本会議 第6号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1954/12/07
会議録
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。 この際、お諮りいたします。会計検査院の機能発揮に関する決議案(山田節男君外二十七名発議) 本案は発議者から委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて本案を議題といたします。 これより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。山田節男君。 〔山田節男君登壇、拍手〕
○山田節男君 只今上程されました会計検査院の機能発揮に関する決議案の提案理由を御説明いたします。 先ず最初に案文を朗読いたします。 会計検査院の機能発揮に関する決議 政府は会計検査院の機能を十分発揮せしめるため、万全の措置を講じ、もつて常時検査の励行に資し、且つ不当事項の発生防止、国費の節約、予算の効率的使用のため全力を尽すべきである。 右決議する。 次に決議案の趣旨説明をいたします。 我が国の財政の現状におきましては、何をおいても予算を有効適切に使用することが最も重要な問題でございます。然るに現実におきましては、およそこれと逆行し、経理の紊乱、不正乃至不当支出の多いことは、誠に憂慮に堪えません。 即ち、検査院の検査報告による不当事項は、昭和二十五年度において一千百十三件、昭和二十六年度において一千百九十八件、金額にして三十億五千万円、昭和二十七年度におきましては実に一千八百十三件、金額にいたしまして百二億九千万円の多きに上つております。而もこの中で死金を使つたと認められるものが六十六億八千万円、更に明らかに国の損失と認められる金額が三十六億四千万円であります。農林省のごときはそのうちの二十三億三百万円を占めている状態でございます。而もこの結果を生じました検査範囲は、実地検査を要する災害復旧補助事業の現場箇所十万九千余箇所の八・五%に過ぎません。従つて実際の国損額はこの金額をはるかに突破していると信じます。 これら不当事項の摘発、防止には、独立厳正なる会計検査院の一段の活躍を期待されるところ甚大なるものがございます。 近時我が国の行政機構は厖大複雑化を極めております。これを簡素化し能率化して、我が国力相応のものにせねばならんことは勿論でございます。併しながら今日のごとく社会道義が頽廃し、官紀が紊乱し、国民の血税が徒らに濫費されている現状を見まするときは、他の行政官庁とか独立機関と異なりまして、会計検査院の機構を拡大強化し、その能力を充実する必要を痛感せざるを得ないのでございます。而もこのことは国費膨脹、人員の増加を来たさずして十分に達成し得ると信ずるのでございます。現在我が国機構におきましては、憲法上の必要機関たる会計検査院のほかに、各行政官庁におきましては、それぞれ数百名乃至千名以上に及ぶ内部の監査機構を持つております。又行政管理庁におきましては、千五百名の人員と約六億円の経費を以て監査に従事いたしておりまするほか、大蔵省財務局による予算執行監査にも二百八十名の陣容を有しておるのであります。これらはそれぞれ機能に多少の相違はあるにいたしましても、重複、繁雑に堕し、受検団体をして却つて事務の混乱を来たさしめる結果を生じ、行政の能率的な運営に逆行するものであります。これらを適当に整理按排いたしますれば、適切にして合理的な検査が行われ得ると思うのであります。一方憲法上の検査機関たる会計検査院は、人員僅かに千百十八名、経費予算三億九千九百万円の貧弱なる状態であります。行政部門の監査機構を調整し、独立厳正なる検査の期待される会計検査院の機能を拡充するの必要は、万人の疑わないところでございます。而も近年災害復旧費の国庫負担額は膨脹し、更に財政投融資の金額は累積し、その内容も複雑多岐を極め、これに関連して汚職疑獄等の忌わしい事件が頻々として発生しておる折柄、会計検査院に対し、国民の期待するところはけだし大なるものがあります。然るに同院の現在の機構を以ていたしましては、これら不正の摘発及び事前防止の万全を期するには遠く及びません。殊に現在、主として経理の事後検査に集中しておる同院の活動を以ていたしましては、たとえ不当な事態が摘発されましても、国損の回復は極めて困難、時には不可能に終る事態さえ少からざる有様でありまして、我々が決算審議の結果から見て痛恨に堪えないところでございます。よつて会計検査院の機構を拡充強化いたしまして、厳粛なる検査の徹底を図り、又現在進行中の経理につきましても、常時検査の励行に資し、これら不当経理を未然に防止し、以て血税の効用を全うすることは緊切のことに属するのでございます。 政府はここに深く思いをいたし、不当事項の発生防止、国費の節約、予算の有効な使用のため全力を尽すべきであることを痛感いたし、私ども二十八名は全く超党派的態度を以てここに一丸となり、本決議案を提案いたした次第でございます。何とぞ満場一致を以て御賛成あらんことを希望いたし、以上、決議案の趣旨説明を終ります。(拍手)
