、只今文部大臣からは学校においても十分に注意をしてこれが防止に努めておるとおつしやいましたが、学校当局とも連絡をとり、できれば各家庭において一般青少年等にかようなことのないように教えて行くということも必要でありますので、そういう面において先ず防止をしてそうしてなお違反者があるならばこれを厳罰にする、こういう方法でこれが根絶を期したいと努めておるわけであります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 法務省のほうでこのヒロポン対策につきましては大変御熱心に動いて下さつて、最近非常に効果を挙げつつあるということが私たちの目にもとまりますので、ひそかに感謝をいたしておるのであります。一般の人はやはり今おつしやつたように、これは重刑に処してもらいたい、実際体刑に処せられた例は非常に少いらしい、執行猶予も多いようです。七年とかいう罰則規定がございますけれども、実際体刑を科せられる人が少い。重くという要求が多いようですが、その処罰される人が第三国人が多いようでございますし、職業がなくて止むを得ずこういうことをしておる人がございます。ので、最近の中国の例ですが、人力車というものは人が人を曳くので非常に人権蹂躙だというので輪タクに変えさせましたけれども、その際にも最初から禁止規定を以て行かなくて先ずあの人たちの組合を作つて政府が資金を貸して、最初から輪タクの受入れ態勢というのを備えておきまして、然る後この人力車を禁止した例がございますけれども、日本のこの第三国人がヒロポンの密造なんかをいたしておりますのを、これを処罰いたしますにも、あの人たちもしようのないことがあるだろうと思いますので、この第三国人に対して失業救済の点に格段の御留意をしてもらいたいということを、これは希望条件として申上げておきまして、法務大臣に対する最後の質問は、単独法を制定する必要があるのじやないかという声があるようです。と申しますのは、只今精神衛生法というものが、ございまして、あれの二十九条によりますと、自分を傷つけ、他人を傷つけるような状態になつたら強制的に精神病院に収容できるようになつております。このヒロポンの場合も精神病ではないけれども、自分を傷つけ、人を傷つける段階になつたら強制的に収容できるような指令を出しているようですから、元来精神病でございませんので、精神病院に強制収容となると本人並びに近親の名誉も大変でございますから、この人たちを収容いたします別な病院か、或いは精神病院以外の総合病院にこの人たちを入院させて、そして又この経費は自弁が困難な人もありますので、国家の援助もございますが、こんな事情でこれの単独法を作る必要があるんじやないかという声がございますが、これに対しまして法務省の御意見を聞かせて下さいませ。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) ヒロポン患者をなるべく病院に収容して癒すほうがよろしいという御意見誠に御尤もなんであります。先般日本の精神衛生全国大会がありました。その際にもヒロポン患者を治療するためにはどうしても病院に収容することが必要であるということで強い討論があり、政府に対しての要望もあつたのであります。私の聞いておるところによりますると、或いは間違つておるかもしれませんが、この覚せい剤患者を収容する病院は船橋に一つしかないそうであります。どうしても病棟を多く増さなければならない。新たに病院を建てるなり、或いは普通病院にこれを附置するなりして病棟を増すことが必要である。それには非常にたくさんの金が要るんでありますが、それらについても当時精神衛生大会においては政府に対する建議案を作つて現に政府に建議をいたしておるのであります。この病院等の問題については私のほうの専門でありませんので、いずれ厚生大臣から御答弁したほうがいいかと思います。私の知る限りにおいてはさようなことになつております。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) ヒロポンの対策として、ヒロポン対策の特別立法を作つたらどうか。現在は御承知の覚せい剤取締法によりまして取締りの面は作つております。それから医療の方面では精神衛生法によりまして処置をいたしております。もつと広い範囲で、経費の面なり或いは家庭の面なりを含めた単行法を作つたらという御意見で、私どももこの点は研究いたしております。研究いたしておりまするが、これはいろいろ関係がありまするし、現在の精神衛生法なり或いは覚せい剤取締法ともダブつて参りまする点がありまするので、現在にわかに踏み切り得ない状態であります。  それから入院治療というのは、これは私先に申上げましたように当然でありまするから、現在大体精神病院の中で千五百程度はヒロポン患者が入つておる。今度別に専門的なヒロポンのいわゆる覚せい剤中毒患者のために、本年度は取急いで四、五カ所大都市を中心に置きまして、二百五十床の専門病床を置きたいと存じております。来年度はもつとたくさんこれを殖やして参りたいと思つております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 次は文相にお尋ね申上げますが、お修身とか歴史、地理は新年度から実際学習さすような御準備ができていらつしやいますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 昨年小中学校における教育課程を改めまして、新年度からその改められた方針による教育が行われる予定であります。ただ修身というお話でありましたが、いわゆる前々からあります修身科というものをそのまま復活すると、こういう考え方ではないのでありまして小中学において児童の発達段階に応じまして、いろいろな教材によつてこの民主社会においてあるべきいろいろな躾けであるとか、或いは団体における団体の構成者としての心構えだとか、そういう点も仕込んで行こうと、こういうことでありまして、いわゆる修身科というものを置くということにはなつておりません。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 幾らか御説明して下さつたんですけれども、その修身でなくともいろいろな教材の中で民主主義社会にあるべき躾けをなさるそうですが、その中で私が考えますのは、戦後の日本では自由とか国民の基本人権が非常に重視されるようになりましたけれども、私はそれも結構だけれども、それにも増して小国民に対しまして道徳教育をいたしますには、やはり団体生活における自己の立場というものを十分自覚さしてその団体に対する義務を果さすというような教育こそ、もつともつと自由や基本人権を主張さすよりも大切なんじやないかと思いますけれども、これに対して念のためにもう一遍文部大臣に……。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 只今申上げましたのは、今深川さんのおつしやいましたと同じ意味でありまして、団体員としてあるべき道徳、それから団体をよくするための気持であるとか、教育基本法にあります教育の基本原則というようなものに基きましたそういう道徳的教育或いは躾け、そういうものを取入れたい、こういう考え方であります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 その次は法務大臣或いは副総理がおいででございますので、若し御答弁頂けますれば結構と存じます、後から……。それはですね。終戦直後日本には家族制度が間違つているというので家族制度が全廃されまして、それに代ります親族法、相続法が制定されましたけれども、現行における親族法、相続法あれで完璧とお考えになられるか、それともやはりどつか改正の要がありとお考えになるかというようなことをまず法務大臣に伺います。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) 終戦後憲法の改正によりまして、我が国の民法の親族編、相続編にもどうしても改正を加えなければならん必要が出ましたので、取りあえず昭和二十二年に民法中親族、相続の部分について改正を加えたのであります。これは御承知のように、従来の家なる制度を廃止し、相続について家督相続を廃止しましていわゆる遺産相続の制度をとつたのであります。それ以来今日に至るまで、この改正した点も考えなければなりませんが、その他の民法中にも改正すべき点があり、殊に親族、相続についても何らか改正をする部分がありはせんか、こういうことで法制審議会に民法の改正案を本年の七月中に諮問をいたしたのであります。この法制審議会においては、自来審議を続けておりますが、どういう点を改むべきか、まだ答申を得ておらんのであります。折角研究中でありまするから、これが答申を待つて、その後に法務省としては改正すべき点があるならば立法の手続をとりたいというふうに考えております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 大臣御自身の御意見をおつしやつて下さいませんか。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) 家族制度の問題ですか。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 ええ。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) 今日までのところでは、すでに改正された家族制度を今又復活をするという必要はないと考えております。併しながら親子の間の扶養の義務、或いは実際の扶養の事実というようなことについては幾らか考える点があるんではなかろうか。お尋ねの中にはないのでありまするが、近頃は、戸籍は子供が結婚すると元の戸籍から抜けて新たに戸籍に登録をすることになつております。戸籍上で自分の子供が結婚してその戸籍から抜けるというと、親としては一種の淋しみを感ずることは当然であろうと思うのであります。この点について近頃親の間にどうも若いうちはいいが、年をとつてしまうというと、子供と別れて自分たちがどうして生き永らえて行けばいいかわからんという不安が非常に多いという苦情があるのであります。併しこれは法律を以てきめるということは如何なものでありましようか。実際の親子の親愛関係というようなものは法律以外にあるべきはずでありますから、やはり戸籍の面において分れても、子供は親に相当の扶養をするし、親は子を慈しむという事実関係に基いて行くのが相当であろうと思つております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 副総理御無理でございましようが、今法務大臣がおつしやいまとたこと、非常に大事だと思うのでございますが、結婚いたしますと、夫婦が中心になりまして、そして親から籍が分れまして、それの間に生まれた子供を中心に新らしい世帯ができて行くのですけれども、親は勿論財産を持つている場合はいいでしようけれども、財産がなかつたりいたしますと非常に淋しい。この問題をどう処置するかということ。それからもう一つ、こういうことをお尋ねいたしとう存じますが、遺産相続で、戦前と違いまして、子供が五人あつたら五人が全部同じように遺産を相続いたします。そこで子供は五人全部が親をみるという義務が課せられておりまするけれども、実際は世帯が分れておりますので、皆がなんですね、親がぐるぐる五人の子供の所を廻つて行かなくちやいけないという、安定性がないということが非常に私たちも問題だと思うのですけれども、比較的穏健と申しますか、そういう考えを持つていらつしやる副総理の御意見をちよつと伺わして下さい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 法務大臣からお答えいたします。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 それでは副総理に最後にお尋ねしておしまいにいたす時間でございますから。敗戦国におきましては賭博とか、淫売とか、邪教が流行することは、これは常だそうでありますが、これは勿論いろいろな理由があつてのことでありましようが、それにいたしましても、もうやはり政府の指導性というものにも一つの大きい原因があると思うのですが、中共などを視察された方々のお話によりますと、中共などは非常に緊張されているようですが、今日この段階におきまして、日本ではまだこの賭博をこれほど続けなくちやいけないと、やつぱり副総理はお考えでございましようか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) もうできるだけ賭博性の強いものはやめたいと思つております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 じや、もうおしまいにいたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 大蔵大臣に伺いたいのですが、先ほど社会党の森崎君の質問に関連しまして、この二十九年度の補正予算の百五十三億の財源ですね、いわゆる実行予算によつて節約された分をこの補正の財源に充てているということは、そうしてこの予算を組んでいるということは憲法八十三条、財政法二十九条二項から見て、私は違反しているとまあ思うわけで、先ほど大蔵大臣にその点伺つたのですが、もう一度この問題点を明らかにして大蔵大臣に伺いたいと思うのです。  財政法二十九条は大蔵大臣も御承知のように、これは新らしい財政法ができて、新らしくこれは追加された項目なわけです。で、内閣は「予算の成立後に生じた事由に基いて既に成立した予算に変更を加える必要があるときは、その修正を国会に提出することかできる。」とありますが、これはまあ「できる」とありますが、提出して修正しなきやならんという意味だと思う。そこで民主財政の下では御承知のように今度は国会は増額修正ができるわけです。昔はまあ増額修正ができなかつた。今度は増額修正ができる。その増額修正を国会でした場合に、若し内閣が、内閣限りにおいてこの予算を失行をしないで、実行予算と称して節約して、そうして国会で増額修正をした分を実行しない場合はどうなるか。今度の補正の場合には私はこれに該当下ると思うのです。従つて今度の新らしい財政法においては実行予算という制度がないのですから、その実行によつて節約してそれをよそに向けるという場合にはあらかじめ国会の承認を得工やらなきやならないはずです。とこりが国会の承認を経ていないのです。伍し今度承認を得ればいいじやないかと言いますけれども、すでに我々に提出された資料によれば、もう節約して広汎に影響が出ているわけです。港湾関係、建設関係その他に広汎にもう影響が出ていて、仕事ができなくなつている。そうしてこれはあたかも事後承諾を求めるような格好になつて来た。そういう形に財源が出されている。それで悪法八十三条は、これは国会の議決に基かなければ支出できないんですから、又財政法二十九条二項は新らしく実行予算の制度というものを、これはそれによつてないんですから、国会の承認を求めて初めてその実行予算というものは、昔のように実行予算というものは可能になるわけです。それをやらないのです。ですから私はこれは違反であると、こう申しておるわけです。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) この問題は、これは先ほども申したことくに、財政法の二十九条第二項には「その修正を国会に提出することができる。」と、「できる」という表現がしてあるのでありまするから、予算とその執行の業績とに差のある場合には、すべて内閣が修正予算を提出しなければならない、こう法律的に義務を負わされておるわけではないと考えるのであります。すでに成立した予算の変更の必要があるときとはどういうことを言うかといえば、これは勿論民主的な見地から予算の基礎となつておる政策に大きな変更のある場合とか、同条第一項の追加予算を提出する場合とか、予算が国の施策の一体的な表現である点から見まして、国会の議決を受けた予算自体を変更してその明確化を図る必要のある場合、こういうのを言うのであつて、今回のいわゆる実行予算のごときは、予算執行の一過程として当然生ずる予算とその実績の分離については、別に修正予算を提出しなくてもいいと、こういうのが私どもの所見であります。これ以上は議論でございまするので、これは何と仰せになりましても私どもはさように解して大蔵当局はやつておるのであります。なお法律上のことはまあ森永君のほうが私よりかよく知つておる。私の責任の下に森永君をして答弁をいたさせます。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 憲法の規定によりますと、国の支出をいたしまするには国会の議決に基かなければならんということになつておりまして、その議決を求める形式として予算という形式がとられておるわけでございます。この予算の議決の意議でございますが、これは政府に対して支出の目的、金額、時期等を明示して、その範囲内で支出の権限を賦与しておる。つまりその金額を超過して支出はないという限度を示しておると、まあさように考えるわけでございまして、その意味におきまして、予算できまりました金額を一厘一銭も余すところなく使えと、そういう御趣旨ではないと考えるわけでございます。その予算の目的の達成のために節約の余地がございますれば、節約して一銭でも余す、又不用なものがございますれば、これをできるだけむだをしないで使わないで残す、そういう意味において国民の租税負担を幾らかでも軽くするようにという趣旨で資金を効率的に使用いたすのがむしろ政府の義務であると考えるわけでございまして、その意味におきまして、本年度は国会におきまして予算の議決を、目下の状況乃至は事業の執行の状況について更にむだを排し、できるだけ節約をすると、そういう申合せを各省、政府部内におきましていたしておるわけでございまして、これは毫も憲法、財政法の趣旨に悖らないというふうに私どもは考えておる次第でございます。  なお、沿革的に申しますと、本年度の予算につきましては、衆議院におきまして三党修正が行われまして予算の全部に亙りまして、こと細かに修正をする時間的余裕がなかつたためだと存じますが、取りあえず予備費を修正財源に廻しまして、そしてその修正の決議の際に、この予備費を減らした五十億円以上のものを予算の実行上節約をせよというような御趣旨もあつたわけでございます。その外に繊維消費税が不成立になりましたり、又入場税は税率が修正になりましたり、時期が遅れたりいたしましたために減収を生じました。更にその関係で地方に対して国が補填をしなければならない金額も、法律の規定によつて明定されたわけでございまして、いわば当初の予算に対しまして、国会の審議過程乃至は法律案審議の過程におきまして欠陥が生じたわけでございます。そこでこの五十億につきまして三党修正の際に国会の意思として示されましたところに加えましてそういう欠陥があいている分を、ここにおいては節約をしなければ予算のつじつまが合わない、そういう事態が起りました。他方におきまして、物価は年初来だんだん下つて参りましたし、物価の下落に応じまして事業の執行を極力合理化し、能率的にむだを省いてやることによりましてこの穴が埋められる、又埋めなければならん、こんなような趣旨から各省予算の執行の責に任ぜられる各省大臣の申合せによりまして、この節約を実行したような経過になつているわけでありまして法律論といたしましても、又事実の経過におきましても、この節約を申合せまして、鋭意国費の負担を減らすように努力いたしております。この政府の措置は決して憲法、財政法の趣旨にもとるものではないと、さように考えておるわけでございます。  なお実行予算という言葉がよく使われておるのでございますが、私どもは旧憲法下における実行予算と紛れないために、実は公式には実行予算という言葉は一度も使つたことがないわけでございます。予算執行上の節約の申合せ、そういうような考え方をいたしておるわけでございます。その点も何とぞ御了解を頂きたいと思う次第でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私は節約が悪いと言つているのではないのですが、今の大蔵大臣及び主計局長の話を伺いますと、全く旧憲法の通りの考えで、即ち予算に対する国会の議決はまあその支出の限度を国会が承認したものであつてその金額を支出する義務を内閣に命じたものではない、こういう立場ですよ、これは旧憲法の立場です。であるから今度の財政法二十九条ではわざわざ第二項を新らしく設けてですよ、そうしてそういう場合国会の承認を得なければならん。何も節約したことが悪いと言うのではない。実行予算を組んだことが悪いのではなくて、それをやる場合には、さつきの歳入欠陥があつたでしよう、繊維課税、或いは又入場税の税率の変更等々から歳入欠陥があつた、そのためにやつたのではないですか。ですから変更すること自体が悪いのではなく、それをやる場合には財政法二十九条二項によれば、国会の承認を得るのが民主財政の建前である、わざわざ二十九条の二項を設けてあるのにこれを無視している。それでは二十九条の二項は何のためにあるのですか、意味がないではないですか。国会の増額修正が今度はできるのでしよう、増額修正ができるようになつたのは今度が初めてです、今度の財政法、憲法からですね。ところが若し国会が増額して、内閣が勝手に内閣限りにおいてその支出を節約と称して実行しなかつたち何になるのですか。ですから二十九条二項においてそういう場合には国会の承認を得なければならんということを規定しているのですよ。そうでなくては増額修正の国会の権限が与えられた意味がないわけです。今いろいろ弁明していますが、明らかにこれは違反です。それは財政法はあれは面倒くさい、民主財政は面倒くさい、面倒くさくしておかなければ濫用されるのです。これは私は守るのが当り前だと思う。二十九年度の予算においては一兆億円予算に非常にとらわれて、前にも質問いたしましたが、当然一般会計に入れるべきものを特別会計に廻してしまつておる。そうして二ヵ年も繰越使用を認めておる。特別の立法を出してやつておる。みな財政法違反です。精神に違反しておる。我々は民主財政を守らなければならない立場にあるわけです。そういう意味で私は今質問をしたわけです。その真意がわからないから、それを特によく研究してもらいたい。何のために二十九条二項を設けたか、もつとよく研究してもらいたい。時間がないから次に移ります。  次に自然増収です。自然増収の問題です。今度の予算では法人税の自然増収を百五十億と見ておりますが、そのほかにまだまだ私は自然増収が相当あると思うのですが、政府から出してもらつた資料によつて大まかな見積りをしてみますと、その見積りの根拠は大体昨年度の上期の増収に対して下期の伸びですね。それを比較しまして本年度の自然増収を見積つてみますと、給与所得税については大体昨年度の伸びが二四%ですが、そうしますと二百三十三億の増収が見込まれるはずであります。伸びを二四%の今度は仮に半分にしまして一二%としましても、百二十億の給与所得税の増収の見込のあるほかに、酒税については百二十一億、砂糖消費税については九十五億、揮発油税については七十二億、そこで伸びを二四%に見たとき、給与所得を。五百二十一億の自然増収が見込まれる。それからその伸びを一二%と見た場合には四百八十億の自然増収が見込まれるわけです。こういうこれは我々非常に乏しい資料で非常な概算で、大蔵省のほうでは詳細な資料をお持ちと思いますが、しろうとが大蔵省から提出して頂いた資料によつてこうやつて概算してみましても、この程度の自然増収はあると見られる、法人税以外に……。大蔵大臣、この点如何ですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 細かい個々のことは主計局長から答弁いたしますが、今の源泉所得税の問題ですが、これが一番今の伸びその他で大きく出て来るとおつしやるようですが、まあ大体私のほうで見ますと、その後時間外勤務手当が減少しておるとか、労使間の賃金交渉や会社の経理状況などを考えますと、年末手当とか賞与が相当減つて参りますので、現在のところでは例年の、ごとく見込むわけには行かない、予算額程度に見込むのが安全である。こう見ると、若干増加するかもしれませんが、安全度を考えてさように見ておる次第であります。細かい個々のことは主税局長から答弁いたします。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 税収入見積りについて、主税局長参りますが、先ほどのお言葉に対してお言葉を返して誠に恐縮でございますが、予算議決の意味が超過支出を禁ずるという意味であるという点につきましては、これは政府部内の多年に亙る統一的な解釈でありますし、又学界等における物の本を見ましても、さような意味であるようでございます。私どももその通説に従つておるわけであります。  なお財政法の二十九条の第一項が追加予算で、第二項が変更の際の修正でございまして、その変更になるかどうかということなんでありますが、私が先ほど申上げたのは、各省大臣には国会で通りました予算通りのものを配賦してあるわけでありまして、その予算を実行するに際しまして、物価の状況その他諸般の状況からできるだけ節約をしよう、そういう実行上の申合せをいたしておる。従つてその予算の配賦そのものを変えておるわけではないのであります。今回その節約によりまして浮きました財源を修正減額いたしまして、他の歳出の増加の財源に充てているわけでございますが、これはまさに変更になるわけでございまして、今回補正予算として国会の御承認をお願いしておるわけでございまするので、何とぞ御了承頂きたいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 事業量が変更になつておりますよ。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 事業量につきましても、法律的に申しますと、一銭一厘の違いのないという事業量の確保の義務があるかどうか、その点につきましては、先ほども申しましたように、これは最高限度という解釈をとるわけでございますが、政治的には国会で御承認を願つた計画をできるだけ実行しなきやならん、これは政治的にはそういう趣旨で私どもも努力しなければならんと存じます。そこで今年の節約に対しましても、物価の状況もございますし、又会計検査院の報告などを見ましても、公共事業の施行には大分不正不当の指摘がございまして、二、三日前の検査院の報告では百十億も返還を命じたというようなことがあるわけでございます。施行上例えば入札の励行であるとか、その他いろいろの工夫を凝らすことによりまして、節減が可能でなくもないと私ども考えるわけでございまして、節約に対しましては、極力事業量には影響させない、勿論事業量を全然縮小させないという保証があるわけじやございませんけれども、できるだけ事業量を変えないという配慮でやつておるわけでございまして、その点は政治的には国会の趣旨に副うように努力をいたしておるつもりでございます。但し結果的に事業量が全然減らなかつたかと申しますと、それは減つたものも若干はあるかと存じますが、殊に今回補正をお願いしまして、全額を落しました際には、はつきり事業量が落ちても止むを得んというものも出て参るわけでございますが、気持としてはできるだけ事業量を減らさんというつもりでやつたということを申上げまして、御了承を得たいと思います。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 税収の今年度の見通しでございますが、やはり一番大きな問題は所得税の問題でございます。所得税は源泉所得税と申告所得税と二つに大きく分けておりますが、源泉所得税につきましては、当初の入り方は割合に順調で参つておりましたので、最近までの実績は大分昨年に比べまして入り方がよくなつております。昨年は御承知のように一月からベース・アップがございました。従いまして相当一月以降の歳入が大きくなつております。まあいわば尻上りの年でありまして、本年は現在のところそういうことはちよつと考えられませんし、それから最近におきましては、ベース・ダウンということはまだそれほど顕著ではないのかもしれませんが、時間外とか、まあそういうものの減少だろうと思いますが、源泉所得税、特に給与関係の所得がマイナスになつて来ておるような傾向でございます。従いまして、この機会におきまして、当初の見積りを変えるのもどうだろうかというふうに考えております。大体まあ当初の見積程度じやないか。それから申告所得税につきましては、米価の関係におきましては、御承知のように本年当初の予算におきましては、昨年の米価で見積つておりましたやつが相当の値上りになりましたので、このほうにおきまして相当の増が見込まれますが、やはり営業関係の場合におきましては、相当の減があるのじやないかと考えております。ウエイトから申しますと、七百億程度の申告所得税の中で農業所得はまあ八、九十億見積るわけでございまして、従いまして、このほうが四、五十億の増になりましても、営業関係の減で大体すぐに埋つてしまうのではないかと、そのような考え方がございますので、所得税についてはあえて見積り変えをいたしませんでした。法人税につきましては、大体三月決算が、当初我々が予定しておりましたよりもまあデフレの影響の現われ方が遅かつたと言いますか、よろしゆうございましたので、九月決算は相当落ちておりますが、大体きまつた数字と思われますので、まあ一応百五十億ぐらいの増収を見込んでいいのじやないかというふうに考えております。その他の消費税関係でございますが、これはいろいろ殖えるものもあり、減るものもあると思いますが、酒などにつきましても、まあ清酒などは出がようございますが、ビールなどはちよつと最近減つておりまして昨年は二百二十万石出ましたが、今年はどうも二百十万石ちよつとぐらいじやなかろうか、そういうような関係もございまして、この際すぐに見積り変えするのもどうだろうか。砂糖などもよろしゆうございますが、片方では物品税がむしろ頭打ちして最近下つて来ておりますし、それから関税のようなものはどうも予算を相当切るのではないか、こういうような感じがいたしておりますので、今のところまだ年の途中でございますので、全体を見通しまして、特に見積り変えするのもどうだろうか、比較的確実に見積られます法人税だけにつきまして百五十億の増収を見積つた、かような次第でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 時間がありませんから、次に大蔵大臣に簡単に二つお尋ねしたいのです。  第一は、大蔵大臣、今度の財政演説で健全化々々々ということを随分お言葉を使つておられます。経済の健全化、これはどういう意味か、具体的に一つ……。  それから第二点は、最近国際収支が黒字になつた結果として、円資金としては、これは外為会計から円が出て来る、これでインフレになつて行くわけですね。我々が頂いた資料ですと、大体仮に一億ドル国際収支が黒になれば、七百二十億というものは円資金として出るのですよ。前のドツジ・ラインのときは、これはインベントリー・フアイナンスでやつたり、或いは輸入を殖やしたりすれば、財政資金が膨脹しません。併しこの六月以後黒字になつて来ているのですから、又今後黒字になるとすれば、円資金としてはインフレになつて行く。この点どうお考えか。これは私はそういう意味ではいわゆる一般会計のバランスだけ合わしたつて、特別会計でどんどん資金が殖えて来るのでは、財政収支のバランスが合うわけはありません。六月以後私はいわゆるデフレ政策というものは破綻を示して来ている。貿易特別会計の貿易黒字によつて円資金の放出をどう処理するか。今では日銀の金融を締めていますから調整しています。併しこの円資金の出るのをほかの日銀の一般資金でぐんぐん締めて行つたら重大な問題になりますよ。今後どういうふうにその点を考えるか。六月以後私は財政面から言えば破綻して来ている。金融を無理に調整している、こう思うわけです。  それから私は時間がないので、大蔵大臣、恐縮ですが、ほかの大臣にも質問だけいたしますから御承知願いたい。外務大臣に賠償の問題です。ビルマとの賠償の問題、二億ドルですね。これをどういう根拠で一億ドルという金額が出て来たか。それから残りの五千万ドルというものは、これは賠償であるのか、ないのか。これを今度は民間でやらせる場合に、政府が補償するというようなことがあるのかどうか。この一億ドルの根拠、そうしてこれは日本政府が自立的にそういうそろばんを出して、そうしてビルマと交渉したのか。或いはアメリカ側からそういうものを押しつけたのか。これは今後のよその国との賠償問題、フイリピン或いはインドネシア等の賠償の際に非常に重要だと思います。  それからもう一つ、賠償については、あのレヴュー条項というのはどういうものか。あれはこちらで非常に反対したはずです。ところがいろいろないきさつでレヴュー条項を入れたわけですから、若しあれがフィリピン或いはインドネシア等の賠償が殖えた場合にはビルマの賠償も再検討して殖やす、こういう意味であると、これは大変なことになると思うのです、このレヴュー条項がですね。そういう点について外務大臣に伺いたい。  それから最後に愛知通産大臣にお伺いしたいのですが、それは対米経済折衝の経過をなるべく詳しく伺いたい。特に今度の援助は結局その裏に日本は極東反共防衛に従来以上に積極的な参加をするような了解の上に立つていると解されるわけです。ですから援助の裏はらとして、愛知君は防衛計画を持つて行つているはずであります。七月十五日の読売新聞には、大体その防衛計画として、防衛庁の第七次B案というものが中心になつて、そうして一兆三千十三億ですか、その後これは第七次案、第八次案、第九次案と変つたかも知れませんが、ともかく愛知君は防衛計画を持つて行つているはずであります。その防衛計画との睨み合いにおいて、援助物資というものは考えろれているのであつて、一般には援助々々ばかりで出ていますが、防衛計画のほうの話合いはどうなつたか。それから防衛分担金はどうなつたか。防衛計画との睨み合いにおいて、このアメリカの余剰物資の折衝の経過を聞かして頂きたい。それから愛知君が帰つて来て、アメリカへ行つて見て驚いたことは、非常に感じたことは、池田・ロバートソン会談のときは防衛問題を非常に強く言われたが、今度は日本経済自立を非常に強調されて、非常に感じが変つたということを言われているわけです。このことはアメリカが、今後日本の経済は困難になるから、防衛費はだんだん少し削減してもいい、そうしてこれを経済自立のほうに向けてもよろしい、こういう考え方になつて来たのかどうか。そういうような問題について、私もう時間がありませんので再質問できませんから、成るべく詳細にお聞きしたいのです。  最後に、木村防衛庁長官にお尋ねしたいのですが、木村長官は、最近新聞で見たのですが、強制徴兵制度が望ましいということを談話で発表しております。私は、今後アメリカから要請される再軍備をやるためには、日本の経済は非常に困難であるから財政上から徴兵制度を実施せざるを得ない方向に追込れているのではないか。前は長官は、陸軍二十万を殖やす場合には、技術的に徴兵制度が必要であると言われましたが、あの第七次B案では十八万である。十八万にかかわらず強制徴兵制度が必要だというのは、財政面から必要に迫られて来ているのではないか。ヴアンフリート特使が来られたのは、徴兵制度の実施を目的として日本に来たと朝日新聞は伝えております。この徴兵制度の問題。それから林幕僚会議々長がアメリカに行つた目的です。あれは何のために行つたか、この二点についてお伺いした。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 最初に、あなたのいわゆる経済の民主化とか言つている健全化とはどういう意味か。これはいわゆるヘルス・エコノミーというのを我々は言つているのであつて、特に定義を下してどうこうというのは、あなたのように定義を下す名人はいいかも知れませんが、そういうことの考え方の下に我々はやつておらないので……、併し財政で言えば収支の均衡を得ることであり、国際収支で見ても同様にその釣合を得ることであり、そうして又事業で言えば、これは赤字にならんことであり、国の経済で言えば、できるだけ国が黒字を加えるように、輸出増加を見て行くことでありますが、要するに健全というのは、常識的な判断でやつて行けると、こう思つております。  それから今の輸出関係の点、御尤もな点がたくさんあります。で、全体を通じてみますと、御承知の通り、今年は大体一億七千五百万ドルくらい黒字と見られます。その程度から見れば、別口外貨貸付の返済を差引けば百五十億円程度の問題で、金融と財政一体化の下に考えてみるときには、そう大きな問題ではないと思つておる。併しあなたのおつしやる点、今後よほどよくその点で注意する点があると思つて、よく考えます。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 賠償の問題でありますが、二億の基礎は何か。これは正確な基礎数字というものはありません。ありませんが、我々は大体フイリピンとの話合いが四億、二十年ということになつておりまして、それから計算して、大体それと均衡を得るような程度というので話合いをして、実はもう少し少い点で均衡を得たいと思つたのでありますが、結局これで話合いがついたということであります。で、この間においてアメリカ側と相談したりしたということは一度もありません。尤もウー・チヨウ・エェン代表がダレス国務長官が丁度来たので、そのとき会つて、四・二・一という風説があるが、アメリカがそんなことを言つたのかと言つて問い質したが、そんなことはないというような確答を得た、こういう話であります。  それから五千万ドルの合弁事業につきましては、これは事業によつて多少変りますが、大体先方が六、日本側が四という出資の割合になります。従つてこの五千万ドル、つまり一年間五百万ドルでありますが、そのうちの二百万ドルは先方に借款として提供するということにしておりますのは、例えば化学繊維の工場を仮に建てるとすると、日本から持つて行く機械類がどうしても百ドルのものならば、六十ドル以上が機械になります。つまり向うが敷地とか、建物とか、多少の運転資金を出しましても、六割にはなかなか及ばないということで、そうかといつて向うにも資金が十分ないので、この二百万ドルは大体向う側の出資金にしてそれで日本の四割と、その二割を加えて六割で、機械類を日本から買う、こういう趣旨てなつております。  それからレヴユー条項につきましては、これは大体今申した通り、このフイリピンが四億、二十年という基礎によつて、この二億ドルというのを計算しております。このフィリピンの話合いがどうつくか、これはわかりませんが、それとインドネシアとの話合い、これはフイリピンほどの多額なことは勿論要しないと思いますが、これは話合いがきまつたときに、ここに二億、十年では著しくこれが不利益である、不合理であるというような場合には、ビルマ側の申出があつたときは、これは日本側で再考慮する、こういうことになつておりますが、大体そういう基礎がありまするから、そうして我々の計算から言いますと、フィリピンでは四億、二十年以上の条件はなかなか困難であろうと考えておりますので、先ずこのレヴユーと言いますか、コンソリデイシヨン・クローズと言つておりますが、これは実際上はそう発動するときはないのじやないか、こういうふうに考えております。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。私は十月の十七日に出発いたしまして、丁度一カ月振りに十一月の十七日に帰国いた、したのでありますが、その間たまたま吉田総理大臣の訪米に際会いたしましたので、後半におきましては、吉田総理大臣の補佐をいたして帰つて参つたわけでございます。併しその前半後半を通じまして、私の努力をいたしましたところは、畢竟するに、日米相互の理解を深めて、協力をより緊密にするための話合いというものに重点を置いて参つたわけでございます。従いまして話合いといたしましても、できるだけ非公式の会談の形をとりまして、日米両国相互に関係のありまする諸問題について、率直な意見の交換をいたしまして、右の目的を達成するのに努力いたして参つたわけでございます。総理大臣の訪米の結果、助言等につきましては、総理大臣の演説の中に、詳しいので省略いたしまするが、ただ私といたしましては、通産大臣並びに経審長官の立場上、経済問題を主として取扱い、特に努力をこの点に払いましたので、この面におきまするところの私の感じましたことを若干御報告申上げたいと思います。  先ず第一に申上げたいと思いますることは、米国側が……、私御承知のように、昨年の、一年前にこの種の会談に参加いたしましたので、この過去一年間を振返つてみまして、米国側が日本側の経済政策につきまして、非常な敬意を払つておるということ、又その成果について、正当な評価をしておるという印象を強く受けたわけでございます。特に国際収支の均衡回復のためにとつておりまする諸般の政策等につきまして然りでありまするが、なお自主的な防衛力の漸増の努力、並びに国民の真剣な努力というような点につきましても、正確に評価をいたしておるように感ずる次第でございます。去る十一月十日に発表されました日米共同声明のうちにおきましても、特に日本が経済上の困難な諸問題を解決するために払つておりまする努力を、米国がよく認識しておる旨を述べておりまするのも、この現われと思うのであります。  第二に、東南アジアの経済協力等についてでございます。日米両国がアジアの自由諸国、即ち南及び東南アジアの自由諸国の経済発展について、互いに協力することが非常に大事であるという旨の意見の一致ができたというここは、共同声明にも現われておる点でございまするが、特に吉田総理が、この面におきまして日本が寄与することがあれば、できるだけの寄与をいたしたいという決意を表明せられたことは、御承知の通りでございます。この東南アジア経済発展の問題、この考え方等は具体的にはその一部が、例えば余剰農産物処理によりまする見返り円資金の一部の使用方法等について、やはり共同声明の中にも触れておりますように、該地域との経済の共同発展のために使用する云々というようなことも現われておりますのは、この関係を現わしておるものと思います。  第三は、日米通商関係の改善の問題であります。私は我が国がドル地域との貿易の不均衡が著しく、貿易面の不足を特需によつて補つておる現在の状況に顧みまして、又その特需が減少傾向にある事実に顧みまして、ドル地域に対する輸出の伸長が、日本の正常貿易の発展のために最も必要である点を力説し、米国関係当局に十分説明を尽し、この点に関する理解を相当程度深めたものと確信をいたすものでございます。即ち米国に対する我が国の主要輸出品でありまする生糸、水産物、罐詰、或いは各種の雑貨類について、米国としても関税その他の点において、これら商品の輸入に格別の考慮を払われるよう要請いたした次第でありますが、更にこの正常な輸出の伸長によつてドル収支の改善が行われるまでの間、特需によるドル収入の確保が日本経済にとつて極めて重要な意義を持つておることの認識を、より一層深めるような話合いにも努力をいたしたのでございます。而うして御承知のように、米国政府は日本の貿易を伸長し、以て日本国民の福祉を更に増進いたしまするために、米国としてとり得る各種の施策について、今後とも好意を以て検討する方針を声明いたしておるのでありますが、特に十一月十三日には、米国務省として日米の通商上の機会を拡大する目的を以て、関税引下げの対日交渉を行う旨の発表をいたしておるような次第であります。私は今後の日本及び米国のこの種貿易拡大に期待を持つておるものでございます。  第四は、余剰農産物処理の問題であります。この点につきましては、本日午前中の委員会におきましても御説明いたしました通りでございまして、私は現在のところ、日本の通常の需要量に合致させまするために、而も日本の現在の外貨のポジシヨン等から顧みて、輸入がなかなか困難と思われまする部分を、たまたまアメリカの余剰農産物を購入することに協力することによりまして而も米国側としては、日本側がドルを使わずに、円でこれを購入することに対して援助を与える、この両者の立場が完全に合致し、且つこれによつて生ずるところの円価の七割分を、日本国内におきましてインフレを起さずして、農地開発を含む諸般の国内産業の発展、或いは地域相互間の経済交流の円滑化というような面に、日本側で融資として使用し得ることに相成りましたほか、千五百万ドルの現物の贈与につきましては、学童給食その他の計画に役立つようになりましたことは、私といたしましては、日米相方の立場又日本だけの立場から申しましても、経済自立上得るところ多大でめるということを確信いたしておる次第でございます。  それから第五は、ガツト加入の問題、外資導入の問題、生産性向上計画の問題、その他諸般の経済問題の検討でございまして特にガット加入の問題については、引続き非常な好意を寄せて、日本のいよいよ正式の加入ということについていろいろの援助と努力とを払つてくれているわけでございまするので、これに対しましては謝意を表すると同時に、一層その成果の早く挙らんことを懇請をいたしたような次第でございます。外資導入の問題につきましても、双方率直なる意見を交換し、この問題に関しまする両者の立場というものは、非常に理解を固めたような感じを受けているのであります。なお外資導入問題に関連いたしまして、世界銀行の借款につきましては、世界銀行当局と十分に話合う機会を得たのでありまするが、農業調査団による報告もすでに完了し、水力発電、鉱工業関係も順調に調査が進んでおりますので、私といたしましては、極めて明るい見通しを持ち得るに至つたわけであります。なお生産性向上計画の実施についても、基本的な了解に通したわけであります。  最後に、米国政府は、原子力委員会を通じまして、原子力の平和的な利用につきまして、厖大なる文献を日本政府に寄贈せられたことは、先般本会議において御報告申上げた通りでございます。  以上概略私といたしましての御報告を申上げたわけでございますが、只今お尋ねがございましたこれらの問題を検討するに際して、アメリカが日本政府に対し、或いは我々に対して、防衛力の増強その他について要請をし、更にそれを我々が受けて約束をしたというような、事実があるのではないかというようなお疑いがあるかの御質疑でございましたが、さようなことは絶対にございません。御安心を願いたいと存ずるのであります。なお又防衛力につきまして第何次何とかというような御計画をお漏らしのようでございますが、私はこういうような防衛力計画等について政府の方針或いは具体策というものを持つて参りました事実もございませんければ、いわんや米当局に、こういう問題について話合つたことは全然ございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 防衛分担金が残つておりますが、あとで……

