法務委員会 第1号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/12/02
会議録
○委員長(高橋進太郎君) それではただいまより委員会を開きます。 本日はまずは審査報告書及び調査報告書についてお諮りいたします。当委員会におきましては、第十九回国会閉会中接収不動産に関する借地借家臨時処理法案及び検察及び裁判の運営等に関する調査につきまして、それぞれ継続審査、調査を行なつて参つたのでありますが、いずれも審査、調査を結了するに至らなかつたのであります。よつて本院規則第五十五条によりまして、おのおの未了の旨の報告書を議長に提出することにいたしまして、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。 なお、報告書の内容は例によりまして、便宜委員長に御一任願うことにいたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないと認めまして、さよう取計らいます。 報告書には多数意見者の署名を付することとなつておりますので、賛成の諸君の御署名を願います。 多数意見者署名 宮城タマヨ 吉田 法晴 梶原 茂嘉 中山 福藏 一松 定吉 小林 亦治 北村 一男 ―――――――――――――
○委員長(高橋進太郎君) 次に、小委員会の設置についてお諮りいたします。 今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査の一環であります裁判所制度に関する件につきまして、小委員会を設けたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。 また、小委員及び小委員長につきましては、便宜前国会通りにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないと認めます。念のために申し上げますと、小委員長一松定吉君、委員梶原茂嘉君、中山福藏君、亀田得治君、棚橋小虎君、羽仁五郎君、及び私でございます。 なお、前国会小委員でありました青木一男君は委員を辞任されましたので、一名欠員となつておりますが、後日決定次第委員長より指名いたすことにいたして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) それではさよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(高橋進太郎君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたしますが、理事の小野義夫君が委員を辞任されましたので、理事に欠員を生じておりますので、この際補欠選挙を行います。互選は成規の手続を省略し、便宜その指名を委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないと認めます。理事に北村一男君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(高橋進太郎君) それでは委員会の運営に関する件として、先ず接収不動産に関する借地借家臨時処理法案の取扱いに関する件を議題にいたします。西村専門員より現在までの経過について説明をお願いいたします。
○専門員(西村高兄君) 先の第十九回国会におきまして審議されました接収不動産に関する借地借家臨時処理法案の審議経過を御報告申上げます。 終戦直後進駐いたしました旧連合国占領軍の不動産接収の法的措置といたしまして、政府は土地工作物使用令を制定いたしました。これは昭和二十年ポツダム勅令六百三十六号というのでございますが、この勅令だけでございますと、民法におきまする賃貸借の規定や、借地法、借家法などでは、接収解除後の不動産に関する権利者間の紛争は十分に処理できないのでございます。 平和条約発効後、なお駐留いたします外国軍隊の使用する不動産につきましては、行政協定に基く土地等の使用に関する特別措置法が制定されましたために、準拠法ははつきりいたしておりますわけでございますが、平和条約発効前のものにつきましては、接収当時の借地人、借家人の権利を保護するためには何らかの処置法の制定がなければならないこととなつて参りますので、この目的を達しまする立法の形式といたしましてはいろいろの構想があるわけでございますが、この法案は罹災都市借地借家臨時処理法を踏襲することにいたしまして、この法文中の主な規定を接収不動産に準用することになつております。 すなわちまず第一に、接収当時借地をしておりました者が接収解除後敷地の優先借受ができます。次に、接収当時の土地、建物の所有者は接収解除後自己が使用する場合か、すでに権原によりまして自己又は第三者が使用している場合に限り、賃借人の優先借受の申出を拒否することができます。そうしてお互いに利害の相反しまする賃借人と所有者との間の権利関係を賃借人保護優先を建前としつつ、その調整を図る規定が設けられておるわけであります。なおまた、戦争中の強制疎開地で後に接収せられました不動産につきましても、この法律の適用をすることといたしまして、その土地の賃借人に保護の手が伸ばされておるのであります。 