○議長(河井彌八君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。島村軍次君。 〔島村軍次君登壇、拍手〕
○島村軍次君 私は緑風会を代表いたしまして、只今議題となりました本決議案に賛成するものでございます。 我が国の決算審査制度は、遠く明治時代の立憲制度の確立から引続き行われて参つておるのでありまして、すでに六十余年の歴史と伝統を持つておることは御承知の通りであります。予算制度と共に極めて重要な意義を持つておることも申すまでもないところであります。然るに多年に亘る国家財政を取扱う慣習は、それぞれ予算獲得に対しましては、極めて真剣にして、勢いの赴くところ、いわゆる分取り主義に堕し、常に国力と均衡を失するまでの弊害をかもした実例も少くないのでありまするが、一たび決算の審査に至りましては、国民の膏血をしぼつた予算の執行が、ややもすれば放漫に流れ、非効率にして濫費の弊害に陥り、殊に終戦後の混乱はますます拍車をかけて、綱紀の頽廃、官紀の弛緩と相待つて年年その弊が助長せられて参り、先に提案理由の説明の通り、昭和二十五年度以降累年その件数を増加し、昭和二十七年度の決算におきましては、只今御指摘の通り、会計検査院の審査報告によりますと、総体の八%に過ぎない調査の結果にもかかわらず、実に千八百条件に及んでおるのでありまして、その額は、見方によりますと、百億円を突破するとさえ称せられておることは一体何を意味するでありましようか、誠に遺憾至極と言わねばなりません。而してこれらの多年に亘る会計検査院の指摘にもかかわらず、これが改善の熱意に至りましては極めて不十分でありまして、ややもすれば責任の明確化を欠き、これが責任者の処置は全くおざなりでありまして、決算委員会におきまして常に我々が指摘するところであり、その答弁によりますというと、厳重なる注意云々がその常例になつておるのでありまして、当座のお茶をにごすというような程度に過ぎないことは、我々決算委員会が常に指摘し、反省を求めて参つたところであります。 なお、この際特に私は政府に要望いたしたい点があることは、去る十九国会におきまして、予算審議に当つて、緑風会の提案によつて満場一致で可決いたしましたいわゆる附帯決議に関する問題であります。即ち予算執行に当つては、不当不正事項に関しては、これの絶滅を期すべく強く政府に要望し、これが対策を国会に報告すべきことを要請し、政府に対してその約束を求めたのでありまするが、何らの措置を示さざるのみならず、一体その後の経過がどうなつておるのか。一にこれは政府の怠慢と言わねばなりません。我々は大よそかくのごときことは一般の経済界における経営の実態に鑑みますというと、全く予想だもし得ざるところでありまして、一たびかくのごときことがありましようか、会社の経営そのものに影響するは勿論、その責任者は当然弁償の責任を分担することは常識の示すところであります。新憲法第九十条に、即ち「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」、かように規定されておるのでありますが、然るに多年の如上の弊習とも言うべきことは、会計検査院の検査については、一体これを受けるほうはどういう考えであるか。過去の実績に徴しますというと、単なる聞きおく程度に過ぎないとも拝察できるのであります。我々は当然、今後これらの問題を払拭し、而して国会は憲法の条章に従つて、この会計検査院の審査に対し、これを耳目として、その適否を国民に周知せしむるの義務さえあると私は考える次第であります。我々は単なる報告としてこれを看過することなく、将来の行政施行に関して厳然たる態度で臨まなければならんことも論を待たないところでありましよう。我々はこの弊害を根絶するためには、将来に対していわゆるきめ手を十分に持ち、而して更に今後の措置については十分な検討を加えて、断固としてその改革を行うべきであることをこの際提唱いたしたいのであります。先進諸国の立法例におきましても、かのアメリカは会計検査院の調査は、極めて徹底した措置を講じ、即ち国損のあつた場合には弁償せしむること、或いは法律違反の場合又は不当の契約にはこれを無効として責任者の糺明に対して万全の措置を講じておること、又ベルギーにおける制度は、決算の重要性に鑑みまして、法律案の形式を以て国会の承認を受けておる等の制度を見まするときに、我々はこれを他山の石として、深くこれに傾聴せざるを得ないのであります。而して只今提案者の説明のありました通り、行政の複雑化に伴つて内部機関としてそれぞれ監査制度が行われ、各省においてそれぞれの方策が講ぜられておることは、これは当然ではありましようけれども、その内容たるや多額の経費を使つておるにもかかわらず、いわゆる重複な検査、或いは行政運営の合理化と称し、或いは予算執行検査のための立会い査定等というような理由の下に、重複煩瑣の検査が行われておることであります。