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。私が徴兵制度が望ましいという私的見解を表明したのは、決して財政的の見地からでもない。又アメリカとの関係でもありません。私は常にこう考えております。青年が或る期間寝食を共にする団体生活をさせたい、すべきである。と申しますのは、団体生活によつて、いわゆる人間の友愛の精神、信頼の精神が養われる。この関係であります。従つて徴兵制度が布かれるにおいては、青年が或る期間寝食を共にする団体生活をして、友愛の精神、信頼の精神が養われるのだ。この意味において私は徴兵制度は望ましいと言つたわけであります。  次に林敬三君が渡米したのは、アメリカの国防省の招請によるものであります。その目的は、軍事施設視察、或いは学校の訓練の様子その他を見学させる。又幕僚長はその目的の下に、十分の成果を挙げて視察して帰つたわけであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 一点お答えを漏らしましたので補足いたしますが、防衛分担金の問題につきましては、私といたしましては、この問題を米当局側と商議するだけのことはありませんでした。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 時間がありませんからやめます。

木村守江自由党

○木村守江君 私は先ず第一に、農林大臣並びに厚生大臣、文部大臣に対して御質問を申上げたいと考えております。今日日本において最も重要なことは、日本経済の再建であるということは申すまでもないことでありまして、日本経済の再建を図りまして、日本が経済的に自立することが最も大事なことでありまして、自立経済の確立は、何と申しましても食糧の自給自足ということが第一の問題ではないかと思うのであります。我が国は戦いによりまして四割の領土を失い、而も八千七、八百万という厖大な人口を擁しました今日においてこの狭い国土を如何に農林大臣が、或いは農地改良に、或いは潅漑排水等によりまして、農作物の増産を図りましても、それのみによりましては、到底現在の米食に依存した日本の食糧問題の改善はなし得ないと考えるのでありまして、私ども考えましても、食生活の改善を図つて行く以外に方法がないのではないかと考える次第であります。ここに至りまして、私どもはこの国家経済的な観点から考えましても、どうしても食生活の改善をせんがためには、学校給食を強化して行く以外に道がないと考えておるのであります。或いは青年団、或いは婦人会その他の団体を通じまして、幾たびか食生活の改善の声が大きく叫ばれましたが、私はかようなことによりまして食生活の改善を図ろうとすることは非常にむずかしい問題でありまして而も幼少なる児童生徒のときより食生活の改善を図り、慣習的に食生活に馴れしめることが最もいい道であると考える次第であります。かような点から考えまして、この食糧自給というような大きな問題を解決するために、もう一歩進んで積極的に学校給食に対して協力する意思ありや否や、先ず農林大臣にお尋ねいたしたいと考える次第であります。  先ほど通産大臣から申されましたように、今度の余剰農作物によりまして、大体年間千五百万ドルの学校給食に要するところの食糧が来るというような話がありまするが、こういうようなことは、日本が本当に独立いたしましたならば、アメリカさんからそういうものをもらう前に、もつと積極的に日本で以て考えるべきではなかつたかと私は考えるのでありまするが、御所見を伺いたいと考えております。これにつきまして、私は学校給食は、一に日本の食糧問題解決のみではありませんので、私はこの問題は、即ち米食にのみ依存するところの食生活は、いわゆる人間の寿命を短縮せしめ、健康上面白くない結果が医学的に証明されておる今日、保健衛生的な見地から考えましても、やはり給食を強化して行くべきではないかと考えまするが、これに対しまして厚生大臣の御意見をお伺いいたしたいと考えます。  又文部大臣にお尋ねしますが、明年から千五百万ドルのいわゆる余剰物資が参りまして、これを給食に充てる場合に、現在の施設と現在の学校の教職員の中に給食を指導するところの適切な職員を置くようなことがなければ、極めてその結果は思わしくないような状態になるのではないか、早急にそういうような考えはないかどうかというようなことを先ずお尋ねをいたします。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 我が国の経済を改善して参ります上に最も大事な食糧自給策をどうするかという問題は、増産の面からと食生活改善の面から、両面から考えて行かなければならんと思います。私はこの狭隘な国土におきましても、必ずしも食糧自給が成り立たないという悲観的な見方はいたしておりません。仮に今日、米にいたしましても、反当二石一斗という大まかな、そういう生産統計になつておりますけれども、三石近くのところまで引上げることができないものであるか。私はできないものであるというふうには考えておりません。併しながら、それを、そうかといつてそう性急にできるものでもない。当面、とにかく食糧輸入に関する節約を図つて行くということをいたしますれば、できるだけ一つ米麦を、どちらということでなしに、主食として用いて行くように生活改善が必要である。その上から申しますれば、どんなに食生活改善と言いましても、木村さんお話のように、環境がそこに備わつて来なければ、食生活改善をしなければならんといつたつて、そう右のものを左に食べ変えるというわけにいかんものですから、どうしてもそこはおのずから環境が出てくるということは、私は食生活改善ということは、結局はまあ麦の消費を高めるということであると思いますが、麦の消費を高めるということは酪農を振興さして行く、それもできるだけ一つ農家が自給飼料によつて、主として自給飼料によつて多くの乳牛を導入して、安く牛乳より乳製品を提供できるというような環境が作り上げられなければ、私はなかなかその食生活改善といえども困難じやないか。これはもう東北地方の実例が事実を以て示しているわけでございますから、これらを総合的に実施して食生活の改善を図つて行く。ただ併し今日行われております学校給食による食生活改善の風潮というものは、これはもう何といつても一番大きい力でございますから、その点につきましては私はもう全然同感であります。できるだけ拡大して参りたい。千五百万ドルの小麦及び脱脂粉乳の贈与分、これが又相当の拍車をかけて参る、この面から食生活の改善が推進して参るということは、国費を使つてやる分を合せまして、できるだけ努力を図つて行きたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 国民の保健の向上という点から考えて参りますると、根本は、その中心は食生活の改善におかなければならないと考えております。殊に予防医学等の立場から考えましても、どうしても食生活を改善いたしまして十分なる栄養を補給し、且つ活動能力を十分にするような方法をとつて行く。従つて厚生省におきましても、食生活の改善につきましては、国立の研究所等を設けまして従来進んで参つておる次第でありますが、殊に具体的な問題といたしまして、或いは生活保護等の場合におきましても、学校給食等に対しまして教育扶助を実施いたしまする場合、現在大体五十六、七万人の教育扶助を実施いたしておりますが、その二割五分程度は学校給食に充てておるのであります。これらの点につきましても具体的に成果を挙げ、且つ又本人にも端的な状態に効果を挙げて参りまするから、十分にこれらの利用につきましては努力をいたして参りたいと考えておりまして、全くこの点御意見と私も同感でございます。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 学校給食については、近頃非常に充実、改善、普及が強く要請されておるのでありますが、実際を申上げますというと、必ずしも十分な普及を見ていないのであります。一時はむしろ減つたというような実情であつたのでありますが、昨年の大災害を契機としまして、今日では又増加しております。併しそれはまだまだその普及の程度というものは大したことではないのであります。でありますから、文部省といたしましては、新たに御協力を頂きまして、設備費の補助という方法によりましてできるだけ普及をすることをいたしたい、こういうふうに考えております。ただ一番私ども今学校給食で頭を悩ましております点は、災害のとき、その他に一時的に非常に欠食児童ができる、或いは長期欠席の子供ができる、こういう地方に対しての給食というものを強力に推進しまして、そうして気の毒な子供たちに何とか温かい手を差しのべたい、こういうことであります。ところが木村委員も御承知のように、教育扶助ということだけでは限界がありまして、実際はそれだけでは給食費負担の困難な家庭の児童には廻つて来ないのであります。でありますから、これは是非ともこの方面に主力を挙げて、その点からも給食の普及を図つて参りたい、こう存じております。最近では炭鉱地帯の問題が極めて深刻でありまして、これに対しては非常に苦心をしておるのでありまするが、実はなかなか思うような方法がとれないのであります。只今御指摘になりました千五百万ドルという余剰物資が給食その他の方面に向けられるということであれば、これは非常に私どもとしては朗報でありまして、できるだけ早くその内容が明らかになり、その内訳も明瞭になることを、実はそれぞれの関係の方面にも連絡をしてそれを待つておるわけであります。これがはつきりすれば、すぐにでも北九州その他の炭鉱地帯に無償給付ということを実行したいと思つております。ただこれがはつきりわからないのでありますが、一体千五百万ドル、その内訳が小麦が幾らで、或いは脱脂ミルクが幾ら、その他が幾らということもわかりませんが、併し第一にこれはいつまで続くものであるかということが私どもにはわからない。でありますからして、これを一時に非常にどの程度にやりますか、一年か二年で尻切れトンボになつて又元の木阿弥ということになるのでは非常な混乱を起しますので、そういう点はできるだけ慎重に、内容が判明し次第に慎重な考え方で計画を立てて参りたい。先ず何よりも北九州その他の深刻な炭鉱地帯に対しての無償給付をしたい、実はそういうことで今折角事務当局を鞭撻しております。  ただ、今お話の学校給食の普及に伴いまして、この学校給食の指導その他のそれに必要な職員を置くということが望ましいことでありまして、これは今後研究したいと思いますけれども、先ほど申上げますように、只今の段階においては何よりもこの普及ということ、殊に事実上給食費の負担に困難をしておる家庭の子女に対する無償の給食、殊に焦眉の急としては、災害地については従来もやつておるのでありますが、自然災害でない関係で極めて恵まれない今日状態にある炭鉱不況地帯の児童の長期欠席、或いは欠食というそういう方面に給食を早く進めて参りたい、こういうふうに念願しております。