で、この法案は衆議院法務委員会で立案されまして、第十三国会から第十九国会まで継続審査され、第十九国会では初めの案が修正されまして接収当時借地でなく、借家だけをしていた者で、その家屋がすでに滅失しております場合には、接収解除後元の土地で建物の賃借権を主張し得る規定が削除されることになつて、これに伴う条文が整理されました。この修正案が衆議院を通過いたしまして、参議院に五月十日付で送付されましたので、法務委員会では五月十三日にまず提案者からその提案理由を聴取いたしまして、自来回を重ねて衆議院法務委員会、衆議院法制局、法務省、調達庁等の当局から説明を聞きまして、また五月三十一日には日本弁護士連合会、全国接収借地復権期成同盟会、東京接収不動産所有者連盟の代表者、それから弁護士会側の反対に対しまして法案支持の意見を持つておられる弁護士、この四人の方々からそれぞれ参考意見をお聞きいたしました。 法案審議の内容といたしましては青木、楠見、羽仁、上原、一松、棚橋の各委員から、この立法によりまして元の借地人、借家人を保護することによつて現在の所有者に不測の損害を与えること、この立法をしないなれば、終戦後の急激な土地の値上りが土地所有者に多くの利益を与えるばかりでなく、接収によりましてその土地の上の借地権、借家権、その他の権利がその借地、借家権利者に何ら補償を与えられることなくして消滅して、更地の状態での所有権が確立することになることについての問題、それからこの法案による所有権の制限は公共の福祉というよりも、当事者間の利害調整の色彩が強いようだが、憲法上の疑義を生ずるおそれがないかの問題、この法案の成立によつて当事者の一方に著しく損害を与える場合に法律不遡及の原則との関係、この法律の効力の発生が「接収解除」という不確定なものを条件としているため、権利関係の不安定の状態が将来も長く続くことになるが、その法理的な問題、借地人の保護に厚く借家人がほとんど保護せられないことに対する衡平の問題、借地権復元の条件として法文に掲げられている所有者などに支払われる「相当な借地条件」、「相当な対価」、その「相当」の意味について、これにいわゆる権利金が含まれるかどうか、これによりまして事実上借地人が優先借受けが不可能となつて、この立法の趣旨が没却されるおそれが生ずる。あるいはまた、所有者に不当なる損害を与えることになるその衡平の問題、それからこれほど全国的な問題である戦争の犠牲を当事者側のみで調整するということよりも、政府としてこれに誠意を示すべきではないだろうかとする構想、ただいま申し上げましたようなことが、きわめて活発に述べられまして質疑応答が行われたのでございます。しかしながら調達庁の説明によりましても、全国に及ぶ接収地の実情は必ずしも十分に把握されていないところもあり、また前述の質疑中にも見られます通り、根本的に法律的な検討を要するものも多く残されておりましたが、会期が迫つて参りまして、ついに審議を終ることができず、六月二日これを継続審査に付することになつた次第であります。 右様の次第で、第十九国会閉会後は、委員長の御命令によりまして法務専門員室におきましてさらに法務省、調達庁、その他関係者から資料を収集し、あるいは職員が大阪、名古屋、神戸、横浜等に出向きまして現地で関係当局、関係人から意見を聞きまして実情を調査いたしております。この調査はまだ完了いたしてはおりませんが、調達庁の資料が少し足らないためでございますが、今までのところは一応まとめておりますから、御命令次第これを御報告申し上げることにいたします。 以上が接収不動産に関する借地借家臨時処理法案審議に関しまするただいままでの経過でございます。
○委員長(高橋進太郎君) 以上でございますが、これに対する取扱いについて何か御意見がありますれば……。
○宮城タマヨ君 あの、事務当局のほうで調査なさいました資料さつそく御配布願いたいと思います。
○委員長(高橋進太郎君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高橋進太郎君) 速記をつけて。 それでは接収不動産に関する借地借家臨時処理法案の取扱いに関しましては、本国会において審議が終らない場合は、来国会に持越すとこういうことにして、なお相当慎重にこの法案につきまして審議検討する、こういうことにいたしたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(高橋進太郎君) それからなお、今次国会中の委員会の運営に関しますことを議題にいたしますが、中山先生何か……。
○中山福藏君 私はもう短期間の臨時議会では、ほとんど目ぼしい結論はどの法案についても得られないと思うのですが、従つて私の希望は、まあとにかく前議会以来法律を乱用したというか、悪用したというか、いろいろな事件に対する疑惑を政府の行動によつて巻き起されたというような案件もあるし、その後社会の非常な混迷を招いた原因などについて、法務当局の意見を聞くというような検察関係の問題を一つ俎上に載せて検討してみたらどうかという考えを持つておるのですがね。
○委員長(高橋進太郎君) ちよつと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(高橋進太郎君) 速記つけて。 それでは本国会開会中の委員会の運営につきましては、各般の諸情勢とにらみ合せて開くことに委員長に御一任願いたいと存じます。 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後二時十七分散会