少くとも府県或いは市町村等の下部における実態を承わつてみまするというと、一年中これらの担当者は約二百余日を費してその検査の応接にいとまがないというような、誠にその大部分を費しておるというような悲鳴さえあげておるというような実情があるのでありまして、我々は内部における懲戒制度は各省大臣を長とするいわゆる上下の関係におきまして懲戒の規程があるのでありまするが、この懲戒処分規程は現状におきましては誠に隔靴掻痒の感あることは先に申述べました通りでありまして、私は将来懲戒裁判所のごとき独立機関によつてこの措置をすべきではないかと信ずる次第であります。よつて政府は、これらの行政機構の内部監査の問題の全般に亘つて十分な検討を加えて、いわゆる整理統合して、総合的一貫した検査制度が確立すべきであると信ずるものであります。これがためには即ち現行の検査制度こそ、即ち会計検査院の機能を拡充し、事前における実地検査の範囲を拡大し、以て予算の効率的使用と不正不当事項の根絶を期するよう衷心より希望いたす次第であります。もとより会計検査院の内部における検査の実施につきましては、十分改善を期するは勿論、ややもすれば形式に流れ、その実効を上ぐるに不十分であるとの護りさえあるこの際におきまして、検査院みずからも深く自省自戒いたしまして、本来の使命達成に万全の方途を講ぜられんことを希望を附加し、私の賛成討論といたす次第であります。(拍手) —————————————
○議長(河井彌八君) 久保等君。 〔久保等君登壇、拍手〕
○久保等君 私は只今の決議に対しまして、日本社会党を代表し、満腔の賛意を表するものであります。 会計検査院の決算報告書を審査いたして、今日まで私の痛感いたしますることは、先ほども委員長の説明にもございましたように、逐年その不正不当事項が累増して参つているのでありまして、昭和二十六年度の不当事項千百九十八件に対しまして、昭和二十七年度におきましては千八百十三件という誠に驚くべき数字の累増を示しているのでありまして、金額の面におきましても、二十六年度におきましては三十億五千八百余万円、二十七年度におきましては百二億九千余万円という、この金額の面におきまして見てみまするならば、実に三倍余に上る極めて甚だしい増加を示しているのであります。而もこの会計検査院が指摘いたしました不正事項も、増大の件数に対しまして僅かに二〇%程度の検査しか行われておらない。或いは又補助金工事等におきましては、僅かに八%程度にしか過ぎない現状でございまして、この二〇%程度の会計検査院の検査が具体的にどういう程度の検査になつているかと申しますると、会計検査院で二十八年度中に検査いたしました国及び政府機関等の書類は、計算書におきまして十三万五千冊、或いはこれの裏付資料というべき証拠書類におきましては、四千七十九万六千余万枚というような極めて厖大な検査に及んでいるのでありまするが、併しなお且つこれが総体の検査を要すべき事項に対しまして二〇%程度にしか過ぎない現状でありまして、先般いろいろと国会におきましても問題になりましたところの、農林関係の例えば黄変米の問題にいたしましても、実に今日約十一万トン余の黄変或いは病変米が倉庫にストツクされている実情にあるのでありますが、これらに対する徹底的な実態調査ということが会計検査院の手によつてなされておらない。即ちこの外米輸入の問題に当りましては、現地における買付の実情或いは又これの運送等の状況につきましても、十分なる検査が行われなければならないのでありますが、今日まで殆んどこういつた方面に対する検査等も行われないために、今日莫大なる約十一万トン余のこの黄変或いは病変米を国損に計算をいたしまするならば、数十億に上る、五、六十億にも上る極めて莫大なる国損を招来することが考えられるのでありまするが、この問題につきましても、決算委員会におきまして、臨地会計検査員の現地におけるところの検査或いは又買付状況等についても調査をいたすことを大いに指摘し、実施方を督励いたしたのでありますが、最近漸くにいたしまして現地に二人ばかりの会計検査員が、東南アジアに出張いたして参つたという事例もあるのでありまして、この予算は約二百万円程度の金額でありますが、これもやはり予算の不足等から十分なる調査が行い得ないという実情も述べられておつたのでありますが、こういつた国民の直接食糧問題という保健衛生上由由しい問題につきましてすら、只今申上げたような実情にあるのでありまして、今日会計検査院の機能を十分に発揮せしめまするためには、その定員の面におきましても、或いは又予算の面におきましても、格段の努力を払う必要があるかと思うのであります。先ほども委員長の説明に指摘せられておりましたように、定員におきましては一千百十八名、年間におけるところのこれに要する予算が三億四千九百余万円という程度に過ぎないのでありまして、この三億四千九百万円の内容を考えてみまするならば、七〇%余りが職員の給与であり、一一%余りが旅費である、五%余が庁費であるという実情にあるのでありまして、このこういつたような予算の実情から考えてみましても、或いは又、人員の面から考えてみましても、到底今日一兆円という極めて莫大な予算の執行が、如何に執行せられておるかというような面につきまして、国民の真に期待し、要望するような検査の執行を行うことは、到底困難だと考えられるのであります。 而も最近特に造船疑獄、或いはその他の汚職疑獄の問題が頻発をいたしておりまする現状におきましては、私は会計検査院の機能をこの際、一段と強化する必要を更に痛感いたすものであります。従いまして先ほど来、前議員の方も言われおりましたようないろいろな事情から考えまして、私はこの際、会計検査院の機能発揮にりきまして、この問題を一日も早く実現することが国民の強い要望でもあると考え、賛成の意見といたす者であります。(拍手) —————————————