木村守江自由党

○木村守江君 私は只今の農林大臣の答弁に対しましては、まだ意見がありまするが、別の委員会に譲りまして、今日は次に移ります。  通産大臣にお願いしたいことは、政府が我が国の経済の再建と貿易の振興を目途といたしまして緊縮政策をとつて参りましたことはやむを得ないことであろうと思うのであります。又そのために産業も多かれ少かれその影響を受けましていることも、これは或る程度我慢しなければならないことではないかと思われるのでありますが、今日の石炭企業の不況は実に想像に余りあるものがあるのでありまして、その深刻さは、経済問題というよりは実は社会問題も来たしていると考えるのであります。私はこのときに、政府はこの問題をこれから一体どういうふうにして行くつもりか、その根本的な対策と応急的な措置をお聞きいたしたいと考えます。なお私はこの際、こういうふうな炭鉱の不況を来たしました原因はどこにあるか。或いはデフレ政策によるところの生産の縮小とか、或いは石炭消費の合理化による節減とか、或いは外国炭の輸入とか、或いは重油の使用とか、又は純粋なる耐乏生活による石炭の使用減とか、そういうようなことがあると存じまするが、一体こういうような原因によつてどのくらい石炭の消費が、石炭の使用が減じられているか、数字を以てお願いいたしたいと考えます。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 石炭鉱業の窮況につきましては、先般来本会議における緊急質問その他に対しましてもお答えし、或いは御説明申上げておりまする通り、政府といたしましても非常に頭を悩ましておる問題でございまするこれにはいろいろの只今お挙げになりましたような原因が錯綜して累加してこういう現象になつておるのでありまするので、政府といたしましても、対策といたしましては、相当恒久的な長期の対策を講じなければならないと、それから当面緊急の対策に遺憾なきを期して行かなければならないと、二段がまえで考えておりまするが、恒久的な対策は、畢竟するところ、総合的に見まして燃料対策を国際的な感覚から考えて行かなければならないと、具体的には現在の日本の石炭のコストを相当引下げることにして、カロリーから割出しまして重油その他の燃料と価格的にも、質的にも世界の水準において相頡頏し得るようにすることが終局の目的ではなかろうかと考えます。従つて昭和三十三年頃を目標にいたしまして、単価において大体二割至三割のコストの切下げ、それからそのときの適正な出炭規模を定め、又適正な従業員数というものをおおむね頭に描きながら、これから措置を講じて参らなければならんと考えまして、これらの措置については、相当立法措置を伴うものが必要であると考えます。従つて只今鋭意努力中でございますが、この年内には所要の法律案を事務的には取りまとめるべく努力をいたしております。大体この年内には通産省としての見解は統一することができると考えております。それからその中心とするところは、今申しましたように、終局の目標を定めながら、一方においては、企業の合理化のほかに重油化ということを考えて行かなければならない。非能率炭鉱等については相当思い切つた措置を講じなければならないと考えますので、そういう点からも立法措置或いはその他の措置が必要となるわけであります。それから緊急措置といたしましては、これは累次各方面に亙つて、関係各省の間でその都度その都度鳩首凝議をいたして措置を講じつつあるのでありまするが、なかなか思うようにならない点もございましたけれども、例えば現在のところ異常な貯炭が依然として解消しない。そこで一方において先般来国鉄或いは防衛庁にもお願いいたしまして貯炭の緊急買上げ、繰上げ購入をやつてもらう。それから今後電力会社に対しまして、これは金額にいたしますると、大体本数億に上るのでありまするが、電力会社が渇水期に備えて買うべき石炭を繰上げ購入をする、その数量をできるだけ殖やす、所要の金融措置は、電力会社等に対してケース・バイ・ケースに行うというような措置は、大体現在軌道に乗つて動いておると申上げてかまわないと思います。それから十二月から或る種の生産制限について、関係業者その他関係者の間に話がまとまりつつあります。この積極、消極両方の措置によつて貯炭を減少させると同時に、緊急の金融措置をつけるということが緊急措置のうちの最大の対策と考えております。  それから一方失業者に対しましては、炭鉱地帯の失業者の特殊性に鑑みまして、例えば常盤地区、九州地区或いは北海道地区等に対しましても、できるだけその周辺の先ず鉱害復旧事業、河川の関係の公共事業というようなものに緊急にこれを吸収するようにということで、今回御審議の補正予算につきましても、建設省その他の所管の予算の執行についても、労働省、通産省、農林省その他関係省が十分相談をいたしまして特に特定地域における失業者の吸収、救済措置ということに、できるだけの重点を置くように配意をいたしておるわけでありまして、先般来申上げておりまするように、すでに予算の節約の解除、或いは予備費の使用等によつて、約一万人、それから今回の予算措置等によりまして、一般失業者を合せて二万八千人程度の救済ということが計画せられておるような次第でございます。これを要するに、先ほど申しましたように、総合的な恒久対策、それを将来の目標といたしながら、具体的な応急策を考えて参りたいという考え方であります。  なお重油につきましても、緊急の措置として、この下半期においては、当初外貨予算で予定いたしましたよりも約十万キロ・リッターに更に切り込んで、消費の規正をやることにいたしておりますが、この問題につきましても、今後更に一層強力に各方面の御協力を願うようにいたしたいと思つております。

木村守江自由党

○木村守江君 次に、文部大臣に御質問申上げたいと思います。  御承知のように教育の重要なことは今更申上げる必要がないと存じます。教育を最もよくして参りますためには、何と申しましても、いろいろな問題はあるでありましようが、全国の五十万の教職員を組合員とする日本教員組合の健全なる育成に待たなければいけないと考える次第であります。(「八百長質問か」と呼ぶ者あり)ところが最近になりまして、日教組の創立者と言われるところの(「八百長質問やめろよ」と呼ぶ者あり)石井、佐藤両氏が脱退されまして、その組合の内情を暴露しておるのであります。私はかようなことが神聖なる日本教員組合の内容ではないと、そういうことは信じたくはありませんけれども、その内容を見てみましたときに、或いは日本教員組合が全くその本質を忘れ、或いは政治教育に没頭し、或いは反米向ソ一辺倒の偏向教育をなし、その会計の紊乱に至つては誠に名状すべくもないというような内容を見せつけられておるのであります。(「誰が書かしたのだ、一体」と呼ぶ者あり)又文部大臣は前後二回に亙りまして、この問題について教員組合に対して質問書を発せられておるようでありまするが、本日の毎日新聞を見まするというと、(「もつと大きい問題をやれよ、ほかの問題を」と呼ぶ者あり)「日教組の内情を暴露した石井・佐藤問題について、文部省からの質問状を受けた日教組本部は四日午前中央執行委員会を開いて取扱いを協議した結果、七日神田の同組合本部で大連文相と対決して事の黒白をつける方針に決め」たというような記事もありまして、この問題は我々教育に関係するものといたしまして、等閑に付し得ない問題であると考えますので、この内容につきまして詳細なる御説明を願いまして日本教員組合の本当のあり方を御説明を願いたいと考え出ております。(「文部大臣得意の巻だ」と呼ぶ者あり)

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 日本教職員組合が事実どういうあり方をしているかということは、これはなかなか外観からは臆測できない点が多く、又実情は詳細には私ども承知をいたしておりません。今お話になりました前後二回に亙る質問書ということでありますが、これは新聞等において報道されて、御承知の通りにあれは先月の八日であります。日教組の石井、佐藤という二人の人が日教組の幹部に対して声明書並びに理由書というものを出しまして、そうしてまあ日教組から脱退したのか、或いは日教組の組合員ではないということであります。まあ辞表を出したというのか、その点はつきりいたしませんが、とにかく日教組との関係を断絶をして、そうして私のところへ参つたのであります。私のところへ参つた。私は、会見は五分間足らずの間でありまして、詳しいことは聞きませんし、又聞くつもりもありませんでした。ただ本人が、二人の人が来て私に、まあ向うが言つただけで、私は何も聞かなかつたのですが、言つたことは、日教組の内情は実に紊乱を極め、又そのとつておる教育に関する考え方というものはひどいものだ、であるからして、自分たちはもはやこういう者と一緒について歩けないから、只今その関係を断絶して参りました。そこで今の声明書、そうして意見書というものを私に差出しまして、かくのごときものであるから、文部省においても十分日教組の真相についての認識を深めて、教育のために御尽力を頂きたい、こういう趣旨の挨拶でありました。そこで私はその内容を見たのでありますが、この声明書は極く抽象的なものであります。それから意見書というものを見ますというと、これは大体日教組内部の会計の紊乱、不正、ここに収賄というような字が使つてあるようでありますが、とにかく横領とか、背任に該当するような紊乱、不正、その点と、そうしてその次には非常にこの党派的な教育というものをしている。いわゆる偏向教育をしている。それから政治的な活動というものが依然として盛んに行われている。そのうち具体的な……、そういう三点がこの意見書の骨子であります。そのうちに、船橋市で目教組の会合があつて、秘密な会合を催して、そうしてそこで日政連の会員の倍加運動、それから新会員からして一人当り十円の政治資金を徴収することを決定した、それから来たるべき総選挙、これは解散を想定しているのだろうと思いますが、に際して、かねて諸君が総評を通じて言明している政治的目標、即ち吉田内閣を打倒し、階級政党たる左右社会党及び労農党を支持するために多額の資金と人員を動員する計画、こういうものがきめられたということが、その意見書というものの中に書いてあつたのであります。  そこで私ども文部省の立場といたしましては、組合の内部の不正、紊乱、或いは又これは一種の内紛であると報ぜられておりますが、どういういきさつでその両人が日教組と手を切つたのか、これらの点については関心は持ちましても、これは日教組の内部関係でありますから、我々として立入つてせんさくすべき筋合いのものではありません。ただ船橋市における会合をして、そうしてすでに教育二法成立の今日において、政治的活動、総選挙を目標としての打合せ会議をしたということであれば、これは文部省の立場としてその真相を知らなければなりません。それからいわゆる偏向教育というものを教研大会を通じて推進している、こういうことがありますから、その点もこれは本当か嘘か聞いてみなければわからないことでありまするが、私はどういうことでこの石井、佐藤という者が日教組を脱退したか、又それがどういう人間であるかということは知りません。この二人の人の言うこと、それから意見書、それを直ちに信用するということはできません。併し書いてあることは、今のような内容を盛つてあるから、これは日教組に一応聞かなければならん、こういう考え方をしたわけであります。  そこでこれは十一月の十三日の日付を以て質問書を日教組に差出したわけであります。(「ややこしいよ」「日教組に行つて聞けばいいよ」と呼ぶ者あり)だからして質問を出したのであります。質問の要点は、そういうことであるが、左記の点について差支えがない限り一つ知らせてほしい、その一つは「過日千葉県船橋市において秘密裡に全国代表の会合を持ち」、こういうことが意見書に書いてあるが、それについてこの会議の出席者には教育公務員が含まれていたかどうか、これが一点。それからその次には「日政連会員倍加運動と政治資金の徴収につき決定した」と述べられてあるが、その実情はどうなのか。それから「来たるべき総選挙に対する計画が立てられている」と書いてあるが、その実情はどうであるか、こういう点。それからその次には「教育研究大会を通じ組織的計画的に向ソ反米の一方的教育を平和教育と称して全国に押し拡げようとしている」と書いてあるが、その実情如何、こういうことを問合せたのであります。それに対して十五日付を以て、日教組から書面を以て回答がありました。それからなお、その質問書を出した場合に、なお日政連本部事務局の編集にかかる「教育公務員と選挙のための関係法規」、こういうパンフレットを日教組の地方支部に対して配付されておつたということを聞いておるが、これを参考にしたいから、その一部を差支えなければ一つ分けてもらいたい、こういうことを申出たのであります。それに対しての回答です。その回答は十一月十五日付回答、この回答によりますと「一、貴職より寄せられた質問事項は、明らかに組合運動に対する不当干渉と思われるので回答する筋合いのものではありません。(「当然のことだ」と呼ぶ者あり)二、併し石井、佐藤意見書なるものは余りに悪意に満ちた企らみによるものであり、教育の正しい発展と教員組合の正常な前進のために、国民に与えた誤解を解く必要があります。三、而も昨日の共同通信社の報ずるところによれば、貴職は当組合の書記であつた石井、佐藤をそそのかし今回の破壊工作を計画された中心的人物の一人であるやに伝えられます。よつてこれらの諸事情を考慮し、今回に限りお答えする次第であります。」、こういう長々しい前文句を以て答弁をしておる。それからなお「日政連本部刊行のパンフレットを一部分けてくれとのことですが、日政連と日教組は全く別人格の団体であり、我々の関知するところではありません。」、こういうはつきりした答えであります。それからその次はその回答の内容になる「五、本年七月、千葉県船橋市において全国書記長会議を開催いたしましたが、すべて現地公安委員会に連絡済みであり、秘密裡に会合を持つた覚えはありません。」、これは私はその船橋の料理屋で開催されたように聞いております。戸外で会合したのではないので、これを一々現地公安委員会に連絡したということであれば、これは非常に鄭重な扱いで、成るほどこれは秘密のものではなかつたでありましよう。それから「六、右会議において日政連の会員倍加運動や政治資金の徴集並びに総選挙に対する計画等につき決定したことはありません。」、それから七です。「我が日教組の教育研究大会の成果については岩波書店、国玉社等より「日本の教育」と題してすでに公刊され、国民の各階層の方々から高く評価され、国際的にも関心を寄せられていることは貴職も御承知の通りであります。」、こういう、これは初めの質問書に対する回答であります。  只今お聞きとりを頂きましたように、大体全部事実を否定してただ私が陰になつて操つたとか、そういう要らんことを書いておるのであります。事実無根であるということを書いたというだけのものであります。そうして日政連と日教組というものは全然何の関係もない団体であるということをはつきりと言明をいたしたのであります。これは併し私は本気にはいたしません。  ところがその後日教組は十二月二日……、よく存じませんが、十二月に入つてから中央委員会というものをいたしたのであります。ところが中央委員会の席上において文部省としてはこれを看過することのできない内容の発言があつたのであります。でありますからして、これに対して更に質問書を出したのであります。これは十二月の三日付であります。この質問書を読んでみますと、「十二月一日の貴組合第三十五回中央委員会において、元貴組合書記石井、佐藤両氏の意見書発表にからまる問題について左記趣旨の発言があつたとのことでありますが、文部省関係について下記事項を折返して明確に御回答を願いたいる記一、小林委員長は、自由党と文部省は石井、佐藤をスパイに仕立ててこれに百万円以上の金を投じた旨を述べたとのことであるが、事実果してそういうことを言うたか否か、」これが一つ、その次に、「平垣書記長は、石井、佐藤問題の背後に自由党より五十万円、文部省はその予算の中から百万円を出したと言われておる、これは言われておるということ、出したとは言わないこと、と述べたとのことであるが、事実果してそうであるか。」それから第三番目には「青森県代表の小林委員長は百万円以上が投ぜられているなどと述べたが、かかる根拠不分明のことを軽々に述ぶべきではない、こういうことを青森県代表が発言した。その発言に対して委員長は、私の発言は個人の発言ではない、五十万日教組全員を代表して述べているのである。百万円以上ということも確たる証拠があつて言つていることであると述べたとのことであるが、事実はそうであるか。四、前各項につきそういうことを述べたということが事実であれば如何なる証拠に基いてさような発言をせられたが。」これが三日付で文部省から出した質問書であります。これは日教組で従来いろんなことを申しております。これは日教組の批判であり、考えでありますから、それを一々私のほうから文句を言う筋合はありません。現に、もう先ほど読み上げましたように、第一回の質問に対する回答の中にも、文部大臣が石井、佐藤をけしかけて手先に使つた中心的人物であるというような噂があるということを書いてある。これは噂があるということは要らぬことでありますが、書いたのは何も関係がない。併しそういうことをただ噂として書いたのだから、これは私としては何も開き直る必要もないのであります。ただ併し中央委員会における文部省がその予算の中から百万円を出してそうして石井、佐藤を買収した、それについては確たる証拠がある、こうり言つておるのです。これは文部省としてそのままこれを不問にするわけにいかないことは理の当然であります。でありますからして、これに反対しては幾ら何があつても、質問せざるを得ないのであります。そこでそれに対して翌四日、即ち昨日でありますが、昨日日教組から私どもに対して会見の申込みがありました。そこで私が会つたのでありますが、これは回答するということであるが、実際は回答でも何でもないものを持つて来たのであります。ここにその申入書というものをちよつと持つて来たのですが、こういう趣旨の申入書というものを持つて日教組代表の人が私のところに参りました。これは趣旨であります。その趣旨によりますと、「一、質問状は受理した、二、貴職就任以来の日教組に対する破壊的言動については確信すべき諸事実がある。これについて事理黒白を明らかにしたいので十二月の七日日教組本部において会見を申入れる。」こういう趣旨の申入書というものを持参したのてありますが、私のほうは事実があるがないかということを聞いたのであつてこれはそれの返事にはなりません。そこでこれは申入書は申入書として返事のほうはどうなるかということを私は聞いてみたのであります。ところが代表の人の説明によるというと、この回答も含めて、その問題も含めて文部大臣の日教組に対する破壊的言動に対する事理黒白を明らかにするのだから、そのときに、回答はその中に含まれるのである、こういうことでありました。私はこの申入れを拒否いたしました。これはここに今読みましたように、私としては事実は申入れに応じて会見をしたくてもできないような関係にこしらえております。十二月七日といえば、これは現在開会されておる国会の恐らくは一番大事な日でありましよう。到底こういう日に出るわけはありませんから、だから私はこれは断らざるを得ん。それから日教組はその返事をするについて、そこでそうであつたとか、なかつたとか一口言えば済むことを、わざわざ神田橋まで私に出て来い、こういうことは私としては受理し得ないことは理の当然であります。恐らくは日教組といえどもそういうことを私が承知すると思つて持つて来たものとは思いません。承知して是非来てもらいたいというなら、適当な都合のいい日だとか、適当な場所だとかいうことを言うべきであつて、よりもよつて七日の日に、七日ですよ、神田橋まで来いなんということは、これは恐らくは日教組自身も断られることを承知の上であろうと思います。そこで私は断りまして、それじや帰るというから、いやそれは申入れは断つた、併し私のほうから出した質問に対しては返事をするのかしないのか、決して返事を無理にせよとは言わない、又返事を強いる私に何の権利もありません。この頃は罪人にも黙秘権というものがあるのだから無理に返事をさせるカはない、返事をしないならしないでいいからしないということをはつきりして欲しい、するかせんかをはつきりして欲しいということを念を押した。ところが代表の諸君は文書を以てはいたさん、口頭を以てならまあすると言う、口頭を以てするということは神田橋まで来れば(笑声)、こういう意味のようであります。大体経過は以上の一通りであります。(「関連質問」「関連質問」と呼ぶ者あり)

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ちよつと木村君待つて下さい。関連質問があるそうです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私もこういう噂は新聞紙上を通じて知つておりますが、文部委員である木村君が文部大臣と熟知の間柄でありながら、この程度の答弁内容をお知りにならないで御質問になつておるということは、私誠に不思議にさえ思う。却つてなれ合つて質問でもしておるように思われる。(「余計なことを言うな」と呼ぶ者あり)けれどもそのことは一切申上げませんが、私はやはり教育関係の議員として大連文部大臣が各地を歩いてお話になられたり、或いは日教組なる組織といろいろ対立し紛議を起しておるという点は、ここ長いこと新聞紙上を通じて聞いて知つており、従つて基本的には、私は議員の立場に立つならば、一国の文部大臣と教壇上にある教師のその組織とはどういう関係にあつて日本の民主主義を押立てて行かなければならない基本的問題を考えなければならないと思つております。けれどもそういうよい機会が今日までございません。又こういうところで一々それをお聞きするのではございませんが、私は関連しましてたつた二点をお伺いします。  一点は、今の御答弁では、石井とか或いは佐藤とか二人の者の身分や地位や人物はどういう者だか私にはわから互い。けれども持つて来たものにこう書いてあるから質問したのだ。」国の文部省の次官が一団体に質問を発したのだというのであります。従つて、今後においても人物もわからない、どういう筋合でこれが出たかもわからない、事実がどうであるかもわからない、そういうものを確かめもしないで、やはり何か持つて行つたりすれば、一々質問状というものを発してお尋ねになるような御親切を今後においてもお続けになる、これが今の文部省の或いは大臣の御態度であるかどうか、こういう点だけお伺いします。  第二点としましては、この第二の質問書なるものを今お聞きしましたら、十二月になつてからの中央委員会だそうですが、間髪を入れずというだけ短い時間の間に、文部大臣は一団体の中央委員会の討議の内容、而も断定しておるとかしていないとかということを確認し得るまでにどういうふうにしてその記録をおとりになつたのであるか、どういうところからそういうものが、こう言つたそうだということが明らかにわかつて御質問になつたのか、この二点だけお伺いしておきます。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 日教組に関する項について今後ともさように親切に質問をするつもりかどうか、(「日教組じやない、一般の文教問題について」と呼ぶ者あり)文教問題について文部省として真相を明らかにしなければならない必要があると思うものについては、質問をするとか照会をするつもりであります。その必要のないものについては質問、照会はいたしません。これは併し申上げるまでもなく当然なことであります。文部省として知つていなければならん事柄についてそれぞれの関係方面に照会をして返事をもらう、これは常識であります。  それからその次は、(「入手の経路」「答えられませんか」と呼ぶ者あり)これは公開の会議である。新聞記者も入つておつた公開の会議であります。日教組の代表の人は会議の内部についての事項についてかれこれ言うのはけしからんというような発言がありました。併しこれは公開の会議でありまして、そこにはたくさんの人が出席しておつた、私は出席いたしませんでしたが、併し出席しておつた人はたくさんあるのでありますから、その出席をしておつた人から聞いたことであります。これは秘密の会議でも何でもないのであります。現にその席で兵庫県の代表の人が、兵庫県の県教組は組織の全力を傾けて知事選挙にやつておる、組織の全力を挙げてやつておる、本部は一つオルグを送つてもらいたいというようなことを言うた。それに対して議長は公開の席上そういう発言は一つ慎しんでもらいたいという注意をしておつた。(笑声)でありますから、これは議長自身によつても明らかであるごとく、これは公開の席であります。そうして先ほど読んだこの証拠がある云々についても、小林委員長はこれは個人として言つているのではない、全国五十万組合員を代表して言つているのだ、こういう発言をされている点から言つても、これは個人的なひそひそ話ではありません、公開の席上における発言であります。従つてこれが情報として私のほうに入つたからといつて、何の不思議もないことであります。又誰から聞いたということを申上げる必要はありません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 誰から聞いたかということを申上げる必要がないとあなたはおつしやいますが、少くともそういう公式の文書をお出しになつて、国権の最高機関である国会に、このことが言われたものであるということを御報告になる限りは、そうでたらめなものであつてはならない。従つて私は質問する権利がある。明らかにどなただか、公開ですから確かにお聞きになつたはずだ。従つてどういう方からお聞きになり、これに信憑性ありと信じて御質問になつたのか、この点は議員としてこういう公式の席上であなたが、或いは文部行政上行政措置として、公式なこととして、これを行なつた以上は、その質疑の過程を真実なりとしてお聞きになつたのは、どなたからお聞きになつたかということは明かして頂かなければなりません、又私の第一点としてお尋ねしたことは、これはいろいろ文教行政上重要なりと思惟する場合に御質問になることは御尤もであります。熱心なる大臣はそうさるべきでありますが、それをお聞き取りになつたあなたが、或いはそのパンフレットですか、何ですかわかりませんが、それを持ち込んで来て頂いた相手の方の人物も経歴も身元がわからん、ただ言われたことを言われたとして聞いておるというだけで、一国の文部大臣ともあろう方がそれを取り上げて、そうして一団体に質問状という公式のものとして御質問になられるという点は、私はおやりになつても結構ですが、やや文部行政としては軽率ではないかという観点からお尋ねをしているので、御尤もであるとするならば、他にやはりいろいろそういう持ち込みものがあるという場合には、真偽のほどはいざ知らず、一々お確かめになられますかと私は聞いているものなんだ。ただ事務的なことなので、内容には触れておりませんから、簡単な御答弁でも結構でございます。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) お断りしておきますが、私は日教組の会議でこういう発言があつた、それはけしからんという書面を出したのではありません。発言があつたというふうに聞いたが、果して事実であつたか、それから発言が、これは証拠があるということも言われたそうだが、若しそういうことを言われるとすれば、その証拠を見せてもらいたい、こういうことを言つたのであつて、日教組に対して果してその発言があつたかどうかという点だけを確かめた、これを確かめざるを得ないということは、文部省がどういう予算で以て、百万円の金を正当に石井、佐藤なんかというものに渡せることができますか。これが果して事実であるとすれば、文部省の官紀が紊乱しているということである。それを確たる証拠があつて言つたとすれば、それを文部省が黙つて見ている法は絶対にない。(「その通り」と呼ぶ者あり)だからそれを言うたのがけしからんと言うているのじやありません。それを言うたということであるが、果して事実如何、こういう点を確かめることは、文部省として当然のことであります。若しそれを放つたからして置くということであれば、これは文部大臣務まりません。(「務まらなければよしたらいい」「どこから聞いたのか」「誰から聞いたのか」と呼ぶ者あり)それから誰から聞いたなんてことを言う必要は少しもない。だから本当であるかということを聞いているのですよ。こういうことを聞いたが、事実如何ということを聞いたのです。それを言うたに違いないと、これはけしからんということを言つているのじやないのですよ。(「質問に対する答弁なんだ」と呼ぶ者あり)それはそういうことを言う必要はない。返事をする必要はないと言つている。それからその次には何か聞き込みとか投書があれば何でも一々質問を出すかどうか、こういう御質問であります。これは内容の如何によることであります。内容の如何による……。これが文部行政の上で重大な内容に触れておればこれは一応質問するとか、実際聞いて見るとかその方法を尽さねばならん。そこでいわゆる船橋会議における内容は、その意見書に書いてあることによつてみると、日教組内部の不正紊乱というようなことがありました。併しこれは質問のうちには入つておりません。質問のうちには入つておりませんが、これは日教組内部の、組合の内部の問題でありますから、文部省はそれを詳細に根掘り葉掘り聞かなければならない筋合のものではありません。併しながら船橋会議において、来たるべき総選挙を対象としていろいろ選挙の対策が練られている。これが若し教育公務員がその席に参加しておつたとすれば、これは先ほど成立した教育二法案の問題でありますからして、そういう事実があつたかどうかということは、教育二法案を維持すべき上からいつて当然聞かなければならない内容のものであります。であるからして先ず第一に、併し教育公務員でない者が集まつて相談していたつて、何も文部省がかれこれ言う筋合はないから、それで教育公務員がそれに入つておつたかおらんかということを聞いた。でありますから、文部省の立場において知らなければならんような内容の投書であつて、誰かの話があつて、どうしてもこれは確かめなければならんという問題については確かめます、今後とも……。併し何でもかでも投書があつたとか、誰が言つたのだとか、それを一々取り上げてそんなことをしていたら、忙がしくてとてもできません。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 吉田君、関連質問ですか。吉田君……。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 もう一点だけでいいんですが関連して……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) では小笠原君を先に。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 もうこれ以上文部大臣にお尋ねをしませんけれども、というのは、新聞紙で伝えられるところによると、国会が取り上げる前に、自由党と或る団体との対立抗争というようなことがあるから、誠に我々議員としては迷惑なことでお聞きはしませんが、ただあなたがおつしやるように、その誰から聞いたのか、本当かどうかもわからない、或いは持ち込んで来た文書についても本当かどうかわからない。わからないことを聞いてみるのだということであれば、相手のほうもそれは答弁を一々責任をもつてしてもしなくとも、それについて又文部大臣がけしからんというような態度はこれも又あり得ない。お互いにそれは対等なのですから……。その点だけわかつておれば、私は結構でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) よろしゆうございますか。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 よろしゆうございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 文教と日教組というものの関連は極めて重大なものでありまするについて、この日教組の幹部の諸君の問題について頗る遺憾な点をたくさん私も認めます。殊に最近たまたまここに体験で綴る記録、子供を忘れ教育を忘れた日本教職員組合の白書、失われた教育という本が石井一朝君の名において出ております。この内容におきまして驚異的な、随分いろいろな問題が起つております。勿論石井君は恐らく責任を以てこの本を著したものと思うのであります。たまたま中を見ますと、写真入りのその写真の説明に、選挙運動に熱中して子供を忘れるとか、或いは外遊の好きな指導者たちとか、或いはアカハタと土工の集いとか、或いは料亭でやる華やかな会合であるとかいうような問題が出ておりますが、(「関連質問じやない」と呼ぶ者あり)かような問題を追及するわけではありませんけれども、併しながら今日の日教組の現状というものが非常に私は世人を顰蹙させる問題があると思うのであります。従つてこの問題に対するいわゆる文相が教育二法案を出されたあの問題について、刑事罰を以て臨むべきものを行政罰にとどめられた。これは勿論その当時の勢いで、いわゆる行政罰になりましたが、事実から考えたならば、常識的にこれは行政罰にできます。併しながら事を処断するに当つての方策としては、私はやはり刑事罰でなけらねばならん。種々の起つて来るこの問題を解決することはでき得ないように思います。殊に千葉県の官公労の機関紙に佐久間孝一君が執筆したあれを見ましても、いわゆる教育委員会がこれを処断するに当つて、文相との間に相当意見の異なる結果があつた。従つて私はこの問題について……、(「委員長、関連質問じやない、注意して下さい」と呼ぶ者あり)