○議長(河井彌八君) 八木幸吉君。 〔八木幸吉君登壇、拍手〕
○八木幸吉君 只今上程せられました決議案に対しまして、提案に関係しました一人として、皆様方のお指図に従いまして賛成討論をなさんとするものであります。 近年における国及び政府関係機関の決算検査報告におきまして、会計検査院より不当事項として指摘されます件数は、逐年増加の一途を辿つておる状態でございます。これが原因といたしましては、終戦後の社会不安が、社会の険悪なる状態がその一原因をなしておる、かように考えるのでありますが、又、多年政権の座にありました吉田内閣が、指揮権発動のごとき暴挙をなしましたこの傍若無人の上層部の態度が、(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)政府部内の官紀の弛緩を来たしたというのも有力なる原因であると私は誠に歎かわしい次第と存ぜざるを得ないのであります。 只今提案者から述べられました通りに、昭和二十七年度におきまして会計検査院から不当事項として指摘せられました金額は百二億九千万円に上つておるのであります。そのうちで明らかに国損と会計検査院が認めておりまする金額は三十六億四千一百万円であります。而もその首位を占めておりますのは、黄変米の問題、麻袋購入事件等の各種の問題を起しました農林当局の二十三億三百万円が首位を占めておるのでありまして、第二には、洞爺丸事件、鉄道会館等で物議をかもしました日本国有鉄道が三億六千三百万円であります。(「誰だ責任者は」と呼ぶ者あり)而もかくのごとき結果を生じました検査の範囲は、会計検査院が全体として検査を必要といたしました一万二千三百余カ所の中で、実地検査をしましたのは僅かに二千五百カ所、割合にいたしまして上割であります。災害復旧事業関係におきましては、実地検査は全国十万九千の個所の中で九千三百五十九カ所、割合にして八・五%の検査しかしないで、而もかくのごとき莫大なる国損を生じておるのが現状であります。従つて実際の国損額は遥かにこれより多く、今申しました数字は氷山の一角とも申すべきものであると思います。 私は、我が国の現在の行政機構が複雑厖大を極め、この機構を簡素化し、事務の整理、配分を合理化し、執務能率を向上し、以て国情、国力に相応する行政改革の必要を年来主張いたしておるものであります。併しながら今日のごとく社会の道義が頽廃をいたし、官紀が弛緩し、国民の血と汗の税金が濫費されておりまする現状を見まするときに、他の行政官庁並びに国会、裁判所のごとき独立機関とは別に、会計検査院の機構を拡大し、その能力の充実するの必要を痛感せざるを得ないのであります。而もこのことは国費の膨脹、人員の増加を招来しなくても、十分になし得ると思うのであります。現在におきましても、各行政官庁はそれぞれ内部に監査機構を有しておりまして、これらを整理按排いたしまするならば、十分にその目的は達すると思うのであります。例えば郵政省の本省並びに地方監察局には千二十七名、林野庁の本省並びに地方営林局の監査課には三百六十五名、その他国税庁、調達庁、労働省、建設省、おのおの皆内部監査機構を有しておるのでありまして、特に行政管理庁においては、本省監査部に約百八十名、そのほかに八つの管区監察局と、四十一の地方監察局がありまして、千三百七十九名の人員を擁し、地方機関だけで五億四千五百万円の経費を使つておる状態であります。もとより有効なる監察の実績を挙げてはおりますけれども、現在のこの厖大な組織が、果してそのまま政府の内部機構として存置する必要があるかどうか、私はこの点に多大の疑問を有しておるものであります。(拍手) 然るに一方、憲法上に規定されておりますところの検査機関たる会計検査院は、人員、経費共に僅かで、行政管理庁の監察部にさえ及ばざる貧弱なる状態であります。而もこの貧弱なる会計検査院が現在の機構を以ていたしましても相当の成績を挙げておるのであります。三日の衆議院予算委員会におきまして、会計検査院当局が災害復旧事業費の事前検査を行なつた結果を報告いたしておりますが、これによりますと農林省関係において八十七億円、建設省において二十億円、その他を合わせまして百十億円の不当支出が昭和二十八年度以降減額せられるということの報告をいたしておるのであります。災害復旧国庫補助金が逐年累加し、財政投融資が巨額に上り、汚職、疑獄事件の頻発によつて国民の憤激をかつております昨今、一日も速かに会計検査院の機能が拡充せられ、かくすることによつて事前における実地検査の範囲が拡大せられ、不当事件の発生防止、国費の節約、予算の効率的使用の実績を挙げるよう、私は衷心より希望いたしまして、本決議案に満腔の賛意を表するものであります。(拍手)
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終結したものと認めます。 これより本案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。(拍手) —————・—————
○議長(河井彌八君) 日程第一、租税特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。 先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長西郷吉之助君。 〔西郷吉之助君登壇、拍手〕
○西郷吉之助君 只今議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。 本案は衆議院議員内藤友明君外二十四名の提出によるものでありまして、法案の大要を申上げますと、御承知の通り医師又は歯科医師の社会診療報酬よりなる所得に対する所得税については、従前のごとく行政措置で実行することは、法律上いろいろの問題もあり、且つ医療報酬の決定が必ずしも適正を得ていないこと等の原因から、ここ数年来課税上とかく紛争を惹起しがちであつたため、将来社会保険診療報酬の適正化が行われるまでの過渡的な暫定措置といたしまして、差当り経費率を法定化することが望ましいと思われますので、今回所得の一定率、即ち百分の七十二を以て必要経費といたし、昭和二十九年分所得から適用しようとするものであります。而して又課税の均衡を図るため、医療法人に対する法人税につきましても同様の措置を講じようとするものであります。本案の審議の詳細につきましては速記録によつて御承知願いたいと存じます。 かくて質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、杉山委員より反対意見、更に安井委員よりの賛成の意見が、それぞれ述べられまして、採決の結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定した次第でございます。 以上、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) 日程第二、秋田県米内沢町に簡易裁判所等設置促進の請願を議題といたします。 先ず委員長の報告を求めます。法務委員長高橋進太郎君。 〔高橋進太郎君登壇、拍手〕
○高橋進太郎君 只今議題になりました請願第百六十三号につきまして、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 秋田県米内沢町を中心とする阿仁部地方は九カ村に亘つておりますが、当地方には簡易裁判所並びに区検察庁が設置せられておりませんので、現行の管轄簡易裁判所は同町より三十三キロ奥地、大阿仁村役場からは六十五キロにある大館市にあります。同地方住民は訴訟、調停関係、各種事件等のため同地裁判所まで出頭することは極めて不便の上、一日でできる用件も前後三日を要し、又警察当局のこうむる不便も甚大でありますから、阿仁部の中心地である米内沢町に簡易裁判所並びに区検察庁を設置促進せられたいというのが本請願の趣旨であります。 本件につきましては、本委員会におきましては政府関係者の意見を聞き、慎重審議の結果、その願意はおおむね妥当として、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものとの決定をいたしました。 以上、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたしましす。本請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本請願は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第三より第三十二までの請願及び日程第六十入の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員会の報告を求めます。農林委員長森八三一君。 〔森八三一君登壇、拍手〕