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 吉田君簡単に願います。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 この問題についてお聞きしたいが、その経過と、もう一つは教育委員会の問題でありますが、これは地方の自治団体として非常な金がかかる問題であります。いわゆる財政上相当考慮せられなければならん問題だ。この存廃というものはいろいろ意見があるだろうと思いますが、文相はこれを助言育成をしたいと言つておられる。然るに細胞組織であるところの日教組におきましては、さようなものは……。この間におけるところの文相の見解というものを承わりたいと思います。勿論これは予算上相当関係のある問題だと思いますから御意見を承わりたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) あとのほうの問題からお答えいたしますが、教育会員会が現在地方財政の上に非常な圧迫を加えておるから、そういう意味でこれを廃止をする、こういう点につきましては私は意見を異にしております。勿論教育法規はただ財政の見地だけじや作つてみたり廃してみたりする筋合いのものではない。それから教育会員会があるため、果してどれだけの地方に財政負担をかけるかという点については私も詳細は知りませんが、詳細は知りませんが教育委員会というものをやめても、教育行政というものをやめるわけにいかんのであります。従つて教育委員会という形式はなくなつても、教育行政に必要なる経費というものは当然残るのであります。教育委員会という形をとつた行政機関であるために、純粋にそのためにどれだけの負担をかけておるかということになれば、私は恐らくそうこれが制度そのものを廃止しなければならんほどの大きな負担になつておるとは思いません。十分研究をしなければならんものと思つております。  それから初めのほうの御質疑でちよつと私聞き漏りした点があつて(「質問になつていないのだよ」と呼ぶ者あり)若し私の答が御趣旨に違えば、おつしやつて頂けばやりかえます。先ほどの教育公務員特例法の一部改正案というものに罰則が削除せられて、その形の修正案が成立したことは御承知の通りであります。これはつい先頃の国会で多大の論議が重ねられて、そしてこれは満場一致を以て、その修正の下に成立した法律であります。従つて私はこれを今すぐ千葉県にどういう例があつたというようなことでもつて、直ちに罰則を附けたものに改正をするというような気持は、只今のところありません。併し議員提出で出れば、私は賛成いたします。

木村守江自由党

○木村守江君 私は石井、佐藤両君という人がどういうような人であるかは、つまびらかにしておりません。併しながら聞くところによりますれば、日教組設立以来の役員の一員であつたというような明瞭な事実もありますので、恐らくは我々の同僚である日教組関係の議員諸君もこの人についてはよく御存じであり、共に手をとつて日教組のために働いて来た一員であることは疑い得ないと私は考えております。(「予算委員会だぞ」と呼ぶ者あり)そういう点から考えまして、この内容を検討いたしましたときに、私は政治教育というような問題、即ち船橋会談というようなこと、或いは偏向教育における反米向ソの一辺倒の教育というようなことは、今までの日教組の教研大会或いは組合の大会等を照し合せて見ましたときに必ずしも否定し得ない。私はあり得べきことがらではないかと考えるのであります。誠に残念ではありまするが、こういうようなことはあり得べきことであると考えざるを得ないのであります。ただ、私の最も不思議に、最も遺憾に感ずる問題は、日教組の内部の会計の紊乱という問題であります。御承知のように全国の教職員諸君が本当に薄給のために生活を維持でき得ないというような悲痛な叫びが、常に我々のところに訴えられて参つております。その薄給な教職員から集めました貴重なる組合費を以て、その組合の会計が極めて紊乱されたり、或いは金額不明の架空の領収書を乱発し、或いは強制的にわいろを取つたりしておる。又はリベートを受理して平然としておる。又組合の幹部は食えないというような教職員の代表として、実に一カ月五万円以上の労働貴族の生活をしておるというようなことに至りましては、私は黙過でき得ない問題ではないかと考えるのであります。私はかようなことを考えまするときに、この問題は決して教員組合内部の紛争であるとして大したことはないと言つて文部大臣が看過すべき問題ではないと考えざるを得ないのであります。これに対してどういうような考え方を持つておるか。それから先ほど答弁されましたように文部省がその予算から百万円の金を支出したというようなことを公然と話されておつた事実は、私も遺憾ながらこれを聞いて参つたのであります。こういうようなことがありましたならば、これこそ私は大変な問題であると考えますので、できるだけこういう問題の黒白をつけておかれるように大臣に要請してやまないと同時に、どういうような方法をとつてこれからこの問題を解決しようとされますか。少くとも国民の血税であるいわゆる文部省の予算の中から百万円を出したというようなことを言われましたからには、この問題の黒白をつけまして国民の疑惑を払うと共に、日教組の実際の活動というものは、如何なる方向に進んでおるかをこの機会を通じて国民に知らしておかなければならないと考える次第であります。なお、私はこの十二月一日に、先ほど大臣が言われました教員組合の中央委員会におきまして兵庫県の代表は、ただいま兵庫県の教員組合においては、教員が県をあげて知事選挙にたたかつておるのである。なぜ一体本部からはオルグを送らないのだというような発言をしたのに対して、その議長はこれは公用の席であるから、そういう発言はつつしんでもらいたいというような言葉があつたのでありまして、こういうことは明かに教育公務員法に違反する問題でありまして、こういう問題も黒白をはつきりさして頂きたいと考える次第であります。これに対しまして文部大臣のお考えを拝聴します。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 第一の質問は日教組のいわゆる石井、佐藤意見書に指摘せられている会計上の不正紊乱、それについてどう思うかという点でありますが、これは私は果して事実だとすれば非常に遺憾なことであり、これはやはり教育に及ぼす影響は少くないものであると思います。併しながらこれを質問はいたしませんでした、先ほど申上げたように……。これは組合の内部の事情であり、こういう質問をすることは、如何にも失礼でありますから質問はいたしませんでしたが、これに無論多大の関心を持つているのであります。ただ事実であるか事実でないか、その点は明瞭でありません、私は多少日教組はきげんが悪かつたかも知らんが、文部省に関することだけは聞いておかなければならん、こういう立場で質問書を出したのであります。  それから次の百万円を文部省から出して買収した、それにははつきりした根拠がある、こういうことを言つたということでありますが、先ほど申上げましたように、私はその席で自分で聞いたのではありません。そういうことを確かに言うたということを聞きましたけれども、それでそういう事実が果してありや否やということを聞き合せたのでありまして、今日でも日教組がそれについての返事をしないのであります。返事をしない限りは、果してそういうことを言うたというわけには行きません。併し私はそれを聞いたという人からの情報を得ていることは、先ほど申上げた通りであります。ただ百万円の文部省の予算の中から、勿論不当であります、不当の支出をしたということが、それについてはつきりした証拠があると言うたということが事実であるとすれば、これは文部省として看過し得ない事柄であります。文書を以ては返事しないということでありますが、とにかくまだ返事が参りません。返事がくれば私どもとしても考えなければならんけれども、併し別に名誉毀損で訴えるというようなつもりはありません。  それから次に兵庫県の代表の発言、これも私は恐らく本当だろうと思いますが、これも聞いてみないことにはわかりません。そこでその代表の発言が只今申されましたように、全組織を挙げてこの知事の運動をやつている、オルグをよこしてほしい、こういうことはその調子から行きますというと、非常にたくさんのいわゆる教育公務員特例法に違反するような政治活動、選挙運動が行われているということが想像されます。併し抽象的であつて内容がわかりません、組織を挙げて云々ということでは……。これが候補者の当選のために投票の勧誘をするとか、運動して歩くとかいう具体的なことであれば、これは教育公務員特例法に違反する問題が起つて来るでありましよう。ありましようが、それだけではどうも何とも申上げられないわけであります。総じてかようなことは、嘘にもせよ本当にもせよ、最近日教組の動向を通じて世の中に洩れて来るということは、私は甚だ遺憾なことであると思います。

木村守江自由党

○木村守江君 大臣が文部省の信用のために、即ち日本の教育の効果のために教員組合に対して質問書を発したのにもかかわらず、教育公務員であるところのいわゆる組合の幹部が大臣に対して七日神田の組合の本部で対決したいからというようなことを言つてよこしますことは、果して教育公務員として適当なことであるか、或いは好ましいことであるかどうか、その御意見を伺いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) さような申入れが教育公務員として適当であるかどうかということでありますが、これはそれぞれの人の考えでありますから……。私はあまり適当な方法じやないと思いますけれども、併しこれはその人によつて考えが違つて来ます。これは教育公務員でなくても、そういうことは常識から考えて非常に失礼なことだと思います。(笑声)

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 関連して。只今公開の席上において文部省が百万円の公金をほうぼうに渡したということが言明せられたということを、文部大臣はお聞きになつておる。而もこの予算委員会の席上においてこのことが論議せられた。このままで私は若しうやむやになるならば、若干でも私は文部省に疑いの残ることを非常に遺憾に思います。只今名誉毀損で訴えることはしないと言いましたが、返事がないからということで私はそのままにすることはできないと思う。はつきりと始末をつける。どうしても返事がなければ、私は司直の手によつて文部省が疑いを受けているのでありますから、而も教育の中心である文部大臣であります。私ははつきりこのことは……、日本の文教の一番重要なことだと思います。只今の文部大臣の最後の言葉は、この予算委員会で堂々としてこの問題について論議したのですから、それをあらゆる方法によつて……、私は一般の日教組の内容については何ら知りませんが、百万円云々についてははつきり私は責任があると思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)司直の手によつてもいい。あらゆる方法によつてどこまでも返事を求める。返事がなければ何でもいい、はつきりしておく必要があるのです。これははつきりと国民の前に、文部省か少しでも疑いを入れられたことについて明らかにする必要があると思うのです。最後までこれは明らかにしなければなりません。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 百万円文部省から出したというようなことは、これはこの席ではつきり申上げますが、全く根も葉もないでたらめであります。たださような疑いを受けた、世間に評判が立つたという点については而もこれは文部省の職員であつたというのではありません。文部大臣が百万円出して買収したということであります。その点は私の不徳のいたしたところでありまして、申訳ありません。(笑声)これが全然嘘であるということは、これだけははつきり申します。若しこれが事実であれば、背任として司直の手によつて取調を受ける筋合いのものであります。司直の手によつて取調があるならば、私は喜んで身の潔白を立てるつもりであります。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 私は司直の調べを受けたらというそんな受身のことではなくしてこれだけの問題が公開の席上で、全国五十万の代表の中央委員会で論ぜられた、あなたの確聞していらつしやるそれをそのままで、私は調べられればはつきりする。調べられぬ限りは折角質問を出しながら、向うから答えがなければそのままにしておくということは、甚だ私は、文部大臣としての職務としても、あらゆる方法によつてこれは明らかにして頂きたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 私は中央委員会の席上で小林委員長がさような発言をしたいということを確聞をしております。併し、日教組のほうではそれについて聞き合せたところでは返事がありません。ありませんからこれは言うたか言わんかわからんという状態であります。併しこれがこの場合に文部省としてこれに対して返事もないという場合に、どういう措置をとるかということは、これはむずかしい問題かと思います。声明書を出すか、或いは名誉毀損として訴えるか、この両方のいずれかであります。もう少し返事の模様を……。まあ昨日のことでありますから、返事の模様をみた上で善処したいと思つております。

木村守江自由党

○木村守江君 今回の文部大臣の質問に対する日教組の態度は、誠に常識的に遺憾だというようなことでありますが、私は教育の根本はやはり常識にあると思うのです。常識のないような教育家では、本当の教育家とは言えないと思うのです。そういう点から考えまして、こういうような問題はやはり只今左藤委員が言われましたように、児童生徒に及ぼす影響が多いのでありまして、こういうような非常識な組合の幹部に対しましては、徹底的な処置をとられるように要望しておく次第であります。  次に、私は誠に遺憾な質問を申上げるのでありまするが、文部大臣は或る講演会におきまして現在の日本教員組合は極左政党であると断言いたしております。私は文教の府にある文部大臣が最も教育に関係のある、而も最も中正でなければならないところの教職員の会合である組合が極左政党であると断言されますまでには、最も確固たる信念と、最も確実なる証拠とを持つておられるのであると考えますので、その点をお承わりいたしたいと考える次第であります。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 只今御質問の点は、私が日教組は極左政党であるというふうに言つたというふうに一般に伝えられおります。併し表現の問題でありますが、極左政党と何ら選ぶところのないものである。こういうふうに思つております。(笑声)そこはちよつと違います。その点訂正しておきます。そこでそれに対する証拠ということになるのでありますが、これは併し近頃演説会で私が言つたという……、近頃のことではありません。教育二法を御審議の当時、当国会においてしばしばその意味のことは申したのであります。先ず第一に、私がさような発言をすることについて、これは人によつて判断が違いますから、絶対に私の言うことが正しいということは申上げるわけではありません。要するに私の判断するところではということは、当然にそこに含まれているのでありまするから、私の判断と御承知を頂きたいのであります。今の言つたか言わんかというような客観的事実の問題ではありません。そこで私は先ず第一に日教組は政党と選ぶところのないものであるということをしばしば申します。事実そう思つておるのであります。日教組は御承知の通り選挙のあるたびに、選挙のたびに公認候補を出して、そしてそれに選挙資金を供給をして、そして現在国会議員として二十数名のいわゆる日政連議員団というものを日教組出身の議員として確保しております。日教組の文書に従えば、この前の教育委員の選挙の際にも、これは県の教育委員だろうと思います。この辺ははつきりしませんが……。六十数名の公認候補を出して、そして五十八名の当選を見たということが書いてあります。その他地方の県会議員、市会議員或いは町村会議員、そういうものを通じて二千名の議員を持つているということであります。で、さような点から見ると、これは無論日教組がそればつかりやつているものだとは言いません。それだけしかやつていないとは言いませんが、併しその限りにおいてこれは政党と同じようなものである、選ぶところのないものであることは、これは私はそう判断をいたします。これは常識から見ても、そういう判断が成立するものと思います。ただ先ほど申上げた点は、日教組の第一回目の質問に対する回答の中に、日政連と日教組は全然別個の人格であり、全然別個の団体である、日政連については全然あずかり知らんということが一つあります。先ほど読みました中にこれは恐らく近頃そういうことに或いはなつたかも知れません、その辺は明瞭でありません。併し従来日教組の経過報告というものは御承知の通りであります。これはその中央委員会なり大会に、その期間における組合活動の主要なものについての経過を報告する文書であると思うのです。その中には選挙闘争という題目を掲げてそうしてこと細やかに、先ほど私が数字を申上げたようなこともみんなその日教組の経過報告の中に書いてあるのであります。それを読むというと、日政連と日教組の区別はありません、全然ありません。のみならずその中に日教組と日政連は不可分の関係であるということがはつきり書いてある。最近方針が変つて全然別個の団体であるということになつたかどうか、その辺は最近のことであるから明瞭でありませんが、少くとも従来はそうであつたということは疑いの余地はないのであります。現に日教組が政党と同じようなものであるということは、一昨年の選挙、八月でありましたか、一昨年秋の選挙の直前に、河田町会館において臨時に中央委員会だか何だかやつて隻まつております。その当時の日教組の委員長は、その劈頭の委員長挨拶の中に、このたびの選挙こそは吉田反動内閣を打倒すべき絶好の機会である、我々日教組の五十万職員は、総力を挙げて精魂を傾けて、この選挙を闘い取らなければならんということを、日教組の委員長がその大会だか中央委員会だかで演説をしております。これらの諸点から考えれば、これがただの政治団体どころではなくて、政党と何ら選ぶところのない所在であることは、これは明瞭であります。そこでもう一つ上に、極左という字をなぜつけたかという問題が残るわけであります。 (笑声)なぜつけたかという問題、これも私が見て極左と判断をするような資料はたくさんあります。これは時間が長くなりますから省略いたしますが、一、二申上げますと、例えば昨年の世界教育者会議ですか、というところに、これは日教組の代表という表面の資格じやなかつたかと思うのです。その辺はよく知りません。とにかくその教育者会議に出席をした人の向うへ行つてのいろいろの行動についても、これも経過報告の中にたくさん書いてある。経過報告に書いてある以上は、関係ないもののことを組合活動として報告するはずはないのでありますから、これは日教組の組合活動の内容であると私は了解いたします。その中に例えば日本における朝鮮人教師は、北鮮の人民民主政権の樹立によつて初めて教育の目標を確認して、そうして日本の政府のあらゆる弾圧と迫害に堪えながら、真の愛国的民族教育を推進をしておる、こういうことを書いてある。そこでこれは併し朝鮮人教師のことを書いてある。そういうことを日本の教育者代表が向うの会議へ行つてその報告をしておる。それを日教組の経過報告にちやんと書いてあります。併しこれは北鮮人のことであるから、これは言い逃れはありましよう。併しその次に、良心的な日本人教師も又これらの朝鮮人教師と同調をして教育に挺身をしておる、こういうふうなことが書いてある。この良心的ということは、恐らく日教組の判断でありましよう。私は北鮮人民民主政権の樹立によつて初めて教育の方向を確認した、その先生方と同調する者が良心的な教師であるということは極左だと判断をします。そういう考え方はこれは極左でないというなら、一体極左というものはどういうものかわからないのであります。私の勉強が足りないからかも知れません。そのほかそれに類することは幾らでもあります。併しこれは長くなりますから、これだけでも私が極左と言つたその判断の根拠は御了解下さると思います。

木村守江自由党

○木村守江君 日教組の問題につきましては、なお幾多の質問もいたしたい事項がありますが、時間がありませんので、別の委員会に譲ることにいたしまして私は最後にもう一つ質問をいたしたいと考えます。それは遺族扶助料、軍人恩給の問題でありますが、御承知のように大戦の当初におきましては、いわゆる健康体の、昔の甲種合格の人のみが召集されたのでありまするが、事変の後半に至りましては、最初の丙種程度の人を甲種合格として採用しなければならない状態に追込まれたのであります。そういう関係から戦地におきまして病を得て、そうして内地に帰つても家に帰れずに病院に療養をして、遂に一命を失つたというような方々が相当多いのでありますが、こういう人々に対しましては軍人恩給等全然ないのでありまするが、こういうことにつきましては将来これを是正して、こういう人々をも救うような方法を考えておられるかどうか、厚生大臣並びに大蔵大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 本年の十九国会で法律が一部改正になりまして公務の認定も援護法による厚生大臣の認定と同一になりましたから私からお答え申上げたいと思います。実はお話のような点が勿論いろいろありまするが、公務という認定はいわゆるこの援護法におきましても、恩給法におきましても、公務か公務でないかという認定の限界を設けるということが、どうしても立法上必要でございます。従つて或いは在隊した人、或いは召集になつた人を全部公務であろうとも公務でない普通の病気であろうとも、その芦別を設けないのでありまするならば別でございまするが、現在この差別を設けまする以上は、公務の認定というものが根本になつております。従つて公務の認定の場合におきましてこれをどう認定するか、公務による死亡と公務によらざる死亡との場合の区別というものが当然援護法におきましても、恩給法によつても生じて来ると存じます。そういたしますると公務というものの認定が基準になつて、公務である場合にはこれは普通の文官におきましても或いは曾ての武官であつた軍人、元の軍人におきましても、公務という基準によつて扶助料というものが等差を生じて来る。現在文官におきましても、公務の場合はその扶助料に対する倍率、何倍かの倍率をいたします。それから曾ての武官におきましても、公務の場合におきましては倍率というものを区別をいたします。従つて恩給は公務であろうとありますまいともつきます。軍人におきましてもつきます。これは恩給は武官の場合は十二年、文官の場合は十七年を以て恩給がつきます。その恩給のついた人が亡くなりました場合には、扶助料というものは当然ついて来る。この考え方は軍人でも、元の軍人でも普通の文官でも同様であります。ただ公務になりました場合は、それに対する何倍かの倍率というのが軍人或いはいわゆる武官、文官おのおのについて参る。この点でございます。従つて公務というのは当然置かねばならない立場、立法上の立場であると思います。

木村守江自由党

○木村守江君 なお質問をいたしたいのでありまするが、私の持時間が終りましたので、又別の機会に質問をいたしたいと思います。これを以て終ります。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) この辺で休憩をいたしまして再開をいたしたいと思うのでありますが、次の質問者の順序はちよつと変りましたが、秋山君、松永君・千田君・植竹君・吉田君という順序にいたします。関係大臣は通産、外務、大蔵、労働、厚生、人事、農林、建設、自治庁、法務、副総理……。暫時休憩いたします。次は七時半から再開いたします。    午後六時二十九分休憩    ―――――・―――――    午後七時四十二分開会