○森八三一君 農林委員会に付託されました請願三十一件、陳情一件につきまして審査を完了いたしましたので、そ経過並びに結果の大要を報告いたします。 右の請願及び陳情の趣旨は、極めて多種多様でありますが、これを大別いたしますると、台風第十二号及び第十五号による災害復旧促進、冷害凶作対策、凍霜害対策、耕地災害復旧事業費国庫補助増額等、災害復旧に関するもの七件、昭和二十八年産米の追加払い、黄変米の配給停止等、食掛関係のもの十件、林野災害復旧資金融資等、林野関係のもの五件、秋田県八郎潟干拓及び長崎大干拓の事業促進等、農地関係のもの四件、その他、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の施行期限延長等に関するもの三件、菜種共済事業の再保険等、農業共済制度に関するもの二件、桑園の病虫害防除対策等、蚕糸関係のもの一件、計三十二件であります。 委員会におきましては、これらの諸件につき、政府当局の意見をも徴し、慎重審議いたしました結果、只今議題となりました請願三十一件、陳情一件は、全会一致を以て、議院の会議に付し、採択の上、内閣に送付し、政府を促して速かにこれが実現を期すべきものと決定いたしました。右、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第三十三より第四十一までの請願及び日程第六十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長小林孝平君。 〔小林孝平君登壇、拍手〕
○小林孝平君 只今議題となりました請願十三件、陳情一件に関して、水産委員会における審議の経過を御報告申上げます。 請願第三十三号、第八十六号、第百七十号、第二百二十九号、第二百四十五号は、いずれも漁港修築予算増額に関するもの、第百十九号は漁港の国庫補助に関するもの、第百四十号、第二百十九号は漁港の指定に関するものであります。次に、請願第百三号は合成繊維漁網綱購入資金融通に関する請願でありまして、沿岸漁業者に合成繊維漁網綱の購入資金を融資して漁獲の増進を図るため、農林漁業金融公庫の事業中に資金計上の措置を講ぜられたいというのであります。請願第百二十号は漁船建造資金増額に関する請願でありまして、現下漁業の実態は船型の大型化と装備の近代化を必要とし、建造資金の増大を来たしておるから、建造資金の枠を大幅に増額せられたいというのであります。請願第百三十四号は、塩干水産物等の輸出振興に関する請願でありまして、輸出水産物指定の中に、沿岸零細漁民に深い関連のある、「あわび」、「するめ」、「いわし」、「さんま」等の塩干物等を加えられたいというのであります。請願第百四十一号は、水産業改良普及員設定等に関する請願でありまして、水産業振興のために、農林業部門と同様、都道府県における水産業改良普及員制度の設定と国庫助成の方途を講ぜられたいというのであります。請願第百四十二号は、播磨なだの弾薬類引揚げに関する請願でありまして、海面に投棄せられた弾薬から漏出する黄燐による被害を受けることが大きいから、速かに引揚げを実施せられたいというのであります。 陳情第五号は、漁船保険義務加入船トン数引上げに関する陳情でありまして、漁船保険義務加入船のトン数を百トンまで引上げのため速かに予算措置を講ぜられたいというのであります。 以上各件は、関係政府当局の意見をも聴取して審査いたしました結果、いずれも願意妥当としてこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。 以上、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) 日程第四十二より第四十五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長石原幹市郎君。 〔石原幹市郎君登壇、拍手〕
○石原幹市郎君 只今議題となりました請願五件について、通商産業委員会における審議の結果を御報告申上げます。 請願第十一号は、中小企業の危機打開に関するもの、第十二号及び第百二十七号は、中小炭鉱の危機打開に関するものであり、第百五十八号は、石炭産業の不況に伴う関連中小企業の金融難打開に関するものであります。又、第百三十五号は、電気料金制度変更に関するものであります。 以上の請願について慎重審議の結果、その願意はおおむね妥当と認め、採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付するを要するものと決定いたしました。 右、御報告を申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 ─────・─────
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第四十六より第六十までの請願及び日程第七十の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長高大正夫君。 〔高木正夫君登壇、拍手〕