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。質疑を続行いたします。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 質問に入ります前に自治庁長官、或いは大達文部大臣の出席を要求しておりましたが、大達文部大臣は何か急病で出て来られない、これは不可抗力で止むを得ない。自治庁長官については止むを得ない事情があるということだけであつて、それ以上に一体病気なのか、或いは出張しておるのか、家におられるのか、そういうことが未だ以て自治庁に聞いても、或いは誰に聞いてもはつきりしない。この問題は今朝ほども農林大臣の問題に関連して河野委員から強硬な追及があつた。この問題について副総理の御所見をお伺いしたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 自治庁長官の今の所在は全然承知しておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 関連して……、先ほど来大変元気に答弁に立つておられた大達大臣が急病だとい、私ども納得いたしかねるのですが、これは副総理もおられますが、弛んでいれば締めるという話でしたが、朝来委員会は十時に開会したい、今日と明日しかないのだから、十時定刻に開会したいという申合せで審議に入つたのに、政府委員の出席が悪いために一時間遅れた、その責任がどこにあるかということ。一番催促していた私どもはその程度は我慢をしていたのですが、出ておりました大臣が帰つてしまつて急病だ、それから自治庁長官の行方もどこにおるかわからない、こういうことでは委員長の下に協力をして審議を進めております私どもとして大変残念なことです。速やかに政府委員を出して審議が進められるように委員長においてお取計らいを願いたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 吉田君にお答えをいたしますが、文部大臣は先ほど元気で御答弁になつておりましたが、丁度今から二十分前に委員長のところに連絡が、ございまして、夕食中に平素の腹痛が起つて参りましたので、今休んでおられますので、そのことを一つ御了承願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 出て来られるのですか、出て来られないのですか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) よく腹痛が食事中起るのだそうです。休んでおられるそうです。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 自治庁長官はどうですか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 自治庁長官は今政務次官から所労でお出になれないという連絡がございました。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その所労をはつきりしてくれというのだ。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それは程度のあることで、今朝あれほど緑風会のお方から、政府を代表する緒方副総理にというお話があつた直後のことですから、緒方副総理としても、この予算を仕上げるために各関係大臣の出席は自発的に督励をされておられると思う、それを一々院のほうからどうしたのかと断りを聞かなければどういう事情かも言わない。だんだん突きつめて行くと所労である、腹痛である、こういうことは如何に内閣を投げ出そうとする直前であろうとも、余りにそれはふしだらなことではないかと思うのです。事実自治庁長官は所労だということ、病気だということなんですが、本当にそれは病気なんですか。或いは文部大臣の腹痛というのは慢性だ、そういうことは聞きようによつては予算委員会を愚弄することでもあり、自由党の委員長ではありながらも、予算委員長としては、怪しからんこととして政府を弾劾していい筋合のことだと思う。もう少ししつかりしたことを委員長も政府からお聞きになつて、真実を御発表願いたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 小笠原君にお答えいたしますが、文部大臣の問題につきましては、先ほど私のところにわざわざ秘書がおいでになりまして、食事中に平素よく起ることだそうでありますが、腹痛が起りましたので、その旨を一つ皆さんにお伝え下さい、こういうことでございますから委員長はその通り信じております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 自治庁長官は。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 自治庁長官は今申上げましたように所労とのことでありますから、これも止むを得ないことだと思つております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 この予算を至急に、速かにあげて欲しいという政府側の態度が今日堅持せられているならば、所労というぐらいで今朝来いろいろ院から注文が出ているのに済むとお考えですか。所労とは何ですか。緒方副総理にも届出があろうと思いますが、急性の腹痛ですか。風邪ですか。神経痛ですか。はつきりしたことを緒方副総理にもお尋ねしたい。知らないなら知らないでも結構であります。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 先ほど申上げましたように、私は塚田自治庁長官が現在どこにおるかということを知らないのであります。私のところに旅行とかそういう届出は全然ありません。それから今所労ということで、自宅におるということではないかと考えます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 今吉田総理が所労で御出席にならない。これははつきりしておる。そうすれば院に対して本日内閣を代表せられるかたは緒方副総理だ。而も近く総裁とし或いは総理候補として、総理となられるおかただ。こういうおかたが、部内の統制についてどこに関係大臣がおられるかもわからない。所労であるかないかも不明である。こういうようなことでどうして政府がこの予算を速やかに賛成せられるということを院に対して要望し得られますか。余りにそれでは今朝来の注文というものを政府は見過しにしておるというふうに私は考えられますが、この期に及んで追及はいたしませんが、自治庁長官として一国の国務大臣として、どこにおられるか、内閣の責任者にもわからんというこんなやり方で、政府として院に対して責任がとれるとお考えでございますかどうか、念のために伺つておきたい。  又予算委員長はそういう中で、真偽も質さないで、それで我々委員の納得が得られるとお考えになつておられますかどうか、率直に御両所にお尋ねをしておきたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今朝来農林大臣の問題がありましたので、閣内では予算委員会に間違いなく出席するように申しておつたのでありますが、自治庁長官は実は私今朝来顔を見ておりません。おりませんが、委員会の委員長のほうから御連絡があつて、必ず出席あるものと思つておりました。旅行の申入はありません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私は責任を聞いておるのですよ、そういうあり方でいいか。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 重要な予算委員会に出席しないということは勿論いいことではありません。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 委員長といたしましては、先ほど申上げましたように前以てそれぞれの閣僚に出席かたを要請しておるのであります。只今申上げましたようなことでございましたので、その通りに御報告を申上げておく次第であります。(「報告だけじや済まんぞ」と呼ぶ者あり)

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 じやその所労ということは自治庁のどういう責任のあるかたが委員長に言つて参つたのでございますか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 今この席で政務次官からお聞きしたのであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 では石村政務次官に伺いますが、どこで所労でお休みになつておられるのか。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) 自治庁の係の者からそういう報告を受けました。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 その係の者とは誰ですか。(「報告じや済まん問題なんだよ」と呼ぶ者あり)誰ですか係というのは。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) これは自治庁の係は総務課でありますが、総務課の者からそういう連絡を受けました。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 総務課の何のなにがしという者ですか。(「部内の問題だ」と呼ぶ者あり)

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) これは総務課の名前も……総務課長が責任者であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで政務次官はその御報告を受けて、この予算委員会に出られないということで、内閣の責任者である緒方副総理に報告済みでございますか。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) まだ報告をいたしておりません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 この事態を委員長としてお聞きになつて、単に所労であるという報告を、不確かな報告を聞いて、総務課の何ぴとか知らない者からの聞き伝えを聞いて、又聞きを報告されたことで、あなたは御信用になりますか。それで予算委員会の運営ができるとお考えですか。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 小笠原君にお答えいたします。委員長といたしましては、政務次官の御申出を信用いたしました。(「議事進行について」と呼ぶ者あり)

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 加藤君。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 いや委員長、私はこの議事進行について続いて発言をしているんです。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 加藤君に発言を許しました。

加藤武徳自由党

○加藤武徳君 自治庁長官のこの席に出席していないということはお互いの予算委員といたしましても極めて遺憾でございまするが、併し今どうにもしようがない情勢でもあるわけであります。幸い石村政務次官が出席をいたしておりまするので、予定のように質問を続行願いたい、かように思うわけであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 理事会ということですが、理事会の申合せは正十時から各大臣揃つて委員会を始めるということであります。(「新事態について」と呼ぶ者あり)新事態といいますか、自治庁関係について、地方行政の問題については誰も質問をしておらない、この予算委員会としてやるべきだというお話は、これは緑風会等公平な第三者も皆考えている。ところが先ほどまで元気であつた文部大臣も出ない、或いは自治庁長官も……。これは委員長御存じですが、農林大臣は選挙のために飛行場まで行つたのを呼び帰された、これは私は諒といたします。併しどこにおるかもわからない者について、一応出られるように連絡もなされずにこれをお進めになるということは、私は納得しません。もう少し誠意を以て最善の努力をし、最善のメンバーを揃えてお進め願いたいのであります。(「それまで休憩をして」「休憩だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 只今吉田君から正十時というようなことを理事会は確かに申合せをいたしました。併しながら衆議院の決定が深更に相成るというような事情の十から、多少そこに各閣僚においても疲労その他で時間の関係においてゆとりを一つ考えて欲しいという補足も又申して、各理事の諸君は了承しております。そういう含みではございませんけれども、自治庁長官の出ないことは、これは各位の言う通りであつて、十時にきつかり始めるということは、あらかじめ深更に及んだときにはということを補足しておきましたので、その点御了承願いたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 秋山君質問を願います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 今回の補正予算につきましてはその最も重大なポイントの一つは、地方財政の問題になるのであります。この地方財政の重大なる問題を抱えた予算委員会の審議に、自治庁長官が理由不明のままで欠席をされるということにつきましては、私は衷心より遺憾の意を表せざるを得ない、その立場におきまして僅かな時間の間、極く端的に質問をいたしますから、答弁のほうは十分誠意を以て答弁されたい。  今日地方財政の赤字が大きな政治問題になつておることは御承知の通りであります。現に自治庁発表によりましても二十八年度末四百六十二億、これが更に本年度の末までには五割殖えて、六百五十億を突破するであろうというようなことを言われておる。この厖大なる地方財政の赤字の原因を政府はどのようにお考えになつておるか。これは自治庁長官と大蔵大臣にお尋ねしたい。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) お答えいたします。地方財政の赤字の原因は、具体的には各団体ごとに事情を異にしておりますので、一概には言いかねるのでありますが、これを大観いたしますに、第一に、制度自体の欠陥に基因することと、それから財源に考慮を払うことなく地方自治体が事業を施行する。まあ一口に言いますならば、財政の運営がまずかつたとか無理だとか、そういうことに基因するために、地方団体のこれは一つの責任とも言えるのであります。それからもう一つは、国庫補助単価の過少である。国の財政措置の不十分、乃至は予算の実行を通じて予算を超えた行政の実施を強制する等の、財政措置と行政とが離れている。或いは又年度の中途でベース・アツプ等を国がする。まあこういうふうな点は国の責任であると考えられます。そういうふうに大別することができますが、赤字の責任は国家側と地方団体側、両方にまああるということが言えるのでありまして、こういう原因をもつと具体的に申上げるならば、先ほど申上げましたことを繰返すようになりますけれども、年度の中途のベース・アップ、それから災害復旧事業の国庫補助金が少な過ぎる。そのために仕越工事を行わざるを得ないことになる。次が六三制の校舎の建築のように、国庫補助金がある場合に、補助の単価が過少である。それから次は、各種の寄付、これは強制であるか、又半ば強制的な寄付金乃至は分担金が非常に多過ぎること、次は各種の国庫負担金の清算、これが遅れるわけでありまして、例えば義務教育費の負担金、生活保護費、こういうふうな国の負担すべき金の清算がどうも遅れがちであつた。こういうことが言えるのであります。それから団体側の責任と申しますかを申上げますと、財源を考えないで事業をやり過ぎる、いわゆる単独事業のやり過ぎであります。こういうことも言えるのであります。なお冗費と言いますか、いろいろな陳情だとか、出張だとか、各種の記念式典だとか、こういうふうなこともいろいろ行われておりますが、これの額が、非常に程度が少い、問題にならないほど少いのであります。次に大きく取上げるのは、地方財政計画が実情に合致していない。こういつたようなことであります。特に給与費の差があることと、地方財政、地方財源が過少である。こういうふうなことを列挙できると、こう考えております。(「誰の責任だ」と呼ぶ者あり)

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 中央の多少関連のものも少くないと存じまするが、特こ地方では人件費が非常に大きいこと、或いは施設その他が地方の実情に対してふさわしくないほど膨張しておること、そういうこと等も相当大きく原因しておるのであります。即ち地方のうちでも極く良心的にやつておるところでは相当健全な財政が運営されておることは御承知の通りてあります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 只今の自治庁政務次官の御説明では、いろいろな原因を挙げられてその殆んど全部が結論において国の責任だということになつている。大蔵大臣の御説明はそうではなくして、側か地方が非常に乱脈な財政をやつているために赤字が出ているというようなことを言つておられる。これは非常に同じ政府の部内にありながら見解が余りにも距たり過ぎていると思うのですが、副総理はどうお考えになりますか。内閣の責任者としてのお考えをお伺いしたい。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 両方に理由があると思います。(笑声)

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 両方に理由があるとおつしやいますけれども、大体今日の地方の財政の実情から考えますと、地方が単独で仕事をやり過ぎるとかいうようなゆとりは全然ありません。それから又最近自治庁長官がしばしば言明されておるところによりましても、地方は非常に財政の建直しのために真剣な勢力をしてくれているということをおつしやつておる。従いまして私はこの責任の大半は政府が負うべまものであるというように考えるものでございますが、早い話が今回の補正予算の中にある警察費、警察費の問題について今回四十億の交付税の増額を行われた。而もその内容を検討してみますと、四十億のうち三十億というものは、これは百五十億円の法人税の自然増収の撥ね返り分ということになつているる。ところがこの自然増収の撥ね返りというものを本年度の交付税の中に編み込むということは、地方交付秘法の違反ではないかと私はそう思うのです。大蔵大臣はどうお考えになりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 支出に属する警察費の中にも誤算があつたとすれば収入の中にもそうなつたのでありまして、従つて収入の確実と見込まれるものについてこの増収を見込むのは当然であると私は考えます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 地方交付税の建前は、これは従来の平衡交付金がいわゆる積上げ方式と言われておつたのに対して、当てがい扶持という建前にされておることは御承知の通りなんです。従いまして年度の当初において法人税、或いは所得税、酒税の税収見込額の一定割合口というものを以て交付税にしておることは御承知の通り、而もその自然増収等があつた場合にはその増収の撥ね返り分というものは将来の交付税に入れらるべきものであるということは、我々前国会においてこの交付税法の提案説明に当つて自治庁長官から直接承わつたところである。その建前と今回のこの予算の組み方とば、明らかに抵触をするものではないか、交付税の建前を崩すものではないかというふうに考える。如何ですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもはさように考えません。この支出のほうに誤算があつた場合に歳入のほうにも明らかに……、歳入の明瞭なる場合、これがはつきりしているのでありますからその補正をするのが当然のことと私は考えます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 この問題については自治庁のほうはどのようにお考えになつておるかお伺いしたい。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) お答えいたします。秋山委員の御趣旨は一応御尤ものように承わるのでありますが、併しその辺の問題の考え方につきましては、政府部内においても今後なお検討すべきものが残されておるようにも考えておるのでありますが、今年度の地方財政といたしましては、差当り四十億円で一応足りると、やつて行けると、こう考えられましたので、今回は取りあえず補正後の収入見込額によることといたしたのであります。併し本年度交付税の決算が確定するまでの間において、なおいろいろ部内で相談善処したいと、こう考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 この地方財政の最も根幹をなす地方交付税の問題について、法律解釈に政府部内で自治庁と大蔵省との間にそういうような見解の相違があるということは我々理解しがたい。そういうことだから結局この地方財政の赤字の問題はいつまでたつても堂々めぐりで解決ができないんだと思う。そこで自治庁長官に端的にお伺いしますが、先ほど地方の赤字の原因として、強制的な負担金或いは寄附金というものが相当多いということをおつしやつたが、それらの寄附金の中に警察関係の寄附金がどの程度含まれておるかお伺いしたい。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) これは数字的にまだはつきりわかりません。つまり秋山委員のおつしやることは、警察後援会とか協力会とか、そういうことに類することと存じます。自治庁におきましては各自治体にそういう後援会、協力会のようなものに対して支出をしないようにと私ども通達を出している次第であります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それ七は地方の実態を把握して財政計画を立てて行くべき自治庁としての責任は十分に果されていないと思う。現に地方の警察関係の寄附金というものは相当な地方財政に対する重圧になつている。そういうことを無視して一方的な、低い単価を以て計算したこの財政計画を押しつけようとするから地方において最もいまわしい警察と地方ボスとの結びつきというようなことが行われがちであると思う。この点については法務大臣もおいでになるわけでありますが、国家公安委員長といたされまして、この程度の財源以て、そして府県に財政的な圧迫を加えることなくして而も警察の運営を円滑にやつて行けるだけの自信がおありであるかどうかお伺いしたい。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) お答えします。警察費の補正予算を組むときに、成るべく地方の後援団体等から警察に対しての寄附金をもらうことはよろしくないからそういうものをやめたい、こういうことで、それを成るべくなくする意味において今度四十億円を増してもらえば大体賄えるであろう、こういう意味であの予算が組まれたわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 時間がたちますので次に進みますが、一体今後の問題は、今の政府の諸公に聞いてもしようがないといたしましても、今日まで累積している四百六十二億という、この自治庁によつて確認された過去の赤字をどのようにして解消して行くのか、その辺について現在の政府として確固たる方針がおありになるかどうか、お伺いしたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 赤字のよつて来る原因をよく究めると共に、地方財政再建整備促進法と言うべきものを、特別法を作りまして、それに基いて年次的にこれを解決して行きたいと存じまするが、よく原因を究めませんと、これは秋山君も御承知のごとくに、或る一部では余計使つたほうが得じやないか。どうせ国があとで始末するのだと、こういつたような考え方をしているような不心得者がないとは言えません。絶無ではないのでありまして、従いまして、私どもはそういう再建整備促進法をやります場合にも、よく原因を究めて、又地方の力をよく究めて、それでそれぞれの再建整備に進ませたい。特に誠心誠意この地方財政の再建に努力するということに対しまては、それ相応な国としても補助金を与える等、便宜を与える等、いずれにしてもこの原因如何ということが主たる問題になつて来ると存じます。秋山君も御承知のごとく非常に一方にまじめに真剣にこの地方財政の再建に努力している向きがある半面、必ずしも然らざるものがあつて、立派な庁舎を作つてみたり、又そこらに見ることのできんような立派な大きなものが建つたりしておることはよくお聞き及びであろうと存じます。現に私ども目撃しておる。そういうこともありまして、原因如何によつてこれをやりたいと思つております。いずれにしても国が尽すべきものについては十分尽したいと考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 地方財政再建整備特別措置法をやると、そうして而もこれを適用するにしても原因を相当見究めて、随分勿体をつけておやりになるような話であるが、併しながら、この政府が考えられておる法案の内容たるや、しかく地方にとつては有難いものでないことは御承知の通り。で、大体この七カ年間の準禁治産を地方に対して宣告するような極めて苛酷な条件を満さなければこの適用を受けられないことになつている。で、地方の二割の増税であるとか、或いは首切り行政整理であるとかいうような、而も中央の地方に対する財政的な監督を非常に強化するというような条件がつけられておるのです。そういうもので以て地方に対してこの赤字の解消をやろうとすることは、本来国が負担すべき責任を地方住民のこれは財政的な犠牲と、そうして負担においてやろうとする誠にこれは政府にとつては勝手なやり方ではないか、余りにも地方財政に対して酷なやり方ではないかというように私は考えるのです。大蔵大臣は如何ですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 先ほども申しておる通り、原因なり、又その自治体の経済的実力なり、そういうことをよく見究めました上で、国としてなすべきことは国としてなします。併し公平にやりたいと私どもは考えるのでありまして、先ほどちよつと申したことが適切を欠いたかも知れませんが、どうも過去において使い放題使つてしまつたところがあるのです。例えば人件費などについて、その隣りの府県では一人月額三千円ずつも多いといつたところがある。そういうところを同じような扱いをすることはこれは国としてできないことでありまするから、やはり誠心誠意財政再建に向つておるところと然らざるところとの間には、これは国としては血税をお預りしてお出しするのであるから差別をつけるのは当然なりと考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 国として負うべき責任は当然負うということをおつしやるが、その具体的な内容について御答弁願いたい。  それから第二には、地方によつては随分でたらめをやつておるということを、まあ大蔵大臣はしよつ中おつしやるのだけれども、一体どこの県の誰がどういうでたらめをやつておるのか、具体的に納得の行くような説明をして頂きたい。ただ抽象的に地方はでたらめだから赤字が殖えるというようなことでは我々は納得できん。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 個々の場合についてここで一々説明する時間を持ちません。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 だから一番大きいものを……、さつきの第一点はどうですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 只今考えられております地方財政再建整備法、これはまあ過去の赤字を何年間かで整備するわけでございまして、その整備計画をどの程度のものにするか、やはり相当経費の節約もやり、又収入の増強も地方団体みずからが計画する、その真剣な努力の跡がそこに反映される必要があると思うのでございます。その場合に国として如何なる援助をするかということでございます。結局過去の赤字について、これはまあ国庫の借入金になつておるという場合もございましよう、そういう場合に努力の跡が認められるものに対しましては、政府資金から貸しておる地方債なり、何なりの経費にそれをするような何らかの措置を講ずるとか、そういつたようなことがこの法案の主な内容になるのではないかと思いますが、その法案の中身、これはまあ衆議院で議員提案になりまして目下継続審議中になつておりますが、政府の部内におきましても目下折角、如何なる内容にこれをするかというような問題につきましてよりより協議中でございます。まだ最終的な中身がきまつておるわけではございません。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 私の聞くのは、財政再建整備促進特別措置法というもの以外にですよ、政府が地方の赤字に対して責任を負うべき点については十分責任を負うということを大蔵大臣はおつしやる、そこでその具体的な内容を聞いたわけなんです。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は原因をよく確めた上で責任を負うべきものがあれば負うというのでありまして個々に具体的にかれこれまだ調査は終つておりませんから、例えば本年度について言えば、警察費の不足についてはこれは全額警察費を出す、又入場税について言えば、入場税が時期が遅れて、それがために金が足りなかつた、つまり不足するので、そのためにその不足額を補填すると、こういうような工合に一切のことをやつておるのでありまして、これについて本年度のところは、これは何ら地方の責に帰すべきものはありません。過去においていろいろ調べた結果、そういうものがあれば国が責任をとるという意味ですから、一々調べて見なければまだよくわかりません。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それはおかしいですよ。私が聞いておるのは二十八年度ですよ。前年度の末までの四百六十二億の赤字について責任を負うべきものがあれば十分責任を負うということを大蔵大臣はおつしやるから、その点を聞いておる。ところがもはや二十九年度も終りに近ずいておるのに未だ調べておらないということでは、一体大蔵大臣は本当に地方の赤字に対して責任を負うつもりかどうか、どうも疑わざるを得ない。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これはいわば過去の赤字をどうするかという問題をあなたはお尋ねになつておる。それに対して政府は責任を負うにはどうするかというと、それは再建整備法ができる時分に過去の赤字についてそれぞれこれを調べてみて、そうして政府の責任で果さなければならんものはすべての責任を果し、又その自治体がそれぞれ自分の能力において負担するものは整備する、これは整備計画に伴うものでありますから、私はまだその点ははつきり申上げられません。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 結局今のところ、この地方の赤字の問題については何にも具体的なことをしてないということをおつしやつたのだと了解いたします。  で、次へ進みますが、まあその問題はその問題として真剣にこれはやつてもらわなければならんと思いますが、現在年末を控えまして、地方団体は年末の資金繰りに非常に苦慮しておる。これは御承知の通り。で、府県のみでも自治庁長官の言明によると、四百五十億必要だということを言つておる。せめてこの年末の融資についてだけでも大蔵大臣として何らか積極的な温か味のある手をお打ちになる御意思がないかどうか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今の問題は、かねて自治庁のほうからも話合がありまして、本年年末に短期融資として四十億円出すことに決定いたしております。たしか昨年は二十億ちよつとかと私記憶しておりますが、記憶は多少違うかも知れません。二十数億だと思つております。本年は事情もありますが、四十億円を短期にして出すということに決定いたしました。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 更に地方財政の問題として、一つ中央で積極的に新らしい公営事業を考えるべきではないかということを思うのでありますが、その重要な一点として、今日市町村で簡易火災保険事業の経営をやりたいという声が非常に強くなつております。これに対する政府の御見解をお伺いしたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 損害保険の問題を地域的に限つて市町村がやるようなことがありますると、例えば一朝非常の大火でも起つたというと、すぐに経済の紊乱を来たすということになるのであります。私どもはああいうものは分散的にやられておるところに妙味があるのであつて、一々そういうことをやることはよくないと、実は地方財政の健全の上から見てもよくないと考えておりまするし、又徒らに民業と競うようなことになることもよくないと考えておりまするので、地方自治体等が火災保険等を営むことは望ましくないと考えておまりす。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 秋山君時間が参りましたから簡単にお願いいたします。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 今の問題はそう簡単におつしやるけれども、これは全国の各市町村で公営事業としてやつた場合、それを全国的な団体でこれは再保険をすればいいわけだと思うのです。二十八年度民営の火災保険の徴収保険料というものは三百六十億円と言われておる。そのうち支払保険料は僅かに六十二億円で、一七%、そうすると、その差額の三百億というものは、いろいろな形においてともかくも保険会社の収入になつている。而も今日消防費の負担というものは、地方財政にとりましては非常な大きな重圧になつている。市町村の消防費、これは予算に繰入れただけでも百七十億ある。而もこれにいろいろな寄附金等を加えますと、優に三百億を突破するということが言われているのです。而もこれに対して国のほうが消防施設強化促進法を以て手当をしているのは僅かに二億五千万円、この地方財政の消防関係だけから考えても誠に重大な負担になつている。この問題をこの公営火災保険によつて解消して行く、かたがた地方財政の建直しのために役立たせて行くということは、私は非常に大きな意味があるのではないかと思う。この問題についてはそう簡単におつしやらずに、政府において大蔵省のほうに何か隘路があるようでありますが、大蔵省においても、又自治庁においても、真剣にお考え願いたいと思う。この問題について大蔵大臣並びに自治庁長官の御見解をもう一度お伺いしたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 普通の火災保険につきましては、私どもはこれは民業でやらすのがよろしいと私は考えておる。そうして地域的にそういろいろな危険が起ることは避けたいと思つておる。併し民業のみでなく公営で行かなければならん部分、対象物があるかとも考えますので、それらのものについては又別途の考えを或いはすべきではないかとも思います。これはなお研究してみます。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) 大体大蔵大臣の御答弁の通りに私のほうも考えておりますが、丁度この市町村がこういう火災保険に類することを行うというのは、現在におきましても全国町村会でこういう物件を扱つております。併しこれもなかなか様子を見ますとむずかしいので、町村会……。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 市町村会、私の言うのは市も入れる。