○高木正夫君 只今上程になりました日程第四十六から第六十までの請願及び第七十の陳情につきまして、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。 日程第四十九、第五十、第五十四及び第五十九は、鉄道電化に関するものでありまするが、いずれも経営の合理化、輸送力の増強、石炭の節約等の見地から、又、日程第四十六、四十七、五十二、及び六十の鉄道新線建設、第五十六の東北、奥羽両線の整備強化、第五十七の郡山・岩代熱海両駅間にガソリンカー運行、並びに第五十一の日の影線の災害復旧促進に関しましては、いずれも地方の産業開発、民生の安定、文化の向上等の見地から願意を妥当と認めました。 日程第五十三の海難防止対策に関する件は、第十五号台風により青函連絡において多数の尊い人命と巨額の富を失うに至つたことは遺憾なことであり、ついてはこれが救恤に万全の方途を講ずると共に、将来輸送の完璧を期して欲しいというのであります。 委員会におきましては、願意は誠に尤もなことであり、先般運輸委員会が政府に対し行なつた決議の趣旨とも合致するものであるとして、願意を妥当と認めました。 日程第五十八の小規模小、中学校児童生徒の鉄道運賃割引に関する件は、全国の小、中学校のうち、修学旅行や遠足等の場合、団体引定員三十名の枠に該当しない小規模のものがあるので、その恩恵を受けられるようにして欲しいというのであります。 日程第四十八の山形県新庄市に測候所設置の件及び日程第五十五の気象観測機関の拡充強化に関する件は、交通災害、農業災害等の対策として、気象業務の整備強化並びに測候所の設置を図られたいというのであります。 最後に、日程第七十の福岡県洞海湾を強制水先区から除外の件は、同湾における強制水先制は、進駐軍の船舶を優先的に扱うため設けられたものであるが、すでにこの理由は殆んど消滅し、且つ強制水先区に指定されているため、却つて港の活用を阻害している実情であるので、強制水先区から除外して欲しいというのであります。 委員会におきましては審査の結果、いずれも願意を妥当と認めました。よつて委員会におきましては、全会一致を以ちまして、以上請願十六件、陳情一件は、いずれも議院の会議に付するを要し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。 以上、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) 日程第六十一より第六十七までの請願を一括して議題とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長堀木鎌三君。 〔堀木鎌三君登壇、拍手〕
○堀木鎌三君 只今議題となりました請願七件について建設委員会の審議の結果を報告いたします。 これらの請願中、河川に関するものは利根、小貝両河川の改修、宮崎県下の発電ダムその他河水利用施設による災害の防除と、広島県中津岡川の砂防工事の施行を要請するものであります。道路については北海道厚岸町における有料道路の建設と、道路の整備改善のための諸施策に関するものであります。 次に都市整備事業としては、福島県各都市の水利施設と兵庫県尼ケ崎市の地盤沈下対策に関するものでありまして、以上、いずれも治水、道路、都市の整備のため願意おおむね妥当なものとして院議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。 右、御報告いたします。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(河井彌八君) 日程第七十一、離島振興法に基く諸計画推進の陳情を議題といたします。 先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長小林政夫君。 〔小林政夫君登壇、拍手〕
○小林政夫君 只今議題となりました陳情第七号離島振興法に基く諸計画推進の陳情につきまして、経済安定委員会における審査の経過並びに結果を御報告します。 陳情書は二通ございまして、鹿児良県町村議会議長会会長ほか一名よりの陳情でございます。願意の趣旨は、離島振興法の施行に対し、該当町村は大なる期待を以てこれを迎えたにもかかわらず、同法に基く諸計画の殆どののは予算の関係で実施の段階に至らず、離島振興法による恩恵が僅少であるので、これら離島の恵まれない実情を直視し、今後は一段と計画の推進力を要望するという内容でございまして、二通とも同様の趣旨のものでございます。委員会におきましては、政府当局より離島振興法の実施状況について説明を聞く等、慎重に審査をいたしました結果、本件は議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。 以上、御報告申上げます。(拍手)
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本陳情は、全会一致を以て採択し内閣に送付することに決定いたしました。 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。 午後一時十八分休憩 —————・————— 午後三時九分開議
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。 休憩中、吉田内閣総理大臣から、次の通牒に接しました。 昭和二十九年十二月七日 内閣総理大臣吉田 茂 参議院議長河井彌八殿 内閣は、本日、総辞職をすることに決定いたしましたから、国会法第六十四条によつて、この旨、通知いたします。(拍手) 次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会