石村幸作自由党自治政務次官

○政府委員(石村幸作君) ところが市の物件をとつておりますと保険の採算かとれなくなります。そういう事情でありますので、なかなかこれもいいことのようでありますが、なお真剣に検討して見たいと、こう思つております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 もう一言……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) もう時間が超過しております……じや極めて簡単に……。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 初めちよつとごてごてしたので……。小原法務大臣に簡単に質問の要点だけお伺いいたしますから、詳細にお答え頂きたい。最近警察のほうでヒロポンだとか、或いは暴力団狩り等を徹底的におやりになつておる。まあこれは非常に結構なんです。結構でございますが、ただ一つ抜かつている点がある。それはいわゆるこの不良外人の取締の問題なんです。最近における東京だとか、横浜だとか、或いは大阪だとか、神戸だとか、こういう都市におけるいわゆる不良外人の暗躍というものは、誠に目に余るものがあることは御承知の通り。特にこれらの外人が外人としての特権を……まあ特権があるのかどうか私はよくわからんのだけれども、ともかく特権を利用して脱税だとか、或いは賭博だとか、或いは密貿易、ヤミドルの取引だとかいうような、誠に目に余る行動をやつておる。東京あたりはさながら東京租界と言つてもいいような実情なんです。更に又こういうものと関連をいたしまして、全国の多数の基地の周辺におけるいろいろな面からするところの醜態というものは、誠にこれは甚だしいものがある。こういうものに対して、警察のほうではどういう取締方針を以て臨んでおられるか。聞くところによれば、警察のほうではこれに対して確固たる取締対策というものはないのだ。俗な言葉で言えばお手挙げの形だ、こういうことを聞くんですが、これらの問題についての実情と、そして対策をお聞きしたい。  それから第二点は、この新警察法ができて、我々はまあこれには、政治警察になると特高警察になる虞れがあるとかいうことで、我々は御承知の通りに絶対反対をしたのですけれども、まあああいう事情で、事実上はできてしまつた。ところがその後の警察の動きは、特に労働争議等の問題に対しては、警察権力の不当介入という現象が非常に顕著になつておることは、例を挙げるまでもなく、御承知の通りなんです。でこの労働争議、或いは労働運動に対する警察の最高指導方針というものは、どういうところに置かれておるのか。国家公安委員長としての、或いは法務大臣としての小原さんの率直な御見解をお伺いしたい。

小原直法務大臣

○国務大臣(小原直君) お答えいたします。第一に外国人の犯罪に対しての取締方針はどういうふうになつておるかということであります。この外国人の犯罪につきましても、国内の一般人の犯罪についても、その間の取扱には、警察としても、又検察庁としても、何らの区別を置いておらないのであります。で外国人の犯罪に対しましてはいろいろ種類があるのでありまするが、簡単にどういうふうの数字が現われておるかということを申しますと、本年の一月から六月末に至るまでの、検察庁が警察等から受理いたしました事件数は、外国人の被疑者の総数が六カ月で五千百十九名あるのであります。このうちでアメリカ人が二千六百二十五名、中国人が千九百十五名、イギリス人が百三十名、以下それぞれあります。又その犯罪の種別がどういうふうになつておるかと申しますると、一般の刑法犯においては、傷害が四百二十八名、業務上の過失死傷が四百二十五名、窃盗が三百九十六名、暴行百八十八名、以下それぞれあります。そのうちで外国人の登録法違反が五百八十八名、又出入国管理令違反が二百六十八名、麻薬の取締法違反が百三名、覚醒剤の取締法違反が八十九名、こういうようの数字になつております。なお今お話になりました外国偽替或いは外国貿易管理法違反、こういうような数も六十九名の多数に上つておるのであります。関税法違反が五十八名、こういう数字が現われておるのでありまするが、警察及び検察庁といたしましては、これらの犯罪に対しては只今申したように何ら手加減を加えることなく、それぞれ横挙をいたし、又検察庁としてはこれらの事件で起訴すべきものは直ちに起訴いたして、それぞれ処分をいたしております。只今申上げた本年六カ月分の五千百十九名の中で、それぞれ他の検察庁等に移送したもの、或いは犯罪の嫌疑ないとして不起訴にしたものを除いて証拠の明確なるもので起訴したものが二千七百十五名のうち七百三十七名あるのであります。かような数字を御覧下すつても、普通の日本人の犯罪の比例と比較いたしまして何ら差別がないのであります七今後におきましては特に麻薬或いは覚醒剤の取締り、密貿易、関税法違反、こういうようなことについて力を注いで犯罪の防止、検挙に努めておるわけであります。最近新聞等でやかましくなつておりました神戸で発生した英、米、インド人等十数名が巧妙且つ組織的な為替及び貿易の違反事件を起しております。これらに対しても徹底的に検挙をいたして、今すでにそれぞれ処分中であります。さようなことで、外人の犯罪については今後ともなお科学的の捜査方法によりこれを検挙いたしまして、かような弊害をなくしたいと考、えております。  次にお尋ねになりました警察制度改正後の運営が、どういう、ふうになつているかということであります。本年警察制度が改正されました後実績として数字の上にどういうふうな成績が現われたかというようなことを申上げるには、まだ時期が少し早いと思つておりますけれども、とにかく改正前の警察制度に比して、改正後は上下左右とも連絡が誠に密に行つて、従いまして行政警察の面においても、地方警察の面においても、運用甚だよろしきを得るようになつて参つておるのであります。今お話になりました暴力団或いは覚醒剤の検挙などは、最近において検察庁と警察と力を合せて、徹底的にこれを絶滅することを期しているのであります。その成績は誠に著しく上つておるのであります。要するに新警察法実施後における警察の運営は、我々が予期した通りの好成績を挙げていることを、申上げて差支えないと思います。  次に警察の労働争議に対する取扱方であります。警察が労働争議に関係し、介入すべからざるものであるという方針は、昔から今日に至るまで変りないのであります。ただ併し労働争議が、近頃は御覧の通りに相当熾烈になつて参りましたために、ややもすると法律違反になる場面が出て参るのであります。例えばピケラインを張つて、ただ裏切者を説得するというようなことであるならば何でもないのでありまするが、ややもすれば、それが実力によつて、或いは威力を用いて業務の妨害をなすとか、或いは公務員に対して、暴行、脅迫によつて公務の執行妨害をするというような事態が現われますれば、これは警察として、それらの不法行為を取締るのが当然でありますから、これに対してそれぞれ力を以て、それを排除或いは検挙を行うということは止むを得ないことと思うのであります。併しこれとても、今日まで労働争議があのごとくたくさん出ておりまするけれども、警察力を用いてこれが検挙或いは防圧をやつたという事例は極めて少いのであります。要するに警察は飽くまで労働争議には介入を避ける、併しこれが違法行為である場合においては警察本然の建前によつて活動をするということは止むを得ないことと思つております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 私は日本と英国の関係について御質問いたしたいと存じます。過ぐる本会議の施政演説において、首相の答弁の中に、昔の日本と英国との関係に触れられたのでありますが、ところでここ一年ばかりたびたびのことでありますが、日本の有力者が、英国に対して固い握手を交わすために手を差伸べておるという確実な証左があるのでありますが、これによつてどういう反響が英国に起つているか、先ずそれについてお尋ねいたしたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 今おつしやる意味がはつきり私にはわかりませんが、何か証左があるとおつしやつているのはちよつとわかりませんが、併し原則と言いますか、方針として、我々はイギリスとの間に非常にいい関係を打立てたいと思つて努力しております。イギリスにはいろいろの誤解がありまして、殊にシンガポール等における俘虜の待遇についての問題が著しい障害になつております。それから又陶磁器のデザインを模倣したとか、或いは綿糸布のデザインを模倣したとか、或いは船のほうで不当競争をするとか、要するに日本の経済的な競争に対して非常な心配と誤解を持つております。これらを除去することは、日本の貿易についてはスターリング地域というものは非常に大きな関係を持つておりますので、特に必要だと考えまして、過去何年来ずつと日英関係の改善ということにはずつと努力して来ておりまして、その成果は最近かなり挙つておると考えております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 具体的に申しますと、日本の或る人が手をさしのべているということは、今日まあ問題にはならないことでありますが、曾つての日本とイギリスの、いわゆる日英同盟というようなものを目標にして、そうしで何とか固い約束でもして行きたいというような希望が英国に対して述べられているというようなことがしばしば向うの新聞に出ているのですが、そういうようなことは御存じないのかということをお尋ねしたいのであります。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) そういう事実は私はないと思います。少くとも私は全然聞いておりません。ただ総理なども外遊の際に言われまして、ときどきそういう言葉は出ますが、日本とイギリスは昔から非常に仲が好かつた。殊に日英同盟などがあつたときは非常に緊密な関係があつた。ああいう仲の好い関係を再び取戻とたいという趣旨の発言はいろいろの人からありたと思います。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 それに対して只今同じような意味の御答弁があつたのでありますが、それにはいろいろ支障がある。英国側の一部のものでしようが、例えばガツトの加入が許されておらんというようなこと、或いは出光石油がイランの石油を黙つてもらつて来るとかいうようなことを不平がましく述べられて、それが解決しないで、そんな思い上つた希望なんか述べたつて話にならんじやないかといつたようなことを我々は耳にいたしておるのです。ガツトの問題については現在どのように交渉は進行しているか、現在、只今、その問題について……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) お断りいたしておきますが、日英同盟を復活したいというようなことの申入れは一つもありませんで、あの当時のような友好的な雰囲気を作りたいという趣旨のことでありますから、その点は誤解ないようにお願いいたしたいと思います。そこでお尋ねのガツトの問題でありますが、これは先般もイギリスの議員団が多数参られてこの問題についても話をいたしました。要するにこういうことであるように私は考えております。これはいいこと悪いことは別として現実の事情としてはランカシヤー地方及びそれに関連ある地域から選出されている議員はたくさんある。これらの議員はよかれ悪しかれランカシヤーの紡績が衰えること、失業者が出るようなことはどうしても賛成できない。従つて今のガットに全面的に日本が入つて来るということは、誤解かも知らんけれども、ランカシャーの選挙民はこれが非常な失業者をもたらすものであるというふうに考えて賛成しておらないので、従つて議会においては到底そのままの加入では承認されないであろう、従つて何かここに便法を講じてどうせ日本の競争がそんなにイギリスに脅威を与えるものでないとするならば、何かそこに安心を与えるような緩和策を講じてイギリスも喜んで日本の加入を歓迎する、日本もそれで堂々と加入するというような方法はできないものであろうかということでイギリス側も非常に苦心をしておるようであります。併し我々はとにかくガットに無条件でそのまま入るということでなければガットの趣旨は貫かれないんだし、又万一の場合にはガットの三十五条というのは、それの、何と申しますか、予防措置というような点も考慮しておるんだから心配はないという趣旨でイギリス側に話をいたしておりまして、まだその結果はいずれこの二月頃からの関税交渉その他でだんだん具体的にはつきりなると思いますが、今のところはそういう状態になつております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 次にSEATOのことについてお尋ねしたいんですが、まあ幸いにして我々の考えから言えば日本が仲間入りしなかつた、非常に結構なことだと思う。そのSEATO、この九月に成立したその内容によりますと、台湾或いは朝鮮といつたようなところが仲間に入つておらん。香港なども問題になつたようであります。一体それはどういうわけでしようか、御存じでしたら……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) これは私もそのわけはよく存じません。日本はとにかく初めからこれが武力による相互援助を伴うものであれば我々は憲法の規定からいつても入れないであろうということは初めからはつきりしておりましたが、ほかの国に対しての話合いの事情は私はよく存じません。併し差当り考えられますことは、これはSEATOと申しますか、サウス・イースト・エーシア、東南アジアとこう普通呼んでおります地域は、実は日本、台湾、朝鮮等は外国では東南アジアには入れてないのでありまして、こつちのほうは東北アジアと、こう言つておるのであります。従つてSEATOという構想は初めから台湾より以南の東南アジアということを対象にして先ず考えておつたのじやないかと思つております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 それならあのゴロンボ・プランに東洋における有力な五ヵ国が参加しておる。インド、パキスタンは何か出席しておるようでありますが、併し賛成だか反対だかわからない。インドネシア、ビルマ、セイロン等がこのSEATOに参加しておらない。更に東北のほうではNEATOという言葉がある。そういうものが組織されるとかいうような話です。そういうようなことがある。この二つの点について……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) コロンボ・プランの諸国には勧誘をしたようでありまするが、これはパキスタン以外は参加しなかつたのでありまして、これはおのおの事情があつて参加しなかつたのだろうと思いますが、将来参加できるような門戸を開いて、できるだけこれを加入させたいという希望のようであります。NEATOと言いますか、東北アジアの方面のことは新聞等で、SEATOができたものですから、NEATOもということをしばしば言われておりますが、実際上政府間の話合いとしてはまだ全然そういうことは出ておりません。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 ところでコロンボ・プランに入つている連中が参加しなかつたその理由の一つとして巷間伝えられておるところによりますと、フイリピンにおいて会議が催された、それはアメリカのインペリアリズムの現われだ、そうでなくても東洋において非常にナシヨナリズムが勃興しておる、そういつたような疑いが非参加同国に持たれておる。こういうようなことが我々の耳に入つておるのでありますが、東洋の参加国が極めて少い。然るに西欧の有力な大国がここに参加しておる。そうした疑いの生ずるのも故なしとしないのでありますが、まさかアメリカがそんな今更インペリアリズムを唱えるということは考えられないのでありますが、しばしばアメリカの態度というものがそうした疑いを生ずるものがあるということを認めなければならないと思います。政府はそれに対してどういうふうなお考えを持つておられますか。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 欧米のほうでは、これは東南アジアに特殊の利害関係の深い国だけが入つたのであります。で、アメリカのいわゆる帝国主義と言いますか、これはしばしば言われておることでありまするけれども、今回の問題についてはその誤解はないように私は考えております。例えばインドのごときはまあ何と言いますか、方針として、いずれの国とも同盟条件を結ばない、いずれの国の紛争にも介入しないという、いわば昔のアメリカのモンロー主義のような、まあそれと同じものじやありませんが、そういう趣旨の建前をとつておりますから、自然SEATO等に加入しないという方針になつておるのじやないかと思います。まあほかの国も恐らくインドネシアとか、ビルマも大体そういう考え方じやないかと思いまして、主としてそういう点から来ておるので、アメリカのインペリアリズムというようなことではないように今回の問題は考えております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 ところで日本が最近まあコロンボ・プランに参加するということをきめられたようであります。私が申上げるまでもなく、コロンボ・プランは要するに東南アジアの諸国の経済復興開発を図る。もとより日本として参加するのは日本の利益だということもあろうかと思うのでありますが、コロンボ・プランの底に流れている考え方というものがSEATOとは根本的に相違があるように考えられます。東洋の平和と後進国の開発のために組織ができたのではないかと思うのですが、日本がこのコロンボ・プランに参加するという気持はどういう気持であるか。只今申上げました日本のためにもなるでしようが、同時に東洋の平和にも非常に役に立つという考えから出発したのかという点について……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) それはおつしやる通りでありまして、コロンボ計画には政治的の意味は少しも入つていないと私どもは考えておりまして、要するにコロンボ計画参加諸国の開発ということを主眼としていると思います。それは我々としても多少でも余裕ができればその方面に一臂の力を貸すことは当然のことだと考えますし、又これらの諸国が多少でも豊かになるということは将来日本の貿易の伸展にも役立ちますから、間接的には日本の利益にもなる。併しとにかく多少でも力があればこれらの開発に助力をすると言うか、一臂の力をいたすということは我々として当然なすべきことではないかと、こう考えて参加したわけであります。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 この参加の具体的な方法はまだきまつておらないのですか、技術的援助だとか、いろいろなことを言つているようでありますが……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) これは大体三つあるようでありまして、一つはコロンボ計画の事務所に対する費用の分担であります。これは大体年に、ちよつとはつきりした……数字は違つているかも知れませんが、日本金にして約二百五十万円ほどの分担金であると思います。それから実際の援助につきましては、これは各国とも相談して、例えば日本とセイロンとか、日本とインドというように、各国でお互いに相談をして協定してきめるのでありまするが、その内容は主として資金面で援助するのと技術面で援助するというふうに大別することができると思います。我々のほうは先般のオツタワの会議におきましても、差当り技術面で援助する余裕があり、資金面ではちよつと今のところむずかしいかも知れないという方針を明らかにいたしまして、今後各国とその趣旨でどういうことができるかということを具体的に相談するわけであります。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 次に、同様施政方針演説の中で首相が、今度の欧州旅行において非常に西欧諸国の目覚ましい復興に対して感歓して、同時に通貨の交換性に対して努力をしておるということのお話がありました。ところで私がお尋ねしたいのは、一体その西ドイツのマクルが今日交換性を唱えられて非常にドイツの国力が発展して来た。なぜそのように西ドイツのマルクが世界的価値を持つに至つたか、その理由については通貨改革であるとか、或いは会社資産の再評価の徹底であるとか、いろいろなことが言われておるのでありますが、なお一つ有力な理由として、西ドイツが今日に至るまで再軍備をしなかつた、いわゆる消費生産なんていうことは全然これはそういうものを除いておつたという事実があるのでありますが、今日の西ドイツのマルクの交換性について、西ドイツが今まで再軍備をやつておらなかつた、それが主なる理由ではないかということでありますが、その点について大蔵大臣でも審議庁長官でもどちらでも結構ですが、お伺いしておきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 西ドイツの経済復興は相当目覚ましいものがありますが、これは私どもはその原因はこれはいろいろございましよう。但し今仰せになつたいわゆるコンバーテイビリテーを回復しているところまで行つておりません。それをいつでも回復し得る域まで達しておりません。現在のところはまだやつておりません。併し大体から申しますと、或いは資産の、再評価をしたとか、或いは通貨措置もいろいろとつたということもあると思うが、併しやつぱり大きな原因はそうではなくて、よく労使が協調一体となつてやつたという点が最も大きな点であり、更に徒らに借入金等によらなくて、自己資本を大きくした、そうして経済復興をした、こういうことが見逃せない点だろうと思います。大体日本もこれに対しまして私ども資産再評価の点は過去三回に亙つてやつて、最近では強制的にまでやつて、一部の会社については、一定の規模の会社については強制的にやつておることは御承知の通りであります。それで自己資本の充実につきましてもいろいろやつておりまするから、ただこの点或いは松永さんのお考えとしてはどうも日本では配当がすぎるんじやないかというお考えがあるやにも聞いておるのだが、併し私は日本はもう少し自己資本を充実さすためには或る程度の配当がないと集まらないのだ、こういう点からドイツでは六分に達しておつたと思いますが、もう少し今の程度の配当をさすことが自己資本の充実のためにも必要ではないか、こういうふうに考えておるのであります。  なお資本蓄積について各種の税制措置をとるということについては御承知の通りですから、繰返して申しません。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 只今西ドイツの復興の理由の一つに労使協調ということを挙げられたのですが、御承知の通り西ドイツでは非常な多額の社会保障費を計上しておることはよく御承知だろうと思う。そうしてその社会保障費の中でいろいろたくさんあるでしようが、例えば住宅問題をとらえましても労働者住宅というものに対して非常に力を注いでおる。で、あなたがこの問の施政演説の中で言われた労働者の生産性ということ、ところが日本の住宅問題は現在どうであるかというとセメントは非常に高いじやありませんか、もつと安くしろということをしよつちゆう政府側でも注文しておる、もつと分量を殖やせ、こういうことを言われておる。ところが日本の資本家というものは古い機械で以てそうして少量の生産をして値段の維持を図つて金儲けをしておる。而もその高いセメントでできたビルディングといつたものは官庁に非常に多い。只今何か地方自治庁の問題についてあなたもお話されておられる、現にあなたもそういうふうに言われておる。そういう無駄な経費を使つている。先ほどどなたかの御質問がありましたが、そういう効率の低いものに金を注いで、いわゆる財政投融資というものはそういう方面にのみ注いで、そうして生産性に直接関係のあるところの労働者の憩いの場所、労働者住宅というものに対してはその尽すところは極めて少い。ただ社会保障費は一つの人道主義からという考え方もあるでしようが、このように西ドイツではとにかくその社会保障費を労働者の生産性に結び付けてそうして国力の回復を図つておる。ただ単に労資協調、仲よくしろというだけのことじや仲よくなるものじやない。そういう点についてどう考えますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) この点については全く御同感の点が少くございません。特に日本のまあ住宅その他が不十分であることはこれは御指摘の通りでありまして、この点については政府は今のところできるだけの予算の措置はいたしておりますけれども、勿論不十分であります。ただ一般的に申しますと、資金統制法というものを松永さん御承知のように現在持つていない。そこで政府のほうとしては自主的に絶えずこれは私ども数回に亙つてこれらの金の使い方、いわゆる銀行業者がその金の公共性というものによく自覚してもらつて、日本の最も必要としておる方面に自主的に資金を流してもらうようにして、いわゆる歓楽街とか、そういつた娯楽施設、そういつた面に金を入れてもらいたくないということを絶えず希望し、又あなたも御承知の、ビルデイングが一方に建つておるが、他方には、工場その他のほうは更に勢いよく復活しておらないという面から見て、資金の効率的使用に欠けておる点、これは私も大いにあると思います。現在のところまだ資金を統制するということには私ども考えておりませんので、絶えず行政指導としてやつてはおります。私自身も数回銀行業者の会合に臨んで、その都度決議をしてもらつたり何かして、又そういう通知もいたしてもらつておるのでありますが、まだ今のところ、最近はよほどよくなつてはおりますが、所期の、ごとくなつていないことは甚だ遺憾と存じます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 住宅問題について現在まだ三百万戸くらい不足しておる、こういう話でありますが、労働者住宅というものは一体現在どういうふうになつておりますか、どれくらい収容人員はあるか、財政投融資という面からも、又民間側或いは地方団体、そういつた範囲内においてどれくらい労働者住宅が建てられておるか、又将来に対する計画はどういうふうになつておるか、その点についてお尋ねします。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) お答えしますが、松永さんも御承知の通り、従来の労働者住宅と、狭い範囲とすればあれでありますが、大体政府でやつておりまするのは、公営住宅、それから住宅金融公庫でやつておるものと、それから産業労働者住宅資金融通法に基くものと、この三つの種類を現在やつております。そうしてこの三つの種類のうちの公営住宅は三カ年計画がありまして、大体三十数万戸、本年度でおしまいになつておりますが、更に三カ年計画を継続いたしまして、約百万戸の不足の予定……、民間で建設されるものを除きまして、大体三十六万戸を三カ年間で建てようとしております。それはただこの産業労働者住宅資金融通法に基くものはそのうちの一万戸でございまして、この一万戸の問題については、最近におきましては比較的希望者が少くなつておりまして、今年度の一万戸に対しまして大体一五〇%即ち一万五千戸の希望があるというわけでございます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 非常に茫漠として、どれくらい収容されているか、将来どれくらいこれを収容する設備を作つて行くかという考え方について、私の満足するようなお答えはないのであります。一つもう少し詳しく……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 御承知の通り結局戸数は三カ年間に三十六万戸の計画を立てております。あとの六十四万戸というものはその他の事業によつて、或いは自分の資本によつて建てられる住宅を予想しているのでありますが、この人数で言いますと、それは一世帯何人かという問題になりまして、三十六万の五人世帯とすれば、その五倍になりまするし、四人ということにすれば四倍になるのであります。(笑声)そういう意味でありまして今あなたのおつしやるようなことは、金の問題でありますか、金額……。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 実際面の問題として……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) あなたの質問の趣旨がわからんのですが、人は何人収容するかという意味じやないですか。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 いや、労働者住宅に対してどれくらい力を注いで行かれるかということです。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) ですから労働者住宅の問題につきましては、今言つた通り三通りありまして、公営住宅と住宅金融公庫のほうでやるものと、それから産業労働者住宅資金融通法に基くものと三種類ありまして、今までの三カ年計画の分はすでに終了いたしました。更に今後の三カ年計画の分は大体百十万戸を三年間に必要な住宅と見まして、そのうちの六十四万戸は自己資本、或いはその他の機関によつてできます。政府でやるのは三十六万戸を予想いたしております。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 次にポンドのことについてお尋ねいたしたいと思いますが、ポンドの回復は一体又どういう理由でできて来たかということであります。これはもうしばしば口にせられているように、英国においては援助より貿易だ、こういうことを言つておるのであります。具体的に言えば、アメリカの関税を緩和しよう、もつと英国の品物を輸入するように取計らえという主張だと私は思つておるのでありますが、同時になぜ援助を頼まないかということは、援助を受ければ、個人の関係でもそうでありましようが、国際間においても、そこに何らかの責任を生ずる、義務を生ずる、何だかこう恩を着たような感じがする。従つて同等の立場を以てそうして自分の国の力を高めて行きたいという考え方であろうかと存ずるのであります。ところが余剰農産物を受入れるというような話であります。而もその金の使い方については幾多の制約を受けておるのでありますが、そのように今援助を受ける何かお土産はないかといつたことが常に叫ばれておるのでありますが、そうしたこう援助を受けるということは何らかそこに反対債務というか、何らかの責任を負わされているのではないかという感じがするのでありますが、これは外務大臣にお尋ねすることになろうと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) イギリスの現在の回復状況は誠に目覚ましいものがありますが、イギリスといえども従来援助を受けておらなかつたわけではないのでありまして一番大きいのはアメリカから三十六億ドルの借款をし、その後も十億ドル、更にマーシャル計画とか、ECAとかいろいろな援助を受けておつた。だんだんその間に貿易が伸長しまして、この頃は援助なしで貿易で行けるという状況になつたわけであります。我々のほうもだんだん貿易が伸長すればそういうふうになりますけれども、今年のごときかなり目覚ましい貿易の発展によりましても、まだ年間二億五千か三億足らずの殖え方でありますから、何年かたたなければその貿易で収支が合うというところまでは時間がかかるわけであります。その間成るほど援助を受けないでおれば好ましいのでありますけれども、この八千七百万の国民をとにかくちやんと生活を維持して行かなければならん。貿易の伸展は一朝一夕ではできん、こうなりますればやはり大して条件の悪くない援助であるならば受けて行くことは至当じやないかと思いますが、原則としては早く貿易を改めて援助などなしに行けるようにしたいということは誠に御同感であります。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 昨日か今朝の新聞に出ておつたのですがアメリカでランドールという人ですか、報告により日本品の輸入の関税を下げるというような記事が出ておつたのです。アメリカとしては、そういうような態度をとる、確実でありましようか。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) これは先般この委員会で午後でありましたか、通産大臣から御説明がありました。総理がアメリカを訪問して、通産大臣も同時におられたのでありますが、そのときに勿論援助も必要であるが貿易の伸長はなお一層必要であるという意味で特にドル貿易の輸入超過の傾向を指摘いたしまして、アメリカの日本から輸出し得るような品物の関税を下げるようにということをかなり強調して申したのであります。その結果、アメリカ側としても協議をいたそうということになつて、だんだんそういう問題について具体的に話合いをしようといたしております。少しずつ今やつておりますが、従つて新聞にはちよつと私見ませんでしたが、そういうことが或いは出たのかも知れないと思います。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 もう一点だけです。アメリカにおいて日本の経済について非常に心配しておる。この夏時分のことでありますが、日本の経済が危機に瀕しておる、カタストロフィというような言葉を使つておる。何とかしなければならないというのでアメリカと英国の間に話合いがあつた、話合いがあるだろう、こういうことであつたのですが、そういつたことを御承知でしようか、その内容についてもう少しお話願えれば結構だと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 私はその話合いのことは存じません。新聞で見たことは記憶があります。併し恐らくその時分にはイギリスと日本との間の支払協定がかなり順調に実施せられまして、ポンド圏の輸出入の傾向が非常に好転して参りました。又だんだんこの日本の緊縮政策の結果でありますか、大蔵大臣が言われるようにほかの方面の輸出も非常に伸びて来ましたので、恐らくそういうことが、何か心配して話合おうというようなことが仮にあつたとしても、実際にはそれは実現しなかつたのじやないかと思います。そういうことは聞いておりません。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 時間が来ましたので……。

千田正無所属クラブ

○千田正君 極めて少い持時間でありまするから端的にお尋ねいたします。それは先般吉田首相の外遊に際しましても私は安藤国務大臣並びに緒方副総理に対しては決算委員会において、今度の吉田首相の外遊はお土産をもらいに行くのじやない、いわゆる親善のために行くのである、親善のために行くとするならば、今の問題として最も重大なのはアメリカと日本との間に国民的感情の溝ができつつあると、それは何かと言いますれば申すまでもなく原子爆弾の実験によるところのビキニの被害の問題である、この問題の解決を速急にいたすべきであるということを私は述べて、これは緒方副総理も安藤国務大臣も首相に対して十分にこの点を進言をすると、こういう約束でありましたが、帰つて来られてからの御報告によるというと、そういう問題については勿論アメリカ側は遺憾の意を表した、こういうのであります。この遺憾の意を表したとりことだけであつて、その裏付けとしての方針は何ら聞いておらない。この点につきましては岡崎外務大臣がしばしば我々の質問に対して、これは何とかして今年中にこの問題を解決したい、すべきであるというこういうことを断言されております。今や政界が非常に緊迫して、或いはあなた方とこの席上でお目にかかるのも今夜が最後であるかも知れない、そういう点も危惧いたしますので吉田内閣が仮に退陣しようと、或いは退陣なされても一つの区切りというものは今明日中にきめられるものとするならばこの重大なるところのビキニの被害事件に対する日本の政府としての今後の方針というものを打立てて行くべきである。この点につきまして外務大臣の所信を質したいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) ビキニの問題につきましては私も二日間でありましたが、ワシントンに立寄りましたので国務省の当事者及び軍側の責任者にも話をいたしました。総理はそのあとで行かれたのでありますが、総理のアメリカにおける共同発表の中にもアメリカ政府が更に遺憾の意を表したということも載せてあるわけであります。決して放つておるわけではなくて、その後も随時話をいたしております。まだ彼我の意見が必ずしも合致しておりませんので、解決というところまでは行つておりませんが、併しひと頃から見るとかなり先へ進んで来ております。おつしやるような状況で、この政治情勢がありますので、実は正直なところ言いますと、我々が今いる間に解決をしてしまうことは或いはあとから仮に何か違う政府ができたとしました場合に、それに不満足な点はないかという点も多少は加味しなければならないと思つておりますが、まあ併し政府がある限りはまじめに、そして一日も早く国内の被害を受けた人々に満足を与えるべきは当然でありまするから、実はかなり国会で多忙ではありまするが引続き話を続けております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 この問題につきましてはアメリカ側は最初ビキニの被害をこうむつて非常に世界の人心を刺激した当時、来年、いわゆる来たるべき年の二月においても或いは太平洋の某所において原爆の実験を継続するであろうということを言うておるのであります。そうしますというと、もう二月と言いまするとあと三月もあるかどうか、こういう段階に来ておりますので、これは是非あなた方の責任において一つの区切りをつけて頂きたい。この点についてこれは噂でありますが、アリソン大使はこの問題についての具体的な方針を持つて来ておるではないかという臆測であるけれども、そういう噂もとんでおりまするが、アリソン大使との問にこの問題の解決についての重点的な交渉を最近なされたかどうか、その点を伺つておきたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 最近も話合いをいたしております。そうして大体のめどを申しますと、これは実は衆議院でも申したのでありますが、従来安藤国務大臣の言われたように、八十万ドル、九十万ドルという話合いもあつたわけであります。百万ドルはなかなかむずかしいが、ということを従来安藤国務大臣は言つておられたのでありますが、最近の話合いによりますと、私は百五十万ドルはむずかしくないと思つておりますが、まだどうも十分でないと思つて極く最近も話合いを続けております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 次に引揚問題で相当伺いたいのでありますが、これはなかなか重要な問題であつて、曾つて外務省並びに厚生省が各国に向つて要請した未帰還の日本人に対するところの数字とは相当最近の情勢は変つているのじやないかというような感じもするのであります。それでこの引揚問題が引続き継続される、こういう状況下において、実は今朝曾祢君の質問に対して外務大臣がお答えした中に、これはまあ冗談ともつかない、非常にこれは重要なようにも見受けられるし、一面意味深長に考えられるのは、李徳全女史が先般来たときに三万ドルの醵金が集められたという話である。これは一つにおいては、考えようによつては中共側の平和攻勢に或いは使われているのじやないかという意味の警告のようにも聞えるし、一方又李徳全女史が国内で集めた金をあの人たちがどこか何かの始末に使つたんじやないかというようなふうにも考えられる非常な意味深長なお話でありましたが、これは今後の引揚問題に影響する点が相当重大であると考えられますので、その点はどういう御意思でああいうふうな御発言をなすつたか、一応この点を承わつておきたいと思うのであります。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) 或いは私の申したことは少し言葉が足りなくて誤解を招いたかも知れませんが、私はスケートの選手の例と一緒にいたしまして、いろいろただスケートのときならスケートの目的だけで人が来たのではないような結果になつた事例もあるということの例みたいにお話したのでありますが、そういう噂はあるのであります。併し先ほど申した通りこれは噂で、これによつて人を傷つけるというようなことがあるとすれば私の言葉の足りなかつたことで、ただそういう噂もあるという極く軽い意味で申上げたのであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは吉田総理にもあなたにも特に伺つておきたいのは、今度の外遊中において国際連合に日本が加入するという問題についての促進運動はなされましたか、或いはそういう段階に入つておられるかどうかという点だけ一点伺つておきたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○国務大臣(岡崎勝男君) これは私がワシントンに参りましたときも極く短かかつたのでありますが、特に沢田大使にニューヨークから来てもらいましてこの問題について話合いをしました。総理も報告を受けていろいろ話合いをしたのみならずアメリカ側の国連関係担当者とも話をされたようであります。その現状は依然としてなかなかむずかしいようでありまするけれども、我々としてはこの準加盟であるとか、或いは最近又少し違つた形の案が出て来ておるようでありますが、それはこの際好ましくない、真つ直ぐに国連加盟に向つて進むべきである。日本のごとき相当の国が何か条件を附けられた加盟ということは面白くないという趣旨でこれに向つて進んでおりますけれども、拒否権の問題あり、それから一括加盟の問題がありまして、いずれもまだどうも実情は困難のようでありますが、引続きこの国連でもその推進はいたすつもりで打合せて参つております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 農林大臣にお伺いしたいのでありますが、只今このビキニの問題について外務大臣からは外交折衝の経過について伺つたのであります。これは先ほども申上げました通りなかなか容易ではないと思いまするけれども、国内対策、殊に大臣の行政管轄下にありますところの水産行政の面においてこの問題は大きな問題としてこれは取上げて考えておるんでありまするが、今まで補償が来るまでの間立替的にこの被害をこうむつた漁民或いはそれに関連する漁業というもの、或いは商業、こういう問題に対しても相当広範囲に向つて国内的な方針を進めているようでありますけれども、実際行われているのは甚だ我々としては遺憾なほどの額にしか上つておらない。二十億というのが大体損害の概算でありますが、そのうち国内的にやられているのは僅かな点であります。この点については今後どうするかという問題、安藤国務大臣が閣内におけるこの問題の取りまとめ役であつたのでありますが、もうすでにあなたのほうの内閣にはおらない。外交関係は今岡崎外相から伺いましたが、国内的においてのこうした対策方針について一応あなたから伺つておきたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) このビキニ水爆によつて受けておりまする損害に対しまして、国会でも非常に心配を頂いて私どもとしましても今日まで決して安藤国務大臣だけにお任せをして責任をよそにしておつたというようなことはございませんので、私としましても今日までできるだけの努力を払つて参つて来ておりますが、詳しく申上げることも如何であろうかと存じますが、例えば第五福龍丸の乗組員に対する慰藉料の内払い、或いは尊い犠牲者となられた久保山氏に対する弔慰措置、それと折角漁獲をして水揚げの段階において廃棄をしなければならないその廃棄魚類に対する補償の内払いという直接的なことは予備金等の支出によつてやつて参つております。なおこの折魚まぐろをとつて来た、廃棄しなければならん、ために仕込みができない、再出漁することは困難であるというような初めの事情等もございましたので、関係の県を通じましていわゆる漁業生産者に対して二億六、七千万円を融資をいたしております。なおあの事件ができましたときに非常な市場の混乱が起きました。ために市場におきましても相当の損害を受けておるわけであります。それらの業者のかたがたの立上りに寄与する何ほどかでもつつかい棒をするという意味でこのほうには七千万円を融資をいたして参つております。問題は先ほど外務大臣がお話になりますように、久保山氏の死表というああいう事態に参ります段階においては、まあその百万ドルに漕ぎつけ得るかどうかということが問題であつた。併しあの事態が非常に問題を又新たにいたしまして、私どもとしましても更にもう少し考えてもらわなければ困るということで今日まで折衝をいたしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましてももはやもう取極めてもらわなければ、その国内々々と言いましても国内に金の出所があるわけではございませんから。併し今までとつて参つておりまする措置は無論十分とは申しませんけれども、こういう措置をとつてとにかく関係のかたがたに対して措置をいたして来ております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 更に最近北洋の問題につきまして、御承知の通りマッカーサーラインが撤去されて以来、日米カナダ条約等に基いて日本が紳士的協約を守る、こういう意味において北洋の漁業に対しては許可制をとつておる。母船式な船団、更に小漁船に対しては北海道長官の許可するところの船と、あなたが許可するところの船とを合せて四十七度線以内、こういうふうにやつておるのにかかわらず、最近に至つてはどうもとれないから我々はこうしたライン外で働こう、いわゆる英国の旗印の下に、日本の漁夫が英国の船舶に雇われて、そうして日本のいわゆる農林省が指定したライン外においてとろうというようなことが最近新聞或いはラジオに大きく報じられておりまするが、仮にこうしたあなたがたが懸命になつて努力して許可船によつてのみ漁撈させようとしておるが、一方においては国際的な旗印の下において日本の漁業の区域外に堂々と進出して行く、こういう問題が起きている。これが若しも取上げられるとするならば、一体あなたがたがやつておるところの水産行政というものは何らの意味がなくなつてしまう。この点についてはもう北洋漁業もそろそろスタートをしそうでありますが、一体どういうふうにあなたがたが考えておられますか。その点の方針を承わつておきたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この北洋の特に「さけ」「ます」漁業が日水、大洋、日魯の三社がまあ漁場開拓に非常な犠牲を払つてやつておる。今年まで三年の出漁をいたしまして、一昨年よりは昨年、昨年よりは今年というように、非常に成果を収めて参つております。何さま、まあいわば新らしい漁場に新らしい様式というほどではありませんけれども、農林省といたしましては、この北洋漁場の上に健全な操業が営まれるようにという考えの下に、まあ大事を踏んで実は許可をいたして参つておるわけでございます。併し御承知のような漁業の条件があつちこつちで突き当つておる。従つて北洋の景気がいいとなりますと、我も我もという形になつて参るわけでございます。そこで今お話のような計画があるということは私も仄聞をいたして、若しそういうことが我が日本人が関係をして営まれるというようなことになりますれば、御指摘のように、もはや水産行政というものは成り立つて来ないと思います。これは漁業を守つて行くという上からいたしましても、又、長い将来に亙つて日本の漁業を発展せしめて行くという上から行きましても、無論べーリングの北洋漁場は、これはもう国際漁場でありますけれども、事実においてはこれはまあ日本の漸く曙光を見出している大事な、いわば独占漁場のような形になつておりますから、私としましてはこれは如何なる方法等を以ちましても、かような計画が実現されるようなことがあつてはならないということで、事務当局を督励して、従つてそういう関係当局とも相談をいたし、従いましてお話の筋の国に対しましても、できるだけそういうむちやな計画をそちらのほうのかたが立案せられることのないようにというお話もいたしておるわけでございます。併しそれはきめ手にはならんと思います。これは結局儲かることなら何でもやるというようなことから出ているとすれば、それは併し私はまあ関係者に対し、特に国内の関係者に対しては、絶対この祖国愛から反省を願いたいという気がするわけでございます。私どもとしましては如何なる措置を講じてもこれは実現せしめるようなことはしてはならない。又同時に考えますのは、余り水産庁、農林省が大事を踏みまして、もう少し出せてもいいじやないか、無論試験の過程でございますから、専門家が大事を踏んで、そうして漁場を確保して参るということは当然でございますけれども、併し結局はそういうことからまだまだ幾らでも行けるのに、どうも水産庁が抑えているからというようなことで問題を起しやすいのでございますし、私としましては、まあ無論専門家の意見を十分聞かなければ何とも言えませんけれども、できるだけもうあそこは一ぱいだという程度まで一つ思い切つて出漁させることがこの段階では妥当じやないか。そうしてそのようなめちやくちやな計画を未然に防ぐというようなことが必要ではないかと率直に私はそう考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 農林大臣に対してはこの問題は外交上、或いは国際法等の問題もありまするので、今日は質問する時間もありませんので、厚生大臣にお伺いいたしますが、先ほども外務大臣にお尋ねしておつたんですが、未帰還者の状況は厚生省の五月一日の発表によるというと、まだ七万一千も帰つて来ない。中共関係においては一応相当の数に上つておりまして五万二千、併し向う側の発表しているのは、ソ連のほうでは残つているのは戦犯の千四十三名、中共側では千六十八名、戦犯以外が中共に約八千名くらいいるだろうという、この間の話であつたのですが、そうしますというと、これらを差引きました残留の人たちというものは四万名を突破していると、こういう人たちは行方不明ということになつておりまするが、これらは将来は軍人であれば、いわゆるその遺族としてこれは取扱わなくちやならん。又軍人以外の者に対しても同様な方途を以てか、これを戦争の犠牲者として何かの方針をきめて行かなくちやならん、この点につきまして、厚生大臣の今後の方針についてお聞きいたしたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの夏厚生省が発表いたしました数は御指摘の通りであります。これをもう少し細かく分類しますと、いわゆる中共の成立以前の二十四年、一九四九年以前の或る時期において生存資料のある者として二十四年以前が二万三千九百三十八名、二十五年以降が七千九百九十四名になつております。これはあの表に年度別に詳しく出しております。その総数が三万一千九百三十二、又生死の資料のないものが七千九百十五であり、不確実な資料のあるものが一万二千三百二十、合計五万二千百六十七、こういうことになつております。そこで私は、中共で約八千ということでございましたが、先般李徳全女史と直接会いました際、この日本政府が発表いたしました資料をそのまま率直に手渡しました。我々が今まであらゆる方法で、国内において知り得る最大限度の方法で知つた数はこの通りだ、実際は向うの、中共でないとわからないと思うけれども、我々のあらゆる努力を以て知り得た数はこれだけで、そうしてこれに対して昨年帰つた人たちから聞くと、なお八千六十三名は確実に生存しているということである。どうしても中共が言つておられるのと、私どものとは食い違うというとおかしいですが、ぴんと来ない。、そこで多分たくさんの死亡者のあることは、我々も想像しているから、それらについて詳細この日本側の調査した資料に基いて、一つお帰りになつたら御調査の上返事をしてくれないかということを依頼をいたした次第で、それに対しまして、この中共が成立した以降のことは、死亡者にしても責任を持つて御回答を申上げますが、その前のことは責任を持つというわけには行かないけれども、併し成るべく詳しく調査をいたしましてお返事を申上げる、こういうことでございました。実はその返事を大変心待ちに、そう簡単には参りますまいと思いますが、待つているのであります。それを一つといたしまして、私大体四つの点について李徳全女史に直接要望をいたしました。それは中共では日本人の帰還希望の者は全部帰すと申しております、公式に発表して……。そのことを向うにおりまする日本人に十分徹底するようにしてくれ、恐らくどこかに勤めておるような人には、御本人には徹底せんでおるのではないか、それを人々に徹底するような方法を、職場におつたら職場の責任者を通じて一つそれはやつて欲しい。もう一つは一月頃までにできるだけ帰る希望者は帰すと言つておりました。その後において本人は帰る帰らんは別として、日本人は全部日本の赤十字宛にこちらで刷つたものをお送りするから、それを日本人である人は全部一応手紙を日本によこすように取計らつてくれ。それから先に申上げました死亡者の調査というようなことを具体的に申しておいたのでありまするから、それに対しましては十分努力をいたします、ということでございまするから、その点私どもも大変期待をいたしておる次第であります。これが中共に対します直接の引揚促進の問題として私どもは今後努力をいたして参りたいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一点だけ簡単に建設大臣に……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 時間がありませんから簡単に……。

千田正無所属クラブ

○千田正君 建設大臣に特にお伺いしておきたいのですが、それは敗戦後の日本で、建設こそが自然の暴威に対やる防衛として基礎的な大きな問題であろうと思うのであります。それで国土総合開発法という法律が先般来できまして、それによつて開発の予算をとるということになつておりますが、実際では各省別において予算は盛られて、却つて国土開発法なんかは絵に描いた餅のように、それに対する裏付けの予算というものは盛られておらない。これでこの開発によつて後進性のあるところの各府県は、何とかして自分らの県或いは地方が開発されて、国の経済に寄与したい、然るにそれが目に見えて出て来ないというので、どうかしてこの総合開発法の裏付けのあるところのいわゆる予算を、はつきりした予算の組み方を、技術的には或いは立法措置か、或いはその他によつてやつてもらいたいという陳情は、毎年毎月のようにやつて来るわけであります。これに対してどうするかという点を伺つておきたいことと、更に多目的ダムその他によつて今度ほうぼうにダムができたり、或いはこれからできかかつておりますが、水没されるところの補償という問題は各県各地方によつて一定しておらない。これはいろいろな基準はあるでしようけれども、どうも新聞紙等に伝わるところによるというと、お互いの話合い、こういうことによつて結末がつけられまするが、これは将来とも話合いで行くというようなお考えでありますか、それともこの水没という問題は、補償の問題はどうしても建設上必要なことであるし、勿論これを第一に決定して後に工事にかかるのが本筋と思いますが、その基準はどうして将来定めて行くかという点についてと、もう一つ、最近私が耳に挟んだことは、折角多目的ダムができた、できたその工事の完成の後にそれが多少の水が漏れて来る、例えば工事が十分じやなかつたのか、或いは予算のつけ方が十分じやなかつたのか、或いは技術的に未だ完成された域に達しておらない日本の技術の面の貧困によつて起つて来たのか知らんが、そういう面が出て来ている。それでその近傍の住民が非常に不安を感じているのでありますが、こういう問題に対しては或いは将来において補正工事をやるとか、或いは何らかの方法によつて民心の安定を期してやつてもらわなければいかんと思いますが、この三点だけ建設大臣からお答えを頂きたいと思います。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 先ず第一点でありますが、御承知の通り国土総合開発法ができましてそしてすでに決定しておる特定地が八つくらいあると思つております。これに対する総経費は約千九百億くらいになつておりますので、仮にこれを十年間でやるといたしましても年々百九十億くらいのものが特定開発のために計上されなければならんような状態になつております。ところが昨年度におきましては百十九億くらい、本年度が百二十四億くらいでありまして、その線をずつと下廻つておることは誠に遺憾でありますが、この来年度の予算におきましてはどうかしてせめて二、三十億でもよろしいのですから各省に跨がつたばらばらな事業を調整する費用というような意味で審議庁あたりで扱つてもらつたらどうかということを事務的に相談いたしております。勿論これは政府部内で決定した問題ではございません。  それから予算を一本にしたらどうかという御意見、私も大体そういうことを考えて参つたのですが、現実の面に入りますというと、各省に跨がつている予算を一本にするということはかなり困難のようであります。従つて今申上げたような調整部分としての極く一部を計上することによつて総合開発の円滑なる運営、或いは公平な運営をやつて行きたい、こう考えておる次第であります。  それから水没者の補償の問題ですが、これは非常に各地で問題を起しております。私のほうだけの所管ではそう問題は起りませんが、最近電源開発等によりまして違つた会社等でやつておりますので、それが自然に標準等において違つた結果ができまして、これは全般的に影響することが非常に大きいので、勿論従来といたしましてもこれに対する閣議決定の一つの標準があるのであります。ところがこの閣議決定の標準というものがややもすれば無視される場合もありますもので、今回は何とか立法することがいいのじやないかというので、私の省では一応案を練りまして、そして補償法というものを設けて、そして補償する範囲、或いは方法、或いは金額等もこの法律に基いてやるほうが公平に行くのじやなかろうかという意味で、この法律案の提出を今考慮いたしております。  それからダムの水漏れの問題ですが、まあ御承知の通りの石淵ダムはいわゆる石積みのダムでございまして、私は技術者でありませんが、技術者から聞きますというと、大体多少の水漏れはあるであろうということは予想されながらも、当時の事情から進行されたものでありまして、現在漏つておるということは聞いておりませんけれども、或いは将来多少は漏るんじやないかということはあらかじめ承知の上でやつておるということであります。併しその他のコンクリートダムでは、現在漏つておるような事態はないようでございます。但しこの電源開発でやりました隧道は、漏つたとかということは聞きましたが、これはまあ私のほうの直接の関係はございませんが、今後こうした工事をする場合に、厳重に注意をいたしたいと思つております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 只今の御答弁でございますが、私経済審議庁長官にも関連してお尋ねをいたしたい。  先ずこの国土総合開発に関するこの予算の立て方の問題でございまするが、御承知のように国土総合開発審議会において諮問に応じて各地域における確定事業を決定し、これが事業量に見合う予算内容まで附して閣議の決定になつているものであります。而もこれは十カ年計画、おおむね十カ年を以て完成するということで閣議が決定しておるものであります。そうしますとこの関係については、やはり予算の許す範囲ではあるとしましても、一定の計画に基いてそれが竣工を期待するという形の予算でなければならんと思う。ところがこれは各省の事業費の中に、表面には現われない形で一括して、一般事業費として入つておる。そしてあと予算が通過後或いは通過前後においてもそれぞれ政治的な折衝その他によつて具体的な事業予算がきまる。そういうことで十カ年はおろか、二十カ年、三十カ年かかつても、これが竣工を見ないというような無計画の状態が、今日まで続いて来ているわけであります。従つてこの点については、如何なる内閣ができましようとも、国土総合開発法に基きますならば、而も閣議決定が引継がれるとするならば、もつと計画的でなければならん。従つて予算内容としても、国会に提出されるものにおいて、それが各省の事業費内容でも、その予算項目を明らかに分割せられて明示せられ、計画も見通しも、国民の前に明らかになるようにされなければならんと私は考える。この点は審議会においても、審議庁長官に再三申上げておるはずでありますが、どういうお考えで大蔵省、財政当局等と検討せられておるか、お伺いしたいし、大蔵大臣の所見もお伺いしたい。これは自由党と言わず、何党と言わず、問題として考えられるところでありますから、お伺いします。  第二点としましては、建設大臣は、多目的ダムその他における補償の問題について、特別な立法の問題を御答弁になりましたが、過般建設委員会等においては、建設省、通産省、農林省等、それぞれ別個のこれが対策に関する法案を検討中である、而もそれの根拠法となるものは、土地収用法の改正がいいとか、或いは耕地との関係から出ておる法律のほうで行つたほうがいいとか、いろいろ対立がある。従つて経済審議庁においてはこれが調整を図り、内閣としては一本の統一された立法をすべきであるということを主張し、審議庁においてもそういう趣旨で検討をしておるというのでありますが、今の御答弁と、建設委員会で聞いている答弁とは食い違いがある。従つて各省ばらばらに、各省独自の立場において検討しているものがまとめられて、一本のものとして適用されるような立法を考えておるのかどうか。これは事務当局にも、内閣がどう変ろうとも、それぞれ検討されべき問題でありますから、この際お尋ねしておきます。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたしますが、国土総合開発審議会の関係の問題でありますが、これは只今御指摘がありましたように、私もその審議会の席上におきましてお答えいたしました通り、これは本来の性質上は、国土総合開発計画がきまつて、且つこれに年次計画が一応ついております以上は、財政計画と照応してきめられるべき性質のものと私は思うのであります。併し率直に申しますると、今のところ、この財政計画とそれから総合開発計画とを完全に照応させて、どちらもゆるぎない態勢で以て参りますことは、実際上の問題として非常に困難でございまするので、従つて差当り現在与えられた条件の下において、国土の総合開発計画としてはこういう順位でこういうふうにやりたいということで取りあえず閣議の決定をしておるような次第であります。従いまして今後十分に更に検討を続けまして、成るべくその理想に近いようにやることにいたしたいと思います。なおこの問題については、只今も御指摘がありましたように、その大きな基本の問題のほかに、国土総合開発に関する予算の、各省に分属しておりますものを、何らかの形で明示したらどうかという御趣旨は、私も御尤もと思うのでありまして実は三十年度予算の編成等に際しましては、そういう点を考慮いたしたいと実は考えておるような次第でございます。  それからその次の補償の問題についてお尋ねでございますが、最近におきましては、電源開発の関係で、例えば奥只見の問題等が相当世間の注視を浴びた問題でございますが、先ほど建設大臣からお答えがありましたように、一応の基準がございます。それから電源開発としては最近の佐久間の補償のときの前例がございまするので、いろいろの経過はございましたが、大体この佐久間の補償のときとその前例に従いまして、これに準じて取扱うということで大体話が進んだような次第でございます。これについて補償の基準を一つ法律で定めるべきである。これも私は御尤もと考えます。それからその際に各省いろいろの考え方があつて、いろいろ論議があるようだという仰せがございましたが、これもその通りでございます。只今のところ各省それぞれの立場から申しまして、いろいろの意見があるのでありまするが、でき得るならばそれらをできるだけ一つの線の上に乗せて一つの立派な補償の基準法ができることが最も望ましいと審議庁の立場において特にその感を深くしておるような次第であります。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) この総合開発法の関係の予算の組み方の問題でございますが、調査費は、これはまあ建設省が所管の件でございますが、あとは各省所管別に、事業の種類別に予算を組んでおるわけでございます。河川、砂防、山林、道路、港湾、都市、漁港等各般に亙つておりますので、そのおのおのの事業の所管別に予算を計上をいたしておるのが現状でございます。但し予算の説明にお勇ましては、そのうちでどれだけが国土総合開発法に基く分であるということをまあ各項目ごとに明らかにいたしておるわけでございますが、それが各省に跨がつておりますので見にくいかとは思いますが、それらの点につきましては更に工夫をすることに考えたいと存じますが、やはり事業の所管別ということはどうも現在の建前ではどうしてもそうならざるを得ないのじやないかと存ずる次第でございます。、

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 大変遅くなつて恐縮でありますが、先ほど岡崎外務大臣は率直に吉田内閣の終りを認められました。吉田内閣としての最後の補正予算を審議するにはむしろまあふさわしい深夜の予算審議になつたわけであります。二、三日前に本会議でも同僚議員によつて言われましたけれども、鳥のまさに死なんとするやその声悲し、人のまさに死なんとするやその声よしということもございます。但し私どもも石を持つて追おうとは思つておりません。顧みてこの数年の吉田内閣の政治、これについては私どもにも責任があるわけでありますし、今日の或いは眼前の失業、或いは中小企業のみならず平和産業の倒潰、経済の破壊、こういつたような事態が吉田内閣の責任であることは当然でありますがこれについて輿論は、或いは輿論と申しますか今では天の声になりつつあると思いますが、吉田内閣の退陣を求めておると思います。これを副総理お認めになるかどうか、第一にお尋ねしたいのであります。恐らくお認めになると思うのでありますが、この今日に至りました原因、或いはその失政の責任、これについて静かに反省し、或いは罪を清算、或いは天下に謝罪をするという謙虚なお気持がありますかどうか。これをお尋ねをいたしたいのでございます。先ほど来大蔵大臣も或いはパチンコその他賭博に類するような不生産的な消費或いは資本の不生産的な事業への投資というものをお認めになりましたが、そういうものについても率直に言つてこれは吉田内閣の一番長く責任を持つておられました過去数年の政治の結果ではないかと考えるのでありますが、これらの点について緒方副総理に、今日においては吉田内閣を代表してここに御出席になつておりますので、お尋ねいたしたいと思います。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 御質問の主眼がどこにあるかよくわかりませんが、吉田内閣がとつて参りました政治の責任について国会審議以外天下に謝するというような考えは持つておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 吉田首相は外遊の報告の中で、西ドイツ或いはイギリスその他外国の復興に目を開いたと申しますか、そういう点を報告なされました。慰みて日本の復興が遅れておる、その責任が誰かという、何と申しますか、議場の質問なり、或いは野次等にも現われておりましたが、この点は緒方副総理といえども率直にお認めになると思うのです。それに至りました責任は、その大部分が吉田内閣の下においてその原因が作られたわけでありますから、これらの点については面子とか何とかいうことでなしに、今後の日本の政治或いは国民の生活について、国民経済について責任を持つものとして、これに責任をお感じになるかどうか、こういうことをお尋ねしているわけであります。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政治の衝に当つております以上政府の施策に関して起りましたすべての事態に対しましては政治責任を負うことは勿論であります。日本の終戦後の今日に至るまでの復興、これについてはいろいろな見方があると思います。私は終戦のときのことを回顧いたしますというと、十年の歳月ではありますが、よくここまで落ちついて参つたということも言うて一向過言ではないと考えます。ドイツの復興は主として海外貿易、或いは海外でないまでも、産業の振興にあると考えますが、その点特に総理大臣も日本の状態と比較して一つ一の感想を持たれたようでありまするが、これはいろいろな面もありましようが、私はヨーロツパの敗戦国の復興が割合によくできたその一番大きな原因は、国の周辺にお互いに大きな購買力を持つた国が境を相接しているという、これが大きな強みになつた。その点は日本は地理的に非常に不利な立場にある。今日までの国民の努力は非常に大きなものだ。政府の施策も大体において私は間違つていなかつたと考えております。その結果が必ずしもその努力に対して報いられなかつたというのは、今の対岸の中国の状況、日本が貿易上において最も大きな得意としておりました中国が今日のような状況にあること、その他日本が海国といたしまして国境を相接した大きな購買力、消費力というものがドイツと比較した場合に非常に見劣りがするというようなことが大きな原因をなしておるように考えるのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ドイツの場合には国境を接しておる消費力があつた、日本の場合には中国貿易が伸びて来なかつた、できなかつた、こういうまあ従来の吉田首相の中国貿易の重要性を否定される考えとは大変まあ違つた、併しそれは決して悪いことではないのでありますが、見解が述べられました。そこにも問題がございます。大きな問題がございます。併し今お尋ねをしておりましたのは、戦後十年近い歳月が流れて復興をしたではないか。勿論終戦後に比べますと復興をしたことは事実でございます。併し自由党の政府の下においては、自由主義ということで、或いは料理屋や待合が先にできることを防ぐこともできなかつた。或いは二重投資も防ぐことができなかつた。資金統制というものがございませんから、そういうことができませんという話を先ほど大藏大臣がやられたのであります。そこで今日においてはパチンコが、パチンコのみがはやるとは申しませんが、パチンコが非常にはやる、或いは競馬、競輪、不生産的な消費が横行して、今お話の中に出ました中国或いはドイツ等に比べて見て、今後の日本の発展というものも心配されます。或いは現に見られるような、或いは補正をしなければならんような失業者だとか、或いは国民生活の破壊だとか、或いは経済の破壊というものができている。こういう復興の遅れ、或いはこの停滞、経済の破壊、国民生活の破壊というものについて、五年以上に亙りました吉田内閣の責任があるのじやないかこういうことを申したわけであります。まあほぼお認めを頂いたと思うのでありますが、関連をして一つ申上げたいのでありますが、先般インドのパンデイツト女史が来られました。これは間接に聞いた話でございますけれども、日本に自立をする要素がない。あるものはパチンコであり、或いはパンパンであり、或いは売春であり、或いは日本と貿易をしようとしてもお役人さんたちにしても相当、まあ殆んどと言い席を設けなければ話が通じない、こういつたようなことから日本に経済自立の、或いは独立し得る要素がないのではないか。そこでこれはいい加減な話ではございませんが、インドの大使をも日本に置いておく必要がないのではないか、こういう意向を持つてまあ帰られたということであります。或いはネール首相の日本の水爆被害に対する同情の発言に応えたものが岡崎外務大臣の水爆実験には協力しなければならない、こういう点等もあつたかと思うのでありますが、極めて重大な意向であり、或いは解釈だと思うのでありますが、そういう点についてどのように考えられますか、重ねて承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私はパンデイツト女史が東京に滞在中何回か会つてそのお話を聞きましたが、今お述べになりました日本を非常に見下げたような話は恐らくあの人格者であり、良識あるあの女史が語つたろうとは想像できませんのみならず、日本人はよく外国人の旅行客が日本を批判的に見たことを直ちに受入れて情ないようなことを言う人が多いのでありますが、私は日本の終戦後において一番何と申しますか、歎かわしいことは民族がややもすれば民族的の自信を失いかけること、終戦後におきましては虚脱状態というような言葉を言つておりましたが、そういう時代も確かになかつたとは言えないのであります。ありまするが、私は日本民族というものは世界のどの民族と比べても相当優秀な民族であり、今日終戦後の日本が復興を築き上げた実績に徴しましても決して悲しむべきものではありませんし、この間総理大臣が外遊した後の感想を聞きましても、列国の日本に対する関心は敗戦後の今日といえども戦前に比べて少しも減じていないと、そういう意味において我々には民族的自信を断じてゆるがせにすべきでないということを施政方針の演説の中にも言うておりましたが、私はその点は、仮に外国人が日本人をいろいろ批判する場合も、腹の底に民族的の自信を失わず、そしてその言葉に謙虚ではあるが批判を失わない態度で臨んで行かなければならないと考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 民族の誇りという点についてまあ誇りと言いますか、自信ということについて言われたわけであります。併しそれは抽象的な神がかり的なものではこれは問題にならん。成るほど日本の技術等についてはアジアにおいてこれは客観的に見て最大のものだということができるかと思います。併し経済の方向、こういつたものを率直に反省をするのでなければこれは日本の経済を発展させることも、或いは八千五百万の国民を食わせることもできないと思います。時間がございませんから詳しい話ができませんけれども、小笠原大蔵大臣のように貿易尻は改善されて来た、或いは今の緒方副総理のように終戦後から見るとよくなつて来た、こういうようなことではこれは話にならんと思います。中国よりも今日本が経済水準が低いとは思いません。併し昨年のあれから言いますと三兆ほどの予算の中でその四五%を経済建設に注ぎ込んで大きなダムが造られ、或いは工場がどんどん作られておる実例を考えて見ますと、先ほどの日本の総合開発の例と考え合せて見て、これが五年或いは十年先のことを考えると大変私ども考えなければならんと率直に反省をするのであります。或いは中国、インドというものと日本の関係を先ほど認められましたけれども、それを無視して日本の将来というものを考え得ないのであります。これについてまあ吉田首相も、やめようとする老首相もアメリカとイギリスの中間を考えたい、こういうことを言われておる、或いはまあアメリカ一辺倒という非難に対しては自由主義、強いて言えば自由主義一辺倒と、こういうことであつたが、或いは東西両陣営の平和的共存、或いは貿易、こういう点については、これは世界的にもそうでございますが、吉田内閣においても、最近においては貿易の必要性、特に中国貿易の重要性を認められ、その打開のためには努力しなければならん、或いは中国の経済代表も招かなきやならん、こういう工合に考えておられるのではないか、その点もう一度伺いたいと思います。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) ちよつと御質問の趣旨が私取りかねましたので、通産大臣ならば或いはわかつているのではないかと思いますので……(笑声)

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ちよつと御質問の趣旨が吸み取れなかつたのでございますが、恐縮でありますが、もう一度お尋ねいたします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 どうも大変呆れかえらざるを得ないのでありますが、この貿易問題については、特に中国貿易の問題については先ほど緒方副総理の答弁もありましたが、その重要性をだんだんと認めて来て、そして或いは中国の経済使節団も日本に迎えよう、こういう話もあるくらいだから、中国貿易を含む貿易についての考え方はだんだん変つて来ておるのではないか、或いはその必要性を認めておるのではないか、こういう点を重ねてお尋ねをしたわけであります。

緒方竹虎自由党北海道開発庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私が先ほど申上げましたことについて少し誤解をなさつておるような気がいたすのでありますが、私は中国の貿易の重要性をだんだん認めて参つたということを申したのではなくて、日本の復興がほかの国の復興、例えば西ドイツ等の復興に比べて遅れておるということがあるならばそれは日本の産業に対する購買力が国境を越えた購買力が十分でない、例えば中国のごとき、と申したのでありまして、中国と戦争前におきましては二割、或いはそれ以上の貿易量を持つておつたにかかわらず今日は国交がない、又中国の購買力が少い、そういうことを申上げたので、中国貿易の重要性を認めたということを申上げたのではない。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 吉田君、もう時間はありませんけれども、簡単に……。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 時間がありませんので、項目に分けて長く聞くことができないのでありますが、経済の破壊されている姿をここでくだくだと述べる時間がございませんが、中小企業のみならず、或いは平和産業一般についても、或いは炭鉱、鉄鋼、造船等々について壊滅的な打撃を与えておることは勿論であります。そうしてその中からたくさんの失業者が出ておる。或いは山が閉山せられて栄養失調に陥つたり、或いは娘が売られたり、こういう事態がありますことは、これは副総理といえども否定することはできないと思うのであります。そうしてその産業の中から再軍備、デフレ政策の結果、犠牲が出ても、それについて多少の不満足な対策を今手許に補正予算として出てはおりますけれども、併しこの国民を、或いは労働者をどうして働かせるか、或いはその仕事を保障するという点については、全然と申していいほど考えられておらん。この雇用、国民を働かし、或いは働いたら食えるようにするという経済政策、これを具体的に、或いは石炭、鉄鋼、それぞれについて考えて参りますならば、或いは石炭について言いましても、国の資金を注ぎ込んで参るということになるならば、これは計画化をしなければならない。或いは国有、国管といつたような形も考えざるを得ないといころまで来ているのじやないか。これはまあ経済研究所あたりで日本の経済自立について考えた結果についても、これは言い得るところでありますが、こうした八千五百万の国民の仕事を保障する点について経済政策として、或いは特に石炭等を例に挙げましたが、これについてどういう工合に考えておられるか。  それから最近は特にひどい石炭について国民的な支援の手が伸べられております。或いは病院に入つておる人たちの中からでさえ、僅かな金を持ち寄つて救援をしようとしております。或いはこれはどこの病院に入つておるか知れませんけれども、新聞等に現われて参ります投書欄を見ましても、こうした涙ぐましい支援の手が伸べられておりますが、そうした人たちの共通して言つておりますことは、政府のすることを待つておつたのでは、餓死者を出すまうなことになるかも知れん、否、なるという言葉が入つておりますが、これらの点について政府は責任を恐らく感じないわけではないと思うのでありますが、この国民の非難に対して、どのようにそれを埋めようとするのか、一つ承わりたいのであります。  それから最後にこれらの失業対策、或いは生涯保護についての特別の措置を補正予算に講じようとしておりますが、それが末端に滲透するためには、或いはこの放置されて餓死寸前に参つております炭鉱の従業員、或いはその家族等に至りますまで、それが正月を迎えようとする今日、なお救われておらん、或いは文部省等においても、欠食児童等について通牒を出しましたが、通牒ではお腹は膨らまないのであります、或いは栄養失調を回復することはできないのでありますが、具体的に末端に急速に到達する具体的な方策についてどのように考え、或いは措置を講じようとするのか、一つ承わりたい。  それから労働大臣は、昨日でありますか、公労協の代表者に会つて、年末手当一・二五カ月分の約束をしたようであります。これに対して公労協から、二五は当然のことであつて、プラスアルフアーを考えておられるだろう、こういうことで恐らくプラスアルフアーは何らかの形において私はまあつけざるを得ない。政府の立場から言いましても、実際にそうなるだろうと思うのです。つくと思うのでありますが、一般公務員なり、特に地方公務員について同様の措置を講ずるというような手配になつておるかどうか。先ほど地方公共団体の年末短期融資四十億の話が大蔵大臣からございましたが、これらのものを以て措置が十分できるのかどうか。  それから例年でございますが、これらの公務員、或いは地方公務員に関連をして日雇労働者についても均衡を失せない考慮が払わるべきでありましようし、或いはこの年末、不十分な従来の給与で以てやつて参りました日雇労働者にどのような措置を講じようとしておられるのか、最後に承わりたいのであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 前段のお尋ねに対しまして私からお答えをいたします。石炭業界を中心といたしまする只今御懸念の点は誠に御尤もでございまして、当委員会におきましてもしばしば申上げておりまするように、政府といたしましてもできるだけの救済の措置を鋭意やつておるつもりでございますが、特に只今も御指摘がございましたが、一面緊急措置を、これは殆んど各省全部に関係いたしますのでありまするが、緊急措置を講じておりますほかに相当長い目で恒久的な石炭の問題については対策が必要であると考えておるのであります。私どもは、併しながらそうかと申しまして国営或いは国管という方式を考えておるわけではございませんが、先ほども申しましたように、ここ数年の先を見越しまして結局のところは究極するところ世界の趨勢をも十分考慮に入れまして石炭の炭価を合理化するということが石油その他の鉱業に対する一つの大きな筋金だと思うのでありまして、それをもとにして適正な出炭規模、或いは適正な集約的な生産方式、或いは竪坑開墾を中心とする合理化方策、そうして又適正な従業の員数というようなことも当然予想されるわけでありますから、それに向いまして逐次立法を要するものは立法措置を講じ、そして着実な策を進めて参ることが最も肝要であると考えておるわけであります。緊急措置につきましてはすでにいろいろの点から申述べましたのでありますが、只今も申しましたように、これは給食のことになりますると文部省の所管でございます。又農林省の協力を得なければなりません。又税制その他の点については、大蔵省も勿論でありまするが、自治庁を通じ各府県の協力を得なければならない。又労働省のお世話になることは申すまでもなく多い。それから鉱害復旧とか河川復旧事業については、建設省の所管の問題である。こういう関係がございますので、この夏以来経済審議庁に、労働問題に対する協議会を置きまして、特にこの炭鉱問題については、各省間の歩調を一にして、緊急措置について遺憾なき措置を講じたいと考えている次第であります。特に先ほども申しましたように、年末に際しましては、やはり各炭鉱業に相当金融的な力をつけることが必要であると考えまするので、直接貯炭融資ということは避けなければならないと思うのでありますが、大口需要者であるところの電力会社等に、繰上げて必要な石炭を購入してもらう。その金融措置については、ケース・バイ・ケースにおいて十分の措置を講ずるということで、只今も十三億円程度の融資について、この線に沿うた具体策が講ぜられつつあるわけでございます。以上のような措置によりまして御懸念のようなことを成るべく少く止めるように、この上とも十分努力して参る所存でございます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 愛知通産大臣からお答えになりましたような線に沿いまして、私どもとしても炭鉱の問題につきましては特に意を用いているわけでございますが、御承知のように、この補正予算の中におきましても、緊急就労対策事業費もその目的のために現在あるのでありまして、よく主務大臣と御連絡申上げ、下部にもよく滲透いたすように努力いたしたいと思います。  なお公労協の問題でございますが、私昨日いろいろお話をいたしたのでございまするが、政府といたしましては一兆円の予算というものはこれは鉄則であつて崩すわけにも行かんし、又それを崩すような補正予算というものを考えることはできない。従つてベース・アップというものは人事院の考え方もあり、又各調停委員会の態度もあつて、これは到底私どもとしては考えるわけに行かない。ただ調停の内容もそうでありまするが、団体交渉によつて不合理を是正するということが語つてあるのであるから、年末手当の問題についてもその線で十分に話合いを平和的にやつてもらいたい、こういうことを申したのであります。政府としましても、できれば去年の一・二五という線まで引上げたいという気持は持つているし、実際に財政上の問題から見ても、なかなかにこの問題についても困難が多いということを申しておるのでございます。その線に沿つて、併しできるだけまあ私どもも考えようし、諸君も理事者との間に精力的に団交して見たらよかろう。それをお勧めする。ただ一般の公共の福祉をあずかる組合として、どうか平和的に問題を処理して、実力行使によつて国民大衆に迷惑をかけるということは極力避けてもらいたい。私どももその間に立つてできるだけの協力をしよう、こういうことを話しておるわけであります。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 生活保護の状態は実は二十五年、二十六年、二十七年、大体二百万程度でありました。昨年から百九十万ほどに減りました。今年から又だんだん減つて参る。今年の一月が百九十二万二千二百人ぐらいでございましたが、五月の実数が百八十七万。そのうちで生活保護が二十七年が百八十万、二十八年が百七十万、今年になりまして、今年の当初が百六十九万、これが七月には百六十四万、少しずつ減つて参つた。併しこれは今後、恐らく緊縮財政におきまする現われは後半、今後現われて来るのである。大体私どもの見込では五分程度は上つて来るのじやないか。この生活扶助におきましては上つて来るのである。一般その他の補助においては二分程度上つて来るのじやないかと考えておる。そこで今回の補正の中心は、従来医療の一日の単価が昨年二十八年度平均が三千六百十八円で、ございまして、本年の四月から七月までの実際が五千百八円に上つておる。その五千百八円に上りましたので、それを上げて二分ほど増員を見込んでおるのであります。お示しの、この炭鉱地帯におきます状態は私ども大変心配いたしまして、この八月に関係の主管課長を集めまして、御承知のように、生活保護はむしろ県なり市がこの救護主体になつてやつておりまするから、その主体がやつて、その費用を国が義務として負担をいたして参る費用でございます。それにいたしましても徹底するようにというので、八月に集めまして、あらかじめ指示をいたしております。なお九月には局長名の通牒を出しまして殊に欠食児童等の問題については、学校給食で、欠食をするような場合には生活保護法による教育扶助で給食の費用は出し得るから、それだけ生活保護法を受けておらないでも出し得るから、それを十分活用するようにというので徹底するようにいたしたつもりでございまするけれども、今後も一層この点は努めたいと存じます。この間もちよつと申上げましたが、こういうのに関連いたしまして、近くケア物資を大体一世帯に十三乃至十四ポンド程度、或いは米なり、バターなり、チーズなり、ラードなり、その他牛肉の罐詰等をできるならば年内に、主として炭鉱地帯の福岡、佐賀、長崎、困窮世帯でございますから生活保護の関係とは別に約一万六、七千世帯に出して配給いたしたいと考えております。(吉田法晴君「答弁が落ちた」と述ぶ)

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) これを以て通告のありました質疑は全部終了いたしました。よつて、補正予算の一般質問は終了いたしたものとみなします。本日はこれにて散会いたします。    午後十時四十一分散会

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